以下、本発明の電気炊飯器について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することとする。さらに、明細書全文に表わされている構成要素の形態は、あくまでも例示である。本発明は、以下説明する実施の形態の記載に何ら限定されるものではない。
実施の形態1.
以下図1〜図12に示される実施の形態1について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る電気炊飯器100の斜視図である。図2は、図1の電気炊飯器100の内部構成図である。
図1の実線で示す両矢印に関して、R方向及びL方向は、それぞれ電気炊飯器100の右方向及び左方向を示すものとする。また、図1の破線で示す両矢印に関して、BK方向及びFR方向は、それぞれ電気炊飯器100の後ろの方向及び前方の方向を示すものとする。
図1に示されるように、電気炊飯器100は、炊飯ユニット1と、誘導加熱ユニット10と、を備えている。炊飯ユニット1は、誘導加熱ユニット10の上面を構成するトッププレート22の上に載置されているだけであり、ネジ等の連結手段で固定していないので、持ち上げれば誘導加熱ユニット10の上面から簡単に離すことができる。誘導加熱ユニット10は、炊飯ユニット1を載置する部材であり、例えば、電気炊飯器100の側面視において略L字形状に構成されている。
図1及び図2に示されるように、炊飯ユニット1は、角型(立方体)形状の本体1Aと、この本体1Aにヒンジ部(図示せず)で連結された蓋体1Bと、を備えている。
本体1Aは、脚部2と、内釜3と、内側胴部25と、内釜温度検出部5Aと、給電部6と、受電コイル7と、内釜側面加熱部9Bと、第二表示部11Bと、本体側入力操作部18と、永久磁石30と、制御装置50と、を備えている。
蓋体1Bは、蓋開閉ボタン8と、蓋体加熱部9Aと、第一表示部11Aと、第二入力操作部12と、内蓋23と、を備えている。
誘導加熱ユニット10は、本体ケース10Aと、冷却ファン13と、誘導加熱コイル14と、送電コイル17と、防磁板19と、第一入力操作部20と、表示部70D(後述する図7参照)と、トッププレート22と、主制御装置80と、を備えている。さらに、誘導加熱ユニット10は、被加熱物温度検出部5Bと、外気温度検出部15と、無線通信部26と、支持基板32と、載置検知センサー31と、基準位置判定部33(図7、図8参照)と、電源プラグ101と、を備えている。
炊飯ユニット1の外郭を形成する本体1Aは、プラスチック材料から形成されており、同様に、誘導加熱ユニット10の外郭を形成する本体ケース10Aも、プラスチック材料から形成されている。
炊飯ユニット1の本体1Aは、内釜3を収容する部材であり、この本体1Aには、蓋体1B及びU字形状のハンドル(図示せず)が取り付けられている。そのハンドルは、本体1Aの左右側面に両方の端部が回動自在に固定され、炊飯ユニット1全体を持ち上げる際に使用される。
蓋体1Bは、本体1Aの上面全体を覆うように開閉自在に設けられている。この蓋体1Bは、平面視で正方形又は長方形の部材であり、平面視で本体1Aとほとんど同じ大きさの正方形又は長方形を有している。
内釜3は、上部に開口部を有する略有底筒状の部材である。磁性金属又は炭素等の材料で形成されており、この内釜3には、例えば米等の被調理物が投入される。内釜温度検出部5Aは、内釜3の温度を検出する温度検出手段であり、例えばサーミスタで構成されている。被加熱物温度検出部5Bは、誘導加熱ユニット10の内部に設置され、例えば内釜3から放射される赤外線を受信して温度を計測する赤外線温度センサーで構成されている。なお、炊飯ユニット1を誘導加熱ユニット10の上に載置して使用する場合には、内釜3が誘導加熱コイル14によって加熱される被加熱物となる。
給電部6は、例えば内釜3よりも炊飯ユニット1の後方(背面)側に設けられている蓄電手段である。給電部6は、例えば、鉛蓄電池、ニッケル水素蓄電池、リチウムイオン蓄電池等の二次電池95(後述する図8参照)で構成されている。なお、給電部6は、二次電池95で構成されることに限定されるものではなく、乾電池等の一次電池で構成されていてもよい。このように、給電部6が一次電池で構成されている場合には、給電部6を頻繁に取り替える可能性を考慮して、給電部6を容易に取り替えられるような位置に設けることが望ましい。
受電コイル7は、例えば、炊飯ユニット1の内部に設けられているコイルであり、送電コイル17から受電コイル7へ送られる電力に基づいて給電部6に給電するように機能する。なお、非接触で給電部6に給電する方式としては、電磁誘導方式、磁界共鳴方式、電界結合方式等があるが、本実施の形態1においては、電磁誘導方式である例について説明する。
蓋開閉ボタン8は、炊飯ユニット1の前面側から後方側に向かう力が加えられることで、蓋体1Bが本体1Aから開放されるように構成されており、例えば、本体1Aの前面に設けられている。例えば、図1に示される状態で、蓋開閉ボタン8に対して、炊飯ユニット1の前方側から後方側に向かう力が加えられることで、蓋体1Bは、本体1Aとのロック機構(図示せず)が外れ、蓋体1Bの後方に内蔵されているバネ機構(図示せず)の力で開放する。
蓋体加熱部9Aは、内釜3の上方に設けられる加熱手段である。この加熱手段9Aは、例えば、蓋体1Bの内部に設けられた電熱線(ヒータ)から構成されている。
内釜側面加熱部9Bは、内釜3の側方に設けられる加熱手段である。この加熱手段9Bは、例えば、本体1Aの内部に設けられた電熱線(ヒータ)から構成されている。
炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の上に正しく載置された状態においては、蓋体加熱部9A及び内釜側面加熱部9Bは、誘導加熱ユニット10から供給される外部電源の電力によって駆動される。炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の上に載置されていない状態においては、蓋体加熱部9A及び内釜側面加熱部9Bは、例えば、給電部6の電力によって駆動される。
第二入力操作部12は、蓋体1Bの上面前方部に配置されており、炊飯量、米の銘柄、炊飯の硬さ、予約炊飯する場合の炊飯完了時刻又は時間帯等の各種炊飯条件の操作入力を受け付ける操作手段である。また、第二入力操作部12は、複数の押圧式の入力スイッチで構成されている。詳しくは、図6で説明する。なお、押圧式の入力スイッチに代えてタッチ式の入力スイッチで第二入力操作部12を構成してもよいし、押圧式の入力スイッチと併用してタッチ式の入力スイッチを設けてもよい。
本体側入力操作部18は、本体1Aの前面に配置されており、重量の計測開始、重量の計測結果キャンセル等の操作入力を受け付ける操作手段である。また、本体側入力操作部18は、押圧式の入力スイッチで構成されている。なお、押圧式の入力スイッチに代えてタッチ式の入力スイッチで本体側入力操作部18を構成してもよいし、押圧式の入力スイッチと併用してタッチ式の入力スイッチを設けてもよい。
第一表示部11Aは、第二入力操作部12とほぼ同じ位置に配置されており、第二入力操作部12の入力結果、及び、電気炊飯器100の各種情報を、文字、数字、図形等で表示するものである。また、第二表示部11Bは、本体側入力操作部18とほぼ同じ位置に配置されており、本体側入力操作部18の入力結果、及び、電気炊飯器100の各種情報を、文字、数字、図形等で表示するものである。
第一表示部11A及び第二表示部11Bは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)等で構成されている。
第一表示部11Aは、例えば、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の上から取り外された場合において、保温可能な時間を表示する。また、第一表示部11Aは、例えば、給電部6の蓄電状態を表示する。また、第一表示部11Aは、例えば、現在の蓄電状態を1%〜100%の範囲内で表示する。さらに第一表示部11Aは、給電部6の充電が完了するまでに要する時間を表示する。
第二表示部11Bは、例えば、炊飯する米の重量、及び、最適な水量等の情報を、文字又は数字等で表示する。
冷却ファン13は、誘導加熱ユニット10において、半導体集積回路又は電子回路等で構成された主制御装置80において発生した熱を、空気中に逃がすための送風手段である。また、冷却ファン13は、誘導加熱コイル14を冷却する。冷却ファン13が回転すると、冷却ファン13から誘導加熱コイル14側及び主制御装置80側に向かう、二つの方向の空気流れが生成される。その空気流れの一つは、図2に太い矢印F1で示した冷却風であり、他の空気流れは、図2に太い矢印F2で示した冷却風である。
誘導加熱コイル14は、発生する磁力線によって被加熱物である内釜3自体を電磁誘導加熱し、その内釜3の内部に収容される米及び水等の被調理物を加熱するものである。誘導加熱コイル14は、例えば、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の上に載置された状態で、その内釜3の下方に位置するように設けられている。誘導加熱コイル14は、数十本の細い銅線等が束に纏められ(「リッツ線」ともいう)、この銅線等を平坦なドーナツ状に巻いて形成している。
送電コイル17は、誘導加熱ユニット10から炊飯ユニット1へ電力を供給するものである。炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10のトッププレート22に載置されている状態で、送電コイル17と受電コイル7とは、トッププレート22及び炊飯ユニット1の後述する底板39を介して対向するように配置される。
前記送電コイル17は、誘導加熱コイル14よりも冷却ファン13の空気流れF2の上流側に位置している。すなわち、送電コイル17は、誘導加熱コイル14よりも誘導加熱ユニット10の後方側に位置し、冷却ファン13よりも前方側に位置している。このように送電コイル17を設けることで、誘導加熱コイル14を冷却して温度上昇した空気が送電コイル17に供給されることを抑制できる。
防磁板19は、誘導加熱コイル14から発せられる電磁波が送電コイル17に達しないように遮蔽する部材である。防磁板19は、例えば、誘導加熱コイル14の周囲を取り囲むように、一定の高さ(トッププレート22の下面から少なくとも1mm以上)を有しており、平面視で環状に設けられている。
防磁板19は、誘導加熱ユニット10の上部にあるトッププレート22の下面から下方に延びている。なお、防磁板19は、誘導加熱コイル14よりも本体ケース10Aの径方向外側において環状に設けられている例に限定されるものではなく、少なくとも誘導加熱コイル14と送電コイル17との間に位置するように設けられていればよい。また、防磁板19の一部には、前記冷却ファン13の空気流れF2が通過する通気窓(図示せず)や、切欠き部(図示せず)を設けてある。そのような通気窓や切欠き部を通過して、冷却ファン13からの空気流れ(冷却風)F2が、誘導加熱コイル14の真下の位置を通過する。
外気温度検出部15は、電気炊飯器100が置かれている空間(例えば、キッチン)の温度を検出するためのものであり、誘導加熱ユニット10の後部に垂直に立ち上がっている後部垂直部16の上部に設置されている。この外気温度検出部15の検出温度は、内釜温度検出部5A及び被加熱物温度検出部5Bの検出温度とともに、後述する保温可能時間の算出に使用される。
なお、本実施の形態1では、外気温度検出部15は、誘導加熱ユニット10に備えられているが、それに限定されず、炊飯ユニット1に備えられていてもよい。
脚部2は、炊飯ユニット1の底面の4つの隅部にそれぞれ設けられている。これら脚部2の内部には、重量センサー4がそれぞれ配置されており、炊飯ユニット1の重量をグラム単位で計測できるようになっている。なお、重量センサー4については、後で詳しく説明する。
第一入力操作部20は、誘導加熱ユニット10の上面前方部に、横長帯状に配置されている。この第一入力操作部20は、炊飯ユニット1とは無関係に、誘導加熱ユニット10単独で誘導加熱調理を行えるように、使用者が、火力、調理メニュー(湯沸し及び煮物等)、調理時間等の、誘導加熱コイル14による加熱条件を入力できるようになっている。また、第一入力操作部20では、複数の押圧式の入力スイッチで構成されている。なお、押圧式の入力スイッチに代えてタッチ式の入力スイッチで第一入力操作部20を構成してもよいし、押圧式の入力スイッチと併用してタッチ式の入力スイッチを設けてもよい。
また、第一入力操作部20は、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の上の基準位置に載置された状態では、炊飯ユニット1によって上方から覆い隠された状態となる。ここで、「基準位置」とは、炊飯ユニット1を誘導加熱ユニット10の上に載置して炊飯を行う場合の、誘導加熱ユニット10に対する炊飯ユニット1の、正しい位置である。
本実施の形態では、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10に対して基準位置に載置された状態では、後述する第一赤外線信号通信部(以下、「第一赤外線通信部」という)34と第二赤外線信号通信部(以下、「第二赤外線通信部」という)35とが通信可能な状態で正対し、後述する永久磁石30と載置検知センサー31とが対向する。なお、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10に対して基準位置に載置された状態では、送電コイル17と受電コイル7とがトッププレート22及び炊飯ユニット1の底板39を介して送電可能な状態で対向し、後述する第一窓28と第二窓29とが正対する。
図7に示す表示部70Dは、第一入力操作部20とほぼ同じ位置に配置されており、第一入力操作部20の入力結果、及び、誘導加熱ユニット10の誘導加熱動作の状態及び条件(例えば、火力値、加熱時間)等の各種情報を、文字、数字、図形等で表示するものである。表示部70Dは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)等で構成されている。
トッププレート22は、耐熱性のガラス又はプラスチック等から形成されており、誘導加熱ユニット10の最も上の表面を形成している。また、トッププレート22の上面には、第一入力操作部20の後方を真横に横切るように左右に長く形成された凸形状の突起部21が設けられている。この突起部21は、トッププレート22の上面の横幅全体に及ぶような長さを有しており、耐熱性と弾力性とを有した材料で形成されており、例えばシリコンゴムから形成されている。なお、突起部21の作用については後述する。
内蓋23は、蓋体1Bの底面に、内釜3の上面開口を塞ぐように開閉自在に設けられており、アルミニウム等の熱伝導性のよい金属薄板で、平面視で円形に形成されている。また、蓋体加熱部9Aである電熱線(ヒータ)は、この内蓋23の上面に配置されている。
内蓋23の周囲には、シール用パッキン24が設けられており、このシール用パッキン24は、シリコンゴム等の耐熱性及び弾力性に富む材料で形成されている。そして、蓋体1Bを閉じた状態では、内蓋23とシール用パッキン24とによって内釜3は密閉される。なお、内蓋23には、炊飯時の蒸気抜きのための小さな孔が形成されており、炊飯ユニット1の外部に連通する蒸気排出通路が蓋体1Bの内部を貫通するように形成されている。
内側胴部25は、本体1Aに収容された内釜3の周囲を囲むように設けられている。内側胴部25は、耐熱プラスチック、又は、アルミニウム等の誘導加熱されないような非磁性金属で構成されており、この内側胴部25の外側には、内釜側面加熱部9Bである電熱線(ヒータ)が巻かれている。
また、内側胴部25の、内釜3の底部中央に対応する位置には、第一窓28が形成されており、この第一窓28は、赤外線を透過する材料で覆われている。また、トッププレート22の、第一窓28に対応した位置には、第二窓29が形成されている。なお、トッププレート22は、通常は誘導加熱ユニット10の内部構造が目視できないように、可視光線を遮断する塗装膜等が裏(下)面に施されているが、第二窓29の部分にはそのような塗装膜はないので、第二窓29からは赤外線が容易に透過する。
無線通信部26は、後部垂直部16の内部に設けられており、家庭内に設置したローカルネットワーク設備(電力指令装置を含む)との間で無線通信することができるものである。また、無線通信部26は、インターネット回線を通じて遠隔地にある携帯情報端末器又は通信機器等と情報の授受ができる。また、炊飯ユニット1に対する遠隔操作信号も受信できる。なお、無線通信部26としては、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi(登録商標)等の周知の手段を採用することができる。
図2に示している通り、載置検知センサー31は、後部垂直部16の内部に設けられており、例えばリードスイッチである。また、永久磁石30は、本体1Aの内部の後面側で、載置検知センサー31に対応する位置に設けられている。載置検知センサー31と永久磁石30とは、基準位置判定部33の一部を構成している。なお、基準位置判定部33については、後で詳しく説明する。
前記支持基板32は、誘導加熱ユニット10の内部に水平に設置されており、被加熱物温度検出部5Bを支持するものである。
電源プラグ101は、本体ケース10Aの外部に設けられており、商用電源71(後述する図7参照)から電力供給を受けるものである。なお、商用電源71は、例えば50Hz又は60Hzで、電圧100V又は200Vである。
炊飯ユニット1の制御装置50は、本体1Aの内部に設けられており、第二入力操作部12により入力された炊飯条件に基づいて誘導加熱コイル14の制御条件を決定するものである。主制御装置80は、後部垂直部16の内部に設けられており、第一入力操作部20により入力された加熱条件に基づいて誘導加熱コイル14を制御するものである。なお、制御装置50及び主制御装置80については、後で詳しく説明する。
図3は、本発明の実施の形態1に係る電気炊飯器100の第一入力操作部20周辺の縦断面図である。図3において、1Fは炊飯ユニット1の本体1Aの前面壁を、10Fは誘導加熱ユニット10の本体ケース10Aの前面壁を、それぞれ示している。
図3に示されるように、防磁板19より外側で、かつ第一入力操作部20よりも後方の位置には、基準位置判定部33の一部を構成する第一赤外線通信部34と、第一赤外線通信部34を支持する支持基板40とが設置されている。なお、支持基板40は、誘導加熱ユニット10の内部に水平に設置されている。
基準位置判定部33は、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されているか否か判定するものである。基準位置判定部33の判定結果は、主制御装置80に出力される。なお、制御装置50が、基準位置判定部33の機能を備えていてもよい。また、基準位置判定部33の判定結果は、炊飯ユニット1の制御装置50に出力するようにしても良い。
本実施の形態1では、基準位置判定部33は2つの判定手段を備えている。1つは、炊飯ユニット1に設けられた永久磁石30と、誘導加熱ユニット10に設けられた載置検知センサー31との組み合わせである。もう1つは、誘導加熱ユニット10に設けられた第一赤外線通信部34と、炊飯ユニット1に設けられた第二赤外線通信部35との組み合わせである。
基準位置判定部33は、例えば、誘導加熱コイル14に電流を流した場合における抵抗値が基準抵抗値以上であるか否かを判定する構成を採用してもよい。例えば、主制御装置80が、誘導加熱コイル14に電流を流した場合における抵抗値が、基準抵抗値以上であると判定した場合には、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10のトッププレート22の上の正しい位置、つまり基準位置に載置されていると判定する。また、主制御装置80が、誘導加熱コイル14に電流を流した場合における抵抗値が基準抵抗値未満であると判定した場合には、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の上から取り外されていると判定する。
なお、基準位置判定部33は、被加熱物温度検出部5Bの検出温度に基づいて、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されたか否か判定するように構成してもよい。この場合には、例えば、主制御装置80は、被加熱物温度検出部5Bの検出温度が閾値温度以上である場合には、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の上に載置されている可能性が高いために、炊飯ユニット1が基準位置に載置されていると判定する。また被加熱物温度検出部5Bの検出温度が閾値温度未満である場合には、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10から取り外されている可能性が高いために、炊飯ユニット1が基準位置に載置されていないと判定する。
