JP6908550B2 - 無機塩水和物系潜熱輸送スラリー - Google Patents

無機塩水和物系潜熱輸送スラリー Download PDF

Info

Publication number
JP6908550B2
JP6908550B2 JP2018058061A JP2018058061A JP6908550B2 JP 6908550 B2 JP6908550 B2 JP 6908550B2 JP 2018058061 A JP2018058061 A JP 2018058061A JP 2018058061 A JP2018058061 A JP 2018058061A JP 6908550 B2 JP6908550 B2 JP 6908550B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
latent heat
inorganic salt
ion
salt hydrate
heat transport
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018058061A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019167495A (ja
Inventor
洸平 中村
洸平 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toho Gas Co Ltd
Original Assignee
Toho Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toho Gas Co Ltd filed Critical Toho Gas Co Ltd
Priority to JP2018058061A priority Critical patent/JP6908550B2/ja
Publication of JP2019167495A publication Critical patent/JP2019167495A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6908550B2 publication Critical patent/JP6908550B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/14Thermal energy storage

Landscapes

  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
  • Paper (AREA)

Description

本発明は、相変化に伴う潜熱の出入りを利用して、蓄熱またはその放熱を行う潜熱蓄熱物性を有した潜熱輸送スラリーに関する。
潜熱蓄熱材(PCM:Phase Change Material)は、相変化に伴う潜熱の出入りを利用して蓄熱することができ、特性として、本来廃棄される排熱をこの潜熱蓄熱材に蓄熱し、蓄えた熱を、必要に応じて取り出すことができることは、広く良く知られている。実際にビル等の空気調和システムでは、潜熱蓄熱材のこのような特性を生かし、潜熱蓄熱材を、水等の熱媒体に分散させた潜熱輸送媒体と、例えば、冷凍機等の冷熱発生機関(熱供給元)で生成した冷熱との熱交換により、この冷熱が潜熱輸送媒体に回収され、蓄熱槽に蓄えられる。蓄熱槽に蓄えたこの熱は、潜熱輸送媒体を介して空気調和装置等の熱利用機関(熱提供先)側に供給され、有効に活用される。
このような潜熱輸送媒体の中には、潜熱蓄熱材と水等の熱媒体を直接混ぜ合わせたスラリー状の潜熱輸送スラリーがある。潜熱輸送スラリーは、冷熱輸送用途で既に実用化されており、その実用例には、熱媒体である水と、臭化テトラ‐n‐ブチルアンモニウム(TBAB:Tetrabutylammonium Bromide)を直接混ぜ合わせた従来技術に係る潜熱輸送スラリーである。このような潜熱輸送スラリーは、蓄熱槽を介して、熱供給元側と、熱提供先側との循環管路を流通することにより、蓄熱槽に蓄えた冷熱を、熱提供先側まで搬送する。
潜熱輸送スラリーでは、水に比べて粘度が高く、循環管路において、潜熱輸送スラリーの流通時に、管との摩擦抵抗が大きく、潜熱輸送スラリーの流動性が低下するため、循環管路に設置されたポンプで、潜熱輸送スラリーの圧送に伴う負荷が増大してしまう。また、潜熱輸送スラリーの流動性が低下すると、潜熱蓄熱材の結晶が、管内に沈降・凝集して残留し易く、残留した結晶により、管路が閉塞してしまう虞がある。
特に、室温よりも高い温度に相転移点を有する潜熱輸送スラリーの場合、熱供給元からの熱供給が途絶えると、温度が室温付近まで低下する過程で、潜熱蓄熱材の結晶が大量に生成するため、管路閉塞のリスクは、さらに高くなる。このことから、潜熱輸送スラリーの実用化事例は、前述したような冷熱輸送用途に限られ、熱供給元からの熱供給が50℃以上に対応できる潜熱輸送スラリーについての実用化事例は、未だに報告されていない。そこで、潜熱輸送が、50℃以上の温度帯域で実用化できるよう、摩擦抵抗の増加や管路閉塞等の事態発生を抑制するため、潜熱輸送スラリーに、管との摩擦抵抗を減らす界面活性剤と、潜熱蓄熱材の結晶の沈降や凝集を防ぐ安定剤を、添加する手法が提案されている。
他方、室温よりも低い温度に相転移点を有する潜熱輸送スラリーでは、空気調和システムにおいて、より高温の熱エネルギを潜熱の形態で熱提供先に供給できず、例えば、温風を生成する場合も、潜熱輸送スラリーの顕熱のみしか利用することができないため、潜熱輸送の利点である保温性向上や、搬送流量低減の効果を得ることができない。
特許文献1には、潜熱輸送スラリーの一例が開示されている。特許文献1は、アンモニウムミョウバン等の無機塩水和物である潜熱蓄熱材と、炭素数2または3の2価アルコールである溶媒と水との混合溶媒を含み、50℃以上の温度帯域で潜熱輸送を可能とした潜熱輸送用スラリーである。特許文献1では、潜熱輸送用スラリーに含有する水に対し、アンモニウムミョウバン等(潜熱蓄熱材)の溶解度を下げる目的で、潜熱蓄熱材に対する貧溶媒として、添加剤である2価アルコールを加えることで、水に溶けていた潜熱蓄熱材の一部が析出できるとされている。これにより、相変化の温度帯域を、70℃近傍まで引き上げることが可能になる。
特許第5013499号公報
しかしながら、特許文献1の潜熱輸送用スラリーには、水に比べ、粘性の高い2価アルコールが配合されているため、前述した界面活性剤が添加されているものの、潜熱輸送用スラリーは、粘度が比較的高い性状となる。潜熱輸送用スラリーの粘度が高いと、ポンプにより、潜熱輸送用スラリーを循環管路に圧送するときに、より過大な負荷がポンプに掛かってしまい、圧送時における電力消費量の増大を招くため、問題となる。また、特許文献1では、可燃性である2価アルコールが、潜熱輸送用スラリーに含有されているため、空気調和システムでの使用で、引火防止策を必要とする場合が生じ得ることから、潜熱輸送用スラリーの使用に起因した空気調和システムのコストアップを招来する虞もある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、管内の流路の流通時に、管内での流動性の低下を抑えて、相変化を行う温度帯域を、より高い温度帯域に調整された無機塩水和物系潜熱輸送スラリーを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る無機塩水和物系潜熱輸送スラリーは、以下の構成を有する。
