JP2005190847A - サーマルプロテクタの融解防止構造及び融解防止方法ならびにこれを用いた携帯用電子機器 - Google Patents

サーマルプロテクタの融解防止構造及び融解防止方法ならびにこれを用いた携帯用電子機器 Download PDF

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潔 山本
Takeshi Nagai
健史 永井
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Abstract

【解決課題】 過熱状態の可動片の反転作動によりケース内壁の接触部が溶解するのを、工程上より簡単な構成で防止できるサーマルプロテクタを提供すること。
【解決手段】 所定の作動温度で反転作動する熱応動素子の反転作動により、固定片に設けられた固定接点から可動片の先端部に設けられた可動接点を絶縁性材料からなるケース内で離反させる構造のサーマルプロテクタであって、前記可動接点が固定接点から離反したときに、前記可動片の先端部が当接する当接片を前記ケース内に設けたことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、所定の作動温度に達したときの熱応動素子の反転作用により、ケース内で可動接点を固定接点から離反させて回路を遮断する構造のサーマルプロテクタにおいて、ケース内壁の融解を防止したサーマルプロテクタ、当該サーマルプロテクタを使用した携帯用電子機器及びサーマルプロテクタのケース内壁の融解防止方法に関するものである。
この種のサーマルプロテクタは、一般に各種モータ、各種機器類に用いられている二次電池などの過電流や過熱に対して、回路を遮断する保護部品として使用される。昨今、特に携帯電話、携帯電子手帳、携帯用パソコンその他の携帯用電子機器への2次電池の使用が増加しており、これらの2次電池の電池パックを構成する際に、過電流防止用にサーマルプロテクタが使用されるようになってきた。
従来のこの種のサーマルプロテクタは、一般に図9で示すように構成されている。
1はケース本体10とそれに接合された蓋体11とを含む絶縁性材料からなる密閉構造のケースであり、このケース1の内底部の一端にはケース外へ一体に延び出した端子部20aを有する固定片20が設けられ、この固定片20には、ケース1内に面するように固定接点2が取り付けられている。
ケース1内には、他端部から突入するように弾性を有する板状の可動片30が設けられており、当該可動片30の先端部には、当該可動片30の弾性により固定接点2と接触するように可動接点3が取り付けられている。可動片30の基端部側は、ケース1から外部に露出した一体の端子部30aを構成している。
ケース本体10内には、可動片30の下に位置するように凸球面状に形成された熱応動素子(バイメタル板又はトリメタル板)4が配置されている。例えば、この熱応動素子4の反転中心部は固定接点2から離れた位置に形成された凸状台座10aの上に位置している。
可動片30には、熱応動素子4の反転作動時に当該熱応動素子4の外周部寄り位置が強く接する下向きの凸部30b,30bが形成されている。
図9のサーマルプロテクタは、例えば図示しない二次電池に取り付けて電池パックを構成する際、固定片20側の端子部20aが当該二次電池の負極と接続され、可動片30側の端子部30aが当該二次電池の陽極と接続される。この使用状態で回路に例えば過電流が流れると、その過電流によりケース1内の温度が上昇し、この温度上昇により熱応動素子4が図9の状態から凹球面状に反転作動するので、可動片30の先端部が図9の二点鎖線で示すように変位し、可動接点3を固定接点2から離反させて電流を遮断する。このとき、可動片30の先端部(可動接点3の取付部の反対面)がケース1の端部の上内面に所定の接触圧で当接した状態になる。
