以下、本開示に係る加熱調理器と加熱調理システムについて図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」など)を用いるが、これらは説明のためのものにすぎない。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。
以下の説明で「トッププレートの上に載置された被加熱物」という場合は、後述するトッププレート3の上面に鍋等の被加熱物を直接載せて加熱する場合と、ガス燃焼器(バーナー)等のように、トッププレートの上方に配置された五徳等の支持部材の上に被加熱物を載せて加熱する場合の、両方を含む意味である。
この実施の形態1において、「第2の加熱手段」HM2とは、後述する加熱室6の内部に収容した被調理物を加熱するための加熱源をいう。第2の加熱手段は、高温の蒸気(過加熱蒸気など)を供給する蒸気発生器(ボイラー)でも良い。
実施の形態1では、マイクロ波加熱源は、マグネトロンを使用しているが、マイクロ波発振器等、マイクロ波発振原理や方式に制限はない。また加熱源を複数個備えても良い。
この実施の形態1において「第3の加熱手段」HM3とは、前記第2の加熱手段HM2との差異を示すために「第3」と称しているが、優劣関係を意味していない。
また、実施の形態1では、輻射式電熱源(シーズヒーター、マイカヒーター、カーボンヒーター、セラミックヒーター、赤外線ヒーター、ラジアントヒータ等)を用いた加熱源を使用しているが、他の形態や方式で発熱する加熱源であっても良い。
第3の加熱手段HM3は、1つの加熱室6において加熱調理ができるものをいう。電気ヒータ等から構成した加熱源とガス燃焼器(バーナー)のように、異なる加熱原理を有する複数の加熱源を併用する形態でも良い。また加熱室6を加熱する加熱源として、誘導加熱源を使用しても良い。高温の蒸気(過加熱蒸気など)を供給する蒸気発生器(ボイラー)でも良い。
更に、第3の加熱手段は、加熱室6の壁面を、その外側から加熱する加熱源や、加熱室6の内部空間に設置し、当該内部空間の雰囲気を高温にする加熱源の、何れでも良い。
また、誘導加熱方式で高温になる発熱部材を加熱室に配置し、この発熱部材で加熱室6の壁面を外側から加熱したり、又は加熱室6内部の空気を加熱したりする何れの形態であっても良い。
この実施の形態1でいう誘導加熱コイル(IHコイル)の代表的なものとして、0.1mm~0.3mm程度の細い銅線やアルミ線を30本程度束にして、この束を複数本撚りながら渦巻状に巻いて構成したものがある。あるいは、0.05mm程度のものを1000本~1500本程度巻いて構成したものもある。また、平板状の導電材料で、環状に形成した環状導電体で構成する提案もある。
これら何れの形態のものも誘導加熱源9の主要部となる「IHコイル」に相当する。
この実施の形態1において、「連携調理」とは、1つの被調理物(食品、肉、野菜等を含む)に対する加熱場所が異なり、かつ独立して加熱動作条件が設定可能な2つ以上の加熱源を使用して行う調理をいう。
前記「連携調理」は、複数の加熱手段を、時間差を置いて使用する場合が該当する。例えば1つの調理を完成させる過程で、マイクロ波加熱源で予備加熱したあと、被調理物を別の場所に移し、移動後の場所で、IHコイルで加熱して完成させる調理の場合は、ここでいう「連携調理」の一種である。
また、加熱室6の内部で被調理物を、ガス燃焼器(バーナー)によって加熱し、その後、当該被調理物をトッププレート3の上に移動し、ガス燃焼器(バーナー)や誘導加熱源9で加熱して、調理の完成度を上げるという形態も「連携調理」の一種である。
実施の形態1.
(1.加熱調理システムの構成)
本開示に係る実施の形態1は、図1~図29に記載している。
図1について説明する。
本実施形態1の加熱調理システムは、加熱調理器1と、この加熱調理器1との間で無線通信を行う機能を有するスマートフォン200(通信端末器に相当する)とを備えて構成されている。なお、通信端末器は、スマートフォン200以外に、通信機能付きタブレット端末器やパーソナルコンピュータ等でも良い。
スマートフォン200は、加熱調理器1が使用される家屋(図示せず)に設置されている無線ルータ(図示せず)との間でWiFi(登録商標)等による無線通信を行う。
加熱調理器1は、スマートフォン200との無線通信400によって、少なくとも調理条件データCD2を取得できる。なお、調理条件データCD2については、後で説明する。
前記スマートフォン200は、加熱調理器1との間で、Bluetooth(登録商標)等による無線通信400を行う。
スマートフォン200は、前記無線ルーター340(図示せず)とインターネット等のネットワーク201を介して外部空間にあるクラウドサーバ300にアクセスする。クラウドサーバ300には、少なくとも1つのレシピ情報提供サーバ301がある。
レシピ情報提供サーバ301には、種々の調理レシピのデータが保持されたレシピDB(データベース)302が備えられ、スマートフォン200は、レシピ情報提供サーバ301により運用されるレシピ提供サイトにアクセスして、レシピDB302から種々の調理条件データCD1を取得(ダウンロード)する。
前記調理条件データCD1、CD2は、レシピデータとも呼ばれる。これについては後で詳しく説明するが、特定の被調理物を加熱調理器1で実行できるように、加熱手段や制御条件(火力や加熱時間等の少なくとも何れか1つを含むが、これに限定されない)を指定する命令(指令データ)が含まれている。
図1に示した加熱調理器1は、当該加熱調理器1の上面を覆うトッププレート3(図4以降で説明する)の下方に配置された第1の加熱手段HM1と、当該加熱調理器1の内部に形成された加熱室6(図5参照)内部にマイクロ波を供給する第2の加熱手段HM2と、前記加熱室6の内部又は外部にあって、当該加熱室6の内部空間の温度を上げて加熱する第3の加熱手段HM3と、を備えている。
前記トッププレート3の上面を「第1の場所」と定義すれば、この第1の場所に置いた被加熱物(磁性の金属製鍋)を加熱するため、前記第1の加熱手段HM1は、誘導加熱手段が使用される。あるいは、ガスバーナを備えたガス燃焼装置が前記第1の加熱手段HM1として使用できる。
前記第1の場所と離れた場所にある閉鎖空間を「第2の場所」と定義すれば、前記加熱室6(図5参照)の内部が、当該第2の場所となる。
前記加熱調理器1は、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2とを、それぞれ単独で(独立して)駆動する「単独調理モード」KM1の実行機能を有している。
前記加熱調理器1は、1つの被調理物を調理する方法として、前記第2の加熱手段HM2と前記第3の加熱手段HM3とを、同時に駆動し、あるいは何れか一方を先に動作開始し、他方を後から自動的に駆動開始する「複合調理モード」KM2の実行機能を有している。前記第2の加熱手段HM2と前記第3の加熱手段HM3を同時に動作している場合でも、その両方の加熱終了時期が同じ場合と異なる場合の何れも、前記「複合調理モード」KM2の1種の運転パターンである。
前記「複合調理モード」KM2では、前記第2の加熱手段HM2と前記第3の加熱手段HM3を最初から同時に駆動するパターン(RG制御モード1)と、前記第2の加熱手段HM2の後で、前記第3の加熱手段HM3の駆動を開始するパターン(RG制御モード2)と、前記第3の加熱手段HM3を最初に駆動し、その後自動的に前記第2の加熱手段HM3の駆動に切り替わるパターン(RG制御モード3)と、を少なくとも有している。これらRG制御モード1~RG制御モード3において、各加熱手段の切り替えは、加熱室6(図5参照)で加熱調理を開始すると、自動的に行われる。
前記「複合調理モード」KM2は、前記連携調理モードKM3とは異なり、特定の被調理物(例:ハンバーグ)に対応した調理メニューを有していない。すなわち、前記第2の加熱手段HM2と前記第3の加熱手段HM3を駆動するパターン別の「制御メニュー」を用意している。
例えば、「制御メニュー」の1つが、前記「RG制御モード1」である。RG制御モード(RG複合調理モード)では、色々な調理物の調理ができる。「制御メニュー」の1つの、例えば前記「RG制御モード1」は、その制御モードを規定する調理条件データで制御されるが、特定の被調理物毎に設定したものではない。
つまり、2つ以上の加熱源(第2の加熱手段HM2と前記第3の加熱手段HM3)を予め決めたシーケンスで動作させる運転パターンが、複数の「制御メニュー」を有する複合調理モードKM2である。
これに対し、加熱室6の内部と、トッププレート3の上方の、それぞれの場所に置いた被調理物を予め決めた順番で加熱調理する、複数の(特定の被調理物に対応した)調理条件データが適用されるものが、連携調理メニューを有する連携調理モードKM3である。
つまり、複合調理モードKM2と連携調理モードKM3では、調理条件データの内容が異なる。
前記加熱調理器1は、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2とが、ユーザー(使用者)の操作に依存して確定する時間差で駆動される「連携調理モード」KM3の実行機能を有している。
前記「連携調理モード」KM3では、前記第1の加熱手段HM1で調理工程1を実施するパターンと、前記第2の加熱手段HM2で調理工程1を実施するパターンと、を有する。
例えば、第1の加熱手段HM1のよる調理工程1を終えて調理工程2に移るため、被調理物を前記加熱室6に移動させ、その後、前記第2の加熱手段HM2の駆動を開始するため、この調理工程1と調理工程2の間には、加熱動作を行わない休止期間が存在する。
この「連携調理モード」KM3では、特定の被調理物(例:ハンバーグやローストビーフ、グラタン)毎に、前記制御条件データ(レシピデータ)を用意される。
前記制御条件データ(レシピデータ)は、使用する加熱手段と、その加熱手段を駆動する順番、及び加熱手段の制御条件(火力や加熱時間等の少なくとも何れか1つを含むが、これに限定されない)が指定されている。
前記制御条件データ(レシピデータ)は、前記加熱調理器1と前記レシピDB302の双方に格納されている。レシピDBと前記加熱調理器1で保有している前記制御条件データ(レシピデータ)は、同一である必要はない。例えば、前記レシピDB302には、新しい連携調理モードKM3の制御条件データが順次追加され、また複合調理メニューの前記制御条件データ(レシピデータ)が、順次蓄積されていく形態でも良い。
加熱調理器1が、前記スマートフォン200から前記連携調理モードKM3を実行するための前記調理条件データを取得する場合、当該データは、ユーザーが前記スマートフォン200において選択した1つの調理メニュー単位である。これは、「連携調理モード」KM3に限らず、「複合調理モード」KM2、「単独調理モード」にも共通である。
以上のように、スマートフォン200は、レシピ情報提供サーバ301に、希望する被調理物のレシピを提供するように求め、希望するレシピに対応した調理条件データCD1をダウンロードする。
スマートフォン200は、レシピ情報提供サーバ301から取得したレシピに対応した調理条件データCD2を、加熱調理器1に送信することができる。
加熱調理器1のユーザーは、このようなレシピ取得機能を利用するために、レシピ提供サイト(レシピ情報提供サーバ301)にアクセスしてレシピ選択用のアプリケーション(以下、レシピ選択アプリという)を、スマートフォン200にインストールする。
前記ユーザーは、レシピ選択アプリをインストールしたときに、初期設定として加熱調理器の機種名等、識別情報を登録する操作を行う。この登録により、加熱調理器1の仕様(各加熱手段HM1~HM3の加熱能力等)に対応した調理条件データを、レシピ提供サイト(レシピ情報提供サーバ301)から取得することができる。
また、前記ユーザーは、レシピ選択アプリにより、スマートフォン200と加熱調理器1のペアリングを行って、スマートフォン200と加熱調理器1との間の無線通信400を確立する。なお、この無線通信は、近接無線通信(NFC)方式を用いたものでも良い。
次に図2について説明する。
図2は、図1に示した加熱調理システムとは、スマートフォン200の役目が異なっている。またレシピ提供サイト(レシピ情報提供サーバ301)にアクセスしてレシピ選択用のアプリケーション(以下、「レシピ選択アプリ」という)を取得するのは、スマートフォン200ではなく、加熱調理器1である点で異なっている。
スマートフォン200とレシピ提供サイト(レシピ情報提供サーバ301)とは、インターネット回線等のネットワーク202で接続される。
また、レシピ提供サイト(レシピ情報提供サーバ301)と加熱調理器1とは、インターネット回線等のネットワーク203で接続される。なお、スマートフォン200と、前記クラウドサーバ300との間は、無線ルータ(図示せず)を介在させても良い。同様に、加熱調理器1とクラウドサーバ300との間は、無線ルータ(図示せず)を介在させても良い。
以上のように、図2に示した加熱調理システムにおいては、スマートフォン200で、ユーザーが作成した(レシピに対応した)調理条件データCD3を、レシピ提供サイト(レシピ情報提供サーバ301)に送信して、前記レシピDB302に一旦格納させ、加熱調理器1向けに提供することができる。つまり、加熱調理器1が設置された家屋から遠く離れた場所(例えば、外出先)にスマートフォン200が存在している場合、当該スマートフォン200の調理条件データCD3を、レシピ情報提供サーバ301に保存しておけるので便利である。
加熱調理器1は、前記レシピ提供サイト(レシピ情報提供サーバ301)との間のネットワーク203を通じて、前記レシピ情報提供サーバ301に蓄積されている特定のレシピに対応した調理条件データCD4をダウンロードする。この場合の調理条件データCD4は、前記スマートフォン200が提供していた前記調理条件データCD2であっても良い。
加熱調理器1のユーザーは、このようなレシピデータ(調理条件データ)からの(直接的な)取得機能を利用するために、レシピ提供サイト(レシピ情報提供サーバ301)にアクセスして「レシピ選択アプリ」を、加熱調理器1に事前にインストールしておく。このインストールは、後述する「機能モード」の1つのメニューとして加熱調理器1で簡単に実行できるようにしておくと便利である。
前記ユーザーは、レシピ選択アプリをインストールしたときに、初期設定として加熱調理器の機種名等、識別情報を登録する操作を行う。この登録により、加熱調理器1の仕様(各加熱手段HM1~HM3の加熱能力等)に対応した調理条件データを、レシピ提供サイト(レシピ情報提供サーバ301)から取得することができる。
この図2の加熱調理システムにおいて、ユーザーは、図1で説明したように(レシピに対応した)調理条件データCD1を取得し、その調理条件データCD1の内容をスマートフォン200の表示画面に表示させて確認し、調理条件データCD1の一部を修正したものを調理条件データCD3として、図2で説明したように前記レシピ提供サイト(レシピ情報提供サーバ301)に格納しても良い。
図1に示した加熱調理システムでは、スマートフォン200と加熱調理器1の位置が近い場合にスマートフォン200から加熱調理器1への調理条件データCD2が提供できるが、例えば、スマートフォン200を屋外の遠隔地に持ち出している場合には、加熱調理器1が調理条件データCD2を直接取得することはできない。
これに対し、図2に示した加熱調理システムでは、スマートフォン200の存在する位置に関係なく、レシピ提供サイト(レシピ情報提供サーバ301)にアクセスできれば、前記調理条件データCD4をダウンロードして加熱調理に利用することができる。
次に図3について説明する。
図3は、図1に示した加熱調理システムとは、レシピ提供サイト(レシピ情報提供サーバ301)の役目が異なっている。
この図3の加熱調理システムでは、加熱調理器1は、レシピ提供サイト(レシピ情報提供サーバ301)にアクセスして調理条件データCD6をダウンロードする。
また、この図3の加熱調理システムでは、加熱調理器1は、レシピ提供サイト(レシピ情報提供サーバ301)にアクセスして調理条件データCD7を提供できる。
例えば、実際に加熱調理を実行して良好な調理が出来た場合、その加熱調理の後で、加熱調理器1の記憶部に残っている調理条件データを、改良した調理条件データCD7としてレシピ提供サイト(レシピ情報提供サーバ301)に提供できる。このようなユーザーのお気に入りのレシピは、「お気に入りレシピ」としてレシピ情報提供サーバ301に登録(記憶)させておくと良い。なお、レシピ選択用のアプリケーション(「レシピ選択アプリ」という)を取得するのは、加熱調理器1である点で、図1の加熱調理システムとは異なっている。
加熱調理器1とレシピ提供サイト(レシピ情報提供サーバ301)とは、インターネット回線等のネットワーク204、205で接続される。
なお、加熱調理器1と、前記クラウドサーバ300との間は、無線ルータ(図示せず)を介在させても良い。同様に、加熱調理器1とクラウドサーバ300との間のネットワーク204、205には、無線ルータ(図示せず)を介在させても良い。また、スマートフォン200から前記クラウドサーバ300との間にも無線ルータ(図示せず)を介在させても良い。
この図3の加熱調理システムにおいて、ユーザーは、加熱調理器1によって、レシピ提供サイト(レシピ情報提供サーバ301)から直接調理条件データCD6を取得できる。そのため、スマートフォン200を所有していなくとも、加熱調理の都度に、レシピ提供サイト(レシピ情報提供サーバ301)から希望するレシピの調理条件データCD6を取得できる。
また、上述したように、実際に加熱調理を実行して良好な調理が出来た場合、その加熱調理の後で、改良した調理条件データCD7としてレシピ提供サイト(レシピ情報提供サーバ301)に提供できる。このため、次回以降に、その調理条件データCD7を加熱調理器1側から呼び出して加熱調理に利用することができ、便利である。
(2.加熱調理器の構成)
次に、前記加熱調理器1の構成について、図4~図7を参照しながら説明する。
図4と図5において、加熱調理器1は、上部に調理台を備えたキッチン家具(厨房家具)600に組み込まれて使用されるビルトイン型(組込み型)のIHクッキングヒータである。加熱調理器1は、本体2と、本体2の上に設置されたトッププレート3とを有する。トッププレート3は、キッチン家具600の天面を構成するキッチン天板の上に露出している。
トッププレート3は、例えば、耐熱性のガラス板と、ガラス板の周囲に取り付けられた金属の枠体とにより構成される。トッププレート3の上面には、左加熱口4Lと、右加熱口4Rと、中央加熱口4Cの3つの加熱口4が設けられている。
左加熱口4Lと右加熱口4Rと中央加熱口4Cは、鍋またはフライパンなどの金属製調理容器(第1の加熱手段HM1に関する「被加熱物」ともいう)が載置される領域を示すものである。左加熱口4Lと右加熱口4Rと中央加熱口4Cには、それぞれに前記被加熱物を載置するための目安となる案内マーク(図示せず)が、前記トッププレート3の上面に印刷で描かれている。
前記トッププレート3の奥側(後方側)には、排気口カバー5が設けられている。排気口カバー5は、小さな貫通孔を無数に形成したパンチングメタル又は格子状の金属部材で構成されていて、全体に亘って通気性があり、通気抵抗が少ない。加熱調理器1の内部から放出される排気は、排気口カバー5を通過して加熱調理器1の外へ出る。
加熱調理器1の本体2の前面には、本体2の内部に配置される加熱室6(図5参照)の前面を開閉するドア(加熱扉)7が設けられている。ドア7には、これを開閉するための取っ手8が設けられている。
図5は、実施の形態1に係る加熱調理器1を側方から見た縦断面模式図である。図5に示すように、左加熱口4Lの下方には、左誘導加熱手段としての誘導加熱コイル9L(以下、「左IHコイル」という)が設けられている。
同様に、右加熱口4Rの下方にも右誘導加熱手段としての誘導加熱コイル9R(以下、「右IHコイル」という)が、中央加熱口4Cの下方には中央誘導加熱手段としての誘導加熱コイル9C(以下、「中央IHコイル」という)が設けられている。
これら、IHコイル9C、9L、9Rは、例えば銅線またはアルミ線などの細い導線を巻回してなる円形の加熱コイルであり、高周波電流が供給されることで高周波磁界を発生する。これにより、左加熱口4L、右加熱口4R、中央加熱口4C上に配置された調理容器(被加熱物)が誘導加熱される。
前記IHコイル9C、9L、9Rとその駆動回路(インバーター回路等の高周波電源供給回路をいう。図示していない)を含めた加熱手段は、誘導加熱源9又は第1の加熱手段HM1と呼ぶ場合がある。以下の説明では、特に矛盾が起こらない限り、「第1の加熱手段」HM1を使用する。
IHコイル9C、9L、9Rの近傍にはトッププレート3や調理容器(被加熱物)の温度と検知するために、複数個の温度センサーからなる温度センサー群30(図示せず)が搭載されている。1つの温度センサー30A(図示せず)は、図11に示した温度センサー群30の中の、1つのセンサーを構成している。
本体2の内部であって、前記IHコイル9C、9L、9Rの下方には、前記加熱室6が設けられている。加熱室6は、周囲がステンレス等の金属壁で構成されており、この加熱室6内に収容される被調理物(食品、食材)を加熱するための空間である。
前記被調理物は、耐熱性プラスチック容器や磁器製、耐熱ガラス製の皿に載せられ、又は容器の中に入れられて加熱室6に置かれる場合があり、その場合、それら皿や容器は「被加熱容器」と呼ぶ場合がある。但し、それら容器は前記IHコイル9C、9L、9Rでは誘導加熱されないので、仮にトッププレート3の加熱口4に置いても、前記IHコイル9C、9L、9Rの「被加熱物」とは呼ばない。
前記加熱室6の前面には、被調理物を出し入れするための開口が形成されている。加熱室6の前面にある前記開口は、ドア7により開閉自在に覆われている。ドア7は、本体2によってヒンジおよびアーム(図示せず)を介して回動自在に支持されている。これにより、ドア7は、その下端部を支点(回動中心)として前方に水平位置まで開く構成となっている。なお、ドア7は、スライドレール(図示せず)によって、被加熱容器を下方から支持する支持部材(棚等の構造物をいう。図示せず)と一体的に前方へ引き出されてもよい。
ドア7には、このドア7の開閉を検知するための開閉検知部10が設けられる。開閉検知部10は、例えばマイクロスイッチまたは赤外線センサーである。加熱室6の後方には、加熱室6内に収容される被調理物を加熱するマイクロ波発振器11が設けられている。このマイクロ波発振器11は、例えば、マグネトロンから構成されており、加熱室6内にマイクロ波を照射することで、加熱室の中に置かれた被調理物を加熱する、いわゆるレンジ加熱を行う。
前記マイクロ波発振器11とその駆動回路(インバーター回路等の高周波電源供給回路をいう。図示せず)を含めた加熱手段は、第2の加熱手段HM2と呼ぶ場合がある。
また、加熱室6には、被調理物を上下から、いわゆるヒーター加熱をする上側輻射熱加熱手段12a、及び、下側輻射熱加熱手段12bが設けられている。なお、上側輻射熱加熱手段12aは加熱室6の外側又は内側の天井壁面に、下側輻射熱加熱手段12bは加熱室6の内側又は外側壁面に配置されており、共に、シーズヒータである。
他の種類の輻射熱加熱手段(例えば、マイカヒータやカーボンヒータ等)を加熱室6の外側に設置しても良い。図5では、上側輻射熱加熱手段12aと下側輻射熱加熱手段12bが、何れも加熱室6の外側壁面に密着するように設置した例を示している。
前記上側輻射熱加熱手段12aと下側輻射熱加熱手段12b、及びそれらの駆動回路(図示せず)を含めた加熱手段は、第3の加熱手段HM3と呼ぶ場合がある。なお、上側輻射熱加熱手段12aと下側輻射熱加熱手段12bを総称して「輻射熱加熱手段」と呼ぶ場合があり、その場合の符号は「12」を使用する。
また、加熱室6には、加熱室6内の被調理物の温度を非接触で検知するため、非接触式温度センサ-である赤外線センサー13が設けられる。この赤外線センサー13によって検知される温度範囲は、例えば-20℃~100℃に設定される。これにより、被調理物の加熱度合を、例えば1℃刻みで精度良く、リアルタイムで検出することができる。この赤外線センサー13も、図11に示した温度センサー群30の中の1つのセンサーを構成している。
また、加熱室6には、加熱室6内部の雰囲気温度または加熱室6の壁面温度を検知する室内温度センサーである接触式温度センサー(例えば、サーミスタセンサー)14も設けられている。
前記サーミスタセンサー14は、温度の変化を電気抵抗の変化で捉えて温度を検知するという特性から、検知できる温度の上限値は、250℃程度である。このサーミスタセンサー14も、図10に示した温度センサー群30の中の1つのセンサーを構成している。なお、このサーミスタセンサー14は、図5に示したように加熱室6の底面近傍と天井面近傍の、2個所に設置しても良い。
図6は、実施の形態1に係る加熱調理器1の上面図である。図6に示すように、加熱調理器1のトッププレート3の上面の手前側には、左操作部15L、中央操作部15Mおよび右操作部15Rが設けられている。これら3個所の操作部を総称して「入力操作部」と呼ぶ場合があり、その場合の符号は15を用いる。
左操作部15L、中央操作部15Mおよび右操作部15Rの奥側(後方側)には、左表示部16L、中央表示部16Mおよび右表示部16Rと、左火力表示部17Lおよび右火力表示部17Rと、中央加熱状況表示部17Mが設けられている。
左表示部16L、中央表示部16Mおよび右表示部16Rの3つを総称して「表示部」と呼ぶ場合があり、その場合は、符号は16を用いる。なお、中央表示部16Mは、横に長い液晶表示画面を有している。
左火力表示部17Lと右火力表示部17Rは、発光素子(LED等)によって火力レベルを表示するものであり、表示画面は備えていない。
左火力表示部17L、右火力表示部17Rおよび中央加熱状況表示部17Mの3つを総称して「火力表示部」と呼ぶ場合があり、その場合は、符号は17を用いる。
また、右操作部15Rに隣接して、主電源スイッチ20(図11参照)の操作用ボタン(キー)20Aが設けられている。主電源スイッチ20は、加熱調理器1の主電源をONまたはOFFする。そのON-OFFの際に押下げられるボタン(キー)が前記操作用ボタン20Aである。
加熱調理器1の主電源がOFFの状態で操作用ボタン20Aが、例えば数秒間押されることにより、主電源がONとなる。また、加熱調理器1の主電源がONの状態で、操作用ボタン20Aを、例えば数秒間押すことにより、主電源がOFFとなる。
図7は、実施の形態1に係る左表示部16L、左火力表示部17Lおよび左操作部15Lを拡大した図である。左表示部16Lは、左加熱口4Lにおける加熱調理に関する情報を表示するものであり、例えば液晶ディスプレイで構成される。
左表示部16Lは、左加熱口4L上に載置された被加熱物に対するタイマー調理の設定時間、左加熱口4Lでの加熱動作を開始してからの経過時間、またはタイマー設定時間が終了するまでの残時間などを表示する。
左表示部16Lは、左加熱口4Lにおける予熱調理を選択した場合には、自動的に設定された温度(デフォルト温度)、または現在の温度などを表示する。自動的に設定された温度(デフォルト温度)とは、左加熱口4Lにおいて被加熱物(例えば、金属製鍋)を加熱したときの、その被加熱物の底面の目標の温度をいう。デフォルト温度は、ユーザーによって一定の範囲内で任意に変更できる。
左火力表示部17Lは、横一直線上に配置した複数の発光素子(LED)から構成され、左加熱口4Lの火力を複数段階に表示するものである。左火力表示部17Lは、複数のLEDの点灯状態(点灯、消灯、点滅等)を切り替える、あるいは点灯色を切り替えることにより、火力を表現する。これにより、ユーザーに直感的で分かりやすい火力の報知を行うことができる。
左操作部15Lは、左加熱口4Lにおける加熱調理に関する操作を入力するものである。
図7に示すように、左操作部15Lは、5つの入力キー151L、152L、153L、154Lおよび155Lを備える。これら入力キー151L、152L、153L、154Lおよび155Lは、例えばユーザーが指等で軽く触れた時の静電容量の変化を利用して入力できる静電容量方式のタッチセンサスイッチ(タッチ式スイッチ)である。
前記入力キー151L、152L、153L、154Lおよび155Lに対応して、発光部21Lが設けられる。発光部21Lは、複数の発光素子(LED)で構成され、前記入力キー151L、152L、153L、154Lおよび155Lの操作に応じて発光する。なお、隣接している2つの入力キー154Lと155Lは、火力の増減という同じ種類の機能を発揮するため、1つの発光部21Lを共用している。
前記入力キー151Lは、左加熱口4Lにおけるタイマー調理を選択する際に押下げられるキーである。タイマー調理は、ユーザーが調理時間を設定し、設定された時間の間だけ加熱動作を行う調理方法である。
入力キー152Lは、左加熱口4Lで実施する制御メニューを選択する際に押下げられるキーである。入力キー152Lを押すごとに、複数の制御メニューの中から1つを選択することができる。ここでいう「制御メニュー」とは、例えば、湯沸し、煮込み、揚げ物(自動調理)等である。制御メニューごとに、左加熱口4Lの駆動時間、火力または駆動パターン等が異なる。
前記左加熱口4Lと右加熱口4Rを、左操作部15L又は右操作部15Rを操作し、中央操作部15Mを操作しない状態で使用する制御メニューは、全て誘導加熱で行う「単独調理モード」KM1の制御メニューである。「単独調理モード」KM1については後で説明する。
入力キー153Lは、左加熱口4Lにおける加熱調理を開始または停止するために押下げられるキーである。すなわち、入力キー153Lが押されることにより、左加熱口4Lの下方に配置されている左IHコイル9Lが駆動される。この左IHコイル9Lが駆動されている状態で、再度入力キー153Lが押されると、当該左IHコイル9の駆動が停止され、誘導加熱動作が即時停止される。
前記入力キー154Lおよび155Lは、左加熱口4Lにおける加熱調理時の火力を指定する際に押下げられるキーである。左側にある入力キー154Lを押すことで、1段階ずつ火力が下げられる。反対に、右側にある入力キー155Lを押すことで、1段階ずつ火力が上げられる。なお、左加熱口4Lにおける誘導加熱調理時の火力は、定格最小火力(火力レベル1:150W)~定格最大火力(火力レベル9:3200W)まで、9段階になっている。
図8は、実施の形態1に係る右表示部16R、右火力表示部17Rおよび右操作部15Rを拡大した図である。右表示部16Rは、右加熱口4Rにおける加熱調理に関する情報を表示するものであり、例えば液晶ディスプレイで構成される。右表示部16Rに表示される右加熱口4Rにおける加熱調理に関する情報は、左加熱口4Lにおける加熱調理に関する情報と同じである。
右火力表示部17Rは、複数の発光素子(LED)から構成され、右加熱口4Rの火力を複数段階に表示するものである。右火力表示部17Rは、左火力表示部17Lと同様に複数の発光素子(LED)の点灯状態(点灯、消灯、点滅等)を切り替える、あるいは点灯色を切り替えることにより、火力を表現する。
右操作部15Rは、右加熱口4Rにおける加熱調理に関する操作を入力するものである。図8に示すように、右操作部15Rは、5つの入力キー151R、152R、153R、154Rおよび155Rを備える。
前記入力キー151R、152R、153R、154Rおよび155Rは、例えばユーザーが指等で軽く触れた時の静電容量の変化を利用して入力できる静電容量方式のタッチスイッチである。
前記入力キー151R、152R、153R、154Rおよび155Rに対応して、発光部21Rがそれぞれ設けられる。発光部21Rは発光素子(LED)であり、入力キー151R、152R、153R、154Rおよび155Rの操作に応じて、その入力キーにそれぞれ対応した発光部21Rが、発光する。但し、隣接している2つの入力キー154Rと155Rは、火力の増減という同じ種類の機能を発揮するため、1つの発光部21Rを共用している。
入力キー151Rは、右加熱口4Rにおけるタイマー調理を選択する際に押下げされるキーである。入力キー152Rは、右加熱口4Rで実施する制御メニューを選択する際に押下げされるキーである。
入力キー153Rは、右加熱口4Rにおける加熱調理を開始または停止するために押下げられるキーである。入力キー154Rおよび154Rは、右加熱口4Rにおける加熱調理時の火力を指定する際に押下げられるキーである。左側の入力キー154Rを押すことで、1段階ずつ火力が下げられる。反対に、右側の入力キー155Rを押すことで、1段階ずつ火力が上げられる。なお、右加熱口4Rにおける誘導加熱調理時の火力は、定格最小火力(火力レベル1)150W~定格最大火力(火力レベル9)3200Wまで、9段階になっている。
図9は、実施の形態1に係る中央表示部16M、中央操作部15M、中央加熱状況表示部17Mを拡大した図である。
中央表示部16Mは、加熱調理器1全体の情報および警報を表示するものであり、液晶ディスプレイにより構成される。中央表示部16Mの表示画面には、誘導加熱手段(第1の加熱手段)HM1、マイクロ波加熱手段(第2の加熱手段)HM2、輻射熱加熱手段(第3の加熱手段)HM3の選択結果、各加熱手段の動作状態、各加熱手段による加熱調理に対する注意情報、または警告情報を表示する。
前記中央表示部16Mは、ハードウェア上は1枚の液晶ディスプレイであるが、図9に示すように左側の第1表示エリア22、左右中央の第2表示エリア23および右側の第3表示エリア24の3つの表示エリアを有し、表示エリアごとに異なる表示を行うこともできる。また、3つの表示エリア22~24は、表示の場面に応じて適宜連携して1つの(広い面積の)表示エリアになり、1つの目的の表示を行う場合もある。なお、以下では、第1表示エリア22は、第1エリア22、第2表示エリア23は、第2エリア23、および第3表示エリア24は、第3エリア24と呼ぶ。
中央加熱状況表示部17Mは、前後方向に2段に分かれており、下段(前方側)には、レンジの文字表示部の後方にあるレンジ用発光素子(LED)310と、グリルの文字表示部の後方にあるグリル用発光素子(LED)311と、オーブンの文字表示部の後方にあるオーブン用発光素子(LED)312と、中央IHの文字表示部の後方にある中央IH用発光素子(LED)313と、が配置されている。
上段(後方側)には、「高温注意」の警告用文字と、加熱室6と3つの加熱口4L、4C、4Rを模式的に表す図形の前方下方に、それぞれ配置された高温注意用発光素子(LED)群314とが、配置されている。
高温注意用発光素子(LED)群314は、左右に並んだ加熱室高温注意用発光素子(LED)314aと、IH高温注意用発光素子(LED)314bとで構成されている。
加熱室高温注意用発光素子(LED)314aは、加熱室6内の温度が高温、例えば50℃以上の場合に点灯する。
IH高温注意用発光素子(LED)314bは、左IHコイル9L、右IHコイル9R、中央IHコイル9Cのいずれかが駆動中やトッププレート3の温度が高温、例えば50℃以上の場合に点灯する。
中央操作部15Mは、主に加熱室6における加熱調理と中央加熱口4Cによる加熱調理に関する操作を入力するものである。
図9に示すように、中央操作部15Mは、9個の入力キー151M、152M、153M、154M、155M、156M、157M、158M、159Mと、機能設定キー151KP(図示せず)を備える。
前記した9個の入力キー151M~159Mは、静電容量方式のタッチスイッチである。また、これら入力キー151M~159Mの近傍には、それぞれ発光部21Mが設けられている。
中央操作部15Mの最も左側には、前記機能設定キー151KP(図示せず)を配置してある。この機能設定キー151KPは、加熱調理器1全体の各種動作や表示等を、ユーザーの希望通りに設定できるようにするためのものである。
機能設定キー151KP(図示せず)を押すと、後述する制御装置40は「機能モード」に切り替わり、中央表示部16Mの表示画面に以下のような「機能設定メニュー」を表示する。
(1)チャイルドロック設定(各種入力キーの操作無効化設定)。
(2)換気扇連動モード設定。
(3)お掃除ガイド設定(加熱室6と排気口カバー5の清掃時期自動報知機能設定)。
(4)ピークカット設定(最大消費電力を、5700W、5000W、4800W及び4000Wの4段階から1つ選択)。
(5)音声ガイドの音声設定。
(6)音声ガイドの音量設定。
(7)加熱室6からの被調理物、調理器具等の出し忘れを防止する設定(音声報知部50と中央表示部16Mでの警報の要否)。
(8)HEMS登録設定(家庭用電力制御装置による電力使用制限機能に関する設定)。
(9)タイマー調理の時間単位(1分単位設定を、5分や30分単位へ変更)設定。
(10)初心者モードと通常(習熟者)モードの切り替え。
(11)外部機器(冷蔵庫800:図示せず)から取得する在庫情報SD1の種類(範囲)の設定。
(12)連携調理モードKM3の各調理メニュー(例えば、「ハンバーグ」)の表示優先度(デフォルト表示にすべき具体的な調理メニュー、識別情報167)の設定。
(13)複合調理モードKM2の各制御メニュー(例えば、「レンジグリル」、「葉菜下ゆで」)の表示優先度(デフォルト表示にすべき具体的な制御メニュー)の設定。
(14)主電源スイッチ20の「ON」の後、加熱室6のドア7が開けられた場合、自動的に中央表示部16Mに表示する調理モードの設定(連携調理モードKM3と複合調理モードKM2の2者の間の、表示優先度など)。
(15)後述する付加情報165、166(図15参照)を、自動的に表示させないようにする設定及び音声報知部50によって、付加情報165、166を音声で報知しないようにする設定。
前記「初心者モード」とは、加熱調理器1の使用に不慣れな人(ユーザー)のための、オプション機能であり、この初心者モードに設定すると、音声報知部50における音声ガイドの内容が、より細かく、丁寧になる。また、入力操作部15での入力操作について、音声ガイドが増えたり、中央表示部16Mの表示画面における表示情報が増える。
前記初心者モードに設定した場合は、特に、複合調理モードKM2と、連携調理モードKM3における調理の場合、調理工程1と調理工程2において、中央表示部16Mの表示画面で表示する参考情報(例えば、後述する付加情報165、166を含む)の量が増え、又は音声報知部50における音声ガイドの内容が増える。このため、ユーザーの入力操作を支援できる機能が強化される。
なお、前記「初心者モード」から「通常(習熟者)モード」へ切り替えたことと連動して、前記音声報知部50の音声ガイドの内容を、変更しない設定が自動的に行われるようにしても良い。
後述する主電源スイッチ20の「ON」の後、加熱室6のドア7が開けられた場合、自動的に中央表示部16Mに表示する調理モードの設定とは、連携調理モードKM3と複合調理モードKM2の何れか一方を設定することをいう。連携調理モードKM3と複合調理モードKM2の両方が、1つの中央表示部16Mを使用しているため、どちらか一方の表示を優先させることをユーザーが設定できる。これについては、後で詳しく説明する。なお、実施の形態1では、ここでいう「複合調理モード」KM2には、中央IHコイル9Mによる単独調理モードKM1など、幾つかの単独調理モードの制御メニューも例外的に含んでいる。
主電源スイッチ20の「ON」の後、加熱室6のドア7が開けられた場合、このドア7の開放を制御装置40が検知する。
ユーザーが加熱室6を使用する調理を行うものと推定し、先に連携調理モードKM3のための第1特定画面16M1、又は複合調理モードKM2のための第2特定画面16M2の、何れか一方を中央表示部16Mに自動的に表示させる機能がある。
なお、中央表示部16Mでは、主電源スイッチ20が「ON」になった直後、後述する待機時初期画面16MHが表示される。この後、ドア7が開放された直後には、自動的に第2特定画面16M2が表示される。
中央表示部16Mの表示画面に「機能設定メニュー」が表示された後、前記機能設定キー151KP以外の特定の1つの入力キー(例えば、154M)を「長く押す」(以下、「長押し」という)と、前記した「機能設定メニュー」の中の1つの設定メニューを選択し、続けて、希望する設定内容に変更することができる。
あるいは、前記機能設定キー151KP以外の特定の2つの入力キーを同時に「長押し」した場合、前記した「機能設定メニュー」の中の1つの設定メニューを呼び出して、希望する設定内容に変更することができる。
前記「長押し」とは、例えば連続して5秒以上押された状態をいう。
前記「長押し」の状態であるかどうかは、中央操作部15Mにおけるタッチ入力のタイミングを、前記制御装置40が基準値と比較して判定する。つまり、中央操作部15Mにおいて、前記入力キー(例えば、154Mと155M)が同時に押されたタイミングは、入力操作部15Mから制御装置40に送信された「ON」(タッチ時)-「OFF」(非タッチ時)信号で判別できるが、制御装置40では、その「ON」信号時点から「OFF」信号に変化した時点までの時間を計測して、「長押し」であるかどうかを判別している。
前記冷蔵庫800(図示せず)から取得する在庫情報SD1の種類(範囲)とは、例えば、冷凍食品だけに限定し、又はマイクロ波加熱源(第2の加熱手段HM2)によって加熱できる食材だけに限定することである。
中央表示部16Mにおいて、第1の加熱手段HM1、第2の加熱手段HM2及び第3の加熱手段HM3の制御モードや制御条件(温度や火力、時間など)を選択している段階では、機能モードの切り替えをしないように、機能設定キー151KPの入力機能は無効にしてある。
加熱調理器1のピークカット値の設定について述べる。メーカからの出荷時点のデフォルト値が、仮に5400Wであったとしても、ユーザーの自宅に設置した際に、5000W、4800W又は4000Wの何れにも設定できる。
このように、加熱調理器1の機能を、ユーザーの希望や使用環境(設置家庭の電力事情)等に合わせて、前記した機能設定キー151KPで変更することができる。なお、このようなピークカット値の設定を行うと、この設定結果は、制御装置40に記憶されるので、後述するように連携調理モードKM3をユーザーが選択した際に、その連携調理モードKM3の使用を許可するかどうかの判定に利用される。従って、後述する調理条件データを、通信端末器200から受信している期間中では、機能設定キー151KP(図示せず)によって、ピークカット値の変更を行うことはできない。
発光部21MはLEDで構成され、入力キー151M~159Mの操作に応じて発光する。
隣接している2つの入力キー155Mと154Mは、第1エリア22の表示内容を変更することでは共通であるため、1つの発光部21Mを共用している。
隣接している2つの入力キー157Mと156Mは、第2エリア23の表示内容を変更することでは共通であるため、1つの発光部21Mを共用している。