第一赤外線通信部34は、1つではなく2つ以上設けられ、少なくとも1つは赤外線信号送信用で、他の少なくとも1つは赤外線信号受信用である。その場合、接近状態で並べて設置すると、後述する第三窓37及び第四窓38を共用できて構造上有利である。
第一赤外線通信部34の垂直延長線上には、基準位置判定部33の一部を構成する第二赤外線通信部35が配置されている。この第二赤外線通信部35も、第一赤外線通信部34と同様に、1つではなく2つ以上設けてもよい。
また、炊飯ユニット1の内部には、図3に示すように、赤外線信号を処理する第二信号処理部36Aが設けられており、誘導加熱ユニット10の内部には、赤外線信号を処理する第一信号処理部36Bが設けられている。ここで、無線通信では、誘導加熱コイル14の駆動中に発生する電磁ノイズで障害が出る懸念があるため、第二信号処理部36Aと第一信号処理部36Bとは赤外線信号で通信を行うようにしている。なお、これら第二信号処理部36A及び第一信号処理部36Bの機能を、制御装置50又は主制御装置80に行わせてもよい。
トッププレート22には、第三窓37が形成されており、第二窓29と同様に赤外線信号を透過させるためのものである。
炊飯ユニット1の底面は、耐熱プラスチック製の底板39で構成されており、底板39には、赤外線信号を透過させるための第四窓38が形成されている。
また、第一入力操作部20には、複数の押圧式の入力スイッチ41が横一列に一定の間隔で配置されており、各入力スイッチ41は、回路基板42に実装されている。各入力スイッチ41は、それらの各上部に設けられた操作部41Aと、それぞれプラスチック製押圧棒41Bで接続されており、操作部41Aが押されると、内部接点が閉じて所定の信号を発生させることができる。その「所定の信号」は、主制御装置80に入力される。
また、操作部41Aの上は、薄く湾曲性のあるプラスチック材料で形成された保護シート43で密封状態に覆われており、この保護シート43によって上方からの水の浸入を防止している。また、この保護シート43が使用者の指で押された場合、操作部41Aは微小距離下方に移動して入力スイッチ41の内部接点が閉じる。
各操作部41Aは、プレスチック製の支持枠45によって支持されており、この支持枠45には、透孔44が形成されている。また、透孔44は、操作部41Aの上下動を許容するように、その操作部41Aの外形寸法より大きな口径である。
前記突起部21は、炊飯ユニット1の底板39と、第一入力操作部20の上面との対向間隔を狭めており、それにより、後方にある誘導加熱コイル14の真上の位置で発生する熱気が、この突起部21を乗り越えて第一入力操作部20側に流れることが抑制される。そのため、電気炊飯器100で炊飯動作を行った際に、誘導加熱コイル14によって炊飯ユニット1の底面が高温になっても、第一入力操作部20の部分が過熱状態になることが抑制される。
そして、炊飯ユニット1の使用が終わって、その炊飯ユニット1を誘導加熱ユニット10の上から取り外した後、第一入力操作部20の部分が熱くて、直ぐに誘導加熱ユニット10による別の加熱調理を開始できないという事態が抑制される。
図4は、本発明の実施の形態1に係る電気炊飯器100の前方の脚部2周辺の第一縦断面図である。図5は、本発明の実施の形態1に係る電気炊飯器100の前方の脚部2周辺の第二縦断面図である。図4及び図5において、1Fは炊飯ユニット1の本体1Aの前面壁を、10Fは誘導加熱ユニット10の本体ケース10Aの前面壁を、それぞれ示している。
図4及び図5に示されるように、重量センサー4は、底板39の上面に固定されており、太い支柱状の脚部2の真上には、歪センサー4Sが配置されている。脚部2によって歪センサー4Sを押す力、すなわち、炊飯ユニット1の重量に応じて、歪センサー4Sからの出力で重量を計測できる。また、底板39には貫通孔46が形成されており、貫通孔46は、脚部2の上下動を許容する大きさ(口径)である。
図4に示した状態は、炊飯ユニット1を誘導加熱ユニット10に載置して炊飯動作を行っている状態である。
一方、図5に示した状態は、炊飯ユニット1を誘導加熱ユニット10に載置しているが、内釜3の内部には米だけしか収容されていない状態であり、必要な量の水が入れられていないため軽い。このため、図5に示す対向間隔G2は、図4に示す対向間隔G1よりも大きくなっている。なお、対向間隔G1、G2とは、炊飯ユニット1の本体1Aの前面壁1Fの下端と、この下端に対向する誘導加熱ユニット10のトッププレート22の上面との間隔のことである。
図6は、本発明の実施の形態1に係る電気炊飯器100の蓋体1Bの第二入力操作部12及び第一表示部11Aの平面図である。
次に、図6に基づいて、第二入力操作部12と、第一表示部11Aとについて説明する。
蓋体1Bのほぼ左右中央には、液晶表示画面等から構成された第一表示部11Aが配置されている。
第一表示部11Aには、時刻と、米種表示部60と、硬さ表示部61と、メニュー表示部62とが表示される。第一表示部11Aの外側で左側には、米種スイッチ63と、炊き方スイッチ64と、メニュースイッチ65と、切/保温スイッチ66とが設けられている。また、第一表示部11Aの外側で右側には、炊飯スイッチ67と、予約スイッチ68と、時刻スイッチ69と、音声入力スイッチ12Vとが設けられている。炊飯動作開始後は、切/保温スイッチ66を押すと、炊飯中止の指令信号が制御装置50に対して発せられる。また、保温動作開始後は、切/保温スイッチ66を押すと、保温中止の指令信号が発せられる。本実施の形態1では、むらし工程に続いて自動的にある時間内は保温工程が制御装置50で実行されるような制御プログラムになっている。
また、音声入力スイッチ12Vは、音声入力モードを選択する場合のスイッチであり、これを押すと、後述する音声報知部90Vから「音声入力モードに切り替わりました」という案内が出て、以後、音声で入力できる。なお、再び音声入力スイッチ12Vを押せば、音声入力モードは解除され、音声報知部90Vから「音声入力モードは解除されました」という案内が出される。
また、蓋体1Bの第一表示部11Aよりも前面側には、近距離無線通信(NFC)を行う近距離無線通信部91が設けられている。そして、この近距離無線通信部91にNFC機能を備えた情報通信端末器(図示せず)を接近又は接触させると、近距離無線通信部91と情報通信端末器との間で通信が行われる。
米種スイッチ63は、炊飯する米の種類を設定するための入力手段である。米種スイッチ63が押下される度に、これに対応して米種表示部60の表示が「白米」、「無洗米」、「発芽玄米」、「玄米」に切り替わる。米種スイッチ63により設定された米の種類に関する情報は、制御装置50に入力される。
図6では、米種スイッチ63に銘柄と併記されている。この米種スイッチ63で米の具体的な銘柄も指定できるが、米種スイッチ63の押し方で入力機能が2種類(銘柄と米種)の中から1方だけを選択できる。
炊き方スイッチ64は、ご飯の炊きあがりの硬さを設定するための入力手段である。炊き方スイッチ64が押下される度に、これに対応して硬さ表示部61の表示が「かため」、「普通」、「やわらか」に切り替わる。炊き方スイッチ64に入力された炊きあがりの硬さに関する情報は、制御装置50に入力され、制御装置50が炊きあがりの硬さを選択する。「かため」が設定された場合には、後述する「硬めモード」で炊飯動作を行い、「やわらか」が設定された場合には、後述する「軟らかめモード」で炊飯動作を行う。なお、本実施の形態1では、炊き方スイッチ64及び制御装置50により硬さ選択手段が構成されている。
本実施の形態1及びこれ以降の実施の形態で説明する電気炊飯器100は、「軟らかめモード」と、この軟らかめモードよりも硬めに米飯を炊きあげる「硬めモード」の2種類の炊き分けが可能であるものとする。
メニュースイッチ65は、炊飯メニューを設定するための入力手段である。メニュースイッチ65が押下される度に、これに対応してメニュー表示部62の表示内容が「リゾット」、「おかゆ」、「炊き込み」に切り替わる。また、メニュースイッチ65により設定された炊飯メニューに関する情報は、制御装置50に入力される。
切/保温スイッチ66は、炊飯動作の終了の指示、保温動作の終了/開始の指示を入力するための入力手段であり、炊飯スイッチ67は、炊飯開始を指示するための入力手段である。また、予約スイッチ68は、予約炊飯を設定するための入力手段であり、時刻スイッチ69は、現在時刻及び予約時刻等の時刻を設定するための入力手段である。そして、切/保温スイッチ66、炊飯スイッチ67、予約スイッチ68、及び、時刻スイッチ69により設定された情報は、制御装置50に入力される。
前記予約スイッチ68を押すことによって、制御装置50は、図11以降に説明する「予約待機」モードに設定される。
各種スイッチ(米種スイッチ63〜時刻スイッチ69)は、押圧式入力部12P(後述する図8参照)を構成している。なお、押圧式のスイッチではなく、タッチ式のスイッチにした場合には、タッチ式入力部12Tとなる。後述する図8では、そのタッチ式入力部12Tも図示している。
予約スイッチ68を押して、使用者の希望する時刻に炊飯動作が完了するように設定した場合、実際に炊飯動作が開始されるまでの期間を「予約待機」と呼ぶことにする。また、予約待機を経てその後炊飯動作が開始された場合、当該炊飯を「予約炊飯」と呼ぶ。「予約炊飯」の動作を行っている過程は「予約炊飯動作」又は「予約炊飯動作中」と呼ぶ場合がある。従って、予約スイッチ68を押さずに、炊飯スイッチ67(図6参照)を押して、直ぐに水は動作を開始したケースでは、当該炊飯を単に「炊飯」と呼ぶ場合がある。
図7は、本発明の実施の形態1に係る誘導加熱ユニット10の構成を示す制御ブロック図である。
次に誘導加熱ユニット10の制御関係の構成について、図7を参照しながら説明する。
主制御装置80は、マイクロコンピュータを中核として構成されており、フラッシュメモリー、ROM、RAM等の半導体記憶装置である記憶部80Rと、時刻を計算する時計回路等である計時部80Tとを内蔵している。
記憶部80Rには、全体の加熱制御動作を司るコンピュータプログラム、及び、各種制御用データテーブルが格納されている。
なお、主制御装置80が、記憶部80R及び計時部80Tを備える構成に限定されるものではない。例えば、記憶部80R及び計時部80Tが主制御装置80とは別に構成されており、記憶部80R及び計時部80Tの出力が主制御装置80に入力されるように構成してもよい。
また、誘導加熱ユニット10は、報知部70と、電源部72と、インバーター回路73と、天板温度検出部74と、を備えている。
報知部70は、前述した表示部70Dと、音声合成装置等の音声報知部70Vとを備えている。音声報知部70Vは、音を発するブザー又はスピーカ等から構成されている。
なお、音声報知部70Vにおいては、音声(ガイド音声)は予め設定されている音量又は使用者により設定された音量で出力される。また、それら音量は複数段階に設定できるようになっている。
電源部72は、整流回路等を内蔵し、所定の電圧の電力に変換する機能を有している。また、電源部72は、電源プラグ101を介して商用電源71の電力供給を受ける。
インバーター回路73は、電源部72からの電力を受けて、高周波電力を発生させ、誘導加熱コイル14に供給するものである。インバーター回路73の基板(図示せず)には、半導体電力制御素子、スイッチング素子等の各種電気部品が実装されている。
天板温度検出部74は、トッププレート22に接触してその温度を計測するものであり、例えばサーミスタが使用されている。温度検出結果のデータは、主制御装置80に送信される。
図7において、被加熱物温度検出部5Bは、炊飯ユニット1を載せた場合には、内釜3の外表面から放射される赤外線を受信して温度を計測する赤外線温度センサーから構成されている。この被加熱物温度検出部5Bは、炊飯ユニット1以外の一般の鍋及びフライパン等の温度も計測できるので、主制御装置80によって一般の鍋又はフライパン等の被加熱物の温度制御も可能になっている。
図8は、本発明の実施の形態1に係る炊飯ユニット1の構成を示す制御ブロック図である。
次に炊飯ユニット1の制御関係の構成について、図8を参照しながら説明する。
制御装置50は、マイクロコンピュータを中核として構成されており、フラッシュメモリー、ROM、RAM等の半導体記憶装置である記憶部50Rと、時刻を計算する時計回路等である計時部50Tとを内蔵している。
記憶部50Rには、吸水工程及び炊飯(沸騰)工程等の火力又は通電時間、目標加熱温度等の条件を含めた全体の炊飯制御動作を司る炊飯用コンピュータプログラム、及び、米の重量を計測する重量計測用コンピュータプログラムが格納されている。さらに、記憶部50Rには、自己点検用のプログラム、異常時対処用のコンピュータプログラムプログラム、及び、各種制御用のデータテーブルが格納されている。
なお、制御装置50が、記憶部50R及び計時部50Tを備える構成に限定されるものではない。例えば、記憶部50R及び計時部50Tが制御装置50とは別に構成されており、記憶部50R及び計時部50Tの出力が制御装置50に入力されるように構成してもよい。
また、炊飯ユニット1は、報知部90と、開放検知センサー93と、重量計測部94と、二次電池95と、を備えている。
報知部90は、前述した第一表示部11A及び第二表示部11Bと、音声合成装置等の音声報知部90Vとを備えている。音声報知部90Vは、音を発するブザー又はスピーカを備えている。
開放検知センサー93は、蓋体1Bの開放を検知するセンサーであり、蓋開閉ボタン8の近傍に設けられている。この開放検知センサー93は、蓋体1Bの機械的ロックが外された際に、蓋開放信号を制御装置50に送信する。
重量計測部94は、前述した4つの重量センサー4と、それら重量センサー4からの出力電圧に基づいて炊飯ユニット1の重量を計測する処理回路(図示せず)とを備えている。
二次電池95は、給電部6を構成するものであり、例えば、鉛蓄電池、ニッケル水素蓄電池、リチウムイオン蓄電池等で構成されている。なお、給電部6は、この二次電池95で構成されることに限定されるものではなく、乾電池等の一次電池で構成されていてもよい。
制御装置50は、例えば、内釜温度検出部5Aの検出温度と、記憶部50Rに予め記憶されている閾値温度と、外気温度検出部15の検出温度とに基づき、内釜3が初期温度から閾値温度を下回るまでの時間を算出する。そして、保温可能時間を決定し、第一表示部11Aに保温可能時間を表示させる。内釜温度検出部5Aの検出温度が閾値温度よりも高ければ高い程、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10から取り外された後の、内釜3の温度が閾値温度を下回るまでの時間が長くなるため、保温可能時間は長く設定される。
このように、第一表示部11Aが保温可能時間を表示することで、使用者に対して被調理物(例えば、ご飯)を速やかに食することを促したり、炊飯ユニット1を誘導加熱ユニット10に戻して被調理物の保温を行ったりすることを促すことができる。したがって、炊飯したご飯の温度が制御装置50に予め記憶されている閾値温度を下回って、その被調理物の味が劣化してしまうのを抑制することができる。
図9は、本発明の実施の形態1に係る電気炊飯器100の時間変化に伴う温度変化の例を示す図である。なお、図9における横軸は時間を示しており、縦軸は内釜3の温度を示している。
内釜3の温度は、例えば、内釜温度検出部5Aの検出温度である。図9に示されるように、予熱工程(「吸水工程」ともいう)を実行し、予熱工程を実行した後に炊飯工程を実行し、炊飯工程を実行した後にむらし工程を実行する場合には、炊飯工程の前半の沸騰工程において内釜3の温度変化(温度上昇)が急峻になる時間帯が存在する。このように、内釜3の温度変化が急峻になる時間帯においては、誘導加熱コイル14に供給される電力が大きくなる。なお、むらし工程の後に保温工程を行う場合もある。
したがって、内釜3の温度変化が急峻になる時間帯においては、給電部6の給電よりも被調理物(例えば、米と水)の加熱を優先するために、主制御装置80は、送電コイル17への電力供給を停止するとよい。具体的には、例えば、主制御装置80は、内釜3の単位時間当たりの変化温度が所定以上である場合に、送電コイル17への電力供給を停止し、内釜3の単位時間当たりの変化温度が所定未満である場合に、送電コイル17への電力供給を継続する。このようにして、炊飯工程における被加熱物の温度上昇を妨げる可能性を低減することができる。なお、主制御装置80は、内釜3の温度に基づいて、送電コイル17への電力供給を停止するか否かを決定する例に限定されるものではない。
なお、炊飯工程であるか否かに応じて送電コイル17への電力供給を停止するか否かを決定するようにしてもよい。具体的には、主制御装置80は、予熱工程を終了して炊飯工程を開始した場合に、送電コイル17への電力供給を停止し、炊飯工程を終了してむらし工程を開始した場合に、送電コイル17への電力供給を開始させる。
また、誘導加熱コイル14に供給される電流値が閾値電流値以上であるか否かに応じて送電コイル17への電力供給を停止するか否かを決定するようにしてもよい。具体的には、主制御装置80は、誘導加熱コイル14に供給される電流値が閾値電流値以上である場合に、送電コイル17への電力供給を停止し、誘導加熱コイル14に供給される電流値が閾値電流値未満である場合に、送電コイル17への電力供給を継続させる。
本実施の形態1では、前述した通り、炊飯ユニット1の制御装置50と、誘導加熱ユニット10の主制御装置80とは、第一赤外線通信部34と第二赤外線通信部35との間で通信を行い、その赤外線通信によって相互に連携した動作を行っている。そして、少なくとも炊飯動作中(予熱工程から、むらし工程まで)は、制御装置50と主制御装置80との間で、常に最新の制御データの送受信が行われている。なお、むらし工程のあとに「保温工程」を行う場合には、その保温工程期間中も赤外線通信を行って、定期的に炊飯ユニット1の内釜3の温度等を、誘導加熱ユニット10の主制御装置80で監視してもよい。
次に、本実施の形態1に係る電気炊飯器100の動作について説明する。
図10は、本発明の実施の形態1に係る電気炊飯器100の炊飯ユニット1と誘導加熱ユニット10との動作関係を説明する図である。なお、誘導加熱ユニット10の電源プラグ101を商用電源71に繋いだあとの動作ステップを、符号SP1〜SP7で示している。
誘導加熱ユニット10の電源プラグ101が商用電源71に繋がれただけでは、誘導加熱動作も炊飯動作も開始されない(SP1)。このとき、誘導加熱ユニット10は、それ単体で、他の鍋及びフライパン等の調理器具を使用した誘導加熱調理を行うことができる状態である。
次に、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の上に載置され(SP2)、基準位置であれば、載置検知センサー31がONとなる(SP3)。
載置検知センサー31がONした段階から、電気炊飯器100は、炊飯ユニット専用モードに移行する。なお、電気炊飯器100が炊飯ユニット専用モードに移行したかどうかは、例えば主制御装置80が管理するが、制御装置50が管理してもよいし、それら両方で管理してもよい。
電気炊飯器100が炊飯ユニット専用モードに移行すると、誘導加熱ユニット10の側では何ら入力操作又は加熱動作指令を使用者が与えなくとも、自動的に所定の時間内に、誘導加熱ユニット10から基準位置判定用の赤外線信号が炊飯ユニット1に発信される。そして、その赤外線信号を受信した炊飯ユニット1は起動する。
炊飯ユニット1が起動した後、使用者は、炊飯スイッチ67から炊飯開始を指示したり、予約スイッチ68から予約炊飯を設定したりすることが可能となる。
炊飯スイッチ67を押すことによって、炊飯開始の指示が行われたら水は動作が開始される。
前記予約スイッチ68を押すことによって、「予約待機」モードが設定され、その後に、予約炊飯開始時刻になったら、炊飯動作が開始される(SP4)。そして、炊飯動作が終了したら(SP5)、保温動作が開始される(SP6)。
炊飯動作が終了した(SP5)後、又は、保温動作が開始された後(SP6)で、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の上から取り外されると、制御装置50は炊飯ユニット1の炊飯ユニット専用モードを解除する(SP7)。そして、炊飯ユニット専用モードが解除された後は、誘導加熱ユニット10は、それ単体で、他の鍋及びフライパン等の調理器具を使用した誘導加熱調理を行うことができる状態になる。
なお、炊飯ユニット専用モードが解除された後、その時点からある時間内に炊飯ユニット1が再び誘導加熱ユニット10の上の基準位置に戻された場合、炊飯ユニット専用モードに復帰させる場合がある。
以上より、電気炊飯器100が炊飯ユニット専用モードのとき、誘導加熱ユニット10は、それ単体で、他の鍋及びフライパン等の調理器具を使用した誘導加熱調理を行うことができない状態である。一方、電気炊飯器100が炊飯ユニット専用モードではないとき、誘導加熱ユニット10は、それ単体で、他の鍋及びフライパン等の調理器具を使用した誘導加熱調理を行うことができる状態である。