ケース1の材質には、熱応動素子4の作動温度には十分に耐えられるものが選ばれるので通常は支障はない。しかしながら、電流が極端に過大である場合は、ケース1が密閉状であることとも相俟って、作動時に可動片30の先端部が電気抵抗により発熱してケース材質の溶融温度以上に達し、ケース1内壁の可動片30の先端部(可動接点取付部の反対面)との接触部が溶融するおそれがある。このような場合はケース1の溶融部が固化したときに、可動片30が固定状態になることがある。
作動時に可動片が接触するケース内壁部の融解を防止するため、後記特許文献1には図10及び図11で示すようなサーマルプロテクタが提案されている。図において、1は絶縁性の樹脂からなる密閉状のケースで、その内底部には入り口方向から先端に向かって固定片20が固定され、その先端部上面側には固定接点2が取り付けられている。ケース1内には入り口側から先端部に向かって延びる弾性を有する可動片30が挿入され、この可動片30の基端部は固定用部材1aによって固定されており、その先端部には可動接点3が取り付けられ、この可動接点3は可動片30の弾性により固定接点2と接触している。
ケース1内には、可動片30の上に重なるように板状の熱応動素子4が設けられ、熱応動素子4の基端部は前記固定用部材1aにより固定され、その先端部は可動片30の先端部中央に形成された鉤片30cに係止されている。ケース1内の先端部の両側上部には、それぞれ係止突起1b,1bがそれぞれ形成されている。ケース1の入り口は、レジン1cにより密閉されている。
このサーマルプロテクタは、ケース1内の温度が熱応動素子4の作動温度に達し、その反転に伴なって可動片30が反転作動して可動接点3が固定接点2から離反したとき、図11のように熱応動素子4の両側部が係止突起1b,1bに係止し、可動片30の先端部である鉤片30cがケース1の先端上部内面に接触しないので、可動片30の先端部が異常な過熱状態でもケース1の当該部分の溶融を防止することができる。
しかし、前記特許文献1に開示されているサーマルプロテクタは、作動時にケース1の内壁に可動片30の先端部上面が接触しないので、ケース1内の当該部分の溶解を防止することができるが、熱応動素子4の先端部を可動片30の先端部に係止させる構造であるので、構成が複雑で工程上製造コストが増大する。
また、近時要請されているようにケース1を含むサーマルプロテクタ全体を小型化した場合には、可動片30の先端部の異常な熱が熱応動素子4を通じて(熱応動素子4が伝熱手段となって)ケース1内の係止突起1b,1bに伝わり、当該係止突起1b,1bの部分を溶解させるおそれがある。
特許第2791384号公報
前述の問題を解決するために、ケースの上壁内側全面に金属板を内張り状に設け、当該金属板のほぼ中央部に下向きの突起を形成し(プレスによる)、可動接点が固定接点から離反したときに可動片を前記突起の突き当たらせ、可動片の先端部がケースの天井面に接触しないように構成したものが市場に提供されている。
しかし、薄い金属板に対してプレスにより局部的に形成される突起高さには限界があり、接点が開いたときに、可動片の中央部を前記突起に接触させてその先端部がケースの天井面に接触するのを完全に防止するのは困難である。一方、プレス成形される突起高さを十分にするため金属板の肉厚を厚くすると、サーマルプロテクタ全体の重さが大きくなり、近時におけるこの種部品の軽量化の要請に反することになる。
また、前述の問題解決のため、ケースの天井面に単に金属板を内張状に設けるのは、サーマルプロテクタの重量を増大させるほか、可動接点が固定接点から離反したとき、可動片先端部と内張り金属板の当接位置が安定せず、広範囲にわたってケース天井面の金属板に接触し、可動片の異常な熱が当該金属板を通じてケースの樹脂部分に伝達され、当該樹脂部分を融解するおそれがある。
本発明が解決しようとする課題は、過熱状態の可動片の反転作動によりケース内壁の可動片先端部との接触部が融解するのを、工程上より簡単な構成でより有効に防止できるサーマルプロテクタ、及びそのケース内壁の融解防止方法、及び前記のようなサーマルプロテクタを備えた携帯用電子機器を提供することにある。
