JP6916498B1 - 無通電タイプのブレーカ - Google Patents

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Abstract

最大電流を大きくしながら、設定温度でオフ状態に切り換える。無通電タイプのブレーカは、ケース1と、ケース1に固定され、かつ固定接点5を有する固定接点金属板4と、固定接点5にオンオフ状態に接触する可動接点7を有する可動接点金属板6と、可動接点金属板6と固定接点金属板4との間に配設され、かつ設定温度を超える状態では、非反転形状から反転形状に変形するバイメタル8とを備え、バイメタル8の非反転形状においては、可動接点金属板6の弾性が固定接点5に可動接点7を接触させてオン状態にあり、バイメタル8の反転形状においては、バイメタル8が可動接点金属板6を押圧して可動接点7をオフ状態に切り換えるようにしている。可動接点金属板6は、表面に凹部31を有し、凹部31で薄く形成されてなる凹部弾性変形部30を有している。

Description

本発明は、主としてパック電池等の電気機器に内蔵されて、あらかじめ設定している温度よりも高くなると電流を遮断するブレーカに関し、とくにバイメタルに通電しない無通電タイプのブレーカに関する。
パック電池やモータなどの機器は、温度が異常に高くなる状態で電流を遮断して安全性を向上できる。このことを目的として、周囲温度を検出して接点をオフに切り換える無通電タイプのブレーカが使用される。たとえば、リチウムイオン電池を内蔵するパック電池は、異常な使用状態で充放電されると温度が高くなるので、無通電タイプのブレーカを内蔵して、これで異常な高温では電流を遮断して安全に使用できる。また、モータ等は過負荷な状態や異常な電流が流れる状態で温度が異常に高くなることがあるので、この状態では無通電タイプのブレーカで電流を遮断してモータを保護して安全に使用できる。
このような用途に使用されるブレーカとして、異常な状態での温度上昇を検出して電流を遮断するブレーカが開発されている。(特許文献1参照)
このブレーカは、図12に示すように、可動接点金属板101をバイメタルとする通電タイプのブレーカである。このブレーカは、周囲温度が設定温度まで上昇すると、バイメタルの可動接点金属板101が反転してオフ状態に切り換えられる。この構造のブレーカは、可動接点金属板101をバイメタルとするので、可動接点金属板101の電気抵抗が大きく、ブレーカの電圧降下による電力損失が大きくなる欠点がある。また、周囲温度が設定温度まで上昇しない状態においても、流れる電流が増加するとオフ状態に切り換えられる欠点もある。それは、電気抵抗の大きい可動接点金属板が電流のジュール熱で発熱して反転するからである。
以上のブレーカの欠点を解消するブレーカとして、周囲温度を検出して反転するバイメタルで可動接点金属板を変形して電流を遮断する無通電タイプのブレーカが開発されている。(特許文献2参照)
このブレーカを、図13と図14の断面図に示している。図13はバイメタル108が反転しない状態であって、可動接点107を固定接点105に接触させるオン状態を示し、図14はバイメタル108が反転して可動接点107を固定接点105から離すオフ状態を示している。
特開2006−100054号公報 特開2002−56755号公報
図13と図14に示すブレーカは、設定温度よりも高くなるとバイメタル108が反転して、反転するバイメタル108が可動接点金属板106を下から押し上げるように変形して、可動接点107を固定接点105から離してオフ状態となって電流を遮断する。温度が低下してバイメタル108がもとの形状に復元すると、可動接点金属板106の弾性で可動接点107を固定接点105に接触させてオン状態に復帰する。可動接点金属板106は、バイメタル108で押し上げられない状態、すなわちバイメタル108が温度で反転しない状態では、可動接点107を固定接点105に弾性的に押圧している。すなわち、この状態で、可動接点107は可動接点金属板106の弾性で固定接点105に接触されてオン状態に保持される。
以上の無通電タイプのブレーカは、周囲温度が閾値を超えると、バイメタルが反転して可動接点金属板の接点を固定接点金属板から離してオフ状態に切り換える。この構造の無通電タイプのブレーカは、可動接点金属板をバイメタルとしないので、可動接点金属板の電気抵抗を小さくできる。しかしながら、この構造の無通電タイプのブレーカにおいても、周囲温度が設定温度まで上昇しない状態において、ブレーカの電流が増加すると、バイメタルが反転してオフ状態に切り換えられることがある。可動接点金属板が電流のジュール熱で発熱し、加熱された可動接点金属板がバイメタルを加熱して反転させるからである。とくに、周囲温度が高い状態では、可動接点金属板の発熱によってバイメタルが反転しやすく、周囲温度が設定温度まで上昇しない状態であっても、電流によってオフ状態に切り換えられることがある。この特性の無通電タイプのブレーカは、設定温度にならない状態においてもオフ状態に切り換えられることがあるので、大きな電流が流れる用途で使用できず、用途が制限される欠点がある。
以上の欠点は、可動接点金属板を厚い金属板として、電気抵抗を小さくして防止できる。可動接点金属板のジュール熱による発熱が、電流の二乗と電気抵抗の積に比例して大きくなるからである。しかしながら、可動接点金属板に厚い金属板を使用すると、反転するバイメタルで可動接点金属板を変形してオフ状態に切り換えできなくなる。とくに、無通電タイプのブレーカは、パック電池の保護素子として多用されることから全体の厚さが1mm程度と極めて小さく、バイメタルは、厚さが0.1mm程度の極めて薄い可動接点金属板を反転して変形するよう設計されるので、厚い可動接点金属板を変形して可動接点をオフ状態には切り換えできない。
本発明は、さらに以上の欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、最大電流を大きくしながら、周囲温度が設定温度になるとオフ状態に切り換えできる無通電タイプのブレーカを提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明のある態様に係る無通電タイプのブレーカは、ケースと、ケースに固定され、かつ固定接点を有する固定接点金属板と、固定接点にオンオフ状態に接触する可動接点を有する可動接点金属板と、可動接点金属板と固定接点金属板との間に配設され、かつ設定温度を超える状態では、非反転形状から反転形状に変形するバイメタルとを備え、バイメタルの非反転形状においては、可動接点金属板の弾性が固定接点に可動接点を接触させてオン状態にあり、バイメタルの反転形状においては、バイメタルが可動接点金属板を押圧して可動接点をオフ状態に切り換えるようにしている。可動接点金属板は、表面に凹部を有し、凹部で薄く形成されてなる凹部弾性変形部を有している。
以上のブレーカは、可動接点金属板の電流に起因するジュール熱の発熱量を抑制して最大電流を大きくしながら、従来のバイメタルで確実にオフ状態に切り換えできる。このブレーカは、可動接点金属板のほぼ全体を厚い金属板として実質的な電気抵抗を小さくしながら、従来の薄いバイメタルで可動接点をオフ状態に切り換えできるので、従来のバイメタルを使用して最大電流容量を大きくできる。このことは、電池パックなどに内蔵される小型ブレーカにおいて特に大切な特性である。
