JP2016054123A - ブレーカー並びにそれを備えた安全回路及び2次電池パック - Google Patents

ブレーカー並びにそれを備えた安全回路及び2次電池パック Download PDF

Info

Publication number
JP2016054123A
JP2016054123A JP2014180590A JP2014180590A JP2016054123A JP 2016054123 A JP2016054123 A JP 2016054123A JP 2014180590 A JP2014180590 A JP 2014180590A JP 2014180590 A JP2014180590 A JP 2014180590A JP 2016054123 A JP2016054123 A JP 2016054123A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
contact
case
breaker
piece
fixed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014180590A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6335073B2 (ja
Inventor
岡田 浩司
Koji Okada
浩司 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Komatsulite Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Komatsulite Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Komatsulite Manufacturing Co Ltd filed Critical Komatsulite Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2014180590A priority Critical patent/JP6335073B2/ja
Publication of JP2016054123A publication Critical patent/JP2016054123A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6335073B2 publication Critical patent/JP6335073B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Thermally Actuated Switches (AREA)

Abstract

【課題】2次電池等の保護装置として使用されるブレーカーにおいて、固定片の接点部近傍位置でのウェルドラインの発生を抑制する。【解決手段】ブレーカー1は、固定接点21を有する固定片2と、可動接点41を有する可動片4と、熱変形により可動接点41を固定接点21から離反させる熱応動素子5と、可動片4及び熱応動素子5を収容する開口73を有しかつ固定片2を埋設した第1ケース本体71と、開口73を塞ぐ第2ケースとを備える。開口73は、浅底部73Aに段差部73Bを介して連る深底部73Cを含む。固定片2は、浅底部73Aの底面で露出する接点部2Aと、段差部73Bよりも手前の位置で折れ曲がる傾斜曲げ部2Bを介して深底部73Cの底面下を通るベース部2Cとを含む。段差部73Bは傾斜曲げ部2Bと同方向に傾く傾斜面76からなる。【選択図】図6