(1)水と、潜熱の蓄熱とその放熱が可能な潜熱蓄熱特性を有する無機塩水和物と、該無機塩水和物の潜熱蓄熱特性を調整する添加剤とを混合してなる無機塩水和物系潜熱輸送スラリーにおいて、前記無機塩水和物が前記水に溶解して電離することにより生じるイオン種を、前記無機塩水和物のイオン種とし、水溶性の前記添加剤が前記水に溶解して電離することにより生じるイオン種を、前記添加剤のイオン種とすると、前記添加剤のイオン種は、前記無機塩水和物のイオン種に属する一部のイオンに対し、互いに共通する同一の特定イオンを、少なくとも1つ包含しており、前記添加剤は、前記特定イオンにより、前記無機塩水和物の前記水に対する溶解度を下げる共通イオン効果をもたらす物質であること、を特徴とする。
なお、本発明に係る無機塩水和物系潜熱輸送スラリーにおいて、「ミョウバン水和物」とは、例えば、アンモニウムミョウバン12水和物(別名:硫酸アルミニウムアンモニウム12水和物)(AlNH(SO・12HO)、カリウムミョウバン12水和物(別名:硫酸カリウムアルミニウム12水和物)(AlK(SO・12HO)、クロムミョウバン(別名:ビス硫酸クロムカリウム12水和物)(CrK(SO・12HO)、鉄ミョウバン(別名:硫酸第二鉄アンモニウム12水和物)(FeNH(SO・12HO)等、1価の陽イオンの硫酸塩M (SO)と、3価の陽イオンの硫酸塩MIII (SOとの複硫酸塩である「ミョウバン」が該当する。また、このような「ミョウバン」に属する物質を、少なくとも二種以上含む混合物、または混晶を主成分とした蓄熱材を対象としている。「ミョウバン」に含まれる金属イオンは、アルミニウムイオン、クロムイオン、鉄イオン以外に、例えば、コバルトイオン、マンガンイオン等、3価の金属イオンでも良い。
(2)(1)に記載する無機塩水和物系潜熱輸送スラリーにおいて、前記無機塩水和物は、ミョウバン水和物であり、前記特定イオンは、前記ミョウバン水和物の複硫酸塩をなす3価の陽イオン(M3+)、1価の陽イオン(M)、及び硫酸イオン(SO 2−)のうち、いずれかに該当する1種、または2種のイオンであること、を特徴とする。
(3)(2)に記載する無機塩水和物系潜熱輸送スラリーにおいて、前記ミョウバン水和物は、アンモニウムミョウバン12水和物(AlNH(SO・12HO)であり、前記特定イオンは、アルミニウムイオン(Al3+)、アンモニウムイオン(NH )、及び硫酸イオン(SO 2−)のうち、いずれかに該当する1種、または2種のイオンであること、を特徴とする。
(4)(3)に記載する無機塩水和物系潜熱輸送スラリーにおいて、前記添加剤は、前記特定イオンを、アンモニウムイオン(NH )と硫酸イオン(SO 2−)としてなる硫酸アンモニウム((NHSO)であること、を特徴とする。
(5)(3)に記載する無機塩水和物系潜熱輸送スラリーにおいて、前記添加剤は、前記特定イオンを、アルミニウムイオン(Al3+)と硫酸イオン(SO 2−)としてなる硫酸アルミニウム(Al(SO)であること、を特徴とする。
(6)(2)に記載する無機塩水和物系潜熱輸送スラリーにおいて、前記ミョウバン水和物は、カリウムミョウバン12水和物(AlK(SO・12HO)であり、前記特定イオンは、アルミニウムイオン(Al3+)、カリウムイオン(K)、及び硫酸イオン(SO 2−)のうち、いずれかに該当する1種、または2種のイオンであること、を特徴とする。
(7)(6)に記載する無機塩水和物系潜熱輸送スラリーにおいて、前記添加剤は、前記特定イオンを、アルミニウムイオン(Al3+)と硫酸イオン(SO 2−)としてなる硫酸アルミニウム(Al(SO)であること、を特徴とする。
(8)(6)に記載する無機塩水和物系潜熱輸送スラリーにおいて、前記添加剤は、前記特定イオンを、カリウムイオン(K)と硫酸イオン(SO 2−)としてなる硫酸カリウム(KSO)であること、を特徴とする。
(9)(1)乃至(8)のいずれか1つに記載する無機塩水和物系潜熱輸送スラリーにおいて、管内の流路に対し、当該無機塩水和物系潜熱輸送スラリーの流通時に、前記管との摩擦抵抗を低減させる水溶性の界面活性剤が、添加されていること、を特徴とする。
(10)(1)乃至(9)のいずれか1つに記載する無機塩水和物系潜熱輸送スラリーにおいて、当該無機塩水和物系潜熱輸送スラリーが管内の流路を流通している状態に対し、前記無機塩水和物の結晶の沈降、または凝集を抑える水溶性の安定剤が、添加されていること、を特徴とする。
上記構成を有する本発明の無機塩水和物系潜熱輸送スラリーの作用・効果について説明する。
(1)水と、潜熱の蓄熱とその放熱が可能な潜熱蓄熱特性を有する無機塩水和物と、該無機塩水和物の潜熱蓄熱特性を調整する添加剤とを混合してなる無機塩水和物系潜熱輸送スラリーにおいて、無機塩水和物が水に溶解して電離することにより生じるイオン種を、無機塩水和物のイオン種とし、水溶性の添加剤が水に溶解して電離することにより生じるイオン種を、添加剤のイオン種とすると、添加剤のイオン種は、無機塩水和物のイオン種に属する一部のイオンに対し、互いに共通する同一の特定イオンを、少なくとも1つ包含しており、添加剤は、特定イオンにより、無機塩水和物の水に対する溶解度を下げる共通イオン効果をもたらす物質であること、を特徴とする。この特徴により、特許文献1で用いられている2価アルコールのように、粘度の高い水以外の液体を全く加えず、かつ潜熱蓄熱特性を有する無機塩水和物の含有量を増やすことなく、潜熱蓄熱特性を有する無機塩水和物以外に、水に溶ける添加剤を加えるだけで、本発明の無機塩水和物系潜熱輸送スラリーは、生成され、しかも50℃を超えた相転移点で、水に溶けていた、潜熱蓄熱特性を有する無機塩水和物の一部を析出させることもできる。
従って、本発明に係る無機塩水和物系潜熱輸送スラリーによれば、管内の流路の流通時に、管内での流通性の低下をより抑えて、相変化を行う温度帯域を、より高い温度帯域まで調整することができる、という優れた効果を奏する。
(2)に記載する無機塩水和物系潜熱輸送スラリーにおいて、無機塩水和物は、ミョウバン水和物であり、特定イオンは、ミョウバン水和物の複硫酸塩をなす3価の陽イオン(M3+)、1価の陽イオン(M)、及び硫酸イオン(SO 2−)のうち、いずれかに該当する1種、または2種のイオンであること、を特徴とする。この特徴により、ミョウバン水和物と、水と、特定イオンとの混合比率を調整すると、本発明の無機塩水和物系潜熱輸送スラリーの相転移点を、任意に調整することができる。
(3)に記載する無機塩水和物系潜熱輸送スラリーにおいて、ミョウバン水和物は、アンモニウムミョウバン12水和物(AlNH(SO・12HO)であり、特定イオンは、アルミニウムイオン(Al3+)、アンモニウムイオン(NH )、及び硫酸イオン(SO 2−)のうち、いずれかに該当する1種、または2種のイオンであること、を特徴とする。この特徴により、アンモニウムミョウバン12水和物の高い融解潜熱を活用できることに加え、アンモニウムミョウバン12水和物は、無毒・安価な食品添加物で、市場で幅広く流通して調達し易く、本発明の無機塩水和物系潜熱輸送スラリーを生成する上でも、調整が容易である。
(4)に記載する無機塩水和物系潜熱輸送スラリーにおいて、添加剤は、特定イオンを、アンモニウムイオン(NH )と硫酸イオン(SO 2−)としてなる硫酸アンモニウム((NHSO)であること、を特徴とする。この特徴により、硫酸アンモニウムは、水に溶解して電離したときに、2種類の特定イオンを生じるため、少量の添加量で、水に溶けていたアンモニウムミョウバン12水和物(無機塩水和物)の一部を析出させ、本発明の無機塩水和物系潜熱輸送スラリーの相転移点を高めることができる。また、硫酸アンモニウムは水に易溶であるため、本発明の無機塩水和物系潜熱輸送スラリーの冷却時に、アンモニウムミョウバン12水和物(無機塩水和物)に先んじて析出することはない。さらに、硫酸アンモニウムは、無毒・安価で食品添加物で、肥料としても流通しているため、市場で幅広く流通して調達し易く、本発明の無機塩水和物系潜熱輸送スラリーを生成する上でも、調整が容易である。
