JP6902988B2 - ガスケットの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、緩衝材シートを渦巻状に複数層巻回して構成されたガスケット、及びその製造方法に関する。
従来、断面波形の金属フープとフィラー材とを交互に重ね合わせて、渦巻状に巻回して構成された渦巻き形ガスケットにおいて、フィラー材として、熱伝導性や耐薬品性に優れた膨張黒鉛が広く使用されている。
しかしながら、このような渦巻き形ガスケットは、膨張黒鉛が、600℃付近を越える高温下で酸化消耗することにより劣化が激しくなる。そのため、例えば、700℃以上の高温排気ガスが流れる自動車の排気管の継手部分に用いるガスケットとしては、シール性を維持することが難しかった。
そこで、高温での耐酸化性に優れたフィラー材として、マイカシートを用いた渦巻き形ガスケットが、特許文献1等に開示されている。
特開平5−133474号公報
ところで、フィラー材と交互に重ね合わされて巻回される金属フープは、柔軟性に欠けるため、金属フープに対するフィラー材の稠密性を上げて、高いシール性を得るには、ガスケットの締め付け力を大きくする必要がある。
しかしながら、例えば、自動車の排気管のように、継手部分に大きな振動が加わる場合、締め付け力が大きいと、金属フープと接触したフランジ等のシール面に傷等が生じ、その結果、シール性が低下するという懸念がある。
加えて、断面波形の金属フープとマイカシートとを交互に重ね合わせて、渦巻状に巻回して渦巻き形ガスケットを形成した場合、マイカシートは柔軟性に欠けるため、金属フープの屈曲部にマイカシートを隙間なく充填することが難しい。そのため、ガスケット内に空隙が生じていると、シール性の著しい低下を招くおそれがある。
一方、金属フープを用いずに、マイカシートだけを巻回し、軸方向にプレス成形することにより、渦巻き形ガスケットを形成した場合、マイカシートは自己粘着性が低いため、軸方向に復元してしまう。そのため、ガスケットとしての形状を保持することができず、シール性の低下を招くだけでなく、排気管等の継手部分に対する位置決めが難しくなる可能性がある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたもので、その主な目的は、耐熱性が高く、かつ、安定したシール性を有するガスケットを提供することにある。
本発明に係るガスケットの製造方法は、(A)緩衝材シートを渦巻状に複数層巻回して、リング状の巻回体を形成する工程と、(B)巻回体を軸方向にプレス成形する工程とを含み、工程(A)において、巻回された緩衝材シートの各層のうち、少なくも一つ以上の層間に、金属材が介装されており、工程(B)において、金属材に、径方向に屈曲するリング状の屈曲部が形成されることを特徴とする。
本発明に係るガスケットは、渦巻状に複数層巻回された緩衝材シートと、緩衝材シートの各層間のうち、少なくも一つの層間に介装され、径方向に屈曲するリング状の屈曲部を有する金属材とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、耐熱性が高く、安定したシール性を有するリング状ガスケットを提供することができる。
本発明の一実施形態におけるリング状ガスケットの製造方法を示した図である。 巻回体を軸方向にプレス成形する工程を示した図である。 巻回体を軸方向にプレス成形することによって形成されたリング状ガスケットの構成を模式的に示した図である。 巻回体を軸方向にプレス成形することによって形成されたリング状ガスケットの構成を模式的に示した図である。 本実施形態におけるリング状ガスケットの他の変形例を模式的に示した断面図である。 金属箔の屈曲部を形成する方法を示した図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。また、本発明の効果を奏する範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更は可能である。
図1(a)〜図1(c)は、本発明の一実施形態におけるリング状ガスケットの製造方法を説明した図である。
