JP2019044859A - クラッチユニット - Google Patents
クラッチユニット Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019044859A JP2019044859A JP2017168457A JP2017168457A JP2019044859A JP 2019044859 A JP2019044859 A JP 2019044859A JP 2017168457 A JP2017168457 A JP 2017168457A JP 2017168457 A JP2017168457 A JP 2017168457A JP 2019044859 A JP2019044859 A JP 2019044859A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- outer ring
- side plate
- clutch
- input
- lever
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Seats For Vehicles (AREA)
- Connection Of Plates (AREA)
Abstract
【課題】 センタリングばねと側板の爪部との干渉を回避し、操作フィーリングの向上を図る。【解決手段】 入力される回転トルクの伝達および遮断を制御するレバークラッチ部11と、レバークラッチ部11からの回転トルクを出力側へ伝達すると共に、出力側から逆入力される回転トルクを遮断するブレーキ側クラッチ部12とからなり、レバー側クラッチ部11は、側板13および外輪14を備え、径方向に延びる爪部13aを側板13に形成すると共に、外輪14の屈曲部14cに切欠き凹部14aを形成し、側板13の爪部13aを外輪14の切欠き凹部14aに嵌合させて加締める。【選択図】 図1
Description
本発明は、回転トルクが入力される入力側クラッチ部と、その入力側クラッチ部からの回転トルクを出力側へ伝達すると共に、出力側からの回転トルクを遮断する出力側クラッチ部とを備えたクラッチユニットに関する。
円筒ころやボール等の係合子を用いるクラッチユニットにおいては、入力部材と出力部材との間にクラッチ部が配設される。クラッチ部は、入力部材と出力部材との間で前述の係合子を係合および離脱させることによって、回転トルクの伝達および遮断を制御する構成になっている。
本出願人は、レバー操作により座席シートを上下調整する自動車用シートリフタ部に組み込まれるクラッチユニットを先に提案している(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に開示されたクラッチユニットは、図9に示すように、レバー操作により回転トルクが入力されるレバー側クラッチ部111と、そのレバー側クラッチ部111からの回転トルクを出力側へ伝達すると共に、出力側からの回転トルクを遮断するブレーキ側クラッチ部112とを備えている。
レバー側クラッチ部111は、レバー操作により回転トルクが入力される側板113および外輪114と、外輪114からの回転トルクをブレーキ側クラッチ部112に伝達する内輪115と、外輪114と内輪115間の楔すきまでの係合および離脱により外輪114からの回転トルクの伝達および遮断を制御する円筒ころ116と、外輪114を中立状態に復帰させるセンタリングばね119とで主要部が構成されている。
ブレーキ側クラッチ部112は、レバー側クラッチ部111からの回転トルクが入力される内輪115と、内輪115からの回転トルクが出力される出力軸122と、回転が拘束された側板125、外輪123およびカバー124と、出力軸122と外輪123間の楔すきまでの係合および離脱により出力軸122からの回転トルクの遮断と内輪115からの回転トルクの伝達とを制御する円筒ころ127とで主要部が構成されている。
レバー側クラッチ部111では、レバー操作により外輪114に回転トルクが入力されると、円筒ころ116が外輪114と内輪115間の楔すきまに係合する。この楔すきまでの円筒ころ116の係合により、内輪115に回転トルクが伝達されて内輪115が回転する。
