JP5937835B2 - ブレーカー及びそれを備えた安全回路並びに2次電池 - Google Patents

ブレーカー及びそれを備えた安全回路並びに2次電池 Download PDF

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Description

本発明は、電気機器の2次電池パック等に内蔵される小型のブレーカーに関するものである。
従来、各種電気機器の2次電池やモーター等の保護装置としてブレーカーが使用されている(図9及び図10参照)。ブレーカーは、充放電中の2次電池の温度が過度に上昇した場合、又は自動車、家電製品等の機器に装備されるモーター等に過電流が流れた場合等の異常が生じた際に、2次電池やモーター等を保護するために電流を遮断する。このような保護装置として用いられるブレーカーは、機器の安全を確保するために、温度変化に追従して正確に動作することと、通電時の抵抗値が安定していることが求められる。
また、ブレーカーが、ノート型パーソナルコンピュータ、タブレット型携帯情報端末機器又はスマートフォンと称される薄型の多機能携帯電話機等の電気機器に装備される2次電池等の保護装置として用いられる場合、上述した安全性の確保に加えて、小型化が要求される。特に、近年の携帯情報端末機器にあっては、ユーザーの小型化(薄型化)の志向が強く、各社から新規に発売される機器は、デザイン上の優位性を確保するために、小型に設計される傾向が顕著である。こうした背景の下、携帯情報端末機器を構成する一部品として、2次電池と共に実装されるブレーカーもまた、さらなる小型化が強く要求されている。
ブレーカーには、温度変化に応じて動作し、電流を導通又は遮断する熱応動素子が備えられている。特許文献1には、熱応動素子としてバイメタルを適用したブレーカーが示されている。バイメタルとは、熱膨張率の異なる2種類の板状の金属材料が積層されてなり、温度変化に応じて形状を変えることにより、接点の導通状態を制御する素子である。同文献に示されたブレーカーは、固定片(ベースターミナル)、可動片(可動アーム)、熱応動素子、PTCサーミスター等の部品が、ケースに収容されてなり、固定片及び可動片の端子が電気機器の電気回路に接続されて使用される。
WO2011−105175号公報
上記特許文献1に示されたブレーカーにおいては、可動片の端子がケースの外部に露出されて外部回路に接続される。ケース本体と蓋部材によって構成されるケースには、可動片の端子をケースの外部に露出させるための開口が設けられている。開口の形状は、可動片の第2弾性部に対して相似形に形成されているが、その構造上不可避的に、開口の内壁と可動片との間に隙間が生じ、ケースの密閉性が低下する。その結果、悪条件下でケースの内部に異物が混入すると、熱応動素子及び可動片に腐食が生じたり、動作不良に陥るなどの虞がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ケースの密閉性を高めて、熱応動素子、可動片の腐食や動作不良などの不具合を抑制できるブレーカーを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のブレーカーは、固定接点を有する固定片と、弾性変形する弾性部と該弾性部の先端部に可動接点とを有し、前記可動接点を前記固定接点に押圧して接触させる可動片と、温度変化に伴って変形することにより前記可動接点が前記固定接点から離反するように前記可動片を作動させる熱応動素子と、前記固定片、可動片及び熱応動素子を収容するケースとを備えたブレーカーにおいて、前記可動片は、前記ケースの外部に露出されて外部回路と電気的に接続される端子を有し、前記ケースは、前記熱応動素子を収容する収容部と、前記収容部の外側に設けられ、前記弾性部と前記端子との間において前記可動片と当接して該可動片を保持する当接部を有し、前記当接部には、前記可動片の側に突出する突出部が形成されているものである。
この発明において、前記可動片は、板状材料から形成され、前記ケースは、前記可動接点が形成されている前記可動片の裏面側に配設され、前記収容部が形成された第1ケースと、前記可動片の表面側に配設され、前記第1ケースに装着される第2ケースとを有し、前記第1ケース又は第2ケースのうちの少なくとも一方は、前記可動片の裏面又は表面に当接する第1突出部を有することが好ましい。
この発明において、前記第1ケース又は第2ケースのうちの他方は、前記可動片の側面に当接する第2突出部を有することが好ましい。
この発明において、前記第1突出部の稜線と前記第2突出部の稜線とは、少なくとも一部において同一平面上に配設されていることが好ましい。
この発明において、前記第1ケース又は第2ケースのうちの一方は、前記他方の第2突出部に当接する第3突出部を有することが好ましい。
この発明において、前記第3突出部は、前記第2突出部に対して、前記可動片の弾性部の側又は端子の側に配設されていることが好ましい。
この発明において、前記可動片は、前記第1突出部及び/又は前記第2突出部に対応する凹部を有することが好ましい。
また、本発明の電気機器用の安全回路は、前記ブレーカーを備えたことを特徴とする。
また、本発明の2次電池パックは、前記ブレーカーを備えたことを特徴とする。
