JP6910601B2 - 樹脂被覆鉄筋の製造装置及び製造方法 - Google Patents

樹脂被覆鉄筋の製造装置及び製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、PVB樹脂等の軟質性防食樹脂塗膜等が形成された鉄筋の製造に好適の樹脂被覆鉄筋の製造装置及び製造方法に関する。
コンクリート構造物の補強のために、鉄筋がコンクリート内に埋め込まれるが、この鉄筋には、その表面に防食被膜が塗布される。そして、この樹脂被膜の表面には、多数の無機質粒子が樹脂被膜に食い込んだ状態で付着しており、この無機質粒子により、コンクリートと防食被膜付き鉄筋との密着性が向上する。
一方、鉄筋の表面に被着される耐食性被膜には、エポキシ樹脂が多用されているが、近年、ポリビニルブチラール樹脂(以下、PVB樹脂という)が使用されるようになってきた。このPVB樹脂は、無機質粒子として珪砂を付着させて、使用される。即ち、珪砂付着型のPVB鉄筋は、鉄筋の表面をPVB樹脂で被覆し、更にこのPVB樹脂の表面に珪砂を付着させた鉄筋である。このPVB樹脂により、コンクリートから鉄筋への塩化物イオンの浸透を大幅に抑制し、珪砂によって、コンクリートとの付着性を向上させている。
そして、PVB樹脂被覆鉄筋は、エポキシ樹脂被覆鉄筋(所謂、EP鉄筋)に比して、鉄筋の変形に対する追従性が高いという優れた性質を有する。これは、PVB樹脂がエポキシ樹脂に比して、伸び率が著しく高いからであり、PVB樹脂被覆鉄筋は、施工時の衝撃の影響を受けにくく、また、この耐食性樹脂被覆鉄筋を施工部位に合わせて曲げ加工した場合の塗膜の損傷が生じにくく、タッチアップ補修等の労力を著しく低減できるという利点がある。
ところで、従来の樹脂被覆鉄筋の製造装置として、特許文献1乃至3に開示されたものがある。これらの装置においては、鉄筋の素材は、高周波加熱コイルにより加熱された後、静電流動浸漬装置の流動層内を通すことにより鉄筋の表面に樹脂被膜が形成される。その後、ホッパーから無機質粒子を素材の樹脂被膜上に落下させるか、又は無機質粗粒体吹き付けガンで吹き付けることにより、この粒子が樹脂被膜の表面に食い込んだ状態で付着される。更に、粒子付着後の樹脂被覆鉄筋を冷却することにより、樹脂被膜が固化し、表面に樹脂被膜が形成され、この樹脂被膜の表面に無機質粒子が付着した鉄筋が製造される。
特開2014−87725号公報 特開2014−8486号公報 特開2012−167368号公報
しかしながら、PVB樹脂は、伸び率が高く、柔軟性が高いものの、熱可塑性を有するので、加熱されて軟化した状態で、ロール等に接触すると、PVB樹脂被膜の表面に傷が付くという問題点がある。従来の樹脂被膜鉄筋の製造装置においては、中間部の直径が小さく、両端部の直径が大きい鼓型のローラを複数個直線上にタンデムに配置し、その上に耐食性塗膜を被着させるための鉄筋を載置し、この鉄筋を支持すると共に、鼓型ローラの回転により鉄筋をその軸方向に送り出している。このとき、前述の如く、PVB樹脂は、熱可塑性樹脂であり、エポキシ樹脂のように降温過程で硬化するため、常温まで十分に冷却した後でなければ、ローラに接触させることができない。十分に冷却する前にロールと接触すると、PVB樹脂被膜の表面に疵が付いてしまう。
従って、珪砂噴霧後の樹脂被覆鉄筋は、十分に冷却した後に、支持ローラ上に移動するようにすることが必要であり、このため支持ローラの間隔を広げ過ぎると、その間で鉄筋が湾曲してしまい、鉄筋の先端が支持ローラに到着する前に、垂れ下がり、鉄筋の搬送が不可能になったりする。又は、支持ローラに到着する前に、樹脂被覆鉄筋を十分に降温させようとすると、いきおい、鉄筋の搬送速度を遅くせざるをえず、生産性が極めて悪化する。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、PVB樹脂等の伸び率がすぐれて施工性が高い熱可塑性樹脂が被着された樹脂被覆鉄筋を高生産性で製造することができる樹脂被覆鉄筋の製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る樹脂被覆鉄筋の製造装置は、
鉄筋の搬送ローラと、
この搬送ローラによる鉄筋の搬送経路の途中に設けられ、先行鉄筋の後端部と後行鉄筋の前端部とを連結する連結操作部と、
この連結部の鉄筋移動方向下流側に設けられ、前記鉄筋の表面に、樹脂を加熱して塗膜する樹脂塗膜装置と、
前記樹脂塗膜装置の下流側に設けられ、連結鉄筋を支持する受けローラと、
前記受けローラの下流側に設けられ、前記先行鉄筋と前記後行鉄筋とを分離する分離操作部と、