隣接している2つの入力キー159Mと158Mは、第3エリア24の表示内容を変更することでは共通であるため、1つの発光部21Mを共用している。
入力キー151Mは、加熱調理を開始するために押下げられる(タッチ操作される)スタートキーであり、入力キー152Mは、加熱調理を停止または終了するために押下げられる取消キーである。
前記入力キー153Mは、前記した「制御メニュー」を実行する「単独調理モード」KM1又は「複合調理モード」KM2或いは「連携調理モード」KM3を選択するために、操作されるキーである。
前記「単独調理モード」KM1、「複合調理モード」KM2及び「連携調理モード」KM3の何れか1つを選択した場合、その選択結果が、前記中央表示部16Mに表示される。なお、「単独調理モード」、「複合調理モード」及び「連携調理モード」については、後で詳しく説明する。
図9に示すように、前記入力キー154Mおよび155Mは、中央表示部16Mの第1エリア22に隣接して、その前方近傍に配置されており、中央表示部16Mの第1エリア22に表示された画面の表示内容を切り替えるためのキーである。
次に図10について説明する。
図10は、中央表示部16Mを平面的に見た図である。
入力キー154Mが押下げられる、すなわち、ユーザーに操作されることで、第1エリア22に表示される内容、例えば「複合調理モード」KM2に属する1つの制御メニューの「レンジ手動」の表示情報25Aが後方に移動する。これと同時に、前方側に表示されている「葉菜下ゆで」の表示情報25Bが中央に表示される。
また、入力キー155Mが押下げられる、すなわち、ユーザーに操作されることで、第1エリア22に表示される「レンジ手動」の表示情報25Aが前方に移動して、後方側に表示されている「あたため」の表示情報25Cが中央に表示される。
このように、ユーザーは、入力キー154Mおよび155Mを操作することで、「制御メニュー」の中の特定の制御メニュー(例えば「レンジ手動」)を選択することができる。
なお、前記「レンジ手動」の制御メニューは、本来は第2の加熱手段HM2だけを使用する「単独調理モード」KM1に属するものであるが、この他に「複合調理モード」KM2及び「連携調理モード」KM3にそれぞれ属する(複合調理の)制御メニューと、連携調理メニュー(例えば「ハンバーグ」等)に属する制御メニューや連携調理メニューも、前記第1エリア22に表示される。
そして、入力キー151Mが押下げされることで、すなわち、ユーザーに操作されることで、図9の場合では、中央に表示されている制御メニューの「レンジ手動」が選択される。これに対応した加熱が開始、すなわち加熱手段(この場合、マイクロ波発振源11)が駆動される。よって、入力キー154Mおよび155Mは、ユーザーにより操作される制御メニューの選択キーに相当する。同様に、(複合調理の)制御メニューの選択キーに相当する。更に、連携調理メニューの選択キーにも相当する。
図9において、入力キー156Mおよび157Mは、中央表示部16Mの第2エリア23に隣接して、その前方近傍位置配置され、中央表示部16Mの第2エリア23に表示された画面の表示内容を切り替えるためのキーである。
図10の例で説明すると、入力キー156Mが押下げられることにより、第2エリア23に表示されるワット数(マイクロ波出力値)(図10では「500W」)が一段階増加される(例えば「600W」に)。反対に、入力キー157Mが押下げられることにより、第2エリア23に表示される前記ワット数が一段階(例えば「200W」まで)減少される。
ユーザーは、入力キー156Mおよび157Mを操作することで、加熱室5で実施するレンジ調理(マイクロ波発振源11を使用した「単独調理モード」KM1の1種)において、ワット数(マイクロ波出力値)を選択することができる。
入力キー158Mおよび159Mは、中央表示部16Mの第3エリア24に隣接して、その前方の近傍に配置され、当該第3エリア24に表示された表示内容を切り替えるためのキーである。
図10の例で説明すると、入力キー158Mが押下げられることにより、第3エリア24に表示される加熱動作時間が一段階増加される。反対に、入力キー159Mが押下げられることにより、第3エリア24に表示される加熱動作時間が一段階減少される。
ユーザーは、入力キー158Mおよび159Mを操作することで、加熱室6で実施するレンジ調理の時間を選択することができる。
次に図11について説明する。
図11は、実施の形態1に係る加熱調理器1の主要な機能を示した制御ブロック図である。
図11に示すように、加熱調理器1は、加熱調理器1の全体を制御する制御装置40を備える。
前記制御装置40は、加熱調理器1を構成する各部の動作を制御する制御回路などの電子部品が実装された電子回路基板である。制御装置40は、左操作部15Lおよび右操作部15Rの操作、ならびにトッププレート3上の被加熱物の温度に基づき、左IHコイル9L、右IHコイル9R、中央コイル9C(図示せず)の駆動を制御する。
前記制御装置40は、中央操作部15Mの操作、トッププレート3上の被加熱物の温度、および赤外線センサー13、サーミスタセンサー14の検出結果に基づき、中央IHコイル9C、マイクロ波加熱手段11、上側輻射熱加熱手段12a、下側輻射熱加熱手段12bの駆動を、それぞれ制御する。
また、制御装置40は、左操作部15Lおよび右操作部15Rの操作に基づき、左表示部16L、右表示部16R、左火力表示部17Lおよび右火力表示部17Rの表示を制御する。
さらに、制御装置40は、開閉検知部10からの開放信号、ならびに左操作部15L、右操作部15Rおよび中央操作部15Mの操作に基づき、中央表示部16M、中央加熱状況表示部17Mの表示を制御する。
制御装置40は、加熱調理器1の制御に用いられる各種プログラムおよびパラメータ等のデータ(以下、これらを総称して「制御データ」と呼ぶ)と、各表示部16L、16R、16M、17L、17Rに表示される表示画面のデータ(以下、これらを総称して「表示条件データ」と呼ぶ)とを、記憶する記憶装置41を有する。また、制御装置40は、音声報知部50を必要に応じて起動し、ユーザーに対して加熱調理器1の動作状況を音声で伝える。
制御装置40は、加熱制御部43の加熱調理制御に用いられる各種プログラムおよびパラメータ等のデータ(以下、「調理条件データ」という)を、前記記憶装置41の調理条件データ記憶部42に記憶させている。
前記「調理条件データ」と「表示条件データ」とは、通信端末器200等の外部機器から加熱調理器1が一括して、又は別個に取得する場合がある。
42は、前記「調理条件データ」と「表示条件データ」とを記憶する記憶部である。なお、記憶部42は、記憶装置41の中の1つの区画(エリア)を構成するものでも良く、又は、ハードウエア上は前記記憶装置41と別体に構成しても良い。
43は、加熱調理器1の全体の加熱動作を統合制御する加熱制御部であり、マイクロコンピュータを主体に構成されている。
53は、データ取得部であり、前記通信部51を介して、スマートフォン200やクラウドサーバ300から、前記「調理条件データ」を取得する。また、前記通信部51を介して、スマートフォン200やクラウドサーバ300から、前記「表示条件データ」を取得する場合もある。
51は、外部と無線で通信を行う通信部であり、図1又は図3に示したようにスマートフォン200と無線通信400を行う機能を有している。または、図2、図3に示したように、クラウドサーバ300とネットワーク203、204、205を形成する機能を有している。
54は、許可条件判定部であり、連携調理モードKM3による調理を許可するかどうかの判定処理を行う。
57は、電源回路であり、前記制御装置40に対して一定電圧の電力を供給する。20は、この電源回路57に挿入された主電源スイッチである。
55は、前記調理条件データ2の取得を制限する制限部55である。
制限部55は、前記連携調理モードKM3の調理を開始する前の待機期間中(つまり、図29で示した「調理工程1」の前)に、前記データ取得部53が前記通信部51を介して前記調理条件データ2の取得を制限する機能を有する。
更に、前記制限部55は、調理工程1の開始前に取得した前記調理条件データ2が適用された調理メニューの調理工程が終了するまでの間、前記通信部51から新たな調理条件データを取得することを制限する機能を有する。
なお、制限部55は、制御装置40を構成するコンピュータ(図示せず)の1つの制御プログラムで実現されても良く、制御装置40とハードウエア上で別に構成されることは、必ずしも必要ではない。
(3.中央操作部の制御メニューの構成)
次に、中央操作部15Mによって中央表示部16Mに表示され、選択できる制御メニューについて、図12を参照しながら説明する。
図12は、中央操作部15Mによって選択できる制御メニューの全体を示している。
中央操作部15Mによって選択できる制御メニューは、マイクロ波加熱手段(第2の加熱手段HM2)と上側輻射熱加熱手段12a、下側輻射熱加熱手段12bの一方又は双方を使用するRG(レンジグリル)メニュー群と、中央加熱口4Cに対応した中央IHコイル9Cを使用するIHメニュー群とに区分けされる。
図12に示した制御メニューを、4つの視点(分類1~4)で分類したものが、図13である。図13から明らかなように、前記制御メニューは、単独調理モードKM1と複合調理モードKM2に大別される。なお、図12と図13では、連携調理モードKM3は記載していないが、中央操作部15Mでは、連携調理モードによる連携調理メニューが実行できる。
主電源スイッチ20を「ON」にして、中央操作部15Mの入力キー153Mを操作しないで、入力キー154M又は155Rが押下げされると、複合調理モードKM2が選択されたことになる。
そのため、中央表示部16Mの表示画面は、第2特定画面16M2に切り替わる。
第2特定画面16M2の第1エリア22には、図12の「左表示エリア」に記載された「あたため」という制御メニューが必ず最初に表示される。この「あたため」という制御メニューがデフォルト設定してあるからである。
図12の「左表示エリア」は、図9で説明した第1エリア22に相当する表示エリアである。つまり、図12の「左表示エリア」に記載された各種制御メニューは、第1エリア22の中に順次表示される。
図12の「左表示エリア」に記載されているように、「あたため」以外には、「レンジ手動」、「葉菜下ゆで」、「根菜下ゆで」、「肉解凍」、「レンジグリル(RG)調理」、「レンジグリル(RG)再加熱」、「レンジグリル(RG)手動」、「グリル」、「オーブン」、「IH保温」、「IH炊飯」、「IH加熱」の13個の制御メニューがある。
前記制御メニューの「あたため」、「レンジ手動」、「葉菜下ゆで」、「根菜下ゆで」、「肉解凍」、「レンジグリル(RG)調理」、「レンジグリル(RG)再加熱」、「レンジグリル(RG)手動」、「グリル」、「オーブン」は、RGメニュー群に含まれる。
また、「IH保温」、「IH炊飯」、「IH加熱」は、IHメニュー群、に含まれる。
図12の「中央表示エリア」に記載された内容は、中央表示部16Mの第2エリア23に表示される内容であり、温度や時間、火力、「強め」、「弱め」など、調理中の加熱状況の調整に関するものである。言い換えると、「中央表示エリア」には各種の制御条件が記載してある。この「中央表示エリア」のデフォルト設定の内容は、その「中央表示エリア」の右の列の「デフォルト」の欄に列挙している。
図12の「右表示エリア」に記載された内容は、中央表示部16Mの第3エリア24に表示される内容を示している。「右表示エリア」のデフォルト設定の内容は、その「右表示エリア」の右の列の「デフォルト」欄に列挙している。空白の部分は、変更が可能な制御条件を意味しておらず、情報が表示されないこと、あるいは(ユーザーには)選択や変更ができない適宜の説明文などが、当該第3エリア24に表示されることを意味している。
次に、図12の「左表示エリア」に表示されている、合計13種類の制御メニューについて説明する。
(1)あたため:マイクロ波加熱手段(第2の加熱手段HM2)を使用して加熱室6内の被調理物を加熱することをいう。被調理物の再加熱の場合も、この「あたため」が適する。デフォルト設定で「80℃」となっているので、食品が加熱されて80℃になった時点で、マイクロ波加熱は自動的に停止する。なお、「80℃」は、目標温度であり、この温度は加熱開始前にユーザーが調節できる。図12の中央表示エリアに示しているように、例えば0℃~90℃の範囲は5度刻みで設定できる。
(2)レンジ手動:マイクロ波加熱手段(第2の加熱手段HM2)を使用して加熱室6内の被調理物を加熱することをいう。加熱時間はユーザーが、10秒間~60分間の間の特定の時間に設定して行うものである。
(3)葉菜下ゆで:マイクロ波加熱手段(第2の加熱手段HM2)を使用して加熱室6内の被調理物、特に、葉を食用とする野菜、例えば、ほうれん草、白菜などの葉菜類を茹でることに適するものである。赤外線センサー13が、当該被調理物の温度上昇をリアルタイムで計測し、自動的に停止する。
(4)根菜下ゆで:マイクロ波加熱手段(第2の加熱手段HM2)を使用して加熱室6内の被調理物、特に、根や地下茎、じゃが芋などの根菜類を茹でることに適するものである。
(5)肉解凍:冷凍した各種の肉類を解凍する場合に適するものである。
(6)レンジグリル(RG)調理:マイクロ波加熱手段(第2の加熱手段HM2)を使用したマイクロ波加熱と、上側輻射熱加熱手段12a、下側輻射熱加熱手段12bを使用したオーブン加熱とを組み合わせて、加熱室6内の被調理物を加熱調理するものである。
(7)レンジグリル(RG)再調理:加熱室6内において調理済の被調理物を再度加熱する場合に適するものである。
(8)レンジグリル(RG)手動:マイクロ波加熱とオーブン加熱をユーザーが適宜選択して加熱室6内の被調理物を加熱調理するものである。
(9)グリル:上側輻射熱加熱手段12a、下側輻射熱加熱手段12bの一方又は両方を使用して、加熱室5内の食品を加熱するものである。つまり、第3の加熱手段HM3を使用した制御メニューである。
前記「グリル」では、加熱室6の温度管理は行わず、また被調理物の温度上昇を検知して加熱動作を停止するという制御も行わない。10秒間~30分間の範囲内で、ユーザーが指定した時間だけ加熱動作が行われる。
(10)オーブン:上側輻射熱加熱手段12a、下側輻射熱加熱手段12bの一方又は両方が使用して、加熱室6内の被調理物を加熱するものである。加熱室6の温度は、サーミスタセンサー14によってリアルタイムで計測され、設定した目標温度になるように、上側輻射熱加熱手段12aと下側輻射熱加熱手段12bの通電制御が行われる。
(11)IH保温:中央加熱口4Cの上方にある鍋などの被加熱物を、ユーザーが設定した温度に保つ様に加熱を行うものである。誘導加熱の火力は200Wから750Wまでの低火力から中火力までが使用され、中央IHコイル9Cの近傍に設置された温度センサー(図示せず)によって、前記被加熱物の温度をリアルタイムで検知し、検知した温度から、前記制御装置40の加熱制御部43が火力の制御を行う。なお、デフォルト温度は図12に示しているように80℃である。例えば、スープ等の保温に適する。
(12)IH炊飯:ユーザーが設定した合数(炊飯量)に合わせて加熱を行うものである。誘導加熱の火力は200Wから1500Wまでの低火力から高火力までが使用される。中央IHコイル9Cの近傍に設置された温度センサー(図示せず)は、被加熱物の異常加熱(過熱状態、オーバーヒートともいう。以下同じ)を検知するために用いられ、異常な温度を検知すると制御装置40によって火力の低下や加熱動作停止が行われる。
(13)IH加熱:ユーザーが設定した誘導加熱の火力に合わせて加熱を行うものである。設定できる火力は5段階あり、火力1:200W、火力2:500W、火力3:750W、火力4:1000W、火力5:1500Wとなっている。中央IHコイル9Cの近傍に設置された温度センサー(図示せず)は、被加熱物の異常加熱を検知するために用いられ、異常な温度を検知すると制御装置40によって、火力の低下や加熱動作停止が行われる。なお、デフォルト火力は500Wである。
次に図13について説明する。
図13は、前記RG制御メニュー(図12の「RGメニュー群」)と、誘導加熱源9による単独調理モードKM1のIH制御メニュー(図12の「IHメニュー群」)の分類表である。
この図13の第1領域の「左表示エリア」とは、第1エリアを意味する。この図13から明らかなように、図13に示した制御メニューの名称は、中央表示部16Mの第1エリア22においても文字で表示され、ユーザーに対して制御メニューの選択に利用される。
図14は、連携調理モードや複合調理モードの各種調理制御メニューの記憶構造と、入力キーの対応関係を示す説明図である。
図13の分類2に示した各制御メニューの要点を示す情報は、この図14に示すように調理条件記憶部42の第3層のデータとして記憶させてある。
従って、入力キー154M、155Mを操作して、希望する制御メニューを選択すれば、自動的に、その制御メニューに1対1で対応した(紐づけした)、図13の分類2に示した各制御メニューの要点を示す情報も、ユーザーは自動的又は任意で表示させることができる。この自動的に表示させる1例を示したものが、図15である。
次に、中央操作部15Mが操作された際の、中央表示部16Mでの表示について、図15の模式図に基づいて説明する。
まず、ユーザーが主電源スイッチ20(図11参照)の操作用ボタン20Aを押下して主電源をオンすると、左操作部15R,中央操作部15M、右操作部15Rの操作を受け付ける状態になり、中央表示部16Mには図示していないが、所定の画面(以後、「待機時初期画面」16MHという)が表示される。
この状態で、ユーザーが入力キー154M又は155Mを押下げすると、図15に示すように表示画面15STが中央表示部16Mに表示される。
表示画面15STから明らかなように、第1エリア22の前後方向の中央には、「あたため」という制御メニューの名称160が大きく表示される。
第1エリア22の中央に表示された「あたため」という制御メニュー識別情報160の後方には、「IH加熱」という文字(制御メニュー識別情報)161が、また逆に前方側には「レンジ手動」という文字(制御メニュー識別情報)162が、少し小さく表示される。
これにより、ユーザーが制御メニューを選択する場合、次の候補は「IH加熱」と「レンジ手動」であることが分かる。仮にこの段階で、入力キー154Mを1回押すと、「あたため」という文字(制御メニュー識別情報)160の位置に「レンジ手動」の制御メニュー識別情報162が(後方へ)移動したように、大きく表示される。なお、制御メニュー識別情報162の文字は実際には移動したのではなく、表示情報が切り替わっただけである。
また、入力キー155Mを1回押すと、「あたため」という文字(制御メニュー識別情報)160の位置に、「IH加熱」という文字(制御メニュー識別情報)161が(前方へ)移動したように、大きく表示される。なお、この場合も、制御メニュー識別情報162は実際には移動したのではなく、表示情報が切り替わっただけである。
図15において、表示画面15STは、第2エリア23に「80℃」という目標温度が表示される。この目標温度でマイクロ波加熱した場合には、被調理物の温度が80℃であることが、赤外線センサー13によって検知された際に、マイクロ波加熱は自動的に停止される。
この第2エリア23に表示された温度を変えて、自動停止する温度を変更したい場合には、入力キー156M又は157Mを操作すればよく、この入力キー156Mを1回押すと表示画面15UP1のように、温度が5℃上がって85℃になり、入力キー167Mを1回押すと、表示画面15DN1のように温度が5℃だけ下がって、75℃になる。
また、第2エリア23には、加熱源がマイクロ波加熱手段(第2の加熱手段HM2)であることを文字で表示した加熱源表示部163が表示される。
164は、前記したように、おかず等の温めにお薦めの制御メニューであることを自動的に表示させた参考情報である。この参考情報の内容は、別の付加情報165であっても良く、2種類以上の情報を、中央表示部16Mの表示画面(例えば、第3エリア24)で、数秒間ずつ交互に、又は順次表示しても良い。
更に、図13の分類2で示したように、各制御メニューの要点を示す情報(参考情報)164を、入力キー158又は159の操作に応じて、随時表示させても良い。
つまり、この実施の形態1では、各制御メニュー(例えば「あたため」)を選択するかどうかユーザーが迷わないように、当該制御メニュー(例えば「あたため」)と1対1に対応している前記参考情報164を表示させる。
更に、図15のように参考情報164が表示されている場合、その参考情報164の手前に位置している(2つの)入力キー158M又は159Mの、何れか1つにタッチ操作した場合、前記参考情報164に代えて、更に詳しい前記付加情報166を、第3エリア24に表示させるようにしても良い。
図15に示しているように、第2の加熱手段HM2と第3の加熱手段HM3のように、互いに異なる加熱原理の複数の加熱手段を、同時に駆動し又は時間差を持って自動的に切り替えて駆動し、共通の被調理物を加熱調理するモードが、前述した「複合調理モード」KM2である。
図15において、中央表示部16Mの表示画面は、前記「複合調理モード」KM2のための専用の表示画面であり、「第2特定画面」16M2と呼ぶ場合がある。
次に、図16~図21について説明する。
図16は、連携調理モードKM3における、中央表示部16Mの表示動作と中央操作部15Mとの関係を示す平面図である。加熱動作途中の状況を示している。
図16において、前記主電源スイッチ20を「ON」にして、制御装置40を起動し、中央操作部15Mの入力キー153Mを押すと、この図16に示す第1特定画面16M1が表示される。
先に入力キー155M又は156Mが押され、レンジ加熱等の単独調理モードやレンジグリル(RG)調理等の複合調理モードKM2の設定操作が途中まで行われていた場合でも、入力キー151Mを押す前の段階であれば、入力キー153Mを押した段階から連携調理モードKM3のための入力工程に変更となる。つまり、この段階から第1特定画面16M1だけが中央表示部16Mに表示される。
入力キー153Mに続いて、その次に、入力キー154M又は155Mにタッチすると、中央表示部16Mの表示画面(第1特定画面)16M1の第1エリア22には、複数の連携調理モードKM3の対象となる(連携調理メニューである)被調理物を特定するための、更に別の識別情報(図形マーク、調理物の名称を含む)167が表示される。
この図16では、中央表示部16Mに表示されている連携調理モードで実行できる「被調理物」の数は3つである。すなわち、ハンバーグ、グラタン及びローストビーフの3つであり、このように被調理物の数を「連携調理メニューの数」と呼ぶ。
この実施の形態1では、連携調理メニューの数は全部で8個ある。詳しくは図17と図18で説明する。但し、後述するスマートフォン(通信端末器)200から調理条件データを取得して、更に連携調理メニューを増やすことが可能である。
図16において、167、168,169が識別情報であり、この実施の形態1では、被調理物(例えば、ハンバーグ、グラタン、ローストビーフ)の名称を、それぞれ1対1に示す情報である。なお、連携調理メニューの全ての識別情報を示す説明をする場合、167の符号を使用する。
前記制御メニュー識別情報160(図15参照)が表示された位置は、以後「表示位置A」と呼ぶ場合がある。
これに対し、連携調理モードKM3において、前記識別情報167が表示された位置は、以後「表示位置B」と呼ぶ場合がある。
この実施の形態1では、「表示位置B」と前記「表示位置A」(図15参照)の位置は、同じ位置であるが、異なった位置に設定しても良い。但し、ユーザーの混乱を招かないように、連携調理モードKM3の中では、8つの連携調理メニューで、常に同じ位置(表示位置B)にする。また、複合調理モードKM2でも、各制御メニューで常に同じ(1つの)「表示位置A」に統一することが良い。
この図16では、操作支援情報170として「スタートボタンを押すと、左IHの加熱を開始します」と表示している。この意味は、中央操作部15Mの入力キー151Mを押せば、左IHコイル9Lで(連携調理モードKM3の)誘導加熱が開始できることである。但し、この実施の形態1では、入力キー151Mの後に、左操作部15Lで入力キー153Lを押す必要がある。
図16に示している通り、第1特定画面16M1に示された識別情報167の上(平面視で後方位置)には、別の調理物(例えば、グラタン)の名称を示す識別情報168が表示されている。
また、前記識別情報167の下には、別の調理物(例えば、ローストビーフ)の名称を示す識別情報169が表示されている。図16において、入力キー151Mに対応している1つの発光部21Mは、破線の円で囲ってあるが、これは当該発光部21Mが点滅し(又は他の発光部と異なる色で発光し)、調理開始の指令を待っていることを示したものである。
次に図17について説明する。
前記複合調理モードKM2と単独調理モードKM1における表示の切り替えと同様に、前記した2つの入力キー154Mと、155Mを操作することにより、連携調理モードKM3で調理できる被調理物の選択ができる。
すなわち、入力キー154Mと、155Mの何れか一方を1回操作する毎に、被調理物(例えば、ハンバーグ)の名称を示す識別情報167は、順次上方向又は下方向に、1段階ずつ移動する形で表示が変化する。つまり、順送りと逆送りで識別情報167を第1エリア22Lの所定位置(前後中央位置)、言い換えると、前記表示位置Bに順次表示させることができる。
この実施の形態1では、連携調理モードKM3における被調理物の種類が、前述したように全部で8個ある。そのため、例えば左側の入力キー155Mを8回操作すれば、1つ被調理物(例:ハンバーグ)の識別情報167が一巡する。逆に右側の入力キー154Mを8回操作すれば、1つの被調理物(例:ハンバーグ)の識別情報167が一巡する。
図17(A)において、FGは、ユーザーの指先を示したものである。入力キー155Mを1回押すごとに、図17(B)に示すように第1特定画面16M1の表示内容は、表示画面17A~17Dのように変化する。
図18について説明する。
図18は、連携調理モードKM3における調理メニューと、前記操作支援情報170の対応関係を示した一覧表である。
図18から分かるように、前記操作支援情報170は、操作支援情報Aと操作支援情報Bの2種類ある。1つは「スタートボタンを押すと、左IHの加熱を開始します」というものであり、他の1つは「スタートボタンで決定します」という情報である。この「スタートボタン」とは、入力キー151Mのことである。
前記した2種類の操作支援情報170は、連携調理モードKM3の調理工程の開始前に自動的に切り替わる。例えば、数秒置きに交互に表示される。
次に図19について説明する。
この実施の形態1では、前記連携調理モードKM3の1種として「連携予熱調理モード」KM4を備えている。
当該連携予熱調理モードKM4は、2種類ある。
前記連携予熱調理モードKM4を利用する調理メニューとして、例えば、「ハンバーグ」がある。この「ハンバーグ」の場合は、その予熱工程を誘導加熱源9(第1の加熱手段HM1)で行う。
予熱工程を(誘導加熱源9で)実行中に、調理工程1を開始すると、当該調理工程1の開示時点では、前記予熱工程の加熱動作を停止していない。
そのため誘導加熱源9の通電と、調理工程1を担当する第2の加熱手段HM2(マイクロ波加熱手段)及び第3の加熱手段HM3の通電とは、同じ時間帯で並行的に行われことになる。
言い換えると、連携予熱調理モードKM4では、調理工程1の前から動作を開始している加熱源(上記説明では、第1の加熱手段HM1)を、調理工程1の開始時点で必ずしも停止せず、調理工程1の期間中、第2の加熱手段HM2(マイクロ波加熱手段)と、第3の加熱手段HM3の一方又はその両方と、共に通電される場合がある。
特に矛盾を生じない限り、前記連携調理モードKM3には、前記連携予熱調理モードKM4を含んでいるという前提で、以下説明する。
連携調理モードKM3を選択する段階では、被調理物の名称を示す識別情報167を中央表示部16M表示させた時点で、左IHコイル9Lの左操作部15Lは、他の調理メニューのためには使用できないようになる。
具体的には、左操作部15Lの各種入力キーの内、少なくとも入力キー153Lは、加熱制御部43によって無効化される。この「無効化」という意味は、入力キー153Lから、有効な指令信号が加熱制御部43に発信されないという意味と、有効な指令信号が発信されても、加熱制御部43が、その指令信号を有効な指令信号として処理しないこと、の両方の意味がある。何れにしても、左IHコイル9Lでの加熱を選択できないことになる。
同時に、識別情報167が表示された時点で、右加熱口4Rの右操作部15Rは、使用できないようにしても良い(入力キー153Rの「無効化」による)。しかし、この「無効化」をしないようにユーザーが入力操作部15で事前に機能設定(前記機能設定キー151KPを使用)していた場合には、右IHコイル9Rが、他の制御メニューのために既に使用されている(加熱動作継続中)場合には、その右IHコイル9Rは、そのまま使用できる。一方、連携調理モードKM3では、そのような先に使用されている事実から、使用できないと判定される(加熱制御部43による)。
従って、左IHコイル9Lだけが、連携調理モードKM3の選択によって「占用」された状態となる。また第1の加熱源HM1の全体から見れば、3つの加熱部の一部分(左IHコイル9L)だけ、使用が「制限」されたことになる。なお、右IHコイル9Rが他の調理のために使用中でない場合には、この右IHコイル9Rも同様に占用した状態にしても良い。
引き続き図19について説明する。
この図19は、連携調理モードKM3で「からあげ」を行った場合の動作ステップを示している。図19の中で、#1~#9は、ユーザーの操作や加熱調理器1の状態変化を示したものである。
図19に示した「からあげ」は、前述した「ハンバーグ」の場合と異なり、調理工程1は加熱室6で行い、調理工程2を誘導加熱源9で行う。
図19において、ユーザーが「からあげ」を調理するために、調理工程1を始める前に、最初に左IHコイル9Lを選択し、入力キー151Lを押す。そしてトッププレート3の上に置いた被加熱物の予熱を開始する。この場合の被加熱物は、金属製の鍋やフライパン等であり、食用油を一定の量以上入れておく。
一方、ユーザーは、加熱室6のドア7を開けて、「からあげ」の食材(味付けした鶏肉など)を、加熱室6の中に入れる(#1)。
そして、ドア7を閉めた後、「スタートボタン押下」と呼んでいる操作A23を行う。これは、中央操作部15Mの入力キー151Mを押すことである。
この時点でマイクロ波加熱源(第2の加熱手段HM2)が動作してマイクロ波加熱調理の調理工程1が開始される。すると、参考情報の報知1が行われる。
前記報知1とは、例えば「マイクロ波加熱開始しました。加熱時間は〇分です」のように、加熱終了までの時間である。又は、被調理物の温度を検知して加熱終了時期を決める制御を行っている場合には、例えば「〇〇℃まで加熱します」等、目標の温度を示す情報でも良い。
また、この調理工程1の間に、左IHコイル9Lの予熱は完了する(例えば、前記被加熱物は、予熱の標準温度である180℃まで加熱された状態になる)。この予熱完了は、音声報知部51と中央表示部16M(第1特定画面16M1)によって、音声と文字等でユーザーに知らされる(#2)。
ユーザーは、調理工程1の途中で、任意のタイミングでマイクロ波加熱を停止できる。停止するためにはドア7を開ければ良い。なお、中央操作部15Mの入力キー152Mを1回だけ押すと、マイクロ波加熱を一旦停止できる。しかし、短時間に2回入力キー152Mを押すと、調理モードの取消となり、連携調理モードの「からあげ」の選択がキャンセルされてしまう。
ドア7の開放によって即時にマイクロ波加熱動作は停止され、調理工程1が終了する(#3)。
次に、ユーザーは、加熱室6の中で加熱された食材を、今度はトッププレート3の上で予熱されている被加熱物の中に移動させる(#4)。
そして、左加熱口4Lで調理工程2を開始する(#5)。
調理工程2では、予熱を始める前の最初に、左操作部15Lの入力キー153L(図7参照)を押しているので、この調理工程2の開始時点では、左操作部15Lを操作する必要はない。つまり、例えば180℃まで予熱されている被加熱物の中に、食材(からあげの材料)を移動した時点で、その被加熱物の温度で食材の加熱が開始される(この時点が、調理工程2の開始時点となる)。
以上のように、調理工程2の開始(#5)のために、ユーザーは入力操作部15を特に操作する必要はない。
被加熱物の上に被調理物を置いて加熱される状態にした時点が、調理工程2の開始時点となるが、被調理物を置いたことに伴って、被加熱物の温度が一時的に下がることを温度センサー群30(図11参照)が検知して、電気的に調理工程2の開始時点を決定しても良い。
調理工程2の終了は、ユーザーが左操作部15Lを操作すれば、任意のタイミングで終了することができる。
次に、ユーザーは、被調理物を再び移動させる。
まず、ドア7を開放して加熱室6の中へ、被調理物を入れ、ドア7を閉める(#6)。
そして、中央操作部15Mの入力キー151Mを押して、レンジグリル制御メニュー(RG制御メニュー)の調理工程3を開始する。
加熱室6におけるレンジグリル駆動部による調理工程3が、ユーザーの操作入力A26により開始された時点から所定の時間(TN5)を経過した時点で、参考情報5の報知2が行われる。
前記参考情報の報知2は、例えば「あと30秒で加熱終了します。更に延長する場合には、時間を設定して下さい」等の案内を含んだ情報である。また、最終的な調理工程を終えることが分かるので、ユーザーは、「からあげ」を加熱室6から取り出すための準備を、この参考情報の報知2の時点から開始できる。また、これと同期して、中央表示部16Mによって、前記報知2の内容が文字等で表示される。なお、前記報知2は、前記操作支援情報170のように、第1特定画面16M1において特定の位置に表示される。
その後、マイクロ波加熱動作は停止され、調理工程3が終了する(#7)。なお、この調理工程3は、ユーザーがドア7を開ければ、即座に停止できる。
そして、この後にユーザーは、加熱室6の中で加熱された食材を、今度はトッププレート3の上で予熱されている被加熱物の中に移動する(#8)。なお、この場合、調理工程3の終了後まで、誘導加熱によって前記被加熱物が加熱された状態に維持されている場合、更に誘導加熱(調理工程4)しても良い(#9)。
誘導加熱調理は、左15Lを操作して終了することができる。つまり、ユーザーの操作A28は、左IHコイル9Lに対応した左操作部15Lの入力キー153Lを押すことである。
この図19に示した調理シーケンスは、誘導加熱動作開始(予熱工程開始)から調理工程1の終了時点までの所要時間を短くすることができる。
すなわち、誘導加熱による予熱完了又はその予熱完了報知を待つことなく、それよりも以前に食材(被調理物)を加熱室6に入れて、調理工程1を開始しているからである。
そして調理工程1が完了する前に、誘導加熱源(第1の加熱手段HM1)による予熱が完了するため、調理工程1の終了後に、直ぐに被調理物をトッププレート3の上の被加熱物の中に移し、調理工程2を開始することができる。
なお、この図19の「からあげ」の例では、調理工程3があったが、このように必ず調理工程3や調理工程4が必要になるものではない。被調理物の種類やユーザーの希望等に応じて、必要な調理工程で終えれば良い。
また、図19では、調理工程2を終えた後も「左IHコイル駆動期間」が継続するような図になっているが、調理工程2を終えた以降では、左操作部15Lによって左IHコイル9Lの駆動を何時でも停止して良い。但し、図19に破線で記載しているように、更に調理工程4でも左IHコイル9Lを使用する場合には、調理工程4の前に再び予熱動作を開始する必要がある。
次に、図20について説明する。
この図20は、図19と同様に連携調理モードKM3で、調理メニューとして「からあげ」を行った場合の動作ステップを示している。
図20の中で、#1~#9は、図19で説明したように、ユーザーの操作や加熱調理器1の状態変化を示したものである。その他の符号は、図19のものと対応している。
この図20と前記図19との差異について説明する。
図20は、誘導加熱源(第1の加熱手段HM1)による被加熱物の予熱完了とその報知(#2)を待って、加熱室6において調理工程1を開始する場合を示している。
ユーザーは、誘導加熱源による被加熱物の予熱完了が、第1特定画面16M1や、左右の表示部16L、16Rによって表示され、また音声報知部50によって音声で報知された場合、加熱室6のドア7を開けて、「からあげ」の食材(味付けした鶏肉など)を、加熱室6の中に入れる(#1)。
そして、ドア7を閉めた後、中央操作部15Mの入力キー151Mを押す。
この時点でマイクロ波加熱調理の調理工程1が開始される。すると、参考情報の前記報知1が行われる。これ以後は、図19に示した工程と同じである。
この図20に示した調理シーケンスは、誘導加熱源(第1の加熱手段HM1)の加熱動作開始(予熱工程開始)から調理工程1の終了時点までの所要時間は、図19に比較して長くなる。
しかしながら、第1の加熱手段HM1による予熱完了又はその予熱完了報知を待ってから、食材(被調理物)を加熱室6において加熱開始しているので、この加熱室6における調理工程1の終了時には、被調理物を移動させれば、必ず誘導加熱源9で調理工程2が直ぐに開始できる保証がある。そのため、あまり連携予熱調理モードKM4に習熟していないユーザーには、この方法が適している。
なお、図20では、調理工程2を終えた後も「左IHコイル9Lの駆動期間」が継続するような図になっているが、調理工程2を終えた以降で誘導加熱源(第1の加熱手段HM1)を使用しない場合には、調理工程2の終了後に、左操作部15Lによって左IHコイル9Lの駆動を何時でも停止して良い。但し、図20に破線で記載しているように、更に調理工程4でも左IHコイル9Lを使用する場合には、調理工程4の前に再び予熱を開始する必要がある。
図19と図20では、誘導加熱源(第1の加熱手段HM1)を先に通電して予熱動作開始する一方、調理工程1は加熱室6で行うという形態であった。
この実施の形態1の「連携予熱調理モード」KM4は、このように調理工程1が加熱室で行われるものに限定されていない。
他の連携予熱調理モードKM4では、最初に第1の加熱手段HM1による加熱動作を開始し、フライパン等の被加熱物を予熱目標温度(例えば、180℃)まで加熱し、目標の温度になった状態で、当該被加熱物の上に被調理物を載せて、これで調理工程1を開始するという方法である。なお、この予熱工程の後、被調理物を被加熱物の上に載せたまま、加熱室6の中へ移動させ、被調理物を被加熱物と一緒に加熱室6の中で、第2の加熱手段HM2や第3の加熱手段HM3で更に加熱を加えるために、調理工程2を実行しても良い。
次に図21について説明する。図21は、連携調理モードKM3へ移行するまでの、加熱制御部43の制御動作を示すフローチャートである。
この実施の形態1の連携調理モードKM3では、最初に誘導加熱源(第1の加熱手段HM1)を駆動させ、その次に第2の加熱手段HM2又は第3の加熱手段HM3の少なくとも何れか一方を駆動するパターン(第1の連携調理モード)がある。このパターンで調理することに適する調理メニューの代表例は、ハンバーグ~グラタン等、図18の一覧表で示した4つある。
これとは逆の順番の第2の連携調理モードもある。この第2の連携調理モードで調理することに適する調理メニューの代表例は、からあげ~天ぷら等、図18の一覧表の下半分に記載した4つある。
この図21のステップは、第1の連携調理モードと、第2の連携調理モードの両方に共通のものである。
まず、最初のステップS1では、中央操作部15Mの入力キー153Mが操作された時点である。これにより連携調理モードKM3が開始される。
次のステップS2は、中央表示部16Mに第1特定画面16M1が表示され、連携調理モードKM3を実行するための各種情報を表示する。このステップS2では、個々の連携調理モードの調理メニューを選択するため、識別情報の1種として「被調理物の名称」(例えば、「ハンバーグ」)167を、第1エリア22の前後方向中央部、つまり、前記表示位置Bに表示する。
前記連携調理モードKM3の選択に応じて、加熱手段(第1の加熱手段HM1~第3の加熱手段HM3が)「占用」された状態となるタイミングは、次の2つの何れでも良い。
(1)前記したように、例えば調理工程1のための左IHコイル9Lが選択された時点のケース以降(図21では、ステップS4の後の「占用状態開始(ケース2)」が該当)。
(2)この図21のようにステップS2の以降(図21では、「占用状態開始(ケース1)」が該当)。
次のステップS3では、入力キー154M、155Mの少なくとも何れか1つが操作されたかどうかを判定する。図9、図16、図17で説明した通り、2つの入力キー154M、155Mを操作することにより、連携調理モードで調理できる被調理物(例えば、ハンバーグ)の名称を示す識別情報167を選択できる。
入力キー154M、155Mの操作が(一定時間内に)なければ、ステップS4に進む。
ステップS4では、前記したように第1特定画面16M1の中に2つ表示された加熱部特定部171L、171Rの何れか1つを選ぶステップである。ユーザーが、左右に隣接している入力キー157M、156Mを操作すれば、右IHコイル9R、左IHコイル9Lの何れか1つを選択できる。
なお、左加熱口4Lをデフォルト設定しておいて、加熱部特定部171Lを第1特定画面16M1に最初に表示させ、そのままステップS5まで進むようにしておいても良い。図16で説明した例では、連携調理でハンバーグを行う際には、左加熱口4Lがデフォルト設定されてあり、左IHコイル9Lを優先的に選択するように設定されていた。
次のステップS5では、連携調理モードの選択を取り消すための入力操作がされたかどうかを判定する。入力キー152Mが1回操作された場合には、「Yes」と判定される。そしてステップS3に戻る。なお、入力キー152Mを、一定の短時間(例えば5秒間)の内に、連続して2回操作された場合には、連携調理モードKM3の解除と判定して、ステップS1より前の待機時初期画面の状態まで戻る。従って、3種類の調理モードKM1~KM3の選択は、最初の段階に戻った状態になる。
一方、入力キー152Mが操作されていない状態で、入力キー151Mが操作された場合、次のステップS6に進む。そして連携調理モードKM3の調理ステップ1が開始される。
図21において、ステップS7は、連携調理モードKM3の動作プログラムにおいて、例えば「ハンバーグ」という特定の連携調理メニュー(レシピ)の「調理条件データ」(制御条件データを含む)とに従って、各種機能部分が起動する。つまり、この段階から連携調理モードKM3に移行する。
