JP6903449B2 - 欠陥検査装置、および欠陥検査方法 - Google Patents

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本発明は、欠陥検査装置に関するものである。また、本発明は、ガラス基板、マスクブランク(薄膜付き基板)、レジスト付きマスクブランク(レジスト付き基板)などの欠陥検査に適し、FPDなどの表示装置用の大型基板の欠陥検査に適する欠陥検査装置に関する。
FPDなどの表示装置用の大型基板の欠陥検査においては、焦点(フォーカス、ピント)の正しく合った良好な視野で欠陥検査を実施するために(例えば特許文献1の0056段落参照)、被検査基板と結像光学系との距離を一定に保つ必要がある。このため、レーザー変位計により被検査基板までの距離を測定し、測定結果に応じて結像光学系全体を動かして被検査基板と結像光学系との距離を調整している。
特開2011−81282号公報
高精度な欠陥検査には、高精度な焦点調整が必須となる。大型基板は高精度の基板垂直保持が難しく、0.05°程度の傾きは発生する。この傾きは、1000mm長では約0.9mmのズレとなる。レーザー変位計と結像光学系の光軸が100mm離れていると約0.09mmの測定誤差が発生する。高精度の結像光学系では焦点尤度が±0.03mm程度のため、焦点がずれた状態(焦点尤度を超えた状態)での画像取得となり、大幅な欠陥検出力の低下が起こる可能性がある。
上記の問題点は、焦点尤度が充分大きい場合(焦点深度が充分深い場合)は、結像光学と基板との距離の測定誤差はあまり問題とならず、現状ではあまり問題とならない。詳しくは、例えば、現状の欠陥サイズ5μmの場合に対応する結像光学系では焦点尤度は±0.2mm程度であり、欠陥サイズ3μmの場合に対応する焦点尤度は±0.15mm程度である。次世代の欠陥サイズ2μmの場合に対応する結像光学系では焦点尤度は±0.1mm程度であり、2世代先の欠陥サイズ1μmの場合に対応する焦点尤度は±0.05mm程度であり、3世代先の欠陥サイズ0.5μmの場合に対応する焦点尤度は±0.025mm程度であり、その先の世代の欠陥サイズ0.3μmの場合に対応する焦点尤度は±0.015mm程度である。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、画像取得位置での極めて正確な焦点調整が可能となり、基板姿勢に依存しない安定した高い欠陥検出力を発揮できる欠陥検査装置の提供を目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明者は、鋭意研究開発を行った。その結果、対策として、基板の垂直保持の精度を高め、基板の傾きを小さくすることがまず考えられる。しかし、基板が大型であり、重量も大きいため(例えば80kg)、基板姿勢の微調整(基板のXYZ軸方向への駆動)は容易ではなく、実現のためには大きな投資が必要となるので難しい。
他の対策としては、上記の問題点は、レーザー変位計による測定自体は正確な値が出ている(正しく測定している)としても、欠陥検査する場所と、距離の測定場所とが一致しないことが原因で生じている。そこで、例えば、レーザー変位計の光軸(距離の測定場所)と結像光学系の光軸(欠陥検査する場所)が100mm離れている場合、レーザー変位計の光軸の位置において結像光学系と基板との距離を正確に測定し、その測定位置(レーザー変位計の光軸位置)に、結像光学系の光軸を移動し(100mm移動し)、結像光学系と基板との距離の測定データに基づいて、結像光学系と基板との距離を調整するというステップを繰り返す方式が考えられる。この場合、画像取得位置での極めて正確な焦点調整が可能となるものの、検査に要する時間、スループットの面で実用にほど遠く実際上の適用は困難である。
本発明者は、さらに鋭意研究開発を行った。その結果、結像光学系と同軸の非点収差法を用いたオートフォーカス機能を有する欠陥検査装置を着想した。非点収差法自体はDVDプレイヤーのピックアップ光学系など光量変化を扱うものでは多く使用されている。欠陥検査装置のように2次元画像を取得する場合には、視野内にレーザービームの映り込みが発生するため、通常、非点収差法は使用されない。本発明では、画像センサーを長方形のセンサ(例えばTDIセンサ)とし、レーザービームの集光位置を光軸から画像センサーの短辺方向に僅かにずらすことで、レーザービームの映り込みを防ぐことに成功した。また、画像取得位置での極めて正確な焦点調整がリアルタイムで可能となる。
本発明は以下の構成を有する。
(構成1)
対物レンズと結像レンズを備える結像光学系を有し、
前記結像光学系の光軸であって前記対物レンズと前記結像レンズとの間に位置する前記光軸上に反射素子を有し、前記反射素子にレーザービームを照射する照射手段を有し、
前記反射素子にレーザービームを照射し、前記反射素子で反射されたレーザービームは前記光軸を通り前記対物レンズを通して被検査体の表面に照射され、その反射光は前記光軸を通り前記対物レンズを通して前記反射素子に入射され、その反射光は対物レンズと結像レンズとの間から取り出され、この取り出された反射光はシリンドリカルレンズを通して4分割フォトディテクタに入射される光学系を有し、
前記被検査体と前記結像光学系との距離の変動に応じて変化する前記4分割フォトディテクタの光量変化に基づいて、前記被検査体と前記結像光学系との距離が一定に保たれるように、前記結像光学系を駆動する非点収差法を用いたオートフォーカス手段を有すると共に、
前記対物レンズで捉えられる前記被検査体上の映像取得領域と、これに対応する、前記結像レンズで映し出される領域において、
前記結像レンズで映し出される領域の一部を使用する撮像素子を用い、
前記照射手段および前記反射素子のうちの少なくとも一方の角度を変えることによって、前記対物レンズで捉えられる前記被検査体上の前記映像取得領域のうちの前記撮像素子に対応する画像取得領域、を除く領域に前記レーザービームのスポットが位置するようにし、これにより、前記撮像素子を除く領域に前記レーザービームのスポットの像が位置するようにしたことを特徴とする欠陥検査装置。
(構成2)
前記反射素子は、前記レーザービームを反射する素子であることを特徴とする構成1に記載の欠陥検査装置。
(構成3)
前記撮像素子はTDIセンサであり、
前記結像光学系は、TDIカメラを含み、
前記被検査体とTDIカメラとを、一定速度で一定方向に相対的に移動させる手段を有し、
被検査体上の撮像領域の移動方向および速度とTDIセンサにおけるCCDの電荷転送の方向および速度を合わせることで、CCDの垂直段の数だけ前記撮像領域を繰り返し露光し撮影する手段を有することを特徴とする構成1または2に記載の欠陥検査装置。
(構成4)
前記欠陥検査装置は、焦点尤度が±0.1mmより小さい高精度の結像光学系を備えることを特徴とする構成1から3のいずれかに記載の欠陥検査装置。
(構成5)
前記結像光学系の照明光は、複数のLEDを円環状に配置するとともに、前記複数のLEDによるスポット光のそれぞれが前記結像光学系の焦点位置を中心とした画像取得領域に集まるようにしたリング照明であることを特徴とする構成1から4のいずれかに記載の欠陥検査装置。
(構成6)
前記リング照明は、前記複数のLEDによるスポット光のそれぞれが基板表面に対して鋭角に照射され、その反射光が、前記対物レンズに直接入らないように構成した反射の暗視野リング照明であることを特徴とする構成1から5のいずれかに記載の欠陥検査装置。
(構成7)
前記リング照明は、前記複数のLEDによるスポット光のそれぞれが基板裏面に対して鋭角に照射され、前記基板中を屈折を経て透過した透過光が、前記対物レンズに直接入らないようにした透過の暗視野リング照明であることを特徴とする構成1から6のいずれかに記載の欠陥検査装置。
(構成8)
前記被検査体の前記光学系とは反対側に設置されると共に、前記結像光学系の光軸と同軸の透過のスポット照明をさらに有することを特徴とする構成1から7のいずれかに記載の欠陥検査装置。
本発明の欠陥検査装置は、結像光学系と同じ光学系(同軸の光学系)に同軸オートフォーカス機能を有することで、画像取得位置での極めて正確な焦点調整が可能となり、基板姿勢に依存しない安定した高い欠陥検出力が発揮できる。
本発明の欠陥検査装置の主要部分を説明するための模式図である。 非点収差法を説明するための模式図である。 同軸オートフォーカスモジュールの構成を示す図である。 オートフォーカス機能に用いるレーザービームの撮像素子への映り込みを回避する手段を説明するための図である。 本発明の欠陥検査装置における4分割フォトディテクタによる受光信号をモニタ画面に表示した例を示す図である。 本発明の欠陥検査装置における4分割フォトディテクタによる受光信号を説明するための模式図である。 本発明の欠陥検査装置のXYZ駆動系を説明するための図である。 ロータリー型の基板保持機構を説明するための図である。 リング照明を説明するための模式図である。 リング照明のハウジングを説明するための図である。 リング照明の作動距離d、リング照明の半径r、リング照明の照射角度αの関係式を説明するための図である。 表面側リング照明の最適設計を説明するための図である。 裏面側リング照明の最適設計を説明するための図である。
図1は、本発明の欠陥検査装置の主要部分を説明するための模式図である。
図1において、紙面に垂直な方向がX軸、紙面の上下方向がY軸、紙面の左右方向がZ軸、とする。
被検査体1の表面側(図面右側)には、結像光学系100が配設される。結像光学系100はXYZ駆動手段によって、X軸、Y軸、Z軸方向に駆動可能に構成されている。
結像光学系100は、対物レンズ11、結像レンズ12および撮像素子13を備える撮像カメラ(例えばTDIカメラ)10、対物レンズと結像レンズの間に配置されるオートフォーカスモジュール(同軸AFモジュール)20、照明手段31、を有する。照明手段31は対物レンズ11に装着される。
