以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。最初に図1から図3を参照して、コードブッシング10の概要について説明する。図1(a)は、本発明の第1実施形態あるコードブッシング10の全体を示した斜視図であり、図1(b)は、コードブッシング10の右側面図(図1(a)に示したIb方向から見た図)であり、図2は、内筒12を左右方向に切断した断面図であり、図3は、外筒11の斜視図である。なお、本説明において、便宜上図1(a)に示した方向を左右方向とする。
コードブッシング10は、外筒11と内筒12とを備えている。コードブッシング10は、壁に設けられた孔に内筒12を挿し込み、内筒12を挿し込んだ壁面とは反対の壁面において内筒12に外筒11を挿入することで壁に取り付けられ、壁で仕切られた一方の側から他方の側へコードを引き出すものである。なお、挿入とは、外筒11に内筒12を挿し込む又は内筒12に外筒11を挿し込むという概念である。また、本実施形態において、壁に仕切られた空間のうち、外筒11が設けられた空間を第1空間といい、壁に設けられた孔に内筒12を挿し込む側の空間を第2空間という。
外筒11は、内筒12を壁に挿し込んだ第2空間側の壁面とは逆の第1空間側の壁面において、内筒12に挿入して内筒12を掛止するための部材である。内筒12は、壁を貫通し、コードを引き出すための部材である。
外筒11は、外筒第1爪30、外筒第2爪31を備える。一方、内筒12は内筒爪13を備える。外筒第1爪30と外筒第2爪31とは、内筒爪13を掛止することで外筒11を内筒12に掛止するための爪である。内筒爪13は、外筒第1爪30又は外筒第2爪31により掛止されることで、内筒12を外筒11に掛止させるための爪である。内筒12に外筒11が挿入されると、外筒第1爪30又は外筒第2爪31が内筒爪13を掛止することで、外筒11が内筒12を掛止する。このとき、図1では壁を図示していないが、壁の左側(第1空間側の壁面)を外筒11が押さえ、壁の右側(第2空間側の壁面)を内筒12が押さえるようにして、壁が挟まれることになる。
ここで、内筒12の構成について説明する。図1(a)、図2に示す通り、内筒12は、内筒爪13と、フランジ14と、内筒孔15と、円筒16とを備える。壁に設けられた孔の内径よりも外径が大きい環状のフランジ14が、内筒12の右端に備えられている。フランジ14は、第2空間側の壁面と接触し内筒12がそれ以上左方向に移動することを制限するためのものである。そのフランジ14から左方向に向かって直角にフランジ14と同心円の円筒16が設けられている。円筒16は、壁に設けられた孔を貫通するための管である。その円筒16の外周面には、フランジ14と平行して環状の内筒爪13が等間隔に複数設けられている。さらに、フランジ14と円筒16の内部とを貫通するように、内筒孔15が設けられている。内筒孔15は、コードを円筒16の中を貫通させるための孔である。
円筒16の外径は、後述の外筒11の外筒孔33の内径よりも小さく、外筒孔33に円筒16を貫通させることができる。上述の通り、円筒16に設けられた内筒爪13のいずれかが、外筒11に設けられた外筒第1爪30又は外筒第2爪31により掛止されることで、内筒12は外筒11により掛止される。このとき、掛止される内筒爪13と外筒第1爪30及び外筒第2爪31との組合せを変えることで、外筒11と内筒12との相対的な位置を変化させる。
また、円筒16の外径は、壁に設けられた孔の内径よりも小さく構成されているため、壁に設けられた孔に円筒16を挿し込むことができる。また、円筒16の左端からフランジ14までの距離は、円筒16が壁に設けられた孔を貫通し、外筒11に掛止される程度の長さを有している。そのため、内筒12の円筒16を壁に設けられた孔に円筒16を貫通させて、第1空間側で壁から突出した円筒16に外筒11を挿入することで、外筒11は内筒12を掛止することができる。
図2に示す通り、内筒12の円筒16の外周面は、円周上に沿って8つの鋸歯状の内筒爪13(内筒第1爪13a〜内筒第8爪13h)が、左右方向に等間隔に形成される。各内筒爪13は、フランジ14側では円筒16と直角に交わり、左端側では円筒16と鋭角に交わるように設けられている。
円筒16の内周面は、突起物等を有さない滑らかな構造となっている。これにより、円筒16の中にコードを貫通させる際に、コードが通りやすくなっている。また、フランジ14の左面には当接面17が設けられている。当接面17は、フランジ14において第2空間側の壁面と接触するための面である。当接面17は平面となっているため、壁と密着することができる。
