以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、後述する実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
なお、以下の各図面を参照した説明において、方向、向き、及び位置関係等を示す場合には、遊技機設置島に設置されて且つ遊技者に対向して位置するパチンコ機(弾球遊技機)を基準として、向かって右方向を、右、右側、右側方、右側方向、右方向等として説明する。
また、向かって左方向を、左、左側、左側方、左側方向、左方向等として説明する。
また、パチンコ機を基準として、天井方向を、上、上側、上方、上方向等として説明する。
また、パチンコ機を基準として、床向を、下、下側、下方、下方向等として説明する。
また、パチンコ機を基準として、遊技者(手前)側の方向を、前、前側、前方、前方向、手前、手前側、手前側方向、表、表側、表方、表方向等として説明する。
さらに、パチンコ機を基準として、遊技機設置島の内部側の方向を、後、後側、後方、後方向、奥、奥側、奥方、奥方向、裏、裏側、裏方、裏方向等として説明する。
このように、以下の図面説明では、個々に視点及び視座が変化しても、該規定した方向に関する用語に基づいて説明を行うものとする。なお、部位の説明等において、上記記載の用語に、「部」や「面」等の用語を複合して記載した場合でも、方向に関しては、無論、上記規定に遵うものである。
[第一実施形態]
図1は、本実施形態におけるパチンコ機の遊技盤8の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に沿っているので図示及び説明は省略する。また、以下の記載にて、普通図柄を普図、特別図柄を特図とも省略して呼称する場合がある。
遊技盤8には公知のガイドレール25a、25bによって囲まれた略円形の遊技領域26が設けられ、図示しない多数の遊技釘が植設されている。遊技領域26の略中央には、窓部28aを有する液晶枠飾り28が設けられており、演出図柄表示装置54b(図2参照)のLCD画面が遊技者から視認可能に構成され、図示しない公知のワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
液晶枠飾り28の下には、第1特図始動口31(始動口に該当)とその下に開閉可能な羽根部材を備えた普通電動役物40で構成された第2特図始動口32(始動口に該当)とが配置され、液晶枠飾り28の左右両側方には、普通図柄作動ゲート42及び43が配置されている。なお、第2特図始動口32は、普通電動役物40の羽根部材が開放しないと遊技球が第2特図始動口32に入球できない構成となっている。
また、第1特図始動口31の左方には、4個の一般入賞口35aが設けられている。なお、この一般入賞口35aは、入球率が変化しない普通入賞口である。
遊技領域26の右下部には、複数個のLEDからなると共に普通図柄を表示する普図表示装置41と、普通図柄の保留数を表示する普図保留数表示装置41aと、第1特図保留数表示装置29aと、第2特別図柄保留数表示装置30aと、7セグメント表示装置からなる第1特図表示装置29、第2特別図柄表示装置30とが配置されている。
液晶枠飾り28の前方には、第1大入賞口装置80が設けられている。第1大入賞口装置80の構成及び作用については、後で詳述するものとして、ここでは概略構成のみを説明する。
第1大入賞口装置80は、液晶枠飾り28の右上部且つ前方に配置されると共に略羽根状に形成されてなる開閉部材73を備え、該開閉部材73が図示傾倒姿勢となることで開放され且つ起立姿勢となることで閉鎖される第1大入賞口1070を備える。第1大入賞口装置80は、第1大入賞口1070に加えて、少なくとも以下に示す各種構成要素を内蔵する。
すなわち、第1大入賞口装置80は、右上部に第1大入賞口1070に入賞した遊技球を検出する第1カウントSW1070bと、左下部に該第1大入賞口1070に入賞した遊技球のうちの何れかが入球可能な特定領域72と、該特定領域72に入球した遊技球を検出可能な特定領域検出SW72aと、中央下部にはパチンコ機内部に排出される遊技球を検出する排出SW98を備える。このように、第1大入賞口装置80は、少なくとも特定領域72を内蔵する。
さらに、図3を参照すると、第1大入賞口装置80は、窓部28aの左右中央且つ下部の前方に、前方視略円形状に形成されて遊技球を特定領域72又は排出SW98の何れかに振り分ける振分回転体85を備える。また、該振分回転体85の前方且つ上部には、特定領域72及び排出SW98の何れにも振り分けられなかった遊技球を再度、振り分けるために振分回転体85に誘導するためのリトライ通路95が設けられている。
また、第1カウントSW1070bの下流には、第1カウントSW1070bで検出された遊技球を振分回転体85に向けて誘導する第1通路77を備える。
このように、本発明の第1大入賞口装置80は、第1大入賞口1070に入賞した遊技球が特定領域72に入球するか否かの振分けを行う振分回転体85と、更に、振分回転体85により特定領域72に振り分けられなかった遊技球を再度、振分回転体85にて振り分けるために誘導するリトライ通路95を備えている。
また、第2特図始動口32の直下には、アタッカー式の第2大入賞口1033aを具備してなる第2大入賞口装置1033が配置されている。該第2大入賞口装置1033は、特定領域を備えない構成となっている。
なお、第1大入賞口1070と第2大入賞口1033aを上述した位置に配置することにより、公知の発射ハンドルを液晶枠飾り28の左側に遊技球が流下するように発射調整した場合、第2大入賞口1033aへの入賞は可能となるが、第1大入賞口1070への入賞は不可能となり、第1大入賞口1070へ遊技球を入賞させる場合には、発射ハンドルを液晶枠飾り28の右側に遊技球が流下するように調整する必要がある。
そして、本実施形態において、小当り図柄が確定表示されることで実行される小当り時(小当りパターン1〜4)では第1大入賞口1070が開放し、該開放中に特定領域72に遊技球が入球したことに基づいて役物当り遊技が第1大入賞口1070(大当りパターン5又は6)又は第2大入賞口1033a(大当りパターン7又は8)を連続開放することで行われ、大当り図柄が確定表示されることで実行される大当り時では第1大入賞口1070(大当りパターン2〜4)又は第2大入賞口1033a(大当りパターン1)が連続して開放するよう構成されているため、遊技者は状態に応じて、発射強度を調整して遊技を行うものである。
上述したように遊技盤8を構成することによって、普通図柄作動ゲート42、又は43に遊技球が入球(普通図柄作動スイッチ42a又は43a(図2参照)が遊技球を検出)すると、図示しない普図当否判定手段によって当たり遊技状態とするか否かの判定が行われ、判定結果に基づいて、普図表示装置41で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、当たり遊技状態となると、普通電動役物40の羽根部材が駆動して、第2特図始動口32への入球が可能となるように構成されている。
普通電動役物40の羽根部材が駆動する開放時間は、通常時においては、0.100秒の開放を1回(ショート開放)、又は0.100秒の開放を1回行ったあとに5.400秒の開放を1回(ロング開放)行う2種類の開放パターンのいずれかとなり、普通図柄の当り図柄の種類に応じて何れかの開放パターンが実施される。また、時短状態で作動する開放延長機能(電チューサポート機能)では1回の普通図柄の当りで1.880秒の開放を3回実施する。
第1特図始動口31に遊技球が入球(第1特図始動口スイッチ31a(図2参照)が遊技球を検出)すると、第1特図表示装置29において第1特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第2特図始動口32である普通電動役物40に遊技球が入球(第2特図始動口スイッチ32a(図2参照)が遊技球を検出)すると、第2特図表示装置30において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。本実施形態の普通電動役物40は、始動口として構成されている。
第1特別図柄及び第2特別図柄の変動中は、窓部28aに配置された演出図柄表示装置54bにおいて各々の特別図柄の変動に連動した擬似図柄の演出変動を表示する。
第1特別図柄及び第2特別図柄が小当り表示態様となる(所定の小当り図柄が確定表示される)と、小当り遊技が実行され、第1大入賞口1070の開閉部材73が開放駆動して傾倒姿勢となり、遊技球の入球が可能となる。
小当り遊技が行われると、後述する小当りパターン1〜4(図24参照)に従って、第1大入賞口1070が1.8秒間に亘って開放される。該開放中に第1大入賞口1070に入賞した遊技球が、振分回転体85に向けて送出されると、該遊技球について、特定領域72又は排出SW98の何れかへの振り分けが行われる。本発明は、振り分けられた遊技球が、無効な状態から有効な状態に切り替えられた特定領域検出SW72aに検出されることで、役物大当りが開始される。
本実施形態の小当り遊技は、概ね上述したような内容にて実行されるものであるが、詳細は後述する。
続いて、図2に本実施形態におけるパチンコ機の電気配線を示すブロック図を示し説明する。図2には煩雑になる電源の供給系統に関する記載は行わないが、電源が必要な制御装置若しくはアクチュエータ類には、電源装置(図示せず)から直接的又は間接的に電源が供給される構成となっている。
主制御装置50の入力端には、遊技盤中継端子板62を介して第1特図始動口31に入球した遊技球を検出する第1特図始動スイッチ31aと、第2特図始動口32である普通電動役物40に入球した遊技球を検出する第2特図始動スイッチ32aと、普通図柄作動ゲート42及び43に入球した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ42a及び43aと、第1大入賞口1070に入球した遊技球を検出する第1カウントSW1070bと、第2大入賞口1033aに入球した遊技球を検出する第2カウントSW1033bと、第1大入賞口1070内の第1カウントSW1070bより下流位置に配置された特定領域72に入球した遊技球を検出する特定領域検出SW72aと、一般入賞口35aに入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ35bとが接続されている。
さらに、主制御装置50の入力端には、第1大入賞口1070に入球した遊技球のうち、振分回転体85によって特定領域72に向けて振り分けられずに、第1大入賞口1070からパチンコ機内部に取り込まれて排出される遊技球を検出するための排出スイッチ98が、接続されている。
また、裏配線中継端子板を介して前面枠が閉鎖していることを検出する前面枠閉鎖スイッチと、意匠枠が閉鎖していることを検出する意匠枠閉鎖スイッチと、が接続されている。なお、主制御装置50の入力端に接続された各種入賞検出スイッチ(第1特図始動スイッチ31a、第2特図始動スイッチ32a、普通図柄作動スイッチ42a及び43a、第2カウントSW1033b、第1カウントSW1070b、特定領域スイッチ検出72a、一般入賞口スイッチ35b、排出スイッチ98)は、電波(電磁波)ゴトに有効(遊技球検出状態時のみ電波の影響を受ける)なスイッチとしてノーマルクローズタイプ(NCタイプ)の近接スイッチ(遊技球通過孔を備えた形状)を用いている。
主制御装置50の出力端には、遊技盤中継端子板62を介して、第1大入賞口1070の開閉部材73を駆動する第1大入賞口ソレノイド1070cと、第2大入賞口1033aの開閉扉を駆動する第2大入賞口ソレノイド1033cと、普通電動役物40の羽根部材を駆動する普通電役ソレノイド42cとが接続されており、図柄表示装置中継端子板64を介して第1特別図柄を表示する第1特図表示装置29と、第1特別図柄の保留記憶数を表示する第1特図保留数表示装置29aと、第2特別図柄を表示する第2特図表示装置30と、第2特別図柄の保留記憶数を表示する第2特図保留数表示装置30aと、普通図柄を表示する普図表示装置41と、普通図柄の保留記憶数を表示する普図保留数表示装置41aとが接続されており、裏配線中継端子板及び外部接続端子板を介して図示しないホールコンピュータと、が接続されている。
さらに、主制御装置50の出力端には、遊技盤中継端子板62を介して、振分回転体85の回転駆動に係る駆動手段としての振分回転体モータ99が接続されている(図4(a)参照)。
主制御装置50は、CPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種コマンド等を生成し、払出制御装置51及びサブ統合制御装置53に出力する。ここで、主制御装置50と払出制御装置51とは双方向通信回路として構成され、主制御装置50とサブ統合制御装置53とは主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成されている。
主制御装置50は、本実施形態のパチンコ機の遊技を統括制御する主制御手段である。
払出制御装置51の入力端には、裏配線中継端子板を介して球タンク又はタンクレール内の遊技球が不足していることを検出する球切れスイッチと、裏配線中継端子板及び払出中継端子板66を介して払い出した遊技球を検出する払出スイッチと、各種端子板を介することなく下皿への経路に遊技球が多数あることを検出する満杯スイッチとが接続されている。払出制御装置51の出力端には、裏配線中継端子板及び払出中継端子板66を介して遊技球を上皿へと払い出す払出モータが接続されている。
