JP6901271B2 - 発信機および発信装置 - Google Patents
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Description
一方、従来の一般的な砲弾形の表示灯は、通行や搬入作業等の建物の通常使用において障害物となることがあるため、薄型形状のものが望まれている。
特許文献3に記載されている発信機と表示灯とを一体に構成したものは、上記のような要望にある程度応えることができるものの、多数のビスを用いて固定する構成のものは建物の壁面等に設置する作業が面倒である。また、薄型形状ではあるが、表示灯が発信機の周囲全体を囲むリング状に構成されているため、充分な視認性を確保しようとすると全体が大型になってしまう一方、発信機の大きさが固定されている場合に小型化を優先すると表示灯の視認性が低下してしまう。
本発明は上記のような課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、従来のものに比べて取付け箇所に制約が生じることがないとともに、設置個所や環境に応じて柔軟に対応することができる発信機および発信装置を提供することにある。
前方から操作可能な押釦および該押釦が操作されたことを検知可能な検知手段を有する本体ケースと、少なくとも前記押釦の一部を露出させる開口部を有する取付けベース体と、を備え、前記本体ケースの内部に、前記検知手段の状態に応じて外部へ出力する信号を生成する回路が実装された回路基板が収納されている発信機であって、
前記取付けベース体は、前記本体ケースの少なくとも一部と係合可能な枠体部該枠体部の前端に設けられ外形が正面視で円形の一部を切り欠いた形状を呈するフランジ部と、を備え、
前記枠体部の前側および後側を除く外壁の壁面の少なくとも2箇所には、連続した雄ネジまたは雌ネジの一部をなす部分ネジがそれぞれ形成されているようにしたものである。
ここで、前記部分ネジは2条ネジとするとよい。これにより、短い時間に締め付け、取り外しが行なえる。また、取付け時にネジが螺合し始める場所が対向配置されるので(180度間隔で2箇所)、リング状ナットを最大180度回転させれば螺合を開始させることができ、取付け作業が容易になる。
前記取付けベース体の前面には、前記操作杆の端部が露出する凹部が、前記開口部の上方または下方に位置するように形成され、
前記部分ネジは、前記枠体部の上部および下部に形成されているように構成する。
枠体部の上部および下部に形成される部分ネジを、雌ネジではなく雄ネジとすることで、該ネジに螺合する固定用のネジとして雌ネジ部を有するリング状の固定手段(ナット)を使用することができ、把手部を必要とする雄ネジを有するリング状の固定手段に比べて、形状をシンプルにして低コスト化を図ったり、ネジの厚さを薄くして小型化を図ったりすることができる。
前記フランジ部の切り欠かれた部位を補完する形状をなすように形成された補形部と、前記本体ケースが挿通可能な開口が形成され、前記本体ケースの前記部分ネジ周辺部後面が接触可能な段差部が設けられた台座部と、を有する第一形態の装飾パネルと、
前記第一形態の装飾パネルを挟んで前記本体ケースに固定される設置用プレートと、を備えるように構成する。
かかる構成によれば、既設の発信機に代えて新たな発信機を設置する際に、元の発信機と見かけ上ほとんど変わらない発信機を設置することができる。
前記フランジ部の切り欠かれた部位に連続して所定の形状を呈するとともに前記本体ケースが挿通可能な開口が形成され前記本体ケースの前記部分ネジ周辺部後面が接触可能な段差部が設けられた台座部と、を有する第二形態の装飾パネルと、
前記部分ネジと螺合可能なネジを有するリング状の固定手段とを備えるように構成する。
かかる構成によれば、第二形態の装飾パネルが表示灯である場合、発信機と表示灯を別々に設置するスペースがない個所であっても、発信機および表示灯を設置することができる。また、表示灯が不要な箇所には、表示灯の代わりに装飾パネルを発信機に合体させて設置することができるため、柔軟性が高まる。
かかる構成によれば、表示部が本体ケースを挟んで左側と右側にそれぞれ設けられることとなるため、設置場所から横方向へ遠く離れた位置からも表示部の点灯状態を視認することができる。
本実施形態の火災発信機(以下、単に発信機と記す)10は、火災等の異常が発生した際に押釦を強く押して内部のスイッチをオンさせることにより異常の発生を知らせる信号を受信機に伝送する機能を備え、建造物の壁面あるいは消火栓箱の扉などに設置されて使用されるように構成されている。具体的には、本実施形態の発信機は、押釦スイッチを有する発信機本体と、発信機本体を壁面等に取り付けるためのリング状のナットからなる固定手段と、発信機本体と合体して一体化される表示灯または装飾プレートなどから構成される。
図1〜図4は、第1実施例の発信機を示す。このうち、図1(A)は発信機の正面図、図1(B)は発信機の側面図、図2は発信機の分解斜視図、図3は図1に示す火災発信機を斜め後方から見た斜視図、図4は図1に示す火災発信機の中央にて切断して内部構造を示した縦断面図である。
第1実施例の発信機は、図1に示すように、前面中央に押釦11が設けられている発信機10と、該発信機10を壁面等に取り付けるための固定手段としてのリング状ナット20とを備える。
なお、収納凹部13Eの底壁には、本体ケース12に内蔵される後述の回路基板上に設けられている電話コネクタに接続された電話ジャックに対応して電話機プラグを挿通可能にするための電話機プラグ差込口13cと、後述の押釦ロック解除用の復旧レバー17の先端が突出するための開口13dが形成されている。
また、背面カバー21には、一対の固定用のネジ22が挿通される一対のネジ挿通孔21aと、上記回路基板19上の回路と火災受信機とを接続するリード線が結合される端子台19Aを露出させたりリード線を引き出したりするための開口部21bが設けられている。
