以下、本発明の加熱調理器100について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することとする。さらに、明細書全文に表わされている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、これらの記載に限定されるものではない。
各実施の形態の説明の前に共通的な事項について、以下用語の定義と基本構成を説明する。
加熱調理器100は、第1ユニット10と、この第1ユニット10の上に重なるように載置されて使用される第2ユニット1と、の2つから構成されている。
更に、前記第1ユニット10は、前記第2ユニットが載置されていない状態で、加熱調理ができる。つまり、第2ユニット10に依存せずに単独で加熱調理できる。
第2ユニット1は、前記第1ユニット10に載置された状態で、加熱調理ができる。つまり、第1ユニット10に依存している。
以下で説明する各実施の形態では、前記第2ユニット1は、内釜3の内部に収容する食材が主に米であるので、炊飯類の調理メニューが主体である。このため、以下の説明では、第2ユニット1を「炊飯ユニット」と呼ぶ。
以下で説明する各実施の形態では、前記第1ユニット10は、誘導加熱原理による加熱コイル14によって一般の鍋等の被加熱物を加熱する。また、前記内釜3を加熱する。このため、以下の説明では、第1ユニット1を「誘導加熱ユニット」と呼ぶ。しかし、第1ユニット10の加熱源は、その他原理の加熱源でも良く、例えば、ラジアントヒータ、赤外線ヒータ、シーズヒータ、ガス燃焼バーナ等でも良い。
炊飯ユニット1とは、誘導加熱ユニット(第1ユニット)10によって加熱され、内部において炊飯動作が行われる器体をいい、ユーザー(ユーザー)によって誘導加熱ユニット(第1ユニット)10の上から別の場所へ移動できる。この炊飯ユニット1には、炊飯条件を入力する入力操作手段を備えている。
ここでいう「炊飯条件を入力する入力操作手段」とは、炊飯開始の指令のみを与える手段を含んでいない。
「誘導加熱ユニット」10とは、単独で誘導加熱調理が可能であり、また「炊飯ユニット」1を加熱できる。ユーザーによって別の場所へ移動できるかどうかを問わないので、流し台等の厨房家具等に組み込まれて固定されている、いわゆる「ビルトイン」型であっても良い。
実施の形態1.
以下図1~図27に示される実施の形態1について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器100の斜視図である。図2は、図1の加熱調理器100のX-X線における縦断面図である。また、図2では、一部構成については断面表示(ハッチング)を省略している。
図1に実線で示す矢印において、R方向が炊飯ユニット(「おひつ部」ともいう)1及び誘導加熱ユニット10の右方向であるものとする。L方向は左方向である。
図1の破線で示す矢印において、BK方向が炊飯ユニット1及び誘導加熱ユニット10の後ろの方向であるものとする。FRは、同じくその前方方向を示している。
この実施の形態1の加熱調理器100の「機器識別情報」とは、加熱調理器100を特定するための情報であり、加熱調理器100を特定する重要な情報である。例えば、具体的には、以下のようなものが「機器識別情報」に含まれるが、これらには限定されない。
(1)加熱調理器100の製造者名
(2)型名
(3)形式番号
(4)品質保証書番号
図1に示されるように、加熱調理器100は、炊飯ユニット1と、誘導加熱ユニット10と、を備えている。炊飯ユニット1は、誘導加熱ユニット10の上面を構成するトッププレート22の上に置かれているだけであり、ネジ等の連結手段で固定していないので、持ち上げれば誘導加熱ユニット10の上面から簡単に離すことができる。誘導加熱ユニット10は、炊飯ユニット1を載置する部材であり、例えば、炊飯器100の(左側からの)側面視において略L字形状に構成されている。
図1、図2に示されるように、炊飯ユニット1は、角型(立方体)形状の本体1Aと、この本体1Aにヒンジ軸51(図5参照)を中心としたヒンジ部(図示せず)で連結された蓋体1Bと、ハンドル1C(図示せず)と、上面が開口した円筒状の内釜3と、内釜温度検出手段5と、給電コイルを主体に構成された給電手段6と、受電コイル7と、蓋体開閉ボタン8と、蓋体加熱手段9Aと、内釜側面加熱手段9Bと、報知手段70の一例である第2の表示手段11と、ユーザーによって炊飯条件などが入力される第2入力部12と、を備えている。
この実施の形態1において、前記誘導加熱ユニット10の上面の正規の位置に前記炊飯ユニット1が載置された状態を「第1の状態」と呼ぶ。また、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10から分離されている(載置されていない)状態を「第2の状態」と呼ぶ。
18は、後述する米の重量の計測を指示し、また消費エネルギーの演算を指示するための操作部であり、第3入力部である。
この第3入力部18には、複数の操作キー18A、18B、18C、18Dを配置してある。1つの操作キー(スイッチ)18Aは、炊飯前の米の重量を計測させるための計測開始指令の操作キーである。18Bは、重量の表示を指令する操作キーである。18Cは、炊飯を終えたあとのご飯(炊飯物ともいう)の重量に応じたカロリーを計算することを指令する操作キーである。カロリー計算キー18Cが押された場合、その後自動的にカロリー計算結果が第3の表示画面(第3表示部)11Bに表示される。
前記操作キー18Aは、炊飯前の米の重量を計測させるための指令信号を発する。これに対し、操作キー18Cは、炊飯後のご飯(炊飯物)の重量を計測させるための指令信号を出すキーである。実際は、操作キー18Cを操作して指令を出すと、ご飯の重量を計測するために炊飯ユニット1の総重量を計測することと、それに続いて計測されたご飯の重量から、消費エネルギー量を換算することの一連の動作を指令することになる。
このように1つの操作キー18Cによって、重量計測とカロリー換算の2つの指示をしているが、炊飯完了後の重量計測を、前記操作キー18Aによって行わせても良い。その場合、操作キー18Cに相当するものが、操作キー18Aを含めて2つになる。
18Dは、重量の計測結果やカロリー計測結果をキャンセルする操作キー(スイッチ)である。また、このキー18Dは、カロリー計算キー18Cが押されて、後述する「カロリー報知モード」になった場合でも、それを取り消すことができ、後述する取消キー79と同じ機能がある。
前記カロリー計算キー18Cは、前記副制御装置50によって、後述する炊飯工程が開始されると、その時点から当該炊飯工程又はむらし工程が終了までの期間中は、入力できないように無効化されている。そして、炊飯工程の完了後には自動的に入力が可能となるように切り替えられる。具体的には、あとで説明する図19のステップSR15で「Yes」判定になった時点、又は同じく図20のステップSR17で「Yes」判定になった時点以降は、前記カロリー計算キー18Cで入力することが可能となる。
蓋体1Bを除き、炊飯ユニット1の外郭を構成する四角形のケースは、その全体が熱可塑性のプラスチック材料から形成されている。1Fは、その蓋体1Bのケース前壁面を示し、1Rは同じくその右壁面(右側面)を示す。
同様に、前記誘導加熱ユニット10の外郭を形成する本体ケース10Aも、熱可塑性のプラスチック材料から形成されている。10Fは、その本体ケース10Aの前壁面、10Rは右壁面である。
誘導加熱ユニット10は、その内部空間に、冷却ファン13と、誘導加熱コイル14と、送電コイル17と、防磁板19と、主制御装置80と、キッチン等の室内空気の温度を検出する外気温度検出手段15と、を備える。誘導加熱コイル14は、以下の説明では「加熱コイル」14と呼ぶ。
また、誘導加熱ユニット10の底面の4隅部には、後述する重量計測手段94の計測部94A~94Dが配置されている。計測部94A~94Dは全部で4つある。4つの計測部の計測データは1つの計測回路(図示せず)に集約され、重量が算出される。なお、計測部94A~94Dは、以下の説明では「重量センサー」と呼び、符号は94を使用する。
炊飯ユニット1の前記本体1Aは、内釜3を収容する部材であり、この本体1Aには、蓋体1B及びU字形状のハンドル1C(図示していない)が取り付けられている。そのハンドルは、電気炊飯器本体1Aの左右側面に両方の端部が回動自在に固定され、炊飯ユニット1全体を持ち上げる際に使用される。
蓋体1Bは、例えば、本体1Aの上面全体を覆うように設けられている平面視で正方形又は長方形の部材である。蓋体1Bは、本体1Aの平面形状と殆ど同じ大きさの平面形状を有している。蓋体1Bは、例えば、アルミニウム等のような熱伝導性の良い材料から全体が形成されている。
前記内釜3は、上部に開口部を有する有底筒状の部材である。内釜3は、磁性金属材料(例えば、ステンレス鋼板)とアルミニウムを積層したクラッド材や、磁性金属の薄い膜を外表面に形成した磁器、又は炭素等の素材で形成されている。
前記内釜3は、誘導加熱コイル14から発生する磁束が鎖交することにより発熱する。なお、内釜3は、炊飯ユニット1から取り出し自在に設置される。
この内釜3には、例えば米、麦、豆類等の被調理物が投入される。内釜温度検出手段5は、内釜3の温度を検出する温度検出手段(「温度監視手段」ともいう)であり、例えばサーミスタ5Aで構成されている。なお、サーミスタは、内釜3の外表面に接触して温度を計測するものであるが、非接触で温度を検出する赤外線温度センサー5B等を使用しても良い。赤外線温度センサー5Bは、図2に示すように、誘導加熱ユニット10の内部に設置され、破線の矢印で示すように内釜3から放射される赤外線を受けて温度を計測する。
給電手段6は、内釜3よりも炊飯ユニット1の後方(背面)側に設けられており、電力を蓄える機能も備えた蓄電手段である。給電手段6は、例えば、鉛蓄電池、ニッケル水素蓄電池、リチウムイオン蓄電池等の二次電池95(図9参照)で構成されている。なお、給電手段6は、二次電池95で構成されることに限定されるものではなく、乾電池等の一次電池で構成されていてもよい。このように、給電手段6が一次電池で構成されている場合には、給電手段6の一次電池を取り替える可能性を考慮して、給電手段6を容易に取り替えられるような位置に設けることが望ましい。
受電コイル7は、例えば、炊飯ユニット1の内部に設けられているコイルであり、送電コイル17から送られる電力に基づいて給電手段6に、非接触で給電するように機能する。なお、非接触で給電手段6に給電する方式としては、電磁誘導方式、磁界共鳴方式、電界結合方式等があるが、本実施の形態1においては、電磁誘導方式である例について説明する。
前記蓋体開閉ボタン8は、炊飯ユニット1の前面側から後方側に向かう力が加えられることで、前記蓋体1Bが本体1Aから開放されるように構成されており、例えば、本体1Aの前面に設けられている。例えば、図1に示される状態で、蓋体開閉ボタン8に対して、炊飯ユニット1の前方側から後方側に向かう力が加えられることで、蓋体1Bは、本体1Aとのロック機構(図示せず)が外れ、蓋体1Bの後方に内蔵させたバネ機構(図示せず)の力で開放する。蓋体1Bは、例えば略垂直に立った状態まで前記バネ機構で開放され、その開放位置に保持される。
図1において、48は、人の存在を感知する人感知センサーであり、非接触入力手段の1種である。この人感知センサーは、図1と図5から明らかなように、前記蓋体開閉ボタン8の上方で、その近傍から赤外線を前方FRの方向の、一定の照射範囲に照射して、人の存在を検知するものである。人感知センサー48自体が左右方向に自動的に向きを変化させ、左右方向に広い範囲で人を感知できるようにしても良い。また、上下方向に自動的に向きを変化させ、上下方向に広い範囲で人を感知できるようにしても良い。
前記人感知センサー48は、人から発せられる赤外線を検知する赤外線センサーや、超音波センサーである。赤外線センサーにした場合には、ユーザーがご飯を盛り付ける場合に使用する「じゃもじ」が、炊飯後のご飯の温度を受けて熱くなるため、その温度を感知するから、他の冷たい物体と識別しやすい。
前記人感知センサー48は、カロリー報知を行わせるための「非接触入力手段」を兼ねており、蓋体1Bを開放した場合に、後述する副制御装置50に対しての「非接触入力手段」に自動的に切り替わる。これは、後述する蓋体開放センサー93と副制御装置50によって行われるが、詳しくは後で説明する。
蓋体加熱手段9Aは、内釜3の上方に設けられる加熱手段であり、例えば、蓋体1Bの内部に設けられている電熱線である。この蓋体加熱手段9Aは、内釜3の上方全体を加熱できるように、水平方向に蛇行しながら広がっている。
内釜側面加熱手段9Bは、内釜3の側方に設けられる加熱手段であり、例えば、本体1Aの内部に設けられている電熱線である。内釜3の側方(側面)外周を数回回るように巻かれ、内釜3の側方(側面)の上部から少なくとも上下中間部までを加熱できるようになっている。
炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の上に正しく載置された状態においては、蓋体加熱手段9A及び内釜側面加熱手段9Bは、誘導加熱ユニット10から供給される外部電源(商用電源)71の電力によって駆動される。炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の上に載置されていない状態においては、蓋体加熱手段9A及び内釜側面加熱手段9Bは、給電手段6の電力のみによって駆動される。
前記第2の表示手段11は、2つの表示画面(第2の表示画面11Aと第3の表示画面11B)から構成されている。2つの表示画面11A、11Bは、炊飯器100の各種情報を画面表示する機能があり、例えば、LCD(LiquidCrystalDisplay)、有機EL(ElectroLuminescence)等で構成されている。
前記第2の表示画面11Aは、以下、「第2表示部」11Aと呼ぶ。前記第3の表示画面11Bは、以下、「第3表示部」11Bと呼ぶ。
前記蓋体1Bに設けた第2表示部11Aは、例えば、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の上から取り外された場合において、保温可能な時間を表示する。
第2表示部11Aは、更に、給電手段6の蓄電状態を表示する。第2表示部11Aは、更には、現在の蓄電状態を0%~100%の範囲内で表示する。また、第2表示部11Aは、給電手段6の充電が完了するまでに要する時間を表示する。
前記第2表示部11Aには、この加熱調理器1の外部から取得した、後述する「制御データ」CDの内容が表示される。例えば、炊飯ユニット1を使用して実行する1つの調理メニュー(例えば、「筍炊き込みご飯」)の、調理を特定する「識別情報」や、調理工程、制御条件(炊飯時のご飯の硬さを調節するパラメータ情報を含む)等の骨子が表示される。
前記本体1Aの前面に配置した第3表示部11Bは、炊飯する米の重量や、最適な水量、炊飯したご飯の重量に対応した消費エネルギー量等の情報を、文字や数字で表示する。なお、その消費エネルギー量は、カロリー(又はキロカロリー)という単位で表示される。なお、炊飯する米の重量や、最適な水量、炊飯したご飯の重量に対応した消費エネルギー量等の情報を、前記第2表示部11Aに表示しても良い。
前記蓋体1Bに設けた第2表示部11Aは、その蓋体1Bの上方向に向けて各種情報を表示する。一方、前記本体1Aの前面に配置した第3表示部11Bは、当該本体1Aの前方FR方向に向けて、炊飯する米の重量や、最適な水量、ご飯の重量に対応した消費エネルギー量等の各種情報を表示する。
前記蓋体1Bの前方部上面には、前記第2入力部12が配置されている。その第2入力部12は、例えば、予熱工程、炊飯工程、むらし工程等の調理工程(図10参照)を実行するための、操作入力等を受け付ける操作手段である。押圧式の入力キーが複数個配置されている。詳しくは、図5で説明する。なお、押圧式の入力キーに代えて、または併用して、タッチ式の入力キーを設けても良い。
また、第2入力部12と同じ位置には、第2表示部11Aが配置されている。そして、第2入力部12で、炊飯量や、米の銘柄、炊飯の硬さ、予約炊飯する場合の炊飯完了時刻や時間帯等の各種炊飯条件をユーザーが入力でき、その入力結果を第2表示部11Aでその都度確認できる。詳しくは、図5で説明する。
前記冷却ファン13は、誘導加熱ユニット10において、半導体集積回路や電子回路等で構成された主制御装置80において発生した熱を、空気中に逃がすための送風手段である。冷却ファン13が回転すると、冷却ファン13から加熱コイル14側に向かう空気流れが生成される。
加熱コイル14は、発生する磁力線によって内釜3自体を加熱し、その内釜3の内部に収納される米や水等の被調理物を加熱するものであり、例えば、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の上に載置された状態で、その内釜3の下方に位置するように設けられている。加熱コイル14は、細い銅線等がドーナツ状に巻かれて形成されている。
前記送電コイル17は、誘導加熱ユニット10から炊飯ユニット1側へ、電力を供給するものである。送電コイル17は、加熱コイル14よりも冷却ファン13の空気流れの上流側に位置している。すなわち、送電コイル17は、加熱コイル14よりも誘導加熱ユニット10の後方BK側に位置し、冷却ファン13よりも前方側に位置している。このように送電コイル17を設けることで、加熱コイル14を冷却して温度上昇した空気が送電コイル17に供給される可能性を低減できる。
防磁板19は、加熱コイル14から発せられる電磁波が送電コイル17に達しないように遮蔽する部材である。防磁板19は、例えば、加熱コイル14の周囲を取り囲むように、一定の高さを有しており、平面視で環状に設けられている。防磁板19は、例えば、誘導加熱ユニット10の上部にあるトッププレート22の下面から下方に延びている。なお、防磁板19は、加熱コイル14よりも本体部10の径方向外側において環状に設けられている例に限定されるものではなく、少なくとも加熱コイル14と送電コイル17との間に位置するように設けられていればよい。
前記外気温度検出手段15は、誘導加熱ユニット10が置かれている空間の外部の温度を検出するためのものである。誘導加熱ユニット10の後部に垂直に立ち上がっている後部垂直部16の壁面に設置されている。この外気温度検出手段15の検出温度は、内釜温度検出手段5の検出温度とともに、後述する保温可能時間の算出に使用される。
なお、外気温度検出手段15は、この実施の形態1では、誘導加熱ユニット10に備えるようにしているが、炊飯ユニット1に備えるようにしてもよい。あるいは、炊飯ユニット1と誘導加熱ユニット10の双方に設けても良い。
図1において、2は、炊飯ユニット1の底面の4つの隅部に1つずつ配置した脚部である。この脚部は、例えば硬質ゴムやプラスチック材料等から形成されている。
図1において、20は、誘導加熱ユニット10の上面前方部に横長帯状に配置した第1入力部である。この第1入力部20では、押圧式の各種入力ボタン(キー)が配置されている。これについては後で詳しく説明する。
第1入力部によって指令を与えると、前記炊飯ユニット1とは無関係に、誘導加熱ユニット10単独で誘導加熱調理を行える。つまり、第1入力部20では、火力や調理メニュー(湯沸しや煮物等)、調理時間等の各種条件を入力できる。
前記炊飯ユニット1を誘導加熱ユニット10の上面の所定位置に載置した状態では、図1と図2に示すように、第1入力部20は、前記炊飯ユニット1によって上方から覆い隠された状態となる。従って、炊飯ユニット1を載置した状態では、第1入力部20を操作することはできない。
21は、誘導加熱ユニット10の上面で前記第1入力部20の後方を真横に横切るように左右に長く形成した突起部(凸条)である。この突起部21は、誘導加熱ユニット10の上面の横幅全体に及ぶような長さを有しており、耐熱性と弾力性を有した材料で形成されており、誘導加熱ユニット10の上面を構成する耐熱性のガラス等から形成されたトッププレート22の上面に固定されている。なお、この突起部は、耐熱性と弾力性のある材料、例えばシリコンゴムから形成されている。
図2において、23は、前記内釜3の上面開口を開閉自在に塞ぐ内蓋であり、アルミニウム等の熱伝導性の良い金属薄板で、平面形状が円形に形成されている。前記蓋体加熱手段9Aである電気ヒータは、この内蓋23の上面に広く蛇行するように、又は環状に配置されている。
図2において、H1は、前記内蓋23の下面と内釜3の内側底面との垂直方向の最大高さ寸法である。つまり、前記内蓋23の下面と内釜3の内側底面との対向間隔(炊飯空間高さ)をいう。
24は、その内蓋23の周囲に取り付けられたシール用パッキンであり、シリコンゴム等の耐熱性と弾力性に富む材料で形成されている。前記蓋体1Bを閉じた状態では、内蓋23とパッキン24によって内釜3は密閉される。なお、内蓋23には、炊飯時の蒸気抜きのための小さな孔(図示せず)が形成されており、炊飯ユニット1の外部に連通する蒸気排出通路(図示せず)が蓋体1Bの内部を貫通するように形成されている。
図2において、25は、前記内釜3の周囲を近接して囲んでいる耐熱樹脂製又は誘導加熱されないような非磁性金属(例えば、アルミニウム)製の内側胴部であり、この外側に前記内釜側面加熱手段9Bである電気ヒータが巻かれている。
26は、前記後部垂直部16の中に収容した無線通信モジュール(無線通信部)である。
無線通信部26は、家庭内に設置した無線ルーター340(図示せず)等のローカルネットワーク設備(電力指令装置を含む。「アクセスポイント」ともいう場合がある)との間で無線通信できるようになっており、インターネット回線を通じて遠隔地にある情報処理端末器200(図示せず)や通信機器等と情報の授受ができる。
前記無線通信部26は、炊飯ユニット1に対する前記制御データCDの1種として、遠隔操作信号も受信できる。無線通信手段としては、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等の周知の手段を採用することができる。
また、前記無線通信部は、誘導加熱ユニット10に対する前記制御データCDの1種として、遠隔操作信号も受信できる。
前記無線通信部26が受信する前記制御データCDは、大きく分けて2種類ある。
1つの種類は、炊飯等の調理を実行するための加熱調理プログラムである。つまり、制御情報を含むデータである。このデータは、「レシピデータ」RDとも呼ばれる。
前記加熱調理プログラム(レシピデータRD)は、前記誘導加熱ユニットを使用して被調理メニューを実行するためのプログラムAと、前記炊飯ユニットにおいて被調理メニューを実行するためのプログラムBと、前記誘導加熱ユニットと前記炊飯ユニットの両方を使用して共通の被調理メニューを実行するためのプログラムCと、の少なくとも1つを含んでいる。実施の形態1では、これら3種類のプログラムA、B、Cを加熱調理器1が保有する。
前記制御データCDの、他の1種類は、遠隔操作データ(遠隔操作信号)RSである。
この遠隔操作データRSは、(炊飯時刻を指定して)予約した炊飯が完了したかどうかの照会や、加熱調理の実績(加熱調理の開始時刻、終了時刻、消費電力値、炊飯した回数、炊飯した米の重量等)データを、任意のタイミングでユーザーが求める(照会する)際に、加熱調理器1に無線通信で与えられる。更には、炊飯後の保温動作を停止させる指令である。この指令も加熱調理器1に対して無線通信で与えられる。
前記無線通信モジュール(無線通信部)26は、後述する「第1の通信部」CT1の中の1つの通信部である。この第2の通信部は、無線通信部26と、後述する第1の基準位置判定手段33の赤外線信号送受信部A34とを総称したものである。つまり、無線通信部26と赤外線信号送受信部A34と、の2つの手段によって第1の通信部CT1が構成されている。
なお、この実施の形態1では、他方の炊飯ユニット1には、第2の通信部CT2として、赤外線信号送受信部B(35)を備えている。
図2において、27は、前記第3表示部11Bを垂直に支持する支持板である。28は、内釜3の底部中央に対応して前記内側胴部25に形成した窓であり、赤外線を透過する材料で覆われている。29は、その窓に対応した位置に設けた窓であり、前記トッププレート22に形成している。なお、この窓は、貫通孔ではない。赤外線の通過部である。
トッププレート22は、通常は誘導加熱ユニット10の内部構造がトッププレート22を通して目視できないように、可視光線を遮断する塗装膜等が裏(下)面に施されているが、前記窓29の部分にはそのような塗装膜はないので、赤外線が容易に透過する。
図2において、30は、、炊飯ユニット1の後面に設置した永久磁石である。この永久磁石30は、後部垂直部15の内部に配置された載置検知センサーの1つであるリードスイッチ31(図8参照)に対応するよう配置されている。
32は、支持基板であり、内釜温度検出手段5を構成する赤外線温度センサー5Bを支持しており、誘導加熱ユニット10の内部に水平に設置してある。
34は、第1の基準位置判定手段33の一部を構成する(誘導加熱ユニット10側の)赤外線信号送受信部Aであり、前記防磁板19より外側で、かつ前記第1の操作入力手段20よりも後方の位置に配置されている。赤外線信号送受信部A34は、2つ以上設置し、少なくとも1つは赤外線信号送信用で、他の少なくとも1つは赤外線信号受信用である。その場合、接近状態で並べて設置すると後述する窓37、38を共用できて構造上有利である。
35は、第1の基準位置判定手段33の一部を構成する(炊飯ユニット1側の)赤外線信号送受信部Bであり、前記赤外線信号送受信部A34の垂直延長線上に配置されている。この赤外線信号送受信部B35も、赤外線信号送受信部A34と同様に、1つではなく、2つ以上設置しても良い。
36Aは、赤外線信号を解読する第1の信号処理部である。なお、赤外線信号送受信部A34側にも同様な第2の信号処理部36Bがある。誘導加熱コイル14の駆動中に無線通信ではノイズが発生したりする懸念があるため、赤外線信号で通信を行うようにしている。101は、電源プラグであり、102は電源コードである。
次に、図3について説明する。
図3において、37は、前記トッププレート22に形成した窓であり、前記窓29と同様に赤外線信号を透過させるためのものである。
39は、炊飯ユニット1の底面を構成する耐熱性のある(熱可塑性)プラスチック製の底板であり、赤外線信号を透過させるための窓38を形成している。
40は、前記赤外線信号送受信部A34を支持した支持基板である。なお、底板39は、前記炊飯ユニット1の本体1Aの内側壁面から一体に形成し、本体1Aの底面を構成するようにしても良い。
図3において、1Fは、炊飯ユニット1の本体1Aの前壁面、10Fは、前記誘導加熱ユニット10の外郭を形成する本体ケース10Aの前壁面である。
図3において、第1入力部20の前後方向の範囲は、実線の矢印20Wで示した通りである。
1Hは、切り欠き(開口部)であり、炊飯ユニット1の本体1Aの前壁面1Fの下端部はもちろん、炊飯ユニット1の本体1Aの右壁面(右側面)1Rや、左壁面1L、後壁面等、本体1Aの全周にわたって点在するように設けてある。この切り欠きは、炊飯ユニット1の本体1Aと前記トッププレート22との間の空隙Sから、空気が外部へ移動しやすくなる目的で設けている。このため、高温になる内釜3を内蔵した炊飯ユニット1が載置された場合でも、誘導加熱ユニット10の上面、特に前方部にある第1入力部20の部分の温度を低く抑える効果が期待できる。
前記第1入力部20には、複数の押圧式電子スイッチ41が横一列に一定の間隔で配置されている。各電子スイッチ41は、上部にある操作部41Aが押されると、内部接点が閉じて所定の信号を発生させることができる。41Bは押圧棒で、プラスチック製である。
前記電子スイッチ41については、図7~図8で詳しく説明するが、電子スイッチ41の一部には、後述する第4の入力操作手段84(以下、「第4入力部」という)の一部を構成する電子スイッチ41Wと、カロリー報知用電子スイッチ41Cが含まれる。以下の説明で、電子スイッチ41という場合には、特に断りがない限り、重量計測用の電子スイッチ41Wと、カロリー報知用電子スイッチ41Cを含む。
図3において、42は、各電子スイッチ41を実装した回路基板である。43は、薄く湾曲性のあるプラスチック材料で形成された保護シート(又は保護板)であり、前記操作部41Aの上を密封状態に覆っており、上方からの水の浸入を防止している。この保護シート43がユーザーの指で押された場合、操作部41Aは微小寸法下方に移動して電子スイッチ41の内部接点が閉じる。
44は、プレスチック製の支持枠45に形成した透孔であり、前記操作部41Aの上下動を許容するように、その操作部41Aの外形寸法より大きな口径である。
第1入力部20には、その操作入力結果を表示する第1の表示手段70Dがある。この第1の表示手段70Dは、以下の説明では「本体側表示部」と称する。
図6に詳しく示しているが、本体側表示部70Dは、液晶表示画面(第1表示部)70D1とレーザ発光ダイオード素子(LED)による発光表示部70D2、とから構成されている。
前記発光表示部70D2は、第1入力部20の保護シート43を下方から光で照らして、当該保護シート43の特定部分を赤や黄色に表示させ、ユーザーに対して各電子スイッチ41の入力結果を表示する。
また前記第1表示部70D1は、保護シート43の一部に開口を設け、それを透明なシートで上から覆い、この開口に第1表示部70D1の表示画面を臨ませるように設置している構成である。
この実施の形態1で、第1入力部20の入力機能を有効・無効にする説明を行うが、入力機能を無効にした場合には、上記本体側表示部70Dも同時に表示機能は無効となり、表示は消される。発光表示部70D2の発光も消える。逆に第1入力部20の入力機能が有効になる場合(最初に起動されるとき、無効化が解除されるとき)には、同時に有効になり、表示動作が行われるようになる。
第1入力部20の入力機能を無効にした場合でも、後述する音声報知装置70Vは依然として有効に機能するように維持させても良い。炊飯ユニット1を載置した場合においても、音声報知装置70Vによって報知することは、ユーザーに便利な場面があるためである。なお、第4入力部84の機能についても、第1入力部20の入力機能無効化と同時に、無効にされる。または、解除されるタイミングも同時である。
前記第1入力部20の入力機能の無効期間中も、前記無線通信部26は、電源回路52によって電力が供給されている限り、送信と受信の機能は維持されている。
図3において、Sは、前記誘導加熱ユニット10の上面と炊飯ユニット1の底板39との対向面の間に形成された空隙であり、高さは数mm~10mm程度である。
図3は、炊飯中の状態を示しており、炊飯ユニット1には、所定の米と水が内釜3に収容されているので、内釜3の中が空の状態の炊飯ユニット1の重量よりも、重くなる。この状態で、炊飯ユニット1の本体1Aの前壁面1Fと、前記誘導加熱ユニット10の外郭を形成する本体ケース10Aの前壁面10Fとの対向間隔G1は、最大でも数mm程度ある。このため空隙Sは、前記間隔G1によって前方に連通している。なお、炊飯ユニット1の本体1Aの前壁面1Fだけではなく左右両壁面と、前記誘導加熱ユニット10の外郭を形成する本体ケース10Aの左右両壁面の下端が同一水平面で揃っているので、前記空隙Sは、前方と左右両側に連通している。
前記突起部(凸条)は、炊飯ユニット1の底面39と、第1入力部20の上面との対向間隔を狭めている。言い換えると前記空隙Sの高さを狭めているので、この突起部21より後方にある加熱コイル14の真上の位置で発生する熱気が、この突起部21を乗り越えて第1入力部20側に流れることが抑制される。このため、炊飯動作を行った際に、加熱コイル14によって炊飯ユニット1の底面が高温になっても、第1入力部20の部分が過熱状態になることが抑制される。
このため、炊飯ユニット1の使用が終わって、そのユニット1を前記誘導加熱ユニット10の上から取り除いた後、第1入力部20の部分が熱くて、直ぐに誘導加熱ユニット10による別の加熱調理を開始できないという事態を招かない。
図3において、20Wは、前述したように、前記第1入力部20の前後方向の幅を示しており、50mm~70mm程度である。
次に図4について説明する。図4は、誘導加熱ユニット10の外郭を形成する本体ケース10Aの前方部を拡大した縦断面図である。4は、本体ケース10Aの底壁面10Bの上に固定された重量センサーである。
2は、太い支柱状の脚部であり、誘導加熱ユニット10の重量を支える。つまり、この脚部2の下面が、食卓等の家具等の上面に向かい合う。
前記脚部2の真上には、詳細に図示していないが、歪センサー4Sが配置されている。脚部2によって前記歪センサー4Sを押す力、すなわち、誘導加熱ユニット10と炊飯ユニット1の総重量に応じて、歪センサー4Sからの出力で重量を計測できる。なお、このような歪センサー4Sを用いた重量センサーは、既に古くから提案されており、詳しい説明は省略する。
46は、本体ケース10Aの底壁面10Bに形成した貫通孔であり、前記脚部2の上下動を許容する大きさ(口径)である。前記脚部2は、図4に示すように一定の長さで下方へ突出している。GP1は、突出高さである。炊飯ユニット1を載置した場合、誘導加熱ユニット10と炊飯ユニット1の総重量を受けるから、前記突出高さGP1の寸法は小さくなる。
109は、金属製の支持板であり、前記脚部2の上下動を許容する大きさ(口径)の孔109Aが形成されている。
次に、図5に基づいて、第2の操作入力手段12と、第2の表示画面11Aについて説明する。
図5は、実施の形態1に係る加熱調理器100の蓋体1Bの前半部分の平面図である。蓋体1Bのほぼ左右中央には、液晶表示画面等から構成された第2表示部11Aが配置されている。
第2表示部11Aには、時刻情報と、米種表示部60と、硬さ表示部61と、メニュー表示部62とが表示される。また、第2表示部11Aの外側で左側には、米種スイッチ63と、硬さスイッチ64と、メニュースイッチ65と、切/保温スイッチ66と、直前の入力を取り消すための取消スイッチ79と、が設けられている。
第2表示部11Aの外側で右側には、炊飯スイッチ67と、予約スイッチ68と、時刻スイッチ69と、後述するカロリー報知スイッチ49と、がそれぞれ設けられている。
炊飯動作開始後は、前記切/保温スイッチ66を押すと、炊飯中止の指令信号が副制御装置50に対して発せられる。また、保温動作開始後は、前記切/保温スイッチ66を押すと、保温中止の指令信号が発せられる。この実施の形態1では、むらし工程に続いて自動的に、ある時間内(例えば1時間や3時間、6時間等)は保温工程が実行されるような制御プログラムになっている(主制御装置80に格納された炊飯動作の制御プログラムによる)。
図5において、57Bは、データ受信可能情報(受信可能マーク)であり、外部から後述する制御データCDを受信可能になった場合に、第1表示部70D1の中に表示される。
83Bは、プログラム表示部であり、制御データCDの受信後に表示されるものである。このプログラム表示部83Bは、プログラムA~Cの何れかを特定できる場合は、例えば「A」、「B」、「C」等の文字で識別できるようにしても良い。なお、「A」、「B」、「C」等の文字で表示せず、調理メニューを特定する識別情報を記号や文字で表示しても良い。
前記第2表示部11Aに、図5に示すようにプログラム表示部83Bが表示されたあと、すなわち、制御データCD(この場合、レシピデータRDも含む)の情報が表示されたあと、取消スイッチ79を押すと、当該制御データCDの情報の表示は即時に消える。そして、これ以後、当該制御データCDを用いた加熱調理はできない。
49は、第2表示部11Aにカロリー値を表示させるためのカロリー報知スイッチである。また音声報知装置70Vにおいて、音声でカロリー値を報知させることを指令する。つまり、49は、カロリー値を報知することを副制御装置50に指令するスイッチである。基本的に、このスイッチ49が押された場合のカロリー値は、第2表示部11Aで表示される。
後述する炊飯工程又はむらし工程を終えたあと、副制御装置50は、前記カロリー報知スイッチ49が押された場合、第2入力部12における(後述する音声モードスイッチ12VKと、取消スイッチ79とを除く)各種スイッチの入力を受け付けない処理をする。つまり、米種スイッチ63、硬さスイッチ64、メニュースイッチ65、炊飯スイッチ67、予約スイッチ68及び時刻スイッチ69、の入力はできない状態に維持される。
切/保温スイッチ66は、前記カロリー報知スイッチ49が押され、「カロリー報知モード」に移行した時点から、取消スイッチ79としての機能に切り替わる。そのため、「カロリー報知モード」に移行後、この切/保温スイッチ66を押すと、「カロリー報知モード」はキャンセルされ、取消スイッチ79としての機能は解除される。
さらにこれに続いて、再び切/保温スイッチ66を押すと、保温モードに移行する。従って、炊飯が終わった段階で、そのまま蓋体1Bを開けず、保温モードに設定するには、切/保温スイッチ66を押すと良い。なお、これら操作の都度、報知手段90の音声報知手段90Vが音声で操作内容を案内し、第1表示部11Aにも、対応した表示がその都度行われる。
以上の説明から明らかなように、前記カロリー報知スイッチ49を押すと、その後で、取消スイッチ79を押さない限り、副制御装置50は、「カロリー報知モード」に設定される。副制御装置50は、ご飯の重量計測と、エネルギー量の演算及びカロリー値の報知、を順次行う「カロリー報知モード」に設定される。
「カロリー報知モード」に誤って設定してしまった場合には、取消スイッチ79を押せば良いが、前記キー18Dを押しても「カロリー報知モード」を取り消すことができる。
外部からレシピデータ等の制御データCDを取得したあと、その制御データを取り消す場合には、前記取消スイッチ79を押せば良い。これを押せば、制御データCDの取得前の状態に戻すことができる。
なお、前記カロリー計算キー18Cが押された場合でも、前記「カロリー報知モード」に設定される。そして、この場合の「カロリー報知モード」では、副制御装置50は、重量の計測開始指令の操作キー18Aと、重量の表示を指令する操作キー18Bの2つからの入力を無効にする。従って、これら2つのキー18A、18Bを操作しても、何も入力されない。但し、重量の計測結果やカロリー計測結果をキャンセルする操作キー(スイッチ)18Dの入力は有効状態に維持する。
また、前記カロリー計算キー18Cが押された場合、ユーザーが事前に設定しない限り、カロリー値の表示は、第3表示部11Bによって行われる。ユーザーが事前に所定の操作を行った場合、前記カロリー報知スイッチ49と、カロリー計算キー18Cの何れか一方だけが押された場合でも、第2表示部11Aと第3表示部11Bの両方で、同時にカロリー演算結果を表示する。
なお、前記カロリー報知スイッチ49と、カロリー計算キー18Cの何れが操作されても、前記音声報知90Vは、カロリー値を報知する。このカロリー表示に関連する事項も、同様に報知する。
12VKは、音声入力モードを選択する場合の音声モードスイッチであり、これを押すと、後述する音声報知手段90Vから「音声入力モードに切り替わりました」という案内が出て、以後、音声で入力できる。なお、再びスイッチ12VKを押せば、音声入力モードは解除される。音声報知手段90Vから「音声入力モードは解除されました」という案内がされる。前記音声モードスイッチ12VKは、音声入力手段12Vを構成する一部分である。
91は、近距離無線通信(NFC)を行う無線通信部(入出力手段)であり、NFC機能を備えた情報通信処理端末機器を接近又は接触させると通信が行える。蓋体1Bの上面を構成するケースの下方に埋め込まれている。なお、この近距離通信とは、NearFieldCommunication(略称:NFC)として知られている無線通信の国際規格技術のことである。
