JP2017098186A - ブレーカー並びにそれを備えた安全回路及び2次電池回路。 - Google Patents
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Abstract
【課題】容易に高容量化を図ることができるブレーカーを提供する。【解決手段】ブレーカー1は、固定接点21と、弾性変形する弾性部43と弾性部43の先端部に可動接点41とを有し、可動接点41を固定接点21に押圧して接触させる可動片4と、温度変化に伴って変形することにより可動接点41が固定接点21から離隔するように可動片4を作動させる熱応動素子5と、外部回路と電気的に接続される端子片3とを備える。可動片4は、弾性部43を挟んで可動接点41とは反対側に設けられ、端子片3と電気的に接続される接続部42を有し、端子片3は、接続部42に当接する第2当接面33aと、第2当接面33aとは反対側にあって接続部42に当接しない第2非当接面33bとを有する。第2非当接面33bでのレーザー光Lの吸収率は、第2当接面33aでのレーザー光Lの吸収率よりも高く、第2非当接面33bには、レーザー溶接痕37が形成されている。【選択図】図5
Description
本発明は、電気機器の2次電池パック等に内蔵される小型のブレーカー等に関するものである。
従来、各種電気機器の2次電池やモーター等の保護装置(安全回路)としてブレーカーが使用されている。ブレーカーは、充放電中の2次電池の温度が過度に上昇した場合、又は自動車、家電製品等の機器に装備されるモーター等に過電流が流れた場合等の異常が生じた際に、2次電池やモーター等を保護するために電流を遮断する。このような保護装置として用いられるブレーカーは、機器の安全を確保するために、温度変化に追従して正確に動作する(良好な温度特性を有する)ことと、通電時の抵抗値が安定していることが求められる。
ブレーカーには、温度変化に応じて作動し、電流を導通又は遮断する熱応動素子が備えられている。特許文献1には、熱応動素子としてバイメタルを適用したブレーカーが示されている。バイメタルとは、熱膨張率の異なる2種類の板状の金属材料が積層されてなり、温度変化に応じて形状を変えることにより、接点の導通状態を制御する素子である。同文献に示されたブレーカーは、固定片、端子片(アームターミナル)、可動片(可動アーム)、熱応動素子、PTCサーミスター等の部品が、ケースに収納されてなり、固定片及び端子片の端子が電気機器の電気回路に接続されて使用される。そして、端子片と可動片とは溶接によって接続されている(同文献の段落「0014」参照)。
近年、タブレット型及びノート型のパーソナルコンピュータの高性能化に伴い、電流定格値及び最大許容電流値の大きい、すなわち高容量のブレーカーが望まれている。高容量のブレーカーを実現するためには、固定接点と可動接点との間で生ずる接触抵抗を低減することが有効である。
固定接点と可動接点との間で生ずる接触抵抗を低減するには、固定接点と可動接点との接触圧力を高めることが望ましく、可動片を厚く形成する等して、その弾性力を高めることが検討されている。しかしながら、このような可動片を用いる場合、ブレーカーの小型化(低背化)を図ることが困難であると共に、遮断状態から導通状態に復帰する温度にも影響を及ぼすおそれがある。このため、例えば、上記特許文献1に開示されている構造のブレーカーにあっては、端子片と可動片との間の接合強度を高めることが望ましい。
一般に、金属同士の接続には、接続箇所に電流を流してジュール熱によって溶融接続する抵抗溶接の他、接続箇所にレーザー光を照射して、そのエネルギーによって溶融接続するレーザー溶接等の手法が用いられている。近年におけるブレーカーの小型化の進展に伴い、上述した端子片と可動片との接続にあっては、微細な接合に適したレーザー溶接が検討されている。
しかしながら、上記特許文献1に記載されたブレーカーでは、レーザー溶接の手法によって端子片と可動片と接合する場合、ブレーカーの高容量化を図るにあたって、端子片と可動片との間の接合が十分に得られないおそれがあり、さらなる改良が望まれている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、容易に高容量化を図ることができるブレーカーを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1発明は、固定接点と、弾性変形する弾性部と該弾性部の先端部に可動接点とを有し、前記可動接点を前記固定接点に押圧して接触させる可動片と、温度変化に伴って変形することにより前記可動接点が前記固定接点から離隔するように前記可動片を作動させる熱応動素子と、外部回路と電気的に接続される端子片とを備えたブレーカーにおいて、前記可動片は、前記弾性部を挟んで前記可動接点とは反対側に設けられ、前記端子片と電気的に接続される接続部を有し、前記接続部は、前記端子片に当接する第1当接面と、該第1当接面とは反対側にあって前記端子片に当接しない第1非当接面とを有し、前記第1非当接面でのレーザー光の吸収率は、前記弾性部でのレーザー光の吸収率よりも高く、前記第1非当接面には、レーザー溶接痕が形成されていることを特徴とする。
本発明に係る前記ブレーカーにおいて、前記第1非当接面には、前記弾性部よりもレーザー光の吸収率が高い金属を含むめっき層が形成されていることが望ましい。
