JP6916706B2 - 成形断熱材の製造方法 - Google Patents

成形断熱材の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6916706B2
JP6916706B2 JP2017195336A JP2017195336A JP6916706B2 JP 6916706 B2 JP6916706 B2 JP 6916706B2 JP 2017195336 A JP2017195336 A JP 2017195336A JP 2017195336 A JP2017195336 A JP 2017195336A JP 6916706 B2 JP6916706 B2 JP 6916706B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon fiber
carbon
heat insulating
insulating material
fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017195336A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018076963A (ja
Inventor
正樹 中通
正樹 中通
曽我部 敏明
敏明 曽我部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Gas Chemicals Co Ltd filed Critical Osaka Gas Chemicals Co Ltd
Publication of JP2018076963A publication Critical patent/JP2018076963A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6916706B2 publication Critical patent/JP6916706B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Thermal Insulation (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、成形断熱材に関し、詳しくは応力による破壊を抑制し得た成形断熱材に関する。
炭素繊維系の断熱材は、熱的安定性や断熱性能に優れ且つ軽量であることから、種々の用途で使用されている。このような断熱材には、炭素繊維を交絡してなる炭素繊維フェルトや、炭素繊維フェルトに樹脂材料を含浸させ炭素化させた炭素繊維成形断熱材がある。炭素繊維フェルトは可とう性に優れるという長所を有し、炭素繊維成形断熱材は、形状安定性に優れ、微細な加工が可能である、酸素ガスやSiOガスが発生する環境で使用する場合、樹脂材料の炭素化物が炭素繊維に先んじてこれらのガスと反応するので、炭素繊維が劣化し難いという長所を有する。
何れの断熱材を使用するかは、使用目的や用途に応じて適宜選択される。後者の炭素繊維成形断熱材は、熱的安定性、断熱性能に優れ且つ形状安定性に優れることから、単結晶シリコン引き上げ装置、多結晶シリコンキャスト炉、金属やセラミックスの焼結炉、真空蒸着炉等の高温炉の断熱材として使用されている。
ところで、使用状況によっては成形断熱材に応力が掛かることがあるが、応力が過剰にかかると成形断熱材に亀裂が生じる。亀裂が進行すると、成形断熱材が破壊に至ることもあり、このような場合には断熱機能を発揮できなくなってしまう。可とう性に優れた炭素繊維フェルトを用いる場合、このような問題は生じないが、形状安定性等の観点から成形断熱材を使用せざるを得ない場合もある。
ここで、成形断熱材に外部応力がかかる場合としては、断熱材とその周辺の部材とが接触する場合、内部応力がかかる場合としては、断熱材が局部的に急激に加熱される場合などが想定される。
ところで、成形断熱材に関する技術としては、下記特許文献1が挙げられる。
特開2008−196552号公報
特許文献1の技術は、樹脂バインダーを含浸または塗布した樹脂含浸炭素繊維フェルトと炭素繊維フェルトの積層体を圧縮成形して焼成した炭素繊維断熱材に関する技術である。
この技術によると、剛性を高くしながらも断熱性の低下を抑制したものであり、加熱炉などの壁体への施工性を容易にできる等とされる。
しかしながら、この技術では、樹脂を含まない炭素繊維フェルトの部分を含むことを必須としているが、この部分は、加工性が悪く微細加工が困難である、接着に寄与する樹脂成分がないので機械的強度や接着強度が低い、炭素繊維に先んじて酸化する成分を含まないので、酸化消耗により炭素繊維の骨格が崩れて断熱性が低下してしまう、などの問題がある。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、応力による破壊を抑制し得た成形断熱材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための成形断熱材は、次のように構成されている。
炭素繊維を交絡させた繊維フェルトと、前記繊維フェルトの炭素繊維表面を被覆する炭素質からなる保護炭素層と、を有し、炭素質により構成された炭素繊維シートと、不融化処理した等方性ピッチを原料とする炭素繊維を堆積させた繊維マットと、前記繊維マットの炭素繊維表面を被覆する炭素質からなるマトリックスと、からなる炭素繊維層と、がそれぞれ複数積層されてなる成形断熱材であって、前記成形断熱材の少なくとも一方の表面には前記炭素繊維シートが配されており、前記炭素繊維層は連続して積層されておらず、前記炭素繊維シートは、炭素繊維が三次元的にランダムに配向され、前記炭素繊維層は、炭素繊維が積層方向に垂直な方向に配向していることを特徴とする成形断熱材。
