〔第1の実施形態〕
以下、添付の図面を参照して、本発明の好適な実施形態を説明する。
図1は、本実施形態の服薬管理システム100の構成の一例を示す図である。
本実施形態の服薬管理システム100は、薬配置カレンダー101、服薬管理装置102、携帯電話103、ネットワーク104、電話交換ユニット105、服薬管理サーバ106で構成される。
薬配置カレンダー101は、服薬者が服用する複数の薬を配置可能なカレンダーであり、服薬者の居住室に配置する。なお、この実施形態においては、薬配置カレンダー101は、縦軸を曜日(月曜日〜日曜日)、横軸を時間帯(朝・昼・夕・就寝)の週間カレンダーとしたが、これに限定するものではなく、横軸の時間帯が「朝・昼・夕」の3つ、縦軸の曜日が日付(1〜31日)の月間カレンダーであっても、日付部分に薬ポケットを備える通常の月間カレンダーであっても、薬を配置可能なその他の形式のカレンダーであってもよい。
なお、この実施形態においては、薬を格納する格納部301を薬ポケットとしたが、ポケット状に限定するものではなく、薬を格納することができる格納部301であれば、皿やすり鉢などの形状であってもよい。すなわち、薬ポケットは、薬を格納するためにカレンダー状に配置された複数の格納部301の一例である。
薬配置カレンダー101は、複数の薬ポケットを備える。薬ポケットには、服薬者の家族や介護者が処方箋に従って、薬の入った薬ケースを配置する。薬配置カレンダー101は、薬ポケットに配置された薬ケースが取り出されると、薬ケースが取り出されたことを検知し(図4にて後述)、薬ケース取出信号を服薬管理装置102に送信する。
服薬管理装置102は、薬配置カレンダー101が送信する薬ケース取出信号を受信し、薬ケースが取り出された薬ポケットに対応するLED501(図5)を点灯させる。服薬管理装置102は、Wi−FiやBluetooth(登録商標)などの通信機能を介し、携帯電話103に薬ケースが取り出されたことを通知する。通知の際は通信中ランプ503を点灯させ、通知が終了すると通信中ランプ503を消灯させる。
携帯電話103は、Wi−FiやBluetooth(登録商標)などの通信機能を備えるスマートフォンなどの携帯電話である。服薬管理装置102から薬ケースが取り出されたことの通知を受けた携帯電話103は、ネットワーク104(電話回線)を介し、服薬管理システム100の電話交換ユニット105に電話発信する。
電話交換ユニット105は、携帯電話103からの電話発信を受け付ける装置である。電話交換ユニット105は、携帯電話103からの電話発信を受け、発信元電話番号を識別して、通話せずに電話発信を切断する。電話交換ユニット105は、識別した発信元電話番号を服薬管理サーバ106に通知する。
服薬管理サーバ106は、汎用のコンピュータ装置である。服薬管理サーバ106は、服薬管理システム100に登録された複数の服薬者の服薬を管理する。服薬管理サーバ106は、通知された発信元電話番号から薬ケースを取り出した服薬者を特定し、特定した服薬者の家族や介護者に薬が取り出されたことをメールで通知する。
なお、この実施形態においては、薬配置カレンダー101と服薬管理装置102は、別の装置としたがこれに限定するものではなく、薬配置カレンダー101と服薬管理装置102とが一体となった装置であってもよい。
なお、この実施形態においては、携帯電話103からネットワーク104(電話回線)と電話交換ユニット105を介して服薬管理サーバ106に通知するとしたが、これに限定するものではなく、携帯電話103や電話交換ユニット105を用いず、服薬管理装置102からネットワーク104(インターネット)を介して服薬管理サーバ106に薬ケースの取り出しを通知するとしてもよい。
なお、この実施形態においては、薬ケースの取り出しの通知を受信した服薬管理サーバ106が、服薬者の家族や介護者にメール通知するとしたが、これに限定するものではなく、携帯電話103、電話交換ユニット105、服薬管理サーバ106を用いず、服薬管理装置102の通信機能を用いて、服薬者の家族や介護者に直接メール通知するとしてもよい。つまり、服薬管理装置102と服薬管理サーバ106とが一体となった装置であってもよい。
図2は、本実施形態の服薬管理装置102のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2において、201はCPUで、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM203あるいは外部メモリ214には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な各種プログラム等が記憶されている。
202はRAMで、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM203あるいは外部メモリ214からRAM202にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
205はタイマーコントローラで、タイマー212の制御およびタイマー212からの時刻入力を制御する。
206は受信コントローラで、取出信号受信部213を介して薬配置カレンダー101の薬ポケットから薬ケースが取り出されたことの検知信号を受信する。(図4にて後述)
207はメモリコントローラで、ブートプログラム,各種のアプリケーション,フォントデータ,ユーザファイル,編集ファイル,各種データ等を記憶するハードディスク(HD)や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ214へのアクセスを制御する。
208は出力コントローラで、LEDや液晶ディスプレイ等の出力装置215への表示を制御する。なお、出力装置215は、LEDや液晶ディスプレイに限定せず、CRTディスプレイなどであっても良い。これらは必要に応じて服薬管理装置102が使用するものである。本実施形態で使用する出力装置215のLED501については、図5にて後述する。
209は通信I/Fコントローラで、Wi−FiやBluetooth(登録商標)などの通信機能を用い、またはネットワーク104を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
210は撮影コントローラで、撮影処理部217を介してカメラ219からの入力を制御する。カメラ219から入力された撮影画像を認識し、静止画・動画を撮像することができる。また、撮影コントローラ210を用いてカメラ219を起動させ静止画・動画を撮像することができる。
211は音声出力コントローラで、音声出力処理部218を介してスピーカー220からの音声出力を制御する。
ハードウェア上で動作する各種プログラムは、外部メモリ214に記録されており、必要に応じてRAM202にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。
なお、全ての装置がこれらの構成を備えているわけではなく、必要なものを夫々備えていればよい。
図3は、本実施形態の服薬管理装置102の機能構成の一例を示すブロック図である。
カレンダー状に配置された複数の格納部301は、薬を格納する機能部である。
検知部302は、格納部301から薬が取り出されたことを検知する機能部である。