次に、外筒11の構成について説明する。図1(a)、図3に示す通り、外筒11は、扁平な環状の円筒形状をしており、外筒第1爪30と、外筒第2爪31と、接触面32と、外筒孔33と、支持部材34と、凹部35とを備える。外筒孔33は、外筒11を内筒12に挿入するための孔である。また、外筒11は、環状となった外筒11の円の中心に対して、点対称の位置に1対の外筒第1爪30a、30bを備える(以下、1対の外筒第1爪を外筒第1爪30という)。そして、外筒11は、各外筒第1爪30a、30bから時計回り方向に約90度ずれた位置に1対の外筒第2爪31a、31bを備える(以下、1対の外筒第2爪を外筒第2爪31という)。外筒第1爪30と外筒第2爪31とは、環状になった外筒11の内周から外筒孔33に向かって突出した爪を備える。
外筒第1爪30と外筒第2爪31とは、それぞれ点対称の位置に対となって設けられている。そのため、外筒11が内筒12を掛止する場合、外筒11からの力が内筒12に均等に作用する。よって、外筒11が内筒12をしっかり固定することができるという効果がある。
さらに、外筒11は、各外筒第1爪30a、30bから時計回り方向に約45度ずれた位置に1対の接触面32a、32bを備える(以下、1対の接触面を接触面32という)。接触面32は、外筒11において第1空間側の壁と接触するための面である。
接触面32は、外筒11の右側の底面(内筒12の円筒16が外筒孔33に挿入された場合のフランジ14側の面)に設けられた凹部35に、外筒11の外周側から後述の板バネの特性を持った支持部材34により、外筒11の右側の底面から突出して壁面と弾接可能に支持されている。
なお、外筒11の外径は、壁に設けられた孔の内径よりも大きい。そのため、外筒11は壁に設けられた孔に挿入することはできず、外筒11の右側の底面が第1空間側の壁と接触した状態では外筒11はそれ以上右側へ移動することできない。
外筒11の右側の底面から外筒第1爪30aの爪の先端部分までの挿入方向の間隔と、外筒11の右側の底面から外筒第1爪30bの爪の先端部分までの挿入方向の間隔とは、等しく設置されている。そのため、外筒第1爪30aが内筒第1爪13a〜内筒第8爪13hのいずれかと掛止状態にある場合は、外筒第1爪30bは外筒第1爪30aが掛止しているのと同じ内筒爪13を掛止する。即ち、外筒第1爪30a、30bは、向かい合って1つの内筒爪13を掛止する。
同様に、外筒11の右側の底面から外筒第2爪31aの爪の先端部分までの挿入方向の間隔と、外筒11の右側の底面から外筒第2爪31bの爪の先端部分までの挿入方向の間隔とは、等しく設置されている。そのため、外筒第2爪31aが内筒第1爪13a〜内筒第8爪13hのいずれかと掛止状態にある場合は、外筒第2爪31bは外筒第2爪31aが掛止しているのと同じ内筒爪13を掛止する。即ち、外筒第2爪31a、31bは、向かい合って1つの内筒爪13を掛止する。
一方で、外筒11の右側の底面から外筒第1爪30の爪の先端部分までの挿入方向の間隔は、外筒11の右側の底面から外筒第2爪31の爪の先端部分までの挿入方向の間隔より長くなっている。詳細は後述するが、外筒第1爪30が内筒第1爪13a〜内筒第8爪13hのいずれか1つと掛止状態にある場合、外筒第2爪31はいずれの内筒爪13も掛止しないように構成されている。逆に、外筒第2爪31が内筒第1爪13a〜内筒第8爪13hのいずれか1つを掛止している場合、外筒第1爪30はいずれの内筒爪13も掛止しないように構成されている。
外筒第1爪30、外筒第2爪31は、外筒第1爪30、外筒第2爪31の左側に外筒11の内周面と直角の向きに設けられた面を有し、外筒第1爪30、外筒第2爪31の右側に外筒11の内周面と鋭角の向きに設けられた面を有する。
支持部材34は、接触面32を壁面と弾接可能に外筒11に支持するための部材である。外筒11が壁側に押込まれて第1空間側の壁と接触面32とが接触した場合、接触面32を介して支持部材34が変形する。凹部35は、支持部材34が弾性変形した場合に支持部材34を格納するための空間である。
次に、図4を参照して外筒11が内筒12を掛止する状態について説明する。図4は、外筒11の外筒第2爪31aが内筒12の内筒第7爪13gを掛止している状態でIV方向に切断したときのコードブッシング10の断面図である。図4の上半分では、内筒12と外筒第2爪31aとを実線で示し、そのときの外筒第1爪30aの状態を想像線で示す。図4の下半分では、内筒12と外筒第1爪30aとを実線で示し、そのときの外筒第2爪31aの状態を想像線で示す。
先述の通り、内筒爪13はフランジ14側では円筒16と直角に交わり、左端側では円筒16と鋭角に交わって設けられている。一方で、外筒第1爪30、外筒第2爪31は、外筒第1爪30、外筒第2爪31の左側に外筒11の内周面と直角の向きに設けられた面と、外筒第1爪30、外筒第2爪31の右側に外筒11の内周面と鋭角の向きに設けられた面とを有する。