樹脂被膜鉄筋を冷却する冷却装置と、
を有することを特徴とする。
本発明においては、例えば、
前記連結操作部は、前記鉄筋に転動して鉄筋の搬送速度を制御する連結操作部鉄筋保持ローラユニットを有し、
前記鉄筋保持ローラユニットにより先行鉄筋の搬送速度を低下させ、又は先行鉄筋を停止させた状態で、先行鉄筋の後端部と後行鉄筋の前端部に夫々連結治具を装着すると共に、後行鉄筋を先行鉄筋に当接させて前記連結治具を連結することにより、先行鉄筋と後行鉄筋とを連結する用に構成することができる。
また、例えば、
前記分離操作部は、前記鉄筋に転動して鉄筋の搬送速度を制御する分離操作部鉄筋保持ローラユニットと、
前記鉄筋に転動して鉄筋の搬送速度を制御する鉄筋分離ローラと、
を有し、
前記鉄筋保持ローラユニットにより後行鉄筋の搬送速度を低下させ、又は後行鉄筋を停止させた状態で、前記鉄筋分離ローラにより前記先行鉄筋を前記後行鉄筋より高速度で移動させることにより、前記先行鉄筋と前記後行鉄筋とを分離するように構成することができる。
これらの場合に、例えば、
前記連結治具は、先行鉄筋用の基部と、後行鉄筋用の基部とを、磁石により結合するものである。また、本発明は、前記樹脂塗膜が熱可塑性樹脂である場合に好適である。
本発明に係る樹脂被覆鉄筋の製造方法は、
複数本の鉄筋を、それらの端部同士で直列に連結する工程と、
連結された鉄筋に対し、熱可塑性樹脂を加熱して塗膜する工程と、
前記熱可塑性樹脂がローラの接触により疵がつかない温度まで冷却された後、前記鉄筋を受けローラで支持する工程と、
その後、連結鉄筋を分離する工程と、
を有することを特徴とする。
本発明に係る他の樹脂被覆鉄筋の製造装置は、
鉄筋をその軸の周りに回転させつつその軸方向に移動させる鼓形ローラと、
前記鉄筋をその移動及び回転を可能にして拘束する鉄筋保持ローラと、
前記鉄筋保持ローラの鉄筋移動方向下流側に設けられ、前記鉄筋の表面に、樹脂を加熱して塗膜する樹脂塗膜装置と、
前記鉄筋を支持する支持ローラと、
前記支持ローラの上流側に設置され、前記樹脂塗膜装置を出た前記鉄筋の先端が当接するように、前記鉄筋の移動方向に沿って上向くように傾斜すると共に、前記鉄筋の移動方向に垂直の方向に関して前記鉄筋の回転により前記鉄筋の先端が受ける摩擦力の方向が上方となるように傾斜した板状の誘導部材と、
前記鉄筋移動方向における前記支持ローラの下流側にて、前記樹脂被膜鉄筋を冷却する冷却装置と、
を有することを特徴とする。
本発明に係る他の樹脂被覆鉄筋の製造方法は、
鉄筋に対し、その軸を中心とする回転力を付加しつつ、前記鉄筋を、その軸方向に送出する工程と、
前記鉄筋をその回転及び軸方向送出を可能にした状態で、前記鉄筋の位置を拘束する工程と、
前記鉄筋に対し、熱可塑性樹脂を加熱して塗膜する工程と、
塗膜工程から送出されてくる前記鉄筋の先端が垂れ下がったときに、前記鉄筋の先端縁が誘導部材上を摺動して上昇するように前記鉄筋の先端部を誘導する工程と、
前記熱可塑性樹脂が支持ローラの接触により疵がつかない温度まで冷却された後、前記鉄筋を前記誘導部材から受けて前記支持ローラで支持する工程と、
を有することを特徴とする。
本発明によれば、複数個の鉄筋を連結して、樹脂塗膜工程に供するので、樹脂塗膜後の被覆樹脂の冷却のために、塗膜樹脂に接触するロールまでの距離を十分に長くして十分に冷却することができるため、鉄筋の樹脂被膜に疵が生じることなく、鉄筋の搬送速度を高速化することができる。このため、本発明によれば、伸び率が高く施工性が優れた熱可塑性樹脂被膜鉄筋を、高生産性で製造することができる。
また、本願の他の発明によれば、樹脂塗膜後の鉄筋が垂れ下がったときに、鉄筋の先端が接触して鉄筋を上方に誘導する誘導部材を設けたので、後工程の支持ローラに鉄筋の先端が当接することなく、円滑に支持ローラ上に移って送出されることができる。よって、鉄筋の樹脂被膜に疵が生じることなく、鉄筋の搬送速度を高速化することができる。このため、本願他の発明においても、伸び率が高く施工性が優れた熱可塑性樹脂被膜鉄筋を、高生産性で製造することができる。