被検査体1の裏面側(図面左側)には、照明手段32、スポット照明手段33、を有する照明系101が配置される。照明系101は、結像光学系100と一体として(または完全に同期して一体的に)、XYZ駆動手段によって、X軸、Y軸、Z軸方向に駆動可能に構成されている。
照明手段31は、リング照明が好ましい。リング照明は、複数のLEDを円環状に配置するとともに、複数のLEDによるスポット光のそれぞれが撮像カメラ(例えばTDIカメラ)10の焦点位置を中心とした領域(画像取得領域、検査領域、撮像領域)に集まるように、複数のLEDの指向性および光軸を調整した上で、円環状の部材に固定したものである。照明手段31であるリング照明は、前記リング照明における円環の中心軸と前記結像光学系100の光軸Oと、を一致させ同軸とすることが好ましい。
照明手段31であるリング照明は、3つの同心円のそれぞれの円に沿って、LEDを円環状に3重(3列)に配置した構成を有する(図9参照)。外側および内側のLED円環列は、青色LEDが使用され、真ん中のLED円環列は、黄色LEDまたはオレンジ色LEDが使用される。ガラス基板およびマスクブランク(薄膜付き基板)を検査する際は、3列すべて(青色LEDおよび黄色LED)が使用される。レジスト付きマスクブランクを検査する際は、真ん中のLED円環列(黄色LEDのみ)が使用される。レジストの感光を避けるためである。
被検査体1の裏面側(図面左側)には、照明手段32、スポット照明手段33、を有する。
照明手段32は、リング照明が好ましい。
照明手段32であるリング照明は、3つの同心円のそれぞれの円に沿って、LEDを円環状に3重(3列)に配置した構成を有する(図9参照)。外側、真ん中、内側の各LED円環列は、すべて青色LEDが使用される。ガラス基板およびマスクブランク(薄膜付き基板)を検査する際は、通常、3列すべて(青色LED)が使用される。照明手段32であるリング照明は、前記リング照明における円環の中心軸と前記結像光学系100の光軸Oと、を一致させ同軸とすることが好ましい。
スポット照明手段33は、透過のスポット照明(例えば平行光のスポットライト)が使用され、青色LEDが使用される。スポット照明手段33は、マスクブランク(薄膜付き基板)におけるピンホールや、明確なエッジを持たず散乱光の発生が少ないハーフピンホールや、散乱光の発生が少ない膜のへこみ(凹部)や、散乱光の発生がない薄膜のなだらかな曲面の窪み(グラデェーション)などの検出に効果的である。スポット照明手段33は、スポット照明の中心軸(LEDの光軸)と前記結像光学系100の光軸Oと、を一致させ同軸とすることが好ましい。
スポット照明手段33は、平行性が良好で高輝度(高照度)なLED光源やランプ光源などによる垂直透過照明である態様や、面発光光源などが含まれる。
なお、本発明において、LEDは、円環状に1重(1列)、2重(2列)、4重(4列)以上の多重とする態様が含まれる。
また、本発明には、リング照明によって基板上に形成される照明領域の中心と、リング照明における円環の中心軸とは、一致しない態様(リング照明による偏心的な照明の態様)が含まれる。
なお、被検査体1の板厚に応じて、照明手段32であるリング照明の作動距離d(ワーキングディスタンス:WD)を調整できるようになっている。ワーキングディスタンスは、基板表面に対するリング照明の設置距離であり、より詳しくはリング照明の基板側の先端から基板表面までの距離である。
ガラス基板を検査する際は、照明手段31および照明手段32が使用されることが好ましく、これらの照明は両方同時に使用されることが好ましい。双方の照明に起因(対応)する欠陥を1度に検出できるからであり、1回の検査で欠陥があるかないかを効率良く検査できるからである。ガラス基板の検査では、キズ、異物、ガラス内部の異物や脈理などの光学的欠陥が検出される。
マスクブランク(薄膜付き基板)を検査する際は、照明手段31、照明手段32およびスポット照明手段33が使用されることが好ましく、これらの照明は全て同時に使用されることが好ましい。全ての照明のそれぞれに起因(対応)する欠陥を1度に検出できるからであり、1回の検査で欠陥があるかないかを効率良く検査できるからである。マスクブランク(薄膜付き基板)の検査では、ピンホール、ハーフピンホール、異物などが検出される。
レジスト付きマスクブランクを検査する際は、照明手段31における真ん中のLED円環列(黄色LEDのみ)が使用される。レジストの感光を避けるためである。レジスト付きマスクブランクの検査では、基板欠陥に加えて、レジストピンホール、レジストハーフピンホール、異物などが検出される。
被検査体1としては、ガラス基板、マスクブランク(薄膜付き基板)、レジスト付きマスクブランクなどが挙げられる。マスクブランクは、バイナリーマスク、グレートーンマスク(階調マスク)、位相シフトマスクなどの作製に用いるマスクブランクが挙げられる。
マスクブランクの検査は、単層膜の状態で検査する態様の他、2層膜や3層以上の積層膜の状態で検査する態様が含まれる。また、マスクブランクの検査は、2層膜や3層以上の積層膜の場合、成膜する毎に検査する態様が含まれる。
被検査体1としては、FPDなどの表示装置用の大型基板や中型・小型基板が含まれる。
本発明において、FPD(フラットパネルディスプレイ)などの表示装置(表示デバイス)としては、液晶表示装置、プラズマ表示装置、EL表示装置、有機EL表示装置、LED表示装置、DMD表示装置が代表的なものである。
遮光マスク40は、迷光対策として光学系に挿入される。遮光マスク40は、欠陥像の結像に寄与しないような光(迷光)をカットする。遮光マスク40は、大きさを変えながら迷光対策に適した位置に適した大きさで設置するとよい。遮光マスク40は、遮光板を使用してもよく、絞りを使用してもよい。
遮光マスク40は、例えば、対物レンズ11と結像レンズ12との間に設置される。遮光マスク40は、例えば、対物レンズ11と被検査体1との間、被検査体1と照明手段31との間、被検査体1と照明手段32との間などに設置される。遮光マスク40は、これらの全ての箇所に設置でき、これらのうちの任意の箇所に設置でき、上記以外の光路の任意の箇所にも設置できる。
本発明において、撮像素子13としては、CCD、TDI、CMOS、VMISなどの固体撮像装置が代表的なものである。
被検査体1は、基板保持手段(図示せず)で保持されている。
架台200は、除振台となっている。除振台は、除振機能をロックする機能があり、ロボットによる基板の装置への着脱の際は除振機能をロックすることで装置の空間位置を固定できる。
図2は、非点収差法を説明するための模式図である。
非点収差法では一般的にシリンドリカルレンズ(円柱レンズ、かまぼこ形状のレンズ)を使用する。被検査体1の表面で反射され、4分割フォトディテクタ(PD)への戻り光路中にシリンドリカルレンズを挿入すると、シリンドリカルレンズは図のX軸方向にのみレンズ効果があるため、X軸方向の焦点位置とY軸方向の焦点位置がずれて非点収差が発生し、ビームの形状は光軸上の距離によって、1(縦長楕円)→2(円形)→3(横長楕円)のように変化する(図2の上方の図)。
ここで、上から時計回りにA、B、C、Dに4分割されたフォトディテクタでビームを受光すると、1〜3それぞれの場合にA〜Dの入射光量のバランスが変化する。
1の場合、AおよびCの入射光量が大きい(図2中の1の下方に示す図)。
2の場合、A.B.C.Dの4つの入射光量が等しい。
3の場合、B及びDの入射光量が大きい。
被検査体1の表面にレーザービームの焦点が合っているときに、4つの入射光量が等しくなり、ビームの形状が円形になるように光学系を調整しておけば、(A+C)−(B+D)の演算結果から、(A+C)−(B+D)=0となるように結像光学系100の位置を制御することにより、常に被検査体1の表面にレーザービームの焦点が合っている状態を保つことができる。(A+C)−(B+D)をフォーカスエラー信号(FE)という。結像光学系100の位置は駆動機構(例えば、リニアモータステージ)により動かすことが可能で、高速かつ正確に制御することができる。
FE>0の場合は、手前にフォーカスがずれている(被検査体1が近い)。
FE=0の場合は、フォーカスが合っている(合焦)。
FE<0の場合は、奥側にフォーカスがずれている(被検査体1が遠い)。
図3は、同軸オートフォーカスモジュールの構成を示す図である。
同軸オートフォーカスモジュールは、レーザー光源(レーザーダイオード)21、絞り22、偏光ビームスプリッタ(PBS)23、1/4波長板24、反射素子(プリズムミラー)25、集光レンズ26、シリンドリカルレンズ27、4分割フォトディテクタ(光検出器)28で構成される。
レーザー光源(レーザーダイオード)21から発せられたレーザービームは、絞り22を介して、偏光ビームスプリッタ(PBS)23に入射され、その透過光は、1/4波長板24を透過し、反射素子(プリズムミラー)25に入射され、反射素子(プリズムミラー)25で反射されて、結像光学系100の光軸Oに沿って対物レンズ11を透過し、被検査体1の表面に入射し、反射される。この反射光は、結像光学系100の光軸Oに沿って対物レンズ11を透過し、反射素子(プリズムミラー)25に入射され、その反射光は、1/4波長板24を透過し、偏光ビームスプリッタ(PBS)23に入射され、その反射光が、集光レンズ26、シリンドリカルレンズ27を順次透過して、4分割フォトディテクタ28に入射される。
本発明は、結像光学系と同軸の非点収差法を用いたオートフォーカス機能を有すると共に、オートフォーカス機能に用いるレーザービーム(参照光)の撮像素子への映り込みを回避した欠陥検査装置である。
図4は、オートフォーカス機能に用いるレーザービームの撮像素子への映り込みを回避する手段を説明するための図である。
