以下、本開示に係る加熱調理器と加熱調理システムについて図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」など)を用いるが、これらは説明のためのものにすぎない。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。
更に、以下の説明では、複数種類の加熱手段を備えた複合加熱調理器についても、単に「加熱調理器」という。
以下の説明で「トッププレートの上に載置された被加熱物」という場合は、後述するトッププレート3の上面に鍋等の被加熱物を直接載せて加熱する場合と、ガス燃焼器(バーナー)等のように、トッププレートの上方に配置された五徳等の支持部材の上に被加熱物を載せて加熱する場合の、両方を含む意味である。
実施の形態1において、「第2の加熱手段」HM2とは、後述する加熱室6の内部に収容した被調理物を加熱するための加熱源をいう。輻射熱や蒸気を利用したものでも良い。
実施の形態1では、マイクロ波加熱源は、マグネトロンを使用しているが、マイクロ波発振器等、マイクロ波発振原理や方式に制限はない。また加熱源を複数個備えても良い。
この実施の形態1において「第3の加熱手段」HM3とは、前記第2の加熱手段HM2との差異を示すために「第3」と称しているが、優劣関係を意味していない。
また、実施の形態1では、輻射式電熱源(シーズヒーター、マイカヒーター、カーボンヒーター、セラミックヒーター、赤外線ヒーター、ラジアントヒータ等)を用いた加熱源を使用しているが、他の形態や方式で発熱する加熱源であっても良い。
第3の加熱手段HM3は、1つの加熱室6において加熱調理ができるものをいう。電気ヒーター等から構成した加熱源とガス燃焼器(バーナー)のように、異なる加熱原理を有する複数の加熱源を併用する形態でも良い。また加熱室6を加熱する加熱源として、誘導加熱源を使用しても良い。高温の蒸気(過加熱蒸気など)を供給する蒸気発生器550(ボイラー)(図示せず)でも良い。
更に、第3の加熱手段は、加熱室6の壁面を、その外側から加熱する加熱源や、加熱室6の内部空間に設置し、当該内部空間の雰囲気を高温にする加熱源の、何れでも良い。
また、誘導加熱方式で高温になる発熱部材を加熱室に配置し、この発熱部材で加熱室6の壁面を外側から加熱したり、又は加熱室6内部の空気を加熱したりする何れの形態であっても良い。
この実施の形態1でいう誘導加熱コイル(IHコイル)の代表的なものとして、0.1mm~0.3mm程度の細い銅線やアルミ線を30本程度束にして、この束を複数本撚りながら渦巻状に巻いて構成したものがある。あるいは、0.05mm程度のものを1000本~1500本程度巻いて構成したものもある。また、平板状の導電材料で、環状に形成した環状導電体で構成する提案もある。
これら何れの形態のものも誘導加熱源の主要部となる「IHコイル」に相当する。
この実施の形態1において、「調理モード」とは、加熱調理の形態をいうものである。この実施の形態1では、調理モードは3種類ある。1つは「連携調理モード」であり、2つ目は「複合調理モード」である。3つ目は、「単独調理モード」である。
この実施の形態1において、「連携調理」とは、1つの被調理物(食品、肉、野菜等を含む)に対する加熱場所が異なり、かつ独立して加熱動作条件が設定可能な2つ以上の加熱源を使用して行う調理をいう。
前記「連携調理」は、複数の加熱手段を、時間差を置いて使用する場合が該当する。例えば1つの調理を完成させる過程で、マイクロ波加熱源で予備加熱したあと、被調理物を別の場所に移し、移動後の場所で、IHコイルで加熱して完成させる調理の場合は、ここでいう「連携調理」の一種である。
また、加熱室6の内部で被調理物を、ガス燃焼器(バーナー)によって加熱し、その後、当該被調理物をトッププレート3の上に移動し、ガス燃焼器(バーナー)や誘導加熱源で加熱して、調理の完成度を上げるという形態も「連携調理」の一種である。
「音声入力モード」とは、ユーザーUSが入力用のスイッチ(入力キー)のボタンや操作面に触れたり、押したりする動作をせずに、発声によって入力する制御形態をいう。
「音声入力モード」の種類には、「音声入力モード1」と「音声入力モード2」がある。
前記「音声入力モード1」は、音声入力とタッチ(押圧を含む)入力の両方に対応した入力キー(以下、「兼用キー」という)の操作によって選択されるものである。
前記「音声入力モード2」は、音声入力専用の入力キー(以下、「音声入力専用キー」と呼ぶ場合がある)180の操作によって選択されるものである。
1つの入力操作部において、複数の入力キーを有し、その中に前記「兼用キー」を備えた場合、当該兼用キー(例えば、中央操作部15Mにおける入力キー107)によって前記「音声入力モード1」に変更された場合、この兼用キー以外の(一部の)前記入力キー(例えば、中央操作部15Mでは、入力キー108、109)の入力機能を、一時的に無効にするケース(この制御パターンを、「音声入力モード1A」という)と、無効にしないケース(この制御パターンを、「音声入力モード1B」という)の2種類がある。何れも、ここでいう「音声入力モード1」に該当する。
1つの入力操作部において、入力キー(例えば、107、又は108)によってタッチ入力を行っている過程で、前記「音声入力専用キー」180を押すと。「音声入力モード2」が選択される。この場合、この音声入力モード2の選択以降、前記音声入力専用キー180以外の(一部の)前記入力キー(例えば107、108)の入力機能を一時的に無効にするケース(この制御パターンを、「音声入力モード2A」という)と、無効にしないケース(この制御パターンを、「音声入力モード2B」という)の2種類がある。何れも、ここでいう「音声入力モード2」に該当する。
「レシピデータ」CDとは、加熱調理するために、加熱調理器1の制御で使用されるデータをいう。
レシピデータCDの1つの形態は、加熱手段を特定したデータ、加熱工程や順番を規定したデータ、加熱時の制御条件(火力や目標温度、加熱調理時間等の指令データやプログラムを含むが、これらに限定されない)を、全て含んだものである。
前記レシピデータCDの他の1つの形態は、加熱手段を特定したデータ、加熱工程や順番を規定したデータを含まず、調理メニュー(例えば、ハンバーグ)を実行するための一部のデータだけを含んだものである。
例えば、後述する連携調理モードで加熱調理する場合、1つの調理メニューを実行する
加熱手段固有の情報(加熱手段の属性を示す情報や加熱口の情報等を含む)、調理工程の情報、駆動する加熱手段の順番を示す情報等は含まないものをいう。
この場合、加熱能力や加熱時間等の制御条件を決める指令やデータ等(後で詳しく説明する、「コマンド」又は「コマンドデータ」という)が主体になったデータとなる。このケースの場合、加熱調理器1で保有しているレシピデータCDが、例えば1人前の被調理物を前提に構成されたものであった場合、外部からのコマンドによって、加熱調理器側で2人前又は4人前等に対応するように、内蔵のプログラムによって制御条件(例えば、加熱時間という1つのパラメータ)を変更することで対応しても良い。
以下の実施の形態においては、上記したようなレシピデータの形態について、特に区別して説明しない。
実施の形態1.
(1.加熱調理システムの構成)
本開示に係る実施の形態1は、図1~図42に記載している。
図1について説明する。
本実施形態1の加熱調理システムは、加熱調理器1と、この加熱調理器1との間で無線通信を行う機能を有するスマートフォン200と、クラウドサーバー300と、を備えて構成されている。なお、スマートフォン型の通信端末以外に、通信機能付きタブレット端末やパーソナルコンピュータ等でも良い。これら機器と前記スマートフォン200を総称して、以下では、「通信端末」又は「情報処理端末器」と呼び、符号は200を用いる。
通信端末200は、加熱調理器1が使用される家屋(HA)に設置されている無線ルーター340(図示せず)等のアクセスポイントとの間でWiFi(登録商標)等の通信方式による無線通信を行う。
加熱調理器1は、通信端末200との無線通信によって、少なくともレシピデータCD2を取得できる。
以下では、レシピデータCD2とレシピデータCD1のように、説明の都合上で、符合で区別して説明する。加熱調理器1が外部から取得したレシピデータCDを、「レシピデータCD2」と呼ぶ。
これに対し、後述するレシピデータ提供サーバー301が提供したレシピデータCDを「レシピデータCD1」と説明する場合がある。詳細については、後で説明する。
前記通信端末200は、加熱調理器1との間で、Bluetooth(登録商標)等の通信方式による無線通信を行う。
通信端末200は、家屋HA内に設置されたホーム・ゲートウエイ411に対して、前記ルーター340(図示せず)を介して接続できる。NWは、インターネット等の広域通信網を構成するネットワークである。
また、外部空間にある前記クラウドサーバー300には、少なくとも1つのレシピデータ提供サーバー301と、前記外部サーバー417等を含む。
レシピデータ提供サーバー301には、種々の調理を実行するレシピのデータが保持されたレシピDB(データベース)302(図示せず)が備えられ、通信端末200は、レシピデータ提供サーバー301により運用される前記レシピDB(302:図示せず)にアクセスして、前記レシピDBから種々のレシピデータCD1を取得(ダウンロード)する。
前記レシピデータCD(CD1、CD2)には、特定の被調理物を加熱調理器1で実行できるように、加熱手段や制御条件(火力や加熱時間、温度等の少なくとも何れか1つを含むが、これに限定されない)を指定する命令(指令データ)が含まれている。
以下の説明では、レシピデータ(調理条件データ)について、CD1、CD2等の符号を付けて説明する場合があるが、この符号によってレシピデータの内容が、必ずしも異なるものではなく、同一の場合もある。それら符号(CD1、CD2)は、レシピデータの発信主体を基準に付して、理解を容易にするためである。なお、レシピデータについて、統一的に参照符号を用いる場合には、「CD」を用いる。また、名称は「レシピデータ」に統一して説明する。
図1に示した加熱調理器1は、当該加熱調理器1の上面を覆うトッププレート3(図2以降で説明する)の下方に配置された第1の加熱手段HM1と、当該加熱調理器1の内部に形成された加熱室6(図3参照)内部にマイクロ波を供給する第2の加熱手段HM2と、前記加熱室6の内部又は外部にあって、当該加熱室6の内部空間の温度を上げて加熱する第3の加熱手段HM3と、を備えている。
前記トッププレート3の上面を「第1の場所」と定義すれば、この第1の場所に置いた被加熱物(磁性の金属製鍋)を加熱するため、前記第1の加熱手段HM1は、誘導加熱手段が使用される。あるいは、磁性金属製や非磁性金属製の鍋を加熱するガスバーナを備えた、ガス燃焼装置が前記第1の加熱手段HM1として使用できる。
前記第1の加熱手段HM1は、後述するように左加熱口4Lと右加熱口4Rと中央加熱口4Cの3個所において、それぞれ独立して加熱ができるように、加熱源となるIHコイル9(9C、9L、9R)を設置している。つまり、加熱源が3個ある。
以下の説明では、左加熱口4Lに対応したIHコイル9Lとその駆動回路(図示せず)を総称して、左加熱源19Lという場合がある。
右加熱口4Rに対応したIHコイル9Rとその駆動回路(図示せず)を総称して右加熱源19Rという場合がある。更に、中央加熱口4Cに対応したIHコイル9Cとその駆動回路(図示せず)を総称して中央加熱源19Cという場合がある。
また、左加熱源19Lは、第1加熱源と呼び、右加熱源19Rは、第2加熱源と呼び、更に中央加熱源19Cは、第3加熱源と呼ぶ場合がある。
なお、後述するマイクロ波を供給する第2の加熱手段HM2のマイクロ波発振源11も、それぞれが1つの加熱源である。更に、第3の加熱手段である、ヒーターで加熱をする上側輻射熱加熱手段12aも、1つの加熱源である。同様に、下側輻射熱加熱手段12bも、1つの加熱源である。このように実施の形態1では、合計6つの加熱源を有している。
前記第1の場所と離れた場所にある閉鎖空間を「第2の場所」と定義すれば、前記加熱室6(図3参照)の内部が、当該第2の場所となる。
前記加熱調理器1は、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2とを、それぞれ単独で(独立して)駆動する「単独調理モード」KM1の実行機能を有している。
前記加熱調理器1は、1つの被調理物を調理する方法として、前記第2の加熱手段HM2と前記第3の加熱手段HM3とを、同時に駆動し、あるいは何れか一方を先に動作させ、他方を後から自動的に駆動開始する「複合調理モード」KM2の実行機能を有している。前記第2の加熱手段HM2と前記第3の加熱手段HM3を同時に動作している場合でも、その両方の加熱終了時期が同じ場合と、異なる場合の何れも、前記「複合調理モード」KM2に属する1つの運転パターンである。
前記「複合調理モード」KM2では、前記第2の加熱手段HM2と前記第3の加熱手段HM3を最初から同時に駆動するパターン(RG制御モード1)と、前記第2の加熱手段HM2の後で、前記第3の加熱手段HM3の駆動を開始するパターン(RG制御モード2)と、前記第3の加熱手段HM3を最初に駆動し、その後自動的に前記第2の加熱手段HM3の駆動に切り替わるパターン(RG制御モード3)と、を少なくとも有している。これらRG制御モード1~RG制御モード3において、各加熱手段の切り替えは、加熱室6(図9参照)で加熱調理を開始すると、自動的に行われる。
前記「複合調理モード」KM2は、前記連携調理モードKM1とは異なり、特定の被調理物(例:ハンバーグ)に対応した「調理メニュー」を有していない。すなわち、前記第2の加熱手段HM2と前記第3の加熱手段HM3を駆動するパターン別の「制御メニュー」を用意している。
例えば、「制御メニュー」の1つが、前記「RG制御モード1」である。RG制御モード(RG複合調理モード)では、色々な調理物の調理ができる。「制御メニュー」の1つの、例えば前記「RG制御モード1」は、その制御モードを規定するレシピデータで制御されるが、特定の被調理物毎に設定したものではない。
つまり、2つ以上の加熱源(第2の加熱手段HM2と前記第3の加熱手段HM3)を予め決めたシーケンスで動作させる運転パターンが、複数の「制御メニュー」を有する複合調理モードKM2である。
これに対し、加熱室6の内部と、トッププレート3の上方の、それぞれの場所に置いた被調理物を予め決めた順番で加熱調理する、(特定の被調理物に対応した)レシピデータが適用されるものが、連携調理メニューを有する連携調理モードKM1である。
つまり、複合調理モードKM2と連携調理モードKM1では、レシピデータの内容が異なる。
以下の説明では、加熱源の駆動パターンのように制御形態の種類を示す場合に「制御メニュー」と呼ぶ。例えば「解凍」は制御メニューの1つである。
一方、加熱調理可能な被調理物、料理名等を特定する場合には「調理メニュー」と呼ぶ。例えば「ハンバーグ」は調理メニューの1つである。
前記加熱調理器1は、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2とが、ユーザーUS(使用者)USの操作に依存して確定する時間差で駆動される「連携調理モード」KM3の実行機能を有している。
前記「連携調理モード」KM3では、前記第1の加熱手段HM1で調理工程1を実施するパターンと、前記第2の加熱手段HM2で調理工程1を実施するパターンと、を有する。
例えば、第1の加熱手段HM1のよる調理工程1を終えて調理工程2に移るため、被調理物を前記加熱室6に移動させ、その後、前記第2の加熱手段HM2の駆動を開始するため、この調理工程1と調理工程2の間には、加熱動作を行わない「加熱休止期間」(移行期間TR)が存在する。
この「連携調理モード」KM3では、特定の被調理物(例:ハンバーグやローストビーフ、グラタン)毎に、前記レシピデータCDが用意される。
前記レシピデータCDは、使用する加熱手段と、その加熱手段を駆動する順番、及び加熱手段の制御条件(火力や加熱時間、温度等の少なくとも何れか1つを含む)が指定されている。
前記レシピデータCDは、前記加熱調理器1と前記レシピDB302の双方に格納されている。レシピDBにあるレシピデータCDの種類と、前記加熱調理器1で保有している前記レシピデータCDの種類は、同一である必要はない。例えば、前記レシピDB302には、新しい連携調理モードKM1のレシピデータCDが順次追加され、また複合調理メニューの前記レシピデータCDが、順次蓄積されていく形態でも良い。
加熱調理器1が、前記通信端末200から前記連携調理モードKM1を実行するための前記レシピデータCDを取得する場合、当該データは、ユーザーUSが前記通信端末200において選択した1つの調理メニュー単位である。これは、「連携調理モード」KM3に限らず、「複合調理モード」KM2、「単独調理モード」KM1にも共通である。
以上のように、通信端末200は、レシピデータ提供サーバー301に、希望する被調理物のレシピデータCDを提供するように求め、希望するレシピに対応したレシピデータCD1をダウンロードする。
通信端末200は、レシピデータ提供サーバー301から取得した、1つのレシピに対応したレシピデータCD2を、加熱調理器1に送信することができる。
加熱調理器1のユーザーUSは、このようなレシピデータ取得機能を利用するために、レシピ提供サイト(レシピデータ提供サーバー301)にアクセスしてレシピ選択用のアプリケーション(以下、「レシピ選択アプリ」という)を、通信端末200にインストールする。
前記ユーザーUSは、レシピ選択アプリをインストールしたときに、初期設定として加熱調理器の機種名等、識別情報を登録する操作を行う。この登録により、加熱調理器1の定格仕様(各加熱手段HM1~HM3の加熱能力等)に対応したレシピデータCDを、レシピ提供サイト(レシピデータ提供サーバー301)から取得することができる。
また、前記ユーザーUSは、レシピ選択アプリにより、通信端末200と加熱調理器1のペアリングを行って、通信端末200と加熱調理器1との間の無線通信を確立する。なお、この無線通信は、近接無線通信(NFC)方式を用いたものでも良い。
加熱調理器1のユーザーUSは、レシピデータCDの取得機能を利用するために、レシピ提供サイト(レシピデータ提供サーバー301)にアクセスしてレシピ選択用のアプリケーション(以下、「レシピ選択アプリ」という)を、加熱調理器1に事前にインストールしておく。このインストールは、後述する入力キー115による「機能設定モード」の1つのメニューとして加熱調理器1で簡単に実行できるようにしておくと便利である。
前記ユーザーUSは、レシピ選択アプリをインストールしたときに、初期設定として加熱調理器の機種名等、識別情報を登録する操作を行う。この登録により、加熱調理器1の仕様(各加熱手段HM1~HM3の加熱能力等)に対応したレシピデータCDを、レシピ提供サイト(レシピデータ提供サーバー301)から取得することができる。
この実施の形態1で、レシピデータCDを「取得する」又は「取得を制限する」という説明をする場合があるので、この点について説明する。
「取得を制限する」という説明をした場合、後述する通信部51を介して外部から全くレシピデータ(その一部又は全部を構成する特定の情報)CDが加熱調理器1の内部に入らないという訳ではない。加熱調理器1では、通信部51で一旦は外部からのレシピデータCDを受信して、記憶装置41(図8で説明する)の中の適当な記憶エリアに一時的に格納する。その際に、当該データの内容(属性、識別情報167の有無等)を分析する。しかし、当該データが、前記したように「取得を制限されている期間」に、外部から送信されたデータである場合、以後の調理メニューの実行過程(つまり、調理工程)で利用されることはなく、短時間の内(少なくとも主電源スイッチ20をOFFにした時点)に自動的に消去される。
(2.各種電気機器とホーム・ゲートウエイの構成)
「家電機器」402とは、主に家庭で使用されることを想定して設計された電気機器をいう。家電機器402には、後述する加熱調理器1や冷蔵庫403、テレビジョン受像機404、空気調和機405、換気装置407、電気炊飯器(電気ジャー炊飯器)408、電子レンジ409、照明器具410、空気清浄機413(図示せず)が含まれる。なお、以下の説明では、「冷蔵庫」403とは、特に断りがない限り、冷凍庫(冷凍室)を内蔵した冷凍冷蔵庫と、冷凍機能だけを備えた冷凍庫の双方を含む。
家電機器402の「機器識別情報」とは、家電機器402を特定するための固有の情報である。具体的には、情報通信を行う場合に必要となる重要な情報であり、MACアドレス、家電機器402の製造者名、型名(モデル名)、形式番号、製造番号等である。
「ホーム・ゲートウエイ」411とは、1つの家庭における、2つ以上の家電機器402の間の情報を中継し、連携した動作をさせるための、情報収集装置又は情報処理装置をいう。また、これに加えて、1つの家電機器402に指令信号を与えること、又は1つの家電機器402から情報(「データ」ともいう)を取得する動作を行うものである。
以下の説明では、ホーム・ゲートウエイ411は、情報処理装置411の1つの形態であるという前提で説明する。
前記ホーム・ゲートウエイ411は、前記家電機器402の全部又は一部について、1つの家庭の総電力使用量を管理させるために、ピークカット機能等の電力制御機能を持たせている場合があり、その場合、「電力制御装置」や「統合管理装置」等と呼ばれる場合がある。
前記ホーム・ゲートウエイ411は、家電機器402の運転や停止、待機状態等の現在状況に関する情報を、有線又は無線信号で家電機器402から取得する機能を有する。
前記ホーム・ゲートウエイ411は、無線通信を利用する場合、前記機器識別情報を利用して目的の家電機器402と接続される。
前記ホーム・ゲートウエイ411が、1つの家電機器(例えば、加熱調理器1)402に対して、「統合管理装置」又は「電力指令装置」として機能する場合があっても、他の家電機器(例えば、照明器具410)に対しては、消費電力を制限しない場合には、「統合管理装置」又は「電力指令装置」には相当しない。例えば、当該ホーム・ゲートウエイ411が、照明器具410の運転情報を取得しても、他の家電機器402の消費電力と合わせた総消費電力が、規定の総消費電力の上限を超えないように、照明器具410自体の消費電力を規制する機能がない場合である。このようなケースでは、照明器具410から見てホーム・ゲートウエイ411は、統合管理装置又は電力指令装置に相当しない。
図1において、1つの家屋HAの中は、実際には図示していないが、壁やドアによって複数の居住空間に区画されており、その1つの居住空間であるキッチン601には、前記冷蔵庫403、加熱調理器1、電子レンジ409、電気炊飯器408などの家電機器402と、キッチン家具(厨房家具)600が配置されている。なお、居住空間には、この図1には示していないが、そのほかに「居間」や「浴室」等、またトイレのある部屋も含まれる。居住空間には、これ以外の部屋があっても良い。
全ての居住空間には、家屋の外部にある電力会社の商用電源EPから例えば200Vの電力が供給されている。その電力は、電力量計414を介して家屋HAの内部に引き込まれている。
415は、200Vの電圧の商用電源EPに対し、ブレーカーBKを介して接続された電源線(主幹線)である。この電源線415には、前述したテレビジョン受像機404、空気調和機405、照明器具410、加熱調理器1、電子レンジ409、電気炊飯器408、ホーム・ゲートウエイ411及び環境検知部416(図示せず)が、それぞれ接続されている。
引き続いて図1を説明する。
前記外部サーバー417は、例えば、特定地域の地震情報提供機関や電力会社等の外部機関が設置したサーバーでも良いし、加熱調理器1を製造したメーカが用意したサーバーでも良い。この外部サーバー417と前記レシピデータ提供サーバー301は、いわゆる「クラウドサーバー」と呼ばれる分散処理型のサーバーでも良い。なお、クラウドサーバーを利用する「クラウドコンピューティング」には、「IaaS」、「PaaS」、「SaaS」の3種類があることが知られている。
ホーム・ゲートウエイ411は、外部サーバー417から、各種のコンテンツの配信サービスを受けることができる。このコンテンツの中には、各種調理のレシピデータ(文字、画像)CDも含まれる。
外部サーバー417は、前記家電機器402に対する情報提供手段として機能するものである。つまり、外部サーバー417は、家電機器402の製造業者(メーカ)、販売業者、修理業者、あるいは情報サービス提供業者等の組織が、単独で、又は2つ以上の組織が共同で設置したものでも良く、家電機器402に関する各種サービスを、ネットワークNWを介してユーザーUSに提供するものである。
また、前記外部サーバー417は、一般に「Webサーバー」(以下「ウェブサーバー」という)と呼ばれているものでも良い。ウェブサーバーは、HTTP(HTML文書や画像などのデータをWebサーバーとWebブラウザ間でやり取りするために使われるプロトコル)に則り、各種通信端末200や、ホーム・ゲートウエイ411等のような、「情報を受け取る側」の情報処理機器(クライアント)側ソフトウエアのウェブ・ブラウザに対して、HTMLやオブジェクト(画像など)の表示情報を提供するサービスプログラム及び、そのサービスが動作するサーバーコンピュータを指す。
前記外部サーバー417には、家屋HAやその遠隔地から、ホーム・ゲートウエイ411を遠隔制御することができるようにした制御用アプリケーション・ソフトウェアが格納・記憶されている。後で詳しく述べる通信端末200、例えばスマートフォンと呼ばれている機器からは、外部サーバー417にアクセスして、前記制御用アプリケーション・ソフトウェアをダウンロード(読み込み)することにより、前記した遠隔制御を実現することができる。
前記通信端末200は、ユーザーUSが気軽に携帯して屋内や屋外、その他外出先等で通話やデータ(メール情報を含む)の通信を行える。ネットワーク(広域通信回路網)NWを介して屋外の情報提供サイトから情報をダウンロードしたり、メールを送信・受信したり、遠隔操作信号を発信できる機器であるが、通話できない機器でも良く、そのような携帯可能な通信端末機器を総称して通信端末200と呼んでいる。
本実施の形態1における通信端末200は、各家電機器402の入出力部に数センチメートル程度接近(又は接触させても良い)した状態で、近距離通信で信号の授受をする機能を備えている。なお、この近距離通信とは、Near Field Communication(略称:NFC)として知られている無線通信の国際規格技術のことである。
このNFCの通信では、加熱調理器1や冷蔵庫403を含む家電機器402側に、いわゆる無線タグ(NFCタグ)が埋め込まれている。
一方、通信端末200側から制御データ(「制御コマンド」ともいう)を家電機器402のNFC記憶部へ送り、家電機器402を、前記制御コマンドに従って制御することもできる。
この実施の形態1においては、通信端末200から家電機器402側に対する直接的な遠隔操作はできないようにしてある。家電機器402の中には、加熱調理器1等のように高熱を発するものもあるため、家屋HAの外から多くの人が利用するインターネットを経由して遠隔操作することは採用していない。その代わり、統合的な情報処理装置として、前記ホーム・ゲートウエイ411を経由して全ての家電機器400の操作が可能となるようにしている。
以上の説明から明らかなように、この実施の形態1のホーム・ゲートウエイ411は、1つの家庭における、2つ以上の家電機器400の間の情報を中継し、連携した動作をさせるための情報処理装置をいう。また、これに加えて、1つの家電機器400に指令信号を与えること、又は1つの家電機器400から情報(データともいう)を取得する動作を行う。
図1においては、図示していないが、この家屋HAの中のキッチン601には、後述する換気装置の1種であるレンジフード407と、天井埋込型の空気清浄機413が設置されている。
416Aと416Bは、ホーム・ゲートウエイ411の環境検知部416(図示せず)のセンサー部である。1つのセンサー部416Aは、図1に示すように、人の存在を(赤外線や超音波で)検知する人感センサーとして、キッチン601内部に配置されている。もう1つのセンサー部416Bは、同様に前記センサー部416Bと異なる場所に設置されている。センサー部416Bは、「環境情報」を取得するためのものである。環境検知部416の機能については、後で詳しく説明する。
前記「環境情報」とは、加熱調理器1や冷蔵庫403を使用する空間(キッチン601)の雰囲気の温度情報と、塵埃飛散量情報、光量情報、二酸化炭素の量を示す情報、の合計4種類をいう。塵埃飛散量情報とは、空気中に存在する塵埃(花粉を含む)の量を計測した結果である。
「環境情報の利用」には、以下のような例を含む。
(1)温度が高い場合、電気炊飯器408の保温機能を炊飯工程の終了に連続して動作させる。また、冷蔵庫403の冷蔵目標温度、冷凍目標温度を、標準値よりも上げる。
(2)湿度が高い場合、空気調和機405を「除湿モード」又は「冷房モード」で動作させる。または換気装置407の運転を開始する。あるいは、空気調和機405が運転中であった場合、その運転条件(目標とする室温など)を変える。
(3)空中を浮遊するような微細な塵埃が飛散している場合、空気清浄機413を動作させる。または換気装置407の運転を開始する。
(4)花粉飛散量が多い場合、空気清浄機413の運転を開始する。
(5)光量(可視光線量)が少ない場合、照明器具410を点灯させる。
「居住者」とは、1つの家屋HAに居住する者をいう。居住者には、血縁関係にある親子、兄弟、姉妹等が含まれる。なお、家電機器402を使用した場合には、居住者を「ユーザーUS」と呼ぶ。
「家庭」とは、特定の管理者が管理する1つの家屋HAを意味しており、複数の部屋があり、複数の家族が入居している集合住宅も含む場合がある。すなわち、そのような集合住宅でも、1つの家屋HAの場合と同様に商用電力の上限が1つの電力遮断機器(1つのブレーカーBK、あるいは複数の電力遮断器等)で、一元的に管理されている場合は、ここでいう家庭とみなす。
「家電機器側の電力制限情報」とは、ホーム・ゲートウエイ411から家電機器402が受ける、電力消費量に関する何らかの信号に関する情報をいう。この「家電機器側の電力制限情報」とは、電力削減要請信号AS1、電力削減指令信号AS2等のような送信指令に関する情報を含んだものをいう。それら情報には、その信号の受信時期(年月と秒単位の時刻)と信号の意味を示す情報が含まれる。例えば、加熱調理器1に対するある時点の電力削減指令信号AS2についての「受信時刻:2022年3月20日 17時00秒 瞬間最大消費電力量を2%下げ」のような情報である。
家電機器側の電力制限情報は、例えば加熱調理器1では、その後述する制御装置40の記憶装置41の中に時系列で記憶されており、主電源スイッチ20をON又はOFFしても消えない。主電源スイッチ20をONし、OFFしたことを1回の調理と考えて、少なくとも数回分は記憶保持されるようになっている。それを超えた分が順次自動的に消去される。
図1において、前記冷蔵庫403には、食品(自然食品や加工食品等含む)の材料(以下、「食材」という)を収容する「保存室」403Hを有している。保存室403Hは、前記冷凍室403Aと、冷蔵室403Bを含んでおり、食材の種類に応じて「野菜室」、「肉と魚の専用室」等の特定の部屋に区画されていても良い。
この実施の形態1では、保存室403Hとして、少なくとも、冷凍室403Aと、この冷凍室403Aと独立した空間の冷蔵室403Bと、の2種類を備えているという前提で、以下説明する。なお、これら保存室403Hの内部空間の温度(冷凍温度・冷蔵温度)は、以下、「庫内温度」と総称する場合がある。
前記冷蔵庫403における複数個の冷凍室403Aは、例えばマイナス18℃±2℃、マイナス10℃、マイナス2℃等、冷凍食品(加工食品含む)や生鮮食材(肉、魚等)に適当な冷凍温度(温度帯)の冷凍室を選択できるようにしている。
また、前記冷凍温度や冷凍の温度帯は、生鮮食材(例えば、牛肉)を長期に保存した場合の、熟成にも影響するので、同じ冷凍室であっても、食材の種類によって、その都度適宜変更することができるようになっている。
前記庫内温度は、前述したように複数種類あり、例えば、氷結点(凍結温度)に近い温度に設定したものは「チルド室」と呼ばれている。
複数の保存室403Hの容積や形状は、異なっており、冷蔵室403Bが最も大きい。また、保存室403Hの中を更に複数の部屋に区切るため、仕切り板と蓋(又は扉)を設けて、独立した収容空間を増やしても良い。
冷蔵庫403は、冷却装置(図示せず)として、例えば、冷凍サイクルを構成するために、電動圧縮機403C、冷媒配管(図示せず)、冷気循環ファン(図示せず)、保存室403Hへの冷気の流入を制御するダンパー(シャッター)(図示せず)等を備えている。前記庫内温度を制御するためには、前記電動圧縮機の運転周波数を変更したり、前記冷気循環ファンの風量を変化させたりすれば良い。
冷蔵庫403には、ドア(図示せず)の正面(前面)中央上部に、表示部(表示画面)403Dを有している。冷蔵庫403の筐体内部には、半導体メモリー等の記憶装置403M(図示せず)と、マイクロコンピュータを主体とした制御装置403U(図示せず)と、を有している。前記制御装置403Uは、前記電動圧縮機403Cの駆動回路(インバーター回路。図示せず)、前記冷気循環ファン(図示せず)、前記ダンパー(図示せず)等に指令信号を発する。制御装置403Uは、冷蔵庫403全体の運転を制御するために制御プログラム(図示せず)を保有している。
なお、冷蔵庫403の筐体内部や筐体外部の天井部等に設置した無線通信部403T(図示せず)は、前記制御装置403U(図示せず)によって制御される。無線通信部403Tは、前記ホーム・ゲートウエイ411の通信部と無線通信できる。
冷蔵庫403は、上記の構成のため、前記ホーム・ゲートウエイ411を介して前記加熱調理器1と無線通信可能であり、またネットワークNWにも接続できるので、加熱調理器1の各種情報、データ(後述する「レシピデータCD」を含む)を取得できる。
更に、冷蔵庫403は、通信端末200との間でも、無線通信でデータの授受ができる。
保存室403Hの冷却装置として、ペルチェ素子を使用している場合には、当該ペルチェ素子に供給する電力を調整することで庫内温度を調節できる。電動圧縮機403Cとペルチェ素子の両方を使用した冷蔵庫403であっても良い。
更に、保存室403Hに、特定の食材(例えば、卵や牛乳、バター等)を収容させ、その重量を計測するための重量センサー(図示せず)を配置しても良い。その重量センサーの重量計測は、定期的に行われ、冷蔵庫403の制御装置403U(図示せず)がデータを集約しておくと良い。このような重量データは、冷蔵庫403の在庫データの一部になり得るので、情報処理装置の1種であるホーム・ゲートウエイ411からの在庫データ照会の際に、利用される。
冷蔵庫403の制御装置403Uの記憶部403Mが保有する管理データベースには、各保存室403Hの庫内温度(標準値と、調節できる温度範囲、調整できる最小温度幅)と、容積と、対象となる主な食材の種類・名称等の識別情報と、を保有している。例えば、冷凍室403Aは、マイナス10℃が標準庫内温度で、マイナス5℃~マイナス15℃までの範囲を、20段階に調節できること、容積は30リットルであること、などの情報を保有している。その他、保存室403Hの最大寸法(内寸)データを保有させても良い。これは、鍋等の固形物をそのまま収容することができるかどうかの判定に利用されるためである。これら全てのデータも、ホーム・ゲートウエイ411からの在庫データ照会に対する応答時に、冷蔵庫403は外部へ提供できる。つまり、ホーム・ゲートウエイ411でも、保存室403Hの各種データを、その都度取得することを可能にしている。
(3.加熱調理器の構成)
前記加熱調理器1の構成について、図2~図10を参照しながら説明する。
加熱調理器1は、キッチン家具600の中に設置されている。6は、加熱調理器1の内部に形成した加熱室、7は、当該加熱室113の前面開口部を開閉自在に覆うドアである。
加熱調理器1は、その上面を覆うトッププレート3の上に(磁性金属製の鍋等の)被加熱物Nを載置し、IHコイル9(9C、9L、9R)によって誘導加熱する。32は、加熱調理器1の内部を上下2つの独立した空間に区画する底壁面である。
33は、加熱調理器1の内部において、前記底壁面32より上方にある設置空間であり、前記IHコイル9が収容されている。
図2と図3から明らかなように、前記加熱調理器1は、上部に調理台を備えたキッチン家具(厨房家具)600に組み込まれて使用されるビルトイン型(組込み型)のIHクッキングヒータである。前記トッププレート3は、キッチン家具600の天面を構成するキッチン天板の上に露出している。600Dは、キッチン家具600に設置した水道の給水口である。
トッププレート3は、例えば、耐熱性のガラス板と、ガラス板の周囲に取り付けられた金属の枠体とにより構成される。トッププレート3の上面には、左加熱口4Lと、右加熱口4Rと、中央加熱口4Cの3つの加熱口4が設けられている。
左加熱口4Lと右加熱口4Rと中央加熱口4Cは、鍋またはフライパンなどの金属製調理容器(第1の加熱手段HM1に関する「被加熱物」Nともいう)が載置される領域を示すものである。左加熱口4Lと右加熱口4Rと中央加熱口4Cには、それぞれに前記被加熱物を載置するための目安となる案内マーク(図示せず)が、前記トッププレート3の上面に印刷で描かれている。
前記トッププレート3の奥側(後方側)には、排気口カバー5が設けられている。排気口カバー5は、小さな貫通孔を無数に形成したパンチングメタル又は格子状の金属部材で構成されていて、全体に亘って通気性があり、通気抵抗が少ない。加熱調理器1の内部から放出される排気は、排気口カバー5を通過して加熱調理器1の外へ出る。
加熱調理器1の本体2の前面には、本体2の内部に配置される加熱室6(図3参照)の前面開口部を開閉するドア(加熱扉)7が設けられている。ドア7には、これを開閉するための取っ手8が設けられている。
図3は、実施の形態1に係る加熱調理器1を側方から見た縦断面模式図である。図3に示すように、左加熱口4Lの下方には、左誘導加熱手段としての誘導加熱コイル9L(以下、「左IHコイル」という)が設けられている。
同様に、右加熱口4Rの下方にも右誘導加熱手段としての誘導加熱コイル9R(以下、「右IHコイル」という)が、また、中央加熱口4Cの下方には中央誘導加熱手段としての誘導加熱コイル9C(以下、「中央IHコイル」という)が、それぞれ設けられている。
これら、IHコイル9C、9L、9Rは、例えば銅線またはアルミ線などの細い導線を巻回してなる円形の加熱コイルであり、高周波電流が供給されることで高周波磁界を発生する。これにより、左加熱口4L、右加熱口4R、中央加熱口4C上に配置された調理容器(被加熱物N)が誘導加熱される。
前記IHコイル9C、9L、9Rとその駆動回路(インバーター回路等の高周波電源供給回路をいう。図示していない)を含めた加熱手段は、誘導加熱源又は第1の加熱手段HM1と呼ぶ場合がある。以下の説明では、特に矛盾が起こらない限り、「第1の加熱手段」HM1を使用する。なお、1つの加熱手段(加熱源)が他の1つの加熱手段(加熱源)と、1つの駆動回路等を共用している場合、ここでいう加熱手段は、2つあることになる。
IHコイル9C、9L、9Rの近傍にはトッププレート3や調理容器(被加熱物N)の温度を検知するために、複数個の温度センサー(図示せず)からなる温度センサー群30(図9参照)が搭載されている。1つの温度センサー30A(図示せず)は、温度センサー群30の中の、1つのセンサーを構成している。ここでいう温度センサーとは、サーミスタのような接触式の温度センサーと、赤外線センサーのような非接触温度センサーの、両方又は何れか一方でも良い。
本体2の内部であって、前記IHコイル9C、9L、9Rの下方には、前記加熱室6が設けられている。加熱室6は、周囲がステンレス等の金属壁で構成されており、この加熱室6内に収容される被調理物(食品、食材)を加熱するための空間である。
前記被調理物は、耐熱性プラスチック容器や磁器製、耐熱ガラス製の皿に載せられ、又は容器の中に入れられて加熱室6に置かれる場合があり、その場合、それら皿や容器は「被加熱容器」と呼ぶ場合がある。但し、それら容器は前記IHコイル9C、9L、9Rでは誘導加熱されないので、仮にトッププレート3の加熱口4に置いても、前記IHコイル9C、9L、9Rの「被加熱物」Nとは呼ばない。
前記加熱室6の前面には、被調理物を出し入れするための横長長方形の開口(図示せず)が形成されている。加熱室6の前面にある前記開口は、ドア7により開閉自在に覆われている。ドア7は、本体2によってヒンジおよびアーム(図示せず)を介して回動自在に支持されている。これにより、ドア7は、その下端部を支点(回動中心)として前方に水平位置まで開く構成となっている。なお、ドア7は、スライドレール(図示せず)によって、被加熱容器を下方から支持する支持部材(棚等の構造物をいう。図示せず)と一体的に前方へ引き出されてもよい。
ドア7には、このドア7の開閉を検知するための開閉検知部10が設けられる。開閉検知部10は、例えばマイクロスイッチまたは赤外線センサーである。加熱室6の後方には、加熱室6内に収容される被調理物を加熱するマイクロ波発振器11が設けられている。このマイクロ波発振器11は、例えば、マグネトロンから構成されており、加熱室6内にマイクロ波を照射することで、加熱室の中に置かれた被調理物を加熱する、いわゆるレンジ加熱を行う。
前記マイクロ波発振器11とその駆動回路(インバーター回路等の高周波電源供給回路をいう。図示せず)を含めた加熱手段は、第2の加熱手段HM2と呼ぶ場合がある。
また、加熱室6には、被調理物を上下から、いわゆるヒーターで加熱をする上側輻射熱加熱手段12a、及び、下側輻射熱加熱手段12bが設けられている。なお、上側輻射熱加熱手段12aは加熱室6の外側又は内側の天井壁面に、また、下側輻射熱加熱手段12bは加熱室6の内側又は外側壁面に配置されており、共に、シーズヒーターである。
他の種類の輻射熱加熱手段(例えば、マイカヒーターやカーボンヒーター等)を加熱室6の外側に設置しても良い。図3では、上側輻射熱加熱手段12aと下側輻射熱加熱手段12bが、何れも加熱室6の外側壁面に密着するように設置した例を示している。
前記上側輻射熱加熱手段12aと下側輻射熱加熱手段12b、及びそれらの駆動回路(図示せず)を含めた加熱手段は、第3の加熱手段HM3と呼ぶ場合がある。なお、上側輻射熱加熱手段12aと下側輻射熱加熱手段12bを総称して「輻射熱加熱手段」と呼ぶ場合があり、その場合の符号は「12」を使用する。
また、加熱室6には、加熱室6内の被調理物の温度を非接触で検知するため、非接触式温度センサーとして、赤外線センサー13が設けられる。この赤外線センサー13によって検知される温度範囲は、例えば-20℃~100℃に設定される。これにより、被調理物の加熱度合を、例えば1℃刻みで精度良く、リアルタイムで検出することができる。この赤外線センサー13も、前記温度センサー群30(図16参照)の中の1つのセンサーを構成している。
また、加熱室6には、加熱室6内部の雰囲気温度または加熱室6の壁面温度を検知する室内温度センサーである接触式温度センサー(例えば、サーミスタセンサー)14も設けられている。
前記サーミスタセンサー14は、温度の変化を電気抵抗の変化で捉えて温度を検知するという特性から、検知できる温度の上限値は、250℃程度である。このサーミスタセンサー14も、温度センサー群30の中の1つのセンサーを構成している。なお、このサーミスタセンサー14は、図3に示したように加熱室6の底面近傍と天井面近傍の、2個所に設置しても良い。
次に図4について説明する。
図4は、実施の形態1に係る加熱調理器1の上面図である。図4に示すように、加熱調理器1のトッププレート3の上面の手前側には、左操作部15L、中央操作部15Mおよび右操作部15Rが設けられている。これら3個所の操作部を総称して「入力操作部」と呼ぶ場合があり、その場合の符号は15を用いる。
前記中央操作部15Mは、第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2を使用する連携調理モードと複合調理モードの調理ために使用されるので、「共用操作部」と呼ぶ場合がある。
前記左操作部15Lは、「第1操作部」と呼び、また前記右操作部15Rは、「第2操作部」と呼ぶ場合がある。また、中央操作部15Mは、「第3操作部」又は「共用操作部」と呼ぶ場合がある。
左操作部15L、中央操作部(共用操作部)15Mおよび右操作部15Rの奥側(後方側)には、左表示部16L、中央表示部16Mおよび右表示部16Rと、左補助表示部16Lおよび右補助表示部16Rが設けられている。
左表示部16L、中央表示部16Mおよび右表示部16Rの3つを総称して「表示部」と呼ぶ場合があり、その場合は、符号は16を用いる。なお、3つの表示部16L、16M、16Rは、何れも横に長い液晶表示画面を有している。
左補助表示部17Lと右補助表示部17Rは、発光素子(LED等)によって火力レベルを表示するものであり、表示画面は備えていない。
左補助表示部17Lは、左加熱口4Lにおける予熱調理を選択した場合には、自動的に設定された温度(デフォルト温度)、または現在の温度などを表示する。自動的に設定された温度(デフォルト温度)とは、左加熱口4Lにおいて被加熱物(例えば、金属製鍋)Nを加熱したときの、その被加熱物の底面の目標温度をいう。デフォルト温度は、ユーザーUSによって一定の範囲内で任意に変更できる。また、タイマー調理を設定した際には、その時間を表示し、調理の進行に応じて残り時間や経過時間をタイムリーに表示できる。
左補助表示部17Lは、横一直線上に配置した複数の発光素子(LED)から構成され、左加熱口4Lの火力を複数段階に表示するものである。左補助表示部17Lは、複数のLEDの点灯状態(点灯、消灯、点滅等)を切り替える、あるいは点灯色を切り替えることにより、火力を表現する。これにより、ユーザーUSに直感的で分かりやすい火力の報知を行うことができる。
右補助表示部17Rは、左補助表示部17Lと基本的に同じ構成であり、右加熱口4Rにおける予熱調理を選択した場合には、自動的に設定された温度(デフォルト温度)、または現在の温度などを表示する。
左補助表示部17Lと右補助表示部17Rは、左加熱口4L又は右加熱口4Rの上に載置された被加熱物Nに対する「タイマー調理」の設定時間や、そのタイマー調理の場合、左加熱口4L又は右加熱口4Rでの加熱動作を開始してからの経過時間、またはタイマー設定時間が終了するまでの残時間などを表示する。
中央加熱状況表示部17Mは、3つの加熱口4L、4C、4Rの高温状態等を表示するものであり、図5で詳しく説明する。
左火力表示部17L、右火力表示部17Rおよび中央加熱状況表示部17Mの3つを総称して「補助表示部」と呼ぶ場合があり、その場合は、符号は17を用いる。
また、右操作部15Rに隣接して、主電源スイッチ20(図9参照)の操作用ボタン(キー)20Aが設けられている。主電源スイッチ20は、加熱調理器1の主電源をONまたはOFFする。そのON-OFFの際に押下げされるボタン(キー)が前記操作用ボタン20Aである。
加熱調理器1の主電源がOFFの状態で操作用ボタン20Aが、例えば数秒間押されることにより、主電源がONとなる。また、加熱調理器1の主電源がONの状態で、操作用ボタン20Aを、例えば数秒間押すことにより、主電源がOFFとなる。
図4において、180は、前記入力操作部15の左端部に配置した音声入力モードを選択する(専用の)入力キー180である。この入力キー180は、機械的なスイッチでも良いし、後述する入力キー107~109のように、タッチ式入力スイッチの入力キーでも良い。
この音声入力を選択する入力キー180は、一度押すと、次の入力を音声で行うことができるものである。
この入力キー180を押すと、「音声入力モード2」の状態に切り替わる。
但し、この入力キー180は、加熱手段や加熱口(第1の加熱手段HM1)を音声で選択することはできない。
従って、入力キー180は、例えば加熱口4Cを、左操作部15Lの入力キーをタッチ操作した後、それに続いて操作されることが必要である。つまり、左操作部15Lの入力キーを「長押し」すれば、音声入力モード2に切り替えられるが、ここで「長押し」せずに「短押し」した場合、そのあとで入力キー180を押せば、その時点から音声入力モード2に切り替えることができる。
次に図5について説明する。図5は、中央入力操作部15Mと中央表示部16M及び中央加熱状況表示部17Mの配置と動作を説明するための図である。
中央操作部16Mの入力キー107、108,109は、中央表示部16Mの位置関係が分かるように、一点破線で模式的に示している。
図5に示した状態は、主電源スイッチ20がONになる以前の表示画面を示している。
図5において、中央表示部16Mは、加熱調理器1全体の情報および警報を表示するものであり、液晶ディスプレイにより構成される。中央表示部16Mの表示画面には、誘導加熱手段(第1の加熱手段)HM1、マイクロ波加熱手段(第2の加熱手段)HM2、輻射熱加熱手段(第3の加熱手段)HM3の選択結果、各加熱手段の動作状態、各加熱手段による加熱調理に対する注意情報、または警告情報を表示する。
前記中央表示部16Mは、ハードウエア上は1枚の液晶ディスプレイであるが、図5に示すように左側の第1表示エリア22、左右中央の第2表示エリア23および右側の第3表示エリア24の3つの表示エリアを有し、表示エリアごとに異なる表示を行うこともできる。
また、3つの表示エリア22~24は、表示の場面に応じて適宜連携して1つの(広い面積の)表示エリアになり、1つ又は複数の目的の表示を行う場合もある。なお、以下では、第1表示エリア22は、第1エリア(左表示エリア)22と呼ぶ。第2表示エリア23は、第2エリア(中央表示エリア)23と呼ぶ。第3表示エリア24は、第3エリア(右表示エリア)24と呼ぶ。
中央加熱状況表示部17Mは、前後方向に2段に分かれており、下段(前方側)には、「レンジ」という文字表示部の後方にあるレンジ用発光素子(LED)310と、「グリル」という文字表示部の後方にあるグリル用発光素子(LED)311と、「オーブン」という文字表示部の後方にあるオーブン用発光素子(LED)312と、「中央IH」という文字表示部の後方にある中央IH用発光素子(LED)313と、が配置されている。なお、発光素子310~313は、トッププレート3の下方に配置されている。
上段(後方側)には、「高温注意」の警告用文字と、加熱室6と3つの加熱口4L、4C、4Rを模式的に表す図形の前方下方に、それぞれ配置された高温注意用発光素子(LED)群314とが、配置されている。
高温注意用発光素子(LED)群314は、左右に並んだ加熱室高温注意用発光素子(LED)314aと、IH高温注意用発光素子(LED)314bとで構成されている。
加熱室高温注意用発光素子(LED)314aは、加熱室6内の温度が高温、例えば50℃以上の場合に点灯する。
IH高温注意用発光素子(LED)314bは、左IHコイル9L、右IHコイル9R、中央IHコイル9Cのいずれかが駆動中やトッププレート3の温度が高温、例えば50℃以上の場合に点灯する。
次に図6について説明する。
図6は、中央表示部16Mの動作と、中央操作部15Mの配置を説明するための図である。
中央操作部16Mの入力キー107、108,109は、中央表示部16Mとの位置関係が分かるように、一点破線で模式的に示している。
図6は、複合調理モードKM2が選択された場合の、第2特定画面16M2の表示例である。複合調理モードKM2に属する1つの制御メニューの「レンジ手動」の制御メニューを特定する表示情報(識別情報)160が第1エリア22の前後方向中央に表示されている。
後述する入力キー107をタッチ操作した場合、この「レンジ手動」の制御メニューは後方に移動する。これと同時に、前方側に表示されている「葉菜下ゆで」の表示情報162が中央に表示される。161は、1つの制御メニューである「あたため」の表示情報である。
また、入力キー107は、このような制御メニューの選択時には、後述する「音声入力切替キー」としては機能しないので、後述する「短押し」と「長押し」の場合で、入力機能は変化しない。1回のタッチに応じて、第1エリア22に表示された制御メニューが順次、1つずつ更新される。
このように、ユーザーUSは、入力キー107を操作することで、「制御メニュー」の中の特定の制御メニュー(例えば「レンジ手動」)を選択することができる。
なお、前記「レンジ手動」の制御メニューは、本来は第2の加熱手段HM2だけを使用する「単独調理モードKM1」に属するものであるが、この他に「複合調理モードM2」及び「連携調理モードKM3」にそれぞれ属する(複合調理の)制御メニューと、連携調理メニュー(例えば「ハンバーグ」等)に属する制御メニューや連携調理メニューも、前記第1エリア22に表示される。
図6に示したように、複合調理モードKM2では、第2エリア23には、ワット数(マイクロ波出力値)(図6は「500W」)が表示される。このワット数を変更したい場合には、後述する入力キー108をタッチ操作すれば良い、例えば「600Wにも、また反対に、例えば200Wにも変更できるが、選択できるワット数には制限がある。
34Wは、加熱する際の消費電力の大きさやマイクロ波出力等の大きさを示す加熱強度情報である。
ユーザーUSは、入力キー108を操作することで、加熱室6で実施するレンジ調理(マイクロ波発振源11を使用した「単独調理モードM3」の1種)において、ワット数(マイクロ波出力値)を選択することができる。
図6に示したように、複合調理モードKM2では、第3エリア24には、加熱動作時間(設定時間)が表示される。この加熱動作時間は、図13で説明する入力キー109をタッチ操作することで、変更できる。例えば、加熱室6で実施するレンジ調理の設定時間を選択することができる。34Mは、その設定時間情報である。なお、34Wは、加熱する際の消費電力の大きさやマイクロ波出力等の大きさを示す加熱強度情報である。
次に図7について説明する。
図7は、中央表示部16Mの表示動作と、中央操作部15Mの配置を説明するための図である。図7では、中央操作部16Mの入力キー107、108,109は、中央表示部16Mとの位置関係が分かるように、一点破線で模式的に示している。
図7は、連携調理モードKM1が選択された場合の、第1特定画面16M1の表示例である。連携調理モードKM1に属する1つの調理メニューの「ハンバーグ」の識別情報167が第1エリア22の前後方向中央に表示されている。
後述する入力キー107をタッチ操作した場合、この「ハンバーグ」の調理メニューは後方に移動する。これと同時に、前方側に表示されている「ローストビーフ」の識別情報169が中央に表示される。168は、別の調理メニューである「グラタン」の識別情報である。
また、入力キー107は、このような調理メニューの選択時には、後述する「音声入力切替キー」としては機能しないので、後述する「短押し」と「長押し」の場合で、入力機能は変化しない。1回のタッチに応じて、第1エリア22に表示された調理メニューが順次、1つずつ更新される。
このように、ユーザーUSは、入力キー107を操作することで、「調理メニュー」の中の特定の調理メニュー(例えば「ハンバーグ」)を選択することができる。
図7において、170は、操作支援情報である。この図7の例では「スタートボタンを押すと、左IHの加熱を開始します」と表示している。この意味は、中央操作部15Mの入力キー113を押せば、左IHコイル9Lで(連携調理モードKM1の)誘導加熱が開始できることである。但し、この実施の形態1では、入力キー113Mの後に、左操作部15Lで特定の入力キーを1回押す必要がある。
172は、連携調理モードKM1の場合、第1特定画面16M1に表示される工程情報である。この図7の例では、調理メニューとして「ハンバーグ」を選択した場合、最初は左IHコイル9Lで予熱工程があり、最初の調理工程1は、左IHコイル9Lで加熱調理を行い、次の調理工程2は、マイクロ波加熱手段(第2の加熱手段HM2)とオーブン加熱手段(第3の加熱手段HM3)が併用され、レンジグリル調理(RG調理)が実行されることが表示されている。
前記左表示部16Lと右表示部16Rについても、中央表示部16Mと基本的に表示機能は同じであり、第1エリア22~第3エリア24を有しているが、対応する加熱源が左加熱口4Lと右加熱口4Rだけである。
前記中央表示部16M、左表示部16L及び右表示部16Rのそれぞれの表示画面は、ハードウエア上は1枚の液晶表示画面であるが、後述する制御表示40又は専用の駆動回路(図示せず)によって、前記したように第1エリア22~第3エリア24の、最大で3つに分けて表示される。
このように1つの表示画面の中を、複数のエリアに区分して表示させる方法は、例えば日本の特許第5425171号公報や特開2017-172940号公報で提案されているため、詳細な説明は省略する。
次に図8について説明する。
図8は、実施の形態1に係る加熱調理器1の主要な機能を示した制御ブロック図である。
図8に示すように、加熱調理器1は、加熱調理器1の全体を統合制御する制御装置40を備える。
前記制御装置40は、加熱調理器1を構成する各部の動作を制御する制御回路などの電子部品が実装された電子回路基板である。制御装置40は、左操作部15Lおよび右操作部15Rの操作、ならびにトッププレート3上の被加熱物の温度に基づき、左IHコイル9L、右IHコイル9R、中央IHコイル9Cの駆動を制御する。
前記制御装置40は、中央操作部15Mの操作、トッププレート3上の被加熱物Nの温度、および赤外線センサー13、サーミスタセンサー14の検出結果に基づき、中央IHコイル9C、マイクロ波加熱手段11、上側輻射熱加熱手段12a、下側輻射熱加熱手段12bの駆動を、それぞれ制御する。
また、制御装置40は、左操作部15Lおよび右操作部15Rの操作に基づき、左表示部16L、右表示部16R、補助17の表示を制御する。
さらに、制御装置40は、開閉検知部10からの開放信号、ならびに左操作部15L、右操作部15Rおよび中央操作部15Mの操作に基づき、中央表示部16M、中央加熱状況表示部17Mの表示を制御する。
制御装置40は、加熱調理器1の制御に用いられる各種プログラムおよびパラメータ等のデータ(以下、これらを総称して「制御データ」と呼ぶ)と、各表示部16L、16R、16M、17L、17Rに表示される表示画面のデータ(以下、「表示条件データ」と呼ぶ)とを、記憶する記憶装置41を有する。また、制御装置40は、音声報知部50を必要に応じて起動し、ユーザーUSに対して加熱調理器1の動作状況を音声で伝える。
