JP2016122551A - ブレーカー - Google Patents

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Abstract

【課題】可動片の円滑な動作を担保して良好な電流遮断動作を確保すると共に、ケースの
機械的強度に優れた小型のブレーカーを提供する。
【解決手段】ブレーカー1は、固定接点21を有する固定片2、可動接点41を有する可動片4、及び熱変形により可動接点41が固定接点21から離反するように可動片4を作動させるディスク5を備え、可動片4及びディスク5を収容する収容凹部74の設けられたベース72及び収容凹部74を閉鎖するカバー71からなるケースを外装として構成され、さらにカバー71とベース72の接合するケース7の側壁において、接合面は該側壁の厚さ方向に傾くテーパー形状をなす。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気機器内において機械的な開閉機構により電流を遮断するブレーカー等の安全装置に関する。
従来、各種電気機器の二次電池やモーター等の保護装置(安全回路)としてブレーカーが使用されている。ブレーカーは、充放電中の二次電池の温度が過度に上昇した場合、又は電気機器に装備されるモーター等に過電流が流れた場合等の異常時に、二次電池やモーター等を保護するために電流を遮断する。このような保護装置として用いられるブレーカーは、電気機器の安全を確保するために、温度変化に追従して正確に動作する(良好な温度特性を有する)ことと、通電時の抵抗値が安定していることが求められる。
ブレーカーには、温度変化に応じて動作し、電流を導通又は遮断する熱応動素子が備えられている。特許文献1には、熱応動素子としてバイメタルを適用したブレーカーの製造方法が示されている。バイメタルとは、熱膨張率の異なる2種類の板状の金属材料が積層されてなり、温度変化に応じて形状を変えることにより、接点の導通状態を制御する素子である。同文献に示されたブレーカーは、固定片、可動片、熱応動素子等の部品が、ケースに収納されてなり、固定片及び可動片の端子が電気機器の回路に接続されて使用される。上記特許文献1に示された製造方法において、ケースの開口を覆ってケースを完成させる際に超音波溶着が利用される(同文献の段落[0032]等参照)。
特開2002−83523号公報
上記特許文献1に示されたブレーカーの製造方法において、ブレーカーは、カバー(蓋)のベース(同文献中においてはケース)への載置及び超音波溶着(溶接)によって完成する(同文献の段落[0014]等参照)。上記特許文献1のケースに設けられたテーパーは、専ら各部材の導入や組付けに利用されており(同文献の段落[0041]等参照)カバーとベースとの接合強度を高めるための処置については特段の記載がない。
近年、ブレーカーは、それの搭載される電気機器の軽薄短小となるのに合わせて、小型化されており、カバーとのベースと接触面積は縮小している。したがって、カバーとのベースと接合強度が低下することでケースの機械的強度の不足が懸念され、小型化されながら充分な機械的強度を備えたブレーカーが望まれている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、小型化されると共に、ケースを構成するベースとカバーとの溶着における接合強度を高めて機械的強度を維持したブレーカーを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、固定片、可動片及び熱応動素子を収容する開口を有するベースと該開口を覆うカバーとを備えて構成される樹脂製のケースを備えるブレーカーにおいて、ベースとカバーとはケースの側壁において接合し、その接合面が側壁の厚さ方向に傾くテーパー形状をなすことを特徴とする。
本発明のブレーカーにおいて、ケースの一辺の側壁での接合面がなすテーパー形状の勾配が側壁の高さ方向に上がる部分と下る部分の両方を有することが好ましい。
本発明のブレーカーにおいて、側壁での接合面は、側壁の厚さ方向において側壁の最大長より短いことが好ましい。
本発明のブレーカーにおいて、テーパー形状の接合面の設けられた側壁の長さ方向がケースの長手方向と一致することが好ましい。
本発明のブレーカーによれば、ベースとカバーとが接合するケース側壁において、その接合面が側壁の厚さ方向に傾くテーパー形状するので、平坦な平面同士の接合に比して接合強度を高めることが可能である。ベースとカバーとにそれぞれ設けられたテーパー形状は、テーパー同士の接合により接合の面積を大きくし、接合の強化となる。
