JP6917045B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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Description

本発明は冷蔵庫に関し、特に、庫内の酸素濃度を調整可能な冷蔵庫に関する。
冷蔵庫の中には、特許文献1に示すように、収容した食品の保存期間を長期化するため、酸素濃度調整装置(窒素発生器)を備えて、庫内を低酸素濃度雰囲気にするものが提案されている。この酸素濃度調整装置の一例として、冷蔵室内の空気に含まれる酸素を物理吸着して酸素濃度を下げるPSA(Pressure Swing Adsorption(圧力スウイング吸着))方式の装置が挙げられている。
実用新案登録第3148778号
特許文献1では、酸素濃度調整装置を冷蔵キャビネット等の支持フレームに一体的に形成するようにしている。このため、例えば、低酸素濃度の空気の供給能力を高めるために大型の酸素濃度調整装置を採用した場合、冷蔵キャビネット等の容量を減少させる必要が生じる。また、特許文献1に記載の酸素濃度調整装置では、外気を酸素濃度調整装置に取り込んでいるため、冷蔵庫の冷却効率が減少する虞もある。
従って、本発明の目的は、上記の課題を解決するものであり、庫内の酸素濃度を調整可能な冷蔵庫であって、大型の酸素濃度調整装置を採用した場合であっても、冷蔵庫の庫内容積を減少させる必要がなく、良好な冷却性能が得られる冷蔵庫を提供することにある。
本発明の冷蔵庫は、
冷蔵室、冷凍室及び貯蔵室を少なくとも含む収容庫と、
前記収容庫の外部に配置された冷蔵庫用の機械室と、
空気に含まれる酸素を物理吸着して低酸素濃度の空気を供給する酸素濃度調整装置と、を備え、
前記酸素濃度調整装置が前記機械室に配置され、
前記酸素濃度調整装置へ流入する空気の入口が前記冷蔵室または冷凍室内に配置され、
前記酸素濃度調整装置から流出する低酸素濃度の空気の出口が前記貯蔵室内に配置されていることを特徴とする。
ここで、冷蔵室及び貯蔵室は、通常、0〜10℃の温度に保たれ食品等の収容空間である。特に、貯蔵室は、野菜、果物のような生鮮食料品を貯蔵する壁部で囲われた空間で構成される。本発明によれば、酸素濃度調整装置によって、貯蔵室の内部を低酸素雰囲気に保つことができるので、貯蔵室内に収容した食料品の鮮度、特に生鮮食料品の鮮度を長期間保つことができる。
冷蔵庫用の機械室には、例えば、冷蔵庫用コンプレッサのような比較的大型な機器が収容される。本発明では、酸素濃度調整装置が機械室に配置されているので、機械室の空間を有効利用して、酸素濃度調整装置を効率的に配置することができる。よって、低酸素空気濃度の空気の供給能力を高めるために、大型の酸素濃度調整装置を採用した場合であっても、冷蔵庫の収容庫の内容積を減少させる必要がない。
更に、酸素濃度調整装置へ流入する空気の入口が冷蔵室内に配置されているので、冷気を酸素濃度調整装置に取り入れて低酸素濃度の空気を供給でき、冷蔵庫の冷却性能に悪影響を与える虞もなく、良好な冷却性能が得られる冷蔵庫を提供できる。
また本発明は、
前記冷蔵室または冷凍室内に前記冷蔵室または冷凍室内の空気を冷却するための冷却器が備えられ、
前記酸素濃度調整装置へ流入する空気の前記入口が前記冷却器の近傍に配置されていることを特徴とする。
酸素濃度調整装置に備えられたコンプレッサで空気を圧縮した場合、結露が発生して、酸素濃度調整装置に備えられた吸着材に悪影響を及ぼして、酸素濃度調整装置の性能寿命が短縮する虞がある。しかし、本発明では、冷却器の近傍の乾燥した冷気を酸素濃度調整装置に取り入れることができるので、結露を防いで、酸素濃度調整装置の性能寿命の短縮を抑制することができる。
