以下、本開示に係る加熱調理器と加熱調理システムについて図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」など)を用いるが、これらは説明のためのものにすぎない。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。
更に、以下の説明では、複数種類の加熱手段を備えた複合加熱調理器についても、単に「加熱調理器」という。
以下の説明で「トッププレートの上に載置された被加熱物」という場合は、後述するトッププレート3の上面と直接接するように載置された鍋等の被加熱物と、ガス燃焼器のように、五徳等の支持部材の上に載せられて、ガスバーナーの炎で加熱される被加熱物の、両方を含む意味である。
実施の形態1において、「第2の加熱手段」HM2とは、後述する加熱室6の内部に収容した被調理物を加熱するための加熱源をいう。輻射熱や蒸気を利用したものでも良い。
実施の形態1では、マイクロ波加熱源は、マグネトロンを使用しているが、これ以外の方式でも良い。例えば、マイクロ波発振器等、マイクロ波発振原理や方式に制限はない。また加熱源を複数個備えても良い。
この実施の形態1において「第3の加熱手段」HM3とは、前記第2の加熱手段HM2との差異を示すために「第3」と称しているが、優劣関係を意味していない。
また、実施の形態1では、輻射式電熱源(シーズヒーター、マイカヒーター、カーボンヒーター、セラミックヒーター、赤外線ヒーター、ラジアントヒータ等)を用いた加熱源を使用しているが、他の形態や発熱原理で熱を発する加熱源であっても良い。
第3の加熱手段HM3は、1つの加熱室6において加熱調理ができるものをいう。電気ヒーター等から構成した加熱源とガス燃焼器(バーナー)のように、異なる加熱原理を有する複数の加熱源を併用する形態でも良い。また加熱室6を加熱する加熱源として、誘導加熱源を使用しても良い。高温の蒸気(過加熱蒸気など)を供給する蒸気発生器550(ボイラー)(図示せず)でも良い。
更に、第3の加熱手段は、加熱室6の壁面を、その外側から加熱する加熱源や、加熱室6の内部空間に設置し、当該内部空間の雰囲気を高温にする加熱源の、何れでも良い。
また、第3の加熱手段として誘導加熱方式で高温になる発熱部材を加熱室に配置したものでも良い。この場合、当該発熱部材で加熱室6の壁面を外側から加熱したり、又は加熱室6内部の空気を加熱したりする何れの形態であっても良い。
この実施の形態1でいう誘導加熱コイル(IHコイル)の代表的なものとして、0.1mm~0.3mm程度の細い銅線やアルミ線を30本程度束にして、この束を複数本撚りながら渦巻状に巻いて構成したものがある。あるいは、0.05mm程度のものを1000本~1500本程度巻いて構成したものもある。また、平板状の導電材料で、環状に形成した環状導電体で構成する提案もある。
これら何れの形態のものも誘導加熱源9の主要部となる「IHコイル」に相当する。
この実施の形態1において、「連携調理」とは、1つの被調理物(食品、肉、野菜等を含む)に対する加熱場所が異なり、かつ独立して加熱動作条件が設定可能な2つ以上の加熱源を使用して行う調理をいう。
前記「連携調理」は、複数の加熱手段を、時間差を置いて使用する場合が該当する。例えば1つの調理を完成させる過程で、マイクロ波加熱源で予備加熱したあと、被調理物を別の場所に移し、移動後の場所で、IHコイルで加熱して完成させる調理の場合は、ここでいう「連携調理」の一種である。
また、加熱室6の内部で被調理物を、ガス燃焼器(バーナー)によって加熱し、その後、当該被調理物をトッププレート3の上に移動し、ガス燃焼器(バーナー)や誘導加熱源9で加熱して、調理の完成度を上げるという形態も「連携調理」の一種である。
「音声入力モード」とは、ユーザーUSが入力用のスイッチ(入力キー)のボタンや操作面に触れたり、押したりする動作をせずに、発声によって入力する制御形態をいう。
「音声入力モード」の種類には、「音声入力モード1」と「音声入力モード2」がある。
前記「音声入力モード1」は、音声入力とタッチ(押圧を含む)入力の両方に対応した入力キー(以下、「兼用キー」という)の操作によって選択されるものである。
前記「音声入力モード2」は、音声入力専用の入力キー(以下、「音声入力専用キー」と呼ぶ場合がある)180の操作によって選択されるものである。
1つの入力操作部において、複数の入力キーを有し、その中に前記「兼用キー」を備えた場合、当該兼用キーによって前記「音声入力モード1」に変更された場合、この兼用キー以外の(一部の)前記入力キー(例えば156M)の入力機能を、一時的に無効にするケース(この制御パターンを、「音声入力モード1A」という)と、無効にしないケース(この制御パターンを、「音声入力モード1B」という)の2種類がある。何れも、ここでいう「音声入力モード1」に該当する。
1つの入力操作部において、入力キー(例えば、153M、又は153L)によってタッチ入力を行っている過程で、前記「音声入力専用キー」180を押すと。「音声入力モード2」が選択される。この場合、この音声入力モード2の選択以降、前記音声入力専用キー180以外の(一部の)前記入力キー(例えば156M)の入力機能を一時的に無効にするケース(この制御パターンを、「音声入力モード2A」という)と、無効にしないケース(この制御パターンを、「音声入力モード2B」という)の2種類がある。何れも、ここでいう「音声入力モード2」に該当する。
実施の形態1.
(1.加熱調理システムの構成)
本開示に係る実施の形態1は、図1~図64に記載している。
図1について説明する。
本実施形態1の加熱調理システムは、加熱調理器1と、この加熱調理器1との間で無線通信を行う機能を有するスマートフォン200(「通信端末器」とも呼ぶ)と、クラウドサーバー300と、を備えて構成されている。なお、スマートフォン200以外に、通信機能付きタブレット端末器やパーソナルコンピュータ等でも良い。これら機器と前記スマートフォン200を総称する場合、「情報処理端末器」200という。
スマートフォン200は、加熱調理器1が使用される家屋(図示せず)に設置されている無線ルーター340(図示せず)との間でWiFi(登録商標)等の通信方式による無線通信を行う。
加熱調理器1は、スマートフォン200との無線通信400によって、少なくともレシピデータCD2を取得できる。なお、レシピデータCD2については、後で説明する。
前記スマートフォン200は、加熱調理器1との間で、Bluetooth(登録商標)等の通信方式による無線通信400を行う。
スマートフォン200は、前記無線ルーター340(図示せず)とインターネット等のネットワーク201を介して外部空間にあるクラウドサーバー300にアクセスする。クラウドサーバー300には、少なくとも1つのレシピデータ提供サーバー301がある。
レシピデータ提供サーバー301には、種々の調理を実行するレシピのデータが保持されたレシピDB(データベース)302が備えられ、スマートフォン200は、レシピデータ提供サーバー301により運用されるレシピ提供サイトにアクセスして、レシピDB302から種々のレシピデータCD1を取得(ダウンロード)する。
本開示において「レシピデータ」とは、1つの形態は、後で詳しく説明するが、特定の被調理物を加熱調理器1で実行できるように、加熱手段や「制御条件」(火力や加熱時間、温度等の少なくとも何れか1つを含むが、これに限定されない)を指定する命令(指令データ)が含まれているものをいう。
れしプデータCDの他の1つの形態は、加熱調理器1が外部からレシピデータを取得する場合、前記制御条件を示すデータと「機器識別情報」(後で説明する)を取得し、加熱手段の情報(加熱手段の属性を示す情報や加熱口の情報等を含む)、調理工程の情報、駆動する加熱手段の順番を示す情報等は含まず、制御条件を決める指令、データ等(以下、「コマンド」又は「コマンドデータ」という)を主体にしたものをいう。このようなレシピデータを、以下、「簡易型レシピデータ」という。
以下の説明では、前記簡易型レシピデータを含めたレシピデータ(調理条件データ)について、CD1、CD2等の符号を付けて説明する場合があるが、この符号によってレシピデータの内容が、必ずしも異なるものではなく、同一の場合もある。それら符号(CD1、CD2)は、レシピデータの発信主体を基準に付して、理解を容易にするためである。なお、レシピデータ(前記「簡易型レシピデータ」を含む)について、統一的に参照符号を用いる場合には、「CD」を用いる。また、名称は「レシピデータ」に統一して説明する。
図1に示した加熱調理器1は、当該加熱調理器1の上面を覆うトッププレート3(図8以降で説明する)の下方に配置された第1の加熱手段HM1と、当該加熱調理器1の内部に形成された加熱室6(図9参照)内部にマイクロ波を供給する第2の加熱手段HM2と、前記加熱室6の内部又は外部にあって、当該加熱室6の内部空間の温度を上げて加熱する第3の加熱手段HM3と、を備えている。
前記トッププレート3の上面を「第1の場所」と定義すれば、この第1の場所に置いた被加熱物(磁性の金属製鍋)を加熱するため、前記第1の加熱手段HM1は、誘導加熱手段が使用される。あるいは、磁性金属製や非磁性金属製の鍋を加熱するガスバーナーを備えた、ガス燃焼装置(ガスコンロを含む)が前記第1の加熱手段HM1として使用できる。
前記第1の場所と離れた場所にある閉鎖空間を「第2の場所」と定義すれば、前記加熱室6(図5参照)の内部が、当該第2の場所となる。
前記加熱調理器1は、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2とを、それぞれ単独で(独立して)駆動する「単独調理モード」KM1の実行機能を有している。
前記加熱調理器1は、1つの被調理物を調理する方法として、前記第2の加熱手段HM2と前記第3の加熱手段HM3とを、同時に駆動し、あるいは何れか一方を先に動作させ、他方を後から自動的に駆動開始する「複合調理モード」KM2の実行機能を有している。前記第2の加熱手段HM2と前記第3の加熱手段HM3を同時に動作している場合でも、その両方の加熱終了時期が同じ場合と、異なる場合の何れも、前記「複合調理モード」KM2に属する1つの運転パターンである。
前記「複合調理モード」KM2では、前記第2の加熱手段HM2と前記第3の加熱手段HM3を最初から同時に駆動するパターン(RG制御モード1)と、前記第2の加熱手段HM2の後で、前記第3の加熱手段HM3の駆動を開始するパターン(RG制御モード2)と、前記第3の加熱手段HM3を最初に駆動し、その後自動的に前記第2の加熱手段HM3の駆動に切り替わるパターン(RG制御モード3)と、を少なくとも有している。これらRG制御モード1~RG制御モード3において、各加熱手段の切り替えは、加熱室6(図9参照)で加熱調理を開始すると、自動的に行われる。
前記「複合調理モード」KM2は、前記連携調理モードKM3とは異なり、特定の被調理物(例:ハンバーグ)に対応した「調理メニュー」を有していない。すなわち、前記第2の加熱手段HM2と前記第3の加熱手段HM3を駆動するパターン別の「制御メニュー」を用意している。
例えば、「制御メニュー」の1つが、前記「RG制御モード1」である。RG制御モード(RG複合調理モード)では、色々な調理物の調理ができる。「制御メニュー」の1つの、例えば前記「RG制御モード1」は、その制御モードを規定するレシピデータで制御されるが、特定の被調理物毎に設定したものではない。
つまり、2つ以上の加熱源(第2の加熱手段HM2と前記第3の加熱手段HM3)を予め決めたシーケンスで動作させる運転パターンが、複数の「制御メニュー」を有する複合調理モードKM2である。
これに対し、加熱室6の内部と、トッププレート3の上方の、それぞれの場所に置いた被調理物を予め決めた順番で加熱調理する、(特定の被調理物に対応した)レシピデータが適用されるものが、連携調理メニューを有する連携調理モードKM3である。
つまり、複合調理モードKM2と連携調理モードKM3では、レシピデータCDの内容が異なる。
以下の説明では、加熱源の駆動パターンのように制御形態の種類を示す場合に「制御メニュー」と呼ぶ。例えば「解凍」は制御メニューの1つである。
一方、加熱調理可能な被調理物、料理名等を特定する場合には「調理メニュー」と呼ぶ。例えば「ハンバーグ」は調理メニューの1つである。
前記加熱調理器1は、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2とが、ユーザー(使用者)USの操作に依存して確定する時間差で、それぞれ駆動される「連携調理モード」KM3の実行機能を有している。
前記「連携調理モード」KM3では、前記第1の加熱手段HM1で調理工程1を実施するパターンと、前記第2の加熱手段HM2で調理工程1を実施するパターンと、を有する。
例えば、第1の加熱手段HM1のよる調理工程1を終えて調理工程2に移るため、被調理物を前記加熱室6に移動させ、その後、前記第2の加熱手段HM2の駆動を開始するため、この調理工程1と調理工程2の間には、加熱動作を行わない「加熱休止期間TR」(移行期間TR)が存在する。この加熱休止期間TRは、図40と図41で説明する。
この「連携調理モード」KM3では、特定の被調理物(例:ハンバーグやローストビーフ、グラタン)毎に、前記レシピデータCDが用意される。
前記レシピデータCDは、使用する加熱手段と、その加熱手段を駆動する順番、及び加熱手段の制御条件(火力や加熱時間、温度等の少なくとも何れか1つを含む)が指定されている。
前記レシピデータCDは、前記加熱調理器1と前記レシピDB302の双方に格納されている。レシピDBにあるレシピデータCDの種類と、前記加熱調理器1で保有している前記レシピデータCDの種類は、同一である必要はない。例えば、前記レシピDB302には、新しい連携調理モードKM3のレシピデータCDが順次追加され、また複合調理メニューの前記レシピデータCDが、順次蓄積されていく形態でも良い。
加熱調理器1が、前記スマートフォン200から前記連携調理モードKM3を実行するための前記レシピデータCDを取得する場合、当該データは、ユーザーUSが前記スマートフォン200において選択した1つの調理メニュー単位である。これは、「連携調理モード」KM3に限らず、「複合調理モード」KM2、「単独調理モード」KM1にも共通である。
以上のように、スマートフォン200は、レシピデータ提供サーバー301に、希望する被調理物のレシピデータCDを提供するように求め、希望する調理メニューに対応したレシピデータCD1をダウンロードする。
スマートフォン200は、レシピデータ提供サーバー301から取得した、1つのレシピに対応したレシピデータCD2を、加熱調理器1に送信することができる。
加熱調理器1のユーザーUSは、このようなレシピデータ取得機能を利用するために、レシピ提供サイト(レシピデータ提供サーバー301)にアクセスしてレシピ選択用のアプリケーション(以下、「レシピ選択アプリ」という)を、スマートフォン200にインストールする。
前記ユーザーUSは、レシピ選択アプリをインストールしたときに、初期設定として加熱調理器の機種名等、識別情報を登録する操作を行う。この登録により、加熱調理器1の定格仕様(各加熱手段HM1~HM3の加熱能力等)に対応したレシピデータCDを、レシピ提供サイト(レシピデータ提供サーバー301)から取得することができる。
また、前記ユーザーUSは、レシピ選択アプリにより、スマートフォン200と加熱調理器1のペアリングを行って、スマートフォン200と加熱調理器1との間の無線通信400を確立する。なお、この無線通信は、近接無線通信(NFC)方式を用いたものでも良い。
次に図2について説明する。
図2は、図1に示した加熱調理システムとは、スマートフォン200の役目が異なっている。またレシピ提供サイト(レシピデータ提供サーバー301)にアクセスしてレシピ選択用のアプリケーション(「レシピ選択アプリ」という)を取得するのは、スマートフォン200ではなく、加熱調理器1である点で異なっている。
スマートフォン200とレシピ提供サイト(レシピデータ提供サーバー301)とは、インターネット回線等のネットワーク202で接続される。
また、レシピ提供サイト(レシピデータ提供サーバー301)と加熱調理器1とは、インターネット回線等のネットワーク203で接続される。なお、スマートフォン200と、前記クラウドサーバー300との間は、無線ルータ(図示せず)を介在させても良い。同様に、加熱調理器1とクラウドサーバー300との間は、無線ルーター340(図示せず)を介在させても良い。
以上のように、図2に示した加熱調理システムにおいては、スマートフォン200で、ユーザーUSが作成した(1つのレシピに対応した)レシピデータCD3を、レシピ提供サイト(レシピデータ提供サーバー301)に送信して、前記レシピDB302に一旦格納させ、加熱調理器1向けに提供することができる。つまり、加熱調理器1が設置された家屋から遠く離れた場所(例えば、外出先)にスマートフォン200が存在している場合、当該スマートフォン200のレシピデータCD3を、レシピデータ提供サーバー301に保存しておけるので便利である。
加熱調理器1は、前記レシピ提供サイト(レシピデータ提供サーバー301)との間のネットワーク203を通じて、前記レシピデータ提供サーバー301に蓄積されている特定のレシピに対応したレシピデータCD4をダウンロードする。この場合のレシピデータCD4は、前記スマートフォン200が提供していた前記レシピデータCD2であっても良い。
加熱調理器1のユーザーUSは、このようなレシピデータCDの取得機能を利用するために、レシピ提供サイト(レシピデータ提供サーバー301)にアクセスしてレシピ選択用のアプリケーション(以下、「レシピ選択アプリ」という)を、加熱調理器1に事前にインストールしておく。このインストールは、後述する「機能設定モード」の1つのメニューとして加熱調理器1で簡単に実行できるようにしておくと便利である。
前記ユーザーUSは、レシピ選択アプリをインストールしたときに、初期設定として加熱調理器の機種名等、識別情報を登録する操作を行う。この登録により、加熱調理器1の仕様(各加熱手段HM1~HM3の加熱能力等)に対応したレシピデータCDを、レシピ提供サイト(レシピデータ提供サーバー301)から取得することができる。
この図2の加熱調理システムにおいて、ユーザーUSは、図1で説明したように(レシピに対応した)レシピデータCD1を取得し、そのレシピデータCD1の内容をスマートフォン200の表示画面に表示させて確認し、レシピデータCD1の一部を修正したものをレシピデータCD3として、図2で説明したように前記レシピ提供サイト(レシピデータ提供サーバー301)に格納しても良い。
図1に示した加熱調理システムでは、スマートフォン200と加熱調理器1の位置が近い場合にスマートフォン200から加熱調理器1へのレシピデータCD2が提供できるが、例えば、スマートフォン200を屋外の遠隔地に持ち出している場合には、加熱調理器1がレシピデータCD2を直接取得することはできない。
これに対し、図2に示した加熱調理システムでは、スマートフォン200の存在する位置に関係なく、レシピ提供サイト(レシピデータ提供サーバー301)にアクセスできれば、前記レシピデータCD4をダウンロードして加熱調理に利用することができる。
次に図3について説明する。
図3は、図1に示した加熱調理システムとは、レシピ提供サイト(レシピデータ提供サーバー301)の役目が異なっている。
この図3の加熱調理システムでは、加熱調理器1は、レシピ提供サイト(レシピデータ提供サーバー301)にアクセスし、レシピデータCD6をダウンロードする。
また、この図3の加熱調理システムでは、加熱調理器1は、レシピ提供サイト(レシピデータ提供サーバー301)にアクセスしてレシピデータCD7を提供できる。
例えば、実際に加熱調理を実行して良好な調理が出来た場合、その加熱調理の後で、加熱調理器1の記憶部に残っているレシピデータを、改良したレシピデータCD7としてレシピ提供サイト(レシピデータ提供サーバー301)に提供できる。このようなユーザーUSのお気に入りのレシピは、「お気に入りレシピ」としてレシピデータ提供サーバー301に登録(記憶)させておくと良い。なお、「レシピ選択アプリ」を取得するのは、加熱調理器1である点で、図1の加熱調理システムとは異なっている。
加熱調理器1とレシピ提供サイト(レシピデータ提供サーバー301)とは、インターネット回線等のネットワーク204、205で接続される。
なお、加熱調理器1と、前記クラウドサーバー300との間は、無線ルーター340(図示せず)を介在させても良い。同様に、加熱調理器1とクラウドサーバー300との間のネットワーク204、205には、無線ルーター340(図示せず)を介在させても良い。また、スマートフォン200から前記クラウドサーバー300との間にも無線ルーター(図示せず)を介在させても良い。
この図3の加熱調理システムにおいて、ユーザーUSは、加熱調理器1によって、レシピ提供サイト(レシピデータ提供サーバー301)から直接的にレシピデータCD6を取得できる。そのため、スマートフォン200を所有していなくとも、加熱調理の都度に、レシピ提供サイト(レシピデータ提供サーバー301)から希望するレシピデータCD6を取得できる。
また、上述したように、実際に加熱調理を実行して良好な調理が出来た場合、その加熱調理の後で、改良したレシピデータCD7としてレシピ提供サイト(レシピデータ提供サーバー301)に提供できる。このため、次回以降に、そのレシピデータCD7を加熱調理器1側から呼び出して加熱調理に利用することができ、便利である。
この実施の形態1で、レシピデータCDを「取得する」又は「取得を制限する」という説明をする場合があるので、この点について説明する。
「取得を制限する」という説明をした場合、後述する通信部51を介して外部から全くレシピデータ(その一部又は全部を構成する特定の情報)CDが加熱調理器1の内部に入らないという訳ではない。加熱調理器1では、通信部51で一旦は外部からのレシピデータCDを受信して、記憶装置41(図16で説明する)の中の適当な記憶エリアに一時的に格納する。その際に、当該データの内容(属性、識別情報167の有無等)を分析する。しかし、当該データが、前記したように「取得を制限されている期間」に、外部から送信されたデータである場合、以後の調理メニューの実行過程(つまり、調理工程)で利用されることはなく、短時間の内(少なくとも主電源スイッチ20をOFFにした時点)に自動的に消去される。
以下の説明では、前記したインターネット回線等のネットワーク201、202、203、204、205は、統一的な符号として「NW」を使用する。
(2.各種電気機器とホーム・ゲートウエイの構成)
「家電機器」402とは、主に家庭で使用されることを想定して設計された電気機器をいう。家電機器402には、後述する加熱調理器1や冷蔵庫403、テレビジョン受像機404、空気調和機405、空気清浄機406、換気装置407、電気炊飯器(電気ジャー炊飯器)408、電子レンジ409、照明器具410、空気清浄機413が含まれる。なお、以下の説明では、「冷蔵庫」403とは、特に断りがない限り、冷凍庫(冷凍室)を内蔵した冷凍冷蔵庫と、冷凍機能だけを備えた冷凍庫の双方を含む。
家電機器402の「機器識別情報」とは、家電機器402を特定するための固有の情報である。具体的には、情報通信を行う場合に必要となる重要な情報であり、MACアドレス、家電機器402の製造者名、型名(モデル名)、形式番号、製造番号等である。
「ホーム・ゲートウエイ」411とは、1つの家庭における、2つ以上の家電機器402の間の情報を中継し、連携した動作をさせるための、情報収集装置又は情報処理装置をいう。また、これに加えて、1つの家電機器402に指令信号を与えること、又は1つの家電機器402から情報(「データ」ともいう)を取得する動作を行うものである。
以下の説明では、「ホーム・ゲートウエイ」411は、情報処理装置411の1つの形態であるという前提で説明する。
前記ホーム・ゲートウエイ411は、前記家電機器402の全部又は一部について、1つの家庭の総電力使用量を管理させるために、ピークカット機能等の電力制御機能を持たせている場合があり、その場合、「電力制御装置」や「統合管理装置」等と呼ばれる場合がある。
前記ホーム・ゲートウエイ411は、家電機器402の運転や停止、待機状態等の現在状況に関する情報を、有線又は無線信号で家電機器402から取得する機能を有する。
前記ホーム・ゲートウエイ411は、無線通信を利用する場合、前記機器識別情報を利用して目的の家電機器402と接続される。
前記ホーム・ゲートウエイ411が、1つの家電機器(例えば、加熱調理器1)402に対して、「統合管理装置」又は「電力指令装置」として機能する場合があっても、他の家電機器(例えば、照明器具410)に対しては、消費電力を制限しない場合には、「統合管理装置」又は「電力指令装置」には相当しない。例えば、当該ホーム・ゲートウエイ411が、照明器具410の運転情報を取得しても、他の家電機器402の消費電力と合わせた総消費電力が、規定の総消費電力の上限を超えないように、照明器具410自体の消費電力を規制する機能がない場合である。このようなケースでは、照明器具410から見てホーム・ゲートウエイ411は、統合管理装置又は電力指令装置に相当しない。
図4において、HAは、1つの家屋を示したものである。
家屋HAの中は、実際には図示していないが、壁やドアによって複数の居住空間に区画されており、その1つの居住空間であるキッチン601には、前記冷蔵庫403、加熱調理器1、電子レンジ409、電気炊飯器408などの家電機器402と、キッチン家具(厨房家具)600が配置されている。なお、居住空間には、この図4には示していないが、そのほかに「居間」や「浴室」等、またトイレのある部屋も含まれる。居住空間には、これ以外の部屋があっても良い。
全ての居住空間には、家屋の外部にある電力会社の商用電源EPから例えば200Vの電力が供給されている。その電力は、電力量計414を介して家屋HAの内部に引き込まれている。
415は、200Vの電圧の商用電源EPに対し、ブレーカーBKを介して接続された電源線(主幹線)である。この電源線415には、各種放送受信できるテレビジョン受像機(以下、「TV受像機」という)404、空気調和機405、照明器具410、加熱調理器1、電子レンジ409、電気炊飯器408、ホーム・ゲートウエイ411及び環境検知部416が、それぞれ接続されている。
引き続いて図4を説明する。
419は、広域通信回路網(「通信ネットワーク」又は「インターネット」と称する場合がある)である。
この広域通信回路網419は、ホーム・ゲートウエイ411に対して、ルーター(図示せず)を介して接続される。この広域通信回路網419は、前述したネットワークNWである。
417は、外部サーバーであり、前記クラウドサーバー300の1つの構成部分である。
この外部サーバー417は、ホーム・ゲートウエイ411や通信端末器(情報処理端末機器)200に対して、有益な情報を発信する。
外部サーバー417は、例えば、特定地域の地震情報提供機関や電力会社等の外部機関が設置したサーバーでも良いし、加熱調理器1を製造したメーカが用意したサーバーでも良い。この外部サーバー417は、いわゆる「クラウドサーバー」と呼ばれる分散処理型のサーバーでも良い。なお、クラウドサーバーを利用する「クラウドコンピューティング」には、「IaaS」、「PaaS」、「SaaS」の3種類があることが知られている。
ホーム・ゲートウエイ411は、外部サーバー417から、各種のコンテンツの配信サービスを受けることができる。このコンテンツの中には、各種調理のレシピデータCDを含む。当該レシピデータCDには、コンピュータで実行可能なプログラム、テキストデータ、画像情報等も含まれる。
なお、図示していないが、上記した環境検知部416の環境センサーは、家屋の外部の気温と湿度とを検知する温度センサーや湿度センサーを追加して設けても良い。
また、外部サーバー417は、前記家電機器402に対する情報提供手段として機能するものである。つまり、外部サーバー417は、家電機器402の製造業者(メーカ)、販売業者、修理業者、あるいは情報サービス提供業者等の組織が、単独で、又は2つ以上の組織が共同で設置したものでも良く、家電機器402に関する各種サービスを、広域通信回路網419を介してユーザーUSに提供するものである。
また、前記外部サーバー417は、一般に「Webサーバー」(以下「ウェブサーバー」という)と呼ばれているものでも良い。ウェブサーバーは、HTTP(HTML文書や画像などのデータをWebサーバーとWebブラウザ間でやり取りするために使われるプロトコル)に則り、各種通信端末器(情報処理端末器)200や、ホーム・ゲートウエイ411等のような、「情報を受け取る側」の情報処理機器(クライアント)側ソフトウェアのウェブ・ブラウザに対して、HTMLやオブジェクト(画像など)の表示情報を提供するサービスプログラム及び、そのサービスが動作するサーバーコンピュータを指す。
前記外部サーバー417には、家屋HAやその遠隔地から、ホーム・ゲートウエイ411を遠隔制御することができるようにした制御用アプリケーション・ソフトウェアが格納・記憶されている。後で詳しく述べる通信端末器200、例えばスマートフォンと呼ばれている機器からは、クラウドサーバー300にアクセスして制御用アプリケーション・ソフトウェアをダウンロード(読み込み)することにより、前記した遠隔制御を実現することができる。
前記通信端末器200は、ユーザーUSが気軽に携帯して屋内や屋外、その他外出先等で通話やデータ(メール情報を含む)の通信を行える。広域通信回路網419を介して屋外の情報提供サイトから情報をダウンロードしたり、メールを送信・受信したり、遠隔操作信号を発信できる機器であるが、通話できない機器でも良く、そのような携帯可能な通信端末機器を総称して通信端末器200と呼んでいる。なお、小型の携帯用パーソナルコンピュータも、通信端末器200の一種である。
本実施の形態1における通信端末器200は、各家電機器402の入出力部に数センチメートル程度接近(又は接触させても良い)した状態で、近距離通信で信号の授受をする機能を備えている。なお、この近距離通信とは、Near Field Communication(略称:NFC)として知られている無線通信の国際規格技術のことである。
このNFCの通信では、誘導加熱調理器1や冷蔵庫403を含む家電機器402側に、いわゆる無線タグ(NFCタグ)が埋め込まれている。
一方、通信端末器200側から制御データ(「制御コマンド」ともいう)を家電機器402のNFC記憶部へ送り、家電機器402を、前記制御コマンドに従って制御することもできる。
この実施の形態1においては、通信端末器200から家電機器402側に対する直接的な遠隔操作はできないようにしてある。家電機器402の中には、加熱調理器1等のように高熱を発するものもあるため、家屋HAの外から多くの人が利用するインターネットを経由して遠隔操作することは採用していない。その代わり、統合的な情報処理装置として、前記ホーム・ゲートウエイ411を経由して全ての家電機器400の操作が可能となるようにしている。
以上の説明から明らかなように、この実施の形態1のホーム・ゲートウエイ411は、1つの家庭における、2つ以上の家電機器400の間の情報を中継し、連携した動作をさせるための情報処理装置をいう。また、これに加えて、1つの家電機器400に指令信号を与えること、又は1つの家電機器400から情報(データともいう)を取得する動作を行う。
図4においては、図示していないが、この家屋HAの中のキッチン601には、後述する換気装置の1種であるレンジフード407と、天井埋込型の空気清浄機413が設置されている。
416Aと416Bは、ホーム・ゲートウエイ411の環境検知部416のセンサー部である。1つのセンサー部416Aは、図7に示すように、人の存在を(赤外線や超音波で)検知する人感センサーとして、キッチン601内部に配置されている。もう1つのセンサー部416Bは、同様に前記センサー部416Bと異なる場所に設置されている。センサー部416Bは、「環境情報」を取得するためのものである。環境検知部416については、後で詳しく説明する。
前記「環境情報」とは、加熱調理器1や冷蔵庫403を使用する空間(キッチン601)の雰囲気の温度情報と、塵埃飛散量情報、光量情報の3種類をいう。塵埃飛散量情報とは、空気中に存在する塵埃(花粉を含む)の量を計測した結果である。
「環境情報の利用」には、以下のような例を含む。
(1)温度が高い場合、電気炊飯器408の保温機能を炊飯工程の終了に連続して動作させる。また、冷蔵庫403の冷蔵目標温度、冷凍目標温度を、標準値よりも上げる。
(2)湿度が高い場合、空気調和機405を「除湿モード」又は「冷房モード」で動作させる。または換気装置407の運転を開始する。あるいは、空気調和機405が運転中であった場合、その運転条件(目標とする室温など)を変える。
(3)空中を浮遊するような微細な塵埃が飛散している場合、空気清浄機413を動作させる。または換気装置407の運転を開始する。
(4)花粉飛散量が多い場合、空気清浄機413の運転を開始する。
(5)光量(可視光線量)が少ない場合、照明器具410を点灯させる。
「居住者」とは、図4に示した1つの家屋HAに居住する者をいう。居住者には、血縁関係にある親子、兄弟、姉妹等が含まれる。なお、家電機器402を使用した場合には、居住者を「ユーザーUS」と呼ぶ。
「家庭」とは、特定の管理者が管理する1つの家屋HAを意味しており、複数の部屋があり、複数の家族が入居している集合住宅も含む場合がある。すなわち、そのような集合住宅でも、1つの家屋HAの場合と同様に商用電力の上限が1つの電力遮断機器(1つのブレーカーBK、あるいは複数の電力遮断器等)で、一元的に管理されている場合は、ここでいう家庭とみなす。
「家電機器側の電力制限情報」とは、ホーム・ゲートウエイ411から家電機器402が受ける、電力消費量に関する何らかの信号に関する情報をいう。この「家電機器側の電力制限情報」とは、後述する電力削減要請信号AS1、電力削減指令信号AS2等のような送信指令に関する情報を含んだものをいう。それら情報には、その信号の受信時期(年月と秒単位の時刻)と信号の意味を示す情報が含まれる。例えば、加熱調理器1に対するある時点の電力削減指令信号AS2についての「受信時刻:2021年10月1日 17時00秒 瞬間最大消費電力量を2%下げ」のような情報である。
家電機器側の電力制限情報は、例えば加熱調理器1では、後述する制御装置40の記憶装置41の中に時系列で記憶されており、主電源スイッチ20をON又はOFFしても消えない。主電源スイッチ20をONし、OFFしたことを1回の調理と考えて、少なくとも数回分は記憶保持されるようになっている。それを超えた分が順次自動的に消去される。
次に図5について説明する。
図5は、本実施形態1の加熱調理器1と家電機器の運転管理システムが適用されたハードウエアの構成例を示している。1つの居住空間として、キッチン601を例にして以下説明する。
本実施の形態1が適用されたキッチン601には、天井面(水平壁面)420上に設置された空気清浄機413と、冷凍温度の異なる複数個の冷凍室403Aと、冷蔵室403Bとを備えた冷蔵庫403と、電子レンジ409と、が、それぞれ設置されている。
更に、キッチン601には、キッチン家具600に配置されたビルトイン式の(誘導)加熱調理器1と、加熱調理器1の真上の位置に配置されるレンジフード(換気装置)407と、ホーム・ゲートウエイ411とが、それぞれ設置されている。なお、図5では、図4で説明した電気炊飯器408、空気調和機405及び照明器具410は、何れも図示を省略している。
前記冷蔵庫403は、食品(自然食品や加工食品等含む)の材料(以下、「食材」という)を収容する「保存室」403Hを有している。保存室403Hは、前記冷凍室403Aと、冷蔵室403Bを含んでおり、食材の種類に応じて「野菜室」、「肉と魚の専用室」等の特定の部屋に区画されていても良い。
この実施の形態1では、保存室403Hとして、少なくとも、冷凍室403Aと、この冷凍室403Aと独立した空間の冷蔵室403Bと、の2種類を備えているという前提で、以下説明する。なお、これら保存室403Hの内部空間の温度(冷凍温度・冷蔵温度)は、以下、「庫内温度」と総称する場合がある。
前記冷蔵庫403における複数個の冷凍室403Aは、例えばマイナス18℃±2℃、マイナス10℃、マイナス2℃等、冷凍食品(加工食品含む)や生鮮食材(肉、魚等)に適当な冷凍温度(温度帯)の冷凍室を選択できるようにしている。
また、前記冷凍温度や冷凍のための庫内温度の温度帯は、生鮮食材(例えば、牛肉)を長期に保存した場合の熟成にも影響するので、同じ冷凍室であっても、食材の種類によって、その都度適宜変更することができるようになっている。
前記庫内温度は、前述したように複数種類あり、例えば、氷結点(凍結温度)に近い温度に設定したものは「チルド室」と呼ばれている。
複数の保存室403Hの容積や形状は、異なっており、冷蔵室403Bが最も大きい。また、保存室403Hの中を更に複数の部屋に区切るため、仕切り板と蓋(又は扉)を設けて、独立した収容空間を増やしても良い。
冷蔵庫403は、冷却装置(図示せず)として、例えば、冷凍サイクルを構成するために、電動圧縮機403C、冷媒配管(図示せず)、冷気循環ファン(図示せず)、保存室403Hへの冷気の流入を制御するダンパー(シャッター)(図示せず)等を備えている。前記庫内温度を制御するためには、前記電動圧縮機の運転周波数を変更したり、前記冷気循環ファンの風量を変化させたりすれば良い。
冷蔵庫403には、ドア(図示せず)の正面(前面)中央上部に、表示部(表示画面)403Dを有している。冷蔵庫403の筐体内部には、半導体メモリー等の記憶装置403Mと、マイクロコンピュータを主体とした制御装置403Uと、を有している。前記制御装置403Uは、前記電動圧縮機403Cの駆動回路(インバーター回路。図示せず)、前記冷気循環ファン(図示せず)、前記ダンパー(図示せず)等に指令信号を発する。制御装置403Uは、冷蔵庫403全体の運転を制御するために制御プログラム(図示せず)を保有している。
403Tは、冷蔵403の筐体内部や筐体外部の天井部等に設置した無線通信部であり、前記制御装置403Uによって制御される。無線通信部403Tは、前記ホーム・ゲートウエイ411の通信部425(図7参照)と無線通信できる。
冷蔵庫403は、上記の構成のため、前記ホーム・ゲートウエイ411を介して前記加熱調理器1と無線通信可能であり、またネットワークNWにも接続できるので、加熱調理器1の各種情報、データ(後述する「レシピデータCD」を含む)を取得できる。
更に、冷蔵庫403は、通信端末器200との間でも、無線通信でデータの授受ができる。
保存室403Hの冷却装置として、ペルチェ素子を使用している場合には、当該ペルチェ素子に供給する電力を調整することで庫内温度を調節できる。電動圧縮機403Cとペルチェ素子の両方を使用した冷蔵庫403であっても良い。
更に、保存室403Hに、特定の食材(例えば、卵や牛乳、バター等)を収容させ、その重量を計測するための重量センサー(図示せず)を配置しても良い。その重量センサーの重量計測は、定期的に行われ、冷蔵庫403の制御装置403Uがデータを集約しておくと良い。このような重量データは、冷蔵庫403の在庫データの一部になり得るので、情報処理装置の1種であるホーム・ゲートウエイ411からの在庫データ照会の際に、利用される。
冷蔵庫403の制御装置403Uの記憶部403Mが保有する管理データベースには、各保存室403Hの庫内温度(標準値と、調節できる温度範囲、調整できる最小温度幅)と、容積と、対象となる主な食材の種類・名称等の識別情報と、を保有している。例えば、冷凍室403Aは、マイナス10℃が標準庫内温度で、マイナス5℃~マイナス15℃までの範囲を、20段階に調節できること、容積は30リットルであること、などの情報を保有している。その他、保存室403Hの最大寸法(内寸)データを保有させても良い。これは、鍋等の固形物をそのまま収容することができるかどうかの判定に利用されるためである。これら全てのデータも、ホーム・ゲートウエイ411からの在庫データ照会に対する応答時に、冷蔵庫403は外部へ提供できる。つまり、ホーム・ゲートウエイ411でも、保存室403Hの各種データを、その都度取得することを可能にしている。
前記レンジフード407は、前記天井面420を貫通している排気口427を有しており、この排気口427には、屋外に連通しているダクト428の一端部が接続されている。
430は、下面全体が吸込口430Aとして開放された箱形のフードであり、このフードの内部には排気用の電動ファン429が設置されている。なお、このレンジフード430は、天井面420に固定されているが、詳しい構成については説明を省略する。
このレンジフード407の運転状況は、ホーム・ゲートウエイ411の通信部425を介して、前記中央制御部423に随時送信される。このため、レンジフード407の内部には、ホーム・ゲートウエイ411の間で、排気運転の開始、停止と、運転の強度(排気能力の大小)等の各種運転情報を送信する送信部と受信部とを兼ねた前記通信部431を備えている。つまり、送信部と受信部とをハードウエアでは一体化し、通信部431として備えている。この通信部431は、ホーム・ゲートウエイ411との間は、無線通信又は赤外線通信で情報の授受を行う。
電動ファン429が回転駆動されると、レンジフード407の吸込口430Aから空気を吸引し、調理時の臭いや煙も吸引して、ダクト428を通して家屋HAの外部に排気するものである。なお、レンジフード407は、加熱調理器1の側から赤外線信号等の運転信号を受信して、排気運転を開始する方式である。これについては、後で説明する。
図5において、矢印FF1は、加熱調理器1から上昇する気流を示す。FF2は、ダクト427からの排気流を示す。FF3は、天井面420の近くを横に移動する空気流を示す。FF4は、空気清浄機413から吹き出される(浄化された)空気流を示している。
レンジフード407に、加熱調理器1の方向に向けて熱感知センサー(熱起電力素子)を配置しても良い。この構成によれば、レンジフード407自身が加熱調理器1の運転開始を感知し、電動ファン429の運転を制御する。
天井埋込型の空気清浄機413は、天井面420に埋め込む形で設置されている。空気清浄機407の箱型本体435の内部には、送風ファン436とフィルター437が備えられている。
440は、空気案内板であり、空気清浄機413の下方全体を覆っている。432は、空気案内板431によって一方の端部(前記レンジフード407に近い側)に形成した吸込口である。433は、空気案内板440によって前記吸込口432とは反対側の端部に形成した吹出口である。
前記送風ファン436は、キッチン601内部の汚れた空気を吸込口432から吸引し、フィルター437を通過させて清浄化した空気を、前記吹出口433からキッチン601の下方に向けて排出する。このようにして、空気中のほこりや臭いを取り除き、室内の空気を清浄化するものである。
434は、空気清浄機404の臭いセンサーであり、前記吸込口432の入口部に臨むように配置されている。これは、運転時に空気清浄機413に取り込む空気の中から、臭いを検出し、空気の汚染度を検出している。なお、臭いセンサー434の位置は、吸込口432側の風路で、かつフィルター437の前段であれば、どこに配置してもその効果に大きな差異はない。
前記臭いセンサー434の検出結果は、空気清浄機413の本体435の内部に配置された臭い感知部(図示せず)で、臭いの強度が判定され、またその結果は、前記ホーム・ゲートウエイ411の環境検知部416に随時送信される。このため、空気清浄機413の内部には、ホーム・ゲートウエイ411との間で、空気清浄運転の開始、停止、臭いの強度の判定結果等の各種情報を送信する送信部(図示せず)と、受信部(図示せず)とを備えている。例えば、それら送信部と受信部をハードウエアでは一体化し、通信部438として備えている。通信部438は、ホーム・ゲートウエイ411との間で、無線通信又は赤外線通信によって情報の授受を行う。
空気清浄機413が、臭いを検出できるのは、空気清浄機413が運転中であり、しかも、キッチン601のどこかの場所で発生した臭いが、その発生場所から空気清浄機413に到達したときである。
この空気清浄機413は、一般的に空気中の塵埃や花粉等を捕捉するために、微細な空気の通路を有したフィルター437を1枚又は複数枚(複数層)備えた構成である。そのため、加熱調理器1によって食用油を使った調理で発生した油煙を濾過すると、油の粒子がフィルター437の表面に付着し、その油の粒子が結合して油膜を形成する。
この油膜が原因で、フィルター437の濾過性能が低下する。すなわち、フィルター437を通過する空気の量が低下し、空気清浄機413の空気浄化能力が低下する事態を招く。そこで、加熱調理で発生した排気の中に油調理で発生した油煙が含まれる場合には、空気清浄機413の運転をできるだけ避けるというアイデアが既に提案されている(例えば、特許文献 特開2016-95126号公報)。
図5において、冷蔵庫403は、キッチン家具600の右側近傍に設置されているように描いてあるが、実際の場面では、この図5と異なる場所に設置していても良い。また、冷蔵庫403は、1つだけではなく、複数台使用していても良い。
441は、ホーム・ゲートウエイ411の外郭を構成する本体ケースである。この本体ケース441は、居住者が入力操作や表示を確認できるような高さで、キッチンの垂直壁面439に固定されている。
445は、本体ケース441の近くの垂直壁面439に固定されている警報装置であり、あとで詳しく説明する。600Dは、キッチン家具600に設置した水道の給水口である。
次に図6について説明する。図6は、加熱調理器1とレンジフード407との関係を示した縦断面模式図である。
図6において、442は、加熱調理器1の温度監視装置である。この温度監視装置は、この実施の形態1では、ハードウエア上で前記レンジフード407の1つの構成部分としている。しかし、ハードウエア上で、前記ホーム・ゲートウエイ411の1つの構成部分として構成しても良い。
温度監視装置442は、温度検出部443と、通信部446を備えている。温度検出部443は、赤外線センサー(図示せず)と、熱画像カメラ(図示せず)と、温度判定回路444と、を備えている。
温度監視装置442は、図6に示しているように、ハードウエア上で前記レンジフード407の1つの構成部分であっても、レンジフード407の排気運転とは無関係に常時通電されている。言い換えると、排気運転していない状態でも温度監視装置442は常時温度の監視動作を実行している。なお、温度監視装置442は、レンジフード407の外側や下面部に、装着されて使用されるように、独立した1つの機器で構成しても良い。
前記温度検出部443は、例えば、後述するトッププレート3の全領域(平面)を、少なくとも64個の領域(縦8個×横8個)(以下、「検知領域」という)に区画し、各領域の温度を検出する。
前記検知領域は、後述する加熱調理器1の3つの加熱部(左加熱口4Lと右加熱口4Rと中央加熱口4C)を含んでいる。
前記温度監視装置442は、温度検出部443で監視している検知領域の温度を、前記レンジフード407の運転中はもちろん、運転停止中の期間も、所定の時間間隔で繰り返し計測する。
前記温度監視装置442は、計測した温度の監視情報を、前記通信部446から前記ホーム・ゲートウエイ411に送信する。なお、前記ホーム・ゲートウエイ411に送信することに加え、前記加熱調理器1に直接送信する構成を採用しても良い。また、温度監視情報を得るための、温度計測間隔は、一定時間(例えば5秒おき)ではなく、温度が高い領域においては、時間間隔を短くしている。
前記温度監視装置442は、前記加熱調理器1の赤外線送信部31からの赤外線信号を、前記レンジフード407の受光部447が受けたことを検知し、当該レンジフード407が運転開始された時点で、温度情報の取得を開始する。
前記温度監視装置442は、前記加熱調理器1の運転終了を示す(赤外線送信部31からの)赤外線信号をレンジフード407が受けたあとも、温度取得動作を継続する。そして、トッププレート3の全領域の推定温度が、事前に定めた所定温度(例えば、40℃)以下になるまで温度情報の取得を所定の時間間隔で継続する。なお、当該所定温度よりも低温になった段階で、温度計測動作の間隔は遅くなる。なお、低い温度になった場合には、上記のような監視運転を一旦終了しても良いが、少なくとも、前記加熱調理器1の運転開始時点では、再度温度監視動作を開始する。
加熱調理器1は、後で詳しく説明するが、キッチン家具600の中に設置されている。6は、加熱調理器1の内部に形成した加熱室、7は、当該加熱室113の前面開口部を開閉自在に覆うドアである。
加熱調理器1は、その上面を覆うトッププレート3の上に(磁性金属製の鍋等の)被加熱物Nを載置し、IHコイル9(9C、9L、9R)によって誘導加熱する。32は、加熱調理器1の内部を上下2つの独立した空間に区画する底壁面である。
33は、加熱調理器1の内部において、前記底壁面32より上方にある設置空間であり、前記IHコイル9が収容されている。
次に図7について説明する。図7は、ホーム・ゲートウエイ411と家電機器402及び温度監視装置422との関係を示したブロック図である。なお、家電機器402の内、加熱調理器1と電子レンジ409は、ホーム・ゲートウエイ411から電力量制御を受ける。
このため、ホーム・ゲートウエイ411は、加熱調理器1と電子レンジ409に対しては、電力指令装置を兼ねているが、この点は前に説明したので、ここでは詳しく説明しない。なお、この図7には示していないが、前記空気調和機405も消費電力(上限値)制御を受ける機器である。
前記電力量制御部424は、対象となる家電機器(例えば、加熱調理器1と、電子レンジ409)から使用する電力量の情報を常に取得し、事前に設定された総電力量を超えないように、当該家電機器402の消費電力を制限する機能を有しており、既にHEMS(家庭用電力マネージメントシステム)という名称で知られている。
電力量制御部448は、通信部425を介して外部から電力削減要請又は電力削減指示を示す情報を取得した場合、事前に定めた優先順位に従って対象となる家電機器(例えば、加熱調理器1と、電子レンジ409、空気調和機405)の消費電力を削減する動作を行う。
図7において、ホーム・ゲートウエイ411の中には、人感知部416Hを内蔵した環境検知部416がある。環境検知部416は、花粉センサー(図示せず)やキッチンの気温と湿度を検知するセンサー部416Bからの検知結果も所定の形式のデータで受信している。416Aは、前述したように、キッチン601の気温や湿度等を計測するセンサー部である。
前記人検知部416Hは、キッチン601の中の、特に加熱調理器1の前方と冷蔵庫403のドア(図示せず)の前方エリアにおいて、人が居ることを検知するものであるため、前記センサー部416Aには、1つ又は複数個の赤外線センサーや超音波センサー等を使用している。
例えば、加熱調理器1前方と冷蔵庫403のドアとの距離が近い場合には、その加熱調理器1前方と冷蔵庫403の間の空間に向けて、キッチン601の天井面420等に前記センサー部416Aを設置する。
また、加熱調理器1前方と冷蔵庫403のドアとの距離が少し離れている場合には、1つのセンサー部416Aは、その加熱調理器1前方近傍の空間に向けて、キッチン601の天井面420等に設置する。そして、更に、もう1つの人検知部416H用のセンサー部416Aを、冷蔵庫403のドアの前方空間に向けて、前記天井面420等に設置すると良い。つまり、人検知部416Hのセンサー部416Aは、1つに限られず、適宜必要な数を使用すれば良い。
前記レンジフード407のフード430の下端部に、1つのセンサー部416Aを取り付けて、加熱調理器1の前方にユーザーUSが居ることを感知させても良い。
以上のように、人検知部416Hのセンサー部416Aの設置する場所は、冷蔵庫403と加熱調理器1の位置関係と、人検知部の感知能力(感知範囲)を考慮して適宜決めれば良い。
前記人検知部416Hは、環境検知部416の1つのセンサーとして機能させているが、家屋HAの内部、すなわちキッチン601等に人間が居るということを検知するための在宅検知装置(図示せず)の1つの部分を構成する、独立した統合検知機器として機能させても良い。その場合、家屋HAの玄関(入口)のドアの錠を開けたことを検知する開錠センサー等の情報も、前記在宅検知装置で利用すれば良い。これにより、在宅と留守の判定処理における、精度を向上させることができる。
入力部421は、液晶表示画面に形成されたタッチ入力式のキーを操作して、ホーム・ゲートウエイ411の各種機能を設定できる。その機能の1つとして、消費電力の上限値を設定する家電機器402を特定し、その上で消費電力の上限値や使用できる時間帯等も設定できる。例えば、ユーザーUSは、加熱調理器1の最大消費電力を、例えば、4800W、5400Wのように入力することができる。
前記入力部421は、液晶表示画面に形成されたタッチ入力式のキーを操作して入力する機能に加え、音声で入力する機能も備えており、居住者が発する音声を、マイク部(図示せず)に向けて発することで、希望する各種機能を入力できる。
445は、音や光の手段で居住者に警報を発する前記警報装置である。前記環境検知部416からの計測データや、温度監視装置422からの監視データを中央制御部423が受けて、警報指示信号を警報装置445が送信する。なお、この警報装置445は、電力量制御部424による制御対象にはなっていないので、家電機器402の消費電力量の変化によって、警報装置445自体への電力供給が制限・遮断されることはない。
図7に示すように、ホーム・ゲートウエイ411の中には、通信部(受信部・送信部)425と、中央制御部423と、記憶装置426と、を備えている。
前記通信部425は、加熱調理器1や冷蔵庫403等の家電機器402と個別に無線通信や赤外線通信ができる通信部である。
図7において、記憶装置426は、ホーム・ゲートウエイ411の運転履歴情報や、家電機器402の毎日の電力制御の履歴情報、更には環境検知部416で取得した毎日の「環境情報」等、比較的大きなデータ量の情報を記録する装置である。記憶装置426は、例えば各種半導体メモリーやHDD等である。
中央制御部423には、情報処理の中核となるマイクロコンピュータを有している。そのマイクロコンピュータのCPUがデータを読み出し、又は書き込む(記憶する)ためのROM及びRAMも内蔵している。前記ROMには、各種動作を規定するコンピュータプログラムが格納されている。
図7において、NWは、通信部(受信部・送信部)425と無線通信を行う広域通信回路網(インターネット)である。なお、この図7では、通信部425が1つだけ記載されているが、家電機器402用の通信部(受信部・送信部)と広域通信回路網(インターネット)NW用の通信部を、それぞれ個別に設けても良い。また、通信端末器200が備えたNFC(近距離無線通信)との間で、無線通信によって、直接情報の授受ができるようにNFC通信部を別に設けても良い。
427は、スケジュール管理部である。このスケジュール管理部は、カレンダー機能を有しており、少なくとも1月(最大31日間)におけるイベントの予定情報を記憶させることができる。
スケジュール管理機能自体については、既に多くの特許文献で提案されている。この実施の形態1では、前記入力部421によって、居住者毎のイベント(例えば、買い物、外出等)の予定日と開始予定時刻(又は、時間帯)が登録できる。
前記スケジュール管理部427に、イベント情報を記憶させておくと、記憶された日時になると、前記スケジュール管理部427から通知が出される。通知の形態は、前記入力部421の液晶表示画面で表示したり、音声合成装置(図示せず)で報知したりすることである。また、居住者が所持する通信端末器200に向けて通知を発する方法(「プッシュ型通知」ともいう)でも良い。
加熱調理器1等の家電機器402が起動している場合には、前記スケジュール管理部427から登録されたイベント情報に基づいて、当該加熱調理器1や冷蔵庫403に対して、通知が行われる場合がある。
(3.加熱調理器の構成)
次に、前記加熱調理器1の構成について、図8~図11を参照しながら説明する。
図8と図9において、加熱調理器1は、上部に調理台を備えたキッチン家具(厨房家具)600に組み込まれて使用されるビルトイン型(組込み型)のIHクッキングヒータである。加熱調理器1は、本体2と、本体2の上に設置されたトッププレート3とを有する。トッププレート3は、キッチン家具600の天面を構成するキッチン天板の上に露出している。
トッププレート3は、例えば、耐熱性のガラス板と、ガラス板の周囲に取り付けられた金属の枠体とにより構成される。トッププレート3の上面には、左加熱口4Lと、右加熱口4Rと、中央加熱口4Cの3つの加熱口4が設けられている。
左加熱口4Lと右加熱口4Rと中央加熱口4Cは、鍋またはフライパンなどの金属製調理容器(第1の加熱手段HM1に関する「被加熱物」Nともいう)が載置される領域を示すものである。左加熱口4Lと右加熱口4Rと中央加熱口4Cには、それぞれに前記被加熱物を載置するための目安となる案内マーク(図示せず)が、前記トッププレート3の上面に印刷で描かれている。
前記トッププレート3の奥側(後方側)には、排気口カバー5が設けられている。排気口カバー5は、小さな貫通孔を無数に形成したパンチングメタル又は格子状の金属部材で構成されていて、全体に亘って通気性があり、通気抵抗が少ない。加熱調理器1の内部から放出される排気は、排気口カバー5を通過して加熱調理器1の外へ出る。
加熱調理器1の本体2の前面には、本体2の内部に配置される加熱室6(図9参照)の前面開口部を開閉するドア(加熱扉)7が設けられている。ドア7には、これを開閉するための取っ手8が設けられている。
図9は、実施の形態1に係る加熱調理器1を側方から見た縦断面模式図である。図9に示すように、左加熱口4Lの下方には、左誘導加熱手段としての誘導加熱コイル9L(以下、「左IHコイル」という)が設けられている。
同様に、右加熱口4Rの下方にも右誘導加熱手段としての誘導加熱コイル9R(以下、「右IHコイル」という)が、また、中央加熱口4Cの下方には中央誘導加熱手段としての誘導加熱コイル9C(以下、「中央IHコイル」という)が、それぞれ設けられている。
これら、IHコイル9C、9L、9Rは、例えば銅線またはアルミ線などの細い導線を巻回してなる円形の加熱コイルであり、高周波電流が供給されることで高周波磁界を発生する。これにより、左加熱口4L、右加熱口4R、中央加熱口4C上に配置された調理容器(被加熱物N)が誘導加熱される。
前記IHコイル9C、9L、9Rとその駆動回路(インバーター回路等の高周波電源供給回路をいう。図示していない)を含めた加熱手段は、誘導加熱源9又は第1の加熱手段HM1と呼ぶ場合がある。以下の説明では、特に矛盾が起こらない限り、「第1の加熱手段」HM1を使用する。
IHコイル9C、9L、9Rの近傍にはトッププレート3や調理容器(被加熱物N)の温度を検知するために、複数個の温度センサー(図示せず)からなる温度センサー群30(図16参照)が搭載されている。1つの温度センサー30A(図示せず)は、温度センサー群30の中の、1つのセンサーを構成している。ここでいう温度センサーとは、サーミスタのような接触式の温度センサーと、赤外線センサーのような非接触温度センサーの、両方又は何れか一方でも良い。
本体2の内部であって、前記IHコイル9C、9L、9Rの下方には、前記加熱室6が設けられている。加熱室6は、周囲がステンレス等の金属壁で構成されており、この加熱室6内に収容される被調理物(食品、食材)を加熱するための空間である。
前記被調理物は、耐熱性プラスチック容器や磁器製、耐熱ガラス製の皿に載せられ、又は容器の中に入れられて加熱室6に置かれる場合があり、その場合、それら皿や容器は「被加熱容器」と呼ぶ場合がある。但し、それら容器は前記IHコイル9C、9L、9Rでは誘導加熱されないので、仮にトッププレート3の加熱口4に置いても、前記IHコイル9C、9L、9Rの「被加熱物」Nとは呼ばない。
前記加熱室6の前面には、被調理物を出し入れするための横長長方形の開口(図示せず)が形成されている。加熱室6の前面にある前記開口は、ドア7により開閉自在に覆われている。ドア7は、本体2によってヒンジおよびアーム(図示せず)を介して回動自在に支持されている。これにより、ドア7は、その下端部を支点(回動中心)として前方に水平位置まで開く構成となっている。なお、ドア7は、スライドレール(図示せず)によって、被加熱容器を下方から支持する支持部材(棚等の構造物をいう。図示せず)と一体的に前方へ引き出されてもよい。
ドア7には、このドア7の開閉を検知するための開閉検知部10が設けられる。開閉検知部10は、例えばマイクロスイッチまたは赤外線センサーである。加熱室6の後方には、加熱室6内に収容される被調理物を加熱するマイクロ波発振器11が設けられている。このマイクロ波発振器11は、例えば、マグネトロンから構成されており、加熱室6内にマイクロ波を照射することで、加熱室の中に置かれた被調理物を加熱する、いわゆるレンジ加熱を行う。
前記マイクロ波発振器11とその駆動回路(インバーター回路等の高周波電源供給回路をいう。図示せず)を含めた加熱手段は、第2の加熱手段HM2と呼ぶ場合がある。
また、加熱室6には、被調理物を上下から、いわゆるヒーターで加熱をする上側輻射熱加熱手段12a、及び、下側輻射熱加熱手段12bが設けられている。なお、上側輻射熱加熱手段12aは加熱室6の外側又は内側の天井壁面に、また、下側輻射熱加熱手段12bは加熱室6の内側又は外側壁面に配置されており、共に、シーズヒーターである。
他の種類の輻射熱加熱手段(例えば、マイカヒーターやカーボンヒーター等)を加熱室6の外側に設置しても良い。図5では、上側輻射熱加熱手段12aと下側輻射熱加熱手段12bが、何れも加熱室6の外側壁面に密着するように設置した例を示している。
前記上側輻射熱加熱手段12aと下側輻射熱加熱手段12b、及びそれらの駆動回路(図示せず)を含めた加熱手段は、第3の加熱手段HM3と呼ぶ場合がある。なお、上側輻射熱加熱手段12aと下側輻射熱加熱手段12bを総称して「輻射熱加熱手段」と呼ぶ場合があり、その場合の符号は「12」を使用する。
また、加熱室6には、加熱室6内の被調理物の温度を非接触で検知するため、非接触式温度センサーとして、赤外線センサー13が設けられる。この赤外線センサー13によって検知される温度範囲は、例えば-20℃~100℃に設定される。これにより、被調理物の加熱度合を、例えば1℃刻みで精度良く、リアルタイムで検出することができる。この赤外線センサー13も、前記温度センサー群30(図16参照)の中の1つのセンサーを構成している。
また、加熱室6には、加熱室6内部の雰囲気温度または加熱室6の壁面温度を検知する室内温度センサーである接触式温度センサー(例えば、サーミスタセンサー)14も設けられている。
前記サーミスタセンサー14は、温度の変化を電気抵抗の変化で捉えて温度を検知するという特性から、検知できる温度の上限値は、250℃程度である。このサーミスタセンサー14も、温度センサー群30の中の1つのセンサーを構成している。なお、このサーミスタセンサー14は、図9に示したように加熱室6の底面近傍と天井面近傍の、2個所に設置しても良い。
次に図10について説明する。
図10は、実施の形態1に係る加熱調理器1の上面図である。図10に示すように、加熱調理器1のトッププレート3の上面の手前側には、左操作部15L、中央操作部15Mおよび右操作部15Rが設けられている。これら3個所の操作部を総称して「入力操作部」と呼ぶ場合があり、その場合の符号は15を用いる。
左操作部15L、中央操作部15Mおよび右操作部15Rの奥側(後方側)には、左火力表示部17L、中央表示部16Mおよび右火力表示部17Rと、左表示部16Lおよび右表示部16Rと、中央加熱状況表示部17Mが設けられている。
左表示部16L、中央表示部16Mおよび右表示部16Rの3つを総称して「表示部」と呼ぶ場合があり、その場合は、符号は16を用いる。なお、中央表示部16Mは、横に長い液晶表示画面を有している。
左火力表示部17Lと右火力表示部17Rは、発光素子(LED等)によって火力レベルを表示するものであり、表示画面は備えていない。
左火力表示部17L、右火力表示部17Rおよび中央加熱状況表示部17Mの3つを総称して「火力表示部」と呼ぶ場合があり、その場合は、符号は17を用いる。
また、右操作部15Rに隣接して、主電源スイッチ20(図16参照)の操作用ボタン(キー)20Aが設けられている。主電源スイッチ20は、加熱調理器1の主電源をONまたはOFFする。そのON-OFFの際に押下げされるボタン(キー)が前記操作用ボタン20Aである。
加熱調理器1の主電源がOFFの状態で操作用ボタン20Aが、例えば数秒間押されることにより、主電源がONとなる。また、加熱調理器1の主電源がONの状態で、操作用ボタン20Aを、例えば数秒間押すことにより、主電源がOFFとなる。
次に図11について説明する。
図11において、入力操作部15の中央操作部15Mには、音声入力モードを選択する入力キー180を配置している。この入力キー180は、機械的なスイッチでも良いし、後述する入力キー153M~159Mのように、タッチ式入力スイッチの入力キーでも良い。
この音声入力を選択する入力キー180は、一度押すと、次の入力を音声で行うことができるものである。
この入力キー180を押すと、「音声入力モード2」の状態に切り替わる。
但し、この入力キー180は、加熱手段や加熱口(第1の加熱手段HM1)を音声で選択することはできない。
従って、入力キー180は、例えば加熱口4Lを選択する入力キー153Lをタッチ操作した後、それに続いて操作されることが必要である。
中央操作部15Mにおいては、入力キー153M又は154M、あるいは155Mの何れか1つをタッチ操作した後、それに続いて操作した場合、前記「音声入力モード2」に切り替えて、制御装置40の中の入力処理部70は、音声信号解析部58(図16参照)を、入力待機状態にする。なお、この入力キー180をタッチ操作しても、入力キー153M、加熱動作開始の入力キー151M、停止用入力キー152M、左右操作部15L、15Rの入力キー153L、153Rの、5つは入力機能が何ら影響受けない。また、これら5つの入力キーをタッチ操作した時点で、入力キー180による「音声入力モード2」は解除される。
以上のように、この入力キー180の入力による前記「音声入力モード2」は、後述するような各種のタッチ式入力キー153M、154M、155M等の特定の(タッチ式)入力キーのタッチ形態に応じて設定される「音声入力モード1」とは異なる。
前記入力キー180を押した場合、その瞬間から「音声入力モード2」が起動される。つまり、「音声入力モード2」となる。そして、図16で説明するように、音声信号受信部56から音声信号があった場合、当該音声の内容を前記音声信号解析部58が逐一解析して解析結果を加熱制御部43に出力する。
なお、音声入力を選択する入力キー180が「タッチ入力を無効化する範囲」を、中央操作部15Mだけに限定しても良い。このようにすると、入力キー180を押した場合、後述するように中央操作部15Mに配置された各種のタッチ式入力キー154M~159M等の特定の(タッチ式)入力キーは、入力機能が無効化される。そして、ユーザーUSからの音声による指令を受け付ける入力待機状態に移行する。なお、加熱動作開始以降は、この入力キー180によるタッチ入力無効化は行えないので、加熱動作中に、各種入力キー(例えば、152Mによる停止指令)の入力は何ら制限されない。
21Mは、発光部であり、前記入力キー180の入力機能が有効である場合に発光し、入力機能が無効になるまでの期間中、発光を継続する。なお、この発光部21Mのそれぞれには、LED等の発光素子27(図16参照)が、1つ又は複数個ずつ配置されており、発光制御部26(図16参照)によって駆動される。
中央操作部15Mで、入力キー153Mの左側に隣接した位置には、機能設定用の入力キー151KPを配置している。
この実施の形態1では、ユーザーUSが指先等で押す操作(軽く接触する程度を含む)によって、加熱調理器1の制御を行う入力形態を「タッチ入力モード」と呼ぶ。このため、後述する各種入力キー151M~159M、151R~155R、151L~155Lは、「タッチ入力モード選択部」と呼ぶ場合がある。
次に、図12について説明する。
図12は、実施の形態1に係る左表示部16L、左火力表示部17Lおよび左操作部15Lを拡大した図である。左表示部16Lは、左加熱口4Lにおける加熱調理に関する情報を表示するものであり、例えば液晶ディスプレイで構成される。
左表示部16Lは、左加熱口4L上に載置された被加熱物Nに対する「タイマー調理」の設定時間、左加熱口4Lでの加熱動作を開始してからの経過時間、またはタイマー設定時間が終了するまでの残時間などを表示する。
前記「タイマー調理」とは、ユーザーUSが(入力キー151Lで)設定(入力)した時間(設定時間)だけ加熱動作させる調理であり、設定時間が経過した段階で、自動的に加熱動作が停止されるため、ユーザーUSにとって便利な機能の1つである。
左表示部16Lは、左加熱口4Lにおける予熱調理を選択した場合に、自動的に設定された温度(デフォルト温度)、または現在の温度などを表示する。自動的に設定された温度(デフォルト温度)とは、左加熱口4Lにおいて被加熱物(例えば、金属製鍋)Nを加熱したときの、その被加熱物の底面の目標温度をいう。デフォルト温度は、ユーザーUSによって一定の範囲内で任意に変更できる。また、例えば、入力キー155Rと154Rのタッチ操作で目標温度を任意温度に設定できる(但し、所定の許容範囲を超えた温度は、設定入力が加熱制御部43に拒否されるようになっている)。
左火力表示部17Lは、横一直線上に配置した複数の発光素子(LED)から構成され、左加熱口4Lの火力を複数段階に表示するものである。左火力表示部17Lは、複数のLEDの点灯状態(点灯、消灯、点滅等)を切り替える、あるいは点灯色を切り替えることにより、火力を表現する。これにより、ユーザーUSに直感的で分かりやすい火力の報知を行うことができる。
左操作部15Lは、左加熱口4Lにおける加熱調理に関する操作を入力するものである。
図12に示すように、左操作部15Lは、5つの入力キー151L、152L、153L、154Lおよび155Lを備える。これら入力キー151L、152L、153L、154Lおよび155Lは、タッチ式キーである。例えばユーザーUSが指等で軽く触れた時の静電容量の変化を利用して入力できる静電容量方式のタッチセンサ(タッチ式スイッチ)である。
前記入力キー151L、152L、153L、154Lおよび155Lに対応して、発光部21Lが設けられる。発光部21Lは、複数の発光素子(LED)で構成され、前記入力キー151L、152L、153L、154Lおよび155Lの操作に応じて発光する。なお、隣接している2つの入力キー154Lと155Lは、火力の増減という同じ種類の機能を発揮するため、1つの発光部21Lを共用している。
前記入力キー151Lは、左加熱口4Lにおける「タイマー調理」を選択する際にタッチ操作されるキーである。このタイマー調理は、前述したようにユーザーUSが加熱動作の時間を設定し、その設定時間の間だけ加熱動作を実行する調理方法である。
入力キー152Lは、左加熱口4Lで実施する「制御メニュー」を選択する際に押下げられるキーである。入力キー152Lを押すごとに、複数の制御メニューの中から1つを選択することができる。ここでいう「制御メニュー」とは、例えば、湯沸し、煮込み、揚げ物(自動調理)等である。制御メニューごとに、左加熱口4Lの駆動時間、火力または駆動パターン等が異なる。
前記左加熱口4Lと右加熱口4Rを、左操作部15L又は右操作部15Rを操作し、中央操作部15Mを操作しない状態で使用する制御メニューは、全て誘導加熱で行う「単独調理モード」KM1の制御メニューである。「単独調理モード」KM1については後で説明する。
入力キー153Lは、左加熱口4Lにおける加熱調理を選択するために押下げられるキーである。すなわち、入力キー153Lが押されることにより、左加熱口4Lの下方に配置されている左IHコイル9Lを使用する(単独調理モードKM1の)調理が選択されることになる。この左IHコイル9Lが駆動されている状態で、再度入力キー153Lが押されると、当該左IHコイル9Lの駆動が停止され、誘導加熱動作が即時停止される。
前記入力キー154Lおよび155Lは、左加熱口4Lにおける加熱調理時の火力を指定する際に押下げられるキーである。左側にある入力キー154Lを押すことで、1段階ずつ火力が下げられる。反対に、右側にある入力キー155Lを押すことで、1段階ずつ火力が上げられる。なお、左加熱口4Lにおける誘導加熱調理時の火力は、定格最小火力(火力レベル1:150W)~定格最大火力(火力レベル9:3200W)まで、9段階になっている。
次に図13について説明する。
図13は、実施の形態1に係る右表示部16R、右火力表示部17Rおよび右操作部15Rを拡大した図である。右表示部16Rは、右加熱口4Rにおける加熱調理に関する情報を表示するものであり、例えば液晶ディスプレイで構成される。右表示部16Rに表示される右加熱口4Rにおける加熱調理に関する情報は、左加熱口4Lにおける加熱調理に関する情報と同じである。
右火力表示部17Rは、複数の発光素子(LED)から構成され、右加熱口4Rの火力を複数段階に表示するものである。右火力表示部17Rは、左火力表示部17Lと同様に複数の発光素子(LED)の点灯状態(点灯、消灯、点滅等)を切り替える、あるいは点灯色を切り替えることにより、火力を表現する。
右操作部15Rは、右加熱口4Rにおける加熱調理に関する操作を入力するものである。図13に示すように、右操作部15Rは、5つの入力キー151R、152R、153R、154Rおよび155Rを備える。
前記入力キー151R、152R、153R、154Rおよび155Rは、左操作部15Lと同様に構成されている。例えばユーザーUSが指等で軽く触れた時の静電容量の変化を利用して入力できる静電容量方式のタッチ式キーで構成されている。
前記入力キー151R、152R、153R、154Rおよび155Rに対応して、発光部21Rがそれぞれ設けられる。発光部21Rは発光素子(LED)であり、入力キー151R、152R、153R、154Rおよび155Rの操作に応じて、その入力キーにそれぞれ対応した発光部21Rが、発光する。但し、隣接している2つの入力キー154Rと155Rは、火力の増減という同じ種類の機能を発揮するため、1つの発光部21Rを共用している。
入力キー151Rは、右加熱口4Rにおけるタイマー調理を選択する際に押下げられるキーである。入力キー152Rは、右加熱口4Rで実施する制御メニューを選択する際に押下げられるキーである。
入力キー153Rは、右加熱口4Rにおける加熱調理を選択するために押下げられるキーである。すなわち、入力キー153Rが押されることにより、左加熱口4Rの下方に配置されている右IHコイル9Rを使用する(単独調理モードKM1の)調理が選択されることになる。この右IHコイル9Rが駆動されている状態で、再度入力キー153Rが押されると、当該右IHコイル9Rの駆動が停止され、誘導加熱動作が即時停止される。
入力キー154Rおよび154Rは、右加熱口4Rにおける加熱調理時の火力を指定する際に押下げられるキーである。左側の入力キー154Rを押すことで、1段階ずつ火力が下げられる。反対に、右側の入力キー155Rを押すことで、1段階ずつ火力が上げられる。なお、右加熱口4Rにおける誘導加熱調理時の火力は、定格最小火力(火力レベル1)150W~定格最大火力(火力レベル9)3200Wまで、9段階になっている。
次に図14について説明する。
図14は、実施の形態1に係る中央表示部16M、中央操作部15M、中央加熱状況表示部17Mを拡大した図である。
中央表示部16Mは、加熱調理器1全体の情報および警報を表示するものであり、液晶ディスプレイにより構成される。中央表示部16Mの表示画面には、誘導加熱手段(第1の加熱手段)HM1、マイクロ波加熱手段(第2の加熱手段)HM2、輻射熱加熱手段(第3の加熱手段)HM3の選択結果、各加熱手段の動作状態、各加熱手段による加熱調理に対する注意情報、または警告情報を表示する。
前記中央表示部16Mは、ハードウエア上は1枚の液晶ディスプレイであるが、図14に示すように左側の第1表示エリア22、左右中央の第2表示エリア23および右側の第3表示エリア24の3つの表示エリアを有し、表示エリアごとに異なる表示を行うこともできる。
また、3つの表示エリア22~24は、表示の場面に応じて適宜連携して1つの(広い面積の)表示エリアになり、1つ又は複数の目的の表示を行う場合もある。なお、以下では、第1表示エリア22は、第1エリア22と呼ぶ。第2表示エリア23は、第2エリア23と呼ぶ。第3表示エリア24は、第3エリア24と呼ぶ。
中央加熱状況表示部17Mは、前後方向に2段に分かれており、下段(前方側)には、「レンジ」という文字表示部の後方にあるレンジ用発光素子(LED)310と、「グリル」という文字表示部の後方にあるグリル用発光素子(LED)311と、「オーブン」という文字表示部の後方にあるオーブン用発光素子(LED)312と、「中央IH」という文字表示部の後方にある中央IH用発光素子(LED)313と、が配置されている。
上段(後方側)には、「高温注意」の警告用文字と、加熱室6と3つの加熱口4L、4C、4Rを模式的に表す図形の前方下方に、それぞれ配置された高温注意用発光素子(LED)群314とが、配置されている。
高温注意用発光素子(LED)群314は、左右に並んだ加熱室高温注意用発光素子(LED)314aと、IH高温注意用発光素子(LED)314bとで構成されている。
加熱室高温注意用発光素子(LED)314aは、加熱室6内の温度が高温、例えば50℃以上の場合に点灯する。
IH高温注意用発光素子(LED)314bは、左IHコイル9L、右IHコイル9R、中央IHコイル9Cのいずれかが駆動中やトッププレート3の温度が高温、例えば50℃以上の場合に点灯する。
中央操作部15Mは、主に加熱室6における加熱調理と中央加熱口4Cによる加熱調理に関する操作を入力するものである。
図14に示すように、中央操作部15Mは、9個の入力キー151M、152M、153M、154M、155M、156M、157M、158M、159Mと、機能設定キー151KP(図11参照)を備える。
前記した9個の入力キー151M~159Mは、1回のタッチ操作の都度、入力指令信号が発せられる静電容量方式のタッチ式キーである。また、これら入力キー151M~159Mの近傍には、それぞれ発光部21Mが設けられている。
中央操作部15Mの最も左側には、前記機能設定キー151KP(図11参照)を配置してある。この機能設定キー151KPは、加熱調理器1全体の各種動作や表示等を、ユーザーUSの希望通りに設定できるようにするためのものである。
前記機能設定キー151KPを押すと、後述する制御装置40は「機能設定モード」に切り替わり、中央表示部16Mの表示画面に以下のような「機能設定メニュー」を表示する。
(1)チャイルドロック設定(各種入力キーの操作無効化設定)。
(2)換気装置407連動モード設定。
(3)お掃除ガイド設定(加熱室6と排気口カバー5の清掃時期自動報知機能設定)。
(4)ピークカット設定(最大消費電力を、5700W、5000W、4800W及び4000Wの4段階から1つ選択)。
(5)音声ガイドの音声設定。
(6)音声ガイドの音量設定。
(7)加熱室6からの被調理物、調理器具等の出し忘れを防止する設定(音声報知部50と中央表示部16Mでの警報の要否)。
(8)HEMS登録設定(家庭用電力制御装置による電力使用制限機能に関する設定)。
(9)タイマー調理の時間単位(1分単位設定を、5分や30分単位へ変更)設定。
(10)初心者モードと通常(習熟者)モードの切り替え。
(11)外部機器(冷蔵庫403)から取得する在庫情報の種類(範囲)の設定。
(12)連携調理モードKM3の各調理メニュー(例えば、「ハンバーグ」)の表示優先度(デフォルト表示にすべき具体的な調理メニュー、識別情報167)の設定。
(13)複合調理モードKM2の各制御メニュー(例えば、「レンジグリル」、「葉菜下ゆで」)の表示優先度(デフォルト表示にすべき具体的な制御メニュー)の設定。
