JP6900652B2 - 改変型ジアホラーゼ - Google Patents
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Description
項1.
以下の(1)から(3)のうちいずれかで示されるジアホラーゼ。
(1)配列番号2に記載のアミノ酸配列の第186番目のアミノ酸をメチオニン以外の他のアミノ酸に置換したアミノ酸配列からなるポリペプチド。
(2)(1)で示されるポリペプチドにおいて、さらに、配列番号2に記載のアミノ酸配列における186番目のアミノ酸以外の1または数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または付加されているアミノ酸配列からなり、かつ、改変前と比べてタンパク質あたりのジアホラーゼ活性が向上したポリペプチド。
(3)(1)で示されるポリペプチドにおいて、さらに、配列番号2に記載のアミノ酸配列における186番目のアミノ酸以外の箇所が改変されたポリペプチドであって、前記ポリペプチドのアミノ酸配列と配列番号2で示されるアミノ酸配列との同一性が80%以上であり、かつ、改変前と比べてタンパク質あたりのジアホラーゼ活性が向上したポリペプチド。
項2.
以下の(4)で示されるジアホラーゼ。
(4)ゲオバチルス属由来のジアホラーゼ(配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するものを除く)において、配列番号2に記載のアミノ酸配列における186番目に相当するアミノ酸のメチオニン以外の他のアミノ酸への置換を有するポリペプチドであって、かつ、改変前と比べてタンパク質あたりのジアホラーゼ活性が向上したポリペプチド。
項3.
配列番号2に記載のアミノ酸配列の第186番目、または、第186番目に相当するアミノ酸がヒスチジンに置換されている、項1または項2に記載のジアホラーゼ。
項4.
以下の(A)〜(C)のいずれかのDNA。
(A)項1に示されるジアホラーゼのアミノ酸配列をコードするDNA
(B)配列番号1に示される塩基配列において、項1の(1)に示されるアミノ酸改変箇所に対応する塩基配列がメチオニン以外の異なるアミノ酸をコードするよう改変されており、さらに、前記改変箇所以外の箇所において変異を有する塩基配列からなるDNAであって、前記配列と配列番号1に示される塩基配列との同一性が80%以上であり、かつ、ジアホラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNA
(C)配列番号1に示される塩基配列において、項1の(1)に示されるアミノ酸改変箇所に対応する塩基配列がメチオニン以外の異なるアミノ酸をコードするよう改変されており、さらに、前記改変箇所以外の箇所において変異を有する塩基配列からなるDNAであって、前記配列が、配列番号1に相補的な塩基配列に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、ジアホラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNA
項5.
項4に記載のDNAを組み込んだベクター。
項6.
項5に記載のベクターを含むか、または、項4に記載のDNAがゲノムDNA中に挿入されている形質転換体。
項7.
項6に記載の形質転換体を培地で培養し、前記形質転換体中または培地中に、ジアホラーゼを蓄積させ、蓄積したジアホラーゼを回収する工程を含む、ジアホラーゼの製造方法。
項8.
項1から項3のいずれかに記載のジアホラーゼを含むプロダクト。
項9.
