JP6918352B2 - フォトルミネッセント材料として有用なポリマー - Google Patents

フォトルミネッセント材料として有用なポリマー Download PDF

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Description

本発明は、フォトルミネッセント材料として有用なポリマーに関する。ここで「フォトルミネッセント(photoluminescent)材料」とは、「フォトルミネセンス(photoluminescence、即ち、光照射によって可視光を発光する現象)を利用する用途に用いられる材料」を意味する。
光照射によって可視光(一般に、波長が380nm以上830nm未満の光)を発光するフォトルミネッセント材料は、照明装置、液晶ディスプレイのバックライトなどの発光装置等に使用されている。
これまで、フォトルミネッセント材料として様々な有機材料(例えば、発光ポリマー)および無機材料が提案されている。例えば、非特許文献1には、発光ポリマーとして、ポリ(フェニルアセチレン)が記載されている。
JACKY W. Y. LAM, BEN ZHONG TANG, Journal of Polymer Science: Part A: Polymer Chemistry, Vol. 41, 2607-2629 (2003)
本発明は、フォトルミネッセント材料として有用な新規ポリマーを提供することにある。
本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、アルキニル基または置換アルキニル基含有ビフェニル構造を含む側鎖を有するポリ(メタ)アクリレートがフォトルミネッセント材料として有用であることを見出した。この知見に基づく本発明は以下の通りである。
[1] 式(I):
Figure 0006918352
[式(I)中、
*は、結合位置を示し、
は、水素原子またはメチルを示し、
mは、2〜24の整数を示し、
m個のRおよびm個のRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC1−6アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6−14アリール基、または−Si(R)(R)(R)(前記式中、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC1−6アルコキシ基、または置換基を有していてもよいC6−14アリール基を示す。)を示し、
nおよびpは、それぞれ独立に、0〜4の整数を示し、
n個のRおよびp個のRは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC1−6アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6−14アリール基、または−Si(R10)(R11)(R12)(前記式中、R10、R11およびR12は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC1−6アルコキシ基、または置換基を有していてもよいC6−14アリール基を示す。)を示し、および
は、水素原子、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC1−6アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6−14アリール基、または−Si(R13)(R14)(R15)(前記式中、R13、R14およびR15は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC1−6アルコキシ基、または置換基を有していてもよいC6−14アリール基を示す。)を示す。]
で表される構成単位の少なくとも1種を含むポリマー。
[2] m個のRおよびm個のRが水素原子であり、nおよびpが0である前記[1]に記載のポリマー。
[3] Rが、水素原子または−Si(R13)(R14)(R15)(前記式中、R13、R14およびR15は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基を示す。)である前記[1]または[2]に記載のポリマー。
[4] 前記[1]〜[3]のいずれか一つに記載のポリマーからなるフォトルミネッセント材料。
[5] ポリマーがガラス状態であり、紫外線照射によって深青色光を発光する前記[4]に記載のフォトルミネッセント材料。
[6] 深青色光のピーク波長が370〜420nmである前記[5]に記載のフォトルミネッセント材料。
[7] 深青色光が偏光である前記[5]または[6]に記載のフォトルミネッセント材料。
[8] ポリマーが配向性ガラス状態であり、紫外線照射によって白色光を発光する前記[4]に記載のフォトルミネッセント材料。
[9] 前記[4]〜[8]のいずれか一つに記載のフォトルミネッセント材料を含む発光装置。
本発明のポリマーは、紫外線照射によって可視光を発光することができ、フォトルミネッセント材料として有用である。
試験例1で測定したポリマーP-Si、ポリマーP-H およびポリマーP-C4 の室温での発光スペクトルを示すグラフである(点線:ポリマーP-Si の発光スペクトル、破線:ポリマーP-Hの発光スペクトル、実線:ポリマーP-C4)。 試験例2で測定したポリマーP-Si の発光スペクトルの加熱による変化を示すグラフである。 試験例2で測定したポリマーP-H の発光スペクトルの加熱による変化を示すグラフである。 試験例2で測定したポリマーP-C4 の発光スペクトルの加熱による変化を示すグラフである。 試験例3で測定したポリマーP-Si の発光スペクトルの冷却による変化を示すグラフである。 試験例3で測定したポリマーP-H の発光スペクトルの冷却による変化を示すグラフである。 試験例1、試験例3および試験例4で測定したポリマーP-Si の発光スペクトルを示すグラフである(実線:試験例1で測定した加熱前のポリマーP-Si の室温での発光スペクトル、点線:試験例3で測定した加熱後(150℃)のポリマーP-Si の発光スペクトル、破線:試験例4で測定した機械的刺激後のポリマーP-Si の室温での発光スペクトル)。 試験例1、試験例3および試験例4で測定したポリマーP-H の発光スペクトルを示すグラフである(実線:試験例1で測定した加熱前のポリマーP-H の室温での発光スペクトル、点線:試験例3で測定した加熱後(110℃)のポリマーP-H の発光スペクトル、破線:試験例4で測定した機械的刺激後のポリマーP-H の室温での発光スペクトル)。 試験例5で測定したポリマーP-Si の室温での偏光発光スペクトルを示すグラフである(実線:ビフェニル構造の長軸の配向方向に平行な偏光発光スペクトル、点線:ビフェニル構造の長軸の配向方向に垂直な偏光発光スペクトル)。 試験例5で測定したポリマーP-H の室温での偏光発光スペクトルを示すグラフである(実線:ビフェニル構造の長軸の配向方向に平行な偏光発光スペクトル、点線:ビフェニル構造の長軸の配向方向に垂直な偏光発光スペクトル)。
本発明は、フォトルミネッセント材料として有用な、下記式(I)で表される構成単位の少なくとも1種を含むポリマーを提供する。
Figure 0006918352
以下、「式(I)で表される構成単位」を「構成単位(I)」と略称することがある。他の化学式で表される構成単位、化合物およびポリマーも同様に略称することがある。また、「構成単位(I)の少なくとも1種を含むポリマー」を「ポリマー(I)」と略称することがある。
ポリマー(I)中の構成単位(I)は、1種のみでもよく、2種以上でもよい。ポリマー(I)中の構成単位(I)は、好ましくは1種のみである。また、発光に悪影響を及ぼさない範囲で、ポリマー(I)は、構成単位(I)とは異なる他の構成単位を含んでいてもよい。ポリマー(I)中の他の構成単位の量は、ポリマー(I)中の全構成単位(即ち、全繰り返し単位)100molに対して、好ましくは70mol以下、より好ましくは50mol以下である。さらに好ましくは、ポリマー(I)は他の構成単位を含まない(即ち、ポリマー(I)は構成単位(I)の少なくとも1種からなる)。特に好ましくは、ポリマー(I)は構成単位(I)の1種からなる。
次に、基の定義について説明する。
本明細書中、「Cx−y」とは、炭素原子数がx以上y以下(x、y:整数)であることを意味する。