図1(a)に示すように、円筒状の金型30の外周面に、帯状の緩衝材シート10を巻き付ける。そして、図1(b)に示すように、金型30の外周面に、緩衝材シート10を後述するリング状ガスケット1の仕様等に応じて数層巻回した後、金属材としての金属箔20を、緩衝材シート10の層間に介装させながら、緩衝材シート10及び金属箔20をさらに巻回する。
図1(c)は、このように、緩衝材シート10を渦巻状に複数層巻回して、リング状の巻回体2を形成したときの状態を示した図である。図1(c)に示した巻回体2は、金型30の外周面に、2層の緩衝材シート10を巻回した後、1層の金属箔20を巻回し、さらに、2層の緩衝材シート10を巻回した後、1層の金属箔20を巻回し、さらに、2層の緩衝材シート10を巻回した後、1層の金属箔20を巻回して形成したものである。
すなわち、本実施形態における巻回体2は、巻回された緩衝材シート10の各層において、少なくも一つ以上の層間に、金属箔20が介装されている。なお、図1(c)に例示した巻回体2は、2層連続した緩衝材シート10の層間に、それぞれ、金属箔20が1層ずつ介装された構成になっている。また、最外層を金属箔20としてもよい。
次に、このようにして形成された巻回体2を、図2に示すように、金型30、31、32によって形成された溝内に挿入し、治具33を用いて、軸方向Xにプレス成形する。ここで、巻回体2の外周面と、金型31内周面とは、一定の距離の隙間40が設けられている。なお、巻回体2と隙間40との関係については後述する。また、本実施形態では、リング状に形成された巻回体2の中心軸と同一方向を軸方向Xとし、軸方向Xと垂直な方向を径方向Yとしている。また、径方向Yにおいて、矢印Aの方向を径方向外側、矢印Bの方向を径方向内側としている。
図3(a)、図3(b)は、巻回体2を軸方向Xにプレス成形することによって形成されたリング状のガスケット1の構成を模式的に示した断面図である。ここで、図3(a)は、金型30、31を外す前のガスケット1の部分断面図で、図3(b)は、金型30、31を外した後のガスケット1の部分断面斜視図である。
図3(a)に示すように、巻回体2を軸方向Xにプレス成形すると、緩衝材シート10間に介在する金属箔20は、径方向Yに折れ曲がる。そして、金属箔20の折れ曲がりに追随して、緩衝材シート10も、金属箔20と同一の径方向Yに折れ曲がる。これによって、巻回体2には、断面視したときに径方向Yの一方側(本例では、径方向外側)に突出する屈曲部20Aがリング状に形成される。このことから、緩衝材シート10の屈曲部は、金属箔20に形成される屈曲部20Aに規制されて形成される。
ところで、図3(a)に示すように、巻回体2の外周面と、金型31の内周面31aとの隙間40(図2を参照)が広い場合、換言すれば、巻回体2の外周部に、何も規制するものがない場合、巻回体2を軸方向Xにプレス成形すると、金属箔20には、径方向外側(矢印Aの方向)に向かって凸状に屈曲した一つの屈曲部20Aがリング状に形成される。これは、屈曲箇所が少ない方が、屈曲部20Aを形成する仕事量(エネルギー)が少なくてすむからである。なお、屈曲部20Aの頂部は、金属箔20の軸方向Xに対して、ほぼ中央に形成される。
一方、図4に示すように、巻回体2の径方向外側(矢印Aの方向)の外周面と、金型31の内周面31aとの隙間40が狭い場合、一番外層側の金属箔20の屈曲部20Aは、金型31の内周面31aによって規制される(金型31の内周面31aにぶつかる)。そのため、図3(a)に示したような屈曲部20Aは、その中央部を、径方向内側に折り返すようにして屈曲する。これにより、金属箔20は、径方向外側に屈曲した2つの屈曲部20Aと、径方向内側に屈曲した1つの屈曲部20Bとが形成される。すなわち、金属箔20には、断面がW字状に屈曲した屈曲部20A、20Bが形成される。
本実施形態によれば、図3(a)、図3(b)、及び図4に示すように、金属箔20の屈曲部20Aにおける軸方向Xの内側(鋭角側の凹部内)には、2層の緩衝材シート10の少なくとも一部が入り込んでいる。そして、緩衝材シート10には、金属箔20に形成された屈曲部20Aと一体となって屈曲部が形成されている。そのため、2層の緩衝材シート10は、剛性の強い金属箔20の屈曲部20Aによって、軸方向Xに復元することが抑制される。その結果、巻回体2をプレス成形することによって形成されたリング状のガスケット1は、その形状を保持することができる。
