JP6901267B2 - クラッチユニット - Google Patents

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Description

本発明は、回転トルクが入力される入力側クラッチ部と、その入力側クラッチ部からの回転トルクを出力側へ伝達すると共に、出力側からの回転トルクを遮断する出力側クラッチ部とを備えたクラッチユニットに関する。
一般に、円筒ころやボール等の係合子を用いるクラッチユニットにおいては、入力部材と出力部材との間にクラッチ部が配設される。このクラッチ部は、前述の入力部材と出力部材との間で円筒ころやボール等の係合子を係合および離脱させることによって、回転トルクの伝達および遮断を制御する構成になっている。
本出願人は、レバー操作により座席シートを上下調整する自動車用シートリフタ部に組み込まれるクラッチユニットを先に提案している(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に開示されたクラッチユニットは、レバー操作により回転トルクが入力される入力側クラッチ部としてのレバー側クラッチ部と、そのレバー側クラッチ部からの回転トルクを出力側へ伝達すると共に、出力側からの回転トルクを遮断する出力側クラッチ部としてのブレーキ側クラッチ部とを備えている。
レバー側クラッチ部は、レバー操作により回転トルクが入力される外輪と、外輪からの回転トルクをブレーキ側クラッチ部に伝達する内輪と、外輪と内輪間の楔すきまでの係合および離脱により外輪からの回転トルクの伝達および遮断を制御する円筒ころと、外輪からの回転トルクで弾性力を蓄積し、回転トルクの入力がなくなると、蓄積された弾性力で外輪を中立状態に復帰させるセンタリングばねとで主要部が構成されている。
ブレーキ側クラッチ部は、回転が拘束された側板および外輪と、回転トルクが出力される出力軸と、外輪と出力軸間の楔すきまでの係合および離脱により出力軸からの回転トルクの遮断とレバー側クラッチ部からの回転トルクの伝達とを制御する複数の円筒ころおよび板ばねと、各円筒ころおよび板ばねを円周方向等間隔に保持する保持器と、出力軸に回転抵抗を付与する樹脂製の摩擦リングとで主要部が構成されている。なお、保持器は、レバー側クラッチ部の内輪と一体的に形成されている。
レバー側クラッチ部では、レバー操作により外輪に回転トルクが入力されると、円筒ころが外輪と内輪間の楔すきまに係合する。この楔すきまでの円筒ころの係合により、内輪に回転トルクが伝達されて内輪が回転する。この時、外輪の回転に伴ってセンタリングばねに弾性力が蓄積される。
レバー操作による回転トルクの入力がなくなると、センタリングばねの弾性力により外輪が中立状態に復帰する。一方、内輪は、与えられた回転位置をそのまま維持する。従って、外輪の回転繰り返し、つまり、操作レバーのポンピング操作により、内輪は寸動回転する。
ブレーキ側クラッチ部では、座席シートへの着座により出力軸に回転トルクが逆入力されると、円筒ころが出力軸と外輪間の楔すきまと係合して出力軸が外輪に対してロックされる。この出力軸のロックにより出力軸から逆入力される回転トルクは遮断される。これにより、座席シートの座面高さが保持される。
一方、レバー側クラッチ部の内輪から回転トルクがブレーキ側クラッチ部の保持器に入力されると、保持器が回転し円筒ころと当接して板ばねの弾性力に抗して押圧することにより、その円筒ころが外輪と出力軸間の楔すきまから離脱する。この円筒ころの離脱により、出力軸のロック状態が解除され、出力軸は回転可能となる。このロック状態の解除時、摩擦リングにより出力軸に回転抵抗が付与される。
そして、ブレーキ側クラッチ部の保持器がさらに回転することにより、保持器からの回転トルクが出力軸に伝達され、出力軸が回転する。つまり、レバー側クラッチ部の内輪に伴って保持器が寸動回転すると、出力軸も寸動回転することになる。この出力軸の寸動回転により、座席シートの座面高さが調整可能となる。