外筒11の外筒第1爪30a、外筒第2爪31aの右側の面が、円筒16と鋭角に交わる内筒爪13の面を摺動することで、外筒11は、内筒12の左端からフランジ14側(挿入方向)へと移動することができる。一方で、外筒11の内周面と直角に交わる外筒第1爪30a、外筒第2爪31aの左側の面が、円筒16と直角に交わる内筒爪13の面と対向することで、内筒12が右方向に移動することが制限され、外筒11は内筒12を掛止する。このとき、外筒11が内筒12を掛止すると共に内筒12も外筒11を掛止しているため、内筒12は、外筒11が内筒12のフランジ14側から左端側(挿入方向の逆方向)へ移動することを制限する。したがって、内筒12に外筒11が挿入されると、外筒11はフランジ14方向(挿入方向)に移動することはできるが、一旦外筒第1爪30a又は外筒第2爪31aが内筒爪13を掛止すると、外筒11は左方向(挿入方向の逆方向)に戻ることはできない。
図4に示す状態のように、外筒11の外筒第2爪31aが内筒12の内筒爪13を掛止している場合、外筒11の外筒第1爪30aは、内筒12の内筒爪13を掛止しておらず摺動可能な状態になっている。
外筒11が右方向(挿入方向)に移動すると、今度は外筒11の外筒第1爪30aが、内筒12の内筒爪13を掛止する。その場合、外筒11の外筒第2爪31aは、内筒12の内筒爪13を掛止しておらず摺動可能な状態になる。
このように、外筒11が右方向(挿入方向)に移動すると、外筒第1爪30と外筒第2爪31との一方は内筒爪13を掛止して、他方は内筒爪13と非掛止の状態になる。
次に、図5を参照して外筒第1爪30と、外筒第2爪31と、内筒爪13との関係性について説明する。図5(a)は、外筒第2爪31aが内筒第4爪13dを掛止している状態を模式的に示した図であり、図5(b)は、外筒第1爪30aが内筒第4爪13dを掛止している状態を模式的に示した図である。これらの図では、内筒爪13に対して、外筒第1爪30aと外筒第2爪31aとが、挿入方向(内筒12の左端からフランジ14に向かう方向)に相対的にどのような位置関係にあるかを模式的に示しており、内筒12と外筒第2爪31aとを実線で示し、そのときの外筒第1爪30aの状態を想像線で示している。
本実施形態において内筒爪13は、距離P1の間隔で等間隔に設けられている。一方、外筒第1爪30aと外筒第2爪31aとの左右方向(挿入方向)の間隔は、距離P2である。P1とP2との関係は次式(1)で表される。
P2=P1×1/2・・・(1)
即ち、距離P2は、距離P1の半分である。そのため、図5(a)に示す通り、外筒第2爪31aが内筒第4爪13dを掛止している場合、外筒第1爪30aは、いずれの内筒爪13も掛止していない。
図5(a)の状態から、内筒12に外筒11が挿入される(外筒11が挿入方向に移動する)と、外筒11と内筒12とは、図5(b)の状態に移行する。即ち、外筒第2爪31aの内筒第4爪13dに対する掛止が外れて、外筒第2爪31aが内筒第3爪13cを掛止するのよりも先に、外筒第1爪30aが内筒第4爪13dを掛止する。これは、外筒第2爪31aが内筒第3爪13cを掛止するためには、距離P1移動する必要があるのに対して、外筒第1爪30aが内筒第4爪13dを掛止するためには、距離P1の半分の距離(即ち、距離P2)を移動するだけで済むからである。
同様に、内筒12に外筒11がさらに挿入される(外筒11が挿入方向に移動する)と、外筒11の外筒第1爪30aの内筒第4爪13dに対する掛止が外れて、外筒第1爪30aが内筒第3爪13cを掛止するのよりも先に、外筒第2爪31aが内筒第3爪13cを掛止する。これは、外筒第1爪30aが内筒第3爪13cを掛止するためには、距離P1移動する必要があるのに対して、外筒第2爪31aが内筒第3爪13cを掛止するためには、距離P1の半分の距離(即ち、距離P2)を移動するだけで済むからである。以降も同様に、外筒11は、外筒第1爪30a、外筒第2爪31aが掛止する内筒爪13の組合せを変えながら内筒12を掛止し、外筒11は距離P1の1/2の距離ずつ挿入方向へ移動する。
これにより、外筒11は、距離P1の半分ずつフランジ14側へ移動することが可能となる。そのため、コードブッシング10は、外筒11の接触面32と内筒12の当接面17とを可能な限り近付けて、外筒11と内筒12とにより壁を挟持しようとする場合に発生する外筒11と第1空間側の壁面との隙間と、内筒12と第2空間側の壁面の隙間とを極めて小さくすることができるという効果がある。
