JP6920662B2 - キッチン部材とその製造方法 - Google Patents

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本発明は、いわゆる人工大理石と呼ばれる樹脂成形品によるキッチン部材とその製造方法に関する。
天然の大理石の風合い、たとえば、柄、艶やかさなどの高級感を醸し出す前記人工大理石が、たとえば、キッチンに設置される厨房装置の天板などの部材(以下、キッチン部材と記す)に採用されている。前記人工大理石は、基材となる熱硬化性樹脂に、無機充填材、低収縮剤、顔料などが配合され、注型成形などによって所定の形状に成形され、キッチン部材を形成する。このような人工大理石によるキッチン部材は、樹脂成形品であることから、天然の大理石に比べ、比較的安価であり、加工性、施工性、耐温水性、強度、耐候性などにおいて優れた物性を有している。
本出願人も、下記特許文献1において、前記人工大理石とこれを用いたキッチンカウンターを提案している。具体的には、特許文献1に記載された人工大理石は、樹脂成分と無機充填剤を含み、成形加工した表面に、一端に−CF3基を有し、他端にクロロシリル基またはアルコキシシリル基を有するシラン系界面活性剤が化学結合したものである。また、特許文献1に記載された人工大理石は、その表面に粗さが500μmを超えない微細な凹凸を形成したものでもある。
特許文献1に記載された人工大理石によれば、表面に露出するフッ化炭素基がもたらす表面自由エネルギーの低下と、表面に形成された前記微細な凹凸との相乗効果により撥水性が向上する。このため、汚れ成分に対して人工大理石は低活性となり、防汚性が向上し、汚れ成分の人工大理石の表面への付着が低減される。その結果、汚れ成分を餌とする細菌やカビの繁殖を抑制することができる。
特開2001−190344号公報
しかしながら、これまでの前記人工大理石は、特許文献1に記載された人工大理石も含め、熱硬化性樹脂を主材とするものであり、前記のとおり、耐温水性をある程度有するものである。しかしながら、キッチン部材として適用する場合、加熱調理器で使用したフライパン、鍋などの調理器具を高温状態のままキッチン部材に直置きすることはできない。キッチン部材において調理器具の底部の裏面と接触する部分は、調理器具からの伝熱によって変性などし、焼け焦げなどとなってキッチン部材の表面に跡がついてしまうのが通常であった。このため、キッチン部材の上に熱い調理器具を置くときには、鍋敷きなどの調理器具からの伝熱を抑制する補助用具が必要不可欠であった。
また、特許文献1に記載された人工大理石では、前記のとおり、粗さが500μmを超えない微細な凹凸が形成されるが、この凹凸は、専ら防汚性の観点から案出されたものである。前記凹凸と耐熱性の関係、具体的には、高温状態にある調理器具をキッチン部材に直置きすることに対する有意性については、特許文献1の記載からは全く示唆されない。
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、高温状態にある調理器具を直置きしても、調理器具の底部の裏面からの伝熱による調理器具の跡が表面に目立ちにくいキッチン部材と、このキッチン部材を製造する製造方法を提供することを課題としている。
前記の課題を解決するために、本発明のキッチン部材は、熱硬化性樹脂に少なくとも充填材が添加された樹脂組成物の成形により形成されたキッチン部材であって、前記キッチン部材は、その表面が前記樹脂組成物のみから形成され、前記表面は、その断面において三角波状に凹凸した形状を有し、前記表面の前記断面における頂部は、その尾根線が前記表面の外側に膨らむ曲線状の形状を有し、かつ前記表面の前記断面における最高位と最低位の高低差が、50μm以上、かつ400μm以下であり、前記表面の前記断面において、谷部は、その谷線が、前記表面の内側に膨らむ曲線状であることを特徴とする。
また、本発明のキッチン部材の製造方法は、上型と下型からなる注型用金型の内、前記下型の成形面は、エッチング加工によって形成された凹凸パターンにおいて角張った部分が化学研磨により曲線状とされたものであり、前記下型に前記樹脂組成物が注入され、前記上型と前記下型により前記樹脂組成物を加熱しながら圧締して硬化させた後、成形品の表面をコーティングしないで前記キッチン部材を製造することを特徴とする。
本発明のキッチン部材とその製造方法によれば、高温状態にある調理器具を直置きしても、調理機器の底部の裏面からの伝熱による調理機器の跡が表面に目立ちにくくなる。
