JP6241986B2 - バリア性袋体および物品 - Google Patents

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本発明は、例えば経腸栄養剤を収納する袋体の表面などに貼着されるバリア性保護フィルムと、該バリア性保護フィルムを備えたバリア性袋体、該バリア性袋体に内容物が収納された物品に関する。
例えば、病院等において使用される経腸栄養剤は、酸素や光により品質が劣化しやすいため、ガスバリア性と遮光性とを備えた袋体に収納されることが求められる。また、経腸栄養剤の袋体には、経腸栄養剤を水で希釈する時に水の投入量を確認したり、摂取者に投与する時に投与量を確認したりできるように、内容物量を目視確認可能な透明性を備え、好ましくは目盛りが設けられていることが求められる。
このような事情を背景として、内容物量を確認できる目盛りが印刷された透明フィルムの外側に、金属層を備えたフィルムを剥離可能に積層した積層フィルムを用い、袋体を形成することが行われている(例えば特許文献1参照。)。
このような袋体によれば、保存時、輸送時などには、金属層を備えたフィルムによりガスバリア性および遮光性が確保され、使用時には、該フィルムを袋体の片面全面から手で剥離して、目盛りが印刷された透明フィルムを露出させることにより、内容物量を目視確認できる。
また、このように金属層を備えたフィルムを剥離可能に設けた袋体としては、食品が収納された電子レンジ調理用の袋体がある(例えば特許文献2参照。)。
このような袋体によれば、保存時、輸送時などには、金属層を備えたフィルムのガスバリア性および遮光性により、食品の劣化を防止できる。そして、電子レンジでの加熱時には、金属層を備えたフィルムはマイクロ波を反射するため、該フィルムを剥離してから、食品を加熱する。
特開平03−111053号公報 特開昭63−125177号公報
しかしながら、このように袋体に積層されたフィルムを剥離する場合、剥離開始の初期の段階では、大きな力を要することなく、比較的容易にフィルムを剥離できるが、その後、剥離の後期になるにつれて、徐々に剥離に要する力が大きくなり、剥離が困難になったり、さらにはフィルムが剥離の途中で切れてしまったりすることがあった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、剥離の後期になっても、剥離に要する力が過度に大きくなることなく、容易に剥離できるバリア性保護フィルムと、該バリア性保護フィルムを備えたバリア性袋体と、バリア性袋体に内容物が収納された物品の提供を課題とする。
本発明は、以下の構成を有する。
[1]対象物の外表面に剥離可能に設けられるバリア性保護フィルムであって、金属層と、該金属層の一方の面に設けられ、第1の延伸フィルム層を少なくとも備えた被着層と、 前記金属層の他方の面に設けられ、第2の延伸フィルム層を少なくとも備えた外層とからなり、前記第1の延伸フィルム層の厚みは、前記第2の延伸フィルム層の厚みよりも大きいバリア性保護フィルム。
[2][1]に記載のバリア性保護フィルムと、該バリア性保護フィルムが設けられた前記対象物としての袋体とを有するバリア性袋体。
[3][2]のバリア性袋体内に、内容物が収納された物品。
本発明のバリア性保護フィルムによれば、剥離の後期になっても、剥離に要する力が過度に大きくなることなく、容易に剥離できる。
本発明の一例であるバリア性フィルムの構成を示す断面図である。 図1のバリア性保護フィルムが剥離可能に設けられる袋体(対象物)を示す平面図である。 図2のI−I’線に沿う断面図である。 図1のバリア性保護フィルムが図2の袋体の外表面に剥離可能に設けられたバリア性袋体と、該バリア性袋体に収納された内容物(経腸栄養剤)とからなる栄養剤製品(物品)を示す断面図である。 図4の一部を拡大した拡大断面図である。 図4の栄養剤製品から、バリア性保護フィルムを剥離する様子を説明する断面図である。 従来のフィルム状物を対象物から手で剥離する場合について、(a)剥離の初期の状態を説明する説明図と、(b)剥離の後期の状態を説明する説明図である。 図1のバリア性保護フィルムを対象物から手で剥離する場合について、(a)剥離の初期の状態を説明する説明図と、(b)剥離の後期の状態を説明する説明図である。 図1のバリア性保護フィルムと、他のバリア性保護フィルムについて、90度剥離試験と180度剥離試験を実施した結果を示す棒グラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の一例であるバリア性保護フィルム10の構成を示す断面図である。図2は、図1のバリア性保護フィルム10がその外表面に剥離可能に設けられる袋体(対象物)20を示す平面図、図3は、図2のI−I’線に沿う断面図である。