前記誘導加熱ユニット10の上から炊飯ユニット1を分離させた時点から、再び誘導加熱ユニット10の上に載置した時点までの期間中に、カロリー計算部50Cで算出されたカロリー値の積算量は、前記無線通信部(入出力手段)91に情報処理端末器200(図示せず)を接近又は接触させて読み出し、その情報処理端末器200へデータを移すことができる。つまり、例えば、炊飯ユニット1を分離させて、10回ご飯の重量計測を行い、10回カロリー値を報知された場合、その10回のカロリー値が、時系列のデータ形式で読み出せる。また10回のカロリーの総合計値も読み出せる。
また、無線通信部26から外部に送信される「調理実施データ」ADの中の1つとして、前記カロリー値のデータが含まれる。
近距離無線通信(NFC)を行う前記無線通信部(入出力手段)91では、第2ユニット1を使用した各種の炊飯メニュー(例えば、白米の炊飯や、おかゆ等の合計7種類)の何れか1つを、NFC機能付きのスマートフォン等の情報処理端末器200(図示せず)を使用して、ワンタッチで選択するために使用される入力手段である。
つまり、炊飯メニューは、メニュースイッチ65でも選択できるが、前記無線通信部(入出力手段)91でも選択できる。
前記無線通信部(入出力手段)91の入力機能には、以下のような制限がある。
(1)第1ユニット10だけを使用した単独調理モードKM1の調理メニュー(例えば、「湯沸かし」)を選択することはできない。
(2)連携調理モードKM2等のように、第1ユニット10と第2ユニット1を併用するような調理メニューを選択することはできない。
(3)第2ユニット1を使用する各種の炊飯メニュー(例えば、白米の炊飯や、おかゆ等の合計7種類)の何れか1つを選択できるが、当該メニューの選択だけであり、レシピデータRD自体を外部から取得する指令を、入力することはできない。
つまり、各種レシピデータRD自体は、無線通信部26を経由する以外では、取得できないような構成になっている。
米種スイッチ63は、炊飯する米の種類を設定するための入力手段である。米種スイッチ63が押下される度に、これに対応して米種表示部60の表示が「白米」、「無洗米」、「玄米」、「発芽玄米」に切り替わる。米種スイッチ63により設定された米の種類に関する情報は、後述する副制御装置50に入力される。
図5では、米種スイッチ63に銘柄と併記されている。このスイッチ63で米の具体的な銘柄も指定できるが、スイッチ63の押し方で入力機能が2種類(銘柄と米種)の中から1方だけを選択できる。なお、詳しい説明は省略する。
硬さスイッチ64は、炊きあがりの硬さを設定するための入力手段である。硬さスイッチ64が押下される度に、これに対応して硬さ表示部61の表示が「かため」、「ふつう」、「やわらか」の順に切り替わる。硬さスイッチ64に入力された炊きあがりの硬さに関する情報(設定用データ)は、副制御装置50に入力され、この副制御装置50が炊きあがりの硬さを選択する。
前記の「かため」が設定された場合には、後述する「硬めモード」に対応している制御パラメータが選択されて炊飯動作が行われる。
また、「やわらか」が設定された場合には、後述する「軟らかめモード」に対応している制御パラメータが選択されて炊飯動作が行われる。なお、本実施の形態1では、硬さスイッチ64及び副制御装置50により硬さ選択手段が構成されている。
本実施の形態1及びこれ以降の実施の形態で説明する加熱調理器は、「軟らかめモード」と、この軟らかめモードよりも硬めに米飯を炊きあげる「硬めモード」の、少なくとも2種類の炊き分けが可能である、電気炊飯器の例である。
メニュースイッチ65は、炊飯メニューを設定するための入力手段である。メニュースイッチ65が押下される度に、これに対応してメニュー表示部62の表示が「リゾット」、「おかゆ」、「炊き込み」に切り替わる。また、メニュースイッチ65により設定された炊飯メニューに関する情報は、副制御装置50に入力される。
前記メニュースイッチ65は、前記プログラムBによる調理と前記プログラムCによる調理の何れか1つを選択する「調理モード選択手段2」を兼ねている。
前記メニュースイッチ65は、前記プログラムBによる調理を選択する機能も有するので、この場合、「プログラムB選択部」ともいう。同様に、前記メニュースイッチ65は、前記プログラムCによる調理(但し、調理工程1を炊飯ユニット1が担当する場合)を選択する機能も有するので、「プログラムC選択部」ともいう。
前記メニュースイッチ65は、ユーザーの指先が触れる操作部が、図5に示すように1つでありながら、上記のように複数の機能(調理モードの選択、プログラムBとCの選択)を有しているが、これは、前記第2表示部11Aと連携することによって実現できている。
なお、前記メニュースイッチ65は、図5で説明したように、第2ユニット1だけを使用して炊飯メニュー(白米の炊飯や、リゾット、炊き込みご飯等10種類)の中から、1つの炊飯メニューを選択する手段である。しかし、このメニュースイッチ65や、スイッチ41A1(図6参照)は、これを操作するアクションが、外部から制御データ(レシピデータRDを含む)を取得するトリガーとなっている。この点については、後で詳しく説明する。
切/保温スイッチ66は、保温動作の終了/開始を切り替えるための入力手段である。炊飯スイッチ67は炊飯開始を指示するための入力手段である。予約スイッチ68は炊飯予約を設定するための入力手段であり、時刻スイッチ69は現在時刻や予約時刻などの時刻を設定するための入力手段である。切/保温スイッチ38、炊飯スイッチ39、予約スイッチ40、時刻スイッチ41により設定された情報は、副制御装置50に入力される。
前記各種スイッチ63~69、49は、押圧式入力手段12P(図9参照)を構成している。なお、押圧式のスイッチ63~69、49ではなく、タッチ式のスイッチにした場合には、タッチ式入力手段12Tとなる。後述する図9では、そのタッチ式入力手段12Tも図示している。
次に図6について説明する。
図6は、誘導加熱ユニット10における、前方部の平面図である。
第1入力部20には、複数の押圧式電子スイッチ41が横一列に一定の間隔で配置されている。70D1は、表示画面を備えた前述した第1表示部であり、70D2はLEDによる第1の表示部である。
41A1は、電子スイッチ41を構成する1つのメニュースイッチ41M(図示せず)の操作部である。この操作部41A1を操作して、湯沸かしや煮物、揚げ物等の調理メニューが選択できる。
前記メニュースイッチ41M(図示せず)は、無線通信部26経由で外部から提供される、制御データCDが、プログラムAである場合と、前記プログラムCである場合の、何れか一方である場合には、当該プログラムA又は前記プログラムCによる調理を選択する「調理モード選択手段1」を兼ねている。
但し、プログラムCによる連携調理モードKM2は、調理工程1が2種類あり、調理工程1を誘導加熱ユニット10が担当する場合には、上述の通り、メニュースイッチ41M(図示せず)の操作部41A1で制御データの取得を指令できる。
前記プログラムCによる調理の内、調理工程1を炊飯ユニット1が担当する場合には、メニュースイッチ41M(図示せず)の操作部41A1では、当該プログラムCの取得を(主制御装置80に対して)指令することはできない。この場合は、図5で説明したスイッチ65によって選択することになる。
つまり、前記メニュースイッチ41M(図示せず)は、前記プログラムAによる調理を選択した場合、「プログラムA選択部」という。同様に、前記メニュースイッチ41M(図示せず)は、前記プログラムCによる調理を選択した場合、「プログラムC選択部」という。
前記メニュースイッチ41M(図示せず)は、操作部41A1が図6に示すように1つでありながら、上記のように複数の機能(調理モードの選択、プログラムAとCの選択)を有しているが、これは、前記第1表示部70D1の表示と連携することによって実現できている。なお、この点については、後で詳しく説明する。
図6において、41A2は、重量計測手段94に対して、重量計測を指令する電子スイッチ41Wの操作部である。炊飯ユニット1が載置されていない状態でこの操作部41A2は操作できるので、炊飯ユニット1の重量は計測できない。この操作部41A2が押されると、トッププレート22の上で行われている調理や湯沸かし等の被加熱物(金属鍋など)の総重量を計測できる。
従って、この重量計測を指令する操作部41A2を利用して、ユーザーはトッププレート22の上に載置した鍋や容器の総重量を計測でき、便利である。
41A3は、重量計測手段94で計測された重量に基づいて、食品の消費エネルギー量を演算させるカロリー報知スイッチ41Cの操作部である。
前記重量計測を指令する電子スイッチ41Wと、食品の消費エネルギー量を演算させるカロリー報知スイッチ41Cは、第4入力部84を構成している。なお、図7と図8では、第1入力部20と第4入力部84は、ハードウエア(例えば、回路基板)で共通・共有している部分があるため、1つのブロックで図示している。
図6において、41A4と41A5は、加熱コイル14に対するインバーター回路73の出力電力を調節する火力設定スイッチ(図示せず)の操作部であり、左側が火力を減らすための操作部41A4、右側が逆に火力を上げる操作部41A5である。
なお、この誘導加熱ユニット10では、メニュー選択用の電子スイッチ41の操作部41A1で調理メニューを選択して誘導加熱開始した場合、その調理メニューに応じた標準的な火力値が事前に決まっており、前記火力設定スイッチ(図示せず)の操作部41A4、41A5を操作しなければ、その標準的な火力で誘導加熱動作がそのまま継続する。但し、被加熱物温度検出手段5Bからの検出温度に応じて、主制御装置80が自動的に火力を増減し、または加熱停止させる。
41A6は、誘導加熱調理の開始を指令する操作部である。41A7は、この第1入力部20と第4入力部84において、上記電子スイッチ41の操作部41A1~41A6の直前の入力を取り消したり、誘導加熱調理の途中で任意に運転停止させたりするためのスイッチ54(図示せず)の操作部である。
図6において、55Aは、後述する電源部72の中にある主電源スイッチ55の操作部(押圧ボタン)である。なお、この主電源スイッチ55を設けず、前記プラグ101を商用電源71と接続したり、切り離したりする動作によって前記電源部72に対する電源の供給を制御しても良い。
図6において、57Aは、データ受信可能情報(受信可能マーク)であり、外部から前記制御データCDを受信可能である場合に、第1表示部70D1の中に表示される。
83Aは、プログラム表示部であり、3種類の前記プログラムA~Cの何れかを特定できる場合は、例えば「A」、「B」、「C」等の文字で識別できるようにしても良い。なお、「A」、「B」、「C」等の文字で表示せず、調理メニューを特定する識別情報、略称等を記号や文字で表示しても良い。
この誘導加熱ユニット10を単体で使用する場合、前記カロリー報知スイッチ(図示せず)の操作部41A3を押しても、炊飯ユニット1の「カロリー報知モード」を設定できない。
次に図7について説明する。
図7は、炊飯ユニット1と誘導加熱ユニット10の、それぞれの主要な制御機能の構成部分を示したブロック図である。
図7において、太い実線は、誘導加熱ユニット10の電源部71に供給された商用電源71からの電力が供給されることを示している。細い線の矢印は、各種指令信号やセンサーからの計測信号、データの流れを示している。
図7に示しているように、炊飯ユニット1に対する電力の供給は、誘導加熱ユニット10の送電コイル17から受電コイル7に対する非接触給電による経路だけである。
つまり、前記給電手段6によって電源が炊飯ユニット1の各部分へ供給される。95は、給電手段6を構成する二次電池95である。これについて、後で詳しく説明する。
給電手段6に供給された電力は、内釜側面加熱手段9Bと、蓋体加熱手段9A、報知手段90、更には、炊飯ユニット1の全体の制御を司る副制御装置50に、それぞれ所定の電圧で供給される。なお、基準位置判定手段35Aや第2入力部12、第3入力部18等に対する電力供給については説明を省略する。
一方、誘導加熱ユニット10においては、電源部72から加熱コイル14のためのインバーター回路73と、無線通信部26の電源回路52と、誘導加熱ユニット10と加熱調理器100の全体の制御を司る主制御装置80に対し、それぞれ所定の電圧で電力が供給される。なお、重量計測手段94や報知手段70、第1入力部20、第4入力部84等に対する電力供給については説明を省略する。
図7において、53は、電源回路52の補助電源として機能する二次電池である。
前記無線通信部26に対する電力の供給と遮断は、前記主制御装置80からの指令信号STによって決定される。なお、二次電池53は、電源部72から前記無線通信部26に対する電力の供給が遮断された時点で、無線通信部26に対する電力の供給を開始する。但し、供給する時間的長さは、例えば主電源スイッチ55が、ユーザーによって開放(OFF)された時点から30分間等のように、上限を設定しても良い。
次に図8について説明する。
図8は、誘導加熱ユニット10の制御関係の構成を示したブロック図である。
80は、前記主制御装置であり、中央処理装置(CPU:図示せず)を有したマイクロコンピュータを中核として構成されており、半導体記憶装置(フラッシュメモリーやROM、RAM)などの記憶手段80Rと、時刻を計算する計時手段(時計回路)80Tを内蔵している。
前記中央処理装置(CPU)には、この中央処理装置(CPU)自体の動作を決定する制御プログラムと、各種の調理(炊飯や、煮込み、湯沸かし等)毎の加熱シーケンスの情報と、加熱調理器100を特定する前記機器識別情報とを保有している。
また、図10で説明するような、吸水工程や炊飯(沸騰)工程等の加熱シーケンス毎に、火力や通電(加熱)時間、目標加熱温度等の制御条件を保有している。
つまり、前記主制御装置80の、全体の加熱制御動作を司る前記中央処理装置(CPU)のコンピュータプログラムと各種制御用データテーブルは、前記記憶手段80Rに格納されている。
後述する副制御装置50は、第2入力部12や第3入力部18からの入力に応じて、各種の指令信号を生成し、前記主制御装置80に入力される。例えば、第2入力部12によって、白米の炊飯が選択され、炊き方のスイッチ64が押されてユーザーの設定結果が副制御装置50に随時入力される。
つまり、第2ユニット1を使用する調理は、第2入力部12や第3入力部18の入力結果に対応して副制御装置50がデータを生成する。そしてこのデータは、最終的に炊飯開始スイッチ(キー)67を押した時点で、一連の調理モード(この場合、白米での炊飯)の調理メニューデータとして主制御装置80にインプットされる。これを受けて、主制御装置80では上記した各種制御用データテーブルを参照して、加熱コイル14に対する制御条件を決定する。
71は、例えば周波数50Hz又は60Hzで、電圧100V又は200Vの商用電源である。電源コード102とプラグ101を介して電源部72が商用電源の電力供給を受ける。電源部72では、整流回路等を内蔵し、複数種類の所定の電圧の電力に変換する機能を有している。なお、前記主電源スイッチ55(図示せず)も内蔵している。
73は、前記インバーター回路であり、前記電源部72からの電力を受けて、高周波電力を発生させ、加熱コイル14に供給するものである。インバーター回路には、半導体電力制御素子、スイッチング素子等の各種電気部品が実装されている。
20は、前記第1入力部であり、前記押圧式の複数の電子スイッチ41を押圧式入力手段として使用している。
70は、報知手段であり、本体側表示手段70D(第1表示部70D1、発光表示部70D2)と、及び音声合成装置等の音声報知手段70Vとを備えている。
前記本体側表示部70Dは、前述したように、液晶表示画面を備えた第1表示部70D1とレーザ発光ダイオード素子(LED)による発光表示部70D2とを備えている。本体側表示部70Dでは、誘導加熱動作の状態や条件(例えば、火力値、加熱時間)を、文字や数字、図形等で表示できる。また、前記制御データCDの受信の有無や識別情報などが確認できる。
音声報知手段70Vには、図示していないが、音を発するブザーやスピーカを備えている。本体側表示部70Dは、前述したように第1入力部20のある場所に隣接して配置されており、ユーザーが第1入力部20を操作した際に、その入力結果の確認が直ぐにできるようにしている。
74は、前記トッププレート22に接触してその温度を計測する天板温度検出手段であり、例えばサーミスタが使用されている。温度検出結果のデータは、前記主制御装置80に送信される。
図8において、被加熱物温度検出手段5Bは、炊飯ユニット1を載せた場合には、内釜3の外表面から放射される赤外線を受信して温度を計測する赤外線温度センサーから構成されている。この温度センサーは、炊飯ユニット1以外の一般の鍋やフライパン等の温度も計測できるので、主制御装置80によって被加熱物(一般の金属鍋など)の温度制御も可能になっている。
80Cは、重量計測手段94によって計測された炊飯ユニット1と誘導加熱ユニット10の総重量のデータを受けて、炊飯後のご飯の重量に対応した消費エネルギーを計算するカロリー計算部である。
80Dは、カロリー計算部80Cで算出されたカロリー値を自動的に記憶するカロリー記憶部である。この記憶部には、半導体記憶素子等の不揮発性メモリーが使用されている。
なお、図7に示す誘導加熱ユニット10側では、誘導加熱ユニット10側で炊飯後のご飯のカロリー値を算出するように、カロリー計算部80Cとカロリー記憶部80Dを設けているが、この2つは、必ずしも必要ではない。図8に示すようにこの実施の形態1では、炊飯ユニット1側において、カロリー値の算出させる構成である。
80Aは、制御データ記憶部である。なお、この記憶部では、誘導加熱ユニット1が無線通信部26経由で受信した制御データCDを、一旦格納する第1の記憶エリアと、その第1の記憶エリアの制御データCDを読み出して、第1入力部20又は第2の入力手段12のよって一部を修正し、修正した制御データCDを格納する第2の記憶エリアと、を設けてある。加熱調理の開始の指令後に、前記第2の記憶エリアの制御データを利用して、前記加熱コイル14に対する通電が主制御装置80によって制御される。なお、制御データCDを受信した後で、当該制御データCDの内容を分析するために、最初に当該制御データCDはバッファファイル等の一時保管用のメモリがあるが、この図7には図示していない。
前記制御データ記憶部80Aには、図10で示しているような、吸水工程や炊飯(沸騰)工程等の火力や通電時間、目標加熱温度等の条件を含めた全体の炊飯制御動作を司る炊飯用コンピュータプログラムを格納している。
次に炊飯ユニット1の制御関係の構成について、図9を参照しながら説明する。
図9において、50は、副制御装置であり、マイクロコンピュータを中核として構成されており、半導体記憶装置(フラッシュメモリーやROM、RAM)などの記憶手段50Rと、時刻を計算する計時手段(時計回路)50Tを内蔵している。
図10で示しているような、吸水工程や炊飯(沸騰)工程等の火力や通電時間、目標加熱温度等の条件を含めた全体の炊飯制御動作を司る炊飯用コンピュータプログラムと、米の重量を計測する重量計測用コンピュータプログラムと、自己点検プログラムや異常時対処用のコンピュータプログラムプログラムは、前記記憶手段50Rに格納されていない。記憶手段50Rには、前記炊飯用コンピュータプログラムで使用される各種制御用のデータテーブルと、前記制御パラメータ等を設定する「設定用データ」と、をそれぞれ記憶させてある。
例えば、前記スイッチ64が操作されて、炊きあがりの硬さに関する設定を変える場合、前記した「硬めモード」に対応している制御パラメータと、前記「軟らかめモード」に対応している制御パラメータのデータテーブルは、前記「設定用データ」として、前記記憶装置50Rに格納されている。
50Cは、重量計測手段94によって計測された炊飯ユニット1の重量データを受けて炊飯後のご飯の重量に対応した消費エネルギーを計算するカロリー計算部である。
50Dは、カロリー計算部50Cで算出されたカロリー値を自動的に記憶する記憶部である。
93は、蓋体1Bの開放を検知するセンサーであり、前記蓋体開閉ボタン8の近傍に設置してある。蓋体1Bの機械的ロックを外した場合、このセンサーから蓋開放信号が副制御装置50に送信される。
重量計測手段94は、前述した4つの重量センサー4と、それらのセンサーからの出力電圧に基づいて、炊飯ユニット1の重量を計算する処理回路(「計測回路」ともいう。図示せず)と、を備えている。
12は、前記第2入力部(第2の入力操作手段)であり、前記蓋体1Bに設けた押圧式の各種スイッチ63~69、49を、押圧式入力手段12Pとして使用している。
12Vは、マイク(図示せず)からの音声を、音声信号に変換して前記副制御装置50に対して入力する音声入力手段である。
90は、報知手段であり、第1の表示画面11Aと、第2の表示画面11Bと、音声合成装置を含む音声報知手段90Vと、を備えている。音声報知手段90Vには、図示していないが、音を発するブザーやスピーカを備えている。
5Aは、前記内釜3に接触してその温度を計測するサーミスタであり、温度検出結果のデータは、前記副制御装置50にその都度送信される。
95は、前記給電手段6を構成する二次電池であり、例えば、鉛蓄電池、ニッケル水素蓄電池、リチウムイオン蓄電池等で構成されている。なお、給電手段6は、この二次電池95で構成されることに限定されるものではなく、乾電池等の一次電池で構成されていてもよい。
前記第1の基準位置判定手段33は、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の所定位置に載置されたか否か判定するものである。第1の基準位置判定手段33の判定結果は副制御装置50に出力される。なお、副制御装置50が、基準位置判定手段33の有する機能を備えていてもよい。
第1の基準位置判定手段33は、光学的手段を利用しており、誘導加熱ユニット10側の基準位置判定手段33Bと、炊飯ユニット1側の基準位置判定手段33Aとを備えている。
この実施の形態1では、磁気的手段を利用した第2の基準位置判定手段47も備えている。
第2の基準位置判定手段47は、炊飯ユニット1の後面に設置した永久磁石30と、後部垂直部16に設けた(載置検知センサーの1つである)リードスイッチ31(図3参照)との組み合わせである。
誘導加熱ユニット10側の基準位置判定手段33Bは、例えば、加熱コイル14に電流を流した場合における抵抗値が基準抵抗値以上であるか否かを判定する構成を採用しても良い。具体的には例えば、主制御装置80が、加熱コイル14に電流を流した場合における抵抗値が基準抵抗値以上であると判定した場合には、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10のトッププレート22の上の正しい位置にあると判定する。また、主制御装置80が、加熱コイル14に電流を流した場合における抵抗値が基準抵抗値未満であると判定した場合には、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット1の上から取り外されていると判定する。
なお、第1の基準位置判定手段33は、光学的手段ではなく、温度検出手段を採用しても良い。例えば、前記赤外線温度センサー5Bの検出温度に基づいて、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の所定位置に取り付けられたか否か判定するように構成してもよい。この場合には、例えば、主制御装置80は、赤外線温度センサー5Bの検出温度が閾値温度以上である場合には、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10に取り付けられている可能性が高いために、炊飯ユニット1が所定位置に載置されていると判定する。また赤外線温度センサー5Bの検出温度が閾値温度未満である場合には、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10から取り外されている可能性が高いために、炊飯ユニット1が載置されていないと判定する。
なお、主制御装置80が、記憶手段80R及び計時手段80Tを備える構成に限定されるものではない。例えば、記憶手段80R及び計時手段80Tが主制御装置80とは別に構成されており、記憶手段80R及び計時手段80Tの出力が主制御装置80に入力されるように構成してもよい。
同様に、炊飯ユニット1側においても、副制御装置50が、記憶手段50R及び計時手段50Tを備える構成に限定されるものではない。例えば、記憶手段50R及び計時手段50Tが副制御装置50とは別に構成されており、記憶手段50R及び計時手段50Tの出力が副制御装置50に入力されるように構成してもよい。
また、音声報知手段70Vにおいては、音声(ガイド音声)は予め設定されている音量又はユーザーにより設定された音量で出力される。また、それら音量は複数段階に設定できるようになっている。
副制御装置50は、例えば、内釜3の温度検出手段であるサーミスタ5Aの検出温度と、副制御装置50に予め記憶されている閾値温度と、外気温度検出手段15の検出温度に基づき、内釜3が初期温度から閾値温度を下回るまでの時間を算出し、保温可能時間を決定し、第2の表示画面11Aに保温可能時間を表示させる。サーミスタ5Aの検出温度が閾値温度よりも高ければ高い程、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10から取り外された場合に、内釜3の温度が閾値温度に達するまでの時間は長くなるため、保温可能時間は長く設定される。
このように、第2表示部11Aが保温可能時間を表示することで、ユーザーに対して被調理物(ご飯)を速やかに食することを促したり、炊飯ユニット1を誘導加熱ユニット10に戻して被調理物(ご飯)の保温を行ったりすることを促すことができる。したがって、炊飯したご飯の温度が副制御装置50に予め記憶されている閾値温度を下回って、そのご飯の味が劣化してしまう可能性を低減することができる。
次に図10について説明する。
図10は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器1の時間変化に伴う温度変化の例を示す図である。なお、図10における横軸は時間を示しており、縦軸は内釜3の温度を示している。また、電力供給のONとOFFも示している。単位時間あたりのON時間が長い程、大きな電力が投入されていることを示している。
内釜3の温度は、例えば、内釜温度検出手段5であるサーミスタ5Aの検出温度である。図10に示されるように、予熱工程を実行し、予熱工程を実行した後に炊飯工程を実行し、炊飯工程を実行した後にむらし工程を実行する場合には、炊飯工程において内釜3の温度変化が急峻になる時間帯が存在する。このように内釜3の温度変化が急峻になる時間帯においては、加熱コイル14に供給される電力が大きくなる。
例えば、図10に示しているように、炊飯する米の量と内釜3の温度が60℃から75℃になるまでの温度範囲TT1において、t1は経過時間である。例えば、1.0合(米180g相当)の炊飯の場合に、内釜3の温度が60℃から75℃になるまでの経過時間t1の長さで3段階の判定を、前記副制御装置50が判定する。
すなわち、経過t1が2分未満の場合は、下限範囲外であり、適正水量に比較して水分が少ないと判定する。
経過t1が2分~3分未満の場合は、適正水量であると判定する。経過t1が3分以上の場合は、上限範囲外で、適正水量に比較して水の量が多過ぎると判定する。
内釜3の温度変化が急峻になる時間帯においては、給電手段6の給電よりも被調理物(米と水)の加熱を優先するために、主制御装置80は、送電コイル17への電力供給を停止するとよい。具体的には例えば、主制御装置80は、内釜3の単位時間当たりの変化温度が所定以上である場合に、送電コイル17への電力供給を停止し、内釜3の単位時間当たりの変化温度が所定未満である場合に、送電コイル17への電力供給を継続する。このようにして、炊飯工程における被加熱物の温度上昇を妨げる可能性を低減することができる。なお、主制御装置80は、内釜3の温度に基づいて、送電コイル17への電力供給を停止するか否かを決定する例に限定されるものではない。
例えば、炊飯工程であるか否かに応じて送電コイル17への電力供給を停止するか否かを決定するようにしてもよい。具体的には、主制御装置80は、予熱工程を終了して炊飯工程を開始した場合に、送電コイル17への電力供給を停止し、炊飯工程を終了してむらし工程を開始した場合に、送電コイル17への電力供給を開始させる。
また例えば、加熱コイル14に供給される電流値が閾値電流値以上であるか否かに応じて送電コイル17への電力供給を停止するか否かを決定するようにしてもよい。具体的には、主制御装置80は、加熱コイル14に供給される電流値が閾値電流値以上である場合に、送電コイル17への電力供給を停止し、加熱コイル14に供給される電流値が閾値電流値未満である場合に、送電コイル17への電力供給を継続させる。
更に、この実施の形態1では、図10で示している炊飯工程が開始された段階で、無線通信部26の電源回路52に対する電源部72からの電力供給は遮断される。従って、この遮断分だけの電力を炊飯ユニット1側への供給に振り向け、沸騰維持工程前の段階の電力不足を補うことができる。なお、内釜3の温度変化が急峻になる時間帯において、加熱コイル14に供給される電力を大きくすれば、ご飯の炊き上がり状態、すなわち、美味しさに影響することは知られているので、この点について特に説明しない。
この実施の形態1では、以上説明したように、炊飯ユニット1の副制御装置50と、誘導加熱ユニット10の主制御装置80とは、赤外線信号送受信部A34と赤外線信号送受信部B35との間の通信によって、炊飯動作中(予熱工程から、むらし工程まで)は常に最新の制御データCDを赤外線信号の形で、送信・受信しており、炊飯ユニット1と誘導加熱ユニット10とが赤外線通信によって相互に連携した動作を行っている。
つまり、炊飯ユニット1側で副制御装置50が取得した内釜3の温度状況等の、最新の物理的データがリアルタイムで誘導加熱ユニット10側に提供され、誘導加熱ユニット10側では、その提供された最新のデータに対応した誘導加熱の制御を行う。
また、むらし工程を終えたあとも、そのまま炊飯ユニット1を誘導加熱ユニット10の規定の位置に載置したままにしておくと、その後も後述するように、「炊飯ユニット専用モード」が維持され、最新の制御データCDを、ある時間間隔で相互に送信・受信して、炊飯ユニット1と誘導加熱ユニット10とが赤外線通信によって相互に連携する動作を行う。ご飯の重量を計測し、その結果を報知したり、またカロリー値に換算したりして報知するという動作は、この連携動作の一部である。
更に、無線通信部26の電源回路52に対する電源部72からの電力供給が、遮断されていても、上記したような最新の制御データCDの交換には何ら支障はない。
次に、本実施の形態1に係る加熱調理器100の動作について説明する。
図11は、本発明の炊飯ユニット1と誘導加熱ユニット10の相互の動作関係を説明する図である。誘導加熱ユニット10の電源プラグ101を商用電源71に繋いだあとの動作ステップを、符号SP1~SP6で示している。
誘導加熱ユニット10の電源プラグ101を商用電源71に繋いだだけでは、誘導加熱動作も炊飯動作も開始されない(SP1)。
主電源スイッチ55を設けている場合には、この段階で主電源スイッチ55(図示せず)をONにする。
次に炊飯ユニット1を誘導加熱ユニット10の上に置くと(SP2)、正しい位置であれば、載置検知センサーであるリードスイッチ31がONとなる(SP3)。
このため、第2の基準位置判定手段の判定結果を示す信号が主制御装置80に入力される。言い換えるとリードスイッチ31がONした結果の信号が判定結果を示す信号であり、この段階から、主制御装置80は「炊飯ユニット専用モード」となる、このため、誘導加熱ユニット10の側では何ら入力操作や加熱動作指令をユーザーが与えなくとも、自動的に所定の時間内に、誘導加熱ユニット10側から基準位置判定用の赤外線信号が発信され、炊飯ユニット1を起動する。
その後、炊飯動作が開始され(SP4)、炊飯動作が終了した(SP5)後で、炊飯ユニット1を誘導加熱ユニット10の上から降ろすと、炊飯ユニット専用モードは自動的に解除され、誘導加熱ユニット10単体で、他の鍋やフライパン等の調理器具を使用した誘導加熱調理を行うことができる。
加熱調理器100の使用を完全に終了するには、主電源スイッチ55(図示せず)を設けている場合には、ここで主電源スイッチ55をOFFにする。主電源スイッチ55を設けていない構造である場合には、電源プラグ101を商用電源71から切り離せば良い。
次に図12について説明する。
図12は、誘導加熱ユニット10の動作ステップを示したものである。動作ステップはS1~S12で示している。
まず、電源プラグ101を商用電源71に繋ぐと、炊飯ユニット1が正しい位置に載置されていれば、リードスイッチ31がON(閉)となる(S1)。
すると、ユーザーが第1入力部20や炊飯ユニット1の第2入力部12を何も操作しなくとも、主制御装置80は、赤外線温度センサー5Bや、その他の電流センサー(図示せず)によって誘導加熱ユニット10の内部構成部品に異常がないかどうかの自己チェックを開始する(S2)。
そして異常が無かった場合、主制御装置80は送電コイル17を駆動し、所定の電力の供給を開始する。そのため、炊飯ユニット1側の副制御装置50、報知手段90等が給電手段6経由で電力を供給され、起動する。
一方、誘導加熱ユニット10の報知手段70も電力が供給され、起動される(S3)。更に、主制御装置80は、冷却ファン13を「弱」モードで運転開始する(S4)。このため冷却風で送電コイル17が冷却される。
この段階では、主制御装置80は、リードスイッチ31がONしていることによって、リードスイッチ31を経由した通電が行われている。この通電による信号で、主制御装置80は炊飯ユニット1が正しい位置に載置されていることが分かる。そこで、主制御装置80は、赤外線信号送受信部A34から赤外線信号を、赤外線信号送受信部B35に向けて送信する(S5)。
その後、赤外線信号送受信部B35側から、応答信号が赤外線で送信されるので、その応答信号を受けて、第1の基準位置判定手段33は炊飯ユニット1が正しい位置に載置されていることを最終確認する(S6)。
もし、赤外線信号送受信部B35に向けて赤外線信号送受信部A34から赤外線信号を送信した後、瞬時に所定の応答信号が無かった場合には、炊飯ユニット1が正しい位置に載置されていないか、または窓37の上面に、前回調理した際の調理液が滴下して汚れとなって固着しており、赤外線通信を妨げている場合等の異常が想定される。これら何れの場合でも主制御装置80側ではエラー処理を行う。
なお、炊飯ユニット1の赤外線信号送受信部B35側から、先に赤外線信号を送信し、赤外線信号送受信部A34側から、応答信号が赤外線で送信されるようにしても良い。その場合は、当該応答信号を送信した段階で、主制御装置80側ではエラー処理を完了する。
炊飯動作中も2つの赤外線信号送受信部A、B(34と、36)の間で、加熱動作を示すデータや温度計測結果のデータ等を交換するため、仮に窓37の汚れが原因でも炊飯動作は許可しない。なお、ステップS6で、基準位置判定結果がNGになった場合には、図16に示す異常対応ステップに進むが、これについては後で説明する。
次のステップS7では、主制御装置80は、第1の操作入力手段20からの入力指令信号発生を無効化する処理をする。具体的には、第1の操作入力手段20の入力信号を発生させるための信号を遮断して、入力信号が発生しないようにするが、この無効化手段については、この方法に何ら限定されない。
この第1の操作入力手段20からの入力操作部の無効化処理により、例えば、炊飯ユニット1を瞬間的に持ち上げて、第1の操作入力手段20を操作しても、そのような操作は主制御装置80に入力されないので、炊飯を直前で止めて、誘導加熱ユニット10を単独で使用開始するということはできない。
この図12には、具体的に図示していないが、前記制御データCDを取得しても、調理に備えるスタンバイ状態に移行しない「過熱検知機能」も有している。
前記過熱検知機能は、前記誘導加熱ユニット10に設け、前記炊飯ユニット1の温度を非接触で計測できる赤外線温度センサー5Bによって実行される。
すなわち、前記主制御装置80は、前記赤外線温度センサー5Bからの温度計測データから、前記炊飯ユニット1の温度が基準値よりも高い場合、前記「第1の状態」において、前記無線通信部26を介して前記制御データCDを取得するスタンバイ状態に移行しない。
炊飯ユニット1の内部に直前まで高温のご飯が残っていたり、他の調理物(煮物等)が残っていたりして、内釜3の温度が高い場合、この後で制御データCDを取得して炊飯ユニット1の加熱調理を開始する場合に、正確な温度制御、温度監視を主制御装置80が行えない懸念がある。
そこで、前記したような過熱検知機能を誘導加熱ユニット10は備えている。
前記過熱検知機能による事前チェックは、図12のステップS2の異常有無自己診断(判定)の際に主制御装置80で実行しても良いが、基準位置判定のステップS6の後で、後述する受信可能情報(受信可能マーク)57Aを表示する段階(ステップS8)の前のタイミングで実行する。
図12における、ステップS7Aについて説明する。
初期待機期間TPに至る前に、スマートフォン等の情報処理端末器200(図示せず)と加熱調理器1との間で、相互認証を行ってあれば、加熱調理器100の起動時に、加熱調理器100から、自動接続のための信号(「スキャン信号」ともいう)を送信すると、加熱調理器100と情報処理端末器200(図示せず)との間で、自動接続のための相互通信が行われる。なお、情報処理端末器200側からスキャン信号を送信しても良い。
加熱調理器100と情報処理端末器200(図示せず)との間の接続が確立すると、加熱調理器1と情報処理端末器200との間で、相互に直接無線通信できる状態が継続する。情報処理端末器200が、ユーザーの移動に伴って移動し、加熱調理器100との距離が離れると、一時的に通信できない状態になる場合があるが、通信可能な範囲(距離)に戻れば、自動的に接続状態は回復する。このように、スマートフォン等の情報処理端末器200(図示せず)と加熱調理器1との間では、情報の授受ができる。
次に誘導加熱ユニット10では、音声報知手段70V等の報知手段70によって、これから炊飯動作を行うことが報知される(S8)。
なお、この段階では、第1表示部70D1には、図6に示したように制御データCDを受信可能であることを表示しない。つまり、情報処理端末器200(図示せず)から制御データCDの受信が可能であることを示す受信可能情報(受信可能マーク)57Aは、炊飯ユニット1が載置されている状態では表示しない(表示しても、炊飯ユニット1が上方全体を覆っているので、ユーザーには視認できない。
なお、前記ステップS8の段階より前の時点では、炊飯ユニット1の第2表示部11Aにおいて、制御データCDを受信可能であることを表示する。つまり、情報処理端末器200(図示せず)から制御データCDの受信が可能であることを示す受信可能情報(受信可能マーク)57Bが表示される(図5の状態)。
そして、ステップS8の段階以降(後で述べるステップS10以降)では、第2表示部11Aの中に、外部から受信した前記制御データCDのプログラム情報83Bが、図5のように文字で表示される。
次のステップS9では、炊飯ユニット1において炊飯開始の指令が行われたかどうかを判断するため、初期の待機状態に入る。この待機状態の期間を以下、「初期待機期間」TPという。
