以下の記載において、Meはメチル基を、Etはエチル基を、Prはプロピル基を、Buはブチル基を、n-はnormal-体を、それぞれ表す。
[本発明の消光剤]
本発明の消光剤は、一般式(1)で示される化合物からなるものである。
{式中、n
1個のR
5はそれぞれ独立して、重合性不飽和基を有する基、ハロゲノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換基を有するもしくは無置換のアミノ基、ヒドロキシ基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数6〜14のアリールオキシ基又は炭素数7〜20のアリールアルキル基を表し、R
6は、重合性不飽和基を有する基、ヒドロキシ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有するもしくは無置換のアミノ基又は複素環式アミノ基を表し、An
−は、アニオンを表し、Ar
1は、下記一般式(1−1)〜(1−7)で示される環構造を表し、*及び**は、一般式(1−1)〜(1−7)で示される環構造との結合位置を表し;
(式中、R
1及びR
4は、水素原子を表し、R
2及びR
3はそれぞれ独立して、重合性不飽和基を有する基、炭素数1〜20のアルキル基又は置換基を有するもしくは無置換の炭素数6〜14のアリール基を表し、*及び**は、一般式(1)における*及び**と同じ位置を表し、R
1とR
2とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成していてもよく、R
3とR
4とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成していてもよい。)、
(式中、R
31は、重合性不飽和基を有する基又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、*及び**は、一般式(1)における*及び**と同じ位置を表す。)、
Ar
2は、ベンゼン環、ナフタレン環又はアントラセン環を表し、Ar
2がベンゼン環の場合、n
1は0〜4の整数を表し、Ar
2がナフタレン環の場合、n
1は0〜6の整数を表し、Ar
2がアントラセン環の場合、n
1は0〜8の整数を表し、R
32及びR
33はそれぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜14のアリール基を表す。}
[重合性不飽和基を有する基]
R2、R3、R5、R6及びR31における重合性不飽和基を有する基としては、官能基末端に重合性不飽和基を有するものであればよく、当該重合性不飽和基としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニルアリール基、ビニルオキシ基、アリル基等が挙げられ、中でもアクリロイル基、メタクリロイル基が好ましく、メタクリロイル基がより好ましい。
R5及びR6における重合性不飽和基を有する基の中でも好ましい具体例としては、下記一般式(2)で示される基が挙げられる。
{式中、R
7は、水素原子又はメチル基を表し、A
1は、−O−又は下記一般式(2−1)で示される基を表し、A
2は、−O−、−OCO−、−COO−、−NHCO−、−CONH−、−NHCONH−及びアリーレン基から選ばれる少なくとも1つの基を鎖中に有する炭素数1〜21のアルキレン基;−O−、−OCO−、−COO−、−NHCO−、−CONH−、−NHCONH−及びアリーレン基から選ばれる少なくとも1つの基を鎖中に有し、且つ、ヒドロキシ基を置換基として有する炭素数1〜21のアルキレン基;ヒドロキシ基を置換基として有する炭素数1〜21のアルキレン基;又は炭素数1〜21のアルキレン基を表し、A
3は、−NR
10−又は−O−を表し、R
10は水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を表す;
[式中、R
8は、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は下記一般式(2−4)で示される基を表し、R
9は、水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を表し、A
4は、窒素原子または下記式(2−2)で示される基を表し、n
2は0〜3の整数を表し、R
8とR
9は、これらと結合している−N−(CH
2)
n2−(A
4)
n3−とで、5〜6員環の環状構造を形成してもよく、R
8、R
9及び−N−(CH
2)
n2−(A
4)
n3−で5〜6員環の環状構造を形成している場合、n
3は1を表し、5〜6員環の環状構造を形成していない場合、n
3は0又は1を表す;
(式中、R
7、A
2及びA
3は上記と同じ。)。]。}
一般式(2)及び(2−4)のR7としては、メチル基が好ましい。
R5が一般式(2)で示される基である場合、一般式(2)のA1としては、一般式(2−1)で示される基が好ましい。R6が一般式(2)で示される基である場合、一般式(2)のA1としては、−O−が好ましい。
一般式(2)及び(2−4)のA2における、「−O−、−OCO−、−COO−、−NHCO−、−CONH−、−NHCONH−及びアリーレン基から選ばれる少なくとも1つの基を鎖中に有する炭素数1〜21のアルキレン基」、「−O−、−OCO−、−COO−、−NHCO−、−CONH−、−NHCONH−及びアリーレン基から選ばれる少なくとも1つの基を鎖中に有し、且つ、ヒドロキシ基を置換基として有する炭素数1〜21のアルキレン基」、「ヒドロキシ基を置換基として有する炭素数1〜21のアルキレン基」及び「炭素数1〜21のアルキレン基」における、炭素数1〜21のアルキレン基としては、直鎖状、分枝状及び環状のうちいずれであってもよく、直鎖状のものが好ましい。また、炭素数1〜21のアルキレン基の中でも、炭素数1〜12が好ましく、炭素数1〜6がより好ましく、炭素数1〜3がさらに好ましい。具体的には例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、1-メチルトリメチレン基、2-メチルトリメチレン基、1,2-ジメチルエチレン基、1,1-ジメチルエチレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、1-メチルテトラメチレン基、2-メチルテトラメチレン基、1,2-ジメチルトリメチレン基、1-エチルトリメチレン基、ヘキサメチレン基、メチルペンタメチレン基、n-へプチレン基、n-オクチレン基、n-ノニレン基、n-デシレン基、n-ウンデシレン基、n-ドデシレン基、n-トリデシレン基、n-テトラデシレン基、n-ペンタデシレン基、n-ヘキサデシレン基、n-ヘプタデシレン基、n-オクタデシレン基、n-ノナデシレン基、n-イコシレン基、n-ヘンイコシレン基、-C4H6-CH2-基、-C5H8-CH2-基、-C6H10-CH2-基、-C6H10-C2H4-基、-C6H10-C3H6-基、-C7H12-CH2-基等が挙げられ、中でもメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、-C6H10-CH2-基、-C6H10-C2H4-基、-C6H10-C3H6-基が好ましく、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基がより好ましく、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基がさらに好ましく、エチレン基が特に好ましい。
一般式(2)及び(2−4)のA2における、「−O−、−OCO−、−COO−、−NHCO−、−CONH−、−NHCONH−及びアリーレン基から選ばれる少なくとも1つの基を鎖中に有する炭素数1〜21のアルキレン基」及び「−O−、−OCO−、−COO−、−NHCO−、−CONH−、−NHCONH−及びアリーレン基から選ばれる少なくとも1つの基を鎖中に有し、且つ、ヒドロキシ基を置換基として有する炭素数1〜21のアルキレン基」におけるアリーレン基としては、炭素数6〜10のものが挙げられ、具体的には例えばフェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
一般式(2)及び(2−4)のA2における「−O−、−OCO−、−COO−、−NHCO−、−CONH−、−NHCONH−及びアリーレン基から選ばれる少なくとも1つの基を鎖中に有する炭素数1〜21のアルキレン基」としては、例えば下記一般式(21−1)〜(21−5)で示される基等が挙げられる。
−(R51−O−)h1−R52− (21−1)
(式中、R51及びR52はそれぞれ独立して、直鎖状又は分枝状の炭素数1〜4のアルキレン基を表し、h1は、1〜9の整数を表す。ただし、式中の炭素数の総数は、2〜21である。)
−(CH2)h2−OCO−(CH2)h3− (21−2)
(式中、h2及びh3はそれぞれ独立して、1〜10の整数を表す。)
−(CH2)h4−OCO−R53−COO−(CH2)h5− (21−3)
(式中、R53は、フェニレン基又は炭素数1〜7のアルキレン基を表し、h4及びh5はそれぞれ独立して、1〜3の整数を表す。)
−(CH2)h6−A5−(CH2)h7− (21−4)
(式中、A5は、−NHCO−、−CONH−又は−NHCONH−を表し、h6及びh7はそれぞれ独立して、1〜10の整数を表す。)
−(CH2)h8−O−CONH−(CH2)h9− (21−5)
(式中、h8及びh9はそれぞれ独立して、1〜10の整数を表す。)
一般式(21−1)のR51及びR52における直鎖状又は分枝状の炭素数1〜4のアルキレン基としては、具体的には例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、1-メチルトリメチレン基、2-メチルトリメチレン基、1,2-ジメチルエチレン基、1,1-ジメチルエチレン基、エチルエチレン基等が挙げられ、中でもエチレン基、プロピレン基が好ましい。
一般式(21−2)のh2としては、1〜3の整数が好ましく、2がより好ましい。
一般式(21−2)のh3としては、2が好ましい。
一般式(21−3)のR53における炭素数1〜7のアルキレン基としては、具体的には例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、n-へプチレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、シクロへプチレン基等が挙げられる。
一般式(21−3)のh4及びh5としては、h4とh5が同じ場合が好ましく、また、1〜3の整数が好ましく、2がより好ましい。
一般式(21−4)におけるA5としては、−NHCONH−が好ましい。
一般式(21−4)のh6及びh7としては、h6とh7が同じ場合が好ましく、また、2が好ましい。
一般式(21−5)のh8及びh9としては、h8とh9が同じ場合が好ましく、また、1〜4の整数が好ましい。
一般式(21−1)で示される基としては、具体的には例えば、
-CH2CH2-O-CH2CH2-、-(CH2CH2-O)2-CH2CH2-、-(CH2CH2-O)3-CH2CH2-、
-(CH2CH2-O)4-CH2CH2-、-(CH2CH2-O)5-CH2CH2-、-(CH2CH2-O)6-CH2CH2-、
-(CH2CH2-O)7-CH2CH2-、-(CH2CH2-O)8-CH2CH2-、-(CH2CH2-O)9-CH2CH2-、
-CH2CH(CH3)-O-CH2CH(CH3)-、-(CH2CH(CH3)-O)2-CH2CH(CH3)-、
-(CH2CH(CH3)-O)3-CH2CH(CH3)-、-(CH2CH(CH3)-O)4-CH2CH(CH3)-、
-(CH2CH(CH3)-O)5-CH2CH(CH3)-、-(CH2CH(CH3)-O)6-CH2CH(CH3)-、
-CH(CH3)CH2-O-CH(CH3)CH2-、-(CH(CH3)CH2-O)2-CH(CH3)CH2-、
-(CH(CH3)CH2-O)3-CH(CH3)CH2-、-(CH(CH3)CH2-O)4-CH(CH3)CH2-、
-(CH(CH3)CH2-O)5-CH(CH3)CH2-、-(CH(CH3)CH2-O)6-CH(CH3)CH2-、
-CH(CH3)CH2-O-CH2CH(CH3)- 等が挙げられる。
一般式(21−2)で示される基としては、具体的には例えば、
-CH2-O-CO-(CH2)2-、-(CH2)2-O-CO-(CH2)2-、-(CH2)3-O-CO-(CH2)2-
等が挙げられる。
一般式(21−3)で示される基としては、具体的には例えば、
-CH2-O-CO-CH2-CO-O-CH2-、-CH2-O-CO-(CH2)2-CO-O-CH2-、
-CH2-O-CO-(CH2)3-CO-O-CH2-、-CH2-O-CO-(CH2)4-CO-O-CH2-、
-CH2-O-CO-(CH2)5-CO-O-CH2-、-CH2-O-CO-(CH2)6-CO-O-CH2-、
-CH2-O-CO-(CH2)7-CO-O-CH2-、-(CH2)2-O-CO-CH2-CO-O-(CH2)2-、
-(CH2)2-O-CO-(CH2)2-CO-O-(CH2)2-、-(CH2)2-O-CO-(CH2)3-CO-O-(CH2)2-、
-(CH2)2-O-CO-(CH2)4-CO-O-(CH2)2-、-(CH2)2-O-CO-(CH2)5-CO-O-(CH2)2-、
-(CH2)2-O-CO-(CH2)6-CO-O-(CH2)2-、-(CH2)2-O-CO-(CH2)7-CO-O-(CH2)2-、
-(CH2)3-O-CO-CH2-CO-O-(CH2)3-、-(CH2)3-O-CO-(CH2)2-CO-O-(CH2)3-、
-(CH2)3-O-CO-(CH2)3-CO-O-(CH2)3-、-(CH2)3-O-CO-(CH2)4-CO-O-(CH2)3-、
-(CH2)3-O-CO-(CH2)5-CO-O-(CH2)3-、-(CH2)3-O-CO-(CH2)6-CO-O-(CH2)3-、
-(CH2)3-O-CO-(CH2)7-CO-O-(CH2)3-、-CH2-O-CO-C6H4-CO-O-CH2-、
-(CH2)2-O-CO-C6H4-CO-O-(CH2)2-、-(CH2)3-O-CO-C6H4-CO-O-(CH2)3-、
-CH2-O-CO-C6H10-CO-O-CH2-、-(CH2)2-O-CO-C6H10-CO-O-(CH2)2-、
-(CH2)3-O-CO-C6H10-CO-O-(CH2)3- 等が挙げられ、中でも
-CH2-O-CO-CH2-CO-O-CH2-、-CH2-O-CO-(CH2)2-CO-O-CH2-、
-CH2-O-CO-(CH2)3-CO-O-CH2-、-CH2-O-CO-(CH2)4-CO-O-CH2-、
-CH2-O-CO-(CH2)5-CO-O-CH2-、-CH2-O-CO-(CH2)6-CO-O-CH2-、
-CH2-O-CO-(CH2)7-CO-O-CH2-、-(CH2)2-O-CO-CH2-CO-O-(CH2)2-、
-(CH2)2-O-CO-(CH2)2-CO-O-(CH2)2-、-(CH2)2-O-CO-(CH2)3-CO-O-(CH2)2-、
-(CH2)2-O-CO-(CH2)4-CO-O-(CH2)2-、-(CH2)2-O-CO-(CH2)5-CO-O-(CH2)2-、
-(CH2)2-O-CO-(CH2)6-CO-O-(CH2)2-、-(CH2)2-O-CO-(CH2)7-CO-O-(CH2)2-、
-(CH2)3-O-CO-CH2-CO-O-(CH2)3-、-(CH2)3-O-CO-(CH2)2-CO-O-(CH2)3-、
-(CH2)3-O-CO-(CH2)3-CO-O-(CH2)3-、-(CH2)3-O-CO-(CH2)4-CO-O-(CH2)3-、
-(CH2)3-O-CO-(CH2)5-CO-O-(CH2)3-、-(CH2)3-O-CO-(CH2)6-CO-O-(CH2)3-、
-(CH2)3-O-CO-(CH2)7-CO-O-(CH2)3- が好ましく、
-(CH2)2-O-CO-CH2-CO-O-(CH2)2-、-(CH2)2-O-CO-(CH2)2-CO-O-(CH2)2-、
-(CH2)2-O-CO-(CH2)3-CO-O-(CH2)2-、-(CH2)2-O-CO-(CH2)4-CO-O-(CH2)2-、
-(CH2)2-O-CO-(CH2)5-CO-O-(CH2)2-、-(CH2)2-O-CO-(CH2)6-CO-O-(CH2)2-、
-(CH2)2-O-CO-(CH2)7-CO-O-(CH2)2- がより好ましく、
-(CH2)2-O-CO-(CH2)2-CO-O-(CH2)2- が特に好ましい。
一般式(21−4)で示される基としては、具体的には例えば、
-CH2-NHCO-CH2-、-(CH2)2-NHCO-(CH2)2-、-(CH2)3-NHCO-(CH2)3-、
-(CH2)4-NHCO-(CH2)4-、-CH2-CONH-CH2-、-(CH2)2-CONH-(CH2)2-、
-(CH2)3-CONH-(CH2)3-、-(CH2)4-CONH-(CH2)4-、-CH2-NHCONH-CH2-、
-(CH2)2-NHCONH-(CH2)2-、-(CH2)3-NHCONH-(CH2)3-、-(CH2)4-NHCONH-(CH2)4-、
-(CH2)5-NHCONH-(CH2)5-、-(CH2)6-NHCONH-(CH2)6-、-(CH2)7-NHCONH-(CH2)7-、
-(CH2)8-NHCONH-(CH2)8-、-(CH2)9-NHCONH-(CH2)9-、-(CH2)10-NHCONH-(CH2)10-
等が挙げられ、中でも
-CH2-NHCONH-CH2-、-(CH2)2-NHCONH-(CH2)2-、-(CH2)3-NHCONH-(CH2)3-、
-(CH2)4-NHCONH-(CH2)4-、-(CH2)5-NHCONH-(CH2)5-、-(CH2)6-NHCONH-(CH2)6-、
-(CH2)7-NHCONH-(CH2)7-、-(CH2)8-NHCONH-(CH2)8-、-(CH2)9-NHCONH-(CH2)9-、
-(CH2)10-NHCONH-(CH2)10- が好ましく、
-(CH2)2-NHCONH-(CH2)2- がより好ましい。
一般式(21−5)で示される基としては、具体的には例えば、
-CH2-O-CONH-CH2-、-(CH2)2-O-CONH-(CH2)2-、
-(CH2)3-O-CONH-(CH2)3-、-(CH2)4-O-CONH-(CH2)4- 等が挙げられる。
一般式(2)及び(2−4)のA2における、「−O−、−OCO−、−COO−、−NHCO−、−CONH−、−NHCONH−及びアリーレン基から選ばれる少なくとも1つの基を鎖中に有し、且つ、ヒドロキシ基を置換基として有する炭素数1〜21のアルキレン基」としては、例えば下記一般式(22−1)〜(22−2)で示される基等が挙げられる。
−R54−(CH2)h10− (22−1)
(式中、R54は、ヒドロキシ基を置換基として有する炭素数6〜10のアリーレン基を表し、h10は、1〜4の整数を表す。)
−R55−A6−(CH2)h11− (22−2)
(式中、R55は、ヒドロキシ基を置換基として有する炭素数1〜7のアルキレン基又はヒドロキシ基を置換基として有する炭素数6〜10のアリーレン基を表し、A6は、−O−、−OCO−、−COO−、−NHCO−、−CONH−又は−NHCONH−を表し、h11は、2〜4の整数を表す。)
一般式(22−1)のR54におけるヒドロキシ基を置換基として有する炭素数6〜10のアリーレン基としては、ヒドロキシフェニレン基、ジヒドロキシフェニレン基、ヒドロキシナフチレン基、ジヒドロキシナフチレン基等が挙げられる。
一般式(22−2)のR55におけるヒドロキシ基を置換基として有する炭素数1〜7のアルキレン基としては、ヒドロキシメチレン基、ヒドロキシエチレン基、ヒドロキシトリメチレン基、ヒドロキシテトラメチレン基、ヒドロキシペンタメチレン基、ヒドロキシヘキサメチレン基、ヒドロキシへプチレン基、ヒドロキシシクロブチレン基、ヒドロキシシクロペンチレン基、ヒドロキシシクロへキシレン基、ヒドロキシシクロへプチレン基等が挙げられる。
一般式(22−2)のR55におけるヒドロキシ基を置換基として有する炭素数6〜10のアリーレン基としては、一般式(22−1)のR54におけるヒドロキシ基を置換基として有する炭素数6〜10のアリーレン基と同じものが挙げられる。
一般式(22−1)で示される基の好ましい具体例としては、例えば
-C6H3(OH)-CH2-、-C6H3(OH)-(CH2)2-、-C6H3(OH)-(CH2)3-、-C6H3(OH)-(CH2)4-、
-C6H2(OH)2-CH2-、-C6H2(OH)2-(CH2)2-、-C6H2(OH)2-(CH2)3-、-C6H2(OH)2-(CH2)4-
等が挙げられる。
一般式(22−2)で示される基の好ましい具体例としては、例えば
-CH(OH)-CH2-O-(CH2)2-、-CH(OH)-CH2-O-(CH2)3-、-CH(OH)-CH2-O-(CH2)4-、
-CH(OH)-CH2-OCO-(CH2)2-、-CH(OH)-CH2-OCO-(CH2)3-、
-CH(OH)-CH2-OCO-(CH2)4-、-CH(OH)-CH2-COO-(CH2)2-、
-CH(OH)-CH2-COO-(CH2)3-、-CH(OH)-CH2-COO-(CH2)4-、
-CH(OH)-CH2-NHCO-(CH2)2-、-CH(OH)-CH2-NHCO-(CH2)3-、
-CH(OH)-CH2-NHCO-(CH2)4-、-CH(OH)-CH2-CONH-(CH2)2-、
-CH(OH)-CH2-CONH-(CH2)3-、-CH(OH)-CH2-CONH-(CH2)4-、
-CH(OH)-CH2-NHCONH-(CH2)2-、-CH(OH)-CH2-NHCONH-(CH2)3-、
-CH(OH)-CH2-NHCONH-(CH2)4- 等が挙げられる。
一般式(2)及び(2−4)のA2における「ヒドロキシ基を置換基として有する炭素数1〜21のアルキレン基」としては、例えば下記一般式(23−1)で示される基等が挙げられる。
−R56−(CH2)h12− (23−1)
(式中、R56は、ヒドロキシ基を置換基として有する炭素数1〜7のアルキレン基を表し、h12は、1〜4の整数を表す。)
一般式(23−1)のR56におけるヒドロキシ基を置換基として有する炭素数1〜7のアルキレン基としては、一般式(22−2)のR55におけるヒドロキシ基を置換基として有する炭素数1〜7のアルキレン基と同じものが挙げられる。
一般式(23−1)で示される基としては、具体的には例えば、
-C6H9(OH)-CH2-、-C6H9(OH)-(CH2)2-、-C6H9(OH)-(CH2)3-、-C6H9(OH)-(CH2)4-、
-CH(OH)-CH2-、-CH(OH)-(CH2)2-、-CH(OH)-(CH2)3-、-CH(OH)-(CH2)4-
等が挙げられる。
一般式(2)におけるA1が−O−である場合、一般式(2)におけるA2としては、炭素数1〜21のアルキレン基が好ましい。中でも、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基がより好ましく、エチレン基が特に好ましい。
一般式(2)におけるA1が一般式(2−1)で示される基である場合、一般式(2)におけるA2としては、炭素数1〜21のアルキレン基、並びに、−O−、−OCO−、−COO−、−NHCO−、−CONH−、−NHCONH−及びアリーレン基から選ばれる少なくとも1つの基を鎖中に有する炭素数1〜21のアルキレン基が好ましい。中でも、炭素数1〜12のアルキレン基、並びに、上記一般式(21−3)及び(21−4)で示される基が好ましく、より具体的には、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、
-CH2-O-CO-CH2-CO-O-CH2-、-CH2-O-CO-(CH2)2-CO-O-CH2-、
-CH2-O-CO-(CH2)3-CO-O-CH2-、-CH2-O-CO-(CH2)4-CO-O-CH2-、
-CH2-O-CO-(CH2)5-CO-O-CH2-、-CH2-O-CO-(CH2)6-CO-O-CH2-、
-CH2-O-CO-(CH2)7-CO-O-CH2-、-(CH2)2-O-CO-CH2-CO-O-(CH2)2-、
-(CH2)2-O-CO-(CH2)2-CO-O-(CH2)2-、-(CH2)2-O-CO-(CH2)3-CO-O-(CH2)2-、
-(CH2)2-O-CO-(CH2)4-CO-O-(CH2)2-、-(CH2)2-O-CO-(CH2)5-CO-O-(CH2)2-、
-(CH2)2-O-CO-(CH2)6-CO-O-(CH2)2-、-(CH2)2-O-CO-(CH2)7-CO-O-(CH2)2-、
-(CH2)3-O-CO-CH2-CO-O-(CH2)3-、-(CH2)3-O-CO-(CH2)2-CO-O-(CH2)3-、
-(CH2)3-O-CO-(CH2)3-CO-O-(CH2)3-、-(CH2)3-O-CO-(CH2)4-CO-O-(CH2)3-、
-(CH2)3-O-CO-(CH2)5-CO-O-(CH2)3-、-(CH2)3-O-CO-(CH2)6-CO-O-(CH2)3-、
-(CH2)3-O-CO-(CH2)7-CO-O-(CH2)3-、
-CH2-NHCONH-CH2-、-(CH2)2-NHCONH-(CH2)2-、-(CH2)3-NHCONH-(CH2)3-、
-(CH2)4-NHCONH-(CH2)4-、-(CH2)5-NHCONH-(CH2)5-、-(CH2)6-NHCONH-(CH2)6-、
-(CH2)7-NHCONH-(CH2)7-、-(CH2)8-NHCONH-(CH2)8-、-(CH2)9-NHCONH-(CH2)9-、
-(CH2)10-NHCONH-(CH2)10- が好ましく、
メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、
-(CH2)2-O-CO-CH2-CO-O-(CH2)2-、-(CH2)2-O-CO-(CH2)2-CO-O-(CH2)2-、
-(CH2)2-O-CO-(CH2)3-CO-O-(CH2)2-、-(CH2)2-O-CO-(CH2)4-CO-O-(CH2)2-、
-(CH2)2-O-CO-(CH2)5-CO-O-(CH2)2-、-(CH2)2-O-CO-(CH2)6-CO-O-(CH2)2-、
-(CH2)2-O-CO-(CH2)7-CO-O-(CH2)2-、
-CH2-NHCONH-CH2-、-(CH2)2-NHCONH-(CH2)2-、-(CH2)3-NHCONH-(CH2)3-、
-(CH2)4-NHCONH-(CH2)4-、-(CH2)5-NHCONH-(CH2)5-、-(CH2)6-NHCONH-(CH2)6-、
-(CH2)7-NHCONH-(CH2)7-、-(CH2)8-NHCONH-(CH2)8-、-(CH2)9-NHCONH-(CH2)9-、
-(CH2)10-NHCONH-(CH2)10- がより好ましく、
エチレン基、
-(CH2)2-O-CO-(CH2)2-CO-O-(CH2)2-、-(CH2)2-NHCONH-(CH2)2- が特に好ましい。
一般式(2)及び(2−4)のA3中のR10における炭素数1〜12のアルキル基としては、直鎖状、分枝状及び環状のうちいずれであってもよく、なかでも、直鎖状及び分枝状が好ましい。また、炭素数1〜12のアルキル基の中でも、炭素数1〜6のものが好ましく、炭素数1〜4のものがより好ましい。具体的には例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基、2-メチルペンチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1-エチルブチル基、シクロヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、ネオヘプチル基、シクロヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、ネオオクチル基、2-エチルヘキシル基、シクロオクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、ネオノニル基、シクロノニル基、n-デシル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基、ネオデシル基、シクロデシル基、n-ウンデシル基、シクロウンデシル基、n-ドデシル基、シクロドデシル基、シクロヘキシルメチル基、1-シクロヘキシルエチル基、2-メチルシクロへキシル基、3-メチルシクロへキシル基、4-メチルシクロへキシル基、2,6-ジメチルシクロへキシル基、2,4-ジメチルシクロへキシル基、3,5-ジメチルシクロへキシル基、2,5-ジメチルシクロへキシル基、2,3-ジメチルシクロへキシル基、3,3,5-トリメチルシクロへキシル基、4-tert-ブチルシクロへキシル基、1-アダマンチル基、2-アダマンチル基等が挙げられ、中でもメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基、2-メチルペンチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1-エチルブチル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基が好ましく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基がより好ましく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基がさらに好ましく、メチル基、エチル基が特に好ましい。
一般式(2)及び(2−4)のA3中のR10としては、水素原子及び炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。具体的には例えば、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられ、中でも水素原子、メチル基、エチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
一般式(2)及び(2−4)におけるA3は、−O−が好ましい。
一般式(2−4)で示される基の中でも好ましい具体例としては、下記一般式(2−4')で示される基が挙げられる。
(式中、R
7及びA
2は、上記と同じ。)
一般式(2−4')で示される基の中でも好ましい具体例としては、下記一般式(2−4'')で示される基が挙げられる。
(式中、A
2aは、炭素数1〜21のアルキレン基を表し、R
7は、上記と同じ。)
一般式(2−4'')のA2aにおける炭素数1〜21のアルキレン基としては、一般式(2)のA2における炭素数1〜21のアルキレン基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(2−4'')で示される基の好ましい具体例としては、下記のものが挙げられる。
一般式(2−1)のR8及びR9における炭素数1〜12のアルキル基としては、一般式(2)及び(2−4)のA3中のR10における炭素数1〜12のアルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(2−1)のR