本発明に係るサーマルプロテクタは、前記課題を解決するため、所定の作動温度で反転作動する熱応動素子の反転作動により、固定片に設けられた固定接点から可動片の先端部に設けられた可動接点を絶縁性材料からなるケース内で離反させる構造のサーマルプロテクタであって、前記可動接点が固定接点から離反したときに、前記可動片の先端部が当接する当接片を前記ケース内に設けたことを主要な特徴としている。
本発明に係る携帯用電子機器は、前記本発明に係るサーマルプロテクタを用いたことを主要な特徴としている。
本発明に係るサーマルプロテクタのケース内壁の融解防止方法は、前記課題を解決するため、所定の作動温度で反転作動する熱応動素子の反転作動により、固定片に設けられた固定接点から可動片の先端部に設けられた可動接点を絶縁性材料からなるケース内で離反させる構造のサーマルプロテクタにおいて、前記可動接点が固定接点から離反したときに、前記可動片の先端部を前記ケース内に設けた当接片の受部に当接させ絶縁性内面からなるケースに直接接触させないものである。さらに、本発明では、前記受部と可動片の先端が当接した時に可動片が相対しているケースの絶縁性内面との間に空間が形成されていることを主要な特徴としている。そのためには、ケースを本体と蓋体とから構成し、当接片はケース本体側部から突出させることもできるし、ケース蓋体から可動片先端に向かって突出させることもできる。また、ケース本体と蓋部の境界から斜め下に突出させることも、可動片の固定接点との接触,離間作用を妨げない限り可能である。また、当接片を蓋体から下方に突出させる場合やケース本体と蓋部の境界から斜め下に突出させる場合は、当接部の当接面積を確保するために、当接部先端を折り曲げることもできる。
本発明に係るサーマルプロテクタによれば、ケース内の温度が作動温度以上に達して可動片が反転作動したとき、当該可動片の先端部が当接片に当接し、ケースの内壁の絶縁性樹脂等の絶縁性材料面に直接接触せず、可動片の先端部がケース内壁と融着しない。また、可動片の先端部が異常に過熱していてもケースの樹脂等の絶縁材料内面は融解し難く、かつ、可動片の先端部の高温の熱が当接片を通じてケース内壁の樹脂等の絶縁材料部分に伝達されても、融解の範囲は極めて限定される。さらに、ケース内に当接片を設置する簡単な構成であるので、製造コストの増大を防止しより低コストで提供することができる。
本発明に係る携帯用電子機器によれば、前記のような効果を奏するサーマルプロテクタが使用されているので、より長寿命である。
本発明に係るサーマルプロテクタのケース内壁の融解防止方法によれば、可動接点が固定接点から離反し、可動片の先端部が当接片の受部に当接した時に、可動片と当該可動片が相対するケースの絶縁性内面との間に空間を形成するので、可動片の先端部とケース内壁の樹脂との融着は生じない。また、ケース内壁の樹脂等の絶縁材料面が当接片の受部の伝熱により融解しても、前記空間の存在によりその融解の範囲は極めて限定されたものとなる。
第1実施形態
図1は本発明の第1実施形態(請求項4に対応)に係るサーマルプロテクタの分解断面図、図2は図1のサーマルプロテクタの組立状態を示すもので、(a)図は接点が閉じている状態の断面図、(b)図は接点が開いた状態の断面図、図3はケース本体の平面図、図4は当接片の平面図、図5はケースの蓋体の底面図、図6は図5の矢印A−Aに沿う拡大断面図である。
図1で示すように、全体としてほぼ直方体形状である絶縁性のケース1は、絶縁性樹脂からなるケースの本体10と、当該本体10へ密閉状に接合された同様な材質の蓋体11とから構成されている。本体10と蓋体11との接合面の一方には両端部に複数の位置決め孔113が形成され、他方には対応する位置決め孔113に挿入される位置決めピン103が形成されている。
サーマルプロテクタを図示しない形態電話の二次電池に取り付けて電池パックを構成する場合には、ケース1の幅(図3及び図5の上下方向の長さ)は二次電池の取付面の幅(電池の厚み)とほぼ同様な幅にするのが好ましい。
