JP4163888B2 - 遮断弁付き圧力調整弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、圧力調整弁の二次側の圧力が異常に高くなった場合に作動する遮断弁付き圧力調整弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧力調整弁の二次側圧力が規定値より高くなった場合に作動する遮断弁(OPSO=Over Pressure Shut Off)として、これまで使用されてきたものは、図7に示すように圧力調整弁50と遮断弁40とが直列に配置され、遮断弁40のダイヤフラム室41に圧力調整弁50の二次圧を導入し、二次圧が異常に高くなったときにダイヤフラム42が変位して連動子43が後退してスピンドル45の切り込み46が外れ、スプリング47の付勢により弁体44が弁座48に当接して一次圧ガス流路を遮断するものである。なお、スピンドル45の上端にはリセット用の摘まみ49があり、この摘まみを引き上げることによりリセットされる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の遮断弁は、スプリングからの外力やスピンドルと本体間のOリングの存在により摺動抵抗が高くなり応答性が悪く、作動も不確実になり大きいダイヤフラムを必要としていた。
【0004】
本発明は上記従来技術の問題に鑑み、応答性が良く、構造が小型・簡単で確実に作動する遮断弁付き圧力調整弁を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、圧力調整弁の二次圧を遮断機構のダイヤフラム室に導入し、上記二次圧が正常なときは遮断弁の作動を阻止し、異常なときは遮断弁を作動させるようにしてなる遮断弁付き圧力調整弁において、一次圧ガス流路から上記ダイヤフラム室に向けてパイロット弁を介在させた流路を開き、上記パイロット弁は二次圧の異常圧力によるダイヤフラムの初動により開くようにしてなる構成を採用したものである。
【0006】
上記パイロット弁は、ダイヤフラムと共動する連動子の下端面に設けた弁体と、ダイヤフラムケース下部中心の貫通孔に差し込まれた中空スピンドルの上部枠体内に形成された弁座とからなり、上記連動子と枠体とは遊びを以て連結されており、上記連動子と枠体とは、枠体に開けられた長孔と連動子に植設されたピンにより、または、上端を縮径した筒体である枠体と連動子の下端に形成した鍔とにより遊びを以て連結される構成とし、上記遮断弁は、一次ガス流路中に、バネ座とこのバネ座に装填されたスプリングと、このスプリングにより弁座に向けて付勢される遮断弁体と、本体内に形成した弁座とからなる構成としたものである。
【0007】
上記の如く構成するこの発明によれば、二次圧が異常に高くなることによるダイヤフラムの初動時はOリングが存在するスピンドル部分の摺動抵抗は掛からずパイロット弁が開き、その後は、パイロット弁を通じて一次圧力がダイヤフラム室に導入されてストッパーが引き上げられて確実に遮断弁が作動するようになる。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。図1(a)は圧力調整弁Xの部分を示し、図1(b)は遮断機構Yを示す。
【0009】
圧力調整弁Xは、二次圧をダイヤフラム室31に導入し、二次圧の変動によりダイヤフラム32が変位し、その変位は連動子33とレバー34とを介して弁体35を動かし、ノズル36との間隔を調節して二次圧を調整するようになっている。なお、圧力調整弁Xの部分は従来のものと基本的に同様である。
【0010】
図1(b)および図6(a)、(b)に示す遮断機構Yは、後記遮断弁16を制御するものであって、その遮断弁16に付設されており、ダイヤフラムケース01にカバー02が被り、ダイヤフラムケース01とカバー02が重ね合わされている部分でダイヤフラム03の外周縁が挟持され、中心部分は連動子04と受圧板05とで挟持されている。
【0011】
上記連動子04には軸に直行するピン12が植設され、下端にゴム製の弁体13が嵌め込まれている。
【0012】