(5)に記載する無機塩水和物系潜熱輸送スラリーにおいて、添加剤は、特定イオンを、アルミニウムイオン(Al3+)と硫酸イオン(SO 2−)としてなる硫酸アルミニウム(Al(SO)であること、を特徴とする。この特徴により、硫酸アルミニウムは、水に溶解して電離したときに、2種類の特定イオンを生じるため、少量の添加量で、水に溶けていたアンモニウムミョウバン12水和物(無機塩水和物)の一部を析出させ、本発明の無機塩水和物系潜熱輸送スラリーの相転移点を高めることができる。
(6)に記載する無機塩水和物系潜熱輸送スラリーにおいて、ミョウバン水和物は、カリウムミョウバン12水和物(AlK(SO・12HO)であり、特定イオンは、アルミニウムイオン(Al3+)、カリウムイオン(K)、及び硫酸イオン(SO 2−)のうち、いずれかに該当する1種、または2種のイオンであること、を特徴とする。この特徴により、アンモニウムミョウバン12水和物と同様、カリウムミョウバン12水和物の高い融解潜熱を活用できることに加え、カリウムミョウバン12水和物は、無毒・安価な食品添加物で、市場で幅広く流通して調達し易く、本発明の無機塩水和物系潜熱輸送スラリーを生成する上でも、調整が容易である。
(7)に記載する無機塩水和物系潜熱輸送スラリーにおいて、添加剤は、特定イオンを、アルミニウムイオン(Al3+)と硫酸イオン(SO 2−)としてなる硫酸アルミニウム(Al(SO)であること、を特徴とする。この特徴により、硫酸アルミニウムは、水に溶解して電離したときに、2種類の特定イオンを生じるため、少量の添加量で、水に溶けていたカリウムミョウバン12水和物(無機塩水和物)の一部を析出させ、本発明の無機塩水和物系潜熱輸送スラリーの相転移点を高めることができる。
(8)に記載する無機塩水和物系潜熱輸送スラリーにおいて、添加剤は、特定イオンを、カリウムイオン(K)と硫酸イオン(SO 2−)としてなる硫酸カリウム(KSO)であること、を特徴とする。この特徴により、硫酸カリウムは、水に溶解して電離したときに、2種類の特定イオンを生じるため、少量の添加量で、水に溶けていたカリウムミョウバン12水和物(無機塩水和物)の一部を析出させ、本発明の無機塩水和物系潜熱輸送スラリーの相転移点を高めることができる。
(9)に記載する無機塩水和物系潜熱輸送スラリーにおいて、管内の流路に対し、当該無機塩水和物系潜熱輸送スラリーの流通時に、管との摩擦抵抗を低減させる水溶性の界面活性剤が、添加されていること、を特徴とする。この特徴により、蓄熱槽を介して、熱供給元側と、熱提供先側とを連通する循環管路において、本発明の無機塩水和物系潜熱輸送スラリーを、ポンプにより圧送して流通させるときに、ポンプの動力を、より低く抑制することができる。
(10)に記載する無機塩水和物系潜熱輸送スラリーにおいて、当該無機塩水和物系潜熱輸送スラリーが管内の流路を流通している状態に対し、無機塩水和物の結晶の沈降、または凝集を抑える水溶性の安定剤が、添加されていること、を特徴とする。この特徴により、蓄熱槽を介して、熱供給元側と、熱提供先側とを連通する循環管路に、本発明の無機塩水和物系潜熱輸送スラリーを流通させるのにあたり、無機塩水和物の結晶による沈降や凝集に起因して、管内の流路が閉塞してしまうことを、効果的に防止することができる。
実施形態に係る潜熱輸送スラリーが管内で流通する様子を示す模式図である。 図1中、潜熱蓄熱材を除いた熱媒体の構成成分を示す模式図である。 実施形態に係る潜熱輸送スラリーの相転移点の検証試験にあたり、その装置の概略を示す模式図である。 実施形態の実施例1に係る潜熱輸送スラリーの温度変化と時間との関係を示すグラフであり、潜熱蓄熱材の主成分をアンモニウムミョウバン12水和物とし、添加剤を硫酸アンモニウムとした場合の実験結果を示すグラフである。 実施形態の実施例2に係る潜熱輸送スラリーの温度変化と時間との関係を示すグラフであり、潜熱蓄熱材の主成分をアンモニウムミョウバン12水和物とし、添加剤を硫酸アルミニウムとした場合の実験結果を示すグラフである。 実施例1,2の比較例1に係る潜熱輸送スラリーの温度変化と時間との関係を示すグラフであり、添加剤を加えず、潜熱輸送スラリーの主成分をアンモニウムミョウバン12水和物だけとした場合の実験結果を示すグラフである。 実施形態の実施例3に係る潜熱輸送スラリーの温度変化と時間との関係を示すグラフであり、潜熱蓄熱材の主成分をカリウムミョウバン12水和物とし、添加剤を硫酸アンモニウムとした場合の実験結果を示すグラフである。 実施例3の比較例2に係る潜熱輸送スラリーの温度変化と時間との関係を示すグラフであり、添加剤を加えず、潜熱輸送スラリーの主成分をカリウムミョウバン12水和物だけとした場合の実験結果を示すグラフである。
以下、本発明に係る無機塩水和物系潜熱輸送スラリーについて、実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態に係る無機塩水和物系潜熱輸送スラリーは、例えば、ビルや、大型公共施設向けの空気調和システム等において、冷凍機や天然ガスコージェネレーション等の熱発生機関側(熱供給元)で生じた熱に基づく熱エネルギを、空気調和装置等の熱利用機関側(熱提供先)で有効に活用する目的で、使用される。この無機塩水和物系潜熱輸送スラリー(以下、単に「潜熱輸送スラリー」と称する。)は、蓄熱槽を介して、熱供給元側と熱提供先側とを繋ぐ循環管路内を流通し、この熱エネルギを熱提供先側に届けるために、熱供給元側から熱提供先側に搬送される。
図1は、実施形態に係る潜熱輸送スラリーが管内で流通する様子を示す模式図であり、図2は、図1中、潜熱蓄熱材を除いた熱媒体の構成成分を示す模式図である。図1に示すように、潜熱輸送スラリー1は、ポンプ(図示省略)により圧送されて、前述した循環管路をなす管50内の流路51を流通する。潜熱輸送スラリー1は、潜熱の蓄熱とその放熱が可能な潜熱蓄熱特性を有する無機塩水和物2(潜熱蓄熱材2)を、水4を含む熱媒体3と直に混ぜ合わせたスラリーであり、この潜熱蓄熱材2の潜熱蓄熱特性を調整する添加剤5のほか、本実施形態では、界面活性剤6と、安定剤7とを混合してなる。
潜熱蓄熱材2は、無機塩水和物の一種であるミョウバン水和物を、主成分とした蓄熱材である。ミョウバン水和物は、本実施形態では、後述するように、アンモニウムミョウバン12水和物(硫酸アンモニウムアルミニウム・12水:AlNH(SO・12HO)、またはカリウムミョウバン12水和物(硫酸カリウムアルミニウム・12水:AlK(SO・12HO)である。
なお、ミョウバン水和物は、アンモニウムミョウバン12水和物やカリウムミョウバン12水和物以外にも、例えば、クロムミョウバン12水和物(CrK(SO・12HO)、鉄ミョウバン12水和物(FeNH(SO・12HO)等、1価の陽イオンの硫酸塩M (SO)と、3価の陽イオンの硫酸塩MIII (SOとの複硫酸塩であれば、本実施形態に限定されるものではない。また、「ミョウバン水和物」に含まれる3価の金属イオンは、アルミニウムイオン、カリウムイオン以外に、例えば、クロムイオン、鉄イオン、コバルトイオン、マンガンイオン等の金属イオンでも良い。また、潜熱蓄熱材2は、このような「ミョウバン水和物」に属する物質を、少なくとも二種以上含む混合物、または混晶を主成分とした蓄熱材であっても良い。
潜熱輸送スラリー1では、図1及び図2に示すように、添加剤5、界面活性剤6、及び安定剤7は、何れも水溶性であるため、水4に溶解しており、水4と、添加剤5と、界面活性剤6と、安定剤7との混合物が、熱媒体3をなしている。本実施形態では、界面活性剤6は、例えば、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウムとサリチル酸ナトリウムの混合物であり、安定剤7は、一例として、完全けん化型で、かつ重合度500のポリビニルアルコール(PVA:polyvinyl alcohol) である。潜熱輸送スラリー1が管50の流路51を流通するにあたり、界面活性剤6は、潜熱輸送スラリー1の流通時に、管50との摩擦抵抗の低減を図るために添加されている。また、潜熱輸送スラリー1が管50内を流通している状態に対し、安定剤7は、管50内の流路51において、潜熱蓄熱材2による結晶の沈降や凝集を防ぐために添加されている。
