JP6903033B2 - 励磁突入電流抑制装置および電力開閉装置 - Google Patents

励磁突入電流抑制装置および電力開閉装置 Download PDF

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Description

本発明は、変圧器への電源の投入時に発生する励磁突入電流を抑制する励磁突入電流抑制装置および電力開閉装置に関する。
三相電源が投入される三相変圧器を備える電力開閉装置には、三相変圧器への三相電源の投入と遮断とを行う三相遮断器が設けられる。このような電力開閉装置には、三相電源の投入時に発生する励磁突入電流を抑制する励磁突入電流抑制装置が設けられることがある。励磁突入電流抑制装置によって励磁突入電流を抑制する方式の一つに、三相電源の特定位相において三相遮断器に三相電源を投入させる位相制御投入方式が挙げられる。
三相電源が遮断されたときに変圧器の鉄心に残留した残留磁束と、三相電源の投入後における電源電圧が定常状態であるときに発生する定常磁束との差の絶対値が大きいほど、励磁突入電流が生じ易くなる。励磁突入電流抑制装置は、励磁突入電流の抑制を図るために、残留磁束と定常磁束とが一致する位相において三相変圧器へ三相電源を投入させることがある。
特許文献1には、残留磁束を測定する残留磁束測定装置に関して、遮断時において過渡的に変化する端子電圧の時間積分によって残留磁束の値を算出する技術が開示されている。特許文献1の技術によると、遮断時から端子電圧が収束する時までの期間における端子電圧を計測し、端子電圧の減衰振動波形のピーク群を基に、端子電圧の減衰を表す減衰関数を求める。特許文献1にかかる残留磁束測定装置は、かかる減衰関数において端子電圧が閾値以下にまで減衰する時を終了時とする積分期間をあらかじめ設定して、端子電圧の時間積分を行う。
特開2003−232840号公報
三相電源の遮断時において、端子電圧の減衰が遮断時からすぐに開始されず、端子電圧の収束に遅れが生じることがある。上記特許文献1の技術によると、積分期間があらかじめ設定されているために、端子電圧の収束に遅れが生じた場合には、端子電圧が減衰するより前に端子電圧の積分が終わる場合がある。端子電圧が収束するよりも前に積分が終わる場合、残留磁束の値を算出する精度が低下することになる。また、減衰関数に基づいて求めた積分期間よりも長い積分期間における積分が常に行われると、端子電圧の減衰が遮断時からすぐに開始される場合には、端子電圧が収束した後も積分が継続されることとなる。この場合、積分のための処理負担の増大と、端子電圧の計測結果を保持するための記憶容量の増大とが問題となる。さらに、積分期間が無駄に長くなることで、端子電圧の計測結果に含まれるノイズによる積分結果の誤差が増大することにもなる。残留磁束の値の算出精度が低下することにより、過大な励磁突入電流の発生を高い精度で抑制することが困難となる。このように、上記特許文献1の技術によると、過大な励磁突入電流の発生を高い精度で抑制することが困難となる場合があるという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、過大な励磁突入電流の発生を高い精度で抑制可能とする励磁突入電流抑制装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる励磁突入電流抑制装置は、三相電源の投入と遮断とが行われる三相変圧器において投入時に発生する励磁突入電流を抑制する。本発明にかかる励磁突入電流抑制装置は、三相電源が遮断されたときに三相変圧器の鉄心に残留する磁束である残留磁束の値を算出する残留磁束算出手段と、三相電源の投入後における電源電圧が定常状態であるときに三相変圧器に発生する磁束である定常磁束の値と残留磁束の値との差分に基づいて決定された位相において三相電源を投入させる制御を行う制御手段と、を備える。残留磁束算出手段は、三相電源の遮断時である第1の時刻から始まる第1の計測期間における三相変圧器の端子電圧の計測結果に基づいて、第1の計測期間の終了時である第2の時刻よりも後における端子電圧の減衰を示す減衰振動波形を推測し、減衰振動波形に基づいて端子電圧の時間積分のための期間である第2の計測期間を算出する期間算出部を有する。残留磁束算出手段は、第2の計測期間における端子電圧の計測結果の時間積分によって残留磁束の値を算出する電圧積分部を有する。