記憶部303は、服薬する時刻を記憶する機能部である。
警告出力部304は、記憶部303により記憶された時刻、または当該時刻よりも所定時間前もしくは所定時間後の時刻を過ぎても、検知部302により格納部301から薬が取り出されたことが検知されなかった場合、警告を出力する機能部である。
撮像部305は、服薬者が服薬する様子を撮像する機能部である。
撮像部305は、検知部302により格納部301から薬が取り出されたことが検知された場合、撮像する機能部である。
撮像部305は、記憶部303により記憶された時刻、または当該時刻よりも所定時間前もしくは所定時間後の時刻を過ぎても、検知部302により格納部301から薬が取り出されたことが検知されなかった場合、撮像する機能部である。
送信部306は、撮像部305により撮像された画像、または撮像部305により撮像された画像または加工した画像を他の装置に送信する機能部である。
検知部302は、複数の格納部301のうち、どの格納部301から薬が取り出されたかを検知する機能部である。
表示部307は、検知部302により薬が取り出されたと検知された格納部301と他の格納部301とを識別して表示する機能部である。
薬が取り出された格納部301に対応する表示部307が、薬が取り出されたことを示している場合、当該薬が取り出されたことに従って行う処理を行わない。
検知部302は、複数の格納部301のうち、どの格納部301から薬が取り出されたかを検知する機能部である。
複数の格納部301は、服薬する日、服薬する時間帯のうち少なくとも一方に対応づけられて配置されている。
警告出力部304は、検知部302により検知された薬が取り出された格納部301に対応する服薬する日、服薬する時間帯のうち少なくとも一方に現在が含まれない場合、警告を出力する機能部である。
警告出力部304は、記憶部303により記憶された服薬する時刻に対応する格納部301に薬が格納されていない、または記憶部303により記憶された服薬しない時刻に対応する格納部301に薬が格納されている、のうち少なくとも一方を満たす場合、警告を出力する機能部である。
通知部308は、記憶部303により記憶された時刻、または当該時刻よりも所定時間前もしくは所定時間後の時刻までに検知部302が格納部301から薬が取り出されたことを検知したこと、記憶部303により記憶された時刻、または当該時刻よりも所定時間前もしくは後の時刻を過ぎても検知部302が格納部301から薬が取り出されたことを検知しなかったこと、のうち少なくとも一方を他の装置に通知する機能部である。
結果出力部309は、記憶部303により記憶された時刻または当該時刻よりも所定時間前もしくは所定時間後の時刻までに検知部302が格納部301から薬が取り出されたことを検知したこと、記憶部303により記憶された時刻または当該時刻よりも所定時間前もしくは後の時刻を過ぎても検知部302が格納部301から薬が取り出されたことを検知しなかったこと、のうち少なくとも一方を結果として出力する機能部である。
図4は、本実施形態の薬配置カレンダー101の薬ポケットから薬ケースが取り出されたことの検知方法の一例を示す図である。
411は、薬ポケット401に薬を入れた薬ケース402を挿入した状態を、薬配置カレンダー101の正面から見た図である。412は、411の状態を薬配置カレンダー101の側面から見た図である。412のように、薬ポケット401の各位置に対応する薬配置カレンダー101の裏側にホール素子を取付ける。また、薬ケース402には、N極とS極の磁界が発生するようにマグネット2個を離して貼る。411・412の状態は、413のように信号は出力されていない状態である。
421は、薬ケース402を上方向に取り出した状態を、薬配置カレンダー101の正面から見た図である。422は、421の状態を薬配置カレンダー101の側面から見た図である。薬ケース402を上方向に引き抜くことにより、422のようにホール素子が磁界に反応し、ON/OFFのスイッチング動作によるパルス信号423が発生する。このパルス信号423を薬ケースの取り出し信号として、服薬管理装置102の取出信号受信部213が受信する。なお、パルス信号423には、各薬ポケット401に対応する識別情報を持たせ、パルス信号423から識別情報を読み取ることにより、どの薬ポケット401に配置された薬ケース402が取り出されたかがわかるようにする。
なお、この実施形態においては、薬ケースの取り出し信号は、ホール素子と磁界を用いて検出するとしたが、これに限定するものではなく、物理的なスイッチやフォトリフレクタ(赤外線)などを用いて検出するとしてもよい。
図5は、本実施形態の服薬管理装置102の一例を示す図である。
服薬管理装置102は、表面にLED501、リセットボタン502、タイマー212およびスピーカー220を備える。
LED501は、服薬管理装置102に備えられた出力装置215(表示部)である。LED501は、薬配置カレンダー101のレイアウトと同様に、縦軸を曜日(月曜日〜日曜日)、横軸を時間帯(朝・昼・夕・就寝)とする。
リセットボタン502は、(介護者などによる薬ポケット401への薬ケース402の配置を受け付けた後に)押下を受け付ける1と、LED501のすべてを消灯させる。
服薬管理装置102は、薬配置カレンダー101が送信する薬ケース取出信号を受信し、薬ケース402が取り出された薬ポケット401に対応するLEDを点灯させる。つまり、服薬者が薬を飲み忘れた場合、薬ケース402が薬ポケット401から取り出されていないため、その薬ポケット401に対応するLEDは消灯したままである。つまり、介護者は、薬配置カレンダー101に残っている薬ケース402、またはLED501の消灯箇所を確認することで、服薬者の服用状況を確認することができる。
これにより、医師、薬剤師、製薬者および介護者が、服薬者が定められた時間に定められた量を服薬したか、服薬忘れによる残薬があるかについて把握することが困難であるという問題を解決することができる。
図6は、本実施形態の服薬管理システム100における服薬管理全体処理の一例を示すフローチャートである。
以下、説明する各ステップは、各装置のCPUが実行するものとする。
ステップS601において、服薬管理装置102は、1人の服薬者の服薬を管理するために必要な服薬者・通知先・服薬時刻などの情報を設定する初期設定処理(図7)を行う。ここで、図7について説明しておく。
図7は、本実施形態の服薬管理システム100における初期設定処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS701において、服薬管理装置102は、初期設定画面の呼出を受け付ける。具体的には、タイマー212などの入力装置から初期設定メニュー(不図示)の選択を受け付ける。また、服薬管理装置102を起動し、初期設定が行われていなかった場合に、自動的に初期設定画面が呼出されてもよい。
ステップS702において、服薬管理装置102は、初期設定画面(図8)を液晶ディスプレイ等の出力装置215に表示する。なお、この実施形態においては、初期設定画面を使用して初期設定を行うとしたが、これに限定するものではなく、初期設定画面を用いず、服薬管理装置102の外部メモリ214に記憶されている設定ファイルに各情報を登録する方法でもよい。また、服薬時刻情報など一部の情報をタイマー212などの入力装置から設定し、服薬者・通知先などのその他の情報はオペレータが服薬管理サーバ106に登録するとしてもよい。
