JP6922598B2 - パウチおよび容器 - Google Patents

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Description

本発明は、パウチおよび容器に関する。
近年、ガス等の火を利用しない電磁調理器が普及しつつある。電磁調理器は、電磁誘導加熱を利用するものである。具体的には、電磁調理器は、電磁調理器の載置面の下方に設けられた磁界発生コイルに高周波を流して、電磁調理器の載置面上の容器に渦電流を発生させることによって、容器内の内容物を電気抵抗で加熱するものである。通常、電磁調理器による加熱の際は、電磁誘導加熱可能な専用の容器が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−325327号公報
専用の容器としては、成形容器が多いので、簡易的な容器の開発が求められている。現在、プラスチックフィルムと金属箔層とシーラント層を備える積層体を用いてパウチや容器を作製することが検討されているが、このような積層体でパウチや容器を作製すると、積層体同士が重なる部分が過剰に発熱してしまい、パウチや容器が損傷するおそれがある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものである。すなわち、電磁誘導加熱可能であり、かつ電磁誘導加熱時における損傷を抑制できるパウチおよび容器を提供することを目的とする。
本発明の一の態様によれば、第1部材と、前記第1部材と対向する第2部材とを備え、かつ内容物を収容する収容空間を有するパウチであって、前記第1部材が、少なくとも、プラスチックフィルム、金属箔層、およびシーラント層をこの順で備える第1積層体から構成され、前記第2部材が、少なくとも、プラスチックフィルムおよびシーラント層を備え、かつ金属箔層を備えない第2積層体から構成され、前記第1部材が、第1縁と、前記第1縁とは反対側の第2縁と、前記第1縁と前記第2縁の間に延びる第3縁と、前記第1縁と前記第2縁の間に延び、かつ前記第3縁とは反対側の第4縁と、前記第3縁から前記第4縁に向けて各々延びる第1折線、第2折線、第3折線、および第4折線とを有し、かつ第1パネルと、前記第1折線を介して前記第1パネルと連設された第2パネルと、前記第2折線を介して前記第2パネルと連設された第3パネルと、前記第3折線を介して前記第3パネルと連設された第4パネルと、前記第4折線を介して前記第4パネルと連設された第5パネルとを備え、前記パウチが、前記第1部材の前記第2パネルと前記第3パネルとの間をシールする第1シール部と、前記第1部材の前記第3パネルと前記第4パネルとの間をシールする第2シール部と、前記第1部材の前記第1パネル、前記第3パネルおよび前記第5パネルと前記第2部材との間をシールする第3シール部とをさらに備える、パウチが提供される。
パウチが提供される。
上記パウチにおいて、前記第3シール部におけるシール強度が20N/15mm以下であってもよい。
上記パウチにおいて、雄型テープ部材および前記雄型テープ部材と嵌合可能な雌型テープ部材からなるチャックテープ部をさらに備え、前記雄型テープ部材および前記雌型テープ部材の一方が前記第1部材の内面に取り付けられ、前記雄型テープ部材および前記雌型テープ部材の他方が前記第2の部材の内面に取り付けられていてもよい。
上記パウチにおいて、前記第2部材が、前記プラスチックフィルムを貫通し、かつ前記シーラント層を貫通しないハーフカット線を有していてもよい。
上記パウチにおいて、前記第2部材が、前記第2部材の内面から前記第2部材の外面にかけて貫通した貫通孔を有していてもよい。
上記パウチにおいて、前記内容物が、冷凍食品であってもよい。
本発明の他の態様によれば、1枚の部材からなり、かつ上面が開放された容器であって、前記部材が、少なくとも、プラスチックフィルム、金属箔層、およびシーラント層をこの順で備える積層体から構成され、前記部材が、第1縁と、前記第1縁とは反対側の第2縁と、前記第1縁と前記第2縁の間に延びる第3縁と、前記第1縁と前記第2縁の間に延び、かつ前記第3縁とは反対側の第4縁と、前記第3縁から前記第4縁に向けて各々延びる第1折線、第2折線、第3折線、および第4折線とを有し、かつ第1パネルと、前記第1折線を介して前記第1パネルと連設された第2パネルと、前記第2折線を介して前記第2パネルと連設された第3パネルと、前記第3折線を介して前記第3パネルと連設された第4パネルと、前記第4折線を介して前記第4パネルと連設された第5パネルとを備え、前記容器が、前記部材の前記第2パネルと前記第3パネルとの間をシールする第1シール部と、前記部材の前記第3パネルと前記第4パネルとの間をシールする第2シール部とをさらに備える、容器が提供される。
本発明の一の態様によれば、第1シール部および第2シール部がパウチの端に存在するので、電磁誘導加熱可能であり、かつ電磁誘導加熱時の損傷を抑制できるパウチを提供することができる。本発明の他の態様によれば、第1シール部および第2シール部が容器の端に存在するので、電磁誘導加熱可能であり、かつ電磁誘導加熱時の損傷を抑制できる容器を提供することができる。
第1実施形態に係るパウチの分解斜視図である。 第1実施形態に係るパウチの平面図である。 図2に示されるパウチのI−I線に沿った断面図である。 第1積層体の断面図である。 第2積層体の断面図である。 貫通孔の他の形状を示す図である。 第2実施形態に係る容器の斜視図である。 第2実施形態に係る容器の平面図である。 図8に示される容器のII−II線に沿った断面図である。 比較例1に係るパウチの斜視図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係るパウチについて、図面を参照しながら説明する。本明細書において、「フィルム」、「シート」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「フィルム」はシートとも呼ばれるような部材も含む意味で用いられる。図1は第1実施形態に係るパウチの分解斜視図であり、図2は第1実施形態に係るパウチの平面図であり、図3は図2に示されるパウチのI−I線に沿った断面図である。図4は第1積層体の断面図であり、図5は第2積層体の断面図であり、図6は貫通孔の他の形状を示す図である。
<<<パウチ>>>
図1に示されるパウチ10は、平置き形式のパウチであり、内容物を収容する収容空間10Aを有している。内容物としては、特に限定されないが、固体、液体、またはこれらの混合物が挙げられる。具体的な内容物としては、冷凍食品等が挙げられる。ただし、内容物は、冷凍食品に限定されない。冷凍食品としては、冷凍麺類(冷凍パスタ、冷凍焼きそば、冷凍うどん、冷凍ラーメン、冷凍春雨等)、冷凍惣菜類(例えば、冷凍ヒジキ煮、冷凍切り干し大根煮、冷凍肉ジャガ、冷凍フキ煮、冷凍筑前煮、冷凍お浸し、冷凍野菜のゴマ和え等)、冷凍米飯(冷凍炒飯、冷凍ピラフ、冷凍チキンライス、冷凍ドライカレー、冷凍餡かけ御飯、冷凍餡かけ焼き飯、冷凍粥等)等が挙げられる。
パウチ10は、図1に示されるように、底面10B、側面10C、および上面10Dを有している。パウチ10は、側面10Cをガセット方式に折り込んだものである。ガセット方式を採用することによって、内容物を収容する際に収容空間が大きくなる。
パウチ10は、後述する第1部材20と第2部材30によって形成された開口10Eを備えている。開口10Eは、内容物を投入する投入口として機能する。内容物が収容空間10Aに投入された後、開口10Eをヒートシールすることによって、収容空間10Aを密閉することができる。
パウチ10は、図2に示されるように、平面視で四角形状となっている。ただし、パウチ10の形状は特に限定されない。
パウチ10の長さL(図2参照)は、150mm以上であることが好ましい。電磁調理器の磁界発生コイル(以下、単に「コイル」と称することもある。)は、主に直径220mmであるが、コイル直上の領域の中でもコイル中心から直径80mm以上130mm以下の領域では、磁性体(例えば、金属箔層)の発熱量が特に大きくなるため、パウチ10の長さLが150mm以上であれば、パウチ10の中央部10Fがコイルの中央部に位置するようにパウチ10を配置した場合に、後述する第1シール部41および第2シール部42がコイル直上における磁性体の発熱量が特に大きくなる上記領域から外れるために、パウチ10の損傷をより抑制できる。「パウチの長さ」とは、後述する第1部材の第3縁から第4縁までの長さを意味するものとする。パウチ10の長さLの下限は、170mm以上であることがより好ましく、パウチ10の長さLの上限は、電磁調理器上に収まり、加熱後も安全に取り扱える点から、270mm以下であることが好ましい。本明細書におけるパウチの寸法およびパウチを構成する各構成要素の寸法は、全て、パウチを広げずにほぼ平面状にした状態で測定した値とする。