特許第5207779号公報
ところで、特許文献1で開示された従来のクラッチユニットのブレーキ側クラッチ部では、摩擦リングを静止部材としての側板に固定すると共に、出力軸の環状凹部の内周面に対して摩擦リングの外周面に締め代を設け、その締め代でもって摩擦リングを出力軸の環状凹部に圧入する構造を採用している。
このような圧入構造により、ブレーキ側クラッチ部において出力軸のロック状態を解除するに際して、摩擦リングの外周面と出力軸の環状凹部の内周面との間に生じる摩擦力でもって摩擦リングの外周面に対して環状凹部の内周面が摺動する。これにより、出力軸に適正な回転抵抗(摺動トルク)を付与する。
この回転抵抗の付与により、レバー操作時、出力軸のロック状態をスムーズに解除することで、操作フィーリングの向上を図り、搭乗者にとって違和感なく、座席シートの座面高さを調整するようにしている。
しかしながら、摩擦リングの外周面が出力軸の環状凹部の内周面に圧接した構造を採用していることから、その圧接力により、環状凹部の径方向外側に位置するカム面が拡径する。さらに、そのカム面の拡径量も摩擦リングの締め代によって異なってくる。
そのため、カム面の寸法管理が困難となり、外輪と出力軸間の楔すきまでの係合および離脱により出力軸からの回転トルクの遮断とレバー側クラッチ部からの回転トルクの伝達とを安定して制御することが困難となる。
また、摩擦リングが樹脂製のため、クラッチユニットの使用環境、つまり、ブレーキ側クラッチ部での温度によって摩擦リングが膨張あるいは収縮する。この摩擦リングの膨張あるいは収縮により、摩擦リングにより出力軸に付与される回転抵抗が変化し易い。
その結果、安定した回転抵抗を出力軸に付与することが困難となる。レバー操作によるブレーキ側クラッチ部の出力軸のロック解除時、出力軸のロック状態を安定して解除することが困難となり、レバー操作の不安定化を招くことになる。
そこで、本発明は前述の課題に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、カム面の拡径を防止すると共に使用環境での温度による悪影響を抑制し得るクラッチユニットを提供することにある。
本発明に係るクラッチユニットは、入力される回転トルクの伝達および遮断を制御する入力側クラッチ部と、その入力側クラッチ部からの回転トルクを出力側へ伝達すると共に、出力側から逆入力される回転トルクを遮断する出力側クラッチ部とからなる基本構成を具備する。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明の出力側クラッチ部は、回転が拘束された静止部材と、回転が出力される出力部材と、静止部材に取り付け固定され、出力部材に回転抵抗を付与する制動部材とを備え、制動部材は、出力部材の軸方向端面に圧接し、その圧接により生じる摺動トルクでもって出力部材に回転抵抗を付与する金属製の摩擦板としたことを特徴とする。
本発明では、制動部材を金属製の摩擦板とし、その摩擦板を出力部材の軸方向端面に圧接させ、その圧接により生じる摺動トルクでもって出力部材に回転抵抗を付与する。このように、摩擦板を出力部材の軸方向端面に圧接させることで、出力部材の径方向外側に位置するカム面が拡径することを防止できる。また、摩擦板が金属製であるため、使用環境での温度による悪影響を抑制することができる。
本発明における制動部材は、出力部材に取り付けられた弾性部材により、出力部材の軸方向端面に弾圧接触する構造が望ましい。
このような構造を採用すれば、弾性部材という簡便な手段により、制動部材を出力部材に圧接させることができ、その圧接により生じる摺動トルクでもって出力部材に回転抵抗を容易に付与することができる。
本発明における制動部材は、周方向の凹凸嵌合でもって静止部材に取り付け固定されている構造が望ましい。
