JP6918231B2 - 遺伝子治療DNAベクターVTvaf17と生産方法;大腸菌株SCS110−AFと生産方法;遺伝子治療DNAベクターVTvaf17を保持する大腸菌株SCS110−AF/VTvaf17と生産方法 - Google Patents

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Description

本発明は、遺伝子工学に関し、バイオテクノロジー、医学および農業において遺伝子治療製品の製造のために使用することができる。すなわち、生産された、標的遺伝子を含有する遺伝子治療DNAベクターは、その遺伝子の発現が低下したまたは不十分なヒトおよび動物の細胞に送達され、従って、所望の治療効果を確保することができる。
遺伝子治療は、突然変異遺伝子の機能を補償もしくは抑制するため、および/または遺伝性疾患を治療するために、患者の細胞への新規遺伝物質の送達という手段によって遺伝性および後天性疾患を治療することを目的とする医学における革新的アプローチである。
遺伝物質の輸送体(遺伝子治療ベクター)は、ウイルスベクターと非ウイルスベクターに分けられる。最も効率的なウイルスベクターには、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、ヘルペスウイルス、ポックスウイルス、およびアデノウイルスが含まれる(非特許文献1)。遺伝物質の非ウイルス送達は、主として、治療遺伝子を保持するプラスミドを、脂質、陽イオンポリマー、デンドリマー、ポリペプチド、およびナノ粒子などの様々な担体と組み合わせて含む(非特許文献2)。
ウイルスは本来、迅速性と効率の点で、組換えDNAを細胞に送達するためのほぼ理想的な因子ではあるが、ウイルス送達系の使用にはいくつかの実用上の制限がある。これらには、製造の難しさ、選択性の欠如、免疫応答、潜在的発癌リスク、ならびに形質導入後の炎症がある。これらの問題のいくつかはまだ解決されていない。これが最近の遺伝子治療が非ウイルス遺伝子送達系の開発にますます傾注してきた理由である。
プラスミドは、自律的に複製する染色体外の環状DNAである。プラスミドは、抗生物質耐性、重金属イオン耐性の遺伝子、およびいくつかの有機化合物の異化作用を制御する遺伝子を含み得る(非特許文献3)。可動遺伝要素としてのプラスミドは、接合によってある細菌細胞から別の細胞へ伝達される能力があり、水平遺伝子導入を促す。
プラスミドには、ウイルスベクターに固有の制限はない。標的細胞では、プラスミドはゲノムに組み込まれずにエピソームとして存在し、しかも、それらの生産は極めて安価で、プラスミドの投与によって引き起こされる免疫応答も副作用もなく、このことによってプラスミドは遺伝子治療(治療遺伝子の移入)および遺伝病の予防(DNAワクチン接種)の便利なツールとなる(非特許文献4)。
遺伝子治療における送達の極めて有望な手段であること以外にも、プラスミドは、分子生物学および他のバイオテクノロジーに特化した研究室で長らく助けとなっており、分子クローニングおよび組換えタンパク質の生産に適用され好結果を得ている(非特許文献5)。
遺伝子治療の明らかな展望にもかかわらず、プラスミドの治療薬としての使用の重大な制限は、それらがi)保持株において構築物を生産するための抗生物質耐性遺伝子、ii)ウイルスゲノムの配列が呈する種々の調節要素を含むことである。もう一つの制限は、治療プラスミドのサイズであり、これは標的細胞へのベクター送達効率を左右する。
ここ数年で、世界中が病原体が抗菌薬に対する耐性をますます増加させているのを目の当たりにしていることは周知である。抗菌薬耐性の発生は、微生物の耐性株の選択、生残および増殖を促す選択圧を生じる、抗生物質に対する自然な生物学的反応である。抗生物質耐性は、社会的・経済的に極めて重要であり、国家安全保障に対する脅威であると考えられる(非特許文献6)。微生物集団内で抗生物質耐性遺伝子を含む遺伝子の水平移入を保証するものはプラスミドであり、このことはそれらに選択有利性を与える。従って、今日の抗生物質耐性ヒト病原体の増加は、水平遺伝子移入によるものである(非特許文献7)。
このため、欧州医薬品庁は、遺伝子治療のために新たに操作されるプラスミドに抗生物質耐性マーカー遺伝子を付加するのを控えることが必要であると考えている(非特許文献8)。
治療プラスミドベクターの使用に対するもう一つの重要な限界は、プラスミドベクターが標的遺伝子の発現を増強するための、様々なウイルスのゲノムのヌクレオチド配列が主として呈する調節要素(プロモーター、エンハンサー、翻訳後調節要素)を含むということである(非特許文献9)。
遺伝子治療のための既存のプラスミドベクターのもう一つの欠点は、それらのサイズ(長さ)である。プラスミドが長いほどそれが標的細胞に効果的に進入しにくくなることが知られている。既存のプラスミドは、それらの長さを実質的に増す不要な非機能的部位を持つ場合が多い(非特許文献10)。
抗生物質を用いずに大腸菌(Escherichia coli)株にプラスミドを蓄積する方法が知られている(非特許文献11)。L−リシンの生合成に関与する酵素2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2,6−ジカルボン酸−N−スクシニルトランスフェラーゼをコードする遺伝子dapDがlacプロモーターにより制御される大腸菌のDH1lacdapD株およびDH1lacP2dapD株が構築された。インデューサーIPTG(イソプロピル−β−D−1−チオガラクトピラノシド)の不在下では、これらの株は溶菌を受ける。しかしながら、lacオペロンを含有するマルチコピープラスミドpORTを投与すると、遺伝子dapDの発現が誘導され、従って、形質転換クローンをピッキングし、増殖させることができる。しかしながら、これらの株には、形質転換が低レベルで不安定であるという特徴がある。
さらに、抗生物質を用いない(又は、抗生物質フリーの)プラスミド選択系でプラスミドを生産するための大腸菌株を構築する方法も知られている(非特許文献12)。選択された細菌株(例えば、DG5α、JM109、MG1655)は、プラスミド複製阻害剤RNA Iが、RNA/アンチセンスRNAの二重鎖を形成することによって、細菌活性に必須の遺伝子(例えば、細菌細胞壁ペプチドグリカンの生合成に関与する酵素UDP−N−アセチルグルコサミン1−カルボキシビニル−トランスフェラーゼをコードするmurA)の翻訳を抑制することができるように改変されたものである。遺伝子murAは、リプレッサータンパク質tetRによって制御され、構築されたRNA I保持プラスミドの存在下でのみ発現させることができた。しかしながら、IPTGの添加が標的プラスミドベクターを含まない大腸菌コロニーの生産をもたらすことが見出された。選択阻害の機序はなお未知である。
同様に、最小長のベクターを構築する方法も知られている。総ての原核生物ヌクレオチド配列を欠き、複製起点と抗生物質耐性遺伝子のみを含む小さなスーパーコイルDNA分子(いわゆる、「ミニサークル」)が操作されている。このベクターは、ファージφC31を用いたインテグラーゼを媒介とする分子内組み込みによって作出された(非特許文献13)。このようなプラスミドベクターの欠点として、それらの生産の複雑さ、および工業規模でのそれらの構築が不可能なことが含まれる。
ある発明が、抗生物質耐性を持たず、リプレッサータンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む発現構築物の作製を記載する特許文献1に報告されている。上記リプレッサータンパク質の発現は、大腸菌ゲノムの領域に組み込まれた有毒な遺伝子産物の発現を調節する。しかしながら、リプレッサータンパク質の使用に基づく他の選択方法と同様に、この方法は、不安定で非効率な形質転換を特徴とする。
特許文献2には、最小長のベクター(「ミニサークル」)を生産する方法が記載されている。このベクターは、原核生物を含まず、培養大腸菌株におけるparAを媒介とする組換えにより生産される。最短ベクターを生産するというこの方法の欠点は、工業規模でのその使用が不可能なことである。