さらに本発明においては、ケースの一辺の側壁での接合面がなすテーパー形状の勾配が側壁の高さ方向に上がる部分と下る部分の両方を有することにより、ブレーカーの設計自由度が上がる。特にケースの低背化において有利となる。この場合、テーパー形状の勾配が一方向的でなく∨字状の折り返しを持つので、テーパー形状を形成にあたって側壁の高さ方向の長さにおける余裕を拡大できる。よってテーパー形状の勾配が一方向的である場合よりケースの側壁を容易に低く設定できる。
さらに本発明においては、接合面が側壁の厚さ方向において側壁の最大長より短いことにより、ベース又はカバーの側壁の厚さの大きい方の出代がバリ避けとして機能するので、接合の際に生じたバリの悪影響を抑制することが可能となる。
さらに本発明においては、テーパー形状の接合面の設けられた側壁の長さ方向がケースの長手方向と一致ことにより、カバーとベースとの接合強度が高められる。このように長手方向の側壁においてテーパー形状を設ける形態は、そうでないときより、接合の面積が更に多く拡大される。
本発明のブレーカーの概略構成を示す斜視図。 通常状態におけるそのブレーカーを示す断面図及び異常状態におけるもの。 そのブレーカーのカバー及びベースの断面形状を示す拡大図。 本発明のブレーカーの各種の変形例を示すカバー及びベースの断面形状を示す拡大図。 従来技術によるブレーカーのケース側壁における接合面の拡大図。
以下、本発明によるブレーカーの実施形態について図面を参照して説明する。図1乃至図3は、ブレーカーの構成を示す。ブレーカー1は、固定接点21を有する固定片2と端子が形成されている端子片3と、先端部に可動接点41を有する可動片4と、温度変化に伴って変形する熱応動素子(以下、ディスク5)と、PTC(Positive Temperature Coefficient)サーミスター(以下、PTC6)と、固定片2、端子片3と、可動片4、ディスク5及びPTC6を収容するケース7等によって構成されている。ケース7は、ベース72とベース72の上面に装着されるカバー71等によって構成される。カバー71及びベース72は、図1の拡大円に図示するように側壁73においてテーパー形状の第1溶着部73a及び第2溶着部73bを有し、これらは接合面7aと接合面7bとで接合する。第1溶着部73a及び第2溶着部73bは、側壁73の長さ方向から断面視すると、ケース7の底面に対して傾いた傾斜面を有する。
固定片2は、銅等を主成分とする金属板(この他、銅−チタン合金、洋白、黄銅等の金属板)をプレス加工することにより形成され、ベース72にインサート成形により埋め込まれている。固定片2の一端には外部回路と電気的に接続される端子22が形成され、他端側には、PTC6を支持する支持部23が形成されている。PTC6は、固定片2の支持部23に3箇所形成された小突起24の上に載置されて、突起24に支持される。固定片2には固定接点21が設けられる。
固定接点21は、銀、ニッケル、ニッケル−銀合金の他、銅−銀合金、金−銀合金等の導電性の良い材料のクラッド、メッキ又は塗布等により可動接点41に対向する位置に形成され、ベース72の内部に形成されている開口74aの一部から露出する。端子22はベース72の端縁から外側に突き出されている。PTC6の載る支持部23は、ベース72の内部に形成されている開口74dから露出する。
端子片3は、固定片2と同様に、銅等を主成分とする金属板をプレス加工することにより形成され、ベース72にインサート成形により埋め込まれている。端子片3の一端には外部回路と電気的に接続される端子32が形成され、他端側には、可動片4と電気的に接続される接続部33が形成されている。端子32はベース72の端縁から外側に突き出されている。接続部33は、ベース72の内部に設けられた開口74bから露出し、可動片4と電気的に接続される。
可動片4は、板状の金属材料をプレス加工することにより、長手方向の中心線に対して称なアーム状に形成されている。可動片4の材料としては、固定片2と同等の銅等を主成分とするものが好ましい。この他、銅−チタン合金、洋白、黄銅等の導電性弾性材料を用いてもよい。可動片4の先端部には、可動接点41が形成されている。可動接点41は、固定接点21と同等の材料によって形成され、溶接の他、クラッド、かしめ(crimping)等の手法によって可動片4の先端部に接合されている。可動片4の別の先端部には、端子片3の接続部33と電気的に接続される接続部42が形成されている。端子片3の接続部33と可動片4の接続部42とは、例えば、溶接によって固定される。