また、金属箔20は、緩衝材シート10と交互に重ね合わせて巻回する必要がなく、巻回された緩衝材シート10の各層のうち、少なくも一つ以上の層間に介装されていればよい。これにより、巻回体2をプレス成形することによって、金属箔20に、径方向に屈曲するリング状の屈曲部20Aが形成されるため、この屈曲部20Aにより、緩衝材シート10の復元力を抑制することができる。
従って、リング状のガスケット1には、緩衝材シート10の復元力を抑制するだけの必要最小限の金属箔20が介装されていればよいため、小さい締め付け力でも、十分なシール性を得ることができる。その結果、例えば、自動車の排気管のように、継手部分に大きな振動が加わった場合でも、金属箔20と接触したフランジ等のシール面に傷等が生じる畏れがなく、高いシール性を維持することができる。
なお、本実施形態において、巻回された緩衝材シート10のどの層間に、金属箔20を介装するかは、特に、限定されないが、少なくとも2層以上連続した緩衝材シート10の層間に、金属箔20が介装されていることが好ましい。これにより、緩衝材シート10の層間に介装される金属箔20の層数を減らすことができる。
また、本実施形態において、金属箔20の屈曲部20A、20Bは、緩衝材シート10の層間に金属箔20を介装して巻回された巻回体2を、軸方向にプレス成形することによって形成されるため、緩衝材シート10が、屈曲部20A、20Bの内側に密着した状態で入り込むことになる。これにより、屈曲部20A、20Bの軸方向内側に空隙が形成されることがないため、高いシール性を得ることができる。
また、本実施形態において、緩衝材シート10の材料は特に限定されないが、高温での耐酸化性に優れた材料として、マイカ、セピオライト、ベントナイト、タルク等の粘土鉱物を用いることが好ましい。これにより、耐熱性が高く、かつ、低い締め付け力で締結された継手部分に振動が加わっても、安定したシール性を有するリング状のガスケット1を得ることができる。
また、本実施形態では、金属材として金属箔20を例に説明したが、これに限定されず、例えば、金属テープ、金属シート、適当な厚さの金属板等を用いてもよい。なお、本実施形態における金属箔20として、例えば、0.01mm〜1.0mm程度の厚さのものを用いることができる。
また、本実施形態では、金属箔20の軸方向Xの両端部が、リング状のガスケット1の軸方向Xの両端部に露出している例を示したが、これに限定されず、例えば、金属箔20の軸方向Xの両端部が、リング状のガスケット1の軸方向Xの両端部よりも、軸方向Xにおいて内部側に位置している(金属箔20が内包されている)ように形成してもよい。
図5(a)〜図5(c)は、本実施形態におけるリング状のガスケット1の他の変形例1〜3を模式的に示した断面図である。
(変形例1)
図5(a)に示したリング状のガスケット1は、2層の緩衝材シート10を巻回した後、1層の金属箔20を巻回し、さらに、3層の緩衝材シート10を巻回した後、1層の金属箔20を巻回して形成した巻回体を、軸方向Xにプレス成形することにより形成したものである。なお、本変形例1では、金属箔20の屈曲部20Aは、図3(a)に示した屈曲部20Aと同様に、一つ形成されている。
本変形例1において、3層の緩衝材シート10の少なくとも一部(屈曲部)は、方向Yの外側(矢印Aの方向)にある金属箔20の屈曲部20Aの内側に入り込んでいる。そのため、3層の緩衝材シート10は、剛性の強い金属箔20の屈曲部20Aによって、軸方向Xに復元することが抑制されるため、より少ない金属箔20によって、リング状のガスケット1の形状を保持することができる。
また、本変形例1では、金属箔20の軸方向Xの両端部が、リング状のガスケット1の軸方向Xの両端部よりも、軸方向Xにおいて内部側に位置している。すなわち、金属箔20は、リング状のガスケット1に内包されており、リング状のガスケット1から露出していない。そのため、金属箔20が、例えば、排気管等の継手部分のシール面に接触することがないため、継手部分に大きな振動が加わっても、上述したリング状ガスケット1と比較して、シール性の低下をより効果的に抑制することができる。