パウチの幅W(図2参照)は、150mm以上であることが好ましい。上記したようにコイル中心から直径80mm以上130mm以下の領域では、磁性体の発熱量が特に大きくなるため、パウチ10の長さLが150mm以上であれば、パウチ10の中央部10Fがコイルの中央部に位置するようにパウチ10を配置した場合に、後述する第1シール部41および第2シール部42がコイル直上における磁性体の発熱量が特に大きくなる上記領域から外れるために、パウチ10の損傷をより抑制できる。「パウチの幅」とは、後述する第1部材の第2折線から第3折線までの長さを意味するものとする。パウチ10の幅Wの下限は、170mm以上であることがより好ましく、パウチ10の幅Wの上限は、電磁調理器上に収まり、加熱後も安全に取り扱える点から、270mm以下であることが好ましい。
パウチ10は、第1部材20と、第1部材20と対向する第2部材30と、第1〜第3シール部41〜43(図2および図3参照)とを備えている。また、パウチ10は、チャックテープ部45をさらに備えている。なお、パウチ10は、チャックテープ部45を備えていなくともよい。
<<第1部材>>
第1部材20は、後述するように折込部26が形成されているが、折込部26が形成された状態および折込部26を形成する前の状態のいずれの状態であっても、平面視で四角形状となっている。
第1部材20は、図1に示されるように、第1縁20Aと、第1縁20Aとは反対側の第2縁20Bと、第1縁20Aと第2縁20Bの間に延びる第3縁20Cと、第1縁20Aと第2縁20Bの間に延び、かつ第3縁20Cとは反対側の第4縁20Dとを有している。第1縁20Aおよび第2縁20Bは、直線状かつ互いに略平行に延びている。第1縁20Aおよび第2縁20Bの長さは、互いにほぼ等しい長さとなっており、第3縁20Cおよび第4縁20Dの長さも、互いにほぼ等しい長さとなっている。
第1部材20は、図1に示されるように、第3縁20Cから第4縁20Dに向けて各々延びる第1折線20E、第2折線20F、第3折線20G、第4折線20Hを有している。第1〜第4折線20E〜20Hは、直線状かつ互いに略平行に延びている。第1〜第4折線20E〜20Hは、ほぼ等しい長さとなっている。
第1部材20は、図1に示されるように、第1パネル21と、第1折線20Eを介して第1パネル21と連設された第2パネル22と、第2折線20Fを介して第2パネル22と連設された第3パネル23と、第3折線20Gを介して第3パネル23と連設された第4パネル24と、第4折線20Hを介して第4パネル24と連設された第5パネル25とを備えている。
第3パネル23が、パウチ10の底面10Bを構成し、第1パネル21、第2パネル22、第4パネル24、および第5パネル25が、パウチ10の側面10Cを構成している。具体的には、第1折線20Eは第1縁20Aおよび第2折線20Fよりもパウチ10の内側に位置しており、第4折線20Hは第2縁20Bおよび第3折線20Gよりもパウチ10の内側に位置している。したがって、パウチ10の側面10Cには、折込部26が形成されている。このような折込部26を形成することにより、パウチ10の収容空間10Aの体積を増やすことができる。また、折込部26を1枚の第1部材20で形成することにより、継ぎ目なく折込部26を形成できるので、後述する第1積層体50が重なることを抑制できる。
第1パネル21、第2パネル22、第4パネル24および第5パネル25の幅は、20mm以上40mm以下となっていることが好ましい。これらの幅が、20mm以上であれば、厚みのある内容物を問題なく収容でき、また40mm以下であれば、加熱調理後の内容物の取り出しに差し障りなく使用できる。本明細書において、各パネルの「幅」とは、各折線の延びる方向に直交する方向の長さを意味する。なお、パネルの幅が一定でない場合には、パネルの幅は、折線の延びる方向に直交する方向の長さのうち最も大きい値とする。第1パネル21、第2パネル22、第4パネル24および第5パネル25の幅の下限は、25mm以上であることがより好ましく、上限は、30mm以下であることがより好ましい。
第3パネル23の幅は、150mm以上であることが好ましい。上記したようにコイル中心から直径80mm以上130mm以下の領域では、磁性体の発熱量が特に大きくなるため、パウチ10の長さLが150mm以上であれば、パウチ10の中央部10Fがコイルの中央部に位置するようにパウチ10を配置した場合に、後述する第1シール部41および第2シール部42がコイル直上における磁性体の発熱量が特に大きくなる上記領域から外れるために、パウチ10の損傷をより抑制できる。第3パネル23の幅の下限は、170mm以上であることがより好ましく、第3パネル23の幅の上限は、電磁調理器上に収まり、加熱後も安全に取り扱える点から、270mm以下であることが好ましい。第1〜第5パネル21〜25の長さは、パウチ10の長さと同じである。
第1部材20は、図4に示される、少なくとも、プラスチックフィルム51、金属箔層52、およびシーラント層53をこの順で備える第1積層体50から構成されている。図4に示される第1積層体50は、さらに、プラスチックフィルム51と金属箔層52との間および金属箔層52とシーラント層53との間に介在した接合層54とを備えている。第1積層体50は、さらに、支持体など他の層を備えていてもよい。
第1部材20は、第1積層体50のシーラント層53が後述する第2積層体60のシーラント層62と向かい合わせとなるように配置されている。すなわち、第1部材20および第2部材30はともにプラスチックフィルム51、61が外側となり、シーラント層53、62が内側となるように配置されている。これにより、シーラント層53とシーラント層62を加熱および加圧することによってシールすることができるので、第3シール部43を形成することができる。
第1積層体50の体積抵抗率は、1.0×1010Ω・cm以上1.0×1017Ω・cm以下であることが好ましい。第1積層体50の体積抵抗率が1.0×1010Ω・cm以上であれば、第1積層体50が過剰に加熱されることをより抑制でき、第1積層体50の一部が溶融するのを抑制できる。また、第1積層体50の体積抵抗率1.0×1017Ω・cm以下であれば、内容物に対する加熱効率が充分となり、内容物が昇温しやすい。第1積層体50の体積抵抗率の上限は、1.0×1017Ω・cm以下であることが好ましい。
<プラスチックフィルム>
パウチ10は、電磁誘導加熱されるので、プラスチックフィルム51としては、耐熱性を有する材料からなることが好ましい。プラスチックフィルム51は、無延伸プラスチックフィルムであってもよいが、延伸プラスチックフィルムが好ましい。延伸プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン12、ナイロン6・66共重合体(Ny)等のポリアミド、ポリエチレン(PE)、またはポリプロピレン(PP)等からなるフィルムが挙げられる。また、プラスチックフィルム51は、単層構造であってもよいが、2層以上の多層構造であってもよい。プラスチックフィルムが多層構造の場合、プラスチックフィルム間には接合層が介在していてもよい。
プラスチックフィルム51は、二軸延伸処理されることが好ましい。これにより、プラスチックフィルム51を構成する分子が、延伸処理によって延伸方向に並ぶので、プラスチックフィルム51が優れた寸法安定性を発揮するようになる。また、二軸延伸処理によって、プラスチックフィルム51に易開封性を付与することができる。
プラスチックフィルム51の厚みは6μm以上100μm以下であることが好ましく、12μm以上50μm以下であることがより好ましい。プラスチックフィルム51の厚みが6μm以上であれば、中間の金属箔層を保護するとともに印刷することができ、また100μm以下であれば、製袋時の加工が容易となる。プラスチックフィルムの厚みは、光学顕微鏡を用いて撮影されたプラスチックフィルムの断面写真からランダムに10箇所厚みを測定し、測定された厚みの算術平均値として求めるものとする。
