JP6918521B2 - 電気モジュールおよび電気モジュールの製造方法 - Google Patents

電気モジュールおよび電気モジュールの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電気モジュールおよび電気モジュールの製造方法に関する。
近年、クリーンな発電源として、光エネルギーを直接かつ即時に電力に変換することができ、二酸化炭素などの汚染物質を排出しない太陽電池が注目されている。その中でも、色素増感太陽電池は、高い変換効率を有し、比較的簡易な方法により製造され、かつ原材料の単価が安価であるため、次世代太陽電池として期待されている。
最近では、色素増感太陽電池をはじめとする太陽電池の実用化に向けて、ロール・ツー・ロール方式(以下、RtoR方式と記載する)を導入した連続生産が検討されている。RtoR方式を導入した色素増感太陽電池の製造においては、例えば、第一基材における第二基材側の面に第一導電膜が設けられ、第一導電膜における第二基材側の面の所定の領域に半導体層および電解質と封止材が設けられ、第一電極が形成される。また、第二基材における第一基材側の面に第二導電膜が設けられ、第二導電膜における第一基材側の面に触媒層が設けられることによって、第二電極が形成される。その後、半導体層と触媒層が対向している状態で、第一電極と第二電極とが貼り合わされる。このようにして製造された色素増感太陽電池は、色素増感太陽電池の使用目的などに合わせて、所望の位置に絶縁処理され、所望の大きさに切り出される。
例えば、特許文献1には、対向する第一電極および第二電極の所定の部分に超音波振動を付与し、第一基材と第二基材とを溶着することによってシール部を形成し、第一電極および第二電極の所定の部分を封止および絶縁する工程を有する電気モジュールの製造方法が開示されている。
国際公開第2014/030736号
RtoR方式を用いた色素増感太陽電池などの電気モジュールの製造においては、触媒層としてp−トルエンスルホン酸をドープしたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)のように、封止材との剥離強度が比較的低い材質を用いる場合がある。その場合、特許文献1に開示されているように超音波融着によって第一電極および第二電極の所定の部分を封止および絶縁すると、色素増感太陽電池の動作不良が生じることがあった。
本発明者は、鋭意検討する中で、半導体層と触媒層とを対向させた状態で第一電極と第二電極とを重ね合わせ、超音波振動を付与すると、超音波付与部分の封止材が超音波付与部分の外方に押し出されることに着目した。また、本発明者は、超音波付与部分から押し出された封止材は、超音波付与部分に隣接する封止材や該封止材に密着している第一電極や第二電極を押圧するとともに、超音波付与部分に隣接する封止材と第一電極/第二電極との界面に押し入りやすいことにも着目した。そして、本発明者は、超音波付与部分から押し出された封止材によって超音波付与部分に隣接する封止材が第一電極/第二電極から剥離することで、封止材と第一電極/第二電極との間に空隙が生じ、封止材を挟んで隣り合う電解質同士が接触する、あるいは電解質が封止材同士の間の配線に接触し、色素増感太陽電池の動作不良が生じるとの知見、および所定以上の剥離強度で封止材と該封止材に隣接する構造(すなわち、第一電極および第二電極)とを貼り合わせることで超音波付与部分に隣接する封止材が第一電極/第二電極から剥離することを抑えられるとの知見を見出し、本発明に至った。
本発明は、上述の事情を鑑みてなされたものであり、動作不良の発生を良好に防止する電気モジュールおよび電気モジュールの製造方法を提供する。
本発明に係る電気モジュールは、第一電極と、前記第一電極と間隔をあけて対向する第二電極と、前記第一電極と前記第二電極との間に設けられた電解質と、を備え、前記第一電極は、第一基材と、前記第一基材における前記第二電極側の面に設けられた第一導電膜と、前記第一導電膜における前記第二電極側の面の半導体層配置領域に設けられた半導体層と、を有し、前記第二電極は、第二基材と、前記第二基材における前記第一電極側の面に設けられた第二導電膜と、前記第二導電膜における前記第一電極側の面の少なくとも一部に設けられた触媒層と、を有し、前記電解質は前記第一電極と前記第二電極との間に設けられた封止材および前記第一基材と前記第二基材とが貼り合わされたシール部によって封止され、前記第一電極と前記封止材との剥離強度および前記第二電極と前記封止材との剥離強度が0.05kgf/10mm以上であることを特徴とする。
上述の構成によれば、第一電極と封止材との剥離強度および第二電極と封止材との剥離強度が0.05kgf/10mm以上であるので、封止材が第一電極および第二電極と良好に密着し、封止材が第一電極および第二電極から剥離し難くなっている。そのため、シール部を形成するために超音波が付与される超音波付与部分から押し出された封止材が超音波付与部分に隣接する部分の封止材を第一電極および第二電極に沿った方向から押圧する、また超音波付与部分に隣接する封止材と第一電極および第二電極との界面に押し入ろうとしても、封止材と第一電極/第二電極との剥離や封止材と第一電極/第二電極との間に空隙が生じ難くなる。したがって、封止材を挟んで隣り合う電解質同士が接触すること、および電解質が封止材同士の間の配線に接触することを防止し、色素増感太陽電池の動作不良の発生を防ぐことができる。
上述の電気モジュールでは、前記触媒層は前記第二導電膜における前記第一電極側の面全体に設けられていてもよい。
上述の構成によれば、第二導電膜における第一電極側の面の構成がそろっているので、第二電極の製造工程が簡易になり、第二電極および電気モジュールが容易に得られる。
上述の電気モジュールでは、前記触媒層は前記シール部に設けられていなくてもよい。