ここで、本変形例1におけるリング状のガスケット1は、次のような方法により形成することができる。すなわち、金属箔20の軸方向Xの長さを、緩衝材シート10の軸方向Xの長さよりも短くし、かつ、金属箔20の軸方向両端部を、緩衝材シート10の軸方向両端部よりも、軸方向内側に位置するように、金属箔20を緩衝材シート10の層間に介装させて巻回体2を形成する。そして、この巻回体2を軸方向にプレス成形することによって、本変形例1におけるリングの状ガスケット1を形成することができる。
(変形例2)
図5(b)に示したリング状のガスケット1は、2層の緩衝材シート10を巻回した後、1層の金属箔20を巻回し、さらに、2層の緩衝材シート10を巻回した後、1層の金属箔20を巻回し、さらに、1層の緩衝材シート10を巻回して形成した巻回体を、軸方向にプレス成形することにより形成したものである。なお、本変形例2では、金属箔20の屈曲部20A、20Bは、図4に示した屈曲部20A、20Bと同様に、3つ形成されている。
本変形例2において、2層の緩衝材シート10の少なくとも一部(屈曲部)は、その外側若しくは内側にある金属箔20の屈曲部20A、20Bの内側(鋭角側の凹部内)に入り込んでいるとともに、一番外周側の緩衝材シート10の少なくとも一部(屈曲部)は、その内側にある金属箔20の屈曲部20Bの内側(鋭角側の凹部内)に入り込んでいる。そのため、2層の緩衝材シート10及び一番外周側の緩衝材シート10は、剛性の強い金属箔20の屈曲部20A、20Bによって、軸方向Xに復元することが抑制されるため、リング状のガスケット1の形状を保持することができる。
また、本変形例2においても、上記変形例1と同様に、金属箔20の軸方向Xの両端部が、リング状のガスケット1の軸方向Xの両端部よりも、軸方向Xにおける内部側に位置している。すなわち、金属箔20は、リング状のガスケット1に内包されており、リング状のガスケット1から露出していない。
なお、本変形例におけるリング状のガスケット1も、上記変形例1と同様の方法により製造される。
ここで、本変形例において、リング状ガスケット1に内包された金属箔20の軸方向Xにおける寸法Dは、図5(b)に示すように、リング状ガスケット1の軸方向Xにおける寸法Dに対して、60%〜90%の範囲にあることが好ましい。また、リング状ガスケット1に内包された金属箔20の径方向Yの範囲Wは、リング状ガスケット1の径方向Yにおける幅Wに対して、50%〜80%の範囲にあることが好ましい。これにより、緩衝材シート10の分布の偏りが抑えられるため、リング状ガスケットの形状をより効果的に保持することができる。
(変形例3)
図5(c)に示したリング状のガスケット1は、2層の緩衝材シート10を巻回した後、1層の金属箔20と1層の緩衝材シート10とを交互に巻回し、さらに、1層の緩衝材シート10を巻回して形成した巻回体を、軸方向Xにプレス成形することにより形成したものである。なお、本変形例3では、金属箔20の屈曲部20A、20Bは、図4に示した屈曲部20A、20Bと同様に、3つ形成されている。
本変形例3において、一番内周側を除く1層の緩衝材シート10は、その外側若しくは内側にある金属箔20の屈曲部20A、20Bの軸方向Xの内側に入り込んでいる。そのため、一番内周側を除く1層の緩衝材シート10は、剛性の強い金属箔20の屈曲部20A、20Bによって、軸方向Xに復元するのが抑制されるため、リング状のガスケット1の形状をより効果的に保持することができる。
また、本変形例3においても、上記変形例1、2と同様に、金属箔20の軸方向Xの両端部が、リング状のガスケット1の軸方向Xの両端部よりも、軸方向Xにおける内部側に位置している。すなわち、金属箔20は、リング状のガスケット1に内包されており、リング状のガスケット1から露出していない。
ところで、本実施形態において、金属箔20は、径方向Yに屈曲した屈曲部20A、20Bを有するが、屈曲部20A、20Bの径方向Yの長さ(凹部の深さ)が大きいほど、屈曲部20A、20Bの軸方向X内側に入り込む緩衝材シート10の層が増える。その結果、屈曲部20A、20Bによる緩衝材シート10の復元力を抑制することができる。