<金属箔層>
金属箔層52は、導電性を有し、電磁誘導加熱を行うためのものである。金属箔層52を構成する金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス、銅、これらの金属からなる合金等が挙げられる。これらの中でも、包装資材としての取り扱いが容易で、薄膜の状態で適度な電気抵抗を有する点から、アルミニウムが好ましい。
金属箔層52の厚みは5μm以上120μm以下であることが好ましく、7μm以上80μm以下であることがより好ましい。金属箔層52の厚みが7μm以上であれば、加熱調理する際に発熱し過ぎてパウチ10が損傷することなる加熱調理でき、また80μm以下であれば、電磁調理する際に発熱しにくいという不具合がなく加熱調理できる。金属箔層52の厚みは、プラスチックフィルム51の厚みと同様の方法によって測定できる。
<シーラント層>
シーラント層53は、シーラント層53同士およびシーラント層62との間でヒートシールすることにより、第1〜第3シール部41〜43を形成するためのものである。シーラント層53は、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステルエーテル等のシール性を有する樹脂から構成することができる。シーラント層53は無延伸であることが好ましい。シーラント層53は、単層構造であってもよく、または多層構造であってもよい。
シーラント層53の厚みは30μm以上200μm以下であることが好ましく、40μm以上120μm以下であることがより好ましい。シーラント層53の厚みが40μm以上であれば、内容物を保存するために必要なシール強度を維持することができ、また120μm以下であれば、製袋時の加工が容易となる。シーラント層53の厚みは、プラスチックフィルム51の厚みと同様の方法によって測定できる。
<接合層>
接合層54としては、例えばそれ自体既知のドライラミネート法にて一般に用いられる接着剤を用いることができ、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、アミノ樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤等を用いることができる。ポリウレタン系接着剤とは、ポリオール化合物とイソシアネート化合物との硬化物のことである。
<支持体>
支持体は、第1積層体50を補強するためのものである。支持体としては、第1プラスチックフィルムと同様のフィルムや紙が挙げられる。支持体が紙の場合、その坪量は50g/m以上600g/m以下、より好ましくは100g/m以上300g/m以下である。
第1積層体50の具体例としては、例えば以下の積層体が挙げられる。なお、「/」は、層を列記する場合に、層と層との境界を示す表記として用いている。層については、パウチの外側から内側に向かって記載するものとする。すなわち最も右側に記載された層がシーラント層である。
延伸PBTフィルム/接合層/アルミニウム箔層/接合層/CPP層
延伸PETフィルム/接合層/延伸Ny/接合層/アルミニウム箔層/接合層/CPP層
延伸PETフィルム/接合層/アルミニウム箔層/延伸Nyフィルム/接合層/CPP層
<<第2部材>>
第2部材30は、平面視で四角形状のフィルムである。第2部材30は、第1縁30Aと、第1縁30Aとは反対側の第2縁30Bと、第1縁30Aと第2縁30Bの間に延びる第3縁30Cと、第1縁30Aと第2縁30Bの間に延び、かつ第3縁30Cとは反対側の第4縁30Dとを有している。パウチ10状態では、第2部材30の第1縁30Aは第1部材20の第1縁20Aと対向し、第2部材30の第2縁30Bは第1部材20の第2縁20Bと対向し、第2部材30の第3縁30Cは第1部材20の第3縁20Cと対向し、第2部材30の第4縁30Dは第1部材20の第4縁20Dと対向している。第1縁30Aおよび第2縁30Bは、直線状かつ互いに略平行に延びている。第1縁30Aおよび第2縁30Bの長さは、互いにほぼ等しい長さとなっており、第3縁30Cおよび第4縁30Dの長さも、互いにほぼ等しい長さとなっている。
第2部材30は1枚のパネルから構成されている。第2部材30が、パウチ10の上面10Dを構成している。第2部材30の長さと幅は、パウチ10の長さと幅とほぼ同じとなっている。
第2部材30は、図5に示される、少なくともプラスチックフィルム61およびシーラント層62を備え、かつ金属箔層を備えない第2積層体60から構成されている。第2積層体60が、金属箔層を備えないとしたのは、第2積層体が金属箔層を備えている場合、第1部材と第2部材のシール部において、金属箔層を備える積層体同士が重なってしまい、過剰に加熱されてしまうことを抑制できないからである。また、第2積層体60が金属箔層を備えないことにより、第2部材30を透明することができるので、内容物の状態を確認することができる。第2積層体60は、金属蒸着層や透明蒸着層等の蒸着層、または蒸着層およびガスバリア性塗布層をさらに備えていてもよい。蒸着層やガスバリア性塗布層は、金属箔層とは異なり、第3シール部43に、金属箔層を備える第1積層体50と蒸着層を備える第2積層体が重なる部分が存在しても、過剰に加熱されないからである。図5に示される第2積層体60は、さらに、プラスチックフィルム61とシーラント層62との間に介在した接合層63とを備えている。
第2積層体60は、第1部材20から第2部材30を容易に剥離することができるイージーピールフィルムであることが好ましい。イージーピールフィルムは、凝集剥離タイプおよび相関剥離タイプのいずれであってもよい。イージーピールフィルムの市販品としては、例えば、株式会社DNPテクノパック製の「EP−4R」等が挙げられる。
<プラスチックフィルム>
第2積層体60のプラスチックフィルム61は、第1積層体50のプラスチックフィルム51と同様であるので、ここでは説明を省略するものとする。
<シーラント層>
第2積層体60のシーラント層62は、第1積層体50のシーラント層53と同様のものを用いることができる。ただし、第2積層体60がイージーピールフィルムである場合には、シーラント層62は、第1樹脂と、第1樹脂と非相溶性の第2樹脂から構成されていることが好ましい。第2樹脂としては、ポリエチレン、ポリブテン、ポリスチレン等が挙げられる。シーラント層62中に第1樹脂と非相溶性の第2樹脂を添加することにより、加熱および加圧してシーラント層53を構成する樹脂と第1樹脂が融着しても、シーラント層53を構成する樹脂と第2樹脂は融着しないので、シーラント層53とシーラント層62の融着面積を小さくすることができ、これにより第1部材20から第2部材30の剥離を容易に行うことができる。
<蒸着層>
蒸着層は、従来公知の方法により形成することができる蒸着膜からなる層である。蒸着層を備えることで、酸素ガスおよび水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性を、付与ないし向上させることができる。なお、第2部材は、蒸着層を2層以上備えてもよい。蒸着層を2層以上備える場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
蒸着層は、金属の蒸着膜からなる金属蒸着層であってもよく、無機酸化物の蒸着膜からなる透明蒸着層であってもよい。
バリア層が金属蒸着層を含む場合、上述のガスバリア性に加えて、可視光および紫外線等の透過を阻止する遮光性を、付与ないし向上させることができる。また、包装袋に金属光沢を付与することができるため、意匠性を向上させることができる。バリア層が透明蒸着層を含む場合、内容物の透過性を保ちながら、酸素ガスおよび水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性を付与ないし向上させることができる。
金属蒸着層としては、例えば、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、金(Au)、クロム(Cr)等の金属蒸着層を使用することができる。特に、包装用途としては、アルミニウムの蒸着層を備えることが好ましい。
金属蒸着層の膜厚としては、使用する金属の種類等によって異なるが、例えば、50Å以上2000Å以下、好ましくは、100Å以上1000Å以下の範囲内で任意に選択して形成することが望ましい。更に具体的に説明すると、アルミニウムの蒸着層の場合には、膜厚50Å以上600Å以下、更に、好ましくは、100Å以上450Å以下が望ましい。