本発明に係る前記ブレーカーにおいて、前記第1非当接面は、前記弾性部よりも表面粗さ(算術平均粗さ:Ra)が大きいことが望ましい。
上記目的を達成するために、本発明の第2発明は、固定接点と、弾性変形する弾性部と該弾性部の先端部に可動接点とを有し、前記可動接点を前記固定接点に押圧して接触させる可動片と、温度変化に伴って変形することにより前記可動接点が前記固定接点から離隔するように前記可動片を作動させる熱応動素子と、外部回路と電気的に接続される端子片とを備えたブレーカーにおいて、前記可動片は、前記弾性部を挟んで前記可動接点とは反対側に設けられ、前記端子片と電気的に接続される接続部を有し、前記端子片は、前記接続部に当接する第2当接面と、該第2当接面とは反対側にあって前記接続部に当接しない第2非当接面とを有し、前記第2非当接面でのレーザー光の吸収率は、前記第2当接面でのレーザー光の吸収率よりも高く、前記第2非当接面には、レーザー溶接痕が形成されていることを特徴とする。
本発明に係る前記ブレーカーにおいて、前記第2非当接面には、前記第2当接面よりもレーザー光の吸収率が高い金属を含むめっき層が形成されていることが望ましい。
本発明に係る前記ブレーカーにおいて、前記第2非当接面は、前記第2当接面よりも表面粗さ(算術平均粗さ:Ra)が大きいことが望ましい。
本発明に係る前記ブレーカーにおいて、前記めっき層は、ニッケルを含むことが望ましい。
本発明に係る前記ブレーカーにおいて、前記非当接面の表面粗さ(Ra)は、0.2μm以上であることが望ましい。
本発明に係る前記ブレーカーにおいて、前記固定接点を有する固定片と、前記固定接点、前記可動片及び熱応動素子が収容される樹脂ケースとをさらに備え、前記固定片及び前記端子片は、前記樹脂ケースに埋設されていることが望ましい。
本発明の電気機器用の安全回路は、前記ブレーカーを備えたことを特徴とする。
本発明の2次電池回路は、前記ブレーカーを備えたことを特徴とする。
本第1発明のブレーカーによれば、可動片は、弾性部を挟んで可動接点とは反対側に設けられ、端子片と電気的に接続される接続部を有する。さらに、接続部は、端子片に当接する第1当接面と、第1当接面とは反対側にあって端子片に当接しない第1非当接面とを有する。そして、第1非当接面でのレーザー光の吸収率は、弾性部でのレーザー光の吸収率よりも高く、第1非当接面には、レーザー溶接痕が形成されている。従って、接続部と端子片との接合強度が高められ、固定接点と可動接点との間で生ずる接触抵抗が低減され、容易にブレーカーの高容量化を図ることが可能となる。
本第2発明のブレーカーによれば、可動片は、弾性部を挟んで可動接点とは反対側に設けられ、端子片と電気的に接続される接続部を有する。さらに、端子片は、接続部に当接する第2当接面と、第2当接面とは反対側にあって接続部に当接しない第2非当接面とを有する。そして、第2非当接面でのレーザー光の吸収率は、第2当接面でのレーザー光の吸収率よりも高く、第2非当接面には、レーザー溶接痕が形成されている。従って、接続部と端子片との接合強度が高められ、固定接点と可動接点との間で生ずる接触抵抗が低減され、容易にブレーカーの高容量化を図ることが可能となる。
本発明の第1発明の一実施形態によるブレーカーについて図面を参照して説明する。図1乃至図3は、ブレーカーの構成を示している。ブレーカー1は、固定接点21を有する固定片2と端子が形成されている端子片3と、先端部に可動接点41を有する可動片4と、温度変化に伴って変形する熱応動素子5と、PTC(Positive Temperature Coefficient)サーミスター6と、固定片2、端子片3と、可動片4、熱応動素子5及びPTCサーミスター6を収容するケース7等によって構成されている。ケース7は、ケース本体(第1ケース)71とケース本体71の上面に装着される蓋部材(第2ケース)81等によって構成されている。
固定片2は、例えば、銅等を主成分とする金属板(この他、銅−チタニウム合金、洋白、黄銅などの金属板)をプレス加工することにより形成され、ケース本体71にインサート成形により埋め込まれている。固定片2の一端には外部回路と電気的に接続される端子22が形成され、他端側には、PTCサーミスター6を支持する支持部23が形成されている。PTCサーミスター6は、固定片2の支持部23に3箇所形成された凸状の突起(ダボ)24の上に載置されて、突起24に支持される。
固定接点21は、銀、ニッケル、ニッケル−銀合金の他、銅−銀合金、金−銀合金などの導電性の良い材料のクラッド、メッキ又は塗布等により可動接点41に対向する位置に形成され、ケース本体71の内部に形成されている開口73aの一部から露出されている。端子22はケース本体71の端縁から外側に突き出されている。支持部23は、ケース本体71の内部に形成されている開口73dから露出されている。
本出願においては、特に断りのない限り、固定片2において、固定接点21が形成されている側の面(すなわち図1において上側の面)を表(おもて)面、その反対側の面を裏(うら)面として説明している。他の部品、例えば、可動片4及び熱応動素子5等についても同様である。
