JP6922206B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置に関する。
特許文献1には、ラインヘッドの用紙搬送方向に対するレジ調整方法が記載されている。より詳しくは、テストパターンを出力し、ヘッド間(K、C)位置がずれてなければセンター位置(0)の線分はK色とC色が重なりK色の単色となり、他(−2/−1/+1/+2)はK色とC色の2色の線分となる。位置ずれが有る場合、センター位置の線分はK色とC色の2色となり、ずれ量に対応した位置で線分はK色の単色となる。
特許文献2には、走査型ヘッドのレジ調整方法が記載されている。より詳しくは、2ドット幅の基準罫線と非基準罫線(非基準罫線は基準罫線に対して中央から1ドットずつ左右にずれていく)からなるテストパターンを出力し、7本の罫線の中で罫線が直線状に見えるものを選択し、ヘッドの傾き量を取得することが記載されている。すなわち、特許文献2は、主走査方向に対するヘッドの傾きを確認・調整する技術である。
特許文献3には、走査型ヘッドの着弾位置ずれ調整方法が記載されている。より詳しくは、ヘッドの往路・復路で位置をずらしたL&Sパターンを出力し、往復時の噴射タイミングが同じであれば白すじのないパターンとなる。すなわち、特許文献3は、ヘッドの噴射タイミングに関する技術である。
特開2016−87956号公報 特開2012−139958号公報 特開2012−96378号公報
本発明は、主走査方向に配列された複数のヘッドモジュールのつなぎ目における、主走査方向の位置ずれの有無を視覚的に認識可能なチャート画像を出力することができる画像形成装置を得ることが目的である。
請求項1に記載の発明は、主走査方向に配列された複数のヘッドモジュールのつなぎ目における、主走査方向の位置ずれの有無が、視覚的に表現されるチャート画像として、前記ヘッドモジュールの位置ずれが無いことを表現する画像情報を用いた基準チャート画像と、前記ヘッドモジュールの位置ずれが有ることを表現する画像情報を用いた位置ずれチャート画像とを、副走査方向にずらして記録用紙に形成する画像形成制御手段、を有し、前記チャート画像が、ヘッドモジュール単位で、主走査方向に周期性を持った周期画像であり、前記基準チャート画像の画像情報が、前記ヘッドモジュールのつなぎ目で前記周期画像の周期性が維持された画像情報であり、前記位置ずれチャート画像の画像情報が、前記ヘッドモジュールのつなぎ目で前記周期画像の周期性が維持されない画像情報である、
画像形成装置である。
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記記録用紙には、前記基準チャート画像を起点として、前記記録用紙における副走査方向の前後両方向で位置ずれ方向を異ならせると共に、予め定めた間隔で段階的に位置ずれ量を異ならせた複数の前記位置ずれチャート画像が形成され、前記記録用紙に形成された複数のチャート画像の内、前記ヘッドモジュールのつなぎ目において位置ずれがないことが表現されたチャート画像を特定することで、前記ヘッドモジュールのつなぎ目における主走査方向の位置ずれの有無、並びに、位置ずれが有る場合の位置ずれ方向及び位置ずれ量を視覚的に認識させる。
請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の発明において、前記記録用紙に形成された、前記基準チャート画像に対する前記位置ずれチャート画像の副走査方向にずらした間隔が、前記ヘッドモジュールの位置ずれ量に対応している。
請求項4に記載の発明は、前記請求項2に記載の発明において、前記記録用紙に形成された、前記基準チャート画像に対する前記位置ずれチャート画像の副走査方向にずらした前方向又は後方向が、前記ヘッドモジュールのつなぎ目の接近又は離間のずれ方向に対応している。
請求項5に記載の発明は、前記請求項1〜請求項4の何れか1項記載の発明において、前記位置ずれチャート画像が、前記ヘッドモジュールのつなぎ目における位置ずれ量を視覚的に識別可能な、異なる周期に設定された画像で形成される。
請求項6に記載の発明は、前記請求項1〜請求項5の何れか1項記載の発明において、前記チャート画像を読み取る読取手段と、前記読取手段で読み取ったチャート画像を解析して、前記ヘッドモジュールの主走査方向の位置ずれの有無、並びに位置ずれがあった場合の位置ずれ量及び位置ずれ方向を含む位置ずれ情報を特定する特定手段と、前記特定手段で特定された位置ずれ情報を報知する報知手段と、をさらに有する。
請求項7に記載の発明は、前記請求項1〜請求項6の何れか1項記載の発明において、前記主走査方向に対して直角となる方向に移動する操作部の移動を、移動体の前記主走査方向の移動に変換すると共に、前記操作部の移動量に対する、前記移動体の移動量が正比例の関係であり、かつ前記操作部の移動量よりも前記移動体の移動量が小さくなる変化率に設定されたカム機構部をさらに有し、前記カム機構部の操作部の操作に連携する移動体の移動により、前記ヘッドモジュールの主走査方向の位置を調整する。
請求項8に記載の発明は、前記請求項1〜請求項7の何れか1項記載の発明において、前記ヘッドモジュールには、液滴を吐出する複数の液滴吐出ノズルが一次元又は二次元の配列パターンで配列され、画像情報に応じて前記液滴吐出ノズルからの液滴吐出量を制御することで、階調を持った画像を形成する。
請求項1に記載の発明によれば、主走査方向に配列された複数のヘッドモジュールのつなぎ目における、主走査方向の位置ずれの有無を視覚的に認識可能なチャート画像を出力することができる。また、位置ずれの有無を周期性の有無で認識することができる。
請求項2に記載の発明によれば、主走査方向の位置ずれの有無に加え、位置ずれが有る場合の位置ずれ方向及び位置ずれ量を視覚的に認識可能なチャート画像を出力することができる。
請求項3に記載の発明によれば、位置ずれチャート画像の副走査方向のずらし度合いで、視覚的にヘッドモジュールの位置ずれ量を認識することができる。
請求項4に記載の発明によれば、位置ずれチャート画像の副走査方向のずらし方向で、視覚的にヘッドモジュールの位置ずれ方向を認識することができる。