炊飯ユニット1を載置したあと、内釜3の中の水の量を調節する等、実際の炊飯開始までに、ユーザーが準備するための時間が必要である。そのため、初期待機期間TPの経過時間を計時手段80Tで計測する(S10)。
無線通信部26は、この初期待機期間TPの段階では既に電源が供給され、起動しているので、外部から制御データCDが送信された場合には、このステップS10以降に、当該制御データCDを誘導加熱ユニット10は取得できる。
この図12では、実際に制御データCDを加熱調理器100が取得したタイミングを示していないが、第1表示部70D1に受信可能情報(受信可能マーク)57Aが表示され、初期待機期間TPに入った時点で、メニューキー41A1(図6参照)を押せば、制御データCDの受信動作が開始される。
一方、炊飯ユニット1で加熱調理する場合には、第2表示部11Aに受信可能情報(受信可能マーク)57Bが表示され、初期待機期間TPに入った時点で、メニューキー65(図6参照)を押せば、制御データCDの受信動作が開始される。
なお、制御データCDを主制御装置80側のバッファメモリ(図示せず)で完全に記憶させるまでの間は、無線通信部26と情報処理端末器200(図示せず)との間で、数回に亘って交信が行われる場合があり、無線通信の速度等に依存するため、瞬時に(1回で)全ての制御データCDの受信が終わる訳ではない。
ステップS10の後で、炊飯を開始したことを示す指令信号がなく(S11)、無線通信部26を経由した炊飯開始の指令信号もなく(S12)、ステップS10の段階から所定時間TM1(例えば、60分)を経過した場合(S13:図13参照)、主制御装置80は、何らかの理由で炊飯を見合せているものと判断する。
このように、初期待機期間TPは、所定時間TM1を経過するとステップS13の時点で自動的に終了する。なお、この所定時間TM1は、ステップS8の時点から計測しても良い。その場合、ステップS10を、ステップS8の直後に設ける。
図13に示すように、主制御装置80は送電コイル17の駆動停止指令を出し、また冷却ファン13の運転を停止する(S14)。
次に誘導加熱ユニット10では、音声報知手段70V等の報知手段70によって、炊飯動作をキャンセルしたことが報知される(S15)。
前記初期待機期間TPは、既にこの時点では終了しているので、外部から制御データCDが送信されても、このステップS15段階以降では、当該制御データCDは誘導加熱ユニット10で取得しない。
ステップS10の段階から所定時間TM2(例えば、61分)を経過した場合(S16)、主制御装置80は、第1の操作入力手段20からの入力操作部の無効化処理を解除する(S17)。このため、この段階で、例えば、炊飯ユニット1を他の場所へ移動させれば、「炊飯ユニット専用モード」は自動的に解除され、第1入力操作部20を操作して、誘導加熱ユニット10で別の加熱調理を開始できる。なお、この第1入力操作部20の操作も無い場合(例えば、前記所定期間TM2を経過してから更に5分間経過した場合)には、主制御装置80は、自ら主電源を自動で遮断し、不用意に加熱動作が行われないように安全性を考慮した動作をする(S18)。
次に図14について説明する。
炊飯開始の指令信号があった場合、図12のステップS11から炊飯工程開始のステップS19に進む。主制御装置80は、炊飯ユニット1から赤外線信号送受信部A、B(34、35)間の通信によって炊飯条件等の前記「設定用データ」を取得する(S20)。例えば、炊飯のための加熱時間や炊飯量等を示すデータを取得すれば良い。
前記の「設定用データ」とは、第2入力部12の入力によって副制御装置40側で生成されるデータである。つまり、主制御装置80の制御データ記憶部80Aに記憶させてある基本的な制御プログラム(コンピュータプログラム)で参照する一部の条件を、炊飯ユニット1側からの入力で変更するための情報である。
例えば、制御データ記憶部80Aに記憶させてある基本的な制御プログラムの制御条件で、「ご飯の硬さ」のデフォルト値が「ふつう」に設定されている場合、これを「硬め」(硬めモード)又は「やわらか」(やわらかモード)に変更するためのデータが、前記設定用データである。従って、基本的に1回の炊飯、加熱調理が終了した段階で、この設定用データは、制御データ記憶部80Aから自動的に消去される。なお、炊飯ユニット1側には、毎回の加熱調理時に最初から入力する手間を軽減するため、過去(前回)の1回又は数回分だけの設定用データを記憶手段50Rに保存しておき、読み出せるようにしておいても良い。
更に具体的に説明すると、ご飯の炊き方、硬さについては図5に示した硬さスイッチ64で、ユーザーが任意に修正することができる。但し、修正の範囲には一定の限度がある。
前記硬さスイッチ67を押した場合、その操作に応じて副制御装置50では、制御パラメータ設定信号が生成される。
前記制御データ記憶部80Aに記憶させてある基本的な制御プログラムの制御条件は、加熱時間Taを示すパラメータ数値と、対応する水の量Waを示したパラメータ数値が1対1で対応しているデータテーブルから、その都度指定された制御パラメータを選択して決定される。なお、これ以外の制御パラメータについての説明は省略する。
そこで、「ご飯の硬さ」を決める(影響する)のは、前記した水の量Waを決める制御パラメータである。そこで「ご飯の硬さ」のデフォルト値が「ふつう」に設定されている場合の適正水量が、Xccであったとすると、前記硬さスイッチ67を1回押して「やわらか」にすると、前記適正水量Xccは、水の量が米の重量に対して一定の割合(%)だけ増えた補正水量に変更される。逆に、前記硬さスイッチ67を1回押して「かため」にすると、前記適正水量Xccは、水の量が米の重量に対して一定の割合(%)だけ減少した補正水量に変更される。
なお、この実施の形態1では、「ご飯の硬さ」の選択肢が、「デフォルト」、「やわらか」及び「硬め」を含めた3段階の場合で説明しているが、実際には、「やわらか」と「硬め」の中がそれぞれ数段階以上に分かれていても良い。その場合、「やわらか」を選択するたびに、前記適正水量Xccは、水の量が米の重量に対して一定の割合(%)だけ増加した補正水量に変更される。例えば、白米180gあたり、「やわらか」を選択する段階毎に10cc(10ミリリットル)だけ補正水量が増えるようなデータテーブルにしておいても良い。つまり、2回「やわらか」を選択すると20cc(20ミリリットル)だけ補正水量が増えることになるので、内釜3に入れるべき適正水量の判定基準が、その分だけ増えた量になる。
このため、図21のステップSR9Hで報知される水量の適否では、ユーザーが事前に例えば「やわらか」を選択していた場合、上記した補正水量のデータが利用される。
次のステップS21では、冷却ファン13を「強」運転モードに変更し、インバーター回路73を駆動する(S22)。これにより、炊飯ユニット1の内釜は、加熱コイル14によって誘導加熱され、温度が上昇するので、予熱工程に入り、以後は炊飯工程に進む。
主制御装置80は、炊飯時間を把握するために経過時間の計測を開始し(S23)、また、無線通信部26を介して炊飯条件を示す情報を、電力指令装置(図示せず)やクラウドサーバ(図示せず)等へ送信する。但し、送信のタイミングは、図10に示した予熱工程の間に制限しており、沸騰工程では送信しないようにしている。この理由については後で説明する。
ここで「炊飯条件」とは、炊飯のための加熱時間や最大消費電力、炊飯量等をいう。なお、経過時間を主制御装置80側で把握しなくとも、炊飯ユニット1側から、炊飯開始からの経過時間や残りの加熱時間等の情報が、随時2つの赤外線信号送受信部A、B(35、36)の間の交信で取得できるので、前記ステップS23は省略しても良い。
図14に示すように、主制御装置80は、以後ステップS26、S27、S28及びS29の判定、チェックを行う。
まず、炊飯中でも再び、基準位置判定手段33を駆動し(S25)、一定の時間間隔で、炊飯ユニット1が載置されているかどうかのチェックを行う(S26)。
また、トッププレート22が異常な高温度になっていないかどうかや、インバーター回路73の実装基板が過熱状態になっていないか等のチェックを行う(S27)。
そして、炊飯停止の指令が出ていないかどうのチェック(S28)と、予定されている炊飯時間を超過していないかどうかのチェックを行う(S29)。これらチェックは、所定の時間間隔で繰り返し行われる。
そして、主制御装置80の動作プログラムに規定している所定の炊飯時間(例えば3合の炊飯量で、標準コースでは40分間)が経過した場合(S29)、誘導加熱ユニット10の報知手段70によって、炊飯動作が完了したことを報知する(S30)。
次に主制御装置80は、図15に示すように、送電コイル17の駆動停止指令を出す(S31)。そしてインバーター回路73の駆動を停止する(S32)。さらに報知手段70によってむらし工程に入ることを報知する(S33)。
むらし時間を把握するために経過時間の計測を開始し(S34)、所定のむらし工程の時間(例えば5分又は10分間)が経過した場合(S35)、冷却ファン13の運転を停止する(S36)。これにより加熱コイル14は、この段階で十分冷却されており、トッププレート22の温度は40℃~50℃以下である。
そして、主制御装置80は、第1操作部20の入力機能の無効化処理を解除する(S37)。そして、主制御装置80は、自ら主電源を自動で遮断し、不用意に加熱動作が行われないように安全性を考慮した動作をする(S38)。なお、前記ステップS38の前に、後述する調理実施データADを無線通信部26から外部へ送信する。
この実施の形態1では、むらし工程に続いて自動的に保温工程に移行することができる。つまり、炊飯ユニット1をそのまま誘導加熱ユニット10の上に載置したままにしておくと、実際は、むらし工程の後、例えば1時間は保温工程が続行し、その間は、基準位置判定手段33は駆動され(前記ステップS25参照)、一定の時間間隔で、炊飯ユニット1が載置されているかどうかのチェックが行われる。但し、その場合、既に誘導加熱ユニット10側で加熱コイル14は駆動していないので、図17に示したステップSB11と、前記した調理実施データADの送信だけが行われ、第1操作部20からの入力機能(入力指令)を無効化する処理(図12のS7)は解除される。
次に図16に示した主制御装置80の動作について説明する。
この図16に示す動作は、図12に示すステップS6において「No」判定となった以後のものである。つまり、基準位置判定結果がNG(不適合)であったため、再度基準位置判定を行うものである。
まず、ステップSA1において、さらに報知手段70によって、基準位置判定結果がNG(不適合)であったことを報知する。具体的には、炊飯ユニット1が正しい位置に置かれていないか、または窓37に汚れがある可能性をユーザーに示唆し、窓の清掃やチェックを促す。
そして、以後の是正動作や再チェック動作を一定の時間内で完了させるため、経過時間の計測を開始する(SA2)。
次に再び、誘導加熱ユニット10の赤外線信号送受信部A(34)から赤外線信号を送信する(SA3)。そして、赤外線信号送受信部B(35)からの応答信号の状態に基づいて、基準位置の判定を行う(SA4)。ここで、所定の応答信号が得られたことにより、正規の位置に炊飯ユニット1が存在することが確認されると、報知手段70によって「炊飯ユニットの正しいセットを確認しました」等の音声での報知を行い、ステップS7に進む。
そして、ステップSA6では、所定時間TM4(例えば、5分間又は10分間)内に、ステップSA4における基準位置の判定で「Yes」にならなかった場合、ステップSA7に進む。
ステップSA7では、図16示すように送電コイル17と冷却ファン13の運転を停止し、報知手段70によって「炊飯動作に進めませんので、運転中止します」等の音声での報知を行い、自動的に主電源を遮断し(SA9)、一連の動作を終了する。つまり、一定の猶予期間(時間TM4)の間に、是正できなかった場合は、安全上の観点で強制的に運転を停止する。
この図16の動作ステップには、図12で説明したような、第1操作部20からの入力指令操作を無効化する処理(S7)は含まれていない。そのような処理の前の段階(ステップS6)であるからである。
次に図17の動作について説明する。
図17に示す動作は、図14に示すステップS26において「No」判定になった以後のものである。つまり、炊飯動作を開始した後の工程において、基準位置判定結果がNG(不適合)であったため、再度基準位置判定を行うものである。
まず、ステップSB1において、主制御装置80はインバーター回路73の駆動を一時的に停止する。
さらに報知手段70によって、例えば「正しく炊飯ユニット1が載置されていませんので、正しい位置にセットして下さい」等の音声ガイドを行う(SB2)。
インバーター回路73が駆動開始された時点から例えば、15分経過しているかどうかの判定が行われる(SB3)。例えば、誘導加熱開始されてから10分間しか経過していない場合、内釜3の状況は、図10で説明した「予熱工程」であるので、この時点で加熱中止しても、後で再び炊飯すれば何ら支障はない。そのためSB3で、15分経過していない場合には、ステップSB9に進む。
ステップSB9では、送電コイル17と冷却ファン13が停止され、報知手段70によって炊飯動作は途中で中止したことを知らせる(SB10)。そして、第1操作部20からの入力指令操作を無効化する処理(図12のS7)は解除する(SB11)。
この後、主制御装置80は、自ら主電源を遮断し(SB12)、一連の動作を全て終了する。なお、加熱コイル14によってトッププレート22が高温になっている可能性もあるので、前記ステップSB9において、冷却ファン13の運転停止のタイミングは、所定時間(例えば数分間)遅らせ、誘導加熱ユニット10の温度を下げてから停止するようにしても良い。
インバーター回路73が駆動開始された時点から例えば、15分経過しているかどうかの判定を行う前記ステップSB3で、仮に15分経過していた場合には、ステップSB5に進む。
短時間(1分以内)の間にインバーター回路73の駆動を再開するかどうかの処理をするため、ステップSB4の時点から経過時間TM5の計測を開始する。
そしてその経過時間TM5の経過前であるかどうかのチェックをし(SB5)、経過前であった場合には、次に誘導加熱ユニット10の赤外線信号送受信部A(34)から赤外線信号を送信する(SB6)。
そして、赤外線信号送受信部B(35)からの応答信号の状態に基づいて、基準位置の判定を行う(SB7)。ここで、所定の応答信号が得られたことにより、正規の位置に炊飯ユニット1が存在することが確認されると、インバーター回路73を再び駆動する(SB8)。しかし、正規の位置に炊飯ユニット1が無いと判定されると、前記ステップSB9に進み、送電コイル17と冷却ファン13が停止され、報知手段70によって炊飯動作は途中で中止したことを知らせる(SB10)。そして、第1操作部20からの入力機能を無効化する処理(図12のS7)は解除する(SB11)。
次に図18の動作について説明する。
この図18に示す動作は、図14に示すステップS28において「No」判定になった以後のものである。つまり、炊飯動作を開始した後の工程において、何らかの理由で炊飯停止指令が炊飯ユニット1側から出された場合に対応するものである。図5に示す第2入力部12のスイッチ66が押された場合である。
まず、ステップSD1において、主制御装置80はインバーター回路73の駆動を一時的に停止する。
ステップSD2において、報知手段70は例えば「炊飯動作を途中で中止する操作が行われました」等の音声ガイドを行う。
インバーター回路73が駆動開始された時点から、例えば15分経過しているかどうかの判定が行われる(SD3)。例えば、誘導加熱開始されてから25分間経過している場合、内釜3の状況は、既に「沸騰維持工程」(図10参照)であるので、この時点で加熱中止すると、一旦米が冷えたあとで再び炊飯開始しても、元のような炊飯結果は得られず、味覚の劣るご飯になる懸念がある。
そのため、この段階では、再び炊飯を直ぐに開始すれば何ら支障はないので、炊飯再開を促す。そのためSD8では、報知手段70において「直ぐに炊飯ユニットをセットして、再度炊飯ボタン(炊飯スイッチ67)を押して下さい」のような音声ガイドを行う。
SD8の報知から1分以内に炊飯ボタン(炊飯スイッチ67)を押して炊飯する指令が発せられた場合(SD9)、インバーター回路73の駆動を再開し、ステップS29に進む。
インバーター回路73が駆動開始された時点から、例えば15分以内である場合には、ステップSD5に進む。報知手段70は例えば「炊飯動作を途中で中止します」等の音声ガイドを行い(SD5)、送電コイル17と冷却ファン13の駆動を中止する(SD6)。そして自動的に主電源を遮断し(SD7)、一連の動作を終了する。
図14に示すステップS27において「No」判定になった場合、つまり異常が検知された場合には、所定の異常対応ステップSC1に進む。異常の内容によっては、直ぐにインバーター回路73を停止させる等の対応を実行するものである。
次に図19の動作について説明する。
この図19は、炊飯ユニット1側の動作ステップを示したものである。
炊飯ユニット1の動作ステップはSR1~SR15で示している。
誘導加熱ユニット10の電源プラグ101を商用電源71に繋いだ状態にしておいて(主電源スイッチ55もONにしたままで)、その後に炊飯ユニット1を誘導加熱ユニット10の上に正しくセットした場合、正しい位置であれば、載置検知センサーであるリードスイッチ31がONとなる(図11のSP3参照)。そして誘導加熱ユニット10の主制御装置80は「炊飯ユニット専用モード」となる。
このため、主制御装置80は、炊飯ユニット1の送電コイル17に対する電力の供給を開始し、受電コイル7が駆動を開始される(SR1)。なお、給電手段6に蓄えられた電力があれば、炊飯ユニット1からの赤外線信号を受けて、前記送電コイル17は、その後に駆動停止されることもある。
ユーザーが炊飯ユニット1の第2入力部12において、何も操作しなくとも、副制御装置50は、第2表示部11Aと第3表示部11Bの温度を含めて炊飯ユニット1の内部構成部品に異常がないかどうかの自己チェックを開始する(SR2)。その場合の異常有無のチェックは、前記サーミスタ5Aからの計測温度や、その他の電流センサー(図示せず)からのデータが使用される。
そして異常が無かった場合、副制御装置50は炊飯ユニット1が正しい位置に載置されていることが分かっているから、次に、誘導加熱ユニット10の赤外線信号送受信部A(34)からの赤外線信号を、赤外線信号送受信部B(35)で受信し、赤外線信号送受信部34に向けて応答信号を送信する(SR3)。
その後、蓋体1Bの第2表示部11Aを起動し、第3表示部11Bは起動しない(SR4)。まだ米の重量計測段階ではないため、第3表示部11Bを起動させて表示させる必要がないためであり、また省エネにもなる。
ステップSR4では、報知手段90にて例えば「これから炊飯を開始します」という音声ガイドを行う。
副制御装置50は、記憶手段50Rから前回の炊飯で使用された最新の炊飯条件を読み出す。例えば、白米で炊飯量は3合、炊き方は「やわらか」という条件を読み出す(SR5)。この時点で、人感知センサー48を起動させる。このため、以後のステップSR6~SR8までのメニュー選択や入力の際に、前記人感知センサー48が人を感知していない場合には副制御装置50はエラーと判定し、入力を受け付けない。
次に、読み出した炊飯条件を、第2表示部11Aにて表示させる。例えば「白米」という表示をさせ、それを変更するには、スイッチ63を押せば良い。1回押すと「無洗米」、2回押すと「発芽玄米」のように順次次の候補に選択枠が進み、また元の「白米」まで巡回するから、希望の米種を選択できる(SR6)。
同様に、米の銘柄とご飯の炊き加減、すなわちご飯の硬さを決定する情報(パラメータ情報)も、順次記憶手段50Rから読み出して、それらを修正できる(SR7、SR8)。
この段階で、副制御装置50は第3の表示画面11Bを起動し、米の重量を計測できることを表示する。また音声報知手段90Vでも報知する(SR9)。
次に米の重量計測と報知工程に進む。米の重量を計測する方法と、計測した結果に応じて、内釜3に投入する水の量の適否を第2の表示画面11Bと、音声報知手段90Vで案内するものである(SR9)。このステップについては後で詳しく説明する。
最終的に米の量や種類、銘柄、水の量の調整等を終えた段階で、炊飯スイッチ67を押すと、音声報知手段90Vでは、例えば「米の重量計測結果300gでした。適正水量判定しましたので、炊飯開始します」のような音声ガイドを行う。また第2の表示画面11Bは表示動作を終える(OFFする)(SR10)。
次に「白米で、炊き方は・・・・、炊きあがり予想時刻は、18時50分です」のような最終的な炊飯条件を、音声ガイドで行う(SR11)。
副制御装置50は、炊飯スイッチ67が押されてから10秒程度経過すると、ユーザーの取り消し操作は無いと推測し、誘導加熱ユニット10に対して所定の「炊飯指令信号」を送信する。
この場合の当該指令信号は、前記した「設定用データ」である。この設定用データは、赤外線信号送受信部B(35)から赤外線信号送受信部A(34)側へ送信される(SR12)。
前記「設定用データ」(炊飯指令信号)は、炊飯メニューの種類、米の量や種類、銘柄等を、ユーザーが決定したことを示す基礎データであるため、これを送れば、それに基づいて主制御装置80の記憶手段80Rに格納してあるコンピュータソフトウエア(炊飯制御プログラム)を使用して、誘導加熱コイル14の通電制御を実行できる。但し、予熱工程から炊飯工程、むらし工程までの一連の制御の全てについて、詳細を確定する制御プログラム自体を直接送信しても良い。
そして次は予熱工程が終わったかどうかを判定し(SR13)、予熱工程が終わったと判定された場合には次のステップ(SR14)に進み、赤外線信号送受信部35から予熱工程が終わったことを示す信号が赤外線で送信される(SR14)。
そして次は炊飯工程が終わったかどうかを判定し(SR15)、炊飯工程が終わったと判定された場合には次のステップ(SR16)に進み、赤外線信号送受信部35から炊飯工程が終わったことを示す信号が赤外線で送信される(SR16)。
次に、図20について説明する。
図20に示すように、ステップSR16の次は、むらし工程が終わったかどうかを判定し(SR17)、むらし工程が終わったと判定された場合には次のステップ(SR18)に進み、赤外線信号送受信部35からむらし工程が終わったことを示す信号が赤外線で送信される。
そして、炊飯ユニット1側の報知手段90によって、第2表示部11Aでも炊飯終了(むらし終了)が表示され、音声報知手段90でも、炊飯を終えて、むらし工程終えていることが音声で報知される(SR19)。以上のステップで一連の炊飯動作(図10参照)を終える。
次に、図21の動作ステップについて説明する。
図21は、図19のステップSR9からSR10までの間を詳しく説明するためのものである。
前記ステップSR9は、図21に示したステップSR9A~SR9Mまでを含んでいる。
最初のステップSR9Aでは、音声入力モードに自動的に切り替わることを音声報知手段90Vで知らせる。この音声ガイドには、内釜3の中には、米だけを入れておくこと、また蓋体1Bは開いたままにして重量を計測することの説明を含ませてある。そして音声入力モードに自動的に切り替える(SR9B)。
次に重量を計測するモードを希望するかどうか尋ねる音声ガイドを報知手段90が行う(SR9C)。炊飯に習熟しているユーザーによっては、経験で水の量を適正なレベルにできる場合もあり、炊飯ユニット1での計測を希望しない場合には、音声で「計測しない」など、所定の言葉を話せば、蓋体1Bの適当な個所に設けたマイク(図示せず)を介して音声入力され、通常のステップSR10へ一挙に進む。そして、同時に音声入力モードは自動的に解除される。なお、前記マイク(図示せず)は、音声入力手段12Vを構成する一部である。
ステップSR9Cで、重量計測モードを希望するとのユーザーが発声した場合、副制御装置50は、蓋体1Bが開いているかどうかを判定する(SR9D)。この判定は、蓋体開放センサー93からの出力を副制御装置50が判定して行う。なお、蓋体1Bが開放されていない場合には、音声報知手段90Vで開放するように音声でガイドしても良い。
次のステップSR9Eで、「計測開始」とユーザーが発声した場合、副制御装置50は、重量計測手段94によって、4つの重量センサー4の計測値から炊飯ユニット1全体の重量を計算で求める(SR9F)。
そして計測した結果を音声で報知する(SR9G)。そしてその重量に見合った水量を計算し、結果を音声報知手段90Vで報知する(SR9H)。この報知を聞いて、ユーザーが蓋体1Bの開いたままの炊飯ユニット1の内釜3の中に水を注入すると、その注入の過程で重量計測手段94が適正重量と現在の重量との乖離を計算し、音声で知らせる(SR9K)。水が過剰である場合には、水を取り出す。
このような注水又は入れ過ぎた水の取り出し過程を経て、最終的に適正水量レベルになったと副制御装置50で判定された場合(SR9L)は、音声入力モードを自動的に解除することを音声報知手段90Vと第2の表示画面11Bで報知し、前記したステップSR10に進む。すなわち、最終的に米の量や種類、銘柄、水の量の調整等を終えた段階で、適正水量を計測したことを音声報知手段90Vと第2表示部11Bで報知する(SR10)。
次のステップSR11では、炊飯スイッチ67を押すことを音声で推奨し、さらに音声報知手段90Vでは、例えば「白米で、炊き方は・・・で炊飯開始します。炊きあがり予想時刻は、18時50分です」のような音声ガイドを行う(SR11)。
この実施の形態1では、このような米の重量計測と水の注入段階で自動的に音声入力モードに設定したため、ユーザーが水を入れる動作に集中でき、また蓋体1Bを開けたり、閉めて第2表示部11Aを確認したりする動作を避けることができ、ユーザーの利便性を向上させる効果が期待できる。
次にカロリー報知モードの動作について説明する。
炊飯を終えた炊飯ユニット1が、誘導加熱ユニット10の上にそのまま載置されている場合を想定して、以下説明する。
前述したように、カロリー計算キー18Cが押された場合、ご飯の重量に応じてカロリー計算部50Cによりカロリーが計算され、第3表示部11Bに表示される。また、カロリー報知スイッチ49が押された場合にも、ご飯の重量に応じてカロリー計算部50Cによりカロリーが計算され、第2表示部11Aに表示される。
カロリー計算キー18C、カロリー報知スイッチ49の何れを操作した場合も、音声報知装置70Vにおいて、音声でカロリー値が報知させる。例えば「○○キロカロリーです」のように報知される。
以下、図22について説明する。図22のフローチャートは、カロリー値を計算し、報知する一連の制御動作のステップを示すものである。炊飯ユニット1と誘導加熱ユニット10の双方の動作を示している。
副制御装置50は、前記カロリー報知スイッチ49が押された場合、この図22に示す動作を行う「カロリー報知モード」に設定される。なお、この「カロリー報知モード」への自動的な移行は、炊飯工程やむらし工程以後において蓋体1Bが開放された時点を検知し、その時点から「カロリー報知モード」に設定されるようにしても良い。これによれば、カロリー報知スイッチ49を押さなくとも、蓋体1Bの開放動作で、自動的に「カロリー報知モード」へ移行する。
図22では、「カロリー報知モード」は、カロリー報知スイッチ49が押された時点と、蓋体1Bが開放された時点(ステップSS1)の、2つのケースがあることを、2本の破線BL1、BL2と実線の矢印で示している。
まず蓋体1Bが開放されているかどうかをチェックする(SS1)。もし、蓋体1Bが開放されていない場合には、一定の時間(例えば1時間)を経過するまで、この図22の処理が継続する。
次に、蓋体開放センサー93によって蓋体1Bの開放が検知されると、この時点で、人感知センサー48を起動させる(SS2)。このため、以後のステップSS5の入力の際に、この人感知センサー48が人を感知していない場合には、副制御装置50は、ご飯の重量を計測することを指令していないと判断する。
人感知センサー48は、前述したようにカロリー報知を行わせるための「非接触入力手段」を兼ねており、蓋体1Bを開放した場合に、「非接触入力手段」に自動的に切り替わる。
次に、人感知センサー48が起動されたとき、副制御装置50は誘導加熱ユニット10側にカロリー報知モードの開始を示す特定の信号を送信する。当該信号は、前記赤外線信号送受信部B(35)から発信され、赤外線信号送受信部A(34)を経由して主制御装置80側に伝達される。
重量センサー4を備えた重量計測手段94は、内釜3の中にある(炊飯された)ご飯の重量を計測する(SS3)。この場合、炊飯されてからユーザーが内釜3の中にある炊飯されたご飯を少しも取り出していないので、次回以降の計測値と比較する基準値となる重要なデータである。そこで、この1回目の計測重量は、主制御装置80が記憶手段80Rの中の一時的記憶部に記憶させる(SS4)。このときの計測された重量をWT1とする。なお、この重量WT1には、炊飯ユニット1の重量も含まれている。
次に副制御装置50は、ユーザーがカロリーの報知を求めているかどうかを判断するため、「非接触入力手段」(人感知センサー48)によって、入力が行われたかどうかを判定する(SS5)。
内釜3の中にある炊飯されたご飯を、しゃもじ等で茶碗やお皿に盛りつける場合、1回の動作でご飯を取り出す場合と、2回以上しゃもじ等を入れて取り出す場合がある。
従って、1回の取り出しの段階で重量を計測して報知すると、途中段階の報知であり、それを聞いたユーザーに混乱を招くおそれがある。
従って、ユーザーが特別に「重量計測」という意思を押しボタンスイッチ等で示す方法が考えられる。
しかしながら、通常は片方の手でしゃもじを持ち、他方の手で茶碗やお皿を持ってご飯を盛り付ける動作をするため、両方の手がふさがっている状態である。そのため、一旦、茶碗やしゃもじを置いて、上記したような「重量計測」の押しボタンスイッチ等を操作することが現実的ではなく、このような方法では操作性を損なう。
そこで、この実施の形態1では、片方の手でしゃもじを持ち、他方の手で茶碗やお皿を持ってご飯を盛り付ける動作をしている途中でも、簡単に重量計測の指令を発信することができるように工夫をしている。
具体的には、前記人感知センサー48の上方に、例えば、しゃもじを持っている片方の手をかざすか、またはそのしゃもじをかざすことで、前記人感知センサー48(非接触入力手段)の入力が行われる。
蓋体1Bを開放した場合に、人感知センサー48は、「非接触入力手段」に自動的に切り替わっており、しかも、蓋体1Bは垂直又はそれに近い状態にある。さらに内釜3の上方の位置にあり、ご飯を取り出す領域に位置していない。
このため、人が意識的に手等を差し伸べない限り、その非接触入力手段の上方には何も存在しないので、この非接触入力手段によって入力が行われることはない。
以上の説明から明らかなように、非接触入力手段によって副制御装置50に対する指令を与えることができる。
副制御装置50に対して、「重量計測」の指令が行われた場合、副制御装置50は誘導加熱ユニット10側に、「重量計測」動作を指令する特定の信号を送信する。当該信号は、前記赤外線信号送受信部B(35)から発信され、赤外線信号送受信部A(34)を経由して主制御装置80側に伝達される。
このように、炊飯ユニット1側において、人感知センサー48(非接触入力手段)で入力が行われた場合、ステップSS5は「Yes」となり、副制御装置50は、このステップSS5の「Yes」判定を受けて、「重量計測」の指令を行うため、再び誘導加熱ユニット10側に、「重量計測」動作を指令する特定の信号を送信する。当該信号は、前記赤外線信号送受信部B(35)から発信され、赤外線信号送受信部A(34)を経由して主制御装置80側に伝達される。
次のステップSS6で再びご飯の重量が計測される。この2回目に計測された重量をWT2とする。この2回目の計測重量は、主制御装置80が記憶手段80Rの中の一時的記憶部に記憶させる。なお、この重量WT2には、炊飯ユニット1単体の重量も含まれている。
次に、主制御装置80は、重量の計測結果がある時間内(例えば30秒以内)に2回あった場合、最新の重量WT2と、その直前の重量WT1に基づいて重量変化を演算する(SS7)。この計算は、誘導加熱ユニット10側の重量計測手段94で行うが、副制御装置50によって行うことでも良い。前記したように、2回の計測で計測された重量は、WT1とWT2であるため、WT1からWT2を引けば、この2回の計測の間で減少した重量WXが算出される。
主制御装置80は、重量が減少した値(重量WX)を、炊飯ユニット1側に送信する。この重量データの送信は、重量データを示す信号として、前記赤外線信号送受信部A(34)から発信され、赤外線信号送受信部B(35)を経由して副制御装置50側に伝達される。
炊飯ユニット1側では、カロリー計算部50Cが、重量WXのデータを受け取り、この重量WXに換算値を乗じてカロリー値を算出する(SS8)。なお、米の種類等によってカロリー計算の換算値が異なった場合でも、炊飯動作開始前の段階でユーザーが入力した「炊飯条件」は、図19のステップSR11で示したように確定しており、その条件は記憶装置50Rに格納されているので、そこに記憶されている炊飯条件を参考にしてカロリー計算部50Cがカロリー計算の換算値を選定できる。因みに白米のご飯100g当りのカロリーは167~170キロカロリーと言われている。なお、この実施の形態1では、厳密なカロリー値を報知することを目的にしていないので、実験結果や文献等から平均的な換算値を用いても良い。
次に算出されたカロリー値は、カロリー記憶部50Dに記憶される(SS9)。この記憶は、算出したタイミング(時刻)の順に記憶される。
そして算出されたカロリー値は、第3表示部11Bに表示されるが、蓋体1Bを閉じた直後に確認できるように、第2表示部11Aにも表示して良い。また、音声報知手段90Vによって「ただいまのご飯のカロリーは、252キロカロリーです」のように音声で報知する(SS10)。
副制御装置50は、蓋体開放センサー93によって蓋体1Bが開放されたか、閉じられたかどうかを検知できるので、算出されたカロリー値を、第3表示部11Bに表示せず、第2表示部11Aによる表示と、音声報知だけ行うようにしても良い。さらには、音声報知だけ行うようにしても良い。これらの報知の設定は、ユーザーが事前に第2入力部12や第3入力部18を操作して行う。または情報処理端末器200(図示せず)によって近距離無線通信部91を介して設定信号を加熱調理器100に入力し、適宜選択できるようにすると更に良い。
そして、蓋体1Bが開放されたか、閉じられたかどうかの判定が次のステップSS11で行われ、蓋体1Bが閉じられていないと判定すると、次のステップSS16に進む。
ステップSS16で、エラーが発生していないかどうかの判定が行われ、再びステップSS5に戻る。
人感知センサー48(非接触入力手段)で入力が行われた場合、ステップSS5は「Yes」となり、次のステップSS6で、誘導加熱ユニット10において再びご飯の重量が計測される。つまり、この場合には3回目の重量計測になり、ここで計測された重量をWT3とする。この3回目の計測重量は、記憶手段80Rの中の一時的記憶部に記憶される。
3回目の重量計測が炊飯ユニット1から指令されると、再び重量計測手段94は、炊飯ユニット1と誘導加熱ユニット10の合計重量を計測する。そして、主制御装置80は、重量が減少した値(重量WX)を、炊飯ユニット1側に送信する。この重量データの送信は、重量データを示す信号として、前記赤外線信号送受信部A(34)から発信され、赤外線信号送受信部B(35)を経由して副制御装置50側に伝達される。
前記3回目の重量計測は、前回と異なる茶碗やお皿にご飯を盛り付けた場合と推定される。そこで、この場合のカロリー値は、WT2からWT3を引いてカロリー計算部50Cで算出する。以後は、前記したステップSS9~SS11と同じである。
蓋体1Bが閉じられた場合には、ステップSS11が「Yes」となるので、次のステップSS12に進む。
ステップSS12では、炊飯ユニット1側の基準位置判定手段33Aを構成している赤外線信号送受信部B(35)から、赤外線信号送受信部A(34)に対して、カロリー値記憶部50Dに記憶されたカロリー値の算出結果が一括送信される。
カロリー値の算出結果を一括して送信するタイミングは、誘導加熱ユニット10の上面の所定位置に載置されている期間中である。つまり、炊飯ユニット1側の基準位置判定手段33Aと、誘導加熱ユニット10側の基準位置判定手段33Bとの間で、図12のステップS6で説明したように、基準位置判定結果が「OK」になった後である。
炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の上面に戻されるまで、最新のカロリー値は、第2表示部11A又は第3表示部11Bの何れか一方、又はその双方に表示されるが、表示開始から一定時間(例えば10秒間)経過後に消えるようにしても良い。この実施の形態1では、少なくとも誘導加熱ユニット10の上面に炊飯ユニット1が戻されたタイミングで、カロリー値の表示は終了させる(SS13)。
この表示終了後、副制御装置50は、起動されている第2表示部11A又は第3表示部11Bの何れも、表示動作を自動的に終了させて、電力消費量を減少させることを図っても良い。その場合、また蓋体1Bが開放された場合には、起動してカロリー値の表示に備える必要がある。
ステップSS14は、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の上面に戻された後に行うカロリー報知モードの解除と報知の処理であるが、これは必須ではない。例えば、蓋体1Bが閉じたことを検知した段階(ステップSS11)で、カロリー報知モードの解除と報知を行い(SS14)、ステップSS1に戻っても良い。そして、ステップSS1において時間を計測し(SS15)、例えば30分間蓋体1Bの開放が1度も行われない場合、この図22に示すカロリー報知モードは解除しても良い。
なお、この図22に示すカロリー報知モードは、図20に示した炊飯ユニットの制御動作を示すフローチャート2におけるステップSR18、SR17又はSR19を経過したあとの「特定の条件」の成立によって開始するようになっている。つまり、炊飯が完全に終わった段階で、次にご飯を食する場面に備えて、カロリー報知モードを開始できるようにしている。
前記「特定の条件」の成立とは、前述したように、前記カロリー報知スイッチ49が押された場合と、蓋体1Bが開放されたことが検知された場合の両方を指す。これら2つの場面の何れか1つでも、「カロリー報知モード」へ移行する。
実施の形態1の図22に示したように、炊飯が完全に終わった段階で、ご飯を食する場面に備えて、カロリー報知モードを開始したが、この方法によれば、誘導加熱ユニット10の上に炊飯ユニット1が載置され続けた場合でも、速やかにカロリー報知モードを開始できるという利点がある。
加熱調理器100は、図22で説明したように、内釜3の中にある(炊飯前と、炊飯後の)炊飯ユニット10の重量を計測する機能がある。
そこで、この機能を活用して炊飯で消費した米の重量を炊飯の都度把握可能である。
また、1回の炊飯が終了した際には、その炊飯の日時を把握することができる。
そのため、これらのデータを加熱調理器100で蓄積し、例えば1日単位や1週間単位のデータにして無線通信部26から外部へ送信する便利な機能がある。このデータは、後述する「調理実施データ」ADである。
次に、図23を参照しながら上記した便利な機能について説明する。
図23は、炊飯ユニット1の副制御装置50の動作ステップを示すフローチャートである。
