JP6901709B2 - 燻製食品の製造方法 - Google Patents

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本発明は、食品材料を燻煙して燻製食品を製造する燻製食品の製造方法に係り、特に、冷凍された食品材料を用いた燻製食品の製造方法に関する。
従来から、常温(25℃)で固形若しくは半固形状の食品材料を燻煙して燻製食品を製造する方法としては、温度を15〜30℃程度にして燻煙する冷燻法、温度を30〜80℃程度にして燻煙する温燻法,温度を120〜140℃程度にして燻煙する熱燻法が知られている。具体的には、例えば、特開平10−220765号公報(特許文献1)などに掲載されているように、食品材料を網に載置し、燻煙器により燻煙処理する。あるいは、例えば、特開2006−136268号公報(特許文献2)等に掲載されているように、食品材料を網状のリテーナに収納し、燻煙器により燻煙処理する。
特開平10−220765号公報 特開2006−136268号公報
ところで、食品材料を冷燻法や温燻法で処理する場合、生産性を向上させるために短時間で燻煙を行おうとすると、それだけ、燻煙の付が悪くなり、香りが弱くなってしまうという問題があった。
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、食品材料に対して短時間で燻煙の付着を増加させ、香りの良い燻製食品の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明の燻製食品の製造方法は、食品材料を燻煙して燻製食品を製造する燻製食品の製造方法において、冷凍された食品材料を用い、該冷凍された状態の食品材料をその内部が解凍されないようにして燻煙する燻煙工程を備えた構成としている。この場合、上記燻煙工程において、燻煙後の食品材料の表面の温度が20℃以下になるように燻煙することが有効である。望ましくは、10℃以下、より望ましくは、0℃以下である。
本発明において、食品材料としては、例えば、肉類(豚、牛、鶏などの鳥獣肉)、魚介類(アジ、サケ、カレイ、赤魚、タラ、イワシ、シシャモ、イトヨリ、ホキ、エビ、イカ、ホタテ、カキ、及びカニなど)、野菜(玉ねぎ、じゃがいも、きゅうり、にんじん、コーン、いんげん、かぼちゃ、さつまいも、ほうれん草、及びピーマンなど)、穀類(小麦、米、大豆、とうもろこしなど)、乳製品(チーズ、脱脂乳など)など、またこれらの材料の一種又は二種以上を基にしてバインダや調味料とともに混合した材料を挙げることができる。
これにより、冷凍された食品材料を、燻煙処理するが、短時間で所望の燻煙を付着させることができ、香りの良い燻製食品にすることができる。これは、水分が凍結する際に食品材料の表面機能が変化するので、煙の付着が促進されるものと考えられる。また、この燻煙処理は、食品材料の内部が解凍されないようにして行われるので、新鮮を保持できることから、味の低下を防止することができる。
特に、燻煙後の食品材料の表面の温度が20℃以下になるように燻煙する場合には、食品材料が、生の材料からなり若しくは生の材料を含有してなる常温で固形若しくは半固形状のものであると、食品材料はその表面が加熱変性を生じないように燻煙されるので、食品材料の表面から内部まで、新鮮を保持できることから、燻製食品の味の低下を防止することができる。
一般に、例えば、食品材料を100℃以上で数分間加熱すると、表面に火が通りメイラード反応(アミノカルボニル反応などと呼ぶ)が生じ、焼き肌が付くなどする。メイラード反応は100℃以下の低温でも進む場合もあるが、しかしながら、本構成では、後述の試験例からも分かるように、燻煙後の表面温度は、氷点下を維持し、あるいは、氷点以上でもきわめて低い温度を維持しており、これは、内部のみならず表面においても火が通っていないこと、即ち、食品材料を冷凍された状態で燻煙しその表面が加熱変性を生じないようにすることを示している。これにより、表面に火を通すことなく、加熱による食品材料の鮮度と味の劣化防止を図ることができる。
そして、本発明においては、上記燻煙工程の前に、食品材料を冷凍する冷凍工程を備え、該冷凍工程において、食品材料を−15℃以下に冷凍することが有効である。実験から、−15℃以下に冷凍して保持した状態の食品材料を、燻煙処理すると、−15℃よりも温度が高い状態の食品材料を燻煙処理した場合に比較して、燻煙の付着量が著しく増加する。そのため、より一層短時間で燻煙の付着を増加させ、香りの良い燻製食品にすることができる。