ところで、仮に外筒第1爪30aを通る挿入方向の直線上に、外筒第2爪31aを設けるとすると、上式(1)を満足するような間隔で外筒第1爪30aと外筒第2爪31aとを外筒11に設けるには、狭い間隔で2つの爪を設ける必要があるため工業的な加工が極めて難しくなる。本実施形態に係るコードブッシング10では、上述の通り各外筒第1爪30a、30bから時計回り方向に約90度ずれた位置に1対の外筒第2爪31a、31bが設けられており、外筒第2爪31は、外筒第1爪30を通る挿入方向の直線上に非存在となるように設けられている。そのため、外筒11の右側の底面から外筒第1爪30aの爪の先端部分までの挿入方向の間隔と、外筒11の右側の底面から外筒第2爪31aの爪の先端部分までの挿入方向の間隔との差を簡単に調節することができるという効果がある。
また、本発明によれば、内筒爪13の間隔を狭めることなく、外筒11が段階的に移動する移動距離を短くすることができる。そのため、内筒爪13を工業的に加工する際に、高度な精度を求める必要がない。よって、不良品の発生を減らすことができ、コードブッシング10の生産効率を上げることができる。
次に、図6を参照して外筒11が壁wと接触する場合における、接触面32の動作について説明する。図6(a)は、外筒11の外筒第2爪31aが内筒12の内筒第5爪13eを掛止し、外筒11の接触面32aが壁wと接触している状態を模式的に示した図であり、図6(b)は、外筒11の外筒第1爪30aが内筒12の内筒第5爪13eを掛止し、外筒11の接触面32aが壁wと接触している状態を模式的に示した図である。これらの図では、内筒12、接触面32、支持部材34、外筒第2爪31aを実線で示し、このときの外筒第1爪30aの状態を想像線で示している。
図6(a)では、外筒第2爪31aが内筒第5爪13eを掛止している。そして、支持部材34は弾性変形していない状態で、接触面32aは壁wと第1空間側で接触している。また、フランジ14の当接面17は、接触面32aが接している第1空間側の壁面の反対側の第2空間側の壁面と接触している。このとき、外筒11から第1空間側の壁面に向かって接触面32aが突き出ている距離は、距離Q1である。
図6(b)では、外筒11が第1空間側の壁面に1段階近付き、外筒第1爪30aが内筒第5爪13eを掛止している。そして、支持部材34は外筒11と壁wとに挟まれることにより弾性変形した状態で、接触面32aは壁wと接触している。このとき、外筒11から第1空間側の壁面に向かって接触面32aが突き出ている距離は、距離Q2である。距離Q1と距離Q2と上述の距離P2との関係は、次式(2)で表すことができる。
Q1−P2=Q2・・・(2)
即ち、支持部材34は、外筒11が壁w側に近付いた分(距離P2)だけ弾性変形をしている。そして、支持部材34が弾性変形した状態で、外筒第1爪30aが内筒第5爪13eを掛止し、接触面32aと内筒12の当接面17とが壁wと接触している。このとき、支持部材34は、外筒11と壁wとに挟まれることで弾性変形して、作用・反作用の法則により、外筒第1爪30aを内筒第5爪13eに押し返しつつ、接触面32aを壁wに押し返している。これにより、外筒11と内筒12とで壁wを挟持しようとする場合、コードブッシング10をぐらつかせることなく壁に取り付けることができるという効果がある。
以上説明した通り、第1実施形態のおけるコードブッシング10によれば、外筒第1爪30と外筒第2爪31との一方が内筒爪13を掛止している場合、他方は内筒爪13と非掛止の状態となっている。この状態で外筒11を挿入方向に移動させると、次は内筒爪13と非掛止であった外筒第1爪30又は外筒第2爪31が内筒爪13を掛止する。このときの移動距離は、掛止している外筒第1爪30又は外筒第2爪31から挿入方向にある次の内筒爪13までの距離の半分である。これにより、外筒11を少しずつフランジ14側へ移動しながら内筒12を掛止することが可能となる。そのため、外筒11の接触面32と内筒12の当接面17とを可能な限り近付けて、外筒11と内筒12とにより壁を挟持しようとする場合に発生する外筒11と第1空間側の壁面との隙間と、内筒12と第2空間側の壁面の隙間とを極めて小さくすることができる。よって、壁の厚さによらず、外筒11と第1空間側の壁面との隙間、第2空間側の壁面と内筒12との隙間を減らして壁を挟持することができるという効果がある。
また、一方の壁面である第2空間側の壁面から壁に設けられた孔を貫通するように内筒12が挿し込まれる。そして、当接面17が第2空間側の壁面に接触している場合に、内筒爪13は、内筒12が挿し込まれた第2空間側の壁面とは逆の第1空間側に現出し、第1空間側で内筒12に外筒11が挿入される。このとき外筒11は内筒爪13の間隔の半分の間隔でフランジ14側へ移動しながら内筒12を掛止する。そして、当接面17は内筒12が挿入された側の第2空間側の壁面と接触し、接触面32は内筒12が挿入された第2空間側の壁面とは逆の第1空間側の壁面と接触することで壁は挟持される。これにより、壁を貫通できるような内筒12を用意するだけで、様々な厚さの壁に対応できるコードブッシング10を提供することができるという効果がある。
