JP7152869B2 - クラッチユニット - Google Patents

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本発明は、回転トルクが入力される入力側クラッチ部と、その入力側クラッチ部からの回転トルクを出力側へ伝達すると共に、出力側からの回転トルクを遮断する出力側クラッチ部とを備えたクラッチユニットに関する。
円筒ころやボール等の係合子を用いるクラッチユニットにおいては、入力部材と出力部材との間にクラッチ部が配設される。クラッチ部は、入力部材と出力部材との間で係合子を係合および離脱させることによって、回転トルクの伝達および遮断を制御する構成になっている。
本出願人は、レバー操作により座席シートを上下調整する自動車用シートリフタ部に組み込まれるクラッチユニットを先に提案している(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示されたクラッチユニットは、レバー操作により回転トルクが入力されるレバー側クラッチ部と、そのレバー側クラッチ部からの回転トルクを出力側へ伝達すると共に、出力側からの回転トルクを遮断するブレーキ側クラッチ部とを備えている。
レバー側クラッチ部は、レバー操作により回転トルクが入力される外輪と、外輪からの回転トルクをブレーキ側クラッチ部に伝達する内輪と、外輪と内輪間の楔すきまでの係合および離脱により外輪からの回転トルクの伝達および遮断を制御する円筒ころとで主要部が構成されている。
ブレーキ側クラッチ部は、レバー側クラッチ部からの回転トルクが入力される内輪と、その内輪からの回転トルクが出力される出力軸と、回転が拘束された側板および外輪と、出力軸と外輪間の楔すきまでの係合および離脱により出力軸からの回転トルクの遮断と内輪からの回転トルクの伝達とを制御する複数の円筒ころと、出力軸に回転抵抗を付与する摩擦リングとで主要部が構成されている。
レバー側クラッチ部では、レバー操作により外輪に回転トルクが入力されると、円筒ころが外輪と内輪間の楔すきまに係合する。この楔すきまでの円筒ころの係合により、内輪に回転トルクが伝達されて内輪が回転する。
ブレーキ側クラッチ部では、座席シートへの着座により出力軸に回転トルクが逆入力されると、円筒ころが出力軸と外輪間の楔すきまと係合して出力軸が外輪に対してロックされる。この出力軸のロックにより出力軸から逆入力される回転トルクは遮断される。これにより、座席シートの座面高さが保持される。
一方、レバー側クラッチ部から回転トルクがブレーキ側クラッチ部に入力されると、内輪が円筒ころを押圧することにより、その円筒ころが出力軸と外輪間の楔すきまから離脱する。この楔すきまからの円筒ころの離脱により、出力軸のロック状態が解除され、出力軸は回転可能となる。このロック状態の解除時、摩擦リングにより出力軸に回転抵抗が付与される。
そして、内輪がさらに回転すると、内輪からの回転トルクが出力軸に伝達され、その出力軸が回転する。この出力軸の回転により、座席シートの座面高さが調整可能となる。
特開2011-169402号公報
ところで、特許文献1で開示されたクラッチユニットのブレーキ側クラッチ部は、内輪、出力軸、側板、外輪、円筒ころおよび摩擦リングで主要部が構成されている。
これら主要な構成部品の寸法精度や位置関係でもって、ブレーキ側クラッチ部におけるブレーキ性能またはレバー操作における操作フィーリングに影響を及ぼす。
ここで、ブレーキ側クラッチ部は、側板に取り付けられた摩擦リングを出力軸に圧入することにより、出力軸を摩擦リングを介して側板に回転自在に取り付けた構造となっている。このような構造を採用することで、出力軸と側板との同軸度を確保することが容易である。
一方、ブレーキ側クラッチ部を構成する側板と外輪については、外輪の外周縁部に切欠き凹部を形成すると共に側板の外周縁部に爪部を形成し、外輪の切欠き凹部に側板の爪部を嵌合させて加締めることにより、その加締め部でもって外輪と側板とを一体化した構造となっている(特許文献1の図21参照)。