上記構成では、成形断熱材は、いずれも炭素質からなる炭素繊維シートと炭素繊維層とにより構成されており、成形断熱材は炭素質以外の成分を含んでいない。このうち炭素繊維シートは、繊維フェルトに保護炭素層が形成されたものであり、炭素繊維が交絡されて三次元的にランダムに配向している。このように炭素繊維がランダムに配向され、保護炭素層が形成された炭素繊維シートは、強度が高く形態安定性や加工性に優れる。
また、炭素繊維層は、不融化処理した等方性ピッチを原料とする炭素繊維からなる繊維マットに炭素質のマトリックスが形成されたものであり、炭素繊維は成形断熱材の積層方向(成形断熱材の厚み方向)に垂直な方向に配向している。このように、炭素繊維が面方向に配向した炭素繊維層は、この面に対して垂直な方向から力が加わった場合に、この力を緩和・吸収するように作用する。
上記構成のごとく、この炭素繊維層と炭素繊維シートとを積層してなる成形断熱材は、炭素繊維シートによって形態安定性や加工性が高められ、且つ、応力がかかった場合においては、炭素繊維層が応力の伝播を抑制し成形断熱材の亀裂の進行を防止するため、応力による成形断熱材の破壊を防止することができる。
また、上記では、成形断熱材の少なくとも一方の表面には、形態安定性や加工性に優れた炭素繊維シートが配置されている。このため、微細な加工や強度が要求されうる側(例えば熱源側)に炭素繊維シートを配置することにより、従来の成形断熱材と同様の使用が可能となる。
また、炭素繊維が積層方向に対して垂直な方向に配向した炭素繊維層は、積層方向の熱伝導性が低く、断熱性能をより高めることができるという効果も奏する。
また、炭素繊維層は、炭素質のマトリックスを含んでおり、このマトリックスが炭素繊維層の形態安定性や加工性、隣接する炭素繊維シートとの接着性を高める。このため、炭素繊維層は、炭素繊維フェルトのような炭素繊維のみからなる構造物よりも形態安定性や加工性、隣接する炭素繊維シートとの接着性が高い。
また、成形断熱材の周囲に、不純物として混入或いは炉内で発生した活性ガス(酸素ガス、SiOガス等)が存在する場合、保護炭素層やマトリックスが炭素繊維に先んじて活性ガスと反応する。これにより、炭素繊維と活性ガスとが反応して劣化することが抑制される。
ここで、炭素質が酸素ガスと反応する場合炭酸ガスとなって除去され、SiOガスと反応する場合にはSiCとなって除去されることなく残存するが、いずれの場合も炭素繊維により構成される骨格構造が維持されるので、当該骨格構造が多数の空間を形成することにより得られる断熱作用が維持される。
なお、炭素繊維層相互を接着することは、多量の接着成分を必要とするなどの問題があるため、炭素繊維層は連続して積層しない。つまり、炭素繊維層は、炭素繊維シート間に挟まれているか、成形断熱材の一つの表面に配置され、且つ、炭素繊維シートに接しているものである。
これに対し、炭素繊維シートは、連続して積層されていてもよい。ここで、個々の炭素繊維シートの厚み、個々の炭素繊維層の厚み、成形断熱材の全体厚みに占める炭素繊維シートの合計厚みの割合等は、所望とする応力緩和効果、形態安定性、断熱効果等を勘案して適宜設定すればよく、これに従い炭素繊維シートを連続して積層するかどうかを決定すればよい。積層しやすさの観点から、炭素繊維シートと炭素繊維層とを一層ずつ交互に積層する構成としてもよい。
また、成形断熱材を構成する炭素繊維シートは、かさ密度や厚み等がすべて異なっていてもよく、すべて同一のものであってもよい。また、成形断熱材を構成する炭素繊維層についても同様に、かさ密度や厚み等がすべて異なっていてもよく、すべて同一のものであってもよい。なお、製造面からは、炭素繊維シート、炭素繊維層ともに、かさ密度や厚み等がすべて同一であることが好ましい。
上記構成において、炭素繊維層における炭素繊維とマトリックスとの質量比が、100:2〜100:20であることが好ましい。
炭素繊維層におけるマトリックスの量が増加するに従い、炭素繊維層の繊維同士の接着性が向上し、且つ、応力緩和効果が低くなっていく。両者のバランスの観点から上記範囲内であることが好ましい。
上記構成において、炭素繊維層の厚さが、0.5〜5mmであることが好ましい。
炭素繊維層の厚みが大きくなるに従い、応力緩和効果が大きくなるとともに、機械的強度、加工性が低くなっていく。両者のバランスの観点から、一つの炭素繊維層の厚さは0.5〜5mmであることが好ましい。
なお、成形断熱材の表面に配置された炭素繊維シートに、熱分解炭素が浸透されていたり、黒鉛粒子や非晶質炭素粒子等の炭素質粒子が含まれていたりしてもよい。このような構成とすることにより、成形断熱材の損耗や発塵をさらに抑制することができる。また、これらを含ませない構成とすると、製造工程を簡略化できる。なお、炭素繊維シート、炭素繊維層は、いずれも炭素質のみで構成され、炭素質以外の成分は含まれない。
上記構成において、炭素繊維シートは、三点曲げ強度が0.3MPa以上、三点曲げ弾性率が、9MPa以上であり、炭素繊維層は、三点曲げ強度が0.2MPa以下、三点曲げ弾性率が5MPa以下であることが好ましい。