請求項5に記載の発明によれば、位置ずれ量を周期画像の種類で認識することができる。
請求項6に記載の発明によれば、ヘッドモジュールの位置ずれ情報を自動的に報知することができる。
請求項7に記載の発明によれば、偏心ピンを代表とする直接的調整よりも、ヘッドモジュールの主走査方向の調整の精度を高めることができる。
請求項8に記載の発明によれば、主走査方向に液滴吐出ノズルが分割されてモジュール化されていても、主走査方向に亘り液滴の吐出ピッチを均等に維持することができる。
第1の実施の形態に係るインクジェット記録装置の主要構成部の一例を示す概略構成図である。 第1の実施の形態に係るヘッドモジュールの配置状態を示す平面図である。 第1の実施の形態に係り、(A)は記録用紙に印字されたつなぎ目チャート画像の平面図、(B)及び(C)は位置ずれがあったときにバー画像が均等ピッチとなることを示すつなぎ目チャート画像の特定位置の平面図である。 第1の実施の形態に係り、(A)は位置調整機構部の分解斜視図、(B)は位置調整機構部によるヘッドモジュールの位置調整状態を示す側面断面図である。 第1の実施の形態に係る位置調整機構部の調整量特定図である。 第2の実施の形態に係り、(A)は記録用紙に印字されたつなぎ目チャート画像の平面図、(B)及び(C)は位置ずれがあったときにバー画像が均等ピッチとなることを示すつなぎ目チャート画像の特定位置の平面図である。 第3の実施の形態に係り、(A)は記録用紙に印字されたつなぎ目チャート画像の平面図、(B)及び(C)は位置ずれがあったときにバー画像が均等ピッチとなることを示すつなぎ目チャート画像の特定位置の平面図である。 第4の実施の形態に係り、(A)は記録用紙に印字されたつなぎ目チャート画像の平面図、(B)及び(C)は位置ずれがあったときにバー画像が均等ピッチとなることを示すつなぎ目チャート画像の特定位置の平面図である。 第5の実施の形態に係り、(A)は記録用紙に印字されたつなぎ目チャート画像の平面図、(B)及び(C)は位置ずれがあったときにバー画像が均等ピッチとなることを示すつなぎ目チャート画像の特定位置の平面図である。 第6の実施の形態に係り、(A)は記録用紙の搬送経路上に画像読取装置が取り付けられた状態を示す制御ブロック図、(B)はヘッドモジュール位置ずれ判定ルーチンを示す制御フローチャートである。
[第1の実施の形態]
(装置概略)
図1は、第1の実施形態に係る画像形成装置の一例としてのインクジェット記録装置12の主要構成部を示した概略構成図である。
インクジェット記録装置12は、例えば、2組の画像形成部20A及び20B、画像形成制御手段の一例としての制御部22、記憶部30、給紙ロール80、排出ロール90、及び複数の搬送ローラ100を備えている。
また、画像形成部20Aは、ヘッド駆動部40A、印字ヘッド50A、乾燥装置駆動部60A、液滴乾燥装置70A、及び用紙速度検出センサ110Aを含む。なお、インクジェット記録装置12の場合、「画像形成」を「印字」ということが通例であるため、以下において、「画像形成」と「印字」とは同義として扱うものとする。
同様に、画像形成部20Bは、ヘッド駆動部40B、印字ヘッド50B、乾燥装置駆動部60B、液滴乾燥装置70B、及び用紙速度検出センサ110Bを含む。
なお、以下では画像形成部20A及び画像形成部20B、並びに、画像形成部20A及び画像形成部20Bに含まれる共通の部材を区別する必要がない場合には、符号末尾の記号“A”及び記号“B”を省略して表す場合がある。
制御部22は、図示しない用紙搬送モータを駆動することで、例えば用紙搬送モータとギヤ等の機構を介して接続された搬送ローラ100の回転を制御する。給紙ロール80には、記録媒体として用紙搬送方向に長尺状の記録用紙Pが巻き付けられており、搬送ローラ100の回転に伴って記録用紙Pが用紙搬送方向に搬送される。
制御部22は、例えば、記憶部30に記憶された画像データ(画像情報)を取得し、画像データに含まれる画像の画素毎の色情報に基づいて画像形成部20Aを制御することで、記録用紙Pの一方の画像形成面に画像データに対応した画像を形成する。
具体的には、制御部22は、ヘッド駆動部40Aを制御する。そして、ヘッド駆動部40Aは、制御部22から指示されたインク滴の吐出タイミングに従って、ヘッド駆動部40Aに接続された印字ヘッド50Aを駆動して、印字ヘッド50Aからインク滴を吐出させ、搬送される記録用紙Pの一方の画像形成面上に画像データに対応した画像を形成する。
なお、画像データに含まれる画像の画素毎の色情報は、画素の色を一意に示す情報を含む。第1の実施形態では、一例として、画像の画素毎の色情報がイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各々の濃度によって表されているものとするが、画像の色を一意に示す他の表現方法を用いてもよい。
印字ヘッド50Aは、Y色、M色、C色、及びK色の4色それぞれに対応した4つの印字ヘッド50AC、50AM、50AY、及び50AKを含み、印字ヘッド50Aから対応する色の液滴であるインク滴を吐出する。なお、印字ヘッド50Aにおいてインク滴を吐出するための駆動方法は特に限定されず、いわゆるサーマル方式や圧電方式等、公知のものが適用される。
乾燥装置駆動部60Aには、例えば、液滴乾燥装置70Aとして組み込まれた半導体発光素子(図示省略)の発光量をオン又はオフで制御するFET(Field Effect Transistor)等のスイッチング素子を備え、制御部22からの指示に基づいてスイッチング素子を駆動する。
そして、制御部22は乾燥装置駆動部60Aを制御することで、液滴乾燥装置70Aから記録用紙Pの一方の印字面に向けてレーザ光を照射させ、当該レーザ光の照射光量(投入熱量)により、記録用紙Pに印字された画像のインク滴を乾燥させて、記録用紙Pへの画像の定着を図る。なお、液滴乾燥装置70Aは、半導体発光素子に限定されず、ハロゲンランプは温風であってもよい。
その後、記録用紙Pは、搬送ローラ100の回転に伴って画像形成部20Bと対向する位置に搬送される。この際、記録用紙Pは、画像形成部20Aによって画像が印字された印字面とは異なる他方の印字面が画像形成部20Bと向き合うように搬送される。
