JP6913654B2 - 鋼管端部の加工方法および加工装置 - Google Patents
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Description
回転盤に設けた加工手段を、鋼管の中心軸線回りに旋回させて鋼管の端部を加工する加工方法であって、
前記加工手段と一体的に移動するように前記回転盤に設けた倣いローラを、前記回転盤の回転に伴う遠心力によって、前記鋼管の外周面から該倣いローラを径方向に離間するように付勢する付勢手段の付勢力に抗して鋼管の外周面に当接した状態で、前記加工手段を鋼管の端部に押し付けるように前記回転盤を前進移動して加工し、
前記加工手段での加工が完了した前記回転盤を後退移動する際に、前記倣いローラが鋼管の加工面に至る前に前記回転盤の回転速度を、回転に伴う遠心力が前記付勢手段の付勢力より小さくなるまで下げることで、該付勢手段の付勢力によって倣いローラを鋼管の外周面から離間するようにしたことを要旨とする。
これによれば、回転盤の回転速度を可変することで、付勢手段の付勢力によって倣いローラを鋼管の外周面から離間させることができるので、回転盤を鋼管から離間させる際に倣いローラが鋼管の加工面に押し付けられることはなく、該加工面が損傷するのを防止することができ、得られる製品品質を向上し得る。
前記加工手段での加工が完了した際に、該加工手段が鋼管の端面より外方に至るまで前記回転盤を後退移動した後に、前記付勢手段の付勢力より遠心力が小さくなるまで回転盤の回転速度を下げるようにしたことを要旨とする。
これによれば、加工手段が鋼管の端面より外方に至るまでは、付勢手段の付勢力によって加工手段が鋼管の加工面に押し付けられることはないから、該加工面が加工手段によって傷付くのを防止できる。
回転盤に設けた加工手段を鋼管の中心軸線回りに旋回させて鋼管の端部を加工する加工装置であって、
前記鋼管の中心軸線方向に前記回転盤を移動可能な移動手段と、
前記回転盤に回動可能で前記加工手段と一体的に移動するように配設され、前記鋼管の外周面に当接可能な倣いローラと、
前記倣いローラを、前記鋼管の外周面から径方向に離間する方向に付勢する付勢手段と、
前記回転盤を回転駆動する駆動手段と、
前記回転盤の回転に伴う遠心力により、前記倣いローラを前記鋼管の外周面に当接する方向に移動させる作動手段とを備え、
前記鋼管の加工に際し、前記作動手段で移動される前記倣いローラが鋼管の外周面に当接するよう前記付勢手段の付勢力より遠心力が大きくなる回転速度で前記回転盤を回転すると共に、前記加工手段での加工が完了した前記回転盤を移動する際は、前記倣いローラが前記付勢手段の付勢力によって鋼管の外周面から離間するよう該付勢力より遠心力が小さくなる回転速度で該回転盤を回転するように前記駆動手段を制御し得るよう構成したことを要旨とする。
これによれば、回転盤の回転速度を可変することで、付勢手段の付勢力によって倣いローラを鋼管の外周面から離間させることができるので、回転盤を鋼管から離間させる際に、倣いローラが鋼管の加工面に押し付けられるのを防いで、該加工面が損傷するのを防止することができ、得られる製品品質を向上し得る。また、回転盤の回転時に発生する遠心力と、付勢手段の付勢力とを用いて倣いローラを鋼管の外周面に当接したり離間させる構成であるので、倣いローラを鋼管の外周面に対して近接・離間移動する駆動手段を用いる必要はなく、簡単な構成で加工面が損傷するのを防ぐことができる。
前記倣いローラは、前記移動手段で回転盤を前記鋼管の端面に近接する方向において前記加工手段より前側に配置され、
前記加工手段での加工が完了した前記回転盤を、遠心力が前記付勢力より大きくなる回転速度で回転したまま前記加工手段が鋼管の端面より外方に至るまで前記移動手段で移動させた後、前記倣いローラが鋼管端部の加工面に至る前に遠心力が前記付勢力より小さくなる回転速度で回転盤を回転するように前記駆動手段を制御するよう構成したことを要旨とする。
これによれば、加工手段が鋼管の端面より外方に至るまでは、付勢手段の付勢力によって加工手段が鋼管の加工面に押し付けられることはないから、該加工面が加工手段によって傷付くのを防止できる。