また本発明は、
前記酸素濃度調整装置から流出する高酸素濃度の空気の出口が前記冷蔵室または冷凍室内に配置されていることを特徴とする。
本発明では、酸素濃度調整装置から流出した高酸素濃度の空気を冷蔵室または冷凍室内に戻すので、冷蔵庫の庫内の圧力低下を防止することができる。高酸素濃度の空気を冷蔵室または冷凍室内に戻した場合であっても、冷蔵庫の庫内の容量は十分大きいので、冷蔵庫の庫内での酸素濃度の上昇は限定的である。
また本発明は、
前記機械室に、冷蔵庫用コンプレッサ、放熱器及び放熱器冷却用ファンが収容されており、前記酸素濃度調整装置が、前記冷蔵庫の幅方向において、前記冷蔵庫用コンプレッサ、前記放熱器及び前記放熱器冷却用ファンと、横並びに配置されていることを特徴とする。
本発明では、酸素濃度調整装置が、冷蔵庫の幅方向において、冷蔵庫用のコンプレッサ等と横並びに配置されているので、機械室の空間をより効率的に利用することができる。
また本発明は、
前記酸素濃度調整装置が、前記放熱器冷却用ファンの風の吹き出し側に配置されていることを特徴とする。
本発明では、放熱器冷却用ファンの風を利用して、酸素濃度調整装置に備えられたコンプレッサや吸着槽を冷却することができるので、低酸素濃度の空気の生成効率を高めることができる。
以上のように、本発明においては、庫内の酸素濃度を調整可能な冷蔵庫であって、大型の酸素濃度調整装置を採用した場合であっても、冷蔵庫の庫内容積を減少させる必要がなく、良好な冷却性能が得られる冷蔵庫を提供することができる。
本発明の1つの実施形態に係る冷蔵庫を後面側から見た斜視図である。 図1に示す冷蔵庫の後面側を示す側面図である。 図2の断面A−Aを示す側面断面図である。 本発明の1つの実施形態に係る1つの吸着槽を有する酸素濃度調整装置の動作を示す模式図であって、(a)は吸着工程を示し、(b)は脱着工程を示す。 本発明の1つの実施形態に係る2つの吸着槽を有する酸素濃度調整装置の動作を示す模式図であって、(a)は第1の工程を示し、(b)は第2の工程を示す。
次に、本発明の具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(本発明の1つの実施形態に係る冷蔵庫の説明)
図1は、本発明の1つの実施形態に係る冷蔵庫2を後面側から見た斜視図である。図2は、図1に示す冷蔵庫2の後面側を示す側面図である。図3は、図2の断面A−Aを示す側面断面図である。はじめに、図1から図3を参照しながら、本発明の1つの実施形態に係る冷蔵庫2の概要を説明する。
図3に示すように、本実施形態に係る冷蔵庫2は、冷蔵室4、貯蔵室6及び冷凍室8から構成される収容庫10を備える。本実施形態では、冷蔵庫2の下部に冷凍室8が配置され、その上側に冷蔵室4が配置されている。貯蔵室6は、冷蔵室4の中に配置され、野菜、果物のような生鮮食料品を貯蔵する壁部で囲われた貯蔵空間から構成される。
通常、冷蔵室4及び貯蔵室6は、0〜10℃の温度に保たれ、冷凍室8は、0℃以下の温度に保たれる。冷蔵庫2の前面側に開閉可能な開口を有し、収容庫10へ収容する食品等を出し入れできるようになっている。
冷蔵庫2には、収容庫10の外部に冷蔵庫用の機械室12が配置されている。更に詳細に述べれば、冷蔵庫2の下部に配置された冷凍室8に隣接した位置に、機械室12が配置されている。この機械室12には、冷蔵庫用コンプレッサ50,放熱器52用及び放熱器冷却用ファン54が収容され、更に酸素濃度調整装置20も収容されている。
機械室12に隣接する冷凍室8の壁部について考えると、仮に、機械室12に設置された各機器の形状に合わせて凹凸形状を有するように形成しても、冷凍室8の収納効率が低下し、食品の出し入れも困難になる。よって、冷蔵庫2の幅方向において、機械室12では、比較的大きな機器である冷蔵庫用コンプレッサ50の横側に所定の空間を有する。