8とR
9が、これらと結合している−N−(CH
2)
n2−(A
4)
n3−とで、5〜6員環の環状構造を形成している場合、n
3は1であって、当該環状構造は、下記一般式(2−3)で示されるものである;
(式中、n
4は、0〜4の整数を表し、A
4及びn
2は上記と同じ。ただし、n
2+n
4は3〜4の整数である。)。
一般式(2−1)のA4は、式(2−2)で示される基が好ましい。
一般式(2−1)のn2は、一般式(2−3)で示される環状構造を形成している場合には、2が好ましく、一般式(2−3)で示される環状構造を形成していない場合には、0が好ましい。尚、n2が0であるとき、−(CH2)n2−は単結合を表している。
一般式(2−1)のn3は、一般式(2−3)で示される環状構造を形成している場合には、1を表し、一般式(2−3)で示される環状構造を形成していない場合には、0が好ましい。尚、n3が0であるとき、−(A4R9)n3−は単結合を表している。
一般式(2−3)のn4は、2が好ましい。尚、n4が0であるとき、−(CH2)n4−は単結合を表している。
一般式(2−3)で示される環状構造は、5〜6員環を表し、6員環が好ましい。
一般式(2−3)で示される環状構造の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
一般式(2−1)におけるR
8としては、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は一般式(2−4')で示される基が好ましく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は一般式(2−4'')で示される基が好ましい。具体的には例えば、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、下記式で示されるもの等が挙げられる。
これらの中でも、水素原子、メチル基、エチル基、下記式で示されるものが好ましい。
一般式(2−1)におけるR9としては、水素原子及び炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基が好ましく、水素原子、メチル基、エチル基がより好ましい。
一般式(2)で示される基の中でも好ましい具体例としては、下記一般式(2')で示される基が挙げられる。
(式中、R
7、A
1及びA
2は、上記と同じ。)
一般式(2')で示される基の中でも好ましい具体例としては、下記一般式(2'a)〜(2'd)で示される基が挙げられる。
(式中、R
7及びA
2aは、上記と同じ。)
(式中、R
8'は、水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を表し、A
2bは、−O−、−OCO−、−COO−、−NHCO−、−CONH−、−NHCONH−及びアリーレン基から選ばれる少なくとも1つの基を鎖中に有する炭素数1〜21のアルキレン基;又は炭素数1〜21のアルキレン基を表し、R
7は、上記と同じ。)
(式中、R
7、A
2a、A
4、n
2及びn
4は、上記と同じ。)
(式中、R
7及びA
2aは、上記と同じであり、2個のR
7及び2個のA
2aは、同一でも異なっていてもよい。)
一般式(2'b)のR8'における炭素数1〜12のアルキル基としては、一般式(2)及び(2−4)のA3中のR10における炭素数1〜12のアルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(2'b)のA2bにおける炭素数1〜21のアルキレン基としては、一般式(2)のA2における炭素数1〜21のアルキレン基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(2'b)のA2bにおける−O−、−OCO−、−COO−、−NHCO−、−CONH−、−NHCONH−及びアリーレン基から選ばれる少なくとも1つの基を鎖中に有する炭素数1〜21のアルキレン基としては、一般式(2)のA2における−O−、−OCO−、−COO−、−NHCO−、−CONH−、−NHCONH−及びアリーレン基から選ばれる少なくとも1つの基を鎖中に有する炭素数1〜21のアルキレン基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(2'd)における2個のR7及び2個のA2aは、それぞれ独立しており、同一でも異なっていてもよい。これらの中でも、2個のR7及び2個のA2aが、それぞれ同一であるものが好ましい。
一般式(2'a)で示される基の好ましい具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
一般式(2'b)で示される基の好ましい具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
一般式(2'c)で示される基の好ましい具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
一般式(2'd)で示される基の好ましい具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
R
5が一般式(2)で示される基である場合、R
5は一般式(2'b)及び(2'd)で示される基が好ましく、下記のものがより好ましい。
R
6が一般式(2)で示される基である場合、R
6は一般式(2'a)〜(2'c)で示される基が好ましく、一般式(2'a)で示される基がより好ましく、下記のものが特に好ましい。
R
2、R
3及びR
31における重合性不飽和基を有する基の中でも好ましい具体例としては、下記一般式(2−4)で示される基が挙げられる。
(式中、R
7、A
2及びA
3は上記と同じ。)
R2、R3及びR31における一般式(2−4)で示される基は、R8における一般式(2−4)で示される基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
[その他の官能基]
一般式(1)において、n1個のR5は、それぞれ独立しており、同一でも異なっていてもよく;n1個のうち少なくとも1個のR5が、重合性不飽和基を有する基、又は置換基を有するもしくは無置換のアミノ基であるものが好ましく;1個のR5が、重合性不飽和基を有する基、又は置換基を有するもしくは無置換のアミノ基であり、残りの(n1−1)個のR5が、ハロゲノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、ヒドロキシ基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数6〜14のアリールオキシ基又は炭素数7〜20のアリールアルキル基であるものがより好ましい。中でも、n1個のうち少なくとも1個のR5が、置換基を有するアミノ基であるものがさらに好ましく;1個のR5が、置換基を有するアミノ基であり、残りの(n1−1)個のR5が、ハロゲノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、ヒドロキシ基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数6〜14のアリールオキシ基又は炭素数7〜20のアリールアルキル基であるものが特に好ましい。
一般式(1)のR5におけるハロゲノ基としては、例えば、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基等が挙げられ、中でもフルオロ基が好ましい。
一般式(1)のR5における炭素数1〜20のアルキル基としては、直鎖状、分枝状及び環状のうちいずれであってもよく、なかでも、直鎖状及び分枝状が好ましい。また、炭素数1〜20のアルキル基の中でも、炭素数1〜12のものが好ましく、炭素数1〜6のものがより好ましく、炭素数1〜4のものが特に好ましい。具体的には例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基、2-メチルペンチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1-エチルブチル基、シクロヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、ネオヘプチル基、シクロヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、ネオオクチル基、2-エチルヘキシル基、シクロオクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、ネオノニル基、シクロノニル基、n-デシル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基、ネオデシル基、シクロデシル基、n-ウンデシル基、シクロウンデシル基、n-ドデシル基、シクロドデシル基、n-トリデシル基、イソトリデシル基、n-テトラデシル基、イソテトラデシル基、n-ペンタデシル基、イソペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、イソヘプタデシル基、n-オクタデシル基、イソオクタデシル基、n-ノナデシル基、イソノナデシル基、n-イコシル基、イソイコシル基、シクロヘキシルメチル基、1-シクロヘキシルエチル基、2-メチルシクロへキシル基、3-メチルシクロへキシル基、4-メチルシクロへキシル基、2,6-ジメチルシクロへキシル基、2,4-ジメチルシクロへキシル基、3,5-ジメチルシクロへキシル基、2,5-ジメチルシクロへキシル基、2,3-ジメチルシクロへキシル基、3,3,5-トリメチルシクロへキシル基、4-tert-ブチルシクロへキシル基、1-アダマンチル基、2-アダマンチル基等が挙げられ、中でもメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基、2-メチルペンチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1-エチルブチル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基が好ましく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基がより好ましく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基がさらに好ましく、メチル基、エチル基が特に好ましい。
一般式(1)のR5における炭素数1〜20のアルコキシ基としては、直鎖状、分枝状及び環状のうちいずれであってもよく、なかでも、直鎖状及び分枝状が好ましい。また、炭素数1〜20のアルコキシ基の中でも、炭素数1〜12のものが好ましく、炭素数1〜6のものがより好ましく、炭素数1〜4のものが特に好ましい。具体的には例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、シクロブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec-ペンチルオキシ基、tert-ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、2-メチルブトキシ基、1,2-ジメチルプロポキシ基、1-エチルプロポキシ基、シクロペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec-ヘキシルオキシ基、tert-ヘキシルオキシ基、ネオヘキシルオキシ基、2-メチルペンチルオキシ基、1,2-ジメチルブトキシ基、2,3-ジメチルブトキシ基、1-エチルブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n-ヘプチルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec-ヘプチルオキシ基、tert-ヘプチルオキシ基、ネオヘプチルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec-オクチルオキシ基、tert-オクチルオキシ基、ネオオクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、n-ノニルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec-ノニルオキシ基、tert-ノニルオキシ基、ネオノニルオキシ基、シクロノニルオキシ基、n-デシルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec-デシルオキシ基、tert-デシルオキシ基、ネオデシルオキシ基、シクロデシルオキシ基、n-ウンデシルオキシ基、シクロウンデシルオキシ基、n-ドデシルオキシ基、シクロドデシルオキシ基、n-トリデシルオキシ基、イソトリデシルオキシ基、n-テトラデシルオキシ基、イソテトラデシルオキシ基、n-ペンタデシルオキシ基、イソペンタデシルオキシ基、n-ヘキサデシルオキシ基、イソヘキサデシルオキシ基、n-ヘプタデシルオキシ基、イソヘプタデシルオキシ基、n-オクタデシルオキシ基、イソオクタデシルオキシ基、n-ノナデシルオキシ基、イソノナデシルオキシ基、n-イコシルオキシ基、イソイコシルオキシ基等が挙げられ、中でもメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec-ペンチルオキシ基、tert-ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、2-メチルブトキシ基、1,2-ジメチルプロポキシ基、1-エチルプロポキシ基、n-ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec-ヘキシルオキシ基、tert-ヘキシルオキシ基、ネオヘキシルオキシ基、2-メチルペンチルオキシ基、1,2-ジメチルブトキシ基、2,3-ジメチルブトキシ基、1-エチルブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基がさらに好ましい。
一般式(1)のR5における炭素数1〜20のアルキルチオ基としては、直鎖状、分枝状及び環状のうちいずれであってもよく、なかでも、直鎖状及び分枝状が好ましい。また、炭素数1〜20のアルキルチオ基の中でも、炭素数1〜12のものが好ましく、炭素数1〜6のものがより好ましく、炭素数1〜4のものが特に好ましい。具体的には例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n-ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec-ブチルチオ基、tert-ブチルチオ基、シクロブチルチオ基、n-ペンチルチオ基、イソペンチルチオ基、sec-ペンチルチオ基、tert-ペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、2-メチルブチルチオ基、1,2-ジメチルプロピルチオ基、1-エチルプロピルチオ基、シクロペンチルチオ基、n-ヘキシルチオ基、イソヘキシルチオ基、sec-ヘキシルチオ基、tert-ヘキシルチオ基、ネオヘキシルチオ基、2-メチルペンチルチオ基、1,2-ジメチルブチルチオ基、2,3-ジメチルブチルチオ基、1-エチルブチルチオ基、シクロヘキシルチオ基、n-ヘプチルチオ基、イソヘプチルチオ基、sec-ヘプチルチオ基、tert-ヘプチルチオ基、ネオヘプチルチオ基、シクロヘプチルチオ基、n-オクチルチオ基、イソオクチルチオ基、sec-オクチルチオ基、tert-オクチルチオ基、ネオオクチルチオ基、2-エチルヘキシルチオ基、シクロオクチルチオ基、n-ノニルチオ基、イソノニルチオ基、sec-ノニルチオ基、tert-ノニルチオ基、ネオノニルチオ基、シクロノニルチオ基、n-デシルチオ基、イソデシルチオ基、sec-デシルチオ基、tert-デシルチオ基、ネオデシルチオ基、シクロデシルチオ基、n-ウンデシルチオ基、シクロウンデシルチオ基、n-ドデシルチオ基、シクロドデシルチオ基、n-トリデシルチオ基、イソトリデシルチオ基、n-テトラデシルチオ基、イソテトラデシルチオ基、n-ペンタデシルチオ基、イソペンタデシルチオ基、n-ヘキサデシルチオ基、イソヘキサデシルチオ基、n-ヘプタデシルチオ基、イソヘプタデシルチオ基、n-オクタデシルチオ基、イソオクタデシルチオ基、n-ノナデシルチオ基、イソノナデシルチオ基、n-イコシルチオ基、イソイコシルチオ基等が挙げられ、中でもメチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n-ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec-ブチルチオ基、tert-ブチルチオ基、n-ペンチルチオ基、イソペンチルチオ基、sec-ペンチルチオ基、tert-ペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、2-メチルブチルチオ基、1,2-ジメチルプロピルチオ基、1-エチルプロピルチオ基、n-ヘキシルチオ基、イソヘキシルチオ基、sec-ヘキシルチオ基、tert-ヘキシルチオ基、ネオヘキシルチオ基、2-メチルペンチルチオ基、1,2-ジメチルブチルチオ基、2,3-ジメチルブチルチオ基、1-エチルブチルチオ基が好ましく、メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n-ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec-ブチルチオ基、tert-ブチルチオ基がより好ましく、メチルチオ基、エチルチオ基がさらに好ましい。
一般式(1)のR5における置換基を有するアミノ基は、1個又は2個の置換基を有する。当該置換基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜13のアリールアルキル基等が挙げられ、中でも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜13のアリールアルキル基が好ましく、炭素数1〜20のアルキル基がより好ましい。
一般式(1)のR5における置換基を有するアミノ基の置換基における炭素数1〜20のアルキル基としては、一般式(1)のR5における炭素数1〜20のアルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(1)のR5における置換基を有するアミノ基の置換基における炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基としては、直鎖状、分枝状及び環状のうちいずれであってもよく、なかでも、直鎖状及び分枝状が好ましい。また、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基の中でも、炭素数1〜12のものが好ましく、炭素数1〜6のものがより好ましく、炭素数1〜3のものが特に好ましい。具体的には例えば、クロロメチル基、トリクロロメチル基、2-クロロエチル基、2,2,2-トリクロロエチル基、ペンタクロロエチル基、2-クロロプロピル基、3-クロロプロピル基、2-クロロ-2-プロピル基、ヘプタクロロプロピル基等のクロロアルキル基;ブロモメチル基、トリブロモメチル基、2-ブロモエチル基、2,2,2-トリブロモエチル基、ペンタブロモエチル基、2-ブロモプロピル基、3-ブロモプロピル基、2-ブロモ-2-プロピル基、ヘプタブロモプロピル基等のブロモアルキル基;ヨードメチル基、トリヨードメチル基、2-ヨードエチル基、2,2,2-トリヨードエチル基、ペンタヨードエチル基、2-ヨードプロピル基、3-ヨードプロピル基、2-ヨード-2-プロピル基、ヘプタヨードプロピル基等のヨードアルキル基;フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2-フルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、1,1,2,2-テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、3-フルオロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基、ヘプタフルオロプロピル基等のフルオロアルキル基が挙げられる。これらの中でもトリクロロメチル基、ペンタクロロエチル基、ヘプタクロロプロピル基、トリブロモメチル基、ペンタブロモエチル基、ヘプタブロモプロピル基、トリヨードメチル基、ペンタヨードエチル基、ヘプタヨードプロピル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基等のパーハロゲノアルキル基が好ましく、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基等のパーフルオロアルキル基がより好ましく、トリフルオロメチル基が特に好ましい。
一般式(1)のR5における置換基を有するアミノ基の置換基における炭素数6〜10のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、中でもフェニル基が好ましい。
一般式(1)のR5における置換基を有するアミノ基の置換基における炭素数7〜13のアリールアルキル基としては、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、炭素数11〜13のナフチルアルキル基等が挙げられ、中でも炭素数7〜9のフェニルアルキル基が好ましい。具体的には例えば、ベンジル基、フェネチル基(2-フェニルエチル基)、1-フェニルエチル基、ヒドロシンナミル基(3-フェニルプロピル基)、2-フェニルプロピル基、1-フェニルプロピル基、クミル基(2-フェニルプロパン-2-イル基)、ナフチルメチル基、2-ナフチルエチル基、3-ナフチルプロピル基等が挙げられ、中でもベンジル基、フェネチル基、1-フェニルエチル基、ヒドロシンナミル基、2-フェニルプロピル基、1-フェニルプロピル基、クミル基が好ましく、ベンジル基、フェネチル基、ヒドロシンナミル基がより好ましく、ベンジル基がさらに好ましい。
一般式(1)のR5における置換基を有する又は無置換のアミノ基としては、置換基を有するアミノ基が好ましく、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数7〜13のアリールアルキル基を有するアミノ基がより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又は炭素数7〜9のフェニルアルキル基を有するアミノ基がさらに好ましい。具体的には例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n-プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n-ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec-ブチルアミノ基、tert-ブチルアミノ基、n-ペンチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、n-ヘキシルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ基、フェネチルアミノ基、ヒドロシンナミルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ-n-プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ-n-ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ-sec-ブチルアミノ基、ジ-tert-ブチルアミノ基、ジ-n-ペンチルアミノ基、ジイソペンチルアミノ基、ジ-n-ヘキシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基、ビス(ヒドロシンナミル)アミノ基等が挙げられ、中でもメチルアミノ基、エチルアミノ基、n-プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n-ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec-ブチルアミノ基、tert-ブチルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ-n-プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ-n-ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ-sec-ブチルアミノ基、ジ-tert-ブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基が好ましい。
これらの中でも、炭素数1〜4のアルキル基を有するアミノ基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基を2個有するアミノ基が特に好ましい。具体的には、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n-プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n-ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec-ブチルアミノ基、tert-ブチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ-n-プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ-n-ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ-sec-ブチルアミノ基、ジ-tert-ブチルアミノ基が好ましく、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ-n-プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ-n-ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ-sec-ブチルアミノ基、ジ-tert-ブチルアミノ基がより好ましく、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基が特に好ましい。
一般式(1)のR5における炭素数6〜14のアリール基としては、具体的には例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられ、中でもフェニル基が好ましい。
一般式(1)のR5における炭素数6〜14のアリールオキシ基としては、具体的には例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基、アントラセニルオキシ基等が挙げられ、中でもフェノキシ基が好ましい。
一般式(1)のR5における炭素数7〜20のアリールアルキル基としては、炭素数7〜12のフェニルアルキル基、炭素数11〜16のナフチルアルキル基、炭素数15〜20のアントラセニルアルキル基等が挙げられ、中でも炭素数7〜12のフェニルアルキル基が好ましく、炭素数7〜9のフェニルアルキル基がより好ましい。具体的には例えば、ベンジル基、フェネチル基(2-フェニルエチル基)、1-フェニルエチル基、ヒドロシンナミル基(3-フェニルプロピル基)、2-フェニルプロピル基、1-フェニルプロピル基、クミル基(2-フェニルプロパン-2-イル基)、4-フェニルブチル基、3-フェニルブチル基、2-フェニルブチル基、1-フェニルブチル基、5-フェニルペンチル基、4-フェニルペンチル基、3-フェニルペンチル基、2-フェニルペンチル基、1-フェニルペンチル基、6-フェニルヘキシル基、5-フェニルヘキシル基、4-フェニルヘキシル基、3-フェニルヘキシル基、2-フェニルヘキシル基、1-フェニルヘキシル基、ナフチルメチル基、2-ナフチルエチル基、3-ナフチルプロピル基、4-ナフチルブチル基、5-ナフチルペンチル基、6-ナフチルヘキシル基、アントラセニルメチル基、2-アントラセニルエチル基、3-アントラセニルプロピル基、4-アントラセニルブチル基、5-アントラセニルペンチル基、6-アントラセニルヘキシル基等が挙げられ、中でもベンジル基、フェネチル基、1-フェニルエチル基、ヒドロシンナミル基、2-フェニルプロピル基、1-フェニルプロピル基、クミル基、4-フェニルブチル基、3-フェニルブチル基、2-フェニルブチル基、1-フェニルブチル基、5-フェニルペンチル基、4-フェニルペンチル基、3-フェニルペンチル基、2-フェニルペンチル基、1-フェニルペンチル基、6-フェニルヘキシル基、5-フェニルヘキシル基、4-フェニルヘキシル基、3-フェニルヘキシル基、2-フェニルヘキシル基、1-フェニルヘキシル基が好ましく、ベンジル基、フェネチル基、1-フェニルエチル基、ヒドロシンナミル基、2-フェニルプロピル基、1-フェニルプロピル基、クミル基がより好ましく、ベンジル基、フェネチル基、ヒドロシンナミル基、クミル基がさらに好ましい。
一般式(1)のR5としては、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する基;ハロゲノ基;炭素数1〜12のアルキル基;炭素数1〜12のアルコキシ基;炭素数1〜12のアルキルチオ基;炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数7〜13のアリールアルキル基を有するアミノ基;ヒドロキシ基;炭素数6〜14のアリール基;炭素数6〜14のアリールオキシ基;及び炭素数7〜20のアリールアルキル基が好ましく、一般式(2)で示される基;ハロゲノ基;炭素数1〜12のアルキル基;炭素数1〜12のアルコキシ基;炭素数1〜12のアルキルチオ基;炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又は炭素数7〜9のフェニルアルキル基を有するアミノ基;ヒドロキシ基;フェニル基;フェノキシ基;及び炭素数7〜12のフェニルアルキル基がより好ましく、一般式(2'b)で示される基;一般式(2'd)で示される基;ハロゲノ基;炭素数1〜6のアルキル基;炭素数1〜6のアルコキシ基;炭素数1〜6のアルキルチオ基;炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又は炭素数7〜9のフェニルアルキル基を有するアミノ基;ヒドロキシ基;フェニル基;フェノキシ基;及び炭素数7〜9のフェニルアルキル基がさらに好ましく、炭素数1〜4のアルキル基を有するアミノ基がさらにより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基を2個有するアミノ基が特に好ましい。