また、取付け時にネジが螺合し始める場所が対向配置されるので(180度間隔で2箇所)、リング状ナットを最大180度回転させれば螺合を開始させることができ、これにより取付け作業が容易になる。
次に、図8〜図10を用いて、本発明に係る火災発信機の第2実施例について説明する。
第2実施例は、図8に示すように、発信機10と合体可能な装飾パネル40を設けたもので、本体ケース12と取付けベース体13を有する発信機10は、第1実施例の火災発信機と同じである。本実施例は、円盤状をなす既設の旧型火災発信機を、本発明に係る火災発信機に置き換える際に適用すると有効な実施例である。
次に、図11〜図13を用いて、本発明に係る火災発信機の第3実施例について説明する。
第3実施例は、図11に示すように、発信機10と合体可能な表示灯50を設けたもので、本体ケース12と取付けベース体13を有する発信機10は、第1実施例の発信機のものと同じである。本実施例は、建設中または増築中の建物等に新たに火災発信機や表示灯を設置する際に適用すると有効な実施例である。
また、表示部51A,51Bの背部側には、凹部が形成されており、該凹部内に発光素子を実装した基板が収納可能にされている。表示灯50は、赤色の塗料で着色された透明もしくは半透明の樹脂で形成されており、発光素子が点灯されると表示部51A,51Bは赤色で発光する。
また、本体ケース12内に発光素子を内蔵し、導光板等によって光を誘導して表示部51A,51Bを構成する透明パネルの端部に光を入射させて表示部51A,51Bの表面より出射させることで光らせるようにしても良い。
さらに、上記実施形態では、本発明を、火災報知システムを構成する火災発信機および該発信機と合体可能な装飾パネルまたは表示灯とを組み合わせた機器に適用したものを説明したが、本発明は火災発信機に限定されず、駅のプラットホームや踏切に設置される列車緊急報知用の発信機、トイレや浴室など設置される緊急呼出し用の発信機に広く利用することができる。
11 押釦
12 本体ケース
12C 収容凹部12Aの裏面(後面)
13 取付けベース体
13A 収納枠部
13B フランジ部
13D 部分雄ネジ
14 小扉
16 押釦スイッチ(検知手段)
17 復旧レバー(操作杆)
19 回路基板
20 リング状ナット(固定手段)
30 取付けパネル
40 装飾パネル
41A,41B 補形部
42 台座部
42a 収納凹部
50 表示灯
51A,51B 表示部
52 台座部
52a 収納凹部
Claims (8)
- 前方から操作可能な押釦および該押釦が操作されたことを検知可能な検知手段を有する本体ケースと、少なくとも前記押釦の一部を露出させる開口部を有する取付けベース体と、を備え、前記本体ケースの内部に、前記検知手段の状態に応じて外部へ出力する信号を生成する回路が実装された回路基板が収納されている発信機であって、
前記取付けベース体は、前記本体ケースの少なくとも一部と係合可能な枠体部と、該枠体部の前端に設けられ外形が正面視で円形の一部を切り欠いた形状を呈するフランジ部と、を備え、
前記枠体部の前側および後側を除く外壁の壁面の少なくとも2箇所には、連続した雄ネジまたは雌ネジの一部をなす部分ネジがそれぞれ形成されていることを特徴とする発信機。 - 前記部分ネジは2条ネジであることを特徴とする請求項1に記載の発信機。
- 前記本体ケースには、前記押釦が押された状態を保持する機構と、該機構により保持されている押された状態を解除するための操作杆が設けられ、
前記取付けベース体の前面には、前記操作杆の端部が露出する凹部が、前記開口部の上方または下方に位置するように形成され、
前記部分ネジは、前記枠体部の上部および下部に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の発信機。 - 前記部分ネジは、前記枠体部の上部および下部の壁体の外壁面に形成された部分雄ネジであることを特徴とする請求項3に記載の発信機。
- 外形が正面視で円形を直線もしくは円弧によって一部を切り欠いた形状を呈するフランジ部を備えた請求項1〜4のいずれかに記載の発信機と、
前記フランジ部の切り欠かれた部位を補完する形状をなすように形成された補形部と、前記本体ケースが挿通可能な開口が形成され、前記本体ケースの前記部分ネジ周辺部後面が接触可能な段差部が設けられた台座部と、を有する第一形態の装飾パネルと、
前記第一形態の装飾パネルを挟んで前記本体ケースに固定される設置用プレートと、
を備えることを特徴とする発信装置。 - 前記補形部は、前記フランジ部の切り欠かれた部位を補完するように配設された際に、正面視略円形形状を呈するように外形が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の発信装置。
- 外形が正面視で円形を直線もしくは円弧によって一部を切り欠いた形状を呈するフランジ部を備えた請求項1〜4のいずれかに記載の発信機と、
前記フランジ部の切り欠かれた部位に連続して所定の形状を呈するとともに前記本体ケースが挿通可能な開口が形成され前記本体ケースの前記部分ネジ周辺部後面が接触可能な段差部が設けられた台座部と、を有する第二形態の装飾パネルと、
前記部分ネジと螺合可能なネジを有するリング状の固定手段と、
を備えることを特徴とする発信装置。 - 前記第二形態の装飾パネルは、前記本体ケースを挟むようにして、左側の部分と右側の部分に、それぞれ内部に発光素子が収納された表示部が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の発信装置。
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