詳しくは、図4(1)は、撮像カメラ(例えばTDIカメラ)の結像光学系(対物レンズ)による被検査体1上の映像取得領域と被検査体1上のレーザービームのスポットとの位置関係を説明するための図である。図4(1)は、映像取得領域を正面から見た図(対物レンズを通して見た図)である。
図4(2)は、撮像素子(例えばTDIセンサ)を含む受光平面における、撮像素子(例えばTDIセンサ)領域と、レーザービームが被検査体1で反射され、その反射光が結像光学系を介して撮像素子(例えばTDIセンサ)を含む受光平面上に結像する位置との位置関係を説明するための図である。図4(2)は、受光平面を背面から見た図である。
TDIセンサは、CCDを横方向に一列に並べ、更に縦方向にもCCDを複数列並べたものである。複数列のCCDで得られた画像を積分露光することで、高い感度の画像を得ることができるようになる。TDIセンサについては後述する。
図4に示すように、対物レンズで捉えられる被検査体1上の映像取得領域Aと(図4(1))、これに対応する、結像レンズで映し出される領域Bがある(図4(2))。これらの領域は、結像光学系100の視野の領域である。
本発明では、図4(2)に示すように、結像レンズで映し出される領域Bの一部を使用する撮像素子Tを用いる。
そして、本発明では、図4(1)に示すように、対物レンズで捉えられる被検査体1上の映像取得領域Aのうちの撮像素子に対応する画像取得領域T’、を除く領域にレーザービームのスポットSが位置するようにする。これにより、図4(2)に示すように、撮像素子Tを除く領域にレーザービームのスポットの像S’が位置するようにした。
このように、例えば、図4(1)に示すように、レーザービームのスポットSの位置(レーザービームの集光位置)を、光軸Oから僅かにずらすことで(映像取得領域Aの面上で平行移動させ画像取得領域T’の外にずらすことで)、レーザービームのスポットの像S’が撮像素子Tに映り込むことを回避する。
このためには、例えば、図3に示す同軸オートフォーカスモジュールにおいて、レーザー光源(レーザーダイオード)21、または、反射素子(プリズムミラー)25を、レーザービームが光軸Oを通る状態から、僅かに傾ける。
なお、「僅かに」とは、レーザービームのスポットの像S’が撮像素子Tに映り込むことを回避できる程度である。レーザービームのスポットの像S’は、フォーカスのずれに応じて拡大するので、それを考慮し、撮像素子に映り込むことや、撮像素子に影響を与えること(例えばノイズ)を回避できるようにする。また、レーザービームのスポットの像S’は、レーザー光源(レーザーダイオード)を置く位置やレーザー光源の太さ(ビームの径)に応じて大きさが変化するので、それを考慮し、撮像素子に映り込むことや、撮像素子に影響を与えること(例えばノイズ)を回避できるように、レーザー光源(レーザーダイオード)の配置や絞り22を調整する。
なお、非点収差法は、基板とレーザービームとの垂直性の確保が原則である。本発明では、基板に対してレーザービームを「僅かに」傾けた場合であっても、欠陥検査装置において、非点収差法を実用しうる(非点収差法のフィードバックができる)ことを確認した。また、これに加え、大型基板が、例えば図1のX軸方向に0.05°程度傾いている場合(この傾きは、100mm長では約0.09mmのズレとなる)においても非点収差法を実用しうることを確認した。なお、非点収差法を実用に供するためには、基板の傾きは、視野の範囲内でピントが合うような傾きであればよい。視野の真ん中ではピントが合うが視野の周辺ではピントがぼけるような傾きは好ましくない。
なお、非点収差法の合焦位置と結像光学系の焦点位置は、一致させることもできるが、ずらす(オフセットをかける)こともできる。
なお、図4において、撮像素子(画像センサー)を、TDIセンサから、ラインセンサや、長方形の画像センサー(エリアセンサ)、正方形の画像センサー(エリアセンサ)に替えた場合においてもオートフォーカス機能に用いるレーザービームの撮像素子への映り込みを回避できるが、エリアセンサの場合は、ステップアンドリピート方式(ある領域を停止状態で撮像し、隣の領域に移動して停止状態で撮像するステップを繰り返す方式)による撮像のたびにフォーカッシング(焦点合わせ)を行うことになり、検査時間がかかる。正方形の画像センサー(エリアセンサ)に替えた場合は、図4(1)に示す、レーザービームのスポットSの位置と、光軸Oとの距離が相対的に大きくなる。長方形の画像センサー(エリアセンサ)に替えた場合は、図4(1)に示す、映像取得領域Aを広く利用できなくなるので、検査時間がかかる。
なお、対物レンズによる映像取得領域のうちの撮像素子に対応する画像取得領域が、検査領域に対応し、撮像素子による撮像領域に対応する。
なお、本発明の課題を解決しうる一態様として、照明波長を例えば青にして、非点収差法で用いるレーザー光(参照光)の波長を赤にしておき、赤い波長だけをカットするフィルタを撮像素子の前面に入れておく構成においても、参照光は撮像素子に映り込まない(映り込み回避手段に該当する)。この構成の場合は、撮像素子と参照光の像の位置をずらす必要はない。しかし、赤い波長だけをカットするフィルタは青い波長に対しても影響を及ぼす(悪影響が出る)ので、このようなフィルタを入れない方法である、撮像素子と参照光の像の位置をずらす方式の本発明は優れる。
本発明には以下の構成が含まれる。
対物レンズ、結像レンズおよび撮像素子を備える結像光学系を有し、
前記対物レンズを利用(共用)し、レーザービーム(参照光)を用いて、オートフォーカス手段を構築(構成)すると共に、
前記オートフォーカス手段に用いる前記レーザービーム(参照光)の前記撮像素子への映り込みを回避する手段を有することを特徴とする欠陥検査装置。
本発明において、非点収差法で用いるレーザービームのスポットSの位置と結像光学系の光軸Oとの距離は、レンズの倍率により異なるため一概に言えないが、例えば、1倍の対物レンズの場合、2mm以上7mm以下が好ましく、3mm以上6mm以下がさらに好ましく、4mm以上5mm以下がより好ましい。
上記のように、本発明は、結像光学系と同軸の非点収差法を用いたオートフォーカス機能を有すると共に、オートフォーカス機能に用いるレーザービームの撮像素子への映り込みを回避した欠陥検査装置である。
通常、画像取得領域Aおよび撮像素子Tの領域は、その中心位置(重心位置)と光軸Oとが一致するよう設定される。レンズの中心(光軸)に近い程、解像性などの光学特性に優れるためである(図4(1)、(2)参照)。これに対し、光軸Oに対し、撮像素子Tの領域をずらすことも可能だが、光学特性は不利となる。
本発明では、レーザービームのスポットSの位置を、光軸Oの位置からずらし、画像取得領域T’を除く領域に位置するようにし、これにより、レーザービームのスポットの像S’が撮像素子Tに映り込むことを回避する(図4参照)。レーザービームのスポットSの位置と、レーザービームのスポットの像S’の位置は、結像光学系の共役の位置関係にある。
本発明では、TDIセンサを含む受光平面に到達したレーザービームのスポットの像S’が、TDIセンサTを避けた位置に到達する(結像される)ようにする。このための手段としては、具体的には、例えば、レーザー光源(レーザーダイオード)21、または、反射手段(プリズムミラー)25、を所定の方向に僅かに傾ける。
なお、例えば、反射手段(プリズムミラー)25を、光軸と平行な位置にずらす(平行移動させる)だけでは、レーザービームのスポットSの位置は光軸O上で変わらないが、これと同時に反射手段(プリズムミラー)25、を所定の方向に僅かに傾けることで、レーザービームのスポットの像S’が、TDIセンサTを避けた位置に到達する(結像される)ようにすることができる。
DVD、ブルーレイ、CDなどのプレーヤー関係のピックアップ光学系は光量変化を見ているだけである。これに対し、本発明では、光量変化に基づくフォーカッシング(オートフォーカス:AF)をやりながら、同じ光学系で検査している場所の像を撮像素子(センサ)上に、作るという部分が大きく異なっている。その際、非点収差法で用いるレーザービームのスポット像が、撮像素子(センサ)に映り込まないように工夫している。
本発明は、1つの光学系(同じ光学系、同軸の光学系)に、欠陥検査の結像系と、非点収差法の結像系を組み込んだものである。非点収差法の結像系は、対物レンズと結像レンズを備える結像光学系において、対物レンズを使用(共用)して、組み込まれる。欠陥検査の結像系は、対物レンズと結像レンズを備える結像光学系を使用する。この際、非点収差法で用いるレーザービームのスポットが対物レンズの映像取得領域内(視野内)に映り込んでしまう。このレーザービームのスポットの場所を光軸から僅かにずらすという工夫と、TDIセンサ(縦長の細いセンサ)を使用し、レーザービームのスポットの像が、TDIセンサ(縦長の細いセンサ)に映り込まないようにするという工夫によって、1つの光学系(同じ光学系、同軸の光学系)で、欠陥検査と、欠陥検査の光学系のフォーカッシング(オートフォーカス:AF)を実現できる。
また、本発明によれば、TDIセンサでつくる2次元像に悪影響を与えずに常にフォーカッシング(オートフォーカス:AF)ができるという利点がある。さらには、常にフォーカッシングしつつTDIセンサでデータを取得することによって、TDIセンサでつくる2次元像の精度が向上する。これにより、欠陥検出精度の向上をより図ることが可能となる。
上記のように、本発明は、欠陥検査装置の結像光学系を共用し、欠陥検査装置の結像光学系に非点収差法を用いたオートフォーカス機能を組み込んだものである。例えば、TDIカメラなどの像をつくるもの(結像光学系)に対して非点収差法を用いたオートフォーカス機能を組み込んだものである点が一番の特徴である。
本発明の欠陥検査装置は、
前記撮像素子はTDIセンサであり、
前記結像光学系は、TDIカメラを含み、