透明蒸着層としては、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の酸化物の蒸着層を使用することができる。特に、包装用途としては、酸化アルミニウムまたは酸化ケイ素の蒸着層を備えることが好ましい。
無機酸化物の表記は、例えば、SiO、AlO等のようにMO(ただし、式中、Mは、無機元素を表し、Xの値は、無機元素によってそれぞれ範囲がことなる。)で表される。Xの値の範囲としては、ケイ素(Si)は、0〜2、アルミニウム(Al)は、0〜1.5、マグネシウム(Mg)は、0〜1、カルシウム(Ca)は、0〜1、カリウム(K)は、0〜0.5、スズ(Sn)は、0〜2、ナトリウム(Na)は、0〜0.5、ホウ素(B)は、0〜1.5、チタン(Ti)は、0〜2、鉛(Pb)は、0〜2、ジルコニウム(Zr)は0〜2、イットリウム(Y)は、0〜1.5の範囲の値をとることができる。上記において、X=0の場合、完全な無機単体(純物質)であり、透明ではなく、また、Xの範囲の上限は、完全に酸化した値である。包装用材料には、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)が好適に使用され、ケイ素(Si)は、1.0〜2.0、アルミニウム(Al)は、0.5〜1.5の範囲の値のものを使用することができる。
透明蒸着層の膜厚としては、使用する無機酸化物の種類等によって異なるが、例えば、50Å以上2000Å以下、好ましくは、100Å以上1000Å以下の範囲内で任意に選択して形成することが望ましい。例えば、酸化アルミニウムあるいは酸化ケイ素の蒸着層の場合には、膜厚50Å以上500Å以下、更に、好ましくは、100Å以上300Å以下が望ましいものである。
蒸着層は、プラスチックフィルム61またはシーラント層62に以下の形成方法を用いて形成することができる。蒸着層の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、およびイオンプレ−ティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、および光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を挙げることができる。
<ガスバリア性塗布層>
ガスバリア性塗布膜は、上記蒸着層の面上に必要に応じ設けられる。特に、蒸着層が透明蒸着層である場合、透明蒸着層の面上にガスバリア性塗布膜が設けられることが好ましい。
ガスバリア性塗布膜は、酸素ガスおよび水蒸気などの透過を抑制する層として機能する塗膜である。ガスバリア性塗布膜は、下記一般式(1)で表される少なくとも一種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコ−ル系樹脂および/またはエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体とを含有し、さらに、ゾルゲル法触媒、酸、水、および、有機溶剤の存在下に、ゾルゲル法によって重縮合するガスバリア性組成物により得られる。
M(OR (1)
式中、R、Rは、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。
上記一般式(1)で表されるアルコキシドとしては、アルコキシドの部分加水分解物、アルコキシドの加水分解の縮合物の少なくとも一種以上を使用することができる。また、上記のアルコキシドの部分加水分解物としては、アルコキシ基のすべてが加水分解されている必要はなく、1個以上が加水分解されているもの、および、その混合物であってもよい。アルコキシドの加水分解の縮合物としては、部分加水分解アルコキシドの2量体以上のもの、具体的には、2〜6量体のものを使用される。
上記一般式(1)で表されるアルコキシドにおいて、Mで表される金属原子としては、ケイ素、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、その他などを使用することができる。本実施形態において、好ましい金属としては、例えば、ケイ素、チタンなどを挙げることができる。また、本実施の形態において、アルコキシドの用い方としては、単独または二種以上の異なる金属原子のアルコキシドを同一溶液中に混合して使うこともできる。
上記一般式(1)で表されるアルコキシドにおいて、Rで表される有機基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、その他などのアルキル基を挙げることができる。また、上記一般式(1)で表されるアルコキシドにおいて、Rで表される有機基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、その他などを挙げることができる。なお、同一分子中にこれらのアルキル基は同一であっても、異なってもよい。
上記のガスバリア性組成物を調製する際、例えば、シランカップリング剤などを添加してもよい。上記のシランカップリング剤としては、既知の有機反応性基含有オルガノアルコキシシランを用いることができる。本実施形態においては、特に、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランが好適に用いられ、具体的には、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を使用することができる。上記のようなシランカップリング剤は、一種または二種以上を混合して用いてもよい。
第2部材30は、プラスチックフィルム61を貫通し、かつシーラント層62を貫通しないハーフカット線31を有する。ハーフカット線31を設けることにより、ハーフカット線31に沿って第2部材30を破くことができるので、容易にパウチ10を開封することができる。
ハーフカット線31は、1本であってもよいが、第2部材30を剥がしやすくする観点から、2本設けられていることが好ましい。図2においては、ハーフカット線31は、第1折線20Eおよび第4折線20Hに沿って設けられているが、ハーフカット線を第1折線および第4折線と重なる位置に設けると、ハーフカット線が設けられていることが認識されにくくなるので、ハーフカット線31が設けられていることを明確に認識できるように、第1折線20Eおよび第4折線20Hと重ならない位置に設けられている。具体的には、ハーフカット線31は第1折線20Eおよび第2折線20Fよりも内側に形成されている。
第2部材30の第3縁30Cには、開封の際の起点となり得るノッチ32が形成されていてもよい。この場合、ノッチ32はハーフカット線31に繋がっていることが好ましい。第2部材30の第3縁30Cにハーフカット線31と繋がったノッチ32を形成することにより、パウチ10をより容易に開封することができる。
第2部材30は、図1に示されるように第2部材30の内面30Eから第2部材30の外面30Fにかけて貫通した貫通孔33を有している。貫通孔33は、加熱時に発生する蒸気をパウチ10の外部へ逃がすために設けられている。貫通孔33の形状は、特に限定されず、例えば、円形状、楕円形状、四角形状等を含む多角形状が挙げられる。また貫通孔33は、スリットであってもよい。スリットとしては、図6(A)に示される直線状スリット34、図6(B)に示されるC字状スリット35、U字状スリット、V字状スリット等が挙げられる。これらの中でも、貫通孔の形成しやすさの点から、円形状、直線状スリット、C字状スリットが好ましい。また、貫通孔は、図6(C)に示されるようにミシン目状の貫通孔36であってもよい。ミシン目状の貫通孔36を設けることにより、熱時に発生する蒸気をパウチ10の外部へ逃がすことができるとともに、ミシン目に沿って第2部材を破くことにより容易に開封することができる。
貫通孔33の大きさは、特に限定されないが、貫通孔33が円形状である場合には、貫通孔の直径は3mm以上6mm以下であることが好ましい。また、貫通孔33が直線状スリットである場合には、スリットの長さは3mm以上8mm以下であることが好ましい。