遺伝子治療のための組換えDNAベクターの使用に関する本発明の原型は、遺伝的免疫誘導のための組換えベクターを生産する方法である(特許文献3)。プラスミドベクターは、クローニングされた遺伝子の発現のためにヒトおよび動物細胞で使用されるスーパーコイルプラスミドDNAベクターである。このベクターは、複製起点、ヒトサイトメガロウイルスプロモーターおよびエンハンサーを含む調節要素、およびヒトTリンパ球向性ウイルス由来の調節配列を含有する。
このベクターは、バクテリオファージを用いて株に投与された遺伝子sacBのアンチセンス補完を介して、抗生物質を用いずに、特殊な大腸菌株に蓄積される。遺伝子治療におけるこのDNAベクターの使用は、ウイルスゲノムの調節配列の存在によって制限される。
米国特許出願第2011152377/10号 米国特許第9644211号 米国特許第9550998号
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本発明の目的は、ヒトおよび動物細胞の遺伝子改変のための遺伝子治療DNAベクターを構築することであり、このベクターは、以下を合理的に兼ね備えている:
I)遺伝子治療DNAベクターに抗生物質耐性遺伝子が存在しないためにヒトおよび動物の遺伝子治療に安全に使用できる可能性;
II)標的細胞への効率的遺伝子送達を保証する長さ;
III)標的遺伝子の効率的発現を保証し、しかもウイルスゲノムのヌクレオチド配列が呈するものでない調節要素(調節エレメント、制限エレメント/regulatory element)の存在;
IV)工業規模での生産可能性および構築可能性。
項目Iは重要であり、本明細書で、遺伝子治療薬に関する州規制の要件、具体的には、遺伝子治療のために新たに操作されるプラスミドに抗生物質耐性マーカー遺伝子を付加することを控えるという欧州医薬品庁の要件(開発中の遺伝子治療医薬品に関する設計変更に関するレフレクションペーパー(Reflection paper on design modifications of gene therapy medicinal products during development)/2011年12月14日EMA/CAT/GTWP/44236/2009 先進療法委員会)を遵守して提供される。
明示される目的は、第一に、配列番号1のヌクレオチド配列を含有する動物およびヒト細胞の遺伝子改変のための3165bpの遺伝子治療DNAベクターVTvaf17を構築することによって達成される。3165bpの遺伝子治療DNAベクターVTvaf17を構築する方法は、まず第一に、次工程で、固有エンハンサーを伴うヒト伸張因子EF1Aの1188bpのプロモーター領域、制限エンドヌクレアーゼBamHI、EcoRV、SalI、HindIII、KpnI、EcoRIに対する部位を備えた35bpのポリリンカー、ヒト増殖因子の466bpの転写ターミネーターおよびポリアデニル化配列、抗生物質を用いない正の選択(ポジティブセレクション)を可能とするトランスポゾンTn10の136bpの調節要素RNA−OUT、ほとんどの大腸菌株の細胞においてベクター生産を増加させる一塩基置換を伴う自律的複製のための1299bpの複製起点、1010bpのカナマイシン耐性遺伝子を含有する4182bpのベクターを構築すること、次に、それがSpeI制限部位で切断され、残りの断片がそれ自体に連結されることを含む。明示される目的は、抗生物質を用いない正の選択を可能とする遺伝子治療DNAベクターVTvaf17またはそれに基づく遺伝子治療DNAベクターを生産するための大腸菌株SCS110−AFを得ることによって達成される。遺伝子治療DNAベクターVTvaf17またはそれに基づく遺伝子治療DNAベクターの生産のための大腸菌株SCS110−AFを得る方法であって、抗生物質を用いない正の選択を可能とするトランスポゾンTn10の調節要素RNA−INを含有する64bpの直鎖DNA断片、その産物がスクロース含有培地内での選択を保証する1422bpのレバンスクラーゼ遺伝子sacB、相同組換えが生じるクローン株のピッキングに必要とされる763bpのクロラムフェニコール耐性遺伝子catR、および遺伝子recAの領域の相同組換えが遺伝子の不活化を伴うことを保証する2つの相同配列329bpと233bpを構築すること、次いで、大腸菌細胞をエレクトロポレーションにより形質転換させ、10μg/mlのクロラムフェニコールを含有する培地で生残しているクローンをピッキングすることを含む方法。遺伝子治療DNAベクターVTvaf17を保持する大腸菌株SCS110−AF/VTvaf17(番号B−12990、国際寄託当局番号NCIMB42801としてロシアン・ナショナル・コレクション・オブ・インダストリアル・マイクロオーガニズムに登録)はまた、抗生物質を用いない選択を可能とするさらなる生産のために構築される。遺伝子治療DNAベクターVTvaf17を保持する大腸菌株SCS110−AF/VTvaf17(番号B−12990、国際寄託当局番号NCIMB 42801としてロシアン・ナショナル・コレクション・オブ・インダストリアル・マイクロオーガニズムに登録)を得る方法は、大腸菌株SCS110−AFのエレクトロコンピテントセルを作出すること、およびこれらの細胞に遺伝子治療DNAベクターVTvaf17でエレクトロポレーションを行うことを含む。その後、これらの細胞は、イーストレル、ペプトン、6%スクロース、および10μg/mlのクロラムフェニコールを含有する選択培地を含む寒天プレート(ペトリ皿)に注がれる。
本発明の本質を図面で説明する。
図1は、大腸菌細胞において自律的複製が可能な3165bp環状二本鎖DNA分子である、遺伝子治療DNAベクターVTvaf17の構造を示す。 図1は、ベクターの下記の構造要素を示している。 (1)EF1a(1〜1188bp)−遺伝子の第1イントロンに含まれる固有エンハンサーを伴うヒト伸張因子EF1Aのプロモーター領域。それはほとんどのヒト組織で組換え遺伝子の効率的転写を保証する。 (2)MCS(1208〜1243bp)−制限酵素BamHI、EcoRV、SalI、HindIII、KpnI、およびEcoRIの配列を含み、標的治療遺伝子のクローニングを可能とするポリリンカー(多重クローニング部位)。 (3)hGH−TA(1244〜1710bp)−ヒト増殖因子遺伝子の転写ターミネーターおよびポリアデニル化配列。 (4)RNA−out(1717〜1853bp)−大腸菌株SCS110を使用する場合に抗生物質を用いない正の選択を可能とするトランスポゾンTn10の調節要素RNA−OUT。 (5)ori(1866〜3165bp)−ほとんどの大腸菌株の細胞でプラスミド生産を増加させるための一塩基置換を伴う自律的複製のための複製起点。 図2は、大腸菌株SCS110を生産するための大腸菌の遺伝子recAの領域における相同組換えのためのDNA断片の構造を示す。 直鎖断片は、抗生物質を用いない選択のためのトランスポゾンTn10の調節要素RNA−IN(64bp)、その産物がスクロース含有培地内での選択を保証するレバンスクラーゼ遺伝子sacB(1422bp)、相同組換えが生じるクローン株のピッキングに必要とされるクロラムフェニコール耐性遺伝子catR(763bp)を有するカセットからなる。このカセットには、遺伝子の不活化を伴う遺伝子recAの領域での組換えプロセスを保証する2つの相同アームによって挟み込まれている(左アームおよび右アーム、それぞれ329bpおよび233bp)。 