ここで、図8について説明しておく。
図8は、本実施形態の服薬管理システム100が出力する初期設定画面の一例を示す図である。
初期設定画面800は、服薬者情報810・服薬時刻情報820の大きく2つの情報を設定する画面である。
服薬者情報810として、服薬者ID811、服薬者氏名812、発信元電話番号813を設定する。
服薬状況をメール通知するための通知先情報として、通知先メールアドレス814、服薬した時に通知するチェックボックス815、服薬しなかった時に通知するチェックボックス816を設定する。
動画撮像の有無について、服薬した時に動画撮影するチェックボックス817、服薬しなかった時に動画撮影するチェックボックス818を、それぞれの動画撮像時間とともに設定する。
服薬時刻情報820として、朝821・昼822・夕823・就寝824の各テキストボックスに服薬開始時刻と服薬終了時刻をそれぞれ設定する。以下、この服薬終了時刻を過ぎた場合、「服薬する時刻を過ぎた」と表現する。なお、この実施形態においては、服薬開始時刻と服薬終了時刻を設定するとしたが、これに限定するものではなく、服薬開始時刻(例えば、7:30)、と服薬時間(例えば、30分間)を設定するとしてもよい。つまり、服薬すべき時間帯(服薬開始時刻から服薬終了時刻まで)が特定できる設定であればよい。
以上の服薬者情報810・服薬時刻情報820を設定し、保存ボタン830を押下することで初期設定が完了する。
以上で、図8の初期設定画面の説明を終了する。図7の説明に戻る。
ステップS703において、服薬管理装置102は、初期設定画面にて服薬者情報810・服薬時刻情報820の入力を受け付ける。
ステップS704において、服薬管理装置102は、服薬者情報810・服薬時刻情報820を外部メモリ214に記憶する。すなわち、ステップS704は、服薬する時刻を記憶する処理の一例を示すステップである。具体的には、服薬者情報810を服薬者テーブル1110(図11)に、服薬時刻情報820を服薬時刻テーブル1120(図11)に記憶する。
ステップS705において、服薬管理装置102は、服薬者情報810・服薬時刻情報820を服薬管理サーバ106に送信する。
ステップS706において、服薬管理サーバ106は、服薬者情報810・服薬時刻情報820を受信する。
ステップS707において、服薬管理サーバ106は、服薬者・通知先・服薬時刻の情報を外部メモリ214に記憶する。具体的な記憶方法については、ステップS704にて服薬管理装置102が外部メモリ214に記憶する服薬者テーブル1110・服薬時刻テーブル1120と同様である。
なお、この実施形態においては、服薬者テーブル1110・服薬時刻テーブル1120とも、服薬管理装置102と服薬管理サーバ106のそれぞれの外部メモリ214に記憶するとしたが、これに限定するものではなく、服薬管理装置102と服薬管理サーバ106がそれぞれ必要な情報だけに絞って記憶するとしてもよい。なお、服薬管理サーバ106を用いない場合は、ステップS705〜ステップS707の処理は不要である。
以上で、図7の初期設定処理の説明を終了する。図6の説明に戻る。
ステップS602において、服薬管理装置102は、薬配置カレンダー101の薬ポケット401に薬ケース402を配置するための薬配置処理(図9)を行う。ここで、図9について説明しておく。
図9は、本実施形態の服薬管理装置102における薬配置処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS901において、服薬管理装置102は、介護者などによる薬ポケット401への薬ケース402の配置を受け付ける。この際、前述したパルス信号423が発生するが、後述するステップS1005にあるように、薬ケース402が取り出された薬ポケット401から再びパルス信号423が検出されても服薬管理装置102は処理を行わない。
ステップS902において、服薬管理装置102は、服薬管理装置102のパネルに配置されたリセットボタン502(図5)の押下を受け付ける。
ステップS903において、服薬管理装置102は、LED501のすべてを消灯する。
ステップS904において、服薬管理装置102は、服薬時刻テーブル1120の設定と、各薬ポケット401に配置された薬ケース402とを比較し、誤りがあると判定した場合はステップS905に進み、誤りがない(正しい)と判定した場合は図9の薬配置処理を終了する。
具体的には、薬ポケット401に配置された物理的なスイッチやフォトリフレクタ(赤外線)を用いて、薬ケース402が配置されている薬ポケット401を特定する。服薬時刻テーブル1120の開始時刻・終了時刻カラムに時刻が設定されている時間帯(図11の場合、朝・昼・夕)に対応するすべての薬ポケット401に薬ケース402が配置されている、かつ服薬時刻テーブル1120の開始時刻・終了時刻カラムに時刻が設定されていない時間帯(図11の場合、就寝)に対応するすべての薬ポケット401に薬ケース402が配置されていない場合は、正しい薬配置であると判定する。そうでない場合は、誤りがあると判定する。
ステップS905において、服薬管理装置102は、ステップS904にて薬配置に誤りがあることを特定した薬ポケット401に対応するLEDを点滅させる。なお、この実施形態においては、LEDを点滅させるとしたが、これに限定するものではなく、薬を配置した人が薬配置の誤りを識別できる方法であれば他の方法(例えば、LEDを点灯させる、ブザーを鳴らす等)であってもよい。
ステップS906において、服薬管理装置102は、薬配置の誤りを知らせる警告メッセージを出力する。すなわち、ステップS906は、記憶された服薬する時刻に対応する格納部301に薬が格納されていない、または記憶された服薬しない時刻に対応する格納部301に薬が格納されている、のうち少なくとも一方を満たす場合、警告を出力する処理の一例を示すステップである。
具体的には、「薬の配置に誤りがあります」などのメッセージをスピーカー220から音声出力する。なお、この実施形態においては、警告メッセージを音声出力するとしたが、これに限定するものではなく、薬を配置した人が薬配置の誤りを認識できる方法であれば他の方法(例えば、警告メッセージを液晶ディスプレイ等の出力装置215に表示する、ブザーを鳴らす等)であってもよい。
これにより、介護者などが薬をカレンダーに配置した際、誤ったポケットに配置した場合(例えば、薬を朝・昼・夕のポケットに配置すべきところを朝・昼・夕のポケットのうち配置されていないポケットがあった、または就寝のポケットにも配置してしまった等)、配置の誤りを知ることができないという問題を解決することができる。
以上で、図9の薬配置処理の説明を終了する。図6の説明に戻る。
ステップS603において、服薬管理装置102は、服薬管理処理(図10)を行う。ここで、図10について説明しておく。
図10は、本実施形態の服薬管理システム100における服薬管理処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS1001において、服薬管理装置102は、現在時刻=服薬開始時刻か否かを判定する。現在時刻≠服薬開始時刻の場合はステップS1001に戻る。現在時刻=服薬開始時刻の場合はステップS1002に進む。