炭素繊維シートは、成形断熱材の強度を維持する観点から、一定程度の強度を有することが好ましい。この観点から、炭素繊維シートの三点曲げ強度は、0.32MPa以上であることがより好ましく、0.45MPa以上であることがさらに好ましく、0.63MPa以上であることが最も好ましい。また、炭素繊維シートの三点曲げ弾性率は、9.4MPa以上であることがより好ましく、15MPa以上であることがさらに好ましく、17MPa以上であることが最も好ましい。また、成形断熱材の強度(三点曲げ強度、三点曲げ弾性率)を増すためには、保護炭素層の量を増やす必要があるが、保護炭素層の量が過剰となると、その分コスト高になる。このため、炭素繊維シートの三点曲げ強度は、3MPa以下であることが好ましく、2.1MPa以下であることがより好ましく、1.3MPa以下であることがさらに好ましく、1.1MPa以下であることが最も好ましい。また、炭素繊維シートの三点曲げ弾性率は、130MPa以下であることが好ましく、85MPa以下であることがより好ましく、72MPa以下であることがさらに好ましく、52MPa以下であることが最も好ましい。
炭素繊維層は、成形断熱材の応力を緩和する観点から、強度(三点曲げ強度、三点曲げ弾性率)が炭素繊維シートよりも低いことが好ましい。炭素繊維層の三点曲げ強度は、0.18MPa以下であることがより好ましく、0.12MPa以下であることがさらに好ましく、0.06MPa以下であることが最も好ましい。また、炭素繊維シートの三点曲げ弾性率は、3.5MPa以下であることがより好ましく、2.1MPa以下であることがさらに好ましい。また、炭素繊維層における炭素繊維相互の結着作用を十分に確保するためには、一定程度のマトリックスを有していることが好ましい。この観点から、炭素繊維シートの三点曲げ強度は、0.01MPa以上であることが好ましく、0.02MPa以上であることがより好ましく、0.03MPa以上であることがさらに好ましい。また、炭素繊維シートの三点曲げ弾性率は、0.02MPa以上であることが好ましく、0.5MPa以上であることがより好ましく、0.7MPa以上であることがさらに好ましい。
上記課題を解決するための本発明に係る成形断熱材製造方法は、次のように構成されている。
炭素繊維を交絡させた炭素繊維フェルトに、熱硬化前の熱硬化性樹脂を含浸させてプリプレグを作製するプリプレグ作製ステップと、等方性ピッチを揮発分を残存させたままで紡糸し不融化する不融化繊維作製ステップと、前記不融化繊維を用いて揮発分が残存した繊維マットを作製するマット作製ステップと、複数の前記プリプレグと複数の繊維マットとを積層して積層体を形成する積層ステップと、前記積層体を加圧しつつ加熱して、前記熱硬化性樹脂及び前記揮発分に含まれる熱硬化性樹脂を熱硬化させて、前記プリプレグと前記繊維マットとを結着させる結着ステップと、結着された積層体を不活性ガス雰囲気で熱処理して、熱硬化後の熱硬化性樹脂を炭素化させる炭素化ステップと、を有し、前記積層体の少なくとも一方の表面には前記プリプレグが配されており、前記繊維マットは連続して積層されておらず、前記繊維マットに占める前記揮発分の質量割合は、10〜18%であり、前記プリプレグは、炭素繊維が三次元的にランダムに配向され、前記繊維マットは、炭素繊維が積層方向に垂直な方向に配向している、成形断熱材の製造方法。
上記の製造方法により、炭素繊維シートと炭素繊維層とが積層されてなる成形断熱材を製造することができる。
以上に説明したように、本発明によると、応力による破壊を抑制し得た成形断熱材を実現することができる。
図1は、本発明にかかる成形断熱材の構造を模式的に示す斜視図である。 図2は、三点曲げ試験の概要を示す図である。 図3は、三点曲げ試験結果を示すグラフである。 図4は、実施例1にかかる成形断熱材の顕微鏡断面写真であって、図4(a)は炭素繊維シートと炭素繊維層との界面近傍、図4(b)は炭素繊維シート、図4(c)は炭素繊維層をそれぞれ示す。
(実施の形態)
図1は、本実施の形態にかかる成形断熱材の構造を模式的に示す斜視図である。本実施の形態に係る成形断熱材100は、炭素繊維を交絡させた繊維フェルトと、繊維フェルトの炭素繊維表面を被覆する炭素質からなる保護炭素層と、を有し、炭素質からなる炭素繊維シート1と、不融化処理した等方性ピッチを原料とする炭素繊維を堆積させた繊維マットと、繊維マットの炭素繊維表面を被覆する炭素質からなるマトリックスと、からなる炭素繊維層2と、がそれぞれ複数積層されてなる(図1では8枚の炭素繊維シート1と7枚の炭素繊維層2とが交互に積層されている)。成形断熱材100の少なくとも一方の表面には炭素繊維シート1が配されており、炭素繊維層2は連続して積層されておらず、炭素繊維シート1間に挟まれているか、成形断熱材100の一つの表面に配置され、且つ、炭素繊維シート1に接している。図1では、炭素繊維層2はすべて炭素繊維シート1間に挟まれており、成形断熱材100の2つの表面には炭素繊維シート1が配置されている。また、炭素繊維シートは炭素繊維がランダムに配向され、炭素繊維層は炭素繊維が積層方向に垂直な方向に配向している。
三次元的にランダムに配向した炭素繊維に保護炭素層が形成されている炭素繊維シート1は、強度が高く形態安定性や加工性に優れる。また、積層方向に垂直に配向した炭素繊維にマトリックスが形成されている炭素繊維層2は、積層方向から力が加わった場合に、この力を緩和・吸収するように作用し、一方面に隣接する炭素繊維シート1に亀裂が発生しても、他方面に隣接する炭素繊維シート1に亀裂が伝達されることがない。
つまり、炭素繊維層2と炭素繊維シート1とを積層してなる成形断熱材100は、炭素繊維シート1により形態安定性や加工性が高められ、且つ、応力がかかった場合においては、炭素繊維層2が亀裂の進行を防止するため、応力による破壊を防止することができる。
また、成形断熱材100の表面には、形態安定性や加工性に優れた炭素繊維シートが配置されており、微細な加工や強度が要求されうる側(例えば熱源側)に炭素繊維シートを配置することにより、従来の成形断熱材と同様の使用が可能となる。