本発明の実施形態に係る樹脂被覆鉄筋の製造装置を示す図である。 鼓形ローラの構造及び動作を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る樹脂被覆鉄筋の製造装置を示す平面図である。 同じくその正面図である。 同じくその鉄筋連結部の構成及び動作を示す図である。 同じくその連結治具及びその動作を示す図である。 同じくその鉄筋分離部の構成及び動作を示す図である。 本発明の更に他の実施形態に係る樹脂被覆鉄筋の製造装置を示す平面図である。 同じくその正面図である。 同じくその誘導部材の構成及び動作を示す図である。 支持ローラに対する誘導部材の配置態様を示す図である。 従来の樹脂被覆鉄筋の製造装置を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の実施形態に係る樹脂被覆鉄筋の製造装置を示す模式図である。樹脂の被覆に供される鉄筋1は、支持ローラ10上を、図中矢印にて示す方向に送り出される。そして、鉄筋1は樹脂被覆及び骨材(珪砂)散布の塗膜装置11に到達し、先ずこの塗膜装置11の加熱装置12により加熱される。その後、鉄筋1は、粉体塗装機13により樹脂の粉体が鉄筋1の周面に塗布され、更に、骨材(珪砂)散布装置14により、樹脂被膜の表面に珪砂が散布される。その後、樹脂被覆後の鉄筋1は、水冷槽15に送られ、水冷槽15にて水冷される。
この加熱装置12,粉体塗装機13及び骨材散布装置14からなる塗膜装置11による樹脂被覆鉄筋の塗装工程は、図12に示す従来装置と同様である。しかし、従来の塗装装置においては、PVB樹脂のような熱可塑性樹脂を被着しようとすると、骨材散布後の塗膜は固化していないので、支持ローラにより樹脂被覆鉄筋1を支持しようとすると、塗膜を傷つけてしまい、支持ローラとの間の間隔を広くすると、通常の長さが3.5m〜12m程度の鉄筋を支持しきれなくなるという問題点があり、このため、鉄筋1の搬送速度を遅くせざるを得なかった。
本発明はこのような従来装置のPVB樹脂被覆鉄筋の生産性が低いという問題点を解消するために、図1に示すように、塗膜装置11を通過する際には、先行鉄筋1と、後行鉄筋1とを、治具20で固定して、後行鉄筋1を先行鉄筋1で支持させることにより、ロール間距離を大きくすると共に、連結鉄筋を宙に浮かせた状態にして、樹脂被覆直後の鉄筋1の被膜がロールに接触することを防止する。そして、後行鉄筋1の先端が十分に冷却されて支持ロールに支持されるようになった後、連結鉄筋を相互に離脱させ、ここの樹脂被覆鉄筋1を得る。
次に、鉄筋1の送出装置及び塗膜装置の一例について説明する。図2(a)は鼓形をなす搬送ローラ10の正面図、図2(b)はその動作を示す平面図である。なお、図2(a)の搬送ローラ10は、6本の鉄筋1を平行に搬送して、6系列で同時に被膜を形成する場合のものであり、鉄筋1を案内すると共に送り出すV字形の周面が、6組形成されている。各鼓形ローラ10は、その中央部が最小径であり、この中央部から回転軸方向に離隔するにつれて、外径が大きくなっており、中央部の両側に外径が連続的に変化する傾斜周面10a、10bを有するV字形をなしている。そして、この鼓形ローラ10は、その回転軸が、鉄筋1の軸方向(搬送方向)に対して、θの角度で傾斜するように、配置されている。このとき、図2(b)に示すように、傾斜周面10bの方が傾斜周面10aよりも鉄筋1の進行方向の前方に位置しているので、ローラ10が反時計方向に回転すると、その周面の最小径部(中央部)よりも、鉄筋1の進行方向の前方の部分では、鉄筋1は平面視でその進行方向左側の部分が傾斜周面10bによる接触を受けて傾斜周面10bの回転により、下方に向かう摩擦力を受ける。一方,鉄筋1の進行方向の後方の部分では、鉄筋1は平面視でその進行方向右側の部分が傾斜周面10aによる接触を受けて傾斜周面10aの回転により、上方に向かう摩擦力を受ける。このため、鉄筋1には、図2(b)に示すように、ローラ10により、鉄筋1の進行方向に向かって反時計方向の回転駆動力が付与される。換言すれば、鼓形ローラ10は鉄筋1の進行方向に垂直ではなく、θ(θ<90°)の角度で傾斜している。そこで、鉄筋1の下端縁は、鼓形ローラ10の軸方向に垂直の方向(C方向)に摩擦力を受ける。このC方向の摩擦力は、鉄筋1の進行方向(A方向)の成分と、A方向に垂直の方向(B方向)の成分とに分解される。即ち、鉄筋1はその鼓形ローラ10との接触部位(下端縁)にて、鉄筋1が進行すべき方向(A方向)に駆動力を受けると共に、それに垂直方向(B方向)に駆動力を受ける。このB方向の力を鉄筋の下端縁が受ける結果、鉄筋1には進行方向に見て反時計方向の回転が加わる。このようにして、鉄筋1は、ローラ10により駆動されて、塗膜装置11に向かって進行すると共に、その進行方向に向かって反時計方向に回転する。この鉄筋1の回転数は、例えば、30rpmである。なお、前述の如く、鼓形ローラ10は、同軸的に回転するように複数個(図示例は6個)設けられているので、複数本(6本)の鉄筋1が並行して同時に搬送され、同時に、加熱,粉体塗装、骨材散布及び冷却の各工程を受ける。なお、同時搬送される素材1の本数は、6本に限らないが、通常、最大7本程度である。なお、樹脂被覆後の鉄筋1が水冷槽15内で搬送される際も、同様に、鼓形ローラ10が使用される。