この時、外輪114の回転に伴ってセンタリングばね119に弾性力が蓄積される。レバー操作による回転トルクの入力がなくなると、センタリングばね119の弾性力により外輪114が中立状態に復帰する。一方で、内輪115は、与えられた回転位置をそのまま維持する。従って、レバー操作による外輪114の回転繰り返しで、内輪115は寸動回転する。
ブレーキ側クラッチ部112では、座席シートへの着座により出力軸122に回転トルクが逆入力されると、円筒ころ127が出力軸122と外輪123間の楔すきまと係合して出力軸122が外輪123に対してロックされる。この出力軸122のロックにより出力軸122から逆入力される回転トルクは遮断される。これにより、座席シートの座面高さが保持される。
一方、レバー側クラッチ部111の内輪115から回転トルクがブレーキ側クラッチ部112に入力されると、内輪115が円筒ころ127を押圧することにより、円筒ころ127が出力軸122と外輪123間の楔すきまから離脱する。この楔すきまでの円筒ころ127の離脱により、出力軸122のロック状態が解除され、出力軸122は回転可能となる。
内輪115がさらに回転することにより、内輪115からの回転トルクが出力軸122に伝達され、出力軸122が回転する。つまり、内輪115が寸動回転すると、出力軸122も寸動回転することになる。この出力軸122の寸動回転により、座席シートの座面高さが調整可能となる。
ところで、従来のクラッチユニットのレバー側クラッチ部111は、図9に示すように、側板113の外周縁部に軸方向に延びる爪部113aを形成すると共に、外輪114の外周縁部に切欠き凹部114aを形成した構造を具備する(図10参照)。
この構造では、側板113の爪部113aを外輪114の切欠き凹部114aに嵌合させて爪部113aの二股状先端部を加締めている。これにより、側板113を外輪114に固定して側板113と外輪114とを一体化している。
一方、レバー操作により外輪114に回転トルクが入力されると、外輪114の回転に伴ってセンタリングばね119に弾性力が蓄積される。この時、図9の破線で示すように、外輪114とブレーキ側クラッチ部112のカバー124との間に配置されたセンタリングばね119が拡径する。
レバー操作時にセンタリングばね119が拡径すると、側板113の爪部113aの二股状先端部がセンタリングばね119に近接しているため、そのセンタリングばね119が側板113の爪部113aと干渉するおそれがある(図9の破線参照)。
このように、センタリングばね119が側板113の爪部113aと干渉すると、レバー操作時の操作トルクが増加し、操作フィーリングの悪化を招くことになる。
このセンタリングばね119が側板113の爪部113aと干渉することを回避するためには、センタリングばね119が拡径するのに十分なスペースを確保すればよい。
しかしながら、このセンタリングばね119の拡径スペースを確保しようとすると、レバー側クラッチ部111の径方向寸法が大きくなり、クラッチユニット全体が大型化することになる。
そこで、本発明は前述の課題に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、センタリングばねと側板の爪部との干渉を回避し、操作フィーリングの向上を図り得るコンパクトなクラッチユニットを提供することにある。
本発明に係るクラッチユニットは、入力される回転トルクの伝達および遮断を制御する入力側クラッチ部と、その入力側クラッチ部からの回転トルクを出力側へ伝達すると共に、出力側から逆入力される回転トルクを遮断する出力側クラッチ部とからなる基本構成を具備する。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明の入力側クラッチ部および出力側クラッチ部の少なくとも一方は二部材の連結構造を具備し、一方の部材は径方向に延びる連結部を有し、その連結部を他方の部材に結合させることにより二部材を一体化したことを特徴とする。
本発明では、一方の部材の径方向に延びる連結部を他方の部材に結合させることにより、二部材の周囲に近接配置された他の構成部品が径方向に変位することで二部材と干渉することを回避できる。
本発明における二部材は側板および外輪からなり、一方の部材の連結部は、側板に形成された爪部であり、その爪部を、外輪に形成された切欠き凹部に嵌合させた構造が望ましい。
このような構造を採用すれば、外輪の切欠き凹部に嵌合された側板の爪部が径方向に延びているので、外輪に近接配置されたセンタリングばねが拡径しても、そのセンタリングばねが側板の爪部と干渉することを回避できる。