炭素繊維層を構成する炭素繊維は、不融化処理した等方性ピッチを原料とする炭素繊維である。ピッチは、化学的には無数の縮合多環芳香族化合物の混合物であり、木材、石炭などの乾留の際に得られる液状タール、オイルサンドから得られるビチューメン、オイルシェールの乾留によって得られる油分、原油の蒸留による残渣油、石油留分のクラッキングによって生成するタールなどを熱処理、重合して得られる常温で固体状のもの等がある。具体的には、石炭由来のピッチ、石油由来のピッチ、ナフタレン等の芳香族化合物を重合した合成ピッチ等が挙げられる。
炭素繊維シートを構成する炭素繊維としては、特に限定されることはなく、例えば石油ピッチ系、ポリアクリロニトリル(PAN)系、レーヨン系、フェノール樹脂系、セルロース系等の炭素繊維を、単一種又は複数種混合して用いることができる。中でも、熱処理による黒鉛化が起こり難い炭素繊維(たとえば、等方性の石炭ピッチ系、等方性の石油ピッチ系、レーヨン系、フェノール樹脂系の炭素繊維)を用いることが好ましい。また、炭素繊維層と同じ炭素繊維を用いると、両者の接着性を高めることができる。
また、いずれの炭素繊維も、炭素繊維の微視的な構造としては特に限定されず、形状(巻縮型、直線型、断面形状等)が同一のもののみを用いてもよく、また異なる構造のものが混合されていてもよい。ただし、炭素繊維の種類やその微視的構造は、製造される成形断熱材の物性に影響を与えるので、用途に応じて適宜選択するのがよい。
また、炭素繊維シートを構成する繊維フェルトの形状としては特に限定されることはない。繊維フェルトとしては、例えば厚みが3〜15mm程度のものを用いることができる。また、長さや幅は特に限定されることはない。また、炭素繊維フェルトの微視的構造としては、三次元的にランダムな方向に配向した炭素繊維が複雑に交わっているものを用いる。
また、炭素繊維層を構成する繊維マットの形状は、特に限定されることはない。繊維マットとしては、例えば厚みが0.5〜5mm程度のものを用いることができる。また、長さや幅は特に限定されることはない。また、繊維マットの微視的構造としては、炭素繊維が積層方向に垂直な方向(面方向)に配向したものを用いる。また、炭素繊維は、二次元的に(面方向において)ランダムな方向に配向していることが好ましい。
また、繊維マットを得る方法としては、特に限定されることはないが、炭素繊維が面方向に配向しやすい方法を用いる。たとえば、紡糸した繊維を開繊することなく降り積もらせる方法、溶液中で繊維を撹拌せずに抄紙網上に堆積させる方法等が例示できる。また、三次元的にランダムに配向させるニードルパンチ等の処理は行わない。
また、繊維フェルトを得る方法としては、特に限定されることはないが、炭素繊維がランダムに配向しやすい方法を用いることが好ましい。たとえば、開繊機により開繊、空気圧で上昇させ降り積もらせた後、ニードルパンチを用いる方法、溶液中で撹拌・混合し、抄紙網上に堆積させる方法、カード機などのカーディング手段により繊維フェルトを紡出した後、ニードルパンチを用いる方法等が例示できる。
また、保護炭素層は、繊維フェルトを構成する炭素繊維の表面全部、あるいは、炭素繊維の表面の一部を被覆しているものである。また、マトリックスは、繊維マットを構成する炭素繊維の表面全部、あるいは、炭素繊維の表面の一部を被覆しているものである。また、保護炭素層やマトリックスは炭素質(非晶質炭素や黒鉛質炭素)であればよく、非晶質炭素は難黒鉛化性、易黒鉛化性のいずれでもよい。保護炭素層やマトリックスの由来となる化合物は特に限定されることはないが、繊維フェルトや繊維マットに含浸可能な樹脂材料の炭素化物を用いることが好ましい。なかでも、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂を用いると、積層した炭素繊維シート、炭素繊維層を、熱硬化及び炭素化により簡便かつ強固に結着させることができる。また、マトリックスの由来となる化合物には、等方性ピッチを紡糸・不融化する際に残存する揮発分が含まれていてもよい。
ここで、熱硬化性樹脂は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、熱硬化性樹脂は、そのまま繊維フェルトや繊維マットに含ませてもよく、溶剤で希釈して繊維フェルトに含ませてもよい。溶剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール等のアルコールを用いることができる。
また、繊維フェルトや繊維マットは、長尺や長幅なものを用いて成形断熱材を作製後に切断等してもよく、成形断熱材のサイズにあらかじめ切断しておいてもよい。
ここで、成形断熱材のかさ密度は、0.06〜0.25g/cm3であることが好ましく、0.10〜0.20g/cm3であることがより好ましく、0.12〜0.18g/cm3であることがさらに好ましい。また、炭素繊維シートのかさ密度は、0.07〜0.26g/cm3であることが好ましく、0.11〜0.21g/cm3であることがより好ましく、0.13〜0.19g/cm3であることがさらに好ましい。また、炭素繊維層のかさ密度は、0.01〜0.10g/cm3であることが好ましく、0.03〜0.08g/cm3であることがより好ましく、0.04〜0.06g/cm3であることがさらに好ましい。
また、炭素繊維シートにおける炭素繊維と保護炭素層との質量比は、100:5〜100:100であることが好ましく、100:10〜100:80であることがより好ましく、100:15〜100:60であることがさらに好ましい。また、炭素繊維層における炭素繊維とマトリックスとの質量比は、100:2〜100:20であることが好ましく、100:3〜100:18であることがより好ましく、100:7〜100:13であることがさらに好ましい。
