JP6917213B2 - 食品包装用成形体及びその底材 - Google Patents

食品包装用成形体及びその底材 Download PDF

Info

Publication number
JP6917213B2
JP6917213B2 JP2017125168A JP2017125168A JP6917213B2 JP 6917213 B2 JP6917213 B2 JP 6917213B2 JP 2017125168 A JP2017125168 A JP 2017125168A JP 2017125168 A JP2017125168 A JP 2017125168A JP 6917213 B2 JP6917213 B2 JP 6917213B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
layer
resin
bottom material
biaxially stretched
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017125168A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6917213B6 (ja
JP2019006479A (ja
Inventor
林 潤一郎
潤一郎 林
真治 西山
真治 西山
裕紀 中谷
裕紀 中谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Value Coating Ltd
Original Assignee
Daicel Value Coating Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Value Coating Ltd filed Critical Daicel Value Coating Ltd
Priority to JP2017125168A priority Critical patent/JP6917213B6/ja
Publication of JP2019006479A publication Critical patent/JP2019006479A/ja
Publication of JP6917213B2 publication Critical patent/JP6917213B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6917213B6 publication Critical patent/JP6917213B6/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Packging For Living Organisms, Food Or Medicinal Products That Are Sensitive To Environmental Conditiond (AREA)
  • Wrappers (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、スライスハム、ベーコンなどの食品を包装するのに利用される食品包装用成形体及びその底材に関する。
ハム、ソーセージ、ベーコン、焼豚、チキンなどの畜肉加工品の包装には、蓋材と底材とがヒートシールされた深絞り成形包装が汎用されている。深絞り成形包装において、一般的に底材は熱成形加工が必要なため、共押出で製造された無延伸多層フィルムが使用される。例えば、特開2014−124911号公報(特許文献1)には、食品の深絞り容器用底材として、印刷層を有するポリエステル系樹脂フィルム層からなる最外層と、酸素バリア層を形成するためのエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、強度層を形成するためのポリアミド及びシーラント層を形成するためのオレフィン系樹脂を共押出して得られた積層体とを、ポリエステル樹脂フィルムの印刷層の面と接着剤層を介してドライラミネートした層構成からなる底材が開示されている。
しかし、このような従来の無延伸多層フィルムでは、以下の(1)〜(5)のような問題があった。
(1)昨今、環境問題から、あらゆる分野で包装材の薄肉化、簡易化が要求されているが、前記底材の主要層は、無延伸であるため、強度が本質的に弱く、特にスリット工程でのハンドリングに難があるため、薄肉化に限界があった。
(2)無延伸であるがゆえの強度の弱さ(特に、耐ピンホール性)を補うため、ポリアミド層が必要であり、さらに酸素バリア層と組み合わせると、少なくとも4種以上の複雑な異種多層樹脂フィルムとする必要があった。
(3)酸素バリア層としては、成形性の点から、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)層が広く用いられてきた。しかし、EVOHは、湿度依存性が高く、ハム、ソーセージなど水分を多く含む用途では、著しく酸素バリア性が低下する。そのため、これらの用途では、EVOH層のバリア性を補うため、厚くする必要があった。
(4)真空深絞り成形包装では、一般的にラミネート多層フィルムである蓋材側に印刷を施すが、意匠性の観点から、底材側に印刷したいとの需要がある。従来の共押出無延伸多層フィルムでは、加工特性上、層間に印刷することができず、どうしても印刷の要望がある場合は、さらに延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどを別途ラミネートする必要があった。
(5)真空深絞り成形包装では、蓋材と底材とをヒートシールして一体化すると、複雑な異種多層フィルムとなるため、カールが発生しやすい。カールが発生すると、コンベアラインでの引っかかりや、印字、ラベルなどでトラブルが発生し、生産性を低下させることがあった。特に、近年ではラベルによってパックを複数連ねた連パックとして商品化する場合が増えてきており、カールが大きいとラベル機で各パックが揃わないことによるトラブルが増えてきており、カール抑制の要望がさらに増している。
一方、無延伸フィルムは、カット性(引き裂き性)も低いため、カット性を改善した底材として、特開2011−162198号公報(特許文献2)には、ポリアミド層、EVOHからなるバリア層、接着層及びシール層を有する二軸延伸多層フィルムと、少なくとも一軸延伸されたポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム又はポリアミドフィルムをラミネートしてなる食品包装用フィルムで形成された底材フィルムが開示されている。この文献には、延伸フィルムの延伸条件については記載されていない。
しかし、この底材フィルムでも、複雑な層構造である上に、カールの発生を抑制できない。
特開2014−124911号公報(請求項1、段落[0020][0021][0022]) 特開2011−162198号公報(請求項1、段落[0003]、実施例)
従って、本発明の目的は、簡便な構造で薄肉であっても、酸素バリア性及び強度(突き刺し強度など)に優れ、食品を収容可能な凹部を形成できる食品包装用成形体の底材及びこの底材を備えた食品包装用成形体を提供することにある。
本発明の他の目的は、蓋材とヒートシールした後も、フランジ部におけるカールの発生を抑制できる食品包装用成形体の底材及びこの底材を備えた食品包装用成形体を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、印刷を施しても、薄肉である食品包装用成形体の底材及びこの底材を備えた食品包装用成形体を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムとこのフィルムの少なくとも一方の面を被覆し、かつ塩化ビニリデン系樹脂を含むバリア膜とを含む外層と、無延伸オレフィン系樹脂フィルムからなるシーラント層とを含む多層フィルムで底材を形成することにより、簡便な構造で薄肉であっても、酸素バリア性及び強度(突き刺し強度など)に優れ、食品を収容可能な凹部を形成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の底材は、食品を収容するための凹部とヒートシール可能なフランジ部を有し、蓋材とヒートシールして食品包装用成形体を形成するための底材であって、二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムとこのフィルムの少なくとも一方の面を被覆し、かつ塩化ビニリデン系樹脂を含むバリア膜とを含む外層と、無延伸オレフィン系樹脂フィルムからなるシーラント層とを含む多層フィルムで形成されている。前記外層は、JIS K7127に準拠した引張試験において、100℃における伸び10%でのMD方向の応力とTD方向の応力との平均値が50MPa以下であってもよい。前記無延伸オレフィン系樹脂フィルムは、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂を含んでいてもよい。本発明の底材の平均厚みは20〜60μm程度であってもよい。本発明の底材は、凹部の平均径と平均深さとの比が、平均径/平均深さ=6.7/1〜20/1程度であってもよい。前記バリア膜は、前記二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムのシーラント層と対向する表面を被覆していてもよい。本発明の底材は、ポリアミドフィルムを含まないのが好ましい。
本発明には、二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムを含む外層と、二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムを含む中間層と、無延伸オレフィン系樹脂フィルムからなるシーラント層とを含み、かつ前記外層及び前記中間層の少なくとも一方がバリア膜を含む多層フィルムで形成された蓋材と、前記底材とをヒートシールした食品包装用成形体も含まれる。前記蓋材のバリア膜は、塩化ビニリデン系樹脂を含んでいてもよい。前記蓋材の外層の二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムは、二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムであってもよい。