本発明のブレーカーによれば、可動片と当接して可動片を保持する当接部に形成されている突出部によって、可動片とケースの当接部との間の微小な隙間を塞ぐことができ、これにより、ケースの密閉性を向上させて、熱応動素子、可動片の腐食や動作不良などの不具合を抑制することができる。
また、第1ケース又は第2ケースのうちの少なくとも一方が、可動片の裏面又は表面に当接する第1突出部を有する形態によれば、可動片の裏面又は表面と第1ケース又は第2ケースの当接部との間の隙間を塞ぐことができ、ケースの密閉性をより一層向上させることができる。
また、第1ケース又は第2ケースのうちの他方が可動片の側面に当接する第2突出部を有する形態によれば、可動片の側面と第1ケース又は第2ケースの当接部との間の隙間を塞ぐことができ、ケースの密閉性をより一層向上させることができる。
また、第1突出部の稜線と第2突出部の稜線とが、少なくとも一部において同一平面上に配設されている形態によれば、第1ケースに第2ケースが装着されることにより、可動片の周方向(短手方向及び厚み方向)に第1突出部と第2突出部が連続して配置されることになり、ケースの密閉性をより一層向上させることができる。
また、前記第1ケース又は第2ケースのうちの一方が、第1ケースの第2突出部に当接する第3突出部を有する形態によれば、第2突出部の近傍における第1ケースと第2ケースとの隙間を第3突出部によって塞ぐことができ、ケースの密閉性をより一層向上させることができる。
また、第3突出部が、第2突出部に対して、可動片の弾性部の側又は端子の側に配設されている形態によれば、異物の侵入する方向(可動片の長手方向)に第2突出部と第3突出部が連続して配置されるので、ケースの密閉性をより一層向上させることができる。
また、可動片が、第1突出部及び/又は前記第2突出部に対応する凹部を有する形態によれば、凹部に第1突出部及び/又は第2突出部が相補的形状で隙間なく嵌合されることにより、ケースの密閉性をより一層向上させることができる。
また、本発明のブレーカーを備えた安全回路又は2次電池パックによれば、ブレーカーのケースの密閉性を高めて、熱応動素子の腐食や可動片の動作不良などの不具合を抑制することが可能となる。
本発明の一実施形態によるブレーカーの構成を示す組み立て斜視図。 通常の充電又は放電状態におけるブレーカーの動作を示す断面図。 過充電状態又は異常時などにおけるブレーカーの動作を示す断面図。 (a)は熱応動素子及び可動片等の部品が組み込まれた樹脂ベースを示す斜視図、(b)は樹脂ベースに装着されるカバー部材を裏返して示す斜視図。 樹脂ベースに可動片が組み込まれ、カバー部材が装着される様子を時系列で示す断面図。 樹脂ベースに可動片が組み込まれ、カバー部材が装着されて、接合される様子を時系列で、第1リブ、第2リブ、第3リブを含む断面で示す半断面図。 (a)は第2リブ等の変形例を示す樹脂ベースの斜視図、(b)は第1リブ及び第3リブ等の変形例を示すカバー部材の斜視図。 (a)は第2リブ等の別の変形例を示す樹脂ベースの斜視図、(b)は第1リブ及び第3リブ等の別の変形例を示すカバー部材の斜視図。 本発明のブレーカーを備えた2次電池パックの構成を示す平面図。 本発明のブレーカーを備えた安全回路の回路図。
本発明の一実施形態によるブレーカーについて図面を参照して説明する。図1乃至図3はブレーカーの構成を示す。ブレーカー1は、固定接点21を有する固定片2と、先端部に可動接点3を有する可動片4と、温度変化に伴って変形する熱応動素子5と、PTC(Positive Temperature Coefficient)サーミスター6と、固定片2、可動片4、熱応動素子5及びPTCサーミスター6を収容するケース7等によって構成されている。ケース7は、樹脂ベース(第1ケース)71と樹脂ベース71の上面に装着されるカバー部材(第2ケース)72等によって構成されている。
固定片2は、リン青銅を主成分とする金属板(この他、銅−チタン合金、洋白、黄銅などの金属板)をプレス加工することにより形成され、樹脂ベース71にインサート成形により埋め込まれている。固定片2の一端には外部と電気的に接続される端子22が形成され、他端部の近傍にはPTCサーミスター6が載置されている。PTCサーミスター6は、固定片2の他端部の近傍に3箇所形成された凸状のダボ(小突起)の上に載置される。固定接点21は、銀、ニッケル、ニッケル−銀合金の他、銅−銀合金、金−銀合金などの導電性の良い材料のクラッド、メッキ又は塗布等により可動接点3に対向する位置に形成され、樹脂ベース71の上方に形成されている開口73bから露出されている。端子22は樹脂ベース71の一端から外側に露出されている。