また、個々の炭素繊維シートの厚さは、3〜15mmであることが好ましく、5〜12mmであることがより好ましく、6〜10mmであることがさらに好ましい。また、個々の炭素繊維層の厚さは、0.5〜5mmであることが好ましく、1〜4mmであることがより好ましく、2〜3mmであることがさらに好ましい。
次に、成形断熱材の製造方法について説明する。
(繊維フェルトの準備)
繊維フェルトは、公知の方法で作製したものを用いることができ、好ましくは炭素繊維が三次元的に配向しやすい方法を採用する。繊維フェルトの形成方法としては、例えば開繊機により開繊、空気圧で上昇させ降り積もらせた後、ニードルパンチを用いる方法、溶液中で撹拌・混合し、抄紙網上に堆積させる方法、カード機などのカーディング手段により繊維フェルトを紡出した後、ニードルパンチを用いる方法等が例示できる。この繊維フェルトは、厚みが3〜25mmであることが好ましく、5〜20mmであることがより好ましい。
(プリプレグの作製)
こののち、繊維フェルトに熱硬化性樹脂溶液を噴霧し、熱硬化性樹脂溶液に浸漬し、あるいは熱硬化性樹脂溶液を塗布してプリプレグを作製する。
(繊維マットの作製)
繊維マットは、炭素繊維が面方向に配向しやすい公知の方法で作製したものを用いることができる。例えば、等方性ピッチを紡糸し、台上に堆積させてピッチ繊維のマットを得る。得られるマットは、概ね5〜400mmの範囲で長さが異なるピッチ繊維の集合体である。なお、紡糸の方法は特に限定されないが、溶融紡糸法が一般的である。また、渦流法による紡糸で曲状の繊維にしてもよい。このとき、炭素繊維が面方向に配向し易いように台上に繊維を降り積もらせる。このとき、揮発分が残存するように紡糸することが好ましい。揮発分には、たとえば加熱により揮発する成分これに溶解した熱硬化する成分などが含まれる。
得られたマットに対し、ピッチ繊維の不融化処理を行って、繊維マットとなす。不融化工程は、ピッチ繊維の表面に酸素を導入し酸化させる工程である。不融化工程の雰囲気は空気やNOxとすることができる。これによって、ピッチ繊維が炭素化工程において再溶融することが防止される。不融化を十分に担保するためには、酸素含有量が7質量%以下にならないことが好ましい。
不融化繊維を加圧した際に、炭素繊維同士が十分接着するためには、マット中の揮発分の量が12質量%以上であることが好ましい。ここで、揮発分の量とは、窒素ガス雰囲気中600℃まで加熱したときの重量減少量((不融化後の繊維マット質量−加熱後の繊維マット質量)÷不融化後の繊維マット質量)と定義する。なお、揮発分の量が少ない場合には、プリプレグ作製時と同様に、繊維マットに熱硬化性樹脂溶液を添加する。
(積層ステップ)
上記により作製したプリプレグ上に繊維マット(樹脂添加または不添加)を、繊維マット上にプリプレグを、所望の厚みとなるように順次積層する。このとき、プリプレグは少なくとも一つの表面となるように配する。また、プリプレグは連続して積層してもよいが、繊維マットは連続して積層しない。
(結着・炭素化)
上記のようにして作製した積層体を加圧しつつ加熱して熱硬化性樹脂を熱硬化させる。この後、不活性ガス雰囲気で1500〜2500℃で所定の時間(例えば、1〜20時間)加熱し、熱硬化性樹脂を炭素化させて、成形断熱材を得る。
ここで、本明細書でいう炭素化とは、黒鉛化を含んだ広義のものを意味する。例えば、特に2000℃以上の温度で熱処理する場合、黒鉛構造が発展することが考えられるが、本発明では、成形断熱材を構成する炭素質は、非晶質炭素、黒鉛質炭素のいずれでもよい。
実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
(炭素繊維の作製)
石炭由来の等方性ピッチを渦流法により溶融紡糸して、曲状のピッチ繊維からなるマットを得た。ピッチ繊維は概ね10〜300mmの長さであり、この繊維が集合してマット状となった。このマットを空気雰囲気下、常温から約250〜300℃まで、合計30分間熱処理してピッチ繊維を不融化し、繊維マットを得た。この繊維マットを不活性ガス雰囲気下、約1000℃で炭素化し、等方性ピッチ系炭素繊維(平均直径13μm)のマットを得た。
(繊維フェルトの作製)
等方性ピッチ系炭素繊維のマットを開繊した後、ニードルパンチ法により、かさ密度0.05g/cm3の繊維フェルト(厚み10mm、幅400mm、長さ400mm)を得た。
(プリプレグの作製)
この繊維フェルトにレゾールタイプのフェノール樹脂系熱硬化性樹脂溶液に浸漬して、プリプレグを作製した。このとき、2000℃で熱処理した場合における熱硬化性樹脂が炭素化してなる炭素質量が、炭素繊維100質量部に対して44質量部となるように、フェノール樹脂系熱硬化性樹脂溶液量を添加した。
(繊維マットの作製)
上記の炭素繊維の作製と同様にして、開繊前の不融化されたピッチ繊維の繊維マットを得た。なお、繊維マットにおける不融化繊維の酸素含有量は8質量%であり、揮発分は12質量%であった。
(積層ステップ)
プリプレグ上に、繊維マット37gをほぼ均一に配置し、この繊維マットにプリプレグの作製に用いたレゾールタイプのフェノール樹脂系熱硬化性樹脂溶液42gを、ほぼ均一にスプレーを用いて噴霧した。この場合、2000℃の熱処理後における炭素繊維層のマトリックスが炭素繊維層100質量部に対して概ね13質量部となる。
プリプレグ、フェノール樹脂添加繊維マットを交互に7回積層し、さらにその上にプリプレグを積層した。すなわち、プリプレグ8枚と不融化炭素繊維マット7枚を、プリプレグが両方の表面になるように、交互に1枚ずつ重ね合わさった積層体を作製した。
(結着・炭素化ステップ)