本発明のキッチン部材の一実施形態であるキッチンカウンターの一例を示した斜視図である。 図1に示したキッチンカウンターのA−A矢視断面図である。 他のキッチンカウンターを図2と同様に示した要部断面図である。 (a)は、図1に示したキッチンカウンターの製造に用いられる注型用金型の一例を示した概略断面図であり、(b)は、(a)に示した注型用金型の下型を模式的に示した要部断面図である。 図4(b)に示した下型を作製するプロセスを模式的に示した要部工程断面図である。
図1は、本発明のキッチン部材の一実施形態であるキッチンカウンターの一例を示した斜視図である。図2は、図1に示したキッチンカウンターのA−A矢視断面図である。
図1に示したキッチン部材1は、キッチンカウンター1aである。キッチンカウンター1aをはじめとするキッチン部材1は、熱硬化性樹脂に少なくとも充填材が添加された樹脂組成物の成形により形成されたものである。キッチン部材1は、図2に示したように、表面2が前記樹脂組成物のみから形成され、かつ表面2は、その断面において三角波状に凹凸した形状を有している。表面2の断面における頂部2aは、尾根線3が表面2の外側に膨らむ曲線状の形状を有している。しかも、表面2の断面における最高位4と最低位5の高低差Δhが50μm以上である。
具体的には、キッチン部材1としてのキッチンカウンター1aは、住宅などのキッチンに設置される厨房装置の天板を形成するものであり、図1に示したような横長の部材である。キッチンカウンター1aの主体6は、平面視において長方形形状を有する平板部7から形成されている。平板部7には、表面2から裏面(図示なし)に貫通する第1開口8と第2開口9が形成されている。第1開口8は、シンク(図示なし)が取り付けられる部位であり、第2開口9は、ガス調理器や電磁調理器などの加熱調理器(図示なし)が取り付けられる部位である。
また、平板部7の長手方向の一端7aには、キッチンカウンター1aの表面2から垂直に立ち上がって延びるバックガード10が設けられている。一端7aに対向して位置する平板部7の他の長手方向の一端7bには、キッチンカウンター1aの表面2から裏面側に向かって垂直に延びる幕板部11が設けられている。
このようなキッチンカウンター1aであるキッチン部材1を形成する樹脂組成物の主材となる熱硬化性樹脂としては、特に制限はなく、公知の各種単量体やこの単量体と重合体の混合物などから適宜選択することができる。たとえば、不飽和ポリエステルなどのポリエステル系の樹脂をはじめ、メラミン(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレートなどのアクリル系樹脂が例示される。なお、(メタ)アクリルとの表記は、アクリルまたはメタアクリルを意味する。また、(メタ)アクリル系の単量体の具体的な例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。この他、熱硬化性樹脂には、ビニルエステル系樹脂や、エポキシ系樹脂もその候補として挙げることができる。
前記熱硬化性樹脂に少なくとも添加される前記充填材としては、一般に無機充填材が例示される。具体的には、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、粉末タルク、粉末石英、シリカ、珪藻土、石膏、粉末ガラス、大理石、石灰岩、ケイ酸アルミニウム、珪酸カルシウムまたはホウ砂が挙げられる。特にシリカは、キッチン部材1の表面2の硬度の向上に有効である。また、亜硫酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化ケイ素、方解石、酸化チタン、三酸化アンチモン、炭酸カルシウム、ニッケル粉、鉄粉、亜鉛粉、銅粉または酸化鉄も無機充填材の候補として挙げられる。さらに、ガラスビーズ、ガラス繊維またはシリカゲルも挙げられる。これらの無機充填材は、一種ばかりでなく、二種以上の混合物として熱硬化性樹脂に添加することができる。
また、前記樹脂組成物には、前記充填材の他、キッチン部材1の製造やキッチン部材1に要求される物性などに応じて、硬化促進剤、抗菌剤、柄材、顔料などの各種成分の添加が可能である。図1および図2に示したキッチンカウンター1aは、顔料が添加された樹脂組成物の成形により形成されており、濃厚色を呈している。
前記のとおりのキッチンカウンター1aであるキッチン部材1では、高温状態にあるフライパン、鍋などの調理器具(図示なし)が表面2の上に置かれても、調理器具を図2に示した表面2の頂部2aのみで受けることができる。しかも、頂部2aは、その断面において表面2の外側に膨らむ曲線状の形状を有しているため、調理器具の底部の裏面との接触は点接触か点接触に近いものとなる。したがって、調理器具からの熱負荷は表面2の全面に達することはない。調理器具の底部の裏面とキッチン部材1の表面2の谷部2bとの間には空気層が形成され、この空気層が断熱層として機能する。このため、高温状態にある調理器具を直置きしても、調理器具からの輻射熱は、表面2の谷部2bの底部12までは達しにくく、調理器具の底部の裏面からの伝熱による調理器具の跡が表面2に目立ちにくくなる。キッチン部材1の全体としての外観に与える影響は少ない。また、頂部2aの前記形状により、直置きされる調理器具の底部の裏面が傷つくのも抑制される。