可動片4は、板状の金属材料をプレス加工することにより、長手方向の中心線に対して対称なアーム状に形成されている。可動片4の材料としては、固定片2と同等のリン青銅を主成分とするものが好ましい。この他、銅−チタン合金、洋白、黄銅などの導電性弾性材料を用いてもよい。可動片4の長手方向の一端には外部回路と電気的に接続される端子41が形成されて樹脂ベース71から外側に露出される。可動片4の他端(アーム状の可動片4の先端に相当)には可動接点3が形成されている。可動接点3は、固定接点21と同等の材料によって形成され、溶接等の手法によって可動片4の先端部に接合されている。なお、本出願においては、可動片4において、可動接点3が接合されている面(すなわち図1において下側の面)を裏(うら)面、その反対側の面を表(おもて)面として説明している。可動片4は、可動接点3と端子41の間に、固定部42(アーム状の可動片4の基端に相当)、弾性部43を有している。固定部42において樹脂ベース71とカバー部材72によって裏表両面側から挟み込まれて可動片4が固定され、弾性部43が弾性変形することにより、その先端に形成されている可動接点3が固定接点21の側に押圧されて接触し、固定片2と可動片4とが通電可能となる。樹脂ベース71とカバー部材72には、可動片4の固定部42と当接し、固定部42を固定状態で保持する当接部74と当接部79(図4(b)参照)がそれぞれ形成されている。本実施形態では、樹脂ベース71の収容部73の外縁から樹脂ベース71の外壁に亘る領域に当接部74が形成されている。また、カバー部材72において、段部77を含み、可動片4を挟んで当接部74と対向する領域に当接部79が形成されている。
可動片4は、弾性部43において、プレス加工により湾曲又は屈曲されている。湾曲又は屈曲の度合いは、熱応動素子5を収容できる限り特に限定はなく、動作温度及び復帰温度における弾性力、接点の押圧力などを考慮して適宜設定すればよい。また、弾性部43の下面には、熱応動素子5に対向して一対の小突起44が形成されている。小突起44と熱応動素子5とは接触して、小突起44を介して熱応動素子5の変形が弾性部43に伝達される(図2及び図3参照)。
また、可動片4には、可動片4の厚み方向に貫通し、樹脂ベース71の突起74aが挿通される貫通穴45と、クランク状に形成された段曲げ部46と、段曲げ部46に形成された斜面47と、樹脂ベース71の位置決め部75と係合される一対の係合部48と、可動片4の長手方向に対して垂直な短手方向に可動片4の一部が切除されたくびれ部49が形成されている。貫通穴45、段曲げ部46、斜面47、係合部48及びくびれ部49は、弾性部43を挟んで可動接点3とは反対側、すなわち弾性部43に対して端子41の側に設けられている。貫通穴45は、可動片4の長手方向の中心線上に設けられている。斜面47は、可動片4の方向に沿って連続して形成されている。係合部48は、可動片4の短手方向に沿って2箇所に設けられている。
貫通穴45は、可動片4の固定部42に形成されている。固定部42は、弾性部43に対して可動片4の短手方向に幅広に形成されている。これにより、固定部42における可動片4の長手方向に垂直な断面積が、弾性部43における該断面積に対して大きい箇所となる。また、貫通穴45は、平面視で(可動片4の厚み方向に視て)可動片4の短手方向に長い長円形状に形成されている。
係合部48は、くびれ部49の端子41側の端縁にて形成される。くびれ部49は、固定部42を挟んで弾性部43とは反対側で、固定部42と端子41の間に配設されている。くびれ部49の幅寸法(可動片4の短手方向の長さ寸法、以下同様)は、弾性部43の幅寸法に対して同等以下に設定されているのが望ましいが、少なくとも固定部42及び端子41の幅寸法よりも小さく設定されていればよい。本実施形態におけるくびれ部49は、上記特許文献1における第2弾性部としての機能を有しており、端子41に加えられた外力や衝撃を吸収し、可動接点3の位置を適正に維持する。
熱応動素子5は円弧状に湾曲した初期形状をなし、バイメタル、トリメタルなどの複合材料からなる。過熱により動作温度に達すると湾曲形状はスナップモーションを伴って逆反りし、冷却により復帰温度を下回ると復元する。熱応動素子5の初期形状は、プレス加工により形成することができる。所期の温度で熱応動素子5の逆反り動作により可動片4の弾性部43が押し上げられ、かつ弾性部43の弾性力により元に戻る限り、熱応動素子5の材質及び形状は特に限定されるものでないが、生産性及び逆反り動作の効率性の観点から矩形が望ましく、小型でありながら弾性部43を効率的に押し上げるために正方形に近い長方形であるのが望ましい。なお、熱応動素子5の材料としては、例えば、高膨脹側に銅−ニッケル−マンガン合金又はニッケル−クロム−鉄合金、低膨脹側に鉄−ニッケル合金をはじめとする、洋白、黄銅、ステンレスなど各種の合金からなる熱膨張率の異なる2種類の材料を積層したものが、所要条件に応じて組み合わせて使用される。
熱応動素子5の逆反り動作により固定片2と可動片4との通電が遮断されたとき、PTCサーミスター6に流れる電流が増大する。PTCサーミスター6は、温度上昇と共に抵抗値が増大して電流を制限する正特性サーミスターであれば、動作電流、動作電圧、動作温度、復帰温度などの必要に応じて種類を選択でき、その形状はこれらの諸特性を損なわない限り特に限定されるものではない。
ケース7を構成する樹脂ベース71及びカバー部材72は、難燃性のポリアミド、耐熱性に優れたポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの樹脂により成形されている。樹脂ベース71には、熱応動素子5及びPTCサーミスター6などを収容するための収容部73及び可動片4を収容するための開口73a,73bなどが形成されている。なお、樹脂ベース71に組み込まれた熱応動素子5及びPTCサーミスター6の端縁は、収容部73の内部に形成されている枠によってそれぞれ当接され、熱応動素子5の逆反り時に案内される。