本発明では、二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムとこのフィルムを被覆し、かつ塩化ビニリデン系樹脂を含むバリア膜とを含む外層と、無延伸オレフィン系樹脂フィルムからなるシーラント層とを含む多層フィルムで底材が形成されているため、ポリアミド層を含まない簡便な構造で薄肉であっても、酸素バリア性及び強度(突き刺し強度など)に優れ、食品(特に、スライスハム、ベーコンなどの食品)を収容可能な凹部を形成できる。また、ポリアミド層を含まない底材は、蓋材との層構成を対称に調整できるため、蓋材とヒートシールした後も、フランジ部におけるカールの発生を抑制できる。さらに、底材の外層に容易に印刷層を形成できるため、薄肉を維持したまま、印刷層を形成できる。
[底材の外層]
本発明の底材を構成する多層フィルムは、外層とシーラント層とを含み、前記外層は、二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムとこのフィルムを被覆し、かつ塩化ビニリデン系樹脂を含むバリア膜とを含む。
(二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルム)
底材の外層に含まれる二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムを構成するポリエステル系樹脂としては、ポリアルキレンアリレート系樹脂が好ましい。ポリアルキレンアリレート系樹脂には、アルキレンアリレート単位を主成分として、例えば50モル%以上、好ましくは75〜100モル%、さらに好ましくは80〜100モル%(特に90〜100モル%)の割合で含むホモ又はコポリエステルが含まれる。コポリエステルを構成する共重合性単量体には、ジカルボン酸成分(例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸などのC8−20芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などのC4−12アルカンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などのC4−12シクロアルカンジカルボン酸など)、ジオール成分(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどのC2−10アルカンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのポリC2−4アルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのC4−12シクロアルカンジオール、ビスフェノールAなどの芳香族ジオールなど)、ヒドロキシカルボン酸成分(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシエトキシ安息香酸など)などが含まれる。これらの共重合性単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。ポリアルキレンアリレート系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリC2−4アルキレン−テレフタレート系樹脂、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリC2−4アルキレン−ナフタレート系樹脂などが挙げられる。
本発明では、これらのポリアルキレンアリレート系樹脂の中でも、延伸後の寸法安定性が高い点から、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエチレンアリレート系樹脂、特に、エチレンアリレート単位のホモポリエステル、又はエチレンアリレート単位を含むコポリエステルが挙げられる。
エチレンアリレート単位を含むコポリエステルを構成する共重合性単量体としては、前述のジカルボン酸成分、ジオール成分、ヒドロキシカルボン酸などが挙げられ、通常、イソフタル酸などのジカルボン酸成分である。
ポリエステル系樹脂の数平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いてポリスチレン換算で5000〜1000000程度の範囲から選択でき、例えば10000〜500000、好ましくは12000〜300000、さらに好ましくは15000〜100000程度である。
二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムは、慣用の添加剤(例えば、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの安定剤、防腐剤、殺菌剤、可塑剤、滑剤、着色剤、粘度調整剤、レベリング剤、界面活性剤、帯電防止剤など)などを含んでいてもよい。添加剤の割合は、ポリエステル系樹脂フィルム100重量部に対して50重量部以下、好ましくは30重量部以下(例えば0.01〜30重量部)、さらに好ましくは10重量部以下(例えば0.1〜10重量部)程度である。
二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムの引張強度は、JIS K7127に準拠した方法で、例えば100MPa以上、好ましくは100〜500MPa、さらに好ましくは150〜400MPa(特に200〜300MPa)程度である。
二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムにおいて、フィルム引取方向(MD方向)及び幅方向(TD方向)の延伸倍率は、それぞれ1.5倍以上(例えば1.5〜10倍)であってもよく、例えば2〜8倍、好ましくは2〜5倍、さらに好ましくは3〜4倍程度である。延伸倍率が大きすぎると、延伸フィルム自体の製造が困難となる虞があり、小さすぎると、フィルムの腰感が低下する虞がある。
二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムの平均厚みは、例えば5〜20μm、好ましくは8〜18μm、さらに好ましくは10〜15μm(特に11〜13μm)程度であり、突き刺し強度が重要な用途では、例えば12〜20μm(特に14〜18μm)程度であってもよい。二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムの厚みが薄すぎると、腰感が低下する虞があり、厚すぎると、薄肉性が低下する虞がある。
なお、本明細書及び特許請求の範囲では、平均厚みは、ダイヤルゲージを用い、JIS K7130(1992年)A−2法に準じて、フィルムの任意の10ヶ所について厚さを5枚分測定し、5枚分の平均値を10で除する方法で算出できる。
二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムは、表面処理(例えば、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾンや紫外線照射処理など)されていてもよく、易接着層を有していてもよい。
(バリア膜)
底材の外層に含まれるバリア膜(ガスバリア膜)は、前記二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムの少なくとも一方の面を被覆していればよく、両面を被覆していてもよいが、薄肉性や経済性の点から、一方の面を被覆しているのが好ましく、取り扱い性などの点から、シーラント層との対向面を被覆するのが特に好ましい。
バリア膜は、塩化ビニリデン系樹脂を含む。底材のバリア膜は、塩化ビニリデン系樹脂を含むため、湿気や水分よる酸素バリア性の低下も抑制できる。
塩化ビニリデン系樹脂は、塩化ビニリデンホモポリマー(塩化ビニリデン単独重合体)であってもよく、塩化ビニリデンコポリマー(塩化ビニリデン系共重合体)であってもよい。
コポリマーにおいて、塩化ビニリデンと共重合可能なモノマー(共重合性モノマー)としては、例えば、塩化ビニルなどの塩化ビニリデン以外の塩素含有モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル系モノマー;ブタジエン、イソプレンなどのジエン系モノマー;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、メサコン酸、アンゲリカ酸などのエチレン系不飽和カルボン酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、グリシジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリロニトリルなどのシアン化ビニル系モノマーなどが挙げられる。これらの共重合性モノマーは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。前記共重合性モノマーのうち、塩化ビニル、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリルなどが汎用され、塩化ビニルが好ましい。
共重合体の形態としては、ブロック共重合、ランダム共重合、交互共重合、グラフト共重合などが挙げられる。これらのうち、通常、ランダム共重合、交互共重合である。
塩化ビニリデン系樹脂において、塩化ビニリデン(塩化ビニリデン単位)と共重合性モノマー(共重合性モノマー単位)との割合(モル比)は、塩化ビニリデン/共重合性モノマー(特に、塩化ビニル)=99/1〜5/95、好ましくは97/3〜10/90、さらに好ましくは95/5〜50/50程度である。塩化ビニリデンの割合が少なすぎると、取り扱い性(溶媒溶解性)が低下する虞があり、多すぎると、酸素バリア性が低下する虞がある。
塩化ビニリデン系樹脂の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)において、ポリスチレン換算で、例えば10,000〜500,000、好ましくは20,000〜250,000、さらに好ましくは25,000〜100,000程度であってもよい。