最初に、ステップS7では、ステップ4で選択された加熱部に対応する表示部が起動する。但し、マイクロ波加熱手段(第2の加熱手段HM2)や第3の加熱手段HM3を調理工程1で使用する調理メニュー(前記したように、例えば「からあげ」)の場合には、既に中央表示部16Mは起動しているので、このステップS7では、新たな表示部の起動はされない。
調理工程1で、例えば左IHコイル9Lを使用する調理メニューの場合には、ステップS7では、左表示部16Lが起動する。そして左操作部15Lの入力機能が有効となり、ユーザーの入力を待つ状態となる。そしてステップS8に進む。
ステップS8では、前記入力キー153Lの操作を待って、連携調理モードKM3の調理工程が開始される。
なお、ステップS8の第1特定画面16M1の表示内容としては、最初の調理工程1は、左IHコイル9Lを使用し、次の調理工程2では、マイクロ波加熱手段(第2の加熱手段HM2)が使用されること等の工程情報172が、図16にて説明したように表示される。
次に図22と図23について説明する。図22は、連携調理モードへ移行するまでの、加熱制御部43の制御動作を示すフローチャートである。図23は、連携調理モードへ移行する前の許可条件と、判定結果を示す説明図である。
図22について説明する。ステップST1~ST8は、加熱制御部43の連携調理モードKM3の動作プログラム(調理条件データを含む)に規定された動作ステップである。
最初に、前記主電源スイッチ20の操作ボタン20Aが押された場合(ST1)、次のステップST2では、加熱制御部43が、異常の有無を判定するステップである。
ステップST2の段階では、中央表示部16Mが起動され、「異常がないので、調理を開始できること」旨を表示する。なお、この段階で、加熱制御部43は、総電力消費量の上限値について入力操作部15から設定指令を受けているかどうかも確認する。
ステップST2の段階で、前記通信端末器200又はクラウドサーバ300に対して、加熱調理器1から起動情報を送信するような設定になっていた場合、この段階で起動情報を送信する。
次のステップST3の段階では、中央表示部16Mと音声報知部51についても、加熱手段の選択を促すための報知と、音声ガイドを行う。
次のステップST4では、中央表示部16Mには、待機時初期画面が表示され、またユーザーへの使用上の注意情報の表示も行われる。
そして、入力キー153M以外の入力キー(例えば、154M)が操作されたかどうかを判別する(ST5)。入力キー153Mが操作されていた場合は、ステップSTCは「No」となり、ステップST6に進む。つまり、連携調理モードKM3を使用するステップに進む。
ステップST6では、許可条件判定部54が「許可条件」を満たすかどうかについてチェックをする。例えば、連携調理モードKM3で使用される加熱源の使用状態をチェックする。
この許可条件と判定結果については、次の図23で詳しく説明する。
ステップST5では、最初の入力操作をチェックする。例えば、入力キー153Mが押される前に、左操作部15L又は右操作部15Rが操作されたかどうかを判別し、また中央操作部15Mによって(入力キー154M又は155Mにより)複合調理モードKM2が選択されたかどうかを判別する。
ステップST3から一定の猶予時間(例えば30秒間)内に、最初に入力キー153Mの操作が行われた場合には、前述したように連携調理モードKM3のための表示が開始される。
一方、入力キー153Mの操作が行われず、これ以外の入力キー(例えば、入力キー155M、又は154M)のタッチ操作がされた場合には、ステップST5は「Yes」の判定となり、連携調理モードKM3以外の調理開始のステップST9に進む。なお、ステップST9については、ここで詳細な説明は省略する。
図22において、ステップST6とST7は、連携調理モードKM3による調理を許可するかどうかを決定する「許可条件1」の動作ステップである。
ステップST6は、「許可条件1」を判定する段階である。
ここで「許可条件1」とは、
(1)加熱調理器1で使用できる最大使用電力の上限値を規定している「ピークカット値」が、5000W以上であること、
(2)外部のクラウドサーバ300又は通信端末器200から、通信部51経由で制御装置40が受信した電力削減指令信号がある場合、その削減指令のピークカット値が5000W以上であること、
の2つであり、この2つを満たせば、ステップST6は「Yes」判定になる。
次のステップST7における「許可条件2」とは、以下の3つである。
(1)第1の加熱手段HM1において、中央加熱口4Cが加熱動作中ではない。
(2)第2の加熱手段HM2又は第3の加熱手段HM3の、一方又は両方が加熱動作中ではない。
(3)第1の加熱手段HM1において、右加熱口4Rと左加熱口4Lの両方とも加熱動作に使用されていない(又は、一方だけが加熱動作に使用中である)。つまり、左IHコイル9Lと右IHコイル9Rの両方とも、加熱動作に使用されていない
以上の3つを満たせば、ステップST7は「Yes」判定となる。そして、ステップST10に進む。つまり、連携調理モードKM3の調理開始入力のステップに進むことができる。
前記ステップST6とSTR7で「No」の判定になった場合は、ステップST8に進み、連携調理モードKM3は選択できないことを前記中央表示部16Mや音声報知部50によってユーザーへ知らせる。
ここで、前記「許可条件1」が、「5000W以上」であることと規定している意味について説明する。なお、説明を簡単にするため、以下の説明では、加熱源以外の電気部品、例えば本体2の内部冷却ファン(図示せず)等の消費電力については、特に言及しない。
連携調理モードKM3を実施する際の必要デマンド(電力需要量の事前確保)が5000W以上必要な理由は、連携調理モード実行時の、各加熱源の動作時の最大(瞬間)電力が、以下の通りであるためである。
(1)レンジ動作時(第2の加熱手段HM2):1000W
(2)オーブン動作時:2000W(上側輻射熱加熱手段12a:1000W、下側輻射熱加熱手段12b:1000W)
(3)レンジグリル動作時:1500W(第2の加熱手段HM2:500W、上側輻射熱加熱手段12a:1000W)
一方、連携調理モードKM3における調理メニューの最大電力は1500Wである。
このため、連携調理モードでは、第2の加熱手段HM2と第3の加熱手段HM3が同時に動作する場合がある。
つまり、第2の加熱手段HM2の「1000W」と、第3の加熱手段HM3の「1000W(2000Wは、1000Wずつ、交互通電)」と、誘導加熱行う第1の加熱手段HM1の「1500W」の3者の合計で、最大電力は3500Wになる。
デマンド(電力需要量の事前確保)が5000Wの場合:
右IHコイル9Rで3000Wの加熱(通常加熱)をしているとき、デマンドの残りは2000Wとなる。
この状態から連携調理モードKM3を実施すると、連携調理に必要な電力3500Wに対して、残りのデマンドが1500W足らないので、右IHコイル9Rの火力を(3000Wから)1500Wに落として連携調理を開始することができる。
デマンド(電力需要量の事前確保)が4000Wであった場合:
右加熱口4Rで揚げ物(最大1500W必要)をしているとき、デマンドの残りは2500Wとなる。
この状態から連携調理を行うと場合、連携調理に必要な電力3500Wに対して、残りのデマンドが1000W足らないので、右IHコイルの火力を落とする必要がある。しかしながら、自動制御メニューを実行中に火力を落とした場合、調理がうまくいかなくなってしまうため、自動制御メニューの火力は落とせない。
結局、4000Wでは、自動制御メニューの必要火力を確保できないことになる。
以上の説明から明らかなように、連携調理モードKM3を開始する前に、連携調理に必要な電力(3500W)と、右加熱口4R又は左加熱口4Lの調理メニューに必要な電力(1500W)の合計値である5000Wのデマンド(電力需要量の事前確保)があるかどうかを判定(確認)する必要がある。
次に図23について説明する。
この図23は、図22のステップST6とST7の判定処理を示したものである。これら判定は、許可条件判定部54によって実行される。
ステップST5は、入力キー153Mを操作した段階である。
次のステップSTX1では、前記した許可条件1と許可条件2に対して、制御装置40の許可条件判定部54が加熱調理器1の最新状態と比較し、許可条件1と許可条件2を満たす状態であるかどうかを判定する。
この図23のステップSTX1において、音声(報知)1~音声(報知)4は、音声報知部50によってユーザーに報知される内容を示している。つまり、図22のステップST8の内容を具体的に示したものである。
この図23の表示1~表示4は、中央表示部16Mにおいて表示される内容を示している。なお、この表示1~表示4は、図21のステップS2の時点から表示される第1特定画面16M1で表示するものではなく、第1特定画面が表示されていない中央表示部16Mにおいて表示するものである。
第1特定画面16M1は、連携調理モードKM3に移行する前提(許可条件1と許可条件2)を満たさない限り、表示されない。このため、「連携調理モード」KM3の各種条件(例えば、識別情報167)の設定(選択)をユーザーが行った後で、許可条件1又は許可条件2を満たさないと判定されて、最初の待機時初期画面(図22のステップST4)段階まで戻る、ということではない。そのため、ユーザーに無駄な入力操作を強いることがない。
図24は、加熱調理器1を起動してから、通信端末器200又はクラウドサーバ300から、加熱調理器1用の調理のレシピ情報(調理条件データ)を取得するまでの動作を説明したものである。
この実施の形態1において、連携調理モードKM3の調理条件データは、連携調理メニューの番号(識別情報)、使用される複数の加熱手段の順序、調理工程1で使用する加熱手段、調理工程2で使用する加熱手段、調理工程3以降もある場合には、それら調理工程毎に使用する加熱手段、各調理工程で、デフォルト(標準設定)の制御条件(火力、加熱時間、加熱目標温度等)がある場合は、その設定値又は設定値の範囲、の情報を含んでいるが、これらに限定されない。
図24において、ステップSS1~SS8は、制御装置40の統合制御プログラムに規定された動作ステップであり、図22で説明した連携調理モードKM3の動作プログラムに規定された内容と、基本的に一致している。
最初に、前記主電源スイッチ20の操作ボタン20Aが押された場合(SS1)、次のステップSS2では、加熱制御部43が、異常の有無を判定するステップである。
ステップSS1~SS4は、図22にて説明したステップST1~ST4のステップと同じであるので、重複した説明は省略する。
ステップSS5では、加熱調理器1は、事前に登録設定した前記通信端末器200又はクラウドサーバ300に対して、調理のレシピ情報(調理条件データ)の提供を要求する信号を発信するかどうか、ユーザーに確認求めるため、中央表示部16Mに確認画面を表示し、また音声報知部50でも報知する。
このステップSS5の外部接続を自動的に実行することを、入力操作部15によって事前にユーザーが設定しておけば、規定のタイミングで自動的に行われる。つまり、ステップSS4の後に自動的に、外部機器(前記通信端末器200又はクラウドサーバ300)への通信が実行されるための、次のステップSS6は省略される。
外部接続を自動的に実行するように設定していない場合、ステップSS6では、中央表示部16Mに、所定のアイコン等を表示して、レシピ情報(調理条件データ)の提供を要求して良いかどうかの確認を、ユーザーに求める。
このステップSS6で、外部機器への接続に同意しないと、ステップSS9に示すように、登録された外部機器(前記通信端末器200又はクラウドサーバ300)には、「現在、レシピ情報(調理条件データ)の受信は行っていません」等の、非受信メッセージが送信される。このように、ユーザーが受信を拒否する設定にもできる。
一方、前記ステップSS6で、外部機器への接続に同意すると、加熱調理器1は、前記外部機器からのレシピ情報(調理条件データ)を通信部51経由で、データ取得部53が取得する。取得したレシピ情報は、調理条件データ記憶部42の中にある所定の「一時記憶部」(図示せず)に、格納される。
次のステップSS7では、前記外部機器から取得した前記レシピ情報の内容、特に識別情報167を中央表示部16Mにおいて表示する。また、音声報知部50では、例えば「ハンバーグのレシピを受信しました」のように、受信事実を報知する。
図24において太い矢印で示す期間は、初期期間TAであり、この期間中に前記制限部55は、調理条件データを前記した「許可条件1」を満たすこと等の条件付きで取得することができる。
次に、図25について説明する。
図25は、図24で説明した各動作ステップに対応した中央表示部16Mの表示内容を示すものである。
図25について説明する。主電源スイッチ20をOFFにしている状態では、中央表示部16Mは起動されていないので、何も情報を表示していない。
主電源スイッチ20をONにした状態では、制御装置40は、前述したように異常有無等の自己診断を行ったあとで、図25の表示画面1を中央表示部16Mに表示させる。
図25の表示画面1において、60Aは、電源が入っていることを報知した表示文である。60Bは、ネットワーク(インターネット)203、204経由で専用のレシピ掲載サイトであるレシピ情報提供サーバ301に誘導するための、二次元情報(二次元コード)である。60Cは、その二次元コードの意味を説明した文章(以下、「二次元情報説明文」)である。
前記した通信端末器200によって、前記二次元コード60Bを光学的に読み込ませると、各種調理レシピの情報を保有した前記レシピ情報提供サーバ301に接続することができる。この二次元情報説明文60Cと、前記表示文60Aは、「待機時共通情報」60Nの1種である。
図25の表示画面1が表示されたあと、自動的に表示画面2A又は2Bが表示される場合がある。
更に、図25の表示画面2A又は2Bが表示されたあと、自動的に表示画面2Cが表示される場合がある。この表示画面2Cでは、加熱源を選択するように推奨文60Hによって、ユーザーに対して入力操作を促している。
表示画面2Aにおいて、「突沸注意」という文字表示は、注意表示60Eの1つである。この「突沸」とは、例えばカレーやシチューのような粘性のある被調理物(液体)を加熱している場合、その被調理物の内部が沸点以上の過熱状態になっていて、突発的に激しい沸騰を起こす現象をいう。熱せられた液体から蒸気が噴き出すことに伴い、熱い液滴が飛散して危険な場合がある。突沸が発生するタイミング、原因は、外部からの異物の混入又は衝撃であると言われている。そのため、被調理物を入れた金属鍋等をトッププレート3の上に置いて誘導加熱する場合、その被調理物をかき混ぜる際の注意喚起をしている。この注意喚起で表示している情報は、「待機時共通情報」60Nの1種である。
図25に示している表示画面1、表示画面2A~2Cの、4つの表示画面は、「共通画面」又は「待機時初期画面」16MHと呼ぶ。なお、この4つ以外の形態を共通画面16MHに含めても良い。
表示画面2Bにおいて、60Eは、加熱室6の内部が高温度になっていて、不用意に接触しないように警告した注意表示である。加熱室6でオーブン調理を実施したあとで、まだ加熱室6が十分冷え切っていないことを制御装置40が検知した場合、この表示画面2の状態に自動的に切り替わる。なお、表示画面2Aと2Bは、同時に表示できないが、数秒間隔で交互に表示することにより、突沸表示と高温表示の両方について注意喚起するようにしても良い。また、音声報知部50によって、表示画面2Aと2Bの注意喚起の内容を音声でも並行して行っても良い。
図25の表示画面1~表示画面2A~2Cによって明らかなように、これら表示は、表示画面の全体を利用して行っている。つまり、前述した第1エリア22~第3エリア24の何れかによって、部分的に表示するのではなく、できるだけ広い表示面積を確保するため、第1エリア22~第3エリア24の3つを識別できないように一体化表示をして、ユーザーには中央表示部16Mの全体で表示しているように見せている。
次に図26は、加熱調理器1の左表示部16Lの動作を説明する拡大平面図である。
図24のステップSS4の段階で、入力キー153Lを操作し、入力キー152Lを操作すると、左加熱口4Lで実施する制御メニューが、左表示部16Lに1つずつ表示される。つまり、入力キー152Lを押すごとに、複数の制御メニューの中から1つを選択することができる。
左加熱口4Lで選択できる(誘導加熱の単独調理モードKM1の)制御メニューは、この図26に示すように、例えば、「保温」、「湯沸し」、「煮込み」、「揚げ物(自動調理)」、「予熱」等である。制御メニューごとに、左IHコイル9Lの駆動時間、火力または駆動パターン等が異なる。
図26の表示画面3Aは、前記「保温」の制御メニューを選択した場合である。表示画面3Bは、前記「揚げ物」の制御メニューを選択した場合である。表示画面3Cは、前記「予熱」の制御メニューを選択した場合である。
なお、中央表示部16Mにおいて、中央加熱口4Cを担当する中央IHコイル9Mを使用して、(誘導加熱の単独調理モードKM1の)制御メニューを選択する場合には、図26に示した表示画面3Aのような表示画面を表示させる。この場合、中央表示部16Mの表示画面は、表示画面3Aのような表示形態となり、その画面は、「第3特定画面」16M3と呼ぶ。
図27は、加熱調理器1を起動してから加熱調理を開始する直前までの加熱調理器1の制御装置40の動作ステップを説明したものである。
図27において、主電源スイッチ20の操作ボタン20Aが押され、中央表示部16Mに待機時初期画面16MHが表示された場合、外部機器(前記通信端末器200又はクラウドサーバ300)からレシピ情報(調理条件データ)を取得しているかどうかを判定が行われる(ステップSU2)。
ステップSU3では、制御装置40が加熱調理器1の最新状態と比較し、許可条件1と許可条件2を満たす状態であるかどうかを判定する。
許可条件1と2を同時に満たしていると判定すると(SU6)、外部機器(前記通信端末器200又はクラウドサーバ300)から取得したレシピ情報(調理条件データ)に含まれている識別情報を、前記中央表示部16Mに表示する。この場合は、第1特定画面16M1の中に識別情報167(例えば、「名称:ハンバーグ」)が表示される(ステップSU7)。
前記識別情報167(例えば、「名称:ハンバーグ」)は、図28に示したように表示される。また、操作推奨表示部170も表示される。これによって、入力キー151Mを押して加熱調理を開始するようにユーザーは操作が促される。なお、音声報知部50によっても、例えば「スタートキーを押すと、加熱調理を始めることができます」のように報知する(ステップSU8)。
なお、ステップSU8の段階で、制御条件(例えば、火力値)を選択できる入力キー(例えば、156M又は155M)を操作して、火力や加熱時間等を適宜ユーザーが設定しても良い。
一方、前記ステップSU3の段階で、制御装置40が加熱調理器1の最新状態と比較し、許可条件1と許可条件2を満たない状態であると判定した場合(ステップSU4)について説明する。
中央表示部16Mの中の待機時初期画面16HMの内容を一部変更し、外部機器から取得したレシピ情報(調理条件データ)は、現在の加熱調理器1では実行できない旨を文字で表示する。また同じ趣旨について音声報知部50でも音声で報知する(ステップSU5)。そして、前記ステップSU1に戻る。この動作は、図22で説明したステップST8の動作に相当する。
次に、図28について説明する。
図28は、図16で説明した部分と同じであり、中央操作部15Mと中央表示部16Mを示す拡大平面図である。
図28において、173は、外部機器(前記通信端末器200又はクラウドサーバ300)から取得したレシピ情報(調理条件データ)であることを示す外部レシピ識別部である。文字によって「受信レシピ」と表示し、この第1特定画面16M1に表示された調理メニューは外部から取得したものであることが容易に分かる。
図28では、入力キー151Mに対応した発光部21Mは、加熱動作を何時でも開始できる待機状態にある。そのことを表示するために、入力キー151Mを操作することを促すよう、点滅している。破線の円は、発光部21Mが点滅していることを示しているものである。
図28において、発光部21Mの位置に星形の図形が描かれている。その図形は、その発光部21Mの前方側に配置された各入力キー(例えば、156M、157M)の入力機能は有効であり、この時点でタッチ操作すれば、火力や加熱時間等の調整が出来ることを意味している。
図28では、入力キー157Mと156Mに対応した発光部21Mが発光している。つまり、左加熱口4Lで加熱調理することを選択する加熱部特定部171Lと、右加熱口4Rで加熱調理することを選択する加熱部特定部171Rの両方から、ユーザーがどちらでも選択できる。
外部機器から取得したレシピ情報(調理条件データ)は、外部レシピ識別部173を表示して、第1特定画面16M1に優先的に表示する。つまり、第1特定画面16M1の前記「表示位置B」に、受信したレシピ情報(調理条件データ)の識別情報167が表示される。従って、図28に示すように直ぐに入力キー151Mを押せば、連携調理モードKM3の調理が開始できる。
以上のように、外部機器(前記通信端末器200又はクラウドサーバ300)から取得したレシピ情報(調理条件データ)は、特定の加熱部(右加熱口4R、中央加熱口4C、左加熱口4L)に限定して調理を行う場合と、ユーザーの希望に応じて使用できる加熱部の範囲を指定して調理を行える場合の、2種類がある。従って、外部から取得したレシピ情報をユーザーが利用する場合も、使い勝手を損なうことがない。
次に図29について説明する。図29は、連携調理メニューの調理工程と入力操作部の操作との関係を示す説明図である。
この図29の例では、連携調理メニューが、調理工程1、調理工程2及び調理工程3の3つで構成されている場合である。
前記調理条件データは、この図29の例でいうと、入力キー151Mの入力を待って、右加熱口4R(又は、左加熱口4L)での誘導加熱動作を開始し、入力キー153R(153L)の入力があったら、加熱動作を停止すること、または一定の条件(調理の連続時間や目標温度到達)を満たしたら、その時点で過熱動作を停止することが、所定のコンピュータプログラム形式で規定されている。火力等の制御条件も規定されている場合がある。
前記調理条件データに含まれる前記プログラムには、後述する加熱休止期間P3と加熱休止期間P5が規定されているが、それら加熱休止期間P3、P5の時間的長さは規定されていない。但し、過剰に長い時間、加熱調理が中断することを防止するため、例えば、調理工程1、調理工程2の終了時点を基準にして、それぞれの時点からの経過時間をカウントし、例えば30分経過した場合、警報を出し、また、当該調理メニューの実行を強制的に中止するというような処理を入れても良い。
この図29の調理条件データの例では、調理工程1を誘導加熱源(第1の加熱手段HM1)で行い、調理工程2をマイクロ波加熱源(第2の加熱手段HM2)、最後に被調理物をトッププレート3の上に移動させ、加熱不足を補って仕上げの誘導加熱を行うための、調理工程3を設けている。
なお、この加熱調理器1では、外部からの指令信号を受けて、調理モードの設定や制御条件等が不用意に行われないように保護する対策を追加している。
この図29の事例は、第1の加熱手段HM1を先に動作させ、その加熱動作終了後に、第2の加熱手段HM2を動作させるが、第2の加熱手段HM2と同時に、第3の加熱手段として輻射熱加熱手段12を動作させても良い。
図29に示すように、ここで示した連携調理メニューは、4つの段階から構成されている。
P1は、第1の段階(準備期間)であり、連携調理メニューを実行しようと、入力キー153Mを操作してから、入力キー153Rによって(誘導)加熱調理動作が開始されるまでの期間である。
前記入力キー153Mを操作した際に、上述したような「許可条件」を満たしていた場合には、制御装置40は、第1特定画面16M1を表示する。なお、この図29では、第1特定画面16M1を図示していない。
前記第1特定画面16M1が表示された段階で、入力キー154M、155Mを操作すれば、連携調理メニューの1つを選択できる。その後、入力キー153Rを操作すれば、連携調理モードに移行し、P2の加熱調理工程に進む。
第1特定画面16M1が表示された段階で、ユーザーの希望する連携調理メニューの識別情報167が、第1特定画面16M1の所定の位置に表示された場合(デフォルト表示)、前記入力キー154M、155Mの操作は不要である。
P2は、第1の加熱手段HM1による加熱調理期間(調理工程1)である。
この調理工程1は、適正な金属鍋等の被調理物が前記右加熱口4Rの上に載置され、入力キー153Rを押せば、加熱調理動作が開始される。
前記調理工程1を開始した段階では、既に制御装置40は、許可条件の判定を終えているので、使用中である第1の加熱手段HM1(誘導加熱手段)の加熱部が分かっている。つまり、右加熱口4R、左加熱口4Lの両方の使用状態を把握している。
そのため、デフォルト設定として、制御装置40は、連携調理モードの調理工程3で「右加熱部」4Rを使用すると決定し、この右加熱口4Rを占用状態にする。
前記調理工程1は、基本的には連携調理メニューの動作プログラムによって事前に決まっている。例えば標準的な加熱時間が経過すると、音声報知部50から報知され、また第1特定画面16M1でも「まもなく〇分が経過します」のような表示が行われる。つまり、ユーザーに調理工程1の終了時期に近づいていることを報知する。
ユーザーが、調理工程1を終えるには、入力キー153Rを1回押せば良い。
P3は、第1の加熱手段HM1による調理工程1を一旦停止し、第2の加熱手段HM2の調理工程2が開始されるまでの加熱休止期間である。
この休止期間P3は、調理工程1における被調理物の加熱度合いを確認することや、調味料を加えること、あるいは別の被調理物を加えて調理工程2を行うために必要な期間である。更に、加熱室6に被調理物を移動させるために必要な期間である。
加熱休止工程P3は、入力キー151Mを押すと終わり、P4の調理工程2に進む。
この調理工程2は、ドア7が前記休止期間P3に1回開放され、その後閉じられていることを制御装置40が確認して開始される。実施の形態1で説明した開閉検知部10からのドア開閉信号が利用される。
前記調理工程2は、基本的には連携調理メニューの動作プログラムによって事前に決まっている加熱時間が経過し、又は被調理物の温度が設定値(例えば、90℃)まで上昇すると自動的に終わる。例えば、ある連携調理メニューでは、マイクロ波出力500Wで加熱開始される。なお、また、ドア7をユーザーが任意のタイミングで開ければ、瞬時にマイクロ波の照射が停止され、加熱動作が停止される。
P4の調理工程2では、4つの入力キー156M~159Mの、少なくとも何れか1つを操作すれば、制御条件(例えば、加熱調理時間や目標温度)をユーザーが個別に設定できる場合があるが、調理メニューによっては、ユーザーによる制御条件の変更ができない場合もある。
この図29の例では、中央操作部15Mの入力キー152Mを押して、調理工程2を終了させた場合を示している。入力キー152Mを押して調理の停止を指令すると調理工程2は終わり、P5の加熱休止期間に進む。
この加熱休止期間P5では、ユーザーは、ドア7を開けて加熱室6の内部から被調理物を取り出し、トッププレート3の上に置く。なお、被調理物は、金属製の鍋等の被加熱物の中に入れられて載置される。
そして、右加熱部4口の入力キー153Rを押して調理の開始を指令すると、加熱休止工程P5は終わり、P6の加熱調理期間(誘導加熱の「調理工程3」)に進む。
この加熱休止期間P5は、調理工程2における被調理物の加熱度合いを確認することや、調味料を加えること、あるいは別の被調理物を加えて次の調理工程3を行うために必要な期間である。例えば、調理工程2では、被調理物として冷凍食品だけを加熱し、調理工程3では、調味料や調理液の中に浸したり、あるいは別に予備加熱等で調理した被加熱物を、同じ被加熱物の中に加えたりすることができる。このため、調理の幅が広がる。
P6は、第2の加熱手段HM2(マイクロ波加熱源)による調理工程2から、第1の加熱手段HM1(この場合、誘導加熱手段。例えば、右加熱口4R)の調理工程3に切り替わる。
この調理工程3では、上記したように右加熱口4Rで加熱調理している場合には、入力キー154R、155R(図8参照)を操作すれば、制御条件(例えば、加熱調理時間や目標温度)をユーザーが個別に設定できる。
また、この調理工程3を、仮に左加熱口4Lで加熱調理している場合には、入力キー154L、155Lを操作すれば、制御条件(例えば、加熱調理時間や目標温度)をユーザーが個別に設定できる。
そして、入力キー153Rを押して調理の停止を指令すると、調理工程3は終わり、連携調理モードKM3の動作は終了する。なお、タイマー調理の場合は、時間経過すると自動的に誘導加熱調理は終了し、調理工程3が終了する。
この図29から明らかなように、連携調理メニューの選択をする段階、すなわち、連携調理メニューの調理の名称を示す識別情報167を中央表示部16Mに表示させた時点ではなく、中央操作部15Mの入力キー151Mによって調理開始を決定した時点から、右加熱口4Rの右操作部15Rは、使用できないようになる。なお、デフォルト設定で左加熱口4Lを設定していれば、左加熱口4Lが占用状態になる。
以上の説明から明らかなように、制御装置40は、以下の機能制限処理を行う。
(1)右操作部15Rからの入力信号は、無効化又は入力を制限する処理を行う。例えば、入力キー151Rと152Rの入力機能は無効化される。これにより、加熱調理期間(調理工程1)~加熱調理期間(調理工程3)の間は、右加熱口4Rは、連携調理モードKM3で入力が必要とされる場面以外では、使用(入力)できなくなる。
(2)加熱調理期間(調理工程1)に入っても、左操作部15Lは使用できる(左操作部15Lからの入力信号は無効化しない)。
このように、加熱調理期間(調理工程1)に入ると、制御装置40は、調理工程1の段階から、調理工程3の右加熱口4Rだけを占用した状態になる。
従って、右加熱口4Rは、連携調理メニューの選択によって「占用」された状態となる。また第1の加熱手段HM1の全体から見れば、3つの加熱部の一部分(右側)だけ使用が「制限」されたことになる。
そして、加熱調理期間(調理工程1)が終わっても、右加熱口4Rの上記制限状態は解除されない。
なお、前記調理工程1の段階では、第1特定画面16M1が表示されており、ユーザーは連携調理モードに入っていることが容易に理解できるので、第1の加熱手段HM1と第2の加熱手段HM2に対して、他の調理メニューによる実行は制限しない。これは、加熱休止期間P3~調理工程2においても同じである。
なお、加熱調理期間(調理工程2)を開始する前に、ドア7が開放状態から閉鎖状態に変化したことが制御装置40で検知した場合であっても、加熱室6の中の温度が基準値よりも高い場合には、制御装置40や非接触(赤外線)センサー13、サーミスタセンサー14が、加熱室6で調理を開始する前から異常な高温度を誤って調理完了と認識してしまう懸念がある。
そのため、加熱調理期間(調理工程1)の開始前には、前記加熱室6の温度が高すぎた場合には、前記第1特定画面15M1において、「高温のために直ぐには、第2の加熱手段HM2(マイクロ波加熱手段)は使用できない」旨を表示するようにしている。
この図29に太い矢印で示した期間は、1つの調理条件データ(レシピデータ)の受信制限期間と、追加の調理条件データ(レシピデータ)の取得制限期間である。
前記入力キー153Mを1回タッチして第1特定画面16M1が表示された段階以降では、以下のように制限部55による制限動作が行われる。
なお、通信部51は、第1特定画面16M1が表示された時点で、受信・送信機能は有効となる(それ以前は、少なくとも受信機能は無効になっている)。
すなわち、制御装置40に内蔵された制限部55は、以下のように動作する。
図29に示すように、外部から取得した特定の連携調理メニューAを、別の連携調理メニューB(例えば「ハンバーグ」)に変更することはできない。変更するには、入力キー152Mを操作して、連携調理モードKM3を一旦解除し、最初の待機時初期画面16MHの場面まで戻す必要がある。
つまり、この図29に太い矢印示した制限期間に入ると、入力キー152Mを操作すれば、一旦外部から取得した特定の連携調理メニューAによる調理を、随時取り消すことができる。このように一旦取消し操作を行った場合、待機時初期画面16MHに戻るので、その状態で、再度入力キー153Mをタッチ操作する必要がある。
また、外部から取得した特定の連携調理メニューAについて、入力キー153Mをタッチ操作した時点以降は、調理工程が全て終了するまでの期間中は、別の連携調理メニューCの調理条件データ(レシピデータ)を、制御装置40が取得することはできない。
つまり、この図29に太い矢印示した制限期間に入ると、入力キー151Mを操作すれば、連携調理モードKM3の調理開始を決定でき、この決定の直前に取得した特定の連携調理メニューAの調理条件データ(レシピデータ)による調理を実行できるが、この調理メニューAの全ての調理工程が終了するまでは、更に外部(スマートフォン200等)から調理条件データ(レシピデータ)を、追加で取得することはできない。
実施の形態1の総括.
以上の説明から明らかなように、この実施の形態1では、以下の通り第1の開示に関する加熱調理器1を開示していた。
すなわち、第1の開示に関する加熱調理器1は、
第1の場所(トッププレート3の上方)で被加熱物を加熱する第1の加熱手段HM1と、
前記第1の場所と離れた第2の場所(加熱室6)で被調理物を加熱する第2の加熱手段HM2と、
ユーザーの指令を受ける入力操作部15と、
外部から調理条件データ2(CD2、CD4、CD5、CD6)を受信する通信部51と、
前記第1の加熱手段HM1、前記第2の加熱手段HM2及び前記通信部51を制御する制御装置40と、を備え、
前記制御装置40は、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2とを、時間差を置いて駆動する連携調理モードKM3を、調理条件データ1に基づいて実行する加熱制御部43と、特定の被調理物に対する前記連携調理モードの加熱調理を実行させるため、前記通信部51を介して前記調理条件データ2を取得するデータ取得部53と、前記連携調理モードKM3の調理を開始する前の待機期間(つまり、図29で示した「調理工程1」の前の「準備期間」P1)において、前記データ取得部53が前記通信部51を介して前記調理条件データ2の取得を制限する制限部55と、を有し、
前記制限部55は、取得した前記調理条件データ2が適用された調理メニューの調理工程が終了するまでの間、前記通信部51から新たな調理条件データを取得することを制限することを特徴とする構成であった。
このため、連携調理の途中で不用意に別の調理メニュー(複合調理モードの制御メニューや単独調理モードの制御メニューを含む)を、受信することを防止し、安定して受信した調理条件データ2の調理メニューを実行することができる。
更に、調理工程の途中で不用意に別の調理メニューの調理条件データを受信することに起因して、制御装置40の動作に支障が起こったり、ユーザーに誤解や混乱を招くようなことも防止できる。
更に、この実施の形態1では、以下の通り第2の開示に関する加熱調理器1を開示していた。
すなわち、
トッププレート3の上に載置された被加熱物を加熱する第1の加熱手段HM1と、
加熱室6内部において被調理物を加熱する第2の加熱手段HM2と、
前記加熱室6を加熱し、前記第2の加熱手段HM2と異なる加熱原理を有した第3の加熱手段HM3と、
ユーザーの指令を受ける入力操作部15と、
外部から調理条件データ(CD2、CD4、CD5、CD6)を無線通信で受信する通信部51と、
前記第1の加熱手段、前記第2の加熱手段、前記第3の加熱手段及び前記通信部51を、それぞれ制御する制御装置40と、を備え、
前記制御装置40は、前記第1の加熱手段HM1と、前記第2の加熱手段HM2又は前記第3の加熱手段HM3の少なくとも何れか一方とを、時間差を置いて駆動する連携調理モードKM3の実行機能を有し、
前記制御装置40は、特定の被調理物(例えば、「ハンバーグ」)に対する前記連携調理モードKM3を実行するため、前記通信部51を介して前記調理条件データ(CD2、CD4、CD5、CD6)を取得するデータ取得部53と、前記連携調理モードKM3の調理を開始する前の準備期間(つまり、図29で示した「調理工程1」の前の「準備期間」P1)から、前記データ取得部53が前記通信部51を介して前記調理条件データの取得を制限する制限部55と、を有し、
前記制限部55は、前記データ取得部53前記調理条件データを取得した場合、当該調理条件データが適用された調理メニューの調理工程が終了するまでの間、前記通信部51から新たな調理条件データを取得することを制限することを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
この構成であるため、3つの加熱手段を選択して、単独調理モードKM1、複合調理モードKM2及び連携調理モードKM3の各調理を実行することができる。これにより、幅広い調理に対応することができる加熱調理器を提供できる。
更に、制限部55があるため、1つの特定の連携調理メニューAについて、調理条件データ(レシピデータ)を1回取得すれば、その後、別の連携調理メニューCの調理条件データ(レシピデータ)を、調理工程の開始直前や調理工程の途中で制御装置40が不用意に取得することはない。そのため、例えば、連携調理の途中で不用意に別の調理メニュー(複合調理モードの制御メニューや単独調理モードの制御メニューを含む)を、受信することがない。従って、受信に伴うユーザーの混乱や加熱調理器1側の動作干渉等の懸念がない。
更に実施の形態1の加熱調理器1では、前記入力操作部15には、前記単独調理モードKM1を選択する入力キー153L、153Rと、前記複合調理モードKM2を選択する入力キー154M、155Mと、前記連携調理モードKM3を選択する入力キー153Mとを、それぞれ別個に備えた構成を開示していた。
この構成であるため、3つの調理モードの選択がそれぞれの入力キー(入力手段)によって選択できるので、加熱源の数が増えた加熱調理器1であっても、ユーザーの操作性を向上させることができる。
以上の説明から明らかなように、この実施の形態1では、以下の通り第3の開示に関する加熱調理器1を開示していた。
第1の場所(トッププレート3の上方)で被加熱物を加熱する第1の加熱手段HM1と、
前記第1の場所と離れた第2の場所(加熱室6)で被調理物を加熱する第2の加熱手段HM2と、
ユーザーの指令を受ける入力操作部15と、
外部から調理条件データ2(CD2、CD4、CD5、CD6)を受信する通信部51と、
前記第1の加熱手段HM1、前記第2の加熱手段HM2及び前記通信部51を制御する制御装置40と、を備え、
前記制御装置40は、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2とを、時間差を置いて駆動する連携調理モードKM3を、調理条件データ1に基づいて実行する加熱制御部43と、特定の被調理物に対する前記連携調理モードの加熱調理を実行させるため、前記通信部51を介して前記調理条件データ2を取得するデータ取得部53と、前記連携調理モードKM3の調理を開始する前の準備期間P1から(つまり、図29で示した「調理工程1」の前から)、前記データ取得部53が前記通信部51を介して前記調理条件データ2の取得を制限する制限部55と、を有し、
前記制限部55は、取得した前記調理条件データ2が適用された調理メニューの調理工程が終了するまでの間、前記通信部51から新たな調理条件データを取得することを制限し、
前記調理条件データ2が取得された後、前記調理工程が開始される前に、前記入力操作部15によって前記連携調理モードKM3が取り消された場合、再度前記調理条件データ2を前記データ取得部53が取得できることを特徴とする構成であった。
このため、連携調理の途中で不用意に別の調理メニュー(複合調理モードの制御メニューや単独調理モードの制御メニューを含む)を、受信することを防止し、安定して受信した調理条件データ2の調理メニューを実行することができる。
更に、調理工程の途中で不用意に別の調理メニューの調理条件データを受信することに起因して、制御装置40の動作に支障が起こったり、ユーザーに誤解や混乱を招くようなことも防止できる。
更に、連携調理モードKM3が取り消された場合、それ以前に取得して加熱調理に使用していない調理条件データ2を取り消して、更に希望する調理条件データ2を取得できるため、ユーザーが調理条件データで混乱することを回避できる。
更に、この実施の形態1では、第6の開示に関する加熱調理器1を、以下の形態で開示していた。
すなわち、
本体2の上部において被加熱物を加熱する第1の加熱手段HM1と、
前記本体2の内部に配置された加熱室6に収容した被調理物を加熱する第2の加熱手段HM2と、
前記第2の加熱手段HM2と異なる加熱原理により前記加熱室6を加熱す第3の加熱手段HM3と、
入力操作部15と、
外部との無線通信を行う通信部51と、
表示部16と、
前記第1、第2、第3の加熱手段HM1、HM2、HM3をそれぞれ制御する制御装置40と、を備え、
前記制御装置40は、連携調理モードKM3と、複合調理モードKM2と、単独調理モードKM1と、を行う機能を有し、
前記制御装置40は、前記入力操作部15により主電源が投入された後、
(1)前記表示部16で待機時初期画面(共通画面)16MHを表示させ、
(2)前記連携調理モードKM3と前記複合調理モードKM2の何れかの選択用入力キー153M、154M、155Mを操作した場合、前記通信部51から取得する調理条件データの取得と使用を、制限部55で制限し、
(3)前記選択用入力キー153M、154M、155Mを操作した場合、前記初期画面(共通画面)16MHの表示から、第1特定画面16M1又は第2特定画面2の表示に変化し、
(4)前記第1特定画面又は前記第2特定画面を表示した状態で、前記入力操作部15からの調理開始指令を受ける待機状態に移り、
(5)当該待機状態の期間(準備期間P1)中は、前記通信部51から調理条件データの取得を制限(不許可)する構成である。
この構成によれば、待機時初期画面(共通画面)16MHが表示されたら、それ以降に、選択用入力キー153M、154M、155Mを操作すれば、連携調理モードや複合調理モードの専用の第1特定画面16M1、第2特定画面16M2を表示させて、外部から調理条件データを取得できることが容易に理解できる。
そのため、主電源投入直後から調理開始までの間でユーザーの入力操作に混乱や誤解を招くことが回避でき、使い勝手を向上させることが期待できる。
実施の形態2.
