JP6914097B2 - 開き戸の気密構造 - Google Patents
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Description
請求項2の発明は、開き戸が開閉揺動自在に設けられる戸枠に、閉鎖した開き戸の表面板が当接することにより押し潰し変形されて気密性を発揮するための気密材を設けるにあたり、戸尻側気密材は、戸尻側縦枠に支持される硬質の本体部と、該本体部から開き戸側に突出して前記押し潰し変形される軟質の変形部とを備えて構成されるものであり、該本体部は、該本体部の開き戸側辺よりも戸先側に突出し、かつ戸尻側部位の本体部からの突出位置よりも開き戸側に偏倚する突出辺を含んで構成され、該突出辺に変形部の戸先側部位が設けられ、該変形部は、本体部からの戸先側部位の突出位置が戸尻側部位の突出位置よりも開き戸側に偏倚するようにして設けられることを特徴とする開き戸の気密構造である。
請求項3の発明は、開き戸が開閉揺動自在に設けられる戸枠に、閉鎖した開き戸の表面板が当接することにより押し潰し変形されて気密性を発揮するための気密材を設けるにあたり、戸尻側気密材は、戸尻側縦枠に支持される硬質の本体部と、該本体部から開き戸側に突出して前記押し潰し変形される軟質の変形部とを備えて構成されるものであり、該本体部は、該本体部の戸先側辺よりも戸先側に突出し、かつ戸尻側部位の本体部からの突出位置よりも開き戸側に偏倚する突出辺を含んで構成され、該突出辺に変形部の戸先側部位が設けられ、該変形部は、本体部からの戸先側部位の突出位置が戸尻側部位の突出位置よりも開き戸側に偏倚するようにして設けられることを特徴とする開き戸の気密構造である。
請求項4の発明は、開き戸が開閉揺動自在に設けられる戸枠に、閉鎖した開き戸の表面板が当接することにより押し潰し変形されて気密性を発揮するための気密材を設けるにあたり、戸尻側気密材は、戸尻側縦枠に支持される硬質の本体部と、該本体部から開き戸側に突出して前記押し潰し変形される軟質の変形部とを備えて構成され、該変形部は、円筒形状であり、該円筒の中心は、四角筒形状の本体部の中心線に対して戸先側に偏倚するとともに、本体部からの戸先側部位の突出位置が戸尻側部位の突出位置よりも開き戸側に偏倚するようにして設けられることを特徴とする開き戸の気密構造である。
請求項5の発明は、変形部は円筒形状であり、該円筒の中心は、四角筒形状の本体部の中心線に対して戸先側に偏倚していることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1記載の開き戸の気密構造である。
請求項6の発明は、本体部の開き戸側辺が戸先側ほど開き戸側に偏倚した傾斜状になっていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1記載の開き戸の気密構造である。
さらに、変形部の戸先側部位を開き戸側に偏倚した構成とすることが簡単にできることになる。
請求項2または3の発明とすることにより、変形部の戸先側部位は、本体部の開き戸側辺または戸先側辺から戸先側に突出し、かつ戸尻側部位の本体部突出位置よりも開き戸側に偏倚する突出辺から突出することになるため、変形部をより戸先側に偏倚したものにできることになって、変形部の開き戸による押し潰し変形の面積を広くでき、更なる気密性の向上が図れることになる。
請求項4または5の発明とすることにより、変形部を戸先側に偏倚したものにしても、本体部は戸尻側に位置することができて開口幅を狭くすることが回避される。
勿論、本発明が実施された第三気密材6を、戸尻側縦枠3dだけでなく、残りの戸枠3a、3b、3cのうちの全て、あるいは任意に選択した一部のものに取付けても実施することができる。