図19と図21のステップSRで説明したように、炊飯ユニット1は、炊飯動作開始前に米の重量のデータを取得できる。また、計時手段50Tを有しているので、炊飯開始の日時データも生成できる。なお、誘導加熱ユニット10でも計時手段50Tを有しているので、加熱動作の開始と終了の時期(日時)を、少なくとも分単位まで把握している。
図23において、炊飯ユニット1が炊飯を開始した日時のデータを取得する(ステップSS21)。次のステップSS22では、図19と図21のステップSRで説明したように、米の重量のデータを取得する。
更に、図22で説明したように、カロリー報知モードでは最低2回の重量計測を行っているので、蓋体1Bを閉じる直前の計測時の重量データも取得できる(図22のステップSS6参照)。ステップSS23は、そのような最新の重量計測データを取得するステップである。
上記ステップSS22とSS23における重量計測値の差異から、米の消費量が推計できる(ステップSS24)。
次のステップSS25では、以上のようにして取得したデータから、1回の炊飯によって消費された米の量(推定の重量値)を記憶手段50Rに記憶させる。
次のステップSS26とSS27は、オプション設定で用意してある機能である。この機能は、第2入力部12によってユーザーが指定した場合に実行される。
ステップSS26は、保温開始時刻のデータを取得するステップである。
むらし工程(図10参照)に続いて自動的に、ある時間内(例えば1時間や3時間、6時間等)は保温工程が実行される。つまり、むらし工程(図10参照)に続いて自動的に保温工程が実行される。このステップSS26は、その保温工程の開始時刻のデータを取得し、記憶手段50Rに記憶する。
第2入力部12において、炊飯開始前に保温基準時間を6時間と設定していた場合には、次のステップSS27において、その保温基準時間を超過しないかどうかの判定が行われる。時間を超過した場合には、超過を示すデータが炊飯ユニット1から誘導加熱ユニット10に送信される(ステップSS28)。なお、当該データの送信は、前記赤外線信号送受信部35から発信され、赤外線信号送受信部34を経由して主制御装置80側に伝達される。なお、前記した「保温基準時間を超過しないかどうかの判定」は、主制御装置80側で経過時間を計測して、炊飯ユニット1側に赤外線信号送受信部34を経由して信号を送信しても良い。
一方、切/保温スイッチ66を、炊飯動作開始前又は炊飯動作開始後に押さないと、保温モードには移行しないので、ステップSS26とSS27の動作は行われない。
ステップSS28では、以上のステップSS21~SS27で取得した各種データを、調理実施データADとして、前記赤外線信号送受信部B(35)から赤外線信号で発信し、主制御装置80側に移転させる。
次に、図24について説明する。
図24は、図11で説明した「第2の状態」において、外部から制御データCDが送信された場合の、誘導加熱ユニット10の基本動作を示すフローチャートである。
この図24は、制御データCDが、炊飯ユニット1を使用した「第2の調理モード」のプログラムBの場合である。
誘導加熱ユニット10が起動されている期間において、無線通信部26に電源が供給されている場合、外部から制御データCDを受信できる。
ステップSK1は、制御データCDを無線通信部26経由で主制御装置80のデータ取得部85が取得した段階である。
取得した制御データCDは、制御データ記憶部80Aの所定の記憶エリアに格納される(ステップSK2)。
主制御装置80は、第1の表示画面70D1を起動し、前記制御データCDを受信可能であることを表示する。表示の方法としては、図6で説明したようにデータ受信可能情報(受信可能マーク)57Aを表示することである。また、音声報知手段70Vでも音声で報知する(SK3)。
前記ステップSK2の時点で、仮に炊飯ユニット1が正規の位置に載置されていた場合には、ステップSK3の内容は変わり、炊飯ユニット1の第2表示部11Aで表示される。つまり、この図24で示した例は、炊飯ユニット1を使用した「第2の調理モードの」プログラムBの場合であるから、本来は第1表示部70D1において前記制御データCDを受信したことを表示する必要はない。
前記初期待機期間TP(図12参照)は、このステップSK3の直後から開始される。つまり、次のステップSK4は、初期待機期間TPの時間を、計測するための経過時間計測開始ステップである。
次のステップSK5は、メニュー選択用スイッチの操作部41A1が押されたかどうかを判定する。この段階で操作部41Aが押されると、受信した制御データCDを更に詳しく特定するために、調理メニューの名称等の識別情報が文字や記号等で表示される(ステップSK5)。つまり、前記制御データ記憶部80Aに記憶させた前記制御データCDを読み出して、そのデータに含まれる表示データに対応した表示を第1の表示画面70D1で行う。そして、プログラム表示部83Aを表示できるようにしても良い。
メニュー選択用スイッチの操作部41A1を押すSK5は「Yes」となり、次のステップSK6に進み、制御データCDが制御データ記憶部80Aから読み出される。
そして、制御データCDの内容が第1表示部70D1に表示される。
第1表示部70D1で表示する情報に、炊飯ユニット1を使用することの案内を含めても良いが、含めない場合には、音声報知部70Vによって「調理をする場合、炊飯ユニットを載せてください」のような報知をする。
前記ステップSK5の段階で、「No」の判定だった場合、その後も一定時間間隔で何度もステップSK5の判定が繰り返し行われる。
しかしながら、ユーザーが何もしない場合には、何等かの理由で制御データCDによる調理の意思はないものと判断し、初期待機期間TPの最長時間として定めた所定時間TM1(ステップSK4の時点から60分)の半分の30分経過時点で処理を終了する(自動終了処理1)。
自動終了処理1になると、制御データ記憶部80Aに記憶させてある制御データCDは、記憶させた時点から一定時間(例えば24時間)経過後に自動的に消去される。あるいは、再度別の制御メニューCDが取得された時点で自動的に消去される。
次のステップSK7は、炊飯ユニット1が正規の位置に正しく載置されているかどうかを判定するステップであり、このステップSK7の処理は、継続して一定時間(例えば5分間)行われる。当該一定時間内に炊飯ユニット1が載置されない場合、その時点で処理を終了し、その後、誘導加熱ユニット10も自動的に主電源を遮断する。
ステップSK7では、前記したように炊飯ユニット1が正しい位置に載置されていれば、リードスイッチ31がON(閉)となる。そして送電コイル17から非接触給電方式で炊飯ユニット1の副制御装置50に電力が供給される(SK8)。また、基準位置判定手段34、35の相互間で赤外線通信が行われる(SK9)。
ステップSK10では、炊飯ユニット1が正規の位置に正しく載置されているかどうかを判定するステップであり、このステップSK10の処理は、継続して一定時間(例えば5分間)行われる。当該一定時間内に炊飯ユニット1の正しい載置が確認されない場合、その時点で処理を終了し、その後、誘導加熱ユニット10も自動的に主電源を遮断する。例えば、赤外線信号を通過させるための窓37の上に、赤外線透過を阻害する汚れが付着したままの場合、赤外線通信が正常に行われないことになる。
第1の基準位置判定手段33の赤外線通信の結果、炊飯ユニット1が正しく載置されていることが確認された場合(SK10)、制御データ記憶部80Aに格納されている(ステップSK1で受信した)制御データCDを、誘導加熱ユニット10からの赤外線信号によって炊飯ユニット1側へ送信する(SK11)。
前記ステップSK11の段階で炊飯ユニット1に送信される制御データCDの範囲は、無線通信部26経由で外部から受信した最初の制御データCDの全てではなくとも良い。少なくとも第2入力部12において、前記設定用データを生成するために必要なデータだけでも良い。このようにデータ量を少なくすれば、データ通信の所要時間を短縮できる。
次のステップSK12では、炊飯ユニット1に制御データCDを送信してからの経過時間を判定する。
すなわち、前記ステップSK4の時点からの経過時間が判定される。経過時間は、計時手段80Tの時刻データが使用される。
ユーザーが第2入力部12において何もしない場合には、何等かの理由で制御データCDによる調理の意思はないものと判断し、初期待機期間TPの最長時間として定めた所定時間TM1(ステップSK4の時点から60分)の60分経過時点で、ステップSK15の自動終了処理2を行う。これにより、主制御装置80は、音声報知手段70Vで事前に報知を行い、また第2表示部12でも終了するとの予告を表示し、主電源を遮断する。
ステップSK12で所定時間TM1内であるとの判定の場合、次のステップSK13に進む。
次のステップSK13では、炊飯ユニット1からの加熱動作開始指令を待つ動作に入る。前記ステップSK4の時点から前記所定時間TM1(60分間)以内に、炊飯ユニット1から所定の加熱動作開始指令信号が届くかどうかの判定を、一定時間間隔で繰り返し行う。
前記所定時間TM1(60分)以内に、前記基準位置判定手段34を経由して加熱動作開始指令の信号が受信されない場合、その時点で処理を終了し、誘導加熱ユニット10は自動的に主電源を遮断するため、電源部72に遮断命令を出す。
前記ステップSK13で、炊飯ユニット1からの加熱動作開始指令が来た場合、ステップSK14に進み、主制御装置80はインバーター回路73を駆動して加熱動作を開始する。また、無線通信部26を経由して外部に加熱動作開始したことを示す運転状態信号OSを発信する。これ以降は、図10に示したような各工程を経て炊飯動作が行われるので、以後のステップについては説明を省略する。なお、運転状態信号OSは、起動時だけではなく、加熱動作停止や調理工程の終了時等、主要なイベントの際に、それぞれ送信するようにしても良い。
次に、図25について説明する。
図25は、図24で説明した「第2の状態」において、外部から制御データCDが送信された場合の、炊飯ユニット1の基本動作を示すフローチャートである。
この図25は、制御データCDが、炊飯ユニット1を使用した「第2の調理モード」のプログラムBの場合である。
炊飯ユニット1は、図24のステップSK7の段階で、正規の位置に正しく載置された時点は、この図25に示したステップSK21に相当する。
ステップSK21の段階で、炊飯ユニット1が正しい位置に載置されていれば、リードスイッチ31がON(閉)となる。そして送電コイル17から非接触給電方式で受電コイル7に電力が供給される(SK22)。また、副制御装置50は、受電コイル7からの電力を受けて起動され、赤外線信号送受信部B(35)から赤外線信号が誘導加熱ユニット10に向けて発信される(SK23)。
副制御装置50は、第2表示部11Aを起動する(ステップSK24)。前記制御データCDの受信の可能性を表示する方法としては、例えば、図6で説明したようにデータ受信可能情報(受信可能マーク)57Bを表示することである。また、音声報知手段90Vでも音声で報知する(SK24)。
この段階で、ユーザーが前記メニュースイッチ65を押すと、前記プログラムBによる調理と前記プログラムCによる調理の内、プログラムBの調理メニューの方を選択することができる(SK24)。
つまり、「調理モード選択手段2」として、炊飯ユニット1を使用する加熱調理モードを選択し、また、前記制御モードCDの実行を選択できる。
このため、誘導加熱ユニット10の赤外線信号送受信部A(34)からの赤外線信号によって送信された制御データCDを、炊飯ユニット1が受信する(SK25)。
副制御装置50では、第2表示部11Aの中に、外部から受信した前記制御データCDのプログラム情報83Bが、図5のように文字で表示する。このプログラム情報83Bは、主制御装置80によって制御データCDを分析した結果である。
前記制御データCDは、記憶手段50Rの所定の記憶エリアに格納される(ステップSK26)。なお、制御データCDが事前に定めたデータ様式になっていない場合には、主制御装置80は、この図25に示したような受信動作を実行せず、外部からの当該データ送信を無視する。
副制御装置50は、第2表示部11Aにおいて、前記制御データCDを受信したことの表示状態を継続する。例えば、図6で説明したようにデータ受信可能情報(受信可能マーク)57Bの表示を継続する。また、音声報知手段90Vでも音声によって、ユーザーの入力操作を促すような報知をする(SK27)。
ステップSK27において、第2表示部11Aは第1表示部70D1よりも数倍広い表示面積を有しているため、表示される情報量を多くすることができる。そのため、制御データCDに含まれる情報として、調理メニューの名称(例えば、「〇〇炊き込みご飯」)を表示し、調理の特徴や注意事項、重要な制御条件(例えば、むらし工程の時間が終わっても、直ぐに蓋体1Bを開けないこと等)を表示し、ユーザーに注意喚起をしても良い。
次のステップSK28では、制御データCDを第2表示部11Aに表示してからの経過時間を把握するために、時間の計測を開始する。これは計時手段50Tの時刻データが使用される。
次のステップSK29では、第2入力部12において、ユーザーが制御条件、例えば、ご飯の炊き方のついての細かい希望を入力する操作を待つ。この段階の入力によって前記「設定用データ」が副制御装置50によって生成される。なお、制御データCDによっては、ユーザーからの任意のパラメータ設定が出来ない場合もあり、必ずしも第2入力部12による入力は必要としない。
ステップSS29では、ステップSK28の時点から一定時間(例えば20分間)に、第2入力部12における入力操作が終えるかどうかを、一定時間間隔で繰り返しチェックする。
前記一定時間(例えば、20分間)内に、炊飯開始スイッチ67が押されない場合、その時点で処理を終了し、誘導加熱ユニット10は自動的に主電源を遮断する。
一方、ステップSS29の期間中に、炊飯開始スイッチ67が押されると、炊飯の設定確定信号が生成され、炊飯の設定が確定する。そして誘導加熱ユニット10に向けて、制御データCDが送信される(SK31)。但し、この場合の制御データは、前述したように炊飯動作を行うための全部の工程の情報を規定したものではなく、第2入力部12で入力した結果、新たに生成された「設定用データ」だけで良い。
なお、ステップSK32は、前記ステップSK31の送信内容について、誘導加熱ユニット10側から送信される確認信号の受信処理である。この受信処理によって、炊飯ユニット1の副制御装置50は、誘導加熱ユニット10側が第1入力部12の入力通りに運転開始したことが分かる。
次に、図26について説明する。
図26は、加熱調理器100の誘導加熱ユニット10において、例えば白米の炊飯を行った場合の、調理実施データADの送信動作を示すものである。
図26は、図23のステップSS28に示した炊飯ユニット1からの送信を受けて、誘導加熱ユニット10が外部へ調理実施データADを送信するまでの動作を示したものである。
図26に示しているように、炊飯ユニット1から調理実施データADを受信すると(ステップSK41)、誘導加熱ユニット10のデータ取得部85は、受信した調理実施データADを記憶手段80Rに記憶する(ステップSK42)。そして、少なくとも1回の加熱調理(炊飯)で取得した調理実施データADから、1日あたりのデータに集計し、1日単位、更には1週間単位等の、ユーザーが事前に選択した「把握期間」単位に纏めて記憶させておく。
なお、調理実施データADには、日時データが含まれているので、1日あたりのデータに集計することは、主制御装置80で容易に実行できる。
次のステップSK43では、主制御装置80は、送信に適するタイミングであるかどうかを判定する。
炊飯ユニット1の加熱調理動作が完全に終了しても、誘導加熱ユニット10では直ぐに別の加熱調理を行えるので、別の調理のための加熱動作が開始されている期間中である場合、このステップSK43の判定は、「No」となり、ステップSK45に進む。
ステップSK45は、送信待機処理であり、記憶手段80Rの中の所定エリアに送信すべき調理実施データADを一時的に記憶させて、無線通信部26に対する送信指令を待つ段階である。
無線通信部26は、図7で説明したように電源回路52から電力が供給されることで送信動作可能となるが、誘導加熱ユニット10で、別の加熱調理のための加熱動作が実行されている場合(特に大きな火力を必要としている際)には、電源回路52に供給する電力も、その加熱動作に投入することで、仕上がりの良い加熱調理ができる場合がある。例えば、冷凍食品を天ぷら鍋に投入して揚げ物にする場合、投入直後に油音が急激に下がるので、これに対し最大火力で油温を急速に上げることが好ましい。
そこで、この実施の形態1では、このような加熱動作時期での送信を避けるために、ステップSK43によって適当な時期を判別している。
前記ステップSK43が、「Yes」判定であった場合、ステップSK44に進み、無線通信部26によって、記憶手段80Rに記憶させてある前記調理実施データADを、一連のデータにして外部へ送信する。
前記調理実施データADの内容と送信フォーマットは、受信側のクラウドサーバ類でデータ解析でき、また、当該クラウドサーバ類にアクセスしたスマートフォン等の情報処理端末器200(図示せず)は、当該調理実施データADを表示したり、加工して記憶させたりすることができるアプリケーションソフトを事前に取得すれば、前記調理実施データADの内容を把握できる。
なお、前記ステップSK43で送信する前記調理実施データADには、前記機器識別情報が含まれるが、当該機器識別情報は、加熱調理器100と、前記クラウドサーバや情報処理端末器200等との相互認証の際に当該機器識別情報を1回登録すれば良い。このため、2回目以降の通信時には、当該機器識別情報の登録を省略することもできる。
また、主制御装置80は、前記調理実施データADを使用して、1日あたりの米の炊飯量(合数や重量換算値)のデータを蓄積し、ユーザーが事前に設定した集計単位(例えば1週間や1ケ月)のデータを生成して、無線通信部26から送信することができる。更には、炊飯ユニット1を使用する際の最初の段階で、第2表示部11Aで表示したり、誘導加熱ユニット10を最初に起動した際に、第1表示部70D1で、同様に表示することにより、ユーザーに米の消費や在庫確認等を促すこともできる。
次に、図27について説明する。
図27は、加熱調理器100の炊飯ユニット1において、白米の炊飯を行った場合の、標準的な調理実施データADの例を示すものである。
なお、この図27では、硬さスイッチ64をユーザーが加熱調理前に設定した状況が具体的な情報として示されていないが、ご飯の硬さを決定する情報(パラメータ情報)として含める。また、受信する側の第1サーバ321でも共通して使用する統一された(共通の)指標(数値や記号)を、送信する調理実施データADの中に用いても良い。
実施の形態1の総括.
以上の説明から明らかなように、第1の開示に係る加熱調理器100は、この実施の形態1において、以下の構成であった。
すなわち、
第1入力部20と第1表示部70D1とを有し、加熱源(加熱コイル14)を内蔵した誘導加熱ユニット(第1ユニット)10と、
前記誘導加熱ユニット(第1ユニット)10の上面に載置された状態で、前記加熱源によって加熱可能な炊飯ユニット(第2ユニット)1と、を備え、
前記第2ユニット1には、内釜3と、第2入力部12と、第2表示部11Aと、通信部B(赤外線通信部B)と、副制御装置50と、を有し、
前記第1ユニット10には、前記通信部Bと情報を授受する通信部Aと、加熱調理プログラムに従って動作する主制御装置80と、外部と無線通信を行う無線通信部26と、記憶部(制御データ記憶部80A)と、を具備し、
前記第1ユニット10は、初期待機期間TP中に、前記第1表示部70D1又は前記第2表示部11Aで受信可能情報57A、57Bを表示し、かつ、前記第1入力部20又は前記第2入力部12で受信操作(メニュー選択用スイッチ65、41A1の操作)が行われた場合、前記無線通信部26を介して外部から制御データCDを取得することを特徴とする構成であった。
なお、メニュー選択用スイッチ65による受信操作の代わりに、近距離無線通信(NFC)を行う前記無線通信部(入出力手段)91に、情報処理端末器200(図示せず)を接近又は接触させて、受信指令を与えても良い。
この構成の加熱調理器100によれば、ユーザーが初期待機期間TP中に、第1表示部70D1又は第2表示部11Aの受信可能情報57A、57Bを確認して、外部からの制御データCDの取得を行うことができる。
そのため、第1の状態と第2の状態の何れにおいても、レシピデータRD等の制御データCDを簡単に取得し、調理に活用できるから、ユーザーの利便性を向上させることができる。
更に、上記した第1の開示に係る加熱調理器100は、前記初期待機期間TPが、前記受信可能情報57A、57Bが表示された時点から所定時間TM1(例えば60分間)で自動的に終了する構成であった(図12、図24参照)。
この構成によれば、ユーザーが初期待機期間TP中に、第1表示部70D1又は第2表示部11Aの受信可能情報57A、57Bを確認してから、何らかの事情で、以後の入力操作を忘れた場合には、所定時間TM1を経過すれば外部からの制御データCDの取得が出来ないため、意図せずに(不用意に)データを取得するような事態を防止でき、安全性が高い構成である。
更に、上記した第1の開示に係る加熱調理器100は、前記第1ユニット10と前記第2ユニット1の少なくとも何れか一方には、前記初期待機期間TPが終了する前に音又は音声で警報を発する音声報知部(音声報知手段90V)を、更に備えた構成であった。
この構成によれば、ユーザーが初期待機期間中に、第1表示部70D1又は第2表示部11Aの受信可能情報57A、57Bを確認してから、何らかの事情で、以後の入力操作を忘れた場合には、音声で注意を促すことができるため、ユーザーの操作忘れや誤解等を防止し、ユーザーを正しい操作に導くことができる。
更に、上記した第1の開示に係る加熱調理器100は、前記第1入力部20には、調理メニューを選択するメニューキー41Aを備え、前記メニューキー41Aは、前記制御データCDの受信操作を行う入力キーを兼ねている構成であった。
このため、設置面積が制約されている第1操作部20において、1つの入力キー41A(入力操作ボタン等)を共用することができる。これにより、当該入力キーにユーザーが触れる操作面の大きさを大きくしたり、隣の入力キーとの間隔を確保したりすることができて、操作性を損なわないように入力キー41Aを配置できるなどの利点がある。
更に、上記した第1の開示に係る加熱調理器100は、前記第2入力部12に、調理メニューを選択するメニュースイッチ(調理モード選択手段1)65を備え、前記メニュースイッチ65は、前記制御データCDの受信操作を行う入力手段を兼ねている構成であった。
このため、設置面積が制約されている第2入力部12において、1つの入力スイッチ65(入力操作ボタン等)を共用することができる。これにより、当該スイッチ65の操作面積を大きくしたり、隣の入力キーとの間隔を確保したりすることができて、ユーザーの操作性を損なわないように、入力キー65を配置できるなどの利点がある。
更に、以上の説明から明らかなように、第2の開示に係る加熱調理器100は、この実施の形態1において、以下の構成であった。
すなわち、
米を収容する内釜3と、第2入力部12と、赤外線通信部B35と、を備えた炊飯ユニット1と、
前記炊飯ユニット1が上面に載置された状態で、前記内釜3を加熱できる加熱コイル14を内蔵した誘導加熱ユニット10と、
を備え、
前記誘導加熱ユニット10には、前記赤外線通信部B(35)と情報を交換する赤外線通信部Aと、加熱調理プログラムに従って動作する主制御装置80と、を備え、
前記誘導加熱ユニット10には、外部と無線通信を行う無線通信部26と、第1入力部20と、記憶手段80Rと、を具備し、
前記誘導加熱ユニット10は、前記炊飯ユニット1が上面に載置された「第1の状態」と載置されていない「第2の状態」において、前記主制御装置80が起動されている場合、前記無線通信部26を介して外部から制御データCDを受信し、
前記誘導加熱ユニット10は、調理実施データADとして、調理メニューの情報(調理メニューの識別情報、炊飯量、米重量換算値、調理の日時等を含むがこれに限定されない)を、前記無線通信部26から一括して自動的に外部へ送信する構成であった。
この構成の加熱調理器100によれば、炊飯ユニット1の位置や所在に関係なく、誘導加熱ユニット10によって制御データCDを受信できる。
そのため、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10と別の場所(例えば、食卓の上)に単独で置いてある場合でも、その炊飯ユニット1を運んで正規位置に載置(セット)する作業をユーザーに強いることはない。
更に、調理実施データADが自動的に外部へ提供されるので、当該調理実施データADを取得して、調理の条件や米の消費状況の確認等、食生活の改善や加熱調理器の有効活用に利用することができる。
更に、この実施の形態1において、第3の開示に係る加熱調理器100は、以下の構成であった。
すなわち、実施の形態1の加熱調理器100は、
第1入力部20を有し、加熱源(加熱コイル14)を内蔵した第1ユニット10と、
前記第1ユニット10の上面に載置された状態で、前記加熱コイル14によって加熱可能な第2ユニット1と、を備え、
前記第2ユニット1には、内釜3と、第2入力部12と、通信部B(赤外線通信部B)と、副制御装置50と、を有し、
前記第1ユニット10には、前記通信部B(赤外線通信部B35)と情報を交換する通信部A(赤外線通信部A)と、加熱調理プログラムに従って動作する主制御装置80と、外部と無線通信を行う無線通信部26と、前記第2ユニット1の重量を計測する重量計測手段94と、記憶部(制御データ記憶部80A)と、を具備し、
前記第1ユニット10は、第1の状態と第2の状態とにおいて、前記無線通信部26を介して外部から制御データCDを受信し、
前記第1ユニット10は、前記重量計測手段94によって第2ユニット1の重量の計測動作を行わせ、当該第2ユニット1で加熱調理した炊飯物の重量又はそのカロリー換算値に関するデータを前記無線通信部26から外部へ送信することを特徴とする構成である。
この構成の加熱調理器100によれば、炊飯ユニット1の位置や所在に関係なく、誘導加熱ユニット10によって制御データCDを受信できる。
そのため、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10と別の場所(例えば、食卓の上)に単独で置いてある場合でも、その炊飯ユニット1を運んで正規位置に載置(セット)する作業をユーザーに強いることはない。
更に、炊飯した重量又は米の重量の換算値に関するデータが自動的に外部へ提供されるので、当該データを取得して、調理環境や米の消費状況の把握(家庭における米の在庫切れの防止)等、食生活の改善や加熱調理器100の有効活用に利用することができる。
更に、この実施の形態1においては、第4の開示に係る加熱調理器100を、以下の構成で実現していた。
すなわち、実施の形態1の加熱調理器100は、
第1入力部20を有し、加熱源(加熱コイル14)を内蔵した第1ユニット10と、
前記第1ユニット10の上面に載置された状態で、前記加熱源(加熱コイル14)によって加熱可能な第2ユニット1と、を備え、
前記第2ユニット1には、内釜3と、第2入力部12と、通信部B(赤外線通信部B)と、副制御装置50と、を有し、
前記第1ユニット10には、前記通信部B(赤外線通信部B)と情報を授受する通信部A(赤外線通信部A)と、加熱調理プログラムに従って動作する主制御装置80と、外部と無線通信を行う無線通信部26と、記憶部(制御データ記憶部80A)と、を具備し、
前記第1ユニット10は、第1の状態と第2の状態とにおいて、前記無線通信部26を介して外部から制御データCDを受信し、
前記制御データCDとして送信される加熱調理プログラムは、前記第1ユニット10を使用して調理メニューを実行するためのプログラムAと、前記第2ユニット1において調理メニューを実行するためのプログラムBと、前記第1ユニットと前記第2ユニットの両方を使用して共通の被調理物の調理メニューを実行するためのプログラムCとの、少なくとも1つを含んでいることを特徴とする構成である。
この構成の加熱調理器100によれば、ユーザーが炊飯ユニット1の位置や所在に関係なく、誘導加熱ユニット10によって制御データCDを受信できる。
そのため、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10と別の場所(例えば、食卓の上)に単独で置いてある場合でも、その炊飯ユニット1を運んで正規位置に載置(セット)する作業をユーザーに強いることはない。
更に、前記制御データCDとして送信される前記加熱調理プログラムは、前記誘導加熱ユニット10を使用して調理メニューを実行するためのプログラムAと、前記炊飯ユニット1において調理メニューを実行するためのプログラムBと、前記誘導加熱ユニット10と前記炊飯ユニット1の両方を使用して共通の(被調理物の)調理メニューを実行するためのプログラムCとの、少なくとも1つを含んでいるので、受信したプログラムA、B、Cを利用して、各種の調理を実行できる、利便性を向上させることができる。
更に、この実施の形態1においては、第5の開示に係る加熱調理器100を、以下の構成で実現していた。
すなわち、実施の形態1の加熱調理器100は、
第1入力部20を有し、加熱源(加熱コイル14)を内蔵した第1ユニット10と、
前記第1ユニット1の上面に載置された状態で、前記加熱源(加熱コイル14)によって加熱可能な第2ユニット1と、を備え、
前記第2ユニット1には、内釜3と、第2入力部12と、通信部B(赤外線通信部B35)と、副制御装置50と、を有し、
前記第1ユニット10には、前記通信部B(赤外線通信部B)と情報を授受する通信部A(赤外線通信部A)と、加熱調理プログラムに従って動作する主制御装置80と、外部と無線通信を行う無線通信部26と、記憶部(制御データ記憶部80A)と、を具備し、
前記第1ユニット10は、第1の状態と第2の状態とにおいて、前記無線通信部26を介して外部から制御データCDを受信し、
前記第1ユニット10は、前記第2の状態で前記制御データCDを受信した場合、当該データを前記記憶部(制御データ記憶部80A)に記憶させ、前記第2ユニット1が前記第1の状態に復帰した後で、前記第2入力部12で特定の入力操作(前記メニュースイッチ65を操作)を行うことによって、前記制御データCDの内容が、前記通信部A(赤外線通信部A)から前記通信部B(赤外線通信部B)に送信され、前記第2ユニット1で報知されることを特徴とする構成であった(図24、図25参照)。
この構成の加熱調理器100によれば、炊飯ユニット1の位置や所在に関係なく、誘導加熱ユニット10によって制御データCDを受信できる。
そのため、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10と別の場所(例えば、食卓の上)に単独で置いてある場合でも、その炊飯ユニット1を運んで正規位置に載置(セット)する作業を、制御データCDの受信直前でユーザーに強いることはない。
更に、前記誘導加熱ユニット10は、炊飯ユニット1が正規の位置に載置されていない「第2の状態」で前記制御データCDを受信した場合には、当該制御データCDを前記記憶手段80Rに記憶させ、前記炊飯ユニット1が前記第1の状態に復帰した後で、前記第2入力部12で特定の入力操作(前記メニュースイッチ65を押すこと)によって、前記制御データCDを選択することができる。
つまり、前記赤外線通信部A(34)から前記赤外線通信部B(35)を経由して前記制御データCDの情報が炊飯ユニット1側へ提供される。
このように、前記誘導加熱ユニット10は、炊飯ユニット1が正規の位置に載置されていない「第2の状態」で制御データCDを受信した場合、炊飯ユニット1が前記第1の状態に復帰した後で、自動的に(無条件に)制御データCDを送信することはせず、炊飯ユニット1からの特定の入力操作を待って制御データを送信するから、炊飯ユニット1を第1の状態に戻した直後に、ユーザーが混乱することを回避でき、使い勝手を向上させることができる。
更に、この実施の形態1においては、第6の開示に係る加熱調理器100を、以下の構成で実現していた。
すなわち、
第1入力部20を有し、加熱源(加熱コイル14)を内蔵した第1ユニット10と、
前記第1ユニット1の上面に載置された状態で、前記加熱源(加熱コイル14)によって加熱可能な第2ユニット1と、を備え、
前記第2ユニット1には、内釜3と、第2入力部12と、通信部B(赤外線通信部B35)と、第2表示部11Aと、副制御装置50と、を有し、
前記第1ユニット10には、前記通信部B(赤外線通信部B35)と情報を授受する通信部A(赤外線通信部A34)と、加熱調理プログラムに従って動作する主制御装置80と、外部と無線通信を行う無線通信部26と、記憶部(制御データ記憶部80A)と、、第1表示部70D1と、を具備し、
前記第1ユニット10は、第1の状態と第2の状態とにおいて、前記無線通信部26を介して外部から制御データCDを受信し、
前記第2ユニット1は、前記「第1の状態」で前記第2表示部11Aに前記制御データCDの受信状態が表示され、当該状態で前記第2入力部12から特定の操作(前記メニュースイッチ65を押すこと)が行われた場合、前記制御データCDを用いた加熱調理の待機状態に移行する構成である(図25。ステップSK25~SK32参照)。
この構成の加熱調理器100によれば、炊飯ユニット1の位置や所在に関係なく、誘導加熱ユニット10によって制御データCDを受信できる。
そのため、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10と別の場所(例えば、食卓の上)に単独で置いてある場合でも、その炊飯ユニット1を運んで正規位置に載置(セット)する作業をユーザーに強いることはない。
更に、前記誘導加熱ユニット10は、炊飯ユニット1が正規の位置に載置されている状態で、前記第2入力部12で特定の入力操作(前記メニュースイッチ65を押すこと)によって、前記制御データCDを始めて選択することができる。
つまり、ユーザーの特定の操作に従って、前記赤外線通信部A34から前記赤外線通信部B35を経由して前記制御データCDの情報が炊飯ユニット1側へ提供される。
このように、前記誘導加熱ユニット10は、炊飯ユニット1が正規の位置に載置されている場合に、(無条件に)制御データCDを炊飯ユニット1に送信することをしない。そして、炊飯ユニット1からの特定の入力操作を待って制御データを送信するから、炊飯ユニット1側でユーザーが混乱することを回避でき、使い勝手を向上させることができる。
更に、第2の開示~第6の開示に係る加熱調理器100において、
前記加熱調理プログラムには、前記炊飯ユニット(第1ユニット)1の上に置いた被加熱物と、前記内釜3とを、前記第1入力部20又は前記第2入力部12の操作によって決定される時間差を置いて、それぞれ前記加熱源(加熱コイル14)で加熱する連携調理モードKM2を含んでいる構成であった。
つまり、前記加熱調理プログラム(レシピデータRD)には、前記誘導加熱ユニット10と前記炊飯ユニット1の両方を使用して共通の被調理物のための、特定の調理メニューを実行するためのプログラムCを含んでいる。このため、例えば、炊き込みご飯のように、誘導加熱ユニット10と前記炊飯ユニット1の両方を使用した、幅広い調理メニューにも対応でき、利便性が向上する。
更に、第2の開示~第6の開示に係る加熱調理器100において、
前記誘導加熱ユニット10と前記炊飯ユニット1には、第1表示部70D1と第2表示部11Aとを、それぞれ備え、前記第1表示部70D1と前記第2表示部11Aには、前記制御データCDの受信前に、待機時初期画面を表示し(図5と図6参照)、前記制御データCDを受信する過程で、前記待機時初期画面に、受信可能情報57A、57Bを表示する構成であった。
この構成によれば、ユーザーが第1表示部70D1又は第2表示部11Aの受信可能情報57A、57Bを確認して、外部からの制御データCDの取得を行うことができる。そのため、第1の状態と第2の状態の何れにおいても、レシピデータRD等の制御データCDを簡単に取得し、ユーザーの利便性を向上させることができる。
前記無線通信部26は、前記主制御装置80によって電力の供給が制御される電源回路52に接続され、
前記加熱源(加熱コイル14)が前記第1の状態で炊飯工程のために前記内釜3を加熱している期間中、前記電源回路52の電力供給が遮断される構成であった。
この構成によれば、図10で示した炊飯工程が開始された段階で、電源部72からの電力供給は遮断され、その遮断分だけの電力を炊飯ユニット1側への供給に振り向け、沸騰維持工程前の段階の電力不足を補うことができる。これによって美味しい炊飯結果を得ることができる。
更に、第2の開示~第6の開示に係る加熱調理器100において、
前記誘導加熱ユニット10には、前記炊飯ユニット1の温度を検出する温度センサー(赤外線温度センサー5B)を有し、
前記主制御装置80は、前記温度センサーからの温度計測データから、前記第2ユニット1の温度が基準値よりも高い場合、前記「第1の状態」において、前記無線通信部26を介して外部から前記制御データCDを取得して調理に備えるスタンバイ状態に移行しない構成である。
この構成によれば、炊飯ユニット1の内部に直前まで高温のご飯が残っていたり、他の調理物(煮物等)が残っていたりして、内釜3の温度が高い場合(例えば、80℃以上)には、制御データCDを取得する動作を事前に禁止できる。つまり、外部から制御データCDを取得してから、炊飯ユニット1の温度が最初から異常に高く、正確な温度制御ができないというような問題発生を未然に防止できる。
更に、第2の開示~第6の開示に係る加熱調理器100において、
前記主制御装置80は、電源の供給が開始された後で、前記赤外線信号送受信部A(34)と、赤外線信号送受信部B(35)との間で、規定された赤外線信号を一方から他方に、あるいは双方から交互に伝達して、前記「第1の状態」であることの判定を行った後で、前記第2ユニット1で特定の入力操作A(メニュースイッチ65の操作)が行われた場合、前記無線通信部26を介して外部から前記制御データCDを取得して調理に備えるスタンバイ状態に移行する構成であった。
この構成によれば、炊飯ユニット1と誘導加熱ユニット10の位置関係が正規の状態(第1の状態)であることが確認され、赤外線信号で適正に交信できる状態であることが確認された後に、初めて制御データCDの取得のステップに進むことができるから、誘導加熱ユニット10における制御データCDの受信動作を確実に実行できる。
更に、前記副制御装置40は、上記のような赤外線信号による交信で「第1の状態」であることの判定が行われた後で、前記炊飯ユニット1の第2表示部11Aにおいて前記入力操作A(メニュースイッチ65の操作)を促す表示(報知Aの一種)と、音声報知手段70Vによる報知(報知Aの一種)を行う構成であった。
この構成によれば、前記報知Aによって、制御データCDの取得のために炊飯ユニット1側で行うべき前記入力操作Aの操作タイミングをユーザーが確認できるから、制御データCDの取得操作を円滑に行うことができる。
更に、前記主制御装置80は、制限時間内に加熱調理を開始する指令を受けない場合、主制御装置80の電源の供給を自動的に遮断する構成であった(図12と図13参照)。なお、ここでいう「制限時間」は、図12と図13で説明したように、ステップS10の段階から経過した時間を把握するための、「所定時間TM1(例えば、60分)」である。
この構成によれば、ユーザーの操作が途中で中断して制限時間内に加熱調理の開始指令がない場合、自動的に電源が遮断されるから安全性が高い。
実施の形態2.