図2で示すように、ケース1内には、一端部上面に固定接点2が接続又はクラッドされている板状の固定片20と、熱応動素子(トリメタル板又はバイメタル板)4と、先端部に前記固定接点2と接触する可動接点3を有し、ばね性をもった導電板からなる可動片30と、固定片20に対して接触接続しているPTC素子7(正特性サーミスタ)とが封入されている。
固定接点2と可動接点3とは、可動片30のばね作用により所定の圧力で接触しており、熱応動素子4の反転作動にともなって反転することにより離反するように構成されている。
導電板からなる固定片20はケース1の本体10の底部へ埋め込み状に設けられ、その一端部には本体10の孔100を跨いで延び出した端子部21が一体に形成されている。この端子部21は、サーマルプロテクタを二次電池に取り付けて電池パックを構成する際、スポット溶接等により二次電池の負極に接続される。
端子部21は、スポット溶接等をし易くし接続の信頼性向上を図るため、幅方向のほぼ中央部に長さ方向に沿ってスリット状の切欠部(図3)を形成することにより、平面視において二股状を呈するように構成されている。端子部21と外部電極とのスポット溶接性及び接続の信頼性を向上させるためには、端子部21を二股状に形成することに代えて、端子部21の幅方向のほぼ中央部に長さ方向に沿ってスリット状の図示しない孔を形成してもよい。
固定片20には、熱応動素子4の反転中心部(図1で上方へやや突出している部分)又はその近傍の直下に近接するように、PTC素子7の下面側電極が接触接続されている。したがって、熱応動素子4の反転作動により可動片30が反転すると、両接点2,3が開くとともに熱応動素子4がPTC素子7に所定の圧力で接触し、固定片20と可動片30とが熱応動素子4及びPTC素子7を介して電気的に接続する。
図1で示すように、この実施形態では、ケース本体10の内底面に固定片20の上面が現われるようにPTC素子7とほぼ適合する平面形状の受入れ孔101を形成し、この受入れ孔101へPTC素子7を収容している。また、PTC素子7がより一層安定した状態で固定片20の上面へ接触するように、固定片20の受入れ孔101から現われる部分に中心から等距離で90度の角度間隔に四個の突起状台座200をプレス成形し、この各突起状台座200にPTC素子7の裏面側電極を接触させている。
導電板からなる可動片30には、基端部側(図の右端側)にケース1の蓋体11から延び出すように接合片31が一体に形成され、ケース1内に突入する部分には、熱応動素子4が反転したときに当該熱応動素子4が接触する下向きの突起32,32が形成されている。前記接合片31の部分には、後述の端子片5の端部51との溶接接合の便宜のために上向きの突起33が形成されている。
可動片30の基端部寄り位置には、組み立ての便宜のために図の右側の各位置決めピン103と対応する図示しない各位置決め孔が形成されている。
図1で示すように、熱応動素子4は反転作動部分がやや凸球面状又は凸円弧状になるように成形され、反転作動時に他の部材と緩衝しない限度ででき得る限り広い平面積をもたせるためその平面形状は角を丸く形成した方形に形成されている。
図2で示すように、蓋体11の天井面の端部には、可動片30が反転したときにその先端部が当接する当接片8が設けられている。
前記当接片8は、金属(例えばリン青銅,Cu−Be合金等の板)を材質とし、全体が薄い板状であって、可動片30の先端部を受ける受部80と、ケースの本体10と蓋体11との接合面とで挟まれた状態で固定される平滑な被固定部81とを有する。被固定部81には、図の左側の各位置決めピン103と対応する位置に各位置決め孔82(図4)が形成されており、組立時には各位置決め孔82へそれぞれ対応する位置決めピン103が案内されるようになっている。
当接片8の位置決めは、前述のように位置決め孔と位置決めピンによる構成に代えて、例えばケース本体10又は蓋体11に当接片8の被固定部81と対応する図示しない凹部を形成し、この凹部に被固定部81を案内するなど、他の位置決め手段を採用することができる。
