JP6920019B2 - 繊維工具とその使用、及び繊維工具の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、加工部を有する繊維工具に関し、繊維工具は、糸を保持するための糸通し部(Fadenaussparung)があるワーク部と、繊維機械中で繊維工具を保持及び/又は移動させるための保持部(柄)とを有する。保持部は、例えば、繊維工具を繊維機械中に取り付け及び/又は動かすために用いられる。本発明は、繊維工具の使用及びその製造方法にも関する。
例えば繊維工具には、機械針、ミシン針、編針、タフティング針等がある。この種の針は、大きな荷重に晒される。例えば、編針が高水準の摩耗に晒されるのは、工業用繊維を研磨糸で編む際である。ミシン針及び/又はタフティング針の場合、高水準の摩耗が繊維の製造プロセス中に針が通る高強度材料又は研削性材料によっても発生することがある。
特許文献1には、薄い摩耗防護層が設けられた基材又は芯材を含む摩耗部品が記載されている。必要に応じ中間層を摩耗防護層と芯材との間に設けることができる。この摩耗防護層は、例えば、DLC層である。さらに、この被覆層を摩耗防護層に設けることができる。摩耗部分は糸案内要素であり得る。
独国特許出願公開第10126118号明細書
本発明の目的は、糸を保持するための糸通し部を備え、耐摩耗性能が向上した繊維工具を提供することである。
この目的は、請求項1の技術的特徴を有する繊維工具、請求項15の技術的特徴を有する繊維工具の使用方法、及び請求項16の技術的特徴を有する製造方法により達成される。
本発明の繊維工具は、繊維工具を繊維機械中に取り付け及び/又は動かすための保持部(柄)を有する。保持部は、例えば、繊維工具を繊維機械の動作中に動かすために用いられ得る。この繊維工具は、糸通し部(糸を通せるように設けられた開口、切欠き、凹部)を有するワーク部をさらに備える。加工される糸は、この糸通し部に導入又は供給される。この糸通し部は、閉じた円環状であることが好ましく、対向する両面に口又は開口部を備える。
本発明の繊維工具は、例えば、編針、ミシン針、又はタフティング針でもよい。編針において、糸通し部は貫通した穴(案内針の場合の例)又は可動要素(例えば、舌部又はスライド)により閉じられ得るフックの内部領域により形成してよい。ミシン針又はタフティング針においては、糸通し部は付属の針穴により形成される。
繊維工具は、芯材(芯となる素材)から形成される工具芯部を有する。例えば、金属材料又は金属合金は、芯材として使用され得る。一つの態様においては、鋼合金が芯材として使用される。
摩耗防護層が糸通し部を有するワーク部の工具芯部に設けられる。この摩耗防護層は、芯材とは異なる材料からなる。この摩耗防護層の硬度は、芯材のそれより大きいことが好ましい。未使用の繊維工具の場合、この摩耗防護層はワーク部において工具芯部を全体的に被覆する。それは、特に先端と糸通し部との間の前端部と、ワーク部の糸通し部の領域に設けられる。摩耗防護層は芯材とは異なる材料からできており、例えば、酸化アルミニウム層、炭素層、DLC層、炭化チタン層(TiC)等の炭化層、又はアルミニウム窒化チタン層(AlTiN)若しくは炭窒化チタン層(TiCN)等の窒化層で形成され得る。DLC層は、例えば、水素含有アモルファスカーボン層(a−C:H)としてよい。
より明るい色の被覆層が少なくとも部分的に摩耗防護層に設けられている。この被覆層は、繊維工具のワーク部の、少なくとも糸通し部の領域に設けられている。この被覆層は、糸通し部の内側に加え、糸通し部の縁に直に隣接するワーク部の外面領域も被覆する。より明るい色の被覆層を糸通し部の領域に設けることによって、糸通し部への糸の挿入又は糸入れが効率化される。この糸通し部、例えば、針穴は、糸の太さと比較すると比較的小さいことが多く、糸の糸入れは難しい。この糸入れは、糸通し部において摩耗防護層を被覆層で被覆することにより効率化される。より明るい色の被覆層は、糸通し部又はその領域の光学的な識別を効率化する。凹部内の被覆層は、糸と糸通し部との接触により除去され得る。糸通し部周りの被覆層が保たれていれば、使用された繊維工具であっても、糸通し部でこのように被覆層が除去されたとしても、糸入れが効率化されることが分かった。