制御装置40は、加熱制御部43の加熱調理制御に用いられる各種プログラムおよびパラメータ等の情報を、一定のフォーマットに纏めたデータを、前記記憶装置41のレシピデータ記憶部42に記憶させている。このデータが、前述したレシピデータCDである。後で説明するが、加熱調理器1では、連携調理モードKM3の8つの調理メニューのそれぞれに、対応したレシピデータCDが、最初から用意されている。
前記「レシピデータ」CDと「表示条件データ」とは、加熱調理器1が通信端末等の外部機器から、個々の調理メニュー(例えば、「ハンバーグ」)毎に取得することができる。
42は、前記レシピデータCDと表示条件データとを記憶するレシピデータ記憶部である。なお、記憶部42は、記憶装置41の中の1つの区画(エリア)を構成するものでも良く、又は、ハードウエア上は前記記憶装置41と別体に構成しても良い。
43は、加熱調理器1の全体の加熱動作を統合制御する加熱制御部であり、マイクロコンピュータを主体に構成されている。
53は、データ取得部であり、前記通信部51を介して、通信端末200やクラウドサーバー300から、前記レシピデータCDを取得する。また、後述する通信部51を介して、通信端末200やクラウドサーバー300から、前記「表示条件データ」を取得する場合もある。
51は、外部と無線で通信を行う通信部であり、図1に示したように通信端末200と無線通信を行う機能を有している。また、クラウドサーバー300とネットワークNWを介して接続する機能を有している。
54は、許可条件判定部であり、連携調理モードKM1や複合調理モードKM2による調理を許可するかどうかの判定処理を行う。
57は、電源回路であり、前記制御装置40に対して一定電圧の電力を供給する。20は、この電源回路57に挿入された主電源スイッチである。
55は、前記レシピデータCDの取得を制限する制限部55である。
制限部55は、前記連携調理モードKM1の調理を開始する前の待機期間中(つまり、後述する「調理工程1」の前)に、前記データ取得部53が前記通信部51を介して前記レシピデータCDの取得を制限する機能を有する。
更に、前記制限部55は、外部から取得したレシピデータCDに基づいて、1つの調理メニューの調理工程が終了するまでの間、前記通信部51から新たなレシピデータCDを取得することを制限する機能を有する。
なお、制限部55は、制御装置40を構成するコンピュータ(図示せず)の1つの制御プログラムで実現されても良く、制御装置40とハードウエア上で別に構成されることは、必ずしも必要ではない。
前記入力操作部15には、ユーザーUSが発する音声をマイク(図示せず)で受けて所定の音声信号に変換する音声信号受信部56を有している。
15Rは、前記右操作部であり、15Lは、左操作部である。また、15Mは、中央操作部である。
一方、制御装置40には、前記音声信号受信部56からの音声信号を受けて、音声の内容を解析する音声信号解析部58を備えている。音声信号解析部58は、記憶装置41の中にある音声データベースの情報と比較し、音声信号受信部56で受信した音声の内容を解析し、加熱制御部43に解析結果を伝達する。
70は、入力処理部である。この入力処理部70は、入力操作部15からの入力信号を受けて、自身の入力受付モードを「音声入力モード1」に切り替える。また、後述する入力信号解析部52を制御する。更に、音声信号解析部58からの解析結果を受けて、前記加熱制御部43に制御用データを送信する。
図8において、59は、人感知センサーである。超音波又は赤外線を加熱調理器1の前方に放射して、その反射入力を受信する受信部(図示せず)も有している。この人感知センサー59は、加熱室6の正面(前方)方向に赤外線を放射するように設置してある。なお、前記受信部が受信した信号の処理専用回路は設けておらず、制御装置40によって受信信号が解析され、人がいるかどうかの判定が行われる。
図8に破線の枠で示しているように、前記音声報知部50と表示部16等を総称して「報知部」と呼ぶ場合があり、この場合は符号として、90を用いる。
26は、発光制御部である。この発光制御部は、多数の発光素子の発光を制御する。前記個別発光部21Mに配置したLED等から構成された発光素子27Aと、前記入力キー154Mに配置した発光素子27Bは、この発光制御部26によって発光が制御される。発光色の異なる2つ以上の発光素子27を1か所に配置している場合には、それら複数の発光素子の発光状態によって、ユーザーUSに対しては発光色が変化したような視覚効果がある。
図8において、52は、前記入力操作部15からの入力信号を分析する入力信号解析部である。
この入力信号解析部52は、右操作部15R、左操作部15L及び中央操作部15Mから送信された、それぞれの入力信号を個別に解析する。特に、この入力信号解析部52は、前記入力モード切替指令(音声入力モード対応信号)MC1を受け付けたかどうかを判定する判別機能がある。そして、入力モード切替指令(音声入力モード対応信号)MC1を受け付けたことを判別すると、入力モードを「タッチ入力モード」から「音声入力モード1」に切り替えるための切替指令を発する。
以下の説明では、前記「入力モード切替指令MC1」は、「音声入力モード設定信号MC1」と呼ぶ。なお、この音声入力モード設定信号MC1を前記入力処理部70が受けると、音声信号解析部52に対して、音声入力の待機状態に移行する制御信号を出す(例えば、専用の音声解析プログラムを起動させる)。
入力操作部15には、各種の入力キーがある。例えば、図5、図6で説明したように、中央操作部15Mには、入力キー107~109がある。これら入力キーのタッチ入力結果が、入力信号解析部52に送信される。
特に、前記「音声入力切替キー」の1つである入力キー107のタッチ操作時には、そのタッチ状態が「長押し」であるか「短押し」であるかを、中央操作部15Mで判定し、その判定結果(音声入力モード1の指令信号)が制御装置40に入力される。
同様に、右操作部15Rに左操作部15Lにも、各種入力キーがあるが、それら入力キーのタッチ入力結果が、入力信号解析部52に送信される。
特に、前記「音声入力切替キー」の1つである入力キー107L、107Rのタッチ操作時には、そのタッチ状態が「長押し」であるか「短押し」であるかを、左操作部15Lや右操作部15Rで判定し、その判定結果(音声入力モード1の指令信号)が制御装置40に入力される。
更に、中央操作部15Mには、スタートキー113とストップキー114があるが、それら入力キーのタッチ入力結果が、入力信号解析部52に送信される。
その他、右操作部15Rと左操作部15Lにおけるスタートキー113R、113Lとストップキー114R、114Lのタッチ状態も入力信号解析部52に入力される。
次に図9について説明する。
図9は、制御装置40と中央操作部15Mとの関係を説明するブロック構成図である。なお、図8で説明した音声信号受信部56は、記載を省略している。なお、右操作部15Rと左操作部15Lについても、この中央操作部15Mの構成と基本的に同じである。
図9において、15Aは入力キー識別部である。この入力キー識別部15Aは、タッチ操作された入力キーを特定するものである。例えば、入力キー107がタッチ操作された場合は、当該入力キーの固有の識別信号を発する。また、入力キー108がタッチ操作された場合は、当該入力キーの固有の識別信号を発する。
15Bは、タッチ検出部である。ユーザーUS等の指先FGがタッチ用電極部に接近した場合、検出回路は「ON」信号を発し、離れると「OFF」信号を発する。
15Tは、時間計測部である。この時間計測部15Tは、タッチ検出部15Bの「ON」信号時点から「OFF」信号に変化した時点までの時間を計測して、計測時間データを発信する。
15Cは、入力モード判定部である。この入力モード判定部15Cは、前記時間計測部15Tからの計測時間データを受けて、前述したように5秒間という閾値を境にして、5秒以上であれば、「音声入力モード1」であると判定する。この閾値未満であった場合には、通常の「短押し」の操作であると判定する。
以下の説明では、中央操作部15Mの前記入力モード判定部15Cで「長押し」であるかどうかを判別する実施の形態を説明する。しかし、実施の形態1では採用していないが、中央操作部15Mでは、「ON」信号時点から「OFF」信号に変化した時点までの時間を計測して、そのデータを制御装置40に送信し、制御装置40において「長押し」であるかどうかを判別する方法もある。
この実施の形態1では、特定の入力キー(中央操作部15Mにおいては、例えば、後述する入力キー107)について、上記したような「長押し」を判別し、前記「音声入力モード1」に切り替える機能がある。
これについては、後で詳しく説明する。
なお、「長押し」でないタッチ操作、すなわち、例えば連続して5秒未満のタッチ状態を「短押し」と呼ぶ場合がある。中央操作部15Mの検知能力にも関係するので、例えば、タッチ時間が0.1秒~4.9秒まで範囲であった場合は、「短押し」であると前記入力モード判定部15Cが判定するようにしている。
中央操作部15Mだけではなく、左操作部15Lと右操作部15Rにも、それぞれ前記入力モード判定部15Cに相当する判定部を有しているが、全ての操作部からのデータを個々に取得して集中的に判定する(共通の)1つの入力モード判定部15Cを設けるようにしても良い。
入力モード判定部15Cからは、「音声入力モード1」であるかどうかの判定結果を示す信号(音声入力モード対応信号MC1)を、前記制御装置40に送信する。
15Dは、記憶部である。この記憶部15Dは、上記したようなタッチ検出部15A、時間計測部15T、入力モード判定部15C等の各種制御パラメータや閾値、判定処理のプログラム情報等を格納している。
15Eは、入力操作部(中央操作部15M)としての各種情報処理動作を行う中央処理部(CPU)である。
15Fは、入力信号発信部である。この入力信号発信部15Fは、前記したような入力キーの固有の識別信号や、「音声入力モード1」であるかどうかを判定した結果の、音声入力モード対応信号MC1を、制御装置40の前記入力信号解析部58に送信する。
15Gは、後述するダイヤル式の入力手段123の回動に応じて発生するパルス信号を検知し、回動した角度に応じた指令信号に変換して、当該指令信号を入力キー識別部15Aに入力するダイヤル回転検知部である。なお、ダイヤル式の選択手段(ダイヤル式の入力手段)123は、時計回り方向と反時計回り方向の両方に回動するが、その回動方向も判別される。
この図9では、タッチ検出部15A、時間計測部15T、入力モード判定部15C等が、個々の独立したブロックで描いてあるが、ハードウエア上で別個の構成にせずに、例えば、1つのマイクロコンピュータのソフトウエアで、これら各機能を実現するようにしても良い。
また、この図9では、中央操作部15Mの例で説明しているが、右操作部15Rと左操作部15Lについても、それぞれの操作部の入力であることは制御装置40で識別される。そのため、右操作部15Rにおける入力キー識別部15Aでは、右操作部15Rに存在している入力キーであることを特定するデータが、入力キーからの信号に含まれている。これは、左操作部15Lについても同様である。
以上の説明から明らかなように、加熱調理器1は、
トッププレート3の上で被加熱物を誘導加熱する第1の加熱手段HM1と、
壁面が金属製の加熱室6と、
前記加熱室6にマイクロ波を供給する第2の加熱手段HM2と、
前記加熱室6を輻射熱で加熱する第3の加熱手段HM3と、
報知部90と、
通信部51と、
表示部16と、
制御装置40と、を有している構成である。
、
前記制御装置40は、表示部16に待機時初期画面を表示した後、各調理モードに専用の表示画面(第1特定画面16M1~第3特定画面16M3)を表示する。
前記調理モードは、3種類ある。つまり、単独調理モードKM1、複合調理モードKM2及び連携調理モードKM3である。
前記単独調理モードKM1には、以下の3種類がある。
(1)前記第1の加熱手段HM1を単独で動作させるIH単独モード
(2)前記第2の加熱手段HM2を単独で動作させるレンジ単独調理モード
(3)前記第3の加熱手段HM3を単独で動作させるオーブン単独調理モード
前記複合調理モードKM2とは、前記第2の加熱手段HM2と前記第3の加熱手段HM3の両方を同時に加熱動作させ、あるいは自動的に動作時期を異ならせて、前記加熱室6で加熱調理を行う加熱パターンである。
前記連携調理モードKM1とは、前記第2の加熱手段HM2と前記第3の加熱手段HM3の両方又は何れか一方と、前記第1の加熱手段HM1を、ユーザーUSからの指令によって長さが定まる移行期間TRを経て、順次動作させる加熱パターンである。
前記制御装置40には、前記した3つの調理モードKM1~KM3を実行する動作プログラムを有している。
前記制御装置40の前記データ取得部53は、通信部51を介して、クラウドサーバー300や通信端末200から、前記レシピデータCDを取得することができる。
前記入力操作部15では、入力キー180によって、「音声入力モード2」を選択できる。つまり、全ての操作部(15M、15L、15R)に共通して、それら入力工程で操作すれば、音声入力モード2を選択できる。
更に、中央操作部15M、右操作部15R及び左操作部15Lに配置した入力キーの内、特定の入力キー(107、153R、153L)は、タッチ形態の1つである「長押し」状態に応じて、「音声入力モード1」を選択することができる。
(4.中央操作部の制御メニューの構成)
次に、中央操作部15Mによって中央表示部16Mに表示され、選択できる制御メニューについて、図10を参照しながら説明する。
図10は、中央操作部15Mによって選択できる制御メニューの全体を示している。
図10の一覧表では、第1エリア22は、「左表示エリア」と表示しており、第2表示エリア23は、「中央表示エリア」、また、第3エリア24は、「右表示エリア」と表示している。
中央操作部15Mによって選択できる制御メニューは、マイクロ波加熱手段(第2の加熱手段HM2)と上側輻射熱加熱手段12a、下側輻射熱加熱手段12bの一方又は双方を使用するRG(レンジグリル)メニュー群と、中央加熱口4Cに対応した中央IHコイル9Cを使用するIHメニュー群と、に区分けされる。
図10に示した制御メニューを、4つの視点(分類1~4)で分類したものが、図11である。図11から明らかなように、前記制御メニューは、単独調理モードKM1と複合調理モードKM2に大別される。なお、図10と図11では、連携調理モードKM1は記載していないが、中央操作部15Mでは、連携調理モードによる連携調理メニューが実行できる。
主電源スイッチ20を「ON」にして、最初に中央操作部15Mの入力キー108が押下げされると、複合調理モードKM2が選択されたことになる。
そのため、中央表示部16Mの表示画面は、第2特定画面16M2に切り替わる。
第2特定画面16M2の第1エリア22には、図6に示したように、第1エリア(左表示エリア)22には、例えば「あたため」という制御メニューが必ず最初に表示される。この「あたため」という制御メニューがデフォルト設定してあるからである。
図10の左表示エリアは、第1エリア22に相当する表示エリアである。つまり、図11の一覧表の「左表示エリア」に記載された各種制御メニューは、第1エリア22の中に順次表示される。
図10の一覧表の「左表示エリア」に記載されているように、「あたため」の他、「レンジ手動」、「葉菜下ゆで」、「根菜下ゆで」、「肉解凍」、「レンジグリル(RG)調理」、「レンジグリル(RG)再加熱」、「レンジグリル(RG)手動」、「グリル」、「オーブン」、「IH保温」、「IH炊飯」、「IH加熱」の、合計13個の制御メニューがある。
前記制御メニューの「あたため」、「レンジ手動」、「葉菜下ゆで」、「根菜下ゆで」、「肉解凍」、「レンジグリル(RG)調理」、「レンジグリル(RG)再加熱」、「レンジグリル(RG)手動」、「グリル」、「オーブン」は、RGメニュー群に含まれる。
また、「IH保温」、「IH炊飯」、「IH加熱」は、誘導加熱源が使用される「IHメニュー群」に含まれる。
図10の「中央表示エリア」に記載された内容は、中央表示部16Mの第2エリア23に表示される内容であり、温度や時間、火力、「強め」、「弱め」など、調理中の加熱状況の調整に関するものである。言い換えると、「中央表示エリア」に記載した各種の制御条件は、第2エリア23に表示されるものである。この「中央表示エリア」のデフォルト設定の内容は、その「中央表示エリア」の右の列の「デフォルト」の欄に列挙している。
図10の一覧表の「右表示エリア」に記載された内容は、中央表示部16Mの第3エリア24に表示される情報を示している。
「右表示エリア」のデフォルト設定の内容は、その「右表示エリア」の右の列の「デフォルト」欄に列挙している。空白の部分は、変更が可能な制御条件を意味しておらず、情報が表示されないこと、あるいは(ユーザーUSには)選択や変更ができない適宜の説明文などが、右表示エリア(第3エリア24)に表示されることを意味している。
次に、図10の一覧表の「左表示エリア」に表示された、合計13種類の制御メニューについて説明する。
(1)あたため:マイクロ波加熱手段(第2の加熱手段HM2)を使用して加熱室6内の被調理物を加熱することをいう。被調理物の再加熱の場合も、この「あたため」が適する。デフォルト設定で「80℃」となっているので、食品が加熱されて80℃になった時点で、マイクロ波加熱は自動的に停止する。なお、「80℃」は、目標温度であり、この温度は加熱開始前にユーザーUSが調節できる。図10の中央表示エリアに示しているように、例えば0℃~90℃の範囲は5度刻みで設定できる。
(2)レンジ手動:マイクロ波加熱手段(第2の加熱手段HM2)を使用して加熱室6内の被調理物を加熱することをいう。加熱時間はユーザーUSが、10秒間~60分間の間の特定の時間に設定して行うものである。
(3)葉菜下ゆで:マイクロ波加熱手段(第2の加熱手段HM2)を使用して加熱室6内の被調理物、特に、葉を食用とする野菜、例えば、ほうれん草、白菜などの葉菜類を茹でることに適するものである。赤外線センサー13が、当該被調理物の温度上昇をリアルタイムで計測し、自動的に停止する。
(4)根菜下ゆで:マイクロ波加熱手段(第2の加熱手段HM2)を使用して加熱室6内の被調理物、特に、根や地下茎、じゃが芋などの根菜類を茹でることに適するものである。
(5)肉解凍:加熱室6内の冷凍した各種の肉類を解凍する場合に適するものである。
(6)レンジグリル(RG)調理:マイクロ波加熱手段(第2の加熱手段HM2)を使用したマイクロ波加熱と、上側輻射熱加熱手段12a、下側輻射熱加熱手段12bを使用したオーブン加熱とを組み合わせて、加熱室6内の被調理物を加熱調理するものである。
(7)レンジグリル(RG)再調理:加熱室6内において調理済の被調理物を再度加熱する場合に適するものである。
(8)レンジグリル(RG)手動:マイクロ波加熱とオーブン加熱をユーザーUSが適宜選択して加熱室6内の被調理物を加熱調理するものである。
(9)グリル:上側輻射熱加熱手段12a、下側輻射熱加熱手段12bの一方又は両方を使用して、加熱室6内の食品を加熱するものである。つまり、第3の加熱手段HM3を使用した制御メニューである。
前記「グリル」では、加熱室6の温度管理は行わず、また被調理物の温度上昇を検知して加熱動作を停止するという制御も行わない。10秒間~30分間の範囲内で、ユーザーUSが指定した時間だけ加熱動作が行われる。
(10)オーブン:上側輻射熱加熱手段12a、下側輻射熱加熱手段12bの一方又は両方を使用して、加熱室6内の被調理物を加熱するものである。加熱室6の温度は、サーミスタセンサー14によってリアルタイムで計測され、設定した目標温度になるように、上側輻射熱加熱手段12aと下側輻射熱加熱手段12bの通電制御が行われる。
(11)IH保温:中央加熱口4Cの上方にある鍋などの被加熱物を、ユーザーUSが設定した温度に保つ様に加熱を行うものである。誘導加熱の火力は200Wから750Wまでの低火力から中火力までが使用され、中央IHコイル9Cの近傍に設置された温度センサー(図示せず)によって、前記被加熱物の温度をリアルタイムで検知し、検知した温度から、前記制御装置40の加熱制御部43が火力の制御を行う。なお、デフォルト温度は図10に示しているように80℃である。例えば、スープ等の保温に適する。
(12)IH炊飯:ユーザーUSが設定した合数(炊飯量)に合わせて加熱を行うものである。誘導加熱の火力は200Wから1500Wまでの低火力から高火力までが使用される。中央IHコイル9Cの近傍に設置された温度センサー(図示せず)は、被加熱物の異常加熱(過熱状態、オーバーヒートともいう。以下同じ)を検知するために用いられ、異常な温度を検知すると制御装置40によって火力の低下や加熱動作停止が行われる。
(13)IH加熱:ユーザーUSが設定した誘導加熱の火力に合わせて加熱を行うものである。設定できる火力は5段階あり、火力1:200W、火力2:500W、火力3:750W、火力4:1000W、火力5:1500Wとなっている。中央IHコイル9Cの近傍に設置された温度センサー(図示せず)は、被加熱物の異常加熱を検知するために用いられ、異常な温度を検知すると制御装置40によって、火力の低下や加熱動作停止が行われる。なお、デフォルト火力は500W(火力2)である。
次に図11について説明する。
図11は、前記RG制御メニュー(図10の「RGメニュー群」)と、第1の加熱手段HM1による単独調理モードKM3のIH制御メニュー(図10の「IHメニュー群」)の分類表である。
この図11の一覧表の分類2から明らかなように、制御メニューの名称は、中央表示部16Mの第1エリア22においても文字で表示され、ユーザーUSに対して制御メニューの選択に利用される。
次に、図12について説明する。
図12は、連携調理モードKM1における調理メニューと、前記操作支援情報170(図7参照)の対応関係を示した一覧表である。
図12から明らかなように、連携調理モードKM1における前記調理メニューとは、ハンバーグやローストビーフ等であり、図7で説明したように、それら個々の調理メニューを特定する識別情報167に対応して、工程表示部172と支援情報Aと支援情報Bの内容は事前に確定している。つまり、表示部16で表示される表示情報を決める表示データは、前記記憶部41に記憶されている。
図12から分かるように、前記操作支援情報170は、操作支援情報Aと操作支援情報Bの2種類ある。1つは「スタートボタンを押すと、左IHの加熱を開始します」というものであり、他の1つは「スタートボタンで決定します」という情報である。この「スタートボタン」とは、入力キー113(図13参照)のことである。
前記した2種類の操作支援情報170は、連携調理モードKM1の調理工程の開始前に自動的に切り替わる。例えば、数秒置きに交互に表示される。
図12から明らかなように、連携調理モードKM1における前記調理メニューとは、ハンバーグやローストビーフ等、少なくとも8種類あり、マイクロ波加熱を先に行う調理メニューと、誘導加熱を先に行う調理メニューの、2つに大別される。
図12の一覧表において、「工程表示部172の表示」の欄で、「IH予熱」と記載されている点について説明する。
この実施の形態1では、前記連携調理モードKM1の1種として「連携予熱調理モード」KM1Aを備えている。
当該連携予熱調理モードKM1Aは、2種類ある。
前記連携予熱調理モードKM1Aを利用する調理メニューとして、例えば、「ハンバーグ」がある。この「ハンバーグ」の場合は、その予熱工程を第1の加熱手段HM1で行う。
予熱工程を実行中に、調理工程1を開始すると、当該調理工程1の開示時点では、前記予熱工程の加熱動作を停止していない。
そのため第1の加熱手段HM1の通電と、調理工程1を担当する第2の加熱手段HM2(マイクロ波加熱手段)及び第3の加熱手段HM3の通電とは、同じ時間帯で並行的に行われことになる。
言い換えると、連携予熱調理モードKM1Aでは、調理工程1の前から動作を開始している加熱源(上記説明では、第1の加熱手段HM1)を、調理工程1の開始時点で必ずしも停止せず、調理工程1の期間中、第2の加熱手段HM2(マイクロ波加熱手段)と、第3の加熱手段HM3の一方又はその両方と、共に通電される場合がある。
特に矛盾を生じない限り、前記連携調理モードKM1には、前記連携予熱調理モードKM1Aを含んでいるという前提で、以下説明する。
連携調理モードKM1Aを選択する段階では、被調理物の名称を示す識別情報167を中央表示部16M表示させた時点で、左操作部15Lは、他の調理メニューのためには使用できないようになる(「占用状態」ともいう)。
具体的には、左操作部15Lの各種入力キーの内、少なくとも左加熱口4Lを選択する入力キー107L(図示せず)は、加熱制御部43によって無効化される。この「無効化」という意味は、入力キー107L(図示せず)から、有効な指令信号が加熱制御部43に発信されないという意味と、有効な指令信号が発信されても、加熱制御部43が、その指令信号を有効な指令信号として処理しないこと、の両方の意味がある。何れにしても、左IHコイル9Lでの加熱を選択できないことになる。
同時に、識別情報167が表示された時点で、右加熱口4Rの右操作部15Rは、使用できないようにしても良い。左操作部15Lの場合と同様に、入力キー107R(図示せず)の「無効化」による。しかし、この「無効化」をしないようにユーザーUSが入力操作部15で事前に機能設定(図13に示す機能設定キー115を使用)していた場合には、右IHコイル9Rが、他の制御メニューのために既に使用されている(加熱動作継続中)場合には、その右IHコイル9Rは、そのまま使用できる。一方、連携調理モードKM1では、そのような先に使用されている事実から、使用できないと判定される(加熱制御部43による)。
従って、左IHコイル9Lだけが、連携調理モードKM1の選択によって「占用」された状態となる。また第1の加熱手段HM1の全体から見れば、3つの加熱部4L、4C、4Rの一部分(左IHコイル9L)だけ、使用が「制限」されたことになる。なお、右IHコイル9Rが他の調理のために使用中でない場合には、この右IHコイル9Rも同様に占用した状態にしても良い。
次に、図13について説明する。
図13は、加熱調理器1における待機時の、中央表示部16Mの表示内容を示した説明図である。
この中央表示部16Mの表示画面16MHは、待機時初期画面である。待機時初期画面16MHについては、図28で詳しく説明する。待機時初期画面16MHは、複数種類あり、この図13の画面は、図28に示した表示画面2A~2Cと区別するために、表示画面2Dと呼ぶ場合がある。
図13において、102は、連携調理モードKM1を選択する入力キー107を特定する情報を示した表示部であり、「キー1へ」と文字で示している。
103は、複合調理モードを選択する入力キー108を特定する情報を示した表示部であり、「キー2へ」と文字で示している。
104は、誘導加熱(IH)による単独調理モードを選択する入力キー109を特定する情報を示した表示部であり、「キー3へ」と文字で示している。
なお、前記3つの表示部102~104は、タッチ式入力機能はないので、これらをタッチしても何の入力もできない。
入力キー107は、連携調理モードKM1の選択ができる入力キーである。タッチ式のスイッチから構成されている。この入力キー107は、前記第1エリア22の前方側に配置されている。
107Aは、第1特定情報であり、数字で「1」と表示されている。つまり、この第1特定情報107Aは、表示部102の表示内容の「キー1へ」と対応している。
入力キー108は、複合調理モードKM2の選択ができる入力キーである。タッチ式のスイッチから構成されている。この入力キー108は、前記第2エリア23の前方側に配置されている。
108Aは、第2特定情報であり、数字で「2」と表示されている。つまり、この第2特定情報108Aは、表示部103の表示内容と対応している。
入力キー109は、誘導加熱(IH)による単独調理モードKM3の選択ができる入力キーである。タッチ式のスイッチから構成されている。この入力キー109は、前記第3エリア24の前方側に配置されている。
109Aは、第3特定情報であり、数字で「3」と表示されている。つまり、この第3特定情報109Aは、表示部104の表示内容と対応している。
前記第1特定情報107A~第3特定情報109Aと、表示部102~104の表示内容は、図5のように数字「1」~「3」によって、それぞれ対応関係を示しているが、数字以外の記号や文字、同じ図形等で対応関係を表示しても良い。
これによって、例えば、連携調理モードKM1を選択する場合には、前記第1特定情報107Aが表示された入力キー107を操作すれば良いことが分かる。なお、この数字「1」に加えて、「連携調理」等の調理モードを示す名称、略称を表示しても良い。
前記第1特定情報107Aは数種類用意されている。入力キー107の最初の操作場面だけは、図15に示したように数字の「1」を表示しているが、図14に示すように、次の場面では「メニュー」という文字を表示する。このように、第1特定情報107Aは、入力キー107の操作面(可視光線透過性材料)の下方にある発光部(図示せず)の表示によって、表示内容が適宜変化する。
中央表示部16M1の表示画面に表示される情報は、後述する制御装置40の表示プログラム、又は専用の駆動回路(図示せず)によって、入力操作に応じて順次更新される。
入力キー107を操作すれば、中央表示部16Mには、前記連携調理モードKM1で使用される第1特定画面16M1が表示される。第1特定画面16M1は、図14に一例を示している。
入力キー108を操作すれば、中央表示部16Mには、前記複合調理モードKM2で使用される第2特定画面16M2(図41参照)が表示される。
入力キー109を操作すれば、中央表示部16Mには、誘導加熱(IH)による単独調理モードKM3で使用される第3特定画面16M3(図示せず)が表示される。なお、左操作部16Lを使用した場合の、第3特定画面16L3の例は、図29に示している。
第1特定画面16M1~第3特定画面16M3は、前記中央表示部16Mに同時に表示されることはなく、択一的に表示される。
113は、この中央操作部15Mにおける3種類の加熱調理を開始できる入力キーである。タッチ式の入力キーであり、タッチすれば入力指令信号が発せられる。この入力キー113は、以後、「スタートキー」と呼ぶ。
114は、この中央操作部15Mにおける3種類の加熱調理(3種類の)調理モードを、任意のタイミングで停止できる入力キーである。タッチ式の入力キーであり、タッチすれば入力指令信号が発せられる。この入力キー114は、以後、「ストップキー」と呼ぶ。
この中央操作部15Mにおける3種類の加熱調理とは、以下の通りである。
(1)加熱室6を使用した連携調理モードKM1
(2)加熱室6を使用した複合調理モードKM2
(3)加熱室6を使用したマイクロ波加熱手段(第2の加熱手段)HM2による単独調理モードKM3
(4)中央加熱口4Cを使用した誘導加熱手段(第1の加熱手段)HM1による単独調理モードKM3
中央操作部15Mの最も左側に配置された入力キー115は、加熱調理器1全体の各種動作や表示等を、ユーザーの希望通りに設定できるようにするためのものである。
入力キー115を押すと、後述する制御装置40は「機能モード」に切り替わり、中央表示部16Mの表示画面に以下のような「機能設定メニュー」を表示する。
(1)チャイルドロック設定(各種入力キーの操作無効化設定)
(2)換気扇連動モード設定
(3)お掃除ガイド設定(加熱室6と排気カバー5の清掃時期自動報知機能設定)
(4)ピークカット設定(最大消費電力を、5700W、5000W、4800W及び4000Wの4段階から1つ選択)
(5)音声ガイドの音声設定
(6)音声ガイドの音量設定
(7)加熱室6からの被調理物、調理器具等の出し忘れを防止する設定(音声報知部50と3つの表示部16L、16M、16Rでの警報の要否)
(8)HEMS登録設定(家庭用電力制御装置による電力使用制限機能に関する設定)
(9)タイマー調理の時間単位(1分単位設定を、5分や30分単位へ変更)設定
(10)初心者モードと通常(習熟者)モードの切り替え
(11)冷蔵庫403から取得する在庫情報の種類(範囲)の設定
(12)連携調理モードKM1の各調理メニュー(例えば、「ハンバーグ」)の表示優先度(デフォルト表示にすべき具体的な調理メニュー、識別情報167)の設定
(13)複合調理モードKM2の各制御メニュー(例えば、「レンジグリル」、「葉菜下ゆで」)の表示優先度(デフォルト表示にすべき具体的な制御メニュー)の設定
(14)主電源スイッチ20のONの後、加熱室6のドア7が開けられた場合、自動的に中央表示部16Mに表示する調理モードの設定(連携調理モードKM1と複合調理モードKM2の2者の間の、表示優先度など)
(15)連携調理モードKM1の個々の調理メニューを中央表示部16Mに表示する場合、対象となる調理物(食品)の成分と、栄養成分を、その都度個々に表示する設定。なお、当該食品成分と栄養素の何れか一方だけでも良く、両方でも良いが、この実施の形態1では、入力キー109の1回押し(短押し)を食品成分、2回押し(短押し)を栄養成分の表示指令キーにしてある。
入力キー109が、所定の期間内に1回又は2回操作された場合、及び音声入力モード1に設定して音声で指令した場合に、食品成分又は栄養成分の表示をする。つまり、常に調理メニューの識別情報167(後述する)とセットになって同時に表示されず、ユーザーUSの操作(音声含む)に応じて表示される。詳しくは図20で説明する。
(16)連携調理モードKM1の個々の調理メニューを選択する場合、食品の成分と、栄養成分から調理メニューの候補を検索して中央表示部16Mに表示する設定。この場合、前記入力キー180を押し、「音声入力モード2」にしてユーザーUSが音声で検索できる。詳しくは図20で説明する。
(17)前記連携調理モードKM1の各調理メニューの表示優先度の設定。
デフォルト表示にすべき具体的な調理メニューの設定に関連するが、前記食品成分又は前記栄養成分の何れかを表示の最優先項目に設定すること。これを設定すると、例えば、栄養成分の内、図20に示すようにエネルギー量(カロリー値)の小さい順に、調理メニューを表示することができる。又は、栄養成分として「鉄分」の量が大きい順に調理メニューを表示することができる。
前記「初心者モード」とは、加熱調理器1の使用に不慣れな人(ユーザー)のための、オプション機能であり、この初心者モードに設定すると、音声報知部50における音声ガイドの内容が、より細かく、丁寧になる。また、入力操作部15での入力操作について、音声ガイドが増えたり、表示部16L、16M、16Rの表示画面の表示情報が増えたりする。
前記初心者モードに設定した場合は、特に、複合調理モードKM2と、連携調理モードKM1における調理の場合、調理工程1と調理工程2において、中央表示部16Mの表示画面で表示する参考情報の量が増え、又は音声報知部50における音声ガイドの内容が増える。このため、ユーザーの入力操作を支援できる機能が強化される。
主電源スイッチ20のONの後、加熱室6のドア7が開けられた場合、自動的に中央表示部16Mに表示する調理モードの設定とは、連携調理モードKM1と複合調理モードKM2の何れか一方を設定することをいう。連携調理モードKM1と複合調理モードKM2の両方が、1つの中央表示部16Mを使用しているため、どちらか一方の表示を優先させることをユーザーが設定できる。
主電源スイッチ20のONの後、加熱室6のドア7が開けられた場合、このドア7の開放を制御装置40が検知する。
ユーザーが加熱室6を使用する調理を行うものと推定し、先に連携調理モードKM1のための第1特定画面16M1、又は複合調理モードKM2のための第2特定画面16M2の、何れか一方を中央表示部16Mに自動的に表示させる機能である。
なお、第1特定画面16M1又は第2特定画面16M2は、前述した待機時初期画面が表示された後、ドア7が開放された直後に、自動的に表示される。
入力キー115を押すと、中央表示部16Mの表示画面に「機能設定メニュー」が表示される。この後、中央操作部16Mにおいて、前記入力キー15以外の特定の1つの入力キー(例えば、107)を「長く押す」(以下、「長押し」という)と、前記した「機能設定メニュー」の中の1つの設定メニューを選択し、続けて、希望する設定内容に変更することができる。
あるいは、前記入力キー115以外の特定の2つの入力キー(例えば、107、108)を同時に「長押し」した場合、前記した「機能設定メニュー」の中の1つの設定メニューを呼び出して、希望する設定内容に変更することができる。
前記「長押し」とは、例えば連続して5秒以上押された状態をいう。
前記「長押し」の状態であるかどうかは、中央操作部15Mにおけるタッチ入力のタイミングを、入力モード判定部15C(図9参照)が基準値と比較して判定する。つまり、中央操作部15Mにおいて、前記入力キー(例えば、107)が押されたタイミングは、ON(タッチ時)-OFF(非タッチ時)信号で判別できるが、そのON信号時点からOFF信号に変化した時点までの時間を計測して、「長押し」であるかどうかを判別している。これについては、入力キー107の「長押し」処理と同じであるので、後で詳しく説明する。
図13において、123は、中央操作部40Mの右端部に配置したダイヤル式の選択手段である。
この選択手段123は、前記入力キー107~109の何れか1つを押した後、ユーザーが回すと、連携調理モードKM1の調理メニューや、特定の調理メニューに適用する制御条件(誘導加熱時の火力、マイクロ波出力等)を設定することができる。これについては、次の図14で説明する。
前記選択手段は、回動中心点CPを中心として、図13に矢印で示すように時計回りと反時計回りの双方に回すことができる。また、1回転以上回転させることもできるが、一定の回動範囲に制限していても良い。なお、選択手段123は、前記中心点CPにある回転軸(図示せず)によって中央操作部15Mに、回動自在に固定されている。
21M1~21M5は、個別発光部であり、6つの入力キー107、108、109、113、114、115の、入力機能が有効であることを表示している。これら個別発光部21M1~21M5は、発光ダイオード(LED)等の発光素子27からの光を受けて、中央操作部15Mの上方へ光を放射する。なお、図13において、個別発光部21M1、21M2、21M3、21M5に、それぞれ星形マークを付けているが、これは対応する発光素子27が発光していることを示したものである。つまり、図13の例では、合計4つの入力キー107、108、109、115は、何れも入力機能が有効であることを表示している。
次に図14について説明する。
図13に示した状態で、入力キー107がタッチ操作された場合、中央表示部16Mは、図14に示したように第1特定画面16M1に切り替わる。つまり、待機時初期画面(図13)の状態から、連携調理モードKM1のための第1特定画面30SPを表示した状態に切り替わり、デフォルト設定されている調理メニューとして「ハンバーグ」の識別情報167が表示される。なお、この場合の入力キー107のタッチ操作は、「短押し」でも「長押し」でも良い。
図14に示した第1特定画面16M1のように、前記入力キー107に表示される第1特定情報107Aは、数字ではなく、「メニュー」という機能の種類を示す名称に変化する。この場合の「メニュー」とは、調理メニューのことである。
また、前記入力キー108に表示される第2特定情報108Aは、数字の「2」から「左/右」という誘導加熱源9の加熱口4L、4Rを選択できる情報に変化する。なお、入力キー109は、入力すべき項目がないため、第3特定情報109Aとしては何も表示されない。
図14に示している状態では、前記入力キー107は、第1特定情報16M1で示しているように「メニュー」の選択機能がある。そのため、この入力キー107の操作の次に、ダイヤル式の選択手段123を、太い矢印で示すように、時計回りか、反時計回りに回動させると、その回動範囲に応じて第1エリア22の中に表示される調理メニューの識別情報167が、一定の順序で順次変化する。つまり、別の被調理物の調理メニューの識別情報に変化する。
なお、上記のように、入力キー107が選択された瞬間から、前記選択手段123のダイヤル部分に表示されている矢印部分は、発光する。これにより、ユーザーに対し、選択手段123を回す操作を促す。なお、矢印部分の発光色を、入力キー107の操作の前と後で、変化させても良い。
図14に示したように、加熱部特定部116L、116Rも、識別情報167と同時に表示される。
加熱部特定部116L、116Rの何れか一方は、前記入力キー108を操作して選択できる。具体的には、入力キー108を押して、次にダイヤル式の選択手段523を、太い矢印で示すように、時計回りか、反時計回りに回動させれば良い。あるいは、1回入力キー107を押した場合は、図14に示すように最初に(デフォルト設定で)「左」が選択され、その後に続けて入力キー108を1回押した場合には、「右」が選択されるようにしても良い。更に、同じ入力キー108を押した場合には、再び「左」が選択される。
以上の説明から分かるように、入力操作部40では、入力キー107を1回操作し(短押し、長押しの何れでも良い)、連携調理モードKM1を選択した場合、その直後に入力キー107を1回操作する(短押し、長押しの何れでも良い)。すると、第1エリア22の中に表示される調理メニューの選択工程になる。そこで、選択手段123を回動させれば、選択手段123の回動範囲に応じて、第1エリア22において次々に調理メニューが表示される。つまり、選択手段123の回動に対応した調理メニューの選択信号が、制御装置40に与えられる。
なお、図14では、3つの入力キー107、108、113に対応した個別発光部21M1、21M2、21M4に星形マークを付けている。つまり、3つの入力キー107、108、113は、何れも入力機能が有効であることを表示している。
次に、図15について説明する。
図14に示している加熱部特定部116L、116Rの何れか1つを選択すると、第1特定画面16M1の表示内容は、図15に示した内容に切り替わる。
図15に示しているように、入力キー109が有効になるので、これを押すと、制御条件の1種である「火力」の入力モードに切り替わる。そのため、選択手段123を回動させると、4段階の火力表示帯117が点灯する。そのため、選択手段123を回動させれば、その回動角度に応じて点灯範囲が左右に変化する。同時に、付加情報118として「1000W」というように、具体的な火力値が表示される(火力「中」のような、レベルを表示しても良い)。
このように、ダイヤル式の選択手段123をユーザーUSが握ったまま、時計回り方向に軽く回すだけで一挙に所望の火力値を選択できる。従って、タッチ入力スイッチのように、タッチ操作を何度も繰り返して火力値を選択する方法に比べてユーザーUSの操作負荷は格段と軽減できる。
図15で明らかなように、誘導加熱源9の火力値を設定する段階では、2つの入力キー109、113に対応した個別発光部21M3、21M4に星形マークがあるように、この2つの入力キー109、113だけが、何れも入力機能が有効である。なお、ダイヤル式の選択手段123も、図15に示しているように太い矢印部分が光っており、入力機能は有効である。
従って、図15の状態で入力キー113を押せば、連携調理モードKM1に移行する。従って、加熱口4L、4Rの何れかにおいて、フライパン等の被加熱物Nの予熱工程(IH予熱)を開始できる。
図15において、109Aは、前記入力キー109に表示される第3特定情報である。この第3特定情報109Aは、この図15の場面では「火力」と文字で表示されているが、入力の場面に応じて「時間」や「温度」等の他の制御条件を示す情報にも、自動的に変化する。
図16は、図13~図15の実施の形態1の変形例1を示したもので、中央操作部15Mと中央表示部16Mの配置を説明するための前方部分の平面図である。
図16の特徴的構成につき説明する。
この変形例1の加熱調理器1は、
被加熱物Nが載置される3つの加熱口4L、4C、4Rを上面に配置した本体2と、
前記本体2の内部に設置され、前記被加熱物Nを加熱する第1の加熱手段HM1(誘導加熱源9)と、
前記本体2の内部に形成された加熱室6と、
前記加熱室6にて被調理物を加熱する第2の加熱手段HM2(マイクロ波加熱源11)及び第3の加熱手段HM3(輻射熱加熱手段12)と、
前記本体2の上方から視認できる表示画面を有する表示手段(中央表示部)16Mと、
前記本体2の上面前方部に左右方向に長く設置された入力操作部15と、
前記入力操作部15の指令を受けて加熱動作を制御する制御装置40と、を備え、
前記入力操作部15は、前記表示手段(中央表示部16M)と隣接し、その前方の位置にあり、
前記入力操作部15には、前記表示画面に、連携調理モードKM1の調理メニューと、複合調理モードM2の制御メニューとを、それぞれ表示させる第1調理モード選択手段(入力キー)107と、第2調理モード選択手段(入力キー)108とを有し、
前記第1調理モード選択手段107の操作部(操作面)又はその近傍位置には前記連携調理モードKM1用であることを示す第1特定情報107Aを表示し、前記第2調理モード選択手段108の操作部(操作面)又はその近傍位置には、前記複合調理モードKM2用であることを示す第2特定情報108Aを表示し、
更に、前記第1調理モード選択手段(入力キー)107を選択した後で、前記連携調理モードKM1の前記調理メニューを選択可能に表示する、ダイヤル式の選択手段123を備えた構成である。
具体的には、図16に示したように、前記第1調理モード選択手段である入力キー107のタッチ操作部と、前記第2調理モード選択手段である入力キー108のタッチ操作に
部は、前記中央表示部16Mよりも前方で、かつ前記本体2の上面に配置されている。
更に、前記中央操作部15Mには、前記第1調理モード選択手段107がタッチ操作された以降、前記中央表示部16Mに(表示される第1特定画面16M1)おいて、前記調理メニューを示す識別情報167を、回動操作に応じて順番に表示するダイヤル式の選択手段123を配置している。
更に、前記中央操作部15Mには、前記第2調理モード選択手段である入力キー108がタッチ操作された以降、前記中央表示部16Mに(表示される第2特定画面16M2)おいて、前記制御メニューを示す識別情報160を、回動操作に応じて順番に表示する手段として、前記ダイヤル式の選択手段123を利用している。
前記中央表示部の表示画面は、前記調理メニューと前記制御メニューを表示する第1エリア22と、当該第1エリア22に表示された情報と関連する情報を表示する第2エリア23と、が横に並んでおり、
前記第1エリア22は、前記識別情報167又は前記識別情報160が表示され、
前記第2エリア23には、前記ダイヤル式の選択手段123を回動することに応じて、前記調理メニュー又は前記制御メニューの何れか一方に適用できる「制御条件」(火力や加熱時間等)が1種類ずつ順次更新して表示される構成である。
ここでいう「制御条件」とは、実施の形態1で説明したものと基本的に同じである。すなわち、加熱強度又は消費電力を示す火力値、加熱強度の階層を示すレベル値(火力「強」「弱」等)、マイクロ波出力値、加熱目標温度、加熱時間の、少なくとも何れか1つであるが、これに限定されない。
なお、図16において、120は、図13の「連携調理」という表示の代わりに表示される表示情報であり、「メニュー」と「火力・時間」、「参考」の3種類があるが、図16では「参考」の例は図示していない。
前記「メニュー」という表示情報120は、必ず第1エリア22に表示される。
前記「火力・時間」という表示情報120は、必ず第2エリア23に表示される。また、「参考」という表示情報120は、第3エリア24に表示されるが、第2エリア23と第3エリア24を合体して広い表示エリアにして、そのエリアに表示される場合もある。
なお、図16では、前記第1特定情報107Aと第2特定情報108Aが、何れも中央操作部15の上面自体ではなく、第1調理モード選択手段(入力キー)107や、第2調理モード選択手段(入力キー)108のタッチ操作部(操作面)の中に文字で表示していた。しかし、この以外の構成に変更しても良く、それら入力キー107、108のタッチ操作面に隣接した位置で、かつそれらの前方に文字等で表示(印刷、刻印等)しても良い。
図16の変形例において、180は、図4に示した音声入力モードを選択する(専用の)入力キー180である。但し、この図16では、入力キー180は、中央操作部15M専用の入力キーである。
この変形例では、この入力キー180は、機械的なスイッチではなく、入力キー107~109のように、タッチ式入力スイッチである。21M6は、この入力キー180の入力機能が有効である場合に、発光によって報知する個別発光部である。なお、図16に示した状態は、3つの個別発光部21M1、21M2、21M3に、星形図形を付けている。つまり、これら3つの入力キーは、何れも入力機能が有効であり、何れら1つをタッチ操作することによって、連携調理モードKM1、複合調理モードKM2、単独調理モードKM3の何れか1つが選択できることを示している。
次に図17について説明する。
図17は、加熱調理器1の右表示部16Rと右操作部15Rとを拡大した平面図である。
図17において、右操作部15Rには、音声入力モードを選択する機能のある入力キー153Rを配置している。この入力キー153Rは、後述する5つの入力キー113R、114R、156R、157R、191Rと同じく、タッチ式入力スイッチである。
前記入力キー153Rは、主電源投入後に最初に押すと、右加熱口4Rを選択することができるものである。
この入力キー153を「長押し」操作すると、「音声入力モード1」の状態に切り替える信号を、右操作部15Rが制御装置40に対して発する。
この入力キー153Rを押した場合は、その後、スタートスイッチ113Rを押して加熱調理動作が開始されるまでの期間中は、「音声入力モード1」を取り消すことができない。加熱調理動作が開始されると、その時点で自動的に音声入力モード1の設定が解除される。
つまり、実施の形態1で説明した通り、本実施の形態4の入力キー153Rは、「音声入力モード1」の選択以降、前記入力キー153R以外の(一部の)前記入力キー(191R、156R、157R)の入力機能を一時的に無効にするケース(この制御パターンを、「音声入力モード1A」という)を採用している。この「音声入力モード1A」という)の状態を、「音声入力モード1B」に変更するには、中央操作部15Mの機能設定用の入力キー115を操作する必要がある。
以下の説明では、特に明記したい限り、「音声入力モード1A」の場合を前提にして説明する。
この右操作部(第2操作部)15Rでは、第2加熱源19Rを使用した連携調理モードKM1の調理は選択できない。例えば、調理工程1を右加熱口4Rで行い、調理工程2を加熱室6で行う連携調理モードKM1の各種調理メニュー(例えば、「ハンバーグ」)は、この右加熱口4R(第2加熱源19R)の第2操作部15Rでは選択できない。
そのような調理工程1を右加熱口4Rで行う連携調理モードKM1の場合も、当該調理モードKM1を最初に選択するのは、中央操作部15Mである。
右操作部15Rは、右加熱口4Rによる加熱調理に関する操作を入力するものであり、右加熱口4Rを使用して誘導加熱調理を行う単独調理モードKM3の調理を設定できる。
タッチ入力式の各種入力キー113R、114R、153R、156R、157R、158R、159Rを備えている。なお、図示していないが、左操作部15Lにもこの図17と同様な各種入力キー(113L、114L、153L、156L、157L、158L、159L)を備えている。
123Rは、中央操作部15Mの右端部に配置したダイヤル式選択手段である。回動中心点CPを中心に、ダイヤル部が時計方法と反時計方向に回動する。
21Rは、前記入力キー113R、114R、153R、156R、157R、158R、159Rの近傍に、それぞれ配置した個別発光部である。対応する入力キーの入力機能が有効である場合に発光して表示する。つまり、実施の形態1で説明した個別発光部21Mに相当するものである。
21VRは、音声入力モードであることを表示する表示部であり、発光ダイオード等の発光素子によって下方から照らされる。この21VRは、前記入力キー153Rによって音声入力モードが設定された場合点灯する。
この実施の形態1では、右操作部15Rにおいても、右加熱部19Rを使用した単独調理モードKM3を選択するための特定の入力キー(153R)について、中央操作部15Mで説明したような「長押し」を判別し、前記「音声入力モード1」に切り替える機能がある。
右表示部16Rは、第1エリア22と第2エリア23の2つの表示エリアを有しており、場面に応じて第1エリア22と第2エリア23の面積は変化する。また、待機時初期画面16MHは、第1エリア22と第2エリア23の両方が一体になった形で表示される。
入力キー153Rと191Rには、それぞれに1つずつ発光部21Rを設けている。
隣接している2つの入力キー156Rと157Rは、第2エリア23の表示内容を変更することでは共通であるため、1つの発光部21Rを共用している。
隣接している2つの入力キー158Rと159Rは、第2エリア23の表示内容を変更することでは共通であるため、1つの発光部21Rを共用している。
113Rは、加熱調理を開始するために押下げ(タッチ操作)されるスタートキーであり、114Rは、加熱調理を一時停止または終了するために押下げられる(タッチ操作される)取消用のストップキーである。
前記入力キー153Rは、主電源スイッチ20をONにした後で、中央操作部15Mの入力キー153Mと左操作部15Lの入力キー153L(図示せず)よりも先にタッチ操作(「短押し」、「長押し」の何れでも良い)した場合、右操作部15Rで開始できる(誘導加熱による)単独調理モードKM3を選択する入力キーである。
入力キー191Rは、前記入力キー153をタッチ操作した後、右表示部16Rに表示される第3特定画面16R3の第1エリア22に表示される(誘導加熱源による)制御メニューの1つを選択できる入力キーである。
例えば、最初に第1エリア22に最初に表示された制御メニューが、図17に示したように「煮込み」であった場合、次に入力キー191Rを再度1回タッチ操作すると、次の候補の「保温」に変わる。
このように、この右操作部15Rで選択できる制御メニューが複数個ある中から、順番に第1エリア22に表示させることができる。
一方、入力キー191Rを押して制御メニューを1つずつ表示させると、第2エリア23には、それぞれの制御メニューに対応した制御条件のデフォルト値が表示される。
例えば、図17のように、「30分間」という煮込みの標準時間が表示される。
280は、単独調理モードKM3の1つの制御メニューである「煮込み」メニューを示す識別情報である。281は、制御条件表示部である。
前記制御条件表示部281に表示された制御条件(図17では、30分)を変更するためには、入力キー156Rと157Rをタッチ操作する必要がある。図17に締めすように個別表示部21Rは、星形のマークを付したように入力機能が有効でることを表示している。そこで、右側の入力キー156Rを押せば、1回タッチ操作する度に、1分単位で時間を延長できる。逆に左側の入力キー157Rを押せば、1分単位で時間を短くすることができる。
123Rは、中央操作部15Mのダイヤル式の選択手段123と同様な機能を有するダイヤル式の選択手段である。このダイヤル式の選択手段123Rのダイヤル部分を、時計回り方向や反時計回り方向に回動することにより、制御条件を、1段階ずつ変更できる。なお、ダイヤル式の選択手段123Rは、制御メニューの選択はできないので、図17のように右表示部16Rに表示されている場合は、そのダイヤル式の選択手段123Rを回動するだけで、火力や加熱温度、時間等のように、第2エリア23に表示されている制御条件を変更できる。
図17において、1対の入力キー158R、159Rは、第2エリア23に同時に2種類の制御条件(例えば、火力と加熱時間)が表示された場合、その右側に表示された制御条件を変更する場合に使用される入力キーである。この場合、入力キー158R、159Rの何れか1つを押してから、ダイヤル式の選択手段123Rを回動すると、入力キー158R、159Rに対応した(右側の)制御条件を、1段階ずつ変更できる。
次に図18について説明する。
ステップST1~ST8は、加熱制御部43の連携調理モードKM1の動作プログラム(レシピデータCDを含む)に規定された動作ステップである。
最初に、前記主電源スイッチ20の操作ボタン20Aが押された場合(ST1)、次のステップST2では、加熱制御部43が、異常の有無を判定するステップである。
ステップST2の段階では、中央表示部16Mが起動され、「異常がないので、調理を開始できること」旨を表示する。なお、この段階で、加熱制御部43は、総電力消費量の上限値について入力操作部15から設定指令を受けているかどうかも確認する。
また、右操作部15Rと右表示部16R並びに左操作部15Lと左表示部16Lも、ステップST2の段階で起動され、中央表示部16Mの表示内容と同じ表示を行う。
ステップST2の段階で、前記通信端末200又は外部サーバー417(クラウドサーバー300)に対して、加熱調理器1から起動情報を送信するような設定になっていた場合、この段階で通信部51から起動情報(運転状態データOSの1種)を無線で送信する。
次のステップST3の段階では、中央表示部16Mと音声報知部51についても、加熱手段の選択を促すための報知と、音声ガイドを行う。
次のステップST4では、中央表示部16Mには、待機時初期画面16MHが表示され、またユーザーUSへの使用上の注意情報の表示も行われる。
また、右表示部16Rと左表示部16Lにおいても、ステップST3の段階で、加熱手段の選択を促すための報知を行うが、音声報知部50では、既に報知を行っているので、重複した報知は行わない。
そして、中央操作部15Mの入力キー107以外の入力キー(例えば、108M)が操作されたかどうかを判別する(ST5)。入力キー107が操作されていた場合は、ステップST5は「No」となり、ステップST6に進む。つまり、「連携調理モード」KM1を使用するステップに進む。
ステップST6では、許可条件判定部54(図8参照)が「許可条件」を満たすかどうかについてチェックをする。例えば、「連携調理モード」KM1の調理工程(調理工程1や調理工程2等)で使用される加熱源の使用状態をチェックする。例えば、加熱室6においてマイクロ波加熱調理が行われているかどうかをチェックする。