ただし、本明細書において、「最大電流容量」とは、オン状態のブレーカがオフ状態に切り換えられない不動作電流(UT)の最大値であって、60℃雰囲気下においてオン状態に保持できる最大電流を意味する。
負荷電流によるジュール熱の発熱に起因する弊害を防止して、ブレーカの電流容量を大きくするには、可動接点金属板を厚くして電気抵抗を小さくする必要がある。ジュール熱による可動接点金属板の発熱が負荷電流の自乗と電気抵抗の積に比例して増加するからである。可動接点金属板は、厚くして電気抵抗を小さくできるので、厚い金属板を使用してジュール熱による発熱量を小さくできる。ただ、厚い金属板の可動接点金属板は、可動接点を固定接点に押圧する接触圧が強くなるので、反転してオフ状態に切り換えるバイメタルの押圧力を強くする必要がある。たとえば、この構造の小型ブレーカは、可動接点金属板を厚くして、ジュール熱による発熱を少なくして最大電流容量を増加できるが、厚い可動接点金属板は接点の接触圧を強くするので、従来の薄いバイメタルではオフ状態に切り換えできない。理論的には、厚いバイメタルで接触圧の強い可動接点は切り換えできるが、厚いバイメタルのブレーカは、製造コストが高くなることに加えて、ブレーカ全体を厚くする原因となるので実用的ではない。このタイプのマイクロブレーカは、電池パックの保護素子として多用されるが、この用途においてブレーカ小型化は必須の要件である。したがって、この種のブレーカは、小型化しながら電流容量を増加するという極めて難しい特性が要求される。電流容量を大きくできるとしても、小型化できないブレーカでは、現在すでに多用されている用途に使用できず、この種のブレーカには、小型化と大電流特性という互いに相反する特性であって、両特性を同時に満足するのが極めて難しい特性が要求される。
以上のブレーカは、互いに相反する特性である大電流化と小型化の両方の特性を極めて簡単な構造で実現する。ブレーカが達成する以上の特長は、可動接点金属板の表面に凹部を設けて、この凹部で薄肉の凹部弾性変形部を設ける独特の構造で実現する。表面の凹部で薄肉の凹部弾性変形部を設けている可動接点金属板は、凹部弾性変形部を除くほぼ全体を厚い金属板として電気抵抗を小さくしながら、薄肉の凹部弾性変形部で可動接点の接触圧を低くできる。ほぼ全体を厚い金属板とする可動接点金属板は、電気抵抗を小さくしてジュール熱による発熱量を小さくできる。このことは、ブレーカの最大電流容量を大きすることに効果がある。さらに、表面に凹部を設けて薄くしている凹部弾性変形部は弾性変形し易いので、可動接点と固定接点との接触圧を弱くできる。接触圧の低い可動接点金属板は、従来の薄いバイメタルで押圧して、可動接点をオフ状態に切り換えできる。さらに、以上の可動接点金属板は、ほぼ全体を厚い金属板として接点の接触圧を低くできるので、電気抵抗を小さくしながら、薄いバイメタルでオフ状態に切り換えできる。したがって、以上のブレーカは、電流容量を大きくしながら、全体を薄くして小型化できるという、マイクロブレーカにおいて極めて大切な特性を実現する。
本発明の他の態様に係る無通電タイプのブレーカは、薄肉の凹部弾性変形部の厚さ(D)を、可動接点金属板の平均厚さ(d)の85%以下としている。
本発明の他の態様に係る無通電タイプのブレーカは、薄肉の凹部弾性変形部の厚さ(D)を0.25mm未満としている。
本発明の他の態様に係る無通電タイプのブレーカは、可動接点金属板の凹部弾性変形部を除く板厚を0.1mm以上であって0.5mm以下としている。
本発明の他の態様に係る無通電タイプのブレーカは、薄肉の凹部弾性変形部の長さ(L)を1mm以下としている。
本発明の他の態様に係る無通電タイプのブレーカは、可動接点金属板が、可動接点側の表面に凹部を設けている。
本発明の他の態様に係る無通電タイプのブレーカは、可動接点金属板が、プレス加工された凹部で薄肉の凹部弾性変形部を形成している。
以上のブレーカは、プレス加工の凹部で薄肉の凹部弾性変形部を構成するので、凹部弾性変形部を薄くしながら高強度にできる特長がある。この凹部弾性変形部は、薄くして弾性変形し易くして、接点の接触圧を低下させながら十分な強度として安定に動作できる特長がある。
本発明の他の態様に係る無通電タイプのブレーカは、可動接点金属板が、導電性のある本体金属板と、本体金属板に接合されて薄肉の凹部弾性変形部を構成してなる導電性のある弾性薄肉金属板とを備えている。
以上のブレーカは、本体金属板と弾性薄肉金属板とからなる別々の金属板でアーム部を構成するので、各々の金属板を、最適な電気抵抗と弾性特性に選択して、可動接点金属板を製作できる。たとえば、本体金属板には電気抵抗の小さい金属板を、弾性薄肉金属板には優れた弾性と導電性のある金属板を使用して、可動接点金属板を理想的な状態で弾性変形して小さい電気抵抗の金属板を実現して、最大電流を大きくしながら、従来のバイメタルで電気抵抗な可動接点金属板の可動接点をオンオフに切り換えできる特長を実現する。
本発明の他の態様に係る無通電タイプのブレーカは、本体金属板の可動接点側の表面に、弾性薄肉金属板の両端部を溶着又は圧接している。また、本発明の他の態様に係る無通電タイプのブレーカは、本体金属板の可動接点側の表面の反対側の表面に、弾性薄肉金属板の両端部を溶着又は圧接している。
以上のブレーカは、薄肉の凹部弾性変形部のある可動接点金属板を安価に多量生産して、部品コストを低減して、最大電流を大きくしながら小型化できる特長がある。
本発明の他の態様に係る無通電タイプのブレーカは、可動接点金属板が、ひとつ又は複数の凹部弾性変形部を長手方向に離して局所的に配置している。
本発明の他の態様に係る無通電タイプのブレーカは、凹部弾性変形部の一部を、ケースに埋設状態で固定している。
以上のブレーカは、薄肉の凹部弾性変形部の一部をケースに埋設して固定するので、可動接点を定位置に位置ずれなく配置して、可動接点と固定接点の相対的な位置ずれを防止できる。このことは、オン状態において、可動接点と固定接点との接触抵抗の変動を抑制して、低抵抗な状態で電気接続できる特長がある。特に活性化処理された接点の接触抵抗を低抵抗な状態に安定化できる特長がある。
本発明の他の態様に係る無通電タイプのブレーカは、バイメタルと固定接点金属板との間に、バイメタルを加熱するヒーターを配置している。
本発明の他の態様に係る無通電タイプのブレーカは、可動接点と固定接点が、通電状態で超音波振動されて活性化処理されている。
本発明の他の態様に係る無通電タイプのブレーカは、凹部に電気接続状態に導電体を配置している。
以上のブレーカは、可動接点金属板に薄肉の凹部弾性変形部を設けて、薄肉の凹部弾性変形部で可動接点と固定接点の接触圧を低減しながら、オン状態の接触抵抗を安定して低抵抗な状態に保持してオン抵抗を小さく保持できる。
