JP6912059B2 - 鋼管継手装置 - Google Patents
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Description
この鋼管継手装置は、係合溝6上部が開放した軸方向溝6aとその軸方向溝の下部から周方向に延びる周方向溝6bを備え、前記係合突起7は軸方向溝6aから上杭の回転に伴って周方向溝6bに移動し、回転阻止部材8は突起7上に載置され、突起7の周方向溝6bへの移動に伴って突起7から外れて軸方向溝6a内を落下して周方向溝6bを塞ぎ、突起7を周方向溝6b内に係止して上・下の杭を接続固定する。
このとき、上記一方の継手を雌継手として、その雌継手に回転阻止部材の出没する軸方向の穴を形成し、その穴から雌継手の外周面に貫通する軸方向に長い案内孔を形成し、回転阻止部材から案内孔を通って雌継手外周面に至る案内杆を設け、回転阻止部材が穴から突出した際、案内杆が案内孔の端に当接して回転阻止部材のそれ以上の突出を阻止するようにすることができる。
また、それらの凸部及び凹部を、嵌り合った雄雌継手の二段階の対向周面に形成しているため、雄雌継手の嵌合深さ(オーバーラップ)が長くなり、軸方向における曲げモーメントを受けたとき、その抗力を有効に発揮する。
なお、雄雌継手の相対的な回転阻止は、間隔を隔てた回り止め凸部と回転阻止材とが係止(当接)する回転方向の回転が阻止されるが、前記間隔を隔てた回り止め凸部を回転阻止材と両対向周面の他方の回り止め凸部とで挟持するようにすれば、雄雌継手の相対的な正逆の両回転を阻止することができる。
このように構成すると、案内杆の案内孔内の位置で、回転阻止材の位置を確認できて、雄雌継手の筒軸方向の接続強度度合いを確認できる。また、案内孔の長さ設定によって回転阻止材の穴からの突出度合いの調整を行うことができる。
その上縁11から下方に向かう雄継手10の外周面は二段階に小径となる(開口側から反対側に向かって二段階に大径となる)外周面12a、12bとなっており、その各外周面12a、12bにそれぞれ凸部(歯状部)13a、13bが形成されている。上側の凸部13aは周囲等間隔に8個形成されており、下側の凸部13bは周囲等間隔に12個形成されている。これら凸部13a、13bの数は任意であり、その間隔も等間隔でなくても良い。要は、後述の上下方向及び周方向(回転方向)の阻止作用を担保し得る間隔や数であって、連結された鋼管1、1に回転力を伝達し得る係合力が担保されれば良い。嵌め合い部分には面取りを行うことが好ましい。
また、凸部13bの頂面は下記雌継手20の反開口側(下側)の内周面22b及び凸部23aの頂面より雄雌継手10、20の嵌り合った内側(中心側)に位置するように設定されて(図2参照)、凸部13bが雌継手20の境界段差面22cに当たることなく下記凹部24に入り込み得るようになっている。
雌継手20の下方に向かう内周面は二段階に小径となる内周面22a、22bとなっており、その各内周面22a、22bにそれぞれ凸部(歯状部)23a、23bが形成されている。上側の凸部23aは周囲等間隔に8個形成されており、下側の凸部23bは周囲等間隔に12個形成されている。これら凸部23a、23bの数は任意であり、その間隔も等間隔でなくても良い。要は、後述の上下方向及び周方向(回転方向)の阻止作用を担保し得る間隔や数であって、連結された鋼管1、1に回転力を伝達し得る噛み合い力が担保されれば良い。嵌め合い部分には面取りを行うことが好ましい。
このため、上記凹部は、図5(b)、図6(a)の符号24の鎖線で示す、凸部23a、23aの間を経た後、上記二段階に小径となった内周面22a、22bの境界段差面22cに開口する凸部23b、23b間の軸方向溝部24aと、その後、凸部23bの下方に延びる空間の周方向溝部24bとからなるL字状空間(溝)で形成される。
各穴25には、有蓋の筒状回転阻止部材26が上下動自在に嵌られている。その回転阻止部材26の中にコイルバネ27が装填され、このコイルバネ27によって筒状回転阻止部材26は穴25から突出方向に付勢される。コイルバネ27に代えて回転阻止部材26を穴25から突出し得る弾性樹脂等の種々の弾性体を使用し得る。
このとき、雄継手10の外周面12aの径は雌継手20の各凸部23aの頂面がなす円周面の径と嵌め代を持ってほぼ同一に、雄継手10の外周面12bの径は雌継手20の各凸部23bの頂面がなす周面の径と嵌め代を持ってほぼ同一に、雌継手20の内周面22aの径は雄継手10の凸部13aの頂面がなす円周面の径と嵌め代を持ってほぼ同一に、雌継手20の内周面22bの径は雄継手10の凸部13bの頂面がなす円周面の径と嵌め代を持ってほぼ同一に、それぞれ設定されているため、雄継手10は雌継手20内に筒軸方向に円滑に嵌り込む(図2参照)。
この状態は、雄継手10の凸部13bと雌継手20の凸部23bの上下方向の係合によって上下の鋼管1a、1bが軸方向(上下方向)に連結されるとともに、雄継手10側の凸部13aを雌継手20側の凸部23aと回転阻止部材26とによる挟持により、上下の鋼管1a、1bが周方向(回転方向)に連結される。このとき、前記挟持により、上下の鋼管1a、1bの正逆の両回転方向が連結(回転阻止)される。
このとき、凸部13a、23a、回転阻止部材26の係わりによって、雄雌継手10、20の周方向の一体化を担保し、凸部13bと凹部24の周方向部24b(凸部23b)の係わりによって雄雌継手10、20の軸方向の一体化を担保する。このため、周方向と軸方向の一体化(抗力)を別々の凸部(凹部)の係わりで分担して担うため、結合(連結)強度の高い鋼管継手装置となる。