ステップS1002において、服薬管理装置102は、服薬メッセージを出力する。具体的には、「お薬の時間です。」「お薬を飲みましょう。」などのメッセージをスピーカー220から音声出力する。なお、この実施形態においては、メッセージを音声出力するとしたが、これに限定するものではなく、服薬者が服薬時刻になったことを認識できる方法であれば他の方法(例えば、メッセージを液晶ディスプレイ等の出力装置215に表示する、ブザーを鳴らす等)であってもよい。
ステップS1003において、服薬管理装置102は、取出信号受信部213が薬ポケット401から薬ケース402が取り出されたことを検知したか否かを判定する。検知した場合はステップS1005に進む。検知しなかった場合はステップS1004に進む。すなわち、ステップS1003は、格納部301から薬が取り出されたことを検知する処理の一例を示すステップである。また、ステップS1003は、薬を格納するためにカレンダー状に配置された格納部301から薬が取り出されたことを検知する処理の一例を示すステップである。また、ステップS1003は、格納部から薬が取り出されたことを示す信号を受信することにより、格納部から薬が取り出されたことを検知する処理の一例を示すステップである。
ステップS1004において、服薬管理装置102は、現在時刻と服薬終了時刻を比較する。現在時刻=服薬終了時刻―所定時間(例えば、服薬終了時刻=8:00、所定時間=5分間とすると、現在時刻=7:55)の場合はステップS1010に進む。現在時刻≦服薬終了時刻(例えば、服薬終了時刻=8:00とすると、現在時刻≦8:00)の場合はステップS1003に戻る。現在時刻>服薬終了時刻(例えば、服薬終了時刻=8:00とすると、現在時刻>8:00)の場合はステップS1012に進む。
ステップS1005において、服薬管理装置102は、服薬確認メッセージを出力する。すなわち、ステップS1005は、記憶された時刻、または当該時刻よりも所定時間前もしくは所定時間後の時刻を過ぎても、格納部301から薬が取り出されたことが検知されなかった場合、警告を出力する処理の一例を示すステップである。
具体的には、「お薬を飲み忘れていませんか?」などのメッセージをスピーカー220から音声出力する。なお、この実施形態においては、メッセージを音声出力するとしたが、これに限定するものではなく、服薬者が服薬終了時刻になったことを認識できる方法であれば他の方法(例えば、メッセージを液晶ディスプレイ等の出力装置215に表示する、ブザーを鳴らす等)であってもよい。
なお、この実施形態においては、「現在時刻=服薬終了時刻―所定時間」の場合に服薬確認メッセージを出力するとしたが、これに限定するものではなく、「現在時刻=服薬終了時刻」の場合、「現在時刻=服薬終了時刻+所定時間」の場合であってもよい。つまり、服薬終了時刻が間近であること、服薬終了時刻であること、服薬終了時刻を過ぎていることを服薬者に服薬を忘れていることを通知するものであればよい。
これにより、服薬者がカレンダーを見なかった場合に、服薬を忘れてしまうという問題を解決することができる。
ステップS1006において、服薬管理装置102は、薬ケース402が取り出された薬ポケット401を特定する。すなわち、ステップS1006は、複数の格納部301のうち、どの格納部301から薬が取り出されたかを検知する処理の一例を示すステップである。具体的には、パルス信号423に各薬ポケット401に対応する識別情報を持たせ、パルス信号423から識別情報を読み取ることにより、どの薬ポケット401に配置された薬ケース402が取り出されたかがわかるようにする。
ステップS1007において、服薬管理装置102は、現在の曜日・時刻とステップS1005にて特定された薬ポケット401のIDとを照合し、誤りの場合はステップS1008に進み、正しい場合はステップS1009に進む。具体的には、現在が月曜の12:38の場合に、「月曜日・夕」の薬ポケット401から薬が取り出された場合、服薬者が時間帯を間違って薬を取り出しているため、「誤り」と判定する。また、現在が月曜の12:38の場合に、「火曜日・昼」の薬ポケット401から薬が取り出された場合、服薬者が曜日を間違って薬を取り出しているため、「誤り」と判定する。
なお、この実施形態においては、時間帯または曜日を間違った薬ポケットから薬を取り出すことを「誤り」と判定するとしたが、これに限定するものではなく、薬配置カレンダー101が日付(1〜31日)の月間カレンダーであった場合、時間帯または日付を間違った薬ポケットから薬を取り出すことを「誤り」と判定する。つまり、薬を取り出された薬ポケットに対応づけられた時間帯と現在時刻が異なる場合に「誤り」と判定する。
ステップS1008において、服薬管理装置102は、薬の取り出しの誤りを知らせる警告メッセージを出力する。すなわち、ステップS1008は、検知された薬が取り出された格納部301に対応する服薬する日、服薬する時間帯のうち少なくとも一方に現在が含まれない場合、警告を出力する処理の一例を示すステップである。具体的には、「薬を誤ったポケットから取り出しました。ご確認ください。」等のメッセージをスピーカー220から音声出力する。その際、現在取り出した薬ポケットに対応するLED501を点滅させ、誤って取り出した薬ポケットの場所を服薬者が認識できるようにする。
なお、この実施形態においては、警告メッセージを音声出力するとしたが、これに限定するものではなく、服薬者が薬取り出しの誤りを認識できる方法であれば他の方法(例えば、警告メッセージを液晶ディスプレイ等の出力装置215に表示する、ブザーを鳴らす等)であってもよい。
ステップS1009において、服薬管理装置102は、ステップS1005にて特定した薬ポケット401に対応するLEDが点灯しているか消灯しているかを判定する。LEDが点灯している場合は、この薬ポケット401から薬ケース402が既に取り出されたことがあると捉え、その後の処理(例えば、撮像処理、メール送信処理等)を行わず、図10の服薬管理処理を終了する。LEDが消灯している場合は、ステップS1010に進む。すなわち、ステップS1009は、薬が取り出された格納部301に対応する表示部が、薬が取り出されたことを示している場合、薬が取り出されたことに従って行う処理を行わないことの一例を示すステップである。
なお、この実施形態においては、薬を取り出した薬ポケット401が既に取り出されたことがあるか否かを、薬を取り出した薬ポケット401に対応するLEDの点灯・消灯によって判定するとしたが、これに限定するものではなく、薬ポケット401からの薬の取り出しの有無の記録をRAM202で管理しRAM202を参照して判定する、受信したパルス信号423に含まれる各薬ポケット401に対応する識別情報を外部メモリ214に履歴管理し外部メモリ214を参照して判定する、等の方法であってもよい。
ステップS1010において、服薬管理装置102は、ステップS1006にて特定した薬ポケット401に対応するLEDを点灯させる。すなわち、LED501は、薬が取り出されたと検知された格納部301と他の格納部301とを識別して表示するための表示部の一例である。