また、本発明においては、上記燻煙工程の後に、食品材料の内部が非解凍の状態で該食品材料を再度冷凍する再冷凍工程を備えたことが有効である。一般に、冷凍される食品材料は、解凍−冷凍を繰り返すと品質が劣化していくが、この構成によれば、食品材料が非解凍の状態で再冷凍されるので、劣化が抑制され、表面に燻煙が付着した状態で品質を保持することができる。
具体的には、本発明は、食品材料を燻煙して燻製食品を製造する燻製食品の製造方法において、
上記食品材料は、生の材料からなり若しくは生の材料を含有してなる常温で固形若しくは半固形状のものであって、生肉若しくは生肉を含有する練り食品であり、
上記食品材料を−15℃以下に冷凍する冷凍工程と、
該冷凍工程で−15℃以下に冷凍された状態の食品材料を燻煙するとともに、燻煙後の食品材料の表面の温度が0℃以下になるように燻煙する燻煙工程と、
該燻煙工程の後に、上記食品材料の表面の温度が0℃以下の状態で該食品材料を再度−15℃以下に冷凍する再冷凍工程とを備えた構成としている。
そしてまた、本発明においては、上記燻煙工程において、食品材料を所要の空間内に入れて煙を充満させるとともに、該空間内の雰囲気温度を200℃以下にすることができる。望ましくは、150℃以下である。
また、本発明においては、上記燻煙工程において、燻煙時間を2min〜10minにした構成としている。所望の燻煙の付着量を確保しつつ、短時間での燻煙処理を実現できる。
本発明において、必要に応じ、上記食品材料は、生の材料からなり若しくは生の材料を含有してなる常温で固形若しくは半固形状のものである構成にしている。この場合、上記食品材料は、生肉若しくは生肉を含有する練り食品で構成することができる。表面が粗く燻煙の付着が確実になる。特に、上記食品材料は、ハンバーグにおいて有効である。
本発明によれば、冷凍された食品材料を、燻煙処理するが、水分が凍結する際に食品材料の表面機能が変化するので、燻煙が付着しやすくなり、そのため、短時間で所望の燻煙を付着させることができる。即ち、短時間で燻煙の付着を増加させ、香りの良い燻製食品を提供することができる。また、この燻煙処理は、食品材料の内部が解凍されないようにして行うので、食品材料の新鮮を保持できることから、味の低下を防止することができる。
本発明の実施の形態に係る燻製食品の製造方法を示す工程図である。 本発明の実施例に係る食品材料(ハンバーグ)の成分を示す表図である。 本発明の試験例に係り、試験で用いる燻煙器を示す図である。 本発明の試験例に係り、処理時間と燻煙器の雰囲気温度との関係を示すグラフ図である。 本発明の試験例(ハンバーグ)に係り、非燻製処理ハンバーグと燻製処理を行ったハンバーグの香気成分分析の結果を比較して示すグラフ図である。 本発明の試験例(ハンバーグ)に係り、ハンバーグの保管温度を変えた際に付与された燻煙香気成分の変化を示すグラフ図である。 本発明の試験例(牛肉)に係り、牛肉の保管温度を変えた際に付与された燻煙香気成分の変化を示すグラフ図である。 本発明の試験例(鶏肉)に係り、鶏肉の保管温度を変えた際に付与された燻煙香気成分の変化を示すグラフ図である。 本発明の試験例(チーズ)に係り、チーズの保管温度を変えた際に付与された燻煙香気成分の変化を示すグラフ図である。 本発明の連続式スモークマシンでの試験例(ハンバーグ)に係り、ハンバーグの保管温度を変えた際に付与された燻煙香気成分の変化を示すグラフ図である。 本発明の試験例(ハンバーグ)に係り、ハンバーグの保管温度を変えた際に付与された燻煙香気成分の変化を示すグラフ図である。
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係る燻製食品の製造方法について詳細に説明する。