また、抜け止め用の凸部13b、23bが雄雌継手10、20が嵌り合った内側(奥)に位置して係合しているため、鋼管1a、1bに曲げモーメントを受けたとき、その抗力を有効に発揮する。
例えば、図8に示すように、雄雌継手10、20の外周面12及び内周面22にそれぞれ凸部13a、13b、23a、23bを軸方向にずらして設け、雄継手10の上下の凸部13a、13bは同一軸上とするとともに、雌継手20の凸部23a、23bも同一軸上としてコ字状に連結したものとすることができる。この場合、凹部24は、軸方向溝部(空間)24aと2つの周方向溝部(空間)24bとからなり、図9(a)→図9(b)→図9(c)に示すように、雄継手10の雌継手20への嵌り込み・回転に伴って、雄継手10の凸部13a、13bと雌継手20の凸部23a、23bの上下方向の係合によって上下の鋼管1a、1bが軸方向に連結されるとともに、同凸部13a、13bと同凸部23a、23bの回転阻止部材26を介した周方向(回転方向)の係合によって、上下の鋼管1a、1bが周方向(回転方向)に連結される。このため、この実施形態においては、凸部13a、13bと凸部23a、23bの個々の噛み合い(入り込み)によって回転止めと抜け止めの両者が行われている。
この状態は、雄継手10の凸部13b又は13aと雌継手20の凸部23b又は23aの上下方向の係合によって上下の鋼管1a、1bが軸方向(上下方向)に連結されるとともに、雄継手10の凸部13b、13b又は13a、13aの間に回転阻止部材26が入り込んだことによって周方向(回転方向)の回転が阻止され、上下の鋼管1a、1bが周方向(回転方向)に連結される。このとき、雌継手20側の凸部23bも周方向の連結に寄与する場合もある(図9(c)参照)。
また、雄雌継手10を雌継手20に対し軸心右周りで凸部13b、23bが係合するようにしたが、同左周りで係合するようにすることができる。このとき、隣接する凸部23b、23bの位置及び間隔は、右回りの場合の逆とする。
さらに、鋼管杭に限らず、この発明は各種の鋼管の継手として採用し得る。
このように、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。 例えば、この発明は、2段階の内外周面12a、12b、22a、22bとしているが、2段階以上の内外周面、例えば、3段階、4段階等においても、この発明の2段階の内外周面を有する場合は、この発明の範囲に含まれる。
10 鋼管継手装置の雄継手
11 同雄継手の上縁
12、12a、12b 同雄継手の外周面
13、13a、13b 同雄継手の凸部
20 鋼管継手装置の雌継手
21 同雌継手の下縁
22、22a、22b 同雌継手の内周面
22c 境界段差面
23、23a、23b 同雌継手の凸部
24 同雌継手の凹部(L字状溝)
24a 同凹部の軸方向部
24b 同凹部の周方向部
25 穴
26 回転阻止部材
27 コイルバネ(弾性体)
28 ピン(案内杆)
29 案内孔
Claims (5)
- 円周方向外側に向いた凸部(13b)を有する雄継手(10)を有する鋼管(1b)と、円周方向内側に向いた凸部(23b)を有する雌継手(20)を有する鋼管(1a)を、前記雄雌継手(10、20)を介して互いに嵌合させたのち、一方又は両方を回転させることで、互いの凸部(13b、23b)同士の位置を相対的にずらし、鋼管の軸方向において両者の投影断面が重なるように接続する鋼管継手構造であって、前記軸方向の溝(24)に出没自在に設けた回転阻止部材(26)によって接続後の前記雄雌継手(10、20)の相対的な回転を阻止する鋼管継手装置。
- 上記回転阻止部材(26)は、雄雌継手(10、20)の一方(20)に設けられ、他方の継手(10)の回り止め凸部(13a)に係止することによって雄雌継手(10、20)の相対的な回転を阻止する請求項1に記載の鋼管継手装置。
- 上記他方の継手(10)は雄継手(10)であって、その上記回り止め凸部(13a)は、上記円周方向外側に向いた凸部(13b)から軸方向にずれて設けられている請求項2に記載の鋼管継手装置。
- 上記雄継手(10)の嵌り合った雌継手(20)との対向周面は開口側から反対側に向かって二段階に大径となる2つの外周面(12a、12b)となり、雌継手(20)の嵌り合った雄継手(10)との対向周面は開口側から反対側に向かって二段階に小径となる2つの内周面(22a)となっており、
上記雄継手(10)の円周方向外側に向いた凸部(13b)は上記2つの外周面(12a、12b)の開口側の外周面(12b)に形成され、上記雌継手(20)の円周方向内側に向いた凸部(23b)は上記2つの内周面(22a)の反開口側の内周面に形成され、
上記雄継手(10)の回り止め凸部(13a)は上記2つの外周面(12a、12b)の反開口側の外周面(12a)に形成されている請求項3に記載の鋼管継手装置。 - 上記一方の継手(20)を雌継手(20)として、その雌継手(20)に上記回転阻止部材(26)の出没する軸方向の穴(25)を形成し、その穴(25)から前記雌継手(20)の外周面に貫通する軸方向に長い案内孔(29)を形成し、上記回転阻止部材(26)から前記案内孔(29)を通って前記雌継手外周面に至る案内杆(28)を設け、前記回転阻止部材(26)が穴(25)から突出した際、前記案内杆(28)が前記案内孔(29)の端に当接して前記回転阻止部材(26)のそれ以上の突出を阻止することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一つに記載の鋼管継手構造。
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