これにより、機械室12内の冷蔵庫用コンプレッサ50その周囲の空間を有効利用して、酸素濃度調整装置20を効率的に配置することができる。本実施形態では、図1、図2に示すように、冷蔵庫2の幅方向において、冷蔵庫用コンプレッサ50,放熱器52,放熱器冷却用ファン54及び酸素濃度調整装置20が横並びに配置されており、機械室12の空間を有効に利用している。
本実施形態に係る酸素濃度調整装置20は、空気に含まれる酸素を物理吸着して酸素濃度を下げるPSA方式の酸素濃度調整装置である。PSAは、Pressure Swing Adsorption(圧力スウイング吸着)の略称である。
酸素濃度調整装置20は、コンプレッサ22と、コンプレッサ22と配管で接続された、内部に吸着材が充填された吸着槽24と、吸着槽24と配管で接続された製品槽26とを備える。酸素濃度調整装置20は、図4に示すような吸着槽24が1つ備えられた場合も、図5に示すような吸着槽24が2つ備えられた場合もあり得る。
本実施形態で採用するPSA方式は、酸素分子及び窒素分子の大きさの違いを利用して分離する方法である。吸着槽24の中で、コンプレッサ22により加圧した状態(例えば、0.05〜0.5MPa)で、吸着材に酸素分子を吸着させて、空気中の酸素濃度を低下させる吸着工程と、吸着槽24の中の圧力を大気圧まで減圧して、吸着された酸素分子を脱着させ、吸着材を再生させる脱着工程とを有する。
図3に示すように、酸素濃度調整装置20へ流入する空気の入口が、冷凍室8内に配置されている。この空気の入口とコンプレッサ22の吸込口とが配管40により繋がっている。酸素濃度調整装置20から流出する低酸素濃度の空気の出口が、貯蔵室6内に配置されている。この低酸素濃度の空気の出口と製品槽26の出口とが、配管42により繋がっている。更に、酸素濃度調整装置20から流出する高酸素濃度の空気の出口が、冷凍室8内に配置されている。この高酸素濃度の空気の出口と吸着槽24の排気側のポートとが、配管44により繋がっている。
(本発明の1つの実施形態に係る酸素濃度調整装置の説明)
次に、本発明の1つの実施形態に係る酸素濃度調整装置20の更に詳細な説明を行う。
<吸着槽24が1つ備えられた酸素濃度調整装置20の説明>
図4は、本発明の1つの実施形態に係る1つの吸着槽24を有する酸素濃度調整装置20の動作を示す模式図であって、(a)は吸着工程を示し、(b)は脱着工程を示す。まず、図4を参照しながら、吸着槽24が1つ備えられた酸素濃度調整装置20の説明を行う。
冷蔵室4,貯蔵室6,冷凍室8,機械室12等は、模式的に示されている。空気の流れを矢印で示し、冷蔵庫2の冷凍室8から取り入れた空気の流れを実線の矢印で示し、酸素濃度調整装置20から流出する低酸素濃度の空気の流れを点線の矢印で示し、酸素濃度調整装置20から流出する高酸素濃度の空気の流れを一点鎖線の矢印で示す。酸素濃度調整装置20に備えられた三方弁30または二方弁32の開閉可能なポートにおいて、開の状態のポートを模式的に白抜きで示し、閉の状態のポートを模式的に斜線で示す。
吸着槽24が1つ備えられた酸素濃度調整装置20では、吸着工程を行った後に脱着工程を行うサイクルを繰り返し行うので、酸素濃度調整装置20から低酸素濃度の空気が間欠的に供給されることになる。
はじめに、空気の流れに沿って、酸素濃度調整装置20の構造を説明する。配管40は、一方の端部Bが冷凍室8内に配置され、他方の端部が酸素濃度調整装置20のコンプレッサ22の吸込口へ繋がっている。これにより、コンプレッサ22が稼働すると、冷凍室8内に位置する配管40の一方の端部Bから、冷凍室8内の空気が吸い込まれて、酸素濃度調整装置20のコンプレッサ22に流入する。