屈曲部20A、20Bの径方向Yの長さは、緩衝材シート10を渦巻状に巻回して形成した巻回体2を、軸方向Xにプレス成形する工程において、巻回体2が軸方向Xに圧縮される度合い(圧縮率)でほぼ決まると考えられる。そのため、この圧縮率を最適な範囲に設定することによって、屈曲部20A、20Bによる緩衝材シート10の復元力をより効果的に抑制することができる。ここで、圧縮率は、図2、図3(a)、及び図4に示したように、巻回体2の軸方向Xの長さL、巻回体2をプレス成形した後のリング状のガスケット1の軸方向Xの長さLにより、(L−L)/Lと定義される。
表1は、図1に示した構成の巻回体2を作製した後、図3(a)に示した構成のリング状のガスケット1を作製し、このときの圧縮率{(L−L)/L}と、プレス成形後にガスケット1が軸方向に復元した復元率(H/L)との関係を測定した結果を示した表である。ここで、Hは、プレス成形後に、ガスケット1が復元したときの軸方向の長さを示す。
作製した試料は、緩衝材シート10として、厚さ0.3mm、幅17mmの軟質マイカ製のマイカシートを用い、金属箔20として、厚さ0.05mm、幅12mmのステンレス箔(SUS304)を用いて、図1に示した構成の巻回体(内径90mm、外径100mm)を作製し、この巻回体をプレス成形(圧力6MPa)することにより作製した。
Figure 0006902988
表1に示すように、圧縮率{(L−L)/L}が小さい場合(試料1)、復元率(H/L)が大きかった。これは、圧縮率が小さいと、屈曲部20A、20Bの径方向の長さ(凹部の深さ)が短くなるため、屈曲部20A、20Bの軸方向内側に入り込む緩衝材シート10の層が減り、その結果、緩衝材シート10の復元を十分に抑制できなかったためと考えられる。
一方、圧縮率{(L−L)/L}が大きい場合(試料2〜試料6)には、復元率(H/L)が小さかった。これは、圧縮率が大きいと、屈曲部20A、20Bの径方向の長さが長くなるため、屈曲部20A、20Bの軸方向内側に入り込む緩衝材シート10の層が増え、その結果、緩衝材シート10の復元を十分に抑制できたためと考えられる。
なお、復元率が1.15以下であれば、緩衝材シート10の復元を効果的に抑制できると考えられる。従って、表1に示すように、安定したシール性を有するガスケットを得るためには、圧縮率{(L−L)/L}を0.33以上にすることが好ましく、0.50以上にすることがより好ましい。換言すれば、緩衝材シート10を渦巻状に巻回して形成した巻回体2を、巻回体2の軸方向の長さが、2/3以下、より好ましくは1/2以下になるようにプレス成形することが好ましい。
なお、上記の試料1〜6では、金属箔20の軸方向の長さと、緩衝材シート10の軸方向の長さとを同じにしたが、例えば、図5(a)〜図5(c)に示したように、金属箔20の軸方向Xの長さが、巻回体2の軸方向Xの長さよりも短いような場合には、巻回体2を、巻回体2の軸方向Xの長さが、金属箔20の軸方向Xの長さに対して、2/3以下、より好ましくは1/2以下になるようにプレス成形することが好ましい。
本実施形態において、金属箔20に形成される屈曲部20A、20Bの大きさ、角度、数等は、図2、図3(a)、及び図4に示したように、巻回体2の外周面と、金型31内周面との間に設けられた隙間40の距離を調整することによって、ある程度、規制することができるが、他の方法を用いて、屈曲部20A、20Bの形状を規制してもよい。
例えば、図6(a)に示すように、予め、金属箔20において、屈曲部20A、20Bの屈曲点となる位置に、小さな凹凸部20Cを設けておくことによって、図6(b)に示すように、金属箔20を軸方向にプレス成形したとき、凹凸部20Cを屈曲点とした屈曲部20A、20Bを形成することができる。なお、図6(a)、(b)では、説明を簡単にするために、巻回体2に介装された1層の金属箔20のみを表示している。
また、金属箔20に凹凸部20Cを形成する代わりに、屈曲部20A、20Bの屈曲点の位置を規制する手段として、例えば、金属箔20に、薄肉部、切り欠け等を形成しておいてもよい。
本発明におけるリング状のガスケット1は、以下のような構成を有することを特徴とする。