触媒層として、例えば電気モジュールに多用されるp−トルエンスルホン酸をドープしたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)のように、封止材との剥離強度が比較的低い材質が用いられる場合がある。このような場合でも、上述の構成によれば、触媒層はシール部に設けられていないので、シール部では封止材が第一電極および第二電極(すなわち、第一導電膜および第二導電膜)と良好に密着可能になる。そのため、超音波付与部分において第一電極および第二電極に対して超音波振動が付与されても、超音波付与部分の封止材は、第一電極および第二電極から剥離し難くなり、超音波付与部分から押し出され難くなる。そのため、超音波付与部分に隣接する封止材は、第一電極および第二電極から剥離し難くなり、超音波付与部分に隣接する封止材が第一電極および第二電極と良好に密着した状態が保持される。また、封止材と第一電極および第二電極との間に空隙が生じ難くなる。
上述の電気モジュールでは、前記触媒層は前記封止材の位置に設けられていなくてもよい。
上述の構成によれば、封止材は、触媒層に接しないので、第一電極および第二電極(すなわち、第一導電膜および第二導電膜)と良好に密着可能になる。したがって、触媒層の材質として封止材との剥離強度が比較的低い材質が用いられ、超音波付与部分において第一電極および第二電極に対して超音波振動が付与されても、超音波付与部分の封止材および超音波付与部分に隣接する封止材は、第一電極および第二電極から剥離し難くなり、超音波付与部分に隣接する封止材が第一電極および第二電極と良好に密着した状態が保持される。また、封止材と第一電極および第二電極との間に空隙が生じ難くなる。
上述の電気モジュールでは、前記封止材の幅が0.3mm以上7mm以下であってもよい。
一般に封止材の幅が小さくなるほど、封止材と第一電極および第二電極との間に空隙が形成される頻度、すなわち電解液の液漏れが発生する頻度は高くなる。一方、封止材の幅が充分に大きければ、超音波付与部分から押し出された封止材によって超音波付与部分に隣接する封止材と第一電極および第二電極との密着度が弱まっても、幅方向中央の封止材と第一導電膜/触媒層との密着は保持され、色素増感太陽電池の動作不良が生じる可能性は減じられる。上述の構成によれば、封止材の幅が0.3mm以上7mm以下であっても、第一電極と封止材との剥離強度および第二電極と封止材との剥離強度が0.05kgf/10mm未満である場合に比べ、封止材が第一電極および第二電極から剥離し難く、封止材と第一電極および第二電極との間に空隙が生じ難くなるという効果が高まる。
本発明に係る電気モジュールの製造方法は、上述の電気モジュールを製造する電気モジュールの製造方法であって、前記第一電極と間隔をあけて前記第二電極を対向させ、前記第一電極の前記第一導電膜における前記第二電極側の面の電解質配置領域に前記電解質を設ける工程と、前記第一電極の前記第一導電膜における前記第二電極側の面の前記電解質配置領域とは異なる部分に封止材を設ける工程と、前記第一電極と前記封止材とを貼り合わせるとともに前記第二電極と前記封止材とを貼り合わせ、前記第一電極と前記封止材との剥離強度および前記第二電極と前記封止材との剥離強度を0.05kgf/10mm以上とする工程と、所定の位置で前記第一基材と前記第二基材とを貼り合わせて前記シール部を形成する工程と、を備えていることを特徴とする。
上述の構成によれば、第一電極と封止材との剥離強度および第二電極と封止材との剥離強度を0.05kgf/10mm以上とするので、封止材が第一電極または第二電極と良好に密着可能になる。したがって、上述のように、封止材が第一電極および第二電極から剥離し難く、封止材と第一電極および第二電極との間に空隙が生じ難くなる。したがって、封止材を挟んで隣り合う電解質同士が接触すること、および電解質が封止材同士の間の配線に接触することを防止し、色素増感太陽電池の動作不良を防ぐことができる。
本発明に係る電気モジュール及び電気モジュールの製造方法によれば、動作不良の発生を良好に防止することができる。
本発明を適用した第一実施形態の電気モジュールの構成を示す平面図である。 本発明を適用した第一実施形態の電気モジュールの構成を示す図であり、図1に示すXA−XA線で矢視した断面図である。 本発明を適用した第一実施形態の電気モジュールの構成を示す図であり、図1に示すY−Y線で矢視した断面図である。 本発明を適用した第一実施形態の電気モジュールの製造装置の概略側面図である。 本発明を適用した第一実施形態の電気モジュールの製造方法における絶縁処理を行う前の状態を示す斜視図である。 本発明を適用した第一実施形態の電気モジュールの製造方法における絶縁処理を行う前の状態を示す断面図である。 本発明を適用した第一実施形態の電気モジュールの製造方法における絶縁処理を行っている途中の状態を示す断面図である。 本発明を適用した第二実施形態の電気モジュールの構成を示す平面図である。 本発明を適用した第二実施形態の電気モジュールの構成を示す図であり、図8に示すXB−XB線で矢視した断面図である。
以下、本発明を適用した電気モジュールおよび電気モジュールの製造方法の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いる図面は模式的なものであり、長さ、幅、及び厚みの比率などは実際のものと同一とは限らず、適宜変更することができる。
以下では、本発明に係る電気モジュールの一例として、RtoR方式を用いて製造されるフィルム型の色素増感太陽電池を挙げて、説明する。
なお、本発明を適用した電気モジュールは、色素増感太陽電池に限定されず、封止材を介在させて所定の二枚の電極同士を貼り合わせ、貼り合わせた電極の外方から何らかの方法で力を加える、または押圧することによって絶縁処理が施されるものであればよく、色素増感太陽電池以外の電気モジュールを全て含んでいる。また、本発明に係る電気モジュールは、RtoR方式を用いて製造されるもの、すなわち基材を所定の方向に搬送しつつ、連続的に製造されるものに限定されず、予め切り分けられた基材毎にセル構造が形成されるものも含んでいる。