図3は、プラスミドベクターpEFGP−C1(Clontech)およびDNAベクターVTvaf17−eGFPでの細胞のトランスフェクション48時間後のHEK−293細胞において、標的遺伝子、例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)産物の蓄積レベルを比較することを目的とした、プラスミドベクターpEFGP−C1(Clontech)およびDNAベクターVTvaf17−eGFPでの細胞のトランスフェクション48時間後のHEK−293細胞培養物の蛍光マイクロイメージング(А)、ならびにプラスミドベクターpEFGP−C1(Clontech)およびDNAベクターVTvaf17−eGFPでの細胞のトランスフェクション48時間後のHEK−293細胞から抽出したタンパク質によって発せられた蛍光の図(B)を示す。 図4は、ヒトエラスチン遺伝子コード領域を保持するDNAベクターVTvaf17−ELNでの細胞のトランスフェクション前およびトランスフェクション48時間後のケラチノサイト細胞HaCaTにおいて、標的遺伝子mRNA、例えば、エラスチン遺伝子のmRNAの蓄積の変化を分析することを目的とした、ヒトエラスチン遺伝子コード領域を保持するDNAベクターVTvaf17−ELNでのこれらの細胞のトランスフェクション前およびトランスフェクション48時間後のケラチノサイト細胞HaCaTにおけるエラスチン遺伝子mRNAの蓄積のパターンを示す。 図5は、標的遺伝子、例えば、ヒトエラスチン遺伝子を保持する遺伝子治療DNAベクターVTvaf17をヒト皮膚に投与した際のヒト皮膚におけるエラスチンタンパク質濃度の変化を分析することを目的とした、ヒトエラスチン遺伝子コード領域を保持する遺伝子治療DNAベクターVTvaf17−ELNを3名の患者の皮膚に注射した後のこれらの患者の皮膚生検サンプルにおけるエラスチンタンパク質濃度のプロットを示す。 図6は、DNAベクターVTvaf17と緑色蛍光タンパク質コード領域を保持するDNAベクターVTvaf17−eGFPでの細胞トランスフェクション48時間後のウシ腎臓細胞MDBKにおける標的遺伝子産物、例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)の蓄積レベルを比較することを目的とした、DNAベクターVTvaf17および緑色蛍光タンパク質コード領域を保持するDNAベクターVTvaf17−eGFPでの細胞トランスフェクション48時間後のウシ腎臓細胞MDBKにおける緑色蛍光タンパク質(GFP)濃度の変化のグラフを示す。
本発明の本質を下記の実施例で説明する。
実施例1
固有エンハンサーを伴うヒト伸張因子遺伝子EF1Aのプロモーター、ポリリンカー、ヒト増殖因子のポリアデニル化配列及び転写ターミネーター、トランスポゾンTn10の調節要素RNA−OUT、ならびにプラスミド生産を増加させるための一塩基置換を伴う複製起点を含有する遺伝子治療DNAベクターVTvaf17の生産。
遺伝子治療DNAベクターVTvaf17は、異なる供給源に由来するDNAの6つの断片を統合することによって構築した:
(а)複製起点を、オリゴヌクレオチドOri−F、Ori−R、Ori−M1、およびOri−M2(配列表(1)〜(4))を用い、点突然変異を有する市販プラスミドpBR322の領域のPCR増幅によって生産し;
(b)プロモーター領域EF1аを、オリゴヌクレオチドEF1−FおよびEF1−R(配列表(5)および(6))を用い、ヒトゲノムDNAの部位のPCR増幅によって生産し;
(c)転写ターミネーターhGH−TAを、オリゴヌクレオチドhGH−FおよびhGH−R(配列表(7)および(8))を用い、ヒトゲノムDNAの部位のPCR増幅によって生産し;
(d)トランスポゾンTn10の調節部位RNA−OUTを、オリゴヌクレオチドRO−F、RO−R、RO−1、RO−2、およびRO−3(配列表(9)〜(13))から合成し;
(e)カナマイシン耐性遺伝子を、オリゴヌクレオチドKan−FおよびKan−R(配列表(14)および(15))を用い、市販プラスミドpET−28の部位のPCR増幅によって生産し;
(f)ポリリンカーを、2つの合成オリゴヌクレオチドMCS1およびMCS2(配列表(15)および(16))をアニーリングすることによって生産した。
PCR増幅は、市販のキットPhusion(登録商標)High−Fidelity DNAポリメラーゼ(New England Biolabs)を用い、製造者の説明書に従って実施した。これらの断片は、続いてのPCR増幅でのそれらの統合を可能とする重複領域を有する。断片(a)および(b)は、オリゴヌクレオチドOri−FおよびEF1−R(配列表(1)および(6))を用いて統合し、断片(c)、(d)および(e)は、オリゴヌクレオチドhGH−FおよびKan−R(配列表(7)および(15))を用いて統合した。その後、生産された部位を、BamHIおよびNcoI部位による制限処理とその後の連結により統合した。これにより、まだポリリンカーを欠くプラスミドが得られた。ポリリンカーを導入するために、プラスミドをBamHIおよびEcoRI部位で切断した後、断片(f)と連結した。よって、SpeI制限部位によって挟み込まれたカナマイシン耐性遺伝子を保持する4182bpベクターが構築された。次に、この部位はSpeI制限部位で切断され、残りの断片はそれ自体に連結された。これにより、組換え体であり、抗生物質を用いない選択を可能とする3165bpの遺伝子治療DNAベクターVTvaf17が得られた(配列番号1)。
実施例2
DNAベクターVTvaf17の効率を証明するために、標的遺伝子、例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子を、ポリリンカーにクローニングした。
標的遺伝子、例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)をコードする遺伝子をコードする部位を保持する遺伝子治療DNAベクターVTvaf17−eGFPの生産。緑色蛍光タンパク質遺伝子のコード領域は、オリゴヌクレオチドMVGFP−FおよびMVGFP−R(配列表(30)および(31))を用い、市販のプラスミドpEGFP−C1(Clontech)のPCR増幅によって生産した。生産されたPCR断片を制限エンドヌクレアーゼBamHIおよびEcoRIにより切断し、カナマイシン耐性遺伝子を保持し、同じ酵素で切断した4182bpDNAベクターと連結した。さらに、この生産されたベクターから、実施例1に記載したようにカナマイシン耐性遺伝子を除去した。これにより、抗生物質を用いない選択を可能とする3874bpのDNAベクターVTvaf17−eGFPが得られた。
実施例3
DNAベクターVTvaf17の効率を証明するために、標的遺伝子、例えば、ヒトエラスチンコード遺伝子をポリリンカーにクローニングした。
標的遺伝子、例えば、ヒトエラスチンコード遺伝子をコードする領域を保持するDNAベクターVTvaf17−ELNの生産。エラスチン遺伝子の2175bp長のコード領域(配列番号2)を、患者の皮膚生検サンプルから全RNAを抽出した後に逆転写およびPCR増幅を行うことによって生産した。材料は、皮膚生検デバイスEpitheasy 3.5(Medax SRL)を用い、前腕領域の健全な皮膚から採取した。患者の皮膚を無菌生理食塩水で予め洗い流し、リドカイン溶液で麻酔した。生検サンプルのサイズは約2×2×2mmとし、重量は20mgまでとした。このサンプルを1mlのトリゾール試薬(ThermoFisher Scientific)中に入れ、ホモジナイズし、65℃で5分間加熱した。このサンプルを14000gで10分間遠心分離し、再び65℃で10分間加熱した。次に、200μlのクロロホルムを加え、この混合物を穏やかに撹拌し、14000gで10分間遠心分離した。次に、水相を単離し、1/10容量の3M酢酸ナトリウム、рН5.2および等容量のイソプロピルアルコールと混合した。このサンプルを−20℃で10分間インキュベートした後、14000gで10分間遠心分離した。密集した細胞を1mlの70%エチルアルコールですすぎ、風乾し、10μlのRNアーゼ不含水に溶解させた。ヒトエラスチン遺伝子のcDNAの第一鎖を合成するために、Mint逆転写酵素(Evrogen、ロシア)を使用した。4μlのMintバッファー、2μlのジチオトレイトール、2μlのdNTP Mix、各2μlのオリゴヌクレオチドELN−FおよびELN−R(配列表(32)および(33))、および2μlのMint逆転写酵素を6μlの全RNAに加え、この混合物を42℃で2時間インキュベートした。合成されたcDNAを、オリゴヌクレオチドELN−FおよびELN−R(配列表(32)および(33))を用いたPCR増幅でマトリックスとして使用し、PCR増幅は、94℃で3分;94℃で20秒、60℃で20秒および72℃で60秒の30サイクル;最終伸張72℃で5分間実施した。生産されたPCR断片を制限エンドヌクレアーゼBamHIおよびEcoRIで切断し、カナマイシン耐性遺伝子を保持し、同じ酵素で切断された4182bpのベクターと連結した。さらに、生産されたベクターから、実施例1に記載したようにカナマイシン耐性遺伝子を除去した。これにより、エラスチン遺伝子をコードする領域を保持し、抗生物質を用いない選択を可能とする5322bpの遺伝子治療DNAベクターVTvaf17−ELNが得られた。
