JP6906746B2 - 基礎、基礎の施工方法、基礎の検査方法、建築物の位置情報管理方法、及びこれら方法に使用するための各種治具 - Google Patents
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Description
基礎の精度を高めるには、型枠を精度良く組み上げると共に施工中の基礎の対角や辺長等の各種寸法を適宜検査するのが好ましい。
例えば特許文献1には、基礎の天面に埋設したアンカーボルトに取り付けて使用する建築基礎検査用治具が開示されている。
例えば特許文献2には、住宅の基礎、骨組、壁面、屋根及びその他外部の劣化診断結果を顧客に提示するための診断表を作成するためのシステムが開示されている。
また、この治具は施工後の長期間に亘って建築物の位置ずれ等の不具合の有無を点検する目的で使用することはできない。
上記特許文献2のシステムは、住宅の基礎等の劣化の具合を画像データや打音データ等に基づいて判断するものであるため、施工中の基礎の精度を検査することができない。
また、このシステムでは数ミリ程度の建築物の位置ずれを確実に発見できるとはいい辛い。
本発明の基礎ストレート部位置検査用治具は、基礎のストレート部に対して使用される基礎ストレート部位置検査用治具において、外側型枠に取り付けられた状態でコンクリートが打設されることで基礎内に埋設されるインサートと、1つの鉛直面と、前記鉛直面の外面に取り付けられる基礎ストレート部用計測点とを備えており、前記外側型枠が外された状態の基礎ストレート部において前記インサートを利用して固定されることを特徴とする。
本発明の外側型枠は、上記インサートを取り付けるための貫通孔を備えており、当該貫通孔に挿入されたボルトによって前記インサートが保持されることを特徴とする。
本発明の基礎は、上記基礎コーナー部位置検査用治具と上記基礎ストレート部位置検査用治具を備えることを特徴とする。
本発明の基礎の検査方法は、土地の三次元座標データを取得するステップと、上記基礎コーナー部位置検査用治具と上記基礎ストレート部位置検査用治具を用いて基礎の三次元座標データを取得するステップと、前記土地の三次元座標データと前記基礎の三次元座標データとを比較するステップとを少なくとも備えることを特徴とする。
本発明の建築物の位置情報管理方法は、上記基礎の検査方法を所定期間毎に行なうことを特徴とする。
本発明の外側型枠が備える貫通孔を利用して上記インサートをボルトで保持できるので、この状態でコンクリートを打設することでインサートを基礎内に埋設することができる。このインサートを利用すれば上記基礎コーナー部位置検査用治具及び基礎ストレート部位置検査用治具を取り付けることができる。
本発明の基礎の施工方法によれば、土地の三次元座標データと外側型枠の三次元座標データとを比較し、必要に応じて前記外側型枠の位置を調節できるので、型枠を高精度で組み上げることができると共に、外側型枠の組み上げ精度が高いため、底盤及び外側型枠の精度も高くすることができる。
本発明の基礎、基礎の検査方法及び本発明の建築物の位置情報管理方法によれば、長期間に亘って定期的に建物位置情報の更新が可能になることで外部からの沈下量測定が可能になる。
図1に示すように、型枠コーナー部検査用治具10は鉛直面11、水平面12及びコーナー部用計測点13から概略構成される。
鉛直面11は鉛直方向にのびる平面であり、平面視した場合に2つの鉛直面11が直交している。本実施の形態では水平方向に沿った断面が正方形の角柱の一部を切り欠き、端面を板材14で塞ぐことで五角形にし、そのうち直交する2面を鉛直面11として利用している。これに限らず断面三角形の角柱や断面長方形の角柱等を利用してもよい。
水平面12は2つの鉛直面11の上端に取り付けられている。換言すると、水平面12によって2つの鉛直面11が支持されている。本実施の形態では水平面12をほぼ正方形の板材で構成しているが、これに限らず長方形や円形等であってもよい。水平面12の表面には取っ手15が取り付けてあり、作業者は取っ手15を掴んで型枠コーナー部検査用治具10を持ち運びする。