この構造において、側板と外輪とを一体化する加締め部は、製造上精度を上げることが困難である。そのため、側板と外輪の組み立てが容易なように、側板と外輪との間に一定量の遊びを設定している。
このように、一定量の遊びが存在すると、外輪の切欠き凹部に側板の爪部を嵌合させて加締める際、出力軸に対する外輪の芯ずれが発生する可能性があり、出力軸と外輪との同軸度を確保することが困難となる。
このような芯ずれが発生すると、出力軸と外輪との間に複数の円筒ころが配置されていることから、複数の円筒ころが全周に亘って均等に荷重を受けることが困難となる。その結果、ブレーキ側クラッチ部におけるブレーキ性能の低下や、レバー操作における操作フィーリングの悪化を招くことになる。
そこで、本発明は前述の課題に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、出力軸に対する外輪の芯ずれを回避して出力軸と外輪との同軸度を確保し、ブレーキ性能および操作フィーリングの向上を図り得るクラッチユニットを提供することにある。
本発明に係るクラッチユニットは、入力される回転トルクの伝達および遮断を制御する入力側クラッチ部と、その入力側クラッチ部からの回転トルクを出力側へ伝達すると共に、出力側から逆入力される回転トルクを遮断する出力側クラッチ部とからなる基本構成を具備する。
本発明の出力側クラッチ部は、回転が拘束された側板および外輪と、回転が出力される出力軸と、回転トルクの遮断および伝達を制御する複数の係合子と、側板に固着され、出力軸の円筒面と嵌合し、出力軸に回転抵抗を与える摩擦リングとを備え、側板に出力軸が回転自在に取り付けられ、出力軸と外輪との間に係合子が配置された構造をなす。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、側板の円筒面と外輪の円筒面を嵌合させることで、出力軸と外輪との間に、出力軸に対して外輪を芯出しするための位置規制部を設け、摩擦リングよりも外径側では、側板と出力軸との間に、円筒面同士の嵌合部を持たないことを特徴とする。
本発明では、出力軸と外輪との間に設けられた位置規制部でもって出力軸に対して外輪を芯出しする。これにより、出力軸が取り付けられた側板と外輪との間に一定量の遊びがある状態で側板を外輪に加締めるに際して、側板と外輪との芯ずれ、つまり、出力軸に対する外輪の芯ずれを回避することができる。
この位置規制部により出力軸に対して外輪を芯出しすることにより、出力軸と外輪との同軸度を確保することができる。その結果、出力軸と外輪との間に配置された複数の係合子が全周に亘って均等に荷重を受けることができる。
本発明における位置規制部は、側板および外輪の少なくとも一方に形成した段差部で構成されていることが望ましい。ここで、段差部は、側板あるいは外輪のいずれか一方のみに形成するか、あるいは側板および外輪の両方に形成すればよい。
このような構造を採用すれば、段差部という簡易な構造でもって位置規制部を実現することができる。
また、本発明における出力側クラッチ部は、入力側クラッチ部からの回転トルクが入力される内輪と、回転が拘束された側板及び外輪と、側板に回転自在に取り付けられて回転が出力される出力軸と、回転トルクの遮断および伝達を制御する複数の係合子と、外輪と共に回転が拘束され、内輪の外周面に嵌合されたカバーとを備え、出力軸と外輪との間に係合子が配置された構造を備える。このクラッチユニットにおいて、外輪の円筒面とカバーの円筒面を嵌合させることで、カバーと外輪との間に、内輪に対して外輪を芯出しするための位置規制部を設けた構造を採用してもよい
この構造では、外輪と内輪との間に設けられた位置規制部でもって外輪と内輪とを芯出しすることになる。これにより、側板と外輪およびカバーとの間に一定量の遊びがある状態で側板を外輪およびカバーに加締めるに際して、側板と外輪およびカバーとの芯ずれを回避し、カバーが内輪に接触して(片当たりして)操作フィーリングが悪化するのを防ぐことができる。