ステップST5では、最初の入力操作をチェックする。例えば、入力キー107が押される前に、左操作部15L又は右操作部15Rが操作されたかどうかを判別し、また中央操作部15Mによって(入力キー108により)「複合調理モード」KM2が選択されたかどうかを判別する。入力キー109が押されたかどうかも判別する。
ステップST3から一定の猶予時間(例えば30秒間)内に、最初に中央操作部15Mにある入力キー107の操作(タッチ操作で、「短押し」、「長押し」の何れでも良い)が行われた場合には、前述したように「連携調理モード」KM1のための表示が開始される。
一方、入力キー107の操作が行われず、これ以外の入力キー(例えば、入力キー108、又は109)のタッチ操作がされた場合には、ステップST5は「Yes」の判定となり、「連携調理モード」KM3以外の調理開始のステップST9に進む。なお、ステップST9については、ここで詳細な説明は省略する。
図18において、ステップST6とST7は、「連携調理モード」KM1による調理を許可するかどうかを決定する「許可条件1」の動作ステップである。
ステップST6は、「許可条件1」を判定する段階である。
ここで「許可条件1」とは、
(1)加熱調理器1で使用できる最大使用電力の上限値を規定している「ピークカット値」が、5000W以上であること、
(2)外部のクラウドサーバー300又は通信端末200から、通信部51経由で制御装置40が受信した電力削減指令信号がある場合、その削減指令のピークカット値が5000W以上であること、
の2つであり、この2つを満たせば、ステップST6は「Yes」判定になる。
次のステップST7における「許可条件2」とは、以下の4つである。
(1)第1の加熱手段HM1において、中央加熱口4Cが加熱動作中ではない。
(2)第2の加熱手段HM2又は第3の加熱手段HM3の、一方又は両方が加熱動作中ではない。
(3)第1の加熱手段HM1において、右加熱口4Rと左加熱口4Lの両方とも加熱動作に使用されていない(又は、一方だけが加熱動作に使用中である)。つまり、左IHコイル9Lと右IHコイル9Rの両方とも、加熱動作に使用されていない。
(4)後述する「許可条件4」を満たしていること。つまり、トッププレート3の最新の温度が制限値(例えば、80℃又は100℃を超えるような高温ではないこと)。
以上の4つを満たせば、ステップST7は「Yes」判定となる。そして、ステップST10に進む。つまり、連携調理モードKM1の調理開始入力のステップに進むことができる。
前記ステップST6とSTR7で「No」の判定になった場合は、ステップST8に進み、連携調理モードKM1は選択できないことを前記中央表示部16Mや音声報知部50によってユーザーUSへ知らせる。
ここで、前記「許可条件1」が、「5000W以上」であることと規定している意味について説明する。なお、説明を簡単にするため、以下の説明では、加熱源以外の電気部品、例えば本体2の内部冷却ファン(図示せず)等の消費電力については、特に言及しない。
「連携調理モード」KM3を実施する際の必要デマンド(電力需要量の事前確保)が5000W以上必要な理由は、連携調理モード実行時の、各加熱源の動作時の最大(瞬間)電力が、以下の通りであるためである。
(1)レンジ動作時(第2の加熱手段HM2):1000W
(2)オーブン動作時:2000W(上側輻射熱加熱手段12a:1000W、下側輻射熱加熱手段12b:1000W)
(3)レンジグリル動作時:1500W(第2の加熱手段HM2:500W、上側輻射熱加熱手段12a:1000W)
一方、「連携調理モード」KM1における調理メニューの最大電力は1500Wである。
このため、連携調理モードでは、第2の加熱手段HM2と第3の加熱手段HM3が同時に動作する場合がある。
つまり、第2の加熱手段HM2の「1000W」と、第3の加熱手段HM3の「1000W(2000Wは、1000Wずつ、交互通電)」と、誘導加熱行う第1の加熱手段HM1の「1500W」の3者の合計で、最大電力は3500Wになる。
デマンド(電力需要量の事前確保)が5000Wの場合:
右IHコイル9Rで3000Wの加熱(通常加熱)をしているとき、デマンドの残りは2000Wとなる。
この状態から「連携調理モード」KM1を実施すると、連携調理に必要な電力3500Wに対して、残りのデマンドが1500W足らないので、右IHコイル9Rの火力を(3000Wから)1500Wに落として連携調理を開始することができる。
デマンド(電力需要量の事前確保)が4000Wであった場合:
右加熱口4Rで揚げ物(最大1500W必要)をしているとき、デマンドの残りは2500Wとなる。
この状態から連携調理を行うと場合、連携調理に必要な電力3500Wに対して、残りのデマンドが1000W足らないので、右IHコイルの火力を落とする必要がある。しかしながら、自動制御メニューを実行中に火力を落とした場合、調理がうまくいかなくなってしまうため、自動制御メニューの火力は落とせない。
結局、4000Wでは、自動制御メニューの必要火力を確保できないことになる。
以上の説明から明らかなように、「連携調理モード」KM1を開始する前に、連携調理に必要な電力(3500W)と、右加熱口4R又は左加熱口4Lの調理メニューに必要な電力(1500W)の合計値である5000Wのデマンド(電力需要量の事前確保)があるかどうかを判定(確認)する必要がある。
第1特定画面16M1は、「連携調理モード」KM1に移行する前提(許可条件1と許可条件2)を満たさない限り、表示されない。このため、連携調理モードKM1の各種条件(例えば、識別情報167)の設定(選択)をユーザーUSが行った後で、許可条件1又は許可条件2を満たさないと判定されて、最初の待機時初期画面段階まで戻る、ということではない。そのため、ユーザーUSに無駄な入力操作を強いることがない。
次に図19について説明する。
図19は、加熱調理器1を起動後、通信端末200又は外部サーバー417(クラウドサーバー300)から、加熱調理器1用のレシピデータCDを取得するまでの動作を説明したものである。
この実施の形態1において、連携調理モードKM1のレシピデータCDは、連携調理メニューの番号(識別情報167)、使用される複数の加熱手段の順序、調理工程1で使用する加熱手段、調理工程2で使用する加熱手段の情報を含む。調理工程3以降もある場合には、それら全ての調理工程毎に使用する加熱手段、各調理工程で、デフォルト(標準設定)の制御条件(火力、加熱時間、加熱目標温度等)がある場合は、その設定値又は設定値の範囲、の情報を含んでいるが、これらに限定されない。また、これら全ての情報が必須である必要はなく、一部分であっても良い。
図19において、ステップSS1~SS8は、制御装置40の統合制御プログラムに規定された動作ステップであり、図18で説明した連携調理モードKM1の動作プログラムに規定された内容と、基本的に一致している。
最初に、前記主電源スイッチ20の操作ボタン20Aが押された場合(SS1)、次のステップSS2では、加熱制御部43が、異常の有無を判定するステップである。
ステップSS1~SS4は、図18にて説明したステップST1~ST4のステップと同じであるので、重複した説明は省略する。
ステップSS5は、加熱調理器1は、事前に登録設定したスマートフォン等の通信端末200又はクラウドサーバー300に対して、調理のレシピデータCDの提供を要求する信号を発信するかどうか、ユーザーUSに事前の確認求めるためのステップである。中央表示部16Mに「確認画面」を表示し、また音声報知部50でも報知する。この「確認画面」とは後述する待機時初期画面16MHの1種である。
このステップSS5の外部接続を自動的に実行することを、入力操作部15の機能設定キー115(図13参照)によって事前にユーザーUSが設定しておけば、規定のタイミングで自動的に行われる。
つまり、図1で説明したように、通信端末200と加熱調理器1のペアリングを自動的に行って、その通信端末200と加熱調理器1との間の無線通信を確立することができる。
前記ステップSS5の外部接続は、加熱調理器1と外部通信機器(通信端末200やクラウドサーバー300等をいう)との間で、交互に何回か送信・受信を繰り返し行う。例えば、最初に加熱調理器1から待機信号1を送信すると、前記外部通信機器側からは、当該待機信号1を受けて、設定情報を含む設定信号1を送信し、これを受けて加熱調理器1は、内部の待機状態(例えば、総電力消費量の設定値等)を確認し、問題なければ、次の段階に進めるための待機信号2を送信する、というようなプロセスである。
そして、最終的には前記外部通信機器側から必要な設定情報(この中には、レシピデータCDを含む)の受信が完了する。つまり、加熱調理器1側では、1回受信すると、その直後に確認信号を返信する等の何回かの交互通信を行って、最終的に必要な前記設定情報の受信が完了する。このような一連の流れの中で、レシピデータCDを受信するかどうかという判断を、ユーザーUS側に求めるステップがある。つまり、この加熱調理器1では、レシピデータCDを受信することを、ユーザーUSが明確に、かつ事前に認識できるステップがあるため、ユーザーUSが知らない内に、レシピデータCDの実行段階に進むということを防止している。
一方、上記のような外部接続を自動的に実行するように設定していない場合、ステップSS6では、中央表示部16Mに、所定のアイコン等を表示して、レシピデータCDの提供ができることをユーザーUSに知らせる。これについては、図29の表示画面2C(待機時初期画面16MH)で示している。ユーザーUSに知らせる表示は、表示画面2Cにおいて入手操作支援情報60Pで示すように、例えば文字で簡潔に表示される。
このステップSS6で、外部機器(通信端末200等)への接続に同意しないと、ステップSS9に示すように、登録された当該外部機器(前記通信端末200又はクラウドサーバー300)には、「現在、レシピデータCDの受信は行っていません」等の、非受信メッセージが送信される。このように、ユーザーUSが受信を拒否する設定にもできる。
一方、前記ステップSS6で、外部機器への接続に同意し、データ取得を指示すると、加熱調理器1は、前記外部機器からのレシピデータCDを通信部51経由で、データ取得部53が取得する。取得したレシピデータCDは、レシピデータ記憶部42の中にある所定の「一時記憶部」(図示せず)に、格納される(ステップSS7)。
次のステップSS8では、前記外部機器から取得した前記レシピデータCDの内容、特に識別情報167を中央表示部16Mにおいて表示する。また、音声報知部50では、例えば「ハンバーグのレシピを受信しました」のように、受信事実を報知する。
ところで、この実施の形態1では、前記制御装置40は、主電源スイッチ20がONとなり、電力の供給が開始された後、加熱動作を開始する指令を待っている待機期間中に、前記音声入力モード2の選択部である入力キー180が操作された場合には、前記データ取得部53による前記レシピデータCDの取得を許可するプログラムになっている。
つまり、前記ステップSS6の段階で、ユーザーUSが入力キー180を押せば、当該ステップは「Yes」と判定され、レシピデータCDの取得を許可される。但し、実際にレシピデータCDが制御装置40で取得されるまでには幾つかの条件を満たす必要あり、これについては後で詳しく説明する。
次に、図20~図26について説明する。
図20は、加熱調理器1において、主電源投入以後の3つの調理モードについて、主要な入力工程を示すフローチャートである。図21は、加熱調理器1において、主電源投入以後の入力工程を示すフローチャート1である。図22は、加熱調理器1において、連携調理モードの場合の入力工程を示すフローチャート1である。図23は、加熱調理器1において、複合調理モードの場合の入力工程を示すフローチャート1である。図24は、加熱調理器1において、単独調理モードの場合の入力工程を示すフローチャート1である。
図25は、加熱調理器1において、外部からレシピデータCDを取得する動作を示すフローチャート1である。図26は、加熱調理器1において、外部からレシピデータCDを取得する動作を示すフローチャート2である。
図20~図26は、前述した「音声入力モード1A」の場合である。すなわち、1つの入力操作部15(例えば、中央操作部15M)において、複数の入力キーの中に、音声入力モードVMを指定する前記「兼用キー」としての、入力キー107(図13参照)を備えた場合である。
そのため、当該入力キー107によって前記「音声入力モード1A」に変更された場合、その時点から入力キー(兼用キー)107以外の前記入力キー(中央操作部15Mでは、入力キー108、109)の入力機能は無効にされる制御パターン(前記「音声入力モード1A」の状態)について説明する。
図20について説明する。
この図20において、白抜きの符号(107、108など)は、以下のステップS2~S16において、操作する入力キー107、108等を示している。
この図20では、主な入力キーについても白抜きの文字で表示している。また、選択手段123も白抜きの文字(数字)で表示している。
また、破線の枠で示す範囲は、入力キー(兼用キー)107、108、109を「長押し」した場合に切り替わる「音声入力モード1」において、音声で入力できる範囲を示している。
図20は、中央操作部15Mにおいて、加熱調理を開始する場合の動作ステップを示したもので、左操作部15Lや右操作部15Rの場合とは少し異なっている。
ステップS2~S6は、連携調理モードKM1の場合の動作ステップを示している。
ステップS7~S11は、複合調理モードKM2の場合の動作ステップを示している。
ステップS12~S15は、第1の加熱手段HM1(中央加熱口4C)を使用した単独調理モードKM3の場合の動作ステップを示している。
主電源スイッチ20をONにすると、最初に待機時初期画面16MHが中央表示部16Mに表示される(ステップS1)。この場合の中央表示部16Mの待機時初期画面16MHとは、図13に示したものである。
次に、入力キー107にタッチすると、連携調理モードKM1が選択され(ステップS2)、第1特定画面16M1が表示される(ステップS3)。
ステップS2Aは、外部の通信端末200やクラウドサーバー300等から、レシピデータCDを取得する処理を示す。
この段階の第1特定画面16M1には、図14で説明したように、調理メニューが少なくとも3つ表示されているが、入力キー107をタッチ操作し、ダイヤル式の選択手段123を1段階(所定の角度)だけ回動する度に、次々と別の調理メニューを表示させることができる(ステップS4)。
ステップS5において、1つの連携調理メニューの制御条件で良ければ、入力キー113を押せば、連携調理モードKM1の調理工程1に移行することができる(ステップS6)。
図20から明らかなように、ステップS2の段階で、入力キー(兼用キー)107を「長押し」した場合は、制御装置40は、音声による「入力待機状態」に切り替わるので、ステップS4~S5までに範囲の条件を、音声で入力できる。例えば「ハンバーグ 予熱 180℃」等のように、ユーザーUSの発声によって調理メニューと制御条件をセットにして入力できる。なお、「火力 7 時間10分」のように、被調理物以外の制御条件だけを音声で入力しても良い。
引き続き、図20について説明する。
ステップS2で、入力キー107にタッチせずに、入力キー108にタッチすると、複合調理モードKM2が選択され(ステップS7)、第2特定画面16M2が表示される(ステップS8)。
入力キー108を(ステップS9で)更に1回タッチ操作(「長押し」でも「短押し」でも関係なく)し、ダイヤル式の選択手段123を1段階(所定の角度)だけ回動する度に、次々と別の制御メニュー(図6、図10参照)を表示させることができる(ステップS9)。例えば、「あたため」、「レンジ手動」、「葉菜下ゆで」のように制御メニューを順次、第2特定画面16M1の第1エリア22の中央部に表示させることができる。
ステップS7Aは、外部の通信端末200やクラウドサーバー300等から、レシピデータCDを取得する処理を示す。
ステップS9において、第2特定画面16M2に表示された1つの制御メニュー(例えば「あたため」)で良ければ、次に入力キー108を押せば、第2エリア23に表示された制御条件(マイクロ波出力や、加熱時間等)を選択する入力工程に移り、ダイヤル式の選択手段123を1段階(所定の角度)だけ回動する度に、次々と別の制御条件を表示させることができる(ステップS10)。
ステップS10において、1つの複合調理モードの制御条件で良ければ、入力キー113を押せば、複合調理モードKM2の調理工程1に移行することができる(ステップS11)。なお、制御メニューによっては、第3エリア24に制御条件が表示される場合がある(図6参照)。その場合は、対応する入力キー109を押してから、ダイヤル式の選択手段123を1段階(所定の角度)だけ回動する度に、第3エリア24の制御条件を選択することができる。
図20から明らかなように、ステップS7の段階で、入力キー(兼用キー)108を「長押し」した場合は、制御装置40は、ステップS7の段階で音声による「入力待機状態」に切り替わるので、ステップS9~S10までに範囲の条件を、音声で入力できる。例えば「あたため 500W」等のように、ユーザーUSの発声によって制御メニュー(この場合、「あたため」)と制御条件をセットにして入力できる。なお、「500W 時間10分」のように、制御条件だけを音声で入力しても良い。
引き続き、図20について説明する。
ステップS2で、入力キー107にタッチせずに、ステップS7でも入力キー108にもタッチしないで、入力キー109にタッチすると、中央操作部15Mが担当する中央加熱口4Cにおいて、第1の加熱手段HM1による単独調理モードKM3が選択され(ステップS12)、第3特定画面16M3が中央表示部16Mに表示される(ステップS13)。
ステップS12Aは、外部の通信端末200やクラウドサーバー300等から、レシピデータCDを取得する処理を示す。
ステップS14において、第3特定画面16M3の第1エリア22に(デフォルト設定で)表示された1つの制御メニュー(例えば、「レンジ手動」。図6参照)で良ければ、入力キー113を押せば、加熱調理動作が開始される。
第1エリア22に表示された1つの制御メニュー(図6参照)と別の制御メニューを選択したい場合には、ステップS14において、入力キー107を1回タッチ操作し(「短押し」でも「長押し」でも良い)、その後で、ダイヤル式の選択手段123を1段階(所定の角度)だけ回動する。
これにより、第1エリア22に表示される制御メニューを、所望の制御メニューに変更させることができる。
なお、図20では、第3エリア24に制御条件が表示された場合も示しており、その場合、入力キー109を1回タッチ操作し(「短押し」でも「長押し」でも良い)、その後で、ダイヤル式の選択手段123を回動すれば、目的の制御条件を第3エリア24に表示させることができる(ステップS14)。
第3特定画面16M3に表示された1つの制御メニュー(図6参照)で良ければ、次に入力キー113を押せば、制御条件(誘導加熱の火力や、加熱時間等)は確定する(ステップS15)。
なお、ステップS15において、1つの単独調理モードKM3の制御条件で良ければ、入力キーを押さなくとも、一定時間(10秒間)経過した後で、自動的に加熱動作が開始されるようにしても良い。
なお、図20では、第3エリア24に制御条件が表示された場合も示しており、その場合、入力キー109を1回タッチ操作し(「短押し」でも「長押し」でも良い)、その後で、ダイヤル式の選択手段123を回動すれば、目的の制御条件を第3エリア24に表示させることができる。
図20から明らかなように、ステップS12の段階で、入力キー(兼用キー)109を「長押し」した場合は、制御装置40は、音声による「入力待機状態」に切り替わるので、ステップS14~S15までの範囲の制御条件選択や制御条件の選択を、音声で入力できる。例えば、ステップS14の段階から、「湯沸かし 火力6」等のように、ユーザーUSの発声によって制御メニュー(この場合、「湯沸かし」)と制御条件をセットにして入力できる。なお、制御条件だけを音声で入力しても良い。
また、ステップS14とS15の段階で、タイマー調理を選択し、タイマーセットの時間を音声で入力することもできる。例えば、ステップS14に進んだ段階で、「火力6 タイマー 10分間」等のように発声すれば良い。
図20から明らかなように、実施の形態1の加熱調理器1は、
前記入力操作部15は、3つの調理モードに対応した3つの入力キー107~109を有し、
前記制御装置40は、前記入力キー107~109の内、最も早い1つの入力キーだけのタッチ入力を有効とし、加熱調理モード(連携調理モードKM1、複合調理モードKM2、単独調理モードKM3)の何れか1つを選択する。
更に、前記3つの入力キー107~109の内、最も早くタッチ操作された1つの入力キーの「長押し」入力を検知して、音声入力モードに切り替える動作を行う構成であった。その最も早くタッチ操作された1つの入力キーだけのタッチ入力を有効とし、加熱調理モードの調理開始に必要な調理メニューや制御メニュー、制御条件(火力や加熱時間等)の入力を終えて、加熱調理の開始を入力キー113で行うまでの期間中は、他の調理モードの入力工程は開始しないことを特徴とする構成であった。
つまり、3つの加熱調理モード(連携調理モードKM1、複合調理モードKM2、単独調理モードKM3)は、最も先に「長押し」操作された入力キー107、108、109の、何れか1つだけの音声入力モードVMの指令が制御装置40に受け付けされ、他の入力キーからは、入力指令が受け付けられない状態になる。
従って、例えば、入力キー107がタッチ操作され、しかも、長押しによって音声入力モードに切り替えた場合には、他の入力キー(例えば、108、109)の入力はできなくなる。但し、スタートキー113は加熱調理動作開始までは入力機能が維持される。また、一旦加熱調理動作開始された後は、ストップキー114は入力機能が維持される。
従って、前記入力キー107、108、109の何れか1つによって、音声入力モードが開始された場合、他の加熱調理モードや制御モードの「タッチ式入力キー」による選択は不可能となり、音声入力によって不用意に制御条件がインプットされることはない。
なお、前記入力キー107、108、109の何れか1つによって、音声入力モードが開始された場合、スタートキー113が押される前に、ストップキー114を1回以上押した場合は、それまでの入力設定が全て解除される。また、音声入力モードVMも解除される。
また、1つの入力キー(例えば、107)によって連携調理モードKM1の入力を、音声入力モードを利用して行った場合、スタートキー113を押して加熱調理が開始された段階では、それまでの音声入力モードは解除される。そして、以後は、調理工程が全て終了するまでは音声入力モードが再度設定されない。
従って、その後、他の加熱調理の選択をする際に、ユーザーUSがタッチ操作する場合、混乱を生じない。また、他の加熱調理の設定のための音声入力を、誤って受信して実行中の調理を変更してしまうような事態は発生しない。
次に、図21について説明する。
この図21において、白抜きの符号(107、108、109)は、ステップSM3、SM4及びSM8において操作する各入力キー(107、108、109)を示している。
図21において、ステップSM1は、図18のステップST2とST3の処理に相当する処理を行う。すなわち、中央表示部16Mが起動され、待機時初期画面16MHが表示される。異常有無判定を実行し、異常がなかった場合には、「異常がないので、調理を開始できること」旨を表示する。そして、待機時初期画面16MHと音声報知部51において、加熱手段の選択を促すための報知と、音声ガイドを行う。
更に、このステップSM1の段階で、前記通信端末200又はクラウドサーバー300に対して、加熱調理器1から起動情報を送信するような設定になっていた場合、この段階で通信部51から起動情報(運転状態データOSの1種)を無線で送信する。なお、待機時初期画面16MHでは、後で詳しく説明するが、ユーザーUSへの使用上の注意情報の表示も行う。
次のステップSM2では、全ての入力操作部15M、15L、15Rの入力機能を有効にして、各入力キー(107~109等)のタッチ入力操作に備える。また、入力操作部15が保有する時間計測部15T(図9参照)により、経過時間の計測が開始される。なお、図9では、中央操作部15Mの例であったが、右操作部15Rと左操作部15Lについても、中央操作部15Mと同様な構成である。そのため、時間計測部15Tに相当する構成を有している。
次のステップSM3では、連携調理モードKM1の選択が行われる。ステップSM4では、複合調理モードKM2の選択が行われる。ステップSM8では、第1の加熱手段HM1による単独調理モードKM3の選択が行われる。
まず、ステップSM3は、入力キー107がタッチ操作されたかどうかの判定が行われ、操作された場合には、図21と図22に示すA1のルートに進む。
ステップSM3において、タッチ操作が無かった場合には、判定は「No」となり、ステップSM4に進む。ステップSM4では、入力キー108がタッチ操作された場合には、「Yes」となり、図21と図23に示すB1のルートに進む。
ステップSM4において、タッチ操作が無かった場合には、判定は「No」となり、ステップSM8に進む。ステップSM8では、入力キー109がタッチ操作された場合には、「Yes」となり、図21と図24に示すC1のルートに進む。
図21に示したステップSM8において、タッチ操作が無かった場合には、判定は「No」となり、ステップSM5に進む。このステップSM5では、時間計測部15T(図9参照)により、予め設定してある制限時間TXを超過したかどうかの判定が行われる。制限時間TXを超過していなかった場合、ステップSM3に戻る。
一方、予め設定してある制限時間TXを超過しているとステップSM5で判定された場合、ステップSM6に進む、自動的に主電源を遮断する処理(以下、「自動遮断処理1」という)が行われる。そして一連の動作を終了する(SM7)。このように、何も入力操作しない場合、制限時間(例えば、30分間)を超過すると自動的に主電源スイッチ20が開放される。
次に図22について説明する。
図22は、ステップSM3において、入力キー107がタッチ操作された以降の動作を示すフローチャートである。
入力キー107がタッチ操作された際、そのタッチ操作が「長押し」であった場合、中央操作部15Mの入力モード判定部15C(図9参照)で判別される。
すると、ステップSM40の判定は「Yes」となり、ステップSM41に進む。一方、「短押し」であった場合、前記判定は「No」となり、ステップSM50に進む。
ステップSM41は、前述した「許可条件1」と「許可条件2」を満たすかどうかの判定ステップである。これらの許可条件を満たしていない場合には、この段階で不許可処理をされる(ステップSM47)。なお、不許可処理とは、図18で説明したステップST8の処理である。
ステップSM41の判定で「Yes」の場合、ステップSM42に進む。
ステップSM42では、第1特定画面16M1が表示される。第1特定画面16M1の第1エリア22の中央部には、デフォルト設定されている1つの調理メニュー「ハンバーグ」の識別情報167が表示され(図7参照)。
この後、別の調理メニュー(例:ローストビーフ)を選択するためには、更に入力キー107をタッチ操作し、選択手段123を回動させる。
図22において、ステップSM43では、時間計測部15T(図9参照)により、予め設定してある制限時間TYを超過したかどうかの判定のために経過時間の計測が開始される。このステップSM43の後、音声信号受信部56(図8参照)を介して、ユーザーUSからの音声による入力が行われた場合、ステップSM44は「Yes」となり、次のステップSM45に進む。
ところで、ステップSM43の段階では、既に制御装置40は「音声入力モード1A」に切り替わっている。そこで、このステップSM43の時点以降に、入力キー108,109をタッチ入力した場合には、前記「音声入力モード1A」のために、当該入力キー108,109の入力は、制御装置40に受け付けられない。
つまり、音声入力をしない限り、ステップSM44が「Yes」にならないので、入力完了のステップSM46に進めない。なお、「音声入力モード1B」に設定してあれば、上記のようにタッチ入力は継続して可能である。また、例外的に、この時点でもタッチ入力機能が維持されている前記入力キー107を、再度タッチ入力(この場合、「短押し」)した場合には、「音声入力モード」が解除されるように、音声入力制御プログラムを変更しても良い。
このように、この実施の形態1では、入力キー107を「長押し」した直後に、音声入力モード1Aに切り替わるが、その音声入力モード1Aは以後も自動的に継続する。但し、この音声入力モード1Aは、加熱動作を開始した時点で解除される(つまり、スタートキー114をタッチ操作した時点で解除される)。
前記制限時間TYを超過していなかった場合、ステップSM46に進む。ステップSM46では、入力が完了したかどうかの判定が行われ、そのステップSM46が「Yes」判定になると、スタートキー114の入力を待つ待機状態になる(A21)。
一方、ステップSM44とSM46が「No」であった場合は、それぞれステップSM44に戻り、ユーザーUSからの音声による入力を待つ。
また、ステップSM45において、制限時間TYを超過していると判定された場合は、ステップSM45は「No」となり、エラー処理のステップSM48に進む。なお、ここでいうエラー処理とは、図21のステップSM6に示した自動遮断処理1とは少し異なり、第1特定画面16M1の表示から初期待機画面16MHに戻し、入力が適正に行われていないことを表示したり、音声報知部50から音声で報知したりすることをいう。その後、ステップSM5に進み、ステップSM6に進んで自動遮断処理される場合もあり得る。
更に、図22を使用してステップSM50以降について説明する。
ステップSM50は、前述した「許可条件1」と「許可条件2」を満たすかどうかの判定ステップである。「許可条件1」と「許可条件2」を満たしていない場合には、この段階で不許可処理をされる(ステップSM56)。なお、不許可処理とは、図18で説明したステップST8の処理である。
ステップSM50の判定で「Yes」の場合、ステップSM51に進む。
ステップSM51では、第1特定画面16M1が表示される。
この第1特定画面16M1が表示された後で、特定の調理メニュー(例:ローストビーフ)を選択するために更に入力キー107が1回タッチ操作され、選択手段123が操作される(複数回操作されても良い)。
図22において、ステップSM52では、時間計測部15T(図9参照)により、予め設定してある制限時間TYを超過したかどうかの判定のために経過時間の計測が開始される。このステップSM52の後、音声信号受信部56(図8参照)を介して、ユーザーUSから、例えば、入力キー107や選択手段123によって入力が行われた場合、ステップSM53は「Yes」となり、次のステップSM54に進む。
ところで、ステップSM53の段階では、既に制御装置40はタッチ入力モードに切り替わっている。そこで、このステップSM52の時点以降に、入力キー107をタッチ入力した場合には、前記タッチ入力モードのために、当該入力キー107~109の入力は、制御装置40に受け付けられる。つまり、タッチ入力である限り、ステップSM53が「Yes」になるので、入力完了のステップSM46に進める。なお、例外的に、前記入力キー107を再度タッチ入力(この場合、「長押し」)した場合には、タッチ入力モードが解除され、「音声入力モード1」に戻るように変更しても良い。
このように、この実施の形態1では、入力キー107を「長押し」しない限り、タッチ入力モードが維持され、そのタッチ入力モードは以後も自動的に継続する。このタッチ入力モードは、加熱動作を開始した時点で、自動的に解除される。
前記制限時間TYを超過していなかった場合、ステップSM55に進む。そして、入力が完了したかどうかの判定が行われ、そのステップSM55が「Yes」判定になると、スタートキー113の入力を待つ待機状態になる(A22)。
一方、ステップSM53とSM55が「No」であった場合は、それぞれステップSM53に戻り、ユーザーUSからのタッチ入力を待つ。
また、ステップSM54において、制限時間TYを超過していると判定された場合は、ステップSM54は「No」となり、エラー処理のステップSM57に進む。なお、ここでいうエラー処理とは、図21のステップSM6に示した自動遮断処理とは少し異なり、第1特定画面16M1の表示から初期待機画面16MHに戻し、入力が適正に行われていないことを表示したり、音声報知部50から音声で報知したりすることをいう。その後、ステップSM5に進み、ステップSM6に進んで自動遮断処理される場合もあり得る。
次に図23について説明する。
図23は、ステップSM4において、入力キー108がタッチ操作された以降の動作を示すフローチャートである。
入力キー108がタッチ操作された際、そのタッチ操作が「長押し」であった場合、中央操作部15Mの入力モード判定部15C(図9参照)で判別される。
すると、ステップSM60の判定は「Yes」となり、ステップSM61に進む。一方、「短押し」であった場合、前記判定は「No」となり、ステップSM70に進む。
ステップSM61は、「許可条件3」を満たすかどうかの判定ステップである。
ここでいう「許可条件3」とは、連携調理モードの許可条件1と許可条件2(図18参照)とは異なる。この複合調理モードでの「許可条件3」とは、加熱室6の最新の温度を温度センサー群30によってチェックして結果、例えば100℃であった場合である。前記「あたため」の温度検知範囲(90℃以下)を超えるためである。
「許可条件3」を満たしていない場合には、この段階で不許可処理をされる(ステップSM67)。なお、不許可処理とは、初期待機画面16MHにおいて「加熱室が高温で調理できません」のような表示をすることや、音声報知部50によって同様な報知をする処理である。なお、加熱室6で第3の加熱手段HM3によって調理をした場合、その調理を終えた後も加熱室6は残熱により暫くの間は高温になっている場合がある。
ステップSM61の判定で「Yes」の場合、ステップSM62に進む。
ステップSM62では、第2特定画面16M2が表示される。
この第2特定画面16M2が表示された時点以降、特定の制御メニュー(例:あたため)を選択するために更に入力キー107がタッチ操作される(複数回タッチ操作されても良い)。そしてダイヤル式選択手段123を回動させて制御メニューを選択できる。
図23において、ステップSM63では、時間計測部15T(図9参照)により、予め設定してある制限時間TYを超過したかどうかの判定のために経過時間の計測が開始される。このステップSM63の後、音声信号受信部56(図8参照)を介して、ユーザーUSからの音声による入力が行われた場合、ステップSM64は「Yes」となり、次のステップSM65に進む。
ところで、ステップSM63の段階では、既に制御装置40は音声入力モード1に切り替わっている。そこで、このステップSM63の時点以降に、入力キー108や109をタッチ入力しても、音声入力モードのために、当該入力キー108,109の入力は、制御装置40に受け付けられない(前記「音声入力モード1A」に設定してあるため)。つまり、音声入力をしない限り、ステップSM64が「Yes」にならないので、入力完了のステップSM66に進めない。なお、例外的に、前記入力キー107を再度タッチ入力(この場合、「短押し」)した場合には、「音声入力モード1」が解除されるように変更しても良い。一方、「音声入力モード1B」に設定してある場合には、入力キー108、109のタッチ入力は、制御装置40に受け付けられる。
このように、この実施の形態1では、入力キー107を「長押し」した直後に、音声入力モード1に切り替わるが、その音声入力モード1は、加熱調理開始の指令を与えた時点(スタートキー114をタッチ操作)で、自動的に解除される。
前記制限時間TYを超過していなかった場合、ステップSM66に進む。ステップSM65では、入力が完了したかどうかの判定が行われ、そのステップSM66が「Yes」判定になると、スタートキー114の入力を待つ待機状態になる(B21)。
一方、ステップSM64とSM66が「No」であった場合は、それぞれステップSM64に戻り、ユーザーUSからの音声による入力を待つ。
また、ステップSM65において、制限時間TYを超過していると判定された場合は、ステップSM65は「No」となり、エラー処理のステップSM68に進む。なお、ここでいうエラー処理とは、図21のステップSM6に示した自動遮断処理とは少し異なり、第2特定画面16M2の表示から初期待機画面16MHに戻し、入力が適正に行われていないことを表示したり、音声報知部50から音声で報知したりすることをいう。その後、ステップSM5に進み、ステップSM6に進んで自動遮断処理される場合もあり得る。
引き続き、図23を使用してステップSM60以降について説明する。
ステップSM70は、前述した「許可条件3」を満たすかどうかの判定ステップである。許可条件3を満たしていない場合には、この段階で不許可処理をされる(ステップSM76)。この場合の「不許可処理」とは、前記ステップSM67の不許可処理と同じ内容である。
ステップSM70の判定で「Yes」の場合、ステップSM71に進む。
ステップSM71では、第2特定画面16M2が表示される。
この第2特定画面16M2が表示された時点の状態は、例えば図6に示している。その後、特定の制御メニュー(例:あたため)を選択するために更に入力キー107がタッチ操作され、ダイヤル式選択手段123が回動操作される。
このように、この実施の形態1では、複合調理モードKM2の選択や制御メニュー(例:あたため)において、入力キー107を「長押し」した直後に、音声入力モード1に切り替わるが、その音声入力モード1は以後も自動的に継続するのではなく、加熱動作開始時点で解除される。なお、その同じ入力キー107を、「短押し」した場合には、この時点で音声入力モード1は解除されるように変更しても良い。
図23において、ステップSM72では、時間計測部15T(図9参照)により、予め設定してある制限時間TYを超過したかどうかの判定のために経過時間の計測が開始される。このステップSM72の後、入力キー108や109によってタッチ入力が行われた場合、ステップSM73は「Yes」となり、次のステップSM74に進む。
ところで、ステップSM72の段階では、既に制御装置40はタッチ入力モードTMに切り替わっている。そこで、このステップSM72の時点以降に、入力キー108や109をタッチ入力した場合には、タッチ入力モードTMであるために、当該入力キー107、108や109の入力は、制御装置40に受け付けられる。つまり、タッチ入力である限り、ステップSM73が「Yes」になるので、入力完了のステップSM75に進める。なお、例外的に、前記入力キー107を再度タッチ入力(この場合、「長押し」)した場合には、タッチ入力モードTMが解除され、「音声入力モード1」に戻るように変更しても良い。
このように、この実施の形態1では、入力キー108を「長押し」しない限り、複合調理モードKM2のタッチ入力モードTMが維持され、そのタッチ入力モードは以後も自動的に継続する。このタッチ入力モードは、加熱動作を開始した時点で自動的に解除される。そのため、通常のタッチ入力モードに復帰する。
前記制限時間TYを超過していなかった場合、ステップSM75に進む。そして、入力が完了したかどうかの判定が行われ、そのステップSM75が「Yes」判定になると、入力キー113の入力を待つ待機状態になる(B22)。
一方、ステップSM73とSM75が「No」であった場合は、それぞれステップSM73に戻り、ユーザーUSからのタッチ入力を待つ。
また、ステップSM74において、制限時間TYを超過していると判定された場合は、ステップSM74は「No」となり、エラー処理のステップSM77に進む。なお、ここでいうエラー処理とは、図21のステップSM6に示した自動遮断処理とは少し異なり、第2特定画面16M2の表示から初期待機画面16MHに戻し、入力が適正に行われていないことを表示したり、音声報知部50から音声で報知したりすることをいう。その後、ステップSM5に進み、ステップSM6に進んで自動遮断処理される場合もあり得る。
次に図24について説明する。
図24は、図21のステップSM8において、入力キー109がタッチ操作された以降の動作を示すフローチャートである。
入力キー109のタッチ操作が「長押し」であった場合、中央操作部15Mの入力モード判定部15C(図9参照)で判別される。なお、図9は、中央操作部15Mの例であるが、左操作部15Lでも図9に示した構成と同様な構成であるため、左操作部15L又は右操作部15Rでも基本的に同じ動作をする。
すると、ステップSM80の判定は「Yes」となり、ステップSM81に進む。一方、「短押し」であった場合、前記判定は「No」となり、ステップSM90に進む。
ステップSM81は、「許可条件4」を満たすかどうかの判定ステップである。
ここでいう「許可条件4」とは、連携調理モードKM1の許可条件1と許可条件2や、前記した「許可条件3」とは異なる。この単独調理モードKM3での「許可条件4」とは、例えば、トッププレート3の最新の温度を温度センサー群30によってチェックして結果、例えば80℃又は100℃を超えるような高温であった場合である。被加熱物Nの温度を非接触で検知して誘導加熱制御を行う場合、加熱動作の開始時から高温であると正確な温度制御、誘導加熱制御の支障となり得るためである。
「許可条件4」を満たしていない場合には、この段階で不許可処理をされる(ステップSM87)。なお、不許可処理とは、初期待機画面16MHにおいて「トッププレートが高温で調理できません」のような表示をすることや、音声報知部50によって同様な報知をする処理である。なお、誘導加熱調理をした場合、その調理を終えた後もトッププレート3は、暫くの間は高温になっている場合がある。
ステップSM81の判定で「Yes」の場合、ステップSM82に進む。
ステップSM82では、第3特定画面16M3が表示される。
この第3特定画面16M3は後で詳しく説明する。この第3特定画面16M3の表示の後、特定の制御メニュー(例:予熱)を選択するために更に入力キー107を1回タッチ操作し、その後、ダイヤル式選択手段123を回動操作しても良い。
ところで、この段階では、既に「音声入力モード1」に切り替わっているので、次のステップSM83では、時間計測部15T(図9参照)により、予め設定してある制限時間TYを超過したかどうかの判定のために経過時間の計測が開始される。このステップSM83の後、音声信号受信部56(図8参照)を介して、ユーザーUSからの音声による入力が行われた場合、ステップSM84は「Yes」となり、次のステップSM85に進む。
例えば、「予熱 200℃」とユーザーUSが発声すれば、音声信号受信部56がこの音声入力を電気信号に変換して音声信号解析部58に入力する。
ステップSM85で前記制限時間TYを超過しているかどうかの判定を行い、超過していなかった場合、ステップSM86に進む。
ステップSM86では、入力が完了したかどうかの判定が行われ、そのステップSM86が「Yes」判定になると、一定時間(例えば、10秒)以内に、自動的に誘導加熱動作が開始される。つまり、中央操作部15Mを使用した(単独調理モードHM1の場合の)第1の加熱手段HM1では、加熱開始のために特別な入力キーの操作は不要であり、そのまま加熱動作に移行する(C21)。なお、スタートキー113のタッチ操作があった場合に、加熱動作を開始させても良い。
一方、ステップSM84とSM86が「No」であった場合は、それぞれステップSM84に戻り、ユーザーUSからの音声による入力を待つ。
また、ステップSM85において、制限時間TYを超過していると判定された場合は、ステップSM85は「No」となり、エラー処理のステップSM88に進む。なお、ここでいうエラー処理とは、図21のステップSM6に示した自動遮断処理とは少し異なり、第3特定画面16M3の表示から初期待機画面16MHに戻し、入力が適正に行われていないことを表示したり、音声報知部50から音声で報知したりすることをいう。その後、ステップSM5に進み、ステップSM6に進んで自動遮断処理される場合もあり得る。
引き続き、図24を使用してステップSM80以降について説明する。
ステップSM90は、前述した「許可条件4」を満たすかどうかの判定ステップである。許可条件4を満たしていない場合には、この段階で不許可処理をされる(ステップSM96)。この場合の「不許可処理」とは、前記ステップSM87の不許可処理と同じ内容である。
ステップSM90の判定で「Yes」の場合、ステップSM91に進む。
ステップSM91では、第3特定画面16M3が表示される。
この第3特定画面16M3が表示された後、特定の制御メニュー(例:予熱)を選択するために更に入力キー17を1回タッチ操作し、その後、ダイヤル式選択手段123を回動操作する。
図24において、ステップSM92では、時間計測部15T(図9参照)により、予め設定してある制限時間TYを超過したかどうかの判定のために経過時間の計測が開始される。
ところで、この段階では、「タッチ入力モード」であるので、次のステップSM93では、時間計測部15T(図9参照)により、予め設定してある制限時間TYを超過したかどうかの判定のために経過時間の計測が開始される。
入力キー107を1回タッチ操作して、制御メニュー(例:予熱)をダイヤル式選択手段123で選択すれば良い。また、予熱温度等の制御条件は、入力キー107を1回タッチ操作して、それに続いて選択手段123を回動操作して入力すれば良い。
このように、ユーザーUSからのタッチ入力やダイヤル式選択手段123による入力が行われた場合、ステップSM93は「Yes」となり、制限時間TYを超過していなければ、ステップSM94から次のステップSM95に進む。
例えば、「予熱」と「200℃」の条件をユーザーUSが入力キー107を1回タッチ操作した後で、ダイヤル式選択手段123によって入力すれば、左操作部15Lがこの入力を電気信号に変換して入力信号解析部52(図8参照)に入力する。
なお、仮にステップSM95の段階で、入力キー109を「長押し」しても、既に音声入力モードへの切り替えする段階(ステップSM80)を過ぎており、このステップSM95の段階では、仮に入力キー「長押し」しても、音声入力モード1への切り替えはできない。
このように、この実施の形態1では、第1の加熱手段HM1の単独調理モードHM3の選択のため、最初に入力キー109を「長押し」した直後に、音声入力モード1に切り替わるが、その音声入力モード1は以後も自動的に継続する。
つまり、一旦、入力キー109を「長押し」した場合、それ以後も当該音声入力キーの操作に関係なく、音声入力モード1が維持される(前記「音声入力モード1B」に設定してある場合)。仮に、再度(2回連続して)、入力キー109を「長押し」しても、音声入力モード1のままである。
前記ステップSM94の判定において、制限時間TYを超過していなかった場合、ステップSM95に進む。そして、入力が完了したかどうかの判定が行われ、そのステップSM95が「Yes」判定になると、一定時間(例えば、10秒)以内に、自動的に誘導加熱動作が開始される。つまり、左操作部16Lを使用した(単独調理モードHM1の場合の)第1の加熱手段HM1では、加熱開始のために特別な入力キーの操作は不要であり、そのまま加熱動作に移行する(C22)。なお、スタートキー113のタッチ操作を条件にして加熱動作を開始するように変更しても良い。
一方、ステップSM93とSM95が「No」であった場合は、それぞれステップSM93に戻り、ユーザーUSからのタッチ入力を待つ。
また、ステップSM94において、制限時間TYを超過していると判定された場合は、ステップSM94は「No」となり、エラー処理のステップSM97に進む。なお、ここでいうエラー処理とは、図21のステップSM6に示した自動遮断処理とは少し異なり、第3特定画面16M3の表示から初期待機画面16MHに戻し、入力が適正に行われていないことを表示したり、音声報知部50から音声で報知したりすることをいう。その後、ステップSM5に進み、ステップSM6に進んで自動遮断処理される場合もあり得る。
次に図25について説明する。
図25は、加熱調理器1において、外部からレシピデータCDを取得する動作を示すフローチャート1である。
図25において、ステップSL1では、図21のステップSM1の処理に相当する処理を行う。次のステップSL2は、図21のステップSM2の処理に相当する処理を行う。
ステップSL3は、図19にて説明した外部接続の接続と報知のステップSS5に相当する処理である。すなわち、事前に登録設定した前記通信端末200又はクラウドサーバー300に対して、レシピデータCDの提供を要求する信号を発信するかどうか、ユーザーUSに事前の確認求める目的のステップである。
前述したように、このステップSL3(SS5)の段階から外部接続を自動的に実行することも可能である(前述した機能設定キー115によって事前設定した場合)。
レシピデータCDを制御装置40が取得した場合には、次のステップSL4は「Yes」となり、ステップSL5に進む。
次のステップSL5は、受信したレシピデータCDが事前に定めた許可条件に合致しているかどうかを判定する処理である。前述したように、例えば連携調理モードKM1では、「許可条件1」、「許可条件2」を満たさないものは調理メニューとして許可されない(図22参照)。また、複合調理モードKM2においても、特定の「許可条件3」を満たしているかどうかの判定が行われる。なお、許可条件3は、図23のステップSM61で説明したものと同じである。更に、第1の加熱手段HM1については、前述した「許可条件4」を満たす必要がある(図24のステップSM81参照)。
もし、許可条件を満たさないとステップSL5で判定された場合には、図18のステップST8で説明したように、通信部51から外部に対してレシピデータCDは受信できない旨を報知する信号(データ)を発信する(ステップSL9)。なお、図18では、連携調理モードKM1の場合であったが、複合調理モードKM2と単独調理モードKM3についても、このような「非受信のメッセージ」は発信される。
許可条件を満たしている場合には、判定したレシピデータCDは、正規なデータとしてレシピデータ記憶部42の所定の記憶エリアに格納される(ステップSL6)。
また、当該レシピデータCDに含まれる識別情報160、167、168、169や制御条件(火力や加熱時間、目標温度等)は、中央表示部16Mに表示される。例えば、連携調理モードKM1であれば、第1特定画面16M1において表示される(ステップSL6)。
次のステップSL7は、制御条件の修正ステップである。例えば、連携調理モードKM1では、第1特定画面16M1に表示される制御条件(例えば、加熱時間や目標加熱温度、火力など)は、中央操作部15Mのダイヤル式選択手段123を操作することで、適宜変更できる。なお、レシピデータCDの取得は、調理メニュー単位であるので、既に特定の調理メニュー(例えば、ハンバーグ)であることは確定し、これを別の調理メニュー(例えば、ローストビーフ)には変更できない。
制御条件を修正したい場合には、例えば、連携調理モードKM1であれば、中央操作部15Mによって適宜変更内容を入力すれば良い(ステップSL10)。この場合、「音声入力モード1」と「音声入力モード2」の何れも選択でき、音声で入力することも可能である。
前記ステップSL4において、レシピデータCDを受信していないと判定された場合、ステップSL8に進む。このステップSL8では、予め設定してある制限時間TXを超過しているかどうかの判定が行われる。前記制限時間TXを超えていない場合には、前記ステップSL4に戻る。しかし、制限時間TXを超えていた場合には、ステップSL11に進む。ステップSL11は、図21で説明したステップSM6と同様に、自動的に主電源を遮断する「自動遮断処理1」である。なお、このステップSL8の制限時間TXと、図21で説明したステップSM6の制限時間TXとを、同じ時間にせず、別の時間を設定しても良い。
次に図26について説明する。
図26は、加熱調理器1において、外部からレシピデータCDを取得する動作を示すフローチャート2である。
この図26は、音声入力モードを選択する(専用の)入力キー180を使用した場合の動作を示している。
図26において、ステップSS5は、図19に説明したものと同じであるので、重複した説明は省略する。
ステップSS10は、音声入力モード2の入力キー180を操作したかどうかの判定ステップである。入力キー180を1回押せば、ここは「Yes」となり、次のステップSS11に進む。入力キー180を操作しない場合には、通常のタッチ入力モードに進む(ステップSS15)。
データ取得部53が通信部51経由でレシピデータCDを取得できた場合、ステップSS11は「Yes」となる。
このステップSS11において、レシピデータCDを受信していないと判定された場合、ステップSS16に進む。このステップSS16では、予め設定してある制限時間TXを超過しているかどうかの判定が行われる。前記制限時間TXを超えていない場合には、前記ステップSS11に戻る。しかし、制限時間TXを超えていた場合には、ステップSS17に進む。ステップSS17は、図21で説明したステップSM6と同様に、自動的に主電源を遮断する「自動遮断処理1」である。なお、このステップSS17の制限時間TXと、図21で説明したステップSM5の制限時間TXとを、同じ時間にせず、別の時間を設定しても良い。
ステップSS11で受信したレシピデータCDの内容は、前述した「許可条件」(図24のステップSL5参照)を満たすかどうかの判定が行われ、満たす場合には、ステップSS12は「Yes」となる。
もし、許可条件満たさない場合には、図25のステップSL9で説明したように、通信部51から外部に対してレシピデータCDは受信できない旨を報知する信号(データ)を発信する(SS18)。
許可条件を満たしている場合には、判定したレシピデータCDは、正規なデータとしてレシピデータ記憶部42の所定の記憶エリアに格納される。
また、当該レシピデータに含まれる識別情報160、167、168、169等や制御条件は、中央表示部16に表示される。例えば、レシピデータCDが連携調理モードKM1の場合は、第1特定画面16M1において表示される(ステップSS13)。
第1特定画面16M1に表示される制御条件(例えば、加熱時間や目標加熱温度、火力など)は、入力操作部15の音声信号受信部56を介して取得した音声入力によって、適宜変更できる(ステップSS14、SS15)。
入力キー180によって「音声入力モード2」が選択されると、以後は、1つの調理メニューの加熱動作が開始されるまでの間は、「音声入力モード2」が継続する。途中の入力段階で「タッチ入力モード」に切り替わることはない。これは、入力工程の途中で切り替わることで、ユーザーUSの操作に混乱を招く可能性があるからである。
タッチ入力モードにしたい場合には、途中の段階で再度入力キー180を押せば良い。押した段階から、タッチ入力モードに復帰する。なお、タッチ入力モードに戻した後で、例えば入力キー107を「長押し」した場合には、「音声入力モード1」に切り替わる。そのため、音声入力モード1(音声入力モード1Bに設定)の場合は、例えば入力キー108を入力操作した場合、当該入力キーの入力機能は無効化されていないので、入力ができる。
次に、図27と図28について説明する。
図27は、加熱調理器1において、音声入力モード1に切り替えた場合の、制御装置40動作を説明するためのフローチャートである。なお、図27は、連携調理モードKM1の場合であるが、他の調理モードにおいても基本的に同じである。
図27において、ステップSS20は、制御装置40の入力モードが音声入力モード1に切り替わった時点を示している。
次のステップSS21では、音声報知部50と中央表示部16Mにおいて音声入力の受付を開始していることを報知する。この時点の中央表示部16Mの状態は、例えば、音声入力モードに切り替わったことを示すマーク179Dが、中央操作部15Mの第2エリア23又は第3エリア24に文字等で表示される(図38参照)。これにより、ユーザーUSは、音声での入力を受け付けていることが容易に認識できる。
次のステップSS22で、音声信号解析部58は、ユーザーUSからの音声による指令を受け付ける入力待機状態に移行する。また、制御装置40の内部の時間計測部(図示せず)によって経過時間の計測が開始される。
ユーザーUSが発する音声での入力情報は、マイク(図示せず)を経由して音声信号受信部56が取得する。音声信号受信部56は、取得した音声情報を所定の音声信号に変換し、音声信号解析部58に送信する(ステップSS23)。
音声信号解析部56は、受信した前記音声信号を解析し(ステップSS24)、入力された内容を、中央表示部16M(第1特定画面16M1)に表示させる。
図28は、中央表示部16Mの表示例を示した模式である。
この図28に示すように、第2エリア23と第3エリア24の範囲に、「左右のIH選択してください」のように文字(文字情報170)で表示する(ステップSS25)。また、音声でも報知する。
前記ステップSS25では、入力情報が不足している場合、さらに音声報知部50から音声で「予熱温度を指定してください」のように案内する。あるいは、「予熱温度は、200℃がお薦めです。温度を指定してください」のように、具体的な制御条件の範囲を報知しても良い。
加熱動作開始に必要な制御条件の入力が不足している場合、ステップSS23に戻る。ステップSS23に戻る前には、音声報知部50は、入力が不足している制御条件を指摘し、入力を促す動作をする(図示せず)。
加熱動作開始に必要な制御条件の入力が完了していると加熱制御部43が判定した場合(ステップSS26)、ステップSS27に進む。ステップSS27では、音声による入力は完了したので、音声入力モード1は解除することを予告し、スタートキー113をタッチ操作することを推奨する(ステップSS27)。なお、スタートキー113がタッチ操作された時点で、音声入力モード1は解除される。
一方、前記ステップSS23で、音声による指令を受け付けていない場合、ステップSS28に進む。ステップSS28では、前記ステップSS22からの経過時間が、所定の制限時間TZを超えたかどうかを判定する。制限時間TZを超過していない場合には、ステップSS23に戻る。しかし、制限時間TZ(例えば、5分間)を超過している場合には、ステップSS29に進む。ステップSS29は、図21のステップSM6と同様な「自動遮断処理2」である。なお、この「自動遮断処理2」は、第1特定画面16M1の状態で、音声報知部50によってユーザーUSに警報を発し、その後、待機時初期画面16MHに自動的に切り替え、そのあとで自動的に主電源スイッチ20を開放するという一連の処理である。これにより、入力工程の途中で何らかの事情で長時間放置されることを回避し、安全性を確保している。
