JP6905670B2 - レーザー溶接方法 - Google Patents
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Description
このような構成によれば、画像検査時に溶接痕の外周円および内周円の2つの円から円の中心を求めるため検査精度を向上させることができる。したがって、このような構成によれば、位置ずれの検査と補正を行うことを含むレーザー溶接方法において、検査精度の高い方法が提供される。
レーザー溶接装置100は、図2に示すように、レーザー発振器10と、ガルバノスキャナ20とを備える。レーザー発振器10は、光ファイバコネクタ11によりガルバノスキャナ20と接続されている。ガルバノスキャナ20の内部には、コリメートレンズ30が配置されている。ガルバノスキャナ20は、第1の反射ミラー21、回折光学素子(DOE)22、Zレンズ23、Zレンズ駆動ユニット24、第2の反射ミラー25、集光レンズ26、ガルバノスキャナユニット27、保護ガラス28、およびガルバノスキャナドライバ29を備える。
また、ガルバノスキャナ20には、ダイクロミラー40と共に、画像検査用同軸カメラ50が装着されている。
また、ガルバノスキャナドライバ29は、レーザー発振器10、Zレンズ駆動ユニット24、およびガルバノスキャナユニット27に接続されており、内蔵されたプログラムにより、これらを制御可能に構成されている。よって、ガルバノスキャナドライバ29により、レーザー光の出力、照射位置等を制御することができる。
このように制御が可能であることから、レーザー溶接装置100は、自動プログラム運転が可能に構成されている。
レーザー走査工程S101では、レーザー溶接装置100を用いてワーク200の表面に、中心に未溶接部が残るように円周状にレーザービームを走査して、円周状の溶接痕を形成する。レーザー走査工程S101で形成される溶接痕の一例を図3に模式的に示す。
具体的に例えば、ワーク200としてのケース蓋体の表面に、円周状にレーザー光を走査して、図3に示されるような円周状の溶接痕300を形成する。このとき、レーザー光は、円周一周分を連続的に照射する。この溶接痕300は、中心にワーク200の表面がそのまま残る(すなわち、溶接痕が形成されていない部分が存在する)ように形成する。よって、溶接痕300は、内周円310と外周円320とを有する。
なお、本明細書において、溶接痕とは、レーザービームの照射によりワーク表面が融解後固化して形成される痕跡のことをいい、2つの部材が接合されていることを必要としない。
画像検査工程S102では、円周状の溶接痕300を画像検査用カメラ50で撮影して画像検査を行い、溶接痕300の内周円310と外周円320とに基づいて溶接痕300の中心位置を把握する。
具体的に例えば、まず、内周円310の中心B(xB,yB)と外周円32の中心C(xc,yc)とを、Hough(ハフ)変換等によって求める。
そして、この2つの中心(中心Bおよび中心C)を用いて、溶接痕300の中心D(xD,yD)を求める。
方法(1):中心Bおよび中心Cの中点を、中点Dとして定める。
方法(2):溶接痕300の内周円310のフィッティング率と外周円320のフィッティング率をそれぞれ求めてこれらを比較し、フィッティング率の高い方の円の中心を溶接痕300の中心D(xD,yD)として採用する。(例えば、溶接痕300の内周円310のフィッティング率が80%、外周円320のフィッティング率が20%であった場合には、フィッティング率の高い内周円310の中心Bを中心Dとして定める。)
方法(3):方法(2):溶接痕300の内周円310のフィッティング率と外周円320のフィッティング率をそれぞれ求める。中心Bおよび中心Cを結ぶ直線を引き、直線上の点であって、フィッティング率が加味された点を中心D(xD,yD)として採用する。(例えば、溶接痕300の内周円310のフィッティング率が80%、外周円320のフィッティング率が20%であった場合には、上記の直線上の点を選ぶ際に、B×0.8+C×0.2となるようにフィッティング率を加味する。)
そこで、フィッティング率を算出するには、例えば、円周状にレーザービームを走査する際にレーザー溶接装置100に設定されている円(内周円または外周円)の半径と、カメラ50による画像検査により求まる円(内周円または外周円)の半径との差を、円周一周分について求めるとよい。
溶接痕300が、ワーク200の表面の傷や異物の付着等の外乱に影響を受けた場合には、特に外乱部分においてフィッティング率が低下するため、中心Dの位置を決定する際にフィッティング率の高い方の円に重きをおくことにより、外乱による影響を小さくすることができる。