図28~図40は、実施の形態2に関するものである。図28は、加熱調理システムの構成図1である。図29は、加熱調理システムの構成図2である。図30は、加熱調理システムの構成図3である。図31は、加熱調理システムの構成図である。図32は、加熱調理器100の概略的構成を示した縦断面図である。図33は、図32の加熱調理器に使用した炊飯ユニットの主要な機能的構成を示すブロック図である。図34は、実施の形態2に係る加熱調理システムに使用した情報端末器の主要な機能的構成を示すブロック図である。図35は、図32に示した加熱調理器において、制御データ(レシピデータ)の取得可能区間と各種入力操作とタイミングを説明するためのタイムチャートである。図36は、図32に示した加熱調理システムにおいて、各種機器の動作タイミングを説明するためのタイムチャートである。図37は、図32に示した加熱調理器の許可条件判定処理を示すフローチャートである。図38は、情報処理端末器と、小型のパーソナルコンピュータやタブレット型端末器等の可搬式情報表示器の表示内容を対比できるように並べて表示した説明図である。図39は、図31の加熱調理器の誘導加熱ユニットの動作ステップを示したものである。図40は、図31の加熱調理器の主制御装置の起動時の動作ステップを示したものである。なお、図1~図27に説明した実施の形態1の構成と、同一又は相当部分は、同じ符号を付けている。
図28について説明する。
本実施形態2の加熱調理システムは、加熱調理器1と、この加熱調理器1との間で無線通信を行う機能を有するスマートフォン200(情報処理端末器)とを備えて構成されている。なお、スマートフォン200以外に、通信機能付きタブレット端末器やパーソナルコンピュータ等の、他の情報処理端末器でも良い。なお、前記情報処理端末器200は、テキストデータや画像データ等の各種データの授受(送信・受信)ができる通信機能を有していることが特徴である。
スマートフォン200は、加熱調理器1が使用される家屋(図示せず)に設置されている無線ルーター340(図31参照)との間でWiFi(登録商標)等による無線通信を行う。
加熱調理器1は、スマートフォン200との無線通信400によって、少なくとも制御データCD2を取得できる。なお、制御データCD2については、後で説明する。
前記スマートフォン200は、加熱調理器1との間で、Bluetooth(登録商標)等による無線通信400を行う。
スマートフォン200は、前記無線ルーター340とインターネット等のネットワーク201を介して外部空間にあるクラウドサーバ300にアクセスする。クラウドサーバ300には、少なくとも1つのレシピ情報提供サーバ301がある。
レシピ情報提供サーバ301には、種々の調理レシピのデータが保持されたレシピDB(データベース)302が備えられ、スマートフォン200は、レシピ情報提供サーバ301により運用されるレシピ情報提供サイトにアクセスして、レシピDB302から種々の制御データCD1を取得(ダウンロード)する。
前記制御データCD1、CD2は、レシピデータRDを含む。これについては後で詳しく説明する。レシピデータRDは、特定の被調理物を加熱調理器1で実行できるように、加熱手段や制御条件(火力や加熱時間等の少なくとも何れか1つを含むが、これに限定されない)を指定する命令(指令データ)が含まれている。
図28に示した加熱調理器1は、実施の形態1で説明したように、誘導加熱ユニット10と、この誘導加熱ユニット10の上面の所定の位置に載置されて当該誘導加熱される炊飯ユニット2、とから構成されている。但し、図32で説明するように、実施の形態1の構成とは特に外形形状が異なっている。
この実施の形態2においても、前記誘導加熱ユニット10の所定の位置に炊飯ユニット1が載置されて使用される形態は「第1の状態」と呼ぶ場合がある。また、炊飯ユニット1と前記誘導加熱ユニット10とが重なった状態(上下に載置された状態)は、「第2の状態」と呼び、この定義は実施の形態1と同じである。
前記加熱調理器100は、加熱コイル14を駆動して単独で加熱調理できる「単独調理モード」KM1の実行機能を有している。
前記加熱調理器1は、1つの被調理物を完成させる方法として、誘導加熱ユニット10と炊飯ユニット1の、何れか一方を先に動作させ、他方を後から駆動させて「連携調理モード」KM2の実行機能を有している。例えば、連携調理モードKM2の1例として、「筍の炊き込みご飯」のメニューがある。
前記「連携調理モード」KM2の「筍の炊き込みご飯」は、誘導加熱ユニット10で鍋を加熱し、その鍋で、筍、油揚げ、水を入れて煮立たせ、ふたをして弱火で10分程度煮る。その後、この筍の具材と煮汁を器等に分けて、冷ます。
一方、この誘導加熱ユニット10での加熱調理を終えた後、炊飯ユニット1の内釜3に米、煮汁を入れて、米量に合わせた目盛りまで水を加え、前記のように既に途中まで調理した前記筍と油揚げをのせて通常の炊飯するものである。
この加熱調理器100では、このような連携調理モードKM2を実行する加熱調理プログラムを、主制御装置80が保有している。
前記単独調理モードKM1は、前記連携調理モードKM2とは異なり、特定の被調理物(例:筍の炊き込みご飯)に対応した「調理メニュー」を有していない。但し、誘導加熱ユニット10においても、土鍋に米を入れて、これで炊飯する等の特定の調理は例外的に実行できる。
前記連携調理モードKM2では、前記誘導加熱ユニット10が調理工程1を実施する「パターン1」と、調理工程2を実施する「パターン2」と、を有する。
炊飯ユニット1を最初に加熱駆動し、その後で誘導加熱ユニット10を加熱駆動する形態は「パターン2」である。
例えば、前記した「筍の炊き込みご飯」では、前記誘導加熱ユニット10を先に動作させていたので、「パターン1」である。
前記連携調理モードKM2では、調理工程1を終えて調理工程2に移るため、調理工程1と調理工程2の間には、加熱調理器100として、全く加熱動作を行わない休止期間が存在する。
また、前記連携調理モードKM2では、誘導加熱ユニット10と炊飯ユニット1の両方を使用するため、既に他の調理メニューの実行によって、それら誘導加熱ユニット10と炊飯ユニット1の一方が、使用中である場合には、前記連携調理モードKM2の設定はできないようになっている。これは、外部から取得するレシピデータにも適用される。この実施の形態2では、このような制限機能を「許可条件判定」と呼ぶ。これについては、図37を中心に説明する。
調理を実行するための一連の動作を規定する前記レシピデータCD1、CD2は、前記加熱調理器100と前記レシピDB302の双方に格納できる。レシピDBと前記加熱調理器100で保有している前記レシピデータは、同一である必要はない。例えば、前記レシピDB302には、新しい連携調理モードKM2のレシピデータCD1が順次追加され、また販売された時点の加熱調理器100には、種類が限定された少数のレシピデータCD2しか格納されていない状態でも良い。つまり、新しいレシピデータを、ユーザーがお好みに応じて順次蓄積していく形態でも良い。
加熱調理器100が、前記情報処理端末器200から前記連携調理モードKM2を実行するための前記レシピデータCD2を取得する場合、当該データは、ユーザーが前記情報処理端末器200において選択した1つの調理メニュー単位である。これは、「単独調理モード」KM1にも共通である。
以上のように、情報処理端末器200は、レシピ情報提供サーバ301に、希望する被調理物のレシピを提供するように求め、希望するレシピに対応した制御データCD2をダウンロードすることができる。
スマートフォン200は、レシピ情報提供サーバ301から取得したレシピに対応した制御データCD1を、加熱調理器1にレシピデータCD2として、送信することができる。
加熱調理器100のユーザーは、このようなレシピ取得機能を利用するために、レシピ情報提供サイト(レシピ情報提供サーバ301)にアクセスしてレシピ選択用のアプリケーション(以下、「レシピ選択アプリ」という)を、スマートフォン200にインストールする。
前記ユーザーは、前記レシピ選択アプリをインストールしたときに、初期設定として加熱調理器100の機種名等の、機器識別情報(実施の形態1参照)を登録する操作を行う。この登録により、加熱調理器100の定格仕様(加熱コイル14の加熱能力等)に対応した制御データCDを、レシピ情報提供サイト(レシピ情報提供サーバ301)から取得することができる。なお、この登録作業は1回だけで良い。
また、前記ユーザーは、レシピ選択アプリにより、情報処理端末器(スマートフォン)200と加熱調理器100とのペアリングを行って、情報処理端末器200と加熱調理器100との間の、直接的な無線通信400を確立する。なお、この無線通信は、近接無線通信(NFC)方式を用いたものでも良い。更には、両方を併用するようにしても良い。
次に図29について説明する。
図29は、図28に示した加熱調理システムとは、情報処理端末器200の役目が異なっている。また前記レシピ情報提供サーバ301にアクセスしてレシピ選択アプリを取得するのは、情報処理端末器200ではなく、加熱調理器100である点で異なっている。
情報処理端末器200とレシピ情報提供サーバ301とは、インターネット回線等のネットワーク202で接続される。
また、レシピ情報提供サーバ301と加熱調理器100とは、インターネット回線等のネットワーク203で接続される。なお、情報処理端末器200と、前記クラウドサーバ300との間は、無線ルーター340(図31参照)を介在させても良い。同様に、加熱調理器100とクラウドサーバ300との間は、前記無線ルーター340を介在させても良い。
以上のように、図29に示した加熱調理システムにおいては、情報処理端末器200で、ユーザーが作成した(レシピに対応した)制御データCD3を、レシピ情報提供サーバ301に送信して、前記レシピDB302に一旦格納させ、加熱調理器100向けに提供することができる。つまり、加熱調理器100が設置された家屋から遠く離れた場所(例えば、外出先)に情報処理端末器200が存在している場合、当該情報処理端末器200の制御データCD3を、レシピ情報提供サーバ301に保存しておけるので便利である。
加熱調理器100は、前記レシピ情報提供サーバ301との間のネットワーク203を通じて、当該前記レシピ情報提供サーバ301に蓄積されている特定のレシピに対応した制御データCD4をダウンロードする。この場合の制御データCD4は、前記情報処理端末器200が提供していた前記制御データCD2であっても良い。
加熱調理器100のユーザーは、このようなレシピデータ(制御データの1種)からの(直接的な)取得機能を利用するために、レシピ情報提供サーバ301にアクセスして前記レシピ選択アプリを、加熱調理器100に事前にインストールしておく。このインストールは、加熱調理器100の基本機能の1つのメニューとして、加熱調理器100で簡単に実行できるようにしておくと便利である。
前記ユーザーは、レシピ選択アプリをインストールしたときに、初期設定として加熱調理器の機種名等、機器識別情報を登録する操作を行う。この登録により、加熱調理器100の仕様に対応したレシピデータを、レシピ情報提供サイト(レシピ情報提供サーバ301)から取得することができる。
この図29の加熱調理システムにおいて、ユーザーは、図28で説明したように(レシピに対応した)制御データCD1を取得し、その制御データCD1の内容を情報処理端末器の表示画面に表示させて確認し、制御データCD1の一部を修正したものを制御データCD3として、図29で説明したように前記レシピ情報提供サイト(レシピ情報提供サーバ301)に格納しても良い。
図28に示した加熱調理システムでは、情報処理端末器200と加熱調理器1の位置が近い場合に情報処理端末器200から加熱調理器100へ制御データCD2が提供できるが、例えば、情報処理端末器200を屋外の遠隔地に持ち出している場合には、加熱調理器100が制御データCD2をスマートフォン200から直接取得することはできない。
これに対し、図29に示した加熱調理システムでは、情報処理端末器200の存在する位置に関係なく、レシピ情報提供サイト(レシピ情報提供サーバ301)にアクセスできれば、前記制御データCD4をダウンロードして加熱調理に利用することができる。
次に図30について説明する。
図30は、図28に示した加熱調理システムとは、レシピ情報提供サイト(レシピ情報提供サーバ301)の役目が異なっている。
この図30の加熱調理システムでは、加熱調理器100は、レシピ情報提供サイト(レシピ情報提供サーバ301)にアクセスして制御データCD6をダウンロードする。
また、この図30の加熱調理システムでは、加熱調理器100は、レシピ情報提供サイト(レシピ情報提供サーバ301)にアクセスして制御データCD7を提供できる。
例えば、実際に加熱調理を実行して良好な調理が出来た場合、その加熱調理の後で、加熱調理器100の記憶手段80Rに残っている制御データを、改良した制御データCD7としてレシピ情報提供サーバ301に提供できる。このようなユーザーのお気に入りのレシピは、「お気に入りレシピ」としてレシピ情報提供サーバ301に登録(記憶)させておくと良い。なお、「レシピ選択アプリ」を取得するのは、加熱調理器100である点で、図28の加熱調理システムとは異なっている。
加熱調理器100とレシピ情報提供サーバ301とは、インターネット回線等のネットワーク204、205で接続される。
なお、加熱調理器100と、前記クラウドサーバ300との間は、無線ルーター340(図31参照)を介在させても良い。同様に、加熱調理器100とクラウドサーバ300との間のネットワーク204、205には、同様な無線ルーター340を介在させても良い。また、情報処理端末器200から前記クラウドサーバ300との間にも、同様な無線ルーターを介在させても良い。
この図30の加熱調理システムにおいて、ユーザーは、加熱調理器100によって、レシピ情報提供サイト(レシピ情報提供サーバ301)から直接制御データCD6を取得できる。そのため、情報処理端末器200を所有していなくとも、加熱調理の都度に、レシピ情報提供サイトから希望するレシピの制御データCD6を取得できる。
また、上述したように、実際に加熱調理を実行して良好な調理が出来た場合、その加熱調理の後で、改良した制御データCD7としてレシピ情報提供サーバ301に提供できる。このため、次回以降に、その制御データCD7を加熱調理器100側から呼び出して加熱調理に利用することができ、便利である。
この実施の形態2で、前記レシピデータ(制御データCDの1種)を「取得する」又は「取得を制限する」という説明をする場合があるので、この点について説明する。
「取得を制限する」という説明をした場合、後述する無線通信部26を介して外部から制御データ(その一部又は全部を構成する特定の情報)が加熱調理器100の内部に全く入らないという訳ではない。
加熱調理器100では、無線通信部26で一旦は外部からの制御データ(レシピデータ)CDを受信して(通信フォーマットが合致している場合)、記憶手段80Rの中の適当な記憶エリアに一時的に格納する。その際に、当該データCDの内容(属性、レシピデータが対象とする調理メニューの識別情報の有無等)を分析する。しかし、当該データが、前記したように「取得を制限されている期間」に取得された制御データCDである場合、以後の調理メニューの実行過程(つまり、調理工程)で利用されることはなく、短時間の内(少なくとも主電源スイッチ52をOFFにした時点)に自動的に消去される。
次に、図31について説明する。
この実施の形態2では、実施の形態1で示したクラウドサーバ300の構成を、図31に示すように変更している。
図31において、キッチン601の内部には、厨房家具(食卓やキッチンカウンター等)103と、独立した冷凍室を備えた冷蔵庫800と、加熱調理器100とが設置されており、冷蔵庫800と加熱調理器100は、前記無線ルーター340と、それぞれ無線通信で情報の授受を行えるものである。前記独立した冷凍室とは、冷凍温度が複数の設定値から任意の1つ(例えば、-20℃)に設定でき、冷蔵室(図示せず)の室内温度と独立した温度制御ができる機能を備えた冷凍室をいう。
無線ルーター340は、インターネット等のネットワーク201(205)のアクセスポイントでもある。無線ルーター340は、外部空間にある第1サーバ321にアクセスできる。
実施の形態1で説明したクラウドサーバ300は、この実施の形態2では、第1サーバ321と、第2サーバ322と、レシピ情報提供サーバ301とを含んでいる。
加熱調理器100は、情報処理端末器200の1種であるスマートフォンとの無線通信400によって、少なくとも制御データCDを取得できる。この制御データCDには、連携調理モードKM2の調理メニューを実行する制御データだけではなく、単独調理モードKM1の制御データも含まれる。
この情報処理端末器200には、加熱調理器データベース217と報知用データ223を最初から保有しているが、この報知用データ223と遠隔操作用データ224は、情報提供手段である第1サーバ321に、ネットワーク201(202)を介して接続し、その第1サーバ300からダウンロードして、その際に取得したものでも良い。
情報処理端末器200は、加熱調理器100に対して制御データCDを送信できる。
ここでいう「制御データ」CDとは、特定の調理物に対応した個々の調理条件データ、すなわち、「レシピデータ」RDと、加熱調理動作を指令したり、調理の状態や進捗等を確認したりする目的の「遠隔操作情報」RSと、の両者をいう。
遠隔操作情報RSは、例えば第2入力操作手段12の1つのスイッチを1回操作する機能を、遠隔で実行できる情報も含む。例えば、重量計測手段94に対して主制御装置80から、炊飯ユニット1の総重量を計測することを指示し、計測した重量データを、無線通信部26から随時送信する指令を発する場合、その送信指令を情報処理端末器200から発した場合、当該指令は遠隔操作情報RSの1つである。
情報処理端末器200は、音声を所定の音声入力信号VSに変換する音声入力部222(図34参照)を有している。
従って、この情報処理端末器200に、ユーザーが発声すると、音声入力信号(音声データ)VSを、第2サーバ322に送信することができる。つまり、タッチ操作部215(図32参照)に触れなくとも、必要な入力操作(前記した「遠隔操作情報RS」の発信)ができる。
ユーザーは、加熱調理器100が起動されているときに、音声によって情報処理端末器200に発話情報を与えて、例えば、レシピ情報提供サーバ301から希望する制御データを抽出し、加熱調理器100に提供することができる。
例えば、前記発話情報としては、音声入力信号VSを受信する相手が、第2サーバ322であるため、例えば「〇〇〇(第2サーバを特定する名称、愛称の一例)、連携調理のレシピを探して」等が挙げられる。
「〇〇〇、レシピを探して」という発話情報は、加熱調理器100に適用できる外部指令情報の1つである。
また、「〇〇〇、連携調理のレシピを探して」という発話情報は、加熱調理器100のための調理モードを指定する情報である。
さらに、「〇〇〇、炊飯器とIH調理器で出来るレシピを探して」という発話情報は、炊飯ユニット1と誘導加熱ユニット10の、連携調理モードKM2で可能な調理メニューを抽出する発話情報である。
これらの、発話情報は、第2サーバ322において、あらかじめ用意されているスタンダードコマンドに変換できる発話情報である。
ユーザーから通信端末器200に発せられた発話情報は、情報処理端末器200において、テキストデータに変換され、発話情報のテキストデータ(音声入力信号VS)で、第2サーバ322に送信される。
第2サーバ322の制御部322Cは、入出力部322Aを介して、テキストデータ(音声入力信号VS)を受信し、記憶部322Rに記憶されているスタンダードコマンドに変換できるか否かを判断する。
制御部322Cは、発話情報(音声入力信号VS)のテキストデータからスタンダードコマンドとして用意されている各種コマンドに変換する。ここでいう「コマンド」には、前記レシピ情報提供サーバ301に格納されているレシピデータベース(調理条件データベース)の中から、1つの調理を実行するレシピデータRDを抽出する指令を含む。なお、前記入出力部322Aは、例えばAPIゲートウェイである。
第1サーバ321と第2サーバ322は、インターネット等のネットワーク201によって接続されている。
第2サーバ322の入出力部322Aから第1サーバ321に対しては、照会信号(照会データ)SNが送信される。この照会信号SNは、例えば前記レシピデータRDを、レシピ情報提供サーバ301から抽出することを要求する指令である。また、加熱調理器100の運転状態の各種データ(例えば、調理工程の内容や進捗度合い)を知りたい場合に発せられる指令である。つまり、この照会信号SNに対して第1サーバ321から提供される制御データCDは、第2サーバ322からユーザーに提供される際には、当該ユーザーのための、操作支援データGSとなる。
なお、第2サーバ322は、加熱調理器100に特有の特殊な制御や処理を必要としないので、既存のサーバ、例えばAIアシスタント、インテリジェントアシスタント、スマートスピーカ等の各種システムのサーバを利用することができる。
図31に示している第1サーバ321は、加熱調理器100を製造した会社(メーカ)が運営しているものであり、加熱調理器100に特有の特殊な制御や処理を良く理解しているので、加熱調理器100の運転状態(加熱動作中、非加熱動作中の両方を含む)を正確に把握することが可能である。
第1サーバ321は、加熱調理器100から後述するように各種「運転状態データ」OSを、前記無線ルーター340経由で随時取得する構成になっている。
前記運転状態データOSは、主電源スイッチ52のON-OFFを示すデータや、連携調理モードKM2の選択データ、加熱温度や加熱時間等の制御条件のデータ等、トッププレート22の最新の温度計測データ等を含んでいる。
前記レシピ情報提供サーバ301は、第1サーバ321との間で、無線通信で情報を授受できるようになっている。なお、これらレシピ情報提供サーバ301や第1サーバ321を相互に連携させる制御手段となる「システム制御サーバ」は図示していない。
前記レシピ情報提供サーバ301は、第1サーバ321の中に組み込んで一体化しても良い。
前記第1サーバ321は、個々の加熱調理器100が、固有の機器識別情報(実施の形態1参照)によって予め登録されており、個々の加熱調理器100から送信された前記運転状態データOSは、当該加熱調理器100のユーザーと対応付けて取得する構成になっている。
第1サーバ321には、前記無線ルーター340と前記第2サーバ322と、個々に無線通信を行うための入出力部321Aを有している。この入出力部321Aは、例えばAPIゲートウェイである。この入出力部321は、前記レシピ情報提供サーバ301からのレシピデータを受ける。
第1サーバ321には、制御部321Cを有する。この制御部321Cは、前記第2サーバ321からの照会信号(コマンド)SNを解読し、その照会信号SNに応答して必要な制御情報を生成し、第2サーバ322に送信する。
また、多数の加熱調理器100から送信されて来る前記運転状態データOSと、個々の加熱調理器100のユーザーを識別するユーザーID(特定情報)とを分析し、個々のユーザーの加熱調理器100を、記憶部321Rで保有しているユーザー識別データベースの情報から特定する。
更に、前記第1サーバ321には、前記レシピ情報提供サーバ301から取得した特定の調理メニューのレシピデータRDを、前記第2サーバ322に提供するタイミングを制御する機能もある。
次に図32について説明する。
図32は、加熱調理器100の概略的構成を示す中央部の縦断面図であり、加熱調理器100の縦断面図を右側方Rから見た図である。
図32に示した縦断面図から明らかなように、この加熱調理器100は、誘導加熱ユニット10(第1ユニット)のトッププレート22の上面に、外形形状が円筒形の炊飯ユニット(第2ユニット)が着脱自在に載置されて使用される形態であり、この点では、実施の形態1と基本的に同じである。
しかしながら、図32で示した加熱調理器100では、誘導加熱ユニット10は、中心部に水平に広がるトッププレート22があり、その周囲(前後左右)から外側は、傾斜面になっている。
前方の傾斜面の部分には、第1表示部70D1を構成する表示画面が配置されている。
前記第1表示部70D1と隣接した下方位置には、前方側からユーザーがタッチ操作できるような第1操作部20を配置している。
炊飯ユニット1の本体1Aの底面の大きさ(投影形状)は、平面形状が円形である前記トッププレート22の全体を覆う程度の大きさである。従って、図32から明らかなように、第1の状態において、炊飯ユニット1は前記第1操作部20の上方を覆うことはない。これが実施の形態1と大きな違いである。
炊飯ユニット(第2ユニット)1の本体1Aの底面に形成した円形の窓を覆うように、当該炊飯ユニット1の内部には、円筒状の内釜3が載置される。
実施の形態1と同様に、炊飯ユニット1を持ち上げれば、前記トッププレート22の全体が露出する。そのため、その露出したトッププレート22の上に磁性金属製の鍋等の被加熱物を置けば、誘導加熱原理によって加熱コイル14により、当該被加熱物が誘導加熱される。
図32において、1Bは、水平に伸びたヒンジ軸51によって前記本体1Aに回動自在に軸支された蓋体である。このヒンジ軸51を中心に少なくとも垂直位置まで開放される蓋体1Bの内部には、副制御装置50が収容されている。
蓋体1Bの上面中央部には、第2表示部11Aを構成する液晶表示基板等の表示部が配置されており、蓋体1Bの上方から表示内容が確認できるようになっている。
12は、第2表示部11Aに隣接して、それより前方位置に配置された第2入力部であり、実施の形態1で説明したようにスイッチ65を含めた、各種の入力キー、スイッチ類が配置されている。
87は、温度検出回路であり、前記トッププレート22の前後2個所に接触させたサーミスタ(温度センサー)からの計測信号を受けて、トッププレート22の温度を検出する。この温度検出信号は、主制御装置80にインプットされる。
この温度検出回路87の目的については、図39で説明する。
誘導加熱ユニット10の内部空間には、前記加熱コイル14と離れた位置に、主制御装置80を実装した基板86を配置している。この基板86の一部には、インバーター回路73が実装されている。
26は、外部と無線通信を行う無線通信部(通信モジュール)である。なお、主電源スイッチ55やリードスイッチ31、赤外線通信部A(34)、重量計測手段94等は図示を省略している。
また、炊飯ユニット1側にも、前記赤外線通信部A(34)との間で赤外線通信を行う赤外線通信部B(35)があるが、図示を省略している。前記リードスイッチ31に対応する位置に設けた永久磁石30も図示を省略している。
なお、送電コイル17と受電コイル7の間で、非接触で電力が炊飯ユニット1に供給される点も実施の形態1と同じである。
以上説明した構造物以外は、実施の形態1で説明したものと同じである。
次に、図33について説明する。
この実施の形態2では、実施の形態1と同様に、炊飯ユニット1には第2入力部12に、音声入力を選択する(音声入力スイッチ)入力キー12VKを配置しているが、図33には示されていない。この入力キー12VK(図示せず)は、機械的なスイッチでも良いし、タッチ式入力スイッチの入力キーでも良い。図5に示したように蓋体1Bの表面には、前記入力キー12VKの操作部12Vを配置している。
前記入力キー12VKの操作部12Vを押した場合、その瞬間から「音声入力併用モード」が起動される。炊飯ユニット1には、音声信号受信部58と音声信号解析部59が、それぞれ内蔵されている。従って、前記音声信号受信部58から音声信号があった場合、当該音声の内容を前記音声信号解析部59が逐一解析して、解析結果を副制御装置50に出力する。なお、音声信号解析部59は、図33に示すように、副制御装置50を構成するコンピュータプログラムによって実現しているが、独立した専用の処理回路として設けても良い。
図34に示す情報処理端末器(スマートフォン)200について説明する。
通信処理端末器200は、送信部及び受信部210と、通信制御部211と、中央処理装置(CPU)212と、ROM及びRAM213と、スピーカ214と、タッチ式の操作部215と、表示画面を有する端末側表示部216と、加熱調理器データベース(記憶部)217と、姿勢検知部218と、遠隔操作情報生成部219と、記憶部220と、を有している。送信部及び受信部210には、近距離無線通信用のNFC入出力部221を有している。このため、インターネット経由の無線通信と、近距離無線通信の2つの経路を利用できる。
222は、ユーザー等の音声を入力信号に変える音声入力部である。
前記タッチ式の操作部215、端末側表示部216及び音声入力部222とは、ハードウエア上では一体化されて、表示操作部225となっている。なお、前記音声入力部222からの音声信号を解析し、用語検索、情報検索等を行う検索部は図示していない。検索部は、この通信端末器200の内部に備えても良いし、外部のクラウドサーバ300に備え、通信端末器200の外部に検索機能を持たせることでも良い。
前記姿勢検知部218は、ジャイロセンサーや加速度センサー、重力センサーなどの各種センサーが搭載されており、情報処理端末器200の傾きや向きを検出することができる。これにより、情報処理端末器200の上下方向を検出した信号を前記中央処理装置212に出力する。
前記中央処理装置212は、前記姿勢検知部218からの検出信号を受けて、前記端末側表示部216の表示方向を制御する。
前記中央処理装置212は、加熱調理器100の無線通信部26から受信した信号を、前記遠隔操作情報生成部219に入力する。
前記中央処理装置212には、データ取得部230と、データ送信部231と、端末側レシピ選択部232と、をそれぞれ有している。なお、これらデータ取得部230、データ送信部231及び端末側レシピ選択部232は、全体が1つのコンピュータプログラムによって機能的に実現されていても良いし、別々の制御回路で構成されていても良い。
前記加熱調理器データベース217は、加熱調理器100の第1の表示画面70D1を含む報知手段70部と、第2表示部11Aと、音声報知手段90Vの、それぞれの報知情報(画像情報を含む)を生成するため、加熱調理器100の「報知用データ」223を保有している。
また、前記加熱調理器データベース217は、加熱調理器100の制御装置40と主制御装置80用の「遠隔操作用データ」224も保有している。
前記報知用データ223と遠隔操作用データ224は、最初からこの情報処理端末器200に記憶させておいても良いが、情報提供手段であるクラウドサーバ300に、ネットワーク201(202)を介して接続し、そのクラウドサーバ300からダウンロードして取得したものでも良い。つまり、加熱調理器データベース217は、固定的に記憶させて構築しておく必要はなく、必要に応じて情報を取得して、一時的に揮発性のメモリーに格納した形態であってもよい。
前記加熱調理器データベース217は、加熱調理器100で行う各種調理、特に連携調理モードKM2で使用することができる調理メニューのレシピデータRDを、前記クラウドサーバ300から取得したり、他の情報処理端末器200からNFC入出力部221経由で取得したりしていても良い。
前記遠隔操作情報生成部224は、加熱調理器100から前記中央処理装置212経由で取得した信号と、前記表示操作部225からの入力信号とを、それぞれ処理し、加熱調理器100用の遠隔操作情報(制御データCDの1種)を生成する。
ここでいう「遠隔操作情報」とは、加熱調理器1の、連携調理モードKM2や単独調理モードKM1を含む全ての調理モードに対応した入力操作に関する情報と、当該連携調理モードKM2や単独調理モードKM1等における、第1表示部70D1と第2表示部11Aの表示情報を含む。但し、連携調理モードKM2を含む全ての調理モードにおいて、誘導加熱ユニット10と炊飯ユニット1の加熱(又は炊飯)動作を開始する指令となる情報は含まれない。従って、前記遠隔操作信号RSによって加熱調理器100が加熱や炊飯動作を開始する指令を受けることはない。
炊飯ユニット1における「予約炊飯」の炊飯時間や「保温」の継続時間については、ユーザーが直接設定した、それら時間の変更と取消の2つについて、前記遠隔操作情報(遠隔操作信号RS)で制御できる。
前記中央処理装置212は、ROM・RAMに格納されている制御プログラムに従って、情報処理端末器200全体の処理を実行するものであり、処理を実行する過程で必要なデータをROM・RAMから読み出したり、処理を実行する過程で生成したデータを、前記ROM・RAMに格納したりする。
記憶部220は、半導体製の不揮発性メモリーであり、前記送信部及び受信部210から読み込んだ加熱調理器100の情報を記憶させておくことができる。例えば、クラウドサーバ300の1つである第1サーバ321からダウンロード(読み込み)した、特定の調理メニューの、前記制御データCD(レシピデータRD)を一時的に保管することに利用される。なお、加熱調理器100の情報は、加熱調理器100に直接接続される第1サーバ321から取得するが、図31に示したように、当該第1サーバ321とネットワークで接続された第2サーバ321経由で取得しても良い。
ユーザーが、情報処理端末器200の端末側表示部216の特定部位にタッチすると、このタッチ信号を基礎にして前記遠隔操作情報生成部219は、遠隔操作情報を生成する。
前記遠隔操作情報は、送信部及び受信部210から加熱調理器1へ送信される。
加熱調理器100が、主電源スイッチ55がONされ、既に電力が供給されて起動済であれば、前記加熱調理器100の主制御装置80は、受信した前記遠隔操作信号RSを、例えば、特定の調理の制御条件変更の指令情報として扱う。
また、連携調理モードKM2に関する制御データCDの1種の「レシピデータ」RDを受信した場合、これによって、1つの調理メニューを実行できる待機状態へと遷移する。但し、無条件に加熱調理器100がスマートフォン200の遠隔操作信号RSやレシピデータRDに応じて動作する訳ではない。これについては、後で図36を参照しながら説明する。
一方、遠隔操作情報(遠隔操作信号RS)を送信した情報処理端末器200側では、前記遠隔操作信号RSに基づいて端末側表示部216の表示が変化する。つまり、情報処理端末器200の表示操作部225における端末側表示部216の表示画面の内容と、加熱調理器1の中央表示部16Mの表示内容は、近似した操作手順で変化するが、その変化の状態がリアルタイムで加熱調理器100に逐一送信されている訳ではない。
情報処理端末器200において、遠隔操作信号RSを生成しても加熱調理器100で正規の遠隔操作信号として認められるのは、特定の確定信号が送信されてからである。つまり、情報処理端末器200からの遠隔操作信号RSは、調理モードを確定させるため、スマートフォン200で所定の確定キーを押した場合に、一括して加熱調理器100に送信される。
従って、連携調理モードKM2の調理メニューのレシピデータRDは、調理工程1から最終の調理工程までの、加熱手段を特定するデータや、デフォルト設定の制御条件(例えば、火力レベル、火力値、加熱時間等をいうが、これに限定されない)データを含み、これらは、一括して送信される。
以上の説明から明らかなように、加熱調理器100の動作内容は、リアルタイムで外部に送信されているので、加熱調理器100から送信される運転状態データOSを第1サーバ321経由で受信した情報処理端末器200では、キッチン601から離れた場所でも、加熱調理の進捗が把握できる。従って、特に、連携調理モードKM2では、1時間から数時間以上にも及ぶ比較的長い調理をする場合があるが、第1サーバ321経由で情報処理端末器200にはリアルタイムで運転情報が入ってくるので、家屋の中の別の部屋で情報処理端末器200で監視することも可能となる。
なお、第1サーバ321やスマートフォン200から加熱調理器100への前記遠隔操作信号RSは、火力を下げることと、加熱調理動作を停止することの2つに制限しておけば、外部からの誤った操作によって加熱調理器100がユーザーの意図と異なる動作や、誤った動作をする懸念もない。
次に、図35について説明する。
図35は、前記加熱調理器100における、レシピデータRD取得可能区間と制御動作との全体を説明するためのタイムチャートである。
図35において、P1~P9は、主制御装置80の動作ステップを示している。但し、ステップP5~P9は、炊飯ユニット1における入力操作のタイミングを示している。