また、樹脂ベース71は、可動片4の貫通穴45に挿通される突起74aと、可動片4を位置決めするための一対の位置決め部75と、可動片4の端子41を外部に露出させるための窓76を有する。突起74aは、貫通穴45に対応し、平面視で長円形状に形成され、樹脂ベース71を補強する。突起74aの高さすなわち突出量は、可動片4の厚みより大きく設定され、カバー部材72の裏面には、突起74aの頂部が嵌合される凹部が必要に応じて設けられる。位置決め部75は、可動片4の長手方向に対して垂直な方向に沿って2箇所に設けられている。本実施形態では、窓76の存在によって、樹脂ベース71の側壁の一部が可動片4のくびれ部49に対応する形状に形成され、位置決め部75を構成する。すなわち、位置決め部75は、くびれ部49の近傍において切除された部分に介在し、樹脂ベース71を補強する。
カバー部材72は、その内壁面から可動片4の段曲げ部46に対応する形状に突出する段部77と、段部77に形成された斜面78(図5参照)とを有する。斜面78は、可動片4の斜面47に対応し、可動片4の長手方向に対して垂直な方向に沿って連続して形成されている。
カバー部材72には、カバー片8がインサート成形によって埋め込まれている。カバー片8は、上述したリン青銅を主成分とする金属板又はステンレス等の金属板をプレス加工することにより形成される。カバー片8は、図2及び図3に示すように、可動片4の上面と適宜当接し、可動片4の動きを規制すると共に、カバー部材72のひいては筐体としてのケース7の剛性・強度を高める。
図1に示すように、固定片2、可動片4、熱応動素子5及びPTCサーミスター6等を収容した樹脂ベース71の収容部73を塞ぐように、カバー部材72が、樹脂ベース71の上面に装着される。樹脂ベース71とカバー部材72とは、例えば超音波溶着によって接合される。
図2は、通常の充電又は放電状態におけるブレーカー1の動作を示している。通常の充電又は放電状態においては、熱応動素子5は初期形状を維持し(逆反り前であり)、固定接点21と可動接点3は接触し、可動片4の弾性部43などを通じてブレーカー1の両端子22、41間は導通している。可動片4の弾性部43と熱応動素子5とは接触しており、可動片4、熱応動素子5、PTCサーミスター6及び固定片2は、回路として導通している。しかし、PTCサーミスター6の抵抗は、可動片4の抵抗に比べて圧倒的に大きいため、PTCサーミスター6を流れる電流は、固定接点21及び可動接点3を流れる量に比して実質的に無視できる程度である。
図3は、過充電状態又は異常時などにおけるブレーカー1の動作を示している。過充電又は異常により高温状態となると、PTCサーミスター6が過熱され、動作温度に達した熱応動素子5は逆反りし、可動片4の弾性部43が押し上げられて固定接点21と可動接点3とが離反する。このとき、固定接点21と可動接点3の間を流れていた電流は遮断され、僅かな漏れ電流が熱応動素子5及びPTCサーミスター6を通して流れることとなる。PTCサーミスター6は、このような漏れ電流の流れる限り発熱を続け、熱応動素子5を逆反り状態に維持させつつ抵抗値を激増させるので、電流は固定接点21と可動接点3の間の経路を流れず、上述の僅かな漏れ電流のみが存在する(自己保持回路を構成する)。この漏れ電流は安全装置の他の機能に充てることができる。
過充電状態を解除し、又は異常状態を解消すると、PTCサーミスター6の発熱も収まり、熱応動素子5は復帰温度に戻り、元の初期形状に復元する。そして、可動片4の弾性部43の弾性力によって可動接点3と固定接点21とは再び接触し、回路は遮断状態を解かれ、図2に示す導通状態に復帰する。
図4(a)は、PTCサーミスター6、熱応動素子5及び可動片4が順次組み込まれた樹脂ベース71を、図4(b)は、樹脂ベース71に装着されるカバー部材72を裏返して示している。図4に示すように、樹脂ベース71、カバー部材72には、第1リブ(第1突出部)77a、第2リブ(第2突出部)75b、第3リブ(第3突出部)77cが形成されている。また、樹脂ベース71の当接部74の端子41側の端縁近傍74b、位置決め部75の中間側壁75a及びカバー部材72の段部77の底壁77bによって、窓76の窓枠が構成され、可動片4の固定部42と当接する。
第1リブ77aは、カバー部材72の当接部79を構成する段部77の底壁77bから可動片4の表面の側に突出して形成されている。第1リブ77aは、可動片4の短手方向に連続的な線状に隆起するように形成されている。第1リブ77aの突出量及び幅は、可動片4の短手方向に略一定に形成されている。第2リブ75bは、当接部74を構成する樹脂ベース71の位置決め部75の中間側壁(当接部)75aから可動片4のくびれ部49の側面の側に突出して形成されている。第2リブ75bは、カバー部材72の段部77の突き出し高さの半分以上の高さ領域に形成され、その突出量は、後述する図6において、可動片4の下降を妨げない程度に設定され、当接部74の可動片4の裏面と当接する面から上方に離れるに従い漸減される。また、第2リブ75bの幅は、当接部74の可動片4の裏面と当接する面から上方に離れるに従い漸減され、その輪郭の可動片4の短手方向に視た投影形状は、上方に凸の放物線状とされる。第3リブ77cは、カバー部材72の段部77の側壁77dから樹脂ベース71の中間側壁75aの側に突出して形成されている。第3リブ77cは、段部77の突き出し高さの半分程度又はそれ以上の高さ領域に形成され、その突出量は、第1リブ77aに近づくに従い漸減される。また、第3リブ77cの幅は、段部77の底壁77bに近づくに従い漸減され、その輪郭の可動片4の短手方向に視た投影形状は、下方に凸の放物線状とされる。これにより、第2リブ75bと第3リブ77cとが、ブレーカー1の厚み方向に相補的形状となって、中間側壁75aと段部77の側壁77dとの隙間を効果的に塞ぐ。