払出制御装置51はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて遊技球の払い出しに関わる各種コマンド等を生成し、主制御装置50及び発射制御装置52に出力する。ここで、払出制御装置51と主制御装置50とは双方向通信回路として構成され、払出制御装置51と発射制御装置52とは払出制御装置51から発射制御装置52への一方向通信回路として構成されている。
また、払出制御装置51は、外部接続端子板を介して賞球に関する情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置52に対して発射停止信号を送信する。発射制御装置52は発射モータを制御して、遊技球を遊技領域26に発射させる。なお、発射制御装置52には払出制御装置51以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチからのタッチ信号、発射停止スイッチから発射停止スイッチ信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルに触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチを押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置52に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
サブ統合制御装置53の入力端には、遊技者により操作可能な遊技スイッチ14aが接続されている。サブ統合制御装置53の出力端には、図示しない意匠枠及び遊技盤8に備えられる各種LED・ランプ37と、前面枠及びスピーカユニットに備えられるスピーカ10と、が接続されている。尚、サブ統合制御装置53と主制御装置50とは主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置53と演出図柄制御装置54aとはサブ統合制御装置53から演出図柄制御装置54aへの一方向通信回路として構成されている。
サブ統合制御装置53はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される遊技スイッチ14aの入力ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて演出に関わる各種コマンド等を生成し、演出図柄ユニット54の演出図柄制御装置54aに出力する。
また、サブ統合制御装置53には、音量を調節する音量調節スイッチ10aが備えられ、音量調節スイッチ10aの状態(位置)を検出し、その検出結果とスピーカ10へ送信する内容とを判断し、スピーカ10から出力する音量をソフト的に制御するように構成されている。
演出図柄制御装置54aは、サブ統合制御装置53から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置50から送信されてきたものとサブ統合制御装置53が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置54bを制御して、疑似図柄等の演出画像を窓部28aに表示させる。
[第1大入賞口装置80の構成について]
次に、主に図3及び図4を参照して、本実施形態の第1大入賞口装置80の構成について説明する。図3は、第1大入賞口装置80の概略斜視図であり、図4は、第1大入賞口装置80が具備する振分回転体85の構成を説明する概略正面図及び概略側面図である。
第1大入賞口装置80は、開閉部材73が図示傾倒姿勢となることで開口が形成される第1大入賞口1070と、該第1大入賞口1070に入球した遊技球を振分回転体85に向けて誘導する第1通路77と、該第1通路77により誘導された遊技球に対して振り分けを行う振分回転体85と、該振分回転体85により振り分けが行われた結果、遊技球を排出SW98に向けて誘導する排出通路91と、振分回転体85により振り分けが行われた結果、遊技球を特定領域72及び特定領域検出SW72aに向けて誘導する第2通路92と、振分回転体85により振り分けが行われた結果、特定領域検出SW72a(特定領域72)及び排出SW98の何れにも振り分けられなかった遊技球を、第1通路77に向けて合流させるように誘導するリトライ通路95と、を備える。
上述した各構成について更に詳述する。
開閉部材73は、上述したように液晶枠飾り28の右上部且つ前方に、起立姿勢と右(時計回り)方向への傾倒姿勢に回動変位可能に枢設され、小当り遊技状態(又は大当り遊技状態)となると、第1大入賞口ソレノイド1070cが駆動することで、第1大入賞口1070を閉塞する起立姿勢から、開放する傾倒姿勢に変位する。開閉部材73は、傾倒姿勢となることで、液晶枠飾り28の右側方の遊技領域26に進出し、該遊技領域26を流下する遊技球を第1大入賞口1070に誘導可能に構成されている。
第1大入賞口装置80は、開閉部材73に誘導されて第1大入賞口1070に入球した遊技球を、後方に誘導するカウントSW誘導通路74を備える。カウントSW誘導通路74は、前後方向に配置されて、遊技球が後方に向けて転動可能な略角パイプ状に形成されると共に、後端底部が下方に向けて開口されて、遊技球が落下可能に構成されている。
カウントSW誘導通路74の直下には、第1大入賞口1070に入賞した遊技球の通過を検出するための第1カウントSW1070bが配置されている。第1カウントSW1070bの検出孔は、カウントSW誘導通路74の前記開口と連通して配置されている。
第1カウントSW1070bの直下には、第1カウントSW1070bの検出孔に連通して鉛直方向に垂下され、次いで左斜め下方に向けて屈曲してなる流路75が形成されている。さらに流路75は、一旦後方に向けて流路が延設され、その終端部にて下方に向け遊技球を落下可能な開口が形成されてなる。
流路75の下流端には、第1通路77が連通して設けられている。第1通路77は、図示左斜め下方に下り傾斜した角パイプ状に形成されている。
第1通路77の上流端部は、流路75の下流端の開口と対向する開口を備え、下流端部は、振分回転体85の右上側面部に対向して開口されており、第1通路77の傾斜に従って流下する遊技球が、振分回転体85の側面部の右上位置に到達可能となっている。また、角パイプ状に形成された第1通路77の上面部(天井部)には、上方に向かって開口されてなるリトライ通路連通口77a(図6参照)が開設されている。
図4(a)に示すように、振分回転体85は、前後方向に設けられた振分回転体モータ99の駆動軸と連結してなる回転軸を備えた略円柱状に形成され、側面部には遊技球を保持可能な3種類の凹部、すなわち、リトライ通路誘導凹部86、特定領域誘導凹部87、及び排出口誘導凹部88が、反時計方向に当該順番で連続して各々4個ずつ形成されている。より詳しくは、これらの各凹部は、振分回転体85の側面部に、割出角度が30度となる位置に均等に配置されている。
各凹部の構成について、図4(b)〜(c)を参照して説明する。図4(b)〜(c)は、各凹部を図4(a)のA矢視、B矢視、及びC矢視した状態を示す矢視拡大図である。なお、当該図では、図示左方向が前方すなわち遊技者側の方向として示している。
先ず、図4(b)に示すA矢視拡大図は、リトライ通路誘導凹部86の構成を示している。リトライ通路誘導凹部86は、振分回転体85の側面部から回転中心方向に向かって遊技球を保持可能に凹設されてなる。さらに、リトライ通路誘導凹部86は、後端部にはリトライ通路誘導壁部86aが設けられ、前端部は前方に向かって開口されてなる。さらに、リトライ通路誘導凹部86は、図示矢印のように後端部から前端部に向かうにしたがって、凹部の深さが深く、すなわち凹部の底位置が回転中心に近くなるよう形成される。リトライ通路誘導凹部86が、このように構成されることで、保持された遊技球は、後方に送出されることがない。また、振分回転体85が回転して、遊技球を保持したリトライ通路誘導凹部86が振分回転体85の上部に位置したとき、保持された遊技球は、底部の傾斜にしたがって前方に転動して、後述するリトライ通路95に送出される。
次に、図4(c)に示すB矢視拡大図は、特定領域誘導凹部87の構成を示している。特定領域誘導凹部87は、振分回転体85の側面部から回転中心方向に向かって遊技球を保持可能に凹設されてなる。さらに、特定領域誘導凹部87は、前端部には特定領域誘導壁部87aが設けられ、後端部には特定領域誘導壁部87bが設けられてなる。特定領域誘導凹部87が、このように構成されることで、保持された遊技球は、前方にも後方にも送出されることがない。また、振分回転体85が回転して、遊技球を保持した特定領域誘導凹部87が振分回転体85の下部に位置したとき、保持された遊技球は、特定領域誘導凹部87の開口方向すなわち回転中心から延びる放射状線方向(本実施形態では後述する左斜め下方向)に向けて転動して、後述する第2通路92に送出される。
次に、図4(d)に示すC矢視拡大図は、排出口誘導凹部88の構成を示している。排出口誘導凹部88は、振分回転体85の側面部から回転中心方向に向かって遊技球を保持可能に凹設されてなる。さらに、排出口誘導凹部88は、前端部には排出口誘導壁部88aが設けられ、後端部は後方に向かって開口されてなる。さらに、排出口誘導凹部88は、図示矢印のように前端部から後端部に向かうにしたがって、凹部の深さが深く、すなわち凹部の底位置が回転中心に近くなるよう形成される。排出口誘導凹部88が、このように構成されることで、保持された遊技球は、前方に送出されることがない。また、振分回転体85が回転して、遊技球を保持した排出口誘導凹部88が振分回転体85の上部に位置したとき、保持された遊技球は、底部の傾斜にしたがって後方に転動して、後述する排出通路91に送出される。
上述したような各種凹部を備えた振分回転体85は、前後方向に設けられた回転軸が、上記振分回転体モータ99と連結しており、該振分回転体モータ99が回転駆動することにより、反時計方向に回転駆動するよう構成されている。さらに、本実施形態の振分回転体モータ99は、パチンコ機への電源投入により回転駆動を開始し、電源断により停止するよう構成されていることで、振分回転体85は、電源投入中は、常時、一定速度又は一定のパターンで、反時計方向への回転駆動を継続する。
振分回転体85の外周には、つまり前面、後面及び側面に近接した位置には、振分回転体85を被覆すると共に、透過部材により形成された振分回転体カバー81が設けられている。振分回転体カバー81は、振分回転体85の上述した各凹部から遊技球が予定しない位置にて零れ落ちることを防止する。
振分回転体カバー81の後面上部には、排出口誘導凹部88に対向すると共に後述する排出通路91の上流端部の開口と連通する開口が後方に向かって開設されている。
また、振分回転体カバー81の側面の左下部には、特定領域誘導凹部87に対向すると共に後述する第2通路92の上流端部の開口と連通する開口が左斜め下方に向かって開設されている。
さらに、振分回転体カバー81の前面上部には、リトライ通路誘導凹部86に対向すると共に後述するリトライ通路95の上流端部の開口と連通する開口が前方に向かって開設されている。
振分回転体カバー81の後方には、排出通路91が、右斜め下方に向かって所定長さに亘り下り傾斜した後、直下方向に垂下した、角パイプ状に形成されている。図3、図5及び図6では図示省略しているが、排出通路91の下流端部は、液晶枠飾り28のステージ部から下方且つ内部に埋設され(図1参照)、排出SW98と連通している。また、排出通路91の上流端部は、振分回転体カバー81の後面上部に開設された開口と連通する開口が前方に向かって開設されている。
振分回転体カバー81の側面の左下部には、第2通路92が、左斜め下方に向かって所定長さに亘り下り傾斜した後、直下方向に垂下した、角パイプ状に形成されている。図3、図5及び図6では図示省略しているが、第2通路92の下流端部は、液晶枠飾り28のステージ部から下方且つ内部に埋設され(図1参照)、特定領域72および特定領域検出SW72aと連通している。また、第2通路92の上流端部は、振分回転体カバー81の側面部の左下部に開設された開口と連通する開口が右斜め上方向に向かって開設されている。
振分回転体カバー81の前面上部には、リトライ通路95が、右斜め下方に向かって所定長さに亘り下り傾斜した後、クランク状に後方に向かって屈曲し、さらに右斜め下方に向かって延設された、角パイプ状に形成されている。リトライ通路95の上流端部には、振分回転体カバー81の前面上部の開口と連通する開口が後方に向かって開設され、下流端部には、上述した、第1通路77の上面部(天井部)のリトライ通路連通口77a(図6参照)と連通する開口が下方に向かって開設されている。
上述したように、振分回転体85は、第1通路77を流下してきた遊技球を、特定領域誘導凹部87、排出口誘導凹部88及びリトライ通路誘導凹部86の何れかに保持し、特定領域72に連通した第2通路92、排出SW98に連通した排出通路91、及び第1通路77に連通したリトライ通路95の何れかに振り分ける、振り分けを実行可能に構成されている。
[第1大入賞口装置80の作用について]
次に、以上説明したように構成される第1大入賞口装置80の、小当り時における作用について、図5および図6を参照して説明する。
図5(a)に示すように、小当り遊技状態となると、第1大入賞口装置80の開閉部材73が起立姿勢から傾倒姿勢に変位して、第1大入賞口1070を開放する。
遊技領域26を流下する遊技球B1は、開閉部材73により誘導されて第1大入賞口1070に入球すると、カウントSW誘導通路74を後方に向かって流下した後、後端部の開口から下方の第1カウントSW1070bに落下して検出される。
なお、開閉部材73は、第1カウントSW1070bの検出数が10個に到達するか、または開放時間が1.8秒に到達するか、の何れか早く成立した場合を契機として、傾倒姿勢から起立姿勢に復帰して、第1大入賞口1070を閉鎖する。