被覆層はさらなる役割を果たすことができる。それは、繊維工具とその他の部分、例えば、繊維機械の一部又は別の繊維工具との不正確な相対位置決め又は相対的方位関係を示すインジケータ層として使用し得る。繊維工具とその他の部分の間に望ましくない接触があれば、接触点において被覆層が除去されるであろう。かかる接触点は、接触点で見られる、接触点の近傍の被覆層とその下に配置された摩耗防護層との間の色の明るさの差異により光学的に容易に検知できる。繊維工具及び/又は他の部分は、製品寿命を短くするような摩耗が発生する前に、丁度良い時期に正確に調整することができる。
さらに、被覆層が配置されている表面の表面粗さは摩耗防護層の表面より低く(より滑らか)てよく、糸通し部への糸の挿入又は糸入れが効率化される。
摩耗防護層は、例えば、PVDプロセス、CVDプロセス、又はPACVDプロセス等の物理的又は化学的プロセスで工具芯部に蒸着することにより成膜され得る。
被覆層は、摩耗防護層にも物理的又は化学的プロセス、例えば、スパッタリングプロセスにより成膜される。摩耗防護層及び被覆層を、共通の被覆装置又は被覆装置の1槽(例えば、真空槽)で連続的に製造してもよく、都合がよい。
繊維工具のワーク部は、繊維工具の前端に直接隣接することが好ましい。繊維工具の前端に隣接するワーク部の前端領域に被覆層がないと都合がよい。被覆層は、前端領域で摩耗防護層を設けた後に、例えば研磨等の機械的プロセスにより、再度除去することができる。この前端領域は、例えばミシン針又はタフティング針の場合、針が織物材料を通過するため特に高水準の摩耗に晒され、そのため被覆層は織物材料により摩耗され、被覆層の粒子が織物材料に残留する。これは、前端領域に被覆層を設けないか、又は除去することで回避する。
ワーク部の前端領域の表面粗さは、ワーク部のその他の領域よりも低くされ得る。この低い表面粗さ(滑らかさ)は、例えば、研磨により達成することができる。例えば、前端領域の表面粗さを低下させる(滑らかにする)ことにより、編機針(ミシン針又はタフティング針)の穿孔に必要な力を低減させることができる。表面粗さを低下させることにより(例えば、研磨により)、ワーク部の被覆後に存在する被覆層も除去できる。
摩耗防護層の層厚が長手方向に変化するとさらに都合がよい。摩耗防護層の層厚は、例えば、前端領域の方が、長手方向で前端領域に対向するワーク部の後部領域又は保持部(柄)よりも大きくし得る。さらに、保持部の少なくとも一部には摩耗防護層及び被覆層が存在しないことが好ましい。
摩耗防護層及び/又は被覆層の層厚は、糸通し部の内側の方が糸通し部の外側より小さくて良い。そのため、糸通し部の寸法は、被覆により大きく変化しない。糸通し部内側の摩耗防護層及び/又は被覆層の層厚は十分小さく保つことができ、したがって繊維工具の動作中にこの被覆層及び/又は摩耗防護層は糸通し部の領域で機械的に摩耗する。そのため、繊維工具の摩耗は、光学的に検知できる。例えば、最初に繊維工具を使用する場合、被覆層は糸通し部を通過する糸により除去され、繊維工具が使用された繊維工具であることを見て取ることができる。ここで、被覆層は糸通し部内側で、最小限の動作時間内で除去され得る。使用を継続すると、摩耗防護層も除去され、工具芯部が見えるようになる。そのため、継続する摩耗を光学的に識別することができる。
糸穴の領域において、摩耗防護層の層厚は0.3μmから0.8μm、例えば、約0.5μmであることが好ましい。糸通し部の領域において、被覆層の層厚は0.1μm未満、例えば、約0.02μmから0.08μmであることが好ましい。
好ましい発明の態様において、摩耗防護層の層厚は、ワーク部内及び糸通し部の外側において、最小1.0μm及び/又は最大5.0μmである。
摩耗防護層の層厚は前端部内で最大であることが好ましい。
被覆層の層厚は、それが塗布される繊維工具のワーク部の領域内において、最小0.02μm及び/又は最大0.3μmである。
被覆層は金属層、例えば、クロム層でよい。
繊維工具及び方法の実施例は、従属項、発明の詳細な説明、及び図面から明らかになろう。以下で本発明の実施例について添付の図面に基づいて説明する。
繊維工具の実施例の斜視図である。 図1の繊維工具の長手方向断面を示す断面図である。
図面は繊維工具10を示し、実施例において繊維工具10はミシン針11である。この繊維工具は、編針又はタフト針等であってもよい。
この繊維工具10は、長手方向Rに長手方向軸Lに沿って前端12から後端13まで延びる。前端12は、ミシン針11では、針先14が形成される。