本明細書中、「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
本明細書中、「C1−6アルキル基」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチルが挙げられる。C1−6アルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6−14アリール基が挙げられる。
本明細書中、「C1−6アルコキシ基」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシが挙げられる。C1−6アルコキシ基が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6−14アリール基が挙げられる。
本明細書中、「C6−14アリール基」としては、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントリル、2−アントリル、9−アントリルが挙げられる。C6−14アリール基が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基が挙げられる。
次に、式(I)中の記号について説明する。
式(I)中のRは、水素原子またはメチルを示す。
式(I)中のmは、2〜24の整数を示す。mが2未満であると、ポリマー(I)が液晶性を示さず、後述するような偏光を発光しなくなるおそれがある。一方、mが24を超えると、ポリマー主鎖とビフェニル構造を含む側鎖とが分離され、ビフェニル構造(発光団)が主鎖と独立して運動するようになり、白色発光を示さないおそれがある。mは、好ましくは5〜18の整数であり、より好ましくは6〜12の整数であり、さらに好ましくは6である。
式(I)中のm個のRおよびm個のRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC1−6アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6−14アリール基、または−Si(R)(R)(R)(前記式中、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC1−6アルコキシ基、または置換基を有していてもよいC6−14アリール基を示す。)を示す。
m個のRは、互いに同じでも、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。また、m個のRは、互いに同じでも、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。また、RおよびRは、互いに同じでも、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
、RおよびRは、それぞれ独立に、好ましくは置換基を有していてもよいC1−6アルキル基であり、より好ましくはC1−6アルキル基であり、さらに好ましくはメチルである。R、RおよびRは、互いに同じでも、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
m個のRおよびm個のRは、それぞれ独立に、好ましくは水素原子または置換基を有していてもよいC1−6アルキル基であり、より好ましくは水素原子またはC1−6アルキル基であり、さらに好ましくは水素原子である。
式(I)中のnおよびpは、それぞれ独立に、0〜4の整数を示す。nおよびpは、それぞれ独立に、好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0または1であり、さらに好ましくは0である。
式(I)中のn個のRおよびp個のRは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC1−6アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6−14アリール基、または−Si(R10)(R11)(R12)(前記式中、R10、R11およびR12は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC1−6アルコキシ基、または置換基を有していてもよいC6−14アリール基を示す。)を示す。
nが2以上である場合、n個のRは、互いに同じでも、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。また、pが2以上である場合、p個のRは、互いに同じでも、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。また、RおよびRは、互いに同じでも、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
10、R11およびR12は、それぞれ独立に、好ましくは置換基を有していてもよいC1−6アルキル基であり、より好ましくはC1−6アルキル基であり、さらに好ましくはメチルである。R10、R11およびR12は、互いに同じでも、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
n個のRおよびp個のRは、それぞれ独立に、好ましくはハロゲン原子、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、または置換基を有していてもよいC1−6アルコキシ基であり、より好ましくはハロゲン原子または置換基を有していてもよいC1−6アルキル基であり、さらに好ましくはハロゲン原子またはC1−6アルキル基である。
式(I)中のRは、水素原子、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC1−6アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6−14アリール基、または−Si(R13)(R14)(R15)(前記式中、R13、R14およびR15は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC1−6アルコキシ基、または置換基を有していてもよいC6−14アリール基を示す。)を示す。
は、好ましくは水素原子または−Si(R13)(R14)(R15)(前記式中、R13、R14およびR15は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基を示す。)であり、より好ましくは水素原子または−Si(R13)(R14)(R15)(前記式中、R13、R14およびR15は、それぞれ独立に、C1−6アルキル基を示す。)であり、さらに好ましくは水素原子または−Si(CHである。
式(I)中の基の好ましい組合せは以下の通りである:
は、水素原子またはメチルであり、
mは、5〜18の整数であり、
m個のRおよびm個のRは、それぞれ独立に、水素原子または置換基を有していてもよいC1−6アルキル基であり、
nおよびpは、それぞれ独立に、0〜2の整数であり、
n個のRおよびp個のRは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、または置換基を有していてもよいC1−6アルコキシ基であり、および
は、水素原子または−Si(R13)(R14)(R15)(前記式中、R13、R14およびR15は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基を示す。)である。
式(I)中の基のより好ましい組合せは以下の通りである:
は、水素原子またはメチルであり、
mは、6〜12の整数であり、
m個のRおよびm個のRは、それぞれ独立に、水素原子またはC1−6アルキル基であり、
nおよびpは、それぞれ独立に、0または1であり、
n個のRおよびp個のRは、それぞれ独立に、ハロゲン原子または置換基を有していてもよいC1−6アルキル基であり、および
は、水素原子または−Si(R13)(R14)(R15)(前記式中、R13、R14およびR15は、それぞれ独立に、C1−6アルキル基を示す。)である。
式(I)中の基のさらに好ましい組合せは以下の通りである:
は、水素原子またはメチルであり、
mは、6であり、
m個のRおよびm個のRは、水素原子であり、
nおよびpは、0であり、および