冷凍室8内には、冷凍室8内の空気を冷却するための冷却器14が備えられている。本実施形態では、配管40の一方の端部B、つまり酸素濃度調整装置20へ流入する空気の入口が、冷却器14の近傍に配置されている。冷凍室8内の空気が冷却器14に接するまたは近づくと、空気に含まれる水分が冷却されて凍結し、冷却器14等に付着する。よって、冷却器14の近傍に存在する空気の湿度は低くなっている。よって、本実施形態のように、冷却器14の近傍から空気を取り入れる場合には、酸素濃度調整装置20へ乾燥した冷気を取り入れることができる。特に、冷凍室8内の空気の流れにおいて、冷却器14の出側に配管40の一方の端部Bを設けることが好ましい。
コンプレッサ22の吐出口は、配管46を介して三方弁30の入側の開閉可能なポート30Aに繋がっている。三方弁30は、その出側のポートで吸着槽24と接続されており、更に、入側に隣接した排気側に開閉可能なポート30Bを備える。
配管44の一方の端部が排気側のポート30Bに接続され、他方の端部Cが冷凍室8内に開口している。これにより、脱着工程において、吸着槽24から流出した高酸素濃度の空気を、冷凍室8内に流入させることができる。他方の端部Cは、酸素濃度調整装置20へ流入する配管40の一方の端部Bの近傍に配置することもできるし、冷凍室8内のその他の任意の位置に配置することもできる。
一方、吸着工程において、コンプレッサ22から、三方弁30の入側のポート30A及び出側のポートを通過した空気は、吸着槽24内に流入する。吸着槽24の内部には、吸着材が充填されている。本実施形態では吸着材として活性炭が備えられているが、これに限られるものではない。例えば、吸着材としてゼオライトを用いることもできるし、その他、イモゴライト構造を有する非晶質アルミニウムケイ酸からなる無機系二酸化炭素をはじめとする任意の材料を用いることもできる。
吸着槽24の出側には二方弁32が取りつけられている。二方弁32の出側の開閉可能なポート32Aには、配管48を介して製品槽26が接続されている。製品槽26の出側には配管42が接続され、配管42の出側の端部Dは、貯蔵室6の内部に開口している。
製品槽26の内部は空間となっており、吸着槽24で酸素が吸着されて生成された低酸素濃度の空気を一定期間蓄えておくことができる。これにより、製品槽26から流出した低酸素濃度の空気が、配管42を介して貯蔵室6へ供給される。
三方弁30及び二方弁32については、弁の開閉を行うアクチュエータを備えており、冷蔵庫2に備えられた制御部からの信号に基づいて、各ポート30A,30B,32Aの弁の開閉を自動で行うことができるようになっている。
次に、酸素濃度調整装置20の動作の説明を行う。
<吸着工程の説明>
図4(a)に示す吸着工程では、コンプレッサ22がオンの状態となって、配管40の一方の端部Bから冷凍室8内の空気を吸い込む。コンプレッサ22から吐出された空気は、三方弁30を通過して、吸着槽24へ流入する。このとき、吸着槽24の入側に接続された三方弁30の入側のポート30Aは開の状態になっており、排気側のポート30Bは閉の状態になっている。これにより、冷凍室8から取り込んだ空気は、全て吸着槽24へ送り込まれる。
吸着槽24及び製品槽26の間の二方弁32では、ポート32Aは開の状態になっており、吸着槽24及び製品槽26は流体接続された状態になっている。これにより、コンプレッサ22で吸引された空気は、吸着槽24へ送り込まれ、圧力の高くなった吸着槽24内に充填された吸着材により、空気に含まれる酸素分子が吸着される。これにより、酸素濃度が低下した低酸素濃度の空気が生成され、製品槽26に流入する。製品槽26を通過して流出した低酸素濃度の空気は、配管42を介して貯蔵室6へ供給される。これにより、貯蔵室6の内部を低酸素濃度の空気で満たすことができる。
