JP6913201B1 - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】肌面側から見たときに、幅方向の中央を容易に認識することができる吸収性物品を提供する。【解決手段】トップシートとバックシートとこれらの間に配された吸収体21とを有する吸収性物品であって、吸収体21は、吸収性コア22と、吸収性コア22を非肌面側から肌面側にかけて覆う被覆シート23を有し、被覆シート23は、幅方向xの一方端部24と他方端部25の少なくとも一方が着色され、一方端部24と他方端部25の間の部分が非着色とされ、被覆シート23は、一方端部24と他方端部25が吸収性コア22の肌面側に位置し、吸収性コア22の幅方向xの中央部で一方端部24と他方端部25が互いに重ねられて着色部26が形成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、尿パッド(軽失禁パッドを含む)、生理用ナプキン、使い捨ておむつ等の吸収性物品に関するものである。
尿パッド、生理用ナプキン、使い捨ておむつ等の吸収性物品は、着用者から排泄された尿等を適切に受けることができるように、吸収性物品を装着する際、着用者の股間の適切な位置にセットすることが望まれる。パンツタイプやテープタイプの使い捨ておむつでは、肌面側に尿パッドなどの補助吸収体を配置して使用する場合があるが、この場合もまた、補助吸収体を使い捨ておむつの肌面側の適切な位置にセットすることが望まれる。例えば特許文献1には、トップシートとバックシートの間に吸収性コアが設けられ、吸収性コアには、幅方向の中央部に、前後方向に延びる開口または凹部が形成され、開口または凹部と吸収性コアの幅方向の外縁との間に、吸収性物品の肌面側から視認可能に着色された目印が設けられた吸収性物品が開示されている。特許文献1の吸収性物品では、肌面側から視認可能に着色された目印を目安にして、補助吸収体を吸収性物品の幅方向の中央位置に適切にセットすることができる。
特開2017−217256号公報
上記のように、吸収性物品を肌面側から見たときに幅方向の中央を認識することができれば、吸収性物品を適切に装着することが容易になるため、好ましい。本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、肌面側から見たときに幅方向の中央を容易に認識することができる吸収性物品を提供することにある。
前記課題を解決することができた本発明の吸収性物品とは、前後方向と幅方向を有し、トップシートとバックシートとこれらの間に配された吸収体とを有する吸収性物品であって、吸収体は、吸収性コアと、吸収性コアを非肌面側から肌面側にかけて覆う被覆シートを有し、被覆シートは、幅方向の一方端部と他方端部の少なくとも一方が着色され、一方端部と他方端部の間の部分が非着色とされ、被覆シートは、一方端部と他方端部が吸収性コアの肌面側に位置し、吸収性コアの幅方向の中央部で一方端部と他方端部が互いに重ねられているところに特徴を有する。
本発明の吸収性物品は、上記のように吸収体が構成されることにより、吸収体の肌面側の幅方向の中央部に、被覆シートの着色された一方端部および/または他方端部によって着色部が形成される。本発明の吸収性物品は、このように形成された着色部に基づいて、吸収性物品を肌面側から見たときに幅方向の中央を認識することができる。そのため、吸収性物品を装着する際、吸収性物品の幅方向の位置を適切にセットすることが容易になる。吸収性物品の肌面側に補助吸収体を載置して使用する場合は、吸収体の着色部に基づいて、補助吸収体を吸収性物品の幅方向の中央に正確にセットしやすくなる。
被覆シートは、少なくとも一方端部が着色され、一方端部が他方端部の肌面側に重ねられていることが好ましい。より好ましくは、被覆シートは、一方端部と他方端部が着色されている。これにより、吸収性物品を肌面側から見たときの吸収体の着色部の視認性を高めることができる。このように被覆シートが形成される場合、被覆シートは、一方端部と他方端部が互いに非接着となっていることが好ましい。これにより、着色された一方端部が他方端部から浮き上がって吸収性コアの色が透けて見えにくくなり、着色部の視認性を高めることができる。
本発明の吸収性物品は、吸収体の被覆シートの幅方向の一方端部と他方端部が着色され、一方端部と他方端部の間の部分が非着色とされ、被覆シートの一方端部と他方端部が吸収性コアの肌面側に位置し、吸収性コアの幅方向の中央部で一方端部と他方端部が互いに接しているものであってもよい。この場合もまた、吸収体の肌面側の幅方向の中央部に被覆シートの着色された一方端部と他方端部によって着色部が形成されるため、吸収性物品を肌面側から見たときに幅方向の中央を認識することができる。