本発明の一実施形態にかかるブレーカの斜視図である。 図1に示すブレーカのオン状態を示す一部拡大垂直縦断面図である。 図1に示すブレーカのオフ状態を示す一部拡大垂直縦断面図である。 図2に示すブレーカの一部拡大IV−IV線断面図である。 図2に示すブレーカの一部拡大分解断面図である。 図1に示すブレーカの蓋ケースを外した平面図である。 図6に示すブレーカの分解斜視図である。 本発明の他の実施形態にかかるブレーカのオン状態を示す一部拡大垂直縦断面図である。 図8に示すブレーカの可動接点金属板の分解断面図である。 図2に示すブレーカの接点構造を示す拡大断面図である。 図2に示すブレーカを回路基板に実装する一例を示す断面図である。 従来のブレーカの一例を示す断面図である。 従来のブレーカの他の一例を示す断面図であって、ブレーカのオン状態を示す図である。 図13に示すブレーカのオフ状態を示す図である。
以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。
さらに以下に示す実施形態は、本発明の技術思想の具体例を示すものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
(実施形態1)
図1〜図3は、主として電池パックに内蔵されるブレーカ100を示している。電池パックに内蔵されるブレーカ100は、電池などの温度上昇をバイメタルで検出して電流を遮断する。電池パックは、異常な状態で使用され、あるいは電池の内部ショートなどが原因で発生する熱暴走で温度が上昇するので、ブレーカを保護素子として内蔵することにより、電池の温度上昇をブレーカで検出して電流を遮断して安全に使用できる。ブレーカは、電池パックの保護素子として多用されているが、本発明は、ブレーカの用途を特定するものではなく、たとえばモータ等のように温度上昇を検出して電流を遮断する全ての用途に使用するブレーカに利用できる。
(ブレーカ100)
図1〜図7に示すブレーカ100は、ケース1と、ケース1に固定してなる固定接点5を有する固定接点金属板4と、固定接点金属板4の固定接点5と対向する位置に可動接点7を有し、かつ可動接点7を可動できるようにケース1に一部を固定してなる可動接点金属板6と、可動接点金属板6と固定接点金属板4との間に配設され、設定温度よりも高くなると非反転形状から反転形状に反転して、可動接点金属板6をオンからオフに切り換えるバイメタル8とを備えている。
ブレーカ100は、周囲温度が設定温度よりも低い状態では、図2に示すように、バイメタル8が変形しない状態、すなわちバイメタル8が非反転形状にあって可動接点7を固定接点5に接触させてオン状態となり、周囲温度が設定温度を超えると、図3に示すように、バイメタル8が可動接点7を固定接点5から離してオフ状態に切り換える。ブレーカ100は、周囲温度でバイメタル8を非反転形状から反転形状に変形させて、反転するバイメタル8が可動接点金属板6を変形して、可動接点金属板6の可動接点7を固定接点5から離してオフ状態に切り換える。反転したバイメタル8は、周囲温度が所定の温度まで低下すると、非反転形状に変形して、可動接点金属板6のアーム部6Aを押圧しない状態となって、可動接点7を固定接点5に接触してオン状態に切り換える。
さらに、図のブレーカ100は、バイメタル8を加温するヒーター9を内蔵している。ヒーター9は、好ましくは板状のPTCヒーターで、バイメタル8と固定接点金属板4との間に配設させて、バイメタル8を裏面から加温する。ヒーター9を内蔵するブレーカ100は、ヒーター9でバイメタル8を加温して、ブレーカ100をオフ状態に保持できる。このブレーカ100は、オフ状態においてヒーター9に通電する回路を設けて、ヒーター9でバイメタル8を加温して、オフ状態に保持できる。このブレーカ100は、電池パックに内蔵されて、電池パックの安全性をより向上できる。電池パックが異常な温度になってブレーカ100で電流を遮断した後、電池でヒーター9に通電して、オフ状態に保持できるので、電池が放電できる限りブレーカ100をオフ状態に保持して外部に流れる電流を遮断状態に保持できるからである。電池が完全に放電されると、ヒーター9に通電できなくなってヒーター9がバイメタル8を加温できなくなってオン状態に復帰しても、この状態では電池は放電できなくなっているので、安全性は確保される。さらに、ヒーター9を内蔵するブレーカ100は、電池の異常を検出してヒーター9に通電して、ヒーター9でバイメタル8を加熱して電池の電流を遮断することもできる。ブレーカを内蔵する電池パックは、素電池と直列にブレーカを接続して、ブレーカで電池の電流を遮断する。
(ケース1)
ケース1は、プラスチック製の本体ケース1Aと蓋ケース1Bとからなり、本体ケース1Aに蓋ケース1Bを超音波溶着して連結し、あるいは接着して連結している。ケース1は、固定接点金属板4と可動接点金属板6を定位置に固定している。図のケース1は、本体ケース1Aの底部に固定接点金属板4をインサート成形して固定すると共に、本体ケース1Aと蓋ケース1Bとの間に可動接点金属板6を挟着状態で固定して、上面に蓋ケース1Bを固定している。本体ケース1Aは、両端部分に、第1の外壁11Aと第2の外壁11Bとを突出するように設けて、第1の外壁11Aと第2の外壁11Bとの間に、バイメタル8とヒーター9を定位置に配置する収納部20を設けている。図のケース1は、本体ケース1Aに設けている収納部20の底面を固定接点金属板4で閉塞して、連結する蓋ケース1Bで収納部20の上面を閉塞している。
(本体ケース1A)
本体ケース1Aは、外周壁10の内側にバイメタル8を配置する収納部20を設けている。外周壁10は、第1の外壁11A及び第2の外壁11Bからなる一対の外壁11と、一対の外壁11の両端を連結している一対の対向壁12とからなり、対向壁12と外壁11の内側に収納部20を設けている。本体ケース1Aは、収納部20の周囲を外周壁10で囲み、外周壁10の底面と上面を閉塞している。収納部20の底面は、本体ケース1Aと一体的に成形している底部13や固定接点金属板4で閉塞し、上面は本体ケース1Aに連結している蓋ケース1Bで閉塞して、収納部20を閉塞された中空状としている。
本体ケース1Aは、固定接点金属板4をインサート成形して固定している。図2と図3において、固定接点金属板4は中間部4Bを第1の外壁11Aに埋設するようにインサート成形して本体ケース1Aに固定している。この固定接点金属板4は、第1の外壁11Aを貫通する状態で本体ケース1Aに固定されて、ケース1の内部に露出する部分に固定接点5を設けて、外部に引き出される部分を接続端子4Xとしている。
(バイメタル8)
バイメタル8は、加熱して変形するように、熱膨張率が異なる金属を積層したものである。バイメタル8は、ヒーター9と可動接点金属板6のアーム部6Aとの間に配設され、設定温度で反転して、可動接点7を固定接点5から離してブレーカ100をオフ状態に切り換える。バイメタル8は、薄くしてブレーカ全体を薄くできるので、好ましくは厚さ(t)を0.05mm以上であって0.1mm以下とする。さらにバイメタル8は、中央凸に湾曲する形状であって、熱変形しない状態、すなわち、非反転形状においては、図2に示すように、中央突出部をアーム部6A側に突出させる姿勢に保持される。バイメタル8は、設定温度になると反転して反転形状に変形するが、反転形状では、図3に示すように、中央突出部をヒーター9側に突出させる姿勢となって、両端部でアーム部6Aを押圧する形状となる。バイメタル8は、図3に示す反転形状では、中央突出部をヒーター9に接触させると共に、両端部分でアーム部6Aを押圧して、アーム部6Aを押し上げて可動接点7を固定接点5から離してオフに切り換える。
(可動接点金属板6)