冷蔵室4内に配置された貯蔵室6には、わずかな隙間が設けられており、配管42の出口Dから低酸素濃度の空気が供給されると、予め貯蔵室6の内部に存在する通常の酸素濃度の空気が隙間から押し出されて、冷蔵室4へ流出する。これにより、貯蔵室6の内部が徐々に低酸素濃度の空気でパージされる。
<脱着工程の説明>
上記の吸着工程を継続していると、吸着材の酸素分子の吸着量が増えて吸着性能が低下する。そこで、次に、図4の(b)に示すように、酸素分子を脱着させて吸着材を再生させる脱着工程を行う。
まず、コンプレッサ22を停止する。三方弁30において、開の状態になっている入側のポート30Aを、閉の状態に変更し、閉の状態になっている排気側のポート30Bを、開の状態に変更する。二方弁32において開の状態になっているポート32Aを、閉の状態に変更する。これにより、吸着槽24の内部は大気開放となり、圧力が大気圧まで減圧され、吸着材に吸着されていた酸素分子を脱着させ、吸着材を再生させることができる。吸着材から脱着された酸素を含む高酸素濃度の空気は、配管44の出口Cから冷凍室8内に流出する。
以上のように吸着工程及び脱着工程を終了した後、再生された吸着材を用いて、再び上記の吸着工程及び脱着工程を行うことができる。このサイクルを繰り返すことにより、貯蔵室6の内部の空気の酸素濃度を所望の値にして保持することができる。
(2つの吸着槽24を有する酸素濃度調整装置20の説明)
図5は、本発明の1つの実施形態に係る2つの吸着槽24を有する酸素濃度調整装置20の動作を示す模式図であって、(a)は第1の工程を示し、(b)は第2の工程を示す。次に、図5を参照しながら、酸素濃度調整装置20が2つの吸着槽24を有する場合の説明を行う。2つの吸着槽24を備えている場合には、上記のサイクルを交互に行うことにより、低酸素濃度の空気をほぼ連続的に貯蔵室6の内部に供給することができる。
図5においても、空気の流れを矢印で示し、冷蔵庫2の冷凍室8から取り入れた空気の流れを実線の矢印で示し、酸素濃度調整装置20から流出する低酸素濃度の空気の流れを点線の矢印で示し、酸素濃度調整装置20から流出する高酸素濃度の空気の流れを一点鎖線の矢印で示す。
酸素濃度調整装置20に備えられた三方弁30または二方弁32の各ポートにおいて、開の状態のポートを模式的に白抜きで示し、閉の状態のポートを模式的に斜線で示す。
本実施形態の酸素濃度調整装置20では、入側に三方弁30が接続され、出側に二方弁32が接続された吸着槽24が2つ備えられている点で、図4に示す実施形態と異なる。つまり、コンプレッサ22の吐出口に接続された配管46が二股に分かれ、二股に分かれたそれぞれの配管の端部が、吸着槽24(1)の入側に接続された三方弁30の入側のポート30A1、及び吸着槽24(2)の入側に接続された三方弁30の入側のポート30A2に接続されている。
吸着槽24(1)に接続された三方弁30の排気側のポート30B1と、吸着槽24(2)に接続された三方弁30の排気側のポート30B2には、二股に分かれた配管44の端部が接続され、それぞれの配管が1つの配管に合流して、出口Cで冷凍室8内に開口している。
吸着槽24(1)の出側に接続された二方弁32のポート32A1と、吸着槽24(2)の出側に接続された二方弁32のポート32A2には、配管48の二股に分かれたそれぞれの配管の端部が接続され、それぞれの配管が1つの配管に合流して、製品槽26の入側に接続されている。
その他の構成については、図4に示す吸着槽24を1つ有する場合とほぼ同様なので、更なる説明は省略する。
<第1の工程の説明>