図2及び図7に示すように型枠コーナー部検査用治具10は、基礎100のコーナー部101を構成する2枚の外側型枠102の内面に対して2つの鉛直面11を密着させて使用する。外側型枠102が鉄等の磁着性を有する金属から成る場合、鉛直面11を磁性を有する部材で構成したり、鉛直面11に磁石を埋め込んだりすることで、磁力を利用して鉛直面11を外側型枠102の内面に密着・保持させることができる。外側型枠102が樹脂製等の磁着性を持たない材料から成る場合、両面テープ等の周知の接着手段を用いて鉛直面11を外側型枠102に接着すればよい。
図3に示すように、型枠ストレート部検査用治具20は鉛直面21、水平面22及びストレート部用計測点23から概略構成される。
鉛直面21は鉛直方向にのびる平面である。本実施の形態では水平方向に沿った断面が台形状の部材の1面を鉛直面21として利用している。これに限らず断面長方形の角柱を利用したり、平板をそのまま鉛直面21として利用したりしてもよい。
水平面22は鉛直面21の上端に取り付けられている。換言すると、水平面22によって鉛直面21が支持されている。本実施の形態では水平面22をほぼ正方形の板材で構成しているが、これに限らず長方形や円形等であってもよい。水平面22の表面には取っ手24が取り付けてあり、作業者は取っ手24を掴んで型枠ストレート部検査用治具20を持ち運びする。
図4及び図7に示すように型枠ストレート部検査用治具20は、基礎100のストレート部103を構成する外側型枠104の内面に対して鉛直面21を密着させて使用する。外側型枠104が鉄等の磁着性を有する金属から成る場合、鉛直面21を磁性を有する部材で構成したり、鉛直面21に磁石を埋め込んだりすることで、磁力を利用して鉛直面21を外側型枠104の内面に密着・保持させることができる。外側型枠104が樹脂製等の磁着性を持たない材料から成る場合、両面テープ等の周知の接着手段を用いて鉛直面21を外側型枠104に接着すればよい。
図5及び図6(a)に示すように、基礎コーナー部位置検査用治具30はインサート31、鉛直面32及び基礎コーナー部用計測点33から概略構成される。
インサート31はコーナー部101の外側型枠102に取り付けられる。具体的には、外側型枠102の下部であって底盤用のコンクリートによって埋まることになる位置に貫通孔105を形成している。そして、ボルト34を外側型枠102の外面から貫通孔105に通し、外側型枠102の内面側でボルト34の先端をインサート31に挿入することでインサート31を外側型枠102の内面に保持している。外側型枠102の位置ずれを防止するために控え35やストッパ36で固定しておくのが好ましい。この状態でコンクリートを打設することでインサート31が基礎(底盤200)内に埋設される(図6及び図7(a)及び(b))。
底盤200の形成後は、図6(b)に示すように内側型枠300を組み上げて、外側型枠102と内側型枠300の間にコンクリートを打設することで立ち上がり部301を形成する。
基礎コーナー部用計測点33は2つの鉛直面32の外面の屈曲箇所に取り付けられる。本実施の形態では断面円形の棒状部材33aの天面をバツ形に切除することで基礎コーナー部用計測点33を形成している。これ以外にも例えば当該箇所に丸やバツ等の印を印刷したり、突起を設けたりすることで基礎コーナー部用計測点33としてもよい。
なお、図6及び図9に示すように2枚の鉛直面32と同一形状のスペーサー37を外側型枠102の内面に取り付けてもよい。スペーサー37を取り付けた状態でコンクリートを打設し、その後外側型枠102と共にスペーサー37を基礎100から取り外すことにすれば、スペーサー37によって基礎100の表面に2枚の鉛直面32と同一形状の凹部を形成することができる。この凹部に2枚の鉛直面32を嵌め込んで固定することにすれば、2枚の鉛直面32が基礎100の外面から突出しないので基礎100の表面を滑らかな状態にできる。