前端12はワーク部15に隣接する。後端13は保持部(柄)16に隣接する。ミシン針11では、この保持部16によりミシン針11を縫製機のホルダに把持する。これとは別の繊維工具10では、保持部16が繊維工具を取り付け及び/又は取り外しできるように構成してよい。実施例において、遷移部17がワーク部15と保持部16との間に配置され、その遷移部では針幹の直径が保持部16に向かって大きくなる。
この繊維工具10はワーク部15に糸通し部20を有しミシン針11においては糸通し部20に針穴21が形成される。糸通し部20は、実施例の繊維工具10を長手方向軸Lに対して径方向となる通路Dの方向に貫通する。通路D方向周りの周方向Uにおいて、糸通し部20及び実施例の針穴21は完全に閉じている。糸通し部20は、長手方向軸Lに平行な長手方向Rで前端12とは距離を置いて配置されている。
針穴21の口は糸溝23によりミシン針11の前側22につながり、このねじ溝23は長手方向Rに延びるとともに、針先14及び針穴21の口から距離をもってワーク部15の外面へと移行する。糸溝23は、縫製プロセス中に糸の一部を受け取り、案内するために用いられる。
繊維工具10及び実施例のミシン針11は、芯材から成る工具芯部30を有する。例えば、金属合金、好ましくは鋼合金が、芯材として使用され得る。幾つかの用途において、芯材からなる繊維工具10が摩耗に対して十分に保護されない場合とは、例えば、針が通る材料が研磨糸からなるか大きな貫通力又は穿孔力を必要とする場合であることが分かっている。そのため、実施例において、ワーク部で工具芯部30に摩耗防護層31が設けられている。この摩耗防護層31は、ワーク部15において工具芯部30全体を覆う。実施例において、摩耗防護層31は遷移部17又は端部16においても少なくとも部分的に設けられ得る。
長手方向Rでの摩耗防護層31の層厚を見ると、繊維工具10の箇所毎に異なり、実施例ではワーク部15内でも異なる。実施例において、遷移部17又は端部16内で、摩耗防護層31の層厚は、長手方向Rで後端13に向かってゼロになるまで継続的に小さくなる。
例えば、DLC層等の炭素含有層が摩耗防護層として使用し得る。DLC層は、水素含有アモルファスカーボン層(a−C:H)として実施してよい。炭化層又は窒化層等、他の摩耗防護層31も使用し得る。例えば、摩耗防護層31は、炭化チタン層、アルミニウム窒化チタン層、炭窒化チタン層、又は酸化アルミニウム層等である。この摩耗防護層は、物理的又は化学的プロセス、例えば、PVDプロセス、CVDプロセス、又はPACVDプロセスにより成膜され得る。摩耗防護層31は、実施例では、電気的に絶縁されている。
摩耗防護層31の層厚は、工具芯部30の表面に対して直角に測定される。前端12に直に隣接するワーク部15の前端領域15aにおいて、摩耗防護層31は第1の層厚d1を有する。糸通し部20と遷移部17の間の領域又は糸通し部20と保持部16の間の領域において、摩耗防護層31は第2の層厚d2を有する。糸通し部20又は針穴21内において、摩耗防護層31は第3の層厚d3を有する。第1の層厚d1は、第2の層厚d2及び第3の層厚d3より大きい。第3の層厚d3は、第1の層厚d1及び第2の層厚d2より小さい。糸通し部20内において、摩耗防護層31はワーク部15で最小の層厚を有する。
実施例において、第2の層厚d2は約1.0μmである。第1の層厚d1は約3.0μmである。第3の層厚d3は約0.5μmである。
摩耗防護層31は、ワーク部15内で、少なくとも糸通し部20の領域で被覆層32に被覆されている。被覆層32の色は、摩耗防護層31よりも明るい色である。被覆層32は摩耗防護層31を、糸通し部20内と少なくとも糸通し部20に隣接する領域で被覆する。被覆層32は摩耗防護層31を、前端領域15aの外側のワーク部15で全体的に被覆してよい。被覆層32がワーク部15の外側、例えば、遷移部17及び/又は保持部16において、少なくとも部分的に摩耗防護層31を被覆することも可能である。
例えば、クロム層等の金属層を被覆層32として適用し得る。被覆層32は、例えば、スパッタリングプロセスにより成膜する。