制御部22は、前述した画像形成部20Aに対する制御と同様の制御を画像形成部20Bに対しても実行することで、記録用紙Pの他方の印字面に画像データに対応した画像を印字する。
記録用紙Pは、画像形成部20Bでの印字後、搬送ローラ100の回転に伴って排出ロール90まで搬送され、排出ロール90に巻き取られる。
なお、インク滴には水性インク、溶媒が蒸発するインクである油性インク、紫外線硬化型インク等が存在し、第1の実施形態では水性インクを使用しているが、これに限定されるものではない。
図2は、第1の実施の形態に係る印字ヘッド50(50A及び50B、以下、符号「A」及び「B」を省略)の平面図である。
図2に示される如く、記録用紙Pの搬送方向に沿って、予め定めたピッチ寸法で配列された、4個の印字ヘッド50C、50M、50Y、及び50Kは、それぞれ、主走査方向に5個のヘッドモジュール52(No.1)〜ヘッドモジュール(No.5)を備えている。5個のヘッドモジュール52(No.1)〜ヘッドモジュール(No.5)は、隣り合う同士が、相互に副走査方向に段差をもって配列されている。このため、ヘッドモジュール52(No.1)、ヘッドモジュール(No.3)及びヘッドモジュール(No.3)が同一主走査線上に配列され、ヘッドモジュール52(No.2)及びヘッドモジュール(No.4)が同一主走査線上に配列されている。
また、各ヘッドモジュール52(No.1)〜ヘッドモジュール(No.5)には、複数の液滴吐出ノズルが規則性をもって二次元配列されており、図2では、点線領域54で示されている。
点線領域54は、例えば、平行四辺形であり、前記段差をもち隣り合って配列されたヘッドモジュール52(No.1)〜ヘッドモジュール(No.5)のつなぎ目において、副走査方向で段差がある(オフセットされている)ものの、インク滴の出力タイミングを制御することで、見掛け上、全てのヘッドモジュール52(No.1)〜ヘッドモジュール(No.5)に亘り、同一主走査線上に、均等ピッチでインク滴を吐出することが可能となっている。
しかし、同一主走査線上に、均等ピッチでインク滴を吐出するためには、前記つなぎ目において、ヘッドモジュール52(No.1)〜ヘッドモジュール(No.5)の位置が適正であることが前提となる。
特に、各ヘッドモジュール52(No.1)〜ヘッドモジュール(No.5)の主走査方向の位置ずれは、記録用紙P上では、副走査方向の筋むらとなって表現される。
(テストチャートの出力制御)
第1の実施の形態に係る制御部22は、インクジェット記録装置12の出荷段階、及びメンテナンス時において、予め定めた基準レベルの画質が出力されているか否かの判別を視覚を通じて実行するためのテストチャートを出力する機能を有している。なお、メンテナンス時は、定期及び不定期に何れであってもよい。
テストチャートは、判定対象に応じて種々のパターンが準備(記憶部30に記憶)されている。例えば、用紙搬送方向に対するレジ、ヘッドの傾き、インク滴の着弾位置等が判定対象として挙げられる。判定対象には、ヘッドモジュール52(No.1)〜ヘッドモジュール(No.5)のつなぎ目において、主走査方向の位置ずれの有無を視覚的に判定することが含まれている。
第1の実施の形態において、ヘッドモジュール52(No.1)〜ヘッドモジュール(No.5)のつなぎ目において、主走査方向の位置ずれを判定するテストチャートは、主走査方向の位置ずれの有無を視覚的に判定する基本的な機能に加え、位置ずれがあった場合に、当該位置ずれの方向及び位置ずれの量を、視覚的に判定し得る付加的な機能を併せ持っている。
「位置ずれの量及び位置ずれの方向を視覚的に判定し得る」の定義としては、記録用紙Pに印字されたチャート画像自体に計量機能を持たせたことを意味し、言い換えれば、チャート画像から位置ずれを認識した後に、他の計量手段又は計測手段を用いることなく、位置ずれの調整量及び調整方向が認識可能となることを言う。
なお、以下において、ヘッドモジュール52(No.1)〜ヘッドモジュール(No.5)のつなぎ目において、主走査方向の位置ずれを判定するテストチャートの画像を、「つなぎ目チャート画像」という。
(つなぎ目チャート画像の詳細)
図3は、記録用紙Pに印字される、つなぎ目チャート画像であり、当該つなぎ目チャート画像の画像データは、記憶部30(図1参照)に予め記憶されている。なお、図3(A)では、1個の印字ヘッド50に設けられたヘッドモジュール52(No.1)〜ヘッドモジュール(No.5)をつなぎ目チャート画像が印字された記録用紙Pに対応させて図示しているが、つなぎ目チャート画像は、各色毎に実行することになる。
つなぎ目チャート画像としては、図3(A)の上下方向(副走査方向)に対して縦長の黒色棒状画像(以下、バー画像という)が、図3(A)の左右方向(主走査方向)に亘り、均等ピッチで印字される。この主走査方向に亘る複数のバー画像の集合体が1単位の位置ずれ判定用の計量目盛として機能する。
記録用紙Pの副走査方向には、7行(7種類)に亘り集合体のつなぎ目チャート画像が印字されている。なお、7行としたのは、後述する位置ずれ誤差が±3ドット分としたためであり、当該行数は限定されるものではない。
例えば、3ドット分の位置ずれは、ヘッドモジュール52の組み付け精度の許容範囲内であり、後述するつなぎ目調整機構部200の調整範囲に収まっているため対応し得る。一方、4ドットより大きい位置ずれは、ヘッドモジュール52の組み付け精度の許容範囲及びつなぎ目調整機構部200の調整範囲を外れており、その場合は、予めつなぎ目チャート画像の行数(種類)を増やすことと、つなぎ目調整機構部200の調整範囲を広げておくことが必要である。
副走査方向における中央の行として印字されるつなぎ目チャート画像は、基準チャート画像56であり、記憶部30には、主走査方向の全域に亘り、均等ピッチでバー画像を印字する画像データが記憶されている。
一方、副走査方向における基準チャート画像56以外の6行(6種類)のつなぎ目チャート画像は、位置ずれチャート画像58A〜58Fである。