実施例4
遺伝子治療DNAベクターVTvaf17およびそれに基づく遺伝子治療ベクターを生産するための大腸菌株SCS110−AFの操作。
遺伝子治療DNAベクターVTvaf17およびそれに基づく遺伝子治療ベクターの操作のための大腸菌株SCS110−AFは、その染色体に、具体的には、遺伝子recAの領域に、抗生物質を用いない正の選択を可能とするトランスポゾンTn10の調節要素RNA−IN(64bp)、産物がスクロース含有培地内での選択を保証するレバンスクラーゼ遺伝子sacB(1422bp)、相同組換えが起こったクローン株のピッキングに必要とされるクロラムフェニコール耐性遺伝子catR(763bp)、および遺伝子recAの領域での遺伝子の不活化を伴った相同組み換えを保証する2つの相同配列(相同アーム)(左アームおよび右アーム、それぞれ329bpおよび233bp)を含有する直鎖断片を与えることにより、相同組換えによって生産された。
左および右相同アームを合成するために、遺伝子recAの断片に、大腸菌SCS110(Agilent Technologies)のゲノムDNAをマトリックスとして用いてPCR増幅を行った。左相同アームを合成するためには、プライマーLHA−FおよびLHA−R(配列表(18)および(19))を使用し、右相同アームを合成するためには、プライマーRHA−FおよびRHA−R(配列表(28)および(29))を使用した。RNA−IN断片は、合成オリゴヌクレオチドIN−F、IN−1、IN−2、IN−R(配列表(20)、(21)、(22)、(23))末端を有する。遺伝子sacBは、マトリックスとして枯草菌(B.subtilis)ゲノムDNA 168HTおよびプライマーとしてSacB−FとSacB−R(配列表(24)および(25))を用い、PCR増幅により生産した。遺伝子сatRを合成するために、マトリックスとして大腸菌株BL21 pLysSおよびプライマーとしてCatR−FとCatR−R(配列表(26)および(27))を用い、PCR増幅を行った。PCR産物LHA(左相同アーム)、SacB、およびRHA(右相同アーム)を、94℃で3分;94℃で20秒、60℃で20秒および72℃で60秒の30サイクル;最終伸張72℃で5分間増幅した。PCR産物RNA−INは、断片のアセンブリのためにオリゴヌクレオチドIN−F、IN−1、IN−2、IN−R(配列表(20)、(21)、(22)、(23))を用い、94℃で3分;94℃で10秒、60℃で10秒および72℃で10秒の30サイクルで合成した。このために10μMのプライマーIN−FとIN−R、および5μMのプライマーIN−1とIN−2を使用した。PCR増幅は、市販キットPhusion(登録商標)High−Fidelity DNAポリメラーゼ(Thermo Fisher Scientific)を用い、製造者の説明書に従って実施した。
相同組換えのための直鎖断片は、5種類のPCR産物を統合することによって合成した。これら5種類の産物は全て重複領域を持ち、続いて単一の断片へのアセンブリが可能である。全ての断片を50μl容量中に10ngのアリコートとして混合した。PCR産物は、プライマーを添加せずに94℃で3分;94℃で30秒、60℃で30秒および72℃で2分の10サイクルで得た。次に、プライマーLHA−F、RHA−R(配列表(18)、(19))を加え、さらに25回のPCRサイクルを行った:94℃で30秒、60℃で30秒および72℃で2分、最終伸張72℃で5分。これにより、下記の構造:LHA−RNA−IN−SacB−CatR−RHAを有する2811bp長のPCR断片を得た。この断片を、DNA溶出キット(BioSilica、ロシア)を用い、製造者の説明書に従って、アガロースゲルから分取した。
大腸菌株SCS110−AFを合成するために、エレクトロコンピテントセルを作製した。このために、大腸菌株SCS110(Agilent Technologies)の単一コロニーを用いて10mlのLB培地に感染させ、細胞をオービタルシェーカーにて150rpm、37℃で一晩培養した。翌日、1/20を100mlのLB培地に再播種し、オービタルシェーカーにて150rpm、37℃で、OD600=0.5となるまで培養した。必要な光学密度に達した際に、細胞を0℃に冷却し、4000gで10分間遠心分離した。次に、培地を除去し、残留する培地を除去するために細胞を100mlの氷冷再蒸留水で2回すすぎ、次いで、20mlの10%グリセリンですすいだ。その後、細胞を1mlの10%グリセリンに再懸濁させ、形質転換に使用した。
生産された直鎖断片による形質転換は、1mmのキュベット内で、2kV、200オーム、25μFにて、Gene Pulser Xcell(Bio−Rad、USA)を用いたエレクトロポレーションによって行った。パルス幅は4.9ms〜5.1msとした。その後、細胞をインキュベーターシェーカーにて30℃で、SOC培地で2.5時間培養した。次に、細胞を10μg/mlのクロラムフェニコールを含有するLB寒天プレート(ペトリ皿)に注いだ。細胞を30℃で48時間培養した。ピッキングしたクローンを、イーストレル、ペプトン、6%スクロース、および10μg/mlのクロラムフェニコールを含有する選択培地で生存するかどうか試験した。得られた株の遺伝子型は、recA rpsL (Strr) thr leu endA thi−1 lacY galK galT ara tonA tsx dam dcm supE44 Δ(lac−proAB)[F’ traD36 proAB lacIq ZΔM15]ChmR sacB+であった。
実施例5
さらなる生産のための、遺伝子治療DNAベクターVTvaf17を保持する大腸菌株SCS110−AF/VTvaf17(番号B−12990、国際寄託当局番号NCIMB42801としてロシアン・ナショナル・コレクション・オブ・インダストリアル・マイクロオーガニズムに登録)の構築。