次に、図29について説明する。
図29は、主電源スイッチ20をONにした以降の主な各動作ステップに対応した中央表示部16Mの表示内容を示すものである。
図29について説明する。主電源スイッチ20をOFFにしている状態では、中央表示部16Mは起動されていないので、何も情報を表示していない。
主電源スイッチ20をONにした状態では、制御装置40は、前述したように異常有無等の自己診断を行ったあとで、図29の待機時初期画面16MHの1つの表示形態である「表示画面1」を中央表示部16Mに表示させる。
図29に示した表示画面1において、60Aは、電源が入っていることを報知した表示文である。60Bは、ネットワークNW経由で専用のレシピ掲載サイトであるレシピデータ提供サーバー301に誘導するための、二次元情報(二次元コード)である。60Cは、その二次元コードの意味を説明した文章(以下、「二次元情報説明文」)である。
前記した通信端末200によって、前記二次元コード60Bを光学的に読み込ませると、各種調理レシピの情報を保有した前記レシピデータ提供サーバー301に誘導して接続することができる。この二次元情報説明文60Cと、前記表示文60Aは、「待機時共通情報」60Nの1種である。
図29の表示画面1が表示されたあと、自動的に表示画面2A又は2Bが表示される場合がある。
更に、図29の表示画面1、表示画面2A又は2Bが表示されたあと、自動的に表示画面2Cが表示される。この表示画面2Cでは、加熱源を選択するように推奨文60Hによって、ユーザーUSに対して入力操作を促している。
図29の表示画面2C後に、必ず図13に示した表示画面2Dが表示される。表示画面1の後に、直ぐに表示画面2Dを表示するようにしても良い。
前記表示画面2Aにおいて、「突沸注意」という文字表示は、注意表示60Eの1つである。この「突沸」とは、例えばカレーやシチューのような粘性のある被調理物(液体)を加熱している場合、その被調理物の内部が沸点以上の過熱状態になっていて、突発的に激しい沸騰を起こす現象をいう。熱せられた液体から蒸気が噴き出すことに伴い、熱い液滴が飛散して危険な場合がある。突沸が発生するタイミング、原因は、外部からの異物の混入又は衝撃であると言われている。そのため、被調理物を入れた金属鍋等をトッププレート3の上に置いて誘導加熱する場合、その被調理物をかき混ぜる際の注意喚起をしている。この注意喚起で表示している情報は、「待機時共通情報」60Nの1種である。
図29に示している表示画面1、表示画面2A~2Cの、4つの表示画面は、「共通画面」又は「待機時初期画面」16MHと呼ぶ。なお、この4つ以外の形態を共通画面16MHに含めても良い。
表示画面2Bにおいて、60Eは、加熱室6の内部が高温度になっていて、不用意に接触しないように警告した注意表示である。加熱室6でオーブン調理を実施したあとで、まだ加熱室6が十分冷え切っていないことを制御装置40が検知した場合、この表示画面2Bの状態に自動的に切り替わる。
表示画面2Aと2Bは、同時に表示できないが、数秒間隔で交互に表示することにより、突沸表示と高温表示の両方について注意喚起するようにしても良い。また、音声報知部50によって、表示画面2Aと2Bの注意喚起の内容を音声でも並行して行っても良い。
図29の表示画面2Cにおいて、60Pは、前記した入手操作支援情報である。この図29に示すように、通信端末200等から加熱調理器1がレシピデータCDを取得し、取得したデータを、前記レシピデータ記憶部42(図8参照)に格納する。前記入力キー180(音声入力モード2の選択用)を押せば、レシピデータ記憶部42(図8参照)に格納したレシピデータCDは、音声でも入手できることがユーザーUSは認識できる。なお、この表示に合わせて、音声報知部50により、音声で報知しても良い。
図29の表示画面1~表示画面2A~2Cによって明らかなように、入手操作支援情報60Pを含めた、これら各種情報の表示は、表示画面の全体を利用して行っている。つまり、前述した第1エリア22~第3エリア24の何れかによって、部分的に表示するのではなく、できるだけ広い表示面積を確保するため、第1エリア22~第3エリア24の3つを識別できないように一体化表示をして、ユーザーUSには中央表示部16Mの全体で表示しているように見せている。
図29に図示したものは、中央表示部16Mであったが、左表示部16Lと右表示部16Rにおいても、中央表示部16Mの表示内容と同様な情報を表示する。つまり、主電源スイッチ20をONにした状態では、制御装置40は、前述したように異常有無等の自己診断を行ったあとで、図29の待機時初期画面16MHの1つの表示形態である「表示画面1」を、中央表示部16M、左表示部16L及び右表示部16Rに、一斉に表示させる。
次に図30について説明する。
図30は、加熱調理器1の左表示部16Lの動作を説明する拡大平面図である。この図30では、単独調理モードKM3のための第3特定画面16L3を示している。
この図30は、図19のステップSS4の段階以降で、入力キー107L(図示せず)を操作すると表示される。入力キー107Lは、中央操作部15Mの入力キー107に相当するものである。つまり、「長押し」によって、音声入力モードVMを開始できる。
次に左操作部15Lに配置したダイヤル式選択手段123L(図示せず)を回動操作すると、所定の角度だけ回動する度に、左加熱口4Lで実施する制御メニューが、左表示部16Lに1つずつ表示される。図30の表示画面3Aのように、最初に表示される(デフォルト設定されている)制御メニューを、「保温」にするか、表示画面3Bの「揚げ物」にするか、又は表示画面3Cの「予熱」にするか等、ユーザーは、前記入力キー115によって別途設定しておくことができる。なお、ダイヤル式選択手段123L(図示せず)は、中央操作部15Mのダイヤル式選択手段123に相当するものであり、同様な機能を有している。
なお、図17では、右操作部15Rのダイヤル式選択手段123Rと、左操作部15Lのダイヤル式選択手段123L(図示せず)は、第1エリア22に表示される制御メニューを選択できないと説明したが、選択できるように変更しても良い。
このようにした場合、前記右操作部15Rの入力キー153R(図17参照)を操作したあとで、ダイヤル式選択手段123R(図17参照)を回動操作すれば、回動操作に応じて、1つずつ制御メニューの表示を(保温、揚げ物、予熱・・のように)変化させることができるようになる。つまり、ユーザーUSは、複数の制御メニューの中から1つを簡単に選択することができる。
左加熱口4Lで選択できる(誘導加熱の単独調理モードKM3の)制御メニューは、例えば、「保温」、「湯沸し」、「煮込み」、「揚げ物(自動調理)」、「予熱」等である。制御メニューごとに、左IHコイル9Lの駆動時間、火力または駆動パターン等が異なる。
図30の表示画面3Aは、前記「保温」の制御メニューを選択した場合である。表示画面3Bは、前記「揚げ物」の制御メニューを選択した場合である。表示画面3Cは、前記「予熱」の制御メニューを選択した場合である。
179Aは、前記補助情報である。この補助情報179Aは、音声入力モードに切り替わった以後において、第3特定画面16M3の、各制御メニューの名称の表示部分に隣接して表示される。従って、音声入力モードではない段階では表示されない。
なお、中央表示部16Mにおいて、中央加熱口4Cを担当する中央IHコイル9Mを使用して、(誘導加熱の単独調理モードKM3の)制御メニューの「保温」を選択する場合には、図30に示した表示画面3Aと同様な画面を表示させる。この場合、中央表示部16Mは、表示画面3Aのような表示形態となり、その画面は、「第3特定画面」16M3と呼ぶ。
次に図31を説明する。
図31は、加熱調理器1を起動してから加熱調理を開始する直前までの、加熱調理器1の制御装置40の動作ステップを説明したものである。連携調理モードKM1を、選択した場合のものである。
図31において、主電源スイッチ20の操作ボタン20Aが押され、中央表示部16Mに待機時初期画面16MHが表示された場合、外部機器(前記通信端末200又はクラウドサーバー300)から、連携調理モードKM1のレシピデータCDを取得しているかどうかの判定が行われる(ステップSU2)。
ステップSU3では、制御装置40が加熱調理器1の最新状態と比較し、許可条件1と許可条件2を満たす状態であるかどうかを判定する。
許可条件1と2を同時に満たしていると判定すると(SU6)、外部機器(通信端末200又はクラウドサーバー300)から取得したレシピデータCDに含まれている識別情報167を、前記中央表示部16Mに表示する。この場合は、第1特定画面16M1の中に識別情報167(例えば、「名称:ハンバーグ」)が表示される(ステップSU7)。
前記ステップSU7では、前記識別情報167(例えば、「名称:ハンバーグ」)は、図32に示したように表示される。
また、操作支援情報170(図32)も表示される。これによって、スタートキー113を押して加熱調理を開始するようにユーザーUSは操作が促される。なお、音声報知部50によっても、例えば「スタートキーを押すと、加熱調理を始めることができます」のように報知する(ステップSU8)。
なお、ステップSU7の後に、ユーザーUSが入力キー109を1回押すと、図33(A)に示した食品成分表示画面16M1Aが表示される。また、更に入力キー109を1回押すと、図33(B)に示したような、食品成分表示画面16M1Bが表示される。
なお、ステップSU8の段階で、制御条件(例えば、火力値や加熱時間等)を適宜ユーザーUSが設定しても良い。この場合、音声入力モード専用の入力キー180を押せば、制御条件を音声による入力で行うことができる。
また、入力キー115による「機能設定」によって、事前に前記食品成分表示画面16M1Aと食品成分表示画面16M1Bの表示をしないように設定してあった場合、前記制御条件(例えば、火力値)の設定は、入力キー109によって行うことができる。
一方、前記ステップSU3の段階で、制御装置40が加熱調理器1の最新状態と比較し、許可条件1と許可条件2を満たない状態であると判定した場合(ステップSU4)について説明する。
中央表示部16Mの中の待機時初期画面16HMの内容を一部変更し、外部機器から取得したレシピデータCDは、現在の加熱調理器1では実行できない旨を文字で表示する。また同じ趣旨について音声報知部50でも音声で報知する(ステップSU5)。そして、前記ステップSU1に戻る。この動作は、図18で説明したステップST8の動作に相当する。
次に、図32について説明する。
図32は、図14の場合と同じく、中央操作部15Mと中央表示部16Mを示す拡大平面図である。
図32において、173は、外部機器(前記通信端末200又はクラウドサーバー300)から取得したレシピデータCDであることを示す外部レシピ識別部である。文字によって「受信レシピ」と表示し、この第1特定画面16M1に表示された調理メニュー(ハンバーグの調理用)は外部から取得したレシピであることが容易に分かる。
図32では、入力キー113に対応した個別発光部21M4は、加熱動作を何時でも開始できる待機状態にある。そのことを表示するために、この入力キー113を操作することを促すよう、点滅している。破線の円は、個別発光部21M4が点滅していることを示しているものである。
図32において、個別発光部21M2、21M3の位置に星形の図形が描かれている。その図形は、その個別発光部21M4の前方側に配置された各入力キー(108、109)の入力機能は有効であり、この時点でタッチ操作すれば、入力指令を与えることが出来ることを意味している。
図32では、入力キー108に対応した個別発光部21M2が発光している。つまり、左加熱口4Lで加熱調理することを選択する加熱部特定部116Lと、右加熱口4Rで加熱調理することを選択する加熱部特定部116Rの両方から、ユーザーUSがどちらでも選択できる。
外部機器から取得したレシピデータCDは、外部レシピ識別部173を表示して、第1特定画面16M1に優先的に表示する。つまり、第1特定画面16M1の第1エリア22の前後方向中心位置に、受信したレシピデータCDの識別情報167が表示される。従って、図32に示すように入力キー113を押せば、直ぐに連携調理モードKM1の調理が開始できる。
以上のように、外部機器(前記通信端末200又はクラウドサーバー300)から取得したレシピデータCDは、特定の加熱部(右加熱口4R、中央加熱口4C、左加熱口4L)に限定して調理を行う場合と、ユーザーUSの希望に応じて使用できる加熱部の範囲を指定して調理を行える場合の、2種類がある。従って、外部から取得したレシピデータCDをユーザーUSが利用する場合も、使い勝手を損なうことがない。
なお、機能設定キー115によって、主電源スイッチ20の投入前に、連携調理モードKM1の場合、右加熱部19Rか左加熱部19Lの何れか一方をデフォルト設定しておき、どちらか一方の加熱部特定部116R、116Lを優先的に選択するように設定しても良い。
次に、図33について説明する。
図33は、連携調理モードKM1の場合の、中央表示部16Mの表示内容を示した説明図であり、調理メニューの1つである「ハンバーグ」についての標準成分と、栄養成分が表示された例である。
図31のステップSU7Aの段階で、ユーザーUSが音声入力で食品成分と、栄養成分の何れか一方を表示する指令を発した場合、又は、操作支援情報170が表示されている段階(図32参照)において、入力キー109をタッチ操作した場合には、第1特定画面16M1は、図33(A)と図33(B)の表示画面に一時的に切り替わる。
図33(A)の表示画面は、図32で説明したように、前記した食品成分表示画面16M1Aである、図33(B)の表示画面は、前記栄養成分表示画面16M1Bである。
前記食品成分表示画面16M1Aと栄養成分表示画面16M1Bは、表示されてから一定時間(例えば10秒間)経過すると自動的に元の第1特定画面16M1の状態に復帰する。
あるいは、ユーザーUSが何らかの指令を音声入力で行った場合、若しくは、入力キー109を前記一定時間(10秒間)の間に、更にもう1回操作した場合に、元の第1特定画面16M1の状態に復帰するように、制御装置40の表示プログラムで規定している。
次に図34について説明する。
図34は、連携調理モードKM1の調理メニュー(以下、「連携調理メニュー」という)の調理工程と入力操作部(中央操作部15Mと右操作部15R)の操作との関係を示す説明図である。
この図34の例では、連携調理メニューが、調理工程1、調理工程2及び調理工程3の3つで構成されている場合である。
調理工程1は、第1の加熱手段HM1を使用する例である。
前記レシピデータCDは、この図34の例でいうと、以下の条件が、所定のコンピュータプログラム形式で規定されている。火力等の制御条件も規定されている場合がある。
(1)入力キー113の入力を待って、右加熱口4R(又は、左加熱口4L)での誘導加熱動作を開始すること。
(2)右加熱口4R(又は、左加熱口4L)の加熱停止をするストップキー114R(114L)(図示せず)の入力があったら、加熱動作を停止すること、または一定の条件(調理の連続時間や目標温度到達)を満たしたら、その時点で加熱動作を停止すること。
なお、ストップキー114Rは、右操作部15Rに配置され、また、ストップキー114Lは、右操作部15Rに配置されており、中央操作部15Mのストップキー114に相当する入力キーである。
前記レシピデータCDに含まれる前記プログラムには、後述する加熱休止期間P3と加熱休止期間P5が規定されているが、それら加熱休止期間P3、P5の時間的長さは規定されていない。但し、過剰に長い時間、加熱調理が中断することを防止するため、例えば、調理工程1、調理工程2の終了時点を基準にして、それぞれの経過時間をカウントし、例えば30分経過した場合、警報を出し、また、当該調理メニューの実行を強制的に中止するというような処理を入れても良い。
この図34のレシピデータCDの例では、調理工程1を第1の加熱手段HM1で行い、調理工程2をマイクロ波加熱源(第2の加熱手段HM2)、最後に被調理物をトッププレート3の上に移動させ、加熱不足を補って仕上げの誘導加熱を行うための、調理工程3を設けている。
なお、この加熱調理器1では、外部からの指令信号を受けて、調理モードの設定や制御条件等が不用意に行われないように保護する対策を追加している。
この図34の事例は、第1の加熱手段HM1を先に動作させ、その加熱動作終了後に、第2の加熱手段HM2を動作させるが、第2の加熱手段HM2と同時に、第3の加熱手段として輻射熱加熱手段12を動作させても良い。
図34に示すように、ここで示した連携調理メニューは、4つの段階から構成されている。
P1は、第1の段階(準備期間)であり、連携調理メニューを実行しようと、入力キー107を操作してから、入力キー113R(図示せず)によって、右加熱口4Rにおいて(誘導)加熱調理動作が開始されるまでの期間である。
前記入力キー109を操作した際に、上述したような「許可条件」を満たしていた場合には、制御装置40は、第1特定画面16M1を表示する。なお、この図34では、第1特定画面16M1を図示していない。
前記第1特定画面16M1が表示された段階で、中央操作部15Mにおいて、入力キー107又はダイヤル式選択手段123を操作すれば、連携調理メニューの1つを選択できる。その後、入力キー113Rを操作すれば、(右加熱口4Rを使用した)連携調理モードに移行し、P2の加熱調理工程に進む。
入力キー107を1回押したことにより、第1特定画面16M1が中央表示部16Mに表示された段階で、ユーザーUSの希望する連携調理メニューの識別情報167が、その第1特定画面16M1の所定の位置に表示された場合(デフォルト表示)、このデフォルト表示の連携調理メニューを調理したいときは、更に、入力キー107を1回押す操作は必要ない。また、前記ダイヤル式選択手段123による連携調理メニューの選択操作も不要である。
P2は、第1の加熱手段HM1による加熱調理期間(調理工程1)である。
この調理工程1は、適正な金属鍋等の被調理物が前記右加熱口4Rの上に載置され、右操作部15Rにある入力キー113R(図17参照)を押せば、加熱調理動作が開始される。つまり、右加熱部19Rを調理工程1で使用する連携調理モードKM1の場合、その調理工程1を開始する前に、入力キー153Rをタッチ操作する必要はない。
前記調理工程1を開始した段階では、既に制御装置40は、許可条件(1と2)の判定を終えているので、使用中である第1の加熱手段HM1(誘導加熱手段)の加熱部が分かっている。つまり、右加熱口4R、左加熱口4Lの両方の使用状態を把握している。
そのため、デフォルト設定として、制御装置40は、連携調理モードの調理工程3で「右加熱部」4Rを使用すると決定し、この右加熱口4Rを占用状態にする。
前記調理工程1は、基本的には連携調理メニューの動作プログラムによって事前に決まっている。例えば標準的な加熱時間が経過すると、音声報知部50から報知され、また第1特定画面16M1でも「まもなく〇分が経過します」のような表示が行われる。つまり、ユーザーUSに調理工程1の終了時期に近づいていることを報知する。
ユーザーUSが、調理工程1を終えるには、右操作部15Rの入力キー114R(図17参照)を1回押せば良い。この時点で入力キー114Rを押しても、この後の調理工程2を含む連携調理モードKM1が取り消された訳ではない。
P3は、第1の加熱手段HM1による調理工程1を一旦停止し、第2の加熱手段HM2の調理工程2が開始されるまでの加熱休止期間である。
この加熱休止期間P3は、調理工程1における被調理物の加熱度合いを確認することや、調味料を加えること、あるいは別の被調理物を加えて調理工程2を行うために必要な期間である。更に、加熱室6に被調理物を移動させるために必要な期間である。
加熱休止工程P3は、スタートキー113を押すと終わり、P4の調理工程2に進む。
この調理工程2は、ドア7が前記休止期間P3に1回開放され、その後閉じられていることを制御装置40が確認して開始される。前記した開閉検知部10からのドア開閉信号が制御装置40に利用される。
なお、ドア7が開放された時点から、再びドア7が閉じられるまでの所要時間を制御装置40は計測しており、一定の許容時間TXを超えた場合には、その時点以降では、入力キー113を押しても、加熱動作が開始されないような安全対策を採用している。
前記調理工程2は、基本的には連携調理メニューの動作プログラムによって事前に決まっている加熱時間が経過し、又は被調理物の温度が設定値(例えば、90℃)まで上昇すると自動的に終わる。例えば、ある連携調理メニューでは、マイクロ波出力500Wで加熱が開始される。なお、また、ドア7をユーザーUSが任意のタイミングで開ければ、瞬時にマイクロ波の照射が停止され、加熱動作が停止される。
P4の調理工程2では、2つの入力キー108,109の、少なくとも何れか1つを操作し、ダイヤル式選択手段123を操作すれば、制御条件(例えば、加熱調理時間や目標温度)をユーザーUSが個別に設定できる場合があるが、調理メニューによっては、ユーザーUSによる制御条件の変更ができない場合もある。
この図34の例では、中央操作部15Mのストップキー114を押して、調理工程2を終了させた場合を示している。こうして調理工程2の停止を指令すると調理工程2は終わり、P5の加熱休止期間に進む。
加熱休止期間P5は、調理工程2における被調理物の加熱度合いを確認することや、調味料を加えること、あるいは別の被調理物を加えて次の調理工程3を行うために必要な期間である。例えば、調理工程2では、被調理物として冷凍食品だけを加熱し、調理工程3では、調味料や調理液の中に浸したり、あるいは別に予備加熱等で調理した被調理物を、同じ被調理物の中に加えたりすることができる。このため、調理の幅が広がる。
この加熱休止期間P5では、ユーザーUSは、ドア7を開けて加熱室6の内部から被調理物を取り出し、トッププレート3の上に置く。なお、被調理物は、金属製の鍋等の被加熱物N(図示せず)の中に入れられて載置される。
そして、右加熱部4口の入力キー113R(図示せず)を押して調理の開始を指令すると、P5の加熱休止期間は終わり、P6の加熱調理期間(誘導加熱の「調理工程3」)に進む。
P6は、第2の加熱手段HM2(マイクロ波加熱源)による調理工程2から、第1の加熱手段HM1(この場合、誘導加熱手段。例えば、右加熱口4R)の調理工程3に切り替わる。
この調理工程3では、上記したように右加熱口4Rで加熱調理する場合には、右操作部15Rに配置された入力キー156R、157R(図17)を操作すれば、制御条件(例えば、加熱調理時間や目標温度)をユーザーUSが個別に設定できる。また、ダイヤル式選択手段123によっても制御条件を選択できる。
また、この調理工程3を、仮に左加熱口4Lで加熱調理する場合には、左操作部15Lの配置された入力キー156L、157L(何れも図示せず)を操作すれば、制御条件(例えば、加熱調理時間や目標温度)をユーザーUSが個別に設定できる。また、ダイヤル式選択手段123によっても制御条件を選択できる。
そして、右操作部15Rのストップキー114R(図示せず)を押して調理の停止を指令すると、調理工程3は終わり、連携調理モードKM1の動作はこの段階で全て終了する。なお、タイマー調理の場合は、時間経過すると自動的に誘導加熱調理は終了し、調理工程3が終了する。
この図34から明らかなように、連携調理メニューの選択をする段階、すなわち、連携調理メニューの調理の名称を示す識別情報167を中央表示部16Mに表示させた時点ではなく、中央操作部15Mのスタートキー113によって調理開始を決定した時点から、右加熱口4Rの右操作部15Rは、使用(占用)できないようになる。なお、デフォルト設定で左加熱口4Lを設定していれば、左加熱口4Lが占用状態になり、右加熱口4Rは、占用対象から外れる。
以上の説明から明らかなように、制御装置40は、以下の機能制限処理を行う。
(1)右操作部15Rからの入力信号は、無効化又は入力を制限する処理を行う。例えば、入力キー153R、156R、157Rの入力機能は無効化される。これにより、加熱調理期間(調理工程1)~加熱調理期間(調理工程3)の間は、右加熱口4Rは、連携調理モードKM1で入力が必要とされる場面以外では、使用(入力)できなくなる。
(2)加熱調理期間(調理工程1)に入っても、左操作部15Lは使用できる(左操作部15Lからの入力信号は無効化しない)。
このように、加熱調理期間(調理工程1)に入ると、制御装置40は、調理工程1の段階から、調理工程3までの期間中、右加熱口4Rだけを占用した状態になる。
従って、右加熱口4Rは、連携調理メニューの選択によって「占用」された状態となる。また第1の加熱手段HM1の全体から見れば、3つの加熱部の一部分(右側)だけ使用が「制限」されたことになる。
そして、加熱調理期間(調理工程1)が終わっても、右加熱口4Rの上記制限状態は解除されない。
なお、前記準備期間P1の段階では、中央表示部16Mには、第1特定画面16M1が表示されており、ユーザーUSは連携調理モードに入ることが容易に理解できる。その後、調理工程1の段階では、中央表示部15Mにおける第1特定画面16M1の表示は消え、代わりに右表示部15Rにおいて第1特定画面16R1(図示せず)が表示される。
従って、右操作部15Rを操作する際に、ユーザーUSは、連携調理モードに入っていることが右表示部16Rにおいて容易に理解できる。調理工程3においても同じである。
なお、加熱調理期間(調理工程2)を開始する前に、ドア7が開放状態から閉鎖状態に変化したことが制御装置40で検知した場合であっても、加熱室6の中の温度が基準値よりも高い場合には、制御装置40や非接触(赤外線)センサー13、サーミスタセンサー14が、加熱室6で調理を開始する前から異常な高温度を誤って調理完了と認識してしまう懸念がある。
そのため、加熱調理期間(調理工程1)の開始前には、前記加熱室6の温度が高すぎた場合には、中央表示部16Mの表示される第1特定画面16M1において、「高温のために直ぐには、第2の加熱手段HM2(マイクロ波加熱手段)は使用できない」旨を表示するようにしている。
この図34に太い矢印で示した期間は、1つのレシピデータCDの受信制限期間と、追加のレシピデータCDの取得制限期間である。
中央操作部15Mにおいて、前記入力キー107を1回タッチして第1特定画面16M1が表示された段階以降では、以下のように制限部55による制限動作が行われる。
なお、通信部51は、第1特定画面16M1が表示された時点で、受信・送信機能は有効となる(それ以前は、少なくとも受信機能は無効になっている)。
すなわち、制御装置40に内蔵された制限部55は、以下のように動作する。
図34に示すように、外部から取得した特定の連携調理メニューAを、同じ連携調理モードKM1の別の連携調理メニューB(例えば「ハンバーグ」)に変更することはできない。変更するには、ストップキー114を操作して、連携調理モードKM1を一旦解除し、最初の待機時初期画面16MHの場面まで戻す必要がある。
つまり、この図34に太い矢印で示した制限期間に入ると、ストップキー114を操作すれば、一旦外部から取得した特定の連携調理メニューAによる調理を、随時取り消すことができる。このように一旦取消し操作を行った場合、待機時初期画面16MHに戻るので、その状態で、再度入力キー107をタッチ操作する必要がある。
また、外部から取得したレシピデータCDに基づく、特定の連携調理メニューAについて、調理工程が全て終了するまでの期間中は、別の連携調理メニューCのレシピデータCDを、制御装置40が外部(通信端末200等)から取得することはできない。
つまり、この図34に太い矢印で示した制限期間に入ると、中央操作部15Mのスタートキー113を操作すれば、連携調理モードKM1の調理工程1の開始を決定でき、この決定の直前に取得した特定の連携調理メニューAのレシピデータCDによる調理を実行できる。しかし、この調理メニューAの全ての調理工程が終了するまでは、更に外部からレシピデータCDを、追加で取得することはできない。
また、外部から取得したレシピデータCDに基づく、特定の連携調理メニューDが、調理工程1を右加熱口4Lで行うものであった場合、右操作部15Rに配置されたスタートキー113R(図17)を押した場合には、その特定の連携調理メニューDについて、調理工程が全て終了するまでの期間中は、別の連携調理メニューのレシピデータCDを、制御装置40が外部(通信端末200等)から取得することはできない。
次に図35~図37について説明する。
図35は、加熱調理器1において、連携調理モードKM1のレシピデータ取得可能区間と制御動作との全体を説明するためのタイムチャート1である。
図35において、SA1~SA9は、制御装置40の動作を示している。
最初に制御装置40は、主電源スイッチ20がONになったことを検知し(ステップSA1)、起動されたことを示すデータ(運転状態データOSの1種)を通信部51から外部へ送信し、自己診断モードを開始する(SA2)。つまり、加熱調理器1の各回路やセンサー類等の構成部分が異常でないかどうかをチェックする。
次に、表示部16を起動して、中央表示部16Mと、右表示部16R、左表示部16Lの、3つの表示部16に、それぞれ待機時初期画面を表示する。
中央操作部15Mと、右操作部15R、左操作部15Lの、3つの操作部の何れでも加熱調理モードを選択できるが、中央操作部15Mでは、連携調理モードKM1と複合調理モードKM2を選択できる。
そこで、図35~図37では、中央操作部15Mにおいて加熱調理を開始する場合に限定して説明する。
中央表示部16Mには待機時初期画面16MHを表示する。そして、この後、待機時初期画面16MHを通じてユーザーUSに加熱手段の選択を促す表示と、音声報知部50による同様な音声ガイダンスを行う(SA3A)。
次に、ユーザーUSが、中央操作部15Mの入力キー107を押して、連携調理モードKM1を選択する。これが、図35のステップSA4である。
この実施の形態1でいう「初期待機期間」TPとは、前記ステップSA3Aから始まる期間であり、この初期待機期間TPが終わるタイミングは、加熱動作の開始用入力キーが押された時点(SA7)である。開始用入力キーとは、連携調理モードKM1では、入力キー113である。SA9は、実際に加熱コイル9L、9C、9Rやマイクロ波発振源11の加熱動作や発振動作が開始された時点を示している。
前記初期待機期間TPは、前記第1の制限期間(第1の制限時間TX)を超えることはできない。つまり、図21で説明したステップSM5の処理によって、例えば、最長30分以内である。
次に、以上のような加熱動作を開始する指令を待っている初期待機期間TP中に、前記音声入力モード1の選択部を兼ねている入力キー107を「長押し」した場合には、音声入力モードVMが開始される。
初期待機期間TP中に、外部からレシピ取得データCDの取得に同意しないと、連携調理モードKM1や複合調理モードKM2等のレシピデータCDは取得できない。
しかしながら、この実施の形態1の加熱調理器1では、ステップSA4の段階で、入力キー107を「長押し」操作すると、後述する「レシピ取得許可条件」が満たされる。つまり、前記データ取得部53による前記レシピデータCDの取得を許可するプログラムになっている。
なお、ステップSA4の段階で、入力キー107を「短押し」操作しても、後述する「レシピ取得許可条件」が満たされる。
また、この実施の形態1の加熱調理器1では、ステップSA4の段階で、入力キー108を「長押し」、又は「短押し」操作すると、後述する「レシピ取得許可条件」が満たされる。つまり、前記データ取得部53による(複合調理モードKM2の)レシピデータCDの取得を許可するプログラムになっている。
ところで、前記入力キー107は、前記音声入力モード1の選択部を兼ねている。そのため、ステップSA4の段階で「長押し」して、そのタッチ時間TAが、前記した閾値(5秒間)を超えると、その超過した時点で音声入力モード1に自動的に切り替わる(ステップSA5)。
このため、図35に示したステップSA5時点から音声入力モード1に切り替わるので、この音声入力モード1の期間中は、音声入力によって連携調理モードKM1の制御条件を設定できる。
なお、音声入力モード1は、加熱動作開始の指令を入力キー113で与えた時点で自動的に終了する。
初期待機期間TPの中で、ステップSA4~SA7までの期間が、複合調理モードKM2のレシピデータCDの取得可能期間TB1である。また、そのステップSA4~SA7までの期間が、連携調理モードKM1のレシピデータCDの取消可能期間TB1である。
更に、ステップSA4~SA7までの期間が、連携調理モードKM1のレシピデータCDの制御条件(制御データ)変更可能期間TB3である。
次に、図36について説明する。
図36は、入力操作部(中央操作部15M)と中央表示部16Mとの関係を時系列で示す説明図1である。
図36において、ユーザーUSが入力キー154Mを操作して、複合調理モードKM2を選択する(ステップSA4)。
すると、初期待機期間TP中において、前記入力キー108が押されたステップSA4の時点で、「レシピ取得条件」を満たしたことになる。
初期待機期間TPの中で、「レシピ取得条件」を満たすと、複合調理モードKM2の制御メニュー(例えば「あたため」)のレシピデータCDを、通信部51経由でデータ取得部53が1回だけ取得できる。
更に、初期待機期間TPの中で、外部から取得した複合調理モードKM2の調理メニューのレシピデータCDを、ストップキー114で取り消すことができる。
実際には、初期待機期間TPにおいては、最初に第2特定画面16M2が表示され、その画面の中に、レシピデータCDの識別情報160が表示された以降に、ストップキー114を押せば、取り消すことができる。
更に、初期待機期間TPの中で、取得したレシピデータCDの制御条件を、入力キー108、109又はダイヤル式選択手段123を操作して、適宜変更できる(変更できない制御条件もある)。これも、表示された第2特定画面16M1の中に、制御条件が表示されるので、その表示された内容を確認してから変更できる。
ところで、前記入力キー108は、前記音声入力モード1の選択部を兼ねている。そのため、ステップSA4の段階で「長押し」して、そのタッチ時間TAが、前記した閾値(5秒間)を超えると、その超過した時点で音声入力モード1に自動的に切り替わる(ステップSA5)。
このため、図36に示したステップSA5時点から音声入力モード1に切り替わるので、この音声入力モード1の期間中は、音声入力によって複合調理モードKM2の制御条件を設定できる。
なお、音声入力モード1は、加熱動作開始の指令を入力キー113で与えた時点で自動的に終了する。
この図36の場合も、初期待機期間TPは、入力キー113を操作した時点で終了する(SA7)。そして、実際の加熱動作がその直後から開始される(SA9)。
なお、初期待機期間TPは、上記のように、スタートキー113を押したステップSA9の時点で終了するから、この後は、外部から別の複合調理モードKM2のレシピデータCDは取得できない(但し、調理工程の途中で、ストップキー114で、複合調理モードKM2を取り消した場合には、再度レシピデータCDの取得は可能)。
この図36におけるステップSA3とステップSA4によるレシピデータCDの取得の時間差は、30分以内に制限されている。30分を超過すると、制御装置40は、操作入力をユーザーUSが忘れている可能もあるため、安全上、主電源スイッチ20を強制的にOFFにする。又は、音声報知部51で警報を出す等の動作を指令する(図25のステップSL8参照)。
なお、ステップSA3とステップSA4によるレシピデータCD取得の時間差を30分以内に規制するのではなく、前記初期待機期間TPが始まった時点である、ステップSA3AからステップSA4までの期間を、30分以内に制限するように変更しても良い。
図36から明らかなように、初期待機期間TPの中で、ステップSA4~SA7までの期間が、複合調理モードKM2のレシピデータCDの取得可能期間TB1である。
初期待機期間TPの中で、ステップSA4~SA7までの期間が、複合調理モードのレシピデータCDの取消可能期間TB2である。
また、ステップSA4~SA7までの期間が、複合調理モードKM2のレシピデータCDの制御条件(制御データ)変更可能期間TB3である。
次に図37について説明する。
この図37は、図35に示したタイムチャートの変形例1を示すタイムチャートである。SA1~SA9は、図35と同様に、連携調理モードKM1の調理を実行する場合の、制御装置40の加熱制御部43の動作を示している。
ステップSA4は、ユーザーUSが入力キー107をタッチ操作して、連携調理モードKM1を選択した時点である。この図37の場合でも、初期待機期間TPは、ステップSA3Aから始まり、スタートキー113が押された時点で終わる期間である。
この図37に示す連携調理モードKM1の場合でも、所定の時間(例えば30分以内)に制限されている初期待機期間TP中において、前記入力キー107が押されたことになるので、ステップSA4の時点で「レシピ取得許可条件」を満たしたことになる。
「レシピ取得許可条件」を満たすと、連携調理モードKM1のレシピデータCDを、通信部51経由でデータ取得部53が1回だけ取得できる。
この図37では、図35に示した例と、レシピデータCDの取得時期が、以下に説明するように異なっている。
初期待機期間TP中に、前記音声入力モード1の選択部を兼ねている入力キー107を押さないと、連携調理モードKM1の調理メニューが選択できない。つまり、取得すべきレシピデータCDが特定できない。
そこで、入力キー107を操作すると、「レシピ取得許可条件」が満たされる。つまり、前記データ取得部53は、前記レシピデータCDの取得を許可するプログラムになっている。このステップSA4の時点からレシピデータCDが取得できる(なお、実際にレシピデータCDは、通信インフラの性能等の制約を受けるため、瞬時に取得が完了しない場合があり、数秒~20秒程度の時間を要する場合もある)。
ところで、前記入力キー107は、前記音声入力モード1の選択部を兼ねている。そのため、ステップSA4の段階で「長押し」して、そのタッチ時間TAが、前記した閾値(5秒間)を超えると、その超過した時点で音声入力モード1に自動的に切り替わる(ステップSA5)。
しかし、ユーザーUSが、上記のような段階で、音声入力モード1へ切り替えたことが分からない場合がある。または、長押し操作を意識しなかった場合も想定される。
そこで、この図37の例では、自動的に切り替わったあと、レシピデータCDを取得したことを第1特定画面16M1で表示する際に、当該画面において音声入力モード1に切り替わったことを表示する。また、同時に音声報知部50においても報知する。なお、実際の第1特定画面16M1の例として、図38に示している。
従って、図37に示したステップSA5時点から、音声入力モード1での入力を受け付ける。従って、ステップSA5時点から音声入力によって連携調理モードKM1の制御条件を設定できる。
なお、音声入力モード1は、加熱動作開始の指令を入力キー113で与えた時点で自動的に終了する。
次に図38について説明する。
図38は、図37に示した変形例に対応した連携調理モードKM1の、入力操作部15と中央表示部16Mとの表示内容を示した説明図である。
この図38で示している前記補助情報179は2種類である。すなわち、1つは、音声入力モードであるため、音声で入力を受け付けていることを示す音声入力モード表示情報179Dである。もう1つは、制御条件の入力を推奨し、また入力できる制御条件の例(標準値)を含む参考情報179Eである。なお、1つの標準値を示すのではなく、入力できる許容範囲(上限値と下限値)を表示しても良い。
173は、図32でも説明したように、外部レシピ識別部である。これによって、第1特定画面16M1に現在表示されている連携調理メニューは、外部から取得したものであることが容易に分かる。
次に、図39について説明する。
図39は、連携調理モードKM1のレシピデータCDの取得可能区間と制御動作との全体を説明するためのタイムチャートであるが、図35に示したタイムチャートの変形例2を示している。
この図39において、SA1~SA9は、図35と同様に制御装置40の動作を示している。
この図39の例は、前記音声入力専用キー180のハードウエア上の構成を変更している。具体的には、当該入力キー180の操作面は、当該操作面の下方に配置した発光素子(LED)(図示せず)によって下方から照らされる構成である。
前記入力キー180は、制御装置40が起動された後、入力キー107、108又は109がタッチ操作された時点(ステップSA4)で、入力機能が有効になる。また、入力機能が有効になった時点以降は前記発光素子(図示せず)で照らされて、操作部15の中で目立った存在となる。
例えば、右操作部15Rにも、専用の音声入力専用キー180を設け、また、左操作部15Lにも、専用の音声入力専用キー180を設けた場合、右操作部15Rにおいて、最初に入力キー153R(図17参照)が、「長押し」操作された場合には、この右操作部15Rにある音声入力専用キー180だけが、発光素子(図示せず)によって下方から照らされ、音声入力モードVMに切り替わっていることを表示する。
また、待機時初期画面16MHによって調理モードの選択をユーザーUSに促す表示がされた時点(ステップSA3A)から、前記初期待機期間TPは開始される。
ステップSA4は、図35と同様に、入力キー107、108又は109の何れか1つがタッチ操作された時点である。この時点で「レシピ取得許可条件」を満たすから、レシピデータCDの取得が実行できる。その後、入力キー113を操作した時点で前記初期待機期間TPは終了する。
この図39の例では、入力キー107が「短押し」のタッチ操作された段階以降に、連携調理モードKM1のレシピデータを、通信部51経由で外部から取得することができる。なお、入力キー107をタッチ操作せず、108を「短押し」でタッチ操作したときは、複合調理モードKM2のレシピデータを取得することができる。
入力キー107又は108が、以上のように何れも「短押し」操作であった後、ステップSA5の時点で、入力キー180をタッチ入力操作すると、制御装置40は、そこから音声入力モード2に移行する。そのため、このステップSA5以降にユーザーUSは音声によって制御条件をインプットできる。
なお、この図39の例では、音声入力モード2Aのケースであるため、前記音声入力専用キー180以外の(一部の)前記入力キー(例えば、107)の入力機能は、音声入力キーが開始された時点以降、一時的に無効になる。そのため、仮に入力キー107、108をタッチ操作しても、何も入力できない。なお、スタートキー113は、入力機能は無効にならない。
次に、図40について説明する。
図39は、外部から取得したレシピデータCDによって、加熱調理を開始するまでの制御装置40の主要な処理を示すものである。特に、食品成分と栄養成分のデータを表示する処理を示している。
図39において、前記通信端末200又はクラウドサーバー300から通信部51を介して取得したレシピデータCDは、記憶装置41のレシピデータ記憶部42に格納する(ステップSS30)。そして、第1特定画面16M1において表示する(ステップSS31)。
ステップSS31の段階では、中央表示部16Mには第1特定画面16M1が表示されている。つまり、少なくとも識別情報167が表示されている。
次のステップSS32では、食品成分を表示するため、ユーザーUSから表示指令があったかどうかの判定が行われる。既に音声入力モード1に移行しているので、音声で「食品成分」又は「カロリー」等の規定された用語(フレーズ)を発すると、このステップSS32は「Yes」の判定となる。この音声信号を音声信号解析部58(図8参照)が解析し、対象となる調理メニューの食品成分のデータを記憶装置41から読み出す。
第1特定画面16M1には、図33(A)に示すような食品成分表示画面16M1Aが表示される(ステップSS33)。そして、エネルギー量、たんぱく質、脂質及び炭水化物の量が表示される。
次に、スタートキー113が押されたかどうかの判定ステップSS34に進む。このステップSS34では、ユーザーUSの操作が行われるまで、ある程度の時間は、入力を待つ。その待機時間中にスタートキー113が押された場合には、第1特定画面16M1の表示に復帰する。そして、加熱手段(第1の加熱手段HM1など)の駆動が開始される(SS35)。
前記ステップSS31の時点から一定時間の間に、入力キー109が押されず、また音声でも食品成分の表示指令がないと、ステップSS32の判定は「No」となる。
ステップSS32の判定が「No」であった場合、ステップSS36に進む。ステップSS36では、食品の栄養成分の表示指令があったかどうかの判定が行われる。既に音声入力モード1に移行しているので、このステップSS36の段階では、音声で「栄養素」又は「栄養」等の規定された用語(フレーズ)を発する。
すると、この音声信号を音声信号解析部58(図8参照)が解析し、対象となる調理メニューの栄養成分のデータを記憶装置41から読み出す。そして、ステップSS36は「Yes」の判定となる。なお、入力キー180を再度押し、音声入力モード2を解除して、入力キー156Mを押しても、ステップSS36は「Yes」となる。
ステップSS36が「Yes」の判定であると、表示部16には、図33(B)に示すような栄養成分表示画面16M1Bが表示される(ステップSS37)。そして、エネルギー量、たんぱく質、脂質及び鉄分の量が表示される。そしてステップSS34に進む。
前述したように、機能設定用の入力キー115を事前に操作し、食品の成分と、栄養成分を、加熱調理の開始前の段階で、その都度個々に表示する設定をしていない場合には、この図40に示したステップSS33とSS37の動作は行われない。
なお、図35~図39の例では、単独調理モードKM3について示していないが、複合調理モードKM2や連携調理モードKM1のレシピデータCDと同様に、前記初期待機期間TPにおいて、通信部51経由で外部からレシピデータCDを取得することができる。
次に、図40について説明する。
図41は、加熱調理器1において、音声入力モードに切り替わった場合の、制御装置40の動作を説明するためのフローチャートである。なお、図41は、連携調理モードKM3の場合であるが、他の調理モードにおいても基本的に同じである。
図41において、ステップSS20は、制御装置40の入力モードが音声入力モード1に切り替わった時点を示している。
次のステップSS21では、音声報知部50と中央表示部16Mにおいて音声入力の受付を開始していることを報知する。この時点の中央表示部16Mの状態は、例えば、図28で示した通りである。すなわち、補助情報179として、音声での入力を受け付けていることを示す音声入力モード表示情報179Aが、第1特定画面16M1に表示される。
次のステップSS22で、音声信号解析部58は、ユーザーUSからの音声による指令を受け付ける入力待機状態に移行する。また、制御装置40の内部の時間計測部(図示せず)によって経過時間の計測が開始される。
ユーザーUSが発する音声での入力情報は、マイク(図示せず)を経由して音声信号受信部56が取得する。音声信号受信部56は、取得した音声情報を所定の音声信号に変換し、音声信号解析部58に送信する(ステップSS23)。
音声信号解析部56は、受信した前記音声信号を解析し(ステップSS24)、入力された内容を、中央表示部16M(第1特定画面16M1)に表示させる。例えば、「ハンバーグ 右IH 受け付けました」のように音声で報知し、また当該第1特定画面16M1においても文字で表示する(ステップSS25)。
前記ステップSS25では、入力情報が不足している場合、さらに音声報知部50から音声で「予熱温度を指定してください」のように案内する。あるいは、「予熱温度は、200℃がお薦めです。温度を指定してください」のように、具体的な制御条件の範囲を報知しても良い。
加熱動作開始に必要な制御条件の入力が不足している場合、ステップSS23に戻る。ステップSS23に戻る前には、音声報知部50は、入力が不足している制御条件を指摘し、入力を促す動作をする(図示せず)。
加熱動作開始に必要な制御条件の入力が完了していると加熱制御部43が判定した場合(ステップSS26)、ステップSS27に進む。ステップSS27では、音声による入力は完了したので、音声入力モード1は解除することを予告し、スタートキー113をタッチ操作することを推奨する(ステップSS27)。なお、タッチキー113がタッチ操作された時点で、音声入力モード1は解除される。
一方、前記ステップSS23で、音声による指令を受け付けていない場合、ステップSS28に進む。ステップSS28では、前記ステップSS22からの経過時間が、所定の制限時間TZを超えたかどうかを判定する。制限時間TZを超過していない場合には、ステップSS23に戻る。しかし、制限時間TZ(例えば、5分間)を超過している場合には、ステップSS29に進む。ステップSS29は、図21のステップSM6と同様な「自動遮断処理2」である。なお、この「自動遮断処理2」は、第1特定画面16M1の状態で、音声報知部50によってユーザーUSに警報を発し、その後、待機時初期画面16MHに自動的に切り替え、そのあとで自動的に主電源スイッチ20を開放するという一連の処理である。これにより、入力工程の途中で何らかの事情で長時間放置されることを回避し、安全性を確保している。
次に、図42について説明する。
図42は、中央操作部15Mが、複合調理モードKM2のために操作された際の、中央表示部16Mにおける制御メニューの表示例を示した模式図である。
まず、ユーザーUSが主電源スイッチ20(図8参照)の操作用ボタン20Aを押下して主電源をオンすると、左操作部15L,中央操作部15M、右操作部15Rは、入力機能が有効になる。つまり、これら各操作部15L、15M、15Rからの操作信号を制御装置40が受け付ける状態になり、中央表示部16Mには、待機時初期画面16MHが表示される。
この状態で、ユーザーUSが入力キー108を押下げすると、図42に示すように(デフォルト設定の)表示画面16STが表示される。
この図42は、第2特定画面16M2の変化を示したものである。
表示画面16STから明らかなように、第1エリア22の前後方向の中央には、「あたため」という制御メニューの名称(識別情報)160が大きく表示される。
第1エリア22の中央に表示された「あたため」という制御メニュー識別情報160の後方には、「IH加熱」という文字(制御メニュー識別情報)161が、また逆に前方側には「レンジ手動」という文字(制御メニュー識別情報)162が、少し小さく表示される。
これにより、ユーザーUSが制御メニューを選択する場合、次の候補は「IH加熱」と「レンジ手動」であることが分かる。仮にこの段階で、入力キー107を更に1回押し、ダイヤル式選択手段123を(例えば時計回り方向に)回動すると、「あたため」という文字(制御メニュー識別情報)160の位置に「レンジ手動」の制御メニュー識別情報162が(後方へ)移動したように、大きく表示される。なお、制御メニュー識別情報162の文字は実際には移動したのではなく、表示情報が切り替わっただけである。
また「あたため」という文字(制御メニュー識別情報)160の位置に、「IH加熱」という文字(制御メニュー識別情報)161が(前方へ)移動したように、大きく表示される。なお、この場合も、制御メニュー識別情報162は実際には移動したのではなく、表示情報が切り替わっただけである。
図42に示しているように、表示画面16STは、第2エリア23に「80℃」という目標温度が表示される。この目標温度でマイクロ波加熱した場合には、被調理物の温度が80℃であることが、赤外線センサー13によって検知された際に、マイクロ波加熱は自動的に停止される。
この第2エリア23に表示された温度を変えて、自動停止する温度を変更したい場合には、第2エリア23に対応した入力キー108を1回押し、ダイヤル式選択手段123を回動操作すればよく、例えば、ダイヤル式選択手段123を時計回りに回動すると、表示画面16UP1のように、温度が5℃上がって85℃になる。逆に反時計回りに回動すると、表示画面16DN1のように温度が5℃だけ下がって、75℃になる。
また、第2エリア23には、加熱源がマイクロ波加熱手段(第2の加熱手段HM2)であることを文字で表示した加熱源表示部163が表示される。
164は、前記したように、おかず等の温めにお薦めの制御メニューであることを自動的に表示させた参考情報である。この参考情報の内容は、別の付加情報165であっても良く、2種類以上の情報を、中央表示部16Mの表示画面(例えば、第3エリア24)で、数秒間ずつ交互に、又は順次表示しても良い。
更に、図11の分類2で示したように、各制御メニューの要点を示す情報(参考情報)164を、ダイヤル式選択手段123の回動操作に応じて、随時表示させても良い。
つまり、この実施の形態1では、各制御メニュー(例えば「あたため」)を選択するかどうかユーザーUSが迷わないように、当該制御メニュー(例えば「あたため」)と1対1に対応している前記参考情報164を表示させる。
更に、図42のように参考情報164が第3エリア24に表示されている場合、その参考情報164の手前に位置している入力キー109に1回タッチ操作し、ダイヤル式選択手段123を回動操作すると、この第3エリアに表示している前記参考情報164を変更できる。つまり、ダイヤル式選択手段123の回動操作により、前記参考情報164に代えて、更に詳しい前記付加情報166を、第3エリア24に表示させるようにしても良い。なお、付加情報166は、1つではなく、複数個用意しておいても良い。
図42に示しているように、第2の加熱手段HM2と第3の加熱手段HM3のように、互いに異なる加熱原理の複数の加熱手段を、同時に駆動し又は時間差を持って自動的に切り替えて駆動し、共通の被調理物を加熱調理するモードが、前述した「複合調理モード」KM2の特徴である。
次に、図43について説明する。
図43は、中央操作部15Mと左操作部15Lにおいて、同時に加熱調理を行う場合の、音声入力モードの干渉防止対策を説明するタイムチャートである。
図43において、「107」という数字は、前記入力キー107を示し、「113」は、前記スタートキー113を示している。「123」は、ダイヤル式選択手段123を示している。
図43に示しているように、中央操作部15Mにおいて、入力キー107を「短押し」した場合では、入力キー107の後でダイヤル式選択手段123を押し、スタートキー1113を押せば、加熱調理動作(調理工程)が開始される。
一方、最初の入力キー107のタッチ操作が「長押し」であった場合には、音声入力モードに切り替わるので、スタートキー113を押すことで加熱調理動作(調理工程)が開始される。
1回の加熱調理のための入力工程を終え、加熱調理が開始された場合、自動的に音声入力モードが解除される。音声入力モードVMは終了し、自動的にデフォルト設定のタッチ入力モードTMに復帰する。
従って、調理工程の途中では、音声入力によって加熱調理を停止したり、再開したり、あるいは火力等の制御条件を、音声入力で行うことはできない。
更に、実施の形態1の加熱調理器1では、前記制御装置40は、前記中央操作部(15M)に関する前記音声入力モードVMの開始指令と、右操作部15R又は左操作部15Lに関する前記音声入力モードVMの開始指令とを、同時に受け付けないことを特徴とする構成である。これを模式的に示したものが、図43である。
図43に示すように、中央操作部15Mの入力キー107が「長押し」されて、音声入力モードが開始された場合、仮に左操作部15Lが、前記した「占用」状態にない場合は、左操作部15Lの入力キー108L~109R(何れも図示せず)の入力機能は有効である。
しかしながら、その場合でも、左操作部15Lの入力キー107L(図示せず)を、「長押し」操作しても、音声入力モードに設定できない。
図43に示すように、中央操作部15Mの入力キー107が「長押し」されて、音声入力モードが開始された時点から、音声入力の「禁止期間ET」が開始されており、この禁止期間中は、左操作部15Lの入力キー153Lからの指令信号は、「長押し」でも「短押し」でも、受付を拒否される。従って、何も入力できない。なお、左表示部16Lにおいて、このような「受付拒否」を報知しても良い。
また、中央操作部15Mの入力キー107が「長押し」されて、音声入力モードが開始された時点から、音声入力の「禁止期間ET」が開始されても、その後、左操作部15Lの入力キー153Lから、「長押し」と「短押し」の2回を、一定時間内(例えば、10秒以内)に行った場合は、例外的に左操作部15Lの加熱源19L選択だけは有効とし、音声入力モードVMではなく、タッチ入力モードTMで左操作部15Lによる入力工程を許可するように改良しても良い。
従って、中央操作部15Mで音声入力モードになっている場合、左操作部15Lで音声入力モードに設定することができないから、ユーザーUSが(中央操作部15M用に)発した音声信号を、左操作部15Lの入力指令であると、左操作部15Lの音声信号受信部56L(図示せず)が取得することはない。
図43に示すように、中央操作部15Mの「音声入力モード」がスタートキー113の操作によって終了した以降は、前記「禁止期間」は終了しているので、入力キー107L(図示せず)を「長押し」操作すれば、左操作部15Lにおいて、音声入力モードが開始できる。その時点では、既に中央操作部15Mでは、タッチ入力モードに戻っているので、左操作部15Lに対して、音声で入力を行っても、中央操作部15Mの方に誤った指令となることはない。
図43では、中央操作部15Mと左操作部15Lとの間の、音声入力モードの干渉防止対策を説明したが、中央操作部15Mと右操作部15Rとの間でも、同様に対策が実行される。また、左操作部15Lと右操作部15Rとの間、音声入力モードの干渉防止対策も実行される。例えば、左操作部15Lと右操作部15Rにおいて、同時に単独調理モードKM3によって調理する場合である。
図43には図示していないが、入力キー107が「長押し」されて、音声入力モードVMが中央操作部15Mで開始された場合、仮に中央操作部15Mに設けた音声入力専用の入力キー180が押されても、音声入力モード(音声入力モード2)は起動しない。これは、中央操作部15Mに入力キー180を配置した構成(図16参照)はもちろん、各操作部に共通の入力キー180を設けた構成(図4参照)でも同じである。
実施の形態1の総括.