図30~図49は、実施の形態2に係る加熱調理器と加熱調理システムを示すものである。
図30は、実施の形態2に係る(ビルトイン式複合型)加熱調理器1の主要な機能的構成を示すブロック図。図31は、通信端末器の主要な機能的構成を示すブロック図、図32は、図30の加熱調理器で連携調理モードの調理を行う場合の操作説明図、図33は、図30の加熱調理器における中央操作部と中央表示部の動作を説明する拡大平面図、図34は、図30の加熱調理器における中央操作部と中央表示部の動作説明する説明図1、図35は、図30の加熱調理器における中央操作部と中央表示部の動作説明する説明図2、図36は、図30の加熱調理器における中央操作部と中央表示部の動作説明する説明図3である。図37は、図30の加熱調理器における中央操作部と中央表示部の動作説明する説明図4である。図38は、連携調理メニューの調理工程と入力操作部の操作との関係を示す説明図1である。図39は、連携調理メニューの調理工程と入力操作部の操作との関係を示す説明図2である。なお、図1~図29に説明した実施の形態1の構成と同一又は相当部分は、同じ符号を付けている。
この実施の形態2では、加熱調理器1の構成を変更し、調理条件データの取得を一部制限する制限部55の機能が、実施の形態1と異なる。
図30について説明する。43は、加熱調理器1の全体を統合制御する加熱制御部であり、マイクロコンピュータを主体に構成されている。
55は、外部の通信端末器200等から調理条件データ(前記「表示条件データ」を含む)を取得する場合、加熱調理器1側の入力機能や表示機能の一部を制限する制限部であり、データ取得部53が前記通信部51を介して、スマートフォン200やクラウドサーバ300から調理条件データを取得する動作に対応して、各種の制御指令を発する。
次に、図31に示す通信端末器200について説明する。
スマートフォン等の通信端末器200は、送信部及び受信部210と、通信制御部211と、中央処理装置(CPU)212と、ROM及びRAM213と、スピーカ214と、タッチ式の操作部215と、表示画面を有する端末側表示部216と、加熱調理器データベース(記憶部)217と、姿勢検知部218と、遠隔操作情報生成部219と、記憶部220と、を有している。送信部及び受信部210には、近距離無線通信用のNFC入出力部221を有している。
222は、ユーザー等の音声を入力信号に変える音声入力部である。
前記タッチ式の操作部215、端末側表示部216及び音声入力部222とは、ハードウエア上では一体化されて、表示操作部225となっている。なお、前記音声入力部222からの音声信号を解析し、用語検索、情報検索等を行う検索部は図示していない。検索部は、この通信端末器200の内部に備えても良いし、外部のクラウドサーバ300に備え、通信端末器200の外部に検索機能を持たせることでも良い。
前記姿勢検知部218は、ジャイロセンサーや加速度センサー、重力センサーなどの各種センサーが搭載されており、通信端末器200の傾きや向きを検出することができる。これにより、通信端末器200の上下方向を検出した信号を前記中央処理装置212に出力する。
前記中央処理装置212は、前記姿勢検知部218からの検出信号を受けて、前記端末側表示部216の表示方向を制御する。
前記中央処理装置212は、加熱調理器1の通信部51から受信した信号を、前記遠隔操作情報生成部219に入力する。
前記中央処理装置212には、調理条件データ取得部230と、調理条件データ送信部231と、端末側レシピ選択部232と、をそれぞれ有している。なお、これら調理条件データ取得部230、調理条件データ送信部231及び端末側レシピ選択部232は、全体が1つのコンピュータプログラムによって機能的に実現されていても良いし、別々の制御回路で構成されていても良い。
前記加熱調理器データベース217は、加熱調理器1の中央表示部16Mと音声報知部50のための報知情報(画像情報を含む)を生成するため、加熱調理器1の「報知用データ」223を保有している。
また、前記加熱調理器データベース217は、加熱調理器1の制御装置40用の「遠隔操作用データ」224も保有している。
前記報知用データ223と遠隔操作用データ224は、最初からこの通信端末器200に記憶させておいても良いが、情報提供手段であるクラウドサーバ300に、ネットワーク201(202)を介して接続し、そのクラウドサーバ300からダウンロードして取得したものでも良い。つまり、加熱調理器データベース217は、固定的に記憶させて構築しておく必要はなく、必要に応じて情報を取得して、一時的に揮発性のメモリーに格納した形態であってもよい。
前記加熱調理器データベース217は、加熱調理器1で行う各種調理、特に連携調理モードKM3で使用することができる調理メニュー(例えば、「ラタトゥイユ」)の調理条件データを、前記クラウドサーバ300から取得したり、他の通信端末器200からNFC入出力部221(図31参照)経由で取得したりしていても良い。
前記遠隔操作情報生成部224は、加熱調理器1から前記中央処理装置212経由で取得した信号と、前記表示操作部225からの入力信号とを、それぞれ処理し、加熱調理器1用の遠隔操作指令(情報)RSを生成する。
ここでいう「遠隔操作指令(情報)」RSとは、加熱調理器1の、連携調理モードKM3や複合調理モードKM2を含む全ての調理モードに対応した入力操作に関する指令(情報)と、当該連携調理モードや複合調理モード等における中央表示部16Mの表示指令(情報)、更には、右表示部16Rと左表示部16Lに関する表示指令(情報)を含む。但し、連携調理モードKM3を含む全ての調理モードにおいて、加熱動作を開始する指令となる情報は含まれない。従って、この遠隔操作指令によって加熱調理器1が加熱動作を開始する指令を受けることはない。
なお、「遠隔操作指令」RSとして、中央表示部16Mの表示指令と、右表示部16Rと左表示部16Lに関する表示指令を含めないことにしても良い。また、前記した機能設定キー151KPで設定できる機能の指令情報は、通信端末器200からは送信できないし、また通信端末器200では生成できない。
前記中央処理装置212は、ROM・RAMに格納されている制御プログラムに従って、通信端末器200全体の処理を実行するものであり、処理を実行する過程で必要なデータをROM・RAMから読み出したり、処理を実行する過程で生成したデータを、前記ROM・RAMに格納したりする。
記憶部220は、半導体製の不揮発性メモリーであり、前記送信部及び受信部210から読み込んだ加熱調理器1の情報を記憶させておくことができる。例えば、クラウドサーバ300からダウンロード(読み込み)した、特定の調理メニューの、前記調理条件データ(「レシピデータ」ともいう)を一時的に保管することに利用される。
ユーザーが、通信端末器200の端末側表示部216の特定部位にタッチすると、このタッチ信号を基礎にして前記遠隔操作情報生成部219は、遠隔操作情報を生成する。
前記遠隔操作情報は、送信部及び受信部210から加熱調理器1へ送信される。
加熱調理器1が既に電力が供給されて起動済であれば、前記加熱調理器1の制御装置40は、受信した前記遠隔操作情報を、調理モードの入力操作情報として扱う。例えば、連携調理モードKM3に関する遠隔操作信号を受信した場合、これによって、中央表示部16Mの待機時初期画面16MHは、連携調理モードKM3における1つの調理メニュー(例えば、ハンバーグ)の選択画面(第1特定画面16M1)へと遷移する。但し、無条件に加熱調理器1が通信端末器200の遠隔操作情報に応じて動作する訳ではない。これについては、図32で説明する。
一方、遠隔操作情報を送信した通信端末器200側では、前記遠隔操作情報に基づいて端末側表示部216の表示が変化する。つまり、通信端末器200の表示操作部225における端末側表示部216の表示画面の内容と、加熱調理器1の中央表示部16Mの表示内容は、近似した操作手順で変化するが、その変化の状態がリアルタイムで加熱調理器1に逐一送信されている訳ではない。
通信端末器200において、遠隔操作指令を生成しても加熱調理器1で正規の遠隔操作信号として認められるのは、調理モードの確定信号が送信されてからである。つまり、通信端末器200からの遠隔操作情報は、調理モードを確定させるため、通信端末器200で所定の確定キーを押した場合に、一括して送信される。
従って、連携調理モードKM3の調理メニュー(例えば、ハンバーグ)の調理条件データ(レシピデータ)は、調理工程1から最終の調理工程までの、加熱手段を特定するデータや、デフォルト設定の制御条件(例えば、火力レベル、火力値、加熱時間等をいうが、これに限定されない)のデータが、一括して送信される。つまり、第1特定画面16M1において、ユーザーが任意で設定できる細かい制御条件のデータも含まれる。
次に、図32について説明する。図32は、連携調理モードの調理を行う場合の操作説明図である。
図32では、縦に3列に分けて、操作手順と、関係する入力キー、表示画面、及び操作に関する特徴的な事項を記載している。
最初に、主電源スイッチ20の操作ボタン(キー)20Aを押すと、制御装置40に主電源が供給され、制御装置40が自己診断の結果、異常が検知されなければ、中央表示部16Mと入力操作部15が起動される。火力表示部17(左火力表示部17L、中央火力表示部17M、右火力表示部17R)も起動される。
前記中央表示部16Mには、待機時初期画面16MHが表示される。
待機時初期画面16MHには、二次元コード60Bが表示される。通信端末器200によって、前記二次元コード60Bを光学的に読み込ませると、各種調理レシピの情報、すなわち、各種の調理条件データを保有したレシピ情報提供サーバ301に接続することができる。従って、通信端末器200は、希望する調理の調理条件データを取得することができる。
この実施の形態2では、加熱調理器1に対して通信端末器20は、直接無線通信できる。また、加熱調理器1と通信端末器200は、互いが通信可能な範囲にある場合に自動的に接続できるように構成している。
通信端末器200と加熱調理器1との間の通信方式は、近距離の無線通信規格の1つになっているBluetooth(ブルートゥース)(登録商標)を使用している。なお、通信端末器200とクラウドサーバ300の間には、無線ルーター340(図示せず)が設置してある。前記無線ルーター(図示せず)と通信端末器200との間は、WiFi(登録商標)等の無線LANによる通信方式を使用している。
最初に、通信端末器200と加熱調理器1との間では、相互認証を行ってあるから、加熱調理器1の起動時に、加熱調理器1から、自動接続のための信号(「スキャン信号」ともいう)を送信すると、加熱調理器1と通信端末器200との間で、自動接続のための相互通信が行われる。なお、通信端末器200側からスキャン信号を送信しても良い。
加熱調理器1と通信端末器200との間の接続が確立すると、加熱調理器1と通信端末器200の間で、相互に直接無線通信できる状態が継続する。通信端末器200がユーザーの移動に伴って移動して加熱調理器1との距離が離れると、一時的に通信できない状態になる場合があるが、通信可能な範囲(距離)に戻れば、自動的に接続状態は回復する。
前記待機時初期画面16MHが表示された時点から(連携調理モードKM3を選択する)入力キー153Mが押されるまでの期間中は、前記通信端末器200からの調理条件データCD2、CD4、CD6の取得は、基本的に禁止されている。
また、主電源スイッチ20をONにしてから、前記待機時初期画面16MHが表示されるまでの期間には、前記通信端末器200からの調理条件データCD2、CD4、CD6の取得は一切できない。
なお、後述する図38では、入力キー153Mが押された時点から調理条件データCD2、CD4、CD6の受信制限を解除する例を図示している。
図33は、図32の表示画面を少し変更した例である。
調理条件データを外部から受信している場合、待機時初期画面16MHの中に文字等で「外部からレシピ受信中」等のように表示する例が図32であった。
これに対し、図33は、図36で説明するが、専用の受信動作表示画面16MMに切り替わる事例である。
図34は、待機時初期画面16MHを示した平面図であり、主電源スイッチ20をONにした直後の状態を示している。
次に、図35に示すように、入力キー153Mが押されると、連携調理モードの各調理メニューの情報(識別情報167)が表示部16Mに表示される。
図35に示すように、入力キー154~157に対応した発光部21Mは、星形図形で示すように発光している。つまり、これら入力キー154~157によって、調理メニューや制御条件は、ユーザーによって変更可能である。
しかしながら、加熱調理器1が保有している調理メニューのデータベースに、例えば、ユーザーが希望する調理の「ラタトゥイユ」が無かった場合について説明する。なお、「ラタトゥイユ」とは、南フランス発祥の料理であり、ズッキーニや玉ねぎ、ピーマンなどの数種類の野菜をスライスにして、トマトや香草と一緒にオリーブオイルで炒め煮にした料理である。
通信端末器200によって、前記した「ラタトゥイユ」の調理条件データを取得することについて説明する。
前記音声入力部222又はタッチ式の操作部215によって、端末側レシピ選択部232で前記した「ラタトゥイユ」を指定し、クラウドサーバ300にアクセスして「ラタトゥイユ」の調理条件データを、調理条件データ取得部230で取得する。
取得した「ラタトゥイユ」の調理条件データは、記憶部220に一時的に保存される。端末側の表示部216には、「ラタトゥイユ」の調理条件データのダウンロード成功が表示され、送信するかどうかを決定するよう、ユーザーに操作を促す表示が行われる。
そこで、ユーザーが、表示操作部225を操作して(又は、音声入力部222によって音声を入力して)調理条件データ送信部231に送信を指示すると、中央処理装置212は、「ラタトゥイユ」の調理条件データを加熱調理器1に送信する。なお、この調理条件データの送信と一括して、加熱調理器1の「報知用データ」223と、加熱調理器1の制御装置40用の「遠隔操作用データ」224も送信する。
図32に示したように、入力キー153Mが押された後では、連携調理モードの各調理メニューの調理条件データは、加熱調理器1で受信することを制御装置40では許可する。但し、図32に示しているように、即時に第1特定画面16M1に表示が切り替わるものではない。従って、待機時初期画面16MHの状態で、調理条件データの受信動作が継続する。
図33は、図32の形態を少し変更した例を示すものである。
この図33の例では、前記した「ラタトゥイユ」の調理条件データを通信端末器200から受信していることを表示する別の例を示している。この図33のように、待機時初期画面16MHは、外部からのレシピ受信動作中であることを示す受信動作表示画面16MMに切り替わる。受信動作表示画面16MMは、後で図36を用いて説明する。
図30に示した制限部55は、入力キー153Mが押された時点から、通信部51を介して調理条件データの受信動作を開始させる。そして、受信した調理条件データがある場合、調理条件データ記憶部42の、所定の記憶エリアに一時的に保存する。なお、前記した報知用データ223と遠隔操作用データ224の受信も許可され、前記「ラタトゥイユ」の調理条件データと紐づけ(1対1の関係に識別できるように処理)されて記憶部42に一時的に保存される。
図34は、加熱調理器1の中央操作部15Mと中央表示部16Mの動作を説明する拡大平面図である。待機時初期画面16MHの1つの表示画面1(図25参照)が表示された状態を示している。入力キー153Mの周囲を囲むような破線の円は、この入力キー153Mの部分がLED等の発光素子(図示せず)によって発光していることを示している。つまり、ユーザに対してこの入力キー153Mを押すことを推奨している。
次に図35について説明する。
図35において、CD9は、加熱調理器1が加熱調理を終了した場合、その直後に、自動的にネットワーク205経由でクラウドサーバ300に送信される「調理実施データ」である。
ここで「調理実施データ」とは、クラウドサーバ300側において、加熱調理の実績や長期間に亘る履歴、変化等を分析するための利用される有用な情報である。
図35では、調理実施データCD9が、クラウドサーバ300だけに送信されるように描いてあるが、通信端末器200に送信するように、加熱調理器1側で事前に設定しておいても良い。
図36は、前記した「ラタトゥイユ」の調理条件データを通信端末器200から受信していることを表示する具体的な表示画面の例を示している。この図36(B)のように、待機時初期画面16MHは、外部からのレシピ受信動作中であることを示す受信動作表示画面16MMに切り替わる。
図36(A)は、受信動作表示画面16MMを拡大して示した模式図である。
図36(A)において、16Fは、受信動作表示画面16MMの中に、受信動作の進捗に応じて現れる、複数個の進捗マークである。
進捗マーク16Fは、黒い角形印と白い角形印の2種類ある。
図36に示すように、受信動作開始直後は、黒い角形印が1つであるが、受信動作が進むにつれて順次その数が増えて行き、最終的に黒い角形印が5つ並んだ状態となる。
なお、黒い角形印の増加に応じて、白い角形印は同じ数だけ消えた状態になる。複数個の進捗マーク16Fの代わりに、1つの図形の大きさや色を変化させて進捗度合いを表示しても良く、またはアニメーションで表現しても良い。
なお、受信動作表示画面16MMの代わりに、実施の形態1の左火力表示部17Lのように、複数の発光素子(LED)を設け、受信動作の進捗度合いを、その発光によって複数段階に表示するものでも良い。例えば、受信動作の初期は、LEDの点灯数を1つにし、受信動作の進行に伴って点灯数を増やすという方式である。あるいは、LEDの点滅や点灯色を切り替えることにより、進捗を表現する。これにより、ユーザーに直感的で分かりやすい受信動作の完了を報知するようにしても良い。
次に、図36に示した制限部55の動作について説明する。
図36に示したように、通信部51を介して調理条件データを受信している動作中、加熱調理器1側では、入力操作部15によって当該受信動作を途中では中止できない。
例えば、入力キー152Mや153Mを押しても、データ取得部53の動作を中断できない。
加熱調理器1の、調理条件データ記憶部42に格納された前記調理条件データは、図37に示すように第1特定画面16M1の形で表示される。
図37において、173は実施の形態1でも説明したように、外部レシピ識別部である。これによって、第1特定画面16M1に現在表示されている連携調理メニューは、外部から取得したものであることが容易に分かる。
第1特定画面16M1に、図37のように特定の連携調理メニュー(この場合、「ラタトゥイユ」)は、入力キー151Mをタッチ操作すれば、そのまま調理動作を開始できる。
また、入力キー156M又は157Mを操作すれば、右加熱部(右加熱口4R)で加熱することと、左加熱部で加熱することの何れか一方を選択できる。
更に、入力キー152Mを操作すれば、このように外部から取得した特定の連携調理メニュー(この場合、「ラタトゥイユ」)による調理を、取り消すことができる。このように一旦取消し操作を行った場合、待機時初期画面16MHに戻るので、その状態で、再度入力キー153Mをタッチ操作する必要がある。このように、先に取得した1つの調理メニューに対応した調理条件データは、一旦取り消されると、次に再度別の調理メニューの調理条件データを取得できる(なお、同じ調理の調理条件データを再度取得することも可能である)。
更に、外部から取得した特定の連携調理メニュー(この場合、「ラタトゥイユ」)は、その連携調理メニューの調理工程が終了していない場合(途中で強制的にユーザーが調理の実行を解除した場合を含む)、別の連携調理メニュー(例えば「ハンバーグ」)に変更することはできない。変更するには、入力キー152Mを操作して、待機時初期画面16MHの場面まで戻す必要がある。
なお、図37では、入力キー156M、157Mの発光部21Mが点灯しているが、 左側の加熱部特定部171L又は右側の加熱部特定部171Rの何れかを、前記入力キー156M、157Mで選択した後、それら入力キー156M、157Mによって、火力等の制御条件を、ユーザーはマニュアル操作で設定できる。
次の図38は、外部から取得した調理条件データに基づいて連携調理モードKM3の調理を行う場合において、調理工程2の段階に進んだ際に、マイクロ波加熱の出力レベルを調節できることを示している。
次の図38の(B)で示すように、第2エリア23に、マイクロ波加熱の出力レベルが、「強め」~「弱め」まで合計5段階で表示される。このようなマイクロ波出力レベルは、入力キー156M、157Mを操作してユーザーが選択できる。
このため、最終工程(調理工程2)において、ユーザーが被調理物の仕上り状態に応じてマイクロ波による加熱強度を調整することができる。
図39は、連携調理メニューの調理工程と入力操作部の操作との関係を示す説明図である。
この図39の例では、連携調理メニューが、調理工程1、調理工程2及び調理工程3の3つで構成されている場合である。
前記調理条件データは、この図39の例でいうと、入力キー151Mの入力を待って、加熱動作を開始し、入力キー153R(153L)の入力があったら、加熱動作を停止すること、または一定の条件(調理の連続時間や目標温度到達)を満たしたら、その時点で加熱動作を停止することが、所定のコンピュータプログラム形式で規定されている。火力等の制御条件も規定されている場合がある。
前記調理条件データに含まれる前記プログラムには、後述する加熱休止期間P3と加熱休止期間P5が規定されているが、それら加熱休止期間P3、P5の時間的長さは規定されていない。但し、過剰に長い時間、加熱調理が中断することを防止するため、例えば、調理工程1、調理工程2の終了時点を基準にして、それぞれの経過時間をカウントし、例えば30分経過した場合、警報を出し、また、当該調理メニューの実行を強制的に中止するというような処理を入れても良い。
この図39の調理条件データの例では、調理工程1をマイクロ波加熱源(第2の加熱手段)HM2で行い、調理工程2を同じくマイクロ波加熱源、最後に被調理物をトッププレート3の上に移動させ、加熱不足を補って仕上げの誘導加熱を行うための、調理工程3を設けている。
なお、この加熱調理器1では、外部からの指令信号を受けて、調理モードの設定や制御条件等が不用意に行われないように保護する対策を追加している。
この図39の事例の「第2の連携調理メニュー」は、第2の加熱手段HM2を先に動作させ、その加熱動作終了後に、第1の加熱手段HM1として誘導加熱源を動作させるが、第2の加熱手段HM2と同時に、第3の加熱手段として輻射熱加熱手段12を動作させても良い。
図39に示すように、ここで示した「第2の連携調理メニュー」は、4つの段階から構成されている。
P1は、第1の段階(準備期間)であり、連携調理メニューを実行しようと、入力キー153Mを操作してから、入力キー151Mによって加熱調理動作が開始されるまでの期間である。
前記入力キー153Mを操作した際に、上述したような「許可条件」を満たしていた場合には、制御装置40は、第1特定画面16M1を表示する。なお、この図39では、第1特定画面16M1を図示していない。
前記第1特定画面16M1が表示された段階で、入力キー154M、155Mを操作すれば、連携調理メニューの1つを選択できる。その後、入力キー151Mを操作すれば、連携調理モードに移行し、P2の加熱調理工程に進む。
第1特定画面16M1が表示された段階で、ユーザーの希望する連携調理メニューの識別情報167が、第1特定画面16M1の所定の位置に表示された場合(デフォルト表示)、前記入力キー154M、155Mの操作は不要である。
P2は、第2の加熱手段HM2(マイクロ波加熱源)による加熱調理期間(調理工程1)である。
この調理工程1は、ドア7が前記準備期間P1に1回開放され、その後閉じられていることを制御装置40が確認して開始される。実施の形態1で説明した開閉検知部10からのドア開閉信号が利用される。
前記調理工程1は、基本的には連携調理メニューの動作プログラムによって事前に決まっている加熱時間が経過し、又は被調理物の温度が設定値(例えば、90℃)まで上昇すると自動的に終わる。例えば、ある連携調理メニューでは、マイクロ波出力500Wで加熱開始される。なお、また、ドア7をユーザーが任意のタイミングで開ければ、瞬時にマイクロ波の照射が停止され、加熱動作が停止される。
この図39の例では、中央操作部15Mの入力キー152Mを押して、調理工程1を終了させた場合を示している。
前記調理工程1を開始した段階では、既に制御装置40は、許可条件の判定を終えているので、使用中である第1の加熱手段HM1(誘導加熱手段)の加熱部が分かっている。つまり、右加熱口4R、左加熱口4Lの両方の使用状態を把握している。
そのため、デフォルト設定として、制御装置40は、連携調理モードの調理工程3で「右加熱部」4Rを使用すると決定し、この右加熱口4Rを占用状態にする。
P3は、第2の加熱手段HM2(マイクロ波加熱手段)による調理工程1を一旦停止し、再度その第2の加熱手段HM2の調理工程2が開始されるまでの加熱休止期間である。
この休止期間P3は、調理工程1における被調理物の加熱度合いを確認することや、調味料を加えること、あるいは別の被調理物を加えて調理工程2を行うために必要な期間である。例えば、調理工程1では、被調理物として冷凍食品だけを加熱し、調理工程2では、調味料を加えたり、冷凍食品よりも早く温度上昇する別の被加熱物(非冷凍食品等)を加えたりすることができる。このため、調理の幅が広がる。
加熱休止工程P3は、入力キー152Mを押すと終わり、P4の調理工程2に進む。
P4は、第2の加熱手段HM2(マイクロ波加熱手段)による加熱調理期間(調理工程2)である。この調理工程では、4つの入力キー156M~159Mの、少なくとも何れか1つを操作すれば、制御条件(例えば、加熱調理時間や目標温度)をユーザーが個別に設定できる。
そして、入力キー151Mを押して調理の停止を指令すると調理工程2は終わり、P5の加熱休止期間に進む。
この加熱休止期間P5では、ユーザーは、ドア7を開けて加熱室6の内部から被調理物を取り出し、トッププレート3の上に置く。なお、被調理物は、金属製の鍋等の被加熱物の中に入れられて載置される。
そして、右加熱口4Rの入力キー153Rを押して調理の開始を指令すると、加熱休止工程P5は終わり、P6の加熱調理期間(誘導加熱の「調理工程3」)に進む。
この加熱休止期間P5は、調理工程2における被調理物の加熱度合いを確認することや、調味料を加えること、あるいは別の被調理物を加えて調理工程3を行うために必要な期間である。例えば、調理工程2では、被調理物として冷凍食品だけを加熱し、調理工程3では、調味料や調理液の中に浸したり、あるいは別に予備加熱等で調理した被加熱物を、同じ被加熱物の中に加えたりすることができる。このため、調理の幅が広がる。
P6は、第2の加熱手段HM2(マイクロ波加熱源)による調理工程2から、第1の加熱手段HM1(この場合、誘導加熱手段。例えば、右加熱口4R)の調理工程3に切り替わる。
この調理工程3では、上記したように右加熱口4Rで加熱調理している場合には、入力キー154R、155R(図8参照)を操作すれば、制御条件(例えば、加熱調理時間や目標温度)をユーザーが個別に設定できる。
また、この調理工程3を、仮に左加熱口4Lで加熱調理している場合には、入力キー154L、155Lを操作すれば、制御条件(例えば、加熱調理時間や目標温度)をユーザーが個別に設定できる。
そして、入力キー153Rを押して調理の停止を指令すると、調理工程3は終わり、連携調理モードの動作は終了する。なお、タイマー調理の場合は、時間経過すると自動的に誘導加熱調理は終了し、調理工程3が終了する。
この図39から明らかなように、連携調理メニューの選択をする段階、すなわち、連携調理メニューの調理の名称を示す識別情報167を中央表示部16Mに表示させた時点ではなく、入力キー151Mによって調理開始を決定した時点から、右加熱口4Rの右操作部15Rは、使用できないようになる。なお、デフォルト設定で左加熱口4Lを設定していれば、左加熱口4Lが占用状態になる。
以上の説明から明らかなように、制御装置40は、以下の機能制限処理を行う。
(1)右操作部15Rからの入力信号は、無効化する処理を行う。これにより、加熱調理期間(調理工程1)~加熱調理期間(調理工程3)の間は、右加熱口4Rは、連携調理モード以外では使用できなくなる。
(2)加熱調理期間(調理工程1)に入っても、左操作部15Lは使用できる(左操作部15Lからの入力信号は無効化しない)。
このように、加熱調理期間(調理工程1)に入ると、制御装置40は、調理工程1の段階から、調理工程3の右加熱口4Rだけを占用した状態になる。
従って、右加熱口4Rは、連携調理メニューの選択によって「占用」された状態となる。また第1の加熱手段HM1の全体から見れば、3つの加熱部の一部分(右側)だけ使用が「制限」されたことになる。
そして、加熱調理期間(調理工程1)が終わっても、右加熱口4Rの上記制限状態は解除されない。
なお、前記調理工程1の段階では、第1特定画面16M1が表示されており、ユーザーは連携調理モードに入っていることが容易に理解できるので、第1の加熱手段HM1と第2の加熱手段HM2に対して、他の調理メニューの実行を制限しない。これは、加熱休止期間P3~調理工程2においても同じである。
なお、加熱調理期間(調理工程1)を開始する前に、ドア7が開放状態から閉鎖状態に変化したことが制御装置40で検知した場合であっても、加熱室6の中の温度が基準値よりも高い場合には、制御装置40や非接触(赤外線)センサー13、サーミスタセンサー14が、加熱室6で調理を開始する前から異常な高温度を誤って調理完了と認識してしまう懸念がある。
そのため、加熱調理期間(調理工程1)の開始前と、調理工程2の開始前には、前記加熱室6の温度が高すぎた場合には、前記第1特定画面15M1において、「高温のために直ぐには、第2の加熱手段HM2(マイクロ波加熱手段)は使用できない」旨を表示するようにしている。
この図39に太い矢印で示した期間は、1つの調理条件データ(レシピデータ)の受信制限期間と、追加の調理条件データ(レシピデータ)の「追加制限期間」である。これら受信制限期間と「追加制限期間」を総称して、以下、「制限期間」という。
この図39に示したように、前記「制限期間」の「始期」は、連携調理メニュー(例えば「ラタトゥイユ」)を特定の入力キー154M又は155Mで選択した時点である。
前記「制限期間」の「始期」は、第1特定画面16M1の表示を開始した時期でも良い。つまり、この図45に破線の大きな矢印で示しているように、前記「始期」を、連携調理モードKM3を入力キー153Mで選択した時点に変えても良い。その場合、第1の段階(準備期間)P1の中で更に早い時点P1Aまでが、前記「制限期間」になる。
前記入力キー151Mを1回タッチして第1特定画面16M1が表示された段階では、以下のように制限部55による制限動作が行われる。
すなわち、制御装置40に内蔵された制限部55は、図39に示すように、前記「制限期間」では、外部から取得した特定の連携調理メニューAを、別の連携調理メニューB(例えば「ハンバーグ」)に変更することを、結果的に禁止している。変更するには、入力キー152Mを操作して、連携調理モードKM3を一旦解除し、最初の待機時初期画面16MHの場面まで戻す必要がある。
つまり、この図39に太い矢印で示した「制限期間」に入ると、入力キー152Mを操作すれば、一旦外部から取得した特定の連携調理メニューAによる調理を、随時取り消すことができる。このように一旦取消し操作を行った場合、待機時初期画面16MHに戻るので、その状態で、再度入力キー153Mをタッチ操作する必要がある。
また、外部から取得した特定の連携調理メニューAについて、入力キー153Mをタッチ操作した時点以降は、別の連携調理メニューCの調理条件データ(レシピデータ)を、制御装置40が取得することはできない。
つまり、この図39に太い矢印示した「制限期間」に入ると、入力キー152Mを操作すれば、その後に取得した特定の連携調理メニューAの調理条件データ(レシピデータ)による調理を開始できるが、この調理メニューAの全ての調理工程が終了するまでは、更に外部から調理条件データ(レシピデータ)を取得することはできない。
以上の説明から明らかなように、この実施の形態2の加熱調理器1は、以下の構成を備えていた。すなわち、
第1加熱部(右加熱部)4Rと第2加熱部(左加熱部)4Lを備えた第1の加熱手段HM1と、
前記第1の加熱手段HM1と離れた場所にある加熱室6の中の被調理物を加熱できる第2の加熱手段HM2と、
前記第2の加熱手段HM2と前記第1の加熱手段HM1を制御する制御装置40と、
前記第2の加熱手段HM2と前記第1の加熱手段HM1の制御情報を表示する表示部16Mと、を有し、
前記制御装置40は、前記第2の加熱手段HM2と前記第1の加熱手段HM1を使用して1つの被調理物を調理する連携調理メニューを、複数種類の被調理物の数だけ(複数個)有し、
前記制御装置40は、入力キー153Mによって連携調理メニューの表示指令を受けた場合、以下の動作を行う構成であった。
(1)前記第2の加熱手段HM2、前記第1の加熱手段HM1について「先に使用されていないこと」等と、「加熱室6の温度が低いこと」の「許可条件」との関係を判定する。そして、連携調理メニューを実行できるかどうかを決定する。
(2)連携調理メニューを実行できると判定した場合、中央表示部16Mに第1特定画面16M1を表示する。
(3)前記第1特定画面16M1では、前記連携調理メニューの少なくとも1つを選択可能に表示させる。そのためには、対応する入力キー154M、155Mの入力機能を有効にする。
(4)1つの連携調理メニューの選択が行われた場合、入力キー151Mからの連携調理モードの開始用の指令を待つ。
(5)前記連携調理モードの開始用の指令を受けた場合、前記第2の加熱手段HM2からのマイクロ波は、加熱室6に供給され、調理工程1が開始される。
(6)調理工程1が自動的又はユーザーの指令により終えた場合、加熱休止期間P3に入る。そして、入力キー151Mからの連携調理モードの再開用(調理工程2用)の指令を待つ。
(7)入力キー151Mからの連携調理モードの開始用の指令を受けた場合、第2の加熱手段HM2からのマイクロ波は、加熱室6に供給され、調理工程2が開始される。
その後、加熱休止期間P5を経て、P6の加熱調理期間(調理工程3)に入る。この調理工程3では、入力キー154R、155Rを操作すれば、右加熱口4Rを使用した誘導加熱時の制御条件の設定ができる。
以上のように、この実施の形態2においては、事前に定めた許可条件を満たした場合に、連携調理モードのための第1特定画面16M1が表示されるので、この表示画面によって、関係する右加熱口4R又は左加熱口4L、第2の加熱手段HM2による連携調理モードへの移行を簡単に進めることができる。
また、許可条件を満たさない場合には、第1特定画面16M1自体が表示されないので、ユーザーの誤使用や誤解を招く懸念もない。つまり、ユーザーの操作性を損なうことがなく、利便性の高い複合型加熱調理器を実現できる。
更に、調理工程1と調理工程2との間には、加熱休止期間P3があり、この加熱休止期間P3の長さは、ユーザーが入力キー151Mによって調理再開を指令するタイミングによって決まる。
すなわち、この実施の形態1においては、調理工程1における被調理物の加熱度合いを確認することや、調味料を加えること、あるいは別の被調理物を加えて調理工程2を行うために必要な期間が確保できる。このため、使い勝手が良く、ユーザーの調理のレパートリーを拡大することができる。
更に、制限部55があるため、1つの特定の連携調理メニューAについて、入力キー153Mをタッチ操作した時点以降は、別の連携調理メニューCの調理条件データ(レシピデータ)を、制御装置40が取得することはない。そのため、連携調理の途中で不用意に別の調理メニュー(複合調理モードの制御メニューや単独調理モードの制御メニューを含む)を、受信することがない。従って、受信に伴うユーザーの混乱や加熱調理器1側の動作干渉等の懸念がない。
次に、図40~図49は、通信端末器200の端末側表示画面(入力操作画面を兼用)216の表示内容を示したものであり、以下順に説明する。なお、「端末側表示画面」216は、以下、「表示画面」216と呼ぶ。
図39(A)(B)は、通信端末器200の表示画面216の拡大図である。
この表示画面216は、液晶表示画面や有機EL表示画面の表面をガラス板で覆って形成している。
前記ガラス板の上面(表面)には、物理的な構造物としては現れないが、後述する各種アイコン(入力キー)488、489、491L、491M、491R、492~496等が、前記表示画面216の表示によって視覚上で認識できる。そのガラス板自体の特定部分が発光したり、画像を発生させたりする訳ではないが、以下の説明では、このように文字や図形、その他の情報が表示されることを、視認するユーザーの立場に立って、「表示画面に表示」という表現を使う。
「アイコン」は、所望の入力を行うことができる。つまり、個々のアイコン部分には、静電容量検知型のキーが配置される。そのアイコンをタッチすることで、タッチ操作部215(図31参照)では、中央処理装置212に対する指令信号が発生する。
アイコンの存在と機能を表示するため、特定の機能が(少なくとも入力を受け付け可能な状態では)文字や図形で表示される。例えば、図40(A)の例のように、「左IH操作部」というように、アイコン491Lの位置に文字情報で表示される。
481は、図40(A)に示した初期画面におけるメニュー表示部である。このメニュー表示部481は、図40(B)では左加熱部のメニュー選択表示部482に変わる。また、図41(A)では「加熱源選択」という加熱源選択表示部483に変わる。
更に、メニュー表示部481は、図42(B)では「RG制御メニュー選択」というレンジグリルの制御メニュー選択表示部484に変わる。
更に、メニュー表示部481は、図47(A)では「連携調理メニュー選択」という連携調理メニュー表示部485に変わる。
メニュー表示部481は、図48(B)では「次の準備ガイド」という準備情報表示部486に変わる。メニュー表示部481は、図48(A)(B)では、連携調理メニューの1つである「からあげ」を示した連携調理メニューの名称表示部487に変わる。
図40(A)に戻り、490は、待機時初期画面としての注意情報表示部である。運転開始前の時点で、前の調理時の熱で加熱室6が既に熱くなっている場合があり、図40(A)では、そのことにつき注意喚起した例である。
また、既に電源が入っていることも表示している。
図40において、491Mは、中央操作部15Mの選択部(アイコン)である。中央操作部15Mを操作すれば、実施の形態1で述べたように左右の加熱口4L、4R以外の加熱部で調理ができる。
図40において、491Lは、左操作部15Lの選択部(アイコン)である。491Rは、右操作部15Rの選択部(アイコン)である。
492は、アドバイス表示選択部(アイコン)である。これにタッチすると音声報知部50は中央表示部16Mにおいて、そのタッチした場面に応じた操作の参考情報を報知する。
図40において、FGは、ユーザーの指先を示している。
図40(A)(B)とその他の図において、三角形のマーク(アイコン)501、502は、画面切り替えマークである。
次の図41(B)にも画面切り替えマーク503がある。これらマークにタッチすると、1回タッチする毎に、表示画面216を一定の順序で切り替えることができる。因みに、図40(B)で画面切り替えマーク502に触れると、表示画面216は右方向に移動し、次の表示画面480が左側から出現するイメージで切り替わる。
なお、指先FGを表示画面216に触れたまま移動させ、それに付随して表示画面を移動させて画面の切り替えを行うスクロール機能を保有させて、前記画面切り替えマーク501~503を省略しても良い。
図40(A)において、左操作部選択部(アイコン)491Lにタッチすると、前記画面切り替えマーク501~504にタッチしなくとも、図40(B)に示す表示画面216に切り替わる。
図40(B)において、493は、IH単独調理モードの制御メニュー表示部(アイコン)である。
IH単独調理モードの制御メニューは、合計7つある。その内の4つは、図40(B)の表示画面216の右半分に表示されている。それら制御メニュー表示部(アイコン)493は、「湯沸し」、「茹で」、「炊飯」及び「湯沸し+保温」である。
また、表示画面216の左半分には、残り3つの制御メニューが表示されている。「保温」の制御メニュー表示部(アイコン)488と、「揚げ物」の制御メニュー表示部(アイコン)494と、「予熱」の制御メニュー表示部(アイコン)489、の3つである。
図40(B)において、495は、最初のメニュー表示画面に戻ることを選択するメニュー画面表示部(アイコン)である。
496は、この図40(B)の中の1つの制御メニュー(例えば、「湯沸し」)を選択した場合に表示される確認表示部(アイコン)である。これを押すと、例えば前記「湯沸し」であれば、湯沸し用の制御条件設定画面に自動的に切り替わる。
次に、図41(A)について説明する。
497Aと497Bは、左IHコイル9Lや右IHコイル9Rを選択するための、誘導加熱源選択部(アイコン)である。497Cは、マイクロ波加熱源(第2の加熱手段HM2)を選択するための加熱源選択部(アイコン)である。
図41(A)において、498は、レンジグリル加熱源選択部(アイコン)、499は、連携調理モードの選択部(アイコン)である。
図41(A)において、レンジグリル加熱源選択部(アイコン)498にタッチすると、図41(B)の表示画面216に変わる。
図41(A)において、497Aは、左IHコイル9Lを選択する誘導加熱源選択部(アイコン)である。497Bは、同じく右IHコイル9Rの選択部(アイコン)である。
497Cは、マイクロ波誘導加熱源189を選択するための、選択部(アイコン)である。
図41(B)で、画面切り替えマーク(アイコン)503にタッチすると、図41(B)の表示画面216は、図42(B)に変わる。
次に、図42(B)について説明する。
500は、レンジグリル(RG)制御メニューを示すRG制御メニュー選択部(アイコン)である。レンジグリル(RG)制御メニューは、「あたため」や「レンジ手動、「肉解凍」など合計10個ある。
図42(A)(B)は、レンジグリル(RG)制御メニューの全部(10個)を表示させた状態を示している。図42(A)では、5つの制御メニュー500を示し、図42(B)では、残りの5つの制御メニュー500を示している。
図42(A)(B)にそれぞれ示している大きな矢印は、表示画面216を水平にした状態での、後方と前方を示している。表示画面216は、水平にした状態でも垂直、斜めにした状態でも操作に支障はない。
次に、図43(A)(B)について説明する。
図43(A)は、図42(A)の状態で、レンジグリル(RG)制御メニューの中で、「あたため」の制御メニュー500を選択した状態を示している。
指先FGをRG制御メニュー選択部(アイコン)500に触れると、当該選択部500は、タッチしたことを感知して表示色が変わり、例えば白抜き文字に反転する。この図43(A)の状態で入力確定キー表示部(アイコン)496にタッチすると、図43(B)の表示画面216に変わる。
図43(B)は、レンジグリル(RG)制御メニューのデフォルト画面である。
504は、RG制御メニューの名称表示部(アイコン)である。
この図43(B)の制御メニュー表示形態、デザインは、実施の形態1の図15に示したものと類似させている。このような表示にできるのは、加熱調理器データベース217と遠隔操作情報生成部219(図31参照)があるからである。
図43(B)において、505は、RG制御メニューの温度表示部(アイコン)である。この図43(B)の例では、デフォルト値が80℃であるが、選択できる次の候補として75℃と85℃があるため、それらも同時に表示している。
図43(B)に示したように、RG制御メニューの名称表示部(アイコン)504には、それに隣接して次の表示候補である「オーブン」と「葉菜下ゆで」が、少し小さく表示される。
ユーザーは、図43(B)に示された状態で、レンジの設定温度を75℃に変更したい場合には、75℃の表示部分に指先FGを載せれば良い。
また、制御メニューの「あたため」を「オーブン」や「葉菜下ゆで」に変える場合も、同様にように「オーブン」や「葉菜下ゆで」の近傍にある候補切り替えマーク(アイコン)519、520にタッチすれば良い。
図43(B)において、506は、参考画像表示部である。参考画像は写真以外でも良く、制御メニューの「あたため」のイメージを示すイラストでも良い。
次に、図44(A)(B)について説明する。
通信端末器200の向きを、垂直方向に変えると、図44(A)(B)のように、表示画面216は縦長に変化する。なお、表示画面216を、この図44(A)(B)のように、縦長表示に固定する設定にしても良い。
図44(A)と図44(B)の切り替えは、画面切り替えマーク(アイコン)503のタッチだけで行える。
次に、図45(A)(B)について説明する。図45(A)に示した「あたため」の制御メニュー500を選択するため、指先FGをその制御メニュー選択部500に触れると、図45(A)に示しているように、表示色が変わり、例えば白抜き文字に反転する。この図45(A)の状態で入力確定キー表示部(アイコン)496にタッチすると、図45(B)の表示画面216に変わる。
次に、図45(B)に示された状態で、「あたため」のレンジ(マイクロ波加熱)の(加熱上限)設定温度を75℃に変更したい場合には、75℃の表示部分(RG制御メニューの温度表示部505)に指先FGを載せれば良い。すると、図46(A)の状態に表示画面216が変化する。
図45(B)において、507Aは、補助情報表示部であり、参考画像表示部506の近傍に表示される。この図45(B)では、設定温度を選ぶようにユーザーに勧めている。
次に、図46(A)について説明する。
図46(A)に示すように、設定温度は75℃に変更された表示になる。なお、まだ制御条件を確定させる前の段階であるので、別の設定温度の「85℃」も表示されたままの状態である。
図46(A)の状態において、遠隔操作信号の送信キー表示部(アイコン)521が初めて表示される。
この図46(A)では、前記送信キー表示部521を選ぶと、この図46(A)に表示された「レンジ単独調理モードKM1」の制御メニュー「あたため」の設定情報(調理条件データ)が、遠隔操作情報として加熱調理器1に一括して送信される。
図46(A)の状態は、RG制御メニューの「あたため」を実行する全ての条件の選択ができた段階であるため、温度表示部505に表示された加熱温度「75℃」の条件が加熱調理器1に送信される。
図46(A)において、507Bは、補助情報表示部であり、参考画像表示部506の近傍に表示される。この図46(A)では、前記送信キー表示部521を押せば、入力作業は完了することを示している。
遠隔操作指令(信号)(調理条件データを含む)の送信を終えた図46(B)の段階では、遠隔操作で加熱動作を停止させる停止キー表示部(アイコン)522が初めて表示される。これを押すと、この図46(B)の段階の加熱動作が停止できる。一旦、この停止キー表示部522を押すと、最初の段階に戻るため、改めて遠隔操作条件を全て入力する。
通信端末器200には、加熱停止を指令する指令情報を即時送信できる停止キー表示部(アイコン)522を設けている。これにより、加熱調理器1の安全性を確保するための機能を保有させている。
図40~図46(A)において、各種の入力操作を順次説明して来たが、図40~図46の段階まで、通信端末器200と第1サーバ321又は加熱調理器1は、無線通信できる状態を継続している訳ではない。
例えば、通信端末器200は、加熱調理器1と接続していなくとも、図40~図46に示すような表示や入力を通信端末器200だけで行うことができる。そのため、図46(A)に示したように、送信キー表示部521を押して送信する前に加熱調理器1と接続すれば良い。このため、通信端末器200によって図40~図46(A)に示すような入力作業を行っていても、加熱調理器1の通信部51経由で、外部からの情報取得や送信等を行う動作の障害となることはない。
次に、図47(A)について説明する。
図47(A)は、図41(A)に示した連携調理モードKM3の選択部499にタッチした場合に表示される表示画面216である。なお、図40(A)の中央操作部選択部491Mをタッチして、図45(A)の表示画面216を表示させても良い。但し、中央操作部選択部491Mをタッチした場合は、レンジグリル調理モード(複合調理モードKM2)の選択画面と共用になるので、連携調理モードKM3を選択するまでのタッチ操作が少し増える。
図47(A)は、連携調理モードKM3の1つの調理メニューで、「からあげ」を選択する例である。
「からあげ」を調理したいため、連携調理メニュー表示部(選択部)500Cに触れると、図47(A)に示しているように、表示色が変わり、例えば白抜き文字に反転する。
この図47(A)の状態で入力キー表示部(アイコン)496にタッチすると、「からあげ」を調理するための表示画面216(図示せず)に推移する。図47(A)の表示画面216は、「からあげ」の選択段階を示した表示画面である。
なお、図47(A)では連携調理メニューを示しただけで、その後の加熱部や制御条件を選択した図を省略しているが、図47(A)の表示画面216で、連携調理メニュー選択部(アイコン)500Cを選択(タッチ)すれば、選択した調理メニュー(例えば「からあげ」)の設定用の表示画面216に進む。
図47と図48の間には、「からあげ」の設定用表示画面216が実際にはある。その表示画面216には、実施の形態1(図16)に示したような、左右の加熱部(IHコイル9L、9R)を選択するアイコン(図示せず)を表示させても良い。または、左右の加熱部を指定せず、調理条件データを受信する加熱調理器1側で前記加熱口4L、4Rを選択するようにしても良い。また、その設定用表示画面216には、図46に示したように、送信キー表示部(アイコン)521を表示させる。「からあげ」の調理条件データを送信できるようにする。
図47(B)は、連携調理モードKM3の調理メニューで「からあげ」を調理する場合に、調理工程1の途中で、調理工程の進捗度合いを(加熱制御部43が)検知して、加熱調理器1で自動的に報知される「参考情報1」FA1に対応した報知例である。
この実施の形態2では、加熱調理器1で報知される「参考情報1」FA1では、図47(B)に表示されるように、加熱室6のドア7を開けること、次には加熱室6から加熱された食材を取り出すこと、の2つが報知される。
通信端末器200の表示画面216でも、上記のような参考情報1FA1に対応した内容として、図47(B)に示したように、ドア7を開放することを示した準備作業参考画像509と、被調理物を受け皿と一緒に取り出すことを示した準備作業参考画像510が表示される。
なお、511は、注意喚起情報である。また512は、ユーザーの作業について説明した補助情報である。
次に、図48(A)を説明する。
図48(A)の表示画面216は、「からあげ」の調理工程1の段階を表示したものである。
513は、工程情報表示部である。この図48(A)では、レンジ加熱がまだ継続していることを表示している。514は、次の調理工程情報の表示部である。この図の例では、次は左加熱口4Lにおいて誘導加熱することを示している。
515は、推奨メニューの表示部である。この表示部515には、冷蔵庫800(図示せず)から事前に取得しておいた在庫情報SD1から検索された推奨の調理メニュー(別の調理)が含まれる場合がある。
図48(A)の例では、現在は「からあげ」で使用中の加熱室6が使用されなくなった後に、その加熱室で調理できる別の調理のお薦めメニューがあることを示唆している。なお、加熱調理器1は、前記冷蔵庫800(図示せず)との間で無線通信により冷蔵庫の在庫情報(在庫データ)SD1を取得できる機能を有している。
図48(A)の段階では、お薦めメニューを具体的には自動的に表示しない。ユーザーが、この段階で初めて表示される詳細表示指示部(アイコン)523をタッチした場合には、図48(B)のように詳細情報を表示する。
なお、この図48(B)のような詳細表示指示部(アイコン)523に相当する選択部は、加熱調理器1の中央表示部16Mには表示されない。そして一定時間後に、図48(B)の画面は、図48(A)の表示画面216に自動的に戻る。
この図48(A)の段階でも、遠隔操作で加熱動作を停止させるための、前記停止キー表示部(アイコン)522が表示される。
図48(B)において、487は、連携調理メニューの名称表示部であり、この場合は、被調理物の名称の「からあげ」が表示される
516は、推奨メニューの表示部である。推奨メニューの具体的な内容は、推奨メニューの表示部515に表示される。調理は解凍して温めることを薦めている。
図48(B)において、517は、推奨メニューの補助情報であり、マイクロ波加熱を利用した「あたため」の制御メニューで調理できることが表示されている。
518は、推奨メニューの調理参考画像である。写真ではなく、イラスト(イメージ図)でも良い。
この図48(B)の段階でも、遠隔操作で加熱動作を停止させるための、前記停止キー表示部(アイコン)522が表示される。
次に、図49(A)を説明する。
図49(A)の表示画面216は、「からあげ」の調理工程1を終了し、調理工程2に移行するまでに加熱休止期間、つまり移行期間TRに入った状態である。
前記移行期間TRは、加熱調理器1の前で実際に調理に臨んでいるユーザーが、加熱調理器1の入力キー151Mを押さない限り終了しない。
つまり、移行期間の時間的長さは、ユーザーに依存している。
従って、通信端末器200では、どのような操作を行っても前記移行期間TRを、遠隔で(無線通信で)指令して、離れた場所から加熱調理工程を再開するような機能はない。これは、加熱調理器1の安全性を向上させるためである。
513は、工程情報表示部である。この図49(A)では、レンジ加熱が終了したことを表示している。514は、次の調理工程情報の表示部である。この図の例では、次は右加熱口4Rにおいて誘導加熱することを示している。
515は、推奨メニューの表示部である。この表示部515では、冷蔵庫800(図示せず)から事前に取得しておいた在庫情報SD1から検索された推奨の調理メニュー(別の調理)がある場合、この図49(A)のように、お薦めの調理メニューがあることを示している。
図49(A)の表示画面216で表示される詳細表示指示部(アイコン)523をタッチした場合には、図49(B)のように、加熱室6で、調理工程2と並行して実行できる調理メニューの候補の詳細を表示する。
この図49(A)のような詳細表示指示部(アイコン)523に相当する選択部は、加熱調理器1の中央表示部16Mにも、表示しても良い。但し、中央表示部16Mの表示画面がタッチ式入力方式でない場合には、適当な入力キーを押すことを表示する必要がある。
図49(B)の入力確定キー表示部(アイコン)496を押した場合には、加熱室6を使用する推奨調理メニュー(別の調理)の情報が、加熱調理器1に向けて送信される。つまり、加熱調理器1の前で調理に臨んでいるユーザーに、「推奨メニューに賛成」の意思が伝達されることになる。
推奨調理メニュー(別の調理)の情報が、加熱調理器1に向けて送信された際に、通信端末器200の所有者は、キッチン601(図示せず)に居ないで、上記推奨調理メニュー(別の調理)の通知を受ける場合もあり得る。つまり、その瞬間には、加熱調理器1の前には別のユーザーが居る場合も考えられる。何れにしても、ユーザーは加熱室6を有効に利用して調理が同時並行的に行えることを知ることができる。
以上の説明では、スマートフォン等の通信端末器200は、加熱調理器1との間で、Bluetooth(登録商標)による無線通信400を行う方式であった。他の方法としては、近距離無線通信用のNFC入出力部221(図31参照)を有しているため、加熱調理器1側のNFC入出力部(図示せず)に、通信端末器200を直接近接又は接触させて入力しても良い。
実施の形態2の総括.