(電気炊飯器の予約待機中の動作)
図11は、本発明の実施の形態1に係る電気炊飯器100の予約待機中の動作を示すフローチャートである。炊飯ユニット1の制御装置50の動作を示している。
次に本実施の形態1に係る電気炊飯器100の予約待機中の動作について、図11を参照しながら説明する。
使用者によって、第二入力操作部12から(予約スイッチ68を押すことによって)予約炊飯の設定が行われると(ステップS101のYES)、制御装置50は、予約待機モードに移行する(ステップS102)。ここで、予約待機モードとは、予約炊飯の設定が行われた後、予約炊飯開始時刻まで待機するモードのことである。
この電気炊飯器100では、使用者が予約炊飯の設定時に指定できるのは、図9に示した「むらし工程」の終了時刻である。つまり、予熱工程からむらし工程までの一連の炊飯動作の終了時刻である。例えば、使用者は炊飯動作の終了時刻を、「19時00分」のように直接時刻で設定することができる。また、その予約炊飯設定時の現在時刻から、例えば「2時間後」のような指定もできるが、この場合も、電気炊飯器100側では、その「2時間後」という指定を、実際の時刻に変換し、炊飯動作の終了時刻を算出する。そして、炊飯量や炊飯メニュー(「リゾット」、「おかゆ」、「炊き込み」等を含む)等の条件に応じて、炊飯動作を開始するタイミングを、電気炊飯器100の制御装置50が算出する。
予約待機モードに移行後、制御装置50は、設定された炊飯完了時刻に基づいて、炊飯工程(この場合、予熱工程、炊飯工程、むらし工程の3つを含む)の所要時間を計算し、予約炊飯開始時刻、つまり、予熱工程の開始時刻を計算する(ステップS103)。
ステップS103の後、制御装置50は、計時部50Tを参照し、現在の時刻が、予約炊飯開始時刻になったかどうかを判定する(ステップS104)。
ステップS104において、制御装置50が、現在の時刻が、予約炊飯開始時刻になったと判定した場合(ステップS104のYES)、制御装置50は、炊飯動作を開始する(ステップS105)。この段階で、誘導加熱ユニット10に対し、炊飯動作開始の指令信号を、前記第二赤外線通信部35から発信する。
一方、制御装置50が、現在の時刻が、予約炊飯開始時刻になっていないと判定した場合(ステップS104のNO)、ステップS106の処理に進む。
ステップS106において、制御装置50は、基準位置判定部33により、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されているかどうかを判定する。
制御装置50が、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されていると判定した場合(ステップS106のYES)、ステップS104の処理に戻る。
一方、制御装置50が、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されていないと判定した場合(ステップS106のNO)、制御装置50は、主制御装置80に対して、炊飯ユニット専用モードを解除する指令信号を送信する(ステップS107)。この信号を受けて、誘導加熱ユニット10では、炊飯ユニット専用モードを解除し、他の鍋及びフライパン等の調理器具を使用した誘導加熱調理を行うことができる状態になる。
ステップS107の後、制御装置50は、報知部90により、炊飯ユニット1を誘導加熱ユニット10の基準位置に載置することを促す報知を行う(ステップS108)。例えば、音声報知部90Vから「予約待機中ですが、炊飯器ユニットが誘導加熱ユニットの上に載置されていません。炊飯器ユニットを誘導加熱ユニットの上に載置して下さい。」という案内が出される。
ステップS108の後、制御装置50からステップS108の報知動作を行ったことが誘導加熱ユニット10側にも報知される。
炊飯ユニット1は、基準位置判定部33により、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されているかどうかを判定する(ステップS109)。
ステップS109において、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されていないと、制御装置50が判定した場合(ステップS109のNO)、ステップS109の処理に戻る。
一方、制御装置80が、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されていると判定した場合(ステップS109のYES)、制御装置50は、主制御装置80に対して、炊飯ユニット専用モードを指定する指令信号を送信し、ステップS104の処理に戻る。なお、誘導加熱ユニット10では、炊飯ユニット専用モードとなる。
以上、本実施の形態1に係る電気炊飯器100は、誘導加熱ユニット10と、炊飯ユニット1と、を備えている。そして、主制御装置80は、予約待機中に、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されていないと判定された後、報知部70により炊飯ユニット1を誘導加熱ユニット10の基準位置に載置することを促す報知を行うものである。
本実施の形態1に係る電気炊飯器100によれば、予約設定がリセットされてしまう前に、使用者に炊飯ユニット1の載置を促すことができ、予約設定がリセットされてしまうのを抑制できるため、使い勝手を向上させることができる。
なお、制御装置50は、現在の時刻が、予約炊飯開始時刻を過ぎたと判定した場合、予約設定を自動的にリセットする。つまり、予約炊飯開始時刻を過ぎてから、図11のステップS104に戻った段階で、予約設定はリセット(解除)されてしまうことになる。但し、予約炊飯時刻を過ぎてから60分以内は、その予約条件を制御装置50が保持し続け、計時部50Tも経過時間をカウントし、61分になった段階で予約設定を全てリセットするように変更しても良い。このリセットまでの時間(61分)は、この例に限られない。
また、本実施の形態1に係る電気炊飯器100の主制御装置80は、予約待機中に、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されていないと判定された直後に、報知部70により炊飯ユニット1を誘導加熱ユニット10の基準位置に載置することを促す報知を行うものである。
本実施の形態1に係る電気炊飯器100によれば、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の上から取り外されてすぐに、その炊飯ユニット1側の報知部90を利用して、使用者に炊飯ユニット1の載置を促すことができ、予約設定どおりに予約炊飯を実行できるので、使い勝手を向上させることができる。
なお、本実施の形態1では、誘導加熱ユニット10側の報知部70により、炊飯ユニット1を誘導加熱ユニット10の基準位置に載置することを促す報知を行う構成としたが、それに限定されない。炊飯ユニット1側の報知部90により、上記報知を行う構成としてもよいし、報知部70及び報知部90の両方により、上記報知を行う構成としてもよい。また、報知内容を、ユーザーエラーとして報知してもよい。
本実施の形態1では、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10に対して基準位置に載置された状態では、永久磁石30と載置検知センサー31とが最も接近する状態になり、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10に対して、基準位置に載置された状態を検知できる構成であったが、仮にこの永久磁石30の接近を載置検知センサー31と誤って検知し、基準位置に炊飯ユニット1が載置されていると主制御装置80で判定しても、この実施の形態1では、さらに炊飯ユニット1が基準位置に載置された場合に、対向位置で向かい合う第一窓28と第二窓29を通じ、第一赤外線通信部34と第二赤外線通信部35とが、赤外線通信を行うことによって、更に基準位置に載置された状態であることを主制御装置80が確認できる。このため、誤った使用、運転開始を防止できるという効果もある。
また、炊飯ユニット1側の制御装置50においても、第一赤外線通信部34と第二赤外線通信部35との間の赤外線通信が、正常に行われたことを確認でき、同様に誤った使用、運転開始を防止できるという効果が期待できる。なお、永久磁石30と載置検知センサー31は、必ずしも設けなくとも良い。
実施の形態2.
以下、本発明の実施の形態2について説明するが、実施の形態1と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1と同じ部分又は相当する部分には同じ符号を付す。
(電気炊飯器の予約待機中の動作)
図12は、本発明の実施の形態2に係る電気炊飯器100の予約待機中の動作を示すフローチャートである。図12は、炊飯ユニット1の制御装置50の動作を示している。
次に、本実施の形態2に係る電気炊飯器100の予約待機中の動作について、図12を参照しながら説明する。
なお、ステップS101〜S107については、実施の形態1と同様の処理であるため、説明を省略する。
ステップS107の後、制御装置50は、計時部50Tを参照し、現在の時刻が、予約炊飯開始時刻から予め設定された「基準時間」前の時刻(以下、「開始前基準時刻」と称する)になったかどうかを判定する(ステップS201)。例えば、予約炊飯開始時刻が19時で、「基準時間」が30分である場合、制御装置50は、現在の時刻が、18時30分になったかどうかを判定する。
ステップS201において、制御装置50が、現在の時刻が、開始前基準時刻になっていないと判定した場合(ステップS201のNO)、ステップS201の処理に戻る。
一方、制御装置50が、現在の時刻が、開始前基準時刻になったと判定した場合(ステップS201のYES)、制御装置50は、報知部90により、炊飯ユニット1を誘導加熱ユニット10の基準位置に載置することを促す報知を行う(ステップS202)。例えば、音声報知部90Vから「予約炊飯開始時刻がせまっています。炊飯器ユニットが誘導加熱ユニットの上に正しく載置されているかどうか確認して下さい。」という案内が出される。
ステップS202の後、制御装置50は、基準位置判定部33により、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されているかどうかを判定する(ステップS203)。
ステップS203において、制御装置50が、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されていないと判定した場合(ステップS203のNO)、ステップS203の処理に戻る。
一方、制御装置50が、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されていると判定した場合(ステップS203のYES)、制御装置80は、炊飯ユニット専用モードとし(ステップS204)、ステップS104の処理に戻る。
以上、本実施の形態2に係る電気炊飯器100は、誘導加熱ユニット10と、炊飯ユニット1と、を備えている。そして、制御装置50は、予約待機中に、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されていないと判定され、かつ、予約炊飯開始時刻から基準時間前の時刻を経過していたら、報知部90により炊飯ユニット1を誘導加熱ユニット10の基準位置に載置することを促す報知を行うものである。
本実施の形態2に係る電気炊飯器100によれば、予約待機中に、使用者が誘導加熱ユニット10を単独モードで使うなどし、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されていないと判定され、かつ、予約炊飯開始時刻から基準時間前の時刻を経過していたら、報知部90により炊飯ユニット1を誘導加熱ユニット10の基準位置に載置することを促す報知を行う。そのため、予約炊飯開始時刻が経過する前に、使用者に炊飯ユニット1の載置を促すことができ、炊飯完了時刻が遅れてしまうのを抑制できるため、使い勝手を向上させることができる。
なお、本実施の形態2では、炊飯ユニット1側の報知部90により、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置にあるかどうかの確認を促したり、基準位置に載置することを促す報知を行ったりする基本構成としたが、それに限定されない。誘導加熱ユニット10側の報知部70により、上記報知を行う構成としてもよいし、報知部70及び報知部90の両方により、上記報知を行う構成としてもよい。
実施の形態3.
以下、本発明の実施の形態3について説明するが、実施の形態1及び2と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1及び2と同じ部分又は相当する部分には同じ符号を付す。
(電気炊飯器の予約待機中の動作)
図13は、本発明の実施の形態3に係る電気炊飯器100の予約待機中の動作を示すフローチャートである。図13は、炊飯ユニット1の制御装置50の動作を示すものである。
次に、本実施の形態3に係る電気炊飯器100の予約待機中の動作について、図13を参照しながら説明する。
なお、ステップS101〜S110については、実施の形態1と同様の処理であるため、説明を省略する。また、ステップS101〜S110の処理に代えて、実施の形態2で説明したステップS101〜S204の処理を実行してもよい。
ステップS110の後、制御装置50は、計時部50Tを参照し、現在の時刻が、予約炊飯開始時刻をすでに経過しているかどうかを判定する(ステップS301)。
ステップS301において、制御装置50が、現在の時刻が、予約炊飯開始時刻をすでに経過していると判定した場合(ステップS301のYES)、制御装置50は、報知部90により、炊飯完了予定時刻を報知する(ステップS302)。そして、制御装置50は、炊飯動作を開始する(ステップS105)。なお、実際の炊飯動作は、制御装置50から主制御装置80に対して、事前に定められた炊飯指令信号を送信し、その炊飯指令信号を主制御装置80側で受信することで開始される。つまり、主制御装置80が、誘導加熱コイル14を駆動開始して、内釜3を誘導加熱することで炊飯動作が開始できる。
例えば、設定された炊飯完了時刻が20時で、予約炊飯開始時刻を30分経過後、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されていなかったため、炊飯完了予定時刻が20時30分に変更となる。そして、例えば、音声報知部90Vから「炊飯完了時刻が20時から20時30分に変更となりました」という案内が出される。
一方、制御装置50が、現在の時刻が、予約炊飯開始時刻をまだ経過していないと判定した場合(ステップS301のNO)、ステップS303の処理に進む。
ステップS303において、制御装置50は、計時部50Tを参照し、現在の時刻が、予約炊飯開始時刻になったかどうかを判定する。
ステップS303において、制御装置50が、現在の時刻が、予約炊飯開始時刻になったと判定した場合(ステップS303のYES)、制御装置50は、炊飯動作を開始する(ステップS104)。
一方、制御装置50が、現在の時刻が、予約炊飯開始時刻になっていないと判定した場合(ステップS303のNO)、ステップS304の処理に進む。
ステップS304において、制御装置50は、基準位置判定部33により、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されているかどうかを判定する。具体的には、第二赤外線通信部35から赤外線信号を発し、第一赤外線通信部33からの赤外線信号の受信状態をチェックする。
制御装置50が、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されていないと判定した場合(ステップS304のNO)、ステップS107の処理に戻る。
一方、制御装置50が、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されていると判定した場合(ステップS304のYES)、ステップS303の処理に戻る。
以上、本実施の形態3に係る電気炊飯器100は、誘導加熱ユニット10と、炊飯ユニット1と、を備えている。そして、制御装置50は、報知部90により炊飯ユニット1を基準位置に載置することを促す報知が行われた後、炊飯ユニット1が基準位置に載置されていると判定された際に、予約炊飯開始時刻を経過していた場合、炊飯を開始するとともに、報知部90により炊飯完了予定時刻を報知するものである。
本実施の形態3に係る電気炊飯器100によれば、報知部90により炊飯ユニット1を誘導加熱ユニット10の基準位置に載置することを促す報知が行われた後、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されていると判定された際に、予約炊飯開始時刻を経過していた場合、炊飯を開始するとともに、報知部90により炊飯完了予定時刻を報知する。そのため、予約待機中に誘導加熱ユニット10を単独で使用し、加熱が長引いてしまい、予約炊飯開始時刻を過ぎてしまった場合であっても、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置すれば、(予約設定した炊飯内容がリセットされずに)炊飯が開始されるとともに、変更となった炊飯完了時刻を使用者に知らせることができるため、使い勝手を向上させることができる。
なお、本実施の形態3では、報知部90により、炊飯ユニット1を誘導加熱ユニット10の基準位置に載置することを促す等の報知を行う構成としたが、それに限定されない。報知部70により、上記報知を行う構成としてもよいし、報知部70及び報知部90の両方により、上記報知を行う構成としてもよい。
変形例.
以上説明した電気炊飯器100では、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置することを使用者に促す動作をし、予約設定した炊飯内容がリセットされずに、炊飯動作を開始できるよう、炊飯ユニット1においてステップS101〜S304の動作を行ったが、これら一連の動作ステップの一部を、誘導加熱ユニット10側に分担させ、炊飯ユニット1と誘導加熱ユニット10とを、連携して動作させることでも良い。
例えば、前記ステップS303以降を、以下のように誘導加熱ユニット10側に実行させれば良い。
すなわち、予約待機モードに移行後、炊飯ユニット1の制御装置50は、設定された炊飯完了時刻に基づいて、炊飯工程(この場合、予熱工程、炊飯工程、むらし工程の3つを含む)の所要時間を計算し、予約炊飯開始時刻、つまり、「予熱工程の開始時刻」を計算する(ステップS103)。
ステップS103の後、制御装置50は、計時部50Tを参照し、現在の時刻が、予約炊飯開始時刻になったかどうかを判定する(ステップS104)。そして、この「予熱工程の開始時刻」の情報と「予約炊飯」が設定されたことを示す指令信号を、第二赤外線通信部35から第一赤外線通信部34を通じて、誘導加熱ユニット10の主制御装置80に移しておく。
すると、炊飯ユニット1の制御装置50ではなく、主制御装置80が、計時部80Tの時刻データを参照し、現在の時刻が、予約炊飯開始時刻になったかどうかを判定する(ステップS303A)。つまり、これは前記したステップS303の動作と対応したものである。
そして、ステップS303Aにおいて、主制御装置80が、現在の時刻が、予約炊飯開始時刻になったと判定した場合(ステップS303AのYES)、主制御装置80は、誘導加熱コイル14の駆動を開始し、炊飯動作を開始する(ステップS105A)。このステップ105Aは、前記したステップS105の動作と対応したものである。
一方、主制御装置80が、現在の時刻が、予約炊飯開始時刻になっていないと判定した場合(ステップS303AのNO)、次のステップS304Aの処理に進む。このステップS303Aは、前記したステップS303の動作と対応したものである。また、このステップS304Aは、前記したステップS304の動作と対応したものである。
ステップS304Aにおいて、主制御装置80は、基準位置判定部33により、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されているかどうかを判定する。
主制御装置80が、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されていないと判定した場合(ステップS304AのNO)、ステップS107(図13参照)の処理に戻る。
一方、主制御装置80が、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されていると判定した場合(ステップS304AのYES)、ステップS303Aの処理に戻る。なお、ステップS105A、S303A、S304Aは、何れも図示していない。
実施の形態4.
