JP6903911B2 - 鏡餅飾り保護キャップおよび鏡餅形パック・セット - Google Patents

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この発明は鏡餅飾り保護キャップおよびこれを用いた鏡餅形パック・セットに関する。
近年,鏡餅は乳白色の合成樹脂により鏡餅形に形成された合成樹脂製鏡餅形容器内に,餅を充填したり,合成樹脂フィルムで包装した切餅または丸形餅を複数個収納して鏡餅形パックという形態で流通,販売されている。菓子,飴,キャンデー等を鏡餅形パック内に入れることもある。このような鏡餅形パックの上に橙,蜜柑(模造品を含む)を載せて飾ることがある。これらの鏡餅飾りの安定性を確保するために,特許文献1に記載の鏡餅容器では,その最上段の頂部に,湾曲状に凹んだ,または平坦な載置部を設けている。
実開平1−170657号公報
しかしながら,特許文献1の構成では,鏡餅容器の上に載置された鏡餅飾りは露出しているために,保管,運搬のために鏡餅飾りを鏡餅容器とともに箱内に積重ねようとすると安定しないばかりか,鏡餅飾りを損傷する危険性がある。鏡餅飾りが可愛いマスコット・キャラクタなどの場合には,店頭に陳列したときに触れたり,悪戯をされる可能性があるし,埃をかぶることもありうる。
この発明は,鏡餅飾りの損傷の防止,悪戯の防止,埃の付着防止のための保護キャップを提供することを目的とする。
この発明はまた,鏡餅容器の最上段部に簡単に被せることができ,かつ抜け難い形状の保護キャップを提供するものである。
この発明はさらに,鏡餅飾りに上記の保護キャップが被せられた鏡餅形パック・セットを提供するものである。
この発明による鏡餅飾りの保護キャップは,鏡餅形容器の最上段部に被せられるものであり,上面を覆う上面部と,該上面部から下端縁に向って広がるように傾斜した周面を有する周側面部とを備えている。そして該周側面部に,鏡餅形容器の最上段部の膨らんだ周面の一部に係止する少なくとも1つの係止穴が形成されていることを特徴とする。
鏡餅形容器は丸餅形の段部が下から大きい順に複数段に重ねられた外形を有し,好ましくは白色系不透明樹脂により形成される。最上段部の上に鏡餅飾りが固定される。鏡餅飾りには,橙,蜜柑(模造品でよい)等の他に,フィギュア,キャラクタ・マスコット,人形,干支の立体像(子,丑,寅などの形),その他の飾り物がある。保護キャップは鏡餅形容器の最上段部に着脱自在に被せられ,鏡餅飾りを保護する。
保護キャップは好ましくは透明な合成樹脂により形成される。鏡餅飾りの形態によっては保護キャップはその一部または全部が半透明でもよい。保護キャップは上面部とそれに連続して下端縁に向って広がるように傾斜した周面を有する周側面部とから構成されるから,鏡餅形容器の最上段部に被せられたときに,該最上段部に固定された鏡餅飾りを外力,悪戯等から防護し,埃の付着を防止する。
保護キャップの周側面部には係合穴が形成され,最上段部に被せられたときに最上段部の膨出部(膨らんだ部分)が係合穴に係合し,保護キャップの脱落が防止される。保護キャップの周側面部を鏡餅形容器の最上段部に嵌め込んでいくと周側面部はその弾性により広がって,保護キャップの最上段部にすっぽり入り,上記のように係合穴が最上段部の膨出部に係合する。保護キャップを強い力で引上げれば,その周側面部が広がって最上段部から脱ける。このようにして,保護キャップは鏡餅形容器に着脱自在である。
係合穴は一つでも複数個でもよい。上面部は平坦でも,湾曲していても,その他の形状でもよい。
好ましい実施態様では周側面部の下端縁から下方に向って外方に延びる突出部が形成されている。この突出部は前記係止穴に対応する位置に設けられることが好ましい。他の望ましい実施態様では周側面部の下端縁が前記突出部以外の部分でへこんでいる。
鏡餅形容器の最上段部とその下段部との境界に水引を掛けることができる。この水引は上記突出部の内側を通りその脱落が防止されるとともに,上記へこみの位置で外側に出て結びをつくることができる。
他の実施態様では周側面部の少なくとも一部に上下方向に延びる補強リブが形成されている。
この発明はまた,鏡餅形パック・セットも提供している。この鏡餅形パック・セットは,内容物が収容された鏡餅形容器の最上段部の上に,鏡餅飾りが固定され,該最上段部に,上述した保護キャップが前記鏡餅飾りを内部に収めるように被せられているものである。
好ましくは鏡餅形容器の最上段部とその下段部との間の境界に水引が設けられる。
このような鏡餅形パック・セットはその鏡餅飾りに保護キャップが被せられているから,鏡餅飾りを損傷することなく,梱包,搬送,保管にさいして積重ねることが可能となる。