ダイヤフラムケース01の中心下方向に中間で縮径06した貫通孔07が開けられている。
【0013】
この貫通孔07には、Oリング11a を介してストッパーSのスピンドル15が軸方向摺動可能に差し込まれ、スピンドル15は中空になっていて上端は弁座14(ノズル)になっている。
【0014】
上記枠体10には連動子04が嵌まり、枠体10の長孔09にピン12がダイヤフラム03の変位方向の遊びを以て嵌まり、連動子04の下端の弁体13とストッパーの弁座14(ノズル)とでパイロット弁08を構成している。
【0015】
なお、連動子04とストッパーSの枠体10との連結は図6(c)のように、ストッパーSの枠体に相当する部分を上部を縮径10b した筒体10a とし、この筒体10a に嵌まる連動子04の外周に鍔12a を形成することにより遊びを以て連結することもできる。
【0016】
貫通孔07を貫通したスピンドル15の下端は遮断弁16のロッド17端面に突き出て遮断弁16の移動を阻止している。
【0017】
遮断弁16は、本体18内部に設けられ、図面上左端にストレーナ19が嵌められ、次いで内面環状のバネ座20が形成され、このバネ座20に遮断弁体21を付勢するスプリング22が装填され、遮断弁体21は中心軸の両端に鍔23を形成しOリング24を嵌めてなり、上記スプリング22に付勢され、弁座Qに向けて摺動可能に装填されている。
【0018】
リセット機構25は、本体18の下部に延びる筒体26内にリセット棒27が回動可能に貫通し途中Oリング11b でシールされ、リセット棒27の下端にキャップ29が被せられ、キャップ29と筒体26との間にトーションスプリングTが嵌められ、リセット棒27の上端の蹴り片28は上記遮断弁体21の右側鍔23に当接している。
【0019】
図2は第二実施形態で、圧力調整弁Xと遮断機構Yとの位置関係が90度位相しているだけで、他は図1の実施形態と基本的に同様である。図に現れないリセット機構は、90度位相して図1(b)と同様のものが設けられている。
【0020】
図3は第三実施形態で、圧力調整弁Xと遮断機構Yとが直列に配置されているだけで、他は図1の実施形態と基本的に同様である。図に現れないリセット機構は、図1(b)と同様のものが設けることができる。
【0021】
図4は第四の実施形態で、この実施形態は、一次圧が高圧の場合に採用されるもので、スピンドル15の下端にバネ座37を形成し、このバネ座37にスプリング38を装填し、ケース40の基部に袋ナット39を螺合してスピンドル15を下方に付勢する構造となっている。
【0022】
この機構を付加することにより、高圧の一次圧によりスピンドル15の下端にあるOリング11a が押し上げられるのを上記スプリング38により阻止して遮断弁16の誤動作を防止することができる。すなわち、スプリング38でスピンドル15を遮断弁16を非作動とする方向に付勢することによって、二次圧正常状態におけるスピンドル15の変位による遮断弁16の誤作動を防止する。
【0023】
次に、この発明に係る遮断弁付き圧力調整弁の作用について図5を参照しながら説明する。
【0024】
図5(a)は二次圧の正常状態を示し、この状態ではダイヤフラム室R内は二次圧が入り閉止している。二次圧が規定値より高くなると図5(b)のようにダイヤフラム03は上方向に変位するが、このとき枠体10と連動子04とは長孔09とピン12で遊びを以て繋がっているので、連動子04はスピンドル15の摺動抵抗に関係なく上に移動してパイロット弁08が開き一次圧のガスがパイロット弁08を経てダイヤフラム室Rに流入しはじめる。
【0025】
さらに、一次圧のガスがダイヤフラム室Rに流入すると図5(c)のようにダイヤフラム03が大きく変位しスピンドル15が上昇しはじめ、次いで図5(d)のようにスピンドル15は上昇しストッパーSが遮断弁16のロッド17から外れ、遮断弁16が右に移動してLPGの流れが遮断される。
【0026】
一定時間が経過すると図5(e)のようにダイヤフラム室R内のガスは微小孔hから徐々に流出してダイヤフラム室R内の圧力は0かリリーフの吹き止まり圧力となる。
【0027】
リセットするときは、図1(b)に示すリセット機構25のキャップ29を廻すと蹴り片28が回転して左側の鍔23に当たって遮断弁16は元の位置に戻りスピンドル15も元の位置に戻る。