また、本実施形態では、開閉部材73は、有効な状態にある特定領域検出SW72aに遊技球が検出されたときにも、第1大入賞口1070を閉鎖するように構成されている。
図5(b)に示すように、第1カウントSW1070bに検出された遊技球B1は、流路75を流下して第1通路77に流入し、該第1通路77を流下して振分回転体85の側面右上部にまで到達する。
振分回転体85が図示反時計方向に回転すると、リトライ通路誘導凹部86、排出口誘導凹部88、及び特定領域誘導凹部87の順番で、第1通路77の下流端の開口に対向する位置に、これらの各凹部に係る下方からの進出と上方への退避が、反復継続して実行される。
振分回転体85の側面右上部に到達した遊技球B1が、排出口誘導凹部88に保持されると、振分回転体85の反時計方向への回転に伴い、該遊技球B1を保持した排出口誘導凹部88は、左上方に変位する。排出口誘導凹部88が、排出通路91の上流端部の開口に対向する位置まで変位すると、保持された遊技球B1は、排出口誘導凹部88の底部の後方への下り傾斜に従って、振分回転体カバー81の開口を介して、排出通路91を流下し、排出SW98にて検出された後、パチンコ機の内部に取り込まれて排出される。
振分回転体85の側面右上部に到達した遊技球B1が、特定領域誘導凹部87に保持されると、振分回転体85の反時計方向への回転に伴い、該遊技球B1を保持した特定領域誘導凹部87は、左下方まで変位する。特定領域誘導凹部87が、第2通路92の上流端部の開口に対向する位置まで変位すると、保持された遊技球B1は、振分回転体カバー81の開口を介して、第2通路92を流下し、特定領域72を通過した後、特定領域検出SW72にて検出されて、パチンコ機の内部に取り込まれて排出される。
なお、本実施形態では、特定領域検出SW72は、後述する「特定領域フラグ」に1が設定されているときは有効に、また、0が設定されているときは無効に切り替えらえる。特定領域検出SW72にて遊技球を検出すると、特定領域検出SW72が有効化されている状態であれば有効な検出として処理し(特定領域入球フラグに1が設定され)、無効化されている状態であれば無効な検出として処理する(特定領域入球フラグに0が設定される)ように構成されている。
図5(b)に示すように、振分回転体85の側面右上部に到達した遊技球B1が、特定領域誘導凹部87又は排出口誘導凹部88に保持されずに、リトライ通路誘導凹部86に保持されると、振分回転体85の反時計方向への回転に伴い、該遊技球B1を保持したリトライ通路誘導凹部86は、左上方に変位する。
図6に示すように、リトライ通路誘導凹部86が、リトライ通路95の上流端部の開口に対向する位置まで変位すると、保持された遊技球B1は、リトライ通路誘導凹部86の底部の前方への下り傾斜に従って、振分回転体カバー81の開口を介して、リトライ通路95を流下し、リトライ通路95の下流端部の開口およびリトライ通路連通口77aを介して、第1通路77に流入し、再度、振分回転体85により振り分けられる。
すなわち、振分回転体85は、第1通路77を流下してきた遊技球を、特定領域72に連通した第2通路92、排出通路91、及び第1通路77に連通したリトライ通路95の何れかに振り分ける。
また、リトライ通路95に振り分けられた遊技球は、第1通路77に戻されて、再度振分回転体85によって振り分けられる。
このように、第1大入賞口装置80において、第1大入賞口1070に入賞した遊技球は、振分回転体85による振り分けによって、排出通路91または第2通路92の何れかに振り分けられ、パチンコ機内部に取り込まれる。換言すれば、第1カウントSW1070bにて検出された遊技球が、排出SW98または特定領域検出SW72aの何れかに検出されて機内への取り込みが完了した場合、第1カウントSW1070bの検出数と、排出SW98および特定領域検出SW72aの検出数の合計は、等しくなる。これが等しくない場合は、第1大入賞口1070の内部に、未だ遊技球が残留していることが想定される。
以上説明したように、排出通路91および第2通路92の何れにも振り分けられなかった遊技球を、第1通路77に誘導して再度、振分回転体85により振り分けさせるリトライ通路95を備えることで、第1大入賞口1070に入賞した遊技球が特定領域72に入球するか否かの振り分け判定処理を、瞬時に終わってしまわないようにでき、特定領域72に振り分けられるか否かに関して間を持たせ、遊技者の心理を煽ることができるようになっている。
なお、このような構成によって、特定領域検出SW72aが有効となっている状態にて、検出されるか否かのタイミングが不定となり、遊技の興趣を一層向上させることができる。
また、特定領域検出SW72aに検出されたとしても、本実施形態では特定領域検出SW72aの有効化又は無効化が切り替えられるため、有効な状態にて検出が為されたか否かが遊技者の興趣の対象となり、今までにない面白みを遊技者に提供することができる。
なお、特定領域検出SW72aが有効化されているのか、無効化されているのかを、遊技者に示唆するための表示(報知)を行う構成とすることが望ましい。これにより、遊技者は興趣の対象である上記事項を、表示(報知)により確認でき、一層興趣の向上を実現できる。
また、上述した表示(報知)は、演出図柄表示装置54bを用いて行うことが好適である。
しかし、これに限らず、第1大入賞口1070の近傍に、LED等の発光部材により構成されて点消灯や点滅といった発光態様により表示(報知)を実現することができる比較的簡素な表示装置を設けるようにしても良い。これにより、比較的低コストで必要十分な表示(報知)を行うことができる。また、LED等の発光部材の発光態様を視認しつつ、第1大入賞口1070への入球を遊技者は狙うことが可能であるので、集中力が散漫にならず、益々興趣の向上を図ることができる。
さらに、表示(報知)を、演出図柄表示装置54bと、第1大入賞口1070の近傍に設けたLED等の発光部材の、両方で行う構成としても良い。これにより、遊技者はタイミングに応じて適宜、任意の装置からの表示(報知)を享受でき、遊技の面白みを深めることができる。
次にパチンコ機の作動を説明する。
まず基本的な遊技の流れを説明する。パチンコ機は、第1又は第2特図始動口31、32への遊技球の入球に起因して特図の当否抽選を実行する。このとき第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30と演出図柄制御装置54aの図柄変動を開始し、その後、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30に特図の確定図柄を、演出図柄制御装置54aに特図の確定図柄に対応する擬似図柄を確定表示して前記抽選結果を報知する。
抽選結果が大当り(図柄当り)となると、条件装置の作動に基づき役物連続作動装置が作動して第2大入賞口1033aを所定の態様で開放する大当り遊技(特別遊技)に移行する。一方、小当りでは、小当り図柄が表示されたことに基づいて、これを起因に第1大入賞口1070を所定の態様で開放し(小当り遊技)、該開放によって第1大入賞口1070に入球した遊技球が特定領域72に入球し、且つ該入球の時点における特定領域検出SW72aが有効な状態であれば、条件装置の作動に基づき役物連続作動装置が作動して、大当り(役物当り)となり、第1大入賞口1070又は第2大入賞口1033aを小当りとは異なり遊技球が容易に入球する所定の態様で開放する大当り遊技(特別遊技)に移行する。
特別遊技終了後には、大当りや小当りとなった特図に基づいて、普通電動役物(第2特図始動口32)の開放時間を延長するとともに特図の平均変動時間を短くする時短遊技を付与する。以下、主制御装置50、サブ統合制御装置53(厳密には、そのCPU)が実行するプログラム処理に基づいて作動の詳細を説明する。尚、メインルーチンとして行われる各処理は、従来技術と何ら変わりがないため、詳細な説明は割愛する。
[出入監視処理について]
本実施形態の主制御装置50が行う出入監視処理について、図22を参照して説明する。図22は、主制御装置50が実行する出入監視処理を示すフローチャートである。
先ず、図示及び詳細な説明を省略するが、主制御装置50は、2ms周期のタイマ割り込み処理として起動されるメインルーチンを実行するものである。該メインルーチンでは、初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、当り決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等の各種乱数の更新処理、後述する当否判定処理、大当り遊技処理(後述する特別遊技処理を含む)、不正監視処理、および各出力処理等を実行する。さらに、上記当否判定処理に先立って、例えば第1大入賞口1070の第1カウントSW1070bへの入賞検出を確認する入賞確認処理が実行される。該入賞検出処理では、入賞口だけではなく、各種検出SWの検出結果も確認される。例えば、本実施形態の特定領域検出SW72a、排出SW98等の検出結果も確認される。そして、当該検出結果に基づいて、入賞確認処理の1サブルーチンとして、本実施形態の出入監視処理は、設けられている。
出入監視処理は、小当り遊技時に、第1大入賞口1070に入賞すなわち第1カウントSW1070bにて検出された遊技球が、特定領域検出SW72a、或いは排出SW98の何れかにて検出されて、第1大入賞口装置80から確実に排出されて機内に取り込まれたか否か、換言すれば第1大入賞口装置80内に遊技球が残留していないか否か、を監視するための処理である。
主制御装置50は、出入監視処理を開始すると、S1000において、第1カウントSW1070bの検出が発生したか否かの判定処理を実行し(S1000)、肯定判定であれば(S1000:yes)、S1005に処理を移行し、否定判定であれば(S1000:no)、S1010に処理を移行する。
主制御装置50は、S1005において、出入カウンタに1加算する処理を行い、S1010に処理を移行する。
「出入カウンタ」は、第1カウントSW1070bの検出により1加算され、特定領域検出SW72a、或いは排出SW98の何れかにて検出されることで1減算されるカウンタである。換言すれば、出入カウンタは、特定領域を備えた大入賞口に係る遊技球の出入に応じてカウント値が増加或いは減少するカウンタであって、プラスマイナス0であるときには、カウント値が0となるカウンタである。故に、第1大入賞口1070に入賞した遊技球が第1大入賞口装置80から排出された状態、つまり内部に残留球が無い状態であれば、カウント値は0となり、残留球が有る場合には、球数に対応したカウント値がカウントされる。
主制御装置50は、S1010において、排出SW98の検出が発生したか否かの判定処理を実行し(S1010)、肯定判定であれば(S1010:yes)、S1015に処理を移行し、否定判定であれば(S1010:no)、S1020に処理を移行する。
主制御装置50は、S1015において、出入カウンタから1減算する処理を行い、S1020に処理を移行する。
主制御装置50は、S1020において、特定領域検出SW72aの検出が発生したか否かの判定処理を実行し(S1020)、肯定判定であれば(S1020:yes)、S1022に処理を移行し、否定判定であれば(S1020:no)、本処理を終了する。
主制御装置50は、S1022において、特定領域フラグに1が設定されているか否かの判定処理を実行し(S1022)、肯定判定であれば(S1022:yes)、S1025に処理を移行し、否定判定であれば(S1022:no)、S1030に処理を移行する。
「特定領域フラグ」は、1が設定されていることで特定領域検出SW72aが有効となっている旨を示唆し、0が設定されていることで無効となっていることを示唆するフラグであり、換言すれば、特定領域が有効であるか無効であるかを示すフラグである。
また、本実施形態の特定領域フラグは、出入カウンタのカウント値に基づいて、設定される。より詳しくは、後述する特別遊技処理(図13)にて、出入カウンタのカウント値が2以上であればS350で1が設定され、2未満であればS345で0が設定されるようになっている。
主制御装置50は、S1025において、特定領域入球フラグに1を設定し、S1030に処理を移行する。
「特定領域入球フラグ」は、1が設定されていることによって、有効な状態にある特定領域72に遊技球が入球したこと、すなわち有効な特定領域72への入球が発生したことを示唆するフラグである。
主制御装置50は、S1030において、出入カウンタから1減算する処理を行い、本処理を終了する。
このように、S1022およびS1025により、本実施形態では、特定領域72が有効な状態でなければ、たとえ特定領域72へ入球したとしても、これを有効な入球として扱わないように構成されている。
以上のように、本実施形態の出入監視処理では、第1大入賞口1070へ遊技球が入賞して第1カウントSW1070bにより検出されると出入カウンタに1加算して計数し(S1005)、該出入カウンタのカウント値を、排出SW98の検出毎に、または特定領域検出SW72aの検出毎に、1減算する演算処理を行い、第1大入賞口1070内の残留(残存)球の有無及びその数に基づく演算結果を算出するように構成されている。
なお、本実施形態の特定領域検出SW72aは、特定領域へ到達(入球)した遊技球を検出する手段として機能すると共に、該検出後に第1大入賞口1070から遊技機内部に排出される遊技球を検出する機能も併せて備えるものである。
さらに、本実施形態では、図示しないが、第1大入賞口1070への規定入賞数(例えば10個)を計数するための、第1大入賞口カウンタを備える。
「第1大入賞口カウンタ」は、第1カウントSW1070bの検出毎に1ずつ加算するカウンタであって、該カウンタのカウント値が規定入賞数(例えば10個)に到達したか否かによって第1大入賞口1070の閉鎖契機とする等、のための構成である。