(14)主電源スイッチ20の「ON」の後、加熱室6のドア7が開けられた場合、自動的に中央表示部16Mに表示する調理モードの設定(連携調理モードKM3と複合調理モードKM2の2者の間の、表示優先度など)。
(15)後述する付加情報165、166(図21参照)を、自動的に表示させないようにする設定及び音声報知部50によって、付加情報165、166を音声で報知しないようにする設定。
(16)連携調理モードKM3の個々の調理メニューを中央表示部16Mに表示する場合、対象となる調理物(食品)の成分と、栄養成分を、その都度個々に表示する設定。なお、当該食品成分と栄養素の何れか一方だけでも良く、両方でも良いが、この実施の形態1では、入力キー158Mを食品成分、入力キー159Mを栄養成分の表示指令キーにしてある。
入力キー158M又は159Mの何れか一方が、所定の期間内に操作された場合、及び音声入力モード1に設定して音声で指令した場合に、食品成分又は栄養成分の表示をする。つまり、常に調理メニューの識別情報167(後述する)とセットになって同時に表示されず、ユーザーUSの操作(音声含む)に応じて表示される。詳しくは図30で説明する。
(17)連携調理モードKM3の個々の調理メニューを選択する場合、食品の成分と、栄養成分から調理メニューの候補を検索して中央表示部16Mに表示する設定。この場合、前記入力キー180を押し、「音声入力モード2」にしてユーザーUSが音声で検索できる。詳しくは図30で説明する。
(18)前記連携調理モードKM3の各調理メニューの表示優先度の設定。
デフォルト表示にすべき具体的な調理メニューの設定に関連するが、前記食品成分又は前記栄養成分の何れかを表示の最優先項目に設定すること。これを設定すると、例えば、栄養成分の内、図30に示すようにエネルギー量(カロリー値)の小さい順に、調理メニューを表示することができる。又は、栄養成分として「鉄分」の量が大きい順に調理メニューを表示することができる。
以上の説明の通り、前記機能設定キー151KPを押して「機能設定モード」を選択した場合、食品成分又は栄養成分の表示をすることを追加することができ、また一旦表示するように設定したことを、その後機能設定モードで取り消すように設定することもできる。従って、ユーザーUSの希望に合わせて設定する情報や範囲、表示方法を選択できるメリットがある。
前記「初心者モード」とは、加熱調理器1の使用に不慣れな人(ユーザーUS)のための、オプション機能であり、この初心者モードに設定すると、音声報知部50(図16参照)における音声ガイドの内容が、より細かく、丁寧になる。また、入力操作部15での入力操作について、音声ガイドが増えたり、中央表示部16Mの表示画面における表示情報が増えたりする。
前記初心者モードに設定した場合は、特に、複合調理モードKM2と、連携調理モードKM3における調理の場合、調理工程1と調理工程2において、中央表示部16Mの表示画面で表示する参考情報(例えば、後述する付加情報165、166を含む)の量が増え、又は音声報知部50における音声ガイドの内容が増える。このため、ユーザーUSの入力操作を支援できる機能が強化される。
なお、前記「初心者モード」から「通常(習熟者)モード」へ切り替えたことと連動して、前記音声報知部50の音声ガイドの内容を、変更しない設定が自動的に行われるようにしても良い。
後述する主電源スイッチ20の「ON」の後、加熱室6のドア7が開けられた場合、自動的に中央表示部16Mに表示する調理モードの設定とは、連携調理モードKM3と複合調理モードKM2の何れか一方を設定することをいう。連携調理モードKM3と複合調理モードKM2の両方が、1つの中央表示部16Mを使用しているため、どちらか一方の表示を優先させることをユーザーUSが設定できる。これについては、後で詳しく説明する。
実施の形態1では、「複合調理モード」KM2には、中央IHコイル9Mによる単独調理モードKM1の制御メニュー(例えば「炊飯」という被調理物)も例外的に、数個含んでいる。
主電源スイッチ20の「ON」の後、加熱室6のドア7が開けられた場合、このドア7の開放を制御装置40が検知する。
ユーザーUSが加熱室6を使用する調理を行うものと推定し、先に連携調理モードKM3のための第1特定画面16M1、又は複合調理モードKM2のための第2特定画面16M2の、何れか一方を中央表示部16Mに自動的に表示させる機能がある。
なお、中央表示部16Mでは、主電源スイッチ20が「ON」になった直後、後述する待機時初期画面16MHが表示される。この後、ドア7が開放された直後には、自動的に第2特定画面16M2が表示される。
中央表示部16Mの表示画面に「機能設定メニュー」が表示された後、前記機能設定キー151KP以外の特定の1つの入力キー(例えば、154M)を、一定時間以上「長く押す」(以下、「長押し」という)と、前記した「機能設定メニュー」の中の1つの設定メニューを選択し、続けて、希望する設定内容に変更することができる。
あるいは、前記機能設定キー151KP以外の特定の2つの入力キーを同時に「長押し」した場合、前記した「機能設定メニュー」の中の1つの設定メニューを呼び出して、希望する設定内容に変更することができる。
前記「長押し」とは、例えば連続して5秒以上押された状態をいう。
前記「長押し」の状態であるかどうかは、中央操作部15Mにおけるタッチ入力のONからOFFまでのタイミングを、前記制御装置40が基準値と比較して判定する。または、中央操作部15の内部にある入力モード判定部15C(図17参照)が判定する。
なお、この実施の形態1においては、前記「長押し」の状態であるかどうかを、前記中央操作部15Mで判定するという例で(後で図17を用いて)説明する。
また、中央操作部15Mにおいては、2つの前記入力キー(例えば、154Mと155M)が同時に押されたタイミングは、入力操作部15Mから制御装置40に送信された「ON」(タッチ時)信号で判別できる。
以下の説明では、入力操作部15Mで「長押し」であるかどうかを判別する実施の形態を説明する。しかし、実施の形態1では採用していないが、入力操作部15Mでは、「ON」信号時点から「OFF」信号に変化した時点までの時間を計測して、そのデータを制御装置40に送信し、制御装置40において「長押し」であるかどうかを判別する方法もある。
この実施の形態1では、特定の入力キー(例えば、154M、153R)について、上記したような「長押し」を判別し、前記「音声入力モード1」に切り替える機能がある。
これについては、図16と図17で詳しく説明する。
なお、「長押し」でないタッチ操作、すなわち、例えば連続して5秒未満のタッチ状態を「短押し」と呼ぶ場合がある。入力操作部15M、15L、15Rの、それぞれの検知能力にも関係するので、例えば、タッチ時間が0.1秒~4.9秒まで範囲であった場合は、「短押し」であると制御装置40が判定するようにしている。
前記冷蔵庫403から取得する前記在庫情報の種類(範囲)とは、例えば、冷凍食品だけに限定し、又はマイクロ波加熱源(第2の加熱手段HM2)によって加熱できる食材だけに限定することである。
中央表示部16Mにおいて、第1の加熱手段HM1、第2の加熱手段HM2及び第3の加熱手段HM3の制御モードや制御条件(温度や火力、時間など)を選択している段階では、機能設定モードの切り替えをしないように、機能設定キー151KPの入力機能は無効にしてある。
次に、加熱調理器1のピークカット値の設定について述べる。
メーカからの出荷時点のデフォルト値が、仮に5400Wであったとしても、ユーザーUSの自宅に設置した際に、5000W、4800W又は4000Wの何れにも設定できる。
このように、加熱調理器1の機能を、ユーザーUSの希望や使用環境(設置家庭の電力事情)等に合わせて、前記した機能設定キー151KPで変更することができる。なお、このようなピークカット値の設定を行うと、この設定結果は、制御装置40に記憶されるので、後述するように連携調理モードKM3をユーザーUSが選択した際に、その連携調理モードKM3の使用を許可するかどうかの判定(許可条件の判定)に利用される。従って、後述するレシピデータCDを、通信端末器200から受信している期間中では、機能設定キー151KP(図11参照)によって、ピークカット値の変更を行うことはできない。
図14において、発光部21MはLEDで構成され、入力キー151M~159Mの操作に応じて発光する。つまり、入力機能が有効である場合には、該当する発光部21Mは発光を継続している。
隣接している2つの入力キー155Mと154Mは、第1エリア22の表示内容を変更することでは共通であるため、1つの発光部21Mを共用している。
隣接している2つの入力キー157Mと156Mは、第2エリア23の表示内容を変更することでは共通であるため、1つの発光部21Mを共用している。
隣接している2つの入力キー159Mと158Mは、第3エリア24の表示内容を変更することでは共通であるため、1つの発光部21Mを共用している。
入力キー151Mは、加熱調理を開始するために押下げ(タッチ操作)されるスタートキーである。
入力キー152Mは、加熱調理を停止または終了するために押下げられる(タッチ操作される)取消キーである。
前記入力キー153Mは、主電源スイッチ20をONにした後で操作した場合、前記「連携調理モード」KM3を選択する入力キー(以下、「第1入力キー」と呼ぶ場合がある)。
入力キー154Mと155Mは、主電源スイッチ20をONにした後で(入力キー153Mを押さない状態で)操作した場合、前記「複合調理モード」KM2選択する入力キー(以下、「第2入力キー」と呼ぶ場合がある)。
図13で説明した前記入力キー153Rと153Lは、主電源スイッチ20をONにした後で(入力キー153Mと154M、155Mを押さない状態で)操作した場合、前記「単独調理モード」KM1選択する入力キー(以下、「第3入力キー」と呼ぶ場合がある)。
前記した入力キー151Mは、「複合調理モード」KM2及び「連携調理モード」KM3の、2つの調理について調理開始を決定する機能があり、以下、「スタートキー」と呼ぶ場合がある。なお、前記「単独調理モード」KM1では、前記入力キー153Lと153Rが、調理開始を決定する機能を有している。
前記した入力キー152Mは、前記「複合調理モード」KM2及び「連携調理モード」KM3の、2つの調理についての調理を終了(一時停止含む)する機能があり、以下、「ストップキー」と呼ぶ場合がある。なお、前記「単独調理モード」KM1では、前記入力キー153Lと153Rが、調理終了を決定する機能を有している。
4つの入力キー156M~159Mは、マイクロ波出力や加熱調理時間等の制御条件をユーザーUSが(一定の範囲内で)調節できる機能があり、以下、「条件入力キー」又は「第4入力キー」と呼ぶ場合がある。
4つの前記入力キー153M、154M、153L、153Rは、前記「音声入力モード1」切り替えることが可能な「特定入力キー」である。なお、「音声入力切替キー」とも呼ぶ場合もある。但し、これら4つの入力キーが、「音声入力切替キー」の機能を発揮するのは、タッチ操作が「長押し」であった場合に限られる。この点については、後で図16と図17を参照しながら詳しく説明する。
前記「単独調理モード」KM1、「複合調理モード」KM2及び「連携調理モード」KM3の何れか1つを選択した場合、その選択結果が、前記中央表示部16Mに表示される。また、前記「音声入力モード1」切り替えた場合にも、その旨表示される(図27、図28参照)。なお、「単独調理モード」、「複合調理モード」及び「連携調理モード」については、後で詳しく説明する。
図14に示すように、前記入力キー154Mおよび155Mは、中央表示部16Mの第1エリア22に隣接して、その前方近傍に配置されており、中央表示部16Mの第1エリア22に表示された画面の表示内容を切り替えるためのキーである。
次に図15について説明する。
図15は、中央表示部16Mを平面的に見た図である。
入力キー154Mが押下げられる、すなわち、ユーザーUSに操作されることで、第1エリア22に表示される内容、例えば「複合調理モード」KM2に属する1つの制御メニューの「レンジ手動」の表示情報25Aが後方に移動する。これと同時に、前方側に表示されている「葉菜下ゆで」の表示情報25Bが中央に表示される。なお、この場合の入力キー154Mは、前記した「短押し」の場合であり、「長押し」の場合については、前記「音声入力切替キー」としての機能を発揮するが、これについては、図17で説明する。
また、入力キー155Mが押下げられる、すなわち、ユーザーUSに操作されることで、第1エリア22に表示される「レンジ手動」の表示情報25Aが前方に移動して、後方側に表示されている「あたため」の表示情報25Cが中央に表示される。なお、この場合の入力キー155Mは、前記した入力キー154Mとは異なり、前記「音声入力切替キー」ではないので、「短押し」と「長押し」の場合で、入力機能は変化しない(例えば、長押しの操作は、有効な入力操作として認められない)。
このように、ユーザーUSは、入力キー154Mおよび155Mを操作することで、「制御メニュー」の中の特定の制御メニュー(例えば「レンジ手動」)を選択することができる。
なお、前記「レンジ手動」の制御メニューは、本来は第2の加熱手段HM2だけを使用する「単独調理モードKM1」に属するものであるが、この他に「複合調理モードM2」及び「連携調理モードKM3」にそれぞれ属する(複合調理の)制御メニューと、連携調理メニュー(例えば「ハンバーグ」等)に属する制御メニューや連携調理メニューも、前記第1エリア22に表示される。
そして、入力キー(スタートキー)151Mが押下げられることで、すなわち、ユーザーUSに操作されることで、図14の場合では、中央に表示されている制御メニューの「レンジ手動」が選択される。これに対応した加熱が開始される。すなわち加熱手段(この場合、マイクロ波発振源11)が駆動される。
よって、入力キー154Mおよび155Mは、ユーザーUSにより操作される制御メニューの選択キーに相当する。同様に、(複合調理の)制御メニューの選択キーに相当する。更に、連携調理メニューの選択キーにも相当する。
図14に示したように、入力キー156Mおよび157Mは、中央表示部16Mの第2エリア23に隣接して、その前方近傍位置配置され、中央表示部16Mの第2エリア23に表示された画面の表示内容を切り替えるためのキーである。
再び、図15の例で説明すると、入力キー156Mが押下げられることにより、第2エリア23に表示されるワット数(マイクロ波出力値)(図15では「500W」)が一段階増加される(例えば「600W」に)。反対に、入力キー157Mが押下げられることにより、第2エリア23に表示される前記ワット数が一段階(例えば「200W」まで)減少される。
ユーザーUSは、入力キー156Mおよび157Mを操作することで、加熱室6で実施するレンジ調理(マイクロ波発振源11を使用した「単独調理モードM3」の1種)において、ワット数(マイクロ波出力値)を選択することができる。
図14に示したように、入力キー158Mおよび159Mは、中央表示部16Mの第3エリア24に隣接して、その前方の近傍に配置され、当該第3エリア24に表示された表示内容を切り替えるためのキーである。
図15の例で説明すると、入力キー158Mが押下げられることにより、第3エリア24に表示される加熱動作時間(設定時間)が一段階増加される。反対に、入力キー159Mが押下げられることにより、第3エリア24に表示される加熱動作時間が一段階減少される。
ユーザーUSは、入力キー158Mおよび159Mを操作することで、加熱室6で実施するレンジ調理の設定時間を選択することができるが、34Mは、その設定時間情報である。なお、34Wは、加熱する際の消費電力の大きさやマイクロ波出力等の大きさを示す加熱強度情報である。
次に図16について説明する。
図16は、実施の形態1に係る加熱調理器1の主要な機能を示した制御ブロック図である。
図16に示すように、加熱調理器1は、加熱調理器1の全体を統合制御する制御装置40を備える。
前記制御装置40は、加熱調理器1を構成する各部の動作を制御する制御回路などの電子部品が実装された電子回路基板である。制御装置40は、左操作部15Lおよび右操作部15Rの操作、ならびにトッププレート3上の被加熱物の温度に基づき、左IHコイル9L、右IHコイル9R、中央IHコイル9C(図示せず)の駆動を制御する。
前記制御装置40は、中央操作部15Mの操作、トッププレート3上の被加熱物Nの温度、および赤外線センサー13、サーミスタセンサー14の検出結果に基づき、中央IHコイル9C、マイクロ波加熱手段11、上側輻射熱加熱手段12a、下側輻射熱加熱手段12bの駆動を、それぞれ制御する。
また、制御装置40は、左操作部15Lおよび右操作部15Rの操作に基づき、左表示部16L、右表示部16R、左火力表示部17Lおよび右火力表示部17Rの表示を制御する。
さらに、制御装置40は、開閉検知部10からの開放信号、ならびに左操作部15L、右操作部15Rおよび中央操作部15Mの操作に基づき、中央表示部16M、中央加熱状況表示部17Mの表示を制御する。
制御装置40は、加熱調理器1の制御に用いられる各種プログラムおよびパラメータ等のデータ(以下、これらを総称して「制御データ」と呼ぶ)と、各表示部16L、16R、16M、17L、17Rに表示される表示画面のデータ(以下、「表示条件データ」と呼ぶ)とを、記憶する記憶装置41を有する。また、制御装置40は、音声報知部50を必要に応じて起動し、ユーザーUSに対して加熱調理器1の動作状況を音声で伝える。
制御装置40は、加熱制御部43の加熱調理制御に用いられる各種プログラムおよびパラメータ等の情報を、一定のフォーマットに纏めたデータを、前記記憶装置41のレシピ件データ記憶部42に記憶させている。このデータが、前述したレシピデータCDである。後で説明するが、加熱調理器1では、連携調理モードKM3の8つの調理メニューのそれぞれに、対応したレシピデータCDが、最初から用意されている。
前記「レシピデータ」CDと「表示条件データ」とは、加熱調理器1が通信端末器の1種であるスマートフォン200等の外部機器から、個々の調理メニュー毎に取得することができる。
42は、前記レシピデータCDと表示条件データとを記憶する記憶部である。なお、記憶部42は、記憶装置41の中の1つの区画(エリア)を構成するものでも良く、又は、ハードウエア上は前記記憶装置41と別体に構成しても良い。
43は、加熱調理器1の全体の加熱動作を統合制御する加熱制御部であり、マイクロコンピュータを主体に構成されている。
53は、データ取得部であり、前記通信部51を介して、スマートフォン200やクラウドサーバー300から、前記レシピデータCDを取得する。また、前記通信部51を介して、スマートフォン200やクラウドサーバー300から、前記「表示条件データ」を取得する場合もある。なお、前記外部サーバー417は、前記クラウドサーバー300の中に含まれている。
51は、外部と無線で通信を行う通信部であり、図1又は図3に示したようにスマートフォン200と無線通信400を行う機能を有している。または、図2、図3に示したように、クラウドサーバー300とネットワークNW(203、204、205)を形成する機能を有している。
54は、許可条件判定部であり、連携調理モードKM3や複合調理モードKM2による調理を許可するかどうかの判定処理を行う。
57は、電源回路であり、前記制御装置40に対して一定電圧の電力を供給する。20は、この電源回路57に挿入された主電源スイッチである。
55は、前記レシピデータCDの取得を制限する制限部55である。
制限部55は、前記連携調理モードKM3の調理を開始する前の待機期間中(つまり、後述する「調理工程1」の前)に、前記データ取得部53が前記通信部51を介して前記レシピデータCDの取得を制限する機能を有する。
更に、前記制限部55は、外部から取得したレシピデータCDに基づいて、1つの調理メニューの調理工程が終了するまでの間、前記通信部51から新たなレシピデータCDを取得することを制限する機能を有する。
なお、制限部55は、制御装置40を構成するコンピュータ(図示せず)の1つの制御プログラムで実現されても良く、制御装置40とハードウエア上で別に構成されることは、必ずしも必要ではない。
図16に示したように、前記入力操作部15には、ユーザーUSが発する音声をマイク(図示せず)で受けて所定の音声信号に変換する音声信号受信部56を有している。
一方、制御装置40には、前記音声信号受信部56からの音声信号を受けて、音声の内容を解析する音声信号解析部58を備えている。音声信号解析部58は、記憶装置41の中にある音声データベースの情報と比較し、音声信号受信部56で受信した音声の内容を解析し、加熱制御部43に解析結果を伝達する。
70は、入力処理部である。この入力処理部70は、入力操作部15からの入力信号を受けて、自身の入力受付モードを「音声入力モード1」に切り替える。また、入力信号解析部52を制御する。更に、音声信号解析部58からの解析結果を受けて、前記加熱制御部43に制御用データを送信する。
図16において、59は、人感知センサーである。超音波又は赤外線を加熱調理器1からその前方に放射して、その反射入力を受信する受信部(図示せず)も有している。この人感知センサー59は、加熱室6の正面(前方)方向に赤外線を放射するように設置してある。なお、前記受信部が受信した信号の処理専用回路は設けておらず、制御装置40によって受信信号が解析され、人がいるかどうかの判定が行われる。
図16に破線の枠で示しているように、前記音声報知部50と表示部16等を総称して「報知部」と呼ぶ場合があり、この場合は符号として、90を用いる。
26は、発光制御部である。この発光制御部は、多数の発光素子の発光を制御する。前記発光部21Mに配置したLED等から構成された発光素子27Aと、前記入力キー154Mに配置した発光素子27Bは、この発光制御部26によって発光が制御される。発光色の異なる2つ以上の発光素子27を1か所に配置している場合には、それら複数の発光素子の発光状態によって、ユーザーUSに対しては発光色が変化したような視覚効果がある。
図16において、52は、前記入力操作部15からの入力信号を分析する入力信号解析部である。
この入力信号解析部52は、右操作部15R、左操作部15L及び中央操作部15Mから送信された、それぞれの入力信号を個別に解析する。特に、この入力信号解析部52は、前記入力モード切替指令(音声入力モード対応信号)MC1を受け付けたかどうかを判定する判別機能がある。そして、入力モード切替指令(音声入力モード対応信号)MC1を受け付けたことを判別すると、入力モードを「タッチ入力モード」から「音声入力モード1」に切り替えるための切替指令を発する。
以下の説明では、前記「入力モード切替指令MC1」は、「音声入力モード対応信号MC1」と呼ぶ。なお、この音声入力モード対応信号MC1を前記入力制御部70が受けると、音声信号解析部52に対して、音声入力の待機状態に移行する制御信号を出す(例えば、専用の音声解析プログラムを起動させる)。
図13で説明したように、右操作部15Rには、各種入力キー(153R、154R、151R等)があるが、それら入力キーのタッチ入力結果が、入力信号解析部52に送信される。
特に、前記「音声入力切替キー」の1つである入力キー153Rのタッチ操作時には、そのタッチ状態が「長押し」であるか「短押し」であるかを、右操作部15Rで判定し、その判定結果(音声入力モード1の指令信号)が制御装置40に入力される。
同様に、左操作部15Rには、各種入力キー(153L、154L、151L等)があるが、それら入力キーのタッチ入力結果が、入力信号解析部52に送信される。
特に、前記「音声入力切替キー」の1つである入力キー153Lのタッチ操作時には、そのタッチ状態が「長押し」であるか「短押し」であるかを、左操作部15Lで判定し、その判定結果(音声入力モード1の指令信号)が制御装置40に入力される。
更に、中央操作部15Mには、各種入力キー(153M、154M、155M、156M等)があるが、それら入力キーのタッチ入力結果が、入力信号解析部52に送信される。
特に、前記「音声入力切替キー」の1つである入力キー153Mと、154Mのタッチ操作時には、そのタッチ状態が「長押し」であるか「短押し」であるかを、中央操作部15Mで判定し、その判定結果(音声入力モード1の指令信号)が制御装置40に入力される。
次に図17について説明する。図17は、制御装置40と中央操作部15Mとの関係を説明するブロック構成図である。なお、図16で説明した音声信号受信部56は、記載を省略している。なお、右操作部15Rと左操作部15Lについても、この中央操作部15Mの構成と基本的に同じである。
図17において、15Aは入力キー識別部である。この入力キー識別部15Aは、タッチ操作された入力キーを特定するものである。例えば、入力キー153Mがタッチ操作された場合は、当該入力キーの固有の識別信号を発する。また、入力キー154Mがタッチ操作された場合は、当該入力キーの固有の識別信号を発する。
15Bは、タッチ検出部である。ユーザーUS等の指先FGがタッチ用電極部に接近した場合、検出回路は「ON」信号を発し、離れると「OFF」信号を発する。
15Tは、時間計測部である。この時間計測部15Tは、タッチ検出部15Bの「ON」信号時点から「OFF」信号に変化した時点までの時間を計測して、計測時間データを発信する。
15Cは、入力モード判定部である。この入力モード判定部15Cは、前記時間計測部15Tからの計測時間データを受けて、前述したように5秒間という閾値を境にして、5秒以上であれば、「音声入力モード1」であると判定する。この閾値未満であった場合には、通常の「短押し」の操作であると判定する。
入力モード判定部15Cからは、「音声入力モード1」であるかどうかの判定結果を示す信号(音声入力モード対応信号MC1)を、前記制御装置40に送信する。
15Dは、記憶部である。この記憶部15Dは、上記したようなタッチ検出部15A、時間計測部15T、入力モード判定部15C等の各種制御パラメータや閾値、判定処理のプログラム情報等を格納している。
15Eは、入力操作部(中央操作部15M)としての各種情報処理動作を行う中央処理部(CPU)である。
15Fは、入力信号発信部である。この入力信号発信部15Fは、前記したような入力キーの固有の識別信号や、「音声入力モード1」であるかどうかを判定した結果の、音声入力モード対応信号MC1を、制御装置40の前記入力信号解析部58に送信する。
この図17では、タッチ検出部15A、時間計測部15T、入力モード判定部15C等が、個々の独立したブロックで描いてあるが、ハードウエア上で別個の構成にせずに、例えば、1つのマイクロコンピュータのソフトウエアで、これら各機能を実現するようにしても良い。
また、この図17では、中央操作部15Mの例で説明しているが、右操作部15Rと左操作部15Lについても、それぞれの操作部の入力であることは制御装置40で識別される。そのため、右操作部15Rにおける入力キー識別部15Aでは、右操作部15Rに存在している入力キーであることを特定するデータが、入力キーからの信号に含まれている。これは、左操作部15Lについても同様である。
図16で説明した加熱調理器1は、以上の説明から明らかなように、
トッププレート3の上で被加熱物を誘導加熱する第1の加熱手段HM1と、
壁面が金属製の加熱室6と、
前記加熱室6にマイクロ波を供給する第2の加熱手段HM2と、
前記加熱室6を輻射熱で加熱する第3の加熱手段HM3と、
報知部90と、
通信部51と、
表示部16と、
制御装置40と、を有している構成である。
、
前記制御装置40は、表示部16に待機時初期画面16MHを表示した後、各調理モードに専用の表示画面(第1特定画面16M1~第3特定画面16M3)を表示する。
前記調理モードは、3種類ある。つまり、単独調理モードKM1、複合調理モードKM2及び連携調理モードKM3である。
前記単独調理モードKM1には、以下の3種類がある。
(1)前記第1の加熱手段HM1を単独で動作させるIH単独モード
(2)前記第2の加熱手段HM2を単独で動作させるレンジ単独調理モード
(3)前記第3の加熱手段HM3を単独で動作させるオーブン単独調理モード
前記複合調理モードKM2とは、前記第2の加熱手段HM2と前記第3の加熱手段HM3の両方を同時に加熱動作させ、あるいは自動的に動作時期を異ならせて、前記加熱室6で加熱調理を行う加熱パターンである。
前記連携調理モードKM3とは、前記第2の加熱手段HM2と前記第3の加熱手段HM3の両方又は何れか一方と、前記第1の加熱手段HM1を、ユーザーUSからの指令によって長さが定まる移行期間TRを経て、順次動作させる加熱パターンである。
前記制御装置40には、前記した3つの調理モードKM1~KM3を実行する動作プログラムを有している。
前記制御装置40の前記データ取得部53は、通信部51を介して、クラウドサーバー300やスマートフォン200から、前記レシピデータCDを取得することができる。
前記入力操作部15では、中央操作部15Mに設けた入力キー180によって、「音声入力モード2」を選択できる。
更に、中央操作部15M、右操作部15R及び左操作部15Lに配置した入力キーの内、特定の入力キー(153M、153R、153L、154M)は、タッチ形態の1つである「長押し」状態に応じて、「音声入力モード1」を選択することができる。
(4.中央操作部の制御メニューの構成)
次に、中央操作部15Mによって中央表示部16Mに表示され、選択できる制御メニューについて、図18を参照しながら説明する。
図18は、中央操作部15Mによって選択できる制御メニューの全体を示している。
中央操作部15Mによって選択できる制御メニューは、マイクロ波加熱手段(第2の加熱手段HM2)と上側輻射熱加熱手段12a、下側輻射熱加熱手段12bの一方又は双方を使用するRG(レンジグリル)メニュー群と、中央加熱口4Cに対応した中央IHコイル9Cを使用するIHメニュー群と、に区分けされる。
図18に示した制御メニューを、4つの視点(分類1~4)で分類したものが、図19である。図19から明らかなように、前記制御メニューは、単独調理モードKM1と複合調理モードKM2に大別される。なお、図18と図19では、連携調理モードKM3は記載していないが、中央操作部15Mでは、連携調理モードによる連携調理メニューが実行できる。
主電源スイッチ20を「ON」にして、中央操作部15Mの入力キー153Mを操作しないで、入力キー154M又は155Rが押下げされると、複合調理モードKM2が選択されたことになる。
そのため、中央表示部16Mの表示画面は、第2特定画面16M2に切り替わる。
第2特定画面16M2の第1エリア22には、図18の「左表示エリア」に記載された「あたため」という制御メニューが必ず最初に表示される。この「あたため」という制御メニューがデフォルト設定してあるからである。
図18の「左表示エリア」は、図14で説明した第1エリア22に相当する表示エリアである。つまり、図18の「左表示エリア」に記載された各種制御メニューは、第1エリア22の中に順次表示される。
図18の「左表示エリア」に記載されているように、「あたため」の他、「レンジ手動」、「葉菜下ゆで」、「根菜下ゆで」、「肉解凍」、「レンジグリル(RG)調理」、「レンジグリル(RG)再加熱」、「レンジグリル(RG)手動」、「グリル」、「オーブン」、「IH保温」、「IH炊飯」、「IH加熱」の、合計13個の制御メニューがある。
前記制御メニューの「あたため」、「レンジ手動」、「葉菜下ゆで」、「根菜下ゆで」、「肉解凍」、「レンジグリル(RG)調理」、「レンジグリル(RG)再加熱」、「レンジグリル(RG)手動」、「グリル」、「オーブン」は、RGメニュー群に含まれる。
また、「IH保温」、「IH炊飯」、「IH加熱」は、IHメニュー群に含まれる。
図18の「中央表示エリア」に記載された内容は、中央表示部16Mの第2エリア23に表示される内容であり、温度や時間、火力、「強め」、「弱め」など、調理中の加熱状況の調整に関するものである。言い換えると、「中央表示エリア」には各種の制御条件が記載してある。この「中央表示エリア」のデフォルト設定の内容は、その「中央表示エリア」の右の列の「デフォルト」の欄に列挙している。
図18の「右表示エリア」に記載された内容は、中央表示部16Mの第3エリア24に表示される内容を示している。「右表示エリア」のデフォルト設定の内容は、その「右表示エリア」の右の列の「デフォルト」欄に列挙している。空白の部分は、変更が可能な制御条件を意味しておらず、情報が表示されないこと、あるいは(ユーザーUSには)選択や変更ができない適宜の説明文などが、当該第3エリア24に表示されることを意味している。
次に、図18の「左表示エリア」に表示されている、合計13種類の制御メニューについて説明する。
(1)あたため:マイクロ波加熱手段(第2の加熱手段HM2)を使用して加熱室6内の被調理物を加熱することをいう。被調理物の再加熱の場合も、この「あたため」が適する。デフォルト設定で「80℃」となっているので、食品が加熱されて80℃になった時点で、マイクロ波加熱は自動的に停止する。なお、「80℃」は、目標温度であり、この温度は加熱開始前にユーザーUSが調節できる。図18の中央表示エリアに示しているように、例えば0℃~90℃の範囲は5度刻みで設定できる。
(2)レンジ手動:マイクロ波加熱手段(第2の加熱手段HM2)を使用して加熱室6内の被調理物を加熱することをいう。加熱時間はユーザーUSが、10秒間~60分間の間の特定の時間に設定して行うものである。
(3)葉菜下ゆで:マイクロ波加熱手段(第2の加熱手段HM2)を使用して加熱室6内の被調理物、特に、葉を食用とする野菜、例えば、ほうれん草、白菜などの葉菜類を茹でることに適するものである。赤外線センサー13が、当該被調理物の温度上昇をリアルタイムで計測し、自動的に停止する。
(4)根菜下ゆで:マイクロ波加熱手段(第2の加熱手段HM2)を使用して加熱室6内の被調理物、特に、根や地下茎、じゃが芋などの根菜類を茹でることに適するものである。
(5)肉解凍:加熱室6内の冷凍した各種の肉類を解凍する場合に適するものである。
(6)レンジグリル(RG)調理:マイクロ波加熱手段(第2の加熱手段HM2)を使用した「マイクロ波加熱」と、上側輻射熱加熱手段12a、下側輻射熱加熱手段12bを使用した「オーブン加熱」とを組み合わせて、加熱室6内の被調理物を加熱調理するものである。
(7)レンジグリル(RG)再調理:加熱室6内において調理済の被調理物を再度加熱する場合に適するものである。
(8)レンジグリル(RG)手動:マイクロ波加熱とオーブン加熱をユーザーUSが適宜選択して加熱室6内の被調理物を加熱調理するものである。加熱時間をユーザーが決定できる。
(9)グリル:上側輻射熱加熱手段12a、下側輻射熱加熱手段12bの一方又は両方を使用して、加熱室6内の食品を加熱するものである。つまり、第3の加熱手段HM3を使用した制御メニューである。
前記「グリル」では、加熱室6の温度管理は行わず、また被調理物の温度上昇を検知して加熱動作を停止するという制御も行わない。10秒間~30分間の範囲内で、ユーザーUSが指定した時間だけ加熱動作が行われる。
(10)オーブン:上側輻射熱加熱手段12a、下側輻射熱加熱手段12bの一方又は両方が使用して、加熱室6内の被調理物を加熱するものである。加熱室6の温度は、サーミスタセンサー14によってリアルタイムで計測され、設定した目標温度になるように、上側輻射熱加熱手段12aと下側輻射熱加熱手段12bの通電制御が行われる。
(11)IH保温:中央加熱口4Cの上方にある鍋などの被加熱物を、ユーザーUSが設定した温度に保つように加熱を行うものである。誘導加熱の火力は200Wから750Wまでの低火力から中火力までが使用され、中央IHコイル9Cの近傍に設置された温度センサー(図示せず)によって、前記被加熱物の温度をリアルタイムで検知し、検知した温度から、前記制御装置40の加熱制御部43が火力の制御を行う。なお、デフォルト温度は図18に示しているように80℃である。例えば、スープ等の保温に適する。
(12)IH炊飯:ユーザーUSが設定した合数(炊飯量)に合わせて加熱を行うものである。誘導加熱の火力は200Wから1500Wまでの低火力から高火力までが使用される。中央IHコイル9Cの近傍に設置された温度センサー(図示せず)は、被加熱物の異常加熱(過熱状態、オーバーヒートともいう。以下同じ)を検知するために用いられ、異常な温度を検知すると制御装置40によって火力の低下や加熱動作停止が行われる。
(13)IH加熱:ユーザーUSが設定した誘導加熱の火力に合わせて加熱を行うものである。設定できる火力は5段階あり、火力1:200W、火力2:500W、火力3:750W、火力4:1000W、火力5:1500Wとなっている。中央IHコイル9Cの近傍に設置された温度センサー(図示せず)は、被加熱物の異常加熱を検知するために用いられ、異常な温度を検知すると制御装置40によって、火力の低下や加熱動作停止が行われる。なお、デフォルト火力は500Wである。
次に図19について説明する。
図19は、前記RG制御メニュー(図18の「RGメニュー群」)と、第1の加熱手段HM1による単独調理モードKM1のIH制御メニュー(図18の「IHメニュー群」)の分類表である。
図18の第1領域の「左表示エリア」とは、第1エリア22(図10参照)を意味する。この図19の分類2から明らかなように、制御メニューの名称は、中央表示部16Mの第1エリア22においても文字で表示され、ユーザーUSに対して制御メニューの選択に利用される。
次に、図20は、連携調理モードや複合調理モードの各種調理制御メニューの記憶構造と、入力キーの対応関係を示す説明図である。
図19の分類2に示した「各制御メニューの要点を示す情報」は、この図20に示すようにレシピデータ記憶部42の第3層のデータとして記憶させてある。
従って、入力キー154M、155Mを操作して、希望する制御メニューを選択すれば、自動的に、その制御メニューに1対1で対応した(紐づけした)、図19の分類2に示した各制御メニューの要点を示す情報も、ユーザーUSは自動的又は任意で表示させることができる。この自動的に表示させる1例を示したものが、図22である。
次に、図21について説明する。
図21は、加熱調理器1における制御装置40、中央操作部15M及び中央表示部16Mの、主要な動作を時系列で示した説明図である。
この図21の例は、連携調理モードKM3を選択した場合を示している。SG1~SG8は、表示や制御のタイミングを示している。
主電源スイッチ20をONにすると、最初に待機時初期画面16MH(図54で説明する)が表示される(ステップSG1)。
その後、入力キー153Mを押すと(ステップSG2)、連携調理モードのレシピデータ取得可能期間TB1(図58参照)が始まる。
スマートフォン等の通信端末器200と通信状態が確立していれば、前記レシピデータ取得可能期間TB1(図58参照)において、通信端末器200を操作すれば、レシピデータCDの取得を開始する(ステップSG3)。
図16で説明したように、許可条件判定部54によって、図43と図44で説明する「許可条件」を満たすかどうかの判定が行われる(ステップSG4)。
一方、ステップSG2の段階で入力キー153Mを押した際、そのタッチ操作が「長押し」であった場合には、ステップSG2の直後から「音声入力モード1」が開始される。そして、この音声入力モードは、前記スタートキー151Mがタッチ操作されて、加熱動作の開始指令を制御装置40が受けるまでの期間、継続する。
許可条件を満たしているとの判定を終えると、正式にレシピデータCDが制御装置40の中の、レシピデータ記憶部42に格納され、加熱調理の開始に備える(ステップSG5)。
また、制御装置40は、取得したレシピデータCDから特定される1つの調理メニューを表示するため、中央表示部16Mに第1特定画面16M1を表示する(ステップSG6)。これと同時に、既に表示されていた待機時初期画面16MHは消える。
第1特定画面16M1には、取得したレシピデータCDの識別情報167を表示する(図34参照)。また、既に音声入力モードに切り替わり、音声で入力を受け付けることをユーザーUSに報知するために、音声入力モード表示情報179Dを表示する(ステップSG7)(図34参照)。
なお、この図21では、第1特定画面16M1を表示する時点(ステップSG6)よりも前から、音声入力モードが開始されているが、この開始のタイミングを遅らせて、第1特定画面16M1の表示のタイミングに合わせるように変更しても良い。
その後、ユーザーがタッチ操作又は音声入力によって、1つの調理メニューの制御条件(例えば、火力や加熱調理時間等)を入力すれば、その入力結果が第1特定画面16M1にリアルタイムで表示される(図35参照)。あるいは、これに加えて音声報知部50によって報知する。
以上のようにして、スタートキー151Mのタッチ操作を待つ状態に移行する。
次に、図22について説明する。
図22は、中央操作部15Mが操作された際の、中央表示部16Mでの表示内容を示している。
まず、ユーザーUSが主電源スイッチ20(図16参照)の操作用ボタン20Aを押下して主電源をオンすると、左操作部15L,中央操作部15M、右操作部15Rは、入力機能が有効になる。つまり、これら各操作部15L、15M、15Rからの操作信号を制御装置40が受け付ける状態になり、中央表示部16Mには図示していないが、所定の画面(以後、「待機時初期画面」16MHという)(図54参照)が表示される。
この状態で、ユーザーUSが入力キー154M又は155Mを押下げすると、図21に示すように表示画面16STが表示される。
図22は、第2特定画面16M2を示したものである。
表示画面16STから明らかなように、第1エリア22の前後方向の中央には、「あたため」という制御メニューの名称(識別情報)160が大きく表示される。
第1エリア22の中央に表示された「あたため」という制御メニュー識別情報160の後方には、「IH加熱」という文字(制御メニュー識別情報)161が、また逆に前方側には「レンジ手動」という文字(制御メニュー識別情報)162が、少し小さく表示される。
これにより、ユーザーUSが制御メニューを選択する場合、次の候補は「IH加熱」と「レンジ手動」であることが分かる。仮にこの段階で、入力キー154Mを1回押すと、「あたため」という文字(制御メニュー識別情報)160の位置に「レンジ手動」の制御メニュー識別情報162が(後方へ)移動したように、大きく表示される。なお、制御メニュー識別情報162の文字は実際には移動したのではなく、表示情報が切り替わっただけである。
また、入力キー155Mを1回押すと、「あたため」という文字(制御メニュー識別情報)160の位置に、「IH加熱」という文字(制御メニュー識別情報)161が(前方へ)移動したように、大きく表示される。なお、この場合も、制御メニュー識別情報162は実際には移動したのではなく、表示情報が切り替わっただけである。
図22に示しているように、表示画面16STは、第2エリア23に「80℃」という目標温度が表示される。この目標温度でマイクロ波加熱した場合には、被調理物の温度が80℃であることが、赤外線センサー13によって検知された際に、マイクロ波加熱は自動的に停止される。
この第2エリア23に表示された温度を変えて、自動停止する温度を変更したい場合には、入力キー156M又は157Mを操作すればよく、この入力キー156Mを1回押すと表示画面16UP1のように、温度が5℃上がって85℃になり、入力キー167Mを1回押すと、表示画面16DN1のように温度が5℃だけ下がって、75℃になる。
また、第2エリア23には、加熱源がマイクロ波加熱手段(第2の加熱手段HM2)であることを文字で表示した加熱源表示部163が表示される。
164は、前記したように、おかず等の温めにお薦めの制御メニューであることを自動的に表示させた参考情報である。この参考情報の内容は、別の付加情報165であっても良く、2種類以上の情報を、中央表示部16Mの表示画面(例えば、第3エリア24)で、数秒間ずつ交互に、又は順次表示しても良い。
更に、図18の分類2で示したように、各制御メニューの要点を示す情報(参考情報)164を、入力キー158又は159の操作に応じて、随時表示させても良い。
つまり、この実施の形態1では、各制御メニュー(例えば「あたため」)を選択するかどうかユーザーUSが迷わないように、当該制御メニュー(例えば「あたため」)と1対1に対応している前記参考情報164を表示させる。
更に、図22のように参考情報164が表示されている場合、その参考情報164の手前に位置している(2つの)入力キー158M又は159Mの、何れか1つにタッチ操作した場合、前記参考情報164に代えて、更に詳しい前記付加情報166を、第3エリア24に表示させるようにしても良い。
図22に示しているように、第2の加熱手段HM2と第3の加熱手段HM3のように、互いに異なる加熱原理の複数の加熱手段を、同時に駆動し又は時間差を持って自動的に切り替えて駆動し、共通の被調理物を加熱調理するモードが、前述した「複合調理モード」KM2である。
図22において、中央表示部16Mに示した表示画面は、前記「複合調理モード」KM2のための専用の表示画面であり、「第2特定画面」16M2と呼ぶ。
次に、図23について説明する。
図23は、複合調理モードKM2における、中央表示部16Mの表示動作と中央操作部15Mとの関係を示す平面図である。加熱調理動作を開始する前の操作手順を示している。
図23において、FGはユーザーUSの指先を示す。
主電源スイッチ20を「ON」にして、制御装置40を起動し、中央操作部15Mの入力キー154M又は155Mを押すと、待機時初期画面16MH(図54で説明する)は、この図23に示すような第2特定画面16M2に切り替わる。つまり、レンジ加熱等の単独調理モードやレンジグリル(RG)調理等の「複合調理モード」KM2の設定操作場面となる。
仮に、入力キー154M又は155Mよりも先に、入力キー153Mが押されると、連携調理モードKM3のための入力工程に変更となる。つまり、その段階から前記待機時初期画面16MHは、第1特定画面16M1に切り替わる。
上記のように入力キー154M又は155Mの何れかを指先FGで押すと、中央表示部16Mの表示画面(第2特定画面16M2)の第1エリア22には、複数の複合調理モードKM3の対象となる制御メニューの候補が3つ表示される。
つまり、制御メニューを1対1で特定するための識別情報(図形マーク、調理物の名称を含む)160、161,162が表示される。この中で、1つの制御メニューの識別情報160が表示された位置は、以後「表示位置A」と呼ぶ場合がある。
この図23では、中央表示部16Mに表示されている制御メニューは3つである。すなわち、「あたため」、「IH加熱」及び「レンジ手動」である。このように制御メニューの数を「複合調理の制御メニューの数」と呼ぶ。
この実施の形態1では、識別情報161と162が表示された位置は、以後「表示位置B」、「表示位置C」と、それぞれ呼ぶ場合がある。
この実施の形態1では、「表示位置A」に表示された制御メニュー(図23では「あたため」)が、選択される優先度が最も高い。つまり、この図23の状態で、入力キー151Mが押されると、「あたため」で加熱動作が開始される。
図23において、入力キー155Mの右隣にある入力キー154Mにタッチ操作(通常の「短押し」の操作)した場合、表示位置Aには「レンジ手動」が表示される。
また、「あたため」における目標温度85℃を、変更するには入力キー156Mか157Mにタッチすれば良い。この場合、仮に通常の「短押し」の操作ではなく、「長押し」にしても、通常の温度変更入力だけしか行えない。つまり、音声入力モード2への変更は、入力キー156Mや157Mでは行えない。
図23において、入力キー153Mに対応している1つの発光部21Mは、星形図形を付けているが、これは当該発光部21Mが点滅し(又は他の発光部と異なる色で発光し)、操作可能であることを示したものである。
図23から明らかなように、第1エリア22に制御メニューを表示させる段階では、まだ、入力キー156M、157Mに対応している1つの発光部21Mは、点滅(又は他の発光部と異なる色で発光し)しない。つまり、入力操作不可能であることを示している。
次に図24について説明する。
図24から明らかなように、第1エリア22に制御メニューを表示させた以降では、入力キー156M、157Mに対応している1つの発光部21Mは、点滅(又は他の発光部と異なる色で発光し)しており、加熱時間や温度等の制御条件の入力操作が可能であることを示している。
また、図24において、入力キー151Mに対応している1つの発光部21Mは、破線の円で囲ってあるが、これは当該発光部21Mが点滅し(又は他の発光部と異なる色で発光し)、調理開始の指令を待っていることを示したものである。
図24において、前記「音声入力切替キー」の1つである入力キー154Mのタッチ操作時に、そのタッチ状態が「長押し」であった場合、当該入力キー154Mのタッチ部を囲むように、「音声入力モード1」に切り替わったことを示すマーク154Vが、発光素子27B(図16参照)によって表示される。つまり、トッププレート3の下方に配置されたLED等の発光素子27B(図16参照)が、発光制御部26の信号で点灯し、当該入力キー154Mの部分に、図23で示すような枠を表示させる。又は、当該入力キー154Mのタッチ部全体を下方から照らして、他の入力キーとは明瞭に識別できるようにする。
前記マーク154Vが表示された時点では、既に制御装置40の制御部55は、制御メニュー(例「あたため」)の下位の命令である「制御条件」(温度、加熱時間等)の入力を、音声信号受信部56(図16参照)経由で受け付ける状態(以下、「入力待機状態」ともいう)になっている。
そのため、入力キー156M又は157Mのタッチ操作によって制御条件を入力することに代えて、ユーザーUSは音声で制御条件を入力することができる。
次に図25について説明する。
図24では、音声入力モード1が選択されていないケースであったが、この図25は、音声入力モード1が選択された場合を示している。
図25から明らかなように、前記マーク154Vが表示された以降には、前記入力キー156M、157Mに対応している1つの発光部21Mは、点滅(又は他の発光部と異なる色で発光し)していない。つまり、これら入力キーでは、加熱時間や温度等の制御条件の入力操作は推奨していないことを示している。
ところで、入力キー154Mによって選択された前記「音声入力モード1」は、「音声入力モード1A」に事前に設定されていた場合には、入力キー154Mが「長押し」によって当該音声入力モード1Aを選択した時点から、入力キー154M以外の前記入力キー(151Mを除き、156M、158M等)の入力機能は無効にされる。そのため、音声入力によって制御条件を設定することになる。なお、音声入力モード1Aを事前に解除し、入力キー154M以外の各種入力キー(156M、158M等)の入力機能を維持したい場合には、事前に「音声入力モード1B」に設定しておけば良い。
図25から明らかなように、前記マーク154Vが表示された以降には、第2エリア23と第3エリア24を結合した広い表示エリアには、音声入力モード1の補助情報179が表示される。
補助情報179は、音声入力モードであるため音声での入力を受け付けていることを示す音声入力モード表示情報179Aと、入力できる制御条件の範囲や数値を示す情報179B、179Cと、の3種類がある。
前記情報179Bは、図18で説明した「領域2」に示した条件である。つまり、0℃~90℃の範囲でしか、ユーザーUSが選択できないことを示している。
前記情報179Cは、同じく図18で説明した「領域2」に示した条件である。つまり、冷凍食品をマイクロ波加熱する「あたため」の制御メニューでは、-10℃~0℃の範囲でしか、ユーザーUSが選択できないことを示している。
ユーザーは、これら補助情報179を見て、音声入力を発する際に参考にし、加熱調理器1で許容される制御条件を入力することができる。
すなわち、図25に示した情報179(179A~179C)によって、ユーザーUSが音声で入力できることと、音声で入力できる制御条件の範囲を事前に示すことで、無駄な音声入力や不適切な条件の発声等が回避でき、結果的にユーザーUSの操作性が向上する。
図25から明らかなように、前記マーク154Vが表示された以降で、第2エリア23と第3エリア24を結合した広い表示エリアには、音声入力モード1の補助情報179が表示されたままになっている状態は、加熱動作開始の条件を満たしていない。
つまり、図25の状態は、図23のように、スタートキー151Mを押下げる(タッチ操作)ことを推奨していない。そのため、スタートキー151Mに対応している発光部21Mが、発光(点滅)する状態にならない。
つまり、この実施の形態1では、音声入力モードに切り替えた以降、所定の制御条件が入力されていない状態(図25の状態)では、加熱動作開始できないようになっている。
次に、図26について説明する。
図26は、連携調理モードKM3における、中央表示部16Mの表示動作と中央操作部15Mとの関係を示す平面図である。加熱動作開始前の操作手順を示している。
図26において、前記主電源スイッチ20を「ON」にして、制御装置40を起動し、中央操作部15Mの入力キー153Mを押すと、待機時初期画面16MH(図54で説明する)は、この図26に示す第1特定画面16M1に切り替わる。
仮に、入力キー153Mよりも先に入力キー154M又は155Mが押されると、図22~図24に示したように、複合調理モードKM2のための入力工程に変更となり、第2特定画面16M2が表示される。
また、先に入力キー155M又は156Mが押され、レンジ加熱等の単独調理モードやレンジグリル(RG)調理等の「複合調理モード」KM2の設定操作が途中まで行われていた場合でも、スタートキー151Mを押す前の段階であれば、入力キー153Mを押した段階から「連携調理モード」KM3のための入力工程に変更となる。つまり、この段階から第1特定画面16M1だけが中央表示部16Mに表示される。
図26は、入力キー153Mを押した直後の状態を示しており、デフォルト設定された特定の調理メニュー(例:ハンバーグ)の識別情報167が、第1エリア22に表示されている。なお、この場合、入力キー153Mは、「短押し」操作された場合であるので、音声入力モード1は起動されない。
入力キー153Mに続いて、その次に、入力キー154M又は155Mにタッチすると、中央表示部16Mの表示画面(第1特定画面)16M1の第1エリア22には、複数の連携調理モードKM3の対象となる(連携調理メニューである)被調理物を特定するための、更に別の識別情報(図形マーク、調理物の名称を含む)168又は169が表示される。
この図26では、中央表示部16Mに表示されている連携調理モードで実行できる「被調理物」の数は3つである。すなわち、ハンバーグ、グラタン及びローストビーフの3つであり、このように被調理物の数を「連携調理メニューの数」と呼ぶ。
この実施の形態1では、連携調理メニューの数は全部で8個ある。詳しくは図32で説明する。但し、後述するスマートフォン(通信端末器)200からレシピデータCDを取得して、更に連携調理メニューを増やすことが可能である。
図26において、167、168,169が識別情報であり、この実施の形態1では、被調理物(例えば、ハンバーグ、グラタン、ローストビーフ)の名称を、それぞれ1対1に示す情報である。なお、連携調理メニューの全ての識別情報を示す説明をする場合、167の符号を使用する。
図22~図25で説明した制御メニューの識別情報160が表示された位置は、「表示位置A」と呼んでいた。
これに対し、連携調理モードKM3において、図26で示しているように、前記識別情報167が表示された位置は、以後「表示位置B」と呼ぶ場合がある。
この実施の形態1では、「表示位置B」と前記「表示位置A」(図22参照)の位置は、同じ位置であるが、異なった位置に設定しても良い。但し、ユーザーUSの混乱を招かないように、連携調理モードKM3の中では、8つの連携調理メニューで、常に同じ位置(表示位置B)にする。また、複合調理モードKM2でも、各制御メニューで常に同じ(1つの)「表示位置A」に統一することが良い。
入力キー154M、155Mの操作が(一定時間内に)なければ、次のステップに自動的に進む。
図26において、第1特定画面16M1の中には、加熱部特定部171L、171Rが表示される。そこで、ユーザーUSが、左右に隣接している入力キー157M、156Mを操作すれば、右IHコイル9R、左IHコイル9Lの何れか1つを選択できる。なお、この実施の形態1では、左加熱部4Lがデフォルト設定されており、入力キー157M、156Mの操作は必須ではない。
次に、図27について説明する。
図27に示すように、第3エリア24には操作支援情報170が表示されている。この図27の例では、「スタートボタンを押すと、左IHの加熱を開始します」と表示している。この意味は、中央操作部15Mの入力キー151Mを押せば、左IHコイル9Lで(連携調理モードKM3の)誘導加熱が開始できることである。但し、この実施の形態1では、入力キー151Mの後に、左操作部15Lで入力キー153Lを押す必要がある。
図27に示している通り、第1特定画面16M1に示された識別情報167の上(平面視で後方位置)には、別の調理物(例えば、グラタン)の名称を示す識別情報168が表示されている。
また、前記識別情報167の下には、別の調理物(例えば、ローストビーフ)の名称を示す識別情報169が表示されている。図27において、スタートキー151Mに対応している1つの発光部21Mは、破線の円で囲ってあるが、これは当該発光部21Mが点滅し(又は他の発光部と異なる色で発光し)、調理開始の指令を待っていることを示したものである。
入力キー154Mと、155Mの何れか一方を1回操作する毎に、被調理物(例えば、ハンバーグ)の名称を示す識別情報167は、順次上方向又は下方向に、1段階ずつ移動する形で表示が変化する。つまり、順送りと逆送りで識別情報167を第1エリア22の所定位置(前後中央位置)、言い換えると、前記表示位置Bに順次表示させることができる。
この実施の形態1では、連携調理モードKM3における被調理物の種類が、前述したように全部で8個ある。そのため、例えば左側の入力キー155Mを8回操作すれば、1つ被調理物(例:ハンバーグ)の識別情報167が一巡する。逆に右側の入力キー154Mを8回操作すれば、1つの被調理物(例:ハンバーグ)の識別情報167が一巡する。
ところで、調理メニュー(例:ハンバーグ)を選択した後、上述したように、左右の加熱部4L、4Rの選択又は制御条件(例えば、予熱温度)の入力を終えて、加熱動作の開始指令をスタートキー151Mで与える必要がある。
上述したような、左右の加熱部4L、4Rと制御条件(例えば、予熱温度)の入力は、個別に入力キー154Mと、155Mの何れか一方を何度も押す必要があるため、ユーザーUSには、何度もタッチ操作を求めることになる。これは、前述した複合調理モードKM2の場合でも同様である。例えば、図18で説明したように、例えば「あたため」の場合の温度設定は、0~90℃の範囲で選択できるが、入力キー156Mと、157Mの何れも、1回のタッチ操作では、5度(℃)上げること又は下げることしか入力できないので、例えば0℃を15℃に変更するためには、タッチ操作を3回行う(「短押し」)必要がある。
そこで、この実施の形態1では、面倒な入力操作を軽減するために、この連携調理モードKM3においては、1つの調理メニューの識別情報167が図26、図27のように、第1エリア22の所定位置Bに表示される際に、入力キー154Mによって音声入力モードに変更できる。つまり、調理メニュー(図27の例では、「ハンバーグ」)を前記表示位置Bに表示されるときに、同時に音声入力モード1を選択できる。
前記したように音声入力切替キーの1つである入力キー154Mのタッチ操作時に、そのタッチ状態が「長押し」であった場合、図27に示すように当該入力キー154Mのタッチ部を囲むように、音声入力モードに切り替わったことを示すマーク154Vが表示される。
また、音声入力モードに切り替わったことを示すマーク154Vが表示されたタイミングで、次の図28に示すように補助情報179として、音声での入力を受け付けていることを示す音声入力モード表示情報179Aを第1特定画面16M1に表示しても良い。
図27の状態は、まだ左右加熱部4L、4Rを選択していない状態である。
次の図27の状態で、ユーザーUSが例えば「左IH」という設定情報を音声で入力した場合は、加熱調理器1から音声報知部50によって「左IHが選択されました」のように報知される。そして、この図27に示すように左加熱部4Lを選択したことが第1特定画面16M1に表示されることが望ましい。
図27の状態は、入力キー151Mに対応している1つの発光部21Mは、破線の円で囲ってあるように点滅(又は他の発光部と異なる色で発光)している。つまり、調理開始の指令を待っている状態であるので、スタートキー151Mを押せば、加熱調理動作が開始される。
上述したような、左右の加熱部4L、4Rと制御条件(例えば、予熱温度)の入力は、個別に入力キー154Mと、155Mの何れか一方を何度も押す必要があるため、連携調理モードKM3においては、「特定入力キー」の1つである入力キー154Mのタッチ操作時に音声入力モードを選択できた。つまり、加熱調理モードの選択動作と同時に、音声入力モードの選択が行えた。しかし、その後の、制御条件の入力段階で、音声入力モードを選択できれば、更に便利である。
そこで、この実施の形態1では、前記中央操作部15Mには入力キー180を有しており、これを操作することによって、その直後の時点から「音声入力モード2」を利用できる。従って、制御条件の設定段階に進んでも、音声入力モード(音声入力モード2)が選択できる。
なお、「音声入力モード2」は、「音声入力モード1」と同様に、スタートスイッチ151Mを押して加熱調理が開始された段階で、自動的に解除される。
次に、図28について説明する。
図28の状態は、図27に示した段階よりもまだ前の段階であり、左右加熱部4L、4Rを選択していない状態である。
この図28の場面は、図27の場面と異なり、音声入力モードが既に選択された状態である。そして、右加熱口4Rか左加熱口4Lの何れか1つを選択すること、更に、誘導加熱時の被加熱物Nの予熱温度をユーザーが設定できることを、第2エリア23と第3エリア24において文字で表示している。この図28の段階では、まだ制御条件の一部が設定されていないので、スタートスイッチ151Mを押しても加熱動作は開始されない。
ユーザーUSが例えば「左IH」という設定情報を音声で入力した場合は、加熱調理器1から音声報知部50によって「左IHが選択されました」のように報知される。そして、この図27に示すように左加熱部4Lを選択したことが第1特定画面16M1に表示されることが望ましい。
次に、図29について説明する。
図29に示した段階は、図28に示した段階から、音声入力によって制御条件の入力も終え、スタートスイッチ151Mを押せば、調理工程1に移行できる段階を示している。
なお、補助情報179として、音声での入力を受け付けていることを示す音声入力モード表示情報179Aが、第1特定画面16M1(第2エリア23と第3エリア24)に表示されている。このため、例えば予熱温度がデフォルト値で180℃に設定されている場合、「予熱 190」というフレーズを発声すれば、「予熱温度 190℃受け付けました」のような応答が加熱調理器1から行われ、制御条件の設定値の変更ができる。
次に、図30について説明する。
図30(A)において、FGは、ユーザーUSの指先を示したものである。入力キー155Mを1回押すごとに、図30(B)に示すように第1特定画面16M1の表示内容は、表示画面29A~29Dのように変化する。
前述したようにユーザーUSが入力操作部15で事前に機能設定モード(前記機能設定キー151KPを使用)に設定し、当該機能設定モードの期間中に、入力操作部15の複数の入力キーを操作して、連携調理モードKM3の個々の調理メニューを中央表示部16Mに表示する場合、食品成分と、栄養成分の何れか一方を優先させて表示する設定が行える。
例えば、前述したように機能設定キー151KPを押すと、中央表示部16Mの表示画面に「機能設定メニュー」のための専用の表示画面が表示される。
そこで、前記機能設定キー151KP以外の特定の1つの入力キー(例えば、156M)を「長押し」して、食品成分表示モードを自動的に選択できるように、事前に設定しておくと良い。例えば、前記した「機能設定メニュー」の中の1つの設定メニュー(例えば、ハンバーグ)について、「食品成分表示」や「栄養成分表示」を自動表示する表示画面に設定しておく。
更に、そのような「食品成分表示」や「栄養成分表示」を設定する表示画面にしている状態で、前記機能設定キー151KP以外の特定の1つの入力キー(例えば、156M、157M等の何れか1つ)を操作すると、「食品成分表示」や「栄養成分表示」を設定する条件や、設定を取り消すこともできるようにしても良い。例えば、特定の範囲として、栄養素の内の「鉄分」と成分の「エネルギー(カロリー換算値)」だけを表示するように、設定できるようにしても良い。
このため、機能設定キー151KPによって、食品成分と、栄養成分の何れか一方を優先させて、それを基準に優先的に表示させる設定にしてあった場合には、図29(A)に示したように「ハンバーグ」が最初に表示されるとは限らない。
一方、前述したように、前記入力キー180を押し、ユーザーUSが音声で調理メニューを検索できる。そのため、例えば「カロリー値が小さいメニュー」というような音声入力を、この図29の段階で行うと、8つの調理メニューの中から最もカロリー値(エネルギー量)の小さい調理メニューが、第1特定画面16M1における、第1エリア22の所定位置(前後中央位置)に表示される。
例えば、図30では、調理メニューとして、グラタン、ハンバーグ、ローストビーフ、の3種類が表示されている。そこで、この時点で前記入力キー180を押すと、音声入力モード2になる。この後、ユーザーUSが「カロリーの少ないメニュー」という音声入力を与えても良い。因みに、重量100gあたりのエネルギー量(単位:キロカロリー)は、グラタン(マカロニグラタン)は152、ハンバーグは223、ローストビーフは196程度である。従って、この3者の中で「カロリー値が最も小さいメニュー」としては、マカロニが抽出される。
一方、図30の状態で、入力キー154Mを「長押し」して音声入力モード1に切り替え、音声入力でカロリー値の少ないメニューを抽出しても良い。
次に、図31について説明する。
図31は、連携調理モードKM3の場合の、中央表示部16Mの表示内容を示した説明図であり、調理メニューの1つである「ハンバーグ」についての標準成分と、栄養成分が表示された例である。
図29の段階で、ユーザーUSが音声入力で食品成分と、栄養成分の何れか一方を表示する指令を発した場合、又は、操作支援情報170が表示されている段階(図27参照)において、入力キー158M又は159Mをタッチ操作した場合には、第1特定画面16M1は、図31(A)と図31(B)の表示画面に一時的に切り替わる。入力キー158Mを押した場合は、食品成分の表示を指令したこととなる。
以下の説明では、図31(A)の表示画面を「食品成分表示画面」16M1Aと呼び、図31(B)の表示画面を「栄養成分表示画面」16M1Bと呼ぶ。
前記食品成分表示画面16M1Aと栄養成分表示画面16M1Bは、表示されてから一定時間(例えば10秒間)経過すると自動的に元の第1特定画面16M1の状態に復帰する。
あるいは、ユーザーUSが何らかの指令を音声入力で行った場合、若しくは、入力キー158M、159Mの何れかを前記一定時間(10秒間)の間に、更にもう1回操作した場合に、元の第1特定画面16M1の状態に復帰するように、制御装置40の表示プログラムで規定している。
図32について説明する。
図32は、「連携調理モード」KM3における調理メニューと、前記操作支援情報170(図27参照)の対応関係を示した一覧表である。
図32から分かるように、前記操作支援情報170は、操作支援情報Aと操作支援情報Bの2種類ある。1つは「スタートボタンを押すと、左IHの加熱を開始します」というものであり、他の1つは「スタートボタンで決定します」という情報である。この「スタートボタン」とは、入力キー151Mのことである。
前記した2種類の操作支援情報170は、「連携調理モード」KM3の調理工程の開始前に自動的に切り替わる。例えば、数秒置きに交互に表示される。
次に、図33~図39について説明する。
図33~図39は、加熱調理器1において、レシピデータCDを外部から受信している途中段階や受信完了した段階等の、中央表示部と中央操作部の動作を説明したものである。なお、図32~図39では、連携調理モードKM3のレシピデータCDについて説明するが、複合調理モードKM2と単独調理モードKM1の場合でも同様なステップで外部からレシピデータCDを取得する。
図33について説明する。
図33は、連携調理モードKM3の1つの調理メニューである「ハンバーグ」のレシピデータCDを通信端末器200から受信していることを表示する具体的な表示画面の例を示している。第1特定画面16M1が表示されている。
図33は、レシピデータCDの受信途中の段階である。図33では、識別情報167が示されているが、この識別情報167は、図38のステップSC4で説明する所定の受信条件を満たさない限り、表示されない。つまり、レシピデータCDの受信段階の初期では、識別情報167は表示されず、また、音声入力モード表示情報179Dも表示されない。言い換えると、識別情報167が表示された図33の表示画面は、第1特定画面16M1である。
この図33では、最初に入力キー153のタッチ操作が「長押し」であったため、連携調理モードKM3が選択された時点で、音声入力モード1が起動されている。
その後、調理メニューの識別情報167が、第1エリア22に表示された段階で、更に入力キー154Mや155Mをタッチ操作することにより、調理メニューを選択できる段階である。
このようにして、最終的にレシピデータCDの受信を完了した段階で、第1特定画面16M1の第1エリア22には、識別情報167、外部レシピ識別部173及び音声入力モード表示情報179Dが、それぞれ表示される。
第2エリア23と第3エリア24には、受信動作の進捗に応じて現れる、複数個の進捗マーク16Fが現れる。この進捗マーク16Fは、レシピデータCDの受信(ダウンロード)の進捗度合いに応じて、三角形の黒いマークが1つずつ右側に増えていくことで、進捗度合いを表示する。
図33から明らかなように、入力キー153M、154、151M、156M等に対応した発光部21Mは、連続発光したり、点滅したりしていない。つまり、この進捗マーク16Fが表示されてレシピデータCDを受信している期間中は、それら入力キーからの入力は不要であるからである。また、仮にそれらをタッチ操作しても入力操作部15としての指令信号は発しないように、入力機能は無効化されている。
図34について説明する。
図34は、図33の状態からレシピデータCDの受信を終えた直後の、第1特定画面16M1と中央操作部15Mとを示した模式図である。
図34で示している前記補助情報179は、右加熱口4Rで調理工程1を行う「ハンバーグ」のレシピデータCDを受信したことを示す受信情報179Fと、制御条件の入力を推奨し、また入力できる制御条件の例(標準値)を含む参考情報179Eと、の2種類である。
の2種類がある。
図35について説明する。
図35は、図34の状態から更に入力工程が進んだ状態の、第1特定画面16M1と中央操作部15Mとを示した模式図である。
この図35から明らかなように、工程情報172が表示される。この図35の例では、最初に、第1の加熱手段HM1の右IHコイル9Rによって右加熱口4Rで予熱工程を開始すること、その後、右加熱口4Rで誘導加熱(調理工程1)が行われ、更に、加熱室6で上側輻射熱加熱手段12a、下側輻射熱加熱手段12bを使用した「オーブン加熱」が実行されることが分かる。
図35において、179Gは、ユーザーUSから入力された制御条件の内容を示す設定表示情報であり、この図35では、予熱温度が180℃に設定されたことが分かる。
この図35の段階では、制御条件の入力が完了しており、加熱調理を開始できる状態にあるため、スタートキー151Mに対応する発光部21Mは、点線の円で示すように点滅している。
次に、図36について説明する。
この図36は、図35と同様に、加熱開始の指令を待っている待機段階を示すものである。170は、操作支援情報170である。
170Aは、前記操作支援情報170の1つである入力キー案内情報である。この図36では、食品成分ボタンで栄養成分等を表示させることができる旨を表示している。
この入力キー案内情報170Aで特定される入力キーは、158Mと159Mである。なお、入力キー158Mと159Mに対応する発光部21Mは、この場面では点灯しており、入力機能がある。
すなわち、図36の段階では、2つの入力キー158Mと159Mの内、何れか1つを1回タッチ操作すれば、次の図37に示すような食品成分表示画面16M1Aが表示される。更に、続けて2つの入力キー158Mと159Mの内、何れか1つを1回タッチ操作すれば、栄養成分表示画面16M1Bを表示させることができる。
図37について説明する。
図37(A)は、食品成分表示画面16M1Aである。図31の表示形態とは異なり、第1エリアには1つの識別情報167しか表示していない。これは、レシピデータCDが、特定の1つの調理メニュー毎に用意され、しかも、1回取得すると、他の調理メニューのレシピデータCDは取得できないからである。
図37(B)は、食品成分表示画面16M1Bである。図31の表示形態とは異なり、第1エリアには1つの識別情報167しか表示していない。これは、レシピデータCDが、特定の1つの調理メニュー毎に用意され、しかも、1回取得すると、他の調理メニューのレシピデータCDは取得できないからである。
次に図38について説明する。
図38は、加熱調理器1において、外部から送信されたレシピデータCDを受信処理する制御装置40の動作を示すフローチャートである。
制御装置40において、データの取得処理を担当する通信部51は、データ取得部53(図16と図17参照)と連携して、以下に説明するステップSC1~SC7の動作を行う。
外部から通信部51経由でレシピデータCDを受信すると、一旦、一時メモリーに当該データを格納する(ステップSC1)。
通信部51では、最初に加熱調理器1の全体の状態情報を取得する。この状態情報とは、加熱調理器1の制御装置40の状態を示す情報である。そのため、例えば第1の加熱手段HM1~第3の加熱手段HM3が、加熱制御部43によって、どのような状態であるかを確認した情報となる。
例えば、既に制御条件の設定を終えており、加熱開始直前の待機状態であることや、温度センサー群30からの温度検出信号を受けている状態などの情報を、前記通信部51が取得する(ステップSC2)。
通信部51では、このような状態確認の動作を、加熱調理器1の各構成部分に向けて、一定時間間隔で何度も繰り返し行い、最新の正確なデータを収集する。
こうして、加熱調理器1が受信したレシピデータCDの内容に従った制御に移行できる状態であるかどうかを判断できる情報が、この通信部51によって集約される。
加熱調理器1では、通信端末器200との間の最初の通信状態確立の段階で、当該通信端末器200側に対して、通信部51から前記「機器識別情報」を始めとしたデータを提供している。
そのため、加熱調理器1の通信部51は、直前で送信した前記機器識別情報を始めとしたデータの内容と、通信端末器200から前記ステップSC1で受信したレシピデータCDの内容を照合する(ステップSC3)。なお、図38に破線で示しているように、データの収集と照合は、一定の制限時間内に何度も実行される。
そして、通信部51から送信したデータの内容と受信したレシピデータの内容に齟齬がないと判定すると、状態情報の判定を終える(ステップSC4)。なお、このステップSC4では、加熱室6の温度や最大使用電力の上限値を規定している「ピークカット値」の状況等の「許可条件1」と「許可条件2」を満たすかどうかの判定も同時に行われるが、これについては、図43と図44を参照しながら説明する。
ステップSC4の判定結果が「Yes」であった場合、通信部51からの判定結果を受けてデータ取得部53は、レシピデータCDを所定の記憶エリアに格納し、この直後に行われる加熱調理に備える(ステップSC5)。
次にステップSC6に進み、データ取得部53は、通信部50からレシピデータCDの送信元である通信端末器200に対して、レシピデータCDを取得したことを示す信号を送信する。当該信号を受けて、通信端末器200では、レシピデータCDの送信が成功したことが分かる。
更に、データ取得部53は、表示部51においてレシピデータCDを取得したことを表示する(ステップSC6)。この表示の例としては、図33で説明した外部レシピ識別部173や、レシピデータCDを受信したことを示す受信情報179F(図34参照)である。こうしてスタートスイッチ151Mからの指令を待つ状態に移行する。
一方、ステップSC4の判定結果が「No」であった場合、通信部51からの判定結果を受けてデータ取得部53は、通信部51から外部(送信元の、通信端末器200)に対してレシピデータCDは受信できない旨の内容を含んだ信号(データ)を発信する(ステップSC7)。なお、この図38では、連携調理モードKM3の場合であったが、複合調理モードKM2についても、このような「不受信のメッセージ」は発信される。
なお、通信端末器200は、加熱調理器1からの前記ステップSC7の通知を受けると端末側表示部216(図示せず)にその旨表示する。なお、通信端末器200のスピーカ(図示せず)で報知しても良い。
次に図39について説明する。
図39は、加熱調理器1において、外部から送信されたレシピデータCDの受信途中と、表示結果を示す中央表示部16Mの表示動作を説明した図である。図39(A)と図39(B)に示した表示画面は、まだ識別情報167が表示されていないので、まだ待機時初期画面16MHの段階である。174は、受信動作表示部であり、外部からレシピデータCDを受信している途中であることを文字で表示している。
進捗マーク16Fは、黒い三角形と白い三角形の2種類ある。
図39(A)に示すように、レシピデータCDの受信動作開始直後は、黒い進捗マーク16Fが1つであるが、受信動作が進むにつれて順次その数が増えて行き、最終的に黒い三角形の進捗マーク16Fが5つ並んだ状態となる。
レシピデータCDが、図38で説明したように「状態判定」と「許可条件判定」によって「不受信処理」となった場合、図39(B)に示すように、受信動作表示部174は、受信動作に失敗した不受信情報(不許可情報示)174Fに変化する。
174Aは、受信支援情報である。この図39(B)では、許可条件の内、加熱室6の最新の温度が規制値を超えていた例であり、対処方法として、ドア6を開放して加熱室6の内部の熱気を早く放出することを知らせている。なお、加熱室6で高温の加熱調理を行った場合には、加熱調理を終えた後も加熱室6の壁面は高温になっており、そのためドア6を閉めたままにしておくと、その後で再度調理を開始したいと思った場合に、このような温度が原因で、直ぐに調理を開始できない事態が想定される。なお、入力キー151KPによって機能設定モードにし、加熱室6を使用した加熱調理の場合、調理の終了後の温度が下がるまで、加熱室6に空気を供給する冷却ファン(図示せず)の運転を継続するように事前に設定しておいても良い。
次に図40について説明する。
この実施の形態1では、前記連携調理モードKM3の1種として「連携予熱調理モード」KM4を備えている。
当該連携予熱調理モードKM4は、2種類ある。
前記連携予熱調理モードKM4を利用する調理メニューとして、例えば、「ハンバーグ」がある。この「ハンバーグ」の場合は、その予熱工程を第1の加熱手段HM1で行う。
予熱工程を実行中に、調理工程1を開始すると、当該調理工程1の開示時点では、前記予熱工程の加熱動作を停止していない。
そのため第1の加熱手段HM1の通電と、調理工程1を担当する第2の加熱手段HM2(マイクロ波加熱手段)及び第3の加熱手段HM3の通電とは、同じ時間帯で並行的に行われことになる。