鉄筋1は、加熱装置12にて、加熱される。この鉄筋1の加熱は、バーナ加熱若しくは高周波加熱が使用され、又はそれらが組み合わされる。この加熱装置による加熱により、鉄筋1は、例えば、粉体塗料の融点よりも高温の約180〜220℃の温度に昇温する。なお、この鉄筋1の加熱の前段若しくは後段又はその双方に、鉄筋1は、グリットブラストによる粗面化処理を行い、鉄筋1の表面を粗面化することもある。その後、鉄筋1は、粉体塗装装置13において、その表面に樹脂の粉体塗料が吹き付けられる。この粉体塗料には、顔料の他、硬化剤、添加剤、及びフィラー等が必要に応じて配合される。この素材1に吹き付けられた粉体塗料は、素材1が粉体塗料の融点よりも高温であるので、溶融し、素材1の表面に、溶融状態の塗膜が形成される。そして、溶融塗膜が形成された鉄筋1の塗膜表面には、骨材散布装置14から、珪砂の粉体が散布され、樹脂表面に食い込んだ状態で付着する。この骨材は、コンクリートとの密着性を向上させる。なお、熱可塑性樹脂としては、PVB(ポリビニルブチラール)樹脂の他に、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、及びナイロン等のポリアミド樹脂等がある。
本実施形態においては、鉄筋1は、軸方向が鉄筋1の軸方向に対して傾斜して配置された鼓形ローラ10により送出されるので、鉄筋1の軸方向に移動すると共に、その軸の周りに回転している。よって、粉体塗料を鉄筋1の表面に吹き付ける場合に、粉体塗料を鉄筋1の周面に均一に被着させることができる。骨材の散布も同様である。
次いで、この塗膜が形成された鉄筋1は、塗膜装置11から水冷槽15まで搬送されて、水冷槽15において水冷されて、室温近傍まで冷却される。その後、この鉄筋1の表面に塗膜が形成された鉄筋1は、鼓形ローラ10により、排出ヤードまで送出される。
而して、本実施形態においては、鉄筋1の送出ローラ10の上流側に、先行鉄筋1の降誕部に、後行鉄筋1の前端部を連結する連結装置21が配置されており、更に、冷却槽15の直前の位置には、連結された1対の鉄筋1を分離する分離装置22が配置されている。そして、分離装置22の直前の位置には、通常の円柱状の支持ローラ23が設置されており、鉄筋1を支持するようになっている。
このように構成された樹脂被覆鉄筋の製造装置においては、塗膜装置11に送給される鉄筋1は、連結装置21により先行鉄筋1と後行鉄筋1とが治具20で連結される。そして、1本の(例えば6列の)鉄筋1は、塗膜装置11において、その周面に樹脂被膜が形成され、更に、骨材としての珪砂が樹脂被膜の表面に散布されて、樹脂被膜付き鉄筋1となる。このとき、連結された各列の鉄筋1は、支持ローラ23と鼓形ローラ10との間で空中に浮いた状態となり、粉体塗装機13による樹脂被膜の形成及び骨材散布装置13による骨材散布の期間と、被膜形成後の冷却期間とにおいては、樹脂被膜がローラに接触することがなく、樹脂被膜に疵が付くことはない。そして、先行鉄筋1は、支持ローラ23及び冷却槽15内の鼓形ローラ10に支持されると共に、後行鉄筋1は先行鉄筋1との連結により先行鉄筋1により支持されているので、後行鉄筋1が支持ローラ23に至る前に、垂れ下がってしまうことはなく、円滑に搬送される。よって、鉄筋1の搬送速度は、被膜樹脂がエポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂である場合と同等以上の高速度とすることができ、生産性を向上させることができる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図3は本実施形態の樹脂被覆鉄筋の製造装置を示す平面図、図4は同じくその正面図である。なお、本実施形態は、図1及び図2に示す実施形態と異なり、鉄筋1の列は、複数列ではなく、1列であるが、複数列に構成することも可能である。搬送ヤード31に集積された樹脂被覆前の鉄筋1は、順次ライン上に送給され、タンデムに配置された複数個の鼓形ローラ10上に配置される。そして、この鉄筋1は鼓形ローラ10の回転により、鉄筋1の軸方向に送出されると共に、その軸の周りに回転する。鉄筋1は、順次送出され、各鉄筋1は先ず鉄筋保持ローラユニット25に送給される。