バリア膜は、塩化ビニリデン系樹脂に加えて、反応性接着成分[イソシアネート系化合物(トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート及びこれらの誘導体など)、イミノ基含有ポリマー(ポリエチレンイミンなど)など]を含んでいてもよい。
反応性接着成分の割合は、塩化ビニリデン系樹脂100重量部に対して30重量部以下(例えば0.1〜30重量部)、好ましくは0.5〜20重量部、さらに好ましくは1〜10重量部程度であってもよい。
バリア膜は、塩化ビニリデン系樹脂及び反応性接着成分以外に、他の熱可塑性樹脂(ポリエチレン系樹脂などのオレフィン系樹脂、他の塩素含有樹脂、スチレン系樹脂、石油樹脂など)、二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムの項で例示された慣用の添加剤などを含んでいてもよい。他の熱可塑性樹脂及び添加剤の合計割合は、塩化ビニリデン系樹脂100重量部に対して50重量部以下、好ましくは30重量部以下(例えば0.01〜30重量部)、さらに好ましくは10重量部以下(例えば0.1〜10重量部)程度である。
バリア膜の平均厚みは、例えば0.3〜6μm、好ましくは0.5〜3μm、さらに好ましくは0.6〜2μm(特に0.7〜1.5μm)程度である。
二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムとバリア膜との間には、接着層を介在させてもよいが、有機系バリア膜が反応接着成分を含む場合には、接着層を介在させてなくてもよく、二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムの少なくとも一方の面にバリア膜をコートした積層フィルム(バリア膜がコート膜である積層フィルム)であってもよい。このような積層フィルムは市販品としても入手できる。
(外層の特性)
外層は、前記二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムとバリア膜とを含んでいればよく、薄肉性を損なわない範囲で、他のフィルムや膜を含んでいてもよいが、バリア膜で被覆された二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルム単独で形成されているのが好ましい。
二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムとバリア膜との平均厚み比(バリア膜が両面に形成されている場合、合計の平均厚み比)は、例えば、二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルム/バリア膜=42/1〜2/1、好ましくは30/1〜3/1、さらに好ましくは20/1〜5/1(特に16/1〜8/1)程度である。二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムに対するバリア膜の厚みが薄すぎると、酸素バリア性が低下する虞があり、厚すぎると、経済性が低下する虞がある。
外層は、JIS K7127に準拠した引張試験において、100℃における伸び10%でのMD方向(流れ方向又はフィルム引取方向)の応力とTD方向(幅方向)の応力との平均値は100MPa以下(特に50MPa以下)であってもよく、成形性(特に、凹部に対する深絞り成形性)の点から、例えば1〜60MPa、好ましくは3〜50MPa(例えば30〜50MPa)、さらに好ましくは5〜40MPa(特に10〜30MPa)程度であってもよい。本発明では、二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムを構成する樹脂の種類、二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルム及びバリア膜の各厚み及び厚み比などを調整することにより、外層の応力を前記範囲に調整することにより、成形性と底材の特性(バリア性及び機械的特性)とを両立できる。この応力が高すぎると、凹部に対する深絞り成形性が低下する虞がある。
[底材のシーラント層]
底材のシーラント層は、無延伸オレフィン系樹脂フィルムで形成され、ヒートシール性を有しており、蓋材のシーラント層とヒートシールすることができる。
無延伸オレフィン系樹脂フィルムを構成するオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などが挙げられ、ヒートシール性に優れる点から、ポリエチレン系樹脂を含むのが好ましく、ヒートシール性とイージーピール性とを両立できる点から、ポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂との組み合わせ(アロイ)を含むのが特に好ましい。
ポリエチレン系樹脂は、エチレンホモポリマー(エチレン単独重合体)であってもよく、エチレンコポリマー(エチレン系共重合体)であってもよい。
コポリマーにおいて、エチレンと共重合可能なモノマー(共重合性モノマー)としては、例えば、α−オレフィン(プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、4−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどのα−C3−20オレフィン)、アルカジエン(1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエンなどの非共役アルカジエン、ブタジエン、イソプレンなどの共役アルカジエンなど)、エチレン系不飽和カルボン酸及びその酸無水物[(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、メサコン酸、アンゲリカ酸など]、(メタ)アクリル酸エステル[(メタ)アクリル酸アルキルエステル、グリシジル(メタ)アクリレートなど]、カルボン酸ビニルエステル(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどの飽和カルボン酸ビニルエステルなど)などが挙げられる。これらの共重合性モノマーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのモノマーのうち、1−ブテン、1−ヘキサン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−C3−10オレフィンが汎用され、1−ブテンなどのα−C4−8オレフィンが好ましい。
共重合体の形態としては、ブロック共重合、ランダム共重合、交互共重合、グラフト共重合などが挙げられる。これらのうち、通常、ランダム共重合、交互共重合である。
ポリエチレン系樹脂において、エチレン(エチレン単位)と共重合性モノマー(共重合性モノマー単位)との割合(モル比)は、エチレン/共重合性モノマー=50/50〜100/0、好ましくは60/40〜99/1、さらに好ましくは65/35〜95/5(特に70/30〜90/10)程度である。エチレンの割合が少なすぎると、成形性などが低下する虞がある。
ポリエチレン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)などが挙げられる。これらのうち、ヒートシール性などの点から、LLDPEが好ましく、LLDPE単独であってもよく、融点(ヒートシール性)を調整する観点から、LLDPEと他のポリエチレン系樹脂との組み合わせであってもよい。
ポリエチレン系樹脂がLLDPEを含む場合、LLDPEの重量割合は、ポリエチレン系樹脂全体に対して、例えば50重量%以上、好ましくは80〜100重量%、さらに好ましくは90〜100重量%である。
ポリエチレン系樹脂の数平均分子量は、例えば10,000〜300,000、好ましくは15,000〜200,000、さらに好ましくは20,000〜100,000程度であってもよい。なお、本明細書及び特許請求の範囲では、ポリオレフィン系樹脂の数平均分子量は、GPC法において、測定温度140℃で、溶媒としてオルトジクロロベンゼン、及びカラム(Shodex GPC AD−806MS)を用いて、ポリスチレンを基準とするユニバーサルキャリブレーションにより測定した値である。
ポリエチレン系樹脂の融点(又は軟化点)は、例えば80〜150℃、好ましくは90〜140℃、さらに好ましくは100〜130℃(特に110〜125℃)程度である。なお、本明細書及び特許請求の範囲では、ポリエチレン系樹脂の融点は、示差走査熱量計DSCでの融解ピーク温度に基づいて測定できる。
ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンホモポリマー(プロピレン単独重合体)であってもよく、プロピレンコポリマー(プロピレン系共重合体)であってもよい。
コポリマーにおいて、プロピレンと共重合可能なモノマー(共重合性モノマー)としては、エチレン、前記エチレン系樹脂の共重合性モノマーとして例示されたα−オレフィン(プロピレンを除く)、アルカジエン、エチレン系不飽和カルボン酸及びその酸無水物、(メタ)アクリル酸エステル並びにカルボン酸ビニルエステルなどが挙げられる。これらのモノマーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのモノマーうち、エチレンや1−ブテンなどのα−C2−6オレフィンが汎用される。
共重合体の形態としては、ブロック共重合、ランダム共重合、交互共重合、グラフト共重合などが挙げられる。これらのうち、通常、ランダム共重合、交互共重合である。
ポリプロピレン系樹脂において、プロピレン(プロピレン単位)と共重合性モノマー(共重合性モノマー単位)との割合(モル比)は、プロピレン/共重合性モノマー=90/10〜100/0、好ましくは95/5〜100/0、さらに好ましくは99/1〜100/0程度である。
ポリプロピレン系樹脂は、アタクチック重合体であってもよいが、耐熱性を向上できる点から、アイソタクチック、シンジオタクチックなどの立体規則性を有する構造が好ましく、アイソタクチック重合体が特に好ましい。
さらに、ポリプロピレン系樹脂は、チーグラー触媒などを用いた重合体であってもよいが、低分子量のタック成分が少なくかつ分子量分布の狭い重合体が得られる点から、メタロセン触媒を用いたメタロセン系樹脂が好ましい。
