JP6912346B2 - 導電性粒子、導通検査装置用部材及び導通検査装置 - Google Patents

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本発明は、導電性粒子、導通検査装置用部材及び導通検査装置に関する。
導電性粒子は、電子部材、半導体装置等、各種分野において広く使用されており、極めて利用価値の高い材料である。近年では、導通検査用プローブカードに導電性微粒子を適用することも提案されている(例えば、特許文献1,2等を参照)。ここでいう導通検査用プローブカードは、電子回路デバイス等の導通検査をするために使用される部材である。一般には、プローブカードは検査用プローブが多数集積して束ねられ、この導通検査用プローブカードのコンタクトプローブ(接触探針)を半導体集積回路の電極パッドに接触させ、電極パッドの電気信号を取り出すことができる。コンタクトプローブから入った電気信号が多層配線基板の配線を通じて、多層配線基板に所定の間隔に配置された外部端子に導かれる。半導体集積回路等の電子回路デバイスの高度な微細化、集積化の技術が発展する中、電子回路デバイスの電気的諸特性を検査するための検査装置にも、より高度な微細ピッチ化技術が要求されている。
図8には、電子回路デバイスの電気特性を導通検査装置用部材によって検査している様子を模式的に示している。図8では、電子回路デバイスを、BGA基板50(ボールグリッドアレイ基板)としている。BGA基板50は、接続パッドが格子状に多層基板52に配列され、各パッドに半田ボール51が配設された構造を有する基板である。また、図8では、導通検査装置用部材は、プローブカード100である。このプローブカード100は、基板に複数の貫通孔110が形成されており、貫通孔110には導電材料120が充填されている。図8(a)のように、BGA基板50と、プローブカード100とを準備し、図8(b)のように、BGA基板50をプローブカード100に接触させて圧縮させる。このとき、半田ボール51は、貫通孔110の導電材料120と接触する。この状態において図8(c)のように、電流計60を接続して導通検査を実施し、BGA基板50の合否を判定する。
プローブカードとしては種々の提案がなされており、接触不良を起こしにくいプローブカード部材や、BGA基板のような電子回路デバイスに対して好適に使用できる部材が提案されている(例えば、特許文献3〜5等を参照)。また、従来のプローブは、先端が硬質で鋭利に尖ったものであり、電極を傷つけやすいため、このような問題を防止すべく、上記した特許文献1,2のように、プローブとして圧縮弾性率が調節された導電性微粒子を備える導通検査用プローブカードも知られている。
特開2008−164501号公報 特開2012−28471号公報 特開2004−152554号公報 特開2006−228743号公報 特開2008−34173号公報
しかしながら、導通検査装置用部材をBGA基板等の電子回路デバイスに圧縮接触させると、この圧縮応力によってプローブカードの貫通孔内に充填された導電材料にクラックが発生する。これにより、導電材料の導通性が損なわれて、プローブカードによる導通検査ができないという課題があった。また、導通検査による圧縮が繰り返し行われることで、導電材料中にボイド等の空隙が徐々に生じ、これによっても導電材料の導通性が損なわれて、プローブカードによる正常な導通検査ができないという課題があった。また、特許文献1,2に開示される導電粒子を使用する方法であっても、導電性粒子の設計が不十分であるため、これらの導電性粒子でプローブカードの導電部を形成したとしても、上記問題点を解決するに至っていなかった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、充填された状態でもクラック等が生じにくく、しかも、導通性も損なわれにくい導電性粒子、並びに、この導電性材料を備える導通検査装置用部材及び導通検査装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた。その結果、導電性粒子を含む充填体を形成した場合に、該充填体に圧縮荷重を加えたときの変形率と、該充填体に圧縮荷重を加えたときの抵抗値とを特定の範囲とすることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、例えば、以下の項に記載の発明を包含する。
項1
基材粒子及び前記基材粒子の表面上に配置された金属部を備えた導電性粒子であって、
直径600μm、高さ830μmの貫通孔を複数有する導通検査装置用基体の前記貫通孔にシリコーン共重合体10重量部、前記導電性粒子90重量部、エポキシシランカップリング剤1重量部及びイソプロピルアルコール36重量部含む導電材料を充填した後、硬化させることで導電性粒子の充填率が90±5%である充填体を形成した場合に該充填体に対して下記(1)及び(2)
(1)前記充填体に15gfの荷重をかけたときの前記充填体の変形率が0.1%以上、30%以下であり、
(2)前記充填体に15gfの荷重をかけたときの前記充填体の抵抗値が0.05mΩ以上、100mΩ以下、
をもたらす、導電性粒子。
項2
基材粒子及び前記基材粒子の表面上に配置された金属部を備えた導電性粒子であって、
直径600μm、高さ830μmの貫通孔を複数有する導通検査装置用基体の前記貫通孔にシリコーン共重合体10重量部、前記導電性粒子60重量部、エポキシシランカップリング剤1重量部及びイソプロピルアルコール36重量部含む導電材料を充填した後、硬化させることで導電性粒子の充填率が60±10%である充填体を形成した場合に該充填体に対して下記(1)及び(2)
(1)前記充填体に15gfの荷重をかけたときの前記充填体の変形率が0.1%以上、30%以下であり、
(2)前記充填体に15gfの荷重をかけたときの前記充填体の抵抗値が0.05mΩ以上、100mΩ以下、
をもたらす、導電性粒子。
項3
前記金属部は、外表面に複数の突起を有する、項1又は2に記載の導電性粒子。
項4
前記金属部は、銅、ニッケル、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、銀、金、白金、イリジウム、コバルト、鉄、タングステン、モリブデン、錫、ゲルマニウム、インジウム、テルル、タリウム、ビスマス、ヒ素、セレン、リン及びホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含む、項1〜3のいずれか1項に記載の導電性粒子。
項5
項1〜4のいずれか1項に記載の導電性粒子を含む導通検査装置用部材であり、
基体、孔、及び導電部を備え、
前記孔は前記基体に複数配置され、
前記導電部は前記孔内に収容されており、
前記導電部は前記導電性粒子を含む、導通検査装置用部材。
項6
前記導電部に含まれる導電性粒子は、前記金属部の外表面に複数の突起を有していない第1の導電性粒子と、前記金属部の外表面に複数の突起を有する第2の導電性粒子を含む、項5に記載の導通検査装置用部材。
項7
項1〜4のいずれか1項に記載の導電性粒子若しくは項5又は6に記載の導通検査装置用部材を備える、導通検査装置。
本発明の導電性粒子は、導通検査装置用基体の導電部に適用することで、その導電部にクラック等を生じにくくすることができ、しかも、導通性の低化も引き起こしにくい。特に、本発明の導電性粒子は、貫通孔に充填されて導通検査装置用部材の充填体を形成した場合において、この充填体に圧縮荷重を加えたときの変形率が特定の範囲である。これにより、導電性粒子が導通検査装置用基体の導電部に含まれる場合において、導電部が接触した検査対象物に対して傷を付けにくくすることができる。また、前記充填体に圧縮荷重を加えたときの抵抗値が特定の範囲であることにより、導電性粒子が導通検査装置用基体の導電部に含まれる場合において、導電部に荷重がかけられた状態及び荷重がかけられた後においても導電部の導通性が損なわれにくい。
本発明の導通検査装置用部材は、導電部に上記導電性粒子を含むので、クラック及びボイドが発生しにくく、繰り返し導通検査を行っても導通性能が損なわれにくく、しかも、検査対象部材に接触した部分に対して接触痕を残しにくい。そのため、本発明の導通検査装置用部材は、精度及び耐久性に優れる導通検査装置を提供するための部材として適している。
本発明に係る導電性粒子の構造を模式的に示す断面図である。 本発明に係る導通検査装置用部材の実施の形態の一例を示し、(a)はその一部の平面図、(b)は(a)の平面図におけるa−a線断面図である。 本発明に係る導電性粒子の他の形態を示し、その構造を模式的に示す断面図である。 本発明に係る導電性粒子の他の形態を示し、その構造を模式的に示す断面図である。 本発明に係る導電性粒子の他の形態を示し、その構造を模式的に示す断面図である。 導通検査の様子の一例を示し、(a)は本発明に係る導通検査装置用部材を使用した導通検査を示す模式図であり、(b)及び(c)は従来の導通検査装置用部材を使用した導通検査を示す模式図である。 本発明に係る導通検査装置用部材の実施の形態の他例を示し、一部の断面を模式的に表した図である。 従来技術を示し、電子回路デバイスの電気特性を導通検査装置用部材によって検査している様子を模式的に示した図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書中において、「含有」及び「含む」なる表現については、「含有」、「含む」、「実質的にからなる」及び「のみからなる」という概念を含む。
1.導電性粒子
図1は、導電性粒子2の断面構造を模式的に示している。図1に示すように、導電性粒子2は、基材粒子21及び基材粒子21の表面上に配置された金属部22を備える。
本発明の導電性粒子2は、下記(1)及び(2)で規定される要件をもたらすことができる。
(1)充填体に15gfの荷重をかけたときの前記充填体の変形率が0.1%以上、30%以下であり、
(2)充填体に15gfの荷重をかけたときの前記充填体の抵抗値が0.05mΩ以上、100mΩ以下である。
ここで、前記充填体は、導電性粒子2を含む導電材料を、貫通孔を複数有する導通検査装置用基体の前記貫通孔に充填した後、充填された導電材料を硬化させることで形成する。前記貫通孔は、直径600μm、高さ830μmである。前記充填体は、導電性粒子の充填率が90±5%となるように形成する。このような充填率とすべく、前記導電材料は、シリコーン共重合体10重量部、前記導電性粒子90重量部、エポキシシランカップリング剤1重量部及びイソプロピルアルコール36重量部含む構成とする。前記導電材料は、通常、シリコーン共重合体10重量部、前記導電性粒子90重量部、エポキシシランカップリング剤1重量部及びイソプロピルアルコール36重量部のみで構成される。
前記充填体は、導電性粒子の充填率が60±10%となるように形成することもできる。前記充填体の充填率を60±10%とするには、前記導電材料は、シリコーン共重合体10重量部、前記導電性粒子60重量部、エポキシシランカップリング剤1重量部及びイソプロピルアルコール36重量部含む構成とする。前記導電材料は、通常、シリコーン共重合体10重量部、前記導電性粒子60重量部、エポキシシランカップリング剤1重量部及びイソプロピルアルコール36重量部のみで構成される。
なお、本発明において規定される(1)、(2)の数値範囲は、充填体の初期の試験値(例えば、試験1回目〜100回目)を示すものであって、後記の実施例に記載の繰り返し試験を行った後の充填体の測定値ではない。
本発明の導電性粒子2が上記(1)、(2)の数値範囲を満たすか否かを評価するために用いる導通検査装置用基体は、後記の導通検査装置用部材の構成要素である基体と同様の構成とすることができる。特に、複数の貫通孔が形成された導通検査装置用基体が使用される。貫通孔は、導通検査装置用基体の厚み方向に貫通して形成される。
貫通孔に充填される充填体は、導電性粒子を含む。導電性粒子は、充填率90±5%又は60±10%の範囲となるように充填体に含まれ得る。充填体は、導電性粒子を含む導電材料を貫通孔に充填した後、硬化させることで形成される。
シリコーン共重合体としては、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート及び片末端アミノ基変性ポリジメチルシロキサンとの反応生成物を使用することができる。例えば、後記の実施例に記載のシリコーン系共重合体Aとすることができる。
エポキシシランカップリング剤としては、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。エポキシシランカップリング剤としては、例えば、信越化学工業社製の「KBE−303」等が挙げられる。