このような構造を採用すれば、周方向の凹凸嵌合という簡便な手段により、制動部材を静止部材に取り付け固定することができ、制動部材を静止部材と一体化することが容易となる。
本発明に係るクラッチユニットは、入力側クラッチ部および出力側クラッチ部が自動車用シートリフタ部に組み込まれた構造が望ましい。
このような構造を採用すれば、入力側クラッチ部をレバー操作により回転トルクが入力されるレバー側クラッチ部とし、出力側クラッチ部をブレーキ側クラッチ部とすることで、自動車用シートリフタ部に容易に適用することができる。
本発明によれば、制動部材を金属製の摩擦板とし、その摩擦板を出力部材の軸方向端面に圧接させ、その圧接により生じる摺動トルクでもって出力部材に回転抵抗を付与する。このように、摩擦板を出力部材の軸方向端面に圧接させることで、出力部材の径方向外側に位置するカム面が拡径することを防止できる。また、摩擦板が金属製であるため、使用環境での温度による悪影響を抑制することができる。
その結果、カム面の寸法管理が容易となり、出力部材からの回転トルクの遮断と入力側クラッチ部からの回転トルクの伝達とを安定して制御することができる。また、摩擦板により出力部材に付与される回転抵抗が変化し難くなり、出力側クラッチ部の出力部材のロック解除時、出力部材のロック状態を安定して解除することができる。
本発明の実施形態で、クラッチユニットを示す断面図である。 図1のP−P線に沿う断面図である。 図1のQ−Q線に沿う断面図である。 自動車の座席シートおよびシートリフタ部を示す構成図である。 図1の側板、摩擦板を示す斜視図である。 本発明の他の実施形態におけるクラッチユニットを示す断面図である。
本発明に係るクラッチユニットの実施形態を図面に基づいて詳述する。図1はこの実施形態のクラッチユニットの全体構成を示す断面図、図2は図1のP−P線に沿う断面図、図3は図1のQ−Q線に沿う断面図である。
以下の実施形態では、自動車用シートリフタ部に組み込まれたクラッチユニットを例示するが、シートリフタ部以外にも適用可能である。この実施形態の特徴的な構成を説明する前にクラッチユニットの全体構成を説明する。
この実施形態のクラッチユニット10は、図1に示すように、入力側クラッチ部としてのレバー側クラッチ部11と、出力側クラッチ部としてのブレーキ側クラッチ部12とをユニット化した構造を具備する。
レバー側クラッチ部11は、レバー操作により入力される回転トルクの伝達および遮断を制御する。ブレーキ側クラッチ部12は、レバー側クラッチ部11からの回転トルクを出力側へ伝達すると共に、出力側から逆入力される回転トルクを遮断する逆入力遮断機能を有する。
レバー側クラッチ部11は、図1および図2に示すように、レバー操作により回転トルクが入力される側板13および外輪14と、外輪14から入力される回転トルクをブレーキ側クラッチ部12に伝達する内輪15と、外輪14と内輪15間での係合および離脱により外輪14からの回転トルクの伝達および遮断を制御する複数の円筒ころ16と、各円筒ころ16を円周方向等間隔に保持する保持器17と、保持器17を中立状態に復帰させるための内側センタリングばね18と、外輪14を中立状態に復帰させるための外側センタリングばね19とを具備する。
側板13および外輪14は、側板13の外周縁部に形成された爪部13aを、外輪14の外周縁部に形成された切欠き凹部14aに挿入して加締めることにより、側板13を外輪14に固定し、レバー側クラッチ部11の入力部材として一体化されている。外輪14の内周には、複数のカム面14bが円周方向等間隔に形成されている。外輪14への回転トルクの入力は、側板13にねじ止め等により取り付けた上下方向揺動可能な操作レバー43(図4参照)により行われる。