以上の説明から明らかなように、この実施の形態1では、以下の通り第1の開示に関する加熱調理器1を開示していた。
すなわち、第1の開示に関する加熱調理器の1つの形態は、
第1加熱源19Lの第1操作部15Lと第2加熱源19Rの第2操作部15Rからの指令を、それぞれ受け付ける制御装置40を備え、
前記制御装置40は、タッチ入力モードTMと音声入力モードVMの2つの入力機能を有し、
前記第1操作部15Lと前記第2操作部15Rには、それぞれ前記音声入力モードを設定できるタッチ入力式の入力キー153L、153Rを有し、
前記制御装置は、前記第1操作部15Lの前記入力キー153Lによって前記音声入力モードTMに切り替えたときに開始される禁止期間ET中、前記第2操作部15Rによる前記音声入力モードVMへの切り替えを制限すること、
を特徴とする構成である。
このような構成であるため、左操作部(第1操作部)15Lと、右操作部(第2操作部)15Rにあるタッチ式の入力キー153L、153Rを利用して、第1の加熱部に相当する左加熱口4L(第1加熱源19L)と、第2の加熱部に相当する右加熱口4R(第2加熱源19R)を使用するために、音声入力モードVMへの切り替えができるので、加熱動作開始前の入力工程の面倒な作業を音声で入力できる。これによりユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
更に、前記制御装置40は、前記第1操作部15Lの前記入力キー153Lによって前記音声入力モードTMに切り替えたときに開始される禁止期間ET中、前記第2操作部15Rによる前記音声入力モードVMへの切り替えが制限されるから、前記第1操作部15Lの方の音声入力が終わっていない段階で第2操作部15Rでも音声入力モードVMが開始されることがない。このため、2つの加熱源に対する音声入力が時間的に重なり、干渉したり、誤った入力になったりすることが防止される。
これらにより、ユーザーUSによる音声入力の確実性を向上させることができ、操作性や安全性も向上することが期待できる。
更に、第1の開示に関する加熱調理器の1つの形態は、
前記第1操作部15Lと前記第2操作部15Rに設けた前記入力キー153L、153Rは、制御装置40との連携によって、
(1)前記第1加熱源19Lと第2加熱源19Rの何れか1つを選択する機能と、
(2)単独調理モードの制御メニュー(例えば「保温」、「揚げ物」等)を選択する機能と、
(3)「長押し」操作の場合には、更に音声入力モードVMを設定できる機能と、
を発揮できる。
このため、1つの入力キー153L、153Rは複数機能を発揮し、スイッチ等の部品点数を増やすことがない。これにより、コスト上も有利である。
更に、この実施の形態1では、第2の開示に関する加熱調理器1を、以下の形態で実現していた。
すなわち、この第2の開示に係る加熱調理器1の1つの形態は、
トッププレート3を有した本体2と、
前記本体2の第1の場所(前記トッププレート3の上に設定した左加熱口4L)で加熱する第1加熱源19Lと、
前記本体2の第2の場所(前記トッププレート3の上に設定した右加熱口4R)で加熱する第2加熱源19Rと、
前記第1加熱源19Lの第1操作部15Lと、
前記第2加熱源19Rの第2操作部15Rと、
前記第1操作部15Lと前記第2操作部15Rからの指令を受ける制御装置40と、を備え、
前記制御装置40は、タッチ入力モードTMと音声入力モードVMの2つの入力機能を有し、
前記第1操作部15Lには、タッチ入力式の第1入力キー153Lを有し、
前記第2操作部15Rには、タッチ入力式の第2入力キー153Rを備え、
前記第1入力キー15Lと前記第2入力キー153Rの、それぞれのタッチ操作状態に応じて、(デフォルト設定の、タッチ入力モードTMから)前記音声入力モードVMに切り替えられ、
前記制御装置40は、前記第1入力キー15Lによって前記音声入力モードTMに切り替えた場合、加熱調理工程に移行するまでの禁止期間ET中は、前記第2入力キー153Rによる前記音声入力モードVMへの切り替えを受け付けないこと、
を特徴とする構成であった。
また、前記制御装置40は、前記第2入力キー15Rによって前記音声入力モードTMに切り替えた場合、加熱調理工程に移行するまでの禁止期間ET中は、前記第1入力キー153Lによる前記音声入力モードVMへの切り替えを受け付けないこと、
を特徴とする構成であった。
すなわち、制御装置40は、音声入力モードVMを適用する加熱源を、第1加熱部19L、19R(更に、19C)の中から1つだけにして、2つ以上の加熱源で音声入力モードVMを同時並行的に設定することを、許容しない構成であった。
このため、第1の開示の加熱調理器1と同様に、ユーザーUSによる音声入力の確実性を向上させることができ、操作性や安全性も向上することが可能な加熱調理器1を提供できる。
更に、この実施の形態1では、第3の開示に関する加熱調理器1を、以下の形態で実現していた。
すなわち、この第3の開示に係る加熱調理器1の1つの形態は、
表示部16を有する報知手段90と、
タッチ入力式の第1入力キー153Lと、
タッチ入力式の第2入力キー153Rと、
前記第1入力キー153Lと前記第2入力キー153Rからの指令を受ける制御装置40と、
を備え、
前記制御装置は、タッチ入力モードと音声入力モードの2つの入力機能を有し、
前記第1入力キーと前記第2入力キーは、加熱手段と調理内容を選択するものであり、
前記制御装置は、前記第1入力キー153Lと前記第2入力キー153Rの、それぞれのタッチ状態に応じて、前記タッチ入力モードから前記音声入力モードへの切替要否を判定し、
前記制御装置は、前記第1入力キー153Lによって前記音声入力モードに切り替えた場合、加熱調理工程に移行するまでの期間中は、前記第2入力キー153Rによる前記音声入力モードへの切り替えを受け付けず、
前記制御装置は、前記音声入力モードに切り替えた前記加熱手段のために、外部からレシピデータの取得を可能にし、かつ、当該レシピデータで調理するための、制御条件の設定指令を受け付けること、
を特徴とする構成であった。
このため、第1及び第2の開示の加熱調理器1と同様に、ユーザーUSによる音声入力の確実性を向上させることができ、操作性や安全性も向上することが可能な加熱調理器1を提供できる。
更に、各種のレシピデータCDを外部から取得するタイミングを、第1操作部15L、第2操作部15Rの、前記第1、第2入力キー153L、153Rによってコントロールすることができる。
これらにより、ユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
更に、この第3の開示に係る加熱調理器1の1つの形態は、
左操作部15Lと右操作部15Rの、それぞれの入力キー153L、153Rを「第1入力キー」と定義し、中央操作部15Mの入力キー153Mを「第2入力キー」と定義すれば、
表示部16を有する報知手段90と、
タッチ入力式の第1入力キー153L、153Rと、
タッチ入力式の第2入力キー153M、154Mと、
前記第1入力キー153L、153Rと前記第2入力キー153M、154Mからの指令を受ける制御装置40と、
を備え、
前記制御装置は、タッチ入力モードと音声入力モードの2つの入力機能を有し、
前記第1入力キーと前記第2入力キーは、加熱手段と調理内容を選択するものであり、
前記制御装置は、前記第1入力キー153L、153Rと前記第2入力キー153M、154Mの、それぞれのタッチ状態に応じて、前記タッチ入力モードから前記音声入力モードへの切替要否を判定し、
前記制御装置は、前記第1入力キー153L、153Rによって前記音声入力モードに切り替えた場合、加熱調理工程に移行するまでの期間中は、前記第2入力キー153M、154Mによる前記音声入力モードへの切り替えを受け付けず、
前記制御装置40は、前記音声入力モードに切り替えた前記加熱手段のために、外部からレシピデータの取得を可能にし、かつ、当該レシピデータで調理するための、制御条件の設定指令を受け付けること、
を特徴とする構成であった。
すなわち、中央操作部(共用操作部)15Mにおいても、第1操作部15L、第2操作部15Rと同様に、前記制御装置40は、中央操作部15Mの入力キー153M又は154Mによって、前記音声入力モードTMに切り替えた場合、加熱調理工程に移行するまでの期間中は、第1操作部15Lや第2操作部15Rによる前記音声入力モードVMへの切り替えを受け付けず、
前記制御装置40は、前記音声入力モードVMに切り替えた中央操作部15Mに対応する前記第1の加熱手段HM1~第3の加熱手段HM3のために、外部からレシピデータの取得を可能にし、かつ、当該レシピデータで連携調理モードKM1や複合調理モードKM2等で調理するための、制御条件の設定指令(コマンドデータ)を受け付けること、
を特徴とする構成であった。
このため、第1操作部15L、第2操作部15Rの場合と同様に、ユーザーUSによる音声入力の確実性を向上させることができ、操作性や安全性も向上することが可能な加熱調理器1を提供できる。
更に、各種のレシピデータCDを外部から取得するタイミングを、中央操作部15Mの入力キー153M、154Mによってコントロールすることができる。
これらにより、ユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
更に、この実施の形態1では、第4の開示に関する加熱調理器1を、以下の形態で実現していた。
すなわち、この第4の開示に係る加熱調理器1の1つの形態は
タッチ入力モードTMと音声入力モードVMとを有し、かつ、水平方向に離れた位置関係にある第1の加熱部19Lと第2の加熱部19Rとを制御する制御装置40と、
前記第1の加熱部19Lと前記第2の加熱部19Rにそれぞれ対応して設けられ、当該加熱部19L、19Rの1つを、タッチ操作で選択する2つの入力キー153L、153Rとを、を有し、
前記制御装置40は、前記入力キー153L、153Rのタッチ操作状態に応じて前記第1の加熱部19L又は前記第2の加熱部19Rに関して前記音声入力モードVMを設定し、
前記制御装置40は、1つの前記入力キー153Lのタッチ操作で、前記音声入力モードVMを設定した場合、他の前記入力キー153Rによるタッチ操作があった場合、当該タッチ操作による前記音声入力モードVMの設定を制限する構成であった。
このような構成であるため、左操作部(第1操作部)16Lと、右操作部(第2操作部)16Rにあるタッチ式の入力キー153L、153Lを利用して、第1の加熱部に相当する左加熱口4L(第1加熱源19L)と、第2の加熱部に相当する右加熱口4R(第2加熱源19R)を使用するために、音声入力モードVMへの切り替えができるので、加熱動作開始前の入力工程の面倒な作業を音声で入力できる。これによりユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
しかも、前記制御装置40は、1つの(例えば、前記第1操作部15Lの)前記入力キー153Lによって前記音声入力モードTMに切り替えたとき、他の操作部である、第2操作部15Rによる前記音声入力モードVMへの切り替えが制限されるから、前記第1操作部15Lの方の音声入力が終わっていない段階で第2操作部15Rでも音声入力モードVMが開始されることがない。このため、2つの加熱部(第1の加熱部19Lと前記第2の加熱部19R)に対する音声入力が時間的に重なり、干渉したり、誤った入力になったりすることが防止される。
また、第1の加熱部19Lと第2の加熱部19Rは、水平方向に離れた位置関係にあるため、2個所において鍋等の被加熱物を置いて同時に、効率的に加熱調理ができる。
これらにより、ユーザーUSによる音声入力の確実性を向上させることができ、操作性や安全性も向上する加熱調理器1を提供できる。
更に、実施の形態1では、前記第1の加熱部19Lと第2の加熱部19Rは、第1の加熱源HM1を共用した誘導加熱による加熱部であるので、第1の加熱部19Lと第2の加熱部19Rにおいて、それぞれ誘導加熱調理を実行することができる。
なお、第1の加熱部19Lを誘導加熱方式以外の形態(例えば、電気輻射熱源やガスバーナ方式)にしても、前述したような、2つの加熱源に対する音声入力が時間的に重なり、干渉したり、誤った入力になったりすることが防止されるという効果は期待できる。
また、前記制御装置40は、前記入力キー153L、153Rとは別の、中央操作部(共用操作部)に設けた入力キー107、108のタッチ操作状態に応じて、音声入力モードVMに設定できる。しかも、その入力キー107、108は、加熱室6を使用する連携調理モードKM1や複合調理モードKM2を行うことを選択できる。
そして、前記入力キー107又は108と、前記入力キー153L、153Rとの間でも、同じ時間帯に音声入力モードVMを設定することはない構成であった。
このため、中央操作部15Mと左右の操作部15L、15Mとの間でも、ユーザーUSによる音声入力の確実性を向上させることができ、操作性や安全性も向上する加熱調理器1を提供できる。
更に、この実施の形態1では、第5の開示に関する加熱調理システムを、以下の形態で実現していた。
すなわち、この第5の開示に係る加熱調理システムの1つの形態は、
加熱調理器1と、
前記加熱調理器1と無線通信で接続されるクラウドサーバー300又は通信端末200と、
を備えており、
前記通信端末200又は前記クラウドサーバー300は、前記加熱調理器1に対してレシピデータCDを送信する機能を有し、
前記加熱調理器1は、前記レシピデータCDを前記通信端末200又は前記クラウドサーバー300から取得する機能を有し、
前記加熱調理器1は、第1加熱源19L用の第1操作部15Lと第2加熱源19R用の第2操作部15Rからの指令を、それぞれ受け付ける制御装置40を備え、
前記制御装置40は、タッチ入力モードTMと音声入力モードVMの2つの入力機能を有し、
前記加熱調理器1は、前記第1操作部15Lによって前記音声入力モードVMに切り替えた場合、禁止期間ET中は、前記第2操作部15Rによる前記音声入力モードVMへの切り替えを制限すること、
を特徴とする構成であった。
このような構成であるため、左操作部(第1操作部)16Lと、右操作部(第2操作部)16Rを利用して、第1の加熱部に相当する左加熱口4L(第1加熱源19L)と、第2の加熱部に相当する右加熱口4R(第2加熱源19R)で、それぞれ加熱調理できる。
しかも、それら加熱部16L、16Rを使用するための入力工程では、タッチ入力モードTMから音声入力モードVMへの切り替えが簡単に(実施の形態1では、「長押し」操作で自動的に)できるので、加熱動作開始前の入力工程の面倒な作業を音声で入力できる。これによりユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
しかも、加熱調理器1は、前記第1操作部15Lによって前記音声入力モードTMに切り替えた場合、禁止期間ET中は、前記第2操作部15Rによる前記音声入力モードVMへの切り替えが制限されるから、前記第1操作部15Lの方の音声入力が終わっていない段階で第2操作部15Rでも音声入力モードVMが開始されることがない。このため、実施の形態1で説明したように、2つの加熱源に対する音声入力が時間的に重なり、干渉したり、誤った入力になったりすることが防止される。
これにより、ユーザーUSによる音声入力の確実性を向上させることができ、操作性や安全性も向上することが期待できる。
なお、前記第2操作部15Rの方の音声入力モードVMの設定が先行した場合には、その第2操作部15Rの方で加熱調理動作の開始に至っていない段階、すなわち、前記した禁止期間ET中は、第1操作部15RLからの入力で音声入力モードVMが開始されることがない。このため、前記第1操作部15Lの例と同様に、2つの加熱源に対する音声入力が時間的に重なり、干渉したり、誤った入力になったりすることが防止される。
(5.その他の特徴的な構成)
実施の形態1では、以下の通りの各種構成を採用していた。
(その1)
この実施の形態1の加熱調理器の1つの形態は、
本体2と、
前記本体2の内部に形成された加熱室6と、
前記本体2の上面に載置された被加熱物を加熱する第1の加熱手段HM1と、
前記加熱室6で加熱調理する第2の加熱手段HM2と、
前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2の駆動条件を入力する入力操作部15と、
報知手段90と、
前記入力操作部15からの指令を受ける制御装置40と、を備え、
前記入力操作部15の中央操作部(共用操作部)15Mでは、
前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2を使用する複数の調理モード(連携、複合、単独)KM1~KM3の中から1つを選択する第1の選択手段(入力キー)107、108、109と、
前記第1の選択手段で選択した前記調理モードの中から1つの調理メニュー又は制御メニューを選択する第2の選択手段(ダイヤル式選択手段)123と、
を有し、
前記第1の選択手段107、108、109は、(前記3つの調理モード毎に設けられた)タッチ式入力キーであり、
前記第2の選択手段123は、ダイヤル式の選択手段であり、
前記第1の選択手段107、108、109は、操作時間の長さが閾値以上であった場合、音声入力モード設定信号MC1を発する、ことを特徴とする構成であった。
このような構成であるため、入力操作部にあるタッチ式の入力キー107、108、109を利用して、音声入力モードへの切り替えができるので、加熱動作開始前の入力工程の面倒な作業を音声で入力できる。これによりユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
更に、ダイヤル式選択手段123を回動操作することで、仮に調理メニューや制御メニューの数が多くても、それらの候補を前記表示部16に選択可能に1つずつ又は複数個ずつ表示させることができるから、加熱調理開始前の準備作業の操作性が向上する。
因みに従来との比較では、例えば、加熱調理で使用する加熱源や制御メニューを選択するアクションをタッチ式入力キーで行い、その後に、火力等の設定をタッチ式入力キーや押しボタン式入力キー(「プラスキー」や「マイナスキー」と呼ぶ場合がある)で行う場合、最初に1回以上タッチキーを押して加熱源等を選択した後、例えば、調理の内容を決めるメニューを10種類の中から1つ選択するために、数回タッチ操作必要である。更に、火力等が10段階あれば、その中の1つを選択するためにも数回タッチ操作が必要である。従って、調理開始前に数回~10回程度のタッチ操作を必要としていた。
これに比較し、実施の形態1では、例えば、入力キー1回押して連携調理モードKM1を選択したあと、連携調理メニュー選択のための第1エリア22を選択するために入力キー107を1回押し、ダイヤル式選択手段123を回動し、火力等の設定のために第2エリア23を選択する際に1回入力キー107をタッチ操作し、再びダイヤル式選択手段123を回動するだけであるので、タッチキーは3回で済むことになり、ダイヤル式選択手段123を含めても5回程度で済むことが多い。
(その2)
第1の開示に関する加熱調理器1においては、
入力操作部15は、前記音声入力モード対応信号MC1を発し、
前記制御装置40は、前記音声入力モード対応信号MC1を受けた場合、前記通信部51を介して、前記レシピデータCDの取得を可能にし、かつ、ユーザーUSからの制御条件の設定指令を受け付けることを特徴とする構成である。
このような構成であるため、各種のレシピデータCDを外部から取得するタイミングを、入力操作部15によってコントロールすることができ、調理開始前に意図しないタイミングでレシピデータCDの受信動作が始まってしまうような事態を防止できる。
(その3)
第1の開示に関する加熱調理器1においては、
前記制御装置40は、前記第1の加熱手段HM1と、前記第2の加熱手段HM2とを、時間差をおいて駆動して1つの調理を行う連携調理モードKM1を有し、
前記制御装置40は、前記入力操作部15から前記連携調理モードKM1の調理メニューを選択する指令1を受けた場合、許可条件(図18参照)を満たしているときは、前記連携調理モードKM1を実行するための、第1特定画面16M1を前記表示部16に表示し、
前記制御装置40は、前記第1特定画面16M1が表示されている状態(図32参照)で、前記入力操作部15(入力キー109又は音声信号受信部56)から指令2を受けた場合、前記連携調理モードKM1で実行できる特定の調理物(図33参照)に関する食品成分又は栄養成分の量の、少なくとも何れか一方の情報を、前記表示部16(中央表示部16M)で表示することを特徴とする構成を備えていた。
このような構成であるため、連携調理モードKM1によって具体的な調理メニュー(例えば「ハンバーグ」)を選択する場面で、当該調理メニューに係る調理物の成分や、栄養素の情報を簡単に知得することができる。従って、ユーザーUSによる調理メニューの選択操作の利便性を向上させることができる。
例えば、家族の健康管理、食事制限等の状況に応じて、ユーザーUSが食品成分量や栄養成分量の情報から、適切な調理メニューを選択することができ、食生活の改善に貢献することができる。
なお、図32では、中央表示部16Mに食品成分表示画面16M1Aと、栄養成分表示画面16M1Bと、を表示する例で説明したが、左表示部16Lや右表示部16Rに表示する形態でも良い。
(その4)
第1の開示に関する加熱調理器1においては、
1つの調理メニュー(例えば「ハンバーグ」)の識別情報167と、食品成分とを示す専用の食品成分表示画面16M1Aと、識別情報167と、栄養成分とを示す専用の栄養成分表示画面16M1Bと、を切り替えて表示する形態であるから、ユーザーUSが個々の情報を表示部16において、容易に、明確に識別できる。
(その5)
第1の開示に関する加熱調理器1においては、
加熱調理を実行するレシピデータCDを外部から受信する通信部51を備え、
前記制御装置40は、前記第1の加熱手段HM1と、前記第2の加熱手段HM2とを、時間差をおいて駆動して1つの調理を行う連携調理メニューKM3を有し、
前記入力操作部は、音声入力手段となる音声信号受信部56と、タッチ入力手段部となる各種入力キー107~109(107L~109L、107R~109R)と、制御条件の選択を行うダイヤル式選択手段123と、を有し、
前記制御装置40は、前記連携調理モードKM1に対応した加熱動作を制御する加熱制御部43と、特定の被調理物に関して、前記通信部51を介して前記レシピデータCDを取得するデータ取得部53と、を有し、
前記制御装置40は、初期待機期間TP中に、前記データ取得部53による前記レシピデータCDの取得を可能とし、
前記制御装置40は、前記連携調理メニューKM1を選択する指令1を、前記音声入力手段又は前記タッチ入力手段の何れか一方から受けた場合、許可条件を満たしているときは、前記連携調理モードKM1の特定の調理メニュー(例えば、「ハンバーグ」)を前記表示部16に第1特定画面16M1として表示し、
前記制御装置40は、前記第1特定画面16M1が表示されている状態で、前記音声入力手段又は前記タッチ入力手段の何れか一方から指令2を受けた場合、前記調理メニューに関する食品成分又は栄養素の、少なくとも何れか一方の情報を表示(食品成分表示画面16M1A又は、栄養成分表示画面16M1B)し、
前記制御装置40は、前記音声入力手段と、前記タッチ入力手段が、第1の制限期間TX内に操作がされた場合に、前記レシピデータCDの取得を行い、
前記入力操作部15は、前記入力キーのタッチ状態から音声入力モード(音声入力モード1)の切り替え要否を判定して、音声入力モード対応信号MC1を発し、
前記制御装置40は、前記第1特定画面16M1の表示期間中に、前記入力操作部15から前記音声入力モード対応信号MC1を受けた場合、前記通信部51を介して前記レシピデータCDの取得を可能にし、かつ、ユーザーUSの音声による制御条件の設定指令を、前記音声信号受信部56を介して受け付けること、を特徴とする構成であった。
このような構成であるため、連携調理モードKM1によって具体的な調理メニュー(例えば「ハンバーグ」)を選択する場面で、個々の被調理物の成分や、栄養素の情報を簡単に知得することができる。従って、ユーザーUSによる調理メニューの選択操作の利便性を向上させることができる。例えば、家族の健康管理、食事制限等の状況に応じて、ユーザーUSが食品成分や栄養成分の情報から、適切な調理メニューを選択することができ、食生活の改善に貢献することができる。
(その6)
実施の形態1の加熱調理器1では、ダイヤル式選択手段123を回動操作することで、簡単に制御条件の候補を前記表示部16に表示させることができるから、加熱調理条件の設定作業の操作性が向上する。
(その7)
更に、ユーザーUSの特別な操作(例:入力キー153Mや153Lのタッチ操作)によって連携調理モードKM1に関するレシピデータCDを受信することになるので、外部からのデータ取得時期が統制される。
言い換えると、前記音声入力手段と、前記タッチ入力手段が、第1の制限期間TX内に操作がされた場合という条件を満たした場合(特に、図24参照)に、レシピデータCDの取得ができるので、通信端末200が接近したこと等が原因で、不用意にレシピデータCDを受信することがない。このため、ユーザーUSの安心感を向上させることができる。
(その8)
実施の形態1の加熱調理器1は、入力操作部15の特定の入力キー(入力キー107~109)を、前記音声入力モード1の選択部として兼用している。
この構成であるので、入力操作部15の操作キー(操作部)の数を増やすことも回避でき、ユーザーUSによる音声入力モード1への切り替えを簡単にできるので、操作性の低下を招くようなことを防止できる。
(その9)
実施の形態1の加熱調理器1は、前記音声入力モード1の選択部となっている特定の入力キー(入力キー107~109)を、前記レシピデータCDの取得に兼用している。
この構成であるので、入力操作部15の操作キー(操作部)の数を増やすことも回避でき、ユーザーUSによる操作性の低下を招くようなことを防止できる。
(その10)
加熱調理器1において、第1特定画面16M1は、連携調理モードKM1を開始する前提(許可条件1と許可条件2)を満たさない限り、表示されない。このため、連携調理モードKM1の各種条件(例えば、火力レベルや目標温度、加熱時間等)の設定(選択)をユーザーUSが行った後で、許可条件1又は許可条件2を満たさないと判定されて、最初の待機時初期画面16MHの段階まで強制的にステップが戻る、ということはない。そのため、ユーザーUSに無駄な入力操作を強いることがない。
(その11)
更に、前記入力操作部15に、前記音声入力手段を使用した音声入力モード2を選択する入力キー180を備えている。
このため、ユーザーUSが調理の過程で手が塞がっていてタッチ操作できない場合でも、音声によって指示を与えることができ、便利である。
なお、中央操作部15M、右操作部15R、左操作部15Lの、それぞれに1つずつ音声入力モード2を選択する選択キー180を備えているため、各操作部の操作過程で該当する入力キー180を容易に認識でき、ユーザーUSが操作に戸惑うことはない。
(その12)
音声入力モードVMを選択する専用の入力キー180を設けている(図4、図16参照)ので、入力キー107や153R等の入力キーを「長押し」操作しなくとも、音声入力モードVM(音声入力モード2)が選択できるので、音声入力を何時でも選択でき、便利である。
しかも、入力キー107や153R等の入力キーを「長押し」操作して音声入力モードVMに切り替わり、禁止期間ETに入ると、その入力キー180による音声入力モード2の設定も制限されるので、音声入力で混乱や誤った入力指示等を招くことはない。
(その13)
更に、実施の形態1の加熱調理器1においては、レシピデータCDを外部から取得する取得条件は、前記入力キー180と、前記タッチ入力部の1つの入力キー(例えば、入力キー107)とが、前記第1の制限時間(TX)内に操作された場合に満たされることを条件にしていた。
つまり、前記初期待機期間TPは、前記第1の制限期間(第1の制限時間TX)を超えることはできない。例えば、最長30分である。
このため、何らかの事情でユーザーUSが入力操作部15の操作を途中で中断したままにしていても、加熱調理器1が自動的に入力不能の状態にしていた(主電源スイッチ20を強制的に開放)。このため、ユーザーUSが知らない間に、外部から調理制御データ等の取得が行われるということはなく、安全性も向上する。
(その14)
実施の形態1の前記入力操作部15には、音声入力モード2の選択部としての入力キー180と、前記食品成分データDDの情報を表示することを指令する入力キー(例えば、入力キー107)を配置しているので、ユーザーUSの操作性が良い。
特に、実施の形態1の図11で示したように、前記入力キー180と、食品成分データDDの情報を表示することを指令する入力キー(図32の、入力キー109参照)とを、中央操作部15Mに配置した構成では、その近傍に中央表示部16Mもあることから、ユーザーUSが中央操作部15Mの前方(手前)側に立って調理に臨んでいる場合、ユーザーUSの操作できる範囲と視認できる範囲に、必要な表示部と操作部が存在し、ユーザーUSが立った位置を移動せずに操作等ができる。これにより、調理中のユーザーUSの身体的負担を軽減できる等の、メリットが期待できる。
(その15)
更に、前記制御装置40は、前記入力キー180が操作されない場合であって、また前記入力操作部15の1つの入力キー(107~109)も、第1の制限時間(TX)内に操作されない場合には、主電源の供給を遮断すること、又は前記報知部90による警報動作を指令することの、少なくとも何れか1つを実行する構成であった(図25の自動遮断処理1参照)。
すなわち、図25で説明したように、前記入力キー180によって音声入力モードに切り替えた時点、又は音声入力モード1への切り替えを行える入力キー107等の「長押し」操作された後の経過時間を、例えば30分以内に制限している。又は待機時初期画面16MHを表示した最初のステップSS5からの経過時間の制限を、30分以内に設定している(図25、図26参照)。
このため、ユーザーUSが何らかの事情で入力操作を忘れていたり、操作できないでいたりする事情があった場合、制御装置40は安全上の観点で、主電源スイッチ20を強制的に開放することや警報を出すという動作を行い、安全性を向上させた構成になっている。
(その16)
前記入力操作部15には、機能設定キー115を有し、
前記制御装置40は、前記機能設定キー115が操作された場合、機能設定モードに移行し、
前記機能設定モードは、前記食品成分又は栄養成分の前記中央表示部16Mにおける表示の要否又は条件を設定できる構成であった。
この構成であるため、ユーザーUSの希望や習熟度等に応じた機能設定にすることができる。
(その17)
前記制限部55は、取得した前記レシピデータCDが適用された調理メニューの調理工程が終了するまでの間、前記通信部51から新たなレシピデータCDを取得することを制限するものであった。
この構成であるため、3つ以上の(しかも、互いに加熱原理の異なる)加熱手段を選択して、単独調理モードKM3、複合調理モードKM2及び連携調理モードKM1の各調理を、相互に干渉することなく、順次実行することができる。これにより、幅広い調理に対応することができる加熱調理器を提供できる。
更に、前記制限部55があるため、1つの特定の連携調理メニューAについて、レシピデータを1回取得すれば、その後、別の連携調理メニューBのレシピデータCDを、調理工程の開始直前や調理工程の途中で制御装置40が不用意に取得することはない。そのため、例えば、連携調理の途中で不用意に別の調理メニュー(複合調理モードの制御メニューや単独調理モードの制御メニューを含む)を、誤って受信することがない。従って、受信に伴うユーザーUSの混乱や加熱調理器1側の動作干渉等の懸念がない。
(その18)
更に前記入力操作部15の内、中央操作部15Mには、前記単独調理モードKM3を選択する入力キー109と、前記複合調理モードKM2を選択する入力キー108と、前記連携調理モードKM1を選択する入力キー107とを、それぞれ別個に備えた構成を開示していた(図13~図16参照)。
また、前記入力操作部15の内、左右の操作部15L、15Rには、前記単独調理モードKM3を選択する入力キー191R、191Lを備えた構成を開示していた(図17参照)。
この構成であるため、3つの調理モードの選択がそれぞれの入力キー(入力手段)によって個別に選択できるので、加熱源の数が増えた加熱調理器1であっても、ユーザーUSの操作性を向上させることができる。
(その19)
実施の形態1の加熱調理器1では、
前記制限部55は、取得した前記レシピデータCDが適用された調理メニューの調理工程が終了するまでの間、前記通信部51から新たなレシピデータCDを取得することを制限し、
前記レシピデータが取得された後、前記調理工程が開始される前に、前記入力操作部15によって前記連携調理モードKM1が取り消された場合、再度前記レシピデータCDを前記データ取得部53が取得できることを特徴とする構成であった。
このため、連携調理の途中で不用意に別の調理メニュー(複合調理モードの制御メニューや単独調理モードの制御メニューを含む)を、受信することを防止し、安定して受信したレシピデータCDの調理メニューを実行することができる。
また、調理工程の途中で不用意に別の調理メニューのレシピデータCDを受信することに起因して、制御装置40の動作に支障が起こったり、ユーザーUSに誤解や混乱を招いたりすることも防止できる。
更に、連携調理モードKM1が取り消された場合、それ以前に取得して加熱調理に使用していないレシピデータCDを取り消して、更に希望するレシピデータCDを取得できるため、ユーザーUSがレシピデータCDで混乱することを回避できる。
(その20)
更に実施の形態1で開示した加熱調理器1の1つの形態は、
トッププレート3の上に置かれた被加熱物Nを加熱する第1の加熱手段HM1と、
ユーザーUSの指令を受ける入力操作部15と、
外部からレシピデータCDを受信する通信部51と、
調理の情報を表示する表示部16と音声報知部50とを有した報知部90と、
制御装置40と、を備え、
前記制御装置40は、連携調理モードKM1と、複合調理モードKM2と、単独調理モードKM3と、を行う機能を有し、
前記制御装置40は、前記入力操作部15により主電源が投入された後、
(1)前記表示部16で待機時初期画面(共通画面)16MHを表示させ、
(2)前記連携調理モードKM1と前記複合調理モードKM2の何れかの選択用のタッチ式入力キー107、108を操作した場合、前記通信部51から取得するレシピデータCDの取得と使用を、制限部55で制限し、
(3)前記入力キー107、108を操作した場合、前記初期画面(共通画面)16MHの表示を止め、中央表示部16Mにおいて、第1特定画面16M1(16R1,16L1)又は第2特定画面16M2(16L2、16R2)の表示に自動的に変化させ、
(4)前記第1特定画面16M1又は前記第2特定画面16M2を表示した状態で、前記入力操作部15の中央操作部15Mからの調理開始指令を受ける初期待機期間TPに移り、
(5)当該初期待機期間TP中は、前記通信部51からレシピデータCDの取得を1回に制限し、
(6)前記入力キー107、108の内、特定の入力キーをタッチ操作した場合、当該タッチ状態に応じて前記入力操作部15から発せられた音声入力モード対応信号MC1を受けて、前記レシピデータCDを実行するための「制御条件の音声入力モード」に移行する、構成である。
この構成によれば、待機時初期画面(共通画面)16MHが表示されたら、それ以降に、選択用入力キー107、108を操作すれば、連携調理モードや複合調理モードの専用の第1特定画面16M1(16L1、16R1)、第2特定画面16M2(16L2、16R2)を表示させて、外部からレシピデータCDを取得できることが容易に理解できる。
また、入力キーの一部を利用して音声入力モードにも切り替えることができる。
そのため、主電源投入直後から調理開始までの間でユーザーUSの入力操作に混乱や誤解を招くことが回避でき、また音声入力とタッチ入力を活用して、使い勝手を向上させることが期待できる。
(その21)
実施の形態1の加熱調理器1では、特に図42で説明したように、
1回の加熱調理のための入力工程を終え、加熱調理が開始された場合、自動的に音声入力モードが解除され、デフォルト設定のタッチ入力モードに復帰するので、次の加熱調理の入力を開始する際に、音声入力モードを解除するためだけに、入力キー等をタッチ操作する必要がなく、使い勝手が良い。
(その22)
更に、実施の形態1の加熱調理器1では、
前記制御装置40は、前記中央操作部(15M)に関する前記音声入力モードの開始指令と、右操作部15R又は左操作部15Lに関する前記音声入力モードの開始指令とを、同時に受け付けないことを特徴とする構成である。つまり、中央操作部15Mの入力キー107と、右操作部15Rの入力キー107R(図示せず)、左操作部15Lの入力キー107L(図示せず)の3者の間では、最も早くタッチ操作(「長押し」操作)した入力キーの信号が、制御装置40によって受け付けられる。他の2つの操作部におけるタッチ操作(「長押し」操作)は、制御装置40によって正規信号として認められない。
この構成であるため、複数の入力操作部(中央操作部15Mと、左右の操作部15L、15R)を備えた加熱調理器1において、1つの入力操作部で入力操作して音声入力モードVMに設定している段階で、その直後に、他の入力操作部を操作しても、後から操作開始した入力操作部の影響(音声入力モードの設定)を受けることなく、先に操作開始した入力操作部における、音声による入力作業を実行できる。従って、誤ってユーザーUSが違う入力操作部にタッチしても、既に開始している音声入力作業が途中で無効になったり、中断したりすることはない。
更に、第1の開示に関する加熱調理器において、前記制御装置40は、音声入力モードを設定できる1つの入力キー(例えば、107)のタッチ入力を有効として、制御条件の入力を終えて、スタートキー113による操作を待っている待機状態(つまり、加熱調理動作の開始前)では、取り消しのためのストップキー114によって、当該待機状態が取り消されない限りは、他方の入力操作部からの音声入力モードの設定信号を受け付けないことを特徴とする構成である。
この構成であるため、複数の入力操作部(中央操作部15Mと、左右の操作部15L、15R)を備えた加熱調理器1において、1つの入力操作部で音声入力モードにより入力している段階で、他の入力操作部を操作しても、後から操作開始した入力操作部は、制御装置40に対して何ら有効な入力は行えない。つまり、後からタッチ操作した入力操作部の影響(音声入力モードの設定)を受けることなく、本来の入力作業を実行できる。従って、誤ってユーザーUSが違う入力操作部にタッチしても、本来の入力操作部の音声入力作業が不用意に無効になったり、中断したりすることはない。
実施の形態2.
図44~図52は、実施の形態2に係る加熱調理器と加熱調理システムを示すものである。なお、図1~図42に説明した実施の形態1の構成と同一又は相当部分は、同じ符号を付けている。
この実施の形態2では、加熱調理器1の制御装置40の構成が、実施の形態1と異なる。また、クラウドサーバー300の構成も変更している。
この実施の形態2においても、制限部55は、外部の通信端末200等からレシピデータ(前記「表示条件データ」を含む)を取得する場合、加熱調理器1側の入力機能や表示機能の一部を制限する。そのために、データ取得部53が前記通信部51を介して、通信端末200やクラウドサーバー300からレシピデータを取得する動作に対応して、各種の制御指令を発する。
図44について説明する。
キッチン601の内部には、冷蔵庫403、加熱調理器1が設置されており、冷蔵庫403と加熱調理器1は、無線ルーター340と、それぞれ無線通信で情報の授受を行えるものである。
無線ルーター340は、インターネット等のネットワークNWのアクセスポイントでもある。無線ルーター340は、外部空間にある第1サーバー321にアクセスできる。
実施の形態1で説明したクラウドサーバー300は、この実施の形態2では、第1サーバー321と、第2サーバー322と、レシピデータ提供サーバー301、後述する食品成分情報サーバー326と、を含んでいる。
加熱調理器1は、通信端末(スマートフォン等)200との無線通信によって、少なくともレシピデータCDを取得できる。このレシピデータCDには、連携調理モードKM1の調理メニューを実行する調理制御データだけではなく、複合調理モードKM2の調理制御データも含まれる。
前記通信端末200は、この実施の形態2においては、加熱調理器1のために無線ルーター340に直接通信できる。この通信端末200は、基本的な構成は実施の形態1で説明した通信端末200と同じである。
通信端末200には、図47で説明するが、報知用データ223と遠隔操作用データ224とを有している。これら報知用データ223と遠隔操作用データ224は、情報提供手段である第1サーバー321に、ネットワークNWを介して接続し、その第1サーバー321からダウンロードして取得したものでも良い。
また、加熱調理器データベース217には、食品成分・栄養成分データ226を格納しているが、この食品成分・栄養成分データ226は、各種の食品成分情報を提供する食品成分情報サーバー326から第2サーバー322経由で取得したものである。符号DDは、食品成分と栄養成分データの両方を包含した食品成分情報である。
前記食品成分情報サーバー326は、例えば文部科学省が一般に公開している「日本食品標準成分表」のデータを利用するものでも良い。
通信端末200は、加熱調理器1に対してレシピデータCDと、加熱調理動作を指令すること等の遠隔操作情報RSとを、それぞれ送信できる。
通信端末200は、ユーザーUSからの音声を、所定の音声入力信号VSに変換する音声入力部222(図47参照)を有している。
従って、この通信端末200に、ユーザーUSが発声すると、音声入力信号(音声データ)VSを、第2サーバー322に送信することができる。つまり、タッチ操作部215(図47参照)に触れなくとも、必要な入力操作ができる。
ユーザーUSは、加熱調理器1が起動されているときに、音声によって通信端末200に発話情報を与えて、例えば、レシピデータ提供サーバー301から希望するレシピデータCDを抽出し、加熱調理器1に提供することができる。
例えば、前記発話情報としては、音声入力信号VSを受信する相手が、第2サーバー322であるため、例えば「〇〇〇(第2サーバー322を特定する名称、愛称の一例)、連携調理のレシピを探して」等が挙げられる。
「〇〇〇、レシピを探して」という発話情報は、加熱調理器1に適用できる外部指令情報の1つである。
また、「〇〇〇、連携調理のレシピを探して」という発話情報は、加熱調理器1のための調理モードを指定する情報である。
さらに、「〇〇〇、レンジとIHで出来るレシピを探して」という発話情報は、連携調理モードKM1で可能な調理メニューを抽出する発話情報である。
これらの、発話情報は、第2サーバー322において、あらかじめ用意されているスタンダードコマンドに変換できる発話情報である。
ユーザーUSから通信端末200に発せられた発話情報は、通信端末200において、テキストデータに変換され、発話情報のテキストデータ(音声入力信号VS)形式で、前記第2サーバー322に送信される。
第2サーバー322の制御部322Cは、入出力部322Aを介して、テキストデータ(音声入力信号VS)を受信し、記憶部322Rに記憶されているスタンダードコマンドに変換できるか否かを判断する。
制御部322Cは、発話情報(音声入力信号VS)のテキストデータからスタンダードコマンドとして用意されている各種のコマンドに変換する。ここでいう「コマンド」には、前記レシピデータ提供サーバー301に格納されているレシピデータベースの中から、1つの調理を実行するレシピデータを抽出する指令を含む。なお、前記入出力部322Aは、例えばAPIゲートウェイである。
第1サーバー321と第2サーバー322は、インターネット等のネットワークNWによって接続されている。
第2サーバー322の入出力部322Aから第1サーバー321に対しては、照会信号(照会データ)SNが送信される。この照会信号SNは、例えば前記レシピデータCDを、レシピデータ提供サーバー301から抽出することを要求する指令である。また、加熱調理器1の運転状態の各種データ(例えば、調理工程の内容や進捗度合い)を知りたい場合に、通信端末200の入力操作で発生する指令信号である。つまり、これらデータは、ユーザーUSのための、操作支援データGSである。
なお、第2サーバー322は、加熱調理器1に特有の特殊な制御や処理を必要としないので、既存のサーバー、例えばAIアシスタント、インテリジェントアシスタント、スマートスピーカ等の各種システムのサーバーを利用することができる。
図44に示している第1サーバー321は、加熱調理器1を製造した会社(メーカ)が運営しているものであり、加熱調理器1に特有の特殊な制御や処理(以下、これらを総称して「調理器制御情報」という)を良く理解しているので、加熱調理器1の運転状態(加熱動作中、非加熱動作中の両方を含む)を正確に把握することが可能である。記憶部321Rには、前記「調理器制御情報」に対応したデータが格納されている。そのため、後述する運転状態データOSを第1サーバー321が取得すれば、第1サーバー321側で加熱調理器1の運転実態が、リアルタイムで正確に分析できる。
第1サーバー321は、加熱調理器1から後述するように各種「運転状態データ」OS
を、前記無線ルーター340経由で随時取得する構成になっている。
前記運転状態データOSは、主電源スイッチ20のON-OFFを示すデータや、連携調理モードKM1の選択データ、加熱温度や加熱時間等の制御条件のデータ等、更にはトッププレート3や加熱室6の最新の温度計測データ等を含んでいる。
前記レシピデータ提供サーバー301は、第1サーバー321と無線通信で情報授受できるようになっている。なお、これらレシピデータ提供サーバー301や第1サーバー321、前記レシピデータ提供サーバー301等を、相互に連携させる制御手段となる「システム制御サーバー」は図示していない。
前記レシピデータ提供サーバー301は、第1サーバー321の中に組み込んで一体化しても良い。前記食品成分情報サーバー326は、第1サーバー321と有線又は無線通信のネットワークNWで接続されている。
前記第1サーバー321は、個々の加熱調理器1が予め登録されており、個々の加熱調理器1から送信された前記運転状態データOSは、当該加熱調理器1のユーザーUSと対応付けて取得する構成になっている。
第1サーバー321には、前記無線ルーター340と前記第2サーバー322と、個々に無線通信を行うための入出力部321Aを有している。この入出力部321Aは、例えばAPIゲートウェイである。この入出力部321は、前記レシピデータ提供サーバー301からのレシピデータを受ける。
第1サーバー321には、制御部321Cを有する。この制御部321Cは、前記第2サーバー321からの照会信号(コマンド)SNを解読し、その照会信号SNに応答して必要な制御情報を生成し、第2サーバー322に送信する。
また、多数の加熱調理器1から送信されて来る前記運転状態データOSと、個々の加熱調理器1のユーザーUSを識別するユーザーID(特定情報)とを分析し、個々のユーザーUSの加熱調理器1を、記憶部321Rで保有しているユーザーUS識別データベースの情報から特定する。
前記第1サーバー321は、事前に登録された個々の加熱調理器1の制御に関するデータベースを、前記記憶部321Rに保有している。そのため、加熱調理器1から提供要求のあったデータが、当該加熱調理器1に適合しない場合には、送信しない。
同様に、第1サーバー321は、通信端末200から照会信号SNがあった場合でも、当該通信端末200に対しては、機器識別情報等のデータとセットにして特定の操作支援データGSを第2サーバー経由で送信する。このため、例えば、通信端末200から、特定のレシピデータCDに対して、適合しない制御条件の入力があった場合には、第1サーバー321は、そのような入力は受け付けないか、又は、受け付けない理由を付けて通信端末200に通知する。このため、音声入力モードの場合において、通信端末200を介してユーザーの入力(発声)された制御条件が、加熱調理器1で許容する範囲を超えた場合には、当該通信端末200まで通知が届き、別の制御条件の入力を求める構成になっている。
更に、前記第1サーバー321には、前記レシピデータ提供サーバー301から取得した特定の調理メニューのレシピデータCDを、前記第2サーバー322に提供するタイミングを制御する機能もある。これについては後で詳しく説明する。
図44において、321Sは、「コマンドデータ」を生成するコマンドデータ生成部である(以下、「コマンド生成部」という)。
この実施の形態2において、前記「コマンドデータ」とは、第1サーバー20から加熱調理器1の動作条件を設定する指令である。
実施の形態2において、前記コマンドデータは、以下の種類に分かれている。
(1)第1コマンドデータ:加熱調理器1の調理メニューや制御メニュー等の「運転条件」(加熱調理時の火力や加熱動作の時間、加熱停止の目標温度等を含む)を指定するもの。
(2)第2コマンドデータ:加熱調理器1を指定した時間後、あるいは指定した時刻になると指定の動作開始させることを指定するもの(但し、加熱動作の開始は指定できない)。
(3)第3コマンドデータ:加熱調理器1の状態情報の提供を求めるもの。例えば、指定した部位、部品等の電気的データや温度等の物理的データの提供を求めるもの。
(4)第4コマンドデータ:電気機器1の運転条件を制限するもの及び停止させるもの。例えば、電力会社からの電力削減情報や逼迫情報を受けて、特定の電気機器1の最大消費電力を下げること(ピークカット)の指令をいう。
前記第1コマンドデータを受けた加熱調理器1は、その第1コマンドデータの受信処理を完了した場合、即時に運転を開始する場合、安全上の観点から事前に表示部16等の報知手段90で報知し、入力操作部15においてユーザーUSが何らの確認入力(タッチ入力)やスタートキー113によって運転開始入力を行った場合に初めて運転開始されるようにしている。
以下の説明では、単にコマンドデータという場合は、これら第1~第4のコマンドデータの、少なくとも何れかを含んだケースをいう。
加熱調理器1が外部機器(第1サーバー321を含む)からコマンドデータCDを取得する場合、前記した運転条件に従うことを要求する設定指令(コントロールコマンド)の信号を受ける。
この後に、更に加熱調理器1は、ステータスコマンド(状態確認)の信号を受ける。
これに対して加熱調理器1からは、前記設定指令(コントロールコマンド)の信号を受けて、加熱調理器1がどのような状態になっているのかを示す最新の状態を「ステータスコマンド・応答レスポンス(状態確認応答)」の信号として返信する。
このような各種コマンドの送信と返信を、所定の順番で何度か繰り返すことで、第1サーバー321側からのコマンドデータに従って、加熱調理器1が制御される。以下の説明では、このような細かい説明を省略する。
なお、第1サーバー321が加熱調理器1の動作を定常的に監視する場合は、前記設定指令(コントロールコマンド)の信号の授受はなく、ステータスコマンド(状態確認)の信号と、これに応答した「ステータスコマンド・応答レスポンス(状態確認応答)」の信号との、2種類を所定の監視時間間隔(例えば5分間)で繰り返し交信して行う。5分間の監視期間中に、加熱調理器1側の状態が変化すれば、その時点で即座に「ステータスコマンド・応答レスポンス(状態確認応答)」の信号が第1サーバー321に送信される。
この実施の形態2では、実施の形態1と同様に、入力操作部15の中央操作部15Mには、音声入力モード(音声入力モード2)を選択する専用の入力キー180を配置している。この入力キー180は、機械的なスイッチでも良いし、入力キー107のように、タッチ式入力スイッチの入力キーでも良い。
次に図45について説明する。
図45は、加熱調理器1の機能的構成を示すブロック図であり、実施の形態1の図8に対応する図である。
この図45から明らかなように、実施の形態1の図8に示した音声信号解析部58に相当する構成は、この実施の形態2の制御装置40には無い。つまり、この制御装置40では、外部から音声信号を受信してそれを解析する機能は備えていない。
また、実施の形態1の図8に示した音声信号受信部56に相当する構成は、この実施の形態2の制御装置40には無い。つまり、この実施の形態2の入力操作部15は、外部から音声信号を受信する機能は備えていない。その他の構成は、実施の形態1の図8に示したものと同様であるので、重複した説明は省略する。
次に図46について説明する。
この図46は、制御装置40と中央操作部15Mとの関係を説明するブロック構成図である。この図46は、実施の形態1の図9に対応したものである。なお、右操作部15Rと左操作部15Lについても、この中央操作部15Mの構成と基本的に同じである。
図46から明らかなように、制御装置40には、入力信号解析部52を有している。この入力信号解析部52には、入力モード判定部52Cを有している。
入力モード判定部52Cは、入力操作部15(15M、15L、15R)からの計測時間データMJを受けて、所定の閾値(例えば5秒間)を境にして、5秒以上であれば、「音声入力モード1」であると判定する。この閾値未満であった場合には、通常の「短押し」の操作であると判定する。
前記入力操作部15から制御装置40へ入力される前記「計測時間データMJ」は、実施の形態1で説明した「音声入力モード対応信号」MC1に相当する。
一方、中央操作部15Mを始めとする各入力操作部15L、15M、15Lには、時間計測部15Tを備えている。時間計測部15Tで計測した計測時間データMJは、そのまま制御装置40の入力信号解析部52に送信される。
つまり、時間計測部15Tでは、ユーザーUSが指でタッチしてから離すまでの「タッチ時間」を計測し、その計測時間データMJを入力信号解析部52に送信する。
入力モード判定部52Cは、計測時間データMJ(音声入力モード対応信号MC1に相当)を分析して、「音声入力モード1」の設定条件を満たしていると判定した場合には、入力モード切替信号MC2を、入力処理部70に出力する。例えば、前記計測時間データMJが、閾値(例えば、5秒間)以上の長さの時間データであった場合、音声入力モード1の設定条件を満たすとして、入力モード切替信号MC2を出力する。なお、入力モード切替信号MC2は、図示していない。
15Dは、記憶部である。この記憶部15Dは、上記したようなタッチ検出部15Aや時間計測部15T等の各種制御パラメータ、判定処理のプログラム情報等を格納している。
15Eは、入力操作部(中央操作部15M)としての各種情報処理動作を行う中央処理部(CPU)である。
15Fは、入力信号発信部である。この入力信号発信部15Fは、前記したような入力キーの固有の識別信号や、「タッチ時間」の計測時間データMJ等を、制御装置40の前記入力信号解析部52に送信する。
この図46では、タッチ検出部15A、時間計測部15T、記憶部15D等が、個々の独立したブロックで描いてあるが、ハードウエア上で別個の構成にせずに、例えば、1つのマイクロコンピュータのソフトウエアで、これら各機能を実現するようにしても良い。
また、この図46では、中央操作部15Mの例で説明しているが、右操作部15Rと左操作部15Lについても、それぞれの操作部の入力であることは制御装置40で識別される。そのため、右操作部15Rにおける入力キー識別部15Aでは、右操作部15Rに存在している入力キーであることを特定するデータが、入力キーからの信号に含まれ制御装置40に送信される。これは、左操作部15Lについても同様である。
入力モード切替信号MC2を受けて前記入力処理部70は、第1サーバー321からレシピデータCDに関する何らかの入力があることに備えて、入力待機状態となる。
次に、図47に示す通信端末200について説明する。
スマートフォン等の通信端末200は、送信部及び受信部210と、通信制御部211と、中央処理装置(CPU)212と、ROM及びRAM213と、スピーカ214と、タッチ式の操作部215と、表示画面を有する端末側表示部216と、加熱調理器データベース(記憶部)217と、姿勢検知部218と、遠隔操作情報生成部219と、記憶部220と、を有している。送信部及び受信部210には、近距離無線通信用のNFC入出力部221を有している。このため、インターネット経由の無線通信と、近距離無線通信(NFC)の2つの経路を利用できる。
222は、ユーザーUS等の発話(音声)を入力信号に変える音声入力部である。
前記タッチ式の操作部215、端末側表示部216及び音声入力部222とは、ハードウエア上では一体化されて、表示操作部225となっている。なお、前記音声入力部222からの音声信号を解析し、用語検索、情報検索等を行う検索部は図示していない。検索部は、この通信端末200の内部に備えても良いし、外部のクラウドサーバー300に備え、通信端末200の外部に検索機能を持たせることでも良い。
前記姿勢検知部218は、ジャイロセンサーや加速度センサー、重力センサーなどの各種センサーが搭載されており、通信端末200の傾きや向きを検出することができる。これにより、通信端末200の上下方向を検出した信号を前記中央処理装置212に出力する。
前記中央処理装置212は、前記姿勢検知部218からの検出信号を受けて、前記端末側表示部216の表示方向を制御する。
前記中央処理装置212は、加熱調理器1の通信部51から受信した信号を、前記遠隔操作情報生成部219に入力する。
前記中央処理装置212には、レシピデータ取得部230と、レシピデータ送信部231と、端末側レシピ選択部232と、食品成分データ取得部233と、をそれぞれ有している。なお、これらレシピデータ取得部230、レシピデータ送信部231、端末側レシピ選択部232、及び食品成分データ取得部233は、全体が1つのコンピュータプログラムによって機能的に実現されていても良いし、別々の制御回路で構成されていても良い。
前記加熱調理器データベース217は、加熱調理器1の中央表示部16Mと音声報知部50のための報知情報(画像情報を含む)を生成するため、加熱調理器1の「報知用データ」223を保有している。
また、前記加熱調理器データベース217は、加熱調理器1の制御装置40用の「遠隔操作用データ」224も保有している。
更に、前記加熱調理器データベース217には、レシピデータCDに関する食品成分・栄養成分データ226が格納される。この実施の形態では、食品成分(エネルギー、脂質、たんぱく質等)と、栄養成分(カリウム、カルシウム等)の情報を総称して「食品成分情報」DDと呼ぶ。
前記報知用データ223と遠隔操作用データ224、食品成分・栄養成分データ226は、最初からこの通信端末200に記憶させておいても良いが、情報提供手段であるクラウドサーバー300に、ネットワークNWを介して接続し、そのクラウドサーバー300からダウンロードして、前記食品成分情報DDを取得したものでも良い。つまり、加熱調理器データベース217は、固定的に記憶させて構築しておく必要はなく、必要に応じて情報を取得して、一時的に揮発性のメモリーに格納した形態であってもよい。
前記加熱調理器データベース217は、加熱調理器1で行う各種調理、特に連携調理モードKM1で使用することができる調理メニュー(例えば、「ラタトゥイユ」)のレシピデータCDを、前記クラウドサーバー300から取得したり、他の通信端末200からNFC入出力部221経由で取得したりしていても良い。
前記遠隔操作情報生成部224は、加熱調理器1から前記中央処理装置212経由で取得した信号と、前記表示操作部225からの入力信号とを、それぞれ処理し、加熱調理器1用の遠隔操作情報を生成する。
ここでいう「遠隔操作情報」とは、加熱調理器1の、連携調理モードKM1や複合調理モードKM2を含む全ての調理モードに対応した入力操作に関する情報と、当該連携調理モードや複合調理モード等における中央表示部16Mの表示情報、更には、右表示部16Rと左表示部16Lに関する表示情報を含む。但し、連携調理モードKM1を含む全ての調理モードにおいて、加熱動作を開始する指令となる情報は含まれない。従って、この遠隔操作情報によって加熱調理器1が加熱動作を開始することはない。