前記被検査体とTDIカメラとを、一定速度で一定方向に相対的に移動させる手段を有し、
被検査体上の撮像領域(撮像対象物)の移動方向および速度とTDIセンサにおけるCCDの電荷転送の方向および速度を合わせることで、CCDの垂直段の数だけ前記撮像領域(撮像対象物)を繰り返し露光し撮影する手段を有することが好ましい。
ここで、被検査体上の撮像領域の移動方向および速度とCCDの電荷転送の方向および速度を合わせることで、CCDの垂直段の数だけ前記撮像領域を繰り返し露光し撮影する手段は、例えば、TDIカメラ内蔵の制御装置(制御回路、CPU、ソフトウエアなど)で行うことができる。
通常のラインセンサは、CCDを一列に並べたものである。TDI(Time Delay Integration)センサー(素子)では、ライン上に配列されたCCD(一列)が、更に前記ラインに沿った方向に対し垂直な方向にも複数列配置されている。複数列のCCDで得られた画像を積分露光することで、高い感度の画像を得ることができるようになる。
一定速度、一定方向に移動する撮影対象物ならば、撮影対象物の移動方向・速度とCCDの電荷転送の方向・速度を合わせることで、CCDの垂直段の数だけ対象物(1列分のCCDに対応する対象物の同一領域)を繰り返し露光・撮影させる。
1列目のCCDで得られた撮像は、そのまま2列目のCCDに転送される。2列目のCCDでは、前列から送られてきた撮像に、2列目のCCDで得られた撮像を加算して蓄積し、更に3列目のCCDに転送される。n列目のCCDでは、n列目のCCDで得られた撮像を、(n−1)列目までで累積された撮像に加算して、(n+1)列目に転送する。すなわち、x列のCCDを並べたTDIセンサでは、得られた撮像はx倍となって蓄積されることになる。x列の積分露光を行う場合、x倍の光量と√x(ルートx)のノイズ軽減が期待できる。
この結果、格段に高い感度が得られ、高速性と高感度を両立できる。
従来のCCDでは、高解像度であるがゆえの感度不足の低輝度の画像しか得られなかったが、積分露光することにより、高解像度でありながら明るく鮮明な画像が得られるようになる。明るさ不足を補うために、撮影対象物の移動速度を落とす、あるいは停止させてしまうなどの従来方式と比べると、高速かつ短時間で処理ができるようになる。
尚、TDIでは、移動しながら対象を撮影するという性格上、カメラ技術だけでなく。光学技術、搬送技術なども含めた、トータルなソリューション力が必要となる。
TDIはコピー機のように流し撮りができる。普通のエリアセンサのように、ある領域を停止状態で撮像し、隣の領域に移動して停止状態で撮像するステップを繰り返すステップアンドリピート方式ではない。TDIの方がトータルスループットは3倍から4倍という状態をつくれる。ステップアンドリピート方式では、重量のある結像光学系の駆動と停止(加速と減速)を高速で繰り返すので、振動が生じるが、TDIではこのような振動は生じ難い。
TDIセンサは、例えば、縦長(24mm×1.5mm(128段))で1.5mm幅なので、縦長のTDIセンサの長辺の脇に少し(例えば3mm)ずらして測長レーザスポットの像が来るようにすることは容易である。このためには、測長レーザスポットを光軸に対し僅かに傾ければよい。
本発明はラインセンサにも適用可能である。ラインセンサでは、TDIと同様に流し撮りができる。TDIセンサは128段で、ラインセンサの128倍の光量がとれる。光量が取れる分128倍検査スピードを上げることができる。
CCDエリアセンサの場合、例えば、15mm角より外側に測長レーザスポットを無理してずらせば適用できなくはない。但し流し撮りはできないし、感度がよくない。同軸からのずれも大きくなる。
本発明では、TDIセンサが好ましい。ラインセンサや、エリアセンサでは2世代先の欠陥検査は難しい。
本発明の欠陥検査装置は、焦点尤度が±0.1mmより小さい高精度の結像光学系を備えることが好ましい。
前述したように、高精度の欠陥検査装置に用いる結像光学系では焦点尤度が±0.03mm程度であり、焦点尤度が小さいことは大きな課題の1つである。
本発明は、高精度の結像光学系を備える欠陥検査装置に適する。高精度な欠陥検査には、高精度な結像光学系で検査することが必要だからである。本発明の欠陥検査装置は、焦点尤度が±0.1mmより小さい高精度の結像光学系を備える欠陥検査装置に適し、焦点尤度が±0.05mmより小さい高精度の結像光学系を備える欠陥検査装置に適し、焦点尤度が±0.03mmより小さい高精度の結像光学系を備える欠陥検査装置に適し、焦点尤度が±0.02mmより小さい高精度の結像光学系を備える欠陥検査装置に適する。
本発明では、対物レンズの倍率は、例えば0.5以上3倍以下の範囲である。
本発明では、対物レンズの開口数(NA)、例えば0.2以上0.5以下の範囲である。
本発明では、基板の裏面近くの内部にある脈理に関しては、基板の厚さが薄い場合(例えば 4〜6mm程度)、検出可能である。
本発明では、基板の裏面近くの内部にある脈理に関しては、基板の厚さが厚い場合(例えば10mm程度)、例えば対物レンズ1倍だと検出できないが、対物レンズ0.3倍や0.1倍であれば焦点深度が深く検出可能である。
本発明は、基板を垂直保持するタイプの欠陥検査装置に適する。本発明では、基板の傾きは大きな課題の1つである。
基板を基板支持部に供給し基板を支持する際に、基板の底辺を支持する支持部(基板保持接触部271)が図1に示すように湾曲していることにより自重による基板の傾きの修正作用が働く。具体的には、基板の重量が大きいため(例えば80kg)、X軸周りおよびY軸周りの回転が生じ、自重による基板の傾きの修正作用が働く。
なお、基板の傾きは、欠陥検査装置における理想的な基板の支持姿勢(空間的な支持位置)に対し、実際の基板の支持姿勢がずれることによって生じる。
基板の傾きは、基板を基板支持部に供給し基板を支持する際に、ロボットアームによる基板の支持姿勢の誤差、並びに、ロボットアームによる基板の供給位置精度の誤差、および、装置の基板支持部による基板の支持姿勢の誤差、などによって生じる。
図7は、本発明の一実施の形態に係る欠陥検査装置を説明するための平面図である。架台200上に設置された本体フレーム201の内部に、欠陥検査を行う被検査体(基板)1を垂直に立てた状態に取り付け固定するための(保持手段)(図示せず、後述する)、結像光学系100(欠陥検査を行うための光学系)および観察光学系(欠陥の拡大観察を行うための光学系)を含むヘッド部300、該ヘッド部300をXYZの三方向に移動させるためのX軸、Y軸及びZ軸の各ステージ211、212、213などを配して構成されている。
X軸ステージ211は、Y軸ステージ212をX軸方向(紙面上で左右方向)に移動させることで、ヘッド部300をX軸方向に駆動する。
Y軸ステージ212は、Z軸ステージ213をY軸方向(紙面上で上下方向)に移動させることで、ヘッド部300をY軸方向に駆動する。
Z軸ステージ213は、ヘッド部300をZ軸方向(紙面に垂直な方向)に移動させることで、ヘッド部300をZ軸方向に駆動する。
本発明の欠陥検査装置では、ヘッド部300において、例えば、3台のTDIカメラを、例えば図7のY軸方向に連続して互いに接して配置することが好ましい。これにより、X軸方向に3台(3連)のTDIカメラで走査(スキャン)し、3台分の領域を一度に検査できる。TDIカメラが1台の場合に比べ、検査スピードは3倍(検査時間は1/3)になる。TDIカメラの台数は任意の台数に適宜増減できる。
本発明の装置では、ヘッド部300において、例えば図7のX軸方向に互いに隣接してTDIカメラと観察光学系(顕微鏡)を配置することができる。
X軸、Y軸及びZ軸の各ステージ211、212、213は、結像光学系(例えばTDIカメラ)によるスキャンの時に動く方向に対してのリニアロック機構を有することが好ましい。これは、高精度の観察用の機構で、顕微鏡で像を見るときに非常に細かい振動が残ると像がぶれるので、その非常に細かい振動を、ステージをロックすることでなくす。
本発明の装置では、本体のベースとなる部分(架台)に高い剛性を持った材料を採用することが好ましい。架台は、振動の影響を低減する除振機能を有することが好ましい。
また、本発明の装置では、被検査体(基板)1は固定し、結像光学系100を被検査体(基板)1上の所望位置へ移動させることで欠陥検査を実施する構造が好ましい。被検査体(基板)1の方を移動させる構造の場合は、その分の移動スペースが必要となる。また、被検査体(基板)1は重量が非常に大きいので、被検査体(基板)1の移動や反転・停止の際に振動が生じ易い。
また、結像光学系100および観察光学系には、欠陥検査中に欠陥位置とその周辺を照明するための照明装置を備える。実際の異物欠陥は、その形状や材質から照明の種類によっては観察することが難しい場合も有るため、照明は反射照明である同軸落射照明や暗視野照明、微分干渉照明、透過照明(例えば同軸垂直透過照明)等と、光の質を変化させるためのカラーフィルター、偏光フィルターなどを装備して、様々な欠陥をよりはっきりと観察できるものを装備することが望ましい。
また、フォーカスの正しく合った良好な視野で欠陥検査を実施するために、被検査体(基板)1とレンズ先端の距離を一定に保ち、被検査体(基板)1にレンズ先端が接触することの無いように、オートフォーカスの手段を具備することが望ましい。例えば、オートフォーカスの種類には、レーザーの反射を利用したもの、フォーカス表面の画像コントラストを利用したものなどがあるが、被検査体(基板)1の場合はコントラストを持った部分が存在しないことがあるため、レーザーの反射を利用したものなどが本発明には好ましい。
オートフォーカスでは、非点収差法の他、ナイフエッジ法、などが利用できる。
また、欠陥箇所を観察するための観察光学系(図示せず、ヘッド部300内に装備される)は、欠陥箇所の大まかな位置を掴むための低倍率レンズと、微小欠陥を観察する際の高倍率レンズと、それらの中間的な使い方をするいくつかの中倍率レンズとによって構成されている。これらの光学レンズは複数の単レンズをレボルバーなどを用いて切り替える方法が好適である。