(第一実施形態)
[電気モジュールの構成]
図1及び図2に示すように、本発明を適用した第一実施形態の色素増感太陽電池(電気モジュール)20Aは、第一電極21と、第一電極21と間隔をあけて対向する第二電極22と、第一電極21と第二電極22との間に設けられた封止材9と、電解液(電解質)15と、を備えている。
第一電極21は、第一基材1と、第一基材1における第二電極22側の面1aに設けられた第一導電膜3と、第一導電膜3における第二電極22側の面3aに設けられた半導体層10と、を有している。
第一基材1は、第一導電膜3、配線7、封止材9の基台となる部材である。第一基材1は、RtoR方式を用いた太陽電池の連続生産に適用できる適度な柔軟性を有し、大面積フィルム状に形成可能な材質であれば特に限定されない。第一基材1としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミドなどの透明の樹脂材料が挙げられる。
第一導電膜3は、第一基材1における第二電極22側の面1aの全体に亘って成膜されている。第一導電膜3としては、例えば、酸化スズ(ITO)、酸化亜鉛などが挙げられる。なお、製造対象の色素増感太陽電池の構成に応じて、第一基材1における第二電極22側の面1aには、適宜絶縁処理が施されていてもよい。また、第一導電膜3や上述の絶縁処理は、第一基材1における第二電極22側の面1aに沿って非連続的に形成されていても構わない。
半導体層10は、第一導電膜3における第二電極22側の面3aの電解質配置領域R1内に形成されている。電解質配置領域R1は、第一基材1の搬送方向(所定の方向)P1及び搬送方向P1に直交する第一基材1における幅方向P2において、互いに間隔を空けて設けられている。以下、搬送方向P1において、始点側を上流側とし、終点側を下流側として説明する。
半導体層10は、例えば、増感色素から電子を受け取り輸送する機能を有する金属酸化物からなる多孔質層に増感色素が担持されることで所謂染色された状態で形成されている。このような金属酸化物としては、例えば、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)などが挙げられる。
上述の増感色素は、有機色素または金属錯体色素で構成されている。有機色素としては、例えば、クマリン系、ポリエン系、シアニン系、ヘミシアニン系、チオフェン系などの各種有機色素などが挙げられる。金属錯体色素としては、例えば、ルテニウム錯体などが挙げられる。
第二電極22は、第二基材6と、第二基材6における第一電極21側の面6aに設けられた第二導電膜8と、第二導電膜8における第一電極21側の面8aの少なくとも一部に設けられた触媒層16と、を有している。
第二基材6は、第二導電膜8、触媒層16の基台となる部材である。第二基材6は、第一基材1と同様に、RtoR方式を用いた太陽電池の連続生産に適用できる適度な柔軟性を有し、大面積フィルム状に形成可能な材質であれば特に限定されない。第二基材6としては、第一基材1と同様の樹脂材料が挙げられる。
第二導電膜8は、第二基材6における第一電極21側の面6aの全体に亘って成膜されている。第二導電膜8としては、第一導電膜3と同様の化合物などが挙げられる。なお、製造対象の色素増感太陽電池の構成に応じて、第二基材6における第一電極21側の面6aには、適宜絶縁処理が施されていてもよい。また、第二導電膜8や上述の絶縁処理は、第二基材6における第一電極21側の面6aに沿って非連続的に形成されていても構わない。
触媒層16は、第二導電膜8における第一電極21側の面8aの全体に亘って形成されている。触媒層16としては、PEDOT、プラチナ、ITO、ポリアニリン、カーボンなどが挙げられる。
幅方向P2において、第一電極21の第一導電膜3における第二電極22側の面3aに設けられた半導体層10に隣り合うように、電解質配置領域R1とは異なる領域R2に互いに間隔をあけて封止材9,9が設けられている。封止材9の幅は、電解質配置領域R1の幅や封止材9の材質などを勘案して適切に設定されているが、例えば0.3mm以上7mm以下であることが好ましく、5mm以下であることがより好ましい。封止材9の幅が0.3mm以上であることで、幅方向P2において封止材9を挟んで隣り合う電解液15と配線7とが良好に離間される。また、封止材9の幅が7mm以下であることで、色素増感太陽電池20Aの大型化が抑えられる。
封止材9は、第一電極21と第二電極22とを貼り合わせて接着するための樹脂などを含む。封止材9としては、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂のうち少なくとも一種を含む樹脂材料が挙げられる。なお、第一電極21と封止材9との剥離強度および第二電極22と封止材9との剥離強度を0.05kgf/10mm以上とすることをふまえ、封止材9を構成する素材は、封止材9に密着する第一導電膜3および触媒層16のそれぞれの材質に合わせて適当に決められていることが好ましい。
幅方向P2において、領域R2に配されている封止材9同士の間には、配線7が設けられている。配線7は、半導体層10と触媒層16とを含む複数のセル構造C同士を接続するための導電構造である。配線7としては、導通可能な素材であれば特に限定されず、例えば、公知の導電材、導電ペースト、導電性微粒子と接着剤の混合物などが挙げられる。なお、配線7には、封止材9と同様の材料からなるバインダーを用いてもよい。なお、色素増感太陽電池20Aを所望のパターンで切り出す際に配線7を容易に切断可能とする観点から、配線7としては、例えばエポキシ樹脂やフェノール樹脂などの接着剤に適量の導電粒子を混合した導通ペーストが好ましい。