図4は、図1のバリア性保護フィルム10が図2の袋体20の外表面に剥離可能に設けられたバリア性袋体30内に、内容物として経腸栄養剤Nが充填された栄養剤製品(物品)を示す断面図である。
図1の例のバリア性保護フィルム10は、例えば図2に示す袋体20の外表面に剥離可能に設けられ、袋体20にガスバリア性および遮光性を付与し、内容物の酸素や光による品質劣化を防止するものである。
バリア性保護フィルム10は、金属層11と、金属層11の一方の面に設けられた被着層12と、金属層11の他方の面に設けられた外層13とからなる。被着層12とは、該バリア性保護フィルム10が袋体20などの対象物の外表面に設けられる際において、内側、すなわち対象物側に配される層であって、外層13とは、外側に配される層である。この例では、被着層12、金属層11、外層13の3層は、ドライラミネート法により、接着剤を介して順次積層されている。
金属層11は、バリア性保護フィルム10にガスバリア性および遮光性を付与するものであって、例えばアルミニウム、マグネシウム、鉄、アルミニウム合金などの金属からなる金属箔、金属蒸着膜などで形成される。金属層11の厚みは、金属箔の場合、耐ピンホール性の観点から、6μm以上であることが好ましく、詳しくは後述するが、バリア性保護フィルム10に折り癖がつくことなく、剥離の後期になってもより容易にバリア性保護フィルム10を剥離できる観点から、12μm以下であることが好ましい。なお、この例の金属層11は、厚みが7μmのアルミニウム箔により形成されている。
被着層12および外層13は、金属層11を両面側から保護するとともに、バリア性保護フィルム10に引張強度、剛性などを付与するものである。この例では、被着層12は、ポリエチレンテレフタレート(PET)の二軸延伸フィルムからなる第1の延伸フィルム層であり、外層13は、PETの二軸延伸フィルムからなる第2の延伸フィルム層であって、被着層12と外層13とは、同じ材質(PET)の二軸延伸フィルムにより形成されている。
そして、この例では、被着層12を構成している第1の延伸フィルム層の厚みは16μm、外層13を構成している第2の延伸フィルム層の厚みは9μmであって、第1の延伸フィルム層の方が、第2の延伸フィルム層よりも厚みが大きく形成されている。具体的には、第1の延伸フィルム層の厚みは、第2の延伸フィルム層の厚みの1.78倍である。
このように第1の延伸フィルム層の厚みが第2の延伸フィルム層の厚みよりも大きく形成されていると、詳しくは後述するが、バリア性保護フィルム10を対象物から剥離する際に、剥離の後期になっても、剥離に要する力が過度に大きくなることなく、容易に剥離できる。
第1の延伸フィルム層および第2の延伸フィルム層の各厚みは、上述のとおり、第1の延伸フィルム層の方が第2の延伸フィルム層よりも大きくなるように設定されればよいが、第1の延伸フィルム層の厚みは、第2の延伸フィルム層の厚みの1.3倍以上であることが好ましく、1.5倍以上であることがより好ましい。これにより、バリア性保護フィルム10を対象物から剥離する際に、剥離の後期になっても、より容易に剥離できる。
第1の延伸フィルム層の厚みは、バリア性保護フィルム10を剥離する際のフィルム破断を抑制する点、第1の延伸フィルム層に充分な剛性を発現させる点から、12μm以上であることが好ましい。好ましい上限は、20μmである。
第2の延伸フィルム層の厚みは、第1の延伸フィルム層の厚みよりも小さくなるように、第1の延伸フィルム層の厚みに応じて設定される。好ましくは、第1の延伸フィルム層の厚みが第2の延伸フィルム層の厚みの1.3倍以上になるように、より好ましくは、1.5倍以上になるように設定される。好ましい上限は、2.0倍である。
図2および図3の袋体20は、内容物として経腸栄養剤を収納する経腸栄養剤用の袋体である。この袋体20は、前面側フィルム21と、該前面側フィルム21に対向配置される背面側フィルム22との周縁部がヒートシールされて熱融着し、平面視矩形の袋状に形成されている。