以上の説明から明らかなように、この実施の形態2では、第1の開示に関する加熱調理器1が、以下の形態で開示されていた。すなわち、
第1の場所(トッププレート3の上方)で被加熱物を加熱する第1の加熱手段HM1と、
前記第1の場所と離れた第2の場所(加熱室6)で被調理物を加熱する第2の加熱手段HM2と、
ユーザーの指令を受ける入力操作部15と、
外部から調理条件データ2(CD2、CD4、CD5、CD6)を受信する通信部51と、
前記第1の加熱手段HM1、前記第2の加熱手段HM2及び前記通信部51を制御する制御装置40と、を備え、
前記制御装置40は、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2とを、時間差を置いて駆動する連携調理モードKM3を、調理条件データ1に基づいて実行する加熱制御部43と、特定の被調理物に対する前記連携調理モードの加熱調理を実行させるため、前記通信部51を介して前記調理条件データ2を取得するデータ取得部53と、前記連携調理モードKM3の調理を開始する前の準備期間P1中(つまり、図37で示した「調理工程1」の前の準備期間P1)において、前記データ取得部53が前記通信部51を介して前記調理条件データ2の取得を制限する制限部55と、を有し、
前記制限部55は、取得した前記調理条件データ2が適用された調理メニューの調理工程が終了するまでの間、前記通信部51から新たな調理条件データを取得することを制限することを特徴とする構成であった。
このため、連携調理の途中で不用意に別の調理メニュー(複合調理モードの制御メニューや単独調理モードの制御メニューを含む)を、受信することを防止し、安定して受信した調理条件データ2の調理メニューを実行することができる。
更に、調理工程の途中で不用意に別の調理メニューの調理条件データを受信することに起因して、制御装置40の動作に支障が起こったり、ユーザーに誤解や混乱を招いたりすることも防止できる。
この実施の形態2においては、第4の開示に関する加熱調理システムを、以下の形態で開示していた。
すなわち、
加熱能力又は加熱原理が異なる複数の加熱手段HM1、HM2、HM3を有し、少なくとも2つの場所で前記加熱手段によって順次被調理物を加熱する連携調理モードKM3の機能を備えた加熱調理器1と、前記加熱調理器1との間で通信を行う通信端末器200と、を備えた加熱調理システムであって、
前記加熱調理器1は、前記連携調理モードKM3の加熱調理動作を実行する調理条件データ1を有し、
前記通信端末器200は、前記連携調理モードKM3の加熱調理動作を実行するための調理条件データ2を生成する加熱調理器データベース217と、前記調理条件データ2を前記加熱調理器1に送信する調理条件データ送信部231と、を備え、
前記加熱調理器1は、前記調理条件データ1と、前記通信端末器200から受信した前記調理条件データ2とを、識別情報167と対応させて保持する記憶部42と、ユーザーによる前記連携調理モードKM3の選択操作又は前記識別情報167の選択操作に応じて、前記記憶部42から前記調理条件データ1又は前記調理条件データ2を読み出し、前記連携調理モードKM3の調理に利用する加熱制御部43と、前記連携調理モードKM3の調理を開始する前の待機期間中に、外部から前記調理条件データ2の取得を制限する制限部55と、を備え、
前記制限部55は、取得した前記調理条件データ2が適用された1つの調理メニューの調理工程が終了するまでの間、新たな調理条件データ2を取得することを制限することを特徴とする構成であった。
このため、連携調理の途中で不用意に別の調理メニュー(複合調理モードの制御メニューや単独調理モードの制御メニューを含む)を受信することを防止できる。
そのため、受信した調理条件データ2の調理メニューを、加熱調理器1で有効に利用して調理を実行することができる。
更に、調理工程の途中で不用意に別の調理メニューの調理条件データを受信することに起因して、制御装置40の動作に支障が起こったり、ユーザーに誤解や混乱を招いたりすることも防止できる。このため、加熱調理器1の使い勝手が向上する。
更に、この実施の形態2においては、第5の開示に関する加熱調理システムを以下の形態で開示していた。
すなわち、
被加熱物をトッププレート3の上に設定した加熱部(加熱口4L、4R)で加熱する第1の加熱手段HM1と、前記加熱部と別の場所にある加熱室6で被調理物を加熱調理する第2の加熱手段HM2と、を備えた加熱調理器1と、
前記加熱調理器1との間で通信を行う通信端末器200と、を備えた加熱調理システムであって、
前記加熱調理器1は、特定の被調理物に対応した調理メニュー(例えば、連携調理メニュー)を有し、
前記加熱調理器1には、前記調理メニューを実行するための調理条件データを保有する機能を有し、
前記通信端末器200は、前記加熱調理器1に対して、前記調理条件データCD5を提供する機能と、前記加熱調理器1から、前記調理メニューの調理実施データCD9を取得する機能と、をそれぞれ有し、
前記加熱調理器1は、前記調理条件データを前記通信端末器200から受信するタイミングを決定する制限部55を備え、
前記制限部55は、特定の調理メニューの選択操作以降に前記調理条件データCD5の取得を許可し、取得した前記調理条件データCD5に関する調理工程が終了するまでの間、新たな調理条件データCD5の取得を制限することを特徴とする構成の加熱調理システムを開示した。
このため、調理工程の開始前又は開始後に不用意に別の調理メニュー(複合調理モードの制御メニューを含む)を受信することを防止し、受信した調理条件データCD5の調理メニューを実行することができる。
更に、調理工程の途中で不用意に別の調理メニューの調理条件データを受信することに起因して、制御装置40の動作に支障が起こったり、ユーザーに誤解や混乱を招いたりすることも防止できる。
更に、前記通信端末器200は、調理メニューの調理実施データCD9を取得できるので、離れた場所に居ても加熱調理器1の調理状況を確認することができる。
つまり、この第5の開示の加熱調理システムによれば、通信端末器200の側で加熱調理器1の状況を監視でき、利便性が向上する。
実施の形態3.
図50~図52は、実施の形態3に係る加熱調理器を示すものである。図50は、加熱調理器1の起動直後における中央表示部の表示動作を示す説明図1である。図51は、加熱調理器1の起動以降における中央表示部の表示動作を示す説明図2である。図52は、加熱調理器1の起動以降における中央表示部の表示動作を示す説明図3である。なお、図1~図49に説明した実施の形態1及び2の構成と同一又は相当部分は、同じ符号を付けている。
この実施の形態3では、実施の形態2で示した加熱調理器1の構成を変更し、中央表示部の表示内容と、加熱調理モードの選択手順を一部変更している。
図50について説明する。主電源スイッチ20を「OFF」にしている状態では、中央表示部16Mは起動されていないので、何も情報を表示していない。
主電源スイッチ20を「ON」にした状態では、制御装置40は、異常有無等の自己診断を行ったあとで、図50の表示画面1A(待機時初期画面16MH)を表示させる。
図50の表示画面16MHにおいて、60Aは、電源が入っていることを報知した表示文である。60Bは、インターネット等の広域ネットワーク経由で専用のレシピ掲載サイト(クラウドサーバ300)に誘導するための二次元情報(二次元コード)である。60Cは、その二次元コードの意味を説明した文章(二次元情報説明文)である。
前記した通信端末器200を起動させて、前記二次元コード60Bを光学的に読み込ませると、各種調理レシピの情報を保有した外部のレシピ情報提供サーバ301(図示せず)に接続することができる。なお、レシピ情報提供サーバ301には、種々の調理レシピのデータ(調理条件データ)が保持されたレシピDB(データベース)302(図示せず)が備えられていることは、実施の形態1で説明した通りである。
表示画面1Aが表示されたあと、表示画面Bが自動的に表示される。なお、図51に示すように表示画面Bが表示された後、一定の時間間隔(例えば3秒間又は5秒間ずつ)で、表示画面B1~B3を一定時間(例えば、3秒間又は5秒間)表示するという形態でも良い。そして再び表示画面Bを表示するという動作にする。
一方、音声報知部50では、図50に示した表示画面Bが表示された時点又は図51に示したように、表示画面B1~B3が表示された時点で、その表示画面の表示内容(表示された情報)をそれぞれ音声で報知し、ユーザーに操作する入力キーを案内しても良い。
例えば、表示画面B1の時点では「加熱庫とIHの両方を使って連携調理するときは、番号1のキーを選択してください」というような案内をすると良い。この場合の「番号1のキー」とは、入力キー153Mである。「番号2のキー」とは、入力キー154M、155Mのことである。
中央操作部15Mの上面には、前記番号「1」を入力キー153Mの操作面等に印刷や刻印で表示しておくと良い。または、入力キー153Mの操作面自体を光らせて、上記番号がユーザーに用意に識別できるようにしても良い。他の番号2、3のキーについても同様な構成が採用できる。
図51に表示画面B1で示したように、待機時初期画面16MHに、具体的な入力キーとして「番号1のキー」、つまり入力キー153Mのことが表示された時点で、当該入力キー153Mの入力機能は有効になっている。つまり、初期待機期間TPにおいて、表示画面B1~表示画面B3に示された入力キーは、それぞれ入力機能が有効になった状態で表示されている。
以上のような経緯を経て、入力キー153Mを最初に押した場合には、図52に示しているように中央表示部16Mは、表示画面Bから第1特定画面16M1に切り替わる。但し、実施の形態で説明したように「許可条件1」と「許可条件2」を満たさない場合には、連携調理モードKM3の選択は出来ない旨の表示又は音声報知が行われ、表示画面Aに戻る。
前記制御装置40は、前記待機時初期画面16MH(表示画面A)を表示した時点又は前記音声報知部50によって、表示画面Bの内容を音声で報知した時点から、前記入力キー153MC、154M、155Mの何れも操作されずに経過している時間が、一定の制限時間(30分間)を超過すると、自動的に前記主電源スイッチ20を開放して主電源を切断するように構成している。
図52に示すように、起動後の取得不可能期間TZにおいては、加熱調理器1は通信端末器200からは何のデータも取得できない(取得は、制限部55で制限している)。
一方、入力キー153Mを押した時点からは、取得可能期間TBに入るので、加熱調理器1は通信端末器200と接続すれば、調理条件データを取得可能である。
図50~図52に示すように、中央表示部16Mにおいて、調理モード名称の表示部525、526、527を表示している。
表示部525は、連携調理モードKM3に対応した表示である。表示部526は、複合調理モードKM2に対応した表示である。表示部527は、誘導加熱源9の単独調理モードKM1に対応した表示である。
図50に示すように、前記表示画面Bには、表示部525~527を一覧状態で示し、それら各表示部に1対1で対応するように、最初に操作すべき入力キーを特定する案内文(文字情報)530、531、532を表示している。
このため、ユーザーは、待機時初期画面16MH(表示画面A)によって第1の加熱手段HM1、第2の加熱手段HM2及び第3の加熱手段HM3に共通の情報、例えば注意情報等(待機時共通情報60N)を確認できる。
更に案内画面B(16MA)によって前記案内文530、531、532を見ることができるので、加熱調理の開始前に、ユーザーが操作に迷うことも解消でき、操作性と利便性の高い加熱調理器1を実現できる。
以上の説明から分かるように、各加熱調理モードの内容を示す説明文533、534、535が、表示部525~527の表示と同時に表示される。
更に、前記案内画面16MAに表示画面Bが表示されたタイミングで、前記音声報知部50によって音声でそれぞれ、操作すべき入力キーが報知される。
このため、ユーザーは、視覚情報だけではなく音声でも操作すべき入力キーの情報を得ることができるので、操作性を更に向上させることが期待できる。
この実施の形態3においても、前記制御装置40は、加熱制御部43と、特定の被調理物に対する前記連携調理モードの加熱調理を実行させるため、前記通信部51を介して前記調理条件データ2を取得するデータ取得部53と、前記連携調理モードKM3の調理を開始する前の待機期間中(「調理工程1」の前)に、前記データ取得部53が前記通信部51を介して前記調理条件データ2の取得を制限する制限部55と、を有した構成である。
更に、前記制限部55は、前記入力キー153Mが操作された時点以降、つまり、図52に示した取得可能期間TBにおいて、調理条件データ2の取得を制限しない。
更に、前記制限部55は、一旦取得した調理条件データ2が適用された調理メニューの調理工程が終了するまでの間、前記通信部51から新たな調理条件データBを取得することを制限する機能を有している。
このため、連携調理の途中で不用意に別の調理メニュー(複合調理モードの制御メニューや単独調理モードの制御メニューを含む)を、受信することを防止し、安定して受信した調理条件データ2の調理メニューを実行することができる。
更に、調理工程の途中で不用意に別の調理メニューの調理条件データを受信することに起因して、制御装置40の動作に支障が起こったり、ユーザーに誤解や混乱を招いたりすることも防止できる。
実施の形態3の総括.
以上のように、この実施の形態3では以下の形態の加熱調理器1を開示していた。
すなわち、
第1の場所(トッププレート3の上方)で被加熱物を加熱する第1の加熱手段HM1(誘導加熱源9)と、
前記第1の場所と離れ、かつ当該第1の場所と隔絶された第2の場所(加熱室6)で被調理物を加熱する第2の加熱手段HM2と、
ユーザーの指令を受ける入力操作部15と、
外部から調理条件データ2を受信する通信部51と、
調理の情報を表示する表示部16と、
前記第1の加熱手段、前記第2の加熱手段、前記通信部51及び前記表示部16とを、それぞれ制御する制御装置40と、を備え、
前記制御装置40は、前記表示部16を起動した後に、当該表示部16に待機時初期画面16MHを表示し、
前記待機時初期画面16MHには、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2に共通の参考情報1(待機時共通情報60N)と、複数の加熱調理モードKM1~KM3)の内容又は当該加熱調理モードを選択する前記入力操作部15の操作を示す参考情報2(説明文525~527、533~535)の少なくとも何れか1つを表示し、
前記待機時初期画面16MHの表示期間中に前記入力操作部15で特定の入力、すなわち、入力キー153Mの操作が行われた場合、前記通信部51を介して前記制御装置40は、前記調理条件データ2を取得することを特徴とする構成であった。
この構成によれば、加熱調理器1側に保有している調理条件データ1に基づく連携調理動作と、外部から取得する調理条件データ2に基づく連携調理動作が干渉せず、ユーザーの混乱を招かず、使い勝手を向上することが期待できる。
更に、実施の形態3では、前記入力操作部15には、前記複数の加熱調理モードKM1~KM3にそれぞれ対応して、加熱調理モードを個々に選択する入力キー153L、153M、153Rを有し、
前記待機時初期画面16MHには、前記入力キー153L、153M、153Rを選択するための前記第1の加熱手段と前記第2の加熱手段の選択に関する情報(図50の、説明文525~527、533~535)を前記参考情報2として表示する構成であった。言い換えると、図50に示した案内画面16MAを一時的に、かつ自動的に表示させていた。
この構成によれば、複数の調理モードの内から1つを選択する場面で、ユーザーの混乱を招かず、使い勝手を向上することが期待できる。
更に、実施の形態3では、前記入力操作部15には、前記複数の加熱調理モードKM1~KM3にそれぞれ対応して、それら加熱調理モードを個々に選択する入力キー153L、153M、153Rを有し、
前記待機時初期画面16MHには、前記入力キー153L、153M、153Rを選択するための前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM3に共通の情報を前記参考情報1(60N)として表示し、
前記参考情報1の表示の後で、特定の前記入力キー(153M)が操作されるまでは、前記通信部51を介して前記制御装置40の制限部55が、前記調理条件データ2の取得を制限することを特徴とする構成であった。
この構成によれば、加熱調理器1側に保有している調理条件データ1に基づく連携調理動作と、外部から取得する調理条件データ2に基づく連携調理動作が干渉せず、ユーザーの混乱を招かず、また加熱調理モードの選択も容易であり、使い勝手を向上することが期待できる。
更に、前記制限部55は、一旦取得した調理条件データ2が適用された調理メニューの調理工程が終了するまでの間、前記通信部51から新たな調理条件データBを取得することを制限する構成であった。
このため、連携調理の途中で不用意に別の調理メニュー(複合調理モードの制御メニューや単独調理モードの制御メニューを含む)を、受信することを防止し、安定して受信した調理条件データ2の調理メニューを実行することができる。
実施の形態4.
図53は、実施の形態4に係る加熱調理器を示すものであり、加熱調理器1を起動してから加熱調理を開始する直前までの加熱調理器1の制御装置40の動作ステップを説明したものである。図54は、図53の加熱調理器の制御動作を説明するためのフローチャート1である。図55は、図53の加熱調理器の制御動作を説明するためのフローチャート2である。なお、図1~図52に説明した各実施の形態の構成と、同一又は相当部分は、同じ符号を付けている。
この実施の形態4では、実施の形態1で示した加熱調理器1の制御装置40の構成を変更している。
図53において、ステップSU1~SU4は、図27で説明したものと同じであるため、重複した説明は省略する。
中央表示部16Mに待機時初期画面16MHが表示された段階(ステップSU1)を経て、ステップSU1Aでは、外部機器(前記通信端末器200又はクラウドサーバ300)との自動接続動作を行い、通信接続に成功すると、ステップSU1Bに進む。
ステップSU1Bでは、入力操作部15の入力キー153Mが操作されたかどうかを判定し、操作していた場合には、次のステップSU2に進む。
ステップSU2の段階で、外部からレシピ情報(調理条件データ)の取得が確認されると、そのステップSU2の段階から、「入力禁止期間」TCが始まる。
前記「入力禁止期間」TCが始まると、入力操作部15において、各種入力キーの入力機能は、制御装置40によって無効化される。例えば入力キー153Mの入力機能は、制御装置40によって無効化されるので、連携調理モードKM3の選択はできなくなる。但し、例外的に、主電源スイッチ20の操作ボタン(入力キー)20Aは、有効に維持されるので、電源を遮断することは随時可能である。
前記「入力禁止期間」TCにおいて、制御装置40は、加熱調理器1の各構成部分の最新状態と比較し、許可条件1と許可条件2を満たす状態であるかどうかを判定する。
許可条件1と2を同時に満たしていると判定すると(SU6)、外部機器(前記通史イン端末器200又はクラウドサーバ300)から取得したレシピ情報(調理条件データ)に含まれている識別情報を、前記中央表示部16Mに表示する。この場合は、第1特定画面16M1の中に識別情報(例えば、「名称:ハンバーグ」)が表示される(ステップSU7)。
図53に示したように、第1特定画面16M1の中に識別情報(例えば、「名称:ハンバーグ」)が表示された時点からは、「調理条件変更可能期間」TB3が始まる。この調理条件変更可能期間TB3は、調理開始の入力キー151Mが押されると終了する。
「調理条件変更可能期間」TB3が始まると、前記「入力禁止期間」TCで無効化されていた各種入力キーの入力機能は、制御装置40によって解除される
そのため、「調理条件変更可能期間」TB3では、入力キー154M、155M等を使用して、取得した調理条件データが対象とする調理メニュー(例えば「ハンバーグ」についての制御条件(火力値、火力レベル、目標温度、加熱時間等の諸条件)を、ユーザーが調整することができる。但し、変更できない制御条件も、調理メニューによっては存在する。
一方、前記ステップSU3の段階で、制御装置40が加熱調理器1の最新状態と比較し、許可条件1と許可条件2を満たない状態であると判定した場合(ステップSU4)について説明する。
中央表示部16Mの中の待機時初期画面16HMの内容を一部変更し、外部機器から取得したレシピ情報(調理条件データ)は、現在の加熱調理器1では実行できない旨を文字で表示する。また同じ趣旨について音声報知部50でも音声で報知する(ステップSU5A)。
更に、このステップSU5Aでは、レシピ情報(調理条件データ)を送信してきた通信端末器200やクラウドサーバ300側に対して、レシピ情報(調理条件データ)は、現在は利用できない旨を前記通信部51から送信する。そして、レシピ情報(調理条件データ)の送信元において、加熱調理器1の状況が分かるように報知する。
図53に示したステップSU1Bの時点からステップSU2の直前までは、前記制限部55は、調理条件データ2を外部から取得することを制限していない。前記制限部55は、調理条件データ2を、外部から取得することを「一定の条件」で許可している。
前記「一定の条件」とは、例えば1回調理条件データ2が外部から取得された場合、その後に調理条件データ2を(先に取得された調理条件データ2に基づく調理工程終了までは)取得できないことである。
ステップSU2以降の入力禁止期間TC(図53に示している)においては、前記制限部55は、一旦取得した調理条件データ2に関して、火力や加熱温度等の制御条件をユーザーが入力操作部15で変更することを禁止している。この禁止効果を発揮するため、許可条件を満たすという判定結果が出る(ステップSU7)前には、第1特定画面16M1を表示せず、調理メニューの識別情報も制御条件も表示しない。
入力禁止期間TCでは、仮に通信端末器200やクラウドサーバ300から調理条件データ2を送信しても、通信部51が受信した調理条件データ(以下、これを「非許可レシピデータ」という)は、加熱調理器1の内部の一時記憶エリアに保存されるだけであり、所定エリアには保存されない(記憶部42に記憶されない)ように制御装置40で制御されている。一時記憶エリアは、調理工程が終わり、主電源スイッチ20を切ると自動的に消去される。
なお、このように入力禁止期間TCで仮に非許可レシピデータが取得されても、この非許可レシピデータは、次の「調理条件変更可能期間」TB3においても、調理メニューを実行する根拠とされない。そのため、非許可レシピデータに含まれた火力等の制御データをユーザーが任意で変更し、調理に使用することはできない。
入力禁止期間TCが終わり、次の「調理条件変更可能期間」TB3に入ると、火力等の調理条件(制御条件)を、入力操作部15によって変更できる。しかし、この場合でも、この段階で調理を予定している1つの連携調理メニューの調理工程が終了するまでの間、前記通信部51から新たな調理条件データ2を取得することはできない。別の調理条件データ3を取得して別の調理メニューを実行したい場合には、入力キー152Mで連携調理モードKM3を一旦解除する必要がある。
更に、「調理条件変更可能期間」TB3が始まった以降に、外部から送信された前記「非許可レシピデータ」を、これから開始する調理メニューに代えて使用することはできない。
このため、連携調理の途中で不用意に別の調理メニュー(複合調理モードの制御メニューや単独調理モードの制御メニューを含む)を、受信することを防止し、安定して受信した調理条件データ2の調理メニューを実行することができる。
更に、調理工程の途中で不用意に別の調理メニューの調理条件データを受信することに起因して、制御装置40の動作に支障が起こったり、ユーザーに誤解や混乱を招いたりすることも防止できる。
次に図54について説明する。
主電源投入から調理準備開始までの基本動作プログラムが、制御装置40の内部にある記憶装置41に格納されている。
この図54の加熱調理器1は、ビルトイン型であるため、電源プラグ(図示せず)はキッチン家具600の設置時から常に商用(交流)電源に接続されている。
そのため、ユーザーは、主電源スイッチ20の操作ボタン20Aを押して電源を投入する(図54のステップSW1)。
すると、実施の形態1で説明したように、電源回路67の直流電源変換部(図示せず)を介して所定の低い電源電圧が制御装置40に供給され、制御装置40は起動される。
制御装置40自身の制御プログラムにより自己の異常有無の診断を開始する(SW2)。
第1の加熱手段HM1、第2の加熱手段HM2及び第3の加熱手段HM3の、それぞれの関係回路は、自身の異常の有無をチェックする。これらのチェック結果のデータは、前記制御装置40が集中して収集し、異常有無を判定する。
ステップSW2で「外部に起動情報送信」とあるが、これは通信部51から、キッチン601(図示せず)等の居住空間にある「統合情報管理装置」又は「統合電力制御装置」(HEMSコントローラ)等と呼ばれる「家庭内制御機器」(図示せず)に、加熱調理器1の運転開始の予告を行う運転情報信号を送信することをいう。または、無線ルーター340(図示せず)等のアクセスポイントを経由してネットワーク203、204、205に接続し、クラウドサーバ300に前記運転情報信号送信しても良い。
また、ステップSW2で「外部から情報(消費電力規制指令など)取得」とあるが、これは通信部51を介して前記家庭内制御機器(図示せず)や通信端末器200又はクラウドサーバ300等からの、指令信号や情報を取得することをいう。
ステップSW2では、通信部51は、前記家庭内制御機器にアクセスし、健康管理に有益な調理メニュー、レシピ情報等の情報を、事前にユーザーが設定していた範囲で取得する。例えば、事前にこの加熱調理器1のユーザーが、通信端末器200等を使ってインターネット回線経由でクラウドサーバ300に送信していた情報も、この制御装置40の起動直後に取得できる。なお、何らかの情報を取得した場合には、前記共通画面(待機時初期画面)16MHにおいて、情報を表示させても良い。
制御装置40は、加熱調理器1の異常が発見されない場合、表示部16を起動する。そして「異常がないので、調理を開始できること」旨を表示する(SW3)。なお、この初期時点での表示画面は、実施の形態1の図25等で説明した共通画面16MHである。
そのため、電源が入っていることを示した情報等の、待機時共通情報60Nが表示される。なお、これら表示と同時に、音声報知部50によって、同様な内容を音声で報知する。
次に上記のように異常判定が完了したあと、制御装置40は、表示部16と音声報知部50によって、加熱手段の選択を促すための報知と、音声ガイドを行う(SW4)。そして次のステップSW5に進む。
ステップSW5では、加熱室6のドア7が開放されているかどうかの判定が行われる。ドア7が閉じたままである場合には、ステップSW7に進む。
ステップSW7は、第1の加熱手段(誘導加熱手段)HM1を使用した「単独調理モード」KM1を選択する第3の選択手段として、入力キー153L又は153Rが操作されたかどうかを判定する。
ユーザーが、第1の加熱手段HM1の「単独調理モード」を選択するには、前記左操作部15Lの入力キ153L、又は右操作部15Rの入力キー153Rの、何れか1つを操作する必要がある。
そこで、このステップSW7では、前記入力キー153L又は153Rの、何れか1つが操作された場合、「Yes」と判定し、次のステップSW8に進む。入力キー153L又は153Rの、何れも操作されていないときは、ステップSW4に戻る。
ステップSW8では、前記共通画面16MHの表示を止め、代わりに第3特定画面16M3を表示する。なお、第3特定画面16M3は、実施の形態1の図26に示したものと同じである。
ステップSW5において、加熱室6のドア7が開放されていると判定した場合には、ステップSW6に進む。
ステップSW6は、連携調理モードKM3と複合調理モードKM2の受付を開始する処理である。
ステップSW6に進んだ瞬間に、前記通信部51から、「家庭内制御機器」(図示せず)やクラウドサーバー300に対して、この加熱調理器1は、外部からの調理条件データの取得が可能であり、また遠隔操作信号に応答した運転を行えることを示す特定の信号を、送信する。当該特定の信号は、前記運転情報データOSの1種としてクラウドサーバー300に送信される。
ここでいう「遠隔操作指令(情報)」とは、実施の形態2で説明した「遠隔操作指令(情報)」RSと同じ意味である。
この実施の形態4における「遠隔操作指令」とは、加熱調理器1の、連携調理モードKM3や複合調理モードKM2を含む全ての調理モードに対応した入力操作に関する指令と、当該連携調理モードや複合調理モード等における中央表示部16Mの表示指令信号、更には、右火力表示部16Rと左火力表示部16Lに関する表示指令を含む。
図54に示す「取得可能期間が始まるステップSW6以降、連携調理モードKM3の調理条件データ(レシピデータ)の受信と、複合調理モードの調理条件データの受信は、許可条件を満たす限り、かつ1回の受信だけは、前記制限部55に制限されない。
この実施の形態4における「遠隔操作指令」RSとは、火力や加熱時間等の制御条件を変更する指令を含む。しかし、火力(加熱能力)については、その火力を上げる(加熱能力を増大させる)変更の指令は含まず、火力を下げるだけの信号である。
更に、連携調理モードKM3を含む全ての調理モードにおいて、加熱動作を開始する指令となる情報は含まれない。従って、この遠隔操作指令RSによって加熱調理器1が加熱動作を開始する指令を受けることはない。
ステップSW9では、連携調理モードKM3を選択する第1の選択手段としての、入力キー153MCが操作されたかどうかを判定する。そして、連携調理モードKM3の調理条件データ(レシピデータ)の受信を許可し、外部から通信部51経由で調理条件データを受信する。なお、この場合、実施の形態1で説明したように「許可条件」の判定を行って、条件を満たす場合は、調理条件データ記憶部42に記憶される。
前記入力キー153Mが操作された場合、「Yes」と判定し、次のステップSW10に進む。
ステップSW10では、前記共通画面16MHの表示を止め、代わりに第1特定画面16M1を表示する。
一方、前記入力キー153Mが操作されない場合は、次のステップSW11に進む。
ステップSW11では、複合調理モードKM2を選択する第2の選択手段としての、入力キー154M又は155Mが操作されたかどうかを判定する。
前記入力キー154M又は155Mが操作された場合、複合調理モードKM2の調理条件データ(レシピデータ)の受信を許可し、外部から通信部51経由で調理条件データを受信する。そして当該調理条件データは、調理条件データ記憶部42に記憶される。そして、次のステップSW12に進む。
なお、ステップSW11では、複合調理モードKM2においても、特定の許可条件3を満たしているかどうかの判定が行われる。例えば、直前に使用した高温加熱調理の熱が残っていて、加熱室6の温度が高い場合(例えば、90℃以上)には、マイクロ波加熱調理を温度センサーに検知温度で自動制御する制御メニュー(図13で説明した「あたため」)は、実行できないので、判定結果は「No」となる。
ステップSW12では、前記共通画面16MHの表示を止め、代わりに第2特定画面16M2を表示する。
ステップSW11で、前記入力キー154Mと155Mの何れも操作されない場合は、前のステップSW9に戻る。
この図54から分かるように、ドア6が開けられた時点の次の段階(ステップSW6)からステップSW10又はステップSW12までの期間は、「取得可能期間」であり、調理条件データの取得が可能であり、遠隔操作指令RSを受信した運転が可能となる。
次に図55について説明する。
図55は、図54の動作ステップの続きを示したものである。
ステップSW10では、第1特定画面16M1が表示される。また、連携調理モードKM3を行うために入力操作部15によって入力を行うように、音声ガイドが行われる。
そして、次のステップSW13では、入力キー151Mが操作されたかどうかの判定が行われる。ここが「Yes」判定の場合には、次のステップSW14に進み、連携調理メニューに対応した加熱源で調理工程が開始される。なお、ここでいう調理工程は、調理工程1と調理工程2のケースと、調理工程3以降まで含めたケースの何れでも良い。
ステップSW15では、全ての調理工程(予熱工程や、延長工程を含む)が終わったかどうかの判定が行われる。調理工程が終わった場合には、ステップSW22に進む。
ステップSW22は、前記ステップSW4と殆ど同じである。しかし、一回加熱調理を行った直後であるので、加熱室6やトッププレート3が、高温になっている可能性が高い。そのため、ステップSW22では、高温部の存在に関する情報を、共通画面(初期待機画面)16MHにおいて表示する。
一方、ステップSW12では、第2特定画面16M2が表示される。また、複合調理モードKM2を行うために入力操作部15によって入力を行うように、音声ガイドが行われる。
そして、次のステップSW16では、入力キー151Mが操作されたかどうかの判定が行われる。ここが「Yes」判定の場合には、次のステップSW17に進み、複合調理メニューに対応した加熱源で調理工程が開始される。なお、ここでいう調理工程は、調理工程1と調理工程2のケースと、調理工程3以上まで含めたケースの何れでも良い。
ステップSW18では、全ての調理工程(予熱工程や、延長工程を含む)が終わったかどうかの判定が行われる。調理工程が終わった場合には、前述したステップSW22に進む。
次に、ステップSW8以降について説明する。
ステップSW8では、第3特定画面16M3が表示される。また、単独調理モードKM1を行うために入力操作部15によって入力を行うように、音声ガイドが行われる。
そして、次のステップSW19では、右加熱口4Rの右側操作部15Rにおける入力キー153Rが操作されたかどうかの判定が行われる。又は、左加熱口4Lの入力キー153Lが操作されたかどうかの判定が行われる。ここが「Yes」判定の場合には、次のステップSW20に進み、第1の加熱手段HM1による単独調理メニューの調理工程が開始される。なお、ここでいう調理工程は、調理工程1(予熱工程を含む)である。
ステップSW21では、全ての調理工程(予熱工程や、延長工程を含む)が終わったかどうかの判定が行われる。調理工程が終わった場合には、前述したステップSW22に進む。
この図55から分かるように、ステップSW10~SW15の期間と、ステップSW12~SW18の期間、及びステップSW8~SW21の期間は、何れも「遠隔操作非対応期間」である。つまり、これら「遠隔操作非対応期間」は、調理工程の終了(ステップSW15、SW18、SW21)まで継続する。つまり、外部からの遠隔操作は禁止する動作を制御装置40が行う。。
ステップSW15、SW18及びSW21の段階で、制御装置40は、前記「遠隔操作非対応」の処理を解除する。このため、ステップSW15又はSW18以降に、新たな加熱調理(例えば、誘導加熱の単独調理モード)を開始した場合、その調理工程の途中で、外部からの遠隔操作指令RSによって、例えば、最大消費電力値が抑制(ピークカット指令)を受ける場合もあり得る。
以上の説明では、「遠隔操作非対応」の期間は、連携調理モードKM3、複合調理モードKM2、単独調理モードKM1の、調理工程が全て終わった段階(ステップSW15、SW18、SW21)までであった。
しかしながら、これを変更しても良い。
例えば、調理工程1(予熱工程を含む)を右加熱口4Rで行う場合には、外部からの遠隔操作指令RSの対象が、前記右加熱口4Rに特定されたものである場合には、当該調理工程1の終了時点で、前記「遠隔操作非対応」の処理を解除しても良い。これは、左加熱口4Lでも同様である。
但し、共通の加熱室6を使用する第2の加熱手段HM2や第3の加熱手段HM3では、その一方だけについて前記「遠隔操作非対応」の処理を解除した場合、他方の加熱手段の加熱効果に悪影響を及ぼす可能性がある。
実施の形態4の総括.