第2リブ75bと第3リブ77cは、樹脂ベース71への可動片4の組み込みを阻害することなく、中間側壁75aと側壁77dと隙間を相補う形状に形成されている(後述する図6参照)。また、図4中2点鎖線で示す第1リブ77aの稜線77e、第2リブ75bの稜線75f及び第3リブ77cの稜線77gは、それぞれ可動片4の長手方向に垂直な同一平面上に配設されている。従って、樹脂ベース71にカバー部材72が装着される際、互いに対向する第2リブ75bと第3リブ77cとは、平面視で重複する。
図5及び図6は、樹脂ベース71に可動片4が組み込まれ、カバー部材72が装着される様子を示す。図5(a)に示す状態は、図6(a)に示す状態に対応し、図5(b)に示す状態は、図6(b)に示す状態に対応している。なお、図6(c)に示す状態は、図2に示す状態に対応している。
可動片4は、樹脂ベース71の開口73a,73bに案内されて樹脂ベース71に組み込まれる。このとき、可動片4に形成されているくびれ部49の両側の係合部48に位置決め部75が係合されると共に、貫通穴45に樹脂ベース71の突起74aが挿通される。また、図4(a)に示すように、可動片4が樹脂ベース71に組み込まれ、カバー部材72が装着される前の初期状態では、可動片4のくびれ部49の側壁が、第2リブ75bと当接し、樹脂ベース71の当接部74に対して可動片4のくびれ部49の領域が浮いた状態で載置される(図6(b)参照)。これにより、可動片4が位置決め部75(第2リブ75b)及び突起74aによって案内されるので、樹脂ベース71に対する可動片4の仮の位置合わせがなされる。また、貫通穴45に突起74aが挿通されることに加え、一対の係合部48と一対の位置決め部75との係合により、樹脂ベース71に対する可動片4の回転が規制され、仮の位置決めが容易に行われる。
この仮の位置合わせの段階では、樹脂ベース71に対する可動片4の位置合わせが正確になされている必要はない。また、可動片4は、後の工程で最終的な位置合わせができるように、樹脂ベース71の上に載置された状態であり、固定されてはいない。なお、樹脂ベース71の開口73a,73b及び突起74aの位置、形状、寸法等は、仮の位置合わせがなされた位置から完全に位置決めされる定位置まで可動片4を案内し易くなるように、可動片4の対応する箇所と相似形に形成されている。
図4(a)、図5(a)、図6(a)に示すように可動片4が樹脂ベース71に組み込まれた後、樹脂ベース71にカバー部材72が装着される。カバー部材72は、樹脂ベース71の開口73aに段部77を挿入し、可動片4の段曲げ部46に段部77を押し当てることで可動片4を位置合わせしながら、樹脂ベース71に装着される。
図5(b)、図6(b)に示すように、樹脂ベース71にカバー部材72が装着されると、最初にカバー部材72の第1リブ77aが、可動片4とくびれ部49が形成されている領域において当接し、この当接した領域を樹脂ベース71の側に押圧する。このとき、第1リブ77aの稜線77eと第2リブ75bの稜線75fとが可動片4の長手方向に垂直な同一平面上に配設されているので、可動片4に曲げ応力がかからない。これにより、可動片4の変形を防止できる。そして、さらにカバー部材72が樹脂ベース71の方向(図中白抜き矢印方向)に押圧されると、可動片4の斜面47とカバー部材72の斜面78とが当接する。斜面47及び斜面78は、可動片4の長手方向に対して垂直な方向に沿って連続して形成されているので、なおもカバー部材72が樹脂ベース71の方向に押圧されると、可動片4の斜面47はカバー部材72の斜面78によって可動片4の長手方向に押される(付勢される)。その結果、斜面78,47によって力の方向が変換され、可動片4の全体が長手方向すなわち固定片2の存在する矢印A方向に押されて移動する。このとき、斜面47に対向して配設されている一対の係合部48と、斜面78に対向して配設されている一対の位置決め部75とが当接して係合する。これにより、図4等において突起74a等によって仮の位置合わせがなされていた可動片4は、樹脂ベース71に対して正確に位置決めされる。すなわち、樹脂ベース71に対して可動片4が組み込まれる際に生じている仮の位置合わせ時の誤差は軽減され、樹脂ベース71に対する可動片4の位置決め誤差を、実質的に樹脂ベース71の位置決め部75と可動片4の係合部48の製造時における寸法誤差程度に留めることができる。
また、既に述べたように、樹脂ベース71にカバー部材72が装着される際に、互いに対向する第2リブ75bと第3リブ77cとは、平面視で重複するように設けられているので、やがては当接し、樹脂ベース71の移動は一旦妨げられる。このとき、樹脂ベース71がカバー部材72の方向に押圧されながら、樹脂ベース71又はカバー部材72のいずれか一方又は両方に超音波振動が付与されると、図6(c)に示すように、第2リブ75bと第3リブ77cとの当接部位は摩擦熱により溶融し、樹脂ベース71の位置決め部75の中間側壁75aと可動片4のくびれ部49の側壁との隙間、及び中間側壁75aとカバー部材72の段部77の側壁77dとの隙間に流れ込み、これらの隙間が塞がれる。また、カバー部材72の第1リブ77aによって押圧された可動片4の裏面は、樹脂ベース71の当接部74と密着し、両者間の隙間が塞がれる。同時に、第1リブ77aは、可動片4の表面との間に生ずる摩擦熱により溶融し、段部77の底壁77bと可動片4の表面との隙間に流れ込み、この隙間が塞がれる。