端子片3は、固定片2と同様に、銅等を主成分とする金属板をプレス加工することにより形成され、ケース本体71にインサート成形により埋め込まれている。端子片3の一端には外部回路と電気的に接続される端子32が形成され、他端側には、可動片4と電気的に接続される接続部33が形成されている。端子32はケース本体71の端縁から外側に突き出されている。接続部33は、ケース本体71の内部に設けられた開口73bから露出し、可動片4と電気的に接続される。また、接続部33の近傍には、端子片3を厚さ方向に貫通する貫通穴34が形成されている。貫通穴34には、ケース本体71を構成する樹脂が充填され、ケース本体71と端子片3との接合強度が高められる。
可動片4は、銅等を主成分とする板状の金属材料をプレス加工することにより形成されている。可動片4は、長手方向の中心線に対して対称なアーム状に形成されている。
可動片4の先端部には、可動接点41が形成されている。可動接点41は、固定接点21と同等の材料によって形成され、溶接の他、クラッド、かしめ(crimping)等の手法によって可動片4の先端部に接合されている。
可動片4の先端部には、端子片3の接続部33と電気的に接続される接続部42が形成されている。端子片3の接続部33と可動片4の接続部42とは、レーザー溶接によって固着されている。レーザー溶接とは、レーザー光をワーク(本実施形態では、端子片3及び可動片4が相当)に照射し、ワークを局部的に溶融及び凝固させることによってワーク同士を接合する溶接手法である。レーザー光が照射されたワークの表面には、他の溶接手法(例えば、ジュール熱を利用する抵抗溶接)による溶接痕とは異なる形態のレーザー溶接痕が形成される。
可動片4は、可動接点41と接続部42との間に、弾性部43を有している。弾性部43は、接続部42から可動接点41の側に延出されている。これにより、接続部42は、弾性部43を挟んで可動接点41とは反対側に設けられる。接続部42において端子片3の接続部33と固着されることにより可動片4が固定され、弾性部43が弾性変形することにより、その先端に形成されている可動接点41が固定接点21の側に押圧されて接触し、固定片2と可動片4とが通電可能となる。可動片4と端子片3とは、それぞれの接続部33及び42において電気的に接続されているので、固定片2と端子片3とが通電可能となる。
可動片4は、弾性部43において、プレス加工により湾曲又は屈曲されている。湾曲又は屈曲の度合いは、熱応動素子5を収納できる限り特に限定はなく、作動温度及び復帰温度における弾性力、接点の押圧力などを考慮して適宜設定すればよい。また、弾性部43の裏面には、熱応動素子5に対向して一対の突起(接触部)44a,44bが形成されている。突起44a,44bと熱応動素子5とは接触して、突起44a,44bを介して熱応動素子5の変形が弾性部43に伝達される(図1、図2及び図3参照)。
熱応動素子5は円弧状に湾曲した初期形状をなし、熱膨張率の異なる薄板材を積層することにより形成される。過熱により作動温度に達すると、熱応動素子5の湾曲形状は、スナップモーションを伴って逆反りし、冷却により復帰温度を下回ると復元する。熱応動素子5の初期形状は、プレス加工により形成することができる。所期の温度で熱応動素子5の逆反り動作により可動片4の弾性部43が押し上げられ、かつ弾性部43の弾性力により元に戻る限り、熱応動素子5の材質及び形状は特に限定されるものでないが、生産性及び逆反り動作の効率性の観点から矩形状が望ましく、小型でありながら弾性部43を効率的に押し上げるために正方形に近い長方形であるのが望ましい。なお、熱応動素子5の材料としては、例えば、高膨脹側に銅−ニッケル−マンガン合金又はニッケル−クロム−鉄合金、低膨脹側に鉄−ニッケル合金をはじめとする、洋白、黄銅、ステンレス鋼など各種の合金からなる熱膨張率の異なる2種類の材料を積層したものが、所要条件に応じて組み合わせて使用される。
PTCサーミスター6は、固定片2と熱応動素子5との間に配設されている。すなわち、PTCサーミスター6を挟んで、固定片2は熱応動素子5の直下に位置している。熱応動素子5の逆反り動作により固定片2と可動片4との通電が遮断されたとき、PTCサーミスター6に流れる電流が増大する。PTCサーミスター6は、温度上昇と共に抵抗値が増大して電流を制限する正特性サーミスターであれば、作動電流、作動電圧、作動温度、復帰温度などの必要に応じて種類を選択でき、その材料及び形状はこれらの諸特性を損なわない限り特に限定されるものではない。本実施形態では、チタニウム酸バリウム、チタニウム酸ストロンチウム又はチタニウム酸カルシウムを含むセラミック焼結体が用いられる。セラミック焼結体の他、ポリマーにカーボン等の導電性粒子を含有させたいわゆるポリマーPTCを用いてもよい。
ケース7を構成するケース本体71及び蓋部材81は、難燃性のポリアミド、耐熱性に優れたポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの熱可塑性樹脂により成形されている。上述した樹脂と同等以上の特性が得られるのであれば、樹脂以外の材料を適用してもよい。
ケース本体71には、可動片4、熱応動素子5及びPTCサーミスター6などを収容するための収容凹部73が形成されている。収容凹部73は、可動片4を収容するための開口73a,73b、可動片4及び熱応動素子5を収容するための開口73c、並びに、PTCサーミスター6を収容するための開口73d等を有している。なお、ケース本体71に組み込まれた可動片4、熱応動素子5の端縁は、収容凹部73の内部に形成されている枠によってそれぞれ当接され、熱応動素子5の逆反り時に案内される。