本発明における位置規制部は、外輪およびカバーの少なくとも一方に形成した段差部で構成されていることが望ましい。ここで、段差部は、外輪あるいはカバーのいずれか一方のみに形成するか、あるいは外輪およびカバーの両方に形成すればよい。
このような構造を採用すれば、段差部という簡易な構造でもって位置規制部を実現することができる。
本発明における入力側クラッチ部および出力側クラッチ部は、自動車用シートリフタ部に組み込まれた構造が望ましい。
このような構造を採用すれば、入力側クラッチ部をレバー側クラッチ部とし、出力側クラッチ部をブレーキ側クラッチ部とすることで、自動車用シートリフタ部において、ブレーキ側クラッチ部におけるブレーキ性能およびレバー操作における操作フィーリングの向上が図れる。
本発明によれば、出力軸が取り付けられた側板と外輪との間に一定量の遊びがある状態で側板を外輪に加締めるに際して、側板と外輪との芯ずれ、つまり、出力軸に対する外輪の芯ずれを回避することができる。
この出力軸に対する外輪の芯出しにより、出力軸と外輪との同軸度を確保することができる。その結果、出力軸と外輪との間に配置された複数の係合子が全周に亘って均等に荷重を受けることができる。
このクラッチユニットを自動車用シートリフタ部に組み込んだ場合、ブレーキ側クラッチ部におけるブレーキ性能およびレバー操作における操作フィーリングの向上が図れ、高性能で信頼性の高いクラッチユニットを実現することができる。
本発明の実施形態で、クラッチユニットの全体構成を示す断面図である。 図1のP-P線に沿う断面図である。 図1のQ-Q線に沿う断面図である。 図1の側板、外輪およびカバーを示す組立分解斜視図である。 図1の側板、摩擦リングおよび出力軸を示す組立分解斜視図である。 自動車の座席シートおよびシートリフタ部を示す構成図である。 図1の要部拡大断面図である。 本発明の他の実施形態で、クラッチユニットの全体構成を示す部分断面図である。 本発明の他の実施形態で、クラッチユニットの全体構成を示す部分断面図である。 本発明の他の実施形態で、クラッチユニットの全体構成を示す部分断面図である。
本発明に係るクラッチユニットの実施形態を図面に基づいて詳述する。以下の実施形態では、自動車用シートリフタ部に組み込まれたクラッチユニットを例示するが、自動車用シートリフタ部以外にも適用可能である。
図1はクラッチユニットの全体構成を示す断面図、図2は図1のP-P線に沿う断面図、図3は図1のQ-Q線に沿う断面図である。この実施形態の特徴的な構成を説明する前にクラッチユニットの全体構成を説明する。
この実施形態のクラッチユニット10は、図1に示すように、入力側クラッチ部としてのレバー側クラッチ部11と、出力側クラッチ部としてのブレーキ側クラッチ部12とをユニット化した構造である。
レバー側クラッチ部11は、レバー操作により入力される回転トルクの伝達および遮断を制御する。ブレーキ側クラッチ部12は、レバー側クラッチ部11からの回転トルクを出力側へ伝達すると共に、出力側から逆入力される回転トルクを遮断する逆入力遮断機能を有する。
レバー側クラッチ部11は、図1および図2に示すように、側板13と、外輪14と、内輪15と、複数の円筒ころ16と、保持器17と、内側センタリングばね18と、外側センタリングばね19とで主要部が構成されている。
側板13および外輪14は、側板13の外周縁部からブレーキ側クラッチ部12に向けて延びる爪部13aを、外輪14の外周縁部に形成された切欠き凹部14aに嵌合させて加締めることにより一体化されている。側板13および外輪14への回転トルクの入力は、側板13に取り付けた操作レバー43(図6参照)により行われる。