【0028】
【発明の効果】
以上説明した通りこの発明によれば、二次圧の変化に素早く応答し、確実に遮断弁が作動する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態の(a)縦断面図、(b)水平断面図
【図2】第二実施形態の縦断面図
【図3】第三実施形態の縦断面図
【図4】第四実施形態の縦断面図
【図5】この発明の作用説明図
【図6】(a)ダイヤフラム室と遮断弁の部分図
(b)連動子とストッパーとの連結部詳細図
(c)他の連動子とストッパーとの連結部詳細図
【図7】従来のOPSO付き圧力調整弁の縦断面図
【符号の説明】
01 ダイヤフラムケース
02 カバー
03 ダイヤフラム
04 連動子
05 受圧板
06 縮径
07 貫通孔
08 パイロット弁
09 長孔
10 枠体
11,11a ,11b ,24 Oリング
12 ピン
13 弁体
14 弁座(ノズル)
15 スピンドル
16 遮断弁
17 ロッド
18 本体
19 ストレーナ
20 バネ座
21 遮断弁体
22 スプリング
23 鍔
25 リセット機構
26 筒体(リセット機構の)
27 リセット棒
28 蹴り片
29 キャップ
31 ダイヤフラム室
32 ダイヤフラム
33 連動子
34 レバー
35 弁体
36 ノズル
37 バネ座
38 スプリング
39 袋ナット
40 ケース
Q 弁座
R ダイヤフラム室
S ストッパー
T トーションスプリング
X 圧力調整弁
Y 遮断機構

Claims (3)

  1. 圧力調整弁(X)と遮断弁(16)をガス流路に遮断弁(16)を一次側として直列に配置し、上記遮断弁(16)にはダイヤフラム室(R)を有する遮断機構(Y)が付設されて、そのダイヤフラム室(R)に前記ガス流路の二次圧が導入され、そのダイヤフラム室(R)のダイヤフラム(03)の変位に連動して前記遮断弁(16)が作動し、上記二次圧が正常なときは遮断弁(16)が作動せず、上記二次圧の異常圧力時には遮断弁(16)が作動して上記ガス流路を遮断するようにしてなる遮断弁付き圧力調整弁において、
    上記ガス流路の一次圧ガス流路から上記ダイヤフラム室(R)に向けてパイロット弁(08)を介在させた流路を開き、上記パイロット弁(08)は上記二次圧の異常圧力によるダイヤフラム(03)の初動により開くようにして、そのパイロット弁(08)の開放によって上記ダイヤフラム室(R)に一次圧を導入するようにしたことを特徴とする圧力調整弁。
  2. 上記パイロット弁(08)は、上記ダイヤフラム(03)と共動する連動子(04)の下端面に設けた弁体(13)と、ダイヤフラムケース(01)下部中心の貫通孔(07)に差し込まれた中空スピンドル(15)の上部枠体(10)内に形成された弁座(14)とからなり、上記中空スピンドル(15)の中空部が上記ダイヤフラム室(R)に向けて上記一次圧ガス流路から至る流路を構成し、上記連動子(04)と枠体(10)とは上記ダイヤフラム(03)の変位方向の遊びを以て連結されており、上記二次圧の異常圧力によるダイヤフラム(03)の初動に伴って上記連動子(04)が枠体(10)内を上記遊びでもって共動して上記弁体(13)を弁座(14)から離して上記パイロット弁(08)を開放することを特徴とする請求項1に記載の遮断弁付き圧力調整弁。
  3. 上記遮断弁付き圧力調整弁が高い一次圧力下で使用される場合において、上記遮断弁(16)の作動を、上記ダイヤフラム(03)にその変位に連動するスピンドル(15)を介して行い、そのスピンドル(15)にスプリング(38)を装填し、このスプリング(38)で上記スピンドル(15)を上記遮断弁(16)を非作動とする方向に付勢することによって、二次圧正常状態における上記スピンドル(15)の変位による上記遮断弁(16)の誤作動を防止するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の遮断弁付き圧力調整弁。
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