貫通孔に導電性粒子を含む導電材料を充填する方法としては特に限定されない。例えば、ナイフコーターを用いて導電材料を導通検査装置用基体に塗布することで、貫通孔に導電材料を充填できる。貫通孔に導電材料を充填した後、この導通検査装置用基体を50℃、10分間乾燥した後、更に続けて100℃、20分間乾燥することで、充填体を形成することができる。
充填体における充填率の確認は次のように行うことができる。まず、貫通孔に導電性粒子が充填された導通検査装置用基体をKulzer社製「テクノビット4000」に固定し、検査用埋め込み樹脂を作製する。その検査用埋め込み樹脂中に固定した導通検査装置用基体の充填体の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて切り出して、無作為に選択した10個の充填体断面をそれぞれ観察する。観察された10個の充填体断面について、充填体の断面積に対する導電性粒子の断面積の割合をそれぞれ算出して平均値をとることで、充填率を導き出すことができる。導電性粒子の断面積は、例えば、導電性粒子の円相当径をノギス等で測定し、これらの円相当径から面積を計算することで算出できる。充填体及び導電性粒子の断面積は、自動解析ソフトを使用して算出することができ、その他、充填体の断面積は、その断面を四角形と見立ててその寸法から断面積を計測してもよい。
また、導電材料を調製するにあたって導電材料の総体積に対する導電性粒子の体積率をあらかじめ算出すれば、導電性粒子の充填率を所望の範囲(90±5%又は60±10%)に調整しやすい。この場合、後記する導電性粒子のCV値が低いほど(例えば、50%以下)、充填率を所望の範囲に調整しやすい。
充填体に15gfの荷重をかけるには、Φ0.5mmの白金プローブにて充填体を圧縮する方法で行うことができる。充填体は略円柱状に形成されているので、充填体の頂面を白金プローブにて圧縮すればよい。
充填体は、15gfの荷重がかけられたときの変形率が0.1%以上、30%以下であることで、充填体及び導通検査装置用基体にクラック等が発生しにくく、また、充填体に他の部材(検査対象物)が接触したとしても、その対象物に傷を付けにくい。変形率の下限は、1%であることが好ましく、10%であることがより好ましい。変形率の上限は、20%であることが好ましい。
充填体に15gfの荷重をかけた後の充填体の変形率は、接触抵抗測定システム(ファクトケイ株式会社製−MS7500)を用いて測定できる。充填体に荷重をかける前の導位置を基準点(ゼロ点)にし、充填体に荷重をかけた後の変位を計測し、充填体の全長(高さ)に対する変位の割合を算出する。この算出を無作為に選択した5個の充填体に対して行い、その平均値を充填体の変形率として導き出すことができる。
充填体は、15gfの荷重がかけられたときの(荷重がかけられた状態における)抵抗値が0.05mΩ以上、100mΩ以下である。これにより、充填体は、荷重がかけられた状態及び荷重がかけられた後においても導通性が損なわれにくい。抵抗値の下限は、0.1mΩであることが好ましく、0.5mΩであることがより好ましく、また、抵抗値の上限は、50mΩであることが好ましい。
充填体に15gfの荷重をかけた状態における充填体の抵抗値は、接触抵抗測定システム(ファクトケイ株式会社製−MS7500)を用いて測定できる。充填体にΦ0.5mmの白金プローブにて15gfの荷重をかけた際に、低抵抗計(鶴賀電機株式会社製「MODEL3566」)で5Vを印加し、接触抵抗測定システムにより接触抵抗値を測定する。ここでいう接触抵抗値は、複数の貫通孔に充填されている充填体のうち、無作為に5個選択したそれぞれの抵抗値を平均した値を意味する。
上記導電性粒子2は、種々の用途に適用することができる。特に、上記導電性粒子2は、前記(1)及び(2)を満たすことから、後記の導通検査装置用部材への使用に好適である。ここで、導電性粒子2を好適に使用できる導通検査装置用部材の概略について、説明する。なお、導通検査装置用部材の詳細については、後記「2.導通検査装置用部材」の項でも詳述する。
図2は、導通検査装置用部材10の実施の形態の一例を示し、(a)は平面図、(b)は(a)の平面図におけるa−a線断面図である。
図2に示すように、本実施形態の導通検査装置用部材10は、基体13、孔11、及び導電部12を備える。孔11は基体13に複数配置される。導電部12は孔11内に収容されている。導電部12に、上記導電性粒子2が含まれる。基体13は、前記導通検査装置用基体と同一とすることができる。導電部12は、前記充填体と同様の構成であってもよい。
導通検査装置用部材10には、例えば、図8等で示される電流計60を電気的に接続することで、導通検査を実施することができる。電流計60は、例えば、導通検査装置用部材10における任意の2個の導電部12に接続させればよい。そして、電流計60が接続された2個の導電部12に接触するように電子回路デバイスを接続することで(BGA基板50であれば、半田ボール51を導電部12に接続)、当該電子回路デバイスの導通検査を実施することができる。
上記導通検査装置用部材10は、導電部12に前記(1)及び(2)をもたらす導電性粒子2が含まれることで、導電部12に圧縮応力が加わっても、その応力が緩和されやすい。そのため、本実施形態の導通検査装置用部材10は、導電部12にクラック及びボイドが発生しにくく、繰り返し導通検査を行っても導通性能が損なわれにくく、しかも、検査対象部材に接触した部分に対して接触痕を残しにくい。
本発明の導電性粒子は前記(1)及び(2)で規定される要件をもたらすものであるが、以下では、導電性粒子のその他の構成について説明する。
基材粒子21の種類は特に限定的ではないが、例えば、樹脂粒子、金属粒子を除く無機粒子、有機無機ハイブリッド粒子及び金属粒子等が挙げられる。上記基材粒子21は、樹脂粒子、金属粒子を除く無機粒子又は有機無機ハイブリッド粒子であることが好ましい。
基材粒子21が樹脂粒子である場合、樹脂粒子を形成するための材料として、種々の有機物が好適に用いられる。そのような材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、シリコーン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン樹脂;ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート等のアクリル樹脂;ポリアルキレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、エポキシ樹脂、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、及び、ポリエーテルスルホン、尿素樹脂等が挙げられる。
また、樹脂粒子は、エチレン性不飽和基を有する種々の重合性単量体を1種もしくは2種以上重合させることにより得ることもできる。この場合、基材粒子21の硬度を好適な範囲に容易に制御できる。このような観点から、上記樹脂粒子の材料は、エチレン性不飽和基を複数有する重合性単量体を1種又は2種以上重合させた重合体であることが好ましい。
上記樹脂粒子を、エチレン性不飽和基を有する単量体を重合させて得る場合には、該エチレン性不飽和基を有する単量体としては、非架橋性の単量体及び/又は架橋性の単量体が挙げられる。なお、以下の説明において、「(メタ)アクリル」は「アクリル」と「メタクリル」との一方又は双方を意味し、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」と「メタクリレート」との一方又は双方を意味する。
上記非架橋性の単量体としては、例えば、ビニル化合物として、スチレン、α−メチルスチレン、クロルスチレン等のスチレン系単量体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル等のビニルエーテル類;酢酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の酸ビニルエステル類;塩化ビニル、フッ化ビニル、等のハロゲン含有単量体;(メタ)アクリル化合物として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の酸素原子含有(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル含有単量体;トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート等のハロゲン含有(メタ)アクリレート類;α−オレフィン化合物として、ジイソブチレン、イソブチレン、リニアレン、エチレン、プロピレン等のオレフィン類;共役ジエン化合物として、イソプレン、ブタジエン等が挙げられる。
上記架橋性の単量体としては、例えば、ビニル化合物として、ジビニルベンゼン、1,4−ジビニロキシブタン、ジビニルスルホン等のビニル系単量体;(メタ)アクリル化合物として、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;アリル化合物として、トリアリル(イソ)シアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、ジアリルエーテル;シリコーン化合物として、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリエチルシラン、t−ブチルジメチルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、トリメトキシシリルスチレン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のシランアルコキシド類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジメトキジメチルビニルシシラン、ジメトキシエチルビニルシラン、ジエトキシメチルジビニルシラン、ジエトキシエチルビニルシラン、エチルメチルジビニルシラン、メチルビニルジメトキシシラン、エチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、エチルビニルジエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の重合性二重結合含有シランアルコキシド;デカメチルシクロペンタシロキサン等の環状シロキサン;片末端変性シリコーンオイル、両末端シリコーンオイル、側鎖型シリコーンオイル等の変性(反応性)シリコーンオイル;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体等が挙げられる。
架橋性及び非架橋性単量体は、上記例示列挙した単量体に限定されず、その他の重合性単量体、例えば、公知の重合性単量体であってもよい。
上記エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を、公知の方法により重合させることで、上記樹脂粒子が得られる。この方法としては、例えば、ラジカル重合開始剤の存在下で懸濁重合する方法、及び非架橋の種粒子を用いてラジカル重合開始剤とともに単量体を膨潤させて重合する方法(いわゆる、シード重合法)等が挙げられる。これらの重合方法の条件は特に制限されず、公知の条件とすることができる。
上記基材粒子21が金属粒子を除く無機粒子又は有機無機ハイブリッド粒子である場合には、基材粒子21の材料である無機物としては、シリカ及びカーボンブラック等が挙げられる。この無機物は金属ではないことが好ましい。上記シリカにより形成された粒子としては特に限定されず、例えば、加水分解性のアルコキシシリル基を2つ以上有するケイ素化合物を加水分解して架橋重合体粒子を形成した後に、必要に応じて焼成を行うことにより得られる粒子が挙げられる。上記有機無機ハイブリッド粒子としては、例えば、架橋したアルコキシシリルポリマーとアクリル樹脂とにより形成された有機無機ハイブリッド粒子等が挙げられる。
上記基材粒子21の材料の他例として、ポリロタキサンを含む樹脂が挙げられる。ポリロタキサンは、鎖状高分子が環状分子の開口部を貫通して形成されている構造をいう。ポリロタキサンの種類は特に限定されず、例えば、公知のポリロタキサンが挙げられる。
基材粒子21を構成する材料がポリロタキサンを含む樹脂である場合、ポリロタキサンは架橋体であることが好ましい。具体的には、ポリロタキサンにおける環状分子と他のポリロタキサンにおける環状分子とが高分子鎖で架橋された構造であることが好ましい。このような架橋ポリロタキサンであれば、基材粒子21の柔軟性が高くなるので、応力緩和効果が発揮されやすく、これにより、導電部12のクラックの発生を抑制しやすくなる。このような架橋体であるポリロタキサンにあっても、その種類は特に限定されず、例えば、公知の架橋ポリロタキサンが挙げられる。