Description

本発明は、電気機器の2次電池パック等に内蔵される小型のブレーカーに関するものである。
例えば携帯電話、ノートパソコンなどに搭載される小型のニッケル水素電池、リチウムイオン電池などの2次電池パックには、過充電や短絡などの異常が発生した場合、速やかに電流を遮断し過熱による危険を回避するためのブレーカーが用いられる。
このようなブレーカーとして、下記の特許文献1に記載のものが知られている。前記ブレーカーは、固定接点を有する固定片と、先端部に形成された可動接点をバネ作用によって前記固定接点に接触させる可動片と、温度変化に伴う反転により前記可動接点を前記固定接点から離反させるバイメタルなどの熱応動素子とを含んで構成される。
このうち固定片aは、図10(A)、(B)に示すように、インサート成形により樹脂製の第1ケースb内に埋設されている。しかしながら前記第1ケースbでは、インサート成形時、固定片aの接点部a1の近傍位置PにてウェルドラインWが形成されやすく、捻れなどに対する強度低下を招く傾向がある。
詳しくは、前記固定片aは、固定接点を有する接点部a1と、この接点部a1に段曲げ部a2を介して連なるベース部a3とを具える。また前記第1ケースbには、浅底部c1と、この浅底部c1に段差部c2を介して連なる深底部c3とを有する開口cが設けられている。そして前記浅底部c1には、前記接点部a1を露出させる露出部分c1a、及びこの露出部分c1aと深底部c3との間を隔たらせる仕切り壁部c1bが形成される。
このような第1ケースbでは、インサート成形時、矢印F1で示すように、深底部c3の周囲を回り込んで流れる樹脂が、前記仕切り壁部c1bの両端側から入り込む。しかしそのとき、樹脂が仕切り壁部c1bの中央側で行き止まり、停滞して冷えかけた状態で合流することで、ウェルドラインWが形成されることになる。特に、第1ケースbでは、表面側に前記開口cが配されるため、樹脂注入用のゲートは第1ケースbの裏面側に設けられる。そのため、ゲートから仕切り壁部c1bに至る樹脂流れの経路が長く樹脂の温度が低下し易くなるため、前記ウェルドラインWがより顕著に発生する。
なお仕切り壁部c1bは、インサート成形時、コア金型に形成される深底部形成用凸部が、前記固定片aの段曲げ部a2と衝合するのを避けるために必要である。
このような状況に鑑み本発明者が研究した結果、同図に矢印F2で示すように、もし深底部c3側と仕切り壁部c1b側との間で樹脂を流れやすくした場合には、仕切り壁部c1bの中央での樹脂の停滞がなくなり、ウェルドラインWの発生を抑制しうることを究明し得た。
しかし従来においては、前記段差部c2は、接点部a1とは直角な壁面で形成されている。これに対して段曲げ部a2は、曲げ加工による強度低下を防ぐため、接点部a1及びベース部a3とは鈍角に曲げられている。そのため、段差部c2と段曲げ部a2との間に、間隔が局部的に減じるくびれ部分が形成されてしまい、深底部c3側と仕切り壁部c1b側との間の樹脂の流れが妨げられている。
特開2011−198645号公報
そこで本発明は、開口の段差部を、固定片の段曲げ部と同方向に傾く傾斜面とすることを基本として、深底部側と仕切り壁部側との間の樹脂流れを円滑化し、仕切り壁部でのウェルドラインの発生を抑えて耐久性を向上させうるブレーカー並びにそれを備えた安全回路及び2次電池パックを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、固定接点を有する固定片と、先端部に可動接点を有し、前記可動接点を前記固定接点に押圧して接触させる可動片と、温度変化に伴って変形することにより前記可動接点が前記固定接点から離反するように前記可動片を作動させる熱応動素子と、前記固定片を埋設するとともに、前記可動片及び熱応動素子を収容するための開口を有する第1ケースと、前記開口を閉鎖するために前記第1ケースに固着される第2ケースとを備えたブレーカーにおいて、
前記開口は、浅底部と、この浅底部に段差部を介して連なりかつ前記熱応動素子を収容する深底部とを含み、前記固定片は、前記固定接点を有し前記浅底部の底面で表面が露出する接点部と、前記段差部よりも手前の位置で前記接点部から裏面側に傾斜して折れ曲がることにより前記第1ケース内に埋入する傾斜曲げ部と、この傾斜曲げ部から折れ曲がり前記深底部の底面下を通って長さ方向にのびるベース部とを含むとともに、前記段差部は、前記傾斜曲げ部と同方向に傾く傾斜面であることを特徴とする。
このブレーカーにおいて、前記傾斜面は、前記浅底部の底面の法線に対する角度θ1が30°以上であることが好ましい。
このブレーカーにおいて、前記傾斜面は、前記浅底部の底面の法線に対する角度θ1が、前記傾斜曲げ部の前記法線に対する角度θ2以上であることが好ましい。
このブレーカーにおいて、前記開口は、前記深底部の底面に、サーミスタを収容するサーミスタ収容凹部を具えるとともに、このサーミスタ収容凹部の底面で前記ベース部の表面が露出することが好ましい。
このブレーカーにおいて、前記第1ケースは、その裏面かつ前記ベース部よりも長さ方向外側の位置にゲート跡を有することが好ましい。
また、本発明の電気機器用の安全回路は、前記ブレーカーを備えたことを特徴とする。
また、本発明の2次電池パックは、前記ブレーカーを備えたことを特徴とする。
本出願においては、第1ケースを下側、第2ケースを上側に配置したとき、上側を向く面を表(おもて)面、下側を向く面を裏(うら)面と定義するとともに、上側を表側、下側を裏側と定義する。