蓋部材81には、カバー片9がインサート成形によって埋め込まれている。カバー片9は、上述した銅等を主成分とする金属板又はステンレス鋼等の金属板をプレス加工することにより形成される。カバー片9は、図2及び図3に示すように、可動片4の表面と適宜当接し、可動片4の動きを規制すると共に、蓋部材81のひいては筐体としてのケース7の剛性・強度を高めつつブレーカー1の小型化に貢献する。カバー片9の外面側には、樹脂が配されている。
図1に示すように、固定片2、可動片4、熱応動素子5及びPTCサーミスター6等を収容したケース本体71の開口73a、73b、73c等を塞ぐように、蓋部材81が、ケース本体71に装着される。ケース本体71と蓋部材81とは、例えば超音波溶着によって接合される。このとき、ケース本体71と蓋部材81とは、それぞれの外縁部の全周にわたって連続的に接合され、ケース7の気密性が向上する。これにより、収容凹部73によるケース7の内部空間は密閉され、可動片4、熱応動素子5及びPTCサーミスター6等の部品がケース7の外部の雰囲気から遮断され、保護されうる。
図2は、通常の充電又は放電状態におけるブレーカー1の動作を示している。通常の充電又は放電状態においては、熱応動素子5は初期形状を維持(逆反り前)している。カバー片9には、可動片4の頂部43aと当接し、頂部43aを熱応動素子5の側に押圧する突出部91が設けられている。突出部91が頂部43aを押圧することにより、弾性部43は、弾性変形し、その先端に形成されている可動接点41が固定接点21の側に押圧されて接触する。これにより、可動片4の弾性部43などを通じてブレーカー1の両端子22、32間は導通している。可動片4の弾性部43と熱応動素子5とは接触しており、可動片4、熱応動素子5、PTCサーミスター6及び固定片2は、回路として導通している。しかし、PTCサーミスター6の抵抗は、可動片4の抵抗に比べて圧倒的に大きいため、PTCサーミスター6を流れる電流は、固定接点21及び可動接点41を流れる量に比して実質的に無視できる程度である。
図3は、過充電状態又は異常時などにおけるブレーカー1の動作を示している。過充電又は異常により高温状態となると、作動温度に達した熱応動素子5は逆反りし、可動片4の弾性部43が押し上げられて固定接点21と可動接点41とが離隔する。ブレーカー1の内部で熱応動素子5が変形し、可動片4を押し上げるときの熱応動素子5の作動温度は、例えば、70℃〜90℃である。このとき、固定接点21と可動接点41の間を流れていた電流は遮断され、僅かな漏れ電流が熱応動素子5及びPTCサーミスター6を通して流れることとなる。PTCサーミスター6は、このような漏れ電流の流れる限り発熱を続け、熱応動素子5を逆反り状態に維持させつつ抵抗値を激増させるので、電流は固定接点21と可動接点41の間の経路を流れず、上述の僅かな漏れ電流のみが存在する(自己保持回路を構成する)。この漏れ電流は安全装置の他の機能に充てることができる。
過充電状態を解除し、又は異常状態を解消すると、PTCサーミスター6の発熱も収まり、熱応動素子5は復帰温度に戻り、元の初期形状に復元する。そして、可動片4の弾性部43の弾性力によって可動接点41と固定接点21とは再び接触し、回路は遮断状態を解かれ、図2に示す導通状態に復帰する。
図4は、可動片4の構成を示している。図4において、(a)は表面側から視た可動片4の斜視図であり、(b)は裏面側から視た可動片4の斜視図である。
可動接点41は、可動片4の長手方向に垂直な断面でV字状に形成されている。これにより、可動接点41の中央部がなだらかに突出し、可動片4にねじれ変形が生じた場合であっても、固定接点21と可動接点41との接触状態が良好に維持されうる。さらに、可動接点41の中央部の頂部41aは、平面状に形成されている。これにより、固定接点21と可動接点41との接触面積が十分に確保され、両者間での接触抵抗が抑制されうる。
可動片4の接続部42は、端子片3の接続部33に当接する第1当接面42aと、第1当接面42aとは反対側にあって接続部33に当接しない第1非当接面42bとを有する。第1当接面42aは、接続部42の裏面に設けられ、第1非当接面42bは、接続部42の表面に設けられている。
第1非当接面42bでのレーザー光の吸収率は、弾性部43でのレーザー光の吸収率よりも高い。ここでいうレーザー光とは、端子片3の接続部33と可動片4の接続部42との接合に用いられるレーザー光であり、例えば、可動片4の主成分である銅への吸収性の観点から500nm以上で550nm以下の緑色のレーザー光が望ましい(以下、第2発明においても同様とする)。このようなレーザー光は、波長が1064nmのYAGレーザーを532nmの波長に変換することにより、得ることができる。
本実施形態では、例えば、弾性部43を構成する金属(すなわち、上述した銅等を主成分とする金属)よりもレーザー光の吸収率が高い金属を含むめっき層46が第1非当接面42bに形成されていることにより、上記構成が実現される。めっき層46は、弾性部43を構成する金属よりも光沢の少ない金属を含むのが望ましい。より具体的には、第1非当接面42bには、ニッケルめっきが形成されている。また、黒色のニッケル−クロムめっきが形成されていてもよい。めっき層46を形成するめっき工程は、端子片3の接続部33と可動片4の接続部42とをレーザー溶接によって接合する接合工程の前に実施される。なお、めっき層46は、レーザー溶接の際にレーザー光が照射される領域にのみ局所的に形成されていてもよい。