上記ポリロタキサンは、例えば、公知の方法で製造され得る。例えば、重合性の官能基を有する環状分子を備えるポリロタキサンと、重合性単量体との混合物とを反応させることで、架橋構造を有するポリロタキサンが製造される。この反応は、例えば、公知の方法で行うことができる。
重合性の官能基を有する環状分子を備えるポリロタキサンの種類は特に制限がない。例えば、アドバンスト・ソフトマテリアルズ株式会社から市販されている、「セルム(登録商標)スーパーポリマーSM3405P」、「セルム(登録商標)キー・ミクスチャーSM3400C」、「セルム(登録商標)スーパーポリマーSA3405P」、「セルム(登録商標)スーパーポリマーSA2405P」、「セルム(登録商標)キー・ミクスチャーSA3400C」、「セルム(登録商標)キー・ミクスチャーSA2400C」、「セルム(登録商標)スーパーポリマーSA3405P」、「セルム(登録商標)スーパーポリマーSA2405P」等である。
基材粒子21の平均粒子径は0.1μm以上、200μm以下であることが好ましい。この場合、導電性粒子2は、孔11内に収容されやすく、導電部12の導通性が損なわれにくく、また、繰り返し導通検査を行っても導電部12のクラック及びボイドも発生しにくい。基材粒子21の平均粒子径は、より好ましくは0.5μm以上、10μm以上であり、また、より好ましくは100μm以下、さらに好ましくは75μm以下、特に好ましくは50μm以下である。
上記基材粒子21の平均粒子径とは、形状が真球状である場合には直径を意味し、真球状以外の形状である場合には、最大径と最小径の平均値を意味する。そして、基材粒子21の平均粒子径は、基材粒子21を走査型電子顕微鏡で観察し、無作為に選択した50個の基材粒子21の粒径をノギスで測定した平均値を意味する。なお、基材粒子21が上述のように他の材料(例えば、金属部)で被覆されている場合の平均粒子径は、その被覆層も含める。
基材粒子21の粒子径の変動係数(CV値)は、例えば、50%以下である。上記変動係数(CV値)は下記式で表される。
CV値(%)=(ρ/Dn)×100
ρ:粒子の粒子径の標準偏差
Dn:粒子の粒子径の平均値
導電部12のクラック及びボイドの発生をより一層抑える観点からは、基材粒子21の粒子径のCV値は、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下である。基材粒子21の粒子径のCV値の下限は特に限定されない。上記CV値は0%以上であってもよく、5%以上であってもよく、7%以上であってもよく、10%以上であってもよい。
基材粒子21の硬さは、特に制限されず、例えば、10%K値で10N/mm以上、3000N/mm以下である。導電部12のクラック及びボイドの発生をより一層抑える観点からは、上記10%K値は、好ましくは100N/mm以上、より好ましくは1000N/mm以上、好ましくは10000N/mm以下、特に好ましくは5000N/mm以下である。
ここでいう10%K値は、基材粒子21を10%圧縮したときの圧縮弾性率である。以下のようにして測定できる。まず、微小圧縮試験機を用いて、円柱(直径50μm、ダイヤモンド製)の平滑圧子端面で、25℃、最大試験荷重20mNを60秒かけて負荷する条件下で基材粒子21を圧縮する。このときの荷重値(N)及び圧縮変位(mm)を測定する。得られた測定値から、上記圧縮弾性率を下記式により求めることができる。
10%K値(N/mm)=(3/21/2)・F・S−3/2・R−1/2
F:粒子が10%圧縮変形したときの荷重値(N)
S:粒子が10%圧縮変形したときの圧縮変位(mm)
R:粒子の半径(mm)
上記微小圧縮試験機として、例えば、フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」等が用いられる。なお、30%K値を求める場合も、粒子を30%圧縮変形させたときの上記各パラメータを求めることで算出できる。
基材粒子21は、粒子100万個あたり、凝集している粒子が100個以下であることが好ましい。上記凝集している粒子は、1つの粒子が少なくとも1つの他の粒子と接している粒子である。例えば、基材粒子21の100万個あたり、3つの粒子が凝集している粒子(3個の粒子の凝集体)が3個含まれる場合に、基材粒子21の100万個あたり、凝集している粒子の数は9個である。上記凝集粒子の測定方法としては、1視野に5万個程度の粒子が観察されるように倍率を設定した顕微鏡を用いて凝集粒子をカウントし、20視野の合計として凝集粒子を測定する方法等が挙げられる。
金属部22は、例えば、基材粒子21の表面を被覆するように存在している。
金属部22は、金属を含む材料で形成される。該金属としては、例えば、金、銀、錫、銅、銅、ゲルマニウム、インジウム、パラジウム、テルル、タリウム、ビスマス、亜鉛、ヒ素、セレン、鉄、鉛、ルテニウム、アルミニウム、コバルト、チタン、アンチモン、カドミウム、ケイ素、ニッケル、クロム、白金、ロジウム等が例示される。金属部22は、これらの各々の金属のいずれか1種のみであってもよいし、あるいは、2種以上を含んでもよい。また、金属部22は、上記例示列挙した各々の金属のうちの2種以上の金属の合金であってもよい。
金属部22は、金、銀、錫、銅、ゲルマニウム、インジウム、ニッケル、パラジウム、テルル、タリウム、ビスマス、亜鉛、ヒ素及びセレンからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含むことが好ましい。この場合、導電部12の導通性が損なわれにくく、また、繰り返し導通検査を行っても導電部12のクラック及びボイドも発生しにくい。
金属部22は、1つの層(単層)に形成されていてもよいし、あるいは、複数の層(多層)に形成されていてもよい。
金属部22の厚みは、好ましくは0.5nm以上、より好ましくは10nm以上であり、好ましくは10μm以下、より好ましくは1μm以下、更に好ましくは500nm以下、特に好ましくは300nm以下である。金属部22の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、導電部12の導通性が十分に確保され、また、繰り返し導通検査を行っても導電部12のクラック及びボイドも発生しにくい。金属部22の厚みは、金属部22が多層である場合には各層の厚みの合計、つまり、金属部22全体の厚みをいう。
基材粒子21の表面上に金属部22を形成する方法は特に限定されない。金属部22を形成する方法としては、例えば、無電解めっきによる方法、電気めっきによる方法、物理的蒸着による方法、並びに金属粉末もしくは金属粉末とバインダーとを含むペーストを基材粒子21の表面にコーティングする方法等が挙げられる。金属部22の形成が簡便であるという観点から、無電解めっきによる方法が好ましい。上記物理的蒸着による方法としては、真空蒸着、イオンプレーティング及びイオンスパッタリング等の方法が挙げられる。金属部22が多層構造である場合も同様の方法で金属部22を形成することができる。例えば、上記の金属部22の形成方法を採用することによって基材粒子21表面に第1層目の金属部22を形成し、この第1層目の表面にさらに次の層を順次形成することで、多層構造の金属部22を形成することができる。
導電性粒子2が金属部22を備えることで導電性粒子2は導通性を発揮し、また、二以上の導電性粒子2が接触することで粒子間の導通性が発揮される。
導電性粒子2の硬さは、特に制限されず、例えば、10%K値が10N/mm以上、25000N/mm以下である。導電部12のクラック及びボイドの発生をより一層抑える観点からは、上記10%K値は、好ましくは100N/mm以上、より好ましくは1000N/mm以上、好ましくは10000N/mm以下、特に好ましくは5000N/mm以下である。
導電性粒子2の平均粒子径は0.1μm以上、200μm以下であることが好ましい。この場合、導電性粒子2は、孔11(例えば、貫通孔)内に収容されやすく、導電部12の導通性が損なわれにくく、また、繰り返し導通検査を行っても導電部12のクラック及びボイドも発生しにくい。導電性粒子2の平均粒子径は、より好ましくは0.5μm以上、10μm以上であり、また、より好ましくは100μm以下、さらに好ましくは75μm以下、特に好ましくは50μm以下である。
金属部22は、外表面に複数の突起を有していてもよい。
図3は、金属部22の外表面に複数の突起23を有する導電性粒子2の断面構造を模式的に示している。
図3の形態の導電性粒子2は、図1の導電性粒子2と同様に基材粒子21と、金属部22とを備える。金属部22は、基材粒子21の表面を覆うように配置されている。
金属部22の外表面には、複数の突起23が形成されている。突起23は、基部を底面として、この基部から表面側に突出するように形成されている。上記基部は、金属部22の最表層に位置する。
金属部22の外表面に複数の突起23が形成されていることで、導電性粒子2どうしがより接触しやすくなる。この結果、導電性粒子2を導通検査装置用部材10の導電部12に使用した場合に、導電部12の導通性が十分に確保され、また、圧縮応力をより緩和させやすくできるので、繰り返し導通検査を行っても導電部12のクラック及びボイドも発生しにくい。
突起23を形成する方法としては、特に限定的ではなく、例えば、公知の方法を採用することができる。具体的には、基材粒子21の表面に芯物質を付着させた後、無電解めっきにより金属部22を形成する方法が挙げられる。あるいは、基材粒子21の表面に無電解めっきにより金属部22を形成した後、芯物質を付着させ、更に無電解めっきにより金属部22を形成する方法等が挙げられる。さらに、上記突起23を形成する他の方法としては、基材粒子21の表面上に第1の金属部22を形成した後、該第1の金属部22上に芯物質を配置し、次に第2の金属部22を形成する方法が挙げられる。その他、突起23を形成する方法としては、基材粒子21の表面上に金属部22を形成する途中段階で、芯物質を添加する方法等が挙げられる。
上記基材粒子21の表面に芯物質を付着させる方法としては、例えば、基材粒子21の分散液中に芯物質を添加し、基材粒子21の表面に芯物質を、例えば、ファンデルワールス力により集積させ、付着させる方法が挙げられる。また、基材粒子21の表面に芯物質を付着させる方法として、基材粒子21を入れた容器に、芯物質を添加し、容器の回転等による機械的な作用により基材粒子21の表面に芯物質を付着させる方法等が挙げられる。なかでも、付着させる芯物質の量を制御しやすいという観点から、分散液中の基材粒子21の表面に芯物質を集積させ、付着させる方法が好ましい。芯物質が金属部22中に埋め込まれていれば、金属部22の外表面に突起を容易に形成することが可能である。
上記芯物質の材料としては、導電性物質及び非導電性物質が挙げられる。上記導電性物質としては、金属、金属の酸化物、黒鉛等の導電性非金属及び導電性ポリマー等が挙げられる。上記導電性ポリマーとしては、ポリアセチレン等が挙げられる。上記非導電性物質としては、シリカ、アルミナ及びジルコニア等が挙げられる。芯物質は金属粒子であることが好ましい。この場合の金属としては、金属部22を構成することができる上述の各種金属が例示される。より好ましくは金属部22の最外層を構成する金属の種類と同様とすることである。従って、突起23を構成する金属は、金、銀及び銅からなる群より選ばれる1種以上を含むことが特に好ましい。
上記芯物質の形状は特に限定されない。芯物質の形状は塊状であることが好ましい。芯物質としては、例えば、粒子状の塊、複数の微小粒子が凝集した凝集塊、及び不定形の塊等が挙げられる。
上記芯物質の平均径(平均粒子径)は、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.05μm以上、好ましくは0.9μm以下、より好ましくは0.2μm以下とすることができる。上記芯物質の平均径(平均粒子径)は、数平均径(数平均粒子径)を示す。芯物質の平均径は、任意の芯物質50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することにより求められる。導電性粒子2において、芯物質の平均径を測定する場合には、例えば、以下のようにして、芯物質の平均径を測定することができる。導電性粒子を含有量が30重量%となるように、Kulzer社製「テクノビット4000」に添加し、分散させて導電性粒子検査用埋め込み樹脂を作製する。その検査用埋め込み樹脂中の分散した導電性粒子の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、導電性粒子の断面を切り出す。そして、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて、画像倍率5万倍に設定し、20個の導電性粒子を無作為に選択し、それぞれの導電性粒子の突起20個を観察する。得られた導電性粒子における芯物質の径を計測し、それを算術平均して芯物質の平均径とする。