前面側フィルム21は、袋体20の内容物量を目視確認できる透明性を備え、図示略の目盛りが印刷されている。この例の前面側フィルム21は、PETフィルム、二軸延伸ポリアミドフィルム(ONY)、無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)が、接着剤を介して順次積層した3層の積層フィルムからなり、袋体20においては、CPPからなる層が内側に位置してヒートシール層(シーラント層)となっている。目盛りの印刷は、この例では、PETフィルムの内表面に施されている。
一方、背面側フィルム22は、この例では、PETフィルム、ONY、金属箔(アルミニウム箔)、CPPが、接着剤を介して順次積層した4層の積層フィルムからなり、袋体20においては、CPPからなる層が内側に位置してヒートシール層となっている。
この例の袋体20においては、背面側フィルム22は、上述のとおり、金属箔からなる層を有するために、ガスバリア性および遮光性を備えているが、前面側フィルム21は、上述のとおり、金属箔からなる層などを有しておらず、ガスバリア性および遮光性を備えていない。
そのため、図1のバリア性保護フィルム10は、図4に示すように、金属箔からなる層を有していない前面側フィルム21の外表面に、剥離可能に設けられる。
この例の袋体20では、その長手方向の一端部において、前面側フィルム21と背面側フィルム22との間に、袋体20の内外を連通し、袋体20内の内容物を外部に取り出すための筒状の口部材23がヒートシールにより取り付けられている。
袋体20の長手方向の他端部は、内容物の充填前にはヒートシールされておらず開口しており、内容物の充填後にヒートシールにより閉塞された部分である。この部分には、袋体20を吊り下げるための吊り下げ穴24がヒートシール前に形成される。この例では、口部材23の先端部は、アルミニウム箔などからなる剥離可能な蓋部材23aにより閉塞されている。
図4は、図2および図3の袋体20の外表面に、図1のバリア性保護フィルム10が剥離可能に設けられたバリア性袋体30と、該バリア性袋体30内に充填された経腸栄養剤Nとを備えた栄養剤製品(物品)を示す断面図である。図5は、図4の一部を拡大した拡大断面図である。
この栄養剤製品は次のようにして製造できる。
まず、前面側フィルム21として、目盛りの印刷が施されたPETフィルムと、ONYと、CPPとが接着剤を介して順次積層した積層フィルムを用意する。ついで、前面側フィルム21においてPETフィルムにより構成される外表面の全面に、図1のバリア性保護フィルム10を剥離可能に設け、前面側フィルム21とバリア性保護フィルム10との積層フィルム25を製造する。この際、図5に示すように、バリア性保護フィルム10は、その被着層12が前面側フィルム21と対向するよう内側に位置し、外層13が外側に位置するように配置する。
バリア性保護フィルム10を前面側フィルム21から剥離可能に設ける方法としては、公知の方法が採用でき、例えば、前面側フィルム21の外表面の全面に接着剤を塗工し、その上に接着剤の接着性を抑えるコート剤(剥離コート剤、糊ごろし剤など。)を点状、筋状、格子状など部分的に、かつ、前面側フィルム21の外表面の全面に均質に設けた後、バリア性保護フィルム10を積層、接着する方法が挙げられる。このような方法によれば、前面側フィルム21の外表面の全面に塗工された接着剤の接着性が、コート剤により全面的に抑制され、バリア性保護フィルム10を剥離可能な程度に、前面側フィルム21に対して接着することができる。
このように前面側フィルム21とバリア性保護フィルム10とが積層した積層フィルム25を製造する一方、PETフィルムと、ONYと、金属箔(アルミニウム箔)と、CPPとが接着剤を介して順次積層した背面側フィルム22を用意する。
ついで、積層フィルム25と背面側フィルム22とを、前面側フィルム21のCPPからなる層と、背面側フィルム22のCPPからなる層とが内側となり、互いに接するように重ね合わせ、その周縁のうち、長手方向の一端部と、短手方向の両端部との合計3辺をヒートシールバーなどでヒートシールする。ここで長手方向の一端部をヒートシールする場合には、積層フィルム25と背面側フィルム22との間に口部材23を介在させて、口部材23をヒートシールにより取り付ける。一方、ヒートシールされておらず開口している長手方向の他端部においては、ヒートシールがなされる予定位置に、吊り下げ穴24を形成する。
ついで、開口している長手方向の他端部から、経腸栄養剤Nを充填し、長手方向の他端部をヒートシールして閉塞する。
このようにして図4の栄養剤製品を製造することができる。