本発明において、一方の部材の連結部を他方の部材に結合させた部位は、加締め部あるいは溶接部のいずれか一方で構成されていることが望ましい。
このような構成を採用すれば、加締め部あるいは溶接部のいずれか一方により、一方の部材と他方の部材とを簡易に結合させることができ、二部材の一体化が容易となる。
本発明に係るクラッチユニットは、入力側クラッチ部および出力側クラッチ部が自動車用シートリフタ部に組み込まれた構造が望ましい。
このような構造を採用すれば、入力側クラッチ部をレバー側クラッチ部とし、出力側クラッチ部をブレーキ側クラッチ部とすることで、自動車用シートリフタ部において、レバー操作時における操作フィーリングの向上が図れる。
本発明によれば、一方の部材の径方向に延びる連結部を他方の部材に結合させることにより、二部材の周囲に近接配置された他の構成部品が径方向に変位することで二部材と干渉することを回避できる。
この二部材への干渉を回避することにより、クラッチユニットを自動車用シートリフタ部に組み込んだ場合、レバー操作時における操作トルクの増加を抑制でき、操作フィーリングの向上が図れる。
本発明に係るクラッチユニットの実施形態を図面に基づいて詳述する。
図1はこの実施形態のクラッチユニットの全体構成を示す断面図、図2は図1のP−P線に沿う断面図、図3は図1のQ−Q線に沿う断面図である。
以下の実施形態では、自動車用シートリフタ部に組み込まれたクラッチユニットを例示するが、自動車用シートリフタ部以外にも適用可能である。この実施形態の特徴的な構成を説明する前にクラッチユニットの全体構成を説明する。
この実施形態のクラッチユニット10は、図1に示すように、入力側クラッチ部としてのレバー側クラッチ部11と、出力側クラッチ部としてのブレーキ側クラッチ部12とをユニット化した構造を具備する。
レバー側クラッチ部11は、レバー操作により入力される回転トルクの伝達および遮断を制御する。ブレーキ側クラッチ部12は、レバー側クラッチ部11からの回転トルクを出力側へ伝達すると共に、出力側から逆入力される回転トルクを遮断する逆入力遮断機能を有する。
レバー側クラッチ部11は、図1および図2に示すように、側板13および外輪14と、内輪15と、複数の円筒ころ16と、保持器17と、内側センタリングばね18と、外側センタリングばね19とで主要部が構成されている。
側板13および外輪14は、レバー側クラッチ部11の構成部品として連結一体化された二部材であり、レバー操作により回転トルクが入力される。外輪14への回転トルクの入力は、側板13に取り付けられた操作レバー43(図4参照)により行われる。
内輪15は、出力軸22が挿通される筒状部15aと、筒状部15aのブレーキ側端部を径方向外側に延在させた拡径部15bと、拡径部15bの外周端部を軸方向に屈曲させることにより突出した複数の柱部15c(図3参照)とからなる。内輪15は、外輪14から入力される回転トルクをブレーキ側クラッチ部12に伝達する。
外輪14の内周には、複数のカム面14bが円周方向等間隔に形成されている。この外輪14の内周に形成されたカム面14bと、内輪15の筒状部15aの円筒状外周面15dとの間に楔すきま20が形成されている。
円筒ころ16は、外輪14のカム面14bと内輪15の筒状部15aの外周面15dとの間に形成された楔すきま20での係合および離脱により外輪14からの回転トルクの伝達および遮断を制御する。
保持器17は、円筒ころ16を収容する複数のポケット17aが円周方向等間隔に形成されている。この保持器17により、外輪14のカム面14bと内輪15の筒状部15aの外周面15dとの間の楔すきま20に円筒ころ16を円周方向等間隔に保持する。
内側センタリングばね18は、保持器17とブレーキ側クラッチ部12のカバー24との間に配設された断面円形のC字状弾性部材で、その両端部を保持器17およびカバー24の一部に係止させている。
内側センタリングばね18は、レバー操作により外輪14から入力される回転トルクの作用時、静止状態にあるカバー24に対して、外輪14に追従する保持器17の回転に伴って拡径して弾性力が蓄積される。外輪14からの回転トルクの入力がなくなると、内側センタリングばね18の弾性力により保持器17を中立状態に復帰させる。