言い換えると、連携予熱調理モードKM4では、調理工程1の前から動作を開始している加熱源(上記説明では、第1の加熱手段HM1)を、調理工程1の開始時点で必ずしも停止せず、調理工程1の期間中、第2の加熱手段HM2(マイクロ波加熱手段)と、第3の加熱手段HM3の一方又はその両方と、共に通電される場合がある。
特に矛盾を生じない限り、前記連携調理モードKM3には、前記連携予熱調理モードKM4を含んでいるという前提で、以下説明する。
連携調理モードKM3を選択する段階では、被調理物の名称を示す識別情報167を中央表示部16M表示させた時点で、左IHコイル9Lの左操作部15Lは、他の調理メニューのためには使用できないようになる(「占用状態」ともいう)。
具体的には、左操作部15Lの各種入力キーの内、少なくとも入力キー153Lは、加熱制御部43によって無効化される。この「無効化」という意味は、入力キー153Lから、有効な指令信号が加熱制御部43に発信されないという意味と、有効な指令信号が発信されても、加熱制御部43が、その指令信号を有効な指令信号として処理しないこと、の両方の意味がある。何れにしても、左IHコイル9Lでの加熱を選択できないことになる。
同時に、識別情報167が表示された時点で、右加熱口4Rの右操作部15Rは、使用できないようにしても良い(入力キー153Rの「無効化」による)。しかし、この「無効化」をしないようにユーザーUSが入力操作部15で事前に機能設定(前記機能設定キー151KPを使用)していた場合には、右IHコイル9Rが、他の制御メニューのために既に使用されている(加熱動作継続中)場合には、その右IHコイル9Rは、そのまま使用できる。一方、連携調理モードKM3では、そのような先に使用されている事実から、使用できないと判定される(加熱制御部43による)。
従って、左IHコイル9Lだけが、連携調理モードKM3の選択によって「占用」された状態となる。また第1の加熱源HM1の全体から見れば、3つの加熱部4L、4C、4Rの一部分(左IHコイル9L)だけ、使用が「制限」されたことになる。なお、右IHコイル9Rが他の調理のために使用中でない場合には、この右IHコイル9Rも同様に占用した状態にしても良い。
引き続き図40について説明する。
この図40は、連携調理モードKM3で「からあげ」を行った場合の動作ステップを示している。図40の中で、#1~#9は、ユーザーUSの操作や加熱調理器1の状態変化を示したものである。
図40に示した「からあげ」は、前述した「ハンバーグ」の場合と異なり、調理工程1は加熱室6で行い、調理工程2を第1の加熱手段HM1で行う。
図40において、ユーザーUSが「からあげ」を調理するために、調理工程1を始める前に、最初に左IHコイル9Lを選択し、入力キー151Lを押す。そしてトッププレート3の上に置いた被加熱物Nの予熱を開始する。この場合の被加熱物Nは、金属製の鍋やフライパン等であり、食用油を一定の量以上入れておく。
一方、ユーザーUSは、加熱室6のドア7を開けて、「からあげ」の食材(味付けした鶏肉など)を、加熱室6の中に入れる(#1)。
そして、ドア7を閉めた後、「スタートボタン押下」と呼んでいる操作A23を行う。これは、中央操作部15Mの入力キー151Mを押すことである。
この時点でマイクロ波加熱源(第2の加熱手段HM2)が動作してマイクロ波加熱調理の調理工程1が開始される。すると、参考情報の報知1が行われる。
前記報知1とは、例えば「マイクロ波加熱開始しました。加熱時間は〇分です」のように、加熱終了までの時間を知らせることである。又は、被調理物の温度を検知して加熱終了時期を決める制御を行っている場合には、例えば「〇〇℃まで加熱します」等、目標の温度を示す情報の報知でも良い。
また、この調理工程1の間に、左IHコイル9Lの予熱は完了する(例えば、前記被加熱物Nは、予熱の設定温度である180℃まで加熱された状態になる)。この予熱完了は、音声報知部51と中央表示部16M(第1特定画面16M1)によって、音声と文字等でユーザーUSに知らされる(#2)。
ユーザーUSは、調理工程1の途中で、任意のタイミングでマイクロ波加熱を停止できる。停止するためにはドア7を開ければ良い。なお、中央操作部15Mの入力キー152Mを1回だけ押すと、マイクロ波加熱を一旦停止できる。しかし、短時間に2回連続して入力キー152Mを押すと、調理モードの取消となり、連携調理モードの「からあげ」の選択がキャンセルされてしまう。
ドア7の開放によって即時にマイクロ波加熱動作は停止され、調理工程1が終了する(#3)。
次に、ユーザーUSは、加熱室6の中で加熱された食材を、今度はトッププレート3の上で予熱されている被加熱物の中に移動させる(#4)。
そして、左加熱口4Lで調理工程2を開始する(#5)。
調理工程2では、予熱を始める前の最初に、左操作部15Lの入力キー153L(図12参照)を押しているので、この調理工程2の開始時点では、左操作部15Lを操作する必要はない。つまり、例えば180℃まで予熱されている被加熱物の中に、食材(からあげの材料)を移動した時点で、その被加熱物の温度で食材の加熱が開始される(この時点が、調理工程2の開始時点となる)。
以上のように、調理工程2の開始(#5)のために、ユーザーUSは入力操作部15を特に操作する必要はない。
被加熱物の上に被調理物を置いて加熱される状態にした時点が、調理工程2の開始時点となるが、被調理物を置いたことに伴って、被加熱物の温度が一時的に下がることを温度センサー群30(図16参照)が検知して、電気的に調理工程2の開始時点を決定しても良い。
調理工程2の終了は、ユーザーUSが左操作部15Lを操作すれば、任意のタイミングで終了することができる。
次に、ユーザーUSは、被調理物を再び移動させる。
まず、ドア7を開放して加熱室6の中へ、被調理物を入れ、ドア7を閉める(#6)。
そして、中央操作部15Mの入力キー151Mを押して、レンジグリル制御メニュー(RG制御メニュー)の調理工程3を開始する。
この場合、被調理物を加熱室6に入れないで、マイクロ波加熱等を行う(いわゆる「空焼き」)を防止するため、調理工程1が終わったあと、ドア7を1回開け、その後、ドア7を再び閉じたことが(ドア7の開閉検知部10で)検知された場合に限り、入力キー151Mを押して加熱動作を開始できる。また、この入力キー151Mを操作するタイミングは、調理工程1の終了時点から一定時間(例えば、3分間)に制限したり、前記ドア7を開放し、再び閉じた時点から一定時間(例えば、2分間)に制限したりして、安全性を向上させている。
加熱室6におけるレンジグリル駆動部による調理工程3が、ユーザーUSの操作入力A26により開始された時点から所定の時間(TN5)を経過した時点で、参考情報5の報知2が行われる。
前記参考情報の報知2は、例えば「あと30秒で加熱終了します。更に延長する場合には、時間を設定して下さい」等の案内を含んだ情報である。また、最終的な調理工程を終えることが分かるので、ユーザーUSは、「からあげ」を加熱室6から取り出すための準備を、この参考情報の報知2の時点から開始できる。また、これと同期して、中央表示部16Mによって、前記報知2の内容が文字等で表示される。なお、前記報知2は、前記操作支援情報170のように、第1特定画面16M1において特定の位置に表示される。
その後、マイクロ波加熱動作は停止され、調理工程3が終了する(#7)。なお、この調理工程3は、ユーザーUSがドア7を開ければ、即座に停止できる。
そして、この後にユーザーUSは、加熱室6の中で加熱された食材を、今度はトッププレート3の上で予熱されている被加熱物の中に移動する(#8)。なお、この場合、調理工程3の終了後まで、誘導加熱によって前記被加熱物が加熱された状態に維持されている場合、更に誘導加熱(調理工程4)しても良い(#9)。
誘導加熱調理は、左15Lを操作して終了することができる。つまり、この時点のユーザーUSの操作A28は、左IHコイル9Lに対応した左操作部15Lの入力キー153Lを押すことである。
この図40に示した調理シーケンスは、誘導加熱動作開始(予熱工程開始)から調理工程1の終了時点までの所要時間を短くすることができる。
すなわち、誘導加熱による予熱完了又はその予熱完了報知を待つことなく、それよりも前の時点において食材(被調理物)を加熱室6に入れて、調理工程1を開始しているからである。
そして調理工程1が完了する前に、第1の加熱手段HM1による予熱が完了するため、調理工程1の終了後に、直ぐに被調理物をトッププレート3の上の被加熱物の中に移し、調理工程2を開始することができる。
なお、この図40の「からあげ」の例では、調理工程3があったが、このように必ず調理工程3や調理工程4が必要になるものではない。被調理物の種類やユーザーUSの希望等に応じて、必要な調理工程で終えれば良い。
また、図40では、調理工程2を終えた後も「左IHコイル駆動期間」が継続するような図になっているが、調理工程2を終えた以降では、左操作部15Lによって左IHコイル9Lの駆動を何時でも停止して良い。但し、図40に破線の枠で表示しているように、更に調理工程4でも左IHコイル9Lを使用する場合には、調理工程4の前に再び予熱動作を開始する必要がある。
次に、図41について説明する。
この図41は、図40と同様に連携調理モードKM3で、調理メニューとして「からあげ」を行った場合の動作ステップを示している。
図41の中で、#1~#9は、図40で説明したように、ユーザーUSの操作や加熱調理器1の状態変化を示したものである。その他の符号は、図40のものと対応している。
この図41に示す動作と図40で説明した動作の差異について説明する。
図41は、第1の加熱手段HM1による被加熱物Nの予熱完了とその報知(#2)を待って、加熱室6において調理工程1を開始する場合を示している。
ユーザーUSは、被加熱物Nの予熱完了が、第1特定画面16M1や、左右の表示部16L、16Rによって表示され、また音声報知部50によって音声で報知された場合、加熱室6のドア7を開けて、「からあげ」の食材(味付けした鶏肉など)を、加熱室6の中に入れる(#1)。
そして、ドア7を閉めた後、中央操作部15Mの入力キー151Mを押す。
この時点でマイクロ波加熱調理の調理工程1が開始される。すると、参考情報の前記報知1が行われる。これ以後は、図40に示した工程と同じである。
この図41に示した調理シーケンスは、第1の加熱手段HM1の加熱動作開始(予熱工程開始)から調理工程1の終了時点までの所要時間は、図40に比較して長くなる。
しかしながら、第1の加熱手段HM1による予熱完了又はその予熱完了報知を待ってから、食材(被調理物)を加熱室6において加熱開始しているので、この加熱室6における調理工程1の終了時には、被調理物を移動させれば、必ず第1の加熱手段HM1で調理工程2が直ぐに開始できる保証がある。そのため、あまり連携予熱調理モードKM4に習熟していないユーザーUSには、この方法が適している。
なお、図41では、調理工程2を終えた後も「左IHコイル9Lの駆動期間」が継続するような図になっているが、調理工程2を終えた以降で第1の加熱手段HM1を使用しない場合には、調理工程2の終了後に、左操作部15Lによって左IHコイル9Lの駆動を何時でも停止して良い。但し、図41に破線の枠で記載しているように、更に調理工程4でも左IHコイル9Lを使用する場合には、調理工程4の前に再び予熱を開始する必要がある。
図40と図41では、第1の加熱手段HM1を先に通電して予熱動作開始する一方、調理工程1は加熱室6で行うという形態であった。
この実施の形態1の「連携予熱調理モード」KM4は、このように調理工程1が加熱室で行われるものに限定されていない。
他の連携予熱調理モードKM4では、最初に第1の加熱手段HM1による加熱動作を開始し、フライパン等の被加熱物を予熱目標(設定)温度(例えば、180℃)まで加熱し、目標の温度になった状態で、当該被加熱物の上に被調理物を載せて、これで調理工程1を開始するという方法である。なお、この予熱工程の後、被調理物を被加熱物の上に載せたまま、加熱室6の中へ移動させ、被調理物を被加熱物と一緒に加熱室6の中で、第2の加熱手段HM2や第3の加熱手段HM3で更に加熱を加えるために、調理工程2を実行しても良い。
次に図42について説明する。図42は、連携調理モードKM3へ移行するまでの、加熱制御部43の制御動作を示すフローチャートである。
この実施の形態1の連携調理モードKM3では、最初に第1の加熱手段HM1を駆動させ、その次に第2の加熱手段HM2又は第3の加熱手段HM3の少なくとも何れか一方を駆動するパターン(第1の連携調理モード)がある。このパターンで調理することに適する調理メニューの代表例は、「ハンバーグ」から「グラタン」まで、図32の一覧表で示した通り、4つある。
これとは逆の順番の第2の連携調理モードもある。この第2の連携調理モードで調理することに適する調理メニューの代表例は、「からあげ」から「天ぷら」まで、図32の一覧表の下半分に記載した通り、4つある。
この図42に示す動作ステップは、第1の連携調理モードと、第2の連携調理モードの両方に共通のものである。
まず、最初のステップSB1では、中央操作部15Mの入力キー153Mが操作された時点である。これにより連携調理モードKM3が開始される。
次のステップSB2は、中央表示部16Mに第1特定画面16M1が表示され、連携調理モードKM3を実行するための各種情報を表示する。このステップSB2では、個々の連携調理モードの調理メニューを選択するため、識別情報167の1種として「被調理物の名称」(例えば、「ハンバーグ」)167を、第1エリア22の前後方向中央部、つまり、前記表示位置Bに表示する。
前記連携調理モードKM3の選択に応じて、加熱手段(第1の加熱手段HM1~第3の加熱手段HM3が)「占用」された状態となるタイミングは、次の2つの何れでも良い。
(1)前記したように、例えば調理工程1のための左IHコイル9Lが選択された時点のケース以降(図42では、ステップSB4の後の「占用状態開始(ケース2)」が該当)。
(2)この図42のようにステップSB2の以降(図42では、「占用状態開始(ケース1)」が該当)。
次のステップSB3では、入力キー154M、155Mの少なくとも何れか1つが操作されたかどうかを判定する。図14、図26~図29で説明した通り、2つの入力キー154M、155Mを操作することにより、連携調理モードで調理できる被調理物(例えば、ハンバーグ)の名称を示す識別情報167を選択できる。
入力キー154M、155Mの操作が(一定時間内に)なければ、ステップSB4に進む。
ステップSB4では、前記したように第1特定画面16M1の中に2つ表示された加熱部特定部171L、171Rの何れか1つを選ぶステップである。ユーザーUSが、左右に隣接している入力キー157M、156Mを操作すれば、右IHコイル9R、左IHコイル9Lの何れか1つを選択できる。
なお、左加熱口4Lをデフォルト設定しておいて、加熱部特定部171Lを第1特定画面16M1に最初に表示させ、そのままステップS5まで進むようにしておいても良い。図26で説明した例では、連携調理でハンバーグを行う際には、左加熱口4Lがデフォルト設定されてあり、左IHコイル9Lを優先的に選択するように設定されていた。
次のステップSB5では、連携調理モードの選択を取り消すための入力操作がされたかどうかを判定する。入力キー152Mが1回操作された場合には、「Yes」と判定される。そしてステップSB3に戻る。なお、入力キー152Mを、一定の短時間(例えば5秒間)の内に、連続して2回操作された場合には、連携調理モードKM3の解除と判定して、ステップSB1より前の待機時初期画面の状態まで戻る。従って、3種類の調理モードKM1~KM3の選択は、最初の段階に戻った状態になる。
一方、入力キー152Mが操作されていない状態で、入力キー151Mが操作された場合、次のステップSB6に進む。そして連携調理モードKM3の調理ステップ1が開始される。
図42において、ステップSB7は、連携調理モードKM3の動作プログラムにおいて、例えば「ハンバーグ」という特定の連携調理メニュー(レシピ)の「調理条件」(火力や加熱時間等の「制御条件」を含む)に従って、各種機能部分が起動する。つまり、この段階から連携調理モードKM3に移行する。
最初に、ステップSB7では、ステップSB4で選択された加熱部に対応する表示部が起動する。但し、マイクロ波加熱手段(第2の加熱手段HM2)や第3の加熱手段HM3を調理工程1で使用する調理メニュー(前記したように、例えば「からあげ」)の場合には、既に中央表示部16Mは起動しているので、このステップSB7では、新たな表示部の起動はされない。
調理工程1で、例えば左IHコイル9Lを使用する調理メニューの場合には、ステップSB7では、左表示部16Lが起動する。そして左操作部15Lの入力機能が有効となり、ユーザーUSの入力を待つ状態となる。そしてステップSB8に進む。
ステップSB8では、前記入力キー153Lの操作を待って、連携調理モードKM3の調理工程が開始される。
なお、ステップSB8の第1特定画面16M1の表示内容としては、最初の調理工程1は、左IHコイル9Lを使用し、次の調理工程2では、マイクロ波加熱手段(第2の加熱手段HM2)が使用されること等の工程情報172が、図26にて説明したように表示される。
次に図43と図44について説明する。
図43は、連携調理モードへ移行するまでの、加熱制御部43の制御動作を示すフローチャートである。図44は、連携調理モードへ移行する前の許可条件と、判定結果を示す説明図である。
図43について説明する。
ステップST1~ST8は、加熱制御部43の連携調理モードKM3の動作プログラム(レシピデータCDを含む)に規定された動作ステップである。
最初に、前記主電源スイッチ20の操作ボタン20Aが押された場合(ST1)、次のステップST2では、加熱制御部43が、異常の有無を判定するステップである。
ステップST2の段階では、中央表示部16Mが起動され、「異常がないので、調理を開始できること」旨を表示する。なお、この段階で、加熱制御部43は、総電力消費量の上限値について入力操作部15から設定指令を受けているかどうかも確認する。
ステップST2の段階で、前記通信端末器200又は外部サーバー417(クラウドサーバー300)に対して、加熱調理器1から起動情報を送信するような設定になっていた場合、この段階で通信部51から起動情報(運転状態データOS)を無線で送信する。
次のステップST3の段階では、中央表示部16Mと音声報知部51についても、加熱手段の選択を促すための報知と、音声ガイドを行う。
次のステップST4では、中央表示部16Mには、待機時初期画面16MHが表示され、またユーザーUSへの使用上の注意情報の表示も行われる。
そして、入力キー153M以外の入力キー(例えば、154M)が操作されたかどうかを判別する(ST5)。入力キー153Mが操作されていた場合は、ステップSTCは「No」となり、ステップST6に進む。つまり、「連携調理モード」KM3を使用するステップに進む。
ステップST6では、許可条件判定部54が「許可条件」を満たすかどうかについてチェックをする。例えば、「連携調理モード」KM3で使用される加熱源の使用状態をチェックする。
この許可条件と判定結果については、次の図44で詳しく説明する。
ステップST5では、最初の入力操作をチェックする。例えば、入力キー153Mが押される前に、左操作部15L又は右操作部15Rが操作されたかどうかを判別し、また中央操作部15Mによって(入力キー154M又は155Mにより)「複合調理モード」KM2が選択されたかどうかを判別する。
ステップST3から一定の猶予時間(例えば30秒間)内に、最初に入力キー153Mの操作が行われた場合には、前述したように「連携調理モード」KM3のための表示が開始される。
一方、入力キー153Mの操作が行われず、これ以外の入力キー(例えば、入力キー155M、又は154M)のタッチ操作がされた場合には、ステップST5は「Yes」の判定となり、「連携調理モード」KM3以外の調理開始のステップST9に進む。なお、ステップST9については、ここで詳細な説明は省略する。
図43において、ステップST6とST7は、「連携調理モード」KM3による調理を許可するかどうかを決定する「許可条件1」の動作ステップである。
ステップST6は、「許可条件1」を判定する段階である。
ここで「許可条件1」とは、
(1)加熱調理器1で使用できる最大使用電力の上限値を規定している「ピークカット値」が、5000W以上であること、
(2)外部のクラウドサーバー300又は通信端末器200から、通信部51経由で制御装置40が受信した電力削減指令信号がある場合、その削減指令のピークカット値が5000W以上であること、
の2つであり、この2つを満たせば、ステップST6は「Yes」判定になる。
次のステップST7における「許可条件2」とは、以下の4つである。
(1)第1の加熱手段HM1において、中央加熱口4Cが加熱動作中ではない。
(2)第2の加熱手段HM2又は第3の加熱手段HM3の、一方又は両方が加熱動作中ではない。
(3)第1の加熱手段HM1において、右加熱口4Rと左加熱口4Lの両方とも加熱動作に使用されていない(又は、一方だけが加熱動作に使用中である)。つまり、左IHコイル9Lと右IHコイル9Rの両方とも、加熱動作に使用されていない。
(4)前記許可条件4を満たしていうこと。
以上の3つを満たせば、ステップST7は「Yes」判定となる。そして、ステップST10に進む。つまり、連携調理モードKM3の調理開始入力のステップに進むことができる。
前記ステップST6とSTR7で「No」の判定になった場合は、ステップST8に進み、連携調理モードKM3は選択できないことを前記中央表示部16Mや音声報知部50によってユーザーUSへ知らせる。
ここで、前記「許可条件1」が、「5000W以上」であることと規定している意味について説明する。なお、説明を簡単にするため、以下の説明では、加熱源以外の電気部品、例えば本体2の内部冷却ファン(図示せず)等の消費電力については、特に言及しない。
「連携調理モード」KM3を実施する際の必要デマンド(電力需要量の事前確保)が5000W以上必要な理由は、連携調理モード実行時の、各加熱源の動作時の最大(瞬間)電力が、以下の通りであるためである。
(1)レンジ動作時(第2の加熱手段HM2):1000W
(2)オーブン動作時:2000W(上側輻射熱加熱手段12a:1000W、下側輻射熱加熱手段12b:1000W)
(3)レンジグリル動作時:1500W(第2の加熱手段HM2:500W、上側輻射熱加熱手段12a:1000W)
一方、「連携調理モード」KM3における調理メニューの最大電力は1500Wである。
このため、連携調理モードでは、第2の加熱手段HM2と第3の加熱手段HM3が同時に動作する場合がある。
つまり、第2の加熱手段HM2の「1000W」と、第3の加熱手段HM3の「1000W(2000Wは、1000Wずつ、交互通電)」と、誘導加熱行う第1の加熱手段HM1の「1500W」の3者の合計で、最大電力は3500Wになる。
デマンド(電力需要量の事前確保)が5000Wの場合:
右IHコイル9Rで3000Wの加熱(通常加熱)をしているとき、デマンドの残りは2000Wとなる。
この状態から「連携調理モード」KM3を実施すると、連携調理に必要な電力3500Wに対して、残りのデマンドが1500W足らないので、右IHコイル9Rの火力を(3000Wから)1500Wに落として連携調理を開始することができる。
デマンド(電力需要量の事前確保)が4000Wであった場合:
右加熱口4Rで揚げ物(最大1500W必要)をしているとき、デマンドの残りは2500Wとなる。
この状態から連携調理を行うと場合、連携調理に必要な電力3500Wに対して、残りのデマンドが1000W足らないので、右IHコイルの火力を落とする必要がある。しかしながら、自動制御メニューを実行中に火力を落とした場合、調理がうまくいかなくなってしまうため、自動制御メニューの火力は落とせない。
結局、4000Wでは、自動制御メニューの必要火力を確保できないことになる。
以上の説明から明らかなように、「連携調理モード」KM3を開始する前に、連携調理に必要な電力(3500W)と、右加熱口4R又は左加熱口4Lの調理メニューに必要な電力(1500W)の合計値である5000Wのデマンド(電力需要量の事前確保)があるかどうかを判定(確認)する必要がある。
次に図44について説明する。
この図44は、図43のステップST6とST7の判定処理を示したものである。これら判定は、許可条件判定部54によって実行される。
ステップST5は、入力キー153Mを操作した段階である。
次のステップSTX1では、前記した許可条件1と許可条件2に対して、制御装置40の許可条件判定部54が加熱調理器1の最新状態と比較し、許可条件1と許可条件2を満たす状態であるかどうかを判定する。
この図44のステップSTX1において、音声(報知)1~音声(報知)4は、音声報知部50によってユーザーUSに報知される内容を示している。つまり、図43のステップST8の内容を具体的に示したものである。
この図44の表示1~表示4は、中央表示部16Mにおいて表示される内容を示している。なお、この表示1~表示4は、図42のステップSB2の時点から表示される第1特定画面16M1で表示するものではなく、第1特定画面が表示されていない中央表示部16Mにおいて表示するものである。
第1特定画面16M1は、「連携調理モード」KM3に移行する前提(許可条件1と許可条件2)を満たさない限り、表示されない。このため、「連携調理モード」KM3の各種条件(例えば、識別情報167)の設定(選択)をユーザーUSが行った後で、許可条件1又は許可条件2を満たさないと判定されて、最初の待機時初期画面(図43のステップST4)段階まで戻る、ということではない。そのため、ユーザーUSに無駄な入力操作を強いることがない。
次に図45について説明する。
図45は、加熱調理器1を起動してから、通信端末器200又は外部サーバー417(クラウドサーバー300)から、加熱調理器1用の調理のレシピデータCDを取得するまでの、基本的な動作を示したものである。
この実施の形態1において、「連携調理モード」KM3のレシピデータCDは、連携調理メニューの番号(識別情報167)、使用される複数の加熱手段の順序、調理工程1で使用する加熱手段、調理工程2で使用する加熱手段、調理工程3以降もある場合には、それら調理工程毎に使用する加熱手段、各調理工程で、デフォルト(標準設定)の制御条件(火力、加熱時間、加熱目標温度等)がある場合は、その設定値又は設定値の範囲、の情報を含んでいるが、これらに限定されない。
図45において、ステップSS1~SS8は、制御装置40の統合制御プログラムに規定された動作ステップであり、図43で説明した連携調理モードKM3の動作プログラムに規定された内容と、基本的に一致している。
最初に、前記主電源スイッチ20の操作ボタン20Aが押された場合(SS1)、次のステップSS2では、加熱制御部43が、異常の有無を判定するステップである。
ステップSS1~SS4は、図43にて説明したステップST1~ST4のステップと同じであるので、重複した説明は省略する。
ステップSS5では、加熱調理器1は、事前に登録設定した前記スマートフォン(通信端末器)200又はクラウドサーバー300に対して、調理のレシピデータCDの提供を要求する信号を発信するかどうか、ユーザーUSに事前の確認求める目的の動作である。中央表示部16Mに「確認画面」を表示し、また音声報知部50でも報知する。この「確認画面」とは後述する待機時初期画面16MHの1種である。
このステップSS5の外部接続を自動的に実行することを、入力操作部15の機能設定キー151KP(図7参照)によって事前にユーザーUSが設定しておけば、規定のタイミングで自動的に行われる。
つまり、図1で説明したように、スマートフォン200と加熱調理器1のペアリングを自動的に行って、そのスマートフォン200と加熱調理器1との間の無線通信400を確立することができる。
前記ステップSS5の外部接続は、加熱調理器1と外部通信機器(スマートフォン200やクラウドサーバー300等をいう)との間で、交互に何回か送信・受信を繰り返し行う。例えば、最初に加熱調理器1から待機信号1を送信すると、前記外部通信機器側からは、当該待機信号1を受けて、設定情報を含む設定信号1を送信し、これを受けて加熱調理器1は、内部の待機状態(例えば、総電力消費量の設定値が5000W以上になっていること等)と温度状態(例えば、加熱室6の温度)等を確認し、問題なければ、次の段階に進めるための待機信号2を送信する、というようなプロセスである。
そして、最終的には前記外部通信機器側から必要な設定情報(この中には、レシピデータCDを含む)の受信が完了する。つまり、加熱調理器1側では、1回受信すると、その直後に確認信号を返信する等の何回かの交互通信を行って、最終的に必要な前記設定情報の受信が完了する。これは、図38で説明したステップSC3に相当する処理である。
このような一連の流れの中で、レシピデータCDを受信するかどうかという判断を、ユーザーUS側に求めるステップを設けることができる。つまり、この加熱調理器1では、レシピデータCDを受信することを、ユーザーUSが明確に、かつ事前に認識できるステップを設定できるため、ユーザーUSが知らない内に、レシピデータCDの実行段階に進むということを防止できる。例えば、最初に入力キー153M又は154Mをタッチ操作しない限り、レシピデータCDの受信動作を開始しないというステップを設ける。あるいは、入力キー180を操作しない限り、レシピデータCDの受信動作を開始しないという設定にできる。
一方、上記のような外部接続の統制機能の一環で、ステップSS6において、中央表示部16Mに、所定のアイコン等を表示して、レシピデータCDの提供ができることをユーザーUSに知らせることでも良い。これについては、図54の表示画面2Cで示している。ユーザーUSに知らせる手段としては、前記表示画面2Cに示すように、例えば文字による入手操作支援情報60Pで簡潔に表示する方法がある。
このステップSS6で、外部機器(スマートフォン200等)への接続に同意しないと、ステップSS9に示すように、登録された外部機器(前記スマートフォン200又はクラウドサーバー300)には、「現在、レシピデータCDの受信は行っていません」等の、非受信メッセージが送信される。このように、ユーザーUSが受信を拒否する設定にもできる。
一方、前記ステップSS6で、外部機器への接続に同意し、データ取得を指示すると、加熱調理器1は、前記外部機器からのレシピデータCDを通信部51経由で、データ取得部53が取得する。取得したレシピデータCDは、レシピデータ記憶部42の中にある所定の「一時記憶部」(図示せず)に、格納される(ステップSS7)。
次のステップSS8では、前記外部機器から取得した前記レシピデータCDの内容、特に識別情報167を中央表示部16Mにおいて表示する。また、音声報知部50では、例えば「ハンバーグのレシピを受信しました」のように、受信事実を報知する。
ところで、この実施の形態1では、前記制御装置40は、主電源スイッチ20がONとなり、電力の供給が開始された後、加熱動作を開始する指令を待っている待機期間中に、前記音声入力モード2の選択部である入力キー180が操作された場合には、前記データ取得部53による前記レシピデータCDの取得を許可するプログラムになっている。
つまり、前記ステップSS6の段階で、ユーザーUSが入力キー180を押せば、当該ステップは「Yes」と判定され、レシピデータCDの取得を許可される。但し、実際にレシピデータCDが制御装置40で取得されるまでには幾つかの条件を満たす必要あり、これについては後で詳しく説明する。
なお、この実施の形態1の構成についての以下の説明においては、外部からのレシピデータCDの取得を、ユーザーがその都度加熱調理器1側の入力操作において拒否するという機能についての説明は省略する。そして、通信端末器200側からユーザーが送信指令を与えた場合、送信されたレシピデータCDは、加熱調理器1のデータ取得条件を満たした場合、自動的に取得する前提で説明する。
次に図46~図52について説明する。
図46は、加熱調理器1において、主電源投入以後の3つの調理モードについて、主要な入力工程を示すフローチャートである。図47は、加熱調理器1において、主電源投入以後の入力工程を示すフローチャート1である。図48は、加熱調理器1において、連携調理モードの場合の入力工程を示すフローチャート1である。図49は、加熱調理器1において、複合調理モードの場合の入力工程を示すフローチャート1である。図50は、加熱調理器1において、単独調理モードの場合の入力工程を示すフローチャート1である。
図51は、加熱調理器1において、外部からレシピデータCDを取得する動作を示すフローチャート1である。図52は、加熱調理器1において、外部からレシピデータCDを取得する動作を示すフローチャート2である。
図46~図52は、前述した「音声入力モード1A」の場合である。すなわち、1つの入力操作部15(例えば、中央操作部15M)において、複数の入力キーの中にある特定入力キー、すなわち、音声入力モード設定を指令する前記入力キー154Mを備えた場合である。
そのため、当該入力キー154Mによって前記「音声入力モード1A」に変更された場合、その時点から入力キー154M以外の前記入力キー(156M、158M等)の入力機能は無効にされる制御パターン(前記「音声入力モード1A」の状態)である。この前提で、以下の図42~図52について説明する。
図46について説明する。この図46において、白抜きの符号(153Mなど)は、以下のステップS2~S15において、操作する入力キー153M等を示している。
また、破線の枠で示す範囲は、入力キー(兼用キー)154Mを「長押し」した場合に設定できる「音声入力モード1」において、音声で入力できる範囲を示している。
ステップS2~S6は、連携調理モードKM3の場合の動作ステップを示している。
ステップS7~S11は、複合調理モードKM2の場合の動作ステップを示している。
ステップS12~S15は、第1の加熱手段HM1を使用した単独調理モードKM1の場合の動作ステップを示している。
主電源スイッチ20をONにすると、最初に待機時初期画面16MHが中央表示部16Mに表示される(ステップS1)。
次に、入力キー153Mにタッチすると、連携調理モードKM3が選択され(ステップS2)、第1特定画面16M1が表示される(ステップS3)。
ステップS2Aは、外部の通信端末器200やクラウドサーバー300等から、レシピデータCDを取得する処理を示す。
この段階の第1特定画面16M1には、図26~図30で説明したように、調理メニューの識別情報167が少なくとも3つ表示されているが、入力キー154M又は155Mをタッチ操作する度に、次々と別の調理メニューの識別情報167を表示させることができる(ステップS4)。
ステップS5において、1つの連携調理メニューの制御条件で良ければ、入力キー151Mを押せば、連携調理モードKM3の調理工程1に移行することができる(ステップS6)。
図46から明らかなように、ステップS4の段階で、入力キー(兼用キー)154Mを「長押し」した場合は、制御装置40は、音声による「入力待機状態」に切り替わるので、ステップS4~S5までに範囲の条件を、音声で入力できる。例えば「ハンバーグ 予熱 180℃」等のように、ユーザーUSの発声によって調理メニューと制御条件をセットにして入力できる。なお、「火力 7 時間10分」のように、被調理物以外の制御条件だけを音声で入力しても良い。
引き続き、図46について説明する。
ステップS2で、入力キー153Mにタッチせずに、入力キー154M又は155Mにタッチすると、複合調理モードKM2が選択され(ステップS7)、第2特定画面16M2が表示される(ステップS8)。
入力キー154M又は155Mをタッチ操作する度に、次々と別の制御メニュー(図18参照)の識別情報160(25A~25Cを含む)を表示させることができる(ステップS9)。
ステップS7Aは、外部の通信端末器200やクラウドサーバー300等から、レシピデータCDを取得する処理を示す。
ステップS9において、第2特定画面16M2に表示された1つの制御メニュー(例えば「あたため」)で良ければ、次に入力キー156M又は157Mを押せば、制御条件(マイクロ波出力や、加熱時間等)を選択することができる(ステップS10)。
ステップS10において、1つの複合調理モードの制御条件で良ければ、入力キー151Mを押せば、複合調理モードKM2の調理工程1に移行することができる(ステップS11)。
図38から明らかなように、ステップS7の段階で、入力キー(兼用キー)154Mを「長押し」した場合は、制御装置40は、音声による「入力待機状態」に切り替わるので、ステップS9~S10までに範囲の条件を、音声で入力できる。例えば「あたため 500W」等のように、ユーザーUSの発声によって制御メニュー(この場合、「あたため」)と制御条件をセットにして入力できる。なお、「500W 時間10分」のように、制御条件だけを音声で入力しても良い。
引き続き、図46について説明する。
ステップS2で、入力キー153Mにタッチせずに、ステップS7でも入力キー154Mと155Mの何れにもタッチしないで、右操作部15R又は左操作部15Lの入力キー153L又は153Rの何れかにタッチすると、第1の加熱手段HM1による単独調理モードKM1が選択され(ステップS12)、第3特定画面16M3が右表示部15R又は左表示部15Lに表示される(ステップS13)。
ステップS12Aは、外部の通信端末器200やクラウドサーバー300等から、レシピデータCDを取得する場合の受信処理を示す。
入力キー152L又は152Rをタッチ操作する度に、次々と別の制御メニュー(図55参照)を表示させることができる(ステップS14)。
ステップS14において、第3特定画面16M3に表示された1つの制御メニュー(図55参照)で良ければ、次に入力キー155L又は156L(左操作部15Lの場合)、入力キー155R又は156R(右操作部15Rの場合)を押せば、制御条件(誘導加熱の火力や、加熱時間等)を選択することができる(ステップS15)。
ステップS15において、1つの単独調理モードKM1の制御条件で良ければ、入力キーを押さなくとも、一定時間(10秒間)の間に自動的に誘導加熱が開始される。
図46から明らかなように、ステップS12の段階で、入力キー(兼用キー)153L又は153Rを「長押し」した場合は、制御装置40は、音声による「入力待機状態」に切り替わるので、ステップS14~S15までに範囲の条件を、音声で入力できる。例えば「湯沸かし 火力6」等のように、ユーザーUSの発声によって制御メニュー(この場合、「湯沸かし」)と制御条件をセットにして入力できる。なお、制御条件だけを音声で入力しても良い。
また、入力キー151L又は151Rを操作し(ステップS14の段階)、タイマーセットの時間を入力キー154L、155L(154R、155R)でセットしても良い。これらも、音声入力モード1に切り替わった段階以降、音声で入力できる。例えば「火力6 タイマー 10分間」等のように発声すれば良い。
図46から明らかなように、実施の形態1の加熱調理器1では、
前記入力操作部15は、前記第1の加熱手段HM1のための第1入力操作部(右操作部15Rと、左操作部15L)と、前記第2の加熱手段のための第2入力操作部(中央操作部15M)と、を有し、
前記第1入力操作部15L、15Rに配置した入力キーA(153L、153R)と、前記第2入力操作部15Mに配置した入力キーB(153M、154M)と、をそれぞれ有し、
前記制御装置40は、前記入力キーA(153L、153R)又は前記入力キーB(153M、154M)の、何れか早い方のタッチ入力を有効とし、加熱調理モード(連携調理モードKM3、複合調理モードKM2、単独調理モードKM1)又は制御モード(前記「あたため」等)に関して、必要な制御条件(火力や加熱時間等)の入力を終えて、加熱調理を開始するまで、他方の入力キーによる入力工程は開始しないことを特徴とする構成であった。
つまり、3つの加熱調理モード(連携調理モードKM3、複合調理モードKM2、単独調理モードKM1)は、最も先にタッチ操作された入力キー153M、154M、153L、153Rの、何れか1つだけが制御装置40に受け付けされ、他の入力キーは、調理メニューと制御メニューの何れも、入力指令が受付されない状態になる。
従って、例えば、入力キー154Mがタッチ操作され、しかも、長押しによって音声入力モードに切り替えた場合には、他の入力キーの入力で、複合調理モードKM2の選択や、制御メニュー(例えば「あたため」)の選択はできなくなる(但し、入力キー151M、152Mは、入力機能が維持される)。
このように、前記入力キーA(153L、153R)又は前記入力キーB(153M、154M)の、何れか1つによって、音声入力モードが開始された場合、他の加熱調理モードや制御モードの選択は不可能となり、音声入力モードの開始後に、他の加熱調理モードや制御メニューの入力工程に進むことはない。よって、意図しない調理メニューや制御メニューについて、間違って設定条件がインプットされることはない。
また、1つの入力キー(例えば、154M)によって連携調理モードKM3の入力を、音声入力モードを利用して行った場合、入力キー151Mを押して加熱調理が開始された段階では、それまでの音声入力モードは解除される。従って、その後、他の加熱調理モードや制御メニューの選択をする際に、ユーザーUSがタッチ操作で、混乱を生じない。
次に、図47について説明する。
この図47において、白抜きの符号(例えば、153M)は、ステップSM3、SM4及びSM8において操作する各入力キー(153M等)を示している。
図47において、ステップSM1は、図46のステップST2とST3の処理に相当する処理を行う。すなわち、中央表示部16Mが起動され、待機時初期画面16MHが表示される。異常有無判定を実行し、異常がなかった場合には、「異常がないので、調理を開始できること」旨を表示する。そして、待機時初期画面16MHと音声報知部51において、加熱手段の選択を促すための報知と、音声ガイドを行う。
更に、このステップSM1の段階で、前記通信端末器200又はクラウドサーバー300に対して、加熱調理器1から起動情報を送信するような設定になっていた場合、この段階で通信部51から起動情報(運転状態データOS)を無線で送信する。なお、待機時初期画面16MHでは、図54で詳しく説明するが、ユーザーUSへの使用上の注意情報の表示も行う。
次のステップSM2では、全ての入力操作部15M、15L、15Rの入力機能を有効にして、各入力キー(153M、154M、153L、154R等)のタッチ入力操作に備える。また、入力操作部15が保有する時間計測部15T(図17参照)により、経過時間の計測が開始される。なお、図17では、中央操作部15Mの例であったが、右操作部15Rと左操作部15Lについても、中央操作部15Mと同様な構成である。そのため、時間計測部15Tに相当する構成を有している。
次のステップSM3では、連携調理モードKM3の選択が行われる。ステップSM4では、複合調理モードKM2の選択が行われる。ステップSM8では、第1の加熱手段HM1による単独調理モードKM1の選択が行われる。
まず、ステップSM3は、入力キー153Mがタッチ操作されたかどうかの判定が行われ、操作された場合には、図48に示すA1のルートに進む。
ステップSM3において、タッチ操作が無かった場合には、判定は「No」となり、ステップSM4に進む。ステップSM4では、入力キー154M又は155Mの何れかがタッチ操作された場合には、「Yes」となり、図49に示すB1のルートに進む。
ステップSM4において、タッチ操作が無かった場合には、判定は「No」となり、ステップSM8に進む。ステップSM8では、入力キー153L又は153Rの何れかがタッチ操作された場合には、「Yes」となり、図50に示すC1のルートに進む。
図47に示したステップSM8において、タッチ操作が無かった場合には、判定は「No」となり、ステップSM5に進む。このステップSM5では、時間計測部15T(図17参照)により、予め設定してある制限時間TXを超過したかどうかの判定が行われる。制限時間TXを超過していなかった場合、ステップSM3に戻る。
一方、予め設定してある制限時間TXを超過しているとステップSM5で判定された場合、ステップSM6に進む、自動的に主電源を遮断する処理(以下、「自動遮断処理1」という)が行われる。そして一連の動作を終了する(SM7)。このように、何も入力操作しない場合、制限時間(例えば、30分間)を超過すると自動的に主電源スイッチ20が開放される。
次に図48について説明する。
図48は、ステップSM3において、入力キー153Mがタッチ操作された以降の動作を示すフローチャートである。
入力キー153Mがタッチ操作された際、そのタッチ操作が「長押し」であった場合、中央操作部15Mの入力モード判定部15C(図17参照)で判別される。
すると、ステップSM40の判定は「Yes」となり、ステップSM41に進む。一方、「短押し」であった場合、前記判定は「No」となり、ステップSM50に進む。
ステップSM41は、前述した「許可条件1」と「許可条件2」を満たすかどうかの判定ステップである。これらの許可条件を満たしていない場合には、この段階で不許可処理をされる(ステップSM47)。なお、不許可処理とは、図43で説明したステップST8の処理である。
ステップSM41の判定で「Yes」の場合、ステップSM42に進む。
ステップSM42では、第1特定画面16M1が表示される。
この第1特定画面16M1が表示された時点の状態は、例えば図26に示している。その後、特定の調理メニュー(例:ハンバーグ)を選択するために更に入力キー154M又は155Mがタッチ操作される(複数回タッチ操作されても良い)。
図48において、ステップSM43では、時間計測部15T(図17参照)により、予め設定してある制限時間TYを超過したかどうかの判定のために経過時間の計測が開始される。このステップSM43の後、音声信号受信部56(図16参照)を介して、ユーザーUSからの音声による入力が行われた場合、ステップSM44は「Yes」となり、次のステップSM45に進む。
ところで、ステップSM43の段階では、既に制御装置40は「音声入力モード1A」に切り替わっていた場合には、このステップSM43の時点以降に、入力キー155Mをタッチ入力した場合には、前記「音声入力モード1A」のために、当該入力キー155Mの入力は、制御装置40に受け付けられない。つまり、音声入力をしない限り、ステップSM44が「Yes」にならないので、入力完了のステップSM46に進めない。
一方、事前に「音声入力モード1B」に設定してあれば、上記のようにタッチ入力は継続して可能である。また、例外的に、前記入力キー154Mを再度タッチ入力(この場合、「短押し」)した場合には、「音声入力モード」が解除されるように、音声入力制御プログラムを変更しても良い。
このように、この実施の形態1では、入力キー154Mを「長押し」した直後に、音声入力モード1Aに切り替わるが、その音声入力モード1Aは以後も自動的に継続する。但し、この音声入力モード1Aは、加熱動作を開始した時点で解除される(つまり、入力キー151Mをタッチ操作した時点で解除される)。
前記制限時間TYを超過していなかった場合、ステップSM46に進む。ステップSM46では、入力が完了したかどうかの判定が行われ、そのステップSM46が「Yes」判定になると、入力キー151Mの入力を待つ待機状態になる(A21)。
一方、ステップSM44とSM46が「No」であった場合は、それぞれステップSM44に戻り、ユーザーUSからの音声による入力を待つ。
また、ステップSM45において、制限時間TYを超過していると判定された場合は、ステップSM45は「No」となり、エラー処理のステップSM48に進む。なお、ここでいうエラー処理とは、図47のステップSM6に示した自動遮断処理とは少し異なり、第1特定画面16M1の表示から初期待機画面16MHに戻し、入力が適正に行われていないことを表示したり、音声報知部50から音声で報知したりすることをいう。その後、ステップSM5に進み、ステップSM6に進んで自動遮断処理される場合もあり得る。
引き続き図48を使用して、ステップSM50以降について説明する。
ステップSM50は、前述した「許可条件1」と「許可条件2」を満たすかどうかの判定ステップである。「許可条件1」と「許可条件2」を満たしていない場合には、この段階で不許可処理をされる(ステップSM56)。なお、不許可処理とは、図43で説明したステップST8の処理である。
ステップSM50の判定で「Yes」の場合、ステップSM51に進む。
ステップSM51では、第1特定画面16M1が表示される。
この第1特定画面16M1が表示された時点の状態は、例えば図26に示している。その後、特定の調理メニュー(例:ハンバーグ)を選択するために更に入力キー154M又は155Mがタッチ操作される(複数回タッチ操作されても良い)。
図48において、ステップSM52では、時間計測部15T(図17参照)により、予め設定してある制限時間TYを超過したかどうかの判定のために経過時間の計測が開始される。このステップSM52の後、音声信号受信部56(図16参照)を介して、ユーザーUSから、例えば、入力キー156Mや157Mによってタッチ入力が行われた場合、ステップSM53は「Yes」となり、次のステップSM54に進む。
ところで、ステップSM53の段階では、既に制御装置40はタッチ入力モードに切り替わっている。そこで、このステップSM52の時点以降に、入力キー155Mをタッチ入力した場合には、前記タッチ入力モードのために、当該入力キー155Mの入力は、制御装置40に受け付けられる。つまり、タッチ入力である限り、ステップSM53が「Yes」になるので、入力完了のステップSM46に進める。なお、例外的に、前記入力キー154を再度タッチ入力(この場合、「長押し」)した場合には、タッチ入力モードが解除され、「音声入力モード1」に戻るように変更しても良い。
このように、この実施の形態1では、入力キー154Mを「長押し」しない限り、タッチ入力モードが維持され、そのタッチ入力モードは以後も自動的に継続する。このタッチ入力モードは、加熱動作を開始した時点で、自動的に解除される。
前記制限時間TYを超過していなかった場合、ステップSM55に進む。そして、入力が完了したかどうかの判定が行われ、そのステップSM55が「Yes」判定になると、入力キー151Mの入力を待つ待機状態になる(A22)。
一方、ステップSM53とSM55が「No」であった場合は、それぞれステップSM53に戻り、ユーザーUSからのタッチ入力を待つ。
また、ステップSM54において、制限時間TYを超過していると判定された場合は、ステップSM54は「No」となり、エラー処理のステップSM57に進む。なお、ここでいうエラー処理とは、図47のステップSM6に示した自動遮断処理とは少し異なり、第1特定画面16M1の表示から初期待機画面16MHに戻し、入力が適正に行われていないことを表示したり、音声報知部50から音声で報知したりすることをいう。その後、ステップSM5に進み、ステップSM6に進んで自動遮断処理される場合もあり得る。
次に図49について説明する。
図49は、ステップSM4において、入力キー154M又は155Mの何れかがタッチ操作された以降の動作を示すフローチャートである。
入力キー154Mがタッチ操作された際、そのタッチ操作が「長押し」であった場合、中央操作部15Mの入力モード判定部15C(図17参照)で判別される。
すると、ステップSM60の判定は「Yes」となり、ステップSM61に進む。一方、「短押し」であった場合、前記判定は「No」となり、ステップSM70に進む。
ステップSM61は、「許可条件3」を満たすかどうかの判定ステップである。
ここでいう「許可条件3」とは、連携調理モードの許可条件1と許可条件2(図43と図44参照)とは異なる。この複合調理モードでの「許可条件3」とは、加熱室6の最新の温度を温度センサー群30によってチェックして結果、例えば100℃であった場合である。前記「あたため」の温度検知範囲(90℃以下)を超えるためである。
「許可条件3」を満たしていない場合には、この段階で不許可処理をされる(ステップSM67)。なお、不許可処理とは、初期待機画面16MHにおいて「加熱室が高温で調理できません」のような表示をすることや、音声報知部50によって同様な報知をする処理である。なお、加熱室6で第3の加熱手段HM3によって調理をした場合、その調理を終えた後も加熱室6は残熱により暫くの間は高温になっている場合がある。
ステップSM61の判定で「Yes」の場合、ステップSM62に進む。
ステップSM62では、第2特定画面16M2が表示される。
この第2特定画面16M2が表示された時点の状態は、例えば図22に示している。その後、特定の制御メニュー(例:あたため)を選択するために更に入力キー154M又は155Mがタッチ操作される(複数回タッチ操作されても良い)。
図49において、ステップSM63では、時間計測部15T(図17参照)により、予め設定してある制限時間TYを超過したかどうかの判定のために経過時間の計測が開始される。このステップSM63の後、音声信号受信部56(図16参照)を介して、ユーザーUSからの音声による入力が行われた場合、ステップSM64は「Yes」となり、次のステップSM65に進む。
ところで、ステップSM63の段階では、既に制御装置40は音声入力モード1に切り替わっている。そこで、このステップSM63の時点以降に、入力キー155Mをタッチ入力した場合には、前記音声入力モードのために、当該入力キー155Mの入力は、制御装置40に受け付けられない(前記「音声入力モード1A」に設定してあった場合)。つまり、音声入力をしない限り、ステップSM64が「Yes」にならないので、入力完了のステップSM66に進めない。なお、例外的に、前記入力キー154Mを再度タッチ入力(この場合、「短押し」)した場合には、「音声入力モード1」が解除されるように変更しても良い。
一方、「音声入力モード1B」に設定してある場合には、ステップSM63の時点以降でも、入力キー155Mのタッチ入力は、制御装置40に受け付けられる。
このように、この実施の形態1では、入力キー154Mを「長押し」した直後に、音声入力モード1に切り替わるが、その音声入力モード1は、加熱調理開始の指令を与えた時点(入力キー151Mをタッチ操作)で、自動的に解除される。
前記制限時間TYを超過していなかった場合、ステップSM66に進む。ステップSM65では、入力が完了したかどうかの判定が行われ、そのステップSM66が「Yes」判定になると、入力キー151Mの入力を待つ待機状態になる(B21)。
一方、ステップSM64とSM66が「No」であった場合は、それぞれステップSM64に戻り、ユーザーUSからの音声による入力を待つ。
また、ステップSM65において、制限時間TYを超過していると判定された場合は、ステップSM65は「No」となり、エラー処理のステップSM68に進む。なお、ここでいうエラー処理とは、図47のステップSM6に示した自動遮断処理とは少し異なり、第2特定画面16M2の表示から初期待機画面16MHに戻し、入力が適正に行われていないことを表示したり、音声報知部50から音声で報知したりすることをいう。その後、ステップSM5に進み、ステップSM6に進んで自動遮断処理される場合もあり得る。
引き続き、図49を使用してステップSM60以降について説明する。
ステップSM70は、前述した「許可条件3」を満たすかどうかの判定ステップである。許可条件3を満たしていない場合には、この段階で不許可処理をされる(ステップSM76)。この場合の「不許可処理」とは、前記ステップSM67の不許可処理と同じ内容である。
ステップSM70の判定で「Yes」の場合、ステップSM71に進む。
ステップSM71では、第2特定画面16M2が表示される。
この第2特定画面16M2が表示された時点の状態は、例えば図22に示している。その後、特定の制御メニュー(例:あたため)を選択するために更に入力キー154M又は155Mがタッチ操作される(複数回タッチ操作されても良い)。
この段階で、仮に入力キー154Mを「長押し」した場合、音声入力モード1に切り替わり、ステップSM63に進む。しかし、入力キー154Mを「長押し」せず、入力キー155Mを入力操作し、又は、入力キー154を「短押し」した場合には、「タッチ入力モード」が維持され、ステップSM72に進む。
このように、この実施の形態1では、複合調理モードの選択や制御メニュー(例:あたため)において、入力キー154Mを「長押し」した直後に、音声入力モード1に切り替わるが、その音声入力モード1は以後も自動的に継続するのではなく、加熱動作開始時点で解除される。なお、その同じ入力キー154Mを、「短押し」した場合には、この時点で音声入力モード1は解除されるように変更しても良い。
図49において、ステップSM72では、時間計測部15T(図17参照)により、予め設定してある制限時間TYを超過したかどうかの判定のために経過時間の計測が開始される。このステップSM72の後、音声信号受信部56(図16参照)を介して、ユーザーUSから、例えば、入力キー156Mや157Mによってタッチ入力が行われた場合、ステップSM73は「Yes」となり、次のステップSM74に進む。
ところで、ステップSM72の段階では、既に制御装置40はタッチ入力モードに切り替わっている。そこで、このステップSM72の時点以降に、入力キー155Mをタッチ入力した場合には、前記タッチ入力モードのために、当該入力キー155Mの入力は、制御装置40に受け付けられる。つまり、タッチ入力である限り、ステップSM73が「Yes」になるので、入力完了のステップSM75に進める。なお、例外的に、前記入力キー154Mを再度タッチ入力(この場合、「長押し」)した場合には、タッチ入力モードが解除され、「音声入力モード1」に戻るように変更しても良い。
このように、この実施の形態1では、入力キー154Mを「長押し」しない限り、タッチ入力モードが維持され、そのタッチ入力モードは以後も自動的に継続する。このタッチ入力モードは、加熱動作を開始した時点でも自動的に解除されない。
前記制限時間TYを超過していなかった場合、ステップSM75に進む。そして、入力が完了したかどうかの判定が行われ、そのステップSM75が「Yes」判定になると、入力キー151Mの入力を待つ待機状態になる(B22)。
一方、ステップSM73とSM75が「No」であった場合は、それぞれステップSM73に戻り、ユーザーUSからのタッチ入力を待つ。
また、ステップSM74において、制限時間TYを超過していると判定された場合は、ステップSM74は「No」となり、エラー処理のステップSM77に進む。なお、ここでいうエラー処理とは、図47のステップSM6に示した自動遮断処理とは少し異なり、第2特定画面16M2の表示から初期待機画面16MHに戻し、入力が適正に行われていないことを表示したり、音声報知部50から音声で報知したりすることをいう。その後、ステップSM5に進み、ステップSM6に進んで自動遮断処理される場合もあり得る。
次に図50について説明する。
図50は、図47のステップSM8において、入力キー153L又は153Rの何れかがタッチ操作された以降の動作を示すフローチャートである。
以降の説明を簡略化するため、左側操作部15Lが操作された場合に限定して、以下説明する。
入力キー153Lのタッチ操作が「長押し」であった場合、左操作部15Lの入力モード判定部15C(図17参照)で判別される。なお、図17は、中央操作部15Mの例であるが、左操作部15Lでも図17に示した構成と同様な構成である。
すると、ステップSM80の判定は「Yes」となり、ステップSM81に進む。一方、「短押し」であった場合、前記判定は「No」となり、ステップSM90に進む。
ステップSM81は、「許可条件4」を満たすかどうかの判定ステップである。
ここでいう「許可条件4」とは、連携調理モードの許可条件1と許可条件2(図43と図44参照)や、前記した「許可条件3」とは異なる。この単独調理モードKM1での「許可条件4」とは、例えば、トッププレート3の最新の温度を温度センサー群30によってチェックして結果、例えば規制値の温度(1例として100℃等)を超えるような高温であった場合である。被加熱物Nの温度を非接触で検知して誘導加熱制御を行う場合、加熱動作の開始時から高温であると正確な温度制御、誘導加熱制御の支障となり得るためである。
「許可条件4」を満たしていない場合には、この段階で不許可処理をされる(ステップSM87)。なお、不許可処理とは、初期待機画面16MHにおいて「トッププレートが高温で調理できません」のような表示をすることや、音声報知部50によって同様な報知をする処理である。なお、誘導加熱調理をした場合、その調理を終えた後もトッププレート3は、暫くの間は高温になっている場合がある。
ステップSM81の判定で「Yes」の場合、ステップSM82に進む。
ステップSM82では、第3特定画面16M3が表示される。
この第3特定画面16M3が表示された時点の状態は、例えば図55に示している。その後、特定の制御メニュー(例:予熱)を選択するために更に入力キー154L又は155Lをタッチ操作しても良い(複数回タッチ操作されても良い)。なお、図55は、レシピデータCDを受信した例ではないので、図35で示したような外部レシピ識別部173は表示していない。
ところで、この段階では、既に「音声入力モード1」に切り替わっているので、次のステップSM83では、時間計測部15T(図17参照)により、予め設定してある制限時間TYを超過したかどうかの判定のために経過時間の計測が開始される。このステップSM83の後、音声信号受信部56(図16参照)を介して、ユーザーUSからの音声による入力が行われた場合、ステップSM84は「Yes」となり、次のステップSM85に進む。
例えば、「予熱 200℃」とユーザーUSが発声すれば、音声信号受信部56がこの音声入力を電気信号に変換して音声信号解析部58に入力する。
ステップSM85で前記制限時間TYを超過しているかどうかの判定を行い、超過していなかった場合、ステップSM86に進む。
ステップSM86では、入力が完了したかどうかの判定が行われ、そのステップSM86が「Yes」判定になると、一定時間(例えば、10秒)以内に、自動的に誘導加熱動作が開始される。つまり、左操作部16Lを使用した(単独調理モードHM1の場合の)第1の加熱手段HM1では、加熱開始のために特別な入力キーの操作は不要であり、そのまま加熱動作に移行する(C21)。
一方、ステップSM84とSM86が「No」であった場合は、それぞれステップSM84に戻り、ユーザーUSからの音声による入力を待つ。
また、ステップSM85において、制限時間TYを超過していると判定された場合は、ステップSM85は「No」となり、エラー処理のステップSM88に進む。なお、ここでいうエラー処理とは、図47のステップSM6に示した自動遮断処理とは少し異なり、第3特定画面16M3の表示から初期待機画面16MHに戻し、入力が適正に行われていないことを表示したり、音声報知部50から音声で報知したりすることをいう。その後、ステップSM5に進み、ステップSM6に進んで自動遮断処理される場合もあり得る。
引き続き、図50を使用してステップSM80以降について説明する。
ステップSM90は、前述した「許可条件4」を満たすかどうかの判定ステップである。許可条件4を満たしていない場合には、この段階で不許可処理をされる(ステップSM96)。この場合の「不許可処理」とは、前記ステップSM87の不許可処理と同じ内容である。
ステップSM90の判定で「Yes」の場合、ステップSM91に進む。
ステップSM91では、第3特定画面16M3が表示される。
この第3特定画面16M3が表示された時点の状態は、例えば図55に示している。その後、特定の制御メニュー(例:予熱)を選択するために更に入力キー154L、155L、151L等がタッチ操作される(複数回タッチ操作されても良い)。
図50において、ステップSM92では、時間計測部15T(図17参照)により、予め設定してある制限時間TYを超過したかどうかの判定のために経過時間の計測が開始される。
ところで、この段階では、「タッチ入力モード」であるので、次のステップSM93では、時間計測部15T(図17参照)により、予め設定してある制限時間TYを超過したかどうかの判定のために経過時間の計測が開始される。
入力キー154L、155L、151L等をタッチ操作して、制御メニュー(例:予熱)や予熱温度等の制御条件を順次入力すれば良い(複数回タッチ操作されても良い)。このように、ユーザーUSからのタッチ入力が行われた場合、ステップSM93は「Yes」となり、制限時間TYを超過していなければ、ステップSM94から次のステップSM95に進む。
例えば、「予熱」と「200℃」の条件をユーザーUSがタッチ入力によって順次入力すれば、左操作部15Lがこの入力を電気信号に変換して入力信号解析部52(図16参照)に入力する。
なお、仮に入力キー154Lや155Rを「長押し」した場合、これら入力キーは、音声入力モード1への切り替え機能はないので、音声での入力ができない。
このように、この実施の形態1では、第1の加熱手段HM1の単独調理モードHM1の選択や加熱部(右加熱部4R、左加熱部4L)の選択(入力キー153Rと153Lを使用)のため、入力キー153R又は153Lを「長押し」した直後に、音声入力モード1に切り替わるが、その音声入力モード1は以後も自動的に継続する。
つまり、一旦、入力キー153L又は153Rを「長押し」した場合、それ以後も当該音声入力キーの操作に関係なく、音声入力モード1が維持される(前記「音声入力モード1B」に設定してある場合)。仮に、再度(2回連続して)、入力キー153L(153R)を「長押し」しても、音声入力モード1のままである。
前記ステップSM94の判定において、制限時間TYを超過していなかった場合、ステップSM95に進む。そして、入力が完了したかどうかの判定が行われ、そのステップSM95が「Yes」判定になると、一定時間(例えば、10秒)以内に、自動的に誘導加熱動作が開始される。つまり、左操作部16Lを使用した(単独調理モードHM1の場合の)第1の加熱手段HM1では、加熱開始のために特別な入力キーの操作は不要であり、そのまま加熱動作に移行する(C22)。
一方、ステップSM93とSM95が「No」であった場合は、それぞれステップSM93に戻り、ユーザーUSからのタッチ入力を待つ。
また、ステップSM94において、制限時間TYを超過していると判定された場合は、ステップSM94は「No」となり、エラー処理のステップSM97に進む。なお、ここでいうエラー処理とは、図47のステップSM6に示した自動遮断処理とは少し異なり、第3特定画面16M3の表示から初期待機画面16MHに戻し、入力が適正に行われていないことを表示したり、音声報知部50から音声で報知したりすることをいう。その後、ステップSM5に進み、ステップSM6に進んで自動遮断処理される場合もあり得る。
次に図51と図52について説明する。
図51は、加熱調理器1において、外部からレシピデータCDを取得する動作を示すフローチャート1である。図52は、同じく外部からレシピデータCDを取得する動作を示すフローチャート2である。
図51において、ステップSL1では、図47のステップSM1の処理に相当する処理を行う。次のステップSL2は、図47のステップSM2の処理に相当する処理を行う。
ステップSL3は、図45にて説明した外部接続の接続と報知のステップSS5に相当する処理である。すなわち、事前に登録設定した前記スマートフォン(通信端末器)200又はクラウドサーバー300に対して、レシピデータCDの提供を要求する信号を発信するかどうか、ユーザーUSに事前の確認求める目的のステップである。
前述したように、このステップSL3(SS5)の段階から外部接続を自動的に実行することも可能である(前述した機能設定キー151KPによって事前設定した場合)。
レシピデータCDを制御装置40が取得した場合には、次のステップSL4は「Yes」となり、ステップSL5に進む。
次のステップSL5は、受信したレシピデータCDが事前に定めた許可条件に合致しているかどうかを判定する処理である。前述したように、例えば連携調理モードKM3では、「許可条件1」、「許可条件2」を満たさないものは調理メニューとして許可されない(図43、44参照)。
また、複合調理モードKM2においても、特定の「許可条件3」を満たしているかどうかの判定が行われる。なお、許可条件3は、図49のステップSM61で説明したものと同じである。更に、第1の加熱手段HM1については、前述した「許可条件4」を満たす必要がある(図50のステップSM81参照)。
もし、許可条件を満たさないとステップSL5で判定された場合には、図43のステップST8で説明したように、通信部51から外部に対してレシピデータCDは受信できない旨を報知する信号(データ)を発信する(ステップSL9)。なお、図48では、連携調理モードKM3の場合であったが、複合調理モードKM2と単独調理モードKM1についても、このような「非受信のメッセージ」は発信される(図49のステップSM67、SM76及び図48のステップSM87、SM96)。
許可条件を満たしている場合には、判定したレシピデータCDは、正規なデータとしてレシピデータ記憶部42の所定の記憶エリアに格納される(ステップSL6)。
また、当該レシピデータCDに含まれる識別情報167,160や制御条件(火力や加熱時間、目標温度等)は、中央表示部16に表示される。例えば、連携調理モードKM3であれば、第1特定画面16M1において表示される(ステップSL6)。
次のステップSL7は、制御条件の修正ステップである。例えば、連携調理モードKM3では、第1特定画面16M1に表示される制御条件(例えば、加熱時間や目標加熱温度、火力など)は、中央操作部15Mの入力キー156M~159Mを操作することで、適宜変更できる。なお、レシピデータCDの取得は、調理メニュー単位であるので、既に特定の調理メニュー(例えば、ハンバーグ)であることは確定し、これを別の調理メニュー(例えば、ローストビーフ)には変更できない。
制御条件を修正したい場合には、例えば、連携調理モードKM3であれば、中央操作部15Mによって適宜変更内容を入力すれば良い(ステップSL10)。この場合、「音声入力モード1」と「音声入力モード2」の何れも選択でき、音声で入力することも可能である。
前記ステップSL4において、レシピデータCDを受信していないと判定された場合、ステップSL8に進む。このステップSL8では、予め設定してある制限時間TXを超過しているかどうかの判定が行われる。前記制限時間TXを超えていない場合には、前記ステップSL4に戻る。しかし、制限時間TXを超えていた場合には、ステップSL11に進む。ステップSL11は、図47で説明したステップSM6と同様に、自動的に主電源を遮断する「自動遮断処理1」である。なお、このステップSL8の制限時間TXと、図47で説明したステップSM6の制限時間TXとを、同じ時間にせず、別の時間を設定しても良い。
次に、図52について説明する。
この図52は、音声入力専用キー180を操作した場合の制御装置40の動作を示すものである。
図52において、ステップSS5は、図45に説明したステップSS5と同じであるので、重複した説明は省略する。
ステップSS10は、音声入力モード2の入力キー180を操作したかどうかの判定ステップである。入力キー180を1回押せば、ここは「Yes」となり、次のステップSS11に進む。入力キー180を操作しない場合には、通常のタッチ入力モードに進む(ステップSS15)。
データ取得部53が通信部51経由でレシピデータCDを取得できた場合、ステップSS11は「Yes」となる。
このステップSS11において、レシピデータCDを受信していないと判定された場合、ステップSS16に進む。このステップSS16では、予め設定してある制限時間TXを超過しているかどうかの判定が行われる。前記制限時間TXを超えていない場合には、前記ステップSS11に戻る。しかし、制限時間TXを超えていた場合には、ステップSS17に進む。ステップSS17は、図47で説明したステップSM6と同様に、自動的に主電源を遮断する「自動遮断処理1」である。なお、このステップSS17の制限時間TXと、図47で説明したステップSM6の制限時間TXとを、同じ時間にせず、別の時間を設定しても良い。
ステップSS11で受信したレシピデータCDの内容は、前述した「許可条件」(図51のステップSL5参照)を満たすかどうかの判定が行われ、満たす場合には、ステップSS12は「Yes」となる。
もし、許可条件満たさない場合には、図51のステップSL9で説明したように、通信部51から外部に対してレシピデータCDは受信できない旨を報知する信号(データ)を発信する(SS18)。
許可条件を満たしている場合には、判定したレシピデータCDは、正規なデータとしてレシピデータ記憶部42の所定の記憶エリアに格納される。
また、当該レシピデータに含まれる識別情報167、160等や制御条件は、中央表示部16に表示される。例えば、レシピデータCDが連携調理モードKM3の場合は、第1特定画面16M1において表示される(ステップSS13)。
第1特定画面16M1に表示される制御条件(例えば、加熱時間や目標加熱温度、火力など)は、入力操作部15の音声信号受信部56を介して取得した音声入力によって、適宜変更できる(ステップSS14、SS15)。
入力キー180によって「音声入力モード2」が選択されると、以後は、1つの調理メニューの加熱動作が開始されるまでの間は、「音声入力モード2」が継続する。途中の入力段階で「タッチ入力モード」に切り替わることはない。これは、入力工程の途中で切り替わることで、ユーザーUSの操作に混乱を招く可能性があるからである。
タッチ入力モードにしたい場合には、途中の段階で再度入力キー180を押せば良い。押した段階から、タッチ入力モードに復帰する。なお、タッチ入力モードに戻した後で、例えば入力キー154Mを「長押し」した場合には、「音声入力モード1」に切り替わる。そのため、音声入力モード1(音声入力モード1Bに設定)の場合は、例えば入力キー156Mを入力操作した場合、当該入力キーの入力機能は無効化されていないので、入力ができる。
次に、図53について説明する。
図53は、加熱調理器1において、制御装置40が音声入力モード1に切り替えた場合の、加熱制御部43の動作を説明するためのフローチャートである。なお、図53は、連携調理モードKM3の場合であるが、他の調理モードにおいても基本的に同じである。
図53において、ステップSS20は、制御装置40の入力モードが音声入力モード1に切り替わった時点を示している。
次のステップSS21では、音声報知部50と中央表示部16Mにおいて音声入力の受付を開始していることを報知する。この時点の中央表示部16Mの状態は、例えば、図28で示した通りである。すなわち、音声入力モードに切り替わったことを示すマーク154Vが中央操作部15Mに表示され、また補助情報179として、音声での入力を受け付けていることを示す音声入力モード表示情報(補助情報の1種)179Aが、第1特定画面16M1に表示される。
次のステップSS22で、音声信号解析部58は、ユーザーUSからの音声による指令を受け付ける入力待機状態に移行する。また、制御装置40の内部の時間計測部(図示せず)によって経過時間の計測が開始される。
ユーザーUSが発する音声での入力情報は、マイク(図示せず)を経由して音声信号受信部56が取得する。音声信号受信部56は、取得した音声情報を所定の音声信号に変換し、音声信号解析部58に送信する(ステップSS23)。
音声信号解析部56は、受信した前記音声信号を解析し(ステップSS24)、入力された内容を、中央表示部16M(第1特定画面16M1)に表示させる。例えば、図28で説明したように、例えば「ハンバーグ 右IH 受け付けました」のように音声で報知し、また当該第1特定画面16M1においても文字で表示する(ステップSS25)。
前記ステップSS25では、入力情報が不足している場合、さらに音声報知部50から音声で「予熱温度を指定してください」のように案内する。あるいは、「予熱温度は、200℃がお薦めです。温度を指定してください」のように、具体的な制御条件の範囲を報知しても良い。
加熱動作開始に必要な制御条件の入力が不足している場合、ステップSS23に戻る。ステップSS23に戻る前には、音声報知部50は、入力が不足している制御条件を指摘し、入力を促す動作をする(図示せず)。
加熱動作開始に必要な制御条件の入力が完了していると加熱制御部43が判定した場合(ステップSS26)、ステップSS27に進む。ステップSS27では、音声による入力は完了したので、音声入力モード1は解除することを予告し、入力キー151Mをタッチ操作することを推奨する(ステップSS27)。なお、入力キー151Mがタッチ操作された時点で、音声入力モード1は解除される。
一方、前記ステップSS23で、音声による指令を受け付けていない場合、ステップSS28に進む。ステップSS28では、前記ステップSS22からの経過時間が、所定の制限時間TZを超えたかどうかを判定する。制限時間TZを超過していない場合には、ステップSS23に戻る。しかし、制限時間TZ(例えば、5分間)を超過している場合には、ステップSS29に進む。ステップSS29は、図47のステップSM6と同様な「自動遮断処理2」である。なお、この「自動遮断処理2」は、第1特定画面16M1の状態で、音声報知部50によってユーザーUSに警報を発し、その後、待機時初期画面16MHに自動的に切り替え、そのあとで自動的に主電源スイッチ20を開放するという一連の処理である。これにより、入力工程の途中で何らかの事情で長時間放置されることを回避し、安全性を確保している。
次に、図54について説明する。
図54は、主電源スイッチ20をONにした以降の主な各動作ステップに対応した中央表示部16Mの表示内容を示すものである。
主電源スイッチ20をOFFにしている状態では、中央表示部16Mは起動されていないので、何も情報を表示していない。
主電源スイッチ20をONにした状態では、制御装置40は、前述したように異常有無等の自己診断を行ったあとで、中央表示部16Mにおいて図54の待機時初期画面16MHを表示する。待機時初期画面16MHの1つの表示形態は、図54の「表示画面1」である。
図54に示した表示画面1において、60Aは、電源が入っていることを報知した表示文である。60Bは、ネットワークNW経由で専用のレシピ掲載サイトであるレシピデータ提供サーバー301に誘導するための、二次元情報(二次元コード)である。60Cは、その二次元コードの意味を説明した文章(以下、「二次元情報説明文」)である。
前記した通信端末器200によって、前記二次元コード60Bを光学的に読み込ませると、各種調理レシピの情報を保有した前記レシピデータ提供サーバー301に誘導して接続することができる。この二次元情報説明文60Cと、前記表示文60Aは、「待機時共通情報」60Nの1種である。
図54の表示画面1が表示されたあと、自動的に表示画面2A又は2Bが表示される場合がある。
更に、図54の表示画面2A又は2Bが表示されたあと、自動的に表示画面2Cが表示される場合がある。この表示画面2Cでは、加熱源を選択するように推奨文60Hによって、ユーザーUSに対して入力操作を促している。
表示画面2Aにおいて、「突沸注意」という文字表示は、注意表示60Eの1つである。この「突沸」とは、例えばカレーやシチューのような粘性のある被調理物(液体)を加熱している場合、その被調理物の内部が沸点以上の過熱状態になっていて、突発的に激しい沸騰を起こす現象をいう。熱せられた液体から蒸気が噴き出すことに伴い、熱い液滴が飛散して危険な場合がある。突沸が発生するタイミング、原因は、外部からの異物の混入又は衝撃であると言われている。そのため、被調理物を入れた金属鍋等をトッププレート3の上に置いて誘導加熱する場合、その被調理物をかき混ぜる際の注意喚起をしている。この注意喚起で表示している情報は、「待機時共通情報」60Nの1種である。
図54に示している表示画面1、表示画面2A~2Cの、4つの表示画面は、「共通画面」又は「待機時初期画面」16MHと呼ぶ。なお、この4つ以外の形態を共通画面16MHに含めても良い。