前記効果は、頂部2aと谷部2bのそれぞれ一つを一組とした場合、5cm角の中に500組〜2000組程度あるとより有効となる。
また、キッチン部材1では、表面2が前記樹脂組成物のみから形成されており、表面2には特許文献1に記載されているようなコーティング層を有していないため、調理器具の直置きによる前記コーティング層の劣化などは懸念されない。防汚性としては、たとえば前記樹脂組成物に配合した抗菌剤などによって同等程度のものが得られる。
また、調理器具以外の鋭利なものでないものによって表面2が傷付けられたとしても、前記鋭利でないものも頂部2aのみで受けることができるため、キッチン部材1の全体として外観上に与える影響は少ない。なお、鋭利なものとの接触による傷は、表面2が前記のとおりに凹凸しているため、三角波状の形状に紛れやすく、付いた傷を傷として認識しにくい。したがって、傷が目立つということはあまりない。特に、前記樹脂組成物が、前記充填材としてシリカを添加したものである場合、表面2の硬度を鉛筆硬度で9Hまで高めることができ、キッチン部材1はそもそも傷の付きにくいものとなる。
しかも、表面2の断面における最高位4と最低位5の高低差Δhが50μm以上であるので、表面2に直置きした調理器具からの輻射熱は、表面2の谷部2bの底部12までより達しにくくなっている。したがって、キッチン部材1は耐熱性を確保することができる。高低差Δhの上限は、400μmが好ましく例示される。高低差Δhが400μm以下であれば、谷部2bに汚れなどが溜まりにくく、キッチン部材1、ひいてはキッチンカウンター1aは手入れのしやすいものとなる。
また、図1および図2に示したように、キッチン部材1の色は濃厚色であることが好ましい。前記のとおり、表面2の凹凸の高低差Δhが50μm以上であることから、キッチン部材1は耐熱性に優れている。一般に、キッチンカウンター1aなどのキッチン部材1が濃厚色のものであると、高温状態にある調理器具の直置きにともなう輻射熱を受け、表面2は、白化や艶変化などの外観上の問題となる跡が目立ちやすい。しかしながら、前記のとおり、キッチン部材1は耐熱性に優れているため、濃厚色を呈していても、表面2にそのような跡は付きにくい。したがって、キッチン部材1の色が濃厚色であればある程、跡が付きにくいという効果が顕在化する。もちろん、このことから明らかなように、キッチン部材1の色は淡白色であってもよい。
そして、キッチン部材1は、前記のとおりの表面2によって、石目調に類似する外観を呈し、天然石が有する高級感のある風合いを実現することができる。
なお、キッチン部材1の表面2における谷部2bの谷線14は、表面2の内側に膨らむ曲線状とすることができる。この場合、表面2の断面である三角波状の凹凸は、正弦波または正弦波に近い形状となる。したがって、直線部分がないため、キッチン部材1の表面2の肌触りは、その高低差Δhの大きさからも滑らかなものとなりやすい。
図3は、他のキッチンカウンターを図2と同様に示した要部断面図である。図3図中において図2に付した符号と同一の符号が付されている部位は、図1および図2に示したキッチンカウンター1aとしてのキッチン部材1と同じ部位である。したがって、以下の説明では、同一符号を付した部位についての説明を省略する。
図3に示したキッチンカウンター1aとしてのキッチン部材1では、表面15が図2に示した表面2と若干相違している。相違点は、頂部2aの断面における尾根線16が、頂部2aの頂上部を除いて直線状になっていること、谷部2bにおける谷線17が直線状になっていること、および谷部2bの底部18が鋭角状の形状を有していることである。
このような表面15を有するキッチン部材1も、図2に示したキッチン部材1と同様な効果を奏するが、図2に示したキッチン部材1と比較すると、底部18に若干汚れが溜まりやすい傾向がある。ただし、溜まった汚れを除去することが全くできないというほどではない。また、図3に示したキッチン部材1の表面15の肌触りは、図2に示したキッチン部材1の肌触りとやや異なる。ただし、表面15の肌触りは、キッチン部材1を使用する使用者の感覚によるものであり、個人差があるので、図3に示したような表面15であっても肌触りは、図2に示した表面2と遜色ないと感じる使用者もいると推測される。
図4(a)は、図1に示したキッチンカウンターの製造に用いられる注型用金型の一例を示した概略断面図であり、図4(b)は、図4(a)に示した注型用金型の下型を模式的に示した要部断面図である。