内側センタリングばね18の径方向外側に位置する外側センタリングばね19は、外輪14とブレーキ側クラッチ部12のカバー24との間に配設されたC字状帯板弾性部材で、その両端部を外輪14およびカバー24の一部に係止させている。
外側センタリングばね19は、レバー操作により外輪14から入力される回転トルクの作用時、静止状態にあるカバー24に対して、外輪14の回転に伴って拡径して弾性力が蓄積される。外輪14からの回転トルクの入力がなくなると、外側センタリングばね19の弾性力により外輪14を中立状態に復帰させる。
ブレーキ側クラッチ部12は、図1および図3に示すように、レバー側クラッチ部11の内輪15と、出力軸22と、静止系としての外輪23、カバー24および側板25と、円筒ころ27および断面N字形の板ばね28と、摩擦リング29とで主要部が構成されている。
出力軸22は、内輪15の筒状部15aが外挿された軸部22aと、その軸部22aの略中央部位に一体的に形成された大径部22bと、軸部22aの出力側端部に同軸的に形成されたピニオンギヤ部22dとからなり、レバー側クラッチ部11からの回転トルクが出力される。
出力軸22のピニオンギヤ部22dは、シートリフタ部39(図4参照)と連結される。また、出力軸22の軸部22aの入力側端部にウェーブワッシャ30を介してワッシャ31を圧入することにより、レバー側クラッチ部11の構成部品を抜け止めしている。
出力軸22の大径部22bの外周には複数(例えば6つ)の平坦なカム面22eが円周方向等間隔に形成されている。大径部22bのカム面22eと外輪23の円筒状内周面23aとの間に楔すきま26が形成されている。
この楔すきま26に、二つの円筒ころ27とその間に介挿された一つの板ばね28とがそれぞれ配されている。円筒ころ27は、楔すきま26での係合および離脱により、出力軸22から逆入力される回転トルクの遮断と内輪15から入力される回転トルクの伝達とを制御する。板ばね28は、円筒ころ27同士に円周方向への離反力を付勢する。
円筒ころ27および板ばね28は、外輪14から入力される回転トルクを出力軸22に伝達する機能を持つ内輪15の柱部15cにより円周方向等間隔に配設されている。つまり、内輪15の柱部15cは、円筒ころ27および板ばね28をポケット15fに収容して円周方向等間隔に保持する機能を持つ。
出力軸22の大径部22bには、内輪15からの回転トルクを出力軸22に伝達するための突起22fが設けられている。突起22fは、内輪15の拡径部15bに形成された孔15eに円周方向のクリアランスをもって挿入配置されている。
外輪23、カバー24および側板25は、外輪23およびカバー24の外周縁部に形成された切欠き凹部(図示せず)に、側板25の外周縁部に形成された爪部(図示せず)を嵌合させて加締めることにより一体化されている。
摩擦リング29は、例えば樹脂製の部材であり、側板25に固着されている。この摩擦リング29は、出力軸22の大径部22bに形成された環状凹部22cの内周面22gに嵌め合い代をもって圧入されている。
摩擦リング29の外周面29aと出力軸22の環状凹部22cの内周面22gとの間に生じる摩擦力によって、レバー操作時、側板25に取り付けられた摩擦リング29に対して摺動する出力軸22に回転抵抗(摺動トルク)が付与される。
以上のような構造を具備するレバー側クラッチ部11およびブレーキ側クラッチ部12の動作例を以下に説明する。
レバー側クラッチ部11では、レバー操作により外輪14に回転トルクが入力されると、円筒ころ16が外輪14と内輪15間の楔すきま20に係合する。この楔すきま20での円筒ころ16の係合により、内輪15に回転トルクが伝達されて内輪15が回転する。この時、外輪14および保持器17の回転に伴って両センタリングばね18,19に弾性力が蓄積される。
レバー操作による回転トルクの入力がなくなると、両センタリングばね18,19の弾性力により保持器17および外輪14が中立状態に復帰する。一方で、内輪15は、与えられた回転位置をそのまま維持する。従って、操作レバー43のポンピング操作による外輪14の回転繰り返しで、内輪15は寸動回転する。
ブレーキ側クラッチ部12では、座席シート40(図4参照)への着座により出力軸22に回転トルクが逆入力されても、円筒ころ27が出力軸22と外輪23間の楔すきま26と係合して出力軸22が外輪23に対してロックされる。
このようにして、出力軸22から逆入力された回転トルクは、ブレーキ側クラッチ部12によってロックされてレバー側クラッチ部11へ逆入力される回転トルクの還流が遮断される。これにより、座席シート40の座面高さは保持される。