可動片4は、可動接点41と接続部42との間に、弾性部43を有する。弾性部43は、接続部42から可動接点41の側に延びている。接続部42において端子片3の接続部33と接合することにより可動片4が固定され、弾性部43が弾性変形することにより、その先端に形成されている可動接点41が固定接点21に押圧されて接触し、固定片2と可動片4とが通電可能となる。可動片4と端子片3とは、電気的に接続されているので、固定片2と端子片3とが通電可能となる。
可動片4は、弾性部43において、プレス加工により湾曲又は屈曲されている。湾曲又は屈曲の度合いは、ディスク5を収納できる限り特に限定はなく、ブレーカー1の動作温度及び復帰温度における弾性力、接点の押圧力等を考慮して適宜設定すればよい。また、弾性部43の裏面には、ディスク5に対向して一対の突起44a、突起44bが形成されている。突起44a、突起44bとディスク5とは接触して、突起44a、突起44bを介してディスク5の変形が弾性部43に伝達される(図2及び図3参照)。
ディスク5は円弧状に湾曲した初期形状をなし、熱膨張率の異なる薄板材を積層することにより形成される。過熱により動作温度に達すると、ディスク5の湾曲形状は、スナップ作用で反転し、冷却により復帰温度を下回ると復元する。ディスク5の初期形状は、プレス加工により形成することができる。所期の温度でディスク5の反転により可動片4の弾性部43が押し上げられ、かつ弾性部43の弾性力により元に戻る限り、ディスク5の材質及び形状は特に限定されるものでないが、生産性及び反転の効率性の観点から矩形が望ましく、小型でありながら弾性部43を効率的に押し上げるために正方形に近い長方形であるのが望ましい。ディスク5の材料としては、例えば、高膨脹側に銅−ニッケル−マンガン合金又はニッケル−クロム−鉄合金、低膨脹側に鉄−ニッケル合金をはじめとする、洋白、黄銅、ステンレス鋼等各種の合金からなる熱膨張率の異なる2種類の材料を積層したものが、所要条件に応じて組み合わせて使用される。
PTC6は、固定片2とディスク5との間に配設されている。すなわち、PTC6を挟んで、固定片2はディスク5の直下に位置する。ディスク5の反転により固定片2と可動片4との通電が遮断されるとき、PTC6に流れる電流が増大する。PTC6は、温度上昇と共に抵抗値が増大して電流を制限する正特性サーミスターであれば、動作電流、動作電圧、動作温度、復帰温度等の必要に応じて種類を選択でき、その材料及び形状はこれらの諸特性を損なわない限り特に限定されない。本実施形態では、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム又はチタン酸カルシウムを含むセラミック焼結体が用いられる。その他、ポリマーにカーボン等の導電性粒子を含有させたいわゆるポリマーPTCを用いてもよい。
図2(a)は、通常の非使用時、充電又は放電等の通常状態におけるブレーカー1の動作を示している。通常の通常状態においては、ディスク5は初期形状を維持し(反転前であり)、固定接点21と可動接点41は接触し、可動片4の弾性部43等を通じてブレーカー1の両端子22、32間は導通している。可動片4の弾性部43とディスク5とは接触しており、可動片4、ディスク5、PTC6及び固定片2は、回路として導通している。しかし、PTC6の抵抗は、可動片4の抵抗に比べて圧倒的に大きいため、PTC6を流れる電流は、固定接点21及び可動接点41を流れる量に比して実質的に無視できる。
図2(b)は、過充電又はその他、過熱のような異常時におけるブレーカー1の動作を示している。過充電又は異常により高温状態となると、動作温度に達したディスク5は逆向きに反転し、可動片4の弾性部43を押し上げて固定接点21と可動接点41とが離反する。このとき、固定接点21と可動接点41の間を流れていた電流は遮断され、僅かな漏れ電流がディスク5及びPTC6を通して流れることとなる。PTC6は、このような漏れ電流の流れる限り発熱を続け、ディスク5を反転状態に維持させつつ抵抗値を激増させるので、電流は固定接点21と可動接点41の間の経路を流れず、上述の僅かな漏れ電流のみが存在する(自己保持回路を構成する)。この漏れ電流は安全装置の他の機能に充てることができる。