本発明によれば、過大な励磁突入電流の発生を高い精度で抑制することができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態1にかかる励磁突入電流抑制装置を有する電力開閉装置の概略構成を示す図 図1に示す励磁突入電流抑制装置が有する残留磁束算出手段の機能構成を示すブロック図 図1に示す電力開閉装置が有する三相変圧器にて発生する磁束である変圧器磁束の波形と端子電圧の波形との例を示す図 図1に示す励磁突入電流抑制装置の動作の手順を示すフローチャート 図1に示す励磁突入電流抑制装置の機能が専用のハードウェアによって実現される場合のハードウェア構成を示す図 図1に示す励磁突入電流抑制装置の機能が、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサによって実現される場合のハードウェア構成を示す図
以下に、本発明の実施の形態にかかる励磁突入電流抑制装置および電力開閉装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる励磁突入電流抑制装置10を有する電力開閉装置100の概略構成を示す図である。電力開閉装置100は、三相電源12が投入される三相変圧器11と、三相変圧器11への三相電源12の投入と遮断とを行う三相遮断器13と、三相変圧器11の端子電圧を計測する端子電圧計測器15とを備える。図1において、端子電圧計測器15は、三相変圧器11のうち三相電源12の側である一次側に設けられている。端子電圧計測器15は、三相変圧器11のうち三相電源12の側とは逆側である二次側に設けられても良い。電力開閉装置100は、三相変圧器11において投入時に発生する励磁突入電流を抑制する励磁突入電流抑制装置10を備える。
三相電源12は、A相、B相およびC相の各電源電圧ypa,ypb,ypcを発生し、三相遮断器13の接触子13a,13b,13cに電源電圧ypa,ypb,ypcをそれぞれ出力する。接触子13a,13b,13cは、回路を開閉可能とする接点である。接触子13a,13b,13cが回路を閉じることによって、三相変圧器11へ三相電源12が投入される。接触子13a,13b,13cが回路を開くことによって、三相変圧器11から三相電源12が遮断される。
三相遮断器13の接触子13a,13b,13cは、制御手段23からの開極制御信号31aにしたがって回路を開き、かつ制御手段23からの閉極制御信号31bにしたがって回路を閉じる。なお、以下の説明において、接触子13a,13b,13cが回路を閉じることを閉極と称し、接触子13a,13b,13cが回路を開くことを開極と称することがある。三相遮断器13は、開極制御信号31aにしたがい開極が行われた際に、接触子13a,13b,13cが開極した時刻を示す情報である開極位相信号33を励磁突入電流抑制装置10へ出力する。
電源電圧計測器14は、基準相であるA相の対地電圧を計測し、計測結果を示す電源電圧信号32を制御手段23へ出力する。端子電圧計測器15は、A相の端子電圧を計測する端子電圧計測器15aと、B相の端子電圧を計測する端子電圧計測器15bと、C相の端子電圧を計測する端子電圧計測器15cとを有する。
励磁突入電流抑制装置10は、残留磁束の値を算出する残留磁束算出手段20と、定常磁束の値と残留磁束の値との差分の絶対値である投入磁束誤差を算出する投入磁束誤差算出手段21と、投入磁束誤差に基づいて決定される目標閉極位相を算出する目標閉極位相算出手段22とを有する。残留磁束は、三相電源12が遮断されたときに三相変圧器11の鉄心に残留する磁束である。定常磁束は、三相電源12の投入後における電源電圧が定常状態であるときに三相変圧器11に発生する磁束である。
残留磁束算出手段20は、開極位相信号33の入力にしたがって、端子電圧計測器15a,15b,15cによる計測結果の取得を開始する。残留磁束算出手段20は、取得された計測結果を基に、各相の残留磁束の値を算出する。残留磁束算出手段20は、残留磁束の値の算出結果を示す残留磁束信号37を投入磁束誤差算出手段21へ出力する。