記憶部30には、位置ずれチャート画像58A〜58Fの画像データとして、各ヘッドモジュール52(No.1)〜ヘッドモジュール(No.5)の中では均等ピッチであるが、隣り合うつなぎ目において、ヘッドモジュール52(No.3)を基準として、主走査方向に±1ドット〜±3ドットずらした状態のバー画像を印字する画像データが記憶されている。
なお、ヘッドモジュール52(No.4)を例とした場合、ヘッドモジュール52(No.4)がヘッドモジュール52(No.5)に接近する方向をプラス(+)とし、ヘッドモジュール52(No.4)がヘッドモジュール52(No.5)から離間する方向をマイナス(−)とする。
つなぎ目チャートの機能は以下のとおりである。
(基準チャート画像56)
基準チャート画像56は、ヘッドモジュール52(No.1)〜ヘッドモジュール(No.5)のつなぎ目が正常(位置ずれ無し)であれば、印字されるバー画像は、主走査方向の全域で均等ピッチで印字されることになる。
(位置ずれチャート画像58A)
+1ドットずらした状態の位置ずれチャート画像58Aは、ヘッドモジュール52(No.1)〜ヘッドモジュール(No.5)のつなぎ目が正常であれば、当該つなぎ目で印字されるバー画像は、1ドット分の隙間をもって印字されることになる(図3(A)において、基準チャート画像56よりも1行上に印字)。
(位置ずれチャート画像58B)
+2ドットずらした状態の位置ずれチャート画像58Bは、ヘッドモジュール52(No.1)〜ヘッドモジュール(No.5)のつなぎ目が正常であれば、当該つなぎ目で印字されるバー画像は、2ドット分の隙間をもって印字されることになる(図3(A)において、基準チャート画像56よりも2行上に印字)。
(位置ずれチャート画像58C)
+3ドットずらした状態の位置ずれチャート画像58Cは、ヘッドモジュール52(No.1)〜ヘッドモジュール(No.5)のつなぎ目が正常であれば、当該つなぎ目で印字されるバー画像は、3ドット分の隙間をもって印字されることになる(図3(A)において、基準チャート画像56よりも3行上に印字)。
(位置ずれチャート画像58D)
−1ドットずらした状態の位置ずれチャート画像58Dは、ヘッドモジュール52(No.1)〜ヘッドモジュール(No.5)のつなぎ目が正常であれば、当該つなぎ目で印字されるバー画像は、1ドット分接近した状態で印字されることになる(図3(A)において、基準チャート画像56よりも1行下に印字)。
(位置ずれチャート画像58E)
−2ドットずらした状態の位置ずれチャート画像58Eは、ヘッドモジュール52(No.1)〜ヘッドモジュール(No.5)のつなぎ目が正常であれば、当該つなぎ目で印字されるバー画像は、2ドット分接近した状態で印字されることになる(図3(A)において、基準チャート画像56よりも2行下に印字)。
(位置ずれチャート画像58F)
−3ドットずらした状態の位置ずれチャート画像58Fは、ヘッドモジュール52(No.1)〜ヘッドモジュール(No.5)のつなぎ目が正常であれば、当該つなぎ目で印字されるバー画像は、3ドット分接近した状態で印字されることになる(図3(A)において、基準チャート画像56よりも3行下に印字)。
すなわち、ヘッドモジュール52(No.1)〜ヘッドモジュール(No.5)のつなぎ目が正常であれば、基準チャート画像56は、バー画像が全て均等ピッチで印字され、位置ずれチャート画像58は、つなぎ目において均等ピッチとならない状態で印字される。
一方、ヘッドモジュール52(No.1)〜ヘッドモジュール(No.5)のつなぎ目の何れかで位置ずれがあると、当該位置ずれ量(ここでは、±3ドット)に応じて、位置ずれチャート画像58A〜58Fの何れかが、基準チャート画像56のように、バー画像が全て均等ピッチで印字されることになる(図3(B)及び図3(C)参照)。
視覚的に、複数のバー画像の中からピッチずれを見つけるよりも、通常、ずれている位置が、均等ピッチとなっていることを見つける方が見つけやすいことに着目し、また、基準チャート画像56のように、バー画像が全て均等ピッチで印字される行が、そのまま計量目盛の役目を果たすため、位置ずれの有無と共に、位置ずれが有った場合には、位置ずれ量及び位置ずれ方向が認識されることになる。
(つなぎ目調整機構)
図4は、第1の実施の形態に係るヘッドモジュール52の主走査方向の調整機構部200を示している。なお、図4(A)は分解斜視図及び組み付け図であり、図4(B)はヘッドモジュール52と調整機構部200との側面断面図である。
調整機構部200は、基準ブロック202を備えている。基準ブロック202は、チャンネル形状であり、平面視でC型形状とされている。
一対のブロックの図4の上方には、それぞれ円筒形状の一対のスペーサ204を介してプレート206が配置されている。
プレート206の下面は、前記基準ブロック202及び一対のスペーサ204を貫通し、印字ヘッド50のベースに固定された一対の支柱208の上端部に支持され、ねじ210により固定されている。
基準ブロック202とプレート206との間には、調整ユニット212が収容されている。調整ユニット212は、調整ねじ214と、矩形状の調整ブロック216とを備えている。調整ねじ214は、調整ブロック216の貫通孔216Aにねじ込まれるようになっている。
調整ブロック216の一方の側面(組み付け時に、主走査方向に調整されるヘッドモジュール52に向けられた面)は、図4の上面から下面にかけて幅寸法が小さくなる傾斜面216Bが形成されている。
また、貫通孔216Aから突出した調整ねじ214には、圧縮コイルばね218が取り付けられている。圧縮コイルばね218は、下端部が調整ブロック216の上面に突き当てられ、上端部が前記プレート206の下面に突き当てられている。
プレート206には、貫通孔206Aが設けられ、調整ねじ214の上端部に形成されたねじ頭部214Aが突出されている。ねじ頭部214Aは、調整ねじ214を回転させるための把持部として機能する。調整ねじ214が回転すると、回転が阻止された状態の基準ブロック202及び調整ブロック216が調整ねじ214の軸線方向(図4の上下方向)に移動することになる。