レーザー光の吸収率は、レーザー光が照射される部分を構成する金属の物性の他、レーザー光が照射される部分の表面粗さ(算術平均粗さ:Ra)にも依存する。例えば、表面粗し加工が施されたワークでは、レーザー光の反射が抑制され、吸収率が高められる。従って、上述しためっき層46に替えて又はめっき層46に加えて、第1非当接面42bに表面粗し加工が施されていてもよい。この場合、弾性部43の表面及び裏面並びに第1当接面42aには、表面粗し加工が施されないのが望ましい。このような可動片4によって、プレス加工の際、ばり(burr)の発生が抑制されうる。
レーザー溶接によって良好な接合強度を得る観点から、第1非当接面42bの表面粗さは、0.1μm以上が望ましく、0.2μm以上がより望ましい。第1非当接面42bの表面粗さが0.2μm未満の場合、レーザー光の反射率が高まり、吸収率が不足するおそれがある。また、第1非当接面42bの表面粗さは、0.3μm以下が望ましく、0.4μm以下がより望ましい。第1非当接面42bの表面粗さが0.4μmを超える場合、可動片4を形成する際、ばりが発生しやすく、プレス加工が困難となるおそれがある。第1非当接面42bの表面粗さは、0.3μm以下の場合、弾性部43の表面及び裏面並びに第1当接面42aにも表面粗し加工が施されていてもよい。なお、上記表面粗さは、レーザー光の照射面に対して垂直な方向(接続部42の厚さ方向)から測定された粗さである。また、表面粗さは、照射面上の複数の方向の成分を含むのが望ましい。第1非当接面42bに表面粗し加工を施す表面粗し工程は、端子片3の接続部33と可動片4の接続部42とをレーザー溶接によって接合する接合工程の前に実施される。
図5は、端子片3の接続部33と可動片4の接続部42とをレーザー溶接によって接合する接合工程を示している。図5に示される形態では、可動片4の接続部42の表面、すなわち、第1非当接面42bの側からレーザー光Lが照射される。第1非当接面42bには、照射されたレーザー光Lを吸収することによって接続部42を構成する金属が溶融し、その後凝固した痕跡であるレーザー溶接痕47が形成される。
この接合工程で、接続部42及び33を構成する金属の一部は、レーザー光Lの吸収によって溶融し、溶融池を構成する。溶融池で溶融した金属が互いに混ざり合って凝固することによって形成されるレーザー溶接痕47は、目視又は拡大写真等によって容易に確認されうる。
本ブレーカー1によれば、第1非当接面42bでのレーザー光Lの吸収率は、弾性部43でのレーザー光Lの吸収率よりも高く、第1非当接面42bには、レーザー溶接痕47が形成されている。従って、レーザー光Lが照射された箇所及びその周辺領域で、接続部42及び33を構成する金属の溶融が促進され、溶融した金属が良好に混ざり合うため、接続部42と端子片3との接合強度が高められる。これにより、可動片4の姿勢が安定しかつ固定接点21と可動接点41との接触圧力が高められる。従って、固定接点21と可動接点41との間で生ずる接触抵抗が低減され、容易にブレーカー1の高容量化を図ることが可能となる。
端子片3と可動片4とは、接続部33及び42において、複数箇所で溶接されていてもよい。この場合、第1非当接面42bには、複数のレーザー溶接痕47が形成される。また、接合工程でレーザー光Lが移動されながら照射されることにより、連続する広範な領域で端子片3と可動片4とが溶接されていてもよい。この場合、第1非当接面42bには、連続する広範な領域でレーザー溶接痕47が形成される。
本実施形態では、可動片4と接合される端子片3が、樹脂製のケース本体71に埋設されているので、可動片4のケース本体71に対する相対的な位置及び姿勢が安定する。従って、固定接点21と可動接点41との接触圧力が高く維持されるため、固定接点21と可動接点41との間で生ずる接触抵抗がより一層低減されうる。
また、固定接点21が形成されている固定片2も、樹脂製のケース本体71に埋設されているので、固定片2のケース本体71に対する相対的な位置及び姿勢が安定する。従って、可動片4の固定片2に対する相対的な位置及び姿勢が安定する。これにより、固定接点21と可動接点41との接触圧力が高く維持されるため、固定接点21と可動接点41との間で生ずる接触抵抗がより一層低減されうる。
端子片3及び固定片2について、埋設の形態は、インサート成形に限られない。例えば、端子片3及び固定片2が、嵌合、かしめ又は接着等の手法を適宜用いることによりケース7に埋設されていてもよい。
接合工程の後、必要に応じて、固定接点21及び可動接点41の接触部分を活性化する活性化工程が実施されてもよい。活性化工程では、固定接点21と可動接点41とが接触している状態で、固定接点21及び可動接点41の少なくとも一方に高周波振動が付与されると共に、固定接点21と可動接点41とが通電される。活性化工程によって固定接点21と可動接点41との接触部分及びその周辺部分の酸化膜が面状に除去され、新生面が形成される。本ブレーカー1では、上述したように、接続部42及び33の間で良好な溶接状態が得られることから、固定接点21と可動接点41との接触圧力が高められるので、活性化処理が良好なものとなり、固定接点21と可動接点41との間で生ずる接触抵抗がより一層低減されうる。本実施形態では、可動接点41がV字状に形成され、その中央部の頂部41aが平面状に形成されているので、より一層良好な活性化処理がなされうる。