具体的には、フルオロ基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n-ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec-ブチルチオ基、tert-ブチルチオ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n-プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n-ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec-ブチルアミノ基、tert-ブチルアミノ基、n-ペンチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、n-ヘキシルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ-n-プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ-n-ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ-sec-ブチルアミノ基、ジ-tert-ブチルアミノ基、ジ-n-ペンチルアミノ基、ジイソペンチルアミノ基、ジ-n-ヘキシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ヒドロキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ベンジル基、フェネチル基、1-フェニルエチル基、ヒドロシンナミル基、2-フェニルプロピル基、1-フェニルプロピル基、クミル基、下記式で示されるものが好ましい。
また、フルオロ基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n-プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n-ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec-ブチルアミノ基、tert-ブチルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ-n-プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ-n-ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ-sec-ブチルアミノ基、ジ-tert-ブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ヒドロキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ベンジル基、フェネチル基、ヒドロシンナミル基、クミル基、下記式で示されるものがより好ましい。
これらの中でも、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n-プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n-ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec-ブチルアミノ基、tert-ブチルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ-n-プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ-n-ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ-sec-ブチルアミノ基、ジ-tert-ブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基、下記式で示されるものが好ましく、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n-プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n-ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec-ブチルアミノ基、tert-ブチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ-n-プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ-n-ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ-sec-ブチルアミノ基、ジ-tert-ブチルアミノ基がより好ましく、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ-n-プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ-n-ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ-sec-ブチルアミノ基、ジ-tert-ブチルアミノ基がさらに好ましく、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基が特に好ましい。
一般式(1)のR6における炭素数1〜20のアルコキシ基としては、一般式(1)のR5における炭素数1〜20のアルコキシ基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(1)のR6における置換基を有するアミノ基は、1〜2個、好ましくは2個の置換基を有する。当該置換基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基等が挙げられる。
一般式(1)のR6における置換基を有するアミノ基の置換基における炭素数1〜20のアルキル基及び炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基としては、一般式(1)のR5における置換基を有するアミノ基の置換基におけるこれらと同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(1)のR6における置換基を有する又は無置換のアミノ基としては、炭素数1〜20のアルキル基もしくは炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基を有する又は無置換のアミノ基が好ましく、炭素数1〜20のアルキル基を有する又は無置換のアミノ基がより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基を有する又は無置換のアミノ基がさらに好ましく、炭素数1〜4のアルキル基を有する又は無置換のアミノ基が特に好ましい。具体的には例えば、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n-プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n-ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec-ブチルアミノ基、tert-ブチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ-n-プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ-n-ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ-sec-ブチルアミノ基、ジ-tert-ブチルアミノ基、N,N-エチルメチルアミノ基、N,N-エチルプロピルアミノ基、N,N-メチルプロピルアミノ基、N,N-ブチルメチルアミノ基、N,N-ブチルエチルアミノ基、N,N-ブチルプロピルアミノ基等が挙げられる。
一般式(1)のR6における複素環式アミノ基としては、5〜7員環の複素環式アミノ基が挙げられ、中でも5員環又は6員環の複素環式アミノ基が好ましい。具体的には例えば、ピロリジノ基、1-ピロリル基、1-ピラゾリル基、1-イミダゾリル基、3-オキサゾリル基、3-チアゾリル基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、モルホリノ基、1-ピリジル基、1-ピリダジニル基、1-ピリミジニル基、1-ピラジニル基等が挙げられ、中でもピロリジノ基、1-ピロリル基、ピペリジノ基、1-ピリジル基が好ましく、ピペリジノ基がより好ましい。
一般式(1)のR6としては、重合性不飽和基を有する基、ヒドロキシ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキル基を有する又は無置換のアミノ基、及び複素環式アミノ基が好ましく、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する基、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基を有する又は無置換のアミノ基、及び5員環又は6員環の複素環式アミノ基がより好ましく、一般式(2)で示される基、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基を有する又は無置換のアミノ基、及びピペリジノ基がさらに好ましく、一般式(2)で示される基がさらにより好ましく、一般式(2'a)で示される基が特に好ましい。
一般式(1)において、基本骨格中のフェニル基に結合する下記一般式(1−8)で示される基は、該フェニル基のオルト位、メタ位、パラ位のいずれに位置していてもよく、オルト位及びパラ位が好ましく、オルト位がより好ましい。具体的には、下記一般式(1−8)で示される基が基本骨格中のフェニル基に対し、下記一般式(1−9)及び(1−9')で示される化合物のように結合しているものが好ましく、一般式(1−9)で示される化合物のように結合しているものがより好ましい。
(式中、R
6は、上記と同じ。)
(式中、*及び**は、一般式(1−1)〜(1−7)で示される環構造との結合位置を表し、n
1個のR
5、R
6、R
32、R
33、An
−、Ar
1、Ar
2及びn
1は、上記と同じ。)
一般式(1−1)のR2及びR3における炭素数1〜20のアルキル基としては、一般式(1)のR5における炭素数1〜20のアルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(1−1)のR2及びR3における「置換基を有するもしくは無置換の炭素数6〜14のアリール基」の炭素数6〜14のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられ、中でもフェニル基が好ましい。
一般式(1−1)のR2及びR3における置換基を有する炭素数6〜14のアリール基は、通常1〜5個、好ましくは1〜3個、より好ましくは1個の置換基を有する。当該置換基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基等が挙げられる。
一般式(1−1)のR2及びR3における「置換基を有する炭素数6〜14のアリール基」の置換基における炭素数1〜20のアルキル基としては、一般式(1)のR5における炭素数1〜20のアルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(1−1)のR2及びR3における置換基を有する炭素数6〜14のアリール基としては、炭素数1〜20のアルキル基を有する炭素数6〜14のアリール基等が挙げられ、中でも炭素数1〜20のアルキル基を有するフェニル基、ナフチル基及びアントラセニル基が好ましく、炭素数1〜12のアルキル基を有するフェニル基がより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基を有するフェニル基がさらに好ましく、炭素数1〜3のアルキル基を有するフェニル基が特に好ましい。具体的には例えば、o-トリル基(メチルフェニル基)、m-トリル基、p-トリル基、o-エチルフェニル基、m-エチルフェニル基、p-エチルフェニル基、o-プロピルフェニル基、m-プロピルフェニル基、p-プロピルフェニル基、o-ブチルフェニル基、m-ブチルフェニル基、p-ブチルフェニル基、o-ペンチルフェニル基、m-ペンチルフェニル基、p-ペンチルフェニル基、o-ヘキシルフェニル基、m-ヘキシルフェニル基、p-ヘキシルフェニル基、2,3-キシリル基(2,3-ジメチルフェニル基)、2,4-キシリル基、2,5-キシリル基、2,6-キシリル基、3,4-キシリル基、3,5-キシリル基、メシチル基(2,4,6-トリメチルフェニル基)等が挙げられ、中でもp-トリル基、p-エチルフェニル基、p-プロピルフェニル基、p-ブチルフェニル基、p-ペンチルフェニル基、p-ヘキシルフェニル基、2,4-キシリル基、2,6-キシリル基、3,5-キシリル基、メシチル基が好ましく、p-トリル基、p-エチルフェニル基、p-プロピルフェニル基がより好ましい。尚、上記具体例中のアルキル基は、normal-体に限定されず、sec-体、tert-体、イソ体(iso-体)、ネオ体(neo-体)等の分岐状のものも全て含み、中でもnormal-体、iso-体が好ましく、normal-体がより好ましい。
一般式(1−1)のR1とR2とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成している場合及びR3とR4とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成している場合における、炭素数2〜4のアルキレン基としては、直鎖状または分枝状のいずれであってもよく、直鎖状が好ましい。具体的には例えば、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、1,1-ジメチルメチレン基、テトラメチレン基、1-メチルトリメチレン基、2-メチルトリメチレン基、1,2-ジメチルエチレン基、1,1-ジメチルエチレン基、エチルエチレン基等が挙げられ、中でもエチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基が好ましく、トリメチレン基がより好ましい。
一般式(1−1)において、R
1とR
2とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成している場合及び/又はR
3とR
4とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成している場合における、一般式(1−1)で示される環構造の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
(式中、*及び**は、一般式(1)における*及び**と同じ位置を表し、R
2及びR
3は、上記と同じ。)
上記具体例の中でも、下記のものが好ましい。
(式中、*及び**は、一般式(1)における*及び**と同じ位置を表し、R
2及びR
3は、上記と同じ。)
上記具体例の中でも、下記のものがより好ましい。
(式中、*及び**は、一般式(1)における*及び**と同じ位置を表す。)
一般式(1−1)のR1としては、水素原子、及びR1とR2とで炭素数2〜4の直鎖アルキレン基を形成しているものが好ましい。具体的には例えば、水素原子、R1とR2とでエチレン基を形成しているもの、R1とR2とでトリメチレン基を形成しているもの、R1とR2とでテトラメチレン基を形成しているもの等が挙げられ、中でも水素原子、R1とR2とでトリメチレン基を形成しているものが好ましく、水素原子がより好ましい。
一般式(1−1)のR
2としては、一般式(2−4)で示される基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基を有する又は無置換のフェニル基、及びR
1とR
2とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成しているものが好ましく、一般式(2−4'')で示される基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜3のアルキル基を有する又は無置換のフェニル基、及びR
1とR
2とで炭素数2〜4の直鎖アルキレン基を形成しているものがより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基、及び炭素数1〜3のアルキル基を有する又は無置換のフェニル基がさらに好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
具体的には例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、p-トリル基、p-エチルフェニル基、p-プロピルフェニル基、p-ブチルフェニル基、p-ペンチルフェニル基、p-ヘキシルフェニル基、2,4-キシリル基、2,6-キシリル基、3,5-キシリル基、メシチル基、R
1とR
2とでエチレン基を形成しているもの、R
1とR
2とでトリメチレン基を形成しているもの、R
1とR
2とでテトラメチレン基を形成しているもの、下記式で示されるもの等が挙げられる。尚、上記具体例中のアルキル基は、normal-体に限定されず、sec-体、tert-体、イソ体(iso-体)、ネオ体(neo-体)等の分岐状のものも全て含む。
これらの中でも、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、フェニル基、p-トリル基、p-エチルフェニル基、p-(n-プロピル)フェニル基、p-イソプロピルフェニル基、R
1とR
2とでトリメチレン基を形成しているもの、下記式で示されるものが好ましく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、フェニル基、p-トリル基、p-エチルフェニル基、p-(n-プロピル)フェニル基、p-イソプロピルフェニル基がより好ましく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基がさらに好ましく、メチル基、エチル基が特に好ましい。
一般式(1−1)のR
3としては、一般式(2−4)で示される基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基を有する又は無置換のフェニル基、及びR
3とR
4とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成しているものが好ましく、一般式(2−4'')で示される基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜3のアルキル基を有する又は無置換のフェニル基、及びR
3とR
4とで炭素数2〜4の直鎖アルキレン基を形成しているものがより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基、及び炭素数1〜3のアルキル基を有する又は無置換のフェニル基がさらに好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
具体的には例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、p-トリル基、p-エチルフェニル基、p-プロピルフェニル基、p-ブチルフェニル基、p-ペンチルフェニル基、p-ヘキシルフェニル基、2,4-キシリル基、2,6-キシリル基、3,5-キシリル基、メシチル基、R
3とR
4とでエチレン基を形成しているもの、R
3とR
4とでトリメチレン基を形成しているもの、R
3とR
4とでテトラメチレン基を形成しているもの、下記式で示されるもの等が挙げられる。尚、上記具体例中のアルキル基は、normal-体に限定されず、sec-体、tert-体、イソ体(iso-体)、ネオ体(neo-体)等の分岐状のものも全て含む。
これらの中でも、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、フェニル基、p-トリル基、p-エチルフェニル基、p-(n-プロピル)フェニル基、p-イソプロピルフェニル基、R
3とR
4とでトリメチレン基を形成しているもの、下記式で示されるものが好ましく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、フェニル基、p-トリル基、p-エチルフェニル基、p-(n-プロピル)フェニル基、p-イソプロピルフェニル基がより好ましく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基がさらに好ましく、メチル基、エチル基が特に好ましい。
一般式(1−1)のR4としては、水素原子、及びR3とR4とで炭素数2〜4の直鎖アルキレン基を形成しているものが好ましい。具体的には例えば、水素原子、R3とR4とでエチレン基を形成しているもの、R3とR4とでトリメチレン基を形成しているもの、R3とR4とでテトラメチレン基を形成しているもの等が挙げられ、中でも水素原子、R3とR4とでトリメチレン基を形成しているものが好ましく、水素原子がより好ましい。
一般式(1−2)〜(1−7)のR31における炭素数1〜20のアルキル基としては、一般式(1)のR5における炭素数1〜20のアルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(1−2)〜(1−7)のR
31としては、一般式(2−4)で示される基又は炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、一般式(2−4'')で示される基又は炭素数1〜6のアルキル基がより好ましい。具体的には例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、下記式で示されるもの等が挙げられる。
尚、上記具体例中のアルキル基は、normal-体に限定されず、sec-体、tert-体、イソ体(iso-体)、ネオ体(neo-体)等の分岐状のものも全て含み、中でもnormal-体、iso-体が好ましく、normal-体がより好ましい。
一般式(1)における*及び**は、一般式(1−1)〜(1−7)における*及び**と対応しており、一般式(1−1)〜(1−7)で示される基が一般式(1)で示される化合物の*及び**で示される位置に結合することを表している。具体的には、下記の構造で示される。
(式中、R
1〜R
4、n
1個のR
5、R
6、R
31〜R
33、An
−、Ar
2及びn
1は、上記と同じ。)
一般式(1)のAr1としては、一般式(1−1)で示される環構造が好ましい。
一般式(1)のAr
2がベンゼン環の場合、一般式(1)は下記一般式(10−1)で表される。
(式中、I〜IVは、R
5が置換可能な位置を表し、*及び**は、一般式(1−1)〜(1−7)で示される環構造との結合位置を表し、n
1個のR
5、R
6、R
32、R
33、An
−、Ar
1及びn
1は上記と同じ。)
一般式(10−1)におけるn1個のR5は、ベンゼン環のI〜IV位のいずれに位置していてもよく、n1が1の場合、R5はII位又はIII位に位置しているのが好ましく、II位に位置しているのがより好ましく、n1が2の場合、R5はII位及びIII位、又はII位及びIV位に位置しているのが好ましく、n1が3の場合、R5はII位、III位及びIV位に位置しているのが好ましい。
一般式(1)のAr
2がナフタレン環の場合、一般式(1)は下記一般式(10−4)〜(10−6)で表される。
(式中、I〜VIは、R
5が置換可能な位置を表し、*及び**は、一般式(1−1)〜(1−7)で示される環構造との結合位置を表し、n
1個のR
5、R
6、R
32、R
33、An
−、Ar
1及びn
1は、上記と同じ。)
一般式(10−4)におけるn1個のR5の位置は、ナフタレン環のI〜VI位のいずれでもよく、IV位又はVI位に位置しているのが好ましい。
一般式(10−5)におけるn1個のR5の位置は、ナフタレン環のI〜VI位のいずれでもよく、III位に位置しているのが好ましい。
一般式(10−6)におけるn1個のR5の位置は、ナフタレン環のI〜VI位のいずれでもよく、II位又はIV位に位置しているのが好ましい。
一般式(1)のAr
2がアントラセン環の場合、一般式(1)は下記一般式(10−7)〜(10−9)で表される。
(式中、I〜VIIIは、R
5が置換可能な位置を表し、*及び**は、一般式(1−1)〜(1−7)で示される環構造との結合位置を表し、n
1個のR
5、R
6、R
32、R
33、An
−、Ar
1及びn
1は、上記と同じ。)
一般式(10−7)におけるn1個のR5の位置は、アントラセン環のI〜VIII位のいずれでもよく、I位、V位又はVI位に位置しているのが好ましい。
一般式(10−8)におけるn1個のR5の位置は、アントラセン環のI〜VIII位のいずれでもよく、II位、V位又はVII位に位置しているのが好ましい。
一般式(10−9)におけるn1個のR5の位置は、アントラセン環のI〜VIII位のいずれでもよく、IV位又はV位に位置しているのが好ましい。
一般式(1)のAr2としては、ベンゼン環が好ましい。
一般式(1)のAr2がベンゼン環の場合、n1は、0〜3の整数が好ましく、1又は2がより好ましく、1が特に好ましく、Ar2がナフタレン環又はアントラセン環の場合、n1は、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
一般式(1)のR32及びR33における炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖状、分枝状及び環状のうちいずれであってもよく、なかでも、直鎖状及び分枝状が好ましい。また、炭素数1〜6のアルキル基の中でも、炭素数1〜4のものが好ましい。具体的には例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基、2-メチルペンチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1-エチルブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、中でもメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基が好ましく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基がより好ましく、メチル基、エチル基が特に好ましい。
一般式(1)のR32及びR33における炭素数6〜14のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられ、中でもフェニル基が好ましい。
一般式(1)のR32及びR33としては、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。具体的には例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、フェニル基等が挙げられ、中でもメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。
[An − で示されるアニオン]
一般式(1)のAn−としては、アニオンであればよく、具体的には例えば、電子吸引性の置換基を有するアリール基、電子吸引性の置換基を有するスルホニル基、ハロゲン化アルキル基もしくはハロゲノ基を含むアニオン、ハロゲンオキソ酸アニオン又はスルホン酸アニオン(以下、本発明に係るアニオンと略記する場合がある)が挙げられる。
本発明に係るアニオンにおける、電子吸引性の置換基を有するアリール基、電子吸引性の置換基を有するスルホニル基又はハロゲン化アルキル基を含むアニオン中のアニオン部分としては、例えばスルホン酸アニオン、窒素アニオン(N-)、4級ホウ素アニオン、硝酸イオン、燐酸イオン等が挙げられ、中でもスルホン酸アニオン、窒素アニオン、4級ホウ素アニオンが好ましく、4級ホウ素アニオンがより好ましい。
本発明に係るアニオンにおける、ハロゲノ基を含むアニオン中のアニオン部分としては、例えば、4級ホウ素アニオン、リンアニオン、アンチモンアニオン等が挙げられ、中でもリンアニオン、アンチモンアニオンが好ましい。
本発明に係るアニオンにおける、電子吸引性の置換基を有するアリール基又は電子吸引性の置換基を有するスルホニル基中の電子吸引性の置換基としては、例えば、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基、ハロゲノ基、ニトロ基等が挙げられ、中でも炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基、ハロゲノ基が好ましく、ハロゲノ基が特に好ましい。
上記電子吸引性の置換基としての炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基としては、例えばクロロメチル基、トリクロロメチル基、2-クロロエチル基、2,2,2-トリクロロエチル基、ペンタクロロエチル基、2-クロロプロピル基、3-クロロプロピル基、2-クロロ-2-プロピル基、ヘプタクロロプロピル基等のクロロアルキル基;ブロモメチル基、トリブロモメチル基、2-ブロモエチル基、2,2,2-トリブロモエチル基、ペンタブロモエチル基、2-ブロモプロピル基、3-ブロモプロピル基、2-ブロモ-2-プロピル基、ヘプタブロモプロピル基等のブロモアルキル基;ヨードメチル基、トリヨードメチル基、2-ヨードエチル基、2,2,2-トリヨードエチル基、ペンタヨードエチル基、2-ヨードプロピル基、3-ヨードプロピル基、2-ヨード-2-プロピル基、ヘプタヨードプロピル基等のヨードアルキル基;フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2-フルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、1,1,2,2-テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、3-フルオロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基、ヘプタフルオロプロピル基等のフルオロアルキル基が挙げられる。これらの中でもトリクロロメチル基、ペンタクロロエチル基、ヘプタクロロプロピル基、トリブロモメチル基、ペンタブロモエチル基、ヘプタブロモプロピル基、トリヨードメチル基、ペンタヨードエチル基、ヘプタヨードプロピル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基等のパーハロゲノアルキル基が好ましく、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基等のパーフルオロアルキル基がより好ましく、トリフルオロメチル基が特に好ましい。
