JP6906348B2 - 酵母の改良方法 - Google Patents

酵母の改良方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6906348B2
JP6906348B2 JP2017077576A JP2017077576A JP6906348B2 JP 6906348 B2 JP6906348 B2 JP 6906348B2 JP 2017077576 A JP2017077576 A JP 2017077576A JP 2017077576 A JP2017077576 A JP 2017077576A JP 6906348 B2 JP6906348 B2 JP 6906348B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yeast
arginine
carbon source
strain
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017077576A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018174769A (ja
Inventor
俊元 呉
俊元 呉
亮 岩切
亮 岩切
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Corp Life Sciences Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Corp Life Sciences Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Corp Life Sciences Ltd filed Critical Mitsubishi Corp Life Sciences Ltd
Priority to JP2017077576A priority Critical patent/JP6906348B2/ja
Publication of JP2018174769A publication Critical patent/JP2018174769A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6906348B2 publication Critical patent/JP6906348B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

本発明は、酵母の改良方法に関する発明であり、特に細胞内に遊離のL−アルギニン及び塩基性アミノ酸全体を著量蓄積する酵母の育種方法に関する。
最近の健康、天然志向を受けて、天然調味料である酵母エキスへの期待が高まっている。特に、近年呈味や風味に関係する特定成分を高含有させた酵母エキスの開発が進んでいる。
特性の成分を高含有する酵母株の改良方法として、栄養要求性変異株の取得、目的物質のアナログ耐性株の取得、代謝制御変異株の取得、目的物質の生合成系酵素の活性が増強された組換え株の作成等によって行われている。しかし、アナログ耐性株の取得の場合、目的物によって、容易に耐性株となってしまい、高耐性株を得ることが困難な場合もあった。
例えば、アルギニンは飲食品の先味の増強や、魚畜肉の発色剤効果を有し、食肉加工品の風味改良剤などとして用いられている (特許文献1)。特許文献1に示す様に、変異育種によりアルギナーゼ活性を低下させることで、パン酵母のアルギニン含量を高める方法が知られている。しかしながら、変異育種株は容易にアルギニンアナログに対し耐性を獲得するために、更なるアルギニンの高含有化は、困難であった。特許文献1での酵母エキス中のアルギニン含量は5%程度となり、食品品質改良剤において十分効果を得るためには、アルギニン含量がより高い酵母エキスが求められていた。そのため、変異育種株アルギニンアナログ耐性を抑え、酵母のアルギニン蓄量を飛躍的に高める方法が必要である。