当接片8の被固定部81がケース1へ固定された状態では、受部80の受面(図における下面)はケース1の絶縁性の内面から内側へ所定量離れた(離間した)状態になるように構成されている。
図1及び図2で示すように、蓋体11には、一面が外部上方に面するようにそれぞれ板状の複数の端子片5と50及び外部端子板6が互いに非接触状態で並べて固定されており、一方の端子片5(便宜上「第1の端子片」という。)と他方の端子片50(便宜上「第2の端子片」という。)の間、第2の端子片50と外部端子板6との間は、蓋体11の一部を形成する隔壁111,112によりそれぞれ絶縁されている。
前記外部端子板6は蓋体11の端部から必要量延び出しており、その延び出した端部は、サーマルプロテクタを図示しない二次電池に取り付けて電池パックを構成する際に当該二次電池の正極に接続される。
図5及び図6で示すように、蓋体11の内側には、第1の端子片5と第2の端子片50との間の隔壁111をまたぎ、かつ各端子片5,50の下面の一部がケース1の内側に現われる状態に二つの収容孔114が並列的に形成されている。これらの収容孔114,114には電気部品5aがそれぞれ収容され、それらの電気部品5aはその上の第1の端子片5と第2の端子片50へそれぞれ半田付けにより接続されている。
半田には、例えばSn−3.0%Ag−0.5%Cu等のPbなし(Pbフリー)半田が使用される。この他、Sn−Ag系,Sn−Ag−Cu系,Sn−Ag−In系,Sn−Zn−Bi−In系,Sn−Cu系,Sn−Bi系,Sn−Zn系,Sn−Zn−Bi系,Sn−Zn−Al系の各合金が使用される。
この実施形態において、二つの電気部品5aの一方はコンデンサ,他方は抵抗であり、図示しない二次電池にサーマルプロテクタを取り付け、図2の(a)図のように、サーマルプロテクタの端子片5,50及び外部端子板6をそれぞれプローブ90,91,92を通じて図示しない携帯電話機の回路と接続すると、並列接続された電気部品5a,5aであるコンデンサと抵抗により二次電池の容量を検出することができるように構成されている。
このように、サーマルプロテクタを電池と一体化して携帯電話機,電子手帳,携帯用パソコンその他の電子機器類の回路内に組み込んだとき、サーマルプロテクタ内に電気部品5a,5aが接続されていることにより、機器類の中の回路基板に当該電気部品5aを取り付ける必要がなく、機器類の基板の小型化を達成し、基板に対する実装の高密度化による製造コストの高騰化を防止することができる。
板状の端子片5,50の厚みは0.25mm以上であるのが好ましい。端子片5,50の厚みが0.25mm以下であると、半田付けの熱により変形する場合があったり、携帯電話の端子との接触の繰り返しにより変形する等の不具合を生ずるおそれがある。
この実施形態においては、図1及び図2で示すように、ケース1の蓋体11の周縁部上面は端子片5,50及び外部端子板6の上面から所定量上方に突出している(端子片5,50及び端子板6の上面が周縁部上面より沈んでいる)。すなわち、後述のように本体10と蓋体11とを超音波接合法によって接合する際に、超音波接合装置のアンビルと相対する図示しない加圧工具をその上面に接触振動させたときに、端子片5,50及び端子板6の上面に傷が付くのを防止している。
図1で示すように、この実施形態における固定接点2を含む固定片20は、絶縁性樹脂からなる本体10の内底面側へ埋め込み状になるようにインサート成形することにより、当該本体10と一体化されている。
他方、第1の端子片5,第2の端子片50及び外部端子板6は、絶縁性樹脂からなる蓋体11とインサート成形することにより、当該蓋体11と一体化されている。
サーマルプロテクタを製造するには、前述のようにそれぞれの部品が一体化されるように本体10と蓋体11とを成形した後、各電気部品5aをそれぞれ端子片5,50の裏面に半田付けする。そして、本体10の受入れ孔101へPTC素子7を収容し、PTC素子7の上に熱応動素子4を重ね、可動片30の基端部と当接片8の被固定部81とをそれぞれ一部に挟んだ状態で本体10の上に蓋体11を重ねて超音波接合により密に接合し、可動片30の接合片31と第1の端子片5の外側の端部51とを溶接により接合する。
