JP6902446B2 - 単層型粘着剤シート - Google Patents
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Description
表示装置とタッチパネル若しくは強化ガラスの間に出来る空隙を、光学透明接着剤、若しくは光学透明粘着剤シートで埋めて、視認性を向上させることは、数年来行われている。
タッチパネルの場合、視認性、コントラスト向上の為、黒印刷が施されるのが一般的で、この部分に用いられる粘着剤シートには、黒印刷が施されている部分と施されていない部分に出来る、段差追従性が要求される。
この段差追従性を満たす為に、近年では多層型粘着剤シートの開発が行われている。
3層構造を作製する手順として、各層を2枚のセパレータフィルム(シリコーン処理を施したPETフィルム)上に挟み込んで作製し、後で3層を貼り合わせる工法が採られている。この工法では、各層を一度作製し、その後に3層を貼り合わせるので工程時間が長く、セパレータフィルムの廃棄量も相当なものであった。
また、リワークしても糊残りが無い。
従って、タッチパネルなどの光学部材の製造用途に適する。
(メタ)アクリルポリマーを構成する(メタ)アクリルモノマーとしては、特に限定されることは無く、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソミスチリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、プロピルヘプチル(メタ)アクリレート、イソウンデシル(メタ)アクリレート、イソドデシル(メタ)アクリレート、イソトリデシル(メタ)アクリレート、イソペンタデシル(メタ)アクリレート、イソヘキサデシル(メタ)アクリレート、イソヘプタデシル(メタ)アクリレートなどのアルキル基含有アクリルモノマーが挙げられ、単独で用いても良いし、組み合わせて使用することも可能である。
然しながら有機金属は、概して着色する場合が多く、透明材料貼り合わせ剤に適用出来ない場合もある。着色を防ぐ為にはキレート化合物が挙げられ、具体的には日本化学産業社製、商品名ナーセムアルミニウム、商品名ナーセム亜鉛等が挙げられる。
また、三官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、等が挙げられる。これらの多官能(メタ)アクリレートは、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用することができる。日本化薬社製、商品名PET−30(ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物)を使用することも出来る。
ブチルアクリレート(BA)82重量部、メタクリル酸メチル(MMA)15重量部、アクリル酸(AA)3重量部、熱重合開始剤としてアゾビスジメチルバレロニトリル1.0重量部、溶媒として酢酸エチル70重量部を混合溶解してモノマー混合液を調製した。撹拌機、還流冷却機を備えたセパラブルフラスコに溶媒として酢酸エチル20重量部を添加して65℃に昇温し、30分以上窒素ガスを導入し、重合系内の酸素を除去した。次いで65±1℃に保ったまま3時間かけて前記モノマー混合液を滴下し、さらに65±1℃に保ったまま3時間反応させた。その後、反応温度を78℃に昇温して78±1℃にて2時間保つことにより重合反応を完結させた。反応終了後、冷却し、淡黄色透明の粘性液体を得た。粘度は2300mPa・s、固形分は55%、重量平均分子量は20万であった。
モノマー組成を表1記載のように変更した他はアクリルポリマー1の合成と同様に行い、アクリルポリマー2〜7を得た。
但し、(メタ)アクリルポリマー2および3は、熱重合開始剤のアゾビスジメチルバレロニトリルを1.0重量部、(メタ)アクリルポリマー4〜6は、熱重合開始剤のアゾビスジメチルバレロニトリルを0.07重量部、(メタ)アクリルポリマー7は、熱重合開始剤のアゾビスジメチルバレロニトリルを0.25重量部にて重合反応を行った。
尚、2HEAは、2エチルヘキシルアクリレート、MMAはメタクリル酸メチル、VAcは酢酸ビニルを表す。