以上のような構成の酸素濃度調整装置20において、図5の(a)に示す第1の工程では、図面右側の吸着槽24(2)が吸着工程を行い、図面左側の吸着槽24(1)が脱着工程を行っている。
これを実現するため、吸着槽24(1)の入側に接続された三方弁30の入側のポート30A1は閉の状態であり、排気側のポート30B1は開の状態になっている。一方、吸着槽24(2)の入側に接続された三方弁30の入側のポート30A2は開の状態であり、排気側のポート30B2は閉の状態になっている。また、吸着槽24(1)の出側に接続された二方弁32のポート32A1は閉の状態であり、一方、吸着槽24(2)の出側に接続された二方弁32のポート32A2は開の状態になっている。
このような各ポートの開閉の状態により、冷凍室8の冷却器14の近傍の乾燥した冷気がコンプレッサ22に流入する。コンプレッサ22から吐出された空気は、吸着槽24(2)に流入して、吸着材で酸素が吸着され、低酸素濃度の空気が生成される。生成された低酸素濃度の空気が、吸着槽24(2)から製品槽26に流入し、更に配管42を介して、貯蔵室6内に供給される。
一方、吸着槽24(1)の内部は大気開放となり、圧力が大気圧まで減圧され、吸着材に吸着されていた酸素分子を脱着させ、吸着材を再生させることができる。吸着材から脱着された酸素を含む高酸素濃度の空気は、配管44を介して冷凍室8内に流れ込む。
<第2の工程の説明>
図5の(b)に示す第2の工程では、上記の第1の工程とは左右が逆転して、図面左側の吸着槽24(1)が吸着工程を行い、図面右側の吸着槽24(2)が脱着工程を行う。
これを実現するため、吸着槽24(1)の入側に接続された三方弁30の入側のポート30A1は、閉の状態から開の状態に切り替えられ、排気側のポート30B1は、開の状態から閉の状態に切り替えられる。一方、吸着槽24(2)の入側に接続された三方弁30の入側のポート30A2は、開の状態から閉の状態に切り替えられる。排気側のポート30B2は、閉の状態から開の状態に切り替えられる。
また、吸着槽24(1)の出側に接続された二方弁32のポート32A1は、閉の状態から開の状態に切り替えられる。一方、吸着槽24(2)の出側に接続された二方弁32のポート32A2は、開の状態から閉の状態に切り替えられる。
これにより、冷凍室8内の空気が吸着槽24(1)により酸素分子が吸着されて、低酸素濃度の空気が貯蔵室6内に供給される。一方、吸着槽24(2)の吸着材に吸着されていた酸素分子を脱着させ、吸着材から脱着された酸素を含む高酸素濃度の空気が冷凍室8内に流出する。基本的な空気の流れは、図5(a)の場合と同様なので、更に詳細な説明は省略する。
図4または図5に示す酸素濃度調整装置20によって、貯蔵室6の内部を低酸素雰囲気に保つことができる。よって、貯蔵室6内に収容した食料品の鮮度、特に生鮮食料品の鮮度を長期間保つことができる。
更に、酸素濃度調整装置20へ流入する空気の入口Bが冷凍室8内に位置しているので、冷気を酸素濃度調整装置20に取り入れて低酸素濃度の空気を供給できるので、冷蔵庫2の冷却性能に悪影響を与える虞もなく、良好な冷却性能が得られる。
特に、酸素濃度調整装置20へ流入する空気の入口Bが、冷凍室8内の冷却器14の近傍に配置されているので、乾燥した冷気を酸素濃度調整装置20に取り入れることができる。よって、コンプレッサ22で圧縮しても、結露を防いで、吸着槽24内の吸着材の性能寿命の短縮を抑制することができる。
また、酸素濃度調整装置20から流出した高酸素濃度の空気が冷凍室8内に戻されるので、冷蔵庫2の庫内の圧力低下を防止することができる。この場合であっても、冷蔵庫2の庫内の容量は十分大きいので、冷蔵庫2の庫内での酸素濃度の上昇は限定的である。