貫通孔33は、第2部材30の少なくとも1箇所に設けられていればよいが、加熱時に蒸気を効率良く抜く観点から、第2部材30の2箇所以上に設けられていることが好ましい。また、貫通孔33の位置は、チャックテープ部45が設けられている場合には、チャックテープ部45よりも第4縁30D側に設けられている。ただし、パウチ10が密封された状態で、水等の液体がチャックテープ部45からパウチ10内に投入されることがあるので、液体を投入したときに液体が漏れないように貫通孔33は、チャックテープ部45の近傍に設けられていることが好ましい。具体的には、貫通孔33は、例えば、チャックテープ部45から40mm以内の距離に設けられていることが好ましい。
<<第1〜第3シール部>>
図2および図3に示される第1シール部41は、第1部材20の第2パネル22と第3パネル23との間をシールしている部分である。図2および図3に示される第2シール部42は、第1部材20の第3パネル23と第4パネル24との間をシールしている部分である。すなわち、第1シール部41および第2シール部42は、方向Dにおけるパウチ10の端に存在している。図2に示される第3シール部43は、第1部材20の第1パネル21、第3パネル23および第5パネル25と第2部材30との間をシールしている部分である。
第1シール部41は、第1部材20の第2パネル22と第3パネル23をヒートシールすることによって形成されており、第2シール部42は、第1部材20の第3パネル23と第4パネル24をヒートシールすることによって形成されている。第3シール部43も、第1部材20の第1パネル21、第3パネル23および第5パネル25と第2部材30をヒートシールすることによって形成されている。
第1シール部41は、第3縁20C側に位置し、かつ第3縁20Cに沿って第1折線20Eの位置から第2折線20Fの位置まで形成されている。第2シール部42は、第3縁20C側に位置し、かつ第3縁20Cに沿って第3折線20Gの位置から第4折線20Hの位置まで形成されている。第1シール部41および第2シール部42は、第3縁20Cからの距離が40mm以内の領域内に存在していることが好ましい。この領域内に第1シール部41および第2シール部42が存在することにより、パウチ10の中央部10Fから更に離すことができる。
第3シール部43は、図2に示されるように、第1部材20の第1縁20Aに沿って延びた第1縁シール部43A、第2縁20Bに沿って延びた第2縁シール部43B、および第3縁20Cに沿って延びた第3縁シール部43Cを備えている。第1縁シール部43Aと第3縁シール部43Cは接続されており、第2縁シール部43Bと第3縁シール部43Cは接続されている。
第3縁シール部43は、第3縁20Cから所定の距離離れた位置に形成されている。この位置に第3縁シール部43を形成することにより、片方の手で第1部材20の第3縁20Cの近傍を押さえ、また他方の手で第2部材30の第3縁30Cの近傍を掴みながら、第2部材30を剥離することができるので、剥離させやすい。例えば、第3縁20Cから第3縁シール部43の外縁までの距離は、5mm以上30mm以下となっている。
第1部材20の第4縁20D付近は開口しているので、第4縁20D側では第1部材20の第3パネル23と第2部材30との間はシールされていないが、内容物が収容空間10Aに投入された後に、第4縁20D、30D側で、第1部材20の第2パネル22と第3パネル23の間、第1部材20の第3パネル23と第4パネル24の間、および第1部材20の第3パネル23と第2部材30との間がシールされて、パウチ10が密閉される。パウチ10が密閉された状態においては、第3シール部43は、第1縁シール部43A、第2縁シール部43B、第3縁シール部43C、および第4縁20Dに沿って延びた第4縁シール部から構成されている。
第3シール部43におけるシール強度は、20N/15mm以下となっていることが好ましい。このシール強度が20N/15mm以下となっていることにより、第1部材20から第2部材30を剥がす際には第2部材30を容易に剥がすことができるため、内容物を容易に取り出すことができる。上記シール強度は、例えば、第2積層体60として、イージーピールフィルムを用いた場合に達成することができる。第3シール部43におけるシール強度の下限は、第3シール部43のシール性を維持する観点から、7N/15mm以上となっていることが好ましい。また、第3シール部43におけるシール強度の上限は、15N/15mm以下であることがより好ましく、10N/15mm以下であることがさらに好ましい。
上記シール強度は、テンシロン引張試験機(型番「RTC−1310A」、株式会社オリエンテック製)を用いて、23℃、相対湿度50%±10%の雰囲気下において、JIS Z0238:1998に準拠して測定するものとする。具体的には、第3のシール部と直交する方向に切り出して、短辺が15mmの幅を有する矩形状の試験片を作製する。試験片は、その長辺方向の一方の先端から15mmにわたって、第1部材と第2部材が分かれている。その後、第1部材のうち第2部材と分かれている部分および第2部材のうち第1部材と分かれている部分をそれぞれ、上記引張試験機の一対の把持具で把持する。そして、一方の把持具と他方の把持具を第3シール部分の面方向に対して直交する方向において互いに逆向きに、300mm/分の速度で引張り、引張応力の最大値を測定し、これをシール強度とする。なお、一方の把持具と他方の把持具間の初期の間隔は20mmとし、引張りを終了する際の、一方の把持具と他方の把持具間の間隔は40mmとする。シール強度は、第3シール部のランダムの位置から切り出した3個の試験片を用いて測定されたシール強度の算術平均値とする。
第1シール部41の幅および第2シール部42の幅は、例えば、それぞれ5mm以上30mm以下となっている。第3シール部43における第1縁シール部43Aおよび第2縁シール部43Bの幅は、例えば、それぞれ5mm以上15mm以下となっている。また、第3シール部43における第3縁シール部43Cの幅は、例えば、5mm以上15mm以下となっている。本明細書において、各シール部における「幅」とは、シール部の延びる方向に直交する方向の長さを意味する。なお、シール部の幅が一定でない場合には、シール部の幅は、シール部の延びる方向に直交する方向の長さのうち最も大きい値とする。
<<チャックテープ部>>
チャックテープ部45は、加熱の際に水や別材料の投入するため、および/または加熱後に内容物を取り出すためのものである。水は、加熱時のパウチの損傷をより抑制するために加えられるものである。特に、電磁調理器の加熱出力が大きいときに、パウチが損傷しやすいので、加熱時には水を加えることが好ましい。チャックテープ部45は、第3縁20Cの近傍に、第3縁20Cに沿って設けられているが、第3シール部43における第1部材20の第3パネル23と第2部材30との間をシールする部分よりも内側に配置されている。このような位置にチャックテープ部45を配置することにより、チャックテープ部45を清潔な状態に保つことができる。なお、チャックテープ部45から水や別材料を投入する際には、第3シール部43を剥がした後に、チャックテープ部45を開封し、水や別材料を投入し、必要に応じてチャックテープ部45を再封する。
チャックテープ部45は、雄型テープ部材45Aと、雄型テープ部材45Aと嵌合可能な雌型テープ部材45Bとを備えている。雄型テープ部材45Aおよび雌型テープ部材45Bの一方が第1部材20の内面20Iに取り付けられ、雄型テープ部材45Aおよび雌型テープ部材45Bの他方が第2の部材30の内面30Eに取り付けられている。図1に示されるパウチ10においては、雌型テープ部材45Bが第1部材20の内面20Iに取り付けられており、雄型テープ部材45Aが第2部材30の内面30Eに取り付けられている。
また、図2においては、チャックテープ部45は第3縁20Cに沿って第1折線20Eと第4折線20Hの間のみに設けられているが、チャックテープは第3縁に沿って第1折線と第4折線の間のみならず、第1折線から第1縁側および第4折線から第2縁側にまで延長されていてもよい。ただし、第1折線から第1縁までの領域は、第1〜第3パネルが重なっている領域であり、また第4折線から第2縁までの領域は、第3〜第5パネルが重なっている領域であるので、これらの領域にもチャックテープを設けると、パウチの厚みが厚くなってしまうので、薄型化の観点から、チャックテープは第3縁に沿って第1折線と第4折線の間のみに設けられていることが好ましい。