突起23の形状は特に限定的ではなく、例えば、断面が球状又は楕円形状となるように形成されていてもよいし、先端に向かうほど尖っていくような針状に形成されていてもよい。このような突起の形状は、例えば、芯物質の材料等に応じて制御することが可能である。
突起の平均高さは、1nm以上、1000nm以下とすることができ、好ましくは5nm以上、より好ましくは50nm以上、好ましくは900nm以下、より好ましくは500nm以下である。上記突起の平均高さが上記下限以上及び上記上限以下であると、導電性粒子2どうしがより接触しやすくなる。
突起23の平均高さは、例えば以下のように測定することができる。導電性粒子を含有量が30重量%となるように、Kulzer社製「テクノビット4000」に添加し、分散させて、導電性粒子検査用埋め込み樹脂を作製する。その検査用埋め込み樹脂中の分散した導電性粒子の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、導電性粒子の断面を切り出す。そして、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて画像倍率5万倍に設定し、20個の導電性粒子を無作為に選択し、それぞれの導電性粒子の突起50個を観察する。突起の底面である基部から突起の頂部までの高さを突起の高さとし、算術平均して上記突起の平均高さとする。
突起23の基部の平均径は、3nm以上、5000nm以下とすることができ、好ましくは50nm以上、より好ましくは80nm以上、好ましくは1000nm以下、より好ましくは500nm以下である。ここでいう基部の平均径は、上記の突起23の平均高さの測定方法と同様の手順で、埋め込み樹脂を用いたFE−SEM観察によって無作為に選択した20個の導電性粒子の突起をそれぞれ観察し、各基部の両端間距離を計測し、それらを算術平均して求めた値をいう。
金属部22の外表面の全表面積100%中、前記突起23は30%以上を占めることができる。この場合、導電性粒子どうしがより接触しやすくなる。金属部22の外表面に対する突起の占有面積は、例えば、以下のように測定することができる。まず、導電性粒子の正投影面図を電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)で撮影する。FE−SEMで撮影した6000倍の写真を市販の画像解析ソフトにより解析する。平坦化等の画像処理を施した後、突起部分の面積(平面視における面積)を求め、導電性粒子の面積に対する突起部分の面積の割合を突起の占有面積とする。20個の導電性粒子について金属部22の外表面に対する突起の占有面積を求める。
導電性粒子2の他の形態として、凹部を有する基材粒子21と、基材粒子21の表面上に配置された金属部22とを備えてもよい。この形態の導電性粒子2では、凹部にも金属部22が形成され得る。以下、具体例を挙げて説明する。
図4には、凹部24を有する基材粒子21と、基材粒子21の表面上に配置された金属部22とを備えた導電性粒子2の一例を示しており、この導電性粒子2の外観を模式的に表している。なお、導電性粒子2の一部断面構造を示すために、図4において、破線部で囲まれている部分を破断させて表記している。
図4の形態の導電性粒子2において、基材粒子21の表面には複数の凹部24が形成されている。金属部22は、基材粒子21の表面を覆うように配置されている。この形態では、金属部22は、第1の金属部22aと、第2の金属部22bとで二層構造に形成されており、第1の金属部22aが内側、第2の金属部22bが外側に配置している。つまり、第1の金属部22aが基材粒子21の表面に接触しており、第2の金属部22bが第1の金属部22aの表面を覆うように存在している。
凹部24の表面にも金属部22が形成されている。図4の形態では、凹部24には第1の金属部22aが形成されている。
上記のような複数の凹部24を有する基材粒子21の表面に金属部22が形成された導電性粒子2では、導電性粒子2どうしがより接触しやすくなることに加えて、導電部12にかかる応力を緩和させる作用が高くなる。つまり、導電性粒子2が凹部24を有していることで、導電性粒子2が変形に対して追従しやすくなり、その結果として、導電部12に応力が加えられたとしても、クラックがより一層起こりにくくなる。
凹部24を有する基材粒子21を調製する方法は特に限定されない。例えば、上述の基材粒子21を後処理することで、基材粒子21に凹部24を形成することができる。
上記後処理による凹部24の形成方法は特に限定的ではなく、例えば、公知の方法を採用することができる。具体的には、基材粒子21の表面をエッチング処理する方法、酸素雰囲気でプラズマ処理、オゾン処理及び加熱処理をする方法、加湿処理する方法、真空中で熱処理する方法、加圧及び加湿条件下で熱処理する方法等が挙げられる。その他、凹部24の形成方法として、酸化剤で湿式処理する方法、ボールミル等で物理的に処理する方法等が挙げられる。
凹部24の平均深さは特に限定されない。例えば、凹部24の平均深さは、基材粒子21の平均半径の0.1%以上、80%以下とすることができる。なお、ここでいう凹部24の深さとは、凹部24を有する基材粒子21を球状と見立てて、その球状の基材粒子21の表面から凹部24の最も底面となる点との距離を示す。具体的には、上記の突起の平均高さの測定方法と同様の手順で、埋め込み樹脂を用いたFE−SEM観察によって無作為に選択した20個の導電性粒子の突起をそれぞれ観察し、各凹部24の深を算術平均して求めた値をいう。
図5には、導電性粒子2のさらなる変形例を示しており、この導電性粒子2の外観を模式的に表している。なお、導電性粒子2の一部断面構造を示すために、図5において、破線部で囲まれている部分を破断させて表記している。
具体的に図5の導電性粒子2は、複数の凹部24を有する基材粒子21と、基材粒子21の表面上に配置された金属部22とを備え、金属部22の外表面には複数の突起23が形成されている。金属部22は、第1の金属部22aと、第2の金属部22bとで二層構造に形成されている。つまり、図5の形態の導電性粒子2は、図3及び図4の導電性粒子2の両方の特徴を備えている。
図5の形態の導電性粒子2であれば、複数の突起23が存在することで、導電性粒子2どうしがより接触しやすくなり、また、基材粒子21が複数の凹部24を有することで、導電性粒子2が変形に対して追従しやすくなる。そのため、図5の形態の導電性粒子2を含む導電部12では、クラックが特に抑制されやすくなる。
図5の形態の導電性粒子2は、図3の形態の導電性粒子2において、基材粒子21として複数の凹部24を有する基材粒子21に代えれば、その他は同様の方法によって製造され得る。
導電性粒子2は、上記(1)で規定される変形率及び上記(2)で規定される抵抗値が特定の範囲であることで、例えば、導電性粒子2を含む充填体(導電性粒子2の粒子群)が繰り返し圧縮されたとしても、充填体にボイドやクラックが発生しにくい。これにより、充填体の導通性も損なわれにくくなる。導電性粒子2は、このような性能を有することで、導通検査装置用部材の導電部を形成するための材料、すなわち、導通検査装置用部材用として適している。
上記(1)で規定される変形率は、基材粒子21の種類(材料種等)、重合条件、金属部22に用いる金属の種類、金属部22の厚み等を調節することにより、所望の範囲に調整することができる。あるいは、上記(1)で規定される変形率は、導電性粒子の10%K値等を制御することで調整できる。
また、上記(2)で規定される抵抗値は、導電性粒子の金属部の種類、導電性粒子の金属部の厚み、導電性粒子への突起付与によるバインダー樹脂排除性等を制御することで調整することができる。これらのパラメータを制御することにより、上記(1)で規定される変形率と上記(2)で規定される抵抗値を満たす導通検査装置用部材の導電部を形成することができる。
導電性粒子2は、導通検査装置用部材の導電部へ使用できる他、電子部材、半導体装置等、各種の分野に使用することができる。
2.導通検査装置用部材
次に、導通検査装置用部材の構成について説明する(図2の導通検査装置用部材10を参照)。
基体13は、導通検査装置用部材10の基板となる部材である。基体13は絶縁性の材料によって形成されていることが好ましい。絶縁性の材料としては、例えば、絶縁性樹脂を挙げることが得ることができる。
絶縁性樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。熱可塑性樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂が例示される。熱硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、シリコン系樹脂、フェノール系樹脂が例示される。シリコン系樹脂としては、シリコーンゴムが例示される。
基体13が絶縁性樹脂で形成される場合は、1種の絶縁性樹脂のみで形成されていてもよいし、あるいは、2種以上の絶縁性樹脂で形成されていてもよい。
基体13は、例えば、板状、シート状、フィルム状等に形成される。基体13の厚みは、導通検査装置用部材10の種類に応じて適宜設定することができ、例えば、0.005mm以上50mm以下の厚みとすることができる。基体13の平面視における大きさも目的の検査装置に応じて適宜設定することができる。
基体13は、例えば、上記の絶縁性樹脂等の絶縁性材料を原料として、所望の形状に成形することで得ることができる。
孔11は、基体13に複数配置される。孔11は、例えば、導通検査装置用基体の厚み方向に貫通して形成された貫通孔であってもよい。また、孔11が貫通孔でなく、底部を有する凹部として形成されている場合、孔11の底部と、導通検査装置用基体の裏面側とは導通可能に形成される。孔11は、基体13の厚み方向で貫通するように形成されている。
図2に示されるように、孔11は、円柱状に形成され得るが、これに限らず、その他の形状、例えば、多角柱状に形成されていてもよい。また、孔11は、一方の方向に先細りなるテーパー状に形成されていてもよいし、その他、歪んだ形状に形成されていてもよい。
孔11の大きさ、例えば、平面視における孔11の見かけ面積も適宜の大きさに形成することができ、例えば、導電部を収容でき、かつ、保持できる程度の大きさに形成されていればよい。孔11が例えば円柱状であれば、その直径は0.01mm以上10mm以下とすることができる。
なお、複数の孔11がすべて同じ形状、同じ大きさであってもよいし、一部が異なっていてもよい。
孔11の個数も適宜の範囲で設定することができ、導通検査が可能な程度の個数を有していればよく、目的の検査装置に応じて適宜設定することができる。また、孔11の配置場所も目的の検査装置に応じて適宜設定することができる。
孔11を基体13に形成させる方法は特に限定されず、公知の方法(例えば、レーザー加工)で孔11を形成させることが可能である。
導電部12は導電性を有する部材であり、孔11内に収容されている。
具体的に導電部12は、上記導電性粒子2を含む。例えば、導電部12は、多数の導電性粒子2が孔11内に収容されて形成される。つまり、導電部12は、導電性粒子2の集合体(粒子群)を含む。
導電部12は、導電性粒子2以外の材料が含まれていてもよい。例えば、導電部12は、導電性粒子2以外にバインダーを含むことができる。導電部12がバインダーを含むことで、導電性粒子2がより強固に集合し、これにより導電部12が孔11に保持されやすくなる。
バインダーとしては特に限定されず、例えば、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂が挙げられる。上記光硬化性樹脂は、光硬化性樹脂及び光重合開始剤を含むことが好ましい。上記熱硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂及び熱硬化剤を含むことが好ましい。上記バインダーとしては、例えば、シリコーン系共重合体、ビニル樹脂、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、熱可塑性ブロック共重合体及びエラストマー等が挙げられる。上記バインダーは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
なお、バインダーは、前記導電材料と同様の構成であってもよい。
導電部12は、孔11に密に充填されていることが好ましく、この場合、導通検査装置用部材10よってより確実な導通検査を行うことができる。導電部12は、少なくとも導通検査装置用部材10の表裏にわたって導通できる程度に孔11に収容されていることが好ましい。