[始動口入賞処理について]
主制御装置50が行う始動口入賞処理について図7を用いて説明する。
始動口入賞処理では、先ず第1、第2特図始動口SW31a、32aの検出信号に基づいて、第1、第2特図始動口31、32に遊技球が入球したか否か判定する(S10)。否定判定なら(S10:no)リターンし、肯定判定なら(S10:yes)、保留記憶数が上限数(本実施例では4個)未満か否か判定する(S15)。否定判定なら(S15:no)リターンし、肯定判定なら(S15:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を、保留記憶として記憶し、保留記憶数を示す保留記憶カウンタに1を加算する(S20)。
続いて先読み判定処理を行う(S25)。先読み判定処理は、S20で保留記憶された大当り判定用乱数の値が、後述する当否判定を実施する前に、遊技者に期待を持たせる演出を行うことが可能か否かを判定する処理である。具体的には、保留記憶された大当り判定用の乱数値が、予め定められた大当りと判定される値と一致しているか否か、不一致の場合は、小当りと判定される値と一致しているか否か、大当りと小当りのどちらの値とも一致しない時はハズレと判定する処理となる。
次にS30の先読み判定コマンド送信処理では、S25による先読み判定の結果を先読み判定コマンドとしてサブ統合制御装置53に送信する。続いて、第1特図保留数表示装置29a又は第2特別図柄保留数表示装置30aの点灯数を1増加させると共にサブ統合制御装置53に現在の保留記憶数として保留記憶カウンタ値を送信する保留記憶数指示コマンド送信処理を行い(S35)、リターンする。尚、このS35で送信する現在の保留記憶数指示コマンドとS30で送信する先読み判定コマンドを合わせて、1度に先読み判定結果の情報と現在の保留記憶数の情報を送信する構成にしてもよい。
以上が始動口入賞処理の内容となる。本実施形態では、始動口入賞処理実施時の遊技状態等に係わらず保留記憶を実施する毎に先読み判定を行い、該判定結果をサブ制御装置83に送信する構成となっているが、保留記憶時の遊技状態や他の条件によって、先読み判定を実施するか否か、又は先読み判定コマンドを送信する否かを判定する構成としてもよい。例えば、開放延長機能が作動する時短状態では先読み判定を実施しない(又は先読みコマンドを送信しない)構成であったり、第1特図始動口31への入賞を検出したときのみ読み判定を実施する(又は先読みコマンドを送信する)構成としてもよい。また、どのような状態でも常に先読み判定を実施して先読みコマンドを送信する構成とし、受信する側のサブ統合制御装置53が遊技状態やその他の条件を判断し受信した先読みコマンドを用いた処理を実施するか否かを判断する構成としてもよい。
[当否判定処理について]
次に図8、9、10を用いて当否判定処理を説明する。この処理は、保留記憶した乱数値の当否判定を実施するとともに、該当否判定の結果に応じて該結果の報知を行う確定図柄の種類と、該確定図柄を導出表示するまでの図柄の変動パターン(変動時間)を決定し、尚且つ当否判定結果が小当りであれば、第1大入賞口1070を、又、大当りであれば第1大入賞口1070又は第2大入賞口1033aの作動内容を決定する処理となる。
図8に示すように、先ず条件装置が未作動か否か判定する(S50)。この判定は大当りフラグに基づいて行われる。大当りフラグとは、特図の抽選で当選した場合(抽出した大当り判定用乱数の値が予め定められた所定の値と一致していた場合)に立つ、すなわち0以外の数値が設定されるフラグである。尚、大当りフラグの値には複数種類の値が存在し、詳細内容については後述するが、この場合は大当りフラグの値が0か否かを判定する。否定判定なら(S50:no)リターンし、肯定判定なら(S50:yes)、特図の変動が停止中であるか否か(S55)、次に確定図柄が未表示中であるか否か(S60)判定する。
特図変動停止中で、確定図柄未表示中ならば(S55:yes、S60:yes)、保留記憶があるか否か判定し(S65)、否定判定なら(S65:no)リターンし、肯定判定なら(S65:yes)、最も古い保留記憶の抽選を行うためにレジスタへ読み出し、保留記憶が残っている場合は記憶領域のシフト処理を行う(S70)。この処理によって保留記憶がある場合はその時点で最も古い保留記憶は、最も古い保留記憶用の記憶領域に格納されることになる。
続いて、読み出した保留記憶の大当り判定用乱数の値が、予め設定された判定用テーブルに基づいて大当りとなる値か否かの判定を行う(S75)。肯定判定なら(S75:yes)、読み出した保留記憶の大当り図柄決定用乱数1、2の値に基づいて大当り図柄の種類を決定し(S80)、読み出した保留記憶のリーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数、及び現在の遊技状態(時短状態、通常状態)に基づいて、変動パターン(変動時間)を決定する(S85)。次に、S80で決定した大当り図柄の種類に応じて複数種類の大当りパターンの中から一つの大当りパターンを決定し、該大当りパターンに対応した大当り遊技(特別遊技)の内容(作動させる大入賞口の種類(第1又は第2)、トータルラウンド数、第1大入賞口1070又は第2大入賞口1033aのラウンド毎の開放態様と開放時間等)および特別遊技終了後の時短回数の設定を行なう(S90)。
S75が否定判定なら(S75:no)、大当り判定用乱数の値が小当りとなる値か否か判定する(S110)。肯定判定なら(S110:yes)、小当り図柄の種類を決定し(S115)、前記変動パターン決定用乱数の値および現在の遊技状態によって変動パターンを決定する(S120)。次に、S115で決定した小当り図柄の種類に応じて、複数種類の小当りパターンの中から一つの小当りパターンを決定し、該小当りパターンに対応した小当りの遊技内容と、小当りから大当り(役物当り)に発展した場合の大当り遊技(特別遊技)の内容(作動させる大入賞口の種類(第1又は第2)、トータルラウンド数、第1大入賞口1070又は第2大入賞口1033aのラウンド毎の開放態様と開放時間等)および特別遊技終了後の時短回数の設定を行なう(S125)。
S110が否定判定なら(S110:no)、即ち当否判定結果がハズレなら、ハズレ図柄を決定し(S130)、保留記憶のリーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数の値および現在の遊技状態(時短状態、通常状態)に応じて変動パターン(変動時間)を決定する(S135)。
S90、S125、S135の処理に続いて、当否判定結果を示すデータ(大当り遊技、小当り遊技及びハズレを示す図柄の種類、リーチの有り無し、変動時間など)を含んだ変動開始コマンドをサブ統合制御装置53に出力するとともに、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30において特図を変動表示させる処理を行い(S100)、リターンする。
サブ統合制御装置53側は受信した変動開始コマンドにより、大当り図柄(大当り遊技の種類)、小当り図柄(小当り遊技の種類)、ハズレ図柄、リーチの有無、変動時間を把握する。
変動開始コマンドを受信したサブ統合制御装置53は、特図の確定図柄(当り図柄、ハズレ図柄)、変動時間に応じて擬似(演出)図柄の種類、変動演出の種類を決定し、該決定結果を演出図柄制御装置54aに送信し、演出図柄制御装置54aはサブ統合制御装置53の決定に従って演出図柄表示装置54bにて擬似(演出)図柄の変動表示を行う。尚、擬似(演出)図柄の種類および変動演出の種類の決定は、サブ統合制御装置53により決定される構成に限るものではなく、同じサブ制御装置である演出図柄制御装置54aにて決定する構成でもよい。
図8に戻り、S55が否定判定なら(S55:no)、即ち特図が変動中であった場合には、図9に示すフローチャートに進み、特図の図柄変動時間(S85又はS120又はS135で決定した変動パターンに基づく)が経過したか否か判定する(S150)。否定判定なら(S150:no)リターンし、肯定判定なら(S150:yes)、図柄停止コマンドをサブ統合制御装置53に出力する図柄停止コマンド送信処理を行い(S155)、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30を制御してS80又はS115又はS130にて決定した確定図柄を確定表示させる(S155)。
図柄停止コマンドを受信したサブ統合制御装置53は、演出図柄制御装置54aに予め決めておいた擬似(演出)図柄を確定表示させる指示信号を出力し、演出図柄制御装置54aは、その信号により演出図柄表示装置54bを制御して擬似(演出)図柄を確定表示させる。これにより、特別図柄と擬似(演出)図柄の変動の開始と終了が同じタイミングになる(同期する)。
S155に続いては、確定表示した特図が大当り図柄か否か判定する(S160)。肯定判定なら(S160:yes)、確定表示した大当たり図柄の種類に応じて大当りフラグの値をセットする(S163)。大当りフラグ値の内容については、図23、24を用いて後述する。次に、確定図柄表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定処理)(S165)、条件装置の作動開始処理(S170)、役物連続作動装置の作動開始処理(S180)を行う。
このように、本実施形態では、第1特図始動口31または第2特図始動口32への遊技球の入賞を契機とした大当りを示す組合せの図柄が表示されることで、大当り遊技が実行されるように構成されている。
次に、時短フラグが1か否か(現在が時短遊技状態であるか否か)を判定し(S190)、肯定判定なら(S190:yes)、時短フラグに0をセットして(S195)、リターンに抜け、否定判定なら(S190:no)、そのままリターンする。
尚、本実施例では、時短フラグが立つことで開放延長機能も作動し、時短フラグが落ちると開放延長機能も終了する構成となっている。従って、S195の処理で開放延長機能も終了する。
S160が否定判定なら(S160:no)、確定表示した特図が小当り図柄か否か判定する(S200)。肯定判定なら(S200:yes)、確定表示した小当たり図柄の種類に応じて小当りフラグの値をセットする(S203)。小当りフラグ値の内容については、図23、24を用いて後述する。次に、確定図柄表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定処理)(S205)を行う。
次に、時短フラグが1か否かを判定し(S215)、肯定判定なら(S215:yes)、時短フラグに0をセットし(S220)、時短カウンタのカウンタ値を記憶して(S225)、リターンに抜け、否定判定なら(S215:no)、そのままリターンする。
S200が否定判定なら(S200:no)、即ち確定表示した図柄が大当り図柄でも小当り図柄でもなければ、確定図柄表示設定処理を行い(S230)、時短フラグが1か否かを判定する(S235)。肯定判定なら(S235:yes)、時短カウンタの値をデクリメントし(S240)、時短カウンタの値が0か否か判定する(S245)。肯定判定なら(S245:yes)、時短フラグに0をセットして(S250)、リターンに抜け、否定判定なら(S245:no)、そのままリターンする。
図8のS60が否定判定なら(S60:no)、即ち確定図柄が表示中であった場合には、図10に示すフローチャートに進み、設定された確定図柄表示時間(図8のS85、S120、S135で設定)が終了したか否か判定する(S260)。肯定判定なら(S260:yes)、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30を制御して特図の確定表示を終了させるとともに、サブ統合制御装置53に図柄表示終了コマンドを送信して(S265)リターンし、否定判定なら(S260:no)、そのままリターンする。
以上が、本実施形態の当否判定処理である。
[大当り時又は小当り時の大入賞口の作動態様について]
ここで、図23、図24を用いて、大当り時又は小当り時に第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30に表示される特別図柄の種類と、第1大入賞口1070又は第2大入賞口1033aの作動内容の関係を説明する。
図23に示した図表は、7セグメントLEDで構成された第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30に表示される大当り図柄及び小当り図柄の種類に対する、大当り(小当り)遊技の内容(大当り遊技終了時に設定される時短回数を含む)を示している。また、大当り遊技の内容は、小当り遊技から発展する役物大当りと、大当り遊技終了後の時短回数の違いにから8種類となり、大当りパターン1から8に分類される(小当りも、大当りに発展した場合の時短回数の違い、また、大当りに発展した場合の開放する大入賞口の種別(第1大入賞口1070又は第2大入賞口1033a)により、小当たりパターン1乃至4の何れかに分類される)。
具体的には、図8の大当り図柄決定処理(S80)で、No1、3、6、8、10のいずれかの特図が選択されると、大当り内容設定処理(S90)では、大当りパターン1が決定され、第2大入賞口1033aが25.0秒の開放を16回実施し、大当り遊技終了時に時短100回を設定する大当り遊技内容を設定する。
大当り図柄決定処理(S80)で、No2、7のいずれかの特図が選択されると、大当り内容設定処理(S90)では、大当りパターン2が決定され、第1大入賞口1070が1ラウンド目に1.8秒の開放を3回実施し、2ラウンドから16ラウンドまで25.0秒の開放を15回実施し、大当り遊技終了時に時短100回を設定する大当り遊技内容を設定する。