次に、図7を参照して第2実施形態におけるコードブッシング10について説明する。第1実施形態において外筒第1爪30と外筒第2爪31との挿入方向の間隔が、内筒爪13の設けられた間隔の1/2である場合について説明した。これに対して、第2実施形態のコードブッシング10は、外筒第1爪30と外筒第2爪31との挿入方向の間隔を、内筒爪13が設けられた間隔の3/2とする。
以下、第2実施形態のコードブッシング10について、第1実施形態のコードブッシング10と相違する点を中心に説明し、第1実施形態のコードブッシング10と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図7(a)は、第2実施形態におけるコードブッシング10において外筒第2爪31aが内筒12を掛止している状態を模式的に示した図であり、図7(b)は、外筒第1爪30aが内筒12を掛止している状態を模式的に示した図である。これらの図では、内筒爪13に対して、外筒第1爪30aと外筒第2爪31aとが、左右方向(内筒12の左端からフランジ14に向かう方向)に相対的にどのような位置関係にあるかを模式的に示しており、内筒12と外筒第2爪31aとを実線で示し、そのときの外筒第1爪30aの状態を想像線で示している。
図7(a)に示す通り、外筒第2爪31aが内筒第3爪13cを掛止している。このとき、外筒第1爪30aは、いずれの内筒爪13も掛止していない。また、上述の通り、外筒第1爪30aと外筒第2爪31aとの挿入方向の間隔は、内筒爪13が設けられた間隔の3/2である。内筒爪13が設けられた間隔である距離P1と、外筒第1爪30aと外筒第2爪31aとの左右方向(挿入方向)の間隔である距離P3との関係は次式(3)で表される。
P3=P1×3/2・・・(3)
また、外筒第2爪31aから挿入方向の次の内筒爪13である内筒第2爪13bまでの距離は、P1である。これに対して、外筒第1爪30aから挿入方向の次の内筒爪13である内筒第4爪13dまでの距離P4は次式(4)で表すことができる。
P4=P3−P1
=P1/2・・・(4)
図7(a)の状態から、内筒12に外筒11が挿入される(外筒11が挿入方向に移動する)と、外筒11と内筒12とは、図7(b)の状態に移行する。即ち、外筒第2爪31aの内筒第3爪13cに対する掛止が外れて、外筒第2爪31aが内筒第2爪13bを掛止するのよりも先に、外筒第1爪30aが内筒第4爪13dを掛止する。これは、外筒第2爪31aが内筒第3爪13cを掛止するためには、外筒11が距離P1移動する必要があるのに対して、外筒第1爪30aが内筒第4爪13dを掛止するためには、外筒11は距離P1の半分の距離(即ち、距離P4)を移動するだけで済むからである。
同様に、内筒12に外筒11がさらに挿入される(外筒11が挿入方向に移動する)と、外筒11の外筒第1爪30aの内筒第4爪13dに対する掛止が外れて、外筒第1爪30aが内筒第3爪13cを掛止するのよりも先に、外筒第2爪31aが内筒第2爪13bを掛止する。これは、外筒第1爪30aが内筒第3爪13cを掛止するためには、距離P1移動する必要があるのに対して、外筒第2爪31aが内筒第2爪13bを掛止するためには、距離P1の半分の距離(即ち、距離P4)を移動するだけで済むからである。以降も同様に、外筒11は、外筒第1爪30a、外筒第2爪31aが掛止する内筒爪13の組合せを変えながら内筒12を掛止し、外筒11は距離P1の1/2の距離ずつ挿入方向へ移動する。
第2実施形態におけるコードブッシング10では、外筒第1爪30と外筒第2爪31との挿入方向の間隔を内筒爪13が設けられた間隔の3/2倍に広げたにもかかわらず、外筒11が移動する距離を第1実施形態と同じく距離P1の半分とすることができる。これにより、外筒第1爪30と外筒第2爪31との挿入方向の間隔や内筒爪13の間隔を狭めることなく、外筒11が段階的に移動する移動距離を短くすることができる。即ち、外筒11は内筒爪13の間隔の半分の間隔でフランジ14側へ移動しながら内筒12を掛止する。そのため、コードブッシング10を工業的に加工する場合に、高度な精度を求めなくても、壁の厚さによらず、外筒11と第1空間側の壁面との隙間、第2空間側の壁面と内筒12との隙間を減らして壁を挟持することができる。よって、不良品の発生を減らすことができ、コードブッシング10の生産効率を上げることができるという効果がある。