また、本発明においては、光学系と被検査体(基板)1との間の空間において、光学系に用いる光学レンズは極力作動距離の長いものが好適である。少なくとも数mm、できれば4mm以上の作動距離(レンズのワーキングディスタンス)のものが好適である。
観察光学系における照明装置で用いる光源の波長としては、380〜800nmの範囲を用いることが好ましい。380nmより小さい波長の紫外域の光を含むと、紫外域対応の光学部品が必要となり高価となる。また800nmより大きい赤外域の光を含むと、熱をもつことから、被検査体や観察装置に対し悪影響を及ぼす危険性がある。光源の波長は、同様の観点からさらに好ましくは400〜750nmである。波長帯の選択は、光源装置内において、波長フィルタを設けて選択することが好ましい。
また、用いる波長又は波長帯により、欠陥の種類によって欠陥が顕在化され易い場合がある等の理由により、光の波長又は波長帯をさらに選択したい場合には、光源と被検査体の間、又は被検査体と観察装置との間に、波長フィルタを設けることもできる。
光源として、平行性が良好である光源を用いることにより欠陥の顕在化をより安定的にすることができる。しかも、高輝度(高照度)な光源を用いることによって、受光光学系に受光される光量が増えるため、観察可能なピンホールのサイズが広がる。また、観察可能な欠陥が、ハーフピンホールや薄膜の凹部などの欠陥まで広がる。
次に、本発明に係る基板保持機構について説明する。
高精度な欠陥検査には、基板保持接触部からの発塵対策が必須となる。
従来は、ガラス基板、マスクブランク(薄膜付き基板)、レジスト付きマスクブランク(レジスト付き基板)などの基板の種類および、基板の板厚の種類、基板の端面形状の種類の全ての組み合わせにおいて、同一の基板保持接触部を使用している。このため、レジスト付き基板の検査後に、基板保持接触部によって削られたレジスト(レジストのかす)が基板保持接触部に付着する。この後、他の基板の検査を行うと、基板保持接触部に付着したレジストが、他の基板の被保持部に移り、さらに基板表面等に移動してしまう問題がある。これをクロスコンタミと呼んでいる。また、クロスコンタミのある基板は成膜装置(真空チャンバー)自体をよごすという非常にやっかいな問題が起きる。
レジスト付き基板の検査後は基板保持接触部の清掃メンテナンスを行うことで品質低下を回避することができるが、工程の負荷が大きく装置の稼働率が落ち大幅な生産性低下が起こる。
設備投資効率の観点から、同一装置での基板種に依存しない装置利用が望まれる。
本発明に係る基板保持機構は、上記の問題を解決するもので、以下の(1)〜(3)の構成を有する。
(1)本発明では、複数の基板保持接触部を提供するロータリー型の基板保持機構により、基板種に応じて基板保持接触部を切り替えることでクロスコンタミ(主にはレジスト)を回避する。つまり、レジスト基板検査用の基板保持接触部と、他の基板検査用の基板保持接触部とを、別々とすることでクロスコンタミを回避する。より詳しくは、レジストの有無が異なり基板の厚さが同じ場合は、同じ形状(形態)の基板保持接触部を2つ用意し、レジスト付き基板用と、レジストなし基板用(例えば、ガラス基板、マスクブランク(薄膜付き基板))とで、基板保持接触部を切り替える。
本発明では、上記構成により、クロスコンタミを回避できるので、欠陥品質の向上に成功した。
(2)また、板厚種、端面形状種に応じて基板保持接触部を切り替えることで基板保持位置の変動を制御する。
図8(3)に示すように、基板保持機構は、基板1を垂直に立てて保持する。基板1の図中の左右の辺は、基板保持機構250によって横から挟む構造になっている。基板1の底辺は、基板保持機構270によって下から支える構造になっている。
図8(2)に示すように、基板保持接触部251は、基板1を溝bを有する部材aで挟んで保持する。このとき基板の厚さのセンターを基準に合わせる保持では、基板1の厚さのセンター(半分の厚さ)は、溝bの真ん中(センター)cにくる。基板の寸法は、中判とよばれる小さなものや、大判とよばれる大きなもの(短辺1m以上)があり、大きいものほど厚さが大きくなる傾向がある。同じ基板保持接触部251だと厚みの違いで溝bにおける基板の当たる場所dが変わってしまい、基板の保持される場所が一定にならないという問題がある。厚みに応じて基板保持接触部251切り替えることで、厚みに応じた溝bを有する部材aで基板1を挟むことで、溝bにおける基板の当たる場所dが一定となる(略V字形状の溝bにおける溝の深さ方向の位置dが一定となる)。基板保持接触部251は、位置決めの作用(機能)があり、略V字形状の溝bにならうように基板1がはまり込むことで、基板姿勢を修正できる。
本発明では、上記構成により、基板保持位置の安定性の向上に成功した。また、清掃メンテナンスを行う必要がないので、生産性の向上に成功した。
(3)特殊C面と呼ばれる端面が片側だけ大きいような基板は、図8(2)に示すような溝bを有する部材aで基板を挟んで保持しようとすると、溝bの真ん中(センター)cと、特殊C面を有する基板のセンターとがずれることが起こる。特殊C面形状に応じた溝bを有する部材aで基板1を挟むことで、このような位置ずれの弊害をなくす。特殊C面を有する基板専用の基板保持接触部251を作製し、これに切り替えて特殊C面を有する基板を保持する。
本発明に係る基板保持機構では、上記(1)〜(3)を実現するために、一番コンパクトで実現可能な方法として、ロータリー式基板保持機構を案出した。
図8(1)は、ロータリー型の基板保持機構の斜視図である。図8(2)は、基板保持接触部で基板を保持している状態(部分拡大)を示す図である。図8(3)は、基板保持接触部で基板を保持している状態(装置全体)を示す図である。
図8(1)および図8(3)において、ロータリー型の基板保持機構250は、基板1が倒れないように横から挟む(つかむ)ための機構である。
ロータリー型の基板保持機構250は、支柱230に取り付けられる(図8(3))。
ロータリー型の基板保持機構250は、複数の基板保持接触部251が円板状の部材252の円周に沿って取り付けられている。基板保持接触部251は、断面略V字形状の溝bを有する部材aで基板1を挟んで保持する。円板状の部材252は、回転軸253で回転可能であり、複数の基板保持接触部251のうちの所望の基板保持接触部251を、ロータリー式(回転式)で切り替え(選択)可能に構成されている。円板状の部材252は、所望の回転位置で固定可能に構成されている。回転の際は固定は解除される。回転軸253は、回転軸駆動(制御)機構254に取り付けられている。回転軸駆動(制御)機構254は、支柱への取り付け部材255によって支柱230に取り付けられる。
支柱230は、図中左右方向(X軸方向)に駆動可能に構成されている。
図8(3)において、ロータリー型の基板保持機構270は、基板1の底辺を、下から支える構造になっている。
ロータリー型の基板保持機構270は、長方形であり、長方形の重心を中心に180°回転し上下反転できるようになっている。長方形の短辺の部分(2箇所)は、基板と接触し基板を受けて支えて保持する基板保持接触部271を有する。レジスト付き基板用と、レジストなし基板用とで、基板保持接触部271を切り替える。これにより、クロスコンタミが起こらないようにしている。
ロータリー型の基板保持機構270は、装置への取り付け部材275に取り付けられた回転軸駆動(制御)機構(図示せず)および回転軸(図示せず)によって、ロータリー式(回転式)で切り替わる方式になっている。
基板保持接触部271は、基板の下端(底辺)を受けるだけで、基板が動けるように(ロボットハンドの誤差も吸収できるように)ゆるやかな円弧状(基板の厚み方向の断面形状)になっている(図1参照)。基板の下端(底辺)を固定する保持機構であると、基板を横から挟む際に基板が割れるおそれがある。
ロータリー型の基板保持機構においては、ガラス基板、マスクブランク(薄膜付き基板)、レジスト付きマスクブランク(レジスト付き基板)などの基板種および、板厚種、端面形状種の全ての組み合わせにそれぞれ対応した複数の基板保持接触部を準備(作製)し、これらを切り替えて使用することが可能となる。
これにより、レジストのクロスコンタミによる品質低下の回避とレジスト清掃メンテナンスによる大幅な生産性低下の回避を両立できる。また、ガラス基板の保持位置(保持姿勢)を安定させることが可能となり、重量物である大型基板の搬入搬出の安定性向上と、欠陥検査の検出力の安定性向上に寄与する。
特に、ロータリー型の基板保持機構を用いると、基板サイズによらず基板の保持位置(保持姿勢)を安定させることが可能となる。これにより、基板の傾きを相対的に低減する効果がある。例えば、基板の傾きを、例えば図1のX軸方向またはY軸方向に0.05°程度傾きの範囲内(この傾きは、1000mm長では約0.9mmのズレとなる)に収めることが可能となる。
図8(3)において、図中の高さ方向(上段、中段、下段)でロータリー型の基板保持機構250における基板保持接触部251の数が違うのは、大きい基板だと厚みの数も限られるのでより高い位置(上段)では基板保持接触部251の数は少なくなることに対応している。中段は、特殊C面を有する基板のサイズにも対応している。低段は全ての基板に対応するため基板保持接触部251の数は最大となる。上段に行くほど基板の種類が限定されてくるので基板保持接触部251の数も少なくなる。
本発明に係る基板保持機構では、基板情報を入力すると、基板保持接触部251および基板保持接触部271が切り替わる構成とすることができる。また、サイズ、種別の自動判別に応じて、基板保持接触部251および基板保持接触部271が切り替わる構成とすることもできる。