図2に示されるように、固定片2には、固定接点21と支持部23との間に、側面視でクランク状に曲げられた段曲げ部25が形成されている。段曲げ部25は、支持部23の側の第1曲げ部で固定片2の表面側に、固定接点21の側の第2曲げ部で固定片2の裏面側に、それぞれ曲げられている。段曲げ部25によって固定接点21と支持部23とがブレーカー1の厚さ方向に段違いに配置される。これにより、PTCサーミスター6を収容するための空間を確保したうえで、固定接点21を可動接点41に接近して配置させることが可能となり、固定接点21と可動接点41との接触圧力が高められる。
固定片2に設けられた段曲げ部25に替えて、又は段曲げ部25に加えて、可動片4にも段曲げ部(図示せず)が設けられていてもよい。このような段曲げ部によっても、PTCサーミスター6を収容するための空間を確保したうえで、固定接点21を可動接点41に接近して配置させることが可能となる。また、同様に、端子片3のケース本体71に埋設されている領域に段曲げ部(図示せず)が設けられていてもよい。
図2に示される導通状態で、弾性部43が可動接点41を固定接点21に押圧する力は、20gf以上で、35gf以下が望ましい。上記押圧する力が20gf未満の場合、固定接点21と可動接点41との接触圧力が不足して、固定接点21と可動接点41との間で生ずる接触抵抗が十分に低減されないおそれがある。一方、上記押圧する力が35gfを超える場合、熱応動素子5が逆反り変形時に発生する応力を高める必要が生ずることから、熱応動素子5が大型化し、ブレーカー1の小型化を図ることが困難となる。
接合工程で照射されるレーザー光Lの照射面積Sは、弾性部43を可動片4の長手方向に垂直な面で切断した断面積の最小値と同等以上に設定されるのが望ましい。このようなレーザー光Lによれば、端子片3と可動片4との間の抵抗が十分に低減され、ブレーカー1の高容量化をより一層容易に図ることが可能となる。より望ましい照射面積Sは、接続部42を可動片4の長手方向に垂直な面で切断した断面積と同等以上である。
レーザー溶接痕47の直径は、接続部42の厚さの1.5倍以上が望ましく、2.0倍以上がより望ましい。これにより、溶接面積が十分に大きくなり、端子片3と可動片4との間の抵抗が十分に低減され、ブレーカー1の高容量化をより一層容易に図ることが可能となる。レーザー溶接痕47の直径が接続部42の厚さ以上で形成される場合、レーザー光Lの照射面積Sが接続部42を可動片4の長手方向に垂直な面で切断した断面積より小さくてもよい。
より一層望ましいレーザー溶接痕47の直径は、接続部42の厚さの3.5倍以上である。このように大きなレーザー溶接痕47を形成しようとする場合、レーザー照射装置の仕様によっては、照射面積Sが過度に大きくなり、レーザー光の出力が不足し巧く溶接できないこともある。しかしながら、本実施形態では、第1非当接面42bにめっき層46を形成し又は表面粗し加工を施して、レーザー光Lの吸収率を自在に操作できるので、照射面積Sを大きく設定しても、端子片3と可動片4とが適正に溶接されうる。従って、レーザー溶接痕47の直径(実効的な溶接面積)を十分に大きくして、端子片3と可動片4との間の抵抗を容易に低減できる。レーザー溶接痕47の直径は、他の部分、部位又は機能を損傷しない限り、上記範囲を超えてもよい。また、レーザー溶接痕47は、接続部42の第1当接面42a及び接続部33の第2当接面33aにも形成される。第1当接面42a等に形成されるレーザー溶接痕47も、上記範囲内であることが望ましい。第1当接面42a等に形成されるレーザー溶接痕47は、ブレーカー1を分解し、端子片3から可動片4を剥がすことにより、確認されうる。
上記構成によって、固定接点21と可動接点41との間で生ずる接触抵抗は、可動片4の内部で生ずる導体抵抗の50%以下であるのが望ましい。これにより、ブレーカー1の端子22及び32間で生ずる電気抵抗が容易に低減され、容易にブレーカー1の高容量化を図ることが可能となる。
固定片2、端子片3及び可動片4の少なくともいずれかは、導電率が85%IACS(International Annealed Copper Standard)以上で90%IACS以下の金属によって構成されているのが望ましい。上記金属は、例えば、99.0重量%以上で99.8%以下の銅を含む合金を用いることにより、容易に実現されうる。
本第1発明のブレーカー1は、上記実施形態の構成に限られることなく、少なくとも、固定接点21と、弾性変形する弾性部43と弾性部43の先端部に可動接点41とを有し、可動接点41を固定接点21に押圧して接触させる可動片4と、温度変化に伴って変形することにより可動接点41が固定接点21から離隔するように可動片4を作動させる熱応動素子5と、外部回路と電気的に接続される端子片3とを備え、可動片4は、弾性部43を挟んで可動接点41とは反対側に設けられ、端子片3と電気的に接続される接続部42を有し、接続部42は、端子片3に当接する第1当接面42aと、第1当接面42aとは反対側にあって端子片3に当接しない第1非当接面42bとを有し、第1非当接面42bでのレーザー光Lの吸収率は、弾性部43でのレーザー光Lの吸収率よりも高く、第1非当接面42bには、レーザー溶接痕47が形成されていればよい。