特許文献2、3では遺伝子組み換えや自然育種の方法によるバクテリアのアルギニン高生産株を造成している。しかしながら、バクテリアによるアルギニンの生産では菌体外に蓄積させるのに対し、酵母エキスの生産においては酵母菌体内にアルギニンを蓄積させる必要がある。菌体内では、アルギニンの合成経路がフェードバック阻害を受けるため、菌体内へアルギニンを高濃度蓄積させることは容易ではないと推察される。一方、倍数性が高く、胞子形成能が低下した実用酵母や胞子形成能を持たないキャンディダ・ウチリス酵母では同様の遺伝子組み換えが難しい。さらに、遺伝子組み換え体を食品に用いる事には、法規制などの障壁があり、望ましい方法とは言いがたい。
このことから、アルギニン高含有酵母の製造方法には、遺伝子組み換えは使わず、自然突然変異で細胞内に遊離のアルギニンを高濃度蓄積するアプローチが必要である。
アルギニンも含め、塩基性アミノ酸(L−アルギニン、L−リジン、L−ヒスチジン)は減塩効果を有することが知られている(特許文献4、5)。減塩効果を著しく高めた酵母エキスの作製には、特許文献1のL−アルギニンだけを高含有化する方法より、L−アルギニン、L−リジン、L−ヒスチジンを含めた塩基性アミノ酸の総和を高濃度蓄積させる酵母の開発方法が望ましい。
特許5875869号公報 特表2009−542255号公報 特許4576850号公報 特表2014−531211号公報 特開2011−10657号公報
本発明は、変異育種株アナログ耐性を抑え、従来方法では、困難であった、より目的物質を高蓄積する酵母改良方法を提供することを課題とする。特に、変異育種株のアルギニンアナログ耐性を抑え、アルギニン及び塩基性アミノ酸(L−アルギニン、L−リジン、L−ヒスチジン)総和濃度著量蓄積酵母の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは上記の欠点を解消するため、自然突然変異誘発を繰り返し、グルコースを唯一の炭素源とする培地ではアルギニンアナログ耐性あり、キシロースを唯一の炭素源とする培地ではアルギニンアナログ感受性を示す性質を利用し、驚くべき事に遊離のアルギニン3.5重量%以上と細胞内に蓄積し、さらに塩基性アミノ酸全体を5.5重量%以上蓄積することを見出し本発明に至った。
すなわち本発明は、
(1)酵母のアナログ耐性による酵母の改良方法であって、以下の工程を含む酵母改良方法、
第一の炭素源を用いて、薬剤耐性を得る工程
第二の炭素源(第一の炭素源と異なる炭素源)を用いて、薬剤耐性を得る工程
(2)前記(1)の方法であって、第一の炭素源の薬剤耐性濃度より第二の炭素源では、低濃度の薬剤耐性となる酵母の改良方法、
(3)(1)又は(2)の酵母の改良方法であって、酵母がキャンディダ・ウチリス、第一の炭素源がグルコース、第二の炭素源がキシロースである酵母の改良方法、
(4)前記(3)の酵母キャンディダ・ウチリスの改良方法であって、薬剤耐性が、アルギニンアナログ耐性株である酵母の改良方法、
(5)前記(1)〜(4)のいずれか一つの記載の方法により得られた酵母から抽出する工程を有する酵母エキスの製造方法、
を提供するものである。
本発明によりと、遺伝子組換えを行うことなく、効率的に、目的物質を高含有化させることができる。本発明の方法により、例えば、アルギニン、塩基性アミノ酸を高含有する酵母を製造することができる。当該酵母から、アルギニンを多く含む酵母エキスを得ることができる。さらに、塩基性アミノ酸も多く含有する酵母エキスを製造できるため、食肉加工品の風味改良剤若しくは物性改良剤、飲食品の風味改良調味料、又は飲食品の減塩効果調味料としても使用できる。
アミノ酸含量
本発明に用いられる酵母としては、食用酵母が望ましく、例えばサッカロマイセス属に属する酵母、キャンディダ属酵母などが挙げられ、好ましくは、五単糖資化性酵母と知られる、キャンディダ属酵母、キャンディダ・ウチリス(Candida utilis)が推奨される。