前記付勢手段の付勢力によって移動する前記倣いローラを、前記鋼管の外周面から離間する位置に位置規制する規制部材を備えたことを要旨とする。
これによれば、付勢手段の付勢力によって移動する倣いローラを規制部材で位置規制するよう構成したので、付勢手段の付勢力より小さな遠心力が発生している状態や回転盤の回転を停止している状態で回転盤を移動する際に、倣いローラを定位置で支持することができる。
次に、前述のように構成された実施例の加工装置の作用につき、加工方法との関係で説明する。
本願は、前述した実施例の構成に限定されるものでなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
1.実施例では、倣いローラを鋼管の外周面から離間する方向に付勢する付勢手段として圧縮コイルバネを用いたが、引張りコイルバネや皿バネ等、各種のバネを用いることができる。
2.実施例では、回転盤に2基の刃物台を配設したが、1基あるいは3基以上の刃物台を配設してもよく、各刃物台が本願発明の構成を採用していればよい。
3.回転盤に、鋼管の外端部の面取り加工を施す刃物台(実施例では第1刃物台)のみを配設した構成であれば、面取り加工が完了した後、回転盤の後退移動を開始する前に回転盤の回転速度を直ちに解除時回転速度まで下げるようにしてもよい。すなわち、第1倣いローラと第1チップ(外端部用の加工手段)は何れも鋼管の外側に位置しているので、第1倣いローラが第1圧縮コイルバネの付勢力によって鋼管の外周面から離間しても、第1チップが鋼管に干渉することはないからである。
4.実施例の構成において、揺動部材に錘を設けて重心位置を変えることで、面取り加工時に作用する遠心力を増加して、面取り加工時に倣いローラを鋼管の外周面に押し付ける押圧力を高めて、より安定した倣いを行うようにすることができる。
5.実施例では、揺動部材を、回転盤に対して位置調整可能に配設した刃物台に配設したが、単一の管径の鋼管の端部に面取り加工を施す構成であれば、揺動部材を回転盤に直接配設するようにしてもよい。
7.実施例では、回転盤(刃物台)に揺動自在に支持した揺動部材の重心位置を、該揺動部材の揺動中心を挟んで倣いローラと反対側に設定することで、回転盤の回転に伴う遠心力によって揺動部材を揺動して倣いローラを鋼管の外周面に当接する方向に移動するよう構成したが、回転盤(刃物台)に対して直線的に移動する支持部材に加工手段および倣いローラを設け、作動手段を介して支持部材を、回転盤の回転に伴う遠心力により直線的に移動して倣いローラを鋼管の外周面に当接させる構成を採用することができる。
16a 加工面
20 移動手段
22 回転盤
24 駆動モータ(駆動手段)
36 揺動部材(作動手段)
38a 第1チップ(加工手段)
42 第1倣いローラ(倣いローラ)
48 第1圧縮コイルバネ(付勢手段)
51 規制部材
52a 第2チップ(加工手段)
54 第2倣いローラ(倣いローラ)
56 第2圧縮コイルバネ(付勢手段)
FA1 加工時遠心力(遠心力)
FB1 解除時遠心力(遠心力)
FA2 加工時遠心力(遠心力)
FB2 解除時遠心力(遠心力)
K1 第1圧縮コイルバネの付勢力(付勢手段の付勢力)
K2 第2圧縮コイルバネの付勢力(付勢手段の付勢力)
Claims (5)
- 回転盤(22)に設けた加工手段(38a,52a)を、鋼管(16)の中心軸線回りに旋回させて鋼管(16)の端部を加工する加工方法であって、
前記加工手段(38a,52a)と一体的に移動するように前記回転盤(22)に設けた倣いローラ(42,54)を、前記回転盤(22)の回転に伴う遠心力(FA1,FA2)によって、前記鋼管(16)の外周面から該倣いローラ(42,54)を径方向に離間するように付勢する付勢手段(48,56)の付勢力(K1,K2)に抗して鋼管(16)の外周面に当接した状態で、前記加工手段(38a,52a)を鋼管(16)の端部に押し付けるように前記回転盤(22)を前進移動して加工し、