基準ブロック202は、調整ブロック216に形成された傾斜面216Bと所謂面一状態となるように傾斜面202Aが形成されている。
図4(B)に示される如く、基準ブロック202は、移動体220に対峙されている。移動体220における基準ブロック202と対峙する面は、図4の上下方向で傾斜の向きが真逆となる傾斜面220Aとされている。移動体220は、ヘッドモジュール52の主走査方向の一方の端面に取り付けられている。
また、ヘッドモジュール52の主走査方向の他方の端面には、ボールプランジャ222が配置され、ヘッドモジュール52を前記移動体220方向へばね力で押し付けている。
なお、ヘッドモジュール52を前記移動体220方向へ押し付ける手段は、ボールプランジャ222に限定されるものではなく、ねじりばねや圧縮コイルばね、または板ばねを含む弾性力を持つ部材を用いてもよい。
傾斜面202A及び216Bと、傾斜面220Aとは、互いに所謂くさび状に嵌り合っており、基準ブロック202及び調整ブロック216は、調整ねじ214を軸とする回転が阻止されている。
ここで、調整ねじ214の回転に応じて、基準ブロック202及び調整ブロック216が、図4の上下方向に移動すると、カム機構による移動体220の移動と、前記ボールプランジャ222の押し付け力とで、ヘッドモジュール52が主走査方向に移動するようになっている。
ここで、第1の実施の形態では、調整ねじ214の雄ねじのねじピッチは0.5mmであり、傾斜面202A及び216Bと、傾斜面220Aとの印字ヘッド50のベース面に対する傾斜角度θは、78.65°〜78.75°(好ましくは、θ=78.69°)に設定されている。
従って、調整ねじ214を1回転(360°)させると、基準ブロック202及び調整ブロック216が0.5mmだけ、図4の上下方向に移動し、当該移動により、移動体220が主走査方向に0.5mm×tan(90°−78.69°)(≒0.1mm)だけ移動することになる。
言い換えれば、調整ねじ214の移動量は、移動体220(ヘッドモジュール52)の移動量×tan78.69°となり、調整ねじ214の回転数(回転角度)に換算し、操作すればよい(0.5mm/1回転)。
ここで、調整ねじ214を回転させる際、90°の回転は、手操作であっても比較的精度よく回転させる最小単位となり得る。例えば、1ドットのずれ量が0.05mmであると、調整ねじ214を180°回転させればよく、偏心ピン等を用いた場合の調整作業に比べて、作業効率が向上することになる。
以下に、第1の実施の形態の作用を説明する。
画像形成指示(印字指示)があると、記憶部30(図1参照)又は図示しない通信回線網を介して外部から画像データを取り込み、当該画像データをインク滴の吐出量に換算しヘッド駆動部40へ送出する。
一方、記録用紙Pは、給紙ロール80の最外層から持ち出され、搬送ローラ100の回転に応じて、予め定めた搬送路に沿って搬送される。
ヘッド駆動部40では、印字時期になると、印字ヘッド50を制御して、各色毎のインク滴を吐出する。
インク滴の吐出により、画像が印字された記録用紙Pは、液滴乾燥装置70によって乾燥される。記録用紙Pの表又は裏の一方の面、又は両方の面の乾燥が終了すると、記録用紙Pは排出ロール90に巻き取られる。
ここで、印字ヘッド50は、主走査方向に複数(本実施の形態では5個)のヘッドモジュール52を組み付けることで、1ライン分のノズルを配列している。
ヘッドモジュール52の単体では、組み込まれたノズルのピッチは均等であるが、印字ヘッド50のベース面に、複数のヘッドモジュール52を組み付ける際、つなぎ目に組み付け誤差が生じることがある。
ヘッドモジュール52間のつなぎ目の誤差は、記録用紙P上では、副走査方向の筋むらとなって表現され易く、画質低下の要因となる。
そこで、第1の実施の形態では、インクジェット記録装置12の出荷段階、或いは、出荷後の定期又は不定期のメンテナンス時に、ヘッドモジュール位置ずれ判定モードを実行し、ヘッドモジュール52間のつなぎ目の適否を判定するつなぎ目チャート画像を記録用紙Pに印字するようにした。
つなぎ目チャート画像の画像データは、予め記憶部30に記憶されており、ヘッドモジュール位置ずれ判定モードになると、記憶部30から読み出され、記録用紙Pに印字される。
図3(A)は、記録用紙Pに印字した、つなぎ目チャート画像の一例である。
つなぎ目チャート画像は、基準チャート画像56を基準(中央)として、記録用紙Pの副走査方向の前後方向にそれぞれ3行の位置ずれチャート画像58A〜58F(合計7行(7種類))によって構成される。
基準チャート画像56は、主走査方向の全域に亘り、均等ピッチでバー画像を印字する画像データに基づき印字される。
一方、位置ずれチャート画像58A〜58Fは、各ヘッドモジュール52(No.1)〜ヘッドモジュール(No.5)の中では均等ピッチであるが、隣り合うつなぎ目において、ヘッドモジュール52(No.3)を基準として、主走査方向に±1ドット〜±3ドットずらした状態のバー画像が印字される。
(位置ずれ発生時の印字状態「その1」)
第1の実施の形態では、視覚的に、複数のバー画像の中からピッチずれを見つけるよりも、通常、ずれている位置が、均等ピッチとなっていることを見つける方が見つけやすいことに着目した。
ここで、例えば、図3(B)に示される如く、ヘッドモジュール52(No.5)が、2ドット分、ヘッドモジュール52(No.4)に接近する方向(マイナス(−)方向)にずれた場合、位置ずれチャート画像58Bのヘッドモジュール52(No.4)とヘッドモジュール52(No.5)との間のバー画像が、視覚的に均等ピッチで印字されることが認識される。
すなわち、ヘッドモジュール52(No.4)とヘッドモジュール52(No.5)との間のバー画像が副走査方向に2行分、図3(A)の上方にシフトした状態で印字される。
このため、一目瞭然で、ヘッドモジュール52(No.5)が、2ドット分、ヘッドモジュール52(No.4)の方向(マイナス(−)方向)にずれて組み付けられていることが認識される。
この2ドット分を、第1の実施の形態のつなぎ目調整機構部200によって調整する。