各接触子13a,13b,13cは、閉極制御信号31bの入力にしたがって機械的な動作を実行し、かかる動作が行われる時間が経過した後に閉極する。閉極制御信号31bの入力から閉極までの動作時間を、閉極時間と称する。閉極時間は、三相遮断器13の周囲温度、操作油圧、制御電圧および休止時間に依存する。また、接触子13a,13b,13cが機械的な動作によって閉極するより前に、接触子13a,13b,13cには、先行放電であるプレアークによる主回路電流が流れ始める。かかる主回路電流が流れ始めるタイミングが、三相電源12が投入されるタイミングとされる。
接触子13a,13b,13cが有するプレアークについての特性を、プレアーク特性と称する。各接触子13a,13b,13cは、同一のプレアーク特性と、同一の閉極時間ばらつき特性とを有する。プレアーク特性に関するデータと、閉極時間ばらつき特性に関するデータとは、励磁突入電流抑制装置10が有するメモリに格納されている。図1ではメモリの図示を省略している。
投入磁束誤差算出手段21は、プレアーク特性に関するデータ34と閉極時間ばらつき特性に関するデータ35とをメモリから読み出す。三相変圧器11の各相の残留磁束の値と、三相遮断器13のプレアーク特性および閉極時間ばらつき特性とに基づいて、閉極時における投入磁束誤差を相ごとに算出する。投入磁束誤差算出手段21は、投入磁束誤差の算出結果を示す投入磁束誤差信号38を目標閉極位相算出手段22へ出力する。
目標閉極位相算出手段22は、投入磁束誤差信号38の入力にしたがって、投入磁束誤差に基づいて決定された位相である目標閉極位相を算出する。目標閉極位相算出手段22は、目標閉極位相を示す目標閉極位相信号39を制御手段23へ出力する。なお、相ごとの定常磁束には、位相のずれが含まれる。目標閉極位相算出手段22は、各相の投入磁束誤差の平均値が最も小さいときの位相である目標閉極位相を算出する。
各接触子13a,13b,13cが実質的に同時に閉極するように制御されても、B相およびC相についての各閉極時間は、A相についての閉極時間との間にずれが生じることがある。B相およびC相についての閉極時間の各平均値と、A相についての閉極時間の平均値とのずれ量に関するデータは、上記のメモリに格納されている。目標閉極位相算出手段22は、閉極時間の平均値のずれ量に関するデータ36をメモリから読み出す。目標閉極位相算出手段22は、閉極時間の平均値のずれ量を基に、相ごとにおける閉極時間のずれ量を相殺可能とする目標閉極位相を算出する。
励磁突入電流は、三相電源12が投入されるタイミングの後に、三相変圧器11の鉄心における磁束が、鉄心の飽和磁束閾値を超えた場合に発生する。三相電源12が投入されるタイミングよりも後における磁束の波形は、三相変圧器11の鉄心に残留した残留磁束と投入時の定常磁束との差の絶対値が定常磁束波形に加えられた波形となる。三相変圧器11の鉄心に残留した残留磁束と、投入時の定常磁束との差、すなわち投入磁束誤差が大きい場合に、励磁突入電流が発生し易くなる。したがって、相ごとの投入磁束誤差の平均値が最も小さくなるように目標閉極位相が決定されることで、励磁突入電流の発生を抑制する位相制御投入を行うことができる。
制御手段23には、上位の制御装置からの開極指令30aと閉極指令30bとが入力される。制御手段23は、閉極指令30bが入力されると、目標閉極位相信号39によって示されるタイミングでの閉極を指示する閉極制御信号31bを三相遮断器13へ出力する。制御手段23は、閉極制御信号31bを出力することによって、定常磁束の値と残留磁束の値との差分に基づいて決定された位相である目標開極位相において三相電源12を投入させる制御を行う。また、制御手段23は、開極指令30aが入力されると、固定値である目標開極位相での開極を指示する開極制御信号31aを三相遮断器13へ出力する。図1では、上位の制御装置の図示を省略している。