ここで、潜熱輸送スラリー1において、ミョウバン水和物である潜熱蓄熱材2(アンモニウムミョウバン12水和物、カリウムミョウバン12水和物)が水4に溶解して電離することにより生じるイオン種を、潜熱蓄熱材2のイオン種とし、添加剤5が水4に溶解して電離することにより生じるイオン種を、添加剤5のイオン種と称する。潜熱蓄熱材2のイオン種は、ミョウバン水和物の複硫酸塩をなす3価の陽イオン(M3+)、1価の陽イオンM、及び硫酸イオン(SO 2−)の3種からなる。添加剤5のイオン種は、潜熱蓄熱材2のイオン種(3価の陽イオン、1価の陽イオン、硫酸イオン)に属する一部のイオンに対し、互いに共通する同一の特定イオンを、少なくとも1つ包含している。添加剤5は、このような特定イオンにより、潜熱蓄熱材2の水4に対する溶解度を下げる共通イオン効果をもたらす物質である。
具体的に説明する。潜熱蓄熱材2がアンモニウムミョウバン12水和物(AlNH(SO・12HO)である場合、潜熱蓄熱材2のイオン種は、アルミニウムイオン(Al3+)と、アンモニウムイオン(NH )と、硫酸イオン(SO 2−)の3種である。他方、添加剤5のイオン種は、潜熱蓄熱材2のイオン種に属する3種のイオンのうちの一部で、互いに共通する同一の特定イオンとして、実施例1では、アンモニウムイオン(NH )と硫酸イオン(SO 2−)の2種のイオンを包含した集まりである。すなわち、添加剤5は、潜熱蓄熱材2のイオン種と添加剤5のイオン種にも属する特定イオンを、アンモニウムイオン(NH )と硫酸イオン(SO 2−)としてなる硫酸アンモニウム((NHSO)である。
また、潜熱蓄熱材2はアンモニウムミョウバン12水和物であり、添加剤5のイオン種は、潜熱蓄熱材2のイオン種に属する3種のイオンのうち、互いに共通する同一の特定イオンとして、実施例2では、アルミニウムイオン(Al3+)と硫酸イオン(SO 2−)の2種のイオンを包含した集まりである。すなわち、添加剤5は、潜熱蓄熱材2のイオン種と添加剤5のイオン種にも属する特定イオンを、アルミニウムイオン(Al3+)と硫酸イオン(SO 2−)としてなる硫酸アルミニウム(Al(SO)である。
次に、潜熱蓄熱材2がカリウムミョウバン12水和物(AlK(SO・12HO)である場合には、潜熱蓄熱材2のイオン種は、アルミニウムイオン(Al3+)と、カリウムイオン(K)と、硫酸イオン(SO 2−)の3種である。他方、添加剤5のイオン種は、潜熱蓄熱材2のイオン種に属する3種のイオンのうちの一部で、互いに共通する同一の特定イオンとして、実施例3では、アルミニウムイオン(Al3+)と硫酸イオン(SO 2−)の2種のイオンを包含した集まりである。すなわち、添加剤5は、潜熱蓄熱材2のイオン種と添加剤5のイオン種にも属する特定イオンを、アルミニウムイオン(Al3+)と硫酸イオン(SO 2−)としてなる硫酸アルミニウム(Al(SO)である。
また、潜熱蓄熱材2がカリウムミョウバン12水和物であり、添加剤5のイオン種は、潜熱蓄熱材2のイオン種に属する3種のイオンのうち、互いに共通する同一の特定イオンとして、実施例4では、カリウムイオン(K)と硫酸イオン(SO 2−)の2種のイオンを包含した集まりである。すなわち、添加剤5は、潜熱蓄熱材2のイオン種と添加剤5のイオン種にも属する特定イオンを、カリウムイオン(K)と硫酸イオン(SO 2−)としてなる硫酸カリウム(KSO)である。
次に、特定イオンによる共通イオン効果について、潜熱蓄熱材2をアンモニウムミョウバンとし、添加剤5を硫酸アンモニウムとした潜熱輸送スラリー1(実施例1)の場合を挙げて、説明する。
潜熱輸送スラリー1において、説明の便宜上、潜熱蓄熱材2(ここでは、12水和水を除外して説明)と添加剤5に分けて、これらの溶解平衡を捉えると、
潜熱蓄熱材2では、
Figure 0006908550
…電離式(1)
添加剤5では、
Figure 0006908550
…電離式(2)
となる。
潜熱輸送スラリー1が、高温下で完全に融解した溶液状態では、潜熱蓄熱材2は、電離式(1)の右辺に示すように、アルミニウムイオン(Al3+)と、アンモニウムイオン(NH )と、硫酸イオン(SO 2−)に、それぞれ電離した状態にある。添加剤5は、水4に易溶であり、潜熱輸送スラリー1の温度が変動する範囲内では、常に水4に溶解している。そのため、潜熱輸送スラリー1の下では、添加剤5は、電離式(2)の右辺に示すように、アンモニウムイオン(NH )と、硫酸イオン(SO 2−)に、それぞれ電離した状態になっている。なお、電離式(1)の右辺と電離式(2)の右辺に記載したイオン種は、溶媒の水4と他の添加剤との相互作用により、さらに異なるイオン種を生じ得る。これらのイオン種も、特定イオン種の範囲内に含まれるが、ここではそれを省略する。
潜熱輸送スラリー1が高温状態から冷却される過程において、潜熱蓄熱材2では、電離式(1)の溶解平衡における左向きの反応速度が徐々に上昇する。潜熱輸送スラリー1の相転移点よりも高い温度帯では、電離式(1)の溶解平衡における右向きの反応速度が、依然として速いため、潜熱蓄熱材2の結晶の析出は起こらない。潜熱輸送スラリー1は、添加剤5を含有しているため、潜熱蓄熱材2に由来するアンモニウムイオン(NH )以外に、添加剤5に由来するアンモニウムイオン(NH )が加わる分、電離式(1)の溶解平衡における左向きの反応速度は、添加剤5を加えない場合に比して、速くなっている。同時に、添加剤5を含有することにより、潜熱蓄熱材2に由来する硫酸イオン(SO 2−)以外に、添加剤5に由来する硫酸イオン(SO 2−)が加わる分、電離式(1)の溶解平衡における左向きの反応速度は、添加剤5を加えない場合に比して、さらに速くなっている。
潜熱輸送スラリー1の温度が、相転移点まで低下すると、潜熱蓄熱材2の電離式(1)における右向きの反応速度と左向きの反応速度とが等しくなり、潜熱蓄熱材2の結晶が析出し始める。潜熱輸送スラリー1では、添加剤5の電離によって生じるアンモニウムイオン(NH )と硫酸イオン(SO 2−)が、何れも特定イオンとなっている。そのため、この添加剤5に由来するアンモニウムイオン(NH )と硫酸イオン(SO 2−)により、アンモニウムイオン(NH )全体の濃度と、硫酸イオン(SO 2−)全体の濃度は、より高い状態となっている。このような状態になっていると、電離式(1)の左矢印に示すように、溶解平衡が、ルシャトリエの法則(共通イオン効果)により、アンモニウムイオン(NH )と硫酸イオン(SO 2−)を減らす左向きに移動する。その結果、水4に溶解していたアンモニウムミョウバン12水和物(潜熱蓄熱材2)の電離式(1)において、右向きの反応速度と左向きの反応速度とが等しくなる温度、すなわち相転移点は、添加剤5を加えない場合の相転移点よりも高温になる。
なお、アンモニウムイオン(NH )と硫酸イオン(SO 2−)が、電離式(2)の左向きの反応に基づいて、硫酸アルミニウムを生じる反応速度は、電離式(1)の左向きの反応速度よりも遅いため、冷却過程において、硫酸アンモニウムが、アンモニウムミョウバン12水和物(潜熱蓄熱材2)に先んじて析出することはない。
かくして、添加剤5が、潜熱輸送スラリー1に含有していると、添加剤5は、潜熱蓄熱材2との特定イオンにより、潜熱蓄熱材2の水4に対する溶解度を下げる共通イオン効果をもたらす。そのため、潜熱輸送スラリー1の相転移点は上昇し、添加剤5を加えない場合よりも高い温度帯域で、潜熱蓄熱材2の融解及び析出が起こるようになる。
次に、潜熱輸送スラリー1において、特定イオンによる共通イオン効果を検証する目的で、実験1〜5の確認実験を行った。本出願人は、実験1〜5を通じて、本実施形態の実施例1〜3と、比較例1,2とを対比して、本実施形態に係る潜熱輸送スラリー1の有意性を確認した。