は、水素原子または−Si(CHである。
ポリマー(I)の数平均分子量(Mn)は、好ましくは1,000〜500,000、より好ましくは5,000〜300,000、さらに好ましくは10,000〜200,000である。この数平均分子量は、ポリスチレンを標準として使用するゲル浸透クロマトグラフ法(GPC)によって測定される値である。詳しくは、後述の実施例に記載する装置および条件を使用する方法、またはこれに準ずる方法によって、数平均分子量を測定することができる。
ポリマー(I)は、例えば、下記式に示すように、工程(A)〜工程(C)を経て製造することができる[下記式中の各記号は上記の通りである。]。但し、本発明は以下の製造方法に限定されず、他の方法によってポリマー(I)を製造してもよい。
Figure 0006918352
<工程(A)>
工程(A)は、化合物(1)と化合物(2)とを反応させて、化合物(3)を合成する工程である。化合物(2)の使用量は、化合物(1)1molに対して、好ましくは1〜3mol、より好ましくは1.2〜2molである。
化合物(1)としては、市販品を使用してもよく、公知の方法で合成したものを使用してもよい。当業者であれば、例えば、nおよびpが0である無置換の化合物(1)に、公知の方法で置換基を導入して、その誘導体を合成することができる。
化合物(2)としては、市販品を使用してもよく、公知の方法で合成したものを使用してもよい。例えば、1,6−ジブロモヘキサン等のRおよびRが水素原子である無置換の化合物(2)は市販されている。また、当業者であれば、無置換の化合物(2)に、公知の方法で置換基を導入して、その誘導体を合成することができる。
化合物(1)と化合物(2)との反応は、通常、溶媒中で行われる。この溶媒としては、例えば、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、メチルエチルケトン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。溶媒の使用量は、化合物(1)1gに対して、好ましくは5〜100mL、より好ましくは15〜50mLである。
化合物(1)と化合物(2)との反応温度は、好ましくは20〜100℃、より好ましくは50〜100℃であり、その反応時間は、好ましくは12〜72時間、より好ましくは12〜24時間である。
化合物(1)と化合物(2)との反応は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の塩基性化合物、18−クラウン−6、テトラブチルアンモニウムクロリド等の相関移動触媒、およびヨウ化カリウム(KI)、ヨウ化ナトリウム等のヨウ化物の存在下で行うことが好ましい。塩基性化合物の使用量は、化合物(1)1molに対して、好ましくは1〜5mol、より好ましくは1〜2molである。相関移動触媒の使用量は、化合物(1)1molに対して、好ましくは0.01〜1mol、より好ましくは0.1〜0.5molである。ヨウ化物の使用量は、化合物(1)1molに対して、好ましくは0.01〜1mol、より好ましくは0.1〜0.5molである。
反応の終了後、濾過等の公知の手段によって化合物(3)を回収することができる。回収した化合物(3)を、抽出等の公知の手段によって精製してもよい。
<工程(B)>
工程(B)は、化合物(3)と化合物(4)(即ち、(メタ)アクリル酸)とを反応させて、化合物(5)を合成する工程である。化合物(4)の使用量は、化合物(3)1molに対して、好ましくは1〜10mol、より好ましくは1〜3molである。化合物(4)は市販品を使用することができる。
化合物(3)と化合物(4)との反応は、通常、溶媒中で行われる。この溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。溶媒の使用量は、化合物(3)1gに対して、好ましくは5〜50mL、より好ましくは10〜20mLである。また、この反応は、アルゴン等の不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
化合物(3)と化合物(4)との反応温度は、好ましくは10〜50℃、より好ましくは20〜30℃であり、その反応時間は、好ましくは4〜72時間、より好ましくは4〜24時間である。
化合物(3)と化合物(4)との反応は、炭酸セシウムの存在下で行うことが好ましい。炭酸セシウムの使用量は、化合物(1)1molに対して、好ましくは0.5〜3mol、より好ましくは0.5〜1molである。
化合物(3)と化合物(4)との反応はヒドロキノン、t−ブチルカテコールのなどの重合禁止剤の存在下で行ってもよい。
反応の終了後、溶媒留去等の公知の手段によって化合物(5)を回収することができる。回収した化合物(5)を、抽出、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶等の公知の手段によって精製してもよい。
<工程(C)>
工程(C)は、モノマーである化合物(5)を重合してポリマー(I)を合成する工程である。
化合物(5)の重合は、通常、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、過酸化ベンゾイル等の重合開始剤の存在下で行われる。重合開始剤の使用量は、化合物(5)1molに対して、好ましくは0.01〜0.2mol、より好ましくは0.02〜0.1molである。
化合物(5)の重合は、通常、溶媒中で行われる。この溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ベンゼン等が挙げられる。溶媒の使用量は、化合物(5)1gに対して、好ましくは0〜100mL、より好ましくは0〜10mLである。
化合物(5)の重合温度は、好ましくは0〜120℃、より好ましくは40〜80℃であり、その重合時間は、好ましくは8〜72時間、より好ましくは12〜48時間である。
重合の終了後、濾過等の公知の手段によってポリマー(I)を回収することができる。回収したポリマー(I)を、再沈殿等の公知の手段によって精製してもよい。
また、式(I)中のRが−Si(R13)(R14)(R15)であるポリマー(I−1)および式(I)中のRが水素原子であるポリマー(I−2)は、例えば、下記式に示すように、工程(A’)〜工程(E)を経て製造することができる[下記式中の各記号は上記の通りである。]。但し、本発明は以下の製造方法に限定されず、他の方法によってポリマー(I)を製造してもよい。
Figure 0006918352
<工程(A’)>
工程(A’)は、化合物(6)と化合物(2)とを反応させて、化合物(7)を合成する工程である。工程(A’)は、化合物(1)を化合物(6)に変更すること以外は工程(A)と同様にして行うことができる。
化合物(6)としては、市販品を使用してもよく、公知の方法で合成したものを使用してもよい。例えば、4−ブロモ−4’−ヒドロキシビフェニル等のnおよびpが0である無置換の化合物(6)は市販されている。また、当業者であれば、無置換の化合物(6)に、公知の方法で置換基を導入して、その誘導体を合成することができる。
<工程(D)>
工程(D)は、化合物(7)と化合物(8)とを反応させて、化合物(9)を合成する工程である。化合物(8)の使用量は、化合物(7)1molに対して、好ましくは1〜10mol、より好ましくは1.5〜3molである。化合物(8)としては、例えばトリメチルシリルアセチレン等の市販品を使用することができる。
化合物(7)と化合物(8)との反応は、通常、溶媒中で行われる。この溶媒としては、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル等が挙げられる。溶媒の使用量は、化合物(7)1gに対して、好ましくは5〜50mL、より好ましくは10〜20mLである。また、この反応は、アルゴン等の不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
化合物(7)と化合物(8)との反応温度は、好ましくは60〜120℃、より好ましくは80〜100℃であり、その反応時間は、好ましくは5〜100時間、より好ましくは10〜70時間である。