可動接点金属板6は弾性変形する金属板で、ケース1に固定される固定部6Bと、先端に可動接点7を設けているアーム部6Aとを有する。可動接点金属板6は、図2と図3に示すように、固定部6Bをケース1に固定して、アーム部6Aをケース1に設けている収納部20に配設している。可動接点金属板6は、ケース1に設けている第2の外壁11Bの上部に固定部6Bを固定している。可動接点金属板6は、固定部6Bの外側端部をケース1から突出させて接続端子6Xとしている。
可動接点金属板6は、固定接点5との対向面に可動接点7を設けている。この可動接点金属板6は、バイメタル8の非反転形状では、先端部に設けている可動接点7を固定接点5に接触させてブレーカをオン状態とし、バイメタル8の反転形状では、バイメタル8に押されて、可動接点7を固定接点5から離してブレーカをオフ状態とする。
可動接点金属板6は、図2と図3に示すように、アーム部6Aを収納部20に配置されたバイメタル8の上方に配置している。図に示す可動接点金属板6は、弾性変形できる1枚の弾性金属板からなる。可動接点金属板6は、電流容量を考慮して厚さ(d)を特定するが、電池パックに内蔵されるマイクロブレーカにあっては、たとえば、0.08mm以上であって0.5mm以下とする。さらに、可動接点金属板の厚さ(d)は、ブレーカの最大電流容量を考慮して最適値に設定するので、最大電流容量を10A以上とするブレーカにあっては、好ましくは0.1mm以上であって、0.5mm以下に設定する。
可動接点金属板6は、弾性と導電性を考慮して材質を特定するが、たとえば、Cu−Zr系合金やCu−Cr−Ag−Si系合金が使用できる。Cu−Zr系合金は、母体となるCuに、好ましくは0.05〜0.15wt%のZrを含有している。Cu−Cr−Ag−Si系合金は、母体となるCuに、0.01〜5wt%、好ましくは0.01〜2.5wt%のCrと、0.01〜5wt%、好ましくは0.01〜2.5wt%のAgと、0.01〜5wt%、好ましくは0.01〜2.5wt%のSiを含有している。さらに、可動接点金属板6は、CrとAgとSiの合計含有率を0.5〜3重量%、IACSを78%〜84%とする銅合金とする弾性金属板(マテリオン パーフォーマンス アロイズ アンド コンポジット社(MATERION PERFORMANCE ALLOYS AND COMPOSITES USA)のQMET 300 登録商標)とすることができる。さらにまた、弾性金属板6は、NiとPとZnとFeとを含有する銅合金、FeとPとZnとを含有する銅合金、CrとMgとを含有するIACSを75%以上とする銅合金、Zrを含有するIACSを80%以上とする銅合金、Snを含有するIACSを80%以上とする銅合金等の弾性金属板等も使用できる。
ただし、本明細書においてIACS[international annealed copper standerd]は、電気抵抗又は電気伝導度の基準として、国際的に採択された焼鈍標準軟銅(体積抵抗率を1.7241×10−2μΩm)の導電率を100%として規定する表記である。
可動接点金属板6は、アーム部6Aの先端部であって固定接点5との対向面に可動接点7を設けている。図8に示すアーム部6Aの可動接点7は、固定接点5と対向する領域に銀、又は銀合金からなる金属板を固定して設けており、固定接点5との接触抵抗を低減させている。可動接点7は、例えば、厚さを100μm〜150μmとするAg−Ni合金をシーム溶接して接合している。このアーム部6Aは、バイメタル8が熱変形しない状態では、可動接点7が固定接点5に接触してオン状態となり、バイメタル8が熱変形する状態では、バイメタル8に押圧されて弾性変形して、可動接点7が固定接点5から離れてオフ状態となる。図2と図3に示す無通電タイプのブレーカ100は、バイメタル8が熱変形しない状態で、可動接点7を確実に固定接点5に接触できるように、アーム部6Aの後端部側を下方に押圧する押圧凸部25を蓋ケース1Bの内面から突出して設けている。このアーム部6Aは、後端部側が押圧凸部25で下向きに押圧されることで、先端部が下方に付勢されて、先端の可動接点7を確実に固定接点5に接触させる。
可動接点金属板6は、弾性変形し易い薄肉の凹部弾性変形部30を設けている。凹部弾性変形部30は、導電性があって弾性変形する薄板部で、可動接点金属板6の表面に設けている凹部31で局所的に板厚を薄くして設けられる。凹部31は、好ましくは可動接点7を設けている側の表面、すなわち可動接点金属板6の可動接点7側の表面に設けられる。ただ、凹部は、図示しないが可動接点金属板の可動接点側表面の反対側に設けることができ、さらに可動接点金属板の両面の対向位置に配置する一対の凹部で凹部弾性変形部を形成することもできる。
可動接点金属板6は、薄肉の凹部弾性変形部30を弾性変形して、接点の接触圧を低くしている。凹部弾性変形部30は、薄く、かつ長くして弾性変形しやすくできるが、薄く、長くすると電気抵抗が増加する。凹部弾性変形部30の電気抵抗の増加は、負荷電流によるジュール熱の発熱量を増加して温度上昇を大きくする。凹部弾性変形部30の温度上昇は、バイメタルを加熱して周囲温度が定格温度よりも低い温度で電流を遮断して最大電流容量を減少する弊害となるので、凹部弾性変形部30の長さ(L)と厚さ(D)は、電気抵抗を考慮して最適値に設定される。凹部弾性変形部30は、電気抵抗と弾性の両方を考慮して、長さ(L)と厚さ(D)を特定するが、好ましくは、長さ(L)を1mm以下、さらに好ましくは0.5mm以下、最適には0.1mm〜0.4mmとし、厚さ(D)を、好ましくは可動接点金属板6の平均厚さ(d)の85%以下、さらに好ましくは70%以下とする。
図2〜図5に示すブレーカ100は、可動接点金属板6を1枚の金属板で構成している。この可動接点金属板6は、導電性と弾性のある1枚の金属板の表面に局所的に凹部31を設けて、凹部31の領域を凹部弾性変形部30としている。1枚の金属板に薄肉の凹部弾性変形部30を設けている可動接点金属板6は、安価に多量生産できる特長がある。この可動接点金属板6は、プレス加工して凹部31を設けて薄肉の凹部弾性変形部30を設けることができる。プレス加工された凹部31で薄肉の凹部弾性変形部30を形成する可動接点金属板6は、局所的に鍛造して凹部31を設けて凹部弾性変形部30を形成するので、凹部弾性変形部30を薄くて高強度にできる特長がある。ただし、1枚の金属板からなる可動接点金属板6は、プレス加工に代わって、表面を切削加工して局所的に凹部31を設けて薄肉の凹部弾性変形部30を設けることもできる。
図2〜図5に示すように、可動接点金属板6を導電性のある1枚の弾性金属板とするブレーカは、例えば可動接点金属板6をIACSが93%、厚さ(d)が0.15mmである弾性変形する銅合金を使用し、局所的にプレス加工して設ける凹部弾性変形部30の長さ(L)を0.2mm、厚さ(D)を0.1mmとして、周囲温度60℃における最大電流容量を13Aと著しく大きくできる。
比較のために、薄肉の凹部弾性変形部を設けることなく、同じ材質で厚さ0.1mmの可動接点金属板で試作した比較例のブレーカは、60℃における最大電流容量が9Aとなる。以上のことから、本発明のブレーカは、厚さを0.15mmとして可動接点金属板に設けた凹部で局所的に凹部弾性変形部を設ける極めて簡単な構造で、ブレーカの最大電流容量を9Aから13Aと4Aも増大できる。このブレーカは、可動接点金属板6に薄肉の凹部弾性変形部30を設けているが、可動接点金属板6を厚くしているので、オン抵抗は比較例のブレーカに勝るとも劣らないほど低抵抗になる。