導電部12において、導電性粒子2は、導電部12の表面から裏面(又は孔11の底部)にわたって連続して導電性粒子2が互いに接触しながら存在していることが好ましい。この場合、導電部12の導通性が向上する。
導電部12を、孔11に収容する方法は特に限定されない。例えば、導電性粒子2とバインダーを含む材料を基体に塗工することで孔11内に充填し、次いで、適宜の条件で硬化させることで、導電部12を孔11内に形成させることができる。これにより、導電部12が孔11に収容される。導電性粒子2とバインダーを含む材料には必要に応じて溶剤が含まれていてもよい。
導電性粒子2とバインダーを含む材料は、100重量部の導電性粒子2に対してバインダーを固形分換算で5〜99重量部、好ましくは10〜50重量部とすることができる。
以上のようにして、基体13、孔11及び導電部12を少なくとも備える導通検査装置用部材10を、いわゆるプローブカードとして得ることができる。なお、導通検査装置用部材10は、本発明の効果が阻害されない程度であれば、その他の構成要素を備えていてもよい。
図6,7は、上記構成を有する導通検査装置用部材10を使用して導通検査を実施している様子を示す模式図である。ここでは、検査対象として、半田ボール51が配設された構造を有するBGA基板を想定している(図8参照)。
図6(a)のように、導通検査では半田ボール51を導通検査装置用部材10の導電部12に接触させ、圧縮させて導通性を検査する。導電部12は本発明の導電性粒子2を含むことで、半田ボール51が導電部12に圧縮応力をかけた後においても、半田ボール51に導電部12の接触痕が残りにくい。導電部12が柔軟な導電性粒子2を有していることで、応力が加わってもその応力が緩和されるからである。一方、導電部12が従来のような硬い材料(例えばNi金属粉45等)で形成されていると、半田ボール51が導電部12に圧縮応力をかけた後、図6(b)のように、半田ボール51に接触痕44が残る。その結果、検査対象部材である回路(BGA基板)がダメージを受けて性能の低下の原因となる。
また、導電部12が硬い材料で形成されている場合、半田ボール51が導電部12に圧縮応力が繰り返しかけられることで、図6(c)のように、導電部12にクラック41やボイド42が発生する。これにより、導電部12の導通性が損なわれて、導通検査の精度の低下あるいは検査の実施不能をもたらす。これに対し、導電部12は導電性粒子2が含まれることで、繰り返し導通検査を行っても導電部12の導通性が損なわれるおそれが小さく、導通検査の精度の低下が起こりにくい。これは、半田ボール51が導電部12に圧縮応力をかけた後においても、その応力が緩和されることで、導電部12にクラック41やボイド42が発生しにくいからである。
図7は、上記構成を有する導通検査装置用部材10を使用して導通検査を実施している様子の他例を示す模式図である。この形態では、導電部12に異なる種類の導電性粒子2が含まれる。
具体的に図7の形態では、導電部12に含まれる導電性粒子2は、前記金属部22の外表面に複数の突起23を有していない第1の導電性粒子2aと、前記金属部22の外表面に複数の突起23を有する第2の導電性粒子2bを含む。つまり、この形態の導電性粒子2は、第1の導電性粒子2a及び第2の導電性粒子2bを含む混合物である。図7の形態では、導電性粒子2は、硬化したバインダー30中に分散するように配置されている。なお、第1の導電性粒子2a及び第2の導電性粒子2bをまとめて表記する場合は、導電性粒子2ということがある。図7において、導電性粒子2は、一部破断させて断面構造(第1の導電性粒子2aのみ)がわかるように表記している。
この場合、例えば、第1の導電性粒子2a間に第2の導電性粒子2bが入り込んで両者と接触するように存在する形態となり得る。第2の導電性粒子2bは突起23を有していることで、第1の導電性粒子2aとより接触しやすくなり、導電性粒子2どうしの密着性がより高まる。これにより、導電部12の導通性が特に向上し、また、応力緩和効果も特に高くなるので、クラック41やボイド42がより一層発生しにくくなり、導通検査装置用部材10の耐久性が特に向上する。なお、第1の導電性粒子2aは、上記した図2の形態と同様の構成であり、第2の導電性粒子2bは、上記した図3の形態と同様の構成とすることができる。
なお、導電部12に含まれる導電性粒子2は1種単独であってもよいし、図7の形態のように、異なる2種の混合物であってもよいし、さらには異なる3種以上の混合物であってもよい。
導電部12は、導電性粒子2以外のその他の導電性材料が含まれていてもよい。例えば、その他の導電性材料として、金属粉が挙げられる。金属粉の具体例としては、Ni、Cu、Au、Ag、Pd等の粉末を挙げることができる。また、金属は2種以上の金属の合金であってもよい。
その他の導電性材料が金属粉である場合、金属粉は、その表面がさらに他の金属で被覆された構造を有していてもよい。例えば、金属粉の表面を金属メッキ処理することで、金属粉の表面を他の金属で被覆することができる。
導電部12が、導電性粒子2とこれ以外のその他の導電性材料との混合物であることによっても、導電部12の導通性を高めることができ、精度の高い導通検査の実施が可能となる。
また、導通検査装置用部材10の導通性を更に高めるべく、孔11の内面が金属メッキ処理されていてもよい。この場合、仮に何らかの要因で導電部12内部に欠損が生じたとしても、孔11内面の金属メッキによって導通可能になるので、導通検査を正常に行うことが可能となる。
本発明に係る導通検査装置用部材10は、各種の導通検査装置に組み入れることができる。導通検査装置用部材10が適用され得る導通検査装置の種類は特に限定されない。導通検査装置の構成も、導通検査装置用部材10が組み込まれること以外は同様とすることができる。
導通検査装置は、導通検査装置用部材10を備えることで、あるいは、上記導電性粒子2を備えることで、精度良くBGA基板等の電子回路デバイスの導通検査を行うことができる。特に、導通検査装置が導通検査装置用部材10、あるいは、上記導電性粒子2を備えることで、繰り返し試験を行ってもその検査精度を持続することができ、耐久性にも優れる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の態様に限定されるものではない。
(導電性粒子の合成例1−1)
基材粒子S1として、粒子径が70.0μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−270」)を用意した。
パラジウム触媒液5重量%を含むアルカリ溶液100重量部に、10重量部の基材粒子S1を超音波分散器により分散させた後、溶液をろ過することにより、基材粒子S1を取り出した。次いで、基材粒子S1をジメチルアミンボラン1重量%溶液100重量部に添加し、基材粒子S1の表面を活性化させた。表面が活性化された基材粒子S1を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(A1)を得た。
懸濁液(A1)を、硫酸銅20g/L、及びエチレンジアミン四酢酸30g/Lを含む溶液中に入れ、粒子混合液(B1)を得た。
また、無電解銅めっき液として、硫酸銅100g/L、エチレンジアミン四酢酸75g/L、グルコン酸ナトリウム50g/L、及びホルムアルデヒド50g/Lを含む混合液を、アンモニアにてpH10.5に調整した銅めっき液(C1)を用意した。
また、無電解銀めっき液として、硝酸銀15g/L、コハク酸イミド50g/L、及びホルムアルデヒド20g/Lを含む混合液を、アンモニア水にてpH8.0に調整した銀めっき液(D1)を用意した。
55℃に調整した分散状態の粒子混合液(B1)に上記銅めっき液(C1)を徐々に滴下し、無電解銅めっきを行った。銅めっき液(C1)の滴下速度は30mL/分、滴下時間は30分間で、無電解銅めっきを行った。このようにして、樹脂粒子の表面に第1の金属部(1層目)として銅金属部を備える粒子を含む粒子混合液(E1)を得た。
その後、粒子混合液(E1)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記基材粒子S1の表面上に銅金属部が配置されている粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、粒子混合液(F1)を得た。
次に、60℃に調整した分散状態の粒子混合液(F1)に上記銀めっき液(D1)を徐々に滴下し、無電解銀めっきを行った。銀めっき液(D1)の滴下速度は10mL/分、滴下時間は30分間で、無電解銀めっきを行った。その後、ろ過することにより粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、基材粒子S1の表面上に銅及び銀金属部(金属部全体の厚み:0.1μm)を備える導電性粒子を得た。
(導電性粒子の合成例1−2)
基材粒子S1として、粒子径が70.0μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−270」)を用意した。また、合成例1−1の懸濁液(A1)と同様の懸濁液(A2)を用意した。
次に、金属ニッケル粒子スラリー(三井金属社製「2020SUS」、平均粒子径150nm)1重量部を3分間かけて上記懸濁液(A2)に添加し、芯物質が付着された基材粒子S1を含む懸濁液(B2)を得た。
懸濁液(B2)を、硫酸銅20g/L、及びエチレンジアミン四酢酸30g/Lを含む溶液中に入れ、粒子混合液(C2)を得た。
また、合成例1−1の銅めっき液(C1)と同様の銅めっき液(D2)を用意した。
また、合成例1−1の銀めっき液(D1)と同様の銀めっき液(E2)を用意した。
55℃に調整した分散状態の粒子混合液(C2)に上記銅めっき液(D2)を徐々に滴下し、無電解銅めっきを行った。銅めっき液(D2)の滴下速度は30mL/分、滴下時間は30分間で、無電解銅めっきを行った。このようにして、樹脂粒子の表面に第1の金属部(1層目)として銅金属部が配置されており、表面に突起を有する金属部を備える粒子を含む粒子混合液(F2)を得た。
その後、粒子混合液(F2)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記基材粒子S1の表面上に銅金属部が配置されており、表面に突起を有する金属部を備える粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、粒子混合液(G2)を得た。
次に、60℃に調整した分散状態の粒子混合液(G2)に上記銀めっき液(E2)を徐々に滴下し、無電解銀めっきを行った。銀めっき液(E2)の滴下速度は10mL/分、滴下時間は30分間で、無電解銀めっきを行った。その後、ろ過することにより粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、基材粒子S1の表面上に銅及び銀金属部(突起が無い部分における金属部全体の厚み:0.1μm)が配置されており、表面に複数の突起を有する金属部を備える導電性粒子を得た。
(導電性粒子の合成例1−3)
基材粒子S2として、粒子径が35.0μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−235」)を用意した。
パラジウム触媒液5重量%を含むアルカリ溶液100重量部に、10重量部の基材粒子S2を超音波分散器により分散させた後、溶液をろ過することにより、基材粒子S2を取り出した。次いで、基材粒子S2をジメチルアミンボラン1重量%溶液100重量部に添加し、基材粒子S2の表面を活性化させた。表面が活性化された基材粒子S2を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(A3)を得た。
次に、金属ニッケル粒子スラリー(三井金属社製「2020SUS」、平均粒子径150nm)1重量部を3分間かけて上記懸濁液(A3)に添加し、芯物質が付着された基材粒子S1を含む懸濁液(B3)を得た。
懸濁液(B3)を、硫酸銅20g/L、及びエチレンジアミン四酢酸30g/Lを含む溶液中に入れ、粒子混合液(C3)を得た。
また、無電解銅めっき液として、硫酸銅200g/L、エチレンジアミン四酢酸150g/L、グルコン酸ナトリウム100g/L、及びホルムアルデヒド50g/Lを含む混合液を、アンモニアにてpH10.5に調整した銅めっき液(D3)を用意した。
また、無電解銀めっき液として、硝酸銀30g/L、コハク酸イミド75g/L、及びホルムアルデヒド20g/Lを含む混合液を、アンモニア水にてpH8.0に調整した銀めっき液(E3)を用意した。
55℃に調整した分散状態の粒子混合液(B3)に上記銅めっき液(D3)を徐々に滴下し、無電解銅めっきを行った。銅めっき液(D3)の滴下速度は20mL/分、滴下時間は45分間で、無電解銅めっきを行った。このようにして、樹脂粒子の表面に第1の金属部(1層目)として銅金属部を備える粒子を含む粒子混合液(F3)を得た。
