JP6916120B2 - 作業車両用の自動走行システム - Google Patents
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Description
作業車両用の自動走行システムにおいて、
作業地の第1端部領域において前記作業地の第1端辺に隣接する基準経路と、前記基準経路に対して並列に並ぶ複数の並列経路と、前記基準経路と所定数の前記並列経路とを一連に接続する複数の転回経路と、を有して作業車両を蛇行状に往復案内する往復案内経路を生成し、前記往復案内経路に連接されるとともに、前記基準経路と、所定数の前記転回経路が位置する前記作業地の第2端部領域と第3端部領域において前記転回経路の配列方向に延びる一対の端部経路と、を有して、前記作業車両を前記作業地の外周側において周回案内する周回案内経路を生成する目標経路生成部と、
前記作業車両が前記基準経路を通るように前記往復案内経路を走行した後、または、前記基準経路を通らないように前記往復案内経路を走行した後に、前記周回案内経路を走行するように前記作業車両の走行を制御する走行制御部と、
前記往復案内経路においては、前記基準経路と前記転回経路での前記作業車両の走行状態を非作業走行状態とし、前記並列経路での前記作業車両の走行状態を作業走行状態とし、前記周回案内経路においては、前記基準経路と前記端部経路での前記作業車両の走行状態を作業走行状態とする作業制御部と、
を備えている点にある。
また、このように基準経路を含む往復案内経路を生成することで、往復案内経路と第1端辺との間に周回用の経路を生成するための領域を確保することができなくなっても、往復案内経路の基準経路では作業車両が非作業走行状態になることにより、基準経路を作業用の経路として周回案内経路に含めることができる。これにより、基準経路と一対の端部経路において作業車両が作業走行状態になる周回案内経路を生成することができる。そして、各端部経路は、所定数の転回経路が位置する作業地の第2端部領域と第3端部領域において転回経路の配列方向に延びる作業経路であることから、往復案内経路での作業車両の自動走行により、転回経路が位置する第2端部領域と第3端部領域とに不揃いの未作業領域が残されていても、その後の各端部経路などを含む周回案内経路での作業車両の自動走行により、第2端部領域と第3端部領域とに残る不揃いの未作業領域を、基準経路などの未作業領域とともに無くすことができる。
前記目標経路生成部は、複数の前記並列経路のうちの前記作業地における前記第1端部領域とは反対側の第4端部領域に位置する並列経路を、前記往復案内経路に含めずに、前記周回案内経路の最終経路として前記周回案内経路に含める点にある。
つまり、作業地における作業車両用の入出経路の位置および方位が考慮されたより作業地に適した往復案内経路および周回案内経路を生成することができ、これにより、自動走行による作業車両の作業地からの退出を速やかに行える。
前記目標経路生成部は、前記第1端辺に対向する第4端辺が前記基準経路に沿わない場合は、前記周回案内経路に含まれる前記並列経路を前記第4端辺に沿うように生成する点にある。
なお、本発明に係る作業車両用の自動走行システムは、トラクタ以外の、乗用草刈機などの乗用作業車両、および、無人草刈機などの無人作業車両に適用することができる。
なお、携帯通信端末3には、ノート型のパーソナルコンピュータまたはスマートフォンなどを採用することができる。
なお、トラクタ1の後部には、ロータリ耕耘装置6に代えてプラウや草刈装置などの作業装置を連結することができる。
なお、エンジン10には、電子ガバナを備えた電子制御式のガソリンエンジンを採用してもよい。変速装置11には、油圧機械式無段変速装置(HMT)、静油圧式無段変速装置(HST)、または、ベルト式無段変速装置、などを採用することができる。パワーステアリング機構12には、電動モータを備えた電動式のパワーステアリング機構などを採用してもよい。
なお、端末記憶部30Aに記憶される各種のデータには、目標経路Pの検索や生成に使用する車体データや圃場データ、および、圃場Aごとに生成した目標経路P、などが含まれている。
次に、車体データに含まれたトラクタ1の最小旋回半径やロータリ耕耘装置6の作業幅、圃場データに含まれた圃場Aに対するトラクタ1の入出経路R、および、領域区分け処理で区分けした作業領域Ab、などに基づいて、目標経路Pを生成する目標経路生成処理(図4のステップ#2〜8)を行う。