図5はこの鉄筋保持ローラユニット25を示す正面図である。図5(a)に示すように、先行する鉄筋1が鉄筋保持ローラユニット25に保持され、後行の鉄筋1が鼓形ローラ10により送出されてくると、図5(b)に示すように、先行鉄筋1の後端部に、後行鉄筋1の先端部が、治具20により連結される。鉄筋保持ローラユニット25は、鉄筋1の両側に転接する1対の円柱形ローラ41が、正面視でその回転軸方向を鉛直方向に対して、例えば45°傾斜させて配置されており、鉄筋1の左側のローラ41と右側のローラ41とは、その回転軸方向を相互に異ならせ、正面視で直交させて設置されている。図5(c)はこのローラ41を、鉄筋1の進行方向前方から後方に向けて見たときの側面図である。鉄筋1の進行方向に見て左側のローラ41aは反時計方向に回転し、右側のローラ41bも同様に反時計方向に回転する。従って、これらのローラ41に転接する鉄筋1は、鉄筋1の進行方向前方から後方に向けて見たときに時計方向に回転する。換言すれば、鉄筋1は、その進行方向に見て、反時計方向に回転するが、これは、鉄筋1が鼓形ローラ10により反時計方向に回転駆動されることと一致する(図2(b)参照)。回転軸方向を水平にして鉄筋1の上端及び下端に転接する1対のローラ42も同様にその回転軸を交差させて配置されており、鉄筋1の回転と整合するように回転する。鉄筋保持ローラユニット25においては、2対のローラ41,42が鉄筋1を挟持するように鉄筋1に対して若干の押圧力を印加するようにして設置されており、これらのローラ41,42の回転速度を制御することにより、鉄筋1をその位置に停止させたり、送出速度を調整したりすることができるようになっている。
図6は治具20を示す正面図である。図6(a)に示すように、治具20は、鉄筋1の前端部又は後端部に嵌合される円筒状の2個の基部31,34を有する。一方の基部31の鉄筋1の前方側には、他方の基部34に挿入される挿入部32が固定されており、この挿入部32の後端面(鉄筋1側の面)には、磁石33が設けられている。また、他方の基部34には、その円筒の中間部に仕切り35が設けられていて、基部34の内部が鉄筋1の長手方向に2部屋に分かれている。そして、基部34の一方の部屋が鉄筋1の後端部を嵌合し、基部34の他方の部屋が基部31の挿入部32を嵌合するようになっている。また、仕切り35の鉄筋1側の面には、磁石36が設けられている。これにより、図6(b)に示すように、基部34が鉄筋1の後端部を嵌合し、更に基部31の挿入部32が基部34の後部に挿入されると、基部31と基部34とは、磁石33と磁石36の磁力により連結され、先行鉄筋1と後行鉄筋1とが磁着される。
そこで、図5(a)に示すように、先行鉄筋1が鉄筋保持ローラユニット25にて、ローラ41,42の回転制御により、低速で移動するか、又は停止した状態で、図5(b)に示すように、先行鉄筋1の後端部に治具20の基部34を装着し、後行鉄筋1の前端部に基部31を装着すると、後方鉄筋1は鼓形ローラ20により送り出されてきて、後方鉄筋1と先行鉄筋1との速度差によりやがて後方鉄筋1は先行鉄筋1の後端に当接する。これにより、基部31の挿入部32が基部34に挿入されて、先行鉄筋1と後行鉄筋1とが磁着され、相互に連結される。
このように、搬入ヤード31から供給された鉄筋1は、鉄筋保持ローラユニット25にて順次連結された後、粉体塗装装置13にて粉体が鉄筋1の周面に付着され、加熱装置12により加熱されて樹脂粉体が溶融し、珪砂等の骨材が骨材散布装置14により溶融樹脂の表面に散布されて、樹脂被膜の表面に食い込んだ状態で保持される。この樹脂塗膜処理が施された鉄筋1は、その後、受けローラ23により鉄筋1の下方が支持されて、図7に示す鉄筋保持ローラユニット25に送給される。鉄筋1は、鉄筋保持ローラユニット2525に入る直前で、冷却水シャワー16により、水冷される。鉄筋保持ローラユニット25も、図5に示す鉄筋保持ローラユニット25と同様の構造を有し、鉄筋1の搬送速度を制御することができる。そして、図7に示すように、この鉄筋保持ローラユニット25の下流側には、治具20を検出するセンサ45と、鉄筋1の分離を検出するセンサ46とが配置されている。このセンサ46の更に下流側には、鉄筋分離ローラ27が配置されている。鉄筋分離ローラ27は、1対のローラ27を鉄筋1の上端及び下端に転接させ、その回転軸方向を水平かつ鉄筋1の軸方向に45°の角度で傾斜させて配置されている。そして、この1対のローラ27を鉄筋1に対して若干押圧するように設置されており、ローラ27により鉄筋1を挟持するようになっている。