色素増感太陽電池20Aには、上述の第一電極21と第二電極22とが貼り合わされたシール部25が設けられている。
図3に示すように、シール部25は、例えば超音波融着のように第一電極21および第二電極22の外方から例えば超音波融着などの方法を用いて厚み方向に力を加える、または押圧することによって、第一基材1および第二基材6が直接圧着し、電気的に絶縁された部分である。なお、図示していないが、第一基材1と第二基材6との間に、僅かに第一導電膜3、第二導電膜8、半導体層10、電解液(電解質)15および触媒層16が介在している場合があるが、これらはシール部25において分断され、シール部25に隣接する空間S同士を接続するものではない。
封止材9とシール部25とで囲まれた電解質配置領域R1の空間Sには、電解液(電解質)15が封止されている。
電解液15としては、例えば、アセトニトリル、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム又はヨウ化ブチルメチルイミダゾリウムなどのイオン液体などの液体成分に、ヨウ化リチウムなどの支持電解質とヨウ素とが混合された溶液(具体的には、プロピオニトリルなどの非水系溶剤)などが挙げられる。
色素増感太陽電池20Aは、封止材9における第二電極22側の面9aが触媒層16における第一電極21側の面16aに当接し、封止材9における第一電極21側の面9bが第一導電膜3における第二電極22側の面3aに当接している。
第一電極21の第一導電膜3と封止材9との剥離強度および第二電極22の触媒層16と封止材9との剥離強度は、少なくとも0.05kgf/10mm以上1kgf/10mm以下とされており、0.1kg/10mm以上1kgf/10mm以下であることが好ましく、0.2kg/10mm以上1kgf/10mm以下であることがより好ましい。第一電極21の第一導電膜3と封止材9との剥離強度および第二電極22の触媒層16と封止材9との剥離強度が0.05kgf/10mm以上であることにより、超音波融着を行う場合でも、融着される部分近傍における封止材の破壊または剥離を防止することができる。また、第一電極21の第一導電膜3と封止材9との剥離強度および第二電極22の触媒層16と封止材9との剥離強度が0.05kgf/10mmより大きくなると、封止材の硬度が上昇し、フレキシブル性が損なわれる虞、または色素増感太陽電池20Aの屈曲時に第一導電膜3等にダメージが入る虞がある。
[電気モジュールの製造方法]
本発明を適用した電気モジュールの製造方法は、図4に例示する製造装置30等を用いて所定の方向P1に沿って連続的に搬送される第一電極21と所定の方向P3に沿って連続的に搬送される第二電極22とを貼り合わせることにより製造可能な色素増感太陽電池20Aの製造方法である。
色素増感太陽電池20Aの製造方法は、第一電極21と間隔をあけて第二電極22を対向させ、第一電極21の第一導電膜3における第二電極22側の面3aの電解質配置領域R1に電解液15を設ける工程と、第一電極21の第一導電膜3における第二電極22側の面3aの電解質配置領域R1とは異なる領域R2に封止材を設ける工程と、第一電極21と第二電極22とを重ね合わせ、第一電極21と封止材9とを貼り合わせるとともに第二電極22と封止材9とを貼り合わせ、第一電極21と封止材9との剥離強度および第二電極22と封止材9との剥離強度を0.05kgf/10mm以上とする工程と、所定の位置F25で第一基材1と第二基材6とを貼り合わせてシール部25を形成する工程と、を備えている。
以下、上述の各工程について、図4を参照し、説明する。
まず、不図示のRtoR方式を用いた装置を用いて、第一基材1を所定の方向に沿って連続的に搬送しながら、公知のスパッタリング法や印刷法等により、第一基材1において所定の方向P1に沿って第二電極22に対向する面1aに第一導電膜3を形成する。続いて、公知のエアロゾルデポジション法(Aerosol Deposition method:AD法)等により、第一導電膜3において所定の方向P1に沿って第二電極22に対向する面3aの電解質配置領域R1内に酸化チタン等の金属酸化物からなる多孔質層を形成する。さらに、該多孔質層に増感色素を担持することで、半導体層10を形成する。このようにして面1aのそれぞれの所定の領域に第一導電膜3および半導体層10が形成された第一基材1を、面1aを外側に向けてロール状に巻き取り、ロール状の第一電極21とする。
不図示のRtoR方式を用いた装置を用いて、上述のロール状の第一電極21とは別途、第二基材6を所定の方向に沿って連続的に搬送しながら、公知のスパッタリング法や印刷法等により、第二基材6において所定の方向P3に沿って第一電極21に対向する面6aの全体に触媒層16を形成し、面6aを内側に向けてロール状に巻き取り、ロール状の第二電極22とする。
図4に示すように、製造装置30にロール状の第一電極21を設置し、第一電極21を所定の方向P1に巻き出し、巻き出した第一電極21の第一導電膜3に対して必要に応じて絶縁処理を施す。
次に、搬送ロール46を第一電極21における第一基材1の面1aとは反対側の面1bに当て、第一電極21を所定の方向P1に沿って搬送する。搬送ロール46に対向するように配置された電解液塗布装置32の塗布口から、電解液15の粘性や第一基材1の搬送速度等を勘案した適切な流量で電解液15を排出させ、第一導電膜3における第二電極22側の面3a側に設けられた半導体層10を含む電解質配置領域R1に電解液15を塗布する。
次に、所定の方向P1に沿って搬送される第一電極21に対して封止材塗布装置34の塗布口から、封止材9の粘性や第一電極21の搬送速度等を勘案した適切な流量で封止材9を排出させ、第一電極21の第一導電膜3における第二電極22側の面3aの所定の領域R2に封止材9を塗布する。
次に、所定の方向P1に沿って搬送される第一電極21に対して配線形成装置36の配線材料排出口から、配線材料の粘性や第一基材1の搬送速度等を勘案した適切な流量で配線材料を排出させ、第一基材1の所定の領域に配線7を形成する。