ポリプロピレン系樹脂の数平均分子量は、例えば10,000〜500,000、好ましくは15,000〜300,000、さらに好ましくは20,000〜100,000程度である。なお、本明細書及び特許請求の範囲では、ポリプロピレン系樹脂の数平均分子量は、前記ポリエチレン系樹脂の数平均分子量の測定方法と同じ条件で測定した値である。
ポリプロピレン系樹脂の融点(又は軟化点)は、例えば120〜180℃程度の範囲から選択でき、透明性を向上できる点から130℃以上(特に135℃以上)が好ましく、例えば130〜175℃(例えば135〜170℃)、さらに好ましくは150〜165℃(特に155〜160℃)程度である。なお、本明細書及び特許請求の範囲では、ポリプロピレン系樹脂の融点は、示差走査熱量計DSCでの融解ピーク温度に基づいて測定できる。
無延伸オレフィン系樹脂フィルムが、ポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂の組み合わせ(アロイ)を含む場合、ポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂との重量割合は、前者/後者=99/1〜1/99、好ましくは90/10〜10/90、さらに好ましくは70/30〜30/70(特に60/40〜40/60)程度である。ポリエチレン系樹脂の割合が少なすぎると、ヒートシール性が低下する虞があり、ポリエチレン系樹脂の割合が多すぎると、ポリプロピレン樹脂の配合によるイージーピール性の向上効果が低下する虞がある。
無延伸オレフィン系樹脂フィルムの引張強度は、JIS K7161に準拠した方法で、例えば100MPa未満、好ましくは10〜90MPa、さらに好ましくは20〜80MPa(特に30〜70MPa)程度である。
無延伸オレフィン系樹脂フィルムは、オレフィン系樹脂以外に、他の熱可塑性樹脂(塩素含有樹脂、スチレン系樹脂、石油樹脂など)、外層の二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムの項で例示された慣用の添加剤などを含んでいてもよい。他の熱可塑性樹脂及び添加剤の合計割合は、オレフィン系樹脂100重量部に対して50重量部以下、好ましくは30重量部以下(例えば0.01〜30重量部)、さらに好ましくは10重量部以下(例えば0.1〜10重量部)程度である。
シーラント層の平均厚みは10〜40μm(特に10〜35μm)であり、好ましくは13〜32μm、さらに好ましくは16〜30μm(特に18〜27μm)程度である。シーラント層の平均厚みが厚すぎると、経済性が低下し、カールが発生する虞があり、薄すぎると、物理的特性(耐衝撃性、突き刺し強度など)やヒートシール性が低下する虞がある。
シーラント層の平均厚みは、外層の平均厚みに対して5倍以下であってもよく、例えば0.5〜5倍、好ましくは1〜3.5倍(例えば1.2〜3倍)、さらに好ましくは1.5〜2.5倍(特に2〜2.2倍)程度である。外層に対するシーラント層の厚みが厚すぎると、カールが発生する虞がある。
[接着層]
底材の多層フィルムは、外層とシーラント層との間に接着層が介在していてもよい。接着層に含まれる接着成分としては、慣用の接着剤又は粘着剤を利用できる。接着剤としては、例えば、ビニル系接着剤、ポリオレフィン系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリエステル系接着剤、ウレタン系接着剤(熱可塑性ポリウレタン系接着剤、二液硬化型ポリウレタン系樹脂など)、セルロース系接着剤、ゴム系接着剤などが例示できる。粘着剤としては、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、オレフィン系粘着剤(変性オレフィン系粘着剤など)などが挙げられる。これらの接着成分のうち、高い接着性と柔軟性とを備える点から、ウレタン系接着剤が好ましく、耐熱性の点から、二液硬化型ポリエステルウレタン系樹脂が特に好ましい。
接着層は、接着成分以外に、外層の二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムの項で例示された慣用の添加剤などを含んでいてもよい。添加剤の割合は、接着成分100重量部に対して50重量部以下、好ましくは30重量部以下(例えば0.01〜30重量部)、さらに好ましくは10重量部以下(例えば0.1〜10重量部)程度である。
接着層の平均厚みは、それぞれ0.5〜7μm、好ましくは1〜5μm、さらに好ましくは1.4〜4.2μm(特に2〜4μm)程度である。接着層の平均厚みが厚すぎると、経済性が低下する虞があり、薄すぎると、層間の接着性が低下する虞がある。
[印刷層]
本発明の底材の多層フィルムは、共押出フィルムではないため、容易に印刷層を形成できる。印刷層は、印刷の作業性を向上できる点から、外層のいずれか一方の表面に印刷層を印刷するのが好ましい。印刷層は、二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムの表面に印刷されていてもよく、バリア膜の表面に印刷されていてもよいが、印刷層の耐久性の点から、外層のシーラント層側に印刷するのが好ましい。印刷層としては、顔料を含む慣用のインキ組成物を利用できる。印刷方法としては、例えば、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、凹版印刷法(例えば、グラビア印刷法など)、オフセット印刷法、凹版オフセット印刷法、フレキソ印刷法などが挙げられる。これらの方法のうち、グラビア印刷法が好ましい。印刷層の平均厚みは、それぞれ0.1〜3μm、好ましくは0.3〜2μm、さらに好ましくは0.5〜1.5μm程度である。
[底材の多層フィルムの特性及び製造方法]
底材の多層フィルムは、前記外層、前記シーラント層、前記接着層及び前記印刷層に加えて、薄肉性を損なわない範囲で、他の樹脂層(ポリエステル系樹脂フィルム層など)を含んでいてもよいが、蓋材とヒートシールしたときのカール性を向上できる点から、ポリアミドフィルムを含まないのが好ましい。多層フィルムが複数の接着層を有する場合、各接着層に含まれる接着成分は、異なる接着成分であってもよいが、同一又は同種の接着成分が好ましく、通常、同一の接着成分である。
底材の多層フィルム(成形後の多層フィルム)は、酸素バリア性を有しており、JIS K7126に準拠し、測定条件20℃、80%RHにおける酸素透過度が300ml/m・d・MPa未満であってもよく、例えば200ml/m・d・MPa以下(例えば0.01〜200ml/m・d・MPa程度)、好ましくは100ml/m・d・MPa以下(例えば0.1〜100ml/m・d・MPa程度)、さらに好ましくは50ml/m・d・MPa以下(例えば1〜50ml/m・d・MPa程度)程度である。
底材の多層フィルムは、慣用のラミネート方法、例えば、溶融押出ラミネート法、熱ラミネート法又は無溶剤ラミネート法、ドライラミネート法などにより製造できる。これらの方法のうち、層間の接着性が高く、特に、耐熱性に優れ、熱処理しても、層間の接着性が高い点から、ドライラミネート法、無溶剤ラミネート法が好ましい。ドライラミネート法では、接着層としてドライラミネート用接着剤を介在させることにより、外層とシーラント層とを一体化できる。無溶剤ラミネート法では、接着層として無溶剤ラミネート用接着剤を介在させることにより、外層とシーラント層とを一体化できる。
[底材の特性]
底材は、前記多層フィルムで形成されており、被包装物である食品を収容するための凹部と、この凹部の周縁から平面状に延出し、かつ蓋材とヒートシール可能なフランジ部とを有している。
本発明では、底材(多層フィルム)の厚みは薄く、平均厚みが70μm以下であってもよく、例えば20〜60μm、好ましくは25〜55μm、さらに好ましくは30〜50μm(特に35〜40μm)程度である。底材の多層フィルムの平均厚みが薄すぎると、腰感が低下する虞があり、厚すぎると、薄肉性、軽量性、柔軟性が低下する虞がある。
凹部の形状は、食品の形状に応じて適宜選択でき、例えば、円柱状(特に円板状)、多角柱状(特に四角板状)などが挙げられる。これらのうち、本発明の包装体が酸素バリア性及びカール防止性に優れ、薄肉の食品の包装に適しているため、底の浅い形状(円板状、正方形などの四角板状など)が好ましい。前記凹部の平均径と前記凹部の平均深さとの比は、平均径/平均深さ=5/1〜50/1、好ましくは6/1〜30/1(例えば6.7/1〜20/1)、さらに好ましくは7/1〜25/1(特に8/1〜20/1)程度である。
フランジ部は、蓋材のシーラント層とヒートシールにより一体化して、食品を封止(特に密封)するための作用を有している。フランジ部の平均幅は、蓋材と強固にヒートシールできる面積を確保できれば、特に限定されず、例えば5mm以上であってもよく、好ましくは10〜100mm、さらに好ましくは15〜50mm(特に20〜40mm)程度である。
底材は、後述するように、慣用の方法によって、深絞り成形機などを用いて、熱成形して、凹部を形成する。
[食品包装用成形体]
本発明の食品包装用成形体は、前記底材と蓋材とをヒートシールした成形体である。蓋材は、多層フィルムでフィルム状に形成されている。蓋材の多層フィルムは、二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムを含む外層と、二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムを含む中間層と、無延伸オレフィン系樹脂フィルムからなるシーラント層とを含み、かつ前記外層及び前記中間層の少なくとも一方がバリア膜を含む。
[蓋材の外層]
蓋材の外層に含まれる二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムを構成する熱可塑性樹脂としては、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、塩素含有樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂などが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの熱可塑性樹脂のうち、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂が好ましく、印刷性に優れ、フランジ部におけるカールの発生を高度に抑制できる点から、ポリエステル系樹脂が特に好ましい。