この鉄筋保持ローラユニット25と、鉄筋分離ローラ27とにより、鉄筋の連結解除装置26が構成されている。図7(a)に示すように、連結鉄筋1は、鼓形ローラ10の送出速度で移動し、被膜形成処理を受けて、連結解除装置26に搬送されてくる。そして、図7(b)に示すように、この連結解除装置26においては、センサ45により、治具20が検出されると、鉄筋保持ローラユニット25がその後方鉄筋1の搬送速度を低下させるか、又は後方鉄筋1を停止させ、鉄筋分離ローラ27が先行鉄筋1の搬送速度を上昇させる等して、先行鉄筋1と後行鉄筋1との間に引張力が作用するようにする。これにより、磁力で付着していた先行鉄筋1と後行鉄筋1とが分離される。そして、図7(c)に示すように、センサ46が先行鉄筋1と後行鉄筋1とが分離されていることを検出すると、鉄筋分離ローラ27は、先行鉄筋1の搬送速度を、元の鼓形ローラ10による鉄筋搬送速度に戻し、分離後の鉄筋1を下流側の冷却水槽15に送出する。分離後の鉄筋1は、冷却水槽15にて、鼓形ローラ10により搬送されつつ十分に水冷される。なお、図示例では、鉄筋連結部の鉄筋保持ローラユニット25のローラ41,42と鉄筋分離部の鉄筋保持ローラユニット25のローラ41,42の鉄筋移動方向の配置順序が異なるが、必ずしもこれに限らず、ローラ41,42を同様に配置してもよい。
冷却水槽15の鉄筋出口には、空気を鉄筋1に向けて吹き付けるエアシャワー17が設置されており、冷却水槽15内に浸漬された樹脂被膜付き鉄筋1の表面の水分を噴射エアーにより除去するようになっている。その後、樹脂被膜が形成された鉄筋1は、搬送ヤード32に集積されて、搬出を待つことになる。
このように構成された樹脂被覆鉄筋の製造装置においては、塗膜装置11の手前で、鉄筋保持ローラユニット25により先行鉄筋1の搬送速度を低下させるか又は先行鉄筋1を停止させ、先行鉄筋1の後端部に治具20の基部34を装着すると共に、鼓形ローラ10により搬送されてくる後行鉄筋1の先端に治具20の基部31を装着する。そして、後行鉄筋1の方が先行鉄筋1よりも高速であるので、後行鉄筋1の先端部が先行鉄筋1の後端部に当接し,基部31,34が磁石33,36の磁力により磁気結合し、先行鉄筋1と後行鉄筋1とが連結される。一方、樹脂被膜形成後の鉄筋1は、鉄筋連結解除装置26において、後行鉄筋1を鉄筋保持ローラユニット25が保持した状態で、鉄筋分離ローラ27が、先行鉄筋1を後行鉄筋1よりも高速で移動させることにより、先行鉄筋1と後行鉄筋1とを分離する。このため、樹脂塗膜処理後の鉄筋1は、受けローラ23に転接するまで、連結鉄筋に支持されて空中に浮遊した状態にあり、連結鉄筋に支持されているため、この塗膜装置と受けローラ23との間の距離を、1本の鉄筋1の長さを超えて、樹脂被膜の冷却に十分な長さにすることができる。このため、樹脂被膜が十分に冷却された後、受けローラ23に接触することになり、ローラ接触に起因して樹脂被膜に疵が付くことが防止される。しかも、連結鉄筋に支持されているので、樹脂被膜の非接触の距離を長くすることができるため、鉄筋1の搬送速度を、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂の場合と同等以上の高速にすることができる。従って、本実施形態において、樹脂被覆鉄筋の生産性を向上することができる。
次に、本発明の更に他の実施形態について、図8乃至図11を参照して説明する。図8は本発明の更に他の実施形態に係る樹脂被覆鉄筋の製造装置を示す平面図、図9は同じくその正面図である。本実施形態においては、連結治具20を使用せず、代わりに、塗膜装置11と、鉄筋1がこの塗膜装置11を出た後、最初に通る支持ローラ23との間に、誘導部材50が配置されている。この誘導部材50は図8の平面図に示すように基本的には平板状であり、図9の正面図に示すように支持ローラ23に近づくにつれて高さが高くなるように傾斜して配置されている。
誘導部材50は、その幅方向中央を通る垂直面における断面図でみると、図11(a)に示すように、水平線に対して角度αで水平線から傾斜している。また、誘導部材50は、その支持ローラ23の軸方向に平行な垂直面における断面図でみると、図11(b)に示すように、鉄筋1の進行方向に関して、左側が高くなるように、水平線から角度βで傾斜している。つまり、誘導部材50は、鉄筋1の進行方向について水平から傾斜し、この進行方向に垂直の方向について水平から傾斜している。
このように構成された本実施形態においては、搬送ヤード31に集結された複数本の鉄筋1が順次搬送ラインに送出される。本実施形態は、1本の鉄筋1をその軸方向に送出するラインに関するものであるが、例えば、図2に示すように6本の鉄筋を並列的に送出するライン、及びそれ以上の本数の鉄筋1を並列的に被覆処理するラインに本発明を適用することも可能である。送出ライン上の鉄筋1は、複数個の鼓形ローラ10により、進行方向に見て例えば反時計方向の回転を付加されつつその所望の進行方向に送出駆動される。