大当り図柄決定処理(S80)で、No5、9のいずれかの特図が選択されると、大当り内容設定処理(S90)では、大当りパターン3が決定され、第1大入賞口1070が1ラウンドから3ラウンドまで1.8秒の開放を1回ずつ実施し、4ラウンドから16ラウンドまで25.0秒の開放を13回実施し、大当り遊技終了時に時短100回を設定する大当り遊技内容を設定する。
大当り図柄決定処理(S80)で、No4の特図が選択されると、大当り内容設定処理(S90)では、大当りパターン4が決定され、第1大入賞口1070が1ラウンドから3ラウンドまで1.8秒の開放を1回ずつ実施し(トータルラウンド数3回)、大当り遊技終了時に時短0回を設定する大当り遊技内容を設定する。
図8の小当り図柄決定処理(S115)で、小当り図柄としてNo11の特図が選択されると、小当り内容設定処理(S125)では、小当りパターン1が決定され、小当り遊技の内容に第1大入賞口1070が1.8秒の開放1回を設定する。更に、小当りパターン1から大当りになることを想定して大当りパターン5が決定され、第1大入賞口1070が25.0秒の開放を15回実施し、大当り遊技終了時に時短100回を設定する大当り遊技内容を設定する。
小当り図柄決定処理(S115)で、小当り図柄としてNo12の特図が選択されると、小当り内容設定処理(S125)では、小当りパターン2が決定され、小当り遊技の内容に第1大入賞口1070が1.8秒の開放1回を設定する。更に、小当りパターン2から大当りになることを想定して大当りパターン6が決定され、第1大入賞口1070が25.0秒の開放を15回実施し、大当り遊技終了時に時短0回を設定する大当り遊技内容を設定する。
小当り図柄決定処理(S115)で、小当り図柄としてNo13の特図が選択されると、小当り内容設定処理(S125)では、小当りパターン3が決定され、小当り遊技の内容に第1大入賞口1070が1.8秒の開放1回を設定する。更に、小当りパターン3から大当りになることを想定して大当りパターン7が決定され、第2大入賞口1033aが25.0秒の開放を15回実施し、大当り遊技終了時に時短100回を設定する大当り遊技内容を設定する。
小当り図柄決定処理(S115)で、小当り図柄としてNo14の特図が選択されると、小当り内容設定処理(S125)では、小当りパターン4が決定され、小当り遊技の内容に第1大入賞口1070が1.8秒の開放1回を設定する。更に、小当りパターン4から大当りになることを想定して大当りパターン8が決定され、第2大入賞口1033aが25.0秒の開放を15回実施し、大当り遊技終了時に時短0回を設定する大当り遊技内容を設定する。
本実施形態では、小当り図柄としてNo11及びNo12の特図が選択されて小当り遊技が実行された結果として大当り遊技状態となると、小当り遊技時に開放する大入賞口(第1大入賞口1070)と同じ大入賞口(第1大入賞口1070)が開放する。
また、小当り図柄としてNo13及びNo14の特図が選択されて小当り遊技が実行された結果として大当り遊技状態となると、小当り遊技時に開放する大入賞口(第1大入賞口1070)と異なる大入賞口(第2大入賞口1033a)が開放する。
図24は、図23の内容を大当りパターン毎及び小当りパターン毎にまとめた図表となる。大当りパターンは、小当りからの大当りを加えると、全8パターンとなる。また、図表の右端列にあるように、大当りパターン及び小当りパターン毎に大当りフラグと小当りフラグの値が振り分けられており、後述する特別遊技処理では、大当りフラグ値と小当りフラグ値を参照して第1大入賞口1070及び第2大入賞口1033aの作動を制御する構成となっている。
次に、上記で説明した各大当りパターンと小当りパターンの具体的な開放態様を、図25、26に示したタイミングチャートを用いて説明する。小当り時の第1大入賞口1070の開放態様を図25(1)に示す。小当りパターン1乃至4が選択され小当り遊技を開始すると、第1大入賞口1070が1.8秒(A)の開放を1回実施し作動を終了する(1.8秒(A)開放するか、10個の遊技球が入球したこと、等で作動を終了する)。
図25(2)に、小当り遊技から大当り遊技に発展した場合の第1大入賞口1070の開放態様を示す。小当りパターン1と小当りパターン2から大当りに発展した場合の大当りパターン5と大当りパターン6では、大当り遊技を開始すると、小当り遊技による第1大入賞口1070の1.8秒(A)の開放を1回目とし、その後、第1大入賞口1070が25.0秒(B)の開放を15回実施して作動を終了する(各ラウンドは25.0秒開放するか、10個の遊技球が入球したこと、で作動を終了する)。
図26(1)に、大当りパターン1、7、及び8が選択された場合の第2大入賞口1033aの開放態様を示す。大当りパターン1が選択された場合に大当り遊技を開始すると、第2大入賞口1033aが25.0秒(B)の開放を16回実施し作動を終了する(各ラウンドは25.0秒開放するか、10個の遊技球が入球した時点で作動を終了する)。
また、小当りから大当り遊技に発展した場合の大当りパターン7、及び8が選択された場合に大当り遊技を開始すると、第2大入賞口1033aが25.0秒(B)の開放を15回実施し作動を終了する(各ラウンドは25.0秒開放するか、10個の遊技球が入球した時点で作動を終了する)。
図26(2)は、大当りパターン2が選択された場合の第1大入賞口1070の開放態様を示すタイミングチャートである。大当りパターン2が選択された場合に大当り遊技を開始すると、第1大入賞口1070が1ラウンド目の動作として、1.8秒(A)の開放を3回実施した後、25.0秒(B)の開放を15回実施し大当り遊技を終了する(各ラウンドは設定時間開放するか、10個の遊技球が入球した時点で作動を終了する)。
図26(3)は、大当りパターン3が選択された場合の第1大入賞口1070の開放態様を示すタイミングチャートである。大当りパターン3が選択された場合に大当り遊技を開始すると、第1大入賞口1070が1ラウンド目の動作として、1.8秒(A)の開放を1回実施した後、2ラウンド目と3ラウンド目も同様に1.8秒(A)の開放を1回ずつ実施する。3ラウンドが終了し4ラウンド目からは25.0秒(B)の開放を16ラウンドまで13回実施し大当り遊技を終了する(各ラウンドは設定時間開放するか、10個の遊技球が入球した時点で作動を終了する)。
但し、大当りパターン2と大当りパターン3では、長時間開放となるラウンド数が異なるため、遊技者が大当り遊技中に獲得可能な遊技球数が異なるものとなる。なお、この大当りパターン2と大当りパターン3を組み合わせて使用することも考えられる。そうすれば、1ラウンドの開放回数を異ならせて設定したりすれば、多様な大当りパターンを設けることができる。
図26(4)は、大当りパターン4が選択された場合の第1大入賞口1070の開放態様を示すタイミングチャートである。大当りパターン4が選択された場合に大当り遊技を開始すると、第1大入賞口1070が1ラウンド目の動作として、1.8秒(A)の開放を1回実施した後、2ラウンド目と3ラウンド目も同様に1.8秒(A)の開放を1回ずつ実施して大当り遊技の作動を終了する(各ラウンドは設定時間開放するか、10個の遊技球が入球した時点で作動を終了する)。
上記した大当りパターン2、3の大当り遊技内容の構成では、複数回の小当り遊技が連続した後に該小当たりから大当り遊技に発展した状況を再現しており、遊技者が大当りの生起(発展)を認識するまでに擬似小当りの連続によって徐々に期待感を高める期間を創出している。
また、大当りパターン4の大当り遊技内容の構成では、賞球を得るのが困難な擬似小当り連続開放のみの開放パターンを実施することにより、小当りの連続から大当りへの発展に失敗するパターンを創出している。この様に、失敗パターンを備えることによって、大当りパターン2、3、4の擬似小当り連続期間が興趣ある期間(失敗か成功か分からない期間)となる。
[特別遊技処理について]
次に、図11から図21を用いて主制御装置50が実行する特別遊技処理を説明する。
図11で特別遊技処理を開始すると、大当りフラグの値が0か否か判定する(S270)。肯定判定なら(S270:yes)、小当りフラグの値が0か否か判定する(S275)。肯定判定なら(S275:yes)リターンし、否定判定なら(S275:no)、図12のS290に進む。
S290では、小当り開始演出中であるか否か判定し(S290)、肯定判定であれば(S290:yes)、S320に処理を移行し、否定判定であれば(S290:no)、小当り演出中か否か判定する(S295)。
なお、「小当り演出」とは、小当り遊技状態(小当りフラグに1が設定されている状態)における、概ね「小当り開始演出」と「小当り終了演出」を除く期間に実行される演出である。詳述すると、本実施形態では、第1大入賞口1070に入賞するか否か、また該入賞した遊技球が特定領域を通過したか否か、さらに遊技球が通過した特定領域が有効な状態にあったか否か、の興趣を遊技者に提供するための演出である。
S295にて否定判定(S295:no)すなわち小当り演出中でない場合、S300において小当り終了演出中であるか否か判定する(S300)。肯定判定なら(S300:yes)、S305に処理を移行し、否定判定なら(S300:no)、S315に処理を移行する。
小当り終了演出中であれば、S305で、小当り終了演出終了時間が経過したか否か判定し(S305)、肯定判定なら(S305:yes)、S310に処理を移行し、否定判定なら(S305:no)、S315に処理を移行する。
小当り終了演出の終了時間が経過したのであれば、S310にて、小当りフラグに0を設定して本処理を終了する。
小当り終了演出中ではないと判定されたとき、S315にて、小当り開始演出処理を実行して、本処理を終了する。主制御装置50は、この処理でサブ統合制御装置53へ小当り開始コマンドを送信する。小当り開始コマンドを受信したサブ統合制御装置53側では演出図柄制御装置54aの制御により演出図柄表示装置54bに演出が表示される。
S290で小当り開始演出中であると判定された場合、S320にて、小当り開始演出の終了時間が経過したか否かの判定を行い(S320)、肯定判定であれば(S320:yes)、S325に処理を移行し、否定判定なら(S320:no)、本処理を終了する。
主制御装置50は、S325において、第1大入賞口1070の開放処理を実行し、次いで、S330において、小当り演出処理を行い、S335に処理を移行する。主制御装置50は、この小当り演出処理でサブ統合制御装置53へ小当り演出コマンドを送信する。小当り演出コマンドを受信したサブ統合制御装置53側では演出図柄制御装置54aの制御により演出図柄表示装置54bに演出が表示される。
主制御装置50は、S335において、「無効化カウンタ」のカウントダウン開始処理を行い、本処理を終了する。
「無効化カウンタ」は、第1大入賞口1070の開放開始から予め定められた時間(例えば、10.0秒間)が経過した時点で、未だ特定領域が有効(特定領域検出SW72aが有効)な状態である場合、これを無効化するための時間計測を行うカウンタである。主制御装置50は、第1大入賞口1070の開放処理に伴い、S325にて先ず、本実施形態では例えば10.0秒間に相当するカウント値を設定し、該カウント値からカウントダウンを開始する。そして、カウント値が0に到達した時点で、予め定められた時間が満了したものと判定する。なお、上述したように、本実施形態において特定領域が有効であるか否かは、「特定領域フラグ」に1が設定されているか否か、によって判定されるものである。
なお、上述したように本実施形態では、S320にて小当り開始演出終了時間が経過したと判断されると、S325にて第1大入賞口1070の開放処理を実行する構成とした。しかし、S320の処理後、出入カウンタのカウンタ値を判定して、カウント値が0になるまで、すなわち、第1大入賞口1070内に残留球が無いと判断されるまでは、S325を実行しないように構成しても良い。
このようにすることで、小当り遊技を実行するに際して、大入賞口1070内に遊技球が残留していない正常な状態である場合に限って、実行することができる。
上述したS295にて肯定判定(S295:yes)、すなわち、小当り演出中であると判定された場合は、図13のS340に移行する。主制御装置50は、S340において、出入カウンタのカウント値が2未満であるか否かを判定し(S340)、2未満であれば(S340:yes)、S345にて特定領域フラグに0を設定して、S355に処理を移行し、2未満ではない、すなわち2以上であれば(S340:no)、特定領域フラグに1を設定して、S355に処理を移行する。
このように本実施形態では、S340の判定処理にて、出入カウンタのカウント値が2未満であれば、特定領域検出SW72aを無効状態に、また、2以上であれば、有効状態に設定する。つまり、第1大入賞口1070内の残存球数を示す出入カウンタのカウント値に基づいて、特定領域検出SW72aを有効又は無効に切り替えるように構成されている。
主制御装置50は、S355において、特定領域フラグに1が設定されているか否かを判定し(S355)、肯定判定すなわち1が設定されていると判定された場合(S355:yes)、続いて、S360において、特定領域入球フラグに1が設定されているか否かを判定し(S360)、肯定判定すなわち有効状態にある特定領域検出SW72aの検出があったと判定された場合(S360:yes)、S365に処理を移行する。
主制御装置50は、上述したS355及びS360で否定判定となった場合、S362にて、特定領域入球フラグが0か否かを判定し(S362)、否定判定すなわち1が設定されている場合には(S362:no)、S365に処理を移行する。
主制御装置50は、S365において、役物連続作動装置の作動開始処理を行う(S365)。この処理により役物大当り(特別遊技)に移行する。