この積層体を、ホットプレス機を用いて約200℃で1時間保持し、フェノール樹脂を熱硬化させて結着し、厚み約43mmの成形体を得た。得られた成形体を、熱処理炉を用いて不活性雰囲気下2000℃で熱処理し、実施例1に係る成形断熱材を得た。この成形断熱材において、1つの炭素繊維層の厚みは1.5〜2mm程度であり、1つの炭素繊維シートの厚みは7mm程度であり、得られた成形断熱材のかさ密度は、0.14g/cm3であった。
(実施例2)
積層ステップにおいて、レゾールタイプのフェノール樹脂系熱硬化性樹脂溶液を添加していない繊維マットを用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例2に係る成形断熱材を得た。この成形断熱材の炭素繊維層のマトリックスは、炭素繊維層100質量部に対して概ね2質量部であり、1つの炭素繊維層の厚みが2〜5mm程度であり、1つの炭素繊維シートの厚みは8mm程度であった。また、得られた成形断熱材のかさ密度は、0.12g/cm3であった。
(比較例1)
上記プリプレグを8枚積層したプリプレグ積層体を炭素化したこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例1に係る成形断熱材を作製した。得られた成形断熱材のかさ密度は、0.13g/cm3であり、1つの炭素繊維シートの厚みは8mm程度であった。
(三点曲げ試験)
実施例1、比較例1に係る成形断熱材を、長さ250mm、幅40mm、高さ40mmに裁断して試験片200となした。図2に示すように、この試験片200を、支点間距離が200mmに設定された台10の上に置いた。この試験片200に、圧子20により圧力をかけ、圧力と変位量の関係を測定した。この結果を図3に示す。
比較例1では、最大応力は0.63MPaと大きいが、最大荷重に至ると直ちに成形断熱材の破壊に至った。一方、実施例1では、最大荷重は0.17MPaであり、比較例よりも低いものの、変位が60%まで達しても成形断熱材は破壊されていない。これは、次のように考えられる。
比較例1では、剛性の高い炭素繊維シートが連続して積層されているため強度が高く、最大応力が高くなる。しかしながら、一つの炭素繊維シートで生じた亀裂は、他の炭素繊維シートにまで連続して進行し易く、一気に成形断熱材の破壊へと至ってしまう。
他方、実施例1では、剛性の高い炭素繊維シートに加えて、剛性は低いもののクッション性の高い炭素繊維層が積層されている。このため、比較例1よりも強度及び最大応力が低くなる。しかしながら、クッション性の高い炭素繊維層が、一方面で隣接する炭素繊維シートで生じた亀裂が他方面で隣接する炭素繊維シートにまで進行することを防止するように作用する。このため、強度や最大応力は低いものの破壊が起こりにくい成形断熱材となる。
なお、実施例1、2に係る成形断熱材は、実用上十分な強度、自立性及び加工性を有していた。
図4に、実施例1に係る成形断熱材の表面層近傍の断面顕微鏡写真を示す。図4は、実施例1にかかる成形断熱材の顕微鏡断面写真であって、図4(a)は炭素繊維シートと炭素繊維層との界面近傍、図4(b)は炭素繊維シート、図4(c)は炭素繊維層をそれぞれ示す。図4(b)に示すように、炭素繊維シート1には、積層方向に平行な繊維が多く含まれ、全体として三次元的にランダムに配向していることが分かる。また、図4(c)に示すように、炭素繊維層2は、積層方向に平行な繊維が炭素繊維シート1よりもはるかに少なく、炭素繊維が面方向(積層方向に垂直な方向)に配向していることが分かる。そして、図4(a)に示すように、成形断熱材において、炭素繊維の配向性が異なる2種類のシート(炭素繊維シート1と炭素繊維層2)が積層されていることが確認できる。
(実験例1〜5)
上記実施例1と同様にしてプリプレグを作製した。このプリプレグを適宜4〜9層積層し、ホットプレス機を用いて約200℃で1時間30分保持し、フェノール樹脂を熱硬化させて、厚み32mmの熱硬化プリプレグを得た。得られた熱硬化プリプレグを、熱処理炉を用いて不活性雰囲気下2000℃で熱処理して炭素繊維シートを得た。ここで、プリプレグ作製時のレゾールタイプのフェノール樹脂系熱硬化性樹脂溶液量を変化させて、下記表1に示すように、炭素繊維と保護炭素層との質量比の異なる5種類の炭素繊維シート(実験例1〜5)を作製した。
(実験例6〜10)
上記実施例1と同様にして開繊前の不融化されたピッチ繊維の繊維マットを得た。繊維マットにおける不融化繊維の酸素含有量は8質量%であり、揮発分は12質量%であった。台上に、繊維マットをほぼ均一に配置し(厚み約170mm)、この繊維マットにプリプレグの作製に用いたレゾールタイプのフェノール樹脂系熱硬化性樹脂溶液を、ほぼ均一にスプレーを用いて噴霧した。この樹脂添加繊維マットを、型枠の中に均等に配置し、乾燥機を用いて約200℃で1時間30分保持し、フェノール樹脂を熱硬化させて、厚み35mmの熱硬化繊維マットを得た。得られた熱硬化繊維マットを、熱処理炉を用いて不活性雰囲気下2000℃で熱処理して炭素繊維マットを得た。ここで、レゾールタイプのフェノール樹脂系熱硬化性樹脂溶液量を変化させて、下記表2に示すように、炭素繊維とマトリックスとの質量比の異なる5種類の炭素繊維マット(実験例6〜10)を作製した。
(三点曲げ試験)
実験例1〜5にかかる炭素繊維シート、および実験例6〜10に係る炭素繊維マットを、それぞれ長さ200mm、幅30mm、高さ30mmに裁断して試験片200となした。この試験片200を、図2に示すように、支点間距離が150mmに設定された台10の上に置いた。この試験片200に、圧子20により圧力をかけ、JIS K 7074に準拠して曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。この結果を、実験例1〜10にかかる炭素繊維シート、炭素繊維マットのかさ密度とあわせて下記表1、2に示す。
Figure 0006916706