この製品の状態において、当接片8の受部80はその受面が図2で示すようにほぼその肉厚分が蓋体11の当該部分の絶縁性内面から内側に離間した状態になり、(b)図のように可動片30の先端部が当該受部80に当接した状態では、蓋体11の当該部分の天井絶縁材料面と可動片30の先端部の上面(可動片30と受部80との当接部分から可動片30の基端部寄り部分上面と蓋体11の樹脂内面)との間に空間が生じ、当該先端部の熱が蓋体11の内面に伝わり難くなるように構成されている。
ケース1の本体10と蓋体11は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)その他の耐熱性に優れた樹脂等の絶縁性材料を材質として成形される。特にインサート成形等により二次電池と一体化して電池パックを製造する場合には、200℃以上の耐熱性を有する液晶ポリマーを使用するのが好ましい。
固定片20,端子部21,各端子片5,50及び外部端子板6の材質はNiが好ましいが、Cu,リン青銅,Cu−Ti合金,Cu−Be合金,洋白,黄銅,Cu−Ni−Si合金等の導電性材料を用いることができる。
可動片30の材質は、ステンレス合金が好ましいがCu−Be合金、リン青銅,Cu−Ti合金,洋白,黄銅,Cu−Ni−Si合金等の導電性を有するバネ材料を用いることができる。
固定接点2及び可動接点3の材質は、ニッケル−銀合金であるのが好ましく、例えばニッケル10mass%を含む銀合金であるのが特に好ましい。しかし、これらの部品には銅−銀合金、金−銀合金、炭素−銀合金、タングステン−銀合金等の接点材料を用いることができる。これらの接点2,3の固定片20や可動片30への接合は、クラッド,めっき,カシメその他具体的手段は問わない。
熱応動素子4には、例えばCu−Ni−Mn合金による高熱膨張金属材料と、Ni−Fe合金による低熱膨張金属材料とを積層させたものが使用される。
機器の対応する電極と接触させる端子片5,50及び端子板6の露出面には、接触状態における電気抵抗を小さくするため、湿式メッキや適当な蒸着手段などにより金を被覆することができる。被覆金属には金のほか、銀,銅,パラジウム及びニッケルの中の一又は二以上の元素を用いることができる。
この実施形態のサーマルプロテクタは、例えば図示しない二次電池と一体化した状態で例えば携帯電話機の電気回路に接続されるようにセットした状態で、正常に電流が流れているときは、図2の(a)図のように可動片30の弾性により可動接点3が固定接点2へ押し付けられた状態で接触している。
接点間に異常な電流が流れるかあるいは他の原因によりケース1内の温度が上昇し、ケース1内の温度が熱応動素子4の作動温度以上に達すると、当該熱応動素子4がスナップ作用により上方へ凹球面状(皿状)に反るように反転する。熱応動素子4がこのように反転作動することにより可動片30の先端部が(b)図のように浮上し、可動接点3を固定接点2から離反させて接点間の電流を遮断する。
熱応動素子4が前述のように反転作動すると、当該熱応動素子4がPTC素子7へ所定の圧力で接触して当該PTC素子7を固定片20に押し付け、固定片20と可動片30が電気的に接続し、回路内にわずかに電流が流れることによりPTC素子7が定温発熱し、接点2,3間の電流を遮断し続ける。
前記実施形態のサーマルプロテクタの他の作用効果と、本発明に係る方法の実施形態をあわせて説明する。
すなわち、前述のように可動接点3が固定接点2から離反したとき、可動片30の先端部の上面は当接片8の受部80に当接するので、可動片30の先端部がケース1の材質の溶融温度以上に過熱していても、その熱がケース1の当該部分の内面を溶融して可動片30の先端部がケース1の内面に固着するのを防止することができる。