以下、本発明の実施の形態4について説明するが、実施の形態1〜3と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1〜3と同じ部分又は相当する部分には同じ符号を付す。
(電気炊飯器の保温中の動作)
図14は、本発明の実施の形態4に係る電気炊飯器100の保温中の動作を示すフローチャートである。図14は、炊飯ユニット1の制御装置50の動作を示すものである。
次に、本実施の形態4に係る電気炊飯器100の保温中の動作について、図14を参照しながら説明する。
制御装置50は、炊飯動作が終了したら(ステップS401のYES)、保温モードに移行する(ステップS402)。ここで、保温モードとは、炊飯動作が終了した後、内釜3内の被調理物の保温を行うモードのことである。なお、炊飯ユニット1から事前に保温モードの使用を示す信号を誘導加熱ユニット10が受けている。このため、保温中では、誘導加熱ユニット10は、それ単体で、他の鍋及びフライパン等の調理器具を使用した誘導加熱調理を行うことができない状態である。
ステップS402の後、制御装置50は、基準位置判定部33により、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されているかどうかを判定する(ステップS403)。
ステップS403において、制御装置50が、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されていると判定した場合(ステップS403のYES)、ステップS403の処理に戻る。
一方、制御装置50が、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されていないと判定した場合(ステップS403のNO)、制御装置50は、保温モードを中断する(ステップS404)。このとき、誘導加熱ユニット10は、炊飯ユニット1側から、保温モードで運転中であることを示す特定の信号を、前記第二赤外線通信部35から全く受信できないか、または不完全な形で受信する状態である。炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置から外れた位置にある場合、トッププレート22に形成された第三窓37を通じて赤外線信号が受信できないためである。
誘導加熱ユニット10は、炊飯ユニット1側から、保温モードで運転中であることを示す特定の信号を、一定の時間(例えば61分間。これは、後述する「保温中断許容時間」よりも長い)受信できない場合には、主制御装置80は、保温モードを強制的に解除し、炊飯ユニット専用モードを解除するから、他の鍋及びフライパン等の調理器具を使用した誘導加熱調理を行うことができる状態に変更する。
ステップS404の後、制御装置50は、報知部90により、炊飯ユニット1を誘導加熱ユニット10の基準位置に載置することを促す報知を行う(ステップS405)。例えば、音声報知部90Vから「保温中ですが、炊飯器ユニットが誘導加熱ユニットの上に載置されていません。炊飯器ユニットを誘導加熱ユニットの上に載置して下さい。」という案内が出される。
その後、制御装置50は、計時部50Tにより、時間の計測を開始する(ステップS406)。
ステップS406の後、制御装置50は、基準位置判定部33により、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されているかどうかを判定する(ステップS407)。
ステップS407において、制御装置50が、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されていると判定した場合(ステップS407のYES)、制御装置50は、保温モードを再開し(ステップS408)、ステップS403の処理に戻る。
一方、制御装置50が、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されていないと判定した場合(ステップS407のNO)、ステップS409の処理に進む。
ステップS409において、制御装置50は、計時部50Tを参照し、時間の計測を開始後、保温中断許容時間から予め設定された「基準時間」前の時間(以下、中断後基準時間と称する)が経過したかどうかを判定する。ここで、「保温中断許容時間」とは、保温モードを中断することができる最大時間のことであり、制御装置50は、保温モードが中断されてから保温中断許容時間内であれば、保温モードを再開することができる。なお、保温中断許容時間は、前述したように「60分間」である。また「基準時間」とは、実施の形態2のステップS201(図12参照)で説明したように、例えば30分である。
制御装置50が、時間の計測を開始後、中断後基準時間(例えば、30分間)が経過していないと判定した場合(ステップS409のNO)、ステップS407の処理に戻る。
一方、制御装置50が、時間の計測を開始後、中断後基準時間(例えば、30分間)が経過したと判定した場合(ステップS409のYES)、ステップS410の処理に進む。つまり、中断時間は60分を最大値として許容するものの、その30分前に、事前に警告報知を行うこととなる。
ステップS410において、制御装置50は、報知部90により、もうすぐ保温が無効になる旨の報知を行う。例えば、音声報知部90Vから「もうすぐ保温を再開できなくなります。保温を再開したい場合は炊飯ユニットを誘導加熱ユニットの上に載置して下さい。」という案内が出される。
ステップS410の後、制御装置80は、基準位置判定部33により、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されているかどうかを判定する(ステップS411)。
ステップS411において、制御装置50が、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されていると判定した場合(ステップS411のYES)、制御装置50は、保温モードを再開し(ステップS408)、ステップS403の処理に戻る。
一方、制御装置50が、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されていないと判定した場合(ステップS411のNO)、ステップS412の処理に進む。
次に、制御装置50が、時間の計測を開始後、保温中断許容時間(上記した通り、このケースでは60分間)が経過していないと判定した場合(ステップS412のNO)、ステップS411の処理に戻る。
一方、制御装置50が、時間の計測を開始後、保温中断許容時間(前述した通り、60分間)が経過したと判定した場合(ステップS412のYES)、ステップS413の処理に進む。
つまり、ステップS412において、制御装置50は、計時部50Tを参照し、時間の計測を開始後、保温中断許容時間(前述したように、この例では「60分間」)が経過したかどうかを判定する。つまり、ステップS409によって、保温中断許容時間(例えば、60分間)が終わる30分間前から、ステップS410で報知し、使用者に炊飯ユニット1の現状を再度確認するように求めた以降、さらに30分経過して、ステップ412では、保温の設定を無効にすると報知する(S413)。
ステップS413において、制御装置50は、報知部90により、保温が無効になった旨の報知を行う。例えば、音声報知部90Vから「保温が無効になりました」という案内が出される。
ステップS413の後、制御装置50は、保温モードを終了させ、待機モードに移行する(ステップS414)。ここで、待機モードとは、予約炊飯の設定等は行われておらず、何か指示が行われるまで待機するモードのことである。
以上、本実施の形態4に係る電気炊飯器100は、誘導加熱ユニット10と、炊飯ユニット1と、を備えている。そして、炊飯ユニット1側の制御装置50は、保温中に、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されていないと判定された後、報知部90により炊飯ユニット1を誘導加熱ユニット10の基準位置に載置することを促す報知を行うものである。
本実施の形態4に係る電気炊飯器100によれば、制御装置50に対する保温の設定が無効になる前に、使用者に炊飯ユニット1の載置を促すことができ、保温が無効になるのを抑制できるため、使い勝手を向上させることができる。
また、本実施の形態4に係る電気炊飯器100の制御装置50は、保温中に、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されていないと判定された直後に、報知部90により炊飯ユニット1を誘導加熱ユニット10の基準位置に載置することを促す報知を行うものである。
本実施の形態4に係る電気炊飯器100によれば、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の上から取り外されてすぐに、使用者に炊飯ユニット1の載置を促すことができ、保温の設定が無効になるのを抑制できるため、使い勝手を向上させることができる。
また、本実施の形態4に係る電気炊飯器100の制御装置50は、保温中に、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されていないと判定された後、保温中断許容時間が経過する前に、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されていると判定された場合は、保温を再開する。
一方、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されていると判定される前に、保温中断許容時間が経過した場合は、保温を終了するものである。
本実施の形態4に係る電気炊飯器100によれば、保温中断許容時間が経過する前に、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置された場合は、保温を再開することができるため、使い勝手を向上させることができる。
なお、本実施の形態4では、報知部90により、炊飯ユニット1を誘導加熱ユニット10の基準位置に載置することを促す等の報知を行う構成としたが、それに限定されない。誘導加熱ユニット10側の報知部70により、上記報知を行う構成としてもよいし、報知部70及び報知部90の両方により、上記報知を行う構成としてもよい。
実施の形態4では、「保温中断許容時間」の例が「60分間」であったが、標準的な「保温中断許容時間」を、例えば「50分」又はこれ以外にしても良い。
炊飯ユニット1の内部の断熱構造にも依存するが、内釜3の周囲は通常断熱構造が採用されているため、保温中の炊飯ユニット1を別の場所(例えば、食卓の上)に移動しても、直ぐにその内釜3が冷えてしまうおそれはない。このような保温性能を考慮して「保温中断許容時間」や、説明では30分間としていた「中断後基準時間」の長さを決めれば良い。
さらに、制御装置50が、内釜温度検出部5Aの検出温度データを利用したり、保温開始時に誘導加熱ユニット10側にある外気温度検出部15の温度データを取得したりして、内釜3の温度低下のパターンを計算して予測し、例えば75℃まで冷えるまでの所要時間を算出しても良い。そして、その所用時間から、前記した標準的な「保温中断許容時間」(例えば「60分」)を自動的に変更し、例えば75分にし、これを「保温中断許容時間」として採用するようにしても良い。逆に、電気炊飯器100の設置空間の気温が低い場合には、標準的な「保温中断許容時間」(例えば「60分」)を自動的に短縮し、例えば30分にしても良い。
さらに、制御装置50が、報知部90により、炊飯ユニット1を誘導加熱ユニット10の基準位置に載置することを促す等の報知を行う際に、「保温中断許容時間」を使用者へ報知しても良い。例えば「60分以内に炊飯ユニットを元の位置に戻して下さい」というような報知を行っても良い。
変形例.
以上説明した電気炊飯器100では、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置することを使用者に促す動作をし、保温を設定した内容がリセットされずに、保温動作を継続できるよう、炊飯ユニット1においてステップS106〜S414の動作を行ったが、これら一連の動作ステップの一部を、誘導加熱ユニット10側に分担させ、炊飯ユニット1と誘導加熱ユニット10とを、連携して動作させることでも良い。
例えば、前記ステップS406以降を、以下のように誘導加熱ユニット10側に実行させれば良い。
すなわち、主制御装置80は、計時部80Tにより、時間の計測を開始する(ステップS406A)。
ステップS406Aの後、主制御装置80は、基準位置判定部33により、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されているかどうかを判定する(ステップS407A)。
ステップS407Aにおいて、主制御装置80が、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されていると判定した場合(ステップS407AのYES)、主制御装置80は、保温モードを再開し(ステップS408A)、ステップS403の処理に戻る。
ステップS407Aは、前記S407に、またS408Aは、S408の動作ステップに、それぞれ対応したものである。
一方、主制御装置80が、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されていないと判定した場合(ステップS407AのNO)、ステップS409Aの処理に進む。
次のステップS409Aにおいて、主制御装置80は、計時部80Tを参照し、時間の計測を開始後、保温中断許容時間から予め設定された「基準時間」(例えば30分間)前の時間(以下、中断後基準時間と称する)が経過したかどうかを判定する。ここで、保温中断許容時間とは、保温モードを中断することができる最大時間のことであり、主制御装置80は、保温モードが中断されてから保温中断許容時間内であれば、保温モードを再開することができる。なお、ステップS407Aは、前記ステップS407に対応したものである。またS408Aは、動作ステップS408に対応したものである。
保温中断許容時間は、前述したように「60分間」である。なお、これらステップS406A、S407A、S408Aは、何れも図示していない。
実施の形態5.
以下、本発明の実施の形態5について説明するが、実施の形態1〜4と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1〜4と同じ部分又は相当する部分には同じ符号を付す。
図15〜図24は、本発明の実施の形態5における電気炊飯器の動作を示すものである。図15は、誘導加熱ユニットの制御動作を示すフローチャート1である。図16は、同じく誘導加熱ユニットの制御動作を示すフローチャート2である。図17は、同じく誘導加熱ユニットの制御動作を示すフローチャート3である。図18は、同じく誘導加熱ユニットの制御動作を示すフローチャート4である。図19は、同じく誘導加熱ユニットの制御動作を示すフローチャート5である。図20は、同じく誘導加熱ユニットの制御動作を示すフローチャート6である。図21は、同じく誘導加熱ユニットの制御動作を示すフローチャート7である。図22は、実施の形態2における電気炊飯器の炊飯ユニットの制御動作を示すフローチャート1である。図23は、同じく炊飯ユニットの制御動作を示すフローチャート2である。図24は、同じく炊飯ユニットの制御動作を示すフローチャート3である。
まず、図15について説明する。
図15は、誘導加熱ユニット10の動作ステップを示したものである。動作ステップはS1〜S12で示している。
まず、電源プラグ101を商用電源71に繋ぐと、炊飯ユニット1が正しい位置に載置されていれば、リードスイッチ等から構成された載置検知センサー31がON(閉)となる(S1)。
すると、使用者が第一入力操作部20や炊飯ユニット1の第二入力操作部12を何も操作しなくとも、主制御装置80は、被加熱物温度検出部5Bや、その他の電流センサー(図示せず)によって誘導加熱ユニット10の内部構成部品に異常がないかどうかの自己チェックを開始する(S2)。
そして異常が無かった場合、炊飯ユニット1側からの入力を待つ。もし、この後、炊飯ユニット1の第二入力操作部12で、炊飯スイッチ67が押されたら、炊飯ユニット1から送信される炊飯開始指令を受けて、誘導加熱ユニット10の主制御装置80は、後述するように誘導加熱コイル14を駆動開始する。
一方、炊飯ユニット1の第二入力操作部12で、予約スイッチ68が押されたら、主制御装置80は、炊飯ユニット1から送信される予約待機指令を受ける。
そして、実施の形態1の図11におけるステップS101又は、実施の形態2の図12におけるステップS101を経て、予約待機モードに移行する。
予約待機モードに移行すると、予約開始時刻になった場合(前記図11と図12のステップS104参照)、予約炊飯の動作が開始される。
以下の説明では、予約待機モードに移行させず、使用者が炊飯スイッチ67を押して、直ぐに炊飯動作を開始させた場面を想定し、図15、図16を説明する。
主制御装置80は、炊飯スイッチ67からの「炊飯開始」のための入力の受け付けを開始する前に、以下述べるステップS3〜S8の動作を行う。
まず、主制御装置80は、送電コイル17を駆動し、電力の供給を開始する。報知部70も起動する(S3)。一方、冷却ファン13を「弱」モードで運転開始する(S4)。このため冷却風で送電コイル17が冷却される。
この段階では、主制御装置80は、載置検知センサー31がONしていることによって、炊飯ユニット1が正しい位置に載置されていることが分かっている。そこで、次に、主制御装置80は基準位置判定部33を駆動する。そして、第一赤外線通信部34から赤外線信号を、第二赤外線通信部35に向けて送信する(S5)。
その後、第二赤外線通信部35側から、応答信号が赤外線で送信されるので、その応答信号を受けて、基準位置判定部33は炊飯ユニット1が正しい位置に載置されていることを最終確認する(S6)。もし、第二赤外線通信部35に向けて第一赤外線通信部34から赤外線信号を送信した後、瞬時に所定の応答信号が無かった場合には、炊飯ユニット1が正しい位置に載置されていても、第三窓37の上面に、前回調理した際の調理液が滴下して汚れとなって固着しており、赤外線通信を妨げている場合が想定される。この場合では、主制御装置80側では、通信状態を異常(エラー)と判断する。
なお、炊飯動作を開始したあとも、予熱(吸水)工程、炊飯工程及び、むらし工程の期間中も、2つの赤外線通信部35、36の間で、動作データや温度データ等を交換するため、仮に第三窓37の汚れが原因でも炊飯動作の継続は許可しない。なお、ステップS6で、基準位置判定結果がNGになった場合には、図20に示す異常対応ステップに進むが、これについては後で説明する。
次のステップS7では、主制御装置80は、第一入力操作部20からの入力指令信号の発生を無効化する処理をする。具体的には、第一入力操作部20の入力信号を発生させるための信号を遮断して、入力信号が発生しないようにするが、この無効化手段については、この方法に何ら限定されない。
この第一入力操作部20からの入力操作部の無効化処理により、例えば、炊飯ユニット1を瞬間的に持ち上げ、第一入力操作部20を操作しても、そのような操作は主制御装置80に入力されないので、炊飯を直前で止めて、誘導加熱ユニット10を単独で使用開始することはできない。
次に誘導加熱ユニット10では、音声報知部70V等の報知部70によって、これから炊飯動作を行うことが報知される。そして第二入力操作部12で、炊飯スイッチ67を押せば、炊飯を開始することを使用者へ知らせる(S8)。
次のステップS9では、炊飯ユニット1において炊飯開始の指令が行われたかどうかを判断するため、待機状態に入る。炊飯ユニット1を載置したあと、内釜3の中の水の量を調節する等、実際の炊飯開始までは時間が必要である。そのため、待機時間を計時部80Tで計測する(S10)。
例えば、炊飯を開始したことを示す指令信号がなく(S11)、無線通信部26を経由した炊飯開始の指令信号もなく(S12)、ステップS10の段階から所定時間T1(例えば、60分)を経過した場合(S13:図16参照)、主制御装置80は、何らかの理由で炊飯を見合せているものと判断する。
図16に示すように、主制御装置80は送電コイル17の駆動停止指令を出し、また冷却ファン13の運転を停止する(S14)。
次に誘導加熱ユニット10では、音声報知部70V等の報知部70によって、炊飯動作をキャンセルしたことを報知する(S15)。実際には、この場合は、炊飯工程の前の「吸水工程」を開始することなく、取止めたことになる。
ステップS10の段階から所定時間T2(例えば、61分)を経過した場合(S16)、主制御装置80は、第一入力操作部20からの入力操作指令を無効化する処理を解除する(S17)。このため、この段階で、例えば、炊飯ユニット1を他の場所へ移動させれば、第一入力操作部20を操作して、誘導加熱ユニット10で別の加熱調理を開始できる。
ステップS17の後には、ステップS10の段階から、所定時間T3(例えば、65分間)を経過したかどうかの判定ステップ(図示せず)があり、その判定ステップでは、前記ステップS10の段階から、所定時間T3(例えば、65分間)を経過した場合、電源部72を遮断するステップに進み、その後、主制御装置80は、自ら電源部72を自動で遮断し、不用意に加熱動作が行われないように安全性を考慮した動作をする(S18)。