本発明に係る基板保持機構では、例えば、ロボットハンドで基板をつかんで欠陥検査装置の下部にある基板保持接触部271に基板の底辺を置いて、倒れない程度にロボットハンドを少し緩めて、基板が自由度を持った状態にしておいて、図中左右方向に退避させておいた支柱230を基板側に移動させ、基板を横から基板保持接触部251で挟み込む。基板をしっかり挟んだことを確認し、ロボットハンドが開いてロボットハンドが退避していく、という手順にすることができる。
ロボットによる基板の受け渡しに関しもう一工夫ある。欠陥検査機なので振動を抑える必要がある。このため、架台は、光学定盤がエアー浮上になっている。ロボットによる受け渡しの時にエアー浮上で位置が定まらないと危険なので、受け渡しの時は除振台の機能を停止(ロック)する空間ロックという機能を持っている。空間ロックは、例えば、床と相対的に移動しない足の部分からスピンドルを突き上げて行うことができる。このように、定盤を空間的にロックした状態でロボットでのガラス基板の受け渡しを行う工夫をすることができる。
基板保持接触部251および基板保持接触部271の材質は、特に制限されないが、例えば、スーパーエンジニアリングプラスチックなどのエンジニアリングプラスチックが使用される。基板保持接触部(特に基板と当接する箇所の材質)は、例えば、PEEK(ピーク)(Poly Ether Ether Ketone: ポリエーテルエーテルケトン)が挙げられる。
詳しくは、例えば、基板保持接触部251における基板と接触する箇所(溝bを有する部材a)の材質、および、基板保持接触部271における基板と接触する箇所(基板を受けて支える箇所)の材質は、例えば、PEEK(ピーク)(Poly Ether Ether Ketone: ポリエーテルエーテルケトン)を使用すると、基板にダメージを与えないので好ましい。
次に、LED照明について説明する。
ピント(焦点、フォーカス)が合っている状態を維持するオートフォーカシング技術と、良好に欠陥が検出できるように照明する技術は別である。
高速で高精度な検査を実現するためには高い精度のオートフォーカシング技術が必要でそれをするための技術として同軸オートフォーカス(AF)がある。同軸AFで常にフォーカシングしている状態だとしても、照明が優れた照明でないと期待する高い効果が得られないので、期待する高い効果が得られるように設計した優れたリング照明が必要となる。
また、照明やその光源のほうがいくら優秀な照明やその光源でも、結像のほうがピンぼけの状態だと期待する高い性能が出せない。このため、ピントの合う位置を常時フォーカシング(焦点合わせ)し続けるという技術と併せて、期待する高い効果が得られるように設計したリング照明を適用することが好ましい。
リング照明では、LEDの波長、LEDの広がり角、LEDの直径(寸法)、LEDの照射角度などを設計する。これらの値は欠陥検出力の向上の観点から決定される。
LEDの波長は、例えば可視域の範囲に設計される。例えば、LEDの波長は、青色(465nm)、黄色(592nm)、オレンジ色(610nm)などに設計される。
LEDの広がり角は、例えば、照射角が狭いタイプ(半値角±5度)、通常タイプ(半値角±20度)、パワーLEDタイプ(半値角±60度)、などから選択できる。
LEDの直径(寸法)は、例えば数mmの範囲に設計される。例えば、LEDの直径(サイズ)は、狭角5.0mmや、超狭角3.1mmなどに設計される。
LEDの照射角度は、例えば10度から40度などの範囲に設計される。
リング照明のハウジングは、内径R1、外径R2、厚さt、などを設計する(図10参照)。これらの値は欠陥検出力の向上の観点から決定される。リング照明のハウジングは、円環状であり、円環の内周面にはLEDを取り付けるための傾斜部35が形成されている。ハウジング寸法R3(胴部の厚み)は強度を考慮し設計する(図10参照)。
リング照明のハウジングにおいては、面取り(図示せず)や、遮光板取り付け穴(図示せず)、などを設計できる。これらは、例えば、傾斜部35における検査基板側の面に形成できる。
リング照明では、設計で定めた個数の各LEDの光軸の位置出しを行い(方向制御を行い)、ハウジングに固定する。例えば、ハウジング34の内周面の傾斜部35に貼り付けたフレキシブルプリント基板36に各LED37を埋め込んでいく(図10参照)。
LEDの指向性(広がり範囲)の方が位置出し精度より大きいので、このことを考慮して位置出し精度を調整するとよい。
本発明において、LEDの指向特性(広がり範囲)は、LEDの直径(サイズ)によって違っている。LEDの直径(サイズ)自体はあまり重要なパラメータではなく、指向特性の方を重視して設計することが好ましい。
LEDの照射角度は、例えば、超狭角:±5.5°や、 ±4.0°などでは、狙ったところだけ光を当てるようにコントロールすることが可能となる。
狭角や超狭角タイプのLEDの直径(サイズ)は、例えば、5.5mm、3.8mmが主流であるが、指向特性の方を重視して設計すると、例えば、狭角5.0mmや、超狭角3.1mmなどに設計される。
例えば、LEDの直径(サイズ)が超狭角3.1mmである場合は、LED素子は最密配置でピッチbは4mmとなる(図10参照)。LED素子の配置個数は概ね120素子となる。これにより、360°全ての方向から同時に照明することが可能となる。
本発明では、上述した各種の設計および各種の調整を組み合わせることで、現状で提供されているリング照明およびそれに改良を加え簡易に作製したリング照明に比べ、格段に優れたリング照明の開発に成功した。また、この格段に優れたリング照明を用いることによって、360°全ての方向から同時に照明することが可能となり欠陥の方向性に依存しない欠陥検出が可能となることに加え、現状で提供されているリング照明およびそれに改良を加え簡易に作製したリング照明を使用した場合に比べ、格段に安定した高い欠陥検出力が発揮でき、期待する高い効果が得られる。このリング照明は、次世代はもとより、2世代先、3世代先、その後の次々の世代についても対応能力のある照明系である。このリング照明は、発熱の問題、寿命の問題、耐久性の問題についても何ら問題がないことを確認した。
本発明では結像光学系の集光特性と光源となる複数のLED素子の発光特性から求められる理想的な暗視野照明の配置を定式化した。本発明では機械的な大きさ制限と照明効率から最適な設計に成功した。
本発明では、メカ的要請、暗視野要請(光学的要請)および効率要請(照射密度)の3つの要請(制限要素)から、制限範囲や不等式が規定され、LEDの設計が決まる。このとき、作りやすさや制作費用等を考慮し、制限範囲や不等式の範囲内でLEDの設計が決定される。なお、以下で説明する各値は、個別の機械により異なるが、各値の一例を挙げて説明する。
(表面側:反射の暗視野リング照明)
メカ的要請(寸法制限)の第1点は、リング照明の作動距離d(ワーキングディスタンス:WD)であり、これは、基板表面に対するリング照明の設置距離であり、より詳しくはリング照明の基板側の先端から基板表面までの距離である。基板保持部とのクリアランスを確保するため、リング照明の作動距離d>15mmである。
メカ的要請(寸法制限)の第2点は、リング照明の外形(半径)である。3台のTDIカメラを連続して互いに接して配置する際の配置ピッチを130mmとしているのでリング照明の外形は128mmが限度となる。これは、リング照明を装着した結像光学系を基板の端から端まで検査のため走査する際に、リング照明の外周部が、基板の端の基板保持機構(特に通常裏面側に配置されるロータリー型基板保持ユニット)や装置のフレームなどと衝突や接触が起こらないように、リング照明の外形寸法を所定範囲内に収める必要からの要請である。リング照明の半径r<62mmである。
暗視野要請(光学的要請)は、リング照明の照射角度αである。リング照明の照射角度αは、LEDの光線が基板に入射(照射)される際、光線と基板表面とのなす角である。暗視野照明では、対物レンズに直接照明光が入らないようにする。
暗視野照明の実現には、結像レンズ系を含めた照明設計が必要になる。結像レンズには高開口数(NA)のレンズを使用するため、暗視野照明とするには基板表面に対して鋭角の照射が必要となる。そのため、作動距離の確保には、リング外径を大きくする必要がある。結像光学系における対物レンズの倍率およびNAにより照射角度αの上限が決まる。例えば、対物レンズの倍率が1倍、NAが0.5であるとき、照射角度αの上限は50°になる。また、迷光低減のため、より安全な角度に照射角度を設定するという観点から、照射角度αの上限は30°以下であると好ましい。
効率要請は、リング照明による照射密度pである。照射密度を高くする(照明を明るくする)に従い欠陥検出の時間を短くでき、検査効率が高まるので、照射密度は高い程よい。照射密度を高くする観点からは、照射角度αは大きい程よいのだが、上記の暗視野要請から照射角度αの上限は制限される。これにより、照射密度pも制限される。照射密度pの観点からは、照射角度αは20°以上が好ましい。
図11に示す位置的な関係から、表面側リング照明では、d=rtan(α)(式1)の関係がある。図12(1)は式1を示す。照射密度pは、LED光源からの距離の二乗に反比例するので、図12の(式2)の関係がある。この3Dグラフを図12(2)に示す。これらの3Dグラフを重ね合わせて図12(3)に示す。図12(3)で、濃い色のグラフ(曲面)は式1を示し、薄い色のグラフ(曲面)は式2を示す。
図12(3)に示すrdαの3D図から、照射密度pを考慮しつつ、作りやすさや制作費用等を考慮し、図12(4)に示すように、r:54.0mm、α:25.5°、d:25.0mmに決定した。
なお、表面側の反射のリング照明において、暗視野要請を維持するためには、反射のリング照明は、対物レンズと連動させる必要ある。
(裏面側:透過の暗視野リング照明)