被覆層32は、摩耗防護層31の前端12に直に隣接する前端領域15aには存在しない。被覆層32は、糸通し部20と前端12の間の、前端領域15a外においてのみ設けられる。ミシン針11の前端領域15aが終わるのはほぼ針穴21と針先14との間の箇所であり、その箇所ではミシン針11の寸法が長手方向軸Lと直角で最大となる。実施例において、前端領域15aは針先14と、糸溝23がミシン針11のワーク部15の外面へと移行する箇所の径方向平面との間を、長手方向軸Lに沿って広がる。
以上説明した通り、摩耗防護層31の層厚は長手方向Rで変化する。被覆層32の層厚も長手方向Rで変化する。糸通し部20内及び糸通し部20の周りの領域では、被覆層32の最小層厚は摩耗防護層31の表面粗さより大きい。実施例において、被覆層32の最小厚は0.02μmである。糸通し部20内で、被覆層32の層厚は約0.1μmである。糸通し部20外のワーク部15において、被覆層32の層厚がより大きく、約0.3μmである。被覆層32は前端領域15aには設けられていない。
繊維工具10及び実施例の編機ミシン針11は、以下のように製造することができる。
最初に、工具芯部30を芯材から製造する。次にホルダで繊維工具10に保持部(柄)16を配置し、物理的又は化学的被覆プロセスで繊維工具10に摩耗防護層31を被覆する。次に繊維工具10の摩耗防護層31に被覆層32を被覆する。
前端領域15aの表面の粗さは、研磨プロセス又はその他の適正なプロセスで低下させる。ミシン針11の場合、繊維への穿孔力はこのようにして低減させることができる。実施例において、被覆層32の再度の除去を前端領域15aにおける表面粗さの低減のためか又はかかる低減により行う。そのため、ワーク部15の前端領域15aにおいて、被覆層32よりも色がより暗い(黒っぽい)摩耗防護層が見えるようになる。
糸通し部20内側での摩耗防護層31及び被覆層32の層厚は小さいため、繊維工具10の使用の際糸通し部20を通過する糸により被覆層32は除去されることとなる。ここで、被覆層32は最初に機械的摩擦により除去される。これは、使用後から短時間ですでに発生する。そのため、糸通し部20内側に被覆層32がないことにより、繊維工具10が既に使用されていることが即座に認識できる。使用を継続すると、糸通し部20内で非常に薄い摩耗防護層31も糸との摩擦により機械的に除去される。摩耗防護層31が糸通し部20内側にもはや存在しなくなると、繊維工具10がすでに長期間使用されたことが認識できる。そのため、新しい未使用の繊維工具(糸通し部20内側に被覆層32が存在する)は、短期間使用された繊維工具10(被覆層32は糸通し部20において除去され、摩耗防護層31は糸通し部20に存在する)及び既により長期間使用された繊維工具10(被覆層32も摩耗防護層31も糸通し部20に存在しない)からの光学的に識別できる。
本発明は、繊維工具10、例えば、ワーク部15と保持部(柄)16とを有するミシン針11に関する。ワーク部15において、繊維工具10は糸を保持するための糸通し部20を有する。繊維工具10は、芯材でできた工具芯部30を有する。ワーク部15において、繊維工具10は、工具芯部30の芯材とは異なる摩耗防護層31で被覆されている。糸通し部20の領域において、摩耗防護層31には摩耗防護層31よりも明るい色の被覆層32が設けられる。被覆層32は糸通し部20内側とそれに隣接する部分に存在する。繊維工具10の前端12に隣接する前端領域15aには、被覆層32は存在しないことが好ましい。
10 繊維工具
11 ミシン針
12 前端
13 後端
14 針先
15 ワーク部
15a 前端領域
16 保持部(柄)
17 遷移部
20 糸通し部
21 針穴
22 前側
23 糸溝
30 工具芯部
31 摩耗防護層
32 被覆層
D 通過方向
d1 第1の層厚
d2 第2の層厚
d3 第3の層厚
L 長手方向軸
R 長手方向
U 周方向

Claims (16)

  1. 糸を保持するための糸通し部(20)と、繊維機械内で取り付け及び/又は動かすための保持部(柄)(16)とを有するワーク部(15)を備えた繊維工具(10)であって、
    芯材でできた工具芯部(30)と
    前記繊維工具(10)の前記ワーク部(15)において前記工具芯部(30)に設けられた摩耗防護層(31)と、
    前記摩耗防護層(31)より明るい色で、少なくとも前記糸通し部(20)の領域にある前記摩耗防護層(31)に設けられた被覆層(32)と
    を有する繊維工具において、
    前記糸通し部(20)内側の前記摩耗防護層(31)の層厚(d3)及び/又は前記被覆層(32)の層厚は、糸通し部(20)の外側領域の層厚より小さい、