ブレーカは、可動接点金属板を1枚の金属板で製作することなく、図9及び図10に示すように、複数の金属板を連結して薄肉の凹部弾性変形部30を設けることもできる。この図のブレーカ200は、導電性のある本体金属板41、42と、薄肉の凹部弾性変形部30を構成する導電性のある弾性薄肉金属板43を連結して凹部弾性変形部30のある可動接点金属板40としている。可動接点金属板40は、弾性薄肉金属板43の両端部を本体金属板41、42に溶着し、あるいは圧接して、弾性薄肉金属板43で表面に凹部31を設けて薄肉の凹部弾性変形部30を設けている。この可動接点金属板40は、本体金属板41と弾性薄肉金属板43とからなる別々の金属板でアーム部6Aを構成するので、各々の金属板を、最適な電気抵抗と弾性特性に選択して、可動接点金属板40を製作できる。本体金属板41、42には、弾性変形しない、あるいは好ましい状態では弾性変形しない電気抵抗の小さい金属板を、弾性薄肉金属板43には優れた弾性と導電性のある金属板を使用して、可動接点金属板40を製作できる。図9の可動接点金属板40は、本体金属板41、42の可動接点7側の表面と反対側の表面に弾性薄肉金属板43の両端部を溶着している。ただ、可動接点金属板は、本体金属板の可動接点側の表面に弾性薄肉金属板の両端部を溶着することもできる。
図9及び図10に示すように可動接点金属板40を、本体金属板41、42と弾性薄肉金属板43とで構成するブレーカ200は、本体金属板41、42と弾性薄肉金属板43の両方に、IACSを93%とする弾性変形する銅合金を使用し、本体金属板41、42の厚さ(d)を0.15mm、弾性薄肉金属板43の厚さ(D)を0.10mm、弾性薄肉金属板43の両端を本体金属板41、42の表面にレーザー溶接して連結し、凹部弾性変形部30を形成する凹部31の長さ(L)を0.2mmとして、凹部弾性変形部30の実質的な長さ(L)を0.2mmとするブレーカ200を試作すると、このブレーカ200は、図2〜図4のブレーカ100と同様の特性、すなわち、周囲温度60℃における最大電流容量を13Aと著しく増大でき、オン抵抗は1.5mΩとなって、凹部弾性変形部30を設けないブレーカと実質的にほぼ等しくなる。図9のブレーカ200は、本体金属板41、42に弾性のない金属板を使用できるので、IACSをさらに大きい金属板を使用して、オン抵抗をさらに小さくすることもできる。
さらに、凹部を設けて凹部弾性変形部を形成する可動接点金属板は、凹部に導電体を配置して、電気抵抗を小さくすることができる。導電体は、凹部の内面に電気接続されて、薄肉の凹部弾性変形部の電気抵抗を小さくするできる。導電体は、導電性ペーストや導電性の金属ブロックを使用する。凹部に配設された導電体は、バイメタルに押されて弾性変形する凹部弾性変形部の変形を抑制することがなく、可動接点金属板の電気抵抗を小さくする。それは、バイメタルに押されて凹部弾性変形部が弾性変形する状態で、凹部が拡開して導電体を押し潰すように作用しないからである。したがって、凹部に導電体を配置して電気抵抗を小さくする可動接点金属板は、薄肉の凹部弾性変形部は速やかに弾性変形して可動接点をオフ状態に切り換えできる。
さらに、図2と図3のブレーカ100は、蓋ケース1Bに変形制限凸部26を設けている。変形制限凸部26は、バイメタル8が熱変形して可動接点7が固定接点5から離れるオフ状態において、アーム部6Aがバイメタル8に押されて変形する変形量を制限するために、アーム部6Aの先端部、すなわち可動接点7側を下方に押圧する位置にあって、アーム部6A側に突出している。このブレーカ100は、アーム部6Aの先端部を変形制限凸部26で下向きに、すなわち固定接点5側に押圧して、アーム部6Aが反転したバイメタル8に押し上げられて変形する量を制限できる。このため、この構造のブレーカ100は、反転したバイメタル8がアーム部6Aを弾性限界を超えるように押し上げてバネ性を低下させるのを防止して、復帰後において可動接点7を固定接点5に所定の接触圧で押圧して接触抵抗を小さく保持できる特長がある。
さらに、図2〜図5のアーム部6Aは、下面に突出部6Cを設けており、この突出部6Cにバイメタル8の両端部を接触させて互いに押圧するようにしている。図に示す突出部6Cは、外形を円弧状としており、バイメタル8の両端部を横方向に摺動させることなく確実に接触させて互いに押圧できるようにしている。図に示すアーム部6Aは、バイメタル8の両端部と対向する下面に複数の突出部6Cを設けている。この構造は、幅のあるバイメタル8であっても確実に接触させて互いに押圧できる。
可動接点金属板6は、固定部6Bを本体ケース1Aの第2の外壁11Bに固定して、アーム部6Aを収納部20に配置している。図2と図3のブレーカ30は、第2の外壁11Bの上端面に可動接点金属板6の固定部6Bを固定している。本体ケース1Aは、図2、図3、及び図5に示すように、第2の外壁11B上端面に、外周壁10の上面よりも一段低い段差凹部21を設けており、この段差凹部21に可動接点金属板6の固定部6Bを嵌合させて定位置に配置している。図7の本体ケース1Aは、この段差凹部21の中央部から突出して、可動接点金属板6の固定部6Bを貫通する連結凸部15を設けている。可動接点金属板6の固定部6Bには、連結凸部15を貫通させる貫通孔6Fを設けている。図に示す連結凸部15は、水平断面形状を長円形として、可動接点金属板6の固定部6Bを正確な姿勢で段差凹部21に配置できるようにしている。さらに、図6及び図7に示す段差凹部21は、可動接点金属板6の両側部を位置決めする位置決リブ22を第2の外壁11Bの上端部に形成している。図7に示す第2の外壁11Bは、その上端面において、位置決リブ22以外の部分を、外周壁10の上面よりも低くして段差凹部21を設けることにより、段差形状の位置決リブ22を形成している。可動接点金属板6は、固定部6Bの両側に位置決リブ22を案内する位置決凹部6Gを設けている。可動接点金属板6は、固定部6Bに開口された貫通孔6Fに連結凸部15が挿入されると共に、固定部6Bの両側に設けた位置決凹部6Gに位置決リブ22が案内されて、第2の外壁11Bの段差凹部21の定位置に配置される。固定部6Bが段差凹部21に配置された可動接点金属板6は、接着して第2の外壁11Bに固定され、あるいは本体ケース1Aに固定される蓋ケース1Bに挟まれて、すなわち、第2の外壁11Bの段差凹部21の底面と蓋ケース1Bの対向面とで上下両面から挟着されてケース1の定位置に固定される。
可動接点金属板6は、ケース1から外部に引き出される延伸部分を接続端子6Xとしている。図に示す接続端子6Xは、ケース1の反対側の端面から引き出される固定接点金属板4の接続端子4Xとほぼ同一平面に位置するように後端部を段差形状に折曲している。
(蓋ケース1B)