裏面側の透過のリング照明では、メカ的要請、暗視野要請(光学的要請)および効率要請(照射密度)の各関係式(不等式)に関しては、上記表面側の反射のリング照明と同じである。
透過のリング照明では、dの式は、ガラスの厚さgと、裏面からの屈折光となる点が上記反射のリング照明と異なり、これによりdの式も変わる。図11に示す位置的な関係から、透過のリング照明では、図13の(式3)の関係がある。この3Dグラフを図13(1)に示す。図13(2)で、濃い色のグラフ(曲面)は式3を示し、薄い色のグラフ(曲面)は式2を示す。なお、図13(3)は図13(2)の拡大図である。
透過の照明では、ブリュースター角で入射の要請、すなわち、α:33.0°の要請が加わる。ブリュースター角は、P偏光の反射率がゼロになる入射角である。ブリュースター角の現象を利用することにより、ガラス表面に到達する有効な照明に対する反射損失を極めて小さくできる。
図13(2)に示すrdαの3D図から、照射密度pを考慮しつつ、作りやすさや製作費用等を考慮し、図13(3)に示すように、r:50.0mm、α:33.0°、d:20.0mmに決定した。
なお裏面側の透過の暗視野リング照明は、結像レンズの倍率と連動させる必要がある。このような連動の必要性のため、顕微鏡等では、裏面側照明による透過の暗視野は一般的ではない。同様の理由から、反射及び透過両面同時暗視野も例が見られない。
本発明では、上記設計で決定した値に基づいて(若干の数値変更はある)、例えば、表面側(反射側)リング照明は、照射角度αが25°、ハウジングの外径R2が128mm、ハウジングの厚さtが22mmや20mm、などに最終設計される。
裏面側(透過側)リング照明は、照射角度αが31°、ハウジングの外径R2が125mm、ハウジングの厚さtが22mmや19mm、などに最終設計される。
本発明では、上記の具体的な表面側の反射の暗視野リング照明について、リング照明の作動距離d(ワーキングディスタンス:WD)を、例えば、18mm、20mm、22mm、25mm、27mmなどと変化させて、基板上にある半径を持った照明領域にける輝度分布(明るいほどよい)や光量のプロファイル(フラットで光量が高いほどよい)を調べることで、最適なリング照明の作動距離dを求めることができる。これにより、撮像カメラの視野内で均一な照明が作れる。裏面側の透過の暗視野リング照明についても同様である。
本発明では、反射の暗視野リング照明および透過の暗視野リング照明の双方を備える両面同時暗視野照明(反射透過複合の暗視野リング照明)により、前方散乱と後方散乱の双方を同時検出できる。これにより、例えば、前方散乱あるいは後方散乱に偏りのある散乱光が生じるタイプの欠陥に対しても安定した検出ができる。このため、どちらか一方のリング照明を用いる場合に比べ、欠陥検出力が向上する。
このように、本発明では、格段に優れたリング照明と両面同時暗視野の構成によって、欠陥の方向性に依存しない安定した高い欠陥検出力を達成できるとともに、薄いキズや白もや(ホワイトスティン)などのコントラストの低い欠陥に対する高い欠陥検出力が達成できる。
なお、反射の暗視野リング照明と透過の暗視野リング照明を比べた場合、後者の方が欠陥検出力が高い。これは、散乱理論から言うと、前方散乱と後方散乱とでは、一般的には前方散乱の方がより強度が取れるからである。透過の暗視野リング照明による基板の裏面側から入射し、透過される光は前方散乱になる。
本発明では、高い欠陥検出力が得られるが、これは、本発明に係るリアルタイムオートフォーカスの適用、TDIカメラの適用、高NAの光学系の適用、優れた照明系の適用、などの相乗効果による。
本発明では、リアルタイムオートフォーカスの適用により、画像取得位置での極めて正確な焦点調整が可能となり、基板姿勢に依存しない安定した高い欠陥検出力を発揮できる。
本発明では、高精度の結像光学系(高NAで明るく高解像で焦点尤度が極小)を用いた検査における上述した焦点尤度の問題を解消した点で、高精度の結像光学系を用いるが本願発明のリアルタイムオートフォーカスを用いない場合(この場合上記焦点尤度の問題のためピントが合わない場合がある)に比べ欠陥検出の精度が高精度である。
本発明では、TDIカメラの適用で高感度検査に対応できる。これに加え、本発明では、画像取得位置での極めて正確な焦点調整の適用で高感度検査に対応できる。
本発明では、優れた照明系で照明しつつ、常にフォーカッシングしつつTDIセンサでデータを取得することによって、TDIセンサでつくる2次元像の精度が向上する。これにより、欠陥検出精度の向上をより図ることが可能となる。
また、本発明では、TDIカメラの適用で高速検査に対応できる。これに加え、本発明では、リアルタイムオートフォーカス制御にて高速検査に対応できる。
本発明では、高精度の結像光学系(高NAにより明るく高解像で焦点尤度が極小)を用いることによって、このような光学系を用いない場合に比べ、欠陥検出の精度が高精度であり、検出可能な欠陥サイズが相対的に小さくなる点で高精度である。
本発明では、上述したように、格段に優れたリング照明を用いることによって、360°全ての方向から同時に照明することが可能となり欠陥の方向性に依存しない欠陥検出が可能となることに加え、現状で提供されているリング照明を使用した場合に比べ、格段に安定した高い欠陥検出力が発揮できる。
以下、実施例により、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
[欠陥検査装置の製造]
図5は、図1に示す欠陥検査装置に、図3に示す同軸オートフォーカスモジュールを組み込み、検証した結果を示す。
図5は、4分割フォトディテクタによる受光信号をモニタ画面に表示した例を示す図である。
図5で左下の小さい矩形図は、4分割フォトディテクタによる受光の様子を示すモニタ画面であり、図5で右側の大きな矩形図は、4分割の各領域の信号をオシロスコープで観測した様子を示すモニタ画面である。
図5(1)は、フォーカスエラー信号FE>0の場合に相当し、手前にフォーカスがずれている。4分割フォトディテクタによる受光の様子を示すモニタ画面では(縦横に4分割し、右上から時計回りにA、B、C、D領域とする)、AおよびCの入射光量が大きいことに対応してA、Cの領域にまたがる右肩上がりの縦長楕円の受光信号像が得られている。また、オシロスコープのモニタ画面では、AおよびCの入射光量が大きいことに対応してA、Cの領域の各受光信号が上側の2本の信号線として得られている。B、Dの領域の受光信号は下側の2本の信号線が対応する。
図5(2)は、FE=0の場合に相当し、フォーカスが合っている。4分割フォトディテクタによる受光の様子を示すモニタ画面では、A、B、C、Dの入射光量が等しいことに対応してA、B、C、D領域の中心に均等にまたがる円形の受光信号像が得られている。また、オシロスコープのモニタ画面では、A、B、C、Dの入射光量が等しいことに対応してA、B、C、Dの領域の各受光信号(4本)が重なって1本に見える太い信号線が得られている。
図5(3)は、FE<0の場合に相当し、奧側にフォーカスがずれている。4分割フォトディテクタによる受光の様子を示すモニタ画面では、BおよびDの入射光量が大きいことに対応してB、Dの領域にまたがる右肩下がりの縦長楕円の受光信号像が得られている。また、オシロスコープのモニタ画面では、BおよびDの入射光量が大きいことに対応してB、Dの領域の各受光信号が上側の2本の信号線として得られている。A、Cの領域の受光信号は下側の2本の信号線が対応する。
以上のことから、本発明の欠陥検査装置において、非点収差法の動作が確認され、実用上十分なレベルの受光信号像およびその形状変化が得られることを検証した。
図6は、図1に示す欠陥検査装置に、図3に示す同軸オートフォーカスモジュールを組み込み、検証した結果を示す。
図6は、4分割フォトディテクタによる受光信号を説明するための模式図である。
詳しくは、図6は、4分割フォトディテクタで被検査体(基板)1の表面からのレーザービームの反射光を受光したときの、フォーカスエラー信号(FES)および合計受光量の信号(SUM)を示す図である。
フォーカスエラー信号(FES)は、FocusΔZが0.0(mm)のとき(フォーカスが合っているとき)ゼロ(0.0)で、奧側にフォーカスがずれているときFE<0(マイナス)となり、手前にフォーカスがずれているときFE>0(プラス)となる信号が得られている。この実施の形態の構成では、実際にフィードバックとして使えるのは−1.0〜1.0のリニアに変わっている領域ということになる。
合計受光量の信号(SUM)は、4つのフォトディテクタによるトータルの光量であり、フォーカス位置からずれ(−1.0〜1.0の範囲から外れ)ていくに従い、受光信号像がフォトディテクタからはみ出すのでトータル光量が減ることがわかる。
以上のことから、本発明の欠陥検査装置において、非点収差法の動作が確認され、実用上十分なレベル(ノイズレベル、信号の変動幅)のフォーカスエラー信号(FES)が得られることを検証した。
(実施例2)
実施例2では、実施例1において、焦点尤度が±0.02mmのTDIカメラを用いた。TDIカメラの対物レンズの倍率は1倍、NAは0.3とした。
基板の傾きは、図1のX軸方向に0.05度であり、図1のX軸方向上で100mm離れていると約0.09mmのZ軸方向のずれが生じる。TDIカメラの走査の方向はX軸方向である。
照明手段は、図1および図9で説明した照明手段31および照明手段32であるリング照明であって、図12で説明した表面側の反射の暗視野リング照明、図13で説明した裏面側の透過の暗視野リング照明、図1で説明したスポット照明手段33のすべて装備した。
照明手段31である反射の暗視野リング照明(表面側)は、3つの同心円のそれぞれの円に沿って、LEDを円環状に3重(3列)に配置した構成を有する(図9参照)。外側および内側のLED円環列は、青色LED(波長465nm)を使用し、真ん中のLED円環列は、オレンジ色LED(波長610nm)を使用した。
