JP6924390B2 - 鉄ニッケル合金微粒子及びその製造方法 - Google Patents
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Description
前記ニッケル微粒子と鉄含有化合物とを含有し、沸点が280℃以上であり、かつ、還元力を有する有機溶媒中又は還元剤を含有する有機溶媒中において、280〜350℃の温度で前記鉄含有化合物を還元せしめて、鉄原子とニッケル原子との合計量に対するニッケル原子の含有率が57〜66at%となるように、前記ニッケル微粒子に鉄原子を導入して鉄ニッケル合金微粒子を形成させる工程と、
前記鉄ニッケル合金微粒子に、還元ガス雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中、200〜600℃の温度で熱処理を施す工程と、
前記熱処理後の鉄ニッケル合金微粒子を、少なくとも前記熱処理時の温度から200℃までの間は15℃/分以下の降温速度で冷却して、請求項1又は2に記載の鉄ニッケル合金微粒子を得る工程と、
を含むことを特徴とする方法である。
先ず、本発明の鉄ニッケル合金微粒子について説明する。本発明の鉄ニッケル合金微粒子は、鉄(Fe)とニッケル(Ni)との合金からなる微粒子であり、ニッケル原子の含有率は鉄原子とニッケル原子との合計量に対して57〜66at%である。ニッケル原子の含有率が前記範囲内にある鉄ニッケル合金微粒子は、高い飽和磁化と低い保磁力とを示す。一方、ニッケル原子の含有率が前記下限未満になると、鉄ニッケル合金微粒子が酸化されやすく、鉄ニッケル合金微粒子の飽和磁化が低くなる。他方、ニッケル原子の含有率が前記上限を超えると、規則相の結晶磁気異方性定数が大きくなり、鉄ニッケル合金微粒子の保磁力が高くなる。このようなニッケル原子の含有率の下限としては、鉄ニッケル合金微粒子の飽和磁化が高くなるという観点から、59at%以上が好ましく、61at%以上がより好ましい。また、ニッケル原子の含有率の上限としては、鉄ニッケル合金微粒子の保磁力が低くなるという観点から、65at%以下が好ましく、64at%以下がより好ましい。なお、ニッケル原子の含有率は、誘導結合プラズマ(ICP)発光分析法により組成分析を行うことによって求めることができる。
次に、本発明の鉄ニッケル合金微粒子の製造方法について説明する。本発明の鉄ニッケル合金微粒子の製造方法は、
ニッケル含有化合物を含有する有機溶媒中において、前記ニッケル含有化合物を還元せしめて、ニッケル微粒子を形成させる工程(ニッケル微粒子形成工程)と、
前記ニッケル微粒子と鉄含有化合物とを含有し、還元力を有する有機溶媒中又は還元剤を含有する有機溶媒中において、前記鉄含有化合物を還元せしめて、前記ニッケル微粒子に鉄原子を導入して鉄ニッケル合金微粒子を形成させる工程(鉄ニッケル合金微粒子形成工程)と、
前記鉄ニッケル合金微粒子に、還元ガス雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中、熱処理を施す工程(熱処理工程)と、
前記熱処理後の鉄ニッケル合金微粒子を徐冷して、前記本発明の鉄ニッケル合金微粒子を得る工程(冷却工程)と、
を含む方法である。
このニッケル微粒子形成工程においては、先ず、ニッケル含有化合物を含有する有機溶媒を調製する。また、ニッケル含有化合物を含有する有機溶媒にホスフィンを混合することによって、平均粒子径の小さい(好ましくは1〜50nm、より好ましくは1〜30nm)ニッケル微粒子や鉄ニッケル合金微粒子を得ることができる。
この鉄ニッケル合金微粒子形成工程においては、先ず、前記ニッケル微粒子形成工程で得られたニッケル微粒子と鉄含有化合物とを含有する有機溶媒を調製する。前記鉄含有化合物としては、鉄を含有する化合物であれば特に制限はないが、用いる有機溶媒に対する溶解性に優れたものであることが好ましい。このような鉄含有化合物としては、例えば、塩化鉄、硫酸鉄、硝酸鉄、及びそれらの水和物等の無機鉄含有化合物、鉄を含む錯体が挙げられる。鉄を含む錯体としては、例えば、酢酸鉄、鉄アセチルアセトナート、テトラクロロ鉄(II)酸テトラエチルアンモニウム、テトラクロロ鉄(III)酸テトラエチルアンモニウム、ビス(スルフィド)テトラニトロシル二鉄(2−)ナトリウム八水和物、トリス(スルフィド)ヘプタニトロシル四鉄酸(1−)アンモニウム一水和物、ヘキサアンミン鉄(II)臭化物、テトラキス(チオフェノラト)鉄(II)酸テトラフェニルホスホニウム、テトラキス(2,3,5,6−テトラメチルフェノラト)鉄(III)酸テトラエチルアンモニウム、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム、ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム、ペンタシアノアンミン鉄(II)酸ナトリウム三水和物、ペンタシアノアンミン鉄(III)酸ナトリウム三水和物、ペンタシアノニトロシル鉄(III)酸ナトリウム二水和物、ペンタシアノニトロ鉄(II)酸カリウム一水和物、テトラシアノ(エチレンジアミン)鉄(II)酸ナトリウム三水和物等が挙げられる。