これらの結果、可動片4のくびれ部49の中央領域において、樹脂ベース71の当接部74の端縁近傍74b、位置決め部75の中間側壁75a及びカバー部材72の段部77の底壁77bによって構成される窓76の窓枠と可動片4のくびれ部49の中央領域との隙間が一周に亘って連続的に塞がれることになる。その一方で、収容部73及び開口73a,73bの周辺において、樹脂ベース71とカバー部材72とが溶着されることにより、両者が隙間なく密着されるので、ケース7の外部雰囲気に対する収容部73を含むケース7の内部空間の密閉性は、極めて高く確保される。なお、第1リブ77a、第2リブ75b及び第3リブ77cの突出量は、窓76の窓枠と可動片4との隙間、すなわち当接部74,79及び中間側壁75aと可動片4のくびれ部49との隙間が一周に亘って連続的に塞がれるように、適宜設定されている。溶融した第1リブ77a、第2リブ75b及び第3リブ77cは、痕跡として残る。例えば、隆起していた各リブの樹脂が溶融して流れ込んだ部位と、その周辺の平坦部位との境界、又は各リブの樹脂が溶融して流れ込んだ部位同士の境界が、筋状の痕跡として残り、ルーペ、拡大鏡、顕微鏡等を用いることにより、それらの痕跡が確認され得る。なお、図6(c)においては、溶融した第1リブ77a、第2リブ75b及び第3リブ77cの痕跡が存在する位置を破線で示している。
また、可動片4の係合部48から可動接点3の接触箇所(図1及び図2参照)までの距離と、樹脂ベース71の位置決め部75から固定接点21の接触箇所(図1及び図2参照)までの距離とは、平面視で等しく設定さている。そのため、可動片4が正確に位置決めされると、可動接点3と固定接点21とが適正な接触箇所で接触する。これにより、通電時における両者間の接触抵抗が適正化される。
本実施形態においては、係合部48及び位置決め部75が可動片4の短手方向に沿って、それぞれ一対設けられる。さらに、一対の係合部48及び一対の位置決め部75は、可動片4の短手方向において斜面47、斜面78を挟んで外側の部分に位置しているので、可動片4の回転による樹脂ベース71とのずれを抑制できる。また、これにより、可動片4の先端部と樹脂ベース71の開口73bとのクリアランスを小さく設定しても、可動片4の先端部と樹脂ベース71との干渉を防止できるので、樹脂ベース71のさらなる小型化を図ることができる。
また、樹脂ベース71にカバー部材72が装着されて超音波溶着されるとき、樹脂ベース71の突起74aの先端がカバー部材72の内壁面と当接し接合される。これに伴い、可動片4が、貫通穴45の周辺すなわち固定部42において、樹脂ベース71及びカバー部材72によって上下方向から強固に接合される。これにより、可動片4が、樹脂ベース71に対して定位置(あるべき位置)で固定される。なお、カバー部材72が樹脂ベース71に溶着され、可動片4が固定された後も、斜面47と斜面78とは当接状態を維持し、可動片4は、矢印A方向に押され続ける。また、これに伴い、位置決め部75と係合部48とは係合状態を維持し、樹脂ベース71に対する可動片4の位置及び姿勢は、正常に維持され続ける。
また、第1リブ77a、第2リブ75b及び第3リブ77cによって、当接部74,79及び中間側壁75aと可動片4のくびれ部49とが一周に亘って連続的に隙間なく強固に接合されるので、ケース7の強度・剛性が高められると共に、ケース7に対する可動片4の接合強度が高められる。本実施形態にあっては、このような第1リブ77a、第2リブ75b及び第3リブ77cによる作用効果と相まって、突起74aの頂部及び位置決め部75の頂部が、カバー部材72の裏面(下面)に接合され補強部として機能する。これにより、固定部42の中央近傍において、突起74aとカバー部材72が直接的に接合されるので、ケース7の剛性を効率よく高めることができる。同様に、位置決め部75が、平面視でくびれ部49の近傍の切除された部分においてカバー部材72と直接的に接合されるので、くびれ部49の近傍においてケース7の剛性を効率よく高めることができる。
以上のように、本実施形態のブレーカー1によれば、可動片4と当接して可動片4を保持する当接部74,79に形成されている第1リブ77a、第2リブ75b及び第3リブ77cによって、可動片4とケース7の当接部74,79との間の微小な隙間を塞ぐことができ、これにより、ケース7の密閉性を向上させて、熱応動素子5の腐食や可動片4の動作不良などの不具合を抑制することができる。
特に、カバー部材72が、可動片4の表面と当接する第1リブ77aを有するので、可動片4の表面とカバー部材72の当接部79との間の隙間を塞ぐことができる。本実施形態においては、可動片4の短手方向にくびれ部49両端縁に亘って第1リブ77aが形成されているので、側面に比べて面積の大きいくびれ部49の表面及び裏面の隙間をより確実に塞ぐことができる。