以上のように、この実施の形態4に開示された加熱調理器1は、実施の形態2における加熱調理器1と類似している。
この実施の形態4では、第1の開示に関する加熱調理器1が、以下の形態で開示されていた。
すなわち、
被加熱物を、水平方向に離れた複数の加熱口4L、4Rで加熱する第1の加熱手段HM1(誘導加熱源)と、
前記加熱口と別の場所にある加熱室6で加熱調理する第2の加熱手段HM2と、
前記第2の加熱手段HM2と異なる加熱原理によって前記加熱室6を加熱する第3の加熱手段HM3と、
ユーザーの指令を受ける入力操作部15と、
前記入力操作部15からの指令を受ける制御装置40と、を備え、
前記入力操作部15は、第1モード選択部(連携調理モードKM3選択用の入力キー153M)と、第2モード選択部(複合調理モードKM2選択用の入力キー154M、155M)と、を備え、
前記第1モード選択部153Mは、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2を規定の順序で駆動させる連携調理モードKM3を選択するものであり、
前記第2モード選択部154M、155は、
(1)前記第2の加熱手段と前記第3の加熱手段を自動で組合せて併用する複合調理モードに属する複数の制御メニュー(例:レンジグリル調理)と、
(2)前記第2の加熱手段と前記第3の加熱手段の、何れかの1つを使用する単独調理モードKM1に属する複数の制御メニュー(例:レンジ手動)、
の中から、1つだけを選択する手段を兼用しており、
前記制御装置40は、前記連携調理モードKM3の調理を、調理条件データ1に基づいて実行する機能と、外部から取得した調理条件データ2に基づいて実行する機能とを有し、
前記調理条件データ2の取得は、前記入力操作部15(前記第1モード選択部153M)の入力に従って前記連携調理モードKM3の調理が選択される以前の待機期間(準備期間P1)中において、制限部55で制限される構成である。
つまり、前記制限部55は、調理条件データ2を外部から取得する期間を、準備期間P1の範囲で制限している。
更に、この実施の形態4では、第2の開示に関する加熱調理器1の特徴点として、前記制限部55が、一旦取得した調理条件データ2の調理工程が終了するまでの間、前記通信部51から新たな調理条件データを取得することを制限する構成を具備していた。
このため、連携調理の途中で不用意に別の調理メニュー(複合調理モードの制御メニューや単独調理モードの制御メニューを含む)を、受信することを防止し、安定して受信した調理条件データ2の調理メニューを実行することができる。
更に、調理工程の途中で不用意に別の調理メニューの調理条件データを受信することに起因して、制御装置40の動作に支障が起こったり、ユーザーに誤解や混乱を招いたりすることも防止できる。
この構成によれば、加熱調理器1側に保有している調理条件データ1に基づく連携調理動作と、外部から取得する調理条件データ2に基づく連携調理動作が干渉せず、ユーザーの混乱を招かず、使い勝手を向上することが期待できる。
また、調理条件データ2を前記通信端末器200から受信を開始することを許可する入力キー153Mは、連携調理モードを選択するキーを兼ねているため、入力操作部15における入力キーの設置数を増加させずに済み、ユーザーの操作性を損なうことがないという副次的効果も期待できる。
また、第1特定画面16M1は、連携調理モードKM3を開始する前提(許可条件1と許可条件2)を満たさない限り、表示されない。このため、連携調理モードKM3の各種条件(例えば、火力レベルや目標温度、加熱時間等)の設定(選択)をユーザーが行った後で、許可条件1又は許可条件2を満たさないと判定されて、最初の待機時初期画面16MH(図53のステップSU1)の段階まで強制的にステップが戻る、ということはない。そのため、ユーザーに無駄な入力操作を強いることがない。
また、第2特定画面16M2は、複合調理モードKM2を開始する前提(許可条件3)を満たさない限り、表示されない(ステップSW11、SW12参照)。このため、複合調理モードKM2の各種条件(例えば、マイクロ波出力値や目標温度、加熱時間等)の設定(選択)をユーザーが行った後で、許可条件3を満たさないと判定されて、最初の待機時初期画面16MH(図53のステップSU1)の段階まで強制的にステップが戻る、ということはない。そのため、ユーザーに無駄な入力操作を強いることがない。
この実施の形態4では、第4の開示に関する加熱調理システムが、以下の構成で開示されていた。
すなわち、
加熱能力又は加熱原理が異なる複数の加熱手段HM1~HM3を有し、少なくとも2つの場所で前記加熱手段によって順次被調理物を加熱する連携調理モードKM3の機能を備えた加熱調理器1と、前記加熱調理器1との間で通信を行う通信端末器200と、を備えた加熱調理システムであって、
前記加熱調理器1は、前記連携調理モードKM3の加熱調理動作を実行する調理条件データ(レシピデータ)1を有し、
前記通信端末器200は、前記連携調理モードKM3の加熱調理動作を実行するための調理条件データ2を生成又は保有する加熱調理器データベース217と、前記調理条件データ2を前記加熱調理器に送信する調理条件データ送信部(通信部210)と、を備え、
前記加熱調理器1は、前記調理条件データ1と、前記通信端末器200から受信した前記調理条件データ2とを、識別情報と対応させてそれぞれ保持する記憶部42と、ユーザーによる前記連携調理モードKM3の選択操作又は前記識別情報167の選択操作に応じて、前記記憶部42から前記調理条件データ1又は前記調理条件データ2を読み出し、前記連携調理モードKM3の調理に利用する加熱制御部43と、前記連携調理モードKM3の調理を開始する前の準備期間(入力禁止期間TC。図53参照)において、前記調理条件データ2の取得を制限する制限部55と、を備え、
前記制限部55は、取得した前記調理条件データ2が適用された調理メニューの調理工程が終了するまでの間、新たな調理条件データ2を取得することを制限することを特徴とする構成である。
このため、連携調理の途中で不用意に別の調理メニュー(複合調理モードの制御メニューや単独調理モードの制御メニューを含む)を、受信することを防止し、安定して受信した調理条件データ2の調理メニューを実行することができる。
更に、調理工程の途中で不用意に別の調理メニューの調理条件データを受信することに起因して、制御装置40の動作に支障が起こったり、ユーザーに誤解や混乱を招いたりすることも防止できる。
この実施の形態4では、第6の開示に関する加熱調理器1が、以下の構成で開示されていた。
すなわち、
本体2の上部において被加熱物を加熱する第1の加熱手段HM1と、
前記本体2の内部に配置された加熱室6に収容した被調理物を加熱する第2の加熱手段HM2と、
前記第2の加熱手段HM2と異なる加熱原理により前記加熱室6を加熱す第3の加熱手段HM3と、
入力操作部15と、
外部との無線通信を行う通信部51と、
表示部16と、
前記第1、第2、第3の加熱手段HM1、HM2、HM3をそれぞれ制御する制御装置40と、を備え、
前記制御装置40は、連携調理モードKM3と、複合調理モードKM2と、単独調理モードKM1と、を行う機能を有し、
前記制御装置40は、前記入力操作部15により主電源が投入された後、
(1)前記表示部16で待機時初期画面(共通画面)16MHを表示させ、
(2)前記連携調理モードKM3と前記複合調理モードKM2の何れかの選択用入力キー153M、154M、155Mを操作した場合、当該操作の早い方の前記連携調理モードKM3と前記複合調理モードKM2の、何れか一方に関する調理条件データの取得を行い、
(3)前記選択用入力キー153M、154M、155Mの操作に対応して、前記初期画面(共通画面)16MHの表示から、第1特定画面16M1又は第2特定画面2の何れか一方のみの表示に切り替え、
(4)前記第1特定画面16M1又は前記第2特定画面16M2が表示された状態で、前記入力操作部15からの調理開始指令を受ける待機状態を維持し、
(5)当該待機状態の期間(準備期間P1)中は、前記連携調理モードKM3と前記複合調理モードKM2の何れについても、前記通信部51から調理条件データの取得を制限(不許可)する構成であった。
このため、連携調理モードや複合調理モードで調理を行う際に、途中で不用意に別の調理メニュー(複合調理モードの制御メニュー)を、受信することを防止し、ユーザーの混乱や誤操作を招くことがなく、操作性を向上させることができる。
更に、前記待機状態の期間(準備期間P1)中は、前記通信部51から、遠隔操作信号に応答した運転を行わないことを示す特定の信号を送信すること、又は遠隔操作信号を受信しても、当該遠隔操作信号の指令を無視する遠隔操作非対応の処理を開始することの、少なくとも何れか一方の処理を行う構成であるため、外部からの遠隔操作信号の影響を受けず、安心して調理を継続することが期待できる。
更に、図55で説明したように、前記の(調理モード)選択用入力キー153M、154M、155Mの操作に対応して、前記初期画面(共通画面)16MHの表示から、第1特定画面16M1又は第2特定画面2の何れか一方の表示に切り替えた時点から、「遠隔操作指令」RSに従った動作を受け付けない「遠隔操作指令非対応期間」を、制御装置40の制御プログラムに設けていた。
このため、例えば、受信した1つの調理メニューのデータに含まれる制御条件(加熱温度や火力等)をユーザーAが確認している途中で、外部にいる別のユーザーBが通信端末器200で送信した遠隔操作指令RSによって、第1特定画面16M1又は第2特定画面2の何れかの表示内容が、ユーザーAの意図しないタイミングで変更されたり、消されたりすることを防止でき、ユーザーの混乱を防止し、また使い勝手を向上させることが期待できる。
実施の形態5.
図56は、実施の形態5に係る加熱調理器1の主要な機能を示した制御ブロック図である。図57は、図56の加熱調理器1において、複合調理モードに関する調理条件データを取得する動作を示すフローチャートである。図58は、図56に示す加熱調理器において、起動時の中央表示部の待機時初期画面の内容を説明する図である。図59は、図56に示す加熱調理器を利用した加熱調理システムの構成図である。なお、図1~図55に説明した各実施の形態の構成と、同一又は相当部分は、同じ符号を付けている。
この実施の形態5では、実施の形態1で示した加熱調理器1の制御装置40の構成を変更し、複合調理モードKM2の場合においても外部からの調理条件データの取得を制限する構成にしている。
図56について説明する。
図56は、実施の形態5に係る加熱調理器1の主要な機能を示した制御ブロック図である。この図56の構成は、実施の形態1の図11で示した構成と一部異なっている。
すなわち、制御装置40には、許可条件判定部54を有している。
前記許可条件判定部54は、実施の形態1で説明したように、連携調理モードKM3による調理を許可するかどうかの判定処理を行う。
更にこの実施の形態5では、前記許可条件判定部54は、加熱室6を使用する複合調理モードKM2による調理を許可するかどうかの判定処理を行う。この点が実施の形態1とは異なっている。
前記許可条件判定部54は、待機時初期画面16MHが表示された後、加熱室6の最新の温度を温度センサー群30によってチェックする。仮に、温度が80℃を超えていた場合には、「許可条件3を満たさない」と判定する。
次に、図57において、ステップST1~ST3は、図22で説明したものと同じであるため、重複した説明は省略する。
主電源スイッチ20が「ON」になった時点からステップST2又はステップ3の段階までに、制御装置40は加熱調理モードを選択できるように、入力操作部15の関係する入力キー(例えば、153M、154M)の入力機能を「無効」から「有効」に切り替える。
ステップST4では、中央表示部16Mには、待機時初期画面16MHが表示され、またユーザーへの使用上の注意情報の表示も行われる。具体的な表示画面は、図58に示している。このステップST4の段階では、外部から調理条件データ(レシピデータ)を取得できることを表示しない(音声報知部50でも報知しない)。
次のステップST11では、許可条件判定部54が「許可条件」を満たすかどうかについてチェックをする。加熱室6が、例えば前回使用したときの高熱が残っていて、例えば100℃を超えていることが温度センサー群30からの計測データで判明すると「許可条件3を満たさない」と判定する。
許可条件3を満たしていた場合には、次のステップST12では、待機時初期画面16MHの表示内容を一部変更し、外部サイトから調理条件データを取得できることを表示する。この例は、次の図58で説明する。
前記ステップST12の後、入力制御部15において具体的に各種入力キーの操作が行われたかどうかをチェックし、例えば、入力キー153Mが押されずに、入力キー154M又は155Mが押された場合には、「複合調理モード」KM2が選択されたことになるので、第2特定画面16M2の表示画面に切り替える。
一方、ステップST12で許可条件3を満たさないと判定された場合、ステップST13に進む。そしてステップST13では、加熱室6を使用する複合調理モードKM2は使用できない旨を表示して、ステップST4に戻る。
次に、図58について説明する。
図58は、図57で説明した各動作ステップに対応した中央表示部16Mの表示内容を示すものである。
図58に示すように、主電源スイッチ20をOFFにしている状態では、中央表示部16Mは起動されていないので、何も情報を表示していない。
主電源スイッチ20をONにした状態では、制御装置40は、前述したように異常有無等の自己診断を行ったあとで、図58の表示画面1を中央表示部16Mに表示させる。
図58の表示画面1において、60Aは、電源が入っていることを報知した表示文である。
表示画面1が表示されたあと、自動的に表示画面2A又は2Bが表示される場合がある。
更に、表示画面2A又は2Bが表示されたあと、自動的に表示画面2Cが表示される場合がある。
前記表示画面1~表示画面2Cが表示されている期間に、前記許可条件判定部54は、許可条件3を満たすかどうかの判定を行う。
許可条件3を満たすと判定されてステップST12に進んだ場合、前記表示画面1は、図58の表示画面2Dに変化する。つまり、外部のネットワーク201経由で専用のレシピ掲載サイトであるレシピ情報提供サーバ301に誘導するための、二次元情報(二次元コード)60Bを表示する。60Cは、二次元情報説明文である。
表示画面2Dは、ユーザーが各種調理モードを選択するまで表示が継続するが、例えば最初に表示されてから30分経過後に、安全上、主電源スイッチ20は自動的に「OFF」になる。
なお、図58に示している表示画面1、表示画面2A~2Dの、5つの表示画面は、「共通画面」又は「待機時初期画面」16MHと呼ぶ。
表示画面2Bにおいて、60Eは、加熱室6の内部が高温度になっていて、不用意に接触しないように警告した注意表示である。加熱室6でオーブン調理を実施したあとで、まだ加熱室6が十分冷え切っていないことを制御装置40が検知した場合、この表示画面2Bの状態に自動的に切り替わる。この検知は、前記した許可条件判定部54の判定結果を利用しても良い。
前記した通信端末器200によって、前記二次元コード60Bを光学的に読み込ませると、各種調理レシピの情報を保有した前記レシピ情報提供サーバ301に接続することができる。これらの二次元コード60B、二次元情報説明文60C及び前記表示文60Aは、「待機時共通情報」60Nの1種である。
前記ステップST11(図57)で「許可条件3を満たさない」と判定された場合、表示画面2Cには、判定結果の報知情報60Kが表示される。この図58の例では「加熱室が冷えるまで使用できない」という趣旨の報知情報60Kである。つまり、ユーザーにはこの待機時初期画面16MHの段階で事前に複合調理モードKM2が使用できないことを報知している。
次に、図56に示した制限部55の動作について説明する。
実施の形態2の図32、33で説明したように、通信部51を介して調理条件データを受信する場合、加熱調理器1側では、入力操作部15によって入力キー153Mや154Mを押す必要がある。
ユーザーが待機時初期画面16MHの段階で、入力キー154M又は155Mの何れかを押した場合、複合調理モードKM2を選択したことになる。
この段階で、加熱調理器1の制限部55は、データ取得部53が通信部51を介して調理条件データを取得することを制限しない状態となる。従って、入力キー154M又は155Mの何れかを押した時点から、外部からの調理条件データは、加熱調理器1で取得できるようになる。
また、実施の形態1~4で説明したように、入力キー153Mを最初に押した時点から、外部からの(連携調理モードKM3のための)調理条件データも、加熱調理器1で取得できるようになる。
なお、実施の形態2の図39で説明したように、外部から取得した特定の連携調理メニューを、別の連携調理メニューに変更することはできない。しかし、一旦取得した調理条件データをそのまま消去したくない場合には、入力キー152Mを押すと、調理条件データ記憶部42に一時的に保存できるようにしても良い。その場合には、保存指令の前に、待機時初期画面16MHとは異なる表示画面を表示して、何らかの付加情報を付けて保存しておくと後で利用する場合に検索が容易となる。
このような一時保存は、外部から取得した特定の連携調理メニューだけではなく、同様に通信部51経由で取得した複合調理メニューに関する調理条件データでも可能である。これがこの実施の形態5の特徴の1つである。
次に図59について説明する。この図59は、加熱調理器1を利用した加熱調理システムの構成図である。この図59の構成は、実施の形態1の図1~図3で示した構成と一部異なっている。
図59において、200Aは、スマートフォン等の通信端末器(携帯端末器)であり、加熱調理器1のユーザーが携帯している前記通信端末器200と異なり、前記ユーザーと同居する家族が使用するものである。
800は、冷凍庫を備えた冷蔵庫である。複数個の冷凍室(図示せず)は、例えばマイナス18℃±2℃、マイナス10℃、マイナス2℃等、冷凍食品(加工食品含む)や生鮮食材(肉、魚等)に適当な冷凍温度(温度帯)の冷凍室を選択できるようにしている。
前記冷蔵庫800は、通信端末器200との間で、双方向に無線通信401を行う機能がある。通信端末器200は、冷蔵庫から取得する在庫情報を取得できる。この在庫情報の種類(範囲)とは、例えば、冷凍食品だけに限定したり、マイクロ波加熱源(第2の加熱手段HM2)によって加熱できる食材だけに限定することである。このような在庫情報の取得範囲は、実施の形態1で説明した機能設定キー151KP(図示せず)によって、ユーザーが自由に設定できる。
冷蔵庫800に食品を入れる際に手動で食品の名称やその属性等のデータをインプットする方法、あるいは光学的又は磁気的に自動で食品等の情報を読み込んで在庫情報を蓄積する方法等、各種方法が提案されている。
本実施の形態5では、冷蔵庫800に食品を入れる際、あるいは収容した後の食品の特定について何ら制限を受けないので、何れの方法であっても良い。
冷蔵庫800は、収集した在庫情報SD1を、通信端末器200からの要求により、当該通信端末器200に送信する。また、加熱調理器1からクラウドサーバ300経由で、前記在庫情報の提供要求があれば、それに応答して最新の在庫情報(食材の保有データ)SD1を送信する。
なお、前記在庫情報(在庫データ)SD1とは、例えば、食品の種類(例えば、肉、野菜等)と分量が特定できる情報であると良い。冷凍食品の場合には、その食品名称(例えば、「ご飯」や「餃子」)と、その量(1人前や、重量200gなど)が特定できる情報であると良い。
前記冷蔵庫800は、図59では通信端末器200との間のみで無線通信401を行うように描いているが、冷蔵庫800のあるキッチン601(図示せず)や家屋に設置された無線ルーター340(図示せず)や情報処理装置(ホームゲートウェイ等)(図示せず)等のアクセスポイントを介して、前記クラウドサーバ300に、双方向通信できるネットワーク201で接続していても良い。
前記冷蔵庫800が、前記クラウドサーバ300との間に無線通信のネットワーク206を構築してあれば、前記在庫情報SD1は、通信端末器200、200Aを経由せずに、クラウドサーバ300へ提供できる。なお、この場合も、無線ルーター340等の中継機器が介在しても良い。
この実施の形態5では、前記加熱調理器1が加熱調理を終了した場合、その直後に、自動的にネットワーク205経由で、調理実施データCD9が送信される。
ここで「調理実施データ」CD9とは、以下の情報の少なくとも1つをいう。
(1)被調理物を特定できる識別情報167。例えば「からあげ」や「野菜炒め」等の被調理物の名称(略称を含む)。
(2)被調理物の重量又は容積に関する情報
(3)前記調理工程1と前記調理工程2の制御条件(例えば、マイクロ波出力500W、誘導加熱時の火力1500W又は「中火」)を示す情報
(4)前記調理工程1から前記調理工程2の終了までの所要時間を示す情報
(5)前記調理工程2(又は最終の調理工程)の終了時刻を示す情報
(6)予熱工程開始から全ての調理工程2の終了までの所要時間を示す情報
(7)加熱調理動作した加熱源(例えば、左IHコイル9L)を特定する情報
(8)次の加熱調理の際にユーザーが受ける制限に関する情報(例:加熱室6は、高温であるため、レンジ(自動)加熱は実行できないこと)
(9)前記加熱室6の現在温度等のユーザーの安全性に関係する情報
前記「(2)被調理物の重量又は容積に関する情報」は、例えば、「鳥のからあげ:300g」のような情報である。これは、調理工程1における被調理物(からあげ)の温度上昇速度から制御装置40が推測できる。
前記「調理実施データ」CD9は、冷蔵庫800に有益な情報となり得る。
例えば、「調理実施データ」の内、「(4)調理工程2の終了までの所要時間を示す情報」、「(5)終了時刻を示す情報」、「(6)全ての調理工程2の終了までの所要時間を示す情報」は、クラウドサーバ300の中に準備してある「スケジュール管理部」(図示せず)で活用できる。それらデータを蓄積することにより、各家庭での調理の集中時間帯が推定できることになる。
更に、前記「調理実施データ」は、前記スケジュール管理部(図示せず)で活用して調理の集中時間帯が推定できることから、その時間帯から冷蔵庫800に食品(加熱された食品の一部等)が収容されるタイミングが想定できるようになる。つまり、冷蔵庫800側での冷凍・冷蔵能力変更のタイミングや設定条件の変更制御に利用できる。
なお、クラウドサーバ300の中に準備してある「家族共有情報部」(図示せず)に、調理条件データCD7を含めた前記「調理実施データ」が自動的に送信される。
一方、前記家族共有情報部(図示せず)は、通信端末器200、200Aからの個々の要求(照会)が無くとも、自動的に加熱調理の完了と、その概要(少なくとも、調理を特定する識別情報167)の情報を随時送信する。
以上のような加熱調理システムであるため、ユーザーやその家族等において、加熱調理器1を有効に利用でき、利便性を向上させることが期待できる。
実施の形態5の総括.
以上の説明から明らかなように、この実施の形態5に開示された加熱調理器は、以下の特徴を有するものである。
すなわち、
被加熱物をトッププレート3の上に設定した複数の加熱部(加熱口4L、4M、4R)で加熱する第1の加熱手段HM1(誘導加熱源9)と、
前記加熱部と別の場所にある加熱室6で被調理物を加熱調理する第2の加熱手段HM2と、
ユーザーの指令を受ける入力操作部15と、
外部から調理条件データを受信する通信部51と、
調理の情報を表示する表示部16と、
前記入力操作部15からの指令を受ける制御装置40と、を備え、
前記入力操作部15には、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2を組み合わせた加熱動作を自動的に進行させる複合調理モードKM2を選択する入力キー154M、155Mを有し、
前記制御装置40は、前記複合調理モードKM2の調理を、前記通信部51経由で外部(クラウドサーバー300、通信端末器200)から取得した調理条件データに基づいて実行する機能を有し、
前記調理条件データの取得は、前記入力キー154M、155Mの入力機能が有効となり、かつ前記表示部16に特定の表示(待機時初期画面16MH)が行われたタイミングにおいて、前記入力キー154M、155Mが操作されたときに許可されることを特徴とする加熱調理器1を開示していた。
この構成によれば、加熱調理器1側に保有している調理条件データ1に基づく複合調理動作と、外部から取得する調理条件データ2に基づく複合調理動作が干渉せず、ユーザーの混乱を招かず、使い勝手を向上することが期待できる。
また、調理実施データ(調理データ)CD9を、通信端末器200、200Aを介してユーザーやその他家族が直ぐに知ることができるので、例えば、キッチン601(図示せず)と離れた場所においても調理の様子を知ることができる等、利便性が向上する。更に、冷蔵庫800でも調理実施データCD9を利用して効率良い運転の管理等、データ活用によってキッチン601(図示せず)での電気機器(冷蔵庫800、加熱調理器1など)の利便性が向上する。
更に、この実施の形態5では、加熱調理器1は、加熱制御部43と、特定の被調理物に対する前記連携調理モードKM3、複合調理モードKM2の加熱調理を実行させるため、前記通信部51を介して前記調理条件データ2を取得するデータ取得部53と、前記連携調理モードKM3及び複合調理モードKM2の調理を開始する前の待機期間P1中(「調理工程1」の前)に、前記データ取得部53が前記通信部51を介して前記調理条件データ2の取得を制限する制限部55と、を有した構成である。
この構成であるから、前記制限部55によって、連携調理モードKM3から複合調理モードKM2までの、幅広い各種の調理条件データ2を外部から取得することが可能であり、しかもそのような取得のタイミングを制限している。
更に、第1の開示に関する加熱調理器1を開示している。
すなわち、前記制限部55は、取得した調理条件データ2が適用された調理メニューの調理工程が終了するまでの間、前記通信部51から新たな調理条件データBを取得することを制限する構成である。
このため、連携調理の途中で不用意に別の調理メニュー(複合調理モードの制御メニューを含む)を、受信することを防止し、安定して受信した調理条件データ2の調理メニューを実行することができる。
更に、調理工程の途中で不用意に別の調理メニューの調理条件データを受信することに起因して、制御装置40の動作に支障が起こったり、ユーザーに誤解や混乱を招いたりすることも防止できる。
更に、この実施の形態5においては、第5の開示に関する加熱調理システムを以下の形態で開示していた。
すなわち、
被加熱物をトッププレート3の上に設定した加熱部(加熱口4L、4R)で加熱する第1の加熱手段HM1と、前記加熱部と別の場所にある加熱室6で被調理物を加熱調理する第2の加熱手段HM2と、を備えた加熱調理器1と、
前記加熱調理器1との間で通信を行う通信端末器200と、
を備えた加熱調理システムであって、
前記加熱調理器1は、特定の被調理物に対応した調理メニュー(例えば、連携調理メニュー)を有し、
前記加熱調理器1には、前記調理メニューを実行するための調理条件データ1を保有する機能を有し、
前記通信端末器200は、前記加熱調理器1に対して、前記調理条件データCD5を提供する機能と、前記加熱調理器1から、前記調理メニューの調理実施データCD9を取得する機能と、をそれぞれ有し、
前記加熱調理器1は、前記調理条件データCD5を前記通信端末器200から受信するタイミングを決定する制限部55を備え、
前記加熱調理器1は、特定の調理メニューの選択操作以降に前記調理条件データCD5の取得を許可し、取得した前記調理条件データに関する調理工程が終了するまでの間、新たな調理条件データの取得を制限すること、を特徴とする構成である。
また前記加熱調理器1の入力操作部は、複数の調理モード(連携調理モードKM3、複合調理モードKM2)の中から1つを選択する機能1と、特定の前記調理メニュー(例えば、「ハンバーグ」)を選択する機能2と、前記調理工程を開始する機能3(入力キー151M)と、前記機能1又は前記機能2によって選択した前記調理モード又は前記調理メニューを取り消す機能4(入力キー152M)と、を有し、
前記機能4によって前記調理モード又は前記調理メニューが前記調理工程の開始前に取り消された場合、前記加熱調理器1は、それ以後において前記調理条件データを取得することを制限しない構成の加熱調理システムを開示した。
このため、調理工程の開始前又は開始後に不用意に別の調理メニュー(複合調理モードの制御メニューを含む)を、受信することを防止し、安定して受信した調理条件データCD5、CD6の調理メニューを実行することができる。
更に、通信端末器200は、加熱調理器1から調理実施データCD9を取得することができるので、離れた場所から加熱調理器1の状況を把握でき、また実施した加熱調理の内容も知ることができ、便利である。
実施の形態6.
図60は、実施の形態6に係る加熱調理システムの構成図である。図61は、図60で使用した加熱調理器1の主要な制御機能部分を示すブロック構成図である。図62は、中央操作部を示す拡大平面図である。図63は、加熱調理器と外部(第1サーバ)との間の情報授受を、時系列で示す説明図1である。図64は、加熱調理器と外部(第1サーバ)との間の情報授受を、時系列で示す説明図2である。図65は、加熱調理器と外部(第1サーバ)との間の情報授受を、時系列で示す説明図3である。図66は、加熱調理器と外部(第1サーバ)との間の情報授受を、時系列で示す説明図4である。図67は、加熱調理器の加熱調理動作開始前の制御動作の全体を説明するためのフローチャートである。図68は、加熱調理器の動作例を示すタイムチャートである。図69は、加熱調理器において、調理条件データ(レシピデータ)取得可能区間と制御動作との全体を説明するためのタイムチャートである。図70は、図60に示した加熱調理システムで使用した第1サーバ動作を説明するフローチャートである。なお、図1~図59に説明した各実施の形態の構成と、同一又は相当部分は、同じ符号を付けている。
この実施の形態6では、実施の形態1で示したクラウドサーバ300の構成を変更している。また、加熱調理器1の入力操作部15と制御装置40の構成を変更している。
図60において、キッチン601の内部には、冷蔵庫800、加熱調理器1が設置されており、冷蔵庫800と加熱調理器1は、前記無線ルーター340と、それぞれ無線通信で情報の授受を行えるものである。
無線ルーター340は、インターネット等のネットワーク201のアクセスポイントでもある。無線ルーター340は、外部空間にある第1サーバ321にアクセスできる。
実施の形態1で説明したクラウドサーバ300は、この実施の形態6では、第1サーバ321と、第2サーバ322と、レシピ情報提供サーバ301とを含んでいる。
加熱調理器1は、情報処理端末器(スマートフォン)200との無線通信400によって、少なくとも調理条件データCDを取得できる。この調理条件データCDには、連携調理モードKM3の調理メニューを実行する調理制御データだけではなく、複合調理モードKM2の調理制御データも含まれる。
前記情報処理端末器200は、この実施の形態6においては、加熱調理器1のために無線ルーター340に直接通信できるので「通信端末器」と呼ぶ。この通信端末器200には、実施の形態2では加熱調理器データベース217と報知用データ223を最初から保有していたが、この実施の形態6では、前記報知用データ223と遠隔操作用データ224は、情報提供手段である第1サーバ321に、ネットワーク201(202)を介して接続し、その第1サーバ321からダウンロードして取得したものである。
通信端末器200は、加熱調理器1に対して調理条件データCDと、加熱調理動作を指令すること等の遠隔操作指令(情報)RSとを、それぞれ送信できる。
通信端末器200は、実施の形態2で説明したように、音声を所定の音声入力信号VSに変換する音声入力部222(図示せず)を有している。
従って、この通信端末器200に、ユーザーが発声すると、音声入力信号VSを、第2サーバ322に送信することができる。つまり、タッチ式の操作部に触れなくとも、必要な入力操作ができる。
ユーザーは、加熱調理器1が起動されているときに、音声によって通信端末器200に発話情報を与えて、例えば、レシピ情報提供サーバ301から希望する調理条件データを抽出し、加熱調理器1に提供することができる。
例えば、前記発話情報としては、音声入力信号VSを受信する相手が、第2サーバ322であるため、例えば「〇〇〇(第2サーバを特定する名称、愛称の一例)、連携調理のレシピを探して」等が挙げられる。
「〇〇〇、レシピを探して」という発話情報は、加熱調理器1に適用できる外部指令情報の1つである。
また、「〇〇〇、連携調理のレシピを探して」という発話情報は、加熱調理器1のための調理モードを指定する情報である。
さらに、「〇〇〇、レンジとIHで出来るレシピを探して」という発話情報は、連携調理モードKM3で可能な調理メニューを抽出する発話情報である。
これらの、発話情報は、第2サーバ322において、あらかじめ用意されているスタンダードコマンドに変換できる発話情報である。
ユーザーから通信端末器200に発せられた発話情報は、通信端末器200において、テキストデータに変換され、発話情報のテキストデータ(音声信号VS)、第2サーバ322に送信される。
第2サーバ322の制御部322Cは、入出力部322Aを介して、テキストデータ(音声信号VS)を受信し、記憶部322Rに記憶されているスタンダードコマンドに変換できるか否かを判断する。
制御部322Cは、発話情報(音声信号VS)のテキストデータからスタンダードコマンドとして用意されている各種コマンドに変換する。ここでいう「コマンド」には、前記レシピ情報提供サーバ301に格納されているレシピデータベース(調理条件データベース)の中から、1つの調理を実行するレシピデータ(調理条件データCD)を抽出する指令を含む。なお、前記入出力部322Aは、例えばAPIゲートウェイである。
第1サーバ321と第2サーバ322は、インターネット等のネットワーク205によって接続されている。
第2サーバ322の入出力部322Aから第1サーバ321に対しては、照会信号(照会データ)SNが送信される。この照会信号SNは、例えば前記調理条件データCDを、レシピ情報提供サーバ301から抽出することを要求する指令である。また、加熱調理器1の運転状態の各種データ(例えば、調理工程の内容や進捗度合い)を知りたい場合に、通信端末器200の入力操作で発生する指令信号である。つまり、これらデータは、ユーザーのための、操作支援データGSである。
なお、第2サーバ322は、加熱調理器1に特有の特殊な制御や処理を必要としないので、既存のサーバ、例えばAIアシスタント、インテリジェントアシスタント、スマートスピーカ等の各種システムのサーバを利用することができる。
図60に示している第1サーバ321は、加熱調理器1を製造した会社(メーカ)が運営しているものであり、加熱調理器1に特有の特殊な制御や処理を良く理解しているので、加熱調理器1の運転状態(加熱動作中、非加熱動作中の両方を含む)を正確に把握することが可能である。
第1サーバ321は、加熱調理器1から後述するように各種「運転状態データ」OS
を、前記無線ルーター340経由で随時取得する構成になっている。
前記運転状態データOSは、図62~図65に示すように、主電源スイッチ20のON-OFFを示すデータや、連携調理モードKM3の選択データ、加熱温度や加熱時間等の制御条件のデータ等、更にはトッププレート3や加熱室6の最新の温度計測データ等を含んでいる。
前記レシピ情報提供サーバ301は、第1サーバ321と無線通信で情報授受できるようになっている。なお、これらレシピ情報提供サーバ301や第1サーバ321を連携させる制御手段となるシステム制御サーバは図示していない。
前記レシピ情報提供サーバ301は、第1サーバ321の中に組み込んで一体化しても良い。
前記第1サーバ321は、個々の加熱調理器1が予め登録されており、個々の加熱調理器1から送信された前記運転状態データOSは、当該加熱調理器1のユーザーと対応付けて取得する構成になっている。
第1サーバ321には、前記無線ルーター340と前記第2サーバ322と、個々に無線通信を行うための入出力部321を有している。この入出力部321Aは、例えばAPIゲートウェイである。この入出力部321は、前記レシピ情報提供サーバ301からのレシピデータを受ける。
第1サーバ321には、制御部321Cを有する。この制御部321Cは、前記第2サーバ321からの照会信号(コマンド)SNを解読し、その照会信号SNに応答して必要な制御情報を生成し、第2サーバ322に送信する。
また、多数の加熱調理器1から送信されて来る前記運転状態データOSと、個々の加熱調理器1のユーザーを識別するユーザーID(特定情報)とを分析し、個々のユーザーの加熱調理器1を、記憶部321Rのユーザー識別データベースの情報から特定する。
更に、前記第1サーバ321には、前記レシピ情報提供サーバ301から取得した特定の調理メニューのレシピデータを、前記第2サーバ322に提供するタイミングを制御する機能もある。これについては後で詳しく説明する。
次に図61について説明する。
図61に示すように、入力操作部15には、ユーザーが発する音声をマイク(図示せず)で受けて所定の音声信号に変換する音声信号受信部56を有している。
一方、制御装置40には、前記音声信号受信部56からの音声信号を受けて、音声の内容を解析する音声信号解析部58を備えている。音声信号解析部58は、記憶装置41の中にある音声データベースの情報と比較し、音声信号受信部56で受信した音声の内容を解析し、加熱制御部43に解析結果を伝達する。
図61において、59は、人感知センサーである。超音波又は赤外線を加熱調理器1の前方に放射して、その反射入力を受信する受信部(図示せず)も有している。この人感知センサー59は、加熱室6の正面(前方)方向に赤外線を放射するように設置してある。なお、前記受信部が受信した信号の処理専用回路は設けておらず、制御装置40によって受信信号が解析され、人がいるかどうかの判定が行われる。
次に図62について説明する。
図62において、入力操作部15の中央操作部15Mには、音声入力を選択する入力キー180を配置している。この入力キー180は、機械的なスイッチでも良いし、入力キー153M~159Mのように、タッチ式入力スイッチの入力キーでも良い。
前記入力キー180を押した場合、その瞬間から「音声入力モード」が起動され、前記音声信号受信部56から音声信号があった場合、当該音声の内容を前記音声信号解析部58が逐一解析して解析結果を加熱制御部43に出力する。
前記入力キー180の後方にある個別発光部21は、当該入力キー180の入力機能が有効である場合に発光し、入力機能が無効になるまでの期間中、発光を継続する。
この実施の形態6では、トッププレート3上には、2つの加熱口4L、4Rしかないため、高温注意用発光素子(LED)群は、次のように3つの部分で構成されている。
左側にあるIH注意用発光素子(LED)314Lと、加熱室高温注意用発光素子(LED)314Mと、右側にあるIH高温注意用発光素子(LED)314Rとで構成されている。
中央操作部15Mで、入力キー153Mの左に隣接した位置には、機能設定用の入力キー151KPを配置している。
次に、この実施の形態6の加熱調理器1と外部との通信形態について説明する。
図63は、加熱調理器1と外部のクラウドサーバ300(第1サーバ321、第2サーバ322)との間の情報授受を、時系列で示す説明図である。
この実施の形態6の加熱調理器1は、以下に説明する構成である。
すなわち、トッププレート3の上で被加熱物を誘導加熱する第1の加熱手段HM1と、加熱室6と、前記加熱室6にマイクロ波を供給する第2の加熱手段HM2と、前記加熱室6を輻射熱で加熱する第3の加熱手段HM3と、音声報知部50と、通信部51と、表示部16と、制御装置40と、を有している。
、
前記制御装置40は、
待機時初期画面16MHを表示した後、
(1)前記第1の加熱手段HM1を単独で動作させるIH単独モード
(2)前記第2の加熱手段HM2を単独で動作させるレンジ単独調理モード
(3)前記第3の加熱手段HM3を単独で動作させるオーブン単独調理モード
(4)前記第2の加熱手段HM2と前記第3の加熱手段HM3の両方を同時に加熱動作させ、あるいは自動的に動作時期を異ならせて、前記加熱室6で加熱調理を行う複合調理モードKM2
(5)前記第2の加熱手段HM2と前記第3の加熱手段HM3の両方又は何れか一方と、前記第1の加熱手段HM1を、ユーザーからの指令によって長さが定まる移行期間TRを経て、順次動作させる連携調理モードKM3、
の動作プログラムを有し、
前記連携調理モードKM3は、前記加熱室6を使用して前記移行期間TRの前に行われる調理工程1と、前記移行期間TRの後に、前記トッププレート3の上方で行われる調理工程2と、を含み、
前記制御装置40は、加熱調理を実行する調理条件データCDを、第1サーバ321から受信するとともに、複数の運転状態情報SK1~SK16を前記第1サーバ321へ無線(ネットワーク205)で送信する機能を有し、
前記制御装置40は、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2とを使用した、複数の調理モード(連携調理モードKM3、複合調理モード、単独調理モードなど)に対応した加熱動作を制御する加熱制御部43と、特定の被調理物に関して、前記通信部51を介して前記調理条件データCDを取得するデータ取得部53と、前記データ取得部53が前記調理条件データCDの取得動作を制限する制限部55と、を有し、
前記制御装置40は、前記データ取得部53が前記調理条件データCDを取得し、当該調理条件データが適用される調理メニューの実行が確定した場合、前記運転状態情報の1つとして、外部からの更なる調理条件データCDの取得動作を制限する情報(受信制限データSK1B)を送信することを特徴とする構成である。
以下、構成の詳細を説明する。
まず、図63について説明する。
この実施の形態6では、加熱調理器1は、無線ルーター340を経由してインターネット(ネットワーク)205に接続されている。ネットワーク205には、図60で説明したように第1サーバ321、第2サーバ322等が接続される。
図63において、ステップSK1~SK11は、加熱調理器1の制御装置40の主要な動作を示したものである。このステップSK1~SK11は、以下の説明では加熱調理器1から第1サーバ321へ送信されたデータを示す場合にも使用することがある。
図63では、連携制御モードの実行が決定してから、調理工程2を終えるまでの期間の動作を、時系列で示している。
連携調理モードKM3が入力キー153Mによって選択されると、第1特定画面16M1が表示され、選択内容(例えば、被調理物は、「ハンバーグ」であることの情報も含む)は、第1特定画面16M1で表示し、また音声報知部50でも報知する。更に、通信部51から外部に送信する(ステップSK1)。なお、以後の説明では、加熱調理器1から送信した情報の送付先は、第1サーバ321であるという説明に限定する。つまり、第1サーバ321から先のデータ提供先を特定しない。
次に、連携調理モードKM3による加熱調理動作を開始したことを報知し、また通信部51から外部に送信する(ステップSK2)。
予熱工程が必要な調理である場合、予熱工程を開始したことを報知し、また通信部51から外部に送信する(ステップSK3)。
次に、実際に連携調理モードによる調理工程1を開始したことを報知し、また通信部51から外部に送信する(ステップSK4)。
次に、調理工程1において、誘導加熱が開始された時点から所定の時間(第1の時間TN1)を経過した時点で、参考情報1(FA1)の報知が行われる。また、この報知内容が、通信部51から外部に送信される(ステップSK5)。あるいは、所定の温度まで被加熱物の温度が上昇したことが検知されて、参考情報1が報知される(ステップSK5)。
次に、前記ステップSK5に対する外部からの情報を受信する(ステップSK6)。この情報には、例えば、火力を下げる等のリモート制御データを含む場合がある。
つまり、実施の形態2で説明した「遠隔操作指令」RSを含む場合がある。受信した情報の内容によっては、音声報知部50や表示部16で報知し、ユーザーに知らせる。特に、リモート(遠隔操作)信号の場合、ユーザーが無用の混乱を招かないように、報知は必要である。
次に、調理工程1が自動的に終了した場合、その内容が音声報知部50や表示部16で報知される。あるいは、ユーザーが手動にて任意のタイミングで調理工程1を停止した場合も、同様に報知される。そして外部へ情報が送信される(ステップSK7)。
前記ステップSK7の段階で、加熱動作は休止しており、移行期間(加熱休止期間)TRに入っている。
そして、ユーザーが調理工程2の準備をして、調理工程2の開始を指令した場合、移行期間TRを終えて、調理工程2を開始したことが音声報知部50や表示部16で報知される。
また通信部51から外部に情報を送信する(ステップSK8)。この場合、送信する情報には、調理工程2の加熱源の情報が含まれる。タイマー設定されて調理開始した場合には、タイマーの設定時間情報も含まれる。
次に、調理工程2において、例えば、マイクロ波加熱が開始された時点から所定の時間(第2の時間TN1)を経過した時点で、参考情報2(FA2)の内容について音声報知部50や表示部16によって報知が行われる。また、この報知内容が、通信部51から外部に送信される(ステップSK9)。あるいは、所定の温度まで被加熱物の温度が上昇したことが検知されて、参考情報2が報知される(ステップSK9)。
次に、前記ステップSK9で送信した情報に対する、外部からの情報を受信する(ステップSK10)。この受信情報には、例えば、火力を下げる等のリモート制御信号(実施の形態2で説明した「遠隔操作指令」RS)を含む場合がある。情報の内容によっては、音声報知部50や表示部16により報知し、ユーザーに知らせる。
次に、調理工程2が自動的に終了した場合、その内容が音声報知部50と表示部16で報知される。あるいは、ユーザーが手動にて任意のタイミングで調理工程2を停止した場合も、同様に報知される。そして外部へ情報が送信される(ステップSK11)。
以上の説明から明らかなように、加熱調理器1の動作内容は、リアルタイムで外部に送信されているので、送信内容を第1サーバ321経由で受信した通信端末器200では、キッチン601から離れた場所でも、加熱調理の進捗が把握できる。従って、特に、連携調理モードKM3では、1時間以上にも及ぶ比較的長い調理をする場合があるが、第1サーバ321経由で通信端末器200にはリアルタイムで運転情報が入ってくるので、家屋の中の別の部屋で通信端末器200で監視することも可能となる。
なお、第1サーバ321や通信端末器200から加熱調理器1への前記リモート制御信号(実施の形態2で説明した「遠隔操作指令」RSを含む)は、火力を下げることと、加熱調理動作を停止することの2つに制限しておけば、外部からの誤った操作によって加熱調理器1が誤った動作をする懸念もない。
ところで、実施の形態1と同様に、この実施の形態6においても、加熱調理器1で報知される「参考情報1」FA1として、加熱室6のドア7を開けること、次には加熱室6から加熱された食材を取り出すこと、の2つがある。
例えば、調理工程1においては、誘導加熱が開始された時点から所定の時間(第1の時間TN1)を経過した時点で、参考情報1(FA1)の報知が行われる。また、この報知内容が、通信部51から外部に送信される(ステップSK5)。あるいは、所定の温度まで被加熱物の温度が上昇したことが検知されて、参考情報1が報知される(ステップSK5)。
第1サーバー321は、前記参考情報1を受けて、調理工程の進捗度合いを制御部321Cは判定し、調理の進行情報を生成し、第2サーバー322へ送信する。
そのため、第2サーバー322から随時情報を取得できる通信端末器200では、上記のような参考情報1(FA1)に対応した内容として、実施の形態1の図47(B)に示したように、ドア7を開放することを示した準備作業参考画像509と、被調理物を受け皿と一緒に取り出すことを示した準備作業参考画像510が表示される。このような情報提供は、図63の調理工程2でも行われる。つまり、参考情報2(FA2)が、ステップSK9とSK10の段階でも、第1サーバー321、第2サーバー322を介して通信端末器200に提供される。
次に、図64について説明する。
図64は、図63に説明した準備期間P1における、制御装置40の動作を更に詳しく時系列で説明したものである。
図63に示した送信SK1~SK4までの期間には、以下のような制御動作が行われている。
図64において、SA1~SA9は、制御装置40の動作を示している。
最初に制御装置40は、主電源スイッチ20がONになったことを検知し(ステップSA1)、起動されたことを送信し(SKS)、自己診断モードを開始し(SA2)、各部分が異常でないかどうかをチェックする。
次に、表示部16を起動して待機時初期画面16MHを表示する(SA3)。