体外診断用試薬または体外診断用キットである、項8のプロダクト。
1.改変型ジアホラーゼ
1−1.ジアホラーゼ活性の測定方法
ジアホラーゼ活性は、公知の方法で測定することができる。例えば、2,6−ジクロロフェノールインドフェノール(DCPIP)を電子受容体として用い、反応前後における600nmの波長における試料の吸光度の変化を指標に活性を測定することができる。より具体的には、下記の試薬及び測定条件を用いて活性を測定することができ、本明細書ではこの方法で測定した値を用いる。
<試薬>
(a)蒸留水
(b)200mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)
(c)36.0mM NADH水溶液
(d)2.4mM DCPIP溶液
(e)酵素希釈溶液:0.5% Tween20を含む200mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)
<手順1>
ジアホラーゼ溶液を、予め氷冷した上記酵素希釈溶液で0.1〜0.3U/mLに希釈し、氷冷保存したものを酵素溶液とする。
<手順2>
上記蒸留水2.4mL、Tris−HCl緩衝液0.3mL、NADH水溶液0.1mLを混合し、37℃にて4分間予備加温した後、前記酵素溶液を0.1mL添加してさらに1分間予備加温したものを反応混液とする。
<測定条件>
前記反応混液2.9mLにDCPIP溶液0.1mLを添加しゆるやかに混和後、水を対照に37℃に制御された分光光度計(光路長1.0cm)で、600nmの吸光度変化を2〜3分間記録し、その後直線部分から(即ち、反応速度が一定になってから)1分間あたりの吸光度変化(ΔODTEST)を測定する。盲検は酵素溶液の代わりにジアホラーゼを溶解する酵素希釈溶液とDCPIP溶液を反応混液に加えて同様に1分間あたりの吸光度変化(ΔODBLANK)を測定する。これらの値から次の式に従ってジアホラーゼ活性を求める。ここでジアホラーゼ活性における1単位(U)とは、上記の測定条件で1分間に1μMのDCPIPを減少させる酵素量である。
活性(U/mL)
={(ΔODTEST−ΔODBLANK)×3.0×希釈倍率}÷{20.1×1.0×0.1}
=(ΔODTEST−ΔODBLANK)×希釈倍率×1.49
なお、式中の3.0は反応溶液の全量(mL)、20.1はDCPIPのミリモル分子吸光係数、1.0は光路長(cm)、0.1は酵素溶液の液量(mL)を示す。後述の実施例1〜2において、ジアホラーゼ活性の測定は本測定方法にて行った。
本発明の実施態様のひとつは、下記(1)から(3)のいずれかで示されるジアホラーゼである。
(1)配列番号2に記載のアミノ酸配列の第186番目のアミノ酸をメチオニン以外の他のアミノ酸に置換したアミノ酸配列からなるポリペプチド。
(2)(1)で示されるポリペプチドにおいて、さらに、配列番号2に記載のアミノ酸配列における186番目のアミノ酸以外の1または数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または付加されているアミノ酸配列からなり、かつ、改変前と比べてタンパク質あたりのジアホラーゼ活性が向上したポリペプチド。
(3)(1)で示されるポリペプチドにおいて、さらに、配列番号2に記載のアミノ酸配列における186番目のアミノ酸以外の箇所が改変されたポリペプチドであって、前記ポリペプチドのアミノ酸配列と配列番号2で示されるアミノ酸配列との同一性が80%以上であり、かつ、改変前と比べてタンパク質あたりのジアホラーゼ活性が向上したポリペプチド。
(1)ジアホラーゼ活性を、前述の1−1.で示した活性測定法で測定する。
(2)タンパク質量は280nmで測定した吸光度を1.0[Abs]=1.0[mg/mL]で換算する。
(3)前記(1)および(2)の結果をもとに、タンパク質あたりのジアホラーゼ活性を計算する。
(4)ゲオバチルス属由来のジアホラーゼ(配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するものを除く)において、配列番号2に記載のアミノ酸配列における186番目に相当するアミノ酸のメチオニン以外の他のアミノ酸への置換を有するポリペプチドであって、かつ、改変前と比べてタンパク質あたりのジアホラーゼ活性が向上したポリペプチド。
本発明の別の態様として、以下のものが示されうる。
(5)前記の本発明のジアホラーゼが備えるアミノ酸配列をコードするDNAであって、以下の(A)〜(C)のいずれかのDNA。
(A)前記の「1−2.ポリペプチド」の項で示される(1)から(4)のいずれかで示されるジアホラーゼが備えるアミノ酸配列をコードするDNA
(B)配列番号1に示される塩基配列において、前記の(1)に示されるアミノ酸改変箇所に対応する塩基配列がメチオニン以外の異なるアミノ酸をコードするよう改変されており、さらに、前記改変箇所以外の箇所において変異を有する塩基配列からなるDNAであって、前記配列と配列番号1に示される塩基配列との同一性が80%以上であり、かつ、ジアホラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNA
(C)配列番号1に示される塩基配列において、前記の(1)に示されるアミノ酸改変箇所に対応する塩基配列がメチオニン以外の異なるアミノ酸をコードするよう改変されており、さらに、前記改変箇所以外の箇所において変異を有する塩基配列からなるDNAであって、前記配列が、配列番号1に相補的な塩基配列に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、ジアホラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNA
(6)前記のDNAを組み込んだベクター、
(7)前記のベクターを含むか、または、前記のDNAがゲノムDNA中に挿入されている形質転換体、および、
(8)前記の形質転換体を培地で培養し、前記形質転換体中または培地中に、ジアホラーゼを蓄積させ、蓄積したジアホラーゼを回収する工程を含む、ジアホラーゼの製造方法。
本明細書では、全米バイオテクノロジー情報センター(NCBI)の相同性アルゴリズムAdvanced BLAST 2.1において、プログラムにblastnを用い、各種パラメータはデフォルト値に設定して検索を行うことにより、ヌクレオチド配列の同一性の値(%)を算出する。
本明細書では、「ストリンジェントな条件」とは、以下に示す条件を言う。
ハイブリダイゼーション液として50%ホルムアミド、5×SSC(0.15M NaCl, 15mM sodium citrate, pH 7.0)、1×Denhardt溶液、1%SDS、10%デキストラン硫酸、10μg/mLの変性サケ精子DNA、50mMリン酸バッファー(pH7.5))を用いる。
このような条件でハイブリダイズするDNAの中には途中にストップコドンが発生したものや、活性中心の変異により活性を失ったものも含まれ得るが、それらについては、市販の活性発現ベクターに組み込み、適当な宿主で発現させて、酵素活性を公知の手法で測定することによって容易に取り除くことができる。
培養物の培地中に存在するジアホラーゼは、培養物を遠心または濾過して培養上清(濾液)を得、該培養上清から、例えば、塩析、溶媒沈澱、透析、限外濾過、ゲル濾過、非変性PAGE、SDS−PAGE、イオン交換クロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、逆相高速液体クロマトグラフィー、等電点電気泳動などの公知の分離方法を適当に選択して行うことにより得ることができる。
本発明の別の態様として、以下のものが示されうる。
(9)前記の本発明のジアホラーゼを含むプロダクト
本明細書において「プロダクト」とは、使用者が或る用途を実行する目的で用いる1セットのうち一部または全部を構成する製品であって、本発明のジアホラーゼを含むものを意味する。
本発明のジアホラーゼを用いて生体成分の濃度又は量を測定する限り、その態様は特に制限されないが、例えば、グルコース、ラクテートデヒドロゲナーゼ(LDH)、クレアチンキナーゼ(CK)、中性脂肪(TG)、胆汁酸および総分岐鎖アミノ酸(BCAA)などの生体成分等を測定するための試薬、キット、センサなど種々の形態が例示できる。
胆汁酸を測定する場合においても、3−α−ヒドロキシステロイド脱水素酵素が胆汁酸を基質として反応が進みNADHが発生するので、これを上記と同様の方法により比色定量することで胆汁酸の濃度を求めることができる。
BCAAを測定する場合においても、ロイシンデヒドロゲナーゼがBCAAを基質として反応が進みNADHが発生するので、これを上記と同様の方法により比色定量することでBCAAの濃度を求めることができる。
TGを測定する場合は、TGを基質とするリポプロテインリパーゼ、および、共役酵素としてグリセロールデヒドロゲナーゼを用いてNADHを生じさせることにより、ジアホラーゼによるTG濃度の定量が可能になる。
このような共役反応を適宜設計することにより、上記以外の生体成分の濃度又は量を測定することも可能である。
(1)改変の導入