    ことを特徴とする繊維工具。
  2. 前記ワーク部(15)は前記繊維工具(10)の前端(12)に隣接する、ことを特徴とする請求項1に記載の繊維工具。
  3. 前記ワーク部(15)の前端領域(15a)には前記被覆層(32)は存在しない、ことを特徴とする請求項2に記載の繊維工具。
  4. 前記ワーク部(15)の前記前端領域(15a)の表面粗さは、前記ワーク部(15)のその他の領域より小さい、ことを特徴とする請求項3に記載の繊維工具。
  5. 前記摩耗防護層(31)の層厚(d1、d2、d3)は前記繊維工具の長手方向(R)に変化する、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の繊維工具。
  6. 前記摩耗防護層(31)の前記層厚(d1)は、前記ワーク部(15)の前記前端領域(15a)の方が前記前端領域(15a)の外側の領域より大きい、ことを特徴とする請求項5に記載の繊維工具。
  7. 前記保持部(柄)(16)の少なくとも一部には前記摩耗防護層(31)及び前記被覆層(32)は存在しない、ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1つに記載の繊維工具。
  8. 前記摩耗防護層(31)の前記層厚(d2)は、前記ワーク部(15)内及び前記糸通し部(20)の外側において、最小1.0μmである、ことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1つに記載の繊維工具。
  9. 前記摩耗防護層(31)の前記層厚(d1、d2、d3)は、前記ワーク部(15)内で最大5.0μmである、ことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1つに記載の繊維工具。
  10. 前記糸通し部(20)の領域における前記被覆層(32)の前記層厚は最小0.02μmである、ことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1つに記載の繊維工具。
  11. 前記被覆層(32)の前記層厚は最大0.3μmである、ことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1つに記載の繊維工具。
  12. 前記摩耗防護層(31)はDLC層、炭化層、又は窒化層である、ことを特徴とする請求項1乃至11の何れか1つに記載の繊維工具。
  13. 前記被覆層(32)は金属層である、ことを特徴とする請求項1乃至12の何れか1つに記載の繊維工具。
  14. 請求項1乃至13の何れか1つに記載の繊維工具(10)の使用であって、
    −繊維機械に前記繊維工具(10)を配置する工程と、
    −前記糸通し部(20)に糸を挿入又は糸を入れる工程と、
    −前記糸通し部(20)内で前記被覆層(32)が機械的に除去されるように前記繊維機械を操作する工程と
    からなる繊維工具の使用。
  15. 糸を保持するための糸通し部(20)と、繊維ワーク機で取り付け及び/又は動かされるための保持部(柄)(16)とを有するワーク部(15)を備えた繊維工具(10)を製造する方法であって、
    工具芯部(30)を、前記ワーク部(15)に前記糸通し部(20)を備えるように、芯材から製造する工程と、
    前記繊維工具(10)の前記ワーク部(15)において摩耗防護層(31)を前記工具芯部(30)に設ける工程と、
    前記摩耗防護層(31)より明るい色の被覆層(32)を少なくとも前記糸通し部(20)の領域の前記摩耗防護層(31)に設ける工程と
    からなる方法において、
    前記糸通し部(20)内側の前記摩耗防護層(31)の層厚(d3)及び/又は前記被覆層(32)の層厚は、糸通し部(20)の外側領域の層厚より小さい、
    ことを特徴とする繊維工具を製造する方法。
  16. 前記ワーク部(15)の前端領域(15a)において前記被覆層(32)が再度除去される、ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
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