S365に続いては、第1大入賞口1070が開放中か否か判定し(S370)、肯定判定なら(S370:yes)、第1大入賞口1070の閉鎖処理を行い(S375)、S380に処理を移行し、否定判定の場合は(S370:no)、直接S380に処理を移行する。
主制御装置50は、S380において、小当りフラグの設定値が1乃至4の内の何れの値かを参照して、該小当りフラグの設定値に対応した設定値(図24参照)を、大当りフラグに設定し(S380)、S385に処理を移行する。
このように、本実施形態の特別遊技処理では、特定領域検出SW72aが有効状態にあるとき、該特定領域検出SW72aによって遊技球が検出されると、これを契機として大当りフラグが設定される。そして、該大当りフラグに基づいて、上記S270の判定処理にて否定判定となることで、大当り遊技が実行されるように構成されている。
主制御装置50は、S385において、無効化カウンタに0を設定し(S385)、S390において、特定領域フラグに0を設定し(S390)、S392において、特定領域入球フラグに0を設定し(S392)、S395に処理を移行する。
主制御装置50は、S395において、役物大当り開始演出設定処理を行なう(S395)。この処理でサブ統合制御装置53へ役物大当り開始コマンドを送信する。役物大当り開始コマンドを受信したサブ統合制御装置53側では演出図柄制御装置54aの制御により演出図柄表示装置54bに演出が表示される。S395に続いては、小当りフラグを落として(0をセットして)(S400)、本処理を終了する。
主制御装置50は、上述したS362で肯定判定となった場合(S362:yes)、図14のS405に処理を移行する。
主制御装置50は、S405において、第1大入賞口1070が開放中であるか否かを判定し(S405)、開放中であれば(S405:yes)、S410に処理を移行し、開放中でなければ(S405:no)、S425に処理を移行する。
主制御装置50は、S410において、第1大入賞口1070への入賞数が10個未満か否か判定し(S410)、肯定判定なら(S410:yes)、第1大入賞口1070の開放時間(例えば、1.8秒間)が終了したか否か判定する(S415)。S415が肯定判定(S415:yes)、又はS410が否定判定なら(S410:no)、第1大入賞口1070の閉鎖処理を行い(S420)、S425に処理を移行する。S415が否定判定であれば(S415:no)、本処理を終了する。
主制御装置50は、S425において、特定領域フラグが0か否かを判定し(S425)、肯定判定なら(S425:yes)、S430にて無効化カウンタに0を設定して(S430)、S445に処理を移行する。また、S425が否定判定なら(S425:no)、S435に処理を移行する。
主制御装置50は、S435において、無効化カウンタが0か否かを判定し(S435)、肯定判定なら(S435:yes)、S440にて特定領域フラグに0を設定して(S440)、S445に処理を移行する。また、S435が否定判定なら(S435:no)、本処理を終了する。
主制御装置50は、S445において、小当り終了演出処理を行い(S445)、本処理を終了する。この小当り終了演出処理では、サブ統合制御装置53へ小当り終了コマンドを送信する。小当り終了コマンドを受信したサブ統合制御装置53側では演出図柄制御装置54aの制御により演出図柄表示装置54bに演出が表示される。
以上が、小当り遊技に係る制御処理となっている。
このように本実施形態では、当否判定処理(図9)のS200にて肯定判定となり、S203にて設定された小当りフラグに基づいて、特別遊技処理のS275が否定判定となり、以下図12乃至図14の小当り遊技処理が実行されるものであり、換言すれば、始動入賞に起因して決定された小当り図柄の種別に基づいて、小当り遊技を実行する構成となっている。
図11のフローチャートに戻り、S270が否定判定なら、即ち、大当りフラグが成立していれば(S270:no)、大当りフラグの値が1、7又は8か否か判定する(S280)。肯定判定なら(S280:yes)、図15のS450に進み、大当りフラグに対応した大当りパターン1、7又は8に応じた第2大入賞口1033aの動作処理を実施する。
S450に進むと、第2大入賞口1033aが開放中か否か判定する(S450)。否定判定なら(S450:no)、開放間インターバル中か否か判定する(S455)。否定判定なら(S455:no)、大当り終了演出中か否か判定する(S460)。否定判定なら(S460:no)、大当り開始演出中か否か判定する(S465)。肯定判定なら(S465:yes)、大当り開始演出時間が経過したか否か判定し(S470)、否定判定なら(S470:no)リターンし、肯定判定なら(S470:yes)、第2大入賞口1033aの開放処理を行い(S475)、リターンする。この第2大入賞口1033aの開放処理(S475)では、第2大入賞口ソレノイド1033cを駆動して第2大入賞口1033aを予め設定された所定の態様(25.0秒間)の開放を開始する。
S455が肯定判定なら(S455:yes)、インターバル終了時間が経過した否か判定し(S480)、否定判定なら(S480:no)リターンし、肯定判定なら(S480:yes)、第2大入賞口1033aの開放処理(S485)を行った後リターンする。
S465が否定判定なら(S465:no)、大当り開始演出処理を行ない(S490)、リターンする。大当り開始演出処理(S490)ではサブ統合制御装置53へ大当り開始コマンドを送信する。S490で送信する大当り開始コマンドは、大当りパターン1、7又は8の開始を指示するコマンド内容となっている。大当り開始コマンドを受信したサブ統合制御装置53側では、演出図柄制御装置54aの制御により演出図柄表示装置54bに大当りパターン1、7又は8に応じた大当り演出を表示する。
S450が肯定判定なら(S450:yes)、図16のS500に進み、第2大入賞口1033aへの入賞が規定数である10個を満たしたか否か判定し(S500)、否定判定なら(S500:no)、第2大入賞口1033aの開放時間が終了したか否か判定する(S505)。否定判定なら(S505:no)リターンし、肯定判定なら(S505:yes)又はS500が肯定判定なら(S500:no)、第2大入賞口1033aの閉鎖処理を行い(S510)、大当り遊技の最終ラウンドが終了したか否か判定する(S515)。肯定判定なら(S515:yes)大当り終了演出処理を行い(S520)リターンし、否定判定なら(S515:no)、開放間インターバル処理を行ない(S525)、リターンする。
大当り終了演出処理(S520)ではサブ統合制御装置53へ大当り終了コマンドを送信し、開放間インターバル処理(S525)では、同様にインターバルコマンドをサブ統合制御装置53に送信する。大当り終了コマンド又はインターバルコマンドを受信したサブ統合制御装置53側では演出図柄制御装置54aの制御により演出図柄表示装置54bに演出が表示される。
図15に戻り、S460が肯定判定なら、即ち大当り終了演出中であれば(S460:yes)、図17のS530に進み、大当り終了演出時間が経過したか否か判定する(S530)。否定判定なら(S530:no)、リターンする。肯定判定なら(S530:yes)、条件装置停止処理(S535)、役物連続作動装置停止処理(S540)を行う。次に、大当りフラグの値に応じて、大当り終了後の遊技状態(時短F及び時短回数)を設定し(S545)、大当りフラグに0をセットして(S565)リターンに抜ける。
図11のフローチャートに戻り、S280が否定判定なら、即ち、大当りフラグが成立し、且つ大当りフラグの値が1、7又は8以外であれば(S280:no)、第1大入賞口1070を作動させる大当りパターン2から6の処理を行うために、図18のS580に進む。
図18のS580に進むと、第1大入賞口1070が開放中か否か判定する(S580)。否定判定なら(S580:no)、開放間インターバル中か否か判定する(S585)。S585が否定判定なら(S585:no)、大当り終了演出中か否か判定する(S590)。S590が肯定判定なら(S590:yes)、前述したS530に進み全ての開放動作が終了した場合の処理を行い、否定判定なら(S590:no)、大当り開始演出中か否か判定する(S595)。肯定判定なら(S595:yes)、大当り開始演出時間が経過したか否か判定し(S600)、否定判定なら(S600:no)リターンし、肯定判定なら(S600:yes)、第1大入賞口1070の開放処理を行い(S605)、リターンする。
この第1大入賞口1070の開放処理(S605)では、第1大入賞口ソレノイド1070cを駆動して、設定された大当りフラグの値に応じた開放態様を開始する。具体的には、大当りフラグの値が2、3、4であれば、擬似小当り連続を実施するために1.8秒の開放を開始し、大当りフラグの値が5、6であれば、25.0秒の開放を開始する。
S585が肯定判定なら(S585:yes)、インターバル終了時間が経過した否か判定し(S615)、否定判定なら(S615:no)リターンし、肯定判定なら(S615:yes)、設定されている大当りフラグの値に応じて、第1大入賞口1070の開放処理(S620)を行った後リターンする。
S595が否定判定なら(S595:no)、大当り開始演出処理を行ない(S610)、リターンする。大当り開始演出処理(S610)ではサブ統合制御装置53へ大当り開始コマンドを送信する。S610で送信する大当り開始コマンドは、大当りパターン2、3、4、5、6のいずれかの大当り開始を指示するコマンドであり、どの大当りパターンかを判別可能なコマンド内容で送信される。S610によって送信された大当り開始コマンドを受信したサブ統合制御装置53側では、演出図柄制御装置54aの制御により演出図柄表示装置54bに、大当りパターン2、3、4、5、6のいずれかに対応した大当り演出を表示する。大当りパターン2、3、4、5、6に対応した大当り演出は、変動開始コマンド(S100)の受信時に既に決定済みとなるため、大当り開始コマンドは、決定済みの大当り演出の開始契機となる。
尚、S580以降の判定処理は、S163、及びS400でセットした大当りフラグの値に応じて判定時の条件が異なる構成であり、例えば、大当りフラグの値が2、3、4の場合のS595の判定内容は、「擬似小当り連続」開始演出となる大当り開始演出中か否かを判定する内容となり、S600では、「擬似小当り連続」開始演出となる大当り開始演出の時間が経過したか否かを判定する。また、S610の大当り開始演出処理では、大当りフラグの値が2、3、4なら、「擬似小当り連続」開始演出処理となる大当り開始演出処理であり、該処理によって送信された大当り開始コマンドを受信したサブ統合制御装置53は、「擬似小当り連続」の開始を判断する。
S580が肯定判定なら(S580:yes)、図19のS630に進み、大当りフラグの値が2か否か判定する(S630)、肯定判定なら(S630:yes)、開放中のラウンドが1ラウンドよりも大きいラウンド(2ラウンド以降)か否か判定する(S635)。肯定判定なら(S635:yes)、第1大入賞口1070への入賞が規定数である10個を満たしたか否か判定し(S640)、否定判定なら(S640:no)、第1大入賞口1070の開放時間が終了したか否か判定する(S645)。否定判定なら(S645:no)リターンし、肯定判定なら(S645:yes)又はS640が肯定判定なら(S640:yes)、第1大入賞口1070の閉鎖処理を行い(S650)、大当り遊技の最終ラウンドが終了したか否か判定する(S655)。肯定判定なら(S655:yes)大当り終了演出処理を行い(S660)リターンし、否定判定なら(S655:no)、開放間インターバル処理を行ない(S665)、リターンする。
この大当り終了演出処理(S660)でも、サブ統合制御装置53へ大当り終了コマンドを送信し、開放間インターバル処理(S665)でも、インターバルコマンドをサブ統合制御装置53に送信する。大当り終了コマンド又はインターバルコマンドを受信したサブ統合制御装置53側では演出図柄制御装置54aの制御により演出図柄表示装置54bに演出が表示される。
S635が否定判定なら、即ち大当りパターン2の1ラウンドの開放動作中なら(S635:no)、図20のS680に進み、開放中の第1大入賞口1070への入賞個数が10個未満か否か判定する(S680)。肯定判定なら(S680:yes)、1ラウンドの作動時間が終了したか否か判定する(S685)。S685の肯定判定(S685:yes)又はS680が否定判定なら(S680:no)、第1大入賞口1070閉鎖処理を行い(S700)、擬似小当たり連続から大当り動作(長時間の開放)に移行する大当り発展インターバル処理を行ない(S705)、リターンする。この、大当り発展インターバル処理で送信する大当り発展インターバルコマンドをサブ統合制御装置53が受信すると、「擬似小当り連続」演出を終了して長時間の開放動作を行う大当り遊技演出を開始することを判断する。
S685が否定判定なら(S685:no)、特定領域検出SW72aが遊技球を検出したか否か判定する(S690)。否定判定なら(S690:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S690:yes)、サブ統合制御装置53に特定領域通過信号を送信して(S695)リターンする。
図19に戻り、S630が否定判定なら、即ち大当りパターン1又は2以外の大当りパターンを実施中なら(S630:no)、図21のS720に進み、設定されている大当りフラグの値が3か否か判定する(S720)。肯定判定なら(S720:yes)、実施中の第1大入賞口1070の作動が、4ラウンド未満(1〜3ラウンド)の作動中か否か判定する(S725)。S725が否定判定、即ち大当りパターン3の4ラウンド以降の作動中(S725:no)、又はS720が否定判定、即ち設定されている大当りフラグの値が4、5、6なら(S720:no)、上述した図19のS640の処理に進む。