大腸菌株SCS110−AFのエレクトロコンピテントセルを作製するために、単一のコロニーを用いて10mlのLB培地に感染させ、細胞をオービタルシェーカーにて150rpm、37℃で一晩培養した。翌日、1/20を100mlのLB培地に再播種し、オービタルシェーカーにて150rpm、37℃で、OD600=0.5となるまで培養した。必要な光学密度に達した際に、細胞を0℃に冷却し、4000gで10分間遠心分離した。次に、培地を除去し、残留する培地を除去するために細胞を100mlの氷冷再蒸留水で2回すすぎ、次いで、20mlの10%グリセリンですすいだ。その後、細胞を1mlの10%グリセリンに再懸濁させ、エレクトロポレーションによる形質転換に使用した。エレクトロポレーションは、Gene Pulser Xcell(Bio−Rad、USA)を用い、1mmのキュベット内で、2kV、200オーム、25μFにて行った。パルス幅は4.9ms〜5.1msとし、1〜10ngのベクターを使用した。その後、細胞をインキュベーターシェーカーにて30℃で、SOC培地で2.5時間培養した。次に、細胞を、イーストレル、ペプトン、6%スクロース、および10μg/mlのクロラムフェニコールを含有する選択培地を含む寒天プレート(ペトリ皿)に注いだ。この手順により、遺伝子治療DNAベクターVTvaf17を保持する大腸菌株SCS110−AF/VTvaf17(番号B−12990、国際寄託当局番号NCIMB42801としてロシアン・ナショナル・コレクション・オブ・インダストリアル・マイクロオーガニズムに登録)が生産された。48時間後に、単一のコロニーを用いて、イーストレル、ペプトン、6%スクロース、および10μg/mlのクロラムフェニコールを含有する10mlの液体選択培地に感染させ、この培地をオービタルシェーカーにて150rpm、37℃で一晩培養した。翌日、細胞をペレットとし、DNAベクターを、GeneJET Plasmid Miniprep Kit(Thermo Fisher Scientific)を用い、製造者の説明書に従ってアルカリ溶解によって抽出した。
実施例6
遺伝子治療DNAベクターVTvaf17の効率を証明するために、標的遺伝子、例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)コード遺伝子をポリリンカーにクローニングした。
プラスミドベクターpEFGP−C1(Clontech)と遺伝子治療DNAベクターVTvaf17−eGFPでの細胞トランスフェクション48時間後のHEK−293細胞における、標的遺伝子、例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)の蓄積レベルの比較。
HEK−293細胞(アデノウイルス5 DNA、ATCC CRL−1573で形質転換されたヒト胎児腎臓細胞)において緑色蛍光タンパク質(GFP)の蓄積レベルを測定するために、プラスミドベクターpEFGP−C1(Clontech)および遺伝子治療DNAベクターVTvaf17−eGFPでの細胞のトランスフェクションを行った。
細胞を、10%ウシ胎仔血清(ThermoFissher Scientific、USA)、4.5g/lのグルコースおよび10μg/mlのゲンタマイシンを含有するDMEM培地(ThermoFisher Scientific、USA)中、5%СОオーバーレイ、37℃で増殖させた。90%の集密度に到達させるために、トランスフェクション手順の24時間前に細胞を24ウェルプレートに410細胞/ウェルの量で播種した。リポフェクタミン3000(ThermoFisher Scientific、USA)をトランスフェクション試薬として使用した。試験管1に、プラスミドベクターpEFGP−C1および遺伝子治療DNAベクターVTvaf17−eGFPの溶液1μl(各500ng/μl)および1μlの試薬Р3000を25μlのOpti−MEM培地(Gibco)に加えた。この調製物を穏やかに振盪することにより混合した。試験管2において、1μlのリポフェクタミン3000溶液を25μlのOpti−MEM培地(Gibco)に加えた。この調製物を穏やかに振盪することにより混合した。試験管1の内容物を試験管2の内容物に加え、この混合物を室温で5分間インキュベートした。得られた溶液を40μl容量で細胞に滴下した。
結果は48時間後に485/535nmフィルターセットを備えたオリンパスix53蛍光顕微鏡(日本)を用いて記録した(図3А)。これらの結果は、遺伝子治療DNAベクターVTvaf17−eGFPでのHEK−293細胞のトランスフェクションは、プラスミドベクターpEFGP−C1(Clontech)での同じ細胞のトランスフェクションに比べて、緑色蛍光タンパク質の蓄積に有意な増加を生じることを示す。
これらの結果は、トランスフェクトされた細胞株から抽出されたタンパク質の蛍光を測定することにより記録された。このために、細胞をピペット操作によってウェルからすすぎ取り、6000rpm、10分間でペレットとし、2回すすぎ、その後、密集した細胞を1mlのリン酸ナトリウムバッファーに再懸濁させた。細胞を−70℃での凍結/解凍サイクル3回で溶解させた。次に、溶解した細胞のホモジネートを13000g、15分間でペレットとした。上清を96ウェル培養プレート(Grainer Bio−one)に各サンプルについて4反復で移した後、GFPの相対蛍光を、Fluoroskan Ascentマイクロプレート蛍光計(Labsystems)を用いて測定した(吸収455nm/発光538nm)。得られた値を、Bradfordタンパク質アッセイによって測定されたサンプル中の総タンパク質濃度に応じて正規化した。このために、クーマシーブリリアントブルーR−250を色素として使用した。各反復試料を96ウェルプレートのウェル中に水で100倍希釈し(各サンプルにつき4反復)、次いで、色素を添加した。その後、全てのサンプルの光学密度を、Multiskan Ascent(Thermo)を用いて620nmで測定した。得られた値を、ウシ血清アルブミン(Bio−Rad)に関して20〜2.5μg/mlの連続希釈系で作成した検量線と比較した。計算は下式を用いて行った。
Σタンパク質含量(μg)={[x]−σ}÷k*M
式中、[x]は各サンプルに関する4反復のOD620の平均値であり、σは平均偏差であり、kはBSAの検量線の傾斜係数であり、Mはサンプルの希釈倍率である。
細胞から抽出されたタンパク質の総濃度の値に基づき、サンプルのGFP蛍光を、下式を用いて正規化した。
OEn=[OE]÷Σタンパク質含量(mg)
式中、[ОЕ]は各サンプルに関する4反復の平均相対蛍光単位(RFU)である。
結果を図3Bに示し、遺伝子治療DNAベクターVTvaf17−eGFPでのHEK−293細胞のトランスフェクションは、プラスミドベクターpEFGP−C1(Clontech)での同じ細胞のトランスフェクションに比べ、緑色蛍光タンパク質の蓄積レベルを2倍にすることを示す。
実施例7
遺伝子治療DNAベクターVTvaf17の効率を証明するために、標的遺伝子、例えば、エラスチンコード遺伝子をポリリンカーにクローニングした。
ヒトエラスチン遺伝子コード領域を保持するDNAベクターVTvaf17−ELNでのこれらの細胞のトランスフェクション48時間後のケラチノサイト細胞HaCaTにおける、標的遺伝子、例えば、エラスチン遺伝子のmRNAの蓄積の変化の分析。
HaCaT細胞(不死化ヒトケラチノサイト、ThermoFisher Scientific、USA)を、10%ウシ胎仔血清(ThermoFisher Scientific、USA)、4.5g/lのグルコースおよび2mMのグルタミンを含有するDMEM培地(ThermoFisher Scientific、USA)中、5%СОオーバーレイ、37℃で増殖させた。90%の集密度に到達させるために、トランスフェクション手順の24時間前に細胞を24ウェルプレートに510細胞/ウェルの量で播種した。リポフェクタミン3000(ThermoFisher Scientific、USA)をトランスフェクション試薬として使用した。ヒトエラスチン遺伝子を発現する遺伝子治療DNAベクターVTvaf17−ELNでの細胞のトランスフェクションは、実施例6に記載の手順に従って行った。遺伝子治療DNAベクターVTvaf17でトランスフェクトされたHaCaT細胞を参照として使用した。トランスフェクト細胞からの全RNAの抽出および第一cDNA鎖の構築は、実施例3に記載の手順に従って行った。トランスフェクション後のエラスチン遺伝子mRNAの発現レベルを測定するために、リアルタイムPCR(SYBR GreenリアルタイムPCR)を使用した。ヒトエラスチンcDNAの増幅のために、オリゴヌクレオチドEL1FおよびEL1 Rを使用した(配列表(34)、(35)参照)。増幅産物の長さは227bpである。β−2ミクログロブリン(B2M)を参照遺伝子として使用した。