電力開閉装置100は、閉極指令30bにしたがって、各相について三相電源12を同時に遮断する。この他、電力開閉装置100は、相ごとに互いに異なるタイミングで三相電源12を遮断するものであっても良い。この場合、目標閉極位相算出手段22は、三相のうち残留磁束が最大となる1つの相について、定常磁束と残留磁束とが一致する位相である目標閉極位相を算出する。制御手段23は、当該1つの相については、算出された目標閉極位相における閉極を指示する閉極制御信号31bを出力する。制御手段23は、当該1つの相以外の2つの相については、当該1つの相の電圧がゼロとなるタイミングにおいて閉極を指示する閉極制御信号31bを出力する。
図2は、図1に示す励磁突入電流抑制装置10が有する残留磁束算出手段20の機能構成を示すブロック図である。残留磁束算出手段20は、端子電圧の計測結果を示す計測波形を取得する機能部である電圧波形取得部41と、端子電圧の計測期間を求める機能部である期間算出部42と、端子電圧の時間積分によって残留磁束の値を算出する機能部である電圧積分部43とを有する。
図3は、図1に示す電力開閉装置100が有する三相変圧器11にて発生する磁束である変圧器磁束の波形と端子電圧の波形との例を示す図である。図3には、三相遮断器13による遮断の前と後とにおける変圧器磁束の波形である磁束波形と端子電圧の波形である電圧波形とを示している。
変圧器磁束の値は、端子電圧の値の時間積分によって求められる。時刻を示す変数をt、磁束の値をφ(t)、電圧の値をV(t)として、φ(t)とV(t)との関係は次の式(1)によって表される。
φ(t)=∫V(t)dt ・・・(1)
端子電圧は、遮断時において、三相変圧器11のインダクタンスおよび静電容量の影響によって減衰し、収束する。時刻t0は、遮断時である第1の時刻とする。t=t0以降におけるV(t)の波形である減衰振動波形は、次の式(2)によって表される。
V(t)=Aexp(−t/τ)×sin(ωt+φ0) ・・・(2)
式(2)において、Aは定数、τは減衰時定数、ωは各振動数、φ0は位相を表す定数とする。式(2)におけるAexp(−t/τ)は、減衰振動波形に含まれる直流成分の減衰を表す。
電圧波形取得部41は、時刻t0から始まる第1の計測期間T0における端子電圧の計測結果を基に、計測波形を生成する。時刻t1は、第1の計測期間T0の終了時である第2の時刻とする。期間算出部42は、電圧波形取得部41によって取得された計測波形に基づいて、時刻t1よりも後における端子電圧の減衰を表す減衰振動波形を推測する。期間算出部42は、かかる推測において、計測波形を基に直流成分の減衰関数であるV(t)=Aexp(−t/τ)を推測する。期間算出部42は、計測波形に含まれるピーク点を基に、減衰関数の近似関数における定数であるAと減衰時定数であるτとを求めることによって、直流成分の減衰関数を推測する。図3にて破線により示す減衰曲線Dは、直流成分の減衰関数のグラフである。
期間算出部42は、推定結果である減衰関数を基に、あらかじめ設定された閾値V0を減衰関数が下回る時である時刻t2を算出する。閾値V0は、減衰によって端子電圧が収束したか否かの判断において指標とし得る値とする。閾値V0は固定値であっても良く、任意に変更可能な値であっても良い。期間算出部42は、時刻t0から時刻t2までの期間である第2の計測期間T1を求める。第2の計測期間T1は、第1の計測期間T0を包含し、かつ第1の計測期間T0よりも長い期間である。t=t0における端子電圧の絶対値である|V(t0)|は、閾値V0の絶対値である|V0|よりも大きい。t=t2における端子電圧の絶対値である|V(t2)|は、閾値V0の絶対値である|V0|よりも小さい。
電圧積分部43は、第2の計測期間T1における端子電圧の計測結果の時間積分によって、残留磁束の値を算出する。t=t2における磁束であるφ(t2)は、上記のV(t)の時刻t0から時刻t2までの時間積分によって求められる。
三相電源12の遮断時において、端子電圧の減衰が遮断時からすぐに開始されず、端子電圧の収束に遅れが生じることがある。端子電圧の減衰が開始されるタイミングおよび減衰の速さについての減衰特性は、三相変圧器11のインピーダンスあるいは三相変圧器11の周辺回路における浮遊静電容量といった条件によって変化し得る。