S725が肯定判定、即ち大当りパターン3の1〜3ラウンドまでの第1大入賞口1070の作動中なら(S725:yes)、開放中の第1大入賞口1070への入賞個数が10個未満か否か判定する(S730)。肯定判定なら(S730:yes)、開放中の第1大入賞口1070の開放時間が終了(経過)したか否か判定する(S735)。S735が否定判定なら(S735:no)、上述したS690の処理に進み、肯定判定(S735:yes)、又は、S730が否定判定なら(S730:no)、第1大入賞口1070閉鎖処理を行う(S740)。
続いて、S740で閉鎖処理を行ったラウンドが3ラウンドか否か判定する(S745)、肯定判定なら(S745:yes)、上述したS705の処理に進み、否定判定なら(S745:no)、「擬似小当り連続」中の開放間インターバル処理を行い(S750)リターンする。このS750の「擬似小当り連続」中の開放間インターバル処理で送信した「擬似小当り連続」中インターバルコマンドをサブ統合制御装置53が受信すると、「擬似小当り連続」中の開放間インターバル演出を開始することを判断する。
以上が、第2大入賞口1033a又は第1大入賞口1070を作動させる、特別遊技処理となるが、この処理中においては、設定されている大当りフラグの値に応じて各々の判定が実施される構成となっている。
次に、図27乃至図29を参照して、小当り遊技の実行時に特定領域検出SW72aの有効/無効を切り替える、本実施形態の動作態様について説明する。
[小当り時に、残存球が2個以上となることで特定領域が有効化し、役物大当りとなることで無効化する場合について]
図27に示すように、小当り遊技が開始されて、特別遊技処理(図12)のS325乃至S335が実行されると、第1大入賞口1070が開放され、併せて、小当り演出に移行し、無効化カウンタのカウントダウンが開始される。第1大入賞口1070の所定の開放時間(例えば、1.8秒間)の間に、第1大入賞口1070に遊技球が入賞すると、第1カウントSW1070bにより検出される。該検出毎に、出入監視処理(図22)のS1000及びS1005が実行されることで、出入カウンタのカウント値が1ずつ加算される。図示のように、2個の遊技球が入賞し、出入カウンタのカウント値が2となると、特別遊技処理(図13)のS340及びS350が実行されることで、特定領域フラグに1が設定されて、無効状態であった特定領域(特定領域検出SW72a)が有効状態に切り替えられる。
このように、本実施形態では、出入カウンタのカウント値が2となることに基づいて、無効状態にある特定領域検出SW72aが有効状態に切り替えるように構成されている。つまり、小当り遊技が開始されて、第1大入賞口1070が開放しても、出入カウンタのカウント値が2とならないと、特定領域検出SW72aは無効状態のまま有効状態にはならない。
これにより、小当り遊技となった場合、特定領域検出SW72aを有効状態とするためには、少なくとも2個の遊技球を第1大入賞口1070に入賞させる必要があり、従来にない小当り遊技の面白みを提供できる。
また、出入カウンタのカウント値が2となることで特定領域検出SW72aを有効状態とするので、例えば第1大入賞口1070に2個目の遊技球が入賞する前に特定領域検出SW72a又は排出SW98にて検出されてしまうと、出入カウンタのカウント値が2に到達せず、有効化しない。つまり、単に第1大入賞口1070に入賞させるだけではなく、特定領域検出SW72a又は排出SW98に検出されて出入カウンタのカウント値が減算される前に、出入カウンタのカウント値が2に到達するように入賞させる必要がある。故に、特定領域検出SW72aを有効状態とするために遊技者は、第1大入賞口1070への入賞を、短時間で連続して発生させることが必要となり、従来にない面白みを提供することができる。また、どのタイミングで出入カウンタのカウント値が減算されるかは、基本的には遊技者の意思の及ばない不確定要素となるので、更に従来にない興趣を提供できる。
特定領域検出SW72aが有効状態となり、第1大入賞口1070内に2個の残存球が有るまま、第1大入賞口1070の開放時間(例えば、1.8秒間)が終了すると、特別遊技処理(図14)のS415で肯定判定となり、S420が実行されて第1大入賞口1070は閉鎖される。その後、2個の残存球の内の1個が特定領域検出SW72aにて検出されると、出入監視処理(図22)のS1020、S1022、S1025及びS1030が実行されて、特定領域入球フラグに1が設定されて、出入カウンタのカウント値が1すなわち2未満となる。次いで、特別遊技処理(図13)のS340、S345、S355、S362、及びSS365が実行されることで、役物連続作動装置が作動する。また、S385が実行されて、無効化カウンタのカウント値を0に設定し、併せて、S390にて特定領域フラグに0が設定される。これにより、特定領域フラグが0になって特定領域検出SW72aが有効状態から無効状態に切り替えられるのと同時に、無効化カウンタを未だ予め定められた時間(例えば、10.0秒間)が経過していなくても、カウント値を0にして機能を終了させる。その後に、残りの1個が排出SW98にて検出されると、出入監視処理(図22)のS1010、及びS1015が実行されて、出入カウンタのカウント値が1減算され0となる。
なお、第1カウントSW1070bによる1個目と2個目の検出の間に、仮に前記1個目の遊技球が特定領域検出SW72aにより検出(破線にて図示)された場合、この時点では出入カウンタのカウント値が1であって、未だ2に到達していないため、特定領域検出SW72aが無効状態(特定領域フラグが0)にある。よって、当該場合では、特定領域検出SW72aに検出されたとしても、出入監視処理(図22)のS1022で否定判定となりS1025が実行されず、すなわち特定領域入球フラグに1が設定されない。このため、特別遊技処理(図13)のS355で否定判定となり、S362で肯定判定となることでS365が実行されず、役物連続作動装置が作動することはない。
[小当り時に、残存球が2個以上となることで特定領域が有効化し、2個未満となることで無効化する場合について]
図28に示すように、特定領域検出SW72aが有効状態となり、第1大入賞口1070内に2個の残存球が有るまま、第1大入賞口1070の開放時間(例えば、1.8秒間)が終了するまでの作動は、図27と同様であるため、これを援用する。
第1大入賞口1070が閉鎖された後、2個の残存球の内の1個が、排出SW98にて検出されると、出入監視処理(図22)のS1010、及びS1015が実行されて、出入カウンタのカウント値が1減算され1、すなわち2未満となる。次いで、特別遊技処理(図13)のS340で肯定判定となってS345で特定領域フラグに0が設定されて、特定領域検出SW72aは有効状態から無効状態に切り替えられる。続く、S355で否定判定、S362で肯定判定、S405で否定判定、S425で肯定判定の後、S430が実行されて、無効化カウンタのカウント値を0に設定し、さらにS445によって小当り終了演出処理が行われる。
このように、本実施形態では、特定領域検出SW72aが有効状態にあるとき、出入カウンタのカウント値が2未満となることを条件に、特定領域検出SW72aを有効状態から無効状態に切り替える構成となっている。
これにより、出入カウンタのカウント値が2未満となるまでの間に、すなわち特定領域検出SW72aが有効状態にある間に、特定領域検出SW72aにて検出させることで役物大当りに進展することができ、従来に無い緊迫感のある遊技を提供できる。また、遊技者は、出入カウンタのカウント値が2未満となるまでの間に発生する検出が、特定領域検出SW72aによるものか、又は排出SW98によるものか、に強い興味を抱くようになり、新規な面白みを提供することができる。
続いて、小当り終了演出処理が実行され、残る1個の遊技球が、特定領域検出SW72aにて検出されると、出入監視処理(図22)のS1020で肯定判定、S1022で否定判定、及びS1030が実行されて、出入カウンタのカウント値が0となり、S1025が実行されないことで特定領域入球フラグには1が設定されない。続く特別遊技処理(図12)のS295で否定判定となることで、特別遊技処理(図13)のS340以降の処理が実行されない。よって、第1大入賞口1070が閉鎖してから、特定領域検出SW72aが無効となった後に、特定領域検出SW72aにて検出されても、役物連続作動装置は作動しない。次いで、小当り終了演出が終了すると、S305及びS310が実行されて、小当り遊技が終了する。
[小当り時に、残存球が2個以上となることで特定領域が有効化し、所定時間経過で無効化する場合について]
図29に示すように、特定領域検出SW72aが有効状態となり、第1大入賞口1070内に2個の残存球が有るまま、第1大入賞口1070の開放時間(例えば、1.8秒間)が終了するまでの作動は、図27及び図28と同様であるため、これを援用する。
第1大入賞口1070が閉鎖された後、2個の残存球が、排出SW98又は特定領域検出SW72aで検出されずに残存したまま、無効化カウンタのカウント時間が、予め定められた時間(例えば、10.0秒間)だけ経過したとき、特別遊技処理(図14)のS405で否定判定、S425で否定判定、S435で肯定判定に続いて、S440が実行されることで、特定領域フラグに0が設定されて、有効状態にある特定領域検出SW72aが、無効状態に切り替えられる。
このように、本実施形態では、特定領域検出SW72aが有効状態にあるとき、特定領域検出SW72aの所定の有効限度期間が満了する時期、すなわち無効化カウンタのカウント値が下限値である0に到達する時期が到来したことを条件に、特定領域検出SW72aを有効状態から無効状態に切り替える構成となっている。
これにより、特定領域検出SW72aが無制限に有効状態を維持する異常な状態を、無効化カウンタのカウントによって回避することができる。
更にいえば、本実施形態では、特定領域検出SW72aの所定の有効限度期間が満了するか(S440)、上述した出入カウンタのカウント値が2未満となるか(S345)、又は、役物大当りに進展するか(S390)、の何れかの条件成立に基づいて、特定領域検出SW72aを有効状態から無効状態に切り替えるものである。
なお、特別遊技処理(図14)のS435が肯定判定となり、S440が実行されるとき、出入カウンタのカウント値が0であるか否かを判定する処理を実行し、否定判定すなわち0ではなく、残存球が存在すると想定される場合には、エラー報知処理を実行するように構成しても良い。また、カウント値の多寡に応じて、エラー報知の内容を異ならせて、異常が軽度なのか重度なのかを詳細に報知しても良い。
これにより、第1大入賞口1070内に残存球を残した異常状態のまま遊技が継続して、遊技者に不利益を被らせることを防止できる。
[第一変形例]
次に本発明の第一変形例を説明する。第一変形例は、上述した第一実施形態と略同様の構成であるので、該同様の構成に係る説明及び図面は第一実施形態を援用し、相違点についてのみ、適宜、図30を参照して説明する。
第一実施形態では、小当り遊技時において、出入カウンタのカウント値が2以上となったことを条件として、無効状態にある特定領域検出SW72aを有効状態に切り替える構成としていた。
この点、本変形例では、無効状態にある特定領域検出SW72aを有効状態に切り替える条件を、小当り遊技時における第1大入賞口1070への入賞数すなわち、第1カウントSW1070bの検出数が所定個数(例えば2個)となったこと、として構成するものである。
つまり、第一実施形態の特別遊技処理(図13)のS340に替えて、第一実施形態の第1大入賞口カウンタを利用して、当該小当り中における該第1大入賞口カウンタのカウント値が予め定められた所定個数未満か否かの判定処理(S1340)を実行し、否定判定となったとき、すなわち所定個数以上であるときに、S350に移行して特定領域フラグに1を設定することで、特定領域検出SW72aを有効化する。
このように処理した場合の作動状態を、図30を参照して説明する。
図30に示すように、小当り遊技が開始されて、特別遊技処理(図12)のS325乃至S335が実行されると、第1大入賞口1070が開放され、併せて、無効化カウンタのカウントダウンが開始される。第1大入賞口1070の所定の開放時間(例えば、1.8秒間)の間に、第1大入賞口1070に遊技球が入賞すると、第1カウントSW1070bにより検出される。該検出毎に、第1大入賞口カウンタのカウント値が1ずつ加算される。
図示のように、2個の遊技球が入賞し、第1大入賞口カウンタのカウント値(「第1カウントSWの累計カウント数」として図示)が2となると、特別遊技処理(図12)のS295で肯定判定、及び上述した本変形例のS1340、さらにS350が実行されることで、特定領域フラグに1が設定されて、無効状態であった特定領域(特定領域検出SW72a)が有効状態に切り替えられる。
このように、本変形例では、大入賞口1070への入賞個数が所定個数以上となることに基づいて、無効状態にある特定領域検出SW72aが有効状態に切り替えるように構成されている。つまり、小当り遊技が開始されて、第1大入賞口1070が開放しても、大入賞口1070に所定個数以上の遊技球が入賞しないと、特定領域検出SW72aは無効状態のまま有効状態にはならない。また、一旦、大入賞口1070に所定個数以上の遊技球が入賞し、特定領域検出SW72aが有効状態に切り替えられれば、出入カウンタの値が0になること及び無効化カウンタのカウント値が0になることの何れかの条件を満たすまでは、無効状態にはならない。