また、樹脂ベース71が、位置決め部75の中間側壁75aに可動片4の側面と当接する第2リブ75bを有するので、可動片4の側面と樹脂ベース71の中間側壁75aとの間の隙間を塞ぐことができる。さらに、カバー部材72が、樹脂ベース71の第2リブ75bに当接する第3リブ77cを有するので、第2リブ75bの近傍における樹脂ベース71とカバー部材72との隙間を第3リブ77cによって塞ぐことができる。
また、樹脂ベース71にカバー部材72が装着されて超音波溶着されるとき、第1リブ77a、第2リブ75b及び第3リブ77cは、摩擦熱により溶融し、可動片4のくびれ部49、樹脂ベース71の中間側壁75a及びカバー部材72の側壁77dに合致する形状に変形する。これにより、ケース7の密閉性をより一層高めることができる。
また、第1リブ77aの稜線と第2リブ75bの稜線とが、少なくとも一部において同一平面上に配設されているので、樹脂ベース71にカバー部材72が装着されることにより、可動片4の周方向(短手方向及び厚み方向)に第1リブ77aと第2リブ75bが連続して配置されることになり、ケース7の密閉性をより一層向上させることができる。
(変形例)
図7及び図8は、第1リブ77a、第2リブ75b及び第3リブ77cの変形例を示す。両図において(a)及び(b)は、図4における(a)及び(b)に対応する。図4に示す第1リブ77a、第2リブ75b、第3リブ77cは、当接部74、当接部79のうち可動片4のくびれ部49と当接する領域に形成されているのに対して、図7に示す第1リブ77a、第2リブ75b及び第3リブ77cは、当接部74、当接部79のうち、より収容部73に接近して、可動片4のくびれ部49から固定部42に亘って当接する領域に設けられている。例えば、第2リブ75bは、位置決め部75の内側壁75dに設けられている。また、図8に示す第1リブ77a、第2リブ75b及び第3リブ77cは、それよりもさらに収容部73に接近して、可動片4の固定部42と当接する領域に設けられている。例えば、第2リブ75bは、当接部74の側壁74c(樹脂ベース71の内側壁)に設けられている。また、第1リブ77a、第2リブ75b及び第3リブ77cの稜線は、それぞれ可動片4の長手方向に垂直な同一平面上に配設されている。
このように、第1リブ77a、第2リブ75b及び第3リブ77cが形成される場所は、当接部74、当接部79のうちケース7の外壁から収容部73に至るまでの領域であればよい。かかる収容部73の手前の領域に第1リブ77a、第2リブ75b及び第3リブ77cを形成して可動片4の周方向に一周に亘って連続して隙間が生じないように密閉し、収容部73をケース7の外部から遮蔽することによって、熱応動素子5を腐食等から保護できるからである。
また、第1リブ77aに加えて又は第1リブ77aの替わりに、樹脂ベース71の当接部74の端縁近傍74bから突出し、可動片4のくびれ部49の裏面と当接する第4リブ(第1突出部)が形成されていてもよい。この場合、樹脂ベース71又はカバー部材72のいずれか一方又は両方に付与された超音波振動によって、第4リブが可動片4の裏面との間に生ずる摩擦熱により溶融し、樹脂ベース71の当接部74と可動片4の裏面との隙間が塞がれる。
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られることなく、少なくともケース7が、熱応動素子5を収容する収容部73と、収容部73の外側に設けられ、可動片4の弾性部43と端子41との間において可動片4と当接して可動片4を保持する当接部79等を有し、当接部79等には、可動片4の側に突出する突出部77a等が形成されていればよい。
また、本発明は、上記変形例の他、種々の変形が可能である。例えば、図4、図7及び図8においては、第2リブ75bと第3リブ77cの稜線が、可動片4の長手方向に垂直な同一平面上に配設されている形態が示されているが、第3リブ77cが、第2リブ75bに対して、可動片4の弾性部43の側又は端子41の側にずれて配設され、第2リブ75bと第3リブ77cとが可動片4の長手方向に相補的な形状に形成されている形態であってもよい。この形態であっても、第2リブ75bと第3リブ77cとは、平面視で一部において重複し、樹脂ベース71又はカバー部材72のいずれか一方又は両方に付与された超音波振動によって、第2リブ75bと第3リブ77cとの接触部位が摩擦熱により溶融し、樹脂ベース71とカバー部材72との隙間が塞がれる。このような、第3リブ77cが、第2リブ75bに対して、可動片4の弾性部43の側又は端子41の側に配設されている形態によれば、ケース7の窓76から異物の侵入する方向(可動片4の長手方向)に第2リブ75bと第3リブ77cが連続して配置されるので、異物の侵入が抑制され、ケース7の密閉性をより一層向上させることができる。
また、可動片4において、第1リブ77a及び/又は第2リブ75bと当接する部位に、第1リブ77a及び/又は第2リブ75bの突出形状に対応する凹部を設けてもよい。この形態によれば、凹部に第1リブ77a及び/又は第2リブ75bが嵌合されることにより、ケース7の密閉性と可動片4とケース7との接合強度をより一層向上させることができる。