蓋ケース1Bは、図2〜図5に示すように、アーム部6Aの上方をカバーする状態で、本体ケース1Aの開口部側に配置されている。図に示す蓋ケース1Bは、本体ケース1Aの上端開口部側において、可動接点金属板6の外側に積層される積層金属板24と、この積層金属板24を固定している連結プラスチック23とを備えている。蓋ケース1Bは、内面側、すなわち、本体ケース1A側に積層金属板24を表出させており、この積層金属板24で可動接点金属板6の上方をカバーする状態で、本体ケース1Aの開口部側に配置されている。図2〜図5に示す蓋ケース1Bは、上面側において積層金属板24のほぼ全面を連結プラスチック23で被覆して絶縁している。積層金属板24は、連結プラスチック23にインサート成形して固定される。インサート成形される積層金属板24は、連結プラスチック23を成形する金型の成形室に仮止めされ、成形室に溶融状態のプラスチックを注入して連結プラスチック23に固定される。連結プラスチック23にインサート成形される積層金属板24は、アーム部6Aの後端部を下方に押圧する押圧凸部25と、バイメタル8に押されて変形するアーム部6Aの変形量を制限する変形制限凸部26とを内面から突出して設けている。
以上の蓋ケース1Bは、連結プラスチック23の外周縁部を本体ケース1Aの外周壁10の上面に固定して、本体ケース1Aに固定している。蓋ケース1Bの連結プラスチック23は、図5に示すように、本体ケース1Aの外周壁10と対向する外周縁部に、本体ケース1A側に突出する外周壁27を備えており、この外周壁27の内側に積層金属板24を表出させている。蓋ケース1Bは、図5に示すように、外周壁27の内側を下方開口の凹部形状として、バイメタル8に押圧されて弾性変形するアーム部6Aを収納する空間としている。連結プラスチック23の外周壁27は、本体ケース1Aの両端部に設けている第1の外壁11Aと第2の外壁11Bに固定され、さらに対向壁12に固定される。
図5〜図7に示すケース1は、蓋ケース1Bと本体ケース1Aとを正確に位置決めしながら連結するために、互いに嵌合する連結凸部15、17と連結凹部16、18とを備えている。本体ケース1Aは、前述のように、第2の外壁11Bの上面において、可動接点金属板6の固定部6Bを貫通して位置決めする連結凸部15を突出して設けている。蓋ケース1Bは、本体ケース1Aの第2の外壁11B側の端部において、この連結凸部15と対向する位置に、連結凸部15を案内する連結凹部16を設けている。さらに、図5に示す蓋ケース1Bは、本体ケース1Aの第1の外壁11A側の端部の両側において、外周壁27の下面から本体ケース1Aに向かって突出する連結凸部17を設けている。本体ケース1Aは、図6と図7に示すように、これらの連結凸部17と対向する外周壁10の上面に、連結凸部17を案内する連結凹部18を設けている。
以上のケース1は、本体ケース1Aの第1の外壁11A側の端部において、蓋ケース1Bの両側の連結凸部17が本体ケース1Aの連結凹部18に案内されると共に、本体ケース1Aの第2の外壁11B側の端部において、可動接点金属板6の固定部6Bを貫通する連結凸部15が蓋ケース1Bの連結凹部16に案内されて、蓋ケース1Bが本体ケース1Aの正確な位置に連結される。
連結凸部15、17と連結凹部16、18を介して定位置に連結される蓋ケース1Bと本体ケース1Aは、超音波溶着して連結プラスチック23が本体ケース1Aに固定される。図5に示す蓋ケース1Bは、連結プラスチック23の外周壁27の下面であって、本体ケース1Aの外周壁10との対向面に位置して、超音波振動で溶融される溶融凸条28を設けている。図の蓋ケース1Bは、外周壁27の下面に沿って溶融凸条28を突出して設けている。この蓋ケース1Bは、可動接点金属板6の固定部6Bと対向する部分を除く外周縁部に、底面視略コ字状の溶融凸条28を設けている。この蓋ケース1Bは、前述の連結凸部15、17と連結凹部16、18とを介して本体ケース1Aの定位置に連結する状態で、外周部を超音波振動させて、溶融凸条28を摩擦熱で溶融させて本体ケース1Aの外周壁10に溶着させる。さらに、超音波振動される蓋ケース1Bと本体ケース3は、互いに連結された連結凸部15、17と連結凹部16、18の接触部分も摩擦熱で溶融されて互いに溶着される。ただ、ケースは、蓋ケースの連結プラスチックと本体ケースとを接着して、あるいは嵌着構造や係止構造で連結して固定することもできる。
(固定接点金属板4)
固定接点金属板4は、インサート成形して本体ケース1Aに固定している。固定接点金属板4は、先端部4Aで収納部20の底部13の開口部を閉塞し、中間部4Bと先端部4Aの一部を収納部20の底部13から本体ケース1Aの第1の外壁11Aに埋設するようにインサート成形して、本体ケース1Aに固定している。図2と図3の固定接点金属板4は、収納凹部29の底部を閉塞する部分よりも、第1の外壁11Aに埋設される部分を高くするように段差部4Dを設けて、段差部4Dを本体ケース1Aの底部13に埋設して、段差部4Dの後端側を底部13の上面に露出させて、この露出部を固定接点5としている。
固定接点金属板4は、図8に示すように、可動接点7と対向する領域に銀メッキ層を設けて固定接点5としている。固定接点5の銀メッキ層は、たとえば5μmである。ただ、固定接点の銀メッキ層の膜厚は、3μm〜20μm、好ましくは4μm〜10μmとすることができる。固定接点5の銀メッキ層を薄くすることで、製造コストを低減できる。
固定接点金属板4は、ケース1から外部に引き出される延伸部分を接続端子4Xとしている。図に示す固定接点金属板4は、ケース1から外部に延長される部分を、ケース1に埋設される中間部4Bから直線状に引き出して接続端子4Xとしている。
以上のブレーカ100は、周囲温度が設定温度になるとバイメタル8が瞬間的に反転し、また周囲温度が復帰温度まで低下すると瞬間的に復帰して、アーム部6Aを変形させるが、このことは、アーム部6Aを長期間にわたって確実に端子板に固定するのを難しくする。このことに加えて、全体が極めて小さいマイクロブレーカは、接点の接触位置のわずかなずれによっても接触抵抗は増加する。可動接点と固定接点の接触圧が弱く、オン状態では可動接点と固定接点が極めて狭い局部で接触しているからである。さらに、ブレーカの可動接点と固定接点の表面は、常に全面が均一な状態には保持されず、常時接触している位置に比較して、常時接触していない非接触位置の表面は薄膜の酸化膜などによって接触抵抗が増加する。
マイクロブレーカは、接点の接触抵抗を小さくすることを目的として、活性化処理が採用されている。接点の活性化処理は、オン状態で通電しながら、超音波振動させる。この方法で活性化処理された接点は、可動接点と固定接点とが特定の位置で接触する状態に限って、接触抵抗を小さくするので、接点の接触位置がずれると接触抵抗は増加する。
(接点の活性化処理)
弱い接触圧のマイクロブレーカは、組み立てた状態で、接点を活性化処理して接触抵抗を小さくできる。接点の活性化処理は、組み立てられたブレーカ100の接点に通電する状態で超音波振動させて処理される。ブレーカ100は、可動接点7と固定接点5とを互いに衝突させて離反方向に超音波振動させる。すなわち、ブレーカ100は、固定接点5と可動接点7とが互いに接近し衝突し、また互いに離れる方向に相対的に移動するように超音波振動させる。超音波振動させる状態で接点の電流は、抵抗負荷の状態で、好ましくは0.1A〜100Aとする。超音波振動時における接点電流を大きくして、接点はより効果的に活性化される。抵抗と直列にコイルを接続しているインダクタンスのある負荷は、電流を遮断するときにコイルに蓄えられる電流エネルギーが大きくなるので接点電流を小さくして接点を活性化できる。コイルに蓄えられる電流のエネルギーを消費するために、接点の放電電流が大きくなるからである。したがって、接点電流は、抵抗負荷とインダクタンス負荷とを考慮して最適な値に設定する。さらに、ブレーカ100は、接点の電流を大きくするとジュール熱で発熱してそれ自体でオフ状態に切り換えられる特性がある。超音波振動で接点を活性化するには、可動接点7を固定接点5に接触するオン状態に保持する必要がある。したがって、接点に大電流を流して超音波振動させる方法は、超音波振動させる時間を短くして、接点がオン状態にある状態で超音波振動させる。したがって、接点に大電流を流して超音波振動させる方法は、超音波振動させる時間を短くする。