その後、粒子混合液(F3)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記基材粒子S1の表面上に銅金属部が配置されている粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、粒子混合液(G3)を得た。
次に、60℃に調整した分散状態の粒子混合液(G3)に上記銀めっき液(E3)を徐々に滴下し、無電解銀めっきを行った。銀めっき液(E3)の滴下速度は5mL/分、滴下時間は60分間で、無電解銀めっきを行った。その後、ろ過することにより粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、基材粒子S2の表面上に銅及び銀金属部(金属部全体の厚み:0.1μm)を備える導電性粒子を得た。
(導電性粒子の合成例1−4)
基材粒子S1として、粒子径が70.0μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−270」)を用意した。
パラジウム触媒液5重量%を含むアルカリ溶液100重量部に、10重量部の基材粒子S1を超音波分散器により分散させた後、溶液をろ過することにより、基材粒子S1を取り出した。次いで、基材粒子S1をジメチルアミンボラン1重量%溶液100重量部に添加し、基材粒子S1の表面を活性化させた。表面が活性化された基材粒子S1を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(A4)を得た。
懸濁液(A4)を、硫酸ニッケル10g/L、及びクエン酸ナトリウム10g/Lを含む溶液中に入れ、粒子混合液(B4)を得た。
また、硫酸ニッケル90g/L、クエン酸ナトリウム100g/L、硝酸タリウム100ppm、及び硝酸ビスマス30ppm及び次亜リン酸ナトリウム50g/Lを含む混合液を、アンモニアにてpH6.0に調整したニッケルめっき液(C4)を用意した。
また、硝酸銀15g/L、コハク酸イミド50g/L、及びホルムアルデヒド20g/Lを含む混合液を、アンモニア水にてpH8.0に調整した銀めっき液(D4)を用意した。
55℃に調整した分散状態の粒子混合液(B4)に上記ニッケルめっき液(C4)を徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行った。ニッケルめっき液(C4)の滴下速度は30mL/分、滴下時間は30分間で、無電解ニッケルめっきを行った。このようにして、樹脂粒子の表面に第1の金属部(1層目)としてニッケル金属部を備える粒子を含む粒子混合液(E4)を得た。
その後、粒子混合液(E4)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記基材粒子S1の表面上にニッケル金属部が配置されている粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、粒子混合液(F4)を得た。
次に、60℃に調整した分散状態の粒子混合液(F4)に上記銀めっき液(D4)を徐々に滴下し、無電解銀めっきを行った。銀めっき液(D4)の滴下速度は10mL/分、滴下時間は30分間で、無電解銀めっきを行った。その後、ろ過することにより粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、基材粒子S1の表面上にニッケル及び銀金属部(金属部全体の厚み:0.1μm)を備える導電性粒子を得た。
(導電性粒子の合成例1−5)
基材粒子S1として、粒子径が70.0μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−270」)を用意した。
パラジウム触媒液5重量%を含むアルカリ溶液100重量部に、10重量部の基材粒子S1を超音波分散器により分散させた後、溶液をろ過することにより、基材粒子S1を取り出した。次いで、基材粒子S1をジメチルアミンボラン1重量%溶液100重量部に添加し、基材粒子S1の表面を活性化させた。表面が活性化された基材粒子S1を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(A5)を得た。
懸濁液(A5)を、硫酸ニッケル10g/L、及びクエン酸ナトリウム10g/Lを含む溶液中に入れ、粒子混合液(B5)を得た。
また、硫酸ニッケル90g/L、クエン酸ナトリウム100g/L、硝酸タリウム100ppm、及び硝酸ビスマス30ppm及び次亜リン酸ナトリウム50g/Lを含む混合液を、アンモニアにてpH6.0に調整したニッケルめっき液(C5)を用意した。
また、シアン化金カリウム10g/L、エチレンジアミン四酢酸20g/L、クエン酸ナトリウム10g/L、及びジメチルアミンボラン2g/Lを含む混合液を、アンモニア水にてpH8.0に調整した金めっき液(D5)を用意した。
55℃に調整した分散状態の粒子混合液(B5)に上記ニッケルめっき液(C5)を徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行った。ニッケルめっき液(C5)の滴下速度は30mL/分、滴下時間は30分間で、無電解ニッケルめっきを行った。このようにして、樹脂粒子の表面に第1の金属部(1層目)としてニッケル金属部を備える粒子を含む粒子混合液(E5)を得た。
その後、粒子混合液(E5)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記基材粒子S1の表面上にニッケル金属部が配置されている粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、粒子混合液(F5)を得た。
次に、45℃に調整した分散状態の粒子混合液(F5)に上記金めっき液(D5)を徐々に滴下し、無電解金めっきを行った。金めっき液(D5)の滴下速度は5mL/分、滴下時間は60分間で、無電解金めっきを行った。その後、ろ過することにより粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、基材粒子S1の表面上にニッケル及び金金属部(金属部全体の厚み:0.1μm)を備える導電性粒子を得た。
(導電性粒子の合成例1−6)
基材粒子S1として、粒子径が70.0μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−270」)を用意した。
パラジウム触媒液5重量%を含むアルカリ溶液100重量部に、10重量部の基材粒子S1を超音波分散器により分散させた後、溶液をろ過することにより、基材粒子S1を取り出した。次いで、基材粒子S1をジメチルアミンボラン1重量%溶液100重量部に添加し、基材粒子S1の表面を活性化させた。表面が活性化された基材粒子S1を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(A6)を得た。
懸濁液(A6)を、硫酸ニッケル10g/L、及びクエン酸ナトリウム10g/Lを含む溶液中に入れ、粒子混合液(B6)を得た。
硫酸ニッケル90g/L、硫酸コバルト10g/L、エチレンジアミン四酢酸5g/L、クエン酸ナトリウム100g/L、硝酸タリウム100ppm、硝酸ビスマス30ppm及びジメチルアミンボラン25g/Lを含む混合液を準備した。この混合液を、アンモニアにてpH5.0に調整したニッケル−コバルト合金めっき液(C6)を用意した。
硝酸銀15g/L、コハク酸イミド50g/L、及びホルムアルデヒド20g/Lを含む混合液を、アンモニア水にてpH8.0に調整した銀めっき液(D6)を用意した。
65℃に調整した分散状態の粒子混合液(B6)に上記ニッケル−コバルト合金めっき液(C6)を徐々に滴下し、無電解ニッケル−コバルト合金めっきを行った。ニッケル−コバルト合金めっき液(C6)の滴下速度は30mL/分、滴下時間は30分間で、無電解ニッケル−コバルト合金めっきを行った。このようにして、樹脂粒子の表面に第1の金属部(1層目)としてニッケル−コバルト合金金属部を備える粒子を含む粒子混合液(E6)を得た。
その後、粒子混合液(E6)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記基材粒子S1の表面上にニッケル−コバルト合金金属部が配置されている粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、粒子混合液(F6)を得た。
次に、60℃に調整した分散状態の粒子混合液(F6)に上記銀めっき液(D6)を徐々に滴下し、無電解銀めっきを行った。銀めっき液(D6)の滴下速度は10mL/分、滴下時間は30分間で、無電解銀めっきを行った。その後、ろ過することにより粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、基材粒子S1の表面上にニッケル−コバルト合金及び銀金属部(金属部全体の厚み:0.1μm)を備える導電性粒子を得た。
(導電性粒子の合成例1−7)
基材粒子S1として、粒子径が70.0μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−270」)を用意した。
過マンガン酸カリウム10重量%を含むアルカリ溶液100重量部に、10重量部の基材粒子S1を、超音波分散器を用いて分散させた後、溶液をろ過することにより、基材粒子S1を取り出した。
パラジウム触媒液5重量%を含むアルカリ溶液100重量部に、10重量部の基材粒子S1を超音波分散器により分散させた後、溶液をろ過することにより、基材粒子S1を取り出した。次いで、基材粒子S1をジメチルアミンボラン1重量%溶液100重量部に添加し、基材粒子S1の表面を活性化させた。表面が活性化された基材粒子S1を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(A7)を得た。
懸濁液(A7)を、硫酸銅20g/L、及びエチレンジアミン四酢酸30g/Lを含む溶液中に入れ、粒子混合液(B7)を得た。
また、無電解銅めっき液として、硫酸銅100g/L、エチレンジアミン四酢酸75g/L、グルコン酸ナトリウム50g/L、及びホルムアルデヒド50g/Lを含む混合液を、アンモニアにてpH10.5に調整した銅めっき液(C7)を用意した。
また、無電解銀めっき液として、硝酸銀15g/L、コハク酸イミド50g/L、及びホルムアルデヒド20g/Lを含む混合液を、アンモニア水にてpH8.0に調整した銀めっき液(D7)を用意した。
55℃に調整した分散状態の粒子混合液(B7)に上記銅めっき液(C7)を徐々に滴下し、無電解銅めっきを行った。銅めっき液(C7)の滴下速度は30mL/分、滴下時間は30分間で、無電解銅めっきを行った。このようにして、樹脂粒子の表面に第1の金属部(1層目)として銅金属部を備える粒子を含む粒子混合液(E7)を得た。
その後、粒子混合液(E7)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記基材粒子S1の表面上に銅金属部が配置されている粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、粒子混合液(F7)を得た。
次に、60℃に調整した分散状態の粒子混合液(F7)に上記銀めっき液(D7)を徐々に滴下し、無電解銀めっきを行った。銀めっき液(D7)の滴下速度は10mL/分、滴下時間は30分間で、無電解銀めっきを行った。その後、ろ過することにより粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、基材粒子S1の表面上に凹部、銅及び銀金属部(金属部全体の厚み:0.1μm)を備える導電性粒子を得た。
(導電性粒子の合成例1−8)
エチレングリコールジメタクリレート100gと、イソボルニルアクリレート800gと、シクロヘキシルメタクリレート100gと、過酸化ベンゾイル35gとを混合し、均一に溶解させて、モノマー混合液を得た。5kgのポリビニルアルコール1重量%水溶液を作製し、反応釜にて入れた。この中に前述したモノマー混合液を入れ、2〜4時間攪拌することで、モノマーの液滴が所定の粒子径になるように、粒子径を調整した。この後90℃の窒素雰囲気下で9時間反応を行い、粒子を得た。得られた粒子を熱水にて数回洗浄した後、分級操作を行った。得られた重合体粒子の平均粒子径は70.1μm、CV値は3.1%であった。得られた基材粒子S3を基材粒子S1の代わりに用いたこと以外は導電性粒子の合成例1−1と同様にして導電性粒子を得た。
(導電性粒子の合成例1−9)
(1)シリコーンオリゴマーの作製