なお、「遠隔操作情報」として、中央表示部16Mの表示情報と、右表示部16Rと左表示部16Lに関する表示情報を含めないことにしても良い。また、前記した機能設定キー115で設定できる機能の指令情報は、通信端末200からは送信できないし、また通信端末200では生成できない。つまり、通信端末200からは加熱調理器1の機能設定モードを起動できない。
前記中央処理装置212は、ROM・RAMに格納されている制御プログラムに従って、通信端末200全体の処理を実行するものであり、処理を実行する過程で必要なデータをROM・RAMから読み出したり、処理を実行する過程で生成したデータを、前記ROM・RAMに格納したりする。
記憶部220は、半導体製の不揮発性メモリーであり、前記送信部及び受信部210から読み込んだ加熱調理器1の情報を記憶させておくことができる。例えば、クラウドサーバー300からダウンロード(読み込み)した、特定の調理メニューの、前記レシピデータCDを一時的に保管することに利用される。
加熱調理器1の情報は、加熱調理器1に直接接続される第1サーバー321から取得するが、当該第1サーバー321とネットワークNWで接続された第2サーバー322経由で取得しても良い。前記第1サーバー321と前記第2サーバー322は、前記クラウドサーバー300を構成する一部である(図44参照)。
ユーザーUSが、通信端末200の端末側表示部216の特定部位にタッチすると、このタッチ信号を基礎にして前記遠隔操作情報生成部219は、遠隔操作情報を生成する。
前記遠隔操作情報は、送信部及び受信部210から加熱調理器1へ送信される。
加熱調理器1が既に電力が供給されて起動済であれば、前記加熱調理器1の制御装置40は、受信した前記遠隔操作情報を、調理モードの入力操作情報として扱う。例えば、連携調理モードKM1に関する遠隔操作信号を受信した場合、これによって、中央表示部16Mの待機時初期画面16MHは、連携調理モードKM1における1つの調理メニュー(例えば、ハンバーグ)の選択画面(第1特定画面16M1)へと遷移する。但し、無条件に加熱調理器1が通信端末200の遠隔操作情報に応じて動作する訳ではない。これについては、図48で説明する。
一方、遠隔操作情報を送信した通信端末200側では、前記遠隔操作情報に基づいて端末側表示部216の表示が変化する。つまり、通信端末200の表示操作部225における端末側表示部216の表示画面の内容と、加熱調理器1の中央表示部16Mの表示内容は、近似した操作手順で変化するが、その変化の状態がリアルタイムで加熱調理器1に逐一送信されている訳ではない。
通信端末200において、遠隔操作情報を生成しても加熱調理器1で正規の遠隔操作信号として認められるのは、調理モードの確定信号が送信されてからである。つまり、通信端末200からの遠隔操作情報は、調理モードを確定させるため、通信端末200で所定の確定キーを押した場合に、一括して送信される。
従って、連携調理モードKM1の調理メニュー(例えば、ハンバーグ)のレシピデータCDは、調理工程1から最終の調理工程までの、加熱手段を特定するデータや、デフォルト設定の制御条件(例えば、火力レベル、火力値、加熱時間等をいうが、これに限定されない)の情報が、一括して送信される。つまり、第1特定画面16M1において、ユーザーUSが任意で設定できる細かい制御条件のデータも含まれる。なお、前述したように、ここでいうレシピデータCDは、簡易型レシピデータCDである。簡易型レシピデータCDとは、加熱手段固有の情報(加熱手段の属性を示す情報や加熱口の情報等を含む)、調理工程の情報、駆動する加熱手段の順番を示す情報等は含まず、加熱能力や加熱時間等の制御条件を決める指令やデータ等(以下、「コマンド」又は「コマンドデータ」という)を主体にしたものをいう。
つまり、「簡易型レシピデータ」CDとは、前記制御条件の設定データ(コマンドデータ)が主体になっているものをいう。
図47で示した食品成分データ取得部233は、各種食品の成分(例えば、エネルギー量、たんぱく質等)と栄養成分(例えば、ビタミンA、C、鉄分、ミネラル等)のデータをそれぞれ有している。なお、各種データを総称して、この実施の形態2では「食品成分データ」と称している。
前記食品成分データ取得部233の前記「食品成分データ」は、この通信端末200の製造時から記憶させてあるものでなくとも良い。例えば、日本では、文部科学省が一般に対し(インターネット等で)公開しているデータとして「日本食品標準成分表」がある。そこで、このデータの中から、特定の食品のデータを通信端末200が取得し、食品毎にこの食品成分データ取得部233に記憶させる形式でも良い。
この食品成分データ取得部233は、前記クラウドサーバー300から調理メニュー(例えば、ハンバーグ)のレシピデータCDを取得した際に、当該食品についての栄養成分等のデータが、当該クラウドサーバー300から得られない場合、この通信端末200において栄養成分等のデータを補充して、加熱調理器1に提供することができる。これについては、後で詳しく説明する。
次に、図48について説明する。
図48は、連携調理モードの調理を(中央操作部15Mで)行う場合の操作説明図(一覧表)である。
図48の表では、縦に3列に分けて、操作手順と、関係する入力キー、表示画面、及び操作に関する特徴的な事項を記載している。
最初に、主電源スイッチ20の操作ボタン(キー)20Aを押すと、制御装置40に主電源が供給され、制御装置40が自己診断の結果、異常が検知されなければ、中央表示部16Mと入力操作部15が起動される。火力表示部17(左火力表示部17L、中央加熱状況表示部17M、右火力表示部17R)も起動される。右表示部16Rと左表示部16Lも起動される。
前記中央表示部16Mには、待機時初期画面16MHが表示される。
待機時初期画面16MHには、二次元コード60Bが表示される。通信端末200によって、前記二次元コード60Bを光学的に読み込ませると、各種調理レシピの情報、すなわち、各種のレシピデータCDを保有したレシピ情報提供サーバー301に接続することができる。従って、通信端末200は、希望する調理のレシピデータCDを取得することができる。
この実施の形態2では、加熱調理器1に対して通信端末20は、直接無線通信できる。また、加熱調理器1と通信端末200は、互いが通信可能な範囲にある場合に自動的に接続できるように構成している。
通信端末200と加熱調理器1との間の通信方式は、近距離の無線通信規格の1つになっているBluetooth(ブルートゥース)(登録商標)を使用している。なお、通信端末200とクラウドサーバー300の間には、無線ルーター340が設置してある。前記無線ルーター340と通信端末200との間は、WiFi(登録商標)等の無線LANによる通信方式を使用している。
最初に、通信端末200と加熱調理器1との間では、相互認証を行ってあるから、加熱調理器1の起動時に、加熱調理器1から、自動接続のための信号(「スキャン信号」ともいう)を送信すると、加熱調理器1と通信端末200との間で、自動接続のための相互通信が行われる。なお、通信端末200側からスキャン信号を送信しても良い。
加熱調理器1と通信端末200との間の接続が確立すると、加熱調理器1と通信端末200の間で、相互に直接無線通信できる状態が継続する。通信端末200がユーザーUSの移動に伴って移動して加熱調理器1との距離が離れると、一時的に通信できない状態になる場合があるが、通信可能な範囲(距離)に戻れば、自動的に接続状態は回復する。
前記待機時初期画面16MHが表示された時点から(連携調理モードKM1を選択する)入力キー107が押されるまでの期間中は、前記通信端末200からのレシピデータCDの取得は、基本的に禁止されている。
また、主電源スイッチ20をONにしてから、前記待機時初期画面16MHが表示されるまでの期間には、前記通信端末200からのレシピデータCDの取得は一切できない。
なお、後述する図49では、入力キー180が押された時点からレシピデータCDの受信制限を解除するのではなく、入力キー180に続いて、入力キー107(又は108)が押された時点から受信制限を解除する例を図示している。
次に図49について説明する。
図49は、図48の表示画面の構成を少し変更した例である。
レシピデータCDを外部から受信している場合、待機時初期画面16MHの中に文字等で「外部からレシピ受信中」等のように表示する例が図48であった。
これに対し、図49は、レシピデータCDを外部から受信している受信中に、専用の受信動作表示画面16MMに切り替わる事例である。受信動作表示画面16MMについては、この後で図50を参照しながら説明する。
連携調理モードKM1の調理をする場合、連携調理メニューの1つ(例えば「ラタトゥイユ」)のレシピデータCDを取得することについて説明する。
前記音声入力部222又はタッチ式の操作部215によって、端末側レシピ選択部232で前記した「ラタトゥイユ」を指定し、クラウドサーバー300にアクセスして「ラタトゥイユ」のレシピデータCDを、レシピデータ取得部230で取得する。
取得した「ラタトゥイユ」のレシピデータCDは、記憶部220に一時的に保存される。端末側の表示部216には、「ラタトゥイユ」のレシピデータCDのダウンロード成功が表示され、送信するかどうかを決定するよう、ユーザーUSに操作を促す表示が行われる。
そこで、ユーザーUSが、表示操作部225を操作して(又は、音声入力部222によって音声を入力して)レシピデータ送信部231に送信を指示すると、中央処理装置212は、「ラタトゥイユ」のレシピデータCDを加熱調理器1に送信する。なお、このレシピデータCDの送信と一括して、加熱調理器1の「報知用データ」223と、加熱調理器1の制御装置40用の「遠隔操作用データ」224も送信する。
図48に示したように、入力キー107が(「長押し」又は「短押し」の何れの形態でも良い)押された後では、連携調理モードKM1の各調理メニューのレシピデータCDは、加熱調理器1で受信することを制御装置40は許可している。但し、図48に示しているように、即時に第1特定画面16M1に表示が切り替わるものではない。従って、待機時初期画面16MHの状態から受信動作表示画面16MMに変化したままで、レシピデータCDの受信動作が継続する。
図49の例では、前記した「ラタトゥイユ」のレシピデータCDを通信端末200から受信していることを表示する例を示している。この図49に記載しているように、待機時初期画面16MHは、外部からのレシピ受信動作中には、受信動作表示画面16MMに切り替わる。
加熱調理器1の制限部55は、入力キー107が押された時点から、通信部51を介してレシピデータCDの受信動作が実行できる。
そして、受信したレシピデータCDがある場合、レシピデータ記憶部42の、所定の記憶エリア(又は、専用のバッファメモリ)に一時レシピ的に保存する。なお、前記した報知用データ223と遠隔操作用データ224の受信も許可され、前記「ラタトゥイユ」のレシピデータCDと紐づけ(1対1の関係に識別できるように処理)されて記憶部42に一時的に保存される。
次に、入力キー107が更に1回が押されると、連携調理モードKM1の各調理メニューの情報(識別情報167)が中央表示部16Mに表示される。その際の中央表示部16Mの表示画面は、待機時初期画面16MHではなく、第1特定画面16M1である。
前述したように、通信端末200は、ネットワークNW経由でクラウドサーバー300に接続される。このネットワーク201経由でレシピデータCDを取得できる。また、必要に応じて、レシピデータCDが対象とする食品(食材)の標準成分と、栄養成分の情報も、このネットワークNW経由でクラウドサーバー300から取得する。
次に、図50について説明する。
図50は、前記した「ラタトゥイユ」のレシピデータCDを通信端末200から受信していることを表示する具体的な表示画面の例を示している。この図50(A)(B)のように、待機時初期画面16MHは、外部からのレシピ受信動作中であることを示す受信動作表示画面16MMに切り替わる。
図50(A)は、受信動作表示画面16MMを拡大して示した模式図である。
図50(A)(B)において、16Fは、受信動作表示画面16MMの中に、受信動作の進捗に応じて現れる、複数個の進捗マークである。
図50(B)において、174は、受信動作表示部であり、外部からレシピデータCDを受信している途中であることを文字で表示している。
進捗マーク16Fは、黒い角形印と白い角形印の2種類ある。
図50(A)に示すように、レシピデータCDの受信動作開始直後は、黒い角形印が1つであるが、受信動作が進むにつれて順次その数が増えて行き、最終的に黒い角形印が5つ並んだ状態となる。なお、黒い角形印の増加に応じて、白い角形印は同じ数だけ消えた状態になる。
進捗マーク16Fは、1つの図形の大きさや色を変化させて進捗度合いを表示しても良く、またはアニメーションで表現しても良い。
更に、受信動作表示画面16MMの代わりに、中央表示部16Mの外側で、その近傍に、複数の発光素子(LED)を設け、受信動作の進捗度合いを、その発光によって複数段階に表示するものでも良い。例えば、受信動作の初期は、LEDの点灯数を1つにし、受信動作の進行に伴って点灯数を増やすという方式である。あるいは、LEDの点滅や点灯色を切り替えることにより、進捗を表現する。これにより、ユーザーUSに直感的で分かりやすい受信動作の完了を報知するようにしても良い。
第1特定画面16M1は、図50(B)のような表示をした後、第1特定画面16M1が表示され、その第1特定画面16M1の第1エリア22には、特定の(1つの)連携調理メニュー(この場合、「ラタトゥイユ」)の識別情報167が表示される。
この後、スタートキー113をタッチ操作すれば、そのまま加熱調理動作を開始できる。
更に、ストップキー114を操作すれば、このように外部から取得した特定の連携調理メニュー(この場合、「ラタトゥイユ」)による調理を、取り消すことができる。このように一旦取消し操作を行った場合、待機時初期画面16MHに戻るので、その状態で、再度入力キー107をタッチ操作する必要がある。
このように、先に取得した1つの調理メニューに対応したレシピデータCDは、一旦取り消されると、次に再度別の調理メニューのレシピデータCDを取得できる(なお、同じ調理のレシピデータCDを再度取得することも可能である)。
更に、外部から取得した特定の連携調理メニュー(この場合、「ラタトゥイユ」のレシピデータ)は、その連携調理メニューの調理工程が終了していない場合(途中で強制的にユーザーUSが調理の実行を解除した場合を含む)、別の連携調理メニュー(例えば「ハンバーグ」)に変更することはできない。変更するには、ストップキー114を操作して、待機時初期画面16MHの場面まで戻す必要がある。
この実施の形態2では、音声入力モード表示情報179D(図38参照)が第1特定画面16M1に表示されるのは、レシピデータCDの取得が成功した段階以降である。
この実施の形態2では、実施の形態1と異なり、加熱調理器1自体には音声信号受信部56(図8参照。スピーカや音声信号受信回路等)がないため、音声で入力するために前記通信端末200(スマートフォンや、スマートスピーカ等の音声入出力器等)を介して行う必要がある。
以上の説明から明らかなように、この実施の形態2の加熱調理器1は、以下の構成を備えていた。すなわち、
第1加熱部(右加熱部)4Rと第2加熱部(左加熱部)4Lを備えた第1の加熱手段HM1と、
前記第1の加熱手段HM1と離れた場所にある加熱室6の中の被調理物を、マイクロ波で加熱できる第2の加熱手段HM2と、
前記第2の加熱手段HM2と前記第1の加熱手段HM1を制御する制御装置40と、
前記第2の加熱手段HM2と前記第1の加熱手段HM1の制御情報を表示する表示部(中央表示部16M、左表示部16L、右表示部16R)と、を有し、
前記制御装置40は、前記第2の加熱手段HM2と前記第1の加熱手段HM1を使用して1つの被調理物を調理する連携調理メニューKM3を、複数種類の被調理物の数だけ(複数個)有し、
前記制御装置40は、入力キー107によって連携調理メニューの表示指令を受けた場合、以下の動作を行う構成であった。
(1)前記第2の加熱手段HM2、前記第1の加熱手段HM1について「先に使用されていないこと」等と、「加熱室6の温度が低いこと」の「許可条件」との関係を判定する。そして、連携調理メニュー(例えば、「ラタトゥイユ」)のレシピデータCDを実行できるかどうかを決定する。なお、「ラタトゥイユ」は、前記第1の加熱手段HM1で加熱してから、加熱室6の中においてマイクロ波加熱して調理を完成させるものである。
(2)連携調理メニューを実行できると判定した場合、中央表示部16Mに第1特定画面16M1を表示する。
(3)前記第1特定画面16M1では、前記連携調理メニューの少なくとも1つを選択可能に表示させる。そのためには、(第1エリア22に)対応する入力キー107の入力機能を有効にする。
(4)1つの連携調理メニューの選択が行われた場合、当該調理メニューに適用する制御条件(火力や加熱時間など)を表示する(前記第1特定画面16M1)。この状態で、音声入力モードに対応していることを表示する(又は音声報知部50で報知する)。具体的には、音声での入力を受け付けていることを示す音声入力モード表示情報179Dを表示する。そして、入力キー113からの連携調理モードKM1の開始用の指令を待つ。なお、この段階で右加熱口4Rか左加熱口4Lの何れかをユーザーUSが選択する(デフォルト設定で、何れかを決めるようにしても良い)。また、選択した加熱口に対応した右表示部16R又は左表示部16Lも起動される。
(5)前記連携調理モードの開始用の指令を、中央操作部15Mのスタートキー113から受けた場合、前記第1の加熱手段HM1の第1加熱源19L又は第2加熱源19Rが誘導加熱を開始する。なお、その際に、入力キー191R又は191Lをタッチ操作することを条件にして、誘導加熱を開始するようにしても良い。
(6)調理工程1が自動的又はユーザーUSの指令により終えた場合、加熱休止期間P3に入る。そして、入力キー113からの連携調理モードの再開用(調理工程2用)の指令を待つ。
(7)調理工程2の開始は、加熱室6を担当する中央操作部16Mが担当する。そのため、中央操作部15Mの入力キー113からの連携調理モードの開始用の指令を受けた場合、第2の加熱手段HM2からのマイクロ波は、加熱室6に供給され、調理工程2が開始される。
その後、中央操作部15Mでストップキー114を押せば、調理工程2を終了し、調理工程を全て終えることができる。
以上のように、この実施の形態2においては、事前に定めた許可条件を満たした場合に、連携調理モードのための第1特定画面16M1が表示されるので、この表示画面によって、関係する右加熱口4R又は左加熱口4L、第2の加熱手段HM2による連携調理モードKM1への移行を簡単に進めることができる。
また、許可条件を満たさない場合には、第1特定画面16M1自体が(中央表示部16Mにも、左右の表示部16L、16Rにも)表示されないので、ユーザーUSの誤使用や誤解を招く懸念もない。つまり、ユーザーUSの操作性を損なうことがなく、利便性の高い加熱調理器を実現できる。
更に、調理工程1と調理工程2との間には、加熱休止期間P3があり、この加熱休止期間P3の長さは、ユーザーUSが入力キー113によって調理再開を指令するタイミングによって決まる。
すなわち、この実施の形態2においては、調理工程1における被調理物の加熱度合いを確認することや、調味料を加えること、あるいは別の被調理物を加えて調理工程2を行うために必要な期間が確保できる。このため、使い勝手が良く、ユーザーUSの調理のレパートリーを拡大することができる。
更に、制限部55があるため、1つの特定の連携調理メニューA(例えば、「ラタトゥイユ」)について、入力キー113をタッチ操作した時点以降は、別の連携調理メニューC(例えば、「ハンバーグ」)のレシピデータCDを、通信部51経由で外部から制御装置40が取得することはない。そのため、連携調理の途中で不用意に別の調理メニュー(複合調理モードの制御メニューや単独調理モードの制御メニューを含む)を、受信することがない。従って、受信に伴うユーザーUSの混乱や加熱調理器1側の動作干渉等の懸念がない。
なお、1つの特定の連携調理メニューA(例えば、「ラタトゥイユ」)について、スタートキー113をタッチ操作した時点以降でも、その後、連携調理メニューAの調理工程の途中で、ストップキー114が操作されて、当該連携調理モードの調理が中止(解除)された場合には、新たな連携調理メニューC(例えば、「ハンバーグ」)のレシピデータCDを、通信部51経由で制御装置40が取得することは可能である。
次に、図51について説明する。
図51は、通信端末200の端末側表示画面(入力操作画面を兼用)216の表示内容を示したものであり、以下順に説明する。なお、「端末側表示画面」216は、以下、「表示画面」216と呼ぶ。
図51(A)(B)は、通信端末200の表示画面216の拡大図である。
この表示画面216は、液晶表示画面や有機EL表示画面の表面をガラス板で覆って形成している。
前記ガラス板の上面(表面)には、物理的な構造物としては現れないが、後述する各種アイコン(入力キー)496、523等が、前記表示画面216の表示によって視覚上で認識できる。そのガラス板自体の特定部分が発光したり、画像を発生させたりする訳ではないが、以下の説明では、このように文字や図形、その他の情報が表示されることを、視認するユーザーUSの立場に立って、「表示画面に表示」という表現を使う。
「アイコン」は、所望の入力を行うことができる。つまり、個々のアイコン部分には、静電容量検知型のキーが配置される。そのアイコンをタッチすることで、タッチ操作部215(図47参照)では、中央処理装置212に対する指令信号が発生する。
アイコンの存在と機能を表示するため、特定の機能が(少なくとも入力を受け付け可能な状態では)文字や図形で表示される。例えば、図51(A)の例のように、「詳しく見る」、「決定」というように、アイコン523、496の位置に文字情報で表示される。
515は、お薦めメニューの表示部である。
516は、推奨メニューの表示部である。この表示部516には、冷蔵庫403(図1参照)から事前に取得しておいた在庫情報から検索された推奨の調理メニュー(別の調理)が含まれる場合がある。
図51(A)の例では、加熱調理器1は連携調理モードKM1で「からあげ」の調理メニュー現在実施中である場面を示している。
図51(A)は、前記調理メニュー「からあげ」で使用中の加熱室6が(調理工程2で)使用されなくなった後に、その加熱室6で調理できる別の調理のお薦めメニューがあることを示唆している。なお、加熱調理器1は、前記冷蔵庫403との間で無線通信により、当該冷蔵庫403の在庫情報を取得できる機能を有している。
図51(A)の段階では、お薦めメニューを具体的には自動的に表示しなくとも良い。その場合、ユーザーUSが、この段階で初めて表示される詳細表示指示部(アイコン)523をタッチした場合には、図51(B)のようにお薦めメニューの詳細を(前記表示部515において)表示することでも良い。
なお、この図51(A)のような詳細表示指示部(アイコン)523に相当する選択部は、加熱調理器1の中央表示部16Mには表示されない。そして一定時間後に、図51(B)の画面は、図51(A)の表示画面216に自動的に戻る。
図51(A)(B)において、487は、連携調理メニューの名称表示部であり、この場合は、被調理物の名称の「からあげ」が表示される
この通信端末200には、ユーザーUSの指先FGを表示画面216に触れたまま移動させると、それに付随して表示画面を移動させて画面の切り替えを行うスクロール機能がある。
496は、この図51の中の1つのお薦めメニューを選択するための入力キー(アイコン)である。
この図51(A)に示すように、推奨メニューの表示部516には、推奨された冷凍食品(食材)の情報と、その食品成分の情報が表示される。この場合の食品成分のデータは、通信端末200の食品成分データ取得部233のデータが使用される。
つまり、図51(A)の段階で、加熱調理器データベース217で保有している、食品成分と食品栄養成分のデータを表示することができる。
なお、加熱調理器データベース217に食品成分等のデータが無かった場合でも、任意の時点でクラウドサーバー300(食品成分情報サーバー326)から食品成分と食品栄養成分のデータ(成分データDD)を取得することができる。また、連携調理モードKM1には、加熱調理動作が一旦休止している移行期間TRがあるので、この期間を利用してデータを取得しても良い。
図51(B)は、図51(A)の状態で、詳細表示指示部(アイコン)523を操作した場合、表示内容が切り替わった状態を示している。この図51(B)に示したように、推奨メニューの表示部515には、推奨された冷凍食品(食材)の情報と、その食品の標準成分、栄養成分の情報が表示される。
図51(A)(B)において、517は、推奨メニューの補助情報であり、マイクロ波加熱を利用した「あたため」の制御メニューで調理できることが表示されている。
518は、推奨メニューの調理参考画像である。写真ではなく、イラスト(イメージ図)でも良い。
次に図52について説明する。
図52は、通信端末200において、クラウドサーバー300(レシピ情報提供サーバー301)からレシピデータCDを取得した場合の動作例を示すフローチャートである。
通信端末200でレシピデータCDを受信処理すると(ステップSL1)、次のステップSL2において、レシピデータCDの食品識別情報と、加熱調理器データベース217に記憶させてある食品成分データ及び栄養成分データとの照合を行う。
例えば、前述した調理メニューの「ラタトゥイユ」について、加熱調理器データベース217に食品成分データと栄養成分データがあるかどうかを判定する。
該当するデータが無かった場合、ステップSL3の判定結果は「No」となるため、次のステップSL4に進む。
ステップSL4では、ネットワークNW経由でクラウドサーバー300(第2サーバー322)に対し、特定の調理メニューの「ラタトゥイユ」について、食品成分データ及び栄養成分データを送信するように要求する。
例えば、クラウドサーバー300の内部が、図44で説明したように、第1のサーバー321と、通信端末200に直接ネットワークNW経由で接続された第2サーバー322を含む形態で構成されていた場合、この成分データ提供要求Xは、第2サーバー322に送信され、第2サーバー322から第1サーバー321には、成分データ提供要求X(図44に示した照会信号SN)として送信される。
このようにして、第1サーバー321が成分データ提供要求Xを受信すると、前述したように文部科学省が一般に対し(インターネット等で)公開している「日本食品標準成分表」等のデータベース(又は、食品成分情報サーバー326)から、食品成分データ及び栄養成分データを取得する。そして、第2サーバー322経由で通信端末200に当該取得データ(成分データDD)を送信する。このようにしてステップSL4では、外部から食品成分データ及び栄養成分データ(成分データDD)を取得する。
食品データ取得部233は、受信した食品成分データ及び栄養成分データの内容を確認し(ステップSL5)、問題がなければ、前記加熱調理器データベース217に記憶させる(ステップSL6)。もし、食品成分データ及び栄養成分データが取得できなかった場合には、ステップSL8に進み、所定のエラー処理を行う。このエラーの内容は、表示画面216で表示する。
食品成分データと栄養成分データ(成分データDD)が加熱調理器データベース217に記憶させてある場合、ステップSL3の判定結果は「Yes」となるため、ステップSL7に進む。また、外部から食品成分データと栄養成分データ(成分データDD)の取得に成功した場合も、ステップSL7に進む。
ステップSL7では、表示画面216に、食品成分データ及び栄養成分データの送信をするかどうか、ユーザーUSの決定を待つ表示を行い、加熱調理器1に対する送信待機状態に入る。ユーザーUSが所定の送信操作を行うと、加熱調理器1に対して、既に取得しているレシピデータCD2(例えば、「ラタトゥイユ」の調理をするためのもの)と同時に、食品成分データ及び栄養成分データ(成分データDD)を、送信する。
以上の説明では、ユーザーUSが主にタッチ操作部215をタッチ操作して、食品成分データ及び栄養成分データ(成分データDD)を取得したり、送信したりする処理を行っていたが、これを音声入力で行うこともできる。
図47で説明したように、表示操作部225には、音声入力部222があるので、ユーザーUSは、例えば音声入力部222に対して、「データ入手 ラタトゥイユ」等の発声を行って、外部から該当するデータの取得をすることができる。
一方、この通信端末200では、特定のレシピデータCD(例えば、「ラタトゥイユ」)をクラウドサーバー300から取得する動作とは別に、前記加熱調理器データベース217に記憶させてある各種のレシピデータCDを対象に、例えば、ユーザーUSが食品成分や食品栄養素をキーワードにして検索する機能を備えている。
そのため、例えば音声入力部222に対して、「調理メニュー検索・カロリー・少ない」等の発声を1回又は数回に分けて行って、加熱調理器データベース217に記憶させてある各種のレシピデータCDの範囲で、エネルギー量(カロリー換算値)の少ないものを優先的に選択することができる。例えば、表示画面216に、カロリー値の少ないものから順番に、調理メニューを並べて表示することができる。
以上の説明では、スマートフォン等の通信端末200は、加熱調理器1との間で、Bluetooth(登録商標)による無線通信400を行う方式であった。他の方法としては、近距離無線通信用のNFC入出力部221(図47参照)を有しているため、加熱調理器1側のNFC入出力部(図示せず)に、通信端末200を直接近接又は接触させて入力しても良い。
実施の形態2の総括.
以上の説明から明らかなように、この実施の形態2においても、第1の開示に関する加熱調理器1を開示していた。
すなわち、第1の開示に関する加熱調理器の1つの形態は、
第1加熱源19Lの第1操作部15Lと第2加熱源19Rの第2操作部15Rからの指令を、それぞれ受け付ける制御装置40を備え、
前記制御装置40は、タッチ入力モードTMと音声入力モードVMの2つの入力機能を有し、
前記制御装置40は、第1操作部15Lと第2加熱源19Rの第2操作部15Rからの入力を判別する入力信号解析部52を有しており、この入力信号解析部52によって音声入力モードVMが指令されたかどうかを判定し、
前記第1操作部15Lと前記第2操作部15Rには、それぞれ前記音声入力モードを設定するために操作する、タッチ入力式の入力キー153L、153Rを有し、
前記制御装置は、前記第1操作部15Lの前記入力キー153Lによって前記音声入力モードTMに切り替えたときに開始される禁止期間ET中、前記第2操作部15Rによる前記音声入力モードVMへの切り替えを制限すること、
を特徴とする構成であった。
このような構成であるため、左操作部(第1操作部)15Lと、右操作部(第2操作部)15Rにあるタッチ式の入力キー153L、153Lを利用して、第1の加熱部に相当する左加熱口4L(第1加熱源19L)と、第2の加熱部に相当する右加熱口4R(第2加熱源19R)を使用するために、音声入力モードへの切り替えができるので、加熱動作開始前の入力工程の面倒な作業を音声で入力できる。これによりユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
しかも、前記制御装置40は、前記第1操作部15Lの前記入力キー153Lによって前記音声入力モードTMに切り替えたときに開始される禁止期間ET中、前記第2操作部15Rによる前記音声入力モードVMへの切り替えが制限されるから、前記第1操作部15Lの方の音声入力が終わっていない段階で第2操作部15Rでも音声入力モードVMが開始されることがない。このため、実施の形態1で説明したように、2つの加熱源に対する音声入力が時間的に重なり、干渉したり、誤った入力になったりすることが防止される。
これにより、ユーザーUSによる音声入力の確実性を向上させることができ、操作性や安全性も向上することが期待できる。
以上述べた他に、実施の形態2においては、実施の形態1と同じ構成については、実施の形態1で説明した効果と同等の効果が得られるので、詳細な説明は省略する。
実施の形態2では、以下の通りの特徴的な各種構成を採用していた。
すなわち、実施の形態2で開示した加熱調理器1の1つの形態は、
本体2と、
前記本体2の内部に形成された加熱室6と、
前記本体2の上面に載置された被加熱物を加熱する第1の加熱手段HM1と、
前記加熱室6で加熱調理する第2の加熱手段HM2と、
前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2の駆動条件を入力する入力操作部15と、
報知手段90と、
前記入力操作部15からの入力を判別する入力信号解析部52と、
前記入力操作部15からの指令を受ける制御部40と、を備え、
前記入力操作部15には、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2を使用する複数の(連携、複合、単独)調理モードKM1~KM3の中から1つを選択する第1の選択手段(入力キー)107、108、109と、前記第1の選択手段で選択した前記調理モードの中から1つの調理メニュー又は制御メニューを選択する第2の選択手段123と、を有し、
前記第1の選択手段を構成する入力キー107、108、109は、前記調理モード毎に、1つずつ設けられたタッチ式入力キーであり、
前記入力信号解析部52は、前記第1の選択手段107、108、109のタッチ操作に応じた時間情報から、音声入力モードの指令を判別し、
前記第2の選択手段123は、前記第1の選択手段に近接した位置にあり、前記複数の(連携、複合、単独)調理モードKM1~KM3に共通の、ダイヤル式の選択手段であり、
前記制御装置40は、前記入力信号解析部52が前記音声入力モードの指令を受け付けたと判定した場合、前記通信部51を介して前記レシピデータCDの取得を可能にし、かつ、前記レシピデータCDの制御条件の設定指令を受け付けること、
を特徴とする構成であった。
このような構成であるため、入力操作部15にあるタッチ式の入力キー107、108、109を利用して、音声入力モードVMへの切り替えができるので、加熱動作開始前の入力工程の面倒な作業を音声で入力できる。これによりユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
更に、ダイヤル式選択手段123を回動操作することで、複数の(連携、複合、単独)調理モードKM1~KM3に属する各種調理メニューや制御メニューの候補を、前記表示部16に簡単、かつ、選択可能に表示させることができるから、加熱調理開始前の準備作業の操作性が向上する。
更に、入力操作部15において、タッチ式の入力キー107~109のタッチ時間の計測と、それに基づく音声入力モードの判定をせず、音声入力モードの判定は制御装置40の入力信号解析部52によって実施していた。
このため、実施の形態2で説明したように、入力操作部15が複数個(3個)ある場合でも、各入力操作部(15M、15L、15R)に、それぞれ音声入力モードの判別手段を設けず、制御装置40側で集中して処理する構成にすることができる。すなわち、この実施の形態2では、それぞれの入力操作部15からの信号を受けて、制御装置40側の入力信号解析部52によって、音声入力モードの指令を受けたかどうかを一元的に判定していた。これにより、制御構成をよりシンプルにすることが可能となる。
更に、この実施の形態2においては、前記待機時初期画面16MHの表示をしている段階で、前記レシピデータを取得する動作に移行した場合、図50で説明したように、受信動作表示画面16MMの表示に自動的に切り替わる。
しかも、その受信動作表示画面16MMの中に、受信動作の進捗に応じて複数個の進捗マーク16Fが表示されるので、ユーザーUSはレシピデータCDの取得動作をしていることが容易に理解でき、無用な誤解や誤操作等を防止できるという効果がある。
なお、進捗マーク16Fの表示に加えて、あるいはその代わりに、音声報知部51によって音声で知らせても良い。また、進捗マークは、図50に示したように時間経過とともに、形状や数が変化するものに限定されず、例えば、表示色が変化する形態でも良い。
実施の形態3.
図53~図55は、実施の形態3に係る加熱調理器を示すものである。図53は、実施の形態3に係る加熱調理システムの構成図である。図54は、図53に示した加熱調理器の機能的構成を示すブロック図である。図55は、加熱調理器1の制御装置40の主要な動作ステップと、外部の情報処理ネットワーク(第1サーバー321、音声入出力器1000等)側の動作ステップを示したタイムチャートである。なお、図1~図52に説明した実施の形態1及び2の構成と同一又は相当部分は、同じ符号を付けている。
この実施の形態3では、蒸気発生器(ボイラー)550を、第4の加熱手段HM4として追加した点が、実施の形態1~2と大きく異なる。
また、第1サーバー321の構成も大きく異なっている。
この実施の形態3では、実施の形態1及び2で示した通信端末200に代えて、小型の可搬式音声入出力器1000を利用していることが特徴の1つである。
まず、図53について説明する。
加熱調理器1とネットワークNW経由で接続される第1サーバー321には、在庫情報記憶部1324と食材消費判定部1325とを有している。
前記在庫情報記憶部1324は、冷蔵庫403からネットワークNW経由で送信されてくる「在庫データ」SD1を記憶しており、第1サーバー321の制御部321Cからの指令を受けて在庫の情報は随時更新される。
第1サーバー321は、第1サーバー321と同様に、加熱調理器1に対する各種遠隔操作データを記憶部321Rに格納している。
第2サーバー322からの要求B(例えば、音声による制御条件の入力の支援情報の提供)に対して、随時必要な操作支援データGS1を当該第2サーバー322に送信する。
このため、第2サーバー322は、前記操作支援データGS1に対応して、音声データに変換できるような操作支援データGS2を音声入出力器1000に送信する。音声で指令を与えるユーザーUSは、音声入出力器1000から発せられる音声で、自己の入力結果を確認できるし、次の入力についても適切な案内を受けることができる。つまり、対話形式で音声によって入力でき、制御構造において順次深い層まで詳細な条件を与えることができる。
前記在庫情報記憶部1324は、実施の形態1で説明したように、キッチン601等の居住空間にあるホーム・ゲートウエイ等と呼ばれる情報処理装置411からの信号を受けて、在庫状況を随時確認し、前記在庫データSD1を更新するものでも良い。
食材消費判定部1325は、前記在庫情報記憶部1324から食材の情報(在庫データSD1)を取得し、在庫量の変化から食材の消費された量を推定するものである。
この食材消費判定部1325と前記在庫情報記憶部1324について更に説明する。
前記在庫情報記憶部1324は、冷蔵庫403から第1サーバー321経由で送信されてくる「在庫データ」SD1を記憶しており、第1サーバー321からの指令を受けて在庫の情報は随時更新される。
実施の形態1で説明した通信端末200によって第1サーバー321が、前記在庫データSD1の提供要求を受けた場合、最新の在庫データSD1を当該通信端末200に提供する。また、実施の形態1で説明したように、キッチン601等の居住空間にあるホーム・ゲートウエイ等と呼ばれる情報処理装置411からの要求信号を受けて、当該情報処理装置411に、在庫データSD1を随時提供しても良い。
実施の形態1で説明したように、キッチン601等の居住空間にあるホーム・ゲートウエイ411又は統合電力制御装置(HEMSコントローラ)等と呼ばれる情報処理装置411(図示せず)からの信号を受けて、前記在庫情報記憶部1324は、在庫状況を随時確認し、在庫データSD1を更新するものでも良い。
食材消費判定部1325は、前記在庫情報記憶部1324から食材の情報(在庫データSD1)を取得し、在庫量の変化から食材の消費された量を推定するものである。
この食材消費判定部1325は、1回の調理の都度に判定が行われる。当該判定は、加熱調理器1から送信されて来た調理実施データCNを入力とし、入力されたデータと、前記在庫情報記憶部1324から取得した在庫データSD1の変動、つまり食材の量の変化を表す情報(変化情報)とを、比較し、機械学習の方法によって実際に消費された食材の種類や量を分析するものである。なお、機械学習の方法については特に限定されず、例えば、ニューラルネットーク等の公知の機械学習の手法が適用される。
例えば、食材消費判定部1325は、加熱調理器1から連携調理モードKM3で「ハンバーグ」を調理したデータを取得した場合、加熱調理器1側の調理実施データCNと、冷蔵庫403に在庫としてあった在庫データSD1の中から、種類別の食材の量の変化とを比較する。加熱調理前に冷蔵庫403にあった食材(例えば、牛肉300グラム)が、加熱調理後に、冷蔵庫403の在庫管理システム(例えば、在庫確認のカメラ映像データ、冷蔵庫403の該当冷凍庫のセンサー等)で確認できない場合、当該牛肉が使用されたものと推定する。なお、この判定にあたり、一般的な調理メニューと、使用される食材の種類とを対比させたデータも併用する。
1301は、レシピデータ提供部であり、第1サーバー321の制御部321Cからの指令を受けて、加熱調理器1で実行できるレシピデータCDを提供する。
この実施の形態3の特徴の1つである音声入出力器1000は、ユーザーUSの音声を収集するマイク(図示せず)と、逆に音声を発するスピーカ1001を有している。スピーカ1001は、ユーザーに音声入力の結果や、次の入力を促す案内等を伝えるためである。
音声入出力器1000は、ユーザーUSが電源を入れると、ネットワーク(無線通信網)NWで接続された第2サーバー322に繋がる。第2サーバー322は、音声翻訳機能と検索機能を備えている。音声入出力器1000の前記電源と、加熱調理器1の電源とは、全く連動しておらず、互いに独立してON-OFFできる。
音声入出力器1000から、音声信号(音声データ)VSを送信すると、第2サーバー322は、ユーザーUSが発した音声(自然言語)を、音声信号として取得し、ユーザーUSからの指令信号(要求B)に変換して第1サーバー321に送信する。
第1サーバー321は、第2サーバー322からの前記要求Bに基づいて、最終的には加熱調理器1に対する遠隔操作信号RSを生成することができる。また、レシピデータ提供サーバー301から取得したレシピデータCDを、加熱調理器1に提供できる。
つまり、この実施の形態3では、スマートフォン等の通信端末200からレシピデータCDを加熱調理器1に提供する形態を採用していない。
図53では、第1サーバー321からレシピデータCDが加熱調理器1に対して送信されるように示しているが、この場合のレシピデータCDには、例えば、加熱調理器1の「あたため」という制御メニューや、「ハンバーグ」という調理メニューの、それぞれについての時間や火力等設定のための指令信号、言い換えると、コマンド(コマンドデータ)を含んでいる。なお、第1サーバー321からレシピデータCDは、この図53には図示していない通信端末200で一旦受信し、当該通信端末200から加熱調理器1に送信する方式でも良い。
また、それらコマンドの送信は、1つの制御メニューや調理メニューを加熱調理器1が確定する前に、数回以上生成して送信される場合もある。特に、ユーザーが音声で入力した内容が、1つのフレーズ(例えば「あたため」)の場合、それを実行するために必要な更に下位の指令内容(例えば、加熱温度や火力)を設定するために、第1サーバー321が加熱調理器1に対して「温度を設定してください」」のような操作誘導の指令(報知指令信号)を生成し、加熱調理器1で報知させるが、このような指令もこの図53でいう「レシピデータCD」に含んでいる。
第1サーバー321は、加熱調理器1に対する各種遠隔操作データを記憶部321Rに格納しているため、第2サーバー322からの前記要求Bに対して、随時必要な操作支援データGS1を当該第2サーバー322に送信する。このため、第2サーバー322は、前記操作支援データGS1に対応して、音声データに変換できるような操作支援データGS2を音声入出力器1000に送信する。
以上の基本的構成であるから、加熱調理器1の近傍にユーザーUSが居ても、調理の準備や食材の処理等で、そのユーザーUSの両手が塞がっていて、加熱調理器1の入力操作部15に直接タッチする頻度が制限されているような場合に、ユーザーUSは自然な発声(音声)で加熱調理器1を遠隔で操作でき、便利である。
なお、第2サーバー322の、その他の構成については、実施の形態2で説明した第2サーバー322の構成と同じであるから、重複した説明を省略する。
また、実施の形態2で説明したように、第2サーバー322は、レシピ情報提供サーバー301のデータベースの中から、目的のレシピデータCDを抽出する指令も、前記要求Bの1種として発生させる。
以上のように、この実施の形態3の特徴の1つは、音声入出力器1000が、実施の形態2の通信端末200と異なり、目的のレシピデータCDを加熱調理器1に対して送信する機能はないことである。
更に、音声入出力器1000からは、連携調理モードKM1や複合調理モードKM2を含む全ての調理モードに対応した入力操作に関する指令を、第2サーバー322に対して発することができる。しかし、連携調理モードKM1を含む全ての調理モードにおいて、加熱動作を開始する指令となる指令は含まれない。従って、この音声入出力器1000から第1サーバー321を経由して加熱調理器1の加熱動作の開始を指令(コマンド発信)することはできないようにしてある。これは、安全上の観点からである。
また、加熱調理器1の機能設定キー115(図示せず。実施の形態1参照)で設定できる各種機能の指令情報は、音声入出力器1000からは送信できないし、また第1サーバー321でも生成できない。機能設定モードにするには、ユーザーUSが加熱調理器1の機能設定キー115を直接タッチ操作又は押圧操作する必要がある。
なお、この実施の形態3では、第1サーバー321へコマンドデータの発信を指示する手段として、音声入出力器1000を設けたが、実施の形態1と2で説明したような通信端末200を使用しない構成に限定したものではなく、図53の構成を前提にして、第1サーバー321から、目的のレシピデータCDを通信端末200が取得し、この通信端末200が加熱調理器1に対して送信するようにしても良い。
次に、図54について説明する。
第4の加熱手段HM4である蒸気発生器(ボイラー)は、加熱室6の外側に設置されており、加熱室6の中に過加熱蒸気を吹き出す機能がある。過加熱蒸気を供給するタイミングや単位時間あたりの供給量、供給時間等は、前記制御装置40の加熱制御部43によって制御される。
加熱調理器1は、ユーザーUSの発する声を収集するマイク(図示せず)を介して、ユーザーUSの音声による指令を受ける音声信号受信部56を備えている。つまり、加熱調理器1自体には、音声入力でレシピデータCDを選択したり、その制御条件を設定したりする機能を備えている。
加熱調理器1の制御装置40は、実施の形態1及び2と基本的に同様である。すなわち、入力操作部15には、中央操作部15Mと、左右操作部15L、15Rとを、それぞれ備えている。そして、中央操作部15Mには、タッチ式入力キー107~109が、中央表示部16の外側で、かつ、その前方近傍位置に横一直線状に配置された形態である。
なお、加熱調理器1の、その他の構成については、実施の形態1で説明したものと同じであるから、重複した説明を省略する。
次に、図55について説明する。
図55において、ステップSE1~SE14は、加熱調理器1の制御装置40の主要な動作ステップと、外部の情報処理ネットワーク(第1サーバー321)及び音声入出力器1000側の動作ステップである。
ステップSE1のように、加熱調理器1から発せられる情報は、実施の形態1及び2で説明した運転状態データOSの1種である。
第1サーバー321は、加熱調理器1を製造した会社(メーカ)が運営しているものであり、加熱調理器1に特有の特殊な制御や処理を良く理解しているので、加熱調理器1の運転状態(加熱動作中、非加熱動作中の両方を含む)を正確に把握することが可能である。
図55において、スタートスイッチ(入力キー)114(図示せず)を押して、連携調理モードKM1等、各種の加熱調理モードで加熱調理を開始すると(ステップSE1)、この運転状態データOSが第1サーバー321に送信される。
新しい運転状態データOSが到着すると、第1サーバー321の記憶部321Rに時系列に記録されているデータが更新される。つまり、加熱調理が終了するまでの主要な動作のデータが時系列で蓄積される(ステップSE2)。
前記運転状態データOSは、主電源スイッチ20のON-OFFを示すデータや、連携調理モードKM1等の選択経緯を示すデータ、加熱温度や加熱時間等の制御条件のデータ等、更にはトッププレート3や加熱室6の最新の温度計測データ等を含んでいる。
次に、ステップSE2の直後に、待機時初期画面16MHが中央表示部16Mに表示される(ステップSE3)。
次のステップSE4では、加熱調理モードの選択が行われる。例えば、連携調理モードKM1を選択するために、中央操作部15Mにおいて、入力キー107をタッチ操作すると、第1特定画面16M1が表示される。そして、複合調理モードKM2用の入力キー108をタッチ操作すると、デフォルト設定された制御メニュー(例えば、「あたため」)が表示された第2特定画面16M2を選択できる。
前記ステップSE4において、音声入力モード切替キーの1つである入力キー107のタッチ操作時のタッチ状態が、「長押し」であるか「短押し」であるかを、中央操作部15M(図示せず)で判定し、その判定結果(音声入力モード1の指令信号)が制御装置40に入力される。
同様に、左操作部15Lにおいて、前記音声入力モード切替キーの1つである入力キー108L(図示せず)がタッチ操作された時には、そのタッチ状態が「長押し」であるか「短押し」であるかを、左操作部15Lで判定し、その判定結果(音声入力モード1の指令信号である、音声入力モード対応信号MC1)が制御装置40に入力される。
従って、仮に中央操作部15Mの入力キー107のタッチ操作時が「長押し」状態であれば、その時点から、制御装置40は、「音声入力モード1」(実施の形態1参照)に変更される(ステップSE5)。
異なる2つ以上の入力操作部、例えば、中央操作部15Mと左操作部16Lにおいて、音声入力モード切替キー107、108L(図示せず)がタッチ操作された場合について説明する。
実施の形態1で説明したように、2つの加熱調理モードを同時に選択することはできない。仮に入力キー107をタッチ操作した時点で、入力キー108L(図示せず)がタッチ操作されていない場合には、中央操作部15Mを使用した連携調理モードKM1の入力工程が開始される。この工程の途中で、左操作部15Lの入力キー108(図示せず)がタッチ操作された場合、制御装置40は、中央操作部15Mの入力工程を全て解除する。そして、左操作部15Lの入力工程を開始する。左操作部15Lにおいてスタートキー113がタッチ操作された時点で、左操作部15Lの入力工程は完了し、これ以降には、ストップキー114L(図示せず)を押さない限り、左操作部15Lでの加熱調理動作は取り消すことができない。
従って、仮に中央操作部15Mの入力キー107をタッチ操作したあと、左操作部15Lの入力キー153L(図示せず)がタッチ操作される前に、中央操作部15Mでの入力工程を完了させた場合には、その時点で、中央操作部15Mでの入力結果が優先し、左操作部15Lの入力機能は無効にされる場合がある(実施の形態1で説明した「占用」)。
この実施の形態3では、中央操作部15Mでの入力工程を完了させる前の段階で、以下のような、音声入力操作の干渉防止動作を採用している。
すなわち、前記中央操作部15Mの入力キー107で、タッチ入力モードTMから音声入力モードVMに切り替える動作を制御装置40が開始した時点から、他の入力操作部15L、15Rにおける新たな調理のための、入力キー153L、153R(図17参照)の入力を禁止する処理を行っている。このため、仮にそれら入力キー153L、153Rを操作しても、制御装置40には何ら有効な指令信号は生成されない。
これによって、中央操作部15Mで音声入力モードVMにより入力を行う期間中は、他の入力操作部15L、15Rにおいて、音声入力モードVMが設定されることがない。そのため、異なる2つ以上の入力操作部で、同じ音声入力を有効な入力として誤って同時に取得することはない。
引き続き、図55について説明する。
制御装置40の通信部51から第1サーバー321に対して、音声入力モード受付開始通知SFが送信される。
第1サーバー321の制御部321Cは、この音声入力モード受付開始通知SFを受信すると、音声入力モード対応期間に入る(ステップSE6)。
このステップSE6の「音声入力モード対応期間」とは、この実施の形態3の特徴の1つである。
「音声入力モード対応期間」とは、第1サーバー321に事前に登録された家電機器(この場合、加熱調理器1)が、音声入力モードで入力操作を受け付ける動作をする期間である。
この「音声入力モード対応期間」になると、第1サーバー321では、事前に登録してある音声入出力器1000からの音声入力信号を受けることが分かる。そのため、第1サーバー321では、所定のデータ形式で音声入力があることに備えたスタンバイ処理をしても良い。
次のステップSE6と次のステップSE7は、この実施の形態3の特徴の1つである。第1サーバー321は、前記「音声入力モード対応期間」になったことを音声入出力器1000へ通知する(ステップSE7)。これにより、音声入出力器1000は、間接的ではあるが、加熱調理器1が音声による入力信号を第1サーバー321経由で受け付けることが分かる。つまり、音声入出力器1000は、加熱調理器1の状態を実際に確認しなくとも、音声入力受付待機(準備モード)に入ることも可能となる。
一方、前記ステップSE4以降に、レシピデータCDを第1サーバー321から取得することも可能である。レシピデータCDの取得を許可する信号は、前記入力キー107がタッチ操作された時点で加熱調理器1から発信される。
このため、加熱調理器1と第1サーバー321との間で自動接続動作を行い、通信接続に成功すると、レシピデータCDの取得モードに進む(ステップSE4A)。なお、このステップSE4Aでは、加熱調理器1の最新状態のデータが第1サーバー321へ送信されるようにしても良い(前記運転状態データOSの1種)。
ステップSE5の段階で制御装置40は、「音声入力モード1」に変更されているから、ユーザーUSが図55に示すように、例えば、複合調理モードKM2の「あたため」という制御メニューの言葉を発声すると、この発話情報を音声入出力器1000が受ける(ステップSE8)。
ユーザーUSから音声入出力器1000に発せられた発話情報は、音声入出力器1000において、テキストデータに変換され、発話情報のテキストデータ(音声入力信号VS1)形式で、前記第2サーバー322に送信される。
第2サーバー322の制御部322Cは、入出力部322Aを介して、テキストデータ(音声入力信号VS1)を受信し、記憶部322Rに記憶されているスタンダードコマンドに変換できるか否かを判断する。
制御部322Cは、発話情報(音声入力信号VS1)のテキストデータからスタンダードコマンドとして用意されている各種コマンドに変換する。
第2サーバー322の入出力部322Aから第1サーバー321に対しては、要求Bが送信される。この要求Bは、例えば前記レシピデータCDの制御条件の一部のパラメータ(例えば、マイクロ波出力500Wを600W)を変更する指令である。そして、第1サーバー321からは、ユーザーUSのための、操作支援データGS1の提供を要求する。
第1サーバー321は、第2サーバー322でスタンダードコマンドに変換されたデータを、前記要求Bとして受信して、加熱調理器1側の要求内容を判別する。そして、加熱調理器1に対して、1つの指令情報Aを生成する(ステップSE9)。
指令情報Aは、例えば、加熱調理器1の音声報知部50に対する報知指令である。図55に示したように、「あたため」という制御メニューに対して、前記指令情報Aは、例えば「あたためメニュー受け付けました。時間設定してください」のような音声での報知である。そして、ユーザーUSに対して、「あたため」メニューについての時間設定情報を送信するように推奨する。そして、前記ステップSE8のように、ユーザーUSからの、更に細かい(下位層の)条件設定があることを待つ。
なお、必ずしもユーザーUSからの一度の音声入力で入力工程が完了するとは限らないので、前記ステップSE8とSE9は、何度も繰り返し行われることもある。
以上のような経緯を経て、第1サーバー321では、「あたため」メニューについての時間設定のためのコマンド(コマンドデータ)を生成し、ネットワークNW経由で加熱調理器1に送信する(ステップSE10)。なお、ユーザーUSが設定した制御条件を反映させたレシピデータCDの全体を送信しても良い。
加熱調理器1では、受信した推奨調理メニューMBである、「あたため」メニューの情報を受信する(ステップSE11)。
この「あたため」メニューでは、調理工程1は、加熱室6で実行することになる。
そのため、ドア7を開けて、被調理物を加熱室6に入れ、再びドア7を閉めるという動作を行うこと必要である。これらのドア7の開閉は、開閉検知部10で行われる(ステップSE12、SE13)。
なお、「あたため」の制御メニューは、ドア7を閉めただけでは自動的に加熱動作は開始されず、加熱開始指令を待つ待機状態に入る。なお、音声報知50は、例えば、「レンジ自動 受付けました。開始キーで加熱開始します」のような案内を行い、ユーザーに対して加熱開始の入力操作を求める(ステップSE14)。
この実施の形態3では、加熱調理器1自身にも直接音声入力を処理できる機能があるため、音声入出力器1000を使用しなくとも良い。
例えば、ステップSE5以降は、ユーザーUSは音声信号受信部56に向けて発声すれば良い。
この実施の形態3の加熱調理器1は、要約すると以下のような構成であった。
すなわち、トッププレート3の上で被加熱物Nを誘導加熱する第1の加熱手段HM1と、加熱室6と、前記加熱室6にマイクロ波を供給するマイクロ波加熱源(第2の加熱手段)HM2と、前記加熱室6を輻射熱で加熱するオーブン加熱源(第3の加熱手段)HM3と、前記加熱室6の内部に高温の蒸気を供給する蒸気発生器(第4の加熱手段)HM4と、入力操作部15(15M、15L、15R)と、表示部16(16M、16L、16R)と音声報知部50を有した報知部90と、外部と無線で情報の授受を行う通信部51と、制御装置40と、を有している。
、
前記制御装置40は、
前記表示部16に待機時初期画面16M1を3つの表示部(16M、16L、16R)表示した後、
(1)前記第1の加熱手段を単独で動作させるIH単独モード
(2)前記第2の加熱手段を単独で動作させるレンジ単独調理モード
(3)前記第3の加熱手段を単独で動作させるオーブン単独調理モード
(4)前記第4の加熱手段を単独で動作させるスチーム単独調理モード
(5)前記第2の加熱手段と前記第3又は第4の加熱手段の一方又は両方を同時に加熱動作させ、あるいは自動的に動作時期を異ならせて、前記加熱室6で加熱調理を行う複合調理モードKM2、
(5)前記第2の加熱手段と、前記第3又は第4の加熱手段の両方又は何れか一方と、前記第1の加熱手段とを、ユーザーからの指令によって長さが定まる移行期間TRを経て、順次動作させる連携調理モードKM1、
を実行できる動作プログラムを有し、
前記連携調理モードKM1は、前記加熱室6を使用して前記移行期間TRの前に行われる調理工程1と、前記移行期間TRの後に、前記トッププレート15の上方で行われる調理工程2と、を含み、
前記制御装置40は、加熱調理を実行するレシピデータCDを、第1サーバー321から受信するとともに、運転状態データOSを前記第1サーバー321へ無線(ネットワークNW経由)で送信する機能を有し、
前記制御装置40は、前記レシピデータCDを取得し、当該レシピデータCDが適用される調理メニューについての制御条件を、前記第1サーバー321からの指令情報(コマンド)を受けて設定する構成であった。
更に、加熱調理器1は、入力操作部15の特定の入力キー(例えば、中央操作部15Mの入力キー107)のタッチ状態に応じて、自動的に音声入力モードVMに変更できる構成であった。
なお、前記第1の加熱手段HM1を単独で動作させるIH単独モードKM3は、左操作部(第1操作部)15Lと、右操作部(第2操作部)15Rと、中央操作部(共用操作部)15Mの、それぞれにおいて実施できる構成であった。
実施の形態3の総括.