熱可塑性樹脂がポリエステル系樹脂である二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムとしては、底材の外層の項で例示された二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムを利用できる。蓋材の外層の二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムとしては、フランジ部におけるカールの発生を高度に抑制できる点から、底材の外層に含まれる二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムと同一又は同種の二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムが好ましい。
蓋材の外層は、前記二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムに加えて、バリア膜をさらに含んでいてもよい。バリア膜は、無機系バリア膜であってもよく、有機系バリア膜であってもよい。
無機系バリア膜としては、例えば、酸化アルミニウムや珪素酸化物などの金属又は金属化合物で形成された薄膜(特に、透明性薄膜)などが挙げられる。無機系バリア膜の平均厚みは、例えば10〜300nm、好ましくは15〜250nm、さらに好ましくは20〜200nm(特に30〜100nm)程度であってもよい。
有機系バリア膜としては、例えば、塩化ビニリデン系樹脂、ビニルアルコール系樹脂(ポリビニルアルコールやエチレン−ビニルアルコール共重合体など)、水溶性多糖類(水溶性セルロース誘導体、水溶性澱粉、キトサンなど)などが挙げられる。これらの有機系バリア性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの有機系バリア性樹脂のうち、湿気や水分よる酸素バリア性の低下も抑制できる点から、塩化ビニリデン系樹脂が好ましい。有機系バリアの平均厚みは、例えば0.3〜6μm、好ましくは0.5〜3μm、さらに好ましくは0.6〜2μm(特に0.7〜1.5μm)程度である。
これらのうち、耐屈曲性が高く、湿度依存性も無いことから安定したバリア性を発現できるため、塩化ビニリデン系樹脂を含む有機系バリア膜が好ましい。塩化ビニリデン系樹脂を含む有機系バリア膜としては、底材の外層の項で例示されたバリア膜を利用できる。蓋材の有機系バリア膜は、フランジ部におけるカールを抑制できる点から、底材の外層のバリア膜と同種又は同一のバリア膜であってもよい。
二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムとバリア膜とを組み合わせる場合、二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムの両面にバリア膜を積層してもよく、バリア膜の両面に二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムを積層してもよいが、通常、二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムの一方の面にバリア膜が積層される。二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムの一方の面にバリア膜が積層される場合、バリア膜は、中間層側に積層するのが好ましい。
蓋材の外層の平均厚みは、例えば7〜25μm、好ましくは8〜20μm、さらに好ましくは10〜18μm(特に11〜15μm)程度である。外層の平均厚みが厚すぎると、柔軟性及び経済性が低下する虞があり、薄すぎると、フィルムの腰感が低下する虞がある。
[蓋材の中間層]
蓋材の中間層は、二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムを含む。本発明では、蓋材の機械的特性において支配的な中間層を、底材の外層と同様に、二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムで形成することにより、フランジ部におけるカールの発生を有効に抑制できる。
蓋材の中間層に含まれる二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムとしては、フランジ部におけるカールの発生を抑制できる点から、底材の外層に含まれる二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムと同一又は同種の二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムが好ましい。
蓋材の中間層は、前記二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムに加えて、バリア膜をさらに含んでいてもよい。バリア膜は、前記蓋材の外層の項で例示されたバリア膜を利用でき、好ましい態様も蓋材の外層と同様である。なお、外層がバリア膜を含む場合、通常、中間層は、バリア膜を含まない。
二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムとバリア膜とを組み合わせる場合、二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムの両面にバリア膜を積層してもよく、バリア膜の両面に二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムを積層してもよいが、通常、二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムの一方の面にバリア膜が積層される。二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムの一方の面にバリア膜が積層される場合、バリア膜は、外層側に積層してもよく、シーラント層側に積層してもよい。
蓋材の中間層の平均厚みは、例えば7〜25μm、好ましくは8〜20μm、さらに好ましくは10〜18μm(特に11〜15μm)程度である。中間層の平均厚みが厚すぎると、柔軟性及び経済性が低下する虞があり、薄すぎると、フィルムの腰感が低下する虞がある。
[蓋材のシーラント層]
蓋材のシーラント層は、無延伸オレフィン系樹脂フィルムで形成され、ヒートシール性を有しており、底材のシーラント層とヒートシールすることができる。
蓋材の無延伸オレフィン系樹脂フィルムを構成するオレフィン系樹脂としては、底材のシーラント層の項で例示されたオレフィン系樹脂などを利用できる。オレフィン系樹脂の特性についても、底材のシーラント層と同様である。
前記オレフィン系樹脂のうち、透明性が高く、腰感も向上できるため、ポリエチレン系樹脂(特にLLDPE)を含むのが好ましく、底材のシーラント層がポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂とのアロイである場合、ポリエチレン系樹脂単独であってもよい。また、底材のシーラント層がポリエチレン系樹脂単独で形成されている場合、ポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂とのアロイであってもよい。
シーラント層の平均厚みは10〜50μm(特に15〜40μm)であり、好ましくは19〜35μm、さらに好ましくは21〜33μm(特に23〜30μm)程度である。シーラント層の平均厚みが厚すぎると、経済性が低下し、カールが発生する虞があり、薄すぎると、物理的特性(耐衝撃性、突き刺し強度など)やヒートシール性が低下する虞がある。
[蓋材の接着層]
蓋材の多層フィルムは、各層の間に接着層が介在していてもよい。蓋材の接着層としては、底材の項で例示された接着層を利用でき、好ましい態様及び平均厚みも、底材の接着層と同様である。蓋材の各接着層に含まれる接着成分も、異なる接着成分であってもよいが、同一又は同種の接着成分が好ましく、通常、同一の接着成分である。
[印刷層]
蓋材の多層フィルムは、外層と中間層との間、中間層とシーラント層との間に印刷層を形成してもよく、印刷の作業性を向上できる点から、外層のいずれか一方の表面や、中間層のいずれか一方の表面に印刷層を印刷するのが好ましい。印刷層は、中間層のシーラント層側に印刷されていてもよいが、視認性などの点から、外層の中間層側や、中間層の外層側に印刷するのが好ましい。また、印刷層は、二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムや二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムの表面に印刷されていてもよく、バリア膜の表面に印刷されていてもよい。印刷層としては、底材の項で例示された印刷層を利用でき、好ましい態様及び平均厚みも、底材の印刷層と同様である。
[多層フィルムの特性及び製造方法]
蓋材の多層フィルムは、前記外層、前記中間層、前記シーラント層、前記接着層及び前記印刷層に加えて、他の樹脂層(ポリエステル系樹脂フィルム層など)を含んでいてもよい。
蓋材の多層フィルムは、酸素バリア性を有しており、JIS K7126に準拠し、測定条件20℃、80%RHにおける酸素透過度が300ml/m・d・MPa未満であってもよく、例えば200ml/m・d・MPa以下(例えば0.01〜200ml/m・d・MPa程度)、好ましくは100ml/m・d・MPa以下(例えば0.1〜100ml/m・d・MPa程度)、さらに好ましくは50ml/m・d・MPa以下(例えば1〜50ml/m・d・MPa程度)程度である。
蓋材の多層フィルムも、底材の多層フィルムの項で例示された慣用のラミネート方法で製造でき、好ましい製造方法も同様である。
[蓋材の特性]
蓋材は、前記多層フィルムでフィルム状に形成されており、多層フィルムの平面形状は、収容する食品の種類に応じて適宜選択でき、円形状、四角形状などであってもよい。蓋材(多層フィルム)の平均厚みは、例えば30〜100μm、好ましくは40〜80μm、さらに好ましくは45〜65μm(特に48〜60μm)程度である。蓋材の多層フィルムの平均厚みが薄すぎると、腰感が低下する虞があり、厚すぎると、柔軟性が低下し、経済性が低下する虞がある。