可動片30の先端部が当接片8に当接した状態では、当該当接片8の受部80の受面がケース1の絶縁性の内面から内側に離間していて、可動片30の受部80との当接部分から基端側寄り部分には、可動片30とケース1の当該部分の内面との間に空間が形成されるため、ケース1の内面の溶融をさらによく防止することができる。仮に、可動片30の先端部の異常な熱が受部80を通じてケース1の天井面に伝達され、ケース1内の当該部分の樹脂が融解してもその範囲は極めて限定されたものとなる。
また、前記実施形態のように、ケース1内に電気部品5a,5aを取り付けた状態では、可動片30の当接によりケース1の内面に溶融,磨耗や変形が発生して、電気部品5aの取付位置が変化したり歪みが加わる等の故障が生じるおそれがあるが、このような故障を防止することができる。
第2実施形態
図7は、本発明に係るサーマルプロテクタの第2実施形態(請求項5に対応)を示す断面図である。
この実施形態のサーマルプロテクタは、可動片30が熱応動素子4を兼ねており、前記可動片30の先端部と基端部のほぼ中間位置に当該可動片30の反転中心部が位置し、この可動片30の反転中心部と近接するようにPTC素子7が配設されている。
可動片30には、下向きの突起32(図1)は形成されていない。
この実施形態のサーマルプロテクタは、過電流又は過熱によりケース1内の温度が熱応動素子4を兼ねる可動片30の作動温度以上に達すると、可動片30が反転作動し、固定接点2から可動接点3が離反して電流を遮断する。この状態では、PTC素子7を介して固定片0と可動片30が電気的に接続し、PTC素子7の定温発熱作用により接点2,3間の遮断状態を維持する。
他の構成や作用効果は、第1実施形態のサーマルプロテクタとほぼ同様なのでそれらの説明は省略する。
第3実施形態
図8は、本発明に係るサーマルプロテクタの第3実施形態を示す断面図で、第1実施形態に対して当接片8の材質及び形状を異にしている。
当接片8はセラミックス(例えばアルミナ,ジルコニア等)を材質とし、全体として平板の形態であり、ケース1内に突入した部分の先端部が受部80、その反対側の平板部が被固定部81である。この被固定部81には、第1実施形態とほぼ同様に図示しない位置決め孔が形成されている。
この実施形態では、当接片8がセラミックスであるので、可動片30の熱がケース1の内壁の樹脂面等の絶縁材料面に対して一層伝わり難いという利点がある。
その他の構成や作用効果は、第1実施形態のサーマルプロテクタとほぼ同様なのでそれらの説明は省略する。
その他の実施形態
図8のサーマルプロテクタにおける当接片8は、第2実施形態のように可動片30が熱応動素子4を兼ねるサーマルプロテクタについても使用することができる。
要求されるサーマルプロテクタのサイズが許す限り、当接片8の受部80と当該受部80が相対するケース1の絶縁性の内面(前記各実施形態では蓋体11の当該部分の内面)との間には、間隙を設けるのが好ましい。この間隙を設けることにより、可動片30の先端部の熱が受部80を通じてケース1の内面に伝達されるのを防止することができるからである。
当接片8をケース1に取り付けるのに際しては、前記各実施形態のように被固定部81をケース1の本体10と蓋体11とで挟着した状態で固定するのに代えて、本体10又は蓋体11と一体にインサート成形するなど、前記被固定部81を本体10又は蓋体11に埋め込み状態で固定することができる。
第1及び第3実施形態のサーマルプロテクタにおいては、端子片5を可動片30(接合片31)と一体に接続する状態に構成することができる。また、第1〜第3実施形態において電気部品5aを設けない場合には、一方の端子片5のみを設け、当該端子片5をケース1の側方に延び出すように構成することができる。
前記実施形態では、サーマルプロテクタを携帯電話機の二次電池に取り付ける例を説明したが、本発明に係るサーマルプロテクタはその他の機器類の電気回路における保護装置として使用することができる。