内輪15は、出力軸22が挿通される筒状部15aと、筒状部15aのブレーキ側端部を径方向外側に延在させた拡径部15bと、拡径部15bの外周端部をブレーキ側に屈曲させることにより突出した複数の柱部15c(図3参照)とからなる。内輪15は、外輪14から入力される回転トルクをブレーキ側クラッチ部12に伝達する。
外輪14の内周には、複数のカム面14bが円周方向等間隔に形成されている。カム面14bと、内輪15の筒状部15aの円筒状外周面15dとの間には、楔すきま20が形成されている。
円筒ころ16は、外輪14と内輪15との間に配置される。円筒ころ16は、外輪14のカム面14bと内輪15の外周面15dとの間に形成された楔すきま20での係合および離脱により外輪14からの回転トルクの伝達および遮断を制御する。
保持器17は、円筒ころ16を収容するポケット17aが円周方向複数箇所に等間隔で形成されている。この保持器17により、外輪14のカム面14bと内輪15の外周面15dとの間の楔すきま20に、複数の円筒ころ16が、円周方向等間隔に保持されている。
内側センタリングばね18は、保持器17とブレーキ側クラッチ部12のカバー24との間に配設された断面円形のC字状弾性部材であり、その両端部を保持器17およびカバー24の一部に係止させている。
内側センタリングばね18は、レバー操作により外輪14から回転トルクが入力されると、静止状態にあるカバー24に対して、外輪14に追従する保持器17の回転に伴って拡径して弾性力が蓄積される。外輪14からの回転トルクの入力がなくなると、内側センタリングばね18の弾性力により保持器17が中立状態に復帰する。
内側センタリングばね18の径方向外側に位置する外側センタリングばね19は、外輪14とブレーキ側クラッチ部12のカバー24との間に配設されたC字状帯板弾性部材であり、その両端部を外輪14およびカバー24の一部に係止させている。
外側センタリングばね19は、レバー操作により外輪14から回転トルクが入力されると、静止状態にあるカバー24に対して、外輪14の回転に伴って拡径して弾性力が蓄積される。外輪14からの回転トルクの入力がなくなると、外側センタリングばね19の弾性力により外輪14が中立状態に復帰する。
ブレーキ側クラッチ部12は、図1および図3に示すように、レバー側クラッチ部11から延びる内輪15の柱部15cと、出力軸22と、静止系としての外輪23、カバー24および側板25と、係合子である複数対の円筒ころ27および断面N字形の板ばね28と、摩擦リング29とで主要部が構成されている。
出力軸22は、内輪15の筒状部15aが外挿された軸部22aと、その軸部22aの略中央部位に一体的に形成された大径部22bと、軸部22aの出力側端部に同軸的に形成されたピニオンギヤ部22dとからなる。この出力軸22には、レバー側クラッチ部11からの回転トルクが出力される。
出力軸22のピニオンギヤ部22dは、シートリフタ部39(図6参照)と連結される。また、出力軸22の軸部22aの入力側端部にウェーブワッシャ30を介してワッシャ31を圧入することにより、レバー側クラッチ部11の構成部品を抜け止めしている。
出力軸22の大径部22bの外周には、複数(図では6つ)の平坦なカム面22eが円周方向等間隔に形成されている。大径部22bのカム面22eと外輪23の円筒状内周面23aとの間には、楔すきま26が形成されている。
この楔すきま26に、二つの円筒ころ27とその間に介挿された一つの板ばね28とが配されている。円筒ころ27は、楔すきま26での係合および離脱により、出力軸22から逆入力される回転トルクの遮断と内輪15から入力される回転トルクの伝達とを制御する。板ばね28は、円筒ころ27同士に円周方向への離反力を付勢する。
複数対(図では6対)の円筒ころ27および板ばね28は、内輪15の柱部15cにより円周方向等間隔に配設されている。内輪15の柱部15cは、外輪14から入力される回転トルクを出力軸22に伝達する機能と、円筒ころ27および板ばね28をポケット15fに収容して円周方向等間隔に保持する機能とを持つ。