化合物(7)と化合物(8)との反応は、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(PdCl(PPh)等のパラジウム化合物、ヨウ化銅(I)(CuI)等の銅塩、およびトリフェニルホスフィン(PPh)等のホスフィン化合物の存在下で行うことが好ましい。パラジウム化合物の使用量は、化合物(7)1molに対して、好ましくは0.01〜1mol、より好ましくは0.2〜0.5molである。銅塩の使用量は、化合物(7)1molに対して、好ましくは0.01〜1mol、より好ましくは0.2〜0.5molである。ホスフィン化合物の使用量は、化合物(7)1molに対して、好ましくは0.01〜1mol、より好ましくは0.2〜0.5molである。
反応の終了後、濾過等の公知の手段によって化合物(9)を回収することができる。回収した化合物(9)を、抽出、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の公知の手段によって精製してもよい。
<工程(B’)>
工程(B’)は、化合物(9)と化合物(4)(即ち、(メタ)アクリル酸)とを反応させて、化合物(10)を合成する工程である。工程(B’)は、化合物(3)を化合物(9)に変更すること以外は工程(B)と同様にして行うことができる。
<工程(C’)>
工程(C’)は、モノマーである化合物(10)を重合してポリマー(I−1)を合成する工程である。工程(C’)は、化合物(5)を化合物(10)に変更すること以外は工程(C)と同様にして行うことができる。
<工程(E)>
工程(E)は、ポリマー(I−1)の−Si(R13)(R14)(R15)を除去して、ポリマー(I−2)を合成する工程である。
−Si(R13)(R14)(R15)の除去のために、フッ化テトラブチルアンモニウム、炭酸カリウム等の脱シリル化試薬を使用する。脱シリル化試薬の使用量は、ポリマー(I−1)中の繰り返し単位1molに対して、好ましくは1〜10mol、より好ましくは2〜3molである。
−Si(R13)(R14)(R15)の除去は、通常、溶媒中で行われる。この溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、メタノール等が挙げられる。溶媒の使用量は、ポリマー(I−1)1gに対して、好ましくは5〜50mL、より好ましくは10〜20mLである。
−Si(R13)(R14)(R15)の除去のための温度は、好ましくは20〜60℃、より好ましくは20〜40℃であり、そのための時間は、好ましくは1〜20時間、より好ましくは2〜6時間である。
除去の終了後、濾過等の公知の手段によってポリマー(I−1)を回収することができる。回収したポリマー(I−1)を、再沈殿等の公知の手段によって精製してもよい。
また、ポリマー(I)は、例えば、下記式に示すように、工程(F)〜工程(C)を経て製造することができる[下記式中の各記号は上記の通りである。]。但し、本発明は以下の製造方法に限定されず、他の方法によってポリマー(I)を製造してもよい。
Figure 0006918352
<工程(F)>
工程(F)は、化合物(6)と化合物(11)とを反応させて、化合物(12)を合成する工程である。化合物(11)の使用量は、化合物(6)1molに対して、好ましくは1〜5mol、より好ましくは1〜2molである。
化合物(6)としては、市販品を使用してもよく、公知の方法で合成したものを使用してもよい。当業者であれば、例えば、nおよびpが0である無置換の化合物(6)に、公知の方法で置換基を導入して、その誘導体を合成することができる。
化合物(11)としては、市販品を使用してもよく、公知の方法で合成したものを使用してもよい。例えば、6−クロロ−1−ヘキサノール等のRおよびRが水素原子である無置換の化合物(11)は市販されている。また、当業者であれば、無置換の化合物(11)に、公知の方法で置換基を導入して、その誘導体を合成することができる。
化合物(6)と化合物(11)との反応は、通常、溶媒中で行われる。この溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)等が挙げられる。溶媒の使用量は、化合物(6)1gに対して、好ましくは10〜100mL、より好ましくは10〜50mLである。
化合物(6)と化合物(11)との反応温度は、好ましくは30〜150℃、より好ましくは50〜100℃であり、その反応時間は、好ましくは3〜48時間、より好ましくは10〜24時間である。
化合物(6)と化合物(11)との反応は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の塩基性化合物、およびヨウ化カリウム(KI)、ヨウ化ナトリウム等のヨウ化物の存在下で行うことが好ましい。塩基性化合物の使用量は、化合物(6)1molに対して、好ましくは1〜5mol、より好ましくは1.2〜2.5molである。ヨウ化物の使用量は、化合物(6)1molに対して、好ましくは0.02〜1mol、より好ましくは0.04〜0.8molである。
反応の終了後、濾過等の公知の手段によって化合物(12)を回収することができる。回収した化合物(12)を、抽出、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の公知の手段によって精製してもよい。
<工程(D’)>
工程(D’)は、化合物(12)と化合物(13)とを反応させて、化合物(14)を合成する工程である。工程(D’)は、化合物(7)を化合物(12)に変更し、化合物(8)を化合物(13)に変更すること以外は工程(D)と同様にして行うことができる。
化合物(13)としては、例えば1−ヘキシン等の市販品を使用することができる。
反応の終了後、濾過等の公知の手段によって化合物(14)を回収することができる。回収した化合物(14)を、抽出、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の公知の手段によって精製してもよい。
<工程(G)>
工程(G)は、化合物(14)(即ち、アルコール)と化合物(15)(即ち、塩化(メタ)アクリロイル)とを反応させることによって、化合物(5)を合成する工程である。化合物(15)の使用量は、化合物(14)1molに対して、好ましくは1〜5mol、より好ましくは1.2〜3molである。化合物(15)は市販品を使用することができる。
化合物(14)と化合物(15)との反応は、通常、溶媒中で行われる。この溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン(THF)等が挙げられる。溶媒の使用量は、化合物(14)1gに対して、好ましくは10〜100mL、より好ましくは10〜30mLである。
化合物(14)と化合物(15)との反応温度は、好ましくは0〜50℃、より好ましくは0〜40℃であり、その反応時間は、好ましくは1〜24時間、より好ましくは1〜20時間である。
化合物(14)と化合物(15)との反応は、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基性化合物の存在下で行うことが好ましい。塩基性化合物の使用量は、化合物(14)1molに対して、好ましくは1〜5mol、より好ましくは1.2〜3molである。
反応の終了後、溶媒留去等の公知の手段によって化合物(5)を回収することができる。回収した化合物(5)を、抽出、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶等の公知の手段によって精製してもよい。
<工程(C)>
工程(C)は、モノマーである化合物(5)を重合してポリマー(I)を合成する工程である。工程(C)の説明は、上述の通りである。
本発明は、ポリマー(I)からなるフォトルミネッセント材料を提供する。本発明のフォトルミネッセント材料は、1種のポリマー(I)のみであってもよく、2種以上のポリマー(I)の混合物であってもよい。また、本発明のフォトルミネッセント材料は、他の公知のフォトルミネッセント材料と併用してもよい。
ポリマー(I)がガラス状態である場合、紫外線照射によって深青色(deep blue)光を発光することができる。深青色光のピーク波長は、好ましくは370〜450nm、より好ましくは380〜420nmである。
上述の深青色光は、好ましくは偏光である。通常、液晶ディスプレイ等では、光源からの非偏光を偏光板に通過させて偏光を得ている。しかし、光を偏光板に通過させると、光源から発光した全ての光を使用することができない。一方、ガラス状態であるポリマー(I)からなる本願発明のフォトルミネッセント材料は、偏光を発光するため、偏光板を通過させる必要がなく、発光した全ての光を使用することができる。また、本発明のフォトルミネッセント材料を使用すれば、偏光板を省略できるため、発光装置、およびこの発光装置を含む液層ディスプレイ等のサイズを小型化することができる。