実験1は、潜熱蓄熱材2(アンモニウムミョウバン12水和物)と添加剤5(硫酸アンモニウム)を混ぜ合わせた前述の実施例1に係る潜熱輸送スラリー1を、試料1Xに用いた実験である。実験2は、潜熱蓄熱材2(アンモニウムミョウバン12水和物)と添加剤5(硫酸アルミニウム)を混ぜ合わせた前述の実施例2に係る潜熱輸送スラリー1を、試料1Xに用いた実験である。実験3は、実施例1,2の比較例1として、添加剤5を含まず、潜熱蓄熱材2(アンモニウムミョウバン12水和物)と、水4と、界面活性剤6と、安定剤7とを直に混ぜ合わせた潜熱輸送スラリーを、試料1Yに用いた実験である。実験4は、潜熱蓄熱材2(カリウムミョウバン12水和物)と添加剤5(硫酸アンモニウム)を混ぜ合わせた前述の実施例3に係る潜熱輸送スラリー1を、試料1Xに用いた実験である。実験5は、実施例3の比較例2として、添加剤5を含まず、潜熱蓄熱材2(カリウムミョウバン12水和物)と、水4と、界面活性剤6と、安定剤7とを直に混ぜ合わせた潜熱輸送スラリーを、試料1Yに用いた実験である。
<実験装置>
図3は、実施形態に係る潜熱輸送スラリーの相転移点の検証試験にあたり、その装置の概略を示す模式図である。図3に示すように、潜熱輸送スラリー1を1kg秤量した試料1Xと、添加剤5を含まない潜熱蓄熱スラリーで、試料1Xの重量から添加剤5の重量分だけ差し引いて秤量した試料1Yを、実験毎に調整し、それぞれビーカー33に入れた。次に、撹拌機能と加熱機能と温度調節機能等を有した周知の加熱・撹拌装置30を用いて、試料1X(または試料1Y)が入ったビーカー33を、各実験とも、加熱・撹拌装置30のホットプレートに載せ、ビーカー33の底に沈めた撹拌子31により、試料1X(または試料1Y)を撹拌できる状態にセットした。また、ビーカー33内の試料1X(または試料1Y)に浸漬させた熱電対32により、試料1X(または試料1Y)の温度を測定できる状態にセットした。
<実験方法>
試料1Xは、75℃で確実に溶液状態になることと、試料1Yは、51℃を超えると、確実に溶液状態になることを、本出願人は、事前の実験を通じて知得しており、試料1Xを確実に溶液状態にするために、加熱・撹拌装置30により、試料1Xと試料1Yを、75℃まで昇温した。そして、実験開始直前には、試料1Xと試料1Yは、加熱・撹拌装置30により、ほぼ75℃に維持して保温された状態になっている。実験開始と同時に、加熱・撹拌装置30による保温を断ち、ビーカー33内の試料1X(または試料1Y)を、撹拌子31により1100rpmで撹拌継続しながら自然空冷し、溶液状態からスラリー状態に相変化する試料1X(または試料1Y)の温度を、熱電対32で測定した。
<実験1〜5の共通条件>
・添加剤5以外の構成成分;潜熱蓄熱材2、水4、界面活性剤6、安定剤7
・水4;500g
・潜熱蓄熱材2と水4との含有比率;潜熱蓄熱材2を35wt%、水4を65wt%
(添加剤5を含まない潜熱輸送スラリーの相転移点を約51℃に調整するための含有比率)
・界面活性剤6;塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 2000ppm(1.92g)と、サリチル酸ナトリウム 1200ppm(0.92g)の混合物
・安定剤7;ポリビニルアルコール 1000ppm(0.78g)
<実験1〜3の共通条件>
・潜熱蓄熱材2;アンモニウムミョウバン12水和物
<実験4,5の共通条件>
・潜熱蓄熱材2;カリウムミョウバン12水和物
<実験1,4の共通条件>
・添加剤5;硫酸アンモニウム
<実験2の条件>
・添加剤5;硫酸アルミニウム
<実験3,5の共通条件>
・添加剤5;なし
<実験結果>
図4は、実施例1に係る潜熱輸送スラリーの温度変化と時間との関係を示すグラフであり、潜熱蓄熱材の主成分をアンモニウムミョウバン12水和物とし、添加剤を硫酸アンモニウムとした場合の実験結果を示すグラフである。図5は、実施例2に係る潜熱輸送スラリーの温度変化と時間との関係を示すグラフであり、潜熱蓄熱材の主成分をアンモニウムミョウバン12水和物とし、添加剤を硫酸アルミニウムとした場合の実験結果を示すグラフである。図6は、実施例1,2の比較例1に係る潜熱輸送スラリーの温度変化と時間との関係を示すグラフであり、添加剤を加えず、潜熱輸送スラリーの主成分をアンモニウムミョウバン12水和物だけとした場合の実験結果を示すグラフである。図7は、実施例3に係る潜熱輸送スラリーの温度変化と時間との関係を示すグラフであり、潜熱蓄熱材の主成分をカリウムミョウバン12水和物とし、添加剤を硫酸アンモニウムとした場合の実験結果を示すグラフである。図8は、実施例3の比較例2に係る潜熱輸送スラリーの温度変化と時間との関係を示すグラフであり、添加剤を加えず、潜熱輸送スラリーの主成分をカリウムミョウバン12水和物だけとした場合の実験結果を示すグラフである。
実験1では、図4に示すように、時刻ta1で相変化が発生し、対応する温度Ta1は63℃近傍であった。その後、発生した潜熱により、試料温度は時刻ta2まで上昇し続けた。時刻ta2に対応する温度Ta2は66℃近傍であった。実験2では、図5に示すように、時刻tb1で相変化が発生し、対応する温度Tb1は66℃近傍であった。その後、発生した潜熱により、試料温度は時刻tb2まで上昇し続けた。時刻tb2に対応する温度Tb2は68℃近傍であった。実験3では、図6に示すように、時刻tc1で相変化が発生し、対応する温度Tc1は56℃近傍であった。その後、発生した潜熱により、試料温度は時刻tc2まで上昇し続けた。時刻tc2対応する温度Tc2は57℃近傍であった。
実験4では、図7に示すように、時刻td1で相変化が発生し、対応する温度Td1は63℃近傍であった。その後、発生した潜熱により、試料温度は時刻td2まで上昇し続けた。時刻td2に対応する温度Td2は65℃近傍であった。実験5では、図8に示すように、時刻te1で相変化が発生し、対応する温度Te1は52℃近傍であった。その後、発生した潜熱により、試料温度は時刻te2まで上昇し続けた。時刻te2に対応する温度Te2は55℃近傍であった。
<考察>
比較例1に係る実験3と、比較例2に係る実験5では、潜熱蓄熱スラリーに添加剤5が含まれていないため、潜熱蓄熱材2と添加剤5との特定イオンにより、潜熱蓄熱材2の水4に対する溶解度を下げる共通イオン効果は、全く生じない。そのため、潜熱輸送スラリーの相転移点が、これまでに報告されている約50℃に近いものになり、実験3,5では、52℃〜56℃近傍の温度帯域で相変化が始まり、その相変化で発生した潜熱による試料温度の上昇で、55℃〜57℃近傍の温度帯域になったものと考えられる。なお、相転移点が、既報の約50℃よりもやや高くなったのは、実験中に生じた水分の蒸発により、潜熱蓄熱スラリーに含まれる潜熱蓄熱材2の濃度が、僅かに上昇したためと考えられる。
これに対し、実施例1に係る実験1と、実施例2に係る実験2と、実施例3に係る実験4では何れも、潜熱輸送スラリー1に添加剤5が含まれているため、潜熱蓄熱材2と添加剤5との特定イオンにより、潜熱蓄熱材2の水4に対する溶解度を下げる共通イオン効果がもたらされている。潜熱輸送スラリー1の温度が、冷却により、完全な溶液状態にある温度(約75℃)から下がり、この共通イオン効果に基づいて、相変化により潜熱蓄熱材2の結晶が析出し始める温度帯域が、Ta1,Tb1,Td1に示した63℃〜66℃近傍の温度帯域になったものと推察される。従って、潜熱輸送スラリー1の相転移点が、比較例1に係る実験3と、比較例2に係る実験5と比べ、10℃以上高い温度帯域になったものと考えられる。