温浴槽内に設置した100mlのセパラブルフラスコに、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン1重量部と、0.5重量%p−トルエンスルホン酸水溶液20重量部とを入れた。40℃で1時間撹拌した後、炭酸水素ナトリウム0.05重量部を添加した。その後、ジメトキシメチルフェニルシラン10重量部、ジメチルジメトキシシラン49重量部、トリメチルメトキシシラン0.6重量部、及びメチルトリメトキシシラン3.6重量部を添加し、1時間撹拌を行った。その後、10重量%水酸化カリウム水溶液1.9重量部を添加して、85℃まで昇温してアスピレーターで減圧しながら、10時間撹拌、反応を行った。反応終了後、常圧に戻し40℃まで冷却して、酢酸0.2重量部を添加し、12時間以上分液漏斗内で静置した。二層分離後の下層を取り出して、エバポレーターにて精製することでシリコーンオリゴマーを得た。
(2)シリコーン粒子材料(有機ポリマーを含む)の作製
得られたシリコーンオリゴマー30重量部に、tert−ブチル−2−エチルペルオキシヘキサノアート(重合開始剤、日油社製「パーブチルO」)0.5重量部を溶解させた溶解液Aを用意した。また、イオン交換水150重量部に、ラウリル硫酸トリエタノールアミン塩40重量%水溶液(乳化剤)0.8重量部とポリビニルアルコールの5重量%水溶液80重量部とを混合して、水溶液Bを用意した。なお、ポリビニルアルコールは、重合度が約2000、鹸化度が86.5〜89モル%である日本合成化学社製「ゴーセノールGH−20」)を使用した。温浴槽中に設置したセパラブルフラスコに、上記溶解液Aを入れた後、上記水溶液Bを添加した。その後、Shirasu Porous Glass(SPG)膜(細孔平均径約1μm)を用いることで、乳化を行った。その後、85℃に昇温して、9時間重合を行った。重合後の粒子の全量を遠心分離により水洗浄し、分級操作を行った。得られた重合体粒子の平均粒子径は70.4μm、CV値は3.8%であった。得られた基材粒子S4を基材粒子S1の代わりに用いたこと以外は導電性粒子の合成例1−1と同様にして導電性粒子を得た。
(金属粉の合成例1−10)
粒子径が72.5mである純ニッケル金属粒子を用意した。この金属粒子を塩酸10重量%溶液100重量部に添加し、表面を活性化させた。これを十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(A10)を得た。
懸濁液(A10)を、シアン化金カリウム2g/L、及びエチレンジアミン四酢酸10g/L、クエン酸ナトリウム10g/Lを含む溶液中に入れ、粒子混合液(B10)を得た。
また、無電解金めっき液として、シアン化金カリウム20g/L、エチレンジアミン四酢酸20g/L、クエン酸ナトリウム10g/L、及びジメチルアミンボラン2g/Lを含む混合液を、アンモニア水にてpH8.0に調整した金めっき液(C10)を用意した。
次に、45℃に調整した分散状態の粒子混合液(B10)に上記金めっき液(C10)を徐々に滴下し、無電解金めっきを行った。金めっき液(C10)の滴下速度は5mL/分、滴下時間は60分間で、無電解金めっきを行った。その後、ろ過することにより粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、表面が金メッキ処理された純ニッケル金属粉S5(金メッキの厚み:0.05μm)を得た。
(金属粉の合成例1−11)
粒子径が74.2μmである純銅金属粒子を用意した。この金属粒子を硫酸10重量%溶液100重量部に添加し、表面を活性化させた。これを十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(A11)を得た。
懸濁液(A11)を、シアン化金カリウム2g/L、及びエチレンジアミン四酢酸10g/L、クエン酸ナトリウム10g/Lを含む溶液中に入れ、粒子混合液(B11)を得た。
また、無電解金めっき液として、シアン化金カリウム20g/L、エチレンジアミン四酢酸20g/L、クエン酸ナトリウム10g/L、及びジメチルアミンボラン2g/Lを含む混合液を、アンモニア水にてpH8.0に調整した金めっき液(C11)を用意した。
次に、45℃に調整した分散状態の粒子混合液(B11)に上記金めっき液(C11)を徐々に滴下し、無電解金めっきを行った。金めっき液(C11)の滴下速度は5mL/分、滴下時間は60分間で、無電解金めっきを行った。その後、ろ過することにより粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、表面が金メッキ処理された純銅金属粉S6(金メッキの厚み:0.05μm)を得た。
(金属粉の合成例1−12)
粒子径が73.1μmである純銀金属粒子S7を用意した。
(金属粉の合成例1−13)
粒子径が72.5μmである純ニッケル金属粒子S8を用意した。
(実施例1)
シリコーン系共重合体10重量部、合成例1−1で得られた導電性粒子90重量部、エポキシシランカップリング剤(信越化学工業社製、商品名:KBE−303)1重量部及びイソプロピルアルコール36重量部を準備した。これらを配合し、ホモディスパーを用いて1000rpmで20分撹拌させた後、シンキー社製練太郎ARE250を用いて脱泡することで、導電性粒子とバインダーとを含む導電材料を調製した。
上記のシリコーン系共重合体は、次の方法で重合した。内容量2Lの金属混練機内に4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(デグサ社製)162g(628mmol)、片末端アミノ基変性ポリジメチルシロキサン900g(90mmol)を投入し、70〜90℃で溶解後、撹拌を2時間行った。なお、ポリジメチルシロキサンは、モメンティブ社製「TSF4709」(分子量10000)を使用した。その後、ネオペンチルグリコール(三菱ガス化学社製)65g(625mmol)をゆっくり加え、30分混練し、続けて未反応のネオペンチルグリコールを減圧除去した。得られたシリコーン系共重合体Aは20重量%になるようにイソプロピルアルコールに溶解させて使用した。なお、イソシアネート基の消失はIRスペクトルにて確認した。得られたシリコーン系共重合体A中のシリコーン含有量は80重量%、重量平均分子量は25000であり、SP値は7.8、極性基を有する構造(ポリウレタン)からなる繰り返し単位のSP値は10であった。
次に、導通検査装置用部材の絶縁材料からなるシート状の基材としてシリコーンゴムを準備した。シリコーンゴムのサイズは、横幅25mm−縦幅25mm−厚み830μmであり、シリコーンゴムにレーザー加工で円柱状に形成したΦ600μm、高さ830μmの貫通孔が縦20個、横20個で総数400個形成されていた。このシリコーンゴムは、導通検査装置用基体に相当する。
上記導電材料を円柱状の貫通孔が形成されたシリコーンゴム上にナイフコーターを用いて塗工し、各々の貫通孔に導電材料を充填した。次に、導電材料が貫通孔に充填されたシリコーンゴムをオーブンにて50℃、10分間乾燥した後、更に続けて100℃、20分間乾燥することで、貫通孔に充填体を形成させ、厚さ1mmの導通検査装置用部材を得た。導通検査装置用部材の充填体は導電部に相当する。充填体中の導電性粒子の充填率を確認したところ、充填率は90%であった。
(実施例2)
導電材料の調製において、導電性粒子を合成例1−2で得られた導電性粒子90重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導通検査装置用部材を得た。充填体中の導電性粒子の充填率を確認したところ、充填率は90%であった。
(実施例3)
導電材料の調製において、導電性粒子を合成例1−3で得られた導電性粒子60重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導通検査装置用部材を得た。導通検査装置用部材の導電部(充填体)の断面を切り出して充填率を確認した所、充填率は85%であった。
(実施例4)
導電材料の調製において、導電性粒子を合成例1−4で得られた導電性粒子90重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導通検査装置用部材を得た。充填体中の導電性粒子の充填率を確認したところ、充填率は90%であった。
(実施例5)
導電材料の調製において、導電性粒子を合成例1−5で得られた導電性粒子90重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導通検査装置用部材を得た。充填体中の導電性粒子の充填率を確認したところ、充填率は90%であった。
(実施例6)
導電材料の調製において、導電性粒子を合成例1−6で得られた導電性粒子90重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導通検査装置用部材を得た。充填体中の導電性粒子の充填率を確認したところ、充填率は90%であった。
(実施例7)
導電材料の調製において、導電性粒子を合成例1−7で得られた導電性粒子90重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導通検査装置用部材を得た。充填体中の導電性粒子の充填率を確認したところ、充填率は90%であった。
(実施例8)
導電材料の調製において、導電性粒子を合成例1−8で得られた導電性粒子90重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導通検査装置用部材を得た。充填体中の導電性粒子の充填率を確認したところ、充填率は90%であった。
(実施例9)
導電材料の調製において、導電性粒子を合成例1−9で得られた導電性粒子90重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導通検査装置用部材を得た。充填体中の導電性粒子の充填率を確認したところ、充填率は90%であった。
(実施例10)
導電材料の調製において、導電性粒子を合成例1−3で得られた導電性粒子20重量部及び合成例1−8で得られた導電性粒子70重量部の混合物に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導通検査装置用部材を得た。充填体中の導電性粒子の充填率を確認したところ、充填率は90%であった。
(実施例11)
導電材料の調製において、導電性粒子を合成例1−1で得られた導電性粒子40重量部及び合成例1−10で得られた金属粉50重量部の混合物に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導通検査装置用部材を得た。充填体中の導電性粒子の充填率を確認したところ、充填率は95%であった。
(実施例12)
導電材料の調製において、導電性粒子を合成例1−1で得られた導電性粒子40重量部及び合成例1−11で得られた金属粉50重量部の混合物に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導通検査装置用部材を得た。充填体中の導電性粒子の充填率を確認したところ、充填率は95%であった。
(実施例13)
導電材料の調製において、導電性粒子を合成例1−1で得られた導電性粒子40重量部及び合成例1−12で得られた金属粉50重量部の混合物に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導通検査装置用部材を得た。充填体中の導電性粒子の充填率を確認したところ、充填率は95%であった。
(実施例14)
導電材料の調製において、合成例1−1で得られた導電性粒子に使用量を60重量部に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で導通検査装置用部材を得た。充填体中の導電性粒子の充填率を確認したところ、充填率は60%であった。
(実施例15)
導電材料の調製において、合成例1−1で得られた導電性粒子の代わりに合成例1−3で得られた導電性粒子に変更したこと以外は実施例14と同様の方法で導通検査装置用部材を得た。充填体中の導電性粒子の充填率を確認したところ、充填率は60%であった。
(実施例16)
導電材料の調製において、合成例1−1で得られた導電性粒子の代わりに合成例1−3で得られた導電性粒子13重量部及び合成例1−8で得られた導電性粒子47重量部の混合物に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導通検査装置用部材を得た。充填体中の導電性粒子の充填率を確認したところ、充填率は60%であった。
(比較例1)
導電材料の調製において、導電性粒子を合成例1−10で得られた金属粉90重量部に変更した(すなわち、導電性粒子を使用していない)こと以外は実施例1と同様にして、導通検査装置用部材を得た。充填体中の導電性粒子の充填率を確認したところ、充填率は95%であった。