具体的には、ステップS1006にて薬ケース402が取り出された薬ポケット401が「月曜・昼」のポケットであると特定できた場合、LED501のうち「月曜・昼」に対応するLEDを点灯させる。これにより、服薬者が服薬した時にその場に居なかった介護者が、服薬者が定められた時間に定められた量を服薬したか、服薬忘れによる残薬があるかについて把握することができる。
なお、この実施形態においては、薬ポケット401に対応するLED501を点灯させるとしたが、これに限定するものではなく、通常は点灯しているLED501を消灯する、薬ポケット401に対応する表を液晶ディスプレイ等に表示し、その表の取り出された薬ポケット401に対応する欄とその他の欄とを識別して表示する等の方法であってもよい。
ステップS1011において、服薬管理装置102は、外部メモリ214に記憶されている服薬者テーブル1110の「服薬有撮像フラグ」の値を判定する。Yesの場合はステップS1013に進む。Noの場合はステップS1015に進む。
ステップS1012において、服薬管理装置102は、外部メモリ214に記憶されている服薬者テーブル1110の「服薬無撮像フラグ」の値を判定する。Yesの場合はステップS1014に進む。Noの場合はステップS1015に進む。
ステップS1013において、服薬管理装置102は、カメラ219を用いて服薬者が服薬する様子を撮像する。すなわち、ステップS1013は、服薬者が服薬する様子を撮像する処理の一例を示すステップである。すなわち、ステップS1013は、格納部301から薬が取り出されたことが検知された場合、撮像する処理の一例を示すステップである。
具体的には、外部メモリ214に記憶されている服薬者テーブル1110の「服薬有撮像時間」だけ撮像する。なお、この撮像は人体センサ等を用いて、服薬者が服薬する様子を確実に撮像できるようにしてもよい。なお、服薬者のプライバシーを守るため、レンズにフィルタを付ける、撮像時の画像を加工する等により、服薬者が服薬する様子がわかる程度に撮像するとしてもよい。なお、この実施形態においては、カメラを用いて動画撮像するとしたが、これに限定するものではなく、静止画撮像であってもよい。
これにより、本発明においては服薬する様子が短時間の動画または少数の静止画に記録されているため、一般的な安否確認システムにおいて撮像された長時間の動画または多数の静止画の中から要介護者が服薬したか否かを確認することが困難または非効率的であるという問題を解決することができる。
ステップS1014において、服薬管理装置102は、カメラ219を用いて室内の様子を撮像する。すなわち、ステップS1014は、記憶された時刻、または当該時刻よりも所定時間前もしくは所定時間後の時刻を過ぎても、格納部301から薬が取り出されたことが検知されなかった場合、撮像する処理の一例を示すステップである。
具体的には、外部メモリ214に記憶されている服薬者テーブル1110の「服薬無撮像時間」だけ撮像する。なお、この撮像は広角撮影機能やパノラマ撮影機能等を用いて、室内全体の様子がはっきりと撮像できるようにしてもよい。なお、服薬者のプライバシーを守るため、レンズにフィルタを付ける、撮像時の画像を加工する等により、室内全体の様子がわかる程度に撮像するとしてもよい。なお、この実施形態においては、カメラを用いて動画撮像するとしたが、これに限定するものではなく、静止画撮像であってもよい。
なお、この実施形態においては、「現在時刻>服薬終了時刻」の場合に室内の様子を撮像するとしたが、これに限定するものではなく、「現在時刻>服薬終了時刻―所定時間」の場合、「現在時刻=服薬終了時刻」の場合、「現在時刻>服薬終了時刻+所定時間」の場合であってもよい。つまり、服薬終了時刻の所定時間前、服薬終了時刻、または服薬終了時刻から所定時間経過をトリガーにして、室内の様子を撮像するとしてもよい。
なお、この実施形態においては、ステップS1003にて薬ポケット401から薬ケース402が取り出されたことを検知した場合に服薬者が服薬する様子を撮像する(ステップS1013)、ステップS1003にて薬ポケット401から薬ケース402が取り出されたことを検知しなかった場合に室内の様子を撮像する(ステップS1014)としたが、これに限定するものではなく、例えばカメラ219で室内の様子を常時撮像し続けておき、ステップS1013またはステップS1014にて撮像画像を抜き出して外部メモリ214に記憶する方法であってもよい。
ステップS1015において、服薬管理装置102は、服薬有無信号(ステップS1011を経由した場合は「服薬有」、ステップS1012を経由した場合は「服薬無」)と、ステップS1013またはステップS1014にて撮像した撮像画像とを服薬管理サーバ106に送信する。すなわち、ステップS1015は、撮像された画像、または撮像された画像または加工した画像を他の装置に送信する処理の一例を示すステップである。
なお、ステップS1012を経由した場合の服薬有無信号=「服薬無」は、服薬無が連続して発生した場合に「服薬無(2回連続)」「服薬無(3回連続)」のように、「服薬有」の後に発生した「服薬無」と服薬有無信号を変えるとしてもよい。すなわち、ステップS1015は、警告の出力が複数回続けて行われる場合、初回の警告とは異なる警告を出力する処理の一例を示すステップである。これにより、服薬無が連続して発生した場合に、服薬者の家族や介護者に送信される「服薬無メール」をより重要な内容に変える等によって、服薬者の家族や介護者に対して、単なる飲み忘れではなく、服薬者が意識を失ってしまったなど、何か大きな問題が発生している可能性があることを知らせることができる。
なお、この実施形態においては、送信する撮像画像は動画ファイルとしたが、これに限定するものではなく、静止画ファイルやそれらの画像を加工した画像であってもよい。また、この実施形態においては、撮像画像を服薬管理サーバ106に送信するとしたが、これに限定するものではなく、例えば、服薬管理装置102が服薬者の家族や介護者の携帯電話にメール等で直接送信するとしてもよい。
ステップS1016において、服薬管理サーバ106は、服薬有無信号と撮像画像とを受信する。
ステップS1017において、服薬管理サーバ106は、受信した服薬有無信号と撮像画像とを記憶する。具体的には、外部メモリ214の服薬結果テーブル1130に、「服薬者ID」「日付」「時間帯」「服薬時刻」「撮像画像」を記憶する。なお、服薬有無信号=「服薬有」の場合は、「服薬時刻」には取出信号受信部213が薬ポケット401から薬ケース402が取り出された時刻を記憶する。また、服薬有無信号=「服薬無」の場合は、「服薬時刻」には“NULL”を記憶する。
ステップS1018において、服薬管理サーバ106は、受信した服薬有無信号の「服薬有」「服薬無」を判定する。「服薬有」の場合はステップS1019に進む。「服薬無」の場合はステップS1020に進む。
ステップS1019において、服薬管理サーバ106は、外部メモリ214に記憶されている服薬者テーブル1110の「服薬有メール」の値を判定する。Yesの場合はステップS1021に進む。Noの場合は図10の服薬管理処理を終了する。
ステップS1020において、服薬管理サーバ106は、外部メモリ214に記憶されている服薬者テーブル1110の「服薬無メール」の値を判定する。Yesの場合はステップS1022に進む。Noの場合は図10の服薬管理処理を終了する。