通電状態で接点を超音波振動させる時間は0.1ミリ秒〜1秒とする。超音波振動させる時間は、長くして接点をより効果的に活性化できるが、長すぎると接点の銀メッキ層が損傷を受けるので、銀メッキ層を損傷することなく接点を活性化できる時間に設定される。また、超音波振動による接点の活性化は、接点電流、負荷の種類、超音波振動の振幅にも影響を受け、接点電流と振幅が大きいと短時間で接点がより効果的に活性化される。したがって、超音波振動させる時間は、接点電流と超音波振動の振幅を考慮して前述の範囲で最適値に設定される。
また、接点を超音波振動させる周波数は20KHz〜6GHz、好ましくは20KHz〜1GHzとする。超音波振動の周波数を高くして、単位時間に可動接点7と固定接点5との衝突回数と離反回数とを多くできる。ただ、超音波振動の周波数が高すぎると可動接点7が固定接点5から離れる間隔が狭くなって放電による活性化が低下し、反対に周波数が低すぎると衝突回数が少なくなって活性化が低下するので、超音波振動の周波数は、アーム部6Aの厚さや長さを考慮し、さらにアーム部6Aの共振周波数を考慮して、最適値に設定される。
さらに、ブレーカ100を超音波振動させる振幅は0.01μm〜100μmとする。超音波振動の振幅を大きくして、可動接点7が固定接点5に衝突する運動のエネルギーを大きくでき、また可動接点7が固定接点5から離れる間隔を大きくできる。ブレーカ100を超音波振動させる振幅は、可動接点7を固定接点5から離す間隔に影響を与える。ただ、可動接点7が固定接点5から離れる間隔は、アーム部6Aを共振させることで、ブレーカ100を超音波振動させる振幅よりも大きくできる。したがって、ブレーカ100を超音波振動させる周波数を、アーム部6Aの共振周波数やその近傍、あるいはその共振周波数の整数倍、あるいは又、共振周波数の整数分の1に設定することで可動接点7を固定接点5から充分な間隔に離して、効果的に活性化できる。
ブレーカ100を超音波振動させる振幅を大きくするには、ブレーカ100に接触してこれを超音波振動させる超音波振動子や超音波ホーンの出力を大きくする必要がある。大出力の超音波振動子や超音波ホーンをブレーカ100のケース1に押圧して超音波振動させると、超音波振動子との接触箇所が超音波振動による発熱で変形する等の弊害があるので、ブレーカ100を超音波振動させる振幅は、接点を活性化できる範囲で小さく設定される。
(ヒーター9)
ヒーター9は、通電されることによって発熱して、バイメタル8を加熱する。ヒーター9は、対向面を長円形あるいは長方形とする厚みのあるヒーターで、上面と下面に電極を設けている。ヒーターには、例えば、通電されてバイメタル8を加熱できる全てのヒーターを使用することができる。上下面に電極を設けているヒーター9は、下面を固定接点金属板4に接触して、上面をバイメタル8を介してアーム部6Aに接触できるようにしている。このヒーター9は、アーム部6Aの可動接点7が固定接点5に接触するオン状態では、アーム部6Aとバイメタル8とが非接触状態となって通電されず、アーム部6Aの可動接点7が固定接点5から離れてオフ状態となる状態では、アーム部6Aに接触するバイメタル8と固定接点金属板4とを介して通電されて発熱し、バイメタル8を加熱する。加熱されるバイメタル8は、図3に示すように、可動接点7を固定接点5から離すオフ状態に保持する。この無通電タイプのブレーカ100は、オフ状態に切り換えられた状態で、可動接点7をオフ状態に保持するので、電池パックに安全に使用できる。それは、電池パックが異常な状態で使用されて設定温度よりも高くなり、無通電タイプのブレーカ100がオフに切り換えられた後は、電池パックの電池からヒーター9に通電され続けてバイメタル8が加熱されるので、ブレーカ100がオン状態に復帰することなく、電池が放電されるまで電流を遮断する状態に保持できるからである。
ただ、ブレーカは、必ずしもヒーターを内蔵する構造には限定しない。ヒーターを内蔵しないブレーカは、バイメタル8が設定温度よりも高くなって変形し、アーム部6Aを変形させて接点をオフ状態に切り換えると、バイメタル8を加熱してブレーカをオフ状態に保持することなく、バイメタル8が所定の温度まで低下すると、バイメタル8とアーム部6Aとを復帰させてブレーカをオン状態に切り換える。
(ブレーカ100の電池パックへの内蔵)
以上のブレーカ100は、例えば、電池パックに内蔵されて、電池や周囲温度が高温になり、あるいは電池パックが異常な状態で使用されるときに電流を遮断する。電池パックに内蔵されるブレーカ100は、ケース1の両端から引き出された一対の接続端子6X、4Xが、直接に、あるいは接続リードを介して電池端子や回路基板に接続される。接続端子6X、4Xは、例えば、レーザー溶接により接続リードや電池端子に接続される。また、ブレーカ100は、ケース1が電池表面や回路基板に接近する状態で、好ましくは熱結合状態で配置されて、電池や周囲温度が高温になると内蔵するバイメタル8を反転させて電流を遮断する。
(ブレーカ100の回路基板への固定)
以上のブレーカ100は、図11に示す構造として、回路基板60にハンダ付けして固定することもできる。図11に示すブレーカ100は、ケース1から外部に引き出される可動接点金属板6の接続端子6Xと固定接点金属板4の接続端子4Xを、ケース1の底面、すなわち本体ケース1Aの底面とほぼ同一平面に位置するように折曲している。このブレーカ100は、ケース1の両端から外部に引き出された可動接点金属板6の接続端子6Xと固定接点金属板4の接続端子4Xとを回路基板60にハンダ付けして固定される。このブレーカ100は、ケース1の底面、すなわち、本体ケース1Aの底面を回路基板60の上面に対向する姿勢として回路基板60に配置されてハンダ付けされる。このブレーカ100は、ケース1の両端に設けられた接続端子6Xと接続端子4Xとを、回路基板60の表面に設けたハンダ面61に配置する状態で加熱処理されてリフローハンダされる。ブレーカ100は、接続端子6Xと接続端子4Xを介して回路基板60のハンダ面61に接続されると共に、回路基板60の定位置に固定される。
[実施例1]
バイメタル8を2.2mm×2.4mmの長方形、厚さ(t)を0.05mm、反転温度を85℃、復帰温度を30℃とし、
可動接点金属板6にはCu−Zr系合金を使用して、可動接点金属板6の厚さ(d)を0.15mm、アーム部6Aの長さを3.3mm、横幅を2.1mmとし、可動接点金属板6のアーム部6Aと固定部6Bとの境界部分であって、可動接点7を設けている側の表面に、長さ(L)を0.2mm、厚さ(D)を0.1mmとする凹部31を可動接点金属板6の横幅方向に溝状に設けて凹部弾性変形部30とし、