ポリマー(I)が偏光を発光するのは、ポリマー(I)が液晶性を示すためであると推定される。また、この液晶性は、おそらく式(I)中のリンカー部分である−(C(R)(R))−(前記式中のmは2以上である)に起因すると推定される。但し、本発明はこのような推定に限定されない。
ポリマー(I)が配向性ガラス状態である場合、紫外線照射によって白色光を発光することができる。白色光を発光できるポリマー(I)は、照明装置等への応用が強く期待される。ここで配向性ガラス状態とは、側鎖が配向した状態のまま主鎖がガラス化して固化した状態を意味する。また、ポリマーがガラス状態または配向性ガラス状態のいずれであるかは、偏光顕微鏡を用いて観察する複屈折性の有無、偏光吸収スペクトル法、偏光発光スペクトル法等によって判定することができる。
ポリマー(I)が配向性ガラス状態で白色光を発光するのは、−C≡C−R部分に起因すると推定される。但し、本発明はこのような推定に限定されない。
上述したポリマー(I)の製造方法では、ポリマー(I)は、ガラス状態で得られる。このガラス状態のポリマー(I)を、ガラス転移温度よりも高い温度に加熱した後、冷却させることによって、室温でも配向性ガラス状態であるポリマー(I)を製造することができる。詳しくは、ポリマー(I)を、好ましくは1〜20℃/分(より好ましくは1〜10℃/分)の速度で、室温からガラス転移温度よりも高い温度に加熱した後、好ましくは1〜20℃/分(より好ましくは1〜10℃/分)の速度で、室温まで冷却させることによって、配向性ガラス状態のポリマー(I)を製造することができる。
本発明は、上述した本発明のフォトルミネッセント材料を含む発光装置を提供する。発光装置としては、例えば、日常生活に用いられる照明装置、液晶ディスプレイのバックライト等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、上記・下記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
化合物およびポリマーの同定
下記実施例で得られた化合物およびポリマーの1H NMR、元素分析およびゲル浸透クロマトグラフ法 (GPC) を以下のようにして実施した。
(a)1H NMR
下記実施例で得られた化合物およびポリマーの1H NMR を、JEOL ECS-400を用いて実施した。
(b)元素分析
下記実施例で得られた化合物の元素分析を、MICRO CORDER JM10 (J-SCIENCE)を用いて実施した。
(c)ゲル浸透クロマトグラフ法 (GPC)
下記実施例で得られたポリマーの数平均分子量(Mn) および重量平均分子量 (Mw) を、GPC により測定した。詳しくは、HLC-8020(東ソー)およびGPCカラム (KF-802.5, Shodex) を用い、THFを展開溶媒とし、40 ℃で流速1.0 mL min-1の条件で測定を行った。Mn および Mw は標準ポリスチレンを用いてキャリブレーションした。
実施例1:ポリマーP-Si の合成
(a)化合物S1 の合成
Figure 0006918352
4-ブロモ-4'-ヒドロキシビフェニル (2.5 g, 10 mmol)、炭酸カリウム (2.8 g, 20 mmol)、18-クラウン-6 (0.26 g, 1.0 mmol)、KI (0.17 g, 1.00 mmol)、および1,6-ジブロモヘキサン (4.9 g, 20 mmol) を50 mLのアセトンに懸濁し、50 ℃で24 時間撹拌した。沈殿物を濾別し、溶媒を留去した。残渣にヘキサンを加えて、生成した沈殿物を濾過により回収した。得られた固体をジクロロメタンに溶解し、水、飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して、化合物S1 の白色結晶3.3 g (8.0 mmol) を収率80%で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, δ): 7.52 (dd, J = 11.6 and 1.3 Hz, 2H; 2,6-H in biphenyl), 7.49 (dd, J = 11.9 and 1.1 Hz, 2H; 3',5'-H in biphenyl), 7.42 (dd, J = 9.3 and 1.4 Hz, 2H, 3,5-H in biphenyl), 6.96 (dd, J = 10.2 and 2.5 Hz, 2H; 2',6'-H in biphenyl), 4.00 (t, J = 6.5 Hz, 2H; OCH2), 3.43 (t, J = 6.3 Hz, 2H; BrCH2), 1.91-1.89 (m, 2H; OCH2CH2), 1.84-1.81 (m, 2H; BrCH2CH2), and 1.55-1.51 (m, 4H; BrCH2CH2CH2CH2).
(b)化合物S2 の合成
Figure 0006918352
化合物S1 (3.2 g, 7.8 mmol)、PdCl2(PPh3)2(0.16 g, 0.23 mmol)、CuI (95 mg, 0.31 mmol) およびPPh3(81 mg, 0.31 mmol)を30 mLのトリエチルアミンに溶解し、アルゴン雰囲気下で撹拌した。この溶液に1.5 gのトリメチルシリルアセチレン (15 mmol)をゆっくりと加え、反応混合物を 80 ℃で65 時間撹拌した。溶媒を留去した後、残渣をジクロロメタンに溶かし、水、飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン/ヘキサン = 1/6 (体積比))で精製し、1.9 g (4.4 mmol)の化合物S2 を収率56%で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, δ): 7.59-7.32 (m, 6H; CH in biphenyl), 6.97 (dd, J = 9.8 and 1.5 Hz, 2H; CH in biphenyl), 4.00 (t, J = 6.9 Hz, 2H; OCH2), 3.43 (t, J = 6.2 Hz, 2H; BrCH2), 1.90-1.85 (m, 2H; OCH2CH 2), 1.83-1.78 (m, 2H; BrCH2CH 2), and 1.55-1.48 (m, 4H; CH2), and 0.26 (s; 9H; Si(CH3)3).
(c)化合物M-Si の合成
Figure 0006918352
化合物S2 (1.9 g, 4.4 mmol)、メタクリル酸 (0.75 g, 9.0 mmol) および炭酸セシウム (1.50 g, 4.50 mmol)を25 mLのDMF に加え、アルゴン雰囲気下にて室温で24 時間撹拌した。溶媒を減圧留去した後、残渣をジクロロメタンに溶解して飽和食塩水で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン/ヘキサン = 1/2 (体積比))で精製した。さらに、エタノール/水の混合溶媒(1/10 (体積比))から再結晶し、1.4 gの化合物M-Si (3.2 mmol)を収率73%で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, δ): 7.54-7.49 (m, 6H; 2,3,5,6,2',6'-H in biphenyl), 6.95 (dd, J = 9.9 and 1.4 Hz, 2H; 3',5'-H in biphenyl), 6.09 (s, 1H; Z-CHCCH3), 5.55 (s; 1H, E-CHCCH3), 4.18 (t, J = 6.6 Hz, 2H; COOCH2), 3.99 (t, J = 6.0 Hz, 2H; PhOCH2), 1.94 (s, 3H; CH3CCH2), 1.82 (quint, J = 5.6 Hz, 2H; COOCH2CH2), 1.72 (quint, J = 5.9 Hz, 2H; PhOCH2CH2), 1.43-1.53 (m, 4H Hz, 2OCH2CH2CH2), and 0.26 (s, 9H; Si(CH3)3).