前記ステップSA3から所定の準備時間の後で自動的に通信部51から第1サーバ321に対して受信待機期間開始信号を送信する(SK1A)。
この受信待機期間開始信号(SK1A)は、「第1の受信待機期間開始信号」と呼ぶ場合がある。「第1の受信待機期間開始信号」は、加熱調理器1が外部に発信する「受信許可データ」であり、これを受けると第1サーバ321は、調理条件データを加熱調理器1が取得できる状況にあると判定できる。
また前記ステップSA3以降の段階で、連携調理モードKM3を入力キー153Mで選択したことが検出されると制御装置40は、連携調理モードKM3の選択信号(SK1)を送信する。
以上の説明から明らかなように、「受信待機期間」とは、外部(第1サーバ321)からの調理条件データCDを加熱調理器1が取得することが可能な期間である。従って、前記開始信号の送信SK1A以降は、加熱調理器1において外部からの調理条件データCDを受信できる。
また、前記「受信待機期間」は、第1サーバ321から調理条件データCDを取得することを許可している期間であり、これ以外のデータ、例えば、前記した遠隔操作指令RSのデータ受信を拒否している訳ではない。
前記開始信号の送信SK1A(又は連携調理モードKM3の選択信号の送信SK1)は、第1サーバ321に対する「受信許可データ」の送信に相当する。
次に、ユーザーが入力キー153Mを操作して、連携調理モードKM3を選択すると、選択内容(例えば、被調理物は、ハンバーグであることの情報も含む)が送信される(SK1B)。この送信データSK1Bは、前記開始信号の送信SK1Aを補完するものであり、第1サーバ321に対する「受信許可データ」の送信に相当する。
以上の説明から明らかなように、この図63に示す制御では、待機時初期画面16MHが表示された段階と、ユーザーが入力キー153Mを操作して、連携調理モードKM3を選択した段階(但し、まだ第1特定画面16M1が表示されていない段階)の、2つの段階で調理条件データCDの取得ができることを、それぞれ送信していることになる。この例のように「受信許可データ」の送信は、2回以上行う必要はないので、何れか一方だけにしても良い。
SA6は、ユーザーが入力キー153Mを操作して、連携調理モードKM3を選択した場合、実施の形態1で説明したように許可条件判定部54によって、連携調理モードKM3による調理を許可するかどうかの判定処理を行うステップである。
ここで、許可条件を満たすと判定されると、待機時初期画面16MHは、第1特定画面16M1に変更されて表示される。
SA7は、入力キー151Mの操作によって加熱操作開始の指令を受けたステップである。この段階で、外部から調理条件データCDの取得動作を制限する情報(受信制限データSK1B)を送信する。
この後、連携調理モードKM3による加熱調理動作を開始したことを報知し、また通信部51から外部に送信する(ステップSK2)。
予熱工程が必要な調理である場合、予熱工程を開始したことを報知し、また通信部51から外部に送信する(SA8)。そして、調理工程1を開始したことを報知し、外部に送信する(SA9)。
次に、図65について説明する。
図65は、図64と同様に、準備期間P1における制御装置40の動作を詳しく時系列で説明したものである。
図65では、準備期間P1において、中央操作部15Mの入力キー153Mによって連携調理モードKM3の選択が行われない場合を示している。代わりに、受信待機期間において、第1サーバ321から調理条件データCDが取得された場合を示している。
図65では、ステップSA4で示した連携調理モードの選択は、破線の枠で示しているが、これは、ユーザーが操作していないことを示している。
ステップSA5は、第1サーバ321から調理条件データCDが取得されたことを示している。また、このようなデータの取得事実を、第1サーバ321に返信(受信)応答信号として発信したことを示している。
この図65から明らかなように、受信待機期間開始信号を送信した時点(SK1A)以降は、入力キー153Mによって連携調理モードKM3の選択が行われない場合であっても、音声入力併用モードVMCの選択用入力キー180の操作があった時点で、受信待機期間開始信号が送信され(SK1A)、その後(ステップSA5)に第1サーバ321から調理条件データCDが取得される場合があり得る。
次に図66について説明する。図66は、連携制御モードKM3の調理工程2から調理工程2の終了、主電源スイッチ20がOFFになった時点までの動作を、時系列で示している。
連携調理モードKM3において、移行期間TR(休止期間P3)が終了し、調理工程2が開始され(ステップSA10)、その調理工程2が終了されると、所定の終了報知データと、「調理実施データ」が第1サーバ321に送信される。
なお、この調理実施データCD9とは、実施の形態2、特に図35で説明したようなデータである。
その後、加熱動作は停止され(SA11)、加熱終了信号が通信部51から送信される(SK12)。ここまでで調理工程2は完全に終了する。
次に、表示部16は、第1特定画面16M1から待機時初期画面16MHに自動的に復帰する。
すると、この段階で、調理条件データCDの取得動作の制限する期間を終了する情報(受信許可データSK13A)を送信する。この受信許可データ(SK13A)は、「第2の受信待機期間開始信号」と呼ぶ場合がある。
このため、この段階からは、前記許可データSK13Aの送信を受けた第1サーバ321から、調理条件データCDを取得した通信端末器200が加熱調理器1に対して調理条件データCDを送信すれば、当該調理条件データCDは加熱調理器1が取得可能である。なお、第1サーバ321から直接加熱調理器1に調理条件データCDを読み込ませることも可能である。従って、前記受信許可データSK13Aの送信以降は、外部からの調理条件データCDを受信できる。
ステップSA13では、経過時間の計測を開始する。ステップSA13からSA14までは、例えば30分間に設定されている。この30分間に何も入力操作部16から入力がない場合、また、音声信号受信部56も30分間に何も音声で入力入力がない場合、ステップSA14で「時間超過」の判定となり、強制的に電源が遮断される。
電源の遮断は、まず運転の終了予告の報知が音声報知部50で行われ、受信待機期間の終了を示す信号(受信制限データ)が送信され(SK14)、これ以前に行われた1回の加熱調理の調理実施データCD9が通信部51から送信される(SK15)。
この後、制御装置40は、自ら主電源スイッチ20を開放して電源遮断する。
ユーザーが手動にて任意のタイミングで主電源を切る場合も、調理実施データCD9が通信部51から送信される。そして、運転終了信号の送信が行われる(SK16)。
次に、図67について説明する。
図67は、加熱調理器1の調理開始前の制御動作の全体を説明するためのフローチャートである。電源投入から調理準備開始までの基本動作プログラムが、制御装置40の内部にある記憶装置41に格納されている。
ステップSV1~SV4までは、実施の形態4の図54に示したものと同じであるので、ステップSV4までは簡単に説明する。
主電源スイッチ20が閉じられる(ステップSV1)(図54のSW1と同じ)と、制御装置40が起動される。制御装置40自身の制御プログラムにより自己の異常有無の診断を開始する(SV1)(図54のSW2と同じ)。
ステップSV2では、通信部51から、キッチン601等の居住空間にある無線ルーター340に、加熱調理器1の運転開始の予告を行う。この予告信号の送信は、図64と図65で説明した起動信号送信SKSに相当する。
また、加熱調理器1から冷蔵庫800の在庫照会指令信号を前記無線ルーター340に発信する。
起動信号送信SKSを第1サーバー321が受けることにより、第2サーバー322経由で通信端末器200においても、加熱調理器1の起動を知ることができる。
制御装置40で異常が発見されない場合、表示部16と入力操作部16を起動し、音声報知部50によって、運転を開始する旨の音声ガイドを行う(SV3)(図54のSW3と同じ)。
また、使用する加熱源を選択することを促すため、表示部15に待機時初期画面16MHを表示し、また音声報知部50によっても、加熱源を選択するように促すための音声ガイドを行う(SV4)(SW4)。なお、この段階では、加熱源を選択するのではなく、連携調理モードKM3や複合調理モードKM2等の、調理モードを選択することでも良い。
図67には示していないが、入力キー180を押して「音声入力モード」に設定した場合には、この段階で、表示部16と音声報知部50において音声入力モードにしている旨の報知を行う。
一方、入力キー151KPを押して、「機能モード」に切り替え、表示部16の表示に従って設定操作をすると、ユーザーが保有する特定の前記通信端末器200を、1つの報知先として登録しておくことができる。
この実施の形態6の加熱調理器1は、上記のように「音声入力モード」に設定した場合、あるいはその他の状態で前記通信端末器200と相互に無線通信ができる状態にした場合でも、入力キー151KPを押した場合に可能となる「機能設定メニュー」を、音声入力では選択できない。また、通信端末器200からの入力でも変更できない。つまり、機能モードは、加熱調理器1の入力操作部15を、ユーザーが手指で直接操作した場合に制限しており、安全性を高めている。
次のステップSV5(SW5)では、入力操作部15において入力が完了したかどうかを判別する。実施の形態1で説明したように入力キー153Mや154M等が操作され、希望する連携調理メニュー(例えば、「からあげ」)や制御メニュー(例えば「レンジ手動」)等の選択を終えている場合は、このステップSV5は「Yes」になる。
次のステップSV6では、入力操作部15において入力キー151Mが押された場合、「Yes」となり、実際に加熱源の駆動が開始される(SV7)。なお、左加熱口4Lの場合には、入力キー153Lを押す必要がある。また、右加熱口4Rの場合は、入力キー153Rを押す必要がある。
一方、ステップSV5で入力操作部15からの入力が完了していなかった場合、30分間、入力を待つ。この30分間は、前記ステップSV4の段階で計測が開始されている。
ステップSV8では、30分間を超過しているかどうかの判定が行われ、30分超過の場合は、制御装置40は自動的に主電源スイッチ20をOFFにする(SV16)。
入力の猶予期間である前記30分間において、通信部51が外部から、調理条件データCDを受信しない限り、入力操作部15の入力の完了と、外部からの入力データの有無(ステップSV9、SV10)が、繰り返しチェックされる。
ステップSV9は、調理モードの入力があったかどうかの判定を行う処理である。入力キー153Mや154Mが押された場合や、入力キー180が操作され、その後、音声信号受信部56の入力があった場合には、このステップSV9は「Yes」となる。
通信部51が外部から調理条件データCDを受信した場合、ステップSV11では、連携調理モードKM3を指定したデータであるのか、それ以外であるのかを判別する。
連携調理モードKM3を指定する指令であった場合、ステップSV12に進む。
SV12は、実施の形態2の図36(B)で説明したような受信動作表示画面16MMの表示ステップである。
そして、次のステップSV13では、実施の形態1(特に、図22)で説明した「許可条件1」と「許可条件2」のような許可条件を満たすかどうかの判定が行われる。
このステップSV13で、許可条件を満たすと判定された場合には、ステップSV14に進み、「外部レシピ優先モード」の処理になる。
この「外部レシピ優先モード」とは、当該レシピデータで対象とする加熱調理の工程が終了しない限り、入力操作部15によっては、新たな連携調理モードKM3の選択ができないということである。つまり、別の連携調理モードKM3の調理メニューの選択や調理条件を、入力操作部15(音声信号受信部56を含む)を利用して設定できないことを意味する。
一方、連携調理モードでなかった場合、ステップSV11は「No」と判定され、ステップSV14に進む。
ステップSV14においては、ステップSV13の判定結果の表示が行われる。
次のステップSV15では、外部から指定された調理モードが、連携調理モードKM3の場合、表示部16には第1特定画面16M1が表示される。
外部から指定された調理モードが、複合調理モードKM2の場合、表示部16で第2特定画面16M2が表示される。一方、第1の加熱手段HM1の単独調理モードKM1の場合、表示部16で第3特定画面16M3が表示される。このステップSV15では、第1サーバー321に対して、調理条件データCDを受信した旨の情報を返信する。
前記ステップSV13の段階で、「許可条件1」、「許可条件2」を満たさないと判定された場合には、調理条件データCDを送信して来た第1サーバー321に対して、送信された調理条件データの調理メニューは許可できない旨の情報を返信する(ステップSV17)。
なお、前記ステップSV6の段階では、第1サーバー321で設定された制御条件(火力、マイクロ波出力、加熱時間、制御温度等)を、加熱調理器1で取得後、ユーザーが入力操作部15で、手動で変更するようにしても良い。ステップSV6の段階では、第1~第3特定画面16M1~16M3が、それぞれ表示されるので、通常の入力操作部15を使用してユーザーが直接入力するように、制御条件を設定しても良い。
次に、図68について説明する。
図68は、加熱調理器1の、主電源スイッチ20を投入した後の動作例を示すタイムチャートである。特に人感知センサー59と、音声信号受信部56の動作を中心に記載している。TL1~TL13は、加熱調理器1の動作又はユーザーの操作のタイミングを示すもので、TL1から発生順にTL13まである。
まず、主電源スイッチ20を閉じる(TL1)。
すると、人感知センサー59が、人の存在を感知する。人が感知された場合の感知信号は、制御装置40に送信される(TL2)。
入力操作部15の各種入力キーの入力機能は有効となる(TL3)。例えば、入力キー153M、154M、153R、153L等の入力が可能になる。なお、主電源スイッチ20の操作ボタン(キー)20Aは、これら入力キーよりも先に入力機能は有効になっているため、上記のように主電源を投入できる。
この実施の形態6では、音声入力を選択する入力キー180を配置している。この入力キー180を押すと、音声入力モードになるが、ユーザーが入力操作部15の入力キー153M等を直接タッチ操作することも許容している(TL4)。つまり、ユーザーが指で操作することと、音声で入力することの両方が可能である。
前記音声入力モードが設定されたTL4の時点以降に、ユーザーが音声入力又はタッチ操作によって、例えば連携調理モードKM3を選択した場合、TL5の段階で許可条件を満たしているかどうかの判定が行われる。ここでいう「許可条件」とは、実施の形態1で詳しく説明したので、説明は省略する。
先に加熱調理を行っていない段階で、入力キー153Mが押され、許可条件が満たされた場合には、加熱室6は連携調理モードKM3で占用状態となる(TL6)。
図67のステップSV9で説明したように、連携調理モードKM3の選択のための入力キー153Mが押された場合、又は入力キー180が操作され、その後、音声信号受信部56によって「連携調理」を選択する音声入力があった場合、それ以降に、外部データ(調理条件データCD)が取得できる制御ルールになっていた(図67のステップSV10参照)。
つまり、この実施の形態6においては、図68に示しているよう、音声信号受信部56の機能が有効になったステップTL4以降ならば、仮に外部から連携調理モードKM3の調理のための調理条件データCDを加熱調理器1が取得できる(ステップSA5)。
そして、許可条件を満たしている調理条件データCDであれば、ユーザーがその調理条件データCDによる調理を決定できる(TL7)。
その後、入力キー151Mが選択されると、連携調理モードKM3の調理工程1が開始され(TL8)、その後、休止期間(TL9)、調理工程2(TL10)を経て、調理終了となる(TL11)。そして、音声信号受信部56の入力機能は無効となる(TL12)。そのため、音声入力モードはこの時点で解除される。また、加熱室6の占用状態は解除される(TL13)。
なお、調理の開始は、音声では指令できない。仮に、音声信号受信部56に対して、「加熱開始」等の音声を入力しても、加熱制御部43は、加熱手段に駆動命令を出さない。これは、ユーザーの発声と混同するような音の入力があっても、ユーザーの意図しない加熱動作開始をしないように、安全性の面で音声入力モードの機能を制限してある。
なお、調理工程1~調理工程2が終わるまで、音声信号受信部56は依然として入力を受け付ける状態にしている。つまり、音声入力モードを維持させている。
このため、調理工程1を実行している段階で、ユーザーが別の調理も設定できる。例えば、使用していない左加熱口4Lで新たな加熱動作を開始することもできる。
上述したように、音声信号受信部56は、連携調理モードKM3の調理工程が全て終了した段階で、無効化される(TL12)。つまり、一旦、1つの調理が終了すると、再度ユーザーが入力キー180を操作しない限り、音声入力はできないようになっている。これによって、ユーザーが意図しないような調理の設定を防止している。
なお、1つの調理を実行している作業中、又は別の調理の準備作業を行っていて、入力操作部15のタッチ操作が難しい場面では、タッチ操作せずに、音声で加熱調理を指令することができる。
この構成であるから、別の調理を早く開始できるので、トータルの調理時間を短縮でき、ユーザーの負荷を軽減できることにも寄与する。
一方、機能設定モードを、入力キー151KPで変更できることは実施の形態1で説明したが、この実施の形態6では、機能設定モードによって、音声入力で加熱動作の開始も実行できるようにすることが特徴の1つである。
前記ステップTL2の段階以降で、外部から調理条件データCDを取得する前の段階(待機時)において、入力キー151KPを操作すれば、音声入力モードにして音声で加熱動作の開始から終了までを行えるように変更できる。
このような変更は、人感知センサー59によって人の存在が検知されている期間中だけである。例えば、ユーザーが加熱調理器1の近傍から離れた場所に行ってしまった場合には、機能設定モードの変更(特に、加熱動作の開始と、火力を大きくする変更)はできなくすることにより、安全性を担保している。
なお、ユーザーが加熱調理器1の近傍から離れたことが前記人感知センサー59で検知された場合、その時点で音声報知部50で警報を出しても良い。また、前記人感知センサー59で人の存在が検知できなくなった場合、音声入力モードは無効にしないが、加熱を停止することと、加熱手段の火力を下げることの、2つの指令だけに限定した入力だけは有効にするようにしても良い。
更には、ユーザーが加熱調理器1の近傍から離れたことが前記人感知センサー59で検知された場合、その状態を第1サーバー321に即時に通知するように、制御装置40のプログラムを変更しても良い。このようにすれば、第1サーバー321を利用して別の監視システムを起動したり、通信端末器200に警戒情報として情報を送信する等の措置が実現可能となる。
次に、図69について説明する。
図69は、加熱調理器1の、主電源スイッチ20を投入した後の動作例を示す、別のタイムチャートである。特に音声信号受信部56の動作を中心に記載している。TL1~TL8は、図68と同様に、加熱調理器1の動作又はユーザーの操作のタイミングを示すもので、TL1から発生順にTL8まである。図64~図66の動作と同じ部分については、同じ符号を付している。
まず、主電源スイッチ20を閉じる(SA1)。
前記制御装置40が起動し、自己の異常有無をチェックする。また、第1サーバ321に対して起動情報を送信する(SA2)。
人感知センサー59が、人の存在を感知する。人が感知された場合の感知信号は、制御装置40に送信され、入力操作部15の各種入力キーの入力機能は有効となる。そして、表示部15は起動され、待機時初期画面16MHを表示する。更に音声報知部50で初期の音声ガイダンスを行う(SA3)。
更に、表示部15では、加熱手段の選択を促す表示を行う。また、音声報知部50でも同様に、加熱手段を選択することを促す。なお、調理モードを選択することで自動的に加熱手段を選択する場合もある(例えば、第1の加熱手段HM1)(SA3A)。
この実施の形態6では、音声入力を選択する入力キー180を配置しているため、その入力キー180を押すと、その瞬間に音声入力モードが開始される(SA4)。しかし、ユーザーが入力操作部15の入力キー153M等を直接タッチ操作することも許容している。つまり、ユーザーが指で操作することと、音声で入力することの両方が可能である。
前記入力キー153Mが操作された時点(SA4)から、入力キー151Mで加熱動作の開始が指令される時点までの「取得可能期間」TB内は、図69に示しているように、調理条件データCDを外部から取得できる。
つまり、前記取得可能期間TBは、調理条件データ(レシピデータ)CDの取得可能期間TB1、取得した調理条件データ(レシピデータ)CDの取消可能期間TB2、及び取得した調理条件データ(レシピデータ)の制御データ変更可能期間TB3である。
そのため、このように外部から取得した調理条件データCDは、入力キー151Mを押す前の段階であれば、入力キー152Mを押して取り消すこともできる。
更に、外部から取得した調理条件データCDは、入力キー151Mを押す前の段階であれば、入力キー154M~157Mを押して、制御条件(例えば、加熱時間、加熱目標温度等)を任意に変更することもできる。
更に、ステップSA4~SA7の期間中には、既に取得した調理条件データCDと同じであるか、又は異なるデータであるかに関係なく、再度調理条件データCDは、データ取得部53が取得しない。
なお、図69において、ステップSA9は、実際に調理工程1が開始された段階を示している。例えば、第1の加熱手段HM1が誘導加熱源であれば、トッププレート3の上方で誘導加熱が開始された段階である。
次に図70について説明する。
図70は、第1サーバ321の動作ステップを示すものである。この図70は、第1サーバ321が前記運転状態データOS(受信待機期間開始信号SK1A)を受信した以降の主な動作を示したタイムチャートである。
図70において、SV20は、第1サーバ321が前記受信待機期間終了信号SK1Bを受信したステップを示している。
SV21は、「調理条件データCDの送信制限」のステップである。
前記「調理条件データCDの送信制限」の処理の1つは、レシピ情報提供サーバ301にアクセスして、調理条件データCDを取得すること(読み出し動作)を停止することである。
前記「調理条件データCDの送信制限」の処理のもう1つは、第2サーバ322に対して、前記レシピ情報提供サーバ301から取得した調理条件データCDを提供すること(送信動作)を停止することである。
これにより、前記ステップSV20以降において、通信端末器200がレシピ情報提供サーバ301から調理条件データCDを取得することができなくなる。
次のステップSV22は、加熱調理器1から受信待機期間開始信号(SK1A)の受信があったかどうかの判定ステップである。
ステップSV22が「Yes」の判定であった場合、次のステップSV24では、前記ステップSV21の制限が解除される。
前記ステップSV22が「No」の判定であった場合、次のステップSV23では、加熱調理器1から受信待機期間開始信号(第2の受信許可データSK13A)の受信があったかどうかの判定が行われる。
ステップSV23が「Yes」の判定であった場合、次のステップSV24では、前記ステップSV21の制限が解除される。
実施の形態6の総括.
以上のように、この実施の形態6では、第7の開示に関する加熱調理器1が、以下の構成で開示されていた。
すなわち、第1の場所となるトッププレート3の上方で被加熱物を加熱する第1の加熱手段HM1と、
前記第1の場所と離れた場所にある加熱室6で被調理物を加熱する第2の加熱手段HM2と、
ユーザーの指令を受ける入力操作部15と、
加熱調理を実行する調理条件データCDを、第1サーバ321から受信するとともに、複数の運転状態データOSを前記第1サーバ321へ無線で送信する通信部51と、
前記第1の加熱手段HM1、前記第2の加熱手段HM2及び前記通信部51を制御する制御装置40と、を備え、
前記制御装置40は、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2とを使用した、複数の調理モードに対応した加熱動作を制御する加熱制御部43と、特定の被調理物に関して、前記通信部51を介して前記調理条件データを取得するデータ取得部53と、前記データ取得部53が前記調理条件データCDの取得動作を制限する制限部55と、を有し、
前記制御装置40は、前記データ取得部53が前記調理条件データCDを取得し、当該調理条件データCDが適用される調理メニューの実行が確定した場合、前記運転状態情報OSの1つとして、更なる調理条件データCDの取得動作を制限する情報SK1Bを前記第1サーバ321に送信することを特徴とする構成である。
このため、例えば連携調理モードKM3の実行途中で不用意に別の調理メニュー(複合調理モードKM2の制御メニューや単独調理モードKM1の制御メニューを含む)を、受信することを防止し、安定して受信した調理条件データCDの調理メニューを実行することができる。
更に、調理工程の途中で不用意に別の調理メニューの調理条件データCDを受信することに起因して、制御装置40の動作に支障が起こったり、ユーザーに誤解や混乱を招くようなことも防止できる。
更に、この実施の形態6では、第8の開示に関する加熱調理器1が、以下の構成で開示されていた。
すなわち、第1の場所となるトッププレート3の上方で被加熱物を加熱する第1の加熱手段HM3と、
前記第1の場所と離れた場所にある加熱室6で被調理物を加熱する第2の加熱手段HM2と、
ユーザーの指令を受ける入力操作部15と、
加熱調理を実行する調理条件データCDを、第1サーバ321から受信するとともに、複数の運転状態データOSを前記第1サーバ321へ無線で送信する通信部51と、
前記第1の加熱手段HM1、前記第2の加熱手段HM2及び前記通信部51を制御する制御装置40と、を備え、
前記制御装置40は、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2とを使用した、複数の調理モードに対応した加熱動作を制御する加熱制御部43と、特定の被調理物に関して、前記通信部51を介して前記調理条件データCDを取得するデータ取得部53と、前記データ取得部53が前記調理条件データCDの取得動作を制限する制限部53と、を有し、
前記制御装置40は、前記データ取得部53が前記調理条件データCDを取得し、当該調理条件データCDが適用される調理メニューの実行が確定した場合、前記運転状態データの1つとして、外部からの更なる調理条件データの取得動作を制限する規制情報SK1Bを送信し、
前記制御装置40は、前記調理メニューの調理工程が終了した場合、前記運転状態データOSの1つとして、前記取得動作の制限を解除したことを示す解除情報SK13Aを送信することを特徴とする構成である。
このため、例えば連携調理モードKM3の実行途中で不用意に別の調理メニュー(複合調理モードKM2の制御メニューを含む)を、受信することを規制情報SK1Bを送信して確実に防止し、安定して受信した調理条件データCDの調理メニューを実行することができる。
更に、調理工程の途中で不用意に別の調理メニューの調理条件データCDを受信することに起因して、制御装置40の動作に支障が起こったり、ユーザーに誤解や混乱を招くようなことも防止できる。
この実施の形態6では、第9の開示に関する加熱調理システムが、以下の構成で開示されていた。
すなわち、
被加熱物を加熱する加熱調理器1と、
前記加熱調理器1と通信可能な第1サーバ321と、
前記第1サーバ321と通信可能な第2サーバ322と、
前記第2サーバ322と通信可能であり、ユーザーの入力を受け付ける操作部225と、
前記ユーザーが視認し得る情報を表示する表示部216と、を有する情報処理端末器(通信端末器)200とを備えており、
前記第1サーバ321は、前記加熱調理器1から運転情報データを受信する機能と、前記第2サーバ322から受信した調理条件データCD提供の要求Aに応じて、前記加熱調理器1の運転に利用される制御データ(前記調理条件データCDを含むを、当該第2サーバ322に送信する機能とを有し、
前記情報処理端末器(通信端末器)200は、前記入力操作部225に入力された指令情報を前記第2サーバ322に送信する機能と、前記第2サーバ322から受信した前記調理条件データCDの情報を前記表示部216に表示する機能とを有し、
前記第2サーバ322は、前記情報処理端末器(通信端末器)200から受信した前記指令情報の内容を認識し、当該指令情報の内容に対応した前記要求Aを前記第1サーバ321に送信する機能と、当該要求Aの送信に応じて前記第1サーバ321から受信した調理条件データを、前記情報処理端末器(通信端末器)200に送信する機能と、を有しており、
前記第1サーバ321は、前記第2サーバ322から前記調理条件データCD提供の要求Aを受けたときに、受信待機期間でない場合(解除情報SK13Aを受信していない場合)、要求された調理条件データCDを前記第2サーバに送信しないことを特徴とする構成である。
このため、この加熱調理システムによれば、例えば連携調理モードKM3の実行途中で不用意に別の調理メニュー(複合調理モードKM2の制御メニューや単独調理モードKM1の制御メニューを含む)を、受信することを、(解除情報SK13Aを受信していない限り)確実に防止し、安定して受信した調理条件データCDの調理メニューを実行することができる。
更に、調理工程の途中で不用意に別の調理メニューの調理条件データCDを受信することに起因して、制御装置40の動作に支障が起こったり、ユーザーに誤解や混乱を招くようなことも防止できる。
実施の形態7.
図71は、実施の形態7に係る加熱調理システムの構成図である。図72は、図71のシステムで使用した可搬式情報表示器の機能構成を示すブロック図である。図73は、通信端末器200と可搬式情報表示器900の表示内容を対比できるように並べて表示した説明図である。なお、図1~図70に説明した各実施の形態の構成と、同一又は相当部分は、同じ符号を付けている。
この実施の形態7では、実施の形態6で示したクラウドサーバ300の構成に接続される情報処理端末器の構成を変更し、表示画面のサイズが10インチ未満の小型の可搬式情報表示器(情報処理端末器の1種)900を利用していることが特徴である。
この実施の形態7では、情報処理端末器900は、実施の形態6のスマートフォンとは異なり、例えばタブレット型端末器又は小型のパーソナルコンピュータであり、無線通信機能を有している。
更に、前記可搬式情報表示器900は、実施の形態6の通信端末器200のように、ユーザーの音声情報を取得し、この音声データ(テキストデータ)VSを第2サーバー322に送信する。
第2サーバ322の制御部322Cは、前記音声入力信号VSを受信し、記憶部322Rに記憶されているスタンダードコマンドに変換できるか否かを判断する。
制御部322Cは、発話情報(音声入力信号VS)のテキストデータからスタンダードコマンドとして用意されている各種コマンド(遠隔操作信号RS)に変換する。
また、実施の形態6で説明したように、レシピ情報サーバ301の調理条件データベースの中から、目的のレシピデータ(調理条件データCD)を抽出する指令も発生させる。
但し、前記可搬式情報表示器900は、実施の形態6の通信端末器200のように、目的のレシピデータ(調理条件データCD)を加熱調理器1に向けて(無線ルーター340経由で)送信する機能がある。
次に、図72に示す可搬式情報表示器900について説明する。
タブレット型端末器や小型のパーソナルコンピュータ等の可搬式情報表示器900は、送信部及び受信部910と、通信制御部911と、中央処理装置(CPU)912と、ROM及びRAM913と、スピーカ914と、タッチ式の操作部915と、10インチ程度のサイズの表示画面900Dを有する端末側表示部916と、加熱調理器データベース(記憶部)917と、遠隔操作情報生成部919と、記憶部920と、を有している。
922は、ユーザー等の音声を入力信号に変える音声入力部である。
前記タッチ式の操作部915、端末側表示部916及び音声入力部922とは、ハードウエア上では一体化されて、表示操作部925となっている。なお、前記音声入力部922からの音声信号を解析し、用語検索、情報検索等を行う検索部は図示していない。検索機能は、第2情報サーバ322が担当する。但し、この可搬式情報表示器900の内部に備えても良い。
前記中央処理装置912は、第2サーバ322の入出力部322Aから受信した操作支援データGSを、前記遠隔操作情報生成部919に入力する。
前記中央処理装置912には、調理条件データ取得部930と、調理条件データ送信部931と、端末側レシピ選択部932と、をそれぞれ有している。なお、これら調理条件データ取得部930、調理条件データ送信部931及び端末側レシピ選択部932は、全体が1つのコンピュータプログラムによって機能的に実現されていても良いし、別々の制御回路で構成されていても良い。
前記加熱調理器データベース917は、加熱調理器1の中央表示部16Mと音声報知部50のための報知情報(画像情報を含む)を生成するため、加熱調理器1の「報知用データ」923を保有している。
また、前記加熱調理器データベース917は、加熱調理器1の制御装置40用の「遠隔操作指令(信号)」RSのデータも保有している。
前記報知用データ923と遠隔操作用データ924は、最初からこの可搬式情報表示器900に記憶させておいても良いが、情報提供手段である第1サーバ321に、第2サーバ322を介して接続し、その第1サーバ321からダウンロードして取得したものでも良い。つまり、加熱調理器データベース917は、固定的に記憶させて構築しておく必要はなく、必要に応じて情報を取得して、一時的に揮発性のメモリーに格納した形態であってもよい。
前記加熱調理器データベース917は、加熱調理器1で行う各種調理、特に連携調理モードKM3で使用することができる調理メニュー(例えば、「ラタトゥイユ」)の調理条件データCDを、前記第1サーバ321経由でレシピ情報提供サーバ301から取得しても良い。
前記遠隔操作情報生成部924は、加熱調理器1から前記中央処理装置912経由で取得した信号と、前記表示操作部925からの入力信号とを、それぞれ処理し、加熱調理器1用の遠隔操作指令(情報)RSを生成する。
ここでいう「遠隔操作指令」とは、加熱調理器1の、連携調理モードKM3や複合調理モードKM2を含む全ての調理モードに対応した入力操作に関する指令と、当該連携調理モードや複合調理モード等における中央表示部16Mの表示指令、更には、右火力表示部16Rと左火力表示部16Lに関する表示指令を含む。但し、連携調理モードKM3を含む全ての調理モードにおいて、加熱動作を開始する指令となる情報は含まれない。従って、この遠隔操作指令によって第1サーバ321と加熱調理器1の何れも、加熱動作を開始する指令を可搬式情報表示器900から受けることはない。
なお、加熱調理器1の機能設定キー151KPで設定できる各種機能の指令情報は、可搬式情報表示器900からは送信できないし、また当該表示器900では生成できない。
前記中央処理装置912は、ROM・RAMに格納されている制御プログラムに従って、可搬式情報表示器900全体の処理を実行するものであり、処理を実行する過程で必要なデータをROM・RAMから読み出したり、処理を実行する過程で生成したデータを、前記ROM・RAMに格納したりする。
記憶部920は、半導体製の不揮発性メモリーであり、前記送信部及び受信部910から読み込んだ、第1サーバ321から随時提供される加熱調理器1の運転情報データOSを記憶させておくことができる。
また、記憶部920は、第1サーバ321からダウンロード(読み込み)した、特定の調理メニューの、前記調理条件データCDを一時的に保管することに利用される。
ユーザーが、可搬式情報表示器900の端末側表示部916の特定部位にタッチすると、このタッチ信号を基礎にして前記遠隔操作情報生成部919は、遠隔操作指令を生成する。また、音声で入力した音声データVSも、第2サーバ322で遠隔操作指令RSに変換される。
前記遠隔操作指令RSは、送信部及び受信部910から第1サーバ321へ送信される。第1サーバ321は、第2サーバ322からの遠隔操作指令RSを受けて、必要な遠隔操作指令の情報(信号)を発生させ、加熱調理器1に送信する。
加熱調理器1が既に電力が供給されて起動済であれば、前記加熱調理器1の制御装置40は、受信した前記遠隔操作指令RSを、調理モード選択指令など、各種の入力操作指令として扱う。例えば、連携調理モードKM3に関する遠隔操作指令を受信した場合、これによって、中央表示部16Mの待機時初期画面16MHは、連携調理モードKM3における1つの調理メニュー(例えば、ハンバーグ)の選択画面(第1特定画面16M1)へと遷移する。
加熱調理器1は、可搬式情報表示器900の遠隔操作指令RSに応じて無条件に動作する訳ではない。
また、第1サーバ321自体も、加熱調理器1から随時受信する運転情報データOSの中に、実施の形態6の、特に図64と図65及び図70で説明したような「受信許可データ」がなく、また「受信制限データ」が無い場合に、調理条件データCDを送信する。つまり、図70で説明した「受信待機期間開始信号」(SK1A)を受信した以降、第1サーバ321は、調理条件データCDを加熱調理器1に対して送信することを一時的に禁止する。
この実施の形態7では、前記可搬式情報表示器900が、実施の形態6の通信端末器200の表示画面のように小さな表示画面ではなく、その数倍程度の表示面積を有する端末側表示部900Dを有している利点を利用して、主に調理条件データCDの確認(閲覧)と、その制御条件の変更を行う場面で活用される。
従って、この実施の形態7では、前記可搬式情報表示器900が適当な調理条件データCDを第2サーバ322経由で、ネットワークを介して繋がっている第1サーバ321の所定エリアに格納し、加熱調理器1からの要求でそれを第1サーバ321経由で提供できる機能がある。
例えば、第1サーバ321の中に構築した「家族の食事」データ記録欄に、前記可搬式情報表示器900を使用して随時お好みのレシピデータを蓄積しておけば、それを適時加熱調理器1の使用時に取得して、調理に何回も使用することができるという利用方法が得られる。
一方、この実施の形態7では、前記可搬式情報表示器900側で送信の宛先を設定すれば、第2サーバ322経由で取得した調理条件データCDを、加熱調理器1に対して提供できる機能がある。
前記可搬式情報表示器900から加熱調理器1に対して調理条件データCDを送信しても、加熱調理器1側には、調理条件データCDを取得するタイミングに制限機能があるため、加熱調理器1の動作、特に加熱調理工程を開始する前の段階を不安定にしたり、その他の障害を招く懸念はない。
次に図73について説明する。
図73は、通信端末器200と可搬式情報表示器900の表示内容を対比できるように並べて表示した説明図であり、両者の大きさが同等になるように描いており、実際の外形寸法は、可搬式情報表示器900の方が2倍以上大きい。
図73は、第1サーバー321又は第2サーバー322を利用した「リモートプッシュ通知」の例である。ここでいう「リモートプッシュ通知」とは、ネットワーク201(204)を介してインターネット接続をしているユーザーに対し、アプリ配信プラットフォームとして機能する第1サーバー321又は第2サーバー322経由で、送信される通知をいう。
この図73の例では、運転情報データOSを受けた第1サーバー321が、実施の形態6の、特に図64と図65及び図70で説明したような「連携制御モードの選択信号送信」SK1(SK1B)を受けた時点で、「リモートプッシュ通知A」の通知情報を生成し、事前に登録された通知先へ通知を行う。通知は、以下の例では、一定の範囲の文字情報で行われるが、図形等の画像情報でも良い。一般的には、メッセージ通知やチャット通知等と呼ばれている。
図73(A)は、通信端末器200を示し、図73(B)は、可搬式情報表示器900を示している。
図73(A)において、540は、お知らせ画面(表示部)である。
前記第1サーバー321からの上記「リモートプッシュ通知A」の通知情報を受けた第2サーバー322が、「リモートプッシュ通知B」を生成し、通信端末器200に送信する。なお、この「リモートプッシュ通知A」と「リモートプッシュ通知B」は、含まれた情報が同一でも良いし、趣旨が同じであれば、表現や形式等が異なっていても良い。
通信端末器200は、前記「リモートプッシュ通知B」を受信すると、適当なポップアップ画面画像を生成し、ユーザーの注意を喚起するような形式で、お知らせ情報541を端末側表示部(端末側表示画面)216に表示する。
図73(A)に示しているように、前記お知らせ情報541によれば、加熱調理器1が現在、レシピデータ(調理条件データ)を受信できない状態にあることが分かる。
なお、お薦めの情報も、ユーザーが入力キー542、543にタッチすれば、別の表示画面に切り替わり、有用な情報をユーザーに提供できる。
次に、図73(B)の可搬式情報表示器900について説明する。
図73(B)において、901は、お知らせ画面(表示部)である。これは、表示画面900に一時的に表示される。
前記第1サーバー321からの上記「リモートプッシュ通知A」の通知情報を受けた第2サーバー322が、「リモートプッシュ通知B」を生成し、可搬式情報表示器900に送信する。なお、この「リモートプッシュ通知A」と「リモートプッシュ通知B」は、含まれた情報が同一でも良いし、趣旨が同じであれば、表現や形式等が異なっていても良い。
可搬式情報表示器900は、前記「リモートプッシュ通知B」を受信すると、適当なポップアップ画面画像を生成し、ユーザーの注意を喚起するような形式で、お知らせ情報902を表示画面900Dに表示する。903は、図73(B)のようなポップアップ画面を閉じる入力キー(アイコン)である。
図73(B)に示しているように、前記お知らせ情報902によれば、加熱調理器1が現在、レシピデータ(調理条件データ)を受信できない状態にあることが分かる。
なお、この図73(B)では、図73(A)に示したような、お薦め情報を確認できる入力キー542、543に相当するものを表示していないが、同様な入力キー(アイコン)を表示させて、通信端末器200で確認できる最新の情報(リモートプッシュ通知によるリアルタイム情報)と、可搬式情報表示器900で確認できる最新の情報(リモートプッシュ通知によるリアルタイム情報)とに、差異が生じないようにしても良い。
なお、この実施の形態7は、図71に示したように、通信端末器200と可搬式情報表示器900とを、同時に使用することを前提にしたものではないので、何れか一方だけを使用しても良い。
次に、図74について説明する。
図74は、加熱調理器1の、主電源スイッチ20を投入した後の動作例と、可搬式情報表示器900及び第1サーバ321の動作をそれぞれ示すタイムチャートである。
T1~T22は、加熱調理器1や可搬式情報表示器900等の動作又はユーザーの操作のタイミング(ステップ)を示すもので、T1から発生順に記載しているが、実際の製品では、これと異なる順序になる場合もある。
まず、ユーザーが加熱調理器1の起動(ステップT1)を行う。主電源スイッチ20を閉じる(ステップT2)。
なお、人感知センサー59の感知信号や、制御装置40への送信等はこの図76には記載していない。
加熱調理器1は、起動信号(SKS)を第1サーバ321に送信する(ステップT4)。
この実施の形態7では、音声入力部922を有した可搬式情報表示器900を使用可能であるが、この図74では、同じように音声入力部222を有した通信端末器200を使用することができる。
そこで、この図74では、可搬式情報表示器900をユーザーが起動する(ステップT3)。可搬式情報表示器900には、レシピ取得機能を利用するために、第1サーバ321にアクセスしてレシピ選択用のアプリケーション(レシピ選択アプリ)を、事前にインストールしてあるので、ここでレシピ選択アプリが起動される(T5)。
ユーザーが可搬式情報表示器900を、タッチ操作(タッチ操作部915)や音声入力(音声入力部922)で操作して(T6)、目的のレシピ(調理条件データ)の内容を、可搬式情報表示器900の表示部916に表示させて、確認したり、条件を変更したりすることができる(T8)。
一方、加熱調理器1では、待機時初期画面16MHが表示され、ユーザーに対して調理モードや調理メニューの選択を求める(T7)。そして、受信待機期間開始信号(SK1A)を自動的に第1サーバ321に送信する(T9)。
なお、実施の形態6(図68)では、連携調理モードの選択(ステップSA4)では、音声入力併用モードVMCの選択用入力キー180を操作したことを条件に、その後に受信待機期間開始信号(SK1A)を自動的に第1サーバ321に送信した。
しかし、この実施の形態7では、待機時初期画面16MHが表示された直後に、受信待機期間開始信号(SK1A)を送信する点で、実施の形態6とは異なる。
ユーザーが、可搬式情報表示器900に取得しているレシピ(調理条件データ)を加熱調理器1に読み込ませる操作をすると(T10)、可搬式情報表示器900は自動接続の動作を開始する(T12)。
一方、前記受信待機期間開始信号(SK1A)を受信した第1サーバ321は、加熱調理器1の最新状態に対応して、「運転状態データ」を可搬式情報表示器900に送信する。この場合、必ずしも可搬式情報表示器900表示部916にポップアップ画面を表示することは要求しない。しかし、可搬式情報表示器900側では、加熱調理器1が調理条件データを受信する対応になっていることが事前に分かる。
可搬式情報表示器900と加熱調理器1との間では、相互認証を行ってあるから、可搬式情報表示器900から、自動接続のための信号(「スキャン信号」ともいう)を送信すると、加熱調理器1との間で、自動接続のための相互通信が行われる。なお、加熱調理器1側からスキャン信号を送信しても良い(T13)。
加熱調理器1と可搬式情報表示器900との間の接続が確立すると、加熱調理器1と可搬式情報表示器900の間で、相互に直接無線通信できる状態が継続する。
つまり、可搬式情報表示器900がユーザーの移動に伴って移動して加熱調理器1との距離が離れると、一時的に通信できない状態になる場合があるが、通信可能な範囲(距離)に戻れば、自動的に接続状態は回復する。このような接続が行われる(T14)。
この後、可搬式情報表示器900から加熱調理器1に調理条件データが送信される(なお、送信の直前において、可搬式情報表示器900は、ユーザーに再確認を求めるステップを設けても良い)(T15)。
加熱調理器1に調理条件データが完全に送信されると、加熱調理器1から受信完了の報知が行われる(T16)。
加熱調理器1では、取得した調理条件データは、調理条件データ記憶部42に一時的に格納する。制御装置40は、一定のフォーマットで送信されている調理条件データを解析し、許可条件を満たしているかどうかを判定する(T17)。
許可条件を満たした場合、制御装置40は、調理条件データ記憶部42に一時的に記憶している調理条件データを、正規の調理条件データとして取り扱う。
また、中央表示部15の待機時初期画面16MHの表示を止め、代わりに第1特定画面16M1~第3特定画面16M3の何れか1つを表示する(T17)。
加熱調理器1は、受信待機期間終了信号(SK1B)を可搬式情報表示器900に送信する(T18)。また、同様に受信待機期間終了信号(SK1B)を第1サーバ321に送信する(T20)。これらにより、通信端末器200と第1サーバ321側からの調理条件データの送信は、可搬式情報表示器900と第1サーバ321側で自動的に禁止される。
なお、可搬式情報表示器900は、加熱調理器1への調理条件データの移送が完了したので、自動的に接続を遮断するように動作するものであっても良い(T19)。
ユーザーが加熱調理器1の入力操作部15を操作すると(T21)、加熱調理器1は、可搬式情報表示器900から取得した調理条件データに従って、例えば、連携調理モードKM3による特定の調理メニューの実行が確定する(T22)。
なお、この図76から明らかなように、待機時初期画面16MHが表示された時点(ステップT7)から、特定の調理モードによる特定の調理メニュー(又は制御メニュー)の実行が確定した時点(ステップT22)までの期間が、初期待機期間TPである。
なお、この実施の形態7においても、調理の開始は、可搬式情報表示器900に対する音声入力では指令できない。仮に、音声入力部922に対して、「加熱開始」等の音声を入力しても、中央処理装置912では、加熱調理器1に対する加熱動作開始の命令を生成しない。このように、この実施の形態7では、ユーザーの発声と混同するような音の入力があっても、ユーザーの意図しない加熱動作開始をしないように、安全性の面で音声入力併用モードの機能を制限してある。
なお、可搬式情報表示器900に代えて、実施の形態1~6で説明したような通信端末器200を利用しても良い。
実施の形態7の総括.