表示画面2Bにおいて、60Eは、加熱室6の内部が高温度になっていて、不用意に接触しないように警告した注意表示である。加熱室6でオーブン調理を実施したあとで、まだ加熱室6が十分冷え切っていないことを制御装置40が検知した場合、この表示画面2の状態に自動的に切り替わる。
表示画面2Aと2Bは、同時に表示できないが、数秒間隔で交互に表示することにより、突沸表示と高温表示の両方について注意喚起するようにしても良い。また、音声報知部50によって、表示画面2Aと2Bの注意喚起の内容を音声でも並行して行っても良い。
図54の表示画面2Cにおいて、60Pは、前記した入手操作支援情報である。この図54に示すように、前記入力キー180(音声入力モード2の選択用)を押せば、スマートフォン等の通信端末器200から加熱調理器1がレシピデータCDを取得できる。この入力キー180の操作で音声入力モード2も起動するので、音声でも入手できることがユーザーUSは認識できる(この表示に合わせて、音声報知部50により、音声で報知しても良い)。
図54の表示画面1~表示画面2A~2Cによって明らかなように、入手操作支援情報60Pを含めた、これら各種情報の表示は、表示画面の全体を利用して行っている。つまり、前述した第1エリア22~第3エリア24の何れかによって、部分的に表示するのではなく、できるだけ広い表示面積を確保するため、第1エリア22~第3エリア24の3つを識別できないように一体化表示をして、ユーザーUSには中央表示部16Mの全体で表示しているように見せている。
次に、図55について説明する。
図55は、加熱調理器1の左表示部16Lの動作を説明する拡大平面図である。
図55は、単独調理モードKM1のための第3特定画面16M3を示している。この図55は、図47のステップSM8の段階以降で、入力キー153L(図12参照)を操作すると表示される。
次に入力キー152Lを操作すると、左加熱口4Lで実施する制御メニューが、左表示部16Lに1つずつ表示される。図55の表示画面3Aのように、最初に表示される(デフォルト設定されている)制御メニューを、「保温」にするか、表示画面3Bの「揚げ物」にするか、又は表示画面3Cの「予熱」にするか等、ユーザーは別途設定しておくことができる。
また、図47のステップSM8の段階で、入力キー153Lを操作し、図50のステップSM93の段階では、入力キー152Lを操作すると、左加熱口4Lで実施する制御メニューが、左表示部16Lに表示される。入力キー152Lを1回押すたびに、1つずつ制御メニューの表示が(保温、揚げ物、予熱・・のように)変化する。つまり、入力キー152Lを押すごとに、複数の制御メニューの中から1つを選択することができる。
左加熱口4Lで選択できる(誘導加熱の単独調理モードKM1の)制御メニューは、例えば、「保温」、「湯沸し」、「煮込み」、「揚げ物(自動調理)」、「予熱」等である。制御メニューごとに、左IHコイル9Lの駆動時間、火力または駆動パターン等が異なる。
図44の表示画面3Aは、前記「保温」の制御メニューを選択した場合である。表示画面3Bは、前記「揚げ物」の制御メニューを選択した場合である。表示画面3Cは、前記「予熱」の制御メニューを選択した場合である。
179Aは、前記補助情報である。この補助情報179Aは、音声入力モードに切り替わった以後において、第3特定画面16M3の、各制御メニューの名称の表示部分に隣接して表示される。従って、音声入力モードではない段階では表示されない。
なお、中央表示部16Mにおいて、中央加熱口4Cを担当する中央IHコイル9Mを使用して、(誘導加熱の単独調理モードKM1の)制御メニューの「保温」を選択する場合には、図55に示した表示画面3Aを表示させる。この場合、中央表示部16Mは、表示画面3Aのような表示形態となり、その画面は、「第3特定画面」16M3と呼ぶ。
次に、図56を説明する。
図56は、加熱調理器1を起動してから加熱調理を開始する直前までの、加熱調理器1の制御装置40の動作ステップを説明したものである。連携調理モードKM3を、選択した場合のものである。
図56において、主電源スイッチ20の操作ボタン20Aが押され、中央表示部16Mに待機時初期画面16MHが表示された場合、外部機器(前記スマートフォン200又はクラウドサーバー300)から、連携調理モードのレシピデータCDを取得しているかどうかの判定が行われる(ステップSU2)。
ステップSU3では、制御装置40が加熱調理器1の最新状態と比較し、許可条件1と許可条件2を満たす状態であるかどうかを判定する。
許可条件1と2を同時に満たしていると判定すると(SU6)、外部機器(前記スマートフォン200又はクラウドサーバー300)から取得したレシピデータCDに含まれている識別情報167を、前記中央表示部16Mに表示する。この場合は、第1特定画面16M1の中に識別情報167(例えば、「名称:ハンバーグ」)が表示される(ステップSU7)。
前記ステップSU7では、前記識別情報167(例えば、「名称:ハンバーグ」)は、図57に示したように表示される。
また、操作支援情報170も表示される。これによって、入力キー151Mを押して加熱調理を開始するようにユーザーUSは操作が促される。なお、音声報知部50によっても、例えば「スタートキーを押すと、加熱調理を始めることができます」のように報知する(ステップSU8)。
図95にステップSU7で示している通り、前記制御装置40は、前記レシピデータCDを取得できることがステップSU6の判定で確定した場合、前記レシピ取得キー453の入力機能を無効化する。レシピデータCDを1回取得した場合、調理開始の準備期間中(実施の形態1の初期待機期間TPに相当する期間)は、1つのレシピデータCDしか取得しないため、ステップSU7以降では、前記レシピ取得キー453の入力は不要である。
なお、ステップSU7の後に、ユーザーUSが入力キー158M又は159Mの何れか一方を1回押すと、前述した食品成分表示画面16M1A(図30参照)が表示される。また、更に入力キー158M又は159Mの何れか一方を1回押すと、食品成分表示画面16M1B(図37参照)が表示される。
なお、ステップSU8の段階で、制御条件(例えば、火力値)を選択できる入力キー(例えば、156M又は155M)を操作して、火力や加熱時間等を適宜ユーザーUSが設定しても良い。
一方、前記ステップSU3の段階で、制御装置40が加熱調理器1の最新状態と比較し、許可条件1と許可条件2を満たない状態であると判定した場合(ステップSU4)について説明する。
中央表示部16Mの中の待機時初期画面16HMの内容を一部変更し、外部機器から取得したレシピデータCDは、現在の加熱調理器1では実行できない旨を文字で表示する。また同じ趣旨について音声報知部50でも音声で報知する(ステップSU5)。そして、前記ステップSU1に戻る。この動作は、図43で説明したステップST8の動作に相当する。
次に、図57について説明する。
図57は、図36で説明した部分と同じであり、中央操作部15Mと中央表示部16Mを示す拡大平面図である。
図57において、173は、外部機器(前記通信端末器200又はクラウドサーバー300)から取得したレシピデータCDであることを示す外部レシピ識別部である。文字によって「受信レシピ」と表示し、この第1特定画面16M1に表示された調理メニュー(ハンバーグの調理用)は外部から取得したレシピであることが容易に分かる。
図57では、入力キー151Mに対応した発光部21Mは、加熱動作を何時でも開始できる待機状態にある。そのことを表示するために、この入力キー151Mを操作することを促すよう、点滅している。破線の円は、発光部21Mが点滅していることを示しているものである。
図57において、発光部21Mの位置に星形の図形が描かれている。その図形は、その発光部21Mの前方側に配置された各入力キー(例えば、156M、157M)の入力機能は有効であり、この時点でタッチ操作すれば、火力や加熱時間等の調整が出来ることを意味している。
図57では、入力キー157Mと156Mに対応した発光部21Mが発光している。つまり、左加熱口4Lで加熱調理することを選択する加熱部特定部171Lと、右加熱口4Rで加熱調理することを選択する加熱部特定部171Rの両方から、ユーザーUSがどちらでも選択できる。この加熱部特定部171L、171Rの何れか1つも、音声入力で選択できるし、音声入力モード1Bの場合には、入力キー156M、157Mのタッチ操作でも選択できる。
なおレシピデータCDによっては、加熱部特定部171L、171Rが表示されない場合もある。例えば、調理工程1を加熱室6で行う場合には、この段階で加熱部特定部171L、171Rは表示されない。
音声入力モード1又は音声入力モード2に切り替わっている場合、音声で入力を受け付けていることを示す音声入力モード表示情報179Dが、中央表示部16Mにおいて表示される。
外部機器から取得したレシピデータCDは、外部レシピ識別部173を表示して、第1特定画面16M1に優先的に表示する。つまり、第1特定画面16M1の前記「表示位置B」に、受信したレシピデータCDの識別情報167が表示される。従って、図57に示すように入力キー151Mを押せば、直ぐに連携調理モードKM3の調理が開始できる。
以上のように、外部機器(前記通信端末器200又はクラウドサーバー300)から取得したレシピデータCDは、特定の加熱部(右加熱口4R、中央加熱口4C、左加熱口4L)に限定して調理を行う場合と、ユーザーUSの希望に応じて使用できる加熱部の範囲を指定して調理を行える場合の、2種類がある。従って、外部から取得したレシピデータCDをユーザーUSが利用する場合も、使い勝手を損なうことがない。
次に図58について説明する。図58は、加熱調理器1において、連携調理メニューの調理工程と入力操作部の操作との関係を時系列に示す説明図である。
この図58の例では、連携調理メニューが、調理工程1、調理工程2及び調理工程3の3つで構成されている場合である。
調理工程1は、第1の加熱手段HM1を使用する例である。
前記レシピデータCDの内容は、この図58の例でいうと、以下の条件が、所定のコンピュータプログラム形式で規定されている。火力等の制御条件も規定されているものである。なお、この図58では、前記簡易型レシピデータCDの例は示していない。
(1)入力キー151Mの入力を待って、右加熱口4R(又は、左加熱口4L)での誘導加熱動作を開始すること。
(2)入力キー153R(153L)の入力があったら、加熱動作を停止すること、または一定の条件(調理の連続時間や目標温度到達)を満たしたら、その時点で加熱動作を停止すること。
前記レシピデータCDに含まれる前記プログラムには、後述する加熱休止期間P3と加熱休止期間P5が規定されているが、それら加熱休止期間P3、P5の時間的長さは規定されていない。但し、過剰に長い時間、加熱調理が中断することを防止するため、例えば、調理工程1、調理工程2の終了時点を基準にして、それぞれの経過時間をカウントし、例えば30分経過した場合、警報を出し、また、当該調理メニューの実行を強制的に中止するというような処理を入れても良い。
この図58のレシピデータCDの例では、調理工程1を第1の加熱手段HM1で行い、調理工程2をマイクロ波加熱源(第2の加熱手段HM2)、最後に被調理物をトッププレート3の上に移動させ、加熱不足を補って仕上げの誘導加熱を行うための、調理工程3を設けている。
なお、この加熱調理器1では、外部からの指令信号を受けて、調理モードの設定や制御条件等が不用意に行われないように保護する対策を追加している。
この図58の事例は、第1の加熱手段HM1を先に動作させ、その加熱動作終了後に、第2の加熱手段HM2を動作させるが、第2の加熱手段HM2と同時に、第3の加熱手段として輻射熱加熱手段12を動作させても良い。
図58に示すように、ここで示した連携調理メニューは、4つの段階から構成されている。
P1は、第1の段階(準備期間)であり、連携調理メニューを実行しようと、入力キー153Mを操作してから、入力キー153Rによって(誘導)加熱調理動作が開始されるまでの期間である。
前記入力キー153Mを操作した際に、前記「許可条件1」と「許可条件2」を満たしていた場合には、制御装置40は、第1特定画面16M1を表示する。なお、この図58では、第1特定画面16M1を図示していない。
前記第1特定画面16M1が表示された段階で、入力キー154M、155Mを操作すれば、連携調理メニューの1つを選択できる。その後、入力キー153Rを操作すれば、(右加熱口4Rを使用した)連携調理モードに移行し、P2の加熱調理工程に進む。
第1特定画面16M1が表示された段階で、ユーザーUSの希望する連携調理メニューの識別情報167が、第1特定画面16M1の所定の位置に表示された場合(デフォルト表示)、前記入力キー154M、155Mの操作は不要である。
P2は、第1の加熱手段HM1による加熱調理期間(調理工程1)である。
この調理工程1は、適正な金属鍋等の被調理物Nが前記右加熱口4Rの上に載置され、入力キー153Rを押せば、加熱調理動作が開始される。
前記調理工程1を開始した段階では、既に制御装置40は、許可条件1と許可条件2の判定を終えているので、使用中である第1の加熱手段HM1(誘導加熱手段)の加熱部が分かっている。つまり、右加熱口4R、左加熱口4Lの両方の使用状態を把握している。
そのため、デフォルト設定として、制御装置40は、連携調理モードの調理工程3で「右加熱部」4Rを使用すると決定し、この右加熱口4Rを占用状態にする。
前記調理工程1は、基本的には連携調理メニューの動作プログラムによって事前に決まっている。例えば標準的な加熱時間が経過すると、音声報知部50から報知され、また第1特定画面16M1でも「まもなく〇分が経過します」のような表示が行われる。つまり、ユーザーUSに調理工程1の終了時期に近づいていることを報知する。
ユーザーUSが、調理工程1を終えるには、入力キー153Rを1回押せば良い。
P3は、第1の加熱手段HM1による調理工程1を一旦停止し、第2の加熱手段HM2の調理工程2が開始されるまでの加熱休止期間である。
この加熱休止期間P3は、調理工程1における被調理物の加熱度合いを確認することや、調味料を加えること、あるいは別の被調理物を加えて調理工程2を行うために必要な期間である。更に、加熱室6に被調理物を移動させるために必要な期間である。
加熱休止工程P3は、入力キー151Mを押すと終わり、P4の調理工程2に進む。
この調理工程2は、ドア7が前記休止期間P3に1回開放され、その後閉じられていることを制御装置40が確認して開始される。前記した開閉検知部10からのドア開閉信号が制御装置40に利用される。
ドア7が開放された時点から、再びドア7が閉じられるまでの所要時間を制御装置40は計測しており、一定の「許容時間」を超えた場合には、その時点以降では、入力キー151Mを押しても、加熱動作が開始されないような安全対策を採用している。なお、ここでいう「許容時間」は、図47で説明した前記制限時間TX(30分間)と同じ時間に設定しても良い。
前記調理工程2は、基本的には連携調理メニューの動作プログラムによって事前に決まっている加熱時間が経過し、又は被調理物の温度が設定値(例えば、90℃)まで上昇すると自動的に終わる。例えば、ある連携調理メニューでは、マイクロ波出力500Wで加熱が開始される。なお、また、ドア7をユーザーUSが任意のタイミングで開ければ、瞬時にマイクロ波の照射が停止され、加熱動作が停止される。
P4の調理工程2では、4つの入力キー156M~159Mの、少なくとも何れか1つを操作すれば、制御条件(例えば、加熱調理時間や目標温度)をユーザーUSが個別に設定できる場合があるが、調理メニューによっては、ユーザーUSによる制御条件の変更ができない場合もある。
この図58の例では、中央操作部15Mの入力キー152Mを押して、調理工程2を終了させた場合を示している。入力キー152Mを押して調理の停止を指令すると調理工程2は終わり、P5の加熱休止期間に進む。
この加熱休止期間P5では、ユーザーUSは、ドア7を開けて加熱室6の内部から被調理物を取り出し、トッププレート3の上に置く。なお、被調理物は、金属製の鍋等の被加熱物Nの中に入れられて載置される。
そして、右加熱部4口の入力キー153Rを押して調理の開始を指令すると、加熱休止工程P5は終わり、P6の加熱調理期間(誘導加熱の「調理工程3」)に進む。
この加熱休止期間P5は、調理工程2における被調理物の加熱度合いを確認することや、調味料を加えること、あるいは別の被調理物を加えて次の調理工程3を行うために必要な期間である。例えば、調理工程2では、被調理物として冷凍食品だけを加熱し、調理工程3では、調味料や調理液の中に浸したり、あるいは別に予備加熱等で調理した被調理物を、同じ被加熱物Nの中に加えたりすることができる。このため、調理の幅が広がる。
P6は、第2の加熱手段HM2(マイクロ波加熱源)による調理工程2から、第1の加熱手段HM1(この場合、誘導加熱手段。例えば、右加熱口4R)の調理工程3に切り替わる。
この調理工程3では、上記したように右加熱口4Rで加熱調理している場合には、入力キー154R、155R(図8参照)を操作すれば、制御条件(例えば、加熱調理時間や目標温度)をユーザーUSが個別に設定できる。
また、この調理工程3を、仮に左加熱口4Lで加熱調理している場合には、入力キー154L、155Lを操作すれば、制御条件(例えば、加熱調理時間や目標温度)をユーザーUSが個別に設定できる。
そして、入力キー153Rを押して調理の停止を指令すると、調理工程3は終わり、連携調理モードの動作は終了する。なお、タイマー調理の場合は、時間経過すると自動的に誘導加熱調理は終了し、調理工程3が終了する。
この図58から明らかなように、連携調理メニューの選択をする段階、すなわち、連携調理メニューの調理の名称を示す識別情報167を中央表示部16Mに表示させた時点ではなく、中央操作部15Mの入力キー151Mによって調理開始を決定した時点から、右加熱口4Rの右操作部15Rは、使用できないようになる。なお、デフォルト設定で左加熱口4Lを設定していれば、左加熱口4Lが占用状態になる。
以上の説明から明らかなように、制御装置40は、以下の機能制限処理を行う。
(1)右操作部15Rからの入力信号は、無効化又は入力を制限する処理を行う。例えば、入力キー151Rと152Rの入力機能は無効化される。これにより、加熱調理期間(調理工程1)~加熱調理期間(調理工程3)の間は、右加熱口4Rは、連携調理モードKM3で入力が必要とされる場面以外では、使用(入力)できなくなる。
(2)加熱調理期間(調理工程1)に入っても、左操作部15Lは使用できる(左操作部15Lからの入力信号は無効化しない)。
このように、加熱調理期間(調理工程1)に入ると、制御装置40は、調理工程1の段階から、調理工程3の右加熱口4Rだけを占用した状態になる。
従って、右加熱口4Rは、連携調理メニューの選択によって「占用」された状態となる。また第1の加熱手段HM1の全体から見れば、3つの加熱部の一部分(右側)だけ使用が「制限」されたことになる。
そして、加熱調理期間(調理工程1)が終わっても、右加熱口4Rの上記制限状態は解除されない。
なお、前記調理工程1の段階では、第1特定画面16M1が表示されており、ユーザーUSは連携調理モードに入っていることが容易に理解できるので、第1の加熱手段HM1と第2の加熱手段HM2に対して、他の調理メニューによる実行は制限しない。これは、加熱休止期間P3~調理工程2においても同じである。
なお、加熱調理期間(調理工程2)を開始する前に、ドア7が開放状態から閉鎖状態に変化したことが制御装置40で検知した場合であっても、加熱室6の中の温度が基準値よりも高い場合には、制御装置40や非接触(赤外線)センサー13、サーミスタセンサー14が、加熱室6で調理を開始する前から異常な高温度を誤って調理完了と認識してしまう懸念がある。
そのため、加熱調理期間(調理工程1)の開始前には、前記加熱室6の温度が高すぎた場合には、前記第1特定画面15M1において、「高温のために直ぐには、第2の加熱手段HM2(マイクロ波加熱手段)は使用できない」旨を表示するようにしている。
この図58に太い矢印で示した期間は、1つのレシピデータCDの受信制限期間と、追加のレシピデータCDの取得制限期間である。入力キー153Mを1回タッチして、連携調理モードKM3の準備期間P1を開始すると、この図58で示すように外部から別のレシピデータCDを追加で取得できない。例えば、加熱休止期間P3においても、他の調理メニューのレシピデータCDを追加する入力はできない。準備期間で入力キー153Mを押した後で、取り消し用の入力キー152Mを押した場合、入力キー153Mの入力が取り消されるので、最初の状態に戻る。その後、外部からのレシピデータCDの取得に進むことができる(これとは、別に通信端末器200等からのレシピデータCD送信の操作が必要である)。
前記入力キー153Mを1回タッチして第1特定画面16M1が表示された段階以降では、以下のように制限部55による制限動作が行われる。
なお、通信部51は、第1特定画面16M1が表示された時点で、受信・送信機能は有効となる(それ以前は、少なくとも受信機能は無効になっている)。
すなわち、制御装置40に内蔵された制限部55は、以下のように動作する。
図58に示すように、外部から取得した特定の連携調理モードOK3の調理メニューAを、同じ連携調理モードKM3の別の調理メニューB(例えば「ハンバーグ」)に変更することはできない。変更するには、入力キー152Mを操作して、連携調理モードKM3を一旦解除し、最初の待機時初期画面16MHの場面まで戻す必要がある。
つまり、この図58に太い矢印で示した制限期間に入ると、入力キー152Mを操作すれば、一旦外部から取得した特定の連携調理メニューAによる調理を、随時取り消すことができる。このように一旦取消し操作を行った場合、待機時初期画面16MHに戻るので、その状態で、再度入力キー153Mをタッチ操作する必要がある。
また、外部から取得したレシピデータCDに基づく、特定の連携調理メニューAについて、調理工程が全て終了するまでの期間中は、別の連携調理メニューCのレシピデータCDを、制御装置40が外部(スマートフォン200等)から取得することはできない。
つまり、この図58に太い矢印で示した制限期間に入ると、入力キー151Mを操作すれば、連携調理モードKM3の調理開始を決定でき、この決定の直前に取得した特定の連携調理メニューAのレシピデータCDによる調理を実行できる。しかし、この調理メニューAの全ての調理工程が終了するまでは、更に外部からレシピデータCDを、追加で取得することはできない。
次に図59~図63について説明する。
図59は、加熱調理器1において、連携調理モードKM3のレシピデータ取得可能区間と制御動作との全体を説明するためのタイムチャート1である。図60は、加熱調理器1において、複合調理モードKM2のレシピデータ取得可能区間と制御動作との全体を説明するためのタイムチャート1である。図61は、図59に示したタイムチャートの変形例1を示すタイムチャートである。図62は、図61の変形例に対応した連携調理モードKM3の、入力操作部15と中央表示部16Mとの表示内容を示した説明図である。図63は、図58に示したタイムチャートの変形例2を示すタイムチャートである。
図59において、SA1~SA9は、制御装置40の動作を示している。
最初に制御装置40は、主電源スイッチ20がONになったことを検知し(ステップSA1)、起動されたことを示すデータ(運転状態データOS)を通信部51から外部へ送信し、自己診断モードを開始する(SA2)。つまり、加熱調理器1の各回路やセンサー類等の構成部分が異常でないかどうかをチェックする。
次に、表示部16を起動して待機時初期画面16MHを表示する(SA3)。そして、この後、待機時初期画面16MHを通じてユーザーUSに加熱手段の選択を促す表示と、音声報知部50による同様な音声ガイダンスを行う(SA3A)。
次に、ユーザーUSが入力キー153Mを押して、連携調理モードKM3を選択する。これが、図58のステップSA4である。
この実施の形態1でいう「初期待機期間」TPとは、前記ステップSA3Aから始まる期間であり、この初期待機期間TPが終わるタイミングは、加熱動作の開始用入力キーが押された時点(SA7)である。開始用入力キーとは、連携調理モードKM3では、入力キー151Mである。
前記初期待機期間TPは、前記第1の制限期間(第1の制限時間TX)を超えることはできない。つまり、図47で説明したステップSM5の処理によって、例えば、最長30分以内である。
次に、以上のような加熱動作を開始する指令を待っている初期待機期間TP中に、前記音声入力モード1の選択部を兼ねている入力キー153Mを押さないと、連携調理モードKM3の調理メニューが選択できない。
そこで、入力キー153Mを操作すると、後述する「レシピ取得許可条件」が満たされる。つまり、前記データ取得部53による前記レシピデータCDの取得を許可するプログラムになっている。
つまり、前記ステップSA3A以降に、ユーザーUSが(連携調理モードKM3の場合は)入力キー153Mを押せば、その入力キーを押した段階で、レシピデータCDの取得は許可される(但し、複合調理モードKM2の場合は、入力キー154M又は155Mである)。右加熱口4R又は左加熱口4Lを使用する単独調理モードKM1の場合には、入力キー153R又は153Lを押す必要がある。
ところで、前記入力キー153Mは、前記音声入力モード1の選択部を兼ねている。そのため、ステップSA4の段階で「長押し」して、そのタッチ時間TAが、前記した閾値(5秒間)を超えると、その超過した時点で音声入力モード1に自動的に切り替わる(ステップSA5)。
このため、図59に示したステップSA5時点から音声入力モード1に切り替わるので、この音声入力モード1の期間中は、音声入力によって連携調理モードKM3の制御条件を設定できる。
なお、音声入力モード1は、加熱動作開始の指令を入力キー151Mで与えた時点で自動的に終了する。
次に、複合調理モードKM2の場合について説明する。
図60において、SA1~SA9は、制御装置40の動作を示している。
まず、ユーザーUSが入力キー154Mを操作して、複合調理モードKM2を選択する(ステップSA4)。
すると、初期待機期間TP中において、前記入力キー154Mが押されたステップSA4の時点で、「レシピ取得条件」を満たしたことになる。
初期待機期間TPの中で、「レシピ取得条件」を満たすと、複合調理モードKM2の制御メニュー(例えば「あたため」)のレシピデータCDを、通信部51経由でデータ取得部53が1回だけ取得できる。
更に、初期待機期間TPの中で、外部から取得した複合調理モードKM2の調理メニューのレシピデータCDを、入力キー152Mで取り消すことができる。
実際には、初期待機期間TPにおいては、最初に第2特定画面16M2が表示され、その画面の中に、レシピデータCDの識別情報160が表示された以降に、入力キー152Mを押せば良い。
更に、初期待機期間TPの中で、取得したレシピデータCDの制御条件を、入力キー156M~159Mを操作して、適宜変更できる(変更できない制御条件もある)。これも、表示された第2特定画面16M1の中に、制御条件が表示されるので、その表示を見て、入力キー156M等を押せば良い。
ところで、前記入力キー154Mは、前記音声入力モード1の選択部を兼ねている。そのため、ステップSA4の段階で「長押し」して、そのタッチ時間TAが、前記した閾値(5秒間)を超えると、その超過した時点で音声入力モード1に自動的に切り替わる(ステップSA5)。
このため、図60に示したステップSA5時点から音声入力モード1に切り替わるので、この音声入力モード1の期間中は、音声入力によって複合調理モードKM2の制御条件を設定できる。
なお、音声入力モード1は、加熱動作開始の指令を入力キー151Mで与えた時点で自動的に終了する。
この図60の場合も、初期待機期間TPは、入力キー151Mを操作した時点で終了する(SA7)。そして、実際の加熱動作がその直後から開始される(SA9)。
なお、初期待機期間TPは、上記のようにステップSA9の時点で終了するから、この後は、外部から別の複合調理モードKM2のレシピデータCDは取得できない(但し、調理工程の途中で、入力キー152Mで、複合調理モードKM2を取り消した場合には、再度レシピデータCDの取得は可能)。
この図60におけるステップSA3とステップSA4によるレシピデータCDの取得の時間差は、30分間に制限されている。30分を超過すると、制御装置40は、操作入力をユーザーUSが忘れている可能もあるため、安全上、主電源スイッチ20を強制的にOFFにする。又は、音声報知部51で警報を出す等の動作を指令する(図51のステップSL8参照)。
なお、ステップSA3とステップSA4の時間差を30分以内に規制するのではなく、前記初期待機期間TPが始まった時点である、ステップSA3AからステップSA4までの期間を、30分以内に制限するように変更しても良い。
図60から明らかなように、初期待機期間TPの中で、ステップSA4~SA7までの期間が、複合調理モードKM2のレシピデータCDの取得可能期間TB1である。
初期待機期間TPの中で、ステップSA4~SA7までの期間が、複合調理モードのレシピデータCDの取消可能期間TB2である。
また、ステップSA4~SA7までの期間が、複合調理モードKM2のレシピデータCDの制御条件(制御データ)変更可能期間TB3である。
次に図61について説明する。この図61は、図59に示したタイムチャートの変形例1を示すタイムチャートである。SA1~SA9は、図59と同様に、連携調理モードKM3の調理を実行する場合の、制御装置40の加熱制御部43の動作を示している。
ステップSA4は、ユーザーUSが入力キー153Mをタッチ操作して、連携調理モードKM3を選択した時点である。この図61の場合でも、初期待機期間TPは、ステップSA3Aから始まり、入力キー151Mが押された時点で終わる期間である。
この図61に示す連携調理モードKM3の場合でも、初期待機期間TP中において、前記入力キー153Mが、所定の時間内(例えば30分以内)に押されたことになるので、ステップSA4の時点で「レシピ取得許可条件」を満たしたことになる。
「レシピ取得許可条件」を満たすと、連携調理モードKM2のレシピデータCDを、通信部51経由でデータ取得部53が1回だけ取得できる。
この図61では、図59に示した例と、レシピデータCDの取得時期が、以下に説明するように異なっている。
初期待機期間TP中に、前記音声入力モード1の選択部を兼ねている入力キー153Mを押さないと、連携調理モードKM3の調理メニューが選択できない。つまり、取得すべきレシピデータCDが特定できない。
そこで、入力キー153Mを操作すると、「レシピ取得許可条件」が満たされる。つまり、前記データ取得部53は、前記レシピデータCDの取得を許可するプログラムになっている。このステップSA4の時点からレシピデータCDが取得できる(なお、実際にレシピデータCDは、通信インフラの性能等の制約を受けるため、瞬時に取得が完了しない場合があり、数秒~20秒程度の時間を要する場合もある)。
ところで、前記入力キー153Mは、前記音声入力モード1の選択部を兼ねている。そのため、ステップSA4の段階で「長押し」して、そのタッチ時間TAが、前記した閾値(5秒間)を超えると、その超過した時点で音声入力モード1に自動的に切り替わる(ステップSA5)。
しかし、ユーザーUSが、上記のような段階で、音声入力モード1へ切り替えたことが分からない場合がある。または、長押し操作を意識しなかった場合も想定される。
そこで、この図61の例では、自動的に切り替わったあと、レシピデータCDを取得したことを第1特定画面16M1で表示する際に、当該画面において音声入力モード1に切り替わったことを表示する。また、同時に音声報知部50においても報知するステップSA5Aを設けたものである。なお、実際の第1特定画面16M1の例として、図62に示している。
そして、図61に示したステップSA5時点から、音声入力モード1での入力を受け付ける。従って、ステップSA5時点から音声入力によって連携調理モードKM3の制御条件を設定できる。
なお、音声入力モード1は、加熱動作開始の指令を入力キー151Mで与えた時点で自動的に終了する。
次に図62について説明する。
図62は、図61の変形例に対応した連携調理モードKM3の、入力操作部15と中央表示部16Mとの表示内容を示した説明図である。
この図62で示している前記補助情報179は2種類である。すなわち、1つは、音声入力モードであるため、音声で入力を受け付けていることを示す音声入力モード表示情報179Dである。もう1つは、制御条件の入力を推奨し、また入力できる制御条件の例(標準値)を含む参考情報179Eである。
図62の段階では、入力キー156M~169Mに対応した発光部21Mが発光していないことから明らかなように、それら各入力キーは、タッチ操作しても制御条件の入力はできない(この例では、前記した「タッチ入力モード1A」に設定してあるため)。
また、入力キー151Mに対応した発光部21Mが発光していないことから明らかなように、入力キー151Mを押しても、この段階では加熱動作は開始できない。制御条件の入力が完了していないためである。
次に、図63について説明する。
図63は、連携調理モードKM3のレシピデータCDの取得可能区間と制御動作との全体を説明するためのタイムチャートであるが、図59に示したタイムチャートの変形例2を示している。
この図63において、SA1~SA9は、図59と同様に制御装置40の動作を示している。
この図63の例は、前記音声入力専用キー180のハードウエア上の構成を変更している。具体的には、当該入力キー180の操作面は、当該操作面の下方に配置した発光素子(LED)(図示せず)によって下方から照らされる構成である。
前記入力キー180は、制御装置40が起動された後、入力キー153M又は入力キー154Mがタッチ操作された時点(ステップSA4)で、入力機能が有効になる。また、入力機能が有効になった時点以降は前記発光素子(図示せず)で照らされて、操作部15の中で目立った存在となる。
また、待機時初期画面16MHによって調理モードの選択をユーザーUSに促す表示がされた時点(ステップSA3A)から、前記初期待機期間TPは開始される。
ステップSA4は、図59と同様に、入力キー153MがONされた時点である。この時点で「レシピ取得許可条件」を満たすから、レシピデータCDの取得が実行できる。その後、入力キー151Mを操作した時点で前記初期待機期間TPは終了する。
この図63の例では、153Mがタッチ操作された段階以降に、連携調理モードKM3のレシピデータを、通信部51経由で外部から取得することができる。なお、入力キー153Mを押さず、入力キー154Mをタッチ操作したときは、複合調理モードKM2のレシピデータを取得することができる。
入力キー153Mがタッチ操作(「短押し」操作)された後、ステップSA5の時点で、入力キー180をタッチ入力操作すると、制御装置40は音声入力モード2に移行する。そのため、このステップSA5以降にユーザーUSは音声によって制御条件をインプットできる。
なお、この図63の例では、「音声入力モード2A」のケースであるため、前記音声入力専用キー180以外の(中央操作部15Mにおける一部の)前記入力キー(例えば156M)の入力機能は、一時的に無効になる。そのため、仮に入力キー156Mや157Mをタッチ操作しても、何も入力できない。
次に、図64について説明する。
図64に示すものは、外部から取得したレシピデータCDによって、加熱調理を開始するまでの制御装置40の主要な処理を示すものである。特に、食品成分と栄養成分のデータを表示する処理を示している。
図64において、前記通信端末器200又はクラウドサーバー300から通信部51を介して取得したレシピデータCDは、記憶装置41のレシピデータ記憶部42に格納する(ステップSS30)。そして、第1特定画面16M1において表示する(ステップSS31)。この段階は、図52で説明したステップSS13に相当する。
ステップSS31の段階では、中央表示部16Mには第1特定画面16M1が表示されている。つまり、少なくとも識別情報167が表示されている(例えば、図28参照)。
次のステップSS32では、食品成分を表示するため、ユーザーUSから表示指令があったかどうかの判定が行われる。仮に、図28の例では、既に音声入力モード1に移行しているので、音声で「食品成分」又は「カロリー」等の規定された用語(フレーズ)を発すると、このステップSS32は「Yes」の判定となる。この音声信号を音声信号解析部58(図16参照)が解析し、対象となる調理メニューの食品成分のデータを記憶装置41から読み出す。
第1特定画面16M1には、図31(A)に示すような食品成分表示画面16M1Aが表示される(ステップSS33)。そして、エネルギー量、たんぱく質、脂質及び炭水化物の量が表示される。
次に、入力キー151Mが押されたかどうかの判定ステップSS34に進む。このステップSS34では、ユーザーUSの操作が行われるまで、ある程度の時間は、入力を待つ。その待機時間中に入力キー151Mが押された場合には、第1特定画面16M1の表示に復帰する。そして、加熱手段(第1の加熱手段HM1など)の駆動が開始される(SS35)。
前記ステップSS31の時点から一定時間の間に、入力キー158Mが押されず、また音声でも食品成分の表示指令がないと、ステップSS32の判定は「No」となる。
ステップSS32の判定が「No」であった場合、ステップSS36に進む。ステップSS36では、食品の栄養成分の表示指令があったかどうかの判定が行われる。仮に、図28の例では、既に音声入力モード1に移行しているので、このステップSS36の段階では、音声で「栄養素」又は「栄養」等の規定された用語(フレーズ)を発する。
すると、この音声信号を音声信号解析部58(図17参照)が解析し、対象となる調理メニューの栄養成分のデータを記憶装置41から読み出す。そして、ステップSS36は「Yes」の判定となる。なお、入力キー180を再度押し、音声入力モード2を解除して、入力キー156Mを押しても、ステップSS36は「Yes」となる。
ステップSS36が「Yes」の判定であると、表示部16には、図31(B)に示すような栄養成分表示画面16M1Bが表示される(ステップSS37)。そして、栄養成分として、カリウムやカルシウム等の量が表示される。そしてステップSS34に進む。
前述したように、機能設定用の入力キー151KPを事前に操作し、食品の成分と、栄養成分を、加熱調理の開始前の段階で、その都度個々に表示する設定をしていない場合には、この図64に示したステップSS33とSS37の動作は行われない。
なお、図59~図63の例では、単独調理モードKM1について示していない。しかし、複合調理モードKM2や連携調理モードKM3のレシピデータCDと同様に、前記初期待機期間TPにおいて、通信部51経由で外部からレシピデータCDを取得することができる。
実施の形態1の総括.
以上の説明から明らかなように、この実施の形態1では、以下の通り第1の開示に関する加熱調理器1を開示していた。
すなわち、第1の開示に関する加熱調理器1の1つの形態は、
被加熱物Nを加熱する加熱手段(第1の加熱手段HM1、第2の加熱手段HM2等)と、
ユーザーの指令を受ける入力操作部15と、
外部からレシピデータCDを受信する通信部51と、
表示部16を有した報知部90と、
制御装置40と、を備え、
前記入力操作部15には、複数のタッチ式の入力キー(151M~159M等)を有し、
前記入力操作部15は、前記入力キーの中の特定入力キー153M、154M、153L、153Rの操作により音声入力モードの開始を前記制御装置40に指令し、
前記制御装置40は、主電源スイッチ20がONにされた後に、前記特定入力キーによってレシピデータCDの取得指令を受けた場合、前記音声入力モードの状態で外部からの入力を受け付ける待機状態となり、
前記レシピデータCDの取得ができた場合、当該レシピデータの取得を示す情報173を、前記表示部16(中央表示部16M)によって表示すること、
を特徴とするであった。
このような構成であるため、各種のレシピデータCDを外部から取得するタイミングを、入力操作部15によってコントロールすることができる。また、入力操作部にあるタッチ式の入力キー(特定入力キー153M、154M、153L、153R)を利用して、音声入力モードへの切り替えができるので、加熱動作開始前の入力工程の面倒な作業を音声で入力できる。これによりユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
更に、前記レシピデータCDの取得ができた場合、当該レシピデータCDの取得を示す情報173が、前記表示部16(中央表示部16M)によって表示されるので、ユーザーUSがレシピデータCDの取得を容易に認識でき、調理開始までの操作性を向上させることが期待できる。
更に、この実施の形態1では、以下の通り第2の開示に関する加熱調理器1を開示していた。
すなわち、第2の開示に関する加熱調理器1の1つの形態は、
被加熱物Nを加熱する加熱手段(第1の加熱手段HM1、第2の加熱手段HM2等)と、
ユーザーの指令を受ける入力操作部15と、
外部からレシピデータCDを受信する通信部51と、
表示部16を有した報知部90と、
制御装置40と、を備え、
前記入力操作部15には、複数のタッチ式の入力キー(151M~159M等)を有し、
前記入力操作部15は、前記入力キーの中の特定入力キー153M、154M、153L、153Rの操作により音声入力モードの開始を前記制御装置40に指令し、
前記制御装置40は、主電源スイッチ20がONにされた後に、前記特定入力キーによってレシピデータCDの取得指令を受けた場合、前記音声入力モードの状態で外部からの入力を受け付ける待機状態となり、
前記レシピデータCDの取得ができなかった場合、未取得状態を示す不受信情報(不許可情報)174Fと、原因又は対策を示す受信支援情報174Aとの、少なくとも何れか1つを前記表示部16(中央表示部16M)によって表示すること(図38と図39参照)、
を特徴とする構成であった。
このような構成であるため、各種のレシピデータCDを外部から取得するタイミングを、入力操作部15によってコントロールすることができる。また、入力操作部にあるタッチ式の入力キー(特定入力キー153M、154M、153L、153R)を利用して、音声入力モードへの切り替えができるので、加熱動作開始前の入力工程の面倒な作業を音声で入力できる。これによりユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
更に、前記レシピデータCDの取得ができなかった場合、当該レシピデータCDの不受信結果を示す不受信情報174Fと、原因又は対策を示す受信支援情報174Aとの、少なくとも何れか1つが、前記表示部16(中央表示部16M)によって表示されるので、ユーザーUSがレシピデータCDの取得に失敗したことを容易に認識でき、調理開始前においてユーザーが誤解や誤操作することを回避し、結果的に操作性と利便性を向上させることが期待できる。
更に、この実施の形態1では、以下の通り第3の開示に関する加熱調理器1を開示していた。
すなわち、第3の開示に関する加熱調理器1の1つの形態は、
被加熱物Nを加熱する加熱手段(第1の加熱手段HM1、第2の加熱手段HM2等)と、
ユーザーの指令を受ける入力操作部15と、
外部からレシピデータCDを受信する通信部51と、
表示部16を有した報知部90と、
制御装置40と、を備え、
前記入力操作部15には、複数のタッチ式の入力キー(151M~159M等)を有し、
前記入力操作部15は、前記入力キーの中の特定入力キー153M、154M、153L、153Rの操作により音声入力モードの開始を前記制御装置40に指令し、
前記制御装置40は、主電源スイッチ20がONにされた後に、前記特定入力キーによってレシピデータCDの取得指令を受け、当該レシピデータCDの取得ができた場合、前記レシピデータCDの識別情報160、167と、前記音声入力モードの設定状況を示す情報179Dとを、前記表示部16(中央表示部16M)によって表示すること(特に、図34、図57、図62参照)、
を特徴とする構成であった。
このような構成であるため、各種のレシピデータCDを外部から取得するタイミングを、入力操作部15によってコントロールすることができる。また、入力操作部にあるタッチ式の入力キー(特定入力キー153M、154M、153L、153R)を利用して、音声入力モードへの切り替えができるので、加熱動作開始前の入力工程の面倒な作業を音声で入力できる。これによりユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
更に、前記レシピデータCDの取得ができた場合、当該レシピデータCDが対象とする調理メニュー(例えば、「ハンバーグ」)の識別情報167や、制御メニュー(例えば、「あたため」)の識別情報160と、音声入力モードの設定状況が表示されるので、ユーザーUSがレシピデータCDの取得に成功したことを、それら識別情報の表示で容易に認識でき、また、音声入力モードの設定も認識できるので、ユーザーUSの誤解を招くことや無用な操作入力を回避し、結果的に操作性と利便性を向上させることが期待できる。
更に、第1~第3の開示に関する加熱調理器1においては、
前記特定入力キー153M、154M、153L、153RによってレシピデータCDの取得指令を受けた場合、前記制御装置40は、許可条件を満たすかどうかの判定を行い、前記許可条件を満たさない判定結果の場合には、前記レシピデータCDの取得を行わないことを特徴とする構成であった。
この構成であるため、レシピデータCDを取得した後で、加熱調理器1側の状態によって加熱調理ができないという事態を招かないので、ユーザーの混乱や、追加の入力操作を求めるようなことを回避できる。これによってユーザーの操作性を向上させることができる。
また、第1~第3の開示に関する加熱調理器1において、第1特定画面16M1は、連携調理モードKM3を開始する前提(許可条件1と許可条件2)を満たさない限り、図39で説明したように表示されない。このため、連携調理モードKM3の各種条件(例えば、火力レベルや目標温度、加熱時間等)の設定(選択)をユーザーUSが行った後で、許可条件1又は許可条件2を満たさないと判定されて、最初の待機時初期画面16MHの段階まで強制的にステップが戻る、ということはない。そのため、ユーザーUSに無駄な入力操作を強いることがない。
更に、第1~第3の開示に関する加熱調理器1においては、
前記制御装置40は、前記主電源スイッチ20がONされた後に、前記表示部16に待機時初期画面16MHを表示し、
前記待機時初期画面16MHには、待機時共通情報60Nを表示することを特徴とする構成であった(例えば、図54参照)。
この構成であるため、加熱調理を開始する前の段階で、ユーザーに対して適切な入力や安全性に関する注意事項等を知らせることができ、利便性と安全性を向上させることができる。
更に、第1~第3の開示に関する加熱調理器1においては、
前記待機時初期画面16MHを表示している段階で、前記入力操作部15は、前記加熱調理モードの1つである連携調理モードKM3を選択する第1入力キー153Mと、前記加熱調理モードの1つである複合調理モードKM2を選択する第2入力キー154Mの、両方の入力機能を有効にし、
前記制御装置40は、前記第1入力キー153Mの操作又は前記第2入力キー154Mの操作によって、前記待機時初期画面16MHに代えて前記連携調理モードKM3の第1特定画面16M1又は前記複合調理モードKM2の第2特定画面16M2を、表示することを特徴とする構成であった。
この構成であるため、前記連携調理モードKM3と複合調理モードKM2の、それぞれの第1特定画面16M1又は第2特定画面16M2が切り替えて表示されるから、ユーザーUSは加熱調理モードの選択後、それぞれの加熱調理モードにあった表示画面を見ることができ、ユーザーに対して適切な入力や調理に関する有益な情報を知らせることができる。これにより、利便性と安全性を向上させることができる。
更に、第1~第3の開示に関する加熱調理器1において、
前記第1入力キー153Mと前記第2入力キー154Mは、前記特定入力キーを兼ねていることを特徴とする構成であった。
この構成であるので、入力操作部15の操作キー(操作部)の数を増やすことも回避でき、ユーザーUSによる音声入力モード1への切り替えを簡単にできるので、操作性の低下を招くようなことが防止できる。
更に、第1の開示に関する加熱調理器1は、前記音声入力モード1の選択部となっている特定入力キー(入力キー154M、153L、153R)を、前記レシピデータの取得に兼用している。
この構成であるので、入力操作部15の操作キー(操作部)の数を増やすことも回避でき、ユーザーUSによる操作性の低下を招くようなことを防止できる。
更に、第1~第3の開示に関する加熱調理器1において、
前記制御装置40は、前記レシピデータCDの取得動作を実行中は、表示部16(中央表示部16M)において、受信動作表示部174を表示することを特徴とする構成であった(図33、図39参照)。
この構成であるため、前記レシピデータCDの受信状態を、ユーザーが簡単に知ることができ、利便性と操作性を向上させることができる。
更に、第1~第3の開示に関する加熱調理器1において、
前記レシピデータCDの対象となる調理メニューに関して、制御条件の設定指令を音声で受け付け、電気信号に変換する音声信号受信部56と、前記音声信号受信部16からの前記電気信号を解析する音声信号解析部58と、を更に備えたことを特徴とする構成であった。
この構成であるため、音声入出力機器や通信端末器等の情報処理端末器200又はクラウドサーバー300を使用せずに、音声入力を行うことができ、利便性と操作性を向上させることができる。
更に、第1~第3の開示に関する加熱調理器1において、
前記特定入力キー153M、154M、153L、153Rは、前記加熱手段による加熱調理モード、前記加熱手段による調理メニュー、前記加熱手段の制御パターン、前記加熱手段による加熱口、前記レシピデータCDの取得の、少なくとも何れか1つを選択する機能がある構成であった。
このように特定入力キーには、複数の入力機能があるため、入力操作部15の操作キー(操作部)の数を増やすことが回避でき、ユーザーUSによる操作性の低下を招くようなことを防止できる。
前記加熱手段は、被加熱物Nを加熱する第1の加熱手段HM1と、加熱室6で被調理物を加熱する第2の加熱手段HM2と、を有し、
前記制御装置40は、前記第1の加熱手段HM1と、前記第2の加熱手段HM2とを、時間差をおいて駆動して1つの調理を行う連携調理モードKM3の実行機能を有していることを特徴とする構成であった。
また、第1の加熱手段HM1と、第2の加熱手段HM2とは、加熱原理が異なる関係にあり、具体的には、誘導加熱源とマイクロ波加熱源であった。
この構成であるため、幅広い調理に対応でき、ユーザーの利便性を向上させることが期待できる。
更に、第1~第3の開示に関する加熱調理器1において、
前記入力操作部15の入力キー(例えば、158M、159M)から指令を受けた場合、前記制御装置40は、前記レシピデータCDの対象となる調理メニューに関する食品成分又は栄養成分の、少なくとも何れか一方の情報を、前記表示部16(中央表示部16Mに表示することを特徴とする構成であった。
具体的には、第1~第3の開示に関する加熱調理器1においては、実施の形態1の図31で示したように、1つの調理メニュー(例えば「ハンバーグ」)の識別情報167と、食品成分とを示す食品成分表示画面16M1Aと、識別情報167と、栄養成分とを示す栄養成分表示画面16M1Bと、を切り替えて表示する形態である。このため、ユーザーUSが個々の有用な情報を容易に、しかも明確に識別できる。
例えば、家族の健康管理、食事制限等の状況に応じて、ユーザーUSが食品成分や栄養成分の情報から、適切な調理メニューを選択することができ、食生活の改善に貢献することができる。
更に、第1~第3の開示に関する加熱調理器1において、
前記制御装置40は、制限時間のある初期待機期間TPの中で、前記レシピデータCDの取得指令を受けた場合、当該制限時間内に前記レシピデータCDの取得ができなかったときは、自動遮断処理1を行うことを特徴とする構成であった(図51参照)。
言い換えると、レシピデータCDを外部から取得する取得条件は、前記入力キー180と、前記タッチ入力部の1つの特定入力キー(例えば、入力キー153M)とが、前記第1の制限時間(TX)内に操作された場合に満たされることを条件にしていた。
例えば、前記初期待機期間TPは、前記第1の制限期間(第1の制限時間TX)を超えることはできない。1例としては、最長30分である。
この構成であるため、レシピデータCDが制限時間内に取得できなかったときは、自動的遮断処理に進むので、何らかの異常によってレシピデータCDが取得できないまま、加熱調理器1の電源が入った状態になることはなく、安全性が高いものにすることができる。
更に、第1~第3の開示に関する加熱調理器1において、
前記特定入力キー153M、154M、153L、153Rは、タッチ式入力キーであり、
前記入力操作部15は、前記特定入力キーのタッチ状態から前記音声入力モードの切り替え要否を判定して、音声入力モード対応信号MC1を発し、
前記制御装置40は、前記音声入力モード対応信号MC1を受けた場合、前記音声入力モードに切り替わることを特徴とする構成である。
この構成によれば、特定入力キー153M、154M、153L、153Rのタッチ操作に応じて、音声入力モードが起動し、音声によって制御条件の設定ができるようになるので、音声入力とタッチ入力を活用して、使い勝手を向上させることが期待できる。
更に、待機時初期画面(共通画面)16MHが表示された以降に、音声入力モード対応信号MC1を発生させ、音声入力モードに切り替えた際には、連携調理モードKM3や複合調理モードKM2専用の第1特定画面16M1や第2特定画面16M2を表示させて、外部からレシピデータを取得できる構成であった。
この構成によれば、タッチ操作により確実に加熱調理モードを選択したことに伴って、自動的に音声入力モードも起動して、ユーザーUSからの音声による入力にも備えるので、操作間違いや設定の混乱を招くことが回避でき、また音声入力とタッチ入力を活用して、使い勝手を向上させることが期待できる。
更に、第1~第3の開示に関する加熱調理器1において、
前記加熱手段は、トッププレート3の上に載置された被加熱物Nを加熱する第1の加熱手段HM1と、加熱室6で被調理物を加熱する第2の加熱手段HM2と、前記加熱室6を加熱する第3の加熱手段HM3と、を有し、
前記特定入力キー153M、154M、153L、153Rは、前記第1の加熱手段HM1又は前記第2の加熱手段HM2を単独で使用する単独調理モードKM1と、前記第2の加熱手段HM2と前記第3の加熱手段HM3とを自動的に組み合わせて使用する複合調理モードKM2と、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2及び前記第3の加熱手段HM3のグループとを、1つの調理で併用する連携調理モードKM3と、を選択する機能を有し、
前記入力操作部15は、前記単独調理モードKM1、前記複合調理モードKM2及び前記連携調理モードKM3の、何れか1つを選択する際の、前記特定入力キー153M、154M、153L、153Rのタッチ操作状態(「長押し」の有無)を分析し、音声入力モード対応信号MC1を発することを特徴とする構成であった。
この構成によれば、3つの加熱手段を選択して、単独調理モードKM1、複合調理モードKM2及び連携調理モードKM3の各調理を、相互に干渉することなく、順次実行することができる。これにより、幅広い調理に対応することができる加熱調理器を提供できる。
更に、特定入力キー153M、154M、153L等を操作して3種類の加熱調理モードを選択することで、音声入力モードへの切り替えを同時に行うことができる。このため、調理開始までの間において、ユーザーUSの入力操作の負担を軽減することができる。
更に、第1~第3の開示に関する加熱調理器1において、
前記制御装置40は、前記音声入力モードが開始されてから、制限時間TY内に前記レシピデータCDの制御条件の入力を完了しなかった場合、エラー処理(図48。ステップSM48等参照)を行うことを特徴とする構成である。
このため、音声入力がされないまま長時間運転がされる前に、ユーザーに前記エラー処理で注意を喚起することができ、安全性を高めることができる。
更に、第1~第3の開示に関する加熱調理器1において、
前記制御装置40は、前記入力制御部15の入力機能を有効にした以降、制限時間TX内に前記特定入力キー(153M、154M等)が1回も入力操作されなかった場合、電源を遮断する自動遮断処理を行うことを特徴とする構成である(図47参照)。
このため、ユーザーが途中で操作を忘れたり、別の作業に夢中になっていたりすること等の事情によって、何も入力操作がされない場合、そのまま長時間放置するのではなく、自動的に電源の遮断処理をするので、安全性を高めることができる。
更に、第1~第3の開示に関する加熱調理器1において、
前記制御装置40は、前記主電源スイッチ20がONされた後に、前記表示部16(中央表示部16M)に待機時初期画面16MHを表示し、
前記待機時初期画面16MHには、待機時共通情報60Nを表示し、
前記待機時初期画面16MHを表示した以降、制限時間TX内に前記第1入力キー153Mと前記第2入力キー154Mの、何れも操作されなかった場合、電源を遮断する自動遮断処理1を行うことを特徴とする構成であった(図47参照)。
このため、前記主電源スイッチ20がONされたことで開始される初期待機期間TPにおいては、待機時初期画面16MHによって、ユーザーに対して調理や安全性等に関する情報を報知し、しかも、ユーザーが特定入力キー153M、154Mの何れも操作しないまま、制限時間TXを超過した場合、自動的に電源の遮断処理をするので、安全性を高めることができる。
更に、第1~第3の開示に関する加熱調理器1において、
前記制御装置40は、前記入力操作部15から前記音声入力モード対応信号MC1を受けた場合、1つの加熱調理モードに対応した特定画面(第1特定画面16M1等)を前記表示部16で表示し、
前記特定画面(第1特定画面16M1等)には、前記音声入力モードにおいて、選択できる制御条件の範囲に関する情報179B、179Cを表示することを特徴とする構成であった(特に、図25参照)。
この構成であるから、ユーザーが音声入力で制御条件について発声する場合、適正な制御条件の範囲を事前に見ることができ、ユーザーによる適正な範囲の入力に誘導できる。また、結果的にユーザーの入力を短時間で完了させることにも貢献できる。
更に、第1~第3の開示に関する加熱調理器1において、
前記制御装置40は、前記入力操作部15から前記音声入力モード対応信号MC1を受けた場合、1つの加熱調理モードに対応した特定画面(第1特定画面16M1等)を表示し、
前記特定画面(第1特定画面16M1等)には、前記音声入力モードに設定されていることを示す情報(音声入力モード表示情報)179Aを表示することを特徴とする構成であった(特に、図25参照)。
この構成であるため、ユーザーは特定画面において音声で入力できる状態になっていることを認識できるので、ユーザーの操作性を向上させることができる。
更に、第1~第3の開示に関する加熱調理器1において、
前記制御装置40は、前記音声入力モード対応信号MC1を受けた場合、前記入力操作部15にある前記第1入力キー153Mと前記第2入力キー154Mからの入力は、何れも受け付けないことを特徴とする構成であった。
すなわち、前記「音声入力モード1A」に設定することが可能な構成であった。
この構成であるため、ユーザーは音声入力モードになった場合、以後は音声で入力することに集中できる状態になり、不用意に入力キーに触れても入力がされないので、ユーザーの混乱を防止し、操作性を向上させることができる。
更に、第1~第3の開示に関する加熱調理器1において、
前記制御装置40は、前記音声入力モード対応信号MC1を受けたあと、前記入力キーの1つ(151M)からの入力を受け付けて加熱調理動作を開始した場合、前記音声入力モードを解除することを特徴とする構成である(図59~61及び図63参照)。
この構成であるため、ユーザーは音声入力モードになった場合でも、加熱調理を開始したあと、再び次の加熱調理に臨む場合には、加熱調理モードの選択をするための特定入力キー(153M、154M等)は、タッチ操作で入力できる状態に復帰している。そのため、調理する最初の段階は、常にタッチ操作で加熱調理モードを確実に、しかも、迅速に選択できる。また、音声入力モードをその都度解除する手間も不要にでき、操作性が良い。
更に、第1~第3の開示に関する加熱調理器1において、
前記表示部16には、前記音声入力モードにおいて、当該音声入力モードに設定されていることを示す情報A(179A、179D)又は選択できる制御条件の範囲に関する情報B(179B、179C)の、少なくとも何れか1つを表示し、
前記制御装置40は、前記制御条件の入力が完了しない場合、前記入力キー(151M)を操作しても加熱調理動作を開始しないことを特徴とする構成である。この構成は、図25、図28、図34等で詳しく説明した。
この構成であるから、ユーザーが音声入力で制御条件について発声する場合、適正な制御条件の範囲を事前に見ることができ、ユーザーによる適正な範囲の入力に誘導できる。また、結果的にユーザーの入力を短時間で完了させることにも貢献できる。
また、制御条件の設定が不足したままの状態では加熱調理を開始しない。これにより、ユーザーによる操作間違いを防止できる。
更に、第1~第3の開示に関する加熱調理器1において、
前記特定入力キー(153M、154M、153L、153R)は、タッチ式入力キーであり、
前記入力操作部15は、前記入力キーのタッチ操作を検出するタッチ検出部15Bと、前記タッチ操作の連続時間を計測する時間計測部15Tと、前記時間計測部15Tの計測時間データを前記制御装置40に送信する入力信号発信部15Fと、を備え、
前記制御装置40には、前記計測時間データから前記音声入力モードの条件を満たしているかどうかを判定する入力信号解析部52を備えたことを特徴とする構成である(特に、図17参照)。
この構成であるため、音声入出力機器や通信端末器等の情報処理端末器200又はクラウドサーバー設備等を使用せずに、音声入力を行うことができ、利便性と操作性を向上させることができる。
また、特定入力キー(153M、154M、153L、153R)のタッチ操作時のタッチ時間を検出して音声入力モードへの切り替えを行っているので、ユーザーには入力キーの操作で追加的な特別なアクションを要求しておらず、通常のタッチ入力操作に違和感を生じさせるものではない。
更に、第1~第3の開示に関する加熱調理器1において、
前記制御装置40は、前記通信部51経由で前記レシピデータCDを取得した場合、当該レシピデータCDが適用される調理メニューの調理工程が終了するまでの間、前記通信部51からレシピデータCDを再度取得することを制限する構成である(特に、図59~61、図63参照)。
この構成であるため、複数の加熱手段を選択して、単独調理モードKM1、複合調理モードKM2及び連携調理モードKM3の各調理を、相互に干渉することなく、順次実行することができる。これにより、幅広い調理に対応することができる加熱調理器を提供できる。
更に、具体的には、制御装置40には制限部55があるため、1つの特定の連携調理メニューAについて、レシピデータCDを1回取得すれば、その後、別の連携調理メニューBのレシピデータCDを、調理工程の開始直前や調理工程の途中で制御装置40が不用意に取得することはない。そのため、例えば、連携調理の途中で不用意に別の調理メニュー(複合調理モードの制御メニューや単独調理モードの制御メニューを含む)を、誤って受信することがない。従って、受信に伴うユーザーUSの混乱や加熱調理器1側の動作干渉等の懸念がない。
更に、第1~第3の開示に関する加熱調理器1において、
取得された前記レシピデータCDによる加熱調理が、その調理工程1が開始される前に、前記入力操作部15によって取り消された場合、新たなレシピデータを取得できることを特徴とする構成であった(特に、図59~61、図63参照)。
この構成であるため、一旦取得したレシピデータCDを所定の入力キー(152M)で取り消せば、直ぐに別の調理メニューのレシピデータCDの取得に向けた入力を開始できるから、実際の調理場面において実用的である。
更に、第1~第3の開示に関する加熱調理器1において、
前記入力操作部15には、機能設定キー151KPを有し、
前記制御装置40は、前記機能設定キー151KPが操作された場合、機能設定モードに移行し、
前記機能設定モードは、前記食品成分又は栄養成分の前記中央表示部16Mにおける表示の要否又は条件を設定できる構成であった(特に、図31及び図64参照)。
この構成であるため、ユーザーUSの希望や習熟度等に応じた機能設定にすることができる。
更に、第1~第3の開示に関する加熱調理器1において、
前記入力操作部15には、調理の開始を指令するスタートキー151Mを、更に有し、
前記スタートキー151Mにより加熱調理の開始を前記入力操作部15から指令した場合、前記音声入力モードの設定を解除することを特徴とする構成であった。
この構成であるため、ユーザーは音声入力モードになった場合でも、スタートキー151Mを押して加熱調理を開始したあと、再び次の加熱調理に臨む場合には、加熱調理モードの選択をするための特定入力キー(153M、154M等)は、タッチ操作で入力できる状態に復帰している。そのため、調理する最初の段階は、常にタッチ操作で加熱調理モードを確実に選択できる。また、音声入力モードをその都度解除する手間も不要にでき、操作性が良い。
更に、第1~第3の開示に関する加熱調理器1において、
前記加熱手段は、トッププレート3の上に載置された被加熱物Nで加熱する第1の加熱手段HM1と、加熱室6で被調理物を加熱する第2の加熱手段HM2と、を有し、
前記入力操作部15は、前記第1の加熱手段HM1のための第1入力操作部15L、15Rと、前記第2の加熱手段HM2のための第2入力操作部(中央操作部)15Mと、を有し、
前記入力キーは、前記第1入力操作部に配置した入力キーA(153L、153R)と、前記第2入力操作部15Mに配置した入力キーB(153M、154M)と、をそれぞれ有し、
前記制御装置40は、前記入力キーA(153L、153R)又は前記入力キーB(153M、154M)の両者の内、早く入力操作された方の入力を有効な入力として受け付け、加熱調理モード又は制御モードの制御条件の入力を終えて、スタートキー151Mによる操作で加熱調理開始指令を受けるまで、他方の入力キーによる入力工程を開始しないことを特徴とする構成である。
すなわち、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2は、入力キーA(153L、153R)と入力キーB(153M、154M)の両者の内、早く入力操作された方の入力に従って加熱調理モードが決定する。
この構成であるため、ユーザーは最初に入力キーA(153L、153R)と入力キーB(153M、154M)の両者の内、希望する方を先に入力操作することで希望する加熱調理モード等を選択できる。
このため、入力操作部と入力キーの数が多くても、操作する順番で加熱調理モードがシンプルに決まるので、ユーザーに混乱を招く懸念はなく、操作性が良い。
更に、この実施の形態1では、以下の通り第4の開示に関する加熱調理器1を開示していた。
すなわち、第4の開示に関する加熱調理器の1つの形態は、
第1の加熱手段HM1と、
第2の加熱手段HM2と、
前記第1の加熱手段HM1に関してユーザーの指令を受ける第1入力操作部15L、15Rと、
前記第2の加熱手段HM2に関してユーザーの指令を受ける第2入力操作部15Mと、
外部からレシピデータCDを受信する通信部51と、
表示部16を有した報知部90と、
制御装置40と、を備え、
前記第1入力操作部15L、15Rには、調理内容を選択するタッチ式の入力キーA(153L、153R)を有し、
前記第2入力操作部15Mには、調理内容を選択するタッチ式の入力キーB(153M、154M)を有し、
前記第1入力操作部15L、15Rは、前記入力キーA(153L、153R)のタッチ状態に応じて音声入力モードの開始を前記制御装置40に指令し、
前記第2入力操作部15Mは、前記入力キーB(153M、154M)のタッチ状態に応じて音声入力モードの開始を前記制御装置40に指令し、
前記制御装置40は、前記第2入力操作部15Mから前記音声入力モードの開始指令を受けた場合、前記通信部51を介して前記第2の加熱手段HM2に関するレシピデータCDの取得を可能にし、
前記制御装置40は、前記レシピデータCDの取得ができた場合、当該レシピデータCDの取得を示す情報173を、前記表示部16によって表示し、前記音声入力モードによって外部からの入力を受け付ける待機状態となること、
を特徴とする構成である。
すなわち、第4の開示に係る加熱調理器1は、特に図57で説明したように、例えば、連携調理モードKM3の場合には、第1特定画面16M1において外部レシピ識別部173を表示する。
更に、当該第1特定画面16M1には、調理メニューの識別情報167と、音声入力モードの設定状況を示す情報179Dとを、一覧状態で表示する構成であった(図57参照)。
この構成であるため、ユーザーは、表示部16M(第1特定画面16M1や第2特定画面16M2)において、レシピデータCDを取得していることを認識できる。
しかも、識別情報167、160等と、音声入力モードの設定状況を示す情報179Dも、一覧状態で表示されるので、ユーザーの素早い理解を助けることができる。
このため、入力操作部と入力キーの数が多くても、ユーザーにとっては混乱を招く懸念はなく、操作性が良いものとなり得る。
更に、第4の開示に関する加熱調理器1において、
前記制御装置40は、前記レシピデータCDの取得ができなかった場合、当該レシピデータCDの取得が出来なかったことを示す情報174Aを、第1特定画面16M1等の特定画面によって表示することを特徴とする構成であった。
このような構成であるため、レシピデータCDを取得できなかった場合に、加熱調理器1に臨んでいるユーザーに対し、表示部16の表示によってレシピデータCDの未取得を報知できるから、ユーザーUSの誤解を招くことを防止し、操作性の向上を図ることができる。
更に、第4の開示に関する加熱調理器1において、
前記制御装置40は、前記レシピデータCDの取得ができなかった場合、当該レシピデータCDの取得が出来なかった原因又は対策を示す参考情報174Fを、第1特定画面16M1等の特定画面によって表示することを特徴とする構成であった。
このような構成であるため、レシピデータCDを取得できなかった場合に、レシピデータCDの取得に参考となる情報や原因をユーザーUSが認識でき、ユーザーの誤解を招くことを防止し、また適切な対応策の情報も提供できるから、操作性の向上を図ることができる。
更に、この実施の形態1では、以下の通り第5の開示に関する加熱調理システムを開示していた。
すなわち、第5の開示に関する加熱調理システムの1つの形態は、
通信部51と加熱手段(第1の加熱手段HM1~第3の加熱手段HM3)とを有する加熱調理器1と、
前記通信部51と無線通信手段400で接続される、スマートフォン等の情報処理端末器(通信端末器)200と、を備えており、
前記情報処理端末器200は、前記加熱調理器1に対してレシピデータCDを送信する機能を有し、
前記加熱調理器1は、待機時初期画面16MHが表示された後、前記レシピデータCDを前記情報処理端末器200から取得する機能を有し、
前記加熱調理器1は、タッチ式入力キー(153M、154M等)のタッチ状態に応じて、タッチ入力モードから音声入力モードに自動的に切り替える機能を有し、
前記加熱調理器1は、前記レシピデータCDを前記情報処理端末器200から取得した場合、取得した前記レシピデータCDに関する前記情報処理端末器200からの制御条件の入力を受け付け、
前記加熱調理器1は、前記レシピデータCDを前記情報処理端末器200から取得する際に、許可条件を満たすかどうかを判定し、満たさないと判定した場合には、前記許可条件の判定結果を示す情報174Aを、端末側表示部によって表示し、更に、前記情報処理端末器200に対して前記通信部51から不許可処理通知(図38のステップSC7参照)を発信すること、を特徴とする構成であった。
このような構成であるため、各種のレシピデータCDを外部から取得するタイミングを、入力操作部15によって待機時初期画面16MHが表示された後の期間にコントロールすることができる。
また、加熱調理器1は、入力操作部にあるタッチ式の入力キー(特定入力キー153M、154M、153L、153R)を利用して、音声入力モードへの切り替えができるので、加熱動作開始前の入力工程の面倒な作業を音声で入力できる。これによりユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
更に、加熱調理器1が前記レシピデータCDを取得する際に、許可条件を満たすかどうかを自動的に判定し、満たさないと判定した場合には、その判定結果を示す情報174Aを、端末側表示部216によって表示するように、前記情報処理端末器200に対して前記通信部51から不許可処理通知(図38のステップSC7参照)を発信するシステムであるから、送信側に対して適切な情報を伝達できる。これにより、送信側に対し適切なレシピデータCDの送信を促すことができ、無用な混乱を防止できる。
更に、第5の開示に関する加熱調理システムにおいて、
前記加熱調理器1は、前記加熱手段(第1の加熱手段HM1~第3の加熱手段HM3)を制御し、かつ、前記入力キー(153M、154M等)から指令を受ける制御装置40を有し、
前記制御装置40は、主電源スイッチ20がONになった後、前記待機時初期画面16MHを表示し、前記レシピデータCDを前記情報処理端末器200から取得した場合、当該レシピデータCDに対応した特定画面(第1特定画面16M1等)を表示し、
前記特定画面(第1特定画面16M1等)には、前記音声入力モードにおいて、当該音声入力モードに設定されていることを示す情報A(179D)又は選択できる制御条件の範囲に関する情報B(179B、179C)の、少なくとも何れか1つを表示することを特徴とする構成であった。
この構成であるから、ユーザーが音声入力で制御条件について発声する際に、適正な制御条件の範囲を事前に見ることができ、ユーザーによる適正な範囲の入力に誘導できる。また、結果的にユーザーの設定入力の失敗を回避し、入力作業を短時間で完了させることにも貢献できる。
更に、実施の形態1で開示した加熱調理器1においては、
実施の形態1の図31で示したように、1つの調理メニュー(例えば「ハンバーグ」)の識別情報167と、食品成分とを示す専用の食品成分表示画面16M1Aと、識別情報167と、栄養成分とを示す専用の栄養成分表示画面16M1Bと、を切り替えて表示する形態であるから、ユーザーUSは、調理メニューの選択段階で、食品成分や栄養成分の個々の情報を容易に入手できる。しかもそれらは表示画面で表示されるので、明確に識別できる。
更に、実施の形態1で開示した加熱調理器1においては、
1つの調理メニュー(例えば「ハンバーグ」)の識別情報167と、食品成分とを示す食品成分表示画面16M1Aと、識別情報167及び栄養成分を示す栄養成分表示画面16M1Bと、を切り替えて表示する形態であるから、ユーザーUSが個々の情報を容易に、しかも、明確に識別できる。
更に、ユーザーUSの特別な操作(特定入力キー153M、154M等の操作)によって各調理モードに関するレシピデータCDを、1つずつ受信することになるので、外部からのデータ取得時期が統制される。
言い換えると、特定のタッチ入力が、第1の制限期間TX内に操作がされ、許可条件を満たした場合に、レシピデータCDの取得ができるので、通信端末器200が接近したことや誤操作等が原因で、不用意にレシピデータCDを受信することがない。このため、ユーザーUSの安心感を向上させることができる。
更に、実施の形態1で開示した加熱調理器1は、前記入力操作部15に、前記音声入力手段を使用した音声入力モード2を選択する(全ての加熱調理モードに共通の)選択キー180を備えている。
このため、ユーザーUSが調理の過程で手が塞がっていてタッチ操作できない場合でも、音声によって指示を与えることができ、便利である。
更に、実施の形態1で開示した加熱調理器1では、前記入力操作部15に、音声入力モード2の選択部としての入力キー180と、前記食品成分データDDの情報を表示することを指令する入力キー(例えば、入力キー158M)を配置しているので、ユーザーUSの操作性が良い。
特に、実施の形態1の図11で示したように、前記入力キー180と、食品成分データDDの情報を表示することを指令する入力キー(例えば、入力キー158M)とを、中央操作部Mに配置した構成では、その近傍に中央表示部16Mもあることから、ユーザーUSが中央操作部15Mの前方(手前)側に立って調理に臨んでいる場合、ユーザーUSの操作できる範囲と視認できる範囲に、必要な表示部16Mと操作部(中央操作部15M)が存在し、ユーザーUSが立った位置を移動せずに操作等ができる。これにより、調理中のユーザーUSの身体的負担を軽減できる等の、メリットが期待できる。
更に実施の形態1の加熱調理器1では、
前記入力操作部15には、前記単独調理モードKM1を選択する入力キー153L、153Rと、前記複合調理モードKM2を選択する入力キー154M、155Mと、前記連携調理モードKM3を選択する入力キー153Mとを、それぞれ別個に備えた構成を開示していた。
この構成であるため、3つの調理モードの選択がそれぞれの入力キー(入力手段)によって個別に選択できるので、加熱源の数が増えた加熱調理器1であっても、ユーザーUSの操作性を向上させることができる。
以上説明した以外に、この実施の形態1で開示した加熱調理器では、以下のような特徴的な構成を具備していた。
(1)「音声入力モード1」を選択できる(「長押し」操作できる)入力キーは、各加熱調理のメニュー毎に、少なくとも1つ設けている。すなわち、連携調理メニューと、図18の「RGメニュー群」(図18の「IHメニュー群」を除く)と、誘導加熱の単独調理モードKM1の制御メニュー群、の3種類に対応して、合計4個設けている。
すなわち、入力キー153M(連携調理モード用)、154M、153L、153Rの、合計4つの入力キーを有している。
(2)前記誘導加熱の単独調理モードKM1の制御メニュー群は、右操作部15Rによる右加熱口4Rでの加熱調理と、左操作部15Lによる左加熱口4Lでの加熱調理で実行でき、これら左右操作部15L、15Rに対応して、それぞれ「音声入力モード1」を選択できる(「長押し」操作できる)入力キー153L、153Rを設けている。
(3)3つの入力操作部を有しているが、1つの入力操作部(例えば、中央操作部15M)で、その操作部にある「音声入力モード1」を選択できる入力キー(例えば、154M)を押すと、他の入力操作部(この場合、左右操作部15L、15R)の入力工程は、開始できないので、音声入力モード1も選択できない。但し、上記の場合の、他の入力操作部(この場合、左右操作部15L、15R)で加熱調理を実行中の場合は、その入力操作部にある入力キーの、「タッチ入力」による操作は可能である。そのため、加熱調理中の、火力変更や加熱停止は、何ら制限受けずに実行できる。
言い換えると、複数の入力操作部の何れか1つにおいて、「音声入力モード」を設定するため、1つの入力キー(例えば、154M)を押すと、他の入力操作部での「新たな調理開始」のための入力工程は開始できない。既に加熱調理実行中の入力操作部では、音声入力モード以外の入力操作は可能である。そのため、音声入力以外の(タッチ、押圧)操作によって、実行中の加熱調理を制御できる(例えば、加熱停止、火力変更など)。
このような特徴的構成によって、1つの入力操作部と他の入力操作部での、音声による同時並行的な入力を回避できるので、2つの場所で同時に加熱調理する場合、あるいは1個所の加熱調理に加え、更に別の加熱調理を開始しようとする場合の、入力指令が干渉することがなく、確実な入力操作が実行でき、安全性も高いものとなる。
実施の形態2.