図1から図3に示した、たとえばキッチンカウンター1aとして適用することのできるキッチン部材1は、前記樹脂組成物の注型成形によって形成される。この注型成形に使用される注型用金型には、各種のものが使用可能であるが、図4(a)(b)に示した注型用金型19は、下側に凹部20を有する上型21と、上側に凹部22を有する下型23とから形成されている。上型21は、外周部に下方に突出する縁部24を有し、下型23も、外周部に上方に突出する縁部25を有している。凹部20は縁部24の内側に、また、凹部22は縁部25の内側に形成されている。上型21は、上下方向に昇降可能とされ、降下し、縁部24が下型23の縁部25と重なり合うようになっている。縁部24の下面と縁部25の上面が重なり合うとき、凹部20、22は、前記樹脂組成物の注入を可能とするキャビティ(図示なし)を形成する。
また、注型用金型19では、上型21および下型23の両方とも、縁部24、25を除いた部分に、前記キャビティに注入された前記樹脂組成物を硬化させる温水や熱水などの熱源を流通させる配管26を内蔵している。熱源は、温水や熱水などの流体ばかりでなく、通電により発熱するヒーターなども適用可能であり、ヒーターを使用する場合には、配管26に替え、ヒーター線を配線することができる。
また、下型23では、縁部25の一部に切欠部27が形成されている。切欠部27は、縁部24、25が重なり合うときに凹部20、22により形成されるキャビティに前記樹脂組成物を注入するための注入口として機能するものである。
このような注型用金型19では、上型21の凹部20の上面28に成形面29が、また、下型23の凹部22の下面30に成形面31が形成されている。図2および図3に示したキッチン部材1の表面2、15を成形する成形面が成形面31である。したがって、成形面31は、キッチン部材1の表面2、15に対応する形状に形成される。すなわち、図4(b)に示したように、成形面31は、たとえば、図2に示したキッチン部材1の表面2を形成することができるように、その断面において三角波状に凹凸した形状を有している。
すなわち、成形面31では、その断面においてキッチン部材1の表面2の断面における頂部2aに対応する部分が谷部31aであり、谷線32は、成形面31の内側に膨らむ曲線状となっている。また、成形面31では、その断面においてキッチン部材1の表面2の断面における谷部2bに対応する部分が頂部31bであり、尾根線33は、成形面31の外側に膨らむ曲線状となっている。
前記のとおりの注型用金型19を形成する上型21および下型23の材質はともに、たとえばSCM440などの鋼とすることができる。
図5は、図4(b)に示した下型を作製するプロセスを模式的に示した要部工程断面図である。図5(a)(b)の図中において、図4(b)に付した符号と同一の符号が付されている部位は、図4(b)に示した下型23と同じ部位である。したがって、以下の説明では、同一符号を付した部位についての説明を省略する。
図4(b)に示した下型23を作製する場合には、下型23の凹部22における加工前のフラットな上面部に対して、たとえばフォトエッチングなどのエッチング加工を施し、図4(b)に示した谷部31aに対応する部分が凹部34となる凹凸パターンを形成する。形成された凹凸パターンは、図4(b)に示した成形面31と異なり、その断面は、曲線状ではなく、直線状であり、成形面31は角張った部分35を有している。
前記エッチング加工後、図4(b)に示した成形面31となるように、すなわち、谷部31aの断面における谷線32が成形面31の内側に膨らむ曲線状となり、頂部31bの断面における尾根線33が成形面31の外側に膨らむ曲線状となるように化学研磨を施す。この化学研磨は、一般に化学研磨液によって行うことができる。使用可能な化学研磨液は、下型23の材質によって適宜なものを選択することができる。化学研磨によって、図5(b)に示したように、成形面31に谷部31aおよび頂部31bが形成され、図4(b)に示した下型23が作製される。
図1および図2に示したキッチンカウンター1aなどのキッチン部材1を製造する際には、図4(a)に示したように、注型用金型19において、上型21を下型23に向けて降下させ、縁部24の下面と縁部25の上面とを重ね合わせる。そして、上型21の凹部20および下型23の凹部22によってキャビティを形成し、切欠部27による注入口から前記樹脂組成物を注入する。その後、上型21および下型23に内蔵された配管26に温水、熱水などの熱源を流通させ、キャビティ内に充填された前記樹脂組成物を加熱し、かつ上型21および下型23によって前記樹脂組成物を圧締する。所定時間が経過し、前記樹脂組成物が硬化した後に、上型21を上昇させ、下型23と分離し、下型23に残った成形品を取り出す。取り出された成形品がキッチン部材1である。