上記の実施形態では、冷凍室8内の空気を酸素濃度調整装置20に取り入れて、酸素濃度調整装置20から流出した高酸素濃度の空気が冷凍室8内に戻るようになっているが、これに限られるものではない。冷蔵室4内の空気を酸素濃度調整装置20に取り入れて、酸素濃度調整装置20から流出した高酸素濃度の空気が冷蔵室4内に戻るようにすることもできる。その場合、酸素濃度調整装置20へ流入する空気の入口が、冷蔵室4内の冷却器14の近傍に配置されていることが好ましい。
図1から図3に示すように、本実施形態では、酸素濃度調整装置20が、機械室12に配置されているので、機械室12の空間を有効利用して、酸素濃度調整装置を効率的に配置することができる。よって、低酸素空気濃度の空気の供給能力を高めるために、大型の酸素濃度調整装置20を採用した場合であっても、冷蔵庫2の収容庫10の内容積を減少させる必要がない。
特に、機械室12の中で、酸素濃度調整装置20が、冷蔵庫2の幅方向において、冷蔵庫用コンプレッサ50、放熱器52及び放熱器冷却用ファン54と、横並びに配置されているので、機械室12の空間をより効率的に利用することができる。
酸素濃度調整装置20が放熱器冷却用ファン54の風の吹き出し側に配置されているので、放熱器冷却用ファン54の風を利用して、コンプレッサ22や吸着槽24を冷却することができるので、低酸素濃度の空気の生成効率を高めることができる。
本発明の実施の形態、実施の態様を説明したが、開示内容は構成の細部において変化してもよく、実施の形態、実施の態様における要素の組合せや順序の変化等は請求された本発明の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。
2 冷蔵庫
4 冷蔵室
6 貯蔵室
8 冷凍室
10 収容庫
12 機械室
14 冷却器
20 酸素濃度調整装置
22 コンプレッサ
24 吸着槽
26 製品槽
30 三方弁
30A、B ポート
32 二方弁
32A ポート
40 配管
42 配管
44 配管
46 配管
48 配管
50 冷蔵庫用コンプレッサ
52 放熱器
54 放熱器冷却用ファン

Claims (3)

  1. 冷蔵室及び貯蔵室を少なくとも含む収容庫と、
    前記収容庫の外部に配置された冷蔵庫用の機械室と、
    空気に含まれる酸素を物理吸着して低酸素濃度の空気を供給する酸素濃度調整装置と、を備え、
    前記酸素濃度調整装置が前記機械室に配置され、
    前記酸素濃度調整装置へ流入する空気の入口が前記冷蔵室内に配置され、
    前記酸素濃度調整装置から流出する低酸素濃度の空気の出口が、隙間を介して前記冷蔵室と連通した前記貯蔵室内に配置され、
    前記酸素濃度調整装置から流出する高酸素濃度の空気の出口が前記冷蔵室内に配置され、
    前記冷蔵室内に前記冷蔵室内の空気を冷却するための冷却器が備えられ、
    前記酸素濃度調整装置へ流入する空気の前記入口が前記冷却器の近傍であって、前記冷蔵室内の空気の流れにおいて、前記冷却器の出側に配置されていることを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記機械室に、冷蔵庫用コンプレッサ、放熱器及び放熱器冷却用ファンが収容されており、前記酸素濃度調整装置が、前記冷蔵庫の幅方向において、前記冷蔵庫用コンプレッサ、前記放熱器及び前記放熱器冷却用ファンと、横並びに配置されていることを特徴とする請求項に記載の冷蔵庫。
  3. 前記酸素濃度調整装置が、前記放熱器冷却用ファンの風の吹き出し側に配置されていることを特徴とする請求項に記載の冷蔵庫。
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