因みに本実施の形態では、前記第一、第二、第三気密材4、5、6は、何れもEPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)製となっているが、気密材として必要な特性を有していれば材質については特に限定されるものではない。
さらに第一気密材4は、変形部4dの中心Aが本体部4aの中心線Bに対して上下方向内側に偏倚しており、閉鎖した開き戸1の表面板により変形部4dが開き戸1側(正面側)から押圧状に当接することで押し潰し変形されることになって高い気密性を発揮できるように構成されている。
そして第二気密材5は、前記溝内面3hの先端部位から溝外面3gの溝内面3hの先端部位に対向する部位よりも開き戸1側に延出する部位に当接(または近接対向)する四角筒形状の第一本体部5aと、左右両幅が第一本体部5aよりも幅狭な状態で四角筒形状をし、凹溝3fの開口側に嵌入する第二本体部5bと、該第二本体部5bから左右方向に向けて延出形成され、凹溝3fの溝内外面3h、3gに弾性変形する状態で圧入するヒレ部5cと、第一本体部5aよりも凹溝3fの溝奥側に嵌入する脚部5dと、溝外面3gの先端よりも開き戸1側に突出するよう第一本体部5aに設けられた円筒状の変形部5eとにより構成されている。因みに、溝内面3hを溝外面3gよりも短いものとして溝内面3hの先端と閉鎖したときの開き戸1の表面板1bとのあいだの隙間を大きくすることにより、指挟み防止の機能が発揮できるようにしている。
そして第一、第二本体部5a、5b、ヒレ部5c、脚部5dは硬質(ソリッド)状に形成され、変形部5eは、押し潰し変形しやすいよう軟質(スポンジ)状に形成されているが、さらに押し潰し変形(弾性変形)されやすいよう内周面5fが凹凸形状(波形状)になっている。
また第二気密材5は、変形部5eの中心Cが第一、第二本体部5a、5bの中心線D上に位置するように設定され、閉鎖した開き戸1の表面板が当接することにより変形部5eが押し潰し変形されて高い気密性を発揮できるようになっている。尚、5gは第一本体部5aの左右方向両側辺である。また第二気密材5としては、変形部5eを、後述する第三気密材6のように第一、第二本体部5a、5bに対して戸先側に偏倚したものとすることができる。
そして第三気密材6は、前記第二気密材5と同様、前記溝内面3hの先端部位から溝外面3gの溝内面3hの先端部位に対向する部位よりも開き戸1側に延出する部位に当接(または近接対向)する四角筒形状の第一本体部6aと、左右両幅が第一本体部6aよりも幅狭な状態で四角筒形状をし、凹溝3fの開口側に嵌入する第二本体部6bと、該第二本体部6bから左右方向に向けて延出形成され、凹溝3fの溝内外面3h、3gに弾性変形する状態で圧入するヒレ部6cと、第一本体部6aよりも凹溝3fの溝奥側に嵌入する脚部6dと、溝外面3gの先端よりも開き戸1側に突出するよう第一本体部6aに設けられた円筒状の変形部6eとにより構成されている。因みに、溝内面3hを溝外面3gよりも短いものとして溝内面3hの先端と閉鎖したときの開き戸1の表面板1bとのあいだの隙間を大きくすることにより、指挟み防止の機能が発揮できるように配慮されている。
そして第一、第二本体部6a、6b、ヒレ部6c、脚部6dは硬質状(ソリッド状)に形成されるが、変形部6eは、押し潰し変形されやすいよう軟質状(スポンジ状)に形成されており、さらに押し潰し変形を助長するよう内周面6fが凹凸形状(波形状)になっており、閉鎖した開き戸1の表面板が弾圧状に当接することにより後述するように変形部6eが押し潰し変形されて高い気密性を発揮できるようになっている。