本発明のブレーカーによれば、固定片を埋設した第1ケースは、浅底部と、この浅底部に段差部を介して連なる深底部とを含む開口が形成されている。従って、前記開口に可動片及び熱応動素子を収容したブレーカーを、従来の製造ラインを用いて容易に形成することができる。
また前記固定片は、浅底部の底面で露出する接点部と、この段差部に傾斜曲げ部を介して連なるベース部とを有する。前記傾斜曲げ部は、段差部よりも手前の位置で接点部から裏面側に折れ曲がる。これにより浅底部には、接点部が露出する露出部分、及び露出部分と深底部との間を隔たらせる仕切り壁部が形成される。そのため、インサート成形時、コア金型の深底部形成用凸部と、傾斜曲げ部とが衝合して固定片が位置ずれするのを防止することができる。
しかも第1ケースでは、前記段差部を、前記傾斜曲げ部と同方向に傾く傾斜面としている。そのため、段差部と傾斜曲げ部と間に、間隔が局部的に減じるくびれ部分が形成されなくなり、深底部側と仕切り壁部側との間の樹脂の流れを円滑化しうる。その結果、仕切り壁部でのウェルドラインの発生を抑制することができる。具体的には、例えば、仕切り壁部の両端側から樹脂が入り込む場合、樹脂の流れを促進、迅速化させ、固化が始まる前に樹脂を合流させうる。或いは、深底部側からの樹脂が仕切り壁部側に先に流れ込み、仕切り壁部の各端側から入り込む樹脂と、固化が始まる前に合流させうる。或いは、深底部側からの樹脂により仕切り壁部を先に充填させてしまい、仕切り壁部の両端側からの樹脂の入り込みを抑制することなどにより、ウェルドラインの発生を抑制することができる。なお段差部自体の位置を変更して、段差部と傾斜曲げ部との間隔を広げた場合、ブレーカーの長さの増大を招き、小型化が強く要求されるブレーカーにとって製品価値に悪影響を与える。
本発明の一実施形態によるブレーカーの概略構成を示す組み立て斜視図。 第1ケースに第2ケースを組み込む状態を示す斜視図。 通常の充電又は放電状態におけるブレーカーを示す断面図。 過充電状態又は異常時などにおけるブレーカーを示す断面図。 固定片を埋設した第1ケースを示す斜視図。 段差部と傾斜曲げ部との関係を示す拡大断面図。 段差部の他の実施例を示す拡大断面図。 (A)、(B)は、ゲート跡の一例を示す底面図。 (A)はブレーカーを具えた2次電池パックの構成を示す平面図、(B)はブレーカーを具えた安全回路の回路図。 (A)は従来の第1ケースを示す斜視図、(B)はその主要部を示す拡大断面図。
本発明の一実施形態によるブレーカーについて図面を参照して説明する。図1〜3はブレーカー1の構成を示す。ブレーカー1は、固定接点21を有する固定片2と、先端部に可動接点3を有する可動片4と、温度変化に伴って変形する熱応動素子5と、ケース7とを含んで構成される。本例では、ブレーカー1が、PTC(Positive Temperature Coefficient)サーミスタ6をさらに有する場合が示される。
ケース7は、第1ケース71と、第2ケース72とからなり、第1ケース71の表(おもて)面には、可動片4、熱応動素子5及びPTCサーミスタ6を収納する開口73が形成される。また第2ケース71は、第1ケース71に固着され、前記開口73を閉鎖する。
第1ケース71は、少なくとも開口73が形成される部分において、樹脂によって形成される。樹脂としては、例えば難燃性のポリアミド、耐熱性に優れたポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などが好適に採用される。また第2ケース72としても、第1ケース71と同じ樹脂が好適に採用されるが、上述した樹脂と同等以上の特性が得られるのであれば、樹脂以外の材料を適用することができる。
図5に示すように、第1ケース71の前記開口73は、固定片2の接点部2Aを露出させた浅底部73Aと、この浅底部73Aに段差部73Bを介して連なりかつ熱応動素子5を収容する深底部73Cとを含む。本例の開口73は、前記深底部73Cの底面Scに、PTCサーミスタ6を収容するサーミスタ収容凹部73Dをさらに具える。サーミスタ収容凹部73Dの周囲には、熱応動素子5の裏(うら)面を受ける環状のリブ74が、深底部73Cの底面Scから小高さで突出している。このリブ74は、が深底部73Cの底面Scから小高さで突出している。このリブ74の内周には、PTCサーミスタ6をサーミスタ収容凹部73D内に投入するときのガイドとなるテーパ面が形成される。
また第1ケース71には、前記固定片2がインサート成形によって埋め込まれている。この固定片2は、銅等を主成分とする金属板(この他、銅−チタン合金、洋白、黄銅などの金属板)をプレス加工することにより形成される。
図6に示すように、固定片2は、固定接点21を有する接点部2Aと、この接点部2Aから裏面側に傾斜して折れ曲がる傾斜曲げ部2Bと、この傾斜曲げ部2Bから折れ曲がり前記深底部73Cの底面下を通って長さ方向他方側にのびるベース部2Cとを含む。接点部2Aの長さ方向一方側には、前記第1ケース71の一方側端から外側に突出し、外部回路と電気的に接続される端子22が形成される。
前記接点部2Aは、浅底部73Aの底面Saで露出し、この露出部分が固定接点21として形成される。固定接点21は、前記接点部2Aの表面を、銀、ニッケル、ニッケル−銀合金の他、銅−銀合金、金−銀合金などの導電性の良い材料のクラッド、メッキ又は塗布等によりコーティングすることにより形成される。空間効率の観点から、前記固定接点21である接点部2Aの表面は、浅底部73Aの底面Saと面一をなすのが好ましい。