吸収体は、上記に説明した吸収性コアを下側吸収性コアとして有し、下側吸収性コアの肌面側に、開口を有する上側吸収体が配されるものであってもよい。この場合、下側吸収性コアが被覆シートによって非肌面側から肌面側にかけて覆われ、下側吸収性コアの肌面側に上側吸収性コアが配され、被覆シートの一方端部と他方端部は上側吸収性コアと下側吸収性コアの間に配され、上側吸収性コアは、幅方向の中央部に前後方向に延びる開口を有し、開口が被覆シートの一方端部と他方端部と重なって配置されていることが好ましい。この場合、上側吸収性コアの開口を通じて、被覆シートの着色された幅方向の一方端部および/または他方端部を視認することができ、これにより吸収体の幅方向の中央部が認識可能となる。
上記のように吸収体が上側吸収性コアと下側吸収性コアを含んで構成される場合、被覆シートの幅方向の一方端部と他方端部の少なくとも一方が着色され、当該一方端部と他方端部が吸収性コアの幅方向の中央部で互いに重ねられることにより形成された着色部、または、被覆シートの幅方向の一方端部と他方端部が着色され、当該一方端部と他方端部が吸収性コアの幅方向の中央部で互いに接することにより形成された着色部の幅方向の長さは、開口の幅方向の長さよりも短いことが好ましい。このように着色部が形成されることにより、着色部を目安に開口の幅方向の中央を認識しやすくなり、吸収性物品の装着の際に、開口の位置を着用者の排尿部等に合わせて適切にセットすることが容易になる。
本発明の吸収性物品は、吸収体の肌面側の幅方向の中央部に、被覆シートの着色された一方端部および/または他方端部によって着色部が形成される。本発明の吸収性物品は、このように形成された着色部に基づいて、吸収性物品を肌面側から見たときに幅方向の中央を認識することができる。そのため、吸収性物品を装着する際、吸収性物品の幅方向の位置を適切にセットすることが容易になる。吸収性物品の肌面側に補助吸収体を載置して使用する場合は、吸収体の着色部に基づいて、補助吸収体を吸収性物品の幅方向の中央に正確にセットしやすくなる。
本発明の吸収性物品の一例を表し、吸収性物品を肌面側から見た平面図を表す。 図1に示した吸収性物品のII−II断面図の一例を表す。 図1に示した吸収性物品に備えられた吸収体を肌面側から見た平面図の一例を表す。 図1に示した吸収性物品のII−II断面図の他の一例を表す。 図1に示した吸収性物品に備えられた吸収体を肌面側から見た平面図の他の一例を表す。 本発明の吸収性物品の他の一例を表し、吸収性物品を肌面側から見た平面図を表す。 図6に示した吸収性物品のVII−VII断面図の一例を表す。
本発明の吸収性物品は、トップシートとバックシートとこれらの間に配された吸収体とを有するものである。本発明の吸収性物品は、例えば、使い捨ておむつ、尿パッド(失禁パッドを含む)、生理用ナプキン等に適用できる。
吸収性物品は、前後方向と幅方向とを有する。前後方向とは、吸収性物品を着用者が着用した際、着用者の股間の前後方向に延びる方向を意味する。幅方向とは、吸収性物品と同一面上にあり前後方向と直交する方向を意味し、吸収性物品を着用した際の着用者の左右方向に相当する。また、前後方向と幅方向から形成される面に対して平行な方向を平面方向とし、垂直方向を厚み方向とする。吸収性物品は厚み方向に対して肌面側と非肌面側を有する。肌面側とは、吸収性物品を着用した際の着用者の肌に向く側を意味し、非肌面側とは、吸収性物品を着用した際の着用者とは反対側に向く側を意味する。
吸収性物品の形状は特に限定されない。吸収性物品が尿パッドや生理用ナプキンである場合、吸収性物品の形状としては、略長方形、砂時計形、羽子板形等が示される。
吸収性物品が使い捨ておむつである場合、使い捨ておむつは、例えば、前腹部と後背部とこれらの間に位置し吸収体が備えられた股部とから構成される。使い捨ておむつは、例えば、前腹部と後背部とこれらの間に位置する股部とを有するパンツ部材の股部に、トップシートとバックシートの間に吸収体が配された積層体が備えられて構成される。使い捨ておむつはまた、トップシートとバックシートの間に吸収体が配された積層体が、前腹部と後背部とこれらの間に位置する股部とを有するパンツ形状に形成されていてもよい。なお、前腹部は、使い捨ておむつを着用の際に着用者の腹側に当てる部分に相当し、後背部は、使い捨ておむつを着用の際に着用者の背側に当てる部分に相当する。股部は、前腹部と後背部との間に位置し、着用者の股間に当てる部分に相当する。