そして本実施の形態では、変形部6eの戸先側部位6jが戸尻側部位6kよりも開き戸1側に位置(偏倚)する状態で第一本体部6aに支持された構成になる結果、表面板1bが変形部6eを押し潰し変形する面積を広くして、優れた気密性(遮音性を含む)を確保しようとして、コーナー部1cを深く戸尻側に食い込ませたときに、変形部6eが突出形成される第一本体部6aと開き戸1とのあいだの隙間は、変形部6eの戸先側部位6jが突出する戸先側が狭く、戸尻側部位6kが突出する戸尻側が広くなる。このため、開き戸1が閉鎖したときに変形部6eの戸先側部位6jは、戸尻側部位6kよりも第一本体部6aに近い状態で支持されることになり、開き戸1の閉鎖の過程で戸先側部位6jが開き戸1から受ける戸尻側への無理な変形が抑制され(小さくなり)、これによって変形部6eの押し潰し変形の面積を広くして気密性に優れた第三気密材6としながら、該第三気密材6の早期の損耗を防止して長寿命化を図ることができるように構成されている。
さらに変形部6eの表面に、コーナー部1cが変形部6eを抉るように食い込んで押し潰し変形する状態で表面板1bが摺動する際の摩擦抵抗を低減するため潤滑剤(例えば硬質シリコン剤)を塗布することが好ましい。この場合、塗布する範囲としては、開き戸1が摺動する範囲とすることが好ましいが、これに限定されるものではない。
また前記鈍角状のコーナー部1cがあることで、第三気密材6は、開き戸1が閉鎖する過程で、この鈍角状のコーナー部1cから食い込む状態で押し潰されることになるので、変形部6eの抉り変形が緩和されることになって変形部6eの長寿命化が図れることになる。
また第一、第二、第三気密材4、5、6の脚部4c、5d、6dは、本実施の形態では二枚が剥離状に設けられており、戸枠3の凹溝3e、3fの深さに対応できるようになっている。
この結果、開き戸1が閉鎖する過程で、戸先側部位6jにコーナー部1cが食い込むように働いて無理やり戸尻側に移動変形させようとしたときに、戸尻側部位6kよりも短い(近い)状態で硬質の第一本体部6aからの強い支持(弾持)を受けることになる。これにより変形部6eの戸先側部位6jは、第一本体部6aによる強い支持を受けることになって、変形部6eの押し潰し変形の面積を広く確保して優れた気密性を発揮するため、表面板1bによる変形部6eの押し潰し位置を第一本体6a側に相対的に変化させたとしても、戸先側部位6jが戸尻側部位6kと同じ位置から突出した場合に比して戸先側部位6jの戸尻側への無理な変形が抑制され、これによって第三気密材6の早期の損耗を防止して長寿命化を図ることができる。
図10(A)(B)の第二、第三の実施の形態のものは、前記第一の実施の形態のように突出辺がないものであるが、(A)の第二の実施の形態のものは、戸先側が開き戸側に偏倚するように傾斜した開き戸側辺6hに変形部6eが設けられたものであり、(B)の第三の実施の形態のものは、戸先側が開き戸側に偏倚するよう開き戸側辺6hが段差状になったものである。
また図11(A)〜(D)に示す第四〜第七の実施の形態のものは、第一の実施の形態のように突出辺6iが設けられたものであるが、(A)の第四の実施の形態のものは突出辺6iが傾斜していないものであり、(B)の第五の実施の形態のものは突出辺6iが傾斜の無い開き戸側辺6hに対して左右方向内側辺(戸先側辺)6gから開き戸側に向けて延長したものの先端部が戸先側に突出することで開き戸側に向けて段差状に偏倚したものであり、(C)の第六の実施の形態のものは突出部6iが傾斜の無い開き戸側辺6hからそのまま戸先側に延長する状態で伸び、その延長先端部が開き戸1側に突出したものであり、(D)は突出部6iが左右方向内側辺6gと傾斜の無い開き戸側辺6hとの交差部位から戸先側ほど開き戸1側に傾斜する状態で突出しているものである。
さらに開き戸側辺を円弧形状、鈍角形状などの各種の形状にしても実施することができる。