以下、本発明の第2発明の一実施形態によるブレーカー1について図面を参照して説明する。第2発明のブレーカー1は、図1乃至3及び5に示される端子片3とは異なる端子片を備える点で第2発明のブレーカー1とは異なる。第2発明のブレーカー1のうち、以下で説明されていない部分については、上述した第1発明のブレーカー1の構成が適宜採用されうる。
図6は、第2発明で用いられる端子片3Aの構成を示している。図6において、(a)は表面側から視た端子片3Aの斜視図であり、(b)は裏面側から視た端子片3Aの斜視図である。端子片3Aは、端子片3と同等の形状である。端子片3Aの接続部33は、可動片4の接続部42に当接する第2当接面33aと、第2当接面33aとは反対側にあって接続部42に当接しない第2非当接面33bとを有する。第2当接面33aは、接続部33の表面に設けられ、第2非当接面33bは、接続部33の裏面に設けられている。
第2非当接面33bでのレーザー光Lの吸収率は、第2当接面33aでのレーザー光Lの吸収率よりも高い。
本実施形態では、例えば、端子片3Aを構成する金属(すなわち、上述した銅等を主成分とする金属)よりもレーザー光Lの吸収率が高い金属を含むめっき層36が第2非当接面33bに形成されていることにより、上記構成が実現される。より具体的には、第2非当接面33bには、ニッケルめっきが形成されている。めっき層36は、レーザー光Lが照射される領域にのみ局所的に形成されていてもよい。めっき層36は、可動片4の接続部42に当接する第2当接面33aの背面のみに形成され、端子32の裏面には形成されない。従って、端子32とブレーカー1の外部回路との接触抵抗に影響が及ぶおそれがない。めっき層36を形成するめっき工程は、端子片3Aの接続部33と可動片4の接続部42とをレーザー溶接によって接合する接合工程の前に実施される。
上記第1発明と同様に、めっき層36に替えて又はめっき層36に加えて、第2非当接面33bに表面粗し加工が施されていてもよい。第2非当接面33bに表面粗し加工を施す表面粗し工程は、端子片3Aの接続部33と可動片4の接続部42とをレーザー溶接によって接合する接合工程の前に実施される。
図7は、端子片3Aの接続部33と可動片4の接続部42とをレーザー溶接によって接合する接合工程を示している。図7に示される形態では、端子片3Aの接続部33の裏面、すなわち、第2非当接面33bの側からレーザー光Lが照射される。このため、可動片4の第1非当接面42bにめっき層46等が形成されてなくてもよい。
ケース本体71には、第2非当接面33bを露出させるための貫通穴76が形成されている。このため、レーザー光Lが第2非当接面33bに直接的に照射されるので、接合工程が効率よく実施されうる。第2非当接面33bには、照射されたレーザー光Lを吸収することによって接続部33を構成する金属が溶融し、その後凝固した痕跡であるレーザー溶接痕37が形成される。
この接合工程で、接続部33及び42を構成する金属の一部は、レーザー光Lの吸収によって溶融し、溶融池を構成する。溶融池で溶融した金属が互いに混ざり合って凝固することによって形成されるレーザー溶接痕37は、目視又は拡大写真等によって容易に確認されうる。
本ブレーカー1によれば、第2非当接面33bでのレーザー光Lの吸収率は、第2当接面33aでのレーザー光Lの吸収率よりも高く、第2非当接面33bには、レーザー溶接痕37が形成されている。従って、レーザー光Lが照射された箇所の周辺領域で、接続部42及び33を構成する金属の溶融が促進され、溶融した金属が良好に混ざり合うため、接続部42と端子片3Aとの接合強度が高められる。これにより、可動片4の姿勢が安定しかつ固定接点21と可動接点41との接触圧力が高められる。従って、固定接点21と可動接点41との間で生ずる接触抵抗が低減され、容易にブレーカー1の高容量化を図ることが可能となる。
また、端子片3及び固定片2が、樹脂製のケース本体71に埋設されているので、固定接点21と可動接点41との間で生ずる接触抵抗がより一層低減されうる点は、上記第1発明のブレーカー1と同様である。
さらにまた、接合工程の後、必要に応じて実施される活性化工程にあっても、固定接点21と可動接点41との間で生ずる接触抵抗がより一層低減されうる点も、上記第1発明のブレーカー1と同様である。
本第2発明のブレーカー1は、上記実施形態の構成に限られることなく、少なくとも、固定接点21と、弾性変形する弾性部43と弾性部43の先端部に可動接点41とを有し、可動接点41を固定接点21に押圧して接触させる可動片4と、温度変化に伴って変形することにより可動接点41が固定接点21から離隔するように可動片4を作動させる熱応動素子5と、外部回路と電気的に接続される端子片3とを備え、可動片4は、弾性部43を挟んで可動接点41とは反対側に設けられ、端子片3と電気的に接続される接続部42を有し、端子片3は、接続部42に当接する第2当接面33aと、第2当接面33aとは反対側にあって接続部42に当接しない第2非当接面33bとを有し、第2非当接面33bでのレーザー光Lの吸収率は、第2当接面33aでのレーザー光Lの吸収率よりも高く、第2非当接面33bには、レーザー溶接痕37が形成されていればよい。