上記電子吸引性の置換基としてのハロゲノ基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基が挙げられ、中でもフルオロ基が好ましい。
本発明に係るアニオンにおける電子吸引性の置換基を有するアリール基中の電子吸引性の置換基は、上記具体例の中でも、電子吸引力が強いものが好ましく、トリフルオロメチル基、フルオロ基、ニトロ基が好ましく、フルオロ基がより好ましい。
本発明に係るアニオンにおける電子吸引性の置換基を有するスルホニル基中の電子吸引性の置換基は、上記具体例の中でも、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、フルオロ基が好ましい。
本発明に係るアニオンにおける電子吸引性の置換基を有するアリール基中のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、中でもフェニル基が好ましい。
本発明に係るアニオンにおける電子吸引性の置換基を有するアリール基の具体例としては、例えば下記一般式(11)及び(12)で表されるものが挙げられる。
(式中、mは、1〜5の整数を表し、m個のR
41は、それぞれ独立して、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基、ハロゲノ基又はニトロ基を表す。)
(式中、kは、1〜7の整数を表し、R
41は上記と同じ。k個のR
41は同一でも異なっていてもよい。)
一般式(11)におけるmは、通常1〜5の整数であり、R41がハロゲノ基の場合は2〜5の整数が好ましく、3〜5の整数がより好ましく、5が更に好ましい。R41がニトロ基の場合は1〜3の整数が好ましく、1がより好ましい。R41がハロゲン化アルキル基の場合は、1〜5の整数が好ましく、1〜3の整数がより好ましい。
一般式(12)におけるkは、通常1〜7の整数であり、R41がハロゲノ基の場合は2〜7の整数が好ましい。R41がニトロ基の場合は1〜3の整数が好ましく、1がより好ましい。R41がハロゲン化アルキル基の場合は、1〜7の整数が好ましく、1〜3の整数がより好ましい。
一般式(11)及び一般式(12)におけるR41の炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基は、本発明に係るアニオンにおける電子吸引性の置換基としての炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(11)及び一般式(12)におけるR41のハロゲノ基は、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基等が挙げられ、中でもフルオロ基が好ましい。
一般式(11)及び一般式(12)におけるR41の好ましい具体例は、上記の電子吸引性の置換基を有するアリール基中の電子吸引性の置換基の好ましいものと同じである。
一般式(11)で示される基は、具体的には例えば、トリフルオロメチルフェニル基、ジ(トリフルオロメチル)フェニル基、トリ(トリフルオロメチル)フェニル基、モノフルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、パーフルオロフェニル基、モノクロロフェニル基、ジクロロフェニル基、トリクロロフェニル基、パークロロフェニル基、モノブロモフェニル基、ジブロモフェニル基、トリブロモフェニル基、パーブロモフェニル基、モノヨードフェニル基、ジヨードフェニル基、トリヨードフェニル基、パーヨードフェニル基、ニトロフェニル基、ジニトロフェニル基、トリニトロフェニル基等が挙げられ、中でもジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、パーフルオロフェニル基が好ましく、パーフルオロフェニル基がより好ましい。
一般式(12)で示される基は、具体的には例えば、トリフルオロメチルナフチル基、ジ(トリフルオロメチル)ナフチル基、トリ(トリフルオロメチル)ナフチル基、モノフルオロナフチル基、ジフルオロナフチル基、トリフルオロナフチル基、パーフルオロナフチル基、モノクロロナフチル基、ジクロロナフチル基、トリクロロナフチル基、パークロロナフチル基、モノブロモナフチル基、ジブロモナフチル基、トリブロモナフチル基、パーブロモナフチル基、モノヨードナフチル基、ジヨードナフチル基、トリヨードナフチル基、パーヨードナフチル基、ニトロナフチル基、ジニトロナフチル基、トリニトロナフチル基等が挙げられる。
本発明に係るアニオンにおける電子吸引性の置換基を有するアリール基は、上記具体例の中でも、一般式(11)で示される基が好ましく、具体的には、トリフルオロメチルフェニル基、ニトロフェニル基、ジニトロフェニル基、トリニトロフェニル基、モノフルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、パーフルオロフェニル基が好ましく、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、ニトロフェニル基、パーフルオロフェニル基がより好ましく、パーフルオロフェニル基が特に好ましい。
本発明に係るアニオンにおける電子吸引性の置換基を有するスルホニル基としては、例えば-SO2-CF3、-SO2-C2F5、-SO2-C3F7、-SO2-F、-SO2-Cl、-SO2-Br、-SO2-I等が挙げられる。
本発明に係るアニオンにおけるハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基が挙げられ、中でもパーハロゲン化アルキル基が好ましく、具体的には例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、トリクロロメチル基、ペンタクロロエチル基、ヘプタクロロプロピル基、トリブロモメチル基、ペンタブロモエチル基、ヘプタブロモプロピル基、トリヨードメチル基、ペンタヨードエチル基、ヘプタヨードプロピル基等が挙げられ、中でもトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基が好ましい。
本発明に係るアニオンにおけるハロゲノ基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基が挙げられ、中でもフルオロ基が好ましい。
本発明に係る電子吸引性の置換基を有するアリール基、電子吸引性の置換基を有するスルホニル基、ハロゲン化アルキル基又はハロゲノ基を含むアニオンとしては、具体的には例えば、下記一般式(13)〜(19)で示されるものが挙げられる。
(式中、R
41及びmは上記と同じ。m個のR
41は同一でも異なっていてもよい。)
(式中、R
41及びkは上記と同じ。k個のR
41は同一でも異なっていてもよい。)
(式中、R
41及びkは上記と同じ。k個のR
41は同一でも異なっていてもよい。)
(式中、R
42〜R
45はそれぞれ独立して、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基、ハロゲノ基又はニトロ基を表し、m
2〜m
5はそれぞれ独立して、1〜5の整数を表す。m
2個のR
42、m
3個のR
43、m
4個のR
44及びm
5個のR
45は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
(式中、4個のR
46はそれぞれ独立して、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基又はハロゲノ基を表す。)
(式中、R
47及びR
48はそれぞれ独立して、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基又はハロゲノ基を表す。R
47とR
48とで、炭素数2〜3のハロゲン化アルキレン基を形成してもよい。)
(式中、R
49は、リン原子又はアンチモン原子を表し、6個のXは、全て同一のハロゲノ基を表す。)
一般式(13)におけるm個のR41としては、全て同一であるものが好ましい。
一般式(13)における、R41及びmの組合せとしては、例えば下記表記載のものが挙げられる。
一般式(13)で示されるアニオンの好ましい具体例としては、例えば下記のものが挙げられる。
一般式(14)及び(15)におけるk個のR41としては、全て同一であるものが好ましい。
一般式(14)及び(15)における、R41及びkの組合せとしては、例えば下記表記載のものが挙げられる。
一般式(14)及び(15)で示されるアニオンの好ましい具体例としては、例えば下記のものが挙げられる。
一般式(16)のR42〜R45における炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基としては、本発明に係るアニオンにおける電子吸引性の置換基としての炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(16)のR42〜R45におけるハロゲノ基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基等が挙げられ、中でもフルオロ基が好ましい。
一般式(16)におけるm2個のR42、m3個のR43、m4個のR44及びm5個のR45としては、それぞれが同一であるものが好ましく、全てが同一であるものがより好ましい。
一般式(16)における、R42〜R45及びm2〜m5の組合せとしては、例えば下記表記載のものが挙げられる。
一般式(16)で示されるアニオンの好ましい具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
上記の具体例の中でも、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオンが特に好ましい。
一般式(17)のR46における炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基としては、本発明に係るアニオンにおける電子吸引性の置換基としての炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(17)のR46におけるハロゲノ基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基等が挙げられ、中でもフルオロ基が好ましい。
一般式(17)で示されるアニオンの好ましい具体例としては、例えばBF4 -、CF3BF3 -、C2F5BF3 -、C3F7BF3 -、(CF3)4B-、(C2F5)4B-、(C3F7)4B-等が挙げられる。
一般式(18)のR47及びR48における炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基としては、本発明に係るアニオンにおける電子吸引性の置換基としての炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(18)のR47及びR48におけるハロゲノ基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基等が挙げられ、中でもフルオロ基が好ましい。
一般式(18)のR47とR48とで形成される炭素数2〜3のハロゲン化アルキレン基としては、例えばテトラフルオロエチレン基、ヘキサフルオロプロピレン基等が挙げられ、中でもヘキサフルオロプロピレン基が好ましい。
一般式(18)で示されるアニオンの好ましい具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
一般式(19)のR49としては、アンチモン原子が好ましい。
一般式(19)のXにおけるハロゲノ基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基等が挙げられ、中でもフルオロ基が好ましい。
一般式(19)で示されるアニオンの好ましい具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
本発明に係るアニオンにおけるハロゲンオキソ酸アニオンの具体例としては、例えば、次亜塩素酸アニオン、亜塩素酸アニオン、塩素酸アニオン、過塩素酸アニオン等が挙げられ、中でも過塩素酸アニオンが好ましい。
本発明に係るアニオンにおけるスルホン酸アニオンの具体例としては、例えば、メタンスルホン酸アニオン等の炭素数1〜20のアルキルスルホン酸アニオン;トリフルオロメタンスルホン酸アニオン等の炭素数1〜20のハロゲン化アルキルスルホン酸アニオン;トルエンスルホン酸アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオン等のアルキル基を置換基として有する又は無置換のベンゼンスルホン酸アニオン等が挙げられる。
一般式(1)のAn−で示されるアニオンとしては、本発明に係るアニオンが好ましく、電子吸引性の置換基を有するアリール基、電子吸引性の置換基を有するスルホニル基、ハロゲン化アルキル基又はハロゲノ基を含むアニオンがより好ましく、具体的には、一般式(16)〜(19)で示されるものが好ましく、一般式(16)、一般式(18)及び一般式(19)で示されるものがより好ましく、一般式(16)及び一般式(18)で示されるものがさらに好ましく、一般式(16)で示されるものが特に好ましい。
一般式(1)のAn
−で示されるアニオンは、上記具体例の中でも、下記のものが好ましい。
上記具体例の中でも、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンがさらに好ましく、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオンが特に好ましい。
[本発明の消光剤の好ましい具体例]
本発明の消光剤の好ましい具体例の1つとして、下記一般式(1')で示される化合物からなるものが挙げられる。
(式中、R
61及びR
62はそれぞれ独立して、炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数1〜6のアルキル基を有するもしくは無置換のフェニル基を表し、R
63及びR
64はそれぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又は炭素数7〜9のフェニルアルキル基を表し、R
65及びR
66はそれぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表し、R
6及びAn
−は、上記と同じ。)
一般式(1')のR61及びR62における炭素数1〜12のアルキル基としては、一般式(2)及び(2−4)のA3中のR10における炭素数1〜12のアルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(1')のR61及びR62における炭素数1〜6のアルキル基を有するフェニル基は、通常1〜5個、好ましくは1〜3個、より好ましくは1個のアルキル基を有する。また、炭素数1〜6のアルキル基の中でも、炭素数1〜3のものが好ましい。当該炭素数1〜6のアルキル基の具体例としては、一般式(1)のR32及びR33における炭素数1〜6のアルキル基の具体例と同じものが挙げられ、中でもメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基が好ましい。
一般式(1')のR61及びR62における炭素数1〜6のアルキル基を有するフェニル基としては、炭素数1〜3のアルキル基を有するフェニル基が好ましい。具体的には例えば、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、o-エチルフェニル基、m-エチルフェニル基、p-エチルフェニル基、o-プロピルフェニル基、m-プロピルフェニル基、p-プロピルフェニル基、o-ブチルフェニル基、m-ブチルフェニル基、p-ブチルフェニル基、o-ペンチルフェニル基、m-ペンチルフェニル基、p-ペンチルフェニル基、o-ヘキシルフェニル基、m-ヘキシルフェニル基、p-ヘキシルフェニル基、2,3-キシリル基、2,4-キシリル基、2,5-キシリル基、2,6-キシリル基、3,4-キシリル基、3,5-キシリル基、メシチル基等が挙げられ、中でもp-トリル基、p-エチルフェニル基、p-プロピルフェニル基、p-ブチルフェニル基、p-ペンチルフェニル基、p-ヘキシルフェニル基、2,4-キシリル基、2,6-キシリル基、3,5-キシリル基、メシチル基が好ましく、p-トリル基、p-エチルフェニル基、p-プロピルフェニル基がより好ましい。尚、上記具体例中のアルキル基は、normal-体に限定されず、sec-体、tert-体、イソ体(iso-体)、ネオ体(neo-体)等の分岐状のものも全て含み、中でもnormal-体、iso-体が好ましく、normal-体がより好ましい。
一般式(1')のR61及びR62としては、炭素数1〜6のアルキル基、及び炭素数1〜3のアルキル基を有する又は無置換のフェニル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。具体的には例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、p-トリル基、p-エチルフェニル基、p-プロピルフェニル基、p-ブチルフェニル基、p-ペンチルフェニル基、p-ヘキシルフェニル基、2,4-キシリル基、2,6-キシリル基、3,5-キシリル基、メシチル基等が挙げられる。尚、上記具体例中のアルキル基は、normal-体に限定されず、sec-体、tert-体、イソ体(iso-体)、ネオ体(neo-体)等の分岐状のものも全て含む。
これらの中でもメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、フェニル基、p-トリル基、p-エチルフェニル基、p-(n-プロピル)フェニル基、p-イソプロピルフェニル基が好ましく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基がより好ましく、メチル基、エチル基が特に好ましい。
一般式(1')のR63及びR64における炭素数1〜6のアルキル基としては、一般式(1)のR32及びR33における炭素数1〜6のアルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(1')のR63及びR64における炭素数7〜9のフェニルアルキル基としては、具体的には例えば、ベンジル基、フェネチル基、1-フェニルエチル基、ヒドロシンナミル基、2-フェニルプロピル基、1-フェニルプロピル基、クミル基等が挙げられ、ベンジル基、フェネチル基、ヒドロシンナミル基が好ましく、ベンジル基がより好ましい。
一般式(1')のR63及びR64としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
一般式(1')のR63及びR64としては、具体的には例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、ヒドロシンナミル基等が挙げられ、中でもメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、フェニル基、ベンジル基が好ましく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基がより好ましく、メチル基、エチル基が特に好ましい。
一般式(1')のR65及びR66における炭素数1〜6のアルキル基としては、一般式(1)のR32及びR33における炭素数1〜6のアルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(1')のR65及びR66としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
一般式(1')のR65及びR66としては、具体的には例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、フェニル基等が挙げられ、中でもメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。
一般式(1')で示される化合物の好ましい具体例としては、下記一般式(1'−1)で示される化合物が挙げられる。
(式中、R
67及びR
68はそれぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜3のアルキル基を有するもしくは無置換のフェニル基を表し、R
6、R
63〜R
66及びAn
−は、上記と同じ。)
一般式(1'−1)のR67及びR68における炭素数1〜6のアルキル基としては、一般式(1)のR32及びR33における炭素数1〜6のアルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(1'−1)のR67及びR68における炭素数1〜3のアルキル基を有するフェニル基は、通常1〜5個、好ましくは1〜3個、より好ましくは1個のアルキル基を有する。当該アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
一般式(1'−1)のR67及びR68における炭素数1〜3のアルキル基を有するフェニル基としては、具体的には例えば、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、o-エチルフェニル基、m-エチルフェニル基、p-エチルフェニル基、o-(n-プロピル)フェニル基、o-イソプロピルフェニル基、m-(n-プロピル)フェニル基、m-イソプロピルフェニル基、p-(n-プロピル)フェニル基、p-イソプロピルフェニル基、2,3-キシリル基、2,4-キシリル基、2,5-キシリル基、2,6-キシリル基、3,4-キシリル基、3,5-キシリル基、メシチル基等が挙げられ、中でもp-トリル基、p-エチルフェニル基、p-(n-プロピル)フェニル基、p-イソプロピルフェニル基、2,4-キシリル基、2,6-キシリル基、3,5-キシリル基、メシチル基が好ましく、p-トリル基、p-エチルフェニル基、p-(n-プロピル)フェニル基、p-イソプロピルフェニル基がより好ましい。
一般式(1'−1)のR67及びR68としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
一般式(1'−1)のR67及びR68としては、具体的には例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、フェニル基、p-トリル基、p-エチルフェニル基、p-(n-プロピル)フェニル基、p-イソプロピルフェニル基、2,4-キシリル基、2,6-キシリル基、3,5-キシリル基、メシチル基等が挙げられ、中でもメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、フェニル基、p-トリル基、p-エチルフェニル基、p-(n-プロピル)フェニル基、p-イソプロピルフェニル基が好ましく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基がより好ましく、メチル基、エチル基が特に好ましい。
一般式(1'−1)で示される化合物の好ましい具体例としては、下記一般式(1'−2)で示される化合物が挙げられる。
(式中、R
69〜R
74はそれぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基を表し、R
6及びAn
−は、上記と同じ。)
一般式(1'−2)のR
69〜R
74における炭素数1〜4のアルキル基としては、具体的には例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられ、メチル基、エチル基が好ましい。
一般式(1'−2)のR69〜R72は、同一でも異なっていてもよいが、R69とR70及びR71とR72が、それぞれ同一であるものが好ましく、R69〜R72が、全て同一であるものがより好ましい。
一般式(1'−2)のR73及びR74は、同一でも異なっていてもよいが、同一であるものが好ましい。
一般式(1'−2)で示される化合物の中でも好ましい具体例としては、後述する一般式(3−5)で示される化合物が挙げられる。
また、本発明の消光剤の好ましい具体例の1つとして、下記一般式(3)で示される化合物からなるものが挙げられる。
(式中、*及び**は、一般式(1−1)〜(1−7)で示される環構造との結合位置を表し、n
1個のR
5、R
6、R
32、R
33、An
−、Ar
1、Ar
2及びn
1は、上記一般式(1)と同じ。ただし、R
2、R
3、n
1個のR
5、R
6及びR
31のうち少なくとも1つは重合性不飽和基を有する基である。)
一般式(3)で示される化合物は、式中のR2、R3、n1個のR5、R6及びR31のうち少なくとも1つに重合性不飽和基を有する基を持つものであり、重合性不飽和基を有する基を1つ又は2つ持つものが好ましく、重合性不飽和基を有する基を1つ持つものがより好ましい。具体的には、式中のR2、R3、n1個のR5、R6もしくはR31のいずれか1つに重合性不飽和基を有する基を持つもの、又は、式中のR2、R3もしくはR31のいずれか1つとn1個のR5のうちの1つに重合性不飽和基を有する基を持つものが好ましく、R6に重合性不飽和基を有する基を1つ持つものがより好ましい。尚、「R2、R3、n1個のR5、R6及びR31のうち少なくとも1つに重合性不飽和基を有する基を持つもの」とは、n1個のR5のうち1個のR5が重合性不飽和基を有する基であればよく、例えば、1個のR5が重合性不飽和基を有する基であり、残りの(n1−1)個のR5が重合性不飽和基を有する基以外の官能基であるものも含まれる。
一般式(3)で示される化合物からなる消光剤は、蛍光性を有する化合物に対する消光効果に加え、加熱による退色が少なく、高い耐熱効果を奏する。さらに、一般式(3)で示される化合物由来のモノマー単位を有するポリマーからなる消光剤は、高い耐溶出性及び耐候性を有する。
一般式(3)で示される化合物の中でも好ましい具体例としては、下記一般式(3−1)で示される化合物が挙げられる。
{式中、An'
−は、電子吸引性の置換基を有するアリール基、電子吸引性の置換基を有するスルホニル基、ハロゲン化アルキル基もしくはハロゲノ基を含むアニオン、ハロゲンオキソ酸アニオン又はスルホン酸アニオンを表し、R
1〜R
4は、上記一般式(1−1)と同じであり、n
1個のR
5、R
6、R
32、R
33及びn
1は、上記一般式(1)と同じ。ただし、R
2、R
3、n
1個のR
5及びR
6のうち少なくとも1つは重合性不飽和基を有する基である。}
一般式(3−1)のAn'−における電子吸引性の置換基を有するアリール基、電子吸引性の置換基を有するスルホニル基、ハロゲン化アルキル基もしくはハロゲノ基を含むアニオン、ハロゲンオキソ酸アニオン又はスルホン酸アニオンとしては、一般式(1)における本発明に係るアニオンのそれらと同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(3−1)で示される化合物の中でも好ましい具体例としては、下記一般式(3−2)で示される化合物が挙げられる。
(式中、R
2'及びR
3'はそれぞれ独立して、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜6のアルキル基を有するもしくは無置換のフェニル基を表し、R
1とR
2'とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成していてもよく、R
3'とR
4とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成していてもよく、R
5−1は、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又は炭素数7〜9のフェニルアルキル基を有するアミノ基を表し、n
5個のR
5−2はそれぞれ独立して、ハロゲノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、ヒドロキシ基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数6〜14のアリールオキシ基又は炭素数7〜20のアリールアルキル基を表し、n
5は、0〜3の整数を表し、R
1、R
4、R
7、R
34、R
35、A
1〜A
3及びAn'
−は、上記と同じ。)
一般式(3−2)のR2'及びR3'における炭素数1〜12のアルキル基としては、一般式(2)及び(2−4)のA3中のR10における炭素数1〜12のアルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(3−2)のR2'及びR3'における炭素数1〜6のアルキル基を有するフェニル基としては、一般式(1')のR61及びR62における炭素数1〜6のアルキル基を有するフェニル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(3−2)のR1とR2'とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成している場合及びR3'とR4とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成している場合における、炭素数2〜4のアルキレン基としては、一般式(1−1)のR1とR2とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成している場合及びR3とR4とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成している場合における、炭素数2〜4のアルキレン基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(3−2)において、R
1とR
2'とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成している場合及び/又はR
3'とR
4とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成している場合の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
(式中、R
2'、R
3'、R
5−1、n
5個のR
5−2、R
7、R
34、R
35、A
1〜A
3、n
5及びAn'
−は、上記と同じ。)
上記具体例の中でも、下記のものが好ましい。
(式中、R
2'、R
3'、R
5−1、n
5個のR
5−2、R
7、R
34、R
35、A
1〜A
3、n
5及びAn'
−は、上記と同じ。)
上記具体例の中でも、下記のものがより好ましい。
(式中、R
5−1、n
5個のR
5−2、R
7、R
34、R
35、A
1〜A
3、n
5及びAn'
−は、上記と同じ。)