前記加工手段(38a,52a)での加工が完了した前記回転盤(22)を後退移動する際に、前記倣いローラ(42,54)が鋼管(16)の加工面(16a)に至る前に前記回転盤(22)の回転速度を、回転に伴う遠心力(FB1,FB2)が前記付勢手段(48)の付勢力(K1,K2)より小さくなるまで下げることで、該付勢手段(48)の付勢力(K1,K2)によって倣いローラ(42,54)を鋼管(16)の外周面から離間するようにした
ことを特徴とする鋼管端部の加工方法。 - 前記加工手段(38a,52a)での加工が完了した際に、該加工手段(38a,52a)が鋼管(16)の端面より外方に至るまで前記回転盤(22)を後退移動した後に、前記付勢手段(48)の付勢力(K1,K2)より遠心力(FB1,FB2)が小さくなるまで回転盤(22)の回転速度を下げるようにした請求項1記載の鋼管端部の加工方法。
- 回転盤(22)に設けた加工手段(38a,52a)を鋼管(16)の中心軸線回りに旋回させて鋼管(16)の端部を加工する加工装置であって、
前記鋼管(16)の中心軸線方向に前記回転盤(22)を移動可能な移動手段(20)と、
前記回転盤(22)に回動可能で前記加工手段(38a,52a)と一体的に移動するように配設され、前記鋼管(16)の外周面に当接可能な倣いローラ(42,54)と、
前記倣いローラ(42,54)を、前記鋼管(16)の外周面から径方向に離間する方向に付勢する付勢手段(48,56)と、
前記回転盤(22)を回転駆動する駆動手段(24)と、
前記回転盤(22)の回転に伴う遠心力(FA1,FA2,FB1,FB2)により、前記倣いローラ(42)を前記鋼管(16)の外周面に当接する方向に移動させる作動手段(36)とを備え、
前記鋼管(16)の加工に際し、前記作動手段(36)で移動される前記倣いローラ(42)が鋼管(16)の外周面に当接するよう前記付勢手段(48,56)の付勢力(K1,K2)より遠心力(FA1,FA2)が大きくなる回転速度で前記回転盤(22)を回転すると共に、前記加工手段(38a,52a)での加工が完了した前記回転盤(22)を移動する際は、前記倣いローラ(42)が前記付勢手段(48,56)の付勢力(K1,K2)によって鋼管(16)の外周面から離間するよう該付勢力(K1,K2)より遠心力(FB1,FB2)が小さくなる回転速度で該回転盤(22)を回転するように前記駆動手段(24)を制御し得るよう構成した
ことを特徴とする鋼管端部の加工装置。 - 前記倣いローラ(42)は、前記移動手段(20)で回転盤(22)を前記鋼管(16)の端面に近接する方向において前記加工手段(38a,52a)より前側に配置され、
前記加工手段(38a,52a)での加工が完了した前記回転盤(22)を、遠心力(FA1,FA2)が前記付勢力(K1,K2)より大きくなる回転速度で回転したまま前記加工手段(38a,52a)が鋼管(16)の端面より外方に至るまで前記移動手段(20)で移動させた後、前記倣いローラ(42,54)が鋼管端部の加工面(16a)に至る前に遠心力(FB1,FB2)が前記付勢力(K1,K2)より小さくなる回転速度で回転盤(22)を回転するように前記駆動手段(24)を制御するよう構成した請求項3記載の鋼管端部の加工装置。 - 前記付勢手段(48,56)の付勢力(K1,K2)によって移動する前記倣いローラ(42,54)を、前記鋼管(16)の外周面から離間する位置に位置規制する規制部材(51)を備えた請求項3または4記載の鋼管端部の加工装置。
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JP2018099158A JP6913654B2 (ja) | 2018-05-23 | 2018-05-23 | 鋼管端部の加工方法および加工装置 |
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JP2019202388A JP2019202388A (ja) | 2019-11-28 |
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