次に、製造装置30にロール状の第二電極22を設置し、第二電極22を所定の方向P3に巻き出し、巻き出した第二電極22の第二導電膜8および触媒層16に対して必要に応じて絶縁処理を施す。
次に、第一押圧ロール60と下方に配置された第二押圧ロール62との間に、略水平な方向P1に沿って、電解液15、封止材9および配線7が設けられた第一電極21を導入するとともに、斜め上方の方向P3から第二電極22を導入し、第一電極21と第二電極22とを重ね合わせる。続いて、重ね合わせた第一電極21と第二電極22とを第一押圧ロール60と第二押圧ロール62との間を通過させ、第一電極21および第二電極22を互いに押圧する。
押圧された状態の第一電極21および第二電極22に対して不図示のUVランプ等を用いて紫外線を照射するなどの方法により、封止材9を硬化させ、第一電極21と封止材9とを貼り合わせるとともに、第二電極22と封止材9とを貼り合わせる。この際、第一電極21と封止材9との剥離強度および第二電極22と封止材9との剥離強度を0.05kgf/10mm以上1kgf/10mm以下とする。上述のように、第一電極21と封止材9との剥離強度および第二電極22と封止材9との剥離強度を、0.1kg/10mm以上1kgf/10mm以下とすることが好ましく、0.2kg/10mm以上1kgf/10mm以下とすることがより好ましい。
第一電極21および第二電極22と封止材9とを貼り合わせた位置から下流側には、貼り合わせた第一電極21および第二電極22に対して超音波を付与するための超音波付与部71と、超音波付与部71に対向する台座72が配置されている。超音波付与部71は、先端(すなわち、第二電極22に当接可能な部分)に向かって例えばテーパ状をなしている。図6に示すように、超音波付与部71の先端部71aには、厚さ方向の断面視において複数の凹凸が形成されている。台座72は、超音波付与部71の先端と略同じ大きさで形成されている。台座72における超音波付与部71と対向する先端部72a(すなわち、第一電極21に当接可能な部分)には、厚さ方向の断面視において複数の凹凸が形成されている。
超音波付与部71は、台座72に対して近接離間可能に配置されている。また、超音波付与部71の先端部71aの凹凸と、台座72の先端部72aの凹凸とはほぼ同じ形状になっており、互いに噛み合わせられるようになっている。
第一電極21および第二電極22と封止材9とを貼り合わせた後に、所定の位置F25,…,F25において(図1参照)、すなわち、貼り合された第一電極21と第二電極22により電解質配置領域R1に形成された空間を所定の方向P1に沿って複数のセルC,…,Cに区画する境界において、図5および図6に示すように、超音波付与部71を台座72に近接させ、第二電極22の第二基材6の面6bから、貼り合された第一電極21と第二電極22に超音波振動を付与する。
上述のように超音波振動を付与すると、図7に示すように、第一基材1と第二基材6との間に設けられた第一導電膜3、半導体層10、封止材9、配線7、第二導電膜8および触媒層16が、超音波振動により移動する。例えば、第一導電膜3、半導体層10、封止材9、配線7、第二導電膜8および触媒層16のうち比較的融点が低いものがあれば、そのものは超音波振動によって溶融し、ホーン圧によって元々配置されていた位置から押しのけられて移動する。また、第一導電膜3、半導体層10、封止材9、配線7、第二導電膜8および触媒層16のうち金属のような剛体があれば、該剛体は超音波振動によって破壊され、破壊された粒径が比較的小さければ拡散(移動)する。その結果、第一基材1と第二基材6との間に設けられた封止材9をはじめとする構造物が超音波付与部分に隣接する部分に押し出されるとともに、封止材9をはじめとする前述の構造物においてクラックが生じ、図3に示すように第一基材1における第二電極22側の面1aと第二基材6における第一電極21側の面6aとが当接する。そして、第一基材2と第二基材6が超音波振動により溶融して互いに溶着し、超音波付与部71の先端部71aおよび台座72の先端部72aのそれぞれの凹凸とほぼ同じ凹凸状の断面形状を有するシール部25が形成される。また、封止材9とシール部25によって囲まれ、互いに分割された複数のセルC,…,Cが形成される。
以上の工程により、図1から図3に示す色素増感太陽電池20Aを製造することができる。この後、必要に応じて、色素増感太陽電池20Aから所望のパターンで実際に使用される色素増感太陽電池を切り出してもよい。
以上説明した第一実施形態の色素増感太陽電池20Aおよび色素増感太陽電池20Aの製造方法では、例えば第一導電膜3および触媒層16などの第一電極21および第二電極22のそれぞれの材質との剥離強度が良好に高くなるように封止材9を構成する素材を適当に選択する、あるいは第一電極21および第二電極22と封止材9との貼り合わせ時の条件を適当に選択するなどによって、第一電極21と封止材9との剥離強度および第二電極22と封止材9との剥離強度を0.05kgf/10mm以上とする。これにより、封止材9が第一電極21および第二電極22から剥離し難くなっている。そのため、シール部25を形成する際に、第一電極21および第二電極22に超音波が付与された場合に、図7に示すように超音波付与部分から押し出された封止材9が超音波付与部分に隣接する部分の封止材9を第一電極21および第二電極22に沿った方向から押圧する、また超音波付与部分に隣接する封止材9と第一電極21および第二電極22との界面に押し入ろうとしても、封止材9と第一電極21/第二電極22との剥離を防止し、封止材9と第一電極21/第二電極22との間に空隙が生じることを防止することができる。したがって、シール部25を挟んで隣り合うセルC,Cの電解液15同士が接触すること、および電解液15が封止材9同士の間の配線7に接触することを防止し、動作不良の発生を良好に防ぐことができる。