PCR増幅は、QuantiTect SYBR Green RT−PCRキット(Qiagen、USA)または別のリアルタイムPCRキットを用い、25μlのQuantiTect SYBR Green RT−PCR Master Mix、2.5mMの塩化マグネシウム、各0.5μMのプライマー、および5μlの全RNAを含有する20μlの増幅混合物中で行った。増幅のため、CFX96反応モジュール(Bio−Rad、USA)を下記の条件で使用した:42℃で30分の逆転写1サイクル、98℃で15分の変性、その後、94℃で15秒の変性、60℃で30秒のプライマーのアニーリングおよび72℃で30秒の伸張を含む40サイクル。陽性対照は、遺伝子ELNおよびB2MのcDNA配列を含有する既知濃度のプラスミドが表すマトリックスでのPCRからのアンプリコンを含んだ。陰性対照は、脱イオン水を含んだ。PCR産物、すなわち、増幅により得られるELNおよびB2M遺伝子cDNAのリアルタイム定量は、Bio−Rad CFX Manager 2.1ソフトウエアを用いて行った。
エラスチン遺伝子をコードする領域を保持する遺伝子治療DNAベクターVTvaf17−ELNでのこれらの細胞のトランスフェクション後のヒトケラチノサイト細胞におけるELN遺伝子の発現の増強を証明するために、図3は、下記に対応するPCR産物の蓄積の図を示す。
1−遺伝子治療ベクターVTvaf17でのトランスフェクション後のELN遺伝子のcDNA;
2−エラスチン遺伝子コード領域を保持する遺伝子治療ベクターVTvaf17−ELNでのトランスフェクション後のELN遺伝子のcDNA;
3−遺伝子治療ベクターVTvaf17でのトランスフェクション後のB2M遺伝子のcDNA;
4−エラスチン遺伝子コード領域を保持する遺伝子治療ベクターVTvaf17−ELNでのトランスフェクション後のB2M遺伝子のcDNA。
この図から、標的遺伝子、例えば、ヒトエラスチン遺伝子を保持する遺伝子治療DNAベクターVTvaf17−ELNでのトランスフェクションは、ヒトエラスチン遺伝子特異的cDNAのレベルを著しく上昇させるということになる。
実施例8
遺伝子治療DNAベクターVTvaf17の効率を証明するために、標的遺伝子、例えば、エラスチンコード遺伝子をポリリンカーにクローニングした。
標的遺伝子、例えば、ヒトエラスチン遺伝子を保持する遺伝子治療DNAベクターVTvaf17をヒト皮膚に注射した際の、ヒト皮膚におけるエラスチンタンパク質濃度の変化の測定を行った。
エラスチンタンパク質の濃度変化を分析するために、エラスチン遺伝子をコードする領域を保持する遺伝子治療DNAベクターVTvaf17−ELNを、目視的に年齢特有の変化を特徴とする3名の患者の前腕皮膚に注射し、同時にELN遺伝子cDNAを欠く遺伝子治療DNAベクターVTvaf17であるプラセボを導入した。患者1、女性、56歳、小じわを特徴とする老化(P1);患者2、女性、67歳、変形または深いしわを特徴とする老化(P2);患者3、男性、60歳、変形を特徴とする老化(P3)。
遺伝子治療DNAベクターVTvaf17(プラセボ)およびエラスチン遺伝子をコードする領域を保持する遺伝子治療DNAベクターVTvaf17−ELNを、30Gの針で深さ3mmのトンネル法を用いて、各遺伝子構築体につき1mgの量で注射した。遺伝子治療DNAベクターVTvaf17(プラセボ)およびエラスチン遺伝子をコードする領域を保持する遺伝子治療DNAベクターVTvaf17−ELNの注射溶液の容量は、各遺伝子構築体につき0.3mlである。各遺伝子構築体の導入点は、5〜10cm間隔で配置した。
生検サンプルは、遺伝子治療DNAベクターの導入2日目に採取した。生検サンプルは、エラスチン遺伝子をコードする領域を保持する遺伝子治療DNAベクターVTvaf17−ELN(I)、遺伝子治療DNAベクターVTvaf17(プラセボ)(II)の導入領域の患者の皮膚、および健全な皮膚(III)から、皮膚生検デバイスEpitheasy 3.5(Medax SRL)を用いて採取した。患者の皮膚は無菌生理食塩水で予め洗い流し、リドカイン溶液で麻酔した。生検サンプルのサイズは約2×2×2mmとし、重量は10mgまでとした。このサンプルを、50mMのTris−HCl、рН7.6、100mMのNaCl、1mMのEDTAおよび1mMのフッ化フェニルメチルスルホニルを含有するバッファー溶液中に入れ、ホモジナイズしてホモジナイズ懸濁液を得た。次に、この懸濁液を14,000gで10分間遠心分離した。上清を回収し、標的タンパク質のアッセイに使用した。
患者の皮膚生検サンプル中のエラスチンタンパク質は、Enzyme−Linked Immunosorbent Assay Kit For Elastin(ELN)(SEB337Hu、Cloud−Clone Corp.、USA)を用いた酵素結合免疫吸着アッセイにより定量した。
このキットから、マイクロプレートウェルに吸着されたエラスチンタンパク質に対して特異性の高い抗体を用いた。各100μlの希釈した参照サンプルおよび供試サンプルをウェルに加え、37℃で2時間インキュベートした。次に、100μlの試薬Аを加え、プレートを接着テープで覆い、37℃で1時間インキュベートした。次に、ウェルを350μlの洗浄バッファーで3回すすぎ、100μlの試薬Bを加えた後、37℃で30分間インキュベートした。インキュベーション後、ウェルを350μlの洗浄バッファーで5回洗浄し、90μlの基質溶液を加え、37℃で20〜25分間インキュベートした。50μlの阻害剤除去バッファーを加えることで反応を終了させ、生化学・酵素結合アッセイChemWell用完全自動分析装置(Awareness Technology Inc.、USA)を用い、450nmで光学密度を測定した。濃度数値を測定するために、既知濃度のエラスチンタンパク質とともにキットの参照サンプルを用いて作成した検量線を使用した。結果の統計処理およびデータの可視化のためにR−3.0.2を使用した(https://www.r−project.org/)。
3名の各患者の皮膚は、標的遺伝子、例えば、ヒトエラスチン遺伝子を保持する遺伝子治療DNAベクターVTvaf17の導入領域では、ヒトエラスチン遺伝子をコードする領域を欠く遺伝子治療DNAベクターVTvaf17(プラセボ)の導入領域のエラスチンタンパク質濃度に比べて、エラスチンタンパク質濃度の増大を示す。患者P1、P2およびP3の皮膚において得られたエラスチン濃度の値を図5に示す。
実施例9
遺伝子治療DNAベクターVTvaf17の効率を証明するために、ウシ腎臓細胞MDBKにおいて標的遺伝子、例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)コード遺伝子をポリリンカーにクローニングした。
遺伝子治療DNAベクターVTvaf17−eGFPでの細胞トランスフェクション48時間後のウシ腎臓細胞MDBKにおける標的遺伝子、例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)の蓄積レベルを比較した。
MDBK細胞(ウシ腎臓細胞、ATCC CLL−22)における緑色蛍光タンパク質(GFP)の蓄積レベルを定量するために、細胞を遺伝子治療DNAベクターVTvaf17−eGFPでトランスフェクトした。
細胞を、10%ウシ胎仔血清(ThermoFisher Scientific、USA)、1g/lのグルコースおよび2mMのグルタミンを含有するMEM培地(ThermoFisher Scientific、USA)中、5%СОオーバーレイ、37℃で増殖させた。90%の集密度に到達させるために、トランスフェクション手順の24時間前に細胞を24ウェルプレートに310細胞/ウェルの量で播種した。リポフェクタミン3000(ThermoFisher Scientific、USA)をトランスフェクション試薬として使用した。トランスフェクションは実施例6に記載の手順に従って行った。緑色蛍光タンパク質遺伝子を欠く組換え遺伝子治療ベクターVTvaf17を参照として使用した。結果は、トランスフェクトされた細胞株から抽出したタンパク質の蛍光を、実施例6に記載するように測定することによって記録した。