内輪15は、出力軸22が挿通される筒状部15aと、その筒状部15aのブレーキ側端部を径方向外側に延在させた拡径部15bと、その拡径部15bの外周端部を軸方向一方側(ブレーキ側クラッチ部12側)に屈曲させることにより突出した複数の柱部15c(図3参照)とからなる。内輪15の筒状部15aの円筒状外周面15dと、外輪14の内周に形成されたカム面14bとの間に楔すきま20が形成されている。この楔すきま20に円筒ころ16が保持器17により円周方向等間隔で配設されている。
内側センタリングばね18は、保持器17とブレーキ側クラッチ部12のカバー24との間に配設された断面円形のC字状弾性部材で、その両端部を保持器17およびカバー24の一部に係止させている。内側センタリングばね18は、レバー操作により外輪14から入力される回転トルクの作用時、静止状態にあるカバー24に対して、外輪14に追従する保持器17の回転に伴って押し拡げられて弾性力が蓄積され、外輪14からの回転トルクの開放時、その弾性力により保持器17を中立状態に復帰させる。
内側センタリングばね18の径方向外側に位置する外側センタリングばね19は、外輪14とカバー24との間に配設されたC字状帯板弾性部材で、その両端部を外輪14およびカバー24の一部に係止させている。外側センタリングばね19は、レバー操作により外輪14から入力される回転トルクの作用時、静止状態にあるカバー24に対して、外輪14の回転に伴って押し拡げられて弾性力が蓄積され、外輪14からの回転トルクの開放時、その弾性力により外輪14を中立状態に復帰させる。
保持器17は、円筒ころ16を収容する複数のポケット17aが円周方向等間隔に形成された樹脂製の円筒状部材である。保持器17の一方の軸方向端部、つまり、ブレーキ側クラッチ部12のカバー24側の軸方向端部には、内側センタリングばね18の両端部を係止させている。保持器17は、外輪14と内輪15との間に配されている。
ロック型と称されるタイプのブレーキ側クラッチ部12は、図1および図3に示すように、レバー側クラッチ部11からの回転トルクが入力される内輪15と、レバー側クラッチ部11からの回転トルクが出力される出力部材としての出力軸22と、回転が拘束された静止部材としての外輪23、カバー24および側板25と、外輪23と出力軸22間での係合および離脱により、出力軸22から逆入力される回転トルクの遮断と内輪15から入力される回転トルクの伝達とを制御する複数対の円筒ころ27、および各対の円筒ころ27同士に円周方向への離反力を付勢する断面N字形の板ばね28と、出力軸22に回転抵抗を付与する制動部材としての摩擦板29とで主要部が構成されている。
内輪15の筒状部15aが外挿された出力軸22の軸部22aには、径方向外側に拡径した大径部22bが一体的に形成されている。軸部22aの出力側端部には、シートリフタ部39(図4参照)と連結するためのピニオンギヤ22dが同軸的に形成されている。また、軸部22aの入力側端部にウェーブワッシャ30を介してワッシャ31を圧入することにより、レバー側クラッチ部11の構成部品を抜け止めしている。
出力軸22の大径部22bの外周には複数(例えば6つ)の平坦なカム面22eが円周方向等間隔に形成されている。大径部22bのカム面22eと外輪23の円筒状内周面23aとの間で形成された楔すきま26に、二つの円筒ころ27と二つの円筒ころ27間に介挿された一つの板ばね28とがそれぞれ配されている。
円筒ころ27および板ばね28は、外輪14から入力される回転トルクを出力軸22に伝達する機能を持つ内輪15の柱部15cにより円周方向等間隔に配設されている。つまり、内輪15の柱部15cは、円筒ころ27および板ばね28をポケット15fに収容して円周方向等間隔に保持することにより保持器として機能する。
出力軸22の大径部22bには、内輪15からの回転トルクを出力軸22に伝達するための突起22fが設けられている。突起22fは、内輪15の拡径部15bに形成された孔15eに円周方向のクリアランスをもって挿入配置されている。