図65~図89は、実施の形態2に係る加熱調理器と加熱調理システムを示すものである。なお、図1~図64に説明した実施の形態1の構成と同一又は相当部分には、同じ符号を付けている。
この実施の形態2では、加熱調理器1の制御装置40の構成が、実施の形態1と異なる。また、クラウドサーバー300の構成も変更している。
この実施の形態2においても、制限部55は、外部の通信端末器200等からレシピデータ(前記「表示条件データ」を含む)CDを取得する場合、加熱調理器1側の入力機能や表示機能の一部を制限する。そのために、データ取得部53が前記通信部51を介して、スマートフォン200やクラウドサーバー300からレシピデータを取得する動作に対応して、各種の制御指令を発する。
図65について説明する。
キッチン601の内部には、冷蔵庫403、加熱調理器1が設置されており、冷蔵庫403と加熱調理器1は、前記無線ルーター340と、それぞれ無線通信で情報の授受を行えるものである。
無線ルーター340は、インターネット等のネットワークNWのアクセスポイントでもある。無線ルーター340は、外部空間にある第1サーバー321にアクセスできる。
実施の形態1で説明したクラウドサーバー300は、この実施の形態6では、第1サーバー321と、第2サーバー322と、レシピデータ提供サーバー301、後述する食品成分情報サーバー326と、を含んでいる。
加熱調理器1は、通信端末器(スマートフォン)200との無線通信400によって、少なくともレシピデータCDを取得できる。このレシピデータCDには、連携調理モードKM3の調理メニューを実行するレシピデータだけではなく、複合調理モードKM2のレシピデータも含まれる。
前記通信端末器200は、この実施の形態2においては、加熱調理器1のために無線ルーター340に直接通信できる。この通信端末器200は、基本的な構成は実施の形態1で説明した通信端末器200と同じである。
通信端末器200には、図68で詳細に説明するが、報知用データ223と遠隔操作用データ224とを有している。これら報知用データ223と遠隔操作用データ224報知は、情報提供手段である第1サーバー321に、ネットワークNWを介して接続し、その第1サーバー321からダウンロードして取得したものでも良い。
また、加熱調理器データベース217には、食品成分・栄養成分データ226を格納しているが、この食品成分・栄養成分データ226は、各種の食品成分情報を提供する食品成分情報サーバー326から第2サーバー322経由で取得したものである。図65において、符号DDは、食品成分と栄養成分データの両方を包含した食品成分データである。
前記加熱調理器データベース217は、加熱調理器1で実行できるレシピデータCDを保有している。なお、第1サーバー321に、ネットワークNWを介して接続し、その第1サーバー321からダウンロードして取得したレシピデータCDも、この加熱調理器データベース217に格納される。
前記食品成分情報サーバー326は、例えば文部科学省が一般に公開している「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」のデータを利用するものでも良い。
通信端末器200は、加熱調理器1に対してレシピデータCDと、加熱調理動作を指令すること等の遠隔操作情報RSとを、それぞれ送信できる。
通信端末器200は、ユーザーUSからの音声を、所定の音声入力信号VSに変換する音声入力部222(図68参照))を有している。
従って、この通信端末器200に、ユーザーUSが発声すると、音声入力信号(音声データ)VSを、第2サーバー322に送信することができる。つまり、タッチ操作部215(図68参照)に触れなくとも、必要な入力操作ができる。
ユーザーUSは、加熱調理器1が起動されているときに、音声によって通信端末器200に発話情報を与えて、例えば、レシピデータ提供サーバー301から希望するレシピデータCDを抽出し、加熱調理器1に提供することができる。
例えば、前記発話情報としては、音声入力信号VSを受信する相手が、第2サーバー322であるため、例えば「〇〇〇(第2サーバー322を特定する名称、愛称の一例)、連携調理のレシピを探して」等が挙げられる。
「〇〇〇、レシピを探して」という発話情報は、加熱調理器1に適用できる外部指令情報の1つである。
また、「〇〇〇、連携調理のレシピを探して」という発話情報は、加熱調理器1のための調理モードを指定する情報である。
さらに、「〇〇〇、レンジとIHで出来るレシピを探して」という発話情報は、連携調理モードKM3で可能な調理メニューを抽出する発話情報である。
これらの、発話情報は、第2サーバー322において、あらかじめ用意されているスタンダードコマンドに変換できる発話情報である。
ユーザーUSから通信端末器200に発せられた発話情報は、通信端末器200において、テキストデータに変換され、発話情報のテキストデータ(音声入力信号VS)形式で、前記第2サーバー322に送信される。
第2サーバー322の制御部322Cは、入出力部322Aを介して、前記テキストデータ(音声入力信号VS)を受信し、記憶部322Rに記憶されているスタンダードコマンドに変換できるか否かを判断する。
制御部322Cは、発話情報(音声入力信号VS)のテキストデータからスタンダードコマンドとして用意されている各種コマンド(「コマンドデータ」ともいう)に変換する。ここでいう「コマンド」には、前記レシピデータ提供サーバー301に格納されているレシピデータベースの中から、1つの調理を実行するレシピデータを抽出する指令を含む。なお、前記入出力部322Aは、例えばAPIゲートウェイである。
第1サーバー321と第2サーバー322は、インターネット等のネットワークNW(205)によって接続されている。
第2サーバー322の入出力部322Aから第1サーバー321に対しては、照会信号(照会データ)SNが送信される。この照会信号SNは、例えば前記レシピデータCDを、レシピデータ提供サーバー301から抽出することを要求する指令である。また、加熱調理器1の運転状態の各種データ(例えば、調理工程の内容や進捗度合い)を知りたい場合に、通信端末器200の入力操作で発生する指令信号である。つまり、これらデータは、ユーザーUSのための、操作支援データGSである。
なお、第2サーバー322は、加熱調理器1に特有の特殊な制御や処理を必要としないので、既存のサーバー、例えばAIアシスタント、インテリジェントアシスタント、スマートスピーカ等の各種システムのサーバーを利用することができる。
図65に示している第1サーバー321は、加熱調理器1を製造した会社(メーカ)が運営しているものであり、加熱調理器1に固有の特殊な制御や処理(以下、これらを総称して「調理器制御情報CP」という)を良く理解しているので、加熱調理器1の運転状態(加熱動作中、非加熱動作中の両方を含む)を正確に把握することが可能である。記憶部321Rには、前記調理器制御情報CPに対応したデータが格納されている。そのため、後述する運転状態データOSを第1サーバー321が取得すれば、第1サーバー321側で加熱調理器1の運転実態が、リアルタイムで正確に分析できる。
第1サーバー321は、加熱調理器1から後述するように各種「運転状態データ」OS
を、前記無線ルーター340経由で随時取得する構成になっている。
前記運転状態データOSは、主電源スイッチ20のON-OFFを示すデータや、連携調理モードKM3の選択データ、加熱温度や加熱時間等の制御条件のデータ等、更にはトッププレート3や加熱室6の最新の温度計測データ等を含んでいる。
前記レシピデータ提供サーバー301は、第1サーバー321と無線通信で情報授受できるようになっている。なお、これらレシピデータ提供サーバー301や第1サーバー321、前記レシピデータ提供サーバー301等を、相互に連携させる制御手段となる「システム制御サーバー」は図示していない。
前記レシピデータ提供サーバー301は、第1サーバー321の中に組み込んで一体化しても良い。前記食品成分情報サーバー326は、第1サーバー321と有線又は無線通信のネットワークNWで接続されている。
前記第1サーバー321は、個々の加熱調理器1が、前記機器識別情報等を利用して予め登録されており、個々の加熱調理器1から送信された前記運転状態データOSは、当該加熱調理器1のユーザーUSと対応付けて取得する構成になっている。
第1サーバー321には、前記無線ルーター340と前記第2サーバー322と、個々に無線通信を行うための入出力部321Aを有している。この入出力部321Aは、例えばAPIゲートウェイである。この入出力部321は、前記レシピデータ提供サーバー301からのレシピデータを受ける。
第1サーバー321には、制御部321Cを有する。この制御部321Cは、前記第2サーバー321からの照会信号(コマンド)SNを解読し、その照会信号SNに応答して必要な制御情報を生成し、第2サーバー322に送信する。
また、多数の加熱調理器1から送信されて来る前記運転状態データOSと、個々の加熱調理器1のユーザーUSを識別するユーザー特定情報とを分析し、個々のユーザーUSの加熱調理器1を、記憶部321Rで保有しているユーザーUS識別データベースの情報から特定する。
前記第1サーバー321は、事前に登録された個々の加熱調理器1の制御に関するデータベース(前記調理器制御情報CP)を、前記記憶部321Rに保有している。そのため、加熱調理器1から提供要求のあったデータが、当該加熱調理器1に適合しない場合には、送信しない。
同様に、第1サーバー321は、通信端末器200から照会信号SNがあった場合でも、当該通信端末器200に対しては、機種識別情報(機器識別番号)等のデータとセットにして特定の操作支援データGSを第2サーバー経由で送信する。このため、例えば、通信端末器200から、特定のレシピデータCDに対して、適合しない制御条件の入力があった場合には、第1サーバー321は、そのような入力は受け付けないか、又は、受け付けない理由を付けて通信端末器200に通知する。
このため、音声入力モードの場合において、通信端末器200を介してユーザーの入力(発声)された制御条件が、加熱調理器1で許容する範囲を超えた場合には、当該通信端末器200に通知がされ、許容できる別の制御条件の入力を求める構成になっている。
更に、前記第1サーバー321には、前記レシピデータ提供サーバー301から取得した特定の調理メニューのレシピデータCDを、前記第2サーバー322に提供するタイミングを制御する機能もある。これについては後で詳しく説明する。
この実施の形態2では、実施の形態1と同様に、入力操作部15の中央操作部15Mには、音声入力を選択する入力キー180を配置している。この入力キー180は、機械的なスイッチでも良いし、入力キー153M~159Mのように、タッチ式入力スイッチの入力キーでも良い。
次に図66について説明する。
図66は、加熱調理器1の機能的構成を示すブロック図であり、実施の形態1の図16に対応する図である。
この図66から明らかなように、実施の形態1の図16に示した音声信号解析部58に相当する構成は、この実施の形態2の制御装置40には無い。つまり、この制御装置40では、外部から音声信号を受信してそれを自ら解析する機能は備えていない。
また、実施の形態1の図16に示した音声信号受信部56に相当する構成は、この実施の形態2の制御装置40には無い。つまり、この実施の形態2の入力操作部15は、外部から音声信号を受信する機能は備えていない。その他の構成は、実施の形態1の図16に示したものと同様であるので、重複した説明は省略する。
次に図67について説明する。この図67は、制御装置40と中央操作部15Mとの関係を説明するブロック構成図である。この図67は、実施の形態1の図17に対応したものである。なお、右操作部15Rと左操作部15Lについても、この中央操作部15Mの構成と基本的に同じである。
図67から明らかなように、制御装置40には、入力信号解析部52を有している。この入力信号解析部52には、入力モード判定部52Cを有している。
入力モード判定部52Cは、入力操作部15(15M、15L、15R)からの計測時間データMJを受けて、所定の閾値(例えば5秒間)を境にして、5秒以上であれば、「音声入力モード1」であると判定する。この閾値未満であった場合には、通常の「短押し」の操作であると判定する。
一方、中央操作部15Mと同様に、他の入力操作部15L、15Lにも、それぞれ個別の時間計測部15Tを備えている。
前記中央操作部(第2入力操作部)15Mにおいて、前記入力キーB(153M、154M)のタッチ操作時に、前記時間計測部15Tによって取得された計測時間データは、以後は「第2の計測時間データ」MJ2と呼ぶ場合がある。
また、前記左右の入力操作部(第1入力操作部)15L、15Rにおいて、前記入力キーA(153L、153R)のタッチ操作時に取得した計測時間データは、以後は「第1の計測時間データ」MJ1と呼ぶ場合がある。
それぞれの時間計測部15Tで計測した計測時間データMJ(MJ1、MJ2)は、そのまま制御装置40の入力信号解析部52に送信される。
つまり、時間計測部15Tでは、ユーザーUSが指でタッチしてから離すまでの「タッチ時間」を計測し、その計測時間データMJ(MJ1、MJ2)を入力信号解析部52に送信する。
入力モード判定部52Cは、前記計測時間データMJ(音声入力モード対応信号)を分析して、「音声入力モード1」の設定条件を満たしていると判定した場合には、入力モード切替信号MC2を、入力制御部70に出力する。例えば、前記計測時間データMJが、閾値(例えば、5秒間)以上の長さの時間データであった場合、音声入力モード1の設定条件を満たすとして、入力モード切替信号MC2を出力する。
15Dは、記憶部である。この記憶部15Dは、上記したようなタッチ検出部15Aや時間計測部15T等の各種制御パラメータ、判定処理のプログラム情報等を格納している。
15Eは、入力操作部(中央操作部15M)としての各種情報処理動作を行う中央処理部(CPU)である。
15Fは、入力信号発信部である。この入力信号発信部15Fは、前記したような入力キーの固有の識別信号や、「タッチ時間」の計測時間データMJ等を、制御装置40の前記入力信号解析部52に送信する。
この図67では、入力モード判定部52Cが入力信号解析部52の一部分として描かれているが、ハードウエア上で別個に構成しても良い。また、例えば、1つのマイクロコンピュータのソフトウエアで、これら入力モード判定部52Cや入力信号解析部52等の各機能を実現するようにしても良い。
また、この図67では、中央操作部15Mの例で説明しているが、右操作部15Rと左操作部15Lについても、それぞれの操作部の入力であることは制御装置40で識別される。そのため、右操作部15Rにおける入力キー識別部15Aでは、右操作部15Rに存在している入力キーであることを特定するデータが、入力キーからの信号に含まれ制御装置40に送信される。これは、左操作部15Lについても同様である。
前記入力処理部70は、入力モード切替信号MC2を受けて、第1サーバー321からレシピデータCDに関する何らかの入力があることに備える(入力待機状態となる)。
この図67では、タッチ検出部15A、時間計測部15T等が、個々の独立したブロックで描いてあるが、ハードウエア上で別個の構成にせずに、例えば、1つのマイクロコンピュータのソフトウエアで、これら各機能を実現するようにしても良い。
また、この図67では、中央操作部15Mの例で説明しているが、右操作部15Rと左操作部15Lについても、それぞれの操作部の入力であることは制御装置40で識別される。そのため、右操作部15Rにおける入力キー識別部15Aでは、右操作部15Rに存在している入力キーであることを特定するデータが、入力キーからの信号に含まれている。これは、左操作部15Lについても同様である。
次に、図68に示す通信端末器200について説明する。
スマートフォン等の通信端末器200は、送信部及び受信部210と、通信制御部211と、中央処理装置(CPU)212と、ROM及びRAM213と、スピーカ214と、タッチ式の操作部215と、表示画面を有する端末側表示部216と、加熱調理器データベース(記憶部)217と、姿勢検知部218と、遠隔操作情報生成部219と、記憶部220と、を有している。送信部及び受信部210には、近距離無線通信用のNFC入出力部221を有している。このため、インターネット経由の無線通信と、近距離無線通信(NFC)の2つの経路を利用できる。
222は、ユーザーUS等の音声を入力信号に変える音声入力部である。
前記タッチ式の操作部215、端末側表示部216及び音声入力部222は、ハードウエア上では一体化されて、表示操作部225となっている。なお、前記音声入力部222からの音声信号を解析し、用語検索、情報検索等を行う検索部は図示していない。検索部は、この通信端末器200の内部に備えても良いし、外部のクラウドサーバー300に備え、通信端末器200の外部に検索機能を持たせることでも良い。
前記姿勢検知部218は、ジャイロセンサーや加速度センサー、重力センサーなどの各種センサーが搭載されており、通信端末器200の傾きや向きを検出することができる。これにより、通信端末器200の上下方向を検出した信号を前記中央処理装置212に出力する。
前記中央処理装置212は、前記姿勢検知部218からの検出信号を受けて、前記端末側表示部216の表示方向を制御する。
前記中央処理装置212は、加熱調理器1の通信部51から受信した信号を、前記遠隔操作情報生成部219に入力する。
前記中央処理装置212には、レシピデータ取得部230と、レシピデータ送信部231と、端末側レシピ選択部232と、食品成分データ取得部233と、をそれぞれ有している。なお、これらレシピデータ取得部230、レシピデータ送信部231、端末側レシピ選択部232、及び食品成分データ取得部233は、全体が1つのコンピュータプログラムによって機能的に実現されていても良いし、別々の制御回路で構成されていても良い。
前記加熱調理器データベース217は、加熱調理器1の中央表示部16Mと音声報知部50のための報知情報(画像情報を含む)を生成するため、加熱調理器1の「報知用データ」223を保有している。
また、前記加熱調理器データベース217は、加熱調理器1の制御装置40用の「遠隔操作用データ」224も保有している。
更に、前記加熱調理器データベース217には、レシピデータCDに関する食品成分・栄養成分データ226が格納される。この実施の形態2では、食品成分(エネルギー、脂質、たんぱく質等)と、栄養成分(カリウム、カルシウム等)の情報を総称して「食品成分情報」DDと呼ぶ。
前記報知用データ223と遠隔操作用データ224、食品成分・栄養成分データ226は、最初からこの通信端末器200に記憶させておいても良いが、情報提供手段であるクラウドサーバー300に、ネットワークNW(201、202)を介して接続し、そのクラウドサーバー300からダウンロードして、前記食品成分情報DDを取得したものでも良い。つまり、加熱調理器データベース217は、固定的に記憶させて構築しておく必要はなく、必要に応じて情報を取得して、一時的に揮発性のメモリーに格納した形態であってもよい。
前記加熱調理器データベース217は、加熱調理器1で行う各種調理、特に連携調理モードKM3で使用することができる調理メニュー(例えば、「ラタトゥイユ」)のレシピデータCDを、前記クラウドサーバー300から取得したり、他の通信端末器200からNFC入出力部221経由で取得したりしていても良い。
前記遠隔操作情報生成部224は、加熱調理器1から前記中央処理装置212経由で取得した信号と、前記表示操作部225からの入力信号とを、それぞれ処理し、加熱調理器1用の遠隔操作情報を生成する。
ここでいう「遠隔操作情報」とは、加熱調理器1の、連携調理モードKM3や複合調理モードKM2を含む全ての調理モードに対応した入力操作に関する情報と、当該連携調理モードや複合調理モード等における中央表示部16Mの表示情報、更には、右表示部16Rと左表示部16Lに関する表示情報を含む。但し、連携調理モードKM3を含む全ての調理モードにおいて、加熱動作を開始する指令となる情報(コマンド情報)は含まれない。従って、この遠隔操作情報によって加熱調理器1が加熱動作を開始することはない。
なお、「遠隔操作情報」として、中央表示部16Mの表示情報と、右表示部16Rと左表示部16Lに関する表示情報を含めないことにしても良い。また、前記した機能設定キー151KPで設定できる機能の指令情報は、通信端末器200からは送信できないし、また通信端末器200では生成できない。つまり、通信端末器200からは加熱調理器1の機能設定モードを起動できない。
前記中央処理装置212は、ROM・RAMに格納されている制御プログラムに従って、通信端末器200全体の処理を実行するものであり、処理を実行する過程で必要なデータをROM・RAMから読み出したり、処理を実行する過程で生成したデータを、前記ROM・RAMに格納したりする。
記憶部220は、半導体製の不揮発性メモリーであり、前記送信部及び受信部210から読み込んだ加熱調理器1の情報を記憶させておくことができる。例えば、クラウドサーバー300からダウンロード(読み込み)した、特定の調理メニューの、前記レシピデータCDを一時的に保管することに利用される。
加熱調理器1の情報は、加熱調理器1に直接接続される第1サーバー321から取得するが、当該第1サーバー321とネットワークNW(205)で接続された第2サーバー322経由で取得しても良い。前記第1サーバー321と前記第2サーバー322は、前記クラウドサーバー300を構成する一部である(図65参照)。
ユーザーUSが、通信端末器200の端末側表示部216の特定部位にタッチすると、このタッチ信号を基礎にして前記遠隔操作情報生成部219は、遠隔操作情報を生成する。
前記遠隔操作情報は、送信部及び受信部210から加熱調理器1へ送信される。
加熱調理器1が既に電力が供給されて起動済であれば、前記加熱調理器1の制御装置40は、受信した前記遠隔操作情報を、調理モードの入力操作情報として扱う。例えば、連携調理モードKM3に関する遠隔操作信号を受信した場合、これによって、中央表示部16Mの待機時初期画面16MHは、連携調理モードKM3における1つの調理メニュー(例えば、ハンバーグ)の選択画面(第1特定画面16M1)へと遷移する。但し、無条件に加熱調理器1が通信端末器200の遠隔操作情報に応じて動作する訳ではない。これについては、図69と図70で説明する。
一方、遠隔操作情報を送信した通信端末器200側では、前記遠隔操作情報に基づいて端末側表示部216の表示が変化する。つまり、通信端末器200の表示操作部225における端末側表示部216の表示画面の内容と、加熱調理器1の中央表示部16Mの表示内容は、近似した操作手順で変化するが、その変化の状態がリアルタイムで加熱調理器1に逐一送信されている訳ではない。
通信端末器200において、遠隔操作情報を生成しても加熱調理器1で正規の遠隔操作信号として認められるのは、調理モードの確定信号が送信されてからである。つまり、通信端末器200からの遠隔操作情報は、調理モードを確定させるため、通信端末器200で所定の確定キーを押した場合に、一括して送信される。
従って、連携調理モードKM3の調理メニュー(例えば、ハンバーグ)のレシピデータCDは、調理工程1から最終の調理工程までの、加熱手段を特定するデータや、デフォルト設定の制御条件(例えば、火力レベル、火力値、加熱時間等をいうが、これに限定されない)の情報が、一括して送信される。つまり、第1特定画面16M1において、ユーザーUSが任意で設定できる細かい制御条件のデータも含まれる。なお、前述したように、この実施の形態2では、前記レシピデータは、簡易型レシピデータCDではないので、加熱手段の詳細な駆動順序、制御パターンや火力等の制御条件の設定データを全て包含するデータ構造になっている。
図68で示した食品成分データ取得部233は、各種食品の成分(例えば、エネルギー量、たんぱく質等)と栄養成分(例えば、ビタミンA、C、鉄分、ミネラル等)のデータをそれぞれ有している。
前記食品成分データ取得部233の前記「食品成分データ」は、この通信端末器200の製造時から記憶させてあるものでなくとも良い。例えば、日本では、文部科学省が一般に対し(インターネット等で)公開しているデータとして「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」がある。そこで、このデータの中から、特定の食品のデータを通信端末器200が取得し、食品毎にこの食品成分データ取得部233に記憶させる形式でも良い。
この食品成分データ取得部233は、前記クラウドサーバー300から調理メニュー(例えば、ハンバーグ)のレシピデータCDを取得した際に、当該食品についての栄養成分等のデータが、当該クラウドサーバー300から得られない場合、この通信端末器200において栄養成分等のデータを補充して、加熱調理器1に提供することができる。これについては、後で詳しく説明する。
次に、図69について説明する。図69は、連携調理モードの調理を行う場合の操作説明図(一覧表)である。
図69の表では、縦に3列に分けて、操作手順と、関係する入力キー、表示画面、及び操作に関する特徴的な事項を記載している。
最初に、主電源スイッチ20の操作ボタン(キー)20Aを押すと、制御装置40に主電源が供給され、制御装置40が自己診断の結果、異常が検知されなければ、中央表示部16Mと入力操作部15が起動される。火力表示部17(左火力表示部17L、中央加熱状況表示部17M、右火力表示部17R)も起動される。
前記中央表示部16Mには、待機時初期画面16MHが表示される。
待機時初期画面16MHには、二次元コード60Bが表示される。通信端末器200によって、前記二次元コード60Bを光学的に読み込ませると、各種調理レシピの情報、すなわち、各種のレシピデータCDを保有したレシピ情報提供サーバ-301に接続することができる。従って、通信端末器200は、希望する調理のレシピデータCDを取得することができる。
この実施の形態2では、加熱調理器1に対して通信端末器20は、直接無線通信できる。また、加熱調理器1と通信端末器200は、互いが通信可能な範囲にある場合に自動的に接続できるように構成している。
通信端末器200と加熱調理器1との間の通信方式は、近距離の無線通信規格の1つになっているBluetooth(ブルートゥース)(登録商標)を使用している。なお、通信端末器200とクラウドサーバー300の間には、無線ルーター340が設置してある。前記無線ルーター340と通信端末器200との間は、WiFi(登録商標)等の無線LANによる通信方式を使用している。
最初に、通信端末器200と加熱調理器1との間では、相互認証を行ってあるから、加熱調理器1の起動時に、加熱調理器1から、自動接続のための信号(「スキャン信号」ともいう)を送信すると、加熱調理器1と通信端末器200との間で、自動接続のための相互通信が行われる。なお、通信端末器200側からスキャン信号を送信しても良い。
加熱調理器1と通信端末器200との間の接続が確立すると、加熱調理器1と通信端末器200の間で、相互に直接無線通信できる状態が継続する。通信端末器200がユーザーUSの移動に伴って移動して加熱調理器1との距離が離れると、一時的に通信できない状態になる場合があるが、通信可能な範囲(距離)に戻れば、自動的に接続状態は回復する。
前記待機時初期画面16MHが表示された時点から(連携調理モードKM3を選択する)入力キー153Mが押されるまでの期間中は、前記通信端末器200からのレシピデータCDの取得は、基本的に禁止されている。
また、主電源スイッチ20をONにしてから、前記待機時初期画面16MHが表示されるまでの期間には、前記通信端末器200からのレシピデータCDの取得は一切できない。
なお、後述する図70では、入力キー180Mが押された時点からレシピデータCDの受信制限を解除するのではなく、入力キー180Mに続いて、入力キー153M(又は154M又は155M)が押された時点から受信制限を解除する例を図示している。
次に図70ついて説明する。
図70は、図69の表示画面の構成を少し変更した例である。
レシピデータCDを外部から受信している場合、待機時初期画面16MHの中に文字等で「外部からレシピ受信中」等のように表示する例が図69であった。
これに対し、図70は、レシピデータCDを外部から受信している受信中に、専用の受信動作表示画面16MMに切り替わる事例である。受信動作表示画面16MMについては、この後で図74を参照しながら説明する。
次に図71について説明する。図71は、加熱調理器1における制御装置40、中央操作部15M及び中央表示部16Mの、主要な動作を時系列で示した説明図である。
次に、図71について説明する。この図71の例は、連携調理モードKM3を選択した場合を示している。SG1~SG8は、表示や制御のタイミングを示している。
主電源スイッチ20をONにすると、最初に待機時初期画面16MH(図72で説明する)が表示される(ステップSG1)。
その後、入力キー153Mを押すと(ステップSG2)、連携調理モードのレシピデータ取得可能期間TB1(図59参照)が始まる。
スマートフォン等の通信端末器200と通信状態が確立していれば、前記レシピデータ取得可能期間TB1において、通信端末器200を操作すれば、レシピデータCDの取得を開始する(ステップSG3)。
実施の形態1で説明したように、許可条件判定部54によって、「許可条件」を満たすかどうかの判定が行われる(ステップSG4)。
一方、ステップSG2の段階で入力キー153Mを押した際、そのタッチ操作が「長押し」であった場合には、ステップSG2の直後から「音声入力モード1」が開始される。そして、この音声入力モードは、前記スタートキー151Mがタッチ操作されて、加熱動作の開始指令を制御装置40が受けるまでの期間、継続する。
次のステップSG5は、この実施の形態2の特徴の1つである。前記待機時初期画面16MHは、前記ステップSG4の後に、受信動作表示画面16MMに変更される(ステップSG5)。この受信動作表示画面16MMについては、図74で説明する。
許可条件を満たしているとの判定を終えると、正式にレシピデータCDが制御装置40の中の、レシピデータ記憶部42に格納され、加熱調理の開始に備える(ステップSG6)。また、前記受信動作表示画面16MMは、受信したレシピデータCDが属する連携調理モードKM3用の第1特定画面16M1に変わる(ステップSG7)。第1特定画面16M1には、取得したレシピデータCDの識別情報167を表示する(図73と図75参照)。
つまり、制御装置40は、レシピデータCDの取得に成功すると、レシピデータCDから特定される1つの調理メニューを表示するため、第1特定画面16M1を表示する(ステップSG7)。これの直前に、表示されていた受信動作表示画面16MMは消える。
一方、前記ステップSG3のタッチ操作(長押し操作)の直後から、音声入力モードに切り替わっているので、音声で入力を受け付けることをユーザーUSに報知するために、音声入力モード表示情報179Dを表示する(ステップSG8)(図75参照)。
なお、以上の説明では、前記第1特定画面16M1を表示した時点(ステップSG8)よりも少し後になって、音声入力モード表示情報179Dを表示するように説明したが、第1特定画面16M1の表示を開始した最初の時点から、音声入力モード表示情報179Dを表示しても良い。
その後、ユーザーがタッチ操作又は音声入力によって、1つの調理メニューの制御条件(例えば、火力や加熱調理時間等)を入力すれば、その入力結果が第1特定画面16M1にリアルタイムで表示される(図75参照)。あるいは、これに加えて音声報知部50によって報知する。
以上のようにして、スタートキー151Mのタッチ操作を待つ状態に移行する。
次に、図72について説明する。
図72は、待機時初期画面16MHを示した平面図であり、主電源スイッチ20をONにした直後の状態を示している。
この待機時初期画面16MHの状態で通信端末器200との通信状態が確立される。
次に、図73について説明する。
この図73は、通信端末器200から連携調理モードKM3の調理メニューとして、「ハンバーグ」の調理を開始する直前の状態を説明する模式図である。
この図73は、音声入力モードに切り替わっていない例を示しているので、音声入力モード表示情報179Dは表示されていない。
次に、図74について説明する。
通信端末器200が保有している調理メニューのデータベース(加熱調理器データベース217)に、例えば、ユーザーUSが希望する調理の「ラタトゥイユ」が無かった場合について説明する。なお、「ラタトゥイユ」とは、南フランス発祥の料理であり、ズッキーニや玉ねぎ、ピーマンなどの数種類の野菜をスライスにして、トマトや香草と一緒にオリーブオイルで炒め煮にした料理である。
通信端末器200によって、前記した「ラタトゥイユ」のレシピデータCDを取得することについて説明する。
前記音声入力部222又はタッチ式の操作部215によって、端末側レシピ選択部232で前記した「ラタトゥイユ」を指定し、クラウドサーバー300にアクセスして「ラタトゥイユ」のレシピデータCDを、レシピデータ取得部230で取得する。
取得した「ラタトゥイユ」のレシピデータCDは、記憶部220に一時的に保存される。端末側の表示部216には、「ラタトゥイユ」のレシピデータCDのダウンロード成功が表示され、送信するかどうかを決定するよう、ユーザーUSに操作を促す表示が行われる。
そこで、ユーザーUSが、表示操作部225を操作して(又は、音声入力部222によって音声を入力して)レシピデータ送信部231に送信を指示すると、中央処理装置212は、「ラタトゥイユ」のレシピデータCDを加熱調理器1に送信する。なお、このレシピデータCDの送信と一括して、加熱調理器1の「報知用データ」223と、加熱調理器1の制御装置40用の「遠隔操作用データ」224も送信する。
図69に示したように、入力キー153Mが押された後では、連携調理モードKM3の各調理メニューのレシピデータCDは、加熱調理器1で受信することを制御装置40は許可している。但し、図69に示しているように、即時に第1特定画面16M1に表示が切り替わるものではない。従って、待機時初期画面16MHの状態から受信動作表示画面16MMに変化したままで、レシピデータCDの受信動作が継続する。
図70の変形例では、前記した「ラタトゥイユ」のレシピデータCDを通信端末器200から受信していることを表示する別の例を示している。この図70のように、待機時初期画面16MHは、外部からのレシピ受信動作中であることを示す受信動作表示画面16MMに切り替わる。
受信動作表示画面16MMは、後で図74を用いて説明する。
加熱調理器1の制限部55は、入力キー153Mが押された時点から、通信部51を介してレシピデータCDの受信動作が実行できる。
そして、受信したレシピデータCDがある場合、レシピデータ記憶部42の、所定の記憶エリア(又は、専用のバッファメモリ)に一時レシピ的に保存する。なお、前記した報知用データ223と遠隔操作用データ224の受信も許可され、前記「ラタトゥイユ」のレシピデータCDと紐づけ(1対1の関係に識別できるように処理)されて記憶部42に一時的に保存される。
次に、図73に示すように、入力キー153Mが押されると、連携調理モードの各調理メニューの情報(識別情報167)が表示部16Mに表示される。図73の段階では、待機時初期画面16MHではなく、第1特定画面16M1である。
図73に示すように、入力キー154~157に対応した発光部21Mは、星形マークを付けているように発光する。つまり、これら入力キー154~157によって、調理メニューや制御条件は、ユーザーUSによって変更可能である。
図73において、CNは、加熱調理器1が加熱調理を終了した場合、その直後に、自動的にネットワークNW(205)経由でクラウドサーバー300(第1サーバー321)に送信される「調理実施データ」である。
ここで「調理実施データ」とは、クラウドサーバー300側において、加熱調理の実績や長期間に亘る履歴、変化等を分析するための利用される有用な情報である。
図73では、調理実施データCNが、クラウドサーバー300だけに送信されるように描いてあるが、通信端末器200に送信するように、加熱調理器1側で事前に設定しておいても良い。
前述したように、通信端末器200は、ネットワークNW(201)経由でクラウドサーバー300に接続される。このネットワーク201経由でレシピデータCDを取得できる。また、必要に応じて、レシピデータCDが対象とする食品(食材)の標準成分と、栄養成分の情報も、このネットワークNW経由でクラウドサーバー300から取得する。
次に、図74について説明する。
図74は、前記した「ラタトゥイユ」のレシピデータを通信端末器200から受信していることを表示する具体的な表示画面の例を示している。この図74(A)(B)のように、待機時初期画面16MHは、外部からのレシピ受信動作中であることを示す受信動作表示画面16MMに切り替わる。
図74(A)は、受信動作表示画面16MMを拡大して示した模式図である。
図74(A)(B)において、16Fは、受信動作表示画面16MMの中に、受信動作の進捗に応じて現れる、複数個の進捗マークである。
図74(B)において、174は、受信動作表示部であり、外部からレシピデータCDを受信している途中であることを文字で表示している。
進捗マーク16Fは、黒い角形印と白い角形印の2種類ある。
図74(A)に示すように、レシピデータCDの受信動作開始直後は、黒い角形印が1つであるが、受信動作が進むにつれて順次その数が増えて行き、最終的に黒い角形印が5つ並んだ状態となる。なお、黒い角形印の増加に応じて、白い角形印は同じ数だけ消えた状態になる。
進捗マーク16Fは、1つの図形の大きさや色を変化させて進捗度合いを表示しても良く、またはアニメーションで表現しても良い。
更に、受信動作表示画面16MMの代わりに、実施の形態1の左火力表示部17Lのように、複数の発光素子(LED)を設け、受信動作の進捗度合いを、その発光によって複数段階に表示するものでも良い。例えば、受信動作の初期は、LEDの点灯数を1つにし、受信動作の進行に伴って点灯数を増やすという方式である。あるいは、LEDの点滅や点灯色を切り替えることにより、進捗を表現する。これにより、ユーザーUSに直感的で分かりやすい受信動作の完了を報知するようにしても良い。
次に、制限部55の動作について説明する。
図74(B)に示したように、通信部51を介してレシピデータCDを受信している動作中、加熱調理器1側では、入力操作部15によって当該受信動作を途中では中止できない。
例えば、入力キー152Mや153Mを押しても、データ取得部53の動作を中断できない。
次に、図75について説明する。
加熱調理器1の、レシピデータ記憶部42に格納された前記レシピデータCDの内容は、図75に示すように第1特定画面16M1の中に表示される。少なくとも識別情報167が表示される。
173は、実施の形態1でも説明したように、外部レシピ識別部である。これによって、第1特定画面16M1に現在表示されている連携調理メニューは、外部から取得したものであることが容易に分かる。
第1特定画面16M1に、図75のように表示された特定の(1つの)連携調理メニュー(この場合、「ラタトゥイユ」)は、入力キー151Mをタッチ操作すれば、そのまま加熱動作を開始できる。
また、入力キー156M又は157Mを操作すれば、右加熱部(右加熱口4R)で加熱することと、左加熱部で加熱することの何れか一方を選択できる。
更に、入力キー152Mを操作すれば、このように外部から取得した特定の連携調理メニュー(この場合、「ラタトゥイユ」)による調理を、取り消すことができる。このように一旦取消し操作を行った場合、待機時初期画面16MHに戻るので、その状態で、再度入力キー153Mをタッチ操作する必要がある。
このように、先に取得した1つの調理メニューに対応したレシピデータCDは、一旦取り消されると、次に再度別の調理メニューのレシピデータCDを取得できる(なお、同じ調理のレシピデータCDを再度取得することも可能である)。
更に、外部から取得した特定の連携調理メニュー(この場合、「ラタトゥイユ」のレシピデータ)は、その連携調理メニューの調理工程が終了していない場合(途中で強制的にユーザーUSが調理の実行を解除した場合を含む)、別の連携調理メニュー(例えば「ハンバーグ」)に変更することはできない。変更するには、入力キー152Mを操作して、待機時初期画面16MHの場面まで戻す必要がある。
なお、図75では、入力キー156M、157Mの発光部21Mが点灯しているが、 左側の加熱部特定部171L又は右側の加熱部特定部171Rの何れかを、前記入力キー156M、157Mで選択した後、それら入力キー156M、157Mによって、火力等の制御条件を、ユーザーUSはマニュアル操作で設定できる。
179Dは、実施の形態1の図57で示した音声入力モード表示情報である。
この音声入力モード表示情報179Dは、図75の状態で入力キー154Mを「長押し」した場合に表示されるのではない。つまり、音声入力モードに切り替わった瞬間から表示されるのではない。この点が、実施の形態1とは異なっている。
この実施の形態2では、図71に示すように、音声入力モード表示情報179Dが第1特定画面16M1に表示されるのは、レシピデータCDの取得が成功した段階のステップSG6以降である。
また、音声入力モード1に切り替わったことを示すマーク154Vは、図73に示したように、音声入力モードに切り替わる以前だけ、発光素子27B(図16参照)によって表示される。しかし、この図75のように既に音声入力モードに切り替わった後では、発光して表示されない。
この実施の形態2では、実施の形態1と異なり、加熱調理器1自体には音声信号受信部(スピーカや音声信号受信回路等)がないため、図75の状態で音声で入力するためには、前記通信端末器200(スマートフォンや音声入出力器等)を介して行う必要がある。
次に図76について説明する。
図76(A)は、外部から取得したレシピデータに基づいて連携調理モードKM3の調理を行う場合において、調理工程2の段階に進んだ際に、マイクロ波加熱の出力レベルを調節できることを示している。
次の図76(B)で示すように、第2エリア23に、マイクロ波加熱の出力レベルが、「強め」~「弱め」まで合計5段階で表示される。このようなマイクロ波出力レベルは、入力キー156M、157Mを操作してユーザーUSが選択できる。
このため、最終工程(調理工程2)において、ユーザーUSが被調理物の仕上り状態に応じてマイクロ波による加熱強度を調整することができる。
この図76(A)では、第2エリア23において、マイクロ波出力レベルを示す火力情報170Vを表示している。この時点の火力は、レシピデータCDでデフォルト設定されている火力であり、「やや弱め」であることが示されている。更に、この火力レベルをユーザーUSが調節できることも、第2エリア23と一体になった第3エリア24において、操作支援情報170として示されている。
この図76(A)の段階では、実施の形態1の図57で示した音声入力モード表示情報179Dが第1特定画面16M1に表示されるが、この表示情報179Dは、図75の状態で入力キー154Mを「長押し」して、音声入力モードに切り替わった瞬間から表示が継続しているものではない。この点が、実施の形態1とは異なっている。
この実施の形態2では、図71に示すように、音声入力モード表示情報179Dが第1特定画面16M1に表示されるのは、レシピデータCDの取得が成功した段階のステップSG6以降である。
また、制御装置40が音声入力モードに切り替わるタイミングも、ステップSG6の段階である。
更に、音声入力モード1に切り替わった状態を示すマーク154Vが、発光素子27B(図16参照)によって表示されていた(図73参照)。しかし、実施の形態1と異なり、この実施の形態2では、音声入力モード表示情報179Dが第1特定画面16M1に表示された時点以降では、図76(A)に示しているように、当該マーク154Vは発光して表示されない。
音声入力モード表示情報179Dは、この図76に示したように、調理工程2においてマイクロ波出力レベルを示す火力情報170Vが表示されるタイミングでは必ず表示されている。そのため、この時点では、制御装置40は、前記通信端末器200を介して音声で入力できる音声入力モード1に切り替えている。更に、これと同時に入力キー156M、157Mによるタッチ入力も受け付ける併用モードになっている。つまり、音声入力モード1Bの状態がデフォルト設定になっている。これらの点が、実施の形態1とは大きく異なっている。
次に、図77について説明する。
図77は、連携調理メニューの調理工程と入力操作部の操作との関係を、時系列で示す説明図である。
この図77の例では、連携調理メニューが、調理工程1、調理工程2及び調理工程3の3つで構成されている場合である。
前記レシピデータCDは、実施の形態1の「簡易型レシピデータCD」ではないため、所定のコンピュータプログラム形式で各種制御工程が詳細に規定されており、火力等の制御条件も規定されている場合を含んでいる。この図77の連携調理モードKM3の調理は、入力キー151Mの入力を待って調理工程1が開始され、入力キー153R(153L)の入力があったら、加熱動作を停止する。
前記レシピデータCDに含まれる前記コンピュータプログラムには、後述する加熱休止期間P3と加熱休止期間P5が規定されているが、それら加熱休止期間P3、P5の時間的長さは規定されていない。但し、過剰に長い時間、加熱調理が中断することを防止するため、例えば、調理工程1、調理工程2の終了時点を基準にして、それぞれの経過時間をカウントし、例えば30分経過した場合、警報を出し、また、当該調理メニューの実行を強制的に中止するというような処理を入れても良い。
この図77のレシピデータCDの例では、調理工程1をマイクロ波加熱源(第2の加熱手段)HM2で行い、調理工程2を同じくマイクロ波加熱源、最後に被調理物をトッププレート3の上に移動させ、加熱不足を補って仕上げの誘導加熱を行うための、調理工程3を設けている。
なお、この加熱調理器1では、外部からの指令信号を受けて、調理モードの設定や制御条件等が不用意に行われないように保護する対策を追加している。
この図77の事例の「第2の連携調理メニュー」は、第2の加熱手段HM2を先に動作させ、その加熱動作終了後に、第1の加熱手段HM1を動作させるが、第2の加熱手段HM2と同時に、第3の加熱手段として輻射熱加熱手段12を動作させても良い。
図77に示すように、ここで示した「第2の連携調理メニュー」は、4つの段階から構成されている。
P1は、第1の段階(準備期間)であり、連携調理メニューを実行しようと、入力キー153Mを操作してから、入力キー151Mによって加熱調理動作が開始されるまでの期間である。
前記入力キー153Mを操作した際に、上述したような「許可条件」を満たしていた場合には、制御装置40は、第1特定画面16M1を表示する。なお、この図77では、第1特定画面16M1を図示していない。
前記第1特定画面16M1が表示された段階で、入力キー154M、155Mを操作すれば、連携調理メニューの1つを選択できる。その後、入力キー151Mを操作すれば、連携調理モードに移行し、P2の加熱調理工程に進む。
第1特定画面16M1が表示された段階で、ユーザーUSの希望する連携調理メニューの識別情報167が、第1特定画面16M1の所定の位置に表示された場合(デフォルト表示)、前記入力キー154M、155Mの操作は不要である。
P2は、第2の加熱手段HM2(マイクロ波加熱源)による加熱調理期間(調理工程1)である。
この調理工程1は、ドア7が前記準備期間P1に1回開放され、その後閉じられていることを制御装置40が確認して開始される。実施の形態1で説明した開閉検知部10からのドア開閉信号が利用される。
前記調理工程1は、基本的には連携調理メニューの動作プログラムによって事前に決まっている加熱時間が経過し、又は被調理物の温度が設定値(例えば、90℃)まで上昇すると自動的に終わる。例えば、ある連携調理メニューでは、マイクロ波出力500Wで加熱開始される。なお、また、ドア7をユーザーUSが任意のタイミングで開ければ、瞬時にマイクロ波の照射が停止され、加熱動作が停止される。
前記調理工程1を開始した段階では、既に制御装置40は、許可条件の判定を終えているので、使用中である第1の加熱手段HM1(誘導加熱手段)の加熱部が分かっている。つまり、右加熱口4R、左加熱口4Lの両方の使用状態を把握している。
そのため、デフォルト設定として、制御装置40は、連携調理モードの調理工程3で「右加熱部」4Rを使用すると決定し、この右加熱口4Rを占用状態にする。
P3は、第2の加熱手段HM2(マイクロ波加熱手段)による調理工程1を一旦停止し、再度その第2の加熱手段HM2の調理工程2が開始されるまでの加熱休止期間である。
この休止期間P3は、調理工程1における被調理物の加熱度合いを確認することや、調味料を加えること、あるいは別の被調理物を加えて調理工程2を行うために必要な期間である。例えば、調理工程1では、被調理物として冷凍食品だけを加熱し、調理工程2では、調味料を加えたり、冷凍食品よりも早く温度上昇する別の被加熱物(非冷凍食品等)を加えたりすることができる。このため、調理の幅が広がる。
加熱休止工程P3は、入力キー152Mを押すと終わり、P4の調理工程2に進む。
P4は、第2の加熱手段HM2(マイクロ波加熱手段)による加熱調理期間(調理工程2)である。この調理工程では、4つの入力キー156M~159Mの、少なくとも何れか1つを操作すれば、制御条件(例えば、加熱調理時間や目標温度)をユーザーUSが個別に設定できる。
そして、入力キー151Mを押して調理の停止を指令すると調理工程2は終わり、P5の加熱休止期間に進む。
この加熱休止期間P5では、ユーザーUSは、ドア7を開けて加熱室6の内部から被調理物を取り出し、トッププレート3の上に置く。なお、被調理物は、金属製の鍋等の被加熱物Nの中に入れられてトッププレート3に載置される。
そして、右加熱口4Rの入力キー153Rを押して調理の開始を指令すると、加熱休止工程P5は終わり、P6の加熱調理期間(誘導加熱の「調理工程3」)に進む。
この加熱休止期間P5は、調理工程2における被調理物の加熱度合いを確認することや、調味料を加えること、あるいは別の被調理物を加えて調理工程3を行うために必要な期間である。例えば、調理工程2では、被調理物として冷凍食品だけを加熱し、調理工程3では、調味料や調理液の中に浸したり、あるいは別に予備加熱等で調理した被加熱物を、同じ被加熱物の中に加えたりすることができる。このため、調理の幅が広がる。
P6は、第2の加熱手段HM2(マイクロ波加熱源)による調理工程2から、第1の加熱手段HM1(この場合、誘導加熱手段。例えば、右加熱口4R)の調理工程3に切り替わる。
この調理工程3では、上記したように右加熱口4Rで加熱調理している場合には、入力キー154R、155Rを操作すれば、制御条件(例えば、加熱調理時間や目標温度)をユーザーUSが個別に設定できる。
また、この調理工程3を、仮に左加熱口4Lで加熱調理している場合には、入力キー154L、155Lを操作すれば、制御条件(例えば、加熱調理時間や目標温度)をユーザーUSが個別に設定できる。
そして、入力キー153Rを押して調理の停止を指令すると、調理工程3は終わり、連携調理モードの動作は終了する。なお、タイマー調理の場合は、時間経過すると自動的に誘導加熱調理は終了し、調理工程3が終了する。
この図77から明らかなように、連携調理メニューの選択をする段階、すなわち、連携調理メニューの調理の名称を示す識別情報167を中央表示部16Mに表示させた時点ではなく、入力キー151Mによって調理開始を決定した時点から、右加熱口4Rの右操作部15Rは、使用できないようになる。なお、デフォルト設定で左加熱口4Lを設定していれば、左加熱口4Lが占用状態になる。
以上の説明から明らかなように、制御装置40は、以下の機能制限処理を行う。
(1)右操作部15Rからの入力信号は、無効化する処理を行う。これにより、加熱調理期間(調理工程1)~加熱調理期間(調理工程3)の間は、右加熱口4Rは、連携調理モード以外では使用できなくなる。
(2)加熱調理期間(調理工程1)に入っても、左操作部15Lは使用できる(左操作部15Lからの入力信号は無効化しない)。
このように、加熱調理期間(調理工程1)に入ると、制御装置40は、調理工程1の段階から、調理工程3の右加熱口4Rだけを占用した状態になる。
従って、右加熱口4Rは、連携調理メニューの選択によって「占用」された状態となる。また第1の加熱手段HM1の全体から見れば、3つの加熱部の一部分(右側)だけ使用が「制限」されたことになる。
そして、加熱調理期間(調理工程1)が終わっても、右加熱口4Rの上記制限状態は解除されない。
なお、前記調理工程1の段階では、第1特定画面16M1が表示されており、ユーザーUSは連携調理モードに入っていることが容易に理解できるので、第1の加熱手段HM1と第2の加熱手段HM2に対して、他の調理メニューの実行を制限しない。これは、加熱休止期間P3~調理工程2においても同じである。
なお、加熱調理期間(調理工程1)を開始する前に、ドア7が開放状態から閉鎖状態に変化したことが制御装置40で検知した場合であっても、加熱室6の中の温度が基準値よりも高い場合には、制御装置40や非接触(赤外線)センサー13、サーミスタセンサー14が、加熱室6で調理を開始する前から異常な高温度を誤って調理完了と認識してしまう懸念がある。
そのため、加熱調理期間(調理工程1)の開始前と、調理工程2の開始前には、前記加熱室6の温度が高すぎた場合には、前記第1特定画面15M1において、「高温のために直ぐには、第2の加熱手段HM2(マイクロ波加熱手段)は使用できない」旨を表示するようにしている。
この図77に太い矢印で示した期間は、1つのレシピデータCDの受信制限期間と、追加のレシピデータCDの「追加制限期間」である。これら受信制限期間と「追加制限期間」を総称して、以下、「制限期間」という。
この図77に示したように、前記「制限期間」の「始期」は、連携調理メニュー(例えば「ラタトゥイユ」)を特定入力キー154M又は155Mで選択した時点である。
前記「制限期間」の「始期」は、第1特定画面16M1の表示を開始した時期でも良い。つまり、この図77に破線の大きな矢印で示しているように、前記「始期」を、連携調理モードKM3を入力キー153Mで選択した時点に変えても良い。その場合、第1の段階(準備期間)P1の中で更に早い時点P1Aまでが、前記「制限期間」の始期になる。
前記入力キー151Mを1回タッチして第1特定画面16M1が表示された段階では、以下のように制限部55による制限動作が行われる。
すなわち、制御装置40に内蔵された制限部55は、以下のように動作する。
図77に示すように、前記「制限期間」では、外部から取得した特定の連携調理メニューAを、別の連携調理メニューB(例えば「ハンバーグ」)に変更することを、結果的に禁止している。変更するには、入力キー152Mを操作して、連携調理モードKM3を一旦解除し、最初の待機時初期画面16MHの場面まで戻す必要がある。
つまり、この図77に太い矢印で示した「制限期間」に入ると、入力キー152Mを操作すれば、一旦外部から取得した特定の連携調理メニューAによる調理を、随時取り消すことができる。このように一旦取消し操作を行った場合、待機時初期画面16MHに戻るので、その状態で、再度入力キー153Mをタッチ操作する必要がある。
また、外部から取得した特定の連携調理メニューAについて、入力キー151Mをタッチ操作した時点、つまり、加熱開始指令を与えた以降は、別の連携調理メニューCのレシピデータCDを、制御装置40が取得することはできない。
つまり、この図77に太い矢印示した「制限期間」に入ると、入力キー152Mを操作すれば、その後に別の連携調理メニューAのレシピデータCDを取得でき、当該データを使用した調理を開始できるが、この調理メニューAの全ての調理工程が終了するまでは、更に外部からレシピデータCDを取得することはできない。
以上の説明から明らかなように、この実施の形態2の加熱調理器1は、以下の構成を備えていた。すなわち、
第1加熱部(右加熱部)4Rと第2加熱部(左加熱部)4Lを備えた第1の加熱手段HM1と、
前記第1の加熱手段HM1と離れた場所にある加熱室6の中の被調理物を、マイクロ波で加熱できる第2の加熱手段HM2と、
前記第2の加熱手段HM2と前記第1の加熱手段HM1を制御する制御装置40と、
前記第2の加熱手段HM2と前記第1の加熱手段HM1の制御情報を表示する表示部16(16M)と、を有し、
前記制御装置40は、前記第2の加熱手段HM2と前記第1の加熱手段HM1を使用して1つの被調理物を調理する連携調理モードKM3の調理メニューを、複数種類の被調理物の数だけ(複数個)有し、
前記制御装置40は、入力キー153Mによって連携調理メニューの表示指令を受けた場合、以下の動作を行う構成であった。
(1)外部から前記連携調理モードKM3に関するレシピデータCDを受信できる待機状態に入る。
(2)外部から前記レシピデータCDの受信が開始されると、受信状態表示画面16MMを表示する。
(3)制御装置40で保有しているレシピデータCDの場合と、外部から取得するレシピデータCDの何れの場合でも「許可条件」を満たすかどうかを判定する。つまり、前記第2の加熱手段HM2と、前記第1の加熱手段HM1について、「先に使用されていないこと」等と、「加熱室6の温度が低いこと」等を満たしているかどうかを判定する。そして、連携調理モードKM3の調理メニュー(例えば、「ラタトゥイユ」)を実行できるかどうかを決定する。
(4)連携調理メニューを実行できると判定した場合、受信状態表示画面16MMの表示は止める。代わりに中央表示部16Mに第1特定画面16M1を表示する。
(5)前記第1特定画面16M1では、前記連携調理メニューの少なくとも1つを選択可能に表示させる。そのためには、対応する入力キー154M、155Mの入力機能を有効に維持する。仮に、音声入力モード1に切り替わっても、入力キー154M、155Mの入力機能は無効化しない。
(6)1つの連携調理メニューの選択が行われた場合、当該調理メニューに適用する制御条件(火力や加熱時間など)を表示する(前記第1特定画面16M1)。この状態で、音声入力モードに対応していることを表示する(又は音声報知部50で報知する)。具体的には、音声での入力を受け付けていることを示す音声入力モード表示情報179Dを表示する。そして、入力キー151Mからの連携調理モードKM3の開始用の指令を待つ。
(7)前記連携調理モードの開始用の指令を受けた場合、前記第2の加熱手段HM2からのマイクロ波は、加熱室6に供給され、調理工程1が開始される。
(8)調理工程1が自動的又はユーザーUSの指令により終えた場合、加熱休止期間P3に入る。そして、入力キー151Mからの連携調理モードの再開用(調理工程2用)の指令を待つ。
(9)入力キー151Mからの連携調理モードの開始用の指令を受けた場合、第2の加熱手段HM2からのマイクロ波は、加熱室6に供給され、調理工程2が開始される。
その後、加熱休止期間P5を経て、P6の加熱調理期間(調理工程3)に入る。この調理工程3では、入力キー154R、155Rを操作すれば、右加熱口4Rを使用した誘導加熱時の制御条件の設定ができる。
以上のように、この実施の形態2においては、事前に定めた許可条件を満たした場合に、連携調理モードのための第1特定画面16M1が表示されるので、この表示画面によって、関係する右加熱口4R又は左加熱口4L、第2の加熱手段HM2による連携調理モードKM3への移行を簡単に進めることができる。
また、許可条件を満たさない場合には、第1特定画面16M1自体が表示されないので、ユーザーUSの誤使用や誤解を招く懸念もない。つまり、ユーザーUSの操作性を損なうことがなく、利便性の高い複合型加熱調理器を実現できる。
更に、調理工程1と調理工程2との間には、加熱休止期間P3があり、この加熱休止期間P3の長さは、ユーザーUSが入力キー151Mによって調理再開を指令するタイミングによって決まる。
すなわち、この実施の形態2においては、調理工程1における被調理物の加熱度合いを確認することや、調味料を加えること、あるいは別の被調理物を加えて調理工程2を行うために必要な期間が確保できる。このため、使い勝手が良く、ユーザーUSの調理のレパートリーを拡大することができる。
更に、制限部55があるため、1つの特定の連携調理メニューAについて、入力キー151Mをタッチ操作した時点以降は、別の連携調理メニューCのレシピデータCDを、通信部51経由で外部から制御装置40が取得することはない。そのため、連携調理の途中で不用意に別の調理メニュー(複合調理モードの制御メニューや単独調理モードの制御メニューを含む)を、受信することがない。従って、受信に伴うユーザーUSの混乱や加熱調理器1側の動作干渉等の懸念がない。
更に、図75と図76に示したように、1つの連携調理メニュー(例:ラタトゥイユ)のレシピデータCDの選択が行われ、外部から当該レシピデータCDを取得した場合、当該調理メニューに適用する制御条件(火力や加熱時間など)を前記第1特定画面16M1で表示した。更に、この状態で、音声入力モードに対応していることをユーザーUSに報知するために、音声入力モード表示情報179Dを表示していた。
このため、希望する連携調理メニューであることを確認した後で、当該調理メニューに適用する制御条件を、ユーザーUSが音声によって入力することができるから、タッチ入力に比較して入力操作部15を操作する回数を減らすことも可能となる。
なお、1つの特定の連携調理メニューAについて、入力キー151Mをタッチ操作した時点以降でも、その後、連携調理メニューAの調理工程の途中で、入力キー152Mが操作されて、当該連携調理モードの調理が中止(解除)された場合には、新たな連携調理メニューCのレシピデータCDを、通信部51経由で制御装置40が取得することは可能である。
次に、図78~図89について説明する。
図78~図88は、通信端末器200の端末側表示部(入力操作画面を兼用)216の表示内容を示したものであり、以下順に説明する。なお、「端末側表示部」216は、以下、「表示部」216と呼ぶ。
図78(A)(B)は、通信端末器200の表示部216の拡大図である。
この表示部216は、液晶表示画面や有機EL表示画面の表面をガラス板で覆って形成している。
前記ガラス板の上面(表面)には、物理的な構造物としては現れないが、後述する各種アイコン(入力キー)488、489、491L、491M、491R、492~496、508等が、前記表示部216の表示によって視覚上で認識できる。そのガラス板自体の特定部分が発光したり、画像を発生させたりする訳ではないが、以下の説明では、このように文字や図形、その他の情報が表示されることを、視認するユーザーUSの立場に立って、「表示画面に表示」という表現を使う。
「アイコン」は、所望の入力を行うことができる。つまり、個々のアイコン部分には、静電容量検知型のキーが配置される。そのアイコンをタッチすることで、タッチ式操作部215(図68参照)では、中央処理装置212に対する指令信号が発生する。
アイコンの存在と機能を表示するため、特定の機能が(少なくとも入力を受け付け可能な状態では)文字や図形で表示される。例えば、図78(A)の例のように、「左IH操作部」というように、アイコン491Lの位置に文字情報で表示される。
481は、図78(A)に示した初期画面におけるメニュー表示部である。このメニュー表示部481は、図78(B)では、左加熱部のメニュー選択表示部482に変わる。また、図79(A)では「加熱源選択」という加熱源選択表示部483に変わる。
更に、メニュー表示部481は、図80(B)では「RG制御メニュー選択」というレンジグリルの制御メニュー選択表示部484に変わる。
更に、メニュー表示部481は、図85(A)では「連携調理メニュー選択」という連携調理メニュー表示部485に変わる。
メニュー表示部481は、85(B)では「次の準備ガイド」という準備情報表示部486に変わる。メニュー表示部481は、図86(A)(B)では、連携調理メニューの1つである「からあげ」を示した連携調理メニューの名称表示部487に変わる。
図78(A)に戻り、490は、待機時初期画面としての注意情報表示部である。運転開始前の時点で、前の調理時の熱で加熱室6が既に熱くなっている場合があり、図78(A)では、そのことにつき注意喚起した例である。
また、加熱調理器1と通信接続した際に取得したデータから、既に電源が入っている(主電源スイッチ20が閉じている)ことも表示している。
図78において、491Mは、中央操作部15Mの選択部(アイコン)である。中央操作部15Mを操作すれば、実施の形態1で述べたように左右の加熱口4L、4R以外の加熱部で調理ができる。
図78において、491Lは、左操作部15Lの選択部(アイコン)である。491Rは、右操作部15Rの選択部(アイコン)である。
492は、アドバイス表示選択部(アイコン)である。これにタッチすると音声報知部50は、そのタッチした場面に応じた操作の参考情報を報知する。
図78(A)(B)において、FGは、ユーザーUSの指先を示している。
図78(A)(B)とその他の図において、三角形のマーク(アイコン)501、502、503は、画面切り替えマークである。
508は、レシピデータCDを検索することを入力するための選択部(アイコン)である。この選択部508を選択した場合、図68で説明した加熱調理器データベース217の中に、レシピデータCDが格納されていれば、その情報を表示部216に表示し、ユーザーUSによって選択できる。また、選択したレシピデータCDを加熱調理器1に送信できる。
画面切り替えマーク501、502、503にタッチすると、1回タッチする毎に、表示部216を一定の順序で切り替えることができる。因みに、図78(B)で画面切り替えマーク502に触れると、表示部216は右方向に移動し、次の表示画面480が左側から出現するイメージで切り替わる。
なお、指先FGを表示部216に触れたまま移動させ、それに付随して表示画面を移動させて画面の切り替えを行うスクロール機能を保有させて、前記画面切り替えマーク501~503を省略しても良い。
図78(A)において、左操作部選択部(アイコン)491Lにタッチすると、前記画面切り替えマーク501、502にタッチしなくとも、図78(B)に示す表示部216に切り替わる。
図78(B)において、493は、IH単独調理モードの制御メニュー表示部(アイコン)である。
IH単独調理モードKM1の制御メニューは、合計7つある。その内の4つは、図78(B)の表示部216の右半分に表示されている。それら制御メニュー表示部(アイコン)493は、「湯沸し」、「茹で」、「炊飯」及び「湯沸し+保温」である。
また、表示部216の左半分には、残り3つの制御メニューが表示されている。「保温」の制御メニュー表示部(アイコン)488と、「揚げ物」の制御メニュー表示部(アイコン)494と、「予熱」の制御メニュー表示部(アイコン)489、の3つである。
図78(B)において、495は、最初のメニュー表示画面に戻ることを選択するメニュー画面表示部(アイコン)である。
496は、この図78(B)の中の1つの制御メニュー(例えば、「湯沸し」)を選択した場合に表示される確認表示部(アイコン)である。これを押すと、例えば前記「湯沸し」であれば、湯沸し用の制御条件設定画面に自動的に切り替わる。
次に、図79(A)について説明する。
497Aと497Bは、左IHコイル9Lや右IHコイル9Rを選択するための、誘導加熱源選択部(アイコン)である。497Cは、マイクロ波加熱源(第2の加熱手段HM2)を選択するための加熱源選択部(アイコン)である。
図79(A)において、498は、レンジグリル加熱源選択部(アイコン)、499は、連携調理モードの選択部(アイコン)である。
図79(A)において、レンジグリル加熱源選択部(アイコン)498にタッチすると、図79(B)の表示部216に変わる。
図79(A)において、497Aは、左IHコイル9Lを選択する誘導加熱源選択部(アイコン)である。497Bは、同じく右IHコイル9Rの選択部(アイコン)である。
497Cは、マイクロ波加熱源189を選択するための、選択部(アイコン)である。
図79(A)で、画面切り替えマーク(アイコン)503にタッチすると、表示部216は、図79(B)に変わる。
次に、図80(A)(B)について説明する。
500は、レンジグリル(RG)制御メニューを示すRG制御メニュー選択部(アイコン)である。レンジグリル(RG)制御メニューは、「あたため」や「レンジ手動、「肉解凍」など合計10個ある。
図80(A)では、5つの制御メニュー500を示し、図80(B)では、残りの5つの制御メニュー500を示している。
図80(A)(B)にそれぞれ示している大きな白抜き表示の矢印は、表示部216を水平にした状態での、後方と前方を示している。表示部216は、水平にした状態でも垂直、斜めにした状態でも操作に支障はない。
次に、図81(A)(B)について説明する。
図81(A)は、図80(A)の状態で、レンジグリル(RG)制御メニューの中で、「あたため」の制御メニュー500を選択した状態を示している。
指先FGをRG制御メニュー選択部(アイコン)500に触れると、当該選択部500は、タッチしたことを感知して表示色が変わり、例えば白抜き文字に反転する。
この図81(A)の状態で入力確定キー表示部(アイコン)496にタッチすると、図81(B)の表示部216に変わる。
図81(B)は、レンジグリル(RG)制御メニューのデフォルト画面である。
504は、RG制御メニューの名称表示部(アイコン)である。
この図81(B)の制御メニュー表示形態、デザインは、実施の形態1の図21に示したものと類似させている。このような表示にできるのは、加熱調理器データベース217と遠隔操作情報生成部219(図68参照)があるからである。
図81(B)において、505は、RG制御メニューの温度表示部(アイコン)である。この図81(B)の例では、デフォルト値が80℃であるが、選択できる次の候補として75℃と85℃があるため、それらも同時に表示している。
図81(B)に示したように、RG制御メニューの名称表示部(アイコン)504には、それに隣接して次の表示候補である「オーブン」と「葉菜下ゆで」の名称(RG制御メニューの識別情報)が、少し小さく表示される。
ユーザーUSは、図81(B)に示された状態で、レンジの設定温度を75℃に変更したい場合には、75℃の表示部分に指先FGを載せれば良い。
また、制御メニューの「あたため」を「オーブン」や「葉菜下ゆで」に変える場合も、同様にように「オーブン」や「葉菜下ゆで」の近傍にある候補切り替えマーク(アイコン)519、520にタッチすれば良い。
図68で説明したように、この通信端末器200は、音声入力部222を備えているので、この図81のような制御条件(自動調理メニューである「あたため」の加熱目標温度など)の設定は、音声で行える。この図80では「温度 85度」のように発声すれば良い。
図81(B)において、506は、参考画像表示部である。参考画像は写真以外でも良く、制御メニューの「あたため」のイメージを示すイラストでも良い。
次に、図82(A)(B)について説明する。
通信端末器200の向きを、垂直方向に変えると、図82(A)(B)のように、表示画部216は縦長に変化する。なお、表示部216を、この図82(A)(B)のように、縦長表示に固定する設定にしても良い。
図82(A)と図82(B)の切り替えは、画面切り替えマーク(アイコン)503のタッチだけで行える。
次に、図83(A)(B)について説明する。
図82(A)に示した「あたため」の制御メニュー500を選択するため、指先FGをその制御メニュー選択部500に触れると、図83(A)に示しているように、表示色が変わり、例えば白抜き文字に反転する。この図83(A)の状態で入力確定キー表示部(アイコン)496にタッチすると、図83(B)の表示部216に変わる。なお、このような画面切り替えも、音声入力部222を利用して音声で指令しても良い。
次に、図83(B)に示された状態で、「あたため」のレンジ(マイクロ波加熱)の(加熱上限)設定温度を75℃に変更したい場合には、75℃の表示部分(RG制御メニューの温度表示部505)に指先FGを載せれば良い。すると、図84(A)の状態に表示部216が変化する。
図83(B)において、507Aは、補助情報表示部であり、参考画像表示部506の近傍に表示される。この図83(B)では、設定温度を選ぶようにユーザーUSに勧めている。
次に、図84(A)について説明する。
図84(A)に示すように、設定温度は75℃に変更された表示になる。なお、まだ制御条件を確定させる前の段階であるので、別の設定温度の「85℃」も表示されたままの状態である。
図84(A)の状態において、遠隔操作信号の送信(確定)キー表示部(アイコン)521が初めて表示される。
この図84(A)では、前記送信キー表示部521を選ぶと、この図84(A)に表示された「レンジ単独調理モードKM1」の制御メニュー「あたため」の設定情報(レシピデータ)が、遠隔操作情報として加熱調理器1に一括して送信される。
図84(A)の状態は、RG制御メニューの「あたため」を実行する全ての条件の選択ができた段階であるため、温度表示部505に表示された加熱温度「75℃」の条件が加熱調理器1に送信される。
図84(A)において、507Bは、補助情報表示部であり、参考画像表示部506の近傍に表示される。この図84(A)では、前記送信キー表示部521を押せば、入力作業は完了することを示している。
遠隔操作信号(レシピデータCDを含む)の送信を終えた図84(B)の段階では、遠隔操作で加熱動作を停止させる停止キー表示部(アイコン)522が初めて表示される。これを押すと、この図84(B)の段階で加熱動作の指令を停止できる。つまり、加熱調理器1に対してデータ送信動作中であれば、その送信が途中で停止する。また、既にデータの送信が終わっている場合には、取り消し指令として加熱調理器1に到達する。なお、一旦、この停止キー表示部522を押すと、最初の段階に戻るため、改めて遠隔操作条件を全て入力する。
通信端末器200には、加熱停止を指令する指令情報を即時送信できる停止キー表示部(アイコン)522を設けている。これにより、加熱調理器1の安全性を確保するための機能を保有させている。
図78~図84(A)において、各種の入力操作を順次説明して来たが、図78の状態から図84の段階まで、通信端末器200と第1サーバー321又は加熱調理器1は、無線通信できる状態を常に継続(維持)している訳ではない。
例えば、通信端末器200は、加熱調理器1と接続していなくとも、図78~図84に示すような表示や入力を通信端末器200だけで行うことができる。そのため、図84(A)に示したように、送信キー表示部521を押して送信する直前の段階で、加熱調理器1と接続すれば良い。このため、通信端末器200によって図78~図84(A)に示すような入力作業を行っていても、加熱調理器1の通信部51経由で、外部からの情報取得や送信等を行う動作の障害となることはない。
次に、図85(A)について説明する。
図85(A)は、図79(A)に示した連携調理モードKM3の選択部499にタッチした場合に表示される表示部216である。なお、図78(A)の中央操作部選択部491Mをタッチしても良い。但し、中央操作部選択部491Mをタッチした場合は、レンジグリル調理モード(複合調理モードKM2)の選択画面と共用になるので、連携調理モードKM3を選択するまでのタッチ操作が少し増える。
図85(A)は、連携調理モードKM3の1つの調理メニューで、「からあげ」を選択する例である。
「からあげ」を調理したいため、連携調理メニュー表示部(選択部)500Cに触れると、図85(A)に示しているように、表示色が変わり、例えば白抜き文字に反転する。
この図85(A)の状態で入力キー表示部(アイコン)496にタッチすると、「からあげ」を調理するための表示部216(図示せず)に推移する。図85(A)の表示部216は、「からあげ」の選択をした段階を示す表示画面である。
なお、図85(A)では連携調理メニューを示しただけで、その後の加熱部や制御条件を選択した図を省略しているが、図85(A)の表示部216で、連携調理メニュー選択部(アイコン)500Cを選択(タッチ)すれば、選択した調理メニュー(例えば「からあげ」)の設定用の表示部216に進む。
図85と次の図86との間には、「からあげ」の設定用表示部216が実際にはある。その表示部216には、実施の形態1(図26)に示したような、左右の加熱口(IHコイル9L、9R)を選択するアイコン(図示せず)を表示させても良い。または、左右の加熱口4L、4Rを指定せず、レシピデータCDを受信する加熱調理器1側で前記加熱口4L、4Rを選択するようにしても良い。また、その設定用の表示部216には、図84に示したように、送信キー表示部(アイコン)521を表示させる。そして、「からあげ」のレシピデータCDを一括して送信できるようにする。
図85(B)は、連携調理モードKM3の調理メニューで「からあげ」を調理する場合に、調理工程1の途中で、調理工程の進捗度合いを(加熱制御部43が)検知して、加熱調理器1で自動的に報知される「参考情報1」FA1に対応した報知例である。
この実施の形態2では、加熱調理器1で報知される「参考情報1」FA1では、図85(B)に表示されるように、加熱室6のドア7を開けること、次には加熱室6から加熱された食材を取り出すこと、の2つが報知される。
通信端末器200の遠隔操作情報生成部224は、前述したように加熱調理器1から前記中央処理装置212経由で取得した信号と、前記表示操作部225からの入力信号とを、それぞれ処理し、加熱調理器1用の遠隔操作情報を生成する。その「遠隔操作情報」とは、連携調理モードや複合調理モード等における中央表示部16Mの表示情報、更には、右火力表示部16Rと左火力表示部16Lに関する表示情報を含んでいる。
このため、通信端末器200の表示部216でも、上記のような参考情報1FA1に対応した内容として、図85(B)に示したように、ドア7を開放することを示した準備作業参考画像509と、被調理物を受け皿と一緒に取り出すことを示した準備作業参考画像510が表示される。
なお、511は、注意喚起情報である。また512は、ユーザーUSの作業について説明した補助情報である。
次に、図86(A)を説明する。
図86(A)の表示部216は、「からあげ」の調理工程1の段階を表示したものである。
513は、工程情報表示部である。この図86(A)では、マイクロ波(レンジ)加熱がまだ継続していることを表示している。514は、次の調理工程情報の表示部である。この図の例では、次は左加熱口4Lにおいて誘導加熱することを、表示部514で示している。
515は、推奨メニューの表示部である。この表示部515には、冷蔵庫403(図65参照)から事前に取得しておいた在庫情報から検索された推奨の調理メニュー(別の調理)が含まれる場合がある。
図86(A)の例では、現在は「からあげ」で使用中の加熱室6が使用されなくなった後に、その加熱室で調理できる別の調理のお薦めメニューがあることを示唆している。なお、加熱調理器1は、前記冷蔵庫403との間で無線通信により、当該冷蔵庫403の在庫情報を取得できる機能を有している。
図86(A)の段階では、お薦めメニューを具体的には自動的に表示しない。ユーザーUSが、この段階で初めて表示される詳細表示指示部(アイコン)523をタッチした場合には、図86(B)のように詳細を表示する。
なお、この図86(B)のような詳細表示指示部(アイコン)523に相当する選択部は、加熱調理器1の中央表示部16Mには表示されない。そして一定時間後に、図86(B)の画面は、図86(A)の表示部216に自動的に戻る。
この図86(A)の段階でも、遠隔操作指令を任意のタイミングで停止させるための、前記停止キー表示部(アイコン)522が表示される。
図86(B)において、487は、連携調理メニューの名称表示部であり、この場合は、被調理物の名称の「からあげ」が表示される
516は、推奨メニューの表示部である。推奨メニューの具体的な内容は、推奨メニューの表示部515に表示される。被調理物を解凍して温めることを薦めている。
図86(B)において、517は、推奨メニューの補助情報であり、マイクロ波加熱を利用した「あたため」の制御メニューで調理できることが表示されている。
518は、推奨メニューの調理参考画像である。写真ではなく、イラスト(イメージ図)でも良い。
この図86(B)の段階でも、遠隔操作指令を途中で停止させるための、前記停止キー表示部(アイコン)522が表示される。
次に、図87(A)を説明する。
図87(A)の表示部216は、「からあげ」の調理工程1を終了し、調理工程2に移行するまでに加熱休止期間、つまり移行期間TRに入った状態である。
前記移行期間TRは、加熱調理器1の前で実際に調理に臨んでいるユーザーUSが、加熱調理器1の入力キー151Mを押さない限り終了しない。
つまり、移行期間TRの時間的長さは、ユーザーUSに依存している。
従って、通信端末器200では、どのような操作を行っても前記移行期間TRを、遠隔で(無線通信で)指令して、離れた場所から調理工程を再開するような機能はない。これは、加熱調理器1の安全性を向上させるためである。なお、移行期間TRを終了させて、次の調理工程2を開始させることを選択する入力キー(アイコン)は、この図87(A)(B)に示す通り、全く表示されない。
513は、工程情報表示部である。この図87(A)では、レンジ加熱が終了したことを表示している。514は、次の調理工程情報の表示部である。この図87(A)の例では、次は左加熱口4Lにおいて誘導加熱することを示している。
515は、推奨メニューの表示部である。この表示部515では、冷蔵庫403から事前に取得しておいた在庫情報から検索された推奨の調理メニュー(別の調理)がある場合、この図87(B)に示したように、お薦めの調理メニューがあることを示している。
図87(A)の表示部216で表示される詳細表示指示部(アイコン)523をタッチした場合には、図87(B)のように、加熱室6で、調理工程2と並行して実行できる調理メニューの候補の詳細を表示する。
この図87(A)のような詳細表示指示部(アイコン)523に相当する選択部は、加熱調理器1の中央表示部16Mにも、表示しても良い。但し、中央表示部16Mの表示画面がタッチ式入力方式でない場合には、適当な入力キーを押すことを表示する必要がある。
図87(B)の入力確定キー表示部(アイコン)496を押した場合には、加熱室6を使用する推奨調理メニュー(別の調理)の情報が、加熱調理器1に向けて送信される。つまり、加熱調理器1の前で調理に臨んでいるユーザーUSに、「推奨メニューに賛成」の意思が伝達されることになる。
推奨調理メニュー(別の調理)の情報が、加熱調理器1に向けて送信された際に、通信端末器200の所有者は、キッチン601(図65参照)に居ないで、上記推奨調理メニュー(別の調理)の通知を受ける場合もあり得る。つまり、その瞬間には、加熱調理器1の前には別のユーザーUSが居る場合も考えられる。何れにしても、ユーザーUSは加熱室6を有効に利用して調理が同時並行的に行えることを知ることができる。
次に、図88(A)(B)を説明する。
図88(A)の表示部216は、図87(B)の変形例を示したものである。
この図88(A)に示すように、推奨メニューの表示部515には、推奨された冷凍食品(食材)の情報と、その食品成分の情報が表示される。この場合の食品成分のデータは、図68で説明したように前記食品成分データ取得部233のデータが使用される。
つまり、図88(A)の段階では、加熱調理器データベース217で保有している、食品成分と食品栄養成分のデータを表示することができる。
なお、加熱調理器データベース217に食品成分等のデータが無かった場合でも、任意の時点でクラウドサーバー300(図65に示した、食品成分情報サーバー326)から食品成分と食品栄養成分のデータ(成分データDD)を取得することができる。また、図87(A)で説明したように、加熱調理動作が一旦休止している移行期間TRがあるので、この期間を利用してデータを取得しても良い。
図88(B)は、図88(A)の状態で、詳細表示指示部(アイコン)523を操作した場合、表示内容が切り替わった状態を示している。この図88(B)に示したように、推奨メニューの表示部515には、推奨された冷凍食品(食材)の情報と、その食品の標準成分、栄養成分の情報が表示される。
次に図89について説明する。
図89は、通信端末器200において、クラウドサーバー300(レシピ情報提供サーバー301)からレシピデータCDを取得した場合の動作例を示すフローチャートである。
通信端末器200でレシピデータCDを受信処理すると(ステップSL1)、次のステップSL2において、レシピデータCDの食品識別情報と、加熱調理器データベース217に記憶させてある食品成分データ及び栄養成分データとの照合を行う。
例えば、前述した調理メニューの「ラタトゥイユ」について、加熱調理器データベース217に食品成分データと栄養成分データがあるかどうかを判定する。
該当するデータが無かった場合、ステップSL3の判定結果は「No」となるため、次のステップSL4に進む。
ステップSL4では、ネットワークNW経由でクラウドサーバー300(第2サーバー322)に対し、特定の調理メニューの「ラタトゥイユ」について、食品成分データ及び栄養成分データを送信するように要求する。
例えば、クラウドサーバー300の内部が、図65で説明したように、第1のサーバー321と、通信端末器200に直接ネットワークNW経由で接続された第2サーバー322を含む形態で構成されていた場合、この成分データ提供要求Xは、第2サーバー322に送信され、第2サーバー322から第1サーバー321には、成分データ提供要求X(図65に示した照会信号SN)として送信される。
このようにして、第1サーバー321が成分データ提供要求Xを受信すると、前述したように文部科学省が一般に対し(インターネット等で)公開している「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」等のデータベース(又は、食品成分情報サーバー326)から、食品成分データ及び栄養成分データを取得する。そして、第2サーバー322経由で通信端末器200に当該取得データ(成分データDD)を送信する。このようにしてステップSL4では、外部から食品成分データ及び栄養成分データ(成分データDD)を取得する。
食品データ取得部233は、受信した食品成分データ及び栄養成分データの内容を確認し(ステップSL5)、問題がなければ、前記加熱調理器データベース217に記憶させる(ステップSL6)。もし、食品成分データ及び栄養成分データが取得できなかった場合には、ステップSL8に進み、所定のエラー処理を行う。このエラーの内容は、表示部216で表示する。
食品成分データと栄養成分データ(成分データDD)が加熱調理器データベース217に記憶させてある場合、ステップSL3の判定結果は「Yes」となるため、ステップSL7に進む。また、外部から食品成分データと栄養成分データ(成分データDD)の取得に成功した場合も、ステップSL7に進む。
ステップSL7では、表示部216に、食品成分データ及び栄養成分データの送信をするかどうか、ユーザーUSの決定を待つ表示を行い、加熱調理器1に対する送信待機状態に入る。ユーザーUSが所定の送信操作を行うと、加熱調理器1に対して、既に取得しているレシピデータCD2(例えば、「ラタトゥイユ」の調理をするためのもの)と同時に、食品成分データ及び栄養成分データ(成分データDD)を、送信する。
以上の説明では、ユーザーUSが主にタッチ操作部215をタッチ操作して、食品成分データ及び栄養成分データ(成分データDD)を取得したり、送信したりする処理を行っていたが、これを音声入力で行うこともできる。
図68で説明したように、表示操作部225には、音声入力部222があるので、ユーザーUSは、例えば音声入力部222に対して、「データ要求 ラタトゥイユ」等の発声を行って、外部から該当するデータの取得をすることができる。
一方、この通信端末器200では、特定のレシピデータCD(例えば、「ラタトゥイユ」)をクラウドサーバー300から取得する動作とは別に、前記加熱調理器データベース217に記憶させてある各種のレシピデータCDを対象に、例えば、ユーザーUSが食品成分や食品栄養素をキーワードにして検索する機能を備えている。
そのため、例えば音声入力部222に対して、「調理メニュー検索・カロリー・少ない」等の発声を1回又は数回に分けて行って、加熱調理器データベース217に記憶させてある各種のレシピデータCDの範囲で、エネルギー量(カロリー換算値)の少ないものを優先的に選択することができる。例えば、表示部216に、カロリー値の少ないものから順番に、調理メニューを並べて表示することができる。また、前記選択部508(図78参照)を操作して、検索用画面に切り替えても良い。
以上の説明では、スマートフォン等の通信端末器200は、加熱調理器1との間で、Bluetooth(登録商標)による無線通信400を行う方式であった。他の方法としては、近距離無線通信用のNFC入出力部221(図68参照)を有しているため、加熱調理器1側のNFC入出力部(図示せず)に、通信端末器200を直接近接又は接触させて入力しても良い。
実施の形態2の総括.