使い捨ておむつは、後背部の左右両側に止着テープが設けられ、当該止着テープにより着用時にパンツ形状に形成するテープタイプの使い捨ておむつであってもよく、前腹部と後背部とが接合されることによりウェスト開口部と一対の脚開口部とが形成されたパンツタイプの使い捨ておむつであってもよい。
トップシートは、吸収体の肌面側に設けられ、液透過性であることが好ましい。トップシートとしては、例えば、セルロース、レーヨン、コットン等の親水性繊維から形成された不織布や;ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維から形成された不織布であって、疎水性繊維の表面が界面活性剤により親水化されたもの等を用いることができる。また、トップシートとして、織布、編布、孔が形成されたプラスチックフィルムを用いてもよい。
バックシートは、吸収体の非肌面側に設けられ、液不透過性であることが好ましい。バックシートとしては、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維から形成された不織布や、プラスチックフィルム等を用いることができる。また、不織布とプラスチックフィルムとの積層体を用いてもよい。
吸収性物品は、肌面側の幅方向の両側に立ち上がりフラップが設けられることが好ましい。立ち上がりフラップを設けることにより、尿等の横漏れが防止される。立ち上がりフラップは、例えば、トップシートの幅方向の両側に、前後方向に延在するサイドシートを接合し、サイドシートの幅方向の内方部分(立ち上がりフラップが立ち上がったときの上端近傍)に弾性部材を設けることにより形成される。このようにサイドシートと弾性部材とを設けることにより、弾性部材の収縮力によりサイドシートの幅方向の内方部分が着用者の肌に向かって立ち上がり、立ち上がりフラップが形成される。立ち上がりフラップまたはサイドシートは、液不透過性のプラスチックフィルムや液不透過性の不織布等により構成されることが好ましい。
トップシートやバックシートやサイドシートが不織布から構成される場合、不織布としては、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、メルトブロー不織布、エアレイド不織布、SMS不織布等を用いることが好ましい。
吸収体は、吸収性コアと、吸収性コアの肌面側と非肌面側を覆う被覆シートを有する。吸収性コアは、尿等の体液を吸収できる吸収性材料を含有するものであれば特に限定されないが、親水性繊維の集合体から形成されていることが好ましい。親水性繊維としては、パルプ繊維等の天然繊維;レーヨン繊維等の再生繊維;アセテート繊維等の半合成繊維;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維、PET等のポリエステル繊維、ナイロン等のポリアミド繊維等の合成繊維であって、界面活性剤等により親水化処理がされた繊維等を用いることができる。吸収性コアは、ポリアクリル酸系、ポリアスパラギン酸系、セルロース系、デンプン・アクリロニトリル系等の吸水性樹脂等を含むものであってもよい。
吸収性コアは、尿等の吸収速度を高め、保形性を高める点から、少なくとも親水性繊維を含有することが好ましく、パルプ繊維を含有することがより好ましい。また、吸収容量を高める点から、吸収性コアは、親水性繊維と吸水性樹脂を含有することが好ましい。この場合、吸収性コアとしては、例えば、親水性繊維の集合体に吸水性樹脂を混合または散布したものを用いることが好ましい。
吸収性コアの形状(平面形状)は特に限定されない。吸収性コアの形状は、用途に応じて適宜決定すればよく、例えば、略長方形、砂時計形、羽子板形等が挙げられる。吸収性コアは複数積層されて構成されてもよい。
被覆シートは、紙シート(例えば、ティッシュペーパーや薄葉紙)や液透過性不織布等から構成され、吸収性コアを所定形状に維持するために設けられる。被覆シートは、吸収性コアを非肌面側から肌面側にかけて覆うように設けられる。詳細には、被覆シートは、吸収性コアの非肌面側で吸収性コアの幅方向の全体に延在するとともに、吸収性コアの幅方向の両側縁に沿って吸収性コアの肌面側に折り返され、被覆シートの幅方向の一方端部と他方端部が吸収性コアの肌面側に位置するように設けられている。
被覆シートは、好ましくは紙シートから構成される。紙シートとしては、植物繊維を相互に絡ませてシート状に形成したものであれば特に限定なく用いることができ、特にティッシュが好ましく用いられる。紙シートは、例えば湿式抄紙法により製造することができる。