次にステップS13(図16参照)の前の段階で、炊飯開始の指令信号があった場合(図15のS11参照)について、図17を参照しながら説明する。
炊飯動作開始のステップS19に進み、主制御装置80は、炊飯ユニット1から第一赤外線通信部34と第二赤外線通信部35との間の通信によって、炊飯条件の情報を取得する(S20)。例えば、炊飯のための加熱時間や炊飯量等を示すデータを取得すれば良い。
次のステップS21では、冷却ファン13を「弱」運転モードから、「強」運転モードに変更し、インバーター回路73を駆動する(S22)。これにより、炊飯ユニット1の内釜3は、誘導加熱コイル14によって誘導加熱され、温度が上昇するので、予熱工程に入り、その後は炊飯工程に進む。
主制御装置80は、炊飯時間を把握するために経過時間の計測を開始し(S23)、また、無線通信部26を介して「炊飯条件」を示す情報を、電力指令装置(図示せず)等へ送信する。なお、電力指令装置とは、無線通信部26を介して接続される、家庭内に設置したローカルネットワーク設備の一種である。電気炊飯器を使用する使用者が携帯している情報通信端末器(以下、「スマートフォン」と呼ばれるものを含むものとする)に、無線通信によって電気炊飯器の情報を送信できるならば、その他の設備であっても良い。
「炊飯条件」とは、炊飯のための加熱時間や最大消費電力、炊飯量等をいう。なお、経過時間を主制御装置80側で把握しなくとも、炊飯ユニット1側から、炊飯開始からの経過時間や残りの加熱時間等の情報が、随時2つの赤外線通信部34、35の間の交信で取得できるので、前記ステップS23は省略しても良い。
図17に示すように、主制御装置80は、以後ステップS26、S27、S28及びS29の段階で、チェック(判定)を行う。
まず、炊飯中でも再び、基準位置判定部33を駆動して赤外線信号を発信及び受信し(S25)、一定の時間間隔で、炊飯ユニット1が載置されているかどうかのチェックを行う(S26)。
また、トッププレート22が異常な高温度になっていないかどうかや、インバーター回路73の実装基板が過熱状態になっていないか等のチェックを行う(S27)。
図17に示すステップS27において「NO」判定になった場合、つまり異常が検知された場合には、所定の異常対応ステップSC1に進む。異常の内容によっては、直ぐにインバーター回路73を停止させる等の対応を実行するものである。
そして、炊飯停止の指令が出ていないかどうのチェック(S28)と、予定されている炊飯時間を超過していないかどうかのチェックを行う(S29)。これらチェックは、所定の時間間隔で繰り返し行われる。
そして、制御装置50の動作プログラムに規定している所定の炊飯時間(例えば3合の炊飯量で、標準コースでは40分間)が経過した場合(S29)、誘導加熱ユニット10の報知部70によって炊飯工程が完了したことを報知する(S30)。なお、炊飯ユニット1の報知部90で、炊飯工程が終了したことを報知しても良い。
次に図18に示すように、送電コイル17の駆動停止指令を出す(S31)。そしてインバーター回路73の駆動を停止する(S32)。さらに報知部70によってむらし工程に入ることを報知する(S33)。
むらし時間を把握するために経過時間の計測を開始し(S34)、所定のむらし工程の時間TM(例えば5分又は10分間)が経過した場合(S35)、冷却ファン13の運転を停止する(S36)。これにより誘導加熱コイル14は、この段階で十分冷却されており、トッププレート22の温度は40℃〜50℃以下である。
そして、主制御装置80は、第一入力操作部20からの入力操作の無効化処理を解除する(S37)。そして、主制御装置80は、自ら電源部72を自動で遮断し、不用意に加熱動作が行われないように安全性を考慮した動作をする(S38)。
この実施の形態5では、むらし工程に続いて自動的にある時間内は保温工程が制御装置50で実行されるような制御プログラムになっていると説明した。炊飯ユニット1をそのまま誘導加熱ユニット10の上に載置したままにしておくと、実際は、むらし工程の後、例えば1時間は保温工程が続行する。そこで、その保温工程中も、基準位置判定部33は駆動され(前記ステップS25参照)、一定の時間間隔で、炊飯ユニット1が載置されているかどうかのチェックが行われる。但し、その場合、既に誘導加熱ユニット10側で誘導加熱コイル14は駆動していないので、図20に示したステップSB11だけが行われ、第一入力操作部20からの入力指令操作を無効化する処理(図15のS7)は、行われない。
次に図19の動作について説明する。
この図19に示す動作は、図15に示すステップS6において「NO」判定となった以後のものである。つまり、炊飯動作を始める前の段階で、基準位置判定結果がNG(不適合)であったため、再度基準位置の判定を行うものである。
まず、ステップSA1において、さらに報知部70によって、基準位置判定結果がNG(不適合)であったことを報知する。具体的には、炊飯ユニット1が正しい位置に置かれていないか、または第三窓37に汚れがある可能性を使用者に示唆し、窓の清掃やチェックを促す。
そして、以後の是正動作や再チェック動作を一定の時間内で完了させるため、経過時間の計測を開始する(SA2)。
次に再び、誘導加熱ユニット10の第一赤外線通信部34から赤外線信号を送信する(SA3)。そして、第二赤外線通信部35からの応答信号の状態に基づいて、基準位置の判定を行う(SA4)。ここで、所定の応答信号が得られたことにより、正規の位置に炊飯ユニット1が存在することが確認されると、報知部70によって「炊飯ユニットの正しいセットを確認しました」等の音声での報知(SA5)を行い、ステップS7に進む。
そして、所定の時間T4(例えば、5分間又は10分間)内に、ステップSA4における基準位置の判定で「YES」にならなかった場合、ステップSA7に示すように送電コイル17と冷却ファン13の運転を停止し、報知部70によって「炊飯動作に進めませんので、運転中止します」等の音声での報知を行う。その後、自動的に電源部72を遮断し(SA9)、一連の動作を終了する。つまり、主制御装置80は、一定の猶予期間(時間T4)の間に、是正できなかった場合は、安全上炊飯動作の開始前に強制的に運転を停止する。
この図19の動作ステップには、図15で説明したような、第一入力操作部20からの入力指令を無効化する処理(S7)は含まれていない。そのような処理の前の段階(ステップS6)であるからである。
次に図20の動作について説明する。
この図20に示す動作は、図17に示すステップS26において「NO」判定になった以後のものである。つまり、炊飯動作を開始した後の工程において、基準位置判定結果がNG(不適合)であったため、再度基準位置の判定を行うものである。
まず、ステップSB1において、主制御装置80はインバーター回路73と、送電コイル17の駆動を一時的に停止する。
さらに報知部70によって、例えば「正しく炊飯ユニット1が載置されていませんので、正しい位置にセットして下さい」等の音声ガイドを行う(SB2)。
インバーター回路73が駆動開始されたあと、時間の計測を開始した時点(ステップS23)から例えば、5分経過しているかどうかの判定が行われる(SB3)。例えば、誘導加熱調理が開始されてから4分間しか経過していない場合、内釜3の状況は、予熱工程であるので、この時点で加熱中止しても、後で再び炊飯すれば何ら支障はない。そのためステップSB3段階で、5分を経過していない場合には、ステップSB4に進む。
ステップSB4では、冷却ファン13が停止され、報知部70によって炊飯動作は途中で中止したことを知らせる(SB5)。
そして、第一入力操作部20から主制御装置80に対する、入力指令を無効化する処理(図15のステップS7参照)は解除する(SB6)。
この後、主制御装置80は、自ら電源部を遮断して電力供給を遮断し(SB7)、一連の動作を全て終了する。なお、誘導加熱コイル14によってトッププレート22が高温になっている可能性もあるので、前記ステップSB4において、冷却ファン13の運転停止のタイミングは、ある時間(例えば数分間)遅らせ、誘導加熱ユニット10の温度を下げてから停止するようにしても良い。
インバーター回路73が駆動開始された時点から例えば、5分経過しているかどうかの判定を行う前記ステップSB3で、仮に11分経過していた場合には、ステップSB8に進む。
ステップSB8では、経過時間T5のカウントを開始する。そして次のステップSB9では、再び誘導加熱ユニット10の第一赤外線通信部34から赤外線信号を送信する。そして、第二赤外線通信部35からの応答信号の状態に基づいて、基準位置判定部33が基準位置の判定を行う(ステップSB10)。
ステップSB10において、所定の応答信号が得られたことにより、正規の位置に炊飯ユニット1が存在することが確認されると、ステップSB11に進む。
ステップSB11では、ステップSB8の時点からの経過時間が4分以内であるかどうかの判定を行う。例えば1分以内である場合に、炊飯ユニット1が基準位置に戻されて載置された場合には、ステップSB11は「YES」判定となり、次のステップSB12に進む。
ステップSB12では、主制御装置80はインバーター回路73の駆動を再開する。そして、ステップS27(図17参照)に戻る。つまり、短時間(4分以内)に、炊飯ユニット1が基準位置に戻されて載置された場合には、炊飯を再開しても支障はない、という考えで、炊飯工程を再開する。炊飯ユニット1が、基準位置に戻されるまでの4分間に、内釜3の温度低下も僅かであり、炊飯工程を再開できる。
しかし、ステップSB10において、正規の位置に炊飯ユニット1が存在することが確認されないと、ステップSB9に戻り、再び第一赤外線通信部34から赤外線信号を送信することになる。
そして、4分以内に正規の位置に炊飯ユニット1が載置されていることを確認できない場合には、ステップSB4に進み、冷却ファン13が停止され、報知部70によって炊飯動作は途中で中止したことを知らせる(SB5)。以後、前述したステップSB6とSB7を経て終了する。
次に図21の動作について説明する。
この図21に示す動作は、図17に示すステップS28において「NO」判定になった以後のものである。つまり、炊飯動作を開始した後の工程において、何らかの理由で炊飯動作の停止指令が炊飯ユニット1側から出された場合に対応するものである。図6に示す第二入力操作部12の切/保温スイッチ66が、使用者によって誤って押された場合が一例である。
まず、ステップSD1において、主制御装置80はインバーター回路73の駆動を一時的に停止する。
ステップSD2において、報知部70は、例えば「炊飯動作を途中で中止する操作が行われました」等の音声ガイドを行う。
次のステップSD3では、インバーター回路73が駆動開始された時点(図17のステップS22)の直後の時間計測開始(ステップS23)時点から、20分を経過しているかどうかを判定する。
ステップSD3の時点で、例えば25分間経過している場合、内釜3の状況は、既に沸騰工程であるので、この時点で加熱中止すると、一旦米が冷えたあとで再び炊飯開始しても、元のような炊飯結果は得られず、味覚の劣るご飯になる懸念がある。
そのため、ステップSD7に進み、復帰時間RTの計測を開始する(SD8)。その復帰時間RTは、例えば4分間の設定されている。
ステップSD8では、4分以内に、炊飯ユニット1から炊飯動作開始の指令があるかどうかを判定し、炊飯動作開始の指令があった場合、ステップSD9に進む。
ステップSD8の前に、音声報知部70Vや炊飯ユニット1側の音声報知部90Vによって、例えば、「炊飯工程が進んでいますので、炊飯を再開することをお勧めします。炊飯の再開は、炊飯スイッチ67を押して下さい」のような音声ガイドを行うステップを追加しても良い。
SD9では、報知部70において「炊飯再開の指令を受けましたので、炊飯動作再開します」のような音声ガイドを行う。そして、インバーター回路73の駆動を再開(SD10)し、ステップS29に戻る。
ステップSD8では、4分以内に、炊飯ユニット1から炊飯動作開始の指令がなかった場合、後述するステップSD4に進む。
一方、ステップSD3で、20分を経過していないと判定された場合、ステップSD4に進む。報知部70は、例えば「途中ですが、炊飯動作を中止します」等の音声ガイドを行う。なお、このステップSD4で、音声報知部70Vや炊飯ユニット1側の音声報知部90Vによって、例えば、「炊飯を再開する場合、直ぐに炊飯スイッチ67を押して下さい」のような音声ガイドを行うようにしても良い。
ステップSD4の次に、ステップSD5に進み、主制御装置80は、送電コイル17と冷却ファン13の駆動を中止する。そして自動的に電源部72を自ら遮断し(SD6)、一連の動作を終了する。
前記復帰時間RTを、4分間と比較的短時間にしている意味について説明する。
前記実施の形態4の図14では、ステップS412において、保温中断許容期間は、例えば60分に設定していた。
炊飯ユニット1が、保温用ヒーターである内釜側面加熱部9Bや蓋体加熱部9Aの通電が停止しても、内釜3の温度低下度合が低い場合、言い換えると保温性能が高い場合には、保温中断許容期間は長く設定できる。
また、使用者が炊飯ユニット1だけを、別の場所(例えば、食卓の上等)に運び、食事をしている可能性もある。
これに対し、前記復帰時間RTは、使用者が炊飯中であることに気が付かず、不注意で第二入力操作部12のスイッチに触れ、誤った操作入力を意図しないで発生させた可能性がある。特に予約炊飯の場合、予約をした時点から実際の炊飯動作が開始されるまでに数時間以上経過している場合があり、予約した使用者自身が現在炊飯動作を開始していることに気が付かない場合もある。また同居する家族では、それ以上に炊飯動作中であることに気が付かない可能性がある。
そこで、この実施の形態5では、炊飯動作を継続するかどうかについて、迅速に意思を確認するために復帰時間RTを、比較的短時間な4分間にしているものである。本発明は、この4分間に何ら限定されるものではない。
次に図22の動作について説明する。
この図22は、炊飯ユニット1側の動作ステップを示したものである。
炊飯ユニット1の動作ステップはSR1〜SR19で示している。
炊飯ユニット1を誘導加熱ユニット10の上に正しくセットした場合、受電コイル7が送電コイル17によって駆動開始される。使用者が炊飯ユニット1の第二操作入力部12を何も操作しなくとも、制御装置50は、内釜温度検出部5Aや、その他の電流センサー(図示せず)によって炊飯ユニット1の内部構成部品に異常がないかどうかの自己チェックを開始する(SR2)。
そして異常が無かった場合、制御装置50は炊飯ユニット1が正しい位置に載置されていることが分かる。次に、誘導加熱ユニット10の第一赤外線信号送信部34からの赤外線信号を、第二赤外線信号受信部35で受信し、第一赤外線信号送信部34に向けて応答信号を送信する(SR3)。
その後、蓋体1Bの第一表示部11Aを起動し、第二表示部11Bは起動しない(SR4)。まだ米の重量計測段階ではないため、第二表示部11Bを起動させて表示させる必要がないためであり、また省エネにもなる。
ステップSR4では、報知部90にて例えば「これから炊飯を開始します」という音声ガイドを行う。
制御装置50は、記憶部50Rから前回の炊飯で使用された最新の炊飯条件を読み出す。例えば、白米で炊飯量は3合、炊き方は「やわらか」という条件を読み出す(SR5)。
次に読み出した炊飯条件を、第一表示部11Aにて表示させる。例えば「白米」という表示をさせ、それを変更するには、米種スイッチ63を押せば良い。1回押すと「無洗米」、2回押すと「発芽玄米」のように順次次の候補に選択枠が進み、また元の「白米」まで巡回するから、希望の米種を選択できる(SR6)。
同様に、米の銘柄とご飯の炊き加減、すなわちご飯の硬さの情報も、順次読み出して、それらを修正できる(SR7、SR8)。
この段階で、制御装置50は第二表示部11Bを起動し、米の重量を計測できることを表示する。また音声報知部90Vでも報知する(SR9)。
次に米の重量計測と報知工程に進む。米の重量を計測する方法と、計測した結果に応じて、内釜3に投入する水の量の適否を第二表示部11Bと、音声報知部90Vで案内するものである(SR9)。このステップについては後で詳しく説明する。
最終的に米の量や種類、銘柄、水の量の調整等を終えた段階で、炊飯スイッチ67を押すと、音声報知部90Vでは、例えば「米の重量計測結果300gでした。適正水量判定しましたので、炊飯開始します」のような音声ガイドを行う。また第二表示部11Bは表示動作を終える(OFFする)(SR10)。
次に「白米で、炊き方は・・・・、炊きあがり予想時刻は、18時50分です」のような最終的な炊飯条件を、音声ガイドで行う(SR11)。
制御装置50は、炊飯スイッチ67が押されてから10秒程度経過すると、使用者の取り消し操作は無いと推測し、誘導加熱ユニット10に対して所定の「炊飯指令信号」を送信する。この場合の当該指令信号は、第二赤外線通信部35から第一赤外線通信部34側へ送信されるものである(SR12)。
ここでいう「炊飯指令信号」は、炊飯工程の詳細を確定する制御プログラムではない。米の量や種類、銘柄等を示す基礎データを送れば、それに基づいて主制御装置80の記憶手段80Rに格納してあるコンピュータソフトウエア(炊飯制御プログラム)を使用して炊飯のための誘導加熱コイル14の通電制御を実行できる。但し、炊飯工程の詳細を確定する制御プログラム自体を直接送信しても良い。
そして次は予熱工程が終わったかどうかを判定し(SR13)、予熱工程が終わったと判定された場合には次のステップ(SR14)に進み、第二赤外線通信部35から予熱工程が終わったことを示す信号が赤外線で送信される(SR14)。
そして次は炊飯工程が終わったかどうかを判定し(SR15)、炊飯工程が終わったと判定された場合には次のステップ(SR16)に進み、第二赤外線通信部35から炊飯工程が終わったことを示す信号が赤外線で送信される(SR16)。
図23に示すように、次はむらし工程が終わったかどうかを判定し(SR17)、むらし工程が終わったと判定された場合には次のステップ(SR18)に進み、第二赤外線通信部35からむらし工程が終わったことを示す信号が赤外線で送信される。
そして、炊飯ユニット1側の報知部90によって、第一表示部11Aでも炊飯終了(むらし終了)が表示され、音声報知手段90でも、炊飯終えて、むらし工程終えていることが音声で報知される(SR19)。以上のステップで一連の炊飯動作を終える。
次に、図24の動作ステップについて説明する。
図24は、図22のステップSR9からSR10までの間を詳しく説明するためのものである。
前記ステップSR9は、図24に示したステップSR9A〜SR9Mまでを含んでいる。
最初のステップSR9Aでは、音声入力モードに自動的に切り替わることを音声報知部90Vで知らせる。この音声ガイドには、内釜3の中には、米だけを入れておくこと、また蓋体1Bは開いたままにして重量を計測することの説明を含ませてある。そして音声入力モードに自動的に切り替える(SR9B)。
次に重量を計測するモードを希望するかどうか尋ねる音声ガイドを報知部90が行う(SR9C)。炊飯に習熟している使用者によっては、経験で水の量を適正なレベルにできる場合もあり、炊飯ユニット1での計測を希望しない場合には、音声で「計測しない」など、所定の言葉を話せば、蓋体1Bの適当な個所に設けたマイクを介して音声入力され、通常のステップSR10へ一挙に進む。そして、同時に音声入力モードは自動的に解除される。
ステップSR9Cで、重量計測モードを希望するとの使用者が発声した場合、制御装置50は、蓋体1Bが開いているかどうかを判定する(SR9D)。この判定は、開放検知センサー93からの出力を制御装置50が判定して行う。なお、蓋体1Bが開放されていない場合には、音声報知部90Vで開放するように音声でガイドしても良い。
次のステップSR9Eで、「計測開始」と使用者が発声した場合、制御装置50は、重量計測部94によって、4つの重量センサー4の計測値から炊飯ユニット1全体の重量を計算で求める(SR9F)。
そして計測した結果を音声で報知する(SR9G)。そしてその重量に見合った水量を計算し、結果を音声報知部90Vで報知する(SR9H)。この報知を聞いて、蓋体1Bが開いたままの炊飯ユニット1の内釜3の中に、使用者が水を注入すると、その注入の過程で重量計測部94が適正重量と現在の重量との乖離を計算し、音声で知らせる(SR9K)。
このような注水又は入れ過ぎた水の取り出し過程を経て、最終的に適正水量レベルになったと制御装置50で判定された場合(SR9L)は、音声入力モードを自動的に解除することを音声報知部90Vと第二表示部11Bで報知し、前記したステップSR10に進む。すなわち、最終的に米の量や種類、銘柄、水の量の調整等を終えた段階で、適正水量を計測したことを音声報知部90Vと第二表示部11Bで報知する(SR10)。
次のステップSR11では、音声報知部90Vが、炊飯スイッチ67を押すことを音声で推奨し、さらに音声報知部90Vでは、例えば「白米で、炊き方は・・・で炊飯開始します。炊きあがり予想時刻は、18時50分です」のような音声ガイドを行う(SR11)。
この実施の形態5では、このような米の重量計測と水の注入段階で自動的に音声入力モードに設定したため、使用者が水を入れる動作に集中でき、また蓋体1Bを開けたり、閉めて第一表示部11Aを確認したりする動作を避けることができ、使用者の利便性を向上させる効果が期待できる。
実施の形態5の総括.