以上のように、この実施の形態7では、第10の開示に関する加熱調理システムが、以下の構成で開示されていた。
すなわち、実施の形態7においては、
被加熱物を加熱する加熱調理器1と、
前記加熱調理器1と通信可能な第1サーバ321と、
前記第1サーバ321と通信可能な第2サーバ322と、
前記第2サーバ322と通信可能であり、ユーザーの入力を受け付ける入力操作部と、
前記ユーザーが視認し得る情報を表示する表示部と、を有する情報処理端末器(可搬式情報表示器)900とを備えており、
前記第1サーバ321は、前記加熱調理器1の運転状態データOSを前記加熱調理器1から受信する機能と、前記第2サーバ322から受信した調理条件データ提供の要求Aに応じて、前記加熱調理器1の運転に関して前記情報処理端末器(可搬式情報表示器)900の端末側表示部900Dに表示させるべき表示情報を、当該第2サーバ322に送信する機能とを有し、
前記情報処理端末器(可搬式情報表示器)900は、前記入力操作部に入力された指令情報を前記第2サーバ322に送信する機能と、前記第2サーバ322から受信した調理条件データCDの情報を前記端末側表示部900Dに表示する機能とを有し、
前記第2サーバ322は、前記情報処理端末器(可搬式情報表示器)900から受信した前記指令情報の内容を認識し、当該指令情報の内容から特定した前記調理条件データCD提供の要求Aを前記第1サーバ321に送信する機能と、当該要求Aの送信に応じて前記第1サーバ321から受信した調理条件データCDを、前記情報処理端末器(可搬式情報表示器)900に送信する機能と、前記情報処理端末器(可搬式情報表示器)900で修正された調理条件データを、当該前記情報処理端末器(可搬式情報表示器)900から受信し、前記第1サーバ321に提供する機能とを、有しており、
前記第1サーバ321は、加熱調理器1が受信待機期間ではない場合には、前記調理条件データを当該加熱調理器1に送信しないことを特徴とする構成である。
このため、この加熱調理システムによれば、例えば連携調理モードKM3の実行途中で不用意に別の調理メニュー(複合調理モードKM2の制御メニューや単独調理モードKM1の制御メニューを含む)を受信することは、(解除情報SK13Aを受信していない限り)確実に防止される。これにより、安定して受信した調理条件データCDの調理メニューを実行することができる。
更に、調理工程の途中で不用意に別の調理メニューの調理条件データCDを受信することに起因して、制御装置40の動作に支障が起こったり、ユーザーに誤解や混乱を招くようなことも防止できる。
更に、実施の形態7においては、この実施の形態7では、第11の開示に関する加熱調理システムが、以下の構成で開示されていた。
すなわち、
図73で説明したように、前記情報処理端末器(通信端末器200、可搬式情報表示器900)は、前記入力操作部に入力された指令情報を前記第2サーバ322に送信する機能と、前記第2サーバ322から受信した調理条件データCDの情報を前記端末側表示部216、900Dに表示する機能とを有し、
前記第2サーバ322は、前記情報処理端末器(200、900)から受信した前記指令情報の内容を認識し、当該指令情報の内容から特定した前記調理条件データCD提供の要求Aを前記第1サーバ321に送信する機能と、当該要求Aの送信に応じて前記第1サーバ321から受信した調理条件データCDを、前記情報処理端末器(200、900)に送信する機能と、前記情報処理端末器(200、900)で修正された調理条件データを、当該前記情報処理端末器(200、900)から受信し、前記第1サーバ321に提供する機能とを、有しており、
前記第1サーバ321は、加熱調理器1が受信待機期間ではないことを示す「制限情報」(例えば「連携制御モードの選択信号送信」SK1、SK1B)を受けた場合には、前記情報処理端末器(通信端末器200、可搬式情報表示器900)に対して、前記「制限情報」に関する最新の情報(リモートプッシュ通知によるリアルタイム情報)を送信することを特徴とする構成である。
また、前記第1サーバ321は、前記運転状態データOSから加熱調理器1が受信待機期間ではない時期を判定し、当該受信待機期間でないときには、前記情報処理端末器(通信端末器200、可搬式情報表示器900)に対して、前記要求Aに応じた前記調理条件データを送信しないことを特徴とする構成である。
このため、この加熱調理システムによれば、ユーザーの無駄な送信操作を回避でき、加熱調理器1に対して無駄な送信も抑制できる。また、加熱調理器1の安定した動作にも寄与できる。
実施の形態8.
図75は、実施の形態8に係る加熱調理システムの構成図である。図76は、図75の加熱調理システムを構成する加熱調理器と外部(第1サーバ)との間の情報授受を、時系列で示す説明図である。図77は、図75に示した加熱調理器1において、起動時の中央表示部16Mの待機時初期画面16MHの変遷を示す説明図である。図78は、図75の加熱調理システムで使用した第3サーバの動作を示すフローチャートである。なお、図1~図74に説明した各実施の形態の構成と、同一又は相当部分は、同じ符号を付けている。
この実施の形態8では、実施の形態7で示した可搬式情報表示器(情報処理端末器)900の構成を変更し、小型の可搬式音声入出力器(情報処理端末器の1種)1000を利用していることが特徴である。
この実施の形態8では、クラウドサーバ300は、第1サーバ321と、第2サーバ322と、第3サーバ323と、を包含していることが実施の形態1~7と異なっている。。その他として、これら各サーバを集中的に制御し、連携させるコントロールサーバを設けても良い。
前記第3サーバ323は、第1サーバ321と有線又は無線通信(ネットワーク)205で接続されている。第3サーバ323には、在庫情報記憶部324と食材消費判定部325とを有している。
前記在庫情報記憶部324は、冷蔵庫800から第1サーバ321とネットワーク205経由で送信されてくる「在庫データ」SD1を記憶しており、第1サーバ321からの指令を受けて在庫の情報は随時更新される。なお、この第3サーバ323の入出力部324Aは図示を省略している。
キッチン601(図示せず)等の居住空間に、「統合情報管理装置」又は「統合電力制御装置」(HEMSコントローラ)等と呼ばれる「家庭内制御機器」(図示せず)を設置し、当該家庭内制御機器(図示せず)からの信号を受けて冷蔵庫800から在庫データSD1を、家庭内制御機器(図示せず)が取得しても良い。
在庫データSD1は、家庭内制御機器(図示せず)から随時第1サーバ321が取得し、取得した在庫データSD1の情報が第3サーバ323に提供され、第3サーバ323の中に記憶させてある在庫データSD1を、随時更新するものでも良い。
食材消費判定部325は、前記在庫情報記憶部324から食材の情報(在庫データSD1)を取得し、在庫量の変化から食材の消費された量を推定するものである。
この食材消費判定部325は、1回の調理の都度に判定が行われる。当該判定は、加熱調理器1からの調理実施データCD9を入力とし、入力されたデータと、前記在庫情報記憶部324から取得した在庫データSD1の変動、つまり食材の量の変化を表す情報(変化情報)とを、比較し、機械学習の方法によって実際に消費された食材の種類や量を分析するものである。なお、機械学習の方法については特に限定されず、例えば、ニューラルネットーク等の公知の機械学習の手法が適用される。
例えば、食材消費判定部325は、加熱調理器1から連携調理モードKM3で「ハンバーグ」を調理したデータを取得した場合、加熱調理器1側の調理実施データCD9と、冷蔵庫800に在庫としてあった在庫データSD1の中から、種類別の食材の量の変化とを比較する。
加熱調理前に冷蔵庫800にあった食材(例えば、牛肉300グラム)が、加熱調理後に、冷蔵庫800の在庫管理システム(例えば、在庫確認のカメラ映像データ、冷蔵庫800の該当冷凍庫のセンサー等)で確認できない場合、当該牛肉が使用されたものと推定する。なお、この判定にあたり、一般的な調理メニューと、使用される食材の種類とを対比させたデータも併用する。
この実施の形態8の特徴の1つである音声入出力器1000は、実施の形態6のスマートフォンや、実施の形態7の可搬式情報表示器900とは少し異なり、音声入力でユーザーの指令を受け、また、音声でユーザーに情報を報知する機器である、例えば、スマートスピーカやAIスピーカと呼ばれるような入力端末機器である。
前記音声入出力器1000は、加熱調理器1の近くにおいて、ユーザーが加熱調理器1に指令を与える場合、加熱調理器1の傍でユーザーが発した音声(自然言語)を、音声信号として取得する。
前記音声入出力器1000は、ユーザーの音声を収集するマイク(図示せず)と、逆に音声を発するスピーカ1001を有している。
音声入出力器1000は、ユーザーが電源を入れると、ネットワーク(無線通信網)で接続された第2サーバ322に繋がる。第2サーバー322は、音声翻訳機能と検索機能を備えている。
音声入出力器1000から、音声信号(音声データ)VSを送信すると、第2サーバ322は、ユーザーが発した音声(自然言語)を、音声信号として取得し、ユーザーからの指令信号(要求A)に変換して第1サーバ321に送信する。
第1サーバ321は、第2サーバ322からの前記要求Aに基づいて、最終的には加熱調理器1に対する遠隔操作信号RSを生成することができる。また、レシピ情報提供サーバ301から取得した調理要件データCDを加熱調理器1に提供できる。
第1サーバ321は、加熱調理器1に対する各種遠隔操作データを記憶部321Rに格納しているため、第2サーバ322からの前記要求Aに対して、随時必要な操作支援データGS1を当該第2サーバ322に送信する。このため、第2サーバ322は、前記操作支援データGS1に対応して、音声データに変換できるような操作支援データGS2を音声入出力器1000に送信する。
以上の基本的構成であるから、加熱調理器1の近傍にユーザーが居ても、調理の準備や食材の処理等で、そのユーザーの両手が塞がっていて、加熱調理器1の入力操作部15に直接タッチする頻度が制限されているような場合、音声入出力器1000を利用して、自然な発声(音声)で加熱調理器1を遠隔で操作でき、便利である。
なお、第1サーバ321と第2サーバ322の、その他の構成については、実施の形態7で説明した第1サーバ321、第2サーバ322の構成と同じであるから重複した説明を省略する。
また、第2サーバ322は、実施の形態7で説明したように、レシピ情報サーバ301の調理条件データベースの中から、目的のレシピデータ(調理条件データCD)を抽出するための指令(要求A)を発生させ、第1サーバ321に送信する機能がある。
また、音声入出力器1000は、実施の形態7の可搬式情報表示器900と同様に、目的のレシピデータ(調理条件データCD)を加熱調理器1に向けて(無線ルーター340経由で)送信する機能はない。
更に、音声入出力器1000からは、連携調理モードKM3や複合調理モードKM2を含む全ての調理モードに対応した入力操作に関する指令(要求A)を発することができるが、連携調理モードKM3を含む全ての調理モードにおいて、加熱動作を開始する指令となる情報は含まれない。従って、この音声入出力器1000から第1サーバ321を経由して加熱調理器1の加熱動作の開始を指令することはできない。
また、加熱調理器1の機能設定キー151KP(図示せず)で設定できる各種機能の指令情報は、音声入出力器1000から加熱調理器1と第1サーバ321、第2サーバ322に対しては送信できないし、また第1サーバ321と第2サーバ322でも生成できない。
次に、図76について説明する。
図76は、加熱調理器1の制御装置40の動作を時系列で説明したものである。図76は、連携調理モードKM3と複合調理モードKM2の両方における動作ステップを示している。
第1サーバ321は、加熱調理器1から随時受信する運転情報データOSの中に、後述する「受信待機期間終了信号」(SK1B)があった場合、第2サーバ322から要求A(後述する)があっても、調理条件データCDを加熱調理器1に対して送信することはないことが特徴の1つである。
図76において、最初に制御装置40は、主電源スイッチ20がONになったことを検知し(ステップSA1)、起動されたことを示すデータ(起動信号:SK1)を通信部51から外部へ送信し、自己診断モードを開始する(SA2)。つまり、加熱調理器1の各回路やセンサー類等の構成部分が異常でないかどうかをチェックする。
図66では、準備期間P1から調理工程1を終えるまでの期間の動作を、時系列で示している。
次に、表示部16を起動して待機時初期画面16MHを表示する(SA3)。なお、この後、待機時初期画面16MHを通じて、ユーザーに加熱手段の選択を促す表示と、音声報知部50による同様な音声ガイダンスを行う。
この実施の形態8でいう「初期待機期間」TPとは、前記ステップSA3から始まる期間であり、この初期待機期間TPが終わるタイミングは、加熱動作の開始用入力キーが押された時点(ステップSA7)である。開始用入力キーとは、連携調理モードKM3でも複合調理モードKM2でも、入力キー151Mである。
次に、以上のような加熱動作を開始する指令を待っている初期待機期間TP中に、ユーザーが入力操作部15、例えば中央操作部15Mに設けた「音声入力併用モード選択部VMCを兼ねている入力キー(音声入力スイッチ)180(図示せず)を押した場合、制御装置40は、音声入力併用モードになる。
音声入力モード開始信号SKSPが第1サーバ321に送信される。
更に、調理モードを選択する入力キー153Mや154Mが押される(ステップSA4)と、「レシピ取得許可条件」が満たされる。ここで、受信待機期間開始信号(SK1A)が第1サーバ321に送信される。なお、音声入力によって調理モードの選択が行われた場合には、図76に示しているように、調理モードの選択信号(SK1B)が送信される。
前記データ取得部53による前記調理条件データの取得を許可する(前記制限部55の)制御プログラムでは、前記のように「レシピ取得許可条件」が満たされた時点以降は、通信部51を介して調理条件データCDの取得ができるようになっている。
一方、第1サーバ321では、前記のように「レシピ取得許可条件」が満たされる際の、受信待機期間開始信号(SK1A)を受信した段階で、加熱調理器1は、外部からの調理条件データCDを取得できる状態になったことが分かる。
つまり、受信待機期間開始信号(SK1A)を受信した段階以降に、加熱調理器1又は第1サーバ321の何れかから、調理条件データの取得指令を発すれば、調理条件データCDを取得できる。
なお、初期待機期間TP中において、前記待機時初期画面16MHが表示された時点又は前記音声入力併用モードが選択された時点から、調理モードの選択用の入力キー(153M等)が、所定の時間内(例えば30分以内)に連続して押された場合に、前記「レシピ取得条件」を満たしたことになる。この時間を経過すると、制御装置40は、自動的に主電源スイッチ20を遮断(OFF)する。
初期待機期間TPの中で、「レシピ取得条件」を満たすと、連携調理モードKM3の調理メニューの調理条件データを、通信部51経由でデータ取得部53が1回だけ取得できる。また、複合調理モードKM2においても、1つの被調理物を対象とした調理条件データを1回だけ取得できる。
なお、制御装置40は、表示部16を起動して待機時初期画面16MHを表示した段階(ステップSA3)から、一定の準備時間を経て通信部51から第1サーバ321に対して「音声入力モード」開始信号SKSPを自動的に送信しても良い。
この実施の形態8では、音声入力併用モードが選択されたことを示す信号(SKSP)が送信されたことを「第1の条件」とし、次にユーザーが入力キー153Mや154Mを操作して、連携調理モードKM3、複合調理モードKM2、単独調理モードKM1の、何れか1つを選択した場合のように、調理モードの1つを選択したことを「第2の条件」としている。
これら第1の条件と第2の条件が揃った時点で、受信待機期間開始信号(SK1A)を送信していたが、前記第1の条件と第2の条件の何れか1つの段階で、受信待機期間開始信号(SK1A)を送信しても良い。
以上の説明から明らかなように、前記受信待機期間開始信号(SK1A)は、加熱調理器1が外部(第1サーバ321)に発信する「受信許可データ」であり、これを受けると第1サーバ321は、調理条件データを加熱調理器1が取得できる状況にあると判定できる。
以上の説明から明らかなように、「受信待機期間」とは、外部(第1サーバ321)からの調理条件データCDを加熱調理器1が取得することが可能な期間である。従って、前記開始信号の送信SK1A以降は、加熱調理器1において外部からの調理条件データCDを受信できる。
また、前記「受信待機期間」は、第1サーバ321から調理条件データCDを取得することを許可している期間であり、これ以外のデータ、例えば、前記した遠隔操作データ(信号)の受信を拒否している訳ではない。
次に、ステップSA6は、実施の形態1で説明したように許可条件判定部54(図56参照)によって、連携調理モードKM3と複合調理モードKM2による調理を許可するかどうかの判定処理を行うステップである。
ここで、連携調理モードKM3が選択され、許可条件を満たすと判定されると、待機時初期画面16MHは、第1特定画面16M1に変更されて表示される。複合調理モードKM2が選択され、許可条件を満たすと判定されると、待機時初期画面16MHは、第2特定画面16M2に変更されて表示される。
SA7は、入力キー151Mの操作によって加熱操作開始の指令を受けたステップである。この段階で、初期待機期間TPは終了する。この時点で、外部から調理条件データCDの取得動作を制限する情報(受信制限データSK1B)を送信する。
この後、連携調理モードKM3等による加熱調理動作を開始したことを報知し、また通信部51から外部に送信する(ステップSK2)。
予熱工程が必要な調理である場合、予熱工程を開始したことを報知し、また通信部51から外部に送信する(SA8)。そして、調理工程1を開始したことを報知し、外部に送信する(SA9)。複合調理モードKM2においても、基本的にこれらステップと同じである。
次に図77について説明する。
主電源スイッチ20をONにしていない段階と、主電源スイッチ20をONにした直後の表示画面1は、実施の形態1の図25で説明したものと同じであるため、説明は省略する。
表示画面1を表示した後に、自動的に表示画面2Eに切り替わる。この表示画面2Eの段階では、前記「初期待機期間」TPが始まる。175は、外部からの調理条件データを取得することについて、文字で示した案内情報である。
表示画面2Eに切り替わった後、数秒間経過すると表示画面2Fに自動的に切り替わる。
表示画面2Fにおいて、177は、前記案内情報175と同様に、外部からの調理条件データの取得に関する案内情報である。表示画面2Eにおいて、調理条件データを取得するには、調理モードの選択キーを押す必要があることを、入手操作支援情報60Pで知ることができる。
表示画面2Eに切り替わった後、数秒間経過すると表示画面2Eに自動的に戻る。以後は、このように表示画面2Eと表示画面2Fの表示が数秒間おきに交互に行われる。
表示画面2Eと表示画面2Fの表示を行っている期間中、すなわち、前記「初期待機期間」TPの途中で、ユーザが入力キー153Mを操作すると連携調理モードKM3の選択となる。これは図78のステップSA4の段階に相当する。
また、ユーザが入力キー153Mを操作せず、入力154M又は155Mを操作すると複合調理モードKM2の選択となる。これは図78のステップSA4の段階に相当する。
ステップSA4の時点からは、前述したように「受信待機期間」になるため、外部(第1サーバ321)からの調理条件データCDを加熱調理器1が取得することができる。
従って、この受信待機期間において、調理条件データCDの送信を受けた場合には、表示画面2Fから表示画面2Gに表示内容が変わる。
表示画面2Gにおいて、176は、前記受信動作表示部174(図42参照)と同様に、外部から調理条件データCDを受信中であることを表示した受信動作表示部である。
図77の表示画面2Gは、実施の形態1で説明した受信動作表示画面16MMである。
図77の表示画面2Gにおいて、16Fは、調理条件データCDの受信動作の進捗に応じて現れる、複数個の進捗マークである。
図77において、進捗マーク16Fは、黒い三角形の図形である。この三角形の図形の数は、調理制御データの受信動作開始直後は、1つであるが、受信動作が進むにつれて順次増えて行き、最終的に5つの三角形の図形が直線上に並んだ状態となる。なお、進捗マーク16Fは、1つの図形の大きさや色を変化させて進捗度合いを表示しても良く、または砂時計のような模式図や、アニメーションで進捗を表現しても良い。
図77に示した待機時初期画面16MHは、外部から調理条件データCDを受信し、当該データCDが、連携調理モードKM3の場合には、実施の形態1で説明した「許可条件1」、「許可条件2」を満たした場合には、その段階で前記表示画面2Gから、第1特定画面16M1に自動的に切り替わる。なお、複合調理モードKM2の場合には、第2特定画面16M2に切り替わる。
この実施の形態8では、以上の説明から明らかなように、音声入力併用モードが選択されたことを「第1の条件」とし、次にユーザーが入力キー153Mを操作して、連携調理モードKM3を選択した場合のように、調理モード(又は、複合調理モードの「制御メニュー」)の1つを選択したことを「第2の条件」とし、これら第1の条件と第2の条件が揃った時点で、受信待機期間開始信号を送信(SK1A)する構成である。
次に図78について説明する。図78は、第3サーバ323における動作を示すものである。
この図78では、加熱調理器1で連携調理モードKM3の調理が終了した場面を想定して以下説明する。
加熱調理器1が調理工程を全て終了させた後で、主電源スイッチ20をOFFする前に、自動的に調理条件データCD9を第1サーバ321に送信する。なお、調理条件データCD9については、実施の形態5の、特に図64で詳しく説明した。
調理実施データCD9は、第1サーバ321から第3サーバ323に送信される。すると、当該調理実施データは、一時記憶領域としてのメモリー(図示せず)に記憶される(ステップSV30)。
次のステップSV31では、食材消費判定部325と前記在庫情報記憶部324との動作により、次の3段階でデータ分析と食材の情報分析、消費量分析が行われる。
(1)調理実施データCD9の分析
(2)加熱調理器1からの起動信号(SKS)(図76参照)を受信した時点の「冷蔵庫800の在庫状況(在庫データSD1)と、現時点の在庫状況の変化
(3)調理実施データCD9に含まれる調理情報との対比から、使用されたと推定される食材の推定
次のステップSV32では、冷蔵庫800の食材の在庫量に変化があったかどうかの判定が行われる。
連携調理モードKM3以外の、例えば複合調理モードKM2で、制御メニューの「レンジ」や「肉解凍」等を行った調理後、通常では冷蔵庫800の中にあった食材が使用される場合が多いので、在庫状況は変化した(在庫量が減った)ことが分かる。
前記ステップSV32で、在庫量が変化(減少)した場合、「Yes」判定となり、ステップSV33に進む。
ステップSV33では、減少した食材が、事前に設定していた「最低基準値」よりも低下していた場合には、「Yes」判定となり、ステップSV34に進む。
例えば、肉や、冷凍食品(冷凍ご飯を含む)の量について、事前に「最低基準値」を決定しておけば、このステップSV33の段階で、「最低基準値」未満になったことが分かる。
次のSV34は、前記ステップSV34の結果が、第3サーバ323の在庫情報記憶部324に記憶される。
そして、「最低基準値」よりも在庫量が減少した食材のあることがステップSV33で判定された場合、当該食材の名称や、減少した量(重量)の情報が、第1サーバ321送信される。
ステップSV32とステップSV33において、「No」の判定であった場合、ステップSV35に進む。このステップSV35では、ステップSV31のデータ分析結果が、在庫情報記憶部324に最新データとして記憶される。
図78のステップSV34に記載した「買い物リスト」とは、第1サーバ321又は第3サーバ323等のクラウドサーバ300の中に設定された「買い物データベース」を意味している。この買い物リストは、通信端末器200等の情報処理端末器900を介して、ユーザーが自由に閲覧できる。
従って、ユーザーが買い物に出掛ける際に、その時点で通信端末器200で前記買い物リストを確認することができ、便利である。なお、買い物リストでは、過去に行った加熱調理のメニューの履歴情報も同時に(例えば食材と、過去の調理との対比ができる形式で)閲覧できるように第3サーバ323からの情報を利用しても良い。
なお、実施の形態7の特に図73で説明したような、お薦め情報を確認できる入力キー542、543の中に、「買い物候補」の入力キーを設け、その入力キー(アイコン)を操作すれば、通信端末器200で最新の買い物リストが随時確認できる。
また、リモートプッシュ通知によるリアルタイム情報の1つとして、「最低基準値」よりも低下した食材の情報をユーザーに展開するようにしても良い。
また、前記「最低基準値」は、1回の調理毎に判定していたが、朝食、昼食、夕食時の3回の調理を合計して1日の消費量としての変化を判定し、買い物リストに反映させても良い。これは、通信端末器200等を使ってユーザが任意に設定できるようにすると便利である。
この実施の形態8では、前記音声入出力器1000が、音声だけで全ての入力指令を第2サーバ322経由で第1サーバ321に与えることができるので、前記したように、ユーザーが加熱調理器1の入力操作部15を直接操作できない場面でも、加熱調理器1を遠隔操作することができ、便利である。
なお、この実施の形態8は、実施の形態1等で示した通信端末器200を使用して、調理条件データを加熱調理器1に取得させる形態について詳細に説明していないが、スマートフォン等の通信端末器200を併用して、加熱調理器1は調理条件データを簡単に取得できる。
また、前記表示画面2Eの時点以降に、前記通信端末器200と加熱調理器1との間で自動接続が行われるように設定していた場合、特定の前記調理モードの調理条件データが前記通信端末器200から送信される。これは、第1サーバ321と加熱調理器1との間でも事前に設定が可能である。
実施の形態8の総括.
以上のように、この実施の形態8では、第5の開示に関する加熱調理システムが、以下の構成で開示されていた。
すなわち、実施の形態8に示した加熱調理システムは、
被加熱物を加熱する加熱調理器1と、
前記加熱調理器1と通信可能な第1サーバ321と、
前記第1サーバ321と通信可能な第2サーバ322と、
前記第2サーバ322と通信可能であり、ユーザーの入力を受け付ける入力操作部を有し、前記ユーザーが指令内容を音声で入力する情報処理端末器(音声入出力器)1000と、
を備えており、
前記第1サーバ321は、前記加熱調理器1の運転状態データOSを前記加熱調理器1から受信する機能と、前記第2サーバ322から受信した要求Aに応じて、前記加熱調理器1の運転に関して前記音声入出力器1000にて音声で報知すべき操作支援データGS1を、当該第2サーバ322に送信する機能とを有し、
前記音声入出力器1000は、音声で入力された指令内容を前記第2サーバ322に音声データVSとして送信する機能と、前記第2サーバ322から受信した操作支援データGS2の情報を音声で報知する機能とを有し、
前記第2サーバ322は、前記音声入出力器1000から受信した前記音声データVSの内容を認識し、当該音声データVSの内容から特定した要求Aを前記第1サーバ321に送信する機能と、当該要求Aの送信に応じて前記第1サーバ321から受信した操作支援データGS1を、前記音声入出力器1000に送信する機能と、を有しており、
前記第1サーバ321は、加熱調理器1から受信した運転状態データOSから、当該加熱調理器1が調理条件データCDを取得可能なタイミングで送信することを特徴とする構成である。
このため、この加熱調理システムによれば、加熱調理器1側のデータ取得時期に応じて各種調理モードの調理条件データCDを送信できる。これにより、確実に調理条件データCDを提供して調理メニューを実行することができる。
更に、この実施の形態8では、第4の開示に関する加熱調理器が、以下の構成で開示されていた。
すなわち、実施の形態8に示した加熱調理器1は、
第1の場所で被加熱物を加熱する第1の加熱手段HM1と、
前記第1の場所と離れた場所にある加熱室で被調理物を加熱する第2の加熱手段HM2と、
ユーザーの指令を受ける入力操作手段15と、
加熱調理を実行する調理条件データを外部の通信端末器200及び第1サーバ321から、それぞれ受信する通信部51と、
中央表示部16Mと音声報知部50を有する報知部と、
前記第1の加熱手段、前記第2の加熱手段、前記報知部及び前記通信部を制御する制御装置40と、を備え、
前記制御装置40は、前記第1の加熱手段と前記第2の加熱手段とを使用した、複数の調理モード(連携調理モードKM3、複合調理モードKM2を含む)に対応した加熱動作を制御する加熱制御部43と、特定の被調理物に関して、前記通信部51を介して前記調理条件データを取得するデータ取得部53と、を有し、
前記制御装置40は、主電源が供給された後、前記報知部の中央表示部15Mに待機時初期画面16MHを表示し、この時点から後の初期待機期間TPにおいて、表示画面2Eの時点以降に、前記通信端末器200(又は第1サーバ)との間で自動接続が行われ、特定の前記調理モードの調理条件データが前記通信端末器200(又は第1サーバ)から送信された場合、前記データ取得部53によって当該調理条件データを取得し、事前に定めた許可条件を満たしているかどうかを判定する。
そして許可条件を満たしていた場合には、前記待機時初期画面16MHを調理モード別の専用の表示画面(第1特定画面16M1など)に変更し、変更後の表示画面(第1特定画面16M1等)において、前記調理条件データの受信動作表示部176(図79参照)を表示し、調理条件データCDを受信中であることを表示し、その後、第1特定画面16M1等において、調理メニューの識別情報167、制御メニュー識別情報160やその調理メニュー(例えば「ハンバーグ」)の制御条件、制御メニュー(例えば「あたため」)の制御条件(誘導加熱の火力、マイクロ波加熱出力、加熱時間、目標温度等を含むが、これに限定されない)を表示することを特徴とする構成である。
このため、待機時初期画面16MHを表示した以降の、初期待機期間TPにおいて、事前に定めた許可条件を満たした調理条件データを、ユーザの操作に応じて前記通信端末器200やクラウドサーバ300等から取得して調理に利用することになるので、外部からのデータ取得時期と条件が統制され、確実となる。
そのため、調理モードの選択や制御条件の設定途中で、不適切な調理条件データを受信することがない。
以上の他に、この実施の形態8では、第12の開示に関する加熱調理システムが、以下の形態で開示されていた。
すなわち、実施の形態8において示した加熱調理システムの1つの構成例は、
被加熱物を加熱する加熱調理器1と、
前記加熱調理器1と通信可能な第1サーバ321と、
前記第1サーバ321と通信可能な第2サーバ322と、
前記第1サーバ321と通信可能な第3サーバ323又は前記第1サーバ321に設けた食材消費判定部325と、
前記第2サーバ322と通信可能であり、ユーザーの入力を受け付ける入力操作部を有し、前記ユーザーが指令内容を音声で入力する情報処理端末器(音声入出力器)1000と、
を備えており、
前記第1サーバ321は、前記加熱調理器1の運転状態データOSを前記加熱調理器1から受信する機能と、前記第2サーバ322から受信した調理条件データ提供の要求Aに応じて、前記加熱調理器1の運転に関して前記音声入出力器1000にて音声で報知すべき操作支援データGS1を、当該第2サーバ322に送信する機能とを有し、
前記音声入出力器1000は、音声で入力された指令内容を前記第2サーバ322に音声データVSとして送信する機能と、前記第2サーバ322から受信した操作支援データGS2の情報を音声で報知する機能とを有し、
前記第2サーバ322は、前記音声入出力器1000から受信した前記音声データVSの内容を認識し、当該音声データVSの内容から特定した要求Aを前記第1サーバ321に送信する機能と、当該要求Aの送信に応じて前記第1サーバ321から受信した操作支援データGS1を、前記音声入出力器1000に送信する機能と、を有しており、
前記第1サーバ321又は前記食材消費判定部325は、加熱調理器1から受信した運転状態データOSから、当該加熱調理器1が1回の加熱調理で消費した食材の量を判定し、当該判定結果から、「最低基準値」よりも在庫量が低下した食材の情報を、前記情報処理端末器1000で取得できるように、前記第1サーバ321から送信することを特徴とする構成である。
このため、この加熱調理システムによれば、加熱調理器1側から順次提供される調理実施データCD9を有効に活用して、冷蔵庫800等に保存している食材の保存量(在庫データSD1)を自動的に判定ができる。これにより、ユーザーの食材の手配や次の調理の準備等が軽減され、大きく利便性を向上させることができる。
他の実施形態.
加熱調理器1と通信端末器200を構成する各回路、部品、装置の各構成要素を説明するために、調理条件データ1と調理条件データ2に分けて説明したが、この両者は実質的に同じデータであっても良い。例えば、加熱調理器1で最初から保有している1つの調理条件データ(例:ハンバーグのレシピデータ)と、通信部51を介して外部から取得する調理条件データ(例:ハンバーグのレシピデータ)が、同一の内容であっても良い。
また、スマートフォンやタブレット形端末器(小型の可搬式パーソナルコンピュータ)等の通信端末器200は、クラウドサーバ300から取得した調理条件データを加熱調理器1に必ずしも提供する必要はなく、通信端末器200自体で当該調理条件データを生成し、保有していても良い。
また、これまでに説明した各実施の形態の複合調理モードKM2では、複合調理モードKM2を選択すると、制御メニュー(例えば「解凍」という加熱動作パターン)を基本的に選択することになり、特定の調理物を想定した調理条件データを選択するものでなかった。しかしながら、ユーザーがクラウドサーバ300を利用して、加熱調理器1に適用できる複合調理モードKM2の、1つの調理条件データを選択し、それを通信端末器等の情報処理端末器200(900)を使用して加熱調理器1に取得させることでも良い。これは、単独調理モードKM1についても同じである。
以上の説明では、説明を簡単にする都合上で「調理条件データ1」、「調理条件データ2」のように表現していたが、これは両者の調理条件データの内容が互いに異なるという意味の場合と、同一であるという意味の2つあり、符号(1、2等)の違いによってデータが異なったものであると解釈すべきではない。
以上の実施の形態1~8で図示した各回路、部品、装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくとも良い。さらに、特に制御装置40、加熱制御部43、第1の加熱手段HM1、第2の加熱手段HM2、第3の加熱手段HM3、記憶装置41は、これら各装置・回路の機能の分散・統合が可能であり、具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、機能や動作状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
制御装置40、加熱制御部43の各機能は、処理回路によって実現される。各機能を実現する処理回路は、専用のハードウエアであっても良いし、メモリーに格納されるプログラムを実行するプロセッサであっても良い。
処理回路がプロセッサである場合、制御装置40、加熱制御部43の各機能は、ソフトウエア、ファームウエア又はソフトウエアとファームウエアの組合せによって実現される。ソフトウエアとファームウエアは、プログラムとして記述され、メモリーである記憶装置41に格納される。プロセッサは、記憶装置41に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、制御装置40、加熱制御部43の各機能を実現する。
これらプログラムは、制御装置40、加熱制御部43の制御手順を、マイクロコンピュータに実行させるものである。なお、記憶装置41とは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM、EEPROM等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリーが代表的なものである。
更に、図14に示した調理条件データ記憶部41のデータやプログラムの一部は、加熱調理器1が保持せずに、外部の記録媒体(ストレージサーバ等)に保持されてもよい。この場合、加熱調理器1は、外部の記録媒体(ストレージサーバ)にアクセスすることで、必要なデータやプログラムの情報を取得する。
さらに、制御装置40、第1の加熱手段HM1、第2の加熱手段HM2、第3の加熱手段HM3の動作プログラムは、ユーザーの希望により、又は加熱調理器1の製造業者等の希望によって、適宜修正・改良されたものに更新できるようにしても良い。この場合、例えば、通信部51を通じて修正・改良プログラムを入手するようにしても良い。
前記トッププレート3の上で加熱調理する前記第1の加熱手段HM1の1つの加熱部(IHコイル9L、9M、9R)は、ガス燃焼式バーナに変えても良い。この場合、ガス流量弁が制御部によって制御される構成となる。
また、第2の加熱手段HM2又は第3の加熱手段HM3の一部又は全部を、ガス燃焼バーナや誘導加熱源に変えても良い。
実施の形態1~8では、入力操作部15は、何れも入力キーにユーザーが触れて入力指令を行う「接触式入力」の操作部で説明したが、ユーザーの指や手の動きを非接触で検知して入力する非接触方式でも良い。
更に、入力操作部15は、ユーザーの声を認識して入力する音声入力方式に変えても良い。音声入力方式の場合には、ユーザーの声を受信して音声認識信号に変換するためのマイクや音声受信部が、入力操作部に相当するものとなる。
あるいは、接触式や押し圧式などの機械的スイッチと、前記音声入力方式を併用しても良い。
更に、入力操作部15は、スマートスピーカやAIスピーカと呼ばれるような音声入力機能を備えた入力端末機器を介して、加熱調理器1に指令を与えても良い。前記スマートスピーカやAIスピーカは、クラウドサーバ300のように、ネットワーク環境の中にある音声翻訳機能や検索機能を備えた支援サーバとの間で、随時無線通信で情報の授受を行い、加熱調理器1の傍でユーザーが発した音声(自然言語)を、音声信号として取得し、前記支援サーバによってユーザーからの指令信号に変換し、最終的には加熱調理器1に対する指令信号を生成することができる。このため、ユーザーが加熱調理器1の近傍に居ても、調理の準備や食材の処理等で、両手が塞がっていて入力操作部15に直接タッチする頻度が制限されているような場合にも、自然な発声(音声)で加熱調理器1を操作でき、便利である。
実施の形態1~8では、第1特定画面16M1、第2特定画面16M2及び第3特定画面16M3に表示される各種制御メニューや制御条件等を選択する手段が、入力操作部15であったが、表示手段である中央表示部16Mや左右の表示部16L、16Rの表示画面の中に設けても良い。
例えば、複合調理に関して提案している前記特許第5833699号公報には、複合調理の表示画面を表示させ、当該表示画面の中に複合調理のメニューの名称を表示させ、当該メニュー選択部をユーザーが直接指で触れて、メニューを選択するという技術が提案されている。
そこで、第1特定画面16M1や第2特定画面16M2の中に複合調理モードKM2や連携調理モードKM3で可能な調理のメニューや被調理物の名称(識別情報の1種)等を表示させ、その表示部分(「アイコン」部分ともいう)をユーザーが指で直接タッチして連携調理モードのメニュー等を選択するようにしても良い。
実施の形態1では、通信部51によって、加熱調理器1の外部から送信された指令信号や、レシピデータ(調理条件データ)等を受信し、また加熱調理器1からは、各動作信号や指令信号を外部へ発信していたが、更に調理工程1、調理工程2の開始や終了等の進捗を示す情報を、その都度送信しても良い(実施の形態3、5参照)。これら進捗情報をユーザーが通信端末器200等で知ることができ、利便性が向上する。
また、加熱調理器1の他に、情報管理装置として、冷蔵庫800の在庫の検索結果のデータを受ける機能を保有するホーム・ゲートウエイを配置し、加熱調理器1と前記冷蔵庫800の間は、無線通信(LAN)又はネットワーク206(図54参照)もよって接続し、加熱調理器1側で前記冷蔵庫の在庫情報SD1を取得して調理に利用できるようにしても良い。
また、実施の形態1~8では、ビルトイン式の加熱調理器であり、加熱手段を少なくとも3つ備えた形態であったが、必ずしもこのような形態の加熱調理器に限定されず、特に第12の開示に関する加熱調理システムを適用する加熱調理器は、米類を調理する炊飯器でも良く、また加熱手段は、誘導加熱やマイクロ波加熱等電気エネルギー利用の手段ではなく、プロパンガスや都市ガス等のガス燃焼加熱源を利用したものでも良い。
更に、日本特許第6786712号公報や特開2018-175671号公報(特許第6578315号公報)等に代表されるように、誘導加熱源を備えた加熱ユニット(下部ユニット)と、この加熱ユニットの上に分離自在に載置される炊飯ユニット(上部ユニット)と、を備え、これら加熱ユニット(下部ユニット)単独での加熱調理動作と、加熱ユニットの上に炊飯ユニットを載置した形態での炊飯動作とを、それぞれ実施できる分離式加熱調理器が知られている。
実施の形態1~8で開示した思想は、上記のような分離式加熱調理器にも応用可能である。例えば、上記の炊飯ユニットでは、白米の炊飯やお粥等も加熱制御を変更して実行できる。また下部ユニットでも、同様に各種加熱制御パターンを採用できるので、今回開示された実施の形態1~8の各種例示に従って、種々の改良を行うことができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の実質的な範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図されている。