前記傾斜曲げ部2Bは、段差部73Bよりも手前の位置、換言すれば、段差部73Bよりも長さ方向一方側の位置にて、接点部2Aから裏面側に折れ曲がり、第1ケース71内に埋入する。従って、浅底部73Aには、接点部2Aの露出部分と深底部73Cとの間を隔たらせる仕切り壁部75が形成される。傾斜曲げ部2Bは、接点部2A及びベース部2Cとは鈍角で折れ曲がり、これにより曲げ加工による強度低下が抑制される。なお浅底部73Aの底面Saの法線に対する傾斜曲げ部2Bの角度θ2は、特に規制されないが、従来と同様、樹脂の成形性などの観点から15〜30°程度が好適である。
本例のベース部2Cは、その一部が、前記サーミスタ収容凹部73Dの底面Sdで露出し、これにより露出部分がPTCサーミスタ6を載置する載置部23を形成する。なお載置部23には、PTCサーミスタ6を3点支持する小高さの凸状突起(図5に示す)23aが配されている。本例では載置部23の裏面が露出しているが、樹脂で覆われていてもよい。
そして本発明では、前記開口73の段差部73Bは、前記固定片2の傾斜曲げ部2Bと同方向に傾く傾斜面76で形成される。これにより、段差部73Bと傾斜曲げ部2Bとの間に、間隔を十分に確保することが可能になり、インサート成形時、深底部73C側と仕切り壁部75側との間の樹脂の流れF2を円滑化することができる。その結果、例えば、仕切り壁部75の両端側から樹脂が入り込む場合、樹脂の流れを促進、迅速化させ、固化が始まる前に樹脂を合流させうる。或いは、深底部73側からの樹脂が仕切り壁部75側に先に流れ込み、仕切り壁部75の各端側から入り込む樹脂と、固化が始まる前に合流させうる。或いは、深底部73C側からの樹脂により仕切り壁部75を先に充填させてしまい、仕切り壁部75の両端側からの樹脂の入り込みを抑制することなどにより、ウェルドラインの発生を抑制することができる。
特に、深底部73C側と仕切り壁部75側との間の樹脂の流れF2を円滑化するためには、傾斜面76(段差部73B)の、浅底部73Aの底面Saの法線に対する角度θ1を、30°以上とすることが好ましい。また同目的で、前記角度θ1を、傾斜曲げ部2Bの前記角度θ2以上とすることも好ましい。さらに好ましくは、前記角度θ1は、30°以上かつ角度θ2以上である。しかし角度θ1が過大で仕切り壁部75が薄くなると、成形性が悪化する上、微細な樹脂の破片が生じやすくなり好ましくない。前記破片は、可動接点41と固定接点21との間に入り込んで抵抗不良、導通不良の発生原因となりうる。このような観点から、角度θ1の上限は、70°以下、さらには60°以下が好ましい。
図7に示すように、深底部73C側と仕切り壁部75側との間の樹脂の流れを円滑化するためには、深底部73Cの底面Scを、傾斜面76(段差部73B)の下端に向かって下向きに傾斜させるのも好ましい。この場合、熱応動素子5の湾曲の概形に沿って底面Scを形成して深底部73Cの樹脂厚が大きくなるので、ケース7全体の剛性、強度が高められるという利点も生まれる。
図8(A)に示すように、第1ケース71の裏面71Sかつ前記ベース部2Cよりも長さ方向外側の位置に、ゲート跡80が設けられる。ゲート跡80は、ゲート内で硬化した樹脂の切断痕であり、本例では、裏面71Sに凹部81を設け、この凹部81の底面にゲート跡80を設けている。これにより、ゲート跡80が裏面71Sから突出するのを防止しうる。なお図8(B)に示すように、ベース部2Cに、ベース部2Cを凹部81から離間させるための切欠き部82を形成することもできる。かかる場合には、凹部81及びゲートの形成位置の自由度を高めることができる。このような位置にゲートを設けた場合、ゲートから深底部73Cをへて仕切り壁部75に至る樹脂の流れF2がより円滑化されるため、ウェルドラインの抑制効果をより高めることが可能となる。
図1、2に示すように、可動片4は、板状の金属材料をプレス加工することにより、例えば巾中心線に対して対称なアーム状に形成される。可動片4の材料としては、固定片2と同等の銅等を主成分とするものが好ましい。この他、銅−チタン合金、洋白、黄銅などの導電性弾性材料を用いてもよい。
可動片4の長さ方向他方側端には、ケース7の他方側端から外側に突出し、外部回路と電気的に接続される端子41が形成される。また可動片4の長さ方向一方側端かつ裏面には、可動接点3が形成される。可動接点3は、固定接点21と同等の材料によって形成され、溶接の他、クラッド、かしめ(crimping)等の手法によって可動片4の先端部に接合される。可動片4は、可動接点3と端子41の間に、挟持部42と弾性部43とを有する。挟持部42は、第1、第2ケース71、72間に挟まれて、ケース7に固定される。本例の挟持部42は、巾方向両側に張り出す翼状部42aを有し、これにより巾広となり、固定がより強固かつ安定して行われる。
弾性部43は、挟持部42と可動接点3との間に配され、その弾性変形により、可動接点3を固定接点21に押圧させて互いに通電させる。なお弾性部43の裏面には、熱応動素子5と接触する一対の突起43aが設けられ、これにより熱応動素子5の変形が弾性部43に伝達される。なお第1ケース71の表面には、前記挟持部42が填り込んで位置決めされる勘合凹部78が形成される。また勘合凹部78には、挟持部42に設ける位置決め孔42bに勘合することにより位置決め精度を高める位置決めピン78aが突出する。