さらに、アーム部6Aの先端部に可動接点7を設けて、この可動接点7を厚さ120μmとするシーム材(Ag−Ni)とし、固定接点5を、4.5μmのAgメッキ層とし、ケース1の外形を、縦4.6mm、横2.8mm、高さ1.15mmとするブレーカ100を試作した。
このブレーカ100は、周囲温度60℃における最大電流容量が13Aとなり、ブレーカのオン抵抗は1.5mΩであった。
この実施例1で使用したCu−Zr系合金は、以下の組成とした。
Cu………99.9wt%
Zr………0.1wt%
[実施例2]
実施例1と同じ構造のブレーカであって、可動接点金属板40として、導電性のある本体金属板41、42を、導電性のある弾性薄肉金属板43で連結した凹部弾性変形部30のある可動接点金属板40を使用する以外、実施例1と同様とする実施例2のブレーカ200を試作した。
この可動接点金属板40は、本体金属板41、42の厚さ(d)を0.15mm、弾性薄肉金属板43の厚さ(D)を0.1mm、弾性薄肉金属板43の両端を本体金属板41、42の表面にレーザー溶接して連結し、凹部弾性変形部30を形成する凹部31の長さ(L)を0.2mmとして、凹部弾性変形部30の実質的な長さ(L)を0.2mmとした。
このブレーカ100は、周囲温度60℃における最大電流容量が13Aとなり、ブレーカのオン抵抗は1.5mΩであった。
[比較例1]
薄肉の凹部弾性変形部を設けることなく、厚さを0.1mmとする可動接点金属板を使用する以外は実施例1と同様にして比較例1のブレーカを製造した。このブレーカは、60℃における最大電流容量が9Aとなり、ブレーカのオン抵抗が3mΩとなる。
以上のことから、実施例1及び実施例2のブレーカは、厚い可動接点金属板に局所的に凹部弾性変形部を設けることで、ブレーカの最大電流容量を、比較例のブレーカの9Aから13Aと4Aも増大できる。すなわち、実施例1及び2のブレーカは、可動接点金属板を厚くして局所的に凹部を設けているので、比較例と同じバイメタルを使用して、最大電流容量を増大しながら、オン抵抗を小さくできる特長を実現する。
本発明は、最大電流を大きくしながら小型化して、設定温度で確実に電流を遮断できるブレーカとして好適に採用できる。
100、200…ブレーカ
1…ケース
1A…本体ケース
1B…蓋ケース
4…固定接点金属板
4A…先端部
4B…中間部
4D…段差部
4X…接続端子
5…固定接点
6…可動接点金属板
6A…アーム部
6B…固定部
6C…突出部
6F…貫通孔
6G…位置決凹部
6X…接続端子
7…可動接点
8…バイメタル
9…ヒーター
10…外周壁
11…外壁
11A…第1の外壁
11B…第2の外壁
12…対向壁
13…底部
15…連結凸部
16…連結凹部
17…連結凸部
18…連結凹部
20…収納部
21…段差凹部
22…位置決リブ
23…連結プラスチック
24…積層金属板
25…押圧凸部
26…変形制限凸部
27…外周壁
28…溶融凸条
29…収納凹部
30…凹部弾性変形部
31…凹部
40…可動接点金属板
41…本体金属板
42…本体金属板
43…弾性薄肉金属板
60…回路基板
61…ハンダ面
101…可動接点金属板
105…固定接点
106…可動接点金属板
107…可動接点
108…バイメタル

Claims (12)

  1. ケースと、
    前記ケースに固定され、かつ固定接点を有する固定接点金属板と、
    前記固定接点にオンオフ状態に接触する可動接点を有する可動接点金属板と、
    前記可動接点金属板と前記固定接点金属板との間に配設され、かつ
    設定温度を超える状態では、非反転形状から反転形状に変形するバイメタルと、
    を備え、
    前記バイメタルの非反転形状においては、
    前記可動接点金属板の弾性が前記固定接点に前記可動接点を接触させてオン状態にあり、
    前記バイメタルの反転形状においては、
    前記バイメタルが前記可動接点金属板を押圧して前記可動接点をオフ状態に切り換えるようにしてなる無通電タイプのブレーカであって、
    前記可動接点金属板が、
    表面に凹部を有し、前記凹部で薄く形成されてなる凹部弾性変形部を有することを特徴とする無通電タイプのブレーカ。
  2. 請求項1に記載の無通電タイプのブレーカであって、
    前記凹部弾性変形部の厚さ(D)が、前記可動接点金属板の平均厚さ(d)の85%以下であることを特徴とする無通電タイプのブレーカ。
  3. 請求項1又は2に記載の無通電タイプのブレーカであって、
    前記可動接点金属板は、前記凹部弾性変形部を除く板厚が、0.1mm以上であって0.5mm以下であることを特徴とする無通電タイプのブレーカ。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の無通電タイプのブレーカであって、
    前記凹部弾性変形部の長さ(L)が、1mm以下であることを特徴とする無通電タイプのブレーカ。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の無通電タイプのブレーカであって、
    前記可動接点金属板が、前記可動接点側の表面に前記凹部を設けてなることを特徴とする無通電タイプのブレーカ。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の無通電タイプのブレーカであって、
    前記可動接点金属板が、プレス加工された凹部で薄肉の前記凹部弾性変形部を形成してなることを特徴とする無通電タイプのブレーカ。
  7. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の無通電タイプのブレーカであって、
    前記可動接点金属板が、導電性のある本体金属板と、前記本体金属板に接合されて薄肉の前記凹部弾性変形部を構成してなる導電性のある弾性薄肉金属板とを備えることを特徴とする無通電タイプのブレーカ。
  8. 請求項7に記載の無通電タイプのブレーカであって、
    前記本体金属板の前記可動接点側の表面に、前記弾性薄肉金属板の両端部が溶着又は圧接されてなることを特徴とする無通電タイプのブレーカ。
  9. 請求項7に記載の無通電タイプのブレーカであって、
    前記本体金属板の前記可動接点側の表面の反対側の表面に、前記弾性薄肉金属板の両端部が溶着又は圧接されてなることを特徴とする無通電タイプのブレーカ。
  10. 請求項1ないし9のいずれか一項に記載の無通電タイプのブレーカであって、
    前記バイメタルと前記固定接点金属板との間に、前記バイメタルを加熱するヒーターを配置してなることを特徴とする無通電タイプのブレーカ。
  11. 請求項1ないし10のいずれか一項に記載の無通電タイプのブレーカであって、
    前記可動接点と前記固定接点が、通電状態で超音波振動されて活性化処理されてなることを特徴とする無通電タイプのブレーカ。
  12. 請求項1ないし11のいずれか一項に記載の無通電タイプのブレーカであって、
    前記凹部に電気接続状態に導電体が配置されてなることを特徴とする無通電タイプのブレーカ。
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