被覆シートは、幅方向の一方端部と他方端部の少なくとも一方が着色され、これらの間の部分が非着色とされ、吸収性コアの幅方向の中央部で被覆シートの一方端部と他方端部が互いに重ねられている。あるいは、被覆シートは、幅方向の一方端部と他方端部が着色され、これらの間の部分が非着色とされ、吸収性コアの幅方向の中央部で被覆シートの一方端部と他方端部が互いに接している。このように吸収体が構成されることにより、吸収体の肌面側の幅方向の中央部に、被覆シートの着色された一方端部および/または他方端部によって着色部が形成される。本発明の吸収性物品はこのように吸収体に着色部が形成されることにより、当該着色部に基づいて、吸収性物品を肌面側から見たときに吸収体の幅方向の中央部を視認することができ、これにより吸収性物品の幅方向の中央を認識することができる。そのため、吸収性物品を装着する際、吸収性物品の幅方向の位置を適切にセットすることが容易になる。本発明の吸収性物品が補助吸収体を併用するものである場合、すなわち本発明の吸収性物品の肌面側に補助吸収体を載置して使用する場合は、吸収体に設けられた着色部に基づいて、補助吸収体を吸収性物品の幅方向の中央に正確にセットしやすくなる。被覆シートはまた、幅方向の一方端部と他方端部が吸収性コアの肌面側に位置し、これらの間の部分は非着色であるため、吸収性物品を外側から見たときに吸収体の着色部が目立たず、見栄えの良いものとなる。
吸収性コアの幅方向の中央部は、吸収性コアの幅方向の中心線(前後方向に延びる中心線)を含む部分として規定される。例えば、吸収性コアの最大幅となる箇所を基準に、吸収性コアの幅方向の中央25%の領域を、吸収性コアの幅方向の中央部とすることができる。好ましくは、吸収性コアの最大幅となる箇所を基準に、吸収性コアの幅方向の中央20%の領域が吸収性コアの幅方向の中央部とされる。被覆シートの幅方向の一方端部と他方端部は、このように規定された吸収性コアの幅方向の中央部の少なくとも一部において、互いに重ねられる、または接するように設けられることが好ましい。
被覆シートの幅方向の一方端部および/または他方端部は白色以外に着色されていればよく、吸収性物品を肌面側から見たときに視認可能に形成されていればよい。被覆シートの着色された幅方向の一方端部および/または他方端部の色は、赤色、橙色、黄色、黄緑色、緑色、青色、紫色、黒色など特に限定されないが、有彩色であることが好ましい。なお、被覆シートの幅方向の一方端部と他方端部の間の非着色とされる部分は、通常は白色である。被覆シートの幅方向の一方端部と他方端部の一方のみが着色される場合は、その他方は非着色とされ、通常は白色である。
被覆シートの幅方向の一方端部および/または他方端部は、例えば、L***表色系による色相角度hが90°以上300°以下に着色されていることが好ましく、この場合、黄緑色〜紫色の青色を中心とする色相で着色されることとなる。色相角度hはより好ましくは105°以上であり、さらに好ましくは120°以上であり、また285°以下が好ましく、270°以下がさらに好ましい。色相角度hは、L***表色系のa*とb*の値から、次式により求めることができる:h=tan-1[(b*)/(a*)]。
被覆シートの着色された幅方向の一方端部および/または他方端部の彩度C*は特に限定されないが、鮮やかな色である方が視認性が高まることから、当該彩度C*は、例えば20以上が好ましく、30以上がより好ましく、40以上がさらに好ましい。彩度C*は、L***表色系のa*とb*の値から、次式により求めることができる:C*=[(a*2+(b*21/2。被覆シートの着色された幅方向の一方端部および/または他方端部の明度L*は、色相に応じて取り得る範囲が変わるため、好適範囲を一概に定めることは難しいが、例えば、20以上が好ましく、30以上がより好ましく、40以上がさらに好ましく、また80以下が好ましく、75以下がより好ましく、70以下がさらに好ましい。L***表色系による色表示(L*、a*、b*)は、例えば、コニカミノルタ社製の蛍光分光濃度計FD−7により測定することができる。
被覆シートの幅方向の一方端部と他方端部は、被覆シートの幅方向の一方端または他方端から幅方向に所定長さの範囲として規定される。被覆シートの着色された幅方向の一方端部および/または他方端部によって形成される着色部(すなわち着色された一方端部および/または他方端部が互いに重ねられることにより形成される着色部、または、着色された一方端部と他方端部が互いに接するように設けられることにより形成される着色部)の幅方向の長さは、3mm以上が好ましく、5mm以上がより好ましく、10mm以上がさらに好ましく、また50mm以下が好ましく40mm以下がより好ましく、30mm以下がさらに好ましい。着色部はまた、被覆シートの前後方向の中央1/3の範囲(すなわち前後方向に3等分したときの中央1/3の範囲)に少なくとも形成されることが好ましく、前後方向の中央1/2の範囲に少なくとも形成されることがより好ましく、前後方向の中央2/3の範囲に少なくとも形成されることがさらに好ましく、前後方向の全体にわたって形成されることが特に好ましい。なお被覆シートは、幅方向の一方端および他方端が前後方向に延びる直線状に形成されることが好ましく、略長方形に形成されることがより好ましい。