その他、第2実施形態におけるコードブッシング10は、第1実施形態におけるコードブッシング10と同一の構成部分に基づいて、第1実施形態におけるコードブッシング10と同様の作用効果を奏する。
次に、図8を参照して第3実施形態におけるコードブッシング10について説明する。第1実施形態におけるコードブッシング10では外筒11に2対の爪(外筒第1爪30及び外筒第2爪31)を内筒爪13が設けられた間隔の1/2の間隔で設ける場合について説明した。これに対し、第3実施形態におけるコードブッシング10では、外筒11に3対の爪(外筒第1爪40、外筒第2爪41、外筒第3爪42)を設け、外筒第1爪40と外筒第2爪41との挿入方向の間隔、外筒第2爪41と外筒第3爪42との挿入方向の間隔をそれぞれ内筒爪13が設けられた間隔の1/3の間隔で設ける。
以下、第3実施形態のコードブッシング10について、第1実施形態のコードブッシング10と相違する点を中心に説明し、第1実施形態のコードブッシング10と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図8(a)は、第3実施形態におけるコードブッシング10の外筒第3爪42aが内筒12を掛止している状態を模式的に示した図であり、図8(b)は、外筒第2爪41aが内筒12を掛止している状態を模式的に示した図であり、図8(c)は、外筒第1爪40aが内筒12を掛止している状態を模式的に示した図である。これらの図では、内筒爪13に対して、外筒第1爪40aと外筒第2爪41aと外筒第3爪42aとが、左右方向(内筒12の左端からフランジ14に向かう方向)に相対的にどのような位置関係にあるかを模式的に示しており、内筒12と外筒第2爪41aとを実線で示し、そのときの外筒第1爪40aと外筒第3爪42aとの状態を想像線で示している。
図8(a)に示す通り、外筒第1爪40a、外筒第2爪41a、外筒第3爪42aは、外筒11における左右方向の異なる位置に設けられており、一番左には外筒第1爪40a、真ん中には外筒第2爪41a、一番右には外筒第3爪42aが設けられている。
なお、図示しないが、外筒11は、環状となった外筒11の円の中心に対して、点対称位置に1対の外筒第1爪40a、40bを備える(1対の外筒第1爪を外筒第1爪40という)。そして、外筒11は、各外筒第1爪40a、40bから時計回り方向に約60度ずれた位置に1対の外筒第2爪41a、41bを備える(1対の外筒第2爪を外筒第2爪41という)。さらに、外筒11は、外筒第2爪41a、41bから時計回り方向に約60度ずれた位置に外筒第3爪42a、42bを備える(1対の外筒第3爪を外筒第3爪42という)。
図8(a)において、外筒第3爪42aが内筒第4爪13dを掛止している。このとき、外筒第1爪40aと外筒第2爪41aとは、いずれの内筒爪13も掛止していない。また、外筒第1爪40aと外筒第2爪41aとの挿入方向の間隔と、外筒第2爪41aと外筒第3爪42aとの挿入方向の間隔とは、距離P5である。内筒爪13が設けられた間隔である距離P1と距離P5との関係は次式(5)で表すことができる。
P5=P1×1/3・・・(5)
図8(a)の状態から、内筒12に外筒11が挿入されると、外筒11と内筒12とは、図8(b)の状態に移行する。即ち、外筒第3爪42aの内筒第4爪13dに対する掛止が外れて、今度は外筒第2爪41aが内筒第4爪13dを掛止する。このとき、外筒11は、距離P5(内筒爪13が設けられた間隔の1/3)だけフランジ14側に移動することができる。
図8(b)の状態から、内筒12が外筒11に挿入されると、外筒11と内筒12とは、図8(c)の状態に移行する。即ち、外筒第2爪41aの内筒第4爪13dに対する掛止が外れて、今度は外筒第1爪40aが内筒第4爪13dを掛止する。このとき、外筒11は、距離P5(内筒爪13が設けられた間隔の1/3)だけフランジ14側に移動することができる。
同様に、内筒12に外筒11がさらに挿入される(外筒11が挿入方向に移動する)と、外筒11の外筒第1爪40aの内筒第4爪13dに対する掛止が外れて、外筒第1爪40a、外筒第2爪41aが内筒第3爪13cを掛止するのよりも先に、外筒第3爪42aが内筒第3爪13cを掛止する。これは、外筒第1爪40aが内筒第3爪13cを掛止するためには、距離P1移動する必要があり、外筒第2爪41aが内筒第3爪13cを掛止するためには、距離P1×2/3移動する必要があるのに対して、外筒第3爪42aが内筒第3爪13cを掛止するためには、距離P1の1/3の距離を移動するだけで済むからである。以降も同様に、外筒11は、外筒第1爪40a、外筒第2爪41a、外筒第3爪42aが掛止する内筒爪13の組合せを変えながら内筒12を掛止し、外筒11は距離P1の1/3の距離ずつ挿入方向へ移動する。