以上の説明から明らかなように、この実施の形態2では、以下の通り第1の開示に関する加熱調理器1を開示していた。
すなわち、第1の開示に関する加熱調理器1の1つの形態は、
トッププレート3の上に置かれた被加熱物Nを加熱する第1の加熱手段HM1と、
ユーザーUSの指令を受ける入力操作部15と、
外部からレシピデータCDを受信する通信部51と、
調理の情報を表示する表示部16と音声報知部50とを有した報知部90と、
制御装置40と、を備え、
前記入力操作部15には、3種類(連携、複合、単独)の調理モード又は調理メニューを選択するタッチ式の特定入力キー153M、154M、153L、153Rを有し、 前記入力操作部15は、前記特定入力キーのタッチ操作時に取得した計測時間データMJを前記制御装置40に送信し、
前記制御装置40は、前記待機時初期画面16MHの表示期間中に、前記計測時間データMJを受けた場合、音声入力モード(音声入力モード1)の切り替え要否を(入力モード判定部52Cで)判定して、音声入力モードへの切り替えを行い、
更に、前記制御装置40は、主電源スイッチ20がONにされた後に、前記特定入力キーによってレシピデータCDの取得指令を受けた場合、前記音声入力モードの状態で外部からの入力を受け付ける待機状態となり、
前記レシピデータCDの取得ができた場合、当該レシピデータの取得を示す情報173を、前記表示部16(中央表示部16M)によって表示すること、
を特徴とする構成であった。
このような構成であるため、各種のレシピデータCDを外部から取得するタイミングを、入力操作部15によってコントロールすることができる。また、入力操作部にあるタッチ式の入力キー(特定入力キー153M、154M、153L、153R)を利用して、音声入力モードへの切り替えができるので、加熱動作開始前の入力工程の面倒な作業を音声で入力できる。これによりユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
更に、前記レシピデータCDの取得ができた場合、当該レシピデータCDの取得を示す情報173が、前記表示部16(中央表示部16M)によって表示されるので、ユーザーUSがレシピデータCDの取得を容易に認識でき、調理開始までの操作性を向上させることが期待できる。
更に、この実施の形態2の加熱調理器1においては、図75~図76で説明したように、外部から取得したレシピデータCDに関する識別情報167を表示している表示部(例えば、第1特定画面16M1)において、音声入力モード表示情報179Dを自動的に表示し、通信端末器200を利用した音声入力を、受け付ける状態にあることをユーザーUSに報知していた。
このため、レシピデータCDを確認して加熱調理を開始する前の入力工程で、ユーザーUSは音声入力を簡単に利用することができる。なお、この実施の形態2では、通信端末器200を利用して音声で入力する形態であったが、一般的に利用されているスマートスピーカ等の音声入力専門の端末機器を利用しても良い。
更に、この実施の形態2では、以下の通り第3の開示に関する加熱調理器1を開示していた。
すなわち、第3の開示に関する加熱調理器の1つの形態は、
被加熱物Nを加熱する加熱手段(第1の加熱手段HM1、第2の加熱手段HM2等)と、
ユーザーの指令を受ける入力操作部15と、
外部からレシピデータCDを受信する通信部51と、
表示部16を有した報知部90と、
制御装置40と、を備え、
前記入力操作部15には、複数のタッチ式の入力キー(151M~159M等)を有し、
前記入力操作部15は、前記特定入力キーのタッチ操作時に取得した計測時間データMJを前記制御装置40に送信し、
前記制御装置40は、前記待機時初期画面16MHの表示期間中に、前記計測時間データMJを受けた場合、音声入力モード(音声入力モード1)の切り替え要否を判定して、音声入力モードへの切り替えを行い、
前記制御装置40は、主電源スイッチ20がONにされた後に、前記特定入力キーによってレシピデータCDの取得指令を受け、当該レシピデータCDの取得ができた場合、前記レシピデータCDの識別情報160、167と、前記音声入力モードの設定状況を示す情報179Dとを、前記表示部16(中央表示部16M)によって表示すること(特に、図75、図76参照)、
を特徴とする構成であった。
このような構成であるため、各種のレシピデータCDを外部から取得するタイミングを、入力操作部15によってコントロールすることができる。また、入力操作部にあるタッチ式の入力キー(特定入力キー153M、154M、153L、153R)を利用して、音声入力モードへの切り替えができるので、加熱動作開始前の入力工程の面倒な作業を音声で入力できる。これによりユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
更に、前記レシピデータCDの取得ができた場合、当該レシピデータCDが対象とする調理メニュー(例えば、「ラタトゥイユ」)の識別情報167や、制御メニュー(例えば、「あたため」)の識別情報160と、音声入力モードの設定状況が表示されるので、ユーザーUSがレシピデータCDの取得に成功したことを、それら識別情報の表示で容易に認識でき、また、音声入力モードの設定も認識できるので、調理開始前に操作の誤解を招くことや無用な操作入力を回避し、結果的に操作性と利便性を向上させることが期待できる。
更に、この実施の形態2では、以下の通り第4の開示に関する加熱調理器1を開示していた。
すなわち、第4の開示に関する加熱調理器の1つの形態は、
第1の加熱手段HM1と、
第2の加熱手段HM2と、
前記第1の加熱手段HM1に関してユーザーの指令を受ける第1入力操作部15L、15Rと、
前記第2の加熱手段HM2に関してユーザーの指令を受ける第2入力操作部15Mと、
外部からレシピデータCDを受信する通信部51と、
表示部16を有した報知部90と、
制御装置40と、を備え、
前記第1入力操作部15L、15Rには、調理内容を選択するタッチ式の入力キーA(153L、153R)を有し、
前記第2入力操作部15Mには、調理内容を選択するタッチ式の入力キーB(153M、154M)を有し、
前記第1入力操作部15L、15Rは、前記入力キーA(153L、153R)のタッチ操作時に取得した第1の計測時間データMJ1を前記制御装置40に送信し、
前記第2入力操作部15Mは、前記入力キーB(153M、154M)のタッチ操作時に取得した第2の計測時間データMJ2を前記制御装置40に送信し、
前記制御装置40は、前記第1計測時間データMJ1又は前記第2の計測時間データMJ2を受けて、音声入力モードへの切り替えを決定し、
前記制御装置40は、前記入力キーBによる指令を受けた場合、前記通信部51を介して前記第2の加熱手段HM2に関するレシピデータCDの取得を可能にし、
前記制御装置40は、前記レシピデータCDの取得ができた場合、当該レシピデータCDの取得を示す情報173を、前記表示部16によって表示し、前記音声入力モードによって外部からの入力を受け付ける待機状態となること、
を特徴とする構成である。
すなわち、第4の開示に係る加熱調理器1は、特に図75で説明したように、例えば、連携調理モードKM3の場合には、第1特定画面16M1において外部レシピ識別部173を表示する。
更に、当該第1特定画面16M1には、調理メニューの識別情報167と、音声入力モードの設定状況を示す情報179Dとを、一覧状態で表示する構成であった。
この構成であるため、ユーザーは、表示部16M(第1特定画面16M1や第2特定画面16M2)において、レシピデータCDを取得していることを認識できる。
しかも、識別情報167、160等と、音声入力モードの設定状況を示す情報179Dも、一覧状態で表示されるので、ユーザーの素早い理解を助けることができる。
このため、入力操作部と入力キーの数が多くても、ユーザーにとっては混乱を招く懸念はなく、操作性が良いものとなり得る。
更に、この実施の形態2では、第1、第3及び第4の開示に関する加熱調理器1において、
前記制御装置40は、前記主電源スイッチ20がONされた後に、前記表示部16(中央表示部16M)に待機時初期画面16MHを表示し、
前記待機時初期画面16MHには、待機時共通情報60Nを表示することを特徴とする構成であった(特に、図72参照)。
この構成であるため、加熱調理を開始する前の段階で、ユーザーに対して適切な入力や安全性に関する注意事項等を知らせることができ、利便性と安全性を向上させることができる。
更に、この実施の形態2では、第1、第3及び第4の開示に関する加熱調理器1の、1つの形態として、前記制御装置40は、前記レシピデータCDの取得動作を実行中は、受信動作表示画面16MMを、前記表示部16(中央表示部)に表示することを特徴とする構成であった(特に、図74参照)。
つまり、受信動作表示画面16MMによって、レシピデータCDが取得されている途中段階であることが分かる。その後、許可条件を満たしているとの判定を終えると、正式にレシピデータCDが制御装置40の中の、レシピデータ記憶部42に格納され、加熱調理の開始に備える(図71のステップSG6参照)構成であった。そして、受信動作表示画面16MMは、受信したレシピデータCDが属する加熱調理モードが判明した段階で、対応する加熱連携調理モードの特定画面(例えば、第1特定画面16M1)に変化した(図71のステップSG7参照)。
この構成であるため、ユーザーはレシピデータCDの取得過程にあることが分かるので、不用意な操作や誤った入力操作を誘導することが防止される。
更に、この実施の形態2では、第1、第3及び第4の開示に関する加熱調理器1の、1つの形態として、前記入力操作部15は、前記特定入力キー(153M、154M等)のタッチ操作を検出するタッチ検出部15Bと、前記タッチ操作の連続時間を計測する時間計測部15Tと、を有し、
前記制御装置40には、前記時間計測部15Tからの前記計測時間データMJを受けて、音声入力モードに切り替え要否を判定する入力モード判定部52Cを有した構成であった。
この構成であるから、制御装置40は、入力操作部15からの前記計測時間データMJに応じて自動的に音声入力モードを設定できる。そのため、ユーザーUSが音声入力モードを設定するだけの操作を不要にでき、操作性を向上させることができる。
更に、加熱調理器データベース217に記憶させてある各種のレシピデータCDの範囲で、例えば、エネルギー量(カロリー換算値)の少ないものや特定の栄養成分(例えば、「鉄分」の多いもの)を優先的に選択することができる。
従って、ユーザーUSによる調理メニューの選択に際して提供できる有益な情報の範囲が拡大し、ユーザーUSの操作性を向上させることができる。
更に、前記音声入力モードの選択部となっている入力キー154M(153L、153R)を、前記レシピデータCDの取得に兼用しているので、入力操作部15の操作キー(操作部)の数を増やすことも回避でき、ユーザーUSによる操作性の低下を招くようなことを防止できる。
この実施の形態2においては、実施の形態1の加熱調理器1と同様に、前記制限部55は、取得した前記レシピデータCDの、調理工程が終了するまでの間、新たなレシピデータCDを取得することを制限することを特徴とする構成であった。
このため、連携調理の途中で不用意に別の調理メニュー(複合調理モードの制御メニューや単独調理モードの制御メニューを含む)を、受信することを防止し、安定して受信したレシピデータCDの調理メニューを実行することができる。
更に、調理工程の途中で不用意に別の調理メニューのレシピデータCDを受信することに起因して、制御装置40の動作に支障が起こったり、ユーザーUSに誤解や混乱を招いたりすることも防止できる。このため、ユーザーUSの使い勝手が向上する。
更に、この実施の形態2においては、前記待機時初期画面16MHの表示をしている段階で、前記レシピデータを取得する動作に移行した場合、図74で説明したように、受信動作表示画面16MMの表示に自動的に切り替わる。
しかも、その受信動作表示画面16MMの中に、受信動作の進捗に応じて複数個の進捗マーク16Fが表示されるので、ユーザーUSはレシピデータCDの取得動作をしていることが容易に理解でき、無用な誤解や誤操作等を防止できるという効果がある。
実施の形態3.
図90~図93は、実施の形態3に係る加熱調理器を示すものである。図90は、実施の形態3に係る加熱調理器1の、制御装置と、中央操作部及び中央表示部の、主要な動作を時系列で示した説明図である。図91は、図90に示した加熱調理器1の、起動以降における中央表示部の表示形態説明図である。図92は、図90に示した加熱調理器1の、起動以降における中央表示部16Mの表示動作を示す説明図1。図93は、図90に示した加熱調理器の、起動以降における中央表示部の表示動作を示す説明図2である。なお、図1~図89に説明した実施の形態1及び2の構成と同一又は相当部分は、同じ符号を付けている。
この実施の形態3では、実施の形態2で示した加熱調理器1の構成を変更し、中央表示部16Mの表示内容と、加熱調理モードの選択手順を一部変更している。
図90について説明する。
この図90の例は、連携調理モードKM3を選択した場合を示している。SG1~SG8は、表示部16の表示や制御装置40の制御のタイミングを示している。
主電源スイッチ20をONにすると、最初に待機時初期画面16MH(図91で説明する)が表示される(ステップSG1)。
その後、自動的に案内画面16MAが表示される(ステップSG1A)。
更に、その後入力キー153Mを押すと(ステップSG2)、連携調理モードのレシピデータ取得可能期間TBが始まる。
スマートフォン等の通信端末器200と通信状態が確立している状態において、前記レシピデータ取得可能期間TBで、通信端末器200から送信の指令を発すると、加熱調理器1は通信端末器200が保有しているレシピデータCDの取得を開始する(ステップSG3)。
実施の形態1(特に、図16)で説明したように、許可条件判定部54によって、前記「許可条件」を満たすかどうかの判定が行われる(ステップSG4)。
一方、ステップSG2の段階で入力キー153Mを押した際、そのタッチ操作が「長押し」であった場合には、ステップSG2の直後から「音声入力モード1」が開始される。そして、この音声入力モードは、前記スタートキー151Mがタッチ操作されて、加熱動作の開始指令を制御装置40が受けるまでの期間、継続する。
許可条件を満たしているとの判定を終えると、正式にレシピデータCDが制御装置40の中の、レシピデータ記憶部42に格納され、加熱調理の開始に備える(ステップSG5)。
また、制御装置40は、取得したレシピデータCDから特定される1つの調理メニューを表示するため、中央表示部16Mに第1特定画面16M1を表示する(ステップSG6)。これと同時に、既に表示されていた待機時初期画面16MHは消える。
第1特定画面16M1には、取得したレシピデータCDの識別情報167を表示する。また、既に音声入力モードに切り替わり、音声で入力を受け付けることをユーザーUSに報知するために、第1特定画面16M1では、音声入力モード表示情報179Dを表示する(ステップSG7)。
なお、この図90では、第1特定画面16M1を表示する時点(ステップSG6)よりも前から、音声入力モードが開始されているが、この開始のタイミングを遅らせて、第1特定画面16M1の表示のタイミングに合わせるように変更しても良い。
その後、ユーザーがタッチ操作又は音声入力によって、1つの調理メニューの制御条件(例えば、火力や加熱調理時間等)を入力すれば、その入力結果が第1特定画面16M1にリアルタイムで表示される。あるいは、これに加えて音声報知部50によって報知する。
以上のようにして、スタートキー151Mのタッチ操作を待つ状態に移行する。
次に、図91と図92について説明する。
主電源スイッチ20を「OFF」にしている状態では、中央表示部16Mは起動されていないので、情報は何も表示していない。
主電源スイッチ20を「ON」にした状態では、制御装置40は、前述したように異常有無等の自己診断を行ったあとで、図91の表示画面A(待機時初期画面16MH)を表示させる。
図91の表示画面(待機時初期画面)16MHにおいて、60Aは、電源が入っていることを報知した表示文である。60Bは、インターネット等の広域ネットワークNW経由で専用のレシピ掲載サイト(クラウドサーバー300)に誘導するための二次元情報(二次元コード)である。60Cは、その二次元コードの意味を説明した文章(二次元情報説明文)である。
前記した通信端末器200を起動させて、前記二次元コード60Bを光学的に読み込ませると、各種調理レシピの情報を保有した外部のレシピデータ提供サーバー301(図示せず)に接続することができる。なお、レシピデータ提供サーバー301には、種々の調理のレシピデータCDが保持されたレシピDB(データベース)302(図示せず)が備えられていることは、実施の形態1で説明した通りである。
表示画面1Aが表示されたあと、表示画面Bが自動的に表示される。
この表示画面Bは、以後、「案内画面」16MAと呼ぶ。この案内画面16MAは、図92に示すように、一定の時間間隔(例えば3秒間又は5秒間ずつ)で、表示画面B1~B3を一定時間(例えば、3秒間又は5秒間)ずつ表示するという形態でも良い。そして再び案内画面(表示画面B)16MAを表示するという動作を繰り返す。
一方、音声報知部50では、図91に示した案内画面16MAが表示された時点又は図92に示したように、表示画面B1~B3が表示された時点で、それらの表示画面の表示内容(表示された情報)をそれぞれ音声で報知し、ユーザーUSに操作する入力キーを案内しても良い。
例えば、図92の表示画面B1の時点では「加熱庫とIHの両方を使って連携調理するときは、番号1のキーを選択してください」というような案内をすると良い。この場合の「番号1のキー」とは、入力キー153Mである。「番号2のキー」とは、入力キー154M、155Mのことである。
中央操作部15Mの上面には、前記番号「1」を入力キー153Mの操作面等に印刷や刻印で表示しておくと良い。または、入力キー153Mの操作面自体を光らせて、上記番号がユーザーUSに用意に識別できるようにしても良い。他の番号2、3のキーについても同様な構成が採用できる。
図91~図92に示すように、中央表示部16Mにおいて、加熱調理モードの名称の表示部525、526、527を表示している。
表示部525は、連携調理モードKM3に対応した表示である。表示部526は、複合調理モードKM2に対応した表示である。表示部527は、第1の加熱手段HM1の単独調理モードKM1に対応した表示である。
図91に示すように、前記案内画面16MAには、前記表示部525~527を一覧状態で示し、それら各表示部525~527に1対1で対応するように、最初に操作すべき入力キーを特定する案内文(文字情報)530、531、532を表示している。
このため、ユーザーUSは、待機時初期画面16MH(表示画面A)によって第1の加熱手段HM1、第2の加熱手段HM2及び第3の加熱手段HM3に共通の情報、例えば注意情報等(待機時共通情報60N)を確認できる。
更に案内画面16MAによって前記案内文530、531、532を見ることができるので、加熱調理の開始前に、ユーザーUSが操作に迷うことも解消でき、操作性と利便性の高い加熱調理器1を実現できる。
以上の説明から分かるように、この実施の形態3においては、各加熱調理モードの内容を示す説明文533、534、535が、表示部525~527の表示と同時に、案内画面16MAによって表示される。
更に、前記案内画面16MAが表示されたタイミングで、前記音声報知部50によって音声でそれぞれ、操作すべき入力キーが報知される。
図91において、例えば入力キー153Mをタッチ操作した場合には、表示画面C1が表示される。この表示画面C1は、第2特定画面16M2である。
また、別の入力キー153L又は153Rをタッチ操作した場合には、表示画面C2が表示される。この表示画面C2は、第3特定画面16M3である。
この図91から明らかなように、主電源スイッチ20がONになった時点から、制御装置40は、タッチ入力モードになっている。
そして、前記音声入力切替キーの1つである入力キー153Mのタッチ操作時には、そのタッチ状態が「長押し」であるか「短押し」であるかを、中央操作部15Mで判定し、その判定結果(音声入力モード1の指令信号)が中央操作部15Mから制御装置40に対して入力される。
同様に、前記音声入力切替キーの1つである入力キー153L、153Rの、何れか1つのタッチ操作時には、そのタッチ状態が「長押し」であるか「短押し」であるかを、左操作部15L又は右操作部15Rで判定し、その判定結果(音声入力モード1の指令信号)が制御装置40に入力される。
従って、入力キー153M、153L、153Rの何れか1つのタッチ操作時が「長押し」状態であれば、図91に示すように、途中から音声入力モード1(実施の形態1参照)が加わり、音声でも入力できるようになる。
次に、図92について説明する。
表示画面Bで示しているように、待機時初期画面16MHに、具体的な入力キーとして「キー1へ」のように、入力キー153Mのことが表示された時点で、当該入力キー153Mの入力機能は有効になっている。つまり、初期待機期間TPにおいて、表示画面B1~表示画面B3に示された入力キーは、それぞれ入力機能が有効になった状態で表示されている。
そのため、表示画面B1で示しているように、待機時初期画面16MHに、具体的な入力キーとして「番号1のキー」、つまり入力キー153Mのことが表示された時点では、当該入力キー153Mの入力機能は既に有効になっている。
以上のような経緯を経て、入力キー153Mを最初に押した場合には、図92に示しているように中央表示部16Mは、案内画面16MAから第1特定画面16M1に切り替わる。但し、実施の形態1で説明したように「許可条件1」と「許可条件2」を満たさない場合には、連携調理モードKM3の選択は出来ない旨の表示又は音声報知が行われ、表示画面A(待機時初期画面16MH)に戻る。
また、待機時初期画面(図91の表示画面A)16MHが表示されている段階で、音声報知部51から、「音声入力モード2」を利用する場合には、入力キー180(図11参照)を押すように案内がされても良い。
前記制御装置40は、
(1)前記音声入力切替キーの1つである入力キー153M、153L、153Rの何れか1つがタッチ操作された時点
(2)前記待機時初期画面16MH(表示画面A)を表示した時点
(3)前記音声報知部50によって、表示画面Bの内容を音声で報知した時点
の何れか1つから、それら入力キー153M、153L、153Rの何れも操作されずに経過している時間が、一定の制限時間(第1の制限時間TX。例えば、30分間)を超過すると、自動的に前記主電源スイッチ20を開放して、主電源を強制的に切断するように構成している。
次に、図93について説明する。
起動後の初期待機期間TPにおいては、加熱調理器1は通信端末器200からは、レシピデータCDは自由に取得できない。
一方、音声入力切替キーの1つである(特定)入力キー153M、153L、153Rの、何れか1つの入力キーを押した時点からは、取得可能期間TBに入るので、加熱調理器1は通信端末器200と接続していれば、レシピデータCDを取得可能である。なお、この時に、入力キー180が先に押されている必要はない。
待機時初期画面16MHが表示されているときに、音声入力モード2の選択部(入力キー180)を押すように案内を行わず、図91に示した案内画面(表示画面B)16MAの段階で、入力キー180を押すように案内をしても良い。
以上のような構成であるため、ユーザーUSは、視覚情報だけではなく音声でも操作すべき入力キーの情報を得ることができるので、操作性を更に向上させることが期待できる。
この実施の形態3においても、前記制御装置40は、加熱制御部43と、特定の被調理物に対する前記連携調理モードの加熱調理を実行させるため、前記通信部51を介して前記レシピデータCDを取得するデータ取得部53と、前記連携調理モードKM3の調理を開始する前の「初期待機期間」TP中(「調理工程1」の前)において、前記データ取得部53が前記通信部51を介して前記レシピデータCDの取得を制限する制限部55と、を有した構成である。
つまり、図93に示した初期待機期間TPの間において、前記制限部55は、レシピデータCDを外部から取得することを制限している。
更に、前記制限部55は、前記入力キー153Mが操作された時点以降、つまり、取得可能期間TBにおいて、レシピデータCDの取得を制限しない。但し、ここでいう「制限」とは、前記した許可条件を満たすかどうかの判定を行うという意味は含まないので、実際には、「許可条件」を満たさない場合には、結果的に制限されることになる。
更に、前記制限部55は、一旦取得したレシピデータCDが適用された調理メニューの調理工程が終了するまでの間、前記通信部51から新たなレシピデータCDを取得することを「制限する機能」を有している。
このため、連携調理の途中で不用意に別の調理メニュー(複合調理モードの制御メニューや単独調理モードの制御メニューを含む)を、受信することを防止し、安定して受信したレシピデータCDの調理メニューを実行することができる。
更に、調理工程の途中で不用意に別の調理メニューのレシピデータCDを受信することに起因して、制御装置40の動作に支障が起こったり、ユーザーUSに誤解や混乱を招いたりすることも防止できる。
なお、上記「制限する機能」を少し緩和しても良い。
例えば、連携調理モードKM3においてレシピデータCDを取得した場合に、そのレシピデータCDの受信を制限するのは、同じ調理モードの連携調理モードだけに限定し、単独調理モード等の他の調理モードでは制限しないようにしても良い。
実施の形態3の総括.
以上のように、この実施の形態3では第6の開示に係る加熱調理器1を、以下の形態で開示していた。
すなわち、
加熱手段(第1の加熱手段HM1~第3の加熱手段HM3)と、
ユーザーの指令を受ける入力操作部15と、
ユーザーの発声による指令を受ける音声信号受信部56と、
外部からレシピデータCDを受信する通信部51と、
表示部16を有した報知部90と、
制御装置40と、を備え、
前記入力操作部15には、複数の加熱調理モードの中から1つを選択するタッチ式の入力キー153M、154M、153L、153Rを複数個有し、
前記入力操作部15は、前記入力キーのタッチ状態に対応した検知信号(音声入力モード対応信号MC1)を前記制御装置40に送信し、
前記制御装置40は、前記表示部16を起動した後に、当該表示部16において、前記加熱調理モードに対応した前記入力キーを個別に特定する情報を一覧状態で表示した案内画面16MAを表示し(図93参照)、
前記制御装置40は、前記入力キーによって、前記加熱調理モードの1つが選択された場合、前記検知信号(音声入力モード対応信号MC1)から、音声入力モードの切り替えを決定し、
前記制御装置40は、取得される前記レシピデータCDのために、音声による制御条件の設定指令を受け付け、
前記制御装置は、前記レシピデータの取得ができた場合、当該レシピデータの取得を示す情報173を、前記表示部16によって表示すること、
を特徴とする構成であった。
このような構成であるため、各種のレシピデータCDを外部から取得するタイミングを、入力操作部15によってコントロールすることができる。また、入力操作部にあるタッチ式の入力キー(例えば、153M、153L)を利用して、音声入力モードへの切り替えができるので、加熱動作開始前の入力工程の面倒な作業を音声で入力できる。これによりユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
更に、この実施の形態3においては、特に図92と図93で説明したように、案内画面16MAを一時的に、かつ自動的に表示させる構成であった。このため、複数の加熱調理モードKM1~KM3の選択と当該加熱調理モードを選択する前記入力操作部15の操作を、ユーザーUSが容易に行うことができる。
更に、この実施の形態3の加熱調理器1においては、
前記制御装置40は、主電源スイッチ20がONされた後に、前記表示部16に待機時初期画面16MHを表示し、
前記待機時初期画面16MHには、待機時共通情報60Nを表示することを特徴とする構成であった。
この構成であるため、加熱調理を開始する前の段階で、ユーザーに対して適切な入力や安全性に関する注意事項等を知らせることができ、利便性と安全性を向上させることができる。
更に、この実施の形態3の加熱調理器1においては、
前記案内画面16MAには、前記加熱調理モード別に、最初に操作すべき前記入力キーを特定する案内文530、531、532を表示していることを特徴とする構成であった(図91参照)。
この構成であるため、加熱調理を開始する前の段階で、ユーザーに対して適切な入力キーに誘導することができる。このため、ユーザーの誤操作や操作時の迷いを回避でき、利便性と操作性を向上させることができる。
この実施の形態3においても、第1の開示に関する加熱調理器1と同様に、加熱調理器1は、前記初期待機期間TP中に、待機時初期画面16MHにおいて特定の報知(待機時共通情報60Nを表示)する一方、前記音声入力モード1の選択部(入力キー153Mなど)が選択操作された場合、前記データ取得部53による前記レシピデータCDの取得が可能となる機能を有していた。
このため、主電源スイッチ20をONにした以降は、初期待機期間TP中において、
(1)ユーザーUSに待機時共通情報60Nを提供する。
(2)音声入力モードの選択が行われた以降に連携調理モードKM3に関するレシピデータ(複合調理モードKM2、単独調理モードKM1の制御メニューのレシピデータを含む)CDを、受信可能にする。
このような外部からのレシピデータCDの取得時期を統制することにより、調理モードの選択や制御条件の設定途中で不用意に別の調理メニューのレシピデータCDを受信することもない。
更に、前記音声入力モード1の選択部となっている入力キー(154M、153Lなど)を、前記レシピデータCDの取得に兼用しているので、入力操作部15の操作キー(操作部)の数を増やすことも回避でき、ユーザーUSによる操作性の低下を招くようなことを防止できる。
この実施の形態3においても、実施の形態1と同様な構成については、実施の形態1で説明したような各種メリットを享受することが可能である。
実施の形態4.
図94は、実施の形態4に係る加熱調理器1を示すものであり、加熱調理器1の、制御装置40、中央操作部15M及び中央表示部16Mの、主要な動作を時系列で示した説明図である。図95は、図94に示した加熱調理器1を起動してから、加熱調理を開始する直前までの制御装置40の動作ステップを示した説明図である。図96は、図94に示した加熱調理器において、レシピデータを外部から取得した以降、各調理モードへ移行するまでの動作を示すフローチャートである。図97は、図94に示した加熱調理器1の、中央操作部15Mと中央表示部16Mの動作を示す平面図である。図98は、通信端末器200において、クラウドサーバー300からレシピデータCDを取得する動作の1つの追加機能を示すフローチャートである。なお、図1~図93に説明した各実施の形態の構成と、同一又は相当部分は、同じ符号を付けている。
この実施の形態4では、実施の形態1で示した加熱調理器1の制御装置40の構成を変更している。
なお、レシピデータCDを取得する調理は、連携調理モードKM3と複合調理モードKM2の2つに制限されているという前提で、以下説明する。
図94について説明する。
この図94の例は、連携調理モードKM3を選択した場合を示している。SG1~SG8は、表示や制御のタイミングを示している。
主電源スイッチ20をONにすると、最初に待機時初期画面16MH(図97で説明する)が表示される(ステップSG1)。
その後、自動的に案内画面16MAが表示される(ステップSG1A)。
更に、その後入力キー153Mを押すと(ステップSG2)、連携調理モードのレシピデータ取得可能期間TBが始まる。
スマートフォン等の通信端末器200と通信状態が確立している状態で、前記レシピデータ取得可能期間TBにおいて、通信端末器200で送信の入力をすれば、加熱調理器1は通信端末器200が保有しているレシピデータCDの取得を開始する(ステップSG3)。
実施の形態1(特に、図16)で説明したように、許可条件判定部54によって、前記「許可条件」を満たすかどうかの判定が行われる(ステップSG4)。
一方、ステップSG2の段階で入力キー153Mを押した際、そのタッチ操作が「長押し」であった場合には、ステップSG2の直後から「音声入力モード1」が開始される。そして、この音声入力モードは、前記スタートキー151Mがタッチ操作されて、加熱動作の開始指令を制御装置40が受けるまでの期間、継続する。
一方、待機時初期画面16MH(図97で説明する)が表示されている状態で、後述するレシピ取得キー453を操作すると、この直後から「音声入力モード1」が開始される。
レシピデータCDの取得を開始したあと、待機時初期画面16MHには、受信動作表示画面16MMが表示される(ステップSG5)。この受信動作表示画面16MMは、図示していないが、実施の形態2の図74で説明したような、受信の進捗度合いを示す情報として、進捗マーク16Fを表示することが望ましい。
許可条件を満たしているとの判定を終えると、正式にレシピデータCDが制御装置40の中の、レシピデータ記憶部42に格納され、加熱調理の開始に備える(ステップSG6)。
また、制御装置40は、取得したレシピデータCDから特定される1つの調理メニューを表示するため、中央表示部16Mに第1特定画面16M1を表示する(ステップSG7)。これと同時に、既に表示されていた受信動作表示画面16MMは消える。
第1特定画面16M1には、取得したレシピデータCDの識別情報167を表示する。また、既に音声入力モードに切り替わっているので、音声で入力を受け付けることをユーザーUSに報知するために、第1特定画面16M1では、音声入力モード表示情報179Dを表示する(ステップSG8)。
なお、この図94では、第1特定画面16M1を表示する時点(ステップSG5)よりも前から、音声入力モードが開始されているが、この開始のタイミングを遅らせて、第1特定画面16M1の表示のタイミングに合わせるように変更しても良い。
その後、ユーザーがタッチ操作又は音声入力によって、1つの調理メニューの制御条件(例えば、火力や加熱調理時間等)を入力すれば、その入力結果が第1特定画面16M1にリアルタイムで表示される。あるいは、これに加えて音声報知部50によって報知する。
以上のようにして、スタートキー151Mのタッチ操作を待つ状態に移行する。
次に、図95について説明する。
図95において、ステップSU1は、図54で説明した待機時初期画面16MHの表示と同じであるため、重複した説明は省略する。待機時初期画面16MHの表示内容は、実施の形態1~3と少し異なっており、図97で説明する。
図95に示しているように、中央表示部16Mに待機時初期画面16MHが表示された段階(ステップSU1)を経て、ステップSU1Aでは、外部機器(前記通信端末器200又はクラウドサーバー300)との自動接続動作を行い、通信接続に成功すると、レシピデータCDの取得待機モードに進む(ステップSU1A)。
次のステップSU1Bは、入力キー151KPで変更できる「機能設定モード」のメニューの1つになっているステップであり、ユーザーUSの事前の設定によって、一部の機能を省略することが可能である。そのため、この図95では破線の枠で示している。
なお、このような機能設定モードを設けている理由は、操作に慣れた(習熟した)ユーザーUSが、迅速な操作入力をすることができるようにするためである。
前記入力キー151KPで機能設定を変更しないデフォルト状態では、この図に示すように、入力キー153Mと154Mの入力機能を有効にし、待機時初期画面16MHを表示して、ユーザーからの入力を促す。
一方、前記入力キー151KPを事前に押して、デフォルト設定を解除して「省略モード」に切り替えた場合には、この「機能設定モード」の設定後は、前記ステップSU1Bの一部動作は省略される。つまり、図97で説明する待機時初期画面16MHの表示情報の更新を待たずに、次のステップSU1Cに進むことができる。待機時初期画面16MHの表示自体を省略する訳ではない。
ユーザーUSは、前記ステップSU1A以降に、入力キー153Mと154Mの何れか1つをタッチ操作すると、レシピデータCDの取得工程(ステップSU1C)に進むことができる。
別の方法として、ユーザーUSは、前記ステップSU1A以降に、レシピ取得キー453を操作すると、レシピデータCDの取得工程(ステップSU1C)に進むことができる。
通信端末器200で保有しているレシピデータCDを、当該通信端末器200を操作して加熱調理器1に送信すると、レシピデータCDの送信が開始される。そして、所定の通信フォーマットであることなどのチェックが、制御装置40のデータ取得部53に行われる(ステップSU1C)。そして、受信完了状態にあることを確認する(ステップSU2)。
ステップSU2の段階で、レシピデータCDの取得が確認されると、そのステップSU2の段階から、「入力禁止期間」TCが始まる。
前記「入力禁止期間」TCが始まると、入力操作部15において、各種入力キーの入力機能は、制御装置40によって無効化される。
例えば、以下の通り、各種入力キーの入力機能は無効化される。
(1)入力キー153Mの入力機能は、制御装置40によって無効化されるので、連携調理モードKM3の選択はできなくなる。但し、例外的に、主電源スイッチ20の操作ボタン(入力キー)20Aは、有効に維持されるので、電源を遮断することは随時可能である。また、例外的に入力キー152Mは、入力機能が維持されるので、この段階でこの入力キー152Mを押すと、レシピデータCDの取得はキャンセルされたことになり、レシピデータCDは消去され、ステップSU1Aの段階まで戻る。
なお、また、レシピ取得キー453の入力機能も無効化される。対応する発光部21Mの点滅や連続発光も終了する。
これらの入力機能に無効化により、入力禁止期間TCでは、中央操作部15では、タッチ入力と音声入力の何れにおいても、制御条件についての設定入力はできない状態になる。
前記「入力禁止期間」TCにおいて、制御装置40は、加熱調理器1の各構成部分の最新状態と比較し、許可条件1と許可条件2を満たす状態であるかどうかを判定する。
許可条件1と許可条件2を同時に満たしていると判定すると(SU6)、外部機器(前記通信端末器200又はクラウドサーバー300)から取得したレシピデータCDに含まれている識別情報167を、前記中央表示部16Mに表示する。この場合は、第1特定画面16M1の中に識別情報(例えば、「名称:ハンバーグ」)が表示される(ステップSU7)。
この図95には、図31に説明したような食品成分表示画面16M1Aと、食品成分表示画面16M1Bの表示のステップ(SU7A)の記載は省略している。
第1特定画面16M1の中に識別情報(例えば、「名称:ハンバーグ」)167が表示された時点からは、「レシピデータ変更可能期間」TDが始まる。このレシピデータ変更可能期間TDは、調理開始の入力キー151Mが押されると終了する。
「レシピデータ変更可能期間」TDが始まると、前記「入力禁止期間」TCで無効化されていた各種入力キーの入力機能は、制御装置40によって解除される
そのため、「レシピデータ変更可能期間」TDでは、入力キー154M、155M等を使用して、取得したレシピデータCDが対象とする調理メニュー(例えば「ハンバーグ」についての制御条件(火力値、火力レベル、目標温度、加熱時間等の諸条件)を、ユーザーUSが、音声入力によって調整することができる。また、タッチ入力によっても制御条件の設定データを入力することができる。但し、変更できない制御条件も、調理メニューによっては存在する。そして、制御条件の入力を終えると、調理開始の準備期間(待機状態)に進む(ステップSU8)。
この実施の形態4の加熱調理器1は、実施の形態1のように、音声信号受信部56と音声信号解析部58とを、それぞれ具備しているので、通信端末器200等の外部機器に依存せずに、音声で入力ができる
一方、前記ステップSU3の段階で、制御装置40が加熱調理器1の最新状態と比較し、許可条件1と許可条件2を満たない状態であると判定した場合(ステップSU4)について説明する。
中央表示部16Mの中の待機時初期画面16HMの内容を一部変更し、外部機器から取得したレシピデータCDは、現在の加熱調理器1では実行できない旨を文字で表示する。また同じ趣旨について音声報知部50でも音声で報知する(ステップSU5A)。
このステップSU5Aの段階では、例えば、実施の形態1の図39で説明したように、レシピデータCDの取得ができなかったこと(未取得状態)を示す情報174Aと、原因又は対策を示す参考情報174Fとの、少なくとも何れか1つを、前記表示部16の中に表示する。その場合、待機時初期画面16MHに表示することになる。
更に、このステップSU5Aでは、レシピデータCDを送信してきた通信端末器200やクラウドサーバー300側に対して、「レシピデータCDは、現在は利用できない」旨の「不許可通知」を前記通信部51から送信する。そして、レシピデータCDの送信側(通信端末器200)にて、加熱調理器1の最新状況が分かるように報知する。
図95に示したステップSU1Aの時点からステップSU2の直前までは、前記制限部55は、レシピデータCDを外部から取得することを制限しない。前記制限部55は、レシピデータCDを、外部から取得することを「一定の条件」で許可している。
前記「一定の条件」とは、例えばレシピデータCDが外部から1回取得された場合、その後にレシピデータCDを(先に取得されたレシピデータCDに基づく調理工程終了までは)取得できないことである。
ステップSU2以降の入力禁止期間TCにおいては、前記制限部55は、一旦取得したレシピデータCDに関して、火力や加熱温度等の制御条件をユーザーUSが、音声入力で変更することを禁止している。
入力禁止期間TCでは、仮に通信端末器200やクラウドサーバー300から制御条件の設定データの送信が成功しても、そのデータ(以下、これを「非許可データ」という)は、既に取得しているレシピデータCDの加熱調理には反映されない。非許可データは、前記レシピデータCDの調理工程が終わり、主電源スイッチ20を切ると自動的に消去される。
なお、このように入力禁止期間TCにおいて、仮に「非許可データ」が取得されても、この非許可データは、その後に取得されるレシピデータCDによる、1つの調理メニューを実行する際には、使用することはできない。
入力禁止期間TCが終わり、次の「レシピデータ変更可能期間」TDに入ると、火力等の制御条件を、入力操作部15のタッチ操作や音声入力によって変更できる。しかし、この場合でも、この段階で調理を予定している1つの連携調理メニューの調理工程が終了するまでの間、前記通信部51から新たなレシピデータCDを取得することはできない。別のレシピデータCDを取得して別の調理メニューを実行したい場合には、入力キー152Mで連携調理モードKM3を一旦解除する必要がある。
以上の構成により、連携調理の途中で不用意に別の調理メニュー(複合調理モードの制御メニューや単独調理モードの制御メニューを含む)を、受信することを防止し、受信したレシピデータ2の調理メニューを安定的に実行することができる。
更に、調理工程の途中で不用意に別の調理メニューのレシピデータCDを受信することに起因して、制御装置40の動作に支障が起こったり、ユーザーUSに誤解や混乱を招いたりすることも防止できる。
次に図96について説明する。
主電源投入から調理準備開始までの基本動作プログラムが、制御装置40の内部にある記憶装置41に格納されている。
この図96の加熱調理器1は、ビルトイン型であるため、電源プラグ(図示せず)はキッチン家具600の設置時から常に商用(交流)電源に接続されている。
そのため、ユーザーUSは、主電源スイッチ20の操作ボタン20Aを押して電源を投入する(図96のステップSW1)。
すると、実施の形態1で説明したように、電源回路57の直流電源変換部(図示せず)を介して所定の低い電源電圧が制御装置40に供給され、制御装置40は起動される。
制御装置40自身の制御プログラムにより自己の異常有無の診断を開始する(SW2)。
第1の加熱手段HM1、第2の加熱手段HM2及び第3の加熱手段HM3の、それぞれの関係回路は、自身の異常の有無をチェックする。これらのチェック結果のデータは、前記制御装置40が集中して収集し、異常有無を判定する。
ステップSW2で「外部に起動情報送信」とあるが、これは通信部51から、キッチン601(図示せず)等の居住空間にある「統合情報管理装置」又は「統合電力制御装置」(HEMSコントローラ)等と呼ばれる「家庭内制御機器」(図示せず)に対して、加熱調理器1の運転開始の予告を行う運転状態データOSを送信することをいう。または、無線ルーター340(図示せず)等のアクセスポイントを経由してネットワークNWに接続し、クラウドサーバー300に前記運転状態データOSを送信しても良い。
また、ステップSW2で「外部から情報(消費電力規制指令など)取得」とあるが、これは通信部51を介して前記家庭内制御機器(図示せず)や通信端末器200又はクラウドサーバー300等からの、指令信号(「コマンドデータ」ともいう)や情報を取得することをいう。
ステップSW2では、通信部51は、前記家庭内制御機器にアクセスし、健康管理に有益な調理メニュー、レシピデータ等の情報を、事前にユーザーUSが設定していた範囲で取得する。例えば、事前にこの加熱調理器1のユーザーUSが、通信端末器200等を使ってインターネット回線経由でクラウドサーバー300に送信していた情報も、この制御装置40の起動直後に取得できる。なお、何らかの情報を取得した場合には、前記共通画面(待機時初期画面)16MHにおいて、情報を表示させても良い。
制御装置40は、加熱調理器1の異常が発見されない場合、表示部16を起動する。そして「異常がないので、調理を開始できること」旨を表示する(SW3)。なお、この初期時点での表示画面は、実施の形態1の図54等で説明した待機時初期画面(共通画面)16MHである。
そのため、電源が入っていることを示した情報等の、待機時共通情報60Nが表示される。なお、これら表示と同時に、音声報知部50によって、同様な内容を音声で報知する。
次に上記のように異常判定が完了したあと、制御装置40は、表示部16と音声報知部50を起動する。この時点で、初期待機期間TPが開始される。
そして表示部16と音声報知部50によって、加熱手段の選択を促すための報知と、音声ガイドを行う(SW4)。
次のステップSW4Pは、中央操作部15Mの特別な入力キー453(図97参照)が操作されたかどうかの判定が行われる。この入力キー453は、以下、「レシピ取得キー」と呼ぶ。このレシピ取得キー453がタッチ操作された場合は、ステップSW5に進む。このレシピ取得キー453は、「長押し」でも「短押し」でも、制御装置40への入力に影響はないので、どちらでも良い。
図95で説明したステップSU1Bと同様に、このステップSW4Pは、デフォルト設定で設けられているステップであり、前記入力キー151KPを事前に押して、このデフォルト設定を解除して「省略モード」に切り替えた場合には、この「機能設定モード」の設定後、前記ステップSW4Pの一部動作は省略される。つまり、図97で示している表示内容の待機時初期画面16MHの表示は省略される。そして、次のステップSW5に進むことができる。
次のステップSW5では、中央操作部15Mのレシピ取得キー453(図97参照)が操作されたかどうかの判定が行われる。このレシピ取得キー453がタッチ操作された場合は、ステップSW6に進む。
ステップSW5が「No」の判定だった場合、ステップSW11に進む。
ステップSW7では、第1の加熱手段(誘導加熱手段)HM1を使用した「単独調理モード」KM1を選択する第3の選択手段として、入力キー153L又は153Rが操作されたかどうかを判定する。
ユーザーUSが、第1の加熱手段HM1の「単独調理モード」を選択するには、前記左操作部15Lの入力キー153L、又は右操作部15Rの入力キー153Rの、何れか1つを操作する必要がある。
そこで、このステップSW11では、前記入力キー153L又は153Rの、何れか1つが操作された場合、「Yes」と判定し、次のステップSW12に進む。入力キー153L又は153Rの、何れも操作されていないときは、ステップSW5に戻る。
ステップSW5とステップSW11の間にあるステップSW14は、操作時間の上限管理を行うものである。
前記SW4の時点からの経過時間が計測されているので、その経過時間が、制限時間TX(例えば、30分間)を超えないかどうかをチェックしており、超過していた場合には、自動遮断処理1(実施の形態1の、図47のステップSM6参照)を行う。
このステップSW11では、「Yes」と判定された時点から、音声入力モードが開始される。そしてステップSW12に進む。
ステップSW12では、前記待機時初期画面16MHの表示を止め、代わりに第3特定画面16M3を表示する(ステップSW13)。なお、第3特定画面16M3は、実施の形態1の図55に示したものと同じでも、また異ならせても良い。
一方、ステップSW5において、このレシピ取得キー453が操作されていると判定した場合には、ステップSW6に進む。
ステップSW6は、連携調理モードKM3と複合調理モードKM2の受付を開始する処理である。受信しているレシピデータCDの内容(データ形式など)のチェックがここで実行される。
ステップSW7では、連携調理モードKM3の適正なレシピデータCDを取得しているかどうかを判定する。レシピデータCDが、実施の形態1で説明したように「許可条件」の判定を行って、条件を満たして取得されている場合は、ステップSW7は「Yes」となり、次のステップSW8に進む。
ステップSW8では、前記待機時初期画面16MHの表示を止め、代わりに第1特定画面16M1を表示する。
一方、前記ステップSW7が「No」であった場合は、次のステップSW9に進む。
ステップSW9では、複合調理モードKM2のレシピデータCDを取得しているかどうかを判定する。このステップSW9では、複合調理モードKM2においても、特定の「許可条件3」を満たしているかどうかの判定が行われる。例えば、直前に使用した高温加熱調理の熱が残っていて、加熱室6の温度が高い場合(例えば、90℃以上)には、マイクロ波加熱調理を温度センサーに検知温度で自動制御する制御メニュー(図13で説明した「あたため」)は、実行できないので、判定は「No」となる。
ステップSW9の判定が「Yes」の場合、ステップSW10に進む。ステップSW10では、前記待機時初期画面16MHの表示を止め、代わりに第2特定画面16M2を表示する。
ステップSW9の判定が「No」であった場合は、前のステップSW7に戻る。
なお、ステップSW8又はSW10に進んだ段階で、前記通信部51から、「家庭内制御機器」(図示せず)やクラウドサーバー300に対して、この加熱調理器1は、外部からのレシピデータCDに応答した運転を行えることを示す特定の信号を、送信する。当該特定の信号は、前記運転状態データOSの1種としてクラウドサーバー300に送信される。
なお、前記ステップSW8、SW10、SW13以降は、図示していないが、加熱調理のための制御条件の入力工程を経て、加熱動作開始の指令を受けた場合、それぞれの調理モードの調理工程に進む。
次に、図97について説明する。
この図97は、中央操作部16Mと中央表示部15Mの動作を説明する図である。
図97は、図96のステップSW5の段階を示している。中央表示部15Mには、初期待機画面16MHが表示されている。
図97において、453は、前記レシピ取得キーである。このレシピ取得キー453に対応している発光部21Mは、通信端末器200との接続が成功した時点以降に、点滅(又は連続した)発光が開始され、レシピデータCDの「取得許可」の操作をするように、ユーザーUSに促している。
一方、待機時初期画面16MHには、レシピ取得キー453の操作を促すための入手操作支援情報60Pが表示される。また、通信端末器200との自動接続が成功すると、レシピデータCDを受信して行う調理の可能性があるので、「レシピ調理モード」の表示情報60P1を表示する。なお、この時点では、まだ、レシピデータCDを取得する動作は開始されていないので、どのような種類のレシピデータCDであるかどうかは表示できない。
具体的に図示していないが、図97の待機時初期画面16MHの状態で、前記制御装置40が、前記レシピデータCDの取得に成功した場合、当該レシピデータCDの取得を示す情報173として、実施の形態1(特に、図34参照)のような第1特定画面16M1を表示する。なお、複合調理モードKM2の場合には、第2特定画面16M2において、前記レシピデータCDの取得を示す情報173を表示させれば良い。
次に、図98について説明する。
この図98は、通信端末器200において、クラウドサーバー300からレシピデータCDを取得する動作の1つの追加機能を示すフローチャートである。なお、通信端末器200の内部の基本的構成は、実施の形態2の図68で示したものと同じであるという前提で、以下説明する。
図98に示すフローチャートは、通信端末器200の中央処理装置(CPU)212の制御プログラムで実行されるステップを示している。
クラウドサーバー300からのレシピデータCDの取得が行われると(ステップSL11)、ステップSL12以降の動作が開始される。
事前にタッチ操作部215によって所定のオプション機能が設定されているかどうかの判定を行う(ステップSL12)。このオプション設定を行っていない場合は、そのまま終了する。
オプション設定を行っていた場合は、ステップSL13に進む。ステップSL13では、ユーザーUSがタッチ操作部215で事前に設定した「対象期間1」における食品成分の総量と栄養成分の総量のデータが、加熱調理器データベース217のデータから抽出される。
例えば、ユーザーUSが、過去1日間又は1週間という「対象期間1」を設定していた場合、当該対象期間中にこの通信端末器200がクラウドサーバー300から取得し、加熱調理器1に送信したレシピデータCDが検索対象になる。
通信端末器200は、クラウドサーバー300から取得し、加熱調理器1に送信したレシピデータCDは、その都度、加熱調理器データベース217に格納されている。そして、その個々のレシピデータCDの「食品成分・栄養成分データ」226も格納されている。
そのため、加熱調理器1に送信したレシピデータCDに対応した「食品成分・栄養成分データ」226を、中央処理装置212が読み出し、前記「対象期間1」中のものだけの累積値を集計処理する。
次に、データ集計の結果、ユーザーUSが事前に設定した設定値を超えるかどうかの判定が行われる(ステップSL14)。例えば、食品成分・栄養成分データ226の中で、「エネルギー(カロリー換算値)」と「脂質」の累積量が、設定値を超えていた場合には、スピーカ214によって音声で報知される。あるいは、端末側表示部(表示画面)216によって表示され、ユーザーUSに注意喚起する(ステップSL15)。
なお、この図98に示すオプション機能は、クラウドサーバー300からレシピデータCDを取得した都度実行され、加熱調理器1に当該レシピデータCDを送信される以前に、ユーザーUSに報知されることが望ましい。なお、この図98に示した動作は、その都度ユーザーUSが個々に入力操作する必要はなく、事前に設定すればレシピデータCDの取得段階で、自動的に実行されるので、ユーザーUSに面倒な操作を強いることはない。
実施の形態4の総括.
以上の説明から明らかなように、この実施の形態4では、以下の通り第7の開示に関する加熱調理器1を開示していた。
すなわち、第7の開示に関する加熱調理器の1つの形態は、
加熱手段(第1の加熱手段HM1~第3の加熱手段HM3)と、
ユーザーの指令を受ける入力操作部15と、
外部からレシピデータCDを受信する通信部51と、
表示部16を有した報知部90と、
制御装置40と、を備え、
前記入力操作部15には、調理内容を選択する入力キー(153M、154M、153L、153R、156M等)と、前記レシピデータCDの取得を許可するレシピ取得キー453と、を有し、
前記レシピ取得キー453を操作した場合、前記制御装置の音声入力モードが開始され、
前記制御装置40は、主電源スイッチがONになった後、前記レシピ取得キー453が操作された場合、前記通信部51を介して前記レシピデータCDの取得を可能にし、かつ、当該レシピデータCDのための、制御条件の設定指令を、前記音声入力モードにおいて受け付ける待機状態となり、
更に、前記制御装置40は、前記レシピデータCDの取得ができた場合、当該レシピデータの取得を示す情報173を、前記表示部16によって表示すること、
を特徴とする構成であった。
このような構成であるため、各種のレシピデータCDを外部から取得するタイミングを、前記レシピ取得キー453によってコントロールすることができる。
また、前記レシピ取得キー453を利用して、音声入力モードへの切り替えができるので、加熱動作開始前の入力工程の面倒な作業を音声で入力できる。これによりユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
更に、前記レシピデータCDの取得ができた場合、当該レシピデータCDの取得を示す情報173が、前記表示部16(中央表示部16M)によって表示されるので、ユーザーUSがレシピデータCDの取得を容易に認識でき、調理開始までの操作性を向上させることが期待できる。
更に、前記レシピ取得キー453によって、レシピデータCDの取得と、音声入力モードの設定の両方を決定できるので、レシピデータCD取得と音声入力操作がシンプルとなり、ユーザーUSの使い勝手を向上させることが期待できる。
更に、この実施の形態4の加熱調理器1においては、
レシピ取得キー453によって、レシピデータCDの取得だけでなく、音声入力モードへの切り替え指令もできるので、入力操作部15の上面における入力キーの過密状態を回避できる。
更に、この実施の形態4の加熱調理器1では、前記レシピ取得キー453の操作が必要なった時点で、待機時初期画面16MHにおいて、当該レシピ取得キー453の操作支援情報60Pを表示し、また、当該初期待機画面16MHでは、「レシピ調理モード」の表示情報60P1を表示する構成である。
このため、ユーザーUSがレシピデータCDを取得するための操作を的確に誘導できるから、ユーザー側において誤操作が回避でき、結果的に操作性の良い加熱調理器1を実現できる。
更に、この実施の形態4では、第5の開示に関する加熱調理システムを、以下の構成で実現していた。
すなわち、第5の開示に関する加熱調理システムの1つの形態は、
通信部51と加熱手段(第1の加熱手段HM1~第3の加熱手段HM3)とを有する加熱調理器1と、
前記通信部51と無線通信手段400で接続されるスマートフォン等の情報処理端末器(通信端末器)200と、を備えており、
前記情報処理端末器200は、前記加熱調理器1に対してレシピデータCDを送信する機能を有し、
前記加熱調理器1は、待機時初期画面16MHが表示された後、前記レシピデータCDを前記情報処理端末器200から取得する機能を有し、
前記加熱調理器1は、タッチ式入力キー(153M、154M等)のタッチ状態に応じて、タッチ入力モードから音声入力モードに自動的に切り替える機能を有し、
前記加熱調理器1は、前記レシピデータCDを前記情報処理端末器200から取得した場合、取得した前記レシピデータCDに関する前記情報処理端末器200からの制御条件の入力を受け付け、
前記加熱調理器1は、前記レシピデータCDを前記情報処理端末器200から取得する際に、許可条件を満たすかどうかを判定し、満たさないと判定した場合には、前記情報処理端末器200に対して前記通信部51から不許可処理通知(図95のステップSU5A参照)を発信すること、を特徴とする構成であった。
このような構成であるため、各種のレシピデータCDを外部から取得するタイミングを、入力操作部15によって待機時初期画面16MHが表示された後の期間にコントロールすることができる。
また、加熱調理器1は、入力操作部にあるタッチ式の入力キー(特定入力キー153M、154M、153L、153R)を利用して、音声入力モードへの切り替えができるので、加熱動作開始前の入力工程の面倒な作業を音声で入力できる。これによりユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
更に、加熱調理器1が前記レシピデータCDを取得する際に、許可条件を満たすかどうかを自動的に判定し、満たさないと判定した場合には、前記情報処理端末器200に対して前記通信部51から不許可処理通知を発信するシステムであるから、送信側に対して適切な情報を伝達できる。これにより、送信側に対し適切なレシピデータCDの送信を促すことができ、無用な混乱を防止できる。
更に、この第5の開示の加熱調理システムの1つの形態においては、
前記通信端末器200は、前記加熱調理器1に送信すべき前記レシピデータCDの対象となる調理メニューの、食品成分又は栄養成分を、保有するデータベース(加熱調理器データベース217)から絞り込む機能を有し、
前記通信端末器200は、前記加熱調理器1に対して、実行できる前記レシピデータCDと、当該レシピデータCDの対象となる調理の食品成分又は栄養成分を示す情報とを、送信する機能を有していることを特徴とする構成であった(特に、図98参照)。
このような構成であるため、具体的な調理メニュー(例えば「ラタトゥイユ」)を選択する場面で、当該調理メニューに係る調理物の成分や、栄養成分の情報を簡単に知得することができる。従って、ユーザーUSによる調理メニューの選択操作の利便性を向上させることができる。例えば、家族の健康管理、食事制限等の状況に応じて、ユーザーUSが食品成分や栄養成分の情報から、適切な調理メニューを選択することができ、食生活の改善に貢献することができる。
更に、加熱調理器データベース217に記憶させてある各種のレシピデータCD2の範囲で、例えば、エネルギー量(カロリー換算値)の少ないものや特定の栄養成分(例えば、「鉄分」の多いもの)を優先的に選択することができる。
従って、ユーザーUSによる調理メニューの選択に際して提供できる有益な情報の範囲が拡大し、ユーザーUSの操作性を向上させることができる。
このシステムによって、例えば、家族の健康管理、食事制限等の要求に応じて、ユーザーUSが食品成分や栄養成分の情報を容易に、かつ事前に確認でき、適切な調理メニューを選択することができるから、食生活の改善に貢献することができる。
更に、前記通信端末器200は、前記加熱調理器1に送信すべき前記レシピデータCDの対象となる調理メニューの、食品成分又は栄養成分を、保有するデータベース(加熱調理器データベース217)のデータを利用して、ユーザーUSが事前に設定した設定値を超える食品成分又は栄養成分があるかどうかの判定機能を有している(図98のステップSL14参照)。
このため、エネルギー(カロリー換算値)や脂質等の累積量が、設定値を超えていた場合には、スピーカ214によって音声で報知される。あるいは、端末側表示部(表示画面)216によって表示され、ユーザーUSに注意喚起されるので、ユーザーUSの食事制限や健康管理に貢献する。
実施の形態5.