本実施形態においては、貫通孔33を設けて、貫通孔33より蒸気抜きを行っているが、貫通孔33を設けない場合には、30mm幅におけるチャックテープ部45の内側嵌合強度が20N以下であることが好ましい。この内側嵌合強度が20N以下であることにより、加熱時に内容物から水蒸気が発生し、パウチ内の圧力が高まったときに嵌合が外れるので、パウチ内の蒸気を自動的に抜くことができ、安全に調理することができる。本明細書における「内側嵌合強度」とは、収容空間から第3縁に向かって嵌合を外すときの強度である。内側嵌合強度の測定は、以下のようにして測定することができる。まず、チャックテープ部を30mm幅となるように切り出す。なお、ここで言う「幅」とは、チャックテープが延びる方向の長さを意味するものとする。そして、テンシロン引張試験機(型番「RTC−1310A」、株式会社オリエンテック製)を使用し、雄型テープ部材における収容空間側に存在していた基部と雌型テープ部材における収容空間側に存在していた基部が一直線上になるように、引張速度300mm/分で雄型テープ部材における収容空間側に存在していた基部と雌型テープ部材における収容空間側に存在していた基部を逆方向に引っ張り、チャックテープ部の嵌合を外す。そして、チャックテープ部の嵌合が外れるまでの間の最大引張強度を内側嵌合強度とする。
<<パウチの製造方法>>
このようなパウチ10は、以下のようにして製造することができる。まず、平面状の第1部材20および第2部材30を用意する。なお、予め第1部材20には、シーラント層53側かつ第3縁20C近傍に、第3縁20Cに沿って雌型テープ部材45Bを取り付けておく。また、第2部材30には、シーラント層62側かつ雌型テープ部材45Bと対向する位置に雄型テープ部材45Aを取り付けておく。さらに、所定の位置に、ハーフカット線31、ノッチ32、貫通孔33を形成しておく。
そして、第1部材20の第1縁20A側および第2縁20B側の部分を所定の幅でシーラント層53側に折り込み、次いで折り込んだ部分の一部をさらにシーラント層53が上側となるように折り返して、第1〜第4折線20E〜20Hを形成するとともに、第1〜第5パネル21〜25を形成する。
次いで、第3縁20C側において、第1折線20Eと第2折線20Fとの間で、第1部材20の第2パネル22と第3パネル23とをヒートシールして、第1シール部41を形成する。さらに、第3縁20C側において、第3折線20Gと第4折線20Hとの間で、第1部材20の第3パネル23と第4パネル24とをヒートシールして、第2シール部42を形成する。
最後に、第1部材20の第1縁20A、第2縁20B、および第3縁20Cの近傍で、第1縁20A、第2縁20B、および第3縁20Cに沿って、第1部材20の第1パネル21、第3パネル23、第5パネル25と第2部材30をヒートシールして、第3シール部43を形成する。これにより、パウチ10を得ることができる。
パウチ10に内容物を収容する場合には、パウチ10における開口10Eから内容物を充填する。その後、第4縁20D、30D側で、第1部材20の第2パネル22と第3パネル23をヒートシールし、第1部材20の第3パネル23と第3パネル24をヒートシールする。また、第1部材20の第1パネル21、第3パネル23、第5パネル25と第2部材30をヒートシールして、第4縁シール部を形成し、パウチ10を密閉する。
本実施形態によれば、第1部材20が、少なくとも、プラスチックフィルム51、金属箔層52、およびシーラント層53をこの順で備える第1積層体50から構成されているので、電磁誘導加熱することができる。これにより電磁誘導加熱可能なパウチを提供することができる。
本発明者らは、電磁誘導加熱時におけるパウチの損傷について、鋭意研究を重ねたところ、電磁調理器のコイル中心から所定の領域(例えば、直径80mm以上130mm以下の領域)では磁性体の発熱量が特に大きくなるので、この領域内に磁性体が重なる部分が存在することによって磁性体が過加熱されてしまい、パウチが損傷してしまうこと、および磁性体を含む部材同士が重なる部分をこの領域から外れた箇所に位置させることによってパウチの損傷を抑制できることを見出した。本実施形態によれば、第1部材20の第2パネル22と第3パネル23との間をシールする第1シール部41と、第1部材20の第3パネル23と第4パネル24との間をシールする第2シール部42が、方向Dにおけるパウチ10の端に位置しているので、パウチ10の中央部10F(第1部材の中央部)がコイルの中央部に位置するようにパウチを電磁調理器に載置した場合には、第1シール部41および第2シール部42を、コイル直上における磁性体の発熱量が特に大きくなる上記領域から外れた箇所に位置させることができる。これにより、第1部材20同士が重なる部分である第1シール部41および第2シール部42において過剰に発熱することがなく、電磁誘導加熱時におけるパウチ10の損傷を抑制できる。
本実施形態によれば、パウチ10が電磁誘導加熱可能であるので、内容物を収容したまま電磁調理器で誘導加熱することができるので、専用の容器に移し替える手間を省くことができる。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態に係る容器について、図面を参照しながら説明する。図7は本実施形態に係る容器の斜視図であり、図8は本実施形態に係る容器の平面図であり、図9は図8に示される容器のII−II線に沿った断面図である。
<<<容器>>>
図7に示される容器70は、内容物を収容する収容空間70Aを有するとともに、上面が開放されている。容器70は、1枚の部材80、第1シール部91および第2シール部92から構成されている。本明細書における「1枚の部材」とは、第1シール部および第2シール部を剥離して部材を広げたときに部材同士の重なり合いがないことを意味する。部材80は積層体から構成されているが、積層体全体で1枚と考えるものとする。
<<部材>>
部材80は、図7に示されるように、第1縁80Aと、第1縁80Aとは反対側の第2縁80Bと、第1縁80Aと第2縁80Bの間に延びる第3縁80Cと、第1縁80Aと第2縁80Bの間に延び、かつ第3縁80Cとは反対側の第4縁80Dとを有している。第1縁80Aおよび第2縁80Bは、直線状かつ互いに略平行に延びている。第1縁80Aおよび第2縁80Bの長さは、ほぼ等しい長さとなっている。
部材80は、図7に示されるように、第3縁80Cから第4縁80Dに向けて各々延びる第1折線80E、第2折線80F、第3折線80G、第4折線80Hを有している。第1〜第4折線80E〜80Hは、直線状かつ互いに略平行に延びている。第1〜第4折線80E〜80Hは、ほぼ等しい長さとなっている。
部材80は、図7に示されるように、第1パネル81と、第1折線80Eを介して第1パネル81と連設された第2パネル82と、第2折線80Fを介して第2パネル82と連設された第3パネル83と、第3折線80Gを介して第3パネル83と連設された第4パネル84と、第4折線80Hを介して第4パネル84と連設された第5パネル85とを備えている。
第3パネル83が、容器70の底面70Bを構成し、第1パネル81、第2パネル82、第4パネル84、および第5パネル85が、容器70の側面70Cを構成している。具体的には、第1折線80Eは第1縁80Aおよび第2折線80Fよりも容器70の内側に位置しており、第4折線80Hは第2縁80Bおよび第3折線80Gよりも容器70の内側に位置している。したがって、容器70の側面10Cには、折込部86が形成されている。このような折込部86を形成することにより、容器70の収容空間70Aの体積を増やすことができる。また、折込部86を1枚の部材80で形成することにより、継ぎ目なく折込部86を形成できるので、後述する積層体が重なることを抑制できる。
容器70の寸法および第1〜第5パネル81〜85の寸法は、パウチ10の寸法およびパウチ10の第1〜第5パネル21〜25の寸法と同様になっているので、ここでは、説明を省略するものとする。
部材80は、少なくとも、プラスチックフィルム、金属箔層、およびシーラント層をこの順で備える積層体から構成されている。積層体は、さらに、プラスチックフィルムと金属箔層との間および金属箔層とシーラント層との間に介在した接合層とを備えていてもよい。積層体は、さらに、支持体など他の層を備えていてもよい。部材80を構成する積層体は、第1積層体50と同様であるので、ここでは説明を省略するものとする。
<<第1シール部および第2シール部>>
図8および図9に示される第1シール部91は、部材80の第2パネル22と第3パネル23との間をシールしている部分である。図8および図9に示される第2シール部92は、部材80の第3パネル83と第4パネル84との間をシールしている部分である。すなわち、第1シール部91および第2シール部92は、方向Dにおける容器70の端に存在している。