元素分析. calcd for C27H34O3Si7: C 74.61, H 7.88, Si 6.46; found: C 74.47, H 7.94.
(d)ポリマーP-Si の合成
Figure 0006918352
M-Si (1.4 g, 3.2 mmol)と2,2'-アゾビス(イソブチロニトリル) (AIBN) (26 mg, 0.16 mmol)を14 mLのDMFに溶解し、凍結融解サイクルを繰り返して脱気した。この溶液を60 ℃で48 時間撹拌した。反応溶液を室温に戻し、300 mLのメタノール中に注ぎ、生成ポリマーを沈殿させた。得られたポリマーをジクロロメタンに溶かし、大量のメタノールから再沈殿を行って精製した。沈殿物を回収し、減圧乾燥を行って、1.2 gのポリマーP-Si を転化率86%で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, δ): 7.51-7.40 (br, 6H; 2,3,5,6,2',6'-H in biphenyl), 6.92-6.80 (br, 2H; 3',5'-H in biphenyl), 4.11-3.79 (br, 4H; 2 OCH2), 1.79-1.59 (br 5H; CH3and COOCH2CH2), 1.51-1.23 (br, 6H; PhOCH2CH2CH2CH2), 1.18-0.92 (br, 2H; CH3CCH2), and 0.24 (s, 9H; Si(CH3)3).
Mn = 1.9 x 104, Mw/Mn = 3.5
実施例2:ポリマーP-H の合成
Figure 0006918352
ポリマーP-Si (0.67 g, 1.5 mmol) を15 mLのTHF に溶かし、この溶液に3.1 mLのフッ化テトラブチルアンモニウムのTHF 溶液 (1.0 M) を加えた。反応溶液を室温で 5 時間撹拌した。反応混合物に水を加え、ポリマーをジクロロメタンで抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒をエバポレーションにより濃縮した。得られた溶液を大量のメタノールに注ぎ、沈殿したポリマーを回収し、減圧乾燥して、0.50 gのポリマーP-H を転化率75%で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, δ): 7.52-7.41 (br, 6H; 2,3,5,6,2',6'-H in biphenyl), 6.91-6.81 (br, 2H; 3',5'-H in biphenyl), 4.12-3.78 (br, 4H; 2 OCH2), 3.09 (s, 1H; PhC≡CH), 1.80-1.58 (br 5H; CH3 and COOCH2CH2), 1.51-1.23 (br, 6H; PhOCH2CH2CH2CH2), and 0.90-1.09 (br, 2H; CH3CCH2).
Mn = 1.6 x 104, Mw/Mn = 3.5
実施例3:ポリマーP-C4の合成
(a)化合物S3 の合成
Figure 0006918352
4-ブロモ-4'-ヒドロキシビフェニル (2.0 g, 8.0 mmol)、6-クロロ-1-ヘキサノール (1.6 g, 12 mmol)、炭酸カリウム (2.2 g, 16 mmol)、およびヨウ化カリウム (68 mg, 0.40 mmol) を50 mLのDMFに懸濁させ、100℃で13時間撹拌した。混合溶液をジクロロメタンで抽出し、有機相を分離し、水、飽和食塩水の順で洗浄した。洗浄した有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン)で精製し、1.6 g (4.6 mmol)の化合物S3を収率58%で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3,δ): 7.51 (dd; J = 5.0 and 1.8 Hz; 2H; 3,5-H in biphenyl), 7.50 (dd; J = 4.3 and 2.4 Hz; 2H; 2,6-H in biphenyl), 7.42 (dd; J = 4.5 and 2.1 Hz; 2H; 2',6'-H in biphenyl), 6.96 (dd; J = 6.8 and 1.8 Hz; 2H; 3',5'-H in biphenyl), 4.00 (t; J = 6.59 Hz; 2H; OCH2), 3.67 (m; 2H; HOCH2), 1.86-1.76 (m; 2H; OCH2CH2), 1.66-1.56 (m; 2H; O(CH2)4CH2), 1.52-1.40 (m; 4H; O(CH2)2CH2CH2), 1.24 (br; 1H; OH).
(b)化合物S4 の合成
Figure 0006918352
化合物S3 (1.4 g, 3.9 mmol)、1-ヘキシン (0.89 g, 11 mmol)、PdCl2(PPh3)2(0.12 g, 0.17 mmol)、CuI (53 mg, 0.28 mmol)、およびPPh3 (58 mg, 0.22 mmol) を40 mLのトリエチルアミンに溶解し、80℃で22時間撹拌した。溶媒を留去した後、残渣をジクロロメタンに溶かし、水、飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン/酢酸エチル = 4/1 (体積比))で精製し、1.0 g (2.9 mmol) の化合物S4 を収率73%で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, δ): 7.52-7.40 (m; 6H; 2,3,5,6,2',6'-H in biphenyl), 6.94 (dd; J = 5.0 and 1.8 Hz; 2H; 3',5'-H in biphenyl), 4.00 (t; J = 6.35 Hz; 2H; OCH2), 3.67 (t; J = 6.4 Hz; 2H; HOCH2), 2.43 (t; J = 7.0 Hz; 2H; ArCCCH2), 1.82 (q; J = 6.9 Hz; 2H; ArOCH2CH2), 1.63-1.54 (m; 6H; HOCH2CH2, O(CH2)2CH2, CH3CH2CH2), 1.53-1.44 (m; 4H; HO(CH2)2CH2, CH3CH2), 1.25 (s; 1H; OH), 0.96 (t; J = 7.24; 3H; CH2CH3).
(c)化合物M-C4 の合成
Figure 0006918352
化合物S4 (1.3 g, 3.4 mmol)、塩化メタクリロイル (0.98 mL, 10 mmol)、およびトリエチルアミン(0.99 g, 9.5 mmol) を15 mLの超脱水THFに溶解し,アルゴン雰囲気下において室温で18時間撹拌した。溶媒を留去した後、残渣をジクロロメタンに溶かし、1M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム)で精製し、0.5 g (1.2 mmol) の化合物M-C4 を収率35%で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, δ): 7.54-7.42 (m; 6H; 2,3,5,6,2',6'-H in biphenyl), 6.95 (dd; J = 6.80 & 2.27 Hz; 2H; 3',5'-H in biphenyl), 6.10 (s; 1H; Z-CH=C), 5.55 (m; J =1.55 Hz; 1H; E-CH=C), 4.16 (t; J =6.55 Hz; 2H; OCOCH2), 4.00 (t; J = 6.57 Hz; 2H; OCH2), 2.43 (t; J = 7.01 Hz; 2H: ArCCCH2), 1.94 (d; J = 1.70 Hz; 3H; CH2=C(CH3)C, 1.83 (q; J =6.91 Hz; 2H; OCOCH2CH2), 1.72 (q; J = 7.02 Hz; 2H; ArOCH2CH2), 1.67-1.61 (m; 2H; CH3CH2CH2), 1.56-1.48 (m; 6H; CH3CH2, ArO(CH2)2(CH2)2), 0.955 (t; J = 7.25 Hz; 3H; CH2CH3).