実施の形態に係る燻製食品の製造方法は、図1に示すように、食品材料Sを燻煙して燻製食品Kを製造するものであり、食品材料Sとしては、例えば、肉類(豚、牛、鶏などの鳥獣肉)、魚介類(アジ、サケ、カレイ、赤魚、タラ、イワシ、シシャモ、イトヨリ、ホキ、エビ、イカ、ホタテ、カキ、及びカニなど)、野菜(玉ねぎ、じゃがいも、きゅうり、にんじん、コーン、いんげん、かぼちゃ、さつまいも、ほうれん草、及びピーマンなど)、穀類(小麦、米、大豆、とうもろこしなど)、乳製品(チーズ、脱脂乳など)など、またこれらの材料の一種又は二種以上を基にしてバインダや調味料とともに混合した材料を挙げることができる。食品材料Sとしては、必要に応じ、生の材料からなり若しくは生の材料を含有してなる常温(25℃)で固形若しくは半固形状のものに適用する。常温(25℃)で液状のものは除かれる。例えば、生肉若しくは生肉を含有する練り食品を選択することができる。
実施の形態に係る燻製食品の製造方法は、図1に示すように、冷凍工程(1)と、燻煙工程(2)と、再冷凍工程(3)とを備えている。以下、各工程について説明する。
(1)冷凍工程
周知の冷凍庫などで、食品材料Sを−15℃以下に冷凍する。後述の実験から、−15℃以下に冷凍して保持した状態の食品材料Sを、燻煙処理すると、−15℃よりも温度が高い状態の食品材料Sを燻煙処理した場合に比較して、燻煙の付着量が著しく増加する。
(2)燻煙工程
冷凍された食品材料Sを用い、この冷凍された状態の食品材料Sを、食品材料Sの内部が解凍されないようにして燻煙する。特に、燻煙後の食品材料Sの表面の温度が20℃以下になるように燻煙する。望ましくは、10℃以下、より望ましくは、0℃以下である。実施の形態では、食品材料Sを所要の空間内に入れて煙を充満させる燻煙器を用いた。燻煙する装置は、種々のものを用いて良い。燻煙工程においては、煙の雰囲気温度を200℃以下、望ましくは、150℃以下にするとともに、燻煙時間を2min〜10minに設定した。
これにより、冷凍された食品材料Sを、燻煙処理するが、短時間で所望の燻煙を付着させることができ、香りの良い燻製食品Kにすることができる。これは、水分が凍結する際に食品材料Sの表面機能が変化するので、付着が促進されるものと考えられる。また、この燻煙処理は、食品材料Sの内部が解凍されないようにして行うので、食品材料Sの新鮮を保持できることから、味の低下を防止することができる。
この場合、食品材料Sとして、生の材料からなり若しくは生の材料を含有してなる常温(25℃)で固形若しくは半固形状のものに適用すると、燻煙工程では、燻煙後の食品材料Sの表面の温度が20℃以下になるように燻煙するので、食品材料はその表面が加熱変性を生じないように燻煙され、そのため、食品材料の表面から内部まで、新鮮を保持できることから、燻製食品の味の低下を防止することができる。
一般に、例えば、食品材料を100℃以上で数分間加熱すると、表面に火が通りメイラード反応(アミノカルボニル反応などと呼ぶ)が生じ、焼き肌が付くなどする。メイラード反応は100℃以下の低温でも進む場合もあるが、しかしながら、本構成では、後述の試験例からも分かるように、燻煙後の表面温度は、氷点下を維持し、あるいは、氷点以上でもきわめて低い温度を維持しており、これは、内部のみならず表面においても火が通っていないこと、即ち、食品材料を冷凍された状態で燻煙しその表面が加熱変性を生じないようにすることを示している。これにより、表面に火を通すことなく、加熱による食品材料の鮮度と味の劣化防止を図ることができる。
(3)再冷凍工程
上記燻煙工程の後に、食品材料Sの内部が非解凍の状態でこの食品材料Sを再度冷凍する。例えば、食品材料Sを−15℃以下に冷凍する。一般に、冷凍される食品材料Sは、解凍−冷凍を繰り返すと品質が劣化していくが、この再冷凍によれば、食品材料Sが非解凍の状態で再冷凍されるので、劣化が抑制され、表面に燻煙が付着した状態で品質を保持することができる。これにより、燻製食品Kが製造される。
そして、この燻製食品Kを食するときは、例えば、冷凍された燻製食品Kを解凍し、燻製食品Kによってはそのまま、あるいは、加熱処理して食に供する。この場合、食品材料Sの燻煙処理は、食品材料Sの内部が解凍されないようにして行われるので、それだけ、新鮮を保持できることから、燻製食品Kの味の低下を防止することができる。また、燻製食品Kには燻煙が良く付着しており、それだけ、香りが良いものとなっている。特に、非解凍の状態で食品材料Sを再度冷凍するので、より一層、燻製食品Kはその表面に燻煙が付着した状態で新鮮が保持され、味の低下が防止され、香りが良いものとなる。