第1シール部91は、第3縁80C側および第4縁80D側にそれぞれ位置し、かつ第3縁80Cに沿って第1折線80Eの位置から第2折線80Fの位置まで形成されている。第2シール部92は、第3縁80C側および第4縁80D側にそれぞれ位置し、かつ第3縁80Cに沿って第3折線80Gの位置から第4折線80Hの位置まで形成されている。第3縁80C側に位置する第1シール部91および第2シール部92は、第3縁80Cからの距離が40mm以内の領域内に存在していることが好ましい。同様に、第4縁80D側に位置する第1シール部91および第2シール部92は、第4縁80Dからの距離が15mm以内の領域内に存在していることが好ましい。これらの領域内に第1シール部91および第2シール部92が存在することにより、容器70の中央部70Dから更に離すことができる。
第1シール部91の幅W1および第2シール部92の幅W2は、例えば、それぞれ20mm以上40mm以下となっている。
<<容器の製造方法>>
このような容器70は、以下のようにして製造することができる。まず、平面状の部材80を用意する。そして、部材80の第1縁80A側および第2縁80B側の部分を所定の幅でシーラント層103側に折り込み、次いで折り込んだ部分の一部をさらにシーラント層103が上側となるように折り返して、第1〜第4折線80E〜80Hを形成するとともに、第1〜第5パネル81〜85を形成する。
次いで、第3縁80C側および第4縁80D側において、それぞれ第1折線80Eと第2折線80Fとの間で、部材80の第2パネル82と第3パネル83とをヒートシールして、第1シール部91を形成する。さらに、第3縁80C側および第4縁80D側において、第3折線80Gと第4折線80Hとの間で、部材80の第3パネル83と第4パネル84とをヒートシールして、第2シール部92を形成する。これにより、容器70を得ることができる。
また、このような容器70は、第4縁20D側で、第1部材20の第1パネル21、第3パネル23、第5パネル25と第2部材30をヒートシールした状態のパウチ10から第2部材30を剥離することによっても得ることができる。
本実施形態によれば、部材80が、少なくとも、プラスチックフィルム101、金属箔層102、およびシーラント層103をこの順で備える積層体100から構成されているので、電磁誘導加熱することができる。これにより電磁誘導加熱可能な容器を提供することができる。
本実施形態によれば、部材80の第2パネル82と第3パネル83との間をシールする第1シール部91と、部材80の第3パネル23と第4パネル24との間をシールする第2シール部92が、方向Dにおける容器70の端に位置しているので、容器70の中央部70D(第1部材の中央部)がコイルの中央部に位置するようにパウチを電磁調理器に載置した場合には、第1シール部91および第2シール部92を、コイル直上における磁性体の発熱量が特に大きくなる上記領域から外れた箇所に位置させることができる。これにより、部材80同士が重なる部分である第1シール部91および第2シール部92において過剰に発熱することがなく、電磁誘導加熱時におけるパウチ10の損傷を抑制できる。
本実施形態によれば、容器70がパウチ10の第1部材20から第2部材30を剥離して得られるものである場合には、第1部材20から第2部材30を剥離するだけで、パウチ10から内容物を他の容器に移し替えないで、内容物を食することができる。
本発明を詳細に説明するために、以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの記載に限定されない。図10は、比較例1に係るパウチを示す斜視図である。
<実施例1>
実施例1においては、図2に示される平置き形式のパウチを作製した。具体的には、まず、第1縁および第2縁の長さが220mmであり、かつ第3縁および第4縁の長さが230mmの四角形状の第1部材および第1縁および第2縁の長さが220mmであり、かつ第3縁および第4縁の長さが170mmの四角形状の第2部材を用意した。なお、実施例における第1部材および第2部材の第1〜4縁は、第1実施形態で説明した第1部材および第2部材の第1〜4縁と同じ意味である。
第1部材は、厚み12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(製品名「T−4102」、東洋紡株式会社製)からなるプラスチックフィルム、厚み3μmのウレタン系接着剤(製品名「TM551/CRT−RT47」、東洋モートン株式会社製)からなる接合層、厚み15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(製品名「エンブレム(登録商標)ON−BCRT」、ユニチカ株式会社製)からなるプラスチックフィルム、厚み3μmのウレタン系接着剤(製品名「TM551/CRT−RT47」、東洋モートン株式会社製)からなる接合層、厚み7μmのアルニウム箔層(三菱アルミニウム株式会社製)、厚み3μmのウレタン系接着剤(製品名「TM551/CRT−RT47」、東洋モートン株式会社製)からなる接合層、厚み100μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(製品名「トレファン(登録商標)NO ZK−99S」、東レ株式会社製)からなるシーラント層をこの順で積層した積層体からなるものであった。
第2部材は、厚み15μmの無延伸ナイロンフィルム(製品名「レイファン(登録商標)1401」、東レ株式会社製)からなるプラスチックフィルムおよび厚み50μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(製品名「E3900T」、DIC株式会社製)からなるシーラント層の積層体からなるものであった。また、第2部材において、直径4mmの貫通孔を2箇所形成した。
そして、第1部材の第1縁側および第2縁側の部分を50mm幅でシーラント層側に折り込み、次いで折り込んだ部分の一部をさらにシーラント層が上側となるように25mm幅で折り返して、第1〜第4折線を形成するとともに、第1〜第5パネルを形成した。
次いで、第3縁側において、第1折線と第2折線との間で、第1部材の第2パネルと第3パネルとをヒートシールして、幅15mmの第1シール部を形成した。さらに、第3縁側において、第3折線と第4折線との間で、第1部材の第3パネルと第4パネルとをヒートシールして、幅15mmの第2シール部を形成した。なお、第1シール部および第2シール部は、第3縁からの距離が35mm以内の領域内に形成されていた。
次いで、第1部材の第1縁、第2縁、および第3縁の近傍で、第1縁、第2縁、および第3縁に沿って、第1部材と第2部材をヒートシールして、幅5mmの第1縁シール部および第2縁シール部と、幅10mmの第3縁シール部とからなる第3シール部を形成し、図2に示されるパウチを作製した。
作製したパウチの第1部材と第2部材の間に形成された開口から内容物として冷凍パスタ250gおよび水100gを投入した後、第4縁側で第1部材の第2パネルと第3パネルの間、および第1部材の第3パネルと第4パネルの間をヒートシールした。また、第1部材の第3パネルと第2部材を第4縁近傍でヒートシールして、第4縁シール部を形成した。
<比較例1>
比較例1においては、図10に示される合掌シール部101を備えたパウチ100を作製した。具体的には、まず、第1縁および第1縁とは反対側の第2縁の長さが230mmであり、第1縁と第2縁との間に延びる第3縁および第4縁の長さが460mmである四角形状の部材を用意した。
上記部材は、厚み12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(製品名「T−4102」、東洋紡株式会社製)からなるプラスチックフィルム、厚み3μmのウレタン系接着剤(製品名「TM551/CRT−RT47」、東洋モートン株式会社製)からなる接合層、厚み15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(製品名「エンブレム(登録商標)ON−BCRT」、ユニチカ株式会社製)からなるプラスチックフィルム、厚み3μmのウレタン系接着剤(製品名「TM551/CRT−RT47」、東洋モートン株式会社製)からなる接合層、厚み7μmのアルニウム箔層(三菱アルミニウム株式会社製)、厚み3μmのウレタン系接着剤(製品名「TM551/CRT−RT47」、東洋モートン株式会社製)からなる接合層、厚み100μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(製品名「トレファン(登録商標)NO ZK−99S」、東レ株式会社製)からなるシーラント層をこの順で積層した積層体からなるものであった。また、直径4mmの貫通孔を2箇所形成した。