一般式(3−2)のR2'としては、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜3のアルキル基を有する又は無置換のフェニル基、及びR1とR2'とで炭素数2〜4の直鎖アルキレン基を形成しているものが好ましい。具体的には例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、p-トリル基、p-エチルフェニル基、p-プロピルフェニル基、p-ブチルフェニル基、p-ペンチルフェニル基、p-ヘキシルフェニル基、2,4-キシリル基、2,6-キシリル基、3,5-キシリル基、メシチル基、R1とR2'とでエチレン基を形成しているもの、R1とR2'とでトリメチレン基を形成しているもの、R1とR2'とでテトラメチレン基を形成しているもの等が挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、p-トリル基、p-エチルフェニル基、p-プロピルフェニル基、R1とR2'とでトリメチレン基を形成しているものが好ましい。尚、上記具体例中のアルキル基は、normal-体に限定されず、sec-体、tert-体、イソ体(iso-体)、ネオ体(neo-体)等の分岐状のものも全て含む。
これらの中でも、炭素数1〜6のアルキル基、及び炭素数1〜3のアルキル基を有する又は無置換のフェニル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、フェニル基、p-トリル基、p-エチルフェニル基、p-(n-プロピル)フェニル基、p-イソプロピルフェニル基が好ましく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基がより好ましく、メチル基、エチル基が特に好ましい。
一般式(3−2)のR3'としては、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜3のアルキル基を有する又は無置換のフェニル基、及びR3'とR4とで炭素数2〜4の直鎖アルキレン基を形成しているものが好ましい。具体的には例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、p-トリル基、p-エチルフェニル基、p-プロピルフェニル基、p-ブチルフェニル基、p-ペンチルフェニル基、p-ヘキシルフェニル基、2,4-キシリル基、2,6-キシリル基、3,5-キシリル基、メシチル基、R3'とR4とでエチレン基を形成しているもの、R3'とR4とでトリメチレン基を形成しているもの、R3'とR4とでテトラメチレン基を形成しているもの等が挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、p-トリル基、p-エチルフェニル基、p-プロピルフェニル基、R3'とR4とでトリメチレン基を形成しているものが好ましい。尚、上記具体例中のアルキル基は、normal-体に限定されず、sec-体、tert-体、イソ体(iso-体)、ネオ体(neo-体)等の分岐状のものも全て含む。
これらの中でも、炭素数1〜6のアルキル基、及び炭素数1〜3のアルキル基を有する又は無置換のフェニル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、フェニル基、p-トリル基、p-エチルフェニル基、p-(n-プロピル)フェニル基、p-イソプロピルフェニル基が好ましく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基がより好ましく、メチル基、エチル基が特に好ましい。
一般式(3−2)のR5−1における、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又は炭素数7〜9のフェニルアルキル基を有するアミノ基としては、具体的には例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n-プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n-ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec-ブチルアミノ基、tert-ブチルアミノ基、n-ペンチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、n-ヘキシルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ-n-プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ-n-ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ-sec-ブチルアミノ基、ジ-tert-ブチルアミノ基、ジ-n-ペンチルアミノ基、ジイソペンチルアミノ基、ジ-n-ヘキシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数1〜4のアルキル基を有するアミノ基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基を2個有するアミノ基がより好ましい。具体的には、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n-プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n-ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec-ブチルアミノ基、tert-ブチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ-n-プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ-n-ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ-sec-ブチルアミノ基、ジ-tert-ブチルアミノ基が好ましく、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ-n-プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ-n-ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ-sec-ブチルアミノ基、ジ-tert-ブチルアミノ基がより好ましく、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基がさらに好ましい。
一般式(3−2)のR5−2におけるハロゲノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、ヒドロキシ基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数6〜14のアリールオキシ基、及び、炭素数7〜20のアリールアルキル基としては、一般式(1)のR5におけるそれらと同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(3−2)のR5−2としては、ハロゲノ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルキルチオ基、ヒドロキシ基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数6〜14のアリールオキシ基及び炭素数7〜20のアリールアルキル基が好ましく、ハロゲノ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルキルチオ基、ヒドロキシ基、フェニル基、フェノキシ基及び炭素数7〜12のフェニルアルキル基がより好ましく、ハロゲノ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、ヒドロキシ基、フェニル基、フェノキシ基及び炭素数7〜9のフェニルアルキル基がさらに好ましい。具体的には、フルオロ基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n-ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec-ブチルチオ基、tert-ブチルチオ基、ヒドロキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ベンジル基、フェネチル基、1-フェニルエチル基、ヒドロシンナミル基、2-フェニルプロピル基、1-フェニルプロピル基、クミル基が好ましく、フルオロ基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、ヒドロキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ベンジル基、フェネチル基、ヒドロシンナミル基、クミル基がより好ましい。
一般式(3−2)のn5としては、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
一般式(3−2)において、R
5−1及びn
5個のR
5−2の結合位置は、下記のように表される。
(式中、I〜IVは、R
5−1及びR
5−2が置換可能な位置を表し、R
1、R
2'、R
3'、R
4、R
5−1、n
5個のR
5−2、R
7、R
34、R
35、A
1〜A
3、n
5及びAn'
−は、上記と同じ。)
一般式(3−2)におけるR5−1は、ベンゼン環のI〜IV位のいずれに位置していてもよく、II位又はIII位に位置しているのが好ましく、II位に位置しているのがより好ましい。また、一般式(3−2)におけるn5個のR5−2は、R5−1の結合部位以外であればI〜IV位のいずれに位置していてもよく、II位〜IV位のいずれかに位置しているのが好ましく、II位又はIII位に位置しているのがより好ましい。
一般式(3−2)で示される化合物の中でも好ましい具体例としては、下記一般式(3−3)で示される化合物が挙げられる。
(式中、R
7、R
61〜R
66、A
1〜A
3及びAn'
−は、上記と同じ。)
一般式(3−3)で示される化合物の中でも好ましい具体例としては、下記一般式(3−4)で示される化合物が挙げられる。
(式中、R
7、R
63〜R
68、A
1〜A
3及びAn'
−は、上記と同じ。)
一般式(3−4)で示される化合物の中でも好ましい具体例としては、下記一般式(3−5)で示される化合物が挙げられる。
(式中、R
7、R
69〜R
74、A
2a及びAn'
−は、上記と同じ。)
一般式(3−5)におけるR
7、R
69〜R
74及びA
2aの好ましい組合せとしては、例えば下記表記載のものが挙げられる。
上記好ましい組合せの中でもより好ましい組合せとしては、例えば下記表記載の組合せ1〜8が挙げられ、中でも組合せ1〜4が好ましく、組合せ3及び4がより好ましく、組合せ3が特に好ましい。
また、前記表に記載の組合せと合わせて用いられるAn'−としては、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンが挙げられ、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオンが好ましい。
具体的には例えば、前記組合せ1〜8と、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオン又はビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンとの組合せが挙げられ、前記組合せ1〜8とテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオンとの組合せが好ましく、前記組合せ1〜4とテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオンとの組合せがより好ましく、前記組合せ3又は4とテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオンとの組合せがさらに好ましく、前記組合せ3とテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオンとの組合せが特に好ましい。
本発明の消光剤は、蛍光性を有する化合物が発する蛍光を消光し得るものである。
本発明の消光剤が消光する対象(以下、消光対象化合物と略記する場合がある)は、蛍光性を有する化合物であればよく、具体的には例えば、アントラセン骨格を有する化合物、キサンテン骨格を有する化合物、クマリン骨格を有する化合物、スチルベン骨格を有する化合物、ナフタルイミド骨格を有する化合物、ペリレン骨格を有する化合物、ピリジン骨格を有する化合物、オキサジン骨格を有する化合物、シアニン骨格を有する化合物、オレフィン骨格を有する化合物、アゾール骨格を有する化合物、チアジン系色素、フタロシアニン系色素、アントラキノン系色素、アクリドン系色素、キナクリドン系色素、イソインドリノン系色素、チオフラビン系色素、チオインジゴ系色素、フルオレン系色素、アゾ系色素、ジ−及びトリフェニルメタン系色素、ターフェニル系色素、クリセン系色素、ピレン系色素等の蛍光性を有する化合物が挙げられる。
上記アントラセン骨格を有する化合物としては、例えばアントラセン、9,10-ビス(フェニルエチニル)アントラセン、1-クロロ-9,10-ビス(フェニルエチニル)アントラセン等のアントラセン系色素等が挙げられる。
上記キサンテン骨格を有する化合物としては、例えばローダミンB、ローダミン6G、ローダミン3B、ローダミン101、ローダミン110、スルホローダミン101、ベーシックバイオレット11、ベーシックレッド2等のローダミン系色素;例えばエオシンY、エオシンB等のエオシン系色素;例えばフルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート等のフルオレセイン系色素等が挙げられる。
上記クマリン骨格を有する化合物としては、例えばクマリン6、クマリン7、クマリン153、クマリン314、クマリン334、クマリン545、クマリン545T、クマリン545P、7-ヒドロキシ-4-メチルクマリン等のクマリン系色素等が挙げられる。
上記スチルベン骨格を有する化合物としては、例えば1,4-ビス(2-メチルスチリル)ベンゼン、トランス-4,4'-ジフェニルスチルベンゼン等のスチルベン系色素等が挙げられる。
上記ナフタルイミド骨格を有する化合物としては、例えばベーシックイエロー51、ソルベントイエロー11、ソルベントイエロー98、ソルベントイエロー116、ソルベントイエロー43、ソルベントイエロー44等のナフタルイミド系色素等が挙げられる。
上記ペリレン骨格を有する化合物としては、例えばペリレン、ルモゲンイエロー、ルモゲングリーン、ルモゲンオレンジ、ルモゲンピンク、ルモゲンレッド、ソルベントオレンジ5、ソルベントグリーン5等のペリレン系色素等が挙げられる。
上記ピリジン骨格を有する化合物としては、例えば1-エチル-2-[4-(p-ジメチルアミノフェニル)-1,3-ブタジエニル]-ピリジニウム-パークロレート(ピリジン1)等のピリジン系色素、アクリジン系色素等が挙げられる。
上記オキサジン骨格を有する化合物としては、例えば酢酸クレシルバイオレット等のオキサジン系色素、ジオキサジン系色素等が挙げられる。
上記シアニン骨格を有する化合物としては、例えば4-ジシアノメチレン-2-メチル-6-(p-ジメチルアミノスチリル)-4H-ピラン等のシアニン系色素等が挙げられる。
上記オレフィン骨格を有する化合物としては、例えばエテン系色素、ブタジエン系色素、ヘキサトリエン系色素等が挙げられる。
上記アゾール骨格を有する化合物としては、例えばオキサゾール系色素、チアゾール系色素等が挙げられる。
上記消光対象化合物の中でも、アントラセン骨格、キサンテン骨格、クマリン骨格又はオキサジン骨格を有する化合物が好ましく、キサンテン骨格を有する化合物がより好ましく、ローダミン系色素が特に好ましい。具体的には例えば、アントラセン、9,10-ビス(フェニルエチニル)アントラセン、1-クロロ-9,10-ビス(フェニルエチニル)アントラセン、ローダミンB、ローダミン6G、ローダミン3B、ローダミン101、ローダミン110、スルホローダミン、ベーシックバイオレット11、ベーシックレッド2、エオシンY、エオシンB、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、クマリン6、クマリン7、クマリン153、クマリン314、クマリン334、クマリン545、クマリン545T、クマリン545P、7-ヒドロキシ-4-メチルクマリンが好ましく、ローダミンB、ローダミン6G、ローダミン3B、ローダミン101、ローダミン110、スルホローダミン、ベーシックバイオレット11、ベーシックレッド2、エオシンY、エオシンB、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネートがより好ましく、ローダミンB、ローダミン6G、ローダミン3B、ローダミン101、ローダミン110、スルホローダミン、ベーシックバイオレット11、ベーシックレッド2が特に好ましい。
また、上記消光対象化合物には、重合性基を有する上記消光対象化合物、即ち、蛍光性を有しており、且つ、重合性不飽和基を有するモノマー(以下、重合性消光対象化合物と略記する場合がある)、及びそのポリマーも含まれる。
上記重合性消光対象化合物における重合性不飽和基としては、例えばアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニルアリール基、ビニルオキシ基、アリル基等が挙げられる。
上記重合性消光対象化合物のポリマーとは、重合性消光対象化合物由来のモノマー単位を構成成分とし、蛍光性を有するものである。
重合性消光対象化合物又はそのポリマーとしては、例えば、特開平05−271567号公報、特開平09−272814号公報、特開2001−011336号公報、特開2013−045088号公報、国際公開第2014/126167号公報、国際公開第2015/098999号公報、国際公開第2015/133578号公報、国際公開第2015/147285号公報、国際公開第2015/182680号公報等の公報に記載のものであっても、市販のものであってもよい。
消光対象化合物としては、重合性消光対象化合物又はそのポリマーが好ましく、重合性消光対象化合物がより好ましい。
本発明の消光剤を用いて消光対象化合物が発する蛍光を消光するには、例えば、本発明の消光剤を、要すれば通常この分野で用いられる溶媒中で、消光対象化合物のmol数に対して通常0.5〜300当量、好ましくは100〜200当量用いればよい。この消光反応における溶媒の使用量、温度、圧力等の反応条件は、有機化学分野における技術常識を考慮して適宜選択すればよい。
[本発明の消光剤の製造方法]
本発明の消光剤のうち、例えば、一般式(1)が式中に重合性不飽和基を有する基を持たず、且つ、R6がヒドロキシ基であり、Ar1が一般式(1−1)で示される環構造であるもの{下記一般式(36)で示される化合物}は、次の反応[I]〜[III]に示す一連の方法で製造することができる。
すなわち、まず、下記一般式(31)で示される化合物と下記一般式(32)で示される化合物とをホルムアルデヒドの存在下で反応させて、下記一般式(33)で示される化合物を得る(反応[I])。次いで、得られた一般式(33)で示される化合物と下記一般式(34)で示される化合物とを有機金属試薬の存在下で反応させ、さらに酸化反応を行い、下記一般式(35)で示される化合物を得る(反応[II])。その後、得られた一般式(35)で示される化合物とヨード安息香酸tert-ブチルとを有機金属試薬の存在下で反応させた上で、塩形成反応を行えばよい(反応[III])。
(式中、R
102及びR
103はそれぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は置換基を有するもしくは無置換の炭素数6〜14のアリール基を表し、R
1とR
102とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成していてもよく、R
103とR
4とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成していてもよく、n
1個のR
105はそれぞれ独立して、ハロゲノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換基を有するもしくは無置換のアミノ基、ヒドロキシ基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数6〜14のアリールオキシ基又は炭素数7〜20のアリールアルキル基を表し、R
1、R
4、Ar
2及びn
1は、上記と同じ。)
(式中、R
1、R
32、R
33、R
102、R
103、R
4、n
1個のR
105、Ar
2及びn
1は、上記と同じ。)
(式中、R
1、R
32、R
33、R
102、R
103、R
4、n
1個のR
105、Ar
2及びn
1は、上記と同じ。)
一般式(31)のR102及びR103における炭素数1〜20のアルキル基、及び、置換基を有する又は無置換の炭素数6〜14のアリール基としては、上記一般式(1−1)のR2及びR3におけるそれらと同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(31)のR1とR102とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成している場合及びR103とR4とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成している場合における、炭素数2〜4のアルキレン基としては、上記一般式(1−1)のR1とR2とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成している場合及びR3とR4とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成している場合における、炭素数2〜4のアルキレン基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(31)において、R
1とR
102とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成している場合及び/又はR
103とR
4とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成している場合の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
(式中、R
102及びR
103は上記と同じ。)
上記具体例の中でも、下記のものが好ましい。
(式中、R
102及びR
103は上記と同じ。)
上記具体例の中でも、8-ブロモ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ベンゾ[ij]キノリジンが特に好ましい。
一般式(31)のR102としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基を有する又は無置換のフェニル基、及びR1とR102とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成しているものが好ましく、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜3のアルキル基を有する又は無置換のフェニル基、及びR1とR102とで炭素数2〜4の直鎖アルキレン基を形成しているものがより好ましい。具体的には例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、p-トリル基、p-エチルフェニル基、p-プロピルフェニル基、p-ブチルフェニル基、p-ペンチルフェニル基、p-ヘキシルフェニル基、2,4-キシリル基、2,6-キシリル基、3,5-キシリル基、メシチル基、R1とR102とでエチレン基を形成しているもの、R1とR102とでトリメチレン基を形成しているもの、R1とR102とでテトラメチレン基を形成しているもの等が挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、p-トリル基、p-エチルフェニル基、p-プロピルフェニル基、R1とR102とでトリメチレン基を形成しているものが好ましい。尚、上記具体例中のアルキル基は、normal-体に限定されず、sec-体、tert-体、イソ体(iso-体)、ネオ体(neo-体)等の分岐状のものも全て含む。
これらの中でも、炭素数1〜6のアルキル基、及び炭素数1〜3のアルキル基を有する又は無置換のフェニル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、フェニル基、p-トリル基、p-エチルフェニル基、p-(n-プロピル)フェニル基、p-イソプロピルフェニル基が好ましく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基がより好ましく、メチル基、エチル基が特に好ましい。
一般式(31)のR103としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基を有する又は無置換のフェニル基、及びR103とR4とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成しているものが好ましく、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜3のアルキル基を有する又は無置換のフェニル基、及びR103とR4とで炭素数2〜4の直鎖アルキレン基を形成しているものがより好ましい。具体的には例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、p-トリル基、p-エチルフェニル基、p-プロピルフェニル基、p-ブチルフェニル基、p-ペンチルフェニル基、p-ヘキシルフェニル基、2,4-キシリル基、2,6-キシリル基、3,5-キシリル基、メシチル基、R103とR4とでエチレン基を形成しているもの、R103とR4とでトリメチレン基を形成しているもの、R103とR4とでテトラメチレン基を形成しているもの等が挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、p-トリル基、p-エチルフェニル基、p-プロピルフェニル基、R103とR4とでトリメチレン基を形成しているものが好ましい。尚、上記具体例中のアルキル基は、normal-体に限定されず、sec-体、tert-体、イソ体(iso-体)、ネオ体(neo-体)等の分岐状のものも全て含む。
これらの中でも、炭素数1〜6のアルキル基、及び炭素数1〜3のアルキル基を有する又は無置換のフェニル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、フェニル基、p-トリル基、p-エチルフェニル基、p-(n-プロピル)フェニル基、p-イソプロピルフェニル基が好ましく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基がより好ましく、メチル基、エチル基が特に好ましい。
一般式(31)で示される化合物の具体例としては、例えば下記のものが挙げられる。一般式(31)で示される化合物は、市販のもの、あるいは自体公知の方法によって適宜合成したものを用いればよい。
一般式(32)のR105におけるハロゲノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換基を有するもしくは無置換のアミノ基、ヒドロキシ基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数6〜14のアリールオキシ基又は炭素数7〜20のアリールアルキル基としては、上記一般式(1)のR5におけるそれらと同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(32)のR105としては、ハロゲノ基;炭素数1〜12のアルキル基;炭素数1〜12のアルコキシ基;炭素数1〜12のアルキルチオ基;炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数7〜13のアリールアルキル基を有するアミノ基;ヒドロキシ基;炭素数6〜14のアリール基;炭素数6〜14のアリールオキシ基;及び炭素数7〜20のアリールアルキル基が好ましく、ハロゲノ基;炭素数1〜12のアルキル基;炭素数1〜12のアルコキシ基;炭素数1〜12のアルキルチオ基;炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又は炭素数7〜9のフェニルアルキル基を有するアミノ基;ヒドロキシ基;フェニル基;フェノキシ基;及び炭素数7〜12のフェニルアルキル基がより好ましく、ハロゲノ基;炭素数1〜6のアルキル基;炭素数1〜6のアルコキシ基;炭素数1〜6のアルキルチオ基;炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又は炭素数7〜9のフェニルアルキル基を有するアミノ基;ヒドロキシ基;フェニル基;フェノキシ基;及び炭素数7〜9のフェニルアルキル基がさらに好ましく、炭素数1〜4のアルキル基を有するアミノ基がさらにより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基を2個有するアミノ基が特に好ましい。
具体的には、フルオロ基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n-ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec-ブチルチオ基、tert-ブチルチオ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n-プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n-ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec-ブチルアミノ基、tert-ブチルアミノ基、n-ペンチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、n-ヘキシルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ-n-プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ-n-ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ-sec-ブチルアミノ基、ジ-tert-ブチルアミノ基、ジ-n-ペンチルアミノ基、ジイソペンチルアミノ基、ジ-n-ヘキシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ヒドロキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ベンジル基、フェネチル基、1-フェニルエチル基、ヒドロシンナミル基、2-フェニルプロピル基、1-フェニルプロピル基、クミル基が好ましく、フルオロ基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n-プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n-ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec-ブチルアミノ基、tert-ブチルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ-n-プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ-n-ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ-sec-ブチルアミノ基、ジ-tert-ブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ヒドロキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ベンジル基、フェネチル基、ヒドロシンナミル基、クミル基がより好ましい。