すなわち、キッチン部材1の製造方法において、上型21と下型23からなる注型用金型19の内、下型23の成形面31は、エッチング加工によって形成された凹凸パターンにおいて角張った部分35が化学研磨により曲線状とされたものである。そして、キッチン部材1の製造方法は、下型23に前記樹脂組成物が注入され、上型21と下型23により前記樹脂組成物を加熱しながら圧締して硬化させた後、成形品の表面をコーティングしないでキッチン部材1を製造する。
このように、キッチン部材1の製造方法は、注型成形によって、断面が三角波状に凹凸した表面2を形成するものであり、成形品の表面を研磨仕上げによって凹凸を形成する方法とは本質的に異なっている。成形品を研磨仕上げによって凹凸した表面を形成する場合には、その表面において樹脂成分が削減され、前記樹脂組成物に添加した前記充填材と前記熱硬化性樹脂の界面が、成形品の表面に露出しやすくなる。その結果、前記界面に汚れなどが入り込み、防汚性が低下しやすいため、防汚性を確保するために抗菌剤などを成形品の表面にコーティングすることが必要不可欠となる。
しかしながら、図4(a)(b)に示した注型用金型19を用いるキッチン部材1の製造方法では、キッチン部材1の表面2は、前記樹脂組成物のみから形成されるので、前記コーティングは不要であり、防汚性をある程度確保したキッチン部材1の製造が容易となる。しかも、製造されるキッチン部材1の凹凸した表面2は、前記樹脂組成物に添加した充填材などにより自然発生するものではなく、断面において三角波状に凹凸するものであり、表面2の性状は、キッチン部材1の表面2の全体においてほぼ等しい。したがって、品質に優れたキッチン部材1を安定して製造することが可能となる。
なお、図3に示したキッチン部材1を製造する場合には、図4(a)に示した注型用金型19において、下型23の成形面31を表面15に対応した形状に変更すればよい。
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではない。キッチン部材は、キッチンカウンターの他、シンクなどにも適用可能である。また、樹脂組成物に添加可能な成分は、キッチン部材の製造やキッチン部材に要求される特性などに応じて種々のものから適宜選択可能である。さらに、キッチン部材の注型成形に用いる注型成形用金型の形状、大きさ、構造などは適宜変更可能である。成形条件は樹脂組成物の配合成分に応じて適宜決めることができる。
1 キッチン部材
2 表面
2a 頂部
2b 谷部
3 尾根線
4 最高位
5 最低位
14 谷線
Δh 高低差
19 注型用金型
21 上型
23 下型
31 成形面
35 角張った部分

Claims (4)

  1. 不飽和ポリエステル、アクリル系樹脂またはビニルエステル系樹脂のいずれかである熱硬化性樹脂に少なくとも充填材が添加された樹脂組成物の成形により形成されたキッチン部材であって、
    前記キッチン部材は、その表面が前記樹脂組成物のみから形成され、前記表面は、その断面において三角波状に凹凸した形状を有し、
    前記表面の前記断面における頂部は、その尾根線が前記表面の外側に膨らむ曲線状の形状を有し、かつ前記表面の前記断面における最高位と最低位の高低差が、50μm以上であり、
    前記充填材はシリカ、粉末石英、粉末ガラスのいずれか、または少なくとも一種類を含む混合物であり、
    前記表面の前記断面における前記頂部と谷部のそれぞれ一つを一組とした場合、5cm角の中に500組〜2000組程度あることを特徴とするキッチン部材。
  2. 前記キッチン部材は、その表面が前記樹脂組成物のみから形成されコーティング層を有していないことを特徴とする請求項1記載のキッチン部材。
  3. 前記キッチン部材の色が濃厚色であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のキッチン部材。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載のキッチン部材を製造するキッチン部材の製造方法であって、
    上型と下型からなる注型用金型の内、前記下型の成形面は、エッチング加工によって形成された凹凸パターンにおいて角張った部分が化学研磨により曲線状とされたものであり、
    前記下型に前記樹脂組成物が注入され、前記上型と前記下型により前記樹脂組成物を加熱しながら圧締して硬化させた後、成形品の表面をコーティングしないで前記キッチン部材を製造することを特徴とするキッチン部材の製造方法。
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