次に、本実施形態の潜熱輸送スラリー1の作用・効果について説明する。本実施形態の潜熱輸送スラリー1は、水4と、潜熱の蓄熱とその放熱が可能な潜熱蓄熱特性を有する潜熱蓄熱材2と、該潜熱蓄熱材2の潜熱蓄熱特性を調整する添加剤5とを混合してなる潜熱輸送スラリー1において、潜熱蓄熱材2が水4に溶解して電離することにより生じるイオン種を、潜熱蓄熱材2のイオン種とし、水溶性の添加剤5が水4に溶解して電離することにより生じるイオン種を、添加剤5のイオン種とすると、添加剤5のイオン種は、潜熱蓄熱材2のイオン種に属する一部のイオンに対し、互いに共通する同一の特定イオンを、少なくとも1つ包含しており、添加剤5は、特定イオンにより、潜熱蓄熱材2の水4に対する溶解度を下げる共通イオン効果をもたらす物質であること、を特徴とする。この特徴により、特許文献1で用いられている2価アルコールのように、粘度の高い水以外の液体を加えず、かつ潜熱蓄熱材2の含有量を増やすことなく、潜熱蓄熱材2以外に、水4に易溶な添加剤5を加えるだけで、潜熱輸送スラリー1は、添加剤5を加えていない場合と比較して、10℃以上高い63℃〜66℃近傍の温度帯域の相転移点を有するようになる。これにより、水4に溶けていた潜熱蓄熱材2の一部を、より高い温度域で析出させ、蓄えていた熱を取り出すことができる。しかも、潜熱輸送スラリー1は、その粘度を著しく高くする物質を含有していないため、蓄熱槽を介して、熱供給元側と、熱提供先側とを連通する循環管路において、潜熱輸送スラリー1を圧送するポンプに掛ける動力負荷を、より低く抑制することができており、圧送時における電力消費量を抑えることができる。
従って、本実施形態に係る潜熱輸送スラリー1によれば、管50内の流路51の流通時に、管50内での流動性の低下を抑えて、相変化を行う温度帯域を、より高い温度帯域に調整することができる、という優れた効果を奏する。
また、本実施形態の潜熱輸送スラリー1では、潜熱蓄熱材2は、ミョウバン水和物であり、特定イオンは、ミョウバン水和物の複硫酸塩をなす3価の陽イオン(M3+)、1価の陽イオン(M)、及び硫酸イオン(SO 2−)のうち、いずれかに該当する1種、または2種のイオンであること、を特徴とする。この特徴により、ミョウバン水和物(潜熱蓄熱材2)と、水4と、特定イオンとの混合比率を調整すると、潜熱輸送スラリー1の相転移点を、任意に調整することができる。
また、本実施形態の潜熱輸送スラリー1では、ミョウバン水和物(潜熱蓄熱材2)は、アンモニウムミョウバン12水和物(AlNH(SO・12HO)であり、特定イオンは、アルミニウムイオン(Al3+)、アンモニウムイオン(NH )、及び硫酸イオン(SO 2−)のうち、いずれかに該当する1種、または2種のイオンであること、を特徴とする。この特徴により、アンモニウムミョウバン12水和物の高い融解潜熱を活用できることに加え、アンモニウムミョウバン12水和物は、無毒・安価な食品添加物で、市場で幅広く流通して調達し易く、潜熱輸送スラリー1を生成する上でも、調整が容易である。
また、本実施形態の潜熱輸送スラリー1では、添加剤5は、特定イオンを、アンモニウムイオン(NH )と硫酸イオン(SO 2−)としてなる硫酸アンモニウム((NHSO)であること、を特徴とする。この特徴により、硫酸アンモニウムは、水4に溶解して電離したときに、2種類の特定イオンを生じるため、少量の添加量で、水4に溶けていたアンモニウムミョウバン12水和物(潜熱蓄熱材2)の一部を析出させ、潜熱輸送スラリー1の相転移点を高めることができる。また、硫酸アンモニウムは水4に易溶であるため、潜熱輸送スラリー1の冷却時に、アンモニウムミョウバン12水和物(潜熱蓄熱材2)に先んじて析出することはない。さらに、硫酸アンモニウムは、無毒・安価で食品添加物で、肥料としても流通しているため、市場で幅広く流通して調達し易く、潜熱輸送スラリー1を生成する上でも、調整が容易である。加えて、2価アルコールを含んだ特許文献1とは異なり、硫酸アンモニウムは、可燃性物質ではないため、循環管路等に引火防止策は不要である。
また、本実施形態の潜熱輸送スラリー1では、添加剤5は、特定イオンを、アルミニウムイオン(Al3+)と硫酸イオン(SO 2−)としてなる硫酸アルミニウム(Al(SO)であること、を特徴とする。この特徴により、硫酸アルミニウムは、水4に溶解して電離したときに、2種類の特定イオンを生じるため、少量の添加量で、水4に溶けていたアンモニウムミョウバン12水和物(潜熱蓄熱材2)の一部を析出させ、潜熱輸送スラリー1の相転移点を高めることができる。
また、本実施形態の潜熱輸送スラリー1では、ミョウバン水和物(潜熱蓄熱材2)は、カリウムミョウバン12水和物(AlK(SO・12HO)であり、特定イオンは、アルミニウムイオン(Al3+)、カリウムイオン(K)、及び硫酸イオン(SO 2−)のうち、いずれかに該当する1種、または2種のイオンであること、を特徴とする。この特徴により、アンモニウムミョウバン12水和物と同様、カリウムミョウバン12水和物の高い融解潜熱を活用できることに加え、カリウムミョウバン12水和物は、無毒・安価な食品添加物で、市場で幅広く流通して調達し易く、潜熱輸送スラリー1を生成する上でも、調整が容易である。
また、本実施形態の潜熱輸送スラリー1では、添加剤5は、特定イオンを、アルミニウムイオン(Al3+)と硫酸イオン(SO 2−)としてなる硫酸アルミニウム(Al(SO)であること、を特徴とする。この特徴により、硫酸アルミニウムは、水4に溶解して電離したときに、2種類の特定イオンを生じるため、少量の添加量で、水に溶けていたカリウムミョウバン12水和物(潜熱蓄熱材2)の一部を析出させ、潜熱輸送スラリー1の相転移点を高めることができる。
また、本実施形態の潜熱輸送スラリー1では、添加剤5は、特定イオンを、カリウムイオン(K)と硫酸イオン(SO 2−)としてなる硫酸カリウム(KSO)であること、を特徴とする。この特徴により、硫酸カリウムは、水4に溶解して電離したときに、2種類の特定イオンを生じるため、少量の添加量で、水に溶けていたカリウムミョウバン12水和物(潜熱蓄熱材2)の一部を析出させ、潜熱輸送スラリー1の相転移点を高めることができる。
また、本実施形態の潜熱輸送スラリー1では、管50内の流路51に対し、当該潜熱輸送スラリー1の流通時に、管50との摩擦抵抗を低減させる水溶性の界面活性剤6が、添加されていること、を特徴とする。この特徴により、管50の流路51において、潜熱輸送スラリー1を、ポンプにより圧送して流通させるときに、ポンプの動力を、より低く抑制することができる。
また、本実施形態の潜熱輸送スラリー1では、潜熱輸送スラリー1が管50内の流路51を流通している状態に対し、潜熱輸送スラリー1の結晶の沈降、または凝集を抑える水溶性の安定剤7が、添加されていること、を特徴とする。この特徴により、蓄熱槽を介して、熱供給元側と、熱提供先側とを連通する循環管路に、潜熱輸送スラリー1を流通させるのにあたり、潜熱蓄熱材2の結晶による沈降や凝集に起因して、管50内の流路51が閉塞してしまうことを、効果的に防止することができる。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できる。
(1)例えば、実施形態で行った実験1〜5に対し、添加剤5を含まない潜熱輸送スラリーの相転移点(融点)を約51℃に調整する上で、潜熱蓄熱材2と水4との含有比率を、35wt%:65wt%とした。しかしながら、無機塩水和物系潜熱輸送スラリーに占める水と無機塩水和物との含有比率は、所望とする融点の温度帯域に合わせて調整されるものであり、実施形態に限定されるものではない。
(2)また、実施形態に係る潜熱輸送スラリー1では、界面活性剤6を、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウムとサリチル酸ナトリウムとの混合物としたが、界面活性剤の材料や含有量は、実施形態に限定されるものではなく、適宜変更可能である。また、安定剤を、ポリビニルアルコールとしたが、安定剤の材料や含有量は、実施形態に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
1 潜熱蓄熱スラリー(無機塩水和物系潜熱輸送スラリー)
2 潜熱蓄熱材(無機塩水和物、ミョウバン水和物)
4 水
5 添加剤
50 管