配列番号2で示されるアミノ酸配列における、186番目のメチオニンをヒスチジンに置換するために、LacZプロモーター下流にGeobacillus sp. Y4.1MC1の211アミノ酸残基が挿入されたpBluescript KS(+)を鋳型として、配列番号3、4に示すミスマッチプライマーおよびPCRキット(TOYOBO製KOD plus)を用いて複製反応を行った。反応液組成および反応条件はキットに添付されているマニュアルに記載の通常のPCRの推奨条件に従った。複製産物を含む反応液50μLに制限酵素DpnIを1μL加えて37℃2時間処理することにより、鋳型であるpBluescript KS(+)を消化し、消化産物を大腸菌JM109(TOYOBO製コンピテントハイJM109)にヒートショックにより形質転換を行い、SOC培地を加えて37℃1時間振とうした後100μg/mLのアンピシリンを含むLB寒天培地に塗布、30℃で一晩培養することにより、形質転換コロニーを形成させた。形質転換コロニーを爪楊枝でついて100μg/mLのアンピシリンを含む5mLのLB培地に植菌、30℃一晩振とう培養した。この培養液より、プラスミド抽出キット(TOYOBO製、NPK−3)を用いてプラスミドを抽出、精製した。プラスミド中のジアホラーゼ遺伝子のシーケンスを解析した結果、186番目メチオニンをコードするコドンATGがヒスチジンをコードするCATに変換(すなわち、配列番号1に示す塩基配列のうち556番目のAがCに、557番目のTがAに、558番目のGがTにそれぞれ変換)されていることを確認し、このプラスミドをpBKS−DAD M186Hと名づけた。
(2)形質転換体の取得
pBKS−DAD M186Hを用いて、エシェリヒア・コリー(Escherichia coli)DH5α株コンピテントセル(TOYOBO製)を形質転換し、SOC培地中で1hr、37℃で前培養後、LB−amp寒天培地に展開し、コロニーである該形質転換体を取得した。得られた形質転換体を、エシェリヒア・コリーDH5α(pBKS−DAD M186H)と命名した。
実施例1にて取得した形質転換体エシェリヒア・コリーDH5α(pBKS−DAD M186H)のコロニーを一白金耳試験管5mLのLB液体培地(ポリペプトン1.0%、イーストイクストラクト0.5%、NaCl 1.0%、pH7.0)に100μg/mLのアンピシリンを加えたものへ植菌し、30℃で16時間培養した。培養終了より菌体を遠心分離により集菌し、50mMリン酸緩衝液(pH7.5)に懸濁した後、ソニケーターにて超音波破砕し、更に遠心分離を行い、上清液を粗酵素液として得た。
実施例2で得た粗酵素液中のジアホラーゼ活性を、上記1−1.に示したジアホラーゼ活性測定方法を用いて測定した。
その結果、形質転換体エシェリヒア・コリーDH5α(pBKS−DAD M186H)由来の粗酵素液にジアホラーゼ活性が存在することが確認された。
実施例1にて得られた形質転換体であるエシェリヒア・コリーDH5α(pBKS−DAD M186H)を前々培養LB液体培地5mL(100μg/mLのアンピシリンを含む)に一白金耳植菌し、30℃、180rpmで16時間振とう培養した。前々培養終了後、その培養液600μLを500mL容坂口フラスコ中の60mLB液体培地(100μg/mLのアンピシリンを含む)に一白金耳植菌し、30℃180rpmで一晩振とう培養した。この培養液全量を10L容ジャーファーメンター中の6L生産培地(ミーストP1G 6.0%、グリセロール0.4%、KH2PO4 0.23%、K2HPO4 1.25%、アデカノール0.2%、アンピシリンナトリウム100μg/mL、pH7.0)に全量投入し、通気量2L/分、攪拌380rpm、温度37℃で44時間攪拌通気培養した。これにより、1500U/mLのジアホラーゼを産生させた。
次に、得られた培養液を500mL容遠心管に分注し、高速冷却遠心装置で8000rpm30分遠心し、上清をデカントで除去することにより菌体を得た。菌体を1.0Lの20mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.5)に懸濁し、フレンチプレス破砕機により圧力80MPaで破砕した。続いて、エチレンイミン(ポリマー)(ナカライテスク株式会社)をポリエチレンイミン含有量5%になるように調整した5%ポリエチレンイミン溶液(pH7.5)を準備し、破砕液へ破砕液量に対し5%になるように徐々に添加して、室温で30分間攪拌した後、ろ過助剤を用いて余分な沈殿を除去した。次に0.2飽和になるように硫酸アンモニウム(住友化学(株)製)を徐々に添加し、硫安分画を行い、ジアホラーゼ活性を持つタンパク質の溶解液を回収した。さらに終濃度0.6飽和になるよう硫酸アンモニウムを徐々に添加し、再度硫安分画を行って、ジアホラーゼを沈殿させ、ろ過助剤を用いて回収し、ジアホラーゼを含む助剤を20mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.5)に懸濁した。次に、60℃で16時間加温処理を行い、凝集タンパクにより生じた沈殿をろ過助剤を用いて除去し、ジアホラーゼを含む上清を得た。この上清を分画分子量10,000の中空糸膜(スペクトラムラボラトリーズ製)を用いて濃縮したのち、Sephadex G−25のゲルを用いて脱塩すると同時に、20mMリン酸カリウム緩衝液から50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.5)へ緩衝液を置換した。その後、予め50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.5)で平衡化した400mLのDEAEセファロースFastFlow(GEヘルスケア製)カラムにかけ、同緩衝液でNaCl濃度を0.3Mまで上昇させることによりグラジエント溶出を行った。そして、溶出されたジアホラーゼ画分を分画分子量10,000の中空糸膜で濃縮後、濃縮液をSephadex G−25のゲルを用いて脱塩・20mMリン酸カリウム緩衝液へ緩衝液を置換し、835U/mgの精製酵素を得た。