結果を図6に示し、緑色蛍光タンパク質遺伝子を保持する遺伝子治療DNAベクターVTvaf17−eGFPでのウシ腎臓細胞株MDBKのトランスフェクションは、緑色蛍光タンパク質遺伝子を欠く遺伝子治療ベクターVTvaf17での同じ細胞のトランスフェクションに比べて、高いレベルの緑色蛍光タンパク質蓄積をもたらすことが結論付けられる。
実施例10
工業規模での遺伝子治療DNAベクターVTvaf17の生産可能性および構築可能性を証明するために、遺伝子治療DNAベクターVTvaf17を保持する大腸菌株SCS110−AF/VTvaf17(番号B−12990、国際寄託当局番号NCIMB42801としてロシアン・ナショナル・コレクション・オブ・インダストリアル・マイクロオーガニズムに登録)の大規模発酵を行った。
遺伝子治療DNAベクターVTvaf17を保持する大腸菌株SCS110−AF/VTvaf17の発酵は、10−lのバイオリアクター/ファーメンターで行い、その後、遺伝子治療DNAベクターVTvaf17を抽出した。
大腸菌株SCS110−AF/VTvaf17の発酵のために、100gのトリプトン、50gのイーストレル(Becton Dickinson)(容量10l当たり)を含有する培地を調製した後、その培地を水で8800mlに希釈し、121℃で20分間オートクレーブ処理し、次いで、1200mlの50%(重量/容量)のスクロースを加えた。その後、大腸菌株SCS110−AF/VTvaf17の種培養を培養フラスコに100mlの容量で播種した。この培養物をインキュベーターシェーカーにて30℃で16時間インキュベートした。種培養をTechfors Sバイオリアクター(Infors HT、スイス)に移し、静止期まで増殖させた。この過程は、培養物の光学密度を600nmで測定することにより制御した。細胞を5000〜10000gで30分間ペレットとした。上清を除去し、細胞ペレットを10%(容量)のリン酸緩衝生理食塩水に再懸濁させた。細胞を再び5000〜10000gで30分間遠心分離した。上清を除去し、20mMのTris−HCl、1mMのEDTA、200g/lのスクロース、рН8.0の溶液を1000mlの容量でこの細胞ペレットに加え、この混合物を十分に撹拌してホモジナイズ懸濁液を得た。次に、卵リゾチーム溶液を終濃度100μg/mlまで加えた。この混合物を穏やかに撹拌しながら氷上で20分間インキュベートした。次に、2500mlの0.2M NaOH、10g/lのドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を加え、この混合物を穏やかに撹拌しながら氷上で10分間インキュベートし、次いで、3500mlの3M酢酸ナトリウム、2M酢酸、рН5〜5.5を加え、この混合物を穏やかに撹拌しながら氷上で10分間インキュベートした。得られたサンプルを15000g以上の値で20〜30分間遠心分離した。この溶液を慎重にデカントし、粗いフィルター(濾紙)に通すことによって残った沈澱を除去した。次に、RNアーゼA(Sigma)を終濃度20μg/mlまで加え、この溶液を室温で16時間、一晩インキュベートした。次に、この溶液を15000gで20〜30分間遠心分離し、0.45μmのメンブランフィルター(Millipore)に通した。次に、100kDaのメンブラン(Millipore)で限外濾過を行い、この混合物を25mMのTris−HCl、pH7.0のバッファー溶液で最初の容量まで希釈した。この操作を3〜4回行った。この溶液を、250mlのDEAEセファロースHP(GE、USA)を含むカラムに適用し、25mMのTris−HCl、pH7.0で平衡化した。サンプルの適用後、カラムを3容量の同じ溶液で洗浄し、次いで、遺伝子治療DNAベクターVTvaf17を、25mMのTris−HCl、pH7.0の直線勾配を用いて溶出して、カラム容量の5倍の25mMのTris−HCl、pH7.0、1M NaCl溶液を得た。溶出過程は、流出溶液の光学密度を260nmで測定することにより制御した。遺伝子治療DNAベクターVTvaf17を含有するクロマトグラフィー画分を一緒にし、スーパーデックス200(GE、USA)を用いたゲル濾過を行った。カラムはリン酸緩衝生理食塩水で平衡化合物した。溶出過程は、流出溶液の光学密度を260nmで測定することにより制御し、画分をアガロースゲル電気泳動により分析した。遺伝子治療DNAベクターVTvaf17を含有するクロマトグラフィー画分を一緒にし、−20℃で維持した。この収量は遺伝子治療DNAベクターVTvaf17の大規模工業生産に十分なものである。
従って、
I)遺伝子治療DNAベクターに抗生物質耐性遺伝子が存在しないためにヒトおよび動物の遺伝子治療に安全に使用できる可能性;
II)標的細胞への効率的遺伝子送達を保証する長さ;
III)標的遺伝子の効率的発現を保証し、しかもウイルスゲノムのヌクレオチド配列が呈するものでない調節要素の存在;および
IV)工業規模での生産可能性および構築可能性
を合理的に兼ね備えている本発明の目的、具体的には、ヒトおよび動物細胞の遺伝子改変のための遺伝子治療DNAベクターの構築が達成され、このことは以下の実施例:項目I−実施例1;項目II−実施例1、6、7、8、9;項目III−実施例1、6、7、8、9;項目IV−実施例5、10により裏づけられる。
上記に挙げられた実施例は全て、提案される遺伝子治療DNAベクターVTvaf17およびその生産方法、DNAベクターVTvaf17およびそれに基づく、標的遺伝子を保持する遺伝子治療DNAベクターの構築のための遺伝的に改変された大腸菌株SCS110−AF、ならびに大腸菌株SCS110−AFの生産方法、その構築のための遺伝子治療DNAベクターVTvaf17を保持する遺伝的に改変された大腸菌株SCS110−AF/VTvaf17(番号В−12990、国際寄託当局No.NCIMB42801としてロシアン・ナショナル・コレクション・オブ・インダストリアル・マイクロオーガニズムに登録)、および大腸菌株SCS110−AF/VTvaf17の生産方法の産業上の利用可能性を裏づける。
オリゴヌクレオチド配列表
(1) オリゴヌクレオチドORI−F AGTCCATGGCTGCCTCGCGCGTTTCG
(2) オリゴヌクレオチドORI−R
AGCCTCACGGGAGTCAGGCAACTATG
(3) オリゴヌクレオチドOri−M1
CTACACTAGAAGAACAGTATTTG
(4) オリゴヌクレオチドOri−M2
CAAATACTGTTCTTCTAGTGTAG
(5) オリゴヌクレオチドEF1−F
CCTGACTCCCGTGAGGCTCCGGTGCC
(6) オリゴヌクレオチドEF1−R
TCGGATCCTGGCTTTTAGGGGTAGTTTTC
(7) オリゴヌクレオチドhGH−F
AGGATCCGAATTCCCTGTGACCCCTCCCCAG
(8) オリゴヌクレオチドhGH−R
CTCTTTACCAATTCTACGCGTAAGGACAGGGAAGGGAGCA
(9) オリゴヌクレオチドRO−F
CTTCCCTGTCCTTACGCGTAGAATTGGTAAAGAGAGTCGT
(10) オリゴヌクレオチドRO−R
CCGTAGAAAACTAGTTAATGATTTTTATCAAAATCATTAAG
(11) オリゴヌクレオチドRO−1
GAATTGGTAAAGAGAGTCGTGTAAAATATCGAGTTCGCACATCTTGTTG
(12) オリゴヌクレオチドRO−2
GATTTTTGGCGAAACCATTTGATCATATGACAAGATGTGTATCTACC
(13) オリゴヌクレオチドRO−3
ATGATTTTTATCAAAATCATTAAGTTAAGGTAGATACACATCTTGTC
(14) オリゴヌクレオチドKan−F
AAATCATTAACTAGTTTTCTACGGGGTCTGACGC
(15) オリゴヌクレオチドKan−R