Figure 0006916706

以上の結果から、炭素繊維に対する保護炭素層の質量が増加するに伴い、炭素繊維シートの三点曲げ強度、三点曲げ弾性率が高くなっていくことが分かる。また、炭素繊維に対するマトリックスの質量が増加するに伴い、炭素繊維層の三点曲げ強度、三点曲げ弾性率が高くなっていくことが分かる。
ここで、炭素繊維シートにおける保護炭素層の占める割合や、炭素繊維層におけるマトリックスの占める割合は、所望とする強度やかさ密度、予想される応力などに応じて適宜設定すればよい。炭素繊維と保護炭素層との質量比は100:5〜100:100であることが好ましく、炭素繊維とマトリックスとの質量比が100:2〜100:20であることが好ましい。
また、炭素繊維シートの三点曲げ強度は0.3〜3MPaであることが好ましく、三点曲げ弾性率は9〜130MPaであることが好ましい。また、炭素繊維層の三点曲げ強度は0.01〜0.2MPaであることが好ましく、三点曲げ弾性率は0.02〜5.0MPaであることが好ましい。
本発明に係る成形断熱材は、強度、自立性及び加工性に優れ、且つ応力緩和効果が高い。このような性質の成形断熱材は、応力破壊の起きやすい環境で使用するのに特に適しており、その産業上の意義は大きい。
1 炭素繊維シート
2 炭素繊維層
10 台
20 圧子
100 成形断熱材
200 試験片

Claims (4)