また、大径部22bには、内輪15からの回転トルクを出力軸22に伝達するための突起22fが設けられている。突起22fは、内輪15の拡径部15bに形成された孔15eに円周方向のクリアランスをもって挿入配置されている。
外輪23およびカバー24の外周縁部に切欠き凹部23b,24aを形成すると共に、側板25の外周縁部に爪部25aを形成する(図4参照)。外輪23、カバー24および側板25は、外輪23およびカバー24の切欠き凹部23b,24aに側板25の爪部25aを嵌合させて加締めることにより一体化されている。
摩擦リング29は、例えば樹脂製の部材であり、複数(図では8個)の突起29bを側板25の孔25bに嵌入することにより、側板25に固着されている(図5参照)。この摩擦リング29は、出力軸22の大径部22bに形成された環状凹部22cの内周面22gに嵌め合い代をもって圧入されている。
摩擦リング29の外周面29aと出力軸22の環状凹部22cの内周面22gとの間に生じる摩擦力によって、レバー操作時、静止状態の側板25に固着された摩擦リング29に対して摺動する出力軸22に回転抵抗(摺動トルク)が付与される。
以上のような構造を具備するレバー側クラッチ部11およびブレーキ側クラッチ部12の動作例を以下に説明する。
レバー側クラッチ部11では、レバー操作により外輪14に回転トルクが入力されると、円筒ころ16が外輪14と内輪15間の楔すきま20に係合する。この楔すきま20での円筒ころ16の係合により、内輪15に回転トルクが伝達されて内輪15が回転する。このとき、外輪14および保持器17の回転に伴って両センタリングばね18,19に弾性力が蓄積される。
レバー操作による回転トルクの入力がなくなると、両センタリングばね18,19の弾性力により保持器17および外輪14が中立状態に復帰する。一方で、内輪15は、与えられた回転位置をそのまま維持する。従って、操作レバー43(図6参照)のポンピング操作による外輪14の回転繰り返しで、内輪15は寸動回転する。
ブレーキ側クラッチ部12では、座席シート40(図6参照)への着座により出力軸22に回転トルクが逆入力されても、円筒ころ27が出力軸22と外輪23間の楔すきま26と係合して出力軸22が外輪23に対してロックされる。
このようにして、出力軸22から逆入力された回転トルクは、ブレーキ側クラッチ部12によってロックされてレバー側クラッチ部11へ逆入力される回転トルクの還流が遮断される。これにより、座席シート40の座面高さは保持される。
一方、レバー操作によりレバー側クラッチ部11からの回転トルクが内輪15に入力されると、内輪15の柱部15cが円筒ころ27と当接して板ばね28の弾性力に抗して円筒ころ27を押圧する。
これにより、円筒ころ27が楔すきま26から離脱する。この楔すきま26からの円筒ころ27の離脱により、出力軸22のロック状態が解除されて出力軸22は回転可能となる。この出力軸22のロック状態の解除時、摩擦リング29により出力軸22に回転抵抗が付与される。
そして、内輪15がさらに回転すると、内輪15の拡径部15bの孔15eと出力軸22の大径部22bの突起22fとのクリアランスが詰まって内輪15の拡径部15bが出力軸22の突起22fに回転方向で当接する。
これにより、レバー側クラッチ部11からの回転トルクは、突起22fを介して出力軸22に伝達されて出力軸22が回転する。つまり、内輪15が寸動回転すると、出力軸22も寸動回転する。これにより、座席シート40の座面高さが調整可能となる。
以上で説明したクラッチユニット10は、レバー操作により座席シート40の座面高さを調整する自動車用シートリフタ部39に組み込まれて使用される。図6は自動車の乗員室に装備される座席シート40を示す。
図6に示すように、シートリフタ部39における座席シート40の座面高さは、クラッチユニット10におけるレバー側クラッチ部11の側板13(図1参照)に取り付けられた操作レバー43によって調整される。シートリフタ部39は、以下の構造を具備する。