また、図4、図7及び図8においては、可動片4は、貫通穴45、段曲げ部46、斜面47、係合部48及びくびれ部49(図1等参照)の構成を有する形態であるが、これらの構成うちのいずれか又は全てが廃されていてもよい。例えば、貫通穴45を廃する場合は、樹脂ベース71の突起74aも廃される。また、段曲げ部46、斜面47が廃される場合は、可動片4は平面状に形成され、樹脂ベース71の当接部74及びカバー部材72の当接部79が平坦な形状となる。この構成においては、段曲げ部46及び斜面47を廃することにより、可動片4及び樹脂ベース71の長手方向の寸法を小さくして、ブレーカー1のさらなる小型化を図ることができる。なお、可動片4の段曲げ部46及び斜面47は、必要に応じて樹脂ベース71の外部に設けられていてもよい。また、係合部48及びくびれ部49が廃される場合は、可動片4は、固定部42から端子41に亘って等幅に形成され、これに伴い樹脂ベース71の位置決め部75の形状も変更される。
また、樹脂ベース71とカバー部材72との接合手法は、超音波溶着に限られることなく、両者が隙間なく強固に接合される手法であれば、適宜適用することができる。また、ケース7は、樹脂ベース71とカバー部材72等によって構成される形態に限られることなく、2個以上の部品によって可動片4が挟まれて保持される形態であればよい。この場合、一方が第1ケース、他方が第2ケースとなる。
また、可動片4と樹脂ベース71とカバー部材72との接合部位において、可動片4及び/又は樹脂ベース71、カバー部材72の表面を梨地加工やヘアライン加工等により粗面化処理してもよい。この場合にあっては、両者間で初期に発生する摩擦熱が大きくなり、第1リブ77a、第2リブ75b、第3リブ77cの溶融が促進され、ケース7の密閉性をより一層向上させることができる。
また、第1リブ77a、第2リブ75b、第3リブ77cの形状は、図4、図7及び図8に示したものに限られない。可動片4、樹脂ベース71、カバー部材72の間に生ずる隙間を塞ぐように、連続的又は断続的に突出する形状であれば、特に限定されない。
また、本実施形態では、PTCサーミスター6による自己保持回路を有しているが、このような構成を省いた形態であっても適用可能であり、導通抵抗を抑制しつつ、ブレーカー1の小型化を図ることができる。また、可動片4をバイメタル又はトリメタル等によって形成することにより、可動片4と熱応動素子5を一体的に形成する構成であってもよい。この場合、ブレーカーの構成が簡素化されて、さらなる小型化を図ることができる。
また、特開2005−203277号公報に示されるような、固定部42又はその近傍において、端子41の側と可動接点3の側に構造的に分離されている形態に、本発明を適用してもよい。
1 ブレーカー
2 固定片
3 可動接点
4 可動片
5 熱応動素子
7 ケース
21 固定接点
41 端子
43 弾性部
45 貫通穴
49 くびれ部
71 樹脂ベース
72 カバー部材
73 収容部
74 当接部
74a 突起
75b 第2リブ(第2突出部)
77a 第1リブ(第1突出部)
77c 第3リブ(第3突出部)
79 当接部

Claims (6)

  1. 固定接点を有する固定片と、
    弾性変形する弾性部と該弾性部の先端部に可動接点とを有し、前記可動接点を前記固定接点に押圧して接触させる可動片と、
    温度変化に伴って変形することにより前記可動接点が前記固定接点から離反するように前記可動片を作動させる熱応動素子と、
    前記固定片、可動片及び熱応動素子を収容するケースとを備えたブレーカーにおいて、
    前記可動片は、板状材料から形成され、前記ケースの外部に露出されて外部回路と電気的に接続される端子を有し、
    前記ケースは、
    前記熱応動素子を収容する収容部と、前記収容部の外側に設けられ、前記弾性部と前記端子との間において前記可動片と当接して該可動片を保持する当接部を有し、前記当接部には、前記可動片の側に突出する突出部が形成され
    前記可動接点が形成されている前記可動片の裏面側に配設され、前記収容部が形成された第1ケースと、前記可動片の表面側に配設され、前記第1ケースに装着される第2ケースとを有し、
    前記第1ケース又は第2ケースのうちの少なくとも一方は、前記可動片の裏面又は表面に当接する第1突出部を有し、
    前記第1ケース又は第2ケースのうちの他方は、前記可動片の側面に当接する第2突出部を有し、
    前記第1突出部の稜線と前記第2突出部の稜線とは、少なくとも一部において同一平面上に配設されていることを特徴とするブレーカー。
  2. 前記第1ケース又は第2ケースのうちの一方は、前記他方の第2突出部に当接する第3突出部を有することを特徴とする請求項1に記載のブレーカー。
  3. 前記第3突出部は、前記第2突出部に対して、前記可動片の弾性部の側又は端子の側に配設されていることを特徴とする請求項2に記載のブレーカー。
  4. 前記可動片は、前記第1突出部及び/又は前記第2突出部に対応する凹部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のブレーカー。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のブレーカーを備えたことを特徴とする電気機器用の安全回路。
  6. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のブレーカーを備えたことを特徴とする2次電池パック。
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