図4の栄養剤製品を使用する場合、すなわち、摂取者に経腸栄養剤Nを投与する場合には、図6に示すように、まず、バリア性保護フィルム10を袋体20の端部から手で剥離し、取り去る。これにより、透明性を備え、目盛りが印刷された前面側フィルム21が露出する。ついで、口部材23から蓋部材23aを剥離するなど、口部材23の形態に応じた開口操作を行ってから、口部材23にチューブなどをつなぎ、チューブを通じて経腸栄養剤Nを摂取者へと投与する。
従来、対象物に剥離可能に設けられているフィルム状物を対象物から剥離する場合、剥離の初期には比較的容易にフィルムを剥離できても、剥離の後期になるにつれて、徐々に剥離に要する力が大きくなり、剥離しにくくなったり、さらにはフィルム状物が剥離の途中で切れたりするという問題があった。
これに対して、図1のバリア性保護フィルム10は、被着層12を構成している第1の延伸フィルム層の厚みが、外層13を構成している第2の延伸フィルム層の厚みよりも大きく形成されているため、剥離の後期になっても、剥離に要する力が過度に大きくなることなく、対象物から容易に剥離することができる。
これは以下の理由によるものと考えられる。
図7に模式的に示すように、従来のフィルム状物Fを対象物の被剥離面Pから手で剥離する場合、剥離の初期では、図7(a)に示すように、フィルム状物Fは被剥離面Pから立ち上がり、フィルム状物Fと被剥離面Pとのなす角度αは概略90度前後となっている。ところが、剥離が進み、剥離の後期になるにつれて、図7(b)に示すように、フィルム状物Fが剥離基端部(根元部分)で折れて被剥離面Pに沿うように寝て、角度αは大きくなり、180度に近づいていく。
本発明者は、このように剥離の後期になるにつれてフィルム状物Fと被剥離面Pとのなす角度αが大きくなり、180度に近づいていくことを見出した。そして、このことが、剥離の後期には、剥離に要する力が大きくなることの原因であるものと考えた。
そこで、本発明者は、バリア性保護フィルム10の被着層12を構成している第1の延伸フィルム層の厚みを、外層13を構成している第2の延伸フィルム層の厚みよりも大きくし、第1の延伸フィルム層の剛性を第2の延伸フィルム層の剛性よりも高めることに想到した。
このように第1の延伸フィルム層の剛性を高めると、剥離の初期(図8(a))において、バリア性保護フィルム10の剥離基端部(根元部分)Qの被剥離面Pからの立ち上がりが、剥離の後期(図8(b))になっても維持される。よって、角度αは、剥離の後期になってもあまり大きくならず、そのため、図1のバリア性保護フィルム10によれば、剥離の後期になっても、剥離に要する力が過度に大きくなることなく、容易に剥離できるものと考えられる。
また、この際、金属層11の厚みを12μm以下とすると、金属層11によってバリア性保護フィルム10が剥離の後期で折れて折り癖がつきやすくなるのを防止できる。すなわち、金属層が厚いと、バリア性保護フィルムを剥離する際に、剥離の後期において、剥離基端部で折れて折り癖がつきやすくなり、被剥離面Pに沿うように寝てしまいやすくなる。その結果、角度αが増加し、剥離に要する力が大きくなってしまう。金属層11の厚みが12μm以下であれば、これを抑制できる。
図9は、図1のバリア性保護フィルム(図9中、(A)で示す。)と、他のバリア性保護フィルム(図9中、(B)で示す。)について、90度剥離試験と180度剥離試験とを実施したピール強度の結果を示す棒グラフである。90度剥離試験は、剥離の初期を模し、180度剥離試験は、剥離の後期を模したものである。なお、バリア性保護フィルム(B)は、被着層を構成している第1の延伸フィルム層の厚みと、外層を構成している第2の延伸フィルム層の厚みとをいずれも12μmとした点だけが、バリア性保護フィルム(A)とは異なるものである。
このグラフから、バリア性保護フィルム(B)の場合には、180度剥離試験で測定されたピール強度(剥離に要する力)は、90度剥離試験で測定されたピール強度の約5倍に達していることがわかる。このことから、バリア性保護フィルム(B)を剥離する場合には、剥離の後期になると、非常に大きな力が必要となることが理解できる。
一方、バリア性保護フィルム(A)の場合には、180度剥離試験で測定されたピール強度は、90度剥離試験で測定されたピール強度の約2倍程度である。このことから、バリア性保護フィルム(A)を剥離する場合には、剥離の後期になると、必要とする力は増加するもののその増加の程度は小さく、剥離の初期と同様に、容易に剥離できることが理解できる。