一実施例の鏡餅形パック・セットの全体の斜視図である。 保護キャップの斜視図である。 鏡餅形パック・セットの縦断面図である。 変形例を示す保護キャップの一部の縦断面図である。 他の実施例を示す鏡餅形パック・セットの斜視図である。
図1から図3を参照してこの発明の一実施例について説明する。図1は鏡餅形パック・セットの全体の斜視図であり,図2は保護キャップの斜視図である。図3は図1に示す鏡餅形パック・セットの縦断面図である。
鏡餅形パック・セット20は,鏡餅形容器21,その内容物26,鏡餅飾り29および鏡餅飾りの保護キャップ10を含む。
鏡餅形容器21は白色,白濁色または乳白色の合成樹脂(白色系の不透明合成樹脂)により一体的に形成され,鏡餅の形状をもつ中空の鏡餅形部と,この鏡餅形部の下縁から円環状に突出する下部突縁(フランジ)22とを有する。鏡餅形部はこの実施例では二段構成で,上段部(最上段部)23と下段部24とから構成される。
鏡餅形はよく知られているように,球体を扁平にした形のいわゆる丸餅形のものを下から大きい順に多段に(ここでは2段に)重ねた形状であり,各段ともその高さの中央において外方に湾曲して突出している(膨らんでいる)。特に,最上段部23の外方に膨らんだ部分を符号23Aを付して膨出部23Aという。下部突縁22は図示の例では円形の外縁をもつものであるが,方形(たとえば正方形),その他の形状の外縁をもつものでもよい。
このような鏡餅形容器21の下面は開放されており,この下面開口から内容物26(硬化した円盤状,さいころ状,方形板状,その他の形状の複数個の餅または菓子,飴,キャンデー,その他の物)が収容される。そして,下面開口がシール材(底面部25)で塞がれる。底面部25はその周辺において下部突縁22の下面に溶着または接着されている。鏡餅形容器21内にはその下面開口から軟化状態にある餅が充填され硬化されるとともに下面開口がシート状シール材(底面部25)によりシールされることもある。
鏡餅飾り29としては橙(模造品)が図示されている。鏡餅飾り29には,橙,蜜柑等の他に,フィギュア,キャラクタ・マスコット,人形,干支の立体像(子,丑,寅などの形),その他の飾り物がある。鏡餅飾り29は鏡餅形容器21の頂部(上段部23の真上)に,接着剤,粘着剤(テープ),面ファスナー等の固定手段により固定される。
保護キャップ10は,鏡餅形容器21の上段部23に被せられ,上段部23上に固定された鏡餅飾り29を覆い保護する。鏡餅飾り29は上段部23上に固定されているので,保護キャップ10の内面との間に間隔をあけてその内部に収まっていればよい。保護キャップ10は,たとえば,保管,運送等のために複数個の鏡餅パック・セット20を箱内に収納したときに,鏡餅飾り29を外力から保護する。また,鏡餅パック・セット20が店頭に陳列されたときに,鏡餅飾り29に悪戯が加えられるのを防ぐ。さらに埃等が鏡餅飾り29に付着するのを防止する。
保護キャップ10は透明(半透明を含む)な合成樹脂により形成され,上面を覆う上面部11と,この上面部11から保護キャップ10の下端縁に向って外方に広がるように傾斜した周面を有する周側面部12とを備えている。周側面部12は,図3に示す断面図から分るように,直線的に傾斜している。上面部11は中心において最も上方に突出するようにほぼ半球状に湾曲している。
図4に示す変形例のように,上面部11を平坦としてもよい。周側面部12は円形で平坦な上面部11の周縁から斜め外方に直線状に延びている。平坦な上面部11を有する保護キャップは,鏡餅パック・セットを安定的に積み重ねることができるという利点がある。
この実施例では,保護キャップ10の周側面部12のやや下部において,周(横)方向に長い3つの係合穴14が周方向に等間隔で互いに離れて形成されている。これらの係合穴14はその内周縁の上下の縁部が鏡餅形容器21の上段部23の膨出部23Aの表面に沿う形に形成されており,特に下側の縁部14Aが上段部23の膨出部23Aの下部に当る。保護キャップ11の周側面部12の下部の内面の径は上段部23に嵌め入れられたときにその弾性に抗して少し押し広げられる程度の大きさに形成されており,保護キャップ11が上段部23に被せられた状態において,係合穴14の下側の縁部14Aが膨出部23Aに係止(係合)し,保護キャップ10の脱落を防止している。もちろん,保護キャップ10を強い力で上方に引き上げれば,周側面部12は弾性により広げられ,上段部23から脱ける。このようにして,保護キャップ10は鏡餅形容器21の上段部23に係合穴14と上段部23の膨出部23Aとの係止により固定される。