スライド可動部材44にリンク部材45,46の一端が回動自在に枢着されている。リンク部材45,46の他端は座席シート40に回動自在に枢着されている。リンク部材45の他端にはセクターギヤ47が一体的に設けられている。セクターギヤ47はクラッチユニット10の出力軸22のピニオンギヤ部22dに噛合している。
例えば、座席シート40の座面を低くする場合、レバー側クラッチ部11でのレバー操作、つまり、シートリフタ部39の操作レバー43を下側へ揺動させることにより、ブレーキ側クラッチ部12(図1参照)のロック状態を解除する。
このブレーキ側クラッチ部12でのロック解除時、摩擦リング29(図1参照)により出力軸22に適正な回転抵抗(摺動トルク)を付与することで、座席シート40の座面をスムーズに低くすることができる。
ブレーキ側クラッチ部12でのロック解除により、レバー側クラッチ部11からブレーキ側クラッチ部12に伝達された回転トルクでもって、ブレーキ側クラッチ部12の出力軸22のピニオンギヤ部22dが時計方向(図6の矢印方向)に回動する。
そして、ピニオンギヤ部22dと噛合するセクターギヤ47が反時計方向(図6の矢印方向)に揺動し、リンク部材45とリンク部材46が共に傾倒して座席シート40の座面が低くなる。
このようにして、座席シート40の座面高さを調整した後、操作レバー43を開放すると、操作レバー43が両センタリングばね18,19の弾性力によって上側へ揺動して元の位置(中立状態)に戻る。
なお、操作レバー43を上側へ揺動させた場合は、前述とは逆の動作で座席シート40の座面が高くなる。座席シート40の座面高さを調整した後に操作レバー43を開放すると、操作レバー43が下側へ揺動して元の位置(中立状態)に戻る。
この実施形態におけるクラッチユニット10の全体構成は、前述のとおりであるが、その特徴的な構成であるブレーキ側クラッチ部12の側板25、外輪23およびカバー24について、以下に詳述する。
この実施形態におけるクラッチユニット10のブレーキ側クラッチ部12は、側板25、外輪23およびカバー24を静止系として一体化した構造を具備する。
ここで、出力軸22は摩擦リング29を介して側板25に回転自在に取り付けられている(図5参照)。摩擦リング29は、側板25側に突出する突起29bを側板25の孔25bに嵌入することにより側板25に固着され、出力軸22の環状凹部22cに嵌め合い代をもって圧入されている。これにより、出力軸22と側板25との同軸度を容易に確保している。
一方、ブレーキ側クラッチ部12を構成する側板24、外輪23およびカバー24については、外輪23およびカバー24の外周縁部に切欠き凹部23b,24aを形成すると共に、側板25の外周縁部に爪部25aを形成している。
この構造において、外輪23、カバー24および側板25は、外輪23およびカバー24の切欠き凹部23b,24aに側板25の爪部25aを嵌合させて加締めることにより一体化されている(図4参照)。
側板25、外輪23およびカバー24を一体化する加締め部は、製造上精度を上げることが困難である。そのため、側板25、外輪23およびカバー24の組み立てが容易なように、側板25と外輪23およびカバー24との間に一定量の遊びを設定している。
このように、一定量の遊びが存在すると、外輪23およびカバー24の切欠き凹部23b,24aに側板25の爪部25aを嵌合させて加締める際、出力軸22に対する外輪23の芯ずれが発生する可能性がある。
この出力軸22に対する外輪23の芯ずれを回避するため、この実施形態におけるクラッチユニット10のブレーキ側クラッチ部12は、出力軸22と外輪23との間に、出力軸22に対して外輪23を芯出しするための位置規制部を設けた構造を具備する。