ステップS1021において、服薬管理サーバ106は、外部メモリ214に記憶されている服薬者テーブル1110の「通知先メールアドレス」に服薬有メールを送信する。具体的には、服薬有メールは「2015年7月1日 7時31分 服薬太郎さんが服薬しました。」のような内容で、家族や介護者に対して、服薬者が服薬したことを通知するメールである。また、そのメールには、服薬する様子の撮像画像(例えば、20150701_01.mpeg)へのリンクを記し、家族や介護者がリンクを押下することで服薬者の服薬する様子を確認できるとしてもよい。
なお、この実施形態においては、「通知先メールアドレス」に服薬有メールを送信するとしたが、これに限定するものではなく、「通知先電話番号」に発信して服薬有を示す音声を流す、家族や介護者が閲覧可能なSNSなどのWebページに服薬有を示す書き込みをする等、家族や介護者が、服薬者が服薬したことを識別できる方法であれば他の方法でもよい。
これにより、家族や介護者は、服薬者が服薬している様子を確認することができるようになり、服薬している様子を実際に見ることができないことによる正確な服薬状況を知ることができないという問題を解決することができる。
ステップS1022において、服薬管理サーバ106は、外部メモリ214に記憶されている服薬者テーブル1110の「通知先メールアドレス」に服薬無メールを送信する。具体的には、服薬無メールは「2015年7月2日 18時00分 服薬太郎さんが服薬時刻を過ぎても服薬しませんでした。」のような内容で、家族や介護者に対して、服薬者が服薬しなかったことを通知するメールである。また、そのメールには、室内の撮像画像へのリンクを記し、家族や介護者がリンクを押下することで服薬者の安否を確認できるとしてもよい。
なお、この実施形態においては、「通知先メールアドレス」に服薬無メールを送信するとしたが、これに限定するものではなく、「通知先電話番号」に発信して服薬無を示す音声を流す、家族や介護者が閲覧可能なSNSなどのWebページに服薬無を示す書き込みをする等、家族や介護者が、服薬者が服薬しなかったことを識別できる方法であれば他の方法でもよい。
すなわち、ステップS1021およびステップS1022は、記憶された時刻、または当該時刻よりも所定時間前もしくは所定時間後の時刻までに格納部301から薬が取り出されたことを検知したこと、記憶された時刻、または当該時刻よりも所定時間前もしくは後の時刻を過ぎても格納部301から薬が取り出されたことを検知しなかったこと、のうち少なくとも一方を他の装置に通知する処理の一例を示すステップである。
これにより、家族や介護者が、服薬を忘れたことをタイムリーに知ることができないため、結果的に好適な服薬ができず、病気の治癒が遅れてしまうという問題を解決することができる。また、服薬者が倒れてしまった場合、家族や介護者が気づくことが困難であるという問題についても解決することができる。
以上で、図10の服薬管理処理の説明を終了する。図6の説明に戻る。
ステップS604において、服薬管理サーバ106は、服薬結果一覧出力処理を行う。すなわち、ステップS604は、記憶された時刻または当該時刻よりも所定時間前もしくは所定時間後の時刻までに格納部301から薬が取り出されたことを検知したこと、記憶された時刻または当該時刻よりも所定時間前もしくは後の時刻を過ぎても格納部301から薬が取り出されたことを検知しなかったこと、のうち少なくとも一方を結果として出力する処理の一例を示すステップである。
具体的には、服薬管理サーバ106は、服薬者の服薬状況を管理する医師、薬剤師、製薬者および介護者からの指示を受け、服薬管理処理(図10)のステップS1017にて記憶した服薬結果テーブル1130から、服薬結果一覧を出力したい「服薬者ID」「日付(年月)」をキーに検索し、「時間帯」「服薬時刻」を取得し、服薬結果一覧1200(図12)をCRTディスプレイ等に出力する。ここで、図12について説明しておく。
図12は、本実施形態の服薬管理システム100が出力する服薬結果一覧の一例を示す図である。
服薬結果一覧1200は、服薬者情報1210・服薬状況1220の大きく2つの情報を出力する画面または帳票である。
服薬者情報1210として、「服薬者ID1211」と「服薬者氏名1212」を出力する。
服薬状況1220として、「年月1221」「時間帯1222」「服薬時刻1223」「服薬平均時刻1224」「服薬率1225」「残薬数1226」を出力する。なお、この実施形態においては、服薬状況1220の出力内容は、これに限定するものではなく、これらの項目の一部のみを出力したり、その他の項目を出力したりしてもよい。
印刷ボタン1230の押下を受け付けると、服薬結果一覧1200をプリンタから出力する。閉じるボタン1231の押下を受け付けると、服薬結果一覧1200を閉じる。
なお、この実施形態においては、服薬結果一覧1200をCRTディスプレイやプリンタを用いて出力するとしたが、これらに限定するものではなく、テキストファイルやCSVファイル等のファイルとして出力するとしてもよい。
これにより、医師、薬剤師、製薬者および介護者は、服薬者が定められた時間に定められた量を服薬したか、服薬忘れによる残薬があるかについて把握することが困難であるという問題を解決することができる。
以上で、図12の服薬結果一覧の説明を終了する。
以上で、図6の服薬管理全体処理の説明を終了する。
以上により、服薬者に好適な服薬を促すことができる。
〔第2の実施形態〕
第1の実施形態では、服薬管理装置102と携帯電話103とが異なる筐体であるとして説明した。第2の実施形態では、服薬管理装置102と携帯電話103とが同一の筐体に組み込まれた装置、例えば、スマートフォンやタブレットなどの情報処理装置107であるとして説明する。つまり、第2の実施形態は、第1の実施形態における複数の機器(服薬管理装置102と携帯電話103)を、ひとつの機器(情報処理装置107)に適用したものである。
なお、第2の実施形態は、情報処理装置107がスマートフォンやタブレットなどであるため、情報処理装置107が服薬者の傍にあるケース、情報処理装置107が服薬者の家族や介護者の傍にあるケースの2通りが考えられる。
図13は、第2の実施形態に係る服薬管理システム100の構成の一例を示す図であり、第1の実施形態の図1における服薬管理装置102と携帯電話103とを情報処理装置107に置き換えたものである。
図13について説明する。ただし、図1と同じ箇所については説明を省略する。
第2の実施形態の服薬管理システム100は、薬配置カレンダー101、情報処理装置107、ネットワーク104、電話交換ユニット105、服薬管理サーバ106で構成される。
情報処理装置107は、携帯電話、スマートフォン、タブレット、ノートPC、PDA、およびデスクトップPCなどの端末であって、服薬管理アプリケーションまたはブラウザがインストールされており、LANやWANなどのネットワーク104を介して服薬管理サーバ106と通信可能である。
情報処理装置107は、Wi−Fi、Bluetooth(登録商標)、超音波などの通信機能、またはLANやWANなどのネットワーク104を介して、薬配置カレンダー101が送信する薬ケース取出信号を受信し、出力装置215(例えば、液晶ディスプレイ)に服薬状況画面1301(図13)を表示する。服薬状況画面1301には、服薬者名1302、家族や介護者を呼び出す呼出ボタン1303、服薬状況をリセットするリセットボタン1304、薬配置カレンダー101の薬ポケット401に対応する「●(薬未取出)」「○(薬取出済)」の服薬アイコン1305が表示されており、薬ケース402が取り出された場合、薬ポケット401に対応する服薬アイコン1305の表示を「●(薬未取出)」から「○(薬取出済)」へ変更する。