上述したように構成される本変形例では、小当り遊技が開始されると、特定領域検出SW72aを有効化して有利な状態に移行させるため、遊技者は所定個数以上の遊技球を第1カウントSW1070bに検出させようと遊技に集中することになり、従来にない遊技性を楽しむことができる。また、一旦、特定領域検出SW72aが有効状態になれば、特定領域72への入球可能性が残されている期間は、基本的には無効状態になることはないので、純粋に遊技球の帰趨を見守ることができ、興趣を高めることができる。本変形例は、このような効果を奏し得る。
図30に示すように、第1大入賞口カウンタのカウント値が2となって、特定領域(特定領域検出SW72a)が有効状態にあるとき、特定領域検出SW72aにて1個の遊技球が検出されると、役物連続作動装置が作動する。
なお、本変形例では、第1カウントSW1070bが1個目の遊技球を検出し、次の2個目の遊技球を検出するまでの間に、前記1個目の遊技球が排出SW98にて検出されると、出入カウンタは1から0に減算される。そして、第1カウントSW1070bが2個目の遊技球を検出すると、出入カウンタは0から1に加算される。このとき、出入カウンタが2ではない、つまり1の状態であっても、本変形例では第1大入賞口カウンタのカウント値が2となることを条件として、特定領域(特定領域検出SW72a)を有効状態に切り替えるようになっている。
[第二変形例]
次に本発明の第二変形例を説明する。第二変形例は、上述した第一実施形態と略同様の構成であるので、該同様の構成に係る説明及び図面は第一実施形態を援用し、相違点についてのみ、適宜、図30及び図31を参照して説明する。
第一実施形態では、小当り遊技時において、出入カウンタのカウント値が2未満となったこと、無効化カウンタのカウント値が所定値となって所定の有効限度期間が満了すること、又は、役物大当りに進展すること、を条件として、有効状態にある特定領域検出SW72aを無効状態に切り替える構成としていた。
この点、本変形例では、有効状態にある特定領域検出SW72aを無効状態に切り替える条件を、小当り遊技時における第1大入賞口1070への入賞数すなわち、第1カウントSW1070bの検出数が第2所定個数(例えば3個)以上となったこと、無効化カウンタのカウント値が所定値となって所定の有効限度期間が満了すること、又は、役物大当りに進展すること、として構成するようにしても良い。
つまり、第一実施形態の特別遊技処理(図13)のS340に替えて、第一実施形態の第1大入賞口カウンタを利用して、当該小当り中における該第1大入賞口カウンタのカウント値が予め定められた第1所定個数(例えば2個)未満又は第2所定個数(例えば3個)以上か否かの判定処理(S2340)を実行し、否定判定となったとき、すなわち第1所定個数以上且つ第2所定個数未満であるときに、S350に移行して特定領域フラグに1を設定することで、特定領域検出SW72aを有効化し、肯定判定となったとき、すなわち第1所定個数未満又は第2所定個数以上であるときに、S345に移行して特定領域フラグに0を設定することで、特定領域検出SW72aを無効化する。
このように処理した場合の作動状態を、図30及び図31を参照して説明する。なお、第1カウントSW1070bにより2個目の遊技球が検出されるまでの処理は、第一変形例と同様であるので、第一変形例を援用し、ここでは説明を割愛する。
図30及び図31に示すように、第1大入賞口1070に3個目の遊技球が入賞すると、第1カウントSW1070bにより検出され、第1大入賞口カウンタのカウント値が1加算されて、3となる。
図31は、3個の遊技球が入賞した時点で特定領域(特定領域検出SW72a)が有効状態にある場合を示している。第1大入賞口カウンタのカウント値(「第1カウントSWの累計カウント数」として図示)が3となると、特別遊技処理(図13)で上述した本変形例のS2340にて肯定判定となり、続いてS345が実行されることで、特定領域フラグに0が設定されて、有効状態であった特定領域(特定領域検出SW72a)が無効状態に切り替えられる。
このように、本変形例では、大入賞口1070への入賞個数が所定個数(例えば3個)となること、無効化カウンタのカウント値が所定値となって所定の有効限度期間が満了すること、又は役物大当りに進展すること、に基づいて、有効状態にある特定領域検出SW72aが無効状態に切り替えられるように構成されている。つまり、小当り遊技が開始されて、第1大入賞口1070が開放しても、大入賞口1070に所定個数以上の遊技球が入賞すると、又は、無効化カウンタのカウント値が所定値となって所定の有効限度期間が満了すると、有効状態にある特定領域検出SW72aが無効状態に変更される。
上述したように構成される本変形例では、小当り遊技が開始されると、特定領域検出SW72aを有効化した有利な状態に維持させるため、遊技者は所定個数以上の遊技球を第1カウントSW1070bに検出させないように、また、所定の有効限度期間が満了するまでに特定領域検出SW72aに検出されるように、遊技に集中することとなり、従来にない緊迫感を楽しむことができる。本変形例は、このような効果を奏し得る。
なお、図31に示すように、本変形例では、第1カウントSW1070bが1個目の遊技球を検出し、次の2個目の遊技球を検出するまでの間に、前記1個目の遊技球が排出SW98にて検出されると、出入カウンタは1から0に減算される。そして、第1カウントSW1070bが2個目の遊技球を検出すると、出入カウンタは0から1に加算される。続く3個目の遊技球を第1カウントSW1070bが検出すると、出入カウンタは1から2に加算される。このように、出入カウンタのカウント値が2である状態でも、本変形例では第1大入賞口カウンタのカウント値が3となることを条件として、特定領域(特定領域検出SW72a)を無効状態に切り替えるようになっている。
以上、本発明に係る実施形態を説明してきたが、これに限らず、本発明の技術思想を逸脱しない限り、他の構成としても良い。
例えば、始動口への遊技球の入賞を契機として抽出された乱数に基づいて小当りを示す図柄の組合せの表示がなされた場合に小当り遊技を実行する構成に限らず、始動口への遊技球の入賞により乱数を抽出することなく、小当り遊技を実行するようにしても良い。すなわち、旧二種タイプの弾球遊技機の構成としても良い。
このようにしても、本発明の効果である、従来にない興趣を提供することができる。
また、小当り図柄を複数設けて、該小当り図柄の種別に応じて、特定領域検出SW72aの有効化契機や無効化契機を、第一実施形態、第一変形例、および第二変形例のように、異なる設定としても良い。
これにより、どの種別の小当り図柄が表示されたかによって、有効化や無効化の契機が変化するため、小当り図柄の種別も遊技者の興趣の対象となり、遊技にバリエーションを持たせることとなり、飽きの来ない遊技を実現できる。
また、第一実施形態で例示した、特定領域検出SW72aを無効化する条件として、出入カウンタのカウント値が所定値としての2未満となる条件を除外して、単に、無効化カウンタのカウント値が所定値となって所定の有効限度期間が満了すること、のみを条件とするように構成しても良い。その場合には、特別遊技処理(図13)のS345の処理を削除し、S340の直前に、特定領域フラグが0か否かの判定処理を設け、肯定判定であればS340へ移行し、否定判定であればS355に移行するように構成することで、実現可能となる。
このようにすることで、特定領域検出SW72aは、一旦有効化されると、所定の有効限度期間が満了するまでは有効状態が維持されるので、遊技者は従来にない新規な面白みを享受しつつ、安心して小当り遊技を楽しむことができる。
また、小当り遊技時に開放する第1大入賞口と、大当り時に開放する第2大入賞口を備えているが、小当りを示す図柄の組合せによって特定検出手段による検出がなされることに基づく大当り遊技時に第1大入賞口を開放させるか、第2大入賞口を開放させるか、その組み合わせの比率等を決定するように構成しても良い。また、大当り遊技及び小当り遊技で共用する単一の大入賞口を備える構成としても良い。
これにより、本発明の効果を奏しつつ、多様な遊技機の構成を実現可能となる。
また、小当り遊技中における第1大入賞口への入賞数又は第1大入賞口内の残存球数によって特定検出スイッチを有効及び/又は無効を切り替えるものであれば、第1大入賞口の構造によって、第1大入賞口へと入賞する遊技球を検出する入賞検出スイッチの数又は位置、第1大入賞口から排出される遊技球を検出する排出検出スイッチの数又は位置、特定検出スイッチの数又は位置、第1大入賞口の入口から特定検出スイッチに至る経路の形状又は該通路に設けられた振分装置の形状又は動作態様などについては、現在公知となっているものであっても何ら差支えない。
また、特定領域を備えた第1大入賞口を、大当り遊技時に開放する構成であるとき、遊技球が入球した場合の特定領域の機能として、大当り遊技のラウンドを継続するためのラウンド継続口として機能しても良い。また、大当り遊技中には特定領域を無効化しておくように構成しても良い。また、入球によって、大当り遊技後に高確率状態に移行すなわち確変状態となるための確変口として機能するようにしても良い。確変に限らず、大当り遊技後に有利な状態に移行する契機を発生する機能を担わせるようにしても良い。
これにより、小当り遊技にて機能する特定領域を、大当り遊技中においても有効に利用することができる。
また、無効化カウンタのカウントダウンを、大入賞口の開放時に開始する構成に限定しなくても良い。例えば、特定領域が有効となった時点から開始するようにしても良い。そのような構成としたときは、前記有効となった時点が大入賞口開放時からどれだけの時間が経過した時点かを算定し、該算定した時間の長短に基づいて、カウント値の最大値(満了となる時期)を決定するようにしても良い。
こうすることで、特定領域の有効化タイミングが不定であっても、無効化時期を大入賞口の開放時期から常に一定とすることができる。また、カウント値を常に一定にしても良い。これにより、特定領域の無効化時期を不定とすることができると共に、特定領域の有効となっている遊技者にとって有利な期間を、常に一定とすることができる。
また、無効化カウンタのカウント値が所定のカウント値(例えば、大入賞口開放時から10秒間経過時に相当するカウント値)から減算されて0となったとき、出入カウンタのカウント値が0ではないか否かを、つまり大入賞口内に残留球が有るか否かを判定する処理を実行し、該判定処理にて肯定判定すなわち、カウント値が0以外の数値で残留球が有ると判定されたときは、これを異常な状態であるとする旨のエラー報知を実行する処理を備えるように構成しても良い。
これにより、あまり長時間に亘って遊技球が大入賞口内に残留しているときには、エラー報知によって異常であることを遊技者及びホール従業員に知らしめることができ、正常な状態で遊技を行うことができる。
また、第一実施形態では、特定領域検出SW72aに、特定検出手段としての機能に併せて、排出検出手段の機能も担わせて構成したが、これに限定することなく、別個、第2の排出SWを特定領域検出SW72aの下流に備えるようにしても良い。
これにより、特定領域検出と排出球検出の信号を個別に発生させることが可能となり、制御上の不具合発生を防止することができる。
また、第1大入賞口1070の開閉部材73は、有効な状態にある特定領域検出SW72aに遊技球が検出されたときに、第1大入賞口1070を閉鎖するように構成された例を示したが、これに限定することなく、特定領域検出SW72aに遊技球が検出されても、予め定められた第1大入賞口1070の開放時間(例えば、1.8秒)が満了するまで開放状態を維持する構成であっても良い。
これにより、遊技者は、特定領域への入球を達成した後も、所定の開放時間が満了するまでは、大入賞口への入賞に基づく賞球を獲得することができる。
また、第1大入賞口1070の開閉部材73は、出入カウンタのカウント値が2未満となって特定領域検出SW72aが無効化されても、予め定められた第1大入賞口1070の開放時間(例えば、1.8秒)が満了するまで開放状態を維持するように構成された例を示したが、これに限定することなく、特定領域検出SW72aが有効な状態にて出入カウンタのカウント値が2未満となって特定領域検出SW72aが無効化されたときに、第1大入賞口1070を閉鎖する構成であっても良い。
これにより、一度、特定領域検出SW72aが無効化されてしまうと、所定の開放時間の満了を待たずに第1大入賞口1070が閉鎖してしまうため、遊技者は特定領域検出SW72aが有効化されている間に、タイミングよく特定領域へ遊技球を通過させようと努めることになり、新たな興趣を提供できる。
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
当否判定処理(図9)のS200、S203、および特別遊技処理(図12乃至図14)が、小当り遊技実行手段に相当する。
第1大入賞口1070を具備してなる第1大入賞口装置80と、第2大入賞口1033aを具備してなる第2大入賞口装置1033は、大入賞口装置に相当する。
第1カウントSW1070bは、入賞検出手段に相当する。
特定領域72が特定領域に相当し、また、特定領域検出SW72aは、特定領域検出手段に相当する。
排出スイッチ98は、排出検出手段に相当する。
また、第一実施形態の特定領域検出SW72aは、特定領域検出手段に相当すると共に、排出検出手段にも相当する。
特別遊技処理(図11乃至図21)が、大当り遊技実行手段に相当する。
パチンコ機は、弾球遊技機に相当する。
第一実施形態における出入監視処理(図22)のS1000、及びS1005が、計数手段に相当する。
出入監視処理(図22)、特別遊技処理のS345およびS350(図13)は、切替手段に相当する。
第1大入賞口1070を具備してなる第1大入賞口装置80は、第1大入賞口装置に相当し、第2大入賞口1033aを具備してなる第2大入賞口装置1033は、第2大入賞口装置に相当する。
第一変形例及び第二変形例における、第1大入賞口カウンタは、計数手段に相当する。