着色部は、吸収性コアの前方端より後方および後方端より前方の範囲において、吸収性コアと重なる部分のみに存在することが好ましい。例えば、吸収性コアが砂時計形に形成される場合は、着色部は、吸収性コアを前後方向に前方部と後方部とこれらの間の中間部とに区分した中間部の最も幅狭な部分の幅方向の中央1/2の範囲内に形成されることが好ましく、中央1/3の範囲内に形成されることがより好ましく、中央1/4の範囲内に形成されることがさらに好ましい。なお、吸収性コアの中間部の最も幅狭な部分の幅方向の中央1/2の範囲とは、吸収性コアの中間部の最も幅狭な部分を幅方向に4等分したときの中央2/4の範囲を意味する。
被覆シートは、幅方向の一方端部および/または他方端部に印刷を施すことにより、着色することができる。印刷は、被覆シートの内側面(すなわち吸収性コア側)に施してもよく、外側面(すなわち吸収性コアと反対側)に施してもよいが、外側面に施すことが好ましい。印刷は、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、スクリーン印刷等の従来公知の印刷方法を用いることができる。一方、被覆シートの非着色の部分は、被覆シートの印刷が施されない部分とすることができる。
なお、印刷によって被覆シートを着色する場合、被覆シートの着色された部分は尿等が接触することによって色落ちしないことが望まれることから、使用されるインクは耐水性を有することが好ましい。この場合、被覆シートの着色された部分は尿等の浸透性が落ちることが懸念されるが、被覆シートは幅方向の一方端部と他方端部以外が非着色とされることによって、被覆シートの尿等の浸透性を確保することができる。そのため、被覆シートの全部を着色する場合と比べて、吸収体の尿等の吸収性を高めやすくなる。
被覆シートが、吸収性コアの肌面側の幅方向の中央部で、幅方向の一方端部と他方端部が互いに重ねられる場合、被覆シートは、幅方向の一方端部と他方端部の少なくとも一方が着色されていればよい。被覆シートの幅方向の一方端部が着色され他方端部が着色されない場合、被覆シートは、吸収性コアの肌面側で、幅方向の一方端部が他方端部の肌面側に重ねられてもよく、幅方向の他方端部が一方端部の肌面側に重ねられてもよい。なお、吸収性物品を肌面側から見たときの吸収体の着色部の視認性を高める点から、被覆シートの幅方向の一方端部のみが着色される場合は、幅方向の一方端部が他方端部の肌面側に重ねられることが好ましい。より好ましくは、被覆シートの幅方向の一方端部と他方端部の両方が着色され、幅方向の一方端部と他方端部が互いに重ねられる。これにより、吸収体の着色部の視認性がより高まる。
吸収体の着色部の視認性を高める観点からは、被覆シートは幅方向の一方端部と他方端部が互いに非接着となっていることも好ましい。これにより、着色された一方端部が他方端部から浮き上がり、通常白色である吸収性コアの色が透けて見えにくくなり、着色部の視認性を高めることができる。
被覆シートの幅方向の一方端部と他方端部の両方が着色される場合、被覆シートの着色された一方端部は、着色された他方端部の一部のみと重ねられてもよく全部と重ねられてもよい。また、被覆シートの着色された他方端部は、着色された一方端部の一部のみと重ねられてもよく全部と重ねられてもよい。例えば、被覆シートの着色された一方端部の一部のみが着色された他方端部の一部のみと重ねられていれば、吸収体の着色部が幅方向に濃淡が変化するグラデーション状に形成され、吸収体の幅方向の中央部をより認識しやすくなる。また、吸収性物品を肌面側から見たときの意匠性を高めることができる。
被覆シートが、吸収性コアの肌面側の幅方向の中央部で、幅方向の一方端部と他方端部が互いに接するように設けられる場合、被覆シートは、幅方向の一方端部と他方端部の両方が着色される。幅方向の一方端部と他方端部は、前後方向の全体にわたって互いに接するように設けられることが好ましい。この場合、被覆シートは、吸収性コアの肌面側で着色された一方端部が着色された他方端部に接続することにより、吸収体の肌面側に着色部が一体的に形成される。
被覆シートの幅方向の一方端部と他方端部が互いに接するように設けられる場合、被覆シートの幅方向の一方端部と他方端部は互いに異なる色で着色されていてもよい。これにより、被覆シートの幅方向の一方端部の色と他方端部の色を目安に、吸収性物品の右側または左側を判別することが可能となる。