以上の説明から明らかなようにこの実施の形態5においては、第2の発明の電気炊飯器100を開示していた。
すなわち、実施の形態5における電気炊飯器100は、
被加熱物を電磁誘導加熱する誘導加熱コイル14、前記誘導加熱コイル14を制御する主制御装置80、を有する誘導加熱ユニット10と、
被調理物を収容し前記誘導加熱コイル14によって加熱される内釜3、前記内釜3を収容する本体1A、前記誘導加熱コイル14の加熱条件の入力を受け付ける(第二)入力操作部12、前記入力操作部12の入力信号を受け付ける制御装置50、を有する炊飯ユニット1と、を備え、
前記誘導加熱ユニット10及び前記炊飯ユニット1のうち少なくとも一方は、前記炊飯ユニット1が前記誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されたか否か判定する基準位置判定部33と、報知を行う報知部70、90と、を備え、
前記誘導加熱ユニット10又は前記炊飯ユニット1は、予約炊飯動作を開始した後の当該炊飯動作中において、前記基準位置判定部33によって前記炊飯ユニット1が基準位置に無いと判定したとき(図17のステップS26)は、炊飯ユニット1が基準位置に正しく載置されていないことを検知したことを示す報知(図20のステップSB2)を行った上で、第1の処理又は第2の処理を行うものであり、
前記第1の処理は、基準の時間内に前記炊飯ユニットが前記基準位置に戻されたと判定した場合(図20のステップSB11で「YES」判定)、前記報知部70、90によって報知動作を行い(図20のステップSB12)、予約炊飯の動作に復帰(図20のステップSB13参照)させることであり、
前記第2の処理は、基準の時間内に前記炊飯ユニット1が前記基準位置に戻されていないと判定した場合(図20のステップSB11で「NO」判定)、前記報知部70、90によって報知動作を行い(図20のステップSB5)、予約炊飯動作を中止(図20のSB7参照)させる、電気炊飯器である。
この実施の形態5によれば、炊飯ユニット1による予約炊飯の動作中において、炊飯ユニット1が基準位置に正しく載置されているかどうかを、基準位置判定部33によって判定させ、炊飯ユニット1の載置状態が正常でない場合には、報知部70又は90の何れか一方もしくは両方によって使用者に報知するから、炊飯ユニット1の載置について使用者に注意喚起を行うことができ、利便性も向上するものである。
この実施の形態5においては、炊飯動作開始前に基準位置に炊飯ユニット1が無いという判定がされた場合、図19のステップSA6で説明した経過時間(5分間又は10分間)以内に、炊飯ユニット1が基準位置に正常に載置されれば、炊飯動作の開始のステップに進む。
図21のステップSD7で説明したように、炊飯動作を開始した後に、炊飯停止指令があった場合には、復帰時間RT(4分間)内に、炊飯開始のためのスイッチ66が押されると、制御装置50から炊飯動作を再開させる指令信号が発信される。
従って、前記主制御装置80が、前記「炊飯動作を再開させる指令信号」を受信しない限り、図21のステップSD8で説明したように、炊飯再開の動作(図21のステップSD10参照)が行われない構成である。
実施の形態5では、さらに以下の発明も実施していた。
被加熱物を電磁誘導加熱する誘導加熱コイル14、前記誘導加熱コイル14を制御する主制御装置80、無線通信部26、を有する誘導加熱ユニット10と、
被調理物を収容し前記誘導加熱コイル14によって加熱される内釜3、前記内釜3を収容する本体1A、前記誘導加熱コイル14の加熱条件の入力を受け付ける(第二)入力操作部12、前記入力操作部12の入力信号を受け付ける制御装置50、を有する炊飯ユニット1と、を備え、
前記誘導加熱ユニット10及び前記炊飯ユニット1のうち少なくとも一方は、前記炊飯ユニット1が前記誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されたか否か判定する基準位置判定部33と、報知を行う報知部70、90と、を備え、
前記炊飯ユニット1の(第二)入力操作部12は、炊飯動作を取り消すスイッチ66の操作部を有し、
前記誘導加熱ユニット10又は前記炊飯ユニット1は、予約炊飯動作を開始した後の当該炊飯動作中において、前記基準位置判定部33によって前記炊飯ユニット1が基準位置に無いと判定したとき(図17のステップS26)は、事前に無線通信部26による外部への報知(図20のステップSB2の段階で)を行った上で、第1の処理又は第2の処理を行うものであり、
前記第1の処理は、基準の時間内に前記炊飯ユニットが前記基準位置に戻されたと判定した場合(図20のステップSB11で「YES」判定)、前記報知部70、90による報知と前記無線通信部26による外部への報知動作とを行い(図20のステップSB12)、予約炊飯の工程に復帰(図20のステップSB13参照)させることであり、
前記第2の処理は、基準の時間内に前記炊飯ユニット1が前記基準位置に戻されていないと判定した場合(図20のステップSB11で「NO」判定)、前記報知部70、90による報知(図20のステップSB5)と前記無線通信部26による外部への報知動作とを行い、予約炊飯の動作(運転)を中止(図20のSB7参照)させることであり、
予約炊飯動作を開始した後の当該炊飯動作中において、前記炊飯動作を取り消すスイッチ66が操作されると前記制御装置50は、その後の復帰時間RT(図21のステップSD7参照)内に、再び炊飯開始の入力が(当該スイッチ66が押された場合に該当)あったときは、炊飯動作を再開させる指令を発し、この炊飯動作を再開させる指令を、前記主制御装置80が受けた場合、炊飯動作を再開させること(図21のステップSD10参照)を特徴とする電気炊飯器。
この発明によれば、炊飯ユニット1による予約炊飯の開始前と炊飯動作中の2つの場面において、炊飯ユニット1が基準位置に正しく載置されているかどうかを、基準位置判定部33によって判定させ、炊飯ユニット1の載置状態が正常でない場合には、炊飯の開始を見合せ、また炊飯動作を中止するとともに、基準の時間内又は復帰時間内に、炊飯ユニット1の載置状態が正常であると判定された場合、通常の炊飯動作の工程に進め、又は炊飯動作を再開できる。
このため、炊飯ユニット1の載置状況について、使用者に対して適宜注意喚起や確認を求める構成であり、誤った使用を抑制し、利便性も向上するものである。
変形例.
図20のステップSB2、SB5及びSB12における報知は、誘導加熱ユニット10の報知部70による報知であったが、これに加えて、又はそれに代えて無線通信部26を使用して外部へ報知しても良い。
炊飯ユニット1が、基準位置に正しく載置されていない場合には、予約炊飯の動作中であることを使用者や同居する家族等が知らずに、誘導加熱ユニット10の位置から離れた場所に、炊飯ユニット1を運んでしまったことが原因である場合が想定される。
そのような場合でも、この変形例によれば、前述したように無線通信部26を使用して外部へ報知を行うので、統合管理装置(これから情報を受けて報知動作を行う、TV受信機やその他連携する家電機器、「スマートスピーカー」と呼ばれる家庭内の情報伝達機器等を含む。)や、使用者が携帯している情報通信端末器において、炊飯動作が一時的に停止していること等、炊飯ユニット1の状況を、それら統合管理装置や情報通信端末器によって知ることができる。これにより、予約した通りの炊飯が行えるように、炊飯ユニット1を基準位置まで戻すようなアクションを、使用者等に促すことができる。
以上のように、この変形例の発明は、
被加熱物を電磁誘導加熱する誘導加熱コイル14、前記誘導加熱コイル14を制御する主制御装置80、無線通信部26、を有する誘導加熱ユニット10と、
被調理物を収容し前記誘導加熱コイル14によって加熱される内釜3、前記内釜3を収容する本体1A、前記誘導加熱コイル14の加熱条件の入力を受け付ける(第二)入力操作部12、前記入力操作部12からの入力信号を受け付ける制御装置50、を有する炊飯ユニット1と、を備え、
前記誘導加熱ユニット10及び前記炊飯ユニット1のうち少なくとも一方は、前記炊飯ユニット1が前記誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されたか否か判定する基準位置判定部33と、報知を行う報知部70、90と、を備え、
前記誘導加熱ユニット10又は前記炊飯ユニット1は、予約炊飯動作を開始した後の当該炊飯動作中において、前記基準位置判定部33によって前記炊飯ユニット1が基準位置に無いと判定したとき(図17のステップS26)は、事前に無線通信部26による外部への報知(図20のステップSB2の段階で)を行った上で、第1の処理又は第2の処理を行うものであり、
前記第1の処理は、基準の時間内に前記炊飯ユニットが前記基準位置に戻されたと判定した場合(図20のステップSB11で「YES」判定)、予約炊飯の動作に復帰(図20のステップSB13参照)させることであり、
前記第2の処理は、基準の時間内に前記炊飯ユニット1が前記基準位置に戻されていないと判定した場合(図20のステップSB11で「NO」判定)、前記予約炊飯動作を中止(図20のSB7参照)させること、を特徴とする電気炊飯器である。
この変形例の発明によれば、電気炊飯器の使用者が誘導加熱ユニット10から離れた場所に居ても、前記無線通信部26からの報知情報により、炊飯ユニット1の状況を知ることができ、予約した炊飯動作が行える。
実施の形態6.
図25〜図33は、本発明の実施の形態6に関するものである。図25は、電気炊飯器の側方から見た縦断面図である。図26は、図25の電気炊飯器の制御関係構成を示すブロック図である。図27は、図25の電気炊飯器の、炊飯ユニットの制御動作を示すフローチャート1である。図28は、図25の電気炊飯器の、炊飯ユニットの制御動作を示すフローチャート2である。図29は、図25の電気炊飯器の、炊飯ユニットの制御動作を示すフローチャート3である。図30は、図25の電気炊飯器の、炊飯ユニットの制御動作を示すフローチャート4である。図31は、図25の電気炊飯器の、炊飯ユニットの制御動作を示すフローチャート5である。図32は、図25の電気炊飯器の、炊飯ユニットの制御動作を示すフローチャート6である。図33は、図25の電気炊飯器の、炊飯ユニットの制御動作を示すフローチャート7である。なお、実施の形態1〜5と同一又は相当部分には、同一の符号を付し、重複した説明を省略している。
この実施の形態6における電気炊飯器100の特徴の一つは、誘導加熱ユニット10の内部構造を少し改良していることである。他の特徴は、炊飯ユニット1側の制御装置50の制御プログラムを変更していることである。
以下、実施の形態6の電気炊飯器100について、詳細に説明する。
図25において、103は、実施の形態1の永久磁石30に代えて設置したICタグである。このタグの情報を読み取るリーダー(ICタグ情報読み取り部)104は、図示していないが、後部垂直部16に設置してある。前記リーダー104は、実施の形態1の載置検知センサー(リードスイッチ)31に相当するものである。
図25において、105は、誘導加熱ユニット10の底面の4隅部に取り付けた支持脚部であり、この内部には、実施の形態1の重量センサー4に相当する重量センサー4(図示せず)が配置されている。
102は、誘導加熱ユニット10の底面の前方部を上下に貫通するように設けたファンケースであり、上面と下面が開口した円筒形状を呈している。
103は、そのファンケース102に支持されたファンモータである。
104は、第二冷却ファンであり、(第一)冷却ファン13と同様に、誘導加熱ユニット10の外部から冷却用の空気を吸引する。太い矢印FXは、第二冷却ファン104の冷却風の流れを示すものである。また別の太い矢印FYは、(第一)冷却ファン13の冷却風の流れを示すものである。
対象物から放射される赤外線量を検知して温度を計測する内釜温度検出部5Aは、内釜3の中心部に向けて設置してある。この内釜温度検出部5Aを上下に貫くような垂直線を中心として、誘導加熱コイル14が同心円状に配置されている。誘導加熱コイル14は、二重リング形状であり、誘導加熱ユニット10の内側天井部、すなわち、トッププレート22の下面に固定してある。
19は、防磁板であり、前記誘導加熱コイル14の最も外側を囲むように円形(リング)形状であり、誘導加熱コイル14に接近した位置に設置されている。この防磁板は、誘導加熱コイル14の天井部を構成するトッププレート22の、下面に接着剤等で固定されている。
前記第二冷却ファン104は、防磁板19の最も前方部の真下の位置にある。
第二冷却ファン104が外部から吸引した冷却風FXは、第一赤外線通信部34の周囲を通過する。
さらにその後、冷却風FXは、防磁板19を冷却して誘導加熱ユニット10の後方に進む。そして第一冷却ファン13の冷却風FYと合流して、誘導加熱ユニット10の後部垂直部16から外部へ放出される。
このように、防磁板19と第一赤外線通信部34の真下の位置に第二冷却ファン104を配置したことにより、第二冷却ファン104が外部から吸引した冷却風によって、防磁板19と第一赤外線通信部34を効果的に冷却することができる。比較的高熱に弱い赤外線センサー素子を内蔵した第一赤外線通信部34と、誘導加熱コイル14に接近した位置に設置されていて、高温度になる防磁板19とを、第二冷却ファン104からの冷却風で冷却できる。このため電子部品の長寿命化や固定部分の温度による劣化の防止等を図ることができる。
126は、前記後部垂直部16の中に収容した無線通信モジュール(無線通信部)26と同様な機能を有する無線通信部である。蓋体1Bの前方部に内蔵してある。
前記無線通信部126は、家庭内に設置したローカルネットワーク設備(電力指令装置や統合管理装置等を含む)との間で無線通信できるようになっており、インターネット回線を通じて遠隔地にある携帯情報端末器、通信機器等と情報の授受ができる。また炊飯ユニット1に対する遠隔操作信号も受信できる。無線通信手段としては、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi(登録商標)等の周知の手段を採用することができる。また無線通信部126は、誘導加熱ユニット10側の無線通信部26と、前記Bluetooth(登録商標)等の無線通信手段を介して、通信を行うことができる。
この実施の形態6の炊飯ユニット1は、誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されているかどうかを自分自身で判定できる。これについては後で詳しく説明する。
前記炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されて、炊飯動作等を行っている場合と、炊飯等の動作を行っていない場合の、何れの場合でも、前記無線通信部126を通じた外部から遠隔操作(指令)信号(例えば、予約炊飯の時刻設定や、炊飯動作の開始指令信号など)は、制御装置50が読み込まないようにしても良い。
本実施の形態6では、前記炊飯ユニット1は、前記電力指令装置や統合管理装置等を通じての炊飯動作開始指令を受けて、炊飯動作を開始するように変更している。つまり、家庭内ローカルネットワーク設備を介して、炊飯ユニット1と誘導加熱ユニット10は、相互に通信可能となっている。
誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されている期間中は、炊飯ユニット1は誘導加熱ユニット10との間の、赤外線通信によって指令信号を受ける構成にしてある。つまり、第一赤外線通信部34と第二赤外線通信部35との間の、通信によって炊飯ユニット1から誘導加熱ユニット10に対し、炊飯動作開始等の動作を指令する。但し、誘導加熱ユニット10は、炊飯ユニット1の運転状態を監視しており、異常高温等が検知された場合には、誘導加熱コイル14を自動で停止する等、自らも制御している。
前記炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されていない場合には、前記無線通信部26Aを通じた外部から遠隔操作信号(例えば、予約炊飯の時刻設定や、炊飯メニューの変更指令信号、炊飯動作開始指令など)を、制御装置50が読み込むことはできる。しかし、そのような外部からの炊飯動作開始指令があっても、制御装置50から送信した赤外線信号による炊飯動作開始の指令を、主制御装置80側では正常に受信できない。つまり、前記炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の基準位置にない場合には、内釜3を高温度に加熱するような炊飯等の加熱調理動作は、開始できない。
蓋体加熱部9Aと、内釜側面加熱部9Bは、保温時に通電されるもので、消費電力が数十ワット程度である。
蓋体加熱部9Aと、内釜側面加熱部9Bは、無線通信部126を通じた外部から遠隔操作信号で通電開始と停止ができるが、このような遠隔制御も出来ないように変更しても良い。
次に図26に示す炊飯ユニット1の内部構成を示すブロック図において、126は、前述した無線通信部である。この図26から明らかなように、実施の形態1〜5で示した重量計測部94は、炊飯ユニット1には備えていない。その重量計測部94に相当する重量計測部106は、図示していないが、誘導加熱ユニット10に設置してある。このため、その重量計測部では、実施の形態1のように炊飯ユニット1だけの重量を計測するものではなく、炊飯ユニット1を載置した状態での誘導加熱ユニット10の総重量を計測するものである。
次に図27について説明する。
図27は、炊飯ユニット1の動作ステップを示したものである。動作ステップはSS1〜SS16で示している。
まず、誘導加熱ユニット10の電源プラグ101を商用電源71に繋いだ後、炊飯ユニット1をその誘導加熱ユニット10の上に載置する。
炊飯ユニット1が正しい位置に載置されていれば、誘導加熱ユニット10の主制御装置80は、送電コイル17を駆動し、電力の供給を開始する。
そして、給電部6から電力が制御装置50に供給され、制御装置50が起動される(SS1)。制御装置50は、内釜(被加熱物)温度検出部5Aや、その他の内部構成部品に異常がないかどうかの自己チェックを開始する(SS2)。そして報知部90を起動する(SS3)。例えば、報知部90の表示部11では「炊飯メニューを選択してください」というような、メッセージを表示しても良い。
次に、炊飯ユニット1の運転が開始されたことを示す信号を、無線通信部126から外部へ送信する(SS4)。これは、後述する電力指令装置(図示せず)や統合管理装置(図示せず)等が、炊飯ユニット1の動作を把握するための信号となる。炊飯ユニット1の使用を予告したものとなる。
この段階では、誘導加熱ユニット10の主制御装置80は、載置検知センサー31がONしていることによって、炊飯ユニット1が正しい位置に載置されていることが分かっている。炊飯ユニット1側でも、制御装置50において、炊飯ユニット1が正しい位置に載置されていることをチェックできる機能がある。
炊飯ユニット1の制御装置50は、基準位置判定部33の第二赤外線通信部35を駆動する。そして、赤外線信号を、第一赤外線通信部34に向けて送信する(SS5)。
その後、第一赤外線通信部34側から、応答信号が赤外線で送信されるので、その応答信号を受けて、基準位置判定部33は炊飯ユニット1自身が正しい位置に載置されていることを最終確認する(SS6)。
もし、第一赤外線通信部34に向けて第二赤外線通信部35から赤外線信号を送信した後、瞬時に所定の応答信号が無かった場合には、炊飯ユニット1が正しい位置に載置されていないか、または第三窓37の上面に、前回調理した際の調理液が滴下して汚れとなって固着しており、赤外線通信を妨げている場合が想定される。
これら何れの場合でも制御装置50側ではエラーとなる。
ステップSS6で、基準位置判定結果がNGになった場合には、異常対応ステップSSA1に進むが、これについては後で説明する。
次のステップSS7では、制御装置50は、第二入力操作部12からの入力指令信号を有効に読み込む処理をする。具体的には、第二入力操作部12からの入力信号を読み込み、解読する処理に切り替えるが、この有効化手段については、この方法に何ら限定されない。
この第二入力操作部12の入力機能有効化とは全く反対に、前記第一入力操作部20における入力操作機能は、主制御装置80によって無効化される。
主制御装置80は、前記ステップSS6が「YES」判定をしたことを確認し、第一入力操作部20の入力機能を無効化する。
次に制御装置50は、第二入力操作部12からの入力指令信号を待つ段階に移る(SS8)。なお、これから炊飯動作を行うことができるので、使用者には音声報知部90V等の報知部90によって「炊飯条件を入力してほしい」や「最後に、炊飯開始キーを押して下さい」等の報知を行っても良い。