[食品包装用成形体の製造方法]
本発明の食品包装用成形体は、前記底材と蓋材との組み合わせ(セット又はキット)であり、被包装物である食品を収容した状態では、それぞれのシーラント層同士がヒートシールされ、被包装物を収容(特に密封)している。
本発明の食品包装用成形体の製造方法は、慣用の方法を利用でき、例えば、深絞り成形機などを用いて、真空成形、圧空成形、プレス成形などによって、底材の多層フィルムのシーラント層側に凹部を形成した後、凹部の周縁に形成されたフランジ部のシーラント層側と蓋材の多層フィルムのシーンラント層側とを対向させて密着し、ヒートシールする方法などを利用できる。これらの方法のうち、圧空成形が好ましい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。実施例及び比較例で使用した原料は以下の通りであり、実施例及び比較例で得られた成形体の特性は、以下の方法で評価した。
[原料フィルム(市販品)]
KET(12):PVDCコート二軸延伸PETフィルム(バリアフィルム)、ダイセルバリューコーティング(株)製「セネシKET 品番:1000」、平均厚み12μm、引張応力55MPa
KET(16):PVDCコート二軸延伸PETフィルム(バリアフィルム)、ダイセルバリューコーティング(株)製「セネシKET 品番:1000」、平均厚み16μm、引張応力55MPa
EP(25):イージーピールシーラントフィルム、DIC(株)製「ディファレン 254N」l平均厚み25μm
EP(50):イージーピールシーラントフィルム:DIC(株)製 ディファレン E7300T 平均厚み50μm
LL(25):直鎖状低密度ポリエチレンフィルム25(LLDPE25)、フタムラ化学(株)製「LL−XMTN」、平均厚み25μm
LL(40):直鎖状低密度ポリエチレンフィルム40(LLDPE40)、フタムラ化学(株)製「LL−XMTN」、平均厚み40μm
蒸着OPET(12):透明蒸着PETフィルム、東レフィルム加工(株)製「HGMCR」、平均厚み12μm
OPET(12):二軸延伸PETフィルム、フタムラ化学(株)製「FE2001」平均厚み12μm。
[原料フィルム(調製品)]
K−OPET2(12)の調製例
PVDCコート二軸延伸PETフィルムであるK−OPET2(12)は、次の方法で合成した。すなわち、塩化ビニリデン系共重合体(旭化成ケミカルズ(株)製「サランレジンF216」)100重量部に対して、γ40−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製「TSL8350」)1重量部を添加し、トルエン/テトラヒドロフラン=1/2(重量比)の混合溶媒に溶解し、樹脂濃度15重量%のバリア性樹脂コーティング層用の塗布液を調製した。この塗布液を、二軸延伸PETフィルム(東レ(株)製「ルミラーS10」、平均厚み12μm)に、バーコーターを用いて乾燥後の厚さ1.5μmになるように塗布した後、105℃のオーブンで30秒間乾燥し、バリア性樹脂コーティング層を形成して、バリアフィルムを得た。得られたバリアフィルムの引張応力は45MPaであった。
K−OPET3(16)の調製例
PVDCコート二軸延伸PETフィルムであるK−OPET3(16)は、次の方法で合成した。すなわち、二軸延伸PETフィルムの代わりに、変性ポリエステル系樹脂の二軸延伸フィルム(東レ(株)製「ルミラーF865」、平均厚み16μm)を用いる以外は、K−OPET2(12)の合成例と同様の方法でバリアフィルムを得た。得られたバリアフィルムの引張応力は20MPaであった。
[引張応力]
底材及び蓋材の外層を構成する原料フィルムであるバリアフィルムについて、恒温槽内引張試験機((株)島津製作所製)を用い、JIS K7127に準拠し、雰囲気温度100℃下にて引張試験を実施した。フィルム流れ方向(MD方向)、幅方向(TD方向)それぞれで試験を行い、伸度10%時点の応力を測定し、平均値を算出した。
[シール後のカール性]
実施例及び比較例で得られた底材と蓋材を用いて、170×125mmサイズにカットしたフィルムサンプルをシーラント層同士が接触するように重なり合わせ、138℃、1MPa、2秒の条件で加圧した。加圧後直後にサンプルを水平な台の上に置き、4隅それぞれの水平位置からの高さ(mm)を測定し、平均高さを算出した。以下の基準でカール性を評価した。なお、底材側へのカールをプラス(+)、蓋材側へのカールをマイナス(−)とした。
(カール性の評価基準)
○:−10mm以上10mm未満
△:−20mm以上−10mm未満、又は10mm以上20mm未満
×:−20mm未満、又は20mm以上。
[成形性]
実施例及び比較例で得られた底材フィルムについて、真空包装機(MULTIVAC社製、型番R−530)を用い、直径約90mmの円形型にて、凹部の平均径と平均深さとが、それぞれ所定の比率となる深さの型にて90℃で成形した。成形後のコーナー部を目視で確認し、以下基準で評価した。
(成形性の評価基準)
◎:型どおりに成形できており、シワがない
○:型どおりに成形できている
△:型どおりに成形できていない箇所がある(コーナー部の型の出が弱い)
×:型どおりに成形できていない。
[成形後の酸素バリア性]
実施例及び比較例で得られた底材フィルムについて、前記成形性評価後のサンプルを、コーナー部が透過度測定器にかかるように、サンプルをセットし、JIS K7126に準拠し、20℃、80%RHの条件で酸素透過度を測定し、以下の基準で評価した。
(酸素バリア性の評価基準)
○:300ml/m・d・MPa未満
△:300ml/m・d・MPa以上500ml/m・d・MPa未満
×:500ml/m・d・MPa以上。
[突き刺し強度]
実施例及び比較例で得られた底材フィルムについて、JIS Z1707に準拠し、突き刺し強度を測定した。以下基準にて評価した。
(突き刺し強度の評価基準)
○:8N以上
×:8N未満。
実施例1〜12及び比較例4
(底材の製造方法)
表1及び2に記載の外層(PVDCコート二軸延伸PETフィルム)とシーラント層をドライラミネート機(岡崎機械工業(株)製「2DL−110TAW」)を用いて、ラインスピード150m/min、乾燥温度;第1ゾーン:55℃、第2ゾーン:75℃、第3ゾーン:85℃の条件でドライラミネートし、底材の多層フィルムを製造した。なお、バリア膜とシーラント層とを対向させ、接着剤として、ポリエステルウレタン接着剤(東洋モートン(株)製「TM−570/CAT−RT37」、二液硬化型ドライラミネート用接着剤)を乾燥厚みが3.8μmとなる塗布量で塗布した。
(蓋材の製造方法)
表1及び2に記載の外層と中間層とシーラント層とをドライラミネート機(岡崎機械工業(株)製「2DL−110TAW」)を用いて、ラインスピード150m/min、乾燥温度;第1ゾーン:55℃、第2ゾーン:75℃、第3ゾーン:85℃の条件でドライラミネートし、蓋材の多層フィルムを製造した。なお、バリア膜の向きは表に記載の通りである(すなわち、外層では、中間層側に形成し、中間層では、外層側に形成した)。また、実施例12は中間層を設けなかった。各層間には、同じポリエステルウレタン接着剤(TM−570/CAT−RT37)を乾燥厚みがそれぞれ3.8μmとなる塗布量で塗布した。
比較例1
(底材の製造方法)
下記樹脂を7層ダイスで共押出し、底材の多層フィルム(無延伸共押出フィルム)を製造した。
PET系樹脂層を構成する樹脂:イーストマンケミカルジャパン(株)製「イースターGN071」
接着層1及び2を構成する樹脂:三井化学(株)製「SF740」
EVOH樹脂層を構成する樹脂:(株)クラレ製、品番J102B
ポリアミド系樹脂層を構成する樹脂:ポリアミド樹脂(a)(宇部興産(株)製「1030B」)60重量部に対し、ポリアミド樹脂(b)(三井・デュポンポリケミカル(株)製「品番シーラPA3426」)を40重量部含有した樹脂
LLDPE樹脂層を構成する樹脂:(株)プライムポリマー製「ウルトゼックス2022L」
シーラント層を構成するポリオレフィン系樹脂:エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(三井・デュポンポリケミカル(株)製「P1205」)60重量部に対し、ポリプロピレン樹脂(住友化学(株)製「S131」)を40重量部含有した樹脂
得られた多層フィルムの各層の厚みは、PET系樹脂層が25μm、接着層1及び2が5μm、EVOH樹脂層が10μm、ポリアミド系樹脂層が15μm、LLDPE樹脂層が15μm及びシーラント層が5μmであった。
(蓋材の製造方法)
表2に記載の外層と中間層とシーラント層とを用いて、実施例1〜12及び比較例4と同様の方法で製造した。
比較例2
(底材の製造方法)
ポリアミド系樹脂層を配置せず、6層ダイスで共押出した以外は、比較例1と同様の方法で底材の多層フィルム(無延伸共押出フィルム)を製造した。得られた多層フィルムの各層の厚みは、PET系樹脂層が35μm、接着層1及び2が5μm、EVOH樹脂層が10μm、LLDPE樹脂層が20μm及びシーラント層が5μmであった。
(蓋材の製造方法)
表2に記載の外層と中間層とシーラント層とを用いて、実施例1〜10及び比較例4と同様の方法で製造した。
比較例3
(底材の製造方法)
PET系樹脂層が10μm、接着層1及び2が5μm、EVOH樹脂層が8μm、ポリアミド系樹脂層が5μm、LLDPE樹脂層が5μm及びシーラント層が5μmとなるように7層ダイスで共押出しを行ったが、強度不足のため、スリット加工できず、ロール状の製品ができなかった。
実施例及び比較例の評価結果を表1及び2に示す。
Figure 0006917213
Figure 0006917213
表1及び2の結果から明らかなように、実施例の底材は、成形性、酸素バリア性及び突き刺し強度が高く、成形体のカールも抑制されていた。これに対して、比較例では、底材の成形性、酸素バリア性及び突き刺し強度が低く、高い比較例1でも、カールが発生した。
本発明の食品包装用成形体は、ヒートシールして食品を密封するための包装体として利用でき、ハム、ソーセージ、ベーコン、焼豚、チキンなどの畜肉加工品の深絞り成形包装体に好適であり、スライスハムやベーコンなどの厚みの薄い食品を密封するための食品包装用成形体に特に好適である。