熱応動素子5は、バイメタル、トリメタルなどの複合材料からなり、凸円弧状に湾曲した初期形状を有する。過熱により動作温度に達すると、前記湾曲形状はスナップモーションを伴って逆反りし、冷却により復帰温度を下回ると復元する。熱応動素子5の初期形状は、プレス加工により形成することができる。熱応動素子5の材質及び形状は特に限定されるものでないが、生産性及び逆反り動作の効率性の観点から矩形が望ましく、小型でありながら弾性部43を効率的に押し上げるために正方形に近い長方形であるのが望ましい。なお、熱応動素子5の材料としては、例えば、高膨脹側に銅−ニッケル−マンガン合金又はニッケル−クロム−鉄合金、低膨脹側に鉄−ニッケル合金をはじめとする、洋白、黄銅、ステンレス鋼など各種の合金からなる熱膨張率の異なる2種類の材料を積層したものが、所要条件に応じて組み合わせて使用される。
熱応動素子5の逆反り動作により固定片2と可動片4との通電が遮断されたとき、PTCサーミスタ6に流れる電流が増大する。PTCサーミスタ6は、温度上昇と共に抵抗値が増大して電流を制限する正特性サーミスタであれば、動作電流、動作電圧、動作温度、復帰温度などの要求に応じて種類を選択でき、その材料及び形状はこれらの諸特性を損なわない限り特に限定されるものではない。本実施形態では、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム又はチタン酸カルシウムを含むセラミック焼結体が用いられる。セラミック焼結体の他、ポリマーにカーボン等の導電性粒子を含有させたいわゆるポリマーPTCを用いてもよい。
第2ケース72は、前記開口73を塞ぐために前記第1ケース71の表(おもて)面に、例えば超音波溶着の適宜の接着手段によって固着される。本例の第2ケース72には、補強片(図示しない)がインサート成形によって埋め込まれている。補強片は、上述した銅を主成分とする金属板、ステンレス等の金属板などをプレス加工することにより形成される。補強片は、可動片4の上面と適宜当接し、可動片4の動きを規制すると共に、ケース7全体の剛性、強度を高める。なお第2ケース72としては、開口73を塞ぐものであればよく、例えば、第2ケース72に、可動片4の挟持部42に相当する部分をインサート成形などにより埋め込み、これにより第2ケース72に可動片4を取り付けることもできる。また可動片4を、挟持部42に相当する部分で端子41側の第1部と弾性部43側の第2部とに分割し、第1部を第2ケース72にインサート成形などにより埋設し、ブレーカー組み立て時、第2部を第1部に接合させるなど、第2ケース72に各種機能を設置することができる。
次に、ブレーカー1の動作を説明する。図3は、通常の充電又は放電状態におけるブレーカー1の動作を示している。通常の充電又は放電状態においては、熱応動素子5は初期形状を維持し、固定接点21と可動接点3とが接触することで、ブレーカー1の両端子22、41間は導通している。このとき、可動片4の弾性部43と、熱応動素子5とは接触し、従って、可動片4、熱応動素子5、PTCサーミスタ6及び固定片2は、回路として導通している。しかしPTCサーミスタ6の抵抗は、可動片4の抵抗に比べて圧倒的に大きいため、PTCサーミスタ6を流れる電流は、固定接点21及び可動接点3を流れる量に比して実質的に無視できる程度である。
図4は、過充電状態又は異常時などにおけるブレーカー1の動作を示している。過充電又は異常により高温状態となると、動作温度に達した熱応動素子5は逆反りし、可動片4の弾性部43が押し上げられて固定接点21と可動接点3とが離反する。このとき、固定接点21と可動接点3の間を流れていた電流は遮断され、僅かな漏れ電流が熱応動素子5及びPTCサーミスタ6を通して流れることとなる。PTCサーミスタ6は、このような漏れ電流の流れる限り発熱を続け、熱応動素子5を逆反り状態に維持させつつ抵抗値を激増させる。そのため、電流は固定接点21と可動接点3の間の経路を流れず、上述の僅かな漏れ電流のみが存在する(自己保持回路を構成する)。この漏れ電流は安全装置の他の機能に充てることができる。
過充電状態を解除する、又は異常状態が解消されると、PTCサーミスタ6の発熱も収まり、熱応動素子5は復帰温度に戻り、元の初期形状に復元する。そして、可動片4の弾性部43の弾性力によって可動接点3と固定接点21とは再び接触し、回路は遮断状態を解かれ、図3に示す導通状態に復帰する。
本発明のブレーカー1は、2次電池パック、電気機器用の安全回路等にも広く適用できる。図9(A)は2次電池パック100を示す。2次電池パック100は、2次電池101と、2次電池101の出力端回路中に設けたブレーカー1とを具える。図9(B)は電気機器用の安全回路102を示す。安全回路102は、2次電池101の出力回路中に直列にブレーカー1を具える。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
1 ブレーカー
2 固定片
2A 接点部
2B 傾斜曲げ部
2C ベース部
3 可動接点
4 可動片
5 熱応動素子
21 固定接点
71 第1ケース
72 第2ケース
73 開口
73A 浅底部
73B 段差部
73C 深底部
73D サーミスタ収容凹部
76 傾斜面
80 ゲート跡
100 2次電池パック
102 安全回路