ステップSS8では、炊飯ユニット1において炊飯開始の指令が行われたかどうかを判断するため、待機状態に入ったが、炊飯ユニット1を載置したあと、内釜3の中の水の量を調節する等、実際の炊飯開始までは時間が必要である。そのため、待機時間を計時部50Tで計測する(SS9)。
例えば、炊飯を開始したことを示す指令信号がなく(SS10)、無線通信部126を経由した炊飯開始の指令信号もなく(SS11)、ステップSS9の段階から所定の待機時間T1(例えば、60分)を経過した場合(SS12)、制御装置50は、何らかの理由で炊飯を見合せているものと判断する。
すると、制御装置50は、ステップSS13に進み、報知部90において炊飯終了を報知する。そして誘導加熱ユニット10に対して運転終了の通知を行う。
具体的には、基準位置判定部33の第二赤外線通信部35を駆動する。そして、炊飯動作の即時停止の指令信号を、赤外線信号として送信する(SS14)。誘導加熱ユニット10側では、主制御装置80は、送電コイル17の駆動停止指令を出す。
次に、炊飯ユニット1の運転終了することを示す信号を、無線通信部126から外部へ送信する(SS15)。これは、前記電力指令装置(図示せず)や統合管理装置等が、炊飯ユニット1の使用は無くなったことを把握するための信号となる。
最後に、制御装置50は、ステップSS16に進み、自分自身で電源を自動的に遮断する。以上により、炊飯工程は開始されることなく、終了する。
次に図28について説明する。
図28は、後述する「予約炊飯」以外の、炊飯ユニット1の炊飯動作ステップを示したものである。動作ステップはSS17〜SS29で示している。
炊飯開始の指令信号があった場合(図27のSS10参照)について説明する。
炊飯工程開始のステップSS17に進み、炊飯ユニット1の制御装置50は、第二赤外線通信部34と第一赤外線通信部35との間の通信によって、炊飯条件の情報を誘導加熱ユニット10の主制御装置80に伝える(SS18)。例えば、炊飯のための加熱時間や炊飯量等を示すデータを送信すれば良い。吸水工程や沸騰工程等の工程毎に、誘導加熱コイル14を駆動する電気的条件を含んでいる。電気的条件とは、例えば時間軸における、通電のパターンである。例えば沸騰工程における1分間あたりの通電量が例えば「1200W」と指示される。
制御装置50は、炊飯工程の時間を把握し、進捗を確認するために、経過時間の計測を開始し(SS19)、また、無線通信部126を介して、炊飯工程の時間(沸騰工程の予想終了時刻を含む)、炊飯メニュー、保温工程の予想終了時刻等、炊飯の基本的条件を示す、それぞれの情報を、電力指令装置(図示せず)や統合管理装置等へ送信する(SS20)。なお、誘導加熱コイル14を主制御装置80が駆動するための通電パターンや、制御プログラム、制御パラメータ等は送信しない。ステップSS18で送信済のデータと重複したデータは、再度送信しない。
前記電力指令装置とは、無線通信部126を介して接続される、家庭内に設置したローカルネットワーク設備の一種である。ローカルネットワーク設備が、電気炊飯器100を使用する使用者の保有する情報通信端末器に対し、無線通信によって電気炊飯器100の情報を転送する。そのように電気炊飯器へ情報を転送できるならば、電力指令装置に限定されず、その他の設備、例えば統合管理装置であっても良い。
統合管理装置とは、二つ以上の家電機器を連携して動作させるための装置をいう。例えば電気炊飯器100の運転と、他の家電機器、例えばオーブントースタや電子レンジ等の電気調理器、空気清浄機、室内換気装置、空気調和機等の運転とを連携させる装置をいう。統合管理装置は、電気炊飯器を含む各種家電機器の運転や停止、待機状態等の現在状況に関する情報を、有線又は無線信号で家電機器から取得する機能を有する。統合管理装置は、単体の機器でなくとも良く、またその一部をインターネット等で接続された外部のサーバー、例えば、「Webサーバー」と呼ばれるもので構成しても良い。
炊飯ユニット1側からは、炊飯工程の開始時点からの経過時間や残りの加熱時間等の情報を、随時第二赤外線通信部35を通じて誘導加熱ユニット10側へ送信する。
制御装置50は、炊飯中でも再び、基準位置判定部33を駆動して赤外線信号を発信及び受信し(SS21、SS22)、一定の時間間隔で、炊飯ユニット1が基準位置に載置され、正常に誘導加熱ユニット10側と通信しているかどうかのチェックを行う(SS23)。そして、吸水工程、炊飯工程、むらし工程の途中でも、2つの赤外線通信部34、35の間で、動作データや温度データ等を交換するため、仮に炊飯ユニット1の載置位置が正常であっても、第三窓37の汚れ等が原因で、結果的に通信状態が悪化した場合には、炊飯動作を停止する安全対策を採用している。
そして、内釜3が異常な高温度になっていないかどうかのチェックも制御装置50が行う(SS24)。
前記ステップSS24で異常があると判定された場合には、異常処理専用のステップSSC1に進む。
例えば、内釜3の温度が期待通りに上昇しない場合、又は逆に温度が過剰に上昇する場合が、異常の一例である。異常の内容に応じて制御装置50が是正処理を行う場合と、是正処理をせずに直ちに炊飯動作等を停止する場合の2つがある。是正処理を行った場合には、再度ステップSS24に戻り、異常有無のチェックを行うようになっている。
そして、炊飯停止の指令が出ていないかどうのチェック(SS25)と、予定されている炊飯(予定)時間を超過していないかどうかのチェックを行う(SS26)。これらチェックは、所定の時間間隔で繰り返し行われる。なお、炊飯(予定)時間は、予熱工程(吸水工程ともいう)に入った以後の内釜3の温度上昇度合によって、制御装置50が適宜変更するので、炊飯動作開始直後の予定時間(図28のステップSS20参照)と異なる場合がある。
前記ステップSS25で、炊飯停止の指令があった場合について説明する。
炊飯動作開始後に、第二入力操作部12に配置された切/保温スイッチ66を押すと、炊飯中止の指令信号が制御装置50に対して発せられる。すると制御装置50は、炊飯動作の停止指令信号を、第二赤外線通信部35から第一赤外線通信部34に発信する。
前記主制御装置80では、炊飯動作の停止指令信号を受けて、誘導加熱コイル14と送電コイル17の駆動停止を求める。
そして、最新の加熱状況から、制御装置50は、その内蔵した動作プログラムによって炊飯時間(例えば、白米を「3合」の炊飯量の場合、標準コースでは40分間)を決め、その炊飯時間を経過するかどうかをチェックしている(SS26)。つまり、これら各ステップSS23〜SS26は、ある時間間隔(例えば、数秒間隔)で繰り返し行われている。
炊飯工程からがむらし工程まで全て経過すると、ステップSS27に進み、炊飯ユニット1の報知部90によって炊飯動作が完了したことが報知される。なお、これと同じタイミングで、誘導加熱ユニット10の報知部70でも、一連の炊飯動作が終了したことを報知する。
報知部70、90では、送電コイル17の駆動と、インバーター回路73の駆動が停止されたあとも、引き続いて「むらし工程」に入ることを報知する。
炊飯ユニット1では、むらし時間を把握するために経過時間の計測を開始し、所定のむらし工程の時間(例えば5分又は10分間)が経過した場合、報知部90は、「むらし工程を終えたので、ご飯を食することができる」旨を報知しても良い。これは、報知部70でも同じように行って良い。
次に、炊飯ユニット1による炊飯工程が終了したことを示す信号を無線通信部126から外部へ送信する(SS28)。これは、前記電力指令装置や統合管理装置等が、炊飯ユニット1の使用終了を把握するための信号となる。
最後に、制御装置50は、ステップSS29に進み、自分自身で電源を自動的に遮断する。以上により、炊飯工程は完全に終了する。
なお、誘導加熱ユニット10側では、主制御装置80は、第一入力操作部20における入力操作の無効化処理を解除する。そして、主制御装置80は、炊飯動作が終了してから一定時間、例えばむらし工程を終了した後、10分経過した時点で、自ら電源部72を自動で遮断し、不用意に加熱動作が行われないように安全性を考慮した動作をする。
この実施の形態6では、むらし工程に続いて自動的にある時間内は保温工程が制御装置50で実行されるようにしても良い。例えば、炊飯ユニット1側で最初に炊飯メニューの設定時に、保温をすることを選択しておけば、炊飯工程の終了後、炊飯ユニット1をそのまま誘導加熱ユニット10の上に載置したままにしておくと、むらし工程の後、例えば1時間は保温工程が続行し、その間は、基準位置判定部33は駆動され(前記ステップSS23を参照)、ある時間間隔(例えば1分間隔)で、炊飯ユニット1が基準位置に載置されているかどうかのチェックが行われる。もちろん、その保温工程中、第一入力操作部20の入力機能は、主制御装置80によって無効化される。
次に図29の動作について説明する。
この図29に示す動作は、図27に示したステップSS6において「NO」判定となった以後のものである。つまり、基準位置判定結果がNG(不適合)であったため、再度基準位置の判定を行うものである。
まず、ステップSSA1において、報知部90によって、基準位置判定結果がNG(不適合)であったことを報知する。具体的には、炊飯ユニット1が正しい位置に置かれていないか、または第三窓37に汚れがある可能性を使用者に報知し、窓の清掃やチェックを促す。なお、単純に炊飯ユニット1が正しい位置に置かれていないことだけを報知しても良い。「炊飯ユニットが正しい位置にあることが検知できません」等のように、事実だけを伝える報知でも良い。
そして、以後の是正動作や再チェック動作を一定の時間内で完了させるため、経過時間T4の計測を開始する(SSA2)。
そして、炊飯ユニット1の第二赤外線通信部35から赤外線信号を送信する。そして、第一赤外線通信部34からの応答用赤外線信号を受信する(SSA3)。この受信の状態に基づいて、基準位置の判定を行う(SSA4)。
所定の応答信号が得られたことにより、正規の位置に炊飯ユニット1が存在することが確認されると、報知部90によって「炊飯ユニットの正しいセットを確認しました」等の音声での報知を行い(SSA5)、ステップSS7に進む。
そして、経過時間T4(例えば、5分間)内に、ステップSSA4における基準位置の判定で「YES」にならなかった場合、「炊飯動作に進めませんので、運転中止します」等の音声での報知を行い(SSA7)、報知部90の駆動を停止する。
さらに、給電部6からの電源を遮断し(SSA8)、制御装置50は強制的に動作を終了する(SSA9)。つまり、制御装置50は、一定の猶予期間(時間T4)の間に、炊飯ユニット1の載置状態が是正されなかった場合は、安全上炊飯動作の開始前に強制的に運転を停止する。
前記経過時間T4は、5分間に限られず、10分間でも良い。使用者が、報知部90の報知に気が付き、炊飯ユニット1の載置状態の確認や是正ができる期間であることが望ましい。また、この経過時間T4は、使用者が事前に設定できるようにしておいても良い。
使用者が、炊飯完了時刻又は炊飯開始時刻を指定して、炊飯を予約することでも、上記のステップSS5の事前チェックは実行され、基準位置に炊飯ユニット1が載置されていない場合には、予約炊飯の設定が出来ない構成になっている。
また炊飯中も、図28のステップSS23のチェックは(一定時間間隔で)繰り返し実行され、基準位置に炊飯ユニット1が載置されていない場合には、予約炊飯が続行できないようになっている。
さらに、炊飯を予約した後、実際に炊飯動作が開始されるまでの「待機状態」の期間中も、基準位置に炊飯ユニット1が載置されていない場合に変化した場合には、基準位置に載置されない限り、その後予約炊飯動作が実行できない。これらについては後で詳しく説明する。
なお、ステップSSA1の前又は後に、「炊飯ユニット1の載置位置が異常となっている」旨を、無線通信部126から外部へ送信して前記電力指令装置や統合管理装置等又はそれらを経由して情報通信端末器に報知しても良い。
また、前記ステップSSA7の前又は後に、「炊飯ユニット1の載置位置が異常となっていたため、炊飯ユニットでの運転を終了する」旨を、無線通信部126から外部へ送信して、前記電力指令装置や統合管理装置等又はそれらを経由して情報通信端末器に報知しても良い。
次に図30の動作について説明する。
この図30に示す動作は、図28に示したステップSS23において「NO」判定となった以後のものである。つまり、基準位置判定結果がNG(不適合)であったため、再度基準位置の判定を行うものである。
まず、ステップSSB1において、報知部90によって、基準位置判定結果がNG(不適合)であったことを報知する。具体的には、炊飯ユニット1が正しい位置に置かれていないか、または第三窓37に汚れがある可能性を使用者に報知し、窓の清掃やチェックを促す。
報知部90は、単純に炊飯ユニット1が正しい位置に置かれていない事実だけを報知しても良い。例えば「炊飯ユニットが正しい位置にあることが検知できません」等のように、音声や文字で伝える報知内容でも良い。
そして、以後の是正動作や再チェック動作を一定の時間内で完了させるため、経過時間T4の計測を開始する(SSB2)。
そして、炊飯ユニット1の第二赤外線通信部35から赤外線信号を送信する。そして、第一赤外線通信部34からの応答用赤外線信号を受信する(SSB3)。この受信の状態に基づいて、基準位置の判定を行う(SSB4)。
所定の応答信号が得られたことにより、正規の位置に炊飯ユニット1が存在することが確認されると、報知部90によって「炊飯ユニットの正しいセットを確認しました」等の音声での報知を行い(SSB5)、ステップSS24に進む。
そして、経過時間T4(例えば、5分間)内に、ステップSSB4における基準位置の判定で「YES」にならなかった場合、「炊飯動作に進めませんので、運転中止します」等の音声での報知を行い(SSB7)、報知部90の駆動を停止する。
さらに、給電部6からの電源を遮断し(SSB8)、制御装置50は強制的に動作を終了する(SSB9)。つまり、制御装置50は、一定の猶予期間(時間T4)の間に、炊飯ユニット1の載置状態が是正されなかった場合は、安全上炊飯動作の開始前に強制的に運転を停止する。
使用者が、炊飯完了時刻又は炊飯開始時刻を指定して、炊飯を予約する(「予約炊飯」)場合でも、上記のステップSSB4の事前チェックは実行され、基準位置に炊飯ユニット1が載置されていない場合には、予約炊飯の設定が出来ない構成になっている。
また炊飯中も、図30のステップSSB4のチェックは実行され、基準位置に炊飯ユニット1が載置されていない場合には、炊飯動作が続行できないようになっている。
さらに、炊飯を予約した後、実際に炊飯動作が開始されるまでの「予約待機」の期間中も、基準位置に炊飯ユニット1が載置されていた状態から、載置されていない場合に変化した場合には、炊飯ユニット1の位置が是正されない限り、その後予約炊飯が実行できない。これらについては後で詳しく説明する。
なお、前記ステップSSB1の前又はその後に、炊飯ユニット1の載置位置について異常が検知されたことを示す信号を、前記無線通信部126から外部へ送信するようにしても良い。
また、前記ステップSSB7の前又は後に、「炊飯ユニット1の載置位置が異常となっていたため、炊飯ユニットでの運転を終了する」旨を、無線通信部126から外部へ送信して、前記電力指令装置や統合管理装置等又はそれらを経由して情報通信端末器に報知しても良い。
次に図31の動作について説明する。
この図31に示す動作は、予約炊飯動作を開始してから終了するまでの炊飯ユニット1の動作ステップを示すものである。
前述したように、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の上面の正しい位置に載置されていれば、誘導加熱ユニット10の主制御装置80は、送電コイル17を駆動し、電力の供給を開始する。
一般的に、「予約炊飯」を行う場合、使用者は炊飯完了時刻を指定することが多い。例えば「午前7時」と指定する場合が一例である。あるいは、その入力操作時点から「2時間後に炊飯完了」という設定でも良いが、その場合でも炊飯ユニット1側では、制御装置50が、炊飯完了時刻を計算し、その時刻までに炊飯を完了させるための「炊飯開始時刻」を自動的に決定できる。
予約炊飯の設定情報を、炊飯ユニット1側ではなく、誘導加熱ユニット10側で保存し、誘導加熱ユニット10側から、炊飯開始時刻になった場合に、炊飯ユニット1を起動させる方法でも良い。その場合には、炊飯ユニット1が基準位置に存在することが前提で、加熱動作を開始することが安全上も重要である。
図31に示す炊飯ユニット1の各動作ステップS1は、炊飯ユニット1側で炊飯を開始した例と仮定して説明するが、誘導加熱ユニット10側から起動された場合でも、動作ステップは基本的に同じである。
炊飯ユニット1の制御装置50は、内蔵した計時時50Tの情報を利用して、予約炊飯開始時刻から30分前になった時点で、ステップSSR1を行う。つまり、炊飯動作を開始すると指定された時刻になると、休止状態になっていた制御装置50が自らを起動し、給電部6から電力を受ける(SR1)。
実施の形態1のステップS107の後、制御装置50は、計時部50Tを参照し、現在の時刻が、予約炊飯開始時刻から予め設定された基準時間前の時刻(以下、開始前基準時刻と称する)になったかどうかを判定した(ステップS201)。例えば、予約炊飯開始時刻が19時で、基準時間が30分である場合、制御装置50は、現在の時刻が、18時30分になったかどうかを判定していた。
この実施の形態6もこの思想と同じであり、開始時刻から30分前になった時点で、ステップSSR1を行う。そして、制御装置50は、内釜(被加熱物)温度検出部5Aや、その他の内部構成部品に異常がないかどうかの自己チェックを開始する(SSR2)。なお、通常の炊飯時と異なり、予約炊飯を設定した使用者が、この時点では炊飯ユニット1の付近に居る可能性は少ないので、図27に示したステップSS3を省略しても良い。つまり、報知部90を起動することを省略しても良い。
炊飯ユニット1の運転が開始されたことを示す信号を無線通信部126から外部へ送信する(SSR3)。前記電力指令装置や統合管理装置等が、炊飯ユニット1の動作を把握するための信号となる。炊飯ユニット1の使用を予告したものとなる。
この段階で、炊飯ユニット1の制御装置50は、炊飯ユニット1が正しい位置に載置されているかどうかをチェックする。そのため、炊飯ユニット1の制御装置50は基準位置判定部33の第二赤外線通信部35を駆動する。そして、事前に定められた形式の赤外線信号を、第一赤外線通信部34に向けて送信する(SSR4)。
その後、第一赤外線通信部34側から、応答信号が赤外線で送信されるので、その応答信号を受けて、基準位置判定部33は炊飯ユニット1自身が正しい位置に載置されていることを最終確認する(SSR5)。
制御装置50は、予約炊飯の開始前でも一定時間(例えば30秒)毎に、基準位置判定部33を駆動して赤外線信号を発信及び受信し、炊飯ユニット1が基準位置に載置され、正常に誘導加熱ユニット10側と通信できる状態にあるのかどうかのチェックを行う。もし、炊飯ユニット1が正しい位置に載置されていない場合には、制御装置50側ではそれを判別でき、エラー処理をするため、ステップSSX1に進む。
ステップSSR5で、基準位置判定結果が問題ない場合、ステップSSR6に進む。このステップSSR6は、現在の時刻が予約炊飯の「炊飯開始時刻」であるかとうかを判定するものであり、ここで「YES」の場合には、次のステップSSR7に進む。
次のステップSSR7では、炊飯ユニット1側からは、第二赤外線通信部35を通じて炊飯動作の最初の工程(予熱工程)の開始を示す信号を誘導加熱ユニット10側へ送信する。
次に、炊飯ユニット1側からは、炊飯メニューの情報、炊飯動作の開始時点からの経過時間や残りの加熱時間等の情報を、第二赤外線通信部35を通じて誘導加熱ユニット10側へ送信する(SSR8)。
前記誘導加熱コイル14の通電条件を決める基本的な加熱プログラム、つまり炊飯メニューの基本的情報は、このステップSSR8のときに、一度送信されるだけである。但し、この後も、予熱工程や沸騰工程の中で、炊飯工程の進捗に関する時間情報や温度情報等は、一定時間毎又はある温度を検出した時点などに、随時送信される。
炊飯動作の各工程の途中でも、第一、第二の赤外線通信部34、35の間で、動作データや温度データ等を交換するため、仮に炊飯ユニット1の載置位置が正常であっても、第三窓37の汚れ等が原因で、結果的に通信状態が悪化した場合には、炊飯を停止する安全対策を採用している。
次に、ステップSSR9では、経過時間の計測を開始する。これは、この後、炊飯工程の進捗確認等に利用する時間データを作るためである。
次のステップSSR10は、図28のステップSS24に相当するものである。このステップでは、内釜3が異常な高温度になっていないかどうか等、異常有無のチェックをする。
次に、炊飯停止の指令が出ていないかどうのチェックを行う(SSR11)。