この熱処理工程においては、前記鉄ニッケル合金微粒子形成工程で得られた鉄ニッケル合金微粒子に、還元ガス雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中で熱処理を施す。これにより、鉄ニッケル合金微粒子中の規則相の割合が多くなり、主として規則相からなる鉄ニッケル合金微粒子が得られる。
この冷却工程においては、前記熱処理後の鉄ニッケル合金微粒子を徐冷する。徐冷する温度範囲は、少なくとも前記熱処理時の温度から200℃までの間であり、それ以下の温度範囲においても徐冷してもよい。前記熱処理後の鉄ニッケル合金微粒子を前記温度範囲において徐冷することによって、鉄ニッケル合金微粒子中の規則相の割合が更に多くなり、ほぼ規則相からなる鉄ニッケル合金微粒子が得られる。
オレイルアミン480mmolにニッケルアセチルアセトナート(Ni(acac)2)60mmolを添加し、さらにトリオクチルホスフィン(TOP)48mmolを添加した後、窒素雰囲気中、130℃で30分間保持し、さらに220℃で60分間保持してNiナノ粒子を得た。このNiナノ粒子をアセトン及びヘキサンで洗浄し、遠心分離により回収した後、真空乾燥した。
先ず、オレイルアミン280mmolに、調製例1で得られたNiナノ粒子(TOP/Ni=0.8)0.76g及び鉄アセチルアセトナート(Fe(acac)3)7mmolを添加した後、窒素雰囲気中、130℃で30分間保持し、さらに320℃で60分間保持して反応を行い、Fe−Ni合金ナノ粒子を得た。このFe−Ni合金ナノ粒子をアセトン及びヘキサンで洗浄し、遠心分離により回収した後、真空乾燥した。
調製例1で得られたNiナノ粒子の量を0.88gに変更した以外は実施例1と同様にして、Fe−Ni合金ナノ粒子を調製し、さらに、このFe−Ni合金ナノ粒子に還元熱処理を施した後、自然冷却(徐冷)した。
調製例1で得られたNiナノ粒子の量を0.59gに変更した以外は実施例1と同様にして、Fe−Ni合金ナノ粒子を調製し、さらに、このFe−Ni合金ナノ粒子に還元熱処理を施した後、自然冷却(徐冷)した。
調製例1で得られたNiナノ粒子の量を1.50gに変更した以外は実施例1と同様にして、Fe−Ni合金ナノ粒子を調製し、さらに、このFe−Ni合金ナノ粒子に還元熱処理を施した後、自然冷却(徐冷)した。
調製例1で得られたNiナノ粒子の量を1.00gに変更した以外は実施例1と同様にして、Fe−Ni合金ナノ粒子を調製し、さらに、このFe−Ni合金ナノ粒子に還元熱処理を施した後、自然冷却(徐冷)した。
調製例1で得られたNiナノ粒子の量を0.43gに変更した以外は実施例1と同様にして、Fe−Ni合金ナノ粒子を調製し、さらに、このFe−Ni合金ナノ粒子に還元熱処理を施した後、自然冷却(徐冷)した。
実施例1と同様にしてFe−Ni合金ナノ粒子を調製し、このFe−Ni合金ナノ粒子を、還元熱処理を施さずにそのまま使用した。
実施例1と同様にしてFe−Ni合金ナノ粒子を調製し、さらに、このFe−Ni合金ナノ粒子に還元熱処理を施した。その後、H2(200ml/分)/Ar(800ml/分)の混合ガスを流通させ、空冷ファンも稼働させた状態で、管状炉内の温度が50℃以下になるまで冷却した。このとき、250℃から200℃までの間の降温速度は32℃/分であった。
実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた結果に基づいて、徐冷後のFe−Ni合金ナノ粒子中のNi原子の含有率と飽和磁化及び保磁力との関係を求めた。それらの結果を図1及び図2に示す。
Claims (2)
- 平均粒子径が1〜100nmであり、
鉄原子とニッケル原子との合計量に対するニッケル原子の含有率が57〜66at%であり、
粉末X線回折測定により求められる格子定数が3.58Å以下であり、
飽和磁化が20emu/g以上であり、
保磁力が5Oe以下である
ことを特徴とする鉄ニッケル合金微粒子。 - ニッケル含有化合物を含有する有機溶媒中において、前記ニッケル含有化合物を還元せしめて、ニッケル微粒子を形成させる工程と、
前記ニッケル微粒子と鉄含有化合物とを含有し、沸点が280℃以上であり、かつ、還元力を有する有機溶媒中又は還元剤を含有する有機溶媒中において、280〜350℃の温度で前記鉄含有化合物を還元せしめて、鉄原子とニッケル原子との合計量に対するニッケル原子の含有率が57〜66at%となるように、前記ニッケル微粒子に鉄原子を導入して鉄ニッケル合金微粒子を形成させる工程と、
前記鉄ニッケル合金微粒子に、還元ガス雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中、200〜600℃の温度で熱処理を施す工程と、
前記熱処理後の鉄ニッケル合金微粒子を、少なくとも前記熱処理時の温度から200℃までの間は15℃/分以下の降温速度で冷却して、請求項1に記載の鉄ニッケル合金微粒子を得る工程と、
を含むことを特徴とする鉄ニッケル合金微粒子の製造方法。
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JP2019029542A JP6924390B2 (ja) | 2019-02-21 | 2019-02-21 | 鉄ニッケル合金微粒子及びその製造方法 |
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