Figure 0006918352
化合物M-C4 (0.50 g, 1.2 mmol)、2,2'-アゾビス(イソブチロニトリル) (AIBN) (0.011 mg, 0.065 mmol) を14 mL のDMFに溶解し、凍結融解サイクルを繰り返して脱気した。この溶液を60 ℃で48 時間撹拌した。混合溶液をジクロロメタンで抽出し,水,飽和食塩水の順で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた固体をジクロロメタンに溶解し,大量のメタノールから再沈殿を行って精製した。沈殿物を回収し、減圧乾燥を行って、0.23 gのポリマーP-Si を転化率46%で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, δ): 7.51-7.37 (br, 6H; 2,3,5,6,2',6'-H in biphenyl), 6.90-6.80 (br, 2H; 3',5'-H in biphenyl), 4.01-3.91 (br, 2H; OCH2), 2.43-2.40 (br 2H; CH2CH2OCO), 1.73-1.25 (br, H; (CH2)3CH2O, CH3CCOO and (CH2)3CH3, 1.15-0.97 (br, 2H; CH2CCOO), 0.97-0.87 (br, 3H; (CH2)3CH3).
Mn = 6.7 x 103, Mw/Mn = 2.2
ポリマーの特性評価
得られたポリマーの相転移挙動、熱物性および光物理挙動を以下のようにして評価した。
(a)相転移挙動および熱物性
ポリマーP-Si、ポリマーP-H およびポリマーP-C4 の相転移挙動を、偏光顕微鏡(Olympus EX51TH)およびホットステージ (Instec, FP80 hot-stage およびmK1000 controller) を用いて観察した。なお、ポリマーの重量が5重量%減少した温度を前記ポリマーの熱分解温度と定義して、この熱分解温度を、昇温速度5.0 ℃ min-1の条件で熱重量分析装置 (Shimadzu, DTG-60AH)を用いて測定した。前記ポリマーの相転移温度(ガラス転移温度(Tg)、液晶相−等方相転移温度)を、5.0 ℃ min-1の昇温・降温速度の条件で示差走査熱量分析装置(DSC, SII, X-DSC7000)を用いて測定した。なお、ポリマーP-Si、ポリマーP-H およびポリマーP-C4 は、いずれも、ガラス転移温度(Tg)以下の温度ではガラス状態であり、液晶相−等方相転移温度超の温度では等方相の状態である。また、ポリマーP-SiおよびポリマーP-H は、ガラス転移温度超〜液晶相−等方相転移温度以下の温度ではネマチック相の状態であり、一方、ポリマーP-C4 は、ガラス転移温度超〜液晶相−等方相転移温度以下の温度ではスメクチック相の状態である。
Figure 0006918352
(b)光物理挙動
ポリマーP-Si およびポリマーP-H の紫外可視吸収スペクトルを、V-550分光光度計(日本分光)を用いて測定した。また、前記ポリマーの発光スペクトルを、F-7000蛍光分光光度計(日立ハイテク)を用いて測定した。詳しくは、固体および液晶状態のポリマーの発光スペクトルを、自作の温度調整ホルダーを分光器中に設置し、2枚の石英板 (10 mm × 30 mm × 1 mm) で挟みこんだ試料を用いて測定した。ポリマーの発光量子収率を、積分球(日立ハイテク)を用いて測定した。ポリマーの発光寿命を、パルス光源 (堀場製作所、NanoLED-375L、波長 = 402 nm、パルス幅 <100 ps (半値全幅)、周波数100 KHz)を励起光源として用い、TBX検出器(堀場製作所)で発光の減衰挙動を観察することで求めた。結果を下記表2に示す。ポリマーP-Si 中、その47%のポリマーの発光寿命は1ナノ秒であり、その53%のポリマーの発光寿命は8ナノ秒であった。また、ポリマーP-H 中、その54%のポリマーの発光寿命は1ナノ秒であり、その46%のポリマーの発光寿命は8ナノ秒であった。
Figure 0006918352
試験例1:ポリマーP-Si、ポリマーP-H およびポリマーP-C4 の発光スペクトル
実施例1および2で得られたP-Si、ポリマーP-H またはポリマーP-C4を、THF に溶かし、得られた溶液(濃度:10-2 mol/L)を石英基板上にキャストし、次いで風乾により溶媒を除去することによって、石英基板上にポリマー膜(厚さ:1 μm)を調製した。得られたポリマー膜の室温での発光スペクトル(励起光の波長(λex):333 nm)を測定した。ポリマーP-Si、ポリマーP-H、およびポリマーP-C4の発光スペクトルを図1に示す。なお、図1の点線がポリマーP-Si の発光スペクトルであり、破線がポリマーP-H の発光スペクトルであり、実線がポリマーP-C4である。図1に示されるように、ガラス転移温度(Tg)以下でガラス状態であるポリマーP-Si、ポリマーP-HおよびポリマーP-C4 は、深青色光を発光した。
試験例2:ポリマーP-Si、ポリマーP-H およびポリマーP-C4 の発光スペクトルの加熱による変化
試験例1で得られたポリマーP-Si、ポリマーP-H およびポリマーP-C4の膜を、ホットプレートを使用して、空気雰囲気下、5℃/分の速度で加熱し、発光スペクトル(励起光の波長(λex):333 nm)の加熱による変化を測定した。ポリマーP-Si の結果を図2に、ポリマーP-Hの結果を図3に、ポリマーP-C4の結果を図4に示す。ポリマーP-Si、ポリマーP-HおよびポリマーP-C4 は、加熱により発光スペクトルが変化した。また、ポリマーP-Si、ポリマーP-H およびポリマーP-C4 をガラス転移温度(Tg)よりも高い温度に加熱した場合(ポリマーP-Si のTg:86℃、ポリマーP-H のTg:71℃、ポリマーP-C4 のTg:50℃)、これらは、白色光を発光した。
試験例3:ポリマーP-Si およびポリマーP-H の発光スペクトルの冷却による変化
試験例2の後、ポリマーP-Si およびポリマーP-H の膜を、温度センサーを備えた自作のホットプレートを使用して、温度コントローラーを使用して温度制御を行いながら、空気雰囲気下、5℃/分の速度で室温まで冷却し、発光スペクトル(励起光の波長(λex):333 nm)の冷却による変化を測定した。ポリマーP-Si の結果を図5に、ポリマーP-Hの結果を図6に示す。加熱により変化した発光スペクトルは、再度冷却しても、図1に示す加熱前の発光スペクトルに戻らなかった。また、加熱および冷却後に得られた配向性ガラス状態であるポリマーP-Si およびポリマーP-H は、室温でも白色光を発光した。
試験例4:ポリマーP-Si およびポリマーP-H の発光スペクトルの機械的刺激による変化
試験例3で得られた配向性ガラス状態のポリマーP-Si の膜およびポリマーP-H の膜を、乳鉢を用いてすり潰して(即ち、機械的刺激を加えて)、ガラス状態のポリマーP-Si およびポリマーP-H を調製した。得られたガラス状態のポリマーP-Si およびポリマーP-H の室温での発光スペクトル(励起光の波長(λex):333 nm)を測定した。ポリマーP-Si の結果を図7に、ポリマーP-H の結果を図8に示す。