Claims (7)

  1. 固定接点を有する固定片と、
    先端部に可動接点を有し、前記可動接点を前記固定接点に押圧して接触させる可動片と、
    温度変化に伴って変形することにより前記可動接点が前記固定接点から離反するように前記可動片を作動させる熱応動素子と、
    前記固定片を埋設するとともに、前記可動片及び熱応動素子を収容するための開口を有する第1ケースと、
    前記開口を閉鎖するために前記第1ケースに固着される第2ケースとを備えたブレーカーにおいて、
    前記開口は、浅底部と、この浅底部に段差部を介して連なりかつ前記熱応動素子を収容する深底部とを含み、
    前記固定片は、前記固定接点を有し前記浅底部の底面で表面が露出する接点部と、前記段差部よりも手前の位置で前記接点部から裏面側に傾斜して折れ曲がることにより前記第1ケース内に埋入する傾斜曲げ部と、この傾斜曲げ部から折れ曲がり前記深底部の底面下を通って長さ方向にのびるベース部とを含むとともに、
    前記段差部は、前記傾斜曲げ部と同方向に傾く傾斜面であることを特徴とするブレーカー。
  2. 前記傾斜面は、前記浅底部の底面の法線に対する角度θ1が30°以上であることを特徴とする請求項1記載のブレーカー。
  3. 前記傾斜面は、前記浅底部の底面の法線に対する角度θ1が、前記傾斜曲げ部の前記法線に対する角度θ2以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のブレーカー。
  4. 前記開口は、前記深底部の底面に、サーミスタを収容するサーミスタ収容凹部を具えるとともに、このサーミスタ収容凹部の底面で前記ベース部の表面が露出することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のブレーカー。
  5. 前記第1ケースは、その裏面かつ前記ベース部よりも長さ方向外側の位置にゲート跡を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載のブレーカー。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載のブレーカーを備えたことを特徴とする電気機器用の安全回路。
  7. 請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載のブレーカーを備えたことを特徴とする2次電池パック。
JP2014180590A 2014-09-04 2014-09-04 ブレーカー並びにそれを備えた安全回路及び2次電池パック Active JP6335073B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014180590A JP6335073B2 (ja) 2014-09-04 2014-09-04 ブレーカー並びにそれを備えた安全回路及び2次電池パック