本発明では、酵母を変異処理する。変異処理方法は、特に制限なく公知の方法で行うことができる。例えば、紫外線、エックス線、亜硝酸、ニトロソグアニジン(NTG)、エチルメタンスルフォネート等の変異剤を使い変異処理を行う。
変異処理後、親株が生育できない濃度の薬剤を含んだ合成培地に生育可能な株を選択する。アルギニンの場合、親株が生育できない濃度のアルギニンアナログ(例えばアルギニンハイドロキサメート、D−アルギニン、L−カナバニン)を含んだ合成培地に生育可能な株を選択することで得る事ができる。合成培地、YPD培地等の酵母に用いる培地を用いることができる。アルギニンアナログは、選択した親株に応じて適宜選択し、酵母キャンディダ・ウチリスの場合は、L−カナバニンに感受性を有するため、L−カナバニンを選択する。変異処理を繰り返し、親株が増殖できない濃度のL−カナバニンの耐性株を選択する。しかし、従来方法では、変異処理を繰返すことで、L−カナバニンに対する耐性が付与され、更なる高濃度のL−カナバニン耐性株の取得が困難であった。
ここで、本発明は、選択培地の炭素源を変更することで、薬剤への感受性が変化することを見出した。キャンディダ・ウチリスでは、第二の炭素源をキシロースとした培地では、驚くべき事に第一の炭素源であるグルコースを炭素源とした培地で高濃度のL−カナバニン耐性を示した株が、非常に低濃度の感受性を示した。キシロースを炭素源とした培地でのL−カナバニン高耐性株を取得することで、アルギニン、塩基性アミノ酸を高蓄積する酵母株を取得することが可能となった。
このように、本発明の方法では、炭素源を変更することで、薬剤への感受性が変化し、さらなるアナログ高耐性株の取得が可能である。
キャンディダ・ウチリスでは、グルコースを炭素源とする選択培地で、変異処理を繰り返し、L−カナバニン耐性株を取得する。その後、選択培地の炭素源をキシロースに変更し、同様に変異処理を繰り返し、L−カナバニン耐性株を取得する。炭素源をキシロースに変更した後は、グルコースよりも低濃度のL−カナバニン選択培地を用いる。また、選択培地の炭素源は、グルコースからキシロースに変更する方法と、親株変異処理後、当初からキシロースを炭素源とする選択培地とすることもできる。
さらに詳細な、具体例としては、変異処理後、グルコースを炭素源としたL−カナバニン選択培地で、L−カナバニン耐性株を取得する。L−カナバニン培地濃度は、各菌株の最小阻止濃度に設定する。得られた耐性株の中から所望のアルギニン生産性を示す株を取得する。目標の生産性に達していない場合は、取得した株に対し更に変異処理を繰り返し、取得株の最小阻止濃度に設定したL−カナバニン培地で更なる耐性株を取得する。炭素源をグルコースとした場合、容易に5,000ppmを超える高濃度のL−カナバニンがつくため、この繰り返し回数が制限される。一方、炭素源にキシロースを用いるとグルコースで5,000ppm以上の耐性を獲得した株であっても1/50以下にその感受性を増やすことが可能で、L−カナバニン耐性を指標としたスクリーニングが継続可能であり、所望のアルギニン含量を達成する可能性が高くなる。
前段までの方法で、目的物質の高含有化が可能である。アルギニンの場合、遊離アルギニン及び塩基性アミノ酸全体を更なる高濃度蓄積する酵母を育成することが可能である。変異処理を繰り返し、キシロースを炭素源とした培地でも高濃度の薬剤耐性を付与することで、遊離のアルギニンが3.5重量%、塩基性アミノ酸が5重量%以上蓄積する酵母が得られる。
このようにして単離された株は、遊離のアルギニンが10重量%以上、塩基性アミノ酸総和が15重量%以上を含有する酵母エキスの製造にきわめて好適である。
本発明のL−カナバニン耐性株では、アルギニン以外の塩基性アミノ酸は、ヒスチジン、リシンを有意に高蓄積化することができる。