そして、上記部材の第1縁と第2縁をシーラント層が内側となるように合掌させ、その合掌させた部分を第3縁から第4縁にかけて10mm幅でヒートシールし、合掌シール部を有する筒状体を形成した。
次いで、合掌シール部が中央となるように筒状体を潰し、第3縁近傍を10mm幅でヒートシールし、パウチを形成した。なお、上記貫通孔は合掌シール部が形成された面に設けられた。
作製したパウチの第4縁側に形成された開口から内容物として冷凍パスタ250gおよび水100gを投入した後、第4縁近傍をヒートシールした。
<評価試験>
実施例1および比較例1に係る各パウチを、電磁調理器(製品名「KIH−1403N」、小泉成器株式会社製)の載置面に、直径210mmのコイルの中央部にパウチの中央部が位置するように置いて、出力「中」で10分間加熱した。そして、加熱後のパウチの外観を観察し、評価した。評価基準は以下の通りとした。
○:パウチが損傷していなかった。
×:パウチの一部が損傷していた。
<シール強度測定>
実施例1に係るパウチにおいて、第3シール部のシール強度を測定した。シール強度は、恒温槽付き引張試験機(型番「RTC−1310A」、オリエンテック株式会社製)を用いて、23℃、相対湿度50%±10%の雰囲気下において、JIS Z0238:1998に準拠して測定した。具体的には、第3のシール部と直交する方向に切り出して、短辺が15mmの幅を有する矩形状の試験片を作製した。試験片は、その長辺方向の一方の先端から15mmにわたって、第1部材と第2部材が分かれていた。その後、第1部材のうち第2部材と分かれている部分および第2部材のうち第1部材と分かれている部分をそれぞれ、上記引張試験機の一対の把持具で把持した。そして、一方の把持具と他方の把持具を第3シール部分の面方向に対して直交する方向において互いに逆向きに、300mm/分の速度で引っ張り、引張応力の最大値を測定し、これをシール強度とした。なお、一方の把持具と他方の把持具間の初期の間隔は20mmとし、引っ張りを終了する際の、一方の把持具と他方の把持具間の間隔は40mmとした。シール強度は、第3シール部のランダムの位置から切り出した3個の試験片を用いて測定されたシール強度の算術平均値とした。
<剥離評価>
実施例1に係るパウチにおいて、第1部材から第2部材を剥離する剥離評価を行った。剥離評価は、片方の手で第1部材の第3縁の近傍を押さえ、また他方の手で第2部材の第3縁の近傍を掴み、第2部材を第3縁から第4縁に向けて剥離することによって行われた。評価基準は以下の通りとした。
○:第1部材から第2部材を容易に剥離することができた。
×:第1部材から第2部材の剥離が困難であった。
以下、評価結果を表1に示す。
Figure 0006922598
以下、結果について述べる。表1に示されるように、比較例1に係るパウチにおいては、加熱によってパウチが損傷してしまった。これは、コイルの直上における磁性体(アルミニウム箔層)の発熱量が特に大きくなる領域にアルミニウム箔層を備える積層体同士が重なる部分が位置していたために、この部分が過剰に発熱してしまったからであると考えられる。
これに対し、実施例1に係るパウチにおいては、パウチの損傷が確認されなかった。これは、アルミニウム箔層を備える積層体同士が重なる部分が、コイル直上における磁性体(アルミニウム箔層)の発熱量が特に大きくなる領域から外れていたためであると考えられる。また、実施例1に係るパウチにおいては、シール強度が11N/15mmであったので、第1部材から第2部材を容易に剥離することができた。
10…パウチ
10A…収容空間
20…第1部材
20A、30A、80A…第1縁
20B、30B、80B…第2縁
20C、30C、80C…第3縁
20D、30D、80D…第4縁
20E、80E…第1折線
20F、80F…第2折線
20G、80G…第3折線
20H、80G…第4折線
21、81…第1パネル
22、82…第2パネル
23、83…第3パネル
24、84…第4パネル
25、85…第5パネル
30…第2部材
30E…内面
30F…外面
31…ハーフカット線
33…貫通孔
41、91…第1シール部
42、92…第2シール部
43…第3シール部
45…チャックテープ部
45A…雄型テープ部材
45B…雌型テープ部材
50…第1積層体
51、61…プラスチックフィルム
52…金属箔層
53、62…シーラント層
60…第2積層体
70…容器
80…部材

Claims (7)

  1. 第1部材と、前記第1部材と対向する第2部材とを備え、かつ内容物を収容する収容空間を有するパウチであって、
    前記第1部材が、少なくとも、プラスチックフィルム、金属箔層、およびシーラント層をこの順で備える第1積層体から構成され、
    前記第2部材が、少なくとも、プラスチックフィルムおよびシーラント層を備え、かつ金属箔層を備えない第2積層体から構成され、
    前記第1部材が、第1縁と、前記第1縁とは反対側の第2縁と、前記第1縁と前記第2縁の間に延びる第3縁と、前記第1縁と前記第2縁の間に延び、かつ前記第3縁とは反対側の第4縁と、前記第3縁から前記第4縁に向けて各々延びる第1折線、第2折線、第3折線、および第4折線とを有し、かつ第1パネルと、前記第1折線を介して前記第1パネルと連設された第2パネルと、前記第2折線を介して前記第2パネルと連設された第3パネルと、前記第3折線を介して前記第3パネルと連設された第4パネルと、前記第4折線を介して前記第4パネルと連設された第5パネルとを備え、
    前記パウチが、前記第1部材の前記第2パネルと前記第3パネルとの間をシールする第1シール部と、前記第1部材の前記第3パネルと前記第4パネルとの間をシールする第2シール部と、前記第1部材の前記第1パネル、前記第3パネルおよび前記第5パネルと前記第2部材との間をシールする第3シール部とをさらに備える、パウチ。
  2. 前記第3シール部におけるシール強度が20N/15mm以下である、請求項1に記載のパウチ。
  3. 雄型テープ部材および前記雄型テープ部材と嵌合可能な雌型テープ部材からなるチャックテープ部をさらに備え、前記雄型テープ部材および前記雌型テープ部材の一方が前記第1部材の内面に取り付けられ、前記雄型テープ部材および前記雌型テープ部材の他方が前記第2の部材の内面に取り付けられている、請求項1または2に記載のパウチ。
  4. 前記第2部材が、前記プラスチックフィルムを貫通し、かつ前記シーラント層を貫通しないハーフカット線を有する、請求項1ないし3のいずれか一項に記載のパウチ。
  5. 前記第2部材が、前記第2部材の内面から前記第2部材の外面にかけて貫通した貫通孔を有する、請求項1ないし4のいずれか一項に記載のパウチ。
  6. 前記内容物が、冷凍食品である、請求項1ないし5のいずれか一項に記載のパウチ。
  7. 1枚の部材からなり、かつ上面が開放された容器であって、
    前記部材が、少なくとも、プラスチックフィルム、金属箔層、およびシーラント層をこの順で備える積層体から構成され、
    前記部材が、第1縁と、前記第1縁とは反対側の第2縁と、前記第1縁と前記第2縁の間に延びる第3縁と、前記第1縁と前記第2縁の間に延び、かつ前記第3縁とは反対側の第4縁と、前記第3縁から前記第4縁に向けて各々延びる第1折線、第2折線、第3折線、および第4折線とを有し、かつ第1パネルと、前記第1折線を介して前記第1パネルと連設された第2パネルと、前記第2折線を介して前記第2パネルと連設された第3パネルと、前記第3折線を介して前記第3パネルと連設された第4パネルと、前記第4折線を介して前記第4パネルと連設された第5パネルとを備え、
    前記容器が、前記部材の前記第2パネルと前記第3パネルとの間をシールする第1シール部と、前記部材の前記第3パネルと前記第4パネルとの間をシールする第2シール部とをさらに備える、容器。
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