(比較例2)
導電材料の調製において、導電性粒子を合成例1−13で得られた金属粉90重量部に変更した(すなわち、導電性粒子を使用していない)こと以外は実施例1と同様にして、導通検査装置用部材を得た。充填体中の導電性粒子の充填率を確認したところ、充填率は95%であった。
(比較例3)
導電材料の調製において、導電性粒子を合成例1−10で得られた金属粉75重量部に変更した(すなわち、導電性粒子を使用していない)こと以外は実施例1と同様にして、導通検査装置用部材を得た。充填体中の導電性粒子の充填率を確認したところ、充填率は85%であった。
Figure 0006912346
表1には、各実施例及び比較例で得られた導通検査装置用部材の構成及び評価結果を示している。導通検査装置用部材の構成としては、導電性粒子における基材粒子の種類、導電部の構成、金属粉を併用した場合のその種類、導電性粒子の突起の構成、凹部の有無、導電性粒子の平均粒子径及び10%K値を示している。導通検査装置用部材の評価としては、初期特性及び繰り返し信頼性試験の結果を示している。なお、表1中、「抵抗値」は後記する評価方法の(5)の評価結果であり、初期特性の欄の「半田ボールの表面状態」は後記する評価方法の(9)の評価結果である。表1中、繰り返し信頼性試験の欄の「抵抗値」は後記する評価方法の(6)の評価結果であり、繰り返し信頼性試験の欄の「導電部の断面外観」は後記する評価方法の(8)の評価結果である。
表1から、導電部が前記(1)及び(2)をもたらす導電性粒子が含む場合、導電部のクラック及びボイドが発生しにくく、繰り返し導通検査を行っても導通性能が損なわれにくく、また、検査対象部材に接触した部分に対して接触痕を残しにくいことがわかる。特に、凹部を有する導電性粒子(実施例7)、柔軟性を有する導電性粒子(実施例8,9)、並びに突起を有する導電性粒子及び突起を有しない導電性粒子の混合物を含む場合は、繰り返し信頼性がいっそう向上していることがわかる。
(評価方法)
(1)突起の高さの測定
得られた導電性粒子を含有量が30重量%となるように、Kulzer社製「テクノビット4000」に添加し、分散させて、導電性粒子検査用埋め込み樹脂を作製した。その検査用埋め込み樹脂中に分散した導電性粒子の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、導電性粒子の断面を切り出した。
そして、電界放射型透過電子顕微鏡(FE−TEM)(日本電子社製「JEM−ARM200F」)を用いて、画像倍率5万倍に設定し、20個の導電性粒子を無作為に選択し、それぞれの導電性粒子の突起を観察した。得られた導電性粒子における突起の高さを計測し、それらを算術平均して突起の平均高さとした。
(2)突起の基部の平均径の測定
得られた導電性粒子を含有量が30重量%となるように、Kulzer社製「テクノビット4000」に添加し、分散させて、導電性粒子検査用埋め込み樹脂を作製した。その検査用埋め込み樹脂中に分散した導電性粒子の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、導電性粒子の断面を切り出した。
そして、電界放射型透過電子顕微鏡(FE−TEM)(日本電子社製「JEM−ARM200F」)を用いて、画像倍率5万倍に設定し、20個の導電性粒子を無作為に選択し、それぞれの導電性粒子の突起を観察した。得られた導電性粒子における突起の基部径を計測し、それを算術平均して突起の基部の平均径とした。
(3)突起が無い部分における金属部全体の厚みの測定
得られた導電性粒子を含有量が30重量%となるように、Kulzer社製「テクノビット4000」に添加し、分散させて、導電性粒子検査用埋め込み樹脂を作製した。その検査用埋め込み樹脂中に分散した導電性粒子の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、導電性粒子の断面を切り出した。
そして、電界放射型透過電子顕微鏡(FE−TEM)(日本電子社製「JEM−ARM200F」)を用いて、画像倍率5万倍に設定し、20個の導電性粒子を無作為に選択し、それぞれの導電性粒子の突起が無い部分における金属部を観察した。得られた導電性粒子における突起が無い部分における金属部全体の厚みを計測し、それを算術平均して突起が無い部分における金属部全体の厚みとした。
(4)導電性粒子の圧縮弾性率(10%K値)
得られた導電性粒子の上記圧縮弾性率(10%K値)を、23℃の条件で、微小圧縮試験機(フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」)を用いて測定し、10%K値を求めた。
(5)導通検査装置用部材の抵抗測定
得られた導通検査装置用部材の抵抗値は、接触抵抗測定システム(ファクトケイ株式会社製−MS7500)を用いて測定した。接触抵抗測定は、Φ0.5mmの白金プローブにて荷重15gfで得られた導通検査装置用部材の導電部(すなわち、充填体)に垂直方向から加圧した。その際に、低抵抗計(鶴賀電機株式会社製−MODEL3566)で5Vを印加し、抵抗値を測定した。無作為に選択した5か所の導電部(すなわち、充填体)について上記測定をして抵抗値の平均値を算出し、下記の基準で判定した。
[抵抗値の判定基準]
○○:抵抗値の平均値が50.0mΩ以下である。
○:抵抗値の平均値が50.0mΩを超え、100.0mΩ以下である。
×:抵抗値の平均値が100.0mΩを超える。
(6)導通検査装置用部材の繰り返し信頼性試験
得られた導通検査装置用部材の繰り返し信頼性試験及び接触抵抗値は、接触抵抗測定システム(ファクトケイ株式会社製−MS7500)を用いて測定した。繰り返し信頼性試験は、Φ0.5mmの白金プローブにて荷重15gfで得られたプローブシートの導電部に垂直方向から50000回繰り返し加圧した。50000回繰り返し加圧した後に、低抵抗計(鶴賀電機株式会社製−MODEL3566)で5Vを印加し、接触抵抗値を測定した。無作為に選択した5か所の導電部について上記測定をして接触接続抵抗値の平均値を算出し、下記の基準で判定した。
[繰り返し加圧後の接触抵抗値の判定基準]
○○:接続抵抗の平均値が100.0mΩ以下である。
○:接続抵抗の平均値が100.0mΩを超え、500.0mΩ以下である。
△:接続抵抗の平均値が500.0mΩを超え、1000.0mΩ以下である。
×:接続抵抗の平均値が1000.0mΩを超える。
(7)導通検査装置用部材に荷重をかけたときの変形率
得られた導通検査装置用部材に荷重をかけたときの変形率は、接触抵抗測定システム(ファクトケイ株式会社製−MS7500)を用いて測定した。変形率は、導通検査装置用部材に荷重をかける前の導電部(すなわち、充填体)の位置を基準点(ゼロ点)にし、Φ0.5mmの白金プローブにて荷重15gfで導電部に垂直方向から加圧し、得られた変位から変形率を算出した。具体的に、充填体の全長(高さ)に対する変位の割合を算出することで、変形率を導き出した。無作為に選択した5個の導電部(すなわち、充填体)について上記測定をして変形率の平均値を算出した。
(8)導通検査装置用部材の繰り返し信頼性試験後の断面外観
得られた導通検査装置用部材の繰り返し信頼性試験は、接触抵抗測定システム(ファクトケイ株式会社製−MS7500)を用いて測定した。繰り返し信頼性試験は、Φ0.5mmの白金プローブにて荷重15gfで得られたプローブシートの導電部に垂直方向から50000回繰り返し加圧した。
得られた繰り返し信頼性試験後の導通検査装置用部材は、Kulzer社製「テクノビット4000」に固定し、検査用埋め込み樹脂を作製した。その検査用埋め込み樹脂中に固定した導通検査装置用部材の導電部の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、導通検査装置用部材の導電部の断面を切り出した。そして、光学顕微鏡を用いて、10個の導電部を無作為に観察し、下記判定基準で評価した。
[繰り返し試験後の導電部の断面状態の判定基準]
A:導電性粒子又は金属粒子とバインダー間にクラックが発生していない。
B:導電性粒子又は金属粒子とバインダー間にクラックが発生している。
(9)BGA基板の半田ボール接触後の半田ボール表面外観
合金組成Sn−3.0Ag−0.5CuのΦ100μm半田ボール(千住金属株式会社製)が実装されたBGA基板を準備した。各実施例及び比較例で得られた導通検査装置用部材の導電部上に、BGA基板の半田ボールが配置するようにBGA基板を位置設定し、次いで、BGA基板の上面に加圧ヘッドを乗せ、15gfの荷重で圧力をかけて接触させた。その後、導通検査装置用部材の導電部との半田ボール表面を光学顕微鏡によって20個の半田ボールを無作為に観察し、下記判定基準で評価した。
[接触部の半田ボール表面状態の判定基準]
A:半田ボール表面に接触痕が発生していない。
B:半田ボール表面に接触痕が発生している。
(10)導通検査装置用部材の導電性粒子の充填率
得られた導通検査装置用部材は、Kulzer社製「テクノビット4000」に固定し、検査用埋め込み樹脂を作製した。その検査用埋め込み樹脂中に固定した導通検査装置用部材の導電部の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、導通検査装置用部材の導電部の断面を切り出した。そして、光学顕微鏡を用いて、10個の導電部(すなわち、充填体)を無作為に観察し、充填体の断面積に対する、導電性粒子の総断面積の割合を充填率として算出した。導電性粒子の断面積は、導電性粒子の円相当径(長径)をノギス等で測定し、円相当径から面積を計算することで算出した。
10:導通検査装置用部材
11:孔
12:導電部
13:基体
2:導電粒子
21:基材粒子
22:金属部
23:突起
2a:第1の導電粒子
2b:第2の導電粒子

Claims (7)

  1. 基材粒子及び前記基材粒子の表面上に配置された金属部を備えた導電性粒子であって、
    直径600μm、高さ830μmの貫通孔を複数有する導通検査装置用基体の前記貫通孔にシリコーン共重合体10重量部、前記導電性粒子90重量部、エポキシシランカップリング剤1重量部及びイソプロピルアルコール36重量部含む導電材料を充填した後、硬化させることで導電性粒子の充填率が90±5%である充填体を形成した場合に該充填体に対して下記(1)及び(2)
    (1)前記充填体に15gfの荷重をかけたときの前記充填体の変形率が0.1%以上、30%以下であり、
    (2)前記充填体に15gfの荷重をかけたときの前記充填体の抵抗値が0.05mΩ以上、100mΩ以下、
    をもたらす、導電性粒子。
  2. 基材粒子及び前記基材粒子の表面上に配置された金属部を備えた導電性粒子であって、
    直径600μm、高さ830μmの貫通孔を複数有する導通検査装置用基体の前記貫通孔にシリコーン共重合体10重量部、前記導電性粒子60重量部、エポキシシランカップリング剤1重量部及びイソプロピルアルコール36重量部含む導電材料を充填した後、硬化させることで導電性粒子の充填率が60±10%である充填体を形成した場合に該充填体に対して下記(1)及び(2)
    (1)前記充填体に15gfの荷重をかけたときの前記充填体の変形率が0.1%以上、30%以下であり、
    (2)前記充填体に15gfの荷重をかけたときの前記充填体の抵抗値が0.05mΩ以上、100mΩ以下、
    をもたらす、導電性粒子。
  3. 前記金属部は、外表面に複数の突起を有する、請求項1又は2に記載の導電性粒子。
  4. 前記金属部は、銅、ニッケル、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、銀、金、白金、イリジウム、コバルト、鉄、タングステン、モリブデン、錫、ゲルマニウム、インジウム、テルル、タリウム、ビスマス、ヒ素、セレン、リン及びホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性粒子を含む導通検査装置用部材であり、
    基体、孔、及び導電部を備え、
    前記孔は前記基体に複数配置され、
    前記導電部は前記孔内に収容されており、
    前記導電部は前記導電性粒子を含む、導通検査装置用部材。
  6. 前記導電部に含まれる導電性粒子は、前記金属部の外表面に複数の突起を有していない第1の導電性粒子と、前記金属部の外表面に複数の突起を有する第2の導電性粒子を含む、請求項5に記載の導通検査装置用部材。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性粒子若しくは請求項5又は6に記載の導通検査装置用部材を備える、導通検査装置。
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