本発明の選択培地の炭素源は、使用する酵母、目的物質により適宜選択する。炭素源としては、グルコース、グリセロール、マンニトール、キシロース又はアラビノースが挙げられる。キャンディダ・ウチリスを用いて、アルギニン高含有化酵母株を取得する場合は、前段までの記載のように、第一の炭素源であるグルコースから、第二の炭素源であるキシロース又はアラビノースに変更することで薬剤感受性を変化させることができる。使用する薬剤、酵母親株により、薬剤感受性効果は変動するので、目的とする薬剤、酵母親株にあった炭素源を採用する必要がある。親株とする酵母により、第一の炭素源と第二の炭素源を適宜選択することができる。本願発明の方法では、第二の炭素源に変更するときに、薬剤感受性が変わることを指標とし、使用する炭素源を決定できる。この時、目的物質を高含有化するために、第一の炭素源よりも第二の炭素源では、より低濃度で薬剤感受性を示す炭素源を選択する。
前段までの方法で取得した酵母から、通常の方法で酵母エキスを抽出し、目的物質を高含有する酵母エキスを得ることができる。培養形式としては、バッチ培養、あるいは連続培養のいずれでも良い。
培地は、酵母の培養に使用される公知の培地を使用することができる。一般的に炭素源として、ブドウ糖、酢酸、エタノール、グリセロール、糖蜜、亜硫酸パルプ廃液等が用いられ、窒素源としては、尿素、アンモニア、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸塩などが使用される。リン酸、カリウム、マグネシウム源も過リン酸石灰、リン酸アンモニウム、塩化カリウム、水酸化カリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム等の通常の工業用原料でよく、その他亜鉛、マンガン、鉄イオン等の無機塩を添加する。その他、ビタミン、アミノ酸、核酸関連物質等を添加しても良い。カゼイン、酵母エキス、肉エキス、ペプトン等の有機物を添加しても良い。
培養温度は、21〜37℃、好ましくは25〜34℃が良く、pHは3.0〜8.0、特に3.5〜7.0が好ましい。培養条件によりアミノ酸の生産性は変動するので、目的とする酵母エキスの製品スペックにあった条件を採用する必要がある。
本発明で得られた、アルギニン高含有酵母では、遊離のアルギニンと塩基性アミノ酸の高蓄積酵母を用い、酵母エキスの製造では公知の製法で、アルギニン換算で10〜20%含む酵母エキスの製造が容易に実施される。エキスの抽出は、一般的に酵母エキスの製造で用いられる手法、例えば、加熱抽出法や酵素分解法、あるいは自己消化法のいずれでも可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、これらに限定されるものではない。
なお、分析法は、下記の通りである。
<酵母菌体中の遊離のアミノ酸の定量法>
酵母菌体中の遊離のアミノ酸の定量は以下の様に行った。
洗浄した菌体を、沸騰水中で4分加熱し、流水中で冷却後、遠心分離した。得られる上清を適宜希釈し、常法に従いアミノ酸分析計L8900(HITACHI製)により測定した。
菌体乾燥重量は、洗浄した酵母懸濁液10mlを秤量瓶に採取し、105℃、20時間の加熱により水分を飛ばした後、デシケーター内で室温まで放冷し、加熱前後の重量差を精密電子天秤で測定することで求めた。この酵母菌体乾燥重量を基に、菌体中の各種成分の含有量(重量%)を算出した。
実施例<変異株の取得>
親株キャンディダ・ウチリスATCC9950株を YPD 培地(酵母エキス1%、ポリペプトン2%、グルコース2%)を含む5ml培養液で対数増殖期まで培養した。この菌体を回収し、洗浄後、公知の方法に準じニトロソグアニジンによる変異処理を行った(Biochem. Biophys. Res. Comm. Vol.18,P788(1965))。変異処理した菌体を二回洗浄後、YPD培地で30℃、一晩培養したものを変異処理菌体とした。