目標経路生成処理では、先ず、目標経路Pのうち、圃場Aの第1端部領域A1において圃場Aの第1端辺A1aに隣接する単一の基準経路Paを、目標経路Pの生成基準として生成する基準経路生成処理(図4のステップ#2)を行う。次に、基準経路Paから作業幅に応じた一定間隔ごとに位置して基準経路Paに対して平行に並ぶ10本の並列経路Pbを生成する並列経路生成処理(図4のステップ#3)を行う。その後、基準経路Paと10本の並列経路Pbとを一連に接続する10本の第1転回経路Pcを生成する第1転回経路生成処理(図4のステップ#4)を行う。そして、これらの生成処理により、単一の基準経路Paと10本の並列経路Pbと10本の第1転回経路Pcとを有して、トラクタ1を蛇行状に往復案内する往復案内経路P1を生成する。なお、各第1転回経路Pcには、最小旋回半径が作業幅の半分以下の場合に好適なU字旋回や、最小旋回半径が作業幅の半分よりも大きい場合に好適なスイッチバックを利用したスイッチバック旋回、などを採用することができる。
次に、所定数の第1転回経路Pcが位置する圃場Aの第2端部領域A2と第3端部領域A3とにおいて第1転回経路Pcの配列方向に延びる一対の端部経路Pdを生成する端部経路生成処理(図4のステップ#5)を行う。その後、基準経路Paと一対の端部経路Pdとを一連に接続する2本の第2転回経路Peを生成する第2転回経路生成処理(図4のステップ#6)を行う。そして、これらの生成処理により、単一の基準経路Paと一対の端部経路Pdと2本の第2転回経路Peとを有して、トラクタ1を圃場Aの外周側において周回案内する周回案内経路P2を生成する。なお、各第2転回経路Peには、作業領域Abの外周を揃えるのに適したスイッチバック旋回が採用されている。
次に、往復案内経路P1の終端部を周回案内経路P2の始端部に接続する接続経路Pfを生成する接続経路生成処理(図4のステップ#7)を行う。これにより、往復案内経路P1と周回案内経路P2とを有する目標経路Pを生成する。なお、接続経路Pfには、作業領域Abの外周を揃えるのに適したスイッチバック旋回が採用されている。
その後、往復案内経路P1と周回案内経路P2における各経路Pa〜Pfを、トラクタ1が作業を行う作業経路(図3にて実線で示す経路)や作業を行わない非作業経路(図3にて破線で示す経路)に設定する作業経路設定処理(図4のステップ#8)を行うことで、往復案内経路P1においては、基準経路Paと各第1転回経路Pcとを非作業経路に設定し、各並列経路Pbを作業経路に設定する。また、周回案内経路P2においては、基準経路Paと一対の端部経路Pdとを作業経路に設定し、各第2転回経路Peを非作業経路に設定する。そして、接続経路Pfを非作業経路に設定する。
なお、図3においては、目標経路Pにおける往復案内経路P1と周回案内経路P2との判別及び作業経路と非作業経路との判別を行い易くするために、目標経路Pのうちの往復案内経路P1が太線で示され、往復案内経路P1での各作業経路が太い実線で示され、往復案内経路P1での各非作業経路が太い破線で示されている。また、目標経路Pのうちの周回案内経路P2が細線で示され、周回案内経路P2での各作業経路が細い実線で示され、周回案内経路P2での各非作業経路が細い破線で示されている。そのため、往復案内経路P1には非作業経路として含まれ、周回案内経路P2には作業経路として含まれる基準経路Paは、同一経路であるが、図3において平行に位置ずれした太い破線と細い実線との2本の線で示されている。これと同様に、目標経路Pの各経路Pa〜Pfを判別し易くするために、それらの重複する経路部分も位置ずれさせて示すようにしている。
また、このように基準経路Paを含む往復案内経路P1を生成することで、往復案内経路P1と第1端辺A1aとの間に周回用の経路を生成するための領域を確保することができなくなっても、往復案内経路P1では基準経路Paが非作業経路に設定されていることにより、基準経路Paを作業経路として周回案内経路P2に含めることができる。これにより、基準経路Paと一対の端部経路Pdとを作業経路とする周回案内経路P2を生成することができる。そして、各端部経路Pdは、所定数の第1転回経路Pcが位置する圃場Aの第2端部領域A2と第3端部領域A3において第1転回経路Pcの配列方向に延びる作業経路であることから、往復案内経路P1でのトラクタ1の自動走行により、第1転回経路Pcが位置する第2端部領域A2と第3端部領域A3とに不揃いの残耕が残されていても、その後の各端部経路Pdなどを含む周回案内経路P2でのトラクタ1の自動走行により、第2端部領域A2と第3端部領域A3とに残る不揃いの残耕を、基準経路Paなどの未耕地とともに耕耘することができる。
なお、図5に例示する圃場Aは、図3に例示する圃場Aと比較して、圃場Aに対するトラクタ1の退出位置と退出方向とが異なっている。そのため、図5に例示する圃場Aに適した目標経路Pを生成する場合の目標経路生成部30Bの制御作動は、図3に例示する圃場Aに適した目標経路Pを生成する場合と、第1転回経路生成処理(図4のステップ#4)と第2転回経路生成処理(図4のステップ#6)での処理内容が少し異なるだけで、他の処理は同じになる。