これにより、服薬すべき時間帯を過ぎたにも関わらず、「●(薬未取出)」の状態となっている服薬アイコン1305は「飲み忘れ」であることが、薬配置カレンダー101を見なくてもわかるようになる。これにより、情報処理装置107が薬配置カレンダー101から遠く離れた距離にある場合であっても、例えば、介護者が服薬者から遠く離れた場所に居る場合であっても、介護者は情報処理装置107の服薬状況画面1301を確認することで、服薬者の服用状況を確認することができる。つまり、家族や介護者が、服薬を忘れたことをタイムリーに知ることができないため、結果的に好適な服薬ができず、病気の治癒が遅れてしまうという問題を解決することができる。
以上で、図13の説明を終了する。
図14は、第2の実施形態に係る情報処理装置107のハードウェア構成の一例を示す図であり、第1の実施形態の図2における服薬管理装置102と携帯電話103のハードウェア構成を情報処理装置107のハードウェア構成に置き換えたものである。
図14について説明する。ただし、図2と同じ箇所については説明を省略する。
221は音声入力コントローラで、音声入力処理部222を介してマイク223からの音声入力を制御する。これにより、マイク223から入力された音声を外部メモリ214に記録し、その音声を薬配置の誤りや薬の取り出しの誤りを知らせる警告メッセージとして利用することができる。
以上で、図14の説明を終了する。
図15は、第2の実施形態に係る情報処理装置107の機能構成の一例を示すブロック図であり、第1の実施形態の図3における服薬管理装置102の機能構成を情報処理装置107の機能構成に置き換えたものである。
図15について説明する。ただし、図3と同じ箇所については説明を省略する。
検知部302は、薬を格納するためにカレンダー状に配置された格納部から薬が取り出されたことを検知する機能部である。
撮像指示部1601は、服薬者が服薬する様子の撮像を指示する機能部である。
撮像指示部1601は、検知部302により格納部から薬が取り出されたことが検知された場合、撮像を指示する機能部である。
検知部302は、服薬者ごとに分けて薬を格納された格納部から複数の服薬者のうち、どの服薬者の薬が取り出されたかを検知する機能部である。
警告出力部304は、警告の出力が複数回続けて行われる場合、初回の警告とは異なる警告を出力する機能部である。
検知部302は、格納部から薬が取り出されたことを示す信号を受信することにより、格納部から薬が取り出されたことを検知する機能部である。
以上で、図15の説明を終了する。
図4の薬配置カレンダー101の薬ポケットから薬ケースが取り出されたことの検知方法については、第2の実施形態においても同様である。なお、薬ケース402を上方向に引き抜くことにより、薬配置カレンダー101から発生する薬ケースの取り出し信号であるパルス信号423は、Wi−Fi、Bluetooth(登録商標)、超音波などの通信機能、またはLANやWANなどのネットワーク104を介して、情報処理装置107の取出信号受信部213が受信する。
以上で、図4の説明を終了する。
図5の服薬管理装置102に備わるLED501、リセットボタン502、通信中ランプ503、タイマー212およびスピーカー220はすべて、第2の実施形態に係る情報処理装置107に備わる。なお、LED501、リセットボタン502、通信中ランプ503は、情報処理装置107の出力装置215に表示される服薬状況画面1301の一部として表示される。
以上で、図5の説明を終了する。
図6の服薬管理全体処理のフローチャートは、第2の実施形態においても同様である。なお、図6の服薬管理装置102のCPU201が行う処理は、第2の実施形態における情報処理装置107のCPU201が行う。
以上で、図6の説明を終了する。
図7の初期設定処理のフローチャートは、第2の実施形態においても同様である。なお、図7の服薬管理装置102のCPU201が行う処理は、第2の実施形態における情報処理装置107のCPU201が行う。また、ステップS702において表示される初期設定画面(図8)は、情報処理装置107の出力装置215に表示される。
以上で、図7、図8の説明を終了する。
図9の薬配置処理のフローチャートは、第2の実施形態においても同様である。なお、図9の服薬管理装置102のCPU201が行う処理は、第2の実施形態における情報処理装置107のCPU201が行う。また、前述のように、LED501、リセットボタン502は、情報処理装置107の出力装置215に表示される服薬状況画面1301の一部として表示される。
以上で、図9の説明を終了する。
図16は、第2の実施形態に係る服薬管理システム100における服薬管理処理の一例を示すフローチャートであり、第1の実施形態の図10における服薬管理装置102を情報処理装置107に置き換えたものである。
図16について説明する。ただし、図10と同じ処理については説明を省略する。
ステップS1601において、情報処理装置107は、服薬状況画面1301に表示されている、ステップS1005にて特定した薬ポケット401に対応する服薬アイコン1305が「○(薬取出済)」か「●(薬未取出)」かを判定する。「○」の場合は、この薬ポケット401から薬ケース402が既に取り出されたことがあると捉え、その後の処理(例えば、撮像処理、メール送信処理等)を行わず、図16の服薬管理処理を終了する。「●」の場合は、ステップS1602に進む。すなわち、ステップS1601は、薬が取り出された格納部301に対応する表示部が、薬が取り出されたことを示している場合、薬が取り出されたことに従って行う処理を行わないことの一例を示すステップである。
なお、本実施形態においては、服薬状況画面1301に表示されている服薬アイコン1305の種類で判定するとしたが、これに限定するものではなく、情報処理装置107のRAM202または外部メモリ214に記憶されている服薬状況から、ステップS1005にて特定した薬ポケット401が「薬取出済」か「薬未取出」かを判定するとしてもよい。
ステップS1602において、情報処理装置107は、ステップS1006にて特定した薬ポケット401に対応する服薬アイコン1305を「●」から「○」に変更し、服薬状況画面1301を表示する。なお、服薬状況画面1301を表示する処理については、図17の説明にて後述する。すなわち、服薬状況画面1301に表示されている服薬アイコン1305は、薬が取り出されたと検知された格納部301と他の格納部301とを識別して表示するための表示部の一例である。
ステップS1603において、情報処理装置107は、服薬者が服薬する様子の撮像を指示する。すなわち、ステップS1603は、服薬者が服薬する様子の撮像を指示する処理の一例を示すステップである。すなわち、ステップS1603は、格納部301から薬が取り出されたことが検知された場合、撮像を指示する処理の一例を示すステップである。