LEDの直径(サイズ)は超狭角3.1mmとした。LED素子の配置個数は120素子とした。
図10に示すハウジングを用いた。照射角度αは25°(暗視野照明)、ハウジングの外径R2は128mm、ハウジングの厚さtは20mmとした。照明手段31である反射の暗視野リング照明(表面側)の作動距離dは、25.0mmとした。作動距離dは、LED照明の基板側の先端から基板表面までの距離である。
照明手段32である透過の暗視野リング照明(裏面側)は、3つの同心円のそれぞれの円に沿って、LEDを円環状に3重(3列)に配置した構成を有する(図9参照)。外側、真ん中、内側の各LED円環列は、すべて青色LED(波長465nm)を使用した。
LEDの直径(サイズ)は超狭角3.1mmとした。LED素子の配置個数は120素子とした。
図10に示すハウジングを用いた。照射角度αは31°(暗視野照明)、ハウジングの外径R2は125mm、ハウジングの厚さtは19mmとした。
照明手段32である透過の暗視野リング照明(裏面側)の作動距離dは、20.0mmとした。作動距離dは、LED照明の基板側の先端から基板表面までの距離である。
スポット照明手段33は、平行光のスポットライト(高輝度(高照度)なLED光源)を使用し、青色LEDを使用した(図1参照)。
(比較例1)
比較例1では、実施例1において、同軸オートフォーカスモジュールを作動させなかった。それ以外は、実施例1と同様とした。
[欠陥検査]
実施例2、比較例1の欠陥検査装置を用いて欠陥検査を行った。
ガラス基板を検査する際は、照明手段31および照明手段32を両方同時に使用した。
マスクブランク(薄膜付き基板)を検査する際は、照明手段31、照明手段32およびスポット照明手段33の全てを同時に使用した。
レジスト付きマスクブランクを検査する際は、照明手段31における真ん中のLED円環列(オレンジ色LEDのみ)を使用した。
[欠陥検査の結果]
実施例2では、ガラス基板の検査において、キズ、異物、ガラス内部の異物や脈理などの光学的欠陥が非常によく検出でき、高い欠陥検出力が得られた。
比較例1では、欠陥検出の出来る部分と出来ない部分の差が大きかった。
実施例1では、マスクブランク(薄膜付き基板)の検査において、ピンホールや、明確なエッジを持たず散乱光の発生が少ないハーフピンホールや、散乱光の発生が少ない膜のへこみ(凹部)や、散乱光の発生がない薄膜のなだらかな曲面の窪み(グラデェーション)などの検出を行うことができた。比較例1では、これらの欠陥のうち微小な欠陥は検出できなかった。薄膜上の異物に関しては、実施例2では、高い欠陥検出力が得られたが、比較例1では、見落とす欠陥が発生した。
実施例2では、レジスト付きマスクブランクを検査において、異物などの欠陥が非常によく検出でき、高い欠陥検出力が得られた。比較例1では、見落とす欠陥が発生した。
(参考例1)
参考例1では、現状で提供されている市販のリング照明を用いた。それ以外は、実施例2と同様とした。
LEDの直径(サイズ)は120mmであった。LED素子の配置個数は120素子であった。照射角度αは概ね30°であった。明視野光と暗視野光が含まれる複合照明となり、欠陥部分のコントラストが低下した。
参考例1では、実施例2に比べ、見落とす欠陥が多く発生した。
(参考例2)
参考例2では、現状で提供されているリング照明に改良を加え簡易に作製したリング照明を用いた。それ以外は、実施例2と同様とした。
LEDの直径(サイズ)は120mmであった。LED素子の配置個数は120素子であった。照射角度αは概ね25°であった。明視野光と暗視野光が含まれる複合照明となり、欠陥部分のコントラストが低下した。
参考例2では、実施例2に比べ、見落とす欠陥が多く発生した。
(実施例3)
実施例3では、実施例2において、透過側照明リングのみを点灯させた。
実施例3では、実施例2に比べ、異物の検出が劣っていた。
(実施例4)
実施例4では、実施例2において、反射側照明リングのみを点灯させた。
実施例4では、実施例2に比べ、キズ及びピンホールの検出が劣っていた。
なお、実施例3では、実施例4に比べ、得意とする欠陥の種類に差があった。
(実施例5)
実施例5では、実施例2において、スポット照明手段のみを点灯させた。
実施例5では、実施例2に比べ、異物、ハーフピンホールの検出が劣っていた。
1 被検査体
10 撮像カメラ(例えばTDIカメラ)
11 対物レンズ
12 結像レンズ
13 撮像素子
20 オートフォーカスモジュール
31 照明手段
32 照明手段
33 照明手段
100 結像光学系
200 架台
300 ヘッド部

Claims (10)

  1. ガラス基板、マスクブランクおよびレジスト付きマスクブランクのいずれかからなる被検査体の欠陥検査が可能な欠陥検査装置であって、
    前記被検査体に存在した欠陥によって生じた散乱光を、欠陥検査のための光学系で受光し、受光した散乱光に基づいて欠陥を検出する欠陥検査装置であり、
    対物レンズと結像レンズを備える結像光学系を有し、
    前記結像光学系の光軸であって前記対物レンズと前記結像レンズとの間に位置する前記
    光軸上に反射素子を有し、前記反射素子にレーザービームを照射する照射手段を有し、
    前記反射素子にレーザービームを照射し、前記反射素子で反射されたレーザービームは
    前記光軸を通り前記対物レンズを通して前記被検査体の表面に照射され、前記被検査体の表面で反射された反射光は前記光軸を通り前記対物レンズを通して前記反射素子に入射され、前記反射素子で反射された反射光は対物レンズと結像レンズとの間から取り出され、この取り出された反射光はシリンドリカルレンズを通して4分割フォトディテクタに入射される光学系を有し、
    前記被検査体と前記結像光学系との距離の変動に応じて変化する前記4分割フォトディ
    テクタの光量変化に基づいて、前記被検査体と前記結像光学系との距離が一定に保たれる
    ように、前記結像光学系を駆動する非点収差法を用いたオートフォーカス手段を有すると
    共に、
    前記対物レンズで捉えられる前記被検査体上の映像取得領域と、これに対応する、前記
    結像レンズで映し出される領域において、
    前記結像レンズで映し出される領域の一部を使用する撮像素子を用い、
    前記照射手段および前記反射素子のうちの少なくとも一方の角度を変えることによって
    、前記対物レンズで捉えられる前記被検査体上の前記映像取得領域のうちの前記撮像素子
    に対応する画像取得領域、を除く領域に前記レーザービームのスポットが位置するように
    し、これにより、前記撮像素子を除く領域に前記レーザービームのスポットの像が位置す
    るようにしたことを特徴とする欠陥検査装置。
  2. 前記反射素子は、前記レーザービームを反射する素子であることを特徴とする請求項1に記載の欠陥検査装置。
  3. 前記撮像素子はTDIセンサであり、
    前記結像光学系は、TDIカメラを含み、
    前記被検査体と前記TDIカメラとを、一定速度で一定方向に相対的に移動させる手段を有し、
    前記被検査体上の撮像領域の移動方向および速度と前記TDIセンサにおけるCCDの電荷転送の方向および速度を合わせることで、前記CCDの垂直段の数だけ前記撮像領域を繰り返し露光し撮影する手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の欠陥検査装置。
  4. 前記欠陥検査装置は、焦点尤度が±0.1mmより小さい高精度の結像光学系を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の欠陥検査装置。
  5. 前記結像光学系の照明光は、複数のLEDを円環状に配置するとともに、前記複数のLEDによるスポット光のそれぞれが前記結像光学系の焦点位置を中心とした画像取得領域に集まるようにしたリング照明であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の欠陥検査装置。
  6. 前記リング照明は、前記複数のLEDによるスポット光のそれぞれが前記被検査体の表面に対して鋭角に照射され、その反射光が、前記対物レンズに直接入らないように構成した反射の暗視野リング照明であることを特徴とする請求項5に記載の欠陥検査装置。
  7. 前記リング照明は、前記複数のLEDによるスポット光のそれぞれが前記被検査体の裏面に対して鋭角に照射され、前記被検査体の内部を屈折を経て透過した透過光が、前記対物レンズに直接入らないようにした透過の暗視野リング照明であることを特徴とする請求項5に記載の欠陥検査装置。
  8. 前記被検査体の前記光学系とは反対側に設置されると共に、前記結像光学系の光軸と同軸の透過のスポット照明をさらに有することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の欠陥検査装置。
  9. 前記結像光学系は、前記被検査体の表面側に配設され、
    前記結像光学系は、前記対物レンズ、前記結像レンズ、前記撮像素子、前記オートフォーカス手段、および、前記被検査体の表面側の照明手段、を有し、この結像光学系は、X軸、Y軸、Z軸方向に駆動可能に構成され、
    前記被検査体の裏面側には、前記被検査体の裏面側の照明手段を有し、この裏面側の照明手段は、前記結像光学系に同期して一体的に、X軸、Y軸、Z軸方向に駆動可能に構成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の欠陥検査装置。
  10. 請求項1からのいずれかに記載の欠陥検査装置を使用し、前記被検査体を検査することを特徴とする欠陥検査方法。
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