Claims (9)

  1. 水と、潜熱の蓄熱とその放熱が可能な潜熱蓄熱特性を有する無機塩水和物と、該無機塩水和物の潜熱蓄熱特性を調整する添加剤とを混合してなる無機塩水和物系潜熱輸送スラリーにおいて、
    前記無機塩水和物が前記水に溶解して電離することにより生じるイオン種を、前記無機塩水和物のイオン種とし、水溶性の前記添加剤が前記水に溶解して電離することにより生じるイオン種を、前記添加剤のイオン種とすると、
    前記添加剤のイオン種は、前記無機塩水和物のイオン種に属する一部のイオンに対し、互いに共通する同一の特定イオンを、少なくとも1つ包含しており、
    前記添加剤は、前記特定イオンにより、前記無機塩水和物の前記水に対する溶解度を下げる共通イオン効果をもたらす物質であること、
    前記無機塩水和物は、ミョウバン水和物であり、
    前記特定イオンは、前記ミョウバン水和物の複硫酸塩をなす3価の陽イオン(M 3+ )、1価の陽イオン(M )、及び硫酸イオン(SO 2− )のうち、いずれかに該当する1種、または2種のイオンであること、
    を特徴とする無機塩水和物系潜熱輸送スラリー。
  2. 請求項に記載する無機塩水和物系潜熱輸送スラリーにおいて、
    前記ミョウバン水和物は、アンモニウムミョウバン12水和物(AlNH(SO・12HO)であり、
    前記特定イオンは、アルミニウムイオン(Al3+)、アンモニウムイオン(NH )、及び硫酸イオン(SO 2−)のうち、いずれかに該当する1種、または2種のイオンであること、
    を特徴とする無機塩水和物系潜熱輸送スラリー。
  3. 請求項に記載する無機塩水和物系潜熱輸送スラリーにおいて、
    前記添加剤は、前記特定イオンを、アンモニウムイオン(NH )と硫酸イオン(SO 2−)としてなる硫酸アンモニウム((NHSO)であること、
    を特徴とする無機塩水和物系潜熱輸送スラリー。
  4. 請求項に記載する無機塩水和物系潜熱輸送スラリーにおいて、
    前記添加剤は、前記特定イオンを、アルミニウムイオン(Al3+)と硫酸イオン(SO 2−)としてなる硫酸アルミニウム(Al(SO)であること、
    を特徴とする無機塩水和物系潜熱輸送スラリー。
  5. 請求項に記載する無機塩水和物系潜熱輸送スラリーにおいて、
    前記ミョウバン水和物は、カリウムミョウバン12水和物(AlK(SO・12HO)であり、
    前記特定イオンは、アルミニウムイオン(Al3+)、カリウムイオン(K)、及び硫酸イオン(SO 2−)のうち、いずれかに該当する1種、または2種のイオンであること、
    を特徴とする無機塩水和物系潜熱輸送スラリー。
  6. 請求項に記載する無機塩水和物系潜熱輸送スラリーにおいて、
    前記添加剤は、前記特定イオンを、アルミニウムイオン(Al3+)と硫酸イオン(SO 2−)としてなる硫酸アルミニウム(Al(SO)であること、
    を特徴とする無機塩水和物系潜熱輸送スラリー。
  7. 請求項に記載する無機塩水和物系潜熱輸送スラリーにおいて、
    前記添加剤は、前記特定イオンを、カリウムイオン(K)と硫酸イオン(SO 2−)としてなる硫酸カリウム(KSO)であること、
    を特徴とする無機塩水和物系潜熱輸送スラリー。
  8. 請求項1乃至請求項のいずれか1つに記載する無機塩水和物系潜熱輸送スラリーにおいて、
    管内の流路に対し、当該無機塩水和物系潜熱輸送スラリーの流通時に、前記管との摩擦抵抗を低減させる水溶性の界面活性剤が、添加されていること、
    を特徴とする無機塩水和物系潜熱輸送スラリー。
  9. 請求項1乃至請求項のいずれか1つに記載する無機塩水和物系潜熱輸送スラリーにおいて、
    当該無機塩水和物系潜熱輸送スラリーが管内の流路を流通している状態に対し、前記無機塩水和物の結晶の沈降、または凝集を抑える水溶性の安定剤が、添加されていること、
    を特徴とする無機塩水和物系潜熱輸送スラリー。
JP2018058061A 2018-03-26 2018-03-26 無機塩水和物系潜熱輸送スラリー Active JP6908550B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018058061A JP6908550B2 (ja) 2018-03-26 2018-03-26 無機塩水和物系潜熱輸送スラリー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018058061A JP6908550B2 (ja) 2018-03-26 2018-03-26 無機塩水和物系潜熱輸送スラリー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019167495A JP2019167495A (ja) 2019-10-03
JP6908550B2 true JP6908550B2 (ja) 2021-07-28