すなわち、第1の実施の形態のヘッドモジュール52(No.5)では、図3(A)のプラス(+)方向に0.1mmだけ移動すれば、2ドット分の移動となるため、傾斜角θから、調整ねじ214の移動量を求める(移動量=0.1×tan78.69°≒0.5mm)。
調整ねじ214の移動量が得られた後は、調整ねじ214の回転数に換算する(0.5mm/1回転)。従って、ヘッドモジュール52(No.5)を、図3(A)のプラス(+)方向に0.1mmだけ移動させるには、調整ねじ214を360°回転させればよい。
(位置ずれ発生時の印字状態「その2」)
また、例えば、図3(C)に示される如く、ヘッドモジュール52(No.5)が、1ドット分、ヘッドモジュール52(No.4)から離間する方向(プラス(+)方向)にずれた場合、位置ずれチャート画像58Dのヘッドモジュール52(No.4)とヘッドモジュール52(No.5)との間のバー画像が、視覚的に均等ピッチで印字されることが認識される。
すなわち、ヘッドモジュール52(No.4)とヘッドモジュール52(No.5)との間のバー画像が副走査方向に1行分、図3(A)の下方にシフトした状態で印字される。
このため、一目瞭然で、ヘッドモジュール52(No.5)が、1ドット分、ヘッドモジュール52(No.4)から離間する方向(プラス(+)方向)にずれて組み付けられていることが認識される。
この1ドット分を、第1の実施の形態のつなぎ目調整機構部200によって調整する。
すなわち、第1の実施の形態のヘッドモジュール52(No.5)では、図3(A)のマイナス(−)方向に0.05mmだけ移動すれば、1ドット分の移動となるため、傾斜角θから、調整ねじ214の移動量を求める(移動量=0.05×tan78.69°≒0.25mm)。
調整ねじ214の移動量が得られた後は、調整ねじ214の回転数に換算する(0.25mm/1回転)。従って、ヘッドモジュール52(No.5)を、図3(A)のマイナス(−)方向に0.05mmだけ移動させるには、調整ねじ214を180°回転させればよい。
(つなぎ目調整機構の優位性)
図5は、第1の実施の形態に係るつなぎ目調整機構によるヘッドモジュール52の主走査方向の調整と、比較例としての偏心ピンによる調整との比較例を示している。
偏心ピンの調整範囲が±90°で、主走査方向の移動量が±0.3mmであるのに対し、第1の実施の形態のつなぎ目調整機構では、調整範囲(調整ねじ214の許容回転数)は、±1440°(8回転)で、主走査方向の移動量が±0.4mmとなっている。
また、偏心ピンの調整解像度が、0.5ドット/5°であるのに対し、第1の実施の形態のつなぎ目調整機構では、0.5ドット/90°となっている。
このように、第1の実施の形態のつなぎ目調整機構は、偏心ピンに比べて、調整範囲及び調整解像度において優れていることがわかる。また、調整ねじ214の90°単位での回転で0.025mmの移動が可能であり、手操作においても偏心ピンに比べて操作精度が向上する。
[第2の実施の形態]
以下に、第2の実施の形態について説明する、なお、第1の実施の形態と同一構成部分については、同一の符号を付してその構成の説明を省略する。
第2の実施の形態の特徴は、位置ずれ量を判定する解像度を、ドット単位に比べて向上させた点にある。
図6(A)は、第1の実施の形態で示したつなぎ目チャート画像(図3(A)参照)と同一である。
ここで、例えば、図6(B)に示される如く、ヘッドモジュール52(No.5)が、2ドット分、ヘッドモジュール52(No.4)に接近する方向(マイナス(−)方向)にずれた場合、位置ずれチャート画像58Bのヘッドモジュール52(No.4)とヘッドモジュール52(No.5)との間のバー画像が、視覚的に均等ピッチに近似する状態で印字されることが認識される。
すなわち、ヘッドモジュール52(No.4)とヘッドモジュール52(No.5)との間のバー画像が副走査方向に2行分、図3(A)の上方にシフトした状態で印字される。
しかしながら、位置ずれチャート画像58A〜58Fは、それぞれ1ドット単位で位置ずれが発生していることを前提として印字しており、ドット単位の量よりも少ない量の位置ずれが認識し難くなり、ヘッドモジュール52(No.4)の方向(マイナス(−)方向)にずれ量が、2ドットであるか2.5ドットであるかの判断が困難となる。
そこで、例えば、上下の行(ここでは、位置ずれチャート画像58B)のバー画像の状態で判断することで、位置ずれチャート画像を増やさなくても、位置ずれ量判定の解像度を高めることが可能となる。
同様に、例えば、図6(C)に示される如く、ヘッドモジュール52(No.5)が、ヘッドモジュール52(No.4)から離間する方向(プラス(+)方向)にずれた場合、ずれ量が、1ドットであるか0.5ドットであるかの判断が困難となる。
そこで、例えば、上下の行(ここでは、位置ずれチャート画像58E)のバー画像の状態で判断することで、位置ずれチャート画像を増やさなくても、位置ずれ量判定の解像度を高めることが可能となる。
[第3の実施の形態]
以下に、第3の実施の形態について説明する、なお、第1の実施の形態と同一構成部分については、同一の符号を付してその構成の説明を省略する。
第3の実施の形態の特徴は、つなぎ目チャート画像の基となるバー画像の幅寸法を、位置ずれ量に応じて異ならせた点にある。
図7(A)に示される如く、第3の実施の形態に係るつなぎ目チャート画像は、基準チャート画像60を基準(中央)として、記録用紙Pの副走査方向の前後方向にそれぞれ3行の位置ずれチャート画像62A〜62F(合計7行(7種類))によって構成される。
基準チャート画像60は、主走査方向の全域に亘り、均等ピッチでバー画像を印字する画像データに基づき印字される。
一方、位置ずれチャート画像62A〜62Fは、各ヘッドモジュール52(No.1)〜ヘッドモジュール(No.5)の中では均等ピッチであるが、隣り合うつなぎ目において、ヘッドモジュール52(No.3)を基準として、主走査方向に±1ドット〜±3ドットずらした状態のバー画像が印字される。
上記位置ずれチャート画像62A及びチャート画像62Dは、各ヘッドモジュール52(No.1)〜ヘッドモジュール(No.5)のつなぎ目において、±1ドットずれた状態でバー画像が印字されるが、そのバー画像の幅寸法は、基準チャート画像と同一の幅寸法となっている。