具体的には、服薬者が服薬する様子や室内の様子は、情報処理装置107が服薬者の傍にあるケースにおいては、情報処理装置107が備えるカメラ219を用いて撮像する。一方、情報処理装置107が服薬者の家族や介護者の傍にある(つまり、服薬者の傍にない)ケースにおいては、情報処理装置107が服薬者の傍にあるカメラ(例えば、ネットワークカメラ、情報処理装置107とは異なる情報処理装置が備えるカメラ等)に撮像を指示し、撮像された画像または動画を情報処理装置107が受信する。
ステップS1604において、情報処理装置107は、ステップS1603の撮像指示により撮像された服薬者が服薬する様子の画像を取得する。
ステップS1605において、情報処理装置107は、室内の様子の撮像を指示する。すなわち、ステップS1605は、記憶された時刻、または当該時刻よりも所定時間前もしくは所定時間後の時刻を過ぎても、格納部301から薬が取り出されたことが検知されなかった場合、撮像する処理の一例を示すステップである。
ステップS1606において、情報処理装置107は、ステップS1605の撮像指示により撮像された室内画像を取得する。
以上で、図16の説明を終了する。
図17は、第2の実施形態に係る服薬管理システム100における服薬状況画面表示処理の一例を示すフローチャートであり、図16のステップS1602にて行う、服薬状況画面1301の表示処理の詳細を記したフローチャートである。図17について説明する。なお、薬ポケット401からの薬の取り出しの有無の記録(=服薬状況)は、情報処理装置107のRAM202または外部メモリ214で管理しておくものとする。
ステップS1701において、情報処理装置107は、RAM202または外部メモリ214に記憶されている服薬状況を取得する。なお、本実施形態においては、情報処理装置107のRAM202または外部メモリ214から服薬状況を取得するとしたが、これに限定するものではなく、服薬管理サーバ106に問い合わせて、服薬管理サーバ106の外部メモリ214に記憶されている服薬結果テーブル1130から服薬状況を取得するとしてもよい。
ステップS1702において、情報処理装置107は、ステップS1701にて取得した服薬状況を服薬状況画面1301(図13)として表示する。
ステップS1703において、情報処理装置107は、薬配置カレンダー101における最終服薬が終了したか否かを判定し、終了していた場合はステップS1704に進み、終了していない場合はステップS1705に進む。具体的には、ステップS1701にて取得した服薬状況のうち、薬配置カレンダー101の最終の薬ポケット401(図1の薬配置カレンダー101の場合、「日曜日」の「就寝」)に対応する服薬状況の値が存在するか否かで判定する。
ステップS1704において、情報処理装置107は、家族や介護者を呼び出す呼出ボタン1303、服薬状況をリセットするリセットボタン1304を服薬状況画面1301に表示する。これにより、薬配置カレンダー101における最終服薬が終了した場合、かつ服薬者自身が薬配置カレンダー101に薬を配置できない場合、呼出ボタン1303により家族や介護者を呼び出して新たな薬の配置を依頼することができるようになる。また、薬配置カレンダー101における最終服薬が終了した場合、かつ薬配置カレンダー101に新たな薬を配置した場合、リセットボタン1304によりRAM202または外部メモリ214に記憶されている服薬状況をクリアすることができるようになる。
ステップS1705において、情報処理装置107は、ユーザの操作を受け付け、受け付けた操作を判定する。スワイプ操作の場合はステップS1706に進み、リセットボタン押下の場合はステップS1707に進み、呼出ボタン押下の場合はステップS1708に進む。なお、本実施形態においては、スワイプ操作としたが、この操作に限定するものではなく、服薬者名1302をセレクトボックスにして介護者が管理する服薬者の中から表示する服薬者名を選択するといった操作や、操作とは無関係に複数の服薬者の服薬状況をスライドショーのように順に表示するなどの方法であってもよい。
ステップS1706において、情報処理装置107は、服薬状況画面1301に表示する服薬者を変更する。これは、介護者が複数の服薬者の服薬状況を管理することを想定している。
この場合、情報処理装置107の外部メモリ214に記憶されている服薬者テーブル1110、服薬時刻テーブル1120、服薬結果テーブル1130の各テーブルには、複数の服薬者のレコードが記憶されている。
つまり、第2の実施形態では、ステップS1003において、取出信号受信部213は、複数の服薬者のうちどの服薬者の薬ポケット401から薬ケース402が取り出されたことか検知する。すなわち、ステップS1003は、服薬者ごとに分けて薬を格納された格納部から複数の服薬者のうち、どの服薬者の薬が取り出されたかを検知する処理の一例を示すステップである。
服薬者を変更する具体的な方法は、服薬者テーブル1110から、現在の服薬状況画面1301に表示している服薬者の次の服薬者レコードを取得し、ステップS1701に戻り、取得した服薬者レコードの服薬者IDを用いて服薬結果テーブル1130から服薬結果レコードを取得し、ステップS1702にて取得した服薬結果レコードを用いて、服薬状況を服薬状況画面1301(図13)として表示する。
なお、本実施形態における服薬状況画面1301には、介護者が管理する複数の服薬者のうち選択された服薬者の服薬状況を表示するとしたが、これに限定するものではなく、介護者が管理する複数の服薬者のうち、すべてまたは複数の服薬者の服薬状況をまとめて表示するとしてもよい。
これにより、介護者が複数人の服薬者の服薬状況を管理することができる。
ステップS1707において、情報処理装置107は、RAM202または外部メモリ214に記憶されている服薬状況をクリアし、ステップS1701に戻る。
ステップS1708において、情報処理装置107は、家族または介護者を呼び出す。具体的には、情報処理装置107の外部メモリ214に記憶されている服薬者テーブル1110の通知先メールアドレスに向けて呼出メールを送信する、家族または介護者の連絡先電話番号を記憶しておき、その電話番号へ通話発信するなどの処理を行う。
以上で、図17の説明を終了する。
以上により、服薬者に好適な服薬を促すことができる。
これにより、家族や介護者は、服薬者が服薬している様子を確認することができるようになり、服薬している様子を実際に見ることができないことによる正確な服薬状況を知ることができないという問題を解決することができる。
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読み出し、実行することによっても本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク等を用いることが出来る。
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、ひとつの機器から成る装置に適用しても良い。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
上記プログラムの形態は、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード、OS(オペレーティングシステム)に供給されるスクリプトデータ等の形態から成ってもよい。