なお、図7の実線が試験例1で測定した加熱前のポリマーP-Si の室温での発光スペクトルであり、点線が試験例3で測定した加熱後(150℃)のポリマーP-Si の発光スペクトルであり、破線が試験例4で測定した機械的刺激後のポリマーP-Si の室温での発光スペクトルである。また、図8の実線が試験例1で測定した加熱前のポリマーP-H の室温での発光スペクトルであり、点線が試験例3で測定した加熱後(110℃)のポリマーP-H の発光スペクトルであり、破線が試験例4で測定した機械的刺激後のポリマーP-H の室温での発光スペクトルである。
図7および8で示されるように、配向性ガラス状態であるポリマーP-Si およびポリマーP-H を、すり潰し(機械的刺激)によってガラス状態に戻すことによって、それらの発光が、白色光から深青色光に可逆的に変化した。
試験例5:ポリマーP-Si およびポリマーP-H の偏光発光スペクトル
(a)ガラス板の洗浄および乾燥
ガラス板を、下記手順で洗浄および乾燥した。
(1) 超音波洗浄(中性洗剤): 30 分
(2) 流水洗浄: 30 分
(3) 超音波洗浄(純水): 30 分
(4) 流水洗浄: 30 分
(5) 超音波洗浄(2-プロパノール): 30 分
(6) 乾燥: 60 ℃
(b)配向膜処理
2.5 重量%のポリアミド酸溶液(N−メチルピロリドン : γ-ブチロラクトンの体積比 = 1:2)を調製し、1 μm のメンブランフィルターで不溶分を除去した後、上記のようにして洗浄および乾燥したガラス板上に、スピンコーター(スピンコーター回転数および秒数、第1段階:300 rpm, 3 秒;第2段階:3000 rpm, 30秒)を用いて、ポリアミド酸の薄膜を製膜した。次いで、オーブン中で100℃で 1 時間、250℃で 2 時間加熱処理を行い、ポリアミド酸をイミド化させ、ポリイミドの薄膜を得た。
(c)ラビング処理
上記のように形成したガラス板上のポリイミド膜表面を、脱脂綿を用いて同一方向に30回、手でこすった。
(d)洗浄・乾燥
上記のようにラビング処理したガラス板上のポリイミド膜表面から、下記手順で付着物(繊維やポリイミドの切削屑)を除去した。
(1) 超音波洗浄(2-プロパノール): 10 分
(2) 乾燥: 60 ℃(オーブン)
(e)偏光発光スペクトルの測定
上記のような処理を施したポリイミド膜付ガラス板上に、ポリマーP-Si またはポリマーP-H の膜(厚さ:1 μm)を作製し、ポリマーP-Si およびポリマーP-H の室温での偏光発光スペクトル(励起光の波長(λex):333 nm)を測定した。詳しくは、F-7000蛍光分光光度計に、ラビング処理の方向(=ポリマーP-Si またはポリマーP-H のビフェニル構造の長軸の配向方向)対して平行または垂直となるように偏光子を設置し、ポリマーP-Si およびポリマーP-H の偏光発光スペクトルを測定した。
ポリマーP-Si の室温での偏光発光スペクトルを図9に、ポリマーP-H の室温での偏光発光スペクトルを図10に示す。なお、図9および10ではいずれも、実線がビフェニル構造の長軸の配向方向に平行な偏光発光スペクトルであり、点線がビフェニル構造の長軸の配向方向に垂直な偏光発光スペクトルである。図9および10に示されるように、ガラス状態であるポリマーP-Si およびポリマーP-H は、偏光を発光した。
本発明のポリマーは、発光装置等に用いられるフォトルミネッセント材料として有用である。

Claims (8)

  1. 式(I):
    Figure 0006918352
    [式(I)中、
    *は、結合位置を示し、
    は、水素原子またはメチルを示し、
    mは、2〜24の整数を示し、
    m個のRおよびm個のRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC1−6アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6−14アリール基、または−Si(R)(R)(R)(前記式中、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC1−6アルコキシ基、または置換基を有していてもよいC6−14アリール基を示す。)を示し、
    nおよびpは、それぞれ独立に、0〜4の整数を示し、
    n個のRおよびp個のRは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC1−6アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6−14アリール基、または−Si(R10)(R11)(R12)(前記式中、R10、R11およびR12は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC1−6アルコキシ基、または置換基を有していてもよいC6−14アリール基を示す。)を示し、および
    は、水素原子、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC1−6アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6−14アリール基、または−Si(R13)(R14)(R15)(前記式中、R13、R14およびR15は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC1−6アルコキシ基、または置換基を有していてもよいC6−14アリール基を示す。)を示す。]
    で表される構成単位の少なくとも1種を含むポリマーからなるフォトルミネッセント材料
  2. m個のRおよびm個のRが水素原子であり、nおよびpが0である請求項1に記載のフォトルミネッセント材料
  3. が、水素原子または−Si(R13)(R14)(R15)(前記式中、R13、R14およびR15は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基を示す。)である請求項1または2に記載のフォトルミネッセント材料
  4. ポリマーがガラス状態であり、紫外線照射によって深青色光を発光する請求項1〜3のいずれか一項に記載のフォトルミネッセント材料。
  5. 深青色光のピーク波長が370〜420nmである請求項に記載のフォトルミネッセント材料。
  6. 深青色光が偏光である請求項またはに記載のフォトルミネッセント材料。
  7. ポリマーが配向性ガラス状態であり、紫外線照射によって白色光を発光する請求項1〜3のいずれか一項に記載のフォトルミネッセント材料。
  8. 請求項のいずれか一項に記載のフォトルミネッセント材料を含む発光装置。
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