これらの中でも、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n-プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n-ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec-ブチルアミノ基、tert-ブチルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ-n-プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ-n-ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ-sec-ブチルアミノ基、ジ-tert-ブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基が好ましく、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n-プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n-ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec-ブチルアミノ基、tert-ブチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ-n-プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ-n-ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ-sec-ブチルアミノ基、ジ-tert-ブチルアミノ基がより好ましく、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ-n-プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ-n-ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ-sec-ブチルアミノ基、ジ-tert-ブチルアミノ基がさらに好ましく、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基が特に好ましい。
一般式(32)で示される化合物の具体例としては、例えば下記のものが挙げられる。一般式(32)で示される化合物は、市販のもの、あるいは自体公知の方法によって適宜合成したものを用いればよい。
上記反応[I]においては、一般式(31)で示される化合物と一般式(32)で示される化合物とを、酸触媒中、ホルムアルデヒドの存在下で、通常20〜100℃、好ましくは40〜80℃で、通常1〜24時間、好ましくは1〜12時間反応させればよい。
上記酸触媒としては、例えば酢酸、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等が挙げられ、中でも酢酸が好ましい。これらはそれぞれ単独でも或いは二種以上適宜組み合わせて用いてもよい。当該溶媒の使用量は、一般式(31)で示される化合物1mmolに対して、通常0.1〜50ml、好ましくは0.5〜10mlである。
一般式(32)で示される化合物の使用量は、一般式(31)で示される化合物のmol数に対して、通常1〜10当量、好ましくは1〜3当量である。
ホルムアルデヒドの使用量は、一般式(31)で示される化合物のmol数に対して、通常1〜20当量、好ましくは2〜5当量である。当該ホルムアルデヒドとしてはホルマリン液を用いてもよい。
一般式(34)で示される化合物の具体例としては、例えばジクロロジメチルシラン、ジクロロジエチルシラン、ジクロロジ-n-プロピルシラン、ジクロロジイソプロピルシラン、ジクロロジ-n-ブチルシラン、ジクロロジイソブチルシラン、ジクロロジ-sec-ブチルシラン、ジクロロジ-tert-ブチルシラン、ジクロロジフェニルシラン等が挙げられる。一般式(34)で示される化合物は、市販のもの、あるいは自体公知の方法によって適宜合成したものを用いればよい。
上記反応[II]においては、まず、反応[I]で得られた一般式(33)で示される化合物と有機金属試薬を溶媒中で予め反応させ(反応[II-I])、さらに一般式(34)で示される化合物を加えて反応させ(反応[II-II])、得られた化合物に対して酸化反応を行えばよい。
上記反応[II-I]は、通常−80〜40℃、好ましくは−70〜−40℃で、通常10分〜6時間、好ましくは30分〜3時間行えばよく、上記反応[II-II]は、通常−80〜80℃、好ましくは−70〜50℃で、通常1〜24時間、好ましくは1〜12時間行えばよい。
上記反応[II-I]及び反応[II-II]における溶媒としては、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類;例えばアセトン、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、2-ヘキサノン、tert-ブチルメチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;例えばクロロメタン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;例えばn-ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類;例えばアセトニトリル等のニトリル類;例えばN,N-ジメチルホルムアミド等のアミド類等が挙げられ、中でもエーテル類が好ましく、テトラヒドロフランがより好ましい。これらはそれぞれ単独でも或いは二種以上適宜組み合わせて用いてもよい。反応溶媒の使用量は、一般式(33)で示される化合物1mmolに対して、通常0.1〜100ml、好ましくは1〜50mlである。
一般式(34)で示される化合物の使用量は、一般式(33)で示される化合物のmol数に対して、通常1〜5当量、好ましくは1〜3当量である。
上記反応[II-I]及び反応[II-II]における有機金属試薬としては、例えば有機リチウム化合物、グリニャール試薬、有機アルカリ土類金属化合物、有機アルミニウム化合物、有機亜鉛化合物等が挙げられ、中でも有機リチウム化合物が好ましく、具体的には例えば、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、n-ヘキシルリチウム等が挙げられ、中でもsec-ブチルリチウムが好ましい。これらはそれぞれ単独でも或いは二種以上適宜組み合わせて用いてもよい。また、当該有機金属試薬は、市販のものを用いればよく、当該有機金属試薬とヘキサン、シクロヘキサン、ペンタン等の脂肪族炭化水素系溶媒との溶液を用いてもよい。
上記反応[II-I]及び反応[II-II]における有機金属試薬の使用量は、一般式(33)で示される化合物のmol数に対して、通常1〜10当量、好ましくは2〜4当量である。
上記酸化反応は、反応[II-II]において得られた化合物に酸化剤を加え、溶媒中、通常−30〜50℃、好ましくは−20〜30℃で、通常1〜24時間、好ましくは2〜18時間反応させることによりなされる。
上記酸化反応における溶媒としては、反応[II-I]及び反応[II-II]における溶媒と同じものが挙げられ、中でもケトン類が好ましく、アセトンがより好ましい。これらはそれぞれ単独でも或いは二種以上適宜組み合わせて用いてもよい。当該溶媒の使用量は、一般式(33)で示される化合物1mmolに対して、通常0.1〜100ml、好ましくは1〜50mlである。
上記酸化反応における酸化剤としては、例えば過マンガン酸塩等が挙げられ、具体的には例えば、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸マグネシウム、過マンガン酸カルシウム等が挙げられ、中でも過マンガン酸カリウムが好ましい。当該酸化剤は、市販のものを用いればよい。
上記酸化剤の使用量は、一般式(33)で示される化合物のmol数に対して、通常1〜10当量、好ましくは2〜5当量である。
上記反応[III]においては、まず、ヨード安息香酸tert-ブチルと有機金属試薬を溶媒中で予め反応させ(反応[III-I])、さらに反応[II]で得られた一般式(35)で示される化合物を加えて反応させ(反応[III-II])、得られた化合物に対して塩形成反応を行えばよい。
上記反応[III-I]は、通常−80〜40℃、好ましくは−70〜−40℃で、通常10分〜6時間、好ましくは30分〜3時間行えばよく、上記反応[III-II]は、通常−80〜80℃、好ましくは−70〜50℃で、通常1〜24時間、好ましくは1〜12時間行えばよい。
上記反応[III-I]及び反応[III-II]における溶媒及び有機金属試薬としては、反応[II-I]及び反応[II-II]における溶媒及び有機金属試薬と同様のものを用いればよい。当該溶媒の使用量は、ヨード安息香酸tert-ブチル1mmolに対して、通常0.1〜100ml、好ましくは1〜50mlであり、当該有機金属試薬の使用量は、ヨード安息香酸tert-ブチルのmol数に対して、通常1〜5当量、好ましくは1〜3当量である。
ヨード安息香酸tert-ブチルの使用量は、一般式(35)で示される化合物のmol数に対して、通常1〜5当量、好ましくは1〜3当量である。ヨード安息香酸tert-ブチルは、市販のもの、あるいは自体公知の方法によって適宜合成したものを用いればよい。
上記塩形成反応としては、反応[III-II]で得られた化合物に、An−で示されるアニオンの塩を加え、溶媒中、通常0〜80℃、好ましくは10〜50℃で、通常1〜24時間、好ましくは2〜10時間反応させることによりなされる。
上記塩形成反応における溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、ジクロロエタン、酢酸エチル等の有機溶媒が挙げられ、中でもエタノール、ジクロロメタン、酢酸エチルが好ましい。これらはそれぞれ単独でも或いは二種以上適宜組み合わせて用いてもよい。反応溶媒の使用量は、一般式(35)で示される化合物1mmolに対して、通常0.1〜100ml、好ましくは1〜50mlである。
上記塩形成反応におけるAn−で示されるアニオンの塩としては、An−で示されるアニオンのアルカリ金属塩、又は、無機酸{An−で示されるアニオンとプロトン(H+)との塩}が挙げられ、中でもAn−で示されるアニオンのアルカリ金属塩が好ましい。
上記An−で示されるアニオンのアルカリ金属塩としては、An−で示されるアニオンと、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属からなる塩が挙げられ、中でもAn−で示されるアニオンとカリウム又はリチウムからなる塩が好ましい。上記An−で示されるアニオンのアルカリ金属塩の使用量は、一般式(35)で示される化合物のmol数に対して、通常1〜2当量、好ましくは1〜1.5当量である。
上記無機酸としては、塩酸、臭化水素、ヨウ化水素、次亜塩素酸、亜塩素酸、塩素酸、過塩素酸、ヘキサフルオロリン酸、ヘキサフルオロアンチモン酸等の無機酸が挙げられ、中でも塩酸、過塩素酸、ヘキサフルオロリン酸、ヘキサフルオロアンチモン酸が好ましい。上記無機酸の使用量は、一般式(35)で示される化合物のmol数に対して、通常1〜50当量、好ましくは1〜10当量である。
上記塩形成反応におけるAn−で示されるアニオンの塩が、An−で示されるアニオンのアルカリ金属塩である場合、一般式(35)で示される化合物とヨード安息香酸tert-ブチルとの反応後、An−で示されるアニオンのアルカリ金属塩を溶媒中、塩酸共存下で反応させてクロル塩を経由するのが好ましい。該塩酸の使用量としては、一般式(35)で示される化合物のmol数に対して、通常1〜50当量、好ましくは1〜10当量である。
また、上記塩形成反応におけるAn−で示されるアニオンの塩が無機酸である場合、反応[III-II]で得られた化合物と無機酸を、溶媒中で反応させればよい。
本発明の消光剤のうち、例えば、一般式(1)が式中に重合性不飽和基を有する基を持たず、且つ、R6がヒドロキシ基であり、Ar1が一般式(1−2)〜(1−7)で示される環構造であるもの{下記一般式(36')で示される化合物}は、次の反応[I']〜[III']に示す一連の方法で製造することができる。
すなわち、まず、下記一般式(31')で示される化合物と一般式(32)で示される化合物とをホルムアルデヒドの存在下で反応させて、下記一般式(33')で示される化合物を得る(反応[I'])。次いで、得られた一般式(33')で示される化合物と一般式(34)で示される化合物とを有機金属試薬の存在下で反応させ、さらに酸化反応を行い、下記一般式(35')で示される化合物を得る(反応[II'])。その後、得られた一般式(35')で示される化合物とヨード安息香酸tert-ブチルとを有機金属試薬の存在下で反応させ、さらに一般式(39)で示される化合物を加えて反応させた上で、塩形成反応を行えばよい(反応[III'])。
{式中、Ar
1'は、下記一般式(1−2')〜(1−7')で示される環構造を表し、*及び**は、一般式(1−2')〜(1−7')で示される環構造との結合位置を表し;
(式中、*及び**は、一般式(31')又は(33')における*及び**と同じ位置を表す。)
n
1個のR
105、Ar
2及びn
1は、上記と同じ。}
(式中、*及び**は、一般式(1−2')〜(1−7')で示される環構造との結合位置を表し、R
32、R
33、n
1個のR
105、Ar
1'、Ar
2及びn
1は、上記と同じ。)
{式中、R
131は、炭素数1〜20のアルキル基を表し、R
38は、ハロゲノ基、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基、メシルオキシ基(メチルスルホニルオキシ基)又はトシルオキシ基(p-トルエンスルホニルオキシ基)を表し、Ar
1''は、下記一般式(1−2'')〜(1−7'')で示される環構造を表し、*及び**は、一般式(1−2'')〜(1−7'')で示される環構造との結合位置を表し;
(式中、*及び**は、一般式(35')又は(36')における*及び**と同じ位置を表し、R
131は、上記と同じ。)、
R
32、R
33、n
1個のR
105、Ar
1'、Ar
2及びn
1は、上記と同じ。}
一般式(31')のAr1'としては、一般式(1−3')及び(1−5')で示される環構造が好ましい。
上記一般式(31')で示される化合物としては、1-ブロモカルバゾール、2-ブロモカルバゾール、3-ブロモカルバゾール、4-ブロモカルバゾール等が挙げられる。一般式(31')で示される化合物は、市販のもの、あるいは自体公知の方法によって適宜合成したものを用いればよい。
一般式(39)のR131における炭素数1〜20のアルキル基としては、上記一般式(1)のR5における炭素数1〜20のアルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(39)のR38におけるハロゲノ基としては、例えば、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基等が挙げられ、中でもヨード基が好ましい。
一般式(39)のR38としては、ハロゲノ基が好ましく、ヨード基がより好ましい。
一般式(39)で示される化合物の具体例としては、例えばフルオロメタン、フルオロエタン、1-フルオロプロパン、2-フルオロプロパン、クロロメタン、クロロエタン、1-クロロプロパン、2-クロロプロパン、ブロモメタン、ブロモエタン、1-ブロモプロパン、2-ブロモプロパン、ヨードメタン、ヨードエタン、1-ヨードプロパン、2-ヨードプロパン、トリフルオロメタンスルホン酸メチル、トリフルオロメタンスルホン酸エチル、トリフルオロメタンスルホン酸プロピル、メチルメシラート、エチルメシラート、n-プロピルメシラート、イソプロピルメシラート、メチルトシラート、エチルトシラート、n-プロピルトシラート、イソプロピルトシラート等が挙げられ、中でもフルオロメタン、クロロメタン、ブロモメタン、ヨードメタン、トリフルオロメタンスルホン酸メチル、メチルメシラート、メチルトシラートが好ましく、ヨードメタンがより好ましい。一般式(39)で示される化合物は、市販のもの、あるいは自体公知の方法によって適宜合成したものを用いればよい。
一般式(36')のAr1''としては、一般式(1−3'')及び(1−5'')で示される環構造が好ましい。
上記反応[I']及び反応[II']は、上述した反応[I]及び反応[II]における一般式(31)で示される化合物の代わりに一般式(31')で示される化合物を用いる以外、同様の反応条件(反応溶媒、反応温度、反応時間、各使用量)で行えばよい。
上記反応[III']においては、まず、ヨード安息香酸tert-ブチルと有機金属試薬を溶媒中で予め反応させ(反応[III-I'])、さらに反応[II']で得られた一般式(35')で示される化合物を加えて反応させ(反応[III-II'])、得られた化合物と一般式(39)で示される化合物とを溶媒中、塩基触媒の存在下で反応させ(反応[III-III'])、最後に、得られた化合物に対して塩形成反応を行えばよい。
上記反応[III-I']、反応[III-II']及び塩形成反応は、上述した反応[III]における一般式(35)で示される化合物の代わりに一般式(35')で示される化合物を用いる以外、同様の反応条件(反応溶媒、反応温度、反応時間、各使用量)で行えばよい。
上記反応[III-III']は、溶媒中、塩基触媒の存在下で通常0〜100℃、好ましくは10〜80℃で、通常1〜24時間、好ましくは2〜10時間行えばよい。
上記塩基触媒としては、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物、トリエチレンジアミン、ピリジン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ピロリドン、テトラヒドロキノリン等のアミン類等が挙げられ、これらを単独あるいは2種以上を共に用いてもよい。塩基触媒の使用量は、反応[III-II']で得られた化合物と一般式(39)で示される化合物の総重量に対して、通常1〜50倍、好ましくは3〜10倍である。
上記溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、ジクロロエタン、酢酸エチル等の有機溶媒が挙げられ、中でもエタノール、ジクロロメタン、酢酸エチルが好ましい。これらはそれぞれ単独でも或いは二種以上適宜組み合わせて用いてもよい。反応溶媒の使用量は、反応[III-II']で得られた化合物と一般式(39)で示される化合物の総重量に対して、通常1〜50倍、好ましくは1〜15倍である。
一般式(39)で示される化合物の使用量は、反応[III-II']で得られた化合物のmol数に対して、通常1〜10当量、好ましくは1〜5当量である。
本発明の消光剤のうち、例えば、一般式(1)が式中に重合性不飽和基を有する基を持たず、且つ、R6が炭素数1〜20のアルコキシ基であり、Ar1が一般式(1−1)で示される環構造であるもの{下記一般式(38−1)で示される化合物}は、次の反応[IV-I]に示す方法で製造することができる。すなわち、上記反応[III]で得られた一般式(36)で示される化合物と下記一般式(37−1)で示される化合物とを反応させることで、下記一般式(38−1)で示される化合物を得ることができる。
また、本発明の消光剤のうち、例えば、一般式(1)が式中に重合性不飽和基を有する基を持たず、且つ、R6が置換基を有するもしくは無置換のアミノ基であり、Ar1が一般式(1−1)で示される環構造であるもの{下記一般式(38−2)で示される化合物}は、次の反応[IV-II]に示す方法で製造することができる。すなわち、上記反応[III]で得られた一般式(36)で示される化合物と下記一般式(37−2)で示される化合物とを反応させることで、下記一般式(38−2)で示される化合物を得ることができる。
また、本発明の消光剤のうち、例えば、一般式(1)が式中に重合性不飽和基を有する基を持たず、且つ、R6が複素環式アミノ基であり、Ar1が一般式(1−1)で示される環構造であるもの{下記一般式(38−3)で示される化合物}は、次の反応[IV-III]に示す方法で製造することができる。すなわち、上記反応[III]で得られた一般式(36)で示される化合物と下記一般式(37−3)で示される化合物とを反応させることで、下記一般式(38−3)で示される化合物を得ることができる。
また、本発明の消光剤のうち、例えば、一般式(1)においてR6以外の官能基(R2、R3、n1個のR5及びR31)が重合性不飽和基を有する基を持たず、且つ、R6が一般式(2)で示される重合性不飽和基を有する基であり、Ar1が一般式(1−1)で示される環構造であるもの{下記一般式(38−4)で示される化合物}は、次の反応[IV-IV]に示す方法で製造することができる。すなわち、上記反応[III]で得られた一般式(36)で示される化合物と下記一般式(37−4)で示される化合物とを反応させることで、下記一般式(38−4)で示される化合物を得ることができる。
(式中、R
6−1は、炭素数1〜20のアルキル基を表し、2個のR
6−2はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基を表し、R
6−3は、複素環式アミノ基を表し、R
1、R
32、R
33、R
102、R
103、R
4、n
1個のR
105、R
7、A
1〜A
3、An
-、Ar
2及びn
1は、上記と同じ。)
一般式(37−1)のR6−1における炭素数1〜20のアルキル基としては、上記一般式(1)のR5における炭素数1〜20のアルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(37−1)で示される化合物は、市販のものを用いればよく、その具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール等が挙げられる。
一般式(37−2)のR6−2における炭素数1〜20のアルキル基としては、上記一般式(1)のR5における炭素数1〜20のアルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(37−2)のR6−2における炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基としては、上記一般式(1)のR5における置換基を有するアミノ基の置換基における炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(37−2)のR6−2としては、水素原子及び炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、水素原子及び炭素数1〜12のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がさらに好ましく、炭素数1〜3のアルキル基が特に好ましい。具体的には例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
一般式(37−2)で示される化合物は、市販のもの、あるいは自体公知の方法によって適宜合成したものを用いればよく、その具体例としては、例えば、アンモニア、トリフルオロメチルアミン、ペンタフルオロエチルアミン、ヘプタフルオロプロピルアミン、メチルアミン、エチルアミン、n-プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ(n-プロピル)アミン、N-エチルメチルアミン、N-エチルプロピルアミン、N-メチルプロピルアミン等が挙げられる。
一般式(37−3)のR6−3における複素環式アミノ基としては、上記一般式(1)のR6における複素環式アミノ基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(37−3)で示される化合物は、市販のもの、あるいは自体公知の方法によって適宜合成したものを用いればよく、その具体例としては、例えば、ピロリジン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン等が挙げられ、中でもピロリジン、ピロール、ピペリジン、ピリジンが好ましく、ピペリジンがより好ましい。
一般式(37−4)で示される化合物は、市販のもの、あるいは自体公知の方法によって適宜合成したものを用いればよく、その具体例としては、例えば下記のものが挙げられる。
上記反応[IV-I]においては、一般式(36)で示される化合物と一般式(37−1)で示される化合物を、溶媒中、脱水縮合剤の存在下で通常10〜150℃、好ましくは20〜100℃で、通常1〜50時間、好ましくは5〜40時間反応させればよい。
一般式(37−1)で示される化合物の使用量は、一般式(36)で示される化合物の重量に対して、通常1〜50倍、好ましくは1〜15倍である。
上記反応[IV-II]においては、一般式(36)で示される化合物と一般式(37−2)で示される化合物を、溶媒中、脱水縮合剤の存在下で通常0〜150℃、好ましくは10〜80℃で、通常1〜24時間、好ましくは3〜18時間反応させればよい。
一般式(37−2)で示される化合物の使用量は、一般式(36)で示される化合物のmol数に対して、通常1〜20当量、好ましくは1〜5当量である。
上記反応[IV-III]においては、一般式(36)で示される化合物と一般式(37−3)で示される化合物を、溶媒中、脱水縮合剤の存在下で通常0〜150℃、好ましくは10〜80℃で、通常1〜24時間、好ましくは2〜18時間反応させればよい。
一般式(37−3)で示される化合物の使用量は、一般式(36)で示される化合物のmol数に対して、通常1〜20当量、好ましくは1〜5当量である。
上記反応[IV-IV]においては、一般式(36)で示される化合物と一般式(37−4)で示される化合物を、溶媒中、脱水縮合剤の存在下で通常0〜150℃、好ましくは10〜80℃で、通常1〜24時間、好ましくは2〜18時間反応させればよい。
一般式(37−4)で示される化合物の使用量は、一般式(36)で示される化合物のmol数に対して、通常1〜20当量、好ましくは1〜5当量である。
上記反応[IV-I]〜[IV-IV]で用いられる溶媒としては、反応[II-I]及び反応[II-II]における溶媒と同じものが挙げられ、中でもエーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類が好ましく、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、トルエンがより好ましい。これらはそれぞれ単独でも或いは二種以上適宜組み合わせて用いてもよい。反応溶媒の使用量は、一般式(36)で示される化合物と一般式(37−1)、(37−2)、(37−3)又は(37−4)で示される化合物との総重量に対して、通常1〜50倍、好ましくは2〜15倍である。
上記反応[IV-I]〜[IV-IV]で用いられる脱水縮合剤としては、一般に脱水縮合剤として使用されるものであればよく、例えば五酸化二リン、無水塩化亜鉛等の無機脱水剤類;例えばジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピルカルボジイミド)塩酸塩等のカルボジイミド類;例えばポリリン酸、無水酢酸、硫酸、カルボニルジイミダゾ−ル、p-トルエンスルホン酸等が挙げられ、中でもカルボジイミド類が好ましい。該脱水縮合剤の使用量は、一般式(36)で示される化合物のmol数に対して、通常1〜20当量、好ましくは1〜10当量である。上記反応[IV-I]〜[IV-IV]においては、脱水縮合剤の効率を向上させるために、ジメチルアミノピリジン等の触媒を用いてもよい。該触媒の使用量は、一般式(36)で示される化合物のmol数に対して、通常0.1〜10当量である。
一般式(1)においてR
6以外の官能基(R
2、R
3、n
1個のR
5及び/又はR
31)が重合性不飽和基を有する基である化合物の製造方法としては、例えば、一般式(36)、(36')及び(38−1)〜(38−4)で示される化合物におけるR
102、R
103、n
1個のR
105及び/又はR
131が、下記一般式(2−5)又は(2−6)で示される基である化合物(以下、ヒドロキシ末端を有する化合物と略記する場合がある)を、塩化アクリロイル、塩化メタクリロイル、無水アクリル酸又は無水メタクリル酸と反応させることにより、一般式(2)で示される重合性不飽和基を有する基を持つ化合物を製造する方法が挙げられる。
(式中、A
1及びA
2は、上記と同じ。)
一般式(2−5)で示される基の具体例としては、下記のものが挙げられる。
一般式(2−6)で示される基の具体例としては、下記のものが挙げられる。
上記製造方法は、上記ヒドロキシ末端を有する化合物と塩化アクリロイル、塩化メタクリロイル、無水アクリル酸又は無水メタクリル酸とを、溶媒中、要すれば重合禁止剤の存在下で、通常0〜80℃、好ましくは10〜50℃で、通常1〜72時間、好ましくは2〜48時間反応させればよい。
上記製造方法における溶媒としては、例えばアセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、クロロホルム、メタクリル酸、アクリル酸等が挙げられる。これらはそれぞれ単独でも或いは二種以上適宜組み合わせて用いてもよい。反応溶媒の使用量は、ヒドロキシ末端を有する化合物と無水メタクリル酸又は無水アクリル酸との反応の総容量に対して、通常1〜50倍量、好ましくは1〜20倍量である。
塩化アクリロイル、塩化メタクリロイル、無水アクリル酸又は無水メタクリル酸の使用量は、ヒドロキシ末端を有する化合物のmol数に対して、通常1〜20当量、好ましくは1〜10当量である。