Claims (7)

  1. 食品を収容するための凹部とヒートシール可能なフランジ部を有し、蓋材とヒートシールして食品包装用成形体を形成するための底材であって、
    二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムとこのフィルムの少なくとも一方の面を被覆し、かつ塩化ビニリデン系樹脂を含むバリア膜とを含む外層と、無延伸オレフィン系樹脂フィルムからなるシーラント層とを含む多層フィルムで形成され
    前記凹部の平均径と平均深さとの比が、平均径/平均深さ=6.7/1〜20/1であり、
    前記バリア膜が、二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムのシーラント層と対向する表面を被覆し、かつ
    ポリアミドフィルムを含まない底材。
  2. 外層が、JIS K7127に準拠した引張試験において、100℃における伸び10%でのMD方向の応力とTD方向の応力との平均値が50MPa以下である請求項1記載の底材。
  3. 無延伸オレフィン系樹脂フィルムが、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂を含む請求項1又は2記載の底材。
  4. 平均厚みが20〜60μmである請求項1〜3のいずれかに記載の底材。
  5. 二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムを含む外層と、二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムを含む中間層と、無延伸オレフィン系樹脂フィルムからなるシーラント層とを含み、かつ前記外層及び前記中間層の少なくとも一方がバリア膜を含む多層フィルムで形成された蓋材と、請求項1〜のいずれかに記載の底材とをヒートシールした食品包装用成形体。
  6. 蓋材のバリア膜が、塩化ビニリデン系樹脂を含む請求項記載の食品包装用成形体。
  7. 蓋材の外層の二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムが、二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムである請求項又は記載の食品包装用成形体。
JP2017125168A 2017-06-27 2017-06-27 食品包装用成形体及びその底材 Active JP6917213B6 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017125168A JP6917213B6 (ja) 2017-06-27 2017-06-27 食品包装用成形体及びその底材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017125168A JP6917213B6 (ja) 2017-06-27 2017-06-27 食品包装用成形体及びその底材