また、第一実施形態の色素増感太陽電池20Aでは、触媒層16が第二導電膜8における第一電極21側の面8aの全体に設けられているので、第二導電膜8における第一電極21側の面8aの構成がそろっており、また触媒層16のパターニングなどが必要なくなり、第二電極22の製造工程が簡易になり、第二電極22および色素増感太陽電池20Aを容易に得ることができる。
また、第一実施形態の色素増感太陽電池20Aでは、封止材9の幅が0.3mm以上7mm以下であれば、上述の作用効果によって第一電極21および第二電極22と封止材9との間に空隙が形成される頻度、すなわち電解液15の液漏れおよび漏電が発生する頻度を抑え、複数のセルCのそれぞれに電解液15を確実に封止し、かつ色素増感太陽電池20Aの全体面積に対する複数のセルCの占める面積を高くすることができる。
(第二実施形態)
次いで、本発明を適用した第二実施形態の色素増感太陽電池(電気モジュール)20Bについて、図8および図9を参照し、説明する。なお、図8および図9に示す第二実施形態の色素増感太陽電池20Bの構成要素において、上述した第一実施形態の色素増感太陽電池20Aの構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
[電気モジュールの構成]
色素増感太陽電池20Bは、色素増感太陽電池20Aと同様の構成要素を備えている。
ただし、色素増感太陽電池20Bにおいては、触媒層16は、シール部25に設けられておらず、封止材9の位置にも設けられていない。すなわち、図9に示すように、触媒層16は、封止材9およびシール部25によって囲まれた複数のセルC,…,Cと同じ位置に設けられている。
したがって、封止材9における第二電極22側の面9aが第二導電膜8における第一電極21側の面8aに当接し、封止材9における第一電極21側の面9bは第一導電膜3における第二電極22側の面3aに当接している。第一電極21の第一導電膜3と封止材9との剥離強度および第二電極22の第二導電膜8と封止材9との剥離強度は、0.05kgf/10mm以上とされている。
なお、第一電極21と封止材9との剥離強度および第二電極22と封止材9との剥離強度を0.05kgf/10mm以上とすることをふまえ、封止材9を構成する素材は、封止材9に密着する第一導電膜3および第二導電膜8のそれぞれの材質に合わせて適当に決められていることが好ましい。
[電気モジュールの製造方法]
図8および図9に示す色素増感太陽電池20Bの製造方法は、第二基材6を所定の方向に沿って連続的に搬送しながら、第二基材6において所定の方向P1に沿って第一電極21に対向する面6aの全体ではなく、シール部25を形成する領域を除く電解質配置領域R1に触媒層16を形成すること以外は、色素増感太陽電池20Bの製造方法と同様である。
以上説明した第二実施形態の色素増感太陽電池20Bおよび色素増感太陽電池20Bの製造方法によれば、触媒層16はシール部25に設けられていないので、シール部25では封止材9が第一電極21の第一導電膜3および第二電極22の第二導電膜8と良好に密着する。したがって、触媒層16として、例えば電気モジュールに多用されるPEDOTのように、封止材9との剥離強度が比較的低い材質が用いられた場合でも、超音波付与部分において第一電極21および第二電極22に対して超音波振動が付与された際に、超音波付与部分の封止材9を第一電極21および第二電極22から剥離し難くし、超音波付与部分から押し出され難くすることができる。このように触媒層16の形成位置を適当に選択し、封止材9と貼り合わせる構成要素を封止材9との剥離強度が0.05kgf/10mm以上となるものにすることによっても、超音波付与部分に隣接する封止材9は、第一電極21および第二電極22から剥離し難くなる。これにより、超音波付与部分に隣接する封止材9が第一電極21および第二電極22と良好に密着した状態を容易に保持し、封止材9と第一電極21および第二電極22との間に空隙が生じることを防止することができる。
また、第二実施形態の色素増感太陽電池20Bおよび色素増感太陽電池20Bの製造方法によれば、触媒層16は封止材9の位置に設けられていないので、封止材9が触媒層16に接触せず、所定の方向P1に沿って全体的に第一電極21および第二電極22(すなわち、第一導電膜3および第二導電膜8)と良好に密着可能になる。したがって、上述のように触媒層16としてPEDOTのように封止材9との剥離強度が比較的低い材質が用いられた場合でも、第一電極21および第二電極22に対して超音波振動が付与された際に、超音波付与部分の封止材9および超音波付与部分に隣接する封止材9は、第一電極21および第二電極22から剥離し難くなり、超音波付与部分に隣接する封止材9が第一電極21および第二電極22と良好に密着した状態を容易に保持することができる。また、封止材と第一電極および第二電極との間に空隙が生じることを防止することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、上述の何れの実施形態においても、触媒層16は封止材9の位置には設けられていないが、本発明に係る色素増感太陽電池では、シール部25の近傍に触媒層16が設けられていないことが重要であって、電解液15の液漏れおよび漏電が発生しない範囲で、触媒層16が封止材9の位置に多少設けられていても構わない。前述の「近傍」とは、t例えばシール部25の融着端部から距離3mm以内、より好ましくは距離1mm以内、さらに好ましくは距離0.5mm以内の範囲を表す。
例えば、シール部25の形成方法は、上述のように貼り合わせた第一電極21および第二電極22に対して超音波を付与することによる超音波融着以外の方法であってもよく、プレス張り合わせ、真空張り合わせ、熱融着、またはレーザー融着等を用いてもよい。本発明を適用した電気モジュールおよび電気モジュールの製造方法は、貼り合わせた第一電極21および第二電極22においてシール部25を形成する部分から押し出された封止材9がシール部25を形成する部分に隣接する部分の封止材9を押圧し、第一電極21/第二電極22と封止材9との剥離を発生させる可能性がある場合には広く適用される。