上記製造方法において、塩化アクリロイル又は無水アクリル酸を使用した場合、ヒドロキシ末端を有する化合物におけるヒドロキシ末端はアクリロイル基となる。また、上記製造方法において、塩化メタクリロイル又は無水メタクリル酸を使用した場合、ヒドロキシ末端を有する化合物におけるヒドロキシ末端はメタクリロイル基となる。
上記製造方法における重合禁止剤としては、例えばp-メトキシフェノール等が挙げられる。
上記製造方法におけるヒドロキシ末端を有する化合物は、反応[I]〜[IV-IV]又は[I']〜[III']において、一般式(31)で示される化合物の代わりに下記一般式(40−1)〜(40−3)で示される化合物を用いる、一般式(32)で示される化合物の代わりに下記一般式(40−4)で示される化合物を用いる、或いは、一般式(39)で示される化合物の代わりに下記一般式(40−5)で示される化合物を用いることにより製造することができる。
{式中、R
39は、一般式(2−5)又は(2−6)で示される基を表し、R
1、R
102、R
103、R
4、n
5個のR
105、R
38及びn
5は、上記と同じ。}
一般式(40−1)〜(40−3)及び(40−5)において、R39は一般式(2−6)で示される基が好ましい。
一般式(40−4)において、R39は一般式(2−5)で示される基が好ましい。
一般式(40−1)〜(40−4)で示される化合物の具体例としては、下記のものが挙げられる。一般式(40−1)〜(40−4)で示される化合物は、市販のもの、あるいは自体公知の方法によって適宜合成したものを用いればよい。
一般式(40−5)で示される化合物の具体例としては、例えばフルオロメタノール、フルオロエタノール、1-フルオロプロパノール、2-フルオロプロパノール、クロロメタノール、クロロエタノール、1-クロロプロパノール、2-クロロプロパノール、ブロモメタノール、ブロモエタノール、1-ブロモプロパノール、2-ブロモプロパノール、ヨードメタノール、ヨードエタノール、1-ヨードプロパノール、2-ヨードプロパノール等が挙げられる。一般式(40−5)で示される化合物は、市販のもの、あるいは自体公知の方法によって適宜合成したものを用いればよい。
ヒドロキシ末端を有する化合物を得る反応は、一般式(40−1)〜(40−5)で示される化合物を用いる以外、反応[I]〜[IV-IV]又は[I']〜[III']と同様の反応条件(反応溶媒、反応温度、反応時間、各使用量)で行えばよい。
上述した本発明の消光剤の製造方法にかかる各反応時の圧力は、一連の反応が滞りなく実施されれば特に制限はなく、例えば常圧で行えばよい。
上述した本発明の消光剤の製造方法にかかる各反応後に得られる反応物及び生成物は、必要に応じて、通常この分野で行われる一般的な後処理操作及び精製操作により単離してもよい。具体的には例えば、ろ過、洗浄、抽出、減圧濃縮、再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィ−等を行うことによって得られた反応物及び生成物を単離してもよい。
[本発明の化合物]
本発明の化合物は、本発明の消光剤の項において記載した一般式(3)で示される化合物である。各官能基の具体例及び好ましい範囲は、本発明の消光剤の項において記載したものと同じものが挙げられる。
本発明の化合物としては、一般式(3)で示される化合物の中でも、上記一般式(3−1)で示される化合物が好ましく、上記一般式(3−2)で示される化合物がより好ましく、上記一般式(3−3)で示される化合物がさらに好ましく、上記一般式(3−4)で示される化合物がさらにより好ましく、上記一般式(3−5)で示される化合物が特に好ましい。
本発明の化合物は、蛍光性を有する化合物に対する消光効果に加え、加熱による退色が少なく、高い耐熱効果を奏する。それ故、本発明の化合物は、消光剤用途としてのみならず、該化合物そのものを染料として用いることもできる。
[本発明の化合物の製造方法]
本発明の化合物のうち、例えば、一般式(3)においてR6以外の官能基(R2、R3、n1個のR5及びR31)が重合性不飽和基を有する基を持たず、且つ、R6が一般式(2)で示される重合性不飽和基を有する基であり、Ar1が一般式(1−1)で示される環構造であるもの{上記一般式(38−4)で示される化合物}は、上記本発明の消光剤の製造方法における反応[I]〜[III]及び[IV-IV]で示される一連の方法と同様の方法で製造することができる。
また、本発明の化合物のうち、例えば、一般式(3)においてR6以外の官能基(R2、R3、n1個のR5及びR31)が重合性不飽和基を有する基であるものは、上記本発明の消光剤の製造方法における、ヒドロキシ末端を有する化合物を塩化アクリロイル、塩化メタクリロイル、無水アクリル酸又は無水メタクリル酸と反応させることにより、一般式(2)で示される重合性不飽和基を有する基を持つ化合物を製造する方法と同様の方法で製造することができる。
[本発明のポリマー]
本発明のポリマーは、上記本発明の化合物由来のモノマー単位を有するポリマーである。
本発明のポリマーの重量平均分子量(Mw)は、通常2,000〜100,000、好ましくは2,000〜50,000、より好ましくは、2,000〜30,000である。また、その分散度(Mw/Mn)は、通常1.00〜5.00、好ましくは1.00〜3.00である。
本発明のポリマーは、上記本発明の化合物由来のモノマー単位を有するものであれば、ホモポリマーであってもコポリマーであってもよいが、耐熱性効果が高いという点でコポリマーが好ましい。
該コポリマーとしては、例えば重合性不飽和基を有する蛍光性染料由来のモノマー単位及び/又は下記一般式(4)、一般式(5)、一般式(6)もしくは一般式(7)で示される化合物由来のモノマー単位1〜2種と、上記一般式(3)で示される化合物由来のモノマー単位とを構成成分とするものが挙げられる(以下、本発明のコポリマーと略記する場合がある)。
[式中、R
11は、水素原子又はメチル基を表し、R
12は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜13のアリールアルキル基、炭素数2〜9のアルコキシアルキル基、炭素数3〜9のアルコキシアルコキシアルキル基、炭素数7〜13のアリールオキシアルキル基、炭素数5〜7のモルホリノアルキル基、炭素数3〜9のトリアルキルシリル基、酸素原子を有する炭素数6〜12の脂環式炭化水素基、炭素数3〜9のジアルキルアミノアルキル基、炭素数1〜18のフルオロアルキル基、炭素数9〜14のN−アルキレンフタルイミド基、下記一般式(4−1)で示される基
(式中、q個のR
21はそれぞれ独立して、ヒドロキシ基を置換基として有する又は無置換の炭素数1〜3のアルキレン基を表し、R
22は、ヒドロキシ基を置換基として有する又は無置換のフェニル基、或いは炭素数1〜3のアルキル基を表し、qは1〜3の整数を表す。)、下記一般式(4−2)で示される基
(式中、R
23〜R
25はそれぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基を表し、R
26は炭素数1〜3のアルキレン基を表す。)、又は、下記一般式(4−3)で示される基
(式中、R
27はフェニレン基又はシクロへキシレン基を表し、lは、1〜6の整数を表す。)を表す。]、
(式中、R
13は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R
14は、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数3〜9のジアルキルアミノアルキル基又は炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基を表し、R
11は上記と同じ。R
13とR
14は、これらと隣接する窒素原子とでモルホリノ基を形成してもよい。)、
(式中、R
15は、フェニル基又はピロリジノ基を表し、R
11は上記と同じ。)、
(式中、R
17は、窒素原子又は酸素原子を表し、R
16は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜10のアリール基、又は、ハロゲノ基もしくは炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有する炭素数6〜10のアリール基表し、jは、R
17が酸素原子の場合に0を表し、R
17が窒素原子の場合には1を表す。)
上記重合性不飽和基を有する蛍光性染料由来のモノマー単位としては、上述した重合性消光対象化合物由来のモノマー単位、即ち、重合性不飽和基を有し、且つ、蛍光性を有する化合物に由来するものであって、一般式(3)で示される化合物と重合してコポリマーを形成し得るものであればよい。
上記重合性不飽和基の具体例としては、例えばアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニルアリール基、ビニルオキシ基、アリル基等が挙げられる。
上記重合性不飽和基を有する蛍光性染料としては、重合性消光対象化合物として挙げたものと同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
上記重合性不飽和基を有する蛍光性染料としては、例えば、特開平05−271567号公報、特開平09−272814号公報、特開2001−011336号公報、特開2013−045088号公報、国際公開第2014/126167号公報、国際公開第2015/098999号公報、国際公開第2015/133578号公報、国際公開第2015/147285号公報、国際公開第2015/182680号公報等の公報に記載のものであっても、市販のものであってもよい。
一般式(4)におけるR11としては、メチル基が好ましい。
一般式(4)のR12及び一般式(7)のR16における炭素数1〜20のアルキル基としては、一般式(1)のR5における炭素数1〜20のアルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(4)のR12、一般式(5)のR14及び一般式(7)のR16における炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシヘプチル基、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシノニル基、ヒドロキシデシル基等が挙げられる。
一般式(4)のR12及び一般式(7)のR16における炭素数6〜10のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
一般式(4)のR12における炭素数7〜13のアリールアルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルプロピル基等が挙げられ、ベンジル基が好ましい。
一般式(4)のR12における炭素数2〜9のアルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、メトキシペンチル基、メトキシヘキシル基、メトキシヘプチル基、メトキシオクチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、エトキシプロピル基、エトキシブチル基、エトキシペンチル基、エトキシヘキシル基、エトキシヘプチル基、プロポキシメチル基、プロポキシエチル基、プロポキシプロピル基、プロポキシブチル基、プロポキシペンチル基、プロポキシヘキシル基等が挙げられる。
一般式(4)のR12における炭素数3〜9のアルコキシアルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシメトキシメチル基、メトキシメトキシエチル基、メトキシメトキシプロピル基、エトキシメトキシメチル基、エトキシメトキシエチル基、エトキシメトキシプロピル基、プロポキシメトキシメチル基、プロポキシメトキシエチル基、プロポキシメトキシプロピル基、エトキシエトキシメチル基、エトキシエトキシエチル基、エトキシエトキシプロピル基、プロポキシエトキシメチル基、プロポキシエトキシエチル基、プロポキシエトキシプロピル基、プロポキシプロポキシメチル基、プロポキシプロポキシエチル基、プロポキシプロポキシプロピル基等が挙げられる。
一般式(4)のR12における炭素数7〜13のアリールオキシアルキル基としては、例えば、フェノキシメチル基、フェノキシエチル基、フェノキシプロピル基、ナフチルオキシメチル基、ナフチルオキシエチル基、ナフチルオキシプロピル基等が挙げられる。
一般式(4)のR12における炭素数5〜7のモルホリノアルキル基としては、例えば、モルホリノメチル基、モルホリノエチル基、モルホリノプロピル基等が挙げられる。
一般式(4)のR12における炭素数3〜9のトリアルキルシリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、ジメチルエチルシリル基、ジエチルメチルシリル基等が挙げられる。
一般式(4)のR12における、酸素原子を有する炭素数6〜12の脂環式炭化水素基としては、例えば、ジシクロペンテニルオキシエチル基等が挙げられる。
一般式(4)のR12及び一般式(5)のR14における炭素数3〜9のジアルキルアミノアルキル基としては、例えば、N,N-ジメチルアミノメチル基、N,N-ジメチルアミノエチル基、N,N-ジメチルアミノプロピル基、N,N-ジエチルアミノメチル基、N,N-ジエチルアミノエチル基、N,N-ジエチルアミノプロピル基、N,N-ジプロピルアミノメチル基、N,N-ジプロピルアミノエチル基、N,N-ジプロピルアミノプロピル基等が挙げられる。
一般式(4)のR12における炭素数1〜18のフルオロアルキル基としては、例えば、2,2,2-トリフルオロエチル基、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基、2,2,3,3,4,4-ヘキサフルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10-ヘプタデカフルオロデシル基、2-(ヘプタデカフルオロオクチル)エチル基等が挙げられる。
一般式(4)のR12における炭素数9〜14のN−アルキレンフタルイミド基としては、例えば、2-フタルイミドエチル基、2-テトラヒドロフタルイミドエチル基等が挙げられる。
一般式(4−1)のR21におけるヒドロキシ基を置換基として有する又は無置換の炭素数1〜3のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、ヒドロキシメチレン基、ヒドロキシエチレン基、1-ヒドロキシトリメチレン基、2-ヒドロキシトリメチレン基等が挙げられ、エチレン基、トリメチレン基、2-ヒドロキシトリメチレン基が好ましい。
一般式(4−1)のR22におけるヒドロキシ基を置換基として有する又は無置換のフェニル基としては、ヒドロキシフェニル基、フェニル基等が挙げられる。
一般式(4−1)のR22、一般式(4−2)のR23〜R25、及び一般式(5)のR13及びR14における炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
一般式(4−1)で示される基の具体例としては、(4-ヒドロキシフェノキシ)メチル基、(4-ヒドロキシフェノキシ)エチル基、(4-ヒドロキシフェノキシ)プロピル基、1-ヒドロキシ-1-フェノキシメチル基、1-ヒドロキシ-2-フェノキシエチル基、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル基、メチルトリメチレングリコール基、メチルトリエチレングリコール基、メチルトリプロピレングリコール基等が挙げられ、中でも(4-ヒドロキシフェノキシ)プロピル基、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル基、メチルトリプロピレングリコール基、メチルトリエチレングリコール基が好ましい。
一般式(8)のR26における炭素数1〜3のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基等が挙げられる。
一般式(4−2)で示される基の具体例としては、トリメチルアンモニウムメチル基、トリメチルアンモニウムエチル基、トリエチルアンモニウムメチル基、トリエチルアンモニウムエチル基等が挙げられる。
一般式(4−3)で示される基の好ましい具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
一般式(4)におけるR12としては、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜13のアリールアルキル基、炭素数2〜9のアルコキシアルキル基、炭素数7〜13のアリールオキシアルキル基、一般式(4−1)で示される基、一般式(4−3)で示される基が好ましく、中でも水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜13のアリールアルキル基、炭素数2〜9のアルコキシアルキル基がより好ましく、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数7〜13のアリールアルキル基がさらに好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
一般式(4)の好ましい具体例としては、アクリル酸、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸、メタクリル酸ベンジル、ヒドロキシエチルメタクリレート、メタクリル酸メチル等が挙げられ、中でもメタクリル酸、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸メチルが好ましく、メタクリル酸メチルがより好ましい。
一般式(5)の好ましい具体例としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジメチルメタクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N,N-ジエチルメタクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリルアミド、4-アクリロイルモルホリン、4-メタクリロイルモルホリン等が挙げられ、中でもアクリルアミド、メタクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミドが好ましく、N,N-ジエチルアクリルアミドがより好ましい。
一般式(6)の好ましい具体例としては、スチレン、α-メチルスチレン、N-ビニルピロリドン等が挙げられ、中でもスチレン、α-メチルスチレンが好ましく、スチレンがより好ましい。
一般式(7)のR16における炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基としては、例えば、クロロメチル基、クロロエチル基、クロロ-n-プロピル基、クロロイソプロピル基、クロロ-n-ブチル基、クロロ-tert-ブチル基、クロロ-n-ペンチル基、クロロ-n-ヘキシル基、クロロ-n-ヘプチル基、クロロ-n-オクチル基、クロロ-n-ノニル基、クロロ-n-デシル基、クロロシクロヘキシル基、クロロシクロヘプチル基、フルオロメチル基、フルオロエチル基、フルオロ-n-プロピル基、フルオロイソプロピル基、フルオロ-n-ブチル基、フルオロ-tert-ブチル基、フルオロ-n-ペンチル基、フルオロ-n-ヘキシル基、フルオロ-n-ヘプチル基、フルオロ-n-オクチル基、フルオロ-n-ノニル基、フルオロ-n-デシル基、フルオロシクロヘキシル基、フルオロシクロヘプチル基等が挙げられる。
一般式(7)のR16におけるハロゲノ基又は炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有する炭素数6〜10のアリール基としては、例えば、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、n-プロピルフェニル基、n-ブチルフェニル基、n-ペンチルフェニル基、n-ヘキシルフェニル基、クロロナフチル基、フルオロナフチル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、n-プロピルナフチル基等が挙げられる。
一般式(7)の好ましい具体例としては、無水マレイン酸、マレイミド、N-メチルマレイミド、N-エチルマレイミド、N-ブチルマレイミド、N-オクチルマレイミド、N-ドデシルマレイミド、N-(2-エチルヘキシル)マレイミド、N-(2-ヒドロキシエチル)マレイミド、N-(2-クロロヘキシル)マレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-(2-メチルシクロヘキシル)マレイミド、N-(2-エチルシクロヘキシル)マレイミド、N-(2-クロロシクロヘキシル)マレイミド、N-フェニルマレイミド、N-(2-メチルフェニル)マレイミド、N-(2-エチルフェニル)マレイミド、N-(2-クロロフェニル)マレイミド等が挙げられ、中でも、N-フェニルマレイミドが好ましい。
本発明のコポリマーは、上述したモノマー単位以外にも、種々の染料を由来とするモノマー単位を含んでいてもよい。ただし、当該染料は、一般式(3)で示される化合物及び重合性不飽和基を有する蛍光性染料とは異なるものである。
本発明のコポリマーは、具体的には、下記表記載のモノマー単位の組合せが挙げられ、中でも組合せ1、2及び6〜12が好ましく、組合せ1、2及び6〜9がより好ましく、組合せ1、2及び6が特に好ましい。また、下記組合せ2及び6の中でも、一般式(3)で示される化合物と1種類の一般式(4)で示される化合物とからなる組合せが好ましい。
一般式(3)で示される化合物由来のモノマー単位と、重合性不飽和基を有する蛍光性染料由来のモノマー単位及び/又は一般式(4)、一般式(5)、一般式(6)もしくは一般式(7)で示される化合物由来のモノマー単位との重量比率は、用いられるモノマー単位の種類によって適宜設定されればよいが、得られるポリマーの総重量に対して一般式(3)で示される化合物由来のモノマー単位が、通常1〜90重量%、好ましくは5〜85重量%である。
本発明のコポリマーの好ましい具体例としては、一般式(3)で示される化合物由来のモノマー単位と、重合性不飽和基を有する蛍光性染料由来のモノマー単位及び/又は下記一般式(4')で示される化合物由来のモノマー単位1〜2種類を含んでなるポリマーが挙げられる。
(式中、R'
12は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜13のアリールアルキル基又は炭素数2〜9のアルコキシアルキル基を表し、R
11は、上記と同じ。)
一般式(4')のR'12における炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜13のアリールアルキル基、及び炭素数2〜9のアルコキシアルキル基の具体例は、上記一般式(4)におけるR12のそれらと同じものが挙げられる。
一般式(4')におけるR'12としては、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数7〜13のアリールアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。
一般式(4')の好ましい具体例としては、アクリル酸、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸メチル等が挙げられ、中でもメタクリル酸、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸メチルが好ましく、メタクリル酸メチルがより好ましい。
本発明のポリマーは、蛍光性を有する化合物に対する消光効果に加え、加熱による退色が少なく、高い耐熱効果を奏する。また、本発明のポリマーは、耐溶出性及び耐候性にも優れている。それ故、本発明のポリマーは、消光剤用途としてのみならず、該ポリマーそのものを染料として用いることもできる。
また、本発明のポリマーが重合性不飽和基を有する蛍光性染料由来のモノマー単位を含んでなるものである場合、当該ポリマーに含まれる本発明の化合物(モノマー)は、当該ポリマーに含まれる蛍光性染料の発する蛍光をポリマー分子内で抑制することができる。すなわち、当該ポリマーは、重合性不飽和基を有する蛍光性染料のみからなるポリマーと比べて蛍光発光が抑制されており、染料としてより好適に用いることができる。
上記重合性不飽和基を有する蛍光性染料を含んでなる本発明のポリマーは、本発明の化合物由来のモノマー単位を含んでなるポリマー(ポリマー1)と重合性不飽和基を有する蛍光性染料由来のモノマー単位を含んでなるポリマー(ポリマー2)の2種類のポリマーを混合することにより得られる効果を、当該ポリマー1種類で得ることができる。即ち、例えば、カラーフィルター等の着色画素を上記ポリマー2から形成する際、ポリマー2の蛍光発光を抑制するためには、上記ポリマー1及びポリマー2の2種類のポリマーで2層のフィルター層を形成する必要がある。これに対し、当該重合性不飽和基を有する蛍光性染料を含んでなる本発明のポリマーを着色画素の形成に用いる場合、ポリマー1及びポリマー2から形成される2層のフィルター層と同様に蛍光を抑制した着色画素を、1層のフィルター層で容易に形成することができ、フィルター層全体の厚みを薄くすることも可能となる。
尚、本発明のポリマーを消光剤として用いる場合、消光対象化合物は本発明の消光剤の項で記載したものと同じものが挙げられ、その使用量、使用方法等についても本発明の消光剤の項で記載した量、方法等に準じればよい。
[本発明のポリマーの製造方法]
本発明のポリマーは、例えば以下の如く製造される。即ち、上記の如く得られた本発明の化合物を自体公知の重合反応に付すことにより、本発明のポリマーを得ることができる。本発明のポリマーがコポリマーの場合には、重合反応の際に、上記一般式(3)で示される化合物と、重合性不飽和基を有する蛍光性染料及び/又は一般式(4)、一般式(5)、一般式(6)もしくは一般式(7)で示される化合物の1〜2種類とを、最終的に得られるポリマー中の各モノマーに由来するモノマー単位の比率が上記の如くなるように混合した後、重合させればよい。
上記重合反応としては、例えば、以下の如くなされる。即ち、一般式(3)で示される化合物、或いは、一般式(3)で示される化合物と重合性不飽和基を有する蛍光性染料及び/又は一般式(4)、一般式(5)、一般式(6)もしくは一般式(7)で示される化合物の1〜2種類とを、その総容量に対して1〜10倍容量の適当な溶媒、例えばトルエン、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、イソプロパノール、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等に溶解する。次いで、溶解した化合物の全量に対して0.01〜30重量%の重合開始剤、例えばアゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の存在下、50〜150℃で1〜48時間反応させることにより行なわれる。反応後は高分子取得の常法に従って処理してもよい。
[着色組成物1]
上述の通り、本発明の化合物又はポリマーは、消光剤用途としてのみならず、当該化合物又はポリマーそのものを染料として用いることもできる。そのため、本発明の化合物又はポリマーを少なくとも1種類含む着色組成物(以下、本発明の着色組成物1と略記する場合がある)は、加熱による退色が少ない着色組成物であり、さらに、耐熱性を有する優れた着色硬化膜を形成することができる。そのため、本発明の着色組成物1は、液晶表示装置(LCD)や固体撮像素子(CCD、CMOS等)に用いられるカラーフィルター等の着色画素形成用途、印刷インキ、インクジェットインキ、および塗料等の用途に用いることができ、特に、液晶表示装置のカラーフィルター用として好適である。さらに、本発明の着色組成物1は、従来公知の成形方法により、シート、フィルム、ボトル、カップ等に成形して着色樹脂成形物として使用することもできる。よって、メガネ、カラーコンタクトレンズ等の用途にも使用することができ、公知の樹脂との多層構造体とすることによっても同様に使用することができる。その他にも、例えば光学フィルム、ヘアカラーリング剤、化合物や生体物質に対する標識物質、有機太陽電池の材料等の用途にも用いることが可能である。本発明の着色組成物1は、各用途に合わせて、上記本発明の化合物又はポリマーの他に、この分野で通常用いられる添加剤等を含んでいてもよい。
例えば本発明の着色組成物1を着色樹脂用途として用いる場合、本発明の着色組成物1は、少なくとも上記本発明の化合物又はポリマーを1種以上含み、且つ、その他の樹脂と混合しているものが好ましく、本発明のポリマーを1種以上含み、且つ、その他の樹脂と混合しているものがより好ましい。その他の樹脂としては特に限定されないが、例えばポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂等が挙げられる。その他の樹脂のより具体的な例としては、上記重合性不飽和基を有する蛍光性染料、一般式(4)で示される化合物、一般式(5)で示される化合物、一般式(6)で示される化合物及び一般式(7)で示される化合物から選ばれる1種に由来するホモポリマー、又はこれらから選ばれる2種以上に由来するコポリマーが好ましく、ホモポリマーがより好ましい。ホモポリマーとしては、重合性不飽和基を有する蛍光性染料由来のホモポリマー及び一般式(4)で示される化合物由来のホモポリマーが好ましく、重合性不飽和基を有する蛍光性染料由来のホモポリマー及び上記一般式(4')で示される化合物由来のホモポリマーがより好ましい。また、その他の樹脂と混合させる場合、その混合割合は、求められる着色樹脂の色に応じて適宜設定されればよい。本発明の着色組成物1を着色樹脂として用いる場合、自体公知の成形方法により成形して用いてもよい。さらに、本発明の着色組成物1は、上記本発明の化合物又はポリマー及び要すればその他の樹脂の他にも、本発明の目的及び効果を妨げない範囲において、滑性剤、帯電防止剤、紫外線防止剤、酸化防止剤、光安定剤、分散剤、加工安定剤、加工助剤、耐衝撃性改良剤、充填剤、補強剤、防炎剤、可塑剤、発泡剤等のこの分野で通常用いられる添加剤を含んでいてもよい。本発明の着色組成物1は、着色樹脂用途として用いる場合、溶媒に接触させても染料の溶出が少なく、優れた耐候性を有するものである。
例えば本発明の着色組成物1を着色画素形成用途として用いる場合、本発明の着色組成物1は、少なくとも本発明の化合物又はポリマーを1種以上、重合開始剤、バインダー樹脂並びにラジカル重合性モノマー又はオリゴマーを含むものが好ましく、必要に応じて、顔料、溶剤、シランカップリング剤並びに架橋剤等を含んでいてもよい。本発明の着色組成物1は、本発明の化合物又はポリマーを、本発明の着色組成物1の重量に対して1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%含有する。尚、ここでいう本発明の着色組成物1の重量は、溶剤を除く固形成分の重量を意味し、以下本発明では同様の意味を表す。