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014180590A JP6335073B2 (ja) 2014-09-04 2014-09-04 ブレーカー並びにそれを備えた安全回路及び2次電池パック

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016054123A true JP2016054123A (ja) 2016-04-14
JP6335073B2 JP6335073B2 (ja) 2018-05-30

Family

ID=55745335

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014180590A Active JP6335073B2 (ja) 2014-09-04 2014-09-04 ブレーカー並びにそれを備えた安全回路及び2次電池パック

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6335073B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011198645A (ja) * 2010-03-19 2011-10-06 Komatsulite Mfg Co Ltd ブレーカー
JP2013041798A (ja) * 2011-08-19 2013-02-28 Komatsulite Mfg Co Ltd サーマルプロテクター及びその製造方法
JP2014078530A (ja) * 2011-10-14 2014-05-01 Komatsulite Mfg Co Ltd ブレーカー及びそれを備えた安全回路並びに2次電池

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011198645A (ja) * 2010-03-19 2011-10-06 Komatsulite Mfg Co Ltd ブレーカー
JP2013041798A (ja) * 2011-08-19 2013-02-28 Komatsulite Mfg Co Ltd サーマルプロテクター及びその製造方法
JP2014078530A (ja) * 2011-10-14 2014-05-01 Komatsulite Mfg Co Ltd ブレーカー及びそれを備えた安全回路並びに2次電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP6335073B2 (ja) 2018-05-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5154708B2 (ja) ブレーカー及びそれを備えた二次電池
JP6251037B2 (ja) ブレーカー及びそれを備えた安全回路並びに2次電池パック
JP5886600B2 (ja) ブレーカー及びブレーカーの製造方法
JP6047790B2 (ja) ブレーカー及びそれを備えた安全回路並びに2次電池
JP6085116B2 (ja) ブレーカー及びそれを備えた安全回路並びに2次電池
JP5941301B2 (ja) ブレーカー及びそれを備えた安全回路並びに2次電池
JP2013127870A (ja) ブレーカー
JP6085104B2 (ja) ブレーカー及びインサート成型品、並びにブレーカーを備えた安全回路及び2次電池パック
JP5886609B2 (ja) ブレーカー及びそれを備えた安全回路並びに2次電池パック
JP2012160317A (ja) ブレーカー
JP5937835B2 (ja) ブレーカー及びそれを備えた安全回路並びに2次電池
JP6188343B2 (ja) ブレーカー及びそれを備えた安全回路並びに2次電池回路
JP2016213121A (ja) 電流遮断装置並びにそれを用いた2次電池回路及び安全回路
US11551895B2 (en) Breaker, safety circuit and secondary battery pack
JP5941289B2 (ja) ブレーカー
JP6335073B2 (ja) ブレーカー並びにそれを備えた安全回路及び2次電池パック
JP6997687B2 (ja) ブレーカー及び安全回路
JP6216152B2 (ja) ブレーカー及びそれを備えた安全回路並びに2次電池回路
JP6216140B2 (ja) ブレーカー及びそれを備えた安全回路並びに2次電池回路
JP6777438B2 (ja) ブレーカー及びそれを備えた安全回路並びにコネクタ。
JP6202923B2 (ja) ブレーカー並びにそれを備えた安全回路及び2次電池回路
JP2017208358A (ja) ブレーカー並びにそれを備えた安全回路及び2次電池回路
JP6085107B2 (ja) ブレーカー及びそれを備えた安全回路並びに2次電池回路
JP2015088361A (ja) ブレーカー並びにそれを備えた安全回路及び2次電池パック
JP2013247107A (ja) ブレーカー及びそれを備えた安全回路並びに2次電池回路

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170829

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180405

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180417

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180427

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6335073

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250