  1. 炭素繊維を交絡させた炭素繊維フェルトに、熱硬化前の熱硬化性樹脂を含浸させてプリプレグを作製するプリプレグ作製ステップと
    等方性ピッチを揮発分を残存させたままで紡糸し不融化する不融化繊維作製ステップと、
    前記不融化繊維を用いて揮発分が残存した繊維マットを作製するマット作製ステップと、
    複数の前記プリプレグと複数の繊維マットとを積層して積層体を形成する積層ステップと、
    前記積層体を加圧しつつ加熱して、前記熱硬化性樹脂及び前記揮発分に含まれる熱硬化性樹脂を熱硬化させて、前記プリプレグと前記繊維マットとを結着させる結着ステップと、
    結着された積層体を不活性ガス雰囲気で熱処理して、熱硬化後の熱硬化性樹脂を炭素化させる炭素化ステップと、を有し、
    前記積層体の少なくとも一方の表面には前記プリプレグが配されており、
    前記繊維マットは連続して積層されておらず、
    前記繊維マットに占める前記揮発分の質量割合は、10〜18%であり、
    前記プリプレグは、炭素繊維が三次元的にランダムに配向され、前記繊維マットは、炭素繊維が積層方向に垂直な方向に配向している、
    形断熱材の製造方法
  2. 前記炭素化ステップ後の前記繊維マットにおける炭素繊維と揮発分由来の成分との質量比が、100:2〜100:20である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の成形断熱材の製造方法
  3. 前記炭素化ステップ後の前記繊維マットの厚さが、0.5〜5mmである、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の成形断熱材の製造方法
  4. 前記炭素化ステップ後の前記プリプレグは、三点曲げ強度が0.3MPa以上、三点曲げ弾性率が、9MPa以上であり、
    前記炭素化ステップ後の前記繊維マットは、三点曲げ強度が0.2MPa以下、三点曲げ弾性率が5MPa以下である、
    ことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の成形断熱材の製造方法
JP2017195336A 2016-10-28 2017-10-05 成形断熱材の製造方法 Active JP6916706B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016211407 2016-10-28
JP2016211407 2016-10-28

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018076963A JP2018076963A (ja) 2018-05-17
JP6916706B2 true JP6916706B2 (ja) 2021-08-11

Family

ID=62148984

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017195336A Active JP6916706B2 (ja) 2016-10-28 2017-10-05 成形断熱材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6916706B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020059819A1 (ja) * 2018-09-21 2020-03-26 大阪ガスケミカル株式会社 炭素繊維成形断熱材及びその製造方法
JP7358459B2 (ja) * 2019-04-05 2023-10-10 阿波製紙株式会社 熱伝導シート及びその製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3028571B2 (ja) * 1990-08-28 2000-04-04 大日本インキ化学工業株式会社 炭素繊維断熱材の製造方法
JP5671375B2 (ja) * 2011-03-04 2015-02-18 大阪ガスケミカル株式会社 成形断熱材及びその製造方法
JP6764317B2 (ja) * 2016-03-18 2020-09-30 大阪ガスケミカル株式会社 表面層付き成形断熱材及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018076963A (ja) 2018-05-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7794826B2 (en) Carbon-fiber-reinforced SiC composite material and slide member
KR101472850B1 (ko) 고온-내성 복합재
US10549503B2 (en) Carbon fiber-reinforced carbon composite and method of manufacturing the same
US20060177663A1 (en) Carbon-carbon composite article manufactured with needled fibers
KR20120093926A (ko) 연질 탄소 섬유 펠트 및 경질 탄소 섬유 펠트를 포함하는 복합 재료
JP2015174807A (ja) 炭素繊維系断熱材及びその製造方法
JP2678513B2 (ja) 炭素繊維構造体、炭素炭素複合材及びそれらの製造方法
JP6086943B2 (ja) 炭素繊維断熱材及びその製造方法
JP6916706B2 (ja) 成形断熱材の製造方法
JP6864588B2 (ja) 炭素繊維シート積層体及びその製造方法
JP7373498B2 (ja) 炭素繊維成形断熱材及びその製造方法
JP6623011B2 (ja) 炭素繊維強化炭素複合材および炭素繊維強化炭素複合材の製造方法
JP5671375B2 (ja) 成形断熱材及びその製造方法
JP2011168414A (ja) 炭素繊維強化炭化ケイ素複合材及びその製造方法
JP2783807B2 (ja) 炭素繊維強化炭素複合材料及びその製造方法
KR102191680B1 (ko) 용융 함침법을 이용한 탄소복합재 제조방법
JPH11292647A (ja) 炭素繊維強化複合材料及びその製造方法
JP2594952B2 (ja) 成形断熱材及びその製法
KR102400035B1 (ko) 치구를 이용한 탄소 복합재의 제조방법
KR102046783B1 (ko) 직접 결착을 이용한 탄소섬유 프리폼 제조방법
JP3625486B2 (ja) 成形断熱材
JPH0659726B2 (ja) 高温断熱構造材料およびその製造方法
JPH0732532A (ja) 炭素繊維成型断熱材
JPH05139832A (ja) 炭素材料の製造方法
JPH03254933A (ja) 断熱材

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171024

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200731

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210528

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210601

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210616

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210706

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210716

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6916706

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250