以上のように、この実施の形態3では第1の開示に係る加熱調理器1を、以下の形態で開示していた。
すなわち、第1の開示に関する加熱調理器1の1つの形態は、
第1の加熱手段HM1を利用するための、第1加熱源19Lの第1操作部15Lと第2加熱源19Rの第2操作部15Rからの指令を、それぞれ受け付ける制御装置40を備え、
前記制御装置は、加熱室6を利用した調理のための、第2の加熱手段HM2と第3の加熱手段と第4の加熱手段HM4の中央操作部(共用操作部)15Mを有し、
前記制御装置40は、タッチ入力モードTMと音声入力モードVMの2つの入力機能を有し、
前記第1操作部15Lと前記第2操作部15Rには、それぞれ前記音声入力モードVMを設定できるタッチ入力式の入力キー153L、153Rを有し、
前記中央操作部には、それぞれ前記音声入力モードVMを設定できるタッチ入力式の入力キー107、108、109を有し、
前記制御装置40は、前記第1操作部15Lの前記入力キー153Lによって前記音声入力モードTMに切り替えたときに開始される禁止期間ET中、前記第2操作部15Rによる前記音声入力モードVMへの切り替えを制限し、
前記制御装置40は、
(1)前記中央操作部(共用操作部)15Mの前記入力キー107、108、109の何れか1つ(例えば、107)によって、前記音声入力モードTMに切り替えたときに禁止期間ETを開始し、
(2)前記禁止期間ET中は、当該中央操作部(共用操作部)の他の前記入力キー(108,109)による前記音声入力モードVMの設定を制限し、
(3)前記禁止期間ET中は、前記第1操作部15Lと第2操作部15Rにおける前記入力キー153L、153Rの、それぞれによる前記音声入力モードVMへの切り替えを制限すること、
を特徴とする構成である。
このような構成であるため、実施の形態1と同様に、左操作部(第1操作部)16Lと、右操作部(第2操作部)16Rにあるタッチ式の入力キー153L、153Lを利用して、音声入力モードVMへの切り替えができるので、加熱動作開始前の入力工程の面倒な作業を音声で入力できる。これによりユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
また、中央操作部(共用操作部)16Lと、右操作部(第2操作部)15R、左操作部(第2操作部)15Rとの間においても、音声入力モードVMによる音声入力は、1つの操作部だけに限定され、同時並行的に他の操作部のための音声入力は許可されないので、音声入力モードを指定した特定の操作部の入力工程を進めることができる。言い換えると、当該操作部が担当する所定の加熱源だけに、音声による入力を制限できる。
これにより、音声入力の正確性を担保できる上に、加熱動作開始前の入力工程の面倒な作業を音声で入力できるから、ユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
更に、この実施の形態3では以下の形態の加熱調理器1を開示していた。
すなわち、実施の形態3の加熱調理器1の1つの形態は、
本体2と、
前記本体2の内部に形成された加熱室6と、
前記本体2の上面に載置された被加熱物を加熱する第1の加熱手段HM1と、
前記加熱室6で加熱調理する第2の加熱手段HM2と、
前記加熱室6で、輻射熱で加熱調理する第3の加熱手段HM2と、
前記加熱室6で、蒸気で加熱調理する第4の加熱手段HM2と、
前記第1の加熱手段HM1~前記第4の加熱手段HM4の駆動条件を入力する入力操作部15と、
報知手段90と、
前記入力操作部15からの指令を受ける制御装置40と、を備え、
前記入力操作部15の中央操作部15Mには、前記第1の加熱手段HM1~前記第4の加熱手段HM4を使用する複数の調理モード(連携、複合、単独)KM1~KM3の中から1つを選択する(共用操作部15Mに配置された)第1の選択手段(入力キー)107、108、109と、前記第1の選択手段で選択した前記調理モードに属する複数の調理メニューの中から、1つの調理メニュー又は当該調理メニューに適用する制御条件を選択する第2の選択手段(ダイヤル式選択手段)123と、を有し、
前記第1の選択手段107、108、109は、(前記調理モード毎に設けられた)タッチ式入力キーであり、
前記第2の選択手段123は、ダイヤル式の選択手段であり、
前記第1の選択手段107、108、109は、操作時間の長さが閾値以上であった場合、音声入力モード設定信号MC1を発する、
ことを特徴とする構成である。
このような構成であるため、中央操作部15Mにあるタッチ式の入力キー107、108、109を利用して、音声入力モードVMへの切り替えができるので、加熱動作開始前の入力工程の面倒な作業を音声で入力できる。これによりユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
更に、ダイヤル式選択手段123を回動操作することで、簡単に調理メニューや制御メニューを選択することができるから、加熱調理開始前の準備作業の操作性が向上する。
更に、実施の形態3では、前記音声入力モードへの切り替えを指示できるタッチ式の入力キー(107、108、109)を操作することによって、前記調理モード又は前記制御メニューを選択した以降に、外部からのレシピデータCDの取得を許可する構成であった。
このような構成であるため、各種のレシピデータCDを外部から取得するタイミングを、入力操作部15によってコントロールすることができる。
更に、この実施の形態3では第5の開示に係る加熱調理システムを、以下の形態で開示していた。
すなわち、第5の開示に係る加熱調理システムの1つの形態は、
加熱調理器1と、
被加熱物Nを加熱する加熱調理器1と、
前記加熱調理器1と無線通信によるネットワークNWを介して接続されるクラウドサーバー300(第1サーバー321、第2サーバー322等)及び音声入出力器1000と、
を備えており、
前記音声入出力器1000は、前記加熱調理器1に対してレシピデータCDに関するコマンドデータを前記クラウドサーバー(第1サーバー321)300経由で送信する機能を有し、
前記加熱調理器1は、前記レシピデータCDに関するコマンドデータを前記クラウドサーバー300から取得する機能を有し、
前記加熱調理器1は、第1加熱源19L用の第1操作部15Lと第2加熱源19R用の第2操作部15Rからの指令を、それぞれ受け付ける制御装置40を備え、
前記制御装置40は、タッチ入力モードTMと音声入力モードVMの2つの入力機能を有し、
前記加熱調理器1は、前記第1操作部15Lによって前記音声入力モードVMに切り替えた場合、禁止期間ET中は、前記第2操作部15Rによる前記音声入力モードVMへの切り替えを制限すること、
を特徴とする構成であった。
このような構成であるため、左操作部(第1操作部)16Lと、右操作部(第2操作部)16Rを利用して、第1の加熱部に相当する左加熱口4L(第1加熱源19L)と、第2の加熱部に相当する右加熱口4R(第2加熱源19R)で、それぞれ加熱調理できる。
しかも、それら加熱部16L、16Rを使用するための入力工程では、タッチ入力モードから音声入力モードへの切り替えが簡単に(「長押し」操作で自動的に)できるので、加熱動作開始前の入力工程の面倒な作業を音声で入力できる。これによりユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
しかも、加熱調理器1は、前記第1操作部15Lによって前記音声入力モードTMに切り替えた場合、禁止期間ET中は、前記第2操作部15Rによる前記音声入力モードVMへの切り替えが制限されるから、前記第1操作部15Lの方の音声入力が終わっていない段階で第2操作部15Rの操作で音声入力モードVMが開始されることがない。このため、実施の形態1で説明したように、2つの加熱源に対する音声入力が時間的に重なり、干渉したり、誤った入力になったりすることが防止される。
これにより、ユーザーUSによる音声入力の確実性を向上させることができ、操作性や安全性も向上することが期待できる。
更に、前記加熱調理器1は、前記音声入力モードに切り替えた状態で、前記レシピデータCDを取得する待機状態となり、
前記クラウドサーバー300は、前記音声入出力器1000を介してレシピデータCDの提供要求を受けた場合、前記加熱調理器1に対して、前記レシピデータCDを送信し、
前記加熱調理器1は、前記音声入力モードVMの状態で、取得した前記レシピデータCDに関する制御条件の入力を行うことができる構成である。
この第5の開示の加熱調理システムによれば、ネットワークを利用して外部から取得したレシピデータCDを利用して加熱調理ができる。
また、レシピデータを取得する際に、自動的に音声入力モードVMに変更されるので、その後に取得したレシピデータに関する制御条件の入力作業の際に、音声で入力することが可能となり、ユーザーUSの入力操作の効率化や入力負荷の軽減に貢献することができる。
更に、ダイヤル式選択手段123を回動操作することで、簡単に調理メニューや制御メニュー、制御条件の、少なくとも何れか1つを選択することができるから、加熱調理開始前の準備作業の操作性が向上する。
更に、前記音声入出力器1000を介して、加熱調理器1で実行したい加熱調理モードや制御条件等をクラウドサーバー(第1サーバー321)300に伝達して、目的のレシピデータCD(コマンドデータを含む)を加熱調理器1に提供するように指示できるから、ユーザーUSの入力操作の効率化や入力負荷の軽減に貢献することができる。
更に、この第5の開示の加熱調理システムは、音声入出力器1000によってクラウドサーバー(第1サーバー321)300に対して、前記在庫データSD1の提供を要求することによって、最新の在庫データSD1を加熱調理器1が取得できる。
従って、ユーザーUSによる冷蔵庫403の在庫状況を、ユーザーUSが簡単に知ることができ、事前に冷蔵庫403の食材を確認して、適切な調理メニューを選択することができる。
更に実施の形態3で開示した第5の開示の加熱調理システムの1つの形態は、
加熱調理器1から、前記音声入力モードに選択されたことを示す音声入力モード受付開始通知SF(図55参照)を、外部(第1サーバー321)に対して発信することを特徴とする構成であった。
このため、音声入力モード受付開始通知SFを受信した第1サーバー321においては、「音声入力モード対応期間」を設定できる。そして、第1サーバー321では、音声入出力器1000からの音声入力信号を受けることに備えた準備(スタンバイ処理)をすることができる。
更に、前記音声入力モード受付開始通知SFの情報を、音声入出力器1000が取得することにより、加熱調理器1が音声による入力信号を受け付けることが分かる。これにより、音声入出力器1000は、加熱調理器1の状態を実際に確認しなくとも、音声入力受付待機(準備モード)に入ることも可能となり、調理における入力工程の所要時間を短縮することが期待できる。
実施の形態4.
図56~図66は、本開示に係る実施の形態4を示すものである。図56は、実施の形態4を示した加熱調理器の、中央表示部と中央操作部を拡大した平面図である。図57は、図56に示した加熱調理器の右表示部と右操作部とを拡大した平面図である。図58は、図56に示した加熱調理器の制御装置と入力操作部(中央操作部)の機能的構成を示すブロック図である。図59は、図56に示した加熱調理器において、主電源投入以後の左右操作部の入力工程を示すフローチャート1である。図60は、図56に示した加熱調理器において、主電源投入以後の中央操作部の入力工程を示すフローチャートである。図61は、図56に示した加熱調理器において、主電源投入以後の中央操作部の入力工程を示すタイムチャートである。図62は、図56に示した加熱調理器において、外部からレシピデータを取得して連携調理モードへ移行する前の、中央表示部と中央操作部の状態を示す説明図1である。図63は、図56に示した加熱調理器において連携調理モードのレシピデータを取得する際の、中央操作部と中央表示部との表示内容を示した説明図2である。図64は、中央操作部と右操作部において、同時に加熱調理を行う場合の、音声入力モードの干渉防止対策を説明するタイムチャートである。図65は、図56に示した加熱調理器において、外部から送信されたレシピデータを受信処理する制御装置の動作を示すフローチャートである。図66は、図56に示した加熱調理器において、外部から送信されたレシピデータの受信途中と、表示結果を示す中央表示部の表示動作説明図である。なお、図1~図55に説明した各実施の形態の構成と、同一又は相当部分は、同じ符号を付けている。
次に図56について説明する。
図56は、加熱調理器1の中央表示部と中央操作部を拡大した平面図である。主電源スイッチ20(図示せず)をONする前の段階である。
実施の形態4の加熱調理器1は、操作部15として、中央操作部15Mと、右操作部15R及び左操作部15Lを、それぞれ有している。
以下の説明では、左操作部15Lと右操作部15Rを、それぞれ「単独操作部」と呼ぶ場合がある。
図56において、中央操作部15Mには、音声入力モードを選択する入力キー180を配置している。この入力キー180は、機械的なスイッチでも良いし、後述する入力キー153M~159Mのように、タッチ式入力スイッチの入力キーでも良い。
この音声入力を選択する入力キー180は、一度押すと、その時点のあとからの入力を音声で行うことができるものである。
この入力キー180を押すと、「音声入力モード2」の状態に切り替わる。
但し、この入力キー180を押した後、加熱手段(第1の加熱手段HM1)を音声で選択することはできない。また、入力キー180を押すと、スタートスイッチ113を押して加熱調理動作が開始されるまでの期間中は、「音声入力モード2」を取り消すことができない。加熱調理動作が開始されると、その時点で自動的に音声入力モード2の設定が解除される。
従って、入力キー180は、例えば、加熱室6における加熱調理や、中央加熱口4Cにおける加熱調理を選択する入力キー153Mをタッチ操作(「短押し」)した後、それに続いて操作されることが必要である。つまり、入力キー153Mを「長押し」すれば、音声入力モード2に切り替えられるが、ここで「長押し」せずに「短押し」した場合、そのあとで入力キー180を押せば、その時点から音声入力モード2に切り替えることができる。
実施の形態1で説明した通り、本実施の形態4の入力キー180は、「音声入力モード2」の選択以降、前記音声入力専用キー180以外の(一部の)前記入力キー(例えば154M7、156M等)の入力機能を一時的に無効にするケース(この制御パターンを、「音声入力モード2A」という)と、無効にしないケース(この制御パターンを、「音声入力モード2B」という)の2種類がある。
何れも、ここでいう「音声入力モード2」に該当する。以下の説明では、特に明記したい限り、「音声入力モード2A」の場合を前提にして説明する。
中央操作部15Mは、主に加熱室6における加熱調理と中央加熱口4Cによる加熱調理に関する操作を入力するものである。
図56に示すように、中央操作部15Mは、9個の入力キー113、114、153M、154M、155M、156M、157M、158M、159Mと、前記入力キー180と、を備える。
前記した9個の入力キー113、114、153M、154M、155M、156M、157M、158M、159Mは、1回のタッチ操作の都度、入力指令信号が発せられる静電容量方式のタッチ式キーである。
21Mは、前記入力キー113、114、153M、154M、155M、156M、157M、158M、159Mの近傍に配置した個別発光部である。対応する入力キーの入力機能が有効である場合に発光して表示する。つまり、実施の形態1で説明した個別発光部21M1~21M5に相当するものである。
21Vは、音声入力モードであることを表示する表示部であり、発光ダイオード等の発光素子によって下方から照らされる。
この実施の形態4では、加熱調理モードを選択するための、2つの特定の入力キー(153M、154M)について、実施の形態1で説明したような「長押し」を判別し、前記「音声入力モード1」に切り替える機能がある。
前記個別発光部21MはLEDで構成され、入力キー113、114、153M、154M等の、入力機能が有効になると発光開始し、有効である期間中は発光を継続している。
隣接している2つの入力キー155Mと154Mは、第1エリア22の表示内容を変更することでは共通であるため、1つの発光部21Mを共用している。
隣接している2つの入力キー157Mと156Mは、第2エリア23の表示内容を変更することでは共通であるため、1つの発光部21Mを共用している。
隣接している2つの入力キー159Mと158Mは、第3エリア24の表示内容を変更することでは共通であるため、1つの発光部21Mを共用している。
スタートキー113は、加熱調理を開始するために押下げ(タッチ操作)される入力キーである。ストップキー114は、加熱調理を一時停止または終了するために押下げられる(タッチ操作される)入力キーであり、また、連携調理モードKM1の調理工程を、途中で取り消すことができる。
前記入力キー153Mは、主電源スイッチ20をONにした後で操作した場合、連携調理モードKM1を選択する入力キーである。
入力キー154Mと155Mは、主電源スイッチ20をONにした後で(入力キー153Mを押さない状態で)操作した場合、前記複合調理モードKM2と単独調理モード3を選択する入力キーである。
4つの入力キー156M~159Mは、マイクロ波出力や加熱調理時間等の制御条件をユーザーUSが(一定の範囲内で)設定できる機能がある。
2つの前記入力キー153M、154Mは、デフォルト設定になっている「タッチ入力モード」を、前記「音声入力モード1」に切り替えることが可能な「音声入力切替キー」とも呼ぶ。但し、これら2つの入力キーが、「音声入力切替キー」の機能を発揮するのは、タッチ操作が「長押し」であった場合に限られる。
中央操作部15Mを操作して、前記単独調理モードKM3、複合調理モードKM2及び連携調理モードKM1の何れか1つを選択した場合、その選択結果が、前記中央表示部16Mに表示される。
また、中央操作部15Mや左右の操作部15L、15Rにおいて、音声入力モードVMに切り替えた場合には、全ての表示部16で、音声入力モードであることが文字で表示される。
例えば、中央表示部16Mでは、第1特定画面16M1~第3特定画面16M3において、特定のマークが表示される(図28、図38のマーク179A参照)。
図57に示すように、前記入力キー154Mおよび155Mは、中央表示部16Mの第1エリア22に隣接して、その前方近傍に配置されており、中央表示部16Mの第1エリア22に表示された画面の表示内容を切り替えるためのキーである。
123は、ダイヤル式の選択手段であり、実施の形態1で説明したダイヤル式の選択手段123と同様に、連携調理メニューや複合調理モードKM2の制御メニューを選択できる。また、火力や加熱温度などの制御条件も選択できる。
この実施の形態4では、この中央操作部15Mに設けたダイヤル式の選択手段123によっても、中央操作部15Mの入力工程において、音声入力モードVMが、任意のタイミングで開始できる。この点が、実施の形態4の大きな特徴の1つである。
前記選択手段123は、回動中心点CPを中心として、図56に矢印で示すように時計回りと反時計回りの双方に摘み部分(ダイヤル部分)を回すことができる。また、1回転以上回転させることもできるが、一定の回動範囲に制限していても良い。なお、選択手段123は、前記中心点CPにある回動軸123Aによって中央操作部15Mに、回動自在に固定されている。
更に、この実施の形態4では、前記選択手段123は、回動中心点CPにある前記回動軸123Aの軸線方向に一定範囲(数mm程度)移動可能である。つまり、押し込むことが可能である。
前記回動軸123A(図示せず)を囲むように配置した圧縮バネなどの付勢手段(図示せず)により、押し込むことを止めれば、常に元の突出した位置に自動的に復帰するようになっている。なお、前記回動軸123Aとは、回動中心点CPにある直線状の軸だけに限定されず、当該回動中心点CPを中心とした同心円状の中空筒体でも良い。
このようなダイヤル部分が回動しながら、火力等を変更し、一方、回動軸に沿った方向に移動してスイッチ等を開閉するスイッチ装置は、加熱調理器の分野では、特開2005-69561号公報や、特許第3810901号公報によって提案されているので、詳しい説明は省略する。
前記選択手段123は、ダイヤル部分(摘み部分)を回動することに応じて、第1エリア22~第3エリア24に表示された調理メニューや制御メニュー、制御条件等を1段階ずつ変更することができる。例えば、第1エリア22に表示された調理メニューや制御メニューを変更する場合は、対応する入力キー154M、155Mの何れか1つをタッチ操作し、それに続けて選択手段123のダイヤル部分(摘み部分)を回動すれば良い。
一方、前記選択手段123は、前記回動軸123A(図示せず)に沿った方向に移動できるので、回動しながらでも一定範囲押し込むことができる。前記回動軸123Aに沿った方向に押し込むと、回動軸123Aによって音声入力スイッチ123S(図示せず)の作動部を押すことになる。つまり、前記選択手段123は、前記回動軸123Aに沿った方向に押し込んだ時に、音声入力スイッチ123S(図示せず)をONにする。
音声入力スイッチ123S(図示せず)がONになると、実施の形態1で説明した「入力モード切替指令MC1」(音声入力モード設定信号MC1)と同様に、中央操作部15Mから制御装置40に対して音声入力モードの設定信号MCが発信される。詳しくは図58で説明する。
以上のように、前記選択手段123は、前記回動軸123Aに沿った方向に押し込んだときに音声入力モード設定信号MC1を発し、音声入力モードに切り替えることができる。このため、第1エリア22の調理メニューや制御メニューを選択している途中や、第2エリア23に表示されたデフォルト設定の制御条件(火力や設定温度等)を見ている段階で、随時音声入力モードを設定できる。
入力キー53M(「長押し」操作)による音声入力設定と同様に、この選択手段123による音声入力設定も、1度設定すると、ユーザーUSがその後で任意のタイミングでは解除できない。
スタートキー113を押して加熱調理動作が開始されたときに自動的に解除され、通常のタッチ入力モードに復帰する。
次に図57について説明する。
図57は、加熱調理器1の右表示部16Rと右操作部15Rとを拡大した平面図である。
図57において、右操作部15Rには、音声入力モードを選択する機能のある入力キー153Rを配置している。この入力キー153Rは、後述する6つの入力キー113R、114R、156R、157R、190R、191Rと同じく、タッチ式入力スイッチである。
前記入力キー153Rは、主電源投入後に最初に押すと、右加熱口4Rを調理工程1で使用する連携調理モードKM1を選択することができるものである。この点が、実施の形態1~3と大きく異なっている。
この入力キー153を「長押し」操作すると、「音声入力モード2」の状態に切り替える信号を、右操作部15Rが制御装置40に対して発する。
但し、この入力キー153Rを押した場合は、その後、スタートスイッチ113Rを押して加熱調理動作が開始されるまでの期間中は、「音声入力モード1」を取り消すことができない。加熱調理動作が開始されると、その時点で自動的に音声入力モード1の設定が解除される。
つまり、実施の形態1で説明した通り、本実施の形態4の入力キー153Rは、「音声入力モード1」の選択以降、前記入力キー153R以外の(一部の)前記入力キー(190R、191R、156R、157R)の入力機能を一時的に無効にするケース(この制御パターンを、「音声入力モード1A」という)を採用している。この「音声入力モード1A」という)の状態を、「音声入力モード1B」に変更するには、中央操作部15Mの機能設定用の入力キー115を操作する必要がある。
以下の説明では、特に明記しない限り、「音声入力モード1A」の場合を前提にして説明する。
右操作部15Rは、右加熱口4Rによる加熱調理に関する操作を入力するものである。右加熱口4Rを、調理工程1として使用する連携調理モードKM1と、右加熱口4Rを使用して誘導加熱調理を行う単独調理モードKM3の調理を設定できる。
図57に示した各種入力キー113R、114R、153R、154R、155R、156R、157Rに対応した入力キーは、図示していないが、左操作部15Lにも備えている。また、ダイヤル式選択手段123Rに対応した選択手段123L(図示せず)も、左操作部15Lが具備している。
21Rは、前記入力キー113R、114R、153M、154R、155R、156R、157Rの近傍に配置した個別発光部である。対応する入力キーの入力機能が有効である場合に発光して表示する。つまり、図56で説明した個別発光部21Mに相当するものである。
21VRは、音声入力モードであることを表示する表示部であり、発光ダイオード等の発光素子によって下方から照らされる。この表示部21VRは、前記入力キー153Rによって音声入力モードが設定された場合と、ダイヤル式選択手段123Rによって音声入力モードが設定された場合の、両方の場合で点灯する。この点が、実施の形態4の特徴の1つである。
この実施の形態4では、右操作部15Rにおいて、加熱調理モードを選択するための特定の入力キー(153R)について、実施の形態1で説明したような「長押し」を判別し、前記「音声入力モード1」に切り替える機能がある。
右表示部16Rは、第1エリア22と第2エリア23の2つの表示エリアを有しており、場面に応じて第1エリア22と第2エリア23の面積は変化する。また、待機時初期画面16MHは、第1エリア22と第2エリア23の両方が一体になった形で表示される。
入力キー190Rと191Rには、それぞれに1つずつ発光部21Rを設けている。
隣接している2つの入力キー157Rと156Rは、第2エリア23の表示内容を変更することでは共通であるため、1つの発光部21Rを共用している。
113Rは、加熱調理を開始するために押下げ(タッチ操作)されるスタートキーであり、114Rは、加熱調理を一時停止または終了するために押下げられる(タッチ操作される)取消用のストップキーである。
前記入力キー153Rは、主電源スイッチ20をONにした後で、中央操作部15Mの入力キー153Mと左操作部15Lの入力キー153L(図示せず)よりも先にタッチ操作(「短押し」、「長押し」の何れでも良い)した場合、右操作部15Rで開始できる連携調理モードKM1を選択する入力キーである。
入力キー190Rは、前記入力キー153をタッチ操作した後でタッチ操作されると、連携調理モード1を選択できる入力キーである。
入力キー191Rは、前記入力キー153をタッチ操作した後でタッチ操作されると、誘導加熱源による単独調理モード3を選択できる入力キーである。
例えば、最初に第1エリア22に表示された連携調理メニューが「ハンバーグ」であった場合、次に入力キー190Rを再度1回タッチ操作すると、次の候補の「ローストビーフ」に変わる(図33参照)。
つまり、第1エリア22に表示された1つの連携調理メニューの「ハンバーグ」の識別情報167が後方に移動する。これと同時に、前方側に表示されている「ローストビーフ」の識別情報169が第1エリア22の前後方向の中央に表示される。
一方、入力キー153Rの次に、入力キー191Rを押した場合、最初に第1エリア22に(デフォルト設定で)表示された単独制御メニューが「保温」であった場合、次に入力キー191Rを再度1回タッチ操作すると、次の候補の「煮込み」に変わる。更に、入力キー191Rを1回タッチ操作すると、「湯沸かし」の制御メニューに変わる。このようにして、実行すべき調理メニューや制御メニューの識別情報160、167を、第1エリア22の前後方向の中央に表示させる。スタートスイッチ113Rを押した時点で、第1エリア22の前後方向の中央部に表示されている識別情報の、調理メニューや制御メニューが実行される。
2つの入力キー156Rと157Rは、連携調理モードKM1と、単独調理モードKM1の各調理において、第2エリアに表示される制御条件を選択するものである。
例えば、入力キー156Rと157Rを、それぞれタッチ操作する毎に、制御条件が1段階ずつ変化する。例えば、最初に第2エリア23に表示されたデフォルト設定の火力レベルは、右側の入力キー156Rを押す度に、1段階ずつあげられる。
逆に、左側の入力キー157Rでは、1段階ずつ下げることができる。
右操作部15Rによって、前記単独調理モードKM3及び連携調理モードKM1の何れか1つを選択した場合、その選択結果が、前記右表示部16Rに表示される。なお、その場合、単独調理モードKM3は、第3特定画面16R3で表示される。また、連携調理モードKM1の場合は、第1特定画面16R1で表示される。図57は、第3特定画面16R3の例である。
280は、単独調理モードKM3の1つの制御メニューである「煮込み」メニューを示す識別情報である。281は、制御条件表示部である。図57では、加熱時間が30分間と表示されている。
123Rは、ダイヤル式の選択手段であり、実施の形態1で説明したダイヤル式の選択手段123と同様に、連携調理メニューKM1の調理メニューや単独調理モードKM1の制御メニューを選択できる。また、火力や加熱温度などの制御条件も選択できる。
ダイヤル式選択手段123Rは、中央操作部15Mのダイヤル式の選択手段123と同様に、回動軸123A(図示せず)の軸方向に押し込むことにより、「入力モード切替指令MC1」(音声入力モード設定信号MC1)が、右操作部15Rから制御装置40に対して発信される。なお、ダイヤル式の選択手段123によって発せられる音声入力モードは、「音声入力モード3」と呼ぶ場合がある。これは入力キー107等による「音声入力モード1」と入力キー140による「音声入力モード2」と、説明上で区別するためである。
以上の説明から明らかなように、この実施の形態4では、この右操作部15Rに配置した選択手段123Rによっても、音声入力モード(音声入力モード3)が、右操作部15Rの入力工程において、任意のタイミングで開始できる。この点が、実施の形態4の大きな特徴の1つである。
なお、左操作部15Lにおける構成も、この右操作部15Rの構成と同じである。
次に図58について説明する。
図58は、加熱調理器1の制御装置40と中央操作部15Mの機能的構成を示すブロック図である
この図58で示す構成は、実施の形態1の図9で説明した構成と基本的には同じであるが、大きく異なる点は、ダイヤル動作検知部15Hである。
ダイヤル動作検知部15Hは、実施の形態1のダイヤル回転検知部15Gに相当するが、次の通り異なっている。
ダイヤル回転検知部15Gは、ダイヤル式の選択手段123の回動に応じて発生するパルス信号を検知し、回動した角度に応じた指令信号に変換して、当該指令信号を入力キー識別部15Aに入力する構成であった。なお、ダイヤル式の選択手段123は、時計回り方向と反時計回り方向の両方に回動するが、その回動方向も判別していた。
これに対して、ダイヤル動作検知部15Hは、前記ダイヤル回転検知部15Gの機能に加えて、ダイヤル部分(摘み部分)を回動軸123A方向に移動させたかどうかも検知しており、一定以上移動した場合には、音声入力スイッチ123S(図示せず)がONとなるので、このON信号を入力モード判定部15Cにインプットする。従って、入力モード判定部15Cは、音声入力スイッチ123Sからの信号を受けて、音声入力モード(音声入力モード3)の指令を受けたと判定する。
このようにして、入力モード判定部15Cからは、「音声入力モード3」であるかどうかの判定結果を示す信号(音声入力モード対応信号MC1)を、前記制御装置40に送信することができる。なお、右操作部15Rと左操作部15Lの構成も、この図58に示した中央操作部15Mの構成と基本的に同じである。
次に図59について説明する。
図59は、加熱調理器1において、主電源投入以後の右操作部15Rの入力工程を示すフローチャート1である。
右操作部15Rの動作プログラムは、右操作部15R専用に設けたマイクロコンピュータ(図示せず)の記憶部15DR(図示せず)に記憶させてある。当該記憶部15DRは、図58に示した記憶部15Dと同様なものである。なお、左操作部15Lについても、左操作部15R専用に設けたマイクロコンピュータ(図示せず)の記憶部15DL(図示せず)に記憶させてある。
図59において、ステップS100~S112が、前記記憶部15DRに記憶させてある動作プログラムである。
また、図59において、白抜きの数字は、右操作部15Rの中の該当する入力キーを示している。また、ダイヤル式の選択手段123Rについては記載を省略している。
主電源スイッチ20がONされると、右表示部16Rと左表示部16L、中央表示部16Mに、それぞれ待機時初期画面16MHが表示される(ステップS100)。
次に、待機時初期画面16MHが表示されている状態で、右操作部15Rの入力キー153Rをタッチ操作すると、右加熱口4Lの第2加熱源19Rを選択したことになる。
次に、入力キー191Rをタッチ操作すると(ステップS101)、単独調理モードKM3が選択されたことになる。そのため、表示部16Rは、待機時初期画面16RHから、第3特定画面16R3に表示が切り替わる(ステップS102)。
ステップS103は、外部の通信端末200やクラウドサーバー300等から、レシピデータCDを取得する処理を示す。このように、レシピデータCDを取得することは必須ではない。
前記第3特定画面16R3には、例えば、図57で説明したように、制御メニューが少なくとも1つ表示されているが、入力キー191Rを更に1回タッチ操作する度に、次々と別の制御メニューを第1エリア22に表示させることができる(ステップS104)。
目的の制御メニューを第1エリア22の中に表示させた状態では、デフォルト設定で制御条件が第2エリア23に表示される。その制御条件を変更するために、入力キー156R又は157Rをタッチ操作すれば良い(ステップS105)。
制御メニューと制御条件の組み合わせで良ければ、最後にスタートスイッチ113Rを押す(ステップS106)。これによって単独調理モードKM3の加熱調理が開始される。
一方、前記ステップS101で、入力キー191のタッチ操作がなく、入力キー190Rがタッチ操作されると(ステップS107)、連携調理モードKM1が選択されたことになる。そのため、表示部16Rは、待機時初期画面16RHから、第1特定画面16R1に表示が切り替わる(ステップS108)。
ステップS109は、外部の通信端末200やクラウドサーバー300等から、連携調理モードKM1の分野で、特定のレシピデータCDを取得する処理を示す。このように、レシピデータCDを取得することは必須ではない。
前記第1特定画面16R1には、第1エリア22に、連携調理メニュー(例えば「ハンバーグ」等)が少なくとも1つ表示されるが、入力キー190Rを更に1回タッチ操作する度に、次々と別の連携調理メニューを、第1エリア22に表示させることができる(ステップS110)。
目的の連携調理メニューを第1エリア22の中に表示させた状態では、デフォルト設定で制御条件が第2エリア23に表示される。その制御条件を変更するために、入力キー156R又は157Rをタッチ操作すれば良い(ステップS111)。
連携調理メニューと制御条件の組み合わせで良ければ、最後にスタートスイッチ113Rを押す(ステップS112)。これによって連携調理モードKM1の加熱調理が開始される。
図59に、破線の枠で示していることから分かるように、最初に入力キー153Rを「長押し」操作した場合には、ステップS101の段階からスタートキー113Rを押すまでの期間を、音声入力モードVMによって、音声で入力できる。
次に図60について説明する。
図60は、加熱調理器1において、主電源投入以後の中央操作部の入力工程を示すフローチャート1である。
中央操作部15Mの動作プログラムは、図58に示した記憶部15Dに記憶させてある。
図60において、ステップSM10~SM19が、図58に示した記憶部15Dに記憶させてある動作プログラムである。
また、図60において、白抜きの数字は、中央操作部15Mの中の該当する入力キーを示しており、ダイヤル式の選択手段123については記載を省略している。
主電源スイッチ20がONされると、右表示部16Rと左表示部16L、中央表示部16Mに、それぞれ待機時初期画面16MHが表示される(ステップS10)。そして報知部90によってもユーザーUSに入力操作を促す案内が行われる。
次に、制御装置40は、異常がないことを判定した後、中央操作部15Mの入力機能を有効にする(左右の操作部15L、15Rでも有効化される)。
また、経過時間を計測する動作を開始する(ステップSM11)。
待機時初期画面16MHが表示されている状態で、入力キー153Mをタッチ操作する(「短押し」でも「長押し」でも良い)と、連携調理モードKM1を選択したことになる(ステップSM12)。このため、第1特定画面16M1が表示される(ステップSM13)。
前記第1特定画面16M1には、第1エリア22に、連携調理メニュー(例えば「ハンバーグ」等)が少なくとも3つ表示されるが、入力キー154M又は155Mを更に1回タッチ操作する度に、次々と別の連携調理メニューを、第1エリア22に表示させることができる(ステップSM14)。
目的の連携調理メニューを第1エリア22の中に表示させた状態では、その連携調理メニューに対応しているデフォルト設定の、制御条件が第2エリア23に表示される。その制御条件を変更するために、入力キー156M、157Mをタッチ操作すれば良い。その後、スタートスイッチ113を押では、連携調理モードKM1の加熱調理が開始される。
一方、待機時初期画面16MHが表示されている前記ステップSM12の段階で、入力キー153Mをタッチ操作せず、入力キー154をタッチ操作する(「短押し」でも「長押し」でも良い)と、加熱室6を使用する複合調理モードKM2と単独調理モードKM1を選択したことになる(ステップSM15)。このため、第2特定画面16M2と第3特定画面16M3の共用画面が表示される(ステップSM16)。
前記第2特定画面16M2と第3特定画面16M3の共用画面には、複合調理モードKM2と単独調理モードKM1で実行できる制御メニューが、複数個ずつ表示される。例えば、実施の形態1(図6と図11参照)のように3つずつ識別情報160~162が表示される。
そこで、次のステップSM17では、入力キー154Mと155Mを操作して、希望する制御メニューを第1エリア22の前後方向中央に表示させることで、複合調理モードKM2の制御メニューの選択を行う。すると、第2特定画面16M2が表示される(ステップSM18)。
一方、ステップSM17で複合調理モードKM2の制御メニューを選択しなかった場合には、単独調理モードKM3を選択したことになるので、第3特定画面16M3が表示される(ステップSM19)。
また、図60に示したステップSM15において、入力キー154でもタッチ操作が無かった場合には、判定は「No」となり、ステップSM20に進む。このステップSM20では、時間計測部15T(図58参照)により、予め設定してある制限時間TXを超過したかどうかの判定が行われる。制限時間TXを超過していなかった場合、ステップSM12に戻る。
一方、予め設定してある制限時間TXを超過しているとステップSM20で判定された場合、ステップSM21に進む、自動的に主電源を遮断する処理(実施の形態1で説明した「自動遮断処理1」と同じ)が行われる。そして一連の動作を終了する。このようにして、入力キー153Mと154Mの何れも入力操作されない状態が継続した場合、入力機能が有効となった時点(ステップSM11)から制限時間TX(例えば、30分間)を超過すると、自動的に主電源スイッチ20が開放される。
なお、前記入力キー153Mと154Mの何れでも、ステップSM12又はSM15において、「長押し」操作された場合には、その時点から音声入力モードに切り替えることができるので、図60で示したタッチ入力操作を、大幅に省略することができる。
なお、ステップSM18とSM19以降には、制御条件を設定するステップがあるが、図示を省略している。それら制御条件の設定は、入力キー156M~159Mによって行うことができる。
次に図61について説明する。
図61は、加熱調理器1において、主電源投入以後の中央操作部15Mの入力工程を示すタイムチャート1である。図61において、四角の枠で囲った数字は、該当する入力キーを示すものである。
図61は、横軸に時間経過に従って「連携調理メニューの選択段階」、「制御条件の選択段階」、「加熱調理段階」の区分で、操作すべき入力キーを示したものである。
図61に示すように、入力キー153Mを「短押し」操作した場合と、「長押し」操作した場合の2つのケース別に、音声入力モードVMの時間的長さを示している。つまり、前記した禁止期間ETの長さを示している。
(1)入力キー153Mを「短押し」操作した場合
「連携調理メニューの選択段階」は、入力キー154M、155Mが操作される。
その際に、ダイヤル式選択手段123を回動操作してから軸方向に移動させた場合、
あるいは回動操作せずに軸方向に移動させると、音声入力モードBを設定できる。
「制御条件の選択段階」では、入力キー156M、157Mが操作される(なお、入
力キー158M、159Mの場合もある)。
この段階でも、ダイヤル式選択手段123を回動操作してから軸方向に移動させた場
合、又は回動操作せずに軸方向に移動させると、音声入力モードCを設定できる。
「加熱調理段階」では、スタートキー113を操作すると、加熱調理動作に移行でき
る。
音声入力モードBと音声入力モードCは、スタートキー113を操作した段階で終了
する。
(2)入力キー153Mを「長押し」操作した場合
「連携調理メニューの選択段階」で、入力キー153Mを「長押し」操作した段階か
ら、音声入力モードAを設定できる。
スタートキー113を操作すると、加熱調理動作に移行できる。音声入力モードAは
、スタートキー113を操作した段階で終了する。
図61で示した音声入力モードAと音声入力モードBは、この図61の説明のために区分けしたものであり、本質的に同じである。
音声入力モードCは、制御条件だけを音声入力できる点で、音声入力モードAと音声入力モードBよりも入力できる範囲が狭い。
次に図62について説明する。
図62は、実施の形態4の加熱調理器1において、外部からレシピデータを取得して連携調理モードKM1へ移行する前の、中央表示部16Mと中央操作部15Mの状態を示す説明図1である。
図62は、中央操作部15Mによって連携調理モードKM1の調理メニューで「ハンバーグ」を開始しようとする場面を示している。
図62の段階は、外部からレシピデータCDとしてハンバーグの調理データを取得したことを、外部レシピ識別部173で表示している。
図62に示している状態では、前記入力キー154Mと155Mは、連携調理メニューを「ハンバーグ」以外に変更する機能はない。これは、受信したのがハンバーグのレシピデータであるためである。
図62では、入力キー156Mと157Mに対応した個別発光部21M1には、星形マークを付けているように、これら2つの入力キー156M、157Mは、何れも入力機能が有効である。つまり、右加熱口4Rと左加熱口4Lのどちらかを選択できる。
図62の場面で、ハンバーグの連携調理モードKM1を選択する際に、入力キー153Mを「長押し」操作した場合は、この図62の、入力キー154~159は、何れも入力機能は無効となる。有効なのは、星形のマークを付けているスタートキー113だけとなる。つまり、前記音声入力モード1Bに設定された場合には、これら入力キー153M~159Mの入力機能は無効となる。従って、音声入力によって制御条件をインプットすることになる。
次に図63について説明する。
図63は、加熱調理器1において連携調理モードKM1のレシピデータCDを取得する際の、中央操作部15Mと中央表示部16Mとの表示内容を示した説明図2である。この図63は、図62の場合と異なり、音声入力モードを選択してからレシピデータCDを取得した場合の、中央表示部16Mの表示形態を示している。
この図63で示している補助情報179は2種類である。すなわち、1つは、音声入力モードであるため、音声で入力を受け付けていることを示す音声入力モード表示情報179Dである。もう1つは、制御条件の入力を推奨し、また入力できる制御条件の例(標準値)を含む参考情報179Eである。
173は、ネットワークNW経由又は通信端末200経由で取得したレシピデータCDに基づく調理メニューであることを示す、外部レシピ識別部である。これによって、第1特定画面16M1に現在表示されている連携調理メニューは、外部から取得したものであることが容易に分かる。
図63の状態では、前記入力キー153M~159は、タッチ入力できる機能はない。これは、それぞれの対応する個別発光部21M1に、星形マークを付けていないことから明らかである。つまり、前記音声入力モード1Bに設定されていた場合には、音声入力モードを選択する操作を入力キー153Mで行った以降、このようにスタートキー113以外の入力機能は無効となる。なお、まだ、図63の段階では、予熱温度の設定が行われていないので、スタートキー113も入力機能は有効になっていない。
次に図64について説明する。
図64は、中央操作部15Mと右操作部15Rにおいて、同時に加熱調理を行った場合を仮定して、音声入力モードVMの干渉防止対策を説明するタイムチャートである。なお、左操作部15Lにおいても、この図64に示した干渉防止対策と同じ制御を採用している。
図64は、実施の形態1の図43に対応した図である。図43と同様にこの図64においても、「153M」という符号は、中央操作部15Mの前記入力キー153Mを示し、「113」は、前記スタートキー113を示している。「123」は、ダイヤル式選択手段123を示している。
「153R」は、中央操作部15Mの入力キー107に対応した、右操作部15Rの入力キーである(図57参照)。「113R」、「114R」も、右操作部15Rのスタートキー113Rとストップキー114Rを、それぞれ示している。
図64に示しているように、中央操作部15Mにおいて、入力キー153Mを「短押し」した場合では、更に入力キー153Mのタッチ操作の後でダイヤル式選択手段123を操作し、スタートキー113を押せば、加熱調理動作(調理工程)が開始される。
一方、最初の入力キー153Mのタッチ操作が「長押し」であった場合には、音声入力モードに切り替わるので、スタートキー113を押すことで加熱調理動作(調理工程)が開始される。
1回の加熱調理のための入力工程を終え、加熱調理が開始された場合、自動的に音声入力モードが解除される(音声入力モードVMは終了し、自動的にデフォルト設定のタッチ入力モードTMに復帰する)。
従って、調理工程の途中では、音声入力によって加熱調理を停止したり、再開したり、あるいは火力等の制御条件を、音声入力で行うことはできない。調理工程の途中では、全てタッチ操作によって制御する必要がある。
更に、実施の形態4の加熱調理器1では、前記制御装置40は、1つの入力操作部15(例えば、中央操作部15M)に関する前記音声入力モードVMの開始指令と、別の入力操作部(右操作部15R又は左操作部15L)に関する前記音声入力モードVMの開始指令とを、同時に受け付けないことを特徴とする構成である。これを模式的に示したものが、この図64である。
右操作部15Rの、加熱調理選択(単独調理モードKM2の選択)と、前記音声入力モードの切り替え(開始)指令は、入力キー153R(図57参照)で行う必要がある。
この図64は、実施の形態1の図43で説明した構成と少し異なっており、その相違点を中心に以下説明する。
中央操作部15Mの入力キー153Mが「長押し」されて、音声入力モードが開始された場合、仮に右操作部15Rが、前記した「占用」状態にない場合は、右操作部15Rの入力キー153R、190R、191R(図57参照)の入力機能は有効である。
そこで、右操作部15Rの入力キー153Rを、「長押し」操作した場合には、右加熱口4Rの加熱調理は選択できる(制御装置40に入力が受け付けられる)が、「長押し」しても、音声入力モードVMには設定できない。この点が、図43の構成と大きく異なっている。つまり、右加熱口4Rの選択だけができるので、以後は、タッチ入力モードTMのまま入力を進めることになる。
この図64に破線の枠で入力キー153Rを示したように、右操作部15Rから、音声入力モード設定信号MC1は発信されない。つまり、音声入力モードの指令信号は、制御装置40に受付を拒否される。従って、仮に「長押し」であっても、音声入力モードVMには切り替わらない。但し、入力キー153Rをタッチ操作したことは、制御装置40にインプットされるので、通常の「タッチ入力モード」での入力は許可される。なお、右表示部16Rにおいて、このようなタッチ入力モードでの「条件付きの受付」を、同時に報知しても良い。この後、スタートキー113Rを押せば、右加熱口4Rでの加熱調理動作が開始できる。
従って、中央操作部15Mで音声入力モードになっていて、未だ加熱調理動作が開始されていない場合には、右操作部15Rで音声入力モードに設定することができないから、ユーザーUSが(中央操作部15M用に)発した音声信号を、右操作部15Rの入力指令であると、右操作部15Rの音声信号受信部56R(図示せず)が取得することはない。
なお、図64に示すように、中央操作部15Mの「音声入力モード」がスタートキー113の操作によって終了した以降においては、既に右操作部15Rでは、入力キー191Hが押され、制御メニューの選択や、入力キー156R、157Rによって制御条件の入力工程に進んでいるので、途中からタッチ入力モードTMが音声入力モードVMに自動的に復帰することはない。なお、そのように途中で音声入力モードに変更する場合は、ダイヤル式選択手段123Rを軸方向に1回押し込み、音声入力モードVMへの切り替えを行う必要がある。
図64では、中央操作部15Mと右操作部15Rとの間の、音声入力モードの干渉防止対策を説明したが、中央操作部15Mと左操作部15Lとの間でも、同様に対策が実行される。また、左操作部15Lと右操作部15Rとの間でも、音声入力モードVMの干渉防止対策も実行される。例えば、左操作部15Lと右操作部15Rにおいて、同時に単独調理モードKM3によって調理する場合である。
次に図65について説明する。
図65は、加熱調理器1において、外部から送信されたレシピデータを受信処理する制御装置40の動作を示すフローチャートである。
制御装置40において、データの取得処理を担当する通信部51は、データ取得部53(図8と図9参照)と連携して、以下に説明するステップSC1~SC7の動作を行う。
外部から通信部51経由でレシピデータCDを受信すると、一旦、一時メモリーに当該データを格納する(ステップSC1)。
通信部51では、最初に加熱調理器1の全体の状態情報を取得する。この状態情報とは、加熱調理器1の制御装置40の状態を示す情報である。そのため、例えば第1の加熱手段HM1~第3の加熱手段HM3が、加熱制御部43によって、どのような状態であるかを確認した情報となる。
例えば、既に制御条件の設定を終えており、加熱動作開始直前の待機状態であることや、温度センサー群30からの温度検出信号を受けている状態などの情報を、前記通信部51が取得する(ステップSC2)。
通信部51では、このような状態確認の動作を、加熱調理器1の各構成部分に向けて、一定時間間隔で何度も繰り返し行い、最新の正確なデータを収集する。
こうして、加熱調理器1が受信したレシピデータCDの内容に従った制御に移行できる状態であるかどうかを判断できる情報が、この通信部51によって集約される。
加熱調理器1では、通信端末200との間の最初の通信状態確立の段階で、当該通信端末200側に対して、通信部51から前記「機器識別情報」を始めとしたデータを提供している。
そのため、加熱調理器1の通信部51は、直前で送信した前記機器識別情報を始めとしたデータの内容と、通信端末200から前記ステップSC1で受信したレシピデータCDの内容を照合する(ステップSC3)。なお、図65に破線で示しているように、データの収集と照合は、一定の制限時間内に何度も実行される。
そして、通信部51から送信したデータの内容と受信したレシピデータの内容に齟齬がないと判定すると、状態情報の判定を終える(ステップSC4)。なお、このステップSC4では、加熱室6の温度や最大使用電力の上限値を規定している「ピークカット値」の状況等の「許可条件1」と「許可条件2」を満たすかどうかの判定も同時に行われるが、これについては、詳しい説明を省略する。
ステップSC4の判定結果が「Yes」であった場合、通信部51からの判定結果を受けてデータ取得部53は、レシピデータCDを所定の記憶エリアに格納し、この直後に行われる加熱調理に備える(ステップSC5)。
次にステップSC6に進み、データ取得部53は、通信部50からレシピデータCDの送信元である通信端末200に対して、レシピデータCDを取得したことを示す信号を送信する。当該信号を受けて、通信端末200では、レシピデータCDの送信が成功したことが分かる。
更に、データ取得部53は、表示部16においてレシピデータCDを取得したことを表示する(ステップSC6)。この表示の例としては、図66で説明する外部レシピ識別部173や、レシピデータCDを受信したことを示す受信情報179Fがある。こうしてスタートスイッチ151Mからの指令を待つ状態に移行する。
一方、ステップSC4の判定結果が「No」であった場合、通信部51からの判定結果を受けてデータ取得部53は、通信部51から外部(送信元の、通信端末200)に対してレシピデータCDは受信できない旨の内容を含んだ信号(データ)を発信する(ステップSC7)。なお、この65では、連携調理モードKM3の場合であったが、複合調理モードKM2についても、このような「不受信のメッセージ」(「不許可通知」ともいう)は発信される。
なお、通信端末200は、加熱調理器1からの前記ステップSC7の通知を受けると端末側表示部216(図示せず)にその旨表示する。なお、通信端末200のスピーカ(図示せず)で報知しても良い。
次に図66について説明する。
図66は、加熱調理器1において、外部から送信されたレシピデータの受信途中と、表示結果を示す中央表示部16Mの表示動作説明図である。
図66(A)と図66(C)に示した表示画面は、まだ識別情報167が表示されていないので、まだ待機時初期画面16MHの段階である。174は、受信動作表示部であり、外部からレシピデータCDを受信している途中であることを文字で表示している。
図66(B)は、レシピデータCDを無事に受信した段階の表示例である。
図66(A)に示しているように、レシピデータCDの受信動作中は、進捗マーク16Fは、黒い三角形と白い三角形の2種類ある。レシピデータCDの受信動作開始直後は、黒い進捗マーク16Fが1つであるが、受信動作が進むにつれて順次その数が増えて行き、最終的に黒い三角形の進捗マーク16Fが5つ並んだ状態となる。
レシピデータCDが、図65で説明したように「状態判定」と「許可条件判定」によって「不受信処理」となった場合、図66(C)に示すように、受信動作表示部174は、受信動作に失敗した不受信情報(不許可情報)174Fに変化する。
図66(C)において、174Aは、受信支援情報である。この図66(C)では、許可条件の内、加熱室6の最新の温度が規制値を超えていた例であり、対処方法として、ドア6を開放して加熱室6の内部の熱気を早く放出することを知らせている。なお、加熱室6で高温の加熱調理を行った場合には、加熱調理を終えた後も加熱室6の壁面は高温になっており、そのためドア6を閉めたままにしておくと、その後で再度調理を開始したいと思った場合に、このような温度が原因で、直ぐに調理を開始できない事態が想定される。なお、入力キー115によって機能設定モードにし、加熱室6を使用した加熱調理の場合、調理の終了後の温度が下がるまで、加熱室6に空気を供給する冷却ファン(図示せず)の運転を継続するように事前に設定しておいても良い。
図66(B)は、レシピデータCDの受信を終えた直後の、第1特定画面16M1を示した模式図である。
この図66(B)に示したように、第2エリア23と第3エリア24が結合された広いエリアには、補助情報179が表示される。
補助情報179は、右加熱口4Rで調理工程1を行う「ハンバーグ」のレシピデータCDを受信したことを示す受信情報179Fと、制御条件の入力を推奨し、また入力できる制御条件の例(標準値)を含む参考情報179Eと、の2種類である。
更に、この図66(B)の例では、ハンバーグを最初に予熱するときの標準温度が180℃であることを示している。この温度は、ユーザーUSが音声で入力(例えば、「予熱 190℃」と発声)によって変更できる。
実施の形態4の総括.
以上の説明から明らかなように、この実施の形態4では、以下の通り第5の開示に関する加熱調理器1を開示していた。
すなわち、第5の開示に関する加熱調理器の1つの形態は、
本体2と、
前記本体2の内部に形成された加熱室6と、
前記本体2の上面に載置された被加熱物を加熱する第1の加熱手段HM1と、
前記加熱室6で加熱調理する複数の加熱源を有する第2の加熱手段HM2と、
前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2の駆動条件を入力する入力操作部15と、
報知手段90と、
前記入力操作部15からの指令を受ける制御装置40と、を備え、
前記入力操作部15には、タッチ入力手段として、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2を使用する複数の調理モードの中から1つを選択する第1の選択手段(入力キー153M、154M、153R、153L)と、前記第1の選択手段で選択した前記調理モードの中から1つの調理メニュー又は制御メニューを選択する第2の選択手段(154M、155M、190R、190L)と、前記第2の選択手段で選択した前記調理メニュー又は前記制御メニューに適用する制御条件を選択する第3の選択手段(156M、157M、156R、157R、156L、157L)を有し、
前記入力操作部には、前記調理メニュー、前記制御メニュー、又は前記制御条件の、少なくとも何れか1つを選択できるダイヤル式の選択手段123を有し、
前記ダイヤル式の選択手段123は、回動操作に応じて前記調理メニュー、前記制御メニュー、又は前記制御条件の、少なくとも何れか1つを選択し、かつ、前記回動操作と異なる操作(回動軸123Aの軸線方向への移動)をした場合、音声入力モード設定信号MC1を発する、
ことを特徴とする構成である。
このような構成であるため、例えば、中央操作部15Mでは、前記調理メニュー、前記制御メニュー、又は前記制御条件の、少なくとも何れか1つを、ダイヤル式の選択手段123の回動操作によって選択でき、しかも、当該ダイヤル式の選択手段123を、前記回動操作と異なる操作(回動軸123Aの軸線方向への移動)をした場合、音声入力モードVM(音声入力モード3)に設定することができる。
このため、1つのダイヤル式選択手段123によって加熱動作開始前の入力工程の面倒な作業を効率よく行うことができる。これによりユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
更に、実施の形態4における加熱調理器1では、ダイヤル式選択手段123と対応して設けている表示部16において、調理メニューや制御メニューの候補を表示させることができるから、加熱調理開始前の準備作業の操作性が向上する。
更に、この実施の形態4における加熱調理器の1つの形態は、例えば、中央操作部15Mにおいて、入力キー153Mを1回(長押し操作)して連携調理モードKM1を選択することによっても、音声入力モード(音声入力モード1)に設定することができる。
更に、中央操作部15Mにおいて、入力キー154Mを1回(「長押し」操作)して複合調理モードKM2を選択することによっても、音声入力モードVMに設定することができる。
従って、最初に入力キー153M、154M、また、右操作部15Rでは入力キー153Rを、長押し操作によって音声入力モード(音声入力モード1)に切り替えることに加え、ダイヤル式選択手段123、123Rでも音声入力モード(音声入力モード3)に切り替えることができる。なお、入力キー180によっても音声入力モード2を設定できる。
このように、音声入力モードVMへ切り替える手段が3つあることから、入力作業の途中段階でも音声入力を簡単に選択することができる。
更に実施の形態4の加熱調理器1では、特に図61で説明したように、1回の加熱調理のための入力工程を終え、加熱調理が開始された場合、自動的に音声入力モード(音声入力モードB、音声入力モードC)が解除され、デフォルト設定のタッチ入力モードTMに復帰するので、次の加熱調理の入力を開始する際に、音声入力モードを解除するためだけに、入力キー等をタッチ操作する必要がなく、使い勝手が良い。
更に、この実施の形態4の加熱調理器1では、前記制御装置40は、前記中央操作部(15M)に関する前記音声入力モードVMの開始指令と、右操作部15R又は左操作部15Lに関する前記音声入力モードVMの開始指令とを、同時に受け付けないことを特徴とする構成である。
すなわち、中央操作部15Mと、右操作部15Rと、左操作部15Lの(図示せず)の3者の間では、最も早くタッチ操作(「長押し」操作)して音声入力モードに移行した場合、当該音声入力モードに移行した操作部の入力が完了し、スタートキー113(113R、113L)が押されるまでは、他の2つの操作部におけるタッチ操作による設定(「長押し」操作による音声入力モードVMの設定)は、制御装置40によって阻止される。
この構成であるため、複数の入力操作部(中央操作部15Mと、左右の操作部15L、15R)を備えた加熱調理器1において、1つの入力操作部(例えば、右操作部15R)で入力操作して、既に音声入力モードによる入力段階に進んでいる場合には、仮にその直後に、他の入力操作部(中央操作部15Mと左操作部15L)を「長押し」操作しても、このような後から操作開始した入力操作部の影響(音声入力モードの設定)を受けることなく、先に操作開始した入力操作部(上記例では、右操作部15R)における、音声による入力作業をそのまま続行できる。従って、誤ってユーザーUSが違う入力操作部にタッチしても、既に開始している音声入力作業が途中で無効になったり、中断したりすることはない。
更に、この実施の形態4で示した加熱調理器1は、前記制御装置40は、1つの入力操作部(例えば、中央操作部15M)において、1つの入力キー(例えば、153M)のタッチ入力を有効として、制御条件の入力(レシピデータCDの取得による調理を含む)を音声入力モードで終えて、スタートキー113による操作を待っている待機状態では、取り消しのためのストップキー114(114L、114R)によって、当該待機状態が取り消されない限りは、他方の入力操作部からの音声入力モードの設定信号を受け付けないことを特徴とする構成である。
この構成であるため、複数の入力操作部(中央操作部15Mと、左右の操作部15L、15R)を備えた加熱調理器1において、1つの入力操作部が音声入力モードでの入力(調理メニュー、制御メニューの選択や、制御条件の入力、レシピデータCDの取得処理)を外部との通信で実行している段階では、他の入力操作部を操作しても、後から操作開始した入力操作部は、既に音声入力モードによる入力工程を開始した入力操作部に対して、何ら影響を与えない。つまり、後から操作した入力操作部の影響(音声入力モードの設定)を受けることなく、本来の入力作業を実行できる。従って、誤ってユーザーUSが違う入力操作部にタッチしても、本来のレシピデータCDの取得作業等が不用意に無効になったり、中断したりすることはない。
更に、この実施の形態4では、第6の開示に関する加熱調理システムを以下の形態で開示した。
すなわち、第6の開示に関する加熱調理システムの1つの形態は、
被加熱物を加熱する加熱調理器1と、
前記加熱調理器1と無線通信で接続されるクラウドサーバー300又は通信端末200と、を備えており、
前記通信端末200又は前記クラウドサーバー300は、前記加熱調理器1に対してレシピデータCDを送信する機能を有し、
前記加熱調理器1は、待機時初期画面16MHが表示された後、前記レシピデータCDを前記通信端末200又は前記クラウドサーバー300から取得する機能を有し、
前記加熱調理器1は、複数の加熱手段を組み合わせて使用する複数の調理モードの内から、1つの調理モードを選択するタッチ式入力キー153M、154Mと、回動操作に応じて前記調理モード毎に複数設けた調理メニュー又は制御メニューの内から、1つを選択できる、ダイヤル式の選択手段123と、を設け、
前記加熱調理器1は、前記入力モードの1つが前記タッチ式入力キー153M、154Mで選択された後に、前記ダイヤル式の選択手段123が、その回動中心を貫通する軸線方向に移動操作した場合、音声入力モードVM(音声入力モード3)に設定すること、
を特徴とする構成である。
このような構成であるため、例えば、中央操作部15Mにあるタッチ式の入力キー153M、154Mを利用して、音声入力モードへの切り替えができるので、加熱動作開始前の入力工程の面倒な作業を音声で入力できる。これによりユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
更に、ダイヤル式選択手段123を回動操作することで、簡単に調理メニューや制御メニューの候補を前記表示部16に選択可能に表示させることができることに加え、軸線方向に移動させることで音声入力モードVMも選択できる。このため、ダイヤル部分(摘み部分)を持ったまま、2種類の操作をするだけでメニューの選択と音声入力モード(音声入力モード3)の選択ができ、入力作業の効率化が期待できる。
更に、この実施の形態4では、以下の通り第6の開示に関する加熱調理器1を開示していた。
すなわち、第6の開示に関する加熱調理器の1つの形態は、
第1の場所(加熱口4L、4R、4C)で加熱する第1の加熱手段HM1と、
前記第1の場所と異なる加熱室6で加熱する第2の加熱手段HM2と、
表示部(中央表示部16M、左表示部16L、右表示部16R)を有する報知手段90と、
前記第1の加熱手段のための単独操作部(左右表示部)15L、15Rと、
前記第1の加熱手段と前記第2の加熱手段の共用操作部15Mと、
前記単独操作部15L、15Rと前記共用操作部15Mからの指令を、それぞれ受ける制御装置40と、を備え、
前記制御装置40は、タッチ入力モードTMと音声入力モードVMの2つの入力機能を有し、
前記単独操作部15L、15Rには、タッチ入力式の入力キー153L、153Rを有し、
前記共用操作部15Mには、タッチ入力式の入力キー153Mを備え、
前記制御装置は、前記単独操作部15L、15Rの前記入力キー153L、153Rと、前記共用操作部15Mの前記入力キー153Mの、それぞれのタッチ状態に応じて、タッチ入力モードTMから音声入力モードVMへの切替要否を判定し、
前記制御装置40は、前記共用操作部15Mの前記入力キー153Mによって前記音声入力モードTMに切り替えた場合、加熱調理工程に移行するまでの期間中は、前記単独操作部16L、16Rの前記入力キー153L、153Rによる前記音声入力モードVMへの切り替えを制限し、
前記制御装置40は、前記共用操作部15Mの前記入力キー153MによってレシピデータCDの取得指令を受け、当該レシピデータを受信した場合、予め定めた許可条件を満たしているかどうかを判定し、許可条件を満たしていない場合、不許可処理の通知(不受信情報)174Fを外部へ発信することを、
特徴とする構成であった。
このような構成であるため、各種のレシピデータCDを外部から取得するタイミングを、共用操作部15Mによってコントロールすることができる。また、入力操作部15にあるタッチ式の入力キー153Mを利用して、音声入力モードVMへの切り替えができるので、加熱動作開始前の入力工程の面倒な作業を音声で入力できる。これによりユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
更に、前記レシピデータCDの取得ができた場合、当該レシピデータCDの取得を示す情報173が、前記表示部16(中央表示部16M)によって表示されるので、ユーザーUSがレシピデータCDの取得を容易に認識でき、調理開始までの操作性を向上させることが期待できる。
更に、加熱調理器1が、外部からレシピデータCDを受信した場合、事前に定めた許可条件に従って、当該加熱調理器1で実行できるレシピデータCDを選別し、更に、選別によって不適合とされたレシピデータCDの送信元である通信端末200に向けて、通知を行っているから、送信元である通信端末200において、レシピデータCDが正常に受け付けられているという誤解を招くことも防止できる。従って、ユーザーUSの利便性や操作性を向上させることができる。
更に、この実施の形態4に示した加熱調理器1においては、レシピデータCDが、許可条件の判定によって「不許可処理」となった場合、図66(A)に示したように、受信動作表示部174は、受信動作に失敗した不受信情報(不許可情報)174Fの表示に変化するので、加熱調理器1側においてもレシピデータCDが正常に受け付けられていないことをユーザーが直ぐに知ることができる。
また、その際に、受信支援情報174Aも表示されるので、ユーザーUSが対処できる方法が直ぐに分かり、ユーザーUS側の負担を軽減できるから、この面においても操作性を向上することができる。
更に、第6の開示に関する加熱調理器1において、前記制御装置40は、前記音声入力モードVMへの切り替えをする場合、1つの調理モード(例:連携調理モードKM1)に対応した特定画面(例:第1特定画面16M1)を前記表示部(例:中央表示部16M)で表示し、
前記特定画面16M1には、前記音声入力モードVMにおいて、選択できる制御条件の範囲又は標準値に関する情報を表示する構成を開示していた。
すなわち、図66(B)において、標準値に関する情報として「予熱標準温度180℃」の制御情報を、参考情報179Eとして表示していた。
そこで、このような参考情報179Eとして、1つの標準値を示すのではなく、入力できる許容範囲(上限値と下限値)を表示しても良い。例えば、図66(B)の例であれば、「170℃~190℃」のように表示すると良い。
ユーザーUSが、これら参考情報179Eを見て、音声入力を発する際に参考にし、加熱調理器1で許容される制御条件を入力することができる。
すなわち、ユーザーUSが音声で入力できることと、音声で入力できる制御条件の範囲を事前に示すことで、無駄な音声入力や不適切な条件の発声等が回避でき、結果的にユーザーUSの操作性が向上する。
実施の形態5.