次のステップSSR12は、炊飯ユニット1が基準位置に載置され、正常に誘導加熱ユニット10側と通信できる状態にあるのかどうかのチェックを行うものである。
もし、炊飯ユニット1が正しい位置に載置されていない場合には、制御装置50側ではそれを判別でき、エラー処理をするため、ステップSSY1に進む。
次のステップSSR13では、予定されている炊飯時間を超過していないかどうかのチェックを行う。これらステップSSR10〜ステップSSR13までは、所定の時間間隔で繰り返し行われる。
炊飯時間は、予熱工程(吸水工程ともいう)に入った以後の内釜3の温度上昇度合によって変化する。例えば、内釜3の中の水と米の温度が低かった場合、予熱工程を終えるのに(標準的な場合よりも)時間が増加する。このような場合、結果的に炊飯工程開始時の予定炊飯(動作)時間と異なる場合がある。つまり、予熱工程の時間が標準的なものより長くなる。このため、炊飯動作開始から終了までの時間が、炊飯開始前の予想よりも長くなる可能性がある。
そして、最新の加熱状況から、制御装置50は、その内蔵した動作プログラムによって炊飯時間(例えば3合の炊飯量で、標準コースでは40分間)を決め、その炊飯時間を経過するかどうかをチェックしている(SSR13)。
炊飯工程から、次のむらし工程の時間が経過すると、ステップSSR14に進み、炊飯ユニット1の報知部90によって炊飯動作が完了したことが報知される。なお、これと同じタイミングで、誘導加熱ユニット10の報知部70でも、一連の炊飯動作(例えば、むらし工程まで)が終了したことを報知する。
次に、制御装置50は、ステップSSR15に進み、誘導加熱ユニット10に対して運転終了の通知を行う。
具体的には、基準位置判定部33の第二赤外線通信部35を駆動する。そして、炊飯動作の即時停止の指令信号を、赤外線信号として送信する。誘導加熱ユニット10側では、主制御装置80は、送電コイル17の駆動停止指令を出す。
次に、炊飯ユニット1の運転が終了することを示す信号を、無線通信部126から外部へ送信する(SSR16)。
最後に、制御装置50は、ステップSSR17に進み、自分自身で電源を自動的に遮断する。以上により、予約炊飯動作は終了する。
なお、炊飯動作の終了報知信号を送信した(ステップSSR15)後に、炊飯ユニット1を誘導加熱ユニット10の上から移動させると、誘導加熱ユニット10側において、前記主制御装置80は、第一入力操作部20からの入力機能を(無効から)有効になるように切り替える。
実施の形態1の載置検知センサー(リードスイッチ)31に相当する構成が、炊飯ユニット1の離脱を検知する。従って、炊飯ユニット1が他の場所へ移動すると、誘導加熱ユニット10を単独で使用することが可能となる。
誘導加熱ユニット10は、ステップSSR15における「運転終了信号」を受信した場合、それ以後において炊飯ユニット1の離脱を検知すると、すぐに第一入力操作部20の入力機能を、「無効状態」から「有効状態」、つまり受付け可能に切り替える。この例から分かるように、炊飯ユニット1が基準位置から離脱した場合、必ず猶予時間を与えて、炊飯ユニット1の復帰を期待するのではない。炊飯動作が正常に終了したことが制御装置50からの、前記「運転終了信号」で確認できた場合、誘導加熱ユニット10は、直ぐに誘導加熱ユニット1単独での使用に備えた準備を行う。その一環で、第一入力操作部20からの入力機能を(無効から)有効になるように切り替える。
次に図32の動作について説明する。
この図32に示す動作は、図31に示したステップSSR5において「NO」判定となった以後のものである。つまり、基準位置判定結果がNG(不適合)であったため、再度基準位置の判定を行うものである。
まず、ステップSSX1において、報知部90によって、基準位置判定結果がNG(不適合)であったことを報知する。具体的には、炊飯ユニット1が正しい位置に置かれていないか、または第三窓37に汚れがある可能性を使用者に示唆し、窓の清掃やチェックを促す。
炊飯ユニット1の載置位置が適正でないため、基準位置のところに炊飯ユニット1が載置されるよう、使用者等へ炊飯ユニット1の位置を確認することを勧告する信号を無線通信部126から外部へ送信する(SSX2)。この信号は、前記電力指令装置や統合管理装置等が、炊飯ユニット1の動作を把握するために利用される。
そして、以後の是正動作や再チェック動作を一定の時間内で完了させるため、経過時間T4の計測を開始する(SSX3)。
そして、炊飯ユニット1の第二赤外線通信部35から赤外線信号を送信する。そして、第一赤外線通信部34からの応答用赤外線信号を受信する(SSX4)。この受信の状態に基づいて、基準位置の判定を行う(SSX5)。
所定の応答信号が得られたことにより、正規の位置に炊飯ユニット1が存在することが確認されると、報知部90によって「炊飯ユニットの正しいセットを確認しました」等の音声での報知を行う(SSX6)。
更に、正規の位置に炊飯ユニット1が載置されたことを示す信号を、無線通信部126から外部へ送信する(SSX7)。炊飯ユニット1が載置されたことを示す信号は、電力指令装置(図示せず)や統合管理装置等が、炊飯ユニット1の動作を把握するための信号となる。そしてステップSSR6へ戻る。
このように、経過時間T4(例えば、5分間)内に基準位置であるとの判定が得られた場合には、ステップSSR6に戻る。
一方、経過時間T4を超過した場合には、ステップSSX8から次のステップSSX9に進む。
ステップSSX9では、「炊飯動作に進めませんので、運転中止します」等の音声での報知を行い、報知部90の駆動を停止する。
さらに、報知部90を停止し、給電部6からの電源も遮断する(SSX10)。そして、炊飯ユニット1が基準位置に戻されないため、炊飯ユニットの運転は終了することを示す信号を無線通信部126から外部へ送信する(SSX11)。その後、制御装置50は自ら電源を遮断し、強制的に動作を終了する(SSX12)。
前記ステップSSX8の経過時間T4は、5分間に限られず、10分間でも良い。使用者が、報知部90の報知に気が付き、是正できる期間であることが望ましい。また、この経過時間T4は、使用者が事前に設定できるようにしておいても良い。
次に図33の動作について説明する。
この図33に示す動作は、図31に示したステップSSR12において「NO」判定となった以後のものである。つまり、予約炊飯工程の途中の段階で、基準位置判定結果がNG(不適合)であったため、再度基準位置の判定を行うものである。
まず、ステップSSY1において、報知部90によって、基準位置判定結果がNG(不適合)であったことを報知する。具体的には、炊飯ユニット1が正しい位置に置かれていないか、または第三窓37に汚れがある可能性を使用者に示唆し、窓の清掃やチェックを促す。例えば、炊飯ユニット1を不用意に持ち上げて別の場所へ運んでしまった場合等が典型的なケースとなる。
炊飯ユニット1の載置位置が適正でないため、基準位置のところに炊飯ユニット1が載置されるよう、使用者等へ炊飯ユニット1の位置を確認することを勧告する信号を無線通信部126から外部へ送信する(SSY2)。この信号は、電力指令装置(図示せず)や統合管理装置等が、炊飯ユニット1の動作を把握するために利用される。
電気炊飯器を使用する使用者が情報通信端末器を携帯していて、電気炊飯器100の動作情報を前記統合管理装置や電力指令装置等を経由して受信できるようにしている場合、炊飯ユニット1から離れた使用者にも、炊飯ユニット1の載置位置が不備であることが分かる。
そして、以後の是正動作や再チェック動作を一定の時間内で完了させることを期待しているため、経過時間T4の計測を開始する(SSY3)。
そして、炊飯ユニット1の第二赤外線通信部35から赤外線信号を送信する。そして、第一赤外線通信部34からの応答用赤外線信号を受信する(SSY4)。この受信の状態に基づいて、基準位置の判定を行う(SSY5)。
所定の応答信号が得られたことにより、正規の位置に炊飯ユニット1が存在することが確認されると、報知部90によって「炊飯ユニットの正しいセットを確認しました」等の音声での報知を行い(SSY6)、図30に示したステップSSR13に進む。
更に、正規の位置に炊飯ユニット1が載置されたことを示す信号を、無線通信部126から外部へ送信する(SSY7)。炊飯ユニット1が載置されたことを示す信号は、電力指令装置(図示せず)や統合管理装置等が、炊飯ユニット1の動作を把握するための信号となる。
一方、ステップSSY5で「NO」の判定がされた場合には、ステップSSY8に進み、経過時間T4(例えば、5分間)内に基準位置であるとの判定が得られた場合には、ステップSSY5に戻る。
一方、ステップSSY8において、経過時間T4を超過した場合には、次のステップSSY9に進む。
ステップSSY9では、「炊飯動作に進めませんので、運転中止します」等の音声での報知を行い、報知部90の駆動を停止する。
一方、この図33には示していないが、前記ステップSSY9の「終了報知」の直前又は直後に、炊飯ユニット1からは第一赤外線通信部35から「炊飯動作中止」の赤外線信号が、誘導加熱ユニット10に送信される。
さらに、報知部90を停止し、給電部6からの電源も遮断する(SSY10)。
そして、炊飯ユニット1が基準位置に戻されないため、炊飯ユニットの運転は終了することを示す信号を無線通信部126から外部へ送信する(SSY11)。そして、制御装置50は自ら電源を遮断し、強制的に動作を終了する(SSY12)。
一方、誘導加熱ユニット10でも、定期的に炊飯ユニット1と赤外線通信によって炊飯動作の進捗を確認しているので、前記のように炊飯ユニット1が基準位置から外れた状態になると、正常な交信が行えなくなる。そのため、所定の「炊飯エラー」の処理を行い、誘導加熱コイル14の駆動も停止する。
このように、この実施の形態6では、炊飯ユニット1が炊飯動作中に、基準位置から外れると、炊飯ユニット1側と、誘導加熱ユニット10側の双方で、加熱動作中止の処理を行う構成であり、安全性が高いものである。
前記ステップSSY8の経過時間T4は、5分間に限られず、10分間でも良い。使用者が、報知部90の報知に気が付き、是正できる期間であることが望ましい。また、この経過時間T4は、使用者が事前に設定できるようにしておいても良い。
ステップSSY5は、既に予約炊飯動作が開始された後であり、予約待機中ではない。そして、吸水工程の段階にある場合には、炊飯のやり直しができるので、前記経過時間T4を待たず、直ぐに炊飯中止しても良い。
沸騰工程に入っている場合、炊飯ユニット1は、大きな火力で加熱され、内釜3の内部は沸騰状態になっている。そこで、このようなケースでは、内釜3の温度が大きく低下しない時間内に、再度加熱を開始できるよう、前記経過時間はできるだけ短く設定する。
図29のステップSSA2、SSA6、図30のステップSSB2、SSB6、図32のステップSSX3、SSX8、及び図33のステップSSY3、SSY8においては、前記経過時間T4は全て同じ(5分間)である例で説明したが、本発明はこの構成に限定されない。
例えば、予約炊飯の動作を開始する前の段階であるステップSSA2(図29参照)の経過時間T4よりも、炊飯動作開始後のステップSSB2(図30参照)の経過時間T4を短くしても良い。一旦炊飯動作を開始した場合、炊飯工程の進捗にもよるが、途中で不用意に停止することは好ましくなく、できるだけ短い時間で炊飯ユニット1を正常な位置に載置して炊飯動作を再開することが望ましいからである。
さらに、前記基準時間は、前記第二入力操作部12において、使用者によって少なくとも長短2種類(例えば3分間と6分間)の時間の何れか一方を設定できるようにしても良い。使用者が電気炊飯器100を使用する場所や、電気炊飯器100からの報知に対して迅速で対応できるかどうか等の状況を考慮し、選択できることは利便性が向上するものである。
実施の形態6の総括.
以上の説明から明らかなようにこの実施の形態6においては、第2の発明を以下の形態で実施していた。
すなわち、実施の形態6における電気炊飯器100は、
被加熱物を電磁誘導加熱する誘導加熱コイル14、入力された加熱条件に基づいて前記誘導加熱コイル14を制御する主制御装置80、第一赤外線通信部34、を有する誘導加熱ユニット10と、
被調理物を収容し前記誘導加熱コイル14によって加熱される内釜3、前記内釜3を収容する本体1A、第二赤外線通信部35、前記誘導加熱コイルの加熱条件の入力を受け付ける(第二)入力操作部12、前記入力操作部12からの入力信号を受け付ける制御装置50、を有する炊飯ユニット1と、を備え、
前記誘導加熱ユニット10及び前記炊飯ユニット1のうち、少なくとも何れか一方は、前記炊飯ユニット1が前記誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されたか否か判定する基準位置判定部33と、報知を行う報知部70、90と、を備え、
前記誘導加熱ユニット10又は炊飯ユニット1は、前記炊飯ユニット1による予約待機中又は予約炊飯の動作中において、前記第一赤外線通信部34と前記第二赤外線通信部35との間の赤外線信号によって前記炊飯ユニット1の載置を確認し、前記基準位置に前記炊飯ユニット1が無いと判定したときは、前記誘導加熱コイル14による加熱動作を停止させて、第1の処理又は第2の処理を行うものであり、
前記第1の処理は、経過時間(基準時間)T4内に前記炊飯ユニット1が前記基準位置に戻されたかどうかを判断し、前記基準位置に存在していると判定した場合には、前記炊飯ユニット1の予約待機又は予約炊飯の動作に復帰させ、
前記第2の処理は、経過時間(基準時間)T4内に前記炊飯ユニット1が前記基準位置に戻されたかどうかを判断し、前記基準位置に存在していないと判定した場合には、前記炊飯ユニット1の予約待機状態を解除し、又は予約炊飯動作を中止するものである。
このため、使用者が不用意に炊飯ユニット1を移動させたことに起因して、予約待機状態を解除してしまったり、炊飯動作を途中で中止してしまったりすることを抑制できる。
また、実施の形態6においては、第3の発明を以下の形態で実施していた。
すなわち、実施の形態6における電気炊飯器100は、
被加熱物を電磁誘導加熱する誘導加熱コイル14、入力された加熱条件に基づいて前記誘導加熱コイル14を制御する主制御装置80、第一赤外線通信部34、を有する誘導加熱ユニット10と、
被調理物を収容し前記誘導加熱コイル14によって加熱される内釜3、前記内釜3を収容する本体1A、第二赤外線通信部35、前記誘導加熱コイル14の加熱条件の入力を受け付ける(第二)入力操作部12、前記入力操作部12からの入力信号を受け付ける制御装置50、を有する炊飯ユニット1と、を備え、
前記誘導加熱ユニット10及び前記炊飯ユニット1のうち、少なくとも何れか一方は、前記炊飯ユニット1が前記誘導加熱ユニット10の基準位置に載置されたか否か判定する基準位置判定部33と、報知を行う報知部70、90と、を備え、
前記誘導加熱ユニット10又は炊飯ユニット1は、前記炊飯ユニット1による予約炊飯の期間中において、第一赤外線通信部34と前記第二赤外線通信部35との間の赤外線信号によって前記炊飯ユニット1の載置を確認し、所定の基準位置に前記炊飯ユニット1が無いと判定したときは、第1の処理又は第2の処理を行うものであり、
前記第1の処理は、基準時間内に前記炊飯ユニット1が前記基準位置に戻されたかどうかを判断し、基準位置に存在していると判定した場合に、前記報知部70、90によって前記炊飯ユニット1の状態を報知した上で、予約炊飯の動作に復帰させ、
前記第2の処理は、前記基準時間内に前記炊飯ユニット1が前記基準位置に戻されたかどうかを判断し、当該基準位置に存在していないと判定した場合に、前記炊飯ユニット1の予約炊飯動作を中止し、
前記誘導加熱ユニット10又は炊飯ユニット1には、前記第1の処理と第2の処理の際に、外部に対して前記炊飯ユニット1が無いこと又は予約炊飯の中止を、無線で知らせる無線通信部126を備えていることを特徴とするものである。
この実施の形態6によれば、炊飯ユニット1による予約炊飯の期間中において、炊飯ユニット1が基準位置に正しく載置されていない場合、無線通信部126からの無線による報知で、そのような炊飯ユニット1の状態を知ることができ、利便性が向上するものである。
実施の形態7.
図34は、本発明の実施の形態7に関するものである。図34は、電気炊飯器の要部を、側方から見た縦断面模式図である。なお、実施の形態1〜6と同一又は相当部分には、同一の符号を付し、重複した説明を省略している。
この実施の形態7における電気炊飯器100の特徴の一つは、炊飯ユニット1と、誘導加熱ユニット10の内部に設けていた基準位置判定部33の構成を変更したことである。他の特徴は、炊飯ユニット1側の制御装置50の制御プログラムを変更していることである。
以下、実施の形態7の電気炊飯器100について、詳細に説明する。
図34において、30は、実施の形態1の永久磁石30と同様の永久磁石であり、炊飯ユニット1の最も後部に設置してある。
31は、実施の形態1の載置検知センサー(リードスイッチ)31と同様なリードスイッチである。このリードスイッチ31は、誘導加熱ユニット10側に配置されている。31Sは、このリードスイッチ31に内蔵された接点板(リード)である。
周知のようにこの種のリードスイッチ31は、小さなガラス管の中に、二本の金属製の接点板(リード)31Sが封入されている。その接点板(リード)31Sは、互いに重なり合う位置で、隙間を空けながら対向している構成である。接点板(リード)31Sの軸方向に前記永久磁石からの磁界が加わると、前記リード31Sが磁化され、リード31Sの、相対した自由端が互いに吸引し合って接触し、後述する基準位置判定部33Aに繋がる電気回路を閉じられる。
33Aは、実施の形態1の基準位置判定部33に相当する基準位置判定部であり、第一磁気感応判定部とも呼ぶ。
基準位置判定部33Aの判定結果の信号は、主制御装置80に入力される。このため、主制御装置80に入力される前記判定結果の信号を、主制御装置80が一定の時間間隔(例えば、数秒置き)でチェックしていれば良い。これにより、載置検知センサー(リードスイッチ)31が閉じているかどうかを迅速に把握できる。
主制御装置80は、炊飯ユニット1が基準位置に載置された場合、前記基準位置判定部33Aからの判定結果を示す信号に基づいて、当該炊飯ユニット1の載置を検知できる。従って、実施の形態1〜6にて説明したような、第一赤外線通信部34と第二赤外線通信部35との間で、赤外線信号を送信・受信しなくとも、炊飯ユニット1の載置有無を迅速に判定できる。
130は、実施の形態1の永久磁石30と同様の永久磁石であり、誘導加熱ユニット10側のトッププレート22の直下等に配置してある。
131は、載置検知センサー(リードスイッチ)31と同様なリードスイッチである。
33Bは、炊飯ユニット1側に配置され、実施の形態1の基準位置判定部33に相当する基準位置判定部であり、第二磁気感応判定部とも呼ぶ。
基準位置判定部33Bの判定結果の信号は、制御装置50に入力される。このため、制御装置50に入力される前記判定結果の信号の有無を、制御装置50が確実に把握できる。例えば、制御装置50は、一定の時間間隔(例えば、数秒置き)で、基準位置判定部33Bから入力される判定結果の信号を監視していれば良い。これにより、載置検知センサー(リードスイッチ)131が閉じた状態の信号を迅速に検知できる。これにより、炊飯ユニット1が基準位置に載置されたことが分かる。
制御装置80は、炊飯ユニット1が基準位置に載置された場合、前記基準位置判定部33Bからの判定結果を示す信号に基づいて、当該炊飯ユニット1の載置を検知できる。従って、実施の形態1〜6にて説明したような、第一赤外線通信部34と第二赤外線通信部35との間で、赤外線信号を送信・受信しなくとも、炊飯ユニット1の載置有無を迅速に判定できる。
この実施の形態7によれば、炊飯ユニット1による予約炊飯の待機中、炊飯動作中、及び保温中において、炊飯ユニット1が基準位置に正しく載置されているかどうかを、基準位置判定部33A、33Bによって判定させ、炊飯ユニット1の載置状態が正常でない場合には、報知部70又は90の何れか一方もしくは両方によって使用者に報知するから、炊飯ユニット1の載置について使用者に注意喚起を行うことができ、利便性も向上するものである。
この実施の形態7では、赤外線通信を利用した基準位置判定部33は、誘導加熱コイル14の通電条件を決める制御情報や、炊飯ユニット1側の内釜3の温度情報等を、誘導加熱ユニット10側へ伝達するためだけに利用している。
なお、この実施の形態7に示したような磁気を利用した二つの基準位置判定部33A、33Bと、実施の形態1〜6で説明したような、赤外線通信を利用した基準位置判定部33を、併用しても良い。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の実質的な範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図されている。