最初に主制御装置80は、炊飯ユニット1が正しい位置に載置されていれば、リードスイッチ31がON(閉)となり、主電源スイッチ55がONになったことを検知し(ステップP1)、起動されたことを示すデータを無線通信部26から外部へ送信し(運転状態信号OS)、自己診断モードを開始する(P2)。つまり、加熱調理器100の各回路やセンサー類等の構成部分が異常でないかどうかをチェックする。
そして異常が無かった場合、主制御装置80は送電コイル17を駆動し、所定の電力の供給を開始する。そのため、炊飯ユニット1側の副制御装置50、報知手段90等が給電手段6経由で電力を供給され、起動する。そして音声報知手段90Vによっても、起動されたことが報知される(ステップP3)。
一方、誘導加熱ユニット10の報知手段70も電力が供給され、起動される。
この段階では、主制御装置80は、赤外線信号送受信部A(34)から赤外線信号を、赤外線信号送受信部B(35)に向けて送信する。そして、基準位置に炊飯ユニット1が載置されているかどうかを判定する(P4)。
その後、赤外線信号送受信部B(35)側から、応答信号が赤外線で送信されるので、その応答信号を受けて、第1の基準位置判定手段33は炊飯ユニット1が正しい位置に載置されていることを最終確認する。
炊飯ユニット1では、第2表示部11Aを起動して待機時初期画面を表示する。そして、この後、当該待機時初期画面を通じてユーザーに、調理モードの選択を促す表示と、音声報知部90Vによる同様な音声ガイダンスを行う(ステップP5)。
なお、炊飯ユニット1が載置されていない場合には、第1表示部70D1が起動され、また第1入力部20の入力機能が有効となるので、調理モードの選択を促す表示は前記第1表示部70D1で行われる。また音声報知手段70Vによって上記音声報知手段90Vの報知と同様な音声ガイダンスを行う(ステップP5)。
ここでいう調理モードとは、連携調理モードKM2や単独調理モードKM1である。連携調理モードKM2の場合には、炊飯ユニット1が加熱調理に使用されるが、誘導加熱ユニット10が先に使用される場合もある。
この実施の形態2でいう「初期待機期間」TPとは、前記ステップP5から始まる期間であり、この初期待機期間TPが終わるタイミングは、加熱動作の開始用入力キーが押されたステップP8の時点である。開始用入力キーとは、炊飯ユニット1を使用する調理工程の場合には、第2入力部12の炊飯スイッチ67である。
次に、以上のような加熱動作を開始する指令を待っている初期待機期間TP中に、レシピデータRDを取得することについて説明する。
前記音声モードスイッチ12VKをONにした時点(ステップP6)から、制御データCDの内、前記炊飯ユニット1において調理メニューを実行するためのプログラムBを、レシピデータRDとして取得することが可能となる。
一方、前記誘導加熱ユニット10と前記炊飯ユニット1の両方を使用して共通の調理メニュー(連携調理モードKM2)を実行するためのプログラムCの、レシピデータRDも、同様に取得することが可能となる。但し、これについては、図35には示していない。
また、前記誘導加熱ユニット10だけを使用するプログラムAのレシピデータRDは、図35の初期待機期間TPでは取得できないようにしてある。
プログラムAのレシピデータRDは、前記誘導加熱ユニット10だけを使用する調理メニューであり、調理の開始にあたり、炊飯ユニット1の載置は不要である。言い換えると、最初から誘導加熱ユニット10の第2表示部70Dにおいて、レシピデータCDの受信準備を確認できる方が便利なためである。
一方、初期待機期間TPにおいて、前記メニュースイッチ65を押した時点(ステップP7)から、制御データCDの内、前記炊飯ユニット1において調理メニューを実行するためのプログラムBを、レシピデータRDとして取得することが可能となる。
また、前記誘導加熱ユニット10と前記炊飯ユニット1の両方を使用して共通の調理メニュー(連携調理モードKM2)を実行するためのプログラムCの、レシピデータRDも、同様に取得することが可能となる。但し、これについては、図35には示していない。
図35に示しているように、前記ステップP6又はP7の時点からステップP8の期間が、レシピデータRD(プログラムBとCの双方)の取得可能期間TB1である。
また、図35に示しているように、前記ステップP6又はP7の時点からステップP8の期間が、レシピデータRD(プログラムBとCの双方)の取得を取り消すことができる期間TB2である。例えば、実施の形態1の図5で説明した「直前の入力を取り消すための取消スイッチ79」を押せば、直前でプログラムB又はCを無線通信部26から取得(ダウンロード)したことを取り消すことができる。
また、図35に示しているように、前記ステップP6又はP7の時点からステップP8までの期間が、レシピデータRD(プログラムBとCの双方)の一部の制御条件を変更することができる期間TB3である。例えば、ご飯の炊き方、硬さを、硬さスイッチ64で修正することができる。なお、この修正は、スイッチ67(図5参照)を押す前に行う必要がある。
上述したように、初期待機期間TPの中では、外部からのレシピデータRDの取得は制限されている。また、初期待機期間TPの中では、1つのレシピデータRDしか1回に取得できない。言い換えると、あるレシピデータRDを1回取得した場合、そのレシピデータRDを実際に加熱調理で使用し、終了しない限り、次の(別の)レシピデータRDを取得できないようにしてある。
上述したように、初期待機期間TPは、プログラムBの調理では、炊飯開始のキー67Mを操作した時点で終了する(ステップP8)。そして、実際の加熱動作がその直後から開始される(ステップP9)。
なお、初期待機期間TPは、上記のようにステップP8の時点で終了するから、この後は、外部から別のレシピデータRDは取得できない。但し、ステップSP8の前の段階途中で、取得したレシピデータRDを取り消した場合には、再度レシピデータRDの取得は可能である。
この図35におけるステップP5とステップP6及びP7の時間差は、30分以内に制限されている。30分を超過すると、制御装置40又は主制御装置80は、操作入力をユーザーが忘れている可能もあるため、安全上、主電源スイッチ55を強制的にOFFにする。又は、音声報知手段90Vで警報を出す等の動作を指令する。
なお、ステップP5とステップP6又はP7の時間差を30分以内に規制するのではなく、前記初期待機期間TPが始まった時点である、ステップP5からステップP8までの期間を30分以内に制限するように変更しても良い。
図35から明らかなように、初期待機期間TPの中で、ステップP6又はP7からP8までの期間が、外部からのレシピデータRDの取得可能期間TB1である。
次に図36について説明する。
図36は、図31に示した加熱調理システムにおいて、各種機器の動作タイミングを説明するためのタイムチャートである。
図36には、加熱調理器100の、主電源スイッチ55を投入した後の動作例と、情報処理端末器ス(例えば、マートフォン)200及び第1サーバ321の動作をそれぞれ示すタイムチャートである。
T1~T22は、加熱調理器100や情報処理端末器200等の動作又はユーザーの操作のタイミング(ステップ)を示すもので、T1から発生順に記載しているが、実際の製品では、これと異なる順序になる場合もある。
まず、ユーザーが、誘導加熱ユニット10の上に炊飯ユニット1を正しい位置に載置し、加熱調理器100の起動(ステップT1)を行う。つまり主電源スイッチ55を閉じる(ステップT2)。
なお、人感知センサー48の感知信号や、副制御装置50への送信等の細かい動作は、この図36には記載していない。
加熱調理器100は、起動信号SKSを第1サーバ321に送信する(ステップT4)。
この実施の形態2では、スイッチ12VKを押した時点から、音声入力機能が有効になるが、この図36では、同じように音声入力部222を有した情報処理端末器200を使用することができる。
情報処理端末器200をユーザーが起動する(ステップT3)。
情報処理端末器200には、レシピデータRDの取得機能を利用するために、第1サーバ321にアクセスしてレシピ選択用のアプリケーション(レシピ選択アプリ)を、事前にインストールしてあるので、ここでレシピ選択アプリが起動される(T5)。
ユーザーが情報処理端末器200を、タッチ操作(タッチ操作部215)や音声入力(音声入力部222)で操作して(T6)、目的のレシピデータRDの内容を、端末側216に表示させて、確認したり、条件を変更したりすることができる(T8)。
一方、加熱調理器100では、第2の表示画面11Aにおいて待機時初期画面(実施の形態1の図5参照)が表示され、ユーザーに対して調理モードや調理メニューの選択を求める(T7)。そして、受信可能期間開始信号(SK1A)を自動的に第1サーバ321に送信する(T9)。
なお、この実施の形態2では、音声入力モードの選択用入力キー12VKを操作したことを条件に、その後に受信可能期間開始信号(SK1A)を自動的に第1サーバ321に送信した。
しかし、メニュー選択用の入力キー65を操作したことを条件に、受信可能期間開始信号(SK1A)を送信する構成も採用しており、2つのキー12VK、65の何れが操作されても良く、その操作時点で受信可能期間開始信号(SK1A)が送信される。
ユーザーが、情報処理端末器200で取得したレシピデータRDを、加熱調理器100に読み込ませる操作をすると(T10)、情報処理端末器200は自動接続の動作を開始する(T12)。
一方、前記受信可能期間開始信号(SK1A)を受信した第1サーバ321は、加熱調理器100の最新状況を示す「運転状態データ」OSを情報処理端末器200に送信する。この場合、必ずしも情報処理端末器200の端末側表示部216に、ポップアップ画面を表示することは要求しない。しかし、情報処理端末器200側では、加熱調理器100がレシピデータRDを受信する対応(待機状態)になっていることが事前に分かる。
情報処理端末器200と加熱調理器100との間では、相互認証を行ってあるから、情報処理端末器200から、自動接続のための信号(「スキャン信号」ともいう)を送信すると、加熱調理器100との間で、自動接続のための相互通信が行われる。なお、加熱調理器100側からスキャン信号を送信しても良い(T13)。
加熱調理器100と情報処理端末器200との間の接続が確立すると、それら両者の間で、相互に直接無線通信できる状態が継続する。
つまり、情報処理端末器200がユーザーの移動に伴って移動して加熱調理器100との距離が離れると、一時的に通信できない状態になる場合があるが、通信可能な範囲(距離)に戻れば、自動的に接続状態は回復する。このような接続が行われる(T14)。
この後、情報処理端末器200から加熱調理器100にレシピデータRDが送信される(なお、送信の直前において、情報処理端末器200は、ユーザーに送信可否の再確認を求めるステップを設けても良い)(T15)。
加熱調理器100にレシピデータRDが完全に送信されると、加熱調理器100から受信完了の報知が行われる(T16)。
加熱調理器100では、取得したレシピデータRDは、制御データ記憶部80Aに一時的に格納する。主制御装置80は、一定のフォーマットで送信されているレシピデータRDを解析し、後述する「許可条件」を満たしているかどうかを判定する(T17)。
許可条件を満たした場合、主制御装置80は、制御データ記憶部80Aに一時的に記憶しているレシピデータRDを、正規のレシピデータRDとして取り扱う。
また、第2の表示画面11Aでは、待機時初期画面の中において、レシピデータRDを受信したことを示す表示を行う(T17)。
加熱調理器100は、受信可能期間終了信号(SK1B)を情報処理端末器200に送信する(T18)。また、同様に受信可能期間終了信号(SK1B)を第1サーバ321に送信する(T20)。これらにより、情報処理端末器200と第1サーバ321側からのレシピデータRDの送信は、第1サーバ321と情報処理端末器200側で自動的に禁止される。
なお、情報処理端末器200は、加熱調理器100へのレシピデータRDの移送が完了した直後に、自動的に接続を遮断するように動作するものであっても良い(T19)。
ユーザーが加熱調理器100の第2入力部12を操作すると(T21)、加熱調理器100は、情報処理端末器200から取得したレシピデータRDに従って、例えば、連携調理モードKM2による特定の調理メニューの実行が確定する(T22)。
なお、この図36から明らかなように、第2表示部11Aに待機時初期画面が表示された時点(ステップT9)から、特定の調理モードによる調理メニューの実行が確定した時点(T22)までの期間が、初期待機期間TPである。
なお、この実施の形態2においても、調理の開始は、情報処理端末器200に対する音声入力では指令できない。仮に、音声入力部922に対して、「加熱開始」等の音声を入力しても、中央処理装置912では、加熱調理器100に対する加熱動作開始の命令を生成しない。このように、この実施の形態2では、ユーザーの発声と混同するような音の入力があっても、ユーザーの意図しない加熱動作開始をしないように、安全性の面で音声入力モードの機能を制限してある。
次に、図37について説明する。
図37は、加熱調理器100の「許可条件」の判定処理を示すフローチャートである。
この図37に示した各ステップの動作を主制御装置80が実行する。
図37において、無線通信部26経由で外部からレシピデータRDを取得した場合、当該データは、制御データ記憶部80Aに格納される(ステップSU1)。
次のステップSU2では、レシピデータRDの解析が行われる。そして、連携調理モードKM2以外の調理のレシピデータRDであると判定された場合、炊飯ユニット1の第2の入力操作部12又は誘導加熱ユニット10の第1入力部20を操作すれば、加熱動作に移行する(ステップSU7)。
ステップSU3は、「許可条件の判定処理」のステップである。
このステップSU3では、主制御装置80の内部に設けた許可条件判定部(図示せず)が「許可条件」を満たすかどうかについてチェックをする。例えば、「連携調理モード」KM2で必ず使用される炊飯ユニット1の調理予約状況がチェックされる。
この許可条件については、後で詳しく説明する。なお、前記許可条件判定部(図示せず)は、独立した電気回路等のハードウエアで構成しても良いが、主制御装置80を構成するコンピュータプログラムによって判定機能を実現しても良い。
ステップSU3が「Yes」と判定された場合、ステップSU4に進む。
ステップSU4では、レシピデータRDの解析結果から、前記誘導加熱ユニット10が調理工程1を実施する「パターン1」であるのか、炊飯ユニット1が調理工程1を実施する「パターン2」であるのかが判定される。
パターン1であると判定されると、ステップSU5に進む。ステップSU5では、調理工程1の開始を決定するのが炊飯ユニット1ではなく、誘導加熱ユニット10であるので、炊飯ユニット1を誘導加熱ユニット10の上から分離させ(第2の状態にする)、誘導加熱ユニット10の第1入力部20の入力キー41A6が操作された段階で、「パターン1」の連携調理モードKM2の調理開始が決定される。
一方、ステップSU4で「パターン1」ではないと判定されると、ステップSU6に進む。ステップSU6では、調理工程1の開始を決定するのが炊飯ユニット1であり、誘導加熱ユニット10ではないので、炊飯ユニット1をそのまま載置した状態にして、第2入力部12の入力キー67が操作された段階で、「パターン2」の連携調理モードKM2の調理開始が決定される。
ステップSU3において、「許可条件」の判定が「No」と判定された場合、ステップSU8に進む。
このステップSU8では、レシピデータRDを送信して来た情報処理端末器200と第1サーバ321に対して、送信されたレシピデータは受信できない旨を報知する。つまり、無線通信部26から運転状態データOSの一環として、レシピデータRDの受信不能の情報を発信する。
次に図38について説明する。
図38は、情報処理端末器(スマートフォン等)200と、小型のパーソナルコンピュータやタブレット型端末器等の可搬式情報表示器900の表示内容とを、対比できるように並べて表示した説明図であり、両者の大きさが同等になるように描いており、実際の外形寸法は、可搬式情報表示器900の方が2倍以上大きい。
可搬式情報表示器900は、端末側表示画面900Dがスマートフォン200よりも数倍程度大きいので、情報の確認がしやすい。
図38は、第1サーバー321又は第2サーバー322を利用した「リモートプッシュ通知」の例である。ここでいう「リモートプッシュ通知」とは、ネットワーク201(204)を介してインターネット接続をしているユーザーに対し、アプリ配信プラットフォームとして機能する第1サーバー321又は第2サーバー322経由で、送信される通知をいう。
この図38の例では、運転情報データOSを受けた第1サーバー321が、「受信可能期間開始信号」(SK1A)を受けた時点で、「リモートプッシュ通知A」の通知情報を生成し、事前に登録された通知先へ通知を行う。通知は、以下の例では、一定の範囲の文字情報で行われるが、図形等の画像情報でも良い。一般的には、メッセージ通知やチャット通知等と呼ばれている。
図38(A)は、情報処理端末器200を示し、図38(B)は、可搬式情報表示器900を示している。
図38(A)において、540は、端末側表示部216に表示されたお知らせ画面(表示部)である。
前記第1サーバー321からの上記「リモートプッシュ通知A」の通知情報を受けた第2サーバー322が、「リモートプッシュ通知B」を生成し、情報処理端末器200に送信する。なお、この「リモートプッシュ通知A」と「リモートプッシュ通知B」は、含まれた情報が同一でも良いし、趣旨が同じであれば、表現や形式等が異なっていても良い。
情報処理端末器200は、前記「リモートプッシュ通知B」を受信すると、適当なポップアップ画面画像を生成し、ユーザーの注意を喚起するような形式で、お知らせ情報541を端末側表示部(端末側表示画面)216に表示する。
図38(A)に示しているように、前記お知らせ情報541によれば、加熱調理器100が現在、レシピデータRDを受信できない状態にあることが分かる。
なお、「お薦めの情報」も、ユーザーが入力キー542、543にタッチすれば、別の表示画面に切り替わり、有用な情報をユーザーに提供できる。500は、端末側表示画面216を閉じることを指示するアイコン(入力キー)である。FGは、ユーザーの指先を示している。
次に、図38(B)の可搬式情報表示器900について説明する。
図38(B)において、901は、お知らせ画面(表示部)である。これは、端末側表示画面900Dに一時的に表示される。
前記第1サーバー321からの上記「リモートプッシュ通知A」の通知情報を受けた第2サーバー322が、「リモートプッシュ通知B」を生成し、可搬式情報表示器900に送信する。なお、この「リモートプッシュ通知A」と「リモートプッシュ通知B」は、含まれた情報が同一でも良いし、趣旨が同じであれば、表現や形式等が異なっていても良い。
可搬式情報表示器900は、前記「リモートプッシュ通知B」を受信すると、適当なポップアップ画面画像を生成し、ユーザーの注意を喚起するような形式で、お知らせ情報902を前記端末側表示画面900Dに表示する。903は、図37(B)のようなポップアップ画面を閉じる入力キー(アイコン)である。
図38(B)に示しているように、前記お知らせ情報902によれば、加熱調理器100が現在、レシピデータRDを受信できない状態にあることが分かる。
なお、この図38(B)では、図37(A)に示したような、お薦め情報を確認できる入力キー542、543に相当するものを表示していないが、同様な入力キー(アイコン)を表示させて、情報処理端末器200で確認できる最新の情報(リモートプッシュ通知によるリアルタイム情報)と、可搬式情報表示器900で確認できる最新の情報(リモートプッシュ通知によるリアルタイム情報)とに、差異が生じないようにしても良い。
なお、この図38で示した実施の形態2は、情報処理端末器200と可搬式情報表示器900とを、同時に使用することを前提にしたものではないので、何れか一方だけを使用しても良い。
なお、前記「お薦めの情報」とは、第1サーバ321又は情報処理端末器200が、冷蔵庫800から事前に取得しておいた在庫情報から、ユーザーに対して推奨する調理メニュー(別の調理)があることを伝える情報である。このお薦めの情報は、加熱調理器100の調理が終わり、調理実施データADを送信した後、第1サーバ321又は情報処理端末器200から加熱調理器100が取得するように設定しておけば、常に加熱調理器100の調理実績が反映され、消費した食材(米の量を含む)のデータも最新のものが取得でき、当該データの利用に便利である。
前記「許可条件」は、上記条件以外に以下のような条件を加えることができる。
(1)炊飯ユニット1で、ご飯の保温工程が行われていないこと。
(2)誘導加熱ユニット10のトッププレート22の温度が所定の閾値(上限温度)を超えていないこと。
次に、図39について説明する。
図39は、誘導加熱ユニット10の動作ステップを示したものである。この図39は、実施の形態1の図12に対応した図である。
この図39から明らかなように、図12の動作と異なっているところは、ステップS7Pである。実施の形態1で説明したステップS7は、この実施の形態2では存在しない。
この図のステップS1~S12は、実施の形態1の図12のステップS1~S12と同じであるので、重複した説明は省略する。
この図39のステップS7Pでは、主制御装置80は、前記温度検出回路87からの温度計測データから、第1ユニットの温度(具体的には、トッププレート22)が基準値よりも高い場合、前記「第2の状態」において、外部から前記制御データCDを取得することを制限する。
第2の状態では、トッププレート22の上に金属製鍋等の被加熱物が置かれて、当該被加熱物を加熱コイル14によって誘導加熱する調理が行われる。
その際、被加熱物の温度を計測して目標の温度に維持する動作を主制御装置80が行う。そのため、加熱調理の開始前、すなわち、レシピデータRDの取得する前からトッププレート22が高温(例えば、100℃以上)であると、レシピデータRDに従って加熱調理をした際に、主制御装置80の温度制御が正確に行えない事態が想定される。
これに対し、この実施の形態2では、上記のように前記主制御装置80は、前記温度センサー5Cからの温度計測データから、前記第1ユニット10の温度が基準値(例:100℃)よりも高い場合、前記第2の状態において、無線通信部26を介して外部から前記制御データCDを取得することを制限する構成であり、上記のような主制御装置80の温度制御に支障とならない。
次に、図40について説明する。
図40は、加熱調理器100の主制御装置80の起動時の動作ステップを示したものである。この図40は、実施の形態1の図12に関連した図である。
図40において、ステップS40~S41は、図12のステップS1~S6を、一部省略したものである。
主制御装置80は、電源の供給が開始された後で、ステップS41において、「第1の状態」であるかどうかの判定を行う。炊飯ユニット1が載置されていた場合、判定は「Yes」となり(第1の状態と判定)、ステップS42に進む。
ステップS42において、第2表示部11Aの表示を参考にして、ユーザーが第2入力部12の特定の操作(メニュースイッチ65)をした場合、外部からの制御データCDの受信を許可されたことになるので、ステップS44に進む。つまり、スタンバイ状態に移行する。
ステップS41において、炊飯ユニット1が載置されていない場合は、判定は「No」となり、「第2の状態」であると判定されるので、ステップS43に進む。
ステップS43において、第1表示部70D1の表示を参考にして、ユーザーが第1操作部20の特定の操作(メニュースイッチ41A1)をした場合、外部からの制御データCDの受信を許可されたことになるので、ステップS44に進む。つまり、スタンバイ状態に移行する。
なお、ステップS42とステップS44の間で、ユーザーに取得された制御データによる調理を開始するために、スタートスイッチを押すことを促す表示や、音声報知を行っても良い。
同様に、ステップS43とステップS44の間で、ユーザーに取得された制御データによる調理を開始するために、スタートスイッチを押すことを促す表示や、音声報知を行っても良い。
そして、ステップS44の状態で、一定の時間が経過しても、ユーザーが調理開始の指令を行わない場合、主制御装置80は、主電源の供給を自動的に遮断するため、電源回路52に電源遮断指令を出すようにしても良い。
実施の形態2の総括.
以上の説明から明らかなように、この実施の形態2においては、第6の開示に係る加熱調理器100を、以下の構成で実現していた。
すなわち、
第1入力部20を有し、加熱源(加熱コイル14)を内蔵した第1ユニット10と、
前記第1ユニット1の上面に載置された状態で、前記加熱源(加熱コイル14)によって加熱可能な第2ユニット1と、を備え、
前記第2ユニット1には、内釜3と、第2入力部12と、通信部B(赤外線通信部B)と、第2表示部11Aと、副制御装置50と、を有し、
前記第1ユニット10には、前記通信部B(赤外線通信部B)と情報を授受する通信部A(赤外線通信部A)と、加熱調理プログラムに従って動作する主制御装置80と、外部と無線通信を行う無線通信部26と、記憶部(制御データ記憶部80A)と、、第1表示部70D1と、を具備し、
前記第1ユニット10は、第1の状態と第2の状態とにおいて、前記無線通信部26を介して外部から制御データCDを受信し、
前記第2ユニット1は、前記「第1の状態」で前記第2表示部11Aに前記制御データCDの受信状態が表示され、当該状態で前記第2入力部12から特定の操作(前記メニュースイッチ65を押すこと)が行われた場合、前記制御データCDを用いた加熱調理の待機状態に移行する構成である(図35。ステップP5~P8参照)。
この構成の加熱調理器100によれば、炊飯ユニット1の位置や所在に関係なく、誘導加熱ユニット10によって制御データCDを受信できる。
更に、この実施の形態2においては、第7の開示に係る加熱調理器100を、以下の構成で実現していた。
すなわち、
加熱源(加熱コイル14)を備えた誘導加熱ユニット(第1ユニット)10と、当該誘導加熱ユニット10に載置され、載置状態で前記加熱源(加熱コイル14)に加熱される炊飯ユニット(第2ユニット)1と、を備えた加熱調理器100であって、
前記誘導加熱ユニット10には、無線通信部26と、制御データ記憶部80Aと、主制御装置80と、を備え、
前記制御データ記憶部80Aは、前記誘導加熱ユニット10の加熱調理動作を制御するプログラムAと、前記炊飯ユニット1の加熱調理動作を制御するプログラムBと、の少なくとも何れか一方を記憶可能であり、
前記主制御装置80は、第1の状態と第2の状態とにおいて、外部から送信された前記プログラムA又は前記プログラムB、の少なくとも何れか一方を前記無線通信部26を介して取得した場合、当該プログラムA又は前記プログラムBを前記制御データ記憶部80Aに格納し、
前記主制御装置80は、取得した前記プログラムA又は前記プログラムBの対象となる1つの調理メニューの調理工程が開始されてから終了するまでの間、前記無線通信部26から新たな前記プログラムA又は前記プログラムBの取得を制限すること(図35の、初期待機期間TP参照)を特徴とする構成である。
この構成の加熱調理器100によれば、一旦外部からプログラムA又はプログラムBの対象となる1つの調理メニューのレシピデータを取得した場合、その調理メニューの調理工程が開始されてから終了するまでの間、新たなプログラムA又はプログラムBの取得を制限するから、ユーザーの混乱や誤操作を抑制でき、また意図せずに(不用意に)データを取得するような事態も防止でき、使い勝手を向上させることができる。
更に、この実施の形態2においては、第8の開示に係る加熱調理器100が、以下の構成で開示されていた。
すなわち、
加熱源(加熱コイル14)を備えた誘導加熱ユニット(第1ユニット)10と、当該誘導加熱ユニット10に載置され、載置状態で前記加熱源に加熱される炊飯ユニット(第2ユニット)1と、を備えた加熱調理器100であって、
前記誘導加熱ユニット10には、無線通信部26と、制御データ記憶部80Aと、主制御装置80と、を備え、
前記制御データ記憶部80Aは、前記誘導加熱ユニット10の加熱調理動作を制御するプログラムAと、前記炊飯ユニット1の加熱調理動作を制御するプログラムBと、の少なくとも何れか一方を記憶可能であり、
前記主制御装置80は、第1の状態と第2の状態とにおいて、前記プログラムA又は前記プログラムBを前記無線通信部26経由で外部から取得する第1の機能と、取得した前記プログラムA又は前記プログラムBを前記制御データ記憶部80Aに記憶させる第2の機能と、ユーザーによる調理モードの選択操作に応じて、前記記憶部80Aから前記プログラムA又は前記プログラムBを読み出す第3の機能と、を有し、
前記プログラムA又は前記プログラムBの調理工程が開始される前に、前記調理モードの選択操作が取り消された場合(図35の、制御データ取消可能期間TB2参照)、前記主制御装置80は、新規に前記プログラムA又は前記プログラムBを取得できる(図35の、制御データ取得可能期間TB1参照)ことを特徴とする構成である。
すなわち、例えば第2入力部12において、メニュースイッチ65を押した後、直前の入力を取り消すための取消スイッチ79(図5参照)を押した場合、メニュースイッチ65を押す前の状態まで入力工程が戻るため、メニュースイッチ65を押した直後に、誤って取得された制御データ(前記プログラムA又は前記プログラムB)があった場合でも、その取得を取り消すことができる。
この構成の加熱調理器100によれば、一度外部からプログラムA又はプログラムBの対象となる1つの調理メニューのレシピデータを取得した場合でも、その調理メニューの調理工程が開始されるまでの間であれば、取得したレシピデータを取り消して、新たなプログラムA又はプログラムBの取得ができる。
このため、ユーザーが誤って希望しないレシピデータCDを取得しても、それを取り消して、希望するデータを取得するように修正できる。
これにより、ユーザーの使い勝手を向上させることができる。
更に、この実施の形態2においては、第9の開示に係る加熱調理システムが、以下の通り開示されていた。
すなわち、この実施の形態2の加熱調理システムは、
内釜3を備えた炊飯ユニット1と、当該炊飯ユニット1が着脱自在に載置され、載置状態で前記内釜3を加熱する誘導加熱ユニット10と、無線通信部26と、主制御装置80と、を備えた加熱調理器100と、
前記加熱調理器100との間で通信を行う情報処理端末器(スマートフォン)200と、を備えた加熱調理システムであって、
前記加熱調理器100は、前記誘導加熱ユニット10で実行できる調理のプログラムAと、前記炊飯ユニット1で実行できる調理のプログラムBと、を保有し、
前記情報処理端末器200は、前記プログラムA又は前記プログラムBを前記加熱調理器100に送信するデータ送信部231を備え、
前記加熱調理器100は、前記炊飯ユニット1が前記誘導加熱ユニット10に載置された「第1の状態」と載置されていない「第2の状態」の何れにおいても、前記主制御装置80が起動されている場合、前記無線通信部26を介して外部から制御データCDを受信し、
前記加熱調理器100は、前記制御データCDの1つとして前記情報処理端末器200から受信した前記プログラムA又は前記プログラムBと、を制御データ記憶部80Aに保持させ、ユーザーによる第1調理モード又は第2調理モードの選択操作に応じて、前記制御データ記憶部80Aから前記プログラムA又は前記プログラムBを読み出し、
更に、前記加熱調理器100は、取得した前記プログラムA又は前記プログラムBが適用された1つの調理メニューの調理工程が終了するまでの間、新たな前記プログラムA又は前記プログラムBを取得しないことを特徴とする構成である。
この構成の加熱調理システムによれば、炊飯ユニット1の位置や所在に関係なく、誘導加熱ユニット10によって制御データCDを受信できる。
そのため、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10と別の場所(例えば、食卓の上)に単独で置いてある場合でも、その炊飯ユニット1を運んで正規位置に載置(セット)する作業をユーザーに強いることはない。
更に、前記制御データCDとして送信される前記加熱調理プログラムは、前記誘導加熱ユニット10を使用して調理メニューを実行するためのプログラムAと、前記炊飯ユニット1において調理メニューを実行するためのプログラムBと、前記誘導加熱ユニット10と前記炊飯ユニット1の両方を使用して共通の(被調理物の)調理メニューを実行するためのプログラムCとの、少なくとも1つを含んでいるので、受信したプログラムA、B、Cを利用して、各種の調理を実行できる、利便性を向上させることができる。
更に、前記加熱調理器100は、取得した前記プログラムA又は前記プログラムBが適用された1つの調理メニューの調理工程が終了するまでの間、新たな前記プログラムA又は前記プログラムBを取得しないので、同時に複数のプログラムを取得して加熱開始待機状態にすることはなく、ユーザーの混乱や誤操作を招くことも回避でき、使い勝手を向上させたシステムが実現できる。
更に、この実施の形態2において、第10の開示に係る加熱調理システムが、以下の通り開示されていた。
すなわち、この実施の形態2における加熱調理システムは、
内釜3を備えた炊飯ユニット1と、当該炊飯ユニット1が着脱自在に載置され、載置状態で前記内釜3を加熱する誘導加熱ユニット10と、無線通信部26と、主制御装置80と、を備えた加熱調理器100と、
前記加熱調理器100との間で通信を行う情報処理端末器200と、を備えた加熱調理システムであって、
前記加熱調理器100は、前記誘導加熱ユニット10で実行できる調理のプログラムAと、前記炊飯ユニット1で実行できる調理のプログラムBと、を保有し、
前記情報処理端末器200は、前記プログラムA又は前記プログラムBを前記加熱調理器100に送信するデータ送信部231を備え、
前記加熱調理器100は、前記炊飯ユニット1が前記誘導加熱ユニット10に載置された「第1の状態」と載置されていない「第2の状態」の何れにおいても、前記主制御装置80が起動されている場合、前記無線通信部26を介して外部から制御データCDを受信し、
前記加熱調理器100は、前記制御データCDの1つとして前記情報処理端末器200から受信した前記プログラムA又は前記プログラムB、を制御データ記憶部80Aに記憶させ、さらに、ユーザーによる第1の調理モード又は第2の調理モードの選択操作に応じて、前記制御データ記憶部80Aから前記プログラムA又は前記プログラムBを読み出し、
更に、前記加熱調理器100は、前記プログラムA又は前記プログラムBが取得された後、調理工程が開始される前に、前記第1の調理モード又は前記第2の調理モードの選択が取り消された場合、新規に前記プログラムA又は前記プログラムBを取得できることを特徴とする構成である。
この構成の加熱調理システムによれば、炊飯ユニット1の位置や所在に関係なく、誘導加熱ユニット10によって制御データCDを受信できる。
そのため、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10と別の場所(例えば、食卓の上)に単独で置いてある場合でも、その炊飯ユニット1を運んで正規位置に載置(セット)する作業をユーザーに強いることはない。
更に、前記制御データCDとして送信される前記加熱調理プログラムは、前記誘導加熱ユニット10を使用して調理メニューを実行するためのプログラムAと、前記炊飯ユニット1において調理メニューを実行するためのプログラムBと、前記誘導加熱ユニット10と前記炊飯ユニット1の両方を使用して共通の(被調理物の)調理メニューを実行するためのプログラムCとの、少なくとも1つを含んでいるので、受信したプログラムA、B、Cを利用して、各種の調理を実行できる、利便性を向上させることができる。
更に、前記加熱調理器100は、前記プログラムA又は前記プログラムBが取得された後、調理工程が開始される前に、前記第1の調理モード又は前記第2の調理モードの選択が取り消された場合、新規に前記プログラムA又は前記プログラムBを取得できるので、同時に複数のプログラムを取得して加熱開始待機状態にすることはなく、ユーザーの混乱や誤操作を招くことも回避でき、使い勝手を向上させたシステムが実現できる。
実施の形態3.