図10及び図11に示すように、基礎ストレート部位置検査用治具40はインサート41、鉛直面42及び基礎ストレート部用計測点43から概略構成される。
インサート31は上記基礎コーナー部位置検査用治具30と同様にしてストレート部103の外側型枠104に取り付けられる。
鉛直面42は鉛直方向にのびる平面であり、1枚の板材から成る。
基礎ストレート部用計測点43は鉛直面42の外面に取り付けられる。本実施の形態では断面円形の棒状部材43aの天面をバツ形に切除することで基礎コーナー部用計測点43を形成している。これ以外にも例えば当該箇所に丸やバツ等の印を印刷したり、突起を設けたりすることで基礎ストレート部用計測点43としてもよい。
図11に示すように基礎ストレート部位置検査用治具40は、外側型枠104が外された状態の基礎100のストレート部103においてインサート41を利用して固定される。具体的には鉛直面42に予めボルト穴42aを形成しておき、ボルト穴42aを介してインサート41にボルトを挿入することで基礎ストレート部位置検査用治具40を固定する。
なお、上記実施の形態では基礎コーナー部位置検査用治具30及び基礎ストレート部位置検査用治具40をべた基礎に適用する場合について説明したが、図7(c)及び(d)に示すように布基礎400にも適用できる。
まず、作業者は土地の三次元座標データを取得する(ステップ1)。
土地の三次元座標データの取得は、例えばGNSS(Global Navigation Satelite System / 全世界的衛星測位システム)や三次元レーザースキャナ等の周知の測位機器500を用いればよい。土地の三次元座標データは図12に示すようにインターネット501上に設置したサーバー502に記憶させたり、作業者の携帯情報端末に記憶させておく。
具体的には、対角に位置する2つのコーナー部用計測点13間の距離を計測したり、コーナー部用計測点13とストレート部用計測点23間の距離を計測したり、コーナー部用計測点13及びストレート部用計測点23の三次元座標を計測したりすることで外側型枠102,104の三次元座標データを作成する。作成した外側型枠102,104の三次元座標データも上記サーバー502等に記憶させておく。
次に、作業者はサーバー502等に記憶させておいた土地の三次元座標データと外側型枠102,104の三次元座標データとを比較することで設計図面とのずれの有無を判断する。このようなずれの判断はコンピュータが自動的に処理し、処理結果を携帯情報端末等に表示する仕組みにしてもよい。
そして、コンクリートを打設することでインサート31,41を埋設した状態で底盤200を形成し(ステップ4)、次に立ち上がり部301を形成することでべた基礎100の施工が完了する。
本発明の基礎の施工方法は外側型枠102,104の組み上げ精度を高めることができるため、底盤200及び立ち上がり部301の精度も高くすることができる。
なお、図12に示すように複数の施工現場で測位機器500を使用して上記各データを取得して、一つのサーバー502で一括管理する仕組みにしてもよい。
まず、作業者は上記のとおり土地の三次元座標データを取得する(ステップ1)。
次に、作業者は上記基礎コーナー部位置検査用治具30と基礎ストレート部位置検査用治具40を用いて基礎100の三次元座標データを取得する(ステップ2)。
具体的には、対角に位置する2つの基礎コーナー部用計測点33間の距離を計測したり、基礎コーナー部用計測点33と基礎ストレート部用計測点43間の距離を計測したり、基礎コーナー部用計測点33及び基礎ストレート部用計測点43の三次元座標を計測したりすることで基礎100の三次元座標データを作成する。作成した基礎100の三次元座標データも上記サーバー502等に記憶させておく。
本発明の建築物の位置情報管理方法は、上記基礎の検査を例えば施工時、新築時、1年後、3年後、5年後、10年後等、所定期間毎に行なうことにより実現される。これにより例えば基礎100の不同沈下による建築物の位置ずれ等の不具合の有無を点検し、必要に応じて補修することができる。