また、本発明を適用した電気モジュールおよび電気モジュールの製造方法では、上述のように第一電極21と封止材9との剥離強度および第二電極22と封止材9との剥離強度が0.05kgf/10mm以上とすることができればよいので、第二電極22の第二導電膜8における第一電極21側の面8aの所定の領域R2に、第二導電膜8および封止材9との剥離強度が少なくとも0.05kgf/10mm以上となる接着剤あるいはその他の構成要素が設けられていてもよい。
本発明は、色素増感型太陽電池等の電気モジュールの分野で利用可能である。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
次に示す材質を用いて、第一実施形態の色素増感太陽電池20Aの製造方法を用いて色素増感太陽電池20Aを製造した。
*第一基材および第二基材…PET
*第一導電膜および第二導電膜…ITO
*半導体層…酸化チタンからなる多孔質層
*触媒層…プラチナ
*電解液…プロピオニトリルなどの非水系溶剤
*封止材…ホットメルト樹脂B(型番:PPET2109、製造元:東亞合成株式会社)
実施例1では、封止材の幅を1mmとすると共に封止材の厚みを40μmとし、第一導電膜と封止材との剥離強度および触媒層と封止材との剥離強度を0.05kgf(/10mm)とした。
実施例1および以下の各例において、剥離強度については、T型剥離強度試験方法に基づき、T字型のピール試験機、電動スタンド(型番:MX2−500N−L、製造販売元:株式会社イマダ)、デジタルフォースゲージ(型番:ZTS−100N、製造販売元:株式会社イマダ)を用いて確認した。
超音波融着を行って製造した色素増感太陽電池20Aを観察したところ、封止材の剥離や電解液の液漏れは見られなかった。
(実施例2)
次に示す材質に変更する以外は実施例1と同様の材質を用いて、第一実施形態の色素増感太陽電池20Aを製造した。
*触媒層…PEDOT
*封止材…ホットメルト樹脂C(型番:HMP−3、製造元:東亞合成株式会社)
実施例2では、封止材の幅を1mmとすると共に封止材の厚みを40μmとし、第一導電膜と封止材との剥離強度を0.08kgf(/10mm)とし、触媒層と封止材との剥離強度を0.05kgf(/10mm)とした。
超音波融着を行って製造した色素増感太陽電池20Aを観察したところ、封止材の剥離や電解液の液漏れは見られなかった。
(実施例3)
次に示す材質に変更する以外は実施例1と同様の材質を用いて、第一実施形態の色素増感太陽電池20Aを製造した。
*封止材…紫外線硬化樹脂(製造元:株式会社コバヤシ)
実施例3では、封止材の幅を1mmとすると共に封止材の厚みを40μmとし、第一導電膜と封止材との剥離強度を0.08kgf(/10mm)とし、触媒層と封止材との剥離強度を0.08kgf(/10mm)とした。
超音波融着を行って製造した色素増感太陽電池20Aを観察したところ、封止材の剥離や電解液の液漏れは見られなかった。
(実施例4)
次に示す材質に変更する以外は実施例1と同様の材質を用いて、第一実施形態の色素増感太陽電池20Aを製造した。
*触媒層…PEDOT
*封止材…紫外線硬化樹脂(製造元:株式会社コバヤシ)
実施例4では、封止材の幅を1mmとすると共に封止材の厚みを40μmとし、第一導電膜と封止材との剥離強度を0.08kgf(/10mm)とし、触媒層と封止材との剥離強度を0.05kgf(/10mm)とした。
超音波融着を行って製造した色素増感太陽電池20Aを観察したところ、封止材の剥離や電解液の液漏れは見られなかった。
(実施例5)
次に示す材質を用いて、第二実施形態の色素増感太陽電池20Bを製造した。ただし、触媒層は第二電極におけるシール部以外全体に形成した。
*第一基材および第二基材…PET
*第一導電膜および第二導電膜…ITO
*半導体層…酸化チタンからなる多孔質層
*触媒層…プラチナ
*電解液…プロピオニトリルなどの非水系溶剤
*封止材…ホットメルト樹脂B(型番:PPET2109、製造元:東亞合成株式会社)
実施例5では、封止材の幅を1mmとすると共に封止材の厚みを40μmとし、第一導電膜と封止材との剥離強度を0.05kgf(/10mm)とし、触媒層と封止材との剥離強度を0.05kgf(/10mm)とした。
超音波融着を行って製造した色素増感太陽電池20Aを観察したところ、封止材の剥離や電解液の液漏れは見られなかった。
(実施例6)
実施例5と同様の材質を用いて、触媒層は封止材の位置に形成しないこと以外は実施例5と同様の条件で、第二実施形態の色素増感太陽電池20Bを製造した。
超音波融着を行って製造した色素増感太陽電池20Aを観察したところ、封止材の剥離や電解液の液漏れは見られなかった。
(実施例7)
実施例1と同様の材質を用い、封止材の幅を0.3mmとすること以外は実施例1と同様の条件で、第一実施形態の色素増感太陽電池20Aを製造した。
超音波融着を行って製造した色素増感太陽電池20Aを観察したところ、封止材の剥離や電解液の液漏れは見られなかった。
(実施例8)
次に示す封止材と、該封止材以外は実施例1と同様の材質を用い、実施例1と同様の条件で、第一実施形態の色素増感太陽電池20Aを製造した。
*封止材…エポキシ接着材(型番:EP001K、製造元:セメダイン株式会社)
超音波融着を行って製造した色素増感太陽電池20Aを観察したところ、封止材の剥離や電解液の液漏れは見られなかった。
(実施例9)
次に示す封止材と、該封止材以外は実施例2と同様の材質を用い、実施例2と同様の条件で、第一実施形態の色素増感太陽電池20Aを製造した。
*封止材…エポキシ接着材(型番:EP001K、製造元:セメダイン株式会社)