この位置規制部の具体的構造は、図7に示すように、側板25の外周縁部で外輪23と対向する面に形成された段差部25cで構成されている。このような段差部25cという簡易な構造でもって位置規制部を実現している。
この実施形態では、側板25に段差部25cを設けているが、外輪23に段差部を設けてもよい。また、側板25と外輪23の両方に段差部を設けてもよい。なお、段差部を設ける径方向位置は任意である。
このように、側板25の段差部25cに外輪23を係合させることにより、出力軸22が摩擦リング29を介して取り付けられた側板25と外輪23との間に一定量の遊びがある状態で側板25を外輪23に加締めるに際して、側板25と外輪23との芯ずれ、つまり、出力軸22に対する外輪23の芯ずれを回避することができる。
この側板25の段差部25cを介して出力軸22に対して外輪23を芯出しすることにより、側板25に取り付けられた出力軸22と、側板25に一体化された外輪23との同軸度を確保することができる。その結果、出力軸22と外輪23との間に配置された複数の円筒ころ27が全周に亘って均等に荷重を受けることができる。
つまり、ブレーキ側クラッチ部12において、出力軸22から逆入力された回転トルクにより、出力軸22と外輪23間の楔すきま26に係合する複数の円筒ころ27が全周に亘って均等に荷重を受けることができるので、ブレーキ側クラッチ部12におけるブレーキ性能の向上が図れる。
また、レバー側クラッチ部11から内輪15に入力される回転トルクにより、内輪15の柱部15cが当接して板ばね28の弾性力に抗して押圧される円筒ころ27が全周に亘って均等に荷重を受けることができるので、レバー操作における操作フィーリングの向上が図れる。
以上の実施形態では、位置規制部として、側板25の段差部25cを外輪23に係合させることで、側板25と外輪23との芯出し、つまり、出力軸22に対して外輪23の芯出しする構造を例示したが、これ以外に、図8に示す位置規制部であってもよい。
この位置規制部は、図8に示すように、出力軸22と外輪23との間に介挿したワッシャ32で構成されている。このようなワッシャ32という簡易な構造でもって位置規制部を実現している。なお、図8において、図7と同一部分には同一参照符号を付して重複説明は省略する。
このように、出力軸22と外輪23との間にワッシャ32を介在させたことにより、側板25と外輪23との間に一定量の遊びがある状態で側板25を外輪23に加締めるに際して、出力軸22に対する外輪23の芯ずれを回避することができる。
このワッシャ32でもって出力軸22に対して外輪23を直接的に芯出しすることにより、出力軸22と外輪23との間に配置された複数の円筒ころ27が全周に亘って均等に荷重を受けることができる。その結果、ブレーキ側クラッチ部12におけるブレーキ性能およびレバー操作における操作フィーリングの向上が図れる。
以上の実施形態では、位置規制部として、側板25と外輪23とを芯出しする構造を例示したが、他の位置規制部として、カバー24を介して内輪15と外輪23とを芯出しする構造も有効である。図9および図10に示す実施形態は、内輪15と外輪23との間に、内輪15に対して外輪23を芯出しするための位置規制部を設けた構造を例示する。
この位置規制部の具体的な構造は、図9に示すように、カバー24の外周縁部で外輪23と対向する面に形成された段差部24bで構成されている。このような段差部24bという簡易な構造でもって位置規制部を実現している。なお、図9において、図7と同一部分には同一参照符号を付して重複説明は省略する。
このように、カバー24の段差部24bに外輪23を係合させることにより、出力軸22が摩擦リング29を介して取り付けられた側板25と外輪23およびカバー24との間に一定量の遊びがある状態で側板25を外輪23およびカバー24に加締めるに際して、外輪23とカバー24との芯ずれを回避することができる。
このように、カバー24の段差部24bでもって外輪23とカバー24とを芯出しすることにより、カバー24に対して摺動する内輪15の拡径部15bが片当たりすることがないので、内輪15の柱部15cが円筒ころ27を適正に保持することができる。