図41は、実施の形態3に係る加熱調理システムの構成図である。図42は、図41の加熱調理システムを構成する加熱調理器の炊飯ユニットの平面図である。図43は、図41の加熱調理システムを構成する加熱調理器と外部(第1サーバ)との間の情報授受を、時系列で示す説明図である。図44は、図41の加熱調理システムで使用した第3サーバの動作を示すフローチャートである。図45は、図41の加熱調理システムで使用した情報処理端末器の表示状態説明図である。なお、図1~図40に説明した各実施の形態の構成と、同一又は相当部分は、同じ符号を付けている。
この実施の形態3では、実施の形態1と2で示したスマートフォン(情報処理端末器)200と、可搬式情報表示器(情報処理端末器)900に代わり、小型の可搬式音声入出力器(情報処理端末器の1種)1000を利用していることが特徴である。なお、スマートフォン(通信処理端末器)200や可搬式情報表示器900の使用も可能である。
また、第3サーバ323を備えたことも、実施の形態1及び2とは異なっている。
第3サーバ323は、第1サーバ321と有線又は無線通信(ネットワーク)205で接続されている。
第3サーバ323は、在庫情報記憶部324と食材消費判定部325とを有している。前記在庫情報記憶部324は、冷蔵庫800から第1サーバ321とネットワーク205経由で送信されてくる「在庫データ」SGを記憶しており、第1サーバ321からの指令を受けて在庫の情報は随時更新される。なお、この第3サーバ323の入出力部324Aは図示を省略している。
実施の形態2で説明したように、キッチン601等の居住空間にある「統合情報管理装置」又は「統合電力制御装置」(HEMSコントローラ)等と呼ばれる「家庭内制御機器」(図示せず)からの信号を受けて、在庫状況を随時確認し、在庫データSGを更新する構成でも良い。
食材消費判定部325は、前記在庫情報記憶部324から食材の情報(在庫データSG)を取得し、在庫量の変化から食材の消費された量を推定するものである。
この食材消費判定部325は、1回の調理の都度に判定が行われる。当該判定は、加熱調理器100からの調理実施データADを入力とし、入力されたデータと、前記在庫情報記憶部324から取得した在庫データSGの変動、つまり食材の量の変化を表す情報(変化情報)とを、比較し、機械学習の方法によって実際に消費された食材の種類や量を分析するものである。なお、機械学習の方法については特に限定されず、例えば、ニューラルネットーク等の公知の機械学習の手法が適用される。
例えば、食材消費判定部325は、加熱調理器100から「ハンバーグ」を調理したデータを取得した場合、加熱調理器100側の調理実施データADと、冷蔵庫800に在庫としてあった在庫データSGの中から、種類別の食材の量の変化とを比較する。
加熱調理前に冷蔵庫800にあった食材(例えば、牛肉300グラム)が、加熱調理後に、冷蔵庫800の在庫管理システム(例えば、在庫確認のカメラ映像データ、冷蔵庫800の該当冷凍庫のセンサー等)で確認できない場合、当該牛肉が使用されたものと推定する。なお、この判定にあたり、一般的な調理メニューと、使用される食材の種類とを対比させたデータも併用する。
また、この実施の形態3の加熱調理器100は、実施の形態1と2で示したような音声信号受信部58(図33参照)や、音声入力モードの選択用入力キー12VK(図5参照)を備えていない。つまり、加熱調理器100自体には、音声入力で加熱の条件や調理メニューを選択する機能を備えていない。
この実施の形態3の特徴の1つである音声入出力器1000は、実施の形態2のスマートフォン200や可搬式情報表示器900とは少し異なり、音声入力でユーザーの指令を受け、また、音声でユーザーに情報を報知する機器である、例えば、スマートスピーカやAIスピーカと呼ばれるような入力端末機器である。
前記音声入出力器1000は、加熱調理器100の近くにおいて、ユーザーが加熱調理器100に指令を与える場合、加熱調理器100の傍でユーザーが発した音声(自然言語)を、音声信号として取得する。
前記音声入出力器1000は電力が供給されて運転が開始されるが、その電力の供給は、音声入出力器1000の電源スイッチ(図示せず)で行うものであり、電源のON-OFFは、加熱調理器100と独立して行える。従って、加熱調理器100を運転する場合、音声入出力器1000の電源スイッチをONにする必要がある。
前記音声入出力器1000は、ユーザーの音声を収集するマイク(図示せず)と、逆に音声を発するスピーカ1001を有している。
音声入出力器1000は、ユーザーが電源を入れると、ネットワーク(無線通信網)201(202)で接続された第2サーバ322に繋がる。第2サーバー322は、音声翻訳機能と検索機能を備えている。
音声入出力器1000から、音声信号(音声データ)VSを送信すると、第2サーバ322は、ユーザーが発した音声(自然言語)を、音声信号として取得し、ユーザーからの指令信号(要求A)に変換して第1サーバ321に送信する。
第1サーバ321は、第2サーバ322からの前記要求Aに基づいて、最終的には加熱調理器100に対する遠隔操作信号RSを生成することができる。また、レシピ情報提供サーバ301から取得した調理条件データ、つまり、レシピデータRDを加熱調理器100に提供できる。
第1サーバ321は、加熱調理器1に対する各種遠隔操作信号RSを生成するための、データを記憶部321Rに格納しているため、第2サーバ322からの前記要求Aに対して、随時必要な操作支援データGS1を当該第2サーバ322に送信する。このため、第2サーバ322は、前記操作支援データGS1に対応して、音声データに変換できるような操作支援データGS2を音声入出力器1000に送信する。
以上の基本的構成であるから、加熱調理器100の近傍にユーザーが居ても、調理の準備や食材の処理等で、そのユーザーの両手が塞がっていて、加熱調理器100の第2入力部12や第1入力部20に、直接タッチする頻度が制限されているような場合、自然な発声(音声)で加熱調理器100を遠隔で操作でき、便利である。
なお、第2サーバ322のその他の構成については、実施の形態2で説明した第2サーバ322の構成と同じであるから重複した説明を省略する。
また、実施の形態2で説明したように、レシピ情報サーバ301の調理条件データベースの中から、目的のレシピデータRDを抽出する指令(要求A)も発生させる機能がある。
また、音声入出力器1000は、実施の形態2の可搬式情報表示器900と同様に、実施の形態1と2で説明した情報処理端末器200のように、目的のレシピデータRDを加熱調理器100に向けて(無線ルーター340経由で)送信する機能はない。
更に、音声入出力器1000からは、連携調理モードKM2や単独調理モードKM1を含む全ての調理モードと、「機能設定」に対応した入力操作に関する指令(要求A)を発することができるが、連携調理モードKM2を含む全ての調理モードにおいて、加熱動作を開始する指令となる情報は含まれない。従って、この音声入出力器1000から第1サーバ321を経由して加熱調理器100の加熱動作の開始を(遠隔で)指令することはできない。
また、加熱調理器100の前記「機能設定」(例えば、消費電力の上限値設定、炊飯後の保温時間の上限値の設定等)の指令情報は、音声入出力器1000から送信できる。これらの指令情報は、音声入出力器1000からの要求Aに応じて、前記第1サーバ321で生成する。
第1サーバ321は、加熱調理器1から随時受信する運転情報データOSの中に、実施の形態2の、特に図36で説明したような「受信可能期間終了信号」(SK1B)があった場合、第2サーバ322から前記要求Aがあっても、当該レシピデータRDを加熱調理器100に対して送信することはない。
次に、図42について説明する。
図42は、加熱調理器100の炊飯ユニット1の平面図である。
120は、音声入力モードの表示部である。この表示部120は、前記音声入出力器1000からの指令信号を受信できる状態になった場合に、LED等の発光素子によって下方から照らされて音声入力モードになっていることを表示する。
図42において、157は、受信動作表示部であり、外部からレシピデータRDを受信している途中であることを文字で表示している。158は、その受信動作の進捗度合いを示す進捗マークである。
進捗マーク158は、黒い角形印と白い角形印の2種類ある。図42に示すように、レシピデータRDの受信動作開始直後は、黒い角形印が1つであるが、受信動作が進むにつれて順次その数が増えて行き、最終的に黒い角形印が5つ並んだ状態となる。なお、黒い角形印の増加に応じて、白い角形印は同じ数だけ消えた状態になる。
進捗マーク158は、1つ又は複数の図形の大きさや、色を変化させて進捗度合いを表示しても良く、またはアニメーションで表現しても良い。
更に、受信動作表示部157の代わりに、第2入力部12に、受信動作の進捗度合いを、その発光によって複数段階に表示するような発光部を設けても良い。例えば、受信動作の初期は、LEDの点灯数を1つにし、受信動作の進行に伴って点灯数を増やすという方式である。あるいは、LEDの点滅や点灯色を切り替えることにより、進捗を表現する。これらにより、ユーザーに直感的で分かりやすい受信動作の進捗や完了を、視覚的に報知するようにしても良い。
次に、図43について説明する。
図43は、炊飯ユニット1が最初から載置された「第1の状態」で加熱調理器100の運転を開始する場面において、主制御装置80と副制御装置50の動作を時系列で説明したものである。
図43において、P1~P9は、主制御装置80又は副制御装置50の動作を示している。
誘導加熱ユニット10側の主電源スイッチがONされた後(ステップP1)、副制御装置50が、誘導加熱ユニット10側からの電力の供給を受けて起動し、自己の異常診断を終える(ステップP2)。そして、第1サーバ321に対して運転情報信号OS1を送信する。
次に、第2の表示画面(第2表示部)11Aを起動し、待機時初期画面を表示する(P3)。この時点から自動的に「音声入力モード」となる。
音声入力モード開始信号OS2が第1サーバ321に送信される。これ以後、第1サーバ321を経由して音声入出力器1000から、音声での入力が可能となる。
基準位置判定処理(ステップP4)によって炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の上に正しく載置されていることが判定されると、次のステップP5に進む。
次に、メニュー選択用の入力キー(スイッチ)65を操作すると、炊飯ユニット1を使用する調理モードが選択されたことになるので、受信可能期間開始信号SK1Aが、第1サーバ321に送信される(P5A)。つまり、この受信可能期間開始信号SK1Aは、第1サーバ321に対して、受信許可の通知(受信許可データ)を送信したことになる。
ユーザーが、音声入出力器1000に向かって発声し、レシピデータRDを加熱調理器100に読み込ませる要求Aを音声で行うと、第1サーバ321は加熱調理器100に自動的に接続して、レシピデータRDの送信を開始し、誘導加熱ユニット10は受信する(P6A)。
一方、前記受信可能期間開始信号(SK1A)を受信した第1サーバ321は、加熱調理器100の最新状況を示す「運転状態データ」OSを前記音声入出力器1000に送信できる。そのため音声入出力器1000のスピーカ1001によって、加熱調理器100がレシピデータRDを受信する対応(待機状態)になっていることが事前(ステップP6Aの前)に分かる。
次のステップP7Aでは、主制御装置80は、受信したレシピデータRDを分析し、実施の形態2で説明した「許可条件」を満たすかどうかを判定する。もし、許可条件を満たさない場合には、無線通信部26から第1サーバ321に対して「不許可通知」を発信する。「不許可通知」OS3とは、運転情報データOSの1種である。
許可条件を満たした場合、第2の表示画面11Aの、受信動作表示部157(図42参照)の位置に、進捗マーク158に代わって具体的なレシピデータRDの概要が表示される。少なくとも、調理の名称が表示される。
また、ステップP7Aの段階では、第2表示部11Aに隣接した第2入力部12の各種スイッチ(キー)を操作して、レシピデータRDの中でユーザーが変更できる制御条件があれば、その修正を許可する。
炊飯スイッチ67を押した時点で調理の実行条件は確定する(ステップP8)ので、この直後に、受信可能期間終了信号SK1Bが、第1サーバ321に送信される。つまり、この受信可能期間終了信号SK1Bは、第1サーバ321に対して、レシピデータRDの受信を制限する通知(受信制限データ)を送信したことになる。
次のステップP8Aでは、音声報知手段90Vによって調理開始の報知が行われる。そして実際に加熱コイル14の駆動が開始され、加熱動作が開始されると、加熱動作開始を示す運転情報データOS4が第1サーバ321へ送信される(ステップP9)。
この実施の形態3では、実施の形態1で説明した入力キー12VK(音声入力モード選択用)に相当するものが無いが、前記音声入力モード開始信号OS2が送信されたことを「第1の条件」とし、次にユーザーが入力スイッチ(キー)65を操作して、炊飯ユニット1を使用する調理モードを選択したことを「第2の条件」とし、これら第1の条件と第2の条件が揃った時点で、受信可能期間開始信号を送信する構成にしていた(SK1A)。
前記受信可能期間開始信号(SK1A)は、加熱調理器100が外部(第1サーバ321)に発信する「受信許可データ」であり、これを受けると第1サーバ321は、レシピデータRDを加熱調理器100が取得できる状況にあると判定できる。
以上の説明から明らかなように、図43にて説明した「受信許可データ」を、外部(第1サーバ321)が受信すれば、レシピデータRDを加熱調理器100が取得することが可能な期間である。従って、前記信号(SK1A)の発信以降は、加熱調理器100において外部からのレシピデータRDを受信できる。
また、前記「受信可能期間」は、第1サーバ321からレシピデータRDを取得することを許可している期間であり、これ以外のデータ、例えば、前記した遠隔操作データ(信号)の受信を拒否している訳ではない。
次に図44について説明する。
図44は、第3サーバ323における動作を示すものである。
この図44では、加熱調理器100で炊飯等の1つの調理が終了した場面を想定して以下説明する。
加熱調理器100の主制御装置80は、炊飯ユニット1と誘導加熱ユニット10の何れにおける調理でも、調理工程を全て終了させた後で、主電源スイッチ55がOFFされる前に、自動的に制御データCDを第1サーバ321に送信する。
第1サーバ321に送信する前にユーザーが主電源スイッチ55(図示せず)を強制的にOFFにした場合には、二次電池53からの電力で主制御装置80と電源回路52の電力供給は一定の時間だけ維持され、無線通信部26から送信される。このように、前記調理実施データADは、1回の加熱調理の度に無線通信部26から第1サーバ321へ送信される。
なお、この加熱調理器100が、厨房家具103の内部に設置されたビルトイン式(組込式)である場合、電源コード102の先にある電源プラグ101は、厨房家具103の内側空間において商用電源に接続されている。従って、主電源スイッチ55の操作部(押圧ボタン)55Aを押して、主電源OFFにしても即時に電源部72の電源は遮断されない。そして、冷却ファン13の運転を継続して誘導加熱ユニット10の温度を下げる冷却運転が自動的に行われる。従って、このような冷却運転(通常は、数分以内)の間に、前記調理実施データADを送信すると良い。
送信された前記調理実施データADは、第1サーバ321から第3サーバ323に送信される。すると、当該調理実施データは、一時記憶領域としてのメモリー(図示せず)に記憶される(ステップSV1)。
次のステップSV2では、食材消費判定部325と前記在庫情報記憶部324との動作により、次の3段階でデータ分析と食材の情報分析、消費量分析が行われる。
(1)調理実施データADの分析
(2)加熱調理器100からの運転情報信号(OS1)(図43参照)を受信した時点の「冷蔵庫の在庫状況(在庫データSG)」と、現時点の在庫状況の変化
(3)調理実施データADに含まれる調理情報との対比から、調理に使用され消費されたと推定される食材の推定量
次のステップSV3では、冷蔵庫800の食材の在庫量に変化があったかどうかの判定が行われる。
「解凍」や「煮込み調理」等を行った後、通常では冷蔵庫800の中にあった食材が使用される場合が多いので、在庫状況は変化した(在庫量が減った)ことが分かる。
前記ステップSV3で、在庫量が変化(減少)した場合、「Yes」判定となり、ステップSV4に進む。
ステップSV4では、減少した食材が、事前に設定していた「最低基準値」よりも低下していた場合には、「Yes」判定となり、ステップSV5に進む。
例えば、肉や、冷凍食品(冷凍ご飯を含む)の量について、事前に「最低基準値」を決定しておけば、このステップSV5の段階で、「最低基準値」未満になったことが分かる。
次のSV4では、前記ステップSV4の処理結果が、第3サーバ323の在庫情報記憶部324に記憶される。
そして、「保存最低基準値」よりも在庫量が減少した食材のあることがステップSV4で判定された場合、当該食材の名称や、減少した量(重量)の情報が、第1サーバ321に送信される。
ステップSV3とステップSV4において、「No」の判定であった場合、ステップSV6に進む。このステップSV6では、ステップSV31のデータ分析結果が、在庫情報記憶部324に最新データとして記憶される。
図44のステップSV5に記載した「買い物リスト」とは、第1サーバ321又は第3サーバ323等のクラウドサーバ300の中に設定された「買い物データベース」を意味している。この買い物リストは、スマートフォン等の情報処理端末器200で、ユーザーが自由に閲覧できる。
従って、ユーザーが買い物に出掛ける際に、その時点で情報処理端末器200で前記買い物リストを確認することができ、便利である。なお、買い物リストでは、過去に行った加熱調理のメニューの履歴情報も同時に閲覧できるように第3サーバ323からの情報を取得し、利用しても良い。
なお、実施の形態2の特に図38で説明したような、お薦め情報を確認できる入力キー542、543の中に、「買い物候補」の入力キーを設け、その入力キー(アイコン)を操作すれば、情報処理端末器200で最新の買い物リストが随時確認できるようにしても良い。
また、リモートプッシュ通知によるリアルタイム情報の1つとして、「最低基準値」よりも低下した食材の情報をユーザーに展開するようにしても良い。
具体的には、図44のステップSV5の段階で、第1サーバ321が事前に(リモートプッシュ通知を)登録された情報処理端末器200等の通知先に、直接通知する方法がある。なお、他の第3サーバ323等が、第1サーバ321からの通知を受けて、情報処理端末器200等に通知を発しても良い。
また、前記「最低基準値」は、1回の調理毎に判定していたが、朝食、昼食、夕食時の3回の調理を合計して1日の消費量としての変化を判定し、買い物リストに反映させても良い。これは、情報処理端末器200等を使ってユーザが任意に設定できるようにすると便利である。前記買い物リストは、「買い物データベース」にアクセスして、スマートフォン等の情報処理端末器200で、ユーザーがその都度情報を取得するのではなく、ユーザーが設定した時刻(例えば、買い物に出掛ける17時)に、自動的に第1サーバ321等から情報処理端末器200に対して、リモートプッシュ通知で、「買い物候補」の情報が通知されるようにしても良い。
次に図45について説明する。
図45は、図41の加熱調理システムで使用した情報処理端末器200の表示状態説明図である。
図44で説明したように、加熱調理器100から送信された在庫データSGに基づき、第1サーバ321には「保存最低基準値」よりも在庫量が減少した食材のデータが保存されている。
そこで、情報処理端末器200によって前記在庫情報SGを取得することができるが、この図45に示した例では、第1サーバー321又は第2サーバー322を利用した「リモートプッシュ通知」を利用した例である。前述したように「リモートプッシュ通知」とは、ネットワーク201を介してインターネット接続をしているユーザーに対し、アプリ配信プラットフォームとして機能する第1サーバー321又は第2サーバー322経由で、送信される通知をいう。
従って、前記したように加熱調理器100のステップSV4で「在庫不足」と判定された場合、当該判定を受けた在庫情報SGを受信した第1サーバ321は、情報処理端末器200に対して、図45に示すような「在庫不足お知らせ情報」545を自動的に送信する。
図45(A)において、546は、端末側表示部216に表示された在庫不足注意文である。実際の在庫不足の情報を見るには、入力キー(アイコン)542にタッチ操作する必要がある。
図45(A)の入力キー(アイコン)542にタッチすると、図45(B)の状態に表示内容が変化する。
547は、お薦め食材情報である。この場合は、お米の例である。548は、そのお薦め食材情報の生産者や産地等の食材情報である。549は、お薦めの食材と機器との関連情報である。この場合の「機器」とは、この加熱調理器100を指す。
550は、ユーザーがお薦めの食材を購入する場合に便利なように(インターネット利用した)通信販売サイトの誘導情報(アイコン)である。
前記お薦めの食材と機器関連情報549には、この図45に示したように機器(加熱調理器100)の個々の機能に応じた情報で、ユーザーに最も関心があると推定される情報を表示している、
図45(B)の、お薦めの食材と機器関連情報549において、「やわらか好み」という情報を表示したのは、炊飯ユニット1の炊飯条件設定時に、このユーザーは、ご飯の「炊き方」を決める際に、硬さスイッチ64(図5参照)で、やわらか目を常に選択していることが、調理実施データADの分析(第1サーバ321による)から判明したからである。
この図45(B)の、お薦め食材情報547と、前記食材情報548とを、ユーザーに的確に提供する構成について説明する。
加熱調理器100には、硬さスイッチ64(図5参照)のように、炊飯の前にユーザーが炊飯後の米飯の硬さに関して希望を入力するので、この入力結果に対応した「嗜好情報」を加熱調理器100で記録する機能を具備する。この嗜好情報は、加熱調理器100の炊飯ユニット1で炊飯を行う都度、副制御装置50が第2入力部12の硬さスイッチ64の操作状況から収集し、その都度、運転状態データOSとして、又は調理実施データADの中に含めて第1サーバ321に提供する。
一方、前記加熱調理器100と通信可能なクラウドサーバ300には、前記嗜好情報を含めた加熱調理器の運転状態データOS又は調理実施データADの少なくとも何れか一方を、前記加熱調理器100から受信する機能と、前記お薦め食材情報547と、前記食材情報548とを、前記音声入出力器1000に送信する機能と、を具備すると良い。なお、この場合、前記音声入出力器1000に代えて、実施の形態1と2で説明したスマートフォン等の情報処理端末器200に送信しても良い。
すなわち、前記クラウドサーバは、
(1)前記加熱調理器100から受信した前記運転状態データOSから、当該加熱調理器100が加熱調理で消費した米の量を判定し、当該判定結果から、最低基準値よりも在庫量が低下した場合、前記食材情報548を生成し、前記情報処理端末器に送信する機能と、
(2)米種データベースから前記嗜好情報に合った米種の情報を抽出し、前記お薦め食材情報547を生成する機能と、
(3)前記お薦め食材情報547と、前記食材情報548と、を前記加熱調理器100と紐づけして前記情報処理端末器200に送信する機能と、
を具備した構成で加熱調理システムを実現する。
このような構成のシステムを構築することにより、ユーザーの好み(嗜好)にあったお米を、在庫切れの前に提案することができる。
なお、前記情報処理端末器200では、前記お薦め食材情報547と、前記食材情報548とをユーザーに送信した後、当該情報処理端末器200で通信販売のサイトに接続し、目的の米を発注するようにすれば更に便利である。図45では、そのような発注に便利なように、情報処理端末器200の端末側表示部216には、販売サイトの誘導情報(アイコン)550を設けていた。
この実施の形態3では、前記音声入出力器1000が、音声だけで全ての入力指令(但し、加熱動作開始指令を除く)を第2サーバ322経由で第1サーバ321に与えることができるので、前記したように、ユーザーが加熱調理器100の第1入力部20や第2入力部12を直接操作できない場面でも、加熱調理器100を遠隔操作することができ、便利である。
なお、第2サーバ322の機能を第1サーバ321に保有させれば、第2サーバ322は不要となる。その場合、前記音声入出力器1000や通信端末器200は、その第1サーバ321にネットワーク201(205)経由で接続されることになる。
なお、この実施の形態3は、実施の形態2で示した情報処理端末器200を使用した形態について、システム構成図やフローチャートを用いて動作を詳しく説明していないが、スマートフォン等の汎用の情報処理端末器200を併用しても良い。
また、前記食材情報548と、前記嗜好情報に合った米種の情報を抽出して生成した前記お薦め食材情報547と、を利用して米の発注まで行えるように、前記音声入出力器1000に代えてスマートフォン等の情報処理端末器200を使用したが、このような食材情報548とお薦め食材情報547を、音声で確認するだけであれば、前記した音声入出力器1000でも対応できるので、必ずしも情報処理端末器200を使用する必要はない。
実施の形態3の総括.
以上の説明から明らかなように、この実施の形態3において、第10の開示に係る加熱調理システムが、以下の構成によって詳細に開示されていた。
すなわち、この実施の形態3の加熱調理システムは、
内釜3を備えた炊飯ユニット1と、当該炊飯ユニット1が着脱自在に載置され、載置状態で前記内釜3を加熱する誘導加熱ユニット10と、無線通信部26と、主制御装置80と、を備えた加熱調理器100と、
前記加熱調理器100との間で通信を行うクラウドサーバ300と、
前記クラウドサーバ300と通信を行う音声入出力器1000又は通信端末器200と、を備えた加熱調理システムであって、
前記加熱調理器100は、前記誘導加熱ユニット10で実行できる調理のプログラムAと、前記炊飯ユニット1で実行できる調理のプログラムBと、を保有可能であり、
前記音声入出力器1000又は前記通信端末器200は、前記プログラムA又は前記プログラムBを前記加熱調理器100に送信する機能を備え、
前記加熱調理器100は、前記炊飯ユニット1が前記誘導加熱ユニット10に載置された「第1の状態」と、載置されていない「第2の状態」とにおいて、前記主制御装置80が起動されている場合、前記無線通信部26を介して外部から制御データCDをそれぞれ受信し、
前記加熱調理器100は、前記制御データCDの1つとして前記通信端末器200から受信した前記プログラムA又は前記プログラムBと、を制御データ記憶部80Aに保持させ、ユーザーによる第1調理モード又は第2調理モードの選択操作に応じて、前記プログラムA又は前記プログラムBによる加熱調理を実行し、
更に、前記加熱調理器100は、前記プログラムA又は前記プログラムBが適用された1つの調理メニューの、調理実施データADを前記クラウドサーバ300(第1サーバ321)に送信し、
前記音声入出力器1000又は通信端末器200は、前記クラウドサーバ300(第1サーバ321)から前記調理実施データADの情報を取得可能であることを特徴とする構成である。
この構成の加熱調理システムによれば、ユーザーが炊飯ユニット1の位置や所在に関係なく、誘導加熱ユニット10によって制御データCDを受信できる。
そのため、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10と別の場所(例えば、食卓の上)に単独で置いてある場合でも、その炊飯ユニット1を運んで正規位置に載置(セット)する作業をユーザーに強いることはない。
更に、前記制御データCDとして送信される前記加熱調理プログラムは、前記誘導加熱ユニット10を使用して調理メニューを実行するためのプログラムAと、前記炊飯ユニット1において調理メニューを実行するためのプログラムBとの、少なくとも1つを含んでいるので、受信したプログラムA又はBを利用して、各種の調理を実行できる、利便性を向上させることができる。
更に、前記加熱調理器100は、取得した前記プログラムA又は前記プログラムBが適用された1つの調理メニューに関し、調理実施データADをクラウドサーバ300に送信し、
前記音声入出力器1000又は通信端末器200は、前記クラウドサーバ300から前記調理実施データADの情報を取得可能であるため、調理実施データを利用して、ユーザーの利便性を向上させることが期待できる。
実施の形態4.