超音波融着を行って製造した色素増感太陽電池20Aを観察したところ、封止材の剥離や電解液の液漏れは見られなかった。
(比較例1)
次に示す材質に変更する以外は実施例1と同様の材質を用いて、第一実施形態の色素増感太陽電池20Aを製造した。
*封止材…ホットメルト樹脂A(製品名:ハイミラン、製造元:三井デュポンポリケミカル株式会社)
比較例1では、封止材の幅を1mmとすると共に封止材の厚みを40μmとし、第一導電膜と封止材との剥離強度を0.03kgf(/10mm)とし、触媒層と封止材との剥離強度を0.03kgf(/10mm)とした。
製造した色素増感太陽電池20Aを観察したところ、封止材の剥離および電解液の液漏れが見られた。
(比較例2)
次に示す材質に変更する以外は比較例1と同様の材質を用いて、第一実施形態の色素増感太陽電池20Aを製造した。
*触媒層…PEDOT
比較例2では、封止材の幅を1mmとすると共に封止材の厚みを40μmとし、第一導電膜と封止材との剥離強度を0.03kgf(/10mm)とし、触媒層と封止材との剥離強度を0.02kgf(/10mm)とした。
製造した色素増感太陽電池20Aを観察したところ、封止材の剥離および電解液の液漏れが見られた。
(比較例3)
次に示す材質に変更する以外は実施例1と同様の材質を用いて、第一実施形態の色素増感太陽電池20Aを製造した。
*触媒層…PEDOT
*封止材…ホットメルト樹脂B(型番:PPET2109、製造元:東亞合成株式会社)
比較例3では、封止材の幅を1mmとすると共に封止材の厚みを40μmとし、第一導電膜と封止材との剥離強度を0.05kgf(/10mm)とし、触媒層と封止材との剥離強度を0.03kgf(/10mm)とした。
製造した色素増感太陽電池20Aを観察したところ、封止材の剥離および電解液の液漏れが見られた。
(比較例4)
実施例1と同様の材質を用い、封止材の幅を0.2mmとすること以外は実施例1と同様の条件で、第一実施形態の色素増感太陽電池20Aを製造した。
製造した色素増感太陽電池20Aを観察したところ、封止材の剥離および電解液の液漏れが見られた。
(比較例5)
次に示す材質に変更する以外は比較例1と同様の材質を用いて、触媒層と封止材との間に瞬間接着剤(製品名:Scotch-Weld、製造元:3M)を設け、第一実施形態の色素増感太陽電池20Aを製造した。
*触媒層…PEDOT
比較例5では、封止材および瞬間接着剤の幅を1mmとすると共に封止材の厚みを40μmとし、第一導電膜と封止材との剥離強度を1.1kgf(/10mm)とし、触媒層と封止材との剥離強度を1.1kgf(/10mm)とした。
製造した色素増感太陽電池20Aを観察したところ、封止材の破壊が見られ、第一導電膜および第二導電膜の形成位置において抵抗値の上昇が確認された。
以上説明した各実施例及び各比較例の結果を表1に示す。
Figure 0006918521
上述の各実施例及び各比較例の評価等によれば、第一電極と封止材との剥離強度および第二電極と封止材との剥離強度を0.05kgf/10mm以上とすることで、封止材を挟んで隣り合う電解質同士の接触、および封止材同士の間の配線への電解質の接触が良好に防止され、封止材の剥離や電解液の液漏れ等の色素増感太陽電池の動作不良の発生を防ぐことができることを確認した。
1…第一基材、6…第二基材、9…封止材、15…電解液、20A,20B…色素増感太陽電池(電気モジュール)、21…第一電極、22…第二電極、25…シール部

Claims (5)

  1. 第一電極と、
    前記第一電極と間隔をあけて対向する第二電極と、
    前記第一電極と前記第二電極との間に設けられた電解質と、を備え、
    前記第一電極は、第一基材と、前記第一基材における前記第二電極側の面に設けられた第一導電膜と、前記第一導電膜における前記第二電極側の面の半導体層配置領域に設けられた半導体層と、を有し、
    前記第二電極は、第二基材と、前記第二基材における前記第一電極側の面に設けられた第二導電膜と、前記第二導電膜における前記第一電極側の面の少なくとも一部に設けられた触媒層と、を有し、
    前記電解質は前記第一電極と前記第二電極との間に設けられた封止材および前記第一基材と前記第二基材とが貼り合わされたシール部によって封止され、
    前記封止材の幅が0.3mm以上7mm以下であり、
    前記第一電極と前記封止材との剥離強度および前記第二電極と前記封止材との剥離強度が0.05kgf/10mm以上1kgf/10mm以下であることを特徴とする電気モジュール。
  2. 前記触媒層は前記第二導電膜における前記第一電極側の面全体に設けられている請求項1に記載の電気モジュール。
  3. 前記触媒層は前記シール部に設けられていない請求項1に記載の電気モジュール。
  4. 前記触媒層は前記封止材の位置に設けられていない請求項1または請求項3に記載の電気モジュール。
  5. 請求項1から請求項4の何れか一項に記載の電気モジュールを製造する電気モジュールの製造方法であって、
    前記第一電極と間隔をあけて前記第二電極を対向させ、
    前記第一電極の前記第一導電膜における前記第二電極側の面の電解質配置領域に前記電解質を設ける工程と、
    前記第一電極の前記第一導電膜における前記第二電極側の面の前記電解質配置領域とは異なる領域に、幅が0.3mm以上7mm以下の封止材を設ける工程と、
    前記第一電極と前記封止材とを貼り合わせるとともに前記第二電極と前記封止材とを貼り合わせ、前記第一電極と前記封止材との剥離強度および前記第二電極と前記封止材との剥離強度を0.05kgf/10mm以上1kgf/10mm以下とする工程と、
    所定の位置で前記第一基材と前記第二基材とを貼り合わせて前記シール部を形成する工程と、
    を備えていることを特徴とする電気モジュールの製造方法。
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