次に、本発明の実施例について説明する。実施例においては、食品材料Sは、生の材料からなり若しくは生の材料を含有してなる常温で固形若しくは半固形状のもの、具体的には、生肉若しくは生肉を含有する練り食品、より具体的には、ハンバーグを用いた。実施例に係るハンバーグの組成を図2に示す。上記と同様の工程により、ハンバーグの燻製食品Kを製造した。
<試験例>
次に、試験例を示す。
1.燻煙試験法の確立
まず、実験室において定量的に、安定的に燻煙する手法を開発した。
(1−1)燻煙処理方法
試験においては、図3に示すような、燻煙器1を用いた。燻煙器1は、スモーク用のチップから煙を発生させる金属製の中華鍋2(直径265mm、深さ80mm)と、ガラス製蓋3と、この中華鍋2内にスモーク用のチップに非接触になるよう支持され食品材料を載せる金属製のざる4と、中華鍋2を加熱する電気コンロ5とから構成した。
そして、1200Wに設定にした電気コンロを用いて中華鍋を加熱し、鍋底温度が250℃に達したところで鍋底にオニグルミの燻製用チップ(新富士バーナー株式会社製)1gを入れた。煙が出てきたことを確認し、次に試験片をのせた金属網を鍋の中に入れた。ここでは100mlビーカーに10mlの純水を入れたものを検体として用いた。検体を入れた後はすぐにガラス製蓋をし、電気コンロを止め、中華鍋と蓋の隙間をアルミホイルで埋めた。その状態を3−10分間保持することで燻製香の付与を行った。その際の中華鍋内の雰囲気温度の変化を図4に示す。温度は処理を開始して徐々に上昇し、処理から4分後に約120℃に達した。
(1−2)試験片の香気成分分析
香気成分分析にはフラッシュGCノーズ HERACLES II(Alpha MOS, Toulouse, France)を用いた。Alpha MOS社のフラッシュGCノーズ HERACLES IIは導入した気体サンプルに対してDB-5カラムとDB-WAXカラムでそれぞれ同時分析を行うことができる。燻製処理を行った検体1gを封入したバイアルを60℃、1200秒加温し、ヘッドスペース気層5mLをGCに導入した。ここでは3−10分間燻製処理を行った純水1gをバイアル封入し、分析に供した。カラムオーブンは1.5℃/secの速度で250℃まで昇温させ、検出にはFIDを用いた。
そして、GC分析で得られた各カラムの全ピークのリテンションタイムとピーク面積のデータから、それぞれのピーク面積は燻煙処理時間と極めて高い相関を示したことから、得られたピークはすべて燻煙由来であると考えられた。また、異なる施行の結果が相関したことから、構築した燻煙処理方法は試験方法として定量性、安定性が高いものと考えられた。
2.ハンバーグの保管温度が燻煙効率に与える影響
ハンバーグとして、図2に示す成分のものを用い、ハンバーグの試験片として、20g直径55mmのものを成型して作成した。そして、25℃、4℃、−5℃、−10℃、−15℃、−20℃、−30℃の各温度に保管した各試験片と、燻煙しない試験片を用意し、これらについて、オニグルミのスモークチップを1g用いて、上記の燻煙器の試験要領で3分間燻煙処理をした。これらの各試験片について、ビーカー内でパテを捏ね直し、その1gを用いてフラッシュGCノーズ HERACLES IIで香気成分分析を行った。
燻煙処理によって付与された香気成分ピークの抽出は以下の要領で行った。図5に示すように、GC分析の結果得られる香気成分ピークは(A)食品材料に含まれており、燻煙処理の影響を受けない香気成分、(B)食品材料には含まれず、燻煙処理によって付与される香気成分、(C)食品材料に含まれているが、燻煙処理によっても付与される香気成分の3つに区分される。ここでは、非燻煙処理ハンバーグと4℃に保管した後燻煙処理を行ったハンバーグの香気成分分析の結果得られた全ピークを比較して、10倍以上ピーク面積が大きくなったピークを燻煙処理によって付与される香気成分であるとした。
ハンバーグの保管温度を変えた際に付与された燻煙香気成分の結果を図6に示す。この結果から、−15℃、−20℃、−30℃の試験片においては、ピーク面積が他よりも高く、即ち、図にも示すように、「4℃」のグループ,「−5℃、−10℃」のグループ,「−15℃、−20℃、−30℃」のグループの3段階で付着性が向上することが分かり、「−15℃、−20℃、−30℃」のグループが実施例として有効であることが分かった。
3.ハンバーグ以外の食品材料への効果
また、他の食品材料についても試験を行った。