実施の形態1によると、残留磁束算出手段20は、第1の計測期間T0における端子電圧の計測結果を基に、時刻t1よりも後において端子電圧が収束する時刻t2を予測して、第2の計測期間T1を求める。残留磁束算出手段20は、端子電圧の収束の遅れが生じた場合であっても、第1の計測期間T0の計測波形を基に、かかる遅れに合わせて調整された第2の計測期間T1を求めることができる。これにより、残留磁束算出手段20は、端子電圧が収束するよりも前に積分を終えるという事態を回避可能とし、残留磁束の値の高精度な算出が可能となる。
また、残留磁束算出手段20は、実際に端子電圧が収束するまでの期間よりも積分期間が無駄に長くなるという事態を回避可能とし、必要最小限の第2の計測期間T1における積分によって残留磁束の値を算出することができる。残留磁束算出手段20は、積分期間が無駄に長くなる場合に比べて、積分のための処理負担の低減と、端子電圧の計測結果を保持するための記憶容量の低減とが可能となる。励磁突入電流抑制装置10は、記憶領域の容量の削減により、コストの低減が可能となる。残留磁束算出手段20は、積分期間が無駄に長くなる場合に比べて、端子電圧の計測結果に含まれるノイズによる積分結果の誤差を低減できる。残留磁束算出手段20は、積分結果の誤差を低減できることによって、残留磁束の値の高精度な算出が可能となる。残留磁束算出手段20による残留磁束の値の高精度な算出が可能となることにより、励磁突入電流抑制装置10は、高い精度で励磁突入電流を抑制することができる。
図4は、図1に示す励磁突入電流抑制装置10の動作の手順を示すフローチャートである。ステップS1において、電圧波形取得部41は、第1の計測期間T0における端子電圧の測定結果を基に、計測波形を取得する。ステップS2において、期間算出部42は、ステップS1において取得された計測波形に基づいて、減衰振動波形に含まれる直流成分の減衰を表す減衰関数を推測する。
ステップS3において、期間算出部42は、ステップS2において推測された減衰関数が閾値を下回る時刻t2を求めることにより、遮断時の時刻t0から時刻t2までの期間である第2の計測期間T1を算出する。励磁突入電流抑制装置10は、ステップS2およびステップS3の工程を、第1の計測期間T0の終了時である時刻t1と端子電圧が実際に収束する時との間の期間において行う。
ステップS4において、電圧積分部43は、ステップS3にて算出された第2の計測期間T1についての端子電圧の時間積分によって残留磁束の値を算出する。これにより、励磁突入電流抑制装置10は、図4に示す動作を終了する。
励磁突入電流抑制装置10の機能は、処理回路により実現される。処理回路は、電力開閉装置100を制御する制御装置に搭載される専用のハードウェアである。処理回路は、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサであっても良い。実施の形態1では、電力開閉装置100を制御する制御装置の図示を省略している。
図5は、図1に示す励磁突入電流抑制装置10の機能が専用のハードウェアによって実現される場合のハードウェア構成を示す図である。専用のハードウェアである処理回路51は、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はこれらの組み合わせである。
図6は、図1に示す励磁突入電流抑制装置10の機能が、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサによって実現される場合のハードウェア構成を示す図である。プロセッサ52およびメモリ53は、相互に通信可能に接続されている。プロセッサ52は、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、又はDSP(Digital Signal Processor)である。残留磁束算出手段20が有する各機能部である電圧波形取得部41と期間算出部42と電圧積分部43との各機能は、プロセッサ52と、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現される。投入磁束誤差算出手段21と、目標閉極位相算出手段22と、制御手段23との各機能は、プロセッサ52と、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現される。