Family

ID=68108075

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018058061A Active JP6908550B2 (ja) 2018-03-26 2018-03-26 無機塩水和物系潜熱輸送スラリー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6908550B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3442155B2 (ja) * 1994-08-25 2003-09-02 三菱化学株式会社 蓄熱材組成物
JP2005029591A (ja) * 2003-07-07 2005-02-03 New Industry Research Organization 潜熱輸送用水和物スラリーの流動抵抗低減方法、低減された潜熱輸送用水和物スラリーおよび同スラリーを用いた冷暖房システム
JP6527031B2 (ja) * 2015-06-19 2019-06-05 株式会社ダイセル 潜熱蓄熱材を含む熱輸送媒体並びに熱輸送用混合液及び熱輸送方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019167495A (ja) 2019-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3121522B1 (en) Method for controlling a heat storage device and method for controlling a hot water generation device
JP6598076B2 (ja) 潜熱蓄冷材
JP2007107773A (ja) 蓄熱装置、ヒートポンプシステムおよびソーラーシステム
JP6908550B2 (ja) 無機塩水和物系潜熱輸送スラリー
JP4853851B2 (ja) 潜熱輸送無機水和物スラリーを用いた高温域冷却装置
Hidema et al. Phase separation characteristics of ammonium alum hydrates with poly vinyl alcohol
JP5691861B2 (ja) 蓄熱剤
JP2005029591A (ja) 潜熱輸送用水和物スラリーの流動抵抗低減方法、低減された潜熱輸送用水和物スラリーおよび同スラリーを用いた冷暖房システム
JP2014081116A (ja) 給湯装置
JP3897330B2 (ja) 熱搬送媒体
JP2006176674A (ja) 冷熱輸送媒体
JP5706728B2 (ja) 熱搬送媒体及びこれを用いた熱搬送システム
JP2004067986A (ja) 潜熱蓄熱材及びその製造方法
JP5740443B2 (ja) 送信システム
JPH10110161A (ja) 氷蓄熱装置用冷熱媒
WO2014119788A1 (ja) 密閉循環式冷却水系の腐食抑制方法
WO2012169549A1 (ja) 蓄熱剤
JP2009079114A (ja) 包接水和物生成用の水溶液、蓄熱剤、包接水和物又はそのスラリーの製造方法、蓄放熱方法並びに潜熱蓄熱剤又はその主成分を生成するための水溶液の調製方法
JP7121673B2 (ja) 潜熱蓄熱材組成物
JP5691862B2 (ja) 蓄熱剤
CN106085374A (zh) 一种节能供暖超导液
JP2004107521A (ja) 流体用流れ促進剤、この促進剤を含む循環水、及びこの循環水が使用される空調設備
JP7064156B2 (ja) 熱搬送方法
JP2001031958A (ja) 熱輸送媒体の使用方法
JP2003277736A (ja) 熱搬送媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200612

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210106

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210622

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210701

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6908550

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250