図7には、短角牛ステーキ(非加熱品)についての試験結果、図8には、鳥もも肉(茹で)についての試験結果を示す。それぞれの食品材料20gを50mm×50mmにカットした後、25℃、−30℃の各温度に保管した各試験群と、燻煙しない試験群を用意し、これらについて、オニグルミのスモークチップを1g用いて、上記の燻煙器の試験要領で3分間燻煙処理をした。なお、燻煙処理後は包丁で細切れにし、よく混ぜたあと同様に香気成分分析を行った。ここでは、非燻煙処理食品材料と25℃に保管した後燻煙処理を行った食品材料の香気成分分析の結果得られた全ピークを比較して、10倍以上ピーク面積が大きくなったピークを燻煙処理によって付与される香気成分であるとし、その中で代表的なピークを示した。−30℃の試験片においては、ガスクロのピーク面積が他よりも高く、実施例として有効であることが分かった。
図9には、キャンディ型のチーズ(以下「キャンディチーズ」という)についての試験結果を示す。キャンディチーズ1個(約4グラム)を25℃、−30℃の各温度に保管した各試験群と、燻煙しない試験群を用意し、これらについて、上記と同様に燻煙処理をした。−30℃の試験片においては、ガスクロのピーク面積が他よりも高く、実施例として有効であることが分かった。
4.電子スモークを用いた燻煙試験
次に、−30℃に保管したハンバーグと自然凍結解凍したハンバーグ(約15℃)を対象として、北陽株式会社製の連続式電子スモーク装置を用いて実験を行った。450℃で加熱したオニグルミチップを用いて4分間燻煙処理を行った。燻煙時の雰囲気温度はモニターしていないが、スモーク装置メーカー仕様によれば、冷燻条件であると記載されていることから30℃前後の雰囲気温度になっていることが想定される。燻煙処理後は−30℃で再凍結した。香気成分の分析は、再解凍後、焼成処理を行った後に行った。燻製・解凍済ハンバーグを中火で表3分、裏2分、表1分焼成し、1gを香気成分分析した。なお、分析条件は上記の条件に従った。図10には、電子スモーク装置を用いた試験結果を示す。4℃、−30℃の各温度に保管した各試験群と、燻煙しない試験群を用意し、これらについて、上記と同様に燻煙処理をした。−30℃の試験片においては、ガスクロのピーク面積が他よりも高く、実施例として有効であることが分かった。
5.燻煙前後の表面温度
−15℃、−20℃、−30℃のハンバーグの試験片において、燻煙処理前後の表面温度を測定した。結果を図11に示す。この結果から、燻煙処理直後のハンバーグ表面温度は、氷点下を維持し、あるいは、氷点以上でもきわめて低い温度を維持しており、これは、内部のみならず表面においても火が通っていないことを示している。これにより。表面に火を通すことなく、加熱による食品材料の鮮度と味の劣化防止を図ることができることが分かった。
K 燻製食品
S 食品材料
1 燻煙器
(1)冷凍工程
(2)燻煙工程
(3)再冷凍工程

Claims (4)

  1. 食品材料を燻煙して燻製食品を製造する燻製食品の製造方法において、
    上記食品材料は、生の材料からなり若しくは生の材料を含有してなる常温で固形若しくは半固形状のものであって、生肉若しくは生肉を含有する練り食品であり、
    上記食品材料を−15℃以下に冷凍する冷凍工程と、
    該冷凍工程で−15℃以下に冷凍された状態の食品材料を燻煙するとともに、燻煙後の食品材料の表面の温度が0℃以下になるように燻煙する燻煙工程と、
    該燻煙工程の後に、上記食品材料の表面の温度が0℃以下の状態で該食品材料を再度−15℃以下に冷凍する再冷凍工程とを備えたことを特徴とする燻製食品の製造方法。
  2. 上記燻煙工程において、食品材料を所要の空間内に入れて煙を充満させるとともに、該空間内の雰囲気温度を200℃以下にしたことを特徴とする請求項1記載の燻製食品の製造方法。
  3. 上記燻煙工程において、燻煙時間を2min〜10minにしたことを特徴とする請求項1または2記載の燻製食品の製造方法。
  4. 上記生肉を含有する練り食品は、ハンバーグであることを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載の燻製食品の製造方法。
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