そして、鉄筋1の先端部が鉄筋保持ローラユニット25に進入すると、鉄筋1は、この鉄筋保持ローラユニット25にて、鉄筋1を間に挟んでその軸方向が相互に直交する2組のローラ41,42により、所定の送出ライン上を鉄筋進行方向に見て反時計方向の回転を許容されてその軸方向に送出されるように拘束される。つまり、この状態では、鉄筋1はその軸方向が水平方向になるように維持される。そして、この状態で、鉄筋1は、塗膜装置11を通り、塗膜装置11内にて、その粉体塗装装置13により樹脂の粉体が塗布され、加熱装置12により加熱された後、骨材(珪砂)散布装置14により、樹脂被膜の表面に珪砂が散布される。この塗膜装置11を通過している間、鉄筋1は宙に浮いた状態であるが、PVB樹脂のような熱可塑性樹脂を塗膜した場合、骨材散布後の塗膜は固化していないので、支持ローラにより樹脂被覆鉄筋1を支持しようとすると、塗膜を傷つけてしまう。このため、支持ローラ23は、樹脂被覆鉄筋1が十分に冷却されて塗膜が固化する前に、鉄筋1に接触することがないように、塗膜装置11との間に十分な距離を保持して配置する必要がある。このため、図10(a)に示すように、鉄筋保持ローラユニット25により保持された鉄筋1は、支持ローラ23に到達する前に、その先端が下方に垂れ下がってしまう。そして、このまま鉄筋1が進行すると、鉄筋1の先端が支持ローラ23に当接し、鉄筋1の進行が緩衝されてしまう。
しかし、本実施形態においては、支持ローラ23の手前の位置に、誘導部材50が配置されているので、図10(b)に示すように、垂れ下がった鉄筋1の先端は、先ず、誘導部材50に当接し、傾斜した誘導部材50の斜面をせり上がってくる。即ち、鉄筋1の先端面の周縁が誘導部材50に接触し、鉄筋1は前方に送り出されているので、この鉄筋1の先端周縁が鉄筋1の進行方向にみて反時計方向に回転しつつ誘導部材50の斜面上を上方に移動する。このとき、鉄筋1は反時計方向に回転しているので、鉄筋1の先端は、誘導部材50からの摩擦力を受けて、進行方向に見て左方に移動しようとする。しかし、図11(a)に示すように、誘導部材50の上面は、鉄筋進行方向にみて左側が上方となるように傾斜しているので、鉄筋進行方向に見て反時計方向に回転する鉄筋1が誘導部材50の上面を左方向に移動しようとする際に、鉄筋1は誘導部材50の上面を登っていくことになり、左方向への移動に対して抵抗力が作用する。このため、誘導部材50に接触する鉄筋1は左方向への移動が抑制される。そして、鉄筋1が更に進行すると、鉄筋1の先端は誘導部材50に誘導されて、図10(c)に示すように、支持ロール23の上縁上に乗り移る。これにより、鉄筋1は、支持ロール23に邪魔されず、支持ロール23上に乗り、支持ロール23に支持されて前方に移動する。このとき、鉄筋1の周面の塗布膜は、支持ロール23に接触するが、このときには、この塗布膜の固化は終了しており、支持ロール23に接触しても、塗膜に疵が付くことはない。また、本実施形態では、鉄筋1の先端面の周縁部は、誘導部材50の上面上を摺察しつつ移動するため、この部分の塗膜は剥がれるが、鉄筋1の周面上の塗膜は、支持ロール23に接触せず、疵が付くことはない。このため、生産性向上のために、鉄筋1を高速で移動させても、必要に応じてわずかな補修をすることにより、円滑な塗膜処理を実施することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限らず、種々の変形が可能である。例えば、誘導部材50の鉄筋進行方向の傾斜角度α及び鉄筋進行方向に直交する方向の傾斜角度βは、適宜、最適な角度を実験・シミュレーション計算等により設定すればよい。特に、角度αを大きくし過ぎると、当接した鉄筋1の先端面が誘導部材50の上面を登ることができず、鉄筋1が誘導部材50に突き当たった状態で停止し、鉄筋1の進行が阻害される。一方、角度α、βを小さくし過ぎると、鉄筋1の周面の誘導部材50に接触する領域が大きくなり、補修が必要な領域が拡大し、生産性を阻害される。また、誘導部材50の上面は必ずしも平面にする必要はない。鉄筋1の先端が円滑に上方に摺動できるような形状にすれば良く、適宜、湾曲した形状にすることもできる。
産業上の利用分野
PVB樹脂のように、熱可塑性を有して、伸び率が高く、柔軟性が高い樹脂を被覆した鉄筋は、鉄筋の変形に対する被覆樹脂の追随性が高く、鉄筋の施工性が高いという利点を有するが、本発明によれば、このような熱可塑性を有する樹脂被覆鉄筋を、樹脂被膜表面への疵の付着を防止しつつ、高生産性で製造することができる。従って、本発明は、PVB樹脂被膜鉄筋のように高性能の鉄筋を高生産性で製造することができ、鉄筋製造分野において多大の貢献をなす。