励磁突入電流抑制装置10の各機能は、ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ53に格納される。メモリ53は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性もしくは揮発性の半導体メモリ等の内蔵メモリである。励磁突入電流抑制装置10の機能の一部が専用のハードウェアにより実現され、励磁突入電流抑制装置10の機能のその他の部分がソフトウェアあるいはファームウェアにより実現されても良い。このように、励磁突入電流抑制装置10の機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって実現することができる。
実施の形態1によると、励磁突入電流抑制装置10は、第1の計測期間における端子電圧の計測結果を基に推測された減衰振動波形によって第2の計測期間を算出する期間算出部42と、第2の計測期間における端子電圧の時間積分を行う電圧積分部43とを有する。励磁突入電流抑制装置10は、期間算出部42と電圧積分部43とを有する残留磁束算出手段20による残留磁束の値の高精度な算出が可能となることで、過大な励磁突入電流の発生を高い精度で抑制することができる。これにより、励磁突入電流抑制装置10は、過大な励磁突入電流の発生を高い精度で抑制することができるという効果を奏する。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
10 励磁突入電流抑制装置、11 三相変圧器、12 三相電源、13 三相遮断器、13a,13b,13c 接触子、14 電源電圧計測器、15,15a,15b,15c 端子電圧計測器、20 残留磁束算出手段、21 投入磁束誤差算出手段、22 目標閉極位相算出手段、23 制御手段、30a 開極指令、30b 閉極指令、31a 開極制御信号、31b 閉極制御信号、32 電源電圧信号、33 開極位相信号、34,35,36 データ、37 残留磁束信号、38 投入磁束誤差信号、39 目標閉極位相信号、41 電圧波形取得部、42 期間算出部、43 電圧積分部、51 処理回路、52 プロセッサ、53 メモリ、100 電力開閉装置。

Claims (3)

  1. 三相電源の投入と遮断とが行われる三相変圧器において投入時に発生する励磁突入電流を抑制する励磁突入電流抑制装置であって、
    前記三相電源が遮断されたときに前記三相変圧器の鉄心に残留する磁束である残留磁束の値を算出する残留磁束算出手段と、
    前記三相電源の投入後における電源電圧が定常状態であるときに前記三相変圧器に発生する磁束である定常磁束の値と前記残留磁束の値との差分に基づいて決定された位相において前記三相電源を投入させる制御を行う制御手段と、
    を備え、
    前記残留磁束算出手段は、
    前記三相電源の遮断時である第1の時刻から始まる第1の計測期間における前記三相変圧器の端子電圧の計測結果に基づいて、前記第1の計測期間の終了時である第2の時刻よりも後における前記端子電圧の減衰を示す減衰振動波形を推測し、前記減衰振動波形に基づいて前記端子電圧の時間積分のための期間である第2の計測期間を算出する期間算出部と、
    前記第2の計測期間における前記端子電圧の計測結果の時間積分によって前記残留磁束の値を算出する電圧積分部と、
    を有することを特徴とする励磁突入電流抑制装置。
  2. 前記期間算出部は、前記第1の計測期間における前記端子電圧の計測結果を示す計測波形を基に、前記減衰振動波形に含まれる直流成分の減衰を表す減衰関数を推測し、
    前記第2の計測期間は、前記第1の時刻から前記減衰関数が閾値を下回る時までの期間であることを特徴とする請求項1に記載の励磁突入電流抑制装置。
  3. 三相電源が投入される三相変圧器と、
    前記三相変圧器への前記三相電源の投入と遮断とを行う三相遮断器と、
    前記三相変圧器の端子電圧を計測する端子電圧計測器と、
    請求項1または2に記載の励磁突入電流抑制装置と、
    を備えることを特徴とする電力開閉装置。
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