過充電状態を解除し、又は異常状態を解消すると、PTC6の発熱も収まり、ディスク5は復帰温度に戻り、元の初期形状に復元する。そして、可動片4の弾性部43の弾性力によって可動接点41と固定接点21とは再び接触し、回路は遮断状態を解かれ、図2(a)に示す導通状態に復帰する。
ケース7を完成するには、超音波溶着によりカバー71とベース72とを一体化する工法等が挙げられる。この場合、超音波の振動によりカバー71とベース72との間で側壁73の接合面において摩擦熱が生じ、これが溶融熱となって溶融した樹脂により接合面7aと接合面7bが溶着する。カバー71とベース72との接合の方法には、レーザー等の溶着が他に例示される。前記の工程により熱溶融した第1溶着部73a又は第2溶着部73bの樹脂が接合面7a又は接合面7bにおいて、互いに接着する。あるいは、第1溶着部73aと第2溶着部73bは、液状、糊状の接着剤により接合面7a及び接合面7bにおいて接合することもできる。
ケース7を構成するベース72及びカバー71は、難燃性のポリアミド、耐熱性に優れたポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の熱可塑性樹脂により成形されている。これらの熱可塑性樹脂のうち、液晶ポリマーは、成形後の熱収縮が小さく、高い寸法精度が得られると共に、耐熱性及び難燃性に優れているため、好適に用いられる。
カバー71は、ベース72の上面に装着され、可動片4、ディスク5及びPTC6等が収容された収容凹部74を閉鎖する。カバー71とベース72とは、樹脂で作られた部分を介して超音波溶着等の溶着手段によって一体化され、ケース7を構成する。これにより、ケース7の内部空間である収容凹部74が密閉される。カバー71は、ベース72と同様にインサート成形により金属片を埋め込んで補強された形態を取ることも可能である。
ケース7の中央は、第2溶着部73bより低位に陥没して収容凹部74となるように形成されている。収容凹部74は、平面視で可動片4の先端部及びディスク5に対応する形状に形成されて、各部品を収容する。カバー71の裏面側にも第1溶着部73aより低位に陥没する収容凹部75を形成することによって、熱変形時のディスク5及び可動片4の弾性部43の動作の自由度を高くすることができる。側壁73に囲繞される収容凹部74は、可動片4を収容するための開口74a、開口74b、可動片4及びディスク5を収容するための開口74c、並びに、PTC6を収容するための開口74d等を有している。尚、ベース72に組み込まれた可動片4及びディスク5の端縁は、収容凹部74の内部に形成されている枠によってそれぞれディスク5の反転の時に案内される。
カバー71及びベース72には、それぞれケース7の側壁73を構成する第1溶着部73a及び第2溶着部73bが設けられている。側壁73は、収容凹部74を囲繞するように形成される。側壁73の形成される位置は、ケース7の強度や密封性の観点から収容凹部74の全周に亘るのが好ましいが、その一部のみに適宜配置することも可能である。側壁73において、先述の溶着手段によって、第1溶着部73aと第2溶着部73bとがそれぞれの接合面7aと接合面7bとにおいて接合する。接合面7a及び接合面7bには、互いに相似形で対応した形状であるテーパー形状の部位が存在し、これらが接触且つ接合し側壁73の一部をなす。
図3は、ケース7の側壁73においてカバー71とベース72との接合している状態を拡大して図示した断面図である。本実施形態では、側壁73を長さ方向から断面視すると、第1溶着部73a及び第2溶着部73bは、テーパー形状が施され、V字状の先端を有し、それぞれ対応して凸状又は凹状を呈している。このテーパー形状は、第1溶着部73a及び第2溶着部73bにおいて、ケース7の天面・底面に対して傾斜して相補的な形状になっている。したがって、従来技術の接合面(図5)のようにケース7天面・底面と平行であるより(平面同士の接合)、カバー71とベース72との接合の面積が拡大し、接合強度及びケース7の機械的強度が増す。
本実施形態においては、側壁73の一辺において、第1溶着部73a及び第2溶着部73bのテーパー形状の勾配が側壁73の高さ方向に上がる部分と下る部分との両方を有するV字形状の接合面7a及び接合面7bが形成される。接合面7a及び接合面7bにおいて、カバー71の第1溶着部73aが凸状を、ベース72の第2溶着部73bが凹状を呈しているが、この組合せは必須でなく、カバーが凹状の溶着部をベースが凸状の溶着部をそれぞれ有する形態においても同様に奏功する。接合面7a及び接合面7bのように、カバー71とベース72との接合面が側壁73の厚さ方向に傾くテーパー形状をなせばよい。