1:鉄筋
10:鼓形ローラ
11:塗膜装置
12:加熱装置
13:粉体塗装装置
14:骨材散布装置
15:冷却槽
20:連結治具
23:支持ローラ
25:鉄筋保持ローラユニット
31,34:基部
33,36:磁石
41、42:保持ローラ
50:誘導部材

Claims (8)

  1. 鉄筋の搬送ローラと、
    この搬送ローラによる鉄筋の搬送経路の途中に設けられ、先行鉄筋の後端部と後行鉄筋の前端部とを連結する連結操作部と、
    この連結部の鉄筋移動方向下流側に設けられ、前記鉄筋の表面に、樹脂を加熱して塗膜する樹脂塗膜装置と、
    前記樹脂塗膜装置の下流側に設けられ、連結鉄筋を支持する受けローラと、
    前記受けローラの下流側に設けられ、前記先行鉄筋と前記後行鉄筋とを分離する分離操作部と、
    樹脂被膜鉄筋を冷却する冷却装置と、
    を有することを特徴とする樹脂被覆鉄筋の製造装置。
  2. 前記連結操作部は、前記鉄筋に転動して鉄筋の搬送速度を制御する連結操作部鉄筋保持ローラユニットを有し、
    前記鉄筋保持ローラユニットにより先行鉄筋の搬送速度を低下させ、又は先行鉄筋を停止させた状態で、先行鉄筋の後端部と後行鉄筋の前端部に夫々連結治具を装着すると共に、後行鉄筋を先行鉄筋に当接させて前記連結治具を連結することにより、先行鉄筋と後行鉄筋とを連結することを特徴とする請求項1に記載の樹脂被覆鉄筋の製造装置。
  3. 前記分離操作部は、前記鉄筋に転動して鉄筋の搬送速度を制御する分離操作部鉄筋保持ローラユニットと、
    前記鉄筋に転動して鉄筋の搬送速度を制御する鉄筋分離ローラと、
    を有し、
    前記鉄筋保持ローラユニットにより後行鉄筋の搬送速度を低下させ、又は後行鉄筋を停止させた状態で、前記鉄筋分離ローラにより前記先行鉄筋を前記後行鉄筋より高速度で移動させることにより、前記先行鉄筋と前記後行鉄筋とを分離することを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂被覆鉄筋の製造装置。
  4. 前記連結治具は、先行鉄筋用の基部と、後行鉄筋用の基部とを、磁石により結合するものであることを特徴とする請求項2又は3に記載の樹脂被覆鉄筋の製造装置。
  5. 前記樹脂塗膜は、熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の樹脂被覆鉄筋の製造装置。
  6. 複数本の鉄筋を、それらの端部同士で直列に連結する工程と、
    連結された鉄筋に対し、熱可塑性樹脂を加熱して塗膜する工程と、
    前記熱可塑性樹脂がローラの接触により疵がつかない温度まで冷却された後、前記鉄筋を受けローラで支持する工程と、
    その後、連結鉄筋を分離する工程と、
    を有することを特徴とする樹脂被覆鉄筋の製造方法。
  7. 鉄筋をその軸の周りに回転させつつその軸方向に移動させる鼓形ローラと、
    前記鉄筋をその移動及び回転を可能にして拘束する鉄筋保持ローラと、
    前記鉄筋保持ローラの鉄筋移動方向下流側に設けられ、前記鉄筋の表面に、樹脂を加熱して塗膜する樹脂塗膜装置と、
    前記鉄筋を支持する支持ローラと、
    前記支持ローラの上流側に設置され、前記樹脂塗膜装置を出た前記鉄筋の先端が当接するように、前記鉄筋の移動方向に沿って上向くように傾斜すると共に、前記鉄筋の移動方向に垂直の方向に関して前記鉄筋の回転により前記鉄筋の先端が受ける摩擦力の方向が上方となるように傾斜した板状の誘導部材と、
    前記鉄筋移動方向における前記支持ローラの下流側にて、前記樹脂被膜鉄筋を冷却する冷却装置と、
    を有することを特徴とする樹脂被覆鉄筋の製造装置。
  8. 鉄筋に対し、その軸を中心とする回転力を付加しつつ、前記鉄筋を、その軸方向に送出する工程と、
    前記鉄筋をその回転及び軸方向送出を可能にした状態で、前記鉄筋の位置を拘束する工程と、
    前記鉄筋に対し、熱可塑性樹脂を加熱して塗膜する工程と、
    塗膜工程から送出されてくる前記鉄筋の先端が垂れ下がったときに、前記鉄筋の先端縁が誘導部材上を摺動して上昇するように前記鉄筋の先端部を誘導する工程と、
    前記熱可塑性樹脂が支持ローラの接触により疵がつかない温度まで冷却された後、前記鉄筋を前記誘導部材から受けて前記支持ローラで支持する工程と、
    を有することを特徴とする樹脂被覆鉄筋の製造方法。
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