一方、レバー操作によりレバー側クラッチ部11からの回転トルクが内輪15に入力されると、内輪15の柱部15cが円筒ころ27と当接して板ばね28の弾性力に抗して円筒ころ27を押圧する。
これにより、円筒ころ27が楔すきま26から離脱する。この楔すきま26からの円筒ころ27の離脱により、出力軸22のロック状態が解除されて出力軸22は回転可能となる。この出力軸22のロック状態の解除時、摩擦リング29により出力軸22に回転抵抗が付与される。
内輪15がさらに回転すると、内輪15の拡径部15bの孔15eと出力軸22の大径部22bの突起22fとのクリアランスが詰まって内輪15の拡径部15bが出力軸22の突起22fに回転方向で当接する。
これにより、レバー側クラッチ部11からの回転トルクは、突起22fを介して出力軸22に伝達されて出力軸22が回転する。つまり、内輪15が寸動回転すると、出力軸22も寸動回転する。これにより、座席シート40の座面高さが調整可能となる。
以上で説明したクラッチユニット10は、レバー操作により座席シート40の座面高さを調整する自動車用シートリフタ部39に組み込まれて使用される。図4は自動車の乗員室に装備される座席シート40を示す。
図4に示すように、シートリフタ部39における座席シート40の座面高さは、クラッチユニット10におけるレバー側クラッチ部11の側板13(図1参照)に取り付けられた操作レバー43によって調整される。シートリフタ部39は、以下の構造を具備する。
スライド可動部材44にリンク部材45,46の一端がそれぞれ回動自在に枢着されている。リンク部材45,46の他端はそれぞれ座席シート40に回動自在に枢着されている。リンク部材45の他端にはセクターギヤ47が一体的に設けられている。セクターギヤ47はクラッチユニット10の出力軸22のピニオンギヤ部22dと噛合している。
例えば、座席シート40の座面を低くする場合、レバー側クラッチ部11でのレバー操作、つまり、シートリフタ部39の操作レバー43を下側へ揺動させることにより、ブレーキ側クラッチ部12(図1参照)のロック状態を解除する。
このブレーキ側クラッチ部12でのロック解除時、摩擦リング29(図1参照)により出力軸22に適正な回転抵抗(摺動トルク)を付与することで、座席シート40の座面をスムーズに低くすることができる。
ブレーキ側クラッチ部12でのロック解除により、レバー側クラッチ部11からブレーキ側クラッチ部12に伝達された回転トルクでもって、ブレーキ側クラッチ部12の出力軸22のピニオンギヤ部22dが時計方向(図4の矢印方向)に回動する。
そして、ピニオンギヤ部22dと噛合するセクターギヤ47が反時計方向(図4の矢印方向)に揺動し、リンク部材45とリンク部材46が共に傾倒して座席シート40の座面が低くなる。
このようにして、座席シート40の座面高さを調整した後、操作レバー43を開放すると、操作レバー43が両センタリングばね18,19の弾性力によって上側へ揺動して元の位置(中立状態)に戻る。
なお、操作レバー43を上側へ揺動させた場合は、前述とは逆の動作で座席シート40の座面が高くなる。座席シート40の座面高さを調整した後に操作レバー43を開放すると、操作レバー43が下側へ揺動して元の位置(中立状態)に戻る。
この実施形態におけるクラッチユニット10の全体構成は、前述のとおりであるが、その特徴的な構成であるレバー側クラッチ部11の側板13および外輪14(図1参照)について、以下に詳述する。
側板13および外輪14は、レバー側クラッチ部11の構成部品として連結一体化された二部材である。図5および図6(A)(B)に示すように、一方の部材である側板13の外周縁部に爪部13aを形成すると共に、他方の部材である外輪14の外周縁部に屈曲部14cを形成する。
側板13の爪部13aは、径方向外側に延びて二股状先端部を有し、外輪14と結合される連結部を構成する。外輪14の屈曲部14cは、軸方向入力側に折り曲げ成形されて切欠き凹部14aが形成されている。
側板13の爪部13aを外輪14の屈曲部14cの切欠き凹部14aに嵌合させ、その爪部13aの二股状先端部を周方向に拡開させるように加締めている。これにより、側板13を外輪14に固定して側板13と外輪14とを一体化している。爪部13aの二股状先端部と外輪14の切欠き凹部14aとの結合部位が加締め部を構成する。