本発明の第1実施形態に係るサーマルプロテクタの分解断面図である。 図1のサーマルプロテクタの組立状態を示すもので、(a)図は接点が閉じている状態の断面図、(b)図は接点が開いた状態の断面図である。 ケース本体の平面図である。 当接片の平面図である。 ケースの蓋体の底面図である。 図5の矢印A−Aに沿う拡大断面図である。 本発明の第2実施形態に係るサーマルプロテクタの断面図である。 本発明の第3実施形態に係るサーマルプロテクタの断面図である。 従来の一般的なサーマルプロテクタの断面図である。 特許文献1に記載されているサーマルプロテクタの断面図である。 図9のサーマルプロテクタの一部破断斜視図である。
符号の説明
1 ケース
10 本体
100 孔
101 受入れ孔
103 位置決めピン
11 蓋体
111,112 隔壁
113 位置決め孔
114 孔
2 固定接点
20 固定片
21 端子部
3 可動接点
30 可動片
31 接合片
4 熱応動素子
5,50 端子片
5a 電気部品
6 外部端子板
7 PTC素子
8 当接片
80 受部
81 被固定部

Claims (12)

  1. 所定の作動温度で反転作動する熱応動素子の反転作動により、固定片に設けられた固定接点から可動片の先端部に設けられた可動接点を絶縁性材料からなるケース内で離反させる構造のサーマルプロテクタであって、前記可動接点が固定接点から離反したときに、前記可動片の先端部が当接する当接片を前記ケース内に設けたことを特徴とするサーマルプロテクタ。
  2. 前記当接片は金属又はセラミックスである、請求項1に記載のサーマルプロテクタ。
  3. 前記ケースは本体と当該本体に接合された蓋体とから構成され、前記当接片は、その一端部が前記ケースの本体と蓋体の間に挟まれた状態又は前記本体若しくは前記蓋体へ埋め込み状態に固定されている、請求項1又は2に記載のサーマルプロテクタ。
  4. 前記当接片は板状であってケースに固定される被固定部と可動片の先端部を受ける受部とから構成され、前記受部に前記可動片の先端部が当接したとき当該可動片と当該可動片が相対しているケースの絶縁性内面との間に空間が形成される、請求項1〜3に記載のサーマルプロテクタ。
  5. 前記可動片と前記熱応動素子とはそれぞれ別に設けられている、請求項1〜4のいずれかに記載のサーマルプロテクタ。
  6. 前記可動片は前記熱応動素子を兼ねている、請求項1〜4のいずれかに記載のサーマルプロテクタ。
  7. 前記ケース内にPTC素子を設け、前記可動片の先端部と基端部のほぼ中間位置と前記PTC素子とは、前記熱応動素子を挟む状態で配設されている、請求項5に記載のサーマルプロテクタ。
  8. 前記可動片の先端部と基端部のほぼ中間位置に当該可動片の反転中心部が位置し、前記ケース内に前記可動片の反転中心部と近接するようにPTC素子が配設されている、請求項6に記載のサーマルプロテクタ。
  9. 前記ケースにはそれぞれ外部に面する状態に相互に非接触な複数の端子片を設け、前記複数の端子片の中の一つを前記可動片と接続させ、前記複数の端子片相互を電気的に接続する電気部品を設けた、請求項5又は7に記載のサーマルプロテクタ。
  10. 前記ケースにはそれぞれ外部に面する状態に相互に非接触な複数の端子片を設け、前記複数の端子片の中の一つを前記可動片と接続させ、前記複数の端子片相互を電気的に接続する電気部品を設けた、請求項6又は8に記載のサーマルプロテクタ。
  11. 請求項1〜10に記載のサーマルプロテクタを用いた携帯用電子機器。
  12. 所定の作動温度で反転作動する熱応動素子の反転作動により、固定片に設けられた固定接点から可動片の先端部に設けられた可動接点を絶縁性材料からなるケース内で離反させる構造のサーマルプロテクタにおいて、前記可動接点が固定接点から離反したときに、前記可動片の先端部を前記ケース内に設けた当接片の受部に当接させ、前記可動片と当該可動片が相対しているケースの絶縁性内面との間に空間を形成することを特徴とする、サーマルプロテクタのケース内壁の融解防止方法。
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