このことから、出力軸22と外輪23との間に配置された複数の円筒ころ27が全周に亘って均等に荷重を受けることができる。その結果、ブレーキ側クラッチ部12におけるブレーキ性能およびレバー操作における操作フィーリングの向上が図れる。
この実施形態では、カバー24の外周縁部に折り曲げ成形により段差部24bを形成し、外輪23の外周縁部を抱え込む構造としているが、外輪23の内周縁部に係止するような位置(図7参照)に段差部を設けてもよい。
また、この実施形態では、カバー24に段差部24bを設けているが、外輪23に段差部を設けてもよい。さらに、図10に示すように、カバー24と外輪23の両方に段差部24c,23cを設けてもよい。なお、段差部を設ける径方向位置は任意である。なお、図10において、図7と同一部分には同一参照符号を付して重複説明は省略する。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
10 クラッチユニット
11 入力側クラッチ部(レバー側クラッチ部)
12 出力側クラッチ部(ブレーキ側クラッチ部)
22 出力軸
23 外輪
24 カバー
25 側板
27 係合子(円筒ころ)
23c,24b,24c,25c 位置規制部(段差部)
32 位置規制部(ワッシャ)
39 シートリフタ部

Claims (5)

  1. 入力される回転トルクの伝達および遮断を制御する入力側クラッチ部と、前記入力側クラッチ部からの回転トルクを出力側へ伝達すると共に、出力側から逆入力される回転トルクを遮断する出力側クラッチ部とからなり、
    前記出力側クラッチ部は、回転が拘束された側板および外輪と、回転が出力される出力軸と、回転トルクの遮断および伝達を制御する複数の係合子と、前記側板に固着され、前記出力軸の円筒面と嵌合し、前記出力軸に回転抵抗を与える摩擦リングとを備え、前記側板に前記出力軸が回転自在に取り付けられ、前記出力軸と前記外輪との間に前記係合子が配置されたクラッチユニットであって、
    前記側板の円筒面と前記外輪の円筒面を嵌合させることで、前記出力軸と前記外輪との間に、出力軸に対して外輪を芯出しするための位置規制部を設け、
    前記摩擦リングよりも外径側では、前記側板と前記出力軸との間に、円筒面同士の嵌合部を持たないことを特徴とするクラッチユニット。
  2. 前記位置規制部は、前記側板および前記外輪の少なくとも一方に形成した段差部で構成されている請求項1に記載のクラッチユニット。
  3. 入力される回転トルクの伝達および遮断を制御する入力側クラッチ部と、前記入力側クラッチ部からの回転トルクを出力側へ伝達すると共に、出力側から逆入力される回転トルクを遮断する出力側クラッチ部とからなり、
    前記出力側クラッチ部は、前記入力側クラッチ部からの回転トルクが入力される内輪と、回転が拘束された側板及び外輪と、前記側板に回転自在に取り付けられて回転が出力される出力軸と、回転トルクの遮断および伝達を制御する複数の係合子と、前記外輪と共に回転が拘束され、前記内輪の外周面に嵌合されたカバーとを備え、前記出力軸と前記外輪との間に前記係合子が配置されたクラッチユニットであって、
    前記外輪の円筒面と前記カバーの円筒面を嵌合させることで、前記カバーと前記外輪との間に、内輪に対して外輪を芯出しするための位置規制部を設けたことを特徴とするクラッチユニット。
  4. 前記位置規制部は、前記外輪および前記カバーの少なくとも一方に形成した段差部で構成されている請求項3に記載のクラッチユニット。
  5. 前記入力側クラッチ部と前記出力側クラッチ部が自動車用シートリフタ部に組み込まれている請求項1又は3に記載のクラッチユニット。
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