次に、得られた精製酵素をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(PhastSystemおよびPhastGel(TM) Gradient 10−15 、GEヘルスケアバイオサイエンス製)に供した。この際、タンパク質分子量マーカーとしてフォスフォリラーゼb(97,000ダルトン)、アルブミン(66,000ダルトン)、オバルブミン(45,000ダルトン)、カルボニックアンヒドラーゼ(30,000ダルトン)、トリプシンインヒビター(20,100ダルトン)、α・ラクトアルブミン(14,400ダルトン)を用いた。
その結果、それぞれの酵素において単一のバンドが得られたことから、野生型ジアホラーゼと改変型ジアホラーゼが十分に精製されていることが分かった。
実施例4で得られた野生型ジアホラーゼと改変型ジアホラーゼの酵素溶液を用いて、タンパクあたりのジアホラーゼ活性を比較した。1−1.に記載のジアホラーゼ活性測定法により得られた結果と、A280吸光度法によるタンパク定量結果を表1に、タンパクあたりのジアホラーゼ活性(比活性)を算出した結果を表2に示した。
本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、及び特許公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。
Claims (7)
- 以下の(1)から(3)のうちいずれかで示され、かつ、ゲオバチルス・Y4.1MC1種(Geobacillus sp. Y4.1MC1)に由来する、ジアホラーゼ。
(1)配列番号2に記載のアミノ酸配列の第186番目、または、第186番目に相当するアミノ酸をヒスチジンに置換したアミノ酸配列からなるポリペプチド。
(2)(1)で示されるポリペプチドにおいて、さらに、配列番号2に記載のアミノ酸配列における186番目、または、第186番目に相当するアミノ酸以外の1または数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または付加されているアミノ酸配列からなり、かつ、改変前と比べてタンパク質あたりのジアホラーゼ活性が向上したポリペプチド。
(3)(1)で示されるポリペプチドにおいて、さらに、配列番号2に記載のアミノ酸配列における186番目、または、第186番目に相当するアミノ酸以外の箇所が改変されたポリペプチドであって、前記ポリペプチドのアミノ酸配列と配列番号2で示されるアミノ酸配列との同一性が90%以上であり、かつ、改変前と比べてタンパク質あたりのジアホラーゼ活性が向上したポリペプチド。 - 以下の(A)〜(C)のいずれかのDNA。
(A)請求項1に示されるジアホラーゼのアミノ酸配列をコードするDNA
(B)配列番号1に示される塩基配列において、請求項1の(1)に示されるアミノ酸改変箇所に対応する塩基配列がヒスチジンをコードするよう改変されており、さらに、前記改変箇所以外の箇所において変異を有する塩基配列からなるDNAであって、前記配列と配列番号1に示される塩基配列との同一性が90%以上であり、かつ、ジアホラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNA
(C)配列番号1に示される塩基配列において、請求項1の(1)に示されるアミノ酸改変箇所に対応する塩基配列がヒスチジンをコードするよう改変されており、さらに、前記改変箇所以外の箇所において変異を有する塩基配列からなるDNAであって、前記配列が、配列番号1に相補的な塩基配列に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、ジアホラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNA - 請求項2に記載のDNAを組み込んだベクター。
- 請求項3に記載のベクターを含むか、または、請求項2に記載のDNAがゲノムDNA中に挿入されている形質転換体。
- 請求項4に記載の形質転換体を培地で培養し、前記形質転換体中または培地中に、ジアホラーゼを蓄積させ、蓄積したジアホラーゼを回収する工程を含む、ジアホラーゼの製造方法。
- 請求項1に記載のジアホラーゼを含むプロダクト。
- 体外診断用試薬または体外診断用キットである、請求項6に記載のプロダクト。
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