図99は、実施の形態5に係る加熱調理システムの構成図である。図100は、図99に示した加熱調理器の機能的構成を示すブロック図である。図101は、図99に示した加熱調理システムを構成する加熱調理器の、中央表示部とその周辺部を示す操作説明図1である。図102は、図100に示した加熱調理器の、中央表示部を示す操作説明図1である。図103は、図100に示した加熱調理器の入力操作ステップと表示ステップを示す説明図である。図104は、図100に示した加熱調理器の変形例1における、中央表示部の表示動作を示す操作説明図1である。図105は、図104に示した変形例1の、中央表示部の表示動作を示す操作説明図1である。図106は、図104に示した変形例1の、中央表示部の表示動作を示す操作説明図2である。図107は、図104の変形例1における入力操作部と制御装置の一部を示すブロック図である。図108は、図100に示した加熱調理器の中央表示部の変形例2を示す動作説明図1である。図109は、図108に示した変形例2の更に別の表示状態を示す説明図1である。図110は、外部からレシピデータを受信した場合の表示例を示す、中央表示部の平面図である。なお、図1~図98に説明した各実施の形態の構成と、同一又は相当部分は、同じ符号を付けている。
図99について説明する。
この実施の形態5では、実施の形態2で示した通信端末器200に代えて、小型の可搬式音声入出力器(情報処理端末器200の1種である)1000を利用していることが特徴である。
また、第3サーバー323を備えたことも、実施の形態1~4と異なっている。
第3サーバー323は、第1サーバー321と有線又は無線で通信できるネットワークNW(205)で接続されている。第1サーバー321には、食品成分データベース321Pを有している。
第3サーバー323は、在庫情報記憶部324と食材消費判定部325とを有している。 前記在庫情報記憶部324は、冷蔵庫403から第1サーバー321とネットワークNW(205)経由で送信されてくる「在庫データ」SD1を記憶しており、第1サーバー321からの指令を受けて在庫の情報は随時更新される。なお、この第3サーバー323の入出力部324Aは図示を省略している。
実施の形態1(特に、図7)で説明したように、キッチン601(図示せず)等の居住空間にあるホーム・ゲートウエイと呼ばれる情報処理装置411からの信号を受けて、在庫状況を随時確認し、在庫データSD1を更新するものでも良い。なお、情報処理装置411に代えて統合電力制御装置(HEMSコントローラを内蔵)等を使用しても良い。
食材消費判定部325は、前記在庫情報記憶部324から食材の情報(在庫データSD1)を取得し、在庫量の変化から食材の消費された量を推定するものである。
この食材消費判定部325は、1回の調理の都度に判定が行われる。当該判定は、加熱調理器1からの調理実施データCNを入力とし、入力されたデータと、前記在庫情報記憶部324から取得した在庫データSD1の変動、つまり食材の量の変化を表す情報(変化情報)とを、比較し、機械学習の方法によって実際に消費された食材の種類や量を分析するものである。なお、機械学習の方法については特に限定されず、例えば、ニューラルネットーク等の公知の機械学習の手法が適用される。
例えば、食材消費判定部325は、加熱調理器1から連携調理モードKM3で「ハンバーグ」を調理したデータを取得した場合、加熱調理器1側の調理実施データCNと、冷蔵庫403に在庫としてあった在庫データSD1の中から、種類別の食材の量の変化とを比較する。加熱調理前に冷蔵庫403にあった食材(例えば、牛肉300グラム)が、加熱調理後に、冷蔵庫403の在庫管理システム(例えば、在庫確認のカメラ映像データ、冷蔵庫403の該当冷凍庫のセンサー等)で確認できない場合、当該牛肉が使用されたものと推定する。なお、この判定にあたり、一般的な調理メニューと、使用される食材の種類とを対比させたデータも併用する。
図100に示すように、この実施の形態5の加熱調理器1は、実施の形態1で示したような音声信号受信部56を備えている。音声信号解析部58も有しているため、加熱調理器1自体に、音声による入力を処理してレシピデータやメニューを選択する機能を備えている。音声入力モード2の選択用入力キー180も備えている。
この実施の形態5の特徴の1つである音声入出力器1000は、実施の形態2のスマートフォン(通信端末器)200とは少し異なり、ユーザーUSの指令を音声で受け、また、音声でユーザーUSに情報を報知する機器である。例えば、スマートスピーカやAIスピーカと呼ばれるような入力端末機器である。なお、レシピデータCDを取得して、それを加熱調理器1に対して、無線通信又は近接無線通信(NFC)で提供する機能も備えていない。
前記音声入出力器1000は、加熱調理器1の近くにおいて、ユーザーUSが加熱調理器1に指令を与える場合、加熱調理器1の傍でユーザーUSが発した音声(自然言語)を、音声信号として取得する。
前記音声入出力器1000は、ユーザーUSの音声を収集するマイク(図示せず)と、逆に音声を発するスピーカ1001を有している。スピーカ1001は、ユーザーに音声入力の結果や、次の入力を促す案内等を伝えるためである。
音声入出力器1000は、ユーザーUSが電源を入れると、ネットワーク(無線通信網)NWで接続された第2サーバー322に繋がる。第2サーバー322は、音声翻訳機能と検索機能を備えている。音声入出力器1000の前記電源と、加熱調理器1の電源とは、全く連動しておらず、互いに独立してON-OFFできる。
音声入出力器1000から、音声信号(音声データ)VSを送信すると、第2サーバー322は、ユーザーUSが発した音声(自然言語)を、音声信号として取得し、ユーザーUSからの指令信号(要求B)に変換して第1サーバー321に送信する。
第1サーバー321は、第2サーバー322からの前記要求Bに基づいて、最終的には加熱調理器1に対する遠隔操作信号RSを生成することができる。また、レシピデータ提供サーバー301から取得したレシピデータCDを、加熱調理器1に提供できる。
つまり、この実施の形態5では、スマートフォン等の通信端末器200(実施の形態2等参照)からレシピデータCDを加熱調理器1に提供する形態を採用していない。
第1サーバー321は、加熱調理器1に対する各種遠隔操作データを記憶部321Rに格納しているため、第2サーバー322からの前記要求Bに対して、随時必要な操作支援データGS1を当該第2サーバー322に送信する。このため、第2サーバー322は、前記操作支援データGS1に対応して、音声データに変換できるような操作支援データGS2を音声入出力器1000に送信する。音声で指令を与えるユーザーUSは、音声入出力器1000のスピーカ(図示せず)から発せられる音声で、自己の入力結果を確認できるし、次の入力についても適切な案内を受けることができる。つまり、対話形式で音声によって入力でき、制御構造において順次深い層まで詳細な条件を与えることができる。
以上の基本的構成であるから、加熱調理器1の近傍にユーザーUSが居ても、調理の準備や食材の処理等で、そのユーザーUSの両手が塞がっていて、加熱調理器1の入力操作部15に直接タッチする頻度が制限されているような場合にも、自然な発声(音声)で加熱調理器1を遠隔で操作でき、便利である。
なお、第2サーバー322の、その他の構成については、実施の形態2で説明した第2サーバー322の構成と同じであるから、重複した説明を省略する。
また、実施の形態2で説明したように、第2サーバー322は、レシピ情報提供サーバー301のデータベースの中から、目的のレシピデータCDを抽出する指令も、前記要求Bの1種として発生させる。
以上のように、この実施の形態5の特徴の1つは、音声入出力器1000が、実施の形態2の通信端末器200と異なり、目的のレシピデータCDを加熱調理器1に対して送信する機能はないことである。
更に、音声入出力器1000からは、連携調理モードKM3や複合調理モードKM2を含む全ての調理モードに対応した入力操作に関する指令を、第2サーバー322に対して発することができる。しかし、連携調理モードKM3を含む全ての調理モードにおいて、加熱動作を開始する指令となる指令は含まれない。従って、この音声入出力器1000から第1サーバー321を経由して加熱調理器1の加熱動作の開始を指令(コマンド発信)することはできないようにしてある。これは、安全上の観点からである。
また、加熱調理器1の機能設定キー151KPで設定できる各種機能の指令(コマンド)情報は、音声入出力器1000からは送信できないし、また第1サーバー321でも生成できない。機能設定モードにするには、ユーザーUSが加熱調理器1の機能設定キー151KPを操作する必要がある。
次に、図100について説明する。
加熱調理器1の制御装置40は、実施の形態1(特に、図37のレンジグリル加熱)で説明した、複合調理モードKM2の制御メニュー(「RG連続調理」)と同様の実行プログラムを有している。
前記「RG連続調理」とは、マイクロ波加熱とオーブン加熱を組み合わせて加熱調理するものである。次の2種類がある。
(1)マイクロ波加熱を先に一定時間だけ行い、その時間経過後、自動的に上側輻射熱加熱手段12a、及び下側輻射熱加熱手段12bで加熱するパターン。
(2)80℃又はユーザーが設定した温度(但し、80℃~100℃以下の中で、任意の1つの温度を設定可能)になるまでマイクロ波加熱を行い、その後、使用が予約されているオーブン加熱に自動的に切り替わり、上側輻射熱加熱手段12a、及び下側輻射熱加熱手段12bで、設定された時間又はユーザーUSが設定した温度に至るまでの期間だけ加熱するパターン。このパターンには、設定温度まで加熱したあと、希望する時間だけその設定温度に自動で維持するパターンを含む。
以上のように、「RG連続調理」はユーザーUSが途中で再度加熱調理開始の指令を与えなくとも、調理が進行するものであり、ユーザーUSが加熱調理器1の傍に常に居なくとも良いので、ユーザーUSの負担軽減になる。2つの加熱源を使用するから複合調理モードKM2の1種でもある。
RG連続調理の制御メニューでは、マイクロ波加熱時の火力値(ワット)は、ユーザーUSは選択できず、「弱め」、「強め」等の何れか1つを選択して加熱強度を選択できる。
このような「RG連続調理」は、入力操作部15の中央操作部15Mによって選択できる。
また、この「RG連続調理」において、マイクロ波加熱とオーブン加熱の何れを先に行うかどうかをユーザーUSが選択できるように、前記中央操作部15Mには順番の選択キー(図示せず)を備えている。あるいは、その順番は音声入力モードで設定できる。
実施の形態1で説明したように、この実施の形態5においても、入力操作部15には、入力キー151KPを設けてある(図104参照)。その入力キー151KPを押すと、制御装置40は「機能設定モード」に切り替わる。
次に、図101について説明する。
図101は、実施の形態5の特徴の1つである、前記中央操作部15Mの平面図である。
図101に示すように、中央表示部16Mの表示画面部は、第1エリア22~第3エリア24に加え、第4エリア(第4表示エリア)28を有している。第1エリア22、第2エリア23及び第3エリア24は、実施の形態1で説明したものと同じであり、実質的な表示面積が自動的に可変する表示エリアである。しかし、第4エリア28は、面積は固定であり、第1エリア22~第3エリア24の後方に接して横たわるように細長く形成されている。
中央表示部16Mの表面は、ガラス板で覆われており、周縁部を除く、略全域がユーザーの指の接触を感知する静電容量タッチ式パネルになっている。そこで、そのタッチ式パネル部分を、以下、「操作パネル」351と呼ぶ。なお、トッププレート3の下側に中央表示部16Mを配置した場合には、前記ガラス板(操作パネル351)は、トッププレート3で兼用できるが、別のパネルで構成しても良い。
前記タッチパネル351の全体は、前記第4エリア28に対応した「タッチ規制部分」と、第1エリア22~第4エリア24として機能する部分(タッチ推奨部分)に分かれている。
341は、前記タッチ規制部分の裏側に、蒸着や印刷等で形成されている電極である。タッチパネル351がトッププレート3の一部で構成されている場合には、そのトッププレート3の裏側に、蒸着や印刷等の手段によって、前記電極341が形成されている。なお、第1エリア22~第3エリア24にも、別のタッチ検知用電極(図示せず)が配置されている。
前記電極341は、接触検知部(図示せず)に接触検知信号を送信するものであり、入力操作部15が、制御装置40によって起動されている期間中、前記電極341の上方(トッププレート3の上面)にユーザーUSがタッチしたことを、静電容量の変化から検知する。
金属鍋等の被加熱物N(図示せず)が中央表示部16Mの位置まで突出して置かれている場合(異常な状態)も、その被加熱物Nの過剰接近を、前記電極341で検知できる。このため、被加熱物Nが中央表示部16Mに異常に接近したり、上に覆い被さったりしたような異常な載置を制御装置40で検知して警報を出すことができる。特に、天ぷら等の食用油を用いて調理をした場合、その天ぷら鍋(被加熱物)は高温になっているので、不用意に中央表示部16Mの上方を覆う形で置かれると、当該表示部16Mが過熱状態になり、故障の原因にもなり得る。しかし、この実施の形態5では、そのような事態も前記電極341で検知でき、ユーザーに警報を発することができる。
また、前記電極341と接触検知部(図示せず)は、前記「タッチ規制部分」にユーザーが触れないような安全装置として機能する。つまり、誘導加熱時に高温になるトッププレート3への、ユーザーの接触を最小限度に抑制できる。
中央加熱状況表示部17Mは、前後方向に2段に分かれており、下段(前方側)には、「レンジ」という文字表示部の後方にあるレンジ用発光素子(LED)310と、「グリル」という文字表示部の後方にあるグリル用発光素子(LED)311と、「オーブン」という文字表示部の後方にあるオーブン用発光素子(LED)312と、「IH」という文字表示部の後方にある中央IH用発光素子(LED)313と、が配置されている。
図101から明らかなように、実施の形態1の中央操作部16Mに具備していた各種入力キー154M~159Mは、この実施の形態5では不要であるため、削除している。
その代わり、図102以降にて説明するタッチパネル入力装置350と、当該タッチパネルにおける操作情報を受け取るタッチジェスチャー判定装置353とを具備している。
151Mは、調理工程の開始を指令する入力キーであり、押しボタン式の機械的スイッチ(図示せず)の押圧操作部である。同じく、152Mは、調理工程の終了を指令する入力キーであり、押しボタン式の機械的スイッチ(図示せず)の押圧操作部である。なお、これら入力キー151M、152Mを、実施の形態1のようにタッチ式入力キーで構成しても良い。
次に図102について説明する。
中央表示部16Mは、主電源スイッチ20がONとなった直後に自動的に起動される。
その中央表示部16Mの表示画面は、図102に示している表示画面1(待機時初期画面16MH)である。
表示画面1Aは、待機時初期画面16MHの表示から数秒程度で自動的に表示画面1Aに変化する。この表示画面1Aは、案内画面1(16MA1)と呼ぶ。案内画面1は、中央表示部16Mの第1エリア22~第3エリア24において、3種類の調理モードを選択するために、最初にタッチする部分を示す説明文525~527を表示する。
表示画面2と表示画面4において、179Aは、前記補助情報である。この補助情報179Aは、音声入力モードに切り替わった以後において表示される。
この補助情報179Aは、第2特定画面16M2や第3特定画面16M3に表示される、前記識別情報160、167の表示部分に隣接して表示される。
更に、前記説明文525~527と個々に対応して、タッチ操作部を示すタッチ位置情報536L、536M、536Rを、それぞれ「選択」という文字と一緒に表示する。
更に案内画面1(16MA1)の1つのタッチ位置情報536Rが表示された位置にユーザーUSがタッチすると、表示画面3に変化する。
表示画面3は、以下、「案内画面2」(16MA2)と呼ぶ。その案内画面2の1つのタッチ位置情報536Lの位置にタッチすると、表示画面4(第3特定画面16M3)が表示される。
つまり、タッチ位置情報536Rの部分には、タッチキー(感知部)が形成されている。同様に、タッチ位置情報536M、536Lの部分にも、それぞれ別のタッチキー(感知部)が形成されている。
案内画面16MA1のタッチ位置情報536Mの表示位置に、ユーザーUSがタッチすると、表示画面2に変化する。この表示画面2は、第2特定画面16M2であり、複合調理モードKM2を実行する場合の、入力操作や入力結果の確認等に使用される。
図102の表示画面2において、34Tは、「あたため」という制御メニューにおいて、被調理物を加熱する目標温度(図90では、「80℃」)を示す設定温度情報である。この設定温度になったことが検知されると、マイクロ波加熱は自動的に停止される。
この図102から明らかなように、3つのタッチ位置情報536L、536M、536Rの何れか1つの位置にタッチすると、そのタッチした位置に応じて案内画面1(16MA1)や第2特定画面16M2、第3特定画面16M3等が表示される。
従って、ユーザーUSは最初の段階で前記案内画面1(16MA)を見ることができるので、加熱調理の開始前に、入力操作に迷うことも解消でき、操作性と利便性の高い加熱調理器1を実現できる。
以上の説明から明らかなように、前記タッチキーが配置されたタッチ位置情報536L、536M、536Rの何れか1つの位置にタッチした場合は、そのタッチした位置に対応して、連携調理モードKM3や複合調理モードKM2等を選択したことが制御装置40に判別される。つまり、タッチ位置情報536L、536M、536Rの表示位置には、その表示状態で、それぞれ互いに独立したタッチ式入力キーとしての機能がある。
次に図103について説明する。
この図103に示す動作ステップMT1~MT19は、前記待機時初期画面16MH以降の、入力操作、表示動作、音声ガイド等を示したものである。これらの動作ステップは、制御装置40、右操作部15M、左操作部15L、中央操作部15Mの、それぞれの制御プログラムの中に規定されているが、制御装置40だけの制御プログラムに統合して規定していても良い。
説明の都合上、タッチ位置情報536Lと、536M、536Rの表示部にタッチ操作した場合の信号処理は、制御装置40にある入力制御部70、入力信号解析部52及び案内画面解析部140が主体になって処理するものとして、以下の通り説明する。
図103に示すように、主電源スイッチ20がONとなると、最初に待機時初期画面16MHが表示され、音声報知部50によって、待機時初期画面16MHの表示情報の骨子が音声で報知される(ステップMT1)。
前記ステップMT1の時点から数秒後に、自動的に案内画面1(16MA1)が中央表示部16Mに表示される。また、この案内画面1の表示に合わせて、音声報知部50によって、3つのタッチ位置情報536L、536M、536Rの中から、ユーザーUSが希望する調理モードの選択のために、1つを選択するような案内が行われる(ステップMT2)。なお、ここでいう案内画面1とは、図102で説明した案内画面1(16MA1)をいう。
ステップMT2において、タッチ位置情報536Lに触れた場合、制御装置40にある入力信号解析部52と案内画面解析部140によって、案内画面16MA1段階でタッチ操作されたことを検知する(ステップMT3)。そして、中央表示部16Mには第1特定画面16M1が表示される(案内画面1の表示は、同時に無くなる)(MT4)。そして、このステップの内容について、音声報知部50でも報知される。
また、ステップMT3でタッチ操作の「長押し」が検知されたことを入力信号解析部52が判定すると、この判定信号は入力信号解析部52から入力信号制御部70に入力される。当該入力をトリガーとして、入力処理部70は、音声入力モード1に対応するよう、前記入力信号解析部52を制御する(ステップMT3A)。このような処理は、後で述べるステップMT6A、MT9Aでもそれぞれ行われる。
この後、第1特定画面16M1に表示された情報(1つの識別情報167を含んだ、調理メニューを含む)をユーザーが確認し、制御条件や調理メニューを適宜変更して、(機械的スイッチである)入力キー151Mを押せば、連携調理モードKM3の調理工程に移行する(MT5)。
なお、外部からレシピデータCDを取得する場合、表示画面1A(図102参照)が表示された以降に、可搬式音声入出力器1000に音声で指令内容を入力し、第2サーバー322経由から第1サーバー321に要求Bを発し、第1サーバー321から加熱調理器1へレシピデータCDを送信する指令を出すことができる。
ところで、図102において、中央表示部16Mのタッチ位置情報536Lの表示部分に「長押し」状態で触れた場合(ステップMT3)、制御装置40の入力処理部70は、音声入力モードのプログラムを起動させ、音声信号解析部52の状態を、外部(第1サーバー321)からの入力に備えた待機状態となるように制御する(ステップMT3A)。
また、中央表示部16Mのタッチ位置情報536Mと536Rの表示部分に、それぞれ「長押し」状態で触れた場合(ステップMT6、MT9)においても、前記入力処理部70は、音声入力モードのプログラムを起動させ、外部(第1サーバー321)からの入力に備えた待機状態に変更する(ステップMT6A、MT9A)。
従って、図103に示しているように、全ての加熱調理モードに関する入力工程において、表示画面1A(案内画面1。16MA1)のタッチ操作が検知され、音声入力モード1が起動された時点以降、制御装置40は音声での入力を受信し、処理できる。
一方、ステップMT2において、案内画面1(16MA1)の中に表示されているタッチキー部分であるタッチ位置情報536Mの表示部分に触れた場合(ステップMT6)、中央表示部16Mには第2特定画面16M2が表示される(案内画面1の表示は、同時に無くなる)(MT7)。そして、このステップの内容について、音声報知部50でも報知される。
この後、第2特定画面16M2に表示された情報(複合調理モードKM2の1つの制御メニューの名称である特定文160を含む)をユーザーUSが確認し、制御条件や制御メニューを適宜変更して、(機械的スイッチである)入力キー151Mを押せば、複合調理モードKM2の調理工程に移行する(MT8)。
また、ステップMT2において、案内画面1(16MA1)の中に表示されている、タッチキーが配置されたタッチ位置情報536Rの表示部分に触れた場合(ステップMT9)、中央表示部16Mには案内画面2(16MA2。図102参照)が表示される(案内画面1の表示は、同時に無くなる)(MT10)。そして、このステップの内容について、音声報知部50でも報知される。
この後、案内画面2(16MA2)に表示された、3つのタッチ部分を示す説明文525、526、527と、これらに1対1で対応しているタッチ位置情報536L、536M、536Rの表示部分とをユーザーが確認し、左加熱口4Lを使用する場合には、タッチ位置情報536Lの表示部分にタッチする(MT11)。
すると、ステップMT12に進み、左加熱口4L専用の左側表示部(個別表示部)16Lが起動され、左IHコイル9Lによる加熱調理を選択できる。そのため、第1の加熱手段HM1を使用した制御メニュー(例えば「湯沸かし」、「保温」等)が表示される。また同時にデフォルト設定されている制御条件(火力や目標温度等)の情報も表示される。更に、このステップMT12の内容について、音声報知部50でも報知される。
このステップMT12では、図102に示したような第3特定画面30STの表示ステップを図示していないが、中央表示部15Mに表示しても良い。
この後、左表示部16Lに表示された情報(制御メニューを含む)をユーザーUSが確認し、制御条件や制御メニューを適宜変更して、(機械的スイッチである)入力キー153Lを押せば、左加熱口4Lにおける誘導加熱調理の工程に移行する(MT13)。
この実施の形態5では、入力キー151Lは、左加熱口4Lを使用した単独加熱調理モードKM1のスタートキーの役目もあるため、この入力キー151Lを押した後、被加熱物Nの大きさの検知等を行った後、誘導加熱動作が自動的に開始される。
同様に、案内画面2(16MA2)に表示されたタッチ位置情報536Rの表示部分にタッチする(MT17)と、ステップMT18に進み、右加熱口4R専用の右表示部(個別表示部)16Rが起動され、右IHコイル9Rで実施できる制御メニュー(例えば「湯沸かし」、「保温」等)が表示される。
また同時にデフォルト設定されている制御条件(火力や目標温度等)の情報も、右表示部16Rに表示される。更に、このステップMT18の内容について、音声報知部50でも報知される。なお、このステップMT18では、図102で示したような第3特定画面16M3の表示を図示していないが、中央表示部16Mに表示しても良い。
この後、右表示部16Rに表示された情報(制御メニューを含む)をユーザーUSが確認し、制御条件や制御メニューを適宜変更して、(機械的スイッチである)入力キー153Rを押せば、右加熱口4Rにおける誘導加熱調理の工程に移行する(MT19)。
更に、案内画面2(16MA2)に表示された3つのタッチ位置情報536L、536M、536Rの内、中央加熱口4Cを使用する場合には、タッチ位置情報536Mにタッチする(MT14)。
すると、ステップMT15に進み、中央加熱口4Cで使用する中央表示部16Mにおいて、中央加熱口4Cで実行できる制御メニュー(例えば「保温」等)が表示される(図102参照)。つまり、第3特定画面16M3が表示される。
また、例えば、「保温」の設定温度は約80℃であること、またこの「保温」は、スープに適する制御メニューであることを表示する等の、説明文も表示される場合がある。更に、このステップMT15の内容が、音声報知部50でも報知される。
この後、中央表示部16Mに表示された第3特定画面16M3に表示情報された情報(制御メニュー、制御条件を含む)をユーザーUSが確認し、制御条件や制御メニューを適宜変更して、(機械的スイッチである)入力キー151Mを押せば、中央加熱口4Cにおける誘導加熱調理の工程に移行する(MT16)。
実施の形態1で説明した外部(第1サーバー321、通信端末器200等)からレシピデータCDを取得できるのは、前記ステップMT3、MT6及びMT9の後である。
つまり、ユーザーUSが3つのタッチ位置情報536L、536M、536Rの内、何れか1つにタッチしない限り、外部(第1サーバー321、通信端末器200等)からレシピデータCDは、制御装置40が取得しない。
次に図104について説明する。
この図104は、図102で示された第2特定画面16M2の表示情報と、入力方法を変更した例である。第1エリア22~第3エリア24に、ユーザーが直接触れて制御メニューや制御条件を簡単に変更することができる。
図104では、複合調理モードKM2において、「RG手動」の制御メニューにより調理を開始する直前の状況を示している。前記入力キー151Mに対応している発光部21Mは、星形図形を付しているように点滅しており、ユーザーに操作を促している。
更に、図104について説明する。
中央表示部30において、複合調理モードKM2の際に表示される第2特定画面16M2は、実施の形態1の中央表示部16Mよりも大きなサイズのものが使用されている。
また、連携調理モードKM3の際には第1特定画面16M1が表示される(図105参照)。
一般に、この種の表示部に採用されている、TFT液晶モジュールの標準ラインナップを見ると、3.5インチ、3.97インチ、4.3インチ、4.6インチ、5.0インチ等の大きさのものが提供されている。実施の形態1のものが、例えば3.5インチ又は3.97インチのサイズであった場合、この実施の形態5では、それよりも1段階、2段階大きな画面サイズのものを使用できる。但し、図105の中に前後方向に伸びた矢印で示しているように、トッププレート3は、左加熱口4Lや右加熱口4R、中央加熱口4Cに接近する程、温度が高くなる傾向にある。そこで、実施の形態1より前方FR側に中央表示部16Mを配置している。
この実施の形態5では、実施の形態1で説明した各種入力キー154M~159を省略できることにより、表示面積の大きな中央表示部16Mにできる。このため、図104、図105に示すように第2エリア23と第3エリア24においても、制御条件の1つである火力(加熱強度)、目標予熱温度、加熱時間等の情報を、より多く表示できる。
図104と図105において、343は、前記電極341の真上の位置にある第4エリア28に、適時表示されるメニュー表示部である。このメニュー表示部343には、連携調理モードKM3の調理メニュー(又は、識別情報167)や複合調理モードKM2の制御メニューの名称・種類等が表示される。
図104に戻り、29Aと29Bは、目標温度や加熱時間等の「制御条件」の表示部である。29Cと29Dは、目標温度や加熱時間等の「制御条件」の次の候補を表示できる候補表示部である。
図104に示したように、前記表示部29Bには、制御条件の1つとして、加熱時間の情報が表示されている。また選択できる2つの候補の加熱時間情報も、2つの候補表示部29Dに、それぞれ同時に表示される。なお、図104では、候補となる具体的な時間等は記載を省略しているが、図105では、候補となる温度の例で「180℃」を表示し、時間の例で「10分間」を記載している。
次に図105について説明する。
図105に示しているのは、複合調理モードKM2を実施する場合である。
図105において、343は、前記メニュー表示部である。連携調理メニューを実施しない場合には、図105のような「メニュー」という表示に自動的になる。
図105に示しているように、第2エリア23において表示された目標温度情報18Tが「180℃」であった場合、1つの候補表示部29Cには、「185℃」という目標温度情報18T1が表示される。また、もう1つの候補表示部29Cには、「175℃」という目標温度情報18T2が表示される。
また、第3エリア24においては、表示された加熱時間情報18Mが「10分」であった場合、2つの候補表示部29Dには、「10分30秒」という(グリル調理時の)加熱時間情報18M1と、「9分30秒」という加熱時間情報18M2が、それぞれ表示される。
図105に示しているように、ユーザーUSは、指先FGで第1エリア22~第3エリア24に触れたまま、前方FR又は後方BKに指先FGを動かすことで、表示された複合調理モードKM2の1つの制御メニュー(例えば「オーブン」)を、次の候補の制御メニュー(例えば「グリル」又は「あたため」)に変えることができる。
次に図106について説明する。
図106は、第1特定画面16M1が表示された状態を示す。この第1特定画面16M1を表示させるには、図102の案内画面16MA1で説明した、タッチ位置情報536Lの表示位置にタッチする必要がある。
343Aは、前記メニュー表示部341に文字で表示された連携調理モードKM3の調理メニューの表示情報である。連携調理モードKM3を実施しない場合には、図105のような「メニュー」という表示に自動的になる。
図104~図106において、21Mは、発光表示部27(図16、図66参照)の一部を構成する発光部である。実施の形態1では、スタート選択部(入力キー151M)に対応している発光部21Mを、加熱停止用入力キー152Mと共用していたが、この実施の形態5では、2つの入力キー151M及び152Mに、専用の発光部21Mをそれぞれ設けている。
この発光部21Mは、加熱開始前は通常の連続的な点灯を行い、加熱動作が開始された後は、点滅に変更して発光させても良い。なお、入力キー152Mに対応した発光部21Mは、加熱動作開始前は、停止の入力が不要であるので、点灯しない。加熱動作開始時点からは、上記したように連続発光や点滅等の形態によって発光させて、ユーザーが容易に目視で確認できるようにしている。
図106において、190は、中央表示部16Mの第2エリア23と第3エリア24に跨るように、吹き出しのような形態で表示される(支援情報表示の)アイコンである。ここでいう「アイコン」とは、表示画面上に表示される図形であり、その部分をタッチすることにより、制御装置40に対して支援情報を表示する指令信号が出されるものである。つまり、タッチ式の入力キーと同じである。
図106に示しているように、ユーザーUSが指先FGでアイコン190に触れると、そのタッチ時点の連携調理モードKM3での調理工程や被調理物に応じた調理の仕方、注意事項等が、第1特定画面16M1の第2エリア23や第3エリア24に、文字や図形で表示される。なお、音声報知部50によって、調理の仕方や注意事項等を音声で報知しても良い。また、図106に示すように第2エリア23や第3エリア24の中に、調理の仕方や注意事項等を表示しても良い。
図106において、第1特定画面16M1の第1エリア23にユーザーUSが指先FGを接触させて、前方FR又は後方BKに動かすことで、1つの調理メニューの選択ができる。つまり、「ハンバーグ」等の識別情報167を、別の識別情報に変えることができる。このように、この実施の形態5では、調理メニューの選択を第1特定画面16M1に触れたまま実行できる。
図106において、343Aは、前述したように、連携調理モードKM3の調理メニューであることを示す連携調理メニューの表示情報である。連携調理メニューを実施しない場合には、図105のような表示(メニュー・温度・時間の3区分)に変化する。
次に図107を参照しながら、タッチパネル入力装置350と、タッチジェスチャー判定装置353について説明する。
操作パネル351を構成している第1エリア22~第3エリア24は、ユーザーが行うタッチスチャー操作を受け付けるタッチジェスチャー入力手段である。また、タッチジェスチャー操作は、ユーザーの指先FGなどの特定の動きによる情報入力操作である。
タッチジェスチャー操作は、操作パネル351の表面を指先で軽く叩く操作であるタップ、操作パネル351の表面を指ではじく操作であるフリック、操作パネル351表面を指でなぞる操作(指を滑らす操作)であるスワイプを含むことができる。しかし、この実施の形態5は、ユーザーの指先FGを前後方向に移動させるタッチジェスチャー操作と、左右方向に移動させるタッチジェスチャー操作の、2つだけが有効であると判定される。これについては、後で詳しく述べる。
タッチジェスチャー操作は、指先FGを引きずる操作であるドラッグ、操作パネル351の表面において複数本の指先でつまみながら指先の間隔を狭める操作であるピンチイン、操作パネル351の表面において複数本の指の間隔を広げる操作であるピンチアウトなどもあるが、これらも、無効なタッチジェスチャー操作であると操作判定部354に識別される。
操作パネル351は、ユーザーによって行われる特定のタッチジェスチャー操作を受け付け、タッチジェスチャー操作に対応する入力操作情報(以下、「タッチ情報」と言う)IP1を出力する。
操作パネル部351の真下には、表示画面A(図示せず)を配置している。その表示画面Aは、操作パネル部351と重ねて配置されている。
更に、その表示画面A(図示せず)は、複合調理モードKM2の制御メニュー、連携調理モードKM3の調理メニュー、単独調理モードKM1の制御メニューの、3つのメニューにそれぞれ関する各種情報(温度や火力等の、制御条件を含む)を示した操作用画像を表示している。また、案内画面16MAに関する操作用画像も表示する。
このように表示画面A(図示せず)は、例えば、液晶ディスプレイで構成されている。そして、ここでいう表示画面Aは、案内画面16MA、第1特定画面16M1、第2特定画面16M2、第3特定画面16M1の、各機能を有する。
図107に示されるように、タッチジェスチャー判定装置353は、操作判定部354と、通知部359と、を有している。
操作情報入力部352は、操作パネル部351から出力されたタッチ情報IP1を受け取る。操作情報入力部352は、受け取ったタッチ情報IP1に対応する入力情報IP2を操作判定部354に出力する。入力情報IP2は、タッチ情報IP1に対応する情報であり、タッチ情報IP1と同じ情報であってもよい。
操作判定部354は、操作情報入力部352からタッチ情報IP1を受け取り、出力情報としての選択値信号IP3を、通知部359に対して出力する。選択値信号IP3は、操作判定部354がタッチ情報IP1を基礎にして決定した選択値の信号である。この実施の形態5では、選択値の信号は、制御メニューと調理メニューを決定する情報となる。
操作判定部354は、受け取ったタッチ情報IP1から、ユーザーによるタッチジェスチャー操作の種類及び内容を判定する。
操作判定部354は、ジェスチャーモード判別部355と、ジェスチャー入力情報判定部356と、ジェスチャーエリア判定部357と、を有している。
参照パラメータ記憶部358には、ユーザーのジェスチャーの内、少なくともスライダーモードのパラメータが格納されている。パラメータの1例としては、タッチジェスチャー操作の予め定められた時間における移動量、タッチジェスチャー操作の速度、又はタッチ時間のいずれか1つ又は2つ以上の組み合わせに基づいて定められるパラメータがある。
ジェスチャーモード判別部355は、参照パラメータ記憶部358の各種パラメータを参照して、入力情報IP2のジェスチャーモードを特定する。ジェスチャー入力情報判定部356は、ジェスチャーモード判別部355で特定されたジェスチャーモードでの値設定方式に従って選択値信号IP3を決定する。
ジェスチャーエリア判定部356は、ユーザーが第1エリア22~第3エリア24の何れのエリアで、タッチジェスチャー操作を行ったのかどうかを識別する。
通知部359は、操作判定部354によって、第1エリア22~第3エリア24の個々のエリア毎に、操作判定部354から選択値信号IP3を受ける。このため、通知部359は、第1エリア22~第3エリア24の個々の表示情報を切り替え、また、そのような切り替えについて報知するように音声報知部50に出力する。
表示部駆動回路63は、タッチジェスチャー判定装置353から、選択値信号IP4を受ける。この選択値信号IP4は、選択値信号IP3と同じ内容になる。
表示部駆動回路63は、タッチジェスチャー判定装置353の判定結果に従い、中央表示部16Mの表示内容を切り替える。つまり、表示部駆動回路63は、図107に示されるように、中央表示部16Mに表示されるべき操作用画像の画像信号IP5を、その中央表示部16Mに対して出力する。
なお、図107においては、タッチパネル入力装置350とタッチジェスチャー判定装置353は、ハードウエア(H/W)構成の形で図示した。しかし、図107に示されるタッチジェスチャー判定装置353は、例えば、中央操作部15Mや右操作部15Rを制御するマイクロコンピュータ等の処理装置のプログラムによって機能的に実現しても良い。
例えば、中央操作部15Mの制御装置(CPU15E。図17参照)のソフトウエア記憶装置に、前記タッチジェスチャー判定プログラムを格納する記憶部を設け、当該記憶部に格納されたタッチジェスチャー判定プログラムを、この中央操作部15MのCPU15Eに実行させれば良い。なお、中央操作部15Mや右側入力操作部15Rに実行させるのではなく、制御装置40の中に集中(集約)して設けても良い。
図107において、362は、参考情報記憶部である。この参考情報記憶部362の中には、実施の形態1で説明した参考情報164や付加情報166が格納されている。
以上のようにこの実施の形態5の加熱調理器1は構成されているので、加熱調理を開始する場合には、最初に主電源スイッチ20をONにすると、制御装置40は、起動されると最初に加熱動作開始前の初期の自己診断を行い、異常が発生していないことを確認する。また、中央表示部16Mを起動し、初期情報を表示する(待機時初期画面16MHを表示)。
ここで再び図105を参照しながら、ユーザーが、複合調理モードKM2の調理を行う操作について説明する。
図105は、ユーザーが、制御メニューとして「オーブン」を選択する場面を示している。この図105には、ユーザーの指先FGが3本同時に描かれているが、3本の指先FGで同時にタッチジェスチャー操作していることを示したものではない。左側の第1エリア23から順次右側にタッチジェスチャー操作を、3回していることを示している。
ユーザーが、第1エリア22にタッチジェスチャー操作(以下、「タッチ操作」と省略する)した場合、タッチジェスチャー判定装置353の操作判定部354は、操作パネル部351の一部を構成する第1エリア22からのタッチ情報IP1に対応した、入力情報IP2を受ける。
前記第1エリア22に、制御メニュー「オーブン」が表示されている状態で、ユーザーが第1エリア22において、指先FGを第1エリア22に触れたまま、前方FR又は後方BKに(一定の速度範囲で)動かすと、ジェスチャーモード判別部355によって正規の(特定)タッチジェスチャー操作であると認識され、タッチ情報が生成される。
そして、前方FRに操作したことを示すタッチ情報である場合、操作判定部354は、表示部駆動回路63を介して第1エリア22の表示を変更する。そして、次の候補である「グリル」又は「あたため」を第1エリア22に表示させることができる。
同様に、第2エリア23においても、目標温度を選択できる。図105では、デフォルト値で「180℃」と表示されているが、候補表示部29Cに表示されている「185℃」という目標温度情報18T1に変更することができる。また、後方BKにタッチ操作すると、「175℃」という目標温度情報18T2を中央部に表示させることができる。
同様に、第3エリア24においても、ジェスチャーモード判別部314によって認識されるようなタッチジェスチャー操作であれば、その都度、タッチ情報が生成され、第3エリア24の表示情報を変更できる。
この実施の形態5では、ジェスチャーモード判別部355によって認識されるようなタッチジェスチャー操作は、タッチしてからの移動方向が、前方FR又は後方BKの何れか一方であるように設定されているため、前述したような、「ピンチイン」や「ピンチアウト」のようなタッチジェスチャー操作では、表示の切り替えはできない。
後述する参照パラメータ記憶部358には、ユーザーのジェスチャーの内、スライダーモードに限定したパラメータが格納されている。そのため、スライダーモードとは判別できない状態では、表示の切り替えはできない。例えば前記した「ピンチイン」や「ピンチアウト」のタッチジェスチャー操作では、予め定められた時間における移動量、タッチジェスチャー操作の速度、又はタッチ時間等の組み合わせに基づくパラメータに合致しない結果になるからである。
ところで、図102において、案内画面1(16MA1)の中のタッチ位置情報536Lの表示部分に触れた場合(ステップMT3)、その時点で制御装置40は、音声入力モードのプログラムを起動し、外部(第1サーバー321)からの入力に備えた待機状態となると説明した。
また、中央表示部16Mのタッチ位置情報536Mと536Rの表示部分に、それぞれ「長押し」状態で触れた場合(ステップMT3)においても、その時点で制御装置40は、音声入力モードのプログラムが起動し、外部(第1サーバー321)からの入力に備えた待機状態となると説明した。
そこで、音声入力によって制御条件の設定を行う場面について説明する。
例えば、図104のように、制御メニューで「RG手動」が表示されている状態で、ユーザーUSが、音声入出力器(情報処理端末器)1000に向かって、「レンジ10分、グリル5分」という発声をした場合、音声入出力器1000から、音声の内容がテキストデータに変換され、発話情報のテキストデータ(音声入力信号VS)形式で、前記第2サーバー322に送信される。
同様に、同様に、図105に示した状態において、ユーザーが第2エリア23に触れずに、音声入出力器(情報処理端末器)1000に向かって、「オーブン、180度、10分」という発声をした場合、この図105に表示されている「180℃」という目標温度情報18T1で、「オーブン」という制御メニューの音声入力ができる。
第2サーバー322の制御部322Cは、入出力部322Aを介して、テキストデータ(音声入力信号VS)を受信し、記憶部322Rに記憶されているスタンダードコマンドに変換できるか否かを判断する。
制御部322Cは、発話情報(音声入力信号VS)のテキストデータからスタンダードコマンドとして用意されている各種コマンド(コマンドデータ)に変換する。ここでいう「コマンド」には、前記レシピデータ提供サーバー301に格納されているレシピデータベースの中から、1つの調理を実行するレシピデータCDの制御条件データを抽出する指令を含む。
第1サーバー321と第2サーバー322は、インターネット等のネットワークNWによって接続されているから、第2サーバー322の入出力部322Aから第1サーバー321に対しては、要求Bが送信される。この要求Bは、例えば前記レシピデータCDを、レシピデータ提供サーバー301から抽出することを要求する指令である。
前記第1サーバー321は、個々の加熱調理器1が識別できるように予め登録されており、第2サーバー322から送信された前記加熱調理器1に対する要求B(図99参照)は、対応すべきユーザーUSを特定できる構成になっている。
第1サーバー321の制御部321Cは、前記第2サーバー321からの要求Bを解読し、その要求Bに応答して必要な制御情報を生成し、第2サーバー322に送信する。
また、多数の加熱調理器1から送信されて来る前記運転状態データOSと、個々の加熱調理器1のユーザーUSを識別するユーザーUSのID(特定情報)とを分析し、個々のユーザーUSの加熱調理器1を、記憶部321Rで保有しているユーザーUSの識別データベースの情報から特定する。
更に、前記第1サーバー321には、前記レシピデータ提供サーバー301から取得した特定の調理メニューのレシピデータCDを、特定の加熱調理器1に送信する機能もある。つまり、音声入出力器(情報処理端末器)1000から第2サーバー322を経由して発せられた要求Bに従って、第1サーバー321は、目的の加熱調理器1に対して、特定のレシピデータCDの制御条件を変更した設定情報を提供できる。
ところで、図105に示す「オーブン」という複合調理モードKM2の制御メニューの名称の上にタッチされたまま、一定時間(例えば、5秒間)以上タッチしている状況が続いた場合には、当該制御メニュー(オーブン)を選択したものと推定し、入力操作部15は、自動的に当該制御メニュー(オーブン)の制御情報を、音声で入力できるように、この時点で初めて音声入力モードに切り替えるように変更しても良い。このような変更例は、図108でも説明する。
仮に、そのように制御を変更し、この時点で音声入力モードに切り替えると、音声報知部50から音声入力できる旨の報知がある。
そこで、ユーザーは、音声入出力器(情報処理端末器)1000に向かって、「オーブン 180 10」のように、「温度」や「分」等のフレーズを省略した場合について説明する。
音声入出力器(情報処理端末器)1000では、この音声の内容をテキストデータに変換し、前記音声入力信号VSの形式で、前記第2サーバー322に送信する。
この音声入力信号VSは、第2サーバー322の制御部322Cでスタンダードコマンドに変換され、第1サーバー321に送信される。
第1サーバー321では、記憶部321Rにある制御条件のデータベースと照合する際に、「オーブン」という制御メニューの場合の、制御条件の入力項目を確認し、前記「180」は「温度」である推定し、「10」は「分単位の時間」であると推定する。つまり、180分で10度という入力であると認識しない。なお、10℃という目標温度は、「オーブン」という調理メニューには存在しないので、設定できない。このような第1サーバー321の音声認識結果については、第1サーバー321から加熱調理器1に対して、入力結果の「確認要請」信号として、直ぐに送信される。例えば、「オーブン、180度で10分ですね?」等のメッセージ形式で加熱調理器1に送信され、音声報知部50で報知される。
次に、図108について説明する。
図108は、図101~図107で説明した実施の形態5の変形例を示したもので、中央操作部40Mと各種表示部の配置を説明するための、入力操作説明を兼ねた平面図である。
この図108に示した変形例における参照パラメータ記憶部358には、ユーザーのジェスチャーの内、少なくともスライダーモードのパラメータが格納されている。そのスライダーモードは、前後方向及びその前後方向と直角方向(右方向RTと、この右方向に対し±30度の範囲)の2つの方向に指定してある。つまり、角度60度の範囲でスライダーモードが検知される。パラメータの1例としては、タッチジェスチャー操作の予め定められた時間における移動量、タッチジェスチャー操作の速度、又はタッチ時間のいずれか1つ又は2つ以上の組み合わせに基づいて定められるパラメータである。
図105の状態で音声入力モードが起動されていないという前提で、次に、図108に示す「RG手動」という複合調理モードKM2の制御メニューの名称の上にタッチされたまま、一定時間(例えば、5秒間)以上タッチしている状況が続いた場合について説明する。
この場合は、当該制御メニュー(RG手動)を選択したものと推定し、入力操作部15は、自動的に当該制御メニュー(RG手動)の制御情報を、音声で入力できるように、この時点で初めて音声入力モードに切り替える点が、この図108の変形例の特徴である。
図102で説明した構成では、案内画面1(16MA1)のタッチ位置情報536L、536M、536Rの表示位置の、何れか1つに「長押し」タッチした場合、事実上のタッチ入力キーをONしたことになって、「音声入力モード1」に切り替わった。しかし、その「音声入力モード1」が適用されるのは、1つの加熱調理モードで、かつ、その1つの調理メニューの加熱調理開始前だけである。
一方、この図108の変形例では、「RG手動」という複合調理モードKM2の制御メニューの名称(識別情報160)の上にタッチされたまま、長押し状態が検知されて音声入力モードに切り替えられる。この場合でも、この音声入力モードが適用されるのは、この「RG手動」という1つの制御メニューだけである。加熱調理動作を開始した段階では、自動的に音声入力モードは解除される。なお、図105の状態で音声入力モードに切り替わった場合、更に制御メニューの選択を続け、図108の状態になった場合には、図108でも依然として音声入力モードは維持されている。
この実施の形態5で、音声入力モードの期間を、加熱調理開始前だけに制限している理由は、加熱調理が開始されると、被加熱物Nや被調理物が高温になり、またトッププレート3や加熱室6も高温になるので、音声による不用意な入力でユーザーが意図しない事態に遭遇することを防止するためである。つまり、一旦加熱調理が開始されると、音声に頼った制御ではなく、ユーザーUSのタッチ操作や押圧操作によって運転がコントロールされるようにしている。
すなわち、全ての加熱調理モードに、一律(一斉)に「音声入力モード1」を適用するのではない。図102の例でいえば、タッチ位置情報536Lにタッチした場合には、連携調理モードKM3だけが「音声入力モード1」によって、入力工程に進む。
つまり、制御装置40は、ユーザーUSの音声入力による指令を基礎にして、外部(第1サーバー321)から、1つの調理メニューや制御メニューについての、指令(コマンド)がある事態に備えていた。
この図108に示す変形例1では、具体的な調理メニュー(例えば「ハンバーグ」)や制御メニュー(例えば「あたため」)、加熱手段等の基礎的条件が固まった段階で、音声入力モードにできる。つまり、図102に示した事例よりも、より下位の層の具体的制御条件を決める段階で、ユーザーUSは音声入力モードを選択できる。
このため、制御装置40が受け付けられる適正な範囲に絞られた指令(コマンド)になる可能性が高くなる。従って、レシピデータの確定までに要する時間の短縮化が期待でき、結果的に調理に要する時間短縮効果が高まる。
更に、音声合成装置95による音声ガイドでユーザーの操作を補うような助言を行っても良い。このように変更するには、前記ジェスチャーモード判別部355(図107参照)のジェスチャー判定データと、参照パラメータ記憶部358のパラメータ情報を拡充又は変更する必要がある。
次に図109について説明する。
図109は、第1エリア30Lに指先FGをタッチしたまま、右方向に動かす図であるが、このように右方向に指先FGが動いた場合には、前記ジェスチャーモード判別部355は、1つ前の表示内容に戻すことと判別する。そのため、図108に示した参考情報164は消される。
前記ジェスチャーモード判別部355と参照パラメータ記憶部358は、ユーザーの厳密な左右方向と、これに直交するような前後方向だけのタッチジェスチャーを検知するのではなく、一定の検知幅(前記したように、角度60度の範囲)を持って指先FGの軌跡を検知するようにしてある。そのため、多少斜めに指先を動かしても、参考情報164のキャンセル指令であると前記ジェスチャーモード判別部314が判別できる。なお、このように右方法のタッチジェスチャーで参考情報164を消すのではなく、表示から一定時間で自動的に消す方法、又は、参考情報164をタッチ操作した場合に即座に消す方法等、適宜変更しても良い。
次に図110について説明する。
図110は、外部からレシピデータCDを受信した場合の表示例を示す、中央表示部16Mの平面図である。
図110の(A)から(B)、更に(C)という順番で表示される。
図110(A)は、受信動作表示画面16MMの表示内容を示している。16Fは、受信動作表示画面16MMの中に、レシピデータCDの受信動作の進捗に応じて現れる、複数個の進捗マークである。174は、受信動作表示部であり、外部からレシピデータCDを受信している途中であることを文字で表示している。
図110(B)は、受信したレシピデータCDが連携調理モードKM3に関するものであることを表示した第1特定画面16M1である。
前記受信動作表示部174では、外部からレシピデータCDを受信したことを文字で表示している。
170は、操作支援情報であり、ユーザーに制御条件の設定段階に進むことを予告している。177は、受信したレシピデータCDの特徴やイラスト等を参考で示す参考表示部である。例えば、被調理物の画像でも良い。
図110(C)は、受信したレシピデータCDの対象が、ハンバーグであることを示した第1特定画面16M1である。
167は、被調理物(ハンバーグ)の識別情報、179Dは、音声入力モード表示情報である。
170は、操作支援情報であり、既にユーザーから予熱温度(第1の加熱手段HM1を使用)の設定値が音声で入力され、受け付けていることを文字で表示している。
179は、参考情報であり、調理工程1で使用する第1の加熱手段HM1の火力値や火力レベルを指定するように、ユーザーUSに音声入力を促している。
図110には図示していないが、前記レシピデータCDの取得ができなかった場合、前記制御装置40はレシピデータCDの取得が出来なかったことを示す情報174Aと、原因又は対策を示す参考情報174Fとの、少なくとも何れか1つを、前記表示部16によって表示する。この場合、それら情報174Aと参考情報174Fは、図110(A)に示した初期待機画面16MMに表示することで良い。
実施の形態5の総括.
以上のように、この実施の形態5では第8の開示に係る加熱調理器1を、以下の形態で開示していた。
すなわち、第8の開示に関する加熱調理器1の1つの形態は、
被加熱物Nを加熱する加熱手段(第1の加熱手段~第3の加熱手段HM1~HM3)と、
ユーザーの指令を受ける入力操作部15と、
外部からレシピデータCDを受信する通信部21と、
表示部16を有した報知部90と、
複数の加熱調理モードに応じて前記加熱手段を制御する制御装置40と、を備え、
前記制御装置40は、前記表示部16において案内画面16MAを表示し、
前記制御装置40は、前記案内画面16MAにおいて、前記加熱調理モードの個々を選択するための複数のタッチ位置情報536Lを表示し、かつ、タッチ操作した前記タッチ位置情報536Lに応じて前記加熱調理モードの1つを選択し、
前記制御装置40は、前記タッチ位置情報536Lのタッチ操作により外部から前記レシピデータCDを取得する待機状態に移行し、
前記制御装置40は、前記タッチ位置情報536Lのタッチ操作により音声入力モードを開始して外部からの入力を受け付ける待機状態となり、
前記レシピデータCDの取得ができた場合、当該レシピデータの取得を示す情報173を、前記表示部16によって表示すること、
を特徴とする構成である。
このような構成であるため、案内画面16MAに表示されるタッチ位置情報536Lによる加熱調理モード等の選択操作によって、音声入力モードへの切り替えもできるので、加熱動作開始前の入力工程の面倒な作業を音声で入力できる。これによりユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
更に、前記レシピデータCDの取得ができた場合、当該レシピデータCDの取得を示す情報173が、前記表示部16(中央表示部16M)によって表示されるので、ユーザーUSがレシピデータCDの取得を容易に認識でき、調理開始までの操作性を向上させることが期待できる。
更に、この実施の形態5では第9の開示に係る加熱調理器1を、以下の形態で開示していた。
すなわち、第9の開示に関する加熱調理器1の1つの形態は、
被加熱物Nを加熱する加熱手段(第1の加熱手段~第3の加熱手段HM1~HM3)と、
ユーザーの指令を受ける入力操作部15と、
外部からレシピデータCDを受信する通信部21と、
表示部16を有した報知部90と、
複数の加熱調理モードに応じて前記加熱手段を制御する制御装置40と、を備え、
前記制御装置40は、前記表示部16において案内画面16MAを表示し、
前記制御装置40は、前記案I画面16MAにおいて、前記加熱調理モードの個々を選択するためのタッチ位置情報536L、536Mを表示し、かつ、当該タッチ位置情報536L、536Mをタッチした場合に、1つの前記加熱調理モードの選択と、前記レシピデータCDを外部から取得する状態に移行し、
前記タッチ位置情報536L、536Mをタッチした場合に前記表示部16(中央表示部16M)には、調理メニュー(例えば「ハンバーグ」)又は制御メニュー(例えば「あたため」)の識別情報167、160を表示し、
更に、前記識別情報167、160の表示部分をタッチ操作した形態を判定するタッチジェスチャー判定装置353を有し、
前記タッチジェスチャー判定装置353の判定結果により、音声入力モードへの切り替えを行い、
前記制御装置40は、前記タッチ位置情報536L、536Mのタッチ操作によって前記レシピデータCDの取得指令を受けたあと、前記レシピデータCDの取得ができた場合には、当該レシピデータCDの取得を示す情報173を、前記表示部16によって表示すること、
を特徴とする構成であった。
このような構成であるため、案内画面16MAに表示されるタッチ位置情報536L、136Mによる加熱調理モード等の選択が行える。当該選択操作に応じて調理メニューの識別情報167を表示する第1特定画面16M1又は制御メニューの識別情報160を表示した第2特定画面16M2に切り替わり、これら第1、第2特定画面でタッチ操作した際の形態を判定して、音声入力モードへの切り替えもできるので、加熱動作開始前の入力工程の面倒な作業を音声で入力できる。これによりユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
更に、前記レシピデータCDの取得ができた場合、当該レシピデータCDの取得を示す情報173が、前記表示部16(中央表示部16M)によって表示されるので、ユーザーUSがレシピデータCDの取得を容易に認識でき、調理開始までの操作性を向上させることが期待できる。
更に、実施の形態5では、表示部16に待機時初期画面16MHを表示し、この待機時初期画面16MHの次に、案内画面16MA1を表示していた(特に、図102参照)。
この待機時初期画面16MHには、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2に共通の参考情報1(待機時共通情報60N)を表示し、また、次に案内画面16MA1には、複数の前記加熱調理モードKM1~KM3の内容又は当該加熱調理モードを選択する参考情報2(説明文525~527)の少なくとも何れか1つを表示する構成であった。
このような構成であるため、タッチ式の入力キー536L、536M、536Rによる加熱調理モード等の選択に際して、ユーザーUSに参考となる情報を提示でき、正しい入力操作に誘導できる。これによりユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
更に、実施の形態5では、前記タッチ式の入力キー536L、536M、536Rによって、前記調理モード又は前記制御メニューを選択した以降に、外部からのレシピデータCDの取得を許可する構成であった。
このような構成であるため、各種のレシピデータCDを外部から取得するタイミングを、入力操作部15によってコントロールすることができる。
更に、この実施の形態5においては、図102と図103で説明したように、案内画面1(16MA1)を一時的に、かつ自動的に表示させる構成であった。このため、複数の加熱調理モードKM1~KM3の選択と当該加熱調理モードを選択する前記入力操作部15の操作を、ユーザーUSが容易に行うことができる。
更に、実施の形態5では、特に図105と図106で説明したように、前記第1特定画面16M1には、前記調理メニューの識別情報167(制御メニューの識別情報160)を表示する第1エリア22と、制御条件を表示する第2エリア23があった。
前記識別情報167は、ユーザーのタッチ操作によって前記第1エリア22の中で選択して表示され、前記第2エリアには、タッチ操作された場合、ユーザーUSの入力操作に関する支援情報を表示する、アイコン190が表示される構成であった。
このため、調理メニューの識別情報167を選択して調理メニューを操作する際に、指先FGを少し移動させるだけで支援情報を知ることができ、ユーザーが入力操作に迷った場合等の際に、操作をガイドすることができる。
更に、図108と図109の変形例では、前記タッチ式の入力キー536L、536M、536Rによる加熱調理モード等の選択操作によって、音声入力モードへの切り替えをするのではなく、連携調理モードKM3の調理メニュー(例えば「ハンバーグ」)や、複合調理モードKM2の制御メニュー(例えば「RG手動」、「あたため」)を選択する過程で、音声入力モードに切り替え、必要な制御条件の入力を、その段階から音声で行うことができる。
このため、具体的な制御条件の入力段階で、音声入力モードに簡単に切り替えて入力を続けることができ、ユーザーUSの入力作業時の負荷の軽減を更に図ることができる。
なお、この実施の形態5では、第1の加熱手段HM1が、IHコイル9を利用した誘導加熱源であったが、鍋を加熱するガスバーナーを備えた、ガス燃焼装置であっても良い。
また、第4の加熱手段HM4を更に備えても良い。例えば、蒸気発生器(ボイラー)を、第4の加熱手段HM4として追加し、加熱室6の内部に高温の蒸気を供給する構成にしても良い。
更に、この実施の形態5では、音声入出力器(情報処理端末器)1000を経由して音声で入力することが可能であったが、この音声入出力器(情報処理端末器)1000が無い場合でも、特に図100で説明したように、加熱調理器1には、音声信号受信部56と音声信号解析部58を具備しているので、加熱調理器1に向かってユーザーUSが直接音声で入力をすることができる。
また、機能設定キー151KP(図101、図104参照)によって機能設定モードを選択できるが、この機能設定モードに切り替えている期間中に、所定の入力キーを操作すると、以下のように動作を変更できる。
すなわち、音声入力モードにおいて前記音声信号受信部56の受信機能を無効化したり、音声信号解析部58の機能を無効化したりして、加熱調理器1自体では音声入力を受け付けず、外部(第1サーバー321等)経由した指令だけを受け付けるように設定することができる。
このように設定しておくと、音声入出力器(情報処理端末器)1000を使用する場合、加熱調理器1が当該音声入出力器(情報処理端末器)1000向けの発声(音声)を受け付けて、応答してしまうことを防止できる。
実施の形態6.
図111は、実施の形態6に係る加熱調理器の、中央表示部を示す操作説明図である。図112は、図111に示す加熱調理器の変形例を示す、中央表示部と中央操作部の操作説明図である。図113は、図111に示した加熱調理器の入力操作ステップと表示ステップを示す動作説明図である。なお、図1~図110に説明した各実施の形態の構成と、同一又は相当部分は、同じ符号を付けている。
この実施の形態6は、実施の形態5の、特にタッチパネル入力装置350とタッチジェスチャー判定装置353を、更に改良したものである。
この実施の形態6では、第1の加熱手段HM1の単独調理モードKM1についても、外部からレシピデータCDを取得できるが、以下の説明では、連携調理モードKM3と複合調理モードKM2の2つを中心に説明する。
図111について説明する。
案内画面1(16MA1)には、タッチ位置情報536Lと536Rの2つしか表示されない。この点が実施の形態5との、1つの相違点である。
更に案内画面1(16MA1)の1つのタッチ位置情報536Lが表示された位置にユーザーUSがタッチすると、「複合調理モード受け付けました」という音声での案内が行われる。そして、その1~2秒後に、表示画面2に示したように複合調理モードKM2用の第2特定画面16M2が表示される。
しかし、同じタッチ位置情報536Lが表示された位置を、連続して(例えば1秒以内)に2回タッチすると、今度は「連携調理モード受け付けました」という音声での案内が行われる。そしてその場合は、第1特定画面16M1(この図111には、図示していない)が表示される。この点が実施の形態5との、更に別の相違点である。
図111に示している表示画面2の状態を取り消すには、「あたため」の識別情報160にタッチしたまま指先FGを、左方向に動かす。このように左方向に指先FGが動いた場合には、ジェスチャーモード判別部355は、1つ前の表示内容に戻すことと判別する。そのため、図111に示した案内画面1A(16MA1)の段階に戻る。なお、このように指先FGを、左方向に動かすと、ジェスチャーモード判別部355は、1つ前の表示内容に戻すことと判別するが、これも、実施の形態5の構成とは異なっている。
更に案内画面1(16MA1)の1つのタッチ位置情報536Rが表示された位置にユーザーUSがタッチすると、「IH調理を受け付けました」という音声での案内が行われる。そして、その1~2秒後に、案内画面2(16MA2)(図111では、「表示画面4」と表示)が表示される。
図111の案内画面16MA2の、タッチ位置情報536Lが表示された位置にユーザーUSがタッチすると、「左IH 受け付けました」という音声での案内が行われる。そして、その1~2秒後に、表示画面4に示したように単独調理モードKM3用の第3特定画面16M3が中央表示部16Mに表示される。
ところで、この実施の形態6では、案内画面1(16MA1)のタッチ位置情報536Rにタッチした段階で、「長押し」状態であるかどうかに関係なく、全て音声入力モードに切り替わる。この点が、この実施の形態6の特徴の1つである。
以上説明した以外については、実施の形態5と同じであるので、重複した説明は省略する。
この図111から明らかなように、2つのタッチ位置情報536L、536Rの何れか1つの位置にタッチすると、そのタッチした位置に応じて案内画面1(16MA1)や第2特定画面16M2、第3特定画面16M3等が表示される。
従って、ユーザーUSは最初の段階で前記案内画面1(16MA)を見ることができるので、加熱調理の開始前に、入力操作に迷うことも解消でき、操作性と利便性の高い加熱調理器1を実現できる。
次に、図112について説明する。
この図112に示す変形例では、連携調理モードKM3の加熱調理モード、又は(複合調理モードKM2の)制御メニューの選択の際に、第1エリア22に指先FGで触れたまま、右方向に動かすと、(制御メニューと調理メニューの)次の階層の入力画面に移行する。
すなわち、制御条件の入力を促す表示と、音声入力モードに切り替わったことを示す音声入力モード表示情報179Dとが、それぞれ同時に表示されることが特徴である。
すなわち、実施の形態6では、第1特定画面16M1又は第2特定画面16M2の状態で、第1エリア30Lに指先FGをタッチしたまま、右方向に指先FGが動いた場合には、前記タッチジェスチャー判定装置353(図107参照)は、そのタッチ状態の判定結果を入力制御部70にインプットする。これにより、入力処理部70は、音声入力モードへの切り替え指令があったものと判定する。
図112において、第2エリア23と第3エリア24が合体された表示エリアには、制御条件(この場合、予熱温度と加熱時間)を設定することをユーザーUSに求める操作支援情報170を表示している。
連携調理モードKM3の場合、識別情報167が図112に示すように、第1エリア22の所定位置Bに表示されている状態で、指先FGをその識別情報167の真上に触れたままにしても(長押し状態。この場合、5秒間以上)、音声入力モードには切り替えはできない。これは、複合調理モードKM2においても同じである。この点も、実施の形態5の構成と基本的に異なっている。つまり、識別情報167、160にタッチしたまま(長押し状態)では、音声入力モードは起動しない。音声入力モードにするには、更に、そのまま右方向に指先をスライドさせる必要がある。
更に、この実施の形態6では、第1エリア22の所定位置Bに識別情報167が表示されている状態で、指先FGをその識別情報167の真上に連続して2回タッチ操作した場合でも、識別情報167の表示は変化しない。つまり、第1エリア22で調理メニューや(複合調理モードKM2の)制御メニューが表示された状態では、第1エリア22の中の短押し状態は、前記タッチジェスチャー判定装置353に検知されない。
次に、図113について説明する。
この図113に示す動作ステップMT21~MT44は、前記待機時初期画面16MH以降の、入力操作、表示動作、音声ガイド等を示したものである。これらの動作ステップは、制御装置40、右操作部15M、左操作部15L、中央操作部15Mの、それぞれの制御プログラムの中に規定されているが、制御装置40だけの制御プログラムに統合して規定していても良い。
説明の都合上、図111で説明したタッチ位置情報536Lと、536Rの表示部にタッチ操作した場合の受付は、制御装置40にある入力制御部70、入力信号解析部52及び案内画面解析部140が主体になって処理するものとして、以下の通り説明する。
図113の動作は、図111の構成を前提にしたものであり、図112の変形例に対応したものではない。
図113に示すように、主電源スイッチ20がONとなると、最初に待機時初期画面16MHが表示され(図111)、音声報知部50によって、待機時初期画面16MHの表示情報の骨子が音声で報知される(ステップMT21)。
前記ステップMT21の時点から数秒後に、自動的に案内画面1(16MA1)が中央表示部16Mに表示される。また、この案内画面1の表示に合わせて、音声報知部50によって、2つのタッチ位置情報536L、536Rの中から、ユーザーUSが希望する調理モードの選択のために、1つを選択するような案内が行われる(ステップMT22)。なお、ここでいう案内画面1とは、図111で説明した案内画面1(16MA1)をいう。
タッチ位置情報536Lに触れた場合(ステップMT23)、制御装置40にある入力信号解析部52と案内画面解析部140によって、案内画面16MA1段階でタッチ操作されたことを検知する。そして、中央表示部16Mには第1特定画面16M1が表示される(案内画面1の表示は、同時に無くなる)。そして、このステップの内容について、音声報知部50でも報知される。(ステップMT24)。
このタッチ位置情報536Lが表示された位置にユーザーUSが1回タッチすると、連携調理モードKM3が選択され、ステップMT24に進む。しかし、短時間の内に2回連続してタッチすると、複合調理モードKM2が選択され、ステップMT29に進む。
次のステップMT25で、指先FGを第1エリア22から隣の第2エリアの方向(右方向へ、タッチしたまま一定の時間内に滑らせる(スライドさせる)タッチ操作を行うと、このタッチ操作をタッチジェスチャー判定装置353が判定し、判定結果を入力制御部70にインプットする。そして、そのタッチジェスチャー判定装置353からの入力をトリガーとして、入力処理部70は、音声入力モード1に対応するよう、前記入力信号解析部52を制御する(ステップMT26)。このような処理は、後で述べるステップMT31でも行われる。なお、ステップMT25Aは、外部の通信端末器200やクラウドサーバー300等から、レシピデータCDを取得する処理を示す。
この後、第1特定画面16M1に表示された情報(1つの識別情報167を含んだ、調理メニューを含む)をユーザーが確認し、制御条件や調理メニューを適宜変更して、(機械的スイッチである)入力キー151Mを押せば、連携調理モードKM3の調理工程に移行する(MT27)。なお、音声入力モードでも、入力キー151Mの操作に代えて、音声で加熱調理を指令することはできない。
ステップMT26において、入力処理部70は、音声入力モードのプログラムを起動させ、音声信号解析部52の状態を、外部(第1サーバー321や通信端末器200等)からの入力(レシピデータCDに関する制御条件の修正入力など)に備えた待機状態となるように制御することができる。つまり、外部からのデマンド(データ)が通信部51経由で到着することに制御装置40は備える(待機状態になる)。
一方、前記ステップMT23において、タッチ位置情報536Lのタッチ操作で、複合調理モードKM2が選択された場合、ステップMT29に進む。つまり、案内画面1(16MA1)から、第2特定画面16M2に変化し、このステップの内容について、音声報知部50でも報知される。
この後、ステップMT25と同様に、第2特定画面16M2に表示された情報(複合調理モードKM2の1つの制御メニューの名称である特定文160を含む)をユーザーUSが確認し、制御条件や制御メニューを入力するために、指先FGをタッチしたまま一定の時間内に滑らせる(スライドさせる)タッチ操作をする(ステップMT30)と、音声入力モードに切り替えることができる(ステップMT31)。そこで、それら制御条件や制御メニューを音声で入力して、適宜変更できる。なお、ステップMT30Aは、外部の通信端末器200やクラウドサーバー300等から、レシピデータCDを取得する処理を示す。
その後、機械的スイッチである入力キー151Mを押せば、複合調理モードKM2の調理工程に移行する(MT32)。
ステップMT22において、案内画面1(16MA1)の中に表示されている、タッチキーが配置されたタッチ位置情報536Rの表示部分に触れた場合(ステップMT33)、中央表示部16Mには案内画面2(16MA2。図99参照)が表示される(案内画面1の表示は、同時に無くなる)(ステップMT35)。そして、このステップの内容について、音声報知部50でも報知される。
ところで、ステップMT33の段階で、タッチ位置情報536Rの表示部分に触れたことが検知された際に、「長押し」であるか「短押し」であるかどうかに関係なく、制御装置40はタッチ入力モードへの切り替えを行っている(ステップMT34)。
従って、図111に示した案内画面2(16MA2)が表示された時点(ステップMT35)では、既に音声入力モードに切り替わっているので、ユーザーUSは、図111に示したような説明文525、526、527を見て、音声でそれらの中の1つを選択すれば良い。例えば、「右 加熱」というように、加熱口を特定するフレーズ(言葉)を音声で入力する(ステップMT36、MT39、MT42)。なお、ステップMT37Aは、外部の通信端末器200やクラウドサーバー300等から、レシピデータCDを取得する処理を示す。
図111に示した案内画面2(16MA2)が表示された時点(ステップMT35)で、タッチ位置情報536R又は536Lの何れか1つにタッチ操作した場合、この操作によって右加熱口4R又は左加熱口4Lが選択されたことになる。
そのため、これら左右の加熱口に、1対1で対応している表示部(右表示部16L、左表示部16L)に、図111の表示画面4のような第3特定画面16M3が表示される(ステップMT37、MT43)。
一方、図111に示した案内画面2(16MA2)が表示された時点(ステップMT35)で、タッチ位置情報536Mにタッチ操作した場合、この操作によって中央加熱口4Cが選択されたことになる。
そのため、この中央加熱口4Cに対応している表示部(中央表示部16M)に、図111の表示画面4のような第3特定画面16M3が表示される(ステップMT40)。
この後、例えば、左表示部16Lに表示された情報(制御メニューを含む)をユーザーUSが確認し、制御条件や制御メニューを、音声の入力で適宜変更して、(機械的スイッチである)入力キー153Lを押せば、左加熱口4Lにおける誘導加熱調理の工程に移行する(ステップMT38)。中央加熱口4Cと右加熱口4Rについても同様に、ステップMT41、MT44のように加熱調理工程に移行できる。
実施の形態6の総括.
以上のように、この実施の形態6では第9の開示に係る加熱調理器1を、以下の形態で開示していた。
すなわち、第9の開示に関する加熱調理器1の1つの形態は、
被加熱物Nを加熱する加熱手段(第1の加熱手段~第3の加熱手段HM1~HM3)と、
ユーザーの指令を受ける入力操作部15と、
外部からレシピデータCDを受信する通信部21と、
表示部16を有した報知部90と、
複数の加熱調理モードに応じて前記加熱手段を制御する制御装置40と、を備え、
前記制御装置40は、前記表示部16において前記加熱調理モードの個々を選択するためのタッチ位置情報536L、536Mを表示し、かつ、当該タッチ位置情報536L、536Mをタッチした場合に、1つの前記加熱調理モードを選択し、
前記タッチ位置情報536L、536Mをタッチした場合に前記表示部には、調理メニュー又は制御メニューの識別情報167、160を表示し、
更に、前記識別情報167、160の表示部分をタッチ操作した形態を判定するタッチジェスチャー判定装置353を有し、
前記タッチジェスチャー判定装置353の判定結果により、音声入力モードへの切り替えを行い、
前記制御装置40は、前記タッチ位置情報536L、536Mのタッチ操作によって前記レシピデータCDの取得指令を受けたあと、前記レシピデータCDの取得ができた場合には、当該レシピデータCDの取得を示す情報173を、前記表示部16によって表示すること、
を特徴とする構成であった。
このような構成であるため、案内画面16MAに表示されるタッチ位置情報536L、136Mをタッチ操作すれば、希望する加熱調理モード等の選択が行える。当該選択操作に応じて調理メニューの識別情報167を表示する第1特定画面16M1又は制御メニューの識別情報160を表示した第2特定画面16M2に切り替わる。
更に、前記識別情報167、160が表示された第1特定画面16M1又は、第2特定画面16M2において、調理メニューや制御メニューをタッチ操作した際の形態を判定して、自動的に音声入力モードへの切り替えもできるので、加熱動作開始前の入力工程の面倒な作業を音声で入力できる。これによりユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
更に、前記レシピデータCDの取得ができた場合、当該レシピデータCDの取得を示す情報173が、前記表示部16(中央表示部16M)によって表示されるので、ユーザーUSがレシピデータCDの取得を容易に認識でき、調理開始までの操作性を向上させることが期待できる。
更に、具体的には、図102で説明したように、前記タッチ式の入力キー536L、536M、536Rによる加熱調理モード等の選択操作後、第1特定画面16M1又は前記第2特定画面16M2の状態で表示される調理メニュー(識別情報167)や制御メニュー(識別情報160)の表示部分をタッチ操作(右方向へスライド)することによって、前記音声入力モードへの切り替えができる。
この構成であるから、識別情報160、167を確認する作業の中で、加熱動作開始前の入力工程の面倒な作業を軽減するための、音声入力モードを起動できる。これによりユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
更に、実施の形態6では、表示部16に待機時初期画面16MHを表示し、この待機時初期画面16MHの次に、案内画面16MA1を表示していた(特に、図111参照)。
この待機時初期画面16MHには、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2に共通の参考情報1(待機時共通情報60N)を表示する構成であった。
このような構成であるため、前記タッチ式の入力キー536L、536M、536Rによる加熱調理モード等の選択に際して、ユーザーUSに参考となる情報を提示でき、正しい入力操作に誘導できる。これによりユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
更に、実施の形態6では、第1特定画面16M1又は第2特定画面16M2に切り替わった以降に、外部からのレシピデータCDの取得を許可する構成であった(図113の、ステップMT25A、MT30A)。
このような構成であるため、各種のレシピデータCDを外部から取得するタイミングを、入力操作部15によってコントロールすることができる。
更に、この実施の形態6においては、図111で説明したように、案内画面1(16MA1)を一時的に、かつ自動的に表示させる構成であった。このため、複数の加熱調理モードKM1、KM2の選択と当該加熱調理モードを選択する前記入力操作部15の操作を、ユーザーUSが容易に行うことができる。
更に、この実施の形態6においては、案内画面1(16MA1)の1つのタッチ位置情報536Lが表示された位置にユーザーUSが1回タッチすると、連携調理モードKM3が選択され、短時間の内に2回連続してタッチすると、複合調理モードKM2の選択ができる。つまり、1つのタッチキーによって、2つの加熱調理モードの何れか1つを順次選択できる。
このため、表示面積が制約されている表示画面の中に、タッチ位置情報536Lを明瞭に表示でき、かつ、指先FGでタッチ操作しやすいような大きさで設けることができる。
これによってユーザーUSのタッチ操作性を向上させることができる。
更に、実施の形態6では、特に図112で説明したように、第2エリア23と第3エリア24が合体された表示エリアには、制御条件(例えば、図112では、予熱温度と加熱時間)を設定することをユーザーUSに求める操作支援情報170を表示する構成であった。
このため、入力工程を進める際に、操作支援情報170によって、入力が必要な情報を知ることができる。
また、図112で説明したように、前記識別情報167又は160が表示された以降に、第2エリア23と第3エリア24を結合した広い表示エリアには、音声入力モード1の補助情報179が表示される。
前記補助情報179は、音声入力モードであるため音声での入力を受け付けていることを、文字で示した音声入力モード表示情報179Aであった。
このため、具体的な制御条件の入力段階で、音声入力モードになっていることを知ることができ、ユーザーUSが制御条件を入力する際に、音声入力できるのかどうかの判断に迷ったり、戸惑ったりすることを回避できる。
更に、この実施の形態6においては、図111と図112で説明したように、1つの表示画面(中央表示部16M)の中のタッチ操作に応じて、連携調理モードKM3と複合調理モードKM2の選択を行え、また、音声入力モードへの切り替えもできるので、入力操作用のキーの物理的な数や面積を増やすことがない。このため、タッチ操作面の大きさ、間隔等を確保でき、操作性を損なうことを回避できる。
更に、この実施の形態6では、実施の形態5と同様に、音声入出力器(情報処理端末器)1000を経由して音声で入力することが可能であったが、この音声入出力器(情報処理端末器)1000が無い場合でも、加熱調理器1には、音声信号受信部56と音声信号解析部58を具備しているので、加熱調理器1に向かってユーザーUSが直接音声で入力をすることができる。
また、この実施の形態6においても実施の形態5と同様に、機能設定キー151KPによって機能設定モードを選択できるが、この機能設定モードにおいて、音声入力モードにおいて前記音声信号受信部56の受信機能を無効化したり、音声信号解析部58の機能を無効化したりして、加熱調理器1自体では音声入力を受け付けず、外部(第1サーバー321等)経由した指令だけを受け付けるように設定しても良い。このように設定しておくと、音声入出力器(情報処理端末器)1000を使用する場合、加熱調理器1が当該音声入出力器(情報処理端末器)1000向けの発声(音声)を受け付けて、応答してしまうことを防止できる。
実施の形態7.