図67は、実施の形態5に係る加熱調理システムの構成図であり、スマートフォン等の通信端末200と加熱調理器1との間の通信(情報授受)の経緯を示した説明図である。図68は、図67に示した加熱調理システムで使用する通信端末の、端末側表示画面を示す説明図1である。図69は、図67に示した加熱調理システムで使用する通信端末の、端末側表示画面の説明図2である。図70は、図67に示した加熱調理器において、中央操作部と中央表示部のレシピデータ受信過程を示す動作説明図である。図71は、加熱調理器と外部のクラウドサーバー及び通信端末との動作ステップを時系列で示した説明図である。図72は、クラウドサーバーを介在させない場合の、加熱調理器と通信端末との動作ステップを時系列で示した説明図である。図73は、図68と図69に示した通信端末の、表示動作の変形例を示した説明図である。図74は、図67に示した通信端末の、表示動作の変形例を示す説明図である。図75は、図67に示した通信端末が、加熱調理器から不受信通知を受けた以降の動作を示すフローチャートである。なお、図1~図66に説明した各実施の形態の構成と、同一又は相当部分は、同じ符号を付けている。
この実施の形態5では、通信端末200から加熱調理器1に対してレシピデータCDを提供する場合に、加熱調理器1側で許可されないレシピデータCDを送信した場合の処理を改善した点が、実施の形態1~4と大きく異なる。
図67について説明する。
実施の形態5の加熱調理システムでは、実施の形態1~4で説明したクラウドサーバー300や、第1サーバー321等のネットワーク環境の図示を省略し、加熱調理器1と通信端末200との関係を主体に記載している。
この実施の形態5では、この図67に示すように、加熱調理器1に対して通信端末200を直接的に接続できる。実際にはキッチン601の内部において、加熱調理器1の近傍から加熱調理器1と双方向通信を行う構成である。
図67において、ステップSE21~SE37は、加熱調理器1の制御装置40の主要な動作ステップと、通信端末200の動作ステップとを、それぞれ時系列で示している。
この図67に示した加熱調理器1は、加熱室6において第3の加熱手段HM3を使用した加熱調理を行って、その調理の終了後、短時間の内に再び加熱調理器1の主電源スイッチ20(図示せず)をONにした場合の例である。すなわち、加熱室7の温度は、まだ前の加熱調理(輻射熱加熱手段12による加熱)の影響で高温(例えば80℃以上)になっていた場合である。
主電源スイッチ20をONにすると、加熱調理器1は起動する(ステップSE21)。この起動によって制御装置40は、自己の異常有無をチェックし、異常がない場合には、表示部16を起動して中央表示部16Mや左右の表示部16L、16Rには、待機時初期画面16MHを表示する(ステップSE22)。
この図67に示す加熱調理器1は、中央操作部15Mの構成は、実施の形態4と同じである。
図67に示しているように、待機時初期画面16MHが表示された段階(ステップSE22)を経て、ステップSE23では、前記通信端末200との自動接続動作を行い、通信接続に成功すると、レシピデータCDの取得待機モード(取得準備)に進む。
次のステップSE24では、加熱調理モードの選択が行われる。例えば、複合調理モードKM2を選択するために、入力キー153Mをタッチ操作せず、入力キー154Mをタッチ操作する。すると、第2特定画面16M2が表示される。そして、仮に更に、別の入力キー154Mをタッチ操作した場合には、デフォルト設定された制御メニュー(例えば、「あたため」とは違う調理メニュー(例えば、「レンジ手動」)を選択できる。
この実施の形態5では、実施の形態4の構成と同じく、加熱調理モードを選択するための、2つの特定の入力キー(153M、154M)について、実施の形態1で説明したような「長押し」を判別し、前記「音声入力モード1」に切り替える機能がある。
前記ステップSE4において、音声入力切替キーの1つである入力キー153M又は154Mのタッチ操作時には、そのタッチ状態が「長押し」であるか「短押し」であるかを、中央操作部15M(図示せず)で判定し、その判定結果(音声入力モード1の指令信号)が制御装置40に入力される。
従って、入力キー153をタッチ操作せずに、入力キー154Mをタッチ操作した場合、そのタッチ操作が「長押し」状態であれば、その時点から、制御装置40は、「音声入力モード1」(実施の形態1参照)に変更される(ステップSE25)。
制御装置40の通信部51から通信端末200に対して、音声入力モード開始通知SFを送信する。そのため、通信端末200は、レシピデータCDの送信ができる準備状態になる(ステップSE26)。
この後、実施の形態2で説明したように、ユーザーUSが通信端末200の音声入力部222(図47参照)に対して直接音声で指令内容を入力するか、又は通信端末200のタッチ操作部215(図47参照)を操作して、レシピデータCDを特定する入力を行う。
図67に示すように、ユーザーUSが複合調理モードKM2の「あたため」を選択し、これを送信する(ステップSE27)。
前記「あたため」の制御メニューは、マイクロ波によって加熱室6内に置いた被調理物を加熱するメニューであるが、赤外線センサー13を含む温度センサー群30の働きによって、被調理物の温度を非接触で、かつ、リアルタイムで監視しながら加熱調理するものである。従って、実施の形態1で説明したように、加熱室6の壁面等の内部温度が最初から高いと、この制御メニューは制御装置40が実行しないようになっている。
ユーザーUSが、例えば、「レンジ 10分」等のフレーズで発声した場合、通信端末200は、この音声情報を受け付けて、制御メニューとして「レンジ手動」で加熱時間10分間、というレシピデータCDを抽出し、加熱調理器1に送信できる。なお、通信端末200は、ユーザーUSの音声情報を通信端末200自身で解読処理できない場合には、実施の形態2で説明したようなクラウドサーバー(第2サーバー322等)に音声データを送信して、そのクラウドサーバー300からの提供データを利用しても良い。
制御装置40は、ステップSE28において「許可条件3」を満たしているかどうかの判定を行う(ステップSE28)。
実施の形態1(特に、図23のステップSM61)で説明したように、複合調理モードKM2の場合には「許可条件3」を満たすかどうかの判定を行う。ここでいう「許可条件3」とは、加熱室6の最新の温度を温度センサー群30によってチェックした結果の温度が、例えば、デフォルト設定されている温度検知範囲(80℃以下)という、1つの閾値(基準値)を超えていないかどうかを判定する。なお、この温度検知範囲は、加熱調理器1側で(一定の範囲内で)変更できる。但し、75℃、80℃、85℃等のように一定の温度差で設定するようになっている。
ステップSE28の「許可条件3」の判定によって、「許可条件」を満たしていない場合には、この段階で「不許可処理」をされる(ステップSE29)。
ここでいう「不許可処理」とは、初期待機画面16MHにおいて「レシピ受信しましたが、加熱室が高温で調理できません」のような表示をすることや、音声報知部50によって同様な報知をする処理である。
更に、この実施の形態5では、通信端末200に対して、上記の「不許可処理」の内容を送信する(ステップSE29)。
すなわち、加熱調理器1側では、ステップSE28において、加熱室6が以前の加熱の影響で高温度(例えば、80℃以上)になっていた場合、「許可条件3」を満たさないので、「不許可処理」の内容を通信端末200に対して送信する。
すると、通信端末200は、上記の「不許可処理」の内容を端末側表示部216に表示する(ステップSE30)。この状態は、次の図68において詳しく説明する。
この後は、ユーザーUSが、表示操作部225のタッチ操作部215をタッチ操作するか、又は、音声入力部222を使用して音声で、制御メニューの「あたため」について取り消したり、制御条件等を変更したりする入力を行う(ステップSE31)。
次に、ユーザーUSがタッチ操作部215をタッチ操作するか、又は、音声入力部222を使用して音声で、制御メニューの「あたため」について送信を指令すると(ステップSE32)、加熱調理器1は、新しいコマンドを通信端末200から受信する(ステップSE33)。
すなわち、ステップSE33では、今度は、「あたため(手動)」の制御メニューを、レシピデータCDとして受信したことになる。この後、ステップSE28で説明したように、制御装置40は、「許可条件」を満たしているかどうかの判定を行う。
「あたため(手動)」は、加熱室6の温度が、仮に100℃を超えていた場合でも、前記「許可条件3」は満たす。そのため、加熱時間のデータがステップSE33のレシピデータCDに含まれていれば、このレシピデータCDを実行するという指令(コマンド)は、加熱調理器1で実行できる内容である。
この図67には示していないが、加熱調理器1は、レシピデータCDを「問題なく受信した」旨の受信通知を、ステップSE33の後の「許可条件3」の判定直後に、通信端末200に送信すると、送信側でも容易に確認できる。
また、同時に加熱調理器1では、「あたため(手動)」の制御メニューに対応した第2特定画面16M2が中央表示部16Mに表示され、その第2特定画面16M2において、「あたため(手動)」のレシピデータCDを受信したことが表示され、また、音声報知部50によっても報知される。
加熱調理器1では、受信した「あたため(手動)」のメニューの調理工程は、加熱室6で実行することになるので、ドア7を開けて、被調理物を加熱室6に入れ、再びドア7を閉めるという動作を行うこと必要である。これらのドア7の開閉は、開閉検知部10で行われる(ステップSE34、SE35)。
なお、ドア7の開放・閉鎖は、第2特定画面16M2で表示されるか、又は音声報知部50によって報知され、ユーザーUSの動作を促す。
また、「あたため」の制御メニューは、ドア7を閉めただけでは自動的に加熱動作は開始されず、加熱開始指令を待つ待機状態に入る。なお、音声報知50は、例えば、「レンジ自動 受付けました。開始キーで加熱開始します」のような案内を行い、ユーザーに対して加熱開始の入力操作を求める(ステップSE36)。
その後、入力キー(スタートキー)113がタッチ操作されると、加熱調理動作が実際に開始される(ステップSE37)。
図67において、ステップSE24~SE37の前までの期間が、全ての加熱調理モードのレシピデータCDの取得可能期間TB1である。また、同じ期間が、全ての加熱調理モードのレシピデータCDの取消可能期間TB2である。
更に、同じ期間が、全ての加熱調理モードのレシピデータCDの制御条件(火力や、加熱時間等)の変更が可能な変更可能期間TB3である。これらは、図36で詳しく説明したので、重複した説明は省略する。
次に、図68に示す通信端末200の動作について説明する。
図68は、加熱調理器1に対して送信するレシピデータCDの制御条件を決定する場面を示したものである。
この図68は、複合調理モードKM2の1つの制御メニューの「あたため」(自動調理メニュー)をユーザーUSが選択する場面である。レンジ(マイクロ波加熱)の(加熱上限)設定温度を75℃に変更する過程を説明する図である。
図68(A)(B)において、484は、複合調理モードKM2の制御メニューの名称表示部であり、この場合は、「RG制御メニュー」という名称が表示される。RGとは、
実施の形態1で説明したRG制御メニュー群をいい、マイクロ波発振部(マグネトロン)11による加熱と輻射熱加熱手段12による加熱を組み合わせたものであり、時間や加熱温度を設定することにより、自動的に調理工程が進む「自動調理」の、制御メニューの1種である。
図68(A)に示したように、レンジグリル(RG)制御メニューの名称表示部(アイコン)504には、それに隣接して次の表示候補である「オーブン」と「葉菜下ゆで」の名称(RG制御メニューの識別情報)が、少し小さく表示される。
ユーザーUSは、図68(A)に示された状態で、レンジの設定温度を75℃に変更したい場合には、75℃の表示部分に指先FGを載せれば良い。
また、制御メニューの「あたため」を「オーブン」や「葉菜下ゆで」に変える場合も、同様にように「オーブン」や「葉菜下ゆで」の近傍にある候補切り替えマーク(アイコン)519、520にタッチすれば良い。
レンジグリル(RG)制御メニューの「あたため」では、設定温度のデフォルト値は80℃である。この「あたため」のレンジ(マイクロ波加熱)の(加熱上限となる)設定温度を75℃に変更したい場合には、75℃の表示部分(RG制御メニューの温度表示部505)の下のアイコン520に指先FGを載せれば良い。すると、図68(B)の状態に表示部216が変化する。
図68(A)において、506は、参考画像表示部である。参考画像は写真以外でも良く、制御メニューの「あたため」のイメージを示すイラストでも良い。
524は、補助情報表示部であり、参考画像表示部506の近傍に表示される。この図83(B)では、設定温度を選ぶようにユーザーUSに勧めている。
次に、図68(B)について説明する。
図68(B)に示すように、設定温度は75℃に変更された表示になっており、この状態において、遠隔操作信号の送信(確定)キー表示部(アイコン)521が初めて表示される。
この図68(B)では、この送信キー表示部521を選ぶと、この図68(B)に表示された「レンジ単独調理モードKM1」の制御メニュー「あたため」の設定情報(レシピデータCD)が、遠隔操作情報として加熱調理器1に一括して送信される。これは、図67のステップSE27の段階である。
図68(B)において、495は、最初のメニュー表示画面に戻ることを選択するメニュー画面表示部(アイコン)である。
505は、RG(レンジグリル)制御メニューの温度表示部(アイコン)である。この図68(A)の例では、デフォルト値が80℃であるが、選択できる次の候補として75℃と85℃があるため、それらも同時に表示している。
521Aは、補助情報表示部であり、参考画像表示部506の近傍に表示される。この図68(A)では、前記送信キー表示部(アイコン)521を押せば、入力作業は完了することを説明している。
次に、図69(A)について説明する。
図69(A)は、送信結果表示画面216Rであり、レシピデータCDを送信後、必ず表示される専用画面である。
この送信結果表示画面216Rは、2種類ある。1つ目の画面は、この図69(A)に示す画面である。これは、まだ加熱調理器1からの送信結果を受信していない段階であり、単に通信端末200から送信した内容、特に制御メニューの内容を表示したものである。
2つ目の画面は、図69(B)に示す画面である。これは、加熱調理器1からの送信結果を受信した段階である。送信の成功や失敗が分かる情報が表示される。
図69(A)において、525は、送信情報表示部であり、図に示しているように送信した制御メニューの名称(識別情報)である「あたため」と、制御条件の1つである設定温度「75℃」が一覧状態で表示される。そして、「送信されました」という送信動作も同時に表示される。
次に、図69(B)について説明する。
507Aは、参考画像表示部506の近傍に表示される補助情報表示部Aである。この図69(A)の例では、加熱調理器1からの「不許可処理」の理由について、簡単に文字で解説されている。
507Bは、前記補助情報表示部507Aの近傍に表示された補助情報表示部Bである。この図69(B)では、加熱室6が高温状態であるとの状態情報を得て加熱調理器1がレシピデータCDの不許可処理をしたので、その解消の案として加熱室(グリル庫)6のドア7を開けることを推奨している。この対策により加熱室6の温度が下がるため、再度レシピデータCDを送信した場合には、エラーにならないことが期待できる。
図69(B)において、541は、通信端末200が音声入力モードに設定されていることを示す音声入力モード表示部である。この音声入力モード表示部541が表示された図69(B)の段階では、ユーザーUSは、音声入力部222に対して直接発声すれば、音声で入力できる。
図69(B)において、542は、加熱調理器1からの「不許可処理」の内容に応じて、通信端末200の中央処理装置212が、加熱調理器データベース217の情報を参照して抽出した参考情報であり、操作支援データGS(図44参照)の1種である。
加熱調理器1からの「不許可処理」の通知(図67の、ステップSE29)の際に、加熱調理器1が固有のエラーコード(簡単な数字等)を通信端末200に送信し、そのエラーコードを中央処理装置212が、加熱調理器データベース217の中のエラーコードと照合して、前記参考情報542を表示しても良い。
この図69(B)の例では、被調理物の温度を検知して自動的に加熱を停止する「あたため」という制御メニューでなく、加熱時間をユーザーが個々に指定する「手動あたため」なら加熱できることを示している。つまり、ユーザーには、制御条件として「時間」の設定を推奨している。
図69(B)において、543は、加熱調理器1からの「不許可処理」の通知を受信した事実を示したエラー通知(エラー表示)である。なお、このエラー通知は、前記した「許可条件3」のように、加熱調理器1側の条件によって発生した場合と、ネットワークNWの通信不良の場合の、両方で示される。
次に、図70について説明する。
図70は、中央操作部15Mと中央表示部16Mのレシピデータ受信過程を示す動作説明図である。この図は、実施の形態2の図50(B)に相当した図である。但し、この図70は、複合調理モードKM2の場合である。
図70は、レシピデータCDを、通信端末200から受信している過程を示している。複合調理モードKM2を始め、全ての加熱調理モードに関して、図70(A)のように受信動作表示画面16MMの内容は同一である。
すなわち、待機時初期画面16MHは、外部からのレシピデータCDの受信を開始した直後に、この図70(A)のように、受信動作中であることを示す受信動作表示画面16MMに切り替わる。
16Fは、受信動作表示画面16MMの中に、受信動作の進捗に応じて現れる、複数個の進捗マークである。
174は、受信動作表示部であり、外部からレシピデータCDを受信している途中であることを文字で表示している。
進捗マーク16Fは、黒い三角形と白い三角形の2種類ある。
図70(A)に示すように、レシピデータCDの受信動作開始直後は、黒い進捗マーク16Fが1つであるが、受信動作が進むにつれて順次その数が増えて行き、最終的に黒い三角形の進捗マーク16Fが5つ並んだ状態となる。
レシピデータCDが、許可条件(許可条件3等)の判定によって「不許可処理」となった場合、図70(B)に示すように、受信動作表示部174は、受信動作に失敗した不受信情報(不許可情報)174Fの表示に変化する。
174Aは、受信支援情報である。この図70(B)では、許可条件の内、ピークカット電力の設定値が5000W未満であったことがレシピデータCDの不許可の理由であったので、改善方法を表示し、ユーザーUSが機能設定キー115での加熱調理器1の設定変更をすることを推奨している。
なお、図67では、加熱調理器1の「不許可処理」の判定基準として、「許可条件3」を使用した例で説明したが、これは、複合調理モードKM2の制御メニューの場合であり、これ以外の条件を「許可条件」の判定基準に加えても良い。
例えば、実施の形態1で説明した「許可条件1」と「許可条件2」のように、第2の加熱手段HM2又は第3の加熱手段HM3が使用されていることを追加しても良い。すなわち、加熱室6が何らかの加熱調理で既に使用されているという場合には、「不許可処理」をするように設定しても良い。また、トッププレート3の上で被加熱物Nを加熱する第1の加熱手段を使用する場合には、その第1の加熱手段HM1の使用有無を判定基準に加えても良い。
更には、加熱調理器1の「不許可処理」の判定基準として、実施の形態1で説明したように、最大消費電力の設定値を加えても良い。実施の形態1で説明したように、機能設定キー115によって制御装置40は、「ピークカット設定」(最大消費電力を、5700W、5000W、4800W及び4000Wの4段階から1つ選択)ができるので、例えば、5000W以上に設定していない場合は、連携調理モードKM3と複合調理モードKM2のレシピデータCDは、不許可処理にするように、判定基準で使用する電力の閾値を設定しても良い。
なお、図69(A)の段階から図69(B)の段階まで、通信端末200と加熱調理器1は、データの授受が無線通信で実行できる状態を常に継続(維持)している訳ではない。また、同様に加熱調理器1とクラウドサーバー(第1サーバー321、第2サーバー322等)300との間も、無線通信できる状態を常に継続(維持)している訳ではない。必要な都度、自動的に接続するか、ユーザーUSの操作に応じて加熱調理器1は接続すれば良い。
次に図71について説明する。
図71は、加熱調理器1と外部のクラウドサーバー300及び通信端末200との動作ステップを時系列で示した説明図である。
この図は、加熱調理器1と通信端末200との間に、クラウドサーバー300を介在させているが、図72に示すように、クラウドサーバー300を介在させなくとも良い。
図71は、クラウドサーバー300を介在させた例であり、図67に示したステップSE32以降を示している。なお、この図71では複合調理モードKM2の場合で、制御メニューが「レンジ手動」の例であるが、連携調理モードKM1の調理メニューでも、以下に述べる動作は同じである。
図71において、通信端末(情報処理端末)200から「レンジ手動」のコマンドを送信する(ステップSE32)と、このコマンドの内容はクラウドサーバー300から加熱調理器1に宛てて送信される。
クラウドサーバー300の構成が、例えば、実施の形態2で説明したように第1サーバー321がネットワークNWを介して加熱調理器1と接続される形態であった場合、前記コマンドは第1サーバー321が受信する(ステップSE32A)。
第1サーバー321は、前記コマンドを加熱調理器1にネットワークNWを介して送信する(ステップSE32B)。
この実施の形態5においては、加熱調理器1の通信部51は、アダプター形式で加熱調理器1の外郭壁面等に取り付けられているので、以下では「通信アダプター」と呼ぶ。
通信アダプター51では、前記コマンドを受信すると、加熱調理器1の状態情報を取得する。この状態情報とは、加熱調理器1の制御装置40の状態を示す情報である。そのため、例えば第1の加熱手段HM1が加熱制御部43によって、どのような状態であるかを確認した情報となる。
例えば、誘導加熱の火力はゼロであるが、加熱開始直前の待機状態であることや、温度センサー群30からの温度検出信号を受けている状態などの情報を、前記通信アダプター51が取得する(ステップSE32C)。なお、通信アダプター51の内部では、このような状態確認の動作を、一定時間間隔で何度も繰り返し行い、最新の正確なデータを収集する。
こうして、加熱調理器1が受信したコマンドの内容に従った状態であるかどうかが、この通信アダプター51によって情報が集約されて、第1サーバー321に送信される(ステップSE32D)。
第1サーバー321では、前記ステップSE32Bで送信した前記コマンドの内容と、通信アダプター51から前記ステップSE32Dで受信した前記コマンドの内容の一致性(同一性)を判定する(ステップSE32E)。そして、送信したコマンドの内容と受信したコマンドの内容に齟齬がないと判定すると、第1サーバー321は判定結果を通信端末200へ送信する(ステップSE32F)。なお、このように判定で「齟齬がない」という結果が判明した場合、「通信は成功」と判定される。
通信端末200は、第1サーバー321からの前記判定結果(「通信は成功」)を受けると(ステップSE32G)、端末側表示部216にその旨表示する(ステップSE32H)。なお、スピーカ214で報知しても良い。
図71でステップSE34とSE35は、図67で説明したように、加熱室6のドア7を開ける動作と閉める動作を、開閉検知部10で検知したことを示しているが、このタイミングは、図71の通りでなくとも良い。例えばステップSE34は、ステップSE32Cよりも前であっても良い。なお、図71では、加熱調理器1が、通信理端末200から第1サーバー321を経由してコマンドを受信する形態(ステップSE32参照)で説明したが、通信端末200から直接受信する形態でも良い。
次に、図72について説明する。
図72は、クラウドサーバー300を介在させない場合の、加熱調理器1と通信端末200との動作ステップを時系列で示した説明図であるが、図71に示したようなクラウドサーバー300を介在させた場合と基本的に共通している。
この図72に示したように、通信端末200から送信(ステップSE32)したコマンドの内容と、通信アダプター51から受信した前記コマンドの内容の一致性(同一性)を判定する(ステップSE32E)。そして、送信したコマンドの内容と受信したコマンドの内容に齟齬がないと判定すると、通信端末200は、「通信は成功」と判定する。そして、この判定結果を端末側表示部216に表示する(ステップSE32H)。
次に、図73の通信端末200の動作について説明する。
図73は、図68と図69に示した通信端末200の動作の変形例を示したものであり、加熱調理器1に対して1つのレシピデータCDの制御条件を決定する過程を示したものである。図68と図69に示した構成の変形例であるので、異なる点を主体に説明する。
この図73は、複合調理モードKM2の1つの制御メニューの「あたため」(自動調理メニュー)をユーザーUSが選択する場面である。レンジ(マイクロ波加熱)の(加熱上限)設定温度を75℃に設定した状態である。
図73(B)は、前記した送信結果表示画面216Rの1種である。
508は、RG(レンジグリル)制御メニューの1つの「あたため」の制御条件表示部である。この図73(A)の例では、デフォルト値が80℃であるが、選択できる候補の1つである「75℃」を選択し、送信する直前の状態である。
509は、この制御メニュー「あたため」の設定情報を送信せずに、通信端末200の中の、加熱調理器データベース217に格納しておくことを指令する入力キー(アイコン)である。後日、この設定情報を呼び出して、レシピデータとして送信することもできる。
510は、通信アダプター51から受信した前記コマンドの内容の一致性(同一性)を判定した結果(図72のステップSE32H参照)を示した送信失敗通知部である。
この送信失敗通知部510は、図68(B)に示したエラー通知(エラー表示)543に似ているが、エラー通知543は、加熱調理器1からの「不許可処理」の通知を受信した事実を示したものである。これに対し、送信失敗通知は、最終的に通信端末200側で送信可否判定(図72のステップSH32E)した結果を示したものである。なお、この送信失敗通知は、文字でなく、図形や失敗のイメージを示すイラストでも良いが、ユーザーUSに明確に認識できる形態にすることが望ましい。
510Aは、詳細情報表示部(アイコン)であり、送信失敗通知部510の近傍に表示される。この詳細情報表示部510Aを押せば、送信したコマンドの送信失敗理由について、この端末側表示部216において、別の画面で表示される。
511は、対策情報表示部である。この図73(B)の例では、加熱調理器1からの「不許可処理」の通知を通信端末200が分析し、加熱室6の現在の温度が80℃以上あるため、設定温度75℃では許可できないから、90℃以上の設定を推奨している。
制御メニューの「あたため」では、温度センサー群30によって加熱室6内部の温度が設定温度になった時点でマイクロ波発振部11の駆動を自動的に停止するため、最初から加熱室6の温度が、ユーザーUSの設定する設定温度よりも高い場合、エラー処理となり、運転開始できないことになっている。
そこで、対策情報表示部511では、90℃以上の温度を設定するように勧めている。
この図73(B)では、説明の都合上、通信端末200において送信失敗表示部511が表示情報として生成される事例を説明した。
しかしながら、通信端末200には、実施の形態2の図47で説明したように、加熱調理器データベース217を備えているため、遠隔操作情報生成部219によって事前に規制される。
例えば、加熱室6を使用する単独調理モードKM1や複合調理モードKM2において、「あたため」メニューの設定温度が「75℃」を、最初から選択できないようになり、例えば設定温度は85℃以上の場合にしない限り、加熱調理器1に送信できない。
次に、図74の通信端末200の動作について説明する。
図74は、図67に示した加熱調理システムで使用する通信端末の、端末側表示画面を示す説明図3である。この図74は、図73(B)の表示形態の更に別の変形例である。図74に示した表示画面は、前記した送信結果表示画面216Rの1種である。
図74において、512は、対策情報表示部であり、図73(B)で説明した前記対策情報表示部511に類似しているが、前記対策情報表示部511よりも、更に積極的に対応策を表示している。この図74の例では、90℃に設定温度を修正することを示している。513は、対策情報表示部512に提示された条件に同意することを確定する入力キー(アイコン)である。これを押すと、通信端末200の内部の遠隔操作情報生成部219(図47参照)が、コマンドデータの中の一部のパラメータ(温度設定を75℃から90℃)を修正し、加熱調理器1に送信する。
514は、入力キー(アイコン)であり、これを押すと通信端末200から送信するコマンドデータを、対策情報表示部512に表示された設定値に関係なく、修正できる。そして、再度加熱調理器1に別のコマンドデータとして送信できるようになる。
次に、図75について説明する。
図75は、図67に示した通信端末200が、加熱調理器1から「不受信通知」を受けた以降の動作を示すフローチャートである。ここで「不受信通知」とは、図67のステップSE30で説明した通知である。
図75に示したステップSG1~SG8が、通信端末200の中央処理装置212(図47参照)の動作を示したものである。
通信端末200は、最初に不受信処理通知を受信すると、送信結果表示画面216Rを端末側表示部216に表示する(ステップSG1)。
通信端末200は、前記不受信処理通知の内容を分析する(ステップSG2)。そして、遠隔操作情報生成部219や加熱調理器データベース217等のデータも利用し、直前に送信したレシピデータCDに関する制御条件の内容について、是正処理が可能かどうかを判定する(ステップSG3)。
是正処理が可能と判定されると、修正されたレシピデータCDの具体的な制御条件(例えば、設定火力値や加熱時間の設定値など)が、送信結果表示画面216Rに、修正候補として表示される。この表示例は、図74で説明した対策情報表示部512である。
その修正された制御条件(図74では「設定温度90℃」)についてユーザーUSが同意した場合(ステップSG5で「Yes」)は、修正された制御条件が反映された新たなレシピデータCDが加熱調理器1に送信される(ステップSG6)。
この通信端末200では、図74に示したように、対策情報表示部512に提示された制御条件に同意するために、入力キー(アイコン)513をタッチ操作して入力する(ステップSG5)。すると、修正された新たなレシピデータCDが加熱調理器1に送信される(ステップSG6)。
その後、このように修正された制御条件(「設定温度90℃」)が反映されたデータは、記憶部220(図47)に1つのレシピデータとして記憶されるか、又は加熱調理器データベース217に保存される(ステップSG7)。なお、保存した後で、当該データを入力操作によって読み出すことも可能である。例えば、その後、同じ制御メニューをレシピデータCDとして利用する場合、端末側表示部216のタッチ操作によって読み出すことができる。
上記ステップSG5は、図67で説明したタイムチャートのステップSE31に相当する。また、ステップSG6は、同じく図67で説明したタイムチャートのステップSE32に相当する。
一方、前記ステップSG3で是正処理が自動的にはできないと判定された場合は、ステップSG8に進む。また、ステップSG5で修正に同意しない場合は、ステップSG8に進む。
ステップSG8は、ユーザーUSの判断で、修正の入力をする場合であり、一定の時間内に修正をしない場合は、自動的に通信端末200によるレシピデータCD提供メニューが終了する。修正入力があった場合は、前記ステップSG6により、加熱調理器1に送信され、また、送信したデータは、記憶部220(図47)に記憶されるか、又は加熱調理器データベース217に保存される(ステップSG7)。なお、上記ステップSG8は、図67で説明したタイムチャートのステップSE31に相当する。
実施の形態5の総括.
以上の説明から明らかなように、この実施の形態5では、以下の通り第7の開示に関する加熱調理器1を開示していた。
すなわち、第7の開示に関する加熱調理器の1つの形態は、
第1加熱源19Lの第1操作部15Lと第2加熱源19Rの第2操作部15Rと、共用操作部15Mからの指令を、それぞれ受け付ける制御装置40を備え、
前記制御装置40は、タッチ入力モードTMと音声入力モードVMの2つの入力機能を有し、
前記第1操作部15L、前記第2操作部15R及び前記共用操作部15Mには、それぞれ前記音声入力モードを設定できるタッチ入力式の入力キー153L、153R、153Mを有し、
前記制御装置は、前記入力キー153L、153R、153Mの何れか1つによって前記音声入力モードTMに切り替えたときに開始される禁止期間ET中、他の入力キーによる前記音声入力モードVMへの切り替えを制限する、
構成であった。
このような構成であるため、左操作部(第1操作部)15Lと、右操作部(第2操作部)15R、共用操作部15Mに、それぞれ配置されたタッチ式の入力キー153L、153R、153Mを利用して、それぞれ音声入力モードVMへの切り替えができるので、加熱動作開始前の入力工程の面倒な作業を音声で入力できる。これによりユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
更に、前記制御装置40は、前記した3つの入力キー(153L、153R、153M)の内、何れか1つの入力キー(例えば、153L)によって前記音声入力モードTMに切り替えたときに開始される禁止期間ET中、他の入力キー153Rと153Mによる前記音声入力モードVMへの切り替えが制限されるから、前記第1操作部15Lの方の音声入力が終わっていない段階で、他の操作部でも音声入力モードVMが開始されることがない。このため、3つの加熱部に対する音声入力が時間的に重なり、干渉したり、誤った入力になったりすることが防止される。
これらにより、ユーザーUSによる音声入力の確実性を向上させることができ、操作性や安全性も向上することが期待できる。
更に、実施の形態5で示した第7の開示に関する加熱調理器の1つの形態は、
前記制御装置40は、主電源スイッチ20がONにされた後、前記入力キー153L、153R、153MによってレシピデータCDの取得指令を受け、当該レシピデータCDを受信した場合、前記加熱室6又は前記加熱手段の状態の少なくとも何れか一方が、許可条件を満たしているかどうかを判定し、許可条件を満たしていない場合、前記通信部51から不許可処理の通知(図67のステップSE30参照)を発信する。
更に、前記制御装置40は、前記入力キー153L、153R、153MによってレシピデータCDの取得指令を受けた場合、前記音声入力モードVMの状態で外部からの制御条件の設定指令(コマンドデータ)を受け付ける待機状態となり、
前記制御装置40は、前記レシピデータの取得ができなかった場合、未取得状態を示す情報174Aと、原因又は対策を示す参考情報174Fとの、少なくとも何れか1つを前記表示部によって表示すること、
を特徴とする構成であった。
このような構成であるため、各種のレシピデータCDを外部から取得するタイミングを、入力操作部15によってコントロールすることができる。また、入力操作部15にあるタッチ式の入力キー(153M、154M、153L、153R)を利用して、音声入力モードへの切り替えができるので、加熱動作開始前の入力工程の面倒な作業を音声で入力できる。これによりユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
更に、前記レシピデータCDの取得ができた場合、当該レシピデータCDの取得を示す情報173が、前記表示部16(例えば、中央表示部16M)によって表示される(図66参照)ので、ユーザーUSがレシピデータCDの取得を容易に認識でき、調理開始までの操作性を向上させることが期待できる。
更に、加熱調理器1が、外部からレシピデータCDを受信した場合、事前に定めた許可条件に従って、当該加熱調理器1で実行できるレシピデータCDを選別し、更に、選別によって不適合とされたレシピデータCDの送信元である通信端末200に向けて、通知を行っている(図72と図73参照)から、送信元である通信端末200において、レシピデータCDが正常に受け付けられているという誤解を招くことも防止できる。従って、ユーザーUSの利便性や操作性を向上させることができる。
更に、この実施の形態5に示した加熱調理器1においては、レシピデータCDが、許可条件の判定によって「不許可処理」となった場合、図69(B)に示すように、受信動作表示部174は、受信動作に失敗した不受信情報(不許可情報)174Fの表示に変化するので、加熱調理器1側においてもレシピデータCDが正常に受け付けられていないことをユーザーが直ぐに知ることができる。
また、その際に、受信支援情報174Aも表示されるので、ユーザーUSが対処できる方法が直ぐに分かり、ユーザーUS側の負担を軽減できるから、この面においても操作性を向上することができる。
更に、この実施の形態5に示した加熱調理器1においては、通信端末200から送信したコマンドデータが、何らかの理由で加熱調理器1に正常に受け付けられなかった場合、図72と図73で説明したように、送信失敗通知部510によって通信端末200においてユーザーUSに通知する。
更に、送信失敗通知部510の近傍に表示される、詳細情報表示部510Aを押せば、送信したコマンドデータの送信失敗理由について、この端末側表示部216において知ることができる。
更に、図74で説明したように、送信失敗通知部510が表示された端末側表示部216は、対策情報表示部512を同時に表示できる構成も提案していた。
しかも、その対策情報表示部512に提示された条件に同意することを確定する入力キー(アイコン)も表示されるので、これを押して適正範囲に修正したコマンドデータを、速やかに、加熱調理器1に送信することもできる。
これらにより、通信端末200を操作するユーザーUSの入力操作、送信作業を大幅に軽減できる。
この実施の形態5では、以下の通り第8の開示に関する加熱調理システムを開示していた。
すなわち、第8の開示に関する加熱調理システムの1つの形態は、
通信部51と、加熱室6と、加熱手段とを有した加熱調理器1と、
前記通信部51と無線通信で接続される通信端末200と、を備えており、
前記通信端末200は、前記加熱調理器1に対してレシピデータCDを送信する機能を有し、
前記加熱調理器1の複数の入力操作部15(15L、15M、15R)には、複数の入力キー(151M、152M、153L、153R、154M等)をそれぞれ有し、当該入力キーの中の特定入力キー(153L、153R、154M等)は、複数の加熱調理モードの中の1つの加熱調理モードを選択するものであり、かつ、音声入力モードVMを、1つの入力操作部だけに許可するものであり、
前記加熱調理器1は、前記特定入力キーが操作された場合、前記レシピデータCDを取得する機能を有し、
前記加熱調理器1は、前記通信端末200から送信されたレシピデータCDの取得を許可しない場合、前記通信部51から前記通信端末200に対して不許可処理の通知を発信(図67のステップSE29)し、
前記通信端末200は、前記不許可処理の通知を受信した場合、端末側表示部216で当該不許可処理を示す情報543又は送信失敗通知部510の少なくとも何れか一方を表示すること、
を特徴とする構成であった。
この構成であるから、事前に定めた許可条件に従って、加熱調理器1で実行できるレシピデータCDを選別できる。
更に、不適合とされたレシピデータCDの場合、その送信元である通信端末200に向けて通知を行うから、送信元である通信端末200において、レシピデータCDが正常に受け付けられているという誤解を招くことも防止できる。従って、ユーザーUSの利便性や操作性を向上させることができる。
更に、加熱調理器1に対して、不適当なレシピデータCDであるかどうかを判別するために、加熱調理器1から通信端末200に対して、事前に加熱手段の駆動状況や加熱室6の温度等の最新の物理的データを取集して送信し、通信端末200側で不適当なレシピデータCDであるかどうかを判定する方法を採用していない。
このため、それら物理的データの送信と受信のための通信時間の遅延や、加熱調理器1側で通信端末200に対して送信するための、データを集約する処理等も不要になり、全体のシステムの簡素化や、迅速な処理、調理の開始に貢献できる。
更に、この第8の開示の加熱調理システムでは、前記通信端末200は、前記不許可処理の通知を受信した場合、端末側表示部216において前記不許可処理に対処する助言(情報)を含んだ、参考情報542を表示する構成であった。
この構成であるから、レシピデータCDの送信元である通信端末200において、レシピデータCDが正常に受け付けられる条件をユーザーUSが認識することができ、ユーザーUSの利便性や操作性を向上させることができる。
更に、この第8の開示の加熱調理システムでは、前記通信端末200は、前記不許可処理の通知を受信した場合、端末側表示部216において前記不許可処理の理由を示す補助情報表示部507Aが、図69(B)で説明したように表示される構成であった。
この構成であるから、レシピデータCDの送信元である通信端末200において、レシピデータCDが正常に受け付けられなかった理由について、ユーザーUSが認識することができ、ユーザーUSの利便性や操作性を向上させることができる。
更に、この第8の開示の加熱調理システムでは、前記通信端末200では、送信失敗通知部510の近傍に表示される、詳細情報表示部510Aを押せば、送信したコマンドデータの送信失敗理由について、この端末側表示部216において知ることができる。
更に、送信失敗通知部510が表示された端末側表示部216は、対策情報表示部512を同時に表示していた。
しかも、その対策情報表示部512に提示された条件に同意することを確定する入力キー(アイコン)513も表示している構成であった。
これらの構成であるから、レシピデータCDの送信元である通信端末200において、レシピデータCDが正常に受け付けられなかった理由について、ユーザーUSが正しく、容易に認識することができ、ユーザーUSの利便性や操作性を向上させることができる。また、適正範囲に修正したコマンドデータを、加熱調理器1に送信することもできる。
この実施の形態5では、以下の通り第9の開示に関する加熱調理システムを開示していた。
すなわち、第9の開示に関する加熱調理システムの1つの形態は、
通信部51と、加熱室6と、を有した加熱調理器1と、
前記通信部51と無線通信で接続される通信端末200と、を備えており、
前記通信端末200には、前記加熱調理器1に対してレシピデータCDを送信する機能を有し、
前記加熱調理器1の入力操作部15(15L、15M、15R)には、前記レシピデータCDを取得することを決定する入力キーを有し、
前記通信端末200には、前記レシピデータCDの制御条件を前記加熱調理器1に送信することを決定する入力キー521を有し、
前記加熱調理器1は、前記通信端末200から送信されたレシピデータCDを許可しない場合、前記通信部51から前記通信端末200に対して不許可処理の通知を発信し(ステップSE30)、
前記通信端末200は、前記不許可処理の通知を受信した場合、送信結果表示画面216Rを前記端末側表示部216で表示し、
前記送信結果表示画面216Rには、前記不許可処理の対応を示す参考情報542、当該不許可処理の理由に関する補助情報表示部507A、507B又は対策情報表示部512の、少なくとも何れか1つを表示すること、
を特徴とする構成であった。
この構成であるから、通信端末200から加熱調理用の制御用データを加熱調理器1に送信した後で、通信端末200に表示される送信結果表示画面216Rにおいて、加熱調理器1との間の通信結果や、送信したデータ取得状況を的確に確認でき、ユーザーUSの無用の混乱を招くことも防止できる。従って、ユーザーUSの利便性や操作性を向上させることができる。
更に、第9の開示に係る加熱調理システムでは、通信端末200の端末側表示部216には、前記補助情報表示部507A、507Bによって、前記不許可処理の原因を解消できる情報を表示する構成であった。
このため、不許可処理に対する正しい理解や対処の方法を容易に知ることができ、ユーザーUSの適切な対処に誘導したり、安心感や信頼性を向上させたりすることができる。
更に、この実施の形態5では、通信端末200は、不許可処理の通知を受信した後で、是正処理が可能と判定すると、修正されたレシピデータCDの具体的な制御条件(例えば、設定火力値や加熱時間の設定値など)を、送信結果表示画面216Rに自動的に表示し、ユーザーUSに送信するかどうかの判断を委ねていた(図74参照)。
このため、不許可処理の通知を受信したあとで、ユーザーUSの適切な対応を促すことが可能となる。また、ユーザーUSが、対策情報表示部512に提示された制御条件に同意して、修正された新たなレシピデータCDが加熱調理器1に送信された場合でも、その際の修正されたレシピデータCDの内容は、通信端末200に自動的に記憶(保持)されるので、後日に同じ制御データや調理メニュー等の入力を行う際に、記憶に頼って再度制御条件を考えて入力する面倒な作業を回避でき、過去の修正記録を呼び出して、新しい加熱調理の入力に利用でき、便利である。
他の実施の形態.
加熱調理器1と通信端末200を構成する各回路、部品、装置の各構成要素を説明するために、レシピデータCD1とレシピデータCD2等のようにデータに符号を付けて説明したが、この両者は実質的に同じデータであっても良い。例えば、加熱調理器1で最初から保有している1つのレシピデータ(例:ハンバーグのレシピデータCD)と、通信部51を介して外部から取得するレシピデータ(例:ハンバーグのレシピデータCD)が、同一の内容であっても良い。
また、スマートフォンやタブレット形の端末機器(小型の可搬式パーソナルコンピュータ)等の通信端末200は、クラウドサーバー300から取得したレシピデータを加熱調理器1に必ずしも提供する必要はなく、通信端末200自体で当該レシピデータを生成し、保有していても良い。
また、これまでに説明した各実施の形態の複合調理モードKM2では、複合調理モードKM2を選択すると、制御メニュー(例えば「解凍」という加熱動作パターン)を基本的に選択することになり、特定の調理物を想定したレシピデータCDを選択するものでなかった。しかしながら、ユーザーUSがクラウドサーバー300を利用して、加熱調理器1に適用できる複合調理モードKM2の、1つのレシピデータCDを選択し、そのレシピデータCDを、通信端末200(音声入出力器1000)を使用して加熱調理器1に取得させることでも良い。これは、単独調理モードKM3についても同じである。
以上の説明では、説明を簡単にする都合上で「レシピデータ1」、「レシピデータ2」「第1操作部」、「第2操作部」のように符号や番号を付けて表現していたが、これは両者のレシピデータや操作部の内容が互いに異なるという意味の場合と、同一であるという意味の2つあり、符号(1、2等)の違いによって両者が必ず異なったものであると解釈すべきではない。同様にレシピデータCD1とCD2のように、異なる符号を付して説明している場合もあったが、説明の都合上で符号を付したものであり、符号の相違だけでデータの内容が相互に異なっているという意味ではない。
以上の実施の形態1~5で図示した各回路、部品、装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくとも良い。さらに、特に制御装置40、加熱制御部43、第1の加熱手段HM1、第2の加熱手段HM2、第3の加熱手段HM3、第4の加熱手段HM4、記憶装置41は、これら各装置・回路の機能の分散・統合が可能であり、具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、機能や動作状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
制御装置40、加熱制御部43の各機能は、処理回路によって実現される。各機能を実現する処理回路は、専用のハードウエアであっても良いし、メモリーに格納されるプログラムを実行するプロセッサであっても良い。
処理回路がプロセッサである場合、制御装置40、加熱制御部43の各機能は、ソフトウエア、ファームウエア又はソフトウエアとファームウエアの組合せによって実現される。ソフトウエアとファームウエアは、プログラムとして記述され、メモリーである記憶装置41に格納される。プロセッサは、記憶装置41に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、制御装置40、加熱制御部43の各機能を実現する。
これらプログラムは、制御装置40、加熱制御部43の制御手順を、マイクロコンピュータに実行させるものである。なお、記憶装置41とは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM、EEPROM等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリーが代表的なものである。
更に、図9に示したレシピデータ記憶部41のデータやプログラムの一部は、加熱調理器1が保持せずに、外部の記録媒体(ストレージサーバー等)に保持されてもよい。この場合、加熱調理器1は、外部の記録媒体(ストレージサーバー)にアクセスすることで、必要なデータやプログラムの情報を取得する。
さらに、制御装置40、第1の加熱手段HM1、第2の加熱手段HM2、第3の加熱手段HM3の動作プログラムは、ユーザーUSの希望により、又は加熱調理器1の製造業者等の希望によって、適宜修正・改良されたものに更新できるようにしても良い。この場合、例えば、通信部51を通じて修正・改良プログラムを入手するようにしても良い。
前記トッププレート3の上で加熱調理する前記第1の加熱手段HM1の1つの加熱部(IHコイル9L、9M、9R)は、ガス燃焼式バーナーに変えても良い。この場合、ガス流量弁が制御部によって制御される構成となる。
また、第2の加熱手段HM2又は第3の加熱手段HM3の一部又は全部を、ガス燃焼バーナーや誘導加熱源に変えても良い。
実施の形態1~5では、入力操作部15は、ユーザーUSが触れて入力指令を行う「タッチ式入力」と押圧(押しボタン)式の操作部を主体に説明したが、ユーザーUSの指や手の動きを非接触で検知して入力する「非接触式」の入力キーを併用しても良い。
更に、入力操作部15は、ユーザーUSの声を認識して入力する音声入力方式に変えても良い。音声入力方式の場合には、ユーザーUSの声を受信して音声認識信号に変換するためのマイクや音声受信部が、入力操作部に相当するものとなる。
あるいは、接触式や押し圧式などの機械的スイッチと、前記音声入力方式を併用しても良い。
更に、入力操作部15は、スマートスピーカやAIスピーカと呼ばれるような音声入力機能を備えた音声入出力器1000を介して、加熱調理器1に指令を与えても良い。
前記ダイヤル式選択手段123は、加熱調理器1の上面部に回動自在に固定されていたが、加熱調理器1の操作部15に着脱自在に保持されて使用されるものでも良い。例えば、特許第6223525号に代表的に示されるように、磁力によって回動自在に操作部に支持され、回動操作に伴って火力等のパラメータ信号を発するものでも良く、また同時に水平方向に移動することによって別の信号を発する構成にすれば良い。このように2種類の操作形態で操作入力を与えられる選択手段であれば、回動操作で制御条件等の指令を発し。水平移動の操作に応じて、音声入力モードの指令を発する構成を採用することも可能である。
実施の形態1~5では、栄養成分データDDは、中央表示部16Mや左右の表示部16L、16Rにそれぞれ表示する形態であったが、各種調理メニューの表示画面に応じて他の位置の表示画面(例えば、右火力表示部17R)に表示しても良い。
また、待機時初期画面は、中央表示部16Mと左右の表示部16L、16Rに表示していたが、他の表示部がある場合、その表示部に表示しても良い。例えば、右加熱口4Rのための右火力表示部17Rにおいて、入力キー153Rを操作した直後に、待機時初期画面16MHを表示しても良い。これは、左表示部16Lについても適用できることである。
また、実施の形態1(図33)では、主要な食品成分と栄養成分の2種類を、食品成分表示画面16M1Aと栄養成分表示画面16M1Bの2つで表示していたが、これら2つの表示画面を一括(1つの画面)で表示するようにしても良い。
また、表示する栄養成分と食品成分は、ユーザーUSが機能設定キー115を押して機能設定モードにし、特定の栄養成分だけに限定するようにしても良い。更には、入力キー180を押して、音声入力モード2に切り替えて音声で入力し、特定の栄養成分、食品成分だけに範囲を絞るように設定しても良い。
更に、加熱調理工程が全て終わった段階や、連携調理モードKM1の加熱休止期間P3、P5(図34参照)において、ユーザーUSの指令に応じて又は自動的に、前記食品成分表示画面16M1Aと栄養成分表示画面16M1Bの何れか、又は双方を表示させても良い。
前記スマートスピーカやAIスピーカが利用できる音声入出力器1000は、クラウドサーバー300のように、ネットワーク環境の中にある音声翻訳機能や検索機能を備えた支援サーバーとの間で、随時無線通信で情報の授受を行うことができる。
このため、音声入出力器1000は、加熱調理器1の傍でユーザーUSが発した音声(自然言語)を、音声信号として取得し、前記支援サーバーによってユーザーUSからの指令信号に変換し、最終的には加熱調理器1に対する指令信号を生成することができる。このため、ユーザーUSが加熱調理器1の近傍に居ても、調理の準備や食材の処理等で、両手が塞がっていて入力操作部15に直接タッチする頻度が制限されているような場合にも、自然な発声(音声)で加熱調理器1を操作でき、便利である。
実施の形態1~5では、第1特定画面16M1、第2特定画面16M2及び第3特定画面16M3に表示される各種制御メニューや制御条件等を選択する手段が、入力操作部15であったが、表示手段である中央表示部16Mや左右の表示部16L、16Rの表示画面の中に設けても良い。
例えば、複合調理に関して提案している前記特許第5833699号公報には、複合調理の表示画面を表示させ、当該表示画面の中に複合調理のメニューの名称を表示させ、当該メニュー選択部をユーザーUSが直接指で触れて、メニューを選択するという技術が提案されている。
そこで、第1特定画面16M1や第2特定画面16M2の中に複合調理モードKM2や連携調理モードKM1で可能な調理のメニューや被調理物の名称(識別情報の1種)等を表示させ、その表示部分(「アイコン」部分ともいう)をユーザーUSが指で直接タッチして連携調理モードのメニュー等を選択するようにしても良い。また、それらアイコンの一部によって音声入力モードVMを選択するようにしても良い。
実施の形態1では、通信部51によって、加熱調理器1の外部から送信された指令信号や、レシピデータCD等を受信し、また加熱調理器1からは、各動作信号や指令信号を外部へ発信(運転状態データOS)していたが、更に調理工程1、調理工程2の開始や終了等の進捗を示す情報を、その都度送信しても良い。このように構成すると、それら進捗情報(運転状態データOS)をユーザーUSが、通信端末200等を介して知ることができ、利便性が向上する。
また、実施の形態1で説明したように、情報管理装置として、冷蔵庫403の在庫の検索結果のデータを受ける機能を保有するホーム・ゲートウエイ411を配置し、加熱調理器1と前記冷蔵庫403との間は、無線通信手段(LAN)又はインターネット等の広域ネットワークによって接続し、加熱調理器1側で前記冷蔵庫403の在庫情報を取得して調理に利用できるようにしても良い。
また、スマートフォン等の通信端末(情報処理端末器)200の構成として、特に図51で説明したように、端末側表示部(端末側表示画面)216と加熱調理器1の中央表示部16Mの表示情報、表示形態、デザイン等を類似させていたが、このような表示にするための加熱調理器データベース217や、遠隔操作情報生成部219は、必ずしも必要ではない。例えば、加熱調理器データベース217や、遠隔操作情報生成部219に相当する機能を、例えば外部サーバー417(第1サーバー321、第2サーバー322)に具備させ、通信端末200が入力(音声入力を含む)を受けた場合、その都度、当該外部サーバー417等のクラウドサーバー300に送信して、必要な応答情報を当該クラウドサーバー300側から取得しても良い。
情報処理端末200や外部サーバー417、第1サーバー321等からレシピデータCDやその他データを、加熱調理器1が直接受信し、又は無線ルーター340を経由して受信していたが、その他の中継機器を経由して、加熱調理器1が受信しても良い。例えば、キッチンに設置されている他の家電機器類(例えば、給湯装置)のリモコンを中継装置として利用しても良い。そのようなリモコンは、通常は常時電源が接続されており、都合が良い。この場合、当該中継装置は、情報処理端末200や第1サーバー321等から送信された指令を含む各種データを、一時的に格納する記憶装置を内蔵したものにすることが望ましい。そして、加熱調理器1から送信された各種データを、前記記憶装置に一時的に記憶するように構成する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の実質的な範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図されている。