これにより、外筒11を少しずつフランジ14側へ移動することが可能となる。そのため、外筒11の接触面32と内筒12の当接面17とを可能な限り近付けて、外筒11と内筒12とにより壁を挟持しようとする場合に発生する外筒11と第1空間側の壁面との隙間と、内筒12と第2空間側の壁面の隙間とを極めて小さくすることができるという効果がある。
その他、第3実施形態におけるコードブッシング10は、第1実施形態におけるコードブッシング10と同一の構成部分に基づいて、第1実施形態におけるコードブッシング10と同様の作用効果を奏する。
次に、図9を参照して第4実施形態におけるコードブッシング10について説明する。第1実施形態におけるコードブッシング10では外筒11に2対の爪(外筒第1爪30と外筒第2爪31)を内筒爪13が設けられた間隔の1/2の間隔で設ける場合について説明した。これに対し、第4実施形態におけるコードブッシング10では、外筒11に3対の爪(外筒第1爪40、外筒第2爪41、外筒第3爪42)を設け、外筒第1爪40と外筒第2爪41との挿入方向の間隔、外筒第2爪41と外筒第3爪42との挿入方向の間隔をそれぞれ内筒爪13が設けられた間隔の2/3の間隔で設ける。
以下、第4実施形態のコードブッシング10について、第1実施形態のコードブッシング10と相違する点を中心に説明し、第1実施形態のコードブッシング10と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図9(a)は、第4実施形態におけるコードブッシング10の外筒第3爪42aが内筒12を掛止している状態を模式的に示した図であり、図9(b)は、外筒第2爪41aが内筒12を掛止している状態を模式的に示した図であり、図9(c)は、外筒第1爪40aが内筒12を掛止している状態を模式的に示した図である。これらの図では、内筒爪13に対して、外筒第1爪40aと外筒第2爪41aと外筒第3爪42aとが、左右方向(内筒12の左端からフランジ14に向かう方向)に相対的にどのような位置関係にあるかを模式的に示しており、内筒12と外筒第2爪41aとを実線で示し、そのときの外筒第1爪40aと外筒第3爪42aとの状態を想像線で示している。
図9(a)に示す通り、外筒第1爪40a、外筒第2爪41a、外筒第3爪42aは外筒11における左右方向の異なる位置に設けられており、一番左には外筒第1爪40a、真ん中には外筒第2爪41a、一番右には外筒第3爪42aが設けられている。
なお、図示しないが、外筒11は、環状となった外筒11の円の中心に対して、点対称の位置に1対の外筒第1爪40a、40bを備える(1対の外筒第1爪を外筒第1爪40という)。そして、外筒11は、各外筒第1爪40a、40bから時計回り方向に約60度ずれた位置に1対の外筒第2爪41a、41bを備える(1対の外筒第2爪を外筒第2爪41という)。さらに、外筒11は、外筒第2爪41a、41bから時計回り方向に約60度ずれた位置に外筒第3爪42a、42bを備える(1対の外筒第3爪を外筒第3爪42という)。
図9(a)において、外筒第3爪42aが内筒第3爪13cを掛止している。このとき、外筒第1爪40aと外筒第2爪41aは、いずれの内筒爪13も掛止していない。また、外筒第1爪40aと外筒第2爪41aとの挿入方向の間隔と、外筒第2爪41aと外筒第3爪42aとの挿入方向の間隔とは、距離P6である。内筒爪13が設けられた間隔である距離P1と距離P6との関係は次式(6)で表すことができる。
P6=P1×2/3・・・(6)
図9(a)の状態から、内筒12に外筒11が挿入されると、外筒11と内筒12とは、図9(b)の状態に移行する。即ち、外筒第3爪42aの内筒第3爪13cに対する掛止が外れて、今度は外筒第1爪40aが内筒第4爪13dを掛止する。このとき、外筒11は、距離P7(内筒爪13が設けられた間隔の1/3)だけフランジ14側に移動する。
図9(b)の状態から、内筒12が外筒11に挿入されると、外筒11と内筒12とは、図9(c)の状態に移行する。即ち、外筒第1爪40aの内筒第4爪13dに対する掛止が外れて、今度は外筒第2爪41aが内筒第3爪13cを掛止する。このとき、外筒11は、距離P7だけフランジ14側に移動する。