図114は、実施の形態7に係る加熱調理システムの構成図である。図115は、図114に示したシステムで使用する加熱調理器の機能的構成を示すブロック図である。図116は、加熱調理器1の制御装置40の主要な動作ステップと、外部の情報処理ネットワーク(第1サーバー321、音声入出力器1000等)側の動作ステップを示している。なお、図1~図113に説明した各実施の形態の構成と、同一又は相当部分は、同じ符号を付けている。
この実施の形態7では、蒸気発生器(ボイラー)550を、第4の加熱手段HM4として追加した点が、実施の形態1~6と大きく異なる。
また、第1サーバー321の構成も大きく異なっている。
この実施の形態7では、実施の形態2で示した通信端末器200に代えて、実施の形態5と6で説明したような、小型の可搬式音声入出力器1000を利用していることが特徴の1つである。
まず、図114について説明する。
加熱調理器1とネットワークNW(205)経由で接続される第1サーバー321には、レシピデータ提供部1301、在庫情報記憶部1324及び食材消費判定部1325とを有している。
前記在庫情報記憶部1324は、冷蔵庫403からネットワークNW(205)経由で送信されてくる「在庫データ」SD1を記憶しており、第1サーバー321の制御部321Cからの指令を受けて在庫の情報は随時更新される。
第1サーバー321は、実施の形態5で説明した第1サーバー321と同様に、加熱調理器1に対する各種遠隔操作データを記憶部321Rに格納している。つまり、加熱調理時間や火力、目標温度等の制御条件を、ユーザーUSが第1サーバー321から送信して設定するための、コマンドデータもデータベース形式で格納されている。
第1サーバー321は、第2サーバー322からの要求B(例えば、音声による制御条件の入力の支援情報の提供)に対して、随時必要な操作支援データGS1を当該第2サーバー322に送信する。
このため、第2サーバー322は、前記操作支援データGS1に対応して、音声データに変換できるような操作支援データGS2を音声入出力器1000に送信する。
前記操作支援データGS2を受けると、音声入出力器1000は、その支援データの内容を音声で報知(音声ガイダンス)する。
音声で指令を与えるユーザーUSは、音声入出力器1000から発せられる音声ガイドで、自己の入力結果を確認できるし、次の音声による入力についても適切な案内を、その都度受けることができる。つまり、対話形式で音声によって入力でき、制御構造において順次深い層まで詳細な条件を与えることができる。
前記在庫情報記憶部1324は、実施の形態1(特に、図7)で説明したように、キッチン601等の居住空間にあるホーム・ゲートウエイ等と呼ばれる情報処理装置411からの信号を受けて、在庫状況を随時確認し、前記在庫データSD1を更新するものでも良い。
食材消費判定部1325は、前記在庫情報記憶部1324から食材の情報(在庫データSD1)を取得し、在庫量の変化から食材の消費された量を推定するものである。
この食材消費判定部1325と前記在庫情報記憶部1324は、実施の形態5に示した食材消費判定部325と在庫情報記憶部324と、基本的な機能は同じであるため、重複した説明は省略する。
1301は、レシピデータ提供部であり、実施の形態5で説明したレシピデータ提供サーバー301の機能と基本的に同じである。第1サーバー321の制御部321Cからの指令を受けて、加熱調理器1で実行できるレシピデータCDを提供する。
この実施の形態7の特徴の1つである音声入出力器1000は、実施の形態5で説明した音声入出力器1000と基本的に同じである。
次に、図115について説明する。
第4の加熱手段HM4である蒸気発生器(ボイラー)は、加熱室6の外側に設置されており、加熱室6の中に過加熱蒸気を吹き出す機能がある。過加熱蒸気を供給するタイミングや単位時間あたりの供給量、供給時間等は、前記制御装置40の加熱制御部43によって制御される。
加熱調理器1は、ユーザーUSの発する声を収集するマイク(図示せず)を介して、ユーザーUSの音声による指令を受ける音声信号受信部56を備えている。つまり、加熱調理器1自体には、前記音声入出力器1000を経由せずに、音声入力でレシピデータCDを選択したり、その制御条件を設定したりする機能を備えている。
加熱調理器1の制御装置40は、実施の形態5とは異なる。つまり、案内画面解析部140に相当する構成はないので、案内画面16MA1は表示されない。
この実施の形態7では、前記制御装置40は、実施の形態2と同様である。すなわち、入力操作部15には、中央操作部15Mと、左右操作部15L、15Rを備えている。そして、中央操作部15Mには、タッチ式入力キー151M~159Mが、中央表示部16の外側で、かつ、その前方近傍位置に横一直線状に配置された形態である。
なお、加熱調理器1の、その他の構成については、実施の形態1で説明したものと同じであるから、重複した説明を省略する。
次に、図116について説明する。
図116において、ステップSE1~SE14は、加熱調理器1の制御装置40の主要な動作ステップと、外部の情報処理ネットワーク(第1サーバー321)及び音声入出力器1000側の動作ステップとを、それぞれ時系列で示している。
ステップSE1のように、加熱調理器1から発せられる情報は、実施の形態2の図65で説明した運転状態データOSの1種である。
第1サーバー321は、加熱調理器1を製造した会社(メーカ)が運営しているものであり、加熱調理器1に特有の特殊な制御や処理を良く理解しているので、加熱調理器1の運転状態(加熱動作中、非加熱動作中の両方を含む)を正確に把握することが可能である。
図116において、スタートキー(入力キー)151M(図示せず)を押して、連携調理モードKM3等、各種の加熱調理モードで加熱調理を開始すると(ステップSE1)、この運転状態データOSが第1サーバー321に送信される。
新しい運転状態データOSが到着すると、記憶部321Rに時系列に記録されているデータが更新される。つまり、加熱調理が終了するまでの主要な動作のデータが時系列で蓄積される(ステップSE2)。
前記運転状態データOSは、主電源スイッチ20のON-OFFを示すデータや、連携調理モードKM3等の選択経緯を示すデータ、加熱温度や加熱時間等の制御条件のデータ等、更にはトッププレート3や加熱室6の最新の温度計測データ等を含んでいる。
次に、ステップSE2の直後に、待機時初期画面16MHが中央表示部16Mに表示される(ステップSE3)。
次のステップSE4では、加熱調理モードの選択が行われる。例えば、連携調理モードKM3を選択するために、入力キー153Mをタッチ操作すると、第1特定画面16M1が表示される。そして、別の入力キー154Mをタッチ操作すると、デフォルト設定された調理メニュー(例えば、ハンバーグ)とは違う調理メニュー(例えば、からあげ)を選択できる。
前記ステップSE4において、音声入力切替キーの1つである入力キー153M又は154Mのタッチ操作時には、そのタッチ状態が「長押し」であるか「短押し」であるかを、中央操作部15M(図示せず)で判定し、その判定結果(音声入力モード1の指令信号)が制御装置40に入力される。
同様に、前記音声入力切替キーの1つである入力キー153L、153Rの、何れか1つのタッチ操作時には、そのタッチ状態が「長押し」であるか「短押し」であるかを、左操作部15L又は右操作部15Rで判定し、その判定結果(音声入力モード1の指令信号である、音声入力モード対応信号MC1)が制御装置40に入力される。
従って、仮に入力キー154Mのタッチ操作時が「長押し」状態であれば、その時点から、制御装置40は、「音声入力モード1」(実施の形態1参照)に変更される(ステップSE5)。
制御装置40の通信部51から第1サーバー321に対して、音声入力モード開始通知SF1が送信される。
第1サーバー321の制御部321Cは、この音声入力モード開始通知SF1を受信すると、音声入力モード対応期間に入る(ステップSE6)。
このステップSE6の「音声入力モード対応期間」とは、この実施の形態7の特徴の1つである。
「音声入力モード対応期間」とは、第1サーバー321に事前に登録された家電機器(この場合、加熱調理器1)が、音声入力モードで入力操作を受け付ける動作をする期間である。
この「音声入力モード対応期間」になると、第1サーバー321では、事前に登録してある音声入出力器1000からの音声入力信号を受けることが分かる。そのため、第1サーバー321では、所定のデータ形式で音声入力があることに備えたスタンバイ処理をしても良い。
次のステップSE6と次のステップSE7は、この実施の形態7の特徴の1つである。第1サーバー321は、前記「音声入力モード対応期間」になったことを音声入出力器1000へ通知する(ステップSE7)。これにより、音声入出力器1000は、間接的ではあるが、加熱調理器1が音声による入力信号を第1サーバー321経由で受け付けることが分かる。つまり、音声入出力器1000は、加熱調理器1の状態を実際に確認しなくとも、音声入力受付待機(準備モード)に入ることも可能となる。
一方、前記ステップSE4以降に、レシピデータCDを第1サーバー321から取得することも可能である。第1サーバー321との自動接続動作を行い、通信接続に成功すると、レシピデータCDの取得モードに進む(ステップSE4A)。
ステップSE5の段階で制御装置40は、「音声入力モード1」に変更されているから、ユーザーUSが図116に示すように、例えば、複合調理モードKM2の「あたため」という制御メニューを発声すると、この発話情報を音声入出力器1000が受ける(ステップSE8)。
ユーザーUSから音声入出力器1000に発せられた発話情報は、音声入出力器1000において、テキストデータに変換され、発話情報のテキストデータ(音声入力信号VS1)形式で、前記第2サーバー322に送信される。
第2サーバー322の制御部322Cは、入出力部322Aを介して、テキストデータ(音声入力信号VS1)を受信し、記憶部322Rに記憶されているスタンダードコマンドに変換できるか否かを判断する。
制御部322Cは、発話情報(音声入力信号VS1)のテキストデータからスタンダードコマンドとして用意されている各種コマンドに変換する。
第2サーバー322の入出力部322Aから第1サーバー321に対しては、要求Bが送信される。この要求Bは、例えば前記レシピデータCDの制御条件の一部のパラメータ(例えば、マイクロ波出力500Wを600W)を変更する指令である。そして、第2サーバー322は、第1サーバー321に対して、操作支援データGS1を提供するように要求する。
第1サーバー321は、第2サーバー322でスタンダードコマンドに変換されたデータを、前記要求Bとして受信して、加熱調理器1側の要求内容を判別する。そして、加熱調理器1に対して、1つの指令情報(コマンドデータ)Aを生成する(ステップSE9)。
指令情報Aは、例えば、加熱調理器1の音声報知部50に対する報知指令である。図116に示したように、「あたため」という制御メニューに対して、前記指令情報Aは、例えば「あたためメニュー受け付けました。時間設定してください」のような音声での報知である。そして、ユーザーUSに対して、「あたため」メニューについての時間設定情報を送信するように推奨する。そして、前記ステップSE8のように、ユーザーUSからの、更に細かい(下位層の)条件設定があることを待つ。
なお、必ずしもユーザーUSからの一度の音声入力で入力工程が完了するとは限らないので、前記ステップSE8とSE9は、何度も繰り返し行われることもある。
以上のような経緯を経て、第1サーバー321では、「あたため」メニューについての時間設定のためのコマンド(コマンドデータ)を生成し、ネットワークNW(205)経由で加熱調理器1に送信する(ステップSE10)。なお、ユーザーUSが設定した制御条件を反映させたレシピデータCDの全体を送信しても良い。つまり、複数の加熱手段を駆動する順番や各加熱手段の駆動時間、駆動パターン等の基本的条件を全て網羅した制御プログラムの全体を送信しても良い。
加熱調理器1では、受信した推奨調理メニューMBである、「あたため」メニューの情報を受信する(ステップSE11)。
この「あたため」メニューでは、調理工程1は、加熱室6で実行することになる。
そのため、ドア7を開けて、被調理物を加熱室6に入れ、再びドア7を閉めるという動作を行うこと必要である。これらのドア7の開閉は、開閉検知部10で行われる(ステップSE12、SE13)。
なお、「あたため」の制御メニューは、ドア7を閉めただけでは自動的に加熱動作は開始されず、加熱開始指令を待つ待機状態に入る。なお、音声報知50は、例えば、「レンジ自動 受付けました。開始キーで加熱開始します」のような案内を行い、ユーザーに対して加熱開始の入力操作を求める(ステップSE14)。
この実施の形態7では、加熱調理器1自身にも直接音声入力を処理できる機能があるため、音声入出力器1000を使用しなくとも良い。
例えば、ステップSE5以降は、ユーザーUSは音声信号受信部56に向けて発声すれば良い。最後に入力キー151Mを操作して加熱調理の開始を決定する。
次に、図117について説明する。
図117は、加熱調理器1において、外部からレシピデータCDのデータや、そのレシピデータCDに適用する制御条件の設定データとなるコマンドデータを受信した場合の表示例を示す、中央表示部16Mの平面図である。
図117は、待機時初期画面16MMが表示された状態である。
前記音声入力モードの状態で、加熱調理器1が前記第1サーバー321から1つの調理メニュー(レシピデータCD)に関する制御条件の、コマンドデータを受信する際、そのコマンドデータの受信に失敗すると、その失敗事実は表示部16で表示される。
図117に示すように、前記加熱調理器1は、前記コマンドデータの取得ができた場合、当該コマンドデータの取得を示す情報173(図57参照)を、表示部16(中央表示部16M)によって表示する。なお、図57では、レシピデータCDの受信のことを説明したが、1つのレシピデータCDのための、1つ又は複数の制御条件を受信する場合も同じである。
図117に示すように、加熱調理器1側の制御装置40の許可条件の判定によって、コマンドデータの取得ができなかった場合、未取得状態を示す情報174Aと、原因又は対策を示す参考情報174Fとを、前記表示部16(中央表示部16M)によって表示する。
この図117では、まだ加熱調理モードの設定信号を制御装置40が受け付けていないので、連携調理モードKM3であるか複合調理モードKM2であるか等が確定しない段階であり、第1特定画面16M1や第2特定画面16M2は表示されていない段階である。
仮に、1つの加熱調理メニューのレシピデータCDを制御装置40が受け付けた後、制御条件の設定のためにコマンドデータを受信する段階で、受信を失敗した場合では、図117のような待機時初期画面16MHではなく、第1特定画面16M1や第2特定画面16M2等に、前記未取得状態を示す情報174Aと、原因又は対策を示す参考情報174Fと、が表示される。
図117において、60Bは、第1サーバー321に誘導するための、二次元情報(二次元コード)である。前記参考情報174Fの内容を詳しく知りたい場合、この二次元コードを通信端末器200によって読み込ませ、第1サーバー321の専用のユーザー支援解説ページに誘導することができる。
この実施の形態7の加熱調理器1は、要約すると以下のような構成であった。
すなわち、トッププレート3の上で被加熱物Nを誘導加熱する誘導加熱源(第1の加熱手段)HM1と、加熱室6と、前記加熱室6にマイクロ波を供給するマイクロ波加熱源(第2の加熱手段)HM2と、前記加熱室6を輻射熱で加熱するオーブン加熱源(第3の加熱手段)HM3と、前記加熱室6の内部に高温の蒸気を供給する蒸気発生器(第4の加熱手段)HM4と、入力操作部15と、表示部16と音声報知部50を有した報知部90と、外部と無線で情報の授受を行う通信部51と、制御装置40と、を有している。
、
前記制御装置40は、
前記表示部16に待機時初期画面16M1を表示した後、
(1)前記第1の加熱手段を単独で動作させるIH単独モード
(2)前記第2の加熱手段を単独で動作させるレンジ単独調理モード
(3)前記第3の加熱手段を単独で動作させるオーブン単独調理モード
(4)前記第4の加熱手段を単独で動作させるスチーム単独調理モード
(5)前記第2の加熱手段と前記第3又は第4の加熱手段の一方又は両方を同時に加熱動作させ、あるいは自動的に動作時期を異ならせて、前記加熱室6で加熱調理を行う複合調理モードKM2、
(5)前記第2の加熱手段と、前記第3又は第4の加熱手段の両方又は何れか一方と、前記第1の加熱手段を、ユーザーからの指令によって長さが定まる移行期間TRを経て、順次動作させる連携調理モードKM3、
を実行できる動作プログラムを有し、
前記連携調理モードKM3は、前記加熱室6を使用して前記移行期間TRの前に行われる調理工程1と、前記移行期間TRの後に、前記トッププレート15の上方で行われる調理工程2と、を含み、
前記制御装置40は、加熱調理を実行するレシピデータCDを、第1サーバー321から受信するとともに、運転状態データOSを前記第1サーバー321へ無線(ネットワークNW経由)で送信する機能を有し、
前記制御装置40は、前記レシピデータCDが適用される調理メニューについての制御条件を、前記第1サーバー321からの指令情報(コマンド)を受けて設定する構成であった。
更に、加熱調理器1は、入力操作部15の特定の入力キー(例えば、154M)のタッチ状態に応じて、自動的に音声入力モードに変更できる構成であった。
実施の形態7の総括.
以上のように、この実施の形態7では第1の開示に係る加熱調理器1を、以下の形態で開示していた。
すなわち、第1の開示に関する加熱調理器1の1つの形態は、
トッププレート3の上に置かれた被加熱物を加熱する第1の加熱手段HM1と、
加熱室6で被調理物を加熱する第2の加熱手段HM2と、第3の加熱手段HM3及び第4の加熱手段HM4と、
タッチ式の入力キーを備えた入力操作部15と、
中央表示部16Mを備えた報知部90と、
制御装置40と、を備え、
前記制御装置40は、前記表示部16を起動した後に、当該表示部16に複数の加熱調理モードKM1~KM3又は制御メニューの識別情報167、160を選択可能に表示し、
前記入力操作部15は、前記入力キーの中の特定入力キー153M、154M、153L、153Rの操作により加熱調理モードの選択が可能となり、
前記制御装置40は、主電源スイッチ20がONにされた後に、前記特定入力キーによってレシピデータCDの取得指令を受けた場合、前記音声入力モードの状態で外部からの制御条件の設定指令(コマンドデータ)を受け付ける待機状態となり、
前記レシピデータCDの取得ができた場合、当該レシピデータの取得を示す情報173を、前記表示部16(中央表示部16M)によって表示すること、
を特徴とするであった。
このような構成であるため、各種のレシピデータCDを外部から取得するタイミングを、入力操作部15によってコントロールすることができる。また、入力操作部15にあるタッチ式の入力キー(特定入力キー153M、154M、153L、153R)を利用して、音声入力モードへの切り替えができるので、加熱動作開始前の入力工程の面倒な作業を音声で入力できる。これによりユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
更に、前記レシピデータCDの取得ができた場合、当該レシピデータCDの取得を示す情報173が、前記表示部16(中央表示部16M)によって表示されるので、ユーザーUSがレシピデータCDの取得を容易に認識でき、調理開始までの操作性を向上させることが期待できる。
更に、第4の加熱手段HM4を備えているので、実施の形態1~6に比較して更に多種類の調理に幅広く対応でき、冷凍食品の解凍から加熱調理等、利便性を更に向上させることができる。
更に、この実施の形態7の加熱調理器1では、前記制御装置40は、前記レシピデータの対象となる調理メニューに関する食品成分又は栄養成分の、少なくとも何れか一方の情報を、前記表示部16(中央表示部16M)に表示することを特徴とする構成であった。
具体的には、第1サーバー321から、1つの調理メニュー(例えば「ハンバーグ」)について、食品成分と栄養成分とを示すデータを入力操作部15からの指示に応じて取得する形態であった。このため、ユーザーUSが個々の有用な情報を容易に、しかも明確に識別できる。これによって、家族の健康管理、食事制限等の状況に応じて、ユーザーUSが食品成分や栄養成分の情報から、適切な調理メニューを選択することができ、食生活の改善に貢献することができる。
更に、この実施の形態7では第10の開示に係る加熱調理システムを、以下の形態で開示していた。
すなわち、第10の開示に関する加熱調理システムの1つの形態は、
加熱手段を有する加熱調理器1と、
前記加熱調理器1とネットワークNW(205)を介して接続される第1サーバー321と、
前記第1サーバー321とネットワークNW(205)を介して接続される音声入出力器1000と、を備えており、
前記第1サーバー321は、前記加熱調理器1に対して調理メニューの制御条件を設定するコマンドデータを送信する機能を有し、
前記第1サーバー321は、前記音声入出力器1000がユーザーから受けた音声入力に対応するデータを取得する機能を有し、
前記加熱調理器1は、前記レシピデータCDを前記第1サーバー321から取得する機能を有し、
前記加熱調理器1は、入力キーの操作状態に応じて、タッチ入力モードから音声入力モードに自動的に切り替える機能を有し、
前記加熱調理器1は、前記音声入力モードの状態で、前記第1サーバー321から取得した前記レシピデータCDの調理に関する制御条件を設定するための、コマンドデータを受け付け、
前記加熱調理器1は、前記コマンドデータの取得ができた場合、当該コマンドデータの取得を示す情報173を、表示部によって表示し、コマンドデータの取得ができなかった場合、未取得状態を示す情報174Aと、原因又は対策を示す参考情報174Fとの、少なくとも何れか1つを前記表示部で表示すること、
を特徴とする構成である。
この第10の開示の加熱調理システムによれば、ネットワークを利用して外部から取得したレシピデータCDを利用して加熱調理ができる。
また、レシピデータCDを取得する際に、自動的に音声入力モードに変更されるので、その後に取得したレシピデータCDに関する制御条件の入力作業の際に、音声で入力することが可能となり、ユーザーUSの入力操作の効率化や入力負荷の軽減に貢献することができる。
更に、前記コマンドデータの取得ができなかった場合、当該コマンドデータの不受信結果を示す不受信情報174Fと、原因又は対策を示す受信支援情報174Aが、前記表示部16(この実施の形態7では、中央表示部16M)によって表示されるので、ユーザーUSがコマンドデータの取得に失敗したことを容易に認識でき、調理開始前に操作の誤解を招くことを回避し、結果的に操作性と利便性を向上させることが期待できる。
更に、この実施の形態7では第11の開示に係る加熱調理器1を、以下の形態で開示していた。
すなわち、第11の開示に関する加熱調理システムの1つの形態は、
被加熱物Nを加熱する加熱手段(第1の加熱手段HM1~第4の加熱手段HM4)と、
ユーザーの指令を受ける入力操作部15と、
音声による入力指令を受ける音声信号受信部56と、
外部から特定の調理メニューの制御条件を決定するコマンドデータを受信する通信部51と、
表示画面16を有した報知部90と、
制御装置40と、を備え、
前記入力操作部15には、調理内容を選択するタッチ式の入力キー153M、154M、153L、153Rを有し、
前記入力操作部15は、前記入力キーのタッチ状態に応じて音声入力モードの開始を前記制御装置40に指令し、
前記制御装置40は、前記表示部を起動した後に、当該表示部に待機時初期画面16MHを表示し、
前記制御装置40は、前記待機時初期画面16MHを表示している期間中に、前記入力操作部15から前記音声入力モードを選択する入力指令を受けた場合、前記通信部51を介して前記コマンドデータの取得を可能にし、
更に、前記制御装置40は、前記音声入力モードに選択されたことを示す音声入力モード開始通知SF1(図116参照)を、前記通信部51を介して発信することを特徴とする構成であった。
このため、音声入力モード開始通知SF1を受信した第1サーバー321においては、「音声入力モード対応期間」を設定できる。そして、第1サーバー321では、音声入出力器1000からの音声入力信号を受けることに備えた準備(スタンバイ処理)をすることができる。
更に、前記音声入力モード開始通知SF1の情報を、音声入出力器1000が取得することにすれば(図116のステップSE7)、加熱調理器1が音声による入力信号を受け付けることが分かる。これにより、音声入出力器1000は、加熱調理器1の状態を実際に確認しなくとも、音声入力受付待機(準備モード)に入ることも可能となり、調理における入力工程の所要時間を短縮することが期待できる。
実施の形態8.
図118は、実施の形態8に係る加熱調理システムの構成図である。図119は、図118に示した加熱調理器の制御装置の主要な動作ステップと、外部の情報処理ネットワーク側の動作ステップとを、時系列で示した説明図である。なお、図1~図117に説明した各実施の形態の構成と、同一又は相当部分は、同じ符号を付けている。
この実施の形態8では、加熱調理器1から音声入出力器1000へ直接起動信号等を送信する構成にした点が、実施の形態7と大きく異なる。
この実施の形態8でいう「クラウドサーバー」300とは、第1サーバー321と第2サーバー322の、少なくとも2つを含んでいる。
図118について説明する。
加熱調理器1には、実施の形態1(図6)に示した赤外線送信部31と同様な赤外線(信号)送信部35(図示せず)を有している。
音声入出力器1000は、実施の形態7で説明したものと同様の機能を有するが、赤外線(信号)受信部(図示せず)を有している。そして、当該赤外線受信部は、加熱調理器1の前記赤外線送信部35(図示せず)から、起動信号(図119のステップSE1)や音声入力モード開始通知SF2(以下、これらを総称して「信号C」という)を随時受信する。
なお、 加熱調理器1から音声入出力器1000への信号Cの送信手段は、前記した赤外線通信に限定されるものではなく、例えば電力線搬送方式や信号線(ケーブル等)で直接接続した方式でも良い。
次に、図119について説明する。
図119において、ステップSE1~SE14は、加熱調理器1の制御装置40の主要な動作ステップと、外部の情報処理ネットワーク(第1サーバー321)及び音声入出力器1000側の動作ステップとを、それぞれ時系列で示している。
図119から明らかなように、実施の形態7の図117に示したものとは、ステップSE2A、SE6A及びSE7Aが異なっており、その他のステップは同じであるので、同一部分は同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
図119において、加熱調理器1の主電源スイッチ20(図示せず)をONにすると、加熱調理器1は、起動する(ステップSE1)。この起動によって制御装置40は、信号送信部(赤外線送信部)35(図示せず)から赤外線信号を発信する。
音声入出力器1000の赤外線受信部(図示せず)は、前記加熱調理器1からの赤外線信号を受けて起動し、待機モードに入る(ステップSE2A)。
なお、音声入出力器1000は、前記信号Cを受ける前には、電源が供給されて前記信号Cを受信できる信号待ち状態になっているものとする。
図119では、実施の形態7(図117)で説明したような運転状態データOSが示されていないが、同様な運転状態データOSは、第1サーバー321に送信される。
そして、新しい運転状態データOSが到着すると、第1サーバー321は、その記憶部321Rに時系列に記録されているデータを、その都度更新する。
加熱調理器1において、加熱調理モードの選択が行われる際に、音声入力切替キーの1つである入力キー153L、153R(いずれも、図示せず)の、何れか1つのタッチ操作時に、そのタッチ状態が「長押し」であると判定された場合、加熱調理器1の制御装置40は、その時点から音声「音声入力モード1」(実施の形態1参照)に変更される
制御装置40の通信部51から音声入出力器1000の赤外線受信部(図示せず)へ音声入力モード開始通知SF2(信号C)が送信される(ステップSE5)。
音声入出力器1000は、前記信号Cを受けて音声入力モードの運転を開始する(ステップSE6)。
音声入出力器1000は、第1サーバー321に対し、前記音声入力モード開始通知SF2(信号C)を示す信号を無線通信で送信する。このため、第1サーバー321は、音声入力の受け付けに備えた待機モードに入る(ステップSE7A)。
このステップSE6AとSE7Aは、この実施の形態8の特徴の1つである。
ステップSE7Aになると、第1サーバー321では、事前に登録してある音声入出力器1000から、この後に音声入力信号を受けることが分かる。そのため、第1サーバー321では、所定のデータ形式で音声入力があることに備えたスタンバイ処理を開始できる。
前記ステップSE6Aにより、音声入出力器1000は、直接的に加熱調理器1が音声による入力を開始することが分かる。つまり、ユーザーUSが加熱調理器1の状態を実際に確認しなくとも、音声入力受付待機(準備モード)に入ることが可能となる。
その後、実施の形態7で説明したように、ユーザーUSが直接音声で指令内容を発すると、この発話情報を音声入出力器1000が受け(ステップSE8)、音声入出力器1000において、テキストデータに変換され、発話情報のテキストデータ(音声入力信号VS1)形式で、第2サーバー322に送信される。これ以降は、実施の形態7で説明したものと同じである。
この実施の形態8では、加熱調理器1自身にも直接音声入力を処理できる機能があるため、音声入出力器1000を使用しなくとも良い。
例えば、ステップSE5以降は、ユーザーUSは音声信号受信部56に向けて発声すれば良い。この場合、音声入出力器1000は、電源をOFFにしておく。
例えば、入力操作部15の中の特定に入力キーを押すと、前記信号Cが音声入出力器1000の赤外線受信部(図示せず)へ送信され、音声入出力器1000は、運転を停止するようにしても良い。この場合の運転の停止とは、電源をOFFするケースと、電源をONに維持したまま、音声入力の受け付け機能を停止する待機状態になるケースの、何れでも良い。
この実施の形態8では、図示していないが、実施の形態7(特に図117)で説明したように、前記レシピデータCDの取得ができた場合、当該レシピデータCD(コマンドデータだけの場合を含む)の取得を示す情報173(図57参照)を、表示部16(中央表示部16M)によって表示する。
しかし、加熱調理器1側の制御装置40の許可条件の判定によって、レシピデータCD(コマンドデータだけの場合を含む)の取得ができなかった場合、未取得状態を示す情報174Aと、原因又は対策を示す参考情報174Fとを、前記表示部16(中央表示部16M)によって表示する構成である。
この実施の形態8の加熱調理器1は、要約すると以下のような構成であった。
すなわち、トッププレート3の上で被加熱物Nを誘導加熱する誘導加熱源(第1の加熱手段)HM1と、加熱室6と、前記加熱室6にマイクロ波を供給するマイクロ波加熱源(第2の加熱手段)HM2と、前記加熱室6を輻射熱で加熱するオーブン加熱源(第3の加熱手段)HM3と、前記加熱室6の内部に高温の蒸気を供給する蒸気発生器(第4の加熱手段)HM4と、入力操作部15と、表示部16と音声報知部50を有した報知部90と、外部と無線で情報の授受を行う通信部51と、制御装置40と、を有している。
、
前記制御装置40は、加熱調理を実行するレシピデータCDを、第1サーバー321から受信するとともに、信号Cを音声入出力器1000に赤外線信号の形態で送信する機能を有し、
前記制御装置40は、前記レシピデータCDを取得し、当該レシピデータCDが適用される調理メニューについての制御条件を、前記第1サーバー321からの指令情報(コマンド)を受けて設定する構成であった。なお、ここでいう「レシピデータCD」とは、コマンドデータだけの場合を含むものである。
更に、前記制御装置40は、前記送信部35(赤外線信号送信部)(図示せず)から、音声入出力器1000の赤外線受信部(図示せず)に対して音声入力モード開始通知SF2(信号C)を送信する構成であった。
更に、前記制御装置40は、前記送信部35(赤外線信号送信部)(図示せず)から、音声入出力器1000の赤外線受信部(図示せず)に対して音声入力モード停止通知(信号C)を送信する構成であった。
更に、加熱調理器1は、入力操作部15の特定の入力キー(例えば、154M)のタッチ状態に応じて、自動的に音声入力モードに変更できる構成であった。
実施の形態8の総括.
以上のように、この実施の形態8では第1の開示に係る加熱調理器1を、以下の形態で開示していた。
すなわち、第1の開示に関する加熱調理器1の1つの形態は、
トッププレート3の上に置かれた被加熱物を加熱する第1の加熱手段HM1と、
加熱室6で被調理物を加熱する第2の加熱手段HM2と、
タッチ式の入力キーを備えた入力操作部15と、
中央表示部16Mを備えた報知部90と、
信号送信部35(赤外線信号送信部)(図示せず)と、
制御装置40と、を備え、
前記制御装置40は、前記表示部16を起動した後に、当該表示部16に複数の加熱調理モードKM1~KM3又は制御メニューの識別情報を選択可能に表示し、
前記入力操作部15は、前記入力キーの中の特定入力キー153M、154M、153L、153Rの操作により音声入力モードの開始を前記制御装置40に指令し、
前記制御装置40は、前記送信部35(赤外線信号送信部)(図示せず)から、外部に対して音声入力モード開始通知SF2(信号C)を送信し、
前記制御装置40は、前記特定入力キーによってレシピデータCDの取得指令を受けた場合、前記音声入力モードの状態で外部からの制御条件の設定指令(コマンドデータ)を受け付ける待機状態となり、
前記レシピデータCDの取得ができた場合、当該レシピデータの取得を示す情報173を、前記表示部16(中央表示部16M)によって表示すること、
を特徴とするであった。
このような構成であるため、各種のレシピデータCDを外部から取得するタイミングを、入力操作部15によってコントロールすることができる。また、入力操作部15にあるタッチ式の入力キー(特定入力キー153M、154M、153L、153R)を利用して、音声入力モードへの切り替えができるので、加熱動作開始前の入力工程の面倒な作業を音声で入力できる。これによりユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
更に、前記レシピデータCDの取得ができた場合、当該レシピデータCDの取得を示す情報173が、前記表示部16(中央表示部16M)によって表示されるので、ユーザーUSがレシピデータCDの取得を容易に認識でき、調理開始までの操作性を向上させることが期待できる。
また、前記送信部35(赤外線信号送信部)(図示せず)から、外部の音声入力手段(音声入出力器1000)に対して音声入力モード開始通知SF2(信号C)を送信するから、加熱調理器1の運転情報を取得したり、監視したりする外部機器や第1サーバー321、第2サーバー322等の情報処理機器との、連携したシステムの構築に便利である。
更に、実施の形態8では、前記タッチ式の入力キー(154M等)によって、前記調理モード又は前記制御メニューを選択した以降に、外部からのレシピデータCDの取得を許可する構成であった。
このような構成であるため、各種のレシピデータCDを外部から取得するタイミングを、入力操作部15によってコントロールすることができる。
更に、この実施の形態8では第12の開示に係る加熱調理システムを、以下の形態で開示していた。
すなわち、第12の開示に関する加熱調理システムの1つの形態は、
信号送信部35(図示せず)と通信部51とを有し、被加熱物Nを加熱する加熱調理器1と、
前記加熱調理器1とネットワークNW(205)を介して接続される第1サーバー321と、
前記第1サーバー321とネットワークNW(205)を介して接続される音声入出力器1000と、を備えており、
前記第1サーバー321は、前記加熱調理器1に対して調理メニューの制御条件を設定するコマンドデータを送信する機能を有し、
前記第1サーバー321は、前記音声入出力器1000がユーザーから受けた音声入力の内容を示すデータを取得する機能を有し、
前記加熱調理器1は、待機時初期画面16MHが表示された後、前記レシピデータCDを前記第1サーバー321から取得する機能を有し、
前記加熱調理器1は、タッチ式入力キー(154M等)のタッチ状態に応じて、タッチ入力モードから音声入力モードに自動的に切り替える機能を有し、
前記加熱調理器は、前記音声入力モードの状態を示す信号を前記音声入出力器に対して前記ネットワークNW(205)を経由せずに前記信号送信部35から送信し、
前記加熱調理器は、前記音声入力モードの状態で、前記クラウドサーバーから取得した前記レシピデータCDに関する、前記コマンドデータを受け付け、
前記加熱調理器1は、前記レシピデータCDの取得ができた場合、当該レシピデータCDの取得を示す情報173を、表示部16によって表示し、前記レシピデータCDの取得ができなかった場合、未取得状態を示す情報174Aと、原因又は対策を示す参考情報174Fとの、少なくとも何れか1つを前記表示部16で表示すること、
を特徴とする構成である。
この第9の開示の加熱調理システムによれば、ネットワークを利用して外部から取得したレシピデータCDを利用して加熱調理ができる。
また、レシピデータを取得する際に、自動的に音声入力モードに変更されるので、その後に取得したレシピデータに関する制御条件の入力作業の際に、音声で入力することが可能となり、ユーザーUSの入力操作の効率化や入力負荷の軽減に貢献することができる。
更に、前記音声入出力器1000が前記音声入力モードの状態を示す信号Cを受信して、音声入力信号を受けることに備えた準備(スタンバイ処理:待機状態)に早期に移行できる。このため、調理における入力工程の所要時間を短縮することが期待できる。
更に、前記レシピデータCDの取得ができなかった場合、当該レシピデータの不受信結果を示す不受信情報174Fと、原因又は対策を示す受信支援情報174Aが、前記表示部16(この実施の形態8では、中央表示部16M)によって表示されるので、ユーザーUSがレシピデータCDの取得に失敗したことを容易に認識でき、調理開始前に操作の誤解を招くことを回避し、結果的に操作性と利便性を向上させることが期待できる。
なお、この実施の形態8を少し改良し、制御装置40の通信部51から音声入出力器1000の赤外線受信部(図示せず)へ音声入力モード開始通知SF2(信号C)が送信するのではなく、第1サーバー321に送信し、その信号Cの存在が、最終的に音声入出力器1000に届くようにしても良い。このように構成すれば、音声入出力器1000は、第1サーバー321からの通知を受けて、ユーザーUSからの音声入力の受け付けに備えた待機モードに入ることができる。
実施の形態9.
図120は、実施の形態9に係る加熱調理システムの構成図であり、スマートフォン等の通信端末器(情報処理端末器)200と加熱調理器1との間の通信(情報授受)の経緯を示した説明図である。図121は、図120の加熱調理システムで使用する通信端末器の、端末側表示画面を示す説明図である。図122は、図120の加熱調理システムで使用する加熱調理器の、中央操作部と中央表示部のレシピデータ受信過程を示す動作説明図である。図123は、図120の加熱調理システムにおいて、通信端末器からレシピデータを受信する場合の動作ステップ説明図である。なお、図1~図119に説明した各実施の形態の構成と、同一又は相当部分は、同じ符号を付けている。
この実施の形態9では、通信端末器200から加熱調理器1に対してレシピデータCDを提供する場合に、加熱調理器1側で許可されないレシピデータCDを送信した場合の処理を改善した点が、実施の形態1~8と大きく異なる。
図120について説明する。
実施の形態9の加熱調理システムでは、実施の形態1~8で説明したクラウドサーバー300や、第1サーバー321等のネットワーク環境を利用するので、この図120では、それらネットワーク環境の図示を省略し、加熱調理器1と通信端末器200との関係を主体に記載している。
図120において、ステップSE21~SE37は、加熱調理器1の制御装置40の主要な動作ステップと、外部の情報処理ネットワークの一部である通信端末器200の動作ステップとを、それぞれ時系列で示している。
この図120に示した加熱調理器1は、加熱室6において第3の加熱手段HM3を使用した加熱調理を行って、その調理の終了後、短時間の内に再び加熱調理器1の主電源スイッチ20(図示せず)をONにした場合の例である。すなわち、加熱室7の温度は、まだ前の加熱調理の影響で高温(例えば100℃以上)になっていた場合である。
主電源スイッチ20をONにすると、加熱調理器1は起動する(ステップSE21)。この起動によって制御装置40は、自己の異常有無をチェックし、異常がない場合には、表示部16を起動して中央表示部16Mには、待機時初期画面16MHを表示する(ステップSE22)。
この図120では、実施の形態7(図116)で説明したような運転状態データOSが示されていないが、同様な運転状態データOSは、第1サーバー321(図示せず)に送信される。
図120に示しているように、待機時初期画面16MHが表示された段階(ステップSU1)を経て、ステップSE23では、前記通信端末器200との自動接続動作を行い、通信接続に成功すると、レシピデータCDの取得待機モード(取得準備)に進む(ステップSE23)。
次のステップSE24では、加熱調理モードの選択が行われる。例えば、連携調理モードKM3を選択するために、入力キー153Mをタッチ操作すると、第1特定画面16M1が表示される。そして、別の入力キー154Mをタッチ操作すると、デフォルト設定された調理メニュー(例えば、ハンバーグ)とは違う調理メニュー(例えば、からあげ)を選択できる。
前記ステップSE4において、音声入力切替キーの1つである入力キー153M又は154Mのタッチ操作時には、そのタッチ状態が「長押し」であるか「短押し」であるかを、中央操作部15M(図示せず)で判定し、その判定結果(音声入力モード1の指令信号)が制御装置40に入力される。
従って、入力キー153をタッチ操作せずに、入力キー154Mをタッチ操作した場合、そのタッチ操作が「長押し」状態であれば、その時点から、制御装置40は、「音声入力モード1」(実施の形態1参照)に変更される(ステップSE25)。
制御装置40の通信部51から通信端末器200に対して、音声入力モード開始通知SFを送信する。そのため、通信端末器200は、レシピデータCDの送信ができる準備状態になる(ステップSE26)。
この後、実施の形態2で説明したように、ユーザーUSが通信端末器200の音声入力部222(図68参照)に対して直接音声で指令内容を入力するか、又は通信端末器200のタッチ操作部215(図68参照)を操作して、レシピデータCDを特定する入力を行う。
図120に示すように、ユーザーUSが複合調理モードKM2の「あたため」(図19参照)を選択し、これを送信する(ステップSE27)。
前記「あたため」の制御メニューは、マイクロ波によって加熱室6内に置いた被調理物を加熱するメニューであるが、赤外線センサー13を含む温度センサー群30の働きによって、被調理物の温度を非接触で、かつ、リアルタイムで監視しながら加熱調理するものである。従って、実施の形態1で説明したように、加熱室6の壁面等の内部温度が最初から高いと、この制御メニューは制御装置40が実行しないようになっている。
制御装置40は、ステップSE28において「許可条件」を満たしているかどうかの判定を行う(ステップSE28)。
実施の形態1(特に図49のステップSM61)で説明したように、特に複合調理モードKM2の場合には「許可条件3」を満たすかどうかの判定を行う。ここでいう「許可条件3」とは、加熱室6の最新の温度を温度センサー群30によってチェックした結果の温度が、例えば、デフォルト設定されている温度検知範囲(80℃以下)という、1つの閾値(基準値)を超えていないかどうかを判定する。なお、この温度検知範囲は、加熱調理器1側で(一定の範囲内で)変更できる。但し、75℃、80℃、85℃等のように一定の温度差で設定するようになっている。
ステップSE28の「許可条件3」の判定によって、「許可条件」を満たしていない場合には、この段階で「不許可処理」をされる(ステップSE29)。
ここでいう「不許可処理」とは、初期待機画面16MHにおいて「レシピ受信しましたが、加熱室が高温で調理できません」のような表示をすることや、音声報知部50によって同様な報知をする処理である。
更に、この実施の形態9では、通信端末器200に対して、上記の「不許可処理」の内容を送信する(ステップSE29)。
すると、通信端末器200は、上記の「不許可処理」の内容を端末側表示部216に表示する(ステップSE30)。この状態は、次の図121において詳しく説明する。
この後は、ユーザーUSが、表示操作部225のタッチ操作部215をタッチ操作するか、又は、音声入力部222を使用して音声で、制御メニューの「あたため」について取り消したり、制御条件等を変更したりする入力を行う(ステップSE31)。
次に、ユーザーUSがタッチ操作部215をタッチ操作するか、又は、音声入力部222を使用して音声で、制御メニューの「あたため」について送信を指令すると(ステップSE32)、加熱調理器1は、新しいコマンドを通信端末器200から受信する(ステップSE33)。
すなわち、ステップSE33では、今度は、「あたため(手動)」の制御メニューを、レシピデータCDとして受信したことになる。この後、ステップSE28で説明したように、制御装置40は、「許可条件」を満たしているかどうかの判定を行う。
「あたため(手動)」は、加熱室6の温度が、仮に100℃を超えていた場合でも、前記「許可条件3」は満たす。そのため、加熱時間のデータがステップSE33のレシピデータCDに含まれていれば、このレシピデータCDを実行するという指令(コマンド)は、加熱調理器1で実行できる内容である。
この図120には示していないが、加熱調理器1は、レシピデータCDを「問題なく受信した」旨の受信通知を、ステップSE33の後の「許可条件3」の判定直後に、通信端末器200に送信すると、送信側でも容易に確認できる。
また、同時に加熱調理器1では、「あたため(手動)」の制御メニューに対応した第2特定画面16M2が中央表示部16Mに表示され、その第2特定画面16M2において、「あたため(手動)」のレシピデータCDを受信したことが表示され、また、音声報知部50によっても報知される。
加熱調理器1では、受信した「あたため(手動)」のメニューの調理工程は、加熱室6で実行することになるので、ドア7を開けて、被調理物を加熱室6に入れ、再びドア7を閉めるという動作を行うこと必要である。これらのドア7の開閉は、開閉検知部10で行われる(ステップSE34、SE35)。
なお、ドア7の開放・閉鎖は、第2特定画面16M2で表示されるか、又は音声報知部50によって報知され、ユーザーUSの動作を促す。
また、「あたため」の制御メニューは、ドア7を閉めただけでは自動的に加熱動作は開始されず、加熱開始指令を待つ待機状態に入る。なお、音声報知50は、例えば、「レンジ自動 受付けました。開始キーで加熱開始します」のような案内を行い、ユーザーに対して加熱開始の入力操作を求める(ステップSE36)。
その後、入力キー(スタートキー)151Mがタッチ操作されると、加熱調理動作が実際に開始される(ステップSE37)。
図120において、ステップSE24~SE37の前までの期間が、全ての加熱調理モードのレシピデータCDの取得可能期間TB1である。また、同じ期間が、全ての加熱調理モードのレシピデータCDの取消可能期間TB2である。
更に、同じ期間が、全ての加熱調理モードのレシピデータCDの制御条件(火力や、加熱時間等)の変更が可能な変更可能期間TB3である。これらは、図60で詳しく説明したので、重複した説明は省略する。
次に、図121の通信端末器200の動作について説明する。
図121は、実施の形態2の、特に図84に相当する場面を示したものである。
図84に示した構成と同一部分には、同一符号を付して重複した説明を省略する場合がある。
図121(A)に示した状態は、「あたため」の自動調理メニューをユーザーUSが選択する場面である。レンジ(マイクロ波加熱)の(加熱上限)設定温度を75℃に変更した状態である。
図121(A)に示すように、設定温度は75℃に変更された表示になっており、この状態において、遠隔操作信号の送信(確定)キー表示部(アイコン)521が初めて表示される。
この図121(A)では、この送信キー表示部521を選ぶと、この図121(A)に表示された「レンジ単独調理モードKM1」の制御メニュー「あたため」の設定情報(レシピデータCD)が、遠隔操作情報として加熱調理器1に一括して送信される。これは、図120のステップSE27の段階である。
遠隔操作信号(レシピデータCD)の送信を終えると、加熱調理器1側では、図107のステップSE28の「許可条件3」の判定が行われる。
図120で説明したように、加熱室6が以前の加熱の影響で高温度(例えば、100℃以上)になっていた場合、「許可条件3」を満たさないので、図120のステップSE29で説明したように、加熱調理器1は「不許可処理」の内容を通信端末器200に対して送信する。
図121(B)は、そのような「不許可処理」を受信した段階を示している。
図121(B)において、541は、通信端末器200が音声入力モードに設定されていることを示す音声入力モード表示部である。この音声入力モード表示部541が表示された図121(B)の段階では、ユーザーUSは、音声入力部222に対して直接発声すれば、音声で入力できる。
図121(B)において、542は、加熱調理器1からの「不許可処理」の内容に応じて、通信端末器200の中央処理装置212が、加熱調理器データベース217の情報を参照して抽出した参考情報であり、操作支援データGS(図65参照)の1種である。なお、加熱調理器1からの「不許可処理」の通知(図120の、ステップSE29)の際に、加熱調理器1が固有のエラーコード(簡単な数字等)を通信端末器200に送信し、そのエラーコードを中央処理装置212が、加熱調理器データベース217の中のエラーコードと照合して、前記参考情報542を表示しても良い。
この図121(B)の例では、被調理物の温度を検知して自動的に加熱を停止する「あたため」という制御メニューでなく、加熱時間をユーザーが個々に指定する「手動あたため」なら加熱できることを示している。つまり、ユーザーには、制御条件として「時間」の設定を推奨している。
図121(B)において、543は、加熱調理器1からの「不許可処理」の通知を受信した事実を示したエラー通知である。なお、このエラー通知は、前記した「許可条件3」のように、加熱調理器1側の条件によって発生した場合と、ネットワークNWの通信不良の場合の、両方で示される。
図121(B)において、507Cは、図121(A)の参考画像表示部506の近傍に表示される補助情報表示部である。
この図121(B)の例では、加熱調理器1からの「不許可処理」の理由について、簡単に文字で解説されている。
図121(B)に示した状態において、ユーザーUSが、例えば、「レンジ 10分」等のフレーズで発声した場合、通信端末器200は、この音声情報を受け付けて、制御メニューとして「レンジ手動」で加熱時間10分間、というレシピデータCDを抽出し、加熱調理器1に送信できる。このような例が、図120のステップSE32である。なお、通信端末器200は、ユーザーUSの音声情報を自身で解読処理できない場合には、実施の形態2で説明したようなクラウドサーバー(第2サーバー322等)に音声データを送信して、そのクラウドサーバー300からの提供データを利用しても良い。
次に、図122について説明する。
図122は、中央操作部15Mと中央表示部16Mのレシピデータ受信過程を示す動作説明図である。この図は、実施の形態1の図74に相当した図である。
図122は、レシピデータCDを、通信端末器200から受信している過程を示している。連携調理モードKM3を始め、全ての加熱調理モードに関して、図122(A)のように受信動作表示画面16MMの内容は同一である。
すなわち、待機時初期画面16MHは、外部からのレシピデータCDの受信を開始した直後に、この図122(A)のように、受信動作中であることを示す受信動作表示画面16MMに切り替わる。
16Fは、受信動作表示画面16MMの中に、受信動作の進捗に応じて現れる、複数個の進捗マークである。
174は、受信動作表示部であり、外部からレシピデータCDを受信している途中であることを文字で表示している。
進捗マーク16Fは、黒い三角形と白い三角形の2種類ある。
図122(A)に示すように、レシピデータCDの受信動作開始直後は、黒い進捗マーク16Fが1つであるが、受信動作が進むにつれて順次その数が増えて行き、最終的に黒い三角形の進捗マーク16Fが5つ並んだ状態となる。
レシピデータCDが、許可条件の判定によって「不許可処理」となった場合、図122(B)に示すように、受信動作表示部174は、受信動作に失敗した不受信情報(不許可情報)174Fの表示に変化する。
174Aは、受信支援情報である。この図122(B)では、許可条件の内、ピークカット電力の設定値が5000W未満であったことがレシピデータCDの不許可の理由であったので、改善方法を表示し、ユーザーUSが機能設定キー151KPでの加熱調理器1の設定変更をすることを推奨している。
なお、図120と図121では、加熱調理器1の「不許可処理」の判定基準として、「許可条件3」を使用した例で説明したが、これは、複合調理モードKM2の制御メニューの場合であり、これ以外の条件を「許可条件」の判定基準に加えても良い。
例えば、実施の形態1で説明した「許可条件1」と「許可条件2」のように、第2の加熱手段HM2又は第3の加熱手段HM3が使用されていることを追加しても良い。すなわち、加熱室6が何らかの加熱調理で既に使用されているという場合には、「不許可処理」をするように設定しても良い。また、トッププレート3の上で被加熱物Nを加熱する第1の加熱手段を使用する場合には、その第1の加熱手段HM1の使用有無を判定基準に加えても良い。
更には、加熱調理器1の「不許可処理」の判定基準として、実施の形態1で説明したように、最大消費電力の設定値を加えても良い。実施の形態1で説明したように、機能設定キー151KPによって制御装置40は、「ピークカット設定」(最大消費電力を、5700W、5000W、4800W及び4000Wの4段階から1つ選択)ができるので、例えば、5000W以上に設定していない場合は、連携調理モードKM3と複合調理モードKM2のレシピデータCDは、不許可処理にするように、判定基準で使用する電力の閾値を設定しても良い。
なお、図121(A)の段階から図121(B)の段階まで、通信端末器200と加熱調理器1は、データの授受が無線通信で実行できる状態を常に継続(維持)している訳ではない。また、同様に加熱調理器1とクラウドサーバー(第1サーバー321、第2サーバー322等)300との間も、無線通信できる状態を常に継続(維持)している訳ではない。必要な都度、自動的に接続するか、ユーザーUSの操作に応じて加熱調理器1は接続すれば良い。
次に図123について説明する。
図123は、加熱調理器1と外部のクラウドサーバー300及び通信端末器200との動作ステップを時系列で示した説明図である。この図は、図120に示したステップSE32以降を示している。なお、制御メニューが「レンジ手動」であるが、連携調理モードKM3の調理メニューでも、以下に述べる動作は同じである。
図123において、通信端末器(情報処理端末器)200から「レンジ手動」のコマンドを送信する(ステップSE32)と、このコマンドの内容はクラウドサーバー300から加熱調理器1に宛てて送信される。
クラウドサーバー300の構成が、例えば、実施の形態2で説明したように第1サーバー321がネットワーク205を介して加熱調理器1と接続される形態であった場合、前記コマンドは第1サーバー321が受信する(ステップSE32A)。
第1サーバー321は、前記コマンドを加熱調理器1にネットワークNW(205)を介して送信する(ステップSE32B)。
この実施の形態9においては、加熱調理器1の通信部51は、アダプター形式で加熱調理器1の外郭壁面等に取り付けられているので、以下では「通信アダプター」と呼ぶ。
通信アダプター51では、前記コマンドを受信すると、加熱調理器1の状態情報を取得する。この状態情報とは、加熱調理器1の制御装置40の状態を示す情報である。そのため、例えば第1の加熱手段HM1が加熱制御部43によって、どのような状態であるかを確認した情報となる。
例えば、誘導加熱の火力はゼロであるが、加熱開始直前の待機状態であることや、温度センサー群30からの温度検出信号を受けている状態などの情報を、前記通信アダプター51が取得する(ステップSE32C)。なお、通信アダプター51の内部では、このような状態確認の動作を、一定時間間隔で何度も繰り返し行い、最新の正確なデータを収集する。
こうして、加熱調理器1が受信したコマンドの内容に従った状態であるかどうかが、この通信アダプター51によって情報が集約されて、第1サーバー321に送信される(ステップSE32D)。
第1サーバー321では、前記ステップSE32Bで送信した前記コマンドの内容と、通信アダプター51から前記ステップSE32Dで受信した前記コマンドの内容の一致性(同一性)を判定する(ステップSE32E)。そして、送信したコマンドの内容と受信したコマンドの内容に齟齬がないと判定すると、第1サーバー321は判定結果を通信端末器200へ送信する(ステップSE32F)。なお、このように判定で「齟齬がない」という結果が判明した場合、「通信は成功」と判定される。
通信端末器200は、第1サーバー321からの前記判定結果(「通信は成功」)を受けると(ステップSE32G)、端末側表示部216にその旨表示する(ステップSE32H)。なお、スピーカ214で報知しても良い。なお、図123でステップSE34とSE35は、図120で説明したように、加熱室6のドア7を開ける動作と閉める動作を、開閉検知部10で検知したことを示しているが、このタイミングは、図123の通りでなくとも良い。例えばステップSE34は、ステップSE32Cよりも前であっても良い。なお、図123では、加熱調理器1が、情報処理端末器200から第1サーバー321を経由してコマンドを受信する形態(ステップSE32参照)で説明したが、情報処理端末器200から直接受信する形態でも良い。
実施の形態9の総括.
以上の説明から明らかなように、この実施の形態9では、以下の通り第13の開示に関する加熱調理器1を開示していた。
すなわち、第13の開示に関する加熱調理器の1つの形態は、
加熱室6と、
被加熱物Nを加熱する加熱手段と、
ユーザーの指令を受ける入力操作部15と、
外部と無線通信する通信部51と、
表示部16を有した報知部90と、
制御装置40と、を備え、
前記入力操作部15には、入力キー(151M、152M、153L、153M、153R、154M)等を複数個有し、
前記入力操作部15は、前記入力キーの中の特定入力キー153L、153M、153R、154Mの操作により音声入力モードの開始を前記制御装置40に指令し、
前記制御装置40は、主電源スイッチ20がONにされた後、前記特定入力キーによってレシピデータCDの取得指令を受け、当該レシピデータCDを受信した場合、前記加熱室6又は前記加熱手段の状態の少なくとも何れか一方が、許可条件を満たしているかどうかを判定し、許可条件を満たしていない場合、前記通信部51から不許可処理の通知を発信し、
前記制御装置40は、前記特定入力キーによってレシピデータCDの取得指令を受けた場合、前記音声入力モードの状態で外部からの制御条件の設定指令(コマンドデータ)を受け付ける待機状態となり、
前記制御装置は、前記レシピデータの取得ができなかった場合、未取得状態を示す情報174Aと、原因又は対策を示す参考情報174Fとの、少なくとも何れか1つを前記表示部によって表示すること、
を特徴とするであった。
このような構成であるため、各種のレシピデータCDを外部から取得するタイミングを、入力操作部15によってコントロールすることができる。また、入力操作部15にあるタッチ式の入力キー(特定入力キー153M、154M、153L、153R)を利用して、音声入力モードへの切り替えができるので、加熱動作開始前の入力工程の面倒な作業を音声で入力できる。これによりユーザーUSの操作性向上と作業負荷の軽減を図ることができる。
更に、前記レシピデータCDの取得ができた場合、当該レシピデータCDの取得を示す情報173が、前記表示部16(中央表示部16M)によって表示されるので、ユーザーUSがレシピデータCDの取得を容易に認識でき、調理開始までの操作性を向上させることが期待できる。
更に、加熱調理器1が、外部からレシピデータCDを受信した場合、事前に定めた許可条件に従って、当該加熱調理器1で実行できるレシピデータCDを選別し、更に、選別によって不適合とされたレシピデータCDの送信元である通信端末器200に向けて、通知を行っているから、送信元である通信端末器200において、レシピデータCDが正常に受け付けられているという誤解を招くことも防止できる。従って、ユーザーUSの利便性や操作性を向上させることができる。
更に、この実施の形態9に示した加熱調理器1においては、レシピデータCDが、許可条件の判定によって「不許可処理」となった場合、図122(B)に示すように、受信動作表示部174は、受信動作に失敗した不受信情報(不許可情報)174Fの表示に変化するので、加熱調理器1側においてもレシピデータCDが正常に受け付けられていないことをユーザーが直ぐに知ることができる。
また、その際に、受信支援情報174Aも表示されるので、ユーザーUSが対処できる方法が直ぐに分かり、ユーザーUS側の負担を軽減できるから、この面においても操作性を向上することができる。
この実施の形態9では、以下の通り第14の開示に関する加熱調理システムを開示していた。
すなわち、第14の開示に関する加熱調理システムの1つの形態は、
通信部51と、加熱室6と、加熱手段とを有した加熱調理器1と、
前記通信部51と無線通信で接続される情報処理端末器200と、を備えており、
前記情報処理端末器200は、前記加熱調理器1に対してレシピデータCDを送信する機能を有し、
前記加熱調理器1の入力操作部15には、複数の入力キー(151M、152M、153L、153R、154M等)を有し、当該入力キーの中の特定入力キー(153L、153R、154M等)は、複数の加熱調理モードの中の1つの加熱調理モードを選択するものであり、かつ、音声入力モードを選択できるものであり、
前記加熱調理器1は、前記特定入力キーが操作された場合、前記レシピデータCDを取得する機能を有し、
前記加熱調理器1は、前記情報処理端末器200から送信されたレシピデータCDの取得を許可しない場合、前記通信部51から前記情報処理端末器200に対して不許可処理の通知を発信(図120のステップSE29)し、
前記情報処理端末器200は、前記不許可処理の通知を受信した場合、端末側表示部216で当該不許可処理を示す情報543を表示すること、
を特徴とする構成であった。
この構成であるから、事前に定めた許可条件に従って、加熱調理器1で実行できるレシピデータCDを選別できる。
更に、不適合とされたレシピデータCDの場合、その送信元である通信端末器200に向けて通知を行うから、送信元である通信端末器200において、レシピデータCDが正常に受け付けられているという誤解を招くことも防止できる。従って、ユーザーUSの利便性や操作性を向上させることができる。
更に、加熱調理器1に対して、不適当なレシピデータCDであるかどうかを判別するために、加熱調理器1から情報処理端末器200に対して、事前に加熱手段の駆動状況や加熱室6の温度等の最新の物理的データを取集して送信し、情報処理端末器200側で不適当なレシピデータCDであるかどうかを判定する方法を採用していない。
このため、それら物理的データの送信と受信のための通信時間の遅延や、加熱調理器1側で情報処理端末器200に対して送信するための、データを集約する処理等も不要になり、全体のシステムの簡素化や、迅速な処理、調理の開始に貢献できる。
更に、この第14の開示の加熱調理システムでは、前記情報処理端末器200は、前記不許可処理の通知を受信した場合、端末側表示部216において前記不許可処理に対処するための、参考情報542を表示する構成であった。
この構成であるから、レシピデータCDの送信元である通信端末器200において、レシピデータCDが正常に受け付けられる条件をユーザーUSが認識することができ、ユーザーUSの利便性や操作性を向上させることができる。
更に、この第14の開示の加熱調理システムでは、前記情報処理端末器200は、前記不許可処理の通知を受信した場合、端末側表示部216において前記不許可処理の理由を示す補助情報表示部507Cが表示される構成であった。
この構成であるから、レシピデータCDの送信元である通信端末器200において、レシピデータCDが正常に受け付けられなかった理由について、ユーザーUSが認識することができ、ユーザーUSの利便性や操作性を向上させることができる。
他の実施の形態.
加熱調理器1と通信端末器200を構成する各回路、部品、装置の各構成要素を説明するために、レシピデータCD1とレシピデータCD2等のようにデータに符号を付けて説明したが、この両者は実質的に同じデータであっても良い。例えば、加熱調理器1で最初から保有している1つのレシピデータ(例:ハンバーグのレシピデータCD)と、通信部51を介して外部から取得するレシピデータ(例:ハンバーグのレシピデータCD)が、同一の内容であっても良い。
また、スマートフォンやタブレット形端末器(小型の可搬式パーソナルコンピュータ)等の通信端末器200は、クラウドサーバー300から取得したレシピデータを加熱調理器1に必ずしも提供する必要はなく、通信端末器200自体で当該レシピデータを生成し、保有していても良い。
また、これまでに説明した各実施の形態の複合調理モードKM2では、複合調理モードKM2を選択すると、制御メニュー(例えば「解凍」という加熱動作パターン)を基本的に選択することになり、特定の調理物を想定したレシピデータCDを選択するものでなかった。しかしながら、ユーザーUSがクラウドサーバー300を利用して、加熱調理器1に適用できる複合調理モードKM2の、1つのレシピデータCDを選択し、それを通信端末器等の情報処理端末器200を使用して加熱調理器1に取得させることでも良い。これは、単独調理モードKM1についても同じである。
情報処理端末器200や第1サーバー321等からレシピデータCDやその他データを、加熱調理器1が直接受信し、又は無線ルーター340(図65等)を経由して受信していたが、その他の中継機器を経由して、加熱調理器1が受信しても良い。例えば、キッチンに設置されている他の家電機器類(例えば、給湯装置)のリモコンを中継装置として利用しても良い。そのようなリモコンは、通常は常時電源が接続されており、都合が良い。この場合、当該中継装置は、情報処理端末器200や第1サーバー321等から送信された指令を含む各種データを、一時的に格納する記憶装置を内蔵したものにすることが望ましい。そして、加熱調理器1から送信された各種データを、前記記憶装置に一時的に記憶するように構成する。
以上の説明では、説明を簡単にする都合上で「レシピデータ1」、「レシピデータ2」のように符号を付けて表現していたが、これは両者のレシピデータの内容が互いに異なるという意味の場合と、同一であるという意味の2つあり、符号(1、2等)の違いによってデータが異なったものであると解釈すべきではない。同様にレシピデータCD1とCD2のように、異なる符号を付して説明している場合もあったが、説明の都合上で符号を付したものであり、符号の相違だけでデータの内容が相互に異なっているという意味ではない。
以上の実施の形態1~9で図示した各回路、部品、装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくとも良い。さらに、特に、入力操作部15、表示部16、制御装置40、加熱制御部43、第1の加熱手段HM1、第2の加熱手段HM2、第3の加熱手段HM3、第4の加熱手段HM4、記憶装置41は、これら各装置・回路の機能の分散・統合が可能であり、具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、機能や動作状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
制御装置40、加熱制御部43の各機能は、処理回路によって実現される。各機能を実現する処理回路は、専用のハードウエアであっても良いし、メモリーに格納されるプログラムを実行するプロセッサであっても良い。
処理回路がプロセッサである場合、制御装置40、加熱制御部43の各機能は、ソフトウエア、ファームウエア又はソフトウエアとファームウエアの組合せによって実現される。ソフトウエアとファームウエアは、プログラムとして記述され、メモリーである記憶装置41に格納される。プロセッサは、記憶装置41に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、制御装置40、加熱制御部43の各機能を実現する。
これらプログラムは、制御装置40、加熱制御部43の制御手順を、マイクロコンピュータに実行させるものである。なお、記憶装置41とは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM、EEPROM等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリーが代表的なものである。
更に、図14に示したレシピデータ記憶部41のデータやプログラムの一部は、加熱調理器1が保持せずに、外部の記録媒体(ストレージサーバー等)に保持されてもよい。この場合、加熱調理器1は、外部の記録媒体(ストレージサーバー)にアクセスすることで、必要なデータやプログラムの情報を取得する。
さらに、制御装置40、第1の加熱手段HM1、第2の加熱手段HM2、第3の加熱手段HM3、第4の加熱手段HM4の、それぞれの動作プログラムは、ユーザーUSの希望により、又は加熱調理器1の製造業者等の希望によって、適宜修正・改良されたものに更新できるようにしても良い。この場合、例えば、通信部51を通じて修正・改良プログラムを入手するようにしても良い。
前記トッププレート3の上で加熱調理する前記第1の加熱手段HM1の1つの加熱部(IHコイル9L、9M、9R)は、ガス燃焼式バーナーに変えても良い。この場合、ガス流量弁が制御部によって制御される構成となる。
また、第2の加熱手段HM2又は第3の加熱手段HM3の一部又は全部を、ガス燃焼バーナーや誘導加熱源に変えても良い。
実施の形態1~9では、レシピデータCDの取得を示す情報173を、中央表示部16Mにおいて表示していた。また、レシピデータCDの取得ができなかった場合、未取得状態を示す不受信表示174Fと、原因又は対策を示す受信支援情報174Aとの、少なくとも何れか1つを、中央表示部16Mにおいて表示していた。
しかしながら、これら各種情報や不受信表示は、他の部分の表示部(例えば、左右表示部16L、16R)で表示しても良く、また、音声報知部50によって報知することで、表示に代えても良い。
また、レシピデータCDの取得を示す情報173、不受信表示174F及び受信支援情報174Aは、加熱調理器1の本体2の上面に配置した表示部で表示する以外に、本体2の前方へ突出するカンガルーポケット式の表示部の表示面に表示しても良い。
実施の形態1~9では、入力操作部15は、何れも入力キーや操作パネル351にユーザーUSが触れて入力指令を行う「接触式入力」と押圧(押しボタン)式の操作部を主体に説明したが、ユーザーUSの指や手の動きを非接触で検知して入力する「非接触式入力」の操作部でも良い。
更に、入力操作部15は、ユーザーUSの声を認識して入力する音声入力方式に変えても良い。音声入力方式の場合には、ユーザーUSの声を受信して音声認識信号に変換するためのマイクや音声受信部が、入力操作部に相当するものとなる。
あるいは、接触式や押し圧式などの機械的スイッチと、前記音声入力方式を併用しても良い。
更に、入力操作部15は、スマートスピーカやAIスピーカと呼ばれるような音声入力機能を備えた入出力端末機器1000を介して、加熱調理器1に指令を与えても良い(実施の形態8参照)。
実施の形態1~9では、栄養成分データDDは、中央表示部16Mに表示する形態であったが、各種調理メニューの表示画面に応じて他の位置の表示画面(例えば、右表示部16Rや右火力表示部17R)に表示しても良い。
また、待機時初期画面は、中央表示部16Mに表示していたが、他の表示部がある場合、その表示部に表示しても良い。例えば、右加熱口4Rのための右表示部16Rにおいて、入力キー153Rを操作した直後に、待機時初期画面16MHを表示しても良い。これは、左表示部16Lについても適用できることである。
また、実施の形態1(特に、図31)では、主要な食品成分と栄養成分の2種類を、食品成分表示画面16M1Aと栄養成分表示画面16M1Bの2つで表示していたが、これら2つの表示画面を一括(1つの画面)で表示するようにしても良い。
また、表示する栄養成分と食品成分は、ユーザーUSが機能設定キー151KPを押して機能設定モードにし、特定の栄養成分だけに限定するようにしても良い。更には、入力キー180を押して、音声入力モード2に切り替えて音声で入力し、特定の栄養成分、食品成分だけに範囲を絞るように設定しても良い。
更に、加熱調理工程が全て終わった段階や、連携調理モードKM3の加熱休止期間P3、P5(図58参照)において、ユーザーUSの指令に応じて又は自動的に、前記食品成分表示画面16M1Aと栄養成分表示画面16M1Bの何れか、又は双方を表示させても良い。
前記スマートスピーカやAIスピーカは、クラウドサーバー300のように、ネットワーク環境の中にある音声翻訳機能や検索機能を備えた支援サーバーとの間で、随時無線通信で情報の授受を行い、加熱調理器1の傍でユーザーUSが発した音声(自然言語)を、音声信号として取得し、前記支援サーバーによってユーザーUSからの指令信号に変換し、最終的には加熱調理器1に対する指令信号を生成することができる。このため、ユーザーUSが加熱調理器1の近傍に居ても、調理の準備や食材の処理等で、両手が塞がっていて入力操作部15に直接タッチする頻度が制限されているような場合にも、自然な発声(音声)で加熱調理器1を操作でき、便利である。
実施の形態1~4、7~9では、第1特定画面16M1、第2特定画面16M2及び第3特定画面16M3に表示される各種制御メニューや制御条件等を選択する手段が、入力操作部15であったが、実施の形態5と6で示したように、表示手段である中央表示部16Mや左右の表示部16L、16Rの表示画面の中に設けても良い。
例えば、複合調理に関して提案している前記特許第5833699号公報には、複合調理の表示画面を表示させ、当該表示画面の中に複合調理のメニューの名称を表示させ、当該メニュー選択部をユーザーUSが直接指で触れて、メニューを選択するという技術が提案されている。
そこで、第1特定画面16M1や第2特定画面16M2の中に複合調理モードKM2や連携調理モードKM3で可能な調理のメニューや被調理物の名称(識別情報の1種)等を表示させ、その表示部分(「アイコン部分」ともいう)をユーザーUSが指で直接タッチして連携調理モードのメニュー等を選択するようにしても良い。
実施の形態1では、通信部51によって、加熱調理器1の外部から送信された指令信号や、レシピデータCD等を受信し、また加熱調理器1からは、各動作信号や指令信号を外部へ発信(運転状態データOS)していたが、更に調理工程1、調理工程2の開始や終了等の進捗を示す情報を、その都度送信しても良い。これら進捗情報(運転状態データOS)をユーザーUSが、通信端末器200等を介して知ることができ、利便性が向上する。
また、加熱調理器1の他に、情報管理装置として、冷蔵庫403の在庫の検索結果のデータを受ける機能を保有するホーム・ゲートウエイ411を配置し、加熱調理器1と前記冷蔵庫403との間は、無線通信手段(LAN)又はインターネット回線等の広域ネットワークによって接続し、加熱調理器1側で前記冷蔵庫403の在庫情報を取得して調理に利用できるようにしても良い。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の実質的な範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図されている。