1b 表面板
1d 当接面部
3 戸枠
3d 戸尻側縦枠
4 第一気密材(上下側気密材)
5 第二気密材(戸先側気密材)
6 第三気密材(戸尻側気密材)
6a 第一本体部
6b 第二本体部
6e 変形部
6g 左右方向内側辺(戸先側辺)
6h 前後方向外側辺(開き戸側辺)
6i 突出辺
6j 戸先側部位
6k 戸尻側部位
6l 左右方向外側辺(戸尻側辺)
E 変形部中心
F 本体部中心線
Claims (6)
- 開き戸が開閉揺動自在に設けられる戸枠に、閉鎖した開き戸の表面板が当接することにより押し潰し変形されて気密性を発揮するための気密材を設けるにあたり、戸尻側気密材は、戸尻側縦枠に支持される硬質の本体部と、該本体部から開き戸側に突出して前記押し潰し変形される軟質の変形部とを備えて構成されるものであり、
該本体部は、該本体部の開き戸側辺が戸先側ほど開き戸側に偏倚した段差状に設けられ、
該変形部は、本体部からの戸先側部位の突出位置が戸尻側部位の突出位置よりも開き戸側に偏倚するようにして設けられることを特徴とする開き戸の気密構造。 - 開き戸が開閉揺動自在に設けられる戸枠に、閉鎖した開き戸の表面板が当接することにより押し潰し変形されて気密性を発揮するための気密材を設けるにあたり、戸尻側気密材は、戸尻側縦枠に支持される硬質の本体部と、該本体部から開き戸側に突出して前記押し潰し変形される軟質の変形部とを備えて構成されるものであり、
該本体部は、該本体部の開き戸側辺よりも戸先側に突出し、かつ戸尻側部位の本体部からの突出位置よりも開き戸側に偏倚する突出辺を含んで構成され、該突出辺に変形部の戸先側部位が設けられ、
該変形部は、本体部からの戸先側部位の突出位置が戸尻側部位の突出位置よりも開き戸側に偏倚するようにして設けられることを特徴とする開き戸の気密構造。 - 開き戸が開閉揺動自在に設けられる戸枠に、閉鎖した開き戸の表面板が当接することにより押し潰し変形されて気密性を発揮するための気密材を設けるにあたり、戸尻側気密材は、戸尻側縦枠に支持される硬質の本体部と、該本体部から開き戸側に突出して前記押し潰し変形される軟質の変形部とを備えて構成されるものであり、
該本体部は、該本体部の戸先側辺よりも戸先側に突出し、かつ戸尻側部位の本体部からの突出位置よりも開き戸側に偏倚する突出辺を含んで構成され、該突出辺に変形部の戸先側部位が設けられ、
該変形部は、本体部からの戸先側部位の突出位置が戸尻側部位の突出位置よりも開き戸側に偏倚するようにして設けられることを特徴とする開き戸の気密構造。 - 開き戸が開閉揺動自在に設けられる戸枠に、閉鎖した開き戸の表面板が当接することにより押し潰し変形されて気密性を発揮するための気密材を設けるにあたり、戸尻側気密材は、戸尻側縦枠に支持される硬質の本体部と、該本体部から開き戸側に突出して前記押し潰し変形される軟質の変形部とを備えて構成され、
該変形部は、
円筒形状であり、該円筒の中心は、四角筒形状の本体部の中心線に対して戸先側に偏倚するとともに、
本体部からの戸先側部位の突出位置が戸尻側部位の突出位置よりも開き戸側に偏倚するようにして設けられる
ことを特徴とする開き戸の気密構造。 - 変形部は円筒形状であり、該円筒の中心は、四角筒形状の本体部の中心線に対して戸先側に偏倚していることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1記載の開き戸の気密構造。
- 本体部の開き戸側辺が戸先側ほど開き戸側に偏倚した傾斜状になっていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1記載の開き戸の気密構造。
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