この菌体をグルコースが炭素源となる合成培地(グルコース2重量%、リン酸1カリウム2重量%、硫酸アンモニウム0.1重量%、硫酸マグネシウム0.05重量%、尿素0.2重量%、硫酸第二鉄4.2ppm、硫酸亜鉛5.9ppm、硫酸銅0.3ppm、硫酸マンガン1.4ppm、寒天2重量%)にL−カナバニン(CAN)50~200ppmを添加した選択培地を用い、30℃、3〜7日間培養した。その結果親株で生育できない選択培地上に生育するコロニーを単離した。これらを、前記のグルコースを炭素源とした液体合成培地で培養し、菌体生産性が良く、かつ遊離のアルギニンの蓄積量の高い株を選別した。さらに、変異処理の繰り返すことより、グルコースを炭素源とした培地では高濃度CAN耐性を示した変異株をキシロースが炭素源となる合成培地(キシロース2重量%、リン酸1カリウム2重量%、硫酸アンモニウム0.1重量%、硫酸マグネシウム0.05重量%、尿素0.2重量%、硫酸第二鉄12.6ppm、硫酸亜鉛17.8ppm、硫酸銅0.9ppm、硫酸マンガン4.3ppm、寒天2重量%)にCAN 100ppm~1000ppmを添加した培地で更なる高濃度のアルギニン蓄積株を選択した。
具体的には、まず親株に対し、前述の変異処理を繰り返し、グルコースを炭素源とした培地でCAN 5000ppm以上の耐性を有する2A145株を取得した。一方、表1に示すように、キシロースを炭素源とした培地では、100ppm以下の耐性を見られた。CAN 5000ppm株2A145を同様にさらに変異操作を繰り返し、本発明の手法であるキシロースが炭素源とした培地選択方法で、CAN 100ppm耐性を有する3株、3A12F、3A72G、3ACを取得した。
Figure 0006906348
得られた菌体について500mlスケール三角フラスコで培養し、生産性を確認した。培地組成は、グルコース2重量%、リン酸1カリウム2重量%、硫酸アンモニウム0.8重量%、硫酸マグネシウム0.06重量%、硫酸第二鉄12.6ppm、硫酸亜鉛17.8ppm、硫酸銅0.9ppm、硫酸マンガン4.3ppmである。分析した結果、アミノ酸含有量/乾燥菌体含有量×100の値を表2に示す。
Figure 0006906348
さらに、表2の結果からアルギニン含量が一番高い株3ACを選び、上記操作を繰り返し、キシロースが炭素源とした培地で、CAN 200ppm耐性を有する4株を取得した。驚くべきこと、アルギニン含量3.7%の株4B2を取得した。結果は表3に示す。
Figure 0006906348
次いで、選抜された変異株を30Lスケール培養ジャーで培養し、生産性を確認した。供試菌株を予めYPD培地を含む 三角フラスコで種母培養し、これを30L培養シャーに0.5〜1.5%植菌した。この時の培地組成は、グルコース6重量%、リン酸1カリウム2重量%、硫酸アンモニウム1.4重量%、硫酸マグネシウム0.06重量%、硫酸第二鉄12.6ppm、硫酸亜鉛17.8ppm、硫酸銅0.9ppm、硫酸マンガン4.3ppmである。培養条件は、槽内液量15L、pH4.0(アンモニアによる自動コントロール)、培養温度30℃、通気1 vvm、撹拌 400rpmで行った。得られた菌体について分析した結果を図1に示した。塩基性アミノ酸とグルタミン酸を高含有する菌体を得ることができた。
<酵母エキス中の遊離のアミノ酸の定量法>
洗浄した菌体を、沸騰水中で4分加熱し、流水中で冷却後、遠心分離した。得られる上清を適宜希釈し、常法に従いアミノ酸分析計L8900(HITACHI製)により測定した。
エキス乾燥重量は、上記の方法で得られた上清を10ml を秤量瓶に採取し、105℃、20時間の加熱により水分を飛ばした後、デシケーター内で室温まで放冷し、加熱前後の重量差を精密電子天秤で測定することで求めた。この酵母エキス乾燥重量を基に、エキス中の各種成分の含有量(重量%)を算出した。結果は表4に示す。
Figure 0006906348
以上説明してきたように、本発明によると、容易に高耐性化し、さらなる高アナログ耐性株の取得が困難であった場合でも、炭素源の変更による薬剤感受性の変化を利用することで、目的物質の高含有化が可能となる。L−カナバニン高耐性株は、アルギニンを中心にした塩基性アミノ酸の高蓄積酵母を製造することができ、飲食物の減塩素材や魚畜肉加工品の発色剤、食肉加工品の品質改良などとして利用される酵母エキスが製造できる。