一方、位置ずれチャート画像62B及びチャート画像62Eは、各ヘッドモジュール52(No.1)〜ヘッドモジュール(No.5)のつなぎ目において、±2ドットずれた状態でバー画像が印字されるが、そのバー画像の幅寸法は、基準チャート画像の2倍の幅寸法となっている。
また、位置ずれチャート画像62C及びチャート画像62Fは、各ヘッドモジュール52(No.1)〜ヘッドモジュール(No.5)のつなぎ目において、±3ドットずれた状態でバー画像が印字されるが、そのバー画像の幅寸法は、基準チャート画像の3倍の幅寸法となっている。
すなわち、図7(B)では、ヘッドモジュール52(No.5)が、マイナス(−)方向に2ドットずれたことを視覚的に認識し、図7(C)では、ヘッドモジュール52(No.5)が、プラス(+)方向に1ドットずれたことを視覚的に認識するが、この場合、バー画像の幅寸法が全て同一の場合よりも、ずれ量が認識し易くなる。
[第4の実施の形態]
以下に、第4の実施の形態について説明する、なお、第1の実施の形態と同一構成部分については、同一の符号を付してその構成の説明を省略する。
第4の実施の形態の特徴は、各ヘッドモジュール52(No.1)〜ヘッドモジュール(No.5)のずれを、視覚的に直線が連像しているか否かによって判定する点にある。
図8(A)に示される如く、第4の実施の形態では、つなぎ目チャート画像の基となる画像をドット径の点画像とした。点画像は、円形又は矩形を問わないが、各ヘッドモジュール52(No.1)〜ヘッドモジュール(No.5)のつなぎ目を中心として、それぞれプラス及びマイナス方向に複数ドット(第3の実施の形態では、各10ドット)の点画像を、副走査方向に1ドットずつずらしながら印字することで、基準チャート画像64及び位置ずれチャート画像66(A)〜66(F)を印字する。
この結果、位置ずれが無い状態での基準チャート画像64は、図8(A)において右肩上がりの傾斜で直線的に連続する。
図8(B)に示される如く、ヘッドモジュール52(No.5)が、マイナス(−)方向に2ドットずれたことを視覚的に認識し、図8(C)では、ヘッドモジュール52(No.5)が、プラス(+)方向に1ドットずれたことを視覚的に認識するが、この場合、ドット画像が、図8の右肩上がりに直線的に並んでいるか否かで位置ずれの有無が判定される。また、ドット画像が、図8の右肩上がりに直線的に並んでいる位置ずれチャート画像(位置ずれチャート画像66(A)〜66(F)の何れか)の行を認識すれば、位置ずれ量及び位置ずれ方向が判別可能である。
[第5の実施の形態]
以下に、第5の実施の形態について説明する、なお、第1の実施の形態と同一構成部分については、同一の符号を付してその構成の説明を省略する。
第5の実施の形態の特徴は、各ヘッドモジュール52(No.1)〜ヘッドモジュール(No.5)のずれを、視覚的に判定する画像を二次元的画像とした点にある。
図9(A)に示される如く、第4の実施の形態では、つなぎ目チャート画像の基となる画像として、4個のL字画像の角をそれぞれ対峙させることで、白字(記録用紙Pの表面色)が十字型となるように印字した白十字画像とし、基準チャート画像68及び位置ずれチャート画像69(A)〜69(F)を印字する。
この結果、位置ずれが無い状態での基準チャート画像68は、白十字部分の縦寸法及び横寸法が同一となる。
図9(B)に示される如く、ヘッドモジュール52(No.5)が、マイナス(−)方向に2ドットずれたことを視覚的に認識し、図9(C)では、ヘッドモジュール52(No.5)が、プラス(+)方向に1ドットずれたことを視覚的に認識するが、この場合、白十字画像の縦寸法と横寸法とが一致しているか否かで位置ずれの有無が判定される。また、白十字画像の縦寸法と横寸法とが一致している位置ずれチャート画像69の行を認識すれば、位置ずれ量及び位置ずれ方向が判別可能である。
[第6の実施の形態]
以下に、第6の実施の形態について説明する、なお、第1の実施の形態と同一構成部分については、同一の符号を付してその構成の説明を省略する。
第6の実施の形態の特徴は、つなぎ目チャート画像による位置ずれの有無、位置ずれが有った場合の位置ずれ量及び位置ずれ方向の判定を自動化したものである。
図10(A)に示される如く、インクジェット記録装置12の液滴乾燥装置70の下流側において、記録用紙Pの搬送路上の印字面に対峙するように、画像読取装置120を配置した。画像読取装置120は、少なくともつなぎ目チャート画像を読み取る機能があればよいが、既存の色補正等に適用される読取装置が搭載されている場合は、流用可能である。
画像読取装置120は、制御部22に接続されており、ヘッドモジュール位置ずれ判定モードの際に、記録用紙Pに印字したつなぎ目チャート画像を読取り、例えば、第1の実施の形態の場合では、基準チャート画像56及び位置ずれチャート画像58(A)〜58(F)のバー画像の相対位置関係を解析する。
図10(B)は、第6の実施の形態に係り、制御部22で実行されるヘッドモジュール位置ずれ判定制御ルーチンを示すフローチャートである。
ステップ250では、つなぎ目チャート画像の画像データを読み出し、次いで、ステップ252へ移行して記録用紙Pの搬送を開始して、ステップ254へ移行する。
ステップ254では、つなぎ目チャート画像の画像データに基づいて、印字を実行する。
次のステップ256では、印字されたつなぎ目チャート画像を読み取り、読み取り後の適宜時期に、記録用紙Pの搬送を停止する(ステップ258)。
次のステップ260では、読み取ったつなぎ目チャート画像を解析して、均等ピッチで印字された行を検索する処理を実行して、ステップ262へ移行する。
ステップ262では、ステップ260の画像解析により位置ずれの有無を判別し、次いでステップ264へ移行して、何れかのヘッドモジュール52に位置ずれが有るか否かを判断する。ステップ264で位置ずれ有りと判定された場合は、ステップ266へ移行して、前記ステップ260による解析により、位置ずれ量及び位置ずれ方向特定し、ステップ268へ移行する。