被覆シートは吸収性コアと接着剤で接着されていることが好ましい。これにより被覆シートと吸収性コアとの一体性が高まる。接着剤としては、例えば、ホットメルト接着剤を用いることができる。
吸収性コアは、前後方向に延びる開口または凹部が形成されていてもよい。例えば、吸収性コアの幅方向の中央部に前後方向に延びる開口または凹部が形成され、吸収性コアの肌面側に当該開口または凹部と重なって、被覆シートの着色された一方端部および/または他方端部が配置されてもよい。あるいは、吸収性コアの幅方向の中央部の両側に前後方向に延びる開口または凹部が形成され、吸収性コアの肌面側に、吸収性コアの幅方向の両側に設けられた開口または凹部の間の部分と重なって、被覆シートの着色された一方端部および/または他方端部が配置されてもよい。
開口は、吸収性コアを厚み方向に貫通して設けられる。凹部は、例えば、吸収性コアが部分的に圧縮されることにより形成されたり、吸収性コアの目付が部分的に減らされることにより形成される。この場合、吸収性コアの圧縮された部分や、目付が減らされた部分が、凹部として形成される。
吸収体は、上記のように幅方向の一方端部および/または他方端部が着色された被覆シートで覆われた吸収性コアを下側吸収性コアとして有し、下側吸収性コアの肌面側に、幅方向の中央部に前後方向に延びる開口が形成された上側吸収性コアを有するものであってもよい。この場合、上側吸収性コアの開口を通じて、被覆シートの着色された幅方向の一方端部および/または他方端部を視認することができ、これにより吸収性物品の幅方向の中央を認識できる。
上側吸収性コアには開口が1つのみ設けられることが好ましい。開口は、幅方向の長さが、上側吸収性コアと下側吸収性コアを重ね合わせた積層体の最も幅狭な部分の幅方向の長さの5%以上となることが好ましく、10%以上がより好ましく、15%以上がさらに好ましく、また50%以下が好ましく、40%以下がより好ましい。開口の幅はまた、10mm以上が好ましく、20mm以上がより好ましく、150mm以下が好ましく、120mm以下がより好ましい。開口は、前後方向の長さが、上側吸収性コアと下側吸収性コアの積層体の前後方向の長さの30%以上となることが好ましく、35%以上がより好ましく、また80%以下が好ましく、75%以下がより好ましい。なお開口は、上側吸収性コアの外縁に接しないように設けられることが好ましい。
上側吸収性コアと下側吸収性コアの積層体が砂時計形に形成される場合、開口は、少なくとも砂時計形状のくびれ部に設けられることが好ましい。すなわち、上側吸収性コアと下側吸収性コアの積層体が前後方向に前方部と後方部とこれらの間の中間部を有し、前方部と後方部が中間部よりも幅広に形成され、開口が少なくとも中間部に設けられることが好ましい。開口は、さらに前方部および/または後方部に延在していてもよい。
吸収体の着色部の幅方向の長さは、上側吸収性コアに設けられた開口の幅方向の長さよりも短いことが好ましい。このように着色部が形成されることにより、着色部を目安に開口の幅方向の中央を認識しやすくなり、吸収性物品の装着の際に、開口の位置を着用者の排尿部等に合わせて適切にセットすることが容易になる。また、被覆シートが、上側吸収性コアの開口と重なる部分の一部が非着色となっていると、上側吸収性コアの開口と重なる部分の全部が着色される場合と比べて、尿等の浸透性を確保しやすくなる。
次に、本発明の吸収性物品の構成例について、図面を参照して説明する。なお本発明は、図面に示された実施態様に限定されるものではない。
図1〜図3には、本発明の吸収性物品としてテープタイプの使い捨ておむつの構成例を示した。図1は、使い捨ておむつを肌面側から見た平面図を表し、図2は、図1に示した使い捨ておむつのII−II断面図を表し、図3は、図1に示した使い捨ておむつに備えられる吸収体を肌面側から見た平面図を表す。本願の図では、矢印xが幅方向、矢印yが前後方向を表し、矢印x,yにより形成される面に対して垂直方向が厚み方向zを表す。図1では、図面の上側が吸収性物品の前側に相当し、図面の下側が吸収性物品の後側に相当する。
吸収性物品1は、トップシート2とバックシート3とこれらの間に設けられた吸収体21とを有する。トップシート2は吸収体21の肌面側に配され、バックシート3は吸収体21の非肌面側に配されている。トップシート2を透過した排泄物は、吸収体21により収容される。バックシート3は排泄物が外へ漏れるのを防いでいる。