表2、3に示す様に、アクリルポリマー1〜7、光重合開始剤であるIrgacure184、ESACURE TZT、硬化遅延剤であるアセチルアセトン、熱硬化剤としてのナーセムアルミニウム、TETRAD−X(三菱ガス化学社製、エポキシ硬化剤)、多官能(メタ)アクリルモノマーとしてPET−30を添加し、均一に攪拌し、各塗剤を得た。
各単層用粘着剤シート組成物を離型フィルム(シリコーン処理を施したPETフィルム)上に乾燥後の厚さが100μmとなるように塗布し、90℃で10分間加熱乾燥後、離型フィルムを被せた。このシートを23℃、相対湿度50%RHの雰囲気中に7日間放置をすることにより、各単層粘着剤シートを得た。
単層型粘着剤シートの離型フィルムの片面を剥がし、PETフィルム(東洋紡績社製、商品名A4100、厚さ50μm)に貼り合わせ、幅25mm、長さ100mmのフィルム片を作成した。フィルム片の離型フィルムを剥がし、23℃、50%RH雰囲気にてガラス上に、ラミネーターを用いて貼着し、23℃、相対湿度50%RHの雰囲気中に1日放置した後、引張り速度300mm/分で180°方向に引張り、その中心値を剥離強度とした。この際、ガラスに糊残りが見られず、凝集破壊しなかったものはリワーク性良好(○)、ガラスに糊残りが見られたもの若しくは凝集破壊したものをリワーク性(×)と評価した。
リワーク性良好で剥離強度が10N/25mm以上であれば使用中に剥がれることがなく、十分な接着力を有している。
ガラス上に、銀インキを用いてシルクスクリーンコーターにて幅1cmで段差が30
μmになるように印刷し、段差追従試験用ガラスを作製した。各単層型粘着剤シートの片面の剥離フィルムを剥がし、23℃、50%RH雰囲気にてガラス板にラミネーターを用いて貼着した。次に他面の剥離フィルムを剥がし段差追従試験用ガラスの印刷面にラミネーターを用いて貼着した。これをオートクレーブ内で50℃、0.5MPaで20分間処理した後、23℃、50%RH環境下にて24時間放置した直後、以下の基準で目視評価した。段差が埋まっていれば段差追従性良好(○)とし、段差が埋まっていなければ段差追従性不良(×)とした。
各単層型粘着剤シートの片面の剥離フィルムを剥がし、23℃、50%RH雰囲気にてガラス板にラミネーターを用いて貼着した。次に他面の剥離フィルムを剥がし段差追従試験用ガラスの印刷面にラミネーターを用いて貼着した。これをオートクレーブ内で50℃、0.5MPaで20分間処理した後、23℃、50%RH環境下にて24時間放置し、これを印刷ガラス面から高圧水銀灯(照射強度150mW/cm2、照射量2000mJ/cm2)で紫外線照射した。次に、85℃、85%RH環境下で500時間放置し、23℃、50%RHにて15分間冷却した後のヘーズの測定および発泡の有無を確認した。なお、ヘーズは東洋精機製作所(株)製HAZE−GARDIIを用いて測定した。評価基準は以下の通りである。
○:ヘーズが1.5未満
×:ヘーズが1.5以上
○:発泡なし
×:発泡あり
各単層型粘着剤シートの片面の剥離フィルムを剥がし、23℃、50%RH雰囲気にてガラス板にラミネーターを用いて貼着した。次に他面の剥離フィルムを剥がしガラス板にラミネーターを用いて貼着した。これをオートクレーブ内で50℃、0.5MPaで20分間処理した後、23℃、50%RH環境下にて24時間放置し、これを高圧水銀灯(照射強度150mW/cm2、照射量2000mJ/cm2)で紫外線照射した。次に、QUV耐候試験機にセットし、340mm(照射照度0.63w/cm2),60℃(4時間照射)/50℃結露4時間)の条件を12サイクル回して、23℃、50%RHにて15分間冷却した後の発泡および剥がれの有無を確認した。評価基準は以下の通りである。
○:発泡、剥がれなし
×:発泡、もしくは剥がれあり
また、紫外線照射後の剥離強度も十分に有し、耐湿熱試験、QUV試験後のヘーズ変化および発泡等の外観も問題なかった。
Claims (1)
- 単層型粘着剤シートに於いて、
重量平均分子量が25万以下の酸性基含有(メタ)アクリルポリマー、重量平均分子量が60万以上の酸性基含有(メタ)アクリルポリマー、水素引き抜き型光重合開始剤、多官能(メタ)アクリルモノマーおよび熱硬化剤としてキレート化合物を含有する粘着剤シート。
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