このように、径方向外側に延びる側板13の爪部13aを、軸方向入力側に折り曲げ成形された外輪14の屈曲部14cの切欠き凹部14aに嵌合させて加締めることで、外輪14とカバー24との間に配された外側センタリングばね19の拡径を許容するスペースを確保することができる。
つまり、レバー操作により外輪14の回転に伴って外側センタリングばね19に弾性力が蓄積されると、外輪14とブレーキ側クラッチ部12のカバー24との間に配置された外側センタリングばね19が拡径する(図1の破線参照)。
この時、従来のクラッチユニット(図9参照)では、側板113の爪部113aの二股状先端部が外側センタリングばね119に近接している。これに対して、この実施形態のクラッチユニット10(図1参照)では、側板13の爪部13aの二股状先端部が外側センタリングばね19に近接していない。
そのため、レバー操作時に外側センタリングばね19が拡径しても、その外側センタリングばね19が側板13の爪部13aの二股状先端部と干渉することを回避できる。これにより、レバー側クラッチ部11の径方向寸法を大きくすることなく、外側センタリングばね19の拡径スペースを容易に確保することができる。
このようにして、外側センタリングばね19が側板13の爪部13aの二股状先端部と干渉することを回避できるので、レバー操作時の操作トルクが増加することを抑制でき、操作フィーリングの向上が図れる。
以上の実施形態では、側板13と外輪14とを一体化する手段として、側板13の爪部13aを外輪14の切欠き凹部14aに嵌合させて加締める構造を例示したが、加締め構造以外に、図7に示す構造であってもよい。なお、図7において、図1と同一部分には同一参照符号を付して重複説明は省略する。
図7に示す実施形態のクラッチユニット10は、側板13の外周縁部に爪部13bを形成し、その爪部13bを外輪14の外周縁部の端面14dに溶接により固定した構造を具備する(図8参照)。
爪部13bは、側板13の外周縁部を延設して軸方向外輪側に屈曲させ、さらに、径方向外側に向けて屈曲させた形状をなし、外輪14と結合される連結部を構成する。つまり、爪部13bの先端部は、径方向外側に延びる。
爪部13bの先端部を外輪14の外周縁部の端面14dに接合させ、その接合部を溶接することにより側板13を外輪14に固定して側板13と外輪14とを一体化している。爪部13bの先端部と外輪14の端面14dとの接合部位が溶接部を構成する。
この溶接構造においても、前述の加締め構造と同様、レバー操作時に外側センタリングばね19が拡径しても、その外側センタリングばね19が側板13の爪部13bの先端部と干渉することを回避できる。
これにより、レバー側クラッチ部11の径方向寸法を大きくすることなく、外側センタリングばね19の拡径スペースを容易に確保することができる。
このようにして、外側センタリングばね19が側板13の爪部13bの先端部と干渉することを回避できるので、レバー操作時の操作トルクが増加することを抑制でき、操作フィーリングの向上が図れる。
以上の実施形態では、レバー側クラッチ部11の側板13と外輪14との結合構造について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、ブレーキ側クラッチ部12の側板25、外輪23およびカバー24の結合構造においても採用することが可能である。
つまり、外輪23およびカバー24の切欠き凹部に側板25の爪部を嵌合させて加締める構造において、その側板25の爪部が外側センタリングばね19と干渉する場合には、側板25の爪部を径方向外側に向けて延在させ、その先端部を外輪23およびカバー24に加締めあるいは溶接すればよい。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
10 クラッチユニット
11 入力側クラッチ部(レバー側クラッチ部)
12 出力側クラッチ部(ブレーキ側クラッチ部)
13 一方の部材(側板)
13a 連結部(爪部)
14 他方の部材(外輪)
14a 切欠き凹部
39 シートリフタ部
11 入力側クラッチ部(レバー側クラッチ部)
12 出力側クラッチ部(ブレーキ側クラッチ部)
13 一方の部材(側板)
13a 連結部(爪部)
14 他方の部材(外輪)
14a 切欠き凹部
39 シートリフタ部
Claims (4)