テーパー形状の接合面7a及び接合面7bは、側壁73の厚さ方向において長さが異なる。図3の拡大円によって表されるように、カバー71とベース72とを溶着した時にそれぞれの樹脂が溶融する(溶融樹脂7f)が、この際、バリBが発生する。バリBはケース7の内側に突出するので、可動片4又はディスク5に干渉して可動接点41と固定接点21との開閉つまりブレーカー1の正常な動作を阻害する虞がある。しかしながら、本実施形態においては、少なくともケース7の内側において接合面7aの長さが接合面7bのものと異なる。
側壁73の壁厚においてカバー71側寸法aはベース72側寸法bよりも小さいので、接合面周辺にバリ溜用の空所が出来る。これにより、バリBが可動片4又はディスク5の動く範囲にはみ出さなくなり、可動片4又はディスク5における安定した外径寸法を得られる(それほど可動片4又はディスク5を小さくする必要がない)。同様にケース7の外側に張り出すバリも、ケース7の外形に対する映像処理により自動化している処理工程において問題となっていたところ、その弊害を抑制できる。その上、バリBが突き出る長さは、カバー71とベース72との接合面が側壁74のテーパー形状によりその厚さ方向に傾斜をなすので、平面同士の接合の場合より小さくなり、バリBの弊害が更に効率的に抑制できる。
バリ避けの効果は、各種の接着方法によって接合する場合でも同様に得ることができる。さらに、カバー71側の側壁73の寸法a及びベース72側の側壁73の寸法bは、バリ溜用の空所が確保されるように設定されればよく、第1溶着部73aの壁厚と第2溶着部73bの壁厚が異なる場合であっても、同じ場合であっても、平面視でバリの突出が第1溶着部73a又は第2溶着部73bと重複し、側壁73の底面に対する投影面の範囲に収まっていればよい。最も確実なのは、側壁73の厚さ方向において接合面の寸法が側壁73の最大長より小さくなることである。このような状態であればバリBは、発生しても収容凹部74に侵出せず、アーム4,ディスク5などの動きを阻害しない。それぞれの方式において壁厚、テーパー形状の長さ、角度等の各種寸法は、使用形態、樹脂の特性、溶着に用いる工法等に応じて適宜に設定すればよい。
一方で、図5に図示される従来技術による平面同士の接合においては、第1溶着部703aと第2溶着部703bとの接合の際に生じた溶融樹脂70fが、本発明に比して、ケースの内部空間に到達するまでの距離が短い。したがって、バリBが側壁703の端を越えてケースの内部空間に侵出する虞が大きくなる。
また、平面同士の接合の場合、カバー71がベース72の上に載せられ且つ溶着が未だなされていない組立て時の状態においては、カバー71が滑ってベース72の上で所定位置からずれる虞があるところ、本実施形態においては、側壁73の接合がテーパー合わせになるため係合の機能を発し、そのような位置ずれが抑えられる。テーパー形状による位置ずれ防止の効果は、側壁73の厚さ方向においてケース7の内側又は外側への傾斜を適宜に接合面に施すことによって得られる。矩形のケース7において、側壁73のテーパー形状の傾斜が複数の辺、特に対辺でケース7の内外方向に同一になるように設定されるのが好ましい。
側壁73の一辺において、図3の示すような第1溶着部73a及び第2溶着部73bのV字形状でも位置ずれ防止を行うことができる。このような形態では、回転方向又は並進方向のいずれの位置ずれに対しても有効である。特にケース7の長手方向でテーパー合わせによる位置決めをすることによって、位置決め精度及び速度が更に改善する。テーパー形状の施された73側壁の長さ方向がケース7の長手方向と一致するような場合、接合面の面積が多くなることから、接合強度の観点でも有利である。
これにより樹脂バリの弊害を抑制して、可動片4の円滑な動作を担保して良好な電流遮断動作を確保すると共に、ブレーカー1のケースの寸法精度を高めることが可能となる。以上のように超音波溶着等の従来を用いながら、短時間で正確にカバー71とベース72とを溶着できることから、ブレーカー1の生産性を高めることができる。
接合面におけるテーパー形状は、少なくとも、ケース7の側壁73の一辺において設けられれば奏功し、側壁73の全周に亘って設けられてもよい。接合面の面積が大きくなることから、特にケース7の長尺の辺にテーパー形状を設けるのが好ましい。長尺の辺全域にテーパー形状を付すことができない場合、その長尺の辺の一部又はその他短尺の辺に設けることも可能である。かかるテーパー形状をカバー71及びベース72の周縁部の全周に亘って連続して形成する場合、収容凹部74を含むケース7の内部空間の密閉性をより一層高めることが可能となる。