トップシート2の幅方向xの両側には、前後方向yに延在する液不透過性のサイドシート4が接合されている。サイドシート4は、トップシート2とサイド接合部5で接合され、サイド接合部5よりも幅方向xの内方部分がトップシート2から起立可能に形成され、サイド接合部5よりも幅方向xの外方部分がバックシート3に積層されている(図2を参照)。サイドシート4の幅方向xの内方部分が起立することにより立ち上がりフラップ6が形成され、これにより尿等の幅方向xの横漏れを防止することができる。なお、サイドシート4の幅方向xの内方部分がトップシート2から起立可能に形成されるために、サイドシート4には、サイド接合部5よりも幅方向xの内方部分に前後方向yに延びる起立用弾性部材7が設けられることが好ましい。
吸収性物品1には、後背部の左右側端部に止着テープ10が取り付けられている。止着テープ10は基材シート11に留め具12が設けられて構成されている。吸収性物品1は、着用者の股間に当てて、止着テープ10の留め具12を吸収性物品1の前腹部の外側面(図1ではターゲットテープ13)に止着することで、装着することができる。留め具12としては、フック・ループ・ファスナーのフック部材や粘着剤を採用することができる。
吸収性物品1の幅方向xの両側には、前後方向yに延びる脚部弾性部材8が設けられることが好ましい。脚部弾性部材8により着用者の脚周りにギャザーが形成され、脚周りのフィット性を高めたり、横漏れを防止することができる。
吸収性物品1の前後方向yの端部には、幅方向xに延びるウェスト弾性部材9が設けられることが好ましい。ウェスト弾性部材9により着用者の腰周りに沿ったウェストギャザーが形成され、腹部や背部からの尿等の漏れが防止される。
吸収体21は、吸収性コア22と、吸収性コア22を非肌面側から肌面側にかけて覆う被覆シート23を有する。図面では、吸収性コア22は砂時計形に形成されている。
図2および図3に示されるように、被覆シート23は、幅方向xの一方端部24と他方端部25が吸収性コア22の肌面側に位置し、吸収性コア22の幅方向xの中央部で一方端部24と他方端部25が互いに重ねられている。被覆シート23は、一方端部24と他方端部25の少なくとも一方が着色され、一方端部24と他方端部25の間の部分が非着色とされている。そして、吸収性コア22の肌面側で被覆シート23が二重に重ねられた部分が一方端部24と他方端部25とされ、一方端部24と他方端部25の少なくとも一方が着色されている。このように被覆シート23の着色された一方端部24および/または他方端部25によって、吸収体21は肌面側の幅方向xの中央部に着色部26が形成される。吸収性物品1は、着色部26によって、吸収体21の幅方向xの中央部を視認することができ、これにより吸収性物品1の幅方向xの中央を認識することができる。そのため、吸収性物品1を装着する際、吸収性物品1の幅方向の位置を適切にセットすることが容易になる。また、吸収性物品1の肌面側に補助吸収体を載置する場合などは、着色部26によって、補助吸収体を吸収性物品1の幅方向xの中央に正確にセットしやすくなる。被覆シート23はまた、幅方向xの一方端部24と他方端部25の間の部分が非着色であるため、吸収性物品1を外側から見たときに着色部26が目立たず、見栄えの良いものとなる。
図4および図5には、図1に示した吸収性物品において、図2および図3とは異なる吸収体が配された構成例を示した。図4は、図1に示した使い捨ておむつのII−II断面図の変形例を表し、図5は、図1に示した使い捨ておむつに備えられる吸収体を肌面側から見た平面図の変形例を表す。なお、図4および図5の説明において、上記と重複する部分の説明は省略する。
図4および図5では、被覆シート23は、着色された幅方向xの一方端部24と他方端部25が、吸収性コア22の肌面側の幅方向xの中央部で互いに接するように設けられており、これにより吸収体21の肌面側に着色部26が形成されている。なお図4では、被覆シート23の一方端部24と他方端部25の境目が分かるように、一方端部24と他方端部25がわずかに離れて描かれている。このように被覆シート23の一方端部24と他方端部25が形成されていても、吸収性物品1は、着色部26によって、幅方向xの中央を認識することができる。
図6および図7には、本発明の吸収性物品の他の一例を示した。図6および図7には、本発明の吸収性物品として、テープタイプの使い捨ておむつの構成例が示されており、図6は、使い捨ておむつを肌面側から見た平面図を表し、図7は、図6に示した使い捨ておむつのVII−VII断面図を表す。なお、図6および図7の説明において、上記と重複する部分の説明は省略する。