ずれ量算出工程S103では、レーザー溶接装置100の設定されたレーザービームの中心位置と、上記の画像検査により把握した中心位置のずれ量を算出する。レーザー溶接装置100の設定されたレーザービームの中心位置は、図4の中心A(xA,yA)の位置であり、画像検査により把握した中心位置は、図3の中心D(xD,yD)の位置である。よって、これらの位置を比較してずれ量を算出する。ずれ量算出工程S103は、例えばレーザー溶接装置100に、当該ずれ量を算出するためのプログラムを組み込むことにより実施することができる。
補正工程S104では、上記の算出されたずれ量に基づいてレーザー溶接装置100のレーザービームの中心位置の補正を行う。具体的に例えば、ガルバノスキャナドライバ29により光軸系を制御してレーザービームの中心位置を制御し、算出されたずれ量を補正する。補正工程S104は、例えばレーザー溶接装置100に当該ずれ量を補正するためのプログラムを組み込むことにより実施することができる。
溶接工程S105では、ワーク200の溶接を行なう。具体的には、ここでは、ケース本体の開口部に、当該開口部を塞ぐように蓋体を配置し、ケース本体の開口部の周縁部と蓋体の外周縁部とをレーザーで溶接する。これにより、電池ケースを封止する。
この検討では、レーザー溶接装置には、9点分岐DOE、3Dガルバノスキャナ、および同軸カメラを備えるものを使用した。また、ワークとして、ケース本体とケース蓋体とからなる電池ケースを用意した。
その結果、検討例1では検出精度は±25μmであり、検討例2では検出精度は±22μmであり、検討例3では検出精度は±18μmであった。このようにして、本実施形態に係るレーザー溶接方法によれば、検出精度が高いことを確認することができた。
形成した溶接痕に対し、同軸カメラを用いて画像検査を行い、溶接痕の中心を求めた。そして、溶接痕の中心の検出位置から位置精度を算出した。
このとき、検討例4では、中心の位置は、内周円の中心と外周円の中心の中点とした。検討例5では、中心の位置は、異物により影響を受けた外周円の検査結果を除外すべく内周円の中心を採用した。
その結果、検討例4では検出精度は±38μmであり、検討例5では検出精度は±22μmであった。よって、溶接痕の内周円のフィッティング率と外周円のフィッティング率をそれぞれ求めて、フィッティング率の高い方の円に重きをおいて、中心を決定すると精度がより向上することがわかる。
11 光ファイバコネクタ
20 ガルバノスキャナ
21 第1の反射ミラー
22 回折光学素子(DOE)
23 Zレンズ
24 Zレンズ駆動ユニット
25 第2の反射ミラー
26 集光レンズ
27 ガルバノスキャナユニット
28 保護ガラス
29 ガルバノスキャナドライバ
30 コリメートレンズ
40 ダイクロミラー
50 画像検査用同軸カメラ
100 レーザー溶接装置
200 ワーク
300 溶接痕
310 (溶接痕の)内周円
320 (溶接痕の)外周円
410 内周円
420 外周円
Claims (1)
- レーザー溶接装置を用いてワークの表面に、中心に未溶接部が残るように円周状にレーザービームを走査して、円周状の溶接痕を形成する工程、
前記円周状の溶接痕を画像検査用カメラで撮影して画像検査を行い、前記溶接痕の外周円と内周円とに基づいて前記溶接痕の中心位置を把握する工程、
前記レーザー溶接装置の設定されたレーザービームの中心位置と、前記画像検査により把握した中心位置のずれ量を算出する工程、
前記算出されたずれ量に基づいて、前記レーザー溶接装置のレーザービームの中心位置の補正を行う工程、および
前記ワークの溶接を行なう工程、
を包含する、レーザー溶接方法。
Priority Applications (1)
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JP2018011400A JP6905670B2 (ja) | 2018-01-26 | 2018-01-26 | レーザー溶接方法 |
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JP2018011400A JP6905670B2 (ja) | 2018-01-26 | 2018-01-26 | レーザー溶接方法 |
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JP2018011400A Active JP6905670B2 (ja) | 2018-01-26 | 2018-01-26 | レーザー溶接方法 |
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