同様に、内筒12に外筒11がさらに挿入される(外筒11が挿入方向に移動する)と、外筒11の外筒第2爪41aの内筒第3爪13cに対する掛止が外れて、外筒第1爪40a、外筒第2爪41aが内筒第3爪13c、内筒第2爪13bを掛止するのよりも先に、外筒第3爪42aが内筒第2爪13bを掛止する。これは、外筒第1爪40aが内筒第3爪13cを掛止するためには、距離P1×2/3移動する必要があり、外筒第2爪41aが内筒第2爪13bを掛止するためには、距離P1移動する必要があるのに対して、外筒第3爪42aが内筒第2爪13bを掛止するためには、距離P1の1/3の距離を移動するだけで済むからである。以降も同様に、外筒11は、外筒第1爪40a、外筒第2爪41a、外筒第3爪42aが掛止する内筒爪13の組合せを変えながら内筒12を掛止し、外筒11は距離P1の1/3の距離ずつ挿入方向へ移動する。
即ち、第4実施形態では、外筒第1爪40、外筒第2爪41、外筒第3爪42の挿入方向の間隔を第3実施形態よりも広げたにもかかわらず、外筒11が移動する距離を第3実施形態と同じくP1の1/3とすることができる。これにより、外筒第1爪40、外筒第2爪41、外筒第3爪42の挿入方向の間隔や内筒爪13の間隔を狭めることなく、外筒11が段階的に移動する移動距離を短くすることができる。そのため、コードブッシング10を工業的に加工する場合に、高度な精度を求めなくても、壁の厚さによらず、外筒11と第1空間側の壁面との隙間、第2空間側の壁面と内筒12との隙間を減らして壁を挟持することができる。よって、不良品の発生を減らすことができ、コードブッシング10の生産効率を上げることができるという効果がある。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、各実施形態は、それぞれ、他の実施形態が有する構成の一部又は複数部分と交換等することにより、その実施形態を変形して構成するようにしても良い。また、上記各実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
上記各実施形態では、外筒11の接触面32を支持部材34により支持することで、第1空間側の壁面と弾接することを可能としているが、これに限定されるものではない。例えば、外筒11の接触面32の代わりに、内筒12の当接面17を弾性変形する部材で支持するような構成として第1空間側の壁面と弾接することができるようにしてもよい。また、外筒11と内筒12の両方が壁面と弾接することができるような構成としてもよい。
上記各実施形態では、内筒12に8つの内筒爪13を設け、外筒11に2対又は3対の外筒爪を設けているが、爪の数はこれに限定されるものではない。例えば、厚い壁に使用する場合には、内筒12の円筒16の左右方向の長さを長くし、内筒爪13の数を増やしてもよい。また、内筒12と外筒11との爪の数を入れ替えてもよい。例えば、外筒11に8対の爪を設け、内筒12に2つの爪を設けてもよい。
上記各実施形態では、内筒爪13は円筒16に環状に設けられている。また、1対の外筒第1爪30と1対の外筒第2爪31とは外筒11の内周面から突出して設けられているが、これらの爪の形状は、これに限定されるものではない。外筒爪を対とする必要はなく、例えば、外筒11の内周面に環状に設けてもよい。
上記各実施形態では、掛止状態を解除する手段は設けられていないが、例えば、外筒11の円周の一部に切れ目を設けて、外筒11の内径を変化させることができるような構成とし、内径を広げることで外筒11の内筒12に対する掛止を解消できるようにしてもよい。
上記各実施形態では、外筒11の円心に対して点対称となるように1対の爪(外筒第1爪、外筒第2爪、外筒第3爪)を設けたが、これに限定されるものではない。例えば、爪の数は少なくとも1つあればよい。但し、爪の数は複数ある方が好ましい。また、爪の数を複数とした場合、外筒11の円心の同心円上に配置すればよい。このとき、外筒11の円心の同心円上に、複数の爪を等間隔に配置することがより好ましい。
上記各実施形態では、内筒12の内筒爪13は環状に設けられているが、これに限定されるものではない。例えば、外筒第1爪30、外筒第2爪31、外筒第1爪40、外筒第2爪41、外筒第3爪42が掛止する部分だけに爪を設けるようにしてもよい。この場合、外筒11を円周方向に回転させたときに外筒第1爪30、外筒第2爪31、外筒第1爪40、外筒第2爪41、外筒第3爪42のいずれもが内筒爪13を掛止しない位置が存在するような構成としてもよい。このような構成とすることで、外筒11が内筒12を掛止した状態を保つことができる一方で、掛止状態を解除したい場合は、外筒11を円周方向に回転させるだけで簡単に外筒11を内筒12から取り外すことができるという効果がある。
上記各実施形態では、外筒11を壁の左側、内筒12を壁の右側に配置するようにした例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、外筒11を壁の右側、内筒12を壁の左側に配置してもよい。その場合、壁の右側の空間が第1空間となり、壁の左側の空間が第2空間となる。