Claims (2)

  1. 酵母のアナログ耐性による酵母キャンディダ・ウチリスの改良方法であって、以下の工程を含む酵母改良方法。
    第一の炭素源であるグルコースを用いて、アルギニンアナログ薬剤耐性を得る工程。
    第二の炭素源であるキシロースを用いて、アルギニンアナログ薬剤耐性を得る工程。
  2. 請求項1の記載の方法により得られた酵母から抽出する工程を有する酵母エキスの製造方法。
JP2017077576A 2017-04-10 2017-04-10 酵母の改良方法 Active JP6906348B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017077576A JP6906348B2 (ja) 2017-04-10 2017-04-10 酵母の改良方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017077576A JP6906348B2 (ja) 2017-04-10 2017-04-10 酵母の改良方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018174769A JP2018174769A (ja) 2018-11-15
JP6906348B2 true JP6906348B2 (ja) 2021-07-21

Family

ID=64279723

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017077576A Active JP6906348B2 (ja) 2017-04-10 2017-04-10 酵母の改良方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6906348B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2268864B1 (ja) * 1974-04-23 1977-03-04 Erap
JPH0956374A (ja) * 1995-08-24 1997-03-04 Asahi Chem Ind Co Ltd 新規サッカロミセス・セレビシエおよびその分離方法
JP5637507B2 (ja) * 2008-03-31 2014-12-10 興人ライフサイエンス株式会社 酵母変異株と酵母エキス

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018174769A (ja) 2018-11-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9084435B2 (en) Yeast mutant and yeast extract
CN109306332B (zh) 发酵乳杆菌cd110及其在发酵香肠制备中的应用
Mirbagheri et al. Taxonomic characterization and potential biotechnological applications of Yarrowia lipolytica isolated from meat and meat products
JP5883780B2 (ja) 酵母の培養方法
JP4672776B2 (ja) マンニトール生成能が優れた耐酸性ロイコノストックメセンテロイデス及びそれを利用したキムチの製造方法
JP2001352940A (ja) γ−アミノ酪酸を高含有した食品素材の製造方法およびそれにより得られる食品素材
JP5102076B2 (ja) サッカロマイセス・セレビシエ変異株、及び該変異株を用いたrna高含有酵母の製造方法。
Han et al. Bacterial community dynamics of salted and fermented shrimp based on denaturing gradient gel electrophoresis
KR101167345B1 (ko) 효모 변이주, 글루타티온 고함유 효모의 제조방법, 그배양물, 그 분획물, 효모 엑기스 및 글루타티온 함유음식품
JP6906348B2 (ja) 酵母の改良方法
JP4903129B2 (ja) 耐熱性酵母菌株
CN112458003B (zh) 一株产双乙酰植物乳杆菌及其在泡菜中的应用
JP2006014700A (ja) クロレラ属の新規株
JP2006042637A (ja) 酵母変異株、グルタチオン高含有酵母の製造方法、その培養物、その分画物、酵母エキスおよびグルタチオン含有飲食品
WO2012067106A1 (ja) 酵母エキスの製造方法
Kim et al. Properties of Gul Jeotgal (Oyster Jeotgal) prepared with different types of salt and Bacillus subtilis JS2 as starter
JP2006042638A (ja) 酵母変異株、グルタチオン高含有酵母の製造方法、その培養物、その分画物、酵母エキスおよびグルタチオン含有飲食品
JP5667365B2 (ja) サッカロマイセス・セレビシエ変異株、及び該変異株を用いた含硫化合物高含有酵母の製造方法。
JP2019088247A (ja) 核酸高含有パン酵母及び酵母エキスの製造方法
JP6892141B2 (ja) AogdhBをコードする遺伝子の機能が欠損している、醸造食品の製造に利用可能な麹菌および当該麹菌を用いた醸造食品の製造法
EP2417252A1 (en) Novel yeast having increased content of sulfur-containing compound, screening method thereof, and culturing method thereof
JP6886191B2 (ja) リボ核酸高収量を示す酵母
JP6748884B2 (ja) 醸造特性が向上した酵母株の作出方法
CN101440375A (zh) 一种乳清酸核苷-5'-磷酸脱羧酶基因及其蛋白和应用
KR101189888B1 (ko) Rna 함량이 증대된 신규 효모 변이주, 그 제조방법 및 용도

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200409

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20200409

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210108

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210305

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210507

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210622

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210629

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6906348

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150