外輪23、カバー24および側板25は、外輪23の外周縁部に形成された切欠き凹部23bと、カバー24の外周縁部に形成された切欠き凹部24aとに、側板25の外周縁部に形成された爪部25aを挿入して加締めることにより、外輪23およびカバー24に側板25を固定し、ブレーキ側クラッチ部12の静止部材として一体化されている。
以上の構成からなるレバー側クラッチ部11およびブレーキ側クラッチ部12の動作例を以下に説明する。
レバー側クラッチ部11では、レバー操作により外輪14に回転トルクが入力されると、円筒ころ16が外輪14と内輪15間の楔すきま20に係合する。この楔すきま20での円筒ころ16の係合により、内輪15に回転トルクが伝達されて内輪15が回転する。この時、外輪14および保持器17の回転に伴って両センタリングばね18,19に弾性力が蓄積される。
レバー操作による回転トルクの入力がなくなると、両センタリングばね18,19の弾性力により保持器17および外輪14が中立状態に復帰する。一方、内輪15は、与えられた回転位置をそのまま維持する。従って、外輪14の回転繰り返し、つまり、操作レバー43(図4参照)のポンピング操作により、内輪15は寸動回転する。
ブレーキ側クラッチ部12では、座席シートへの着座により出力軸22に回転トルクが逆入力されても、円筒ころ27が出力軸22と外輪23間の楔すきま26と係合して出力軸22が外輪23に対してロックされる。このようにして、出力軸22から逆入力された回転トルクは、ブレーキ側クラッチ部12によってロックされてレバー側クラッチ部11へ逆入力される回転トルクの還流が遮断される。これにより、座席シートの座面高さは保持される。
一方、レバー操作によりレバー側クラッチ部11からの回転トルクが内輪15に入力されると、内輪15の柱部15cが円筒ころ27と当接して板ばね28の弾性力に抗して円筒ころ27を押圧する。これにより、円筒ころ27が楔すきま26から離脱し、この楔すきま26からの円筒ころ27の離脱により出力軸22のロック状態が解除され、出力軸22は回転可能となる。この出力軸22のロック状態の解除時、摩擦板29により出力軸22に回転抵抗が付与される。
内輪15がさらに回転すると、内輪15の拡径部15bの孔15eと出力軸22の大径部22bの突起22fとのクリアランスが詰まって内輪15の拡径部15bが出力軸22の突起22fに回転方向で当接する。これにより、レバー側クラッチ部11からの回転トルクは、突起22fを介して出力軸22に伝達されて出力軸22が回転する。つまり、内輪15が寸動回転すると、出力軸22も寸動回転することになる。これにより、座席シートの座面高さが調整可能となる。
以上のような構造を具備するクラッチユニット10は、レバー操作により座席シート40の高さ調整を行う自動車用シートリフタ部39に組み込まれて使用される。図4は自動車の乗員室に装備される座席シート40を示す。
座席シート40は、図4に示すように、着座シート41と背もたれシート42とで構成され、シートリフタ部39により着座シート41の座面を高さ調整する。着座シート41の高さ調整は、クラッチユニット10におけるレバー側クラッチ部11の側板13(図1参照)に取り付けられた操作レバー43によって行う。
シートリフタ部39は、以下の構造を具備する。スライド可動部材44にリンク部材45,46の一端がそれぞれ回動自在に枢着されている。リンク部材45,46の他端はそれぞれ着座シート41に回動自在に枢着されている。リンク部材45の他端にはセクターギヤ47が一体的に設けられている。セクターギヤ47はクラッチユニット10の出力軸22のピニオンギヤ22dに噛合している。
例えば、着座シート41の座面を低くする場合、レバー側クラッチ部11でのレバー操作、つまり、操作レバー43を下側へ揺動させることにより、ブレーキ側クラッチ部12(図1参照)のロック状態を解除する。このブレーキ側クラッチ部12でのロック解除時、摩擦板29(図1参照)により出力軸22に適正な回転抵抗を付与することで、着座シート41の座面をスムーズに低くすることができる。