上記重合開始剤としては、通常この分野で用いられる従来公知の熱重合開始剤又は光重合開始剤を用いることができ、光重合開始剤が好ましい。具体的には例えば、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニルケトン、2-メチル-2-モルホリノ(4-チオメチルフェニル)プロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン等のアセトフェノン系;ベンゾイン、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系;2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系;ベンジル、メチルフェニルグリオキシエステル系;ベンゾフェノン、ο-ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、4,4'-ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4'-メチル-ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3',4,4'-テトラ(tert-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3'-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系;ミヒラーケトン、4,4'-ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系;1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-1,2-オクタンジオン-2-(ο-ベンゾイルオキシム)、1-[6-(2-メチルベンゾイル)-9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル]エタノン-ο-アセチルオキシム等のオキシムエステル系;10-ブチル-2-クロロアクリドン、2-エチルアンスラキノン、9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン等が挙げられる。
上記重合開始剤は、単独でも2種以上を含有してもよい。その含有量は、本発明の着色組成物1の重量に対して1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%である。
上記バインダー樹脂としては、例えば、カルボキシ基又はヒドロキシ基を少なくとも1つ有するエチレン性不飽和モノマー、或いは該エチレン性不飽和モノマーと芳香族炭化水素基や脂肪族炭化水素基を有するエチレン性不飽和モノマーとの共重合体、該共重合体の側鎖もしくは末端等にエポキシ基を有したものや、アクリレートを付加させたもの等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせてもよい。
上記カルボキシ基を有するエチレン性不飽和モノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、ベンジルメタクリレート、クロトン酸、α-クロルアクリル酸、エタクリル酸、けい皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸(無水物)類;3価以上の不飽和多価カルボン酸(無水物)類、2-アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2-メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2-メタクリロイロキシエチル2-ヒドロキシプロピルフタル酸、2-アクリロイロキシエチル2-ヒドロキシエチルフタル酸等が挙げられる。
上記バインダー樹脂の含有量は、本発明の着色組成物1の重量に対して、10〜50重量%、好ましくは20〜50重量%である。
上記ラジカル重合性モノマーまたはオリゴマーとしては、一例として、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレン基の数が2〜14のもの)、ポリエチレングリコールジメタクリレート(エチレン基の数が2〜14のもの)、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリメタクリレート、トリメチロールプロパンプロポキシトリアクリレート、トリメチロールプロパンプロポキシトリメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート(プロピレン基の数が2〜14のもの)、ポリプロピレングリコールジメタクリレート(プロピレン基の数が2〜14のもの)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(エトキシ基が40以下のもの)、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(プロポキシ基が40以下のもの)、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(エトキシ基が40以下のもの)、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(プロポキシ基が40以下のもの)、ビスフェノールAポリオキシエチレンジアクリレート、ビスフェノールAポリオキシエチレンジメタクリレート、ビスフェノールAジオキシエチレンジアクリレート、ビスフェノールAジオキシエチレンジメタクリレート、ビスフェノールAトリオキシエチレンジアクリレート、ビスフェノールAトリオキシエチレンジメタクリレート、ビスフェノールAデカオキシエチレンジアクリレート、ビスフェノールAデカオキシエチレンジメタクリレート、イソシアヌル酸エトキシ変性トリアクリレート、多価カルボン酸(無水フタル酸等)とヒドロキシ基及びエチレン性不飽和基を有する化合物(β-ヒドロキシエチルアクリレート、β-ヒドロキシエチルメタクリレート等)とのエステル化物、アクリル酸若しくはメタクリル酸のアルキルエステル(アクリル酸メチルエステル、メタクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、アクリル酸ブチルエステル、メタクリル酸ブチルエステル、アクリル酸2-エチルヘキシルエステル、メタクリル酸2-エチルヘキシルエステル等)、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライドによる四級塩化物、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのメチルクロライドによる四級塩化物、アクリロイルモルホリン、N-イソプロピルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミドなどが挙げられ、中でも、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレートが好ましく、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートがより好ましい。
上記顔料としては、赤色や青色、緑色の着色パターンを作製するために用いられる顔料であればよく、例えばフタロシアニン系顔料等が挙げられる。該フタロシアニン系顔料としては、中心金属に、マグネシウム、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウムを含むものが挙げられ、具体的には例えば、C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド214、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド243、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド262、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド272、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:5、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー17:1、C.I.ピグメントブルー75、C.I.ピグメントブルー79、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン37、C.I.ピグメントグリーン58、クロロアルミニウムフタロシアニン、ヒドロキシアルミニウムフタロシアニン、アルミニウムフタロシアニンオキシド、亜鉛フタロシアニンが挙げられる。
上記顔料の含有量は、本発明の着色組成物1の重量に対して10〜50重量%、好ましくは10〜30重量%である。
本発明の着色組成物1が上記顔料を含む場合、顔料分散剤を含有するのが好ましい。該顔料分散剤としては、例えば、ポリアミドアミン及びその塩、ポリカルボン酸及びその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリアクリレート、変性ポリメタクリレート、アクリル系共重合体、メタクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン等が挙げられる。顔料分散剤は、単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。その含有量は、顔料の重量に対して、通常1〜80重量%であり、好ましくは10〜60重量%である。
上記溶剤としては、本発明の着色組成物1に含まれる成分に応じて適宜選択すればよい。具体的には例えば、酢酸エチル、酢酸-n-ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3-オキシプロピオン酸メチル、3-オキシプロピオン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、2-オキシプロピオン酸メチル、2-オキシプロピオン酸エチル、2-オキシプロピオン酸プロピル、2-メトキシプロピオン酸メチル、2-メトキシプロピオン酸エチル、2-メトキシプロピオン酸プロピル、2-エトキシプロピオン酸メチル、2-エトキシプロピオン酸エチル、2-オキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-メトキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-エトキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2-オキソブタン酸メチル、2-オキソブタン酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン等が挙げられる。上記溶剤の量は、本発明の着色組成物1の濃度が、溶剤中で通常10〜80重量%になる量である。
上記シランカップリング剤は、ガラス等の基材に結合する場合に用いられる。該シランカップリング剤としては、通常この分野で用いられる従来公知のものを用いることができ、反応性有機官能基として、例えば、エポキシ基、チオール基、ヒドロキシ基、アミノ基、ウレイド基、ビニル基、アクリロイル基などを有するシランカップリング剤が挙げられる。具体的には例えば、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル-トリス(β-メトキシエトキシ)シラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。上記シランカップリング剤は、反応溶液中で通常0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%となる量を用いればよい。
上記架橋剤としては、架橋反応により膜硬化を行なえるものであれば特に限定されず、例えば、(a)エポキシ樹脂、(b)メチロール基、アルコキシメチル基及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、メラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物又はウレア化合物、(c)メチロール基、アルコキシメチル基及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物又はヒドロキシアントラセン化合物、が挙げられ、中でも、多官能エポキシ樹脂が好ましい。
上記架橋剤の含有量は、本発明の着色組成物1の重量に対して、10〜50重量%、好ましくは20〜50重量%である。
本発明の着色組成物1は、上記記載のもの以外に、重合禁止剤、界面活性剤、添加剤等を含んでいてもよく、それらは自体公知のものであれば特に限定されず、用いられる量も通常この分野で用いられる量であれば限定されない。
本発明の着色組成物1は、前述の成分を混合して調製される。
[着色組成物2]
本発明の消光剤は、少なくとも1種類の該消光剤と、少なくとも1種類の消光対象化合物とを含む着色組成物を形成することができる(以下、本発明の着色組成物2と略記する場合がある)。本発明の着色組成物2は、本来消光対象化合物が発する蛍光を抑制し、例えばカラーフィルターとして用いる場合、高コントラストを有する優れた着色硬化膜を形成することができる。そのため、本発明の着色組成物2は、液晶表示装置(LCD)や固体撮像素子(CCD、CMOS等)に用いられるカラーフィルター等の着色画素形成用途、印刷インキ、インクジェットインキ、および塗料等の用途に用いることができ、特に、液晶表示装置のカラーフィルター用として好適である。さらに、本発明の着色組成物2は、従来公知の成形方法により、シート、フィルム、ボトル、カップ等に成形して着色樹脂成形物として使用することもできる。よって、メガネ、カラーコンタクトレンズ等の用途にも使用することができ、公知の樹脂との多層構造体とすることによっても同様に使用することができる。その他にも、例えば光学フィルム、ヘアカラーリング剤、化合物や生体物質に対する標識物質、有機太陽電池の材料等の用途にも用いることが可能である。
本発明の着色組成物2は、少なくとも本発明の消光剤を1種以上、及び、少なくとも消光対象化合物を1種以上と、重合開始剤、バインダー樹脂並びにラジカル重合性モノマー又はオリゴマーを含むものが好ましく、必要に応じて、顔料、溶剤、シランカップリング剤並びに架橋剤等を含んでいてもよい。本発明の着色組成物2は、本発明の消光剤を、本発明の着色組成物2の重量に対して1〜80重量%、好ましくは10〜50重量%含有する。尚、ここでいう本発明の着色組成物2の重量は、溶剤を除く固形成分の重量を意味する。
上記消光対象化合物としては、本発明の消光剤の項で記載したものと同じものが挙げられる。
上記消光対象化合物の含有量は、本発明の着色組成物2の重量に対して、1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%である。
本発明の着色組成物2における重合開始剤、バインダー樹脂、ラジカル重合性モノマー又はオリゴマー、顔料、溶剤、シランカップリング剤及び架橋剤としては、本発明の着色組成物1におけるそれらと同じものが挙げられ、各含有量も同じである。
以下に、実施例により本発明をさらに詳細に述べるが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 カルボン酸体(化合物7)の合成
(1)ジエチル体(化合物2)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、3-ブロモアニリン(化合物1:東京化成工業(株)製)33.4g(194.0mmol)及びアセトニトリル200mlを加えて溶解し、さらにヨウ化エチル(和光純薬工業(株)製)136.2g(873.0mmol)及び炭酸カリウム(和光純薬工業(株)製)93.8g(679.0mmol)を加え、65度で22時間反応を行った。反応終了後、反応液から不溶物をろ別し、減圧濃縮によって溶媒を留去して黄色液体を得た。該液体をシリカゲルカラムで精製し、黄色液体のジエチル体(化合物2)42.3g(収率96%)を得た。
(2)ジブロモ体(化合物3)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、上記(1)で得たジエチル体(化合物2)4.6g(20.0mmol)及び酢酸(和光純薬工業(株)製)23mlを加えて溶解し、さらに37%ホルマリン液(和光純薬工業(株)製)3.3g(40.0mmol)を加え、60度で2時間反応を行った。反応終了後、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、さらに飽和重曹水40mlを加え、酢酸エチルで抽出した。抽出により得られた溶液を水で洗浄し、減圧濃縮によって溶媒を留去して黄色液体を得た。該液体をシリカゲルカラムで精製し、無色液体のジブロモ体(化合物3)4.6g(収率98%)を得た。
(3)シリル−キサントン体(化合物4)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、上記(2)で得たジブロモ体(化合物3)12.6g(27.0mmol)及びテトラヒドロフラン(THF)500mlを加えて溶解し、−60度に冷却した後、さらに1.0M sec-ブチルリチウムヘキサン−シクロヘキサン溶液(関東化学(株)製)81.0ml(81.0mmol)を滴下し、−60度で1時間反応を行った。その後、ジクロロジメチルシラン(東京化成工業(株)製)6.3g(48.6mmol)を加え、室温で3時間反応を行った。反応終了後、1N塩酸を反応液に加え、酢酸エチルで抽出した。抽出により得られた溶液を水で洗浄し、減圧濃縮によって溶媒を留去して茶色液体を得た。該液体にアセトン250mlを加え、0度に冷却した後、さらに過マンガン酸カリウム(和光純薬工業(株)製)10.7g(67.5mmol)を分割しながら加え、0度で14時間反応を行った。反応終了後、セライトろ過した反応液から減圧濃縮によって溶媒を留去し、黄色液体を得た。該液体をシリカゲルカラムで精製し、黄色固体のシリル−キサントン体(化合物4)4.5g(収率44%)を得た。
(4)エステル体(化合物6)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、2-ヨード安息香酸(化合物5:和光純薬工業(株)製)10.7g(43.0mmol)及びジクロロメタン130mlを加えて溶解し、さらにtert-ブチルアルコール(和光純薬工業(株)製)3.8g(51.6mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)(和光純薬工業(株)製)6.3g(51.6mmol)及びジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(和光純薬工業(株)製)10.7g(51.6mol)を加え、室温で8時間反応を行った。反応終了後、セライトろ過した反応液から減圧濃縮によって溶媒を留去し、黄色液体を得た。該液体をシリカゲルカラムで精製し、無色液体のエステル体(化合物6)10.4g(収率80%)を得た。
(5)カルボン酸体(化合物7)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、上記(4)で得たエステル体(化合物6)1.5g(5.0mmol)及びTHF30mlを加えて溶解し、−60度に冷却した後、さらに1.0M sec-ブチルリチウムヘキサン−シクロヘキサン溶液(関東化学(株)製)10.3ml(10.3mmol)を滴下し、−60度で1時間反応を行った。その後、上記(3)で得たシリル−キサントン体(化合物4)1.0g(2.5mmol)を加え、室温で3時間反応を行った。減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去した後、得られた茶色液体にジクロロメタン20ml、濃塩酸(和光純薬工業(株)製)0.5g(4.5mmol)及びテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)のリチウム塩(LiFABA)(東ソー・ファインケム(株)製)1.9g(2.5mmol)を加え、室温で7時間反応を行った。反応終了後、ジクロロメタンで反応液を希釈し、水で洗浄した後、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、緑色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、カウンターアニオンにテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオンを有する青色固体のカルボン酸体(化合物7)0.7g(収率24%)を得た。
実施例2 モノマー(化合物9)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、実施例1で得たカルボン酸体(化合物7)0.7g(0.6mmol)及びジクロロメタン6mlを加えて溶解し、さらにメタクリル酸2-ヒドロキシエチル(化合物8:和光純薬工業(株)製)0.1g(0.7mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)(和光純薬工業(株)製)10mg(0.1mmol)及び1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSC)(東洋紡(株)製)0.2g(1.0mol)を加え、室温で8時間反応を行った。反応終了後、反応液を水で洗浄し、減圧濃縮によって溶媒を留去し、赤褐色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、濃青色固体のモノマー(化合物9)0.3g(収率39%)を得た。
実験例1 モノマー(化合物9)によるローダミンBの消光評価
(1)消光対象化合物の蛍光測定
ローダミンB(和光純薬工業(株)製)10.5mg(0.022mmol)をメスフラスコに入れ、メタノールで100mlにメスアップした。その溶液をホールピペットで1ml量りとり、メタノールでさらに100mlにメスアップした。これをA液とした。A液をホールピペットで2ml量りとり、メタノールで20mlにメスアップした(ローダミンBの濃度:2.19×10−7mol/L)。得られた溶液を、分光蛍光光度計((株)日立製分光蛍光光度計F−4500)を用いて、最大蛍光波長での蛍光強度(Ia)を測定した。
(2)消光評価
実施例2にて得られた化合物9を10.3mg(0.0081mmol)量りとり、メタノールで100mlにメスアップした。これをB液とした。ホールピペットでA液を2ml、B液を12ml量りとり、メタノールで20mlにメスアップした(化合物9の濃度:4.84×10−5mol/L)。得られた溶液を、分光蛍光光度計((株)日立製分光蛍光光度計F−4500)を用いて、最大蛍光波長での蛍光強度(Ib)を測定した。測定したIa及びIbの値から下記式より蛍光強度の減少率(%)を求めた。
蛍光強度の減少率(%)=(Ia−Ib)/Ia×100
実験例2 モノマー(化合物9)による酢酸クレシルバイオレットの消光評価
(1)消光対象化合物の蛍光測定
酢酸クレシルバイオレット(和光純薬工業(株)製)10.2mg(0.032mmol)をメスフラスコに入れ、メタノールで100mlにメスアップした。その溶液をホールピペットで1ml量りとり、メタノールでさらに100mlにメスアップした。これをC液とした。C液をホールピペットで5ml量りとり、メタノールで20mlにメスアップした(酢酸クレシルバイオレットの濃度:7.94×10−7mol/L)。得られた溶液を、分光蛍光光度計((株)日立製分光蛍光光度計F−4500)を用いて、最大蛍光波長での蛍光強度(Ic)を測定した。
(2)消光評価
ホールピペットでB液を12ml、C液を5ml量りとり、メタノールで20mlにメスアップした(化合物9の濃度:4.84×10−5mol/L)。得られた溶液を、分光蛍光光度計((株)日立製分光蛍光光度計F−4500)を用いて、最大蛍光波長での蛍光強度(Id)を測定した。測定したIc及びIdの値から下記式より蛍光強度の減少率(%)を求めた。
蛍光強度の減少率(%)=(Ic−Id)/Ic×100
比較例1 ジエチルアクリルアミドによるローダミンBの消光評価
ジエチルアクリルアミド(和光純薬工業(株)製)を12.5mg(0.00098mmol)量りとり、メタノールで100mlにメスアップした。これをB'液とした。実験例1にて得られたA液を2ml、B'液を1mlホールピペットで量りとり、メタノールで20mlにメスアップした(ジエチルアクリルアミドの濃度:4.91×10−5mol/L)。得られた溶液を、分光蛍光光度計((株)日立製分光蛍光光度計F−4500)を用いて、最大蛍光波長での蛍光強度(Ib')を測定した。実験例1にて得られたIaの値及び測定したIb'の値から下記式より蛍光強度の減少率(%)を求めた。
蛍光強度の減少率(%)=(Ia−Ib')/Ia×100
比較例2 ピリジンによるローダミンBの消光評価
比較例1において、ジエチルアクリルアミドを用いる代わりに、ピリジン(和光純薬工業(株)製)を12.0mg(0.0015mmol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(ピリジンの濃度:7.58×10−5mol/L)。
比較例3 トリフェニルアミンによるローダミンBの消光評価
比較例1において、ジエチルアクリルアミドを用いる代わりに、トリフェニルアミン(和光純薬工業(株)製)を28.2mg(0.0011mmol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(トリフェニルアミンの濃度:5.74×10−5mol/L)。
比較例4 N,N−ジエチルアニリンによるローダミンBの消光評価
比較例1において、ジエチルアクリルアミドを用いる代わりに、N,N-ジエチルアニリン(和光純薬工業(株)製)を20.0mg(0.0013mmol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(N,N-ジエチルアニリンの濃度:6.70×10−5mol/L)。
比較例5 p−アミノ安息香酸によるローダミンBの消光評価
比較例1において、ジエチルアクリルアミドを用いる代わりに、p-アミノ安息香酸(和光純薬工業(株)製)を14.3mg(0.0010mmol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(p-アミノ安息香酸の濃度:5.21×10−5mol/L)。
実験例1及び2の結果について、表1に示す。また、比較例1〜5の結果について、表2に示す。
上記表1で示される結果から、本発明の消光剤は、キサンテン骨格を有するローダミンB、ベンゾ[a]フェノキサジン骨格を有する酢酸クレシルバイオレット等の種々の蛍光性を有する化合物に対し、その蛍光発光を十分に抑制し得るほどの消光能を有していることが判った。さらに、上記表1の実験例1で示される結果と上記表2の比較例1〜5で示される結果との比較から、本発明の消光剤は、ジエチルアクリルアミド等の従来の消光剤と比較して優れた消光効果を奏することが判った。
合成例1 染料ポリマー(MMA/化合物10由来)の合成
(1)染料モノマー(化合物10)の合成
国際公開第2014/126167号公報に記載の方法に従って、染料モノマー(化合物10)を合成した。
(2)染料ポリマー(MMA/化合物10由来)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)((株)ダイセル製)105gを加え、窒素置換し、95℃に加熱した。三角フラスコに、(1)にて得られた染料モノマー(化合物10)15g(12.1mmol)、メタクリル酸メチル(MMA)(和光純薬工業(株)製)285.03g(2.85mol)、2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオン酸メチル)(商品名V−601:和光純薬工業(株)製)15g(65.1mmol)及びPGMEA105gを加えて溶解し、丸底フラスコに95℃で2時間かけて滴下した。滴下後、95℃で2時間反応を行った。反応終了後、酢酸エチル1200gを加え、ヘキサン5.2Lに滴下して再沈させた。再沈したポリマーをろ取、減圧乾燥し、赤色の染料ポリマー(MMA/化合物10由来)322.06g(収率100%)を得た。
実施例3 ポリマー(MMA:化合物9=95:5)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、PGMEA((株)ダイセル製)1.75gを加え、窒素置換し、95℃に加熱した。三角フラスコに、実施例2にて得られたモノマー(化合物9)0.25g(0.20mmol)、MMA(和光純薬工業(株)製)4.75g(47.44mmol)、2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオン酸メチル)(商品名V−601:和光純薬工業(株)製)0.25g(1.09mmol)及びPGMEA1.75gを加えて溶解し、丸底フラスコに95℃で2時間かけて滴下した。滴下後、95℃で2時間反応を行った。反応終了後、酢酸エチル14gを加え、ヘキサン80mLに滴下して再沈させた。再沈したポリマーをろ取、減圧乾燥し、赤色のポリマー(MMA/化合物9由来、MMA:化合物9=95:5)4.62g(収率88%)を得た。
実験例3 ポリマー(MMA:化合物9=95:5)の染料ポリマーに対する消光評価
(1)蛍光消光対象の蛍光測定
合成例1にて得られた染料ポリマー(MMA/化合物10由来)9.9mg(うち化合物10:4.01×10−7mol)をメスフラスコに入れ、PGMEAで100mlにメスアップした。これをD液とした。D液をホールピペットで1ml量りとり、PGMEAでさらに20mlにメスアップした(化合物10の濃度:2.00×10−8mol/L)。得られた溶液を、分光蛍光光度計((株)日立製分光蛍光光度計F−4500)を用いて、最大蛍光波長での蛍光強度(Ie)を測定した。
(2)消光評価
実施例3にて得られたポリマー(MMA:化合物9=95:5)を100mg(うち化合物9:3.92×10−6mol)、ホールピペットでD液を1ml、PGMEAで20mlにメスアップした(化合物9の濃度:1.96×10−4mol/L)。得られた溶液を、分光蛍光光度計((株)日立製分光蛍光光度計F−4500)を用いて、最大蛍光波長での蛍光強度(If)を測定した。測定したIe及びIfの値から下記式より蛍光強度の減少率(%)を求めた。
蛍光強度の減少率(%)=(Ie−If)/Ie×100
実験例3の結果について、表3に示す。
上記表3で示される結果から、本発明のポリマーは、蛍光性を有する染料ポリマーに対して十分な消光効果を奏することが判った。すなわち、本発明のポリマーも本発明の化合物と同様に、蛍光性を有する化合物に対し、その蛍光発光を十分に抑制し得るほどの消光能を有していることが判った。