本発明の変形例としては、ケース7の側壁73においてケース7の外側又は内側の片方にのみテーパー形状を設ける態様も可能である(図4(a))。さらに、ベース72側に第2溶着部73bの外縁又は内縁に沿ってケース7の水平方向に平らなストレート部分7cを設け、バリ溜用の空所を大きくすることができる(図4(b))。このように更に多量のバリを収容できることで、樹脂や工法の選択範囲が拡大できる。また他にも、ケース7の垂直方向に切り立つ絶壁部分7dをベース72側に第2溶着部73bに沿って設けて、ケース7の組立て時に第1溶着部73aを囲むように合わせ、発生するバリBをカバー71側方向へ伸長させることによって、バリBが出てもケース7の寸法制御に対して無害化できる(図4(c))。ストレート部分や絶壁部分は、適宜に組み合わせることが可能であり、またケース7の内側又は外側だけの片方のみに設ける形態も可能である。
尚、本発明は上記実施形態の構成に限られることなく、種々の変形が可能である。ブレーカー1は、少なくとも、固定接点21を有する固定片2と、可動接点41を有する可動片4と、熱変形により可動接点41が固定接点21から離反するように可動片4を作動させるディスク5と、可動片4及びディスク5を収容する収容凹部74を有するベース72と、収容凹部74を閉鎖するカバー71とを備え、ケース7の側壁73においてカバー71とベース72との接合面がテーパー形状を取っていればよい。
本発明は、固定接点と可動接点とによる開閉機構をケースの内部に備え、ベースとカバーとを溶着することによりケースが形成される電子部品にも広く適用可能である。このような電子部品においても、上記開閉機構の円滑な動作を担保すると共に、ケースの寸法縮小及び機械的強度の維持を両立することができる。
ケース7は、二次的なインサート成形等により、樹脂等で密封されていてもよい。この場合、固定片2の端子22及び端子片3の端子32が、回路基板等のランドに固定され導通可能なように、ケース7の外側に形成された樹脂から露出していればよい。
可動片4をバイメタル又はトリメタル等の積層金属によって形成することにより、可動片4とディスク5を一体的に形成する構成であってもよい。この場合、ブレーカーの構成が簡素化されて、小型化を図ることができる。さらに、本実施形態では、PTC6による自己保持回路を有しているが、このような構成を省いた形態であっても適用可能である。固定片2、端子片3、可動片4、ディスク5、PTC6及び収容凹部74等の形状も、図1等に示したものに限られず、適宜に変更可能である。
本発明は、例えば、端子片と可動片とが一体に形成されている形態にも適用可能である。また、カバー片に可動片を接合することにより、カバー片を端子として用いる形態にも適用可能である。またさらに、2つの固定接点を架橋するように可動片を設置し、その両端において可動接点を固定接点と開閉させる形態にも適用可能である。
1…ブレーカー、
2…固定片、21…固定接点、22…端子、23…支持部、24…突起、
3…端子片、32…端子、33…接続部、
4…可動片、41…可動接点、42…接続部、43…弾性部、突起44a、突起44b
5…ディスク、
6…PTC、
7…ケース、71…カバー、72…ベース、
73…側壁、73a…第1溶着部、73b…第2溶着部、7a…接合面、7b…接合面
74…収容凹部、

Claims (4)

  1. 固定接点を有する固定片、該固定接点と接触又は離間する可動接点を有する可動片、及び熱変化により該可動片を動作させる熱応動素子、並びに前記の固定片、可動片及び熱応動素子を収容する開口を有するベースと該開口を覆うカバーとを備えて構成される樹脂製のケースを備え、
    前記ベースと前記カバーとは前記ケースの側壁において接合し、前記ベースと前記カバーとの該側壁における接合面が該側壁の厚さ方向に傾くテーパー形状をなすことを特徴とするブレーカー。
  2. 請求項1において、前記テーパー形状の勾配が前記側壁の高さ方向に上がる部分と下る部分の両方を有することを特徴とするブレーカー。
  3. 請求項1又は2において、前記接合面は、前記厚さ方向において前記側壁より短いことを特徴とするブレーカー。
  4. 請求項1乃至3において、前記側壁の長さ方向がケースの長手方向と一致することを特徴とするブレーカー。
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