ブレーキ側クラッチ部12でのロック解除により、レバー側クラッチ部11からブレーキ側クラッチ部12に伝達された回転トルクでもって、ブレーキ側クラッチ部12の出力軸22のピニオンギヤ22dが時計方向(図4の矢印方向)に回動する。そして、ピニオンギヤ22dと噛合するセクターギヤ47が反時計方向(図4の矢印方向)に揺動し、リンク部材45とリンク部材46が共に傾倒して着座シート41の座面が低くなる。
このようにして、着座シート41の座面を高さ調整した後、操作レバー43を開放すると、操作レバー43が両センタリングばね18,19の弾性力によって上側へ揺動して元の位置(中立状態)に戻る。なお、操作レバー43を上側へ揺動させた場合は、前述とは逆の動作で着座シート41の座面が高くなる。着座シート41の高さ調整後に操作レバー43を開放すると、操作レバー43が下側へ揺動して元の位置(中立状態)に戻る。
この実施形態におけるクラッチユニット10の全体構成、およびこのクラッチユニット10が組み込まれるシートリフタ部39は、前述のとおりであるが、クラッチユニット10の特徴的な構成である摩擦板29について、以下に詳述する。
ブレーキ側クラッチ部12において、出力軸22のロック解除時、出力軸22に回転抵抗を付与する摩擦板29は、図1に示すように、出力軸22の環状凹部22gの軸方向端面22hに圧接し、その圧接により生じる摺動トルクでもって出力軸22に回転抵抗を付与する金属製の帯板リング状部材である(図5参照)。摩擦板29は、大径部22bとウェーブスプリング33との間に設けられている。
この実施形態では、図1および図3に示すように、出力軸22の環状凹部22gの内周面22iに環状の凹溝32が形成されている。弾性部材であるウェーブスプリング33は、凹溝32に嵌合している。すなわち、ウェーブスプリング33は、出力軸22に取り付けられている。このウェーブスプリング33により、摩擦板29を環状凹部22gの軸方向端面22hに弾圧接触させ、この弾圧接触により摺動トルクが生じる。
摩擦板29は、周方向の凹凸嵌合により側板25に取り付け固定されている。図3および図5に示すように、摩擦板29の内周面に複数の凸部29aを周方向に沿って形成すると共に、側板25の内周から軸方向に延びる筒状部25bに複数の凹部25cを周方向に沿って形成する。そして、摩擦板29の凸部29aと側板25の凹部25cとを嵌合させている。これにより、摩擦板29は側板25と共に回転が不能となる。
なお、摩擦板29の凸部29aを側板25側に若干折り曲げることにより(図1および図5参照)、側板25の筒状部25bの凹部25cに摩擦板29の凸部29aを確実に嵌合させるようにしている。
このように、摩擦板29の凸部29aと側板25の凹部25cとの嵌合構造という簡便な手段により、摩擦板29を側板25に取り付け固定することができ、摩擦板29を側板25と一体化することが容易となる。摩擦板29は、前述した凹凸嵌合以外の他の固定手段により側板25に取り付け固定するようにしてもよい。
以上の構成からなる摩擦板29を採用することにより、ブレーキ側クラッチ部12において出力軸22のロック状態を解除するに際しては、摩擦板29がウェーブスプリング33により出力軸22の環状凹部22gの軸方向端面22hに弾性的に圧接される。
この弾圧接触により摩擦板29の端面29bと環状凹部22gの軸方向端面22hとの間に生じる摩擦力でもって、摩擦板29の端面29bに対して環状凹部22gの軸方向端面22hが摺動する。これにより、出力軸22に適正な回転抵抗(摺動トルク)を付与する。この回転抵抗の付与により、着座シート41(図4参照)の座面をスムーズに調整することができる。