CAGCCATGGACTAGTGGTGGCACTTTTCGGGGA
(16) オリゴヌクレオチドMCS1
GATCCGATATCGTCGACAAGCTTGGTACCG
(17) オリゴヌクレオチドMCS2
AATTCGGTACCAAGCTTGTCGACGATATCG
(18) オリゴヌクレオチドLHA−F 5’−
GCTGACGCTGCAGGTGATC
(19) オリゴヌクレオチドLHA−R 5’−
GACAAGATGTGTGTCTACCGCTTCAGGTTACCCGCCAG
(20) オリゴヌクレオチドIN−F 5’−
CTGGCGGGTAACCTGAAGCGGTAGACACACATCTTGTC
(21) オリゴヌクレオチドIN−1 5’−
ATTTTTGGCGAAACCATTCTATCATATGACAAGATGTGTGTC
(22) オリゴヌクレオチドIN−2 5’−
ATATGATAGAATGGTTTCGCCAAAAATCAATAATCAGACAAC
(23) オリゴヌクレオチドIN−R 5’−
CAAACTTTTTGATGTTCATCTTGTTGTCTGATTATTG
(24) オリゴヌクレオチドSACB−F 5’−
CAATAATCAGACAACAAGATGAACATCAAAAAGTTTG
(25) オリゴヌクレオチドSACB−R 5’−
CTTACGTGCCGATCATTATTTGTTAACTGTTAATTGTC
(26) オリゴヌクレオチドCATR−F 5’−
CAATTAACAGTTAACAAATAATGATCGGCACGTAAGAGG
(27) オリゴヌクレオチドCATR−R 5’−
CGAGACGAACAGAGGCGTAGTTACGCCCCGCCCTGCCAC
(28) オリゴヌクレオチドRHA−F 5’−
TGGCAGGGCGGGGCGTAACTACGCCTCTGTTCGTCTCGA
(29) オリゴヌクレオチドRHA−R 5’−
CTCAGCAGCAACTCACGTAC
(30) オリゴヌクレオチドMVGFP−F 5’−
GGATCCATGGTGAGCAAGGGCGAGGAGCT
(31) オリゴヌクレオチドMVGFP−R 5’−
GAATCCTCACAAATTTTGTAATCCAGAG
(32) オリゴヌクレオチドELN−F 5’−
GGATCCATGGCGGGTCTGACGG
(33) オリゴヌクレオチドELN−R 5’−
GAATCCTCATTTTCTCTTCCGGCCAC
(34) オリゴヌクレオチドEL1 F 5’−
GAGTCCTCCTGCTCCTGCTGTCCAT
(35) オリゴヌクレオチドEL1 R 5’−
AAAGGTAACTGCGGGGAAGGCG
略号の一覧
VTvaf17 − ウイルスゲノムおよび抗生物質耐性マーカーの配列を含まない遺伝子治療ベクター(vector therapeutic virus−antibiotic−free)
DNA − デオキシリボ核酸
cDNA − 相補的デオキシリボ核酸
RNA − リボ核酸
mRNA − メッセンジャーリボ核酸
bp − 塩基対
PCR − ポリメラーゼ連鎖反応
ml − ミリリットル、μl − マイクロリットル
l − リットル
μg − マイクログラム
mg − ミリグラム
g − グラム
μmol − マイクロモル
mM − ミリモル
min − 分
s − 秒
rpm − 毎分回転数
nm − ナノモル
cm − センチメートル
mW − ミリワット
RFU − 相対蛍光単位
PBS − リン酸緩衝生理食塩水

Claims (6)

  1. 配列番号1のヌクレオチド配列を含有する動物およびヒト細胞の遺伝子改変のための3165bpの遺伝子治療DNAベクターVTvaf17。
  2. 3165bpの遺伝子治療DNAベクターVTvaf17(配列番号1)を構築する方法であって、まず第一に、固有エンハンサーを伴うヒト伸張因子EF1Aの1188bpのプロモーター領域、制限エンドヌクレアーゼBamHI、EcoRV、SalI、HindIII、KpnI、EcoRIに対する部位を備えた35bpのポリリンカー、ヒト増殖因子の466bpのポリアデニル化配列及び転写ターミネーター、抗生物質を用いない正の選択を可能とするトランスポゾンTn10の136bpの調節要素RNA−OUT、ほとんどの大腸菌株の細胞においてベクター生産を増加させる一塩基置換を伴う自律的複製のための1299bpの複製起点、1010bpのカナマイシン耐性遺伝子を含有する4182bpのベクターを構築すること、次に、それがSpeI制限部位で切断され、残りの断片がそれ自体に連結されることを含む、方法。
  3. 抗生物質を用いない正の選択を可能とするトランスポゾンTn10の調節要素RNA−INを含有する64bpの直鎖DNA断片、産物がスクロース含有培地内での選択を保証する1422bpのレバンスクラーゼ遺伝子sacB、相同組換えが生じるクローン株のピッキングに必要とされる763bpのクロラムフェニコール耐性遺伝子catR、および遺伝子recAの領域での遺伝子の不活化を伴った相同組み換えを保証する2つの相同配列329bpと233bpを構築すること、次いで、大腸菌細胞SCS110をエレクトロポレーションにより形質転換させ、10μg/mlのクロラムフェニコールを含有する培地で生残しているクローンがピッキングされることにより得られた、抗生物質を用いない正の選択を可能とする遺伝子治療DNAベクターVTvaf17(配列番号1)またはそれに基づく遺伝子治療DNAベクターを生産するための大腸菌株SCS110−AF。
  4. 抗生物質を用いない正の選択を可能とするトランスポゾンTn10の調節要素RNA−INを含有する64bpの直鎖DNA断片、産物がスクロース含有培地内での選択を保証する1422bpのレバンスクラーゼ遺伝子sacB、相同組換えが生じるクローン株のピッキングに必要とされる763bpのクロラムフェニコール耐性遺伝子catR、および遺伝子recAの領域での遺伝子の不活化を伴った相同組み換えを保証する2つの相同配列329bpと233bpを構築すること、次いで、大腸菌細胞をエレクトロポレーションにより形質転換させ、10μg/mlのクロラムフェニコールを含有する培地で生残しているクローンがピッキングされることを含む、遺伝子治療DNAベクターVTvaf17(配列番号1)またはそれに基づく遺伝子治療DNAベクターを生産するための大腸菌株SCS110−AFを得る方法。
  5. 抗生物質を用いない選択を可能とするさらなる生産のための、遺伝子治療DNAベクターVTvaf17(配列番号1)を保持する大腸菌株SCS110−AF/VTvaf17(番号В−12990、国際寄託当局No.NCIMB42801としてロシアン・ナショナル・コレクション・オブ・インダストリアル・マイクロオーガニズムに登録)。
  6. 遺伝子治療DNAベクターVTvaf17(配列番号1)を保持する大腸菌株SCS110−AF/VTvaf17(番号В−12990、国際寄託当局No.NCIMB42801としてロシアン・ナショナル・コレクション・オブ・インダストリアル・マイクロオーガニズムに登録)を得る方法であって、請求項3に記載の大腸菌株SCS110−AFのエレクトロコンピテントセルを作出すること、およびこれらの細胞に遺伝子治療DNAベクターVTvaf17でエレクトロポレーションを行うこと、および、その後、これらの細胞がイーストレル、ペプトン、6%スクロース、および10μg/mlのクロラムフェニコールを含有する選択培地を含む寒天プレート(ペトリ皿)に注がれることを含む方法。
JP2020522984A 2017-08-25 2018-03-26 遺伝子治療DNAベクターVTvaf17と生産方法;大腸菌株SCS110−AFと生産方法;遺伝子治療DNAベクターVTvaf17を保持する大腸菌株SCS110−AF/VTvaf17と生産方法 Active JP6918231B2 (ja)

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