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2019006479A JP2019006479A (ja) 2019-01-17
JP6917213B2 true JP6917213B2 (ja) 2021-08-11
JP6917213B6 JP6917213B6 (ja) 2021-09-08

Family

ID=65025686

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017125168A Active JP6917213B6 (ja) 2017-06-27 2017-06-27 食品包装用成形体及びその底材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6917213B6 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4656068A (en) * 1983-12-23 1987-04-07 Plicon Corporation Pellable seal package
JP3454566B2 (ja) * 1994-04-19 2003-10-06 ダイセル化学工業株式会社 ガスバリア性包装材料
US7569276B2 (en) * 2003-12-22 2009-08-04 Dupont Teijin Films U.S. Limited Partnership Thermoformable polyester-containing laminates
JP5347419B2 (ja) * 2007-10-15 2013-11-20 住友ベークライト株式会社 多層フィルム
JP6171338B2 (ja) * 2012-12-27 2017-08-02 凸版印刷株式会社 深絞り容器用底材

Also Published As

Publication number Publication date
JP6917213B6 (ja) 2021-09-08
JP2019006479A (ja) 2019-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6875049B2 (ja) 食品包装用多層フィルム
JP4865750B2 (ja) 積層体
JP4763005B2 (ja) 積層体
JP7140104B2 (ja) 積層フィルム及び食品包装袋
JP4857809B2 (ja) 包装体
JP6511713B2 (ja) 包装材用積層体
CN212981061U (zh) 具有海洋回收塑料层的积层膜的包装体
JP4923590B2 (ja) イ−ジ−ピ−ルシ−ラント
KR20160063312A (ko) 방담성 다층 필름, 이것을 사용하는 적층체, 및 포장재
JP2005199514A (ja) 多層積層樹脂フィルムおよびそれを使用した積層材
JP2007136914A (ja) 多層フィルム及びそれよりなる包装体
JP4147061B2 (ja) 積層体
CN113015625B (zh) 层叠体及自立袋
JP2007320060A (ja) イ−ジ−ピ−ルシ−ラント
JP2007144906A (ja) 熱収縮性積層フィルム、並びに該フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベル及び容器
JP2004050605A (ja) 積層体
JP6917213B2 (ja) 食品包装用成形体及びその底材
JP6763761B2 (ja) 食品包装用深絞り成形包装体
JP5347419B2 (ja) 多層フィルム
JP6822447B2 (ja) 多層フィルム及びそれよりなる包装体
JP6511712B2 (ja) 包装材用積層体
JP2002361811A (ja) 積層体及びこれを用いた包装容器
WO2013176017A1 (ja) 積層フィルム
JP7419802B2 (ja) 積層フィルム及び包装材
JP2017141057A (ja) 仕切材フィルム、及び多段包装体

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20200427

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210315

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210330

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210512

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210706

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210719

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6917213

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250