このように、摩擦板29を出力軸22の軸方向端面22hに圧接させることで、環状凹部22gの内周面22iに押圧力が作用することはない。そのため、環状凹部22gの径方向外側に位置するカム面22eが拡径することを防止できる。その結果、カム面22eの寸法管理が容易となり、出力軸22からの回転トルクの遮断とレバー側クラッチ部11からの回転トルクの伝達とを安定して制御することができる。
また、摩擦板29が金属製であるため、ブレーキ側クラッチ部12での温度によって膨張あるいは収縮することを抑制できる。そのため、使用環境での温度による悪影響を抑制することができる。その結果、摩擦板29により出力軸22に付与される回転抵抗が変化し難くなり、出力軸22のロック状態を安定して解除することができ、安定したレバー操作を実現できる。
この実施形態では、出力軸22の環状凹部22gの内周面22iに取り付けられたウェーブスプリング33により、摩擦板29を出力軸22の軸方向端面22hに弾圧接触する構造としている。このように、ウェーブスプリング33という簡便な手段により、摩擦板29を出力軸22に圧接させることができ、その圧接により生じる摺動トルクでもって出力軸22に回転抵抗を容易に付与できる。
以上の実施形態では、弾性部材としてウェーブスプリング33を使用した場合について説明したが、ウェーブスプリング33以外の弾性部材を使用することも可能である。例えば、図6に示すように、弾性部材として皿ばね34を使用した構造であってもよい。図6において、図1と同一部分には同一参照符号を付して重複説明は省略する。
図6に示す実施形態では、出力軸22の環状凹部22gの内周面22iに環状の凹溝35を形成し、その環状凹溝35に止め輪36を嵌合させている。そして、この止め輪36と摩擦板29との間に皿ばね34を介在させている。
このように、止め輪36により皿ばね34を位置規制することにより、皿ばね34を摩擦板29に当接させ、その皿ばね34により摩擦板29を出力軸22の環状凹部22gの軸方向端面22hに弾圧接触させる。
この弾圧接触により摩擦板29の端面29bと環状凹部22gの軸方向端面22hとの間に生じる摩擦力でもって、摩擦板29の端面29bに対して環状凹部22gの軸方向端面22hが摺動する。これにより、出力軸22に適正な回転抵抗(摺動トルク)を付与する。この回転抵抗の付与により、着座シート41(図4参照)の座面をスムーズに調整することができる。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
10 クラッチユニット
11 入力側クラッチ部(レバー側クラッチ部)
12 出力側クラッチ部(ブレーキ側クラッチ部)
22 出力部材(出力軸)
22h 軸方向端面
25 静止部材(側板)
25c 凹部(凹凸嵌合)
29 制動部材(摩擦リング)
29a 凸部(凹凸嵌合)
33 弾性部材(ウェーブスプリング)
34 弾性部材(皿ばね)
39 シートリフタ部

Claims (3)

  1. 入力される回転トルクの伝達および遮断を制御する入力側クラッチ部と、前記入力側クラッチ部からの回転トルクを出力側へ伝達すると共に、出力側から逆入力される回転トルクを遮断する出力側クラッチ部とからなり、
    前記出力側クラッチ部は、回転が拘束された静止部材と、回転が出力される出力部材と、前記静止部材に取り付け固定され、前記出力部材に回転抵抗を付与する制動部材とを備え、
    前記制動部材は、前記出力部材に取り付けられた弾性部材により、前記出力部材の軸方向端面に圧接し、その圧接により生じる摺動トルクでもって前記出力部材に回転抵抗を付与する金属製の摩擦板としたことを特徴とするクラッチユニット。
  2. 前記制動部材は、周方向の凹凸嵌合でもって前記静止部材に取り付け固定されている請求項1に記載のクラッチユニット。
  3. 前記入力側クラッチ部と前記出力側クラッチ部が自動車用シートリフタ部に組み込まれている請求項1または2に記載のクラッチユニット。
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