詳述すると、目標経路生成部30Bは、図5に例示する圃場Aに適した目標経路Pを生成する場合には、第1転回経路生成処理(図4のステップ#4)にて、基準経路Paと、第4端部領域A4に位置する最終の並列経路Pbを除いた9本の並列経路Pbとを一連に接続する9本の第1転回経路Pcを生成する。これにより、最終の並列経路Pbを含まない往復案内経路P1を生成することができる。また、第2転回経路生成処理(図4のステップ#6)にて、基準経路Paと一対の端部経路Pdと最終の並列経路Pbとを、その並列経路Pbが最終経路となるように一連に接続する3本の第2転回経路Peを生成する。これにより、最終の並列経路Pbを含む周回案内経路P2を生成することができる。
なお、図6に例示する圃場Aは、図5に例示する矩形状の圃場Aと比較して、圃場Aに対するトラクタ1の退出方向に沿う第4端辺A4aが傾斜した台形状の変形圃場である。そのため、図6に例示する圃場Aに適した目標経路Pを生成する場合の目標経路生成部30Bの制御作動は、図5に例示する圃場Aに適した目標経路Pを生成する場合と、並列経路生成処理(図4のステップ#3)での処理内容が少し異なるだけで、他の処理は同じになる。
詳述すると、目標経路生成部30Bは、図6に例示する圃場Aに適した目標経路Pを生成する場合には、並列経路生成処理(図4のステップ#3)にて、基準経路Paに対して並列に並ぶ10本の並列経路Pbのうち、基準経路側の9本の並列経路Pbが基準経路Paに対して平行になり、最終の並列経路Pbが第4端辺A4aに沿うように各並列経路Pbを生成する。これにより、最終の並列経路Pbを含む周回案内経路P2を、最終の並列経路Pbからなる周回案内経路P2の最終経路においては、トラクタ1が傾斜する第4端辺A4aに沿って第4端辺A4aと平行に自動走行するように、生成することができる。そして、圃場Aの外周と作業領域Abとの間に確保されるマージン領域Aaのうちの周回案内経路P2の最終経路(最終の並列経路Pb)と第4端辺A4aとの間に確保される領域部分(サイドマージン)の幅寸法を、トラクタ1の作業幅に対するN倍の一定幅に調整することができる。
本発明の他の実施形態について説明する。
尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
例えば、作業車両1は、エンジン10と走行用の電動モータとを備えるハイブリット仕様に構成されていてもよく、また、エンジン10に代えて走行用の電動モータを備える電動仕様に構成されていてもよい。
例えば、作業車両1は、左右の後輪8に代えて左右のクローラを備えるセミクローラ仕様に構成されていてもよい。
例えば、作業車両1は、左右の前輪7と左右の後輪8とに代えて左右のクローラを備えるフルクローラ仕様に構成されていてもよい。
そして、作業地(圃場)Aが上記のような変形地(変形圃場)である場合は、目標経路生成部30Bによって生成される目標経路Pには、図3、図5〜6に示す目標経路Pに含まれている各経路Pa〜Pfとは異なる経路が含まれることになるが、本発明は、このような場合においても適用することができる。
16A 走行制御部
16B 作業制御部
30B 目標経路生成部
A 作業地
A1 第1端部領域
A1a 第1端辺
A2 第2端部領域
A3 第3端部領域
A4 第4端部領域
A4a 第4端辺
P1 往復案内経路
P2 周回案内経路
Pa 基準経路
Pb 並列経路
Pc 第1転回経路
Pd 端部経路
Pe 第2転回経路
Claims (2)
- 作業地の第1端部領域において前記作業地の第1端辺に隣接する基準経路と、前記基準経路に対して並列に並ぶ複数の並列経路と、前記基準経路と所定数の前記並列経路とを一連に接続する複数の転回経路と、を有して作業車両を蛇行状に往復案内する往復案内経路を生成し、前記往復案内経路に連接されるとともに、前記基準経路と、所定数の前記転回経路が位置する前記作業地の第2端部領域と第3端部領域において前記転回経路の配列方向に延びる一対の端部経路と、を有して、前記作業車両を前記作業地の外周側において周回案内する周回案内経路を生成する目標経路生成部と、
前記作業車両が前記基準経路を通るように前記往復案内経路を走行した後、または、前記基準経路を通らないように前記往復案内経路を走行した後に、前記周回案内経路を走行するように前記作業車両の走行を制御する走行制御部と、
前記往復案内経路においては、前記基準経路と前記転回経路での前記作業車両の走行状態を非作業走行状態とし、前記並列経路での前記作業車両の走行状態を作業走行状態とし、前記周回案内経路においては、前記基準経路と前記端部経路での前記作業車両の走行状態を作業走行状態とする作業制御部と、
を備え、
前記目標経路生成部は、複数の前記並列経路のうちの前記作業地における前記第1端部領域とは反対側の第4端部領域に位置する並列経路を、前記往復案内経路に含めずに、前記周回案内経路の最終経路として前記周回案内経路に含める作業車両用の自動走行システム。 - 前記目標経路生成部は、前記第1端辺に対向する第4端辺が前記基準経路に沿わない場合は、前記周回案内経路に含まれる前記並列経路を前記第4端辺に沿うように生成する請求項1に記載の作業車両用の自動走行システム。
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