11 鉛直面
12 水平面
13 コーナー部用計測点
14 板材
15 取っ手
20 型枠ストレート部検査用治具
21 鉛直面
22 水平面
23 ストレート部用計測点
24 取っ手
30 基礎コーナー部位置検査用治具
31 インサート
32 鉛直面
32a ボルト穴
33 基礎コーナー部用計測点
33a 棒状部材
34 ボルト
35 控え
36 ストッパ
37 スペーサー
40 基礎ストレート部位置検査用治具
41 インサート
42 鉛直面
42a ボルト穴
43 基礎ストレート部用計測点
43a 棒状部材
100 基礎(べた基礎)
101 基礎のコーナー部
102 外側型枠
103 基礎のストレート部
104 外側型枠
105 貫通孔
200 底盤
300 内側型枠
301 立ち上がり部
400 布基礎
500 測位機器
501 インターネット
502 サーバー
Claims (8)
- 基礎のストレート部を形成するための外側型枠に対して使用される型枠ストレート部検査用治具において、
1つの鉛直面と、当該鉛直面を支持する水平面と、当該水平面の表面であって前記鉛直面の上方に取り付けられるストレート部用計測点とを備えることを特徴とする型枠ストレート部検査用治具。 - 基礎のコーナー部に対して使用される基礎コーナー部位置検査用治具において、
外側型枠に取り付けられた状態でコンクリートが打設されることで基礎内に埋設されるインサートと、平面視直交する2つの鉛直面と、前記2つの鉛直面の外面の屈曲箇所に取り付けられる基礎コーナー部用計測点とを備えており、
前記外側型枠が外された状態の基礎コーナー部において前記インサートを利用して固定されることを特徴とする基礎コーナー部位置検査用治具。 - 基礎のストレート部に対して使用される基礎ストレート部位置検査用治具において、
外側型枠に取り付けられた状態でコンクリートが打設されることで基礎内に埋設されるインサートと、1つの鉛直面と、前記鉛直面の外面に取り付けられる基礎ストレート部用計測点とを備えており、
前記外側型枠が外された状態の基礎ストレート部において前記インサートを利用して固定されることを特徴とする基礎ストレート部位置検査用治具。 - 請求項2又は3に記載のインサートを取り付けるための貫通孔を備えており、当該貫通孔に挿入されたボルトによって前記インサートが保持されることを特徴とする外側型枠。
- 請求項2に記載の基礎コーナー部位置検査用治具と請求項3に記載の基礎ストレート部位置検査用治具を備えることを特徴とする基礎。
- 土地の三次元座標データを取得するステップと、
基礎のコーナー部を形成するための2枚の外側型枠に対して使用される型枠コーナー部検査用治具であり、平面視直交する2つの鉛直面と、当該鉛直面を支持する水平面と、当該水平面の表面であって前記2つの鉛直面が直交する位置に取り付けられるコーナー部用計測点とを備える型枠コーナー部検査用治具と請求項1に記載の型枠ストレート部検査用治具を用いて外側型枠の三次元座標データを取得するステップと、
前記土地の三次元座標データと前記外側型枠の三次元座標データとを比較し、必要に応じて前記外側型枠の位置を調節するステップと、
コンクリートを打設して底盤を形成するステップとを少なくとも備えることを特徴とする基礎の施工方法。 - 土地の三次元座標データを取得するステップと、
請求項2に記載の基礎コーナー部位置検査用治具と請求項3に記載の基礎ストレート部位置検査用治具を用いて基礎の三次元座標データを取得するステップと、
前記土地の三次元座標データと前記基礎の三次元座標データとを比較するステップとを少なくとも備えることを特徴とする基礎の検査方法。 - 請求項7に記載の基礎の検査方法を所定期間毎に行なうことを特徴とする建築物の位置情報管理方法。
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