すなわち、本発明におけるリング状のガスケット1は、渦巻状に複数層巻回された緩衝材シート10と、緩衝材シート10の各層間のうち、少なくも一つの層間に介装され、径方向に屈曲するリング状の屈曲部を有する金属材20とを備えている。
また、金属材20の屈曲部20A、20Bの軸方向内側において、緩衝材シート10の一部が入り込んでいることが好ましい。
また、金属箔20の屈曲部20A、20Bを含む軸方向の総長さは、ガスケット1の軸方向の長さに対して、1.5倍以上、より好ましくは2倍以上であることが好ましい。
また、金属箔20の軸方向両端部は、ガスケット1の軸方向両端部よりも、軸方向内側に位置していることが好ましい。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、もちろん、種々の改変が可能である。例えば、上記実施形態では、図3(a)、(b)、図4、及び図5(a)〜図5(c)に示したように、金属箔20の屈曲部20A、20Bが、軸方向X及び径方向Yにおいて、規則的な形状に形成された例を示したが、必ずしも、このような規則的な形状に形成されていなくても構わない。リング状のガスケット1に内包された金属箔20の屈曲部20A、20Bが、軸方向X及び径方向Yにおいて、ある程度均一に分布していれば、金属箔20の屈曲部20A、20Bの内側に、緩衝材シート10の一部が入り込むことができるため、屈曲部20A、20Bによる緩衝材シート10の復元力の抑制を効果的に発揮することができる。また、複数の金属箔20が、同一形状に形成され、さらに、軸方向X及び径方向Yにおいて、ある程度均一に分布することにより、各金属箔20間の距離が径方向Yに沿って一定となるため、屈曲部20A、20Bによる緩衝材シート10の復元力の抑制をより効果的に発揮することができる。
ここで、「均一に分布」とは、ガスケット1に内包された金属箔20に形成された屈曲部20A、20Bが、複数層に巻回された緩衝材シート10全体に対して、軸方向X及び径方向Yにおいて、偏りなく分布している状態をいう。
また、上記実施形態では、緩衝材シート10及び金属材20を含めた層数として、7層〜9層のガスケット1を例に説明したが、必ずしもこれに限定されず、要求されるガスケット1の仕様や、緩衝材シート10及び金属材20の材料や膜厚等に応じて、適宜決めればよい。
さらに、リング状のガスケット1は、その適用例として自動車分野を挙げて説明したが、これに限定されることなく、発電所等のプラントへの適用や、バルブ等の部品のシール材として用いることも可能である。
1 ガスケット
2 巻回体
10 緩衝材シート
20 金属箔(金属材)
20A、20B 屈曲部
20C 凹凸部
30、31、32 金型
31a 内周面
33 治具
40 隙間

Claims (2)

  1. (A)緩衝材シートを渦巻状に複数層巻回して、リング状の巻回体を形成する工程と、
    (B)前記巻回体を軸方向にプレス成形する工程と、
    を含むガスケットの製造方法であって、
    前記工程(A)において、巻回された前記緩衝材シートの各層のうち、少なくとも2層以上の前記緩衝材シートの層間に、金属材が介装されており、
    前記工程(B)において、前記巻回体は、該巻回体の軸方向の長さが2/3以下になるように、軸方向にプレス成形され、これにより、前記金属材に、径方向に屈曲するリング状の屈曲部が形成されるとともに、該屈曲部の内側に、前記緩衝材シートの一部が入り込み、
    前記緩衝材シートは、マイカ、セピオライト、ベントナイト、タルクからなる群より選択される少なくとも1種を含む粘土鉱物からなる、ガスケットの製造方法。
  2. 前記工程(A)において、前記金属材の軸方向の長さは、前記緩衝材シートの軸方向の長さよりも短く、かつ、前記金属材の軸方向両端部は、前記緩衝材シートの軸方向両端部よりも、軸方向内側に位置しており、
    前記工程(B)において、前記巻回体は、該巻回体の軸方向の長さが、前記金属材の軸方向の長さに対して、2/3以下になるようにプレス成形される、請求項1に記載のガスケットの製造方法。
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