一般に、フィルム状物の剥離の後期における剥離力を小さくするためには、例えば、剥離の後期に対応する部分のフィルム状物−対象物間の接着強度が、剥離の初期に対応する部分のフィルム状物−対象物間の接着強度よりも小さくなるように、接着剤の上に塗工するコート剤(剥離コート剤、糊ごろし剤など。)の塗工パターンを剥離の初期に対応する部分と後期に対応する部分とで異ならせるなどの方法も考えられる。しかしながら、このような方法は、塗工パターンの設計などに手間を要する。
これに対して、上述したバリア性保護フィルム10によれば、被着層12を構成する第1の延伸フィルム層の厚みと、外層13を構成する第2の延伸フィルム層の厚みとを調整するだけの簡単な方法で、剥離の後期に必要とされる剥離力を小さく制御し、バリア性保護フィルム10の剥離を初期から後期まで、スムーズに行える。
なお、以上例示したバリア性保護フィルムの第1の延伸フィルム層と第2の延伸フィルム層は、対象物からの剥離操作性、ヒートシール時の耐熱性(寸法安定性)などに優れるPETの二軸延伸フィルムフィルムから形成されている。しかしながら、第1の延伸フィルム層と第2の延伸フィルム層は、例えば、ポリアミド、ポリプロピレンなどからなる延伸フィルムで形成されていてもよい。
また、延伸フィルムは、強度などの点から二軸延伸フィルムが好適ではあるが、一軸延伸フィルムであってもよい。
また、第1の延伸フィルム層と第2の延伸フィルム層は、それぞれ、延伸フィルムが複数積層した多層延伸フィルム層であってもよい。
また、図示例のバリア性保護フィルム10は、被着層12および外層13がいずれも延伸フィルム層(PET)のみからなっていて、これらの延伸フィルム層が金属層11の両側に設けられた3層構成となっている。しかしながら、被着層および外層の少なくとも一方が、延伸フィルム層以外の層を備えていてもよい。延伸フィルム層以外の層を備えている場合には、第1の延伸フィルム層の方が、第2の延伸フィルム層よりも厚みが大きいことに加えて、第1の延伸フィルム層を含む被着層の厚みが、第2の延伸フィルム層を含む外層の厚みよりも大きいことが、剥離の後期に容易に剥離できる観点から好ましい。延伸フィルム層以外の層としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドなどの未延伸フィルムなどがある。
バリア性保護フィルム10が剥離可能に設けられる対象物としては、以上の例では、経腸栄養剤が収納される袋体20を例示したが、バリア性が必要とされる内容物を収納する袋体であれば特に限定されず、他の栄養剤、各種薬剤などが収納される袋体でもよい。保存時、輸送時などにはガスバリア性や遮光性が要求され、その後の使用時などには、バリア性保護フィルムの剥離が求められる用途の袋体が好適である。さらに、対象物は袋体に限定されず、袋体以外の容器などであってもよい。
また、以上の例では、袋体20を構成する一対のフィルム、すなわち前面側フィルム21と背面側フィルム22のうち、前面側フィルム21にのみ、その全面にバリア性保護フィルム10を設けたが、袋体を構成するフィルムの材質などによっては、背面側フィルムにもバリア性保護フィルムを設けてもよいし、あるいは、前面側フィルムの一部にのみバリア性保護フィルムを設けてもよい。
このように以上説明したバリア性保護フィルムは、対象物の外表面のうちの少なくとも一部に設けることができる。
10 バリア性保護フィルム
11 金属層
12 被着層
13 外層
20 袋体
30 バリア性袋体

Claims (2)

  1. 袋体と該袋体の外表面に剥離可能に設けられたバリア性保護フィルムとを有し、前記バリア性保護フィルムは折り返すように引き剥がすことで前記袋体から剥離されるバリア性袋体であって、
    前記バリア性保護フィルムは、
    厚みが6〜12μmの金属層と、
    該金属層の一方の面に設けられ、厚みが12〜20μmの第1の延伸フィルム層を少なくとも備え、前記袋体に接着される被着層と、
    前記金属層の他方の面に設けられ、第2の延伸フィルム層を少なくとも備えた外層とからなり、
    前記第1の延伸フィルム層の厚みは、前記第2の延伸フィルム層の厚みよりも大きく、前記第1の延伸フィルム層の剛性が前記第2の延伸フィルム層の剛性よりも高くされているバリア性袋体
  2. 請求項のバリア性袋体内に、内容物が収納された物品。
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