ケース7は、二次的なインサート成形等により、樹脂等で密封されていてもよい。この場合、固定片2の端子22及び端子片3の端子32が、回路基板等のランドに固定され導通可能なように、ケース7の外側に形成された樹脂から露出していればよい。
また、ケース本体71と蓋部材81との接合手法は、超音波溶着に限られることなく、両者が強固に接合される手法であれば、適宜適用することができる。例えば、液状又はゲル状の接着剤を塗布・充填し、硬化させることにより、両者が接着されてもよい。また、ケース7は、ケース本体71と蓋部材81等によって構成される形態に限られることなく、2個以上の部品によって構成されていればよい。
また、上述した自己保持回路が不要とされる用途にあっては、PTCサーミスター6が省略されていてもよい。
また、本発明のブレーカー1は、2次電池パック、電気機器用の安全回路等にも広く適用できる。図8は2次電池パック500を示す。2次電池パック500は、2次電池501と、2次電池501の出力端回路中に設けたブレーカー1とを備える。図9は電気機器用の安全回路502を示す。安全回路502は2次電池501の出力回路中に直列にブレーカー1を備えている。ブレーカー1を備えた2次電池パック500又は安全回路502によれば、良好な電流遮断動作を確保できる2次電池パック500又は安全回路502を製造できる。
1 ブレーカー
2 固定片
21 固定接点
3 端子片
33 接続部
33a 第2当接部
33b 第2非当接部
36 めっき層
37 レーザー溶接痕
4 可動片
41 可動接点
42 接続部
42a 第1当接部
42b 第1非当接部
43 弾性部
46 めっき層
47 レーザー溶接痕
5 熱応動素子
501 2次電池
502 安全回路
2 固定片
21 固定接点
3 端子片
33 接続部
33a 第2当接部
33b 第2非当接部
36 めっき層
37 レーザー溶接痕
4 可動片
41 可動接点
42 接続部
42a 第1当接部
42b 第1非当接部
43 弾性部
46 めっき層
47 レーザー溶接痕
5 熱応動素子
501 2次電池
502 安全回路
Claims (11)
- 固定接点と、
弾性変形する弾性部と該弾性部の先端部に可動接点とを有し、前記可動接点を前記固定接点に押圧して接触させる可動片と、
温度変化に伴って変形することにより前記可動接点が前記固定接点から離隔するように前記可動片を作動させる熱応動素子と、
外部回路と電気的に接続される端子片とを備えたブレーカーにおいて、
前記可動片は、前記弾性部を挟んで前記可動接点とは反対側に設けられ、前記端子片と電気的に接続される接続部を有し、
前記接続部は、前記端子片に当接する第1当接面と、該第1当接面とは反対側にあって前記端子片に当接しない第1非当接面とを有し、
前記第1非当接面でのレーザー光の吸収率は、前記弾性部でのレーザー光の吸収率よりも高く、
前記第1非当接面には、レーザー溶接痕が形成されていることを特徴とするブレーカー。 - 前記第1非当接面には、前記弾性部よりもレーザー光の吸収率が高い金属を含むめっき層が形成されている請求項1記載のブレーカー。
- 前記第1非当接面は、前記弾性部よりも表面粗さ(算術平均粗さ:Ra)が大きい請求項1記載のブレーカー。
- 固定接点と、
弾性変形する弾性部と該弾性部の先端部に可動接点とを有し、前記可動接点を前記固定接点に押圧して接触させる可動片と、
温度変化に伴って変形することにより前記可動接点が前記固定接点から離隔するように前記可動片を作動させる熱応動素子と、
外部回路と電気的に接続される端子片とを備えたブレーカーにおいて、
前記可動片は、前記弾性部を挟んで前記可動接点とは反対側に設けられ、前記端子片と電気的に接続される接続部を有し、
前記端子片は、前記接続部に当接する第2当接面と、該第2当接面とは反対側にあって前記接続部に当接しない第2非当接面とを有し、
前記第2非当接面でのレーザー光の吸収率は、前記第2当接面でのレーザー光の吸収率よりも高く、
前記第2非当接面には、レーザー溶接痕が形成されていることを特徴とするブレーカー。 - 前記第2非当接面には、前記第2当接面よりもレーザー光の吸収率が高い金属を含むめっき層が形成されている請求項4記載のブレーカー。
- 前記第2非当接面は、前記第2当接面よりも表面粗さ(算術平均粗さ:Ra)が大きい請求項4記載のブレーカー。
- 前記めっき層は、ニッケルを含む請求項2又は5に記載のブレーカー。
- 前記非当接面の表面粗さ(Ra)は、0.2μm以上である請求項3又は6に記載のブレーカー。
- 前記固定接点を有する固定片と、前記固定接点、前記可動片及び熱応動素子が収容される樹脂ケースとをさらに備え、
前記固定片及び前記端子片は、前記樹脂ケースに埋設されている請求項1乃至8のいずれかに記載のブレーカー。 - 請求項1乃至9のいずれかに記載のブレーカーを備えたことを特徴とする電気機器用の安全回路。
- 請求項1乃至9のいずれかに記載のブレーカーを備えたことを特徴とする2次電池回路。
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-
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