- 入力される回転トルクの伝達および遮断を制御する入力側クラッチ部と、前記入力側クラッチ部からの回転トルクを出力側へ伝達すると共に、出力側から逆入力される回転トルクを遮断する出力側クラッチ部とからなり、
前記入力側クラッチ部および前記出力側クラッチ部の少なくとも一方は二部材の連結構造を具備し、一方の部材は径方向に延びる連結部を有し、前記連結部を他方の部材に結合させることにより前記二部材を一体化したことを特徴とするクラッチユニット。 - 前記二部材は側板および外輪からなり、一方の部材の連結部は、前記側板に形成された爪部であり、前記爪部を、前記外輪に形成された切欠き凹部に嵌合させた請求項1に記載のクラッチユニット。
- 前記一方の部材の連結部を他方の部材に結合させた部位は、加締め部あるいは溶接部のいずれか一方で構成されている請求項1又は2に記載のクラッチユニット。
- 前記入力側クラッチ部と前記出力側クラッチ部が自動車用シートリフタ部に組み込まれている請求項1〜3のいずれか一項に記載のクラッチユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017168457A JP2019044859A (ja) | 2017-09-01 | 2017-09-01 | クラッチユニット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017168457A JP2019044859A (ja) | 2017-09-01 | 2017-09-01 | クラッチユニット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019044859A true JP2019044859A (ja) | 2019-03-22 |
Family
ID=65815600
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017168457A Pending JP2019044859A (ja) | 2017-09-01 | 2017-09-01 | クラッチユニット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019044859A (ja) |
-
2017
- 2017-09-01 JP JP2017168457A patent/JP2019044859A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102043668B1 (ko) | 클러치 유닛 | |
WO2017159431A1 (ja) | クラッチユニット | |
JP6636366B2 (ja) | クラッチユニット | |
JP6789726B2 (ja) | クラッチユニット | |
WO2018042991A1 (ja) | クラッチユニット | |
JP2010019343A (ja) | クラッチユニット | |
JP6901267B2 (ja) | クラッチユニット | |
JP2019044859A (ja) | クラッチユニット | |
JP6901333B2 (ja) | クラッチユニット | |
JP6474871B1 (ja) | クラッチユニット | |
JP6826444B2 (ja) | クラッチユニット | |
WO2021193071A1 (ja) | クラッチユニット | |
WO2017150401A1 (ja) | クラッチユニット | |
WO2020255973A1 (ja) | クラッチユニット | |
JP6309222B2 (ja) | クラッチユニット | |
JP5479144B2 (ja) | クラッチユニット | |
JP7336907B2 (ja) | クラッチユニット | |
JP6873766B2 (ja) | クラッチユニット | |
JP7001394B2 (ja) | クラッチユニット | |
JP2020060277A (ja) | クラッチユニット | |
JP2019173912A (ja) | クラッチユニット | |
JP2019178749A (ja) | クラッチユニット | |
JP2020101258A (ja) | クラッチユニット | |
JP2012026503A (ja) | クラッチユニット | |
JP2012052625A (ja) | クラッチユニット |