図6および図7に示した吸収性物品1では、吸収体21が、上側吸収性コア28と下側吸収性コア27が積層されて構成されている。吸収体21は、図2および図3に示した吸収性コア22を下側吸収性コア27として有し、下側吸収性コア27が被覆シート23によって非肌面側から肌面側にかけて覆われ、下側吸収性コア27の肌面側に上側吸収性コア28が配されている。そして、被覆シート23の一方端部24と他方端部25は上側吸収性コア28と下側吸収性コア27の間に配され、上側吸収性コア28は、幅方向xの中央部に前後方向yに延びる開口29を有し、開口29が被覆シート23の一方端部24と他方端部25と重なって配置されている。図6および図7に示した吸収性物品1では、上側吸収性コア28の開口29を通じて、被覆シート23の着色された一方端部24および/または他方端部25を視認することができ、これにより吸収性物品1の幅方向xの中央を認識することができる。
図6に示すように、吸収体21の着色部26の幅方向xの長さは、上側吸収性コア28に設けられた開口29の幅方向xの長さよりも短いことが好ましい。このように着色部26が形成されることにより、着色部26を目安に開口29の幅方向xの中央を認識しやすくなり、吸収性物品1の装着の際に、開口29の位置を着用者の排尿部等に合わせて適切にセットすることが容易になる。なお図面には示されていないが、上側吸収性コア28の肌面側および/または非肌面側に被覆シート23とは異なる別の被覆シートが設けられていてもよく、これにより上側吸収性コア28の保形性を高めることができる。この場合、別の被覆シートは非着色のものとなる。
1:吸収性物品
2:トップシート
3:バックシート
4:サイドシート
6:立ち上がりフラップ
10:止着テープ
13:ターゲットテープ
21;吸収体
22:吸収性コア
23:被覆シート
24:一方端部
25:他方端部
26:着色部
27:下側吸収性コア
28:上側吸収性コア
29:開口

Claims (7)

  1. 前後方向と幅方向を有し、トップシートとバックシートとこれらの間に配された吸収体とを有する吸収性物品であって、
    前記吸収体は、吸収性コアと、前記吸収性コアを非肌面側から肌面側にかけて覆う被覆シートを有し、
    前記被覆シートは、幅方向の一方端部と他方端部の少なくとも一方が着色され、前記一方端部と前記他方端部の間の部分が非着色とされ、
    前記被覆シートは、前記一方端部と前記他方端部が前記吸収性コアの肌面側に位置し、前記吸収性コアの幅方向の中央部で前記一方端部と前記他方端部が互いに重ねられていることを特徴とする吸収性物品。
  2. 前後方向と幅方向を有し、トップシートとバックシートとこれらの間に配された吸収体とを有する吸収性物品であって、
    前記吸収体は、吸収性コアと、前記吸収性コアを非肌面側から肌面側にかけて覆う被覆シートを有し、
    前記被覆シートは、幅方向の一方端部と他方端部が着色され、前記一方端部と前記他方端部の間の部分が非着色とされ、
    前記被覆シートは、前記一方端部と前記他方端部が前記吸収性コアの肌面側に位置し、前記吸収性コアの幅方向の中央部で前記一方端部と前記他方端部が互いに接していることを特徴とする吸収性物品。
  3. 前記被覆シートは、少なくとも前記一方端部が着色され、前記一方端部が前記他方端部の肌面側に重ねられている請求項1に記載の吸収性物品。
  4. 前記被覆シートは、前記一方端部と前記他方端部が着色されている請求項1に記載の吸収性物品。
  5. 前記被覆シートは、前記一方端部と前記他方端部が互いに非接着となっている請求項3または4に記載の吸収性物品。
  6. 前記吸収体は、前記吸収性コアを下側吸収性コアとして有し、前記下側吸収性コアが前記被覆シートによって非肌面側から肌面側にかけて覆われ、前記下側吸収性コアの肌面側に上側吸収性コアが配されており、
    前記被覆シートの前記一方端部と前記他方端部は前記上側吸収性コアと前記下側吸収性コアの間に配され、
    前記上側吸収性コアは、幅方向の中央部に前後方向に延びる開口を有し、前記開口が前記被覆シートの前記一方端部と前記他方端部と重なって配置されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  7. 前記一方端部と前記他方端部の少なくとも一方が着色され、前記一方端部と前記他方端部が前記吸収性コアの幅方向の中央部で互いに重ねられることにより形成された着色部、または、前記一方端部と前記他方端部が着色され、前記一方端部と前記他方端部が前記吸収性コアの幅方向の中央部で互いに接することにより形成された着色部の幅方向の長さは、前記開口の幅方向の長さよりも短い請求項6に記載の吸収性物品。
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