係合穴14は保護キャップ10の固定と着脱のためであるから,3つに限定されず,少なくとも1つあればよく,2つでも,4つ以上でもよい。また,その大きさは,上段部23の形状や固定力等を考慮して適切に設計することができる。
保護キャップ10には,係合穴14の真下に当る位置において,斜めに(下に向って外方に)突出する3つの突出部15が形成され,これらの突出部15の間の位置においてへこみ16が形成されている。突出部15は下段部24の表面にほぼ沿う。これらの突出部15およびへこみ16が形成されていない保護キャップを想定したときの保護キャップの下端縁が太い鎖線13で示されている。保護キャップ10は鎖線13で示す下端縁をもつもの(突出部15やへこみ16のないもの)のであってもよい。このような保護キャップは,鏡餅形容器21の上段部23に被せられたときに,その下端縁13が上段部23と下段部24との境界(最も細くなった部分,くびれ)に位置することになる。
この実施例では,飾りとして水引19が上段部23と下段部24との境界の位置に掛けられている。水引19は突出部15の下側(内側)を通っている。突出部15は水引19の外れ防止に役立つ。水引19の結びの部分19Aはへこみ16のところに位置し,安定する。
突出部15やへこみ13も3つに限定されることはなく,上述したように形成しなくてもよいし,形成したとしても1つ以上であればよい。突出部のみを保護キャップの下端縁の全周にわたって設けてもよい。
図5は他の実施例を示している。上述した実施例で示したものと同一物には同一符号を付し,重複説明を避ける。
保護キャップ10の上面部11は図4に示すものと同じように平坦で,周側面部12もその断面をみると,平坦な上面部11から角をつくって曲り直線状に延びている。この実施例では,3本の補強リブ17が周方向に等間隔に形成され,上面部11では放射状にのび,周側面部12に至ると上下方向に真直にのびている。リブ17は内方に突出した凸条(外からみると凹溝)であり,上面部11では円弧リブ17Aで互いにつながっている。リブ17の下端は上段部23に接する付近で終っている。上面部11の中央部に,橙29のへたから伸びる茎が入る凹部(保護キャップ10の内部からみて凹部,外からみて凸部)18が形成されている。すなわち,円弧リブ17Aの中心に外からみて凸部18がある。また,この実施例では鏡餅形容器21の下部突縁(フランジ)22は方形(直方形)である。補強リブ17の数も3つに限らないし,弧状リブ17Aや凹部18は無くてもよいなど,種々の変形例が考えられる。
10 保護キャップ
11 上面部
12 周側面部
13 下端縁
14 係合穴
14A 下側の縁部
15 突出部
16 へこみ
17 補強リブ
18 凹部(凸部)
19 水引
20 鏡餅形パック・セット
21 鏡餅形容器
23 上段部(最上段部)
23A 膨出部
24 下段部
25 底面部
26 内容物
29 鏡餅飾り

Claims (6)

  1. 鏡餅形容器の最上段部に被せられる鏡餅飾り保護キャップであって,
    上面を覆う上面部と,
    該上面部から下端縁に向って広がるように傾斜した周面を有する周側面部とを備え,
    該周側面部に,鏡餅形容器の最上段部の膨らんだ周面の一部に係止する少なくとも1つの係止穴が形成されており,
    前記上面部から前記周側面部にかけて延びる補強リブが形成されている鏡餅飾り保護キャップであって,
    前記係止穴が周方向に互いに離れて複数個形成されており,
    前記周側面部の下端縁から下方に向って外方に延びる複数の突出部が形成され,各突出部は前記係止穴に対応する位置に設けられている,
    ことを特徴とする鏡餅飾り保護キャップ。
  2. 前記上面部が平坦である,請求項1に記載の鏡餅飾り保護キャップ。
  3. 前記上面部が上方に向って突出する方向に湾曲している,請求項1に記載の鏡餅飾り保護キャップ。
  4. 前記周側面部の下端縁が前記突出部以外の部分でへこんでいる,請求項に記載の鏡餅飾り保護キャップ。
  5. 内容物が収容された鏡餅形容器の最上段部の上に,鏡餅飾りが固定され,該最上段部に,請求項1からのいずれか一項に記載の保護キャップが前記鏡餅飾りを内部に収めるように被せられている,鏡餅形パック・セット。
  6. 前記鏡餅形容器の最上段部とその下段部との間の境界に水引が設けられている,請求項に記載の鏡餅形パック・セット。
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