図46は、実施の形態4に係る加熱調理システムの構成図である。図47は、図46の加熱調理器の内部構成を示す制御ブロック図である。図48は、図46の加熱調理システムを構成する加熱調理器の、炊飯ユニットの平面図である。図49は、図46の加熱調理器の誘導加熱ユニットの制御動作を示すフローチャート1である。図50は、図46の加熱調理器の誘導加熱ユニットの制御動作を示すフローチャート2である。図51は、図46の加熱調理システムを構成する加熱調理器の、炊飯ユニットの平面図2である。図52は、図46の加熱調理システムを構成する情報処理端末器の主要な構成を示すブロック図である。図53は、図46の加熱調理システムを構成する第1サーバの動作ステップを示すフローチャートである。なお、図1~図45に説明した各実施の形態の構成と、同一又は相当部分は、同じ符号を付けている。
この実施の形態4では、炊飯ユニット1と誘導加熱ユニット10の構成を変更している。
また、クラウドサーバ300の構成を変更し、加熱調理器100に対して食品成分データも提供できるシステム構成にしている点で、実施の形態1~3と異なっている。
図46について説明する。
キッチン601の内部には、冷蔵庫800、加熱調理器100が設置されており、冷蔵庫800と加熱調理器100は、前記無線ルーター340と、それぞれ無線通信で情報の授受を行えるものである。
無線ルーター340は、インターネット等のネットワーク201のアクセスポイントでもある。無線ルーター340は、外部空間にある第1サーバ321にアクセスできる。
実施の形態1で説明したクラウドサーバ300は、この実施の形態4では、第1サーバ321と、第2サーバ322と、レシピ情報提供サーバ301と、後述する食品成分情報サーバ326と、を含んでいる。
加熱調理器100は、スマートフォン等の情報処理端末器200との無線通信400によって、レシピデータRDを含め、制御データCDを取得できる。そのレシピデータRDには、連携調理モードKM2の調理メニューを実行する調理制御データだけではなく、単独調理モードKM1の調理制御データも含まれる。
図46に示した第1サーバ321は、加熱調理器100を製造した会社(メーカ)が運営しているものであり、加熱調理器100に特有の特殊な制御や処理を良く理解しているので、加熱調理器100の運転状態(加熱動作中、非加熱動作中の両方を含む)を正確に把握することが可能である。
第1サーバ321は、加熱調理器100から後述するように各種「運転状態データ」OSを、前記無線ルーター340経由で随時取得する構成になっている。
前記運転状態データOSは、主電源スイッチ55のON-OFFを示すデータや、連携調理モードKM2の選択データ、加熱温度や加熱時間等の制御条件のデータ、炊き方の入力スイッチ(キー)64の操作履歴等、更にはトッププレート22の最新の温度計測データ等を含んでいる。
なお、前記レシピ情報提供サーバ301は、第1サーバ321の中に組み込んで一体化しても良い。前記食品成分情報サーバ326は、第1サーバ321と有線又は無線通信のネットワークで接続されている。
また、前記第1サーバ321は、個々の家庭の加熱調理器100が、前記した機器識別情報等を利用して予め登録されており、個々の加熱調理器100から送信された前記運転状態データOSは、当該加熱調理器100のユーザーと対応付けて取得する構成になっている。
第1サーバ321には、制御部321Cを有する。この制御部321Cは、前記第2サーバ321からの照会信号(コマンド)SNを解読し、その照会信号SNに応答して必要な制御情報を生成し、第2サーバ322に送信する。
また、多数の加熱調理器100から送信されて来る前記運転状態データOSと、個々の加熱調理器100のユーザーを識別するユーザーID(特定情報)とを分析し、個々のユーザーの加熱調理器100を、記憶部321Rで保有しているユーザー識別データベースの情報から特定する。
実施の形態1~3で説明したように、加熱調理器100からは、起動時やその他の各種の主要なイベント(加熱動作停止等)の際に、リアルタイムで運転状態データOSが第1サーバ321に送信されている。
また、実施の形態3では、加熱調理器100には、硬さスイッチ64(図5参照)のように、炊飯の前の時点で、ユーザーが炊飯後の米飯の硬さに関して「希望(好み)」を入力するので、この入力結果に対応した嗜好情報を、加熱調理器100の炊飯ユニット1で炊飯を行う都度、副制御装置50が第2入力部12の硬さスイッチ64の操作状況から収集し、その都度、運転状態データOSとして、又は調理実施データADの中に含めて第1サーバ321に提供する構成であった。この実施の形態4でも、この構成を採用している。
次に、図47について説明する。
実施の形態1と同様に、この加熱調理器100の主制御装置80は、加熱調理プログラム(レシピデータRD)によって加熱コイル14の通電を制御する。
前記加熱調理プログラム(レシピデータRD)は、前記誘導加熱ユニット10を使用して被調理メニューを実行するためのプログラムAと、前記炊飯ユニット1において被調理メニューを実行するためのプログラムBと、前記誘導加熱ユニット10と前記炊飯ユニット1の両方を使用して共通の被調理メニューを実行するためのプログラムCの、3種類のプログラムを保有する。
前記プログラムA、B、Cは、最初から加熱調理器100で全て保有している必要はなく、第1サーバ321や通信端末器200から取得したものでも良い。
前記連携調理モードKM2の調理メニューを実行するのは、前記プログラムCである。
誘導加熱ユニット10の制御を司る主制御装置80は、第1主制御装置80Aと、第2主制御装置80Bと、の2つから構成されている。第1主制御装置80Aと、第2主制御装置80Bのそれぞれは、マイクロコンピュータから構成されている。
前記第1主制御装置80Aが、加熱調理器100の全体を統合制御するホストコンピュータ(メインコンピュータ)の役目を担っている。第2主制御装置80Bは、前記第1主制御装置80Aに従属する関係にあり、スレーブマイコンとも呼ばれる。
前記第2主制御装置80Bは、第1入力部20、第1表示部70D1を含む報知手段70及び重量計測手段94からの入力信号や重量計測データを受ける。そのため、第1入力部20をユーザーが操作した結果の入力操作信号は、前記第2主制御装置80Bから第1主制御装置80Aにインプットされる。
第1入力部20からの入力を受けて前記第1主制御装置80Aから重量計測指令信号W1が前記第2主制御装置80Bに送信された場合、当該指令信号W1を受けて第2主制御装置80Bは、前記重量計測手段94に対して重量計測を指令する。
また、炊飯ユニット1を載置した状態では、第2入力部12からの入力を受けて(後述する)第2副制御装置50Bが重量計測指令信号W2を発する。この指令信号W2を受けたことが、赤外線通信部Bからの赤外線信号で、前記第1主制御装置80Aに伝達される。
そして、前記指令信号W2に対応して、前記第1主制御装置80Aから重量計測指令信号W3が前記第2主制御装置80Bに送信された場合、当該指令信号W3を受けて第2主制御装置80Bは、前記重量計測手段94に対して重量計測を指令する。
前記第1主制御装置80Aは、前記第2主制御装置80Bからの入力信号を受けて、炊飯ユニット1で必要なデータ(例えば、重量計測手段94の重量計測結果)を、前記赤外線通信部A34から発信させる。
また、インバーター回路73と電源部72を制御する。また、電源回路52の電源供給も制御する。
一方、炊飯ユニット1において、当該炊飯ユニット1の制御を司る副制御装置50は、第1副制御装置50Aと、第2副制御装置50Bと、の2つから構成されている。
これら第1副制御装置50Aと、第2副制御装置50Bのそれぞれは、マイクロコンピュータから構成されている。50ARは、第1副制御装置50Aの記憶手段を示し、50BRは、第2副制御装置50Bの記憶手段である。
前記第1副制御装置50Aが、炊飯ユニット1の全体を統合制御する役目を担っている。第2副制御装置50Bは、前記第1副制御装置50Aを介して、誘導加熱ユニット10に対し、ユーザーの入力操作情報を送信する。
前記第2副制御装置50Bは、第2入力部12と、第3入力部18とからの入力信号を受け付ける。
また、前記第2副制御装置50Bは、前記第2表示部11Aと、第3表示部11B及び音声報知手段90Vを含む報知手段90を制御する。
以下の説明では、特に区別が必要でない限り、前記第1主制御装置80Aと前記第2主制御装置80Bを総称して、主制御装置80と呼ぶ。また、前記第1副制御装置50Aと前記第2副制御装置50Bを総称して、副制御装置50と呼ぶ。
次に、図48について説明する。この図48は、加熱調理器100の蓋体1Bの前半部分の平面図である。蓋体1Bのほぼ左右中央には、液晶表示画面等から構成された第2表示部11Aが配置されている。
図48は、実施の形態1で説明したプログラムCを加熱調理器100が取得し、そのプログラムが対象とする調理メニューの内容を、炊飯ユニット1で確認する場面を示している。
12は、第2入力部(第2の操作入力手段)である。
第2入力部12においてユーザーが入力した結果が、第2表示部11Aに表示される。また、外部から取得した前記加熱調理プログラム(レシピデータRD)の内容も、この第2表示部11Aに表示される。最初から加熱調理器100の主制御装置80が保有している加熱調理プログラム(レシピデータRD)の内容も、第2入力部12から呼び出して、第2表示部11Aに表示させることができる。
第2表示部11Aには、現在時刻情報と、米種表示部60と、硬さ表示部61と、メニュー表示部62とが表示される。また、第2表示部11Aの外側で左側には、米種スイッチ63と、硬さスイッチ64と、メニュースイッチ65と、切/保温スイッチ66と、直前の入力を取り消すための取消スイッチ79と、が設けられている。これらは、実施の形態1と同じである。
第2表示部11Aの外側で右側には、炊飯スイッチ67と、予約スイッチ68と、時刻スイッチ69と、カロリー報知スイッチ49と、がそれぞれ設けられている。
炊飯動作開始後は、前記切/保温スイッチ66を押すと、炊飯中止の指令信号が副制御装置50に対して発せられる。また、保温動作開始後は、前記切/保温スイッチ66を押すと、保温中止の指令信号が発せられる。この実施の形態4では、むらし工程に続いて自動的に、ある時間内(例えば1時間や3時間、6時間等)は保温工程が実行されるような制御プログラムになっている(主制御装置80に格納された炊飯動作の制御プログラムによる)。
誘導加熱ユニット10が外部からレシピデータRDを取得した場合、当該レシピデータRDの取得が炊飯ユニット1の副制御装置50に、赤外線信号で伝達される。この赤外線信号は、赤外線信号送受信部A(34)から赤外線信号送受信部B(35)へ送信される信号である。
次に、図48について説明する。
図48に示しているように、誘導加熱ユニット10経由で炊飯ユニット1が、前記レシピデータCDを取得した場合、第2表示部11Aには、レシピデータ情報159が表示される。
レシピデータ情報159は、取得したレシピデータCDの識別情報を特定した表示情報159Cを含んでいる。この図48の場合では、炊き込みご飯のレシピデータであることが文字で示されている。つまり、ここでいう「識別情報」は、「〇〇ご飯」という調理名である。
159Aと159Bは、取得したレシピデータCDの重要な情報の1つとして表示された、工程情報である。
この図48は、連携調理モードKM2のためのプログラムCをレシピデータCDとして取得した例を示すものであり、実際の調理は、炊飯ユニット1と誘導加熱ユニット10の両方を使用することになる。
前記工程情報159Aは、最初に炊飯ユニット1で炊飯準備をすることを示している。
他方の前記工程情報159Bは、その後の調理(炊飯)工程の内容を示している。
前記工程情報159Bは、この図48の例では、誘導加熱ユニット10で具材を煮込みことを、「IHで具材を煮込む」という文字で簡潔に説明している。
つまり、取得したレシピデータCDの調理は、炊飯ユニット10の方では、内釜3に米と水や、調理液等を入れて、炊飯を開始できる準備を先にするように推奨している。これは、実施の形態1でも説明したが、炊飯前には、一定の時間以上の吸水工程が必要であるため、先にこれを準備するように前記工程情報159Aが示している(ユーザーへの推奨情報である)。
前記工程情報159Bは、炊飯ユニット1を別の場所に移動させた状態で誘導加熱ユニット10の上に、鍋等の被加熱物を置いて、ご飯に混ぜ込むための具材をある程度煮込むことを示している。
そして、この誘導加熱ユニット10の加熱調理で出来上がった具材は、その後、炊飯ユニット1の内釜3に入れ、炊飯ユニット1を誘導加熱ユニット10で加熱して、ご飯を炊き上げることになる。
以上の説明から明らかなように、第2表示部11AにレシピデータCDの内容が図48のように表示された段階では、取消スイッチ79を押さない限り、副制御装置50は、取得したレシピデータCDに従って、プログラムCに基づく連携調理モードKM2の調理(この図48では「炊き込みご飯」)の実行に進むことができる。
なお、この図48の段階で、プログラムCに基づく連携調理モードKM2の調理(この図48では「炊き込みご飯」)について、栄養成分データDDを表示するのは、カロリー報知スイッチ49ではない。特定の調理物(食品)の成分と栄養成分のデータ(例えば、栄養成分の内の、エネルギー量や、鉄分)は、レシピデータCDと共に加熱調理器100が通信端末器200から受信しているので、音声入力モードの表示部120が図48のように点灯している場合には、ユーザーが「栄養素(えいようそ)」などの指令を声で発すれば、第2表示部11Aの中の画面構成が切り替わり、食品成分と栄養成分の情報を表示する専用の画面に切り替わる。そして、一定の時間で元の表示内容に戻る。
外部からレシピデータRD等の制御データを取得したあと、その制御データを取り消す場合には、前記取消スイッチ79を押せば良い。これを押せば、制御データCDの取得前の状態に戻すことができる。つまり、通常の加熱調理を開始する初期状態になる。
なお、この実施の形態4では、実施の形態1で説明した音声入力モードを選択するための、音声モードスイッチ12VKを設けていない。
しかしながら、レシピデータCDが取得された段階(図48)では、自動的に音声入力モードの有効になる。なお、音声報知手段90Vから「音声入力モードが有効になりました」という案内が出て、以後、音声で入力できる。音声入力モードが有効になった時点から、音声入力モードの表示部120が図48に示すように点灯する。
次に、図49について説明する。
この図49は、実施の形態1の図12と同様に、炊飯ユニット1を使用した炊飯等の加熱調理動作時における、誘導加熱ユニット10の動作ステップを示すものであり、主制御装置80の主要な動作を示している。
図49において、動作ステップS1~S7は、図12で説明したものと同じであるので、重複した説明は省略する。
図49における、ステップS7A以降について説明する。
初期待機期間TPに至る前に、スマートフォン等の情報処理端末器200と加熱調理器1との間では、相互認証を行ってあれば、加熱調理器100の起動時に、加熱調理器100から、自動接続のための「スキャン信号」を送信すると、加熱調理器100と情報処理端末器200(図46参照)との間で、自動接続のための相互通信が行われる。なお、情報処理端末器200側からスキャン信号を送信しても良い。
加熱調理器100と情報処理端末器200との間の接続が確立すると、加熱調理器1と通信端末器200との間で、相互に直接無線通信できる状態が継続する。
通信端末器200が、ユーザーの移動に伴って移動し、加熱調理器100との距離が離れると、一時的に通信できない状態になる場合があるが、通信可能な範囲(距離)に戻れば、自動的に接続状態は回復する。この場合、スマートフォン等の情報処理端末器200と加熱調理器1との間では、屋外のネットワーク205を経由せずに、屋内で加熱調理器100と情報処理端末器200が通信して情報の授受ができる。
一方、情報処理端末器200と加熱調理器100との間の接続が確立しない状態(例えば、情報処理端末器200が起動していない場合)において、加熱調理器100が予め起動時に事前に設定した第1サーバ321と接続する設定にしていた場合、加熱調理器100は、図46に示したアクセスポイント(無線ルーター)340を介して第1サーバ321に自動的に接続される。
そして、第1サーバ321から制御データCDを無線通信部26経由で取得する(ステップS7B)。この取得した制御データCDは、事前に定めた通信フォーマット形式を満たしているかどうかの判定が行われ、形式的条件を満たしている場合には、第2表示部11Aにおいて、制御データCDの受信を報知し、また、報知手段70によっても音声で報知される(ステップS8)。
なお、この実施の形態4では、前記連携調理モードKM2の調理メニューを実行するため、誘導加熱ユニット10と炊飯ユニット1の両方を使用するので、既に他の調理メニューの実行によって、それら誘導加熱ユニット10と炊飯ユニット1の一方が、使用中である場合には、前記連携調理モードKM2の設定はできないようになっていた。これは、外部から取得するレシピデータRDにも適用していた(この制限機能を「許可条件判定」と呼んでいた)。
この実施の形態4では、前記制限機能の「許可条件判定」は、実施の形態2とは少し異なっており、炊飯ユニット1を使用して炊飯等を行う(単独)調理モードKM1にも適用している。
更に、レシピデータRDを含めて、制御データCDを取得する場合には、誘導加熱ユニット10と炊飯ユニット1の両方とも、加熱動作中でない場合に限って、前記「許可条件判定」で「OK」となる。
以上のような許可条件判定ルールであるから、図49の場合は、ステップS7Bの段階では、加熱動作中ではないから、レシピデータRDを含めて、制御データCDを取得できる。
次のステップS8Aが、この実施の形態4の特徴の1つである。
このステップS8Aでは、前回の加熱調理時に加熱調理器100から外部(第1サーバ321等)に送信された調理実施データADを分析した結果に基づいて、第1サーバ321で生成された改良データKDの存在が第2表示部11Aで表示される。
前記改良データKDは、前記制御データCDの1種として送信されたものである。第1サーバ321は、改良データKDを単独で送信する場合もあるが、レシピデータRDの送信時に、一括して送信する場合もある。
実施の形態1~3で説明したように、加熱調理器100からは、起動時やその他の各種の主要なイベント(加熱動作停止等)の際に、リアルタイムで運転状態データOSが第1サーバ321に送信されている。
この実施の形態4でも図46で説明したように運転状態データOSが第1サーバ321に送信されているので、第1サーバ321では、図49に示すような起動を検知し、前回の調理実施データADに含まれた、ユーザーの「嗜好情報」を取得できる。
第1サーバ321は、前記嗜好情報に役立つ情報や、硬さスイッチ64で入力すべき「炊きあがりの硬さに関する情報」(設定用データ)を加熱調理器100に送信する。
このような「嗜好情報」に対応しているものが、前記改良データKDである。
前記改良データKDの存在は、主制御装置80からの表示指令(ステップS8A)に応じて、炊飯ユニット1側において、図51に示すように改良情報160と、改良推奨情報160Aによってユーザーに知らされる。
そして、炊飯ユニット1では、報知手段70によって、これから炊飯動作を行うことが報知され、第2操作部12において、前記制御パラメータ(改良データKD)を採用するために、スイッチ67を押すように推奨する(報知手段90によって報知する)。
なお、この段階では、第1表示部70D1には、制御データCDを受信可能であることや、前記制御パラメータを設定することは一切表示しない。また、第1表示部70D1は、実施の形態1に示した構成であれば、炊飯ユニット1が、当該第1表示部70D1を含めた全体の上方を覆っているので、ユーザーには視認できない。
次のステップS9では、炊飯ユニット1において炊飯開始の指令が行われたかどうかを判断するため、初期の待機状態に入る。つまり、前記初期待機期間TPに入る。
炊飯ユニット1を載置したあと、内釜3の中の水の量を調節する等、実際の炊飯開始までに、ユーザーが準備するための時間が必要である。そのため、初期待機期間TPの経過時間を計時手段80Tで計測する(S10)。
無線通信部26は、この初期待機期間TPの段階では既に電源が供給され、起動している。例えば、前記ステップS6の判定の結果が「Yes」であった場合、電源回路52からの電力の供給が開始される。従って、外部から制御データCDが送信された場合には、ステップS7以降に、当該制御データCDを受信できる。
この図12では、実際に制御データCDを加熱調理器100が取得したタイミングを示していないが、第2表示部11Aに受信可能情報(受信可能マーク)57Bが表示された時点で、メニュースイッチ(キー)65(図5参照)を押せば、制御データCDの受信動作が開始される。つまり、前記初期待機期間TPの開始前に、制御データCDを取得できることが、実施の形態1とは異なっている。
なお、制御データCDを主制御装置80側のバッファメモリ(図示せず)で完全に記憶させるまでの間は、無線通信部26と情報処理端末器200との間で、数回に亘って交信が行われる場合があり、無線通信の速度等に依存するため、瞬時に(1回で)全ての制御データCDの受信が終わる訳ではない。
ステップS10の後で、炊飯を開始したことを示す指令信号がなく(S11)、無線通信部26を経由した炊飯取消の指令信号もなく(S12)、ステップS10の段階から所定時間TM1(例えば、60分)を経過した場合(S13:図50参照)、主制御装置80は、何らかの理由で炊飯を見合せているものと判断する。
このように、初期待機期間TPは、所定時間TM1を経過するとステップS13の時点で自動的に終了する。なお、この所定時間TM1は、ステップS8の時点から計測しても良い。その場合、ステップS10を、ステップS8の直後に設ける。
次に図50について説明する。
図50のステップS13の判定結果が「Yes」である場合、つまり、所定時間TM1を超過した場合には、主制御装置80は送電コイル17の駆動準備の取消指令を出し、また冷却ファン13の運転(送風強度は弱)を停止する(S14)。なお、ステップS13の前に、冷却ファン13の運転を開始していない場合には、運転の停止指令は必要ない。
次に炊飯ユニット1では、音声報知手段90V等の報知手段90によって、炊飯動作をキャンセルしたことが報知される(S15)。
前記初期待機期間TPは、既にこの時点では終了しているので、外部から制御データCDが送信されても、このステップS15段階では、当該制御データCDは誘導加熱ユニット10で取得しない。
ステップS10の段階から所定時間TM2(例えば、61分)を経過した場合(S16)、主制御装置80は、第1入力部20からの入力機能無効化処理を解除する(S17)。このため、この段階で、例えば、炊飯ユニット1を他の場所へ移動させれば、それ以後は、第1入力操作部20を操作して、誘導加熱ユニット10で別の加熱調理を開始できる。なお、この第1入力操作部20の操作も無い場合には、主制御装置80は、自ら主電源を自動で遮断し、不用意に加熱動作が行われないように安全性を考慮した動作をする(S18)。
次に図51について説明する。
図51は、図48と同様に、炊飯ユニット1の蓋体1Bの平面図である。
この図51の第2表示部11Aの状態は、誘導加熱ユニット10から図49のステップS8Aの指令を、受けた状態を示している。
図51において、160は、第2表示部11Aの中に文字で表示された改良情報160である。改良情報160は、前記改良データKDの存在を簡潔に表示する内容であれば良い。図51に示した例では「到着情報」と「ご飯の硬さ改善」と表示しており、外部からご飯の硬さについて改善する情報が加熱調理器100に到着していることが、ユーザーには容易に理解できる。なお、この改良情報160の内容を、音声報知手段90Vで、更に報知しても良い。
160Aは、改良情報160に関係してユーザーに推奨する事項を示した改良推奨情報である。図51に示した例では、前回の炊飯時に「硬すぎる」と評価されたので、改良した制御プログラムを(加熱調理器100が)取得していることと、その改良ソフトウエアで炊飯するかどうかの確認を求めている。この改良ソフトウエアで炊飯するならば、スイッチ67を押すことを示し、もし中止するならは、「取消」のためのスイッチ79を押すように案内している。
なお、この図51で示した「改良ソフト」とは、炊飯工程の全体に亘る動作プログラムでも良いが、炊き方(ご飯の硬さ)のスイッチ64で設定する「設定用データ」だけでも良い。
この図51の状態でスイッチ67を押して加熱調理が開始できるように、図51の段階、すなわち、図49のステップS8Aの時点では、硬さスイッチ64にてユーザーが入力すべき、炊きあがりの硬さに関する情報(設定用データ)は、無線通信部26を経由して主制御装置80で取得されており、また、第1副制御装置50Aの記憶手段50AR又は、第2副制御装置50Bの記憶手段50BRに格納されている。なお、炊飯ユニット1に伝達された外部からの前記設定用データは、その後、第2入力部12において変更可能である(図49のステップS10A参照)。
次に、図52について説明する。
前記情報処理端末器200は、この実施の形態4においては、加熱調理器100のために無線ルーター340に直接通信できる。
この情報処理端末器200は、基本的な構成は実施の形態2で説明した情報処理端末器200と同じであるが、図52で示すように、加熱調理器データベース217には、食品成分・栄養成分データ226を有している。
情報処理端末器200には、実施の形態2では加熱調理器データベース217と報知用データ223を最初から保有していた(図34参照)。しかし、この実施の形態4では、前記報知用データ223と遠隔操作用データ224は、情報提供手段である第1サーバ321に、ネットワーク201(205)を介して接続し、その第1サーバ321からダウンロードして取得したものでも良い。
また、加熱調理器データベース217には、食品成分・栄養成分データ226を格納している。この食品成分・栄養成分データ226は、各種の食品成分情報を提供する食品成分情報サーバ326から第2サーバ322経由で取得したものである。なお、図46において、符号DDは、食品成分と栄養成分データの両方を包含した食品成分情報である。
前記食品成分情報サーバ326は、例えば、文部科学省が一般に公開している「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」のデータを利用するものでも良い。
情報処理端末器200は、加熱調理器100に対して調理条件データCDと、加熱調理動作を指令すること等の遠隔操作情報RSとを、それぞれ送信できる。
図52において、情報処理端末器200は、実施の形態2で説明したように、音声を所定の音声入力信号VSに変換する音声入力部222を有している。
従って、この情報処理端末器200に、ユーザーが発声すると、音声入力信号(音声データ)VSを、第2サーバ322に送信することができる。つまり、タッチ操作部215に触れなくとも、必要な入力操作ができる。
ユーザーは、加熱調理器100が起動されているときに、音声によって情報処理端末器200に発話情報を与えて、例えば、レシピ情報提供サーバ301から希望する調理条件データを抽出し、加熱調理器100に提供することができる。
例えば、前記発話情報としては、音声入力信号VSを受信する相手が、第2サーバ322であるため、例えば「〇〇〇(第2サーバ322を特定する名称、愛称の一例)、連携調理のレシピを探して」等が挙げられる。
「〇〇〇、レシピを探して」という発話情報は、加熱調理器100に適用できる外部指令情報の1つである。
また、「〇〇〇、連携調理のレシピを探して」という発話情報は、加熱調理器100のための調理モードを指定する情報である。
さらに、「〇〇〇、レンジとIHで出来るレシピを探して」という発話情報は、連携調理モードKM3で可能な調理メニューを抽出する発話情報である。
これらの、発話情報は、第2サーバ322において、あらかじめ用意されているスタンダードコマンドに変換できる発話情報である。
ユーザーから通信端末器200に発せられた発話情報は、情報処理端末器200において、テキストデータに変換され、発話情報のテキストデータ(音声入力信号VS)形式で、前記第2サーバ322に送信される。
第2サーバ322の制御部322Cは、入出力部322Aを介して、テキストデータ(音声入力信号VS)を受信し、記憶部322Rに記憶されているスタンダードコマンドに変換できるか否かを判断する。
制御部322Cは、発話情報(音声入力信号VS)のテキストデータからスタンダードコマンドとして用意されている各種コマンドに変換する。ここでいう「コマンド」には、前記レシピ情報提供サーバ301に格納されているレシピデータベース(調理条件データベース)の中から、1つの調理を実行するレシピデータ(調理条件データCD)を抽出する指令を含む。なお、前記入出力部322Aは、例えばAPIゲートウェイである。
第1サーバ321と第2サーバ322は、インターネット等のネットワーク201によって接続されている。
第2サーバ322の入出力部322Aから第1サーバ321に対しては、照会信号(照会データ)SNが送信される。この照会信号SNは、例えば前記調理条件データCDを、レシピ情報提供サーバ301から抽出することを要求する指令である。また、加熱調理器100の運転状態の各種データ(例えば、調理工程の内容や進捗度合い)を知りたい場合に、通信端末器200の入力操作で発生する指令信号である。つまり、これらデータは、ユーザーのための、操作支援データGSである。
なお、第2サーバ322は、加熱調理器100に特有の特殊な制御や処理を必要としないので、既存のサーバ、例えばAIアシスタント、インテリジェントアシスタント、スマートスピーカ等の各種システムのサーバを利用することができる。
次に図53について説明する。
図53は、第1サーバ321の動作ステップを示すフローチャートである。この図53は、第1サーバ321が前記運転状態データOS(受信可能期間開始信号SK1A)を受信した以降の主な動作を示したタイムチャートである。前記受信可能期間開始信号SK1Aは、実施の形態2の特に図36において詳しく説明した。
図53において、SV20は、第1サーバ321が前記受信可能期間終了信号SK1Bを受信したステップを示している。
SV21は、「調理条件データCDの送信制限」のステップである。
前記「調理条件データCDの送信制限」の目的の1つは、レシピ情報提供サーバ301にアクセスして、調理条件データCDを取得すること(読み出し動作)を停止することである。
前記「調理条件データCDの送信制限」の目的のもう1つは、第2サーバ322に対して、前記レシピ情報提供サーバ301から取得した調理条件データCDを提供すること(送信動作)を停止することである。
これにより、前記ステップSV20以降において、情報処理端末器200がレシピ情報提供サーバ301から調理条件データCDを取得することができなくなる。
次のステップSV22は、加熱調理器1から受信可能期間開始信号(SK1A)の受信があったかどうかの判定ステップである。
ステップSV22が「Yes」の判定であった場合、次のステップSV24では、前記ステップSV21の制限が解除される。
前記ステップSV22が「No」の判定であった場合、次のステップSV23では、加熱調理器100から受信可能期間開始信号(第2の受信許可データSK13A)の受信があったかどうかの判定が行われる。
ステップSV23が「Yes」の判定であった場合、次のステップSV24では、前記ステップSV21の制限が解除される。
実施の形態4の総括.
以上の説明から明らかなように、この実施の形態4においては、第9の開示に係る加熱調理システムが、以下の通り開示されていた。
すなわち、この実施の形態4の加熱調理システムは、
内釜3を備えた炊飯ユニット1と、当該炊飯ユニット1が着脱自在に載置され、載置状態で前記内釜3を加熱する誘導加熱ユニット10と、無線通信部26と、主制御装置80と、を備えた加熱調理器100と、
前記加熱調理器100との間で通信を行う情報処理端末器(通信端末器)200と、を備えた加熱調理システムであって、
前記加熱調理器100は、前記誘導加熱ユニット10で実行できる調理のプログラムAと、前記炊飯ユニット1で実行できる調理のプログラムBと、前記誘導加熱ユニット10と前記炊飯ユニット1とを連携させて実行できる調理のプログラムCと、を保有し、
前記情報処理端末器200は、前記プログラムA、B及びCを前記加熱調理器100に送信するデータ送信部231を備え、
前記加熱調理器100は、前記炊飯ユニット1が前記誘導加熱ユニット10に載置された「第1の状態」と載置されていない「第2の状態」の何れにおいても、前記主制御装置80が起動されている場合、前記無線通信部26を介して外部から制御データCDを受信し、
前記加熱調理器100は、前記制御データCDの1つとして前記情報処理端末器200から受信した前記プログラムA、B又はC、を制御データ記憶部80Aに保持させ、ユーザーによる選択操作(例えば、スイッチ65又は41A1の操作)に応じて、前記制御データ記憶部80Aから前記プログラムA、B又はCを読み出し、
更に、前記加熱調理器100は、取得した前記プログラムA、B又はCが適用された1つの調理メニューの調理工程が終了するまでの間、新たな前記プログラムA、B又はCを取得しないことを特徴とする構成である。
この構成の加熱調理システムによれば、炊飯ユニット1の位置や所在に関係なく、誘導加熱ユニット10によって制御データCDを受信できる。
そのため、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10と別の場所(例えば、食卓の上)に単独で置いてある場合でも、その炊飯ユニット1を運んで正規位置に載置(セット)する作業をユーザーに強いることはない。
更に、前記制御データCDとして送信される前記加熱調理プログラムは、前記誘導加熱ユニット10を使用して調理メニューを実行するためのプログラムAと、前記炊飯ユニット1において調理メニューを実行するためのプログラムBと、前記誘導加熱ユニット10と前記炊飯ユニット1の両方を使用して共通の(被調理物の)調理メニューを実行するためのプログラムCと、3種類を含んでいるので、受信したプログラムA、B、Cを利用して、各種の調理を実行できる、利便性を向上させることができる。
更に、前記加熱調理器100は、取得した前記プログラムA、B又はCが適用された1つの調理メニューの調理工程が終了するまでの間、新たな前記プログラムA、B又はCを取得しないので、同時に複数のプログラムを取得して加熱開始待機状態にすることはなく、ユーザーの混乱や誤操作を招くことも回避でき、使い勝手を向上させたシステムが実現できる。
更に、特に図48で説明したように、実施の形態4の前記加熱調理器100は、取得したレシピデータ(例えば、プログラムC)を加熱調理器100で、調理開始の前に詳細を確認することができる。
すなわち、この実施の形態4の加熱調理器100では、炊飯ユニット1の第2表示部11Aで、前記プログラムBとCの内容が確認できる。
プログラムAは、誘導加熱ユニット10だけの調理であるため、第1表示部70D1で確認できる。
図48では、プログラムCの場合だけについて説明したが、前記加熱調理プログラム(レシピデータRD)の内、プログラムCの内容は、第2表示部11Aに表示される。
更に、第2表示部11Aには、レシピデータ情報159が表示される。
レシピデータ情報159は、取得したレシピデータCDの識別情報を特定した表示情報159Cを含んでいる。
更に、第2表示部11Aには、取得したレシピデータCD(プログラムC)の重要な情報の1つとして、工程情報159A、159Bを表示している。
そのため、図48で説明したように、前記工程情報159A、159Bよって、最初に炊飯ユニット1で炊飯準備をすることや、次に誘導加熱ユニット10で具材を煮込みこと等の工程の準備作業を、ユーザーが最初の段階で確認できる。
このため、この実施の形態4の第9の開示に係る加熱調理システムによれば、ユーザーが特に炊飯ユニット1と誘導加熱ユニット10の両方を必要とするような連携調理モードKM2の調理も、加熱調理器100から示される情報によって容易に行うことができる。
更に、この実施の形態4においては、プログラムCに基づく連携調理モードKM2の調理等の際に、第2表示部11Aにおいて栄養成分データDDを表示させることができる。
そのため、例えば栄養成分の表示画面(図示せず)の中に、エネルギー量(カロリー換算値)、たんぱく質、脂質及び鉄分の量をグラム単位で表示させることができる。
このような構成であるため、連携調理モードKM2によって具体的な調理メニューの調理を実行する場面で、当該調理メニューに係る調理物の成分や、栄養素の情報を簡単に知得することができる。
以上のことから、ユーザーによる調理メニューの選択操作の利便性を向上させることができる。例えば、家族の健康管理、食事制限等の状況に応じて、ユーザーが食品成分量や栄養成分量の情報から、適切な調理メニューを選択することができ、食生活の改善に貢献することができる。
更に、この実施の形態4においては、第10の開示に係る加熱調理システムが、以下の通り開示されていた。
すなわち、この実施の形態4の加熱調理システムは、
加熱源(加熱コイル14)を備えた誘導加熱ユニット(第1ユニット)10と、当該第1ユニット10に載置され、載置状態で前記加熱源に加熱される炊飯ユニット(第2ユニット)1と、を備えた加熱調理器100と、
前記加熱調理器100との間で通信を行う情報処理端末器200と、を備えた加熱調理システムであって、
前記加熱調理器100は、「第1の状態」と「第2の状態」の何れにおいても加熱調理動作を実行でき、
前記加熱調理器100は、前記誘導加熱ユニット10で実行できる調理のレシピデータAと、前記炊飯ユニット1で実行できる調理のレシピデータBと、前記誘導加熱ユニット10と前記炊飯ユニット1とを連携させて実行できる調理のプログラムCと、を保有し、
前記情報処理端末器200は、前記レシピデータA、B又はCを、前記加熱調理器100に送信する調理条件データ送信部231を備え、
前記加熱調理器100は、前記情報処理端末器200から受信した前記レシピデータA、B又はC、を制御データ記憶部80Aに記憶させ、さらに、ユーザーによる調理モードの選択操作に応じて、前記制御データ記憶部80Aから前記レシピデータA、B又はCを読み出し、
前記加熱調理器100は、前記レシピデータA、B又はCが取得された後、調理工程が開始される前に、前記調理モードの選択が取り消された場合、新規に前記レシピデータA、B又はCを、取得できることを特徴とする構成である。
この構成の加熱調理システムによれば、炊飯ユニット1の位置や所在に関係なく、誘導加熱ユニット10によって制御データCDを受信できる。
そのため、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10と別の場所(例えば、食卓の上)に単独で置いてある場合でも、その炊飯ユニット1を運んで正規位置に載置(セット)する作業をユーザーに強いることはない。
更に、前記制御データCDとして送信される前記加熱調理プログラムは、前記誘導加熱ユニット10を使用して調理メニューを実行するためのプログラムAと、前記炊飯ユニット1において調理メニューを実行するためのプログラムBと、前記誘導加熱ユニット10と前記炊飯ユニット1の両方を使用して共通の(被調理物の)調理メニューを実行するためのプログラムCとの、3種類を含んでいるので、受信したプログラムA、B、Cを利用して、各種の調理を実行できる、利便性を向上させることができる。
更に、前記加熱調理器100は、前記プログラムA又は前記プログラムBが取得された後、調理工程が開始される前に、調理モードの選択を取り消した場合、新規に前記プログラムA、B又はCを取得できるので、同時に複数のプログラムを取得して加熱開始待機状態にすることはなく、ユーザーの混乱や誤操作を招くことも回避でき、使い勝手を向上させたシステムが実現できる。
更に、この第10の開示のシステムに関して、前記クラウドサーバ300は、前記情報処理端末器200を経由せずに通信ネットワークで前記加熱調理器100と接続される第1サーバ321と、前記情報処理端末器200と通信ネットワークで接続される第2サーバ322と、を有し、
前記第1サーバ321は、
(1)前記加熱調理器100から受信可能期間終了信号SK1Bを示すデータを受信した場合、前記第2サーバ322に対して前記レシピデータA、B又はCの提供を制限し、
(2)前記加熱調理器100から受信可能期間開始信号SK1A、SK13Aを示すデータを受信した場合(図49参照)、前記第2サーバ322に対して前記レシピデータA、B又はCの提供を許可する(図49のステップSV24参照)ことを特徴とする構成である。
この構成であるため、前記加熱調理器100に対するレシピデータの送信が、第1サーバ321側で制御され、加熱調理器100側に適当でない時期に、レシピデータを送信することがないから、外部からの通信で加熱調理器100に悪影響を及ぼすことが未然に防止される。
更に、この実施の形態4においては、第2の開示に係る加熱調理器100が、以下の構成で開示されていた。
すなわち、
米を収容する内釜3と、第2入力部12と、赤外線通信部B35と、を備えた炊飯ユニット1と、
前記炊飯ユニット1が上面に載置された状態で、前記内釜3を加熱できる加熱コイル14を内蔵した誘導加熱ユニット10と、
を備え、
前記誘導加熱ユニット10には、前記赤外線通信部B35と情報を授受する赤外線通信部A34と、加熱調理プログラムに従って動作する主制御装置80(第1主制御装置80A、第2主制御装置80B)と、を備え、
前記誘導加熱ユニット10には、外部と無線通信を行う無線通信部26と、第1入力部20と、記憶手段80Rと、を具備し、
前記誘導加熱ユニット10は、前記炊飯ユニット1が上面に載置された「第1の状態」と載置されていない「第2の状態」において、前記主制御装置80が起動されている場合、前記無線通信部26を介して外部から制御データCDを受信し、
前記誘導加熱ユニット10は、調理実施データADとして、調理メニューの情報(調理メニューの識別情報、炊飯量、米重量換算値、調理の日時、前記「嗜好情報」等を含むがこれに限定されない。また、これらの一部でも良い)を、前記無線通信部26から自動的に外部へ送信する構成であった。
更に、前記誘導加熱ユニット10は、前記「嗜好情報」に関する、前記改良情報160と前記改良データKDとの、少なくとも何れか一方を受信し、前記炊飯ユニット1において改良推奨情報160Aとして報知(第2表示部11Aで表示)する構成であった。
この構成の加熱調理器によれば、炊飯ユニット1の位置や所在に関係なく、誘導加熱ユニット10によって制御データCDを受信できる。
そのため、炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10と別の場所(例えば、食卓の上)に単独で置いてある場合でも、その炊飯ユニット1を運んで正規位置に載置(セット)する作業をユーザーに強いることはない。
更に、調理実施データADが自動的に外部へ提供されるので、当該調理実施データADを取得して、調理の条件や米の消費状況の確認等、食生活の改善や加熱調理器の有効活用に利用することができる。
更に、被加熱調理物(ご飯等)の出来上がり具合に関して加熱調理前に第2入力部12等で入力したユーザーの希望内容、嗜好情報は、外部の情報処理機器(第1サーバ321等)によって利用され、前記「嗜好情報」に関する、改良情報160と改良データKDとの、少なくとも何れか一方として受信することができるから、ユーザーの好みに応じた加熱調理条件で調理することができる。または、ユーザーに有益な設定の仕方の情報を提供できる。
なお、この第9の開示で示した前記嗜好情報の活用に関する構成は、炊飯ユニットと誘導加熱ユニット10が一体化され、分離できない構成の加熱調理器にも適用できる。
その他の実施形態と変形例.
前記実施の形態1~4では、基準位置判定手段33を構成するものが、誘導加熱ユニット10側では赤外線信号送信部A(34)であり、炊飯ユニット1側では赤外線信号送受信部B(35)であった。そして誘導加熱ユニット10側から最初に赤外線信号を発信し、炊飯ユニット1側からの赤外線信号の応答を確認して、炊飯ユニット1の載置位置が基準となる位置にあるかどうかを判定する方法であったが、このように双方向からそれぞれ別々に赤外線信号で情報を送信する形態を採用しなくとも良い。例えば、誘導加熱ユニット10側から最初に赤外線信号を発信し、その反射光の状態を誘導加熱ユニット10側で判定する方法でも良い。
前記実施の形態1~4では、誘導加熱ユニット10の主制御装置80に、炊飯動作を実行できる基本的な炊飯制御の動作プログラム(コンピューターソフトウエア)が格納され、それを利用して炊飯を行ったが、必ずしもこのように誘導加熱ユニット10で自律的に炊飯動作を実行できる動作プログラムを用意していなくとも良い。その場合は、炊飯ユニット1側の副制御装置50に炊飯制御の動作プログラム(コンピューターソフトウエア)を格納しておき、この動作プログラムを利用して誘導加熱コイル14を間接的に制御して炊飯(予熱、炊飯、むらし)動作を実行しても良い。そのような炊飯工程の進捗を判断するために、内釜3の温度等の制御データは、赤外線信号で炊飯ユニット1側から主制御装置80が随時取得するようにすれば良い。
カロリー報知スイッチ49と、カロリー計算キー18Cは、実施の形態1では、押しボタン式スイッチであったが、本開示はこの構成に何ら限定されない。例えば、第1の表示画面11Aと、第2の表示画面11Bの中に操作面が表示される「アイコン」のような、タッチ式スイッチであっても良い。また第1、第2の表示画面11A、11Bの真横部分など、それら画面の近傍位置に配置されたタッチ式スイッチでも良い。
さらに炊飯後のご飯(炊飯物)の重量をカロリー値に換算して報知することを指示するものが第3入力部であると説明した。第3入力部の操作キー18Cが指令を出すと、ご飯の重量を計測するために炊飯ユニット1の総重量を計測することと、それに続いて計測されたご飯の重量から、消費エネルギー量を換算することの一連の動作を指令することになる。
また、前記カロリー報知スイッチ49を押すと、その後、副制御装置50は、「カロリー報知モード」に設定される。副制御装置50は、ご飯の重量計測と、エネルギー量の演算及びカロリー値の報知、を順次行う「カロリー報知モード」に設定される。
このように1つの操作キー18Cと、カロリー報知スイッチ49の何れを操作しても、重量計測とカロリー換算の2つの動作の指示をしているが、炊飯完了後のご飯の重量計測を行う操作キーと、カロリー換算と報知を指示する操作キーを別々のものにしても良い。あるいは、同じ操作キーを2回押すことで、重量計測とカロリー報知を個々に(段階的に)指示させても良い。
さらに実施の形態1~4で示したように、所定の位置に設置したリードスイッチ31と永久磁石30、ICタグ103とリーダー(ICタグ情報読み取り部)104の組み合わせのような手段で、炊飯ユニット1の設置位置を確認し、炊飯ユニット1と誘導加熱ユニット10との間の「重量計測データとカロリー値換算データ」の情報伝達と、レシピデータRDの伝達を、赤外線信号信号送受信部A、B(34、35)で行うようにしても良い。なお、誘導加熱ユニット10は、高周波電力を使用し交番磁界が発生する関係で、電気的なノイズとして無線通信に影響与える懸念があり、この面でも赤外線信号での通信は有利である。
さらに実施の形態1~4では、炊飯ユニット1と誘導加熱ユニット10が重なり合っている部分で、しかも最も接近している部分に窓37を形成して、赤外線信号を送信していたので、室内の可視光線や太陽光等の外乱光の影響を受けない密着又は近接環境下での交信を実現でき、信号の伝達を確実にすることが期待できる。
なお、第1入力部20に赤外線透過孔を設けて、その透過孔を介して赤外線信号を炊飯ユニット1に送信するようにしても良い。この場合、ユーザーが押圧操作するボタン(キー)部分又はタッチスイッチの部分を避けて、透過孔を配置すると良い。
さらに、炊飯ユニット1においても、実施の形態1~4で説明した無線通信モジュール(無線通信部)26と同様な無線通信モジュールを設けても良い。
そして、第2の状態において、炊飯ユニット1と誘導加熱ユニット10とを無線で交信させるようにしても良い。このように構成すれば、仮に炊飯ユニット1側と誘導加熱ユニット10との間で、重量計測手段94で計測した重量に応じたご飯のカロリー量のデータを、誘導加熱ユニット10が炊飯ユニット1のカロリー計算部50Cからその都度入手し、内部記憶媒体に記憶させることができ、1日単位や週単位等でのご飯の摂取カロリーを誘導加熱ユニット10側で把握することができる。
さらに実施の形態1、3、4では、誘導加熱ユニット10は、後部垂直部16を有する形態であったため、通常の各種鍋やフライパン等の調理器具を誘導加熱する場合、後部垂直部16が背後側をガードしており、それら調理器具が後方へ落下することを防止できる構成であった。しかしながら、後部垂直部16は必須ではない。すなわち、誘導加熱ユニット10は上面全体が平坦な外形形状を有するものでも良い(実施の形態2参照)。
また、実施の形態1、3、4においては、誘導加熱ユニット10の前方側上面に、前記第1入力部20の操作面が配置されており、誘導加熱ユニット10に前記炊飯ユニット1を載置した状態では、前記第1入力部20の操作面全体の上方を、前記炊飯ユニット1が覆い隠す形態であった。
しかし、前記第1入力部20の上方を避けて、前記炊飯ユニット1が誘導加熱ユニット10の上面の一部分を覆い隠す形態でも良い。また、前記誘導加熱ユニット10の正面に、第1入力部20の操作面を配置しても良い(実施の形態2参照)。