また、ステップ264で位置ずれ無しと判定された場合は、ステップ268へ移行する。
ステップ268では、位置ずれ情報を報知する。位置ずれ情報のメッセージ例としては、位置ずれ無しの場合は、「正常に位置決めされています」と報知し、位置ずれ有りの場合は、「No.xxのヘッドモジュールが、○方向に△ドットずれています。」と報知する。なお、「xx」はヘッドモジュール52の配列番号、「○」は図3(A)等に図示した主走査左右方向(プラス又はマイナス方向)、「△」はドット数を示す。
なお、本実施の形態(第1の実施の形態〜第6の実施の形態)では、画像形成装置として、インクジェット記録装置12のヘッドモジュール52の主走査方向の位置ずれの特定を例にとり説明したが、本実施の形態のつなぎ目チャート画像は、主走査方向にLED発光素子が設けられた複数のヘッドモジュールを主走査方向に配列してLEDヘッドを用いて、感光体ドラム等の像保持体に静電潜像を形成する画像形成装置に適用し、当該LEDヘッドの各ヘッドモジュールの主走査方向の位置ずれ判定に用いてもよい。
P 用紙
12 インクジェット記録装置
20A、230B 画像形成部
22 制御部
30 記憶部
40A、40B ヘッド駆動部
50A、50B 印字ヘッド
50AY、50AM、50AC、及び50AK 印字ヘッド
50BY、50BM、50BC、及び50BK 印字ヘッド
52(No.1〜No.5) ヘッドモジュール
54 点線領域
56 基準チャート画像
58A〜58F 位置ずれチャート画像
60A、60B 乾燥装置駆動部
70A、70B 液滴乾燥装置
80 給紙ロール
90 排出ロール
100 搬送ローラ
110A、110B 用紙速度検出センサ
200 調整機構部
202 基準ブロック
204 スペーサ
206 プレート
208 支柱
210 ねじ
212 調整ユニット
214 調整ねじ
216 調整ブロック
216A 貫通孔
216B 傾斜面
218 圧縮コイルばね
214A ねじ頭部
202A 傾斜面
220 移動体
220A 傾斜面
222 ボールプランジャ
(第3の実施の形態)
60 基準チャート画像
62A〜62F 位置ずれチャート
(第4の実施の形態)
64 基準チャート画像
66(A)〜66(F) 位置ずれチャート画像
(第5の実施の形態)
68 基準チャート画像
69(A)〜69(F) 位置ずれチャート画像
(第6の実施の形態)
120 画像読取装置

Claims (8)

  1. 主走査方向に配列された複数のヘッドモジュールのつなぎ目における、主走査方向の位置ずれの有無が、視覚的に表現されるチャート画像として、前記ヘッドモジュールの位置ずれが無いことを表現する画像情報を用いた基準チャート画像と、前記ヘッドモジュールの位置ずれが有ることを表現する画像情報を用いた位置ずれチャート画像とを、副走査方向にずらして記録用紙に形成する画像形成制御手段、を有し、
    前記チャート画像が、ヘッドモジュール単位で、主走査方向に周期性を持った周期画像であり、
    前記基準チャート画像の画像情報が、前記ヘッドモジュールのつなぎ目で前記周期画像の周期性が維持された画像情報であり、
    前記位置ずれチャート画像の画像情報が、前記ヘッドモジュールのつなぎ目で前記周期画像の周期性が維持されない画像情報である、
    画像形成装置。
  2. 前記記録用紙には、前記基準チャート画像を起点として、前記記録用紙における副走査方向の前後両方向で位置ずれ方向を異ならせると共に、予め定めた間隔で段階的に位置ずれ量を異ならせた複数の前記位置ずれチャート画像が形成され、
    前記記録用紙に形成された複数のチャート画像の内、前記ヘッドモジュールのつなぎ目において位置ずれがないことが表現されたチャート画像を特定することで、前記ヘッドモジュールのつなぎ目における主走査方向の位置ずれの有無、並びに、位置ずれが有る場合の位置ずれ方向及び位置ずれ量を視覚的に認識させる、
    請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記記録用紙に形成された、前記基準チャート画像に対する前記位置ずれチャート画像の副走査方向にずらした間隔が、前記ヘッドモジュールの位置ずれ量に対応している請求項2記載の画像形成装置。
  4. 前記記録用紙に形成された、前記基準チャート画像に対する前記位置ずれチャート画像の副走査方向にずらした前方向又は後方向が、前記ヘッドモジュールのつなぎ目の接近又は離間のずれ方向に対応している請求項2記載の画像形成装置。
  5. 前記位置ずれチャート画像が、前記ヘッドモジュールのつなぎ目における位置ずれ量を視覚的に識別可能な、異なる周期に設定された画像で形成される請求項1〜請求項4の何れか1項記載の画像形成装置。
  6. 前記チャート画像を読み取る読取手段と、
    前記読取手段で読み取ったチャート画像を解析して、前記ヘッドモジュールの主走査方向の位置ずれの有無、並びに位置ずれがあった場合の位置ずれ量及び位置ずれ方向を含む位置ずれ情報を特定する特定手段と、
    前記特定手段で特定された位置ずれ情報を報知する報知手段と、
    をさらに有する請求項1〜請求項5の何れか1項記載の画像形成装置。
  7. 前記主走査方向に対して直角となる方向に移動する操作部の移動を、移動体の前記主走査方向の移動に変換すると共に、前記操作部の移動量に対する、前記移動体の移動量が正比例の関係であり、かつ前記操作部の移動量よりも前記移動体の移動量が小さくなる変化率に設定されたカム機構部をさらに有し、
    前記カム機構部の操作部の操作に連携する移動体の移動により、前記ヘッドモジュールの主走査方向の位置を調整する、
    請求項1〜請求項6の何れか1項記載の画像形成装置。
  8. 前記ヘッドモジュールには、液滴を吐出する複数の液滴吐出ノズルが一次元又は二次元の配列パターンで配列され、画像情報に応じて前記液滴吐出ノズルからの液滴吐出量を制御することで、階調を持った画像を形成する請求項1〜請求項7の何れか1項記載の画像形成装置。
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